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花言葉 ※花についての知識は実体験ではなく全てインターネット上で調べたものです。間違いの可能性が十分あるので、実際に花を買うとしたら専門家に。 ※みなみの口調が多少変ですが、これは人と会話をするよりも本を読むことの方が多かったため、文語調がうつったからということにしてください。 立夏の時期、昨日まで日を浴びていよいよ緑色が鮮やかにきらめいていた葉桜は、今日は雨粒を垂らして俯いていた。 雨は学校舎のざらざらした壁を濡らし、街路のアスファルトを濡らし、そしてそこを歩く一人の学生服を着た少女を濡らしていた。 少女は急ぎ急ぎ、前に屈みつつ、自らの胴体を腹に抱えた鞄の盾にして、学校から歩みで二十分ほどの道のりを小走りに、背をうがつ水滴の冷たさと重さに耐えていた。 やっとの思いで家に着いた彼女は玄関先ですぐさま、母親である岩崎ほのかに疑念の顔で迎えられた。 「おかえり……あら? 傘はどうしたの?」 彼女、岩崎みなみは声を殺して答えた。 「……別に。なくした」 ■ ずぶ濡れの身体をタオルで拭きとると、みなみは自室へこもった。 部屋にはカモの羽毛を詰めた布団の畳まれたベッド、学生服をかける無垢材のポールスタンド、窓際の辺には褐色の艶のあるマホガニー製の机。 机の、窓から光の差し込む位置には、素焼きの鉢植えが一つ置いてある。 その隣の緑色のブリキ製ジョウロには、その半分くらいのかさまで水が蓄えられている。 みなみの家は存分に邸宅だった。 入口には門扉をあしらい、建物は横に広く奥行きもあり、周りは庭になっていて、土が張っている。 そこに何本かの木々が生えている。 幼児の時から中学二年の今に至る十年以上の間、ずっとこと豪邸でみなみは育てられてきた。 (今日は雨だったから、水をあげる必要はない) みなみはふと顔を上げ、窓の外を覗いた。 雨粒の群が庭の土をほの暗く染め上げている。 土に立った自分の濡れた姿が思い描かれた。 (……傘は多分、あいつらに取られた) みなみは学生服のポケットからある手紙を取り出した。 今朝教室の引出しにいかにも目立つように入っていたこの手紙は、鞄を守るついでに下校時の雨の脅威を免れた、しかしみなみにとってそれは免れる必要など全くなかった。 そこには赤黄青さまざまな蛍光ペンで何重にもなぞられすっかり汚くなった色で、紙面いっぱいにこう書かれていた。 『キモイ』 みなみは嘆息し、生乾きの前髪を指で撫でると、鉢植えを見やった。 植えてあるのは数本のカモミールだ。 ローマンカモミールという多年草、茎の先端に黄色い網状の丸く盛り上がった部分とその周りに、白い羽のような花弁が十数本ついている。 昨年の秋に種まきされたもので、花は春の間咲かせておき、夏は萎れやすいので花を摘んでおく必要がある。 花が咲き終わるとその種がこぼれ、植え付き、また新たな子孫を残すという華やかながらしぶとい植物だ。 また、なかなか繊細であり、土は乾かしてはならず、いつも水を蓄えておく必要がある──でなければ枯れてしまう。 ゴールデンウィークの頃の日曜日に、花屋の店頭で偶然目を惹かれたのだが、シンプルな色の取り合わせとリンゴのような甘い香りが、それとなく元気付けているような気がした。 みなみには、カモミールが唯一の癒しだった。 カモミールのある部屋が唯一の居所だった。 その証の一つに、以前みなみは太陽を嫌っていた。 照らし出されることを嫌った。 照らされることで自らの存在が浮き彫りになり、他者に認識されることを恐れていた。 雨は彼女の隠れ蓑であった。 視界が悪くなると同時に、雨が降れば誰にでも必要となる傘は顔を隠すのに好都合だった。 だから彼女は雨を好んだ。 カモミールが部屋の同僚になってからは、それが幾分傾いた。 カモミールは太陽を必要としているからだ。 みなみがカーテンを閉め切り、部屋に差し入ろうとする日光を追い払う習慣を棄てたのは、この花を買った日以来だった。 それと同時に、ジョウロに水を汲む習慣が付いた。 みなみは毎日、台所でジョウロに水を足し、机の鉢植えの傍に置き、頃合いを見て土を潤している。 そうしてカモミールに生を与えることで、自らも救うことができた気がした。 明日も明後日もみなみは水をやった。 特に暑く地熱が蒸気となる日には、朝夕二度水をやった。 苛めは続いた。 二月と半分経って、学校は一学期の終業時期となった。 みなみはようやく、といっても一時的だが、いわれなき陰口の苛みから解放されることとなった。 ■ 夏の間、みなみは詩作に没頭していた。 学校のある日にもそれなりには書きはしていたが、特にこの長い休みは、日々の課題に追われることもなく(「夏休みの友」という名の課題もありはするが)、自由な遊びを許してくれた。 詩を書きためたノートは澄んだ水面のように、みなみの心情をありのままに反映した。 みなみは旧来詩に「闇」という言葉を好んだ。 四月頃には特にそれが多かった。 ≪白い、森の木々が畏怖し震え出すほど冷やかで白い、空を統べる神の鋭い瞳孔に、ただぼんやり照らし出された夜の闇≫ みなみが大変気に入っていた「神の瞳孔」という詩のはじめの一文である。 日夜日夜、出だしから結びまでを心の中幾度となく反芻し、その幻想の風景を色鮮やかに、無限の空間に広げていた。 夜と、そこに浮かぶ月、月光の差し込む森、森の根本を走る陰、木を揺らす風。 全てが闇に調和した風景。 みなみはそこに花があればなお良いと思った。 木々の生い茂る中に、その腐葉土を足場にして、闇の中肩をすくめて眠りに落ちている一本の花。 それは他ならぬカモミールだ。 カモミールは朝になっても目覚めぬ、なぜなら日の光が届くのを鬱蒼とした木の群れが邪魔するからだ。 神はそれを哀れに思い、その灼熱の目を閉じて、雲を呼び精一杯の涙の滴を与え給う。 カモミールはその慈悲にあふれた水滴を糧として、木のざわめきに耐え暗闇の中をしぶとく生きるのだ。 ≪人間が葦というならば≫ ≪それは花だ 水なくしては咲けもしない 生きられもしない≫ みなみはこう書き綴ると筆を置き、しばし瞑想にふけった。 毎朝、カモミールとともに、みなみは日を浴びた。 いくぶん調子が良い気がして、エネルギーの流体が身体をぐるぐる、手と脚の先までほどよく循環しているようだった。 自分でもわからぬが、ふとした拍子に血の脈が強く打ち、その間(おそらく)自然な笑顔が出ていることがあった。 そして春に比べた自身の内部的な心情の変化を、自らほのかに感じとっていた。 カモミールだ、とみなみは思った。 (そう、これが来てからだ、この花が部屋に同居するようになってから私は快活な気分でいられるようになったんだ) 鉢に植え付いたそれをぼんやりと眺めた。 花屋のアドバイスの通りに既に上半分を刈り取られていたが、茎はまっすぐ伸び気分よさげに日を浴びていた。 みなみはそれを肯定的に受け取りつつも、どこか拭いきれぬ違和感を覚えていた。 (いや、私は確かに良くなった、そう思えないならば、それは心の病か何かに違いない……) ■ どこからともなく声が聞こえた気がした。 それは自分の名を呼んでいるようなものだったかもしれぬが、定かではない、とにかくみなみはうすら目を開いた。 目の前にほのかが、不可思議そうに自分の顔を覗きこみながら立っていた。 「あ、起きた?ごめんね、夕飯できたから呼んだんだけど。寝てるなんて珍しいじゃない」 ほのかはそう言ってすたすたリビングへ戻っていった。 みなみは首を正面に起こし自らの格好を調べると、どうやらベッドにまっすぐ伸ばした頭から膝までをあずけ、膝より下を放り出して眠っていたらしいことを確認した。 西日の差す窓からは風が吹き込み少し身震いした。 (そうだ、今はもう秋だ、二学期が始まって少し経った、そして今日は授業があった。それで私はいつになく眠気があった……なぜだろう?) みなみは上体を起こそうとした、すると左の手首にきりっとした痛みが走った。 それによってとうとうみなみは思い出した。 (そうだ、今日の体育だ。よく晴れているグラウンドでバレーボールをやった。暑かった、いやそれだけじゃない、とてもきつかった。あいつら、不幸にも同じチームを組んだやつらが私にばかりボールを拾わせたせいだ。アタックまで毎度させられたんだった。おかげで私はぼろぼろに疲れた。しかも体操服は汗と砂にまみれて汚くなった) ふとベランダを見ると、物干しざおに自分の体操服があった。 洗剤ですっかり砂汚れは落ちて、まるで自分の汗の跡など見当たらなくなっていた。 突然、ふと思い出したようにみなみは立ちあがった。 (しまった!今日はまだカモミールに水をやってない!) みなみは机の方へ足を運び、急いでジョウロを手に持ち鉢植えの土に水を加えた。 学校での状況は、全く良くなる気配が無かった。 音楽の授業は十一月にある合唱コンクールの練習にその全ての時間が費やされるようになったが、パートごとの練習というものがあり、あまり教師の目が行き届かなくなる。 みなみはソプラノパートだったが、いじめっこの一人の「皆一人ずつ前に出て歌う」という発案により、中ほどの出番だが、みなみは嫌々皆の視線のある中一人で歌わせられた。 みなみの声は綺麗であるが力がない、声帯が絞られていてとてもか細く、いじめっこ達はまるでそれをやるためだったと言わんばかりにわざとらしく、声をひそめつつも、忌まわしい罵倒文句をもって嘲笑し合っていたのであった。 みなみは歌いながらそのひそめき合う談笑を途切れ途切れ耳にしていた、それで心底かっとなりはしたが、逆らうことの恐ろしさにかなわず、歌詞を口にしながら煮えくりかえる不満や激怒に悶えていた。 ソプラノパートの仲間には哀れなみなみに心底同情する者もあった、しかし彼女らも同じ扱いを受けることを恐れ、積極的に手助けすることはなかった。 またこんなこともあった。 英語の授業中、教師が板書を使い関係代名詞の説明をしているときに、教室中に何かが振動し金属を叩き鳴らすような音とともに大音量の楽曲が流れた。 誰が聞いても携帯電話の着信音だとわかるものだった、そして呆気にとられた教師を含め教室中の全員がほぼ一斉にみなみの方を向いた。 その音は明らかにみなみの机の中から聞こえていた。 この状況で他の誰よりも驚き現実を認めるのに時を要したのはみなみだ、なぜなら彼女は携帯電話など持っていなければ、学校に持ってくるようなこともするはずがないからだ。 みなみは数にして30もの視線を同時に受けたちどころに俯いた、そして床に目を泳がせた。 教師がみなみの席へいぶかしげに歩み寄り話しかけると、みなみは恐れながら何も言わず、机にほぼぴったりくっついていた自分の身体を椅子ごと後退させた、そして教師は机を探った。 案の定一個の、折りたたみ式でピンク色の丸っこい携帯電話が、着信のランプを青く点滅させてそこにあった。 実のところこの携帯電話はいじめっこの一人が新しいものを最近買ってもらったため不用品として捨てようと思っていたもので、ごみ箱へそれを投じる前にこの悪戯を思いついたのだった。 そのアドレス帳からは一切の電話番号やメールアドレスの登録、発信履歴、そしてプロフィールが消されており、代わりに着信履歴に非通知の電話記録が20件も蓄積されていた。 ちなみにこの英語教師は厳格なことで評判のある人間だったが、平素の勉強振りや成績の良さもあってみなみがあまりとやかくは咎められなかったのは、事件の犯人にとって不満が残った点であろう。 しかしみなみにとってはクラスメートの全員に濡れ衣の罪を晒させられてしまったことが十分に屈辱であり、その夜はほのかと一切口を利かなかった。 カモミールはそろそろ花を閉じる時期だった。 といっても、茎はまだまっすぐで、根は(土に埋まって見えないが)ぴんと張り、再び暖かくなる季節をいつでも準備万端に待っているようだった。 みなみは日課として毎日ジョウロに汲み置いていた水をやった。 そしてその未来に目を輝かせているようなカモミールの葉をじっと見つめていた。 ■ 学校から家までの街路を、みなみは身震いしつつ、風に乗ってアスファルトを吹く雪の嵐を、髪に鞄に学生服にまともに受けながら、懸命に走っていた。 もう十分も前から上がりがちだった息は寒気に白く濁っては溶けていた、だがみなみはそんなものには気づかない、いや気づいている暇はまるでなかった。 寒さでさえもはや意識の外であった。 家に着くとまっすぐ自分の部屋へ上がった、鞄を置き、ドアを閉め、窓を閉じ、布団へ潜り込んだ。 一切の動作は手が痺れていたせいで不器用であった。 みなみはうつ伏せになり腕を交差させて枕にしそこに頭を乗せ、息を荒げぶるぶる震えながら、体の温まるのを待った。 (寒い、とにかく寒い……) みなみは未だ身体を小刻みに振動させながら考えた。 (傘があれば寒さを凌げたか……いやまさか、傘があろうが無かろうが結局こうなっただろう。しかし雪が髪にかかることはなかった……あいつらの仕業に違いない。 五月の雨の日を思い出す……あの日は頭から胴、靴まで濡れた……そしてやはり傘を隠した、あるいは盗んでいったのはあいつらに間違いなかった) 小さなくしゃみが出た。 (布団が身体にまとわりついた雪に濡れるのも構わずこうしている……あいつらの仕業……もう散々だ……もう……) その時みなみは今自分の思ったことに気づいてはっとした。 いやまさか、そんなことができるものか、みなみは自らの思惑を否定した。 しかしそのような考えが頭の隅にでも浮かぶほどみなみが弱りきっていたのも事実だった。 (学校を……いや、やはりだめだ。逃げなんてみっともない……) 指の先の血が少しずつ巡り出し、感覚が戻った気がした。 身体もいくらか温まってきたようだ。 (今日は寒いから……昨日やった水がまだ蒸発しきっていないはず……だから今日は水やりをする必要はないはず) 漠然とそのような推論を行っているうち、ふと意識が脱落した。 みなみは激しく唸るとともに目を覚ました。 慌てて枕元の時計を見た、針は7時を指していた。 「……またこんな時間に寝てしまった」 みなみは若干の嫌悪を自らに差し向け呟いた。 そして今見た夢の記憶を思い起こしてさらに嫌悪を抱いた。 (まったくひどかった……誰もかもが私を裏切った!私は定刻通り席に着いた……突然あいつらが噂話を始めた、大声で、露骨に私を中傷した。それまでは良くも悪くも通常の範疇ではあった……しかしそこからだ! クラスメートの、今まで全く関わりもしなかった人間がそれに大きな声で賛同を始めた、するとまた一人同様の者が現われた、さらに一人現れ、それが伝染病のようになった。 そして最後には皆一様に口をそろえて私を責めるのだ。私はおぞましい気がしていた、今でもその片鱗が残っている。ひどいものだ…… 私はちょうど教室へ入ってきた教師の所へ駆けつけ事の内容を訴えた、ところが教師までもが私を嘲笑した……なんてことだろう! 私は何もできなかった、それ以上話すことも、動くことも、そして泣くことも……) みなみは起き上がって机の椅子に座った。 相変わらずそこには一本の茎を生やした鉢植えがあった。 みなみは指先で土に触ってその具合を確かめた。 (うん、やはりまだ十分な水分がある……) ふと、みなみは残酷な行動を思いついた。 (もし、この花の水やりをやめて、すっかり枯らしてしまったらどうだろう?) たちまち自分の思惑に驚愕した。 (馬鹿な!そんなことができるものか。この花は私の救い──そう、救うものだ、なぜ私はそれを壊滅しようなどと考えたんだ。……いや、まさか?) みなみは肘をつき、左手を軽く握り口に当てて考えた。 (まさか……そうなのか?私は…………もうこの花に愛情はないのか?愛情……愛情とは?そもそも私は「愛情」などという感情をこの植物に抱いたか? なぜ私はこのローマンカモミールに惹かれた?甘い香りがしたからか?それとも見かけがそれとなく綺麗だったからか? ……そうだ、見かけだけじゃないか。私はこの綺麗な花を部屋に置くことで自己満足していたんだ……) 左手に込められる力が強くなった。 (そして……同じようにだ、この花とて私のことを愛していただろうか!無論そんなはずはない。知っている、植物に感情はないことを!「植物人間」などと言うじゃないか……それはどうでもいいことだ。 つまり救いも何も無かったんだ。確かにこの花は元気に咲いた。それは一見私を元気付けているように見えた……しかしそんなものは私の身勝手な欲求でしかなかった! 現実私の身の周りの状況は良くならなかった……私はこうも落ち込みがちで、少しも満たされはしなかった。そのくせこの花は……自分ばかり楽しそうに次の春を待ちわびて…… 私はとんでもない勘違いをしていたんだ……カモミール、この花があれば全てが良くなるなんて……もちろん、そんな夢想を100パーセント信じきっていたわけではない。 しかし心底私は信じていたんだ……愚かにも……) みなみは自分の息が荒くなっているのに気付いた。 慌てて息を押し殺して、じっと冷静に鉢植えを見据えた。 それから少しの間して、みなみは立ち上がり、その鉢植えを持つと、ゆっくり部屋の扉の方へ歩き、出ていった。 その後数十分ほど、ドアも窓も閉め切られたまま、この部屋は空室だった。 ■ 冬休みが過ぎたある晴れた日だ。 極寒の街路を黒白紺様々な色の学生服が彩り始めた朝、岩崎家の扉はまだ開けられていなかった。 その中、リビングルームではほのかが受話器を持って話していた。 「……はい、ええ。……いえ、それがその、うーん。ただ気が進まないって言うばかりで……あるいは体がだるいとも言っていました。 ……そうですか、んー、そうですねえ……無理に行かせるのはちょっと、と思いまして…………もう一度説得、そうですねえ、はい……」 ほのかは失礼しますと儀礼通りの挨拶を言って電話を切った。 その後すぐみなみの部屋のドアをノックしようと歩み寄ったが、手前2メートルほどでふと立ち止まり、代わりにリビングの中央にある大きなテーブルの一席に座り頬杖をついた。 その頃みなみは窓から顔を出し自宅を囲う庭をしげしげと眺めていた。 (雑草が少し目立つ……最近外に出ていなかったから庭の世話もしていない……) 家の白い壁と土との境目に緑色の雑草がちびちびと群れているところがあった。 そこから少し離れた壁際にやや土の色の濃くなっているところがあった。 みなみは努めてそこに目の焦点を当てないようにしていた。 (できるだけ気にしないことだ……あれはもう終わったことなのだから……もう私には無関係だ。あれはもう私の友でも何でもない、もともと友ではなかったが……) コンコン、とノックの音が聞こえた。 みなみはドアの方を軽く振り向いて、何も返答せずそれが開かれるのを待った。 間もなくドアが開かれた。 みなみはやや慎重な足取りでベッドへ戻り、その角へ腰を下ろした。 ほのかは囁きかけるように口を開いた。 「お休みのお電話入れといたけど、先生がねえ、できれば来てほしいですが、って頼むのよ。まあ私も、その、あんまり無理言いたくないからね、すぐに連れ出しますとは言わなかったんだけどさ……」 みなみは顔を俯かせ、少し鋭い目つきで床に敷かれたマットの花模様を見つめていた。 「学校、どうしても行きたくない?そもそも、少しだるいっていうのは、どんな感じなのかしら。まあいいけど、とにかく、みなみ自身で決めてね。あとでまた学校に連絡入れないといけないし」 ほのかはそう言うと、前髪の先に隠れてよく見えないみなみの目の表情を気にしつつ、静かに部屋を退出した。 みなみはドアの完全に閉められたのをしっかり確認すると、ゆっくり立ち上がって、部屋を隅から隅へ歩きまわりつつ、考えをめぐらせた。 (……恐らく、母がどう言おうが、私はこの決断を変えまい……答えははっきりしている……たださっきは言いだしづらかった。 しかし……そもそもどうして私は休もうとしているんだ?体がだるいというのは確かにそれとなくあるが、外出も能わないほどではないし、二十分くらい歩いても全然倒れることはないだろう。 身体でないなら、やはり心か……心の病なのだろうか?そういえば私はずっと満たされていないんだ……だとするとそれは何によるものだ?やはり……あれか?一学期・二学期とあの教室で経験してきたことの蓄積なのか?) いやいい、とみなみはこの検証を続けるのをやめた。 机を見た。 一冊のノートが裏向きに閉じてそこに置いてあった。 (何か一つ考えるか……課題がなければこれくらいしかやることはない) みなみは椅子に腰をかけると、ノートの詩を書きつくされた塊の最後尾の白紙の部分を開き、手元に転がっていたシャープペンシルを手に取った。 みなみの不登校が学級で問題となるのはそう遅くなかった。 三学期が始まって一週間弱経ったころに、連日岩崎家から欠席の連絡が入るので(しかも体の調子が悪いという具体的な病名もない漠然とした理由で)、おかしいと感じ始めた担任教師が、ついにこの懸念を生徒に向かって投げかけたのだ。 教師はみなみが最近授業に出てこないこと、それはおそらく精神的な問題であることを提示した。 さらに、決まりきったことではあるが、この件について何か事情を掴んでいる者がいれば、是非その情報を提供してくれるように頼んだ。 事情を知っていたのは、合唱コンクールの時のソプラノパートの仲間と、いじめっ子本人たちだけだった(それだけ、あまり表沙汰にならないようにいじめっ子も注意していたのである)。 だが、その誰一人として、教師にみなみの苛めの実態を打ち明ける者はいなかった。 それどころか、そんな瑣事には関心がないというように、学級の雰囲気はまるで変わる様子が無かった。 ■ 二月のある雨の日、ほのかはみなみの部屋のドアをノックした。 やはり返答がないので、申し訳なく思いながら、静かにドアノブを下ろして押し開けた。 みなみは机に座って何か作業をしているところだった。 「あ、えっとね、玄関に光堂ちゃんがいるのよ。光堂ちゃん、まあわかるわね、学級委員の子が直々にね。ほら、こんなのを届けに来てくれたのよ、わざわざ雨の中よ。 しかもね、できれば直接会えないか、って。何かお話したいことがあるんでしょうね。ねえどうかしら、会ってみない?」 みなみは驚いた様子で、といっても表向きにはあまり大げさな挙動は見せないのだが、しかし目つきを変え、口元に手を当て非常に迷った。 (……何のために、だろう。いや、もうそれは大方予想がつく。何のためになどという問いは無意味だ。きっと事情を聞きにきたんだ……恐らく先生に頼まれて。 しかしそれにしては遅い、私が学校に出なくなってもう一か月は経つ、いったいどういうことだろう。……それこそ無意味な詮索か。うん、素直に会って事を済ませるのが手っ取り早い) うん、行くとみなみはぼそぼそした声で返事をした。 みなみが玄関先に出ると、まだ傘を持ち、少し寒さに震えながら、告げられたとおりの人物が立っていた。 「あ、久しぶり。元気、とはちょっと言えないか。あのね、今日、先生に頼まれてだけど、こうやって岩崎さんにクラスの皆のメッセージを送ってくれって、色紙届けに来たんだよ。 あ、頼まれごとだけど、私自身もさ、結構気になってたんだよ、岩崎さんがさ。ほら合唱コンクールの練習の時もさ、あの三人が岩崎さんが歌ってるの聞いてなんかひそひそしゃべってたじゃない。 あれって何か良くないこと言ってんだろうなーって思ってさ」 光堂は実直にそう切り出した。 みなみはその隠し事も何もしている様子がない彼女の顔を見て内心ほっとした。 「ねえそれでね、やっぱり、色々教えてほしいんだけど、あの三人からどういうことされてたの?あ、言いづらいか、こう聞いたら。 でもね、やっぱり、知りたいから。じゃないと岩崎さんがどう思ってるかとか私もわかんないし。それを聞くために来たって感じだから」 光堂はそこまで言うと手に息を吹きかけ温めつつ、みなみの顔をまっすぐに見、その口が開くのを待った。 みなみはしかしまだ腹を決められずに沈黙を保っていた。 (どうするんだ、言うべきなのかそうでないのか。いや、言うべきだ、言ってすべてすっきりさせてしまえばいい、その方が楽になる。 それにもかかわらず……なぜ私は黙っている、何が口に糸を縫い付けている?わからない……いや、違う!本当はわかっているんだ……だがそれを認められないだけなんだ……それは自尊心だ。 私はきっと自尊心の強い人間だ、だから恥をさらすことを恐れているんだ……それによって自分が弱くつまらない者だと思われるのを。 しかし彼女──目の前の学級委員ははたしてそう思うだろうか?恥を告白することで私を程度の低い人間だと見做すだろうか?そうとは思いたくない…… そうだ、きっと認められるさ。当たって砕けろだ、やってみることだ……) みなみはいつの間にか自分が呼吸を荒げているのに気付いた、慌てて平静であるように息を収めた。 光堂は目に多少の不安な色を浮かべた。 みなみはついに口を開こうとした、その時鉛色の空全体が刹那真っ白に光り、たちまち大きな雷鳴が地を打つように響いた。 二人はぎょっとして目を見開いた、みなみは動悸がし始めた。 一種の錯乱状態の中みなみは唐突に別の案件が気がかりになった。 (雷……大丈夫だろうか?庭の草木は、あの大木は?いやあれはどうでもいい……土だ、土のなかに埋めたあれだ、あれは大丈夫か?死にはしないだろうか?) みなみはさらに落ち着いていられなくなり、目を真横に向けああ、ああとか細く息を漏らした。 光堂はそんなクラスメートを見ていられなくなったのか、こう切り出した。 「ああ、ごめん、って雷は私のせいじゃないけど。でもなんかもう私帰った方がいいみたい、何ていうか、うーん。んじゃ、ごめんね、じゃあね」 光堂はぎこちない笑顔で素早くみなみに手を振り、後ずさりながら身体の方向を転換させそのまま街路に出て行った。 みなみは慌てて呼び止めようとしたが、声が出なかった。 幾分がっかりした様子で、みなみは自室に戻った。 机に件の届け物があった。 立ったままその大きな白い封筒をじっと眺めつつ、みなみは思案に暮れた。 (帰られた……いやいいんだ、結果私の自尊心は保たれた。それに収穫としてこの色紙のプレゼントもある……しかし私はこれを見ないかもしれない、なぜだろう、何となく見る気分にならないからか? まあいい、理由なんて後で分かる、それより彼女は帰る時やけに急いだ、あれが気になる……私が何か挙動不審な仕草を始めたからか?あれは確かに思い返すと不審だったが…… 彼女は寛容だからそれに目をつむれたのでは?) みなみは無意識に首を横に振った。 (何を考えているんだ、彼女だって人間だ、良くない感情もあるはずだ、私を醜いと思っても無理はない……勝手に他人の性格を解釈し設定してはいけない。 それならばなぜ私はあんな精神のおかしいような振る舞いをしたのか……あの時は突然土に埋めたものが気になった……あれだ、冬の最初まで部屋を分かち合っていたあの植物だ。 そんなとうの昔に棄てたものがなぜ今更私の心を震わせるんだ!心配になるなどあってはいけない、あれはもう私の友でも恋人でも何でもない、赤の他人だ!どうなってしまってもいいんだ…… …………仮に、仮にだ。私があの花をまだ心底惜しんでいるとしよう。つまりそれが私にとって本当は必要なものだったとするんだ。 するとあの時すっかり土に全てを預けあらゆる世話を放棄したことは、一時の気の迷いだったことになる……あの時私はどうかしていて、気が乱れていて、必要と不要の判断すら正しく下せなくなっていた! しかし、そうなのか?本当に気が乱れていたのか?あの時私はもっと冷静だった気がする……いや待った、私は自分自身の経験でだ、怒りの中に冷静さを見出してきたことがあったじゃないか…… すっかり頭に血が昇って考えることの全てが偏っているのに、自分はいかにもまともで冷静であると思い込んでいるようなことが! ……では、私はミスを犯したのか?それも二度と取り返しのつかないような……) みなみは今にも失神しそうによろめいていた。 そして今の推論が仮定であることも忘れ、目をむき息を荒げて失敗を嘆き始めた。 (軽率だった……私は私自身をもっとよく観察するべきだった!往々にしてあるんだ!自分が迷いの森にいるとも分からずそこを棲み家だと思っているようなことが! 今となっては……もう枯れてしまったに違いない。すっかり雨風が吹いて、雪の重しを載せられて、雷に打たれて……何より世話を怠ったことで。 そういえば、何という花だったか……先の黄色い、丸みを帯びてふんわりた白い花弁が周りに付いていて……思い出した、カモミールだ! 正確にはローマンカモミール、多年草で、一度種を植えたらその先数年は花を咲かせることができるんだ!あの時の花屋の店員さんに聞いたことだ…… あれをもっと丹念に育てていれば私も今よりどれほどましになっただろうか、満たされただろうか! 私はあれの世話を、平静ならいともたやすく見抜ける程度の錯覚に踊らされて、完全に放棄することで、あのカモミールの一生を奪ってしまったんだ……) みなみは激しい罪悪感と自己嫌悪に打ちひしがれそうになった。 そして布団にもぐり込み、出血しそうなほど頭を掻き毟った。 ■ そのまま春になり、学校では終業式が執り行われた翌日、岩崎家に突然の訪問があった(突然といっても事前連絡はあったが)。 訪ねて来たのは担任の教師で、彼はみなみと二者での対面を望んだ。 ほのかは不思議がったが、彼をリビングルームへ案内し、紅茶を一杯差し出すと、みなみを部屋から呼び出した。 朝の十時だったが、みなみはまだ寝ていたので、寝間着姿のまま対応せざるを得なくなった。 リビングに出ると、教師はまず当たり障りない挨拶を交わしてきた。 みなみはそれに小声で返事をして教師の向いの席に座ろうとしたが、教師の呼びかけによって、その隣の席へ座ることになった。 教師は業務用のスーツケースから色々な書類を取り出し、みなみに話しかけた。 「ええと、まず通知表だな。まあ、仕方がないけど、三学期の点数は残念ながらない。一応二学期まで完全に出席してたから、留年ってことはないけど。 とりあえずな、三年に上がった時にこれだと授業についていけないかもしれないから、この春休みに、そうだな、家庭教師を雇うなりしてカバーしてくれるかな」 みなみは必要上の用件から入られたことで、ひとまず安心した。 家庭教師には自分より一つ学年が上で、隣に住んでいて、幼いころから懇ろの仲である高良みゆきを頼ろうと考えた。 しかし自分は本当に進級して学校へ通うことになるだろうかという不安もあった。 「岩崎は、まあ勉強はよくできるからな、一か月もあれば十分だと思う。数学は、二年の教科書の内容は終わったからな、確率までやった。 図形の合同のあたりが少し難しいか……あ、その頃はまだ来てたな。すると円周角のあたりからか?まあ対して難しくはない、大丈夫だろう。 それからな、二月の終わりに学年末テストがあったが、その問題と解答用紙もこれ、渡しておこう。自習に役立ててもらえればいい。 そういえば、岩崎はこの数か月はどんなふうに過ごしてたんだ?あ、別に大げさなことを言う必要はなくて、なんだ、ずっと家にいて何もしなかったでもいい。正直に」 みなみはぎくっとしかけたが、正直のところを告白してもよいという申し出により、多少気が和らいだ。 「はい、その……おっしゃる通りで、何もしていません……部屋から出ることすら、食事と入浴の時以外ありませんでした」 みなみはこうぼそついた声で返した。 ふと一月前の雨の日の訪問を思い出した。 (あのときは何も言えなかったが……今はずいぶん正直に打ち明けられている) 「なるほどなあ……」 教師は同調するように何度か頷くと、指で上唇を弾いて、みなみの少し脇に視線を逸らしつつ、口を開いた。 みなみが授業中何度か観察できた、教師が何か真剣なことを言うときの癖であった。 「あのな、俺なあ、一月の時にクラスの皆に言ったんだけどな、岩崎が全然学校に来なくなったから、何か知ってる人はいないかってな。 ちょっと時期が早すぎた気もするけどな、不登校だと知るには。まあ結局不登校だったが……それで、そう言っておいたんだが、なかなか誰も何も言いに来なくてな。 俺も正直岩崎にそれほど注目してはいなかったし、正直な、だから何もわからなくて、けっこう頭を悩ませられてんだよ。 それが昨日の終業式のときになって、突然高橋がな、打ち明けてくれたんだよ。合唱コンクールの練習の時に露骨に悪口を言われてたことをな。 それでさらに聞いてみると、それ以外には特に思い当たることはない、ってな、けど一つ引っ掛かることがあると。それは二学期の英語の授業のときにお前の机で携帯が鳴ったあの件だな。 俺も最初あのことを聞いておかしいと思った。岩崎はお前さ、携帯電話とかは持ってこないよな。あ、そもそも持ってないのか。なら尚更だな。 高橋からな、岩崎のことを特に悪く言ってたのが誰か聞きだしたんだよ。まあ、隠すこともないから言うが、桜川、中戸、大栗の三人だな、間違いないな。 その三人の家に連絡してな、携帯電話のことについて聞いたんだ、すると大栗の親御さんがな、確かに秋の中頃携帯電話を買い替えさせたと言うんだ。 それで昔持っていた携帯電話の特徴を聞いてみると、確か折りたたみ式で、ピンク色で、丸っこかったと言うんだな。するとそれがまさにあの時没収された携帯電話の特徴に一致してたんだよ。間違いはなかった。 卑劣なことをするんだな、全く。お前をルール違反の悪者に仕立て上げようとして、濡れ衣なのにな、クラスの全員はみなみを本当にそういう人間だと思ってしまったかもしれない。 本当に卑劣だ。あの三人は、他にどんな卑劣なことをしたか俺は知りたい。なあ、何か知ってるか」 「手紙を渡されました」 みなみは間髪入れずに答えた。 途端にはっとした。 (なぜ今自分はこうも素直に弱みを告白できたのか?相手があの学級委員ではなく、教師だからか?それとも……いや、わからない。 むしろそんなことは取るに足りない。そうだ、あの時も思ったじゃないか、素直に打ち明けて楽になってしまえばいいと。今私は少し楽になった気がした、それはいいことだ!) 「手紙、か。多分、いやまず間違いなく悪い内容だったんだろうな。そうか、それはどういう風にして岩崎のもとに届けられたんだ?」 「……いつの間にか机の中に入れられていました」 「また机の中か。まったく人目に付かないようにそこばっかり神経質になりやがってな。一度叱りに行かなきゃならんな。そうしても上手くいくとは限らんが……」 教師は再び指で上唇を弾いた。 みなみは少し身構えた。 「いいか、岩崎、お前はもっと良い友達を持たなきゃいけない。お前は、うん、ちょっと気が弱いんだ、少なくとも俺にはそう見える。 お前はもしかすると自分の弱いところを情けないと思ってるかもしれない。しかしそれを嫌う気持ちを抑えることもできずに苛めに走ってしまうあいつらの方がよっぽど情けないと思うな。 お前は正当な存在だ、そう思えばいい。恥ずかしいなんて思わないことだ。なあ、誰かお前を理解してくれそうな人物はいないか」 「向いに、幼馴染の人が」 「幼馴染、いいな……あ、思い出した、最初の家庭訪問の時に言っていた高良という子のことだな、いい人だって言ってたな。そしたらもっとその子を頼るんだよ。迷惑だなんて思わなくていい。 まあ、確かにな、他人に甘えっきりになるのが良くないと思う気持ちはわかるけどな。いっさいの事情を説明すればいいんだよ。わかってくれるから。いや、その高良という子なら、言わずともわかってくれるかもしれんな」 確かに、とみなみは思った。 「はい、わかりました……」 「じゃあ、大体こんなもんだな、話したかったことは。どうだ、岩崎から話したいことはあるか?」 「……特には」 「そしたら、お茶も一杯頂いたしな、そろそろ失礼するよ。あ、そうだ、二月に光堂が来たよな、あれ見たか?思ってたより味方は多かったみたいだぞ」 教師は席を立ち、飾らぬ最上の笑顔を見せてみなみに手を振り別れた。 みなみは何かこの機会が惜しまれる気がしたが、他のことがとても気になっていたので呼び止めなかった。 部屋に戻り、机の一番下の引出しを開けた。 大きな白い封筒があった。 みなみはその中に手を入れ、中に分厚い紙質の物があることを確かめると、慎重にそれを引き出した。 正方形の厚紙に金箔の縁取り、そして中央に手書きの黒ペンで引かれた歪みがちな円。 ≪岩崎さんへ≫ 桃色の蛍光ペンで活気良く丸みを帯びた字が、その中に書かれていた。 その周囲には縦書きの文が31、綺麗に揃ったものからややラインの崩れたもの、油性ペンのものからボールペンのもの、黒いものから明るく光るものまで様々なものがあり、全ての末尾に名前が書き加えられていた。 みなみは真っ先に三つの名前を探した。 それらはみな揃っているかと思ったが分散していた。 ≪がんばれ 桜川≫ ≪また来てね 中戸≫ ≪早くよくなって 大栗≫ 今度は光堂と教師の名前を探した。 ≪悩みやすいもんね。何が起きてるのか知りたい。会いに行くから全部隠さずに話してほしいな 光堂≫。 ≪岩崎が来なくなって席がいつも空いてるのが寂しい。岩崎は行きたくないかもしれないが、事情を話しには来てほしいな。今授業では円周角のことをやってる。 鈴山(担任)≫ 他のクラスメートの文を見た。 ≪大丈夫。岩崎さんいい人だもん 行成≫ ≪クラスの最高点が落ちたよ、岩崎さんいなくなってから。あの90点台の快進撃がまた見たーいっ 金子≫ ≪私も小学校の頃不登校だったことあった。まさに今の岩崎さんみたいに。でもいつか治るから、がんばって 高橋≫ ≪岩崎さんかわええやん。また来てよなー 江原≫ ≪岩崎さんの絵めっちゃ好きだから、来てほしい 美術んときだけでも!(笑) 桑野≫ 徐々に、徐々に気が高ぶってきくるのを感じた。 すると何かが色紙の白い紙面に落ちた。 それは水性ペンの字を滲ませ、白を灰色に変えた。 同じ物が、もう一つ、今度は字のない色紙の角の近くを濡らした。 慌ててみなみは左の人差し指を左目の下辺に当てた、すると指の腹に温かい感触がした。 (……そういえばずっとこんなものを流したことはなかった……やっとわかった……私が常々心の病だと言っていたものが。あるいは闇だと言っていたものが……涙一つで変わるんだ。 ずっと、満たされないと思っていた、ところが逆だったんだ……私はむしろ満たされすぎていたんだ……神経質な物事に。 心はジョウロのようだ……様々な精神を圧迫するものが水として蓄えられていくんだ、忌まわしいものは貯まるばかりだった…… そして上限まで貯められるとすっかり壊れてしまうんだ。だから私は学校へ行くのをやめてしまった……ああ、この不快な水をどんなに排出したがっていたことか、私のジョウロは! そして今ようやくそれが流れている……とても楽な気分だ……なんともすっかり全てが変わってしまうものだ!) みなみは今の感動をどうしても忘れ去ってしまいたくなかった。 机の上のノートを広げ、また新たに一篇の詩を残した。 ■ 庭の桜が今が一番だと言わんばかりに咲かせた薄い桃色の花が風に散っている四月の朝、みなみは久しぶりに学生服に着替えていた。 (クラス割を見た、あいつらは皆別のクラスに離れていた……代わりに光堂さんや高橋さんが一緒だった。知らない人もたくさんいる……) 心なしか脈が速くなっている気がしたので、それを押し殺すように息をひそめ、部屋を見渡すと、開いている窓が視線を捉えた。 みなみはそれに近寄り、下の地面を眺めると、少し安堵したように微笑み、それから窓を閉め、鞄を持って出た。 「……行ってきます」 「行ってらっしゃい」 みなみの挨拶にほのかはいつになく大きく声を張って返し、また大きく手を振った。 みなみは悠然とした歩調で、二十分ほどの道のりを、春風とほどよい陽光を浴びながら、歩いて行った。 窓枠の下には、雑草は少し残らず取り除かれ、代わりに依然少し土の色の濃くなった所に、先が黄色く丸く白い花びらをつけた小さな花が、ひっそりと咲いていた。
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わたしは人より恵まれてるという事に、小さなころから気がついていました。だからわたしは、欲というものが人よりも少なかったのです。知識を得る事は好きでしたが、欲というほどのものではありませんでした。 けど、稜桜学園に通い始めてから、わたしに一つの欲が生まれました。それはわたしの中でとても大きくなり、自分では押さえることはできなくなっていったのです。 - Desire - 出会いは一年生の時。正直に言いますと、当時のわたしは彼女が少し苦手でした。気まぐれで奔放、わたしと合う要素など何もないと思っていました。 でもなぜか、わたしは徐々に彼女が気になり始め、その行動を目で追うようになりました。そして、少しだけでも彼女と話がしたいと思い、その機会を持とうとしましたが、なかなか上手くいきませんでした。 そうこうしてるうちに、彼女に仲のいい友達ができた事を知りました。同じクラスのその子と彼女は、お昼ご飯も共に食べるようになったようで、楽しそうな声をよく耳にするようになりました。 それから少し経ち、彼女とお昼を食べる友達がもう一人増えました。委員会で話した事のあるその人は、わたしを見かけると「一緒に食べない?」と誘ってくれました。しかしわたしは、何故か「少し用事がありますので」と断ってしまったのです。彼女と親交が持てる、願ってもないチャンスだったというのに…。 その年の夏休みは、溜息ばかりついて過ごしていました。考える時間が増えると、どうしても彼女の事を思ってしまうのです。どうしてここまで彼女にこだわるのか、いくら考えても答えは少しも見えてきませんでした。 二学期が始まり、また毎日学校で彼女と会うことができるようになりました。しかし一度距離を置いてしまうと、どうしても近づく事ができなってしまいました。気ばかり焦り、無駄な時間が過ぎていきました。 再び機会が訪れたのは桜藤祭の時でした。彼女とその友達の班の進行がひどく遅れていたのです。彼女自身は悪い意味で適当で、その友達は頑張ってはいるのですが、不器用というか要領が悪いというか…わたしは実行委員として彼女達を頻繁に手伝うようになりました。そしてごく自然に親交を持つ事ができたのです。 こうしてわたしは彼女とその友人、泉こなたさんと柊つかささんかがみさんと友達になる事ができました。 それからの学校生活はとても充実していました。泉さんと友達となる事ができた。ただそれだけで、こうも自分の気持ちが高ぶるとは予想もしていませんでした。でもそれを知られるのはとても恥ずかしく思え、わたしはいつも一歩引いた位置で泉さん達を見ていました。 泉さんは日常の些細な疑問をよくわたしにぶつけてきました。友達となる以前から、泉さんはオタクと呼ばれるような人だとは知っていましたから、会話が大変なのではと勝手に思っていました。ですが泉さんは時々わたしが理解できない事を話すものの、ほとんどはわたしがたまたま答えを知っているような質問ばかりを振ってきました。 しばらくして、泉さんは泉さんなりにわたしとの接点を探っていたのではないかと思うようになりました。わたしが最初泉さんを苦手だと感じていたように、泉さんもわたしに苦手意識を持っていたんじゃないか。その溝を彼女なりに埋めようとしてるのではないかと、思ったのです。 二年生になり、泉さんの事が少しずつ分かるようになってきました。知らない人にも物怖じしない。言いたいことは少しも遠慮せずに言う。意外と友達思いな面もある。コミュニケーションやスキンシップなどの方法に少し問題があって、かがみさんに良く怒られている…そんな泉さんのおかげで、わたしは退屈など感じることなく過ごす事が出来ていました。 少し経ったとき、わたしは前々から考えていた事を実行してみました。今まで泉さんと名字で呼んでいたのを、こなたさんと名前で呼んでみる事にしたのです。かがみさんやつかささんは名前で呼んでいるのに、泉さんだけ名字はおかしい等理由は有りましたが、急に呼び方を変えたことで泉さんがどういう反応を見せるのかを見たい。それが一番の理由でした。 しかし、泉さんは特に反応を示す事はありませんでした。というか、わたしが呼び方を変えたことすら気付いていないようでした。結局わたしは数日で呼び方を元に戻しました。 泉さん自身は自分がどう呼ばれるのかをほとんど気にしない人のようでした。わたしは泉さんが友達の中でわたしだけさん付けで呼んでいる事を、少し気にしていました。しかし、少し考え方を変えたときから、それは気にならないどころか嬉しい事だと思えるようになりました。わたしは友達の中で泉さんだけを名字で呼んでいる。そして泉さんはわたしだけをさん付けで呼んでいる。それはつまり、わたし達はお互いを特別な呼び方で呼んでいるのではないか、と思ったのです。もちろん、わたしのただの自惚れに過ぎないかもしれせんが。 二年生も終りに近づく頃、わたしは自分の中に今までにないような気持ちが膨らむのを感じていました。泉さんの事をもっと知りたい。少しでも多くの時間を共に過ごしたい。そう思うようになってきたのです。一年生の当初からあった欲、泉さんを知ったときに生まれた欲、それは友達になった事では少しも満たされていませんでした。その時に初めて、わたしはとても欲深い人間だという事に気がついたのです。 三年生になり、受験生となったわたしの周囲は、とても慌しくなってきました。その中でも泉さんは自分のペースを崩すことなく過ごしていました。かがみさんはその事についてよく泉さんに意見していましたが、泉さんはあまりちゃんと聞いていないようでした。進路や受験をまるで他人事のように受け止めている泉さんを、わたしも少し心配でした。このまま進路も決まらずに卒業するのではないか?など、よからぬ考えが頭から離れませんでした。 二学期が始まってすぐのある日の放課後、わたしは委員会の人に「いつまで泉さんと付き合っているの?」と聞かれました。わたしはその質問の意図がつかめず、どういうことなのかと問い返しました。その人は泉さんの成績の事を持ち出してきました。そして、あまり良くない生活態度の事も。そして、それがわたしにとっての悪影響になると。その人は言いました「友達は選んだ方がいいよ」…わたしは頭の奥の方が熱くなるのを感じていました。 冗談じゃない。わたしが嫌々泉さんに付き合ってるとでも言うのか。泉さんと友達でいる事を決めたのはわたしだ。あなたじゃない。泉さん自身にならともかくあなたにそんな事を言われたくない。泉さんの事を何も知らないくせに。 その人がその場からいなくなった後も、わたしの頭の熱はなかなか冷めませんでした。これほどまでに人に強く意見した事などいつ以来だったでしょうか。少し頭が冷えるのを待って、私はその場を離れようとしました。その時にばつの悪そうな顔でこちらを見ている泉さんに気がつきました。 わたしが声をかけるより早く、泉さんが「みゆきさん、大丈夫?」と話しかけてきました。わたしはその質問には答えず、逆に泉さんにどこから聞いていたのかを質問していました。泉さんはわたしから目を逸らして、最初の方から聞いていたと素直に答えてくれました。わたしが何を言うべきか迷っていると、泉さんがもう用事がないなら一緒に帰ろうかと、誘ってくれました。 泉さんの提案で、わたし達はバスを使わず徒歩で駅に向かう事になりました。そして、気がつきました。泉さんと二人きりで下校するのは、これが初めてではないかと。 しばらくは二人とも無言で歩いていました。わたしは、先ほどの事を泉さんがどう思ってるのかそればかり考えていて、何か適当な事も話す事は出来ませんでした。 「さっきのアレ、わたしのために怒ってくれたのかな?」 駅まで半分ほど来た辺りで、泉さんは唐突にそう聞いてきました。わたしはは黙ってうなずきました。そのわたしを見て泉さんは目を瞑ってしばらく考えるような仕草の後、いつもと同じ笑顔を浮かべわたしに向かって親指を立てて見せ、こう言いました。 「いやーおしい。女同士じゃなかったらコレ絶対フラグ立ってたね」 わたしはそんな彼女に対し、苦笑するしかありませんでした。 そこまで書き終えると、みゆきはシャーペンを置きノートを閉じた。 「こんなの書いて、どうするんでしょうね…」 自嘲気味に呟くと、ノートを引き出しの奥の方にしまいこむ。 未だに自分は満たされていない。それどころかどんどん乾いていくようだ。 「まるで恋みたいですね」 恋愛経験など皆無だというのに。ましてや自分たちは女同士だというのに。なぜかみゆきはそう感じた。そして、そう思った自分が可笑しくなり、クスクスと控えめに笑った。 泉さん達はどうなのだろう。みゆきはふとそう思った。彼女たちも自分と同じように、欲を満たすために友達としているのだとうか。 きっとそうだ。妙な確信を持って、みゆきは自分の考えを肯定した。四人が四人とも欲を満たそうと求め合うからこそ、わたし達はここまで友達でいられたのだろう。そしてこれからもそれはきっと、変わりはしないだろう。 みゆきは晴々とした気分で消灯をし、布団に潜り込んだ。今日はきっといい夢が見れる。そして、明日もきっと。 明日は卒業式。旅立ちの時、巣立ちの日と人は言う。 違う道を歩んでいこうとも、欲深いわたし達は望むがままにお互いを求め合うのだろう。 満たされることなく、いつまでも。 - 終 -
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663 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/01/29(火) 14 57 24.93 ID W7BF0USO かがみ「2時間レスがつかなかったら、こなたは貰っていくわ」 こなた「無理でしょ」 664 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/01/29(火) 15 57 40.20 ID .k.b3Dco とりあえず阻止しておく 666 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/01/29(火) 17 34 35.24 ID W7BF0USO こなた「やっぱり阻止されたね。残念でしたかがみ~ん、あれ? かがみ?」 かがみ「…………」 こなた「し、死んでる……!」 668 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/01/29(火) 18 46 37.22 ID IN8jLbo0 666 阻止されてショック死かwwwwww 700 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/01/30(水) 12 37 35.20 ID v1mY.6SO つかさ「よーし、2時間レスがつかなかったら、こなちゃんは私のものだよ~」 こなた「姉妹揃って私を何だと思ってるんだか……ま、無理だろうけどね」 701 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/01/30(水) 12 43 56.85 ID jwO6nkDO 約七分で阻止 707 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/01/30(水) 14 58 06.77 ID v1mY.6SO 701 こなた「なんという阻止力……残念だったねつかさ。つかさ……?」 つかさ「う……酷いよ……私はただ……うっく……こなちゃんと買い物に行ったり……お風呂に入ったり、一緒に寝たり……ぇっく……したかっただけだったのに……」 こなた「つかさ……。それぐらいじゃ、やってあげるよ?」 つかさ「ダメだよ、阻止された人がどうなるか……こなちゃん知ってるでしょ?」 こなた「あ……あの時…… 666」 つかさ「じゃあね、こなちゃん。短い間だったけど……楽しかっ」 つかさはその場で水の用に溶けてしまった……。 こなた「つ、つかさ……。ぺろっ……これはバルサミコ酢!!」 710 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/01/30(水) 17 33 04.92 ID v1mY.6SO みゆき「うふふ」 こなた「みゆきさん、あんたまさか……」 みゆき「お二人とも無謀過ぎるんですよ、二時間なんて無理に決まっています」 こなた「いいよみゆきさん! 私なら好きにして良いから!」 みゆき「泉さん。気持ちは嬉しいのですが、それでは何の価値もありません。泉さんならこの気持ち分かっていただけますよね?」 こなた「みゆきさん……」 みゆき「今から1時間、これより下に書き込みが無かったら、泉さんは私が貰います」 こなた「なんて無謀な……」 711 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/01/30(水) 17 50 38.24 ID jwO6nkDO ……ごめん、みゆきさん! 714 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/01/30(水) 18 33 32.33 ID v1mY.6SO みゆき「うっ……!」 みゆきの眼鏡が割れる。容赦ほど微塵も無く!! こなた「みゆきさん!!」 みゆき「ま、まだです……。たかだか眼鏡が割れただけです……!」 こなた「もういいよ! それだけで済んだんだからこれ以上……」 みゆき「これからが本番です、泉さん」 こなた「みゆきさん!」 みゆき「眼鏡が割れたことで……、私の特殊効果が発動しました……」 みゆき「これより三十分間、書き込みが無かったら……泉さんは私が貰います……!」 こなた「どうしてそこまで……」 みゆき「決まってるじゃないですか……、愛しているからですよ……」 こなた「……!」 みゆきのその笑顔は、こなたが見たどんな笑顔より輝いていた……。 みゆき「三十分……、私は勝ちます……!」 715 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/01/30(水) 18 48 27.20 ID jai7mkAO みゆきざまぁwwww あ…れ…?おれ、シンデ…ル? 718 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/01/30(水) 19 01 17.88 ID v1mY.6SO みゆき「っ!!」 こなた「みゆきさん!」 倒れるみゆきを全力で受け止めるこなた。 みゆき「はぁ……はぁ……泉……さん」 こなた「みゆきさん、もう喋らないで! 今救急車を……」 こなたが携帯をポケットから取り出そうとするが、みゆきはそれを止める。 みゆき「泉さん、もう……手遅れです」 こなた「ダメだよ、死んじゃやだぁ!!」 みゆき「泉さんに、お願いがあります……」 こなた「何……?」 みゆき「私を……、どうかお味噌汁の具に……」 みゆきはそう言うと、静かにこなたの腕の中で……ワカメになった。 こなた「こんなの……、こんなの食べられないよ!!(いろんな意味で)」 721 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/01/30(水) 19 28 10.94 ID lm0zhgE0 みなみ「あと1時間……書き込みが無かったら……ゆたかは私のもの……」 ゆかり「でもゆたかちゃんが書き込んじゃったらどうするの~?」 みなみ「ビクッ!」 722 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/01/30(水) 19 40 58.13 ID mwkolp.0 ゆたか 721「みなみちゃん、ごめんね……」 782 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/02/01(金) 07 56 13.83 ID AqQlxsSO みなみ「今から3分間……レスがつかなかったら……ゆたかは私の嫁……」 ゆたか「…………」 その時、水晶玉の様に透き通った瞳が、私をじっと見つめていた。 どうしたの……ゆたか……? 783 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/02/01(金) 08 11 37.48 ID AqQlxsSO みなみ「ゆたか、私やったよ……」 ゆたか「……みなみちゃん」 ゆたかは少し困ったような顔をしていた。……何故? ゆたか「私、みなみちゃんの事は大好きだよ。このままお嫁さんになってもいいくらい」 みなみ「ゆたか……!」 ゆたか「でもね、少しがっかりしちゃった……」 みなみ「え……」 ゆたか「みなみちゃんは知ってる? 一人の女の子の為に、命を賭けた三人の女の子の話」 みなみ「し、知らない……」 ゆたか「じゃあ教えてあげるね……。 666 707 718。あの時のワカメ御飯、すごく美味しかった」 みなみ「こ、これは……」 ゆたか「みなみちゃんが賭けた時間はわずか3分……」 みなみ「私は……」 ゆたか「私も、お姉ちゃんみたいに愛されたかったな……」 みなみ「ゆたか、私は間違ってた!」 ゆたか「みなみちゃん?」 みなみ「今から8時間……。ゆ……、『ゆーちゃんはこなたの嫁。⊂(^ω^)⊃』と書かれなかったら、ゆたかは私の嫁……(///)」 ゆたか「みなみちゃん……私うれしい!!」 みなみ「ゆたか、私……頑張るから……!」 ひより(こ、これはまさかの展開ッス!! 阻止されませんよーに!!) 784 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/02/01(金) 08 55 02.79 ID 8wC22WEo ゆーちゃんはこなたの嫁。⊂(=ω=.)⊃ 8時間がんばりな 785 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/02/01(金) 09 47 31.15 ID BkSplUDO 783それさえ言わなければいいわけだね。支援! 786 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/02/01(金) 10 59 30.44 ID 8wC22WEo あと5時間いけるんじゃね? ゆーちゃんは俺の嫁。⊂(^ω^)⊃ 790 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/02/01(金) 17 52 09.06 ID AqQlxsSO みなみ「……やったの?」 ゆたか「みなみちゃぁん!!」 ゆたかがみなみに抱き着く。 ゆたか「凄い、凄いよ! 8時間以上も!!」 みなみ「ゆたか……。皆が……皆が私達を認めてくれた……」 ゆたか「私なんだか……嬉しくて涙が……」 みなみ「ゆたか……」 みなみがゆたかをやさしく抱き返す。 みなみ「私で……良いよね?」 ゆたか「うん、みなみちゃん。改めてよろしくね(///)」 みなみ「こ、こちらこそ……(///)」 ゆたか「ところで、お嫁さんになるのは良いんだけど、何をすれば良いのかなぁ」 みなみ「わからない……ごめん」 みなみの言葉に、クスッと笑うゆたか。 ゆたか「しょーがないなー、みなみちゃんは。まだまだこれから時間はあるし、二人で考えよ?」 みなみ「うん……」 ゆたか「でも、お嫁さんになったからには先ずやることがあるよね」 そういうと、ゆたかは目を閉じ、少し背伸びをしてみなみの顔に近づける。 みなみ「……」 みなみもそれに従い、目を閉じ……そして……。 ひより「うつくしい……」 物影からその光景を、食い入るように見ているひより。その目はキラキラに輝いている。 ひより「これぞ私が求めていた美ッス! これに勝るものはないッス!!」 ひより大絶賛中。そしてスケブとペンを取り出し……。 ひより「さっそくこのネタを……」 しかし、ひよりの手は動くことはなかった。 ひより「いや、ダメッス。あんな幸せそうな二人をネタにしたら、バチが当たるッスよ」 ひよりはスケブとペンをしまい、その場を去る。 ひより「私に出来ることは、あの二人の幸せを願うことだけッス……」 796 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/02/01(金) 20 00 50.93 ID Qx6iucQ0 790 GJ! できればバッドエンドも見てみたいなww 798 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/02/01(金) 20 18 17.88 ID AqQlxsSO 796 一応考えてあったんだけどねww ちょっとまってて 802 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/02/01(金) 20 46 09.64 ID AqQlxsSO 796リクエスト BADEND発動キー『ゆーちゃんはこなたの嫁⊂(^ω^)⊃』 みなみ「っ!!」 みなみの身体に電流が走る。そしてそのまま崩れるように倒れていく。 ゆたか「み、みなみちゃん!?」 みなみ「――っあ、――!!」 俯せに倒れているみなみは身体が痛いのを抑えて、なんとかゆたかの方を向くが……様子がおかしい。 みなみ「――、――!」 ゆたか「え? みなみちゃん?」 必死に口を動かすが、声が出ない……。みなみは涙を流しそうになったが、その姿をゆたかに見せてはイケないと思い、それを我慢した。自分が起こりえない奇跡を賭けたのが悪かったんだ、それが理由でゆたかを余計に悲しませたく無かった。 ゆたか「みなみちゃん……。ごめん……わだしが……あんなごど言うがら……」 みなみは精一杯の力を出して、ゆたかの涙を指で拭き取る。 ゆたか「みなみちゃん……?」 みなみ「――――」 みなみはゆっくりと首を横に振り、ゆたかの謝罪を否定する。そして、最高の笑顔で何かを言った。 みなみ「――い――て――る」 そう呟くと、みなみは光の粒子になり消えていった……。 ゆたか「私も……私も愛してるよ……みなみちゃん!!」 ゆたかには、みなみの最後の言葉を理解できたらしい。そしてゆたかは、みなみの粒子が消えるまでその場に立ち尽くしていた……。 844 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/02/02(土) 22 22 28.10 ID KhT7c/Q0 まあなんだ、喧嘩はすんな。 これでも食って落ち着け つ餃子 845 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/02/02(土) 22 34 11.99 ID 4JNlX2co うめえ! 846 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/02/02(土) 22 35 12.38 ID Vq04DQSO 腹痛い……うっ……! 847 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/02/02(土) 22 52 42.66 ID K3tXiPU0 つかさ「餃子にはやっぱバルサミコ酢があうね♪」 848 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/02/02(土) 23 17 09.94 ID dwHG16AO 誰か救急車を早くー! 849 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/02/02(土) 23 26 24.56 ID Vq04DQSO ゆたか「これが例の餃子だね」 こなた「そーだよ、早く捨てない……」 ゆたか「ぱくっ」 こなた「ちょちょちょ! 何食べてんの!?」 ゆたか「ま、間違えちゃったぁ……うわぁぁぁぁ」 こなた「ぎゃあぁぁぁぁ!! ゆーちゃんが溶けたぁぁぁー!!」 850 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/02/02(土) 23 27 23.53 ID VGu0KFk0 ひかげ「餃子…食べても…いいのかな…」 851 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/02/02(土) 23 32 06.16 ID K3tXiPU0 かがみ「こなた、あ~んしてww」 こなた「いやあああ!!そ、その餃子は・・ぎゃああああああ!!」 チュドーン 852 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/02/02(土) 23 32 22.59 ID B/n.4vE0 ひなた「大丈夫よひかげちゃん。生ゴミよりは安全だから」 853 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/02/02(土) 23 44 02.59 ID Vq04DQSO つかさ「えへへ☆ ミートボールと餃子の肉をすり替えてみたよ」 ―――――― みさお「へへ、ミートボール♪ ミートボールぅ♪」 かがみ「そのミートボールいただき!!」 みさお「あ! なにすん……」 ティウンティウンティウン みさお「ひ、柊……?」 ――――― つかさ「あんれぇー?」 854 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/02/02(土) 23 48 11.46 ID jkj7SQwo つかさ「こなちゃーん、おねーちゃーん、ゆきちゃーん。ごはんだよー」 みゆき「つかささん、この匂いは…」 こなた「おぉ!餃子だ!」 かがみ「ちょっとつかさ、これ大丈夫なの?」 つかさ「冷凍物だけど大丈夫だよ」 ガサガサ つかさ「ほら、宇都宮産に浜松産。ちゃんと国産のもの使ってるよ」 かがみ「浜松?そんなとこで餃子作ってたかしら」 みWiki「静岡県も餃子の生産量は多いですよ。 静岡市は県庁所在地の中では第2位の餃子消費量ですし、 かがみさんのおっしゃった、浜松市は餃子学会というものが存在しますし、 B-1グランプリでは浜松餃子も出ていますよ」 浜松餃子はお野菜が多くてとても健康的なんですよ」 かがみ「さすがみゆきね。じゃ、食べましょ…って、無い!」 つかこな「ごちそうさまー」 こなた「みゆきさんの話長いから先に食べちゃった」 つかさ「ごめんねー」 855 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/02/03(日) 00 05 00.41 ID Dkv6VAA0 こなた「こちらに、今話題の毒餃子があります。焼きたてです」 かがみ「ふむ」 こなた「こちらには、私が作った本物そっくりの偽物があります。 材料は純国産、同じく焼きたてです」 かがみ「…」 こなた「えや!シャッフル!ついでにミキサーGO!!」 かがみ「…食べなさいよ」 こなた「え…」 かがみ「食べ物の無駄は許されないわ、こなた」 こなた「いや…、さすがにコレは…かがみん、どうぞ!」 かがみ「食べなさい?こなた」 つかさ「食べなきゃだめだよ?こなちゃん」 みゆき「自己責任ですね。こなたさんには食べる義務があります」 こなた「ははは…や、こ、これはさ…ね?」 かがみ「もったいね~」 つかさ「もったいね~」 みゆき「もったいね~」 こなた「ひぃぃぃぃ!ゴグ…モグ…モギュ…ごくん…」 wiki~公共高良機構です。 みゆき「みなさん、食べ残しはいけませんよ?」 856 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/02/03(日) 00 07 39.10 ID Qe/brX20 こなた「へえ、今日のお弁当は餃子なんだ。めずらし~」 つかさ「そーなんだよ。食べる?」 こなた「うん、食べる!」 ぱく こなた「って、まずっ!!何ぞこれ!」 つかさ「今日はお姉ちゃんがお弁当担当だったからね」 こなた「こんなの食べられないよ!水っ!水~っ!」 つかさ「はい」 ごくごく こなた「ゲホッ、ゴホッ・・何これ・・・これ水じゃない・・でしょ?」 つかさ「そーだよ。バルサミコ酢だもん。あはは♪バル酢~☆」 こなた「バルサミコ酢・・ガハッ」 バタッ 857 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/02/03(日) 00 54 36.76 ID s5zSfsDO なんという餃子スレ 182 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/02/08(金) 17 27 44.13 ID xHZxtgc0 みさお「なぁ、あやや」 あやの「…え?…私?」 みさお「そうそう。あやのだからあやや。あやのあだ名ないじゃん?だから今考えた」 あやの「みさちゃん、舐めたらあかんぜよ?」 かがみ「…スケバン刑事かよ…ひゃ!?こなた!?」 こなた「かがみが\(=ω=.)/透けパン穿いてる~♪」 …ざわざわ…ざわざわ…ざわ…ざわ…ざわ…ざわ… かがみ「ちょ、なわけあるな!みんなこっちみんな!鼻血出すな! こなた!辺りにばらまくなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」 183 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/02/08(金) 17 38 45.45 ID TH50dI.o 182 つかさ「お姉ちゃん、学校で勝負パンツだなんて……」 229 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/02/09(土) 17 47 51.79 ID 3dPN04U0 かがみ「もう6時…、そろそろおやつの時間ね」 230 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/02/09(土) 17 58 23.65 ID 3lxYLISO みゆき「かがみさん?おやつは3時ですよ?」 231 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/02/09(土) 18 07 37.05 ID Fw1j/e.0 つかさ「お姉ちゃんのおやつの時間は、15分間隔なんだよ」 232 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/02/09(土) 18 10 19.49 ID 3lxYLISO こなた「じゃあさ~授業中はどうしてるの~食べてたら怒られるよ?」 233 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/02/09(土) 18 14 43.53 ID Fw1j/e.0 かがみ「黙りなさい」 234 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/02/09(土) 18 24 25.62 ID oC7DxxE0 こなた「次にかがみは『ブチ[ピーーー]わよ・・・アンタら・・・』と言う!」 237 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/02/09(土) 18 47 24.32 ID 3dPN04U0 かがみ『「ブチのめすわよ…あんたら…」?』 251 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/02/09(土) 21 06 43.27 ID dxpLJFco 「日下部みさお」だけのキャラソンが来月出るんやね。 背景コンビは解消か?w 255 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/02/09(土) 21 27 34.35 ID avD1gIs0 251 あやの「あ、もしもし、ランティスさんですか?あ、あの、日下部みさおの単独CDの 件についてなんですけど…え、あ、私はみさおの姉で、みさえと申します。 …はい。あ、用件はですね、CDのリリースのキャンセルをお願い致したく …ええ。その、家庭内の事情と申しますか、大変申し訳ないのですが…はい。 それは充分理解しています。…すいません。…はい。…えっ!?良いんですか? …あ、はい…はい。それでは、よろしくお願いします」ガチャ… こうですか>< 259 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/02/09(土) 21 41 54.91 ID Je8oZtko あやの「あ、もしもし、ランティスさんですか?あ、あの、日下部みさおの単独CDの 件についてなんですけど…え、あ、私はみさおの義姉で、あやのと申します。 …はい。あ、用件はですね、CDのリリースのキャンセルをお願い致したく …ええ。その、家庭内の事情と申しますか、大変申し訳ないのですが…はい。 それは充分理解しています。…すいません。…はい。…えっ!?良いんですか? …あ、はい…はい。それでは、よろしくお願いします」ガチャ… 261 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/02/09(土) 21 51 53.09 ID dxpLJFco 259 ランティス「ああ、あやのさんですか。以前はどうも。そうですかぁ、家庭の事情じゃ仕方ありませんね。 それじゃあ発売中止ということで」 ガチャ…。 ピポパ…。 ランティス「あ、営業さんですか?みさおさんのCD発売中止になりましたんで、そのあとに予定していた あやのさんの単独CDも中止になります。ええ、残念ですけど。それでは」 262 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/02/09(土) 21 53 32.75 ID Je8oZtko 今回の教訓 人を呪わば穴二つ 263 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/02/09(土) 21 55 27.45 ID dxpLJFco 262 うまい締めだw 264 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/02/09(土) 21 55 28.05 ID VUjapOg0 みさお「…(なんで…)orz」 あやの「…(私まで…)orz」 266 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/02/09(土) 22 02 06.78 ID ZLEPXsgo 264 穴二つ……前と、後ろっすか………… ……いかーーん!自重しろ、自重しろ私ーーっ!! 272 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/02/09(土) 22 17 44.19 ID dxpLJFco 266 穴二つ……。 きよたか→そうじろう←ただお の順でいいのかな……w 273 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/02/09(土) 22 39 44.54 ID Je8oZtko 266, 272 お前ら… 278 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/02/09(土) 23 27 20.79 ID VB3ii8o0 なぜチョココロネが好きなのか・・・ かなたとそうじろうが「こなた」と命名した真実とは・・・ 生まれる前から現在まで、泉こなたの生い立ちを毎号詳しい図解や本人からの生話を収録 創刊号はこなたんキーホルダーがついて560円 らきゴスティーニ☆ 279 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/02/09(土) 23 38 09.57 ID ZLEPXsgo 278 『泉こなたFACT FILE』なら創刊号特別付録はバインダーだろ常考 748 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/02/20(水) 10 41 03.62 ID 0zd94oAO つかさ「うっかり先生殴っちゃったよ。でもそんなの関係ねぇ、関係ねぇ~♪」 749 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/02/20(水) 15 22 07.04 ID tiXM.USO ななこ「ちょっと職員室行こか?」 147 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/02/28(木) 17 31 22.38 ID YdxHM.o0 かがみ「ここに21匹のこなたがいます。このこなたを4つの囲いで囲む時、全ての囲いに こなたが奇数になるように囲むにはどうすればいいでしょうか?」 回答は複数あるから考えてみて 151 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/02/28(木) 18 41 01.00 ID YdxHM.o0 かがみ「答えの一つは21匹のこなたをこうやって四重にして囲む」 ┏━━━━━━━━━━┓ ┃┏━━━━━━━━┓┃ ┃┃┏━━━━━━┓┃┃ ┃┃┃┏━━━━┓┃┃┃ ┃┃┃┃21こなた┃┃┃┃ ┃┃┃┗━━━━┛┃┃┃ ┃┃┗━━━━━━┛┃┃ ┃┗━━━━━━━━┛┃ ┗━━━━━━━━━━┛ かがみ「もう一つは3つの囲いにそれぞれ奇数匹のこなたを入れて、その3つの囲いをのこりの一つの囲いで囲むのよ」 ┏━━━━━━━━━━━━━━━┓ ┃┏━━━┓┏━━━┓┏━━━┓┃ ┃┃7 こな ┃┃7 こな ┃┃7 こな ┃┃ ┃┗━━━┛┗━━━┛┗━━━┛┃ ┗━━━━━━━━━━━━━━━┛ かがみ「あと、こんなのもあるわね」 ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ ┃ ..┏━━━━━━━━━━━━━━┓┃ ┃ ..┃.. ┏━━━━━━━━━┓┃┃ ┃ ..┃.. ┃.. ┏━━━━┓┃┃┃ ┃2こなた┃6こなた ┃6こなた┃7こなた... ┃┃┃┃ ┃ ..┃.. ┃.. ┗━━━━┛┃┃┃ ┃ ..┃.. ┗━━━━━━━━━┛┃┃ ┃ ..┗━━━━━━━━━━━━━━┛┃ ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ かがみ「こんなところね。誰も正解できなかったみたいだから、囲いの中のこなたは私がもらうわね」 152 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/02/28(木) 18 42 24.60 ID p88uezw0 こなた「なにこの人達私が21人とか分裂とかあたまおかしいんじゃないの・・・」 つまりモヤっとってわけだが 156 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/02/28(木) 18 49 58.76 ID QLPmuT.0 151 こなた「モヤっとーっ!!モヤっとーっ!!!かがみんのいじわるうっ」 ポーン ポーン ポーン ポ(ry かがみ「ちょっ、待っ・・こなた、痛いって!」(TT)る~ 194 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/03/01(土) 00 31 35.19 ID eaYxko60 こなたの家に泥棒が入った。やがて、3人の女子生徒が容疑者として浮かび上がった 3人の言い訳はこうだ。 かがみ「私は犯人じゃない」 みゆき「つかささんは犯人じゃありません」 つかさ「私が犯人です……」 この後、3人のうち2人が嘘を言っていると判明した。 さて、犯人は誰か? 195 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/03/01(土) 01 43 35.16 ID AFlPe6M0 194 単純に考えればかがみだよなー。でももしかしたらこれはミスリード??? 196 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/03/01(土) 02 18 16.13 ID 92a6BwM0 誰か一人が本当の事を言ってるとして、それで他二人との矛盾を検証…… かがみとつかさが共犯だな 197 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/03/01(土) 02 21 26.46 ID 92a6BwM0 むぁちがえた…… 198 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/03/01(土) 03 10 02.30 ID eaYxko60 ああ説明が足りなかった 犯人は1人です 199 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/03/01(土) 05 04 55.52 ID Rc.Yb2DO ウソをついた場合、みんなの言い分はこうなるな かがみ「私は犯人じゃない」→「私が犯人」 みゆき「つかさは犯人じゃない」→「つかさが犯人」 つかさ「私が犯人」→「私は犯人じゃない」 ということで、ウソをついてるのはかがみとつかさで、犯人はかがみだね 200 :嘘解答 :2008/03/01(土) 11 01 47.03 ID ht5hLNY0 194 「わかった。犯人はかがみだよ」 こなたの言葉には淀みがなく、友人の罪を問い詰めているとは思えないほど冷静だった。 真面目な表情のこなたからは冗談ばかりを言う普段の姿が想像できず、二人が驚いた。 二人だけが。 「……確かにね。みゆきの言葉だけが正しくて、犯人は私だと思えるのかもしれない」 一片の動揺すら見せなかったかがみはそう言うと、部屋の中央から隅へと移動した。 その足取りはあまりにも堂々としていて、こなたは自信を失いかける。 みゆきとすれ違う瞬間にさえかがみの視線がこなたに向けられていた事も、その不安を後押しした。 移動を終えたかがみは、部屋の入り口からは最も遠い、逃げ場の無い場所に立つことになる。 かがみは壁に背を預けると、小さな探偵少女に視線を向けて、再び口を開いた。 「私は、こなたを悲しませるような事は、絶対にしない」 それを聞いて、こなたの胸がずきりと痛んだ。 たとえ、三人の内から一人を選ぶ必要があったとしても、他の二人を疑うべきだったのではないか。 後悔がこなたの理性を麻痺させて、謝罪の言葉を口にしかけた。 それが声にならなかったのは、直前で残り二人の顔を見たためだ。 犯人はこの中にいる。 そして、謝るということは真犯人が他にいると認めることで、今度は二人を疑わなければいけない。 「――ですが、理論上はあなたが犯人のはずです」 こなたに代わって追求を続けたのは、みゆきだった。 彼女ならば感情に惑わされず、理詰めで事件を解決してくれるだろうと、つかさは期待をしていた。 その期待は裏切られない。 ただし、彼女と対峙しているのが別の誰かであったなら、という限定付きで。 「二人が嘘を言っている。そして私も嘘つきの一人。でもね。嘘をつかなくても真実を偽ることは出来る」 かがみの言おうとしている事に気がついたのは、みゆきだけだった。 しかし三人はかがみを見つめていて、みゆきの異変に気づいたのもまた、一人だけだった。 「そんなに慌てないでよ。もうちょっと、みゆきらしく振舞ったら?」 「何を言っているのか、わかりませんね。そもそも私が焦る必要はないでしょう」 事態を把握できていないつかさは、睨み合う二人を交互に見る。 かがみが次の言葉を放ったのは、こなたが同じようにして、かがみに目を向けた瞬間だった。 「だって、犯人はみゆきでしょう?」 今度こそ、部屋の空気が凍りついた。 201 :嘘解答 :2008/03/01(土) 11 05 49.86 ID ht5hLNY0 「簡単にまとめてあげる。 私は犯人じゃない、というのは嘘で、「私が犯人」という意味になる。 つかさの言った「私が犯人」というのは、「私は犯人じゃない」という意味になる。 そこまでは、こなたがたどり着いた真相と同じ。 でもね、『嘘ではない』みゆきの言葉だけは私達の言葉とは違うのよ。 私とつかさは自分の事についてのみ語っているけど、みゆきは他人についての話をしている」 「それが何か問題なのでしょうか? つかささんが犯人ではないと言っただけなのですが」 「そうね。みゆきは『つかさが犯人じゃない』とだけ言った。つまり、残り二人については何も語っていない」 結論を告げることに抵抗があるのか、かがみはそこで黙ってしまった。 長い沈黙の時間があり、続きを聞く覚悟を決めた部屋の主は、呟くようにして言った。 「つまり、共犯の可能性があるってこと?」 かがみはゆっくりと頷いた。 「私は犯行の手助けをしてしまった――いえ、させられた」 「アリバイ作り?」 つかさが尋ねる。 「ううん。頼まれて、部屋の合鍵を貸したの。こなたの誕生日パーティーの準備を、こっそりやるために」 「えっ? ちょ、ちょっと。いつの間に合鍵なんて作ったのさ!?」 突然とんでもない事を言い出した友人にこなたは詰め寄るが、かがみは話を聞いていなかった。 「私だけが持っていい物だったのに、考えなしに他人に使わせて、こんな事件になってしまった」 「……かがみが持つのも許してないんですけど」 かがみが涙目になったかと思うと、彼女は腕を大きく広げ、こなたとの距離を零にした。 「こなた。私を殴って。そうしなければ、私はこなたと抱擁する資格さえ無い!」 「いや、もう抱きしめられてるから。力入れすぎだから。かがみ、聞いてる? かーがーみー」 「あ、あのー。こなちゃん。ゆきちゃんに逃げちゃったんだけど……」 / 「――怪盗やみゆきともあろう者が、盗みに失敗した上に、犯人であることまで露呈するなんて」 「ごめんなさい、お母さん。後付の条件を出したのに、『実行犯は一人』と変換されてしまいました……」 「怪盗やみゆきの腕も落ちたものね。そろそろ引退の時期なのかしら?」 「そ、そんな。もう一度だけチャンスを!」 「そうね。あなたは私の可愛い娘ですものね。一度くらいのミスは許してあげます。でも、今度失敗したら」 「はい。次こそは、必ずや」 (柊かがみ……その子とは、またどこかで対決する時が来る様な気がするわ) ~終~ 293 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/03/02(日) 20 32 10.84 ID PNw6NcDO 腹黒こなたん 男「人間なんて悪人ばっかだ!」 こなた「そんなことないよ。世の中にはちゃんと善人もいるよ」 男「はん、そんなこと……」 こなた「ただし、割合は『善人2%、悪人70%、偽善者28%』くらいだけどね」 男「い、いくらなんでも人間そこまで腐ってねー!!」 こなた「はっはっは。そーいう君は本当はいい人なんだねぇ」 つかさ「こなちゃん……黒いよ……」 294 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/03/02(日) 20 34 45.34 ID P6j1nVYo こなた「お前が言うなよカス」 つかさ「・・・・・・」 295 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/03/02(日) 22 16 14.32 ID AnpjNwAO ゆたか「確かにお姉ちゃんの言う通りつかさ先輩黒いよねぇ~」 こなた「お前もだカス」 296 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/03/02(日) 22 16 31.99 ID PFlzPASO みゆき「これは一本取られましたね、つかささん」 つかさ「……なにこのワカメ」 301:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします:2008/03/03(月) 10 03 14.66 ID dsGUIkSO 今日は3月3日……何かの日です 302:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/03/03(月) 11 53 54.23 ID IbxyIkco 301 耳の日 303 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/03/03(月) 12 20 22.22 ID u3OLHADO 眼鏡を取ったのび太の目の日 304:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/03/03(月) 12 23 39.76ID dsGUIkSO かがみ「こなたの口の日よ♪」プニプニ こなた「ちょ……やめれ」 かがみ「柔らかくて気持ち良いわー♪」 331 :ゆーちゃん何聞いてるの? :2008/03/04(火) 06 15 56.36 ID 4zOlhMDO こなた「今日はゆーちゃん、何聞いてるのかな?」 ゆたか「Do you know、Michael Jackson?」 こなた「ああ。そういえばゆーちゃん、お父さんに『英語の教材買って』って頼んでたっけ。 ……てゆーか『あなたはマイケル=ジャクソンを知ってますか』って」 ゆたか「No! SIRIMASEN!!」 こなた「お父さーーーーん!!偽物掴まされてるよーーーー!!!」 333 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/03/04(火) 15 54 41.66 ID UPOd4YY0 331 ゆたかならパティに教えてもらえるだろ 334 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/03/04(火) 17 52 42.17 ID rGm7EQAO パティ「I like boys love」 ゆたか「I like boys love」 パティ「Goodトテモイイ発音デシタ」 ゆたか「本当!?アメリカでも通じる?」 パティ「モチロンデス(意味ハ通ジナイト思いマスガ)」 ゆたか「I like boys love~」 337 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/03/04(火) 21 23 14.78 ID UPOd4YY0 ゆたか「I like boys love~」 ひより(小早川さん……あなたまでこの道に入ってしまいましたか……) パティ「安心してクダサイ、ヒヨリ! ワタシが英語の指導しただけデス」 ひより「いやいやいや指導の仕方何か間違ってるよ」 339 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/03/04(火) 22 18 20.16 ID DHpM.Oc0 337 ゆたか「I like boys love~♪」 こなた「ぬおっ!ゆーちゃんがいつの間にか染まってる!?」 そうじろう「あ~。これじゃあゆきに怒られちまうなぁ」 こなた「お父さん!そんな悠長なこと言ってないで早くなんとかしてよ!!」 そうじろう「でもどうやって説明するんだ?あの様子だとたぶん何も知らないで使ってるぞ?」 こなた「わ、わかってるよぉ……(どうする?どうする私!?)」 421 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/03/06(木) 19 06 33.80 ID 1Iqv9wAO みなみ「(たまにははっちゃけたい………人は居ないかな)」キョロキョロ みなみ「(よし誰も居ない)」 みなみ「魔女っ娘みなみんが困っている人を守ってあ・げ・る」 みなみ「(言っちゃった///)」 ゆたか「魔女っ娘みなみん助けて~」ニヤニヤ みなみ「/(^o^)\ナンテコッタイ」 422 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/03/06(木) 19 21 30.39 ID PuoNTGY0 421 ゆかり「うぷぷぷぷぷぷ……も、もう限界……きゃはははははははは」 522 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/03/09(日) 20 41 23.26 ID vkPMxIk0 かがみ「今日のこなたは何色だっほい♪」バサッ こなた「ひゃ!?」 かがみ「・・・・・・穿いてない」 こなた「もうかがみに全部盗られちゃったから無いんだよ!! パンツ返してよ!!」 かがみ「こなた・・・・・・」 こなた「うっ・・・ひっく・・・・・・」 かがみ「じゃあスカート貰うわね♪」 こなた「いやあぁぁぁぁぁぁっ!!」 523 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/03/09(日) 21 07 16.59 ID DIRMUaA0 522 みさお「ち、ちびっこ絡みの柊超変態伝説!?」 562 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/03/10(月) 22 57 57.70 ID tpG5bcAO このスレ補正でキャラ対戦させたら誰が1番強いのだろうか ブチ切れあやの 暴走かがみ 酢の戦士つかさ(黒)やみゆき様 幽霊見えちゃうこなた オワタみなみちゃん まぁ対男子ならただおさんが最強だが 566 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/03/11(火) 00 08 32.05 ID Sb7D2.k0 562こうですか>< 眠れる獅子は、或いは羅刹か、ディコティックガールあやの こなたの為なら死をも超える、不退転巫女、かがみ 不可思議パワーは誰が為に、ミスティックバルス、つかさ(酢戦士) 黄色いりぼんは鬼の印、ベルセルクバルスつかさ(黒) 内に秘めしは闇の花、咲くは魔性の地獄花、デストロイドwiki、みゆき 望まぬながら、見えるは死魂、見たき魂いずこある、ソウルサーチャーこなた 全ては3秒でケリがつく …お前もミートボールにしてやろーか!?ブラッディボーラーみさお 八百万の薔薇ノ神、喰らうはヤツか!ヤツなのか!?シャーマニックゲイ、ただお みなみは英文にしたかっけど思い浮かばず。無念 シャーマニックゲイはないだろ…と書いといて思う あとかなたさんはいじるの恐いので辞退した。 582 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/03/11(火) 21 57 15.77 ID 8QjkYmc0 ー改☆悪ー こなた、すまない。俺、こんな生活、耐えられないよ。 お前は強い子だ。俺なんかいなくてもやっていける。 先立つ不幸を許してくれ、こなた。 おや…あれがあの世か。 …あそこにいるのは…かなたか?出迎えにきてくれているのか? おーい、かな…?…え…ちょ…あれは 「お、お前…こなた…か?」 「えへへ…お父さん。先立っちゃった不幸をお許し下さい」 「お前…」 「エロゲーもダメ、漫画もダメ、同人誌も…生きてる意味ないよ、こんな世界…」 「…気違イに刃物がまかり通る世の中だからな。しかし…」 「お父さん、これからは3人で仲良くやろ!」 「…そうだな。今更言っても仕方がない。いくか!かなたの許へ!」 「うん!」 「あーあー、昔はアグネス好きだったんだけどな~」 ーー 『…発見された遺体は、この家に住む作家の泉そうじろうさんと、 娘の女学生、こなたさんと思われ、外傷や争った痕跡のない事等から、 自殺とみて警察は…』 自殺じゃないわ。殺されたのよ、法律に。こなた達は何も悪くないのに。 私、弁護士になって、困っている人を守りたかった。 でも、無理ね。一番守りたかった人がいないなんて…無理。だから お父さん、お母さん、姉さん、つかさ 先立つ不幸をお許し下さい。 待っててね、こなた ーー 『次のニュースです。鷹宮神社で発見された2つの遺体は…』 決まれば不幸の連鎖なんてもんじゃねー! 583 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/03/11(火) 22 08 12.57 ID .B8nvwSO 582 法律が決まってしまえば有り得る話だな 何とかして止めれないもんかね? いっそスレ住人全体で反対するとかいいかも この話のそうじろう・こなた・かがみ・つかさみたいな人を出さないために 584 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/03/11(火) 22 12 07.43 ID pEpewoSO あぁ、あの日本人を弱体化する法律ね。 嘘だと言ってくれって話だな…… 585 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/03/11(火) 22 13 03.90 ID xZw2wgDO 582 583kwsk 586 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/03/11(火) 22 23 44.15 ID fO.zHts0 ヒント:児ポ法 587 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/03/11(火) 22 57 46.09 ID pEpewoSO 俺は勘違いしていたようだ 588 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/03/11(火) 23 04 10.62 ID TblDiKw0 ちょww人権擁護法案でしょww 589 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/03/11(火) 23 23 08.41 ID SbZoDrs0 保護の名のもとに 「もしもし!?岩崎さんすか!?」 「…田村さん?…そんなに慌て」 「た、大変ス!ゆーちゃんが、ゆーちゃんが!」 「ゆたかが…ゆたかが何?」 「警察に捕まったっス!」 「え…」 「ネットで何か書き込んだしらくて、そしたら相手が外国人だったらしくて」 「どういう…」 「ゆーちゃん、最近2ちゃん見てるって言ってたっスから、もしかしたらそこで…」 「2ちゃん…」 ゆーちゃんを保護してください>< 590 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/03/11(火) 23 59 13.92 ID xZw2wgDO このバカなゆとりにも解るように簡単に言ってください お願いします>< 592 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/03/12(水) 00 28 47.59 ID /8Oj5oDO 簡単に言うと ほとんどのアニメを児童がどうだのこうだのぬかして 規制するクソ憲法 593 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/03/12(水) 00 49 46.62 ID KvX/TkAO 592 それは違うほうだww 簡単にいうと発言に気をつけてねー口の悪い人は逮捕してテレビで名前を公にしちゃうよーってやつ 詳しくはみwikiさんに電話して聞け 594 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/03/12(水) 01 03 01.50 ID wYjRbww0 593 みwikiさんの電話番号おせーてくだし 595 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/03/12(水) 01 03 19.19 ID NfKuQeE0 590 「差別発言で傷つけられました><」 と、申し出れば、差別発言された方を捕まえる事ができる。 と言うのが、この人権保護法案の主旨たるもので、これが誰の為の法案かと言うと、 日本人ではなく、 591の言われた通り、その国の方に対してのモノなのです。 尚、彼らの言う「差別だ!」発言は、正論でも言い返してくる、言わば決まり文句。 彼等的には、優遇されない=差別、と考えて頂いて間違いありません。 日本人自ら日本人に圧力をかけようとする法案、とても解せるものではありませんが これを敢えて推し進める売国政治家や市民団体が多いのもまた事実。 案が通れば日本は暗黒時代に入る、これは言い過ぎ、誇大妄想の類ではありません。 今、日本が直面している、危機、なのです。byみゆき 702 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/03/15(土) 22 47 29.56 ID DN6E6AAO みなみ「私には二つの島が無い……あるのは平らな海だけ……」 703 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/03/15(土) 22 59 40.48 ID 1i2gY6M0 702 ゆかり「しかも干上がりそうよね…ぷぷぷ」 704 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/03/15(土) 23 05 02.78 ID sjeoPwSO 702 みゆき「ふぅ……、肩が凝りますね」 705 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/03/15(土) 23 39 32.32 ID Xh5ywsAO 702 ただお「う、うほっ?」 842 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/03/18(火) 23 28 43.21 ゆたか「いいなぁみなみちゃんはムネおっきくて…あたしなんかペッタンコ‥」 こなた「むむ~っ、まったくだ、けしからん!(モミモミ」 みなみ「やっ、やめてください泉センパイ////」 こなた「ええでわないかええでわないか、ゲッヘヘ」 かがみ「やめんかエロオヤジ!(パシッ」 こなた「あ痛っ」 Oo。}みなみ「……。」 ゆたか「みなみちゃん?」 みなみ「飲まなきゃ!(ゴクゴクゴク…」 牛乳に相談だっ!! 843 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/03/18(火) 23 39 17.92 そうじろう「飲むかい?俺の牛乳」 844 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/03/18(火) 23 39 38.65 ダウトダウト
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[部分編集] http //www.nicovideo.jp/watch/sm9314244 投稿者コメント1.コメント2.コメント3.コメント この作品のタグ:第3回ニコニコ紅白MAD合戦 「黒組」 レビュー欄 色々やってるのにムリヤリ感がなくて自然。 演出を使いこなすって、こういうことなんですね。 素直に感心してしまいました。 -- 名無しさん (2010-02-07 16 09 28) 名前 コメント 第3回ニコニコ紅白MAD合戦 「黒組」
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【デュエルパート2】 ここまでの状況を説明しよう。 こなたの手札は3枚、フィールドには『泉そうじろう』攻撃2200、『泉こなたLV6』攻撃2500、『田村ひより』守備1900。ライフは8000で、デッキは28枚。墓地は5枚で除外されたカードは『パトリシア・マーティン』1体だ。 かがみの手札は3枚(内1枚はいのり)。フィールドには『柊みき(タダオカウンター1)』攻撃1500。ライフは7000で、デッキは26枚。墓地は9枚で除外されたカードは『柊つかさ』1体だ。 そして今はかがみのターン。余程すごいカードを引いたらしいのだが、果たして……。 「魔法カード『幸せ未来日記』発動! デッキからモンスターを選択し、そのモンスターに必要な生贄をデッキ、または手札から墓地に捨てることで、次の私のスタンバイフェイズに選択したモンスターを特殊召喚できる」 かがみはデュエルディスクからデッキを取り出し、モンスターを選ぶ。 「私は、私自身『柊かがみ』を選択」 「やっぱりかがみは上級モンスターだったか……」 「私のレベルは7つ、生贄に必要なモンスターは2体だけど……」 「……?」 「ここで手札のいのり姉さんの効果発動、光属性のモンスターを生贄召喚する場合、このモンスター1体で2体分の生贄とすることが出来る!!」 「そんな効果が……!」 手札から『柊いのり』を墓地に捨てる。 「でも、このターン召喚出来る訳じゃないんでしょ? 次の私のターンで差を付けさせてもらうよ」 「そうね、でもまだ私のターンは終わりじゃないわ」 かがみは最後の手札をこなたに見せ付ける。 「それは?」 「これがさっきドローしたカードよ」 このデッキは、使用するプレイヤーに合ったデッキになる……。 「魔法カード――」 故にこんなカードがあっても、不思議ではない。 「『同性愛』発動!!」 「同性愛……なんか嫌な予感が……」 カードには、ツインテールの少女と長髪の少女が唇と唇を合わせている絵が描かれていた。それってつまり……。 「こなたぁ、キスしよっか(///)」 「…………はぁ!?」 驚くのも無理はない。どこの世界にデュエル中キスする奴がいるというのか!? 「な、何言ってんのさ! 今はデュエル中だよ!」 「キスしてくれないの……?」 「だ、だって……」 「この際だから聞いておくわ、こなたって私の事……どう思ってるの?」 今度はどこぞのカップルの別れ話か? かがみが何故こんな話をするのか……それはきっと確かめたいのかもしれない、こなたとの愛を……。 「どう思うって……」 「私ね、薄々は気付いてたの。こなたが私の事、迷惑に感じてるんじゃないかって……」 「いや……」 まさにその通りなので、何も言えないこなた。 「こなたにどうアタックしても、いつも逃げられちゃうしね……」 「…………」 「だからね、もう諦めてこなたと一緒に死ぬつもりだった」 「え……!?」 一緒に死ぬ、それはつまり、よく漫画とかであったりする「君を殺して僕も死ぬ!」と言うキチガイの台詞を意味するのか……。改めて『コナタニア症候郡』は恐ろしいと思うこなたであった。 「でも、そんな事を考えてたとき、調度良いタイミングでこのデュエルに会えたの」 キッと、こなたに真剣な眼差しを見せ付ける。 「だから決めたの、これを最後の賭にしようって」 「かがみ……」 ということは、こなたがデュエルを持ち掛けなければ、今日の夕方にでもかがみはこなたを殺して、自分も死ぬつもりだったということか。ホント恐ろしい病気である。 「でも、その前に確認したいの! こなたの気持ち……、こなたが私の事迷惑に思うならキスしなくて良い。でもこなたが私の事……、迷惑に思ってないなら……キスして……」 かがみは泣いていた。こなたはそれを見てどうしようか迷っていると、 「こなた、これはかがみちゃんの為でもあるの。可哀相だけど、心を鬼にしなくちゃダメよ」 「う、うん……」 こなたもまた、キッと真剣な眼差しでかがみを見る。 「ごめんかがみ」 「!?」 「かがみの気持ちは嬉しいよ。でもこういうことは、お互いの気持ちが重なり合って初めて出来ることだよね? 別にかがみが嫌いなんて言ってないよ? かがみは友達として好きなんだ。だから私はこのデュエルに勝って――」 「あっはははははは」 「かがみ?」 突然、何かが吹っ切れたように渇いた笑いをするかがみ。 「もういい、もういい! これ以上こなたの口からそんな言葉聞きたくない!!」 「ちょ、かがみ……」 両耳を塞ぎ、目を閉じ叫ぶ。 「聞かなきゃ良かった……聞かなきゃ良かった!! そうすればこんな思い……!!」 かがみが目を開け、こなたの方を見たと思ったら、急に静かになった。そしてその顔は次第に険しくなる。 「何?」 「あんたね……あんたが邪魔してるのね……!!」 「え?」 突然何を言い出すのかと思い、かがみと目を合わせようとするが、その視線はこなたに向けられたものではなかった。 そう、かがみの視線の先にいたのは……。 「私が……見えてるの?」 かなたであった。かなたはこなたにしか見えないはずなのに、何故……? 「どうしてお母さんが……」 「……恐らく、症状が悪化して、見えないものが見えるようになったのかも知れないわ」 はて、こういう設定……どこかで見たことがあるぞ。という読者の方もいらっしゃるかも知れないが、ここは目をつむっておいてほしい。 「知ってるわよ、あんた……闇こなたね」 闇こなたって……所謂『もう一人の僕』ってことだろう。かなたが持ってきた飴の効果には、そんな知識まで増えてしまうようだ。 「闇こなたって……かがみはお母さん見た事あるはずなんだけど……」 以前、かがみが泉家に遊びに行ったとき、アルバムでこなたの母を確認している。どういうことだろうか? 「多分だけど、今のかがみちゃんには私が悪者にしか見えてないのよ。症状が悪化している証拠ね」 「かがみ……」 かがみを救おうと、遥々天界からやってきたかなたが、かがみには悪者に……闇こなたに見えてしまうなんて……つくづく厄介な病気だ。 「こなたは騙されてるのよ、そんな悪魔の囁きに耳を貸しちゃダメ」 「……」 「あ、悪魔なんかじゃないよ!! かがみこそ、いい加減に自分の言ってることが――」 「もう心も支配されてるみたいね……、可哀相なこなた。今助けてあげるからね」 「かがみのバカ! なんでそうなるんだよ……」 もはやこなたの言葉は、かがみには通じないようだ。 「こなた……」 「私、絶対負けない。勝ってかがみを取り戻してみせる」 こなたの瞳には、かがみを救うという決意が見て取れた。 「魔法カード『同性愛』の効果。相手がキスに応じなかった場合、私は手札が5枚になるようデッキからドローする!」 「な……5枚ドロー!?」 かがみの手札は現在0枚。よって、5枚ドローすることが出来るのだ。 相手がキスに応じなかった場合って……なんという禁止カード!! 「因みに相手がキスに応じた場合は、私の手札を全て捨て、デッキの上から10枚カードを墓地に送るっていう効果だったのよ。キスすれば勝てたかも知れないのに、残念だったわね、闇こなたさん?」 確かに、残りのデッキ枚数を見て10枚も墓地に送れば、キーカードが無くなり勝率は上がるかもしれない。しかし常識的に考えてデュエル中に握手なら未だしも、キスはないだろう。 「私はここでみゆきを攻撃表示で召喚!」 「みゆきさん?」 フィールドに『高良みゆき』が「お恥ずかしながら」と笑いながら姿を表す。 攻撃力1500、守備力1500。☆×4。 「みゆきの効果発動! 1ターンに1度、カードの種類を1つ宣言する。相手の手札を1枚選択し、宣言した種類のカードだった場合、そのカードを墓地に送り、相手ライフに1000ポイントのダメージを与える!」 「1000ポイント!?」 「私は魔法カードを宣言するわ」 こなたの手札は3枚。その中に魔法カードがあったとしても、当たる確率は3分の1だが、果たして……。 「真ん中のカードよ」 「うっ……」 「どうしたの、見せなさい」 「くっ……」 こなたは渋々とカードを見せる。そのカードは魔法カード『ごみ箱から元に戻す』、『泉こなた』を復活させることが出来る重要なカードだった。 「当たりね、しかもその厄介なカードだったなんて運が良いわ」 「くそぅ……流石みゆきさん、何でもお見通しか……」 カードを墓地に捨てる。 「更に1000ポイントのダメージを受けてもらうわ!」 「うっ」 ここでこなた初のダメージ、8000から7000へ。かがみのライフと並んだ。 「私はお母さんを守備表示に変更し、カードを2枚伏せてターンエンドよ」 『柊みき』の守備力は2500、『泉こなたLV6』の攻撃力と同じ数値だ。更に攻撃を1回防ぐタダオカウンターが1つ乗っているので、倒すのは困難だ。そして『高良みゆき』は攻撃力1500の下級モンスターだが、伏せカードが2枚もあるので迂闊に攻撃できないだろう。 除去カードがあれば別なのだが……。 「私のターン、ドロー」 「この瞬間、罠カード発動!」 「え!?」 「『背景放題やりほーだい』!!」 「ちょ……」 カードには背景コンビ(主にみさお)がドンチャン騒ぎをしている絵が書かれていた。 「墓地の日下部と峰岸をゲームから除外することで、3つの効果の内1つ選択する」 「“やりほーだい”ってそーゆー事か」 かがみの墓地から「みゅ~ん」と情けない声が聞こえた。除外された誰かさんの断末魔だろう。 「私は3つの効果から“相手の手札を1枚墓地に捨てる”を選択。右端のカードを捨てなさい」 「な、ちょ……えぇー……」 顔を片手で抑え、あちゃーと仕種するこなた。 「あら、よっぽど大事なカードだったようね」 墓地に捨てられたカードは魔法カード『授業中に何してんねん!!』というカード。効果は、相手の魔法・罠カードを1枚破壊でき、更に手札から1枚カードを捨てる事で、もう1枚破壊できる優れたカードだった。 もし、このカードが捨てられなかったら、これを使い、罠を警戒せずに攻め込むことが出来たのだが。 「さぁ、どうするのかしら? こなたのモンスターならみゆきを倒すことは可能よ?」 「……」 明らかに誘っている。この事から、かがみのもう1枚の伏せカードは罠だと確信するこなた。しかし今ここで『高良みゆき』を倒さなければ、次のかがみのターンで、またあの効果を使われてしまう。どうするこなた!? 「こなた、あれは罠と思い込ませる罠かも知れないわよ?」 「はったりって事でしょ? それに賭けてみよっかな……どっちみち、このままターンエンドするわけにはいかないしね」 こなたは2枚の手札を見つめ、思考する。 「魔法カード『チョココロネ』を私、『泉こなたLV6』に装備。チョココロネを装備した私は、戦闘で破壊したモンスターの守備力分ライフを回復できる」 フィールドの『泉こなたLV6』がチョココロネを包装袋から取り出し、剣の様に構える。 「ふぅん、ライフをいくら回復したところで私には勝てないけどね」 「そんなのわからないじゃん。バトルだよ!」 勢いよく『泉こなたLV6』が攻撃! と見せ掛けて……。 「念のために、先ずはお父さんで攻撃! ごめんね」 親で罠を確かめるなんて……なんて娘だ! といっても実物じゃないのでそれほど酷くはないがな。 『泉そうじろう』が『高良みゆき』に突っ込む! 「その選択は失敗ね! 罠カード発動『ツンデレ』!!」 「ツンデレ……?」 「ターン終了時までモンスター1体の攻撃力は、自分フィールド上・手札のカード×200ポイントアップするわ」 かがみの手札・フィールドのカードはそれぞれ2枚で、合わせて4枚だ。よって『高良みゆき』の攻撃力は800ポイントアップして、2300。『泉そうじろう』を上回った。 「げ……」 「返り討ちにしてやりなさい! ウィキペディハリケーン!」 『高良みゆき』の背後から、無数の文字列が『泉そうじろう』に向かって襲い掛かる。ポケモンを知らない人には申し訳ないが、これは『みwiki版アンノーン達の突進』と言っても良いだろう。 「あぁ、お父さんが……」 「そう君……」 今の戦闘でこなたのライフは6900になってしまった。 「この効果を受けたモンスターが相手モンスターを破壊した場合、相手はカードを2枚ドローすることが出来る。早くドローしなさい」 「なるほど、それで『ツンデレ』か……」 素早くカードをドローし、確認する。 「あんたが罠を警戒して、おじさんで攻撃してくれて助かったわ」 「くそぅ……」 かがみの言う通り、最初から『泉こなたLV6』で攻撃していれば、貴重なモンスターを減らさずに済んだのである。 「でもまだ私がいるもんね! 行け、チョコレートブレイバー!!」 『泉こなたLV6』が持っているチョココロネの中のチョコが溢れ出し、剣の様に形を作る。そして『高良みゆき』を切り付けた。 切り付けられたと言っても、剣がチョコなのでグロ描写は無いが、『高良みゆき』の制服は血の代わりにチョコがびっしりと付いてベタベタになってしまった。 「うーん、チョコレートプレイ?」 「知るか!」 やがて「ひっく……ひっく」と啜り泣く声が聞こえ、「着替えてきます」と共に自ら墓地に向かって行った。 「何だろう、この罪悪感は……」 「あんなにチョコが付いたら洗濯が大変そうね」 「いやいやお母さん、あれは立体映像だから……」 この戦闘でかがみのライフは6800に。 「『チョココロネ』の効果により、みゆきさんの守備力分のライフを回復するよ!」 『高良みゆき』の守備力は1500、つまりこなたの残りライフは8400だ。先程受けたダメージを、余裕で取り返している。 「せいぜい今のうちに回復しておけばいいわ。直ぐに削ってやるんだから」 「……私はモンスターを守備表示でセットし、カードを1枚伏せてターンエンド」 このターン、なんとか厄介な能力を持つ『高良みゆき』を倒せた(撤退させた?)が、まだまだかがみの驚異は終わらない。 「私のターン、ドロー!」 ここから、かがみの大進撃が始まる……。 「このスタンバイフェイズ『幸せ未来日記』の効果により、私自身『柊かがみ』をデッキから特殊召喚する! 出て来て、もう一人の私!」 フィールドに日記帳が現れ、ページの真ん中ぐらいが開く。するとページが光だし、その中から『柊かがみ』が出てきた。日記帳はそこで消える。 攻撃力2700、守備力2500。☆×7。 「これが……かがみ」 『柊かがみ』の容姿は今までのモンスターは違い、特別な格好をしていた。見た目は巫女服なのだが……肌の露出が多く、上着はジャケットの様な物一枚で、胸は包帯で巻いて隠してある。へそも丸見えだっ! 袴の隙間から見える股からは「穿いてない」という言葉に相応しい美脚が見て取れる。しかも! 袴を穿いてる位置が超ギリギリというか、後少し下にずらしたら――。 「解説さん? 少し自重してください☆」 ……とにかく、今までと明らかに違う容姿、もはやコスプレレベルだ。右手には剣……特大ポッキーを装備している。 「このカードは戦闘で破壊されない」 「攻撃力2700で戦闘で破壊されないモンスター!?」 「それだけじゃないわよ、このモンスターが攻撃する度、ダメージステップ終了時に攻撃力が300ポイントアップする」 ダメージステップというのは、攻撃終了時と思ってくれれば良い。 「まだあるわよ、このカードが戦闘以外によって破壊され墓地に送られたとき、墓地の『柊』と名のつくカードをゲームから除外することで、このカードをフィールド上に特殊召喚することが出来るのよ! 私の墓地には『柊いのり』がいるわ、つまり私の分身を倒すには最低2回倒さないとならないのよ」 「…………」 「驚いて声も出ないかしら? もっとも、最後の効果はデュエル中、1回しか使えないのだけれど」 例え1回でも、その驚異的な能力は恐ろしい。このモンスターを、こなたは攻略出来るのだろうか? 「私はこんな一方的なデュエル、本当はしたくないわ……だけどこれもこなたを救うため……私は心を鬼にする! 覚悟しなさい、闇こなた!!」 こちらは勘違いして心を鬼にしていらっしゃる。こういう状態の奴には何を言っても通じないというのがお決まりである。 「随分と恨まれてるのね、私……」 「気にしちゃダメだよお母さん。絶対勝って見せるから」 「頑張ってね、こなた」 果たして、本当に勝てるのだろうか? こなたのフィールドには『泉こなたLV6』と『田村ひより』と裏守備モンスター、それに伏せカードが1枚だ。『柊かがみ』の攻撃目標は『田村ひより』の厄介な能力を警戒して確実に『泉こなたLV6』を狙うだろう。そうすると多少のダメージは喰らうが、『田村ひより』の守備力を超えるモンスターは『柊かがみ』以外いないので、このターンを凌ぐ事が出来る。まだ勝つ希望はあるかもしれない。 「何その顔は? まだ勝機があるとか思ってるんじゃないでしょうね?」 「思ってるよ、私は最後まで諦めない」 「ふん、甘い、甘いわね。ポッキーみたいに!」 「な、何でさ!?」 呆れたように溜息を吐くかがみ。 「じゃあ教えてあげるわ! 魔法カード『夜逃げでリセット』」 「!?」 「つかさがゲームから除外されてるとき、ライフを2000ポイント払って発動。ゲームから除外されたレベル4以下のモンスターを可能なかぎりフィールドに特殊召喚できる!」 「な、なんだってーっ!!?」 『柊つかさ』は魔法カード『双子の絆』の効果によってゲームから除外されていたのである。 かがみのライフは6800から4800へ。 「私は除外されているモンスター、つかさ・日下部・峰岸をフィールドに特殊召喚する」 「あはは」「あいよー」「うふふ」とそれぞれの特徴ある声と共に、『柊つかさ』・『日下部みさお』・『峰岸あやの』が、かがみのフィールドに攻撃表示で再び姿を現す。 「更に峰岸の効果により、峰岸を日下部に装備!」 これにより、『日下部みさお』の攻撃力は2200になった。 「あ……」 攻撃力が2000を超えるモンスターが2体……、壁であった『田村ひより』が倒されてしまう。 「まだ終わりじゃないわよ。私はこのターン、通常召喚をしていない……」 「うぐ……」 「私は、まつり姉さんを召喚!」 『柊まつり』の召喚で、かがみのフィールドには5体のモンスター。物凄い迫力だ。 攻撃力1700、守備力1100。☆×4。 「そんな……」 絶望……、これを防ぐ手段はないといった、そんな顔をしていた。 「私はカードを1枚伏せ、バトルよ!」 「っ!!」 「その伏せカードが気になるけど……何かしらね?」 「さぁね、教えるわけな――」 「はったりね」 「!!」 確信を突かれたのか、一瞬顔に出てしまった。まるで最初から分かっていたかのように断言するかがみには驚ざるをえない。 「図星みたいね、行け! 私でこなたに攻撃、一直切断猪口零刀!!」 なにやら凄い技名である。『柊かがみ』が一直線に『泉こなたLV6』に向かいジャンプする。「イヤァーッ!」と掛け声をし、切り掛かる。『泉こなたLV6』はチョココロネで防ごうとするが、やはりそこは攻撃力の差。腹に思い切り叩き込まれ(ポッキーなので切れない)「ぐふっ」と悲鳴を上げ、その場に倒れ消えてしまった。 こなたのライフは8200に。 「何度やっても、こなたを倒すなんて嫌な気分ね。もう復活しないでよ?」 「……そういうわけにも行かないよ」 「今の攻撃で私の攻撃力は上がったわ」 『柊かがみ』、攻撃力が2700から3000に。 「続いて日下部で田村さんを攻撃、ヴぁーストボイス!」 強烈な電波ボイスにより、『田村ひより』は跡形も無く消し飛んでしまった。 「くっ……、でもひよりんの効果でみさきちは2ターン攻撃出来ないよ!」 「分かってるわよ、続いてまつり姉さんで裏守備モンスターを攻撃! 祭だわっしょい!」 フィールドで『柊まつり』が「変な技名付けるな!」と悪態をつきながらも、こなたのモンスターを攻撃する。すると「オーノー!」と叫びが聞こえ、そのまま破壊されてしまった。裏守備モンスターの正体は『パトリシア・マーティン』(2枚目)だったようだ。 「まつり姉さんの効果、まつり姉さんがモンスターを破壊したとき、デッキから魔法カードを1枚選択して手札に加える」 かがみはデッキからカードを選び、手札に加える。 「私は『狂気のバルサミコ酢』を手札に加えるわ。もっともこの効果で手札に加えた魔法を使用する場合、500ポイントのライフを払わなければならないから使わないかもしれないけどね」 「…………」 こなたは自分が窮地に立っている事を自覚し、かがみの説明に相槌を打つ余裕すら失くなっているのだろうか……。 「とにかく、これで壁はいなくなったわね」 「やばっ……」 「つかさでプレイヤーこなたに直接攻撃(ダイレクトアタック)よ! マヨネーズアタック!」 『柊つかさ』がこなたの目の前に立ち、ニコっと笑う。 「何……?」 すると、セーラー服の中からマヨネーズを取り出し「こなちゃん、マヨネーズかけるよ?」と言い放ち、こなたの返事も待たずにマヨネーズをぶっかけた。 「うわあぁぁぁぁ!!」 「こ、こなた!?」 どうやらプレイヤーの直接攻撃は文字通り本人に直接降り懸かるようだ。かなたもそれは知らなかったようで慌ててハンカチを取り出す。現実の人間に被害を齎す立体映像……天界の技術は素晴らしく発達しているようだ。 「お、おいしそう……」 この呟きは誰の者かは言わなくても分かるだろう……。この戦闘でこなたのライフは7000に。 「ありがと、お母さん。まだベタベタするけど……」 「さぁこなた、この状況をひっくり返せるかしら?」 「…………」 やはり黙り込んでしまう。手札は1枚、フィールドにははったりとバレた使い道の無い(?)罠が1枚……。さっきも言ったが絶望的だ。 「降参しちゃいなさいよ? これ以上こなたを苦しめたくないわ」 「…………嫌だよ」 「へ?」 「まだライフは残ってるんだ、諦めるもんか!!」 先程の状態からは考えられない、力強い声でかがみに返す。そう、こなたにはまだ、友を救うという強い意思があるのだ。その意思が砕かれない限り、こなたは沈むことは無い!! 「こなた……」 「ふぅん? なら手加減はしないわ、私もこなたを救い出すために必死なんだから」 こちらは勘違いなのだが、こなたと同じぐらい強い意思を感じる……。半分は邪(よこし)まな意思も感じるが……。 「私はこれでターンエンドよ」 「私のターン、ドロー!」 こなたはここから逆転できるのだろうか!? デュエルパート3 へ
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かなた「ふっしぎし~ぎ~摩~訶不思~議~る~わ~…」 こなた「!?…悪寒が…」 ゆたか「友(ひより、パティ、いずみ)よ、君達は何故、悪魔(ヲタク)に魂を売ったのか?!」 ひより「…じゃ私オブラーで」 いずみ「ずるい!じゃ私は爆弾抱えて突撃する」 ひより「パティは…ギルドスかな…」 いずみ「ブッチーじゃないわね…って仙田と月形がいないわね」 ひより「アニ研の先輩にでも…そんで」 こう「誰がビアスなのかなぁひよりん」 やまと「誰がガードノイドなのかしら、ひよりちゃん」 ひより「ギャー!」 みなみ「慣れないネタフリは…しない方がいい…」 こなた 「 吸血鬼に血を吸われている時って性的な快楽を得られるんだってぇ~。 」 ゆたか 「 や~ん お姉ちゃんえっち~ でも何か見た目的には痛そうだよねぇ~。 」 いずみ 「 ・・・・・・・・・。 」 ゆたか 「 ・・・ ? 若瀬さんどうかしたの・・・ ? 」 いずみ 「 ・・・・・・うぅ・・・。 」 こなゆた 「 ・・・・・・ ? 」 いずみ 「 うぅ・・・う・・・うあああああああっ !!!! 」 こなゆた 「 !!! 」 ゆたか 「 ど、どうしたの若瀬さん ?! 」 いずみ 「 ううぅ・・・血・・・血が・・・。 」 ゆたか 「 えっ ? ち・・・ ? 」 いずみ 「 ・・・血が・・・吸いたい・・・。 」 こなゆた 「 えっ・・・。 」 いずみ 「 私だけじゃ寂しいわ・・・。 貴女達も私の仲間になってよ・・・。 私が貴女達の血を吸えば貴女達も私と一緒・・・。 一石二鳥でしょ・・・ ? 」 こなた 「 え、え~と と・・・とりあえず落ち着こうか・・・ ! そ・・・そのぉ・・・ 若瀬さん・・・ ? 」 ゆたか 「 がくがくがくがく 」 いずみ 「 ・・・ええ・・・。 私は落ち着いてますよ・・・ ? さあ・・・ 観念なさいっ !!! 」 こなゆた 「 ああああああ・・・・ !!! 」 その後三人は仲良く吸血鬼になりましたとさ。 めでたしめでたし。 こなた「あー…だるい…」 かがみ「またあんたは…」 こなた「五月病ってのがあるなら、二月病ってのもあるんじゃないかなってふと思った」 かがみ「…なんだそりゃ」 こなた「受験やら就職やら、将来への不安が今まさに渦巻いて、精神に苛酷なダメージを…」 かがみ「やめい!生々しい!…ってかあんたに将来の不安とかあるの?」 こなた「んー…とりあえず、佐〇急便がちゃんと荷物を届けてくれるかどうか」 かがみ「将来って言わんわ、それ」 隠し味は愛 かがみ「ほら、チョコよ」 かがみは手作りチョコをこなたに手渡した こなた「えっ?かがみが?私の為に?」 かがみ「いらないならいいわよ!!わ、悪かったわね!!形がイビツで!!」 こなた「いやいや、味とか形云々の前にかがみが作ってくれたのが嬉しいのだよ」 かがみ「ばっ…バカじやないの!!何を言ってんのよ!!別にそんなんじゃないんだから!!」 こなた「表向きはこう言っているかがみんではあったが、実はとても嬉しいのだ」 かがみ「お前は何を言っているんだ」 つかさ「(言えない…こなちゃんに言えないよ~…)」ブルブル それは一体、何なのであろうか? こなた「つかさ?」 回想 つかさ「あれ?台所の明かりがついてる。何してるんだろ?」 かがみ「♪いつだって、真っ直ぐに走れLOAD OF THE SPEED」 つかさ「お姉ちゃん?」 つかさは台所にいるかがみを覗き見した。その時である!! かがみ「こなた…こなたハァハァ…隠し味~、隠し味~♪こなた…ハァハァ…///」ハァハァ かがみは何かをしていた。それは一体、何なのであろうか? つかさ「(お姉ちゃぁぁぁぁん!?何それ、何の隠し味!?)」ガタガタ 回想、おしまい こなた「どったの?つかさ」 つかさ「(言えない…言えないよー!!お姉ちゃんがあんなモノを隠し味に使うなんて…)」 こなた「…つかさ?」 かがみ「……こなた……ハァハァ……///」ボソ こなた「ん???」 誕生日と黒歴史 たまき「やさこ、誕生日おめでとう!これ私と毒さんから」 こう「ありがと……って今度出来た店の食べ放題券?うれしいけど、なんでまた?」 みく「あれ、アクセサリだったんじゃないの」 たまき「いやいや、『ぱくちゃん』ならこれかなって」 こう「…山さん、怒らないからそのアダ名誰から聞いたか答えてくんない?」 たまき「あっはっは、偶然入ったお店でね~」 みく「また気まぐれ起こしたのか…」 こう、誕生日おめでとう みゆき「そうして、節分の時には柊の枝に鰯の頭をつけるようになったんですよ?」 こなた「へーさすがみゆきさん (じーっ」 かがみ「何よ?」 こなた「いや別にぃ」 かがみ「あんた今、私に鰯の頭つけようかなぁってなんて思ってたんじゃない?」 こなた「思ってない思ってない」 かがみ「あんたは嘘つくとアホ毛が小刻みに揺れるのよ」 こなた「Σっ!?え、嘘!」 かがみ「やっぱり思ってたわね」 こなた「あ、ひどい!みゆきさーん、かがみんがね、かがみんがね」 みゆき「まぁまぁ、よしよし」 こなた「よし、学校でチョコを売ろう」 かがみ「いきなり何を言い出すんだ…」 こなた「いやね、バレンタイン当日に、みゆきさんに売り子してもらったら、チョコ貰えなかった男子が慰みに買っていくかなって」 かがみ「…あのな」 こなた「さらに最初の何個かには、限定版と称してみゆきさんの秘蔵ショットを封入すれば…おおっなんか売れる気がしてきたよっ!」 かがみ「いいから、やめとけ…」 バレンタイン当日 つかさ「こなちゃん、ホントにやるのかな?」 かがみ「まさか…ってかみゆきが引き受けないでしょ」 みゆき「はーい。お買い上げありがとうございます…チョコいかがですかー?」 つかさ「ってゆきちゃん普通に売り子してるっ!?」 かがみ「引き受けたのかっ!?ってかどうやって言いくるめたんだ!?」 こなた「あ、おーい二人共見て見てー。限定版買えたよー」 かがみ「ってお前も買ったのかよ!」 つかさ「こなちゃんが売ってるんじゃなかったの!?」 こなた「だって限定版…」 かがみ「それ設定したのお前だろ!自分で引っ掛かるなよ!ホントその言葉に弱いな!」 みゆき「つかささんも、お一ついかがですか?」 つかさ「え…えーっと…(なんでゆきちゃんこんなに楽しそうなんだろ…)」 まつり姉さん、トランスフォーマーアニメイテッド出演決定記念 かがみ「まつり姉さん、こなたから伝言があるんだけど」 まつり「こなたちゃんから?どんな伝言?」 かがみ「『トランスフォーマーアニメイテッド出演決定オメ』だって…」 まつり「は?トランスフォーマー???」 かがみ「何で私じゃないのよ…私が出てたら、こなたに『かがみーん、トランスフォーマーアニメイテッド出演決定オメ』とか言ってもらえるのに…」ボソボソ まつり「……かがみ?」 -つかもうぜ- こなた「ついにドラゴンボールが七つ揃ったよ!早速、いでよ神龍わたしの願いをかなえたまへー!」 神龍「我が名は神龍。さあ、お前の望みを言うがいい」 こなた「わたしをみゆきさんのような、ナイスバディにしておくれ!」 神龍「その願いは我の力を超えた願いだ」 こなた「………マジで?」 こなた「…ってな夢を見ましてな」 かがみ「…神龍超えるか」 つかさ「…ゆきちゃん凄いね」 みゆき「あ、あの、それはあくまで夢ですから…その、わたしそんなに凄くは…」 こなた「チョココロネってホラ貝にも見えるよね」 かがみ「いきなりだな。まぁ、見えなくもないが・・・」 こなた「吹いてみたり・・・」フーフー チョココロネ「ぶおぉ~~ぶおぉ~~~」 こなた「え?」 かがみ「は?」 ドシン! ドシン! かがみ「なに? 地震!?」 こなた「ちょ! 外!!」 こ な た ん イ ン パ ク ト 登 場 ! ! こなた「なにあれ私――ってうわぁ!」 かがみ「こなた!?」 こなた「飲み込まれ――」 かがみ「こなたぁぁぁあぁぁぁぁぁ」 がんばれコナタン3 柊かがみんの萌え萌え卍がため 好評発売してない!! ~色々ショック受けたんで勢いで書いた~ ひより「委員長、パティから借りたDVD間違ってなかった?私の頼んだやつと間違えたらしくて…」 いずみ「…コレでしょ?はい」 ひより「なんか暗いけど…(ボソッ)家族の前で見たとか?」 いずみ「違うわよ。ただね、中身でね」 ひより「中身?」 いずみ「…ジースタッグが…ブラックビートの部下で…アゲハがニンジャレッドとタイムファイヤーに…星獣剣で斬られて…ドルに…乗り込むなんて…」 ひより「こっちが本物ですよ」 たまき「ありがとひよりん。やっと見れるよ」 こう「なにそれ」 みく「パワーレンジャーワイルドフォースのDVDだって」 こう「あぁ、前に言ってた歴代レッドが出てるやつか」 ひより「委員長が『スパイダーマンの復讐にちがいない』とか呟いてましたけど…」 みく「しょぼい復讐だね」 たまき「毒さん、今度こそ一緒にみよう」 こう「…うーん」 ひより「こうちゃん先輩、ED集聴きながらどうしたっスか?」 こう「いや、泉先輩が歌ってるとこなんだけど…なんでキョーダインで泣いてアクマイザー3は平気なのかなぁって」 ひより「確かに泣いてましたけど…アレなんでっスか?」 毒島「キョーダインのラストは主人公二人が敵に特攻したりとか自分達のオリジナルを名前で呼んだりとか、結構泣けるとこ多いんだよ」 ひより「なるほど。ならアクマイザー3は?」 山辺「たしかね~、ボスは主人公3人が相討ち覚悟の技でなんとか倒すんだけど。裏ボスにその魂を封印されてTHE END」 ひより「駄目じゃないっスか!」 山辺「でもだからこそ悲壮感漂うじゃんか」 こう「だよね。平和党三人の最後とか、残されたダイアナやノッペラーJrとか」 ひより「でもボスが無事なのは」 毒島「いや、倒したけど」 ひより「え゛」 毒島「倒したって。次のヒーローの『超神ビビューン』が」 こう「ああ、一話でアクマイザー3の魂を引き継いだ三人だっけ」 ひより「ってな話を部活でしてまして」 こなた「…(超神ビビューンって何?)」 口直しのネタ かがみ「そういえばあんたの髪の毛のアホ毛が直っているのを見たことないんだけど」 つかさ「そうだね~」 みゆき「言われてみれば…そうですね。いつからだったのですか?」 こなた「お父さんによると髪の毛が生え始めたころからだって。」 みゆき「直そうとは思わなかったのですか?」 こなた「思ったことはあるんだけど、お父さんがどうしても許さなくてずっとこのまんまなんだよね。 自分でやろうとしたところでどんなワックス使っても直らないし。」 かがみ「ためしに押さえつけてみようか。こなたは私の髪で遊ぶこと結構あるから許してくれるよね?」 こなた「ん~、いいよ。何か分かるかもしれないし。」 かがみ「じゃあ遠慮なく・・・(あれ?根元のほうがなんかかたい。えいっ。)」 ガタン かがみ「今『ガタン』っていわなかったか?」 こなた「…あれ?ここは…こなたの学校?何がどうなっているの?」 みゆき「少しの間目をつぶっていただけませんでしょうか?」 こなた(?)「これでいい?」 ガタン こなた「…ハァ、あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ! おれはアホ毛をいじられていたと思っていたらお花畑のど真ん中にいた な… 何を言ってるのか わからねーと思うが おれも何が起きたのかわからなかった…」 頭がどうにかなりそうだった… テレポートとか臨死体験とかそんなチャチなモンじゃ断じてねぇ もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ…」 三人 「…」 かがみ 「 いい加減あんたの雰囲気にはウンザリさせられるわ・・・。 そのアホ毛といい、 腑抜けた顔といい・・・。 どうも盆暗に見えて仕方がないわ ! 」 こなた 「 そ、そんなぁ・・・ ! 酷いよかがみん ! 」 かがみ 「 顔はまず問題無しとして、問題はそのアホ毛ね ! どうも鬱陶しいわ ! 毟り取ってやる ! 」 こなた 「 毟るって・・・ !? ひいいいぃぃぃっ !? 止めてよぉぉっ ! 」 かがみ 「 Shut up, asshole !!! 」 ブチリッ !! かがみ 「 HAっHAっHAっ ☆ 無様な ! 」 こなた 「 ・・・・・・・・・。 」 かがみ 「 ・・・ ? こなた ? どうしたの・・・ ? 」 こなた 「 ・・・あら ? ここは・・・ ? それと・・・何方様でしょうか ? そ、そうだ、貴女そう君を知らない ? 」 かがみ 「 げっ !!! な、何と !! こんな秘密があったとは・・・ ! 」 つかさ 「 でも泣き黒子はそのままなんだねぇ~。 」 こなかが 「 あ・・・。 」 -堅い- かがみ「最近、堅あげポテトってお菓子にはまっててねー」 みゆき「かがみさんのお気に入りなら、美味しいのでしょうね。今度わたしも食べてみますね」 みゆき(…美味しいのですが、かなり堅いですね)バリッバリッ みゆき(結構強く噛まないとかみ砕けないです…)バリッバリッ…ガキンッ みゆき(………) みゆき「………」 こなた「で、銀歯かみ砕いちゃったみゆきさんが、口きいてくれない、と」 かがみ「…うぅ…これってわたしのせい?わたしのせいなの?」 かがみ「ふふふっ、お題は『二人』…さぁこなた!私と二人きりの愛の世界…へ……って」 こう「もぅ一回!もぅ一回お願いします泉先輩!」 こなた「なんどきても無駄無駄無駄」 やまと「…格闘ゲームという名の二人の世界に没頭してるわね」 かがみ「こ……こなた………」 やまと「みじめね」 かがみ「アンタはどうなのよ!」 やまと「…親友が楽しそうにしているのを見るのは、悪くないわよ」 こなた「さて、かがみさんや。今回のコンクールは、投下数が少ないのではないかという懸念があるわけなのですが」 かがみ「うん」 こなた「奮起を促すためにも、我々が一肌脱がねばなるまいかと思う次第でありますよ」 かがみ「また変な事する気か…」 こなた「つーわけで…コンクールの大賞受賞者に、好きな女性キャラのツンデレをプレゼントーっ!」 かがみ「いや、なにをどうするのかわかんないんだけど、ツンデレという言葉に凄く嫌な予感がする」 こなた「大丈夫だよかがみー。かがみのツンデレなんてありきたりなんだから、みんな意外性のあるキャラリクエストするって」 かがみ「ふーん…例えばこなたとか?」 こなた「は?え?わ、わたし?…い、いやわたしのツンデレなんてつまんないって!へ、変な事言わないでよー」 かがみ「はーい、みなさん頑張って作品書いて、こなたを指名してやって下さいねー」 こなた「うわーん!煽るなー!かがみのバカー!」 かがみ「…それはそうと、最下位の人にはまた店長?」 こなた「あー、それは…」 兄沢「呼んだか!?呼んだな!?呼んだよな!?アニメ店長参上!この俺がアニメ店長としての全てをかけて、貴様に最高のツンデレを叩きつけてやろうっ!」 こなた「…これ書いてるアフォが『野郎のツンデレなんざ書きたくねぇ』とほざいてるので、ソレは無しの方向で」 兄沢「んなにぃぃぃぃぃぃぃっ!?」 かがみ「…なるほど、それで女性キャラ限定なのか………つーかこんな小ネタ書いてる暇あるなら作品進めろっての」 ピュ.ー ( =ω=) <これからも私を応援してよね(=ω=.)。 =〔~∪ ̄ ̄〕 = ◎――◎ 泉こなた 727:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2010/06/01(火) 15 12 48.77ID EyrQzMSO -今日は何の日?- こなた「朝にカレンダー見て知ったんだけど、今日は写真の日なんだって」 つかさ「へー」 こなた「それで、みんなの写真を撮ってみたよ」 かがみ「いつの間に…」 つかさ「どんなの?」 こなた「えーっと、かがみが背のびした時におへそが見えたのとか、つかさがこけた時にパンツ見えたのとか、みゆきさんがしゃがんだ時のブラチラとか…」 つかさ「…えー」 かがみ「…それ、どうするつもりなの?」 こなた「PCの壁紙にでもしようかと」 かがみ「みゆき。このデジカメのデータ全部消去して」 みゆき「了解しました」 こなた「せっかく撮ったのに!?…わ、わたしが下着で昼寝してる写真あげるから勘弁してくれない?」 かがみ「よし、許す」 つかさ「…ゆるしちゃうんだ…」 みゆき(というか、その昼寝の写真はどなたが撮られたのでしょうか…) こなた「ねぇ、お父さん」 そうじろう「なんだ?こなた」 こなた「この掲示板見てよ、あたしやかがみにそっくりな人達が出て来てるよ」 そうじろう「ほんとだなぁ、口調とかそっくりだww」 こなた「あたし思ったんだけどー」 そうじろう「うん?」 こなた「つかさそっくりな人は頻繁に出て来るのに、どうしてみゆきさんそっくりな人は余り出て来ないんだろう?同じ天然系なのに」 そうじろう「そりゃああれじゃないか?博学な人物を画くには、それ相応の知識が無いとダメだからじゃないか?」 こなた「ということは、ここに書いてる人達は余り調べて無いってこと?」 そうじろう「いゃぁ、そうとも限らないかな。もう一人の天然系キャラが色々と吸収し易いからかもしれんぞ」 こなた「ふぅ~ん、お父さんならどっちを書く?」 そうじろう「そうだなぁ、両方書いてみて気に入った方かな」 こなた「あたしのことは書いてくれないんだ…」 そうじろう「いや!紙に書いたりしてないだけで書いてるぞ!」 こなた「書いてるんだ…」 そうじろう「いや、え~と…」 こなた「冗談だよ(笑)ちょっとからかっただけ♪」 そうじろう「親をからかうんじゃありませんっ!」 こなた「地震に備えて、念のためにカロリーメイトと水買ってきた。意外と美味しいねコレ。パサパサしてるから水も買ってきて正解だったよ」モグモグ かがみ「今食べちゃ意味ないだろ!」 つかさ「ほんとだね、こなちゃん美味しいね♪」 みゆき「なかなか美味しいですね」モグモグ かがみ「みゆきもか!?」 みゆき「…詰め物が取れてしまいました(泣)」シクシク かがみ「ご愁傷様」 こなた「きっとさ、私たちの中には『もう一人の自分』がいてさ、 例えば勉強してるときに『勉強したくないー』って言ってる自分がいたり、 マンガ今日は買うのはやめとこうって決めたのに『やっぱ買いたいー』とか言ってる自分がいたり、 外出てるときふと気づいたら目の前に自分がいたり」 かがみ「いやいや、ドッペルゲンガーなんている訳ないでしょ」 -梅雨の定番- つかさ「昨日、後で食べようって置いてたお饅頭にカビがはえてたの…」 こなた「うへ…」 みゆき「この時期は大変ですね…」 かがみ「美味しかったらいいんだけど、食べてもまずいだけだしね…」 つかさ「え」 こなた「え」 みゆき「え」 かがみ「え?なに?」 こなた「そういえばみゆきさんって家はネットにつながってないの?」 みゆき「あ、はい、つなげていませんが…… この時世にはつなげていない家庭の方が珍しいと聞きますね」 こなた「つなぐ予定とかはないんだ?」 みゆき「今のところありませんが……つなげた方が良いのでしょうか?」 こなた「ああいやいや、つなげてほしいわけじゃないんだけどね」 みゆき「?」 こなた(みゆきさんが万が一にもニコ動なんかにはまっちゃったら…… ものすごい勢いでスラング覚えそうで怖いし) -ぶっとばせ ゆい姉さん- たいへん 町の銀行が強盗に襲われたよ いったいどうなるの? 強盗「おらー さっさと袋にカネ詰めろ―!!」 行員「は、はいぃぃぃぃぃー」 ゆい「やめなさい!!」 強盗「な、なんだてめー!? 動くんじゃねー!!」 ゆい「おとなしく銃を置いて両手を挙げなさい!! さもなくば、この爆弾を爆発させる!!」 強盗「!?」 ゆいの体には驚くほど大量のプラスチック爆弾が巻かれていた 強盗「お、おい!! そんな事したらどうなるか判ってるのか!?」 ゆい「んー、ここにいる人たちはおろか建物ごと木端微塵になるかな?」 強盗「て、てめーそれでも警察か------!?」 何度かノリと勢いでスイッチを押しそうになるゆいを強盗は必死に説得した その間に警官隊が突入し強盗を取り押さえた 強盗は抵抗しなかった… ゆい「ってな感じでこの前は大活躍だったんだよ」 こなた「それって脅迫じゃないの? そもそも姉さん交通課でしょ?」 ひより「この前4コママンガに挑戦してみたんだけど意外と難しくてね~」 ゆたか「そっかー大変だったねー」 ひより「この前4コマ描いてみたんだけどね~」 みなみ「そう……」 ひより「そんでこの前4コマとかやってみたんスけど……」 こう「あー、あれ難しいよねネタとか詰まるし」 ひより「うおおおやっぱりわかってくれるのはこーちゃんだけッス!!」 こう「なんだなんだ、なんか鬱なことでもあったのかー」 ニコニコ動画 こなた「おっ追ってるシリーズの新作が来てる」 こなた「早速チェック……」カチカチッ 『動画に接続できませんでした』 こなた「えーウソ? ちぇっリロードして……」ポン 『動画に接続できませんでした』 こなた(チクショー!! これは運営(ニ◯ンゴ)の罠かっ!?) おめえに見せる動画はねえという罠かーーーっ!?) みさお「拙者の顔に照り映える、月の光が、お主のこの世の見納めでござる!…なんて昔やってたなぁ」 かがみ「チャンバラしてた上に渋いことしてたんだな」 こなた「お、円月殺法?いいねぇ。乱舞の太刀よかそれだよね」 かがみ「…まて、お前元ネタの方だって理解してるか?」 あやの「柊ちゃん、ヲタクをよく理解してるのね。私さっぱりわかんないんだけど」 -麺- こなた「………」ズルズル つかさ「………」ズルズル みゆき「………」ズルズル かがみ「…ねえ」 こなた「………」ズルズル つかさ「………」ズルズル みゆき「………」ズルズル かがみ「坦々麺だからって、淡々と食べなくてもいいと…思うん…だけど…」 こなた「………」ズルズル つかさ「………」ズルズル みゆき「………」ズルズル かがみ「………」ズルズル 本スレ見れないのでこっちに投下 みさお「なぁ、あやの~。」 あやの「なに、みさちゃん。」 みさお「さっき教室であの眼鏡ちゃんがコスプレしてたんだってヴぁ。」 あやの「何のコスプレ?」 みさお「フレッシュプリキュア!のキュアパッションだってヴぁ。」 あやの「あれ?みさちゃん、プリキュア見てるの?」 みさお「そりゃ、戦隊→ライダー→プリキュア→DB→ワンピースは普通だぜ。」 あやの「そういえば、みさちゃんは『二人はプリキュア』って見てた?」 みさお「当たり前だぜ!今でもなぎさは私の兄貴だぜ!」 あやの「私も見てたよ。あれはナージャやどれみとは違う意味で熱いよね!」 みさお「あやの!私たちも一度やってみねぇか?コスプレ。」 あやの「いや・・・髪の色が合ってないし・・・。」 みさお「そういうときこそちびっ子に相談だぜ!」 数日後 みさお・あやの「「二人はプリキュア!」」 かがみ「私の周りはプリキュアコスする奴しかいないのか・・・?」 -盆- こなた「お盆かあ…なんか、もの哀しいね…」 そうじろう「…そうだな」 かなた『…こなた…そう君…』 こなた「いつも読んでる漫画週刊誌が全部お休みなんて」 かなた『そっち!?』 そうじろう「いや、まったく」 かなた『そう君まで!?』 -缶コーヒー- こなた「うー…眠いー…」 かがみ「また夜更かししてたのか…缶コーヒーだけど飲む?」 こなた「ありがと………んー」 かがみ「なに?それ、嫌いな銘柄だった?」 こなた「あーいや…この『ご褒美ブレイク』ってのが『ご褒美プレイ』に見えたわたしはもうダメなのかなと…」 かがみ「いや、あんたはそれで平常運転だ」 -てもちぶたさ- かがみ「みゆきとつかさ、遅いわね」 こなた「そうだねー」 かがみ「もっと周りになんかあるところで待ち合わせたらよかったわね。てもちぶたさになっちゃうわ」 こなた「そうだねー」 かがみ「…こなた」 こなた「なに?」 かがみ「わたしを掴んでるその手はなに?」 こなた「これがほんとのてもちぶたさん…なんちゃって」 かがみ「………」 こなた「………」 かがみ「それはわたしへの宣戦布告と判断していいのかしら?」 こなた「いや、その…怖い、怖いって…かがみその顔マジ怖い」 -動物- ゆたか「…でね、みんなを動物に例えたらどうなのかなって話になったの」 いずみ「へー。どんな感じになったの?」 ゆたか「えーっと、こなたお姉ちゃんが狐で、かがみ先輩が兎で、つかさ先輩が犬で、わたしがリスで、みなみちゃんが鷹で…」 ひより「ふーむ、結構いい線いってるような…」 ゆたか「…高良先輩がう…え、えっと羊、だったかな…」 いずみ「…う?」 ひより「…もしかして牛って言おうと…」 パティ「ホルスタインですネ」 みなみ「………」 ゆたか「みなみちゃん?どうしたの?」 みなみ「ううん、なんでもない…ゆたか、今日ちょっと用事があるから先に帰ってて」 ゆたか「うん…」 つかさ「お姉ちゃん、何か視線を感じるんだけど…」 かがみ「き、気のせいじゃないかな…(なんでみなみちゃんがデジカメ持って後をつけてきてるのー!?)」
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こなた「ごめんね。お父さんの着替えとかいろいろ運ぶの手伝ってもらっちゃって。」 つかさ「ううん。何も気にしなくてもいいよ~。」 かがみ「まぁ、困った時はお互い様ってヤツよ。」 こなた「まぁ、お父さんさんも入院しちゃって誰もいないからさ、あがって、あがって!」 つかさ「おじゃましま~す」 かがみ「おじゃましま…うっ!」 未来って予測できない物だよね。 でもね、私には一つだけ分かってる未来があるんだよ。 私がそれを知ったのは高校2年の時のよく晴れた何気ない週末だった。 かがみ「何よ!この散らかり様は!!あんたちゃんと掃除してんの?」 こなた「うっ…ち、違うよ。これはお父さんの入院の為の用品を用意する為に家ん中引っ掻き回してたらさ……。こうなっちゃって。アハハ…。ま、気にしないで。お茶でもいれるからさ」 かがみ「全く…。」 つかさ「じゃ…じゃあさ、この散らかった居間を片付けちゃってからゆっくりお茶飲む事にしない?」 かがみ「……そうだね。これはあまりに…、ちょっと…ね。まぁ3人でやればすぐ終わるだろうしね。」 こなた「あれ~。悪いね~。助かるよ~。お2人さん。」 かがみ「何よ!そのニヤついた顔は~!!」 ラッキーだった!そろそろ掃除しなけりゃ…と思ってたからね。 そうして程なく私とつかさとかがみは居間の掃除を始めた。 かがみ「こなた~、これ何処にしまうの~?」 こなた「ん~?あ、それそこの棚の右の上から2番目~。」 つかさ「こなちゃ~ん、これは~?」 こなた「ん?ん~適当にそこらに置いといて~」 つかさ「えっ!!適当に…。えっと…。えっと。」 かがみ「ちょっとあんた何1人で楽してんのよ!あんたもテキパキ動く!!」 こなた「あれぇ~バレた~ぁ。」 つかさ「そういえば、こなちゃんのお父さん、どうして足折っちゃったの?」 こなた「うっ!!………。」 かがみ「ど、どうしたのよ!!」 こなた「……その…。駅の階段上る時に女子高生のスカートが気になった挙句に足を踏み外しちゃって………。」 かがみ「………。」 つかさ「………。」 あ~いう父に育てられた私だ。父の行動は私には理解は出来るが、その行動を説明するときにはつくづく馬鹿らしくなる。 つかさ「……ま、まぁ一週間の入院ですんで良かったね。」 こなた「同じ理由で入院するのもう八回目だからね、もう心配すらしないよ。」 かがみ「あ…え……。」 つかさ「…うう……。」 こなた「あれあれ~2人とも手が止まってるぞ~」 いやはや、3人で掃除すると早いし楽だね。 それから20分ぐらいで居間は綺麗になった。 こなた「いや~、綺麗な居間でくつろいで飲むお茶もまた格別だね。」 かがみ「あんたはサボってばっかだったでしょう!」 こなた「ま~気にしない、気にしない。いちいちいろんな事気にしてると、早く老けちゃうよ~」 かがみ「何ぃ~!!!」つかさ「!!あっあのさ!さっき底の棚にね、沢山のビデオがあったの。それ、何だったのかな~って思って。」 かがみ「ちょっ、つかさ、ばっバカ……。」 こなた「あれあれぇ~。かがみさ~ん~。どしたのかなぁ~。焦っちゃって~。」 かがみ「な、何でもないわよ!!」 こなた「そこの棚?」 つかさ「うん。」 かがみ「ちょ、やめなさいよ。」 こなた「…………。ふーん、お父さんこんなとこに隠してたんだ~。」 かがみ「はぁ……。」 つかさ「??何?」 こなた「『返して!私のニーソックス!~汚された清純~』か……。あの人も好きだねぇ……。」 つかさ「………!!!!……お、ねぇちゃん…。」 かがみ「鈍いんだから…あんたは。」 こなた「それにしても沢山あるなぁ……。あれ、これだけ妙に大事に保管されてる。」 こなた「…ラベルに手書きで『20まで禁』って…。よっぽどのヤツなのかな?……ちょっと見てみよっか?」 かがみ「ば、バカやめなさいよ!見たくなんかないわよ!!!」 こなた「またまたぁ~。ちょっとだけ見るくらいいいじゃない~。本当は見たいんでしょ~~う?」 つかさ「私はちょっと遠慮しよっかな……。」 こなた「問答無用!!いいじゃない!減るもんじゃないし~。じゃいくよ~。」 かがみ「ちょちょちょちょちょっと、まままま待ちなさいよ!!!!」 かがみ「………砂嵐じゃん。」 こなた「あれ、期待外れ?残念だな。ね、かがみん。」 かがみ「ななな何よ!!」 つかさ「(よかった……。)」 そんな話をしてるうちに砂嵐が消えて、映像が映り音声が流れてきた。 「えっと…え~これは撮れてるのかな?」 「……えっと!うんと……よし!撮れてるみたいだ!」 聞き慣れた、でもちょっと若い声。 お父さんの声。 どうやらビデオを撮ってるのはお父さんみたいだ。 そして、映っているのは…。 「ね、ねぇ、そう君。だ、大丈夫なの?」 動いているお母さんだ。お母さんだ。 そうじろう「OK!OK!大丈夫だよ!」 かなた「ほんとに~?」そうじろう「ハハハ。本当だって。よし、それじゃ、行くよ。3、2、1…。」 かなた「こなた。二十歳の誕生日おめでとう。こなたも、もう大人の仲間入りだね。お母さんは本当に、本当に、ほんっっっとに嬉しく思います。」 かがみ「……これは…。」 つかさ「…(うわぁこなちゃんにそっくりだぁ…。)」 こなた「………………。」 かなた「まず最初に謝りたい事があります。………ごめんね。お母さんに似たばっかりに、きっと背が低くて悩んだりしてるんだろうな。ごめんね。ウフフ…。」 そうじろう「ハハハ。」 かなた「いや、もしかしたらどんどん成長して1m80cmいってるかもね。そうだったら羨ましいなぁ~。」 こなた「ふふふっ…。」 かなた「え~っと、どうですか、毎日楽しく過ごしていますか?立派に恋でもしていますか?お父さんが二十歳の頃はいっつもゲームとアニメばっかで……、そういう人になっていないことだけが心配です。」 そうじろう「おいおい、おい!」 かなた「ふふふっ…。」 そうじろう「『なっていないかどうかが心配です』だろ?」 かなた「あっ!そっちに突っ込むのね。アハハ。 ……友達はいますか? 心許せて、くだらない事で笑いあえて、沈黙でいる事さえも苦にならない、そんな友達がいますか? お母さんは友達はあんまり多い方ではなかったけど、そう呼べる友達が確かにいます。 どうか友達を何よりも大切にね。 約束だよ。 次に、多分、分かっていると思うけどお父さんはこーだから、その…見捨てないでね。アハハ。 普段はこんな人だけど、本当は凄くあなたの事を考えていて、いつもいつも陰からあなたを支えてくれるでしょう。何か悩んだら、相談するのもいいいと思うよ。 お父さんはこんな人だけど、お母さんはお父さんに出会えて本当に良かったと思ってる。 本当だよ。 こなたにもそういう人と一緒になってほしいな。この人とずっと一緒にいたい、離れたくない、でも例え、もう死んでしまうとしても出会えたことは後悔は無い、幸せだったといえる人。 そんな人を見つけてね。これも約束。 あ、ゲームやアニメ好きな人はなるべくやめた方がいいわよ。ろくな人がいないから。」 そうじろう「はぁ……。」 かなた「アハハハハ。 そして、きっと人生の道に迷う時もあるでしょう。 自分自身の無力さや性格や風貌を呪う時もあるでしょう。 そんな時、ちょっと自暴自棄になったり、全てが嫌になったり、殻に引き籠もったりしてしまう事もあるでしょう。 でもね、それでいいの。 人生はね、簡単にダメになってしまう程短くないの。 道を外れたように思ってても、それはまだ道の上なの。 簡単に踏み外せる程、人生は狭くはないの。 ……いつか、こなたがお母さんに会いに来た時、胸を張って会いに来て欲しいの。 そして、あなたの周りの人が迷う時はあなたが支えになるの。 あなたは強い子よ。 そして優しい子よ。 だって、お母さんとお父さんの子供だから。 どんな行き方でもいい、必死に生きるの。 これもお母さんとの約束。」 かなた「それでね…」 「ふぎゃぁぁ、うぎぁぁ」 かなた「あらあら…」 画面の外からお母さんに抱き上げられてフェードインしてきたのは。 あやされて泣きやんだのは。 ……私だ。 かなた「こなた…、この小さなあなたが、どんな風に育つのか……。 どうして私は見られないんだろう…って運命を憎んだりもしたけど、気付いたの。 あなたに会えてことが、一番の幸せ。 きっと生きるはずだった分の人生の幸せを全部掻き集めたって足りないくらいの幸せ。 だからあなたは絶対に幸せになってね。 絶対に…。絶対に…」 泣き声が聞こえる。 お母さんじゃない。 映っていないお父さんのすすり泣く声だ。 お母さんの目に涙が滲みだしているのが見える。 一粒、一筋、また一粒。 泣いてる。 お母さんさんが泣いてる。 初めて聴くお母さんの泣き声。 かなた「ごめんね…。あぁ…あ…本当にごめんね。ずっと、ずっ…と一緒に居たいの。…死にたくない…死にたくないの。傍に居たいのそう君とこなたの傍に。あぁ…あ…。………………。」 泣くお母さんの胸で私は穏やかに眠っている。 いったん画面は途切れて、ほんの僅かな間を空けて続きが映し出された。 笑っている。お母さんは笑っている。目と鼻の頭が真っ赤だ。しかし、お父さんの泣き声はまだ聞こえる。 どうやら泣きやんでから続きを撮ったのだろう かなた「こなた。二十歳の誕生日おめでとう。ずっと、ずっと大好きだからね。 ずっと見てる。見守ってるからね。 さて、お母さんそろそろ、こっちのこなたにごはんをあげなきゃならないの。 こなた。 こなた。 …こなた。…じゃあね。」 そういった後、画面の中の私は強く抱き締められていた。 なんだか私はあの私が羨ましく思えた。 そして、砂嵐、ノイズ、砂嵐、静寂 かがみ「…………。」 こなた「………。」 つかさ「………。」 私を気遣ってくれた2人の優しさは沈黙というものだった。2人が何が言いたいのかはよく分かった。 だから、もう少しだけこのままで。 高校を卒業してからも、私達の中は相変わらずだ。普段は会えない分、誰かの誕生日やイベントには欠かさず集まっている。 かがみ「こなた~、もう目を開けていいよ~。」 こなた「いいの?開けるよ~」 未来を予測する事は出来ないけど。 一つだけ分かってる未来がある。 そうじろう「こなた、誕生日おめでとう!!!でな父さんからも一つプレゼントがあるだが…」 ほぉらきた!! ―終―
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日曜の午前中、私は街中を散歩をしていた。 昨日の大雨が嘘のような青空、私の心とは反対に雲ひとつ見えない。 普段なら家でネトゲでもしていただろう。でも、家にいてもかがみのことばかり考えて、辛くなるから。 気分が少しは晴れるかなと思ったけど、私の予想とは360°違った。 ……って、一周してるや。180°ね。 時間が経てば、季節が変われば、いずれ忘れられると思っていたけど、胸に刺さったトゲは、未だに抜けないまま。 歩いていくうちに、町外れの公園に着いていた。 誰もいないのが逆に嬉しかった。誰にも干渉されず、一人でゆっくりできるから。 「ふう……」 家からこの公園までは結構キョリがあり、疲れ切った足を癒すためにブランコに座った。 それからしばらく、ずっと空を眺めていた。かがみへの気持ちは、収まらない。 「……大好き」 ついに我慢できず、空に向かってそう呟いた。誰もいなくて、本当に良かったと思う。 「……私は……かがみのことが……大好き」 でも、呟いたからといって、何かが変わるワケもなく。私の心を虚しさが通り抜けていった。 ――少しくらい、私達に相談してもいいのよ? 私達は―― その後、かがみが何を言おうとしていたのかは、なんとなくわかる。 言われなくて、よかった。『親友』なんて言葉を聞いていたら、確実に暴走していただろうから。 だけど……なんで、言わなかったんだろう? 本当に恥ずかしかったのか、それとも…… どのくらい時間が経っただろう、チャプンという音と足の冷たい感触で我に帰った。 「あ……」 ブランコの下の窪みにあった、昨日の大雨でできたのであろう水溜まりに、私は足を突っ込んでいた。 靴を履いてはいるものの、隙間や足首から水がしみ込んでくる。 靴の中がグショグショで気持ち悪かったが、不意に笑みが零れた。それは、自虐の笑い。 晴れ渡った町で、私の靴だけびしょ濡れ。それが私を表しているようで、なんだかおかしかった。 〈Love is the mirage... ~せつない恋に気づいて~〉 このままここにいてもしょうがない、私はグショグショな靴のまま家に帰った。 ゆーちゃんが元気よく「お帰りなさい」と言ってきたけど、私は靴下を洗濯機に放り込み、無言のまま部屋へと戻った。とにかく一人になりたかったから。 「ふう……」 ベッドに仰向けに寝、思わず溜め息がこぼれる。疲れもあったのだろうが、原因はそれだけではなく…… 「やっぱり、諦めきれないんだな……」 諦めようと思えば思うほど、余計に心が痛む。 本当は、諦めたくない。かがみと付き合いたい。でも……諦めるしか、出来ないじゃない。 私の思いは、絶対に届かないんだから…… 「こなたお姉ちゃん、入ってもいい?」 ドアをノックする音とゆーちゃんの声。 「いいよ。何の用?」 身体を起こして返事をすると、ゆーちゃんが不安そうな顔で入ってきた。 「こなたお姉ちゃん、何かあったの? 元気がないみたいだけど……」 「……なんでも、ないよ……なんでも……」 「嘘。こなたお姉ちゃん、何か悩んでるんでしょ? 前から溜め息ばっかりだし」 ゆーちゃんはかがみ並みに……いや、それ以上に、私をよく見ている。 これが普通の悩みなら、相談するんだけど…… 「言っても、ゆーちゃんにはわからないよ」 「……」 帰って、と言わんばかりに横になる。実際、早く出ていって欲しかった。 「確かに、私にはわからない悩みかも知れないけど……一人で抱え込むより、少しは楽になると思うな」 「え……」 横になったまま顔を動かして、ゆーちゃんの顔を見る。 その顔は真剣そのもの、いつもの優しいゆーちゃんの顔ではなかった。 「それに私、こなたお姉ちゃんに頼ってばかりだもん。たまには私を頼って欲しいな」 ……負けた、かな。ゆーちゃんの親切心に、私の心が。 そう言われると、頼らなざるをえないじゃん。卑怯だよ。 でも、負けは負け。私は身体を起こしてゆーちゃんの顔を見る。 「ゆーちゃん。今から言うことは、全部本当のことだから、覚悟して聞いてね」 「う、うん……」 私の言葉に、ゆーちゃんが身構える。私は小さく息を吸い込み……覚悟を決めた。 「私、かがみのことが……好きなんだ。友達としてじゃなく、恋愛感情で」 「……え……?」 予想だにしてなかったのだろう、私の言葉を聞いたゆーちゃんが驚きで口をおさえた。 「私はかがみが欲しい。かがみとずっと一緒にいたい。だけど、私もかがみも女の子……」 「……」 スカートの裾をギュッと握り締めたままのゆーちゃんを無視して、私は喋り続ける。 最初は喋るのに抵抗してたけど、一度喋り始めると止まらなくなるから不思議だね。 「私は、かがみに告白したい。でも、かがみは私を友達としか見てくれてない至極まともな女の子。告白したところで、受け入れてくれるはずもない。 断られて、元の生活に戻れるとは思えないし、もしかしたら、私を軽蔑するかもしれない。そうなったら……傍にいることはできない」 小さく溜め息をつき、天井を見る。特に意味はないけれど……なぜだか、ゆーちゃんの顔を見たくなかった。 「いくら思ったって、私の恋は、絶対に叶わないんだ。だから諦めようとしてるんだけど……諦め切れないんだよ……」 瞳から、涙が溢れた。我慢してはいたけれど、涙腺が耐えきれなかったみたい。 「……どうして、諦めなくちゃいけないの? そんなの、会う度に辛くなるだけだよ」 その言葉に驚いた私は、ゆーちゃんの顔を見た。 さっきまでの顔はどこへ行ったのだろう、なんだかイラついているようにも見えた。 「やってもいないのに、なんで諦めてるの? まだわからないじゃない」 「わかるよ。常識的に考えて。同性に恋をするなんて、おかしすぎるじゃない」 「……何を持って常識なんていうの? 同性結婚が認められてる国だってあるんだよ?」 前言を撤回しよう。ゆーちゃんは、本当にイラついているみたい。 こんなゆーちゃん……初めて見る。 「芸能人と一般人との結婚もある。日本人とアメリカ人との結婚だってある。だから不可能なんてないんだよ。やろうと思えばなんだってやれる けど、こなたお姉ちゃんは何かしようとした? 何もしてないでしょ? ただ怯えてるだけなのを『常識』っていう言葉のせいにしてるだけでしょ!?」 ものすごい剣幕で言い寄ってくるゆーちゃんに、私は何も言えなかった。 しかも……ゆーちゃんの言葉は、まさにその通りだったから。 「かがみ先輩だって、告白したくらいじゃ軽蔑しないと思うよ。もしそうだったら、友達にだってなってないよ それに……もし何かあったとしても、私はずーっと、こなたお姉ちゃんの味方だから」 ゆーちゃんの言葉の一つ一つが、私の心の傷を塞いでいく。 気付けば私は、ゆーちゃんに抱きついていた。大粒の涙を流しながら、きっとあざが出来てしまいそうなくらい、強く。 「ひゃわ!?」 「ゆ……ゆーちゃ……あ、あり……が……ああああぁぁ……!」 痛がる素振りも、嫌がる素振りも見せずにゆーちゃんは、ただ私の頭を撫でてくれていた。 「私、頑張るよ。頑張ってかがみに告白して、かがみと付き合う」 あれから数分後、私はゆーちゃんの目の前で誓った。 ゆーちゃんが教えてくれたことは、諦めるよりも、何かを求めて傷つく方が良いということ。 私を励ましてくれたその気持ちを、踏み躙るわけにはいかない。 「じゃあ、約束だね」 ゆーちゃんが左手の小指を出してくる。指切りなんて、何年ぶりだろう。 そう思いながら、私も小指を出してゆーちゃんのと絡ませる。 『ゆ~びき~りげ~んま~ん、う~そつ~いた~ら……』 そこで、二人の声が途切れる。どうやら、同じことを考えていたようで。 「本当に針千本飲ませるわけにはいかないよね、さすがに」 「何か他にないかな……約束を破った場合……」 「あ、じゃあさ……」 ゆーちゃんがほんの少しだけ顔を紅くしてこっちを見てきた。 「私と付き合うっていうの、ダメかな?」 ……………はい? 「え、えと、だから、かがみ先輩と付き合えなかったら、私と、付き合うっていうの……ダメかな……//」 耳まで真っ赤になった顔を見て、やっと私は気付いた。 私がかがみに恋心を抱いているように、ゆーちゃんも、私に恋心を抱いていることに。 でも、ゆーちゃんの言っていることは…… 「いい、の……? だって、もし告白が成功したら……」 「いいの。一番大事なのは、こなたお姉ちゃんの気持ちだから。こなたお姉ちゃんが幸せなら、それでいいから。だって、こなたお姉ちゃんが……好きなんだもん」 ……ああ、なんで私はあんな程度のことで悩んでたんだろうか。 同性の友達に恋をした私なんかよりも、同性の『血縁者』に恋をしたゆーちゃんの方が、よっぽど辛い思いをしてたはずなのに…… それでもゆーちゃんは、私を…… 「ありがとう、ゆーちゃん……」 それだけでは、感謝の思いを伝えきれないけれど、優しく微笑んでくるゆーちゃん。多分、わかってくれてるんだと思う。 「あ……あれ……?」 刹那、瞼が重くなった。さっき泣いたせいだろう、ゆーちゃんの顔がぼやけて見えてきた。 「お姉ちゃん、眠くなっちゃった?」 「う……うん……」 私は睡魔を我慢できず、そのまま床に倒れそうになった。 固い床の衝撃がくると思いきや、柔らかく温かい感触が顔を包み込む。 言うまでもなく、そこはゆーちゃんの胸の中だった。 「いいよ、ここで寝ても」 「ありがと……ゆー……ちゃ……」 意識が遠くなる瞬間に見たゆーちゃんの瞳は、濡れていた。 夢を見た。 私がかがみと出会ってからの出来事を、まるで走馬灯のように。 二人で過ごした幸せな時。辿れば、眩しく光っている。 もう二度と、あの頃には戻れない。だけど、それは悲しいことなんかじゃなかった。 少し前までは絶望の道が広がっていたけれど、ゆーちゃんのおかげで、新しい道が開けた。 それは、決して絶望の道なんかじゃなくて…… 全てを決めるのは、他ならぬ柊かがみ。 私の運命が良い方向に行くか、悪い方向に行くか。それは、かがみの返答次第。 例え二人の距離が離れていったとしても、私はそれを受け入れる。 だってそれが、私が選んだ道なのだから。 ――柊かがみ。私の、最愛の人―― どんな結末が待っていようとも。 私がかがみを愛していたことに変わりはない。 かがみを忘れてしまうほどの恋が胸を焦がすまで。 私はずっと、かがみの幸せを祈り続ける――
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それはお盆の一歩手前頃、昼でも夜でも関係なく、サウナのように空気の湿気と温度が異常なほど高い日の出来事だった。 双子の姉の方の部屋に女友達が四人集まって、高い気温と湿度に対抗すべくクーラーがうんうんうなりを上げるのをBGMにしながら、わいわいガヤガヤと何をするでもなく何かをしていた。 ちょうどその時は青くて長い髪のちびっ子が、友達の双子に対して、これ以上暑くするなと言いたくなるくらいの熱気のこもった会話をしていた。 「もうさ、インドア派の私にとってはこ~んなに暑いのいやなの!私としてはクーラーをガンガンに効かせた部屋にこもって、ネトゲして、マンガ読んで、積みゲーして、DVD観てるのが一番性にあってるとは思うだけどね」 これに対し、双子の妹の方が黄色いリボンを垂らすほどに深くうなづいて言った。 「そうだね~、私もかんかん照りのお昼に、出掛けようなんて思わないもん。こなちゃんらしいと思うよ」 「うむ、つかさ、賛同ありがとう。そんなぐ~たらな生活も悪くは無いし、実際今までそうやって過ごしてきました。しかし否!夏休みと言うイベントは限られているのです!今年の夏休みは残るは半分しかない!残りの短い期間をどうにか活用したいと思うわけです!」 双子の姉は、ちびっ子のあまりに唐突な言い草に、正直付いていけないな~、と冷ややかな目線を向けながら言った。 「はぁ……、あんたの言う事だからコミケにでも行こうとか言うんでしょう?誘われても行かないからな?」 「かがみ~、それはそれでもちろん付いてきて欲しいとは思ってる訳なんだけど、残念ながら私が今強く思っていることとはまた少し違うのだよ」 丸い眼鏡を掛けた美少女が、双子の姉とは対照的に興味津々とばかりに、眼鏡の下の瞳を、まるで少女マンガのヒロインのようにきらきらと輝かせて言った。 「では、こなたさん。残りの夏休みを使って何をしようと言うんですか?」 するとこなたは、待ってました、と言うように口元がニヤけ、猫のような口の両端が釣り上げていく。 「むふ……、むふふふふふ……。夏休みの恒例行事であり、夏休みを120%楽しみつつ、しかも高い確率でフラグを立てる驚きビックリ行事と言ったら……?はい、みゆきさん?」 突拍子の無いこなたの難問に対して、みゆきはしどろもどろながら答える。 「フ、フラグと言ったら旗ですよね?えーと……。自衛隊の基地祭でしょうか!?」 「いやいや、みゆき。こなたのふざけた質問なんて真面目に答えなくてもいいのよ」 「さすがナイスみゆきさん!GJGJ。でもそうじゃなくてさ、夏と言ったら、そう、肝試しだよ!」 すると、つかさがすかさず眉毛をハの字にして、今にも泣きそうな顔をして震える声で言う。 「え、え~。やだよ~……。私、そういうの苦手だよ」 「ほらほら、泣かないのつかさ。そんなもん、こなた一人でやってればいいのよ」 かがみの、もう関わりたくない、と言いたげな捨てぜりふにもこなたは動じることはなかった。 「え~?みんなやろうよ~。つかさが驚かす役をやってみても良いんだよ?悪戯気分でたまには誰かをビックリさせてみようよ!みゆきさんも、基地祭もいいけど肝試し、やるよね?」 こなたのやる気と誘惑に、つかさとみゆきの魂には何か熱いものが宿りはじめていた。それは外気温などよりも遥かに熱く、メラメラと燃え上がる錯覚を覚えるほどであった。 しかしかがみだけは、やる気にはなれなかった。こなたのやる気は、かがみにはむしろ逆効果のようで、こなたが熱くなれば反対にかがみはどんどん冷たくなる。それはまるで冷蔵庫の中と外のような関係であった。 こなたはそれでもあきらめる気にはならず、子供っぽくかがみの腕を両腕でガシッと掴んだ。 「ねぇえ、かがみ~。一緒に肝試ししよ~うよぉ。たのしいからさ~あぁ」 かがみはまた別のことを考えていた。 こなたに掴まれたかがみの腕が、こなたのぺっちゃんこの胸に当たっていた。その胸があんまりにツルペタで、貧相で、悲しくて、最早かがみは同情せざるをえなかった。 「わかったわよ、付いて行ってあげるわよ……」 日がくれて、嵐が過ぎ去ったかのような疲労感をかがみに残し、みゆきとこなたが去って行った。 「つかさ~?受験が近いんだし、勉強もしなきゃダメよ?あんたただでさえ大学に入れるのか怪しいんだから……」 「う、うん。わかってるよ。でも肝試しおもしろそうだし、気晴らしに行ってもいいよね」 「もう……」 最近、つかさに甘いような気がすると、かがみは思った。 と言うよりも、双子の妹が受験生なら自分も受験生な訳で、簡単に言うと妹の事まで頭が回らない程度にかがみは受験勉強が忙しいのだった。 だからつかさに分からない問題を教えられるほどの余裕はないし、いちいち聞かれるのも鬱陶しいと感じるようになっていた。 つかさもかがみが発するその雰囲気を敏感に感じ取っていて、かがみに対し少なからず距離を置くようになり、今までと様子が違う事に疎外感を感じていた。 勉強は個人の戦いになる。誰かと協力しようとしても、中学の頃と違い理系や文系などの教科の内容のずれの問題があるし、個人のレベルの差があってもいけない。 レベルの高い側は、低い側に勉強を教える事ばかりに労力をささげなくてはならず、自分の学習としては効率が悪い。 つかさとかがみのレベルの違いは大きい。中学の頃なら、目指す高校が同じだったからまだ、その差は大きくは無かったのだが、今は違う大学を目指している。 このレベルの差が、受験勉強という触媒によってかがみとつかさの心の壁を大きくさせていった。 次の日の夕方、こなたを中心とした怪しい女子高生四人組は、小高い丘の上へやって来ていた。 四人の目の前には、うっそうと茂った雑草と、その隙間から背の低い松の木がにょきにょきと生えただけの、一面何も無い荒野が広がっていた。 ここにやって来る際にこなただけが「立入禁止」と書かれた札が立っていた事に気づいたが、話をややこしくしてしまうので、もちろんそんな事は誰にも話さない。 夕日が四人の肌をハチミツ色に染め上げ、若い少女たちの美肌を更に美肌に見せている、様な気がした。 「ここが今日、肝試しの舞台になる場所だよ。多分、こんなのところに人が来るのは、数ヶ月に一度あるかどうかだろうね……。なにかあってもぉ、助けは来ないからねぇ~~~?」 「えぇえぇ……?大丈夫かな。」 気づくとつかさはみゆきの腕を抱きしめていた。いつもなら姉のかがみにする事なのに、無意識のうちにみゆきの腕を抱いていた。 いつものかがみの腕よりもやわらかく、抱けば誰もが幸せになれそうな腕だったが、つかさはかがみを裏切ってしまったような気がして怖かった。 そんなつかさの思いなど知らないこなたは、壮大にして厳戒な計画を遂行しようとしていた。 「みんな、ビックリドッキリな小物は持って来た?」 つかさは慌ててみゆきの腕から離れると、大きな犬の顔の柄がデンと真ん中に描かれたリュックを肩から下ろしはじめる。 「持って来たよこなちゃん!うんしょ……」 「おおっと待った!まだ何を持って来たのかはお互い内緒だよ!肝試しの間、誰がどんな小物を使いどんな策略で、獲物をハンティングするのか!それは各々のスキルとセンスを尊重して、実際に使用されるまでは誰にも打ち明けてはならないのだよ」 こなたの狂人じみた異常なハイテンションに一向に付いて行けないかがみは、もうどうでもいいやと思い始めていた。しかしその考えがこなたに読まれてしまうのもなんだか嫌だった。 この様に、かがみのツンデレの属性は発揮される。 「はいはい、分かったわよ。まだ明るいんだからゆっくりすればいいじゃない」 それから日が完全に暮れるまで、みゆきが持って来ていたレジャーシートに四人は座り、雑談が八で、これからの戦いの計画の話し合いが二の割合で会議をした。 辺りが真っ暗になり、いよいよそれらしい雰囲気を滲み出し始めた荒野。 ちょっと足元に気を付けていないと、腐った死体の腕がガバッと足首をつかみかかって来るかもしれない。ちょっと前を見ていないと、目の前にUFOが降りてきてエイリアンに連れ去られてしまいそうだ。 「う、うぅぅう……。こ、こなちゃんの嘘つき~!」 暗闇に独りぼっちになってしまったつかさは、涙が出るくらい後悔していた。 かがみがもう直ぐここを通って行くため、つかさが持って来た「糸こんにゃくを竿から糸で吊るしたヤツ」を使って脅かさないといけない。 しかし、見つからないようにするため唯一闇を照らせる懐中電灯を付けられず、完全な闇の中でかがみが来るまでの数分間は一人で茂みの中に隠れていなければならない。 つかさの直ぐ隣には、周りの荒野では一際目立つほど、大きく背の高い松の木がそびえていた。何に使われたのかロープが垂れ下がっていて、風でプラプラと揺れ動くのでつかさの恐怖をあおった。 脅かす側ならばこれが当然の事だったのだが、つかさには皆をビックリさせてやろう、という事のみしか頭に無かったため、脅かす側までこんな怖い思いをするとは気が付いていなかった。 「ひう、うぐっ……、お姉ちゃん……」 そうつぶやいてみて、そう言えば今日はかがみと会話らしい会話をほとんどしていなかったなと、恐怖でいっぱいになった頭の片隅で思い出していた。 多分、今日だけではなかったはずだ。昨日も一昨日も、もっと前からずっとだった、とつかさは記憶を掘り返す。 人は成長すればいつかは独り立ちし、家族や友人たちに甘えたりかわいがってもらったり、そういうものから断ち切って行くだろう。これが大人になると言う事なら、大人になんてなりたくない。 これは現実逃避かもしれないとも思いながら、つかさはそう願った。 カサカサ……。 「ヒッ!!」 突然、つかさの背後で何かが動き、草が擦れる音がした。 実はそれが、ここら辺を寝床にしていたのに人間がいて邪魔だなぁ、と猫語で喋っている一匹の三毛猫だとは知らず、つかさは何もかもがパニック状態におちいり、脳味噌がフリーズしてしまい、ムンクの叫び状態のまま暫く一時停止していた。 ガサッ! すると、また別の方角からも音がする。もう何もかもに絶望したつかさの顔は、さながら灰色で目の大きな、グレイタイプの宇宙人のような顔になってしまっていた。 ……ペチャ…… なんの気配もさせないまま、つかさの首筋に何か、冷たく濡れた、とてもいやな感触のものがさわった。 「イヤァァァアァァ―――――――――――――!!!!!!!?」 実はそれが、つかさ自身が持っていた「糸こんにゃくを竿から糸で吊るしたヤツ」がゆらゆら揺れてたまたまつかさの首筋に触れただけだとは知りもしなかった。 物音を聞きパニックになったつかさ。とどめに何か冷たいものが首筋に当たり、完全に混乱していたつかさの瞳に確かに映し出された、ある筈のないもの。 首をぶんぶんと振り回し、景色が上も下かも分からないようにして目の前の情景を否定したが、その視界の中に確かに一瞬だが写った、この松の木に掛かる二本のロープにぶら下がる、まるでコピーのようにお互いがそっくりな、白い肌の二人の少女を。 ロープが二人の首を締め付け、絶対に助かるはずがないと思えた彼女たちと目が会い、にこりと身の毛のよだつ笑顔をしたのを確かにつかさは見たのだった。 一方こちらは先ほどの音の原因であるかがみ。 「はぁ、まったく……。酷いところね……。ひっ、何今の悲鳴!?」 悲鳴にすくみ上がるかがみ、奇声を上げて突進してくるつかさ。二人は運命的で情熱的な再会を果たし、頭突きとも思えるほどに激しく抱き合った。 もちろん、二人ともなにが起こったのかわからないまま、即倒し、意気消沈した。 「遅いな……、まったく。かがみんめ、ビビッて泣いてんじゃないかな~?クヒヒ……」 こちらはこなた。藪に隠れ続けてはや十数分になり、そろそろ蚊が鬱陶しくなり始めていた。昼の間はあまり見かけなかったが、どうしてこうも夜になってウヨウヨし出すのだろう。 いくらなんでも遅いと、こなたは苛立ち始めていた。 いつものように携帯電話を携帯してなかったがために、みゆきと連絡が取れないのは正直痛い。 そういえば蚊はO型の人間の血を好むと聞くけど、O型のみゆきさんは大丈夫だろうかと、少々考えが横道にそれながらも心配になって来た。 スタート地点からここまで普通に歩いて5分で来れる距離の筈だ、いくらなんでも遅すぎると、こなたはいてもたっても居られなくなりスタート地点まで戻る事にした。 途中でつかさとみゆきが待機している筈だが、彼女たちとも合流しながらかがみの様子をうかがおう。 藪を掻き分けすすむこなた。しかし、自分で好き好んで設定した場所でも、いざ夜に一人で歩くとなると実に恐ろしいものだと痛感する。 あの二つ丸みをおびた岩、まるでみゆきの胸をそのままデザインしたかのような岩の裏側に、みゆきが隠れていたはずだった。驚かせないようにそっと懐中電灯でそこを照らしながら、みゆきの名前を呼んだ。 「お~い、みゆきさ~ん」 「あれ?泉さん、どうしましたか?かがみさんがまだ来ていないんですが……」 みゆきが腕をぽりぽり掻いているのを見ながら、手遅れだったかとやや後悔しながらこなたは話を続ける。 「そうなんだよね。私の所にも来てなくて、どうしたのかと思ってさ。みゆきさんの所にも来てないなら、もっと前の方で何かあったんだね、つぎのつかさの居るところまで戻ろう」 こうして二人は大声でかがみを呼びながら、さらにスタート地点に近づいていく。 コースはそれほど長くは無いのだから、よほどおかしな方向へ迷わなければ直ぐに声が届く筈だった。 しかしかがみからの返事は聞こえない。二人の心配はますます増して行った。 「うお!?つかさ、かがみ!?」 こうして、ノックダウンしたつかさとかがみを、二人は発見する事が出来たのだった。 「ひ~い~ら~ぎ~。なあ、宿題見せてくれよ~」 伸び切ったラーメン、いや、そうめんのようにぐてぇとした日下部みさおが、かがみの机にずうずうしくもあごを乗せてかがみに懇願する。 「はぁ?いやよ。あんた昨日も同じ事言ってたじゃないの。ちょっとは学習しなさいよ」 「ちぇ~、ならあやのに見せてもらうからいいぜ。それより柊、ちょっと太った?」 「なっ!?そんなわけないでしょ!?」 「いひひひひひ!冗談だぜ!じゃあな柊!」 チャイムが鳴り、社会の授業が始まる。黒井先生の授業は途中で暴走することがあるので、授業としてどうなんだろうとかがみは疑問に思うのだが、ただ嫌いでもなかったので適当に楽しんで授業を受けていた。 みさおの方はあやのに宿題を見せてもらったようで、何食わぬ顔で平然と授業を受けていた。 これが二時間目で、あと三時間目で昼休みだ。空は透き通るように青く、気持ちのよさそうな風が吹いていた。 チャイムが鳴り、あっという間に二時間目が終わった。次の三時間目はここの担任である桜庭先生の理科の授業なので、理科室まで行かなくてはならない。 理科室に行く途中でみさおに「あかんべ」をされたが、まったく気にする事はなかった。 チャイムが鳴り、三時間目の授業が始まる。桜庭先生が何かを言っている様だが、その言葉一つ一つがただ意味を持たないものに聞こえて、頭の中に情報として何も入って来ようとしない。 しかしそれが不思議な事だとか、これじゃあ授業にならないだとか、もしかして耳が悪くなったのかだとか、そういった事について一切考える事はなく、なにも気にする事はなくなんとなく授業を聞いている。 そう言えば二時間目の黒井先生の授業のときもそうだった気がする。今日の授業で何を習ったのか一切何も覚えていなかった。 今日の朝、何をしていたのかも思い出せない。昨日、何をしていたのかも思い出せない。と言うよりも、思い出そうとする頭が働かず、なんとなく夢心地で何もかもが現実でないように思えてしまう。 桜庭先生が黒板をパンパン叩いていると、突然、理科室の戸が勢いよく開かれるとつかさが、困ったような今にも泣きそうな顔であたりを見回していた。 つかさがかがみと目が合うと、周りの生徒の目線全てを無視して一直線にかがみの直ぐ前まで走り寄り、かがみの腕を強くひっぱる。 「お姉ちゃん!来て!」 かがみは訳もわからないままつかさに引っ張られ、桜庭先生の制止を無視して理科室を抜ける。 それでもなおつかさはかがみを引き、そのまま誰もいない女子トイレへかがみを連れ込んだ。 「お姉ちゃん、私が誰だか分かるよね?」 「つかさでしょ?」 「お姉ちゃん!しっかりして、どうして私たちがここにいるかわかる?」 こんなの時にも今だにぼーっとした顔をするかがみに、つかさは食って掛かった。 「何?なんのこと?」 かがみには悪気はなかった。ただ、なにが起こっているのか理解できない。なぜつかさは授業中に私を連れ出したのか。つかさが何が言いたいのか。 「そんな……。やっぱり、私一人なんだ……。うっく……、うぅ……」 「なんなの?どうしたの?泣いてちゃ分からないじゃない、私に分かるように説明してよ」 「んっ、じゃあ、お姉ちゃん。今まで私たちが何してたか覚えてる……?こなちゃんが企画した肝試し。分かる?」 肝試し、肝試し、肝試し、肝試し、肝試し、肝試し、肝試し、肝試し、肝試し、肝試し、肝試し……。 なんだろう、この懐かしいような、切ないような……。本能が大切なものを思い出さなくてはならないと言っている。 かがみの肩がピクリと動き、青い瞳に真っ赤な炎が灯されたかのように、体中から生命力が溢れ始めたようだった。 つかさはかがみのその様子を、不安そうに眺め続けた。 「そうだ……。私たち、肝試しをしてたのよ!え?どうして?なんで私たちこんな所にいるの?まだ夏休みだったはずじゃない!」 「そうだよっ!お姉ちゃん、思い出してくれたんだっ!こなちゃんたちは知らないって言うの。だから、私がおかしいのかも知れないって思えてきて……」 「大丈夫よつかさ。私も思い出したわ。それよりつかさ、これは一体どうなってるの?」 「私もわかんないよ……。ボーっといろいろ考えてたら、突然思い出して……。このままだったらずっと忘れちゃうところだったよ」 「そうね。肝試しから今日までの思い出がすっぽり抜けてるのよ……。う~ん……、肝試しで、私が最初に肝試しする番で、歩いてて……、それからどうしたから?」 「私も、肝試しをしてて……、そうだ、物音がしたから慌てて走り出したら、何かにぶつかって、それから覚えてないんだ!」 「ん?ぶつかってって言うなら私もだわ。ん?あれ?ぶつかって来たのあんたじゃなかった?」 「ふぇ!?わ、私?う、うーんと、えへへ、そうだったかも……」 つかさは己のあまりの惨めさと、かがみへの申し訳なさでどんどん小さくなっていくようだった。 「ま、いいわ。学校が終わったら、肝試しをしたあの丘に行きましょう」 「う、うん。わかった」 一方こちらは。こなたとみゆき 「あちゃ~、完全に伸びてきってるよ」 「大丈夫でしょうか?」 「いびきまで掻いてるし、寝てるのかな?お~い、かがみん、つかさ~?起きろぉ!……ダメだ、起きない」 「どうしましょう……。ここからなら、小早川さんのお宅が近いですよね?成美さんの自動車で迎えに来てもらえませんか?」 かがみの上につかさがのしかかり、なんとも仲がよさそうに眠っているので、みゆきは二人を起こすのは悪い事のように思えて仕方がなかった。 「仕方ないなあ。ちょっと電話してみるよ……。おぉ?携帯忘れたんだった……、みゆきさん、貸して?」 ここだ、とつかさは思う。 かがみとつかさは学校が終わると、唐突に記憶が途切れてしまった場所である、丘の上の荒野に足を運んでいた。 太陽が傾き、荒野の草木は日に当たる面と影になっている面の明暗がはっきりしており、まるで色を失った白黒画面を観ているようでとても不気味に感じた。 「たしかこっちだよ!私が隠れたのはあの高い松の木なんだ」 「うん。ねえ、つかさ。私たちが今、どうやってここに来たのか、その前に、学校で何の授業をしたのか覚えてる?」 かがみがつかさにトイレまで連れて行かれる直前までの授業も、これと同じように、ぽっかりと授業中に何を学び何が起こったかを忘れているのだ。 いや、忘れているのではない。 「え?電車?たしかこなちゃんたちと一緒に……。ううん、違う。それは前に始めてきたときの思い出だね。今日、どうやって来たの?あれ?思い出せない……。わかんないよぉ!」 「落ち着いてつかさ。私も思い出せないのよ……。まるで、時間と場所を突然ワープさせたみたいで、その継ぎ目がすごく曖昧で、まるで夢の中みたいで」 忘れたのではない。いや、忘れたと言う方が相応しくない。 かがみは、自分たちがここへ移動した、というストーリーが無かったのではないかと思った。授業も、授業中のストーリーが存在していなかったのではないかと。 「お姉ちゃん、ここだよ。ここが私が隠れてた。藪だよ。ほらこの木が目印なんだ……。ここにロープが垂れてるでしょ?」 そう言って、つかさはある重大な記憶を呼び戻した。その情景がフラッシュバックのように、一瞬にして映像が再生され始める。 ロープに首をかけてぶら下がる、二人の少女の、この世のものとは思えない、不気味な笑顔を……。 かがみが何気なく松の木に触ろうとすると、松の木の上から気配がするのに気がついた。 「ダメ、その木に触らないで……」 「何も気づかずに過ごしていれば幸せだったのに、バカなヤツ」 かがみは背中に冷水の血液が流れたかのような、一瞬で体を駆け巡る悪寒を感じ、つかさはなぜ今まで忘れていたのかと後悔した。 松の木の枝に二人の少女が座り、かがみとつかさを見つめていた。 一人は枝の上に立ち、もう一人の背中に体半分を隠しながらオドオドとつかさとかがみの様子を警戒しながら覗いている。 枝に腰掛けているもう一人の勝気な少女は、不適に微笑みながらつかさとかがみを見下ろしていた。 かがみは木の上の二人を驚きながら見つめ、何を言えばいいのか分からなかったが、硬唾をごくりと一つ飲んでから捲くし立てる様に一気に言葉を吐いた。 「なによあなた?あんたたち何か知ってるのよね!?それともあんたたちが私たちをここに連れて来たの?」 「お姉ちゃん……」 勝気な少女は首をかしげながらも、しかし尊大に話した。 「あなたたち、本当に私たちとそっくりだわ……。私たちも双子なのよ?ふふ、懐かしいわ。ここで遊んだのはもう、十年も前の事よ。私の後ろで隠れているのが私の妹よ」 つかさは彼女の後ろに隠れるもう一人の少女が少し前までの、中学生くらいのかがみに隠れる自分に似ているような気がした。 「あの、私たち、どうしちゃったの?」 「ここは、あなたたちの夢の中よ。もっともあなたのお姉さんの方は、うすうす気が付いていたみたいだけどね。あなたの本来の体はまだ丁度この辺りで眠っているわ」 「何がしたいのよ」 「それよ。私たちの体はもう存在しない。だからあなた達の体を借りるのよ。魂は夢の中に閉じ込めて抜け殻になりながらも依然生き続ける体を、私たちは自分の体として使わせてもらうわ。私の妹のために」 少女の妹は、黙ったままこちらを向いている。 ここは夢の中。だから授業を受けても自分の知らない知識は得られないし、現実のように不必要なストーリーはカットされてしまう。 「や、やだよ、そんなの!私、こなちゃんが好きだし、ゆきちゃんも大好きなの。だから、また遊びたいし、おしゃべりしたいよ……」 「ゆ……ちゃん…、だいす……」 こなたが電波を探しながらやぶの奥の方へ歩いていく中で、みゆきは地べたに横たわるつかさとかがみの様子を心配そうに伺っていた。 みゆきは確かに今、つかさが自分の事を大好きだと言っているように聞こえた。 徐徐にみゆきの高校生とは思えないほど出来のいい端整な顔が、あっという間に桃のような髪の毛と同じ色に染まり始め、とてもうれしいような恥ずかしいような、みゆきにはなにか特別感情が芽生えはじめていた。 「夢の中でも出来るじゃない。ここが夢の中なのかそれとも現実なのかなんて、あなたたちに分からない事よ。現実って、見る人によって変わるものだと思うのよ。あなたが見た世界、私が見た世界。どっちが正しいかなんて誰にも分からないのよ」 「違うよ!私は本物のゆきちゃんとこなちゃんに会いたいの!」 「だから言ってるじゃない。夢の中のあなたにとって、本物のお友達は夢の中にいるのよ。現実もそう、あなたが勝手にそれが本物だと認識してるだけで、誰もこれが現実の世界の本物のお友達かなんて証明出来ないのよ?」 「そんな……」 「怖がる事はないは……。あなたが望んだ世界なんだから。永遠に大人になる事がない、ネバーランドなのよ」 「つかさは私が守るのよ!帰りましょう」 「え?う、うん……」 気がついたときには、すでに自分たちの家に帰っていた。 二人の母親も姉たちも、皆何事も無く平然とこの家で暮らしており、あの双子の姉が言うようにこの世界を自分たちが認めてしまえば、完全に世界が入れ替わるだろうとかがみは思った。 普段と変わらない、いつもどおりの生活が実現される。成長せず新しい事も起こらず、永遠に平穏な閉じた世界で暮らして行くのだ。 「おねえちゃん、どうやって帰るの?あの子たち、何言っても聞いてくれないし、少し考えようよ……」 「き……す……よう」 みゆきは確かに今、つかさがキスしようと言っているように聞こえた。 頭の中では白雪姫の物語が、リアルに再現されており、もしかしたら、自分がつかさにキスをすれば目が覚めるのではないかと、みゆきのとても優秀で完璧な脳が訴えている。 しかしお互い女同士であり、本来このような行為をするべきではないことは承知していたが、しかし女の子同士でふざけ合ってキスすると言うのは、たまに見かける行為であり、なにもそれほどまで特別する必要も無かろう。 みゆきはそう、結論付けた。 「あの姉妹、姉が妹のためにこんな事をしてるって言ってたわ」 「うん、私たち今魂だけになってて、あの丘に置き去りの体を乗っ取ろうとしてるんだよね……」 「たぶん、姉の方は私の体を、妹の方があんたの体を取ろうとしてると思うのよ」 「それと、魂だけの私たちが、こっちの世界で生きていないと、現実の肉体が生きていられないらしいね」 「……」 かがみは押し黙ると、何かを決意したような表情のまま母親が立つ台所へと歩み寄る。 つかさにはかがみが何をしようとしているのか想像できなかった。 「つかさ、いままでありがとう。これからもずっと一緒だからね」 かがみの手には、包丁が強く握り締められており、ギラリと輝くその刃先はつかさの方へと向けられていた。 「お、おねえちゃん!?」 「信じて!」 かがみは大きく足を踏み出し、ためらいも無く力強く床を蹴り、目はつかさの目を見つめたまま突進して行った。 つかさはかがみが何をしようとしているのか分からなかったが、かがみが言った、信じてと言う言葉を信じた。 ここまで来るのに長かった。姉と徐徐に疎遠になっていくのがとても辛く、悲しい事だと思っていた。 やっとかがみを信じて、姉の願いを聞き入れる事が出来るのだと、つかさは強く思った。 きっと、あの双子にも自分と同じような事があったのかもしれない。 少女の妹の方は、姉に全てを任して自分は何もせず、ただ甘えているだけに見えて、それが自分と重なるような気がした。 もう、甘えずに、姉を信じ、そして自分も姉のために何かを努力しなくてはと、つかさは思った。 かがみの直ぐ目の前まで迫り、強靭がつかさの腹に触れるまであとほんの10cm、7cm。 人が死ぬ直前は走馬灯と言うものが見えるだとか、過去にあった様々な思い出が次々に脳裏に描かれるだとか、いろいろ言われているが、つかさは今とても時間が長く感じていた。 かがみが目の前でのろのろと自分の方へ近づいてくるのを、目を大きく見開きながら見つめていた。 これが自分の内なる声なのか、天のお告げなのか、それとも双子の声なのか。 「避けて!まだ間に合うよ!」 ~やだ、避けたくない!邪魔しないでよ、私はおねえちゃんを信じてるんだから!~ 「どうして?避けないと死んじゃうんだよ?」 ~何があったって、私はお姉ちゃんのやりたい事を聞き入れたいんだ。甘えてばかりじゃだめなんだ~ 「そう……。私には出来なかった事、あなたなら出来るのかな?」 ~わかんないけど、きっと信じれば、出来ると思う~ 「信じれば……」 こなたは年の離れた従姉妹の成美ゆいに、車を近くまで迎えに来てもらえるよう伝える事が出来た。こんな山奥の偏狭の地を電話で伝えるのにどれだけ苦労しただろう。 やれやれとかがみたちが眠っている現場に駆け寄ると、家政婦(コスプレ喫茶のメイド)は見た! みゆきがつかさの唇まであとほんの10cm、7cm……と徐徐に近づいていく。まさかみゆきの想い人がつかさだったとはと、こなたは今までに無い衝撃を受けた。 事実は小説よりも奇なりという言葉があるが、まさか百合なギャルゲー、いやエロゲー並みの展開が今目の前で行われようとしているとは、まったく考えた事もなかった。 みゆきの顔がますます赤くなり、後ほんの数mmと言うところまで来たとき。 かがみが唸りを上げた。 「う、う~ん。ここは……?」 「ふ、あああぁぁあぁ、おはようございます!かぎゃみさん!だ、大丈夫でしたでしょうか?」 「まぁ……。つかさは?」 「え?べ、べべべ別に、そんなつもりは!許してください!」 こなたはニヤニヤを止めることが出来ず、三人の前には歩み出せなかった。 そんな折につかさも目を覚ました。 「ふぁ~~、お、おはよう……」 「つかさ!無事だったのね。ごめんね、怖かったでしょう?妹が乗っ取るはずの体の魂を危険な目に会わせれば、姉が絶対に何かすると想ったの。本当にごめんなさい、ごめんなさい……」 つかさは実際には妹の子が、夢から出してくれたのだと知っていたが、これはあの子と私だけの秘密にしようと心に決めた。 こうして、二人は無事に何事も無く家に帰る事が出来た。 みゆきの行動はこなたしか知らないが、これからみゆきが期待以上のことをしてくれるはずだと、こなたは待ち望んでいた。 結局、あの双子がなんだったのかはっきりとは分からなかった。 あの丘の松の木で、首吊り自殺をしたのだろうとは、おおよそ検討は付くがいったい二人に何があったのかは知る事は出来なかった。 その日の夜、つかさは夢を見ていた。 双子が仲良く、階段を登っていく夢だった。 双子の姉が言っていた、何が現実で何が夢かは誰にも分からないとは、こういう事だろうと思った。 これが現実だと思えばきっと現実なのだ。 つかさはもう一つの世界を見続けた。 コメント・感想フォーム 名前 コメント 面白いです。 読みづらいです。 -- 名無しさん (2012-11-03 11 32 33)
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【デュエルパート3】 簡単に今の状況を整理しよう。 こなたの手札は2枚、フィールドには伏せカードが1枚だけ。ライフは7000だ。 かがみの手札2枚、内1枚は『狂気のバルサミコ酢』、フィールドには守備の『柊みき(タダオカウンター1)』、攻撃の『柊かがみ』、『柊つかさ』、『日下部2200(あやの合体)』(2ターン攻撃出来ない)、『柊まつり』の5体と、伏せカードが1枚だ。ライフは4800。 そして、今はこなたのターン。どう動くのか!? 「私はみなみんを召喚!」 『岩崎みなみ』がフィールドに現れる。 攻撃力1500、守備力1300。☆×4。 「攻撃表示? 何考えてるの?」 「みなみんの特殊効果、このカードを生贄に捧げることで墓地のゆーちゃんを裏側守備表示でセットすることが出来る」 「!? またあの娘!?」 『岩崎みなみ』が墓地の『小早川ゆたか』を連れ出し、軽く応急処置をする。そして自分は墓地へと退場して行く。 フィールドには裏側守備表示の『小早川ゆたか』がセットされた。 「私はこれでターンエンドだよ……」 「打つ手が無いみたいね、この勝負もらったわ! 私のターン、ドロー!」 『小早川ゆたか』の効果は、戦闘で破壊されないという効果だ。そして裏から表になったとき、デッキから『泉こなたLV4』を特殊召喚できる。 まだ逆転のチャンスはある。 「戦闘で破壊されないなら効果で破壊すれば良い。私はつかさのもう1つの効果を発動!」 「もう1つの効果!?」 「そうよ。このカードを墓地に送ることで、レベル4以下の『柊』と名のつくカードを1体、デッキから裏側守備表示でセットすることが出来るの」 『柊つかさ』が「なんじゃこりゃあぁー!?」と墓地へ消えていく。 「裏側守備……まさか!?」 「そのまさかよ! 私はデッキから2枚目のつかさをフィールドにセット! この意味、分かるわよね?」 「くぅっ……」 『柊つかさ』は裏から表になったとき、相手フィールド上のモンスターを破壊できる効果を持っている。そして、今のこなたにはそれを回避する手段がない。 だが、セットしたターンは表に出来ないので、このターンは凌ぐことが出来る。 「まつり姉さんで守備モンスターを攻撃!」 「な、破壊されないのに!?」 「承知の上よ」 まつりの攻撃により、ゆたかが姿を現す。 「その娘の効果でデッキから『泉こなたLV4』を攻撃表示で特殊召喚するはずよね?」 「う……ばれてたか……」 フィールドに2枚目の『泉こなたLV4』が現れる。 「これを狙ってたのよ! 『柊かがみ』で『泉こなたLV4』を攻撃! 究極の愛」 「えぇー! さっきと技名違うー!」 『柊かがみ』が荒い息を上げながら『泉こなたLV4』に襲い掛かる! 「え、永続トラップ発動! 『幸せ願う彼方から』」 「何ぃ!?」 「手札を1枚捨てることで、モンスター1体を1度だけあらゆる破壊から免れることが出来る」 「あら、やっと私が出てきたわね♪」 カードの絵柄は、こなたとそうじろうの背後にかなたが居るという図だ。 「でも戦闘ダメージは適用されるでしょ!」 「くっ……」 こなたは1300のダメージ。ライフは5700に。 「今の戦闘で、私の攻撃力が更に上がるわ」 「攻撃力3300……」 戦闘するたびに攻撃力が上がる……正に柊強暴伝説の名に相応しいカードだ! 「私は手札から捨てた『こなたの携帯電話』の効果を発動! このカードのみが他のカードの効果によって手札から墓地に行ったとき、デッキからカードを2枚ドローする」 「私はこれでターンエンドよ」 相変わらず二人の有利、不利が交互に入れ代わるこのゲーム。しかし、これは良い試合でもあるのだ。見てる分には退屈かもしれないが、やってる本人達にしてみれば、一方的に攻められるよりも断然良いだろう。 さて、だいたいデュエルの流れは解って来たと思う。ここからは解説無しのこなた視点でお送りさせていただく。 ―――――― 「私のターン、ドロー!」 このカードは……! まだ、私には勝機がある!! 「魔法カード『ポイント使用』! 場のレベルを持つモンスター1体と墓地のモンスター1体をゲームから除外する事で効果発動」 「……」 見せてあげるよ、私の真の姿をね! 「デッキからレベルを持つモンスターを、召喚条件を無視して特殊召喚できる!」 「召喚条件を無視!?」 「場の私と墓地のパティをゲームから除外して、『泉こなたLV9』を特殊召喚!」 ようやく私の最強カードが使えるのか、どんな姿なんだろ……。 「うぉっ!? まぶしっ」 私のフィールドが光に包まれる。やがて後ろ姿が見えてきた。 「…………」 ん? 何でそんなに見とれてるの? ま、いつもの事か……。 「…………」 さりげなくお母さんを見ると、お母さんもかがみと同じ様にフィールドの私に見とれていた。 「ちょ、お母さ……泣いてるの?」 「ごめんね、まさかこんな形で見られるとは思わなかったから……」 お母さんが感激するほどの姿なのか……、一体どんな――! 再び前を向くと、光は消えていて、その姿が確認できた。その姿とは……。 「う、ウェディングドレスー!?」 「ふつくしい……」 「素敵ね、こなた」 そこには白のウェディングドレスを着て、手に花束のブーケを持っている私が居た。しかもお化粧までしてるし……。 攻撃力3300、守備力2500。☆×9。 って、強っ! かがみと同じ攻撃力じゃん! 「相手は……?」 「へ?」 「こなたの相手は勿論、私よね!!」 うわぁーい……。ま、予想通りの反応だけどね。 「何言ってるんですか、こなたの相手はそう君に似たカッコイイ男の子に決まってます!」 「アンタに聞いてないわよ!」 「むむ……」 ちょっと、二人とも……デュエルを続けますよー。 ふむふむ、どうやらレベル9は今までの貫通能力じゃないみたいだ。でもこの能力ならこのターンで勝てる! やるぞ! 「『泉こなたLV9』の効果! 手札を1枚墓地に捨てることで、ターン終了時まで相手モンスターのコントロールを得ることが出来る」 「はぁ……こなたぁ……」 「聞いてないし」 心を鬼にするとか言っといてこれだよ……。いいや、聞いてないなら勝手にやっちゃうもんね。 「手札を1枚捨てて効果発動! その効果により、『柊かがみ』のコントロールを得る!」 よし、これで勝ち……。 「ERROR! ERROR!」 「え!?」 エラー!? そんな事って……! 「ん? 何かしたの?」 「かがみに私の効果を発動したらエラーになっちゃったんだよ!」 「ん~、そりゃそうよ」 「なんでさ」 まさか、かがみ……デュエルディスクに細工を!? いつの間に……。 「言うの忘れてたけど、お母さん『柊みき』の効果よ」 「って、効果モンスターだったの!?」 「このカードがフィールド上に存在する限り、このカード以外の『柊』と名のつくモンスターカードは、相手モンスターの効果を無効にすることが出来るの」 「そ、そういうことは先に――」 「聞かないのが悪いんでしょ? 教えるなんてルールはないんだし」 「うっ……」 確かにそうだけどさぁ……むむむ。 そーなると、コントロールを得ることが出来るのは『柊みき』本体と『日下部みさお』だけか……。みさきちはひよりんの効果で、まだ攻撃できないから意味ないし……かがみのお母さんは弱いし……。 「さぁ、誰を奪うのかしら?」 「うー……」 「こなた、その効果は手札があれば何回でも出来るのよね?」 「え? あ……」 そうだ、この効果は1ターンに1度なんて書いてないじゃん! 私の手札はまだ1枚ある、つまり……! 「アドバイスありがとう、お母さん!」 「いえいえ、役に立てて嬉しいわ」 「よーし、先ずは『柊みき』のコントロールを貰うよ」 「……」 『柊みき』がかがみのフィールドから私のフィールドに移る。 「更に手札を1枚捨てて、今度は『柊かがみ』のコントロールを得る!」 「ちっ、気付いたか……」 これで私のフィールドには、攻撃力3300のモンスターが2体となった。まだこのターンで勝つことは出来ないけど……やれるだけやってやる!! 「バトル! 『柊かがみ』で……」 ここはやっぱり攻撃力が高いモンスターを倒した方が良いよね。 「みさきちに攻撃だ!」 「……!!」 かがみがみさきちに攻撃するが、峰岸さんが前に出て代わりに破壊された。合体したみさきちの効果だね。 「峰岸と合体した日下部を倒すには、2回攻撃しなきゃダメなのよ」 「分かってるさ、でもダメージは受けてもらうよ」 今の攻撃でかがみのライフは3700だ。やっと半分近くに減ったよ……。 「峰岸を破壊したことで私の攻撃力は300ポイントアップするわよ」 攻撃力3600か……。このターンしか使えないのが惜しいね。 「次に、私LV9でかがみのお姉さん……『柊まつり』を攻撃! ハイ――」 「幸せな未来へのロード!!」 「ちょ、お母さん……」 「一回言ってみたかったの♪」 フィールドを見ると、かがみのお姉さんは居なくなっていた。なるほど、幸せな未来へのロードか……。がんばれ! 立体映像だけど。 これでかがみのライフは2100!! もう一息だ!! 「やってくれるわね! 罠カード発動!」 「え!?」 そういえば伏せカードの存在を忘れてた!! 「『ふざけんじゃないわよ!』。これは自分モンスターが破壊されたとき、相手モンスターを1体破壊する効果を持っているわ!」 「!!」 「私は……もったいないけど、こなたを破壊!!」 物凄い爆音と共に、私のLV9は跡形もなく消えてしまった。 「そ、そんな……!!」 そして私は気付く。これを避ける手段があったことに……。 永続罠『幸せ願う彼方から』の効果を使えば良かったんだ。 このターン、私の効果を使わずに、私とかがみが相打ちをする。手札を1枚捨てて私は破壊を免れる。かがみも自身の効果を使い復活するだろうけど、攻撃力は元の2700に戻る……そうすれば次の私のターンで倒すことが出来たのに!! 私の効果の魅力に負けず、手札を残していれば……! 「これでこなたのエースモンスターは無くなったわね。次のターンで私の勝ちよ!!」 「……『泉こなたLV9』が戦闘以外で破壊されたとき、フィールドに『アホ毛トークン』を1体、守備表示で召喚する……」 フィールドに私と同じアホ毛が現れる。守備力1100……壁にもならないよ。 「ターンエンド……」 「モンスターは返してもらうわ。私のターン」 「…………」 「つかさをリバースし、効果発動! ゆたかちゃん撃破よ!」 「くっ……ゆーちゃん」 これで私を守るモンスターは『アホ毛トークン』だけ……! やばいって!! 「これで終わりよ、お母さんを攻撃表示に変更! バトル!」 「――っ!?」 「つかさで『アホ毛トークン』に攻撃!!」 壁が……失くなった。 「続いて、お母さんでこなたに直接攻撃! 高等祓い術!」 かがみのお母さんが私の目の前に来て、なにやらお祓いを始めた。……良かった、これなら直接攻撃でも痛くな―― 「ああぁぁぁぁっ!!」 「お母さん!?」 お母さんがもの凄く苦しんでいる。まさか……幽霊だから!? 「お母さん! お母さん!!」 「はぁ……はぁ……、大丈夫よ……」 「あら、闇こなたには効果抜群のようね」 「かがみ……!! いい加減に目を覚ましなよ!!」 「目を覚ますのはそっちでしょ! 『柊かがみ』で直接攻撃!! 一刀両断ry」 ちょ、そんなの喰らったら死ぬって……!! 「ぐぁ……!!」 「安心して、峰打ちだから」 ポッキーに峰打ちなんてないと思うけど……。 「こなた……大丈夫?」 「はは……何とか……」 残りライフは600か……。手札もない、フィールドには永続罠が1枚だけ……絶望的だ……。 「今の攻撃で『柊かがみ』の攻撃力が3900になったわ。ま、もう意味ないでしょうけど」 この状況でどうやって勝つ? 「日下部も次のターンで攻撃出来るようになるけど意味ないわね。私はこれでターンエンドよ」 「……」 無理だ……。 「こなた? どうしたの? 早くドロー……」 「勝てないよ……」 「え?」 「勝てっこないよ……。手札はゼロ、フィールドにはもう役に立たない罠カードが1枚、この状況でどうやったら逆転できるの?」 「……」 「無理でしょ? エースモンスターも殆ど墓地に行ってるし、ライフの差だって……これでどうやって勝てって言うんだよ!」 「こなた……」 思わず声を荒げてしまう。出来ないと分かったら難癖付けて……まるで子供だね私……。 「でも、こなた――」 「良いんだよ、もう……私はかがみと幸せに暮らすよ、この世界の人達だってホントはそれが望みなんでしょ? 私それほどかがみは嫌いじゃないし、もうこのまま――」 「こなた!!」 頬がひりひりする……、お母さんに叩かれた……? 私は叩かれた頬を抑えて呆然としていた。そしてお母さんを見ると、泣いていた……。 「こなた、自分が何を言ったか分かってる?」 「……」 「お母さんがここに来た理由は最初に言ったでしょ? それをどうしてちょっと負けてるからってそんなに自暴自棄になるの? 世界の人達がそんなこと望んでる訳無いでしょ……それに、こなたは何の為に今まで戦ってきたの?」 「ぁ……」 そうだ、私はかがみを助けるために……。あの楽しかった日々を取り戻すために……! 「お母さん、ごめん。私どうかしてたよ」 「お母さんの方こそごめんね、痛くなかった?」 「平気だよ。それに嬉しいよ」 「……?」 「お母さんに叱ってもらってね」 「ふふっ……叱ってもらって嬉しいなんて普通の子供じゃ言わないわよ♪」 「はは……」 だってお母さんに叱られるなんてもう二度と来ないかもしれないもんね。 「こなた、アヤメの花言葉は知ってる?」 「信じる者の幸福、最後まで諦めるなって事だね!」 「頑張って!」 まったく私らしくない。そうだよ、私が今までゲームでかがみに負けたことがある? 答えはノー。どんなゲームでも負けたことはない、それはこのデュエルでも同じ!! 「私は完全に空気ね」 「行くよ、私のターン! ドロー!!」 「いくらなんでも、そのカード1枚で逆転なんて不可能よ。ターンエンドして私の勝ちね♪」 「ふふふ、それはどうかな? かがみぃ~ん」 「な、何よ……急に余裕になったじゃない」 さぁ、読者の諸君! お決まりのBGMを脳内再生の時間だよ!! 「魔法カード『アホ毛サーチ』を発動! 墓地からモンスターを3体デッキに戻し、その後カードを2枚ドローする」 「手札を増やしたところで――」 「魔法カード『親子の絆』発動! 墓地に『泉そうじろう』・『泉こなたLV4~9』があるとき、ライフを半分払い『泉そうじろう』と『泉こなたLV6』を特殊召喚する!」 「そんなカードが出てきたところで私の『かがみ』には――」 まさかこんなカードがデッキに埋まってたとはね……行くよ、お母さん!! 「フィールドに『泉こなた』・『泉そうじろう』・『幸せ願う彼方から』の3枚が揃っている時、『幸せ願う彼方から』を墓地に送る事で手札から『泉かなた』を特殊召喚!」 フィールドに天使の翼を生やしたお母さんが現れる。 攻撃力0、守備力0。☆×10。 「自分とそっくりなモンスターがフィールドに居るなんて、なんだか不思議な気分ね♪」 「ふん、どんなモンスターが出るかと思えば……攻撃力0の雑魚モンス――」 「お母さんの効果、ライフを半分払い、全フィールド上のモンスターの攻撃力を0にする!」 「な、何よそれ!」 私のライフは300から150へ、でもそんなのもう気にしない!! 「そして効果の対象になったモンスター全ての元々の攻撃力を足した数をこのカードの攻撃力にする事が出来る!」 フィールドのモンスターの元々の攻撃力は……お父さん2200、私2500、かがみのお母さん1500、かがみ2700、つかさ1200、みさきち1700……つまり……。 「攻撃力11800のモンスターですって!?」 ありゃ、流石かがみ。早いね。 「かがみ、勝ちに急いで何も伏せなかった事を後悔するんだね!」 「そんな……、ありえない……!!」 「お母さんで『柊かがみ』に攻撃! 行くよお母さん!」 「えぇ!」 「「スターライトエクスプローション!!」」 『泉かなた』の翼が広がり、そこから光のビームが『柊かがみ』に直撃する。かがみの攻撃力は0なので、実質ダイレクトアタックと言っても良いかもね。 「きゃあぁぁぁぁぁぁっ!!」 オーバーキル!! 遂に勝ったんだ!! 「勝ったぞぉー!!」 「よく頑張ったわ、こなた」 長いようで短かったけど……ようやく終わったんだ! この達成感は異常だね。 「私が負け……た?」 「かがみ!?」 ドサッとその場に倒れてしまったかがみ。どうしたの? まさか……!? デュエル終了、そして……