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打ち止め「うそ、嫌…!死なないで一方通行!」 一方通行「……」 視界が霞む。 直に自分は死ぬ。 一方通行はそう確信した。 打ち止め「嫌だよぉ!せっかく、せっかく戦争が終わったのに…!アナタの能力だって取り戻したのに!また…また、二人でお出かけできると思ったのに!」 泣き叫ぶ少女。 泣くなと、言いたかった。 だがもう声を出す気力すら残ってなかった。 口を開いて、一言喋ったら終わりだ。 だからせめて、一方通行はその手で彼女の頭を撫でる。 打ち止め「一方通行…、お願い、諦めないで!もうすぐ救急車が来るから…!だから、それまで頑張って!」 無理だ。 でも、いい。 俺ァ、この手で守りきれたんだ。 もう、打ち止めを狙うやつは現れない。 世界に平和が戻ったんだ。 あのヒーローですら死んだ、多くの仲間が死んだ。 そんな中で、俺ァ大切なモノを守りきったんだ。 もう、思い残すことはねェよ。 打ち止め「ア、一方通行ー!!いや、うそ、だめっ!死んじゃダメ!」 一方通行は、笑った。 笑って、安らかに死んだ。 ゆり「目が覚めた?」 一方通行「ッ!?」 ゆり「ようこそ、死後の世界へ」 一方通行「あン?誰だてめェ?」 夜の学校。 一方通行はその校庭に寝転がっていた。 ゆり「あたしはゆり。あなたは?」 一方通行「…俺に名前はねェよ…ここァどこだ?」 ゆり「死後の世界よ」 一方通行「ハァ?何言ってンだお前?」 ゆり「あなた、死んだのよ。記憶はあるみたいだけど?」 起き上がり、思い出す。 そうだ、俺ァ死んだンだ。 ちゃんと、打ち止めの前で死んで、それで、 一方通行「ハッ!でェ?ここが死後の世界だってかァ?くっははは!どゥいう冗談だよ神様よォ!」 ゆり「…理解はできた?」 一方通行「あァ、いいぜェ。あれで実は生きててこれは夢の中なンてバカな事ァ考えねェよ。俺は死んだ、で、ここはさしずめ地獄かァ?」 ゆり「地獄と思おうと、天国と思おうと勝手にしていいわよ」 一方通行「そォかい。なら俺が来たから地獄だなァここは」 ゆり「……」 一方通行「死後の世界だというのはわかった。てめェも死んだンだな?」 ゆり「ええ、そうよ。理解が早くて助かるわ」 そこで一方通行はゆりが構えているモノに気付く。 一方通行「ンなもんがこの世界にはあンのか。つか、構え方なってねェなァ、もっと肩を引き締めろォ」 ゆり「…普通は銃に驚くものなんだけど」 一方通行「俺ァそういう世界で生きてきたンだよ」 ゆり「……」 ゆりの表情が強張った。 そこにあるのは、恐怖とわずかな怒りと憎しみと警戒。 だが、ゆりの過去など知らない一方通行からしてみれば、ごく普通の一般人の反応にしか見えなかった。 ゆり「(この人からは何か、危ない感じがする…)」 一方通行「びびってンじゃねェよ」 ビクッ、と一方通行の声にゆりが震えた。 ゆり「え、ええ。大丈夫よ」 一方通行「…そォかい」 ゆり「とりあえず、手短に説明するわね」 そして、ゆりは説明した。 死なないこと。 死んだ世界戦線のこと。 神への復讐のこと。 天使のこと。 NPCのこと。 武器やギルドのこと。 説明し慣れているのか、スムーズに説明がなされる。 それらを聞き終え、一方通行は完全に理解した。 一方通行「しっかしまァツッコミどころがあるなァ」 ゆり「答えられる限り答えるわよ?」 じゃあまず、と一つ目を聞く。 一方通行「死んだ世界戦線だァ?」 対し、ゆりはええ、と頷く。 ゆり「ようこそ」 ゆり「死んだ世界戦線へ」 一方通行「神に挑む為と、消えないようにするのが目的だったな。あァ、あと天使だっけか?」 ゆり「そうよ。さっきも説明したけど、今天使を迎え撃つところよ。トルネードを起こす邪魔をされないようにね」 一方通行「天使ってなァ、どれだ?ミカエルか?それともガブリエルかァ?いや、三大、四大天使以外の天使か?…つかソイツの術式はなンだ?属性は青か?」 ゆり「え、ええと、その、たぶんあなたが考えているようなものではないわ。NPCと同じ格好、同じ生活をする生徒会長の女生徒よ」 一方通行「そうか。だが見た目は人間なンて天使も心当たりがあるンだよなァ…あれは属性は青で水を司るーー」 ゆり「ちょ、ちょっと待って。あなたが何を言っているのかわからないんだけど」 一方通行「オマエ、魔術を知らないのか?」 ゆり「はぁ?魔術?」 一方通行「知らねェならいい」 ゆり「……」 一方通行「全く信じねェわけじゃないようだな。ま、それもそうかァ。こんな世界があれば魔術があってもおかしくないしなァ」 ゆり「ええ、まあ」 一方通行「だが神に挑むねェ…」 バカらしい、と一方通行は心の中で吐き捨てた。 ゆり「あなたもここに来たってことは、悲惨な人生だったのよね?神に抗いたいとは思わない?」 一方通行「思わねェな」 そうだ。 俺ァ満足して死んだンだ。 もう何も思い残すことなンざねェ。 俺ァ自称神野郎や、なんたら神だのを倒してきた。 だが、ここで言う神ってのがそゥいう神ではないって事ァ理解できてる。 運命、ゼウス・エクス・マキナか。 それに対する憎しみなンてない。 むしろ昔の俺からじゃァ考えられねェが、打ち止めを守りきれたことに感謝してやってもイイくらいだ。 神に祈るなンざ、インデックスのやつを思い出しちまうがな。 ゆり「うそっ、ないの!?神に抗いたいとか思わないわけ!?」 一方通行「アァ、ねェな」 ゆり「そんな人がここに来るなんて…」 ゆり「ッ!?現れたわ、天使よ!」 ゆりはすぐさま通信機にそう伝えると銃を構える。 一方通行「あン?あれが天使か?」 ゆり「ええ、あなた戦えるみたいだけど今日は様子見てて」 日向「援護に来たぜゆりっぺ!…うおっ、白い髪、こいつも天使か!?」 一方通行「……ナニ気持ち悪ィこと言ってンだよてめェ」 日向「なっ、違えよ!口説き文句で天使って言ったんじゃねえよ!」 ゆり「彼は日向君、私の仲間よ。で、えっと日向君、こっちは…」 一方通行「名前はねェな。あえて呼ぶならアクセラレータと呼べ」 一方通行は手のひらを開く。 日向「なんだ?握手か?恥ずかしいなおい」 一方通行「黙れゲイ野郎」 日向「ちげえよ!」 演算を開始する。 わずかながらも風がそこにあつまり小さな渦を発生させる。 風はある、か。能力も健在。 日向「うおっ、なんだそれ?」 ゆり「えっ、天使みたいな力を使えるの!?」 一方通行「学園都市って言やわかンだろ?」 納得するも驚く二人を置いて、一方通行は天使と呼ばれる少女に向かう。 ゆり「あっ、ちょっと!」 一方通行「おいオマエ」 奏「なに?」 一方通行「アイツらに天使とか呼ばれてっけど?天使なのかァ?」 奏「あたしは天使なんかじゃないわ」 一方通行「そォか。オマエも死んでここに来たのか?」 奏「…」コクリ 一方通行「オマエはなンなンだ?」 奏「生徒会長よ」 一方通行「そォいやなンで学校なンだかなァ、しかも俺まで制服来てらァ」 奏「みんなろくに学生時代を謳歌できなかった人だから」 一方通行「ここに来る連中がか?」 奏「…」コクリ 一方通行「そォか。で?アイツらに銃で狙われてっけどオマエら何で敵対してンだ?」 奏「彼らが校則を破って好き勝手やってるから…」 一方通行「それを止めンのか?」 奏「あたしは生徒会長だから」 一方通行「なるほどねェ」 突然、一方通行のほうを向く天使の目が細まった。 奏「危ない、どいて」 一方通行「必要ねェよ」 大きな金属音が、一方通行の背中からした。 野田「ぐあぁっ!」 振り替えると一人の少年の腕をハルバートが切り落とし、地面に突き刺さっていた。 一方通行「はっはァ!確か腕が弾け飛ぼうが、時間が経てば回復するんだっなァ?」 一方通行はニタニタ笑いながら、少年に向かう。 野田「ぐっ…!何が起こったんだ」 椎名「野田、退却しろ!」 一方通行「あン?」 一人の女が爆弾を投げた。 反射しようか、と一方通行は一瞬考えた。 だが、爆弾は一方通行に触れる前に爆発した。 爆発は一方通行を中心に起こったが、その爆風で天使は目を瞑り後退る。 一方通行「ざァンねんでしたァ」 椎名野田「!?」 ゆり「みんな!彼とは敵対しないで!今のうちに回して!」 日向「今のうちに食券取って走れ!」 学園の建物からモーター音とともに風が吹く。 同時に、大量の食券が宙を舞い、雪のように落ちてくる。 一方通行「あれがトルネードってやかァ」 ゆり「一方通行君も、早く来て!」 一方通行「この腕千切れてるやつはァ?」 ゆり「ほっとけばいいわ、時間が経てば戻るから!」 日向「一方通行ー、しょうゆ取って」 一方通行「ン」 日向「サンキュー」 大山「あ、一方通行君。サラダにマヨネーズ使う?」 一方通行「ン、もらう」 岩沢「マヨネーズ次貸して?」 一方通行「ン、ほらよ」 ゆり「…あなたって顔つきとは裏腹に優しかったりする?」 一方通行「ハァ?なァに言ってンだオマエ。俺にビビってた癖によォ」 一方通行はニヤニヤと笑う。 それにゆりは少しだけ顔を赤くする。 ゆり「わ、悪かったわね。いいじゃない、あたしだって女の子なんだから…」 一方通行「フゥン?へェ?」 ゆり「もうっ、ニヤニヤしないでよっ!」 日向「うおっ、ゆりっぺが顔赤くしてる!珍しい!」 ゆり「うっさい!」 一方通行「ところでゆり」 日向「(あ、呼び捨てだ)」 大山「(おお、呼び捨てだぁ)」 岩沢「(なんとも男らしい)」 ゆり「なに?」 一方通行「朝食と昼食もまたトルネードすンのか?」 ゆり「さすがにしないわよ。お昼はその日その日で変わるわ。食糧確保できてれば、それを使って調理したりね。朝食ぐらいは普通に買っても消えるファクターにはならないから、大丈夫よ」 一方通行「この世界の金は?」 ゆり「全寮制だからね、奨学金が支給されるわ。後で一緒に行ってあげる。それまではこれで足りるかしら?」 そう言ってゆりが一方通行に五千円札を渡す。 ゆり「売店や自動販売機もあるから」 一方通行「おォ、悪いな」 ゆり「男子寮の方には日向君、案内してあげて」 日向「おう。俺は大山と一緒だが、お前は一人になりそうだな」 一方通行「そいつァ良かった。気ィ遣わねェで済む」 日向「お、男らしい。なんだよ人恋しいとか言ってゆりっぺに抱き付いた俺が馬鹿みたいじゃねえか」 ゆり「ッ!?」 一方通行「なンだ、オマエらそんな仲か」 ゆり「ち、違うわよっ!こいつが抱きつこうとしただけ!あたしは気持ち悪いから避けたわっ」 日向「誰が気持ち悪いだ!」 ゆり「あんたよ!いつもナヨナヨして!」 一方通行「それでェ?学生生活をしてれば俺ァ消えられンのか?」 ゆり「!?」 SSS「!?」 ゆり「ちょっと待って!本当に消えちゃっていいの!?」 一方通行「アァ、初めから言ってンだろ。俺は未練も何もねェンだよ」 ゆり「…そう。でも気持ちが変わったらいつでも言ってね」 日向「いつでも来ていいぜ」 一方通行「ああ、ありがとよ」 ーーーーーーーーーーーーーーーーーー ガコン、ガコンと立て続けに音が鳴る。 一方通行はとりあえず手に持てる分だけ、ブラックコーヒーを買う。 自動販売機は夜でも光を発していて、一方通行の白い肌を浮かび上がらせる。 岩沢「随分買うんだね」 一方通行「あン?オマエか」 岩沢「ブラック好きなの?」 一方通行「まァな。これがねェとダメだわ」 岩沢「ふぅん。keyコーヒーなんかもオススメだよ」 一方通行「気ィ向いたらな」 ガコン。 岩沢はミネラルウォーターを買い、仰ぐ。 一方通行「バンドの練習してたのか?」 岩沢「そうだよ。聞こえてたかい?」 一方通行「まァな」 岩沢「そう…」 一方通行「オマエは、どォして神に抗いたいンだ?」 岩沢「あんたは満足して死んだんだね?」 一方通行「あァ、そうだ」 岩沢「どんな風なんだろうな…人生に満足して死ぬって…あたしには想像もつかない」 一方通行「……」 岩沢「きっと、欲しい物手に入れて、幸せに生きて、それで安らかに死んだんだろうな……いや、ごめん。勝手に決めつけて」 一方通行「…オマエは、どんな風に死ねれば満足だったンだ?」 岩沢「え…」 一方通行「理不尽に死んだことが許せねェンだろ?だったら、どんなものを手に入れていれば満足だったンだ?」 岩沢「あたしは……」 岩沢「…………」 一方通行「…お節介だったな」 一方通行は岩沢に背を向け、歩き出す。 岩沢「あっ、今度演奏聞きに来てよ」 一方通行「気ィ向いたらな」 パァン! 一方通行「あ?」 校庭から銃声が鳴った。 岩沢「こんな時間に…?」 校庭を見下ろすと三つの人影が見えた。 この学校でも、SSSの制服でもない制服。 三人とも仮面で顔を隠している。 男が一人に女が二人。 一人の女は拳銃を空に向けている。 戦線布告のつもりだろうか。 一方通行「誰だァ?あいつら」 岩沢「知らない。他の学校の人だなNPCじゃないようだけど」 それだけ分かれば十分だ。 一方通行は窓を開け放つと、軽々と飛び降りた。 岩沢「っ!?」 グラウンドがえぐれ、土煙が立ち上がる。 仮面女「この学校の生徒だな?」 仮面の女は土煙の中に佇む一方通行に声をかけた。 一方通行「アァ、そうだ」 仮面男「えっ!?その声一方通行か!?」 一方通行は、その声の主を知っている。 こんな世界があるなら、絶対に来ているであろう人物を。 一方通行「上条だな?」 仮面男「ああ、そうだよ」 一方通行「……」 上条「……」 仮面女「えっ?上条君知り合いなの?」 上条「ああ、そうだよさーー」 仮面女「うわぁぁっー!あたしの名前バラすなああ!」 上条「あ、悪い」 仮面女2「全く、上条は超情けないですね」 ゆり「一方通行君!大丈夫!?」 ゆりが走ってやってきた。 後ろから、日向、野田、椎名、藤巻、とSSSメンバーがついて来る。 岩沢が連絡したようだ。 野田「何だあ!貴様らは!」 日向「おいおい、どこの誰だよこいつら」 藤巻「はっ!あの拳銃からして、NPCじゃないようだぜ」 仮面女「……」 総勢二十人ほどのSSSメンバーが集まっていた。 仮面の三人はそれらを前にして、全く動揺しない。 仮面女「二十人、か。大した脅威じゃないわね」 仮面女2「そうですね。死なない世界だけに、私たちからすれば超雑魚ゾンビです。…そういえばバイオハザード6が観たかったです」 上条「おいコラ、俺は結構ピンチなんですけど?…あとバイオハザードは諦めろ」 仮面女2「その右手が超あるじゃないですか」 上条「それ以外に当たったら終わりだからね!?」 SSS「……」 ゆり「随分と余裕のようね?」 藤巻「俺たちが雑魚とは言ってくれるじゃねえか!」 野田「ゆりっぺを侮辱するとは万死に値する!」 椎名「むっ、強者の気力が見える」 仮面女「さてと、上条君、この状態をどう見る?」 上条「はぁ…ったく、一方通行はかなり強いぞ。あと、そこの忍者女も中々…」 上条は仮面の奥の瞳で、全員を見回し、言った。 上条「後は脅威にならないな」 仮面女が満足気に頷いた。 仮面女「それじゃっ、ゲームスタート!」 上条「ま、待てって!まずは話し合おうぜ!何もいきなり戦う必要ねえだろ!?」 仮面女「何言ってんのよ。向こうなんか明らかに武器構えてやる気満々じゃない」 上条「お前が威嚇したせいだろうが……ったく、なあ一方通行?」 一方通行「上条……俺がここにいる理由を聞かないのか?」 上条「…悪い、まだ少し決心が付かないから」 一方通行「そォか」 ブオン、と風を斬る音がした。 野田の投げたハルバートが上条に飛びかかる。 上条「邪魔だ」 上条が右手で裏拳気味にハルバートを殴りつける。 パキン!と音を立ててハルバートが砕け散った。 上条「ったく、会話の最中にんなモン投げんなよ」 SSS「!?」 砕け散ったハルバートは、土となってサラサラと地面に落ちた。 カチャ! ゆり含むSSSメンバーが銃を構え、安全装置を外した。 仮面女2「上条は超下がっててください。ここは私の番です。ほーらほら、雑魚ゾンビ共、かかって来なさい!」 銃声が立て続けに鳴った。 地響きのように、耳をつんざく音が夜の校庭に響く。 仮面女2「…この程度で、私の窒素装甲は破れませんよ」 SSS「ッ!?」 一方通行「窒素装甲、ねェ。確かてめェの名は絹旗最愛だっけか?」 仮面女2「ええ、超その通りですよ一方通行」 絹旗「さて、私たち二人は学園都市の者なので面が割れてしまいましたが…どうします?リーダー」 仮面女「彼の能力は?」 絹旗「私の能力の超強い版です。攻撃は全て跳ね返り、指で触れられたら一撃で殺されます」 仮面女「…何よそのチートキャラ!時風以上じゃない!」 一方通行「あン?時風だァ?」 仮面女「しまったあぁぁー!」 一方通行「そォいやオマエらの仮面ってあの漫画の…」 仮面女「ギャー!黙って!…上条君、ほらその右手で頭ぶん殴って来て!」 上条「落ち着けって!…はぁ、絹旗、今日は引き下がろうぜ」 絹旗「そのほうがいいみたいですね、まあ私は一方通行以外には超負ける気がしませんけど」 上条「俺には?」 絹旗「私をこてんぱんにした記憶がもうないのですか?超乏しい記憶力ですね」 上条「へいへい…じゃあな一方通行!また来る!」 ゆり「ちょ、待ちなさい!」 上条と仮面女が後ろに走り出す。 SSSメンバーが動こうした瞬間、絹旗が地面を叩いた。 轟音と共に地割れが起き、足場が崩れる。 一方通行「……」 変わらず佇む一方通行。 SSSメンバーの多くがその場に転ぶ。 動けたのは、四人。 ゆりは素早く崩れる地面から地面へと飛び移り、絹旗に向かう。 その手にはナイフ。 椎名は地割れの場にはいなかった。 とっくに絹旗の背後を取っていた。 クナイを絹旗の首に突き刺す。 だが、見えない壁によりクナイが砕ける。 振り向いた絹旗の顔面に野田の拳がぶつかる。 拳からは血が飛び散り、絹旗は涼しい顔でやって来た藤巻の長ドスを掴む。 長ドスはしばらく、ギチギチと音を立て、砕け散る。 ゆりがナイフを投げる。 絹旗はそれを砕く。 ゆり「ゼロ距離ならどうよっ!」 絹旗「っ!」 跳び上がったゆりが、絹旗の頭上からコンバットナイフを構える。 絹旗「くっ」 それを半歩下がって避ける。 パキン! と遠くで立て続けに幻想殺しの音がした。 振り向くと、椎名が上条たちに向かって爆弾やクナイを投げ続けていた。 絹旗「っ、ッッ!いい加減にーー」 こめかみがピクリと動く。 一方通行「(あれが、俺の思考トレースの…)」 絹旗「いい加減に、しろーー!!」 絹旗を中心に大爆発が起きた。
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~~ 翌日・とある公園 ~~ 御坂「さあって今日も張り切って魔女退治するわよー!」オー 結標「朝からテンション高いわね…」 一方通行「……………ねみィ…」 御坂「アンタ達やる気ないわね」 一方通行「……普段はこの時間まだ寝てンだよ……」ウツラウツラ 結標「……私ちょっと低血圧なのよね…」フラフラ 御坂「え、もう8時よ!?いくら遅くても起きてる時間でしょ?」 一方通行「………」←半ヒキなので(ry 結標「………」←半ニートなので(ry 御坂「だらしないわねーそんなんで魔女みたいなわけわかんないモノと戦えるの?」 一方通行「……つゥか…オマエ学校は?」 御坂「もちろん休むわよ」 一方通行「あァ!?」 結標「なんでよ?」 御坂「なんでって、そりゃ学校より魔女の方がおおごとだし…」 一方通行「ダメだ学校行け」 結標「そうよ、学校行きなさい」 御坂「な、なによ二人して」 一方通行「学校サボったりして余計な弱み作るンじゃねェ」 御坂「弱み?一日二日くらい能力の研究で~とかいくらでも誤魔化せるわよ」 一方通行「その考えが甘いンだよ。バレたり口実につけこンで利用されたりしたらどうするつもりだ」 御坂「利用なんて大人しくされる訳ないでしょ返り討ちにしてやるわよ」 一方通行「妹達や周りの人間をタテにされても言い切れるか?」 御坂「なんでそこで妹達が出てくるの」 一方通行「軍事・科学・情報あらゆる面で『超電磁砲』の能力の有用性は明らかだ。 そンな圧倒的な力を持っているオマエが普通の生活を送れるのはなぜだと思う」 御坂「…?そりゃあ超能力者って言ったってただの学生だし」 一方通行「そォだ、『超能力者だってただの学生』っつゥ学園都市の名目の為だ」 一方通行「もっと言やァ学園都市で三番目に強い能力者がオマエみてェな華奢でカワイイ中学生 ってことを周知させることで『外』に警戒心を抱かせない為だ」 御坂「か、かわいい?」エヘ 一方通行「……そこは主題じゃねェからスルーしろよ」 御坂「むう…私の役目はそういう対外的なアピールだってことは解ってるわよ」 一方通行「わかってねェ。オマエが『模範的優等生』から外れたらお役御免って事だ」 御坂「ちゃんと成績も上位をキープしてるし」 一方通行「素行の話をしてンだよ。オマエ度々街中で放電してインフラぶっ壊したりしてンじゃねェか」 御坂「う…でもバレてないもん」 一方通行「バレてねェ訳あるかバカ。上層部だけが把握してる情報網がどれだけあると思ってンだ。 今までお咎め無しだったなら、それはバレてねェからじゃなくて見逃されてるからなンだよ」 御坂「追求されたとしても弁償くらいできるわよ」 一方通行「『奨学金』でかァ?その金がどこから出てンのか解ってンのか? 上の思惑次第でストップできンだぞ?金が無くなったらどう弁償するンだ?」 御坂「それは…、」 一方通行「その答えが『俺』や『結標』だ。破壊活動の為だけに存在するような人間になりてェのか? 金や人質をチラつかせられながら上のいいなりになって人を殺す覚悟があるのか?」 結標「ちょっと、そんなことまで話す必要ないじゃない」 一方通行「こォいう甘ちゃンは一辺キチンと現実ってやつを教えてやらねェとすぐ調子に乗るンだ」 御坂「調子に乗ってなんかないわよ!」 一方通行「じゃあオマエは自分が広報的価値を失ったらどォなるのか考えたことがあるのか? 表舞台に出なくなるだけで普通の学生の日常が来るとか勘違いしてンじゃねェだろな」 御坂「今までの生活から広報活動が無くなっただけで大げさなことになるわけないじゃない」 一方通行「そォだな、手始めに奨学金を止めた上で今までの賠償として億単位の請求かなァ? 妹達の調整・維持費請求って手もあるだろォな。払わねェなら破棄するっつって」 御坂「な……!妹達は、どっかの研究所が勝手に作ったくせに!」 一方通行「そンな正論が通用すると思うのか? 研究材料になると思ったら法律倫理国際条約、平気で無視するよォな奴だらけだぞ」 御坂「そんな底意地悪い例え話するなんてやっぱりアンタって最悪だわ」 一方通行「今はまだ例え話だが広報に使うより『闇』の仕事に価値があると思われたら現実になる」 御坂「……、」 一方通行「俺とはまた別の方向で役に立ちそうだもンなァ。 その気になりゃァ世界中のネットワーク乗っ取れるンじゃねェか? コッソリ敵対勢力に忍び込んで内部の人間に電気的ロボトミー処置ってのもイイよなァ」 御坂「やめてよ!そんな事私がするわけないでしょ!」 一方通行「したくなくてもせざるを得ない状況に追い込まれるモンなンだよ」 結標「……残念だけど、一方通行の言うとおりよ。一度堕ちたらなかなか這い上がれるものじゃないわ」 一方通行「そして、堕ちる時は一瞬だ。いつ何がきっかけで上の思惑が変わるかわからねェ以上隙は見せるな」 御坂「そんな無茶苦茶な手段取られたらどう抵抗しても無駄じゃない」 一方通行「世間の認識が今のままならどォにでもなる。 だが、素行不良が問題になって『なンでアレが第三位』『あンなのに高額奨学金をやるな』って 流れを作られたら抵抗したとたんに反逆者・テロリスト扱いだぞ」 御坂「で、でも…そうだ、アンタがそういう闇?とか暗躍してる組織潰したんじゃなかったの?」 一方通行「あン?そンな事話したっけか」 結標「私が話したわ。以前学園都市に逆らった私が自由に出歩けてる理由を話しといた方がいいかと思って」 御坂「気に食わないけど第一位がいつまでも脅されっぱなしな訳ないものね」 一方通行「あのなァ…そォいう奴らが一回潰されたくれェで大人しくしてると思ってンのか?」 御坂「え?」 一方通行「俺が潰して脅しても、記憶力の弱いアホや勘違いしたバカはゾロゾロ沸いて出てくるンだ。 今ンとこ俺に対しては大人しいモンだが、いつまでもじっとしてる保証はねェ」 御坂「脅し…私にも対抗できる切り札があればいいのね?」 一方通行「俺は何かあったら学園都市を中心に地球半分くれェ吹き飛ばすっつったンだよ。オマエにゃ無理だ」 結標「地球半分!?いくらなんでも不可能なんじゃないの?」 一方通行「やろうと思えば出来るぜやらねェけど。大戦の時大陸が消し飛びそうな上空からの攻撃止めたの俺だもン」 御坂「あの、金色のアレ?」 一方通行「オマエ見てたのか?あン時『絶対能力』に達してたと思うンだよなァ…」 結標「絶対能力?!本当に?」 一方通行「意図して発揮できた力じゃねェから言い切れねェけどな。だが上の奴らはそォ思ってるだろ」 御坂「確かに絶対能力者が脅したんなら逆らうような命知らずはいないでしょうね…」 一方通行「『今のところ』はな。絶対能力者に効くAIMジャマーでも開発したらまた調子づく可能性はある」 御坂「絶対能力者を制御するつもりなの?そんなバカそうそういるわけないわよ」 一方通行「なァに言ってンだ、研究者は俺達能力者の事なンざモルモット程度にしか思ってねェよ。 課題をクリアしたからいい顔見せてるだけで裏じゃ逆らったネズミに腸煮えくり返ってるだろォな」 結標「それは言いすぎだけど…、そういう研究者もいることは確かね」 一方通行「長話が過ぎたな、自分の環境が恵まれてるってわかったンならさっさと学校行け」 御坂「……でも、学校に行ってる間に何かあったら」 一方通行「俺と結標で充分だ」 結標「…不本意だけどね…」チッ 一方通行「…オマエなァ…」チッ 結標「普通の生活が出来る高位能力者ってのは珍しいのよ。その環境を壊さないようにした方がいいわ」 一方通行「世界がブチ壊れるのは一瞬なンだよ。後悔しても元には戻せねェンだぞ」 御坂「…………わかったわよ……」スタスタ 一方通行「ったく、クソガキが」 結標「あんな脅すような言い方しなくても普通に学校生活を優先しろって言えばいいのに」 一方通行「俺が言ったって素直に聞くようなタマじゃねェだろ」 結標「まあね、貴方も私も不登校児だしね…」 一方通行「それは言うなよ…」 結標「でもあの子、未練も不満もタラタラだったわよ」 一方通行「だよなァ(打ち止めのチョロチョロ首つっこみたがる性格は遺伝だろォな…)」 結標「ああいう信念が強いところが第三位の『自分だけの現実』なんじゃない?」 一方通行「……ほんっとめンどくせェ…」 御坂「……」ソワソワ 御坂(やっぱり私だけのんびり授業なんて受けてられない)ソワソワ 御坂(そういや妹達の状態チェックどうだったのか聞く暇もなかった)ハッ 御坂(具合が悪くなったってことにして、早退しよう)ソワソワ ガラッ 御坂「あ、あの先生…」 教師「あら御坂さん、まだ教室にいたのですか?」 御坂「へ?」 教師「早く行きなさい、あまり待たせてはいけませんよ」 御坂「??誰を?ですか?」 教師「何を言ってるんです第一位と共同研究を始めるんでしょう?これは常盤台たっての名誉ですよ!」 御坂「はぁ!?」 ザワ 「第一位?」 ザワ ザワ 「さすが御坂様」 ザワ 教師「お静かに!第一位は理事長とご歓談中ですので失礼のないようにね」 御坂「え、は、はい?」 御坂「失礼しまーす…?」カチャ 理事長「おお、御坂君やっと来たか」 一方通行「やァ御坂さン」サワヤカ 御坂「」 理事長「いやーまさか君が学園都市第一位と懇意にしてるとは知らなかったよ」ハッハッハ 御坂「こ、こんい?」 一方通行「電気工学や情報通信の分野は御坂さンの力なくしては語れませンから」ニコニコ 御坂「………………誰………」 一方通行「話合わせろボケ」ギロ 御坂「」 一方通行「申し訳ありませン本来なら手順を踏ンで申請しなければいけないのですが」サワヤカ 理事長「いやいやこちらこそ第一位にご足労いただくとは申し訳ない」 御坂(なによなんなのなんですかこの状況は…) 理事長「御坂君も第一位と共同研究なんて大プロジェクト、学校に知らせてくれないと困るよ」ハッハッハ 御坂「え、いやその、ええ?」 一方通行「常盤台さンに全面協力いただけるなンてありがたいですよォ」ハハハ 理事長「せっかくですし是非我が校の設備もごらんになって行って下さい案内させていただきますよ」 一方通行「理事長自ら案内いただけるなンて恐れいります」ニコニコ 御坂「ちょ、ちょっとちょっとアンタ本物?一方通行?」 一方通行「俺じゃねェなら誰に見えるっつゥンだ」チッ 御坂「あ、話し方が普通に戻った…ってか、その…妙にサワヤカなキャラはなんなのよ」 一方通行「理由は後だ」 理事長「ここが第一研究棟ですいかがですかな」ハッハッハ 一方通行「充実してますねェこの計測器なンて最新のじゃないですかァ」ニコニコ 御坂「……マジで誰だよ…」 ~~ とある公園 ~~ 一方通行「あァー…だりィ疲れたァ…」グッタリ 御坂「一体なんの真似よ」 一方通行「……ちょっと待ってまだ顔が攣りそう…」モミモミ 御坂「顔に何かしたの?」 一方通行「結標が普通に乗り込んで行ったら通報されかねないとか言いやがるからよォ…」サスサス 御坂「確かに目で人が殺せそうな顔してるもんね」 一方通行「チッ…ンで、生体電流操って顔面の筋肉をほぐして表情固定して一定時間マヒさせてたンだよ」 御坂「そんなことできるの?」 一方通行「オマエも電気操れるンだからそのくれェはできるンじゃねェ?」 御坂「そっか。でも私はそんなことする必要ないけどね」 一方通行「しないで済むなら俺だってしねェよ。……はァ、やっと落ち着いた…」 御坂「んじゃさっさと説明してよ。学校に押しかけるなんて…それにその制服、アンタ長点の生徒なの?」 一方通行「一応な。行ったことねェけど」 御坂「不登校児なの?」プッ 一方通行「ほっとけ。関わる実験が変わるごとに学校も変わるのにいちいち行ってられるか」 御坂「そんな事あるんだ。実験とか研究理由で転校なんて私はしたことないなあ」 一方通行「だからオマエは『広報』用の超能力者だっつってンだろ」 御坂「……、」 結標「あっもう来てたのね」スタスタ 一方通行「どこ行ってたンだよこっちはクソうぜェ芝居までうってきたってのによォ」 結標「なかなか来ないから先にこの子を迎えに行ってたのよ」 御坂妹「どーもちーっす、とミサカはサワヤカに挨拶を決めてみます」ペコ 一方通行「どこがサワヤカだよ……で、ちゃんと受け取ってきたのかァ?」 御坂妹「この通り!とミサカは最新式携帯電話をビシっと差し出します」バーン 御坂「あ!携帯買ったの?」 御坂妹「地道な交渉が実った結果そこの白いのが買ってくれたのです、とミサカは正直に申告します」 一方通行「オマエも連絡手段があればちったァ安心できるだろ?」 御坂「私?」 御坂妹「昨日ミサカの様子がおかしかった件でお姉さまが心配されていると伺いました と、ミサカは朝の調整の予定をずらして外出した理由を述べてみます」 一方通行「妹達同士相互チェックして異変があれば近隣の個体が確認する体制組ンだからとりあえず大丈夫だろ」 御坂「そっか」ホッ 御坂妹「ミサカの事でご心配をおかけしました、とミサカは謝罪します。ペコリ。 そして念願の携帯をゲットしたので是非アド交換しましょう!とミサカは赤外線機能を立ち上げます」カチャ 御坂「おっけー!んじゃ、こっちから送るわよ」カチャ ポチポチ 御坂妹「何か異変があったら連絡しますので助けていただけますか?とミサカはおずおずと尋ねてみます」 御坂「もちろんよ。異変がなくったって連絡していいんだからね、一緒に遊びに行ったりしましょ」 御坂妹「……!はい!とミサカは携帯効果によるリア充への一歩を踏み出した喜びをかみしめます」 御坂妹「ところでその格好はどうしたのですか?とミサカは検索結果から長点上機の制服であると認識しました」 一方通行「なンでもねェよ、もう用はねェだろさっさと病院帰れ」シッシッ 御坂妹「またそんな追い払い方しなくても…と、ミサカは制服姿の一方通行をパシャリ」ピロリーン☆ 一方通行「あァ!?何してンだオマエ!」 御坂妹「うひひレア画像ゲットだぜ!と、ミサカは調整に間に合うように急いで帰りますねそれではー」スタコラ 一方通行「あのヤロォ…どンどン図太くなりやがンな…」ハァ 御坂「良かった元気そうで…アンタがあの子呼んだの?」 一方通行「ちゃんと本人が無事なのを自分で確認しねェと俺が大丈夫つっても信じねェだろ」 御坂「そんなこと…(…ない、とは言い切れないか…)」 一方通行「MNWの警戒度上げて何かあったら打ち止めから連絡来る手筈になってるし当面大丈夫だろ」 御坂「そっか……あ、あの、あり」 一方通行「まァ対処療法であって根本的な解決にはなンねェけどな…ン?何か言ったか?」 御坂「な、なんでもない!それよりなんで学校に来たのか説明してよ!」 結標「ほっとくと早退したりサボったりしてまた勝手にどっか行きそうだったから先手を打ったのよ」 御坂「ぅぐ」 一方通行「学校サボるにしてもやり方ってのがあるってこった」 御坂「ちゃんと早退手続きするつもりだったもん」 結標「早退したら寮監に連絡行くでしょう?寮にいなかったらバレバレじゃない」 御坂「あっ…で、でも他に手段が無いし…それと一方通行が来るのと何が関係あるのよ」 一方通行「ただの早退と外部での研究の為早退じゃ全然違うだろォが」 御坂「確かに研究で学校に行けない時は出席扱いにしてもらえるけど書類とか証明書とか手続きがあったはずよ」 一方通行「そォいうのをすっ飛ばす為に俺が行ったンだよ。学園都市での『第一位』の肩書きは絶大ってこった」 御坂「なんでわざわざそんな事……廊下歩いてるだけで何回も写メ撮られてたしかなり目立っちゃったわよ」 一方通行「それが目的だからなァ。これで超電磁砲に手ェ出すのは俺にケンカ売るのと同じ意味になる」 御坂「へ?どういうこと?」 一方通行「第一位と第三位が『共同研究』…あの実験を知ってる奴らからしたらありえねェ展開にビビるだろォし 知らねェ奴らから見ればただでさえ御しがたい第三位のバックには俺っつゥ化物がいるわけだ」 御坂「私に何かあったら『一方通行』と敵対する可能性があると思わせるって訳ね。 でもそこまで深く考える必要あるの?」 一方通行「何かあってからじゃ遅いからな、やれる事は全部やっとくンだよ」 御坂「何かって…」 一方通行「まァ何もねェ事に越した事はねェがな。後は……それっぽい研究成果でもでっち上げとくか」 御坂「なんでアンタがそこまでするのよ」 一方通行「なンでって、オマエが『守れ』って言ったンだろ」 御坂「え…」 一方通行「あくまで『表』の学生として接触したンだから裏がありそうな奴らが接触してきてもトボケとけよ」 御坂(私は戦闘中にケガしないよう守れってくらいのつもりだったのに) 一方通行「俺に対する脅しにオマエが使われる可能性も無くはないが、第三位なンて人質向きじゃねェしな」 御坂(コイツは……私の日常丸ごと守るつもりなの?) 一方通行「思いつきで行動するバカはいるかも知れねェが、そンな雑魚はオマエなら楽に片付けられるだろ」 御坂「もちろんよ」 結標「ふーん」ニヤニヤ 一方通行「なンだよ…」 結標「別に?ねえ、制服はどうする?着替えるの?」 一方通行「あーどォすっかなァ…俺は見てるだけだしこのままでもいいかめンどくせェし」カツカツ 結標「どこ行くの?」 一方通行「コーヒー買いに行くくらい好きにさせろってンだ三文芝居打ったせいでだりィンだよ」カツカツ 結標「ふーん」ニヤニヤ 御坂「……何よさっきから…」 結標「あいつって、極力一般人と関わらないようにしてるフシがあったのよね」 御坂「なんで?」 結標「聞いた訳じゃないからわからないけど、周りにいるだけで危険だからでしょうね」 御坂「でもアイツ、もう常時反射してないんでしょ?」 結標「そうじゃなくて、一方通行を狙った攻撃の巻き添えになったり人質にとられたりするでしょ」 御坂「でしょって…」 結標「研究対象としてはもちろん、第一位っていう肩書きとあの見た目でスキルアウトも絡んでくるし」 御坂「まあ…あらゆる意味で目立ってるものね」 結標「そーなのよだからなのか道を歩く時も裏路地とかひとけの少ないとこを選んでるふうだし」 御坂「かえって狙ってくださいって言ってるようなもんじゃない」 結標「他に人がいないところでかかって来いってことなんでしょうね」 御坂「……ただ歩いてるだけでそんなに狙われるものなのかな……」 結標「ほんとに徹底的に人を遠ざけるんだから……前なんてせっかくショタを颯爽と助けてさー その後偶然会ってお礼言われたらしいんだけどスルーしたんだって代われってのもったいない…」チッ 御坂「……その話はいらなかったわ」ヒキ 結標「今回は学生のフリしてまで表に出てきて美琴と関わりを持ったんだから相当思い切ったんじゃない?」 御坂「私を巻き添えにするかもしれないって?」 結標「それでも大抵のことは切り抜けられる、ってね。なんだかんだ言って貴女の事認めてるんだと思うわよ」 御坂「……」 一方通行「はァ~生き返るわ……なンかあったのか?」ゴクゴク 御坂「ううん何にも」 結標「それじゃそろそろ魔女探しに行きましょうか」 御坂「そうね!……んじゃ、サポートよろしくね一方通行」スタスタ 一方通行「ンあ?お、おォ…?」 結標「どうしたのポカーンとして」 一方通行「いや…オマエなンか話したか?」 結標「いいえ?さ、早く行きましょ」スタスタ 一方通行「ンー…?」カツカツ
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上条「……んっ…」 上条「え……ここは…朝?なんで俺……」 上条「……あれ?俺何してたんだっけ?」 起き上がる。 振り返ると目の前に広がったのは、一つの学校。 校門であるここからでも生徒が賑わっているのがわかる。 上条「……んあ、やっべ…マジで記憶がねえ。つかあれ!?学校始まっちまう!」 上条「ああもう!ここはどこの学校なんだよ!俺んとこの学校はこっからどう行ったらいいんだ!……あ、沙耶」 隣で沙耶が寝息を立てている。 とは言っても、どこだかの学校の校門に寄りかかって地面に寝ているのだが。 上条「ったくよぉ…ああどうすっかなぁ」 まいった、とばかりに髪をかく。 パキン!! 全ての記憶が戻った。 上条「あ……」 上条「………そっかーー」 沙耶の頭にも触れながら、上条は呟く。 上条「俺たち、負けたんだ」 あの時ーー 泣き崩れる沙耶。 直井『なっ!僕の催眠術を破るなんて……!』 上条『制服は違うようだがSSSか!?』 直井『ふん、あんなグズどもと一緒にされては困るな。僕は生徒会副会長だ』 上条『副会長だ?NPCだってのか?』 直井『貴様に話す必要はーー』 ブツン ??『聞こえているか?』 上条『校内放送!?しかもボイスチェンジャーまで使ってんのか!』 直井『あっ、』 途端、嬉しそうな顔をする直井。 ??『今すぐ、そいつらに学校を出て眠るよう催眠をかけろ』 直井『はい!』 上条『しまっーー』 直井は返事と同時、上条が右手を振り上げるより早く、 直井は、上条と沙耶に催眠術をかけた。 ーーーーーーーーーーーーーーー 上条「あれが、この学校のNPCの支配者か……」 パキンと音がした。 だが沙耶はまだ寝ている。 疲れているのだろう。 上条は沙耶に自分の上着を被せると、学校から離れて道路を歩き始めた。 上条「やれやれ、仕切り直しだ……」 上条「ーーーーーーー!?」 そこにいた人物を見て、上条は言葉を失った。 いるはずがない、その人物を見て。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 一方通行「……」スタスタ 一方通行「……あン?」スタスタ まただ。 一方通行は廊下を歩きながら訝しむ。 一方通行「…デジャヴか」 既視感を感じる。 一方通行「それも強ェもンだ……」 一方通行「(なンだってンだよ、クソが)」 嫌な予感がしてくる。 こんな死後の世界で。 とてつもない負の雰囲気が立ち込める。 美琴「ちょろっとー。いいかしら?」 予感は、的中する。 一方通行「ーーーー!?」 一方通行は、しばらく呼吸すら忘れた。 美琴「ねぇ、アンタよアンタ。ボケッと突っ立ってんじゃないわよ」 一方通行「………なンでてめェが」 振り向きながらの一方通行の言葉を、美琴は遮る。 美琴「地獄で会えて嬉しいわよ、一方通行。ねぇ?アンタへの憎しみを永遠にぶつけられるんだからさ」ニコリ そこには世界で一番一方通行を憎んでいるであろう少女、御坂美琴がいた。 一方通行「……なンでここに来たン」 美琴「なに勝手に喋ろうとしてんのよ。アンタにはぶつくさ文句言う資格なんかないの。お分かり?」 一方通行「……」 美琴「ほら、アンタ達もそう思うでしょ?」 一方通行「…………!」 ミサカ00001「何を驚いているのですか?とミサカは一方通行に首を傾げます」 ミサカ00001「あ……」ブシュッ ミサカ00001号の首から血しぶきが弾ける。 ぶちゃっ、と音を立ててミサカ00001号の首が吹き飛ぶ。 一方通行「あ……アァァアアア…!」 一方通行の足元に転がった首。 それの眼が、一方通行を向く。 そして、口を開く。 ミサカ00001「そうでしたね、一方通行。このミサカは貴方に首を切断されて、死んだのでしたね。とミサカは生前の話をします」 コツコツと、また足音がする。 ミサカ00002「一方通行、このミサカをどう殺したか覚えていますか?とミサカは手首をヒラヒラさせてこちらに注目させます」 その、手首が千切れる。 ぐちゃ。 手袋のように落ちたミサカ00002号の右手。 腕の先からは肉と骨の断面図が見える。 ぽたぽたと、廊下に血だまりができる。 ミサカ00003「一方通行、このミサカを覚えていますか?とミサカも声をかけます」 ミサカ00004「検体番号00003号、ミサカと一緒に殺されましたね。と一瞬で二人同時に殺されたことを思い出します」 ミサカ00005「ミサカは顎を砕かれ、脳にまで人差し指を突っ込まれました。グリグリと脳みそをかき混ぜられ、死にました。と告白します」 ミサカ00006「ミサカは背中から腕で肉を破られ、心臓を掴み取られました。とミサカはミサカの場合を知らせます」 ミサカ00007「ミサカは首の骨を曲げられ、呼吸困難の状態で放置され死にました。とミサカは首元を押さえます」 ミサカ00008「ミサカは手術のように腹を裂かれ、腸を取り出されました。そのまま肉を引き裂かれ、背中まで丸い穴を開けられました。とミサカはミサカの最期を語ります」 ミサカ00009「ミサカは背骨を砕かれ、地に這いずりました。そこを右脚、左脚、と蟻の脚を毟るように引き抜かれていき、右腕、左腕も取られて達磨状態にされました。それでも中々死ねず、じわじわと肺に圧迫をかけられ、死にました。とミサカは痛みを思い出します」 ミサカは、 ミサカは、 ミサカは、 血が、 脚が、 内臓が、 一方通行「あ………あ………」 スタスタ スタスタ ミサカはミサカはミサカはミサカはミサカはミサカはミサカはミサカはミサカはミサカはミサカはミサカはミサカはミサカはミサカはミサカはミサカはミサカはミサカはミサカはミサカはミサカはミサカはミサカはミサカはミサカはミサカはミサカはミサカはミサカはミサカはミサカはミサカはミサカはミサカはミサカはミサカはミサカはミサカはミサカはミサカはミサカはミサカはミサカはミサカはミサカはミサカはミサカはミサカはミサカはミサカはミサカはミサカはミサカはミサカはミサカはミサカは 一方通行「う…………あ……」 廊下が、ミサカでミサカでミサカだらけだった。 窓も天井もドアも何も関係ない。 腕のないミサカが。 首の弾け飛んだミサカが。 眼をつぶされたミサカが。 内臓をぶちまけられたミサカが。 脚をもがれたミサカが。 死体が肢体が屍体が死体が肢体が屍体が死体が肢体が屍体が死体が肢体が屍体が。 美琴「なぁーにうろたえてんのかなー?アンタがこうやって殺したんじゃん!あはははははははははは!」 ミサカが嗤う。 御坂美琴が嗤う。 そして、 番外個体「やっほう。偽善者の独善者の自己満足野郎。久しぶり」 憎しみの全てを掌握したミサカ、番号個体が狂った嗤い声をあげた。 番外個体「あひゃははははははははははははははははははははは!」 ミサカ「あはははははははははははははははははははははははは!」 美琴「あっはははははははははははははははははははははははは!」 視界一面のミサカ。 死ねよ殺す死んだよ殺したなお前が貴方が一方通行がてめえが偽善者が独善者が自己満足が偽悪が殺す死ね殺す死ね殺す死ね。 呪いの言葉が、一方通行を襲う。 そこはまさに、地獄。 番外個体「なに一人だけ満足して死んでんの?あれだけ殺しておいてさ!ぎははっ!で?最期には打ち止めを守り切れてよかったって?バッカじゃねぇの!あっひゃひゃひゃ!ふざけてんじゃねえよ!妹達は満足して死ねますかー?どうですかー?てめえを憎んでるこっちは満足して死ぬことなんてできねえんだよ!なのに自分は戦争で全ての敵を倒して!打ち止めを守り切って!あぁ、よかったなんて笑いながら死んでやがるの!ぎゃははははっ!なんでこの世界に来たのかだって?バグだって?そんな訳ないじゃん!ミサカたちに永遠の地獄で懺悔して一万回以上の痛みを受けて苦しんで苦しんで罰を受けるんだよてめえはさ!そのためにこの世界にやって来たんじゃん!あれだけのことをしておいて、次の世界に走り出す?バッカじゃないの?消えられないよ、一生!一生一緒に永遠に永久にここで苦悩し続けるんだよ、ミサカ達によってさ。ぎゃはははひはははははははははひはははははははは!!」 全て、一方通行の胸に響いた。 もう、立つ気力もなかった。 一方通行は、その場に崩れ落ちる。 ドロドロと、血だらけでぐちゃぐちゃのミサカ達が這って来る。 害虫のように、吐き気を催すような、体液を撒き散らす虫のように。 ぺたぺたと。 一方通行の体を這う。 反射などできない。 できるわけがない。 一方通行は、ミサカを攻撃できない。 ミサカ「ほら、ミサカの指ですよ」 一方通行の口にミサカが指を突っ込んだ。 やめろ、と叫びたかった。 俺は、そんなことしたくない!と振り払いたかった。 ぶちゅっ。 繊維がぶちぶちと千切れ、勝手に第二関節が弾けた指が、コロンと一方通行の舌の上に乗る。 ミサカ「ほら、指をガムみたいにぐちゃぐちゃと食べたいんですよね?ミサカの指をミサカの指がミサカのミサカのミサカのミサカのミサカのミサカのミサカのミサカのミサカのミサカのミサカのミサカの」 一方通行「あ……あぁ……やめろォォおおおおおおおおお!!」 一方通行の視界が、暗転した。 一方通行「はっ……!はっ…!」 一方通行「はっ……はっ………はっ……!」 一方通行「はぁっ!……ひっ…!はっ…!はっ…!」 日向「お、おい!一方通行!」 一方通行「はっ…!ひっ……はっ…!」 日向「落ち着け!お前は今、過呼吸状態になってやがるんだ!落ち着いて!ゆっくり呼吸しろ!」 一方通行「はっ…はっ!ひっ…はっ…!」 一方通行「はぁっ!……はっ……」 一方通行「はっ………はっ………」 一方通行「はぁ…………ふゥ…」 日向「…落ち着いたか?」 一方通行「あ…あァ」 見回すと、一方通行は自分の部屋にいた。 ベッドの上で、汗だくになっていた。 日向「大丈夫か?昨日起こしに来た時もうなされてたが、からかう訳にもいかないから昨日は黙ってたんだが…」 一方通行「わりィな……」 一方通行「(それで、昨日今日とわざわざ鍵を開けて入って来たのか)」 妹達のあれは、夢だった。 夢だ。 悪夢だ。 既視感。 デジャヴ。 また、その夢を見た。 一方通行は、未だにその呪縛から逃れられずにいた。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 上条「…………」 上条「……よかった」 何が、良かったのか。 確かに、守り切れなかったことは悲しかった。 でも、好きなんだ。 好きな人にくらい、わがまま言ってもいいだろ? 上条「……よ、美琴」 上条はくしゃくしゃの笑顔で、 右手で自分の頭を何度も叩く。 けれど、それは幻想ではなくて。 美琴「……やっぱり来たのね、アンタは」ニコッ 御坂美琴は、優しく愛おしく微笑んだ。 嬉しさからか、右手で制服の首元を押さえて。 上条「好きだよ……美琴」 美琴「なっ…!いきなり何を言ってんのよアンタは!ああ嫌ってわけじゃないけどいきなり過ぎるでしょっ」 上条「ははっ。……言えなかった、告白の返事なんだけど…ダメ、かな?」 美琴「ダメ…じゃないわよ…」 顔を赤らめる御坂美琴が、そこにはいた。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 一方通行「……」スタスタ 日向「それにしても昨日は大変だったなぁ」スタスタ 一方通行「まァな…」スタスタ 奏「…………」クイクイ 一方通行「あン…?……オマエか。服掴んでンじゃねェよ」 奏「どこ行くの?授業始まるわよ」 一方通行「あァ……」 日向「うおっ!天使!」 奏「……」ジッ 日向「あーそのー……逃げるぞ一方通行!」ダッ 一方通行「……」 奏「……行っちゃった」 一方通行「そォだな」 奏「…………」ジッ 一方通行「………」 奏「…………授業、始まっちゃう」 一方通行「…………わァーったよ。行けばいいンだろ?生徒会長様よォ」 奏「………」コクリ、スタスタ ゆり「今日の作戦は~」 一方通行「ゆり!」ガラッ ゆり「!今更何よ!」 一方通行「俺が悪かった」 ゆり「バカ、寂しかった」ダキッ ガラッ 打ち止め「この泥棒猫」 ゆり「奥様!?」 ーーーーーー ーーーー ーー 一方通行「…はっ……!」 一方通行「夢か……」 一方通行「(授業中になンてバカな夢見ちまったンだ……)」 教師「で~あるからして、ここの活用形の求めかたは~」 一方通行「……(あと十分で昼休みか。つってもよォ、天使の奴が受けろってェ言うから来たが……だりィな)」 一方通行「(あそこの席のやつなンか漫画読んでやがるし…まァこれもNPCらしい普通の学生生活ってか)」 一方通行「……ふァ…」 一方通行「……」ウトウト ーーーー ーー ゆり「一方通行君!新たな敵が現れたわ!」 一方通行「なンだとォ!?どこのドイツ人ですかァ?グチャグチャにしてやンよ!」 ゆり「あいつらよ!」 一方通行「ンなっ!まだ幼くて可憐な幼女達じゃねェか!」 ゆり「でも敵なのよ!」 一方通行「オーケイゆり、オマエにティーチしてやンよ!せンせーとしてなァ!よォく聞け!いいか?幼女ってのは国の宝なンだよ!居るだけで癒しを与えてくれる、そんな、天使なンだよォ!オマエはそンな天使を敵と見なせンのか?しちゃいけないだろォが!そこンとこちゃンと見極めろやァ!」 ゆり「でも、中身40代なのよ彼女達」 一方通行「ロリババァなンざ敵だァ!ロリですらねェ!戦争だ!行くぞゆり!」 ゆり「ヤダ…カッコいい」 ーーーー ーー 一方通行「…はっ……!」 一方通行「なンつー夢だよ…」 キンコーンカーンコーン 教師「今日はここまで。一方通行、次からはちゃんと授業聞くように」 一方通行「はい……」 ーー昼休み 一方通行「さて、飯でも食いに行くかァ」ガタ ガヤガヤ 一方通行「あン?」 奏「授業中にいつも漫画読んでちゃダメよ」 とある男子「へいへい」 一方通行「(珍しいな、あいつが自分から男子に話しかけに行くなンて)」 キャーキャー 一方通行「(廊下で女子がうるせェな……あの男子生徒を見てンのか?)」 一方通行「…くっだらねェ」スタスタ 一方通行「(モテ男君は漫画読ンでても様になるってか。青春だねェ)」スタスタ とある男子「……」ジッ とある男子「ふっ……」ニヤリ 奏「どうしたの?」 とある男子「さて、どうしたのかな。俺も飯買いに行ってくるぜ」ヨイショ 奏「……ちゃんと廊下から出て行ってね」 とある男子「硬いこと言うなって」ズルズル とある男子「……」ズルズル キャーキャー とある男子「よっと」スタッ 購買のおばちゃん「あらまぁ、また窓から降りて来たのかい?」 とある男子「おう、おばちゃん。カツサンドとミックスサンド、あとどろり濃厚ピーチ味の紙パックジュースくれ」 購買のおばちゃん「はいよ」 とある男子「釣りはとっといてくれ」ピンッ 購買のおばちゃん「相変わらず金額ぴったりなんだけどね」 とある男子「さって、屋上まで登るか……よっと」 ーーーーーーーー ーー屋上 とある男子「ふぅ」 直井「あ!お待ちしてました」 とある男子「よう文人。飯は買ってきたのか?」 直井「はい。ご一緒しようと思って」 とある男子「そうだな。やっぱ天気の良い日は屋上に限るぜ!」 とある男子生徒は、ニカッと笑った。 ******************************** ーとある墓場ー 番外個体「……お姉様」 ずらりと、白い墓石が並んでいる。 打ち止め「また来てたんだ…ってミサカはミサカは番外個体の心情を察してみる」スタスタ 番外個体「……察してるなら、そのまま回れ右して帰りなさいよガキ」 打ち止め「むむぅ!ガキじゃないもん!それにミサカはお姉様に花を持って来たんだからってミサカはミサカは憤慨してみる!」 番外個体「あーあー、もうっ!ミサカミサカうっさいのよアンタは。どうせ来る前にあいつんとこに寄って来たんでしょうが!」 打ち止め「あ、あいつって誰のことなのかなー、ひゅーとミサカはミサカは吹けもしない口笛で誤魔化してみる!」 番外個体「誤魔化せてないっての!……ああもうっ、お姉様の前でみっともない姿見させないでよ!あと、あいつよあいつ!自己犠牲で死んだバカ野郎よ!」 打ち止め「もう!あの人をバカ野郎と言わないで欲しいかも!あの人は戦争を終わらせてミサカ達を生きられるようにしてくれたんだから!ってミサカはミサカは夫を褒め称えてみる!」 番外個体「誰が夫だコラ!……ったく、分かってるわよ。あいつが皆を救ったことなんて、救われたことなんて……誰よりも分かってるっつの」 番外個体は、悲しげな表情をする。 番外個体「でも…自分が死んでんじゃ意味ないじゃない……他人のために頑張って……それでも自分は報われないなんて……あんまりじゃない」 ******************************** ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー TK「ホォーーーーー!」グルグル 一方通行「…………」 TK「フーーーーー!」グルグル 一方通行「なァにやってンだ?」 TK「So…今のオレ~最高にcoolー!」 一方通行「意味わかンね。あばよ」スタスタ TK「Oh…フーーーーー!」グルグル 一方通行「……」スタスタ ーー三階 一方通行「あン?おンがくしつゥ?へェ…」 ーー第一音楽室 一方通行「ちわーっす」ガラッ 一方通行「誰もいねェな…」スタスタ 一方通行「CDでもありゃァ良い暇潰しになンなァ」スタスタ、ガタガタ 一方通行「ンー、ねェなァ」ガサゴソ 一方通行「オ?またベタな。悲愴があンじゃねェか」 スタスタ ユイ「あ……」ガラッ 一方通行「おゥ」 一方通行「どォしたよ」 ユイ「い、いえ。先輩こそどうしてここに?」 一方通行「物色ゥ」ニヤ ユイ「っ…」ビクッ 一方通行「あ?……おいオマエ、何かあったンか?」 ユイ「鋭いですね……ただ昨日、侵入者に乱暴されて脅されただけですよ」 一方通行「オマエ、いつも日向と技かけあってンじゃン」 ユイ「あれは、ただのおふざけですよ。でも昨夜のは…怖かった」ブルッ 一方通行「…………そいつの特徴は?」 ユイ「暗くて見えなくて…しかも途中から仮面を付けてたので…男だということしか」 一方通行「…………動きは、その、だなァ……動きはプロっぽかったか?」 ユイ「はい…伏せられ、拘束されて拳銃を突き付けられました……」ブルッ 一方通行「…………」 震えるユイを見やる。 一方通行「……野郎ォ……あンの三下がァ……!」 一方通行は、右手を握り締めた。 もう、上条とは呼ばなかった。 ーーーーーーーーーーーーーーー 一方通行「つかよォ、まだ六限があるンだけど」スタスタ ユイ「まあまあ、授業なんて真面目に受けてもつまらないじゃないですか。それとも先輩は意外と優等生ですか?」スタスタ 一方通行「違ェよ。ただ、まァ…いっか」スタスタ ユイ「そうです気楽に行きましょう!なんでも今本部に集まって会議をしているらしいので、私が先輩を呼んで来いと言われた訳です」スタスタ 一方通行「会議で気楽ねェ…」スタスタ ユイ「お、着きましたね。今合言葉をーー」 一方通行「……」スタスタ ユイ「ちょ、ちょっと先輩!」 ギイィィ ゆり「元に戻す!死んだ世界戦線」 藤巻「いい蹴りだったぜ…」 ゴゴゴ ドカーン! 藤巻「またかよ!」 高松「どうやらまた、野田さんの作った罠がまた壊されたようですね」 松下「壊されたというか…ハンマーが校庭まで吹っ飛んでいるな」 TK「So crazy」 ガラッ 一方通行「ちーっす」 ゆり「…あーそっかぁ、合言葉知らないから毎回壊されちゃうのね」 ユイ「死ぬかと思った……ハンマーが…ユイにゃんの眉間にぶつかる寸前だった……」 ゆり「まあいいわ。野田君ならまた暇な時に新しい罠仕掛けといてくれるでしょ」 日向「相変わらず人使い荒いなゆりっぺは」 ゆり「あ、そうだ一方通行君。なにか良い戦線の名前ないかしら?」 一方通行「なンでもいいだろ」 ユイ「はいはーい!小悪魔ユイにゃん戦線で!」ピョンピョン 日向「アホくさ」ケッ ユイ「んだとコラァ!」ゲシッ 日向「あんだよてめえ!」ガシッ 一方通行「(ユイの奴…普通に元気じゃねェか)」 ゆり「うぅーん。やっぱこれで行くしかないのか」 一方通行「ンなことより、俺がここに来たのはよォ」 ゆり「戦線に入ってくれるんでしょ?」 一方通行「その前に、だ。オマエらの目的を確認しておきたい」 日向「目的?」 藤巻「天使を倒すことじゃねえのか?」 大山「その後は?」 藤巻「消えないようにダラダラ過ごしてりゃいいだろ」 高松「確かに、きちんと一度、確認しておく必要がありますね」キラン ゆり「そんなの、決まってるじゃない」 ゆり「神への反逆。そしてこの世界を手に入れることよ」 一方通行「手に入れてどォする」 ゆり「それは…」 藤巻「やっぱダラダラ過ごすんじゃねえか」 椎名「浅はかなり」 日向「まぁまぁ!それは手に入れてから考えればいいじゃねえか」 松下「それもそうだな。皮算用などしてもしょうがない」 一方通行「……まァいい。なら神への反逆ってのは具体的にどォするンだ?抽象的過ぎていまいちピンと来ねェンだが」 日向「それは勿論神の使いである天使をだなぁ」 大山「天使をどうするの?」 日向「倒すんだよ」 大山「そしたら?」 日向「そしたらフィナーレが鳴って次ステージに進める!」 ゆり「アホかっ!」ビシッ 日向「ぐぉっ」 日向「んだよぉ。ゆりっぺだってNPCだとかこの世界をゲームにたとえてるじゃねえか」 ゆり「この世界がゲームなら、あなたは間違いなくやられ役ね。ええ、たとえそうじゃなくてもあたしが主人公ならあなたを真っ先に倒して「あっ、ごめーん間違って倒しちゃった☆キャピ」って言ってさらに銃乱射してやるわ」 日向「ははーん、なら俺がゲームの主人公の場合は、ゆりっぺ!お前を攻略するアダールトゲェムにしてやるぜ!ぐひひ。校舎内で乱れる屈辱的なゆりっぺ様の表情が見られるぜー?」ニヤニヤ ゆり「くっ、こいつ最低だわ!」 大山「日向君は相変わらず外道だね」 高松「ええ、それも清々しいほどに」 ユイ「軽蔑しまふぎゃっ」ギャッ ユイ「何するんですか日向先輩!」 日向「やかましい!」 高松「あ、野田さん。今、日向さんがゆりっぺさんにーー」 日向「ギャー!マジで今の嘘!嘘だから落ち着け野田!……っていねえじゃねえか!」 ゆり「やーい、ビビってやんのー」 日向「くっそう、高松てめえ!」 高松「ふっ…」キラン 椎名「浅はかなり」 一方通行「……はァ…」 大山「あははー、ごめんね一方通行君。僕らはいつもこんな感じなんだ」 ユイ「なにせアホの集まりですからねっ」 日向「で、あれ?何の話してたんだっけ?」 一方通行「……天使を倒してどォなるンだって話だ」 高松「確かに、普通に倒すだけじゃ意味がないのかもしれませんね」キラン ゆり「何か、今までにない刺激を与えてアクションを起こさせるとか…」 日向「愛の告白とかどうだ?」 ゆり「それはあんたがやったでしょ」 日向「そうだっけ?」 藤巻「つってもよぉ。あの天使が色恋沙汰でアタフタするとは考えられねえぜ」 松下「確かに」 一方通行「ン、同意だな」 一方通行「あ、そォいやあいつ、自分は天使なんかじゃないって言ってたなァ」 日向「それなら俺も言われたな」 藤巻「けっ、とぼけてやがるんだよ」 大山「そうなのかなぁ」 ゆり「さあね、そこら辺のこともこれから調べないとね」 一方通行「大体よォ、なンであいつが天使なンだ?」 日向「?」 一方通行「まず、天使だと言う根拠は?」 ゆり「超常の力を使うことよ」 一方通行「俺だって使える。あの三下共だってそォだったろ?」 ゆり「確かに。でも一方通行君たちは学園都市で超能力開発を受けている。だからこの世界で使える。何故、死後の世界で使えるのかは、ここが満足を与えて消えさせる世界だからよ。例えば、歩けないでいた者はこの世界で普通に歩ける。声を失い歌えなくなった者は、この世界で歌い続けられた。だから、超能力者は自分の体の一部とも言える能力を行使できる。でも、天使はそうとは思えない」 一方通行「なンでだ?アイツだって学園都市の者かも知れねェだろォが」 ゆり「これは、二つ目の天使と呼ぶ根拠なんだけど。天使は、生徒会長としてこの世界の秩序を守り、やって来た人を生徒会長という立場から導いている。そしてなによりーー」 ゆり「ーー天使は普通に学園生活をしても、消えていない」 一方通行「なァるほど。確かにそう結論付けるのも頷ける」 一方通行「だが、俺はどォだ?天使と同じように、力を持っている。そして、天使と同じように、学園生活をしても消えない。いや、まだ消えていない、だなァ。実際、学園生活をして消えるのは満足したからだろォ?初めから満足して来た俺が消えると思えるか?」 ゆり「それは……確かに」 一方通行「つまり、俺と同じってだけかも知れねェンだ。あまり喋らない、無表情という個性だって俺ら人間らしさとも言えンだろ?」 高松「そう考えるのは貴方が天使をあまり知らないから。なのでは?事実、天使とどれ程対面しましたか?」 一方通行「ごく僅かだな。だがまァ、俺の考えが正しいかどォかなンざ分からねェ。あくまで一つの可能性として言ったまでだ」 一方通行「俺ァよく検証もせずに天使だのと決め付けたくねェだけだ」 一方通行「パソコンで能力を作り出すなンてどォも考えられねェ。ンな事が出来ンなら、この世界の人間はコンピューター制御されてるって事になる」 ゆり「まだパソコンで能力を開発したと断言した訳じゃないわ。あくまで、それも可能性の話。天使の部屋にはパソコンがあって、もしかしたらそこに秘密があるのでは?と考えての推測よ。一方通行君の推測と同じようにね。ただまぁ、その推測が外れれば天使は神から力を与えられていることになる」 一方通行「だが待て。なンでも神からと考えるな。いいか?全ての事象にはまず人間が絡んでいると考えろ。あの三下共だって、NPCの管理人がどォとか言ってたろ?大体、オマエらが土から武器を作り出した事だって神話になぞらえてやがる。土から作り出せても、そこに命を吹き込めるのは神だけだってなァ。そォして土人形に命が吹き込まれ、人間が生まれた。オマエらの武器製造だって神秘的な現象だと言えンだよ。天使が翼生やそォがどうしたってンだ。見た目や先入観に騙されンな」 大山「翼はないけどね」 ゆり「……つまり、どうするべきだと?」 一方通行「無闇に戦うな。他のコンタクトを取って探ってみろってことだ」 ゆり「まぁ、いいけど」 一方通行「トルネードだって二日連続でやったンだ。備蓄に問題はねェだろ?」 ゆり「ボーカルが変わって量が減ったけど、まぁ許容範囲内ね」 ユイ「うええっ!?あたしのせいですか?岩沢さんから変わったせいでガルデモの人気が落ちたと!?」 一方通行「だろォな。俺も岩沢のほォが上手いと感じる」 ユイ「先輩まで!?先輩は何だかんだ言ってあたしの味方だと思ってたのに!このウサギ野郎!ーーがはっ!…うそうそ冗談ですギブギブ苦しい!」 ーーーーーー 日向「それで、直接話して来ることになったわけだが」 ゆり「そろそろ授業も終わる頃だし、ちょうどいいわね」 一方通行「……ここだ」 日向「つか何でこの三人?」 ゆり「戦いに来たと思われないようによ」 一方通行「行くぞォ」 ガラッ ガヤガヤ NPC1「これからどうする?」 NPC2「部活だっての。先輩がもうちょーやる気入っててさぁ。練習キツイんだわ」 NPC1「やっぱバスケ部は大変だなぁ。ーーおい棗!お前は?」 NPC3(とある男子)「俺はそうだなぁ…文人んとこに遊びに行こうかな」 NPC4「棗君て副会長と仲いいよね~」 NPC5「ホントホント!あのしかめ面で厳しい副会長が、棗君と一緒にいる時だけ笑顔でビックリしちゃう」 NPC3(とある男子)「ははっ、あいつも色々気難しいからな。ーーま、その内他のやつにも心を開くさ」スタッ NPC3(とある男子)「んじゃなー」 NPCら「おー」「じゃあねー」「また明日」 ゆり「天使いないわねー」キョロキョロ 日向「便所じゃね?」 NPC3(とある男子)「……」スタスタ 一方通行「……」クイッ NPC3(とある男子)「おっと、悪いな避けてもらって」スタスタ 一方通行「ン…」 ーー廊下 NPC3(とある男子)「……」ニヤリ ゆり「天使どこにいるかNPCに聞く?」 日向「名前知らないだろ」 ゆり「生徒会長でいいでしょ」 ガヤガヤ ゆり「ねえ!誰か生徒会長どこに行ったか知らない?」 シーン NPC1「おい、アイツらって」ボソボソ NPC2「授業サボってガタガタ騒いでるやつらだろ。マジ迷惑な連中だよ」ボソボソ NPC4「ていうか何で生徒会長探してるの?仲悪くない?」ボソボソ NPC5「あんまり係わり合いたくないよねー、どっか行ってくれないかしら」ボソボソ 日向「うぅーん…驚くべき人気の無さ」 一方通行「オマエら今までどンな事してきてンだよ…」 ゆり「……ま、相手はNPCだしね。生徒会室に向かってみましょう」クルッ 日向「お、おい。待てよ」 一方通行「…そォだな」 一方通行「(NPC、か…あの中にも俺ら人間が入り混じっているらしいが)」 ーー同時刻、校長室ーー ガラッ 野田「早まるな!ゆりっぺ!」 藤巻「…馬鹿が来た」 高松「何故ハルバートを振り回しているのでしょうか?」 大山「野田君はシチュエーションを重要視するからね」 野田「ぬぅっ!ゆりっぺはどこだ!?」 大山「見事にタイミングを外してるけど」 藤巻「お前、結構笑顔でキツイ事言うよな」 ーーーーーーーーーーーー ーー生徒会室 ガラッ ゆり「おっじゃましまーす」 奏「!」 直井「なっ!?」 NPC3(とある男子)「へぇ」ニヤリ 一方通行「……」 直井「貴様ら!どうしてここに!」 NPC3(棗)「まぁ落ち着けよ文人。ーーあんたらも、とりあえず座れよ」 棗恭介「俺は棗恭介ってんだ。ようこそーー招かざる客達」 ゆり「棗…?何者かしら?」 恭介「ただの一生徒だよ」 ゆり「あっそう。じゃあ用はないわ。そこの副会長と一緒に席を外してくれる」 直井「貴様!僕だけでなく棗さんにまでなんて事を!万死に値する!」 恭介「まぁまぁ。それと俺の ゆり「棗…?何者かしら?」 恭介「ただの一生徒だよ」 ゆり「あっそう。じゃあ用はないわ。そこの副会長と一緒に席を外してくれる」 直井「貴様!僕だけでなく棗さんにまでなんて事を!万死に値する!」 恭介「まぁまぁ。それと俺のことは恭介でいいって言っているだろ」 直井「勿体無きお言葉です」 奏「武士みたいね」 恭介「ははっ、確かにな。文人は可愛らしい部下みたいだ。ーーま、部下じゃなくて仲間だけどな」 一方通行「オマエ…」 恭介「気にするな。いいだろう、しばらく席を外してやろうじゃないか」ガタッ 直井「……恭介さんがそう言うなら従います。おい貴様ら、変な真似をするなよ」スタスタ 恭介「…あ、そうだ。立華、何かあったら俺を呼べよ」スタスタ 奏「わかったわ」 ゆり「……」 ゆり「単刀直入に訊くわ。あなた、天使なの?」 奏「?…あたしは天使なんかじゃないわ」 一方通行「ほれ見ろ」 ゆり「うぐっ…まだわからないわ。自覚がないだけかもしれないじゃない」 日向「確かになぁ」 一方通行「ったく……ンじゃ訊いてやるぞ。オマエの名前はなンだ?」 奏「あたし?立華」 一方通行「下は?」 奏「ひらがなみっつで、かなで」 一方通行「ハイ、記憶喪失のパターンは消えました、と」 一方通行「続けていくぞォ」 奏「…」コクリ 一方通行「どォしてこの世界に来た?どンな死に方をした?」 奏「……話さなきゃダメ?」 一方通行「嫌なら話さなくてもいい。ただ話せばもうドンパチ銃撃戦なンざしなくて済むかも知れねェ」 奏「…わかったわ。話す」 奏で話した。 心臓をもらったこと。 とても感謝していたこと。 その後に死んでしまったこと。 ありがとう、と言えなかった心残りのこと。 ゆり「……」 日向「……」 一方通行「……そォか。ありがとな、話してくれて」 ゆり「…で、でも待ってよ!一方通行君みたいなバグでもなく、心残りがあってこの世界に来たのになんで…!なんで学生生活をしていて消えないの!?」 奏「わからない…」 ゆり「あと、あの力はなに!?やっぱりパソコンで開発してたの!?」 奏「なんで知っているの…?」 ゆり「うっ」 奏「そうよ。パソコンでこのプログラムを作ったの」 ゆり「となると、あたし達が銃を生み出したのと変わらないわけか…」 日向「これで、天使だっていう疑いは晴れたな」 一方通行「もう構う必要はねェだろ?」 ゆり「そうね…。今まで悪かったわね、立華さん」 ガラッ 廊下ーー ゆり「結局、神なんていないんだ。なーんて言われた感じね」 日向「消えていく為だけに存在してるのか、やっぱり」 一方通行「どォかな。三下共があれだけ躍起になるンだ。天使はいなくても神はいるかも知れねェぞ」 ゆり「それもそうかもーー」 藤巻「ゆりっぺ!大変だ!武器庫が焼き払われてやがる!」 日向「何だって!?」 ゆり「…!今すぐ向かいましょ!」ダッ 一方通行「(戦争の常套手段だなァ…チッ、三下共の仕業だな)」 ーーーーーーーーーーーーーーーーーー 上条「あぁ、本当によかった」 上条は美琴を抱きしめ、そう呟いた。 美琴「そうね。こうして二人でまた出会えたんだもの」 上条「あぁーー」 上条「これで心置きなく神を殺せるな」 上条は、ニヤリと笑みを浮かべた。 抱き合う美琴にはその笑みは見えない。 しかし、低く冷たいその声は聞こえた。 美琴「え…?」 上条「なぁ美琴」 美琴を離し、上条は美琴の目を見て言う。 上条「神様は許しちゃいけないんだ」 美琴「あっ……!だ、ダメよ!二人一緒になれたんでしょ!?もうこれ以上何もいらないじゃない!これからは、私たちは、後は…」 上条「満足して消える、か?」 美琴「っ!?」ビクッ 上条「美琴はそうしたいのか。でもーーそれは叶えてあげられないな」 上条「なぁーー美琴?」ニコリ ーーーーーーーーーーーーーーーーーー ガラッ 恭介「よう、どうだった?」 奏「仲直りしたわ」 恭介「な、仲直り?そうか、良かったな」 直井「会長は天然ですね…」 直井「それより、話を進めましょう。昨日の侵入者のことなんですが…」 恭介「あいつらか…」 直井「知り合いですか?」 恭介「あの金髪碧眼の女は知っているな」 恭介「恐らく、目的は俺と似ている」 直井「そうなんですか」 恭介「だがーーNPCを人間と見れなくなったらダメだ。あいつらは、道を間違い続けることになるだろうな」 直井「……僕が、そうだったようにですか?」 恭介「そうだな。だが、お前はもう大丈夫だぜ?」ニカッ ーーーーーーーーーーーーーーーー 恭介「まぁもっとも、神になるのは俺だがな」 ーーーーーーーーーーーーーーーー 上条「俺が神を殺して、沙耶を神にするーー」 ーーーーーーーーーーーーーーーー ゆり「(神に抗って、この世界を手に入れるーー)」 ーーーーーーーーーーーーーーーー 第1話「Departure」END
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―とある深夜の公園―「なんなんですかァ?なんなんですかァ?…ヒーロー様が俺をこんな人気のないとこで呼ぶなんてよォ?」「…お前にな…大事な話しがあるんだ…」ガシッ「あァ?大事な話し――」「――」スッチュッ「―――!?」「俺……一方――いや、鈴科が……好きなんだ…」ギュッ「な、な、な……」/// 「鈴科っ!」俺は鈴科に対する想いを我慢できず、固まってる鈴科を芝生に押し倒す「て、てめぇ!何しやが――んんっ!」押し倒した俺は再び鈴科の唇を獣のように奪う鈴科は抵抗しようとしてるが、俺の右手で体を抑えられてる為、能力は使えない……今、能力を使えない鈴科はどこにでもいるか弱い女の子と同じで…無力だだが、鈴科は必死に口を閉じ、キスを受け入れてくれない…ならば… 俺はキスを諦め、細くて綺麗な鈴科の首筋にキスをする「くっ…や…やめねェか…ぅんっ!」ビクン …以外だな…鈴科は中々感度が良いみたいだ。じゃあ…ここもか?右手で抑えながら、左手で服を捲り露わになった鈴科の胸…そしてそのピンク色の乳首に俺は顔を近づき――「!――ば、馬鹿ッ!やめねぇか!?」パクッと口にふくみ、味わうように、赤ちゃんのように、乳首を吸い始める。チュウチュウ「くっ……あっ…!」 「はぁはぁ、鈴科の乳首って小さくてピンク色で可愛いな…」チュパチュパ「あっ…くっ……や…やめねぇ…か…この…変態が―カミッ――うぁっ!」鈴科は俺に悪態をつこうとするが、乳首を甘噛みされた途端、普段まず聞くことのない女の子の甘い声を発してしまう「はぁはぁ、お前滅茶苦茶可愛いな」「くっ…ぅうんっ…うる…せぇ…」 俺は乳首を舐めたり吸ったりして、鈴科の反応を見て楽しんでいたが、空いてる左手を突然、鈴科のズボンの中に潜らせ――「!――なっ…て、てめぇ!どこに手を入れ―クチュッ――んぁっ!…」ビクッ! ――鈴科の女性器を弄りだす「やっぱお前…女の子だったんだな…」クチュックチュッ「んくっ……ひぁっ…」先程までの強気な態度が消え、鈴科は俺に秘部を弄られ嬌声をもらす「良かった…俺が好きになった人が女の子で…」クチュクチュ俺の告白に鈴科は驚いた顔を一瞬するが、続けざまに秘部を弄られ、再び嬌声を上げ切なげな表情になってしまう くちゅくちゅぐちゅぐちゅ徐々に力が抜け、鈴科の秘部はだんだんと濡れていく。鈴科は顔を赤らめ、息遣いを荒くし女の快感に夢中になり始める「はぁっ…くぅんっ…や、やめ……やめ…て…」 …学園都市第一位で一方通行として他の者達に恐れられ、高慢だった鈴科が…あの鈴科が!…涙目で俺に懇願している……!その姿に俺の血はたぎり、可愛い鈴科を更に苛めたくさせる「可愛いよ…鈴科…」グチュグチュ「んっ…い…やぁっ…」ビク 「…鈴科…イカせてやるからな」グチュグチュグチュ!鈴科に告げると同時に、秘部にピストンする指の速度を上げて俺は鈴科を責めるグチュグチュグチュグチュ!「あっあっ……んぅっ…お…おねが…い……んくっ…やめ…て……ふぁっ!」ビクンッ!鈴科は瞳を閉じ涙を流すが、俺は構わす責める…鈴科…そろそろイキそうだな… …そして俺は更に激しく責めて―――「んっあっ……あ、ひぁっ…あ…あぁぁぁっ!」ビクンビクン! ――鈴科をイカせた… イカされた鈴科はぐったりとし、体を芝生に預けてはあはあと荒く呼吸する無防備になった隙を逃さず、再び抑えつけながら鈴科のズボンとパンツを同時に脱がし、俺は己のいきり立ってる愚息を取り出して鈴科の秘部にあてがう。それに気付いた鈴科は「や、やめて!それだけは!?」必死にお願いするが――「ごめんな…鈴科」俺は鈴科の秘部に愚息を挿入させるズプズプ――ぶちっ…「アアアァァァァッ!」 …入れ終えた後、俺は結合したとこを見る……血が…「鈴科……お前…初めて…だったのか」「…グスッ……グスッ…」鈴科は何も言わず…泣いていた…「ごめん…お前の大切なの奪ってしまって…だけど……俺はお前が好きなんだ……好きで好きで…死ぬほど好きなんだ…」「………」グスッ「…ごめん…動くよ…」 そして、俺は鈴科に負担をかけぬようにゆっくりと腰を動かし始めた痛がる鈴科をリラックスさせる為に、ダメ元で再度唇を重ねてみる……驚いた事に俺のキスを鈴科は拒絶せず受け応えてくれた…そしてお互いを確認するかのように舌を絡め合う二人の口からは、ぴちゃびちゃと水音がなり、結合してるとこからはくちゅくちゅと卑猥な音が奏でられる「んんっ…あんっ……んっ…」鈴科は悩ましげで甘い声をもらし、俺の煩悩を刺激する「鈴科…鈴科ぁ……好きだ…お前が大好きだ…!」パンッパンッ俺は鈴科に想いを口にし、優しく責める 「はぁはぁ……んんっ…」ビク鈴科は俺の想いに答えず、変わりに甘い喘ぎ声で俺をたかぶらせる …くっ、初めてなだけあってキツ過ぎる…予想以上の締め付けに愚息は、ビクビクと蠢き感覚がなくなっていく …駄目だ……気持ち良すぎる…!「鈴科ぁ!好きだ!お前を愛してる」パンッパンッ!「あっ…んくっ…ふぅっ…んんっ!…」そして、俺は限界にきた愚息を――「うっ!」ドクッ!ドクッ!―――ドクンッ!鈴科の汚されてない、膣内に精子を放つ「ひっ!…あっ…あぁぁ…」 「このレイプ野郎がァ…俺にあンな事しておいて…てめェ…分かってンだろうなァ?」「ああ…愛した人に殺される…それでも俺は後悔してない…お前を想う気持ちは嘘じゃないから…」「……」「…だから…構わない…」「………チッ」鈴科は舌打ちして、そして顔を赤らめて俺にこう告げた「……責任…とれよ」/// …俺の愚息を鈴科のお股に一方通行!wwwwwwwwwwwwwwwwwwww処女だったのは驚いたけど…まっ、いっかwwwwww責任?ゲス条さん、難しい事わかんな~~いwwwwwwwwこれから鈴科の体をどうやって俺好みに開発してこうかな~wwwwwwwwふひひwwwwwwwwwwww次は誰かな~♪
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疾走する超能力者のパラベラムⅤ ◆hqt46RawAo ◆ 『全て終わった後に/迷いと答え/もう一度』 ◆ 「――まァ、そォいう事があったわけだ」 長き語りは終わる。 一方通行は自分が見てきた事実をありのまま告げた。 死と生。戦いの行方。嘘はない。 殺した者は『殺した』と。 生きている者は『殺し損ねた』と。 偽らずに、全てを上条に語った。 「それでのろのろと南下してきたところ、オマエとばったりってな」 上条は暫くの間言葉を発する事も出来なかった。 ずっと、一方通行の語る事実をかみ締めるように、拳を固く握り続けていた。 「なんでだ……?」 漸く搾り出した声は震えていた。 「なんでお前はそんな事を……」 「あン? 説明しなきゃわかンねェのか?」 「…………ッ」 問いかけつつも、上条は半ば答えに辿り着いていた。 おそらくは、自分のせいなのだ。 上条があの時、無意識に一方通行よりも御坂美琴を優先したから。 あの状況で死体に拘った。 上条なりの生き方を通した結果が、一方通行を凶行に向わせた。 「畜生……ッ」 一層、強く拳を握り締める。 もう取り返しが付かないのだ。 失われた命も自分の間違いも。 あの時こうなると知っていれば、などという言い訳はきかない。 結果が全てであり。 結果的に上条は間違えた。 事実はそれだけなのだ。 (じゃあどうすれば、良かったんだよ……) 既に知らされた間違い。 にも拘らず上条は迷う。 どうすれば良かったかなど明白なのだ。 上条は自分の生き方を貫き、それが結果的に巡り巡って人の死に繋がっただけ。 それは間違いでもあり、同時に避けようもない事故でもある。 だが上条には流せない。 割り切れない。 今までこんな事は無かったのだ。 彼は彼なりに生きて、それで彼の世界を守る事が出来た。 なのに今回はどうしても上手く行かない。 幾ら決意を固めても、全力でぶつかっても好転しない事態が在る。 あげく、自分の生き方、やり方を否定された。 何故なのか? 自分は何も変わっていないはずだ。 だが、全てが否定され、現に全ては裏目に出た。 大切な仲間は失われた。 守ると約束した人間はもう死んだ。 その上、確固たる己も否定された。 何も変わっていない筈のに、全てが否定される。 全てが間違いだった。 ならば……。 (俺は……何かを間違えているのか?) 結局はそこに帰結する。 揺らぐ意志が、決して揺らがない生き方を見失う。 「俺は……」 「で、俺がなンでここでオマエとしゃべくり続けているかというとだな」 上条の呟きを無視して一方通行は話し続ける。 顔を上げた。 当然、一方通行が殺し合いに乗ったのだとすれば、ここで上条と戦う事になる。 だが彼は暢気に話す一方で、未だに自分から仕掛ける事はない。 「最初はな。オマエとちっとばかし喋り終わったらそれでサイナラしようか、とも考えていたンだ……。 なンせ残り時間が後一分もねえ。その右手と真っ向勝負はちと分が悪りィだろ?」 「なら、なんで……」 何故まだここに留まっているのか。 「ああでも、やっぱ駄目だ。駄目なンだよ、今のオマエは駄目だ……。ふざけンじゃねえぞ?」 その瞬間、押さえつけれられていた怒気と殺意が顕になる。 「今のオマエの存在だけは許せねえ。死ンじまえよ、今すぐに……。この世から消えうせろ」 狂気の叫びではなく。 冷たい失望の刃が上条を刺す。 完全にキレていた。 この時、一方通行は己を支配する狂気を超える程の怒りを湛えていた。 一方通行自身にも、その怒りの正体は理解できていない。 彼は今、己の内側から沸きあがる不可解な感情に突き動かされている。 「……勝負だ。リターンマッチだぜ最弱(さいきょう)」 一歩、踏み出した。 一方通行はこのとき、狂気からも、理屈からも乖離した行動をとっていた。 殺意に狂わせる脳裏の存在に従うならば、有無を言わさず出会い頭に上条を殺していた筈である。 未だに残る理性の判断に従うならば、残り時間のリスクから早々にここを立ち去っていた筈である。 今の彼を突き動かすものは、怒り。 目の前の存在が我慢ならないという。 それは、意地という言葉に言い換えることが出来るかもしれない。 もう一歩、踏み込む。 近づいていく。 あの、幻想殺しに。 その歩みに、向ってくる敵の姿に上条はたじろいだ。 自分を見失いつつある彼には闘う覚悟も定まらないまま、強大な敵が再び目前に在る。 今はもう、拳の握り方も分らないというのか。 「クソッ! ………ォッ!!」 迷いに答えを出せないまま、揺らいだまま上条は挑んだ。 揺らいだ意志で足を引きずりながら敵へと駆け出した。 一方通行はそれを待ち受ける。 静かに歩き続けながら、約10メートルの距離が縮まっていくことを良しとする。 それは正に勝負だった。 彼は知っている。 住宅街、左右に逃げ場なしというこの状況。 遠距離攻撃徹すれば一方通行に負ける要素はない。 そして近距離は勝機が薄い。 にも拘らず、待ち受ける。 まるで上条当麻とだけは、同じ土俵で闘う事を決めていたように。 距離が詰まっていく。 ぐんぐんと、あっという間に、10メートルは5メートルに、5メートルは1メートルに、 そして、ゼロへ。 「「…………っらァッ!」」 重なる叫び。 同時に腕が伸びる。 拳が飛ぶ。 上条の右腕に、一方通行も己の腕で答えた。 交錯する腕(かいな)、しかしその差は歴然だ。 やはり上条当麻の拳が速い。 一方通行の腕は遅い。 それは分りきっていたはずの展開。 理が逆転することなど当然無く。 一方通行の腕よりも速く、上条の拳が一方通行の頬を殴り抜いた。 「……ギァッ!」 蟲が潰れたような声を漏らす。 無様に、殴られる。 だが一方通行は倒れなかった。 本来ならば、ここで吹っ飛ばされているはずだというのに。 「温りィ……。なンだァ? 今の糞みてェなパンチはァ……?」 殴られ、よろめきながらも一方通行は嗤った。 なんて情けない。 己はこんな無様な拳に敗北したのか、と。 「……!?」 そして上条はその挙動に意表を突かれていた。 敵の能力を知ればこそ、ありえない筈の挙動だった。 両手が、触れただけで死を呼び込む一方通行の破壊の両腕が、 それが通用しないはずの上条の右手を掴み取っている。 (何故!?) その言葉で上条の脳裏が満たされる。 だがマズイ。 嫌な予感だけはヒシヒシと伝わってきた。 このままでは、このまま身体を捕らえたままでは……。 (まさか、コイツ……本気(ガチ)で俺と勝負しようってのか……!?) 缶コーヒーやら銀球やらガラス片やら風やらの、優位な遠距離攻撃を一切省いた。 完全なる近距離戦。 小細工無しの格闘。 一方通行を知る上条にとって、それが一番意外な選択肢だった。 そして一方通行の手は上条当麻を捉えきれない。 だが唯一、捕らえられる可能性がある場所が在るとすれば。 殴る際、どうしても敵に触れなければならない、その右手に他ならない。 「まさか……!」 一方通行は最初からそこのみに注目していた だが本来ならばその手を捕らえる事も許さなかったはずだ。 殴り抜いた瞬間、一方通行は地を転がっていた筈なのだから。 けれどそうはならなかった。 それは拳のにぶり。 引き起こした要因はやはり迷いか。 迷いに揺れる意志と、 既に狂気すら飲み込んで前進する意志との差。 一方通行はよろめきながらも、決してその手を離さない。 上条当麻の右手を掴んで離さない。 絶対に逃がさない。 「…………ッッ!!」 そして伸びてくる破壊の手。 遂に届く。 上条当麻の無防備な胴体へと。 そこから逃れる為には、方法は、一つ。 「…………グ、ガハッ!!」 またしても響く打撃音と小さな声。 上条当麻は右手を掴まれたまま、 そのまま再度、一方通行を殴り抜いたのだ。 今度こそ吹っ飛ばされる一方通行の身体。 「はッ。 なンだよ、まだ見所は残ってやがる……。 殺し損ねちまったか……」 地を滑りながらも彼は嗤って言った。 だが上条は、既に満身創痍の体だった。 「ガ……グッ……ゴホッ……ゴホッ……」 体内から大量の血が逆流してくる。 口から流れ出す鮮血。 足の傷口から噴水の如き勢いで赤が吐き出されていく。 血流操作が中途半端な所で止められたからか。 上条は一方通行に触れられながらも、未だに即死は避けていた。 しかし十分なほど身体の内部を破壊され、凄まじい激痛が全身を巡っている。 「ギッ……がぁ……!!」 耐えなられない。 立ち上がる事が出来ない。 死に、瀕する。 そんな時でも上条の脳裏を占める感情はやはり一つ。 己は何を間違えていたのか。 どうする事が正しい道だったと言うのか。 本当に、自分のやり方はただの思考停止の成れの果てであり。 アーチャーやスザクやファサリナの言葉が正しいとでも言うのか。 理想を切り捨てて、犠牲を良しとして生きれば、こんな最後を迎えなかったのか、と。 「俺は……それでも……認めたくねえ……曲げたくねえんだ……」 感情が、知らず言葉となって溢れ出していた。 「何が。悪いんだよ……。皆が助かる道を選んで、最高のハッピーエンドを願って、何が悪いんだよ!! 畜生!!」 知らず叫びとなっていた。 誰にも向けられない、独白。 けれど、それに答える者が、今は居たのだ。 「……なンにも、悪くねえよ。そうさ、オマエはそれで良いンだよ」 思わず耳を疑った。 上条は伏せていた顔を上げる。 その視界は真っ赤に染まっていた。 聴覚にもガタがきている。 だが、聞き間違いではない。 目の前の一方通行は。 他でもない、相対しているこの宿敵は今確かに、上条当麻を肯定したのだ。 「…………な……?」 「あァ? なに驚いた顔してンだよ。 オマエは何も間違えちゃいねェって、言っただけだろうが……」 心底呆れた声で一方通行は話す。 「そりゃァ、オマエの考え方に理屈で難癖つけてくる奴も居るだろ。 まァ確かにオマエはちっとばかしカッコつけすぎだとは思うけどな……」 驚きを隠せない上条へと言葉を紡ぐ。 「けどよォ……オマエはその理想を、現実に変える力を持ってンじゃねえか」 お前は俺とは違うだろう、と。 悪に、闇に落ちなくとも、 正道を行きながらも全てを助けるだけの、強さを持っているだろう、と。 彼は言う。 「何をごちゃごちゃ悩ンでやがンだ馬鹿野郎が……。 今のオマエが弱いのは、あの時、傍に居た誰かがいねェからだろうがよ。 だが、それも含めて力だったはずだ。オマエは確かに、強かったはずだろォが。 だからこそ許せねェ。そのオマエがこンな所でカスみてェにいじけてやがるザマは、見てるだけで虫唾が走る……」 どのような運命の巡りなのか。 この島で誰もが否定し拒絶した上条当麻の理想と生き方。 それを唯一理解し、肯定し、回答を示すのはこの宿敵だった。 「そら、立てよ最強。オマエは何も悩む事なンざねェ。その強さと理想は俺が保障してやるとも。 なぜならオマエ……忘れたなンて言わせねえぞ? オマエは他の誰でもねェ―― この世で唯一、俺を倒した男なンだろうがッ!!」 お前は強い。間違いなどない。 その道を行く事に躊躇いなど憶えるな。 上条当麻にはその理想を成し遂げる強さが在る。 一方通行は本気でそう、言っていた。 本気で、信じていた。 一方通行はようやく己の怒りの正体に思い至る。 彼は我慢できなかったのだ。 自分を唯一倒した男が腐っていくのが、耐えられなかったのだ。 結局彼だけは、誰よりも上条当麻の強さを信じていたのだ。 他でもない、上条当麻に敗北した者として。 「…………あぁ……」 その言葉を聞いた瞬間、 上条はまるで頭の中の靄が、すべて吹き飛んだような気がした。 全身を激痛で苛まれる中で脳裏だけが何故かすっきりとしている。 「…………そう……だな」 ただ代わりに、憤りが湧き上がってきた。 自分が何を見失っていたのかを理解する。 己の理想に間違いは無かった。 それは目の前の敵が示してくれた。 後はもう一つだけ、上条自身が辿り着かなければならない答えが在る。 ではいったい何が足りなかったのか。 それも既に目の前の彼が示してくれた通りだ。 彼の隣に居た仲間が、今はもう居ない。 そう言う意味で、確かに上条は弱くなっていた。 だから……。 「ははっ……くそ……強くなりてえな……」 本当に情けない。 結局、己は仲間に助けられてばかりだった。 いざ一人になってみれば、現実はこんなものだ。 「俺は……強くなりてぇ……!」 だから今、上条は力を欲した。 たった一人でもすべてを守れる力を。 全ての不条理を殴り飛ばせるほどの力を。 「ああ、だったら……こんな所で死んでらんねぇか……。そうだよな」 そして、前に進む事を選んだ。 迷いはもうない。 己の弱さは自覚した。嫌というほど思い知った。 だが、迷いはもう無いのだ。 ならば後はその先に向って進むのみ。 「悪かったな……手間をかけさせた……」 「謝るなよ。オマエが俺に殺される事実はかわらねえ」 「ははっ……そうかよ。じゃあ、いくぜ」 「ああ、きやがれ」 そうして漸く、上条当麻は立っていた。 自分の戦いの舞台に、確固たる己を持って。 「俺は強くなる。その手始めに、まずはてめえを助けてやる!」 他ならぬ。『幻想殺し』上条当麻の声で、言った。 ■ ――ああそうだ、その眼だよ。 駆け抜けてくる少年の姿に、一方通行はどこか懐かしい思いを感じていた。 ――その拳だよ。 こちらを真っ直ぐに見据えるその眼光。 力強く振り上げられたその拳。 ――そいつに、俺は負けたンだ。 不思議な感覚だった。 まるであの日に戻ったようだ。 目の前の少年と始めて闘ったあの夜に。 ――そして、そいつに俺は……。 思い出す。 目の前に在る。 あの夜、颯爽と現れて、悪であった己を拳一つで殴り飛ばしたあの姿。 絶対に辿り着けないと今も確信する。 忘れられないヒーローの体現者。 その姿に――憧れた。 ――俺は……。 確信する。 理屈ではない心のどこかで直感する。 自分はやはり、今回も勝てないのだろう。 絶対にかなうものか、あの眼に、あの拳に、あの上条当麻に……。 ――俺はもう一度……。 これで、全部おしまいだ。 悪い幻想(ユメ)は上条当麻が全部殺してくれる。 己は負ける。 ――あの拳が俺に届けば、それで終われる。 その確信と共に、一方通行は幻想殺しを待ち受けた。 全ての不浄を払う。 上条当麻を待っていた。 ◆ 『終幕/はじまりのおわり』 ◆ 「……そう、か」 その結果は実の所、意外でもなんでもなかった。 倒れた者はもう動かない。 ならば、未だに立つものこそが勝者だ。 「ああ……それじゃァ、俺の勝ちだな」 即ち、ここに立つ一方通行こそが勝者となる。 路上に倒れた上条当麻には、もう既に息は無かった。 死んでいる。 不完全ながらも血流の逆流を受け。 内臓に重大なダメージを負い。 血を流しすぎた。 その順当な結果。 至極自然に、完膚なきまでに、普通に、死んでいる。 一方通行には分っていた筈だ。 すでに上条には決定的な一撃を与えていた事など。 即死でなくとも、上条は致命傷を負っていた。 それを知っていたにも拘らず、彼は驚いていた。 己の勝利に、上条の死に、疑問を感じている。 「けどよ。なンで、だ?」 何故自分は勝利しているのか。 目の前の幻想殺しと戦って、それで勝ってしまった。 その理由を問う。 答える者は居ない。 上条当麻はもう死んでいる。 この場には一方通行以外の誰もいない。 「いいのか?」 誰にともなく、一方通行は問い続ける。 この世の摂理はこの結果を良しとしたのか。 一方通行がこの先に行く事を認めるというのか。 ヒーローの敗北。 それを是とするのか。 「そういう事なのか?」 答える者はいない。 ならば、残っているのは結果だけだ。 正義が死んで、悪が勝ったという。 それだけだ。 「そう……か。そうかよ…………ヒ、ハ、ヒャハハッ! ヒャはハハハハハはハハハハはハハハハハハハハはッッ!!!!!! ギャハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハッッッッ!!!!!」 最後の幕が閉じる。 終わりは勝者の狂笑にて。 それが何を意味していたのかは誰にも分らない。 怒りか。 慟哭か。 歓喜か。 だがいずれにせよ、彼はもう迷う事など無いだろう。 疑問を挟む事もない。 ひたすらに。 どこまでも、この果て無き修羅の道を行くだろう。 その手がいつか、目指した救いに触れるまで―― 【上条当麻@とある魔術の禁書目録 死亡】 ■ 【E-4 南部の住宅街/二日目/黎明】 【一方通行@とある魔術の禁書目録】 [状態]:精神汚染(完成)、肩口に打撲、能力使用不可能 [服装]:血みどろの私服 [装備]:アンチスキル用ニニ口径ゴム弾拳銃@とある魔術の禁書目録 [道具]:基本支給品一式×4、缶コーヒー各種@現実×多数、首輪×3(アーチャー、利根川、ゼクス)、 H K MARK23 ソーコムピストル(自動拳銃/弾数5/12発/)@現実、3499万ペリカ、おもちゃの双眼鏡@現地調達、 真田幸村の槍×2、H K MP5K(SMG/40/40発/)@現実、その他デパートで得た使えそうな物@現地調達、ピザ×10@現実 Draganflyer X6(残バッテリー約10分)@現実、Draganflyer X6の予備バッテリー×4@現実、士郎の首輪解析メモ デイパック(サーシェスの死体入り)、ノートパソコン@現地調達、オレンジハロ@機動戦士ガンダムOO、9mmショート弾(14発) 救急救命セット@現実、柳刃包丁@現実、工具一式@現実、雑誌@現実×多数、真田幸村の首輪、 果物ナイフ@現実 作業用ドライバー数本@現実 タバコとライター@現実、ショットガンの予備弾丸×78 文化包丁@現実 レイ・ラングレンの銃@ガン×ソード、ドラグノフ@現実(10/10)、 GN首輪探知機@オリジナル、平バール@現実、麻雀牌@咲×31個、ユンケルスター@現実×8 コンビニの商品多数(内容は後の書き手さんにお任せします) [思考] 基本:どいつもこいつもブチ殺して打ち止めを守る。 0:――――――。 1:打ち止めを守る(※打ち止めはゲームに参加していません)。 2:このゲームをぶっ壊す! 3:首輪を解析する。首輪を解除出来たらあの女(荒耶)をブチ殺す。 4:サーシェスの死体について、何か情報を集めてみる。 [備考] ※飛行船で首輪・制限の制御を行っている・主催側で制限を調節できるのではないかと仮説を立てました。 ※ゼクス、政宗、神原、プリシラ、スザク、レイと情報を交換しました。 ※ライダーの石化能力・藤乃の念動力の制限・信長の瘴気・荒耶の魔術(不完全)を分析しました。 ※橙子(荒耶)の名前は知りませんが、首輪の魔術礼装の作者ではないかと考えています。 ※ゼクスから士郎が解析した首輪の構造情報を入手しました。 ※赤ハロとオレンジハロ間で通信が出来るようになりました。通信とは言えハロを通しているため、声色などはハロそのものにしかなりません。 ※当麻と式の力で、首輪の魔術礼装をどうにかできる可能性があると判断しています。 ※最悪の場合、生存者の中で殺し合いに乗った人間は、己を含めて四人しかいないと予想を立てており、 その内の二人は織田信長と浅上藤乃であると判断しています。 ※サーシェスの名前が放送で呼ばれなかった事には、死体に首輪が無かった事も含めて、 何か厄介な裏があると見ています。 時系列順で読む Back 疾走する超能力者のパラベラムⅣ Next おわりのはじまりⅠ「少女には向かない職業」 投下順で読む Back 疾走する超能力者のパラベラムⅣ Next おわりのはじまりⅠ「少女には向かない職業」 280 疾走する超能力者のパラベラムⅣ 一方通行 286 覚醒ヒロイズム 280 疾走する超能力者のパラベラムⅠ 上条当麻 GAME OVER
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目次 基本情報 概要 攻撃武器:RPG発射台 武器:RPG発射台 ステータス 昇級データ 訓練コスト 治療コスト アップデート履歴 ギャラリー コメント 基本情報 ゴミ収集車 正式名 改造ゴミ収集車 英語名 Garbage Truck 英語正式名 Converted Garbage Truck 内部ID sw_veh_truck_rocket_player ユニットタイプ vehicle 属性 車両, 金属 訓練施設 報酬目当ての金庫 プレイヤー必要レベル 47 訓練施設の必要レベル 4 遮断 遮断 防御 ベース 115% 115% 100% _75% 100% 装甲 _35% _35% _35% _35% 100% 耐性 極寒 概要 『ゴミ収集車は多くの市民が再利用可能なものを仕分けしなかった結果です。 環境に対する配慮の不足に嫌気が差し、ゴミ収集車は二酸化炭素を排出する車両に対して有効な厚い装甲とRPGランチャーで改造されました。 環境保護の重要性は爆発によっていちばん証明されます。』 ―2.9パッチノートより ゴミ収集車は2.9パッチでリリースされたプレミアムユニットであり、報酬目当ての金庫にて70ナノポッドで訓練できる。 その攻撃はバズーカ分隊やRPG兵のものと似ている。 HPと装甲は合わせて550あり、強化戦車よりも15少ない。 そのRPGによるダメージはランク1で95~176であり、射程は1~3、装甲貫通力75%、大打撃率10%を備えている。 ここまではそれほど悪くないように思えるが、残念なのはランク1ではあるものの攻撃力が20ということである(これは弱虫によるランク1~4のマシンガン攻撃にさえも劣る)。 これはバグかもしれないし、あるいは深く考えずにプレミアムユニットを買う全ての不注意なプレイヤーに対するトラップかもしれない。 他の残念な点は15という低い防御である。このため、多くのユニットからの攻撃が「かする」ことはないだろう。 攻撃 武器:RPG発射台 RPG発射台 弾薬 2 リロード 3ターン +続きを表示 バズーカ爆破 内部ID bazooka_1shot 攻撃アイコン ダメージタイプ 射程 1-3 射程圏 第一線 攻撃対象 地上 使用火薬数 1 補給時間 2ターン 武器冷却時間 1ターン 装甲貫通力 75% 2ndDMG% 0% DMG_distraction 0.5, Bonus 0% 備考 ランク 1 2 3 4 5 6 ダメージ 95-176 104-193 114-211 123-228 133-246 152-281 攻撃力 20 25 25 30 30 35 基本大打撃率 0% 0% 0% 0% 0% 0% 大打撃% vs. 車両 10% 10% 10% 10% 10% 10% 【攻撃位置】選択可能マス 【攻撃範囲:選択】減衰率 1.00 【拡散範囲】なし 武器:RPG発射台 RPG発射台 弾薬 2 リロード 3ターン +続きを表示 対空バズーカ爆破 内部ID air_bazooka_1shot 攻撃アイコン ダメージタイプ 射程 1-3 射程圏 間接 攻撃対象 空中 使用火薬数 1 補給時間 2ターン 武器冷却時間 1ターン 装甲貫通力 75% 2ndDMG% 0% DMG_distraction 0.5, Bonus 0% 備考 ランク 1 2 3 4 5 6 ダメージ 63-117 69-128 75-140 81-152 88-163 100-187 攻撃力 20 25 25 30 30 35 基本大打撃率 0% 0% 0% 0% 0% 0% 大打撃% vs. 空中 10% 10% 10% 10% 10% 10% 【攻撃位置】選択可能マス 【攻撃範囲:選択】減衰率 1.00 【拡散範囲】減衰率 0.25 0.25 1.00 0.25 0.25 ステータス 昇級データ ステータス ランク 1 2 3 4 5 6 必要SP N/A 13,280 26,560 58,430 130,145 422,305 HP 325 360 (+35) 395 (+35) 430 (+35) 465 (+35) 500 (+35) 装甲 225 245 (+20) 265 (+20) 285 (+20) 305 (+20) 325 (+20) +合計 550 605 (+55) 660 (+55) 715 (+55) 770 (+55) 825 (+55) 勇敢さ 65 70 (+5) 75 (+5) 80 (+5) 85 (+5) 90 (+5) 防御 15 20 (+5) 25 (+5) 30 (+5) 35 (+5) 40 (+5) 回避 0 5 (+5) 10 (+5) 15 (+5) 20 (+5) 25 (+5) スロット 2 2 2 2 2 2 ダメージ 0% 10% 20% 30% 40% 60% 攻撃 0 5 5 10 10 15 大打撃率 0% 0% 0% 0% 0% 0% 耐性 114% 100% 100% 100% 100% 100% 耐性 114% 100% 100% 100% 100% 100% 耐性 35% 45% 45% 45% 45% 45% 耐性 35% 45% 45% 45% 45% 45% 耐性 35% 45% 45% 45% 45% 45% 耐性 35% 45% 45% 45% 45% 45% 昇級コスト N/A 4h45,1529,125 12h113,77610,925 1d286,52812,90011 2d702,40815,02529 2d2,455,24017,3257 昇級報酬 N/A 2,100 3,500 5,000 6,800 8,800 撃破SP 160 160 176 196 212 228 撃破Gold 800 800 880 980 1060 1140 PvPコスト 40 40 44 49 53 57 対換算 282 360 395 430 465 500 対換算 642 544 588 633 677 722 対換算合計 925 904 983 1063 1142 1222 対換算 282 360 395 430 465 500 対換算 642 544 588 633 677 722 対換算合計 925 904 983 1063 1142 1222 対換算 325 360 395 430 465 500 対換算 642 544 588 633 677 722 対換算合計 967 904 983 1063 1142 1222 対換算 433 480 526 573 620 666 対換算 642 544 588 633 677 722 対換算合計 1076 1024 1115 1206 1297 1388 対換算 325 360 395 430 465 500 対換算 225 245 265 285 305 325 対換算合計 550 605 660 715 770 825 更新:2014/9/3 訓練コスト 検証中のため数値に誤差がある可能性があります。 報酬目当ての金庫 レベル 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 時間 20h24m 18h46m4s 17h 15h18m 13h36m 11h49m55s 10h12m 8h44m34s 6h48m 5h6m ナノポ 70 70 70 70 70 70 70 70 70 70 治療コスト 検証中のため数値に誤差がある可能性があります。 通常 レベル 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 時間 8h30m 8h30m 8h30m 8h30m 8h30m 7h39m 6h48m 5h57m 5h6m 3h24m Gold 35,775 29,813 23,850 21,465 19,080 16,695 15,503 14,310 13,118 11,925 鋼 3,900 3,250 2,600 2,340 2,080 1,820 1,690 1,560 1,430 1,300 石油 2,775 2,313 1,850 1,665 1,480 1,295 1,203 1,110 1,018 925 ギア 3 3 2 2 2 1 1 1 1 1 ハイテク レベル 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 時間 7h39m 7h39m 7h39m 7h39m 7h39m 6h48m 5h57m 5h6m 4h15m 2h33m Gold 31,005 25,043 19,080 16,695 14,310 11,925 10,733 9,540 8,348 7,155 鋼 3,380 2,730 2,080 1,820 1,560 1,300 1,170 1,040 910 780 石油 2,405 1,943 1,480 1,295 1,110 925 833 740 648 555 ギア 3 2 2 1 1 1 1 1 1 1 更新:2014/9/3 アップデート履歴 3.0対空攻撃が追加 2.9導入 ギャラリー コメント 名前 コメント すべてのコメントを見る 最新の10件を表示しています。 wikiタグ vehicle ユニット 極寒耐性 車両 金属
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阿蘇重工ゴミ収集車(あそじゅうこうごみしゅうしゅうしゃ) BK警備保障にて販売中。 設定国民しか使用出来ない L:阿蘇重工ゴミ収集車={ t:名称=阿蘇重工ゴミ収集車 t:要点:積載量1t、ツーマンセルで運用、消費社会の結果 t:周辺環境=きれいな町並み t:評価値=なし t:特殊={ *阿蘇重工ゴミ収集車のカテゴリ=個人所有アイテム *阿蘇重工ゴミ収集車の効果=設定国民しか使用出来ない } t:→次のアイドレス:ゴミの燃料化(技術) } 保有国一覧 藩国名 入手履歴 保有者 使用履歴 現在所持数 保有者なし 参考資料 BK警備保障 アイドレスWiki:阿蘇重工ゴミ収集車(未掲載) 上へ 戻る 編集履歴 藻女@神聖巫連盟(2009/07/10) 矢上麗華@土場藩国 (2008/11/01)
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通学路 梓「唯せんぱーい」 唯「あ、あずにゃん!」 梓「通学中に会うの、珍しいですね!」タッタッ 唯「そうだねー! じゃあこのまま一緒に行こっか」ニコッ 梓「はいっ」 梓「唯先輩、いつもこのくらいの時間に学校行くんですか?」 唯「ううん、今日は目覚ましを早くセットしちゃったの」 梓「あーなるほど。唯先輩らしいです」 唯「ちょっとあずにゃんそれどういう意味ー?」ムー 梓「だってしyいたっ!?」ドンッ ペタッ 一方通行「っと」ドンッ 唯「だ、大丈夫あずにゃん!? あの、すいません!」ペコッ 梓「ご、ごめんなさい」 一方通行「あァ?」 上条「お前がぶつかっといてガン飛ばすな!」ゴツン 一方通行「いっ!? オマエ右手で殴ンじゃねェ! ……悪りィな、大丈夫か?」スッ 梓「は、はい。あ、ありがとうございます……」ニギッ 一方通行「よっとォ」グイッ 上条「おーお前でも持ち上げられるんだな」 一方通行「オマエ死ぬか?」 唯「もーあずにゃん、ちゃんと前向いて歩かなきゃ!」 梓「す、すいません(唯先輩には言われたくないですよーだ)」 上条「怪我とかない?」 梓「あ、はい。大丈夫です」 上条「そっか、ならよかった」 一方通行「何してンだ三下ァ。とっとと行くぞ」スタスタ 上条「お前が悪いんじゃねぇかよ! それじゃ、ごめんな!」タッ 梓「……行っちゃいましたね」 唯「あの人、ちょっと格好良かったね」 梓「あー、あの白い人ですよね! ちょっと分かるかも……いや、なんでもないです!」 唯「えっ」 梓「えっ」 その日の放課後 部室 唯「という訳なんだよ!」 律「えっまさか唯」 澪「その人のこと」 紬「好きになっちゃったとか!?」ガタッ 律「むぎー、落ち着け」 唯「まさかぁ、そんなんじゃないよー……あずにゃん? あーずにゃーん?」フリフリ 梓「へ? ふぁ、はい、なんですか?!」アタフタ 律「ま、まさか梓が……!」 唯「違うよー? あずにゃんはもう一人のs」 梓「わー違う違うの違いますー!」バタバタ 律「三段活用!?」 澪「あ、梓落ち着け!」 紬「あ、梓ちゃん……!」ウットリ 律「ムギ、カムバック」 とある商店街 一方通行「おい、そンでどォすンだ?」 上条「知らねぇよ! マジでやんなきゃいけないのか?」 一方通行「アレイスターのクソ野郎の考えてる事だ。やらなかったら、何しでかすか分からねェ」 上条「……不幸だ」 一方通行「それはこっちの台詞だっつーの」 prrr prrr 一方通行「……誰ですかァ? こンな時に」パカッ ピッ 『手配は完了しました。早速明日からお願いします』 一方通行「ちっ、オマエか。……ンで、用はそンだけか?」 『ええ。あn』ピッ 一方通行「……終わったらしい」パタン 上条「マジですか」 一方通行「マジだ。明日から」 上条「……マジですか」 一方通行「……大マジだ」 帰り道 唯「聞いた? 今日の話」 梓「あ、あの話ですよね? 私も帰りのHRで聞きました」 律「聞いたもなにも、同じクラスだから聞いてるに決まってるだろー?」 澪「律は寝てただろ」 律「てへっ☆」ペロッ 澪「えいっ」コツ 律「いひゃい! ひははんは(したかんだ)!」 梓「」プッ 律「笑うなあじゅさ! あっ」 梓「律先輩……」プッ 律「くぅー……//」 唯「あじゅさだって! りっちゃんかわいー!」 律「う、うるさーい!」 紬「でも、凄く急な話よね。明日からなんて」 唯「だよねー。来年度からー! とかなら分かるんだけどさぁ」 律「あぁ、私の唯が真面目な話を……」 梓「唯先輩を馬鹿にしすぎじゃないですか?」 唯「む、りっちゃんのばーか!」 律「言ったなぁ!」グリグリ 唯「ひゃあ! ほへんほへん(ごめんごめん)!」 澪「もし怖い人とかきたらどうしよう……」 律「ピアスとか空けてたりして!」 澪「ひぃ!? や、やめろ律!」 紬「大丈夫よ澪ちゃん! ……多分、ね」 澪「多分ってなに!?」 唯「大丈夫、こんな時期にこないよ! 」 紬「…………」 次の日 上条「なぁ、これで良いのか?」 一方通行「オマエは前のやつで良いンじゃねェの。っつっても、結局同じもンみてェだけどなァ」 上条「つーかお前、結構似合うな」 一方通行「……」ザッ 上条「そういう意味じゃねぇ! マジでドン引きしながら後ずさりすんな!」 一方通行「っと、そろそろ時間だ」 上条「無視ですかそうですか。上条さんちょっと寂しいですよ」 一方通行「さっさと行くぞ三下」ガチャ スタスタ 上条「へいへい(張り切ってんな、あいつ)」バタン カチャ タタッ 教室 唯「きょうっのおっかしはなっんでっすか!?」 紬「さぁ、なんでしょーう?」ニコニコ 唯「うームギちゃんのいじわるー!」 紬「ふふっ、放課後までのお楽しみっ♪」 唯「ちぇー、はーい」 ガラッ さわ子「はい、みんな座ってね」 ザワザワ ガタ ガタ さわ子「……はい、それでは皆さんにお知らせです」 「なにー?」 「えーなんなのー?」 ザワザワ ザワザワ さわ子「みんな、静かに!」 さわ子「実は、今日! 早速て」 ガラガラ 一方通行「ここかァ?」キョロキョロ 上条「馬鹿お前、なに勝手に入ってんだよ!」 「え、男?」 「えー、早速!?」 ザワザワ ザワザワ さわ子「みんな、静かにしてちょうだい! あなたたち、勝手に入ってきちゃ駄目じゃない!」 一方通行「あン?」 「きゃっ!」 上条「だからガンを飛ばすな!」ガン 一方通行「いっ!? オマエは星を飛ばすンじゃねェよ!」 律「ま、漫才?」 一方通行上条「誰が漫才だ!」ビシッ 律「いや漫才にしか見えないっての」ビシッ クラス「あははははっ!」 唯「」グーグー 澪「こ、怖そう……」ブルッ 紬「……!」 さわ子「紹介するわね。この二人は転校生なの。昨日言った通り、共学になった我が校に、編入して来ました。名前は」 一方通行「一方通行だ」 上条「上条当麻です、よろしく」 さわ子「みんな、たった二人の男の子だから、仲良くしてあげてね。あ、席は一番後ろよ」 ザワザワ ザワザワ 紬「…………」 唯「」グーグー 律「よろしくなー!」 上条「おう、よろしくな!」 一方通行「……」プイッ スタスタ 律「あれ照れてんの?」ヒソッ 上条「多分な」ヒソッ 一方通行「……聞こえてンだよおい」 澪「律……なんて大胆な」 暫くして。 授業中 唯「んー……」ムクリ 先生「ここにこの式を代入し……」 上条「(さっぱり分かんねぇ……)」ポリポリ 一方通行「(こンなもン暗算で出来ンだろ)」 唯「……えっ!? お、男の子だ!!」ガタッ 律「今更かよっ!?」ガタッ 先生「平沢さん、田井中さん、静かに。授業中ですよ」 唯律「すいません……」 唯「あっ! 朝の人だっ!!」 上条「お、おう(今気付いたのかよ!)」 先生「平沢さん? ……では、ここの問題の答を教えて下さい」 澪「えっ……いくらなんでもこれは難しくないか?」 紬「これはちょっと……」 唯「……m n^2/(2n+1)のとき m-n^2/(2n+1) 0より* ⇔ a (m^2+m)/{m-n^2/(2n+1)} (m^2+m)/{m-n^2/(2n+1)}={m^2-n^2/(2n+1)*m+(n^2+2n+1)/(2n+1)*m}/{m-n^2/(2n+1)}=m+{(n+1)^2/(2n+1)}*m/{m-n^2/(2n+1)} =m+{(n+1)^2/(2n+1)}*{m-n^2/(2n+1)+n^2/(2n+1)}/{m-n^2/(2n+1)}=m+(n+1)^2/(2n+1)+{(n+1)^2/(2n+1)}*{+n^2/(2n+1)}/{m-n^2/(2n+1)} =m+n^2(n+1)^2/(2n+1)*1/{m-n^2/(2n+1)}+(n^2+2n+1)/(2n+1)={m-n^2/(2n+1)}+n^2(n+1)^2/(2n+1)*1/{m-n^2/(2n+1)}+(2n^2+2n+1)/(2n+1) であるから,m-n^2/(2n+1) 0より相加相乗平均の関係が成立して, (m^2+m)/{m-n^2/(2n+1)}≧2√[{m-n^2/(2n+1)}*n^2(n+1)^2/(2n+1)*1/{m-n^2/(2n+1)}]+(2n^2+2n+1)/(2n+1)=2n(n+1)/(2n+1)+(2n^2+2n+1)/(2n+1) =(4n^2+4n+1)/(2n+1)=2n+1. 等号成立条件はm-n^2/(2n+1)=n^2(n+1)^2/(2n+1)*1/{m-n^2/(2n+1)} ⇔ m-n^2/(2n+1)=n(n+1)/(2n+1) ⇔ m=n. n-n^2/(2n+1)=(n^2+n)/(2n+1) 0であるから,これを満たす整数mは存在する. ∴(m^2+m)/{m-n^2/(2n+1)}の最小値は2n+1であるから,aはa 2n+1をみたせばよい」 先生「……その通りです」 「「!!?」」 「唯すごいっ!」 「唯ってそんなに頭良かったっけ!?」 ザワザワ ザワザワ 唯「えへへ~、ありがとうございやす」 律「唯のキャラじゃねー……」 澪「私、解らなかったなぁ……すごいな唯」 紬「うーん、あとちょっとで解けたのに……」 先生「……その通りです」 「「!!?」」 「唯すごいっ!」 「唯ってそんなに頭良かったっけ!?」 ザワザワ ザワザワ 唯「えへへ~、ありがとうございやす」 律「唯のキャラじゃねー……」 澪「私、解らなかったなぁ……すごいな唯」 紬「うーん、あとちょっとで解けたのに……」 キーン コーン カーン コン 先生「それでは授業を終わります」 放課 上条「す、すっげぇな……なぁ、この学校頭良いやつばっかなのか?」 一方通行「あンなもン十秒で解けンだろ」 上条「十秒は無理があるんじゃないんですか?」 一方通行「解けたからいってンだろォが」 上条「はいはいそげぶそげぶ」 一方通行「なンて理不尽な」 律「なーお二人さん?」 上条一方「ん?(あァ?)」 律「あのさ。軽音、興味ある?」 上条「! ……」 一方通行「……嗜む程度にはな」 上条「いや、おかしーし」 律「は?」 一方通行「なンでもねェ。ないことはねェが、なンでだ?」 律「ああ、私軽音部なんだけどさ、今日見学してかない? 唯と知り合いみたいだし」 上条「まぁ知り合いってほど知ってないんだけどな。どうする?」 一方通行「ま、いいぜ。どこにいけば良いンだ?」 律「放課後、音楽室……ってもわかんないか。じゃ、授業終わったら一緒に行こう」 一方通行「ン」 上条「分かった。……そういや、名前聞いて無かったな」 律「お、ごめんごめん、私は田井中律。パートはドラムで一応部長だ。よろしくな! 」 上条「おう、よろしく!」 一方通行「お前ら、さっきも同じ事言ってたろ」 律「あれ? そうだっけ? ま、いいや! よろしく!」 一方通行「……おゥ」 唯「2√2(6π^2+3π)=」ブツブツ 紬「……」 放課後 上条「やっと終わった……」 律「上条くんと、一方通行……いや、長いな、一方くん! 行こうぜ!」 一方通行「どンだけ面倒臭がり屋なンだよ」 上条「ん? ああ、上条でいいって、田井中」 律「うーん、田井中って呼ばれ慣れてないから違和感が……律で良いよ! アクセランも律でよろしく!」 一方通行「もうちょっとマシなあだ名ねェのかオマエは」 律「じゃあ、アータ」 一方通行「最初と最後取っただけじゃねェか!」 律「じゃーなんならいいのさ?」 一方通行「……一方通行じゃ駄目なのか?」 律「長い」 一方通行「ひでェ」 律「もう一方で良いじゃん!」 一方通行「もォいいそれで」 律「んじゃ行きますか!」 部室 律「ここが部室だっ!」 上条「へぇ、なんか青春って感じするわ」 一方通行「なァ、他の部員はどォしたンだ? 」 律「ああ、もうすぐ来ると思うよ! 唯たちはなんか用事あるって言って職員室行ったから」 ガチャ 唯「遅れてごめんよっ! ……って、あれ? お客さんかな~? って、朝の人達じゃん! りっちゃん仲良いね~」 上条「朝の人って……」 律「おっ、ちょうど良かった! こいつが平沢唯。パートはギターだ」 唯「え、もしかして軽音部入部希望ですか!?」キラキラ 上条「え、いや入部希望までは」 唯「違うのか……」ズーン 上条「あ、違う! 入部希望だった! な、なぁ一方?」 一方通行「お、おォ……って、さりげなくオマエまで一方でて呼ぶンじゃねェ!」 上条「いいだろ別に?」 一方通行「……チッ」 唯「ところで、お名前を教えて下さいな?」 一方通行「朝自己紹介したじゃねェか」 唯「いやー、それがその時間は目を閉じて机に伏せながら考え事をしてまして」 上条「多分それ世間一般じゃ、寝てたって言うんじゃないのか?」 唯「えへへ~、そうともいいやす」 律「そうしか言わねぇよ!」 上条「まっ、良いけどな。俺は上条当麻」 一方通行「一方通行だ」 唯「あくせ……? も、もしかして外人さん!? あー、まいねーむいずゆいひらさわっ!」 一方通行「悪りィが、俺はれっきとした日本人だ。大体さっきから日本語喋ってンのにわざわざ片言の英語話す必要ねェだろ」 唯「あぅ、そうでした」 上条「平沢、か、よろしく!」 唯「あ、唯でいいよ~?」 上条「そ、そうか? じゃあ、唯、よろしくな」 唯「よろしく、かみじょーくん!」 上条「あ、そっちは苗字なんだ」 律「そういえば澪とムギは?」 ガタ 唯「二人ともまだ職員室だよー」 律「そっかー……」 律「ところで……」クルッ 唯「ん?」クルッ 上条「どうした?」クルッ 一方通行「あァ?」クルッ 律「あれだよ、あれ」ビシッ 一方通行「……扉がどォかしたのか?」 律「いくぞ? ……あー、澪のやつ遅いなー!」 ガタガタッ 上条「うおっ!?」 一方通行「!?」 唯「おっ! さすがりっちゃん隊員、エスパーをマスターしたんですね!?」 律「ほう、分かるか……じゃあ、もっかいいくぞ? ……最近澪太ったよなー!」 バタン!! 澪「誰がだっ!!」 上条「えっ?」 一方通行「はィ?」 澪「あ、いや、あの」 唯「ここで本人登場!」 律「素晴らしい登場の仕方だ! リプレイしてみよう!」 澪「しんでいい!」 律「みーおっ! そんなとこ突っ立ってないで早くこいよ」 澪「あ、う、うん……」ソロソロ 律「紹介するな! こいつは秋山澪。パートはベースだ」 澪「えっと、律? この流れはなんなの?」 律「あー、転校生のこの二人、軽音部を見学しに来たんだよ」 唯「そうだったの!?」 上条「ま、そういうことですよ。よろしくな」 一方通行「まァ、邪魔ンなンねェよォにしてっから、よろしく頼むわ」 澪「ど、どうも……」 律「あーこいつ人見知り激しいんだよ。そのうち慣れるだろうし、勘弁してやってくれな」 上条「そうなのか? まあ昨日までは女子高だったんだし、無理ねぇよな」 律「澪はもっと酷いけどなー」 澪「う、うるさいっ」 一方通行「なァ、オマエら練習とかしねェのか?」 唯「そうだねー、見学に来たんだし、まだあずにゃんとムギちゃん来てないけど……ギー太っ! 出番だよっ!」ジィーッ 澪「あ、ムギのことなんだけど」 律「ん、どうかしたのか?」 律「ん、どうかしたのか?」 澪「今日部活来ないってさ」 一方通行「……!」 唯「のぉおおおお!!」ガクッ 律「なんでだよ!?」 澪「家の用事らしいけど……」 唯「あれ?(ムギちゃん、今日の朝お菓子持ってたみたいだったのに……なんでだろう?)」 律「どうした唯?」 唯「あ、なんでもないよー」 上条「おい、ムギって……」ヒソッ 一方通行「……分かってる」ヒソッ 唯「お菓子はないけど頑張るよっギー太!」シャキーン 上条「おおっ、カッコイイな」 一方通行「女子高生がギブソン……だと?」 澪「!! あ、あの、楽器詳しいんですか?」 一方通行「まァ、一応な」 澪「えっと、なにか楽器やってるんですか?」 一方通行「アコースティックギター、ウッドベース、ピアノ、あとは、トランペットもやったことあンな」 澪「……って、ジャズ好きなんですか?」 一方通行「まァな。あァいう雰囲気が好きなンだよ。それより」 澪「は、はい?」 一方通行「敬語、やめろ」 澪「えっ……と」 一方通行「元が女子校だった訳だし、気持ちは分からなくもねェが、同じクラスなンだしよォ、気楽に行こォぜ?」 澪「は、……うん」 律「おー澪、大分慣れたみたいだな」 澪「……まぁ、な」 唯「それじゃあ行くぜ! 私の恋はホッチキス!」 (けいおん!!#1 高3! 参照) ジャーン ジャジャ 唯「……と、こんな感じかな!」 一方通行「ほォ……」 上条「すげぇな! 唯ってギター上手いんだな!」 唯「だてに二年ギターやってませんからっ!」 律「でも後輩にもっと上手いやつがいるんだよ」 一方通行「へェ、そいつァ楽しみだ」 唯「そうだよー、可愛いよー!」 上条「つーか、部員何人?」 律「五人だよ。今言った後輩と、ムギっていうキーボード担当のやつがいるんだ」 一方通行「さっき来れねェって話してたやつか?」 律「そうそう。梓も多分もう少しで」 ガチャ 梓「遅くなってすいません……って、え?」 唯「あっずにゃああん!」ダッ 澪「まて唯、ギター! 」 唯「おっと、掛けっぱなしだった! ギー太、ここで待ってて、ね」スッ 唯「それでは改めて……あっずにゃああん!」ダキッ 梓「うわっ!? 改め無くても良いです! って、そうじゃなくて!」 一方通行「あン? 朝のやつじゃねェか」 上条「お前が張り倒した子か」 一方通行「オマエ張り倒すぞ」 梓「ど、どうしてここに?」 律「ああ、こいつらな。転校生だ」 梓「へ?」 梓「て、ててて転校生?」 上条「もしかして、秋山よりも人見知り?」 澪「!……み、みんな名前で呼んでるみたいだし、澪でいいですよ……じゃなくて、いいです!」 一方通行「どっちも敬語じゃねェか」 上条「そうか? んじゃ名前で呼ばせてもらうな!」 澪「h……うん!」 一方通行「律、この触角みてェな頭したのが後輩か?」 梓「しょ、しょっか……!」ワナワナ 律「そ、そうだよ……」 唯「あ、あずにゃん?」 梓「こ、この白髪ぁ!」 一方通行「」 一方通行「やろォ……ナチュラルに気にしてる事平気で言いやがってよォ!」 上条「気にしてたのか」 律「てっきり染めたのかと」 唯「私は地毛かと……」 澪「ないない」 一方通行「唯を除いてオマエらひでェ 梓「や、やーいやーい!」 律「あずさー、帰ってこーい」 梓「やーいyっは!? わ、私ったらほぼ初対面の人になんて事を……!」 唯「あす゛にゃんか゛しょうきにもと゛った!」 上条「お前はファミコンかよ!」 一方通行「あー気にすンな。確かにオマエが九割悪りィが気にすンな」 律「九割はおまえじゃろがぁ!!」 一方通行「なンでですかァ!? 一万歩譲って俺が触角って言ったのが俺の落ち度だとしても九割はねェよ! せめて二割だァ!」 律「譲らなくてもでかい落ち度だっつの! よって二割はありえない! 八割!」 一方通行「三割!」 律「六割!」 一方通行「四割!」 律一方「五割!!」 澪「仲良いな、おい」 唯「ってなわけでお互い様だね!」 一方通行「チッ、悪かったな。あーっと」 梓「あ、中野梓です。こちらこそすいません……私」 一方通行「もォいい。あァ、俺は一方通行だ」 梓「変わった名前ですね……」 一方通行「否定はしねェけどな」 上条「俺は上条当麻、よろしくな!」 梓「はい、こちらこそ。あ、私も梓、で大丈夫ですよ」 上条「おう、分かった」 一方通行「ン、了解」 律「一段落着いたところで! もうすぐ下校時刻だし、そろそろ帰るか」 唯「あ、ねぇねぇ。明日休みだし、折角だから二人を町案内しようよ!」 梓「良いですね!」 律「私も良いよー! 澪は?」 澪「うん、良いぞ」 上条「おいおい、悪いって」 一方通行「そンな気ィ遣ってくれンで良いンだよ」 唯「ムギちゃんには私がメールしとくから! 13時に学校前集合ね!」 上条「おーい」 一方通行「聞いちゃいねェ」 澪「都合悪いの?」 一方通行「いや、そォいう訳じゃねェが……」 律「じゃあ良いじゃん! って訳で、また明日な!」ガチャ 一方通行「なンて理不尽な」 唯「じゃーねー!」 梓「失礼します」 澪「また明日な」 上条「あ、おい!」 バタン 一方通行「行っちまったな」 上条「……どうすんだよ?」 一方通行「……行くしかねェだろ」 上条「ま、強制じゃないって事だし、気楽にいくか」 一方通行「そォいうこった」 上条「しっかし、琴吹紬かぁ……どんな子なんだろ」 一方通行「さァな。レベル5っつゥくらいだし、俺には及ばねェにしろおっそろしィ奴かもなァ」 上条「そんな子だったら、絶対唯達みたいな子と合わないだろ!」 一方通行「わかってらァ」 上条「つか、なんで俺らが派遣されたんだ?」 一方通行「知るかよ。学園都市から俺達を追い出したかったンじゃねェの? 結局卒業までこの高校で過ごさなきゃいけねェらしィし」 上条「ま、マジか……」 一方通行「マジだ」 上条「……んじゃあさ、俺らも入れてもらおうぜ」 一方通行「……何処に?」 上条「分かってる癖に」 一方通行「……軽音部、か」 その日の夜 平沢家 唯「ふっでぺ~んふっふ~」ジャカジャカ ブー ブー 唯「ん、メール? よいしょ、ギー太重い……」ドスッ 唯「んーりっちゃんからか」 律『いきなりで悪い! あのさ……アクセラと上条、軽音部に入れようと思うんだよねー! 昨日の話からしても梓気に入ってるみたいだしさ! 唯はどう思う?』 唯「おー! いいねいいねー! 全然おっけーですりっちゃん隊員! っと」ピピッ 唯「上条くんと一方くんかぁ」 唯「雰囲気的に、上条くんはギターっぽいなぁ。一方くんは……、……何だろう?」 唯「あっそうだ! 明日、楽器屋行こうよ! っと、送信!」ピピッ ブー ブー 唯「うお、はやいっ!」ピッ 律『さーんせいっ! 明日さ、みんなで昼飯ファミレスとか行かない? アクセラ達と会うまで時間あるだろうしさー』 唯「ほうほう……私はいいよー! っと」ピピッ ブー ブー 唯「りっちゃん打つのはやすぎない?」ピッ 律『おっけー! んじゃ、11時に〇〇のファミレスに集合な! みんなには私がメールしとくよ! じゃ、また明日な!』 唯「お休みー(はぁと)、っと。さーて、お風呂入って寝ようかな! ういーー! お風呂一緒に入ろー!」ドタドタ 中野家 お風呂 梓(一方先輩かぁ……。今思うと、先輩なのにすっごい生意気言っちゃったな)ブクブク 梓(瞳、紅かったな)ブクブク 梓(猫みたい。って、あんなに目付きの悪い猫さんはいないかな?)ブクブク 梓(ちょっと怖そうだけど、意外と優しかったし)ブクッ 梓「……軽音部入るのかな」 梓(もし入ったら、なにやるんだろう?) 梓(……ベースとかかな) 梓(洋楽とか聞いてそうだなぁ) 梓(特にメタルとか) 梓(意外にジャズとか好きで、トランペットとかやったりして) 梓「って、なんで一方先輩のことばっか考えてんのよ私!?」ザバッ 梓「……のぼせてきちゃった。そろそろでよう」バシャ 上条一方家 一方通行「アパートの一室を手配したは良いが、オマエと毎日共に過ごさなきゃなンねェのか……」 上条「露骨に嫌そうな顔すんな!」 一方通行「オマエ、家事出来ンだろ? よろしく」 上条「おいおい! お前も手伝えよ!」 一方通行「黙れ三下。俺は寝る」ゴロン 上条「おーい!」 一方通行「……」ゴロン 上条「……ふぅ、理不尽さも第一位って訳ですか。……いいぜ、テメェが一切これからの家事をやらねぇつもりなら」 一方通行「は? ちょ、ば」 上条「そのふざけた幻想をぶち殺す!」バキッ 一方通行「ぐはァあああ!!」 琴吹家 紬父「それは本当か?」 紬「はい。昔聞いた噂通りなら、今日転校してきた人は恐らく……一方通行」 紬父「ふむ、何故第一位が……?」 紬「……もしかして、私が元能力者だから?」 紬父「それと一方通行がこの街に来たこととなんの関係がある?」 紬「――学園都市に、連れ戻しにきた」 紬父「馬鹿な、学園都市には特別許可を得て桜高に編入しただろう」 紬「そうだけど……」 紬「と、特別許可が不正だったというのは……?」 紬父「有り得んな。学園都市統括理事長と話をして決めたのだから間違いはない」 紬父「第一、二年前の事を今更連れ戻して何のメリットがあるというのだ? それに」 紬父「紬、お前はもう能力は使えないだろう?」 次の日 早朝 4時 上条一方家 上条「なぁ一つ聞いていいか?」 一方通行「あン?」 上条「起きんの……はやくないですか?」 一方通行「そりゃオマエ、約束が13時なンだから用意する時間を考慮した妥当な時間じゃねェか」 上条「どこがだよ!? どう考慮したら朝4時になるんだ? ディ〇ニーランド車で行くときもそんな早くに起きねぇよ! 」 一方通行「ディ〇ニーランドなンか行ったことねェよ! 大体遅れたらあいつらに悪りィだろォが!」 上条「そりゃそうだけどいくらなんでも早過ぎだチクショウ! 頼むから二度寝させてください!」 一方通行「駄目だ。俺が起きてンのにオマエが寝てンのはムカつく」 上条「お休み」バフッ 一方通行「自転パンチ」ボソッ 上条「うーん、良い朝だ!」ガバッ 一方通行「あァ、そォいや例のレベル5の話なンだが」 上条「ん?」 一方通行「学園都市から出るときに渡された資料、改めて目を通したンだがな」ピラッ 上条「ん。どれどれ」パシッ 上条「……レベル、3?」 一方通行「あァ。あくまでもレベル5の可能性があるってだけらしい」 上条「な、なんだそりゃ……」 一方通行「ま、どォでもいィことだがなァ」 上条「そうだな、レベルなんて関係ねぇよな。まぁ、話はどうせ断るだろうし、仲良くやっていければ良いけどな」 一方通行「……まァな」 上条「ところでお前楽器経験者って言ってたよな」 一方通行「あァ、一応な」 上条「部室で、やったことある楽器めっちゃ上げてたけど、技術的な意味でどんくらい出来んの?」 一方通行「大したことねェよ」 上条「いーや嘘だね! お前のいう大したことないってのもどうせ俺から見たらプロレベルなんだろ!? ちくしょう!」 一方通行「まァその辺のプロ並には出来ますね」 上条「くっ……! これが庶民と第一位の差か……!」 一方通行「なァオマエなンか無駄にテンション高くねェか?」 上条「早起き過ぎて逆にハイテンションなのかも」 一方通行「だー、ねみィ」ボフッ 上条「テメェ……イマジンをブレイクされてぇのか」 一方通行「あン? やンのか?」 上条「冗談ですごめんなさい」 一方通行「おっと、すっかり忘れてたわ」 上条「何を?」 一方通行「朝飯。腹減った」 喫茶店 AM5 21 上条「うぉ……こんな時間に開いてるって珍しいな 」 一方通行「事前に調べといたンだよ。コーヒーが美味い店をなァ」 上条「なんつーか、まめな奴だな」 一方通行「コーヒー(豆)なだけにってかァ?」 上条「えっ」 上条「……」 一方通行「頼む、忘れてくれ」 上条「……マジで奢って貰っちゃって良いのか?」 一方通行「モーニングぐれェ気にすンな」 上条「悪いな。今度なんか埋め合わせすっから」 一方通行「期待しねェで待ってやらァ。すいませーン」 ハーイ スタスタ 店員「お待たせしました。ご注文をどうぞ」 一方通行「あァ、コーヒー一つ」 店員「はい、コーヒーをお一つ。モーニングサービスでトーストかサンドイッチがお選びいただますよ」カキカキ 一方通行「サンドイッチで」 店員「かしこまりました」カキカキ 一方通行「オマエは?」 上条「じゃあ、小倉トーストで」 店員「かしこまりました。それでは、しばらくお待ち下さいませ」ペコッ スタスタ 一方通行「小倉トーストってなンだ?」 上条「名前のまんま、小倉をトーストで挟んだやつ。名古屋の喫茶店名物らしいんだけど、最近は割と色んなとこでポピュラーな食べ物らしいぜ」 一方通行「へェ、良くしってンな」 上条「……事前に調べました」 一方通行「オマエもかよ」 中野家 AM5 37 ヴー ヴー 梓「……」 ヴー ヴー 梓「……」イラッ ヴー ヴー 梓「……」モゾモゾ 梓「……」パカッ 梓「……もしもし」 律『やあおはよう!』 梓「早過ぎです。真面目にキレて良いですか?」 律『ごめんなさい。声のトーン低いしこわいです』 梓「で、なんですか?」 律『梓って低血圧なの? 寝起き機嫌悪いんだな』 梓「……」 律『調子に乗りましたすいません』 律『まあ、あれだ。暇だし、今から梓んち言っていい? 起きんの早過ぎたんだよねー』 梓「……」ブチッ ツー ツー ヴー ヴー 梓「……」ピッ 律『切るなよ梓!』 梓「……他の先輩方にいってください。私眠いですから」シパシパ 律『みんな電話したけど出なかった』 梓「でしょうね」 律『で、いっていい?』 梓「嫌です」 律『今梓んちの前にいるんだけど』 梓「メリーさんかよ」 スタスタ 店員「お待たせしました。コーヒーとサンドイッチになります」コトッ コトッ 店員「小倉トーストになります」コトッ コトッ 上条「」 一方通行「ま、マジか……」 店員「それでは、ごゆっくりどうぞ」ペコッ スタスタ 上条「え? なにこの小倉の量。つかトーストと小倉分けてあるとか聞いてねぇんだけど」
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**************************** その日、少女は死んだ。 吹寄「うそ……」 呆気なく、 吹寄「な、んで……?」 友人の前で、その少女は、 吹寄「いやぁぁぁああああああああああああああーーー!!」 とある存在に、殺された。 戦争が終わり、平和が戻ったかに思えた世界にーー不幸が訪れる。 **************************** 恭介「……」 直井「恭介さん!恭介さんってば!」 恭介「おっ、おぉ悪い。聞いてなかった」 直井「何か考え事ですか?」 恭介「この前のことでちょっとな」 直井「この前…?」 恭介「SSSのやつが一人、消えたろ?」 直井「あぁ、そうですね。岩沢に続いて松下とかいうやつが消えました」 恭介「そう、松下だ」 直井「そいつが何か?」 恭介「何故あいつが成仏したと思うか?」 直井「それは、満足したから…ですよね?」 恭介「そうだ。……生前の不幸を受け入れられるほどに、な」 直井「それは…」 恭介「……あいつが抱えていたものはな、俺のダチと同じだったんだ」 恭介「少し、思い出しちまってな」 恭介(……謙吾のやつをな) 恭介「松下のやつが抱えていたものを、あいつらは知れたのだろうか」 恭介「いや、そんなわけはないな。ならあんなに辛そうにはしていない。ーーなぁ、一方通行とか言ったか?お前の選んだ選択肢は果たして正しかったのか、間違っていたのか」 直井「恭介、さん?」オソルオソル 恭介「面白くなりそうだ」 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 一方通行「……」 奏「……」 一方通行「……」 奏「……授業、始まっちゃう」 一方通行「……そォか」 奏「……急がないと」 一方通行「……そォだな」 奏「……」 一方通行「……急げよ」 奏「……あなたは?」 一方通行「腹痛ゥで休む」 奏「大丈夫?保健室まで連れてってあげる」 一方通行「……」 一方通行(やり辛ェ) 奏「ほら、早く」クイッ 一方通行「服掴むンじゃねェ」 ユイ「お?これは一方通行先輩じゃないですかー!ってげぇええええええ!?て、天使に捕まってる!?うぉぉおおどうしよどうしたらいいんだユイにゃんはぁぁ!?」 一方通行(よりにもよってコイツかよ) 一方通行「チッ」 ユイ「あーー!今舌打ちした!なんで!?ユイにゃんのどこが不満!?」 一方通行「ぜェェンぶだ、バカ」 ユイ「ひ、ひどいっ!でも、感じちゃう」ビクンビクン 一方通行(……ン?あそこにいるのは、確か遊佐とかいうオペレーターか?) 一方通行(さて、どォすっかな) ☆分岐選択肢(BAD無し、イベント発生)☆ ①奏と授業を受けに教室へ行く ②奏とユイは放って置いて遊佐に話しかける ③ユイと一緒にこの場を去る 372 372 ② 一方通行「よォ」 遊佐「え?」 ユイ「どぅええええ!?あたしを無視してナンパですか!?なんて軟派な野郎なんですか!なんちゃって!」 奏「……?」 ユイ「いや首傾げられても」 奏「……面白いわ」 ユイ「って一方通行先輩!?何時の間にかいなくなってる!?くっそう、遊佐さんに手を出すなんてマニアックな!」 ユイ「いやそうでもないのか?戦線にもファンがいるとかいないとか!ん?でも待てよ」 ユイ(岩沢さんみたいにまさか…!一方通行先輩が話しかけた相手ってみんな満足して消えちゃうんじゃ!?) キーンコーンカーンコーン 奏「あ、授業始まるわ」グイッ ユイ「ふぇ?」 奏「急がないと」ズルズル ユイ「ってええ!?あたしも授業にでろと!?そんなん嫌じゃい!あたしはこれから一方通行先輩いないかなーってぶらぶらした後ギターの練習したかったのに!」 奏「先生に怒られちゃう」ズルズル ユイ「話聞けやコラァァ!振りほどいてや…ぐえっ、な、なんて怪力ぃぃ!さ、さすがてん、し…」 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ーー校庭 姫神「はっ……!」 姫神「ここは。どこ?」キョロキョロ 姫神「確か私は。死んだ。はず」 ワイワイガヤガヤ 姫神「時間は……1時。お昼時」 姫神「みんな。誰なんだろう」 ゆり「そこのあなた」 姫神「?あなたは。誰?」 ゆり「あたしはゆり。ここは死後の世界よ。つまりね、あなた、死んだのよ」 姫神「死後?じゃあ。上条君もいるの?」 ゆり「上条って人と知り合いなの!?」ビクッ 姫神「!知っているの!?お願い……」 姫神「彼に会わせて!きっと今も。苦しんでいるはずだから!」 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 同日ーー朝 一方通行「ほらよ」ホイッ 遊佐「…っ、とと。ありがとうござます」 遊佐「keyコーヒーですか、美味しいですよね」 一方通行「岩沢のやつがそォ言ってたな」カチ、グビッ 遊佐「岩沢さんと結構親しそうでしたね」 一方通行「岩沢とかァ?まァ、確かにな。あいつはイイ奴だった」グビグビ 遊佐「貴方はBlackですか」カチ 一方通行「あァ、俺にはそいつ、甘過ぎるンだよ」 遊佐「それでもしばらくは飲んでいたそうじゃないですか」 一方通行「なンで知ってンだよ」 遊佐「感情に浸るのも、人間らしいですね」グイッ 一方通行「答えになってねェぞ」 遊佐「ぶっちゃけ戦線でも噂になってました」 遊佐「一方通行さんは岩沢さん狙いじゃないか、と」 一方通行「マジかよ……」 遊佐「もちろん噂の発信源は私ですが」 一方通行「オマエかよ!」 遊佐「ところでですね」 一方通行「さっきのやりとりは終わりですかァ?随分とふてぶてしい野郎だなァ」 遊佐「私は女ですよ?」 一方通行「そォいう意味じゃねェよ」 遊佐「そうですか」 遊佐「一方通行さんに尋ねたいことがありまして」 一方通行「あン?なンだよ」 遊佐「二木佳奈多という人物を知りませんか?」 一方通行「いや、聞いたこともねェが」 遊佐「……そうですか」 一方通行「人探しか?」 遊佐「はい」 遊佐「生きているのかどうか、知りたかったのです……」 遊佐「私の家は、二木の家と繋がりがありまして」 遊佐「いつだったか、話したことがありました」 遊佐「彼女の家は色々と複雑で、簡単に言えば双子。なんですけど」 遊佐「どちらが跡取りになるか、小さい頃から比べられてきました」 遊佐「そんな中で、一つの集まりがありました。私はそこで、彼女と会話しました」 遊佐「彼女は覚えていないでしょうね。双子の妹のこと、家のこと、いっぱいいっぱいですから」 遊佐「彼女と話したのはごくわずかな時間でした」 遊佐「彼女は妹を下に見て、馬鹿にしているそぶりを見せましたがーー私は気付いてしまいました」 遊佐「嘘つきだな、って」 遊佐「それから私は、彼女の複雑な家庭のことを調べました。そして、いつか助けてあげたいと、救いたいと思いました」 遊佐「あんな、人間のクズに管理される彼女たちを」 遊佐「ある日のことです」 遊佐「彼女の学校の修学旅行で、バスが転落し、大勢の生徒たちが死んだというニュースが流れたのは」 遊佐「私は、その中に彼女がいたのかどうか、必死に調べてました」 遊佐「お願いだから生きていて、と」 遊佐「いてもたってもいられず、二木の家に向かいました」 遊佐「走って、走って……」 遊佐「そんな私の目の前に迫ったのは、一台のトラック」 遊佐「私は彼女の安否も知れず、死にました」 遊佐「これが私の未練です」 一方通行「……そォか」 遊佐「一方通行さんは、未練なしにこの世界に来たんですよね」 一方通行「あァ」 遊佐「そんな貴方から見たら、私は滑稽に見えますか?」 一方通行「……それを聞いてどォしたいンだ?」 遊佐「……」 一方通行「批判されてェのか?慰めて欲しいのか?力になって欲しいのか?」 一方通行「好きなのを選べよ。オマエのして欲しいことをしてやる」 遊佐「どうして……そんなに献身的なんですか?」 一方通行「大した理由なンざねェよ」 一方通行「ただ、自分を許したくねェ。それに光ある世界に生きるやつの悲しむ顔なンざ見たくねェ。それだけだ」 一方通行「……チッ、なンでペラペラ喋ってンですかァ?俺はよォ」 一方通行「まァ、俺のこたァ気にすンな」 遊佐「……」 一方通行「オマエはオマエ自身のことを考えろ」 一方通行「いいか?オマエはどうしたいのか、だ。まだ消えたくないのか、消えたいのか。選ぶのはオマエだ」 遊佐「……私は、みなさんと同じように神様が許せません」 遊佐「もし、彼女が死んでいたら……そんな酷い人生を与えた神様を、許したくありません」 一方通行(……テメェではなく、その女の為に、か) 遊佐「だから、消えたくないです。でも彼女が生きていたのかどうか、知りたくて……毎晩夢にうなされて……」 一方通行「話はわかった。とりあえずまァ、その二木って女について調べンのは協力してやる。ニュースで流れてたンならオマエより後にこの世界に来たやつなら知っているかもしれねェ。その後で消えるかどうかは、オマエ次第だ」 遊佐「え、あ…はい」 一方通行「ンだよ豆鉄砲でも喰らったよォな顔しやがって」 遊佐「いえ、本当にそこまでしてもらえるとは思わなかったので」 一方通行「いらねェ世話か?」 遊佐「そんなことはありません」 遊佐「お願いします」ペコリ 一方通行「おゥ」 遊佐「あ」 遊佐「もしかして私に惚れましたか?」 一方通行「おォ一目惚れだなァ、その肌ペリペリと剥がしてェくらい惚れてンぜェ?」 遊佐「……」 遊佐「そ、そういう趣味の方ですか。少し対応できそうにありませんね」 一方通行「冗談だ」 遊佐「本当ですか?な、なんならSMくらいまでならなんとか頑張ってみますけど……」 一方通行「そォか頑張れ」 遊佐「まさか初っ端から放置プレイとは、難易度高いです」ハァハァ 一方通行「熱っぽい顔すンな」ヒタイツン 遊佐「あぅ、もっとお願いします」ハァハァ 一方通行「……」 一方通行(どォしてこうなった) 遊佐「一方通行さん……」ハァハァ 一方通行(これは誰かに目撃されて面倒なことになる気がすンぞ) 一方通行(よくある嫌なパターンだなァ) 一方通行(落ちつけ、慌てるな) 一方通行(よく考えてみろ、俺ならできる……) 一方通行(そォだよ、俺を誰だと思ってやがる) 一方通行(俺の演算能力がありゃァ簡単なンだよ) 一方通行(まずは、誰か接近してねェから確認だ)キョロキョロ ゆり「……」ドキドキ←隅に隠れてる 一方通行「はいアウトー」 遊佐「ハァハァ……へ?」 ゆり「っ……」ビクン 一方通行「ゆりちゃン?隠れてないで出ておいでェってなァ?」ニタニタ ゆり「ッッ……」ビク、バッ 一方通行「追いかけっこかァ?いいぜ逃げろよ」ニタニタ 一方通行「ただしこいつは命懸けの追いかけっこだァ」ニタニタ ゆり「なっ……!」ビクン 一方通行「追いつかれたら終わりってなァ?」ニタニタ 遊佐「……これもまた、放置プレイですか」ハァハァ ―――――――――――――――――――― 教室―― 恭介「今日は来ないのか」 奏「?」 恭介「あの一方通行とかいうやつ」 奏「誘ったんだけど逃げられちゃった」 恭介「だとすると、立華が教室に連れて来れなかったのは残念だな」 恭介「今日来たらコンタクトを取ろうと思ってたんだが」 ―――――――――――――――――――― お昼―― ゆり「つ、疲れた……」 ゆり「まさかあんなに追いかけ回されるなんて」 ゆり「絶対遊ばれてたわね。だってギリギリで追いつかないで逃がされてたもん」 ゆり「今日のお昼はどうしようかな……」ウーン 姫神「……」キョロキョロ ゆり「……あの娘(こ)、この世界に来たばかりね」 カツカツ ゆり「そこのあなた」 姫神「?あなたは。誰?」 ゆり「あたしはゆり。ここは死後の世界よ。つまりね、あなた、死んだのよ」 ―――――――――――――――――――― 食堂―― ユイ「うーん?一方通行先輩いないなー」 ユイ「って……アレ?あそこにいるのって……」 ―――――――――――――――――――― 上条「さて、そろそろ動き出すか……」 美琴「ね、ねぇ本当にするの?」 上条「あぁ」 沙耶「行くしかないわね」 絹旗「超選択肢は一つです」 音無「……あれ?垣根は?」 麦野「ナンパに行ったわよ」 上条「なら垣根は放っておいていい。今回はこのメンバーで行くぞ」 美琴「……」 音無「……」 沙耶「了解」 絹旗「超承知です」 麦野「……フン」 ―――――――――――――――――――― 一方通行「さて、これからどうすっかァ」 ★分岐選択肢(BAD有り、ルート確定)★ ①二木佳奈多を探す(現段階でゆり攻略へ走る) ②上条たちについて調べ、対策を練る(二木探し平行) ③SSSのことをもっとよく知る(二木探し平行) ④棗恭介とコンタクトを取る(二木探し平行) 398 398 ④ ×①二木佳奈多を探す(現段階でゆり攻略へ走る)BADルート ×②上条たちについて調べ、対策を練る(二木探し平行)BADルート ○④棗恭介とコンタクトを取る(二木探し平行) ★BAD回避ルート★ 【恭介&SSSチーム:ルート】 ―――――――――――――――――――― 一方通行「あいつは何か知っている素振りだったなァ」 一方通行「とりあえず、教室に向かってみるか」スタスタ ―――――――――――――――――――― とある学校(SSSの学校ではない)―― 美琴「……ここね」 上条「あぁ」 沙耶「誰から行く?」 絹旗「能力的にここは私でしょうか?」 上条「そうだな、頼む」 NPC「な、なんだお前ら……!?」 NPC教師「なんだね、君たちは」 NPC「そ、その銃本物かよ!?」 パン! 絹旗「これよりこの学校を、超占拠します!」 ―――――――――――――――――――― 教室―― ガラッ 恭介「来たか」ニヤッ 奏「?あ…」 直井「貴様は……」 一方通行「よォ…」 恭介「ようこそ。歓迎するぜ、一方通行」 恭介「ほら、そこに座れよ」 一方通行「まずオマエに訊きたいことがある」ガタッ 直井「お前だと?言葉に気を付けろ!」 恭介「まぁまぁ、いいから」 恭介「そうだなぁ、何から話そうか……」 恭介「少し、神様の真似事をしたことがある。なんて言ったらどうする?」 一方通行「……」 恭介「へぇ、そこまで驚かないか。相当未知のモノに触れてきたようだ」 恭介「――俺はな、一つの世界を作ったんだ」 恭介「俺一人じゃなくて、三人で願い、創ったんだけどな」 恭介「優しい優しい……偽物の世界を」 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 体育館ーー NPC達「……」 ザワ、 シーン 上条「どうした?美琴」 美琴「えっ、う、ううん何でもない」 上条「そうか?ならいいが」 上条「……美琴、無理について来る必要はなかったんだぞ?」 美琴「それは……」 麦野「上条ー、制圧終ったわよ」スタスタ 美琴「っ……」ビクン 麦野「あん?なァーにしおらしくなってんのよ超電磁砲。らしくないわね」 美琴「そ、そんなことないわよ…」 上条「……麦野、NPCの管理者はまだ見つかってないんだな?」 麦野「まぁ今のところね」 上条「それじゃあ俺と探しに行こう。音無と美琴はここで待っていてくれ」 音無「……わかった」 美琴「気を付けてね…」 NPC①「……」コソッ NPC①「う、あぁぁ!」ダッ 上条「なに!?」ビクッ 美琴「っ……!?」 NPC①「喰らえ!」 グサッ 上条「がっ…!ぐ……て、メェ」 麦野「チッ、大人しく捕まってりゃいいものをッ!」ガシッ NPC①「ぐぁっ」 麦野「ボールペンを凶器にしやがったか。ったく面倒な」 麦野「音無!縄寄越して!」 音無「あ、あぁ」 NPC①「ち、くしょうが…お前ら何がしたいんだよ……俺を巻き込むな」 麦野「なーるほど、アンタNPCじゃないわね」 NPC①(人間)「あぁそうだよ!ふざけんなよ!一体何の目的があってこんなことをしてるんだ!」 上条「話しても無駄だろうな。どうせ信じられない。仮に信じられたとしても……お前みたいなやつには俺の目的が理解できない」 音無「……」 麦野「……超電磁砲、アンタ今どうして電撃放たなかったの?」 美琴「え……?」 麦野「上条のピンチだったってのに、電撃の一つも放たないなんてらしくないじゃない」 美琴「…………」 麦野「ま、いいけど。行くわよ上条」スタスタ 上条「あぁ……」スタスタ 音無「行ったか……」 美琴「大丈夫かな…」 音無「なぁ、アンタ」 美琴「なに?」 音無「上条と知り合いなんだろ?」 美琴「えぇ、まぁ…」 音無「そのアンタが、不満そうな顔をしてる。てことは上条のやっていることに反対なのか?」 美琴「……わかんない」 美琴「私は、アイツのことが心配で心配で…でもこの世界で再開できて」 美琴「それで、満足だった」 美琴「一緒に…消えたかったのに」 美琴「でもそれは、エゴよね。アイツにはアイツの、やりたいことがあるんだもの」 音無「……俺には上条の神様を殺すだのという話が、いまだに信じられないんだが」 美琴「そう、ね……」 美琴「……」スクッ 音無「どっか行くのか?」 美琴「うん……一度、会っておかないといけないヤツがいるから」 美琴「できれば会いたくなかったけど。……ゴメン、少し外すね」スタスタ 音無「あぁ、行って来い…」 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 校長室ーーお昼 ガラッ 日向「おーい、次、藤巻の番だぞ?」 藤巻「あ?何がだ?」 日向「武器庫の警備」 藤巻「あー。んじゃ、行って来る」 大山「行ってらっしゃーい」 日向「あれ?そういや椎名っちは?」 大山「敵について調べてるって」 日向「おいおい単独でかよ。いくら椎名っちでも危険じゃねえか?」 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 食堂ーーお昼 ユイ「あそこにいるのって…ゆりっぺさんと……誰だ?黒髪長髪の、地味っぽいやつは」 ひさ子「あれ?何ボーッとしてんだユイ」 ユイ「おぉ、ひさ子さん!チース」 ひさ子「飯食いに来たんだろ?入江たちも来てるから一緒に食べようぜ」 ユイ「あ、はいっ」 ーーーーーーーーーーーーーーー 恭介「大切な仲間がいたんだ」 恭介「俺の学校でな、修学旅行があったんだよ」 恭介「つっても、俺は三年生で、対象は二年生だったんだが。まぁ勿論、俺も行きたかったからバスに忍び込んだんだ」 恭介「そしてそのバスが、崖から落ちた」 一方通行「……!」 一方通行(……なるほどな。これが遊佐の言っていた事故かァ) 恭介「みな、負傷した。さらにはガソリンすら漏れ始めた」 恭介「そんな中で、俺達の仲間はたった二人を守り切った。そいつらだけは、その場から逃げられるんだ」 恭介「だけどな、そいつら二人はあまりにも……弱かった」 恭介「どうしようもなく弱くて、弱くて……俺達は心配で仕方がなかった」 恭介「だから、願った。偽物の世界を。こいつらが、たった二人でも生きて行ける強さを得られるように、その為だけに、優しい世界を作ったんだ」 恭介「やがて二人は成長し、その世界は壊れた。俺達は二人を急かした。二人は、その場から逃げ切れた」 恭介「その直後、バスが爆発し……俺達は死んだ」 恭介「みんな、満足して」 恭介「でも、俺だけはダメだった」 恭介「二人がちゃんと生きて行けるのか心配で、心配で…この世界にやって来ちまった」 恭介「だから俺はもう一度、擬似的でも何でもいいから、神になりたいんだよ」 恭介「そして、あいつらがどうなったか…この目で見たいんだ」 恭介「これが俺の未練と、目的だ」 一方通行「……ンなこと出来ンのかよ」 恭介「さぁな。でも出来ないと断言はされてないし、時間は永遠にあるんだ。別にいいだろ?」 一方通行「まァそォだが」 恭介「で?一方通行、お前らの目的はなんだ?」 一方通行「上条っつゥ野郎どもの撃退だ」 恭介「なるほど、なるほど」 恭介「そりゃ、大変そうだ」 一方通行「とぼけンなよ?オマエ、あいつらのこと何か知ってンだろ?」 恭介「どうしてそう思うんだ?俺は毎日NPCに混じって気楽な学園生活を送っている一生徒なんだが」 一方通行「その発言が既に、ただの生徒じゃねェと言ってるよォなもンだ」 恭介「おっと、こいつはしてやられたぜ!」ハハッ 恭介「というか、一方通行」 一方通行「ンだよ」 恭介「学食行かね?このままだと昼飯の時間終っちまうぞ?それに購買のパンはもう売り切れてるしさぁ」 一方通行「……」 直井「そうですね、恭介さん」 奏「麻婆豆腐…」 恭介「なっ?」ニカッ 一方通行「……ったく、わァったよ」 学食ーー 恭介「さて、どこか空いてるか…?」 直井「どこも満席ですねぇ」 一方通行「あ、アイツ……」 恭介「ん?……おぉ、SSSのリーダーがいんじゃねえか。ちょうどいいな、席も周りは空いてるようだし」 テクテク 一方通行「よォ、ゆり」 ゆり「えっ!?一方通行君!?」ビクッ、ガタン 一方通行「あン?何ビビってんだ?とりあえず隣座ンぞ」 ゆり「え、ええどうぞ」 姫神「あの」 恭介「んじゃ、改めましてこんにちわ、だな。リーダーさん」 ゆり「あなたは…って天使ーーじゃなくて立華さんと副会長も!?え、なに!?どういう組み合わせよ!?」 一方通行「ガタガタうるせェなァ。おい棗、俺は飯に専念してェからオマエ説明しとけ」 姫神「私は」 恭介「こいつぁイキナリ過ぎるパスだな。ったく、しゃーねーな。んじゃ簡単に説明な」 カクカクシカジカ、セツメイチュー ゆり「なるほどねぇ。つまり、貴方達は協力者になり得ると」 一方通行「なンでも自分達を中心に考えンな」 ゆり「うぐっ」 恭介「とりあえず仲良くやろうぜ、てことで」 ゆり「わかったわ、リーダーとして歓迎するわよ」 一方通行「……ところでよォ、この地味っぽい女は知り合いか?」 姫神「地味……ふふ、面と向かって。地味、と言われた。ふふ」 ゆり「あ、ちょっと、大丈夫?気にしないでね姫神さん」 ゆり「というか私も紹介し忘れてたんだけど」アハハ 姫神「というか。一方通行?」 一方通行「あ?」 姫神「学園都市第一位の?」 一方通行「オマエ、学園都市の人間か?」 ゆり「らしいわよ」 一方通行「能力はなンだ?」 姫神「吸血殺し」 一方通行「聞いたことねェな」 姫神「吸血鬼を殺せるだけの、能力を持った原石」 一方通行「なァるほど」 ゆり「どういうこと?」 一方通行「よォはこの世界じゃただの無能力者ってことだァ」 ゆり「へぇー」 姫神「そういうこと。でも。本当に一方通行?」 一方通行「だったら何だ?」 姫神「確か第一位は。上条くんと知り合いのはず」 ガタンッ、 一方通行「あの三下とどォいう仲だテメェ?」 恭介「!」 ゆり「ちょ、一方通行君!?」 姫神「……クラスメイト」 一方通行「あァ?」 姫神「……ただの、クラスメイト」 ゆり「……こうとしか話してくれないのよ」 一方通行「チッ」ガタン 姫神「……」 一方通行「ンじゃ訊く。テメェはあの三下に用があンのか?」 姫神「……」コクリ 一方通行「何の用だ?」 姫神「秘密」 ピキ ゆり「あ、あれ?なんだか今嫌な音を聞いたような」 一方通行「オーケイオーケイ、ンじゃ訊く、テメェの未練は何だ?どォしてこの世界に来た?」 姫神「それも秘密」フンス ピキピキ グニャ、 ゆり「スプーンが…折れ曲がってるわよ一方通行君」 一方通行「…あァ、ゴメンなァちょっとした手品だ今のは」 ゆり「い、いや手品ってレベルじゃないというか」 一方通行「決して!キレてなンかねェからな?」 ゆり「は、ハイ。ソウデスネ。手品スゴイヤー…アハハー…」 姫神「?どうしたの?」 一方通行「ったく、埒が明かねェぞ」 ゆり「これじゃぁねぇ…」 姫神「ただで教えるつもりは。ない。決して。地味とか言われて頭にきているわけでも。ない」 一方通行「……」イラ壁 恭介「それなら、ゲームをしよう」 一方通行「あ?何ふざけた提案してンですかァ?」 恭介「まぁ聞け。そこの嬢ちゃん、何か得意なゲームはないか?」 姫神「得意な、ゲーム?」 恭介「おぅ、何かありそうだがなぁ」 姫神「!」ワタシノスクナイコセイ 姫神「花札、なら得意」 恭介「おぉ!」 ゆり「あら似合うわね」 奏「?」ナニソレ 恭介「なら、花札で一方通行が勝ったら話すってんでどうだ?」 姫神「ふ」 姫神「花札クイーンである私に挑むとは、愚かな」 直井「ノリノリだな。さすが恭介さん、のせるのが上手いです」 姫神「種目はこいこい、人数は三人でならいいわ」 恭介「決まりだな!それではこれより、花札大会を開始するぞ!」 花札より、種目――『こいこい』――人数三人の、基本ルール採用。 移動中―― 藤巻「おっと待ちなぁ!」 一方通行「あァ?」 ゆり「藤巻君?――ってアンタ、今武器庫の警備担当じゃないの!?」 藤巻「花札と言われちゃぁ黙ってらんねえぜ」 直井「どっから湧いて来た」 ゆり「あー、そういえば藤巻君、椎名さんとよく花札してるわよね」 藤巻「おぅ!麻雀じゃ負けてばかり、戦闘じゃ噛ませ犬。そんな俺だがなぁ――花札だけは、誰にも負けねえ自信があんだよ!」 姫神「……」ピクッ ゆり「でもあなた、警備は……」ハナレチャイカンデショ 姫神「強者の…オーラを感じる」 一方通行、ゆり「は?」 藤巻「ほぉ?嬢ちゃん、中々の札使いのようだな」フッ 姫神「!あなた、こそ」フッ ゆり「え、なに?札使いって?」 恭介「ギャンブルするやつをギャンブラーって言うようなもんか?」 ゆり「それの、花札版てこと?ていうか札使いって…」アキレルワ 奏「なんだか、凄いわ」 一方通行「…アホらし」 恭介「まぁいいじゃねえか」 恭介「今ここに、新たな対戦カードが決まった……」 一方通行「名言チックな言い方すんなオイ」 『こいこい』 一方通行VS姫神VS藤巻 藤巻「んじゃ校長室でやろうぜー」 校長室――SSS作戦本部 一方通行「つか、俺ルール知らねェんだけど」 姫神「プッ」 藤巻「それでも日本人かよ、ププッ」 イラッ 一方通行「……すみませン、誰かルール教えてくれませンかァ?」ピクピク 姫神「ググレカス。と言いたいところだけど。ルールなら、付属の紙を見ればすぐ覚えられる」 日向(つか、今の時代、花札とかそんなメジャーじゃないよな?)コソコソ 大山(うん。僕なんて実物を見たのも初めてだよ。日本人の九割はルールを知らないと思うよ)コソコソ ゆり(あたしもルール知らないわ)コソコソ 一方通行「チッ、メンドくせーなァ」 付属の紙を広げて見る。 札は全部で48枚。 光札、種札、短冊札、カス札があります。 それぞれ、一月から十二月まであります。 絵を見て覚えるのが簡単です。 カス札は、花々や木々など、短冊札はその名の通り短冊が、種札は鳥や猪などの動物、光札はその季節を代表する名物です。 一月は松、二月は梅、といったふうに見て行けば簡単です。 こいこいでは、まずそれぞれが一枚引いてみて、親を決めます。親が先行で時計回りです。 親決めでコインやジャンケンを用いる奴は切腹ですよ。 全十二回で合計点を競います。 役を揃えれば勝負、かこいこいを選べます。 こいこいをすれば、さらに役を揃えるまで続けられますが、危険も伴います。 勝負に勝てば得点が入り、一回が終わります。 勝った者が次の親をやります。 役と細かいルールを覚えて楽しみましょう。 ※本来のこいこいは、二人用ゲームです※ 一方通行「……で?なンでこいつが俺にくっ付いてンだ!?」 ユイ「やだなぁ、照れないでくださいよぉ」 ユイ「ていうかこれ、何ですか?」 姫神「学園都市№1の頭脳相手だから。それはハンデ」 一方通行「チッ、まァいい」 姫神「勝利条件は、合計点数で一方通行が一位になることと、藤巻君がビリにならないこと」 藤巻「!」 一方通行「あァ?」 恭介「へぇ?」 藤巻「なるほどな。俺が一方通行を勝たせるためにわざと負けないように、ってか。上手いやり方じゃねえか」 恭介「しかも、一方通行と一対一で戦わないため、余裕ができる」 ゆり「それだけのハンデが必要ってことね」 一方通行「ハッ、上等だバカ野郎!」 札がセットされる。 姫神「まずは親決め。ドロー!」 六月の札。 藤巻「俺もドロー!」 八月の札。 一方通行「……ドロー」 三月の札。 一方通行が親となった。 一方通行が札を配る。 場に八枚。 それを中心に三人が△に陣取る。 そして、それぞれに手札八枚。 ユイ「お?先輩、この聖徳太子みたいな人の絵柄、かっこいいですね」 一方通行「ちょ!?バカオマエ何人の手札ばらしてンの!?ありえないンですけどォォォ!?」 藤巻「さぁ、テメェが親だぜ?」 一方通行「チッ、わァってるよ」 一方通行(さて、どォ攻めるか?) 手札には、 ・光札 雨(柳) 鳳凰 ・短冊 梅赤 赤(赤タン外) ・種 猪 蝶 鴬 ・カス 十二月 一方通行(場にあって、出して合わせられンのは……) 雨 赤 鴬 一方通行(とりあえず、雨四光でも狙うか) 雨を出す、場のカス札と合わせる。 一枚引く。 引いたのは月。 しかも、場には八月のカス札がある。 一方通行「ひゃっはァ!ツイてるぜェ?光札二枚、初っ端から貰ったぜ!」 一方通行(えっとこれが五光で、柳がないと……あァ、なるほどな) 一方通行「いいぜ、始めようか」 藤巻「ほぉ?早いじゃねえか。それで、酒飲みは有りか?」 姫神「もちろん。月見、花見、有りで」 一方通行「このまま一気に雨四光揃えてやらァ!」 姫神「……」 姫神「……」ブルブル 姫神(だめだ……まだ笑うな……)ブルブル 姫神(くっくく……!こいつ……!最初から雨四光に行きやがった!!) 姫神(それが自分の首を絞めるとも気付かずに……!!) 藤巻「俺の番だな」 藤巻が出したのは牡丹の青短冊。 場の六月のカス札に合わせる。 藤巻「そしてドロー!」 引いたのは桜のカス札。 場にも、桜のカス札がある。 藤巻「これで青短冊一枚、カス三枚だ!」 一方通行(こいつ……!桜のカス二枚を取りやがった……!) これは都合が悪い。 光札は全部で五枚しかないのだ。 雨四光を狙うということは、一方通行はそのうち四枚を揃えなくてはならない。 だが、藤巻がそのうちの桜のカス二枚を取ってしまった。 一方通行(クソが……!これじゃァ桜の光札の場合、桜光札と三月の短冊、それしか選択肢がねェじゃねェか!!) 姫神「くっくく……」 一方通行「……」 姫神「気付いた?雨四光は。もっとも自分の首を。――絞めてしまう役だってことに」 一方通行(コイツ……、俺がユイにばらされた札を使うってわかってたなァ?) 一方通行(ばらされた札は、柳。チッ、青タンは藤巻が押さえてて無理だァ、狙うなら……猪鹿蝶で、素早く上がるしか!) 一方通行(もしくは、赤タンかァ……) 一方通行(どちらにせよ、カスは二枚しかねェんだ。藤巻は三枚、やつは青タンかカス上がりを狙うはず……) 姫神「私のターン」 姫神が、手札から出したのは――三月の赤札 一方通行「ンなっ……!!」 姫神「フッ」ニヤァ そして、 姫神「運命の。ドロー!」 引いたのは、光札。 桜だ。 一方通行(なんつー度胸してンだこの女ァ!今桜を引けなければ、俺が桜を手に入れられたかもしンねェんだぞォ!?) それが、姫神の強さ。 圧倒的な、度胸。 勝負強さだった。 姫神「これで。私は。赤札一枚。光札桜一枚」 それだけで、 たった二枚で、 一方通行が追い込まれた。 一方通行(赤タンが、狙えなくなった……!) 一方通行(クソが……!これから場もよくねェ状態で猪鹿蝶を揃えるしかねェのか!?それとも、残る鶴を手に入れ、雨四光を狙うってかァ!?) 姫神「わかってると。思うけど。――」 姫神「花見で一杯まで、リーチ」 一方通行「…………!!」 そして、一方通行の番がやってくる。 一方通行(どうすりゃいい……!?クソが……!!) 日向「いやぁー熱戦してますなー」 大山「ていうか、何でドロー?」 ゆり「遊戯王が好きなのかしら?」 日向「ちなみに俺、ギャザ派ね」 大山「おぉ!珍しく日向君と意見が合ったよ!」 高松「……」 日向&大山「キャラゲー(爆笑)」プククク 高松「……シンクロは邪道」ボソッ ゆり「カードゲームっていうと、ポケモンカードしかやったことないわねー」 ユイ「ハッ、これだからド素人は!カードって言ったらガッシュが一番ですよ!」 ゆり「あれは無理……たぶん、ガッシュほど難しいゲームはそうそうないわ……」 ガヤガヤブラマジハオレノヨメガヤガヤ 一方通行(うるせェなァこいつら……) 一方通行(とりあえず、バレバレだろォが、十二月のカスを出すか) 一方通行(それで、次までにいれば、鳳凰を出せる……) 十二月のカス札を場に出す。 一枚引く。 引いたのは、二月の赤札。 場に合わせられる札はなく、場に置く。 今回の一方通行、取得無し。 一方通行(チッ、クソがァ……姫神のやつが赤札を押さえてる限り、俺が二枚手に入れようと、無駄なンだよ) 一方通行(注意すべきは、姫神の花見で一杯かァ……最悪なことに、場には菊のカス札がありやがる……) 一方通行(!そ、そォいえば、藤巻の野郎は……!?) 藤巻「気付いたか?なぁ一方通行、猪鹿蝶を狙わなかったのはある意味正解だったかもな」 一方通行(こいつが狙ってたのは青タンなンかじゃねェ!!こいつは……!六月の札を二枚取りやがったンだ!!) 一方通行(つまりだ、こいつはカス札をただ集めるだけじゃなく、一巡目から、俺の邪魔をしていた!!) 一方通行(まず、青札を取り、青タンをさせないこと。――そして、猪鹿蝶の――六月の札、蝶を、揃えずらくすること……!) 一方通行(これだけで、俺ァ青タン、猪鹿蝶を狙いに行きずらくなった……!) 一方通行(そして、姫神のやつがそれを読んだ……!姫神はそれに加えて、俺の赤タンを防ぎやがった……!) 一方通行(カスも少ねェ俺には、雨四光しか手段がねェ……!) 一方通行(その上で、姫神は桜を押さえた……!しかも花見で一杯までリーチ……!場には九月のカス札……!) 一方通行(だがどうなる……!?藤巻は青タン狙いではなく、カス札狙いの可能性がある……!だが姫神を上がらせないためには、九月の青を取らねばならない……!) 一方通行(そうしたら、藤巻は青タンにリーチ……!だが、同時にやつは、カス札狙いができなくなる……!!) ユイ「どうですか?ヤラレータ先輩」ヒョコッ 一方通行「のしかかるな、ウゼェ。あと名前間違えンじゃねェ、アクセラレータだ」 ユイ「失礼、噛みました」 一方通行「違ェ、わざとだ」 ユイ「噛んだって言ってるじゃないですか、オイコマレータ先輩!」 一方通行「わざとじゃねェ!?…………なンて言うかボケがァ!散ってろ邪魔だ!」 ユイ「うひゃあ、人間、追い込まれると苛立ちまいてててて!すみません一方通行先輩!」 一方通行「チッ」 藤巻「お遊びはここまでだぜ?」 藤巻が手札から出したのは、 九月の、菊のカス札。 それを場の九月のカスに重ねる。 一方通行(野郎ォ!青タンねらいを放棄しやがった……!) 藤巻「ドロー!」 一方通行「ッッ!?クソがっ……!」 藤巻が引いたのは、 十二月のカス札。 一方通行が手札の鳳凰を狙って出した場の、十二月のカス札に合わせる 藤巻「残念だったな、鳳凰に繋げなくて。これで俺は……!カス四枚ゲットだ!」 藤巻はこれで合わせて、青一枚、カス七枚となった。 一方通行(クソォ!俺の邪魔をして……!さらにカス札を懐に集めやがった!こいつ、強ェ……!) つづく
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24 名前: ◆I1DjlWNWjk[saga] 投稿日:2014/06/13(金) 20 28 55.78 ID sgxbOrioo 洋榎「ほな、昨日の首尾について話してもらおか」 京太郎「はい。教えてもらった雑貨屋に末原先輩と行ってきました」 絹恵「先輩、喜んではった?」 京太郎「ええ。自分の趣味とピッタリだって」 洋榎「せやろー流石やろー?」 絹恵「ほな、かなり進展したんとちゃうっ?」ワクワク 京太郎「………………」 「「えぇー……」」 京太郎「まあ……喜んでもらえただけでも……」 絹恵「アカン、その考え方はアカンで京太郎くん!」 洋榎「せや、諦めたらそこで試合終了やで! 男ならプレゼントぐらいせーへんかったんかいな!?」 京太郎「……「後輩に奢ってもらうなんて先輩失格や!」の一点張りで」 洋榎「まあ恭子ならそう言うやろな」サラリ 絹恵「さっきまでの情熱はどこ行ったん!?」 洋榎「プレゼントを奢りって解釈する辺り恭子やな~」ウンウン 京太郎「やっぱ脈なしですかね、俺……」ドヨーン 絹恵「そ、そんなことあらへんて! たぶん!」 洋榎「よっしゃ、せやったら次の作戦はとっておきやで! 恭子と二人っきりでカラオケに――」 26 名前: ◆I1DjlWNWjk[saga] 投稿日:2014/06/13(金) 20 38 29.23 ID sgxbOrioo ワーワー 恭子「……」ジー 恭子「(須賀くん、また主将と絹ちゃんと楽しそうにしてる……)」 恭子「(……やっぱ脈なしやろか)」 恭子「(普通はああいう明るい子達と一緒の方が楽しいやんな、当然や)」 恭子「(それを昨日はまるでデートみたいやなんて勝手に舞い上がって……アホらし)」 恭子「(……ぬいぐるみ、買ってもろても良かったかな)」 恭子「(いや、アカンアカン! 絶対アカン!)」 恭子「(そんなん、ますます勘違いしてまうやん……)」 恭子「はあ……」 漫「あれ? 末原先輩どないしたんですか、元気ないですよ?」ヒョコッ 恭子「漫ちゃんデコシャー(デコにシャーペン)」 漫「ふぎぃ!」サッ のよー「のよー」ノヨー