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前ページ次ページ疾走する魔術師のパラベラム 第九章 猟犬 0 イド・アームズ/[Id Arms]――接近戦用で口径は小さめ。主に拳銃。 エゴ・アームズ/[Ego Arms]――中・遠距離用で口径は大きい。マシンガン、ライフルなど。 1 ノックの音が部屋に響いた。ルイズは読んでいた本に栞を閉じる。もう呼んだことのある本だから、栞を挟む必要も無い。本を机の上に置き、ドアの鍵を開ける。ほかのメイジなら『アンロック』を唱えるだけでいいのだが、ルイズは使えない。 ドアを開けると豪華な食事をカートに載せたシエスタがいた。 「お食事をお届けに参りました」 シエスタの笑顔を見て、ルイズの顔も自然と綻ぶ。 「あら、シエスタ。あなたが持ってきてくれたの? ありがとう」 ルイズはギーシュと決闘を行い、謹慎処分を受けていた。基本的には部屋から出れず、食事もメイドが部屋に個別に運んでくる。 あの後、午後の授業には出られず、仕方が無しに部屋で本を読んでいたのだ。 謹慎処分くらいなんでもないと思っていたけど、自室から出られないのは退屈で、退屈は思ったよりも辛かった。部屋にある本は数も種類も限られているし、勉強も自習でできる範囲にルイズの分からないところは無い。 「あ、あの、ミス・ヴァリエール! わ、私その、ミス・ヴァリエールのことが、その」 なんだかシエスタの様子がおかしい。顔真っ赤だし、舌がもつれてうまく喋れていない。なんだか目も潤んでいるし、息も少し荒いようだ。 「シエスタ、ちょっと動かないでね」 シエスタと自分の前髪をそっと上げ、額をくっつける。小さい頃、風邪を引いた時は姉がこうやって熱を測ってくれたのを思い出した。 ぴったりと重なった額からはシエスタの体温が伝わってくる。ルイズの体温よりも少しだけ熱いようだ。 「あぅ・・・・・・みみ、ミス・ヴァリエール、おデコがぁ・・・・・・」 咄嗟のことで驚いたのか、シエスタが慌てる。少し熱が上がったような気がする。顔もさっきより赤くなっていた。 「やっぱり少し熱いわね。シエスタ、少し私のベッドで横になっていきなさない。メイド長には私の話相手になっていたと言えばいいから」 シエスタの手を引いて、ベッドに座らせる。気が抜けたのか、顔がさらに赤くなった。黒い大きな瞳もぐるぐると焦点が定まらないようだ。 「そんな、私がミス・ヴァリエールのベッドで寝るだなんて・・・・・・」 「別に遠慮しなくていいのよ?」 これは本心だ。ベッドに他人を眠らせることには抵抗があるが、シエスタなら別に構わない。これがキュルケとかだったら許さないが。 「そういえば私がどうかした?」 シエスタが部屋に入った時、何か言いたそうにしていたのを思い出す。 「あ、その・・・・・・」 何か言いづらいような事なのだろうか。もし、シエスタが困っているのなら力になりたいと思う。 「ミス・ヴァリエール、昼間はありがとうございました。私のような平民を助ける為にあんな・・・・・・それに私の―― 「ストップ」 ルイズはシエスタの言葉を遮った。たぶん、シエスタの言葉の続きはこうだろう。『私のせいで、謹慎処分を受けてしまった』――それは違う。 「シエスタ。あなたに責任は無いわ。この謹慎処分は、私が学院の規則を守らなかったから受けた正当な罰則よ。守る為に決闘をした。その為に学院の規則を破った。私は反省しているけど、後悔はしていない」 シエスタの瞳を真っ直ぐ見つめ、伝える。自分の意思、そして想いを。 「私は信じるものの為に戦った。そして、私はシエスタを守りたかった。この話はそれだけの、シンプルな話よ」 「ミス・ヴァリエール・・・・・・」 ルイズは決闘のことを思い出す。 決闘の時、ルイズは一つの衝動に駆られた。 ギーシュのゴーレムを全て破壊し、目を閉じたギーシュに引き金を引こうとしたのだ。ルイズはギーシュにとどめをさそうとした。 ギーシュのことをルイズは嫌いだった。ギーシュだけじゃない。モンモランシーも、マリコルヌも、キュルケも嫌いだった。『ゼロ』と呼ばれるのが嫌だった。 装填していた弾は対物弾だったから、引き金を引いたところでギーシュが傷つくことはなかった。せいぜい服が破れる程度だろう。《P.V.F》の弾丸は特殊で、人間の精神や神経だけを破壊する『精神系通常弾』とそれとは逆の『対構造物徹甲弾』の二種類がある。精神系通常弾は『人間しか傷つけない』のに対して、対構造物徹甲弾は『人間以外のすべて』を破壊できる。 《パラベラム》は右腕に心の銃を持ち、左手で多種多様な弾丸を生み出すのだ。 ルイズの場合は通常弾には対応しておらず、その代わりに弾丸としてジャベリンを作り出す。あの時、目標はギーシュの青銅製のゴーレムだったので、対構造物用ジャベリンを装填していた。 しかし問題なのはそこではない。ルイズはギーシュを傷つけようとした。そのつもりでギーシュに近づいて、ギーシュが震えていることに気づいた。 ルイズはシエスタを守ろうとして決闘をした。それならばギーシュを傷つける必要は無い。 『私の勝ちね、ギーシュ?』 ギーシュの上に倒れていたゴーレムをどかせて、ルイズはそう言った。それで良かったのだ。ルイズはシエスタを守るために決闘を申し込んだのだ、決闘はルイズの勝ち。それでいい。誰かを守るために戦う者が、誰かを傷つけるために戦うのでは本末転倒だ。 力を持つものには相応の責任と相応の義務がある。 『『力』は・・・・・・貴族の誇りである杖は、守る為にある。傷つける為では無いわ。私の目指す『貴族』はそんなものでは、決して無い! だから大切な人が傷つこうというのならば、私は守る為に戦うわ! それが『力』を持つ者の義務であり、責任よ。・・・・・・貴方はどう思う? 『貴族』を、『力』を、『誇り』を、貴方はどう思う? 『青銅』のギーシュ、ギーシュ・ド・グラモン。考えるのは貴方で、答えを出すのも貴方よ』 あの言葉はルイズ自身に向けた言葉でもあった。 「ミス・ヴァリエール?」 「あ、ああ、少しぼうっとしていたわ」 つい考え込んでいた。自分の手に入れた力のあり方について。また誰かを傷つけそうになるかもしれない。誰かを守るために、誰かを傷つけなければいけないかもしれない。 「シエスタ、あなたが無事で本当に良かった」 ――それでも、私はこの力を守ることに使いたい。 「ミス・ヴァリエール。私は貴女が好きです。貴女の傍に立ち、お仕えできることを誇りに思います」 シエスタが静かにそう言った。なんだかくすぐったい。ルイズは自分の理想とする貴族に少しでも近づけているのだろうか。 「ありがとう、シエスタ」 2 ルイズの朱に染まった顔には明らかな喜びが感じられる。沈む夕日を見ていたのだ。謹慎中、自室で暇な時間を過ごしていたルイズが夕日を見るのは、これで五度目。つまり、今夜が謹慎最終日の夜である。 「長かったわ・・・・・・」 本当に長かった。五日間ぐらいどうってことない、そう思っていたが、退屈な時間というのは予想以上につらいものだった。 授業を受けることができない。これだけでも、学生であるルイズの一日の大半が空白になる。さらに朝食、昼食、夕食。食事は全てメイドが部屋に運ぶため、部屋で一人で済ませる。『ゼロ』と呼ばれ、馬鹿にされていたルイズには楽しく食事をする相手というのはいなかったが、それでも人が大勢いる広い食堂で食べるのと、狭い自室で一人で食べるのでは随分と心情が変わってくる。端的に言うと寂しいのだ。 部屋で時間を潰そうにもすることが無い。ルイズの魔法は爆発するし、かといって部屋でシールド・オブ・ガンダールヴを展開するわけにもいかない。 ならば勉強でもするか、といってもルイズの座学の成績は学年でもトップクラス。今更これといって勉強することもない。やるにしても教師に質問などをしないと進めない範囲である。 自室に置いてある本もあらかた読み尽くしてしまっている。トリステイン魔法学院の図書室の蔵書は、国立図書館に匹敵するほどの数がある。魔法学院の生徒でいる限りにおいて、本で不自由することはほとんど無い。一部の生徒は手元に本を置いておきたいらしく虚無の曜日になれば、本を買いに行く姿も見られるがルイズはそこまで愛好家ではない。 唯一、部屋の外に出ることのできる入浴の時間さえほかの生徒とは時間をずらしてある。だがこれは悪くない。同年代の生徒と一緒に入ると腹が立つのだ。むかつくのだ。詳しい理由は伏せるが、一言言うのならばルイズのある部分には山も谷もない。あるのは平原のみである。一人で広い浴場を使えるのは、なかなかいい気分だった。普段はどの時間でも混み合っている。女の風呂は長い。 娯楽といえば入浴ぐらいしかない、そんな謹慎期間がようやく終わる。そりゃあ気分も高揚するだろう。 ――いえ、もう一つ楽しみはあったわね。 謹慎期間のもう一つの楽しみ。それはシエスタだった。ルイズの部屋に食事を運ぶメイドは彼女だった。 シエスタは毎日、ルイズの部屋に食事を運んでくる。食事を運んできた時に少し会話を交わす程度だが、シエスタとの話は楽しくて謹慎中の大きな楽しみだった。 そういえば今日もそろそろ夕飯の時間だ。今日のシエスタはなんだか様子がおかしかった。 ルイズは昼食を運んできた時のシエスタとの会話を思い出す。 ――あの、ミス・ヴァリエール、ありがとうございます! ――いきなりどうしたの? ――何があっても諦めなくて、貴族なのに平民の為に戦ったり、そんなミス・ヴァリエールにたくさん勇気をいただきました。 ――ミス・ヴァリエールのおかげで、私、これからも頑張れます。・・・・・・失礼します。 ――待って! ――ミス・ヴァリエール? ――・・・・・・これを持っていきなさい。 ――これは? ――・・・・・・私の『使い魔』よ。どうしても、本当にどうしようもなくなった時だけ、それを飲みなさい。命をベットに、たった一度だけ『賭け』ができるわ。 ――『賭け』、ですか? ――ええ、『賭け』よ。勝ちは保障できないけど、逆転の可能性もある。でもね、チップは命と未来。使わないのが一番だけどね。・・・・・・お守り代わりに持っていきなさい。 ――・・・・・・ありがとうございます。 どうして錠剤を渡したのだろう。でも立ち去ろうとした時のシエスタの雰囲気はおかしかった。なんだか無理に明るく振舞おうとしているような、そんな笑顔だった。 どうしても、あのまま行かせてはいけない、そう思ったのだ。それにしても錠剤を渡したのは間違いだったと思う。あの錠剤は危険だ。もしも《パラベラム》の素質が無ければ脳死。命をベットにするのとなんら変わりは無い。 食堂の騒動の時に感じた違和感。シエスタの手をとった時に、少しだけ妙な何かを感じた。《P.V.F》を展開した時にも似たあの感覚。 一体、アレはなんだったのだろうか。考えても答えは出ない。 ノックの音が聞こえ、ルイズが扉を開けると、そこにいたのはコックの格好をした大柄の中年男性だった。 3 シエスタは大きな浴槽に身を沈めた。湯の温度は少し高く、気持ちがいい。シエスタ程度の体格ならば泳ぐことだってできそうだ。 もちろん、平民のシエスタにはこんな風呂は本来入れない。平民の風呂は蒸気を利用したサウナ式が主流である。このような大きく豪華な浴槽にたっぷりの綺麗なお湯を張ることができるのは貴族ならではの贅沢だ。 そんな身分不相応な贅沢をしているにも関わらず、シエスタの気分は優れない。シエスタがこんな風呂に入れるのには当然、理由がある。それも吐き気のするような理由が。 シエスタが今いるのは、トリステイン魔法学院ではない。そこから徒歩で一時間ほど離れたモット伯の屋敷である。豪華絢爛なその屋敷の一角、相当な金のかかった作りをした浴室にシエスタはいた。 シエスタはモットに雇われた。一介のメイドであるシエスタを名指しで、それも本来の雇用主であるオスマンから強引に買い取るような形で。貴族が平民の女をこのような手段で雇う理由は大体決まっている。 妾にするのだ。つまり肉体が目的である。 この屋敷の主、ジュール・ド・モット伯爵は貴族の間でも好色家な事で知られている。シエスタがここに来てからはまだ仕事はしていないが、ほかのメイドたちの大きく胸元の開いたエプロン・ドレスを見れば、モットがどんな人物か分かるというものだ。 シエスタだってこのような貴族に仕えるのは嫌だ。シエスタにとって仕えるべき主は、給金を払うだけのオスマンではない。身体が目的の下衆などでもない。誇り高き、仕えるに値する貴族だ。 だが、それでもシエスタには断れない。シエスタは平民で、モットは貴族。そして故郷には家族と妹や弟たちがいる。シエスタに選択肢は無い。無いはずだった。 シエスタは湯から上がる。滑らかな肢体は湯で温まり上気しており、ほんのりと赤い。身体の線をなぞるようにまだ暖かさを残した湯が伝い床を濡らした。顔に張り付いた髪を振り払うように首を振り、更衣室に向かう。そこにはモットの悪趣味なエプロン・ドレス。シエスタの私服もその脇に畳んであった。 身体を拭くこともせずに、自分の服のポケットの一つを漁る。そこには不思議な光沢と質感の真四角の皮に包まれた白い植物の種のようなものがあった。 ルイズの部屋に食事を運ぶという最後の仕事の時に、ルイズから渡されたものだ。『お守り』、ルイズはそう言っていた。 ルイズには悟られないように、できるだけ普段のように振舞ったのだが、大して効果は無かったようだ。自分に嘘をつく才能は無いらしい。 本来は無いはずの選択肢。決められたはずの未来を打ち砕くかもしれない『賭け』。 シエスタの心は決まっていた。 爪を使い、皮を引き裂いて種を取り出す。指の先ほどの大きさも無い小さなそれを口に入れ、飲み込んだ。そこには躊躇いなど無い。シエスタが今、ここで死んでもモットからの見栄と面子を保つための見舞金が家族に届けられるだろう。親たちは悲しむだろうが、それだけだ。 視界が揺れる。激しい頭痛がシエスタの頭を締め付け、全身を突き抜けるような衝撃が駆け抜ける。鼓動がルイズの顔を思い出した時のように激しくなる。息が乱れ、身体が熱を帯びるのを感じた。 シエスタにはルイズ以外の主はいない。それに。 ルイズのくれたチャンスで死ぬのならば、それもいい。シエスタはそう思った。 4 「ミス・ヴァリエール、夕食をお持ちいたしました」 髭面の男がそういって頭を下げる。カートの上にはまだ湯気を立てる夕食が並んでいる。 「・・・・・・あんたは?」 見覚えが無い。謹慎期間中、五日間の三食の食事を運んできたのはシエスタだった。 「コック長のマルトーでございます。シエスタはもう、いません」 マルトーは頭を下げながら、そう言った。シエスタのことを話す時は肩が震えていた。 「・・・・・・どういうこと? 説明しなさい」 信じたくない。シエスタがもう学院にいないなんて。 マルトーはぽつり、ぽつりと話し始めた。 ルイズが謹慎処分を受けている間に、王宮の勅使であるモット伯が学院を訪問したこと。オスマンとモットが話している学院長室に紅茶と茶菓子を手の空いたシエスタが届けに行ったこと。シエスタを気に入ったモット伯が、強引に話を進め、自分の屋敷の使用人として雇い入れたこと。たぶん妾として奉仕させられること。シエスタが学院に勤めるのは今日が最後で、ルイズの部屋に昼食を届けたのが最後の仕事だったこと。全てを終わってからルイズは聞いた。 「・・・・・・シエスタはあんたのことを慕ってた。俺たちだって、平民の為に戦ってくれたあんたに感謝してた。それでも、こんなことになっちまった!」 マルトーは話の途中から敬語ではなくなっていた。今は気にならないし、そんなことを気にしている場合でもない。 「ミス・ヴァリエール、シエスタから伝言を預かってる。『ありがとうございました。ミス・ヴァリエールと出会えて本当に良かったです』・・・・・・だと。なぁ、ミス・ヴァリエール。どうして世の中に貴族がいるんだ? どうして平民がいるんだ? どうしてみんなが幸せになれるような世界は作れないんだ? 自分の年の半分も無い女の子に聞くようなことじゃないが、聞かずにはいられねぇんだ」 「・・・・・・まだ間に合う」 「え?」 ルイズはクローゼットを開け、一着のローブを取り出す。暗い緑のフードのついたローブだ。地味なそれはルイズの趣味ではないが、狩りの時や雨の中を馬で駆ける時などは役に立つので実家から持ってきたのだ。 サッと被って窓を開く。地面は遠いが、パラベラムならば問題ない。モットの屋敷まではそんなに遠くない。まだ、間に合うのだ。 「ごめんなさい、私にその質問は答えられないわ。一つ、頼みたいことがあるの。もし誰かに聞かれたら、私はずっと部屋にいたと言って頂戴」 「そ、そりゃあ構わないねぇですけど、どうすんですかい?」 マルトーが慌てた様子で訊ねる。 「わからない。でも放ってはおけないのよ」 ルイズは窓から飛び降りた。右手を伸ばし、《P.V.F》を形成。光の粒子が弾け、ルイズの右手にシールド・オブ・ガンダールヴが形成される。 内観還元力場で強化された身体能力を使い、地面に着地。着地とほぼ同時を体勢を立て直し、地面を蹴る。 景色が凄い勢いで流れていく。今のルイズは馬などとは比べようも無いほどに速い。 ルイズは疾走する。 5 目を覚まして最初に感じたのは、背中に感じるマットの柔らかな感触だった。どうやらベッドに横になっているらしい。 「気がついたかね?」 はっと身体を起こすとそこにはモットが座っていた。やや年のいった顔尽きと鬱陶しい髭が印象的だ。にやつきながら、シエスタの身体を嘗め回すようにして見ている。 「おそらく上せたのだろう。まぁ、平民の君にはあの風呂は慣れていないだろうから仕方が無いがね」 シエスタはあの趣味の悪いエプロン・ドレスを着せられていた。この男がそんなことをするとは思えないし、たぶんメイドの誰かが着せてくれたのだろう。 「それにしても、よく似合っているよ。シエスタ」 露骨な視線を隠そうともせずに、シエスタの身体を眺めながらモットはそう言った。モットの股間は布を大きく持ち上げていた。 シエスタはおもむろに立ち上がり、右手を伸ばす。 やり方はルイズのそれを見たことがあるし、祖父の使っていた魔法に似ていた。今の自分ならば使えるというのが、頭のどこかで理解できた。 右手に祖父の使っていた魔法を思い浮かべる。シエスタの右手で閃光が弾け、装甲を生み出す。光の粒子はシエスタの手の中で、確かな質感を持って銃の形を作っていく。シエスタの手の中に一丁の拳銃が生まれた。 ハルケギニアの常識では考えられないような現象を自分が起こしたとわかっていても、シエスタはあまり驚かなかった。 銃口の下の部品が丸いその銃は、祖父のよく話してくれた物語の中でも軍人がよく使うと言っていた『コルト・ガバメント』という銃に似ている。 全体が光沢のある黒い金属できていて、銃身が長い。グリップはシエスタの手によく馴染む。 銃身には《cal50 Hound dog》と彫られている。 シエスタは少し笑った。 ――『猟犬』、お似合いですね。そう、私はミス・ヴァリエールの猟犬でいい。 「なッ!? 先住魔法!?」 モットは驚き、腰の杖に手を伸ばす。しかし、それよりも早くシエスタは左手に弾倉を生み出し、ハウンド・ドッグに叩き込む。 スライドを引いて初弾を薬室に送り込み、安全装置を外し、モットの杖を持った腕に狙いを定める。凸型のフロントサイトと凹型のリアサイトの二つを一直線に並ぶよう狙いを定め、引き金を引く。内観還元力場で軽くなった鈍い反動がシエスタの腕に伝わる。 銃声が響き、弾丸はモットの右手を打ち抜いた。精神だけを傷つける《P.V.F》特有の弾丸は、モットの右手の精神を一瞬でずたずたに。青いマズル・フラッシュがシエスタの顔を冷たく照らしだす。シエスタの顔には薄い笑みが張り付いていた。 モットの口から流れていた詠唱は途切れ、代わりに聞くに堪えない悲鳴が上がる。物を握ることのできなくなった右手から杖が落ち、床に転がった。 蹴りをモットにいれた。強化された筋力で放たれた蹴りは、容易くモットを吹き飛ばす。 床に転がったモットの身体の上に跨り、馬乗りの姿勢に。その光景だけを見れば、モットの望んでいたものかもしれなかったが、おそらく想像とは程遠いシチュエーションで実現することになった。股の下からは醜い肉の感触が伝わってくる。気持ち悪い。 モットの耳元に口を寄せ、シエスタは甘い声音で囁く。 「モット伯、私は貴方に仕えたくありません。貴方のような人の皮を被った畜生以下の下衆野郎に頭を下げ、身体を捧げるなど考えるだけで反吐がでます。貴方は私の主には、全く相応しくない。ですが・・・・・・まぁ、その、プレゼントです。受け取ってください」 ハウンド・ドッグの銃口をモットの股間に押し付ける。ぐにゃりとした不快な感触が伝わってきて、シエスタは舌打ちをした。モットはシエスタが何をしようとしているのか察したのか、必死に身体を動かして逃れようとする。それでも逃げられないし、逃がさない。シエスタは、モットの耳に色気たっぷりに息を吐きかけながら、口の端を吊り上げた笑顔で告げる。 「イかせてあげます」 引き金を二回、引く。弾丸は呆気無く発射された。 モットが声にならない悲鳴を上げる。暴れるが、シエスタが力尽くで押さえつけられ身動きが取れない。空薬莢がモットの見えないところで床に落ち、光の粒子になって消えていく。 今度はハウンド・ドッグをモットの眉間に押し付ける。先ほどとは違い、ゴリッという感触が気持ちいい。 シエスタは下腹部のあたりで快感がうずくの他人事のように感じた。 6 「そこまでよ、シエスタ」 シエスタがその声に驚き、ハウンド・ドッグを声のした方へ向ける。 そこには割られた窓と暗い色のローブにすっぽりと身を包んだ小柄な人影。フードを深く被っており、人相は分からないが、僅かに見える顎のラインと声でその人影がルイズだとシエスタには分かる。 「モット伯、夜分遅くに失礼します」 ルイズは顔が見えないように注意しながら、部屋の中に降り立つ。右手にはシエスタのハウンド・ドッグとは比べ物にならないほど巨大な銃器、シールド・オブ・ガンダールヴが展開されている。 モットは痛みからか、まともなことが喋れなくなっている。というかまず声が出ていない。掠れた声の成り損ないがひゅうひゅうと喉から漏れるだけだ。まだ動く左腕で、精神が破壊されたせいで失禁が止まらない股間を抑える姿は無様で哀れだ。顔は苦痛に歪み、涙と鼻水と涎で酷い有様になっていた。 「・・・・・・シエスタ。飲んだのね?」ルイズはシエスタの手に握られたハウンド・ドッグを見ながら、そう訊ねた。 「ええ、私は『賭け』に勝ちました」シエスタに後悔は、無い。 フードの下から小さなため息が漏れる。 「モット伯、貴方は彼女の言った通り貴族の地位に値しない人間だ。それに私は彼女を放ってはおけない。だから今、ここにいる」 ルイズがモットに近づきながら、話しかける。モットは焦点の定まらない目でルイズを見ていた。右手のシールド・オブ・ガンダールヴを凝視して、怯えている姿は実に滑稽だ。案外、モットは道化としてもやっていけるかもしれない。 「モット伯・・・・・・悪い事は言いません。彼女を解雇し、今日のことは全て忘れてください。その方がお互いの為でしょう?」 モットは涙を流しなら、コクコクと壊れた人形のように頷いた。何度も何度も、頷いた。 「ご理解頂けて感謝致します」 ルイズは優雅な仕草で一礼した。シエスタはこんな人間に頭を下げる必要など無いのにと思ったが、主君が頭を下げているのに、臣下が頭を下げぬ道理は無い。 ようやくモットに突きつけていたハウンド・ドッグを外し、ルイズに倣い一礼する。 「シエスタ、帰るわよ」 ルイズが窓に近づきながらシエスタを促す。シエスタの荷物は次の虚無の曜日にこちらに送られる予定だったので、まだ学院にあるはずだ。服はどうせ安物だし、いいだろう。このエプロン・ドレスは、趣味は悪いがいい生地を使っている。売れば金になる。 「ああ、モット伯。これはご忠告ですが、シエスタの家族に報復しようとしたり、私たちについて他言しようとしない方がいいかと。・・・・・・今度、彼女を止める自信は恥ずかしながら私にはありません」 「お、お前たちはッ、一体なんなんだッ!?」 モットが息も絶え絶えにそう尋ねた。 ルイズは後ろを振り向かず、一言だけ答える。 「パラベラム」 それだけを告げたルイズは窓から飛び出し、シエスタもそれに続く。 部屋には一人、モットだけが残された。銃声を聞きつけた衛士がモットの寝室のドアをノックしたのは、そのすぐ後のことだった。 7 「ねぇ、シエスタ。あなたはどうして『賭け』に出ようと思ったの?」 「私は、私の認める以外の主に仕えたくなかった。それだけです」 「たとえ死んでも?」 「たとえ死んでも」 「困ったわね」 「困りましたね」 「使用人を一人、欲しがっている貴族がいるの」 「職を失った使用人が一人いるんです」 「正しいことを判断できて、主が道を誤った時は叱咤してくれるような使用人が欲しいらしいわ」 「正しいことを見据え、どこまでも誇り高く民の為に力を振るうような貴族に仕えたいらしいです」 「ねぇ、シエスタ?」 「なんでしょうか?」 「私、シエスタを雇いたいのだけど、どうかしら?」 「あら、偶然ですね。私もミス・ヴァリエールにお仕えしたいと思っていました」 「契約成立ね」 「契約成立ですね」 「これからよろしく。シエスタ」 「これからよろしくお願いします。ミス・ヴァリエール」 二人のパラベラムが夜の森を疾走する。 前ページ次ページ疾走する魔術師のパラベラム トップページへ戻る
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618 名前:メイドが来たりて笛を吹く ◆mQKcT9WQPM 本日のレス 投稿日:2007/11/18(日) 01 16 29 PHAMvhgH その日。 彼女は決断を下した。 自分は彼のものである。 なのに、彼の下にいないのは、おかしい事だ。 そう判断した彼女は。 見慣れた部屋を出て、彼の下へと向かったのだった。 『ミス・ヴァリエールへ。 私はサイトさんのメイドです。だから、サイトさんのところへ行きます。 ちゃんと制服、洗濯に出してくださいね。溜め込んじゃだめですよ。 あと、昨日のお夜食の残りは棚に入ってます。早めに召し上がってください。 それでは、またいずれ。 シエスタより』 授業が終わって自室に帰ったルイズは、テーブルの上に無造作に置かれたその手紙を読んだ瞬間、激昂した。 「な、なによあのメイド!抜け駆けしようってわけ!?」 そう叫んで、思い切りその手紙を引き伸ばして、破ろうとする。 すると、窓ガラスに映ったその手紙の背に、何か書いてあるのが見えた。 少し裂け目の入ったその便箋を慌ててひっくり返し、ルイズはそこに書かれている言葉を読む。 『もし、ここに気付いてくれたら、幸せです。 もっと、ルイズは自分の気持ちに素直になった方がいいですよ。 あなたのともだち シエスタより』 それを読んだ瞬間、ルイズはうぐ、と言葉に詰まって、その便箋をくしゃっと丸めるに留めた。 そして、半分怒ったような、半分泣いているような顔で、ひとりごちた。 「…わかってるわよ、そのくらい…!」 ルイズはそう言って、半分怒った顔のまま、ベッドに倒れこんだ。 タバサを使い魔にした才人を、ルイズが部屋から追い出して、十日あまりが過ぎた時のことだった。 「サイトさん!」 才人がその日、半分日課になりつつあるタバサが借りてきた本の返却をしに、山と詰まれた本を図書室へと運ぶ途中、中間地点の中庭に着いた時。 シエスタが、突然目の前にやってきた。 シエスタは息のかかりそうな距離から、本の山を抱える才人を、真剣な目で見つめる。 突如現れた黒髪のメイドのその視線に、才人は思わずたじろぐ。そして。 「…あ、あの、シエスタまだ怒ってる?」 怯えたようにそう言った。 才人は勘違いしていた。シエスタが、ルイズと同じく、タバサを使い魔とした事を怒っていると。 「…何の話ですか?」 当然、シエスタには才人の言葉の意味が理解できない。 「…いや、タバサとアレがごにょごにょ…」 蒸し返して怒らせてもなあ、と思った才人の語尾は、尻すぼみになってしまう。 シエスタは、その鋭い勘で、彼が何を言いたいのか理解した。 619 名前:メイドが来たりて笛を吹く ◆mQKcT9WQPM 本日のレス 投稿日:2007/11/18(日) 01 17 31 PHAMvhgH 「…怒ってませんよ、そんなこと」 「え?そなの?」 才人は、てっきり、シエスタはルイズと一緒に怒り狂っているものとばかり思っていたのである。 無理もないことである。彼が大怪我をしてルイズの部屋から吹き飛ばされた時、彼は四六時中気を失っていたのだから。 後からタバサから事情を聞いた才人が、シエスタがルイズと一緒になって自分を吹っ飛ばしたと思ってもそれは仕方のないことだった。 シエスタはそんな才人を見つめて、改めて彼に語りかける。 あれからずっと、こうしようと考えていた事を。 「…サイトさん。お願いがあります」 あまりにも真剣な眼差しで見つめるシエスタに、才人は後ずさってしまう。 「な、なにかな?」 「私を、あなたの使い魔にしてください」 「…へ?」 思わず才人の目が点になる。 動きの止まった才人に代わり、彼の背に負われたデルフリンガーが言った。 「…メイドの嬢ちゃん。そりゃムチャが過ぎるってもんじゃないかい?」 「どうしてですか?」 「俺っちも大概長く生きてるが、二体の使い魔と契約を交わしたヤツなんざ、聞いたことねえぞ」 しかし、シエスタは反論した。 「…います。いるじゃないですか、デルフさん」 「へ?いたっけかそんなの」 「忘れましたか?始祖ブリミルは、4人の使い魔を連れていたんですよ」 デルフリンガーは鍔をかちゃん、と鳴らした。相槌のつもりらしい。 「……完璧忘れてた。そーいやブリミルの野郎がそうだっけか」 「いやいやちょっと待って!」 その話に、才人が割り込んでくる。 「どうしたい相棒?」 「そもそも俺メイジじゃないし、そもそもブリミル関係ないし、そもそも俺が使い魔じゃん!無理だってば!」 「いやいや相棒、だいたいがあのちみっこい嬢ちゃんと使い魔の契約した時点で相棒は十分規格外だぜ? やっちゃえよ、相棒」 あまりにも気楽に言うデルフリンガー。 そしてそのデルフリンガーに乗せられるように、シエスタは言う。 「無理でもいいんです!形だけでいいんです! あの、その、私もミス・タバサみたいに、サイトさんのモノにして欲しいんです!」 「い、いやでもなあ」 才人はあまり乗り気ではないようだ。 彼には、シエスタの申し出が、なんだか不倫みたいな気がして、イマイチ踏み切れないでいた。 そんな才人に、シエスタは。 どこから取り出したのか、一本の果物ナイフを両手に構え、その切っ先を喉下に当てた。 「…サイトさんのモノになれないなら、私、生きてたってしょうがないです。 今ここで命を絶ちます」 「ちょ、ちょっと待ってシエスタ!早まるなって!」 「…じゃ、カタチだけでも使い魔の儀式してくれます?」 ちらり、と横目に才人を見るシエスタ。 620 名前:メイドが来たりて笛を吹く ◆mQKcT9WQPM 本日のレス 投稿日:2007/11/18(日) 01 18 49 PHAMvhgH 才人ははぁ、と大きなため息をついて。 「…しょうがないなあ…。カタチだけでよければ」 諦めたようにそう言ったのだった。 我が名は平賀才人。五つの力を司るペンタゴン。この者に祝福を与え、我の使い魔と成せ。 才人の声が、人の居ないタバサの部屋に響く。 流石に中庭では人目があるので、本を返却した才人はシエスタを連れて、まだ授業中で無人のタバサの部屋に戻ってきていた。 才人はタバサを使い魔にしたときの事を思い出しながら、儀式を進める。 口語による詠唱が終わり、才人は足元に跪くシエスタの細い顎を、軽くつまむ。 「じゃ、いくよ、シエスタ」 「…はい…」 シエスタは才人を見上げ、覚悟を決めたように目を瞑る。 才人はそっとその桜色の唇に自らの唇を重ね。 そして、契約は完了する。 「これで、また契約成立したらオドロキだな相棒」 冗談めかしてそう言ったデルフリンガーの声に。 「…やばい…」 才人の声が重なり。 「いたっ…痛い、いたいたいいたい!」 突如痛みを訴えだしたシエスタの声が重なった。 才人は慌ててシエスタを介抱する。 彼にはキスをした瞬間に、もう分かっていた。 胸の奥に熱い何かが点り、身体中を駆け巡った。タバサの時と同じである。 そう、目の前で、シエスタに『使い魔の印』が刻まれているのだ。 二人目の…黒髪の使い魔の誕生である。 「さ、サイトさん…」 才人の腕の中で彼の手をしっかり握ったシエスタの痛みは、すぐに納まった。 涙の流れる瞳で才人を見上げ、そして微笑んだ。 「私…サイトさんの、使い魔に…なれたんですね…」 才人の中に、言葉とともにシエスタの歓喜の感情が流れ込んでくる。 …心も、繋がったみたいだな…。 才人の心の声に、シエスタは思わず声を上げてしまう。 「え?え?な、なんですか今の?」 「使い魔の契約するとさ」 こういうことも、できるみたいなんだ。 621 名前:メイドが来たりて笛を吹く ◆mQKcT9WQPM 本日のレス 投稿日:2007/11/18(日) 01 19 20 PHAMvhgH 才人の心の声に、さらに激しい歓喜の感情が、シエスタから送られて来る。 嬉しい!嬉しい!すっごく嬉しいです! その声とともに、シエスタは才人にぎゅっ、と抱きついた。 そして才人はシエスタに言葉で告げる。 「…で、さ。シエスタの身体のどこかに、『使い魔の印』が刻まれてるはずなんだ」 言って自分の『ガンダールヴの印』を見せる。 シエスタは、すぐに思い当たった。 胸のリボンを解き、メイド服の胸元をがばっ!と開く。 「ちょ!シエスタ何やって」 「…やっぱり」 慌てる才人に対し、シエスタは冷静だった。 先ほどの契約の際、最も強い痛みを感じたのがここだった。 鎖骨の間。 彼女の豊満な谷間のすこし上に、その印はあった。 それは、下方が鋭角になった、黒い五角形だった。 見ようによっては、盾にも見える。 「これが、使い魔の印…」 「シエスタ、胸、胸!」 感動するシエスタを、才人の言葉が台無しにした。 勢いよく前をはだけたせいで、シエスタのおっぱいはその先っちょのさくらんぼまで、丸出しになっていた。 …まあ、しょうがないことなんでしょうけどー。 …サイトさんの、すけべ♪ その言葉には、あまりにも淫靡な感情が乗っていた。 それに釣られ、才人の身体が反応する。 おもいっきり、勃ってしまったのである。 …あのなあ、シエスタ…。 呆れたような才人の心の声を、シエスタの心の声が打ち消した。 その声は、まるで身体の芯を引き絞られるような、激しい欲情に染まっていた。 …十日以上もご無沙汰だったんですよ。 そして、才人のズボンを器用に下ろすと。 露出した胸で、才人の肉棒を包み込んだ。 いっぱい、出してください♪ご主人様♪ 622 名前:メイドが来たりて笛を吹く ◆mQKcT9WQPM 本日のレス 投稿日:2007/11/18(日) 01 19 58 PHAMvhgH そして、その夜。 才人とシエスタは、部屋の主に全ての事情を話す。 「…別に構わない」 タバサのその言葉に、嘘偽りはない。 才人は、心の中でタバサに謝罪する。 …ごめんな、シャルロット。 しかし。タバサの反応は、才人の予想と違っていた。 …何を謝るの? 私はアナタの物。サイトの行動を縛る権利も、そのつもりもない。 私はサイトを独占するつもりなんてない。 私は、サイトに独占されていたいけど。 心の中で言い切って、タバサはシエスタに歩み寄る。 そして、シエスタに手を差し出した。 「これからよろしく」 シエスタはその小さな手を握り返した。 「私も、サイトさんを独占しようなんて思いませんよ♪」 にっこり笑って言うシエスタ。 タバサは一瞬驚いた顔をするが。 これ、どうやら使い魔どうしでも通じるみたいですよ? シエスタの心の声が、全ての疑問の答えになった。 つまり、使い魔同士でも、伝えようと思った事は、相手に伝わるのだ。 そして二人は、心を通じ合い。 才人に向き直る。 「じゃ、これから二人分頑張ってくださいね、ご主人様?」 「…無理は、しなくていい」 「…ははは…」 二人分のねぎらいと期待の感情に、乾いた笑いの漏れる才人だった。 …ひょっとすると、将来的には三人分になるかもですけどね。 二人には伝えないよう、心の内で黒髪のメイドはそう思った。〜fin
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純愛! 大和撫子のお持ち帰りぃ! ※このSSはスターダストファミリアーのIFであり、本編とは多少関係があります。 タルブの村の草原――夕焼けの中で――彼女は告白をした。 「私も一緒に連れてってください!!」 瞳いっぱいに涙を浮かべたシエスタが、真っ直ぐに承太郎を見つめて叫んだ。 頬は紅潮し、手も唇も震えている。 けれど、とても綺麗だった。 「……解っているのか? 俺と一緒に行くって事は、もう二度と、この世界に……故郷に……家族の元に、帰ってこられないかもしれない」 「解ってます! そんなの、解ってます! それでも私、私は……」 ポロポロとこぼれた涙を、シエスタは承太郎の胸に押しつけた。 承太郎のシャツをギュッと握りしめ、すがるようにして言う。 「ジョータローさんが……好きなんです……」 「……故郷を……家族を……捨てるつもりか? シエスタ。 おめーが今まで出会いめぐり合ってきたものすべてを捨てるつもりか?」 承太郎の胸の中で、シエスタはしっかりとうなずいた。 「それでも、貴方となら。貴方とならどこでもいい。 貴方と一緒なら、異世界でも、世界の果てでも、構わない。 貧しくても、ひもじくても、住む家さえ無くてもいい。 ジョータローさんと一緒なら……そこが私にとって、幸せのある場所なんです」 「シエスタ……」 シエスタは感じた、肩に置かれている承太郎の手に力がこもるのを。 そして、ゆっくりと、身体を引き離された。 見上げる。彼の顔を。 いつものままの無表情。でも眼差しは優しく、そして――。 「ジョータロー、さん……」 「……シエスタ」 承太郎はゆっくりとシエスタの顔に己の顔を近づける。 ああ、これが答えなのかと、シエスタは理解して――涙がこぼれる。 目を閉じる。すると、承太郎の息遣いが近づいてくるのがよく解った。 緊張で震える唇を、承太郎のそれがふさぐ。 「んっ――」 普段のクールで無愛想な承太郎だとは信じられないような、熱い口付け。 まるで唇が火傷してしまいそうで、けれどその熱が頭の芯までとろけさせる。 シエスタはまさに幸せの絶頂にあった。 まるで夢のような、本当に夢のような、そんな気がする。 夢のようなひとときとは、まさにこの事だった。 その日、シエスタは承太郎と腕を組んで帰宅した。 その姿、シエスタの家族も魔法学院のみんなも、月まで吹っ飛ぶような衝撃を受けた。 その晩、シエスタは承太郎と一緒に、父親に事情を説明した。 シローお爺ちゃんと承太郎は、実は異世界から来た。 そこではカガクという文明が発展していて、平民や貴族といった身分制度は無い。 今度の日食の時、竜の羽衣で太陽に飛び込めばその世界に行けるかもしれない。 成功したら二度と帰ってこれないかもしれない。 この世界に。家族の元に。もう、二度と。 「それを理解した上で……答えてもらいたい。シエスタは必ず幸せにしてみせる。 だから……あんたの娘を、俺にくれ」 「お父さん、私からもお願い!」 シエスタは我が家の長女であり、魔法学院に奉公している大切な稼ぎ頭だ。 弟妹の面倒を見るべく、今まで多くの苦労をかけてきた。 そんなシエスタが、今までわがままを言わなかったシエスタが。 ……父として、断れるはずがない。それが娘の幸せならばと、父親は腹をくくった。 「解った。ジョータロー君、うちの娘を……シエスタを幸せにしてやってくれ」 「……ああ。あんたの父親に誓って」 こうして承太郎とシエスタの父は酒を酌み交わした。 翌日、承太郎はシエスタを残して魔法学院に戻った。 次の日食までが、シエスタが家族とすごす最後の時間となる。 コルベールは熱心にガソリンの錬金をし、承太郎もできる限りの協力をした。 さらにギーシュが「承太郎とシエスタの幸せのためだ」と言って協力してきた。 ドットクラスの彼だったが、なぜか奇跡的に一日で完璧なガソリンを錬金する。 まさに偶然の産物だったが、後はそれを元にコルベールがガソリンを量産した。 こうして日食の日の前日には、ゼロ戦の燃料タンクを満タンにする事ができた。 「という訳でタルブの村に行ってくるぜ。世話になったな」 「まさか平民のメイドにジョータローを取られるなんて……ショックだわ」 「お幸せに」 「結婚式には呼んでくれたまえ! 君の故郷だろうと必ず駆けつけるよ!」 トリステインで得た友人達からも祝福され、承太郎は微笑を返した。 そして、ルイズともお別れの時がやって来た。 「ルイズ……色々あったが、おめーには感謝している。 この世界に召喚されなかったら、お前やギーシュ達、 それにシエスタに会えなかったからな……」 「ふ、フン! 平民同士、お似合いよ。せいぜい幸せになる事ね!」 「……元気でな、あばよ」 こうして承太郎の乗るゼロ戦は飛び立った。タルブの村へ向けて。 タルブの村では、すでにシエスタが荷物をまとめていた。 もういつでも出発準備OKだ。 だがしかし、翌日の出来事。アルビオン軍が攻めてきた。 承太郎はすぐさまゼロ戦で発進。すぐさま竜騎士隊を壊滅させた。 さらにレキシントン号に単身殴り込みをかける。 その際、ゼロ戦はレキシントン号の甲板に特攻させた。まさに神風。 「俺は、生きる! 生きてシエスタと添い遂げる!」 ゼロ戦の前の持ち主の魂が宿ったかのように承太郎は燃えていた。 そしてスタープラチナの凄まじい戦闘力と、時間を止めるという驚異的な能力でレキシントン号を見事に沈める。 その時レキシントン号に乗っていたワルドと鉢合わせたため、オラオララッシュを5ページほど叩き込んで再起不能にしておいた。 ついでにフーケもいたが、彼女はフライの魔法で早々に逃げて行った。 正しい判断だ。 旗艦レキシントン号を失ったアルビオン艦隊は大混乱に陥り、さらに事態を聞きつけたギーシュ達がシルフィードに乗って現れた。 そこでギーシュが再び奇跡を起こした。 「チェェェンジ! ワルキューレッ、ワン!」 三体のワルキューレが空中で合体し、鬼のような姿に変化する。 「ゲッター・ワルキューレ!」 ちなみにゲッター・ワルキューレが飛ぶ理由は簡単である。 タバサがレビテーションで飛ばしているのだ。 なぜか非常にノリノリで。 「ゲッターなら、武器はトマホーク」 などと注文をつけてまでだ。 こうして竜の羽衣と空条承太郎、ゲッター・ワルキューレと青銅のギーシュ、さらにゲッター・ワルキューレの空中操作担当タバサ、さらにゲッター・ワルキューレのビーム担当キュルケ、彼等四人の大活躍によりトリステイン軍は大勝利を収めた! ルイズの出番は無かった。 こうして戦いは終わった! しかし――。 「竜の羽衣、壊れちゃいましたね……」 「ああ……こいつぁもう修理不能だ」 ゼロ戦、レキシントン号に特攻をかけ大破! ボロボロの機体を眺めている承太郎達の上空で、無情にも日食は終わりを告げた。 こうなったら仕方ないと、承太郎はシエスタの父に誘われ、タルブの村に移住した。 シエスタと結婚すると、承太郎はタルブの村にあるブドウ畑を購入した。 資金はギーシュとキュルケとタバサが結婚祝いに出してくれた。 ちなみにタバサは最近実入りがいいらしい。通信販売の手伝いをしているとの噂だ。 ともかく、おかげで良質なブドウが取れる畑を得た承太郎とシエスタは、丹精込めてブドウを育て、ワインを作った。 銘柄は『ヤマトナデシコ』といい、シエスタのような淑女を差すのだという。 『ヤマトナデシコ』はすぐに評判になり、トリステイン王家や魔法学院からもご贔屓にされ、タルブの村の財政は潤った。 その日もシエスタは球のような汗をかきながら、畑のブドウの手入れをしていた。 向こうでは、相変わらず学ラン姿の承太郎がスタンドを使って数人分の働きをしている。 私もがんばらなくっちゃ、とシエスタはブドウの木の枝に手を伸ばし――。 「あっ」 昨夜降った雨のせいで濡れていた地面のせいでバランスを崩し、転びかける。 咄嗟にシエスタはお腹を両手で覆った。本能だった。 そして、地面がすぐそこまで迫り――突如、背後から抱き支えられる。 「無理はするな」 振り返ってみれば、そこには愛しい旦那様の姿。 でも、あれ? さっき仕事をしていた場所から、一瞬でここまで、どうやって? 多分承太郎の持っているスタンドという力だろうとシエスタは勝手に納得した。 「ごめんなさい貴方。もう私一人の身体じゃないのに」 「……気にするな。何があってもお前達は俺が守る……絶対に」 大きく膨らんだシエスタのお腹を、承太郎は愛しそうに見つめ、微笑んだ。 スターダスト外伝 完
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259 名前:1/7[sage] 投稿日:2007/01/02(火) 05 07 35 ID 4MIKXLLy 「あら、シエスタ出戻り?」 部屋に戻っただけで、冷やかされる。 「違いますっ、片付けに来ただけです」 サイトさんの部屋で暮らす様になってから、少しづつ荷物を運んでいるけど…… 「そーよねー、早く何とかしてね」 うぅプレッシャー。 捨てるものを捨てたりはしているけれど、なかなか片付かない。 サイトさんの部屋にそんなにたくさん荷物置かせてもらうわけには行かないし…… 困り果てたわたしを見かねて、優しい声も聞こえてくるけど。 「冗談だからねシエスタ、荷物くらい好きにしたらいいから」 そう言われても、共有スペースを占有してるのも申し訳ない。 暇を見て片付けても、片付けってなかなか…… 「あ、コレ……ごめんっ、また片付けにくるからっ」 「はいはい、何時でもいらっしゃいな」 仕事での片付けでは優秀なメイドも、私物の片付けは下手だったりするのねー 元ルームメイトの呟きを後に、シエスタはサイトの元に駆け去った。 260 名前:2/7[sage] 投稿日:2007/01/02(火) 05 08 06 ID 4MIKXLLy 「サイトさんっ」 シエスタが部屋に飛び込んでくる。 いつもは(基本的に)礼儀正しいシエスタが、ノックもせずにしかも。 「こっこれっ、見てくださいっ」 息が切れている所を見ると、廊下を走ってきたのかもしれない。 一抱え有る木の箱を、嬉しそうに俺に見せてくる。 中身は…… 「布?」 綺麗な布、そう見えた。 「違いますよ、サイトさん……えっと、これはですねぇ」 うきうきとシエスタが説明をしようとしたが、ちょっと悩んで辺りを見回した。 「ミス・ヴァリエールは?」 「買い物、街まで出てるよ、魔法具屋の閉店セールが有るんだって」 目の色を変えたキュルケやモンモランシーと一緒に、タバサを引っ張ってた。 使い魔が優秀ってだけで、可哀想なタバサ。 ルイズにしても、先週配られていたというチラシを熱心に読んでいた。 あれは……時間掛かるだろうなぁ…… 荷物持ちに呼ばれかけたので、逃げるのに一苦労だった。 「じゃ、じゃあ、暫く戻りませんよね?」 バーゲンだ、なんだに出かけて、直ぐ帰ってくる……滅多に居ないだろうな。 「多分、暫く帰ってこないよ。往復だけでもかなり掛かるし」 俺の返事に表情を輝かせたシエスタに、部屋の外に追い出された。 なんでも、 「いいって言うまで、覗いちゃだめですよ?」 だ、そうだ…… 覗こうかな? しかし、鶴になって飛び去られると困るしな。 などと馬鹿なことを考えていると、部屋の中からバサバサと音が聞こえてくる。 ……脱いでるんだよな? ドアを薄く開けて中を覗く。 脱ぐと凄いシエスタの身体が良く見えた。 『おぉぉぉぉぉぉ』 覗いていることを知らないシエスタの手が下着に掛かる。 『おしゃあぁぁぁぁぁ』 こぶしを握りしめていると、背後から声が掛かる。 「君は自分の部屋の前で何をしているんだ?」 『ギーーーーシュ、貴様っ』 なんて時に……顔で笑って心で泣いて、立ち上がった。 「やあ、親友何かようか?」 『用事がないなら、さっさと消えてくれ、親友』 しかし、心の声は届かなかった。 「いや、用事と言うか……なんだかいい予感がしてな」 ……この獣。 「ギーシュお前の相手をしたいのは山々なんだが、俺には用事があるんだ。すまんな」 背後から聞こえるシュルっだの、キュだのに妄想を掻き立てられながら、 『早く消えてくれぇぇぇぇ』 ギーシュを睨みつける。 「……覗きなら、僕にも見せたまえよ……親友」 ……こいつっ……気づいてやがったか。 だがっ…… 「断る!!」 シエスタの着替えを覗いて良いのは、ただ一人っ!俺だけだっ!! (覗きは犯罪です) 俺は素手、ギーシュはニヤリと笑って杖を取り出す。 「いいのか?詠唱が聞かれたら……」 愕然としたギーシュと、目と目で語り合う。 『行くぜっ!!』 『負けられない戦いがあるんだぁぁぁ!』 かくして、トリスティン史上もっとも静かな戦いが開始された。 261 名前:3/7[sage] 投稿日:2007/01/02(火) 05 08 43 ID 4MIKXLLy 『強いっ!!』 『ふっ、サイト、かかっているものが違うのだよっ、いつでも覗ける貴様とはっ』 ギーシュとは思えない多彩な技に翻弄される。 音が立つため、殴ることも出来ない……故に。 『ぐはっ……』 ギーシュの腕が俺の喉に絡みつく。 そのまま俺の背後に回りこみ、頚動脈を絞める。 『さ……せる……かぁぁぁ』 左の貫き手を……ギーシュの顔に突きこむ。 狙うのは目。 慌てて飛び退いたギーシュと、距離を取って睨み合う。 『……ギーシュ、女が掛かっている時のコイツがこれほどとは……』 『サイト……伊達にシュヴァリエでは無い様だな』 不敵に笑うギーシュの隙を窺う。 ギーシュもこちらから目をそらさない。 隙を見せた方が負ける。 極限の集中。 激しく動いているわけではないのに、額に汗が浮かぶ。 どれくらい時が流れただろう…… 決める!!お互いの思いが通じ合う。 『……いくぞ……サイト!!』 『来いっ、ギーシュ!!』 「サイトさーん、入っていいですよー」 ギィィィィシュ……貴様が余計なことを…… 至福の時が終わったじゃないかぁぁぁぁ 一言言ってやろうと、ギーシュに近づくが……反応がない。 「こいつ……真っ白に……燃え尽きてやがる……」 立ったまま気絶しているギーシュに敬意を表し、俺はドアを…… 「「うおぉぉぉぉぉ」」 ドアを開いた瞬間、燃え尽きたはずのギーシュは蘇り、 俺の理性は燃え上がった。 「こっ、これはぁぁぁぁぁ」 「えへへ、どうです?似合いますか?」 ―――――振袖 ハルケギニアで見れるとは…… 「ひいおじいちゃんが作ったんですよー、サイトさんに見せようと思って学院に持ち込んでたんですけど機会がなくって」 そう言いながら、くるりと一周してみせる。 「よろしく?でしたっけ?」 「いやっ、その服の時はいらないからっ」 ふと気がついてギーシュを見る。 ……三歩下がって、助走を付けて…… 「これは俺のだぁぁぁ、見るなぁぁぁ」 「げほぉ」 腹にルイズ直伝の飛び蹴り、習ったわけじゃないけど。 廊下の端まで飛んだのを確認してから、シエスタの待つ部屋に入った。 262 名前:4/7[sage] 投稿日:2007/01/02(火) 05 09 15 ID 4MIKXLLy 「今日はこれ着たままお世話しますねー」 俺の目が釘付けなのが嬉しいのか、シエスタが笑っている。 因みに俺はその数倍笑って……訂正、にやけている。 「あ、でも、汚しちゃ駄目だからお掃除できないですけど」 「まったく問題ありません!!」 掃除くらい俺がする。 「ひいおじいちゃん、故郷の服を着て欲しいって、苦労してこれ作ったんですって」 じーさん、GJ!! あんたの苦労は無駄にしないぜっ。 「綺麗ですよね?小さい頃に着付けを習うんですよ、家の伝統です」 ……シエスタのじーさん……着物の着付けできたんだ……ずげぇぜ 何の用意も無しに異世界で着物を作る男。 ……生きていたら語り合いたかった…… 「サイトさん喜んでくれるかなっ、て……どうです?」 喜んでます、こっちでこれが見れるとは。 「お掃除とか出来ないから……飲み物の準備くらいしか出来ませんけど」 お茶、と言うわけはいかないが、シエスタが…… 「ワイン?」 「はい、ひいおじいちゃんは祝い事の時には飲むもんだって」 あー居る居る、そんな親戚。 「祝い事のときに着る服らしいので……サイトさん飲みますか?」 とりあえず入れてみたんだね…… 振袖に、お盆に、ワイングラス…… ミスマッチだが、着ている子が可愛いと大概の問題は無視できる。 折角なので飲もうかとシエスタに歩み寄る。 ……が、俺のほうにお盆を差し出すシエスタを見て、悪戯心が騒ぎ出した 「シエスタ……この服汚しちゃ駄目なんだよな?」 「はい、ひいおじいちゃんの形見ですし、……もう作れませんから」 そんな服を着て、お盆にはワイングラス……つまり 「今動けないんだね?シエスタ」 「え?」 素早くシエスタの後ろに回りこむと、右手を衿の所に差し込む。 「ちょっ、サイトさんっ、駄目ですっ」 当然無視。 本物ならもっと硬く締めているんだろうけど、シエスタの和服は触りやすく出来ていた。強引に服と肌の間に手を差し込んで、目的地に。 柔らかい胸を掻き分けて、先端に辿り着く。 指先で柔らかく責めていると、段々硬くなってきた。 「……だめ…………だめですぅ、サイトさぁん」 お盆の上でワイングラスがカタカタと揺れていた。 「シエスタほら、ちゃんと立たないと」 お盆の上を見て、シエスタは慌てて背筋を伸ばす。 俺の思い通りに。 触りやすくなったので、硬くなった乳首を二本の指で摘む。 「ひぅ……だめぇ、ひいおじいちゃんの……ひいおじいちゃんのぉ……」 何とかして逃れようとしているが、シエスタは身動きできない。 逃げる事も出来ないことが、却ってシエスタの感度をいつもより高めていた。 「ルイズも当分帰ってこないし、じーっくり可愛がるからな、シエスタ」 耳元で囁く俺の声に、赤くなったシエスタは小さく頷いた。 263 名前:5/7[sage] 投稿日:2007/01/02(火) 05 09 55 ID 4MIKXLLy ……これは、やらないとなぁ。 たっぷりと胸を苛めた後、お盆をテーブルに置いてその場に座り込んでしまったシエスタを無理矢理立たせる。 「サイト……さん?」 ふらふらと立ち上がったシエスタの帯を掴む。 「だめっ、伸びちゃう、だめですってばぁ」 ふっふっふ、そんなことはどうでも良い。 「シエスタ、これを着た以上、やらねば成らないことが有るんだ」 たぶんひいじいちゃんもやってる。 帯の端を握って、力いっぱい引いた。 「ほーら、良いではないか、良いではないぁぁぁぁ」 まさかハルケギニアに来て夢がかなうなんて…… 「あ〜れ〜」 独楽の様にくるくる回りながら、シエスタがベットに崩れ落ちる。 「サイトさ〜ん、目が回って、くらくらしますぅ」 「いや、ごめんごめ……」 謝りかけた俺の視線が釘付けに成る。 帯を解いた振り袖の下は…… 「は、穿いてない?」 「え……あの……つけない物だって……聞きましたけど……」 シエスタのひいじいちゃん……あんた漢だ。 それにしても……乱れた和服って…… 「色っぽいな……シエスタ」 「……サイトさん……」 裸の上に肩から一枚羽織っているような状況で、しかも振り回したせいで前が大きく開いていた。 身体の正面が真っ直ぐに……胸とお腹と……大事な所だけが見えている。 「シエスタ……」 我慢できなくなった俺はシエスタに圧し掛かった。 「サイトさん……恥ずかしいんですけど、わたしも……もう……」 まだ胸を弄っただけなのに、シエスタは十分に潤っていた。 「……サイトさんがえっちな悪戯するからですよ?」 「……シエスタがやらしいんだと……」 何か反論しようとするシエスタの唇を『口封じ』する。 そのまま柔らかなシエスタの中に侵入する。 「んんんんっっっ」 たっぷりの粘液と強い締め付け。 中でじっとしているだけでも、気持ち良い。 少し意地悪な気分になってじっとしていると、シエスタがもじもじし始める。 「……サイト……さん?」 不思議そうに俺を見るけれど、あえて何も言わない。 そのままで居るのも寂しいので、物足りないであろう弱い刺激を両手で胸に送り込む。 「……え?え?なんで?ちょ……うそ……サイトさぁん……」 もじもじし始めるシエスタと上下を入れ替える。 和服を纏ったままのシエスタが上に成ると、俺の目には服とシエスタしか見えなくなった。 「好きに動いていいよ」 それだけ言うと、動かしていた両手も止める。 「……だって……いつもは…………」 はっきり言おう、俺は乱れる和服少女が見たかった。 故に…… 「俺、今日はもうこれ以上動かないから」 シエスタが泣きそうな顔でオネダリを始めた。 「サイトさぁん……お願いっ、後で何でもしますからぁっ」 ……結構惹かれるけど……却下。 「んじゃ、止める?」 もし止めると言うなら仕方がないから、自分で動くけど…… 俺の肩をしっかりと掴んだシエスタが、耳元で噛み付くように囁く。 「意地悪」 着物に隠されて見えないが、シエスタの身体が蠢き始めた。 264 名前:6/7[sage] 投稿日:2007/01/02(火) 05 10 48 ID 4MIKXLLy 恥ずかしそうに小さく唇を噛みながら、慎重に動いていたシエスタが段々と大胆になる。下から見上げると、シエスタの胸がいつもより迫力を増していてなかなか絶景だった。 大胆に大きく動き始めたとはいえ、どうすれば自分が気持ち良いのか分からないのか、 時折戸惑ったように動きを止めた。 止まった時には必ず問いかけるような目で俺を見ていたが、 動いて欲しいだけだろうと、放っておいた。 「だめ……ですっ、これじゃっっ……」 シエスタの中が大きくうねって、今にも達しそうだった。 「これじゃだめですっ、サイトさん……サイトさんがっ……」 動け、といわれても絶対に動くつもりはなかった。 今日はシエスタに自分で逝って貰って、それを鑑賞する。 そのつもりだった。 でも…… 「わたしが……気持ち良くてもぉだめ……ですっ……サイトさんが…… 気持ちよくなってないからぁっ」 さっきまでのって動いて欲しいんじゃなくて、俺が感じているのか様子を見ていたらしい。 意地悪をしていた自分が恥ずかしくて、どんな時でも俺を優先するシエスタが可愛くなる。 「きゃっ」 もう一度シエスタを組み敷く。 ベットの上に着物が大きく広がり、その鮮やかな布の上に裸のシエスタが恥ずかしげに横たわる。 もうすぐ逝きそうなシエスタを全力で責め始める。 「サイトさん……」 荒い息で俺を呼ぶシエスタを、今度は優しく黙らせて シエスタに包まれたまま、両手でシエスタを抱きしめる。 俺の腕の中でシエスタが微笑んで…… あまりの可愛さに正気が飛んだ俺は、それから何回したか覚えていられなかった。 265 名前:7/7[sage] 投稿日:2007/01/02(火) 05 11 19 ID 4MIKXLLy 「サイトさん?」 「……ごめんなさい」 ぼろぼろと言うか……ドロドロだった。 元着物。 「……ひいおじいちゃんの形見なんですよ?」 「申し訳有りません」 しかられつつも、いつ戻るか分からないルイズに怯えているので今ひとつお説教に集中できない。 「聞いてますか?サイトさん」 せめて服を着てください、ルイズが戻ったら殺されます。 そんな俺の切実な希望を知ってか知らずか、シエスタのお説教は絶好調だった。 「これ、2着しかないんですよ?」 ……なんだ、もう一着あるんじゃないか。 「あーシエスタ、可愛かったから、もう一着もそのうち来て見せてな」 ここは誉めて誤魔化そう。 そう決めて、全力で褒めちぎる。 「いやー見たいな、シエスタの着物姿、俺見るためなら何でもするよ」 そう言うと、シエスタがもじもじと足元に「の」と書き始める。 日本語喋れないのに……ひいじいさんの教育だろうか。 「……あの……サイトさん……いいんですか?」 なんのはなしだろ? 「うん、見たいなー、シエスタのもう一着」 途端に口数の減ったシエスタに、俺の戦略の正しさを確信する。 真っ赤に成ったシエスタが、手早く部屋の片づけを始める。 結局ルイズが帰ってくる直前に、全ての痕跡は隠せた。 ただ…… 「もう一着って、白無垢なんです……サイトさん……そのうち……ですからねっ」 と、言うシエスタの様子が妙に気に掛かった。 ……白無垢ってなんだっけ?
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ナナツボシ は言った 村の川辺に無残に引きちぎられたMertonさんの死体が見つかったようです… ナナツボシ は言った /chjoin なむなむ ナナツボシ は言った 村人の皆様、今日も1日がんばるのです! ナナツボシ は言った 昼の部スタート! 1 (ナナツ村) BBL 占いCO シエスタXXさん●でした 理由 発言がほとんどなく潜伏している狼に見えたので占いました 1 (ナナツ村) ちゃわんむし おはようございます、キャラメルコーン食べておちつきました・・・ 1 (ナナツ村) EVANS 僭越ながら潜伏占いCO サイアさん○ 1 (ナナツ村) xこぅちゃx 【霊媒CO】SEIRIOSさん○ 1 (ナナツ村) ねこレラン 占いCO シエスタさん○ 理由はグレーつぶしで寡黙気味だったので 1 (ナナツ村) エルレイナ 寡黙噛み?狩人ねらいなのかなぁ 1 (ナナツ村) ちゃわんむし 寡黙噛まれたなー 1 (ナナツ村) シキワロス んー噛みさきがわかん 1 (ナナツ村) ちゃわんむし 潜伏・・・? 1 (ナナツ村) EVANS 占い理由:ちゃわんむしさんご指摘の通り、護衛ぶらしの発言が気になったため。初日潜伏理由はベーグル回避のためです。 2 (がぶがぶ) シエスタXX パンダもらった 1 (ナナツ村) エルレイナ ゼブラ! 1 (ナナツ村) シキワロス 潜伏・・・うら・・・な・・・いだと? 1 (ナナツ村) ちゃわんむし さーてどういうこっちゃ 1 (ナナツ村) xこぅちゃx んー 1 (ナナツ村) シエスタXX パンダもらった 1 (ナナツ村) BBL うわ 私視点シエスタさんと占いローラーで終わりだ 3 (なむなむ) Merton おいしくいただかれました… 1 (ナナツ村) エルレイナ うお 1 (ナナツ村) ちゃわんむし 潜伏した理由お願いします 1 (ナナツ村) エルレイナ 3CO 1 (ナナツ村) ねこレラン ここでまさかの占いCO? 3 (なむなむ) SEIRIOS いらっしゃーい 1 (ナナツ村) EVANS 潜伏した理由は占い2を見てベーグル回避しようと思ったからです。 1 (ナナツ村) ちゃわんむし ベーグル回避はわかるけど、 1 (ナナツ村) ちゃわんむし ここで出てきて信頼稼げるとおもってたのですか? 1 (ナナツ村) xこぅちゃx んー 1 (ナナツ村) xこぅちゃx 信頼は出来ないなぁ 1 (ナナツ村) EVANS それをどう見ていただくかはちゃわんむしさん次第です。 1 (ナナツ村) BBL この人数で潜伏はなあ 3 (なむなむ) SEIRIOS ベーグルって聞くとお腹すいちゃう 1 (ナナツ村) シエスタXX なんかおかしくない? 1 (ナナツ村) エルレイナ いや、狐なしだから狼は占い抜きしてくる可能性十分あるし 1 (ナナツ村) シキワロス むう。9 7 5 3 1の4吊だし、一応別れたシエスタさん吊ってもいいと思うんですが 1 (ナナツ村) エルレイナ ここでのCOはありだとおもう 1 (ナナツ村) ちゃわんむし シエスタさん釣って結果見るでいいのでは 1 (ナナツ村) ちゃわんむし いやーなんかこれ 1 (ナナツ村) サイア 霊媒いるし、それでOKかなー 1 (ナナツ村) ちゃわんむし 昨日のサイアさんのずらし発言と合わせるとすごーく臭わないですか 1 (ナナツ村) エルレイナ まずはシエスタさん吊りかな 1 (ナナツ村) シエスタXX 俺吊りで間に合うのか? 1 (ナナツ村) サイア んー 1 (ナナツ村) ちゃわんむし シエスタさん吊りで異論はないです 1 (ナナツ村) エルレイナ サイアさんの発言は 1 (ナナツ村) シキワロス まにあう、間に合わせます 1 (ナナツ村) エルレイナ 別に黒要素ではないとおもう 1 (ナナツ村) xこぅちゃx 【吊り指定】シエスタさん 1 (ナナツ村) サイア 今日は初心者人狼。すこし説明まぜつつがいいと思った 1 (ナナツ村) サイア いじょ 1 (ナナツ村) BBL 指定把握しました 1 (ナナツ村) ちゃわんむし 黒要素ではないですが村の為かと言われると 1 (ナナツ村) EVANS 対抗の●吊りですか。はたして中身はどうなってるんでしょうね 1 (ナナツ村) サイア んまガツガツに逝くなら傍観しておきます 1 (ナナツ村) ちゃわんむし ああーそういわれると・・・反論のしようはありませんが 1 (ナナツ村) シキワロス んむぅ。 1 (ナナツ村) ちゃわんむし んー 1 (ナナツ村) シエスタXX んー俺釣って占いロラするの? 1 (ナナツ村) エルレイナ ただ霊結果が黒でもBBLさんの真は確定しません 1 (ナナツ村) シキワロス 占い噛んだら噛んだでロラでもいいんじゃないかな? 1 (ナナツ村) サイア で、今日シエスタさんを吊って、もし本当に●だった場合 1 (ナナツ村) ちゃわんむし パンダるのはきっと狼狂人想定外でしょうなー。真霊媒確定しているのに 1 (ナナツ村) BBL それはそうですね 1 (ナナツ村) サイア 狼はBBLさんorこぅちゃさん抜くんだろうなー 1 (ナナツ村) エルレイナ 狂人誤爆もありえます 1 (ナナツ村) ねこレラン これどう考えても人数少ないことを利用して狂人がわざと●出したようにしか見えませんが 3 (なむなむ) Merton どういった状況をベーグルって言うのかわからないかも 1 (ナナツ村) EVANS 霊●ならぼく含め占いロラってくれれば終わりますよ 1 (ナナツ村) EVANS ●吊り問題ないと思いますよ。 1 (ナナツ村) BBL でも占い3人出ているのでローラーすればいいのでは? 1 (ナナツ村) シエスタXX 今占い3だっけ? 1 (ナナツ村) ちゃわんむし 確かに黒特攻は狂人くさいです 1 (ナナツ村) エルレイナ 3ですね~ 1 (ナナツ村) シキワロス まあ真狂狼濃厚ですし 3 (なむなむ) ナナツボシ みかんおいしいよ みかん 3 (なむなむ) SEIRIOS 私もよくわかってない。なのでパンの仲間のベーグルが浮かんじゃう。 1 (ナナツ村) ちゃわんむし 占い3です 1 (ナナツ村) ねこレラン また●出されたらどうするんです? 1 (ナナツ村) BBL そうすれば狂人誤爆でも村勝ちですよ 3 (なむなむ) SEIRIOS みかんーみかんたべたいー 1 (ナナツ村) ちゃわんむし うむ。 1 (ナナツ村) BBL とりあえず私は対抗占ってよいですか? 1 (ナナツ村) エルレイナ 今日出たEVANSさんは非狼だとは思うので、ロラするとしても最後でいいとおもう 1 (ナナツ村) ちゃわんむし なぜ? 1 (ナナツ村) シエスタXX んー 1 (ナナツ村) BBL グレーに狼いない計算なので 1 (ナナツ村) シキワロス 9 7 5 3 3回全部ミスれば負けですが。 1 (ナナツ村) サイア ここでシエスタさんを吊って、BBLさんとねこさんの判別をするのがいいのか 3 (なむなむ) Merton 夜はおなかすいても何も食べないんだ…! 1 (ナナツ村) EVANS また●だしたら、霊能結果見るまでもなく破綻ですねw 1 (ナナツ村) サイア 吊らないなら、誰つるん? 1 (ナナツ村) ちゃわんむし 対抗占っても意味ないのでは 1 (ナナツ村) シエスタXX 魔に会うなら吊られてもいいが 1 (ナナツ村) シキワロス 対抗占う必要はないと思うんだ。 1 (ナナツ村) BBL 私視点では狼1がシエスタさんなので 1 (ナナツ村) xこぅちゃx うん、吊らないのなら誰を吊るのかが出ない以上は 1 (ナナツ村) xこぅちゃx シスエタさんを吊るしかないんよね 1 (ナナツ村) ちゃわんむし 材料もらえない。どうせ出す結果は見えてる 3 (なむなむ) SEIRIOS 夜はお酒飲むからお腹すいても食べないんだ・・・・! 1 (ナナツ村) ねこレラン 対抗占うという時点でものすごく怪しいんですが 1 (ナナツ村) BBL 残りの人外はねこさんかEVANSさんになります 1 (ナナツ村) ちゃわんむし ならローラーを待つべき<狼1は 1 (ナナツ村) サイア 今日はシエスタさん吊りに乗っておきます 1 (ナナツ村) ちゃわんむし 貴重な占い手を使うべきじゃないです 1 (ナナツ村) BBL だからこの二人を占いたいのです 1 (ナナツ村) エルレイナ BBLさんの対抗占い発言は怪しいけど仕方ないですね 1 (ナナツ村) シキワロス 情報がない以上、吊られてもらうしかないでしょう 1 (ナナツ村) ちゃわんむし ちょっと納得できない。ベーグル回避といいBBLさんは信頼できない 3 (なむなむ) Merton 酔っ払いだー! 1 (ナナツ村) xこぅちゃx BBLさん視点だとそうなるってことね 1 (ナナツ村) EVANS ぼくがいうのもなんですが、ぼく占いはおすすめしません 3 (なむなむ) SEIRIOS まだ酔っ払ってないよ! 1 (ナナツ村) ちゃわんむし シエスタさん吊りで狂は安定でしょう 1 (ナナツ村) EVANS せめてぼくの○、サイアさん占いなどにしてはどうでしょう 1 (ナナツ村) シエスタXX んー俺狼として ナナツボシ は言った 5分経過(残2分) 1 (ナナツ村) BBL 状況が状況なので私の占い先はそうなってしまうんですよ 1 (ナナツ村) エルレイナ EVANSさんはどうみても非狼でしょ 1 (ナナツ村) BBL 吊りはシエスタさんでようですか? 1 (ナナツ村) エルレイナ この局面で狼が出る意味がない 1 (ナナツ村) BBL そう思います 1 (ナナツ村) サイア 役職占いは、BBLさんが真認定されたらありかな 1 (ナナツ村) ちゃわんむし シエスタさん指定把握 1 (ナナツ村) シエスタXX 占いに3人いるのが気になる 1 (ナナツ村) xこぅちゃx うん、EVANSさんは信用してない 1 (ナナツ村) シキワロス が、裏をかいて狼の可能性もあるからなぁ・・・ 1 (ナナツ村) BBL だからねこさん占いたいんです 1 (ナナツ村) ちゃわんむし 新認定されてからだな。 1 (ナナツ村) EVANS そうですか、ちょっと残念です・・・>こうちゃさん 1 (ナナツ村) ちゃわんむし そうじゃない限り役職占いは認めない 1 (ナナツ村) ちゃわんむし 対抗とかない 1 (ナナツ村) サイア まだBBLさんは真かどうかもわからないので、役職占いは手数消化に見えちゃいます 1 (ナナツ村) エルレイナ わたしはEVANSさんを真か狂でみてます ナナツボシ は言った 残り1分 3 (なむなむ) Merton これから酔っ払うんですね 1 (ナナツ村) ちゃわんむし ローラーするのになぜ占う?出る結果はわかってるのに 1 (ナナツ村) xこぅちゃx あー じゃぁいいよ BBLさん 1 (ナナツ村) エルレイナ まだ真は切れない 1 (ナナツ村) シエスタXX EVAさん狂なら霊いくべきじゃね? 1 (ナナツ村) ちゃわんむし 貴重な手をなぜ対抗に使う? 1 (ナナツ村) xこぅちゃx 対抗どちらか好きなほうを占って下さい 1 (ナナツ村) BBL 反対が多いのでグレー減らしましょうか? 1 (ナナツ村) ちゃわんむし あなたが真ならのちの材料になることをなぜしない?って 1 (ナナツ村) ちゃわんむし ええー 3 (なむなむ) SEIRIOS それは否定しない。が、今日は缶ビール一本なので多分酔えない。 1 (ナナツ村) xこぅちゃx 吊り先は変わりなしで。 ナナツボシ は言った 20秒前 1 (ナナツ村) サイア らじゃ 1 (ナナツ村) シキワロス 対抗はいずれにしろ吊る。だから占う必要ないと思います。 1 (ナナツ村) エルレイナ シエスタさん了解です 1 (ナナツ村) ちゃわんむし ううーん了解です 1 (ナナツ村) シキワロス 了解。 1 (ナナツ村) シエスタXX まあCOはありません 1 (ナナツ村) BBL え?私吊りなの? 1 (ナナツ村) ちゃわんむし ローラーするのになぁ 1 (ナナツ村) EVANS なんだか奇策に拒絶反応出された感じですね 1 (ナナツ村) ナナツボシ -------STOP-------- ナナツボシ は言った -------STOP-------- 1 (ナナツ村) サイア とりあえず、シエスタさんを吊って明日の展開を 1 (ナナツ村) xこぅちゃx 違うよ シエスタさん吊りだよ 1 (ナナツ村) ねこレラン えBBLさん吊り? 1 (ナナツ村) ちゃわんむし 違うシエスタさん吊り ナナツボシ は言った 夜まで時間がありません 皆様今日の尊い犠牲を選ぶのです!(会話はストップです) 3 (なむなむ) Merton あら ナナツボシ は言った 投票は私に直Tellするのです! xこぅちゃx は ナナツボシ に言った シエスタさんでお願いします 3 (なむなむ) Merton 村はなんか荒れてますね ちゃわんむし は ナナツボシ に言った シエスタさん吊りで エルレイナ は ナナツボシ に言った シエスタさんで~ シキワロス は ナナツボシ に言った シエスタさんお願いします 2 (がぶがぶ) シエスタXX うわちゃー 2 (がぶがぶ) ねこレラン なんという BBL は ナナツボシ に言った あービックリした シエスタさんに投票します 3 (なむなむ) SEIRIOS なんか大混乱? 2 (がぶがぶ) ねこレラン いきなりピンポイントおかしすぎるw 2 (がぶがぶ) シエスタXX 寡黙すぎたかなー サイア は ナナツボシ に言った 順当にシエスタさんに投票しまっす 3 (なむなむ) SEIRIOS 順調そうにみえたのにねー 2 (がぶがぶ) シエスタXX いや理由からすれば俺のせいだな 2 (がぶがぶ) ねこレラン ナナツ村は狼に厳しい村だったんだよ! (T) BBL うーむこの場合は誰を占うべきなのか? 私視点だとローラーで終わりだからなあ (T) エルレイナ EVANSさん真、BBLさん狂、ねこレランさん狼とみる。でもEVANSさん真を推すと流れでわたしが吊られかねないから推しづらい… 2 (がぶがぶ) シエスタXX すまん>< EVANS は ナナツボシ に言った 投票:シエスタXXさん 2 (がぶがぶ) ねこレラン いやいや、これはシエスタさんのせいじゃないと思うw 3 (なむなむ) Merton 占い潜伏とか 2 (がぶがぶ) ねこレラン とりあえず無駄な抵抗でBBLさんに投票しますか 3 (なむなむ) Merton なんでこうなったんだろう 2 (がぶがぶ) シエスタXX EVAさん霊に行ってほしかったかも 2 (がぶがぶ) ねこレラン だねえ 2 (がぶがぶ) ねこレラン なぜここで占いに来た… 3 (なむなむ) SEIRIOS 詰んだと思った狼のかき回し? 2 (がぶがぶ) シエスタXX そだねぇ後でとっちめようw 2 (がぶがぶ) ねこレラン w (T) BBL 正直真だからこそもうやることが無いんですよね ナナツボシ は言った 残り1分 ねこレラン は ナナツボシ に言った BBLさんで 2 (がぶがぶ) シエスタXX BBLさんにいれとく? (T) エルレイナ EVANSさんの○であるサイアさんは信用してみよう 2 (がぶがぶ) ねこレラン はいー 3 (なむなむ) Merton ってことはシエスタさん狼なのかな ナナツボシ は言った 20秒前 シエスタXX は ナナツボシ に言った BBLさんで 2 (がぶがぶ) シエスタXX がんばってwww 2 (がぶがぶ) ねこレラン 無理ーw 3 (なむなむ) SEIRIOS 明日の霊媒のお楽しみ・・・ 吊り投票: BBL 2票 シエスタ 7票 ナナツボシ は言った さようなら シエスタXXさん あなたの勇姿は忘れない・・・。 ナナツボシ は言った /chjoin なむなむ ナナツボシ は言った 日が沈み始めました よい子も悪い子も寝る時間なのです! ナナツボシ は言った 役職行動の方は私までTELLするのです! xこぅちゃx は ナナツボシ に言った 霊媒ですー 結果お願いしますー シエスタXX は言った いてて、やめろよー (T) エルレイナ 霊媒とラインがつながったらねこさん吊ってこれまたスピード終了もあるかw ナナツボシ は xこぅちゃx に言った シエスタXXさんの死体は真っ黒なオーラを放っていました。 狼だったのです! xこぅちゃx は ナナツボシ に言った はーい ありがとー! BBL は ナナツボシ に言った こんなときどうすればよいのか相談したい気分です 発言した以上対抗占った方がいいのかな? ねこレランさん占います 2 (がぶがぶ) ねこレラン スーパー独り言タイム… 2 (がぶがぶ) ねこレラン これもうどうしようもないよねえ 2 (がぶがぶ) ねこレラン うーん (T) エルレイナ サイア、ちゃわんむしは村とみる 3 (なむなむ) シエスタXX おつおつ 3 (なむなむ) SEIRIOS おつかれー 3 (なむなむ) Merton いらっしゃい! 3 (なむなむ) SEIRIOS またエモ見えない病になった 2 (がぶがぶ) ねこレラン やっぱりここは霊媒噛むしか無いなあ ナナツボシ は BBL に言った ねこレランさんは真っ黒なオーラに包まれていました。狼だったのです! ねこレラン は ナナツボシ に言った 霊媒のこぅちゃさんをごくごく BBL は ナナツボシ に言った そうなりますよね ありがとうございました ナナツボシ は ねこレラン に言った のみほしてあげて! 3 (なむなむ) シエスタXX さてさて間に合いますかね ねこレラン は ナナツボシ に言った ごっくごく! 3 (なむなむ) SEIRIOS 狩人を間違って吊ってないか食われてないかがミソ? 3 (なむなむ) Merton 霊媒噛まれると村は苦しいですね 3 (なむなむ) シエスタXX そうだろうね (T) エルレイナ なんだなんだ今の叫びは…w 3 (なむなむ) SEIRIOS じんじゃさんの叫びが・・・ ナナツボシ は言った 残り1分 3 (なむなむ) シエスタXX 狐勝ったのかな? 3 (なむなむ) SEIRIOS ログを楽しみにしよう ナナツボシ は言った 20秒前 3 (なむなむ) シエスタXX それか最終日までもつれたか 1 (ナナツ村) ナナツボシ -------STOP-------- ナナツボシ は言った -------STOP-------- 役職行動:占い→ねこレラン● 霊媒→シエスタ● 捕食→ こうちゃ 2日目へ 4日目へ
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8 名前:真実(まこと)の黒 序章[sage] 投稿日:2007/04/08(日) 14 12 45 ID +LLim8p4 運命の初夜の翌日、行為を終えた才人は月を眺めていた。 傍らではルイズがあどけない寝顔で安らかな寝息を立てていた。 そんなルイズを一目見た後、視線を月に戻す。 そして、不思議に思っていたことを口に出す。 「どこいったんだろ、シエスタ」 彼は専属のメイドの名を口にした。 専属なのだから同じ部屋に住んでいるものの、なぜか昨夜帰ってこなかった。 疑問に思い今日一日探してみたが、誰もその姿を見ていないという。 「ま、今日たまたまどっかに行ってるだけかもしんねぇしな」 既に夜は更け、今日はどうしようないと思った才人はベッドに寝転んだ。 明日もう一回探してみようと考えながら眠りについた。 そして・・・三日の時が流れた・・・・・ 9 名前:真実(まこと)の黒[sage] 投稿日:2007/04/08(日) 14 13 43 ID +LLim8p4 「くそっ・・・・・いくらなんでもおかしいだろ!!」 才人は怒りにまかせて壁を蹴った。 ガスッ、と鈍い音が広がる。 あれから毎日シエスタ捜索を続けていた才人だったが、それも空しくシエスタを見つける事はできなかった。 それだけならまだしも、あの日からシエスタの姿を見た人がいないというのが才人の不安を大きくしていた。 当然、聞き込みも行った。 まず最初に厨房のマルトー親父の所に行ったが、 「シエスタ?さぁ、最近見かけねぇな。どうかしたのか?」 料理長であるマルトー親父が見ていないということは一度も厨房に顔を出していないのだろう。 次に教室にいた何人かの貴族にも聞いたが、貴族がたかがメイドの名前と顔を覚えているわけがなく、無駄に終わった。 シエスタの事を知っているキュルケやタバサにも聞いてみたが有力な情報は得られなかった。 だが才人は諦めない。 根気よく校舎内や広場を行ったり来たり繰り返していた。 そして何段上ったのかわからない階段を上った時、見事な巻き髪をしたモンモランシーの姿が見えた。 「あれは、モンモン?何やってんだ?」 見るとモンモランシー、辺りを挙動不審に見渡しながら食器を運んでいるではないか。 そして自分の部屋の前に立つと辺りを警戒し始めた。 才人は反射的に身を隠しながら観察を続けると、モンモランシーは開錠の魔法を唱え自室に入っていった。 なんかアヤシイな・・・・・ そう思った才人はそういやモンモンにはまだ聞いてなかった事も含めて訪ねてみることにした。 「おーい、モンモン!!」 ドアを数回ノックすると、明らかに焦った声が聞こえてきた。 「・・!だ、だれ?」 「俺だよ、才人だ。ちょっと聞きたいことがあるんだけど」 「ちょ、ちょっと待ってて!今出るから」 そんなモンモランシーの様子に、さらに疑惑が膨らむ。 しばらくすると、ドアをちょこっとだけ開けてモンモランシーが出てきた。 そしてバタンとドアを閉めると才人に向き直った。 「で、聞きたいことってなに?」 「その前になんでそんな暑苦しい登場するんだよ、もっとドア開ければいいじゃねぇか」 「そ、そんなことどうだっていいでしょ!いいから早く言いなさい!!」 なんか釈然としない才人だったが、今はそんなことどうでもいい。 一刻も早くシエスタを見つけねば。 「なぁ、シエスタを見てないか?ここんとこ誰も見てないっていうし」 「シエスタ?・・・・さぁ、見てないわね」 「ホントか?」 「本当よ。いくらわたしでもそんな意地の悪い嘘はつかないわよ」 しばし才人はモンモランシーを疑わしげな瞳で見つめたが、これ以上の詮索は無駄だろう。 才人は他を当たることにした。 「・・・わかった、じゃあ、もし見かけたら教えてくれ。また来るかもしれないから、じゃあな」 10 名前:真実(まこと)の黒[sage] 投稿日:2007/04/08(日) 14 15 05 ID +LLim8p4 才人の姿が完全に見えなくなったのを確認してから、モンモランシーは部屋へ戻っていった。 そして、ベッドのそばで膝を抱えている少女に声を掛ける。 「すごく心配してたわよ・・・・会わなくていいの?シエスタ」 シエスタはゆっくりと顔を上げた。 その表情は普段の彼女からは想像がつかないほど暗く、かなりの時間泣いていたのか目は赤く腫れていた。 「いいんです・・・・」 モンモランシーはフゥ、とため息をつくとシエスタのそばにしゃがみこんだ。 「あなた、サイトに会いたくないの?サイトのこと嫌いになったの?」 シエスタは変わらぬ調子で答えた。 「そんなこと・・・そんなこと、あるわけないじゃないですか」 「じゃあどうして」 モンモランシーの言葉を遮ってシエスタは続けた。 「毎日だって会いたい、いっぱい話して、笑って、そばにいたい。でも・・・・」 シエスタは俯いた。 その瞳から雫が零れ落ち、床を濡らした。 「サイトさんの・・・・邪魔をしたくないんです」 そう言って顔を上げたシエスタはひどく儚く、今にも消えてしまいそうだった。 モンモランシーは少しうーん、と考えた後、シエスタの目を見て言葉を紡いだ。 「あのね、わたし思ったんだけど、あなた『だけ』が他の人の幸せを考えて傷つくのっておかしくない?」 一瞬シエスタの瞳に光が宿った。 「あなたがそんなに傷ついてたら、あなたの幸せを願う人はどうなるの。あなたに不幸になってほしい人なんて この学院に、いや、世界中探してもいないと思うわ」 モンモランシーは優しくそういった後、シエスタをギュッと抱きしめた。 「あなたは優しいから、何もかも一人で背負い込みすぎなのよ。会いに行きたいならいけばいい、それでこの世界が壊れる わけじゃないんだし、その後の事なんてサイトに考えさせればいいじゃない」 シエスタはそう言われ、悲しみとは違う涙を流した。 シエスタはモンモランシーを抱き返す。 「あり・・・ありが、とう・・ございます・・・・ミス・モンモラン、シ・・」 モンモランシーはシエスタの頭を撫ででやった。 「いいのよ、わたしは水のメイジ。どんな傷だって癒してあげるんだから」 「はい・・・・・はい・・・」 「じゃあ、行ってきなさい。愛しているんでしょう?サイトのこと?」 「はい!」 シエスタは立ち上がると駆け足で才人の後を追った。 後に残されたモンモランシーは小さく呟いた。 「シエスタ、これ以上サイトに悲しまされたらまたわたしの所にいらっしゃい。今度はわたしがサイトを ねじり切ってあげるから」 105 名前:真実(まこと)の黒[sage] 投稿日:2007/04/10(火) 22 23 29 ID MSJxDuqE 「どっこいしょ・・・っと」 才人はオッサン臭いセリフとともにベッドに腰掛けた。 ついでため息を漏らす。 結局今日も手がかりは無し。 いいかげん心配を通り越して呆れてくる。 「ふぅ・・・・・・・」 「サイト・・・・まだシエスタが見つからないの?」 「まぁな、学院長とかにも聞いてみたけどどこかに行ったわけじゃないそうだし、完璧に手詰まりさ」 才人はそういいながらベッドに横たわった。 その横に寝巻き姿のルイズがしがみついてくる。 「ん?どした?」 「あの、ねその・・・サイトが疲れているのはわかっているんだけど、その・・・・」 そこまで聞いて才人は、あーなるほどと思った。 そういえば最近ご無沙汰だったため不満なんだろう。 才人はルイズが言い終わる前に抱きしめてやった。 「俺だって、ぶっちゃけすごい溜まってんだよ。本当は癖にならないように我慢してたんだけど、 お前のそんな顔見てたら我慢できなくなっちまったじゃねーか」 「べ、別に嫌なら無理にしなくてもいいわよ!!わたしだってムグッ!!」 才人は唇を押し付けるとルイズを押し倒した姿勢になり、服に手を掛けた。 106 名前:真実(まこと)の黒[sage] 投稿日:2007/04/10(火) 22 25 08 ID MSJxDuqE 時間は少しさかのぼり、才人がルイズの部屋に入ろうとしていた時。 シエスタはドアノブを回そうとする才人を見つけた。 いた・・・・サイトさん・・・・・・ 今すぐ駆け寄って、抱きしめて、キスをしたい。 しかし、あの日の事が頭を駆け巡る。 才人とルイズが互いを愛し合った日を・・・・・・・ 考え事をしている隙に才人が部屋に入ってしまったため、慌ててシエスタはドアの前まで足を運ぶ。 ただそれだけで全身に熱が回り、頭がボーッとする。 会いたい、すごく・・・・会いたい。 だがそこから一歩踏み出す勇気がどうしてもでなかった。 ドアノブに手を掛け、すぐに離す、そしてまた掴み、離す。 自分でも何をしているのがわからない。 そもそも何故こんなに怯えているのかがわからない。 意を決し、いっその事無理に笑顔を作って、あくまで明るく入ろうとした。 その時だった。 「俺・・・・・・・・・・本当は・・・・・・・・我慢・・・・・・」 急に部屋から才人の声がしたため、シエスタは飛びのいた。 そしてすぐにくちゅ・・・・ちゅぷ・・・・と粘着質な音が耳に飛び込んでくる。 シエスタは声にならない声を上げてその場にへたり込んだ。 両手で顔を覆い、とっくに枯れたと思っていた涙腺を押さえつける。 それでも非情な雫はシエスタの頬を、手を伝い、床に染みを作る。 ああ・・・・やっぱりだ・・・・。 シエスタは体の中に黒く、冷たい水が流れてくるのを感じた。 その水は熱を帯びていたシエスタの体を急激に冷やし、心の冷静な部分を引きずり出す。 サイトサンハ、ワタシヲヒツヨウトシテイナイ・・・・・ ワタシハサイトサンノトナリニイテハイケナイ・・・・・ シエスタはドアにもたれるようにして座り込んだ。 何をいまさら・・・あの日気づいたじゃないか。 堕ちていくシエスタとは対照的に、壁一つ超えた先はどんどん淫らなものと化していた 時折聞こえてくる少女のか細い喘ぎ声と卑猥な音に、シエスタの心はますます闇に覆われていく。 しかし、体は違った。 全身が熱くなり、まだ男を知らない秘所が疼きだす。 必死に堪えようとするが、ルイズの喘ぎ声が聞こえてくる度に疼きは強くなる。 そしてつい、ルイズと自分の立場を入れ替えてしまう。 107 名前:真実(まこと)の黒[sage] 投稿日:2007/04/10(火) 22 25 42 ID MSJxDuqE 「んくっ・・・ああ、ふぁ・・んん・・・サイト・・・さん・・」 手をゆっくりと下着の中に滑り込ませ、指をクレパスの中へ進入させる。 「ああっ・・サイトさん・・・すごい・・・・」 シエスタの頭の中では、自分は才人に犯されていることになっていた。 こんなことはダメだと思いつつも、いつ誰が通るかわからない廊下という場所がさらにシエスタを追い詰める。 「はぁっ・・・ああん」 左手で大きな乳房を揉みしだき、硬くなった乳首をつまみあげる。 右手で秘所をかき乱し、更なる快楽を求める。 いつ才人達に気づかれるかわからないのだが、いつのまにか大きな喘ぎ声さえ上げていた。 「ああっ、やぁあ・・・・ダメェ・・・サイトさぁん・・・」 シエスタは動かす指の速度を活発にする。 「んああっ・・はあっ・・イく・・・・イっちゃいますぅ・・サイトさん!」 そしてルイズとシエスタの声がシンクロした。 「「あああああああん!!!」」 シエスタはびくっと体を震わせ絶頂に達した。 それがマズかった。 大きく仰け反ったシエスタの体がドアにぶつかり、鈍い音を放つ。 108 名前:真実(まこと)の黒[sage] 投稿日:2007/04/10(火) 22 26 43 ID MSJxDuqE ガタッ 「・・・・・・っ!!」 いきなり音がしたため才人は慌ててベッドを飛び降りる。 ほぼ全裸に近い格好だったため急いで服を着る。 「だ・・・・だれ・・・・?」 才人が問いかけると今度はタタタタタと廊下を走る音が聞こえてきた。 ドアまで歩み寄り、開ける。 そこにあったのは小さな水溜りと、見慣れたカチューシャだった。 「シ、シエスタ・・・なのか・・・?」 この学院にはたくさんメイドがいて、その分だけ同じカチューシャがあるというのに才人にはこれがシエスタの 物だと、なぜかそう思った。 「マジかよ、くそっ・・」 あれがもしシエスタなら、間違いなく自分達がした行為に気づいたはずだ。 だから俺達の邪魔をしないように・・・・・・ 才人はカチューシャをポケットにねじ込むと走り出した。 幸いこの時間帯は風呂上りの生徒達が何人かうろついている。 これだけいれば誰かは見ているはずだろう。 才人は片っ端から聞いていくことにした。 遠くで騒いでいる才人に気づいたギーシュは声を掛けてみることにした。 あんなに必死な才人を見るのは久しぶりだったからだ。 「やあサイト、何をそんなに慌てているんだい?」 いつものキザっぽいポーズで話しかける。 しかし才人の表情は変わらない。 「なぁ、今、ここをシエスタが通っただろ?何処に行ったんだ、頼む、教えてくれ」 「まぁまぁまずは落ち着きたまえ。そんなに熱くなっていると見えるものも見えなくなってしまうぞ」 109 名前:真実(まこと)の黒[sage] 投稿日:2007/04/10(火) 22 28 01 ID MSJxDuqE 普段なら反抗する才人だったが、今はなぜか素直にギーシュのいうことを聞いた。 いや、何故か聞かなければいけないような気がした。 才人が落ち着いたのを確認してからギーシュは語りだす。 「シエスタというのは、確か君専属のメイドだったよな。顔はわかる。何度か世話になったことがあるからな」 「そんなことはどうだっていい。早くシエスタが何処に行ったか教えてくれ。見たんだろ?」 「彼女ならさっき火の塔に向かって走っていったよ。なんだか泣いてるようにも見えたなぁ」 「な、なんだと・・・・・」 あの明るいシエスタが? 泣いていた? 嘘だろ・・・・・・ 青くなった才人を見て、ギーシュは急に真顔になった。 「才人、君のその顔を見る限りなにかあったようだが、あえて聞かない事にするよ。僕にだって常識はある。 だけど、一つだけ言わせてくれ」 才人も真剣な表情でギーシュの次の言葉を待った。 「たとえどんな理由だろうと、女の子を泣かす奴は最低だ。まして、自分に惚れている女の子だとすればなおさらだ」 正直普通の人が聞けば『お前にいわれても説得力ねぇよ』と返すところだが、今の才人は不覚にもギーシュを かっこいいと思っていた。 茶化しや、ふざけ半分ではない、心の底からそう思った。 ギーシュはそれだけ言うと才人の肩に手を置いた。 「では、行って来い親友よ。僕は君の味方さ」 110 名前:真実(まこと)の黒[sage] 投稿日:2007/04/10(火) 22 28 37 ID MSJxDuqE 「ハァッ・・・ハァッ・・・くそっ、シエスタ・・・」 真っ暗な広場を才人は一心不乱に駆けていた。 頭の中でギーシュのセリフが何度も蘇る。 『彼女ならさっき火の塔に向かって走っていったよ。なんだか泣いてるようにも見えたなぁ』 それと同時に深い罪悪感が才人の胸を抉る。 自分は一体なにをしていたんだ。 アルビオンでルイズとシエスタと再会した時、二人の・・・いや、できることなら全ての人の笑顔を 守ろうと決心したではないか。 それなのに俺は・・・・・・。 いや、もう考えるのはやめよう。 才人はやっと火の塔の前まで来ると、中に飛び込んだ。 一階の全ての部屋を回り――――― いない・・・・・ 階段を駆け上がり、二階の部屋全てを回り――――― ここにもいない・・・・・ 数回それを繰り返し、もう何階かもわからない部屋に辿り着いた。 同じように開けようとすると顔がドアにぶち当たった。 「いってぇ!!」 痛む鼻を擦りながらもう一度開けようとする、しかし開かない。 「なんでここだけ――――って少し考えればわかるよな」 間違いない、シエスタがここにいる。 辺りを見渡し窓、もしくは入れそうな隙間を探した。 どうやらそれはないようだ。 こうなったらあれしかない。 「強行突破するしかないか」 才人は10歩ほど後退し、そして一気に間合いを詰め体当たりをかます。 さすがにそれだけで開くはずはないので、間髪いれずに続けざまに突進する。 「うおおおおおああああああ!!!!」 才人は絶叫しながらおもいっきり突っ込んだ。 すると何やらバキャ、といい音が聞こえた。 ドアノブを回して開けた扉の先に―――――。 「シエスタ・・・・・?」 111 名前:真実(まこと)の黒[sage] 投稿日:2007/04/10(火) 22 30 16 ID MSJxDuqE 妖精・・・・? 最初冗談抜きで才人はそう思った。 真っ暗な部屋の中で窓から月光を浴びるシエスタは、すごくかわ・・・いや、美しい。 濡れた頬に光が反射し、まるでシエスタ自身が輝いているように見えた。 シエスタは座り込んだまま首だけを回して才人を見つめた。 「サイトさん・・・・・」 「・・・!シエスタ!!」 我に帰った才人は慌ててシエスタのそばに近寄り、何か言おうとした。 しかし何を言えばいいのかわからなくなり、口から出た言葉は単純なものだった。 「シエスタ・・・今までどこに、何で!!」 「それはサイトさんのほうがよく知ってるんじゃないですか?」 「え・・・?」 「わたしが、何も知らないと思ってたんですか?」 才人はこの言葉の意味を理解するのに少し時間が掛かった。 そして恐る恐る聞くことにした。 「見たん・・・・・だな」 「はい・・・・」 「でも、どうして・・・」 「サイトさんにはわからないと思います。みんなに必要とされているから」 「必要って・・・シエスタだってみんなに必要に」 「でもサイトさんはわたしを必要としてくれませんでした」 「そんな・・・そんなワケないだろっ!!!」 才人は怒鳴った。 シエスタは俯いたまま続けた。 「さっきだって・・・・・」 「さっき?」 「わたし、サイトさんとミス・ヴァリエールがシてるとこ、ドアの前でずっと聞いてたんです。そのときのミス・ヴァリエール とサイトさん凄くうれしそうでした。声だけでもわかります」 「そ、それに何の関係が・・・」 恥ずかしくなってきた才人は話題を逸らそうとしたが、シエスタにその気はないようだ。 「その時、改めて実感したんです。わたしはサイトさんに必要とされてないって、いらないんだなって」 シエスタの目に光る雫が宿る。 「わたし、迷惑ですよね?」 そんな・・・そんなコト・・・・。 「サイトさんとミス・ヴァリエールがいい感じの時に限ってしゃしゃり出てきて」 俺はシエスタの事・・・・・ 「そのせいでまた二人の仲が悪くなって」 シエスタの事・・・ 「あ、でも心配しないでください。もう、サイトさんには、迷惑、かけませんから・・・」 シエスタがそういい泣き崩れた瞬間、才人は行動にでていた。 なぜ急にこんなことをしたのかはわからない。 俺はシエスタの唇を塞いでいた。 112 名前:真実(まこと)の黒[sage] 投稿日:2007/04/10(火) 22 31 02 ID MSJxDuqE 「ん、んんっ・・・・・」 いきなりキスをされたシエスタは反射的に声を上げようとした。 その時開いた口の中に舌をねじ込みディープなキスをする。 シエスタが抵抗せずにされるがままになっているため才人はより激しく口を吸った。 才人は段々息苦しくなり唇を離してしまいそうになる。 だが無理矢理押し込み限界まで我慢していた。 自分でも苦しいのだからシエスタにとっては本気で危機を感じているだろう。 いっその事蹴飛ばしたり、叩いたり、抵抗して欲しかった。 しかしシエスタは抵抗どころか何もしてこない。 さすがに限界に達した才人は唇を離す。 そして呟く。 「なんでだよ・・・・・」 才人はシエスタの肩を掴み、わななきながら言葉を発する。 「苦しかっただろ?嫌だっただろ?なんで何も言わないんだよ・・・・」 それでも何も言わないシエスタに才人の怒りは頂点に達する。 考えてみればただの逆ギレだが、そんなことはどうでもいい。 「苦しいんなら苦しいって言ってくれよ!嫌なんだったら嫌って言ってくれよ!!じゃないと・・・俺・・」 「どうして嫌がらないといけないんですか?」 「・・・・・・!!!」 すぐさまそう言い返され才人は目を大きく見開く。 「わたしはサイトさんの事を愛しています。例えサイトさんがわたしを見てくれなくても・・・・。そんなに大好きな サイトさんにキスをしてもらったのに、どうして嫌がらなくちゃいけないんですか?」 屈託の無い笑顔でそう言われ、才人は己を恥じた。 感情が爆発し、シエスタを強く強く抱きしめる。 「ごめん・・・シエスタごめん・・・・」 「もう、どうして泣くんですか?サイトさん」 「俺、シエスタの気持ちに全然気づいてやれなかった・・・・それなのに勝手に怒って、無理矢理キスなんかもして・・・」 シエスタは少し考えた後、おもむろに才人に口付ける。 不思議と罪悪感は感じなかった。 今まではルイズの事が気になり形だけの抵抗はしていたつもりだった。 なんでだろう・・・・。 ああ、わかった。簡単なことだ。 俺、シエスタの事を愛してるんだ。 113 名前:真実(まこと)の黒[sage] 投稿日:2007/04/10(火) 22 31 40 ID MSJxDuqE 狭く暗い密室の中で二つの音が交じり合っていた。 一つは女の喘ぎ声。もう一つは淫らな水音だった。 才人はじっとり濡れたシエスタのソコに口を付け、吸い上げる。 「ああっ、ひゃうん、んあぁ、はぅっ・・・」 才人が舌を進入させたこともあり、シエスタは甘い声を出しながら白く綺麗な肢体をくねらせる。 そんなシエスタの声に興奮したのか才人の責めは激しさを増していく。 舌先に力を込め淫核をぐりぐりと刺激する。 「んっ、ふぁあ、あ!ああっ!!サイトさ!!ああああああっ」 責めになれていないシエスタは体を仰け反らせ絶頂に達した。 しばらくぐったりしていたが、やがてのそのそと才人のモノを掴む。 そして豊かな胸でそれを挟み込むと上下に動かし刺激する。 「ぅあっ、ちょ、シエスタ、それっ・・・」 谷間の間から少し顔を出している才人のモノを咥えこみ、先程才人が自分にしていたように舌先に力を込めて 尿道を刺激する。 「くぁっ、やば、シエスタ!も、出る・・・」 才人が一瞬ビクッと体を震わすと、シエスタの口内に大量の欲望を解き放った。 口から垂れた白い液体を指で掬い取ると、それをペロッと舐める。 そして一言。 「いっぱい出ましたね、サイトさん♪」 才人の理性は塵と化した。 シエスタに覆いかぶさり剛直を秘所にあてがう。 そして一気に貫いた。 この時のシエスタの声を俺は一生忘れないだろう。 129 名前:真実(まこと)の黒[sage] 投稿日:2007/04/11(水) 19 07 48 ID 4mBz82ZE 朝の日差しが差し込むヴェストリの広場でモンモランシーはまだ眠たげなギーシュを連れてうろうろしていた。 ルイズの話によると昨日はシエスタどころか才人まで帰って来なかったらしい。 まさか駆け落ち!?とかも思ったりしたがそこまで血迷ってないだろうと自分を安心させる。 しかしどうにも心配なため朝早くからギーシュを叩き起こし探しているのだが・・・・・。 「ふぁあ〜〜〜〜・・・・」 「ちょっとギーシュ!少しは真剣に探しなさいよ!!アンタは心配じゃないの!?」 ギーシュは二度目の欠伸を噛み殺し、言った。 「それは少しは心配さ。でもサイトはあんまり無茶はしないタイプだから大丈夫だろう」 そしてギーシュはモンモランシーの耳元で囁く。 「それにサイトはやるときはやる男だ。たぶん昨日は夜遅くまでがんbブゴフォ!!!」 言い終える前にモンモランシーに鳩尾に肘を叩き込む→裏拳のコンボをくらいもんどりうって倒れる。 はぁ、とため息をつきながら辺りを見渡していると火の塔から誰かが出てくるのが見えた。 それはまさしく・・・ 「おっ、モンモン。なにやってんだよこんな所で」 モンモランシーはすぐに言い返す。 「それはこっちのセリフでしょ。一体二人ともどこにいたのよ。ルイズなんて怒りくるってたわよ」 才人は苦笑いをしながらシエスタを見て、それからモンモランシーに向き直る。 「あ〜〜、まぁ、いやその、なんだ。俺達にもいろいろあるんだよ・・・・いろいろ・・・」 モンモランシーは煮え切らない表情で二人を見つめていたが、まぁいいわと呟く。 そして今度はシエスタに問う。 「ねぇシエスタ、もう、大丈夫なの?」 それを聞いたシエスタは満面の笑みで 「はい、以前よりわだかまりか消えて前よりいい感じです」 と才人の腕に自分の腕を絡ませた。 才人の顔は赤くなったが何も言わないため、シエスタの言ってることは本当なのだろうと納得する。 130 名前:真実(まこと)の黒[sage] 投稿日:2007/04/11(水) 19 08 57 ID 4mBz82ZE 「あ、そういやさモンモン、しばらくシエスタが世話になってんだな。俺からも御礼を言わせてもらうよ、ありがとう」 その言葉に合わせるようにシエスタは深く頭を下げた。 モンモランシーは腕を組みツンとすましてみせた。 「別にいいわよそれぐらい、偶然わたしがシエスタを保護しただけよ」 「それでも、ありがとう」 才人はもう一度御礼を言うとシエスタを促した。 「俺達もう行くから。じゃあな」 そう言って立ち去ろうとした瞬間―――― 「何シカトしてんだ貴様ァーーーーー!!!!!」 完全に存在を忘れられていたギーシュが叫んだ。 「はは、冗談だよギーシュ、その、お前のおかげで、なんていうか、なにかがわかった気がするよ。今回は素直に御礼を言って やるよ、ありがとな」 え? ギーシュは目を丸くした。 才人に御礼、っていうか普通に相手にしてもらったのってすごく久しぶりなような・・・ ギーシュは嬉しくなった。 だが、思っている事とは正反対の言葉をつい言ってしまう。 「・・・・から・・・・ね・・・・」 「は?」 「うれしくなんかないんだからね!!!」 「何でツンデレなんだよ!!!」 ああ、やっぱり、誰かにツッコまれるのって、なんて、なんて気持ちいいんだろう。 そんなこんなで結局トリステイン魔法学院は今日も平和でした。 131 名前:真実(まこと)の黒[sage] 投稿日:2007/04/11(水) 19 10 17 ID 4mBz82ZE と平和に終わると思っていたがやはりそうはいかないようで。 「さて犬?」 「はい犬です」 「とりあえずお疲れ様、わたしをほっておいて朝帰りなんて疲れたでしょう?とくに下半身が重点的に」 「いえ、そんなことは・・・」 才人の目は完璧に泳いでいた。 「そう・・・なら服を脱ぎなさい」 「なぜでしょうかご主人様」 「いいから脱ぎなさい。上だけでいいから」 才人はそういわれ渋々パーカーを脱ぎ、そしてT−シャツにも手を掛け、脱いでいく。 そしてT−シャツを脱ぐ時に一瞬視界が真っ暗になり、再び明るくなったときにはルイズはもうルイズじゃなかった。 ぷるぷると震える手で才人の胸元を指差す。 「あらぁ?なにかしらこの赤い痕?」 才人が視線を落とすとそこは確か昨日シエスタに・・・・。 「・・・・!!!!!ぁあああいいいいいいいやこれはその虫・・・そう虫だよ!!」 「へぇえ〜・・・・それはそれは大きな虫にやられたわねぇ〜、もしかしてその虫って『サイトサン』って鳴く虫の ことかしらぁあああああ!!!!!」 あ、も無理だ。 潔く諦めよ。 しかし全てを投げ出した才人の前にシエスタが立ち塞がった。 「あによ、ジャマすんの!?」 敵意というか殺意を剥き出しにしてガンを飛ばしてくるルイズにシエスタは指を立てた。 そしていきなりすごい事を言いだした。 132 名前:真実(まこと)の黒[sage] 投稿日:2007/04/11(水) 19 11 09 ID 4mBz82ZE 「勝負しません?」 「はぃ?」 「ですから、どっちが才人さんを気持ちよくさせられるか勝負です」 「あああああんた何を!!??」 「あら、自身が無いのですか?そうですよねぇ〜、ミス・ヴァリエールには『武器』が無いですものねぇ〜」 そういいながら胸元を見つめられたルイズは怒り狂った。 これは軍隊でも止められるのかわからないくらい怒り狂った。 「いいわ、やってやろうじゃない・・・・」 あれ?なんで?展開読めねぇよ。 やば。 才人は必死に逃げようとドアへ走った。 しかしルイズに腕を、シエスタに足を掴まれる。 あれ、これデジャヴ? そして二人はタンカで運ぶように才人をベッドまで運び放り投げる。 才人は泣きそうになった。 「まさか、いつもの2倍頑張れってこと?」 二人は声をそろえて言い放った。 「ううん、4倍☆」 あれ、なんかこれもデジャヴ? 「じゃあ一人持ち時間30分で何回イかせられるかでいいわね?」 「はい、もちろんです」 「ちょっ、まっ、ムリだっていくらなんでもぉおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!」 才人の絶叫はいつまでも終わりませんでした。 終
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「お待たせしました」 猫を寝させないために鼻を塞いでいたところにシエスタがお盆を持って戻ってきた。 お盆の上にはティーポットとカップがのせられている。 「すまないな」 「いいえ。好きでやってますから」 シエスタは私の隣に座るとティーポットからカップにお茶を注ぐ。 そしてお茶が注がれたカップを私に差し出してくる。 「ありがとう」 猫から手を離しカップを受け取る。 お茶の色は少し緑色っぽい。もしかしたら緑茶かもしれない。 カップを口元に近づけ香りを嗅いでみる。 いい香りだ。なんとなく落ち着くような感じがする。 猫も鼻をヒクヒクさせティーポットの匂いを嗅いでいる。シエスタはそれを見て微笑んでいる。 香りを十分堪能し、今度はカップを口につけ、お茶を口に含む。 なんと言ったらいいだろうか。何というか独特の味だった。 しかしそれがいやなわけではない。むしろ自分の舌にあっていておいしく感じられる。 「懐かしい」 ふとそんな言葉が口から漏れた。 懐かしい?何を言っているんだ。お茶なんて初めて飲んだじゃないか。 どうしてそんな言葉が漏れるんだ? ……そうか。私は日本人だ。生前がそうだったからな。そしてお茶は生前よく飲んでいたはずだ。日本人だからな。 そのときの記憶がよみがえって懐かしいなんて言葉が漏れたのかもしれない。 「懐かしい?そっか、ヨシカゲさんは、東方のご出身なんですね」 私の呟きを聞いたのかシエスタがそう言ってきた。 その顔には嬉しそうな笑みが浮かんでいる。一体何が嬉しいんだ? 「そうだけど」 とりあえずシエスタの言葉を肯定しておく。否定する意味も無い。文化的に考えたら確かにここから東方だしな。同じ文化があるとは限らないが。 しかしこのお茶は東方のから運ばれてきたんだよな?たしかロバ・アル・カリイエとかいう場所から。 もしかしたらロバ・アル・カリイエは、西洋的な文化のこことは違い私の世界と同じく東洋的な文化かもしれないな。 「ねえ、ヨシカゲさんの国ってどんなところなんですか?」 私が考えに耽っているとシエスタが突然そんなことを切り出してきた。 「私の国?」 「うん、聞かせてくださいニャー」 シエスタは子猫を自分の顔の高さまで持ち上げ言ってくる。 その様子はまるで猫が話しているようだ。 「ほら、猫ちゃんも聞きたいって」 そういいながら子猫の前足を上に持ち上げ万歳させる。そのポーズに意味は有るのか? それにしても、 「私の国ねえ」 シエスタは異文化に興味でもあるのかね? いつか世界を見て回りたいとか。 まあ、話しても問題は無いだろう。月が1つしかないだとか矛盾したことを言わなければあやしまれないだろうし。 「私の国には、まず貴族がいない。そしてメイジもいない。こことは食生活が違うし宗教も沢山ある」 「いやだわ。貴族やメイジがいないだなんて。私が村娘だと思って、バカにしてるんですね」 ここは貴族やメイジがいて当たり前な文化だからな。信じなくて当然か。 「別に嘘だと思うなら信じなくてもいい。それだけ文化の違いがあるというわけだ」 「……ほんとにいないんですか?」 否定せずそう言った為かシエスタが半信半疑な顔をして聞いてくる。 「ああ。貴族は昔いたけど、今はいない。魔法使いは昔はからいなかった」 シエスタが信じられないといったような顔をする。 「他にも色々こことは違うことがあるさ」 それから私はこことは矛盾しないあたりでいろいろなことをシエスタに話した。 シエスタは私が話すたび驚いたり、笑ったり、悲しそうな顔をしたりと、色々な表情を私に見せた。 たまにはこういったことも面白いもんだな。 「お茶のおかわりもらえるか?」 「あ、わかりました」 カップを差し出すとシエスタがお茶を注いでくれる。 そしてカップを口元に持っていき、お茶を口に含む。やはりうまい。 ん?そういえばシエスタはお茶を飲んでいないな。 「シエスタはお茶を飲まないのか?」 「え?ああ。急いでいたものですから自分のカップを忘れちゃいまして」 お盆の上を見ると確かにカップが無い。どうやらカップは私が持っているカップだけのようだ。 一人で飲むのも別にいいんだが、これだと印象が悪くならないだろうか?シエスタの目はなんとなくお茶に注がれているような気がするし。 「飲むか?」 カップをシエスタのほうに向け聞いてみる。 まだ一口しか飲んでないしそんなに量は減ってないはずだ。足りなかったら注ぎ足せばいいし。 「ええ!?」 「なんでそんなに驚くんだ?」 「え!そ、その!い、いいんですか?」 「いいもなにも飲むかって聞いてるんだからいいに決まってるだろ。厨房でも飲めるかもしれないけど外で飲んだほうがおいしい時があるって言ったのはシエスタだろ」 「ヨシカゲさん……」 シエスタの手にカップを渡す。 シエスタは暫らく動かなかったがやがてカップを口元へ持っていった。 そしてお茶を口に含む。 「おいしいですね」 「だろ」 シエスタは静かにそう呟いた。 もしかしたらこっちに付き合ってそういっただけかもしれない。シエスタなら嘘をついて場の空気を壊さないようにするかもしれないしな。 初めてのものが口に合わないっていうのもよくあることだ。 「これがヨシカゲさんの故郷の味なんですね」 しかし、そう呟くシエスタの顔を嘘とは思えなかった。 「ありがとうございます。とても楽しかったです。お茶もおいしかったですし、ヨシカゲさんのお話も素敵でした」 お茶を二人でなくなるまで飲み、お茶会はお開きになった。 二人とも既に立ち上がっている。 「いや、こっちもなかなか楽しかった」 そう言うとシエスタは嬉しそうに笑う。 「また話を聞かせてくれますか?」 「ああ。その代わり字を教えてくれないか?こっちと私のいたところでは文字が違ってて読めないんだ」 「はい!任せてください!」 会話の流れによりさりげなく字を教えてくれるよう頼んだが、どうやらうまくいったようだ。 「それじゃあまたなシエスタ」 「はい。それじゃあまた。猫ちゃんもね」 シエスタがさりげなく私の足元の猫に言う。まだいたのかよ。 そして私たちはそれぞれの場所へ戻っていった。
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前ページ次ページPERSONA-ZERO 「―――びっくりした」 そう言いながら、番長はにっこりと微笑んだ。 「えっ……あ、す、すいません! 驚かせちゃいましたか?」 シエスタは慌てて、両手を胸前でワタワタさせながら謝罪を口にする。 次いで、ペコリと頭を下げた。 「……ごめん、冗談」 それほどまでに畏まられると思っていなかった番長は、逆に申し訳なくなり頭を下げた。 そしてその、可愛らしい擬音が聞こえてきそうな仕草に、番長はクスリと笑みを漏らす。 「冗談……?」 「うん、ゴメン」 「な、なんだ……冗談ですか。もう、私の方がびっくりしちゃいましたよ」 「意外とイジワルなんですね」 そう微笑みながらシエスタは、ホッと胸を撫で下ろすと番長から一人分間を空けた隣に腰を下ろした。 そんなシエスタに番長は鼻の頭をかいて答える。 シエスタに出会ったのは、番長がこの世界に召喚されて2日目の朝、つまりつい先程である。 にも関わらず、番長はシエスタにほのかな親愛の情のようなものを感じていた。 きっかけは洗濯の場所がわからず迷ってウロウロしていた時、この場所を教えてもらったこと。 そして、彼女は親切にココでの洗濯の仕方を教えてくれた。 元々番長は家事一般、専業主婦並みかそれ以上の腕前を持っていた。 特に料理に関しては、周りにいる女性陣に比べても天と地の差があった。 ―――もとより女性陣の作る物体Xが酷過ぎるという話もあるのだが――― しかしそれも、洗濯機・ガスコンロ・炊飯器など文明の利器があってこその話である。 案内してもらった後、女性ものの下着類と洗い桶を前に途方に暮れていた番長の元に、わざわざ引き返してまで丁寧に教えてくれたのはシエスタであった。 まだ自分の仕事も残っているというのにだ。 「―――? どうなさったんですか?」 「あ、いや……」 思わずシエスタを見つめてしまっていたことに気付き、番長は慌てて眼をそらした。 やや長めのボブカットに切り揃えた黒髪と漆黒の瞳、少しソバカスが浮いているが その肌は、水場で仕事をしているとは思えないほどきめ細やかで美しい。 自分に微笑むその顔は、素朴でありながら愛嬌もある。 「キレイだな、と思って」 こういうことをサラッと言えてしまうのが番長だ。 それを受けたシエスタは、たちまちその頬を紅く染めた。 「え?……ええ!?」 「な……なに言ってるんですかミスタ・バンチョー! からかわないでください」 ワタワタと両手を振りまわしながら慌てるシエスタ。 その様子に、また番長からクスリと笑みがこぼれる。 それを見たシエスタの駄々っ子パンチ。ぽかぽか。ぽかぽか。 早朝のトリステイン魔法学院に、2人の笑い声が響き渡った。 思えば―――コチラに来てから、こんな風に人と会話したのは初めてだ。 丁寧な対応ではありながら、どこか事務的で微妙に警戒心を持っていたコルベール。 そして敵愾心を丸出しにしていた、自分をここに呼び寄せた少女。 その少女を嘲笑していたクラスメイトとは、話をする気にもなれなかった。 だから、シエスタが言った「寂しそうにしてたから」という言葉を、番長は否定できなかった。 「寂しそう?」 「はい、おせっかいかとも思ったんですけど……なんとなく」 そう言いながら、シエスタは照れたように笑う。 ああ―――この娘は、こういう娘なんだ。 番長は自分の胸の奥に、なにか温かいものを感じた。それはおそらく――― 「そう……かもしれない」 思い出す。 花村陽介。里中千枝。天城雪子。クマ。巽完二。久慈川りせ。白鐘直斗。 堂島の叔父さん。奈々子。部活のみんな。学校や町の人たち。 言ってくれた、離れても心は繋がっていると。 ならばこの感情はなんなのだろう。 言われて初めて気がついた。 「友達がいたんだ」 シエスタは答えない。黙って番長の次の言葉を待つ。 「いや……これじゃ故人みたいだな」 苦笑を洩らす。 「いいやつらだよ」 「俺達の町に、ちょっとした事件が起こってさ。解決しようとみんなで頑張った」 「回り道もした、挫けそうにもなった。でもアイツらがいたから乗り越えられた」 空を見上げる。 そこにはあの頃とかわらない、澄み切った青い空。 「また、会えるかな」 シエスタは答えない。 しばしの沈黙。不思議とその沈黙が心地よかった。 やがてシエスタが不思議な言葉を口にする。 歌うように。囁くように。 「ノモラカ・タノママ―――」 「……え?」 「元気の出るおまじないです」 そう言ってシエスタはニッコリと笑った。 「おじいちゃんに教えてもらったんです。私の家に伝わる魔法のおまじない。誰でも使える心の魔法。 おじいちゃんは、なんでも願いをかなえてくれる魔法だって言ってましたけど、私はそんなのいりません。 でも、これを唱えるとなんだか心があったかくなるんです。元気になるんです」 キョトンとしている番長に、シエスタは照れたように頬を紅く染めた。 「あ、あはは……変ですよね私。こんなこと……」 「いや……」 「ノモラカ・タノママ」 不思議と心が温かくなる気がした。元気が出た。 心温かな彼女と接したかもからしれない。 だがそれでも、彼女の言うことは『真実』なんだろうと思う。 「うん、元気出た」 ニッコリと。シエスタの頬が朱に染まる。 「へ……変な方ですね。ミスタ・バンチョー」 「変かな」 「あ……す、すいません。変だなんて失礼なことを……」 「いや……」 慌てて頭を下げようとするシエスタを番長は手で制した。 「そっか、変か」 言われたことは何度かある。 うぬぼれでなければ、それは良い意味でだったはずだ。 「えっと、あの、その……」 「じゃあ変でいいや。シエスタさんと一緒だ」 「え……」 いたずらっぽく番長がほほ笑む。 さらに紅が濃くなった。耳まで真っ赤だ。 「も、もう……やっぱりミスタ・バンチョー、変です」 照れ混じりに、シエスタがクスクスと笑う。 つられて番長も笑う。 思い出す。 ジュネスのフードコートで、バカ話をして笑いあったこと。 みんなで祭りに出かけたこと。修学旅行での王様ゲーム。 文化祭で女装して、笑い者になったのも今では良い思い出だ。 「それからさ、『番長』って呼んでよ」 「はい?」 「友達に敬称はおかしいでしょ?」 「え、ええ!?」 またシエスタがワタワタと慌てだす。 コロコロと表情を変えるシエスタは、見てて微笑ましい。 「そ、そんな……私なんかが友達だなんて……」 「駄目かな」 「そんな、駄目だなんて私……」 オロオロと戸惑うシエスタ。 困らせてしまっただろうか、迷惑だっただろうか。 しかし番長は、スッとシエスタに手を差し出した。 「あ……」 「じゃ、じゃあ、バンチョーさん。私のこともシエスタで……その、できれば呼び捨てで……と、友達ですから」 そっと触れるように、シエスタがその手を握り返した。 水場仕事でその手は荒れている。でも美しい手だった。 「うん、じゃあシエスタ……」 「今後とも、ヨロシク」 [BGM SMILE / 目黒将司 / Persona4 Original soundtrackより] 前ページ次ページPERSONA-ZERO
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191 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/08/25(金) 20 30 43 ID /a79rOpq サイトを好きなあまり、無理やり気味に初めてを奪ってしまうシエスタ 酒と媚薬で思考力を奪い、介抱と称して服の中に手を突っ込みさわさわ、耳をはみはみ 微かに残った意識で必死に止めるよう訴えるものの、シエスタのテクニックの前になす術もない という夢を見t(ry 191 第1話 二日酔いにはご用心 「サイトさん、大丈夫ですか」 「う〜、気持ち悪い」 昨晩、料理長が持ち込んだとっておきのワインを 飲みすぎたサイトは二日酔いに悩んでいた。 「はい、お水と酔い覚ましの薬草です」 「ありがとう、シエスタ」 と水を飲もうとするも手が震えて距離感もわからない。 「シエスタ、悪いんだけど飲ませてくれない?」 「いいですよ……んっ……」 「!?」 シエスタがとった行動にサイトの思考は停止してしまった。 自分が飲んだものを相手に直接流し込む、いわゆる口移しだったからだ。 「んっ……サイトさん、飲めましたか?」 わずかに朱に染まる頬で、天使のような微笑を見せてくれた。 「あ、ありがとう」 「今日は一日徹底的に看病してあげますね」 シエスタがサイトのベッドの中に入ってくる。 「えーと、シエスタ? なんでベッドに入るの?」 「徹底的に看病するためです」 「何か柔らかいものが当たってるんだけど?」 「当ててるんですよ」 「何で服の中に…あっ?」 「さっき飲ませた薬、媚薬の原料でもあるんです。 女の人の唾液を混ぜると、その人に対してとっても感度がよくなるそうですよ」 服の中に柔らかい手をいれ撫で回し、耳元で息を吹きかけ甘く囁いてくる。 「シエスタ、だめだって……」 「ふふ、いっぱい『看病』してあげますね」 「でもその前にちょっと待ってくださいね」 シエスタが外に出て戻ってくると、白衣の天使、ナース服に着替えてきた。 しかし白衣というよりはほんのりとピンク色をしていて、 サイズが小さいのか、シエスタのプロポーションがくっきりとあらわれ、 裸でいるよりもむしろ危険な香りを漂わせていた。 シエスタはサイトの服をたくし上げると 「まずは脈を計りますね」 サイトの胸に直接耳を当て、直接鼓動を聞き始める。 胸にのしかかる軽い重みと髪の香り、積極的な行動で サイトの心臓は早鐘を打ち、身体が熱くなっていった。 「熱がありますね、冷やしてあげます。ふ〜、ふ〜」 息が胸にかかり逆にますます熱くなってしまうサイト。 感度の上昇もあいまって 「うっ、はあっ、ああっ」 「こうしたほうがいいですか?」 胸板に舌を這わせ、テラテラと光る唾液を満遍なく塗りつけ、もう一度息を吹きかけ始める。 「ふ〜、ふ〜、ふ〜」 唾液の温かさと蒸発することによる冷たさの二つの快感がサイトに襲い掛かっていた。 「ふふ、腫れてますね、鎮めてあげないと」 立ってきた乳首を口に含むと舌で転がし、もう片方を手のひらで撫で回し、 指先でコリコリともてあそんでいく。 「や、やめ…」 「やめないでほしいんですね、安心してください。 ちゃんと面倒見てあげますから。 そ れ に 」 ズボン越しに大きくなっていたサイトのモノを軽く握り 「この腫れの毒素を抜いてあげませんと」 シエスタは緩急をつけサイトの分身を上下にしごき始め、 「毒を抜くための治療ですから我慢しないでくださいね」 顔を耳に近づけ息を吹きかけながら、胸を腕に押し当て、 足を絡め、全身でサイトを陥落させようとしてくる。 「だ、だめだって、シエスタ」 最後の理性で訴えかけようとするも 「患者さんは私に身を任せてください」 小悪魔的な笑みの前にサイトの我慢は崩壊していった。 「ふああ…気持ちいいよ…シエスタ…」 「うれしいです、サイトさん。もっと…してあげますね」 ズボンをずり下ろすとサイトの剛直が天を突き刺すように立ち上がる。 「元気いっぱいですね、サイトさん」 シエスタの献身的な奉仕で我慢汁がドクドクと流れ出し、 その汁が潤滑液となりニチャニチャといやらしい音を立てながら、 サイトを確実に追い詰めていく。 「あっ、あっ、あっ」 「きゃっ!?」 一度目の爆発。かわいい女の子に囲まれながら、自分の欲望を解放することが できずにいたサイトにとっては久しぶりで、火山の噴火のように大量のものが シエスタに降りかかっていった。 久しぶりの爆発はもともと少なかったサイトの体力を奪い、もはや一歩も動けなくなっていた。 しかし、欲望をぶちまけたシエスタの姿を見ると、あそこがまた元気を取り戻していった。 「まだ毒が抜けきってませんね。毒を抜くには…口…ですよね」 シエスタは間髪いれずにサイトを咥えこんだ。 シエスタの口内は熱く、ざらりとした感触を持つ舌がサイトを嘗め回す。 先、裏筋、くびれた部分など丁寧に嘗め回す。ひとつひとつの動きは快感をつむぎ、 蓄積させ、サイトを射精へと導いていく。 体が一瞬痙攣したと同時に二度目の暴発。 先ほどと遜色のないほどの量はシエスタの口内にとどまりきらず、あふれてこぼれだす。 それを指ですくい再び口内に戻すしぐさがひどく艶かしい。 ゆっくりと飲み込み終わるとシエスタは馬乗りになり口を開いた。 「サイトさんがいけないんです。サイトさんの笑った顔、怒った顔、さびしそうな顔、 困った顔、照れた顔…全部全部、素敵過ぎるんです。 だから、欲しくなっちゃうんです。私だけのものにしたくなっちゃうんです。 サイトさん、『私』をあげます。だから、『あなた』を私にください」 シエスタは前のボタンをはずし、大きな2つの果実をはだけさせる。 そして、サイトの顔を見ているうちに濡れていた自らの秘所をいまだにそそり立つ サイトの男根に押し当てる。 「サイトさん、いきますね」 腰が落ちる。何かにぶつかり引き裂かれる感触。結合部から出る血液。 サイトの初めてを奪った瞬間であると同時に、サイトに初めてをささげた瞬間でもあった。 ポロポロと零れ落ちる涙。 「シエスタ、大丈夫? 無茶しなくても」 「違うんです、痛いのもあるんですけど、それ以上にサイトさんとひとつに なれたことがうれしいんです」 まだ痛みの残る身体で腰を使い始める。 「サイトさん、私を感じて。あなたを感じさせてください」 サイトは最後の力を振り絞ってたわわにゆれる果実に手を伸ばした。 「あっ…サイトさん…上手……」 キュルケのように大きすぎず、ルイズのように小さすぎないそれはちょうど サイトの手の大きさにフィットし、全体を優しく揉み込んでいく。 「シエスタの中…気持ちよくて、もう……」 「サイトさんのも、固くて奥まで来て…私も……」 サイトがシエスタをえぐり、シエスタがサイトを締め付ける。 与え、与えられる快感の虜になった二人は腰を振り続ける。 「シエスタ!」「サイトさん!」 二人は強く抱き合うと天国へと上り詰めた。 その後、先に目覚めたシエスタは、ベッドを直し、シーツを取り替え、 何ごとも起こってないような状態に戻して、 「ありがとう、サイトさん。昨日のことは二人だけの秘密です」 そっと頬にキスをすると顔を赤くして部屋から出て行った。 朝、完全に寝坊したサイト。 朝食を取りに食堂へ向かうとまだ生徒たちは食事中だった。 そんな中やたら豪勢な食事がサイトに用意される。 「いくらなんでもこんなに食えないんだけど?」 「いやー、今日はめでたい日だからな! 俺たちの精一杯の祝福だ!!」 「何のことだよ!?」 「とぼけるな。今日シエスタがやたらともじもじしてたからな。 時おり上の空になったりしてたしな! で、男なら責任は取るんだぞ。ガーハッハッハッ!!!」 食堂の空気が凍りついた。 終わり? (第1話あらすじ) 二日酔いのところをシエスタに襲われたサイト。 彼は彼女に仕返しをすることを誓うのでした。 第2話 薬の処方にはご用心 「まったく酷い目にあったぜ……」 「ま、仕方ねーんじゃねーの? 相棒」 「そりゃそうかもしれないけどさ……」 食堂で昨日の一件がばれた後、サイトとシエスタは学院関係者全員による 記者会見という一種の拷問を受けさせられたのだ。 貴族とはいってもうら若き少年少女。恋に恋するお年頃。 恋と性について、もっとも興味がある時期なのだろう。 また、そのときいくつかの視線がじと〜っ、とサイトたちを睨み付けていた ことも付け加えておく。 「でもよ、二日酔いのところを女の子に襲われたのが初体験、なんて 男の沽券にかかわるじゃねえか」 「もう消せねえ過去だけどな」 「うるせえ!」 「それにまんざらでもなかったんだろ?」 「そりゃ、シエスタはかわいいし、素直だし、嫌いじゃないし、 むしろうれしかったし、気持ち良かったし……って何言わせんだ! この!」 「俺は何にも聞いてねえぞ」 「とにかく、これは男のメンツの問題なんだ。絶対シエスタに仕返ししてやる」 「まあ、がんばれよ、相棒」 「まずは相手を知らなきゃな」 「俺が知るところだとこうなってるな。 年齢 17歳 身長 162サント スリーサイズ 83/60/85 出身 タルプ 趣味 昼寝 特技 料理(シチュー) 好きな食べ物 モモ胡桃パン 好きな人 サイト 初体験 サイト 夢 サイトさんと恋人になること、サイトさんに料理を食べてもらうこと…(略)」 「お前なんでそんなに詳しいんだ。それと最後のほうのはいらねえ情報だろ!」 赤面しながら怒鳴るサイト。どうやら過激なことを事細かに言われたらしい。 「まあまあ、こんなに思ってもらって幸せ者だねえ、相棒は」 「まあ、別に悪い気はしねえけど…って、また話が脱線してるじゃねえか!」 このようにサイトが真剣に考えても、デルフリンガーに茶化され、たいした案が出ないまま 何日も過ぎてしまった。そんなある日のこと、 「ふっふっふっ、やっと手に入れたぜ」 「どうした、頭でも打ったんじゃねーだろうな」 「俺はいたって大丈夫だ。媚薬を手に入れたんだよ。それも飛び切り強力な。 これを飲むと異性が欲しくて欲しくて仕方がなくなるらしい」 「それをどうすんだ?」 「シエスタに飲ませて調教するんだよ。とまではいかなくてもシエスタに俺の剣を 叩き込んでやるんだ。想像しただけでも楽しみだぜ」 「変態だな、相棒」 「男はみんなそうなんだよ」 「で、どうやって飲ませる気だ?」 「どこかデートに誘って飲み物を頼んでそこに 「……衆人環視の中でか? いくらなんでも捕まるぞ。 基本は二人きり。できれば邪魔の入らないところがいいだろうな」 「ならピクニックとかはどうだ? 野外になるけど学園内よりはましだろ」 「まあいいんじゃないか、がんばれよ、相棒」 「シエスタ」 「あっ、サイトさん」 「突然なんだけど、今度の休み、ピクニックにでも行かない?」 「いいですね、あっ、お弁当とか用意しないと」 「手伝おうか?」 「うーん、せっかくなので当日のお楽しみ、ということで」 当日 少し遠出して二人は街が見下ろせる小高い山に来ていた。 「う〜ん、空気がうまいな」 「空気においしいとか、まずいとかあるんですか?」 「街の中とかよりは居心地がいい気がしない?」 「私は…サイトさんと一緒なら…どこでも……」 「へ、変なこと言うなよ」 「私、本気ですよ」 じっとサイトのことを見つめてくるシエスタ。 思わず頬をかいて視線をそらしてしまう。 「照れたサイトさん、かわいいです」 「シ〜エ〜ス〜タ〜」 「それよりお弁当にしませんか?」 「そうだね、そうしようか」 成功編、失敗編に続く 成功編 「シエスタ、はい、お茶」 「サイトさん、ありがとうございます」 そういって渡したお茶の中には媚薬が含まれていた。 昼食は豪勢なもので、二人では食べきれないのではないかというほどの量があった。 残しちゃまずいと思ったサイトがどうにかすべて食べきったのだが。 「サイトさん、どうでしたか?」 「とってもおいしかったよ。シエスタをお嫁さんにもらえる人は幸せ者だな」 「それって……もしかしてプロポーズですか……」 「えっ?」 「サイトさんさえよければ、私はいつでも……」 スカートをあげながら、ゆっくりと白い太腿があらわになっていく。 「サイトさん、あなたが欲しいんです……」 息に艶が含まれ、上気した顔で甘えてくる。 「おねがぁい……」 サイトは媚薬が効いてきたことを確認し、胸と股間に指を這わせた。 「はあぁっ、サイ、ト、さん、気持ちいいっ、けどっ、ちがうのぉっ」 「どうして? 指にどんどん絡み付いてくるけど?」 サイトが指で中をかき回すたびにシエスタの愛液で手が濡れていく。 外側を軽くなでるだけでも、体を震わせ、かわいい嬌声を上げる。 服越しに胸を軽くもむと、柔らかく、それでいて弾力がある手ごたえ、 手のひらでは乳首が立っているのがはっきりとわかる。 「言わなくても、わかってる、くせにぃ……」 あえぎあえぎ、必死に言葉をつむぐ。そんなシエスタを見て嗜虐心に火がついたのか 「ちゃんと言わないとお預けだよ?」 手の動きを止め優しく囁く。 「サイトさんのぉ 言い終わる前にサイトは唇を重ね、しゃべれないように口をふさぐ。 「んー、んーんーんー!」 手足をじたばたしてもがいても、しっかり押さえ込み、決して唇を離さない。 「はぁ、はぁ、はぁ…」 おとなしくなったところでやっと唇を離し 「シエスタ、キスしたかったんじゃないの?」 「キスもしたかったですけど、サイトさん、意地悪です……」 わずかに涙を浮かべ、ポカポカとサイトの胸をたたくシエスタ。 「ごめんごめん、シエスタがかわいいから虐めたくなっちゃうんだよ」 「私、もう我慢ができないんです」 「だから、何をして欲しいのか言って?」 「サイトさんと、ひとつになりたいんです……」 「ひとつに?」 「私を滅茶苦茶にしてください……」 再びスカートをまくるシエスタ。サイトはぐっしょりと濡れたショーツを脱がし シエスタの女の部分をまじまじと眺めた。 「サイトさん、そんなに見ないで……」 「エッチなんだね、シエスタ」 「サイトさんだからです…サイトさんじゃなかったらこんなに大胆になれません……」 「じゃあ、こんなことしてみようかな」 シエスタの股間に顔をうずめ、舌で秘所を舐っていく。 「サ、サイトさん、だめぇっ! おかしく、なっちゃう!」 「おいしいよ、シエスタ」 中まで舌を差し込み、中を存分に味わい、突起を舌ではじいてやると、 「あああああああっ! だめぇっ!」 潮がサイトの顔にかかっていく。顔を離し優しくシエスタを抱きしめる。 「どう? 気持ちよかった?」 「はい。でも、もっと気持ちよくして欲しいんです」 快楽の余韻に浸りながら、呼吸を落ち着かせていく。 「それに、サイトさんにも気持ちよくなって欲しいんです」 すばやくサイトのものを取り出し、 「挿れて…下さい……」 サイトの先端をシエスタの下の口が飲み込もうとしていた。 「シエスタ、いくよ」 座ったままシエスタを抱きかかえ、自身の屹立を飲み込ませていく。 「んん…サイトさん、どう…ですか」 シエスタもサイトに抱きつき、その大きな女の武器を押し当てる。 擬音で言うなら むにゅっ といったところだろうか。 「サイトさんの…大きくなりましたよ?」 さらに強く押し当てていく。心臓の音がお互い聞こえるほどに。 「シエスタ、すごくどきどきしてる」 「サイトさんもです」 じれったく感じたシエスタは腰をくねらせ始め、 「サイトさんがこないなら、私が動きますね」 「うっ、くうっ」 「サイトさん、子供、作りませんか?」 さらに激しさを増していく。主導権を握られまいとサイトも腰を突き上げる。 「今は、まだ、早いんじゃないか?」 「私はいつでも、かまいません……!」 「(だめだ、もう我慢が……)」 「(サイトさんと、一緒に……)」 サイトはびくびくと震え、シエスタはひくひくと痙攣し始めている。 互いに限界が近いことを悟り、最後の力を振り絞る。 「うっ、ぐっ、シエスタ!」 「あっ、ああっ、サイトさん!」 サイトは彼女の中から逃れようとしたが、彼女の締め付けと抱きつきから、 逃れられずに中に欲望を吐き出していった。 「サイトさん」 「何?」 「ごめんなさい、今日の食事の中に媚薬を混ぜたんです」 「……途中から俺も我慢ができなくなったのはそのせい?」 「私が混ぜたのは性欲を増大させる薬なんです。私、ずるいですよね。 ミス・ヴァリエールにサイトさんを取られたくないからって、薬でものにしようとするなんて。 軽蔑しますよね……」 「シエスタ」 髪をなでながら 「俺もシエスタに薬を入れたんだ。エッチになる薬を。俺も同罪だよ。 シエスタを俺の虜にしようとしたんだから…ごめん」 「ごめんなさい、サイトさん」 「ごめん、シエスタ」 二人は抱き合ったまましばらく過ごした。 「サイトさん、ずっと好きでいさせてくださいね」 「うん、ありがとう。シエスタのことを大切にする、約束だ」 「サイトさん……」 「サイトさん、あと、子供が欲しいって言ったのは本心ですから」 「え?」 「できちゃったら責任とってくれますよね?」 「……うん、もちろん」 「今日はたぶん安全日です。でも、サイトさんならそういってくれると信じてました」 ほっとするサイト。まだ子持ちになるつもりはないらしい。 「だから、続き、しましょう?」 柔らかい胸が形を変えるほど押し付けられる。再びサイトが元気になっていく。 「シエスタがその気なら…」 サイトはシエスタに覆いかぶさり、 「こっちが満足するまで離さないからな!」 「きゃーっ #9829;」 結局、その後数時間にわたって抱き合い、帰れなくなり、近くの山小屋で一泊することになったのでした。 失敗編 「シエスタ、はい、お茶」 「サイトさん、ありがとうございます」 そういって渡したお茶の中には媚薬が含まれていた。 昼食は豪勢なもので、二人では食べきれないのではないかというほどの量があった。 残しちゃまずいと思ったサイトがどうにかすべて食べきったのだが。 「サイトさん、どうでしたか?」 「とってもおいしかったよ。デザートにシエスタを食べたいくらい」 「サイトさんったら。でもせっかくですからシてあげます」 この状況は危険。前回の経験からそう導き出したサイトは距離をとろうとしたが、 体がうまく動かせない。 「まさか……」 「逃げちゃだめです #9829; えい #9829;」 シエスタはサイトを押し倒し、馬乗りになった。 「シエスタ、まさか食事に何か……」 「欲望に忠実になる媚薬を。逃げられないってことは心のどこかで犯されたいって思ってるんですよ」 「違う!」 「素直じゃない子にはおしおきです」 言うが早いか、サイトの分身を取り出し膝裏で挟み込んだ。 「意外と気持ちいいらしいんですよ、これ」 サイトが飲ませた媚薬、そしてシエスタの薬によっていつもより大胆に積極的に行動してくる シエスタに翻弄され始めていた。 「ふふ、サイトさん、気持ちよさそう」 シエスタの白い足が上下し、程よい圧迫感が先走りを走らせる。 「すぐに出しちゃだめですよ。いっぱい気持ちよくしてあげますからね」 どこからか包帯を取り出し、根本を縛り上げる。 「これで出せませんよ、サイトさん」 「やめて、シエスタ……」 「いっぱいいっぱい溜めて…溜めて……最高に気持ちよくしてあげますから安心してください」 シエスタの足が上下するたびにサイトの我慢汁が噴出する。 「っ、ああっ……」 「くすっ……」 膝裏で挟み込んでいたものを離すと、足裏で直接踏みつける。 足の指が亀頭をくすぐり、かかとで竿をぐにぐにと踏みつけてくる。 「足で踏まれて感じちゃうなんて、サイトさんってほんとに変態さんなんですね」 「ち、違う……」 「ならこのいやらしい液は何ですか?」 「う、うう……」 「素直じゃない子にはこうです」 踏む力を強め、圧迫を強くする。 「あっ、ああっ、シエスタァ……」 身体が痙攣し、竿が強く震える。が、射精したはずなのに、精液が出ることはなかった。 「ふふ、根本を縛ると出ないって言うのは本当だったんですね」 「うっ、ぐうっ」 絶頂に導かれたはずなのに、射精できない苦痛がサイトの肉体に刻まれ、精神を蝕む。 「サイトさん、もっともっと気持ちよくして私以外に発情しないようにしてあげますね」 再び足の動きが再開される。今度は座って両足の指で竿全体を刺激していく。 ほどなくして2度目の絶頂を迎える。だが、やはり出ることはない。 「まだです、まだ……もっともっと溜めて #9829;」 「今度はパイズリなんてどうですか?」 と、そのメイド服を脱ぎ捨てる。ヘッドドレスとソックスまでははずさなかったが。 細身に似合わない大きな二つの丘がゆれる。思わずサイトは視線をそこに向けてしまった。 「やっぱりここがいいんですね」 サイトのシャフトが沈んでいく。暖かく、柔らかく、そして気持ちいい谷間の中に。 「ふああ……」 逃げなくてはという危機感が薄れ、快楽への欲求が増していく。 このあとなんてどうでもいい、今の欲望がすべて。 「シエスタ、早く……」 「ふふ、せっかちさん」 ゆっくりとした動きで2度の絶頂を迎えたペニスをじっくりと高めていく。 先ほどまでと違い、全体を包囲しながら責めてくる。 射精したいという欲求からサイトは腰を動かし始めていた。 「もう、サイトさんったら、そんなに私のおっぱいがいいんですか?」 何も答えずに必死に腰を突き上げ、快楽を貪る。 「それとも、こうしてほしいんですか?」 突き出した先端に舌を軽く当てる。ただもうそれだけで、 「!!」 身体に電流が走り、背中をのけぞらせる。 もう一度精液を放出しようとする。しかし、苦しみが増すばかり。 それでもどうにか出そうと必死に身体を動かし続ける。 「(出したい、出したい、出したい……!)」 「そんなに出したいんですか? サイトさん?」 いつの間にか声を出していたらしい。どうにかこの苦しみから逃れようと、 「シエスタの…中に…出したい……」 必死に声を紡ぐ。 「そんなに出したいですか?」 首を縦に振る。もはや完全に快楽の欲求へと捕らわれていてしまった。 「いいですよ。私ももう、我慢できないんです」 「サイトさん、いきますね」 根本を縛ったまま、腰をおとし、サイトの屹立を沈み込ませる。 包帯を解き、腰を軽く振ると、 「!!!」 「んっ! すごいぃ、すごいのぉ!」 前回したときの何倍も激しい発射。あっという間にシエスタの中を満たし、 収まりきらないそれはシエスタの外へとあふれ出していく。 「(と、止まらない……!)」 出しても出しても、止まるところを知らない精液。自分の中のものを全部出しているんじゃないかと 思わせるくらい激しく、大量に。 「(駄目だ…意識が……)」 強烈過ぎる快感を肉体に叩き込まれたサイトはそのまま気絶してしまった。 「もう、私だけのものです、サイトさん」 身体を抱き起こし、耳元で囁く。 「もう、絶対に、逃がしません」 その後、学院に帰った二人は昼間は普段どおりの生活をこなしていた。 しかし、夜になると、 「(行っちゃ駄目だ、行っちゃ……)」 足が言うことをきかない。勝手にシエスタの元へと動いてしまう。 「サイトさん、いらっしゃい」 サイトはシエスタから逃れられなくなっていた。 その後のサイトがどうなったかはご想像にお任せする。 あとがき 仕返しを書いている途中に突然成功編と失敗編が書きたくなり こんなに長くお待たせしてしまって申し訳ありません。 結果として、より多くの人が楽しめるようになったんじゃないかなとその点は満足しております。 あと、シエスタのデータは基本的に公式サイトのを流用させていただいております。 成功編は成功といえるのかとちょっと自分でも思うわけですが、 シエスタをおいしくいただいたということで。 失敗編の方はこんなシエスタ、シエスタじゃないとか言われそうですが、 一見おとなしい人ほど、爆発した時にすごいんじゃないかと勝手におもっとるわけです。 単純に黒化させるのが好きなだけかも。 成功編ではこれから山小屋に連れて行って、雨で濡れた二人が 寒い身体を温めあってというのを書きたかったんですが、 ほかの方が書いてしまったようなので、何かほかのネタを考えます。 それでは読んでくださった皆様方に感謝を。 彡サッ P.S. 失敗編の続きを書くつもりはありませんのでご容赦を。 (第2話あらすじ) 日が落ちる寸前まで抱き合っていたサイトとシエスタ。 帰れなくなった二人は近くの山小屋で一泊することになりました。 第3話 山の天気にはご用心 「まったく酷い目にあったぜ……」 「本当ですね、山の天気は変わりやすいとは聞いていましたが……」 何があったのか、それはちょっと時間をさかのぼらなければならない。 「まずいな、日が落ちたら帰れなくなるな」 「大丈夫ですよ、サイトさん」 「だけど夜道は危ないし、野宿するわけにも」 「近くに変わった山小屋があるって聞きました。そこに行きましょう」 と、山小屋目指して向かった二人。 が、急に雨が降ってきて土砂降りになってしまったのだ。 もちろん二人は思いっきり濡れてしまったわけで、なんとか山小屋にたどりついたというわけだ。 「大丈夫か? シエスタ」 「大丈夫ですよ、ちょっと濡れちゃいましたけど」 「それなら…って!」 彼女のメイド服は濡れてぴったりと身体に張り付き、ボディーラインがはっきりと見える。 服越しにはわからないが、私脱ぐとすごいんです、な胸。 やはり服越しにはわからないが、くびれた腰、すらりと伸びた足。 裸でいるよりもむしろ危ない格好をしているシエスタを見て、サイトは思わず顔を赤くし 目をそむけてしまった。 「サイトさん、顔が赤いですけど大丈夫ですか?」 「だ、大丈夫だよ、シエスタ」 そのとき空が光り、轟音が響く。 「きゃあっ!」 サイトの背中にシエスタの胸が押し付けられる。 「ちょっと、シエスタ?」 また、当ててるんですよ、かと思ったサイトだが今回は違った。 身体を震わせ、しっかりとサイトに抱きついている。 「もしかして、雷、苦手?」 無言でうなずくシエスタ。 なんとか身体を回転させシエスタを正面から抱きとめるサイト。 「大丈夫だって、すぐに止まるから」 しかし、言い終わると同時に雷が落ちる。 「うぅ、本当に駄目なんです、かみなり……」 うるうるした目で上目遣いで見つめてくるシエスタの姿にサイトは理性崩壊寸前だった。 据え膳食わぬは男の恥と申しますが、この場合はどうしたらいいんでしょうか? デルフリンガーなら、押し倒せって言うだろうか? でも今は我慢だ。雷が鳴っている間は無理だろう。それにまずこの濡れた服をどうにかしないと。 暖炉に薪をくべ、火をつけ身体を温める。 外はいまだに雷雨のままで時折、閃光と轟音が外の闇を切り裂いていた。 いまだにシエスタはサイトに抱きつき身体を震わせている。 正直この状態はやばい。雷が鳴るたびに力いっぱい抱きつきその豊かな胸をくっつけてくる。 そのたびに理性の堤防にひびが入り今にも彼女を押し倒しそうになる。 サイトは必死に考えをめぐらせ、名案が出るのを待った。 その間にもシエスタの体温やら匂いやらが五感を侵食してくる。 そして思いついた結論は――― 「シエスタ」 「はいぃ……」 サイトは小さく切った布をシエスタの耳の中にいれ、耳栓代わりにし、 彼女の顔が自身の胸に来るように強く抱きしめた。 「サイトさん!?」 「これなら眩しくないし、音も楽になるでしょ?」 「ありがとう、サイトさん」 サイトのぬくもりを感じ、雷の音も小さくなったことでシエスタは徐々に落ち着きを取り戻していた。 そのうち、雨も小降りになり、雷も遠くのほうまで去ったようだ。 「サイトさんの心臓の音が聞こえます……」 「もう大丈夫だよ、シエスタ」 「サイトさん……」 そういってシエスタはサイトに身体を預けたまま眠ってしまった。 サイトにしてみれば、シエスタがおとなしくなって眠ってくれたことで安心したと同時に、 興奮した状態のままお預けを食らってしまったことで残念な状況になってしまったのが半分。 複雑な感情が渦巻いたが、 「まあ、仕方ないかな……」 彼女の安心しきった寝顔を見るとそう思えた。 彼女をベッドに運んだ後、手を握ってやりながら自身も眠りにつくのだった。 朝、先に目が覚めたのはサイトのほうだった。 隣を見ると手をしっかりと握ったままのシエスタがいる。 サイトは何かを思いついたのかある準備を始めた。 シエスタが目を覚ますと暗闇が広がっていた。 そして何か重いものが上に乗っている、と思われる。 「あ、シエスタ、起きた?」 「サイトさん、いったい サイトはシエスタの口を自らの口でふさいだ。 舌が絡み合い、吐息の熱さを感じ、唾液が混ざり合った。 「目覚めのキスはいかがでしたか?」 「変なこと言ってないでどいてください!」 と、腕を動かそうとしたがベッドがきしむ音がしただけでほとんど動かなかった。 「せっかくだからたまには趣向を凝らさないとね」 再び口付けを交わし、口を離すと舌でつうっと唇をなめる。 そして少しずつ舌を首のほうにずらしていった。 「あっ、はあっ…やめてください……」 はかなげに懇願するシエスタの姿に逆に興奮したサイトは何も言わずに首をなめる。 「ん…あっ……」 人間は五感のうち何かが封じられると他の感覚を過敏にする。 視覚を封じられたシエスタは非常に敏感な状態になっていた。 鎖骨、首に口付けを交わし、優しく身体をなでる。 ここにきて初めてシエスタは自らが裸であることに気づいた。 「サイトさん!? 何で私、裸なんですか!?」 「いやー、結構大変だったよ」 悪びれもせずに答える。すぐに胸にキスの雨を降らせ、突起を口に含んだ。 「ひゃあっ? サ、サイトさぁん」 口に含んで転がしている間に秘部を軽く指でなぞってやると、わずかに湿り気を帯び始めていた。 「こんなにして…もっとして欲しいんだろ?」 思わず足を閉じようとしたがやはり動かない。さらにここで股を開かされていることに気づいた。 「え…あ…やあっ!」 「何度もしたんだから今さらだろ?」 「でもぉ……」 「そんなこという女の子にはお仕置きが必要かな」 サイトは指を差し込むと激しく出し入れし、彼女の身体に舌を縦横無尽に這わせていった。 「あっ…サイトさん…やめてぇ……」 「本当にやめて欲しいの?」 「えっ……?」 サイトが愛撫をやめると、逆に今まで昂った熱がシエスタ自身を襲い始めた。 もうすぐ、というところでじらされ、身体の熱が治まらない。 「どっちなの? やめて欲しいならすぐやめるよ」 答えがわかっている質問を意地悪く投げかける。 しかしすぐに答えられても面白くないので唇をふさぎ、達しないように細心の注意を払いながら、 指であちこちを弄繰り回す。胸をもんだり、乳首をはじいたり、撫で回したり。 秘所をなで上げ、じらし、確実に彼女を追い詰めていった。 「ちゃんと、最後まで、してぇ……」 「よく言えました。シエスタはいい子だね。ちゃんといえた子にはご褒美を上げないと」 サイトは下の口にキスをし、音を立てながら彼女の愛液を吸い取る。 「んっ…ひゃあっ…もっとぉ……!」 さらに強い快感を求めて懇願するシエスタ。 サイトはニヤリと笑うと、吸引を強め、陰核を甘噛みしてやる。 「ああっ、あっ、サイトさん……!!」 愛しい人の名を呼び、背中をのけぞらせながら絶頂に達したシエスタ。 身体を震わせ、肩で息をし、そっと涙を流すのだった。 目隠しをとってやるとシエスタが泣いていたことにサイトは驚いた。 「ふえっ、サイトさん、酷いです……」 何も言い返せないサイト、はっきり言ってレイプである。 「こんなことしなくたって、サイトさんが望むことなら何だってしてあげるのに……」 逆だった。苦笑しつつもサイトは 「男ってのは好きな娘にちょっかい出したくなるんだよ」 シエスタはまた泣き出してしまった。どこか変なことを言ってないかサイトはうろたえ、 「ごめんなさい」 とりあえず謝った。 「違うんです、初めてサイトさんに好きって言ってもらえてうれしいんです」 何気なく言った一言。おそらくは自分の本心。無意識のうちに決めた自分自身の結論。 「(そうか……俺は無意識のうちにシエスタに魅かれてたのか) シエスタ、こんな悪いことしてる俺でも好きって言ってくれるのか?」 「私にはサイトさんしかいません」 「シエスタ……」 「サイトさん……」 「シエスタ、俺、本気でシエスタのことを抱きたい」 「サイトさん、私をめちゃくちゃにしてください」 二人が口付けを交わす。それは今までした中で一番甘く、一番心地よいものだった。 キスだけでも達してしまいそうなほど二人は夢中になり激しく求め合った。 「シエスタ……」 「サイトさん……」 サイトは男根をシエスタの女陰に押し当てるとゆっくりと貫いていった。 痛みはなく、えもいわれぬ快感と幸福感が二人に広がっていく。 少しでも気を抜けば一瞬にして達してしまいそうな快感に耐えながら二人は腰を振り続ける。 サイトのものが無数の襞に愛撫され、搾り取ろうとうごめく。 シエスタの中がえぐられ、最奥に到達するたびに全身に電流が走る。 自ら高まって、お互いに高めあって、快楽の螺旋階段を絶頂に向かって上り詰めていく。 言葉にしなくてもわかる。お互いに限界の近いことが。 シエスタの達する寸前の強烈な腰振りにサイトは屈し、一気に熱いたぎりを爆発させた。 今までの行為の中でもっとも甘美な絶頂。何度も何度も彼女の中に注ぎ込んでいく。 シエスタの中に入りきらないそれは、腿をつたいベッドにしみを作っていく。 二人は行為の余韻を感じながら強く優しく抱きしめあった。 「サイトさん、ずっとそばにいてくれますか?」 「絶対にもう離さない、約束する」 「うれしい……」 もうしばらく抱きしめあい、触れ合わせるだけのキスを交わした。 「それより、どうするか……」 ベッドのシーツは汗やらの体液でぐちゃぐちゃ、互いの身体もびしょびしょ。 「大丈夫です、この山小屋にはサイトさんが前入ってた『湯船』があるそうですよ」 「そっか、じゃあ先にどうぞ」 「一緒に入りましょう、サイトさん」 「え……?」 こうしてお風呂に二人ではいることになってしまいました。 続く? あとがき だいぶ路線変更しちゃいました。 しかも、なんかこっちのほうが前回よりお仕置きっぽい…… なんというご都合主義…… 自分で書いていて恥ずかしくなった 行き当たりばったりでしか書いてない ごめん石投げないで 06/09/20 誤字脱字修正、およびタイトル追加
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14 名前:220 サイト×シエスタ 1/5[sage] 投稿日:2006/10/15(日) 22 03 35 ID KjuIrP/V 貴族の相手は大変だ。身の回りの世話や部屋の掃除、帰郷の手配、手紙の配達… 夕食の準備なんてまるで戦争… 始祖は不平等だ! そう叫びたい… まあそれでも働くけどな… 異世界から、何が悲しくてこんなトコに来たのか、平賀才人は此処にいた。 ある日の夕方の事だ。いつもの様に交差点を曲がれば、自分の家が見えた筈。本を見ながら歩いていたので前は見ていなかった。 目の前に別世界への扉が開いているのにも気付かず、その中に入ってしまったのだ。 どうしてそんなモノがあったのかはわからない。が、次に視線を上げれば 自分の世界とは違う世界の建物が建っていた。昔、教科書で見た西洋の建築物に近い建物が。 異世界だと気づくのにそれ程の時間は掛からなかった。 その後は途方に暮れた。言葉は通じるが字は読めず、食事を摂るにも金が無い。 路上で恵んでもらおうかとも思ったが元は現代っ子。その勇気も無かった。 それから二日位だろうか。空腹で衰弱し、朦朧とする意識の中、最後に一際大きな建物を見て、体が倒れた。 消えゆく意識の中、近くに駆け寄って来た人物が、柔らかな腕を頭の後ろに回して抱き起こしてくれたのを覚えている。 16 名前:220 2/5 サイト×シエスタ[sage] 投稿日:2006/10/15(日) 22 05 48 ID KjuIrP/V 正に命の恩人。その相手とは… 「サイトさん!」 「はいぃっ!」 「忙しいんですから、早くお皿を並べて下さい!」 「ご、ごめんなさい!」 この子。名前をシエスタと言う。 次に目を覚ましたのは翌日の朝だった。ベッドに寝かせられた自分の頭を起こすと、傍らには椅子に座って、うたた寝をしていたシエスタが居た。 その彼女を起こし、ひとしきり自分の状況を説明すると、あっさりと言うことを信じ、 身の回りの世話や、貴族の世話人としての仕事まで都合してくれたのだ。 そんな生活に慣れて来た最近、だらけてしまうのも仕方ないとは思うのだが… 「私も自分のお仕事があるんですから、サイトさんも頑張って下さい!」 少しでもサボっている様に捉えると彼女は檄を飛ばす。 「は〜い…」 「貴族の方にそんな返事をすると起こられますよ!」 「はい!」 と、まあ命の恩人として、先輩として彼女には感謝している所である。 此処はトリステイン魔法学院。どうやら貴族専門の学校、要するにお坊ちゃまやお嬢様の学校らしい。 無礼があると大変らしいので、シエスタにはよく注意やお小言を言われるのだ。 テーブルに皿を並べ終え、また厨房に引き返す。 17 名前:220 3/5 サイト×シエスタ[sage] 投稿日:2006/10/15(日) 22 06 36 ID KjuIrP/V 「おう!サイト!又怒られてやがったな!」 フライパンを振りながら、気さくに話し掛けてきたのはマルトーと言う男。 どうやらメイドや給仕の親分格らしいのだが、その豪快な性格は皆の信頼を集め、サイトはおろかシエスタまで多々世話になったと言う。 「あんまりシエスタを怒らせるなよ!夜の相手もして貰えなくなるぜ!」 「そ、そんなんじゃないって!」 「「がっはっは!」」 地声が大きいせいで厨房の全てに会話が聞こえてしまい、皆の笑いを誘った。 「呼びました?」 タイミング悪くひょこりとシエスタが顔を出す。 「おう、シエスタ!お前とサイトの仲が気になってな!」 「「な、なんて事を言うんだ!(ですか!)」」 「なんだ、やっぱり仲がいいじゃねぇか」 焦ったように二人の声がハモったのを見て、皆は更に笑い出した。 サイトとシエスタは赤面し、次の皿を取り、逃げ出すように厨房を後にした。 「こ、困ったな…そんなんじゃないのに…」 「え…ええ…」 お互いの顔を見合わせた。 赤い。 「…」 「…」 「は、早く並べちゃいましょう!」 「そ、そうだな!」 駆け出して食堂へ向かう。 既に何人かの生徒はテーブルに着き、談話を始めていた。 18 名前:220 4/5 サイト×シエスタ[sage] 投稿日:2006/10/15(日) 22 07 32 ID KjuIrP/V 「あっ!」 焦っていたせいか、サイトは絨毯の歪みにつまづいて、転んでしまった。 皿の上の液体が宙を舞い、一人の貴族の服にかかる。 「きゃっ!」 「あっ!スミマセン!」 「何してるのよ!」 その貴族は虫の居所が悪いらしく、勢いよく席を立ってサイトを睨みつけた。 サイトよりかなり背は低いが、プライドの高そうな顔つきと鬼の形相にサイトはうろたえてしまう。 「あ、あの…」 「アンタ見ない顔ね!新入り?今まで何をして来たの!」 「そ…その…」 「どーすんのよコレ!」 その迫力で呼吸も出来なくなりそうになった、その時、 「どうも申し訳御座いません!」 サイトの前にメイド服の女性が、割って入って来た。 シエスタだ。 「アンタがコレの教育係?」 「はい…」 「どーすんのこの服?」 「…弁償させて頂きます…」 深々とシエスタは頭を下げたまま、誠実に伝えていく。 「その服もちゃんとお洗濯してお返し致しますので、どうか今日の所はお許し下さい…」 チラリとサイトに目をやった。サイトは意を汲んで、その傍らに立ち、 「すいません!もう二度と致しません!」 とシエスタに負けない程深く頭を下げた。 「ふん…」 一応怒りを収め、その貴族は席に着き直した。 19 名前:220 5/5 サイト×シエスタ[sage] 投稿日:2006/10/15(日) 22 08 33 ID KjuIrP/V サイトはその貴族の、桃色のブロンドが流れる後ろ姿にもう一度頭を下げ、シエスタと共に厨房に戻った。 「ごめん…」 「いいんですよ。次からは気をつけて下さい」 シエスタは大きな失敗をした時の方が、優しい言葉を掛けてくれる。 こういう時、もっと彼女を好きになるのをサイトは感じた。まだ夕食は始まったばかりである。 やっと貴族の夕食が終わり、その後に皿洗いを終えると、今度は使用人達の夕食の支度だ。 今日は二人が配膳当番では無いので、しばし二人きりで支度を待つことにした。 見れば、シエスタは手に薬瓶の中のクリームを塗っている。 「ソレなに?」 「ええ、手荒れが酷くならないように、手入れをしてるんです」 一種のハンドクリームだな。と、サイトは思い、興味深げにそれを見ていた。 「せっかくですから、サイトさんにも塗ってあげますよ」 「え、俺はいいよ?」 「ほら、遠慮なさらずに…」 シエスタはサイトの手を取り、そのクリームを手のひらにつけて、優しく塗り込んでいった。 柔らかい手だな… サイトはその手の感触に心奪われていく。 「俺も塗ってやるよ」 「ええ!?」 「ほら…お返し…」 サイトは手の中に余っているクリームを塗り返した。 その内、指を絡めてしまう様になり、沈黙してしまう。 「…」 「…」 夢中で手を絡めあって、何かしてしまいそうなその時、 「おーい!飯だー!」 と仲間の声がした。 慌てて指を離し、平静を装う。 俺…何してんだろ… 私ったら…いったい… 実は二人はまだ、何なかった。 281 名前:220 1/4 サイト×シエスタ[sage] 投稿日:2006/10/20(金) 23 06 49 ID Ny0/XuGv 19 夕食を終えて二人は部屋に戻った。魔法学院はその広い敷地に使用人用の寮も持っている。 当然、学院生用の部屋と比べれば粗末な部屋ではあるが、きちんと手入れをすればそこそこ快適に使えるのだ。 悪くても鏡台やベッド、日の射す窓や適当な机は用意されている。大概の部屋が多人数部屋だったりするのだが、シエスタは女の子と言う事もあり一人部屋だった。 ついこの前までは。 「ただいま〜」 「お帰りなさい…って私が言うのも変ですね?」 「いや、いいよ。なんか落ち着くし」 二人揃って部屋の扉を開けた。つまり今、シエスタの部屋には同居人がいるのだ。 勿論、サイト。 拾われて(?)以来、ずっと同じ部屋で暮らしている。当初はサイトも遠慮し、マルトー親父など大変な反対をしていたのだが、 「私が面倒を見るんです!」 と言う、彼女にしては珍しく強い主張により、結果二人は同室となったのだ。 因みにサイトの看病が行われたのもこの部屋である。 「今日も疲れたぁ〜」 サイトはベッドに腰掛け、そのまま上体を倒した。クスリ、とシエスタが笑う。 「どうもお疲れ様でした」 棚から実家より取り寄せた茶葉などを取り出し、シエスタはお茶の用意をした。 282 名前:220 2/4 サイト×シエスタ[sage] 投稿日:2006/10/20(金) 23 07 29 ID Ny0/XuGv 部屋には小さな釜程度は備えつけてあり、その上にシエスタは適当な鍋を乗せ、予め汲んで置いた井戸水を火にかけた。 サイトはベッドに横になったまま天井を見つめ、なんとなしにシエスタが何をしているかを感じていた。 「あ、サイトさん?」 「ん?」 「ちょっと向こう向いてて下さいね?」 「ん…ああ」 サイトは寝返りを打ち、シエスタから視線を逸らす。 警戒心が無いっていうか…俺も男なんだけどなぁ… 心の中でそうぼやきながら、衣擦れの音をサイトは背中で聞いていた。 シエスタはサイトが部屋に居るにも関わらず、平然と服を着替えている。 一応視線を逸らす様に言っているのだが、信頼しきっているのか部屋から追い出しもせず、寝間着や部屋着に着替えて見せるのだ。 視線を向けても気づかない時もある。時折誘っているのかとも思ってしまうが、彼女の優しさを知っているサイトはそうは思えず、出来るだけ覗くのも遠慮していた。 ガマンだ…ガマン… 私…いつでもいいんですよ… シエスタはいつも、そんな事を思いながら服を着替えていた。 283 名前:220 3/4 サイト×シエスタ[sage] 投稿日:2006/10/20(金) 23 08 14 ID Ny0/XuGv メイド服と胸の下着を下ろし寝間着を着る。 頭からすっぽり被る寝間着は母のおさがりのせいか少し大きめで、裾は床に着く程に長い。腕の袖にも充分な余裕があった。 「いいですよー」 サイトは体を起こす。 やっぱり可愛いな… 少し大きめの寝間着は、まだあどけない彼女を愛くるしく見せ、彼女のフワフワとした雰囲気と良く似合っていた。 この服では胸は強調されないが、いつも以上に母性が出ているな、とサイトは思う。無論メイド服も好きなのだが。 シエスタはカチャカチャと陶器の当たる音をさせて、机に二人分の茶器を並べていった。 「用意ができたから、座って下さい」 「ああ」 こうして一日の反省をした後、就寝である。 少々サイトは不眠気味だった。それもその筈、この部屋には壁際にベッドが一つしか存在しない。 二人の性格を考えれば当然、片方だけが床で寝る事など出来ないだろう。 ならば… 無防備すぎる… 腕の中に潜り込んで来た存在を、出来るだけ優しく抱き締めてサイトはそう思っていた。 一つのベッドに二人が寝ているのだ。 ベッドが足りなかったと言うのは方便だろう。 事実、シエスタの寝顔はサイトが見る限りいつも幸せそうである。 284 名前:220 4/4 サイト×シエスタ[sage] 投稿日:2006/10/20(金) 23 10 49 ID Ny0/XuGv 「サイトさん…」 寝言でいつも、シエスタはその名を呼ぶ。 その度に体をすり寄せて、甘える様にサイトの腕の中で丸くなった。 やっぱり…俺が好きなのかな… これだけ接近されていると、サイトはなかなか寝付けなかった。 握り締めたくなる白い手。 半開きの美しい唇。 年の割には発育の良い胸。 何故かする甘い香り。 聞こえてくる寝息は、サイトの理性を危うくしてしまう。 男である以上、下半身の暴走は止められない。定期的に「処理」しておかなければいつ「シエスタ」を食してしまうかわからないのだ。 まだ唇さえ奪っておらず、女性経験の無いサイトだからこそ、その場合の行動にサイト自身恐怖してしまう。 本能と理性が闘い、その疲れでやっとサイトは眠りに落ちる事が出来る。 完全にサイトが眠りに落ちた後、その隣で寝ていた筈のシエスタが上体を起こした。 横で寝ている彼を切なく見つめて、小さく呟く。 「ごめんなさい…」 暗闇に小さな水音がした。 「いつでもいいのに…」 少し残念そうに言って、寝間着の裾を口にくわえる。 声を出さない様にする為だ。 そのまま寝ているサイトに馬乗りになった。持ち上げられた裾からは下着が丸見えである。 332 名前:220 1/5 サイト×シエスタ[sage] 投稿日:2006/10/22(日) 01 49 51 ID LFAwhiUB 284 シエスタの、「思い」を募らせていく時間が流れていった。 サイトは肌寒さを感じて、重い瞼を少しだけ開ける。 気づいているのかいないのか、シエスタは隣で上体を起こし、ベッドから床に脚を下ろした。 その体をもう少し抱いていたい思いをこらえ、扉に向かう彼女を見送った。 あ、朝風呂か… 昼夜を共にしているとサイトにも行動は読めてくる。 シエスタは大抵この時間、誰もが寝静まった時間を狙い、サウナ風呂に入るのだ。勿論、女性である為と、他の皆に気を使っての事である。 シャンプーなんか無いはずなのに…何であんないい匂いするんだろ… 寝ぼけた頭でサイトは、シエスタの心地よさを思い出していた。 女の子らしいし…可愛いし…いい匂いするし… シエスタは一度風呂に向かうと、数十分は帰って来ない。 この時、漸くサイトは「処理」に移る事が出来た。 「シエスタ…」 その時、周りに散ってしまう欲望に、サイトは気づいていない。 シエスタが戻って来る頃には、もう起床時間となっている。 起床自体は自由なのだが、仕事に加えて自分達の食事や洗濯、掃除などは昼間、貴族の相手で潰されてしまうのだ。 結局、早めに起床せざるを得ない。 333 名前:220 2/5 サイト×シエスタ[sage] 投稿日:2006/10/22(日) 01 51 33 ID LFAwhiUB シエスタはサイトが寝ている事を確認し、新たなメイド服に着替えてから、シーツをはがして揺り起こした。 「サイトさーん?起きてくださーい」 「ん…」 「もう朝ですよー?」 「ん…もう?」 「はい。今日はシーツのお洗濯もしなきゃなりませんから、早く起きて下さい」 「はい…はい…」 つらそうに体を起こし、片手で頭の後ろを掻きながら、サイトはベッドから降りた。 「朝は寒い季節ですから、辛いでしょうけど、お洗濯はしますからね?」 まだ温もりのあるシーツを素早く畳み込んで、床に置く。 これで二度寝は出来ず、否が応でもサイトは目を覚まさなければならない。 「掃除とお洗濯、どうします?」 「ん?どっちでも…」 サイトは伸びをして、軽く窓に目をやった。朝とは言え、日は昇りきっている様には見えず、外は寒そうだ。 あんまり洗濯はしたくないな…でも… シエスタに目を戻す。 シエスタもしたくないだろうし… そんな気遣いを覚えて、サイトは返事をした。 「俺が洗濯するよ」 「いいんですか?お外はまだ寒いですよ?」 「うん…俺がやるから、シエスタは掃除を頼むよ」 「わかりました」 シエスタは頷いて、部屋の隅から洗濯カゴを取り出した。 334 名前:220 3/5 サイト×シエスタ[sage] 投稿日:2006/10/22(日) 01 52 32 ID LFAwhiUB サイトはそれを抱え、次いでにシーツを放り込んで、扉を開けた。 暗闇の廊下はひんやりと冷たかったが、パーカーのおかげで、上半身は意外と温かかった。しかし下半身の冷えは否めない。 「寒っ…」 サイトは洗濯カゴを抱き込むようにして持ち、足早に廊下を駆け抜けていった。 シエスタはサイトが帰って来た時、冷えている事を予想して、暖炉の薪に火をつけた。 暑くなり過ぎないよう、暖炉の火を火箸で調整して薪も最小限にしておく。 それから少しの間窓を開け、換気をした。冷たい空気と、まだ成長しきらない日差しが入ってくる。 外には震えながら洗濯場に向かうサイトが見えた。 「寒そう…」 壁に立てかけてある箒を持ち、床を掃いていく。日差しによって埃の舞い散る様が見えた。 その間も気になって時折、窓から洗濯場にいるサイトの姿を覗く。 大丈夫かしら… 床を掃き終えた後、小さな金属の籠(バケツ)を取り出し、汲んで置いた井戸水をその中に流し込んだ。 雑巾をその中に浸すと、冷たさでみるみるうちに手は赤くなるのだが、その冷たさをこらえて窓を磨いていく。 「え?これって…」 何枚目かの窓を磨いた時、シエスタが「ソレ」に気づいた。 335 名前:220 4/5 サイト×シエスタ[sage] 投稿日:2006/10/22(日) 01 53 18 ID LFAwhiUB 「さみぃ…」 サイトは井戸水のポンプの前で、両手を自分の体に回し、かがみ込んで全身でその寒さと戦っていた。 日差しはまだ明るいだけで、太陽光線はまだ温かみを与えてくれない。 透き通った空気は、冷たすぎて鼻が痛いほどだ。 備え付けてあるタライに水を溜め、洗濯板と洗剤を取り出し、まずはシーツを洗っていく。 「手が痛ぇ…」 寒さを耐え、木で出来た凹凸に布をこすりつけ、洗った物を片っ端からもう一つの籠に突っ込んだ。 次いでにパーカーを洗おうかとも思ったが、 「その服(パーカー)のお洗濯は私がします」 とシエスタが言っていたのを思い出し、やめておく。 勿論、カゴの中にシエスタの下着は入っていない。そういう物はちゃんとシエスタ自身が洗っていた。 干場に一通りの洗い物を干す頃、ようやく太陽ははっきりとした温もりを与え始めた。 空っぽになった洗濯カゴを抱え、サイトは部屋に戻った。 「お帰りなさい」 「ただいま…寒かったぁー」 「ふふ、お疲れ様です」 部屋の中はほどほどに温められ、サイトは自分が解凍されていく様に、体の力が抜けていくのを感じた。 シエスタは何やらお湯を沸かしている。 サイトは椅子に座り、伸びをした。 336 名前:220 5/5 サイト×シエスタ[sage] 投稿日:2006/10/22(日) 01 54 26 ID LFAwhiUB 「はい。どーぞ」 サイトの前に、湯気の立つコップが置かれた。 中を覗けば、白く濁った液体が入っている。鼻にかかるのは発酵した匂い。 「…コレなに?」 「ヤマジャケって言います?」 「ヤマジャケ?」 「はい。本当なら風邪を引いたときに飲むお薬みたいなんですけど、体が温まるからっておじいちゃんが良く飲ませてくれたんです」 サイトはそのコップをじっと眺め、片手で持って啜ってみた。 「…ふぅ…」 体が溶けるような暖かさと、柔らかな口当たり。 「お米から出来てるそうですよ。サイトさんはお米が嫌いですか?」 「いや、俺がいた世界じゃよく食べてた」 「そうなんですか?」 これは…甘酒だ… サイトは故郷の味を、不意に口の中に入れてしまった。 なんで…シエスタが? 「おじいちゃんが飲ませてくれた?」 「ええ」 「今、おじいちゃんはどうしてる?」 「随分前に…」 「あ…ゴメン」 ふるさとへの思いが沸いてきた。 シエスタは不思議そうにサイトの顔をのぞき込んでいる。 サイトはその視線に気づいた。 あまり帰りたい風に見せちゃいけないかな… 察されない様に、明るい表情で礼を言う。 「ありがとう。温まった」 「よかった…嫌いな味だったらどうしようかと…」 サイトはかぶりを振って、気分を変え、一日をやり遂げる気持ちを整えた。 頬を軽く叩き、シエスタに目をやる。 「じゃあ…今日も頑張るかな…」 「そうですね!」 シエスタの挨拶は気持ちがいい。こうして一日が始まっていく。 586 名前:220 サイト×シエスタ 1/5[sage] 投稿日:2006/11/18(土) 21 45 06 ID sz6F31Qn サイト×シエスタの続きです。シエスタ分の不足を感じて。 …慣れない事はしない様にしましょう… 「もう!サイトさんったら!」 狭い部屋の中は慌ただしく動く二人と、シエスタの剣幕のせいで修羅場となっていた。 「えぇと!俺の下着、俺の下着…」 「そっちの引き出しにしまってあります!」 部屋の隅のタンスにサイトは飛びついて、片っ端から衣服を出していく。 時間は早朝とは言えない程日の登った朝だ。 「よし、後は…」 「後はなんですか?」 「無い!多分!」 「じゃあ早くまとめて…ってきゃああ!」 サイトの取り出した衣服の中には純白と薄い蒼色の、絹地の物が混ざっていた。 シエスタは急いで取り上げ、それを自らの鞄の中に押し込んだ。 「これは私のしょうぶ…」 「しょうぶ?」 「い、いいですから早く行きますよ!時間に遅れたく無いんです!」 よそ行きの帽子を片手でかぶり直し、白いブラウスの上に茶のコートを着込み、大きな荷物を片手にしたシエスタがドアの前に立つ。 「あ、ああ」 サイトの方も大きな荷物を片手で持って、急いで靴を履きなおした。 ドアを開けシエスタが駆け出すと、サイトが態勢を整えないままそれに続く。 587 名前:220 サイト×シエスタ 2/5[sage] 投稿日:2006/11/18(土) 21 45 50 ID sz6F31Qn 「ふぅ…」 「ふぅ…」 「間に合いそうです…」 「そっか…」 帰郷用に、特別に手配された馬車に乗ってサイトとシエスタは並んで座り、背もたれに体を預けた。 足元には荷物をおいた。窓からは昼が近付いた事がわかる日差しが入り込み、その温もりはサイトの眠気を誘う。 整地されてない故の馬車の揺れと蹄の音は、心地よいほどだった。 その眠気に誘われながら、自分が今何故シエスタの帰省に付き合っているか、サイトは思いだしていた。 「今度のお休み、長いんですね」 「ああ」 日程表を見ているのは、シエスタとマルトー親父だった。並んだ二人の後ろから、文字のわからないサイトが話を聞く。 「そうなんですか?」 「ああ、珍しい話じゃねえんだ。季節毎に少し長い休みが貰えるのは」 「なんで?」 「とりあえず俺たちの仕事が結構大変だって、お上がわかってるからじゃねえか? 慣れれば貴族に仕えるなんて割の良いモンだ。休みは貰える、チップは貰える。ま、平民って分別はちゃんとつけなきゃなんねえがな」 余計な話も挟みつつ、さり気なくマルトー親父はサイトに注意を促した。 「貴族」には絶対逆らうな。と。 588 名前:220 サイト×シエスタ 3/5[sage] 投稿日:2006/11/18(土) 21 46 52 ID sz6F31Qn さっとサイトに説明をすると今度は、シエスタの方へマルトー親父が向き直る。 「どうだ?そこそこ日にちがあるみてえだが?」 「ふぇ?」 いきなり話を振られ、シエスタが間の抜けた返事をした。 「そろそろ帰省の時期じゃないか?」 「あ、そうでした」 「「旦那」も紹介しなきゃならねぇだろう?」 「だ、旦那ぁ!」 やたら大げさな反応をしてしまったのはサイトだった。マルトー親父がそれを見てクックッと笑う。 「おっと、誰もお前とは言ってないぞ?サイト」 「サイトさん!誤解されちゃいますよ!」 「あ…ゴメン…」 今度はいきなりシュンとしてしまった。 どちらかと言えばシエスタの「誤解されちゃいますよ!」が効いている。 ああ、やっぱり誤解だったんだ… と。 尋常ではない落ち込み方をしたサイトを見てシエスタは、自分が何を言ってしまったか気が付いた。 「あ、違いますサイトさん…その、サイトさんじゃなくてマルトーさんが…」 「俺が悪者か」 「だから…サイトさんが嫌いって訳じゃなくて…むしろサイトさんの事はアレって言うか…」 「…お前ら」 言葉が耳に入らず、落ち込むサイトと慰めるシエスタ。 そんな二人を見てマルトーは二人用の馬車の手配を心に決めたのだった。 589 名前:220 サイト×シエスタ 4/5[sage] 投稿日:2006/11/18(土) 21 47 51 ID sz6F31Qn 今考えるとマルトーさんのせいだなあ… ぼんやり、幌を眺めながらサイトは回想していた。 横ではシエスタが何かゴソゴソしている事が解るものの、そちらを向く気にはなれず、意識を溶かす事に集中する。 「サイトさん?」 「ん…」 「ほら、朝ご飯まだでしたよね?」 横からシエスタが顔を覗かせて来た。 「うん…」 何故か力が入らない。 「ダメですよ?ちゃんと朝ご飯は食べないと」 「う…ん…」 かろうじて返事をしたものの、夢の狭間まで来ていたせいか、はっきりとした返事は出来なかった。少しだけシエスタが困った表情をしている。 「もう…あ・さ・ご・は・ん!」 「ふぇ?」 「はやい内に食べてくれないと怒りますからね!それとも食べさせてほしいんですか?」 勝手に首が落ちた。それを「うん」と取ったのかシエスタが、驚いた風の表情を見せる。 「え?」 「…」 「サイトさんったら…仕方ないですね…」 「…」 「じゃあ…朝ご飯です」 その瞬間、一瞬サイトの記憶が消えた。ただし残った、唇の柔らかな感触。 「今日は…おいしかったですか?」 「うん…」 意識などないはずなのだが、勝手に返事をして、体が動く。 590 名前:220 サイト×シエスタ 5/5[sage] 投稿日:2006/11/18(土) 21 48 40 ID sz6F31Qn 「やだ…もう…」 気がつくとサイトの右手が、シエスタのふくよかな胸を掴んでいた。 柔らかで、夢にまでみた筈の膨らみ。 「これはゆうごはんですよ?」 手をはねのけるような事はしなかった。幾ら揉んでいても、シエスタは文句どころか、期待した瞳でサイトの手を受け入れている。 「あん…」 「…いい?」 「…いいですけど…ゆうごはんもちゃんと…」 「食べる」 「じゃあ…」 そのまま、シエスタがサイトを引き込む様に、二人は横になった。 「…サイトさん?」 「…ん?」 「サイトさん?サイトさん?」 馬車の動きは規則正しい。蹄の音がはっきり耳に入った。 「サイトさん?」 「…夢か」 「え?」 キョトンとした顔で、シエスタが袖を引っ張るのを止める。サイトは軽く伸びをして、周りを見渡した。 まだまだそれらしい村は見えていない。 「寝てたんですか?」 「うん…多分…」 ハッとしてサイトは、伸びを止めた。自分の体の異変に気づいて、体を縮こませる。 まずい… 「男」が反応していた。 サイトはその後、体の燃えと格闘するハメになった。 シエスタの唇と、自らの唇が濡れている事に気付かずに。 続く 多分こっちが本当の自分ですorz