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124 名前:FA〜シエスタのばあい〜[sage ] 投稿日:2006/10/17(火) 23 04 39 ID ikmPenju とりあえず、ちゃんとした看病をうけたいので。 才人が選んだのは、しっかりもののメイドであった。 「それじゃあ、早速」 やったー勝ったー!私が一番! 心の中だけで勝ち誇ると、シエスタは選ばれなかったショックで石像と化している二人を小突いて、意識を戻させる。 実を言うなら、一番看病されて安全なのがシエスタだろう、という才人の予想からなのだが。 「なにボーっとしてるんですか!二人とも手伝ってください」 シエスタはまず、ルイズに洗濯を命じた。 えー、こんなの貴族の仕事じゃなーい、とか言っていたが、今はサイトさんの看病が第一です、と言うとしぶしぶながらも従った。 タバサには、水汲みと、清潔な布をもらってくるよう頼んだ。 意外にもタバサはすんなりOKした。ただ頷いただけだったので、意思が読み取れなかったが。 そして、二人きりになると。 「さー脱いでくださいサイトさん」 さっそくそう来たか! しかし風邪ひきの真っ最中の才人にそんな余裕はない。 「…今いやらしーこと考えたでしょー」 にやりと笑い、シエスタは寝ている才人に覆いかぶさる。 そして、抵抗できない才人のTシャツに手を掛けると、言った。 「病人相手にそんなことしませんよ。汗を拭いて着替えないと気持ち悪いと思って」 そして、慣れた手つきでするするとTシャツを脱がす。 「上半身、起こせます?」 才人の上からどいて、Tシャツを畳みながら、シエスタは才人にそう尋ねる。 「うん、それくらいは」 才人が身体を両手で支えながら身体を起こすと、シエスタが背中に回りこみ、背中を優しく拭いてくれた。 「やっぱり、汗かいてますね」 円を描くように、優しく、シエスタは汗を拭き取る。 「右腕、上げてくださいな」 言われるままに右腕を持ち上げると、今度はその腕をタオルで包み込み、汗を拭き取る。 左手も同じようにして、拭き取った。 125 名前:FA〜シエスタのばあい〜[sage ] 投稿日:2006/10/17(火) 23 05 33 ID ikmPenju 「さて、と」 そう言うとシエスタは、身体を才人の背中に密着させ、左手で才人を抱きしめ、右手に持ったタオルで前半身を拭く。 そうなると才人の背中には、やわらかい二つの球が押し当てられるわけで。 「あ、あのーシエスタ?」 「あ、もちろんあててます♪」 言う前に言われてしまった…。 しかし、風邪で体力が限界まで削られている才人は反応するはずもない。 「でも、今、病人相手にって…」 「キモチよかったでしょ?」 うぐ、と言葉に詰まる才人に、はい、と言って前半身を拭き終わったシエスタが替えのシャツを手渡してくる。 才人は風邪の熱と気恥ずかしさで真っ赤になりながら、上着を着る。 「もー、すけべなんだからっ♪」 シエスタは頬を染めてそう言い放ち、着替え終わった才人の額をこつん、と人差し指で小突く。 その衝撃だけで、才人はぱたん、とベッドに倒れこんでしまった。 「洗濯終わったわよー」 「…水と布」 遣いに出ていた二人が戻ってくると、シエスタは才人のために料理をしてくるので才人を頼む、という旨を二人に伝え、部屋を出た。 「くれぐれも暴れたりしないように!サイトさん病気なんですから!」 「…わかってるわよ」 「…了解」 片方だけ置いていったら才人の貞操と健康が危ないが、二人で牽制しあっているうちは安全だろう、とシエスタは踏んでいた。 「…この際だからはっきりさせておくけど。サイトの主人は私よ?つまり所有権は私にあるわけ」 「…サイトが誰を選ぶかはサイトの自由」 シエスタの考えは、結論から言うと甘かった。 監視役がいなくなったと見るや、二人はお互いにマリコルヌくらいなら射殺せそうな視線で、にらみ合いを始めたのだった。 126 名前:FA〜シエスタのばあい〜[sage ] 投稿日:2006/10/17(火) 23 06 32 ID ikmPenju 「…わかんないチビっこね?サイトの主人はわ・た・し!つまりサイトの全ては私に帰属してるの。分かる?」 「サイトの自由を阻む者は許さない」 言ってタバサは杖を構える。 目が本気だ。 「やろうってわけ…?」 ルイズも懐から杖を取り出し、間合いを取る。 こっちも殺る気満々だ。 二人のやり取りを聞いていた才人は、一刻も早くこの場から逃げたくなった。 しかし風邪のせいで身動きが取れない。 まずい。死ぬ。俺死ぬる。 故郷のお母さんごめんなさい。不肖の息子は先に逝きます…。 才人はそっと目を閉じた。その頬を涙が一筋、伝う。 そして、虚無と雪風のルーンが高々と部屋に響き渡り…。 「なにやってんですかっ!」 救いの女神の一喝が、二人の詠唱を中断させた。 シエスタは持ってきた盆をテーブルの上に置くと、つかつかつかっ、と二人の間に割って入り、あっさりと二人の杖を奪い取った。 こういうときのシエスタはなんだか強い。 「病人の前でケンカなんて!さらに魔法なんてもっての外ですっ!」 杖を床に放り出し、びし、びし、と二人の鼻先に指を突きつけ、シエスタは二人を叱責する。 「で、でも」 「…だって」 「でももお芋もありませんっ!貴方たちに看病する資格はありません!出て行きなさい二人ともっ!」 扉を力強くびしぃっ!と指差し、シエスタは怒鳴った。 シエスタの余りの迫力に二人はびくん!と同じようにあとずさると、シエスタの言葉に従ってとぼとぼと外に出て行った。 「全く!何考えてるんでしょホントに!」 ふんっ!と鼻息をひとつ噴くと、シエスタはドアに鍵をかけ、料理の載った盆を持って、ベッド脇に立った。 「さ、サイトさん♪ゴハンですよ♪」 返事はない。 見ると才人は目を閉じ、眠りに落ちていた。というより寝オチていた。 しかし、寝苦しそうにうんうん唸っている。どうやら悪夢に魘されているようだ。 悪夢の中で才人は、雪風に切り刻まれ、虚無に消し飛ばされていた。 127 名前:FA〜シエスタのばあい〜[sage ] 投稿日:2006/10/17(火) 23 07 42 ID ikmPenju 「…サイトさん…」 シエスタは呟いて、料理の載った盆をもう一度テーブルの上に置くと、またベッド脇に戻ってきた。 「怖い夢、見てるんですね…」 唸る才人を哀れみを込めた瞳で見下ろすと、なんと、服を脱ぎ始めた。 案の定というかなんというか、メイド服の下は生まれたままのシエスタだった。 シエスタはベッドの上に上がると、シーツを捲り上げて才人の脇に横になる。 そして身体を密着させると、その胸に才人の頭をかき抱いた。 「大丈夫、大丈夫だからね…」 そして、赤子をあやすように、才人の頭を撫でる。 やがて才人は唸るのを止め、静かな寝息をたてはじめた。 「いい子ね、ゆっくりお休みなさい…」 シエスタはそのまま、優しく才人の頭を撫で続けた。 夢の中で才人は、小さな子供に戻っていた。 『ままー』 『あらあらどうしたの』 『いっしょにねんねしてー』 『もう、しょうがない甘えんぼさんね』 『ままー、おっぱいー』 『いくつだと思ってるのよ、もう』 『おっぱいー』 「あんっ…」 目を覚ますと、真っ白な柔らかいものに吸い付いていた。 「吸っちゃダメ…声、出ちゃう…」 柔らかいものの正体はシエスタのおっぱいだった。 シエスタはそう言いながらも、才人の頭をしっかりホールドし、寝相などで逃げられないように固定している。 あまつさえ、足は才人の腰に回し、身体を密着させていた。 こ、これは。 日本裏古武術伝説の非奥義、幸せ締め!? などと沸きあがった頭でボケてみるが、才人の脳内に突っ込みを入れる人間などいない。 こ、これは寝たフリしてたほうがいいのか? 才人はそう思いながらも、口の中の小さな突起を吸い上げる。 128 名前:FA〜シエスタのばあい〜[sage ] 投稿日:2006/10/17(火) 23 08 15 ID ikmPenju 「ふぁ…だめ…声…だしちゃ…」 才人を起こさないように、という配慮なのだろう。 胸から与えられる快感に必死に堪えながら、シエスタは声を抑える。 そうなってくると、いぢわるしたくなるのが男の性。 才人は、その柔肉を柔らかく、絞るように吸い上げた。 「ふやぁっ!」 シエスタの喉から、より一層大きな声が滑り出る。 才人はそのまま寝たフリで、口の中のシエスタの果実を、舌で転がし始めた。 「ちょ…や…サイトさんっ!」 あ、バレた。 そっと目を開けてシエスタを見上げると、真っ赤な顔で才人を見つめていた。 「起きてるなら…言って下さいっ…」 恥ずかしそうに、目を伏せる。 「それとっ…」 それと、何? 「いつまで吸ってるんですかっ!」 目を合わせながらも、才人はシエスタの胸をちゅうちゅうと吸い上げ続けていた。 「いやあ、おっぱい出るかなーっ、て」 ようやく口を離し、才人は照れ隠しにそう茶化す。 しかし、シエスタは一瞬で真っ赤になると、急にもじもじし始めた。 「さ、サイトさんが…」 「へ?何?」 「さ、サイトさんが、飲みたいなら…いっぱいシテくだされば、そのうち…」 そこまで言って、きゃっ!と照れて、反対側を向いてしまう。 つまりそのなんだ。 アナタの子供を生む準備なら、いつでもオッケーよと。 そう言いたいんすか、シエスタさん。 「あっ…」 背中を向けて才人に密着していたシエスタの身体が、ぴくん、と揺れた。 才人にも、その理由がわかった。 「あ、あはは。げ、元気になっちゃったみたい」 照れ隠しに才人は笑う。 ひと寝入りしたせいで、才人の体調はある程度回復していた。 シエスタの身体を味わって、息子が元気になってシエスタのお尻に当たるくらいには。 129 名前:FA〜シエスタのばあい〜[sage ] 投稿日:2006/10/17(火) 23 08 48 ID ikmPenju 「…も、もう…そんなところだけ元気になってどうするんですか…」 言いながらも、シエスタはお尻の下に手を回し、器用にジッパーを降ろすと、飛び出してきた才人の先端を撫でる。 「し、シエスタだって、看病するんじゃなかったのかよ」 言って、才人は腰を動かしてシエスタの割れ目を自分自身で撫で上げる。 そこは、確かに濡れていた。 「今だって、看病してますよ…。だって、こんなに…」 自分の割れ目を擦り上げる才人を、シエスタは自分を密着させて挟みこむ。 「こんなに…大きくなって…苦しそうに、張り詰めて…」 背中を向けたまま、才人の頭に手を回し、顔を横に向けて才人の顔を覗き見る。 その目は獣欲に潤み、唇は紅を挿したわけでもないのに紅く染まっていた。 「沈めて、あげますから…私で…」 続けようとしたシエスタの言葉を、才人の唇が塞いで止めた。 そして、腰を動かすと、後ろからシエスタを貫いた。 「あはっ…」 快感に反った背が、シエスタの唇を才人から引き剥がす。 才人は唇の代わりとばかりに、腋から両手を挿しこみ、シエスタの豊満な果実を揉みしだいた。 「おっぱい…好きですか…?」 打ち付けられる腰の刺激に堪えながら、シエスタは才人に問う。 「好きだよ…シエスタのおっぱい…」 言って、きゅうっ、っと強く先端を摘みあげる。 その刺激に、シエスタが強く才人を締め上げる。 「うれしい、ですっ、サイトさっ、あはっ」 「シエスタ!そ、そんなに締めたらっ」 限界が近づいた才人の腰が、激しくシエスタを打ちのめす。 「ください、サイトさんの、全部っ!」 才人が最奥に達した瞬間、シエスタは両足を閉じて下腹に力を込め、才人を逃さぬよう締め上げる。 「うあぁっ、シエスタっ、ごめんっ!」 その衝撃に、才人はシエスタの中に全ての欲望を吐き出した。 「あは…うれし…サイトさんの…」 身体の中が才人の温もりで満たされるのを、シエスタは確かに感じていた。 130 名前:FA〜シエスタのばあい〜[sage ] 投稿日:2006/10/17(火) 23 09 23 ID ikmPenju タオルを体に巻きつけただけのシエスタが、テーブルに盆を取りに行っていた。 部屋に持ってきたばかりの時は湯気を立てていたミルクがゆだったが、もうすっかり冷めていた。 「冷めちゃいましたね」 それでもシエスタは、ベッドまでそれを運んでくる。 「ゴメンなシエスタ、せっかく作ってくれたのに」 上半身を起こしてそう言う才人の顔色は、かなりよくなっていた。 完治も近いだろう。 「でも、せっかく作ったんですしもったいないですよね」 言ってシエスタはベッドの脇に腰掛け、盆をその太股の上に置く。 そして、スプーンをミルクがゆに差し込みながら、言った。 「私が、温めてさしあげます」 言って、口の中にミルクがゆを含み、しばらく口腔内で温め、才人の方を振り向いた。 「ふぁい、ろうろ」 口の中に物を含んでいるせいで呂律は回らないが、言っていることはわかる。 「そ、それじゃあ、いただきます…」 才人は、遠慮なくシエスタの中で温まったミルクがゆを飲み込んだ。 それは、何より甘い味がした。 〜fin 131 名前:せんたいさん[sage ] 投稿日:2006/10/17(火) 23 13 29 ID ikmPenju こっづっくりっ、しまっしょ♪<挨拶 どーもー!すもも○ももものOPが頭から離れないせんたいさんです(ぁ リアルで風邪引いててうpが遅れましたゴメンなさいですorz まあそのおかげで大量投下見れたからOKですがネ!<書き手失格 そいでは次はタバサのばあいですかね! ロリっぽくならんようにしないとネ!<無理 ではではノシ
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598 名前:ある日、森の中[sage] 投稿日:2006/09/05(火) 03 02 18 ID 5e8JB6gc 「どうしましょうか、サイトさん」 「どうしましょうかねー」 二人は火の入った暖炉の前で困っていた。 そこは、トリステイン魔法学院の近くにある、森の中だった。 突然降り出した大雨に、連れ立って歩いていた二人は近くにあった炭焼き小屋での雨宿りを余儀なくされた。 しかし、すぐに止むだろうと思っていた雨は、その激しさを増していた。 二人がここにいる理由はこうだった。 「親愛なるルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールさま。 この間、サイトさん貸してあげましたよね? だから今日は、サイトさん返してもらいますね。一日独占させてもらいます。 なお、この手紙は自動的に消滅します シエスタより」 という置手紙をルイズの部屋に残し、才人には「一緒にピクニック行きましょう、ミス・ヴァリエールから許可ももらいましたし!」と言い含め、シエスタは才人を連れ出していた。 しかし、時刻は既に夕方近い。このまま帰れないと、ここで夜をすごすことになりそうだ。 ちなみに既に部屋ではルイズがブチキレかけていた。 「ああああああの犬!かかかかか帰ってきたらお仕置きなんだからね!!」 ぞくっ。 才人の背中をイヤな悪寒が駆け抜ける。 この寒気はきっと雨のせいなんだ、そうに違いない。そうに決まった。そうであってくださいおねがい神様。 「サイトさん?」 身震いする才人を、隣に座ったシエスタが心配そうに覗き込む。 お約束だとこういう場合、裸かそれに近い格好で毛布に包まり暖炉の前で暖を取るものだが、残念ながら二人とも着衣のままであった。才人はいつものパーカー、シエスタもいつものメイド服。 雨の降り始めに、この小屋に避難できたからである。 雨のやろう、どうせなら一度に降って来いっての。 そうすれば「寒くない?以下略」だったのに。全く情緒というものが分かってない。 天候に文句を言っても始まらない。才人はシエスタに心配をかけないよう、笑顔で返した。 「大丈夫、ちょっと寒気がしただけだって。 …薪もうちょっと取ってくるわ」 そう言って才人は立ち上がる。薪は小屋の外にある。補充するには外に取りに行く必要があった。 しかし、立ち上がった才人の上着の裾を、シエスタの指が捕まえる。 「い、行かないで」 「…へ?」 何事ですか?、と振り向くと、シエスタが潤んだ瞳で才人を見上げていた。 まさかシエスタさん。 「さ、寒いなら私が、あ、暖めてあげますから」 なんてベタな。ベタすぎるよシエスタ。 心の中で突っ込みつつも、シエスタの上目遣いにぐらっとくる才人。 「メイドに手なんてつけたら、ああああああ足じゃ済まさないんだから!!」 ぞくぞくっ。 悪寒がさらに増し、才人の身体が震える。 「ほら、こんなに震えて!ダメですよ!」 そして自分も立ち上がり、才人の身体を抱きすくめる。 599 名前:ある日、森の中[sage] 投稿日:2006/09/05(火) 03 04 06 ID 5e8JB6gc まずは作戦その一。 シエスタは久々に会った従姉妹のジェシカとの会話を思い出していた。 『まず、大事なこと。殿方は「はいてない」に燃えるものよ』 『は、はいてないって…』 『下着に決まってんじゃない。上着の下は裸。コレ基本だからね?』 シエスタはそれを実践していた。今、彼女のメイド服の下は、生まれたままのシエスタだった。 だから、才人の胸に押し当てられたシエスタの双丘は、不自然なくらい形を歪ませていた。 「ちょ、シエスタ!」 や、やわらかい。 「な、なんかやわらかいのが当たってるんですけど!」 「あててるんですよ。ちょっとはその気になりました?」 「いやでもまずいってシエスタ!」 「なにがまずいんですか?ここにはミス・ヴァリエールはいませんよ」 「で、でも」 600 名前:ある日、森の中[sage] 投稿日:2006/09/05(火) 03 05 44 ID 5e8JB6gc この人はー、ほんとにもー。 あのナイチチ貴族がいいっていうの?私というものがありながら! あの降臨祭の夜以来、シエスタの中では「サイトさんは私のもの」という図式がほぼ出来上がりつつあった。 従って、ルイズになびく才人は浮気者なわけで。 でもサイトさんカッコイイからミス・ヴァリエールが惚れちゃうのもしょうがなくて。 でもやっぱり、二人っきりのときは私だけ見てて欲しいわけで。 作戦、そのニ。 「あの、サイトさん」 シエスタは一瞬だけ才人を抱きすくめる手を緩め、エプロンのポケットから小瓶を取り出した。 「サイトさん、ミス・ヴァリエールにバレるのが怖くて、何もしてこないんですね」 ぎく。 才人の身体が一瞬硬直するのを、シエスタは見逃さなかった。 やっぱり。 こーの、ヘタレがー。 「大丈夫です…。こんなこともあろうかと、私貯金してこういうものを買っておきました」 シエスタは言って、小瓶を才人の鼻先に突きつける。 「何、コレ?」 「記憶を奪う魔法薬です。飲んでから1時間程度の記憶が、なくなるそうです」 「え?それを俺が?」 「いいえ。私と、あなた。二人で飲むんですよ」 そう言ってシエスタはにっこり笑う。 「事の記憶がなくなれば、ミス・ヴァリエールにバレることもありません。 …だから」 そう言って見上げるシエスタの瞳はとても魅惑的で。覗き込んでいるだけで吸い込まれそうで。 じゃなくて。 やばい。まずい。確かに都合はいいけどなんかソレまずい。 才人がそうやって混乱していると、シエスタはとんでもない行動に出た。 小瓶の中の液体を口に含むと、そのまま才人の唇を奪ったのだ。 どうやら、口移しで飲ませる気らしい。 しかし、予想と裏腹に、才人の唇は閉ざされたままだ。 じゃあこうします。 シエスタは舌を伸ばすと、無理やり才人の唇を割り開き、才人の口内へ薬を流し込む。 そしてついでとばかりにさらに舌を差込み、才人の舌に自分の舌を絡ませる。 お互いの口の中で、唾液と薬が混じりあい、息をしようとするたびその混合物を飲み込むことになった。 しかし二人は、薬を完全に飲んだ後も、熱に浮かされたように、お互いの舌を絡めあった。 しばらく舌を絡めあって、二人はようやく唇を離した。 601 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/09/05(火) 03 07 09 ID 5e8JB6gc すいましぇん今日はここまでorz 617 名前:ある日、森の中[sage] 投稿日:2006/09/05(火) 12 49 20 ID 5e8JB6gc 「あ、あの、シエスタ…」 頭の芯がぼーっとする。これも薬の効果なのか? 「何も言わないで」 そっと、才人の唇に指を押し当て、言葉を遮るシエスタ。 「これからは、私とあなただけの時間。 私だけ見てて。私だけ感じて。私の全部で、感じて…」 その言葉はまるで魔法のように才人の頭に響き、才人の動きを封じた。 シエスタは才人の胸に身を預けると、そっと手を才人の下半身に這わせた。 「うあっ」 既に完全に屹立していた才人のペニスを、ズボンの上からシエスタの掌が撫で上げる。 「ふふ…もうこんなにして。イケナイひと」 言いながら今度は才人の首筋に舌先を這わせ、ちろちろと嘗め回す。 それはまるでいつものシエスタとは別人のようで。才人の理性をかき乱した。 これが作戦その三。 『いいシエスタ。これ見て台詞の勉強しときなさい』 『ってこれ、官能小説じゃない!』 『私が厳選したサイトくんの好きそーな内容のばっかり集めといたわ。 実践の際に、役に立つこと間違いナシ!』 ちなみに今用いているのは『魅惑の女家庭教師〜火蜥蜴婦人の誘惑』の一節、火蜥蜴婦人が、貴族のおぼっちゃんを篭絡する際に使った台詞である。 シエスタの細い指が、ズボンのジッパーを下ろす。 前に、才人が立小便をする際に、覗き見たのである。その時はなんでこんなとこが開くようになってるんだろう、とか思ったけど、確かに合理的ではあった。 すでに全身の血液を集められ、ズボンの中で限界まで膨らんでいたソレは、勢いよく外界にそそり立った。 サイトさん、大地に勃つ。 予想よりも大きくなっていたソレに、シエスタは軽く驚いた。 前見たときよりおっきい…。 しかし見入っている暇はない。このわずかな隙にも、才人の意識は冷静さを取り戻そうと躍起になっている。 618 名前:ある日、森の中[sage] 投稿日:2006/09/05(火) 12 50 36 ID 5e8JB6gc 「ちょ、シエスタ、ダメだって…」 それが証拠に、うわごとのようにそう言いながら、自分の手で勃起したソレを隠そうとする。 させません。 風のような速さで、シエスタの細い指が、才人の屹立した陰茎に絡みついた。 そしてそのまま、軽くむにむにと揉む。硬さを確かめ、今度はしごく。 「うあぁッ!」 才人の背筋を、電流が奔る。 なんだコレ。自分でやったときと全然ッ…! 思わず止めに入っていた手を、自分の身体を支えることに使ってしまう。 「コレがいいんですね?ほんと、いけないおちんちん…」 淫靡に笑うと、今度は先端を掌で包み、やわやわと揉みしだく。 そこは、透明な粘液で濡れていた。先走りである。 シエスタは才人の足の間に身体を入れると、今度は両手を使い、茎をしごき、先端を揉む。 「うああ!…し、シエスタ…っ」 自分の先端から与えられる快感に、才人はたまらなくなる。 ば、爆発しそうだ…! しかし、なぜか快感は不意に止んだ。 「え…?」 寸前で止められ、惚けたようになる才人。 下半身の方を見ると、シエスタがにっこり笑っていた。 「指で続ける?それとも、お口がいい?」 言って舌でぺろり、と張り詰めた怒張を嘗める。 「あうっ…!!」 指でしごかれていたときより、鋭い電流が才人の背筋を襲った。 シエスタってこんなにエッチだったのか…!! それが才人に喜ばれるために必死で勉強してきた成果だとも知らず、才人はそれがシエスタの才能なんだと思い込んでいた。 「ねえ、どっち…?」 今度は口付け。先端に、湿った桃色の柔肉が触れると、とろけそうな快感が才人を襲った。 「く、口でしてくれる…かな」 619 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/09/05(火) 12 51 54 ID 5e8JB6gc 仕事なので今日はココマデ。続きは後日で 6 名前:ある日、森の中[sage] 投稿日:2006/09/07(木) 00 35 02 ID JXKAwJlz ででででで、この先どうするんだっけ。 顔では余裕を演じていたシエスタだったが、内心はかなりテンパっていた。 『火蜥蜴婦人の誘惑』ではこの後、ぼっちゃんが逃げようとして、そこを組み敷いて美味しくいただいてしまう、という展開なのだが。 口でしてくれ、なんて選択肢はその本にはなかった。 と、とりあえず、キス…。 先走りでてらてらと光る肉棒の先端に、シエスタはそっと口付ける。 「うっ」 才人はその快感に身を縮こまらせる。 あ、キモチいいんだ…。じゃあ…。 今度は裏筋に口付ける。才人の体がビクっと震える。 次は根元に口付ける。「うああっ」と才人が喘ぐ。 そうやって才人の男根にキスの雨を降らせて、反応を楽しむ。 サイトさん…カワイイ…。 目の前の牡の匂いを嗅いでいるうちに、だんだん、シエスタの頭の芯もボーっとしてきた。 気がつくと、右手をスカートの中に忍ばせ、自分自身を慰めていた。 「はぁ、サイトさん…」 シエスタは、サイトを逃がさないように左手で軽く茎を握り、先端を口の中に含む。そして、それを舌で嬲る。 「うああぁっ」 才人が切なげな声を漏らす。 サイトさん、キモチイイのね…? 茎をしごき、先端を吸い上げ、自らを慰めながら、シエスタは行為を続ける。 7 名前:ある日、森の中[sage] 投稿日:2006/09/07(木) 00 36 46 ID JXKAwJlz 「も、もうだめだ、シエスタっ」 不意に、才人が声を荒げ、シエスタの頭を掴む。 突然の行為に驚くシエスタ。吸い上げる力が弱った瞬間に、才人は乱暴にシエスタの頭を抑えた。 才人の肉棒がシエスタの口内を犯し、喉の手前まで先端が届く。 次の瞬間、才人はシエスタの口の中に己の欲望を吐き出していた。 「ご、ごめんっ!」 ドクドクドクっ 「…!えほっ、えほっ!」 喉の奥に熱い液体を流し込まれ、思わずシエスタは才人から口を離し、咳き込んでしまう。 「ご、ごめんシエスタ!あ、あんまり気持ちいいもんだから、つい…」 涙目で咳き込むシエスタを、慌てて才人は介抱する。 「…ふぁ…んくっ…」 何かを言おうとしたシエスタだったが、口の中に吐き出された才人の欲望が、それを許さない。 …サイトさんのだ…。 シエスタはそれを、ゆっくり飲み干す。 「んっ…んふ…」 口の端から流れこぼれたひとすじも、指ですくって口に入れる。 その仕草はとても色っぽく、才人の視線を釘付けにした。 …こういうときは、どう言うんだっけ…。 たしか、こう。 「あは…サイトさんの…おいし」 涙目のまま、シエスタはにっこり微笑んでそう言った。 ずぎゅうううううううううん。 直撃。大当たり。本丸崩壊。 アパム!弾もってこいアパーーーーーム! シエスタのエッチ爆弾に、才人の理性本部はすでに壊滅寸前だった。 9 名前:ある日、森の中[sage] 投稿日:2006/09/07(木) 00 37 29 ID JXKAwJlz 「あ…まだ、元気ですね…」 シエスタの目が才人の下半身に留まる。そこでは、先ほど欲望を吐き出し終えたばかりの才人が、ビクビクと脈打っていた。 シエスタはそのまま才人の体をまたぐと、エプロンドレスのスカートを、たくし上げた。才人の目にその中身が飛び込んでくる。 そこにあったのは、薄い恥毛に彩られたシエスタの割れ目から滴る粘液と、その粘液でぬらぬらと淫靡に光る内太股であった。 ごくり、と才人の喉が鳴る。 ゆっくりとシエスタは、立膝でその割れ目を才人自身の上に運んでいく。 「し、シエスタ…」 才人はもう抵抗しない。いや、できないのだ。 捕らえられた獲物に、狩人に対抗する術はない。 「サイトさん……ごめんなさい」 なぜ謝るんだ? 才人が疑問に思う前に、シエスタの秘裂が、才人の怒張を飲み込んでいた。 「うあぁっ!」 「サイトさんっ…!」 血は滲んだが痛みはない。薬のおかげだということをシエスタはよく知っていた。 そのまま快楽に任せ、腰を上下に揺する。 「サイトさんっ!いいですっ!キモチいいですッ!」 髪を振り乱し、シエスタは才人の上で悶え狂う。 目の前で、よく知った顔が快楽に溺れ、腰を振り、己の身体で快楽を貪り食らう。 それはまるで夢の世界の出来事のようで。才人の理性を吹き飛ばす。 才人は、つけてないせいで傍若無人に揺れるシエスタの胸に、手を伸ばした。 それは、シエスタの腰のリズムに合わせ、才人の手の中で踊る。 「サイトさんっ!サイトさんっ!」 惚けたように才人の名前を呼び、胸を揉む才人の手に自らの手を添えながら、シエスタは才人の上で踊る。 「シエスタ、シエスタ…っ!」 才人のほうも限界が近いのか、上半身を起こし、シエスタの胸に顔を埋める。 10 名前:ある日、森の中[sage] 投稿日:2006/09/07(木) 00 38 36 ID JXKAwJlz 「ダメ、私もうっ…!」 「俺も…っ!」 どちらからともなく限界を告げ、最後の一刺しがシエスタの中を貫く。 どくどくどくっ…。 先ほどの射精にも倍する精液が、シエスタの中に注ぎ込まれる。 「うあぁっ…」 「あは…出てる…サイトさんの…」 繋がったまま、二人は折り重なって倒れた。 数十分後。 先に目を覚ました才人は異変に気がついた。 覚えてる。全部。 「ふふ…もうこんなにして。イケナイひと」「指で続ける?それとも、お口がいい?」 「あは…サイトさんの…おいし」「サイトさんっ!いいですっ!キモチいいですッ!」 頭の中ではっきりとコトの映像がリフレインできる。 しばらくおかずには困らないねー♪ じゃなくてっ! 才人は思わず真っ青になる。 そして、自分の上で寝息を立てるシエスタを揺さぶる。 「おい、シエスタ!」 「ふにゃ?あ、サイトさんだぁ…」 嬉しそうにふにゃっと笑い、シエスタは才人の首に手を回す。 「そうじゃなくて!記憶!シエスタは記憶どうなってる?」 無理やりシエスタを引き剥がし、才人はシエスタに尋ねる。 「あ、薬の話ですか?」 そうそう、と才人は首を縦に振る。 「アレ嘘ですから」 ぴきッッ。 まるで「硬化」の魔法にかかったように、才人の体が固まる。 「そんな都合のいい薬あるわけないじゃないですか。アレただの鎮痛剤ですよ」 ぴしっっ。 石像と化した才人にヒビが入る。 もちろんこれは計画的犯行であった。 雰囲気で酔わせ、都合のいい展開にして、落とす。 ジェシカの授けた手管であった。 だってこのくらいしないとこのヘタレはなんもしてこないし。 「大丈夫ですよ、誰にもいいませんから♪」 そう言ってシエスタは完全に固まっている才人の腕に絡みつき、胸を押し当てた。 でも、ミス・ヴァリエールには自慢しちゃうかもしれません♪ 心の中で恐ろしい事を呟きながら、シエスタは笑った。 〜fin 11 名前:あとがさ[sage] 投稿日:2006/09/07(木) 00 41 28 ID JXKAwJlz 2スレ跨いじゃいましたごめんなさいorz 実用性重視でがんばってみましたがいかがだったでしょーか。かなり好み偏ってますがw ちなみにこの後続編も考えてます(ルイズ編) その前に、一本エロじゃないの書きたいんですが、そういうのってここにうpしてもおk?
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「魔法って、難しいなあ…」 一日の授業を終えたシエスタが、ため息をつきながら廊下を歩く。 シエスタは学ぶことが好きだった。 貴族の生徒達は、元平民のシエスタには魔法学院の授業についてこられるはずがないと侮っていたが、それは大きな間違いだった。 皆はシエスタを『ろくな教育も受けていない奴』だと思いこんでいたが、実際は違う。 タルブ村出身の者は、シエスタの曾祖父母が伝えた「学問」を受けていた。 シエスタの曾祖父は昔軍人だったらしく、ハルケギニアの一般的な常識には疎かったが、それを補ってあまりあるほどの教育をタルブ村の人々に施し、死んでいった。 また、シエスタは曾祖父の残した日記を解読する事で、遠い異国の知識を得ている。 その知識が理論となり、魔法学院の教師たちをも驚かせる事もあるのだ。 しかし、トリステイン魔法学院の授業には、魔法の実践や活用法、貴族の礼儀作法や心得などの課目もある。 シエスタはメイジではなく、波紋の使い手。 魔法の実技は大の苦手なのだが、辛うじて操ることのできる『水』『治癒』『生物の活性化』のおかげで、シエスタは一応メイジとしても認められていた。 シエスタが認められているのは『ゼロのルイズ』という前例のおかげでもある。 ある生徒は「爆発より治癒のほうがずっとマシだ」と言って、シエスタの実力を認めていた。 もちろん、その言葉を聞いてシエスタが喜べるはずがない。 まるでルイズの失敗をダシにして、自分の立場を固めているようではないか。 そう考える度に、シエスタの心に罪悪感が起こる。 「もっと早く波紋が使えていれば、ルイズ様を助けることもできたのかな…」 シエスタの心には、ありし日のルイズの姿が色あせることなく残っているのだった。 今日も一日の授業が終了し、シエスタは自分の部屋に戻ろうと廊下を歩いていた。 途中で何人かの生徒とすれ違い、軽く会釈をする。 以前のシエスタのような、事務的な礼儀正しい挨拶ではなく、ほんの気軽な挨拶だった。 貴族に対して気軽な会釈が出来るほど、彼女は吸血鬼を倒したあの日から『自信』を手に入れていたのだ。 「鞭も持ったし、水桶も持ったし…うん、これでいいかな」 いくつかの『装備』をチェックして、今は使われていない教室へと向かう。 トリステイン魔法学院には、いくつか使用されていない部屋があった。 オールド・オスマンは、そのうち一つの教室を使って波紋の練習をするように指示していた。 この教室は40人が授業を受けられる広さがあるが、飾りが全く存在しない。 壁や床、天井は煉瓦が剥き出しになっており、所々に傷痕すら見える。 オールド・オスマンの話では、屋内での魔法実習に使われていた部屋らしいが、何年も前に『トライアングル』の実力を持った生徒が教室を破壊してしまい、それ以後使われなくなったそうだ。 今はこの教室で一人、シエスタが波紋の鍛錬と研究をしていた。 編みかけのマフラーもその一つで、彼女の曾祖母『リサリサ』も、マフラーを自由自在に操って吸血鬼と戦っていたらしい。 「ふっ、はっ」 ピシュン、ピシュンと空を切る音が鳴響く、シエスタの鞭の音だ。 伸縮硬軟自在の鞭を天井に向けて放つ。 鞭の先端が天井にふれると同時に波紋を流す、するとシエスタの身体は50サント程鞭に引き上げられ、宙に浮く。 「1……30……よんじゅうご、きゃっ!」 45秒経過したところで、尻から教室の床に落下してしまい、小さく悲鳴を上げる。 「いたた……」 シエスタは曾祖父の残した日記を読むたび、リサリサの桁外れな能力に驚いていた。 『水面に立つ』『水を粘土のように練る』『水を爆発させる』 そこまではシエスタにも可能だ、だがリサリサは更に上を行く。 『水を鉄棒のように練り上げて自分の身体を持ち上げる』『マフラーを使って宙に浮く』『落ち葉を集めて空を飛ぶ』 シエスタの目標は、曾祖母を超えることであり、この『波紋』を平民に伝えることだった。 シエスタは吸血鬼との戦い以来、『波紋』と『魔法』を比較し、メイジとの戦闘をシミュレーションし続けている。 吸血鬼に勝ったという事実がシエスタに自信を持たせていたが、それもメイジとの戦いを想定すると消えてしまう。 吸血鬼に勝つことはできたが、それは波紋がたまたま『吸血鬼の天敵』だったからだ。 オールド・オスマンが『皆と一緒に授業を受けろ』と支持した理由が、今なら分かる。 授業を受ければ受けるほど、吸血鬼を倒した自信が揺らいでいく。 もし、ギトーが『エア・カッター』だけでなく『ライトニング・クラウド』を放ったとしたら、自分は確実に負けていたはずだ。 『風の遍在』により、二人以上に分身されたとしても、シエスタに勝ち目はなかっただろう。 波紋の汎用性の高さは素晴らしい、だが決定打に欠ける。 現時点では、波紋だけではメイジに勝てない。 メイジに勝つためには、波紋を活用するための『道具』と『戦い方』が必要なのだ。 シエスタは曾祖父母の日記を思い出す。 曾祖父の日記には、リサリサが曾祖父に教えた『戦いの思考』も書かれており、今のシエスタがもっとも注目している部分でもある。 シエスタは連日、エア・カッターにはどう対処するか、メイジ二人を相手するにはどうしたらいいのか、高低差の激しい戦いにはどうすれば良いか……等の、シミュレーションを繰り返していた。 そこに突然、ノックの音が響く。 そして『アンロック』の呪文で鍵が開かれ、疾風のギトーと、ミス・ロングビルが部屋に入ってきた。 「シエスタ君、精が出るね」 「こんばんは、ミス・シエスタ」 「ミスタ・ギトーに、ミス・ロングビル」 訓練を中断し、二人に向き直る。 「例の物ができましたわ」 ロングビルが、一辺の長さが40サント、深さが20サントはあろうかという箱を差し出す。 「出来上がったんですか?」 「ええ、早速使ってみて下さい」 シエスタはロングビルから受け取った箱を開け、中身を取り出す。 入っていたのは魔法学院のマントより、少し厚みのあるマントだった。 裏地につけられら何本もの線が通っており、襟元には魔法学院の紋章も入っている。 「じゃあ……いきます」 シエスタが呼吸を整え、波紋をマントの襟に流していく。 するとマントの中に仕組まれた繊維が堅く硬直し、マントがまるでコウモリの翼のように横に広がった。 「とりあえず成功ね」 ロングビルが感心したように呟く。 広がったマントの質感を確かめているシエスタに、ギトーが近づき、わざとらしくコホンと咳払いをした。 「落下傘といったか、そのようなものを考案するとは、君の先祖はかなりの発明家らしいね。強度実験に協力してくれたコルベール先生がとても驚いていたよ」 「いえ、曾祖父が発明したものではありません、東方では船から飛び降りるときにこれを使っているそうです」 ロングビルもマントに触れ、質感を確かめてみる。 「ロバ・アル・カリイエには独特の技術が発達していると聞いたけど、こんな物もあるなんて驚きね」 このマントは、波紋を使って落ち葉を集め、波紋グライダーを作ったという記録が生かされている。 シエスタの曾祖父は、それを一種の落下傘だと思い、知る限りの知識を日記に書き残していた。 蔓草と樹液を使い、非常に特殊な構造をしているこのマントは、シエスタどころかマルトーの給料でも払えないほど高額なものだった。 だが、日記を解読した結果、いくつかの技術や知識がオールド・オスマンを通じてトリステインのアカデミーへと『売られて』いる。 それを資金にして、波紋を生かすための道具が開発されているのだ。 その晩、早速マントの出来を試そうとしたシエスタは、本塔の屋上で佇んでいた。 心地の良いそよ風が舞う中、一人の協力者がシエスタに近づく。 「きゅい、きゅい!」(こんばんは!太陽の香りがするからすぐ解るのね!) シルフィードがシエスタに近づき、頬を寄せる。 シエスタはシルフィードの鼻と頬を撫でつつ、意識を乗せた微弱な波紋を流していく。 「こんばんは、シルフィードさん、今日は試したいことがあるの、手伝って欲しいんですけど……」 「きゅいきゅい!」(喜んで手伝うの!) シエスタは使い魔を持てない、だが、波紋は生物の意識を狂わせたり、操ることが出来る。 ごく微弱な波紋であれば、考えていることを使い魔達に伝えることができるのだ。 タバサの使い魔であるシルフィードは、なぜかその中でも抜群に意識が伝わりやすい。 「喜んでくれているのが解るわ、協力してくれるの?ありがとう」 「きゅい!」 屋上に着地したシルフィードの背に跨ると、シルフィードは翼をはためかせ宙へと舞った。 十分に高度を上げると、シエスタはマントを広げて波紋を伝える。 バサッ、と音がしてマントが広がると同時に、シエスタの身体はシルフィードから離れていった。 「あわわわあわわわ!わっ、と、飛んでる、私、飛んでる!」 「きゅいー!」(わー!浮いてるのね!すごいのね!) シエスタは右手でマントの襟を持ち、左手でマントの中央に設けられた取っ手を握っている。 その状態のまま風を受けて、空を滑空していた。 シルフィードはシエスタの周囲を流れる風に注意し、滑空を邪魔しないように少し離れて飛んでいた。 時折シルフィードが背中を貸し、シエスタを再度高い場所へと運んで、二人して空の散歩を楽しんでいた。 空を飛んでいる、その事実がシエスタは嬉しく感じられた。 『フライ』や『レビテーション』とは違い、自由自在に空を飛んでいる訳ではない。 だが、ある程度のコントロールできるだけでも、平民が空を飛ぶための第一歩として偉大な功績には違いなかった。 いずれは風石などを仕込み、より自由度を高めることができれば、空を自由に飛ぶことが出来るかもしれない。 シエスタとシルフィードはしばらく空を楽しんだ後、中庭に着地すべくマントの形状を調節した。 中庭の上空を旋回し、ゆっくりと地面に近づいていく。 およそ4階部分と同じ高さになったとき、風が不自然に流れた。 「きゅい!」(あぶない!) 「!?」 シエスタはシルフィードの声がいつもと違う調子なのに気づき、咄嗟に体中に波紋を流した。 硬直した身体に突如として空気の固まりが接触し、シエスタの手がマントから離れてしまう。 シルフィードは勢いよく身を翻し、逆さまに落下するシエスタを受け止めようとしたが、ほんの一秒か二秒、間に合わない距離にいた。 地面に激突する!と思われたその時、シエスタの落下速度が不自然に減速し、空中で体制を整え、足から地面に着地し、膝をつく。 それを見たシルフィードが安堵しつつも、ばさっ、と音を立ててシエスタの隣に着地した。 「きゅい!きゅい!」(大丈夫?怪我してないのね?) 「……ありがとう、シルフィードさん、心配してくれてるのね?私は大丈夫よ」 よく見るとシエスタの足下には、蔓草がらせんを描いて置かれていた。 置かれていたと言うよりは、シエスタの腕に巻かれた蔓草がほどけたといった感じだ。 落下の瞬間、蔓草を螺旋状に伸ばしてクッションにし、地面に着地したまでは良かったが……シエスタの両腕は突然の摩擦熱に耐えられず、みみず腫れが出来てしまっていた。 シエスタは考える。 先ほどの衝撃は、おそらく『エア・ハンマー』だろう。 『エア・カッター』や『エア・ストーム』または『ウインディ・アイシクル』なら死んでいたかもしれない。 「(今のは、私への嫌がらせ?それとも……)」 突然の事態に対処すべく思考を巡らすシエスタ。 彼女の表情は、いつの間にか『戦士の顔』になっていた。 To Be Continued → 26< 目次
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125 名前:借り物競走〜シエスタのばあい〜 ◆mQKcT9WQPM [sage ] 投稿日:2006/11/23(木) 22 24 55 ID qOP949IM 最初にお題の封書の載った机に辿り着いたのは、シエスタだった。 野良で鍛えた足腰の強さは伊達じゃない。 長い赤いハチマキが一陣の風となり、地を駆ける。 並み居る貴族や一般参加者を尻目に、堂々の一位である。 それに、今日はなんだか体が軽い。 この衣装のせいもあるだろうけど…。 サイトさんと一日むにゅれる。 それだけでシエスタのハートは臨海まで熱く燃え滾っていた。 シエスタは、並んだ封書の中から一つを取り上げ、その中身を取り出す。 その紙には。 『愛』と一言、認めてあった。 「あ…愛って…」 呆れ返るシエスタに、次々と後続が追いつく。 二番手の男子生徒が封書を開け、目を点にした。 「『若さ』? 『若さ』ってなんだ!?」 そして、ライバルたるルイズもそれに続く。 封書を開けて、目を点にしている。 次の瞬間、顔を真っ赤にして怒鳴った。 「誰よ、こんなお題考えたのっ!」 …どうやら、お題の内容に制限はないらしい。 出題者のセンス次第では、とんでもないお題を引かされているらしい。 …でも、『愛』、ですかぁ…。 しかし、シエスタはすぐに思いついた。 …ちゃーんす! 126 名前:借り物競走〜シエスタのばあい〜 ◆mQKcT9WQPM [sage ] 投稿日:2006/11/23(木) 22 26 25 ID qOP949IM 「…で、あの、シエスタさん? こんな所まで俺を連れてきて一体何を」 私は、会場のすみっこで応援してくれていたサイトさんを発見すると、問答無用で塔の影の暗がりにサイトさんを連れ込んだ。 …もちろん、『愛』を借りなきゃいけないから。 やましいところなんてこれっぽっちもないです! 「あああああのですね!借り物競走のお題が『愛』でして!」 私は証拠とばかりに、『愛』と書かれた札をびしっ!とサイトさんに突きつける。 「あの…えと…」 サイトさんは照れたようにぽりぽりと頬を掻く。 …こ、この反応は…期待、していいんですか…? 「俺、字、読めないんだけど…」 …そうでしたねー。サイトさん字読めないんでしたっけねー。 …はぁ。 私はお題の紙を今一度指差して続けた。 「ここに!『愛』って書いてあるんです! …つつつまり、愛を借りていかないといけないんですよ!」 つまり愛は愛ってことで。 愛しあった結果ってことで。 そういうわけですから!サイトさん! 私は期待に満ちた目でサイトさんを見つめる。 ついでに、前かがみになって、衣装の隙間から胸の谷間をサイトさんに見せつける。 これでどーだっ! 「…え、えっと…。どうすればいいのかな…?」 よぉし目がすけべモードになったっ! あと一押しっ! 私はおもむろにサイトさんに抱きつくと、その耳元で囁いた。 「サイトさんの思ってること、そのままぜーんぶ、してください…」 サイトさんの喉がごくりと鳴る。 次の瞬間、私は日陰の草の上に押し倒されていた。 もー、サイトさんのえっち♪ 127 名前:借り物競走〜シエスタのばあい〜 ◆mQKcT9WQPM [sage ] 投稿日:2006/11/23(木) 22 27 19 ID qOP949IM …断っておくけど、俺は悪くない。 これは借り物競走のお題だからして。 シエスタに『愛』を授けなければならんわけだからして。 塔の暗がりでシエスタを押し倒して、体操服を下からたくし上げて、背後から手を回しておっぱいを揉んでいても。 何の問題もないわけで!! 「あ、あの、サイトさん…」 俺の腕の中で荒い息を吐きながら、シエスタが俺に語りかける。 あ、あれ?や、やっぱマズかったですか? しかしシエスタの言葉は、俺の予想の斜め上を行っていた。 「あ、あんまり激しくしないでくださいね? …こ、声、抑えられなくなっちゃうから…」 言ってシエスタは、胸の先端を揉んでいる俺の右手に優しく口付けした。 おっけえええええええええ!! 全力で!! 激しくしちゃうっ!! 俺はシエスタをそのままひっくり返すと、シエスタの膝の裏に両手を当てて、腰を浮かさせる。 俗に言う、『まんぐり返し』という状態であるっ! 「あ、や、恥ずかしいっ…」 ぶるまに包まれた下半身の向こうからシエスタの抗議の声が聞こえるけど。 聞こえません。 ていうかむしろそんな声出されると、余計にいぢめたくなっちゃいます。 俺は、シエスタの汁をたっぷり吸った紺色のぶるまに鼻と口を埋めて。 思いっきり、吸った。 「や、だめ、そんなのっ」 シエスタの羞恥に染まった声が、ぶるま越しに聞こえる。 正直たまりません。 俺はシエスタの声を完全に無視し、口で汁をすすり、鼻で匂いを楽しむ。 少しツンとする匂い。しょっぱいおつゆ。 俺は今までなんで使用済みぶるまがそのテのお店で高値で取引されているか理解できなかった。 しかし今なら分かる。 ぶるまは中身がなくては始まらないッ!! 俺はそのまま吸い上げるのを止めず、今度はシエスタの太股を両手で撫で回しはじめた。 健康的な弾力を持つそこは、シエスタの汗で滑っていた。 うっはーーーーーーー。さいこおおおおおおお。 「だめぇ、こんなのぉ、はずかしいぃ…」 128 名前:借り物競走〜シエスタのばあい〜 ◆mQKcT9WQPM [sage ] 投稿日:2006/11/23(木) 22 29 34 ID qOP949IM やがて、シエスタの声に嗚咽が混じり始めた。 げ。やば。 俺は慌てて行為を中断すると、シエスタの顔色を伺う。 …げ、マジ泣きしてる…。 「ご、ごめんシエスタ。調子に乗りすぎた…」 俺は優しくシエスタの頭を抱き上げ、髪を撫ぜて許しを請う。 でもシエスタは、半分泣いたまま、目を吊り上げて言った。 「だめ。許さない…」 言って、俺の首筋に顔を埋めて。 首筋に歯をたてた。 少し痛かったけど…ガマン、しなきゃな。 嫌がるシエスタに酷いことしちゃったし…。 「ごめん…」 でも、俺にできるのは謝ることだけで。 しばらくすると、シエスタは顔を上げた。 「ちゃんと最後までしないと、許しません」 才人の腕の中、涙目で、シエスタは言う。 そして、才人を草の上に押し倒し、その上に馬乗りになる。 「ほんとにもう…恥ずかしかったんですよ…?」 言いながら、才人の顔を両側から挟みこみ、唇を奪う。 呵責からか、才人はされるがままだ。 シエスタはそんな才人の下半身に手を伸ばすと、半ズボンに手を掛ける。 そしてそのまま、半ズボンを下にずらす。 その中から、才人の肉棒が、勢いよく飛び出した。 「罰として」 シエスタはその上に跨り、才人の唾液と自らの体液で湿ったブルマの股間の部分をずらす。 外気に触れたそこから、熱く煮えたぎった雌の粘液が、零れ落ちる。 「今日は、いっぱいになるまで、シテもらいます」 そしてそのまま、才人を飲み込んだ。 そして、少し冷静になった才人は、当然の疑問をぶつけた。 「あ、あの、シエスタさん? 借り物競走は…?」 しかしそれは、愚問でしかなかったのである。 「そんなの、しりませんっ」 そしてシエスタは、才人の上で淫らに腰をグラインドしはじめた。 結局、借り物競走のシエスタの結果は、『棄権』になったという。〜fin
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前ページ次ページゼロニスター 「ふー……」 荒く息を吐きつつ包帯女はルイズ・ナックルスターを睨みつける。 「何睨んでんのよ、包帯女……。頭に石ぶつけられてむかついたのかしら?」 「その感情はじっくりと噛み締めな。私にボコにされる間際の人生で味わう最後の感情……」 包帯女を指差しつつ、ルイズ・ナックルスターはゆっくり包帯女達の方に歩み寄っていく。 「あたしとやり合うのが嫌なら『メダル』を地面においてとっとと消えな。シエスタの分も含めてもうちょっと枚数を稼ぐ必要があるんでね」 地面を指差したナックルスター、ルイズ、シエスタ、包帯女と順番に視線を向けて、飴姫はにやりと笑みを浮かべる。 (……今なら殺れるわ……、『4人』とも……!! 『サタニスター』……、『ルイズ』……、『シエスタ』……、そして『包帯女』……。そのまま睨み合ってろ……!! この位置なら4人とも殺れる……!! 私の殺人技『飴姫ブレード』でな……!!) そう心中で呟きつつ飴姫は服に仕込まれた水飴を両腕に纏わせ……、 「クキェーッ!!」 「がはっ!」 次の瞬間、先程までルイズ・ナックルスターと退治していた禿頭の男が、背後から曲刀で飴姫の体を袈裟懸けに切り裂いた。 「!?」 「きゃあああ!」 「!!」 「あいつはっ……!!」 「ごぼ~っ!」 ――ドサアッ 一撃の元に致命傷を負わされた飴姫は、吐いた血と共に前のめりに倒れ伏した。 「クックッ……、私はなあ……、被害妄想がかなり強い方でなあー……。何人かが集まっていると……、『私を陥れるための相談をしている』と考えてしまうんだなあ。だが今回に関してはあながち妄想とは言えないはずだ」 地面に倒れた飴姫の体を曲刀の切っ先でつつきつつ語る、禿頭の男。 「なあそうだろ、サタニスター。お前は私の恥ずかしい過去を知ってる人間だものなあ……」 「………!!」 ルイズ・ナックルスター・シエスタの3人は目を見開いた。 その視線の先にあったのは禿頭の男ではない。 「どうした、サタニスター。逃げないのか? 逃げてもいいんだぞ、先刻のように。ただし私はどこまでも追いかける。秘密を知っている者を生かしては――」 「消えてください……」 そっと忍び寄ってきたカトレアが、禿頭の男を羽交い絞めにして口を塞ぐ。 「男の方に用はありません。私は女の子の肌に触れたいのです……。邪魔をしないでください」 「ぎっ……、ぎゃあっ!?」 ただそれだけで禿頭の男の顔と右肩から白煙が上がり始める。 「わからないでしょう……、私の望みは誰にもわからないでしょう……!!」 「!?」 「あれはっ!?」 「奴の技ですっ!! 私も見るのは初めてですけど……、おそらくは何かの毒素!!」 「お……、おおお~っ!!」 ルイズ・ナックルスター・シエスタが会話している間にも、禿頭の男の風化は進んでいく。 「奴はそれを使って私と戦っていたメンヌヴィルを消しています!!」 ――ドゴオ! 「!!」 倒れていた飴姫の腕が大きく振られ、液状の刃が白骨化した禿頭の男を両断し背後のカトレアまでも深々とえぐった。 「ちくしょう、忌々しい! ハゲ野郎も包帯女も……。いつもこうだ……、あたしの周りはあほな奴ばっかり……。メンヌヴィルは変身すると知能が下がるし……、サイトは機械でできた高校生……」 最後の力を振り絞っての一撃を加えた飴姫は、口から血を吐きつつもルイズ・ナックルスターを睨みつけた。 「……あほな奴に囲まれてた点は同情するわ。あんたが招いた事態とも言えるけど」 「……死んだ後に祈りが必要かい?」 ルイズ・ナックルスターが真顔で問いかけるも、 「サタニスター……!! てめーみたいなインチキシスターが……『祈る』だと……!! てめーを狙えばよかったよ、ど畜生があ~っ!! ごぼおお~っ!!」 口内から溢れる血にも構わずそう吼えた後、飴姫は力尽きた。 だが2人は地面に倒れた飴姫に視線を向ける事無くカトレアを一瞥し、 「……もっとも」 「今は祈ってやる余裕なんて無いようだけど……」 カトレアは感情が読み取れない視線を向けつつ、ゆっくり3人に向かっていく。 「貴女がサタニスターですか……。悪魔寄りのシスター……、殺人鬼を狩るのが貴女の専門らしいですね……。貴女達は私を……、このカトレアを『狩る』つもりなのですか……!? 『何もしていない』この私を……」 「ああ!? 『何もしていない』!?」 「あんた、寝言は寝てから……!!」 憤怒に満ちた2人の叫びを遮りカトレアは、 「私はただ触るだけです。病人が他人に触れば人殺し扱いですか」 「……!!」 そしてカトレアは語り始める。業病に冒された自身の孤独な半生を……。 カトレアは6歳の時から今の病気に侵されていた。 学校はすぐに追い出された。彼女の姿をからかった同級生に触って死なせたからだ。 その後アカデミーの研究材料となって、食事とベッドだけは確保できた。本や玩具も与えられた。 だが彼女にとって食事や娯楽は人生の一部に過ぎなかった……。 彼女の本当の望みは、少女と触れ合う事だった。 「性欲を前提に言っているわけではありません。私が望むものは人の肌の温もり。でも私が触った人は死んでしまう……。罪も無い人を自分のわがままで死なせるのはいけない事だと世間は言うでしょう。では私はどうすればいいのですか?」 飴姫によってえぐられた腹部を押さえつつ、カトレアは呟きつづける。 「私は1つの結論に達しました。『罪のある人を死なせるのならどうでしょう?』と……」 「……!!」 「あんた……」 「まさか……!!」 言葉の意味を察した3人の呟きを肯定するかのように、カトレアはにやりと目だけを笑わせる。 「ハルケギニア最強殺人鬼決定戦は、私にとってまたと無い機会なのです!! 集まる人は全て罪人、全員生きるに値しないクズ同然の人達です!! サタニスター!! あなた達も同様です!! 殺人鬼を自分の感情に任せて殺しているあなた達もね!!」 カトレアはそう叫ぶと猛然と3人に向かって突撃してきた。 「私を同列に見なそうというの、カトレアとやら!!」 殺人鬼と同類扱いされた怒りに任せ、ルイズは素早く回し蹴りをくり出した。 しかしカトレアはそれを上手くかいくぐり、ルイズめがけて手を伸ばす。 「ミス・ヴァリエール、下がって!! 肌に触れられたら一巻の終わり……!!」 シエスタの警告を後目に、ルイズは唾をカトレアの顔面めがけて吐きかける。 「!!」 唾が目に入り、一瞬カトレアは狼狽する。 その一瞬の隙を見逃さずルイズは、 「下がりな、カトレア~っ!!」 ――ドゴン! ドゴン! 杖をカトレアに突きつけて呪文を詠唱、容赦無く爆発を彼女に浴びせた。 ――ドッシャア 右腕が肩からちぎれ、頭部も少なからず吹き飛んだ無残な姿でカトレアは地面に倒れ込んだ。 「ミス・ヴァリエール……、杖……、持ってたんですか!?」 先端から白煙を上げる杖を持ち直したルイズに、シエスタは驚愕の表情で尋ねた。 「ええ」 「持ってるなら何で初めから使わないんですか~っ!!」 「いやあ、これ使ったら負けかなって思ってたんだけど、ほんとに負けるくらいなら使うわ。持ってて、シエスタ。安心したら葉巻吸いたくなった」 「ぼっはあ~っ、うめ~っ」 「ああ、今度はウイスキーかアブサン呑みたくなってきたわ……」 倒れたカトレアを眺めつつ、ルイズ・サタニスターは口から葉巻の煙を吐き出していた。 「何でそんな体に悪いものばっかり……」 「有害なものほど魅力があるって事さ」 「肉だって脂っこい方が美味しいでしょ」 「……死にますよ、お二人とも……」 そこまで言ってシエスタはふと悲しげに顔を俯かせる。 「でも……、ミス・カトレアは何だか可哀想です……」 「何ですって?」 「だって健康な体に恵まれてさえいれば……、違う人生を歩んでいたはずですし……、ミス・ナックルスター達とも戦う事にはならなかったのでは……!?」 その言葉を遮り、ルイズはシエスタの胸倉をつかんだ。 「いい、シエスタ……、不幸は誰でも背負ってるわ。腐った奴は大概そういう自分の不幸を言い訳に使うものよ。不幸を負いながら真面目に生きてる奴がいるにもかかわらずね!! その差はどこにある?」 「取り返しのつかないワルになるまでには、確実に本人の意思決定があったのさ」 「でっ、でも……、ミス・カトレアの負ってた不幸の重さは他の人とは次元が違うのでは……!!」 「私だったらやっぱり耐えられなかったと思います!! 世の全てを憎んでいたと思います!!」 3人が言い争っている時、突然カトレアが目を見開いた。 「じゃああたしはどうすりゃよかったって言うんだい!!」 「あいつに同乗して、命を捧げればよかったのかしら!!」 ルイズ達が自分に目もくれていない事を確認して、ゆっくり起き上がるカトレア。 「そんな事言っていないではないですか!! 彼女は敵でしたし、戦わなければ私達がやられていました!! 倒すべきでした!! でも……!!」 「悲しい人でした……。彼女の事を……、今まで倒してきた殺人鬼達と同じに考えるのは何か違うと思います……!!」 「同じに考えてくれてもいいのですよ……。なぜならあなたも『犠牲者』となるからです」 突然の声に振り向いたシエスタの目の前には、瀕死の状態になりながらもよろめきつつ接近してくるカトレアの姿があった。 「最後の犠牲者……、私が人生で最後に触れる女の子の肌……」 「カトレア!?」 「まだ生きて……!! 化け物か!?」 3人が行動を起こすより早く、カトレアは袖に覆われた腕でシエスタの首を押さえ込んでルイズ・サタニスターを制止させる。 「動かないでください、2人とも!!」 「ひっ!!」 「!!」 シエスタの手からルイズが持っていた杖が落下するが、拾う事を許さない気迫を込めてカトレアは2人を睨みつける。 「私は……じきに死ぬでしょう。このダメージでまだ意識があるのは投薬の副作用でしょうが……、長くはもちませんね。でも最後に……、あと1度だけ少女の肌を……!!」 「シエスタ!! 逃げ……」 声を上げるルイズ。 しかし予想に反して、カトレアはただ自分の掌を虚ろな視線で眺めているだけだった。 「………!?(ど……、どうして触らないんですか……? 触ってほしいわけじゃありませんけど……)」 「私は……、何て愚かな女だったのでしょう……。自分が本当に望んでいるものがわからなかったとは……!!」 「え?」 「行ってください」 そう言ってカトレアはシエスタをルイズ達の方に突き飛ばす。 「あいたっ」 「シエスタ!」 自分に突き飛ばされて転倒したシエスタがルイズに助け起こされたのを確認したかのように、カトレアは呟きつつくずおれる。 「女の子の肌の温もり……。しかしいくらそれを得たところで……そこに相手の心はありませんでした。私が本当に欲しかったのは……、たった1人……、たった1人の理解者……ごぼっ! 1度だけ出会えれば……それでよかったのです……」 切れ切れにそう言う途中で、カトレアの口から鮮血が吹き出る。 「………!!」 「私のコートのポケットに……メダルが入っています……。持っていってください……。枚数は十分にあります。私には……、もう……必要ありません……」 そう言い終えたのを最後に、カトレアはぴくりとも動かなくなった。 「……ミス・ナックルスター、ミス・カトレアのために祈ってくれませんか?」 「ええ。でも飴姫みたいに拒まれてないといいけどね」 「……素直じゃありませんね」 「ミス・カトレアは拒まないですよ。私が言うんだから間違い無いです」 前ページ次ページゼロニスター
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884 :シエスタと小さな才人 ◆mQKcT9WQPM :2007/05/29(火) 03 09 42 ID HqL27GUU 「いいわ。アンタに覚悟があるならやったげる…!」 「こっちの台詞」 二人のメイジはお互いにガンを飛ばしあい、お互いに杖を構える。 その杖の先を、メイドが指でつまむ。 「室内で魔法合戦するなって…」 シエスタは俯きながらそう呟く。妙な迫力がその言葉には篭っていた。 ルイズもタバサも必死に杖を取り戻そうとするが、びくともしない。 指先でつまんでいるだけなのに。 「なんべん言えば気が済むんですか?お二人とも」 言ってシエスタは顔を上げる。 貼り付けたような笑顔が凄みに拍車をかけていた。 「ちょ、離してよシエスタ!こいつとは決着をつけなきゃ」 「離しなさい」 しかしシエスタはそんな二人の言葉に、にっこりと微笑んで。 「サイトさん巻き込んだらどーするんです! …ちょっと頭冷やしましょうか?お ふ た り と も」 言って、まるで魔法のように二人の杖を絡め取って、開いた窓から放り出す。 そして杖を取られて一瞬呆けた二人を、そのまま同じように窓から放り投げた。 「え」 「あ」 二人がその事実に気が付いたのは、空中に放り出された後だった。 「地面とキスして頭冷やしてらっしゃい♪」 「「あひゃぁぁぁぁぁぁ」」 シエスタが軽く手をはたくと同時に。 地面になにか重いものが激突する音が二つ、響いたのだった。 885 :シエスタと小さな才人 ◆mQKcT9WQPM :2007/05/29(火) 03 11 09 ID HqL27GUU 「さーてとお」 邪魔者は排除しましたし、それでは…。 私が振り向くと、サイトさんはデルフさんを鞘から抜いてテーブルに斬りかかるところだった。 …ちょっとまって! 「あ、危ないっ!」 慌てて止めるけど遅かった。 がつっ! 鈍い音をたてて、デルフさんが頑丈な樫の木の円卓に食い込む。 「あーいぼぉー。鉈の真似事はイヤだって言ってんじゃんかよぅ」 「なたってなにー?」 サイトさんが子供になっているせいで、力がなくて切れなかったみたい。 …じゃなくてっ! 「何してるんですかっ!危ないじゃないですかっ!」 私は慌ててサイトさんに駆け寄る。 私の声にサイトさんがびくん!と震える。 …悪い事したって自覚はあるみたいですね? 「ほら、その剣貸してください」 そう言って手を出すと、サイトさんはデルフさんを円卓からすこんと外して、素直に渡してくれた。 「…ごめんなさい」 そして涙目で謝ってくる。 くぁー。可愛いですっ。 で、でも、ここは大人としてちゃんとケジメはつけないと。 「どうして剣なんか振り回したんですか?」 理由も聞かずに怒るのは躾にならないって、お婆さんが言ってたし。 そうすると、サイトさんは。 「ふりまわそうとしたんじゃないよ。 もちあげたらおもくてたおれちゃったんだ」 なるほど。さっきのアレは持ち上げようとしてたんだ。 とりあえず、理由も分かった事だし。 「もう、危ないからこの剣は触らないようにしましょうね?」 「えー?」 「えー?」 …デルフさんが不満そうにサイトさんに合わせる。 だまらっしゃい喋る万能包丁。 私は不満そうなデルフさんを鞘にしまって壁に立てかける。 しまう際に何か言ってた気がするけど無視します。 さ・て・と。 「サイトさーん♪…ってあら?」 振り向くともうすでに、そこにサイトさんはいなかった。 886 :シエスタと小さな才人 ◆mQKcT9WQPM :2007/05/29(火) 03 12 06 ID HqL27GUU 「わーい!」 声は、廊下から聞こえた。 って!薄い上着一枚しか着てないのに! 慌てて声のする方向に駆け出す。 廊下に出ると、階段の方に向けて駆けていく小さなサイトさんが見えた。 ま、待って!あんな格好で外に出る気? とか思っていると違った。 サイトさんは足をつるんと滑らせて転んだ。 …そういえば、廊下お掃除したばっかりでしたっけ。 そして、そのままの勢いで廊下を滑る。 あ、あの方向は! がっしゃぁん! 廊下の隅っこに置いてあった、水の入ったバケツに激突して。 ばっしゃぁ! 頭から、バケツの水をかぶってしまった。 「うえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ」 泣きじゃくる子供サイトをあやしながら、シエスタは中庭にいた。 「もう少し待っててくださいね、すぐお風呂沸きますから」 そこは才人の作った大鍋の風呂のある場所だった。 シエスタはべとべとになった才人の服を脱がせると、タオルで包んだ。 子供とはいえ裸でうろうろさせるわけにはいかないし、なによりバケツの水は不潔だった。 しかし才人本人にかかってしまった分はどうするわけにもいかず、才人の作った大鍋風呂に入れることにしたのだった。 才人は最初は泣きじゃくっていたが、シエスタが火をおこして湯を沸かすのに興味を持ったらしい。 「ねーねー、これなにー?」 火の加減を見ているシエスタのメイド服の裾をくいくいと引っ張りながらそう尋ねてくる。 「これはね、お風呂よ」 シエスタの回答を聞いた才人は、首をかしげる。 「おふろ?おふろはもっとつるつるしてるよ」 三歳の才人は、現代日本の合成樹脂のお風呂しか知らない。 だから、この大鍋のお風呂を見ても、それを『おふろ』とは認識できていなかった。 シエスタはくすりと笑うと、こう返した。 「でも、これはあなたが作ったんですよ」 「えー?うそだー」 三歳に退行している才人は、それ以前の記憶がない。 シエスタはそれを思い出し、にっこりと微笑む。 「まあ、そのうち思い出しますよ。 さ、そろそろいいころですよ」 シエスタはそう言って、才人を捕まえる準備をする。 この時期の男の子というものは、すべからくお風呂が嫌いだからである。 しかし。 887 :シエスタと小さな才人 ◆mQKcT9WQPM :2007/05/29(火) 03 13 39 ID HqL27GUU 「わーい、おふろー!」 どっぽぉん! 盛大な水しぶきを上げて、才人はタオルを脱ぎ捨てて湯船に飛び込んでいた。 どうやら才人は、世にも珍しいお風呂好きのお子様のようであった。 そして、湯船の前で湯加減を見ていたシエスタは、飛び散ったお湯をひっかぶって濡れてしまったのだった。 「あー、べたべた…」 ぐっしょり濡れたシエスタを見て、才人は湯船の端から顔を出しながら言った。 「おねえちゃんもいっしょにはいろー」 言われずとも、元々そうするつもりであった。 こうなったからには、服を乾かすついでに一緒にお風呂に入ってしまおう。 シエスタはそう決めると、さっさと服を脱ぎ、風呂の脇に干すと。 才人の待つ、湯船に入ったのだった。 「わーい、いいおゆー」 才人は嬉しそうに湯船でバタ足などしている。 「こらこら、湯船で泳いだらいけませんよ」 シエスタはそんな才人を捕まえて抱き締める。 「やだ、およぐー」 腕の中で不満そうにする才人の額を、シエスタは指で小突いた。 「お風呂で泳いだらめっ、ですよ。 お風呂はつかるものです」 「…うちのママは『おふろにさんにんまでならおよいでもいい』っていってたもん」 …どういう教育してるんですかサイトさんのお母さん。 腕の中から逃げ出そうともがく才人を、シエスタは強く抱き締める。 すると、小さな才人の頭はシエスタの胸の谷間に埋まってしまうわけで。 「むぎゅ」 「おうちはおうち、ここはここ、ですよ」 「むー」 才人は少し不満そうにしていたが。 むにゅむにゅ。 シエスタの胸に埋まったまま、唐突にシエスタの胸を揉みだした。 「…なにしてるんですか」 「いいにおいー。やわらかーい。 おねえちゃんママみたいだ」 才人はそう言ってシエスタを見上げてにっこり笑う。 その笑顔はあまりに無邪気で屈託がなく、シエスタの母性をこれでもかと刺激した。 「…もう。しょうがない子。 いいですよ、サイトさんの好きにしてください」 888 :シエスタと小さな才人 ◆mQKcT9WQPM :2007/05/29(火) 03 14 36 ID HqL27GUU シエスタが優しく才人の頭を撫でると、才人は、すぐに望みを言った。 「…おっぱい、すっていい?」 その言葉に、シエスタは赤くなったが、すぐに頷いた。 「いいですよ。ママのおっぱいだと思って、好きなだけどうぞ…」 シエスタの言葉に、才人はにっこり笑うと。 硬くなってきたシエスタの右の乳首に、吸い付いた。 そして、小さな両手で乳房を掴み、乳首をちゅうちゅうと吸い上げる。 シエスタの身体の奥に、いつもの愛撫によって感じる電流とは違う、甘い痺れが走る。 まるで、胸の奥から、何かが溢れてくるような感覚。 その間にも、才人は乳首を吸い上げ、時には歯で甘く噛み、手で乳房を揉みあげる。 「はぁ…ぁ…」 湯船の温度と湿気、そして軽い快楽の電流に翻弄され、上気したシエスタの喉が艶を奏ではじめる。 ソレと同時に。 じわ… 開いた左の乳首の先端から、何か乳白色のものが出てきた。 「…え?」 それは母乳だった。 どうやら才人の吸っている右側からも出ているらしく、才人は先ほどより念入りに、シエスタの乳首を吸い上げ、甘噛みしている。 さきほどの感覚の正体は、これだったのだ。 …そ、そんな…。私まだ、妊娠してないのに…。 それでも、左の乳首から零れる母乳で、湯船に白い斑が浮かぶ。 それと同時に。 シエスタの身体は、愛撫の時とは違う、放出の快楽を感じ始めていた。 「やだ…私…。 おっぱいあげながら…感じてるの…?」 才人の吸い上げと、自分の放出で感じる身体に、戸惑いを覚えるシエスタ。 …こんなんじゃ…赤ちゃんできたときに…。 おっぱいあげるたびに、えっちな気分に…。 じゅるるっ! 才人が一度に大量の母乳を吸い上げる。 「あ、ひぃ…! だめ、いっちゃう、私、おっぱいでぇっ…!」 シエスタはその吸い上げに耐え切れず、達してしまった。 889 :シエスタと小さな才人 ◆mQKcT9WQPM :2007/05/29(火) 03 15 36 ID HqL27GUU 目を覚ますと俺はどこかの部屋のベッドの上にいた。 …ここはルイズの部屋じゃないな。 調度品がすっごい質素。『魅惑の妖精亭』の屋根裏部屋をほーふつとさせる部屋だな。 …ていうか。 変な夢を見たなぁ。 小さくなって、シエスタと一緒の風呂に入る夢。 しかも俺、シエスタのおっぱい吸ってんの。 …言っとくけど俺にそういう趣味はない。赤ちゃんプレイとか範疇外ですさすがに。 なんて考えてると。 ぎぃ。 部屋の扉がきしんだ音をたてて開いた。 そこから現れたのは、シエスタだった。 いつものメイド服じゃなくて、簡素な寝巻きを着てる。もう夜なのか? 俺は、夢のせいもあって、ちょっとこっぱずかしくてシエスタをまともに見れない。 そんな風にしていると、シエスタが歩いてきて、ベッドの隅に腰掛けた。 「…あの」 俺がどう声を掛けたもんか思案していると、シエスタの方から声をかけてきた。 なんだろう? 「…お、おっぱいが」 へ?おっぱいがどうしたんだ? シエスタは赤くなりながら続ける。 「おっぱいが、張って、苦しいんです…」 へ?ど、どういう意味っすかシエスタさん? 呆気に取られる俺の前で、シエスタはその薄黄色いワンピースの寝巻きの胸元を、がばっ!と開いた。 するってえとシエスタのぽよんぽよんがぽろんとこぼれるわけで。 でも。 シエスタのそこはいつもと違っていた。 いつもより大きくなった乳首の先端に。 乳白色の液体が、こぼれ出していた。 え?ナニコレ?マジミルクですか!? 俺が驚いていると、シエスタは続けた。 「さ、サイトさんが、吸ってください…。お願いします…」 そしてシエスタは、俺に向けてミルクがこぼれるおっぱいを、両手で持ち上げて突き出してきた。 訂正。 赤ちゃんプレイ大いに結構。 だって俺おっぱい大好きだからっ! それでは、いただきまーーーーーーーーーす!〜fin *追伸* シエスタのミルクが収まったあと、才人は逆にミルクを搾り取られたらしい。
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前ページ / ゼロと聖石 / 次ページ 虚無の曜日。 中庭にテーブルと椅子を並べてお茶会としゃれ込んでいる。 シエスタが給仕をし、皆で談笑を続ける。 そこで、私は疑問に思っていたことを口にした。 「ねぇ、シエスタってメイジくらいなら余裕で倒せる気がしない?」 その言葉にタバサとキュルケが同意する。 風のラインスペルでようやく持ち上げられるような重りがついた棒を振り回し、 デルフリンガーの効果で飛来する魔法を叩き落し、お返しとばかりに剛剣技で反撃してくる。 しかも、冥界恐叫打で杖破壊されたら完全に無力化できる。 やばい、相当な数で襲い掛からないと絶対倒せない。 しかも最低ラインがトライアングルで。 当の本人は否定していた。 そりゃそうだろう、この世界においてメイジは最強だと言われ続けている。 シエスタを目の前にした私達に言わせて見れば、ミスター・ギトーの発言と同じだ。 そこで面白いことを思いついた。 「じゃあ、模擬戦やりましょ? 私達もシエスタも自分がどういう風に技術を伸ばせばいいか分かるでしょ?」 シエスタ以外が同意。 キュルケは杖を素振りし、タバサは本を閉じる。 私も作っておいたエーテルを飲み、リレイズを全員に掛ける。 シエスタも仕方が無いと言った感じで準備してきますと部屋へ戻っていった。 フーケ討伐の時ですら見せなかったフル装備がついに見られるのか? そう思ってワクワクしながらヴェストリの広場で待つ。 そういう私も出来る限りの装備を整え、キュルケは破壊の魔銃まで持ち出している。 タバサは以外にも杖以外はいつものまま。 シエスタが出てきた。 頭全体を覆う兜に、がっしりとした作りの鎧。 腰にはデルフが差してあり、左手には見たこと無いつくりの盾を持っている。 手には薄手の皮手袋、全身に闘気をみなぎらせてこちらに向かってくる。 これに遭遇したらメイジでもドラゴンでも逃げ出すわ。 「さて、一対一でやるんでしたね。誰からいきますか?」 全員が固唾を飲み込み、キュルケが一番手を名乗り出た。 ―――キュルケの場合――― 開始の合図と共に片手でグレイシャルガンを連射。 シエスタはそれを避け、デルフで弾きながら進む。 その間に一つ仕掛けをし、グレイシャルガンを射撃。 そこで、シエスタはとんでもない手段に出た。 放たれた魔力弾を、 「チェストォオオオオ!!」 両手で挟んで止めた。 「「な、なにそれーーーーー!!!」」 図らずともキュルケと同じタイミングで叫び声をあげる。 そう、目にも見えない魔法の弾丸を、両手で挟んで止めた。魔法すら発動させずに。 そのまま一気に距離を詰めようとして、シエスタの足元が爆発した。 「成功! こういうときのために開発しておいた土と火と火のトライアングル、トラップファイヤ!」 爆煙が晴れ、そこにシエスタの黒焦げになった姿が―――無い。 と思った瞬間、太陽が一瞬陰る。 一瞬その方向に目が行き、全てを理解し、キュルケに叫ぶ。 「その場所からはやくはなれて!!」 キュルケはその言葉が聞こえる一瞬前にそこから飛びのいた。 次の瞬間、そこにデルフが突き刺さっていた。 約10メイル、上。そこで何かを投げたようなシエスタがいた。 重力に引かれる形でシエスタが着地、デルフを引き抜いてキュルケに突きつける。 「トラップファイヤの発想はよかったですが、それを切り札にするんじゃなくてもう一手必要ですね」 キュルケ、敗北。 ただし、収穫は大きかった模様。 ―――タバサの場合――― まず牽制にウィンディアイシクルを山ほど出して順次射出。 それをシエスタがデルフで弾きながら前進。 ここでタバサが突撃。 杖に氷を纏わせた氷と氷のラインスペル、アイスブランド。 それを振りかぶって突撃。 シエスタはそれに気が付くと盾で受け止め、デルフで切ろうとする―――が受け止められる。 タバサの反対の手には氷のラインスペル、アイスシールドが張られていた。 どうやら接近戦の練習を行うようだ。 シエスタが攻撃するのにあわせてタバサがそれらを防ぎ、あるいは反撃する。 膠着状態かと思った瞬間、シエスタが驚きで目を見開く。 タバサのアイスシールドが変化し、今まさにシエスタを突こうとしている。 瞬間的にシエスタは盾を放り投げる。 右手はアイスブランドで止められている。 そんな状況で何をするのかと見ていると、鎧の内側から一本の剣を逆手で抜き、その一撃を弾いた。 更に追撃で盾の部分を一瞬で切り裂き、首元に剣を当てる。 「接近戦慣れしていないメイジには有効です。今度はお互い本気で戦いましょう?」 その言葉にタバサはうなずき、シルフィードの待つ木陰に歩いていった。 ―――ルイズの場合――― 真っ先にマバリアを使用し、シエスタの突撃を待つ。 速度を計算し、詠唱を調整。 「地の砂に眠りし火の力目覚め、緑なめる赤き舌となれ! ファイラ!」 行動自体はキュルケのトラップファイヤと同じ。 しかし、絡みつく炎がシエスタを阻害し、飛ばせない。 デルフで炎自体を無効化したのを確認すると、テレポでシエスタの背後を取るように跳ぶ。 「身の盾なるは心の盾とならざるなり! 油断大敵! 強甲破点突き!」 強甲破点突きが私の腹部に命中、しかし、前と違って服が破壊されない。 アルテマの知識にあったメンテナンスが役に立った。 お互い有利になるようなポジションを求めて跳び、跳ね、あるいは走りだす。 その間にも相手を牽制するかのように飛び交う魔法に剛剣。 その状態を崩してしまったのはルイズだった。 牽制のために放ったサンダラが外れ、シエスタに接近させるチャンスを与えてしまう。 そして私は接近してくるシエスタに――― 決着だけで言うと、私はシエスタに勝った。 勿論見直す点も多く、シエスタも精進が必要ですと笑っていた。 こうして、私達の昼下がりは過ぎていった。 この経験が、あのワルドとの戦いに役に立つなんて思ってもいなかった。 ともあれ、私達はいつもどおりの休日を過ごすのだった。 前ページ / ゼロと聖石 / 次ページ
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前ページ次ページZero ed una bambola ゼロと人形 前回の簡単な話のまとめ 残った3人の衛兵を抹殺するために歩き出したアンジェリカは手始めに事の最中だった衛兵とメイドを殺す。 異変に気付いた衛兵の一人を射殺し、もう一人に手傷を負わせた。傷を負った衛兵はモット伯へ助けを求めに走り出し、アンジェリカはそれを追跡する。 一方のシエスタは今まさにモット伯の手により、純潔が奪われんとしていた。しかし、そのとき激しく扉が開かれるのであった。 「モット伯様!敵が!侵入者……」 右手の指を失った衛兵が恐怖に駆られて部屋に雪崩れ込む。それと同時に小鳥の飛び立つ音と共に少女が舞い踊る。その飛び立つ音は天使の羽音か死神の足音か。血飛沫が舞い上がる。 命の華を奪い、降りかかる血飛沫を全身に受け止め、白き頬を朱に濡らし、AUGを床に捨て背中に括りつけたデルフリンガーを引き抜くと、シエスタの上に乗りかかるモット伯へと踊りかかる。 モット伯は呆然とそれを見送る。小さな死神の少女から振り下ろされる死の一撃、ゆっくりとゆっくりと迫りくる。強い衝撃、視界が反転、どさりと崩れ落ちる。 どさりと崩れたモット伯。激しい痛みと薄れる意識の中、最後に見たものは女の柔らかな乳房だった。 ニヤリと表情を歪めた。 シエスタの胸の上に崩れ落ちたモット伯は頭の中身を撒き散らす、そう彼女の体に・・・。 シエスタにとって幸運だったのは深く目を閉じていたことだろうか、モット伯の頭が砕かれる瞬間を見ずにすんだのだから。 シエスタにとって不運だったのは閉じた瞳を開けたことだろうか、自らの体に毀れ落ちる「汚物」を見てしまったのだから。 悲鳴すらあげることはできない、ただ嫌悪感と恐怖感に苛まれ、歯をカチカチと震わせ必死にそれを体から除けようとする。 しかし足掻けば足掻くほど、それから様々なものがこぼれ落ち、シエスタの体を赤く汚す。 アンジェリカはそれに見向きもせず、デルフリンガーについた血を拭おうともせず、そのまま背中に括りつけた。ぽたぽたと血が滴り落ちている。 おもむろにシエスタに向き直ったアンジェリカはシエスタの腕を掴み、モット伯の下から引きずり出す、そして床に叩きつけた。 背中から床に落ち、肺から空気が押し出され、意識が遠のく。 アンジェリカはそんなシエスタを尻目に床に捨てたAUGを手に取る。 「あと一発・・・」 そう静かに呟くアンジェリカ。視線をシエスタに向ける。 「Arrivederci」 そう呟く声で意識を取り戻したシエスタが目にしたのは、床に倒れている自分にむけて、何かを突きつけているアンジェリカの姿だった。 何か言おうと口を開けるが声が出ない。空ろな瞳がシエスタを射抜く。 そして引き金に指がかかる。 「やめろ小娘!」 今まで黙っていたデルフリンガーがアンジェリカの背中で一喝する。だが無常にも引き金は引かれてしまった。 デルフリンガーの叫びにより、わずかにずらされた銃口から放たれた弾丸はシエスタの頬を切り裂いた。 銃声にアンジェリカの背がピクンとはねる。 「あれ?シエスタちゃんどうしたんですか?」 何事もなかったかのように語りかける。シエスタは何もいえず、ただ歯をガタガタと鳴らすしかなかった。 「悪い人は全部殺しました。帰りましょう」 笑いかけてくるアンジェリカ。恐怖以外の感情が浮かばないシエスタ。差し伸べる手を払いのけ、後ろ、後ろへと這いずり逃げる。 「何遊んでいるんですか?」 アンジェリカはプゥッと頬を膨らませながらシエスタに近づく、そして壁際に追い詰める。 「い、いや、いやぁぁあ!」 ようやく絞りだせた声はあきらかな拒絶の意思、アンジェリカはそれを意に介さずシエスタに手を差し伸べる。 恐怖に身を固めるシエスタ、股間を濡らす。アンジェリカの左手がシエスタの右腕を掴む。掴まれた右腕がメキメキと音を立てる。 「ひぎぃ!痛い、痛いよぅ。お願い、お願いします。もうやめてぇ」 涙を流しながらアンジェリカに懇願する。アンジェリカはさらに力を込める。 ずるずるとシエスタを引きずりながら歩くアンジェリカ。シエスタはただ嗚咽を繰り返すのみ。 「駄目だ。もう何も見えちゃいねぇ」 ぽつりとデルフリンガーが呟く。だがその呟きは咽び泣く声にかき消され、誰にも届かない。 こうして王子様は悪のドラゴンを討ち滅ぼし、囚われの姫を助け出したのでした。 パキンと何かが折れる音、そして悲鳴が屋敷に響く。 めでたしめでたし Episodio 12 Una fine, operazione di sterminio 閉幕、殲滅作戦 前ページ次ページZero ed una bambola ゼロと人形
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前ページ次ページユリアゼロ式 「お手伝い?」 「はい! 私、今までシエスタさんにはお世話になったからその……シエスタさんのお役に立ちたいんです!」 朝の起き掛けにユリアはルイズにシエスタのお手伝いをしたいと申し出たのだ。 「ふーん……まあ私もシエスタにお世話になってるし、いいわ手伝ってきなさい。でも迷惑をかけちゃだめだからね。」 「はい、もちろんです!」 ユリアは嬉しそうに敬礼した。 「お手伝いですよね……うーん……」 「お願いします! どうか私と一緒に……!」 ユリアは両手をあわせて頭を下げた。その姿を見てシエスタは思わず微笑んだ。 「わかりました。じゃあ一緒に昼食でも作りましょうか」 まずは食材を洗ってから材料の切り出しに取り掛かる。 シエスタは慣れた手つきで材料を切っていくのに対しユリアも上手く皮むきを行う。 ただ、ユリアは皮むきしかする事が出来ないのだが、その皮むきを一生懸命に行う姿は何か心にくるものがある。とシエスタは感じていた。 『ユリア100式マニュアル ダッチワイフであるユリア100式は皮を剥くのとコスるのは得意なのだ!』 調理が一段落ついたところでユリアはシエスタに聞いてみることにした。 「そういえば、一つ気になっていたことがあるんですけども……」 「はい、なんでしょうか?」 「シエスタさんのおじいさんってどんな人だったんですか?」 「それは………」 話が少し長くなるかもしれないから。とシエスタはユリアにはしばみ茶を淹れてくれた。ユリアもそれを口にする。 「おじいちゃんは私によく服を作ってくれました。 それを私によく着させてくれたんですけど、でもおじいちゃんが本当にやりたかったのはそういう事じゃなかったんです。」 「……シエスタさんのおじいちゃんがやりたかった事ってどんなことだったんですか?」 「この前お話したかと思いますが……ダッチワイフを作ることだったんです。」 ユリアは口に含んでいた茶をシエスタの顔面に思いっきり吹いた。 「すいません! びっくりしちゃってつい……」 「いえいえ、驚かれるのは普通のことだと思いますよ。茶を吹かれるのは予想外でしたけど。」 シエスタとユリアは一旦コップの中にあるはしばみ茶を全て飲み干し、喉が渇いたら一旦休憩して、決して話している途中に口に何かを含まないようにした。 シエスタの頃には祖父はダッチワイフ作りを断念し、村の小さな娘達に服を作ってあげるのに専念していたそうだ。 「その時、細かい嗜好の差はあれどそれは二次元の中だからこそ許されるものであって、 二次元がないこの世界だからといって肉親の立場を利用して三次元に手を出しかけている自分の浅はかさが恨めしい。と言ってよく私に服を着せてあげながら嘆いていたんです。」 「ちょ、ちょ、ちょっと待って下さい! いっ、今『二次元』って」 「はい。言いました。私もよく意味はわからないままなんですけど………」 「いいか、シエスタ。世の中にはリアル幼女に目を向けて興奮する輩どもがいるが俺はそういうのとは違うんだぞ。」 「うん。」 シエスタは料理上手な祖父が淹れてくれたはしばみ茶を飲みながら祖父の熱い話に耳を傾けるのが日課になっていた。 シエスタの祖父は彼女に対しロリ好きのオタクついて熱く語っていた。 「ロリ好きな人の中にも細かい嗜好はあってしかるべきだしそれは二次元で楽しんでこそ許されるものであって、 リアル幼女と触れ合えるというだけで嬉々とするこだわりのないオタクは嫌いなんだよ。」 「うんうん。」 よくわからない単語だらけでこれまで何十回と聞いた話であったが嬉しそうにシエスタは頷いた。 彼も嬉しそうに頷く。 「そうだなあ。俺のこういう話をまじめに聞いてくれるのはシエスタだけだよ。いやあ嬉しい、嬉しいなあ。」 祖父はシエスタの頭を嬉しそうに撫でた。シエスタも思わず目を細める。 「シエスタは大きくなったら何になりたいんだ?」 「私、おじいちゃんがいつも言ってる"メイドさん"になる!」 この時シエスタは8歳。この世界に身を投じることを早くから決心していたようである。 「でも、おじいちゃんの言ってる"メイドさん"と皆が言ってる"メイドさん"って何か違うような気がするんだけど……」 祖父ははしばみ茶を一口で飲み干してからこういった。 「いいかシエスタ。もしシエスタがメイドになったら自分に向けられる好奇や侮蔑、そういった視線に晒されて悩むかもしれない。 でも、この世界には絶対自分のことを大切にしてくれるご主人様がいるんだ。ご主人様に巡り会えたらその人を大切にしろよ。」 「……うん! なんかよくわかんないけどわかった!」 「そ、そうか……ははは………」 祖父は困ったように頭をかきながら苦笑したのであった。 「……で、今のシエスタさんがいると。」 「はい。確かに私のおじいちゃんは変わり者でしたけど、面倒見はいいし、料理は上手いし、裁縫も上手だし、村の皆からは好かれていたんですよ。」 どうやらシエスタの祖父は悪い人ではないらしい。 そうこうしてる間に昼食が完成した。 「わぁ………」 思わず感嘆の声を上げるユリア。シエスタも満足げに微笑んだ。 「これがおじいちゃん直伝の料理のヨシェナヴェです。」 中にはあの日本で寄せ鍋と呼ばれているものが入っていた。 鍋料理は食べたことが無いユリアだったがなぜか知らないが、懐かしさを感じていた。 「ご馳走様でした!」 「いえいえ。またいつでもいらしてくださいね。」 ヨシェナヴェの味は絶品だった。口の中に広がるダシ、食材の瑞々しい食感、身体の芯まで温まるような感覚。 今度はルイズさんにこの料理を作ってあげたい……とユリアは思うのであった。 「結局あのことはユリアさんでもわからなかったのか……っていうか教えてくれませんでしたし。」 シエスタは小さなため息をつく。 『シエスタ。俺はな、二次元の女の子と愛でるのが夢だったんだ。 でも俺はそれを叶えることが出来そうにない。 だけどもし、メイドロボやダッチワイフにお前が出会ったとしてもそれを軽蔑や偏見のまなざしで見るのはやめてくれ。 メイドロボやダッチワイフは性交渉で愛するだけが目的ではない。愛されることもまた目的なのだよ。』 「メイドロボとメイドの違いってなんなんでしょうかね?」 シエスタは一人そんなことを夕焼け空に向かってつぶやいた。 こはるびよりの村瀬貴也がシエスタの祖父 前ページ次ページユリアゼロ式
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234 名前:1/4[sage] 投稿日:2006/12/14(木) 02 11 56 ID WpvubORe 199の続き そのままシエスタが俺を押し倒す。 ここ数日禁欲していたという事実が、ルイズの太ももに当たっていた。 恥ずかしそうに目を反らすフリをしながら、一生懸命見ているルイズがいじらしくて…… グリグリ 「……ぁ」 ついルイズに押し付けてしまう。 恥じらい、サイコー。 もー 『カチン』 カチン、そう……カチン? 「あの……シエスタさん?」 俺の手には鎖が……あの……え? 「サイトさん、おいたが過ぎますからね」 両手を拘束した鎖をベットの柱に巻きつけるシエスタ…… 「え?……あの……シエスタさん?」 「さ、ミス・ヴァリエール脱がせますよー」 「うん」 俺のズボンに二人して手を掛ける。 余りの展開に混乱している間に、あっさりと…… (か、下半身が……涼しい……) 「ほーら、良く見てください」 「うわぁ……」 「ちょ……あの……」 し、死にてぇぇぇぇ 「気持ちいいと、こんな風になっちゃうんですよ、サイトさんって」 「?でも、まだ何もしてないわよ?」 せ……説明しないでぇぇぇぇ シエスタ……実は相当怒ってないか? そんな恐怖をよそに、シエスタの授業は続く。 「ほら、サイトさん変態ですから、見られるだけで気持ちいいんですよ」 「ちょっ、ちがっ」 「へー、そうなんだ……わかった」 まってルイズ……それは違うっ、違うぞぉぉぉ ルイズとシエスタにベットの上で馬乗りになられて、おっきしない奴挙手!! ………………………… ほーら、誰もいねぇぇぇ、俺は普通だぁぁぁ。 左右の足に一人づつ乗って俺の動きを封じながら、シエスタがゆっくりと唇を寄せる。 「……シエスタ……口……付けるの?」 不思議そうに聞くルイズに、息が掛かるほどの距離でシエスタが答えた。 「まだ……しませんよ、これはね……ほら」 シエスタの息が掛かるだけで、元気にビクビク痙攣し始めた俺をルイズに指し示す。 「サイトさんが変態な事を先に証明しようと思って……ね」 「ほんとだー、サイトのへんたいさん」 「ちょっと待てぇぇぇ、シエスタぁぁぁぁ」 絶叫する俺をシエスタが冷たい目で見下ろす。 「ほら、ミス・ヴァリエール……サイトさんって、こういうとき暴力的で我侭ですから気をつけましょうね♪」 「はーい、シエスタ」 け、結託してやがる…… シエスタがくすくす笑いながら、俺の服を捲り上げていく。 腕が拘束されている所為で、服が腕の途中で引っかかり視界を遮った。 「さ、ミス・ヴァリエール今度はここですよ」 どこだぁぁぁぁぁ 「はい、シエスタ」 ルイズも素直すぎだぁぁぁ 235 名前:2/4[sage] 投稿日:2006/12/14(木) 02 12 37 ID WpvubORe 「ほら……こうやって……」 シエスタがサイトの乳首を舐め始める。 「ちょ……まてっ、下、下ぁぁぁぁ」 下って何のことかしら? 「ミス・ヴァリエール、サイトさんは下半身を触って欲しいみたいですので…… 後回しです♪」 そゆモノなのね? 良く分からないけど納得したわたしは、シエスタを見習ってサイトの乳首を吸う。 「ほら、見てください、アレ」 シエスタが指差した先で、わたしには無いモノがビクビク震えていた…… 「アレが、ミス・ヴァリエールに入るんですよ?」 ……えっと 「無理」 どう考えても入る訳無い。 「えぇぇぇぇぇぇ」 この世の終わり……そんな感じでサイトが悲鳴を上げる…… 「い、入れたい……の?犬」 ドキドキしながら聞いてみる。 「はいっ、入れたいです、動きたいです、暴れたいですぅぅぅぅ」 そ、そうなんだ…… うれしい……が、頑張ろうかな? 「駄目ですよ、ミス・ヴァリエール、サイトさん調子に乗ると底なしですから」 シエスタ厳しい。 サイトの絶叫を聞きながら、サイトの身体を舌先で責め続ける。 ちろちろと舐めるだけで、全身を硬直させるサイトが可愛い。 指先でそっと、お腹を撫でるだけで身体が跳ねて、。 長い髪がサイトの胸を擦るだけで声が枯れるまで叫んだ。 シエスタと一緒に、延々サイトの反応を楽しんでいると…… 一時間ほど経った頃、泣き始めてた。 「……さ、触って……くれぇぇぇぇぇ」 股間が元気に動き回って自己主張していた。 「……まだ駄目?シエスタ」 ちょっと可哀想かも。 「じゃ、ミス・ヴァリエール、まずは……」 シエスタがサイトにいきなり噛み付いた。 「くぁっ……っっぅ……あっ……」 あれ……サイト痛そうじゃない? 「ひゃんでまひぇんぉ、みゅす・ふぁりひぇーる」 「えと……噛んでませんよ?」 サイトを咥えたままのシエスタが頷くと、サイトも同じタイミングで震えていた。 「なにこれ……おもしろーい」 236 名前:3/4[sage] 投稿日:2006/12/14(木) 02 13 10 ID WpvubORe シエスタがしゃぶるのを暫く眺めていた。 しゃぶるといっても、手もひっきりなしに動いていた。 根元の袋をにぎにぎしたり、先を舐めている間に残りの部分を握ったまま上下に擦ったりしていた。 口も負けじと奥まで飲み込んだり、音を立てて吸い上げたり…… じっとしていると思っても、ほっぺが揺れてて、口の中では凄いことになってそうだった。 「っで……」 サイトが何か言いかけた瞬間、シエスタが飛び退いた。 「さ、ミス・ヴァリエール、こんな感じですよ?」 「シ、シエスタァァァァァ、もっと……もっとしてくれぇぇぇぇ」 サイトが叫んでる。 ほっといていいのかな? 「いいの?」 ついシエスタにお伺いを立ててしまう。 「放っておきましょうミス・ヴァリエール、ちょっとやってみて下さい」 「う、うん」 いきなり咥えるのは怖くて、先をちょっと舐めてみる。 「あああああぁぁぁぁぁ、たりねぇぇぇぇぇ、もっとぉぉぉっぉ」 む、っとする。 何よ、犬の分際でわたしが……て上げたのに。 「うるさいっ、犬、おあずけっ」 わたしが叫んだ途端にサイトがピタリと黙った。 頭を一生懸命動かしてこちらを見ようとしていた。 「……い、今のルイズなのか?ルイズがしてくれたのかぁぁぁぁ」 ……あまりの喜び様に恥ずかしくなる。 「そ、そうよっ。何か不満でも有ったかしら?」 サイトが喜んでくれているのが分かったけど、わざと聞いてみる。 「いやっ、最高!!ルイズ最高!!もっと……もっとぉっぉ」 うわ……さっきまでよりもビクビクしてる……。 動かない身体を一生懸命私の押し付けようとしていた。 (もー、そんなにわたしが良かったの?) そう思いながら、続けようとしたけど…… 恐怖に凍りついたわたしは動けない。 「ルイズ……頼むよ、ルイズ……」 サイト……ばかっ、黙りなさい!! 視界の塞がれているサイトには分からなかった。 あたりが……黒い気配で覆われているのを。 「……ルイズ……さいこー、です……か?」 自らのミスを悟ったサイトが、やっと黙り込む。 「あんなに、一緒だったのに……」 シエスタが自分の胸でサイトを包み込む。 「そんなこと、一度も言ってくれませんでしたね?サイトさん」 そのままサイトの先を吸い上げ始めると、あっという間に何かが飛び散った。 荒い息をつくサイトを見ながら、シエスタは動き続けていた。 237 名前:4/4[sage] 投稿日:2006/12/14(木) 02 13 47 ID WpvubORe シエスタが触っていると、何度か白い液体が撒き散らされていた。 「ちょ……シエスタ……ごめんっ、許して、休ませてぇぇぇ」 「……サイトさん……わたしが言ってもやめませんでしたよね?」 何してるのかしら? 暴れるサイトを取り押さえながら、シエスタは刺激を与え続けている。 ……おいてけぼりな気分。 「ねーシエスタ……これ、何?」 構って欲しくて、シエスタに聞いてみる。 「とりあえず、絞りつくしてから教えてあげます」 絞るの? 手伝いたくて、シエスタの胸とサイトの間に手を滑り込ませる。 「こう?」 「ぎゃぁぁぁぁぁ」 あれ?サイトが叫んでる。 「いい感じです、ミス・ヴァリエール」 そなの? 「サイトさんがいきかけたら合図しますから、どんどんやっちゃって下さい!」 「OKシエスタ、頑張るわ」 「ちょ……まって……ルイズに……は?」 えへ、そんなに楽しみなのかしら、サイト。 「今日はここまでです、ミス・ヴァリエールはちゃんと感じれるようにわたしが色々教えてあげてから、サイトさんとです」 「ちょっ、卑怯、それ卑怯だシエスタ!!」 「ミス・ヴァリエールもそれで良いですよね?」 この数時間ですっかりシエスタに頭が上がらなくなった気がするわたしは、シエスタの言いなりだった。 「じゃ、今日の所は、サイトさんの……絞り尽くし方です」 「はーい、シエスタ」 次の日になるまで、サイトの悲鳴は止まらなかった。 そして、 「じゃ、授業が終わったら、続きしましょうね?ミス・ヴァリエール」 「はい、お姉さま」 「……いっそ……殺して……」 「あら、ミス・ヴァリエールの処女、いらないんですか?」 「ふーん、そうなんだサイト」 「……お、俺は……伝説の使い魔だぁぁぁ、この程度の試練っ、何の事は無いっ」 数日後サイトが入院した時……医者は彼の年齢がわからなかったそうな…… めでたくなし、めでたくなし。 あんまり、ちゃんと落ちてない……