約 1,950,624 件
https://w.atwiki.jp/familiar_spirit/pages/1261.html
ヴェストリの広場へ向かう4人の少女と1匹の使い魔。 双月は雲に隠れているため、道中はけっこう暗い。キュルケが魔法で灯したランプを頼りに進んでいく。 「別に着いて来なくてもいいのに」 ルイズがシエスタと名乗ったメイドの少女に話しかける。 「いえ、原因の発端は私ですし……」 「だから別にあんたの為に決闘するんじゃないんだってば」 もう何度目かになるそのやり取りをキュルケは苦笑しながら聞いていた。 「それに、ミス・ヴァリエールの使い魔さまにもいろいろお世話になりましたし」 それを聞いたルイズは足を止めた。すぐ後ろを歩いていたタバサがルイズにぶつかる。 「痛い」 「あ、ゴメン。………シエスタ。ブラック・サバスがどうしたって?」 「お手伝いしていただいたんです。夕食の準備とかを」 もっとも邪魔にしかならなかったが、それは言わないでおく。 「あいつ……!一日姿を見せないと思ったら何やってんのよ……」 不機嫌そうに呟くルイズを見て、シエスタは余計なことを言ってしまったことに気づく。 「あ、いえ、あの」 なにかフォローになることを言おうとするが、何も思い浮かばない。 ルイズから他の貴族とは違う何かを感じていたとはいえ、貴族は貴族。やはり恐怖心はあった。 そこに助け舟を出したのは意外にもタバサだった。 「昼間図書館で会った」 「え?」 タバサの方を向き疑問符を上げる。 「会ったって。ブラック・サバスと?」 コクリとうなずくタバサを見て、ルイズは質問を続けた。 「図書館で何してたのあいつ」 「何かしゃべってた」 実際にはタバサは図書館でブラック・サバスの姿を見たわけではなく、ただ話しかけられただけでしかない。 しかし、今さっきの食堂でのブラック・サバスの声とセリフを聞いて、昼間の図書館の声の主がそれだと理解したのだ。 「そういえば、私も昼間に中庭で会ったわよ。あんたの使い魔の…ブラック・サバス?」 今度はキュルケが思い出したように話し出す。 「あんたも!?ほんとにあいつ一日中ほっつき歩いてたの!?」 ルイズはブラック・サバスに文句のひとつでも言ってやろうとして…ふと止まる。 「キュルケ、あんたブラック・サバスはさっきまで死んでたと思ってたんじゃなかったの?昼間に会ってんじゃない」 言われたキュルケは思わず、う……と声を漏らす。 まさか昼間に会ったルイズの使い魔を幽霊と勘違いしたとは言えまい。 「そ、そんなことより!早く行かないと、不戦敗になっちゃうわよ!」 急に慌てだしたキュルケに疑問符が浮かぶも、彼女の言うことももっともだったので思考を切り替える。 「サバス!この話の続きは、決闘の後でゆ~っくりするからね!」 さっきまで最後尾をヒョロヒョロついてきていたブラック・サバスに向かって言う。 が、そこには話題の中心になっている使い魔の姿は無かった。 「…………ええええ!?まさかまた勝手にどこかに行ったの!?あのバカ犬!!!?」 今度はルイズが急に慌てだす。 「ちょっと!ヴァリエール!落ち着きなさい!うろたえるんじゃあないッ! ドイツ軍人はうろたえないッ!」 「ドイツ軍人ってなによ!」 「いいから落ち着きなさいって、もしかしたら先に行ってしまったのかも……」 言いながらキュルケは、ランプを前方へ向けた。その灯りの中にブラック・サバスの仮面のような顔がヌッと浮かびあがる! 「キャア!」 後ろから甲高い悲鳴が上がった。 「サバス!!!フラフラしないの!私の影の中にいなさい!」 ルイズが杖を向けながら怒りの声を上げる。 「だいたいあんた影の中しか歩けないんでしょうが!なんで普通に歩いてんのよ!」 そこまでまくし立てて、気づく。 「……………………そうか。今あんたが立ってるところも影なのか」 さっきまでルイズは、ブラック・サバスは『自分たちの影』を踏んで付いて来ているとばかり思っていた。 しかし今、このパーティーはブラック・サバス、ランプを持ったキュルケ、ルイズとシエスタ、タバサの順番で並んでいる。 ブラック・サバスは誰の影も踏めてない。ならばブラック・サバスが踏んでいる影は、何の影か? 恐らくブラック・サバスは『月を隠している雲の影』を踏んでいるはずだ。 (てことは…………今暗いところは全部雲の影で……てことは………暗いところは全部こいつのテリトリー?) 今度は急にニヤニヤし始めたルイズにキュルケは少なからず不審の目を向ける。大丈夫かしらこの子。 「ワケが分からないけど…自己解決したみたいね」 「ええ。これで勝ちは決まったも当然よ。私が手を出さなくてもサバスだけでも勝てるわ」 またもや妙に自信満々に言う。 「この使い魔そんなに強いの?」 疑いの目でキュルケはブラック・サバスを見る。 「もちろんよ。こう見えてこいつ、ものすっごい力持ちなんだから」 ルイズは昨日と今朝で二度、ブラック・サバスに捕まる経験をしていた。 あのとき感じたパワーは今まで体験したことの無いものだった。 物理的な強さというよりも、なんというか魂ごと押さえ込まれるというか……。 この自信満々のルイズに対して疑いの目を向けるのはシエスタもだった。 どう考えてもこの使い魔が力持ちとは思えない……。大丈夫かこの人。 「サバスちゃんと言うこと聞きなさいよ!働きようによっては、特別に今日フラフラ歩き回ってたこと許してあげてもいいわ」 ルイズは上機嫌だった。もう勝った気でいる。 (後で泣くことにならなければいいけど) キュルケの心配をよそに、ルイズは勝った時の決めゼリフへと思考を移していた。 「遅刻」 後ろからのタバサのつっこみでやっと一行はヴェストリの広場へ歩き出した。 To Be Continued 。。。。?
https://w.atwiki.jp/familiar_spirit/pages/1222.html
ドドドドドドドドドドドドドドドド………… ルイズはギーシュを睨みつけていた。 正直最初はブラック・サバスを連れ出してさっさとこの場から離れようと思っていた。 しかしギーシュから『侮辱』を受ける少女が、悔しさで肩を震わせ涙を流すのを見たとき 自分の頭の中で何かがプッツンした。 ギーシュとメイドと野次馬たちの視線が自分に集まる。 ブラック・サバスは……テーブルの上のデザートを見つめていた。おい、誰のせいでこうなったと思ってんだ。 ギーシュは芝居がかった仕草でルイズの方を向いた。 「侮辱?ミス・ヴァリエール、君には関係ないことだと思うんだけど?」 「関係あるわよ、同じ貴族としてね。もともと悪いのはあんたでしょ。それを他人のせいに……しかも相手が平民だからって馬鹿にして。 貴族にはあるまじき行為よ。あんたは貴族と平民の両方の誇りを傷つけてんの!」 「なるほど、ミス・ヴァリエール。『ゼロ』の君は平民の心がよく分かるらしい」 ギーシュのその言葉に回りからドッと笑い声が上がる。 ルイズはそれら全てを無視し続けた。 「それにあんたは私の使い魔も侮辱した」 「使い魔?…………それってコレのことかい?」 ギーシュがコレと言って指差した先で、ブラック・サバスはデザートのケーキを口の中に放り込んでいた。 「……………………そうよ」 自分の使い魔と紹介したことをちょっと後悔しつつルイズは答えた。後でオシオキね………。 「君の使い魔は召喚したと同時に死んでしまったという噂だったんだけど…… しかしメイジの実力を見るには使い魔を見ろとはよく言ったものだね この素行の悪さなんか君にそっくりじゃないか」 ギーシュの嫌味たっぷりの言葉にまたもや回りのギャラリーから笑い声が生まれる。 ルイズは悔しさを顔に出さないが、両手をグッと握り締めた。隣で泣いているメイドも嘲笑された時同じ気持ちだったのだろう。 味方がひとりもいない中、嘲笑の的にされる気持ちは誰よりも分かる。 ルイズが何か言い返そうと口を開きかけた…………が、先に口を開いたのはブラック・サバスだった。 そしてその口から出てきたケーキは、ギーシュの顔面をクリームだらけにした。 本日二度目のザ・ワールド!皆がクリームまみれのギーシュを見て唖然としている。 …………この世界で最初に動いたのはルイズだった。 「…………フ…………フフフ………」 何をやっているのだ自分の使い魔は? いきなり私を襲ってくるし、分けわかんないことをオウムみたいに繰り返すし 洗濯物食べてどこか消えるし、授業でないし、片付け手伝わないし、揉め事を大きくしてるし……でも 「フフフフフフ…………フハフハフハハハハハ!」 でも、今のは最高だったわ!最高に「ハイ!」って奴だわアアアアアア! 「アハハハハハハハハハハハハ!」 ルイズは腹を抱えて笑っていた。こんなに心の底から笑ったのは久しぶりだった。 おかげでギーシュが自分たちに決闘を申し込んだのを聞きそびれるところだった。 ばか笑いを上げるルイズをほっといて、ギーシュは他の生徒を連れて先に広場に向かって行った。 食堂に残っているのは、3人のメイジと1人のメイドと1匹の使い魔。 ルイズは一応ブラック・サバスに文句のひとつでも言おうと、笑いを抑えるのに必死だった。 シエスタは展開についていけず、ただ涙を止めようと必死だった。 ブラック・サバスはボーっとしていた。 タバサは食後の読書タイムだった。 そしてキュルケは機嫌の悪そうな顔でルイズの方に近づいてきた。 「ちょっとルイズ!説明しなさい!その使い魔は死んだんじゃなかったの!?」 キュルケがルイズに詰め寄る。ルイズは笑いを抑えるために一度大きく深呼吸してから答えた。 「あぁ…………ごめん」 「え?」 意外な返事にキュルケは言葉に詰まってしまう。 「あんたが私の使い魔のことで考えてくれてたのは分かってたけど、こっちも色々あって説明するヒマがなかったのよ」 「あら~?えらく素直じゃない?」 皮肉たっぷりに答える。 「どーせこの後決闘のやじ馬するんでしょ?辛気臭い顔で見られてたら勝てるものも勝てなくなるのよ」 キュルケの方を一切見ずに言う。 言われたキュルケは思わずポカンとした顔をしてしまう。が、しばらくしてプッと噴いた。 「何よ」 「別に…でもあんたの使い魔なかなかやるじゃない。今のはなかなか傑作だったわよ」 そう言ってニヤリと笑うキュルケに釣られて、思わずルイズも再び笑いそうになってしまう。ヤバイつぼだ。 「申し訳ありません!私なんかの為に大変なことになってしまって!」 シエスタがペコペコと頭を下げて会話に入ってきた。その顔はまさに顔面蒼白である。 「勘違いしないであんたの為に戦うわけじゃないんだから。大体あんたは何も悪くないじゃない。 ギーシュが二股して、私が文句言って、こいつが話をややこしくした。だから決闘を申し込まれた。あんたの為に決闘するんじゃないのよ。 だから…………そうね。あんたが侮辱された分は、私がギーシュを倒してあんたに謝りに来させるから、それでいい?」 ルイズは事も無げにそう答える。 「そんな!謝罪なんてけっこうです!本当にいいんです!ミス・ヴァリール!そのお心遣いだけで十分です!決闘なんて危険です!」 シエスタは数時間前のブラック・サバスの虚弱性を見ていた。 それに自分を助けてくれたこの貴族は、確か『ゼロ』のルイズ……魔法の使えないメイジ……勝てるわけ無い。 再び泣きそうな勢いでルイズに話しかけるシエスタの肩に、キュルケの手がそっと置かれた。 「貴族が決闘を申し込んだ以上、それを取りやめることはできないのよ。それに大丈夫。今は昔と違って命のやり取りをするわけじゃないんだから。それに…」 話を途中で止めたことにシエスタは訝しげにキュルケを見たが、キュルケは気にすることなく話題を変えた。 「でヴァリエール?あれだけ啖呵を切ったんだから、もちろん勝算…あるんでしょうね?」 「勝算ね」 ギーシュ・ド・グラモン 。『青銅』のギーシュ。土系統のドットメイジ。派手好きでキザでナルシスト。 決闘には錬金で作る青銅のゴーレムを使ってくるだろう。たしか5,6体は同時に作ることができたはず……… それに対して私の使える魔法は爆発のみ…はたしてゴーレムに対して効くかどうか? ふと、ブラック・サバスの方を見てみる。なにやら今度は窓から外を眺めているようだ。 ルイズもその視線を追ってみる、この時間帯にしてはかなり暗い。 どうやらあんなに昼間は晴れていたのに、いつの間にか雲が出て二つの月を隠してしまっているみたいだ。 そこまで考えてルイズは力強く答えた。 「あるわよ」 「今の間はなによ…」 キュルケが苦笑しながらつっこみを入れるが、ルイズの自信満々の様子は変わらなかった。 「ブラック・サバス!」 名前を呼ばれた使い魔はルイズの方へゆっくりと向きを変えた。 「今度は私の言うこと聞きなさいよ」 ブラック・サバスは答えなかった。ただ首を縦に振っただけだった。 「分かったなら、返事しなさい」 そう言いながらもルイズは満足そうに笑っていた。 シエスタは不思議だった。『ゼロ』のルイズと、シエスタよりも貧弱な使い魔。決闘をするというには絶望的なコンビ。 しかし彼女たちからは不思議な安心感を感じる。 今までシエスタが出会ってきた、どの貴族たちとも違っていた。爽やかささえ感じていた。 「行くわよ」 そう言って歩き出したルイズの後を、ブラック・サバスと呼ばれた使い魔はまるで影のようについていった。 To Be Continued 。。。。?
https://w.atwiki.jp/familiar_spirit/pages/726.html
朝靄の煙るヴェストリ広場、そこにヴァニラは一人佇む 正確には彼のスタンド「クリーム」も一緒なのだが常人の目には映らないうえにスタンドは本体と一心同体、故に彼は一人だった 元の世界、延いてはDIOの元へ帰るための頼みの綱だった――蜘蛛の糸よりも頼りないが、ルイズの渾名である「ゼロ」の意味を知り 、いつかルイズに見切りをつけることを視野にいれなければと考え、毎朝ルイズを起こす前に精神鍛錬をやるようにしていた。 少しでも早く、少しでも遠くへスタンドを飛ばせるように、それこそ自分と対峙した時のシルバーチャリオッツのように (だが当面の目標は・・・) 顔を動かさぬまま、そっと森の方へ視線を向ける (あの爬虫類をここから消し飛ばすことだな) 茂みから小さな炎と、つぶらな瞳がヴァニラを見つめていた 亜空の使い魔――ヴァニラの日常 鍛錬を終え、部屋に戻ると洗濯物をまとめて洗い場へ持っていく 心底嫌そうに下着を洗っているのを見られてからシエスタが代わりにやってくれているので洗濯籠に入れただけでまた部屋に戻ると、今度は未だに夢の中のルイズを起こす 「おい、朝だ。起きろ」 部屋の端から端までフッ飛ぶくらいに思いっきり蹴りを入れてやりたいところを自制し、少々力を込めて肩を揺さぶる 「う・・・・?」 しかしルイズは首を傾げるような仕草で寝返りを打つと毛布をすっぽりと被り、丸まってしまった。 今ここにマニッシュボウイがいればいいのに、などと物騒なことを考えながらヴァニラは溜息を吐くと無理やり毛布を剥ぎ取った 「な、なによ!なにごと!」 「朝だ、遅れるぞ」 ようやく起きたルイズに着替えを投げてよこすといい加減聞き飽きた愚痴をBGMに着替えが終わるのを待つ。正直、だるい 男であるDIOと比べるのもなんだがあまりに・・・・・貧相なルイズの着替えを見たところでヴァニラにとって何の慰めにもならない 彼の名誉のためにいっておくが別にアーッ!とかではない、念の為 着替えを終えたルイズに伴い食堂へ赴くと相変わらず貧相な食事をいそいそと平らげ、部屋に戻る振りをして厨房へと潜り込み賄を別けてもらう 念の為廊下の途中でクリームを使って姿を消しているので万が一ルイズに見つかる心配も無いだろう(途中で危うくコルベールの頭髪を消し飛ばしそうになったがばれなかったので気にしない) .... まともな朝食を終えると外に出て薪割を始める マルトーは別にいいといっているのだがヴァニラは妙な律儀さで毎朝食事の礼にと薪割りをしていた 一応手斧を借りはしたがそれは使わずクリームの手刀で次々と薪を割り、あっと言う間に一日分の煮炊きに必要な薪の山を築き上げるいくらスタンドが弱体化したとはいえ木材を裂く程度の力は残っていた 「・・・・またか」 気配を感じ、薪を縛り纏めながら視線を向けると建物の影から巨大な赤い蜥蜴が顔を覗かせている 最近気がつけば事あるごとにあの蜥蜴に見張られていた 誰の使い魔かは知らないが普通使い魔とは主の目や耳になるものらしいから恐らく何らかの目的で偵察をしているのだとヴァニラは推測していた (杖を消し飛ばした連中か、それともあのヌケサクの使い魔か・・・何れにせよまっとうな目的ではないだろうな) 気づいていない風を装い、マルトーに薪割が終わった事を告げるとルイズが食べ終わるよりも先に部屋に戻る 椅子に座ってDIOの無事を祈っていると何やら機嫌の悪そうなルイズが貴族にあるまじき悪態をつきながら戻ってきた 「どうした、何か面白い事でもあったか?」 「うるさいわね!あんたには関係ないでしょ!?」 ヴァニラが皮肉を込めて声を掛けるとルイズは悪鬼の形相で睨みつけ、喚くその答えにヴァニラはつまらなそうに肩を竦ませるが、授業の準備をしながらぶつぶつと繰り返される独り言からキュルケとかいう奴と何か一悶着あったらしいと察するが頻繁に聞く名前だけに毎度の事なのだろう (私に被害が及ぶようなら釘を刺しておきたいが・・・) しかし態々その相手を探し出して始末をつけるのは何となくルイズのために働くような気がして止めにした その判断があんな事態を招くなどと、その時は誰も気付きませんでした・・・ To Be Continued...
https://w.atwiki.jp/familiar_spirit/pages/759.html
「わからないのか? おまえは「運命」に負けたんだ! 「正義の道」を歩む事こそ「運命」なんだ!!」 「やめろ このちっぽけな小僧がぁあああああああああああああ」 グシャァァ ~~~~~~~~~~~~~~ 子供の使い魔 ~~~~~~~~~~~~~~ 「うわあああああああああ」 「プ、プッチ神父!?」 急に左手に激痛が走り目を覚ますと、見たことのない風景と二つの人影が見えた それは黒服の頭のてっぺんが寂しい男の人と桃色の髪の少女が立っていた 「終わりました、ミスタ・コルベール」 「それでは私は戻りますね」 そういうと寂しい男性何か呟き、宙に浮かび建物に向かっていった 「ここはどこですか?それに今の飛んで行ったのはスタンドですか?」 少女に尋ねると、 「ここはトリスティン学園、あんたは私に召喚されたてさっきの契約で私の使い魔になったの それにスタンドって何? あれはフライ、魔法よ」 「トリスティン・・・・?それってどこですか?それに魔法って?」 「トリスティンも知らないなんて・・・・それに魔法も知らないって本気?あんた一体どこの田舎から来たの?そもそもあんた誰?」「僕の名前は・・・・僕の名前はエンポリオです!」 魔法?何を言ってるんだろうこの子 それにトリスティンってどこなんだろう・・・・? プッチ神父を倒したから魔法なんてものが現れたんだろうか? プッチ神父・・・・あいつは・・・・ 「あ、あんた何でいきなり泣いてんの!?」 エンポリオは泣いた・・・・素数ヲタ・・・あ、神父か、と戦い死んでいった 徐倫、承太郎、アスナイ、ウェザー、そしてえっと・・・男顔の・・・ うーん、誰だっけ?兄・・・兄貴・・・あ、そうだ プロ・・・じゃない エルメェス、エルメェス兄貴だ!の事を思い出して・・・
https://w.atwiki.jp/shachozero/pages/14.html
51 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 20 00 34.31 ID gckj6eAy0 __ _, ´ `丶、 / \ / , / / / ヽ `ヽヽ l l j __ // ,イ 、ハヽ }! ハ l l 「 j_从7ヽハ !七大 ` } リ }/ | l Vf゙仡圷/ jl ノィアト、ヘ// / j l l V_ ソ ´ V リ /jイノ , ハ ヘ. ` , l ! / / l ヽ ー ‐ .厶 |ハ // ∧ 弋ト 、 __ , r<7 l ヽ 「我が名はルイズ・フワンソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール / / / ∧ Vー、 Kヽ{ ヽ ヽ 五つの力を司るペンタゴン。この物に祝福を与え、我の使い魔となせ」 / /./ /¨} ,__∧_j_l ハ \ }/ ,′ l { / / / ヾ ☆Y ハ X { V r / / \__j 入xぅ/ \ ヽ l { / / V //∠ , } ! j/ / ! ∧V _二} ヽ / / / { 〈 l / | j/ -ーソ ノ / / / |ヽ \ l /∠/j rテ 〃 ( ヽ , . / / 、__jノ ∧{ / ,/ { _/ ハ `ー彡 / 〃 、__ > / ;> ´ /! ∨ヘ ヾ \ < _ ヽ {{ =ァ 彡< / { く{ ヽ ヽ ユ=― ´ 56 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 20 03 36.57 ID gckj6eAy0 / \ / / . . ..丶 / / / / \ . ... . . . . ヽ ./ / l . .l / \ . .ヽ丶 . `、 . . . . ハ l l | .!.{ . .{ ._{_, ._ヽ 斗 ト . ,. . .l . . . . , . .} | | l. l厶. イヽ .ヽ . ..ハ. l_}ヽ..}ヽ| . . . . . } / i i V _ヾ{z=k ハ.. . / ィ戈 〒ヾl . . ./∧ ノ ∧. ヽ ,ィf戈. ノ! }. / V≧ソ / / K . . .ヽ 「ん……」 / . / ハ . ,` ヘ≧= ´ ´ ̄ イ . . . .| . .ヽ . .} / .. . / . . ヘ. ヘ . . ! . . . .l . . . . / / . . / . . . . ム . . 、 , ′ . ∧ . . . .{ ヽ . . { . . ./ .l . .ト、 ´’ イ . . . . ./ ヽ_ . . ヽ、 )ノ . .ヽ . . .j ! . l. > 、__, ィ ´ / . . . . ./ `ヽ . . . .  ̄ `ヽ , -一 . . / .∧ } . . V | 〉く ./ . / l . . . . . . . . } / . . . . / . . .{ \/ . . .l Ⅳ⌒ヽ// / / ヽ . . . . . . ., . / . . . . / . . . . .l / . . . } マ=マ / /. . ヽ ∧ . . . . . / { . . . / . . . . . . ./ . . . .人 弋7 { . . . . ヽ___ / l . . . . / `ヽ . . . ヽ . . ./ . ./ ヽV∠-ヘ . . . . . \ ! . . . .{ ノ . . .} . .{ .. . . ./ / ヘ . . . . . ヽ. | . . . . ゝ __ノ! ヾニ二 人 . / . .ヽ . . ./ ∧ \ . . . . . . .j | . . ヽ . _ノ 60 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 20 05 42.08 ID gckj6eAy0 ,. -‐ 、. /  ̄`~` ‐ 、 / ` ` ‐、 / `‐、 / \ , \ / ! \ / l ! | i . / , │ l l ! | │ / /./ | │ l 、 | | | , | .l ! . / / /l ! l | | | \ !|l | / | | ! / / ./ ! | l l | | ヽ. ヽ\ \ ヽ. ヽ. |│/ヽ| ! l ! 「何をする貴様! ` ‐ 、| l ヽ. ヽ.ヽ. ! l\\`‐、ヽ、\ヽ.| レ /ヽヽl ! ! 俺のファーストキスを奪いおって! . `‐、| 、ト、__\ 、 ヽ. l トーz、-‐ラ フヽ!|!/_,ゝヽ }. |│ 許さんぞ!! 後悔するがいい!! \ヽl\`ー ヽ、\ヽ ∨ー`‐← ||!-、-、 /! |│ 貴様には地獄を見せてやる!!」 ヽト. ´ ̄ジヽN` -ゝ |! リ /|.| | | ! \ _iー | |.| | | |\. \ r‐== ヲ |  ̄`~` ‐ - 、 | ` ー-ヽ、 V r -‐ / .| | | `‐、 `ー- ./| , -.、 | | `‐、 / .| { {lll}} f{! _ _,,. 、-‐ | `エ´-─ー| ` ー ゞ ´ ヽ` ー- |;;;;;;;;;;;;;;;;;;;| / 68 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 20 09 21.51 ID gckj6eAy0 , イ \ / \ \ / ヽ , | { l | _ 〉 、 | |/ ,、ヽ / \ { / ヽ∨  ̄≧ュ、 〉 __,. , 「ずいぶんと気性の荒い使い魔だが、ちゃんと契約はできたようだねミス・ヴァリエール { ノ r リ  ̄´ 斤ォー / 人間の使い魔というのは聞いたことがないが、しっかりと世話をするんだよ」 ∧ヽゝ ヽ  ̄ー ├ー |ゞ′、/ , \| | ヽ、__ノ !、__ノ _ / l l } / / ヾ ヽ __ ー / ノ ` ー- 、 \ < _ / / \ ヽ __ / _ -──  ̄  ̄/ ̄ 7 、 -─ / / ` ─- 、 / / >ー───── 、 / / / / 71 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 20 11 39.66 ID gckj6eAy0 ,. -‐ 、. /  ̄`~` ‐ 、 / ` ` ‐、 / `‐、 / \ , \ / ! \ / l ! | i . / , │ l l ! | │ / /./ | │ l 、 | | | , | .l ! . / / /l ! l | | | \ !|l | / | | ! / / ./ ! | l l | | ヽ. ヽ\ \ ヽ. ヽ. |│/ヽ| ! l ! 「この俺が世話をされるだと? ` ‐ 、| l ヽ. ヽ.ヽ. ! l\\`‐、ヽ、\ヽ.| レ /ヽヽl ! ! ふぅん。ここまでくると怒りを通り越して呆れるわ! . `‐、| 、ト、__\ 、 ヽ. l トーz、-‐ラ フヽ!|!/_,ゝヽ }. |│ ……む? なんだ!? 左手が……! ぐぅぅぅ!?」 \ヽl\`ー ヽ、\ヽ ∨ー`‐← ||!-、-、 /! |│ ヽト. ´ ̄ジヽN` -ゝ |! リ /|.| | | ! \ _iー | |.| | | |\. \ r‐== ヲ |  ̄`~` ‐ - 、 | ` ー-ヽ、 V r -‐ / .| | | `‐、 `ー- ./| , -.、 | | `‐、 / .| { {lll}} f{! _ _,,. 、-‐ | `エ´-─ー| ` ー ゞ ´ ヽ` ー- |;;;;;;;;;;;;;;;;;;;| / 75 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 20 14 44.55 ID gckj6eAy0 __ _, ´ `丶、 / \ / , / / / ヽ `ヽヽ l l j __ // ,イ 、ハヽ }! ハ l l 「 j_从7ヽハ !七大 ` } リ }/ | l Vf゙仡圷/ jl ノィアト、ヘ// / j l l V_ ソ ´ V リ /jイノ , ハ ヘ. ` , l ! 「すぐ終わるわよ。待ってなさいよ / / l ヽ ー ‐ .厶 |ハ 『使い魔のルーン』が刻まれて……って……えぇ!? // ∧ 弋ト 、 __ , r<7 l ヽ ちょっとあんた!? なによそれ!?」 / / / ∧ Vー、 Kヽ{ ヽ ヽ / /./ /¨} ,__∧_j_l ハ \ }/ ,′ l { / / / ヾ ☆Y ハ X { V r / / \__j 入xぅ/ \ ヽ l { / / V //∠ , } ! j/ / ! ∧V _二} ヽ / / / { 〈 l / | j/ -ーソ ノ / / / |ヽ \ l /∠/j rテ 〃 ( ヽ , . / / 、__jノ ∧{ / ,/ { _/ ハ `ー彡 / 〃 、__ > / ;> ´ /! ∨ヘ ヾ \ < _ ヽ {{ =ァ 彡< / { く{ ヽ ヽ ユ=― ´ 77 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 20 17 41.26 ID gckj6eAy0 ,. -‐ 、. /  ̄`~` ‐ 、 / ` ` ‐、 / `‐、 / \ , \ / ! \ / l ! | i . / , │ l l ! | │ / /./ | │ l 、 | | | , | .l ! . / / /l ! l | | | \ !|l | / | | ! 「これは……デュエルディスク!! / / ./ ! | l l | | ヽ. ヽ\ \ ヽ. ヽ. |│/ヽ| ! l ! 馬鹿な! 何故これが俺の腕に! ` ‐ 、| l ヽ. ヽ.ヽ. ! l\\`‐、ヽ、\ヽ.| レ /ヽヽl ! ! 本社の金庫に保管してあるはずだぞ!」 . `‐、| 、ト、__\ 、 ヽ. l トーz、-‐ラ フヽ!|!/_,ゝヽ }. |│ \ヽl\`ー ヽ、\ヽ ∨ー`‐← ||!-、-、 /! |│ ヽト. ´ ̄ジヽN` -ゝ |! リ /|.| | | ! \ _iー | |.| | | |\. \ r‐== ヲ |  ̄`~` ‐ - 、 | ` ー-ヽ、 V r -‐ / .| | | `‐、 `ー- ./| , -.、 | | `‐、 / .| { {lll}} f{! _ _,,. 、-‐ | `エ´-─ー| ` ー ゞ ´ ヽ` ー- |;;;;;;;;;;;;;;;;;;;| / 82 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 20 19 40.32 ID gckj6eAy0 , -‐ ´ ` ー、 / `ー-、 ,‐´ 、 `ヽ、 f‐ | ヽ ヽ ヽ / ー、 ヽ_ / ヽ ヽ ヽ\ ヽ / } _ l ヽ ヽ/! ヽ i ヽ i l / / ヽ l、 ヽ l ハ/f-f、 }l l、 |リ l l l_l_lr- {_ゝヽ ヽ |//fc リ /! /リ l |. . } l ハ、=ゞ==リ / ムソ /イ 〈 「でゅえるでぃすく? ノ l. . l イ /´七C、ム/ .. lゝ、ヽ、 なんなのよそれ! ていうかルーンはどうしたのよ!?」 `ー-´ _-‐!. . ヾ l 弋ソ .. .. }l  ̄ ー----- f´ ヽ. . ヽ、 ,__ -= /ヽ、 . . . _-―‐´、 ヽ. . . ヽ、 /  ̄ノ/! ヽ、 . . . ヽ ヽ、 \ . . . ヽ、_ー‐ニ‐´ !. . ヽ、 . . . . .ヽ、ヽ ヽ、_ ヽ、! ヽフニイ / /ヽ . . ヽ . . ./ヽ、ヽ `ー-ヽ. . ヽl ll l / ヽ、. . ヽ . . . i ヽ \ }. . } l 7 | / }. . . } . . l \ `ヽ、 /. . . . , ヽTl / / /. . / . . .l \ \/. . . . /`ヽ、/ /. . . / . ./ ヽ/. . . . / / l| /. . . ,-‐´ 87 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 20 22 32.59 ID gckj6eAy0 , イ \ / \ \ / ヽ , | { l | _ 〉 、 | |/ ,、ヽ / \ { / ヽ∨  ̄≧ュ、 〉 __,. , 「落ち着きなさい、ミス・ヴァリエール { ノ r リ  ̄´ 斤ォー / よく見たまえ、彼の左手にはちゃんとルーンが刻まれている ∧ヽゝ ヽ  ̄ー ├ー |ゞ′、/ おそらくそのアイテムは使い魔の特殊能力に関連しているんだろう , \| | ヽ、__ノ !、__ノ さぁ、これで全員の契約が終わったな。よし、じゃあみんな教室へ戻るぞ」 _ / l l } / / ヾ ヽ __ ー / ノ ` ー- 、 \ < _ / / \ ヽ __ / _ -──  ̄  ̄/ ̄ 7 、 -─ / / ` ─- 、 / / >ー───── 、 / / / / 90 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 20 25 18.88 ID gckj6eAy0 ,. -‐ 、. /  ̄`~` ‐ 、 / ` ` ‐、 / `‐、 / \ , \ / ! \ / l ! | i . / , │ l l ! | │ / /./ | │ l 、 | | | , | .l ! . / / /l ! l | | | \ !|l | / | | ! 「くっ……はずすこともできんとは / / ./ ! | l l | | ヽ. ヽ\ \ ヽ. ヽ. |│/ヽ| ! l ! おい貴様、ルイズと言ったな ` ‐ 、| l ヽ. ヽ.ヽ. ! l\\`‐、ヽ、\ヽ.| レ /ヽヽl ! ! もう一度だけ説明するチャンスをやろう . `‐、| 、ト、__\ 、 ヽ. l トーz、-‐ラ フヽ!|!/_,ゝヽ }. |│ これはいったいどういうことだ」 \ヽl\`ー ヽ、\ヽ ∨ー`‐← ||!-、-、 /! |│ ヽト. ´ ̄ジヽN` -ゝ |! リ /|.| | | ! \ _iー | |.| | | |\. \ r‐== ヲ |  ̄`~` ‐ - 、 | ` ー-ヽ、 V r -‐ / .| | | `‐、 `ー- ./| , -.、 | | `‐、 / .| { {lll}} f{! _ _,,. 、-‐ | `エ´-─ー| ` ー ゞ ´ ヽ` ー- |;;;;;;;;;;;;;;;;;;;| / 94 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 20 28 33.58 ID gckj6eAy0 _ __ /´ `ヽ_ , -‐ `ヽ / \ . / / ヽ l / ,′/. / .〃 . .丶 丶 . .ヽ l l l l | l . .l . .ト、/ . . { . . .ヽ. \ .j .! │ l lハ l. . |. ..!. .{\八 . . .ヽ ,__匕厶} │ l ヽ∧ . ! . 从7tーゝヽ . イヘ ノ│ l ヽ、 「なんでこんなに偉そうなのよこの平民……! jハ>ハ `‐ j /  ̄ / リ `ヽ、 ……まぁいいわ、説明してあげる | } ´ 、 / / . . \ 私はあんたのご主人様なんだからね」 _ ノ ゝ , `マZ三)′ 厶;._ } / `ヽ┐ . . . . /> ´ / ヽ . / / ) {_, }. . . . / / _ -ヘ . . . . .∨ { ┐r /. . .〃 /_ -‐ ´ ヽ . . . / 入 / ̄ ̄`V / l | . . . ト、 / . .Y / ̄ ̄ヽ . . . . ./ l l . . . . . . .\ ヽ . .レ l-‐、__{ l { . . . . . . . . . \ ) .l \ \ l ヽ . . . . . . . . . . . ヽ / . .ヽ ヽ ヽ l } . . . . . . . . . . . . } 95 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 20 29 39.62 ID gckj6eAy0 -――- 、 , ‐ ´ \ / 、 ヽ |l l /〃 ヽ ヽ} | l , \ .ljハ トkハ 从斗j │ ハ \ l∧}ヾソ V ヾソ ! ! ヽ \ \ __ __ リ.人 v‐┐ / ト、 ヽ ヽ {心下ヽ / >ゝ- <{ Vl } } ゝ<}ノ \ ( Y Y ! ヽヘ { { ~説明中~ 7´ ̄ ) ) ∨ __ ヽ } \ \丶、 / / /ィ ´ヽ ノ / ヽ ヽ `ヽ ! ≦∠__ノ | /ハ / ゝ、 `、 リ ノ | . . l __ヾ\ ≧ 、ヽ { l_ . . / v l \ ヾ  ̄ , }> ヽ. V | ! l∧ Vリ i `ドー rL.」 厶 ! l j ̄ 7 ├‐ ト、 ! \ / / ! ! `、 ! `/ /ー‐‐┤ 「¨¨ ヽ / ,′ / ! ! レ ´ ┴‐┴━━━ゝ-┴ 97 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 20 33 07.67 ID gckj6eAy0 ,. -‐ 、. /  ̄`~` ‐ 、 / ` ` ‐、 / `‐、 / \ , \ / ! \ / l ! | i . / , │ l l ! | │ / /./ | │ l 、 | | | , | .l ! . / / /l ! l | | | \ !|l | / | | ! 「ふぅん。なるほど魔法世界というわけか / / ./ ! | l l | | ヽ. ヽ\ \ ヽ. ヽ. |│/ヽ| ! l ! よかろう、納得してやる ` ‐ 、| l ヽ. ヽ.ヽ. ! l\\`‐、ヽ、\ヽ.| レ /ヽヽl ! ! ふぅん、俺も遊戯のせいでオカルトに耐性がついてしまったな . `‐、| 、ト、__\ 、 ヽ. l トーz、-‐ラ フヽ!|!/_,ゝヽ }. |│ よし、女。このあたりの地理を把握する。着いて来て説明するがいい」 \ヽl\`ー ヽ、\ヽ ∨ー`‐← ||!-、-、 /! |│ ヽト. ´ ̄ジヽN` -ゝ |! リ /|.| | | ! \ _iー | |.| | | |\. \ r‐== ヲ |  ̄`~` ‐ - 、 | ` ー-ヽ、 V r -‐ / .| | | `‐、 `ー- ./| , -.、 | | `‐、 / .| { {lll}} f{! _ _,,. 、-‐ | `エ´-─ー| ` ー ゞ ´ ヽ` ー- |;;;;;;;;;;;;;;;;;;;| / 103 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 20 37 07.17 ID gckj6eAy0 , -‐ ´ ` ー、 / `ー-、 ,‐´ 、 `ヽ、 f‐ | ヽ ヽ ヽ / ー、 ヽ_ / ヽ ヽ ヽ\ ヽ / } _ l ヽ ヽ/! ヽ i ヽ i l / / ヽ l、 ヽ l ハ/f-f、 }l l、 |リ l l l_l_lr- {_ゝヽ ヽ |//fc リ /! /リ 「ちょっと!? 待ちなさいよ!! l |. . } l ハ、=ゞ==リ / ムソ /イ 〈 勝手に決めるんじゃないわよ!! ノ l. . l イ /´七C、ム/ .. lゝ、ヽ、 あんたは! 使い魔で! 私が! ご主人様なんだからねぇーーーーー!!!!!! `ー-´ _-‐!. . ヾ l 弋ソ .. .. }l  ̄ ー----- f´ ヽ. . ヽ、 ,__ -= /ヽ、 . . . _-―‐´、 ヽ. . . ヽ、 /  ̄ノ/! ヽ、 . . . ヽ ヽ、 \ . . . ヽ、_ー‐ニ‐´ !. . ヽ、 . . . . .ヽ、ヽ ヽ、_ ヽ、! ヽフニイ / /ヽ . . ヽ . . ./ヽ、ヽ `ー-ヽ. . ヽl ll l / ヽ、. . ヽ . . . i ヽ \ }. . } l 7 | / }. . . } . . l \ `ヽ、 /. . . . , ヽTl / / /. . / . . .l \ \/. . . . /`ヽ、/ /. . . / . ./ ヽ/. . . . / / l| /. . . ,-‐´ 110 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 20 43 19.70 ID gckj6eAy0 第一話 ~最悪の使い魔~ 終了 予告 第二話 ~瀬人の花嫁?~ / \ / `ヽ 丶 / . ノ , ヽ / / / . . / ヽ . ヽ ヽ V l l. .| / . ./.;イ ヽ ... . l. . . | .. l l ! |. .| . l . \!/ l . { . . .|ヽ . }ヽ . j . .! | . | ヽハ l .| ! . . jV\{ 八 . . .l } /_,j;ィト .l . l . | 「なんで私がこんな目にあうのよ! ヽ从 . iイfチ心ハ 、从ィ厶斗<V . .jl . | それにあいつってばいつも勝手なことばかりして! \ト小._V;zソ ノ/ V;;_z1 / . . . ハ . . 八 あぁ! 使用人のメイドとなにやってるの! リ } . , .. / . . . /. .ヽ . . ヽ あんたは私だけに仕えてればいいのよーー!!」 _..ノ/八 / . . . /. . . . .\ . . \ , -‐´ / . . >,.、 ´ ヽ ィ′ . . . ハ;.__ . . . . \ . .  ̄`丶、 〃 . . / . . . . . ノ ¨ ヽ、_ , ィ≦7 . . ./ ´ ヽ. . . . .` ー- 、 . ヽ l . ./ . . . . . ;. イ\ ノ} /`∨ . . . { ゝー、. . . . . . . ヽ . } {. / . . . . . / } Vx1_/ { . . . ヽ ∧. . . . . . . } . . ,′ 〃 . . . ./ j/  ̄ ̄ ヽ入 . . . . .\ ヽ. . . . ./ . / { . . . .{ | / \ . . . . .\ ) . / .;イ 前へ トップページ 次へ
https://w.atwiki.jp/familiar_spirit/pages/1498.html
「おあ?」 廊下を人が歩く音でセッコは覚醒した。もう朝らしい。 記憶が無いなりに自分の状況を再確認する。 どうもこの今一つ理解できない状況は、夢ではねえようだ。 なんせ目の前のベッドに自分を使い魔?にした女が眠っていやがる。 確か起こせと言っていた気がする。 「起きろぉー、ルイズ起きろ」 ぴくりとも動かねえ、だが息はしてるようだ。 「起きろつってんだろがよおおおお!」 ベッドを思い切り揺らして叩き起こしてやるか。方法は言われなかったし。 「な、なによ!何事?」 「朝だ起きろぉー」 「あー……はいはいおはよう。……あなた誰だっけ?」 記憶喪失って伝染性の病気だったかぁ?んなわけねえよなー? 「セッコ」 「ああ、使い魔ね、昨日呼んだ!」 「頭の病気か。」 「ちょっと寝ぼけてただけよ!あ、ついでに服を着せなさい。」 言うが早いか服一揃いを投げつけられた畜生。 それにしてもどうも逆らう気がしねーのは何故だ? やっぱりこの印になんかあるのか? 「できね。」 「ちゃんとやってくれたら飴ちゃん一個あげるわよ。」 「着せ方が判らねえ。」 「……」 仕方なく自分で服を着るルイズ。 貴族ってのは人前で着替えるのが普通なのかぁ? 全く理解できねー。 「ちょっと早いけど朝ご飯食べに行くわよ。」 そういえば、昨日トリステイン魔法学院?に来てから何も食べてねえ。 「うん、うん。」 ルイズに付いて部屋を出ると、胸のでかい赤髪の女が目の前にいた。 なんだか挑発的な表情をしてやがる。敵? 赤髪はルイズを見るとにやりと笑った。 「おはよう、ルイズ。」 「おはよう、キュルケ。」 ルイズが心底嫌そうにだが挨拶を返している。敵ってほどではねえみたいだ。 「あなたの使い魔って、それ?」 「サモン・サーヴァントで平民を呼ぶなんて、さすが[ゼロのルイズ]ね」 ルイズの表情が険しくなっている。 「うるさいわね!」 そもそもオレを使い魔と呼ぶこと自体どうも腹が立つ。 別の二つ名があった気がするが、思い出せねえ。気にしても仕方ないか。 「どうせ使い魔にするなら、こういうのがいいわよねえ~。フレイム!」 キュルケが勝ち誇って叫ぶと後ろから赤い獣が現れた。 でかいが目が妙に可愛い。 ルイズが今にも暴れ出しそうだ。オレは飯が欲しい。 「ルイズ、飯……」 「わかったわよ!こんなのほっといて先に行きましょ!」 やった、飯が食える。 「ちょっと、この微熱のキュルケ様を無視とは何事よ。」 「朝ご飯が早く食べてえ、後で聞く。」 正直関わりたくねえ。大体使い魔なんて、正体不明のほうが有利なんじゃねえの。 まあ飯だ飯。食堂はもうすぐらしい。 「うおあ、無駄に豪華だなあ」 「無駄は余計よ。貴族が使うんだからこれで普通なの。」 「オレは何を食えばいいんだ」 「それよ。」 指差した先の床にパンとスープの皿が置いてあった。 腹が減っていたので平らげる。甘いもの以外の味はよくわからねえ。 「量が足らね。」 ルイズは困っていた。平民の、しかも使い魔に貴族の食事を与える訳にはいかない。 それに「教育」にも悪そうだ。だが、確かに足りない気もする。 どうせ残す物ならいいかしら? 「少しだけよ。」 鳥の皮とハシバミ草のサラダを渡してやる。 セッコはそれをあっという間に食べてしまった。 この食欲ぐらい役に立ってくれるといいんだけど。 授業があるとかいうので付いていく。こいつ学生だったのか。 偉そうだから先生かと思っちまったぜ。 魔法学院っつーからには魔法を教えたりするのか? とはいえ、ルイズが魔法を使っているとこを見たことが無いのでなんとも言えない。手品かもしれねえし。 「ここよ。」 「オレも授業受けなきゃいけねえの?」 「一応ね、適当に流してていいからその辺の床に座ってなさい」 石の床はなんとなく落ち着く。 それにしても、どうやら魔法学院というのはウソじゃねえらしい。 変な生き物がいっぱいいる。これ全部使い魔か。 「私は赤土のシュヴルーズ……土は・・基礎の…… トライアングル……錬金……だから……その…… スクウェアが……」 授業は全く理解できねえ。諦めて目の前の変な生物をからかって遊ぶ。 目玉お化けも6本足のトカゲも、形以外は普通の動物としか思えねえ。 なんで使い魔が人間だと困るんだぁ? オレならこんな珍獣の部下はこっちから願い下げだ。 と、突然爆発が起こった。こいつが魔法かぁ? 「うわあああ!」 「ゼロのルイズがまたやりやがった!」 どうも失敗らしい。失敗にしてはえらい威力だ。 また爆発があったら嫌なので外に出よ。それがいい。 「セッコ!セェッコ!!」 おかしいわね、あいつどこ行ったのかしら。 「セッコ!」 「なんだ。」 やっと現れた。主人が呼んだらもうちょっと早く来なさいよ。 「掃除を手伝いなさい。」 「わかった。」 やれやれ、なんとか昼までに終わりそう。 けど自分で指名しておいて、失敗したから一人で掃除しろなんて、あのババア今に見てなさいよ。 何とか終わらせて食堂についてみると、テーブルにはデザートのケーキ(の残り物)しかなかった。 甘いものは好きな方だと思う、でも昼食がケーキのみというのは耐え難い。 半分セッコに投げてよこすと大喜びしていた。 ハシバミ草を平気で食うくせに、甘いもの大好きなんて不思議な奴。 セッコがまた何か騒いでいる。優雅な昼休みがぶち壊しだ。黙らせないと。 「オレは悪くねぇ!謝るのはオメーだ!」 「貴様のせいでモンモランシーが!」 「脳みそにカビ生えてるのか?足元に転がってきた物を拾って何が悪りい!」 「貴族に対する礼を知らないのか平民が!」 「オメーのどの部分に貴族の要素があるんだ小便のシミ野郎!!!」 「このギーシュ・ド・グラモンを侮辱したな!決闘だ!」 「望むところだ、ボロ雑巾にしてやるよおおオオオオ!」 「ギーシュもセッコも何やってんのよ!」 「これはこれは[ゼロのルイズ]、君の召喚した無礼な平民にちょっと教育をね。」 「何がゼロですって?!既にあんたの方が無礼よ!大体決闘は禁止されてるでしょう。 何だか知らないけどセッコも謝りなさい!」 「禁止されているのは貴族と貴族の決闘だろう?こいつは平民だ。」 「そうだそうだ!」 「オレが謝る理由がひとつもねーよ!」 既に観衆までヒートアップしていてとても止められそうにない。 「セッコ。」 「何だ。」 「もう勝手にしなさい。でも殺したらダメよ!殺されそうになっても逃げなさいよ!」 「わかった。」 これは多分勝とうと負けようと「わたしが」謹慎だ。勘弁してほしい。 一応主として見届けるべく広場へついていくものの足取りは重い。 To be continued…… 戻る< 目次 続く
https://w.atwiki.jp/familiar_spirit/pages/1174.html
「そうじゃったか・・・ミス・ロングビルがフーケじゃったとは・・・」 トリステイン魔法学院学院長室。 フーケを逮捕したメローネ達はオールド・オスマンに報告に来ていた。 「いや、怪しいとは思ってたんだよな~。酒場で給仕しててなんか可愛いから尻さわったら怒んないんだもんな~ 誰だって気があるって思うべ?いやホントしょーがねーよ。」 「そ、そうですな!美人はそれだけでいけない魔法使いですな!」 「しょーがねーよ。眼鏡だからな。政府のスパイじゃなくて良かったな。」 自分達を見る冷たい視線に気付き、オールド・オスマンは慌ててフォローを入れた。 「そ、そうじゃ!君達三人の『シュバリエ』の爵位申請を出しておいた。あ、タバサ君は すでに『シュバリエ』の爵位を持っているそうじゃから、精霊勲章を申請しておいたわい!」 その言葉に三人の顔が明るくなる。 「本当ですか、バカ・・・じゃなくて学院長!」 「ありがとうございます、色魔・・・じゃなくて学院長!」 「・・・いっぺん死ね(ペコリ」 そして急に思い出したようにルイズが尋ねる。 「・・・オールド・オスマン。メローネには何もないんですか・・・?」 「残念ながら・・・彼は貴族ではない。」 「別に欲しいもんなんかありゃしねえさ。・・・それに今回はオレは何もしてない。 フーケを捕まえたのは・・・お前らの手柄だ。」 ルイズの頭をなでながらメローネが言う。 「さて、今夜は『フリッグの舞踏会』じゃ。いろいろあったが予定通り執り行う。 今日の主役は君達じゃ。せいぜい着飾ってくるのじゃぞ。」 「そーゆうことだ。オレは少し用事があるからお前らは先に行ってろ。」 三人が一礼して退室し、学院長室に残っているのは四人だけになった。 「さてと・・・。茶でも入れるか?新しく考えついたやつがあるんだ。」 「いやすまんのぅ。秘書がおらんようになってこれからが大変じゃわい。 そうじゃ。君が元いた世界に帰る方法だがな、当分見つかりそうにないわい。 ま、当分おとなしくここで生活してくれい。なぁに、そのうち見つかるって。」 「別に急いじゃあいない。戻ったところで・・・」 ここでメローネは重要な問題を思い出した。 戻ったところでどうする? 仲間は全員三途の川を渡ってしまった。オレ一人でボスを暗殺できるのだろうか? そもそも今イタリアはどうなってんだ? 「なぁボス。あんたスタンド使いって事はオレの世界の人間だよな・・・?」コトッ 「グラッツェ(ありがとう)。たぶんな・・・オレはイタリア人さ。」 「ちょうどいい。・・・パッショーネってギャング組織今どうなってるか知ってるか?」 その瞬間、ボスの形相が変わった。 「あぁ、知ってるさ!今じゃあジョルノとか言う新入りがボスになっちまってよぉ~! 麻薬のルート全部潰すは麻薬組織のことサツにたれ込むはですっかり腑抜けちまったよ!! 今じゃあ只の中身はいい人集団だよ!おかげでイタリアの治安が良くなったよ!しかもボンゴレの腑抜けなんかと提携するらしいしよぉ。 あの腐れコロネ!オレの・・・」 ここまで喋ったところでボスの様子が変わった。全身が痙攣し、目から血が出るは鼻から血が出るはで 最終的に口から血を噴いて死んでしまった。 「・・・メローネ君。何飲ませたんですか?」 「・・・はしばみ草をすりつぶして紅茶に入れた。名前はゴールドタバサナナ菜ブレンド。」 「ほぅ・・・ナナ菜とな?」 「知らんのか?これだ。見た目は只の草に似ているが・・・」 急にメローネが止まった。 「・・・これ只の雑草だ。ヤッベ、間違えた・・・。」 「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」 「惜しい人を亡くしましたね・・・。」 「アイツがいなかったら今頃俺達は死んでいたな。爺さん、像でもつくってやれ。」 「そうじゃな。正門から入ってすぐの所に立てようかの・・・。」 トリステイン魔法学院。 正門から入るとある銅像が立っているのがわかるだろう。 その人物の名はディアボロ。みんなからビッグボスなどと呼ばれ慕われている。 その像の台にはこう刻まれている。 『若者よ、死を恐れるな。死とはこの世に生きた証拠が無くなることである。 だから死を恐れるな。死を恐れるあまり何もしない者はすでに死んだも同然である。』 ディアボロの話によると、自分たちが狙っていたボスは皮肉なことに 自分たちを殺したあの新入りが倒したと言うことらしい。これで戻る理由が一個消えた。 仇討ちと言っても先に手を出したのは自分たちなのである。悪いのはこちらだ。 そうなると・・・元の世界、つまり地球に戻ったところで自分は二十四時間ネット三昧の ダメ人間の典型の生活を送ることになってしまう。もとよりチームの誰もいないのである。 戻るメリットと言えばコミケにいけることとインターネットに繋げることができることぐらいである。 アレ?戻らない方がよっぽど人間らしい暮らししてるんじゃね? いやいや、しょうもなくても現実は現実。ちゃんと戻らないと。 ちょっと待て。ここは一応現実だろ?何言っているんだオレは。 ここが現実?現実のオレがおにゃのこにかこまれているわけ無いじゃないですかギャルゲーやエロゲーじゃああるまいし。 いや待てって。じゃあここは何なんだ?と言うかオレはさっきから何を言っているんだ? アレ?なんかおかしいぞ?アレ? 「メローネ君!!」 「あ、え、はい?」 急にコルベールに呼ばれてきょどるメローネ。 「どうしたんじゃ?いきなり黙り込んで呼んでも返事をせんからびっくりしたぞ。」 オールド・オスマンが心配そうに言う。 「え、あぁ、疲れてんだよ。きっと疲れが出たんだよ。」 「そうなんですか?体には気をつけてくださいよ。」 「大丈夫だって。それより今夜のパーティ、オレも出てもいいのか?」 「まぁ、君なら大丈夫じゃろう。誰も文句は言わんて。」 「そうか。じゃあ楽しませてもらうぜ。」 そう言ってメローネは退室した。 アルヴィーズの食堂の二階。 フリッグの舞踏会はそこで行われていた。 着飾った教師達や生徒達がテーブルの周りで談笑している。 そのとき・・・ 「おい・・・あれって・・・」ザワザワ 「間違いない・・・」ガヤガヤ 「変態だぁぁぁぁぁ!!、メローネさんだぁぁぁぁ!!」 ステキスーツに身を包み、ステキパピヨンマスクを特別に装着していたメローネもこれにはビビった。 たちまち彼の周りに人だかりができる。男ばっかりであったが。 「何すかそのエレガントな格好!」「半端ねぇ!!」「オレのスーツがゴミに見えるぜ!!」 「はいはい、わかったからどけ。」 メローネは人混みをかき分け、キュルケが彼に接触するまえに料理と格闘しているタバサと接触した。 「やぁタバタン。奇遇だな。その料理はおいしいかい?」 「わりと。」 「そりゃあそうだ!マルトーの親父がつくったんだからな。不味いわけはない。」 そしてメローネは一礼するとこう言った。 「主賓が来るまえに一曲オレと踊ってくれませんか?シニョリータ。」 「・・・(コクリ」 「うおっっっっしゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!!楽士隊!とびきりファンキーでロックなの頼むぜ!!」 こうして変態とタバサの元、ダンスパーティが始まった。 「おぇぇぇぇぇ・・・・気持ち悪ぅぅぅぅ・・・」 一次会も終わり、パーティが始まる前の雰囲気に戻った頃、メローネは独りバルコニーにいた。 ダンスも終わり、豪勢な料理を食べていたメローネだったが、うっかりワインを一口飲んでしまったのである。 ワイン一口といえども、下戸である彼を酔わせるには充分。 気持ち悪くなった彼はバルコニーにいると言うわけである。 「紛らわしいんだよ・・・葡萄ジュースかと思ったじゃあねーか。 だいたいガキがワインなんて飲んでんじゃあねぇって・・・あー気持ち悪。」 そうこうしていると急に屋内が騒がしくなった。 どうやら主賓のルイズのお出ましらしい。 桃色がかった髪をバレッタにまとめ、肘まで届く白手袋。着ているドレスは胸元の開いたホワイトのパーティードレス。 主賓がそろったことにより、楽士隊が静かな音楽を奏で始めた。 即座に男子生徒達がダンスを申し込みにルイズの所へ殺到する。 しかしルイズは誰からも誘いを受けず、バルコニーへ向かった。 「楽しんでるみたいね。」 「これのどこが楽しんでるように見えるんだ阿呆。・・・あー気持ち悪ぅぅ。」 正直メローネも、人が衣装によってここまで変わるものかと感心していたがそれどころではなかった。 「ずいぶんヘ・・・立派なスーツじゃない。」 「こんなモン普段着るか。・・・それよりお前踊らないのか?」 「相手がいないのよ。」 「へーそう。・・・あーだいぶ楽になった気がする。しかし明日は地獄だなこりゃ。」 ぼやいているメローネにルイズは予想斜め上の行動に出た。 「踊って差し上げてもよくってよ。」スッ 「いや、まだそれどころじゃあないから。ホント気分悪いんだって。」 「ハァ・・・。今日だけ特別なんだからね。」 そう言うとルイズはドレスの裾をうやうやしく両手で持ち上げ、膝を曲げてメローネに一礼した。 「わたくしと一曲踊ってくれませんこと?ジェントルマン。」 「・・・ハァ。人の話聞いてんのか・・・。わかったわかった。特別に付き合ってやる。 しかし・・・踊れるかどうかわからんぞ?」 「・・・なによ。ちゃんと踊れるじゃない。」 「あー、酔いが良い方にまわったな・・・。」 ルイズのステップに平然とついて行くメローネ。 「・・・ねぇ、メローネ。信じてあげるわ。」 「あんだって?」 「貴方が別世界から来たって事。」 「あぁ、その事。別に信じてもらえなくても良かったんだがな。」 「・・・やっぱり帰りたいの?」 「まぁな。帰りたいっちゃあ帰りたい。でも今は世話の焼けるお嬢さんの世話で手一杯でね。」 「よく言うわよ。あんまり仕事しないくせに。」 「何を言うか!オレだって見えないところで頑張ってるんだぞ!」 言い争いながらダンスを続ける二人。時折ルイズの顔に笑みが見える。 「初めて見る。」 そんな様子をタバサははしばみ草のサラダを頬張りながら見ていた。 「主人のダンスの相手をつとめる使い魔なんて。・・・私も踊ってもらったけど。」 新ゼロの変態 最終幕(フィナーレ) ――某所 「だぁぁぁぁれかぁぁぁぁぁ・・・助けてくれぇぇぇぇぇ・・・最高見せ場まで取られちまったぁぁぁ・・・ どぉぉせ俺なんてミソッカスだよぉぉぉ・・・ちくしょぉぉぉぉ・・・」 To Be Continued?→
https://w.atwiki.jp/familiar_spirit/pages/1264.html
早朝。朝靄が立ち込める中、馬に鞍をつけている三つの人影があった。すなわち、ルイズ、ポルナレフ、そしてギーシュである。 「…結局見つかったんだな。」 ポルナレフが嫌そうな顔でギーシュに話しかけた。 「違うな。」 ギーシュが作業をとめ、チッチッとキザっぽく人差し指を振った。 「自分から志願したんだ。女の子が危険な任務を任されたんだ。黙って見てるわけにはいかないだろう?」 ポルナレフは舌打ちした。折角の金づるが…と思っているに違いない。 「ところでお願いがあるんだが…」 「何よ。」 「僕の使い魔も連れていきたいんだ。」 「あんたの使い魔ぁ?…別にいいけどどこにいるのよ?」 「ここさ。」 ギーシュが下を指差すと地面が盛り上がり、巨大なモグラが現れた。 「ヴェルダンデ!ああ、僕の可愛いヴェルダンデ!」 ギーシュが地面から出て来たそれに抱き着いた。 「あんたの使い魔ってジャイアントモールだったの?」 ルイズが驚いて聞いた。 「ああ。このつぶらな瞳が可愛いらしいだろ?」 ベタ褒めである。親バカというか何と言うか… 「なるほど、別にいいかもしれんな…モグラならスピードは馬ぐらい出るだろう。」 ポルナレフの言葉にギーシュは頷いた。だが、 「私達、これからアルビオンに行くのよ。地面を掘って進む生き物を連れていくなんて、駄目よ。」 ルイズはギーシュの案に反対した。 「アルビオン?昨日も言っていたが本当にあそこに行くのか?」 「そうよ。そういう訳だから、残念だけどモグラなんて連れていけないわ。」 「そんな…お別れなんて辛い、辛過ぎるよ……、ヴェルダンデ…」 ギーシュは再び抱擁しようとしたが、そのヴェルダンデはギーシュの抱擁から逃れるとクンクン嗅ぎながらルイズに近寄って行き、押し倒した。そしてそのまま体を弄びだした。 「ちょ、何すんの!このモグラ!」 ルイズは必死になって抵抗したが、相手は小熊程あるジャイアントモール。このSSではあくまでただの少女の肉体であり、現実は非情である。 「いやぁ、巨大モグラと戯れる美少女っていうのもある意味官能的だね。」 「手篭めにしてるのはお前の使い魔だがな。」 ポルナレフは鞍を取り付けながらギーシュにツッコミを入れた。 「こら、離しなさい…!姫様から貰った指輪から…!!」 ヴェルダンデはルイズがしていた指輪に鼻を近付けていた。 「なるほど指輪か。ヴェルダンデは宝石が大好きだからね。ヴェルダンデは貴重な鉱石や宝石を僕のために見つけて来てくれるんだ。『土』系統の僕にはこの上ない素敵な協力者さ。」 ギーシュが自慢するように言ったその時、突如突風が吹きヴェルダンデが吹っ飛ばされた。 「誰だ!」 ギーシュが愛する使い魔を吹っ飛ばされたのに怒って杖を取り出した。 ポルナレフはギーシュと対称的にまず冷静にルイズが無傷であるのを確認した。ルイズが無傷ということは敵ではなく増援か何かだろうと考え、ゆっくりと風のした方を見た。 靄の中から羽根帽子を被った長身の男が現れた。容姿から昨日、ルイズが見とれていた貴族であることが分かった。 その貴族は一礼してから名乗った。 「僕は敵じゃない。姫殿下より、君達に同行することを命じられてね。君達だけではやはり心許ないらしい。しかし、お忍びの任務である故、一部隊を付ける訳にもいかぬ。そこで僕が指名されたって訳だ。」 帽子をとった男はルイズより外見からして10歳は年上だろうとポルナレフは推測した。もっとも、ルイズの外見も考慮すると更に5歳ほど加算出来そうだが。 「僕は女王陛下の魔法衛士隊、グリフォン隊隊長、ワルド子爵だ。すまない……婚約者がモグラに襲われているのを見てみぬ振りは出来なくてね…」 「婚約者…?」 ギーシュが信じられない様子で呟いた。 ポルナレフも自分の予想を少し越えていて驚いたものの、中世の貴族社会ならこの程度の年齢差のある婚約も有り得るか、と思い納得した。 しかしワルドがばれないように股間を押さえているのを見て、やっぱりただの変態か、と思い直した。 ワルドは信じられないといった面持ちでいるルイズに駆け寄ると抱き上げた。股間はもう大丈夫らしい。 「久しぶりだな!ルイズ!僕のルイズ!相変わらず軽いな、君は!まるで羽根のようだね!」 「お久しぶりでございます。……恥ずかしいですわ」 ワルドに笑いかけられ、ルイズは頬を赤く染めた。 「おでれーたなあ、相棒。まさかあの娘っ子にあんな婚約者がいたなんてなあ!」 鞘から少しだけ刀身を覗かせていたデルフがポルナレフに話しかけた。 「ああ。あの若さで魔法衛士隊…多分メイジだけで構成された親衛隊か何かと思うが…その隊長で子爵だとはな。確かルイズは公爵家の三女…家柄だけを考えたら婚約者として相応しいかもしれんな。」 ポルナレフがそう言って頷く。 「君、何納得してるんだい!?魔法衛士隊は僕たちメイジの憧れなのだよ!その隊長と『ゼロ』が婚約者だなんて…」 ギーシュが喚いた。 「誰も魔力や性格について相応しいとは言って」 ポルナレフがここまで言ったとき、二人がいた位置に巨大なクレーターが出来た。 「…彼等は何なんだい?」 ワルドがクレーターの底で倒れている二人を指差した。 「あの金髪がギーシュ・ド・グラモンで」 「グラモン…ひょっとしてあのグラモン元帥の御子息かい?」 「はい。であっちの眼帯をしているのが…その……私の使い魔…ですわ。」 ルイズが恥ずかしそうに言った。 「あれが君の使い魔かい?人だとは思わなかったな」 ワルドの言葉にデルフはちょっとムカッとした。 「おいおい、人の相棒を悪く言うなよ。」 いきなり咎められて驚いたワルドは辺りを見回した。 「今の声は…?」 「あ、あの……私の使い魔の…剣です」 ルイズが怖ず怖ずとポルナレフの近くに落ちている剣を指差した。 「ひょっとしてインテリジェンスソードかい!?これはまた驚いたな。君の使い魔はまた変な武器を使うんだね!ところで彼と彼の剣は何て言うんだい?」 「使い魔はポルナレフで、剣はデルフリンガーです。」 「そうか、デルフリンガー君か。いやいや、持ち主の名誉のために抗議するなんて泣かせてくれるね。」 ワルドが芝居がかった口調でそう言うと、デルフはケッと言い捨ててから喋ろうとしなくなった。 「おいおい、僕は別に君や使い魔君を馬鹿にしたつもりは」 「子爵、早く二人を起こして出発しましょう。こうしてる間にもレコン・キスタは…」 「おっとそうだったね。」 ルイズに急かされたワルドはクレーターの底で倒れていた二人をたたき起こすと、口笛をふいて使い魔のグリフォンを呼び出した。その背中にひらりと跨がるとルイズに手招きした。 「ルイズ、おいで。」 ルイズはもじもじ恥ずかしそうにしていたが、ひょいと抱き上げられ、一緒にグリフォンに跨がった。 「では諸君!出撃だ!」 ワルドがそう勇ましく言ったが、ルイズから死角となっていたその顔はだらし無くニヤついており、ポルナレフ、ギーシュ、デルフの三者は「こいつ、本当に魔法衛士隊隊長なんだろうか」と不安にならずにはいられなかった。 ともあれ、四人はラ・ロシェールを目指して学院を出発した。 「まったく…魔法衛士隊の連中は化け物か?」 とある駅で馬を交換している時、ギーシュがポルナレフに話しかけた。 「まったくだ。半日近くもノンストップで駆けさせるとは…」 学院を出発してから既に半日が経過しており、二人共息を荒げていた。 「二人に先に行っててもらうよう言おうか?」 ポルナレフはギーシュにそう提案したが、 「馬鹿もほどほどにしたまえ。今アルビオンが窮地に立たされていることぐらい知ってるだろう?だから一分たりとも時間が惜しいのだよ。」 ギーシュはポルナレフの提案に反対した。 「確かにな…だが、俺達の体力も限界だ。」 「そうなんだよなあ。勘弁してもらいたいよ。まったく。」 ポルナレフは少し考えてから再度提案した。 「なら俺達もグリフォンに乗せてもらうことにしよう。」 「そんなの出来る訳無いだろう?君は本当に頭脳がマヌケだな。」 「それが出来るんだな。もっとも、誰にも言いたくは無かったんだが…」 ごそごそとポルナレフは鞄の中を探してあるものを取り出した。ギーシュはそれを見て目を丸くした。 「それは…?」 「これが俺達もグリフォンに乗ることを可能にしてくれる。ただ、他の奴らには言うな。いいな?」 「おーい、ルイズ。グラモン元帥の御子息と使い魔君は何処に行ったのか知らないかい?馬を交換するって言ってから全然見当たらないんだが…」 「彼等なら先に行くとか言ってもう出発しましたよ。」 「ははは。なんだ、先に行ったのか。…ところでその亀はどうしたんだい?」 ワルドがルイズが持っている亀を指差した。 「この亀も私の使い魔ですわ、子爵。」 ルイズがそう言うとワルドは笑い出した。 「あっはっは!おもしろいことを言うな、ルイズは!でも冗談は休み休みにしたまえ。時期が時期だからね。」 「いえ、本当ですわ。この亀にも、ほら、この通りルーンが…」 ワルドが見ると確かに亀にもルーンが刻まれていた。なるほど、ルイズが言っているのも嘘じゃないらしい。 「…まあ、いいか。早くその亀を連れてお乗り。すぐに彼等に追い付けるだろう。」 ワルドはルイズを抱き上げてグリフォンに跨がると再び疾駆させた。 「驚いた!君はこんな所で暮らしていたのかい?ポルナレフ」 ギーシュが部屋中を見渡しながら言った。 「ああ。寝るときはそこのソファでな…」 ポルナレフは椅子に座りながらけだるそうに返答した。 二人は今亀の中にいる。馬は疲れるし、その内置いていかれるのは明白だからだ。 「この箱はなんだい?開けたらひんやりするんだが…」 「冷蔵庫。中にいろいろな物を冷やしておける物だ。」 「マジックアイテムかい?」 「違うな…。どういう仕組みか詳しくは知らんが魔法で動いてるのではない。電気で動いてる。」 「ほ、本当かい?」 異世界の文明に触れて驚きっぱなしのギーシュ。 その内、壁に掛けてある矢に気付いた。 「ポルナレフ、ここに飾ってある矢はなんだい?」 ギーシュがそれに魅せられたかのようにフラフラと近寄って行き手に取ろうとしたその時、 「それに触るな!」 ポルナレフが一喝し、ギーシュはびくっと動きを止めた。 「いかなる者もそれに触ってはならないんだ…。」 ポルナレフは椅子に座ったままギーシュを睨んだ。 「さ、触るぐらい構わないじゃないか…」 睨まれたギーシュは大人しく矢から離れた。 「それでいい…世界にそんな矢など…力など…要らないからな…」 ポルナレフはフッと溜め息をついた。 「あと、そこの棚の上の物も触れるな。矢とそれらはこの亀の持ち主の仲間の遺品だからな。」 「遺品…」 棚の上には大きなジッパー、ヘアピン、タマゴの殻みたいな帽子、ナイフ等が飾られてあった。 「…よければ聞かせてくれないか?」 「何をだ?」 「『持ち主』と『遺品』の話をさ。」 ギーシュは真剣に聞きたがった。だが、知りたがったのは『持ち主』や『遺品』ではない。 それはポルナレフが先程口走った『矢』と『力』のことであった。 ギーシュはグラモン家の末っ子として生まれたため、ルイズほどではないが、二人の兄にコンプレックスを抱き、実力で二人を越えたいと常日頃思っていた。 だが、ドットの彼に作れるのは青銅のゴーレム、ワルキューレのみ…まだ子供だからしょうがないのだがそれでもなお悔しかった。 だが、今さっき、何らかの『力』が矢にある、とポルナレフは仄めかした。ギーシュはそれが喉から手が出るほど欲しく思った。その『力』なら兄を、いやひょっとしたら父をも超えれるかもしれないと考えたからだ。 だが、ポルナレフの台詞からしてそのままじゃ明かしはしないだろうと考え、話を『持ち主』と『仲間』の話にすり替えた。 きっと『持ち主』やその『仲間』は『力』に関係している。なら、そいつらの話から推測すれば『力』の手に入れ方も明らかになるはずだ…と考えたのだが、 「だが断る」 「はい?」 「俺は最後ぐらいしか関わってなくてな。だからほとんど知らんのだ。話は聞いてはいるんだが、俺ごときが喋っていい物じゃあないしな。」 「そ、そんなあ…」 「それより先は長いぞ。少しでも寝て精力を蓄えろ。」 そう言って口惜しがるギーシュをよそにポルナレフはソファーの上で横になった。 To Be Continued...
https://w.atwiki.jp/familiar_spirit/pages/840.html
カトレア・イヴェット・ラ・ボーム・ル・ブラン・ド・ラ・フォンティーヌは考える。 妹はどうしているだろうか。 今頃は使い魔を召喚して、喜んでいるだろう。 今はそういう時期。自分の相棒となる使い魔を召喚する時期。 だが妹より年上のカトレアは未だ使い魔を召喚していない。 何故なら学校に行ってないからだ。 理由は引きこもりや、学校に行ったら負けかなと思っているのではなく、体が弱いために行けないのだ。 だから彼女は考える。学校に行っている妹の事を。 そして妹がどんな使い魔を召喚したのか想像している内に自分も使い魔を召喚したくなった。 本来はいけない事だが召喚だけして契約はしなければバレないだろう。 彼女を責める事は出来ない。彼女は自分の領地(それでも結構広いが)から出たことがないのだ。 このちょっとした好奇心と悪戯心から召喚のための魔法、サモン・サーヴァントを唱える。 使い魔が出てくるはずのゲートが開いた。何故か下に向かって。 そしてそこから現れたのは人間の男だった。それも超スピードで落ちてきた。 ぐしゃっと言う何かが潰れた様な音が鳴った。潰れたのは召喚された男らしい。 「え?え?どういうこと?」 おそらくは落ちている最中に召喚されたのだろうがカトレアにはそんな事知る由もなく、ただ混乱していた。 混乱から解けたカトレアはとりあえず治癒の魔法を男にかける。まだ息があったからだ。 そして男の傷はふさがって行く。 間に合った事に安堵したカトレアはちょっとした気の緩みから後ろに倒れこむ――が意識を取り戻した男が間一髪で支 えたので倒れなかった。 「ごめんなさい、体が弱くて…」 「そうでしたカ、どうすれば良いデスカ?」 「とりあえず…お屋敷まで運んでください」 「お屋敷?ああ、あれデスネ?」 男はカトレアを担いだままヴァリエールの屋敷に向かって歩きだした。 「そういえば…アナタお名前は?私はカトレアよ」 「トニオ・トラサルディーといいます。トニオと呼んでください」 屋敷に入り、カトレアの案内で部屋までたどり着く。 そして部屋のベッドに寝かせ、話が出来そうな状態になったのを確認してから質問を始めた。 「具合が悪いところスミマセン。ここは何処なのでショウ?ワタシはある鳥の卵をとるために崖から飛び降りたはずな のデスが」 「だから落ちてきたんですか?」 「ハイ、それでイキナリ地面が現れたのでぶつかって大怪我をしたはずなのですガ…」 「私が魔法で治したんです。怪我をしたのも私のせいですけど…」 「そうでしたカ、助けてくれてアリガトウゴザイマス」 カトレアは驚いた。自分が怪我をさせたというのにトニオは怒らなかったのだ。 「何かお礼をしたいデス。ちょっと両手を見せてくだサイ」 「え?あ、はい」 「フーム。体が弱いと言っていましたがソウトウですね」 「わかるんですか?」 「ワタシは両手をみれば肉体全てがわかりまス。ちょっと厨房をお借りしマス」 普通だったら初めて会った人間にそんな事はさせないのだが トニオは自分が召喚し、そして怪我をさせた人間だ。だから厨房を使わせるくらいなら、とカトレアは使用許可を出した。 数時間後 「出来ましタ!どうぞ召し上がってください」 料理が完成したらしい。 カトレアはちゃんと頂きますをしてから料理を食べた。 食べ終えたカトレアの体に異変が起こった。 体中にとてつもない痛みが走るのだ。 「こ…れは…?」 「落ち着いテ!痛みは一時的なものでス」 そしてトニオの解説が始まった。要約するとこれで健康になるらしい。 眉唾な話だったがカトレアは信じた。 数時間前に会ったとばかりだというのにトニオに奇妙な信頼を置いていたからだ。 そして痛みが収まり、カトレアは自分の体が健康になった事を実感した。 「すごい…これは先住魔法?」 「フム、実のところワタシにもよく分かってないのですが…多分そうでしょう」 「はあ…でもスゴイですね。こんな事ができるなんて!」 「スゴイ?…ワタシが?」 「そうですよ。こんな事他に出来る人はいませんよ。」 「……アリガトウゴザイマス」 トニオの目には涙が浮かんでいた。彼の料理は気味が悪いといわれ、認められなかったのだ。 それをカトレアは認めてくれた。それが嬉しかったのだ。 カトレアもまた泣いていた。自分のどうしようもない弱点であった原因不明の病気をトニオは治してくれたのだ。 それはつまり『普通の生活をする』という。彼女の望みを叶えた事になる。 互いに互いの最大の望みを叶えた。そんな二人が恋に落ちたのは当然だったかもしれない。 そしてトニオはヴァリエール家に料理人として雇われ、徐々にラ・ヴァリエール公爵に認められることになる。 パール・ジャムが先住魔法という事になっているため彼は普通の平民ではなく、元貴族かもしれないと言う事と 誰にも治せなかったカトレアの病気を治したと言うことからあまり話はこじれなかった。 最後にヴァリエール家で自分の子供達に囲まれながら寿命を迎えた彼の最後の一言をもってこの物語を終えようと思う。 「ここはもしかしたら異世界かもしれませン」 それは最初に気づこうよ、トニオさん。
https://w.atwiki.jp/familiar_spirit/pages/1800.html
教室の一角。マントを羽織った少年少女達の間に、大男が倒れていた。 気を失っているようだが、それでもその雰囲気にはなにか語るべくないものがあった。 「へ、へいみん?」 「そもそも人間?」 「ゴーレムとかじゃない・・・よな?」 「ざわ……ざわ……」 筋肉質であり、マントや宝石などの小奇麗なものはつけていないことから、貴族ではないことはわかる。 しかし、彼の頭には角。彼の両肩にも角。人間ではないのか、人間、あるいは亜人だとしても平和的な人間でない可能性が 非常に高そうだとメガネの少女は冷静に分析した。 「ゼロのルイズ!なにを呼び出したんだ!」 「何度も失敗して、成功したと思ったらこれかよ!」 「まともに使える魔法はないのか!」 教室から少女に向けて野次が飛ぶ。 桃色の髪の少女が叫ぶ。 「こ、コルベール先生、やっぱりこの大男とも『契約』しなければいけませんか?」 「ミス・ヴァリエール、例外はありませんよ。」 少女は少し唸った後、諦めたように気絶しているであろう大男に近づく。 「き、貴族にこんなことされるなんて……普通は一生ないんだからね!」と気絶している大男に話し掛ける。 そして、彼の顔に顔を近づけ、唇をあわせた。 左手の甲が光る。 「ROOOOAHHHHHHH!!」 それとほぼ同時に大男が叫び声と同時に目を覚ました。 (な、なんだこの痛みはァーーッ!このような痛みは……例えるなら、そう『波紋』ッ! それに…なぜ俺はこんなところにいるッ!?) 叫び声をあげた大男の迫力から、本能的に命の危険を感じて逃げるようにして 教室の出口へ向かうものが現れる。 「女ァーーッ!俺になにをしたーーッ!」 少女はその叫び声に怯み、数歩下がりつつ答えた。その前にさりげなく髪の薄い男性が立つ。 「つ、使い魔のルーンを刻んでいるのよ。すぐ終わるから、あ、安心しなさいよ…」 左手の甲の光が収まり、痛みが治まった大男は状況を確かめようとする。 (俺は、『エイジャの赤石』を賭けて、ピッツベルリナ山神殿遺跡で、古代ローマの戦車戦を行い… ジョセフと戦った末……奴に敗れて死んだはず…… しかし、無い筈の両腕!両足!胴体!全て元通りだ……どうなっているんだ?俺は死んだのではないのか? 死んだことに悔いはない。一人のジョセフを戦士に成長させ、その戦士に全力を持って戦い、 敗れて死んだということは誇りでもあるし、名誉でもある。 が、しかし……生きている……死ぬ前の走馬灯という奴でもなさそうだ……) 彼は少女に向き直って強く問い詰める。 「女、ここはどこだ……俺に何をした。」 「さ、さっき言った通りよ。あんたを私が『サモン・サーヴァント』で召還して使い魔の契約をしたの。 つまりあんたは私の使い魔。わかった?平民だからわからない?」 「『サモン・サーヴァント』だと?確か人間どもの言葉で『召使』だったか……俺に召使をやれと?」 「だからさっきから使い魔だって言ってるでしょ。主人である私の望むものを見つけてきたり、守ったりするのよ。 使い魔は主人の目となり、耳となる能力を与えられるはずなんだけど……まだ契約して時間が短いからかしら、 なにも見えないし聞こえないけど……そうそう、もちろん主人である私には絶対服従ね。」 「先ほど召還などといったか……よくわからんが何か普通の人間どもとは違う能力を持っているようだな? 死の淵に居た俺を五体満足までに回復させるのだからたいしたものだ。場所もどうやらピッツベルリナ山神殿遺跡でもなさそうだ……」 「あ、あんた?魔法も知らないの?どこのド田舎のド平民よ!?ピッツベルリナ山なんて聞いたことないわよ! だいたいあんた、人の話聞いてないでしょ!あんたは私の使い魔になるの!わかってるの?」 少女はルーンを結べたこともあって面食らいつつも少し強気に出ていた。 が、使い魔に素直になる気を微塵も感じられないためにただでさえ常日頃バカにされている少女は 焦り、いらついていた。 が、やはり大男の返答は少女の望むものではなかった。 「体のいい召使い兼ボディーガードなどをなぜ俺がしなければならない?俺が従うのは強者だけだ。断る。」 「は、はぁ?あんた、人の話わかってるの?大体強者って……平民だか亜人だかしらないけど、 仮にもここは魔法学校。これだけの貴族に囲まれて勝てると思ってるの?」 「そう思うなら……試してみるか?力づくでここを出ても構わなんしな。」 大男はなめ回すようにクラス見る。その迫力に短く声をあげるもの、後ろに倒れるものなどがいたが、各自同じようなものであった。 「……が、この部屋には俺の相手をできるような者はいないようだな……そこの男は見込みがありそうだが、生憎リングがないものでな。さ、どけ」 「だ、誰がどくっていうのよ!私がどくのは道にマリコルヌが落ちてるときだけよ!」 少女は数歩後ろに飛びのき、杖を向ける。 「ミス・ヴァリエール!貴女は下がっていなさい!」 男が叫び大男に杖を向ける。ぶつぶつと何事か唱えた後に杖の先から炎の玉が大男へ向かう! しかし彼は、片手だけで、その巨大な炎の玉を払いのけた。 まるで、ハエを払うかのように。 普通の相手であればかわすのも難しいタイミング、威力も普通の相手であれば手で払いのけることなど選択肢にすら 入らなかったであろう威力。まさに絶妙な攻撃であった。 惜しむらくは、放った相手が普通の相手ではなかったことだ。 「ここの人間どもは波紋の一族とは違う……なにか不思議な能力を持っているようだな……魔法学校などといっていたが… これらを『魔法』と呼んでいるのか?だが、威力も工夫も足りなかったな。貴様でこの程度ならば……たかが知れるな」 彼は致命傷どころか火傷すらしていない。 怯む様子もなく、彼は起き上がった。そして、光、前の世界であれば忌むべきものであった光の差す 窓の方向へ走り出し、その方向にいた先ほど攻撃してきた杖を持った男に蹴りを放とうとするッ! 起き上がった勢いによる攻撃と脱出を同時に行う。彼の戦闘のセンスは失われていなかった。 1対1ならば確実に仕留めていただろう。1対多でも彼の神経が研ぎ澄まされた、彼が言えば激昂するであろうが 油断していない状況であればその蹴りは入っていたであろう。しかし、彼はその男以外を敵としてみなしていなかった。 伏兵は男の後ろの少女だった。 少女が叫ぶ。 「コルベール先生……下がるなんてできません……敵に……敵に背中を向けないやつを貴族と呼ぶんです! 『ファイアー・ボール』!」 先ほどの少女が大男に杖を向け、なにかを飛ばす。 大男は先ほどと同じタイプの攻撃であると断定し、同じ対処を試みた。 片手をなにかが飛んでくる方向に出し少女を見据える。 「馬鹿の一つ覚えかッ!MOOOOOO!!」 片手でそれを払いのけようとした…が!それが腕に着弾した途端!爆発をおこしたッ! 彼女の唯一の『得意技』である爆発が大男を包む! 轟音が部屋を包む。教卓の上の備品が少々吹っ飛ぶ。教卓も吹っ飛ぶ。しかし、それでも大男は立っている…はずだった。 その大男の類まれなる身体能力をもってすれば、この程度の規模の爆発では驚きすらしなかっただろう。 しかし、大男は立てなかったッ!爆発による煙が舞っている中、彼はひざまずいていた。 その爆発は『普通』の爆発ではなかった。 (か、体が痺れるッ!う、動けんぞッ!幸い体は無事のようだが……これはまるで『波紋』ではないかッ……MOOOOOO……! しかし、この少女…波紋戦士には見えん……シーザーのシャボン玉のような攻撃のように攻撃してきたなにかに波紋を含めているなら、 俺の体の神経は破壊されるはずッ!しかし、動けないだけでそれはない……さらに、無意識下の波紋戦士でもしているはずの 波紋の呼吸をしていない。そして、なによりもッ!戦いについて場数を踏んでいる雰囲気、こういった命の危険に大して無防備すぎる…… つまり、この程度の能力を持った人間はこのあたりにはいくらでもいるということか? ということは、俺に適うだけの戦士がまだどこかにいるのではないだろうか? 我が柱の男たちの敵は波紋戦士たちだけだと思っていたが……少し…興味がでてきた…この魔法とやらに) 強者と戦いこそ全てである大男は心境の変化とともに立ち上がった。 そして、煙がはれたのち、少女は立ち上がった大男に話し掛けた。 「これで貴族と平民の格の違いがわかったでしょう!おとなしく使い魔になりなさい!」 「……いいだろう……少しの間、その使い魔とやらになってやろう……」 「少しの間って…ま、今のところはまあいいってことにしておいてあげる。 じゃあ、使い魔には名前が必要ね。あんた、名前ある?」 風の戦士が、二度目の二〇〇〇年ぶりの目覚めを果たした。 「俺の名はワムウ。風の戦士ワムウだ。」 風と虚無と使い魔 召還潮流