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autolink ID/W13-001 カード名:裏社会に生きる少年 一方通行(アクセラレータ) カテゴリ:キャラクター 色:黄 レベル:1 コスト:1 トリガー:1 パワー:5000 ソウル:1 特徴:《超能力》? 【永】記憶 あなたの思い出が2枚以上なら、このカードのソウルを+1。 【自】アンコール[手札のキャラを1枚控え室に置く](このカードが舞台から控え室に置かれた時、あなたはコストを払ってよい。そうしたら、このカードがいた枠にレストして置く) 手間かけさせやがって レアリティ:RR illust. 11/01/28 今日のカード。 記憶によりソウルパンプ可能な手札アンコール持ちキャラ。 記憶に必要な思い出は2枚であり、同タイトル内の黄色には思い出に行くカードが御坂妹と待ち合わせと“無能力者”当麻くらいしかないため、 レベル1の段階では条件を満たせない可能性もある。 またソウルパンプもレベル1の時点ではそこまで効果的ではないことが多い。 いたずらっ子 打ち止めのシナジーで回収可能、かつパワーが最大6000まで上昇するが、打ち止め自体がそこまでパワーが高くなく、このカードもソウルパンプという性質上サイドで殴るカードになりそうである。 レベル1の時点よりは、コスト1で出せるソウル2キャラとして高ソウルが欲しい+ストックを温存したい終盤で活躍できるカードか。 RRというレアリティにしては、いささかパワー不足と言わざるを得ない1枚。せめてトリガー無しなら…… 劇画ショックを用いれば【伊織メガホン】のようなソウルゲーに挑む事が可能になる点は及第点。 記憶を発動できなかった場合は、こちらを用いてみたい。 ・関連カード カード名 レベル/コスト スペック 色 備考 いたずらっ子 打ち止め 0/0 500/1/0 黄 絆
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一方通行「ほら、打ち止めは小中と女子校通わせてンだろ?」 一方通行「今度行くのが男女共学の高校じゃねェか。オレにしてみれば不安でよ」 一方通行「アイツは今まで女だらけのトコロで育ってるから男の恐ろしさを知らねェンだよ」 一方通行「打ち止めが行くのはテメェが卒業したトコロなンだけど……」 一方通行「どォすりゃいいンだ? 上条」 上条「」 上条「どうすればって……」 上条「まあ、おめでとさん」 一方通行「こちとら全然めでたィ気分じゃねェンだよォォ!!」 上条「ビクッ」 一方通行「昨日入学式があったンだよ。まァ、打ち止めの保護者としてだな」 一方通行「まァ、黄泉川のいる高校だしよォ、ある程度の安心は出来ると思ってたンだよ」 一方通行「……でもなァ、世の中はそンなに甘くはねェンだな」 一方通行「打ち止めのクラス担任が訳わかンねェクソチビなンだよ。以前にも見たことはあったが、アレがホントに高校教師なのかァ?」 上条「いや、小萌先生だろ。うん、あの人はあーだから仕方ないっつーの」 一方通行「それだけじゃねェンだよォ!」 一方通行「なンか見るからにガラの悪そうなガキ共がいるしよォ、打ち止めの身に何かあったらどォすりゃァいいンだよ」 上条(駄目だコイツ) 一方通行「オレは学校なンざマトモに通った事はねェけどよ、高校ってのは小中と違ェンだろ?」 一方通行「カツアゲ、ケンカ、イジメに体罰。……言い出したらキリがねェ」 一方通行「もし、打ち止めがそンなのに巻き込まれたらどォすりゃァいいンだよォ!?」 上条「だ、大丈夫だっつーの。何処の世紀末じゃねえんだからさ」 上条「つーかオレの卒業した高校だろ? そこまでの不良はいないっつーの」 一方通行「いや、安心出来る材料がこれぽっちも見当たンねえな」 一方通行「そォだな、オレが毎日打ち止めについてけば問題ねェ。という事で早速行ってくる」 上条「コラ待てアホ」 ガシッ 一方通行「止めるな三下ァ!」 上条「うるせえ! つーか落ち着けバカ!」 上条「大丈夫だっつーの。小萌先生は良い先生だし、黄泉川先生だって安心できる人だろ?」 上条「それに3年には美琴の知り合いの佐天さん達もいるっつーの!」 上条「とにかく大丈夫だっつーの。な?」 一方通行「本当にか? 絶対か? 必ずか?」 上条「あ、ああ……」 一方通行「そォだな。……オレもちょっと熱くなりすぎたかもしンねェ」 上条「わかってくれたか」 一方通行「おゥ。つーことであの高校の監視カメラをハックしてくる」 上条「悲しいぐらいに改善ナシ!?」 一方通行「冗談だ、冗談」 上条「そ、そうか? ソレハヨカッタデス」 Prrrrrr♪ Prrrrrrr♪ 一方通行「ン、電話か」 一方通行「あァ、もしもしィ? ン? あァ、仕事か。わかった」 一方通行「っつー訳で用事が入った。じゃァな」 上条「……ったく、一応は説得したけど、本当にハッキングしたりしないだろうな」 上条「まさか、な。うん、大丈夫だよな、うん」 イーマナニモカモーガゼーロデモーキットミツケダーセル♪ 上条「あ、もしもし美琴か? うん、ああ講義終わったか」 上条「んー、そしたら第七学区のファミレスでいいか? ああ、待ってるわ」
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一方通行「『妹達』だって生きてンだぞ…?」 ① ② 戻る 次へ 1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/05(土) 02 12 53.36 ID IYgsr8KA0 一方通行「いよゥ、元気にしてたかァ?」 一方通行「つってもよォ…死ンでンのに元気ってのもおかしいよなァ」ヘヘッ 一方通行「あァ…悪ィ、オマエが気に入ってた子猫なァ…今日も見つかンなかったわ…」 一方通行「オマエもクソ猫も…皆、俺の傍からいなくなっちまう…」 一方通行「やっぱりよォ…孤独ってなァ寂しいわ、俺も死んだら…今度こそオマエと一緒になれンのかなァ…?」 一方通行「…ハッ、わァってンよ!まだ終わっちゃいねェ…それまでは絶対死なねェからよ!」 一方通行「約束しただろ?…なァ」 3 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/05(土) 02 15 04.28 ID bNyGJMVXO ―――数ヶ月前 一方通行「……」トコトコ 不良「待ちやがれ最強ッ!」ダッ 不良「一方通行ァァァァ!!」ザッ 不良「今度こそ引導を渡してくれるわーっ!」ブンッ ゴキボキベキンッ! 一方通行「……」トコトコ 不良「うっぎゃあぁああぁ!?」 不良「痛ぇ!痛ぇよおぉぉぉ!!」ゴロンゴロン 一方通行(くっっだらねェ、何が最強だ…) 一方通行(じゃァ最強じゃなくなったらどうなンだよ…) 一方通行(普通の日常に戻ンのか?何かが変わるのか…?)ザッ 一方通行「あァ~、また増えてンな…落書き」 4 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/05(土) 02 18 23.33 ID bNyGJMVXO 一方通行「俺に敵わねェからってやる事が古いンだよ…誰がロリコンだハゲが」ガチャ 一方通行「チッ、また寮監さンに怒られンじゃねェかよォ…」ボスッ 一方通行(もォいいや、今日は寝…) プルルルルル! 一方通行「あァ!?誰だァ俺の安眠を妨げようとするドカスは!」 プルルルルル! 一方通行(非通知…また実験か…?)ピッ 一方通行「現在この電話はお客様の都合により使われておりま…」 研究員『安い芝居だな、一方通行』 一方通行「チッ…俺ァ今気が立ってンだ、手短かに話せ」 研究員『実験だ、日時は明日の夜、場所は…』 プツッ、ツーツーツー… 一方通行「せめて内容くらい言えよなァ…」 5 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/05(土) 02 19 34.18 ID bNyGJMVXO ―――某研究所 一方通行「…特別クラス?」 研究員「そう、絶対能力(Lv6)に進化(シフト)するための特別クラスよ」 一方通行「Lv…6だァ?」 研究員「最強の超能力者であるキミだけに用意された…ね」 一方通行(また変な薬飲まされたり頭イジられンのかァ…) 研究員「実験内容は戦闘による能力の促進…キミにはある人物と二万回戦ってもらう事になるわ、相手は…」 一方通行「はあァァ!?二万回ィ!?」 研究員「えぇ、二万回」 一方通行「帰る」トコトコ 研究員「ち、ちょっ!?待ちなさい!」 6 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/05(土) 02 22 02.45 ID bNyGJMVXO 一方通行「今まで色ンな実験に付き合わされてきたけどよォ…今回のはクレイジーすぎンだろボケが」 研究員「無敵のLv6よ?…力が欲しくないの?」 一方通行「俺ァ既に学園都市最強なンだよ、これ以上何を望む?」 研究員「平穏な日常…かしら」 一方通行「……なンだってェ?」ピクッ 研究員「Lv6…無敵の力が手に入ればキミに挑もうって人間すらいなくなるんじゃないかしら?」クスッ 一方通行(コイツ…)イラッ 研究員「キミが今回の実験を成功させてくれるならば…」 一方通行「…あァ?」 研究員「今後一切我々はキミに関与しない、この条件ならどう?」 8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/05(土) 02 25 10.85 ID bNyGJMVXO 一方通行「オイオイ…そいつァマジな話ですかァ?」 研究員「約束するわ、そうでもしないと付き合ってくれないみたいだし…って上の方も判断したんでしょ」 一方通行「ケッ、よっぽど興味があンだなァ…前代未聞のLv6ってのがよォ」 研究員「で、どうするの?参加して平穏な日常を取り戻すか…」 研究員「断って一生を実験に委ねるか…」 一方通行「…チッ」 研究員「フフ…答えは決まってるわよね?ついてきなさい」クルッ 9 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/05(土) 02 26 13.11 ID bNyGJMVXO カツカツカツ… 一方通行「…オイ」ピタッ 研究員「なに?」 一方通行「なンだよ…あのデッケェ培養器はよ?」 (中に…何かがいる…?) ゴポッ… 研究員「アレがキミの相手…通称『妹達(シスターズ)』」 一方通行「オイオイ、まさか合成獣(キメラ)なンかと戦えってンじゃねェだろォなァ?」 研究員「フフ…相手が獣なら…」カツカツ… 一方通行(何だァ…胸騒ぎがしやがる…) 研究員「キミもやりやすいんだろうけどね…」ボソッ 10 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/05(土) 02 29 27.21 ID bNyGJMVXO 研究員「さ、この中が第一実験室…相手の準備はとっくにできてるわ」 一方通行「……」 研究員「フフ…緊張してるのかしら?レディーを待たせるもんじゃないわよ」ガチャ 一方通行「はァ?レディーだ…」 バタン 一方通行「…チッ」 ミサカ「熱源感知…アナタは絶対能力進化計画の被験者、一方通行(アクセラレータ)で間違いありませんね?」スッ… 一方通行「あァ?オマエは…」 ミサカ「…と、ミサカは確認を取ります」ザッ 一方通行「第三位…超電磁砲(レールガン)!?」 11 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/05(土) 02 33 30.75 ID bNyGJMVXO 研究員『聞こえるかしら一方通行?その娘がキミの相手、御坂美琴の…』 一方通行「こいつァ一体どういう事ですかァ!?」 研究員『いやだから…』 一方通行「第一位VS第三位!こんなビッグカード同士をギャラリーもいねェ場所で戦わせてンじゃねェよ勿体ねェ!」 ミサカ「いえ、ミサカは正式には超電磁砲…御坂美琴ではありま…」 一方通行「いいねいいねェ!楽しめそうな実験じゃねェかよォ!」 ミサカ「…なる程、これが通り名、『一方通行』と云われる所以…と、ミサカは納得します」 研究員『フゥ…まぁ良いわ、〇〇〇一号、始めなさい』 12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/05(土) 02 35 45.77 ID bNyGJMVXO ミサカ「了解しました、ではこれより…」スチャッ 一方通行「あァ、ちゃンとゴーグル付けとけよォ…?女の子がケガでもしたら大変だァ」コキコキッ ミサカ「第〇〇〇一次実験を開始します」バチッ… 一方通行「いいぜェ?どっからでもかかって来やがれ!」 ミサカ「お断りします」 一方通行「はあァ!?」 ミサカ「ミサカは一方通行の能力を把握していません…不用意に突撃するのは賢明な判断とは言えないでしょう…と、ミサカは自己の優秀性をアピールしてみます」 一方通行「あ、あァ…そうだよなァ」 (なる程な…勉強になンぜェ…!) ミサカ「よってミサカは射程圏に入るように…棒立ち状態の一方通行との間合いをジワジワと詰めます」ジリ… 15 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/05(土) 02 45 46.52 ID bNyGJMVXO 一方通行「ンな気張らなくてもよォ…」ザッザッ ミサカ「!?」 一方通行「オラ、これでオマエの距離だろ?」ザッ ミサカ「余裕ですね…それとも罠でしょうか?…と、疑いつつ…」チキッ 一方通行(ナイフ!?) ミサカ「ミサカは心臓目掛け切りかかりま…!」ヒュッ ベキンッ! ミサカ「……え?」 カランッカラーン ミサカ「何が起こったのでしょうか…?アーミーナイフが折れ…」 ズダアァァァン! ミサカ「あ゛ぅっ!?」 16 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/05(土) 02 47 16.96 ID bNyGJMVXO 一方通行「余所見が賢いとは言えねェよなァ…?ミサカちゃァァァン!?」ギリッ ミサカ「ぐっ…!?かは……ぁ゛…!」ミシッ…ミシッ… (い、息…が…!) 一方通行「オイオイ、まさかこれで終わりじゃねェよなァ…?第三位ともあろう者がよォ!?」ギリギリッ… ミサカ「が…ぐっ!」バチッ! 一方通行「お?」 バリバリバリイィッ!! ミサカ「っあ゛ぁ゛ああぁッッ!?」ビグッ! 一方通行「ざァ~ンねン♪」 シュウゥゥゥ… ミサカ「ぁ…う…」ガクッ 一方通行「…チッ」 (女に暴力は気が引けンな…クソっ!) 17 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/05(土) 02 50 08.87 ID bNyGJMVXO 研究員『流石ね、一方通行』 一方通行「実験は終わったンだ…早く超電磁砲を医務室に…」 研究員『まだ終わってないわ…殺しなさい』 一方通行「はあァ!?テメェ何ホザいて…」 研究員『安心なさい、その娘は超電磁砲…御坂美琴ではない…』 一方通行「……あ?」 研究員『彼女の体細胞を利用して作った…』 ミサカ「……」 研究員『模造品(クローン)なのよ』 18 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/05(土) 02 57 49.09 ID bNyGJMVXO 一方通行「なン…だと…?」 研究員『絶対能力進化計画…キミが成すのは二万人に及ぶ彼女達の殺害』 一方通行(さっきの培養器…あン中には…!?)ゾクッ 研究員『その娘は記念すべき一体目、キミに殺される為だけに生まれてきたのよ…だから殺しなさい』 一方通行「ぅ…!」 研究員『何してるの?ホラ早く…』 ミサカ「……」 研究員『……殺せっ!』 一方通行「イ…だ…」 研究員『殺せ…!殺せっ!殺せ殺せ殺せ!殺せ!殺せ!殺せ!殺せ!殺せ!殺せ!殺せ!殺せ!』 一方通行「やめろ…!イヤ…だ…」 ミサカ「……」 『殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺』 一方通行「やめろ……やめろおおオォォォォッッ!!」 19 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/05(土) 03 00 38.61 ID bNyGJMVXO ―――医務室 ミサカ「ぅ…ん…?」パチ ミサカ(ここは…?私は…生きているのでしょうか?) 一方通行「よォ…目ェ覚めたかァ?」 ミサカ「!?っ」ビクッ 一方通行「何驚いてやがンだ?検体番号(シリアルナンバー)〇〇〇一号」 ミサカ「一方通行…?どうしてアナタが…」 一方通行「おいィ?それが朝まで看病してやったヤツに言うセリフかァ?」 ミサカ「看病…?やはり…私を生かしたのですね」 一方通行「何だ、そんなに殺して欲しかったのかァ?」 ミサカ「はい」 一方通行「……」 21 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/05(土) 03 03 23.29 ID bNyGJMVXO ミサカ「まだ遅くありません、今すぐ私を殺してください!…と、ミサカは…」 一方通行「るっせぇンだよ!!そンな軽々しく殺してくれなンて言うンじゃねェ!」 ミサカ「わけが…わかりません、アナタは実験に参加した…ならば私を殺すのは至極当然…」 一方通行「ワケわかンねェのはこっちだ…何なンだ、このイカレた実験はよ?」バサッ ミサカ「計画書類…?それに実験前のあの口ぶり…!まさか内容も知らずに参加したのですか!?」 一方通行「あァ、そォだよ」 ミサカ「信じられません…と、ミサカは一方通行の自由奔放さに落胆します」 一方通行「つってもまだ参加するって返事はしてねェ…悪ィが今回の実験はパスだ」 ミサカ「そ、そんな!どうしてですか!?」ガバッ 一方通行「あンまり動くンじゃねェよ…お身体に障りますよォ?」 ミサカ「構いません、どうせ長くは生きられないのですから…」 一方通行「…そォか」 22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/05(土) 03 06 07.74 ID bNyGJMVXO ミサカ「計画はここで中断…?だったら私達は…『妹達』の存在理由は…」 一方通行「オマエ…おかしいと思わねェのかよ!?自分が殺される実験に付き合うなンてどうかしてる!」 ミサカ「ミサカは…アナタに殺される為だけの実験動物として作られました」 一方通行「オマエは…!」 ミサカ「それを否定されるという事は、誰からも必要とされない…死ぬよりも辛い事なのです」 一方通行「何言ってやがる…死ンだらそれで終わりだろォが…」 ミサカ「死ぬと言っても…我々『妹達』は脳波を常にリンクさせ、ネットワークを形成しています」 一方通行「…はァ?」 ミサカ「各個体の記憶の共有、意志の伝達が可能…私が死んでも変わりなど、いくらでもいます」 23 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/05(土) 03 09 07.84 ID bNyGJMVXO 一方通行「そンなのはどうだっていいンだよ…オマエ自身はどうなンだ!?」 ミサカ「え…?」 一方通行「オマエは何の為に生きてンだって聞いてンだよォ!?」 ミサカ「…?ミサカの存在理由は…先ほど宣告した通りアナタに殺される事ですが?」キョトン 一方通行「違ェよ!だから…その…俺が言いてェのはだなァ…!」 (だあァ上手く言えねェなァ!) ミサカ「一方通行…アナタは今、混乱状態に陥っているのでは?…と、ミサカは推測します」 一方通行「クッ…!」ガタッ ミサカ「どこへ行くのですか?…と、ミサカは寝不足で眼が真っ赤になってる一方通行に問い掛けます」 一方通行「帰るンだよ!あと眼の色は元々だァ!」ガチャ ミサカ「一方通行…」 一方通行「…あァ?」 25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/05(土) 03 10 29.73 ID bNyGJMVXO ミサカ「看てくださって…ありがとうございました」ペコリ 一方通行「お、おゥ」テレッ ミサカ「…と、ミサカは社交辞令」 一方通行「……」イラッ ミサカ「…?どうかされましたか?」 一方通行「るっせェ!何でもねェよ!」 ミサカ「そうですか」 一方通行「明日…いや、今夜また来るかンな、変な気起こすンじゃねェぞ」 バタン ミサカ「やはり一方的ですね…と、ミサカは溜め息をつきます」フゥ ミサカ「……」 ミサカ(生きる意味…ですか) 26 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/05(土) 03 12 09.15 ID bNyGJMVXO 一方通行「…チッ」 研究員「返事は決まったのかしら?一方通行」 一方通行「…少しだけ…」ボソッ 研究員「うん?」 一方通行「もォ少しだけ考えさせてくれや…」 研究員「それは良いけど…なるべく早くしてくれるかしら?『妹達』の維持費もバカにならないんだし」 一方通行(やっぱりな…ミサカ達を道具としか扱ってねェ…) 研究員「…何か?」 一方通行「俺が参加しなかったら…どうなンだ?」 27 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/05(土) 03 15 09.01 ID bNyGJMVXO 研究員「何がよ?」 一方通行「ミサカ達はどうなンだって聞いてンだよォ!?」 研究員「さぁね…全部上が決める事だから…」 研究員「廃棄処分…ってトコかしら?」 一方通行「テメェ…本気で言ってンのか…?」 研究員「やっぱ高いし私ならそうするわね…あ、奴隷として売るのはどう?」クスッ 一方通行「『妹達』だって生きてンだぞ…?」 研究員「…フッ」 一方通行(こンな奴らに運命決められて…良いワケがねェだろォが…)ザッザッ 研究員「若いわね…」 28 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/05(土) 03 17 50.87 ID bNyGJMVXO ―――BOOK ON 一方通行「…チッ」パラパラ… 一方通行(まさか俺が本屋で立ち読みたァな…)パラ… 一方通行「え~と、おとなしいあの娘との弾む話術…あった」スッ ペタッ 一方通行「お?」 上条「あ」 一方通行「……」ジー (Lesson1…決して笑顔を絶やさねェ事…) 上条「え、え~と…この本ちょっと良いですか?な~んちゃって…」ナハハハ (こ、この人怖えぇ~!) 一方通行「いやいやァ、気になるなら先に見ちゃって全然構いませンよォォ?」ギョロリッ 上条「ききき急用を思い出したんで僕はこれでぇぇぇ!!」ダッシュ! 一方通行「あっ…」 上条(いきなりガン付けられた…!不幸だあぁぁぁぁ…!!)ドドドドド… 一方通行「チッ、全然ダメじゃねェか…この本はクソ以下だな」 31 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/05(土) 03 29 01.47 ID bNyGJMVXO ―――某研究所 一方通行「いよゥ、もう起きて大丈夫なのかァ?」 No.18「…?ミサカは生まれてからも至って健康ですが…と、ミサカは恐らく人違い…もといミサカ違いしているであろう一方通行に返答します」 一方通行「エ…オマエの検体番号は?」 No.18「〇〇一八号です…と、ミサカは的確な数字を答えます」 一方通行「じゃァ…〇〇〇一号は?」 No.18「まだ医務室です…と、ミサカは部屋の場所を指差します」ピッ 一方通行「チッ、紛らわしいンだよなァ」トコトコ No.18「待ってください」 一方通行「あァ?」 No.18「只今ミサカネットワークの初期不良の為、一時的に全ての回線を切断しています」 一方通行「へェ…ンな事もできンだな」 No.18「くれぐれも無防備な〇〇〇〇一号にイタズラしないよう願います…と、ミサカは思春期真っ盛りの一方通…」 一方通行「アアアアホかテメェはァ!?」 32 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/05(土) 03 33 19.31 ID bNyGJMVXO ―――医務室 ガチャ 一方通行「うォ~い、生きてっかァ?」ヒョコ ミサカ「スー…スー…」 一方通行「ケッ、幸せそうに寝やがってよォ…」ガタッ ミサカ「ぅ…ん…」ゴロン 一方通行(誰がどう見たって…普通の人間じゃねェか…) 一方通行「なァ…オマエの幸せってなァ本当に死ぬ事なのか?」 ミサカ「……」 一方通行「俺ァ今まで色ンな実験に身体貸してきたけどよォ…一線は越えてねェ、やっぱ人殺しにだけはなりたくねぇンだ」 ミサカ「……」 33 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/05(土) 03 39 07.98 ID bNyGJMVXO 一方通行「他の奴らはどうかは知ンねェ、でも俺ァ…オマエ達がちゃンとした…立派な人間だと思ってる」 ミサカ「……っ!」 一方通行「人間の形してやがるし…喋る事も歩く事も食べる事だって出来ンだろ?」 一方通行「要するに…怖いンだよ、学園都市…いや、世界最強の俺が人間殺すのにビビっちまってンだ」ブルッ ミサカ(一方通行…) 一方通行「それも二万回…?オマエ達は死ぬのが怖くねェのかよ?メチャクチャ痛くて苦しいンだぞ…?」 一方通行「俺は…人殺しなンてしたくねぇンだよォ…」ブルブル ミサカ「……」ムクッ ムギュッ 一方通行「!?っ」 ミサカ「怖く…ありませんよ?」ギュッ 一方通行「オマ…!?」 36 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/05(土) 03 43 29.13 ID bNyGJMVXO ミサカ「我々『妹達』には喜怒哀楽…感情と呼ばれる概念は学習しておりません、と言ってしまえばそこまでですが…」 一方通行(感情が…ない…?) ミサカ「先刻告げた通り、例え私が死のうと私の意志はミサカからミサカへ伝達されます」 ミサカ「二万回死ぬ事に変わりはありませんが…心は他のミサカの中で生き続けます、永遠に…」 一方通行「違ェよ…今のオマエはここにしかいねェだろ!?」 ミサカ「アナタは優しいのですね、一方通行…と言いつつ、ミサカは震える白髪男をナデナデ」ナデナデ 一方通行「オ、オイ!?」ドキッ ミサカ「心拍数が増加しています…緊張状態にあるのですか?一方通行」 一方通行(暖けェなァ…これが人の温もり…) ミサカ「抱擁とは…対象を最も安心させる事のできる行為です」ナデナデ 一方通行(頼む…もっとだ、もっとくれ…!)ギュッ 37 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/05(土) 03 45 27.55 ID bNyGJMVXO ミサカ「性的な意味はありません」ケロッ 一方通行(野っ郎ォ…) ミサカ「我々『妹達』の覚悟はできています…あとはアナタの問題ですよ?一方通行」 一方通行「感情がない…覚悟はできてる…だァ?」 ガバッ ミサカ「ぁっ…!」ボスッ 一方通行「だったらよォ…今からオマエをメチャクチャに犯しまくっても何とも思わねェって事ですかァ?」ズイッ ミサカ「犯す…?一方的な生殖行動でしょうか?…と、ミサカは息が吹きかかる程接近している一方通行に問い掛けます」 一方通行「…どォなンだよ?」 43 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/05(土) 07 35 32.55 ID bNyGJMVXO ミサカ「それを成す事でアナタの不安が取り除かれるのならば…ミサカは大人しく目を瞑りましょう」 一方通行(あくまで実験の為…か) ミサカ「どうしたのです?来ないのですか?…と、ミサカは内心ドキドキながらも平静を装います」 一方通行「くそッ…!」パッ ミサカ「一方通行…?」 一方通行「冗談だよ…ちっとばかし怖がらせてやろォと思っただけだ…」 ミサカ「私の身体はそんなに魅力が無いのでしょうか?…と、ミサカは隆起の乏しい自らの胸を…」 一方通行「冗談だっつってンでしょォがァァ!?」 ミサカ「…そうですか」 44 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/05(土) 07 47 03.71 ID bNyGJMVXO 一方通行(チッ、調子狂わされっぱなしだなァ…)ポリポリ ミサカ「一方通行、アナタは何の為に戦うのですか?…と、ミサカは問います」 一方通行「あ?」 ミサカ「アナタは既に学園都市最強のLv5です、それ以上の力を何故求めるのですか?」 一方通行「俺ァただ…いつもの日常に戻りてェだけなンだよ」 ミサカ「…?」 一方通行「わかンねェよなァ…ガキの頃から毎日毎日得体の知れねェ実験に付き合わされ、歩いてるだけで喧嘩ふっかけられる非日常」 一方通行「そンで今度は殺しだぜ?俺ァもう嫌なンだよこンな生活…」 ミサカ「…一方通行、質問の答えになっていませんよ?…と、ミサカは冷静にツッコミを」 一方通行「最後まで聞け……アイツらは今回の実験に付き合えば二度と俺には絡まねェって条件を出してきやがった」 一方通行「普通の日常がどンなだったかなンてとっくの昔に忘れちまったけどよォ…無敵のLv6、それさえあれば戻れンだ」 45 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/05(土) 07 58 32.50 ID bNyGJMVXO ミサカ「実験から解放され…絶対的な力で他者を寄せ付けないと言いたいのですか?」 一方通行「……」 ミサカ「それは元に戻ったとは言えません、孤独になっただけではないのですか?…と、ミサカは結論付けます」 一方通行「孤独かァ…構わねェよ、今までだってそうだったンだ」 ミサカ「それがアナタにとっての本当の幸せなのですか?」 一方通行「それは…」 ミサカ「人殺しになるという代償を背負ってまで掴まなければならない日常なのですか?…と、ミサカは一方通行に迫ります」ズイッ 一方通行「な…」プルプル ミサカ「?」 一方通行「何なンだよオメェは!?さっきまで自分を殺せっつってたじゃねェか!意味わかンねェ奴だなァもう!」プンプン 46 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/05(土) 08 26 14.01 ID bNyGJMVXO ミサカ「私でも何を言ってるのかわかりません…ただ」 (何でしょう…?この感覚は…) 一方通行「ただァ?」 ミサカ「アナタにはこの実験を拒否する権利があるという事です」 一方通行「…あァ」 ミサカ「先程告げた『覚悟』とはアナタに殺される事だけではありません」 一方通行「あ?」 ミサカ「実験動物としての最期を迎えられなくても良い…アナタの話を聞いてそう思いました」 一方通行「ミサカ…?」 ミサカ「これは私、〇〇〇一号個人の思想ですが…と、ミサカは念の為に補足します」 一方通行(そォか…コイツは知らねぇンだな…) ミサカ「…聞いているのですか?一方通行」 一方通行(役割を失った『妹達』がどんな酷ェ扱いを受けるのか…) 47 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/05(土) 08 27 14.04 ID bNyGJMVXO ミサカ「無視しないでください一方通行…と、ミサカは少々不機嫌になります」ムスッ 一方通行(救ってやりてェ…何とかしてやりてェよ…!) ミサカ「…どうしたのですか?」 一方通行「……いや」 ミサカ「?」 一方通行「実験には参加する、俺がオマエを…」 一方通行「『妹達』を…殺す、幸せにしてやンよ」 ミサカ「…本当に良いのですか?」 一方通行「あァ…だから望みを言え」 ミサカ「望み…ですか?」 一方通行「オマエだって死ぬ前にやってみてェ事くらいあンだろ?叶えてやるよ…俺が何でも叶えてやる」 49 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/05(土) 08 32 15.28 ID bNyGJMVXO ミサカ「いけません、実験動物がそんな勝手な…」 一方通行「死のうとしてンだ、我が儘くらい許されンだろ」 ミサカ「本当アナタは強引ですね…と、ミサカは心底呆れ果てます」ハァ 一方通行「るっせェなァ…」 ミサカ「…外」ボソッ 一方通行「…あン?」 ミサカ「ミサカは研究所より外の世界に興味があります…と、ミサカは窓を指差しながら本音を告げます」ピッ 一方通行「オマエ…ここから出た事ねェのかよ?」 ミサカ「確かに外部研修というプログラムもありますが…我々序数体は実験室での戦闘の為、外を知る必要がありません」 一方通行(何一つ人間らしい事ができねェまま死ンで行くのかよ…) ミサカ「しかし外は寒そうなので出たいようで出たくない微妙な心境です…と言いつつミサカは毛布にくるまります」モソモソ 一方通行「……」 50 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/05(土) 08 35 59.10 ID bNyGJMVXO ミサカ「明日の朝に迎えに来て欲しいです…と、ミサカは一方通行にお願いします」ペコリ 一方通行「うえェ…日の光はあンま好きじゃねぇンだよなァ…」 ミサカ「ミサカの我が儘を聞いてくれるのでしょう?…と、ミサカは上目使い」チラッ 一方通行「へーへー、わかりましたよォ…」トコトコ ミサカ「…一方通行」 一方通行「…ンだよ?」 ミサカ「呼んでみただけです」 一方通行「……」イラッ ミサカ「何だか良いですね、ネットワークに頼らず直接会話をするのは…と、ミサカはしみじみ思います」フヘッ 一方通行「オイ、何だァ今の腹立つ顔…笑ったのか?」 ミサカ「…何がですか?…と、ミサカは首を傾げます」 51 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/05(土) 08 38 54.46 ID bNyGJMVXO 一方通行「自覚ねェのか…?まァいいや」 ミサカ(笑った…?私が?) 一方通行「じゃあな、外に出る事ァ他のミサカ達にも秘密だかンな」ガチャ ミサカ「一方通行」 一方通行「だ~か~ら~、一体何なンですかァ!?」クルッ ミサカ「ありがとうございます…と、ミサカは感謝の気持ちを表します」ペコリ 一方通行「…バカ野郎、殺し合いする相手に感謝なンてすンじゃねェよ…」 バタン ミサカ「……」 ミサカ(…一方通行、アナタは…) 一方通行(構わねェ、ミサカ達の幸せが俺に殺される事だってンなら…)カツカツ… ミサカ(自分の心まで殺して…我々を救うつもりなのですか…?) 一方通行(やってやンよ…!人殺しだろォが何でもやってやる!) 62 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/05(土) 12 15 59.37 ID bNyGJMVXO ―――翌日 研究員「…よし、健康状態はオールクリアーね」 ミサカ「一方通行は計画に参加する意志を見せました…と、ミサカは報告します」 研究員「知ってるわよ、昨日…いや、今日の明け方に連絡あったからね…」カタカタカタ ミサカ「…そうですか」 研究員「随分仲良いみたいじゃない?彼と」 ミサカ「そんな事ありません、どの道…殺し合う運命ですから」 研究員「彼言ってたのよ?『俺が実験に参加するのは平凡な日常とか…ましてやテメェらの研究の為だとか断じてねェ』」 研究員「『全てはミサカを…妹達を解放する為だ』…ってね?」 ミサカ(一方通行…) 研究員「フフ、フ…!殺して…救う?」プルプル ミサカ「……」 63 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/05(土) 12 18 17.97 ID bNyGJMVXO 研究員「本当笑っちゃうわよね、最強の一方通行ともあろう者が…!たかが人形の為に!アッハッハッハ…!」 ミサカ「彼を…笑わないでください」ボソッ 研究員「……なに?」 ミサカ「彼…一方通行は誰よりも強く、優しく…そして繊細なんです」 研究員「何があったかは知らないけど…どうやらおかしいのは彼だけではないみたいね?〇〇〇一号…」ヒクッ ミサカ「我々『妹達』を見下すのは構いません、しかし彼を笑うのだけはやめてください…と言い捨てつつミサカは退室します」ガチャ バタン 研究員「〇〇〇一号…いけない子ね、欠陥品の中の欠陥品ってトコかしら?」チッ 64 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/05(土) 12 24 14.56 ID bNyGJMVXO ミサカ(私は一体どうしてしまったのでしょうか…?)トコトコ ムギュッ ミサカ「ぁっ…!?」 No.07「〇〇〇一号~っ…と、ミサカはいきなり後ろから抱きつきます」ギュッ No.23「一日休んで快復しましたか?」 ミサカ「はい、元気いっぱいです…と、仁王立ち」フンス No.18「昨夜は一方通行に変な事されませんでしたか?…と、ミサカは少々興奮気味に…」ワクワク ミサカ「押し倒されました…と、ミサカはあながち間違いではない事実を打ち明けます」 No.07「やはり男性は怖いのですね…と、ミサカは怖いという感情を存じませんがこんな場合はこう言うものなのだと勝手に解釈します」 No.23「ほほぅ、それでどうなったのですか?…と、ミサカは冷静を装いつつ興味津々」 ミサカ「何もありませんでした」 No.07「え?」 65 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/05(土) 12 30 14.93 ID bNyGJMVXO No.18「何か太くて硬いモノをねじ込まれたりとかは…?」 ミサカ「何もありませんでした…と、ミサカは首を横に振ります」ブンブン No.18「チッ、根性なしが…と、ミサカは一方通行に舌打ち」 No.07「日本には『据え膳食わぬは男の恥』ということわざがあります」 No.23「そんな事より、ネットワークは今日の午後二時に復旧する予定です」 ミサカ「ご報告ありがとうございます…と、ミサカはペコリ」ペコリ No.23「ネットワークさえあればこうやって全員に連絡する手間が省けるのですが…と、ミサカは少々呆れ気味」ヤレヤレ No.07「ネットワークと言えば…近々『上位個体』の性能テストも開始される予定ですよ?…と、ミサカは暇つぶしにハッキングした内容をぶっちゃけます」 66 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/05(土) 12 32 10.92 ID E3N7ADFeO 18が控えめな20000に見えるなwww 67 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/05(土) 12 32 33.77 ID bNyGJMVXO ミサカ「上位…個体?」 No.07「ミサカネットワークを統べるマザー…詳しい内容はわかりませんが、検体番号二〇〇〇一号…唯一死ぬ必要がないミサカです…と、ミサカは簡潔に説明します」 ミサカ「死ぬ必要が…無い…」ボソッ No.18「…?」 No.23「〇〇〇一号、どうかしましたか?」 ミサカ「…いえ、何でもありません…では」トコトコ ミサカ(今…私は羨ましいと感じたのですか…?)トコトコ ミサカ(わかりません…何かの病気なのでしょうか…)ガチャ 一方通行「遅ェぞ!一体どこほっつき歩いてやがったンだァ!?」プンスカ ミサカ「一方通行…来てたのですか」 一方通行「オマエが来いつったンじゃねェか!?」 ミサカ「すいません、健康診断です…今から着替えますから」トコトコ ヌギヌギ 一方通行「エ…?お、おいィ?」 パサッ 68 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/05(土) 12 36 15.93 ID bNyGJMVXO ミサカ「…?どうかしましたか?…と、ミサカは赤面している一方通行に問い掛けます」 一方通行「ババババカ野郎!?テメェ何男の目の前で素っ裸になってやがンだァ!?」ドキドキドキ ミサカ「着替える為ですが…?」 一方通行「アホアホアホッ!!ここここっち向くンじゃねェよォ!さささっさと服着ろ服ゥっ!」クルッ ミサカ「了解しました」モゾモゾ 一方通行(クソっ!羞恥心ってもンが…あ、ねぇンだったな…)ドキドキドキ モゾモゾ…キュッ ミサカ「着替え終わりました…と、ミサカは報告します」 69 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/05(土) 12 40 49.85 ID bNyGJMVXO 一方通行「つっても女の身体ってなァあンな風になってやがンだなァ…今までモザイク有りしか見た事ねェからよォ…」ブツブツ ミサカ「着替え終わりましたよ、聞いてますか?…と、ミサカは部屋の隅っこで小さくなっている一方通行に再度報告します」 一方通行「お、おォ悪ィ……って」クルッ ミサカ「どうですか?…と、ミサカは手を後ろに組んで可愛さアピール」ムンッ 一方通行「おゥ、なかなか似合って…じゃねェよ!オマエ常盤台の制服で外出る気かァ!?」 ミサカ「確かに外は寒いですが冬服なので何とかなりま…」 一方通行「そういう問題じゃねェよ!オリジナルと遭遇したらどうすンだ!?」 ミサカ「オリジナル…御坂美琴ですか?」 一方通行「それ以外誰がいンだよ…自分のクローンがいるなンてどうせアイツも知らねぇンだろ?」 ミサカ「しかしミサカにはこれしか手持ちがありません、俗に言う一張羅です」 70 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/05(土) 12 43 07.69 ID bNyGJMVXO 一方通行「チッ、仕方ねェなァ…オラ行くぞ」ガラッ ミサカ「…そこは窓ですが?」 一方通行「アホ、オマエはのこのこ正面から出て行くつもりかァ?」 ミサカ「しかしここは三階ですよ?ケガでもしたら…」 一方通行「最強の一方通行様を甘く見ンじゃねェよ、しっかり掴まってなァ…」グイッ ミサカ「お姫様抱っことはなかなか大胆ですね…と言いつつミサカは一方通行に抱きつきます」ギュッ 一方通行「おらよっ!」ピョンッ …ズダンッ! 一方通行「どうだどうだァ?例え宇宙の彼方からでも余裕で着地してやンよ」ヘヘッ ミサカ「……」ジー 一方通行「…ンだよ?」 ミサカ「何だか捕らわれのお姫様を救い出す王子様みたいですね…と、ミサカは…」 一方通行「悪くねェなァ…何ならこのまま連れ去ってやろうかァ?」 ミサカ「冗談が過ぎますよ?一方通行…」 一方通行「わァってンよ、オラ行くぞォ」トコトコ 戻る 次へ
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*アニメ新規情報のみの索引はこちら ア行 一方通行(アクセラレータ) 一方通行(アクセラレータ)【能力名】 一方通行の杖 伊東(いとう) 空気分断(エアロセパレイター) エステル=ローゼンタール 演算補助デバイス カ行 カエル顔の医者 学園都市(がくえんとし) 禍斗(かと) 棺桶 棺桶【プロトタイプ】 木寺実莉(きでらみのり) 窮奇(きゅうき) 渾沌(こんとん) サ行 念動能力(サイコキネシス) 妹達(シスターズ) 死霊術(しりょうじゅつ) 屍喰部隊(スカベンジャー) ステルスハイド(未編集) 聖音高等学校(せいいんこうとうがっこう) 清ヶ(せいけ) タ行 対一方通行用兵器 大気連続体力学研究所 鷹田杳子(たかだようこ) ダックスフント 超能力(ちょうのうりょく) 超能力者(ちょうのうりょくしゃ) 饕餮(とうてつ) ナ行 ナンバーズの悪霊 名荷原弘見(なかはらひろみ) ナル ネイサン=ローゼンタール ハ行 発火能力(パイロキネシス) 菱形蛭魅(ひしがたひるみ) 菱形幹比古(ひしがたみきひこ) ブリーダー 鳥瞰把握(プレデター) ヤ行 薬丸(やくまる) 芳川桔梗(よしかわききょう) 黄泉川愛穂(よみかわあいほ) ラ行 打ち止め(ラストオーダー) リーダー(屍喰部隊) 強度(レベル) 超能力者(レベル5) A~Z DA(ディシプナリー・アクション) 『DA』の戦闘員
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沙耶「上条君?もう行くの?」 仮面男(上条)「あぁ、確かめたいことがあるんだ」 絹旗「昨日、一方通行と超話してたことですか?」 上条「ああ。もう、覚悟は決まった」 沙耶「そう…早いわね。それじゃ、準備しますか」 仮面女2(絹旗)「私は聞きませんよ、まだ超消えたくないので」 上条「それでもいいさ。どちらにせよ、俺はそう簡単に消えるつもりなんてないから安心しろ」 仮面女1(沙耶)「そうよね、あたし達二人から始まったんだもの。勝手に消えられちゃたまらないわ」 上条「そうだな、沙耶」 沙耶「か、勘違いしないでよね!深い意味なんてないんだからっ。あたしは理樹君一筋なのわかってるわよね!?」 上条「あぁ…俺だって、あいつ一筋さ」 絹旗「ムス。超惚気がうざいです」 上条「戦う前に死亡フラグってか?」 沙耶「あら、なら何百回も死んでるあたしはどうなるのかしら…ってどんだけ間抜けなカミングアウトよあたし!」 上条は銃を握り締め、立ち上がる。 上条「ま、とりあえずあの学校を占領しに行こうぜ」 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ゆり「っ!来たわよ!」 日向「なに!?マジで来やがったのか」 やって来たのは一人。 仮面の男だ。 堂々と校門を飛び越えて入って来た。 ゆり「あなたの名前はもうわかってる。上条当麻さん?仮面を外したら?」 無言で仮面を外す上条。 その目は冷え切っている。 上条「…少ないな、たかが四人か」 ゆり「あら?今回は一人で来たみたいだけど、随分余裕そうね。あなたの右手が消す力だってのはわかってるわ。でもそれだけで、どこまでやるつもり?」 日向「俺たちを追い込めたら、増援を呼んでやるよ」カチャ 松下「悪いが、俺は柔道五段でな。見たところ鍛えてるようだが、寝技に持ち込んだら終わりだ」 大山「後方からのスナイプは任せーー」 大山「っ!?」ゾクッ 教室からスコープを介して上条を見ていた大山。 その上条がニヤリと笑い、大山と目が合った。 ゆり「とりあえず、目的を話してもらうわよ」カチャ ゆりが銃を上条に向ける。 上条「いいだろう」カチャ 素早い動作で、上条も拳銃をゆりに向けた。 上条「言っておくが、俺はお前より素早く撃てるぞ」 ゆり「あたしの実力も知らずによく言えるわね」 上条「…お子様ごっこの戦いに、銃なんて持ち出してるやつに言われたくないな」 上条「昨日、言ってやっただろ?せめてあの忍者女を用意しとけば変わったかもしれないが」 上条「いいか、よく聞け。ーーお前が引き金に力を込めようとした瞬間、俺はお前を撃ち殺す」 ゆり「っ……」 ゆりは一方通行からの情報を思い出す。 ~~~~~~~~~~~~ 一方通行『あいつの名前は上条当麻。魔術だろォが超能力だろォが打ち消し、神の奇跡すらぶち壊した野郎だァ』 一方通行『一つの戦争が終わった。それから数年後、上条は必要悪の教会っつー組織に入ったンだ。そして二年間、体術や拳銃の扱いを学び、いくつもの戦線を潜り抜けてェきた。あいつは右手で魔術を消し、左手で銃を扱った。この世界の武器を打ち消したから恐らくこの世界でも、同じスタイルを使うだろォな』 ゆり『彼の右手は、この世界の何を消すことができるの?』 一方通行『調べてみねェとわかンねェが…簡単に言うとォ幻想殺しの本質は、常識外に存在するものの打ち消しだァ。この死後の世界は元からあンだろォな。だからあいつがここに居ても世界が壊れねェ。だが、誰かしらが創り出したもンは違ェ。土をこねて記憶を頼りに産み出した武器、パソコンを使ってェ能力を産み出した天使の能力。これらはあいつの右手で消せンだろォな。だが、安心しろ。俺ら人間は消せねェから。…NPCは知らンが』 一方通行『一つ、忠告をしてやる。俺ァあいつに勝ったことがねェ。過去二回負けてるンだ』 一方通行『だからな?…俺を倒せるつもりで向かわねェと、絶対に勝てねェぞ』 ~~~~~~~~~~~~ ゆり「(一方通行君の言った通りだわ。この上条っていう人、あたし達より明らかに戦い慣れてる…!)」 ゆり「…それで…目的は何?」 上条「この学校を占領することだ」 ゆり「なっ!?」 日向「何言ってんだよ!この学校には他の生徒だって…!」 上条「だから、どうした?NPCなどただのプログラムだろ?」 ゆり「占領って…具体的には何をするつもり?」 上条「まずお前らは俺たちの下についてもらう。あとはこの学校のNPCを使わせてもらう」 ゆり「NPCを、使う?」 上条「そうだ。この学校のNPCの支配者は誰だ?」 ゆり「なに、それ…」 上条「はあ?…おいおいマジかよ」 上条「あー、お前ら何してたんだよ?じゃああれか、支配者はお前らが知らないやつってことか?…うわー期待外れにも程があんだろ…」 ゆり「な、何を言ってんのよ!?」 上条「……」 ゆり「支配者って…何よ…裏から操ってるやつがいるってこと!?」 ゆり「まるで、神様の真似事じゃない!そんなやつが…っ!」 カチャ! ゆり「もっと、詳しく話しなさい…!」 上条「……」 上条「……はっ」 ゆり「神が、この学校にいるの!?どうなの!?早く!説明しなさい!」 日向「お、おい!ゆりっぺ!」 上条「もういいや。お前らに用はないから。好きに武装ごっこでもしてろよ」スタスタ 上条がゆりのほうに歩いてくる。 拳銃も下ろして、緊張を解いて。 ゆり「ま、待ちなさいよ!支配者ってどういうことなの!?」 上条「…それを教えてどうなる」スタスタ ゆり「と、止まりなさい!撃つわよ!」カチャカチャ 上条「……」スタスタ ゆり「止まれえぇぇ!」パン! 上条は、即座に身を屈めた。 弾丸を避けると同時、ゆりに向かって猛進した。 あまりの速さに対応が遅れるゆり。 パン! パキン! 上から上条を狙った大山。 その弾丸を上条は横目で確認し、右手で消し飛ばす。 日向のサブマシンガンが上条を向く。 もう、上条はゆりを捉えていた。 ゆりが向けた銃をアッパー気味に弾く。 ゆりがナイフを構える。 上条の足がゆりの足を崩し、重心を崩す。 転びかけるゆりの腕を取るとナイフを消し、両腕を背中に回して身柄を拘束する。 ゆり「っ…!」 右手でゆりの両腕を拘束すると、上条は左手に持つ銃をゆりのこめかみに向けた。 上条「動くな!」 ゆり「っ!」 日向「くそっ!」 上条「武器を捨てろ」 ゆり「ダメよ!あたしごとを撃ちなさい!」 ギチッ ゆり「ぐぁっ!あ、あぁあああー!」 上条が腕を締め付ける。 上条「聞こえなかったのか?全員武装を解除しろ!」 日向「っ!…わかったよ」ガチャ、ストン 松下「仕方ないか…」ガチャ、ドスン 大山「窓から捨てればいい…?」 上条「お前は部屋の電気を付けて、両手をあげていろ」 大山「わ、わかった…」 上条「…よし、いいだろう」 一方通行「なァーにが良ィんだァ?三下ァ?」 上条「なっ!?」ビク SSS「!?」 スタスタと。 一方通行が校舎から歩いてくる。 上条「お前…寝てたんじゃ…」 一方通行「へェ?よォーく知ってンじゃねェかよォ?なァんでだかなァ?」ニタニタ 上条「っ、どうして」 一方通行「よくある手だよなァ?敵勢力にスパイを送り込むなンざよォ?」 日向「えっ…!?」 ゆり「スパイ!?」 一方通行「オマエら気付いてなかったンか?」 上条「クソ、気付かれてたのか」 一方通行「あァ。なァゆり、TKを最近見ねェんじゃねェか?」 SSS「!?」 日向「まさか…」 松下「冗談だろ…」 大山「う、嘘だぁ!」 ゆり「そういえば…こんな大事が起きてるのに…一度も顔を出さないで…でも前からいつもフラフラしてたし…」 一方通行「アイツは、上条達のスパイなンだよ」 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 沙耶「はぁっ…はぁっ…」 沙耶は夜の校舎を疾走していた。 ふと、視界の端に光を感じた。 沙耶「誰!?」 それは銀色に光る二丁の拳銃。 沙耶「…Oh…what doing?」 沙耶「TK?」カチャ TK「Do you know?」カチャ TK「I m a double agent」 沙耶「…You make a bad choice」 TK「The choice is mine.…moreoverーー」 TK「They are my friend」 沙耶「“Friend”?…i…i don t understand! what does the word “Friend” mean!?」 沙耶の頬から涙がこぼれ落ちた。 沙耶「I know nothing about it. because i was dead……!!」 沙耶は構える拳銃に力を込める。 仮面の下に、涙をこぼしながら。 沙耶「(ねぇ…理樹君?)」 沙耶「(あたしに教えてよ、“Friend”の意味)」 パン! 銃声は、一つだけ聞こえた。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 一方通行「なァ?上条、オマエらはスパイされてたンだよなァ?」 SSS「えっ!?」 上条「どうやら、その様だな。ことごとく情報が間違っている」 ゆり「ダブルスパイってこと…?でもあたしそんな事命じてない…」 一方通行「はっはァ!そりゃそォだろうよ、なにせオマエら」 一方通行「アホだからなァ」 ゆり「んなっ」 一方通行「オマエらがバカやってる間にあいつァ情報集めてくれてたンだよ。さっきTKから言われたンだけどな」 一方通行「俺には三つの選択肢があるらしいぜェ?このまま過ごして消えるか、かつての戦友と再び組むかーー」 一方通行「オマエらSSSと一緒に上条を撃退するかだとよォ」ニヤ 上条「…一方通行。オマエだってこの世界に来たんだろ?なら俺たちの側に来るべきだ」 一方通行「なァに言ってンだァ?俺ァちゃんと満足して死んでンだよォ。何故ここに来たかなンて知らねェがな」 上条「……なら、お前に俺らを止める資格はない」 一方通行「知ったことかよ。上条ーーいや、三下ァ、てめェがやってるこたァ三下がやる手口なンだよ。ンだァ?その面はァよォ?てめェが今なにしてンのかわかってンのかァ?なってねェなァ、本物の悪ってェもンを見せてやるぜェ」 一方通行「俺ァ今からSSSだァ?いいな、ゆり?」 ゆり「えっ、う、うん」 一方通行「オーケイ、じゃァまず三下ァーー」 一方通行「俺の仲間を、ゆりを離しやがれェ!」 上条「断る」 一方通行「そォ言うと思ってたぜェ」スタスタ 一方通行は一歩一歩、上条と上条に拘束されるゆりに向かって、歩み寄る。 上条「それ以上こっちに来るな」 一方通行「……」ピタ 日向「お、おい。どうすんだ?一方通行。近寄れねえんじゃどうしようもないぜ」 一方通行「……ゆり、俺が隙を作ったらァ自力で逃げられるか?」 上条「そんなことはさせない」 ゆり「あなたが、やってくれるなら…あたしはそれに従うわ」 一方通行「よォく言った。ちったァ利口じゃねェか」 ゆり「っ!」 日向「一方通行が微笑んだ!?ってゆりっぺがまさか赤くなってる!?マジかよ!」 ゆり「う、うっさいバカ日向!なんで暗闇でわかんのよっ」 上条「……はぁ。わからないな、どうしてお前がこんな連中を仲間にするのか」 一方通行「俺ァ教師とか向いてたンかもしれねェなァ。こういうバカ共を導いてやるよォな熱血教師がよォ」 ゆり「教師……」 上条「…それがお前がここに来て為すべきことなのかもな。だからバグとしてやって来たか」 日向「なるほどな…」 松下「だがどうやって隙を作るのだ?」 大山「状況は変わらないよね」 一方通行「膠着状態を破るのは戦術じゃねェ、会話だ」 上条「俺の動揺でも誘う気か?」 一方通行「聞きてェンだろ?生前のよしみだァ嘘は吐かねェ、超電磁砲がどォなったかを教えてやンよ」 一方通行「御坂美琴はァ、死んだンだよ」 上条「死ん……?」 一方通行「死ンだ。てめェが殺されてすぐにな」 上条「う、そだ……」 一方通行「嘘じゃねェ。即死だった。俺とエツァリが到着した瞬間だ」 上条「うそだろ…」 一方通行「超電磁砲はオマエに寄り添って死ンでた。戦いは、俺らが倒して終った。まァ次のでけェ戦いがあって、そこで最後に俺ァ死ンだンだがな」 上条「そんなはず、ない」 一方通行「エツァリはそこで死ンだンだけどな?てめェと超電磁砲が一緒に死ンだから、ちゃんと約束を果たしてくれたってェ笑ってたぜ?だからあいつはこの世界には来ねェ」 上条「嘘だと言えーー!!」 一方通行「全て、事実だ」 上条「あ、あぁああ…」 一方通行「超電磁砲は、死ンだ。だがこの世界には来てねェ」 一方通行「わかンだろ?あいつは満足して死ンだンだよ」 上条「う、あ…あ、あぁぁああああああ!」 上条「……」 一方通行「もう、いいンじゃねェか?」 上条「な、に…?」 一方通行「オマエは超電磁砲が心配で仕方なかった。だがよォ、超電磁砲はちゃァんと満足して死ンだ」 上条「……」 一方通行「あいつァ次の人生に走り出したンだ。もう会えねェよ。だからもう、オマエがやることなンざ」 上条「…ふ、はは」 一方通行の言葉を遮り、上条は途端に笑い始めた。 上条「は、はははははははははは!なんだよ、そりゃ」 ゆりに向ける拳銃がカチカチと震える。 上条「美琴が、満足して死んだ?」 上条「だから、どうした…」 一方通行「……」 上条「それで?俺はあぁ、よかった。なんて言って消えるとでも?」 上条「一方通行さ、お前満足して死んだんだよな?はは、やっぱそんなお前にはわかんねえよ」 上条「俺は何が正しいか、何を為すべきかなんてどうでもいい。ただ、神を殺したいだけだ。それこそーーお前にはわかんねえだろうがな…!」 上条が、ゆりに向けていた拳銃を上空に向けた。 立て続けに二発。 深夜の校庭に銃声を響かせる。 それは合図だ。 校庭に潜むいくつかの影が動いた。 白い翼が夜闇で羽ばたいた。 一方通行は目を見開く。 垣根「ハッ、やっと出番かよ。よぉ一方通行、元気してたか?」 一方通行「なンでてめェがいるンだよ」 麦野「なんでかしらね?わからないなら、第一位の頭脳は空っぽなのかしら」ツカツカ 垣根「違げえねえな」バサバサ 仮面男(音無)「こいつらが、敵…なのか?」 上条「ああ、そうだ」 音無「だって、この状況じゃまるで俺たちのほうが悪役じゃないか!」 上条「こんな世界に悪も正義もない。戦いに美学なんて持ち込むなよ」 音無「っ、そ、そうかよ」 垣根「はは、そりゃ上条よ、一方通行への当てつけか?」バサバサ 麦野「ていうかリーダーはどうしたの?」 上条「あいつなら、校舎内を探索してる。どこかにおかしなところがないかを探してな」 垣根「ふぅん。それじゃ俺たちはこいつらを地に伏せさせればいいんだな?」バサバサ 一方通行「クックククク」 一方通行「だァれに向かって言ってンだァ?三下どもが」 一方通行の反応は早かった。 完全にゆりのことから意識が逸れた上条。 上条の顔面を狙って小石を蹴り飛ばす。 ベクトル操作を使い、弾丸のような速度で発射される。 上条「うおっ、と」 上条が身を屈めてそれを避ける。 ゆりから手が離れる。 同時、ゆりが全力で踏み込む。 上条が再びゆりに手を伸ばす。 一方通行に向かって走り出すゆり。 上条は伸ばしかけた手を戻した。 一方通行が風を起こして、ゆりを優しく包むように拾い上げたためだ。 ゆりは一方通行の元に落とされる。 一方通行「返してもらったぜェ」 麦野「あん?お姫様取られちゃったわよ?」 上条「構わないさ」 上条「俺はリーダーの後を追う。お前らはあいつらを拘束でもしといてくれ」 垣根「はいはい、了解っと」 麦野「さぁてこいつらはどれだけ出来るのかなーん?」 上条「……」バッ、ツカツカ 一方通行「おい待て三下ァ」 上条「なんだ」 一方通行「NPCが、人間じゃねェって言ったなァてめェ」 上条「そうだな」 一方通行「オマエは死んでいったクローンのあいつらにも同じことが言えンのかァ?あァ!?」 上条「ふざけんな…」 上条「あいつらは人間だ…」 上条「じゃあな」ツカツカ 一方通行「…………」 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 沙耶「はぁ…はぁ…」 沙耶は仮面を取ると、流れる涙を拭いた。 沙耶「…はぁ…なめないでよ、あたしはこれでも凄腕スパイなんだから…」 沙耶の持つ拳銃からは煙がたっている。 廊下に伏すTKの二丁の拳銃が、火を吹くより速く、沙耶がTKの左胸を撃ち抜いたのだ。 沙耶「あたしは…はぁ…諦めるわけにはいかないんだから」 TKを置いて歩き出す。 カツカツ、とわざとらしい足音が聞こえた。 沙耶「またSSSかしら?」 違った。 小柄な男子生徒。 男「貴女は誰ですか?うちの学校の生徒ではないようですけど」 沙耶「(NPCってこと?構う必要はないわ)」 男「僕は生徒会の副会長です。校内は関係者以外立ち入り禁止ですよ?」 男「それもこんな夜中に。生徒会長を呼んで判断を仰ぎますか。それとも教師を呼びましょうか?」 沙耶「知らないわよ」 ペラペラと喋る男を沙耶はNPCだと判断し、無視をしようとする。 男「僕の目を見ろ」 沙耶「だから何がーー」 そして、沙耶は見た。 妖しく光る目を。 沙耶「あっ……」 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 一方通行「俺が黙ってオマエを逃がすと思ってンのかァ?」 ダンッ、と一方通行は地面を弾いた。 上条が振り返る。 一方通行が必殺の両手を構える。 それを上条は予測し、一歩後ろにステップして構える。 迫り来る一方通行に右手を構える。 そして、一方通行の顔面に左拳を打ち込む。 一方通行「(これはフェイント、もしくは目くらましかァ?)」 右手以外で触れたら最後。 それは上条がよく知っていることだ。 一方通行の読み通りだった。 上条は左拳のフェイントを引き戻し、その勢いに乗って前のめりになる。 強く握られたのは右拳。 一直線に己に向かう一方通行の両の手を避ける。 腕と腕の合間を縫うようにすり抜け、一方通行の懐まで潜り込む。 上条の拳は確実に一方通行の心臓を狙っていた。 一方通行「(ッ!?マジィ!ンなもン食らったら確実に死ンじまう!)」 ベクトル操作で馬鹿みたいな勢いを出す一方通行。 そんな状態で心臓に上条の拳をぶつけられるのは、確実な死を意味する。 高速道路を疾走するバイクの運転手の心臓が、固定された鉄の槍に突っ込むようなものだ。 上条の拳は一方通行の心臓をえぐり、貫通するだろう。 一方通行「ッッ!クッソがァ!」 ベクトルを反対方向に操作し、緊急回避を行う。 上条の拳からすんでのところで逃げる。 グッ、と上条が踏み込んだ。 一方通行「ぐがァパァッ!?」グシャッ 上条の拳が一方通行の顎をアッパーした。 地面を転がる一方通行。 上条「垣根っ!」 垣根「おう、任せとけ」 上空を舞う垣根が、地に伏す一方通行に向かう。 一方通行「ンだァ?」 二枚の翼が肥大化した。 それで一方通行の上空を陣取り、翼をぐるりと伸ばしていく。 一方通行「チッ、面倒くせェ真似を」 一方通行を、白い壁が包んだ。 視界一面が白となり、密室にされた。 一方通行「ンなもンすぐに脱出ーー」 ガクン、と一方通行の体が崩れ落ちた。 一方通行「ぐァ、はっ…!」 何が起こったのか、すぐにわかった。 一方通行「てめェ…く、…そがァ…」 酸素が、なくなっていた。 それだけではない。 どんな化学現象が起こったのか、急激に酸素を奪われていく。 白い壁が吸い取るように、酸素を吸収していく。 一方通行「(二酸化炭素を、酸素にベクトル操作する!)」 だが、二酸化炭素に異物が入り込んできた。 垣根の作り出す、存在しない物質だ。 結合する異物。 取り除くのにかなりの手間がかかる。 ベクトル操作に時間がかかる。 遂には一方通行は演算しようとするも、脳の酸素がなくなり、演算が止まる。 そのまま、一方通行は意識を失って倒れた。 垣根「俺の未元物質に常識は通用しねえ」 薄れる意識の中で、そんな声を聞いた気がした。 上条「……それじゃ、後は任せたぞ」 垣根「へいへい。さーてそこのカワイコちゃん、覚悟は決まったかな?」ニヤニヤ ゆり「うそ……」 日向「一方通行が…やられた?」 松下「マズイな、こいつらも超能力者だ」 上条「……」バッ、タッタッ 上条はその場を走って離れる。 校舎の窓を蹴破り、侵入する。 上条「……」ダッ、タッタッ 階段を駆け上がる。 ユイ「にょわぁっ!」 上条「っ」ビクッ 上条「だ、誰だ!」グイッ ユイ「わぁっ!ぐ、あぁぁあ!い、痛いです!い、い嫌ぁ!」 上条は背中に回って押し倒し、腕を拘束する。 膝を背中の少し上の辺りに押し込んで体重をかけ、重心を捉えて動けなくする。 ユイ「や、やだぁ!痛い痛い!誰!?」 上条「…この学校の生徒だな?」 ユイ「ひぃっ、は、はいぃぃ!」 上条「今、俺の顔を見たか?」 ユイ「み、見てないです!暗闇で!ホントに何も見えませんでした!」 上条「…そうか。こんな時間に何をしている?」 上条はベルトに挟んだ仮面を取り出して装着する。 ユイ「あ、あの」 上条「何を、していた?」グイッ ユイ「ぐ、あァぁあああ!バ、バンドが終わったので!ちょっと自動販売機に向かってたところです!」 上条「バンドだと?」 ユイ「は、ハイィィ!食堂を貸し切って生徒たちにライブをしてました!」 上条「……その制服、SSSだな?」 ユイ「え、ええ…」 ユイ「あっ、でもでも!今言ったことは嘘じゃないですよ!?」 上条「なら話せ。お前が何を何のためにやっていて、それがSSSとどう関係しているのか」 ユイ「は、はい」 そして、ユイは説明した。 天使、陽動部隊、トルネード、食券確保、消えないように、などなど。 ユイ「ですから今トルネードが終わり、他の人達は食堂にーー」 ひさ子「ユイっ!?」 上条に乗りかかられているユイを見つけ、ひさ子が血相を変えて走ってくる。 上条「チッ、動くな!」ガチャ、チャキッ ひさ子「!?」 上条は拳銃をユイの頭に押し付け、ハンマーを起こす。 上条「…そこで、止まれ」 ひさ子「……」 上条「お前も、SSSか?」 ひさ子「ああ、あんたは何者なーー」 上条「黙れ。俺の質問に答えろ。今、こいつを呼んだな?お前も陽動のバンドメンバーか?」 ひさ子「…あぁ」 上条「こいつから大体のことは聞いた。これより俺たちはお前らを拘束するんだが、知らないよな?」 ひさ子「なっ!なんだよそれ!」 上条「ゆり、っていうお前らのリーダーに確認するんだな。今頃校庭で地べたに転がっているだろうが」 ひさ子、ユイ「っ!?」 上条「それで、トルネードの部隊はのんきに飯食ってんのか。ははっ」 ひさ子「……」 上条「…フン、いい眼だ。ほら、行けよ」 ひさ子「なに?」 上条「どの道お前ら全員拘束するんだ。俺は拘束班じゃないから、お前らを拘束するのは手間だしな」 上条「だから校庭でお前らの仲間同様に、まとまって俺の仲間に捕まってくれたほうがいい」スクッ 上条はユイの上から立ち上がり、拘束を解いた。 上条「行けよ」 ユイ「……行きましょう、ひさ子さん」 ひさ子「あぁ…」ダッ 上条「……さて、沙耶と合流するか」 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 校庭ーー ユイ「っ!?」 SSS「!?」 そこは、地獄だった。 人だったモノ、肉片が飛び散り、鮮血が水溜りを作っていた。 それを見て、誰もが息を呑んだ。 ガチガチに震えて、その場からしばらく動けなかった。 地獄の中心には、一人の悪魔がいた。 彼以外、誰もが倒れている。 二枚の、巨大な漆黒の翼。 それを背中に生やす彼は、 鮮血を飛ばして舐める彼は、 紛れもない悪魔だ。 一方通行「dgkprpsjbtkepwncotnfjkdop」 最強の超能力者が、そこには君臨していた。 垣根ーー 何が起こったのか。 黒い翼が脅威だということを、垣根は理解していた。 あれはピンチの時に現れるものだと。 だが所詮、人間の身体を動かしているのだ。ならば生命活動なしには不可能。 だから、一方通行から確実に酸素を奪い、血液中に酸素が流れないようにしようとした。 上手くいった。 一方通行は、体内で二酸化炭素と水を材料に酸素を作り出そうとするだろう。 人工的な光合成として、さらに光エネルギーの代用エネルギーをベクトル操作で生み出し、学園都市の最新化学技術の真似をするのだ。 一方通行の能力はベクトル操作。水素と酸素を化学反応させて電気を取り出すことなど造作もない。 体内でエネルギーを生み出し、二酸化炭素と水を材料に酸素を生み出し、酸素と二酸化炭素を半永久的に循環させようとするだろう。 それを破るために、垣根は二酸化炭素と結合する物質を生み出したのだ。 これだけの操作をする一方通行に、二酸化炭素から異物を取り除かせる。 そんなことをしていては、必要量の酸素が間に合わず、倒れるだろう。 完璧だった。 なのに、 何故か一方通行は立ち上がった。 垣根は一つだけ見落としていた。 ここが、死後の世界だということを。 一方通行「rbetogwtkotffjiekleqi」 一方通行は、酸欠で死んだのだ。 そして、再び元の身体に戻った。 このタイミングを、死んでも生き返るということを垣根は完全に忘れていた。 どれだけのベクトルをかき集めたのか、一方通行は触れてもいない垣根の身体を締め付ける。 垣根「ぐ、あぁああ!」 垣根の意識が飛ぶ。 ブシュッ、音を立てて垣根の身体にが弾けた。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ゆり「っ…う、……っ!?」 ゆりは起き上がり、その惨劇に目を見開いた。 敵は全て全滅。 一方通行は背中から黒い翼を生やして暴れている。 ゆり「止めなきゃ…」 腰を上げ、校庭へ降りる階段の前で立ち尽くすSSSメンバーに気付く。 ゆり「恐怖して、誰も動けないのね……」 ゆりは今の一方通行にあまり恐怖を抱かなかった。 彼の笑顔を見たからだろうか。 ゆり「一方通行君…」スタスタ 歩み寄り、声をかける。 一方通行「ffjeohepwntpwnoftspdbj」 聞こえていないのか。 ゆり「ねえ、一方通行君」スタスタ 危ない、とSSSの誰かが言った。 だがゆりは止まらない。 撒き散らすベクトルで飛んできた石が、ゆりの頬を裂く。 それでも、止まらない。 一方通行の正面に立つ。 ゆり「あたしね、初めて出会った時あなたのことを怖がっての」 一方通行「howngptrdpcnroehgospep」 ゆり「でもあなたは岩沢さんの望みを叶えてあげた。手伝ってあげた」 ゆり「あたしは、まだ消えたいなんて思えないけど……けど、あなたは間違いなく岩沢さんを救ってあげたんだと思う」 ゆり「あたしはね、なんだかずっとあなたのことを気にかけてたの」 一方通行「wgtdatmjpgumtpatgtdp」 ゆり「ずっと、一人で全て悟っているかのようなあなたが、気になってた」 ゆり「あなたは満足して死んだと言ったわよね。でも、あなたは幸せに満ちた人生を本当に過ごせてたの?」 ゆり「違うわよね。あなたの、その悲しげな目を見ればわかる。どうしようもなく苦しんで、頑張って生きてきたんだよね」 ゆり「それでも、最後には満足して死んだ。自分の人生を呪わずに死ねた。そんなあなたにとって、あたし達のやっている事は幼稚に思えたでしょ?」 ゆり「そんなあなたが、あたし達SSSに入ってくれると言った。嬉しかった。なんなんだろうな、この気持ち…」 一方通行の翼がゆりを狙う。 ゆり「ねぇ、あたし達を導いてくれるんでしょ?ーー先生?」 ゆりに触れる寸前で、翼が止まった。 ゆりはニッコリと笑った。 ゆり「うん、やっぱり一方通行君は一方通行君だ」 ゆり「そんな悲しそうな顔で暴れるのはもう、やめようよ」 ゆりは翼の合間を抜け、一方通行に抱きついた。 ゆり「ねえ、目を覚まして?一方通行君」 一方通行の翼がゆりを突き刺そうとする。 しかしギチギチと音を立てて止まる。 しばらくそうした後、翼は消え、一方通行は気を失った。 倒れかかってきた一方通行を抱きかかえ、ゆりは優しく微笑んだ。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー それからどれだけ時間が経ったのか。 再び目覚めた垣根は、学校の外だった。 垣根「助かったぜ」 絹旗「全く、超負けててビックリしました。三人とも私が超運んだんですよ」 垣根「で、お前の仕事は?」 絹旗「超完了しました。SSSの武器庫を発見し、超焼き払って来ました。対天使のためにギルド連中を連れ出したことを、リーダーが超教えてくれたので簡単でしたよ」 垣根「後は、あいつらがどうなるかで俺たちは次の行動を考えたほうがいいな」 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 沙耶「え……」 目を覚ました沙耶。 そこは、芝生の上で。 木に寄りかかって寝ていたようだ。 沙耶「ここは……うそ……」 そこには懐かしい学校が見えて。 自分がいるのは、その中庭だと気付いた。 理樹「あ、やっと起きたね沙耶」 沙耶「え…うそ、うそうそうそ…!りり理樹君!?」 優しく笑う、最愛の人がいた。 理樹「もう、沙耶ったらぐっすり寝ちゃうんだから。僕も一緒に午後の授業サボるハメになったじゃないか」 沙耶「え、え、え」 理樹「ん?どうしたの沙耶?」グッ 沙耶「うひゃあっ」 顔を寄せられ、沙耶は変な声をあげてしまう。 沙耶「りりり理樹君!」ズササッ 理樹「…いきなり離れてどうしたの?」 沙耶「え!や、その、あの…うぅぅ…そ、そうよ!恥ずかしかったのよ!いきなり大好きな人に顔を近付けられてめちゃくちゃドキドキしちゃってあれこれキスされちゃうのヤダヤダ嫌じゃないけどなんて考えちゃうぐらいドキドキして恥ずかしかったのよ!どうよ、滑稽でしょおかしいでしょ笑えばいいじゃない!何一人発情してんだこいつって笑えばいいでしょ笑っちゃいなさいよあーはっはっは!って!」 沙耶「あーはっはっは!」 理樹「うん、いつもの沙耶だね」 沙耶「そこで微笑むなぁー!」 キーンコーンカーンコーン 理樹「あ、チャイム鳴ったね」 沙耶「あぅ。……てあれ、なんであたしここにいるんだっけ…」 理樹「まぁまぁ、気にしないで」 沙耶「いや、ちょっと待って、あたしは何か…」 理樹「じゃあローソンとセブンイレブンどっちに行こうか」 沙耶「そうねぇ、だったら……って!なんでそんな話になってるの!?」 理樹「え?だってローソンだよ?」 沙耶「おかしな理樹君が来たぁー!なんでそんなにコンビニネタが好きなのよぉ!」 理樹「あはは、沙耶は面白いなぁ」 沙耶「違うからね!?今ボケてたの間違いなく理樹君だからね!?」 理樹「あはは。…あ、恭介ー!」 恭介「おう、お前ら何授業サボってんだよ怪しいなぁ」 理樹「沙耶が寝ちゃってね。ほら、沙耶行こう?」 沙耶「え?どこに?」 恭介「俺たちリトルバスターズは、今野球をしてるところじゃないか。寝ぼけてんのか?」 理樹「沙耶は寝ぼすけだなぁ。ほら、行こう沙耶」 理樹が伸ばした手を、掴もうと沙耶も手を伸ばす。 自然と、笑みが浮かぶ。 ーーその幻想をぶち壊すーー 突然聞こえたその一言で、そんな世界が壊れた。
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※一方さん暗部落ち後、多分15巻前くらい、タイトルなし 学園都市を流れる水路はすべて浄水場を通ってから放水されており、濁りがない。 意図的に純化された汚れのない様は人工物のあふれるこの学園都市を象徴しているように思えた。 美琴は足元の小石を拾い上げ、緩やかな流れに投げ入れた。小さな異物が音を立てて沈み、水面に波紋を作る。 乱れた流れはやがて秩序を取り戻し、美琴がため息をついている間に押し流され、数秒前の姿へと徐々に戻っていった。 このごろの学園都市は何かおかしい。 幻想御手、絶対能力進化実験、九月三〇日の事件、ローマ正教との確執……。あげればきりがないが、すべてここ数ヶ月の間に体験したことだ。 長年学園都市で暮らしてきた美琴だが、こんな事態は初めてだった。 そのすべてが偶然この時期に噴出しただけなのか、今まで単に学園都市の暗部が見えていなかっただけなのかもわからない。 なんとなくだが、そのほとんどに例のツンツン頭の少年の影が見え隠れしている気がする。 偶然であればいいのだが。 もはや小石の起こした乱れの痕跡もない水面から目を離し、水路脇の歩道を進む。 衣替えのためにおろしたばかりの冬服ブレザーはまだ体に馴染んでおらず、少し固い。スカートのプリーツもピシッと折り目がついている。 特に肩の辺りが窮屈で、一歩進むたびに突っ張るような感覚が美琴に伝わる。 足元を見つめながら歩んでいた美琴がふと顔を上げると、前方に見える水路にかかった橋の上に誰かが立っていた。 何をするわけでもなく橋の欄干にもたれかかり、どうやら水路をじっと眺めているようだった。 (アイツ――) 見間違えようのない後姿。学園都市広しといえども、あれだけ目立つ姿をしている人間はそうそういない。 背中からにじみ出る哀愁は、初秋の空気のせいだけではないだろう。 美琴は行き先を変更することに決め、迷わず橋の中央付近に陣取っている背中めがけて歩調を早めた。 美琴の接近に気づいていないのか。 特に足音を忍ばせている訳でもないのでローファー特有のカツカツとした音は届いているはずだ。 なのにその白い背中は微動だにしない。手を伸ばせば触れられるほどに近くまで来たというのに。 おそらく気づいている。この少年はそんなに鈍くない。 反応を見せないのは話しかけられたくないという意思を表しているのだろうが、美琴にはどうあっても話しかけずにいられない理由があった。 美琴は肺の中からすべての空気を押し出すようにして長く息を吐いてから、さらに搾り出すように低い声を出した。 「アンタは……」 息が続かなくなり、そこで出かかった言葉が止まる。 美琴が続きを口に出す前に、一方通行がようやく反応を示した。 その声にに対する返答はまずため息だった。 「超電磁砲か」 振り返った一方通行は、全身から形容のしがたい暗鬱とした雰囲気を発していた。 退院し、体力は回復しているはずだろうが、最後に会ったときよりもやつれているように見える。 その真っ赤な双眸だけが飢えた獣のようにギラギラと美琴を貫いていた。 その視線に呑まれそうになりながらも美琴は疑問をぶつける。 「アンタはなんだってこんなところで油売ってんのよ」 「俺がどこで何してよォが俺の勝手だろォが」 「何が、勝手よ!」 文字通りにあまりに勝手な言い草に美琴は思わず叫びそうになった。ぐっとこらえて、静かに声を出す。 「連絡もよこさないとか……何考えてんのよ」 九月三〇日。 この日の出来事は学園都市に住む人々に深く刻まれている。 学園都市の機能を麻痺させた集団昏倒事件。上層部は未だにその原因に対する納得のいく説明をしていない。 美琴は知っていた。その昏倒事件の裏で、打ち止めが拉致され、それを一方通行がぼろぼろになりながら助けたことを。 そして、その後一方通行の行方がまったくわからなくなったということを。 美琴もその事件の一端にかかわったのだが、打ち止めに詳しく事情を聞いたのはすべてが終わってからだった。 そのときの怒りと後悔が、この少年にはわかっているのか。 「オマエに俺が連絡する必要あンのか」 それだけ面倒くさそうに呟くと、一方通行はもう相手にしないとでも言うように元のように水路へと視線を戻した。 他人事のような無関心に美琴は一方通行の背中を睨み付ける。 「アンタ……打ち止めがどれだけ心配してると思ってるのよ」 「あ?」 「あの子は今もアンタを探し回ってるのよ。知らないわけじゃないでしょう」 一方通行は答えない。 「約束、したでしょう。忘れたとは言わせないわよ」 一方通行は振り向かない。ただ舌打ちをして、傍らに立てかけたトの字トンファーのような現代的なデザインの杖を手に取った。 「ずっとそばにいるっつゥのが必ずしも『守る』ってことなンじゃねェンだよ」 一方通行が首元のチョーカー型の電極に手を添える。カチリという小さな音がした。 美琴は、それが一方通行が能力の使用を開始する合図だと言うことを知っていた。 「なっ」 「俺の近くにいるほうが危ないっつってンだよ。それこそ……こンな風にな」 美琴と一方通行の間に突風が巻き起こった。 美琴の足が地から離れ、視点がぐるりと一回転する。 スカートをたなびかせ、その下に穿いた短パンを晒しながら後方へ吹き飛ばされる。 指向性の暴風は一方通行の後ろ髪をわずかに揺らすだけだった。 それが一方通行の風向のベクトル操作によるものだと気づいた時には、すでに美琴の身体は橋の欄干を越えていた。 「っ!」 美琴は空中でバランスを取るのに苦労しながらも身体をひねる。 視界の隅に捕らえたのは緩やかに流れる水。 水深は浅い。このままではコンクリートの川底に叩きつけられる。 一瞬でそれらを判断した美琴は自身の周囲に磁場を展開する。 美琴はまるで重力の向きがが九十度傾いて働いたかのように橋脚に引き寄せられ、足から垂直に『着地』した。 橋脚を蹴り、すでに危険な高さではなくなっていたためそのまま水面向かって落下する。 ばしゃり、と周囲に派手に水を飛び散らせて美琴は水路のど真ん中に降り立った。 「ふざけてんじゃ……ないわよっ!」 理不尽な攻撃に美琴は激昂する。 すねの辺りまである水をばしゃばしゃとかき分け、橋の上の人影が見える位置まで走る。 ローファーの中に溜まった水が重い。水を吸った靴下とともに美琴の歩みを妨げるが、気にしてなどいられない。 橋の上の白い人影に向かって叫ぶ。 「アンタ、いったい何のつもりなのよっ!!」 同時に次の攻撃に備えて美琴は自らの電磁レーダーに注意を注ぐ。 もっとも、一方通行が本気になればどうあがいても美琴に勝ち目などカケラもない。 一方通行は相変わらず欄干にもたれかかったまま、微動だにしていない。 美琴が川岸に向かって走り出した瞬間、異常を察知した。 (水平面に対して約5°の角度で未確認物質が高速で飛来。主構成元素は銅、亜鉛。到達予想は約0.2秒後――) 「狙撃!?」 その声よりほんの少しだけ早く、美琴が補足した銃弾は目標に命中した。 銃弾は一方通行の眉間を正確に撃ち抜く軌跡を描いていた。 空を切って着弾した金属片が一方通行の頭蓋骨を割り、血と脳漿をぶちまけながら後頭部から飛び出す―― そうならなかったのは、単に一方通行が反射をONにしていたからだ。 一方通行は退屈そうに銃弾の飛んできた方向を見上げる。そよ風ほどの衝撃も受けてはいない。 弾丸の速度と入射角、風向や湿度などその他もろもろの自然条件から狙撃ポイントを割り出した。 一方通行は独り言のように喋る。 「狙撃者は予測地点Bから狙撃。予想通りだ。人員は配置してあるンだろうな」 『ええ。……誰が狙撃のタイミングを正確に伝えてくれたと思っているんです?』 片耳に装着された小さな通信機が一方通行に同じ『グループ』のメンバーである海原光貴の声を伝えた。 余裕ぶった爽やかな声音に、厄介そうな笑みを思い浮かべる。 『まあそちらのほうは我々『グループ』とは別の組織が担当していますけどね』 「チッ、学園都市第一位をオトリに使うなんざずいぶンと贅沢な作戦だな」 大掛かりなことだ、と軽く息を吐く。 『後始末はそちらのほうでやってもらいますので、貴方はこの後お好きにどうぞ。それよりも、先ほどの会話の相手は……』 「ちょっとアンタ! いきなり何してくれるのよ!」 頭に響くかん高い声は通信機の向こうからではなく、直接一方通行へと叩きつけられた。 海原とはまた違った意味で厄介だ。 一方通行は声の主、美琴のほうをちらりと見やる。 水路から駆け上がってきたせいか、それとも怒りのせいなのか、その肩は大きく上下していた。 その足元周辺がバチィ、と音を立てて、水を吸った靴と靴下が瞬く間に乾く。 一方通行は首に手を当てるとやれやれといった感じで首の関節を鳴らせた。杖を前に出し、ゆっくりと美琴へ近づく。 そしてそのままバチバチと帯電し、全体的に発光した少女の脇を無言ですり抜けた。 「無視すんなああああ!!」 怒声と同時に美琴の足元から放射状に波紋のような雷撃が地面を這い、橋の両端に設置された街灯が一斉に数度明滅する。 何事もなかったかのように歩き続ける一方通行の背中に向かって再度罵声を浴びせようと息を吸い込んだ。 「アンタねぇ……」 その時、美琴の背後で聞き覚えのある警告音が響いた。続いて電子的な合成音。 「ビー、ビー、ビー、警告、警告、本機巡回エリアにおいて電波障害の発生および周辺電子機器への規定以上の負荷を確認。 繰り返します……」 「やばっ」 美琴が振り返ったその先にはドラム缶型の警備用ロボットの姿があった。 ロボットはけたたましい警告音を鳴らしながらそれなりの速度で近づいてくる。 このままうかうかしていたら付近の警備用ロボットや警備員が集まってくるはずだ。 「ここは逃げるが勝ち……アンタも、ってああー! 逃げられたあー!!」 美琴が警備用ロボットに気を取られているうちに、一方通行は橋の上から忽然と姿を消していた。 行間*** 「失敗……か」 狙撃銃のスコープを覗き込む男が高層ビルのオフィスの一室でつぶやいた。 薄暗いオフィスは無機質な机が整然と並んで静まり返っている。 スコープの中の一方通行はまるで男の姿が見えているかのように赤い眼光をこちらに向けていた。 「能力を失ったというのはガセ情報だったか」 悔しそうに吐き捨てる。一方通行を狙った銃弾は彼の能力により発射時と同じ軌跡を通ってオフィスへと打ち込まれた。 念のために『反射』を警戒し、発射の直後着弾を確認せずに物陰へと退避したため、自身に被害はない。 弾丸は狙撃手の後方の壁にめり込んでる。 ここも早々に引き上げなければ反撃の手はすぐに伸びるだろう。即刻退去すべきだ。 そう思って銃をおろした。 「残念ながら超遅いです」 自分以外に誰もいないと確信していたフロアに幼い少女の声が響いた。 「――っ!」 声の主は十二歳くらいのショートカットの少女だった。 ふわふわしたニットのワンピースを着て、一見すればおとなしそうにも見える。 「まさかここがばれていないとでも思っていましたか? 超おめでたいですね」 少女はフロアの入り口からつかつかと狙撃手に歩み寄る。 「おかげで超迷惑を被りました。今日は気になる映画の封切日だったんですよ」 警戒心はまるでなく、呆れたような表情を浮かべている。 「だからさっさと終わらせたいんです。抵抗しないで倒されちゃってください」 机と机の間を縫って近づく少女との距離は見る見る詰まっていく。 あまりに大胆不敵な少女の態度にあっけにとられていた狙撃手はようやく目の前の少女を『敵』と認識した。 考えるよりも先に利き手が隠し持った拳銃に伸びる。 手に馴染んだ愛銃だ。この距離で外すわけがない。ぱんぱんぱん、と冗談のように小気味よい音が発せられる。 眉間に一発、心臓に二発。少女の身体に合計三発の銃弾が叩き込まれた。 特別製の弾丸の威力に少女の身体は簡単に吹き飛ばされる。そのままデスクの島に倒れこみ書類の山を巻き上げる。 「くそっ」 近距離の戦闘では邪魔になるだけのライフルを投げ捨て、出口へ走る。 なぎ倒されたデスクの間から勢いあまって下敷きになった少女の白い脚が生えている。 いかにも前衛的なオブジェだ。 生きているはずがないと思いながらも少女の脚に銃口を向けながらそこを通り過ぎようとした。 バゴン、という金属をバッドで叩いたような音とともに爆発的な速度で山になったデスクが四散する。 男は悲鳴を上げる間もなく飛来したデスクに叩き潰された。 「いきなりびっくりしますね。パンツが見えないように倒れるのって超難しいんですよ」 立ち上がった少女は軽くセーターの腿の辺りをはたいて埃を払いながら平然と言う。 「相手の能力も確かめずに攻撃するのは学園都市では超命取りです。私の能力が『反射』だったらどうするんです?」 「あぐっ、ぐぅ、お前、何者……」 デスクと壁の間に挟まれた狙撃手は動く右手で必死に武器を探す。 その間にも少女の近づいてくるぺたぺたという緊張感のない足音が耳に届く。 「なんだ、生きてたんですか」 少女がデスクにぐっと手をかける。 小柄な少女が少々力を込めた程度では成人男性ならデスクごと押し返すことができるはずだ。 なのに、力いっぱい押し返してもびくともしない。それどころか狙撃手を圧迫する力はどんどん強くなる。 「ま、死んでもらっても超面倒なんですけどね。背後関係を調べないとだめですし。さ、ちゃっちゃと吐いてください」 「肉体操作系の、能力者かっ……!」 「答える義務は私ではなくあなたにあります。さあ?」 少女がそっと手のひらを動かすだけでデスクにかかる圧力が倍増した。内臓がつぶれそうな圧迫感に、狙撃手の口から異音が漏れる。 「ぐひゃ、そう簡単に、ひゅ、答えると、思っているのか」 「いいですよ? 学園都市にはいろいろな技術がありますから。 脳みそさえ超無事ならたいていのことはできるんじゃないでしょうかね」 少女の表情は変わらない。彼女の能力よりも、その事実が狙撃手を恐怖させた。 「う、ふざけるな、クソガキ、この学園都市の上層部に従って、ごひゅ、なんになる。 俺は見てきた……使い捨てられるだけでゴミのように扱われる子供たちを! せめて一矢報わないでどうする! この街は狂っている!!」 男は気づかない。いつの間にか自分を押さえつける力が緩まっていたことに。 咽を壊すように絶叫する狙撃手に対して少女は静かに告げた。 「……私は仕事でここに来ているだけですから詳しいことは知りません。そろそろ黙ってください」 少女の握り締めた拳が狙撃手の顔面に刺さる。手加減した一撃は狙撃手の意識をきれいに刈り取った。 「……」 動かなくなった男をしばらく見つめていた少女は、誰に言うでもなく独りごちた。 「いまさら超わかりきったこと、言ってどうするんですか」 ため息をついてデスクを無造作に投げ飛ばす。フロアの片付けなどする気は毛頭ない。 さっさとここから出て行って、今日の仕事を終わらせてしまおう。 「こいつの携帯電話とか、通信機が壊れてないといいんですけどね」 少女はそれだけ呟いて、体重が自分の二倍近くある男を、よっこらしょ、と軽い動作で持ち上げた。 高層ビルの脇の人通りのない道路に一台の白いバンが停まっていた。 ビルの陰に隠れ、まだ日は高いというのに薄暗い。 そのバンの運転席に大柄な少年が窮屈そうに収まってる。 明るい茶髪にジャージにジーパン。崩れた感じの風体はどこからどう見ても立派なチンピラだ。 (完っっ全にアッシー君だな、っていつの時代の死語だよ) 倒したシートにもたれかかり、頭の後ろで腕を組んでだらだらとしている。 (こないだまでスキルアウトのリーダだったっつうのが嘘みてーだな) チンピラオブチンピラ、スキルアウト時代の自分を思い出す。 自分が所属していたのは、学園都市に数多くあるスキルアウトの集団の中でも最大規模のものだっただろう。 一時的にしろそれを束ねる立場にあったのがこの浜面仕上である。 (ま、リーダーなんてガラじゃなかったけどよ) 御坂美鈴の襲撃に失敗し、とっ捕まって今では下っ端としてこき使われる毎日だ。たまに、こんな負け犬生活のほうが自分にはお似合いなんじゃないかと思うときすらある。 「でも、スキルアウトが能力者に取り込まれてちゃあざまあねえよな」 所詮俺の人生こんなもんだ、とぼやいて顔の前に持ち上げた携帯電話の画面を見上げる。 暇つぶしになんか面白いもんねーかな、とお気に入りサイトへの接続ボタンを押した。 それとほぼ同時に、コン、コンと小さな音がした。 浜面が音のほうに視線をやると、そこにはニットのミニワンピースを着た少女が立っていた。 ウインドウの向こうで人差し指を車体に向け、なにやら言っている。どうやら開けろ、という意味らしい。 「お、終わったのか絹旗。遅かったな」 浜面は身を乗り出して助手席のドアのロックを外す。ガチャリ、と音を立ててついでに内側からドアを開けた。 携帯電話を片手にだらけている浜面を見て、少女、 絹旗最愛(さいあい)は呆れたように左手を軽く腰に当てた。 ~~~~~~~~ 「またアダルト動画ですか?いい加減にしてください超キモイです」 「またってなんだよまたって」 こいつの前で見た覚えなんかないぞ、と浜面は口の中でもごもごする。 そのうちになんだか自分の記憶が怪しくなってきて、あれ? もしかしてあの時? などと不安になってきた。 頭を抱える浜面の姿に絹旗は一歩引いて距離をとった。 「浜面……キモさが超マックスです……」 「本気で引くなよ! 傷つくじゃねーか!」 「後ろも開けてください。私が当たりでした。コレ、積みますから」 浜面の抗議を無視し、絹旗はあごで足元を示した。そこには黒い服を着た男がぐったりと倒れこんでいた。 「……生きてんのか」 服は所々破れ、顔もあざだらけ、手足を拘束されてボロ雑巾のようにななった男に浜面は心の中で同情した。 相手が悪い。何せ大能力者(レベル4)の怪物だ。 「超当たり前です。私はそんなヘマしませんよ」 浜面が運転席のボタンを押すとほぼ同時に絹旗が後部のドアを開ける。 よほど急ぎたいのだろうか、片手で男をひょいと持ち上げると乱暴に座席に投げ入れた。 華奢な少女が自分の体重以上の物体を軽々と持ち上げる様は、何度か絹旗の能力を間近で見ているのだがなかなか慣れない。 「おお、すっげえな、『オルフェウスの窓』だったか?」 なぜか絹旗はいつもよりも少しイライラしているように見える。 「……相変わらず超馬鹿ですね。上司の能力くらい正確に覚えてください。『窒素装甲(オフェンスアーマー)』です。馬鹿浜面」 絹旗は虫けらを見下すような苦々しい視線を浜面に送る。 「なんだよ場を和ませようと冗談も言えないのか!? それはちょっとひどくねえ!?」 「そんな古い少女マンガ知らないって言ってるんですよ。それより早く行きましょう」 「知ってんじゃん!!」 絹旗はむすっとした顔のまま助手席に乗り込んだ。きっちりとシートベルトを肩から腰にかけ、浜面に指示を出す。 「さっさと麦野たちを回収に行きますよ」 「へいへい」 浜面は観念して車のキーを回す。安っぽいエンジン音が耳に障った。 車が吐き出す騒音のわりに意外とスムーズに発進する。 目立たないようにあまり新しくない車を選んだのだが、この学園都市では逆に目立ってしまう。 失敗したかな、と思いながら浜面は元々頭に叩き込んであるルートを走行する。 「……」 「……」 不快な音を奏でるエンジンとは対照的に車中は静まり返っていた。 車中の三人のうち、一人は気を失って喋れない。 残りの二人はなぜかじっと前方を見つめたまま黙りこくっていた。 もともと浜面は『アイテム』構成員四人娘のおしゃべりをぼーっと聞いていることが多く、求められなければ自ら話しかけることは少ない。 箸が転んでもおかしい年頃の少女四人で構成された『アイテム』は、各々が個性の強いキャラクターであることも相まって作戦会議の間ももわいわいと騒がしい。 それぞれがおちょくるように浜面にちょっかいを出してくることはよくあるので、いつの間にか会話に参加させられていることが多い。 特に絹旗最愛は浜面を小馬鹿にしたように遠慮なくずけずけと話しかけてくる。 その絹旗が、不機嫌そうに押し黙っている。これは結構珍しいことだ。 「……絹旗、どうかしたか? 怪我とかしたんなら早めに申告しろよ」 (どうせ「何超見当違いなこと言ってるんです。馬鹿は死ななきゃ治らないみたいですね」とでも言われるんだろ) 「……自称とはいえ正義の味方を殴るのは気持ちいいことじゃないんですよ」 「え?」 「いっそ、悪者に徹してしまったほうが楽なのかもしれませんね。別に私は正義の味方ってわけじゃないですけど」 浜面の予想に反して絹旗は真面目な声で答えた。 軽く言った風だったが、表情を見られたくないのか、そっぽを向いて窓の外を見ている。 浜面はなんとなく気まずい思いでどう声をかけるべきか考えあぐねていた。 笑って冗談で返すべきか。 車がモノレールの高架下に差し掛かり、視界が一瞬暗くなる。 ちらりと横を見たときに目に入ったウインドウに反射した絹旗の乾ききった表情がひどく印象的だった。 (別にこのガキのことなんかどうでもいいんだけどな……) 「お前みたいなクソガキに、悪者なんか似合わねーだろ」 言って、そっと左手を伸ばして少女の柔らかい髪をぽんぽんと撫で―― 「うおうっ!?」 撫でようとして、指先が目に見えない『何か』に触れた。 「……何やってるんですか馬鹿浜面。私の『窒素装甲』については何度も超説明したでしょう」 振り向いた絹旗の顔には呆れたような表情が戻っていた。 見下されているはずなのに、なぜか浜面はほっと息を吐いた。 「気持ち悪いですね。超キモいです。……でも、とりあえずお礼は言っといてやりますよ」 そのあんまりな言い草に、浜面は苦笑しながらハンドルを大きく右に切った。 * 美琴は細い指の中にあるPADをじっと真剣な表情で見つめていた。 公園のベンチでPADをいじくる女子中学生。ともすれば、携帯ゲーム機に夢中になっているようにも見える。 その目はPAD集中しているように見えて、焦点は画面から若干ずれてる。 美琴は自らの電撃使いとしての能力を駆使し、指先から直接電子情報を読み取っているのだ。 『書庫』やその他学園都市に関する情報の中から『一方通行』に関するのデータを検索する。 (前も同じことしたけど……やっぱり一筋縄ではいかない、か) 美琴の額に小さな汗の玉が浮かぶ。 美琴のやっていることはまぎれもない違法行為であり、しでも手順を間違えれば痛い思いをするのは彼女自身だ。 精密で繊細な作業を延々と繰り返す。 (以前入手したデータと比較して更新されている部分、追加されている部分を中心に抽出……) 「……ふう」 一時間ほどPDAと格闘してから視線をふっと空に向ける。 進入の痕跡、PDA内のデータの消去などをてきぱきと行い、得られた情報について頭の中で反芻する。 『書庫』内の一方通行に関する能力データには変化はなかった。彼の現在の住居等に関する情報は一切記載されていない。 表面上は。 美琴は一方通行個人のデータからさらに範囲を広げて、過去に行われた『妹達』の実験についての情報へもアクセスした。 少し前にも同様のことを試みたので、今回は割とあっさりと道筋を見出すことができた。 『妹達』に関する実験、『絶対能力進化実験』についての記載の変更点。それは実にそっけないものだった。 『『一方通行が学園都市最強である』という樹形中の設計者による演算の前提が否定されたため、本実験は永久的に凍結するものとする。なお、実験において量産された『妹達』については添付の資料に記する』 そしてその『添付資料』のファイルが二件。 世界各地に散らばった『妹達』の処遇についてが一件。 そして、高度に暗号化されていたもう一件の内容は実にシンプルなものだった。 『一方通行について:一方通行は××年九月現在で言語能力、演算能力を喪失。その能力が劇的に弱体化したため、樹形中の設計者が再構成されたとしても本実験は再開されない。なお、統括理事による『プラン』への影響はないものと考えられる』 一方通行の能力が弱体化したこと。これがまぎれもない事実であることを美琴は知っている。 それは学園都市にとって秘匿すべきであり、そのことに関するファイルが厳重に暗号化されているということにも納得がいく。 いや、むしろ―― (セキュリティレベルが、甘い。というより隠すことによって逆に閲覧してくださいって言ってるようなものね、) 学園都市の技術レベルから言えば、もっと上手く秘匿することなど簡単なはずだ。 そもそもこの単純なファイルは付け加える必要はないのではないか。 『プラン』というのが何を意味するのかは美琴にはわからない。 しかし、わざわざ終了した『絶対能力進化実験』の末尾に記載する内容ではない気がする。 ということは何か別の意図により付け足されたと見ていいだろう。 (……学園都市上層部への反抗者を、洗い出すため?) 学園都市の表に出せない実験について調べていけば、この内容にぶち当たるようにできている。 この『プラン』とやらで一方通行が鍵となっていること、学園都市上層部の意思が深く反映されていることは一見して明らかだ。 統括理事のやり方に不満を持つ者たちに、『プラン』の中核を担う一方通行を殺害するように仕向けた、と考えると。 おあつらえむけに一方通行の能力が弱体化したことまで記載されている。 一方通行がまるで狙って下さいといわんばかりに橋の上でぼーっとしていた理由、図ったかのようなタイミングで狙撃を受けた理由が理解できる。 美琴はそこまで想像して、ぞっとした。 しばらく前に感じた学園都市の『異常さ』がまたもや美琴の中で形になる。 公園では小学生程度の少年達が無邪気に球技に興じている。その裏で、学園都市はいったい何を行おうとしているのか。 美琴の知らないずっとずっと前から。 どう考えても一方通行は学園都市の闇に染まりきっている。 これ以上彼に関わるべきではない、と美琴のどこかが警鐘を鳴らす。 しかし、美琴は一方通行の影を追いかける小さな少女のことを知っていた。彼女は今も街に出て、一方通行のことを探し続けている。 美琴は忠告するべきなのかもしれない。打ち止めに「もう一方通行に関わるのはやめろ」と。 だが、あの白い少年の真意がどこにあるのかを知らない美琴には、それが本当に正しいことなのかわからない。 彼が今現在どこにいるのか。何をしているのか。そしてどこへ向かおうとしているのか。 偶然彼を見かけることができたそのチャンスを生かせなかったことが悔やまれる。 美琴はぎゅっとPDAを握り締めると、再びその表面に指先で軽く触れた。 * 「お疲れ様です。『仕事』にはもう慣れましたか?」 謎の圧迫感を一方通行に与えながら、海原光貴は一方通行を出迎えた。 指先がちりちりとするような感覚。何度も顔を合わせているのに、これだけはいつまでたっても慣れない。 自然と海原と距離をとりながら、一方通行は部屋へと足を踏み入れる。 「……いちいち待ってやがったのか。暇な野郎だ」 「別に、そういうわけではないんですけどね。ここは元々『グループ』の隠れ家の一つです。自分がくつろいでいてもおかしくはないのでは?」 端正な顔に少し困ったような表情を浮かべて海原が言う。 そう言えば、この男はどこに寝泊りしているのだろうか。表の顔を持つ土御門や、どこかの教師のところに転がり込んでいるという結標と違い、そもそも海原は自身の顔も名前も偽者だと告白していた。 この際だから聞いてみようか、とも思ったが別に知ってどうするわけでもない。 一方通行は海原の言葉に無視を決め込んでキッチンに設置された冷蔵庫から缶コーヒーを取り出した。 海原も一方通行と特別仲良くするつもりもないらしく、無視されたことに対して不満の声も上げない。 海原を避けるようにリビングのソファにどかっと腰を下ろし、缶コーヒーの飲み口に口をつける。 「先ほど、御坂美琴さんと一緒にいましたね?」 海原光貴は笑っているようでいて、その目には軽く殺意がこもっている。 それが、わざわざ自分を待ち構えていた理由か、と一方通行は納得し、ため息をつく。 この男はどうやら超電磁砲にえらくご執心らしい。 「……だから?」 「御坂さんは超能力者(レベル5)とはいえあくまでも一般人です。自分達の『仕事』に巻き込むようなまねは止めてください」 「俺のせいじゃねェだろォが。人払いはしてあったはずだろ」 海原は不満そうに肩をすくめた。 一方通行はその仕草に舌打ちをする。ただでさえコーヒーの缶を強く握っていないと指先が震える事実に苛立っているというのに。 コーヒーが不味い。この銘柄はこんなにも鉄の錆びたような味だっただろうか。 「……クソ」 ソファの脇に立てかけておいた杖を乱暴に掴む。引き寄せた際に杖の先が床にこすれて不快な音を立てた。 その音に海原が顔をしかめる。 いい気味だ、と思いながら杖を頼りに立ち上がり、飲みかけのコーヒーを缶の中に半分以上残したままゴミ箱へ投入した。 そのままソファへとは戻らずに部屋の出入り口に通じる廊下へと足を踏み出した。 「どこへ?」 一方通行は無言でドアに手をかけた。答えてやる義理などない。気にせずノブをガチャリとまわした。 金属製のドアが薄く開き、少し寒いくらいの外気が流れ込む。 「自分は御坂さんに関しては彼に任せているのですが、彼女を不幸にする要因をむざむざ放っておくことなどしませんよ」 と、一方通行の背後から海原の冷たい声が響く。 先ほどのような、冗談の中に潜ませたものとはちがう。本物の殺意が一方通行の背中にじくじくと突き刺さる。 「自分は、そこまで愚鈍な人間じゃない。覚えておいてください」 一方通行は海原の言葉など聞こえなかったかのように、背後を確認せずに後ろ手でドアを閉めた。 * 一方通行が『グループ』の隠れ家を出たとき、あたりはすでに暗くなっていた。 完全下校時刻はとうに過ぎており、あたりに人通りは少ない。 それでも高校生から大学生程度の年齢の学生の姿がポツリポツリと見える。 一方通行は街灯で照らされた歩道を歩く。 その足は杖を突いているからというよりは歩くのが面倒だからという理由で遅い。 だらだらとした歩みに飽きが来たころ、一方通行は目的のコンビニへとたどり着いた。 自動ドアをくぐると、店員の事務的な挨拶が聞こえてきた。 カウンターの中の店員には目もくれず、買い物籠を掴み取り、店の奥へと進む。 ドリンク棚の扉を開けると、目に付いた銘柄のコーヒーを残らずかごに放りこんだ。 (チッ、まったく忌々しい) 切れかけなのか、チラチラと蛍光灯がほんのわずかに明滅している。その微妙な変化が鬱陶しいことこの上ない。 レジまで歩く間にも蛍光灯は視界の隅に映る。 買い物かごをレジカウンターにドンと音を立てて乱暴に載せた。 店員の声と表情が入店時よりも引きつって見えたのは一方通行の苛立ちが伝わったせいなのかもしれない。 (この店にはもうこれねェかもな) 面倒なことになった。 一方通行は体中から発散するさっきを隠そうともしない。 イライラを隠そうともせずに舌打ちをすると、店員の顔がさっと青く染まった。 会計を終え、缶コーヒーの入った袋をひったくるようにして受け取り、足早に店を出る。 (無駄にブラックコーヒーの種類が多くて悪くはなかったンだがな) 来た方向とは逆へと向かう。このまままっすぐ隠れ家に戻る気はなかった。 別の隠れ家に移動したほうがいいだろうと思いながら道を行く。 少しはあった人通りがまばらになり、やがてなくなる。 街灯の立つ間隔も少しずつ広がり、人の気配はすでにしない。 一方通行が歩いているのは、未だに開発中の地区だった。 新しい学校でも建つのか、商業施設でもできるのか。 工事中の建物や小さな空き地などが目に付くようになってきた。 足場の組まれた建物の角を曲がると、バリケードで囲まれた広大な空き地があった。 一方通行はその申し訳程度につけられた出入り口を蹴飛ばして開けると、我が物顔でそこに進入した。 足元に敷かれた砂利が一方通行が歩くたびに不快な音を立てる。 学校のグラウンドほどの大きさの空き地だった。隅には機材や建材が無造作にが積まれていた。 「もォ、いいだろ」 星の見えない夜空に一方通行の声が吸い込まれた。 それに呼応するように、背後でジャリ、という足音が鳴った。 (打ち切り?)
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出典 とある魔術の禁書目録 CV 岡本信彦 学園都市の超能力者(レベル5)第1位、つまり学園都市最強の能力者である。 とある理由により更なる高みである絶対能力(レベル6)を目指しており、そのために 妹達を相手に凄惨な実験を行っていた。しかし本作ではテレスティーナ・木原の 誘いを受け、管理者の戦力となることで進化を計る。 その能力は触れたあらゆる力のベクトルを操作してしまうこと。 攻撃の反射はもちろん、重力や気圧を操作して宙に浮いたり、反作用を返して 打撃の威力を倍増するなど、基本的にやりたい放題の、まさに超能力である。 美琴では手も足もでず、突破できるのは上条を含むごくわずかの人間のみ。 (テレポートによる体内転移に耐性があるかについては言及されていないため、 黒子が相手になるかどうかは不明) 海馬ランド襲撃において始めて実戦に参加。やはり美琴を圧倒するが、 幻想殺しの前に一時撤退する。 ちなみにこの戦闘で使用した黒い羽は、画面上では無数の羽を飛ばしているが 実際は一方通行本人に羽が生えた後、正体不明のベクトルを操る攻撃である。 初登場も原作第13巻。本作の時系列では大分先の話である。
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一方通行「ン…土御門から指示が来てるな」ピッ 一方通行「ニ学区の倉庫で待機ねェ…いつ来るともわからねェのを待つなンてダルいなァ」ハァ 一方通行「……朝まで来なかったらどォすンだメシ抜きで徹夜かァ?」カツカツ 一方通行「……コーヒーでも買っていくかァ…刑事ドラマの張り込みみてェだなァ」ソワソワ 一方通行「ちょっと楽しくなってきた」カツカツ ~~ 第二学区・倉庫 ~~ 一方通行(……前言撤回) 一方通行(クッソ暇なンだが…)ボー 一方通行(……) 一方通行(メシ食ってくりゃよかったなァ…)グー 一方通行(……) 一方通行(ねみィ…)ファ~ 一方通行(……) 第二学区の中心部、 広い訓練場の横にいくつも併設された倉庫のうち、消耗品保管用の建物の最奥に一方通行はいた。 壁沿いに設置された大きな棚にはギッシリと弾薬の詰まった箱やらオイル缶やらが並べられている。 火薬や油の淀んだ臭いがたまる倉庫の隅っこに白い人影がひっそり座っている光景はちょっと不気味だ。 一方通行を囲むように設置されたいくつものモニタが第二学区内の監視カメラの映像を映している。 一方通行(雨も降って来たしコンクリに直座りは冷えるなァ……) ジジイのようなことを考えながら耳を澄ます。 訓練場のアスファルトと倉庫の屋根を叩く雨音だけがえんえんと響き、時間の感覚が鈍くなりそうだった。 一方通行(……?) ふと、雨音の中に異質な音が混ざっていたような気がして、チョーカーのスイッチを入れる。 この周囲には定時の見廻り以外近づかないよう手配しているはずだ。 空気中の水分密度を操り音の伝達速度を調整し、遠方から聞こえた異質な音の正体を探る。 百メートル程離れた訓練場入り口を通りこちらへ向かってくる女性の靴のヒールの音のようだった。 一方通行(土御門の野郎、警備員の配置指示手ェ抜いたンじゃねェだろォな) ヒールの音は一定の間隔でコツ、コツ、と一方通行がいる倉庫の方へ向かってきている。 一方通行(落ち着き払った歩調だが、……まさか犯人か?) 体勢を整えるべく立ち上がろうとした時、足元に置いてあったコーヒーの缶が反射膜に触れ、弾いてしまった。 相手の足音が聞こえるということは、相手にもこちらが音を立てれば聞こえる距離だということだ。 うちっぱなしコンクリートの床にスチール製の空き缶が転がる音はさぞ響くだろう。 一方通行(やべ……!?) しかし音はしなかった。 というか、缶は倒れなかった。 倒れかけ、斜めに底が浮いた状態で静止していた。 一方通行(なンだこりゃァ…?) ふと、雨音が小さくなっているのに気付く。 一方通行(雨が止ンだ……いや、) 雨の中から防音性の高い建物に入ったかのような。 遠くからかすかに地面を打つ雨音は聞こえる。 だが、一方通行のいるあたりだけ台風の目に入ったかのように音が止んでいた。 一方通行(おかしい……この違和感…) 空き缶に気を取られてはいたが、自身の反射膜が「許可リスト」外のモノを弾いたのには気がついていた。 一方通行(別の空間、別の次元に紛れ込ンだみてェなこの感覚は……) 静まりかえった倉庫の前でコツコツと近づいてきた足音が止まる。 続いてカチリ、と万全のセキュリティを施してあるはずのドアが開く音がした。 一方通行(オイオイ生体認証2つとICカードがねェと開かないンじゃねェのかよ) 棚の影からドアから入ってくる人物を伺う。 低い身長、華奢な骨格、細い足。 一方通行(犯人が女ってのも驚いたが、その上ガキかよ…超電磁砲と同じくらいの年か?) 侵入者である少女は慌てる様子もなく淡々と棚を物色している。 一方通行(ガキだからって見逃す訳にはいかねェよなァ) 一方通行「イタズラはそこまでだ」ガシ ??「……!?」ビクッ 一方通行「学園都市に盗みに入る技術と度胸は買うが、それにしちゃァビビリすぎだな」 ??「……手を放して」 一方通行「どう考えても通る訳がねェ要望をする意味あンのか?」 ??「放さないなら撃つわ」カチャ 一方通行「拳銃ねェ…そンなもン出したらコッチも射殺が視野に入ってくるンだが?」カチャ ??「……それはないわ。あなたは昨日消えた駆動鎧の行方を知りたいはず」 一方通行「ただのバカじゃねェよォだな、魔法少女さン」 ??「な…!?」 一方通行「この手の甲の石、ソウルジェムだろ」 ??「あなた何者なの?」 一方通行「教えてやってもいいが、まずオマエが使ってる魔法を解くのが先だ」 ??「!」 一方通行「俺には効かねェって判ってンだろ?」 ??「何もかも知っているというの?」 一方通行「さァな。素直に従うなら話を聞いた後釈放してやる」 ??「釈放なんて簡単に言っていいの?そんな事言って警察に突き出すつもりじゃないのかしら」 一方通行「どのみちオマエの力を使えば脱走し放題だろ。オラ、さっさと解け」 ??「……わかったわ」カチリ 少女の左前腕のバックラーから歯車が噛み合うような音がしたとたん、雨が倉庫の屋根や地面を叩き出した。 カランカラン、と一方通行が蹴飛ばしたまま宙に浮いていた空き缶が転がる音が倉庫内に響く。 一方通行「時間停止能力か」 ??「こんなにすぐ気付くなんて…何者なの?魔法を解いたら教えてくれるんでしょう」 一方通行「俺はあらゆる事象を『反射』する事が出来るンだ。その反射膜にオマエの魔法は阻まれた。 魔法の影響下に入った雨や物体が止まったことからアタリをつけただけだ」 ??「カマかけたのね」チッ 一方通行「簡単に認めるなンざカワイイとこあンじゃねェか」クカカ ??「私はてっきりあなたも魔法少女なのかと思ったわ」 一方通行「ンな訳ねェだろ!目と頭おかしいンじゃねェのか?」 ??「冗談よ。あなたは学園都市の能力者でしょう」 一方通行「全然笑えねェっての……。次はこっちが質問する番だ。まず名前と目的を言え」 ??「私はあなたの名前を聞いてないわ」 一方通行「チッ…一方通行だ」 ??「暁美ほむら」 一方通行「偽名じゃねェだろォな?」 ほむら「あなたの方がよっぽど偽名に聞こえるわ」 一方通行「学園都市内ではこれで通用するからいいンだよ」 ほむら「……変わった名前ね」 一方通行「ほっとけ。オマエ魔法少女なンだろ」 ほむら「今更否定してもしょうがないわね。ええ、そうよ」 一方通行「魔法少女がなぜ兵器を盗むンだ。魔女との戦いには魔法で出した武器を使うだろ」 ほむら「……私の魔力は時間操作にほとんど使われているの。だから魔法武器を出せないのよ」 一方通行「魔女には魔力を使った攻撃でしか倒せねェンじゃねェのか?」 ほむら「今までもそれで倒してきたわ」 一方通行「ふゥン…ちょっとオマエの得物見せてみろ」 ほむら「……いいけど普通の拳銃よ」ハイ 一方通行「日本国内で中学生がデザートイーグル持ち歩いてるのが普通とは言わねェだろ普通」カチャ ほむら「詳しいのね」 一方通行「さっき見ただろ。俺も一応銃を扱ってるからな」 一方通行「……なるほどなァ。銃に魔力をコーティングしてるってカンジか」 ほむら「触っただけでわかるの?」 一方通行「まァな。普通の材質とは違う『感触』がするンだよ」ヘンキャク ほむら「……返していいの?」 一方通行「あァ?」 ほむら「銃よ。取り上げないの?」 一方通行「なンで俺がそンなめンどくせェ事すると思うンだ?俺は警察でも警備員でもねェぞ」 ほむら「じゃあなぜこんな所にいるのよ」 一方通行「学園都市には『表』には出せねェオシゴトってのがあってなァ。 特にオマエがやったみてェな技術を外に流す行為は極秘に徹底的にツブす事になってンだ」 ほむら「…あれは返せないわ。私には強力な武器が必要なの」 一方通行「でも動かせなかったンだよな?だからリスクを犯してまでノコノコ戻ってきたンだろ」 ほむら「……」 一方通行「アレな。専用のガトリングガンの弾薬ねェぞ」 ほむら「え!?」 一方通行「アレは独自規格な上に試験運用前に戦争が終わったからなァ。 乗って移動するだけならチップがありゃァ出来るだろうが、オマエが欲しいのは火力だけだろ?」 ほむら「そんな……」ガックリ 一方通行「残念だったなァ。って事で駆動鎧は返せ。そしたら特別に見逃してやる」 ほむら「……」 一方通行「普通の銃で魔女退治出来るンだろ?戦争用の大型兵器なンざオーバースペックだろォが」 ほむら「……普通の攻撃ではどうにもならない奴がいるのよ」 一方通行「あン?」 ほむら「アサルトライフルも迫撃砲もSSMも効かなかったけど 第三次世界大戦での映像を見て、学園都市の兵器ならあるいは…」 一方通行「は?なンだって?」 ほむら「判りにくかったかしら。89式5.56mm小銃と81mm迫撃砲 L16と88式地対艦誘導弾でも貫けない装甲でも 学園都市の兵器なら駆逐できるんじゃないかと思ったのよ」 一方通行「…自衛隊にドロボーに入ったンかよ…」ドンビキ ほむら「拳銃はある自営業の方の事務所から調達したわ」ホムッ 一方通行「無い胸を張るンじゃねェ!ヤ○ザはともかく自衛隊から盗むなよ大事になるだろ!」 ほむら「気付かれるようなミスはしてないわ」 一方通行「だったら尚更だァ!いつの間にか重火器紛失してました~なンて陸幕長含めて相当数処分だぞ!」 ほむら「いっこくらいならバレないと思ったんだけど…」 一方通行「バレるに決まってンだろ!もうすンじゃねェぞ」 ほむら「(米軍からもパクったんだけど言わないほうがよさそうね)わかったわ」 一方通行「そもそも学園都市製で威力が高い兵器は駆動鎧みてェな操縦者が乗り込むタイプばっかりだぞ? バックラーが邪魔で操縦できそうにねェしあの装備なしで魔女退治って出来るのか?」 ほむら「あ…。そこまで考えてなかったわ」 一方通行「……オマエ冷静に見えたが天然か?」 ほむら「元々ストレートよ」 一方通行「?」 ほむら「?」 一方通行「……髪の話はしてねェ」 ほむら「えっ」 一方通行「天然パーマとは言ってねェ」 ほむら「えっ」 一方通行(……天然が頑張ってカッコつけてたンだなァ…)
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【作品名】とある魔術の禁書目録 Another story accelerate of Fate ~とある科学の一方通行~ 【ジャンル】聖書(笑) 【名前】《一方通行 ―The accelerate―》 【属性】一方通行(accelerate)絶対能力者 最強 悪党 本名・鈴科百合子 【大きさ】白髪赤目 女か男か分からない細身 169cm程の学生並 【攻撃力】居るだけで素早さ欄の早さで敵のテンプレを『テンプレ操作・破壊・設定改変等を無効にする能力』 等をすべて無視して破壊する。全次元全階層無限次多元宇宙全能やメタ全能、非存在も破壊 【防御力】全次元全階層全能&メタ全能無効。発狂等は相手にそのまま反射する。考察操作やあらゆる系、ルール変更、設定改変、テンプレ破壊も反射又は無効 敗北した場合ですら、「負ける」というベクトルを相手に反射し自分の勝ちとする 【素早さ】あらゆる意味で先手系以上。時間無視の無限倍等止まって見える 最強妄想キャラクター議論スレがはじまる前から行動可能 反射能力は最強妄想キャラクター議論スレがはじまる前から常時無意識に発動するので先手後手は関係無し 【特殊能力】"The accelerate":上記反射能力。 【長所】反射(笑)ベクトル(笑) 【短所】インデックスにおごらされた 【備考】台詞の一部「ぁぃぅぇぉん」はカタカナになる、ロリコン、缶コーヒー中毒 【管理人様へのお願い】禁書類はネタ被るかもなのでランキング時に略さないで下さい 838 名前: ◆yk.IqF2YOI [sage] 投稿日:2009/04/02(木) 21 12 55 《一方通行 ―The accelerate―》考察 「あらゆる意味で」「先手系以上」であり、最強妄想キャラクター議論スレがはじまる前から行動可能なので 妄想スレ開始前超先手行動可能。 ○「無限のゼロ」 妄想スレ開始前>参戦時 ○言葉遊びを消し去るやつ 相手はこちらと違って妄想スレ開始前先手なので勝てる。 ×絶対無敵全世界(ry 2ch前>妄想スレ前 ×文字 化太郎 現実前>妄想スレ前 ×人夜一世丹瞳五郎 無理。 絶対無敵全世界(ry>《一方通行 ―The accelerate―》>言葉遊びを消し去るやつ
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【作品名】とある魔術の禁書目録 Another story accelerate of Fate ~とある科学の一方通行~ 【ジャンル】聖書(笑) 【名前】《一方通行 ―The accelerate―》 【属性】一方通行(accelerate)絶対能力者 最強 悪党 本名・鈴科百合子 【大きさ】白髪赤目 女か男か分からない細身 169cm程の学生並 【攻撃力】居るだけで素早さ欄の早さで敵のテンプレを『テンプレ操作・破壊・設定改変等を無効にする能力』 等をすべて無視して破壊する。全次元全階層無限次多元宇宙全能やメタ全能、非存在も破壊 【防御力】全次元全階層全能&メタ全能無効。発狂等は相手にそのまま反射する。考察操作やあらゆる系、ルール変更、設定改変、テンプレ破壊も反射又は無効 敗北した場合ですら、「負ける」というベクトルを相手に反射し自分の勝ちとする 【素早さ】あらゆる意味で先手系以上。時間無視の無限倍等止まって見える 最強妄想キャラクター議論スレがはじまる前から行動可能 反射能力は最強妄想キャラクター議論スレがはじまる前から常時無意識に発動するので先手後手は関係無し 【特殊能力】"The accelerate":上記反射能力。 【長所】反射(笑)ベクトル(笑) 【短所】インデックスにおごらされた 【備考】台詞の一部「ぁぃぅぇぉん」はカタカナになる、ロリコン、缶コーヒー中毒 【管理人様へのお願い】禁書類はネタ被るかもなのでランキング時に略さないで下さい ◆考察記録--------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- 838 名前: ◆yk.IqF2YOI [sage] 投稿日:2009/04/02(木) 21 12 55 《一方通行 ―The accelerate―》考察 「あらゆる意味で」「先手系以上」であり、最強妄想キャラクター議論スレがはじまる前から行動可能なので 妄想スレ開始前超先手行動可能。 ○「無限のゼロ」 妄想スレ開始前>参戦時 ○言葉遊びを消し去るやつ 相手はこちらと違って妄想スレ開始前先手なので勝てる。 ×絶対無敵全世界(ry 2ch前>妄想スレ前 ×文字 化太郎 現実前>妄想スレ前 ×人夜一世丹瞳五郎 無理。 絶対無敵全世界(ry>《一方通行 ―The accelerate―》>言葉遊びを消し去るやつ 総当たり考察戦