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教室を爆破した罰として、ルイズは魔法無しでの掃除を命じられた。(無論この教室は使えないため、休講となった) 「なるほど、それが『ゼロのルイズ』のいわれか」 「なんとでも言いなさいよ!どうせ私の魔法成功率はゼロよ!あんたは掃除が終わるまでどっかいってなさい」 ぷい、とそっぽを向いてルイズは一人で掃除をし始めた。 すると、ワムウが歩いてきて横に立つ。 「なによ、同情の代わりに手伝ってくれるとでもいうの?これは私の受けた罰なんだから私がやらないと。 まあ、強制はしないけどやってくれるっていうなら別に手伝ってもいいわ」 無言を肯定と受け取ったルイズ。 「じゃあ、あんたはあっち側をお願いね」 しかし、動かない。 「なによ?手伝ってくれるんじゃなかったの?」 「少し待て」 ぶっきらぼうに返すワムウ。 ワムウは小型の竜巻を作る。そしてッ!その竜巻は部屋中のほこりを一箇所に集めていったッ! 「……すごいじゃない、亜人のくせに私より魔法みたいなことができるなんて…」 「俺を召還したんじゃなかったのか?使い魔は主人の能力を示すというがそれならば大したメイジとやらだといえるんじゃないのか?」 「…努力したって、練習したって、どうにもならなのよ!生まれてこの方、まともな魔法なんて成功したことないのよ!」 「努力、か。我々には縁のない言葉だな」 「そうよ!あんたみたく才能だけでそれだけやれるような奴とは出来が違うのよ!」 ルイズは目に涙を浮かべる。 が、それを無視してワムウは語りつづける。 「そうだ。我が風の流法は天賦の才。我々一族はそういった能力を生かして戦ってきた。だが、多少荒削りでもありのままの能力を生かす のは貴様ら人間の方が上手いのではないだろうか?俺が今までに戦ってきた戦士たちにも波紋の強さ、弱さなどはあったが、決して自分の 本質を見失い、闇雲に攻撃してくるような敵は手ごわくない。が、自分の弱ささえも武器にする、そういった人間が手ごわいのは 二〇〇〇年間変わっていなかった。俺が負けた相手も、波紋の強さは数々の勇士とは劣っていたが、自分の本質を最大限に生かしていた」 この大男が負けたと聞いて、ルイズは唖然とする。 「あ、あんたが負けたって?『はもん』とか、よくわからないけど……そいつはなにかすごい能力を持ってたの?」 「目に見える能力だけなら、我々が戦ってきた者の中でも一般的な強さであっただろう……しかし、奴の武器は状況、怪我、道具、 能力、相手、自分全てを利用する、そういったしたたかさであった。これに敵う人間、いや我々を含めてもそんなのは数少ないだろう そして、そういったしたたかさ、というのはどんな能力だろうと発揮できる。お前の『爆発』も天賦の才、違うか?」 「そ、そうやって、高い目線で私をバカにして!励ましになってないんだから!」 言葉とは裏腹に機嫌を戻したのか掃除を再開した。 「あ、あの~」 入り口のあたりにメイドの女性が立っている 「あら、どうしたの?確かあなたは、メイドの…」 「シエスタです、ミス・ヴァリエール。あの、掃除など私めに頼んでいただければ請け負いましたのに」 「いいのよ、これは私の罰なんだから私がやらないと」 「じゃ、じゃあ手伝わせてください!」 「せっかくだけど、私の失敗が原因だし、責任くらい私が果たさないと」 「で、でも隣の…ええと…貴族様…じゃないですよね…?」 「ああ、あいつは私の使い魔よ、どうしても手伝いたいって言うから手伝ってるだけよ。貴女がやらなくても構わないわ」 ワムウは風でゴミを集めつづけている。 「いいえ、やらせてください!私もどうしても手伝いたいんです!」 といってシエスタは有無を言わさず部屋に入り込み掃除を始める。 数十分後にはほとんど片付いていた。 「ミス・ヴァリエール、掃除は終わりましたか…って貴女!魔法は禁止したはずですよ!」 「え、違います、これは私の使い魔がおこした風で……ねえワムウ、そうで…」 ワムウは既に居なかった。 「ちょっとぉぉおおおおッ!どこ行ったのよあの木偶の棒はぁあああッ!」 「貴族たるもの、掃除を手伝ってもらうくらいはいいでしょう、しかしミス・ヴァリエール!今のは魔法を使っていたのに 一方的に嘘をついていたように見えたわ!貴族のすることではないッ!」 「え、ち…違いますわ!」 「いいわけ無用です!ふたりとも、ふたりともあとで罰を与えるわ!」 説明には掃除していた時間よりも多くかかった。 * * * 寮の廊下を歩いている二人。 「ふう、ひどい目にあったわ…貴女も災難だったわね、ごめんなさい」 「い、いえ、そんな!貴族の方が私なんかに謝らないで下さい!」 「そんな貴族だとか平民だなんて関係ないわよ。あなたの好意で手伝ってもらったのに、迷惑かけちゃって… あなたにもまだやることはあったんでしょう、ごめんなさいね」 「い、いえ、仕事なんかもうありませんよ、その……もうすぐ貴族の方の家に専属で勤めることになっていて…」 シエスタが続きを話すのを止める。ワムウが部屋の前に立っていた。 「あ、あんた!どこ行ってたのよ!あのあと説明とかすごい大変だったのよ!」 「俺の風で集められるゴミはあらかた集め終わった。あいにく不器用なんでな、残りはそこのシエスタにやってもらった方が 効率的だっただろう?力仕事は先に終えていたしな。俺の仕事が終わったら俺の好きにさせて構わんだろう」 「そうじゃなくて!あんたのあの風が魔法と間違われたのよ!先住魔法の類だって言って誤魔化しておいたけど… あんたのその風の仕組みを知らないんだから説明だって難しいわよ!だいたい、窓から出て行ったのにすぐ見えなくなったなんて」 「少々日差しが強かったんでな、プロテクターを纏っていたからな」 「『ぷろてくたー』?なによそれ、よくわかんないけど今日はあんたの能力について教えなさいよ!いい、わかった?」 「教えてやるから扉を開けてくれ、扉や壁を壊されては困るんだろう?」 ブツブツといいながら扉のカギを開ける。 ワムウがすっと中に入っていく。 「さ、話の続きは中でしましょう。よくわからないけど、今は特にやることがないんでしょう?」 「え、ええ。ではお邪魔しますわ、ミス・ヴァリエール」 先ほどの話に入る。 「えーと、どこかの貴族に専属で勤めることになったんですって?」 「ええ」 「どこに勤めるのかしら?それくらいもう聞いているでしょう?」 「それが………その……モット伯というところで……」 ルイズは唖然とする。 「も、モット伯ってあの変態ドスケベオヤジ?」 「そ、そんなミス・ヴァリエール、そんな言葉をおっしゃらないでください」 「で、でも…貴女だってモット伯の評判くらい聞いているでしょう?断れないの?」 「私たち平民が貴族様に抗うなんて…私にもタルブに家族が居ますから…」 場が重くなり、二人の口は止まる。 シエスタが先に口を開く。 「でも、残り数日間ここで生活ができますから、思う存分その間は楽しませていただきます」 「じゃ、じゃあね、あさって一緒にでかけない?綺麗な湖が森の方にあるんだけど」 「本当ですか!じゃあ、お言葉に甘えて、ご一緒させていただきます……あら、もうこんな時間ですので部屋に戻らないと… 楽しみにしてますわ、ミス・ヴァリエール。」 シエスタは出ていき、扉が閉まった。 「おい、ルイズ、シエスタが言っていたモット伯とやらはどんな人間なんだ?」 「クズもクズ、貴族の風上にもおけないクズよ!いろんなところから目をつけた平民の女性を逆らえないことをいいことに 屋敷に連れ込んで、ご禁制の薬やらなにやらを使っていろいろやっているらしいけれど、王宮直属の国吏でそうそう手は出せないのよ」 「そうか、ではそんなクズは生きていても仕方がないな」 話を聞き終えたワムウは、 ワムウは窓を開け出て行こうとする。 「待ちなさい、これは命令よ。いくらクズでも貴族ですし、王宮直属の国吏なんか殺したらあんたの死刑は確実、わたしだけじゃなく シエスタも含めて使用人たちにもなにか罪を科せられるかもしれないわ」 「人間どもの社会は面倒だな、ならば死体さえ残さない『事故』にすればいい。体ごと取り込んで食えばそれも可能だ」 「ダメといったらダメよ。これはね、あんたのことも心配して言ってるのよ。とにかく、そのルーンがあって私の使い魔である以上命令は聞いてもらうわ」 それを聞いたワムウは質問で返す。 「ルーンがなければいいんだな?」 「無理よ、使い魔の契約は死なないと切れ……」 ワムウは、ルーンの刻まれた左手の甲を、切り落とした。 「なにをやってんのよワムウゥウウウッ!手首はともかく理由を言いなさい!なんでそんなにあのシエスタにこだわるのよ?」 「主人が恩を受けた以上、使い魔がその義理を返すのは当然だ、違っても今更曲げる気にはなれん」 ワムウは、窓から夜の闇に飛び去った。
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「フゴ……」 柔らかな朝日が差し込んできて、億泰は目を覚ました。 固い床で寝てすっかり凝り固まった体をボキボキと解しながら、部屋を見渡す。 そして、まだぐっすりと眠っているルイズを見て大きくため息をつく。 「冗談じゃねーよなァー、ったくよー」 そう呟きながら億泰は窓辺へ行き、窓を開け放った。 朝の新鮮な空気と日差しを全身に浴びつつ、昨日の事を思い返す。 「それ、本当なの?」 「あたりめーだろ。 んな事冗談で言ってなんだってーんだよォ~~」 十二畳程の部屋の中で、テーブルを挟んで二人は向かい合っていた。 億泰の手にはルイズから分捕った夜食用のパンが握られている。 「だって、そんな話を信じろっていう方が無理じゃない。 メイジがいない、月が一つしかないだなんて。 ね、アレでしょ?平民のくせに意地張ってるだけなんでしょ?」 「おいおい…『平民』はねーだろう? 既に名乗ったし、初対面の人間に対して『平民』とはよう! 口のきき方知ってんのか?」 「な、何よ!アンタこそ貴族に対する口のきき方知ってるの!? そんなに言うなら証拠見せなさいよ!証拠!」 「うっ……!」 そう言われて億泰は答えに詰まった。 頭の中には証拠になる景色は山ほどある。 しかし、実物として存在している物は一つとして無い。 学ランに財布しかないのだ。 鞄は『鏡』の前に落として来たし、需要が無いので携帯電話も持っていなかった。 しかも財布は補充寸前にトニオさんの所で食ってスッカラカンだ。 簡単に言うと何も無かった。 「ほら、無いんじゃない!」 「ああ、確かにねーよ。 ともかくよー、オレを元の場所に戻してくれよ。 信じてくれなくたっていいからよー」 「うん、それ無理」 その後ルイズに言われた話しは億泰に取って頭を抱えたくなる内容だった。 第一に、異世界を繋ぐ魔法なんて無い。 『サモン・サーヴァント』はこの世界の生き物を使い魔にするために召喚する魔法。 なんで億泰を召喚したのかの原理は解明不能で、 しかも『サモン・サーヴァント』は召喚の一方通行で、 一度召喚に成功すると使い魔が死ぬまで次に使う事はできない。 ルイズ様は偉大。 ルイズ様を崇めよ。 ルイズ様は貧乳ではなく微乳で美乳。 という内容を数十分に渡って言われ、その頃にはパンはすっかり消化されていた。 「とにかく、アンタが私の使い魔をやるって事は依然変わりないわね」 「……仕方ねーな。 他に帰る方法が見つかるまでやってやるぜ、『使い魔』。 で、使い魔って何すりゃーいーんだよォ~~?」 億泰としても帰る方法を知らず、しかも無いとまで言われ、 衣食住のアテも無いとくれば拒否する選択肢は無かった。 他の頭の良い連中なら逃げても生きれるかもしれないが、 自分はそこまで要領がよくないと自覚していたからである。 「まずは使い魔には目となり耳となる能力が与えられるの。 ……けど、私達には無理みたいね。何も見えないもの。 後は、秘薬とか主人の必要とする物の探索とか、 一番重要な主人の身を守る事なんだけど…… アンタじゃ無理ね、きっと。間違いなく」 オツム足りなさそうだし、とわざわざ最後に付け足された。 流石にこの時はカチンと来たので、『ザ・ハンド』の事を隠したのだった。 「んで、床で毛布に包まって寝かされて、 キャミソールとぱ、ぱぱパンティー投げつけられて……」 そう言って毛布と一緒に床に転がっているルイズの下着に目を向ける。 思いっきり転がされてると気分が風船のように萎んでいくのがよく分かった。 「めんどくせェー」 下着を持ち上げると放り投げ、『ザ・ハンド』の右手で握りつぶす。 ガオンッという小気味の良い音と共に下着はこの世から永遠に削り取られた。 仗助や兄貴に『恐ろしい能力』とまでいわれたスタンドをこんな事に使う辺りが億泰たる所以かもしれない。 それを見て満足そうに鼻で笑うと、ルイズのベッドに近づいていった。 「オラ! さっさと起きやがれダボがッ!」 思いっきりベッドを蹴り飛ばす! 衝撃に勢いよく揺れるベッドに、ルイズは寝ぼけ眼で飛び上がった。 「ふぁや!? な、なななに!?地震!?」 「朝なんでよォー、とっとと起きやがれおじょーさま」 「はうぇ?ああ、そう、朝。 で……あんた誰?」 「忘れてんじゃねーよ。 てめーが使い魔にしたんだろォ?」 寝ぼけ眼のルイズの顔を見て、こいつこの年でボケてんのかと億泰は思った。 「あ、あー。 オクヤスねオクヤス。召喚したんだっけ」 目をこすりながら起き上がると、ルイズは億泰に命令する。 「服」 椅子に掛けてあった制服をルイズへ放り投げる。 ネグリジェを脱ごうとしているのを見てつい背を向けた。 いくらペタンのルイズとはいえ、流石に直視するには免疫が足りていないのだ。 「下着」 「んな!?」 「そこのー、クローゼットのー、一番下ー」 寝ぼけ声で言われてムショーにムカついてきたが、 我慢して下着を適当に掴んで放り投げる。 「服」 クローゼットの上の段に有った予備の制服を投げてやる。 「……これ、なんのつもり?」 「服っつったじゃあねーか」 「違うでしょ!?着せてって言ってるのよ! 平民のあんたは知らないでしょうけど、召使が居たら自分でなんて着ないの」 「おめーは自分の事くらい自分でできねーのかよ」 「文句言うなら、朝ごはん抜き。 ほら、早くしなさいよ。朝ごはんに遅れるでしょ?」 そう言われるのとほぼ同時に、億泰の腹が鳴った。 「き…きたねーぞ」 そう愚痴りながら制服を手に取るしかない億泰を見て、 ルイズはふふんと満足そうに笑う。 そして、今日一日でキッチリと上下関係を叩き込むべく、 昨晩のうちに仕込だ『アレ』に億泰が引っかかる瞬間を想像し、 更に浮かび上がってくる笑みを噛み殺していた。 「ほへ~~~ こいつが食堂~~っ……!?」 学年別に並べられた豪華な飾りつけのされた長テーブル三列に、 ローソクや花、そして果物の盛られた籠が載っている。 食事の内容も丸のままの鳥のローストに、魚の形のパイ、 そしてワインまで並べられている。 「っつーか朝飯にしちゃー豪華すぎねェ~~~? しかもトニオさんのにゃ及びそーにねーがァー、 ヨダレずびっ!は間違いなさそーだぜぇ~~!」 わかりやすい位に喜ぶ億泰を見てルイズは最高にハイになっていた。 席についたルイズの隣にウヒョルンと座ろうとするのを手で制す。 そして親指立てて億泰へ向け、クルリと下に向ける。 貴族がやるにはあまりに下品だが、他の誰にも見られなければ問題ない。 「アンタのは、これ」 その先には皿が一枚。それも床の上に。 肉のかけらが虫眼鏡で見れば分かるほどの大きさで浮いているスープ。 その端に硬そうなパンが二切れだけ。 昨晩のうちに厨房に命令しといたメニューだ。 「なんじゃあこりゃあ~~? おめーはオレに食いてーもん食わせねーっつゥのかよー!」 億泰は思わず皿を持ち上げて中身を指差しながらルイズに抗議した。 その様にルイズはザマミロ&スカッと爽やかの笑みを浮かべる。 「あのね?使い魔はほんとは外。 アンタは私の特別な計らいで、床。 それに食べたい物食べさせたりしたらクセになるじゃない」 「アホ言ってんじゃね~~! オレは外に行くゼ! 草むらにでも座りながら食った方がマシだァー! クソッ!どーせお前らが食い終わる方がず~~ッと後だから問題ねーよな!」 「え、あ、ちょ!ちょっと!?」 チクショー!と言いながらそそくさと皿を掴んで億泰は出て行ってしまう。 予想外の行動をされて、ルイズは慌てて呂律が回らなかった。 その姿が廊下に消えた辺りで、ようやく悪態をつく。 「何よ、つまんない。 思い切り見せつけながら食べてあげようと思ってたのに。 っていけないいけない……今朝もささやかな……っと」 そう呟き、周囲がお祈りを始めているのを見て慌ててルイズもお祈りに参加する。 そこに有った果物の籠の中身が大幅に減っているのにも気づかずに。 「はぁ~~ったく。 毎度毎度こんな手は使ってらんねーよなァー、流石にィ」 外に出て建物に寄りかかりながら億泰は硬いパンをスープで流し込む。 そうして手にした果物を齧りだした。 食堂から出る寸前、『ザ・ハンド』で空間を『削り』幾つかの果物を 『瞬間移動』させて持ってきたのだ。 出る辺りで食前の祈りが始まったらしく、誰も注意を払っていなかったのが幸いした。 「それに肉とかも欲しかったんだけどなァ~~ タンパクとか脂肪とかよぉ~~」 次からは一際スットロそうだったあいつからパクるかのォ~~~ と、昨日一番ハイテンションにルイズをバカにしていたメイジの顔を思い出してそう呟いた。 「ぶぇっくしょぉい!」 同時刻、マリコルヌは派手にくしゃみをしてしまい、 正面に座っていたタバサに『エア・ハンマー』で吹っ飛ばされていた。
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食堂にルイズが着いたのを1人の生徒が気がついた 「あ、『平民』を召喚したゼロのルイズじゃないか」 すると・・・ 「本当だ、平民を召喚するなんて流石だな!」 「そこに痺れないし憧れないぃ!」 次々とルイズを侮辱する言葉が飛んできた 「な・・・・な、こ、こいつはただの召使いよ!」 「へー 召使いって名前の平民なのか」 「なな・・・なんで知ってるの!?」 散々侮辱され流石に酷いんじゃ・・・と思ったが 昨日の自分の受けた扱いを思い出しその考えを取り消した また、今回の原因は今朝赤髪に話したせいだと思ったが嫌な予感がしたので黙っている事にした そんな事を考えながらルイズの席を引いて座らせ、自分も座ろうとすると ルイズは無言で床を指差した。そこに皿が一枚と焦げたパンが置いてある 「これは何ですか?」 「あのね、ホントは使い魔は、外。あんたはわたしの特別な計らいで、床」 エンポリオはその一言で全てを理解し・・・・今度こそ心が折れそうになった そして、そのルイズ様から頂いた素晴らしい食事を食べ終え外へ行こうとすると 香水が転がってきた けれど無視して行こうとした・・・・が (な、なんだ? ここで香水を拾わなければいけない気がする・・・・) そして香水を拾い転がってきた方向を見ると 「なあ、ギーシュ! お前、今は誰と付き合ってるんだよ!」 金色の巻き髪にフリルのついたシャツを着た、キザで見るからにマンモーニなメイジがいた。 薔薇をシャツのポケットに挿している。どうやら友人らしき人物と話をしているようだった。 「誰が恋人なんだ? ギーシュ!」 「つきあう? 僕にそのような特定の女性はいないのだ。薔薇は多くの人を楽しませるために咲くのだからね」 「会話中にすみませんがこれ、落としましたよ」 すると周囲に居た友人らしき人の1人が 「おや? それはもしや、モンモランシーの作っている香水じゃないか?」 「ああ、この特徴的な色合いは間違いないな。彼女が調合している香水だ」 「つまりギーシュは、今モンモランシーと付き合っているのか」 そのマンモーニが何か言いかけたとき、近くの席から茶色のマントをつけた少女がギーシュの席にやってきた 「け、ケティ……。違うんだ、これは…」 ケティと呼ばれた少女は弁解をしようとしたギーシュの頬を思いっきりひっぱたいた そして涙を零しながら去っていった するともう一人少女が近づいてきた こちらがモンモランシーだろうか? その少女はマンモーニの前に立つと・・・・スープを顔面に叩き込んだ 「嘘つき! 二度と顔を見せないで!」 そう言うと その少女もまた、去っていった 呆然とその光景を見ていると 「どうしてくれるんだ? 君のせいで二人のレディの名誉に傷がついたんだぞ!」 そのマンモーニが言いがかりとしか思えない発言をしてきた 「え?ぼ、僕が悪いんですか?」 「当たり前だろう! 君が香水を拾うからこんな事になったんだ!」 流石マンモーニ その考え方には尊敬してしまう 「でもマンモーニさn・・あ、えっとギーシュさんが二股をしていたのが行けないんじゃ・・・」 その言葉に周囲から「子供に言われてるよ・・」などと失笑が漏れる プライドが高いのだろうか?怒りで表情を歪めている 「確か君はミス・ヴァリエールの使い魔だったな・・・・ いい機会だ 彼女の変わりに僕が躾けてやる!」 その言葉には流石にカチンと来る そしてエンポリオは・・・・・ モンモランシーと同じように、スープを、叩き込んだ! 少しの静寂の後周囲に爆笑の渦が広がる 「き・・・き、き 貴様 許さん!決闘だ!!! 死ぬまで痛めつけてやる!!」 周りが 子供相手に何を言ってるんだこのマンモーニ っていうかマンモーニって何? という視線にも全く気がつかずギーシュは目を純血させながら激怒していた ~~~~~~~~~~ その頃のルイズ・・・・校舎裏で今日も真面目に魔法の勉強中(マンモーニ事件は知りません
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「五つの力を司るペンタゴン 我の運命(さだめ)に従いし――」 「使い魔を召喚せよ━━」 その言葉を紡いだと同時に メメタァ!! よく解らない音と共に――━━ 爆発が起こった。 第1話●ロの使い魔 (狭い…暗い…ここ…どこ?) 必死に記憶を反芻するも思い当たる節もない (確か…病院に…居たはず…) 息がし辛い口をガムテープで塞がれて居る、体もロープで拘束されてるみたいだ ━理解不能理解不能理解不能理解不能━ などとちょっとした電波を受信していると浮遊感が体を包み込み―― 彼はこの世界から別れを告げた (お願い、皆が私のことゼロなんて言えなくなるようなすっっっごい使い魔よ来なさい!むしろ来て下さい!) 爆発を起こした張本人であるルイryは自らが起こした爆発に内心ビビりながら祈っていた そして土煙が晴れてくると次第に長方形の何かが姿を現し始めた (やったわ!とりあえず召喚には成功したんだわ!第三部完っ!ってとこかしら) しかしその喜びは束の間であった、何故なら姿を現したのは ━━箱? いや取っ手もついてるしカバンかしら、ああ、ちょうど良かった新しいカバンが欲しかったのよ、ウケウコケウケコウケッ ル(ryは現実から逃げ出した、しかし回りこまれた 周囲の生徒からは 「流石ゼロっ!俺達に(ry」 「そこにしびれ(ry」 とはやし立てられている、(ryは屈辱に肩を震わせて今にも泣きそうな表情へと変化している その様子を伺っていた褐色の胸がグンバツな女キュルケは (泣きそうな顔もそそるわねぇ、ルイズカワイイよルイズ――ってアレ??) (あの箱微かに動いてる?それに呻き声みたいなのも聞こえるわ) 「ねぇルイズ」 「なによ!!あんたも私を馬鹿にするんでしょ?笑いたければ笑いなさいよ!!」 キュルケは苦笑しながら答える 「アナタが召喚した箱なんだけど…中に生物が入ってるみたいよ?」 その言葉にルイズは箱を見やる、確かに呻き声や動きが見られる。 それを見てルイズの表情が緩みかけるが思いとどまった (駄目よ過度の期待をしては駄目、どうせ裏切られるんだから) などとネガティヴまっしぐらになってると乳女が 「早く中を開けて御覧なさいよ、ま、どうせ死の呪文を唱える舌の長いモンスターが出てくるだけでしょうけどw」 キュルケのその言葉にルイズは顔を真っ赤にしながら反論しつつも箱に近づく (ほほほ、本当に皿木を唱えるああああ、あいつがでたらどどどうしよう) 真っ赤にしていた顔を真っ青にしながらもルイズは意を決し箱を開ける―― 「――え?」 間抜けな声が出てしまった それもその筈モンスターが出てくるとばっかり思っていたのに箱の中には奇妙な恰好をした平民の少年がおり、しかも口を塞がれロープで体の自由を奪われてたのだ、少年の傍らに本があったがこれまた見た事の無い字であった。 ルryは混乱している (どういう事よ、くそっくそっ、舐めやがって!!) 周囲の奴らは 「ゼロが平民をしやがった!」 「しかも縛ってやがる」 「俺も縛られてルイズに詰られたい」 などとルイズを馬鹿に?しだしたのだ 「ちちち、違うわよ!ちょっと失敗しちゃってこの子が召喚されちゃっただけよ、ミスタ・コルベール!再召喚を要求します!」 「だが断る!再召喚など許可しなぃぃぃぃぃ!!」 「ですが平民を使い魔になんて聞いた事ありません!!」 だがルイズも食い下がる、平民を使い魔にするなんて良い笑いものだ、それだけは避けたい。 ルイズの必死の講義にコルベールは 「では留年という事で良いかな?」 と頭を輝かせながら言う、ルイズは留年という単語を聞き (留年なんて事になったらヴァリエール家の恥!それこそ家を追い出されてしまうわ、それだけはイヤ!) ルイズは観念し、少年に近づき━━ 思いっきり嫌そうな顔をした (なんなのよ!?平民でもせめて強そうな平民ならまだしもこんな子供なんて、しかもなによその前髪?ワカメなの?) (しかも私みたいな絶世の美少女が近づいっていってあげてるのになんで脅えてるのよ!) 見ると平民の少年は体をぶるぶると震わせながら泣いている (ああ!!もう!さっさと終わらせてしまおう、後の事は今考えない!) ルイズは自棄になりコントラクト・サーヴァントを行う 「感謝しなさいよ、平民のあんたが貴族で美人で素晴らしい私にこんなことしてもらえるなんて、二度とないんだからねっ!!」 少年は一層脅えだした、(俺のそばに近寄るなぁぁぁぁ)と聞こえた気がしたが無視する事にした。 「五つの力を司るペンタゴン、此の者に祝福を与え━━我の使い魔となせ━━」 ズキュゥゥゥゥン 「……あれ?なんで?失敗…したの?」 (そ、そんな、失敗したっていうの?人生オワタ\(^o^)/) ルイズが失望感に苛まれていると、禿ベールが近づいて来る 「あー、ミスヴァリエール?彼の猿ぐつわをとらないと、直接唇が触れないと契約は行えないよ?」 その言葉にルイズは希望を得るが同時にファーストキスを平民にあげる事に失望を感じた (ああっ!!もう!“覚悟”を決めるのよ私!) そして平民の子に対し出来るだけ威厳を損ねないような口調で話しかける、今更威厳もへったくれもないようなものだが、彼女のプライドがそうさせるようだ。 「今からこの猿ぐつわをとるけども泣き叫んだりしないって誓えるかしら?」 平民の少年は首を激しく縦に振る、どうやら苦しいようで顔色も心なしか悪く見える 「よぉーし良い子ね、安心しなさいリラックスよリラックス」 平民に言い聞かせながら猿ぐつわを取る その時衝撃の出来事が!! 「オゴェェェェェーーッ、ゲロゲロ」 平民が勢いよくゲ●を吐き出したのである、その勢いたるや圧倒的破壊力の小宇宙と言わんばかりであった 「何をするだァァァ!!許さんっ!!」 メメタァ! その後無事(?)にコントラクト・サーヴァントを終えルイズが少年に問う 「そういえば名前を聞いてなかったわね、私はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ヴァリエールよ!あんた名前は?」 使い魔のルーンを刻まれる際の痛みで泣き転んでいた少年は少し落ち着きをルイズの問いに答える 「ぼ…僕…僕の名前……ボインゴです…はい」
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「やめて!!」 ギーシュとドッピオの決闘の間に誰かが割って入りました 「ミス・フランソワーズ、そこをどいてくれないかな?」 ギーシュは一度、ピッと杖を突きつけ言います 「もう勝負は決まったようなものじゃない!続ける必要なんて・・・」 「僕はその平民に誇りを汚されたんだ。だったらそっちが負けを認めるまでこれは続けるさ」 ルイズは一度ドピッオに振り返り 「・・・ドッピオ、負けを認めなさい。これ以上続けたらアンタ死ぬわよ!」 ルイズはそう言いました 「・・ルイズさん?いつから来てたんですか?」 ドッピオは見当違いのことを言います。ドッピオ自身気になっていたからです 「そんなのどうでもいいから!何が目的でやったか知らないけどこんな傷まで負って・・・」 「ルイズさん」 言いくるめようとしたルイズを一言で止めました 「使い魔って言うものがどういう者か最初に説明してくれましたよね」 「確かに説明したけどそれとこれとは・・・」 「使い魔はつねに主を守り、敬愛する者・・・だったら」 ドッピオはギーシュの方を向き 「あだ名だかよく分かりませんけど、ゼロのルイズとか言ってバカにしているような人には・・ッ」 力が入らない足に渇を入れて立ち上がり 「絶対に・・ッ謝らないッ!!!」 その意気に呑まれたのかそれとも感動したのか 「・・・平民の方、頑張れ!」 「ルイズの使い魔!頑張れよ!!」 「ドッピオさん!負けないでください!!」 「ドッピオ?・・ドッピオ!ギーシュなんかに負けるな!」 「「「ドッピオ!ドッピオ!ドッピオ!」」」 周囲から湧き上がるドッピオコール 「え?え?なに?」 ルイズ自身は戸惑っています 「・・よし」 その声援に少々力づけられたドッピオはギーシュを倒そうと歩こうとしますが (駄目だ、力が・・・) たとえ気力が充実したとしても肉体が拒否する。痛みにドッピオは耐えられないのです (ドッピオ) 不意に聞こえる声 (よくここまでやった。可愛い部下がここまでやっているというのに私がやらないわけにはいかん) この声は・・まさか (後は私に任せろ。あの男が気に入らぬのは私も同じなのだ) ドッピオの意識はそこで途切れました 「ドッピオ・・・?」 一番最初に異変に気づいたのはルイズでした 「・・・・・・」 目の前でだんまりしている自分の使い魔が別の何かに・・・最初のときのような人になっていることを 「・・・どうかしたのかな、ドッピオ君。そうまでして立ち上がったのだから僕と戦うのだろう?」 ギーシュはまだ気づいてません。目の前の男がドッピオではなく 「戦いなんかにならないだろうけどね!」 ドッピオにボスと呼ばれた絶頂の能力を持っている人だということを 「キング・クリムゾン」 そう男が呟きました 「ハッ?!」 ギーシュは気がつきました 「あ、あれ?」 さっき確かに召喚したはずのワルキューレがいません 「そ、そんなバカな!」 もう一度召喚しようとしますが 「キング・クリムゾン」 どの呟きに邪魔されてしまうのです 今、ドッピオと呼ばれた人はその人にボスと呼ばれた人に入れ替わっています 名をディアボロ。エピタフとキング・クリムゾンという絶頂の能力を持っている人です 肉体が痛みで動くのを拒否するのをそれを超える精神で肉体を支えています (この程度の痛みッGERで与えられた痛みに比べればまだましだ!) GER、その効果の所為でディアボロは地獄を味わい続けていました 終わりが無いのが終わり、それを救ってくれた少女。それをバカにする周り (我が救いを侮辱するなど許さん!) そう思い、目の前を男に歩みを進めるのでした ギーシュはいくら召喚しようとも召喚できていないことに不安を覚えました 自分が魔法を使えなくなってしまったのではないかと思ってしまうのです 「くっくそ、くそくそくそ!!」 目の前の男がなにをしているのかさえ分かりません ただ自分の魔法をなにかで消している。そう思わないと不安につぶされてしまうのです 「ひっ・・!」 とうとうその男が目の前までに来てしまいました エピタフで未来を予知し、それをキング・クリムゾンで消し飛ばす それが絶頂の能力の正体、最強の守りのことです 攻撃はキング・クリムゾン自体の攻撃です。こういうと些細なものと思われてしまいますがその力も尋常ではありません ディアボロは今、目の前の男が未来になにするか予知してその時を消し飛ばしながら進んでいるのです そして、その男の目の前まで来ました (・・・殺すか?) ディアボロは殺すかどうか考えていました (・・とりあえずこうしとくか) 殺すかどうか以前に目の前の男の杖をへし折りました 「あ・・・僕の杖が!」 「・・・・・・」 決闘はこれで終わりです。その後は、キング・クリムゾンで目の前の男を・・・ 「ストップ!」 殺そうとして止められました。止めたのはルイズです 「・・・なぜだ?」 「え?」 「この男は君をバカにしていただろう。他にも大勢の者が・・・だ」 「・・・そんなの一々気にしてたら仕方無いし魔法をちゃんと使えない私が悪いのよ!」 「・・・そうか」 キング・クリムゾンをしまい・・・目の前の男に近づきます そして一発殴ります 「ギャッ!」 男は変な声を出して地に伏しました 「・・・ぐっ」 男を殴ってから少し経つとディアボロも倒れました 精神が支えていたのですから倒したことで安直するとこちらだって倒れてしまいます 「あ・・・いけない!誰か救護・・・」 ルイズの心配する声も聞こえなくなってきました 「ぐ・・・はあ」 一度、呼吸をしてディアボロは妙な達成感を覚えながら意識を遮断しました 7へ
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爆発の罰として教室を一人で片付けたルイズは昼食を取る為、食堂に居た (最初は全部ディアボロにやらせようとしたが、探しても見つからないので断念した 爆発で吹っ飛んだと気付いたのは掃除が終わった後だ) 隣にはディアボロが居る ある事の為に食堂に来る前に召喚しておいたのだ 「小娘、何だこれは」 「アンタの食事よ」 ディアボロの目の前にはパンにシチューが並んでいる まあ、人並みな食事といってよいだろう、周りに目を向けなければの話だが 周りには比べるのが愚かしくなる程、豪華な料理が所狭しと配されている この差にはあからさまな区別の意図が見て取れた そう、ルイズは食事に託けて、教室を一人で片付けさせられた憂さ晴らしを兼ねて上下関係を教育しようとしているのだ 「このアルヴィーズ食堂で食事出来るだけでも結構大変なことなのよ、他の使い魔たちは全部外で食べてるんだから 感謝しなさいよね、もしどうしてももう少しいいものが食べたいって言うんなら食べさせたあげないことも無いわよ 貴族の使い魔にふさわしい態度を取るって言うんならね、まず呼び方ね、小娘じゃなくって御主人様………」 ルイズの使い魔の在るべき態度についての演説が続く 一方、ディアボロはルイズの話を無視して食べ始めている (もちろん周りの料理にも手を出している) 唐突に隣から聞こえた何かがぶつかる様な音にルイズは振り向いた ディアボロが白目を剥いて泡を吹きながらテーブルに突っ伏している はて、何が起きたのだろうか? ルイズが疑問に思っていると厨房の方から一人のメイドが小走りに此方にやって来た 表情から察するにかなり焦っている様だ 「失礼致します、ミス・ヴァリエール」 「どうしたの?」 「ミス・ヴァリエールが此方に運ぶように仰られましたシチューなのですが、 あれは鼠退治用の毒餌でございまして…」 ああ、そういうことだったのかと納得の表情を浮かべる そして、笑みを浮かべながらメイドに皿を下げる様に告げ、こうも言う 「大丈夫よ、何も問題はないわ」 ■今回のボスの死因 殺鼠剤の入ったシチューを口にして中毒死
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(何だ、この状況は?) 本塔の壁に背中を預けたヴァニラは呆れたように目の前の光景を眺めている 真剣な面持ちのルイズとキュルケが杖を構え、屋上には水色の頭髪を持つ眼鏡の少女 、タバサというらしい――がその使い魔の竜に跨っているのが見える そして屋上から吊り下げられたロープには 「おーい、下ろしやがれ娘ッ子!」 デルフリンガーがぶら下がっていた 亜空の使い魔――デルフの受難・フォーエバー 場面を数分前にバイツァーダストッ! 街から帰ったヴァニラがルイズの部屋でデルフに尋問もとい質問をしているとキュル ケが小さな少女を伴い部屋に飛び込んできた 「ハーイ、ダーリン!プレゼントよ」 そういって罵声を並び立てるルイズを無視して差し出したのはルイズの買えなかった シュペー卿とやらの剣、話によると二人が店から出た後で入れ違いに買っていったらしい (ストーカーというやつか?) 当然ルイズは烈火の如く怒りキュルケはそれに飄々と返す、ついでにキュルケについてきた少女はヴァニラが踏みつけているデルフをじっと眺めている (何だ、この状況は?) 数分後軽いデジャヴを感じるであろう状況に平和的な質問を諦め事の成り行きを見守る ヴァニラが考えるのを止めかけたところでどうやら御互い決闘してどちらの剣を使ってもらうか決めるということで落ち着いたようだ 「それでなんでオレが吊られてるんだよォ!?」 「決闘、危険」 竜に跨ったタバサがぽつりとデルフの疑問に答えるが当然ながら納得できないらしくまだ喚き散らす しかし無常にも二人の準備は整ったらしくキュルケがタバサへ合図を送る 「いいわねヴァリエール、魔法であの剣を落とした方が勝ち。ハンデとして先行は譲ってあげるわ」 「ふ、ふん!後で後悔させてやるんだから・・・」 精一杯の虚勢を張るルイズを尻目にキュルケの合図を受けたタバサはデルフを思いっきり揺らす 「ゆーらーすーなーッ!吐く!絶対吐く!」 哀れ左右に振り子運動を始めたデルフが盛大に抗議するが誰も取り合わない そもそも剣が何を吐くというのだろう、錆? 「煩いわね、集中できないから黙りなさいッ!」 そういうとルイズはゆっくりと杖を掲げ振り子運動を続けるデルフへと狙いを定める 色んな意味でルイズの魔法に生死がかかっているデルフはごくりと息を飲み柄にも無く神に祈りを捧げる その神の御名はイタリア語で御衣には所々ハートマークがあしらってあるのだがあまり関係ない 「・・・・ファイアーボール!」 「ひッ!?」 裂帛の気合と共にルイズが叫び、放たれた魔法、もちろんファイアーボールではなく失敗魔法――はデルフの脇を掠め本塔の壁にぶち当たると爆発を起こし、塔の壁面に亀裂が走った 「てめ娘ッ子!オレを殺す気か!?」 爆風で勢いを増して揺れるデルフが抗議するが誰も聞いちゃいない 「あらヴァリエール、ロープじゃなくて壁を壊してどうする気?どうせならあのオンボロに当てて壊しちゃえばよかったのに」 悔しそうに拳を握り、自分を睨むルイズを一頻りからかうとキュルケは狩人の如くデルフを吊るしたロープを見据える 「見てなさいヴァリエール」 ロープはルイズの挑戦した時より激しく揺れていたがキュルケはゆっくりと狙いを定めると余裕の表情で短いルーンを唱え、手馴れた仕草で杖を突き出す 「ファイアーボール!」 杖の先から出たメロンほどの大きさの火球は狙いを違わずロープを焼き切り、当然ながらデルフは自由落下を満喫する羽目となる 「ちょっと待てーーーー!この高さは無理無理無理無理無理無理ィッ!!」 ラッシュの速さ比べでもするような奇声を上げて落ちるデルフを地面スレスレでヴァニラが受け止める 「た、助かったぜ相棒・・・・」 「誰が相棒だ、話を聞く前に壊れられても困る」 「それでも許す、相棒だからな」 微妙に噛み合っていない遣り取りをする一人と一本だが 「ねぇダーリン、私が買ったんだからそのオンボロは捨ててこっちを使って頂戴な」 しなをつくったキュルケがヴァニラの手からデルフを奪うとがっくりと膝をつき、項垂れているルイズの方へと放り投げてしまった 「ちょ、ちょっとキュルケ!危ないじゃないの!?」 目の前にザックリと突き刺さったデルフに思わず小用を滲ませそうになったルイズはキュルケに詰め寄る。と、不意に月が翳る 「へ?」 「な!?」 「ふぇ?」 キュルケ、ヴァニラ、ルイズの順番に上を見上げると、そこには30メイル程の巨大なゴーレムが聳え立ち、その拳を振り上げていた To Be Continued...
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「魔法…って!ジョ、ジョルノさん、いえジョルノ様って貴族の方だったんですか!? そうとは知らず無礼な真似をして申し訳ございませんっ。」 「いや、貴族であるかないかと聞かれたら僕は貴族ではありません。 説明しにくいのですがこれは魔法ではなく……」 どう理解できるように説明すればいいか考えているとさらなる訪問者が。 「朝から騒がしいわよ、あなた達。」 部屋を覗き込んだトカゲの風貌をしたモンスターを従えるその女はキュルケという名。どうやら彼女にも僕のG・Eは見えていないようだ。 ではこの生物はどう説明できる?スタンドでは無いとすると…しかし大柄なトカゲと言い切るには尻尾の先に灯る炎が余計だ。 絵本や漫画で見るようなファンタジックなモンスターが目の前にいる。 G・Eで確認すると確かに生物としての器官や骨格を持っていることが分かる。 どうにもスタンド能力としては説明できない結果。 「へぇ、改めて見るけどなかなか整った顔をしてるわねぇ、貴方。」 なんだこの女。僕の嫌いなタイプだ。 「で・も。やっぱりアタシのフレイムの方がよっぽど使い魔として使えそうよね。 平民の使い魔なんかで役に立つことなんてあるのかしら?身の回りのお世話 意・外・に。 まぁルイズにはお似合いだけど。」 やはりこのトカゲは彼女達に“見えて”いる。 「何よ、ジョルノには物を生きも…もがもが」 ふぅ、あぶない。すんでのところで口を塞ぐことが出来た。 スタンド能力を不特定多数に知られるということは弱点を作ることに繋がる。 「ご主人様に向かって何をしてるのよ、この、馬鹿犬!」 「痛ッ!」 容赦なく向う脛を蹴り飛ばされる。酷い女だ。 「へぇ、ジョルノって言うんだ。またね、ジョルノ。」 「は、はぁ…」 キュルケという女はそのまま階段の方へと向かっていったようだ。 朝食、の時間か。そういえば昨日から何も食べていないな。 故郷ネアポリスに帰ってピッツァが食べたいな……シンプルなマルガリータを… 「あ、仕事に遅れちゃいますのでこれで失礼します、では。」 シエスタも続けて去っていった。 「ッ!何をしているんだ君はッ!?」 「何って着替えよ、着替え。あなたが着替えさせてくれないから仕方なく自分で着替えてるんでしょう。」 問題はそこじゃない、僕は一応男なんだ。その目の前でいきなり裸になる女性がいるかッ? 「別に使い魔に見られたって何も恥ずかしくは無いわ。」 ああもうッ!こいつと話していると神経が磨り減る。 バタンッと扉を閉めて廊下に出て待ってみたが、別に待つ必要も無いことに気づいたので勝手にあちこちを見て回ることにした。 G・Eを出現させたまま廊下で人とすれ違ってみるがやはり何の反応も無い。 拳を顔の前で寸止めさせても不自然な瞬きさえしない。 やはり…スタンド能力として片付けられないものなのだろうか。 ふと上着の中に何か物体の感触があることに気づく。 そうだ、携帯電話を持っていたんだった。 その方面に仕事を持つファミリー員から送られた、試作機ではあるがGPSによる位置情報確認も出来る代物だ。 最近公的利用に向けた衛星を使ったサービスの実用化が進められているという話。 そのテスターとして作られたこの携帯ならば、今いる場所がどこなのか容易に分かるはずだ。 「…おかしいな、地図のどこにも表示されないぞ…?」 ひょっとしたら電波が不安定なのかもしれない。 中庭に出てみれば少しはマシになるか? ここに来て幾度と聞いた使い魔、魔法、貴族といったふざけた単語。 そのせいでスタンドとスタンド使いの概念を他所へ一時保管して置かざるを得なかった僕の頭。 多数生まれたあらゆる疑問は中庭に出て一瞬で吹き飛んだ。 ようやく上り始めた太陽と空に淡く残る月。 この目は異常を来たしていない筈だが月は確かに二つに見える。 携帯の画面にはやはり自分の現在地は表示されていない。 ともすれば。 僕は、紛れもなく異世界に迷い込んだ訳だ。 使い魔、魔法、貴族。 その言葉は新興宗教故に拾ってきた言葉ではない。 この“世界”に在るべくしてある言葉だったのだ。 「何を空なんて見上げているのよ。珍しいものでも無いでしょうに。」 いつのまにか傍にルイズが到着していた。 ───── ────────── ──────────────────── 「ふ~ん。月が一つで、貴族と平民という概念が無ければ魔法さえ存在しない世界、ね… 面白い作り話ね。小説にすればどこかの偏屈な人間なら買っていってくれるんじゃない?」 まぁ想像通りの返答か。いや仕方ないさ、逆に彼女が一人で僕の世界に迷い込んでしまったとしたら、 誰も彼女の言う話など本気にする訳が無い。 「大体ね。あなた、あんな凄い魔法が使えるじゃない。何故隠そうとするのか理解できないけど。 でもあなたの世界には魔法なんて存在しないなんて言っておきながらいきなり矛盾してるじゃない。」 ここでルイズにスタンドの詳細を教えた方がいいのだろうか。 いや、ここが異世界であるとしても敵がいないという訳ではない。 スタンド使いだけが脅威ではない。使い魔と呼ばれるモンスター達を見れば分かる。 そしてスタンド能力を魔法と呼ばれた、ということはスタンド能力に近い何か、がこの世界にはある。 そう考えればここは黙っていた方がいいだろう。 「それにしてもさっきの魔法、一体どの系統に属するのかしら。 召喚……とはまた違った感じよね。物質自体が変化してたんだから。それにしても謎よね…」 「そんなことよりも。何故僕は床の上で食事しなければならないのです?」 「あなたは貴族じゃないから。 魔法が使える=貴族って訳じゃないし、それに自分でもそう言っていたでしょう? 平民が貴族と一緒に椅子に座って食事するなんてあり得ないことよ。 あなたは私の使い魔だから特別に床の上で食べさせてあげてるの。それが嫌なら──」 指差す方向は中庭。見れば使い魔達が揃って餌を食べている。 僕はアレと同類、ッて訳ね…… 「はぁ…大体、使い魔の能力の凄さは主人の能力の凄さってことの証明になるのに…… なんで隠したがるのかしら…ブツブツ…… むしろ無理やりにでもさっさと披露しちゃうのがいいわね…ブツブツ……」 となんだか厄介な事を言い出したが、ここは無視しておこう。
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夕食の時間、シエスタはデザートを配膳していた。 今日は色々あった。ほとんど謎の使い魔がらみだったけど。とにかく疲れた。 あの使い魔は結局気づいたら消えていた。本当に何がしたかったんだろう?嫌がらせ? でもエプロンは返しにきてくれたわけだし、悪い人(?)でもないのだろう。 とにかく今日は早く仕事を済ませて、さっさと寝てしまおう。今日は厄日だ。 そんなことを考えていたら、手前に座る金髪の少年のポケットから何か小瓶のようなものが落ちるのを見た。 すぐにそれを拾い、落とし主であるギーシュ・ド・グラモンに声を掛ける。 こうしてシエスタのその日最大の災難が始まった。 「疲れた…」 ルイズは紅茶を飲みながらぼやく。 半壊の教室の掃除は一人でやるには相当の時間と労力を必要とした。 こんなことならキュルケの手伝いの申し出を受ければよかったかもしれない。 そう思って、部屋を見渡しキュルケの姿を探す。 青い髪の少女と一緒におしゃべりをしているのを発見する。 だがいつもよりその顔色が悪いような気がした。 (もしかしてまだ気にしてるのかな……) 少し罪悪感が心に産まれる。もう使い魔のことを言ってもいいかもしれない。 ただ逃げられたことをどう説明するか……。 「その香水は、もしや、モンモランシーの香水じゃないのか?」 「そうだ! その鮮やかな紫色はモンモランシーが調合している香水だぞ!」 急にガヤガヤと騒がしくなる。見ると、数人の生徒が集まっていた。その中心にはギーシュとメイド。 ギーシュがなにやら否定の言葉を並べ、その隣にいるメイドはさっきからどうしていいか分からずオロオロしている。 いつものギーシュの恋愛話か。どうでもいいや。 ルイズはさっさと自室に戻ろうと、残りの紅茶をいっきに飲むため、カップを口に持っていった。 「チャンスをやろう!」 「ぶッ!」 リアルに紅茶噴いた。 ギーシュは混乱していた。 メイドに「落としましたよ」と言われ、見るとそれはたしかにモンモランシーから貰った香水。 なんとか誤魔化そうとするも、回りの連中にはやしたてられてしまい、騒ぎが大きくなる。 このままではモンモランシーにもケティにもばれてしまう! 3択-一つだけ選びなさい 答え①ハンサムのギーシュは突如誤魔化すアイデアがひらめく 答え②仲間がきて助けてくれる 答え③誤魔化せない。 現実は非情である 答え-③ 答え③ 答え③…………しかし答えは違っていた!意外!その答えは④! 答え④変な奴がきて誤魔化せない。現実は非常識である 「チャンスをやろう!」 突如聞こえた、異質な声。見るといつのまにかメイドの背後に黒づくめの奇妙な亜人が立っている。 はやしたてていた連中も、メイドも声を失いこの奇妙な闖入者を見ている。 ザ・ワールド!時は止まる! ……………………その世界で最初に動いたのは、亜人と二人の少女だった。 「お前には向かうべき二つの道がある!ひとつは……「ギーシュ様、やはり、ミス・モンモランシーと…」」 亜人のセリフをかき消すようにギーシュに話しかけてきたのはケティである。 「え?ケティ!ち、違うんだ!」 急に話しかけられ反応できない。ギーシュはろくな弁解もできずに、ケティから頬をはたかれるしかなかった。 「もうひとつは!!さもなくば『死への…………「やっぱりあの一年生に手を出していたのね?嘘つき!!」」 また何か亜人が話そうとするが今度はモンモランシーに邪魔される。 モンモランシーはギーシュが何か言う前に、ワインをかけて行ってしまった。 呆然。何が起きた?なんなんだこいつは? ギーシュは亜人を睨みつける。すると、自分が睨まれていると勘違いしたのかメイドがビクっと震えた。 そういえばこのメイドが事の発端じゃないか。 くそうこの平民が!でもけっこうかわいいな。 だがそれはそれ、これはこれ。 「君のせいで二人のレディの名誉に傷がついたんだぞ!どうしてくれるんだ?」 ギーシュがメイドに詰め寄る。 メイドは泣きそうな顔になって、ひたすら謝罪の言葉を並べた。 その平謝りする姿がいくぶん滑稽で、少し優越感を覚えたギーシュはさらに続けた。 「君たちのその黒づくめの格好を見てるとこっちの気分まで暗くなってくる。 平民とはいえ貴族の前に出る時くらいは、もう少しまともな格好をしたらどうだい? …………と言ってもメイドの君の黒いのは、生まれつきだろうから変えることはできないか」 そういって笑うギーシュに、同調して回りの数人の生徒からも笑い声があがった。 「黒いの」 その言葉はシエスタの心を締め付けた。 それは後ろの使い魔の格好と、自分の髪と瞳の色のことを言っているのだろう。 大好きだった祖父から受け継いでいるこの黒い髪と瞳は、珍しい色だった。 それを馬鹿にされるのは、自分だけでなく祖父まで馬鹿にされているようで悔しかった。 シエスタの瞳からポロポロと大粒の涙がこぼれ始めた…… その時 「それ以上の侮辱は許さないわよ」 シエスタは背後から声を聞いた。 その声の主は使い魔ではなかった。その主人であるミス・ヴァリーエル。『ゼロ』のルイズ。 ピンクの長い髪と、鳶色の瞳。今、その瞳からははっきりと怒りの感情を読み取ることができた。 「ルイズ」 主人を見つけた、使い魔の場違いな声が部屋に響いた。 To Be Continued 。。。。?
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深夜 ドッピオはルイズから渡されたカードを使っていろいろと不思議に見せるための特訓をしていました ちなみに渡されたカードはトランプでした。案外この世界に流れ着いているこちらのものはあるようです カードの扱いに慣れてきたところでもう眠気がきたので寝床に就こうとしますが コッ・・・コッ・・・ 物音が聞こえます。これは足音でしょうか コッ・・・コッ・・・・・・・・・ ルイズの部屋の前で足音は止まりました ・・・こんな深夜に誰かと思いドッピオはドアを開きました 「・・・あれ?」 そこには誰もいませんでした。確かに足音は聞こえていたはずですが・・・ 「あの」 「うひゃい?!」 突然左から話しかけられました。そこにいたのは 「・・・どちら様でしょうか」 「あの・・・アンリエッタと申しますが・・・貴方がルイズの使い魔ですか?」 「はい、そうですけど・・・ルイズさんに用ですか?」 「はい・・・」 よく見ると服装も学院生とは違う服装です 「・・・ルイズさん。起きて下さい」 ユサユサとルイズを起こします 「・・・なによ。こんな時間に・・・」 寝ぼけ眼で起き上がるルイズですが 「・・・?!」 アンリエッタを見た瞬間とても驚いた顔をします 「・・・ルイズさん?」 「す、すいません!このような無礼な格好で・・・」 いきなりあわただしくするルイズを見てドッピオは (・・・もしかしてアンリエッタさんは偉い人なんですか?) 小声でルイズに聞きます。帰ってきた返答は (当たり前じゃない!トリステイン王国の王女・・いや、今は女王になった方よ!) そう返されました 「早く部屋へお入りください。この様なところにいたと知られれば・・・」 そう言ってルイズはアンリエッタを手招きしました 「そうですね。でもそんな言葉遣いなんてしなくていいですよルイズ ―――私たち、友達でしょう?」 友達という言葉に一瞬気を取られそうになったルイズですが 「いえ、たとえ幼少時の遊び相手である私でも失礼に値するような言葉遣いなんて・・・」 そう言って自制しました 「・・・ところで」 アンリエッタの視線はドッピオに流れました 「これが貴女の使い魔ですか・・・」 その言葉にルイズは 「あ、あのえっと・・こ、こんな平民でもとても強くて―――」 「分かっています。なの土くれのフーケを倒したのでしょう?」 「え?」 ルイズはなぜ知っていると言う顔でした 「王家から守れと言われている破壊の杖を学院は秘密裏に取り戻したつもりだったんでしょうが そんな一大事が発生したら王家からの諜報が働きます。活躍も聞きましたよ、ルイズ」 「そ、そんな・・殆どこの使い魔が倒したようなものですし・・・」 ルイズはしどろもどろになりながらそう答えました 「・・・明日の品評会。楽しみにしていますよ」 「はい!」 そう言ってアンリエッタは戻っていきました ドッピオは結局何も喋らずじまいで女王さまを見送りました 「・・・女王様と知り合いだったんですね」 「ええ・・・」 ドッピオはアンリエッタが品評会を楽しみにしていると言うことを聞いて 「もしかして見に来ちゃったりしますか?」 そういうことかと思って聞いてみました 「そうよ・・・だから絶対ドジ踏んだりとかしちゃダメよ」 ようするにルイズはいいところを友人に見せたいのです 「それにしても驚いたわ。まさか前日にたずねてくるなんて」 「案外行動力のあるお姫様なんですね」 「そうね・・・子供のころはいっつも私が連れまわしてあげてたんだけどね・・・」 遠い昔を見つめるように窓から空を見上げているルイズ 「・・・絶対に失敗は出来ないな」 少しでも友人にいいところを見せたいと願う主人に愛らしさを覚えながらも明日の品評会に熱意を燃やすドッピオでした 14へ