約 1,871,704 件
https://w.atwiki.jp/moejinro/pages/1486.html
7日目 Navi さわやかな朝がやってきました 自宅にて Pシステムさん の遺体が見つかったようです… Pシステム ニャーン Navi 村人の皆様、今日もがんばってください Navi 昼の部スタートです 1 (なび村) Emula 共有CO 1 (なび村) レリック 【占い結果】emulaさんは白でした。グレーの中からチョイス。傀儡になったわけじゃないけど、確定白が疑ってるなら 1 (なび村) せんこ (´・ω・`)ふおおおおおおん 2 (ゾンビ部屋) ミキハウス 共有ここでか 3 (GREEN) ウツボン 最後の遺言が・・・!? 1 (なび村) EVANS ほほー 1 (なび村) シエスタXX ふむ 1 (なび村) Lumiya 何故にまたグレー噛み 1 (なび村) ウツボン 最後の遺言が・・・ 1 (なび村) EVANS ミスリーしまくりだったんですな 1 (なび村) EVANS だからボク噛まれないのか 1 (なび村) シエスタXX あるあるw 1 (なび村) シエスタXX さて 1 (なび村) Emula 狐探してるんでしょうか 2 (ゾンビ部屋) Eleanoa さぁ、軍配はどのチームに>_< 1 (なび村) EVANS てっきりシエスタさん相方でせんこ・Emula・Akizuki吊りで終了だとばかり 1 (なび村) シエスタXX どうだろう 1 (なび村) せんこ あの断末魔とCOは・・・ 1 (なび村) ウツボン akizukiさん狼ならせんこさんで確定なのでは? 1 (なび村) シエスタXX んだね 1 (なび村) レリック っとなると私が偽になりますよ? 1 (なび村) EVANS しかし根気よくグレーに残ってましたね共有さんw 1 (なび村) Lumiya 【共有確認】相方はEmulaさん 1 (なび村) Emula ドキドキ 1 (なび村) ウツボン 共有了解 2 (ゾンビ部屋) シンクロ 男の娘 2 (ゾンビ部屋) シンクロ たぁつまり 2 (ゾンビ部屋) シンクロ ミーのことですね! 2 (ゾンビ部屋) ミキハウス え 1 (なび村) EVANS せんこさん、ウツボンさんの順で終了かな? 2 (ゾンビ部屋) Akizuki そうですねーw 1 (なび村) シエスタXX せんこさん吊りでいいんじゃないかな 2 (ゾンビ部屋) すねすき 娘成分がどこに (T) ウツボン > え・・・まさかレリックさん真? 2 (ゾンビ部屋) デジュー 対抗男の娘CO 1 (なび村) せんこ うちわるいせんこじゃないよ ぷるぷる 1 (なび村) レリック せんこさん私の白なんですがー 1 (なび村) Lumiya EVANSさんの意見取り入れたかったけどEmulaさん相方だったので吊るわけにはいかなかったのです 2 (ゾンビ部屋) デジュー (女装だけど) 1 (なび村) EVANS まて!悪いせんこさんじゃないらしいぞ!? 1 (なび村) シエスタXX せん狐でしょ?w 1 (なび村) せんこ 違うよ! 2 (ゾンビ部屋) Eleanoa あ、なら私も娘COでー 2 (ゾンビ部屋) シンクロ この可愛らしさ まさに娘らしさ! 2 (ゾンビ部屋) シンクロ ドヤァです 2 (ゾンビ部屋) デジュー そろそろレリックさん吊らないと 1 (なび村) ウツボン 僕だって悪い食虫植物じゃないよ!部屋に蚊が飛んでるけど! 2 (ゾンビ部屋) デジュー 狂人でも奇数だと負ける 2 (ゾンビ部屋) シンクロ スルーされると辛いのです(´・ω・`) 1 (なび村) Lumiya 一応レリックさん視点Akiさん● でせんこさん○ですか 2 (ゾンビ部屋) ヨロイモグラ あーパワープレイかー 2 (ゾンビ部屋) Eleanoa シンクロさんは捕食するので大丈夫です 2 (ゾンビ部屋) ACT レリック→せんこ→ウツボンでいけないかな? 2 (ゾンビ部屋) シンクロ Σ 1 (なび村) せんこ うちもなんでああ言われたのかわからんちん 1 (なび村) シエスタXX 一応他の可能性も考えないとな 1 (なび村) ウツボン レリックさんに占ってもらうかい?吊り回数的に 2 (ゾンビ部屋) ACT シエスタさん真決め打つならだけど・・・ 1 (なび村) Emula 狼がかく乱させたかっただけなのかなぁ 1 (なび村) EVANS さすがにAkizukiさんの最後のセリフは、狐があれをするとは思えないですし、素直に狼の告発ととっていいんでしょうなー 2 (ゾンビ部屋) デジュー ですねー>アクトさん 1 (なび村) レリック だから占ったんっだって>せんこさん 1 (なび村) せんこ 狐の悪あがきだってーあれー 1 (なび村) EVANS まて!狐の悪あがきらしいぞあれ!! 1 (なび村) ウツボン ああ、もう占ってるんだったか・・ 1 (なび村) せんこ ふおおおおおおおん 1 (なび村) Emula 自分はせんこさん村だと思ってます 2 (ゾンビ部屋) ミキハウス 狐の悪あがきって 1 (なび村) Lumiya 私も狐がヤケ起こしただけと考えておりますが 2 (ゾンビ部屋) ミキハウス 狼では? 1 (なび村) EVANS Akizukiさん狐だとしてもせんこさん狼は睨んでたので、どっちでもいいのですぼくとしては。 1 (なび村) せんこ レリックさんに確かに○もらっちょるけど狂人でそー 2 (ゾンビ部屋) ひなっち 狐が悪あがきしても得にならないですよね・・・ 1 (なび村) せんこ ヨロイさんがあのときどこを占ったか分からないけど 1 (なび村) ウツボン 狐の可能性はとりあえず潰しておきたいかな、LW当たっても困るし Navi 5分経過(後2分) 2 (ゾンビ部屋) デジュー あれ、Pシステムさん入ってるやん。オツカレサマー 2 (ゾンビ部屋) ミキハウス お疲れ様です 2 (ゾンビ部屋) Pシステム さっき死にましたw 2 (ゾンビ部屋) ヨロイモグラ おつかれさま~ 1 (なび村) せんこ 結果狐がいびつに残って場を荒らされてる 2 (ゾンビ部屋) Pシステム お疲れ様です 2 (ゾンビ部屋) ACT お疲れ様です! 2 (ゾンビ部屋) ひなっち おつかれさまです 2 (ゾンビ部屋) Eleanoa おつかれさまですー 1 (なび村) Lumiya ヨロイさんはEVANSさんシエスタさん○ですね 1 (なび村) ウツボン 狐はあっさり死んでも影がずっと残るんだ・・・ 2 (ゾンビ部屋) Akizuki 私は誇り高き狼です(きりっ おつかれさまです~ 2 (ゾンビ部屋) デジュー 何か行ってくれたらすぐ気付けたのにー 1 (なび村) ウツボン 狐は2度刺す・・・! 1 (なび村) せんこ あ レリックさん●の可能性もあるんか 2 (ゾンビ部屋) シンクロ パンデモスシステムさん お疲れ様です! 1 (なび村) EVANS それならそれでケアできますよーだ Navi あと1分 1 (なび村) Lumiya あと私的にはグレーを吊りたいと考えてますが 1 (なび村) EVANS グレーって 1 (なび村) シエスタXX だれ? 1 (なび村) せんこ ウツボンさんと一応うち 1 (なび村) レリック ウツボンのみのはず 1 (なび村) Emula ウツボシさん 1 (なび村) EVANS ウツボンさんですか? 1 (なび村) ウツボン 俺・・・・ 1 (なび村) Lumiya ウツボンさんですね Navi 20秒前 1 (なび村) EVANS LWじゃないんですかそこ?w 2 (ゾンビ部屋) シンクロ しかしPシステム・・・。 1 (なび村) シエスタXX ウツボンさんはもう吊る決定じゃなかったっけ? 1 (なび村) ウツボン 俺はせんこさんにいれるよ 2 (ゾンビ部屋) デジュー 吊りたいとこ3人で3吊りあるから狐だけ最初に吊るように心掛けたら村負けはないかな? 2 (ゾンビ部屋) シンクロ 機動戦士タイタン パンデモスデスティニー とか! Navi 夜まで時間がありません 皆様今日の尊い犠牲をお選びください(会話はストップです) 3 (GREEN) Navi ---------------------------------------- Navi 投票は私に直Tellでお願いします 3 (GREEN) Navi 会話可能時間スタート 1 (なび村) せんこ 狐いないからウツボンさんにいれんと 1 (なび村) Navi -------------------------- 1 (なび村) Navi 7日目終了 1 (なび村) Navi -------------------------- 2 (ゾンビ部屋) ミキハウス ぐだった 2 (ゾンビ部屋) DOMINANT オジャマシマス (T) せんこ > ふおおおおんw ウツボンさんで! もういや!w 2 (ゾンビ部屋) デジュー どみさんこんばんはー (T) ウツボン > せんこさんでお願いします!俺吊ったら絶対後悔するぞ! 2 (ゾンビ部屋) ACT まずい、本当にせんこさん狐ならたぶん負ける 2 (ゾンビ部屋) ミキハウス こんばんは (T) シエスタXX > せんこさんで 2 (ゾンビ部屋) Eleanoa DOMINANT様だー 2 (ゾンビ部屋) ACT こんばんは 2 (ゾンビ部屋) シンクロ お邪魔されます! (T) Emula > ウツボシさん 2 (ゾンビ部屋) ヨロイモグラ こんばんはー 2 (ゾンビ部屋) DOMINANT こんばんはー! 2 (ゾンビ部屋) Akizuki こんこん~ 2 (ゾンビ部屋) シンクロ お久しぶりンクロです! (T) EVANS > せんこさん 2 (ゾンビ部屋) シンクロ いやぁ日曜日も仕事なのに 今も起きているボクがいますよ HAHAHA 2 (ゾンビ部屋) シンクロ ・・・どうしようですorz 2 (ゾンビ部屋) DOMINANT ナ、ナンダッテ; (T) レリック > やっちまった、センコさんに入れとく。もう身動き取れない。狼さんゴメン 2 (ゾンビ部屋) デジュー え、吊り順ミスりそうなんだが・・・ 2 (ゾンビ部屋) Eleanoa 日曜は休み確定なのでまったりしてましゅ 2 (ゾンビ部屋) すねすき シンクロさんの辞書にゴールデンウィークは無かった 2 (ゾンビ部屋) Eleanoa す (T) せんこ > えるりんはこういった偽確の状況で相当興奮してたけどうちだめだ・・・orz ふおおおおおん (T) Lumiya > 投票 > ウツボンさん ウツボン3 せんこ4 (T) せんこ > これがSとMの差です 皆さん覚えておきましょう(キリッ 2 (ゾンビ部屋) デジュー どうなんだろ?ほんとにせんこ狐ウツボンLWで合ってるのかな? (T) せんこ > クスクス・・・ (。ΦωΦ)? クスクス・・・ (T) Lumiya > ひとりごと:しまった、てんぱってなんかおかしいこといっとる!なにこれ!死にたい! 2 (ゾンビ部屋) シンクロ え?介護職にGWなどないですよ? 2 (ゾンビ部屋) DOMINANT なるほど・・・; 2 (ゾンビ部屋) シンクロ 病院で働いている看護師の方々や 2 (ゾンビ部屋) シンクロ 警察官などに 2 (ゾンビ部屋) シンクロ GWがないのと同じですね! 2 (ゾンビ部屋) シンクロ とおもわないとやっていけませんorz 2 (ゾンビ部屋) すねすき なるほどー 3 (GREEN) ウツボン 最後のせんこさんの発言をみんながいかに怪しくとるかが問題なわけで Navi さよなら せんこさん …あなたの勇姿は忘れない せんこ (・w・。)←これが普通のせんこ 3 (GREEN) ウツボン どうみてもあやしすぐるでしょう! せんこ (。・w・)←これがそれなりのせんこ せんこ (。・w・。)←これがよく分からないせんこ 2 (ゾンビ部屋) ACT え・・・ Navi 日が沈み始めました よい子も悪い子も寝る時間です Navi 役職の方は私にTellお願いします 3 (GREEN) ウツボン さて、こっからは信頼勝負か・・・きついなー せんこ 断末魔間違えたとかナイショ 2 (ゾンビ部屋) シンクロ どのせんこさんが正しいせんこさんなのか・・・! 2 (ゾンビ部屋) Pシステム それなりのせんこ。 2 (ゾンビ部屋) Eleanoa 言ってる言ってる 4 (パリっ子) Emula さて今日どちらかが喰われますね 3 (GREEN) ウツボン EVANSさんもシエスタさんも噛むしかないわけだが・・・順番どうしようか 2 (ゾンビ部屋) せんこ ふおおおおおおん 2 (ゾンビ部屋) デジュー それなりのせんこさんオツカレサマー 2 (ゾンビ部屋) Eleanoa おつかれさまですー 2 (ゾンビ部屋) ミキハウス お疲れ様です 2 (ゾンビ部屋) せんこ ゾンビ村作ってもうた 2 (ゾンビ部屋) ACT お疲れ様です 4 (パリっ子) Lumiya ああああなんかてんぱって頭こんがらがって変なこといってた! 3 (GREEN) ウツボン Pさんじゃなくてシエスタさん噛めばよかった 2 (ゾンビ部屋) ヨロイモグラ おつかれさまー 2 (ゾンビ部屋) Akizuki おつです~ 2 (ゾンビ部屋) すねすき おつかれさーまー 2 (ゾンビ部屋) Pシステム 禍々しい村ですね 2 (ゾンビ部屋) デジュー なんていう世紀末村なんだ・・・ 3 (GREEN) ウツボン シンクロさんも噛まなくてよかったぽいしなー 2 (ゾンビ部屋) せんこ なんだよこの村!w 2 (ゾンビ部屋) せんこ なんであんなに確白いっぱいなんだよ!w 3 (GREEN) ウツボン なんか複数の噛み候補がうまくまわってない・・・ 4 (パリっ子) Lumiya とりあえず確定○3人のうちどれか消えますのう 4 (パリっ子) Emula どうしましょう、なんか一手足りなくて・・・ 3 (GREEN) ウツボン なのに共有はクリティカルだし・・・ 4 (パリっ子) Emula 妖しいと思ってる人居ますか? 2 (ゾンビ部屋) デジュー 狼に言ってやりましょうよ 2 (ゾンビ部屋) せんこ え?呼んだ? 3 (GREEN) ウツボン ・・・ログちゃんとみるか 2 (ゾンビ部屋) Eleanoa ちょ・・・ 2 (ゾンビ部屋) Akizuki 聞きましょう 4 (パリっ子) Lumiya 一応レリックさ 4 (パリっ子) Lumiya とぎれt 2 (ゾンビ部屋) せんこ それはですね・・・(。ΦωΦ) 2 (ゾンビ部屋) デジュー ここネタバレ禁止なんだけどなぁww 2 (ゾンビ部屋) せんこ 教えてあげないよ じゃん! 2 (ゾンビ部屋) すねすき (「・ω・)「 わおーん 2 (ゾンビ部屋) Eleanoa すねすき様が狼でFA 2 (ゾンビ部屋) せんこ すねちんはかたつむりです 4 (パリっ子) Lumiya 一応レリックさん偽と決めうったらウツボンさん>レリックさんて感じに 2 (ゾンビ部屋) ACT ・・・ポリンキーっていま売ってるっけ? 2 (ゾンビ部屋) すねすき |ω・)途中から見学入ったけど狼COしていい? 3 (GREEN) ウツボン EVANSさん、シエスタさん、どっちが狩人っぽいかと言われるとシエスタさんだけど、確定白は減らしておきたいしなぁ 2 (ゾンビ部屋) せんこ さーw 2 (ゾンビ部屋) Pシステム 教えてあげないよ♪ 2 (ゾンビ部屋) デジュー 昨日ポリンキー食った 2 (ゾンビ部屋) Eleanoa ゲームの空腹はなくなったけどリアルの空腹が・・・ 2 (ゾンビ部屋) デジュー 今からCOタイム! 4 (パリっ子) Emula あしたどっち吊ります? (T) ウツボン > EVANSさんでお願いします 2 (ゾンビ部屋) デジュー 狩人co! 2 (ゾンビ部屋) Eleanoa 娘です 2 (ゾンビ部屋) ミキハウス お腹減ったCO (T) > ウツボン おいしく食べてね! 2 (ゾンビ部屋) Pシステム 実はかくいうわたしも狩人でね 2 (ゾンビ部屋) ACT まだあるんですね・・・懐かしい・・・年取ったなOTL 2 (ゾンビ部屋) すねすき かたつむり装備もっと欲しいCO 2 (ゾンビ部屋) Akizuki 狼娘Co~ 2 (ゾンビ部屋) ミキハウス お腹減った人対抗なしか。確定真ですね 4 (パリっ子) Lumiya ウツボンさん吊りたいなと考えてますねぇ 2 (ゾンビ部屋) Pシステム お腹減ったは複数居ます 2 (ゾンビ部屋) Eleanoa 何か凄いCOに・・・ 2 (ゾンビ部屋) デジュー 男でもはけるミニスカをだな・・・CO 4 (パリっ子) Emula レリックさんが占ってくれると思いますけど 2 (ゾンビ部屋) Eleanoa ええええ!? 2 (ゾンビ部屋) Pシステム 甘そうですねー 4 (パリっ子) Emula あんまし信用ない感じですからね 2 (ゾンビ部屋) Akizuki なんだってー 2 (ゾンビ部屋) ひなっち おなかすいた・・・ 2 (ゾンビ部屋) DOMINANT !? Navi 20秒前 2 (ゾンビ部屋) せんこ (´Δ’)アァー 2 (ゾンビ部屋) Eleanoa Navi様食べたかったなー・・・ 6日目へ 8日目へ
https://w.atwiki.jp/familiar_spirit/pages/2424.html
前ページ次ページDISCはゼロを駆り立てる たとえ重要な内容でも授業という物は基本的に退屈であり、優秀だが真面目とは言いがたいキュルケも暇をもてあましていた。 第一、キュルケは自他共に認める火のメイジなのだ。火とは破壊を司る物で、創造をメインとする土とは相性があまりよろしくない。 それでもそれ相応の努力によってトライアングルメイジになったのだから、勉学の方も決して悪いわけではなかった。現にこの授業の内容も、とくに聞かずとも容易く把握できている。 1年の頃のおさらいだからというのもあるが、トリスティン魔法学院に留学してからはライバルであるヴァリエールの秀才さに目をむき、負けまいと一層の努力を重ねたお陰もあった。 まあ勉学に熱心に励むのは自分らしくないと理由をつけて、すぐに飽きたので止めてしまったが……。一応はキュルケの糧になっている。 それにあのルイズとて、火の系統だけは発火の呪文と小さな火球を作るぐらいしか使えないらしい。 またプロポーションだけではなく、態度とかそういった女らしさという点でもキュルケの圧勝だ。 例えば今チラリとこちらを見た男子生徒にキュルケがちょっとばかし微笑かければ、彼はすぐさま赤面して前へ向き直った。あのルイズではこうは行かない。 代々やっているように、婚約者を寝取るのもいいだろう。わざわざ相手の土俵で張り合わなくとも、得意な事で勝負すればよいのだ。 けれどもルイズは親友だし、そこまで勝負勝負と言う必要は無なかった。 面倒な宿題が出された時など、あの少女の知識は非常に有用だ。タバサのように細かいことを言わないし。 その代わりに火についてあれこれと質問を飛ばされたり、ゴーレムの耐火実験などにつき合わされたりもするが、机に向かってカリカリとやるよりも余程良かった。 教師の説明を聞き流しながらルイズへと視線を送ると、どうやら向こうも暇なようで羽ペンをクルクルと回している。 あのギトーの授業だって、表面上だけは真面目に聞くルイズからすれば珍しい事だった。朝もぼんやりしていたし、使い魔とでも何かあったのだろうか。 自分はフレイムに不満など抱きようも無い。ルイズがサラマンダーより貴重な使い魔に満足できないのなら、それは贅沢が過ぎるというものだ。 しかし、もしかしたらそれもあり得るのかも知れない。遠目で見ているだけならば可愛いあの小さいのは、どうにも底知れない部分がある、とキュルケは評価していた。 例えば面倒な事この上ない杖との契約の手間も惜しまず、戦場にでも行くみたいに色々やっているようだ。もし戦場でルイズが敵側に居たら、とりあえず逃げた方が懸命だと思えるぐらいの徹底振りで。 キュルケも領地の中に入り込んだ盗賊の討伐ぐらいはやったことがあったが、それにしてもあそこまでの準備はしなかった。 備えあれば憂いなしという諺は知っているものの、いつ天変地異が起きても良いようにテントを背中にくくりつけて歩いているようではないか。ちょっとばかしやりすぎだと思えた。 その他にもコルベールが作っている意味不明なガラクタにも興味を示したり、あのメイドの故郷から、かなりの大枚をはたいて壊れたマジックアイテムを回収した、というのも聞いた事がある。 色恋沙汰に関しては微熱の名のままに暴走しがちなキュルケでも、やはりルイズの突っ走り方は貴族として異様に思えた。 まあ自分も目を見張るようないい男が居て、熱心なアプローチをしても惚れさせる事が出来なければ、もしかしたらああいう風になるかもしれないが。 「ルイズも恋の一つや二つ、しておけばいいのに……」 なんとなくそう呟いたキュルケは、恋する乙女になったルイズを想像してみた。 まずは相手だが、相手は……。 相手は……。 浮かばなかった。 というかあのルイズの場合、色恋沙汰より殴り合った後の友情の方が似合いそうだ。 あまり考えたくは無いが、変に懐いている(懐かせたのかもしれないが)シエスタの事を考えれば、もしかしたらルイズはそういう趣味なのかもしれない。 訓練の相手として何かと一緒に出かけているという情報も、広い友好範囲をもつキュルケの耳には無数に入っていた。 1週間ぐらい前に部屋にベッドを入れるとか言ってたような気がするし、これはひょっとすると、ひょっとする。 『……あぁっ! ル、ルイズ様っ!』 『ふふ、シエスタ……可愛いわ……』 完全に授業そっちのけモードに入ったキュルケの脳裏に、バタフライ伯爵夫人のなんたらという小説で見たワンシーンがそのまま再現された。 たしかにルイズが男の子に興味を全く示さないのは、こういう理由があるためと考えた方が自然だろう。うむ、そうに違いない。 だが人は見かけによらないと言うし、普段は強気で帝王みたいなルイズでも、ベッドの上ではまた違った一面があるのではないだろうか。 『シエスタ様ぁ……。わ、わたし、もう我慢できませんっ!』 『イケナイ子ねぇ、ルイズは。ここが、こんなになっているわよ?』 『い、言わないで下さいっ! は、恥ずかしいです……』 画面が不自然な髪の毛や湯気で隠されるようなシーンを想像してしまい、キュルケは思わず頬を染めた。 自分の方がそういう方面では上手だと思っていたけれども、なかなかどうして、ルイズも結構やるじゃないか。さすが私のライバルだ。 まさかルイズにレズッ気があったとはしらなかったが、それもまあ愛の一つの形だろう。情熱の燃やし方について、他人に口出しするほどキュルケは野暮ではなかった。 しかし、もし自分を誘ってきたら、その時は全力を持って断らねばなるまい。 「……、……ツェルプストー?」 大きく頷いてから視線を戻すと、もう一人の親友であるタバサがルイズの方を覗き込んでいた。キュルケの聡明な頭脳が更なる回転を始める。 タバサも殿方には興味を示さないようだし、もしかして、彼女もそういう道に入ってしまったのだろうか。 心を閉ざした少女を助けようとした女の子同士の友情が、やがて恋愛感情へと変化し……。十分にありえることだ。無論自分にその気は無いが。 合意の上でならいいけれども、まさか無理やりとか……。 「もしもし、聞いていますか? ミス・ツェルプストー!」 脳内ビジョンにルイズとシエスタだけではなく、生まれたままの格好で頬を染めるタバサが追加された頃、突然の隕石によって世界はぶっ壊れた。 キュルケは盛大に椅子を倒して後ろに転がり、口に突っ込まれた粘土によってもがもがと呻く。 混乱の収まらぬままに机から顔を出してみれば、明らかに怒りの表情を浮かべているミセス・シュヴルーズが杖を向けているのが見えた。 「授業中ですよ? 目新しい内容ではないかも知れませんが、ちゃんと聞くように」 口の中の異物を取り出しながら、キュルケは仕方なく下らない妄想を意識の隅に追いやる事にした。 キュルケの顔に粘土の塊が直撃した頃、中央塔にある学院長室の真下、重厚な鉄製の扉の前で歯噛みしている人物がいた。 しばらく前にオスマンが直々にスカウトしたミス・ロングビルだ。平民のメイジという少々特殊な存在ではあるが、仕事っぷりはかなりの腕前であるし、その容姿とも相成って男性教師側からの評判はかなり高い。 通常はマイナスに働きがちな婚期を逃しているというポイントも、成熟した女の魅力のお陰で相殺されるどころかプラスになっていた。 もっとも、今の彼女は普段の冷静かつ瀟洒な秘書というイメージとはかけ離れていたが。 「チッ! なんて固定化だよ……」 胸まである緑色の髪をかき上げながら、彼女は一向に効果のない自らの錬金に悪態をついた。 苛立たしげに扉に蹴りを入れると、爪先が痛んだほかに鈍い音が小さく響いた。当然ながらそんな事で扉がどうにかなる訳も無く、更にストレスが積もる。 このトリスティンでも有数の堅牢さを誇る事だけはあり、彼女が今まで破ってきた金庫などとは規模も固定化のレベルも比べ物にならなかった。 金庫や扉を土くれに錬金するのがフーケの特技の一つでもあるのだが、今回はゴーレムを使ってもどうにかなるか分かりかねる。フーケは忌々しげに唇を噛んだ。 ここの固定化の凄さは土のエキスパートである彼女の錬金でもびくともしない事からも明らかだったし、冷たい表面に触れて素手で触診した限り、スクェア数人がかりの仕事だと看破できた。 根気よく錬金をかけ続けていれば、いつかは篭絡するだろうが、そんな時間は彼女には無い。 「あのジジイのセクハラに耐えた結果がこれじゃ、土くれの名が廃るってもんさ……」 今日もあの忌々しいネズミとの連携で下着の色を見られたことを思い出し、フーケの顔が真っ赤になった。 流石というべきなのか、オスマンはロングビがの爪先を何度もめり込ませているというのに、倒れたふりをしてスカートの中を見るほどの猛者だ。 一見するとおちゃらけた老人に見えても、その裏では何を考えているのか分かった物ではない。さっさと仕事を済ませ、アルビオンで待つ家族の元へと帰りたかった。 だが事を焦って計画もなしに行動を起こすほど、彼女は無茶でも無謀でもない。感情を自制して演技をするのはお手の物だし、必要ならなんだってやった。 これまでにも差し向けられて来た追跡部隊の数々を振り切ったのは、単に運が良かっただけではないのだ。名実共にトリスティン1の盗賊がフーケなのである。 「おや、いかがしましたかな? ミス・ロングビル」 背後から聞こえた声に振り向いたとき、先ほどまでの荒々しい表情は完璧に消え去っていた。フーケの纏っていたオーラまでもが一変している。 変わりに慎ましやかな微笑と困ったような表情を浮かべ、ミス・ロングビルはひっそりと咲く花のように苦笑した。 「これは、ミスタ・コルベール。……実は、宝物庫の目録を作らなければならないのですが……。 あの色ボケジ……失礼、オールド・オスマンはお休みでして。鍵がないのですよ」 「な、なるほど、目録ですか……。しかし宝物庫は玉石混合、秘宝からガラクタまでありますからなあ。 中でも、破壊の杖などは凄まじく……。おっと、失礼。お忙しいのにこんな話を……」 心なしか赤面したコルベールは、即頭部に残った髪の毛をポリポリと掻きながら言った。 根っからの研究者であり変人として知られるコルベールに、女性との出会いや付き合いは皆無である。せっかく美女と話せるのだから楽しみたい。 本来は機密に当たる事ではあるが、少しでも話を長引かせようとコルベールがつい漏らしてしまった言葉に、ロングビルの表情が一瞬だけ盗賊の顔へと変わった。 「そんなに凄いマジックアイテムがあるのですか? とても興味があります……。 よろしければ、昼食でもご一緒にいかがです? もっとお話を聞かせてもらえませんか?」 「お、おお! そ、それは素晴らしい。是非とも、お供させていただきます!」 彼女の微笑みに当てられたのか、額まで赤くしたコルベールは何度もうなずく。 こうしてトリスティン魔法学院の鉄壁の防御は、いとも容易く錆果てていくのだった。 どっしりと大地に根を張る太い喬木に、大きさにして大人の腹ほどの的が描かれている。 的の中央にはやや上を向いて突き出ている金属の棒があり、表皮を伝ってきた一匹の天道虫が、その先端から飛び立とうと甲殻を広げた。 かすかな羽音を響かせながら天道虫が金属棒から宙へと舞った瞬間、やや下方に突き立った二本目の矢が彼を粉々にする。 「次は、もう少し上を狙って」 的になっている木から50メイル近くも離れた場所で、ルイズは片手で扱えるサイズのクロスボウに次弾を装填しているシエスタに声を掛けた。 流石のガンダールヴとてクロスボウを素手で引く事は出来ず、ギリギリと音を立てながらルイズお手製の金具を使用している。 常人ならば装弾には1分近く悪戦苦闘する必要があるものだが、刻印を刻まれたシエスタの手は淀みなく動いていた。さっきまで金属だった翼が、気変わりを起こしてゴムに変わったのかと思えるほどだ。 メリケンサックを握りこんだだけでオーク鬼の頭蓋を粉々に殴り壊せるほどのパワーを発揮するのだから、ルイズから直々に与えられた武器を扱った場合、彼女が発揮する力は常識を容易く打ち破る。 「はい、ルイズ様」 弦を完全に引ききったシエスタは、メイド服のポケットから、食卓で使うナイフの半分ほどの大きさがある鉄製の矢を取り出した。 鏃は鋭く尖っており、全体的に鈍い光を放っている。これには返しがついていないが、生物相手に使用する物には、的になったものの肉を引き裂いて苦しめるための凶悪な仕掛けがいくつか施されていた。 クロスボウ本体にも様々な工夫があり、例えば先端には傾けても矢が落ちないように突起がついている。これによって射出された矢は、金属の鎧さえも容易く貫通することが出来た。 ただの平民とて、これを使用すればその日のうちにメイジ殺しになれるだろう。このサイズでは不可能だが、大型化された物から発射される矢の飛距離は、悠々とリーグの単位にも届く。 シエスタの指が動いて引き金が引かれると同時に、クロスボウは破裂音に近い音を立てて矢を吐き出した。 「よし……上手いわね、シエスタ。上出来よ」 直線に極めて近い緩やかなカーブを描きながら飛び、最終的に矢は木の幹へと吸い込まれた。遠見の魔法によって大きく映し出されている的には、綺麗に矢尻が3つ並んでいる。 基本的に扱いやすい武器だが、狙いがここまで精確なのはガンダールヴの力だろう。矢の大半が木の中にめり込んでしまっており、たとえオーガ鬼だろうと引き抜くのは不可能だった。頭部にさえ当てれば、存在する幻獣の8割近くを殺しえる。 ルイズがこういった、ホワイトスネイクの知識を生かした武器を作れるようになったのは最近の事だ。家に居た頃では何かと詮索されそうだし、貴族らしくというのもあって動きにくい。第一、こんなものを他人に渡したくない。 授業が面倒な上に時間をとられるのは大きなマイナスだが、自由時間ならば基本的には誰からも干渉されないというのは大きな利点だった。 今だって教員が腹痛を起こして授業が休みになったので、のびのびと新兵器の威力が試せる。肉体的にはメイジも平民でも変わらないため、矢が頭に当たれば卵みたいに砕けるだろう。 ルイズは1週間ほどかけてこつこつと自作したクロスボウの破壊力に大きく頷くと、再び装填の終わったシエスタに指示を飛ばした。次は右側だ。 発射とほぼ同時に、的には4本目になる杭が生える。人間の顔より小さい範囲に集弾しているため、木の表面にはクレバスのような裂け目が出来ていた。 すぐにでも実践で使用可能な物に思えるが、実のところはそうではない。ギリギリライン程度しかないルイズが錬金で作ったため、連続使用するには耐久性に難がある。 例えば要である翼の部分などがもっとも顕著で、使用している強靭で柔軟な材質を作るだけでもかなり大変だったために、全体的に無視できないレベルでムラが目立った。 固定化のほうも万全とはとても言いがたく、そのうちどこかから折れて弾け飛ぶだろう。構えている人間の顔がどうなるかは明白だが、ルイズは他人ならばどうでもいいと切って捨てる。 「ホワイトスネイク……。どう思う?」 円を描くように狙えと伝えた後で、ルイズは傍らに呼び出した自らのスタンドに意見を求めた。 幼い頃からホワイトスネイクのことを個人として見ていたためか、視界の同調などはかなり苦手な部類に入っている。呼び出さずとも記憶などは共有しているようだが、会話は出来なかった。 もっとも、コントロールが難しいというデメリットは、コンビネーションの訓練でどうにかなった。力を求めているルイズの影響なのか、スタンドの強さが増したというメリットもあるから、一概に悪い訳でもない。 ハルキゲニアにおいてかなり異様格好をしているホワイトスネイクだが、シエスタは全く気にすることなく矢を射る。 その狙いは正確無比であり、打ち込まれた矢尻はダイスのように整列していた。もう少し距離があっても、止まっている人間を仕留める程度なら容易なはずだ。 「悪ク無イ。ダガ次ニ作ル時ハ、分解シテ持チ運ビ出来ルヨウニスルト、便利ダト思ウゾ」 ルイズは土メイジとして何度かその言葉を咀嚼し、それを可能にする機構と構造、素材を頭の中でめぐらせる。 たしかに弓の部分だけを分解できれば、使用するスペースは大幅に軽減されるだろう。難しいのならば二つを分けて作っておいて、使用する時だけ錬金でくっつけるというのもいい。 シエスタ以外にはまともに扱えないだろうし、使わせる気も無い。矢の一本に至るまで鋳造を応用して作ったルイズのお手製だから、秘密が洩れる可能性もごく僅かだ。 キュルケは技術欲しさに何か言うかもしれないが、こんな物の普及は貴族が認めないだろう。気軽に平民が貴族を殺せるようになってはたまらない。 基本的にメイジの魔法には防御手段があまり多くなく、クロスボウから発射された矢は、最も防御に優れている土メイジの障壁以外の大半を貫通する事ができる。 そもそも火のメイジは防御手段に乏しいし、距離が近ければ中途半端な風や水の防御など意味が無い。小さくて風などの抵抗を受けにくい上に、質量のある鉄製の矢なのだから当然だ。 改良型のマスケット銃でも似たような事は出来るが、硫黄の調達が面倒だし高価すぎるので、現状ではこちらの方に力を入れていた。 「ルイズ様。15発全弾、撃ち終わりました」 「了解よ、シエスタ。よく出来たわね」 「はい! ありがとうございます!」 4かける4マイナス1の本数だけあって、左下に1本分の欠けがあると認識できるほどの精度だった。下手をすると魔法より精密かも知れない。 シエスタは射撃の感覚を必死で説明しようとしたが、意識の方で狙うと体が勝手に修正すべく動いてしまうらしく、どうにも言葉にするのが難しいらしかった。 身振り手振りを交えながら悶えているシエスタを何度も宥めながら、ルイズはご褒美だと抱きしめてあげる。感極まった彼女は、今にも泣き出しそうなほど陶酔していた。 何度も記憶を覗いたルイズは知っている。出会った頃のシエスタは、タルブという田舎が出身な事もあって、使用人たちから爪弾きにされていた。 一人で泣いた事も何度もあり、仕事をまともにこなせずお叱りを受けた事も多数あった。村に帰りたいと願った回数については、数え切れない。 トリスティン魔法学院という十分に労働条件のいい場所にありつくには、かなりの運と、それに見合った器量を必要とする。これは至極当然の事だ。 貴族と日常的に接するのだから、万が一にも無礼に当たらないよう、平民とは縁の無いような細かい礼儀作法を覚えなければならない。使用人の質は施設の質、ひいてはそこを統べる者の質となる。 当然の事ながら彼らはプロフェッショナルであり、勤めているメイドたちのプライドもそれなりに高く、仲間として受け入れられるにはしばらくの時間を必要としていた。 たった一人で見知らぬ土地に出てきた、不安に押しつぶされそうな少女。寄り添う者も無く怯えていた、哀れな女の子。 そこをルイズが手篭めにしてやったのだ。無論肉体的な意味ではなく、精神的な意味で。 ルイズはホワイトスネイクの力を使いながらシエスタの心へ押し入り、望むがままに改変していった。 優しさという名前の弱さで、恐れるものに立ち向かう事さえ出来なかった少女の心に、毒を注ぎカリスマを植えつけた。 最初は少しずつ、やがて大胆に。今となってはシエスタの神は始祖ブリミルでも両親でもなく、ただルイズ一人のみである。それ以外には何も無い。 人間らしい嗜好は残っているが、ルイズが命令こそが全てに優先する。例えば敵の群れに突撃しろと言われれば、矢が刺さろうが腕をもがれようが目玉を抉られようが皮膚が焼けようが気にも留めない。命令されたからだ。 命令を実行し、達成する事こそがシエスタの人生の全てであり、唯一成すべき事だった。シエスタの言葉で代弁するならば「私は毛の一筋から肉の一片に至るまで、すべてルイズ様の所有物であります」となる。 だが彼女は決して自分が不幸だとは思って居なかった。シエスタは今の自分がルイズに作られたものである事を知っているし、直々に聞かされたので理解もしているが、だからどうしたというのだ? 甘いものが好きだというのが植えつけられたものでも、ケーキを食べれば幸せである。今のシエスタにはルイズに仕える事こそが至福であり、最高の愉悦なのだった。 「じゃあ、帰りましょうか、シエスタ」 「はい、ルイズ様」 シエスタは笑顔のまま、最高のご主人様の後に続いた。その表情には不平や不満は一片も無く、成熟したワインのように滑らかな面持ちである。 上手くこなして褒められれるのは、身を焼くような快楽をシエスタに与えた。そしてシエスタはルイズが大好きだし、ご主人様のためならば命を投げ出す事さえ躊躇わない。 十分なお給料によって、村に居る家族はこの上なく安泰だった。大家族なので裕福な暮らしができるほどではないが、飢えて雑草を食むような事はもう無かった。 文字を学ぶための書物に固定化をかけてもらって送った事もあるので、これから生まれる子供たちは自分のように文字の読み書きが出来るようになる。計算だって出来る。村は発展するだろう。 クロスボウを小脇に抱えなおし、春の暖かな陽気に照らされながらシエスタは思った。後で洗濯物を取り込まねばと。 前ページ次ページDISCはゼロを駆り立てる
https://w.atwiki.jp/familiar/pages/3816.html
386 名前:ある日の出来事 ◆yJjGBLHXE6 [sage] 投稿日:2007/02/10(土) 23 16 24 ID 9C/4JDgn それは〜よく晴れた日のことじゃった〜 「・・・・っんの、バカ犬ううううううっっ」 「ちょ、待てルイズ、誤解だっ・・・ぎゃああぁぁayつえjwhぐばpがんb@」 縦に長い塔の一室から、ルイズと呼ばれた桃色がかった茶色の髪をした少女の怒号と 肉の塊を殴打する音が聞こえてきた。 「あんたはっいったいっ何回っ言えばっ分かるッワケッ!?」 「・・・かはっ・・・くはっ・・・・・・gふぇあ・・・・・・・」 がっごっ、と声の合間に、もはや痙攣を繰り返すしか出来ない人らしき物体を叩く音が断続的に響いている。 「あんたはもう今日ご飯抜き〜!!」 一瞬窓が光りガラスがたゆんだかと思うと、耳を破るような爆音と共に窓ガラスが四散し、一つの人影が吹き飛んできた。 「・・・ったく、才人のバカ・・・・・・」 肩で息をしながらルイズはドアを足で蹴り破ると、ずかずかと何処かへ消えていった。 一方、才人と呼ばれた黒髪の少年は地面で横たわっていたかと思うとゆっくりと 身体を起こし、胡坐を掻くと深くため息をついた。 「いてて・・・ったく、あそこまでやる必要ねぇじゃんか。ちょっと下級生に囲まれてただけだっつの」 やってらんねぇなぁ、と頭を振って立ち上がると才人も何処かへ消えていった。 388 名前:ある日の出来事 ◆yJjGBLHXE6 [sage] 投稿日:2007/02/10(土) 23 20 19 ID 9C/4JDgn 「・・・でね、才人ったら女の子にちやほやされてたからって鼻の下でれでれと 伸ばしちゃって。『今度遊びに行きましょうよ〜』なんて言われて、尻尾振っちゃってさ〜」 「本当、いい加減にして欲しいですよね〜やっぱり今度二人でガツンと言わなきゃだめですよね〜」 「いいね〜シエスタいい事言う〜。ガツンと、よねガツンとぉ〜!!」 「そうだ〜〜〜〜〜」 「お〜〜〜〜〜〜」 先ほどの部屋にルイズともう一人、シエスタの姿もあった。 ・・・が二人の周りには宴会でしか消費しないような量のワインの空き瓶も転がっていて 今も尚、新しい瓶に手をかけて二人は更に顔を赤くしながら愚痴談義に花を咲かせている。 「サイトさん帰ってきたら説教れすね〜」 「ほうね〜」 ・・・もはや、ろれつが回っていない。 そうして女二人、どす黒いオーラを纏いながら楽しそうにワインを空けていくのだった。 「・・・いやサイト、それはお前が悪いと思うぞ?」 「なんでだよギーシュ、普通のことじゃねぇか」 「いやだってお前、ルイズが居るのに他の女に現を抜かしてたら、 そりゃルイズだって気持ちのいいものではないだろう?」 「ん〜〜」 「・・・それよりそろそろ僕のヴェルダンテを放してくれないか?」 才人は巨大モグラをぬいぐるみのように抱きかかえながら、ギーシュという金髪の男に管を巻いていた。 「だいたい君はだね、一人に決めた人がいながらあっちにふらふらこっちに・・・」 「うっせえ、お前だって似たようなもんじゃねぇか」 「なにをいう!僕はいつだってモンモランシーひとす・・・」 「あ、姫様が空飛んでる」 「え!?どこどこ!?」 「ほれみろ、どこが一筋だこの色ボケ隊長」 ぱくぱくと何か言いたそうに口を動かすギーシュを尻目に立ち上がって歩き始めた。 「しょうがねぇなあ・・・後何発か殴られて許して貰うか・・・」 「いやだからヴェルダンテはおいていきたまえ〜!!」 脇に抱えていたヴェルダンテをおいて才人は真っ直ぐに寮のある方へと歩いていった。 441 名前:ある日の出来事 ◆yJjGBLHXE6 [sage] 投稿日:2007/02/11(日) 23 37 34 ID K+qHS+Aa 「おーい、ルイズ?」 才人がコルベールやマルコーと少し話をしてから部屋に戻ると、何故か鍵がかかっていた。 出かけているのかと思い何回かノックをずるが返事が無い。 「なんだ、どっかでかけてやがんのか?」 才人が探しに行こうとすると、ガチャっと鍵が開いた。 「なんだよ、中に居るんじゃん。なんだって鍵なんて・・・」 はいるぞー、とドアを開けて中に入り、そしてルイズに頭を・・・・・・下げられなかった。 目の前の光景に才人は完全に固まってしまったのだ。 「あ・・・え・・・お・・・?」 「お〜さいと〜おそい〜」 「おかえりらは〜い」 部屋の中はいつもの整然としたものとは全くに別物だった。床には、もはや数えるのを 諦めざるを得ないほどの空き瓶が転がり、机の上には厨房からちょろまかしてきたのだろう。 木の実やらがたくさん入っている大皿が乗っかっていた。 そしてその傍らで顔を真っ赤にしたルイズとシエスタが酒盛りをしていた。 ・・・・・・もはやジョッキは意味を成さず二人とも瓶から酒を煽っている。 「おいさいとぉ」 「とぉ〜」 「おまえもちょっろこっちこい」 だいぶ出来上がっているらしく、二人してろれつは回っていなかった。 「ちょ・・・ちょっとお前ら飲み過ぎだって、ベロベロじゃねぇか」 「よっれません〜ちょっとふらふらするだけですぅ〜」 「それにすこしふわふわするだけれすよぉ〜〜」 ・・・世間一般ではそれを『泥酔』というのだが・・・ 「お、おいルイ・・・」 「うるせぇ、こっちこい」 「いやちょっ、酒臭せ・・・なぁシエス・・・」 「ヴァリエールさまがこいってんだろぉ〜」 たちが悪いことに絡み酒だ。 とりあえず酔っ払いには逆らわないでおこう、何されるか分かんねぇし、と 才人は二人のアルコール臭を我慢して机の隣に近づいた。 442 名前:ある日の出来事 ◆yJjGBLHXE6 [sage] 投稿日:2007/02/11(日) 23 38 18 ID K+qHS+Aa 「よし、ちょっろそこすわれ」 「すわれ〜」 へいへい、と才人は内心で嘆息しつつそのまま下へ、ちょうど二人の足元にくるような 位置にしゃがみこんだ。二人とも相当酒が入っているせいで、口調とテンションがおかしくなっているらしい、 顔を見合わせては、へへ〜、と笑いあっている。 「らいたいね〜あんたわたしというご主人様が居るくせに、なにをあっちにふらふらこっちにふらふらとぉ〜」 「そおですよぉ〜サイトさん、わらひたひろらにがふまんらんれすかぁ〜!?」 「そ、それは」 「「うるせぇ、だまれ」」 女二人+酔っ払い+悪いのこっち=もはや怖いものなし と才人が瞬間的に頭の中で新しい公式を組み立てている間も、ふたりして手に持った瓶で 小突きながら説教が続いていく。 「やっぱり・・・こうなったらお仕置きが必要よね。ねぇシエスタ?」 「さんせぇ〜」 才人が立ち上がろうとするとその膝を踏み付けられた。 「おいサイト・・・脱げ」 「へ・・・?」 「ぬ・げ」 ルイズとシエスタがワイン瓶を振りかぶって脅しつけているので、仕方なく才人は もそもそと脱ぎ始めた。目の前ではシュプレヒコールが沸き起こっている。 才人が完全に脱ぎ終わるとルイズが椅子から立ち上がった。 「さてと・・・どうしてあげようかしら」 577 名前:ある日の出来事 ◆yJjGBLHXE6 [sage] 投稿日:2007/02/17(土) 03 50 50 ID nSmN4fwH 窓からはすでに夕焼けが差し込んでいる部屋が一つ。 その部屋の中には三人の若い男女の姿があった。ルイズとシエスタ、それに才人だ。 が、部屋の空気はお世辞にもほのぼのとしたものでは無かった。 少女が二人共酒の臭いを発し、才人にいたっては真っ裸に向かれているからだ。 「・・・で、ろ〜します?ミス・ヴァリエール〜」 「ん〜ほうねぇ・・・とっちゃおうか、これ」 そう言って、机の上の杖を手に取り才人の息子を先で突っつく。 ・・・とっちゃ・・・え?・・・去勢ってやつっすか!それ! 才人は思わず額から大量の汗を流す。 「え〜らめれすよぅ、そんなことしたらもう楽しめませんよ〜」 「ん〜それもそうねぇ〜」 そんなことを言いながら楽しそうに笑いあう二人、世の男性諸君にとっては死活問題だというのに・・・ 「ま、いいわ取るのは勘弁してあげましょ」 おめでとう、才人危機一髪。 ともあれ、何とか二丁目への道は閉ざされたようで、才人はほっと息をつき椅子の上であーでもないこーでもないと話し合っている二人を眺めている。 「・・・気絶するまで蹴りこんで・・・貞操帯つけて・・・」 「いえ・・・鞭で・・・中庭・・・吊るし上げて晒すとか・・・」 ・・・鬼や、あんたら鬼や・・・ 才人がそんな不穏当な会話を直接耳に流し込まれる、ある意味究極の拷問を受けていると、不意にシエスタがぱんっと手を鳴らした。 「ほうれす!他の子に反応しないよう・・・搾っちゃいましょう!!」 「あぁ〜ひえすたあったまい〜」 「じゃあ〜あばれると面倒れすねぇ・・・えい♪」 思考回路がついていかずに呆けている才人の頭にシエスタがワイン瓶を振り下ろした。 578 名前:ある日の出来事 ◆yJjGBLHXE6 [sage] 投稿日:2007/02/17(土) 03 52 28 ID nSmN4fwH 「いてて・・・なんだって・・・ん?身体が動かねぇ・・・」 才人が目を開けると部屋に備え付きのベッドに寝かされ・・・縛られていた。 「え?ちょなんで?」 「やっと起きたわね?犬」 声のした方を向くとルイズが才人の息子を弄り回していた。 「覚悟しなさい?動かなくなるまで搾りつくしてあげるから」 そういうといきなり弄んでいた手を止め、大きくなり始めていた怒張をその小さい口の中に頬張った。 「ん・・・じゅぷ・・・らによ、もうおっひふひてるらない・・・」 「うあっ・・・だ、だってルイズきもちよす・・・」 ルイズは才人が喋るのを遮るように、上下にしごくように動かしていた口を先端付近で止めて搾り出すように吸い上げた。 「ぎっ・・・ああああつっっ!?」 「うるはいわね・・・おひおきらんらから、らまってらはい」 根元まで咥えながら、もごもごと話しかけるルイズ。 もちろんその間も刺激を加えていくのをやめようとしない。 喋るときの振動がそのまま快感となって才人を追い詰めていく。 「ちょ・・・喋るとっ・・・ごめんっルイズっ」 四肢を縛られてまともに動かせない中で、それでも才人は腰を浮かせてルイズの口腔の奥に押し付けるようにして溜まっていた白い欲望を吐き出した。 「―――――――!!」 ルイズは突然吐き出された迸りに一瞬驚いた表情を見せるが、すぐに自ら根元まで咥え込みなおして才人の吐き出すモノを残らず飲み干した。 「んっんくっ・・・くっ・・・んくんっ」 ルイズが喉を鳴らして全部飲み終えて口を離すと、先ほどまで繋がっていた所から光に反射して光る一筋の白い糸が橋を架けた。 「・・・・・・ちょっと、もう出しちゃったの?これだからサカリのついた犬は・・・」 「しょ、しょうがねえだろ!いきなりだったんだからよ!!」 「ふぅん・・・ま、それだけ元気なら・・・まだまだ出るわよね?」 ルイズは才人のお腹の辺りに座り込んでそう囁くと、右手を高々と掲げ、指を鳴らした。 579 名前:ある日の出来事 ◆yJjGBLHXE6 [sage] 投稿日:2007/02/17(土) 03 53 11 ID nSmN4fwH 何を、と才人が言おうとすると、不意に視界が何かで塞がれた。 「―――わぷっ!?」 突然のことに才人は声を上げようとするが、顔全体を塞がれているため、もごもごとしか音が出てこない。 「やっ・・・サイトさん喋っちゃ・・・きゃっ!・・・」 視界を塞いでいたものがビクッと跳ねて、少し顔が自由になると塞いでいたものを見ることができた。 「シ、シエスタ!?」 「へっへ〜お・し・お・き・ですよ〜」 シエスタは、自分のスカートの中に潜り込んでいる声の主に向かって告げた。 「いきますよ・・・必殺っ!おしおきプレス〜!」 言葉と同時にシエスタは勢いよく才人の顔面に座りなおした。 「んふふ・・・どぉですか〜サイトさん?」 必殺、て・・・殺したらあかんよ〜 シエスタは才人の顔を押しつぶしつつ腰を動かし、とろんとした表情になっていく。 「あ、これ結構気持ちいいですね・・・」 シエスタの秘裂からねっとりとした蜜が溶け出してくる。 蜜は才人を刺激するのには十分なほど雌の臭いを放っていた。 口の中に入ってくる蜜と直接鼻をくすぐってくる臭いに、才人はすぐに元気を取り戻す。 「ふん、やっと大きくなってきたわね・・・でもアンタなんかこれで十分よ」 そういってルイズは両足でビンビンのそれをはさんでしごいていく。 「わぁ、サイトさんのぉ・・・こんなに・・・おっき・・・」 惚けた目で覗き込むと、シエスタはルイズがはさんでいるその上を咥えこむ。 580 名前:ある日の出来事 ◆yJjGBLHXE6 [sage] 投稿日:2007/02/17(土) 03 54 18 ID nSmN4fwH すでに暗くなった部屋には布ずれの音と粘り気のある淫猥な水音、そして三つの息つく音だけが響いていた。 才人はルイズの絹の靴下ごしに伝わる体温とシエスタの上下の口の温かさと臭いが生み出す快感に必死に耐えていた。 しかし、二人の絶妙な責めにあっという間に限界は陥落する。 「ルイズっシエスタっ・・・ま、また出っ」 才人は一回大きく腰を跳ねさせると音が聞こえそうなほどの勢いで迸りをぶちまけた。 「きゃっ!っわぁ・・・すごい、サイトさんがいっぱいです・・・」 シエスタは跳ねた勢いで思わず口を離してしまい、飛んできた迸りを直接顔で受け止めた。 受け止め切れなかった迸りは重力に従って下にあるルイズの白磁の足とそれを包む靴下を汚している。 「なによ、またなの?」 「う、うるせぇな」 「しかもなんかさっきよりも量が多いじゃない、しょうがないわね・・・それにまだ元気なままだし」 ルイズは、はぁ、と聞こえよがしにため息をつくと、才人の怒張の真上辺りに膝立ちをすると、スカートをたくしあげて自分の秘所を外気に晒した。 見ると、すでにそこは蜜があふれ出して太ももの内側をなぞり、シーツにまでしみを作っていた。 「いい?まだおしおきは続くんだからね?」 そういうとルイズは自らをあてがい、一気に腰を沈めてそそり立つ塔で貫いた。 「んっ、あ・・・はぁ・・・サイト、おっき・・・」 ルイズは一息吐いた後、才人の腹筋に手を乗せてグラインドを始めた。 シエスタはいつの間にか才人の上から退き、横でじっくりと観察を始めている。 「ふっあっ・・・な、なによぉいつもより・・・固くて、おっきいじゃないっ」 ゆっくりとした動作は次第に速く大きくなっていき、今では全てを楽しむように先端から根元までを吐き出しては飲み込んでいく。 ルイズは徐々に顔を赤らめて、才人との営みに夢中になっていく。 才人は縛り付けられた手足を踏ん張り、ルイズが沈むのに合わせて高く腰を突き上げた。 「きゃあ!ちょ、ダメぇ・・・さっきより深いとこきてるうっ」 二人のグラインドが重なり、才人が腰を上げるたびにルイズの最奥をノックしていく。 「あああっいいのぉっおくっおくっコツコツって当たってるよおぉっ」 ルイズは口をだらしなく開けて喘ぎ、その小さいあごを涎がなぞる。 お互いの腰をぶつけ合うようにして、二人は共に絶頂へと昇りつめていく。 「サイトっサイトぉっも、もうらめぇあっあたしいっちゃっ・・・」 「お、おれも、もうそろそろっ・・・」 「なかっなかでいいからぁっ・・・いっしょにっおねがいっ」 言葉を交わすほどに二人はより激しく求め合い、貪りあっていく。 581 名前:ある日の出来事 ◆yJjGBLHXE6 [sage] 投稿日:2007/02/17(土) 03 55 14 ID nSmN4fwH 「くっ・・・だ、出すよ、ルイズっ」 「きてぇ・・・サイトのいっぱいきてぇっ!」 跳ねるように才人が腰を突き上げて、その怒張から大量の迸りをルイズの子宮へと詰め込んで行く。 「やああぁっあついのいっぱい入ってぇ・・・あ、あはああああんんっっ」 追いかけるようにしてルイズも絶頂を向かえて背を弓のように仰け反らせる。 才人が腰を打ちつけるのをやめると、脱力したルイズは才人の上に寄りかかる。 倒れることで、入りきらなかった白濁がこぼれ、ベッドにしみを作っていった。 「サイト・・・」 「ルイズ・・・」 どちらとも無く見つめあい唇を重ね合わせると、二人は力尽きて眠りに・・・ ・・・落ちなかった。 シエスタがルイズを無理やり引き剥がし、才人の上にのしかって来たのだ。 「さあ、サイトさんっ今度はわたしの番ですよっ」 シエスタが才人の上で嬉しそうに笑っている。 「あ、ちょ、ちょっとぉ!私だってまだ満足したわけじゃないんだからねっ」 ルイズが膨れっ面をしながらも観念してサイトの横に周って座り込む。 「じゃあどっちが多く出来るか勝負ですっ」 「臨むところよっ」 ルイズとシエスタは静かに火花を散らす。 「え?え?・・・も、もう勘弁してくれぇえええ!!」 日が沈みかけた部屋に、才人の悲鳴がこだました。 「・・・まったく、隣は元気ねぇ。ねぇ、ギーシュ?」 「は、ははははいっ、そうで御座いますねモンモランシーさまっ」 優雅にワインを飲むモンモランシーの下に土下座しているギーシュの姿があった。 どうやら才人との会話を聞かれていたらしい。 「さてと・・・」 「すいませんごめんなさいゆるしてください」 ・・・まぁ、こっちはこっちでひと悶着あるのだが、それはまた別のお話。 ん?次の日?次の日は・・・実は虚無の日だったりする。 <おしまい>
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/6935.html
前ページ次ページ”舵輪(ヘルム)”の使い魔 先日、『春の使い魔召喚』の監督役をしていたコルベールは、トリステイン魔法学院に奉職して20年になる中堅の教師である。 彼はルイズが呼び出した、少女の左手の珍しいルーンと溶けて死んでしまった韻竜の事が気に掛かっていた。 儀式の日の夜から本塔の図書館に篭って書物を調べ、一般の本棚では満足する回答が得られず、教師のみが許される『フェニアのライブラリー』の中に居た。 一心不乱に本を探り、彼は少女が気を失っている間に写したルーンのスケッチと、ある古書の一節とを見比べ、慌てて学院長室へと走り出した。 本塔最上階の学院長室には、白く長い髭と髪を生やした学院長のオスマンと、その秘書で理知的な凛々しい顔立ちのロングビルが居た。 暇そうにしているオスマンがロングビルにセクハラをして、反撃を受けて折檻されていると、大慌てでコルベールが学院長室に入って来た。 何事もなかった様にオスマンは迎い入れて用件を聞き、コルベールは『始祖ブリミルの使い魔たち』とスケッチを差し出した。 それを見て、オスマンの表情が厳しく迫力のある目付きに変わると、ロングビルに退室させて重々しく口を開き、詳しい説明を促した。 ここで、時間を遡り、ルイズとミュズに目をやると、――――― ミュズは、箒・チリ取り・雑巾・水の入ったバケツ・窓硝子・教卓を持って、目にも留まらぬ速さで学院の廊下を通り抜けて行く。 ルイズが目茶苦茶にした教室の片付けを、罰として魔法を使わずに行う様、倒れたシュヴルーズの代わりの教師によって命ぜられたのだ。 主人が受けた指示はその使い魔も同様に従うものであり、ミュズが掃除道具一式と壊れた備品の替えを運んでいるのはこのためであった。 教室に入ると、ミュズは黒板の前に立っているルイズに指示を仰ぎ、ルイズはやる気の無い声で答えた。 ルイズがしぶしぶと机を拭いている横を、ミュズはルイズに一々何をしたらいいのかを尋ねつつ、素早い動きで教室を綺麗にしていった。 結局、片付けが終わったのはお昼休みの前で、昼食を摂る為にルイズとミュズは食堂へと向かった。 道すがら、ルイズの錬金を「物質を素粒子レベルに分解した」とか、「真の真空で放射線を減退させた」とかと、ミュズは褒めちぎった。 訳の分からない話しにルイズは、口をへの字に曲げて眉をひくひくと動かし、黙々と進んで行く。 食堂に着くと、朝言われた通りミュズは椅子を引いて、ルイズに満面の笑みで言った。 「マスターの錬金は面白いです。今度は外でやって下さい――」 その言葉は過去に幾度となく、嘲笑と共に投げ付けられた暴言と似ていて、ルイズの琴線が不快な音を立てた。 ルイズは忠良だと思っていた使い魔にからかわれていた事にショックを受け、顔を赫然とさせ涙を堪えて、ミュズを怒鳴り付ける。 「もう、五月蝿いわね。あんたなんか、シエスタとか言うメイドの所に行っちゃいなさい!平民同士仲良くしてればいいのよ!」 ミュズは今にも泣きそうに顔を歪ませ、困惑した様子で怖ず怖ずと後退り、食堂を出て厨房へと走って行った。 「マスターにシエスタと仲良くしなさいって怒られてしまいました~」 ばたばたと諸手を挙げてミュズは厨房に入って来ると、そこに居たコックやメイドの間をすり抜け、シエスタに飛び付かん勢いで近寄った。 シエスタはミュズの叫び声に疑問を感じ、厨房の隅に場所を移してお昼ご飯を食べさせながら、ミュズにその意味を尋ねる。 ルイズに怒られるまでの言動や教室での出来事を事細かに説明していたが、ミュズはルイズが何故、怒ったのかが分からない様子だった。 ルイズが魔法を使えないのは、使用人の間でも有名な話で、ミュズがそのコンプレックスに触れてしまったのも理解出来た。 しかし、ルイズへの賛辞の意味はシエスタにとっても難解な物だったが、ミュズの言葉は純粋な尊敬から成り立っているのは分かる。 「ミュズさん。ミス・ヴァリエールは、食堂で大きな声を立てておしゃべりするのを止めさせる為に、怒鳴ったのですよ」 シエスタは敢えてルイズの事情を言わず、食堂でのマナーを教えた。 「なるほど」ミュズは大きく頷く。 「それに、疲れているとおしゃべりの返事をするのが煩わしいのですよ」 「そうなんですか」 「お掃除の後でお疲れになっていたミス・ヴァリエールには、ミュズさんの話が億劫だったのでしょう。こう言う場合は、一方的におしゃべりをしては駄目ですよ」 ルイズの魔法を見ても蔑視する事無く、キラキラと輝かせる瞳を曇らせない様に、シエスタは話をわざと逸らす。 「あと、『仲良くしてればいい』と言ったのは『手伝いをしなさい』と言う意味だと思いますよ。なので、デザートを運ぶのを手伝ってくださいな」 「はい、手伝います!」ミュズは明るく笑みを返した。 ルイズは美味しい昼食を摂って落ち着いていると、怒鳴り付けてしまった使い魔の事が頭を過ぎった。 あの時のミュズの瞳は、魔法の失敗の度に向けられる、珍妙だが取るに足らない物を見る冷淡なものではなく、希少で重宝すべき物を見る爛々としたものであった。 そもそも、単純な性格の子供らしいミュズが失敗を回りくどい言い方でからかうだろうか? そんな事を頭に巡らせていると、こちらにちょこちょこと赤いものがメイドと一緒に来る。 デザートのケーキが乗った大きな銀のトレイをミュズが持って、シエスタがトングでケーキを摘んで一つずつ生徒達に配っていた。 ミュズとシエスタがルイズに近付く。シエスタはミュズを先に進むように促し、ルイズに話し掛ける。 「ミス・ヴァリエール。ミュズさんをお借りしております。」 「そう」 ルイズはこちらの様子を気にするミュズを横目に、素っ気なさそうに返事をする。 「ミュズさんは素直ないい子で、ミス・ヴァリエールの事を本当に尊敬していますよ。『マスターは凄い』と言っていました――」 ルイズは眉をピクリとさせて、顔をしかめる。 シエスタは真剣な目でルイズの目を見ながら言った。 「ミュズさんを信じてあげて下さい。ミュズさんのマスターはあなたなのですから」 「なによ」 ルイズがジト目で答えると、シエスタは顔を青白くさせた。 「すっ、すみません。出過ぎた事を言ってしまいました。失礼します」 そう言うと、シエスタはがばりと頭を下げて、そそくさと立ち去って行った。 ミュズとシエスタがトレイに乗ったケーキを配り終えようと、談笑している男子生徒達の横を通り掛かっていた。 その集団の中心で、金色の巻き髪で薔薇を挿したフリル付きのシャツを着た少年が、周りの友人から口々に冷やかされていた。 ギーシュと呼ばれるその少年が大袈裟に脚を組み替えると、ズボンのポケットから紫色の液体が入ったガラスの小壜が落ちた。 小壜がコロコロと転がってミュズの足元へ来たので、その様を見ていたミュズはギーシュに呼び掛けた。 「あのー。何かガラスで出来た物が落ちましたよ」 ギーシュは気が付かないのか、ミュズの方を振り向かない。 ミュズはトレイを片手でバランスを崩す事も無く易々と持ち、しゃがみこんで小壜を拾い上げた。 「はい、落とし物です」それをミュズはギーシュの目の前に差し出す。 ギーシュは苦々しげに、ミュズを見つめると、その小壜を押しやった。 「これは僕のじゃない。君は何を言っているんだね?」 その小壜の出所に気づいたギーシュの友人たちが、大声で「モンモランシー」と言う名前を出して騒ぎ始めた。 ギーシュが友人達に何かを言いかけた時、後ろのテーブルから一人の少女がギーシュに向かって歩いてきた。 栗色の髪をした、茶色いマントを羽織った少女はギーシュの名を呼ぶと、ボロボロと泣き始める。 更に遠くの席から見事な縦ロールの少女が立ち上がって、厳めしい顔付きでギーシュの前にやって来た。 ギーシュを冷やかしていた友人の一人がその少女の殺気に気付き、その顔付きを見て「ひっ、モンモランシー」と呟く。 モンモランシーはギーシュに近寄ると目を三角にして、開口一番に口を尖らせてまくし立てる。 「いいかげんにギーシュッ!いったい誰が好きなのかはっきりしてちょうだい!」 「あー、そうそう。はっきりさせた方がいいと思うぞ!」 周りの友人からも合いの手の様に賛成の言葉が飛び、ギーシュは目を泳がせ激しく動揺する。 「あんたが女の子の間をフラフラしてんのがそもそもの原因なのよ!」 モンモランシーは顔を真っ赤にして、追い討ちをかけた。 ギーシュは冷静な態度で椅子から立ち上がって二人の少女に向かい、拳を握り締め目を閉じ頬に汗を伝わせつつ語り始めた。 「ふ……みくびられたものだな!おのれの心は初めから決まっているんだ!」 「え?」 泣いている少女とモンモランシーはギーシュの言葉に驚き、胸をときめかせて目をしばたかせた。 そして、ギーシュは真剣な目付きで言い放った。 「両方だ!!」 騒ぎを聞きつけた生徒達から、すり抜ける様に突然、一人の少女が現れた。 その少女は、大人びた雰囲気でギーシュよりも背が高く紫のマントを付けて、のんびりした口調でギーシュに問い質す。 「えー。じゃ、わたしは。わたしはー?」 「んーじゃ、三人だっ!」 ギーシュはその少女に真面目な顔を向けて答えた。 「へーせいを――」 モンモランシーはギーシュの態度に呆れてうなだれた。 「装うんじゃない!!」そう叫ぶとギーシュに飛び掛かる。 紫のマントの少女から後頭部にオルテガ・ハンマーを、茶のマントの少女から水月に正拳突きを、モンモランシーから顔面に真空飛び膝蹴りを、ギーシュはくらった。 既に分厚くなった人垣を掻き分けてルイズは、目の前で行われている騒ぎを見ているミュズに近寄った。 ミュズの様子を遠目に見ていたが、あれよあれよと人集りが大きくなるので心配なった次第なのだ。 (ミュズと死んでしまったが)韻竜を召喚に成功し契約も上手くいったので、魔法がやっと使える様になったと思っていた。 その矢先の失敗を、訳の分からない話しをするミュズへの苛立ちに転化するのは、貴族のする事では無い。 臍を曲げて穿った見方をするのでは無く、シエスタの言う通り、主として下僕であるミュズの事を信じてあげるべきだった。 ルイズはそう考えながらミュズに向かっていた。 渦中にいたミュズの元に来た時にはモンモランシー達の姿は無く、屍の様に倒れたギーシュと立ち止まる大勢の野次馬だけだった。 「全く、構ってられないわ。浮気がいけないのよ」 ルイズはそう言いながらミュズの肩を掴み、回れ右をしてこの場を離れようとした。 「マスター、浮気って何ですか?」 「え?いやっ、それは――」 「わるいこと?」 「そうね。悪い事ね」 ミュズが急にしてきた質問に答えていると、ボロボロになりながら起き上がったギーシュが『薔薇』が何たらと演説を始めていた。 そこに、ミュズの一言が通る。「あのー。ギーシュ、浮気はだめですよ」 周囲に沈黙が流れた。 ギーシュの友人達が、どっと笑った。「その通りだギーシュ!お前が悪い!」 ギーシュの顔にさっと赤みが差すと、目を尖らせて吊り上げた。 「平民の分際で貴族である僕を呼び捨てするなんて。なんて礼儀知らずなんだね、君は!?」 ギーシュはミュズに向かって怒鳴り付けると、ルイズはミュズを庇う様に間に割って入った。 「やめて。この娘には私から言い聞かせておくから――」 「ふん……。ああ、そいつが……、ゼロのルイズが呼び出した平民か?」 ギーシュは、馬鹿にした様に鼻を鳴らして言った。 「魔法に失敗なんかしてるから、平民に侮られるんじゃないのかい?」 ルイズはここでギーシュの嘲りを我慢すれば、これ以上の大事にならないと思い、口を真一文字に閉じてグッと堪えた。 「違います。マスターの魔法は素晴らしいです」 ミュズはギーシュが言った事を正す様に口を出した。 「あれが素晴らしいだって?よかろう。ならば、真の魔法を見せてやろう」 そう言うと、ギーシュは胸の薔薇を取り出してミュズにレビテーションをかけ、ルイズには手の届かない空中に浮かび上がらせた。 「ルイズ!悪いな。君の使い魔をちょっとお借りするよ!」 ギーシュはミュズの手を掴み、空中を引きずる様に持ち去って行った。 ギーシュの友人達が、わくわくした顔で立ち上がり、ギーシュの後を追った。周りの野次馬も面白い見世物が見れると、それに倣って着いて行った。 ギーシュは、貴族に無礼な態度を取った平民に魔法を以って、その優位性を教えてやるのだと、息巻いていた。 道すがら、ギーシュはミュズが銀のトレイを持ったままの事に気が付き、近くに居た黒髪のメイドに言った。 「おい、そこのメイド!トレイのケーキはお前が配っておけ」 ミュズが心配だったシエスタは恐る恐る追いかけていたのだ。 ぶるぶる震えながら近寄って、トレイを受け取りミュズに小声で話しかけた。 「あ、あなた、殺されちゃう……」 「え?」 「貴族を本気で怒らせたら……」 「大丈夫です。魔法を見せて貰うだけですから」 ミュズがそう言い返していると、シエスタはギーシュの友人の睨む様な視線に気付き、だーっと走って逃げてしまった。 今さっきまで人集りが出来ていた所にぽつりと、ルイズは取り残された。 「ああ、もう。ほんとに、なんでこんな事になっちゃうのよ!」 ルイズはミュズの後を追い駆けた。 ―――――そして、舞台はヴェストリの広場へと移る。 前ページ次ページ”舵輪(ヘルム)”の使い魔
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/3856.html
前ページ次ページ悪魔も泣き出す使い魔 ~主人と番犬~ 囚われたメイドを救え 屋敷の扉が開かれる。招かれざる客は赤色のコートを羽織り剣を背負った銀髪の男。 屋敷の執事は男に近づき、死人の様な顔で淡々とこう告げる 「ジェール・ド・モット様はお休みになられています。お引取りを・・・」 そう淡々と受け答えをする執事の腹に、ダンテはデルフリンガーを深く突き刺した。 「マリオネットか」 ダンテはそう呟くと、微動だにしない執事の腹からデルフリンガーを引き抜き、 その勢いで執事の左肩からから右脇腹にかけて大きく振り下ろした。 頭から右半身が泣き分かれになった執事の下半身が膝をつく。吹き飛ばされた胴体の切り口は金属の様な鈍い輝きを発していた。 「派手なパーティーにしようぜ!」 館内で響き亘る声の中心に、メイド達の注目が集まる。 それを合図に、人形のメイドや使用人たちを操る悪霊の数々が姿を露わにし、 操られるメイド達は、鎌、ナイフ、包丁と其々手に取り、ダンテに襲い掛かった。 先手必勝とばかりに、ゴーレム達へスティンガーを叩き込むダンテ。 相手に剣先を突き出し高速で突進しする彼の得意技は、風のメイジが放つエアハンマーに匹敵するその衝撃で、 目の前の人形達を木っ端微塵に吹き飛ばした。 続けざまにハイタイムを繰り出すダンテ。足元から天井へ向けて斬り上がるその剣圧は、人間の重量を上回る人形をも軽々と持ち上げた。 宙に舞う人形は成す術も無くエボニー&アイボリーから放たれる銃弾の餌食となる。 人形の一匹がダンテの背後を取った。 放たれた刃はダンテを斬り付けたかに見えたが、彼は一瞬でその場から消え、 その人形の頭上、しかも背面から飛び降り剣を振り下ろしたのだった。 壁を走り、華麗なステップで屋敷内を駆け巡るダンテ。 翻弄される人形達は入り口中央へと束ねられ、頭上から降り注ぐレインストームによって破壊された。 それから残りの人形を一掃一掃するのにうつ伏せに倒れている執事をスケボーの様に乗り回し、 滑るようにホールを移動しながら2丁の銃を乱射した。 デルフリンガーは思う。 とんでもねえ・・・とんでもねえよ・・。 ルーンも発動してねえってのに何て怪力だ。怪力だけじゃねえ・・・。 身のこなし、剣さばき。どれを取っても今度の相棒は凄え。 へへ・・まるで悪魔に握られている様な気分だぜ・・・おっと、悪魔は相手の方だったか? しかしこんな相棒を相手にする連中は、悪魔といえど堪ったモンじゃねえな。 デルフリンガーが思いに耽っている内に、とうとう最後の人形が倒れる。 美しい外観を誇っていた屋敷のホールは、一転して瓦礫の山と化していた。 「ハッ、つまんねえな。もう終りか?」 ダンテはそう吐き捨てるとシエスタを探しにその場を後にした。 静寂が支配するモット伯の屋敷内。何処を探してもシエスタの姿は見えない。 「ここが最後か」 ダンテは目の前にあるモット伯自室入り口のドアを勢いよく蹴破った。 ビンゴ。部屋のベットには上着のはだけたシエスタが、そしてその上には屋敷の主人ジェール・ド・モット伯爵が多い被さっていた。 どうやら事に及ぶ直前だったらしい。 「何だ貴様は!!?」 「ミスタ・ダンテ!?」 同時に発せられる男女の声 男からは驚きと恐怖、女からは安堵と歓喜が込められていた。 「下のメイドは皆俺の相手に疲れてネンネしちまってね。ついでにソイツも寄越してくれないかい?」 突然押しかけて来たダンテに動揺を隠せないモット伯。その隙をついたシエスタはベッドから飛び退きダンテに駆け寄った。 「ミスタ!・・・ミスタ・ダンテ! ・・・わたし・・本当にっ・・・!」 「いい子にして待ってな。すぐに帰れるからよ」 胸に飛び込んできたシエスタをなだめながら後ろへ下がらせる。 「さて、伯爵様? ・・・。」 決まり文句の一つでも言ってやろうとしたダンテだったが、モット伯が腰に差したあるモノが目に留まり、言葉を詰らせた。 中央のリングに鎖で繋がれた三又のメイスの様なもの・・・見覚えがあった。 「・・・こりゃ驚いた。お喋りワンちゃんが今度は人間のおままごとかよ。」 ダンテがそう言った瞬間、人が変わった様にモット伯の目つきと口調が荒々しくなった。 かつてテメンニグルの番犬だった魔獣ケルベロスが、彼の身体を支配したのである。 「小僧、何故貴様がここにいる」 「悪いが交尾ごっこは他所の犬でやってくれ。コイツはお前等には勿体無いんでね。」 「その娘はこやつが望んだものだ。我はこやつの魔力を得る代わりに、こやつの望みと役割をはたしておるのだ」 「ほーう。それで、週に2回コックを呼んで、ここが悪霊だらけなのは?」 「死なない程度に望みのものを供給させれば、後は我のやり方で、こやつ役目を果たすまでだ」 悪魔が奉仕するその様子に、半ば呆れ気味な顔をするダンテ。 「涙ぐましいね。ワンちゃんコンクールなら努力賞って所だぜ」 それからダンテはデルフリンガーの剣先をモット伯に突きつけ、声を荒げた。 「いいから、ソイツからさっさと出てやれよ。休養は十分取ったろうが」 「ならぬ。我が命じられたのはこの屋敷の番。その娘も返してもらうぞ」 自分を求める悪魔の声を聞き、シエスタの体が強張る。 「誰の言いつけだか知らねえが、オイタが過ぎるとタダじゃおかねえぞ。来いよ、お仕置きの時間だ」 「よかろう。我を再び従えたくば、今一度その力を示すがいい」 頑として引き下がらないケルベロス。 モット伯の体が宙に浮き、腰へ差していたメイスの様なものが三つの犬の頭へと変貌した。 「ミスタ・ダンテ!」 「さがってなシエスタ。ショウタイムってヤツだ」 氷を自在に操り我が力とする魔獣ケルベロス。 モット伯の前に氷の壁面が広がった。これを破壊しない限り、本体にダメージは与えられない。 エボニー&アイボリーで攻撃を加えるもの、撃たれた端からみるみる壁が復元される。 氷の再生スピードが前回ケルベロスとやり合った時とは比べ物にならない。 モット伯は水のメイジ。彼が生み出す水から無尽蔵に氷が作られていたのだった。 氷弾、氷柱、冷気と休む間も無く三頭の首から放たれる攻撃。 一方、シエスタを庇いながら防戦に徹するダンテは、反撃の糸口を見出せないまま除々に体力を消耗していた。 この場に留まれば氷攻め、近づけばシエスタが危ない・・・チッ めんどくせえな。 そう思っていた矢先、天井から降り注ぐ無数の氷柱がシエスタに襲い掛かった。 迫る脅威に対して身体は動かず、その場でただ目を瞑る事しかできないシエスタ。ああ自分はここで死ぬのだと覚悟する。 氷柱は降りてこない、温かいものが頬を伝う。 目を開くと血まみれのダンテが自分に覆い被さり、降り掛かってきたであろう氷柱を全身で受け止めていた。 「あ・・・ああ・・」 「体だけなら、ちょっとばかり頑丈でね。・・・この位じゃ死にやしねえよ」 顔を真っ青にしながら震えるシエスタに、余裕の顔でそう答えるダンテ。 しかし、振り返った時に見せた、無数の氷柱が突き刺さったその背中は見るのも痛々しい。 シエスタは己の無力さをただ呪った。 ダンテがケルベロスに向かって低く唸る。 それにしてもあのクソ犬。コッチがどうなろうがお構いなしかよ。 「舐めやがって・・・」 そう言いながらモット伯に取り憑いたケルベロスに怒りを露わにした時、ダンテの左手に刻まれたルーンが輝き出した。 魔力が開放された訳ではない、今まで感じたことの無い力。 今の氷柱で受けた傷がみるみる回復する自身の体に困惑するダンテ。 その隙を逃さずケルベロスが氷弾を3発連続で二人目掛けて撃ち込が、 全身を輝かせるダンテはデルフリンガーを高速で振るい、3発の氷弾をいとも容易く打ち落とした。 「何だそれは!?」 「さあ?自分でもよくわからなくてね」 驚きを隠せず目を大きく見開くケルベロス。ここぞとばかりにダンテは反撃に乗り出した。 そうだ相棒!心を震わせるんだ!! 怒り、悲しみ、喜び、色んな感情を高ぶらせる事でお前は誰よりも強くなれる!! いわゆるスペシャルエディションのターボモードってヤツだ!! 何を言ってるのか俺自身もよくわからねーが、とにかく心を振るわせるんだ俺のガンダールヴ! て言いたい! 言ってやりたいのに!!ああもうもどかしい! 「聞こえてんだよ阿呆」 「え・・・?」 気づかぬ内に魂の叫びが声に出ていたらしい。 そして自らの刀身が、知らず知らずの内に美しい波紋を煌かせながら元の姿に戻っていたのである。 「ようデル公、コイツがお前の本当の姿なのか?」 「えっ? ええ?? おうっ!ハイッ!その通りです!」 「イカすじゃねえか。気に入ったぜ!」 ダンテは煌く刃に姿を変えたデルフリンガーを肩に担いで、ケルベロス目掛けて特攻した。 「Are you rady?」 ダンテから繰り出される高速の剣舞が、モット伯を隔てた氷の壁面を物凄いスピードで削っていった。 破壊と再生、拮抗するかにみえたが、氷の再生が僅かに追い着かない。 モット伯の魔力が底を尽きようとしていたのだ。 止まない剣舞に抗えず、更なる高速で繰り出される連続突き、ミリオンスタッブをとどめに、氷の壁面はとうとう破壊された。 「グオオ・・・!!」 魔力を使い果たしたモット伯が地上へと落下した。 身に纏う氷を跡形も無く破壊され、呻きを漏らしながら堪らず実体化するケルベロス。 「まだだッ!!」 ケルベロスの一頭が口からブレスを放った。この距離では避け切れない。 「相棒!俺をかざせ!」 そう叫ぶデルフリンガーを吹き荒れる冷気に突き出す。 その身に襲い掛かる絶対零度のブレスは、デルフリンガーの刀身が全て吸収してしまった。 渾身を込めた最後の一撃をも受け流され、満身創痍のケルベロス。 「さあ、お仕置きだ。誰が主人だったか思い出させてやる」 頭を垂れるケルベロスにゆっくりと歩み寄り、悪魔の様な笑みで宣告するダンテ。 雄叫びを上げる魔獣は頭一つを残し、二つの頭と四つの足を全て切り刻まれていった。 シエスタはその惨劇を見終わる事無く、卒倒して意識を失ってしまった。 満身創痍のケルベロスが、息を切らしながらダンテに詰め寄った。 「ハアッ・・・ハッ・・!・・・流石だな。この男の力を持ってすれば、或いはと思っていたが・・・。」 「フンッ 下手な小細工が俺に通用すると思ったか?」 「甘くは無かったという事だな・・・・。いいだろう、・・・今一度お前に従おう、そして我が牙の加護を受けるがいい。」 そう言いうやケルベロスの姿は三又のヌンチャクに変化し、光に包まれながらダンテの下へ戻った。 「やれやれ、とんだお騒がせだったな」 「しつけがなってなかったんじゃねえか相棒?」 「あン?誰が喋っていいって言った?」 「う・・・」 「ああ、そうだな。このお喋りが直らない剣を改めて躾けてやらないとな」 「ちょっ!?(ヤブヘビッッ!?)」 「・・・まあいいや。デル公、さっきのもお前の力なのか?」 「え?・・・えええ!まあ・・その、何ていうか。俺っち、 魔法とか4大元素のエネルギーとか吸収できるんみたいなんです。はい」 「ふーん・・・そんなモンあるなら、最初っからそう言っとけよ。使えねえ野郎だ」 「だってアンタ喋んなって・・・ああ!いや、何でもないです・・・(トホホ・・・)」 デルフリンガーをいじってる間にモット伯の意識が戻る。 魔力も体力も根こそぎ奪われたらしく、何とも言えない疲労感が全身を巡り、息切れが絶えない様子だ。 「無駄話は止めだ。面倒になる前にとっとと帰るぜ」 ダンテはシエスタを抱きかかえ、屋敷を後にした。 その道のりで、何かを思い出したダンテは背中に担いだデルフリンガーに話しかける。 「デル公、お前がさっき言ってた、ガンダールヴって何だ?」 「ああ、その・・・すみません、忘れました」 「ホントに使えねえ野郎だな。もういい、喋んな」 「(ひでえや・・・)」 外は夜明け前。光が薄く差し掛かり、日の出が上ろうとしていた。 「今夜中か・・・」 主人の言いつけを何とかして間に合わせるため、足早に学院を目指すダンテ。 その腕の中にはシエスタが心安らかに寝息を立てていた。 前ページ次ページ悪魔も泣き出す使い魔
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/5336.html
前ページ次ページ毒の爪の使い魔 教室を出てからもジャンガは暫くルイズを解放せずに歩き続けた。 広場に面した通路に来て、漸く胸倉を掴み上げる爪を離した。 首が絞まっていたルイズは、床に落下した途端、大きく咳き込んだ。 「ごほっ、げほっ」 「テメェに聞きたい事があるゼ?」 そんなジャンガの言葉にルイズは恨めしげに見上げる。 「な、何よ…授業中にいきなり」 「授業中も何も関係無ェだろうが?テメェがいた所で爆発起こして邪魔するか、 邪魔にならないように隅で本を読むしかネェじゃねェか?…そんな奴が一人居なくなったところで、 大して支障は無ェだろうが。違うか?」 「…っ」 痛い所を突かれ、ルイズは悔しげに歯噛みする。 それをつまらない物でも見るように、見下ろすジャンガ。 「フンッ…、まァ、そいつは置いといてだ……テメェ、モット伯って知ってるか?」 ルイズは驚き、顔を上げる。 「モット伯!?あ、あんた…そんな事聞いて、どうする気なのよ…?」 「別に…ただ、気になっただけだ」 「気になるって……何でモット伯を気にするのよ?」 「モット伯の所に、あのシエスタ嬢ちゃんが仕える事になったゼ」 「…え?」 ジャンガの言葉に驚き、目を見開くルイズ。 「シエスタが…本当?」 「ああ…、今朝迎えの馬車に乗り込む所に出くわしたゼ。実に寂しげな顔をしていたっけな~?」 それを聞いたルイズの顔はどんどん曇っていく。 「そんな、急に…」 「モット伯の事、教えろ」 「…モット伯は王宮の勅使よ。学院にも偶に来るわ。…いつも偉ぶってて、私は好きじゃないけど」 「勅使ィ?」 「簡単に言えば、王宮の重要な命令なんかを伝える役目を担ってる官吏の事よ。ようは王宮の御偉い様ね」 「…んだ?命令伝えるなんざ、手紙でも送りゃ済む事じゃねェか…。わざわざ”そんな事”にまで役目与えるなんてな…」 ”そんな事”の部分を強調するジャンガにルイズはムッとした。 「勅使が伝える事は外部に洩れてはいけない、洩らしてはいけない本当に重要な事なの。 伝書フクロウなんかで運んだら、万が一他人に盗み見られるかもしれないじゃないの。 だからこそ、王宮では信頼に値する実力の伴った貴族を勅使に任命するのよ。解った!?」 「あ~はいはい…、実に良く解る説明だったゼ」 爪で器用に耳の穴を穿りながら、ジャンガは生返事を返す。 「でだ…、そんな御偉い勅使の”貴族様”がなんだって、こんな所で働いてる小娘一人をわざわざ引き抜いたりするんだ? 御偉い様なんだからよ…召使なんかには事欠いていないんじゃないか?」 その質問にルイズは難しい顔をする。 「…多分、自分の妾にするのだと思うわ…」 「はァ?」 間の抜けた声が口から漏れた。 妾……つまりは、最初から”女”として扱う為に雇ったと言うのだ。 「貴族にも色々いるし、噂でしか聞いてないけど…。そう言う話もあるって事…」 「ハンッ、想像していたよりも、貴族ってのは性質が悪いみたいだな。…獣以下だゼ」 ジャンガの最後の言葉にルイズはキレた。 「あ、あんた、今のは貴族全員に対する最大の侮辱よ!?」 「事実を口にしただけだぜ…?この間のキザ野郎もそうだが、平民に対して人としての接し方をしてるとは思え無ェよな? まるで牛馬に対するような、家畜同然の扱いだ」 「そ、それは…」 「テメェだってそうだろう…、俺様を使い魔だと言って、こっちの言い分なんか聞きもせずにこき使ってくれたくせによ? …もうそんな命令は受けたりしネェけどなァ~。キキキ、お前もモットって奴と同じだゼ」 「違う、私は違う!私は…」 「どう違うってんだ?違う所を探す方が難しいぜ…。――ああ、”魔法が使えない”って所は違うかもな…キキキキキ!」 「くく~~っ!!」 悔しがるルイズ。と、唐突にジャンガは笑いを引っ込める。 「な、何よ?」 「まァ……貴族はクソだが、平民もクソが多いよな…」 「え?」 「例えば…こんな奴等さァァァーー!!」 叫びながら、ジャンガは後ろへと振り向きざまにカッターを放つ。 唸りを上げて飛ぶカッターは少し離れた所の壁を大きく抉る。 煙が立ち込め、壁の欠片がパラパラと降り注ぐ。その光景にルイズは呆然とするしかなかった。 「あ、あんた…いきなり何を――」 「おい…そこに居るんだろう?」 ルイズの言葉を遮って、ジャンガは崩れた壁を見ながら声を掛ける。何だろうと思い、崩れた壁を見る。 煙が晴れ、そこに数人の給仕の男女の姿が見えた。突然の事で皆一様に震えている。 その給仕達に向かってジャンガは歩み寄るや、男の一人の胸倉を掴み、高々と持ち上げた。 首が絞まり、息苦しさに苦悶の表情を浮かべる。 ジャンガはそんな事は気にも留めずに給仕の男を睨み付ける。 「おい…さっきからウルせェんだよ…。陰で隠れてこそこそしやがって、正直ウゼェぜ」 「ちょっ、ジャンガ!いきなり何を!?」 怒鳴るルイズにジャンガは不思議そうな表情を向ける。 「お…こいつらの事を庇うのか?…こいつらが今何を言っていたか知りたいか?」 「え?」 「こいつら、さっきからここに隠れてテメェの悪口を言ってたんだよ。無能なのに貴族で生意気だとか…、 とんでもない奴を召喚しやがってとか…、使い魔の主人のくせに管理できてないとか…、 そりゃもう色々とな…。正直、あまりのバリエーションの多さに俺でも脱帽しちまったぜ…キキキ」 「……」 「ま、無力な雑魚共が出来る事といやぁ…これ位だろうけどな。――俺としてはウゼェ事極まりねェ…」 そこまで言ってジャンガは給仕の男を自分の眼前に引き寄せた。 息が掛かるほどの距離で睨み付けられ、給仕の男は震えるばかりだ。 震える男にジャンガは威圧感タップリに言った。 「お前等が別に貴族の奴等をどう思おうと、どう悪く言おうと関係無ェさ…。だがよ、そういうのは俺のいない所で言いやがれ。 ウゼェんだよ…、今度俺の近くで同じ事をしたら……」 そこで一旦言葉を切ると、一層濃い殺気を含んだ視線をぶつける。 「殺すぞ?」 ――たったの一言だった。しかし、その一言に掴まれた男だけでなく、他の給仕も全員、一様に激しく何度も首を縦に振った。 それを見ると、ジャンガは男の胸倉を掴み上げる爪を離した。 地面に落下した男は、その場で息を整えるもせずに咳き込みながら、ほうほうの態で逃げ出す。 他の給仕達も男が逃げ出すと同時に蜘蛛の子を散らすように逃げて行った。 その様子を見て、ジャンガは笑った。 「キキキ…全くよォ、互いに憎み合っている様は見ていて楽しいぜ。 貴族も平民もやってる事は同じだってのによ…それにすら気付いてねェかな?キキキ…馬鹿ばかりだな」 「な、何よ…煩いんじゃなかったの?」 「あン?…別に見ている分には楽しいさ、当然の事だろう?ただよ…、俺が話をしている時に横槍を入れるのが気にくわねェんだよ」 「そう…」 「フンッ……もうテメェに聞く事も無ェ…、教室に戻るなり部屋に戻るなり好きにしやがれ」 「その積りよ!」 ルイズはスカートに付いた埃を払い、踵を返すと教室へと戻っていった。 ジャンガはもう一度つまらなそうに鼻を鳴らすと、その場から立ち去った。 夕方… オレンジ色に染め上げる夕日、輝きを増してきた二つの月が空に浮かんでいる。 それらを本塔の屋根の上で見上げながら、ジャンガはポツリと呟いた。 「…不味かったな、昼食…」 あの後、適当に時間を潰し、昼食をいつもの通り厨房で食べた。 マルトーとか言うオッサンは嫌な顔をしていたが、相手の機嫌を損ねるとどうなるかは解っているので、 嫌な顔をしながらも最高の料理とワインを出したから別にいい。――しかし、何か物足りなかった。 今までと同じような食事だ。実際、味は悪くない。違いは無いはずである。 …あるとすれば、いつも怯えながらも厨房の連中でただ一人、笑顔で居続けた例の小娘が居なかった事位か。 小娘一人居なくなっただけで、なんでこんなに飯が不味く感じるのだろうか? 不思議……と言うよりは不愉快だった。 「チッ…」 ジャンガは舌打し、目を閉じた。少し…と言うよりはかなり早いが、眠ってしまえば嫌な事も忘れられる。 そう考え、ジャンガは夢の世界に意識を委ね様とした。…が、その考えは直ぐに打ち砕かれた。 目を閉じた瞬間、例の小娘の顔が浮かんだのだ。それも最後に別れた時の寂しげな表情をして…。 (ああ……全く、ウザってェ…) イライラを募らせながら、何とか視線を小娘から逸らそうとするが、それも叶わなかった。 やがて、小娘は会釈をし、馬車へと走っていく。 (クソが……いつまで続くんだよ――って、ん?) イライラが頂点に達しようとした時、ジャンガはある事に気が付いた。 馬車の扉が開け放たれた時に、中に赤く丸いずんぐりとした生き物が見えたのだ。――その生き物にジャンガは見覚えがあった。 生き物が何であるのか理解した瞬間、ジャンガは両目を見開いていた。 跳ね起き、ポツリと呟く。 「何で…ここにいるんだ?」 解らない。ここが自分の居た世界とは違うのは既に承知の事実。…では、何故”あれ”がここに居るのだ? 自分の様に召喚されたのか?ルーンは見当たらなかったが、逃げ出したりしたのだろうか? …いや、もっと単純な理由がある。そう”あいつ”だ。 「…確かめるか」 ジャンガは立ち上がると本塔の上から消えた。 寮塔の玄関ホールにある噴水。 その縁に腰掛け、二人の生徒が話をしている。ギーシュとモンモランシーだ。 モンモランシーはギーシュから手渡されたのであろう、ブローチを嬉しそうな笑顔で見ている。 「素敵、ミスリル銀のブローチね」 「君にお似合いだろう、モンモランシー?」 その言葉にモンモランシーは怪訝な表情を浮かべると、ギーシュを見た。 「これでこの間の事を帳消しにしようっての?」 モンモランシーの言葉にギーシュはふと笑みを浮かべる。 その笑顔にモンモランシーはドキッとしたが、辛うじて顔には出さずにすんだ。 「な、何よ…そんな顔しちゃって?」 「モンモランシー……僕は間違っていたよ」 「え?」 ポカーンとするモンモランシーだが、ギーシュはそのまま言葉を続ける。 「僕は多くの女性に対して同じように接するのが正しい事であるとして信じてきた。 だが、それは間違いだった。この間の事で理解したよ…真に愛する者はただ一人しかいないのだと。 君はあの時、あの凶悪な亜人を目の前にしながら、僕を庇ってくれた。 …嬉しかったよ、本当に。そして、同時にこんなに優しい君をちゃんと見つめていなかった自分を恥じたよ。 これからは君を見続けるよ。無論、必要な時には一人の男として他の女性に接したりするだろう。 だが、愛するのは君だけだ…モンモランシー。約束する、もう君を悲しませたりはしないよ、僕のモンモランシー」 モンモランシーは別人を見るような目で目の前の男を見た。 あの決闘騒ぎ以前の彼ならば、こんな台詞を吐く事は……あったかもしれない。 (それはどうでもいいわ!) 心の中で叫ぶ。…とにかく、今のギーシュは以前とは違う。 軽い軟派な男ではなく、文字通りの”漢”だ。 モンモランシーは確信していた、今の彼ならば全てを信じて上げられる…と。 「…いいわ、信じてあげる。――絶対に、私を泣かせないでよね?」 「ああ、約束するとも」 そう言うと、ギーシュはモンモランシーの顎に手を添え、目を閉じる。 モンモランシーもウットリとして目を閉じる。 目を閉じた二人の距離は徐々に近づき、そして―― 「おー、おー、熱いねェ~?」 ――唐突に聞こえてきた声に、二人は目を開き、声の方に顔を向ける。 ニヤニヤしながら長身の亜人が自分達を見下ろしていた。 「ジャ、ジャンガ!?」 ギーシュは反射的に立ち上がり、モンモランシーを背に庇う。 モンモランシーは心配そうにギーシュを見つめる。 「き、君は…ま、また、人の恋路を邪魔しに来たのか…?」 「キキキ…、そりゃお前…こ~んな楽しい事をやっている所へ首を出さない訳が無いだろうがよ?」 「傍迷惑よ!」 叫ぶモンモランシーだが、 「――嘘だがよ」 直後のジャンガの言葉に脱力し、一瞬こけそうになった。 しかし、ギーシュは変わらずジャンガを睨み付けた。 「一体、僕達に何の用が有るんだ!?」 そう叫ぶギーシュにジャンガは目を向ける。ギーシュはその目に一瞬、決闘の時の恐怖を思い出し震え上がったが、 直ぐに立ち直ると杖である造花のバラを構えた。それを見てもジャンガは笑うだけだ。 「キキキ、そんなにカリカリすんじゃねェよ。――テメェに聞きたい事が有るのさ」 「へ?」 唐突なその言葉にギーシュはポカンと口を開けた。 その夜… 夕食を取っていたルイズの下に珍しく、料理長のマルトーがやって来た。 「あの、貴族様…お食事中に申し訳ないんですが…」 「何?」 ルイズはスプーンやフォークを動かしていた手を止め、取り出したハンカチで口元を拭う。 「その、貴方様の使い魔の事なのですが…」 「……ジャンガがどうかしたの?」 また何かしでかしたか…、ルイズは頭痛がする頭を抱え込む。――しかし、返ってきた答えは予想外の物だった。 「いえ…いつもならば既に姿を見せているはずの時間なのですが…、一向に厨房に現れないので…。 折角の料理も冷めてしまうので…それで、主人である貴方様にお尋ねしたのですが……ご存知ではないですか?」 ルイズは驚いた表情でマルトーを見る。 「あいつが…いないの?」 「へ、へぇ…」 どうしたのだろうか?まさか、何処かで遊び呆けているのか? 悩んでいるとテーブルを挟んだ向かいで、モンモランシーと食事をしながら談笑していたギーシュが口を挟んできた。 「あの亜人がいないのか、ルイズ?」 「ええ…そうみたい。何か知ってるの?」 「いや、実はさっきの事なのだが、あの亜人がモット伯の屋敷の場所を尋ねてきてね」 「モット伯ですって!?」 驚き、声を上げるルイズ。昼間の件もある、一体あの亜人はモット伯の屋敷に行って何をするつもりなのだ? ルイズは唐突に席を立つと、そのまま食堂を出て行こうとする。マルトーはルイズの背に声を掛ける。 「あの、貴族様…どちらへ?」 「…貴方には関係ないわ」 「食事は?」 「片付けておいて。もういらないから」 そう言うとルイズは食堂から出て行った。 ――ここで少し時間を遡る… ――ルイズが食堂を出る約二時間前―― ギーシュから場所を聞いたジャンガは、今モット伯の屋敷の前へと来ていた。 「来たはいいが…さて、どうするかねェ~?」 と、門前で腕組みをし、悩んでいるとジャンガの存在に気付いた一人の衛兵が駆けて来た。 「誰だ!?」 「お~お~…こりゃ好都合だ」 「何者だ貴様!?亜人がここへ何のようだ!?」 「ムゥッ!」 衛兵の声の後に聞きなれた可愛らしい叫び声が聞こえ、ジャンガは目を向ける。 そこには予想通りの物が居た。 ジャンガは口の端を持ち上げ、ニヤリと笑った。 一方、屋敷内では… モット伯が雇ったばかりのシエスタを自室へと呼び寄せていた。 シエスタは学院のとは違う給仕の服を身に着けている。 黒ではなく赤が強調されているのもそうだが、スカートは格段に違う。 学院の物と比べても短すぎ、太股までが見えてしまっている。無論、モット伯の趣味だ。 モット伯はそんなシエスタを頭の上から爪先まで舐めるように見つめる。 「どうだ、仕事には慣れたか?」 「はい、大体は…」 「そうか…まぁ、余り無理はせぬようにな」 そう言ってモット伯はイスから立ち上がり、シエスタの後ろへと回ると肩に手を置くと、そのままシエスタに顔を近づけた。 突然の事にシエスタは驚き身を竦ませる。モット伯は彼女の耳の傍で囁くように言った。 「私はお前をただの雑用の為に雇った訳ではないのだからな…、シエスタ…」 「あ、あの…」 どうしたらいいのか解らず、シエスタはただうろたえるのみだった。 その時、扉が叩かれた。モット伯はシエスタから離れ、扉に向かって声を掛ける。 「何だ?」 「ジャンガと名乗る亜人が伯爵に面会したいと言っております」 「ジャンガ?知らぬ名だな…。しかも亜人だと?」 怪訝な顔をするモット伯の横でシエスタは動揺を隠せなかった。 (まさか…どうして?) 何故彼が、ここに来たのか…シエスタには理由が解らない。 そして、彼女はモット伯に言われ、疑問を残しながら部屋を退室した。 モット伯の部屋へと通されたジャンガは屋敷の豪華さに忌々しげに鼻を鳴らした。 「ハンッ…成金趣味丸出しだな…」 「君かね、私に面会したいとか言う亜人は?」 聞こえてきた声にジャンガは視線を前に向ける。 豪華な屋敷に負けないくらい立派な服に身を包み、赤いこれまた立派なマントを羽織った男が居た。 どうやら彼がモット伯らしい。ジャンガはこれと言った感情も表さずにモット伯を見据える。 「モット伯ってのはアンタの事か?」 「下賎な亜人風情が、貴族に馴れ馴れしい口を聞くな!」 ジャンガの言葉にモット伯は怒鳴った。 しかし、ジャンガがその程度の怒鳴り声で怯えるはずも無く、爪で頬を軽く掻く。 「まァそんなにカッカするんじゃねェよ…、血圧が上がるゼェ?」 「ふんッ!…それで、亜人風情が貴族の屋敷に何の用だ?」 「そりゃ、用があって来たのさ…。大体、用も無けりゃ、こんな所に来やしねェよ。 ――テメェみたいな…女抱く為に立場を利用する阿呆の所なんかにはな…キキキ」 「貴様!亜人の分際で貴族を侮辱するか!?」 痛い所を突かれ、逆上したモットはイスから立ち上がり、壁に立て掛けてあった自らの杖を取る。 「そこへなおれ!」 「待ってください、伯爵!」 扉が開き、シエスタが部屋に入ってきた。ジャンガはシエスタに目を向ける。 「何だ、嬢ちゃんか?」 シエスタはモット伯の前に跪く。 「伯爵、この者の無礼をお許しください」 「ならぬ!かような亜人風情の無礼を許していてはジュール・ド・モットの名が廃る。そこを退かぬか、シエスタ!?」 「出来ません!」 「何!?」 「モット伯、私はどのような罰でもお受けいたします。ですから、ジャンガさんの事を許してください」 驚くモット伯に顔を上げたシエスタは懇願した。 幾分か気持ちが落ち着いたのか、モット伯はシエスタに尋ねた。 「お前はその亜人とどのような関係なのだ…シエスタ?」 「…私が向こうで給仕をしていた時の知り合いです。ジャンガさんは、私に良くしてくれたとある貴族の方の使い魔でして…」 「フン、なるほどな」 つまらなさそうに鼻を鳴らすモット伯に、シエスタは懇願を続ける。 「お願いですモット伯、ジャンガさんがここに来たのは私の責任なのです。ですから、罰を与えるなら私に――」 「テメェ……本当のバカだな?」 シエスタの声を遮って、ジャンガの声が部屋に響いた。 その声にシエスタは思わず振り返ると、下らない物を見るかのようなジャンガの顔が目に入った。 「ジャンガさん?」 「俺がいつ…”テメェの事で来た”なんて言った?勝手に勘違いしてんじゃネェよ、ウザってェ…」 「そ、そんな…」 「ま、そんな事よりもだ…」 悲しそうな表情を浮かべるシエスタを気にも留めず、ジャンガはモット伯を見据える。 「テメェによ…聞きたい事があるんだがな~?」 「貴様、何処までも無礼な態度を――」 「ああ、もう最後まで話しは聞きやがれ。ッたく…貴族ってのは本当に要領が悪すぎる奴ばかりだゼ」 悪態を吐きながら、ジャンガは顎をしゃくる。 モット伯が目を向けると、そこには自分が…否、正確には自分が雇っている幻獣が使役する幻獣がいた。 「ムゥ?」 頭と身体の区別が無い、いわゆる”一頭身”の幻獣は、ほぼ身体全体を傾ける。 その仕草は見る物が見れば間違いなく可愛らしいと言うだろう。 モット伯はジャンガに視線を戻す。 「その幻獣が何だと言うのかね?」 「キキキ、いやなに……こいつらは俺の知っている幻獣だ…。『ムゥ』って名なんだがよ…、こいつはお前が使役してるのか?」 モット伯は、何だそんな事か…、とでも言うかのように鼻を鳴らす。 「違うな。それは私が雇っている、とある幻獣が使役しているのだ」 その言葉にジャンガは目を光らせ、口の端を吊り上げる。 「ほゥ?そうかい…」 「聞きたい事はそれだけかね?では、貴族を愚弄した罰を受けてもらおうか」 杖を構えるモット伯にシエスタは慌てて懇願する。 「待ってください、モット伯!お願いです、ジャンガさんへの罰は私が受けますから、どうか!?」 「ええい、お前は下がっておれ、シエスタ!」 そんな二人の会話も何処吹く風…、ジャンガは自分の予感が当たった事に笑いを隠せずにいた。 (キキキキキ…、なるほどねェ~…”あいつ”も来ていたとはなァ…。キキキキキ…) 「キキキキキ…、キーーーッ!キキキキキキーーーッ!!」 突然、大声で笑い出したジャンガに、シエスタもモット伯も呆然と見つめる。 ジャンガは一頻り笑うと静かに呟いた。 「随分とまた……回りくどい真似をしやがるぜ…」 そして目を見開き、高らかに叫んだ。 「居るんだろ!?出て来いよ、ジョーカーーーー!!!」 「のほほほほ、いつお呼びしてくれるか…ドキドキしながら待っていましたよ、ジャンガちゃん♪」 何処からともなく、場の雰囲気にそぐわない陽気な声が聞こえ、唐突に一体の幻獣がその姿を現した。 その姿は一目見ると、誰もが道化師=ピエロを思い浮かべるだろう。 ムゥと呼ばれた幻獣と同じ頭と身体の区別が無い一頭身…大きさは一メイルほどだろうか? 白い顔には黒い十字マークのような目とギザギザの歯が描かれたような笑みを浮かべた赤い口、 オレンジと赤の縞模様をした身体、その身体(頭部?)の一部が背後に向かって突き出し、下巻きに緩やかなカーブを描いている。 白い手袋をしたような手や先の曲がった紫色の靴を履いた足は腕や腿で繋がっておらず、両手や身体はフワフワと宙に浮いているような感じだ。 何とも珍妙な…ハルケギニアでは見ない種類の幻獣である。 ジャンガは笑いながらピエロの幻獣を見つめる。 「よう、久しぶりだなァ…ジョーカー?」 ジャンガにジョーカーと呼ばれた幻獣は左手を口元に当てて笑う。 「のほほほほ、それは此方もですよ…お久しぶりですネェ~ジャンガちゃん」 「相変わらずのようだなァ?…率直に聞くが、あの馬車にムゥを乗っけたのはお前か?」 「その通りですよ。いやァ~ジャンガちゃん早く来ないかなァ~と、ワタクシ胸をトキメかせて待っていましたよ」 二人はそれまでの場の雰囲気などそっちのけで談笑する。まるで、仲の良い旧友に出会ったかのような…そんな感じだった。 たまらず、モット伯が怒鳴った。 「ジョーカー!貴様、その亜人と知り合いなのか?」 「あ、はい、そうですよ~♪ワタクシの無二の親友です、のほほほほ」 「親友ねェ~、あのガキ共が使うような歯の浮く台詞を、よくもまァ平気で言えるもんだなァ?」 「のほほほほ、他意は有りませんよ?」 そうやって再び楽しい会話を始めようとする二人にモット伯は再び怒鳴った。 「え~い、黙れ!ジョーカー!貴様の親友であろうと関係無い、その亜人はこのジュール・ド・モットを侮辱したのだ。 貴様の幻獣共を呼び出し、即刻そやつを捕らえよ!」 しかし、ジョーカーはモット伯を見つめ、動こうとしない。モット伯は苦虫を噛み潰したような顔をする。 「どうした、ジョーカー!?」 「あ、いえ……どうして貴方の命令を聞かなければならないのかと、そう疑問に思っただけですよ?」 「何!?」 ジャンガはその時、ジョーカーの身体の右側面に刻まれたルーンに気が付いた。 「おい、ジョーカー…お前、まさかそのオッサンに召喚されたのか?」 「まさか?こんな人に仕えても面白くなさそうですからネェ~…小悪党のいい例ですし」 「貴様…、ジョーカー!?主であるメイジから逃げ出し、行く当ての無かった貴様を拾ってやった恩を忘れたか!?」 叫ぶモット伯にジョーカーは怪訝な表情を浮かべる(と言っても、実際殆ど変わらないのだが)。 「はて?ワタクシ…いつそのような事をおっしゃいましたか?ワタクシは『ここで働かせてもらえませんかネェ?』と言っただけですが?」 「ぬっ!?」 ジョーカーは再び手を口元に当て、片方の目の形を変え、如何にも可笑しいと言う表情を見せる。 「まァ…出会いのイベントとしては上々な出来でしたかね?役者が大根でシナリオの半分もこなせてませんでしたが…」 「キキキ…なるほどねェ。俺と会う為だけにこいつを利用したのか……いいねェ、そういう所…変わってなくて嬉しいぜ。キキキキキ」 「お褒めに預かって光栄ですネェ~、のほほほほほほ♪」 二人の笑い声が部屋に響き渡る。 一頻り笑うとジャンガはジョーカーに言った。 「さてと…それじゃ仕上げと行くか?」 「はいな~、ジャンガちゃん♪」 ジャンガの言葉に嬉しそうに返事をするジョーカー。 「おっと、その前に…ジョーカー?」 「はい?」 「仕上げの前にそこにいる…シエスタ嬢ちゃん、眠らせてくれねェか?」 ジャンガに顎で示された所には跪いたままのシエスタがいた。 ジョーカーは納得するとシエスタに向かって右手を飛ばす。彼女の頭の上に掌を翳す形で停止した右手の掌から、紫色の輝きが放たれる。 途端、シエスタは目を閉じ、繰り糸を手放された人形のようにその場に倒れ込む。 「何?」 「がっ!?」 「ぐっ!?」 モット伯が驚くや、衛兵の呻き声が聞こえた。 見れば、ジャンガが後ろに居た衛兵二人の胸を両手の爪で貫いている。 爪を引き抜くと同時に倒れる衛兵。 ジャンガは爪から血を滴らせながら、モット伯へと向き直る。 「キキキ…次は、テメェだな?」 「き、貴様……私の二つ名は『波濤』のモット!トライアングルの――」 「メイジだって言うんだろ?…聞き飽きたゼ、その手の台詞はよ」 耳を穿りながらそう言い捨てるジャンガ。その相手の態度にモット伯は激怒した。 「お、おのれ、その余裕も今のうちだ!」 「どうでもいいがよ……テメェらメイジは杖は大事なんだろ?」 唐突なその言葉にモットは怪訝な顔をする。 「それがなんだ!?」 「手放していいのかと思ってな…?ああ、いや違ったな。手放しちゃいねェな…。 にしても、繋がってなくても放さないってのは…凄ェもんだゼ、キキキ」 何の事だ?目の前の亜人は何を言っている? 唐突にジョーカーが笑った。 「のほほほほ、いやいや…相変わらず凄いですネェ~。やられたご本人、全く気が付いていないのですから」 「な、何の事だ!?」 「貴方の足元を見れば解ると思いますがネェ~?」 「ん?」 言われるがまま足元を見る。そこには人の腕が落ちていた。 誰の腕だ、と思う前にその腕の握っている杖や服の袖に見覚えがあった。いや、見覚えがありすぎる。…だってそれは、自分の物だから。 恐る恐る自分の右腕を見ると…無かった。…肘から先が綺麗さっぱり。 一瞬、思考が停止した。 「な、な、何だとーーー!!?」 その絶叫と共に、止まっていた時間が動きだしたかのように、モット伯の腕の断面だから激しい血飛沫が迸る。 瞬間、音も無く駆け寄ったジャンガによってモット伯はその胸を貫かれた。 モット伯はパクパクと陸に上げられた魚のように口を動かし、やがて事切れた。 死んだモット伯を見下ろし、ジャンガは心底楽しそうに笑う。 「キーーーッ!キキキキキーーーッ!!!感謝しなオッサンよォ~…秒殺してやったんだからなァ。何処かの気障ガキと比べたら幸せなもんだぜ…」 「のほほほほ、お休みなさ~い、モット伯さん。のほほほほ♪」 ジャンガに同調するようにジョーカーも実に楽しげに笑う。 と、扉が叩かれ、衛兵の声が聞こえてきた。どうやら、騒ぎを聞きつけてきたようだ。 ジャンガは笑いを止め、ジョーカーに向き直る。 「よう、ジョーカー…シエスタ嬢ちゃんを見ていてくれるか?」 「あ、はい、いいですよ。ジャンガちゃんは”お掃除”に行くんですか?」 「いや、夜も遅いからよ…”寝かし付けてくる”」 ニヤリと笑うジャンガ。それにジョーカーも笑みで答え、手を振って見送った。 扉を開けると、向こうに衛兵が屯していた。 ジャンガとその姿に怯む衛兵達の姿が扉の向こうに消える。 ――約十分間ほど、モット伯邸に大勢の悲鳴と断末魔、狂ったような笑い声が響き渡った―― 静寂が支配したモット伯邸… モット伯の部屋ではジョーカーが未だジャンガを待っていた。 ジョーカーが座った椅子の足元にはシエスタが寝息を立てて眠っており、離れた所には二人の衛兵と右腕を切り落とされたモット伯の死体がある。 そんな中、ジョーカーは椅子に座ったまま両足をパタパタと動かし、鼻歌を歌いながらジャンガを待っている。 その光景は実にシュールだった。 と、扉が開いた。入ってきたのはジャンガだった。 「あ、ジャンガちゃん、お疲れですネ。終わったんですか?」 「ああ、もう全員眠ったぜ?キキキ…寝付きのいい奴らばかりで、助かったゼ」 「のほほ、それはそれは。では、後はワタクシが後始末をしておきますので」 「キキキ…、それでだ」 「はい?なんですか?」 ジャンガは爪でシエスタを指し示す。 「そいつの頭の中を弄ってくれるか?とりあえず、メイジ崩れの盗賊連中が大挙して襲ってきて、そいつは慌てて逃げ出した。 そんで、俺とは森の中であって、気絶した…そんな感じにやってくれや」 「のほほほほ、お安い御用です。では、シエスタさん…少~し頭の中に失礼させてもらいますよ?」 そう言ってジョーカーは先程と同じようにシエスタの頭の上に右手を翳した。 ――モット伯邸の門の所までジョーカーはジャンガを見送る事にした。 「それでは、ワタクシはこれから後片付けに戻りますね?」 「ああ、頼んだゼ…」 シエスタを横抱きに抱きかかえながら、ジャンガはジョーカーを見つめる。 ジョーカーはそこでふと思い出したようにジャンガに尋ねる。 「そう言えばジャンガちゃん?」 「ん?」 「何でその方だけは助けたんです?」 「…別に深い意味は無ェ。…ただ、こう言うお人好しなバカは使いようだからな。助けておけば、後々役に立つだろうって事さ…キキキ」 「なるほど…それもそうですね。では、ワタクシはこれで、またお会いしましょうジャンガちゃん♪」 「ああ、俺は暫くは魔法学院に居座ってる積りだ。ま、暫くはお互い好きにやろうや…」 「そうですね~、のほほほほほ♪」 「キキキキキ」 二人の笑い声は闇夜に木霊した。 ジョーカーと別れ、ジャンガは森をシエスタを抱きかかえながら、一路魔法学院へと向かった。 途中の森の中でジャンガはふと、腕の中のシエスタを見た。 ジョーカーの眠りの幻術が掛かっているとはいえ、実に気持ち良さそうに眠っている。…本当に気持ち良さそうだ。 ――もう~歩けな~~い~~、だっこして~~―― ――テメェは飲みすぎなんだよ…、ッたく…―― また、昔の光景が脳裏を過ぎる。頭痛がし、左手にも痛みが走った。 「チッ…」 舌打ちをし、ジャンガは頭を振った。 徐に月を見上げる。…実に綺麗な月だった。 「いい月夜だな…」 そうジャンガが口にした直後、遠くから馬の蹄の音が聞こえてきた。 目を凝らすと遠くから桃色の髪を揺らしながら、一人の少女が馬に乗って此方に向かって来てる。 「チッ…無粋な野郎が来やがったゼ…」 ジャンガの横を通り過ぎ、少女=ルイズは馬を止める。 「ジャンガ!あんた、何やってるのよ!?」 「んだよ、テメェには関係無ェだろうがよ?」 「関係無いって……」 そこでルイズはジャンガの腕の中で眠るシエスタに気が付いた。 「シエスタ!?ジャンガ…どう言う事!?」 「どうもこうも…この森を歩いていたら嬢ちゃんが歩いてきてよ、随分と疲れた様子だったぜ? 話を聞く限りじゃ、モット伯の屋敷にメイジ崩れの盗賊が入ってきたらしいゼ?嬢ちゃんは必死で逃げてきたんだとさ。 んで、一通り話したら気絶しちまった…ってことさ」 一応筋は通っているようだ。…が、ルイズは一つ気になった事があった。 「あんた…随分前に出たんじゃない?何でこんな所を歩いていたのよ?」 「…別に。ただ道に迷っただけだ」 「…凄く見通しのいい道ばかりなんですけど?」 「……」 二人の間に沈黙が広がった。 「あんた…何をやっていたのよ?」 「…別に?」 ルイズは反射的に道の先に目を向ける。遠くにモット伯の屋敷の明かりが見えた。 そんなルイズにジャンガは声を掛けた。 「止めときなァ、屋敷には近づかない方がいいゼ~?…死にたくなけりゃよ」 「ジャンガ……あ、あんた…」 声を振るわせるルイズを笑みを浮かべながら見つめるジャンガ。 「いいじゃねェかよ…俺達には関係無ェんだからよ。所詮はお偉いさん達の間の問題だ…。キキキ、気にする事は無ェゼ」 そう言ってジャンガは歩き出した。 色々と言いたかったが相手は聞きもしなさそうなので、ルイズは諦めるとジャンガの後を追って馬を歩かせる。 ルイズはもう一度、モット伯邸を見た。闇夜に薄っすらと浮かぶ屋敷の明かりは不気味な感じがした。 その頃、モット伯邸では… 「いや~申し訳ありませんね、ガーゴイルを送ってもらって助かりましたよ…。流石にムゥちゃん達だけでは細かい作業は無理な物ですからネェ~」 ジョーカーは人形を手にしている。何処にでもありそうな普通の人形だった。 その人形へとジョーカーは語り掛けていた。…誰かと話をするかのように。 「あ、それよりも、タバ…シャルロットさん、もう完全に完治したみたいなので、”仕事”には戻れると団長さんに伝えといてください。 いえいえ…、今はあの方も私の取ってきた例の”オルゴール”に夢中でしょうしね……他の準備など諸々は遅れても仕方ないでしょう。 あのお方はマイペースですからね…のほほほほ。あ、いえいえ…バカにした訳ではないですよ?本当ですよ。 ワタクシですか?もう少し、あの学院を見ていようと思いますね。…いえ、何か物凄く楽しい事が見つかりそうなんですよ。 こういう時のワタクシの感は当たるんですよ…いえ本当ですよ? まァ、暇は貰っていますし……もう暫くは此方に居ます、はい…そう言う事で。 …では、またお会いしましょう。あのお方にもよろしく伝えて置いてくださいネェ~、のほほほほ♪」 話し終えたらしく、ジョーカーは人形をポイと宙に放る。瞬間、人形は消しゴムで擦るように消えた。 「…始祖の残せし秘宝ですか…。ただのオルゴールでは無いと思ってましたけど…とんでもない代物だったんですネェ~? それにしても、あのオルゴールの本来の持ち主の方々…既に偽者に摩り替っているなんて夢にも思わないでしょうね」 ジョーカーはそう言うと、一人楽しげに笑うのだった。 ――翌日、 モット伯邸が何者かに襲われ、モット伯以下…使用人、衛兵の区別無く全員が皆殺しになると言う大惨事に、 学院は愚か…トリステイン中がひっくり返るような大騒ぎとなった。 モット伯邸へと向かった使い魔ジャンガと主人のルイズ、唯一の生き残りであるシエスタは重要参考人として王宮からの使いに事情を聞かれたが、 有用な情報は得られず、シエスタの記憶も曖昧な所が多かった為、状況証拠から事件はメイジ崩れによる強盗だと言う事で決着が付いた。 シエスタは再び学院で雇われる事となり、全ては元の鞘に収まった……かに見えた。 実際は、ルイズがジャンガへの嫌悪感をますます募らせたり、記憶を改変されたシエスタがジャンガを恩人と慕ってより一層懐いた…などの変わった所もあったのだった。 前ページ次ページ毒の爪の使い魔
https://w.atwiki.jp/moejinro/pages/1858.html
5日目 あらぐむ 夜が明け、朝となりました。痛ましくも しょにちくんさん の無残な死体が見つかったようです 1 (もぐら村) あらぐむ -----------スタート-------------- あらぐむ chjoin 天界部屋 へどうぞお入りください あらぐむ 5日目の朝です 2 (狼がぶがぶ) あらぐむ ------会話STOP------- 1 (もぐら村) Jareky 【占いCO】グレイの中からの選択です。「人柱信じるのは怖い」という発言をしていたレリックさん、狼でした。●ですよみなさん。 1 (もぐら村) あまる 霊媒:バーバラさんは○でした。 3 (天界部屋) デジュー a, 1 (もぐら村) ラスフィーノ 占い理由:霊COを促した中の一人から。狂の可能性もあるっていう発言が内訳がすけてるようにみえた 1 (もぐら村) ラスフィーノ ☆占い師CO☆ レリックさんは○村人でした! 3 (天界部屋) BBL 噛まれた 3 (天界部屋) デジュー あ、噛まれた 3 (天界部屋) うんちや ラスさん初日の占い先変わってたからな(ボソ 1 (もぐら村) レリック おっと 1 (もぐら村) あまる ゼブラきた 3 (天界部屋) みむっちゃ ラスさんは占い先が寡黙でのちのちのSG候補を量産してるから偽くさい 1 (もぐら村) ケラヴノス おはようございます 1 (もぐら村) リゾルート 割れましたね・・・ 3 (天界部屋) BBL やっぱりJareさん真かなあ 1 (もぐら村) おおかみん ゼブラですね 1 (もぐら村) シエスタSS ゼブラでた 1 (もぐら村) あかみさと そこ噛まれてさらにゼブラか 1 (もぐら村) あまる 吊って霊媒みますかね? 3 (天界部屋) BBL しょにちさんの結果を迷わず張ったのが好印象 1 (もぐら村) レリック じゃらまあウチ吊って霊媒結果やね 1 (もぐら村) ケラヴノス 吊り指定が妥当かと 1 (もぐら村) あかみさと まぁ吊って霊媒しかないかねぇ 2 (狼がぶがぶ) ラスフィーノ んーゼブラつるのはやめようよ 3 (天界部屋) しょにちくん おつですー 1 (もぐら村) ラスフィーノ んーゼブラつるのはやめようよ 3 (天界部屋) BBL お疲れ様でした 3 (天界部屋) みむっちゃ おおっ、狼がJareさん真なのを認めたね 1 (もぐら村) Jareky これで狼には完全に占いの真贋ばれましたね 3 (天界部屋) デジュー おつかれさまー 1 (もぐら村) おおかみん 理由は? 3 (天界部屋) うんちや おつかれさまどす! 3 (天界部屋) みむっちゃ おつ 1 (もぐら村) ラスフィーノ ゼブラつったら、事実上決めうちになるよ 1 (もぐら村) あかみさと い、まぁラスフィーノさんの○だけど 真偽わかりますよ結果出れば 3 (天界部屋) xバーバラx おつかれさまでした 1 (もぐら村) ラスフィーノ まーいいけどw 1 (もぐら村) シエスタSS 今10人 1 (もぐら村) シエスタSS もし 1 (もぐら村) あかみさと なんか軽いね 1 (もぐら村) Jareky ラスフィーノさんのいう意味がわかりません 1 (もぐら村) ラスフィーノ 結果みれるからね 1 (もぐら村) あまる 個人的にはラスさんのほうを信じてますので、レリックさんは村よりで考えていますが 1 (もぐら村) シエスタSS レリックさん白だと 1 (もぐら村) あまる それでも吊って結果をみたい 3 (天界部屋) しょにちくん 投票が開示されないから、グレランないのが痛いですね 1 (もぐら村) シエスタSS 占いはロラギリギリ間に合わない 1 (もぐら村) リゾルート ラスさんが言いたいのは、もう残り日数的に吊って確認という余裕がないということですか? 1 (もぐら村) トガリ あら、指定? 1 (もぐら村) シエスタSS いちおう連絡 1 (もぐら村) あまる ああ、なるほど 1 (もぐら村) ラスフィーノ んーとさ、ここで偽だったばあいね 3 (天界部屋) しょにちくん 基本、指定進行になっちゃうから、指定する人が大変そう。 1 (もぐら村) ラスフィーノ 私視点は、苦しいんだよね。○けされちゃうわけで、グレーが残る 1 (もぐら村) あかみさと んー、しょにちさんが噛まれたのはJareさんが真だからじゃないかなーって思うんだけどどうだろう 3 (天界部屋) BBL 序盤は特にそうですね 3 (天界部屋) デジュー 初日役職もないし、本当に発言から●探すしかない 3 (天界部屋) うんちや 霊か共有軸で指定が多いですね 3 (天界部屋) デジュー シンプルがゆえに難しいよね 1 (もぐら村) あかみさと 狐ないのも分かってこりゃ狩だと思って噛んだとか 1 (もぐら村) Jareky 残ってる○はラスさんの方が多いですよ? 1 (もぐら村) ラスフィーノ 噛み合わせ狙われたんじゃないかな。。。と思ってますけど 3 (天界部屋) しょにちくん 霊軸で進めるんなら、占いは伏せてもいいんじゃないの?って思ったりもしました。 1 (もぐら村) ラスフィーノ でもじゃれさん吊りにも手を使いますからね 3 (天界部屋) BBL ふむふむ 1 (もぐら村) リゾルート むしろ、この黒って狐の可能性はありませんか・・・? 1 (もぐら村) Jareky 死体なしの日があったので狐知っているかもしれません。狩人のGJかも知れませんが・・・ 1 (もぐら村) ケラヴノス 狐だったら白判でて銃殺されてます 1 (もぐら村) Jareky 二人が占ってるから狐はないでしょう 3 (天界部屋) デジュー 狐いないならまだしも占い伏せは・・・どうだろう? 3 (天界部屋) しょにちくん 死体無しが狐噛みなら、○の中に狐がいるんでしょうね 1 (もぐら村) ラスフィーノ 狐は別にっていみでしょ・ 1 (もぐら村) おおかみん 狐知ってればそれとなく告発あるけど 1 (もぐら村) リゾルート あ、そういえばそうでした・・・;スミマセン忘れてください; 1 (もぐら村) ラスフィーノ 僕が○だしてるので 1 (もぐら村) あかみさと 思ったんだけどしょにちさんが本当に役持ちなら確定で狩だよね BBL おはよう PEPPERMINT 1 (もぐら村) あまる 本当なら、ね。 1 (もぐら村) ラスフィーノ 狩農耕ですよね 3 (天界部屋) しょにちくん 霊噛みでのGJなら、占いは真狼での信頼勝負が濃厚っぽい 1 (もぐら村) あかみさと 色見れなくなる可能性高いなー もしくは真噛み 1 (もぐら村) あまる ということは、今日レリックさん吊っても、私がかまれて結果がみれないか あらぐむ 残り時間2分です 1 (もぐら村) あかみさと まぁどこ噛むかも情報か 1 (もぐら村) レリック も、あるのか 1 (もぐら村) シエスタSS 霊はもうきびしいかもね 1 (もぐら村) Jareky レリックさん以外に有力の候補ないのであれば、是非レリックさんを 3 (天界部屋) しょにちくん 占い噛みでのGJなら、狼視点真偽付いたんじゃねーですかね 3 (天界部屋) BBL なるほど 1 (もぐら村) あかみさと レリックさんでいいと思うよ 噛みとかからも情報出るだろうし 1 (もぐら村) あまる 今日はレリックさんでいいと思います あらぐむ 残り時間あと1分です 1 (もぐら村) Jareky ちなみに残りのグレイ おおかみん、トガリ、リゾルート(柱宣言なり) 1 (もぐら村) あまる しかしトガリさんしゃべらないなぁ 1 (もぐら村) ラスフィーノ つれんばいいんじゃ 3 (天界部屋) しょにちくん 真偽付いたなら、あかみorシエスタのどっちかが狼とかね! 1 (もぐら村) シエスタSS オレもレリックさんかな 3 (天界部屋) しょにちくん 素直に考えて 1 (もぐら村) おおかみん レリックさんに 1 (もぐら村) あかみさと ステに縄はもったいないから頑張ってしゃべってね! あらぐむ 残り時間あと30秒です 1 (もぐら村) リゾルート グレー残り3ですか・・・ 1 (もぐら村) トガリ つってもらってもかまわないといいたいけど・・・ 1 (もぐら村) Jareky あと怪しいと思っているのは、さんざんな吊逃れしていたデジューくんを怪しまない人を疑いました。シエスタSSさんを疑ってはいますが、 1 (もぐら村) Jareky 対抗○なので村人が対抗占いに納得できそうなタイミングを待ってます。 あらぐむ 日は落ちて、村人たちは今日の処刑者を決めなくてはいけません。 あらぐむ 各人は処刑する人の名をTELLでお願いします 1 (もぐら村) あらぐむ ------STOP----------STOP------ 1 (もぐら村) あらぐむ ------STOP----------STOP------ 2 (狼がぶがぶ) あらぐむ ----会話可能時間です---- 2 (狼がぶがぶ) レリック すまん 2 (狼がぶがぶ) ラスフィーノ うーごめん 2 (狼がぶがぶ) ラスフィーノ ちょっと準備ができんかった 2 (狼がぶがぶ) ラスフィーノ パンダいけないなぁ (T) あかみさと > レリックさんで (T) あまる > レリックさんをつりつり 2 (狼がぶがぶ) ラスフィーノ 明日どっちかんだらいいかな? (T) ケラヴノス > レリックさんへ (T) Jareky > レリックさんに投票 2 (狼がぶがぶ) ラスフィーノ Jareさんも噛むならいまだ 2 (狼がぶがぶ) レリック とりあえず、あまるんなんとかしないと詰むのかなあ 2 (狼がぶがぶ) ラスフィーノ 積むかな (T) シエスタSS > なんかヤバイような気がする・・・おおかみんさんで! 2 (狼がぶがぶ) ラスフィーノ 狂人まだいきてるかなぁ。。。。 (T) リゾルート > これはちょっときになる・・・トガリさんで 2 (狼がぶがぶ) レリック 狂どこにいったんだろうね 2 (狼がぶがぶ) ラスフィーノ ちょっと悲しいっす。。。 2 (狼がぶがぶ) ラスフィーノ 俺はね、レリックさんに●だされて (T) おおかみん > レリックさんで 2 (狼がぶがぶ) レリック とりあえず次点で票がだれに集まるかな 2 (狼がぶがぶ) ラスフィーノ JaREさんかんで 2 (狼がぶがぶ) ラスフィーノ 俺つられそうになったらLWCOして 2 (狼がぶがぶ) ラスフィーノ 狐いるからっていう感じで粘る予定 3 (天界部屋) みむっちゃ あかみさんは村に貢献する発言が今生きてる人間のなかで一番多かったから、村よりに見てるなぁ 2 (狼がぶがぶ) ラスフィーノ しょにちくんは狩人か狂人だとおもうんだよね 2 (狼がぶがぶ) レリック あい、頑張っておくれ (T) トガリ > レリックさんで 2 (狼がぶがぶ) レリック 約持ちなのであればそこらへんかね 2 (狼がぶがぶ) ラスフィーノ 今日はだれでもいいよ、あまるさんにするかw 3 (天界部屋) みむっちゃ ラスさんの占い先が寡黙よりばかりで、自分(狂人)が死んだあとのためにSG大量生産っぽくて胡散臭い 3 (天界部屋) BBL 私もJareさん真で見てるのであかみさんは村で見ています あらぐむ 残り時間あと1分です (T) ラスフィーノ > あまるさんです (T) レリック > あまるんに一票 レリック6 おおかみん1 トガリ1 あまる2 あらぐむ 残り時間あと30秒です 3 (天界部屋) しょにちくん Jare真じゃないかなってボクも思います 2 (狼がぶがぶ) ラスフィーノ 狂人どこいったんだーw 2 (狼がぶがぶ) レリック 後は任せた> 2 (狼がぶがぶ) ラスフィーノ うんがんばるよ、きついけどかなりw あらぐむ 村人たちの話し合いにより レリックさん は処刑されてしまいました あらぐむ /chjoin 天界部屋 へどうぞお入りください あらぐむ ---------夜のターンSTART------- あらぐむ 役職の方はTELLをお願いします あらぐむ まもなく夜となり狼たちの時間です。各々狼に怯えつつも推理し、明日の昼へと備えましょう レリック スベテハイニナレ・・・ 3 (天界部屋) みむっちゃ なんにしても議論が煮詰まってくる後半は釣り先をあやしい奴にせざるを得ないんだから、序盤は有無を言わさず寡黙つってよと思う あらぐむ パンダはそんなこといわない! あらぐむ (飛影) あらぐむ 良い子はぐぐらないように 2 (狼がぶがぶ) ラスフィーノ シエスタさんは○だしたけど、俺まもってないから 3 (天界部屋) レリック めいどいーーーn 3 (天界部屋) うんちや 終盤静かな村コワイ 2 (狼がぶがぶ) ラスフィーノ 狩人ではないとみた 3 (天界部屋) BBL お疲れ様でした 3 (天界部屋) うんちや おつかれさまです 3 (天界部屋) xバーバラx おつかれさまです 3 (天界部屋) みむっちゃ おつかれん 3 (天界部屋) しょにちくん おつです 3 (天界部屋) デジュー オツカレサマー 2 (狼がぶがぶ) ラスフィーノ 狂人かなぁ、、、どうだろう 2 (狼がぶがぶ) ラスフィーノ 狐もあるな (T) あまる > レリックさんの結果を発表できたらいいなぁ (T) > あまる 能力の結果、レリックさんは狼と判明しました! 2 (狼がぶがぶ) ラスフィーノ あまるさん噛んだらもうJAREさんは噛めないな逆に。ってか俺つられるか。。。 2 (狼がぶがぶ) ラスフィーノ 今日の夜に銃殺出されるのが一番まいるな。。。はずせよ0 (T) Jareky > トガリさんを占います。生き残れるかな (T) > Jareky 能力の結果、トガリさんは村人だったようです 3 (天界部屋) みむっちゃ Jareさん噛まれるかなぁ 3 (天界部屋) BBL 狩人いなければ噛まれるかと 3 (天界部屋) レリック あまるんじゃないのかな?噛まれるの あらぐむ 残り時間2分です (T) シエスタSS > 吊られやすいようにステ気味だけどなんか生き残ってもうたなぁ (T) Jareky > あいあい。狐なら勝つる。気がする 3 (天界部屋) しょにちくん あまるさんより、先にJareじゃないかな 3 (天界部屋) BBL Jareさん真なら霊媒噛んでいる余裕はないような気も 3 (天界部屋) うんちや 霊守り鉄板じゃないかなー 3 (天界部屋) みむっちゃ あまるん噛まれれば、霊媒結果だしたくなかった=黒だっただからJare真になるんじゃねたぶん 3 (天界部屋) レリック 真狂の可能性ってなくなったん? (T) シエスタSS > 占いに狂人いるようにするにはどうしたもんか 3 (天界部屋) BBL まだありますよ (T) > シエスタSS マメタァ あらぐむ 残り時間あと1分です (T) シエスタSS > たすけてもぐえも~ん 3 (天界部屋) みむっちゃ まぁしょにちさんが狩人の可能性いま一番高いからGJはでないでしょう (T) > シエスタSS コグねえ一生分で助けてやろう あらぐむ 残り時間あと30秒です 3 (天界部屋) みむっちゃ あるある あらぐむ 役職の方はTELLおねがいしますね (T) ラスフィーノ > Jarekoさんかむよ!狐はずせよ! 3 (天界部屋) しょにちくん ボクは狐かもしれない! (T) > ラスフィーノ がぶりといきましょう (T) ラスフィーノ > がぶがぶ 3 (天界部屋) BBL それはないですよw (T) シエスタSS > 一日の摂取量がわかんねーしw 3 (天界部屋) みむっちゃ あなた噛まれてここきてるでしょうw 3 (天界部屋) xバーバラx かまれてるw 4日目へ 6日目へ
https://w.atwiki.jp/familiar/pages/4115.html
267 :名無しさん@ピンキー:2007/11/07(水) 01 23 15 ID +HyjIYoe 初めまして。 初めてのSS投稿なので間違いなどあるかもしれませんが、 どうぞよろしくおねがいします。 題名は「ウサギ林檎」です。 268 :ウサギ林檎:2007/11/07(水) 01 29 46 ID +HyjIYoe ルイズとシエスタが風邪を引いた。原因は昨日の風呂だと思う。 昨晩、才人がいつものように自作の風呂に入ろうと部屋を出たところを、 使用人ですからとシエスタが一緒に入ろうとし、それを見たルイズもご主人様だからという理由で強引について来た。 大きい釜といってもさすがに3人はきつく、好機とばかりにシエスタが才人に密着し、 それを見たルイズが大暴れ。そのせいで風呂釜が倒れて湯冷めしたのだろう。 「ヘクシュッ!!…ったく、なんであんたは風邪引かないのよぉ……」 布団の中から赤い顔だけ出してルイズが睨んでくる。 「そんなこと言ってもなぁ〜、男だからか?」 実際才人一人が風邪を引かなかったのは不自然であるが、掛からなかったのは事実である。 案外馬鹿は風邪引かないと言うのが当たっていたのかもしれないが…。それに、 「でも俺まで風邪引いたら大変だろ。誰が看病するんだよ」 確かに、この部屋には才人とルイズとシエスタの3人しかいないのだから、才人まで風邪を引いたら大変である。 するとルイズは顔をさらに赤くしながら、 「まぁそれは仕方がないとして、なんで私がシエスタと一緒のベッドなのよ!」 隣で恍惚とした目で才人を見つめていたシエスタを見ながら怒鳴った。 「いいじゃないですか。ベッドは一つしかないんですしぃ〜」 この部屋にベッドは一つしかなく、元々3人で寝ていたので1人減る分には問題ない。 口ではああ言っているが、流石に病人であるシエスタを床で寝かせることは出来ず、ルイズはダダを捏ねるばかりである。 「そうだよ。それに元々一緒に寝てたじゃないか。今更いいじゃん」 「そうですよ。それにこうしてサイトさん看病が受けられるわけですし」 「ちょっとシエスタ、何言ってるのかしら。サイトは私の使い魔なんだから私を看病するの!!」 「別にいいじゃないですか!サイトさんはミス・ヴァリエールだけのものではありません!!」 269 :ウサギ林檎:2007/11/07(水) 01 31 19 ID +HyjIYoe ベッドの中で喧嘩し始めた2人を見ながら、 『そういや風邪引てダダ捏ねてた時、よく母さんが林檎剥いてくれたっけ』 などと思った才人は、棚にあった2つの林檎と小振りのナイフを持ってベッドの脇に腰掛けた。 「あら、あんた林檎剥くの?まぁご主人様の為に働くなんて使い魔として当然よね。 さっさと剥きなさい。一応食べてあげるから」 「なんだよ、文句を言うなら喰うなよ」 「…っな!?」 「そうですよミス・ヴァリエール。いやなら食べなきゃいいじゃないですか。 サイトさんの剥いて下さった物でしたら、私何でも食べますわ」 「ちょっと何言ってんのよ、この色ボケメイド!」 いい加減五月蠅くなってきたので、林檎の皮剥きを始めようと才人がナイフを持ったとき、 微かにガンダールヴのルーンが光った。すると林檎の皮の剥き方が自然と頭に浮かんでくる。 『やっぱすげえなぁ、ガンダールヴは。これなら失敗することはなさそうだ。…そうだ、ちょっと工夫して……』 「…ん?ちょっとサイト、なんで皮剥かないで林檎を切ってるのよ」 「そうですよサイトさん。何故皮を剥かないんですか?」 2人が言うように、才人は林檎の皮を剥かず直接実を食べやすい大きさに切り、種を取ってゆく。 「いいから見てろって。…こうして…ああしてっと……」 才人は切った林檎の皮にVの字に切り込みを入れ半分ほど皮を剥き、余分な皮を取り除いていく。 最後に残った皮を少し切り取り、完成した林檎を皿に盛り付けて… 「おもしろい切り方ね…」 「確かに変わった切り方ですね…」 「そうか?こっちの世界ではあまり知られてないんだな。俺の世界じゃ結構有名で「うさぎ切り」とか言ったかな」 そう、才人は子供の頃よく母親がお弁当に入れてくれた兎型に林檎を切っていた。 「へぇ〜。確かにうさぎに見えるわね」 「ほんとだぁ〜、かわいいですね」 そう言いながら、2人は兎型林檎をパクパク食べていく。 「こうして動物の形に切れば楽しく食べられるだろ」 「確かにこうすると、何でか食べやすくなりますね」 「本当、あんたの世界って変わってるわね。…そうだ、他にはないの?」 「他にか…」 才人は地球にいた頃にしてもらった切り方や調理法を思い出した。 タコさんウィンナーやサッカーボールおにぎりなど、子供の頃にお弁当によく入っていた品目を話した。 「へぇ〜、あんたの世界の親って結構子供のこと考えてんのねぇ〜。 ……そうだ!今度その『たこさんうぃんなー』とやらを私に食べさせなさい!」 「えっ!?…なっ、なんだってぇ!?」 「そうですねぇ、そうしましょう。私にも『さっかーぼうるおにぎり』ってのを作ってくださいね、サイトさん!」 「いい、これは命令なの!ご主人様の命令は絶対なんだからね!!!」 そう言いながらはしゃぐご主人様とメイドを見て才人は、 食材とかどうすんだろうとかぁ…と考えるのであった。 270 :名無しさん@ピンキー:2007/11/07(水) 01 36 36 ID +HyjIYoe 終了です。 初登場で初投稿なので、いろいろ変なところもありますが、 これからよろしくお願いします。 そんなに才能ないので、今後書くか分かりませんが、 気が向いたら投稿しようかなと思います。 今名前とか考えてます。 書き出しが苦手なのでおかしいかもいしませんが、 ご了承ください。 題名もセンス無くてすみません。
https://w.atwiki.jp/gensouutage_net/pages/6431.html
びく:18枚引いて、太極拳0タイフーン0夢葛がラス前に1枚 完全に蓬莱の餌食に びく//夢で逢えたら//紅 美鈴-紅 美鈴-紅 美鈴-小野塚 小町- 鳥月//人形劇アリス//アリス-アリス-アリス-ルナサ- 鳥月は山札をシャッフルしました。 びくの呪力は今0(-1)です。 賽が投げられて、鳥月の先攻になった。 びく dz 鳥月 では 鳥月の呪力が-1 (0) 配置:咒詛「魔彩光の上海人形」 Turn 2 - びく//体力21( 21) 呪力1( 0) 手札7( 6) 山33( 34) スペル0( 1) タイマー00 02(00 18) 手札:華符「破山砲」//肉弾戦//舟符「河の流れのように」//根性避け//三華「崩山彩極砲」//シエスタ//彩翔「飛花落葉」// 配置:彩翔「飛花落葉」 起動:彩翔「飛花落葉」 Turn 3 - 鳥月//体力21( 21) 呪力2( 0) 手札6( 6) 山33( 33) スペル1( 1) タイマー00 18(00 12) 配置:咒詛「首吊り蓬莱人形」 鳥月は咒詛「首吊り蓬莱人形」を場から手札に戻しました。 配置:操符「乙女文楽」 起動:操符「乙女文楽」 Turn 4 - びく//体力21( 21) 呪力1( 0) 手札7( 5) 山32( 33) スペル1( 2) タイマー00 15(00 49) 手札:華符「破山砲」//肉弾戦//舟符「河の流れのように」//根性避け//三華「崩山彩極砲」//シエスタ//紅砲// 戦闘:びく - 彩翔「飛花落葉」 vs 操符「乙女文楽」 - 鳥月 結果:びく - Dmg 1 2 Dmg - 鳥月 配置:三華「崩山彩極砲」 起動:彩翔「飛花落葉」 Turn 5 - 鳥月//体力19( 20) 呪力3( 0) 手札6( 6) 山32( 32) スペル2( 2) タイマー00 50(00 47) 配置:蒼符「博愛の仏蘭西人形」 起動:蒼符「博愛の仏蘭西人形」 鳥月はファントム・ザ・グランギニョルを鳥月のリーダーにつけました。 Turn 6 - びく//体力20( 19) 呪力2( 1) 手札7( 4) 山31( 32) スペル2( 3) タイマー00 53(01 04) 手札:華符「破山砲」//肉弾戦//舟符「河の流れのように」//根性避け//シエスタ//紅砲//連環撃// 戦闘:びく - 彩翔「飛花落葉」 vs 蒼符「博愛の仏蘭西人形」 - 鳥月 結果:びく - Dmg 0 2 Dmg - 鳥月 びくは連環撃をびくの彩翔「飛花落葉」につけました。 びくの呪力が+1 (1) 起動:彩翔「飛花落葉」 配置:舟符「河の流れのように」 Turn 7 - 鳥月//体力17( 20) 呪力5( 0) 手札5( 5) 山31( 31) スペル3( 3) タイマー01 04(01 13) 配置:咒詛「首吊り蓬莱人形」 鳥月はファントム・ザ・グランギニョルを鳥月のリーダーにつけました。 起動:蒼符「博愛の仏蘭西人形」 Turn 8 - びく//体力20( 17) 呪力3( 3) 手札6( 3) 山30( 31) スペル3( 4) タイマー01 19(01 31) 手札:華符「破山砲」//肉弾戦//根性避け//シエスタ//紅砲//肉弾戦// 戦闘:びく - 彩翔「飛花落葉」 vs 蒼符「博愛の仏蘭西人形」 - 鳥月 結果:びく - Dmg 1 3 Dmg - 鳥月 起動:彩翔「飛花落葉」 配置:華符「破山砲」 Turn 9 - 鳥月//体力14( 19) 呪力8( 2) 手札4( 5) 山30( 30) スペル4( 4) タイマー01 30(01 29) イベント(鳥月):人形劇 鳥月は操符「乙女文楽」を手札から捨てました。 鳥月は山札を丸ごと見ました。 鳥月は上海人形を鳥月のリーダーにつけました。 鳥月はファントム・ザ・グランギニョルを鳥月のリーダーにつけました。 鳥月は山札をシャッフルしました。 鳥月は山札を見るのをやめて、山札をシャッフルしました。 鳥月は人形劇を場から捨札に送りました。 Turn 10 - びく//体力19( 14) 呪力6( 4) 手札6( 2) 山29( 28) スペル4( 4) タイマー02 23(01 51) 手札:肉弾戦//根性避け//シエスタ//紅砲//肉弾戦//三華「崩山彩極砲」// 戦闘:びく - 彩翔「飛花落葉」(相手スルー) びくは連環撃の2番目の特殊能力を使いました。 結果:びく - === 3 dmg - 鳥月 びくは紅砲をびくの華符「破山砲」につけました。 びくの呪力が+1 (4) びくの呪力が+1 (5) 起動:華符「破山砲」 配置:三華「崩山彩極砲」 Turn 11 - 鳥月//体力11( 19) 呪力9( 2) 手札3( 4) 山27( 29) スペル4( 5) タイマー01 52(04 01) 配置:偵符「シーカードールズ」 起動:咒詛「首吊り蓬莱人形」 Turn 12 - びく//体力19( 11) 呪力6( 3) 手札5( 2) 山28( 27) スペル5( 5) タイマー04 13(02 37) 手札:肉弾戦//根性避け//シエスタ//肉弾戦//投銭「宵越しの銭」// 鳥月の呪力が+1 (3) - ファントム・ザ・グランギニョル 鳥月はファントム・ザ・グランギニョルの1番目の特殊能力を使いました。 鳥月 上海 鳥月の呪力が+1 (3) - ファントム・ザ・グランギニョル 鳥月はファントム・ザ・グランギニョルの1番目の特殊能力を使いました。 鳥月 上海 配置:投銭「宵越しの銭」 Turn 13 - 鳥月//体力11( 19) 呪力8( 6) 手札3( 4) 山26( 28) スペル5( 6) タイマー02 34(04 57) 戦闘:鳥月 - 咒詛「首吊り蓬莱人形」 vs 彩翔「飛花落葉」 - びく 結果:鳥月 - 回避 4 Dmg - びく 配置:蒼符「博愛の仏蘭西人形」 Turn 14 - びく//体力15( 11) 呪力12( 8) 手札5( 2) 山27( 26) スペル6( 6) タイマー05 16(03 25) 手札:肉弾戦//根性避け//シエスタ//肉弾戦//紅砲// 鳥月の呪力が+1 (8) - ファントム・ザ・グランギニョル 鳥月はファントム・ザ・グランギニョルの1番目の特殊能力を使いました。 鳥月 上海 鳥月の呪力が+1 (8) - ファントム・ザ・グランギニョル 鳥月はファントム・ザ・グランギニョルの1番目の特殊能力を使いました。 鳥月 上海 Turn 15 - 鳥月//体力11( 15) 呪力14( 12) 手札3( 5) 山25( 27) スペル6( 6) タイマー03 21(05 40) 戦闘:鳥月 - 咒詛「首吊り蓬莱人形」(相手スルー) 結果:鳥月 - === 4 dmg - びく 鳥月は上海人形を鳥月のリーダーにつけました。 鳥月は仏蘭西人形を鳥月のリーダーにつけました。 Turn 16 - びく//体力11( 11) 呪力18( 11) 手札6( 1) 山26( 25) スペル6( 6) タイマー06 01(03 53) 手札:肉弾戦//根性避け//シエスタ//肉弾戦//紅砲//明鏡止水// 鳥月の呪力が+1 (11) - ファントム・ザ・グランギニョル 鳥月はファントム・ザ・グランギニョルの1番目の特殊能力を使いました。 鳥月 上海 Turn 17 - 鳥月//体力11( 11) 呪力17( 18) 手札2( 6) 山24( 26) スペル6( 6) タイマー03 42(06 09) 戦闘:鳥月 - 咒詛「首吊り蓬莱人形」(相手スルー) 結果:鳥月 - === 5 dmg - びく 起動:偵符「シーカードールズ」 Turn 18 - びく//体力6( 11) 呪力24( 14) 手札7( 2) 山25( 24) スペル6( 6) タイマー06 32(04 35) 手札:肉弾戦//根性避け//シエスタ//肉弾戦//紅砲//明鏡止水//投銭「宵越しの銭」// 鳥月の呪力が+1 (14) - ファントム・ザ・グランギニョル 鳥月はファントム・ザ・グランギニョルの1番目の特殊能力を使いました。 鳥月 上海 配置:投銭「宵越しの銭」 起動:投銭「宵越しの銭」 Turn 19 - 鳥月//体力11( 6) 呪力19( 23) 手札3( 6) 山23( 25) スペル6( 7) タイマー04 23(06 32) 鳥月の呪力が+1 (19) - ファントム・ザ・グランギニョル 鳥月はファントム・ザ・グランギニョルの1番目の特殊能力を使いました。 鳥月 上海 戦闘:鳥月 - 咒詛「首吊り蓬莱人形」 vs 投銭「宵越しの銭」 - びく 結果:鳥月 - 回避 5 Dmg - びく Turn 20 - びく//体力1( 11) 呪力30( 19) 手札7( 3) 山24( 23) スペル7( 6) タイマー06 59(05 24) 手札:肉弾戦//根性避け//シエスタ//肉弾戦//紅砲//明鏡止水//明鏡止水// 鳥月の呪力が+1 (19) - ファントム・ザ・グランギニョル 鳥月はファントム・ザ・グランギニョルの1番目の特殊能力を使いました。 鳥月 上海 びくは明鏡止水をびくのリーダーにつけました。 Turn 21 - 鳥月//体力11( 1) 呪力24( 27) 手札4( 6) 山22( 24) スペル6( 7) タイマー05 12(06 56) イベント(鳥月):人形劇 鳥月は人形修繕を手札から捨てました。 鳥月は山札を丸ごと見ました。 鳥月はストロードールを鳥月のリーダーにつけました。 鳥月は上海人形を鳥月のリーダーにつけました。 鳥月は山札をシャッフルしました。 鳥月は山札を見るのをやめて、山札をシャッフルしました。 鳥月は人形劇を場から捨札に送りました。 Turn 22 - びく//体力1( 11) 呪力34( 20) 手札7( 2) 山23( 20) スペル7( 6) タイマー07 41(05 47) 手札:肉弾戦//根性避け//シエスタ//肉弾戦//紅砲//明鏡止水//幻符「華想夢葛」// イベント(びく):シエスタ びくの体力が+5 (6) - シエスタ びくは明鏡止水を手札から捨てました。 びくはシエスタを場から捨札に送りました。 配置:幻符「華想夢葛」 Turn 23 - 鳥月//体力11( 6) 呪力25( 29) 手札3( 4) 山19( 23) スペル6( 8) タイマー05 33(08 04) 鳥月の呪力が+1 (25) - ファントム・ザ・グランギニョル 鳥月はファントム・ザ・グランギニョルの1番目の特殊能力を使いました。 鳥月 ストロー 戦闘:鳥月 - 咒詛「首吊り蓬莱人形」 vs 華符「破山砲」 - びく イベント(びく):根性避け 結果:鳥月 - 回避 回避 - びく びくは根性避けを場から捨札に送りました。 配置:呪符「ストロードールカミカゼ」 起動:呪符「ストロードールカミカゼ」 Turn 24 - びく//体力6( 11) 呪力34( 22) 手札4( 2) 山22( 19) スペル8( 7) タイマー08 52(06 21) 手札:肉弾戦//肉弾戦//紅砲//根性避け// びく ここまでタイフーン、太極拳1枚もなしねぇ びく 投了で びくの体力が-1 (5) びくの体力が-1 (4) びくの体力が-1 (3) びくの体力が-1 (2) びくの体力が-1 (1) びくの体力が-1 (0) 鳥月 了解 鳥月 ありがとうございました びく ありがとうございました びく 破山で手札を全部捨てろと、そりゃ、わかんねぇなぁ 鳥月 w びく さて、戻りです びく ノシ 鳥月 ノシ
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/4123.html
前ページ次ページゼロの軌跡 第十二話 貴族と平民 「なんですって!?レコン・キスタが?」 「なんでも、和平条約の締結のために派遣された軍使節が攻撃を仕掛けてきたらしくて、そのままこっちに向かってるそうです」 ルイズとレンもレコン・キスタの話は各地で耳にしていた。 聖地回復を目指すという、なんとも胡散臭い連中だと思ったがまさかトリステインにまで攻めて来るとは思わなかった。アルビオン王家が滅んだと聞いたときはただの内乱のようだったのだが。 「軍の到着は何時ぐらいになるの?レコン・キスタの勢力はどれくらい?攻めてくるまでの時間の余裕は?」 「え、えっと、軍は早くてもあとは半日はかかるそうです。敵の兵力は大体五千とか。もう数時間ほどでレコン・キスタはこのタルブ村までやってくるって」 どうしましょう、と震えるシエスタをなだめ、ルイズは急いで村の人間を集めるように指示する。 それを受けてシエスタが出て行ったのを確かめるとレンはルイズに問いかけた。 「どうするつもり?」 「戦えない女性と子供はすぐに村から脱出させるわ。レンと<パテル=マテル>はその人達を守るためについていって欲しいの」 「ルイズはどうするのかって聞いてるのよ!」 苛立ちを隠そうともせずに、レンは声を荒げた。彼女がここまで怒りを見せるのはサモンサーヴァント以来の事だった。 「タルブを抜かれたら王都までレコン・キスタを防ぐことは出来ないのよ。ここで少しでも時間を稼ぐわ」 「正気!?防ぐ為の兵力は?体制を整える時間は?篭って戦えるような要害は? この状況でルイズ一人で何が出来るっていうのよ」 「一人じゃないわ。タルブと近くの村から義勇兵を募る。二百くらいは集まるでしょう」 「空からの精鋭五千と地上の民兵数百。勝負になるはずがないじゃない」 レンは近くにあった机を力任せに殴りつけた。木で簡易に組まれただけのそれは容易にひしゃげて床に転がった。折れて跳ねた二本の足がルイズとレンの足にぶつかって止まる。 レンには始めから分かっていたのだ。ルイズがここに踏みとどまるであろう事が。そして、ルイズが決して意志を曲げようとしない事も。 それでも、無駄と知りながらレンは説得を放棄することが出来なかったのだ。 「少し時間を稼げばアンリエッタ様が軍を派遣してくださるわ。それまで持ちこたえればいいの」 「最低でも半日かかるのに、このままじゃ一時間耐え切れればいい方よ。それに王国軍が来たところで勝てる保証は何もないわ」 「レコン・キスタの進軍が少し遅れるかもしれないし、増援が早く来るかもしれない。その増援は空軍に対抗できるような戦力を保持しているのかも。 そうやって要素が積み重なれば、まだ賽の目はどちらに転ぶか分からない。でも私がここで退けば万に一つの勝ち目も失う。 私はトリステインの貴族なの。民と国を見捨てるような真似は絶対に出来ない。命を天秤に掛けるようなら、私は貴族としての道を永遠に失ってしまう。それは死ぬことより辛いことだわ。 私を怒ってくれてとても嬉しかった。でも…ごめんなさい。レン」 レンはそれ以上反駁できなかった。ルイズもレンもお互いにどうしようもなく正しかったからだ。 ルイズは自国とその民を守らんとした貴族であろうとしたのだし、レンもまたそれを是としていた。 自己の保身でなく、国と民の為に己を捧げる。それが真に正しい貴族の道だとルイズは信じて行動しているし、その信念を認めたからこそレンも今までルイズと行動を共にしてきた。 だがその決意は今ルイズの、文字通り必死の反抗作戦という形で顕れて、レンにはそれを認めることが出来なかった。それしか方法がないことを理解しながら、感情はそれを頑なに拒んだ。 きっとそれはレンにとってルイズの存在が欠けてはならないものになったからで、だからルイズはレンに感謝したのだ。 本来レンにとってルイズは憎んで然るべき存在のはずだった。レンを元の世界から引き剥がすように召喚し、親のように慕っている<パテル=マテル>と契約した。 ルイズが衣食住を提供しているといっても、レンほどの異能があればこの世界で不自由することはあるはずもない。ルイズが成し得て、レンに成し得ない事は何一つない。 畢竟、互いの存在を必要としていたのはルイズであって、レンではないはずだった。 それでも今こうしてレンはルイズを求めてくれている。死地に向かうルイズを引き止め、翻意させようとしてくれている。日頃は決して見せない激情を露にして。 それがルイズには堪らなく嬉しくて、そしてもうレンに応える事が出来ないのが悲しくも申し訳なかった。 ルイズが窓に視線をやると、心配そうに顔を覗かせる<パテル=マテル>がそこにいた。 私が死ねば、本当に<パテル=マテル>をレンに返すことが出来る。きっと胸のルーンも消えるだろう。 そう思うと沈みがちな気分も少しだけ楽になったように、ルイズには感じられた。 「ルイズの大馬鹿…」 長い沈黙の後、硬く握った拳を力なく下ろして、レンはただそれだけをつぶやく。 それすらも親愛の情であるようにルイズには思えた。 レンはそのまま走って部屋を出て行く。その後姿を追いかけて抱きとめたい衝動に駆られたが、それは許されることではなかった。 顔に疑問符を貼り付けたシエスタが呼びに来るまで、ルイズは杖を握り締めて立ち尽くしていた。 「本当にここに残るんですか?」 「そうよ、危ないからシエスタも早く避難しなさい」 「駄目です!敵いっこありません!」 持てるだけの金品と多少の食料を積み、ありったけの台車を数珠に繋いで<パテル=マテル>に括り付ければ女子供の避難はすぐにも始まるはずだった。 が、ルイズが残ることを聞いたシエスタが、ルイズも連れて行こうと必死にわめき散らした。 説得しても埒が開かない、今は一秒でも時間が惜しいと説得を諦めてルイズは男達に声をかける。 「ルイズ様を置いて行けな、ちょっとどこ触ってるんですか!離して、はーなーしーてー!」 「ミス・レン、おまたせしやした。出発してください。こいつらをよろしく頼んます」 シエスタを出来るだけ優しく荷台に投げ込む。なおも這い出ようとするシエスタの頭を押さえつけて、男達は発進許可を出した。 レンは一つ首肯し、<パテル=マテル>は轟音を上げて動き出した。 猛スピードで引き摺られ激しく揺れる台車。乗り心地は最悪だろうが、しばらくは我慢してもらう他ない。 多少の吐き気で命が買えるなら安いもの。あの様子なら戦闘が始まる前に十分安全な場所まで逃げることだろう。 「本当によかったんですかい?ヴァリエールさま。今ならまだ間に合いますぜ」 「…いいのよ。私が選んだ道だもの。今更違えることなんて出来ない。 さあ、忙しくなるわよ。隣の村から人が来たら、村の入り口と広場にバリを組んで。ありったけの武器と弾薬をかき集めるのも忘れないように」 最後まで、ルイズとレンは言葉を交わさなかった。 「いてて…あの親父、乙女の柔肌に傷が残ったらどうするつもりよ。次会ったらハシバミ草のサラダ山盛りにして出してやるんだから」 痛むお尻をさすってシエスタがやっと起き上がる。しかし、疾走する台車の上でバランスを失って彼女は再び倒れこんだ。心配する声が周りから上がったが、今はそんなことを気にしてはいられない。 台車から台車へ、危なっかしい足取りながらも跳んで渡り、<パテル=マテル>のすぐ後ろ、先頭の車のそのへりに片足を掛けて立ち上がった。 「ちょっと、シエスタ、何をやってるの。危ないから座ってなさい!」 「座りません!ここで私を下ろしてください!」 慌てたレンから叱責が飛ぶが、シエスタは怖じずに叫び返した。 その様子に少しだけ速度が落ちる。 「車から落ちたらどうするのよ。そのまま挽き肉になりたいの!?」 「だったら止めてください。私は戻ります。ルイズ様を残したまま逃げるなんて私には出来ません!」 「意地を張らないで、シエスタ。あなたを帰すわけにはいかないの。わかるでしょう」 「わかりません!わかりたくもありません!レンちゃん。 いえ、レン!」 出会ってから初めて、シエスタが敬語を崩した。怒りに震えて、彼女は叫ぶ。 「ルイズ様は貴族として、命を懸けて守ろうとして下さっています。タルブ村を。あの人には縁もゆかりもない、私達の故郷を。 あの状況下ではたとえ逃げ出したところで、それは罪にもならなければ恥に値することでもないはずです。なのに、国と民を守る貴族であるという、ただその一つの理由で、ルイズ様は残ったんです。 おそらく戦闘と呼べるようなものにさえならないでしょう。それでも、ルイズ様は己の使命から目をそらすようなことはしませんでした」 慟哭にも似たその言葉。いや、確かにシエスタは涙を流していた。 レンは指一本動かそうとしない。動かせないのかもしれなかった。 まばたきもせずにいるレンを睨みつけてシエスタは続けた。 「平民とは何ですか?ただ貴族に管理されるだけの存在ですか? 常日頃は貴族にその実りを貢ぎ、危機が迫れば目を閉じて耳を塞いで貴族の保護を待つ、飼い犬のようにあればいいのですか? そうやって思考を放棄して、精神を依存し、肉体だけをいうままに行使していれば、平民は幸せになれるのですか? 違います!それは絶対に違います! この国にあって貴族と平民は不可分の存在のはずです。平民は大地を閨としてその恵みを国中に分け与え、貴族は法と権を持って内憂と外患から国と民を守る。それがあるべき姿なのではないですか? 私達がタルブ村とルイズ様を見捨てて逃げ出すということがどういうことか。 このまま逃げ出せば、私達は一生、国にも、貴族にも、他の民にも顔向けが出来ません。 二度とこのトリステインを母国と呼ぶことは出来ません。タルブ村を故郷だと想うことも出来ず、私達の心は彷徨うだけです。 罪を犯しても真に私たちが罰されることはなく、災厄にあって手を差し出されても決して救われることはありません。 私達はトリステインの民です。それは誰にも捻じ曲げることの出来ない絶対の条理です。たとえ、女王であっても、始祖ブリミルであっても。 だから、私を下ろしなさい。レン」 その言葉に、座って聞いていた他の女性達も一斉に立ち上がった。 目にシエスタと同じ決意をたたえていない者は一人としていなかった。 「…どうしてシエスタもルイズと同じ事を言うのよ」 「そんなの決まってます。ルイズ様はトリステインの貴族で、私はトリステインの民だからです。 それ以外に一体どんな理由がありますか」 泣きはらした、それでも満面の笑みでシエスタは言った。 しばしの沈黙。たっぷり三百メイルは走った後にレンはようやく口を開いた。 「ここで止めることはできないわ。速度を上げるわよ」 「レン!」 「そうでもしないと、この後村に戻れないでしょう」 前を向き、表情を隠してレンは言った。 「台車一台に乗る人数だけよ。それ以上はなんと言われてもお断りだから」 その頃トリステイン魔法学院では、コルベールが雑談を交えてオスマンに研究の報告を終え、部屋に戻ろうとしていた。 研究費の増額がうやむやにされ、生活費を切り詰める算段をしながらも、先ほどのオスマンとの会話を反芻していた。 「…らしく、ミス・ヴァリエールとミス・レンは上手くやっているようです」 「ふむ、とりあえずは一安心といったところじゃな。あれがガリアなんぞの手に渡ったらどうなることかと肝を冷やしておったが」 「ミス・レンは正義の徒ではありませんが、醜い振る舞いを、特に貴族のそれを嫌っているようです。ミス・ヴァリエールの人となりであれば問題はないかと」 「ミス・ヴァリエールか…。魔法など、貴族として生きるには必要がないということかの」 ついたため息は安堵かそれとも別の何かか、オスマンは話を変える。 「ところでコルベール君、これは座興なのじゃが、もし彼女らと敵対したら、君ならどうやってあの<パテル=マテル>を打倒するかね?」 「いきなり何をおっしゃるのですか、オールド・オスマン」 そう笑おうとしたコルベールだったが、口調とは正反対にオスマンの目は笑ってはいなかった。 それを受けてコルベールは差し込む光にその頭を輝かせて考え込む。 「…これは非常に不愉快な答えではありますが。ミス・レンを人質にとるというのは」 「大鎌を自在に操り、見知らぬ魔法を行使する彼女をかね?ほんの少しでも手間取れば<パテル=マテル>が文字通り飛んでくるのじゃぞ。 しかも、もしミス・レンが死んだとしてもあれが行動不能になる保証はどこにもない」 「では手詰まりです。正直に言って、あれに対抗できるような手段が思いつきません」 「わしも同感じゃ。それはつまり裏を返せば」 オスマンは手元の砂時計をひっくり返す。砂代わりの秘薬がさらさらと下に零れていく。 時計の中には大粒のガラス球が上下に一つずつ入っている。やがて数分が経ち、ガラス球は完全に白い顆粒に覆われて見えなくなった。 「ミス・レンと<パテル=マテル>を打倒するものがあるとするならば、それはただ一つ。圧倒的な物量しかあるまい」 気分を変えようと、コルベールは部屋に戻る前にヴェストリの広場へと足を向けた。 ここで決闘があったのも随分と前のことであったから、広場は既に美しい景観を取り戻していた。和みながらも一抹の寂しさを覚える彼の視界に、ロングビルと三人の生徒が話しているのが見える。 そのうちにコルベールの姿を認めたのか、彼らはコルベールの元に駆け寄ってきた。 あの夜、ルイズとレンを見送ったキュルケ、タバサ、ギーシュの三人だった。 前ページ次ページゼロの軌跡