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クリフトのアリーナの想いはPart11 397 名前 従者の心主知らず フレノール編 1/11 Mail sage 投稿日 2010/11/16(火) 06 35 50 ID kcgnFnNt0 最近クリフトが独り言を教えてくれなくなって、ちゃんと聞こうと決めたのはお城を出てからのこと。 でも気づいたの。 私が知りたいのは独り言の内容もあるけど、どうしてクリフトが独り言を教えてくれなくなったかってことなのよ。 ちっちゃなころは私の後ばっかりついてきて何でもお話してくれたのに。 お説教も多かったけど。 でも私は今別のことで頭がいっぱい。フレノールでメイを助けた後ご褒美と言わんばかりのビッグニュース! 「バザー?砂漠?面白そう!行きましょ!」 「世界各地をめぐるバザーのことは聞いたことがありますが実物は。ちょっと興味がありますね。南の砂漠か。ふむ……」 「でしょでしょ?」 「クソガキめまたもやよけいな事を……。話しかける村人はよーく選ばないといけませんな。老人アホ詩人クソガキ以外の……」 「南の砂漠のバザー!すてきなひびきよね。さっ早く行きましょう!」 「…………。…………」 「どしたのクリフト?なにこっち見てんのよ」 「い、いえその、砂漠は気温も高く体調を崩しがちですので、姫さまはだいじょうぶだろうかと……」 あれ、今回はすんなり教えてくれた。変なの。 「なにいってんのよ!だいじょーぶだいじょーぶ!」 「まーったくクソいまいましい村人め!どうしてこう次から次へといらんことをふきこむか!砂漠がどうした!バザーが何だ! 城へ戻るのがまたおくれるではないか!?」 ブライの何かに火がついたみたい。 「姫っ!!」 「はいっ」 ま、まけないわ。私負けない。 「い、いいじゃない!おくれるだけで帰らないわけじゃないのよ!?だったらいいじゃない!!私ぜったい行くもんっ!!!」 「いーや今日という今日は言わせてもらいますぞ!!だいたい姫さまは危機感というものが足りなさすぎるのですじゃっ!!!」 両者にらみ合い!! 「あ、の……おふたりとも……」 隣でクリフトがおろおろしてるのがわかる。 クリフト邪魔しないで。ここに私の一生がかかってるの。 「……はあ。まったくもって、嘆かわしい……」 先に目をそらしたのはブライのほう。つまり私、勝ったのね?勝ったのね??じいに勝ったわっ!! クリフトがため息をついたのがわかった。ため息っていうか、ほっとしたのね。たぶん。 「……ブライさま、非常に備えて買い出しと情報収集をしてまいります。事件が落ち着いて再開した店もありますし」 「……ああよい、わしも行こう。黄金の腕輪に関しても少し話を聞きたいしの」 「えー早くバザーに行きましょうよー!」 じいがまた私をにらんだ。ふ、ふーんだ、勝負は私の勝ちだもんねっ 「姫さま、砂漠は今までとは比べものにならない過酷な環境のようです。準備をしっかり整えてから参りませんと……」 クリフトが口をはさんできた。今度はクリフトのお説教が始まりそう。 「あーもう、わかったわよー」 フレノールは相変わらずおおさわぎ。にせの姫メイを私たちが助けたって話題でもちきりなんだって。 あれ、そういえば私もお供をふたり連れてるけど、誰も私が姫って気づかないのね。 「それはまあ……しもじもの者にはアリーナ姫の気品など感じとれないのでしょう」 「そうですとも!にせ者がいなくなってまったくせいせいしましたぞ!あー空気がうまいっ」 ふーん、そういうものなのかな。 ふふ、本物のお姫さまもここにいるって知ったらもっとおおさわぎになるんだろうな。 正体バラしちゃう?って言ったらクリフトとじいふたりに止められた。ちぇっ。 お買い物をすませたあと、ふと気がつくとクリフトが足を止めてぼーっとしてた。 「クリフト、どうしたの?」 「いえ、少し景色を……落ちついて見るとなかなか美しい町ではありませんか」 「んーそういえばそうねー」 クリフトは噴水のほうを向くとやっぱりぼーっとしてる。手を胸に当ててぎゅっとした。あれ、くせなのかな。 「なにクリフト、噴水に何かあるの?」 「い、いえ、何でもありません!」 出た、クリフトの何でもありません。なーにが何でもありませんよ、あるくせに。今日っこそは聞きだしてやるわ。 「ねえクリフト、前からずっと気になってたんだけど、なんでそうやって思ったことはっきり言わないの?」 「そ、それは……口に出すまでもないささいなことだからです……」 「でも今まではなんでも聞けば教えてくれたじゃない」 「それは……」 なんでクリフトが困ってるのよ。今までみたいに教えてもらえなくって困ってるのはこっちなのに。 「姫さま、クリフトの考えることなぞ姫さまには難しいかおもしろくないかのどちらかでしかありませんぞ」 ブライが口をはさんできた。 むう、そうかもしれないけど、気になるじゃない。こういうの、なんかもやもやしていやなのよ。 そしたらクリフトが私を見て言ったの。やけにまじめな顔で。 「姫さま、申し訳ありません。その……以前のように二重のご説明にならぬよう適切な言葉を選ぼうと思うのですが、 未熟な私ではなかなかすぐに対処できないものでして……」 「…………」 「先ほどは確かに噴水を眺めていたのです。このような美しい町並みに整えるにはどのような過程を踏んでいるかなど」 「だったらそう言えばいいじゃない。わからなかったらもう一度聞くからいいわよ」 「……申し訳ありません……」 「っもう、だから謝らないでって言ってるじゃない。別にクリフトのこと責めてるわけじゃないのよ?」 「…………申し訳ありません……」 「だーかーらー」 「フン。このアホタレめ」 結論。クリフトはほんっとにまじめでかたくって、難しいことばっか考えてるってことで。 でも、きらいじゃないのはなんでだろう。かたい人ってキライなはずなのにな。 そうこうしてるうちにお昼を回っちゃって、少し日が傾いてきちゃったの。今から行くと今日中に砂漠に着かないんだって。 私はそれでも行きたかったんだけど、野宿って聞いたらまたじいが騒ぎ出して。テンペのときでたくさんって。 クリフトはなんにも言わなかったけど、結局付近を散策しただけでまたフレノールに泊まることになっちゃった。 夜。 あーあ。つまんなーい。眠れなーい。早く明日にならないかなー。 早く明日にするには寝ればいいってわかってるんだけど、全然眠くないの。 そうだ。今からこっそり出かけちゃえばいいのよ。目が覚めてるうちに。 あ、でも。 私はなんとなく扉に向かって声をかけてみた。 「クリフトー、いるー?」 「…………なんでしょうか」 やっぱり返事が返ってきた。返事がないのを期待してたのに。私は思わず飛び起きて扉のほうまでずんずん歩いた。 「ちょっと、なんでいるのよっ」 「なんでって、呼んでおいてそれはあんまりです」 「だから普段みたいにお部屋で休んでって言ってるじゃない!」 「ですから12時までとお約束したではありませんか」 「そんな約束してないもんっ」 「姫さま、少し声のトーンを……ブライさまに聞こえてしまいます」 「……約束なんかしてないもん」 そう、クリフトは旅に出てからずっと夜は私の部屋の前で見張ってるの。 サランでもテンペでもこのフレノールでもっ 私はもともと一人で旅に出るつもりだったのに、いやんなっちゃう。 「……第一、この宿は造りがよすぎるんです」 …………は? 「宿の造りがいいのとクリフトが見張ってるのと何の関係があるのよ!」 「床も扉もきしみません。足音も扉の音も聞こえにくいんです」 「………………」 「それに今回の一件は非常口を逆手に取られたわけですし、もしまた同じことが起こってはこのクリフト……」 「…………」 「いえ、ともかく、せめて周囲が寝静まる時間までは警備を」 「そんなこと言って、どうせまた私が一人で抜け出さないよう見張ってるんでしょ?」 「……………………」 クリフトは返事をしない。なんで返事しないのよ……。 「やっぱりそうなんじゃないっ!」 「違います!姫さまがお一人で宿を出られるなど想定の範囲外でした!私はただ…………おそばに……」 私は黙って着替えを始めた。なんだか無性に外に出たいの。 今外に出てもバザーには行けないのわかってるけど、ここにはどうしてもいたくないの。 「姫さま……?」 「…………」 「姫さま、何をなさって……まさか、今から外出されるおつもりですか?!」 当然じゃない。これ以上クリフトに見張られるのはいや。勘が鋭いのもいや。もういやなのよ……。 そう、私はサランで宿に泊まったとき、どうしても一人で冒険したくてこっそり抜け出したことがあった。 今度こそうまくいくと思ったのに、やっぱりクリフトに見つかっちゃったの。 ブライも起きてきて、あのときはさんざんしかられた。 お城の外に出ても私は自由じゃなかった。 ブライにお説教されて、クリフトに見張られて、結局お城にいるのとおんなじ。 私に自由なんてなかった。 クリフトは頭がいいから、私はいっつも難しい話でよくわからないうちに説得させられちゃうの。 こないだ話したときはわかり合えたと思ったのに。 クリフトだけは、私のことわかってくれてるって思ったのに……っ ――自由って、なに?―― 「姫さま、外出されるのなら私も行きます!」 いやよ、こないで。 「お願いです、どうかおそばにいさせてください!」 なんでよ。私のことなんかほっといてよ。 「お願いです……っ」 「………………」 「姫さまっっ」 なんで……。 私は扉を開けた。そしたらすぐ目の前でクリフトが両手をぎゅっとしてた。背が低いのは膝立ちしてるせい。 暗くてもわかった。泣きそうな顔してる。でも私を見たらぱっと明るくなって。 「姫さまっ」 「…………」 「ああ、お召し替えをなさって……やはり外出されるおつもりだったのですね。 今夜は雲一つない空なんです。きっと月や星がきれいですよ。さあ、早く行きましょう」 「………………」 なんで……。 クリフトは軽い足取りで非常口の扉を開けた。 結局私はクリフトと一緒に外に出た。クリフトは黙って私のあとをついてくる。 きっと私が少しでも町の外に出ようものなら引き止めるために。難しい話で説得させるために。 バザーに行けないのなら他に行くとこなんかなくて、なんとなく明るいほうに向かってたら噴水に出た。 クリフトといっしょに歩くのがいやで、台に座ったら少しひんやりした。クリフトは私の前で片膝をつく。 「姫さま、眠れなかったのですか…?」 「………………」 「少し風がありますね、寒くはありませんか?」 「…………」 「姫さま……」 クリフトが私を見てるのがわかったけど私は見なかった。見たくもなかった。 でも、あれこれ考えたり悩んだりするのもいや。だから思い切って聞いた。 「……クリフトは、いやじゃないの?」 「?なにがでしょうか」 「クリフトは、仕事が好きなの?」 「??姫さま??」 「だって、家来じゃなかったらこんなとこまで来なくていいし、眠いの我慢して私を見張ることもないし」 「………………」 「好きな本だっていっぱい読めるし、それに今だって、私のわがままに付き合ってここまで来なくても…っ」 なんでだろ、最後のほう泣きそうになっちゃった。言葉が続かない。 「私はいやよ。決められた人生なんて、死んでるのとおんなじ。姫なんてちっともうらやましくなんかないっ」 「姫さま……」 私はクリフトを見た。クリフトはきっとお説教を言うんだ。きっとまた難しい顔してるんだ。 そう思ってたのに、なんで……?クリフトはまた泣きそうな顔してた。泣きたいのはこっちなのに。 なんで……。 「…………もし、私が……」 クリフトが話し始めた。やけに低い声。 「もし私が、仕事が好きで、家来という立場に忠実だったなら、今ここに、私と姫さまはいません」 「………………」 「サランにもテンペにも行くことはなかったでしょうし、そもそも姫さまが城を出ることなどなかったでしょう。 力ずくででも城にお連れするか、それが叶わなければ王様に申し上げて兵を出させたかもしれません」 「…………」 「ですからこれは、私の意志なのです。私がそうしたくてしていることなのです。 ですから、今こうして姫さまとご一緒しているのも、私が望んでしたことなのです」 やけにゆっくりしゃべるクリフト。いつもみたいにお説教モードじゃない。 言ってることはきっと難しいことなのに、今日はやけに耳に入ってくる。 でも……。 「そんなのうそよ」 「うそではありません」 「私が外に出るってわかったから仕方なくついてきてくれたんでしょ?」 「違います、私も外に出たかったんです」 「でも、私が外に出なければクリフトも外には出なかったでしょ?」 「当たり前です」 …………。 「やっぱり外に出たいんじゃないんじゃない」 「いえ、私は……私は姫さまと外に出たかったんですっ」 「…………え?」 「っ…………」 「なんで……なんで私と外に出たいのよっ」 「それは…………その…………」 「ほらやっぱり。なんでそうやって、最後まではっきり言わないのよっ」 「……………………」 口ごもるクリフト。また泣きそうな顔してる。やっぱり今日はいつもみたいにお説教モードにならない。 なんで……。それもわかんない。もうクリフトのこと、わかんない。 私はクリフトをにらんだ。でもクリフトは……さっきとは全然違う顔をしてたの。 泣きそうな顔じゃなくて、難しい顔でもなくて、なんだかもどかしくなるような、寂しそうな顔……。 何かを訴えるような、助けを求めるような…………私は…………クリフトから目が離せなくなった。 「姫さま……お願いです……」 「……………………」 「私を、置いていかないで下さい……っ」 言いながらクリフトは下を向いた。手で胸をぎゅっとしてる。 苦しそう。声が震えて……クリフト、泣いてるの……? 「クリフト……」 いっつも難しいことばっか考えてて、私が何かする度に飛んできてお説教と手当てして。 いつの間にか大人になって、背もぐんと伸びて、お仕事の話をするようになって、遠い人になって。 でも、たまにちっちゃなころみたいによわっちいことを言うから。 やっぱり私の知ってるクリフトだって、私が守ってあげなきゃなって、そう思わせてくれるから。 ああ、だからだ。だから私、クリフトのこときらいにならなかったんだ。 「あ、あの……ブライさまも、です……」 …………ぷ。 なんだか必死になってるクリフトに笑っちゃった。 クリフトは上目遣いで私を見上げてくる。やっぱり泣いてた。 ちっちゃなころと重なる。弱虫クリフト……。 「もう、いいわよ。わかったわよ。しょうがないから連れてってあげる」 「ひ、姫さま……」 「もちろんじいもね」 「あ、ああ、ひめさまぁ……」 「ちょっとクリフト、なんて情けない顔してるのよ」 「はっ申し訳ありませんっ」 「ふふふ」 肩の力が一気に抜けた。さっきまで悩んでたことも、どうでもよくなっちゃった。 夜のフレノール。 「このまま帰るのもなんだし、散歩でもしよっか」 「え?あ……はいっ!」 大げさに返事するクリフト。もう、子どもなんだから。ほんとにあのころに戻ったみたい。 「静かね……。これがふつうなのかな?」 「でしょうね。王家の、それも姫君がこのような遠方の地を訪れることなどまずございませんから、 昨日まではそれほどのさわぎだったのですよ」 「ふーん、そんなもんなのかな」 「そんなもんですよ」 ふと気がつくとクリフトはやっぱり噴水を見てた。よっぽど噴水が好きなのね。 「クリフトー、そんなに噴水が好きならずっと見てていいのよ。私はもうちょっと散歩してくるからー」 「ひ、姫さまお待ちください!私も行きます、行きますからっ!」 「ふふふ、まーったくクリフトはー。いいわよ、噴水でもう一回休みましょ」 「えっあっ」 私は噴水の台に座った。クリフトはまた片膝をつこうとしたから隣に座りなさいって言って座らせた。 何か言うたびにあわてるクリフトを見てなぜかほっとする。いつもだったらいらいらするのにね。 風がふいてる。少しだけ水しぶきがかかった。なんだかきもちいーい。 明日は南の砂漠のバザー。それからエンドールの武術大会。それから……。 いつまででも旅していたい。お城なんかなくなっちゃえばいい。 だって、一度でもお城に戻っちゃったらもう二度と外には出られないような気がするから。 そう思って、ふとクリフトを見た。クリフトは……両手を膝に乗っけてかたまってた。 「ちょっとクリフト、そんなにかたくならないでいいのよ」 「は、はいっ」 「っもう、もっと普通に座ってよ。なんだか私がお説教してるみたいじゃない」 「も、申し訳ありません……」 「んもうー」 「ねえクリフトー」 「……なんでしょうか」 「クリフトはだいじょうぶなの?」 「…………なにがでしょうか」 「お城を抜け出しちゃってさ。お仕事はだいじょうぶ?神父さん心配してない?」 クリフトは私を見た。驚いた顔してる。 「だって、私はともかくクリフトは今までずっとお仕事してたわけだし、まじめだし、みんなに期待されてるし。 あんまり長い間外に出てたらお咎めを受けたりしない?」 「姫さま……」 クリフトは目をそらした。あ、難しい顔してる。大人のクリフトに戻っちゃった。 「姫さま……」 「なあに?」 「これはずっと黙っていたことなのですが……」 「え、なに?」 「姫さまが外に出られたこと、王様は黙認していらっしゃいます。姫さまにも私にもお咎めはございません」 「え?」 「王様もやはり本心では姫さまに外にでてほしくないようです。ですが、あのまま自由を奪うよりはと。 他の大陸には渡らないという条件付きだそうですが、大陸中は好きに回ってよいそうですよ」 「…………」 「黙認というより、なかば公認のようなものですね。私もつい先日ブライさまからうかがったばかりですが」 「ブライが?」 「ええ。その話をされていたのは姫さまがお城を出られるときだそうですよ。 王様も甘いとこぼされていましたが、ブライさまも今回のことは認めていらっしゃるのですよ」 「うそ……」 「ですから姫さまに城に戻るよう厳しくおっしゃるのは、心から姫さまのことを心配されてのことなのです」 「うそよ……」 「うそではありません。その証拠に、今日ここまで来られて明日は南の砂漠に行くではありませんか。 今朝口論となった際、あまり長引かせずにブライさまのほうから切り上げた、それが何よりの証拠ですよ」 「…………」 「認めていらっしゃいますよ、王様もブライさまも」 「………………」 お父さまもじいも、私が外に出たこと認めてるの?許してくれてるの…? 「クリフトぉ……」 「はい」 「私、外に出ても、いいの…?」 「はい」 「っ…………」 やだ、泣きそう。 「アリーナ姫さま、姫さまの人生は決められてなどいません。道は誰の前にも開かれています。 神は、乗り越えられない試練をお与えにはなりません。ですからどうか、姫さまの思うままに……」 「ばか」 「姫さま?」 「ばか……」 クリフトのばか。ばかクリフト。クリフトのくせに。そういうこといわないで。ほんとに泣いちゃうから。 「…………よかった…………よかったぁ……っ」 「はい…………私は幸せ者です…………」 「クリフトも?あそっか、クリフトも強くなりたいって言ってたものね」 「え?あ、ああ、そんなふうに言っていたこともありましたね」 「ちょっと、忘れてるってどういうことよ。いっしょに強くなるんだからね?」 「はい、姫さま」 「うん!」 クリフトは少しだけ緊張がとけたみたい。やっと普通に座ってくれた。手で水をすくってる。 クリフトの手から水がこぼれ落ちた。きらきら光ってる。きれいだなー。クリフトは大きくため息をついた。 「クリフト?」 「い、いえ、その…………今夜はとても、その……………………いい夜ですね」 「?うん、そうだね」 「クリフトクリフトー!」 「どうしました?」 「おじいさんがね!おじいさんがね!」 「はい」 「あんなおじいさんも見たことがあるなんて!エンドールの武術大会!出たーい!見たーい!エンドールに行きたーい!」 「エンドールですか。これはまた険しい道ですね」 「えへへ」 クリフトが笑いながら言うから私もつられて笑っちゃった。 お城の外に出てもいい。お父さまからお許しが出た。 もしかしたら、もしかしたら、エンドールの武術大会にだって行けるんじゃないかって気になってきた。 クリフトったらもっと早く言ってくれればよかったのに。 でもいいわ、しょうがないから今回だけは許してあげる。 ――心の中で、ありがと―― 「やはり一国の姫君がおしのびで旅するなど危険すぎる……。なんとかしてお城に戻っていただかなくては!」 「やだブライ、まだ言ってるの?」 「ええもちろんですとも。アリーナ姫さま。そろそろお城へ戻る決心をなさいませ。フレノールでの一件もありましたし これ以上旅を続けるのは危険です」 「何言ってるのよ。私またぐーんと強くなったのよ!ブライもクリフトもちゃんと守ってあげるわ。心配しないで」 「ま、まもっ?……ふう、やれやれ。どうあっても聞かないとおっしゃるのですな?」 「もちろんよ!」 ブライはまた大きなため息をついた。 「まったくもって、姫と旅をしていると命がいくつあってもたりませんわい」 「ふふふ」 ブライも認めてくれてる。やっぱりクリフトの言ったことはほんとうかも。 ねえクリフト。私はクリフトのほうを見た。 「日やけ止め……熱さましとえーと水筒も持ったし……。さあアリーナ姫!準備は万全です。何でも言ってくださいね!」 「うん!」 さあ、今日は砂漠のバザー!
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星の使い道 とりあえず女神とレインアロー取ってから、他の使い道を考えたほうがいいよ。 罠多いけど人によっては必要な物もあるし。 次なる試練終了後のウィーリン村村長 ソウルドレイン 星3つ 罠。課金リモコンが無いと使えない 花束の意味終了後のウィーリン村のユナ 花束(友好度+6)複数回可能 星1つ 罠。クエストNPCには友好度上昇クエがあるし、課金アイテムやポイント券で代用できる クライスト村のかくれんぼ2回目終了後の女の子 脱出用草履紐 星3つ 罠。戦闘中にログアウトすれば100%逃げられる。 羊飼いの子供終了後の行政人員 正式な土地権利書 星5つ やや罠。生産家具の階段を置けば充分。レインアローと女神スキルを優先するべき 鐘鳴らしのお仕事終了後の鐘を鳴らす人 地下通路の鍵 星5つ 罠。地下通路は確かに各地に通じているが、門番が塞いでいてLVが上がらないと通れない 村人救出後のクライスト村聖堂の神父 子ザル復活 星2つ リン復活 星4つ ニース復活 星5つ クリフ復活 星6つ サシャ復活 星8つ 最重要。でも子ザル・リン・サシャは死亡クエスト発生させなければいいだけの話かも。 インドの神僧終了後の神秘的な神僧 レインアロー 星2つ 超重要。ボス戦のザコ掃除に大活躍するスキル 朝鮮滝の洞窟・ボス戦後の女神 各属性女神スキル 星5つ 火女神はかなり重要。水と風も重要。土?何それおいしいの? 凶悪トラを倒せ終了後の神秘的な老人 ブラッドバイト 星3つ 罠。通常リモコンでも使えるが、さっさと倒してPOT飲んだ方が早い オーストラリアの神官(アレスの友好70以上) 鎮魂 星1つ アレスを育てるなら必須。鎮魂が無いとヒトデに負けるぞ。なくしてもまたもらえる。 ノースアイランド MAPの左上の方に?マークがあるから行くと赤頭巾ちゃんが狼に襲われてる→戦闘−勝つ→☆うめぇwww クラン村 民家で幼女(のちのNPC)と婆が強盗に襲われる→選択肢が出るから助けるを選択→戦闘→勝利で☆一つ 囲いの中にいる豚の中に1匹寝ている豚がいるので話しかける→ミニゲーム→クリアで☆一つ ウィーリン村 木こりに話しかける→クラン村とウィーリン村の中間辺りに斧が落ちてるから拾う→正直に鉄の斧を落としましたぁ><と言う→☆ウマー サウスアイランド クライスト村に行くのと反対の方向に進むと牧場紛いの場所があるからクラン村の豚と同じ様にする→☆1つと5%EXPカプセル(効果は名前で察しろ)ゲットだぜ! クライスト村 牛蒡の千切りに定評のあるレイチェルが捕まる→大聖堂に行く→神父と話して村長の家(家は自分で探してね(ゝω・)vキャピ)→イベント後大聖堂に行って地下直行→看守(LV25*3だそうだ)と戦闘→☆2個入るらしい。 俺これやってないから知らん 道具屋の後ろに神々しく神秘的な爺さんがいるから話しかけずにはいられない→ショッカうわなにをするやめっ・・・コッカー山にある勇気の石を持っていく→☆2個ゲットだぜ! 宿屋(ベースポイントとか登録する場所)の2階のバーテンダーに話しかける→ミニゲーム(客の名前と注文を覚えるとかそんな感じ)→コンプリで☆1つ+EXP600。 補足:前提条件として酔っ払いに絡まれているナイスミドル(うほっ、いい男)を助ける必要がある(助けないとNPCが切り替わらない)はず・・・。 助けたら一度1階に降りてまた2階に上がると受けられる。 補足2 2回間違うとEXPはもらえない。はいはい俺のことですよ。 橋で釣りしてる兄ちゃんに話しかける→カマナーワ洞窟のピンクのミミズがほしいなとかぬかしてくるので連れて来る(捕獲な)→ピンクミミズ連れてると兄ちゃんが「ミミズをクレー」とか言ってくるからすかさず「だが断る」と言う→☆1つ+釣魚術GET スチュアート島 地底迷宮2Fで鍵ゲット→1Fの鍵穴に鍵をセットすると扉が開いて奥に進める→ルーアハっぽい像4体をクリックするとルーアハ4体とばとぅー→ルーアハ4体倒すと巨大ルーアハ+トーテムポール2体と連戦、勝てば☆3個と22杖が貰える。 蝦夷 加奈子を連れて蝦夷山頂の温泉に行く→加奈子がケガをしてPTから外れる →洞窟に戻ってすぐの薬草を拾い、加奈子に届ける→星+1 加奈子友好+8 エロCG 南極 クライスト村でマッチ売りの少女に薪を渡す→南極に行く→おつかいクエを進めると・・・→星1 ここで星を取ってしまうと、未実装エリア長安のマッチ売りの少女クエストが受けられなくなる、らしい・・・ 雪島洞窟 最奥へ行くと雪ダルマが道を塞いでいるので倒す→メデューサ+彫像を倒す→宝箱を調べ女神フリアンノンの話を聞く→星1、経験値15%カプセル すっぽん必須。メデューサのコメットがとても痛い。彫像も物理スキル攻撃を連発してくる。 彫像は弓耐性が無いのでレインアローが有効。彫像を倒したあと、剣に持ちかえてメデューサを倒すといい。 イースター島 「強敵!フリード」でクリフをお星様にすると、星x3と風敏ネックレス(クリフの遺品) 遺品は「極風の指輪」の劣化版。連携狙いのSPD合わせには極風よりも便利かもしれない。 中国漁村 おばあさんからキツネ探しを頼まれる→漁村北側の建物の影にいるので倒す→報告すると星x1 弓耐性無し。HP1万ほど。通常攻撃とSPDダウン補助しか使ってこないので楽勝。 西の森で太陽を倒すのを手伝う→星2 物理攻撃のみで弓耐性も無いので、レインアローあれば楽勝。 マップ右下の猟師に話しかけてミニゲーム→星1 マップ左下の天女に話しかける→ウサギ叩きゲームx3回→ウサギを連れて行くと星x1+3倍経験値薬 ※マップ右上にモグラもいる。ツンデレ発言が笑えるw報酬は3%経験値丸薬。 崖州(中国南の島) おばさんに頼まれ、漁師に嵐の事を伝えにいく。漁師はMAP左下にいる→星x1 大海原 マゼラン加入クエを最後まで進めると星1+経験値カプセル。 クリフお星様にしちゃった人はご愁傷様でした。 後はフリードとかあるけどこれ見てるお前さんがそこまで行ってると思えないから割愛 『どうしても知りたいんじゃボケー!』とかいう早漏さんはWIKI見て来いぶっちゃけあそこから引用してるから^^ 誰か編集してくれ頼む
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クリフトのアリーナの想いはPart12.5 626 1 名前 キウイが導くハーモニー(前編) 1 Mail sage 投稿日 2013/01/04(金) 00 48 03.76 ID DT1dfBc+0 「ありがとうございました。 あ、あの…お二人もがんばってくださいっ!」 「なっ、違っ…!」 走り去る花嫁の後姿を見送りながら、ソロはため息をついた。 ソロとクリフトは、ブランカ領内の小さな村や集落を回っていた。 剣の稽古や魔物退治、またクリフトは神父の代わりも務めていた。 結婚式を無事に執り行ってくれたクリフトを、村長がねぎらう。 「神父様のいないこの村で結婚式を行えるとは、感謝しきれません。」 「お役に立てたなら幸いです。遠くの町で結婚式を挙げていては、大変ですからね。」 「いえいえ、お二人のご苦労に比べれば…」 「…何の話ですか?」 クリフトの笑顔が引きつった。 「あっ、いえ、何でも…」 気を使われて、さらにクリフトの笑顔が引きつった。 ソロとクリフトが恋仲という誤解は、当人の知らない間に広がっていた。 「さすが伝説の勇者様だけあって、知名度抜群ですねぇ」 「姫様とのラブロマンスを自ら演出した話題の神官様には叶わないですねぇ」 当人たちが嫌味を言い合っても、何の解決にもならず… 有名な二人だけに、その禁断のラブロマンスは世界中の人々の注目を集めていた。 二人の好感度が高いので、人々は総じて好意的に受け止めていた。 近くの町のカフェで食事をとる二人。 「あんな山奥の村にまで誤解が広がってるとはな… やっぱ、サントハイム王家が広めてるんじゃないのか? 俺、アリーナの浮いた話をもみ消すために利用されてるんだろ。」 ソロは不機嫌そうに、大きな肉の塊をほおばる。 「さあ、私には分かりません。 神様が与え給うた試練だと考え、耐え忍ぶより他にありません。」 クリフトは穏やかな顔で、にんじんを口に運んだ。 その穏やかさは、逆にソロの神経を逆撫でする。 「お前の蒔いた種のせいで、俺は巻き添えを食らってるんだぜ?」 言葉にトゲを込めて、ソロはクリフトに笑顔を向ける。 「肩を組んだり首に抱きついたり、誤解させたのはソロさんでしょう? クリフトの笑顔に背筋が凍ったソロは、それでも負けじと視線で押し返す。 しばらく、無言で笑顔のにらみ合いが続いた。 「デザートをお持ちいたしました。」 店員に声をかけられ、二人は笑顔を店員に向けた。 若い娘さんが持ってきたのは、きゅうりとキウイのデザート。 「え、頼んでないぜ?」 「サービスです…お二人をイメージした、当店自慢の創作料理です すごく人気なんですよ。」 「……?」 俺たちをイメージしたメニュー?? 去り際に店員が小声でささやく。 「人前でそんなに見つめ合うなんて…仲が良いんですね…応援してます!」 「えっ、おいっ!」 小走りで裏に走り去っていく店員を見送って、ソロはうなだれた。 「クリフト…恨むぞ…」 にらみつけるソロに、クリフトは目を合わさずに言葉で返した。 「そんなに見つめないでください。また誤解されます。」 「このデザート、イラッとするほどうめーな。」 出されたデザートを食べながら、不機嫌な様子のソロ。 「きゅうりの癖をキウイが抑えて、ハーモニーを奏でているようですね。」 クリフトの素敵な表現に、ソロはさらにイラッとした。 「ひょろっとした青臭いきゅうりは、誰かさんのイメージだよなー。」 「トロピカルなキウイは、能天気な誰かさんのイメージですね。」 二人の間には、相変わらずの火花が散っていた。 「クリフト!」 教会から出てきたクリフトを呼び止めたのは、アリーナだった。 「姫様…お元気でしたか?」 「私は元気よ!」 以前と変わらず元気なアリーナに、クリフトは安心した。 「しばらく会わないうちに…ますますやる気に満ちていらっしゃいますね。」 「当然よ。私は一刻も早く国を治められるよう、急いで勉強しなきゃいけないの!」 「姫様…」 勉強嫌いのはずのアリーナが、勉強すべく気合満々とは…! 感激に浸るクリフトは、次の言葉でどん底に突き落とされた。 「私、早く一人前の統治者になって、同性婚を許可する法律を作ってみせるわ! クリフトとソロの幸せのため、がんばるから!」 「なっ!?」 さらにアリーナはまくし立てる。 「私、クリフトのこと、恋愛対象として好きだよ。 でも絶対に許されない恋だから、クリフトとお付き合いしようなんて思わないわ!」 突然の告白と宣言に、クリフトの頭の中は真っ白になっていた。 「それじゃ、ソロとお幸せにね! 私も二人のためにがんばるから!」 呆然とするクリフトを置いて、アリーナは一方的に言葉を残して走り去って行った。 クリフトは後を追うこともできず、その場で固まっていた。 「…ということがありまして。」 自室にて、アリーナとの一件をソロに話すクリフト。 「喜ばしいのか嘆かわしいのか、複雑だな。」 クリフトが作ったにんじんデザートを口に放り込むソロ。 「このまま勉強して立派な女王になってくれた方が良いかもな。 お前がアリーナと結婚できても、アリーナがしっかりしてるのが絶対条件だろ。 お前の出自が平民である以上、風当たりは半端ないだろうから。」 「…そうすると、ソロさん、誤解を解けませんよ?」 「お前らの幸せのためなら、仕方ないだろ。」 「ソロさん…」 じーんと感激するクリフト。 「やめろよ、照れるじゃ…」 そのとき、ドアが開いた。 ドアを開けた神父が見たものは、顔を赤らめて見つめ合うソロとクリフト。 テーブルにはクリフトが作ったであろう手料理。 「あっ…失礼…」 扉を閉めて去ろうとする神父。 「いや、違うからっ…!」 必死に否定しようとするソロに、神父が優しく語り掛けた。 「恥じることはありませんよ。」 その流れに逆らおうと、ソロは懸命に食い下がった。 「なっ、なあ、神の教えって、同性愛を認めてないんだよな?」 「愛があれば、きっと神は等しく祝福してくださいます。お二人に祝福あれ…」 二人は、閉められたドアを呆然と見ながら、暫く固まっていた。 「と、ともかくだ…」 気を取り直して、ソロは話し始めた。 「ともかく、どうせアリーナには会いづらいんだろ。 当面はサントハイムを離れてブランカで暮らさないか?」 「しかし…」 「今は離れてやるのが優しさじゃないか? 国のためお前と結ばれることはできないって、苦しんで吹っ切ったんだ。 で、立派な女王になれるよう、自分の意志を持って走り始めてる。 お前がいると、せっかくの決意が揺らぐかも知れないぜ。」 ソロの提案により、クリフトはブランカ行きを決断。 サントハイムから出向する形で、ブランカ王室付きの神官となった。 それから数ヶ月が過ぎた。 その間、クリフトとアリーナが会うことはなかった。 クリフトとソロは、週に1度の、ブランカ王との謁見の日を迎えていた。 「クリフトよ、よく働いてくれて、感謝しておるぞ。 各地からの感謝の声が続々と届いておる。」 「身に余る光栄にございます。」 クリフトの凛とした声が、謁見の間に響く。 「ソロも、よく働いてくれて、感謝しておる。 そしてクリフトを紹介してくれたことにも、感謝しておるぞ。 そなたの人選は、間違っていなかったようだ。」 「ありがたきお言葉…」 ソロも恭しく頭を下げる。 「クリフトよ、引き続きブランカに力を貸して欲しい。 ソロも、頼りにしておるぞ。」 「ははーっ!」 一呼吸置いて、ブランカ王は言葉を続けた。 「ところでクリフトよ、以前にも話した件だが。 今までの働きから、そなたがブランカに必要な人材だと確信した。 正式にブランカへ移り、ブランカの人間になってはくれぬか?」 「…喜んでお引き受けいたします。」 アリーナは政治学の本を見ながらティータイム中。 「クリフトは、正式にブランカに移住したんだってね。」 「そのようですな。」 「休憩時間ですぞ、書物は一旦置きなされ。」 ブライに言われても、アリーナは本から目を離さなかった。 「嫌よ。私は一刻も早く一人前の統治者になるの。 クリフトとソロが幸せに暮らせる国にするの。」 「はあ…そのやる気は喜ばしいですが、姫様のお体が心配になりますぞ…」 ぼやきながら、ブライはデザートのお皿をアリーナの前に出した。 「本日のデザートは、きゅうりとキウイのババロアでございますぞ。 きゅうりのババロアに、寒天をまとわせたキウイをあしらっております。 ブランカで人気だそうですぞ。」 「ふーん、きゅうりでデザートなんて、懐かしいわね。 いつぞやのきゅうり尽くしを思い出すわ。」 デザートを口に運ぶアリーナ。 「いかがですかな。味を美しく言葉にするのも、王族のたしなみですぞ。」 「意外とおいしいわね。 きゅうりだけだと頼りないけど、キウイの力強い味が支えているわ。 キウイの自己主張をきゅうりが程良く包み込んで、落ち着いた大人の味ね。 きゅうりとキウイが互いに補い合って、別の味に進化しているのね。」 「姫様にしては、お見事な表現でございます…!」 ブライの言葉にはトゲがあったが、いつもなので、アリーナは気にしない。 「そういえば、クリフトとソロに似てるわね。 ちょっと頼りないクリフトを引き立てるソロってところかしら。 ソロのまっすぐさをクリフトが和らげてる。」 「ああ、ソロ殿とクリフトを表現した作品だそうですぞ。 さすがは姫様、言い当ててしまわれるとは、まぐれにしても凄いですな。」 アリーナは、窓の外をぼーっと眺めた。 「クリフト、どうしてるかな… 今頃、ソロと一緒にいるのかな…」 クリフトの幸せを願いつつ、アリーナはまた政治学の本を読み始めた。 大好きなクリフトの幸せのために。
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《冥管「ゴーストクリフォード」》 No.1283 Spell <第十四弾> GRAZE(2)/NODE(5)/COST(2) 術者:メルラン・プリズムリバー 【幻想生物】 維持コスト(1) (自動α): 〔このキャラクター〕の戦闘力「X/X」は相手プレイヤーの手札の枚数に等しい。但し、Xの最低値は1とする。 (自分ターン)(1)(S): ターン終了時まで、〔あなたの場のキャラクター全て〕は「戦闘修正:+Y/±0」を得る。Yは5から相手プレイヤーの手札の枚数を引いた値に等しい。但し、Yの最低値は0とする。 攻撃力(X)/耐久力(X) クリフォード・ブラウンはモダンジャズを代表するトランペット奏者。交通事故により25歳という若さでこの世を去った。 Illustration:三日月沙羅 コメント メルラン・プリズムリバーのスペルカード。 相手の手札の枚数に応じた戦闘力と効果を併せ持つ幻想生物。 戦闘力が相手の手札枚数分であるため、ゲーム展開や相手のデッキによってはどうしても戦闘力が小さくなってしまう。 しかし、(自分ターン)により相手の手札が少ないほど自軍の攻撃力を強力に増強できるため、活躍できる場面が多いのが強み。 戦闘修正は自分の場のキャラクター全てにかかるため、数で押していればそのままゲームを決める事もできるだろう。 術者の殆どは序盤に出す事が容易であるため、軽量キャラクターを大量に展開するデッキとも相性は良好。 プレイコスト、能力の起動コスト、さらにはこれ自身の維持コストまであるため、やたらとコストを食うのが難点。 騒霊三姉妹チーム以外は軒並み低耐久な術者であるが、出来ればセットで運用したいところである。 関連 第十四弾 メルラン・プリズムリバー/1弾 メルラン・プリズムリバー/3弾 メルラン・プリズムリバー/11弾 メルラン・プリズムリバー/14弾 騒霊三姉妹チーム
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ジルクリフト・ローゼンフォード Age 20歳 Title 復讐という名の自己満足 Sex 男 Race 人間 Height 179cm Skill 魔術 Element 無 Eye 緑 Hair 茶 Person 俺/お前/あいつ 生い立ち 大魔術師として有名なローゼンフォード家に生まれる。が、決してお坊ちゃまと言うわけではなく幼い頃から厳しい修行を積んできた。 だが彼が15歳になった頃に父親であるブランハムが弟子のシュナイザーによって殺される。それを目の前で目撃してしまったジルクリフトは激しいトラウマと激しい怒り、憎悪を抱く。 それ以来彼はただシュナイザーを殺すために魔術の修行を積み、一人前の魔術師としての力を得た後、父の仇であるシュナイザーを殺すために彼は旅立つ。 性格 魔術師系キャラなのにそんな雰囲気は全然しない。 口は悪く、態度もデカイし乱暴。加えて女好きというスゲェ軽い性格。 割とSっ気があってちょっと鬼畜っぽいことをするのが好きなSさん。 だが「シュナイザーを殺す」という信念は固く、それだけは何があっても曲げる事は無い。 しかし仲間達がピンチになると優先順位が変わってしまういう甘さとも取れる優しさを持っている。 戦闘面 魔術の実力と才能はピカイチだが体力面では頼りないというこういう所では典型的な魔法使いタイプの人。
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クリフトのアリーナの想いはPart12.5 94 名前 1/6 Mail sage 投稿日 2012/01/21(土) 02 06 32.41 ID qaQC8ELG0 81ですがGJありがとうございました! また書いたので投下します。 ---------- 「好みじゃないわ」 そういって書類から目を逸らす。目の前ではブライが怒ってる。 「姫様。いい加減にしてください」 「だってヒョロヒョロして、全然強そうじゃないじゃない。 なあに、これ。趣味はチェスだって。つまんない」 私はうんざりしていた。 毎日毎日、ブライはお見合いのことばかり。 求婚されるってのは正直悪い気はしないけど、私はまだ結婚なんてする気はないし、 何よりどの男も弱そうなこと! 「姫様、あなたより強い男などこの世におりません」 「別に、私より強くなきゃダメなんて言ってないわ。 でも、勉強しか出来ないようなタイプは絶対嫌」 「…夫婦揃って脳みそまで筋肉じゃ、サントハイムの将来は暗いですな」 「どういう意味よ」 「姫様。強いのはあなた一人で十分です。夫となる者には、姫様に無い部分を 補える、聡明なものを選ばないと」 「…じゃあそういう人を連れてきなさいよ」 「…いればとっくに紹介しています」 ブライの言いたいことも分かる。だって、私はあまり勉強が得意じゃないし、 お父様の仕事を毎日横で見ているけれど、難しくてよく分からないことも多い。 「強くて頭も良い人かあ…」誰かいたっけ。 … 「うわぁ!」 「わっ!驚かさないでください姫様」 「ご、ごめん」 「姫様?顔が赤いようですが…?熱でもありましたかな?」 「そ、そうかも。悪いけど今日はもう出てって」 ブライは私の部屋を後にした。 ああびっくりした。だって。 いきなりクリフトの顔が思い浮かんだんだもの。 「…」 確かに、クリフトは、けっこう強くなったし、頭もすごくいい。 神官学校は首席で卒業したとか聞いたことあるし、魔法だって一杯知ってるし 私の知らないことを沢山知ってる…けど。 「でも私別にクリフトのことなんて」 ああどうしよう。顔が熱い。 参った。 あれから。クリフトのことばかり考えてしまっている。 難しい書類。クリフトに聞けば分かるかな? クリフトなら、組み手の相手もしてくれるかな? 特訓で怪我してもすぐに治してくれるよね。 ああもう。なんでこんな。 「クリフトのバカ。いきなり頭の中に出てくるから」 「…お呼びですか?」 「ひゃあ!」 急に廊下の角からクリフトが出てきたものだから、私は大声を出してしまった。 「な、何よいきなり!バカ!」 「え、あ、驚かせてしまってすみません…」 うなだれるクリフト。ああもう、そんなつもりじゃ。 「ご、ごめん。違うの。それよりどうしたの、こんなところで」 「ああはい、今朝バザーに用事がありまして出かけたのですが、 異国の焼き菓子を売っているのを見つけまして。 姫様のお好みに合うかと思いまして、いくつか買ってきたのですが」 「お菓子!?」 なにそれ、外国のお菓子?ちょっと気になる。 「もしお時間がありましたら、いらっしゃいませんか?お茶をご用意いたしますので」 「うん!じゃあおやつの時間になったら行く!」 うれしい。どんなお菓子だろう! 「おいしそう」 色とりどりのかわいらしいお菓子を前に、私は目を輝かせた。 「紅茶でよろしいですか?」 「うん」 「マカロン、と言うらしいです。アーモンドで出来たお菓子だそうですよ」 「へえ」 「サランの子どもたちをバザーに連れて行く約束をしたもので。 久しぶりでしたね、姫様たちと行って以来ですので」 「いいなー。私も行きたい」 「では、そのうち行きましょうか」 ドキっとする。それってデートのお誘い? 「2人で行くの?」 「誰か誘っても構いませんよ?」 「…」 そうじゃなくて。何聞いてんだろう私。 「どうぞ」 急に黙った私に疑問を抱く様子もなく、クリフトがお茶を出してくれた。 「ありがとう。じゃ、いただきまーす!」 わ、甘い。美味しい。お茶を一口。 「おいしい!」 「それは良かったです」 クリフトはニコニコしている。 「その赤いのは、フランボワーズで、茶色いのはチョコ、緑はピスタチオ…だそうです」 「わーどれもおいしそう。全部食べていい?」 「どうぞ」 美味しい。嬉しい。お茶もおいしい。しあわせ。 「あ、そういえばさ」 「なんでしょう」 「この間ね、若い女の子たちが集まって、アフタヌーンティ?だかをしたんだけど」 「はい」空のコップにおかわりを注ぎながらクリフトが答える。 「肝心のお茶があんまり好みじゃなかった」 今日のお茶はおいしい、そんなことを思いながら。 「甘いお菓子だと伺っていたので。少し濃い目に淹れてあります。 茶葉も、姫様が確か前に好きだと仰っていた物を」 「あ、そうなんだ。さすが」 感心して答える。 「今までどれだけ姫様にお茶を淹れてきたと思ってるんですか」 クリフトが微笑んで言う。 うわ。なんか。 「…」 私のことよく分かってるみたいな。いや、分かってるんだけど。 「あ、濃すぎました?」 「ううん、ちょうどいいよ」 赤くなった顔を見られたくなくて、下を向いたまま答えた。 それ以来、私は一層クリフトのことが頭から離れなくなってしまった。 幸か不幸か、クリフトは忙しいらしくお城の方に来ることも無い。 私もブライのもってくるお見合い写真を眺めるのに忙しかった。 クリフトのほうがかっこいいとか、 クリフトの方が強そうとか。 クリフトのほうが優しそうとか。 頭に浮かぶのはそんな言葉ばかり。 もうなんでこんなにクリフトのことばっかり! 「もういい加減にして!」 「いい加減にして欲しいのはこっちです」目の前のブライが言った。 ああ忘れてた、ブライ居たんだった。 「そろそろ一人くらいお会いしても良いのではないですかな!」 「…」 だって。そんな時間あるならクリフトに会いに行けるのに。 「ブライ…私やっぱりお見合いなんてしたくないわ」 「そうは言いましても姫様。もうそろそろ結婚していただかないと」 そうだけど。だって。今はこんなに 「クリフトのことばっかり考えちゃうんだもん」 「はっ!?」 「クリフトといるほうが楽しいに決まってるのに、お見合い相手なんかと会いたくない」 「姫様…クリフトと何かあったんですかな」 怒るかと思ったけど、ブライは優しい目をして聞いてきた。 「何も無いよ、別に。ただ私が、勝手にクリフトのことばっかり考えてるだけ」 ブライに何言ってるんだろう私。でもお見合いとかもう真っ平。 「…私どうしちゃったんだろう…」 ほんと、どうしちゃったんだか。 「…それは、クリフトに聞くのが一番ではありませんか?」 「クリフトに?」 「本人にそのまま伝えて来なされ」 ブライは呆れたような、笑ってるような…複雑な顔をして言うと、ブライは部屋を出て行ってしまった。 クリフトに…直接聞く? 「急にどうしたんですか?」 夜、クリフトの部屋を訪れた。随分驚いているようだった。 「ちょっと、聞きたいことがあって」 どうしよう。緊張してきた。 「…どうぞ。」 もうクリフトは寝巻きを着ていて、「こんな格好ですみません」とガウンを羽織った。 「何かありましたか」 何かっていうか。なんて言うか。 「…」 そのまま伝えろと、ブライは言ったけど。 なんていえばいいんだろう。 朝から晩までクリフトのことばかり考えてしまうんだけどなんだろう?って言えばいいの? ダメダメそんなの恥ずかしすぎる! 「…よっぽど深刻なのですね?」 「いや、深刻ってわけじゃ…えと…」 どうしよう…あ、そうだ! 「あ、あのね。ある人のことをね」 「はい」 「あ、ある人ってのはよく知ってる人なんだけど…なんだかその人のことばかり 朝から晩まで考えてしまって!ドキドキして、顔が熱くなっちゃって…」 クリフトの顔が見れない。 「わたし、ど、どうすればいいのかな…?」 そうっと、顔を上げてみる。クリフトが一瞬目を見開いた気がした。 次の瞬間、優しく微笑むと、「そうですか」と答えた。 「その方は幸せですね」 そ、そうなの?ていうかクリフトなんだけど。 「姫様は、その方のことが好きなんですね」 …え? 「きっとそれは恋ですよ、姫様。」 恋…恋!?これが恋!? 顔が赤くなるのがわかる。 クリフトのことばかり考えて、会いたくて、お見合いなんてどうでもよくなっちゃって。 恋。そっか、言われてみれば。 「ク、クリフトは!」 「はい」 「クリフトは恋、してるの…?」 言ってしまって後悔した。どうしよう。怖い。 「私は…そうですね。ずっとお慕いしてる方がいらっしゃいました」 …え。 「ですが、私は神官ですから。そういった感情はもう持たないと決めたのです」 …それは。どういう。 「今後また恋をすることは無いでしょうね」 「そ、そうなんだ」 どうしよう、声が震える。 「あああ、あの、ありがとう、その、教えてくれて。 じゃあ私、もう行くね!」 言い終わると部屋を飛び出した。 そっか、私恋してたんだ。でも、クリフトは。 自分の部屋に飛び込むと、ベッドに突っ伏した。涙があふれてきた。 「クリフト…」 朝が来てるのはわかったけど、気にせず寝ていたら、ブライの怒鳴り声が聞こえた。 「姫様!!!公務をサボる気ですか!!!」 ドアの開く音がして、ドンドン、と大きな足音を鳴らしてブライが入ってきた。 「いい加減にしてください。何時だとお思いで…」 「なによう」 むくりと起きた私の顔を見てブライが絶句した。 「なんですかその顔は」 一晩泣きはらしていたから、きっと目がはれて酷い顔なんだろう。 「ああもう、お客様が見えるというのに…」 「今日は何もしたくない…」 「何を仰いますか!姫様、一体どうしたって言うんです」 どうしたって。 「クリフトが…」 また思い出して、涙があふれてきた。 「クリフトは私のこと好きじゃないの」 「はい?」 「クリフトは私じゃない人が好きで…でも神官だから一生恋もしないの」 最後の方は涙声でグズグズだった。 「そんなアホな」らしくない口調でブライが言う。 「だって、言ってたもん~~~」 涙が止まらなくて大声で泣き続けた。 顔をあげるとブライがいなくなっていた。 「…」 考えてみたら、私、ブライにクリフトが好きだって打ち明けたようなもんだよね。恥ずかしい。 「はあ」 私はこんなおてんばで、クリフトに今までいっぱい迷惑かけてきて。 そうだよね。クリフトが私のこと好きなわけない。 その瞬間、ドアが勢い良く開いて、ブライに蹴飛ばされてクリフトが転がり込んできた。 「もう一度ちゃんと話をしなされ!」 ブライはそう言うとドアを閉めて出て行ってしまった。 え?なに?え? 「ひ、姫様…」 クリフトが起き上がって、真っ赤な顔でこっちを見てる。クリフトの目は腫れあがっていた。 「…な、何?」 クリフトに会えたのは嬉しいけどつらい。 「あ、あのですね…姫様…」 「まったく、世話の焼ける」 扉の向こうから、ブライの声が小さく聞こえた。 .
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クリフトとアリーナの想いは Part4.2 675 :お題【偽姫登場!?】1/6 ◆VmkRIFTnuM :2006/03/22(水) 23 01 14 ID KkhTtr900 「本当にひさしぶり。元気にしてた?」 サランの街に姿を見せた旅芸人は、フレノールであたしを騙ってた一行。 あのときよりもずっと人数も増えて、人気の一座になってるみたい。 「お姫様、あのときはごめんなさい。迷惑かけちゃって」 「ううん、いいのよ。メイさんが無事でよかった」 大きな荷物を宿に運んで、ようやくひと段落。 宿の食堂で、あたしとメイさん、クリフトが思い出話に花を咲かせる。 「今度の演目はね、お姫様と伝説の勇者さまたちをモチーフにしたものなのよ」 「へえ、それは面白そうですね」 うわあ、あたしがお芝居に出てくるの? なんかちょっと恥ずかしい。 「でもね、まだいい結末が浮かばなくて……」 そう言ってメイさんは、テーブルに身を乗り出した。 「直接、お姫様に話を聞きたかったの。旅をしててどうだったか、って」 ああ、なるほどねぇ。 旅の話なら何日かかっても話し切れないくらい、たくさんあるんだから。 「早速なんだけど、旅の途中で何かロマンスは生まれなかったの?」 「……え?」 あたしとクリフトの間抜けな声が、重なる。 「だって、恋するお年頃の人が多かったんでしょ? その中でロマンスが無いなんてありえないじゃない!」 メイさんの瞳はきらきらと輝いて、まるで子どもみたい。 「ありませんよ。あんな危険な旅の最中に、そんなこと考える時間なんてありませんでしたから」 少し早口でクリフトが言った。確かに、あたしもそんなこと考えたことなかったもんなぁ。 「ほら、例えば、伝説の勇者さまとお姫様の間に芽生える禁断の愛……」 「それは絶対にありませんから!!」 クリフトの大声に、一座のみんながぎょっとして振り返った。 顔を真っ赤にして、クリフトは小さな声で、すみませんと繰り返した。 「……ごめんなさい。ふふっ」 そんなクリフトを見て、メイさんは何か閃いたような表情を見せた。 ロマンスかあ。もしかしたら、あたし以外にはあったのかもしれないなあ。 あたし、そういうのって鈍いから全然判らないもんね……。 数日後、メイさんたちから招待状が届いた。 サランの街の広場に作られた舞台で、いよいよ演目を始めるから、ぜひ見に来てね、と。 あたしは喜んで、クリフトを誘って初日の舞台に足を運んだ。 用意された席は、いちばん前。 街のみんなも集まって、陽が落ちて、篝火が焚かれたころに、演目が始まった。 うわあ。凄い。 みんな、別人みたいに真剣な表情。凄い迫力。 お芝居だって判ってるのに、ドキドキする。 あっ、あの人がソロの役なんだ。本物よりずっとかっこいいね。 メイさんはもちろんあたしの役。なんか照れくさいなあ。 あれ、クリフト? やだあ、あんなに背高くないのにね。 ブライはずっと若い! 髪の毛ふさふさしてるよ! 見せたら喜ぶだろうなあ。 マーニャとミネア。えっ、双子なのかな? そっくり! ライアンはずいぶん小柄。でも剣の腕は本物より凄いかも! トルネコが一番本物そっくり。思わず笑っちゃうくらい。 思わず、旅の途中の思い出が蘇る。 怖かったけど、不安だったけど、今思えばとても楽しかったあの旅……。 ふとクリフトを見ると、とても真剣な表情で舞台に夢中。 ずいぶん長いようで、短い時間はあっという間に過ぎて、舞台の上の世界にも平和が戻る。 お父様たちが戻ってきたのかどうか、ドキドキしながら帰ってきたあのときを思い出す。 そういえばあのとき、クリフトはあたしの手をしっかりと握っていてくれたっけ……。 舞台の上のサントハイムも、賑やかさを取り戻す。 あたしとクリフトが手を取り合って笑ってる。 隣から鼻をすする音。ちらりとクリフトを見ると、目が赤い。 そのとき、舞台からあたしとクリフトが降りてきた。 そして、あたしたちに手を差し伸べる。 「……え?」 訳が判らず戸惑うあたしたちの手を強引に取ったふたりは、そのまま舞台へとあたしたちを導く。 篝火が熱くて、観客席の方をちらりと向いた。 ──うわあ。凄い人。これだけの人々が、あたしたちに注目してるんだ。 クリフト役の人が、クリフトに何か耳打ちする。 メイさんもあたしに、そっと耳打ちした。 「ねえ、お芝居、やってみない?」 「え!?」 クリフトの大声。クリフトもあたしと同じこと言われてるのかな……? 「そ、そんな」 再び、耳打ち。何だろう、気になるなあ。 クリフト役の人が、クリフトをぐいっとあたしの前に押し出した。 それに合わせて、メイさんがあたしをクリフトの前に押し出した。 観客席が、しんと静まり返る。 「あ、あの……」 真っ赤な顔をしたクリフトが、ゆっくりと口を開いた。 「この、闘いが、終わったら、言おうと、決めて、いました。わ、私は、姫様のことを」 それだけ言うとクリフトは、振り返ってクリフト役の人に何かを訴える。 でも、クリフト役の人はくすくすと笑うだけ。 今、言いかけた言葉は、なあに……? 背中をばんと叩かれて、クリフトはもう一度あたしの前に押し出される。 「あ、あの、わ、私は、ひ、姫様、姫様のことを……」 クリフトの目から、涙が零れる。 なんだろう、あたしの胸にも何かがこみ上げる。 お芝居。これは、お芝居。それなのに。 「──愛して、います……っ」 そう言うとクリフトは、顔を両手で隠しながら、クリフト役の人の元へ走る。 残されたあたしは、ただ呆然とその姿を見つめていた──。 「お姫様」 メイさんの言葉に、はっと我に返る。 そうだ、これは、お芝居。それなら、あたしにも台詞があるはず。 「結末は、あなたが、決めてね」 ぽんと背中を押されて、あたしは舞台の真ん中へとよろけて進む。 あたしが……? 決める……? 観客が固唾を呑んで、あたしの台詞を待っていた──。 「え、えっと」 さっきのクリフトの台詞を思い出す。クリフトは、あたしを。 ……あたしを。あたしを……? 「あ、ありがとう。嬉しい」 これは、お芝居。お芝居。クリフトの言葉は、ただの台詞。それなのに。 ──それなのに。心に焼き付いて離れない。その言葉が嬉しくてたまらない。 こんなに心に響く台詞を、あたしは今まで聞いたことが無かった。 「あ、あたしも。愛してる、クリフト。あ、ありがとう……」 これは──お芝居? 台詞? それなのに、なんであたしは泣いてるんだろう……。 わあっと、大きな歓声が起こった。 あたしとクリフトは役者たちに胴上げされて、楽団が輝かしい音楽を奏でる。 「やっぱり、本当の言葉には、敵わないわね。まだまだ頑張らなきゃ」 舞台に足を下ろしたあたしの耳元で、メイさんが囁いた。 「ステキな結末を、ありがとう」 このお芝居は、ずっとずっと長い間、いろんな街で公演を重ねることになった。 真実の、お話として。
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クリフトのアリーナの想いはPart12 89 名前 名前が無い@ただの名無しのようだ Mail sage 投稿日 2011/04/13(水) 21 14 41.18 ID vmvDuqdlO 風邪をひいてしまった。 野宿、連戦続きだったからだって、仲間たちは言ってくれたけど、情けなくてたまらない。 私が熱を出したせいで、今日は街に戻って、きちんと宿をとった。 しかもゆっくり休めるようになんて、一人部屋。 相部屋にして、風邪をうつすよりはずっといいけれど、自分の情けなさが身にしみた。 「クリフト、部屋に戻って。大丈夫だから」 「でも…まだ熱が下がりませんし」 宿について、私はさっさと風邪を治そうと、早々に床に就いた。 でも…なんで隣に、クリフトがいるんだろう。 クリフトは、体温計とにらめっこしなから、渋い顔をしている。 看病のためなんだろうけど、私より体が弱いくせにうつったら大変じゃない。 「また倒れたらどうするのよ」 「大丈夫ですよ」 ほらでた。お得意の「大丈夫」。 クリフトの大丈夫ほど、信用出来ないものってないと思う。そうやって「大丈夫、大丈夫」って自分を追い詰めて、気づかないうちに病気になっちゃうんだから。 「大丈夫って言いながら、ミントスのときは駄目だったじゃない。 また倒れられても、迷惑なのよ!」 「迷惑」という言葉に、クリフトはちょっとしゅんとしてしまった。 そして小さな声で、「申し訳ありません」と言った。 少し後悔する。 どうして、私はこんな言い方しかできないのだろう。 そもそも今、体調を崩しているのは、私なのに。 あの時、クリフトが倒れたのは、私のために無理を重ねたからだ。 確かに体はあまり強くないけど、体調の自己管理が出来ないほど、駄目な奴じゃない。 旅が始まってからは、いつも私を真っ先に心配して、自分のことなんか、後回しで…。 なんてバカなクリフト。 でもそうやって無理をしてたクリフトに気づけなかった、私は、もっとバカだ。 私がクリフトに言わなきゃいけないのは「迷惑」とかそんな言葉じゃない。 本当は「ありがとう」って言わなきゃならないのに。 そういえば、クリフトだって、喜んでくれるに、違いないのに。 「もういい。私が他の部屋にいくわ」 やっぱり、クリフトに無理をさせるわけには行かない。 きっとクリフトのことだから、夜通し看病したりしちゃうに決まってる。 私はクリフトの制止を振り切って、立ち上がった。 「あっ…」 「姫様!」 でも、いざ立ってみると、視界がグルグル回って、上手く立っていられなくなった。 体が重くて、倒れかけた瞬間、私はクリフトに抱きとめられた。 「……」 端から見れば、抱きしめられているような体勢。 こんな風になったのは、子供の頃ふざけて抱きついたとき以来だった。 クリフトの体は意外と、がっしりしてて、ちゃんと「男の人」の体だった。 子供の頃と違くて、「男の人」と意識した瞬間に、私は胸の鼓動が高鳴るのを感じた。 いったいどうして。 「す、すみません!」 なんで、クリフトが謝るのよ… そう言いたいのに、うまく言葉が紡げない。 頭がぼーっとして、顔が熱かった。 熱が上がっちゃったのかな。 クリフトは、真っ赤になって慌てながらも、もう一度私を寝台に寝かしてくれた。 「その…すみません」 顔色が平常通りに戻った頃、クリフトは、片手で顔を覆って、懺悔するような声で言った。 何回でも、謝りたくてたまらないらしい。 「いいの。私が悪いんだから」 私の胸の高鳴りはすでにおさまっていた。 いったい何だったのかな。 大丈夫、と言って立ち上がった手前、倒れかけたのが、情けなかった。 私の病状は、自分で思っていた以上に悪かったみたい。 もうクリフトの「大丈夫」が信用出来ない、なんて言えないね。 「姫様、ご心配してくださって、ありがとうございます。 ですが、大丈夫です。ミントスの時のような病にはなりません。 だから看病させてください」 「本当に?」 「本当です」 「根拠は?」 予想外の質問だったのかクリフトが、たじろぐ。 そして一呼吸おいたあと、苦し紛れといった感じで、つぶやいた。 「気合い…です」 私は思わず声を上げて笑ってしまった。 だってあまりにも、らしくない回答だったから。 クリフトは、恥ずかしそうに、少し顔を赤くしている。 気合いで風邪をひかないなら、私は気合い不足なの? そう聞きたくなったが、可哀想だから言わないであげた。 「はいはい、わかりました。看病していいよ」 、きっとクリフトは、何があっても引き下がらないだろう。 しょうがないから、もう許してあげる。 クリフトは、私がどんなに怒ったって、他人を優先しちゃう、そういう奴だから。 でも私は、クリフトのそういう優しいところが、正直嫌いじゃない。 「うつっちゃったら、どうしよう?」 「ちゃんと、うがいしますから」 さて、それはどの程度の効果があるのかしら。 私には、それこそ根拠がわからないので、あまり安心材料にはならなかった。 「もし、うつったら、二度と看病させないからね」 「え!? そ…そんな」 ちょっとだけ意地悪言ってみる。 これから言う言葉の、ちょっとした照れ隠しだ。 「でも、もしうつっちゃったら…私が看病してあげても、いいよ」 ちょっと恥ずかしいから、クリフトの顔は見なかった。 お布団に顔をうずめて。 今のは、普段言えない「ありがとう」のかわり。 自分より他人を優先しちゃうお馬鹿さんへの、労いだ。 「ありがとうございます」 チラリと目だけで振り返ると、クリフトは微笑んでいた。 ちょっと困った感じで。 いつもならなんてこともない表情なのに、少しドキドキしちゃうのは、何でなんだろう。 「さぁそろそろ眠ってください。眠らないと治りませんから」 そう言って、クリフトは、私の額に冷たいタオルを乗せてくれた。 熱かった額が冷やされて、急激に睡魔が襲ってきた。 胸の高鳴りの原因を考える前に、私は眠りに落ちっていった。 いつもありがとう、クリフト。 いつかきっと、ちゃんと言うから――。
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