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ユクミン 後 57KB パロディ 自業自得 差別・格差 れいぱー 希少種 自然界 独自設定 虐待が見たい方は回れ右 すごく長いです れいむしね ・この作品は「ふたば系ゆっくりいじめ 790 ユクミン 前」の続きです。既読推奨です。 ・幸せなまま終わるゆっくりが沢山います。注意してください。 ・虐待や虐めはほとんどないです。気をつけてください。 ・一定の種類のゆっくりが著しく虐められています。れいむしね。 ・あと最後に、もう○クミン関係ないです。ごめんなさい。 あとまとめきれなかったせいですごく長いです。ごめんなさい。とにかくごめんなさい。 では、ゆっくりしていってもらえればいいなぁ! ~脱出計画十四日目~ 思えば随分と時が経ったように感じる。 れいむが大量に焼け死んだり、まりさが集団で滝壺に落ちたりしていた頃が随分昔に思えた。 まあ実際は十日かそこらほどしか経っていないのだが。 現在回収が終わった部品の数は20個。大体三分の二が回収されたことになる。 だか油断はできない。回収が進むにつれ、どんどん過酷で難解な場所に行かなければならない。 それはこれからも変わらず、おそらくこの先もどんどん難しくなっていくだろう。 が、今の私はそれほど心配していない。 あの頃と違って、私には心強い沢山の仲間がいるのだから。 さあ、今日来たのは拠点から見てちょうど星の裏側にある森の中。 反応はあれど、当の部品はまだまだ先。現在では陰も形も見えない。 そして目の前では巨大な岩が道を塞いでいた。 岩は優に私の身長の三倍はある。防護スーツで身が重い私では到底乗り越えられそうにない。 そして、だからと言ってどう足掻いても到底取り除くこともできない。・・・普通ならば。 「「「「「じゃおぉぉ~ん!!!」」」」」 だが、彼らがいれば心配する事もないだろう。 「じゃおっじゃおっ!」 「じゃおぉん。じゃおぉ~ん!」 「じゃおじゃお?じゃぉぉん!!」 緑の帽子に星型の飾りをつけたこのゆっくりは、めーりんというらしい。 らしい、というのも、そもそもこのめーりん。見てのとおり言葉が話せない。 他のゆっくりから名前は教えてもらったのだが、どうやら言葉が通じないというわけではなさそうだ。 むしろとても人懐っこく気がいい。助けを請うた所、快く私に協力してくれた。 そして、何よりの特徴として・・・やってくれ、めーりん! 「「「「「じゃ・・じゃ・・・じゃ・・・じゃおぉぉぉぉぉん!!!」」」」」 私の掛け声と共に一斉に十匹程度のめーりんが岩に近寄り、力を入れる。 するとなんという事か。あんなにも巨大な岩が持ち上がったではないか! 岩の下に潜り込んだめーりんたちは、力をあわせてゆっくりと岩を運び込んでいく。 そして 「「「「「じゃお・・じゃお・・・じゃおん!!!」」」」」 ドズンという重い音と共に、しばらく戻った所にある脇の溝に岩を転がした。 「「「「「じゃっ、じゃっ、じゃおぉぉぉん!!!」」」」」 一斉に勝ち鬨を上げるかのように、誇らしげに叫ぶめーりんたち。 そう、実はめーりんたち。ゆっくりの見た目からは想像できないほどの怪力の持ち主だったのだ。 最初に見たときは驚いたものだ。 なにせれいむなら数十匹は必要になるほど巨大な部品をわずか数匹であっさりと運んでしまうのだから。 その上ほとんど疲れることを知らず、不満げな素振りすら見せずにニコニコついてくる。 その代わり、臆病でのんびり屋なのが玉に傷だが・・・それを差し引いても余裕でお釣りが返ってくるだろう。 お疲れ様、と労いの言葉をかけると嬉しそうに笑うめーりんたち。可愛いものだ。 そして他のゆっくりたちとわいわい騒ぎながら更に先へと進む。 しばらくは一本道が続くようだ。早く先を―――「まっておにいさん!」っと。 先ほどから反応が無かったので放っておいたが、私の頭の上でまったりしていたゆっくりが突如声を上げた。 「そこまでよ、おにいさん!!ここをすすんじゃいけないわ!!」 このナイトキャップをかぶったゆっくりの名は、ぱちゅりー。 めーりんとの意思疎通に困っていたときに現れ色々と教えてくれた恩人(?)だ。 他にもこの星について、わからない事を沢山教えてくれた。 しかも私が困っていることを知るとそのまま手助けを申し出て、一緒に来てくれたのだ。 どうやら知識量と反比例するように身体は弱いらしく、普段では長時間跳ねることもままならない。 だから移動時は私の防護メットの上で身体を休めているのだ。 まあ私としても、別段邪魔にはならないので全くもってかまわないのだが。 しかし進んではいけないとはどういうことか。ここを通らねば・・・ 「あそこにおおきなおはなさんがあるでしょ?あれはゆっくりをたべちゃうおはなさんなのよ。 このままこのみちをとおると、たくさんのゆっくりがたべられちゃうわ!」 ぱちゅりーの視線を追ってみると、確かに毒々しい色の花・・・に見える食虫植物のようなものがあった。 危ない危ない・・・このまま行くと大損害を被るところだった。 しかし見た所、道はここしかないようだしどうしたものか。このままボーっとしてるわけにもいくまい。 「だいじょうぶよ。そこにくささんがたくさんはえてるところがあるでしょ? そこにみちがかくされてるんだとおもうわ。たぶんまちがいないとおもうの」 確かによく見ると、一部だけ不自然なほどに草が生い茂って密集している。 試しに掻き分けてみると・・・本当に道があった!すごいぞぱちゅりー!! 「むきゅん!このくささんはあのゆっくりできないおはなさんのいちぶなのよ! なにもしらないゆっくりをたべるために、あのおはなさんがよくつかうわななの。 ゆっくりにはわからないようにしてあるけど、おべんきょうしたぱちぇにはつうじないわ!!」 ぱちゅりーのおかげで一切の被害を出さず先に進めた私達は、とうとうシャーク号の部品を見つけた。 しかし、部品はかなり高めの絶壁のてっぺんに鎮座している。崖の高さは私の身長の十倍程度か。 ところどころに足場のような部分があるが私では到底届きそうもない。が、しかし・・・ 「ちぇんのでばんなんだね!わかるよー」 まあそれに関しても彼らがいれば心配ない。 「あれくらいのがけさんならちぇんたちがちからをあわせればらくしょうだよ。まかせてねー!」 猫のような耳と尻尾を生やしたこのゆっくりの名は、ちぇん。 見た目どおり、とても身軽ですばやいゆっくりだ。 彼らならば軽いので私もより遠くに投げ飛ばせるし、身軽なので着地も問題ない。 今回のような高い崖でも、中継地点さえあれば数を頼りに仲間を踏み台にして登ることができるのだ。 その代わりに頑丈さに欠けるのだが、そこはご愛嬌というものだろう。 「それじゃしばらくじかんがかかるけど、こればっかりはしかたないんだよ。わかってねー」 流石にこれだけの作業を簡単には終わらせられない。 しばらく必死に頑張るちぇん達に指示を出しながら見守っていると・・・ 「んほぉぉぉ!!!たくさんゆっくりがいるわぁぁぁ!!」 「よりどりみどりよぉぉぉ!!ありすいますぐすっきりーっしちゃいそう!!」 「「「「「れ、れ、れいぱーだぁぁぁぁ!!!」」」」」 金髪のカチューシャをつけたゆっくりが大量に茂みから出て来た。 体中を汁まみれにして、アゴのあたりにある突起を更に尖らせている。 ゆっくりを無差別に襲う、ゆっくりありすの亜種。“れいぱー”だ。 奴らが何をどうやって襲うのかは名前で大体察して欲しい。 「ゆわぁぁ!!たすけてぇぇぇ!!」 「すっきりーっされたくないよぉぉぉ!!」 一部のゆっくりが我を忘れて騒ぎ立て、逃げようとする。 が、その他のゆっくりは落ち着いたものだ。悲鳴すら上げない。 「れいぱーなんかに、みんなはぺにぺにいっぽんふれさせないみょん!!」 なぜならば、心強い用心棒がいるからだ。 「いまはちぇんたちもがんばってるみょん!ここはししゅするみょん!!」 「かずではこっちがかってるみょん!ふたりひとくみでかかるみょん!! だれかがれいぽぅされそうになったら、そのすきをついておそいかかってやるんだみょん!!」 れいぱーの前に勇ましく躍り出た、黒くて細いリボンをつけたゆっくり。 みょんという名の彼らは運搬などもそつなくこなすが、真の実力は戦いでこそ発揮される。 瞬時にその場に適した作戦を立て、統率された動きで鋭くとがった木の棒を武器に戦う、 義侠心に厚くて仲間を決して見捨てない漢気溢れるゆっくりだ。 「それじゃ、ひとりもとおしちゃいけないみょん!・・・とつげきーっだみょん!」 「「「「「ちーんぽ!!!」」」」」 ・・・問題があるとすれば、たまに出てくる卑猥な単語くらいだろうか。 まあ本人達は意識して言っているわけではないので、もう触れないことにしているが。 「うわぁぁ゛ぁ゛!やべでぇぇぇ!!」 「ずっぎりじないでぇぇ!や゛だああぁぁぁ゛ぁ゛!!!」 「んほぉぉぉ!!れいむがいれぐいじょうたいだわぁぁ!!すっきりー!!!」 「あんまりきもちよくないけどとかいはなありすならどんとこいよぉ!!すっきりー!!」 「がばがばないなかもののまむまむでもがまんしてあげるわぁ!すっきりー!!」 「「「「「やべでぇぇぇぇ!!!」」」」」 「くらうんだみょん!!」 「しゅーれんをつんでるみょんたちがれいぱーなんかにまけるとおもうなみょん!!」 「すっき、うぎっ!?いだいぃぃぃ゛ぃ゛!!あでぃずのべにべにがぁぁぁ!!」 「あ゛あ゛ぁ゛ぁ゛!!あでぃずのどがいばなべにべにぢぎれぢゃっだぁぁぁ!!」 見る見るうちにレイパーの叫び声が多くなっていく。 仲間を庇いつつ的確に、獲物でれいぱーにとっての急所をズタズタにしているのだ。 以前、止めは刺さないのかと聞いてみたところ 「ゆっくりごろしはいけないんだみょん。 ちゃんとやりなおすちゃんすをあたえてやるんだみょん」 と言うことで被害が出ないように、罰として股間部だけを狙うらしい。ある意味一番惨い。 さて、こうしてはいられない。みょん達を手助けに行こう。 ゆっくり退治ならば私でも十分手伝える。ちぇんたちへの指示は頼んだぞ、ぱちゅりー。 「まかせて、おにいさん。いってらっしゃい!」 まあ別に気合を入れなくても、やる事といえば股間のアレを引き千切るだけなのだが・・・ ・ ・ ・ 「う・・うぅ゛・・・あでぃずのりっばなべにべに・・・」 「ぼうずっぎりでぎないわぁ・・・」 「べにべにがない゛いながものになっぢゃっだぁ・・・」 しばらくして、一匹残らず股間に穴が開いてしまったれいぱー達が泣きながら地面を転がっていた。 もう何度も見慣れた光景だ。以前は本当に大丈夫なのかと思ったが、みょんが言うには 「これくらいじゃしなないからそのうちたちなおるみょん。 ぺにぺにがなくなればふつうのゆっくりありすにもどるはずだみょん」との事。 まあそういうことなら、と割り切ることにした。正直私にはどうしようもないことではあるし。 そんなこんなでれいぱー退治が終わる頃には、ちぇんたちの作業も終わっていたようだ。 「おにいさん!ちゃんととってこれたよ!」 「じかんはかかったけど、これくらいちぇんたちならかんたんなんだよー」 シャーク号までの運搬はめーりんたちに任せて、一息ついたちぇんたちが 私の足元まで一斉に駆け寄ってきた。まだまだ元気なようで何よりだ。 「まだまだだいじょうぶなんだよ!わかってるよねー」 「ぱちゅりーのしじもとってもうごきやすくてよかったよ!またうでをあげたねー?」 「むきゅ、わかるの?いちおうおにいさんをみておべんきょうしてるんだけど」 一匹ずつ私に頭を撫でられながら、私の頭の上に戻ってきたぱちゅりーと楽しげに話していた。 おおむねいつも通りの光景だ。ちぇんたちは気持ち良さそうに喉(?)をゴロゴロ鳴らしている。 先にシャーク号へ部品を運んでいためーりんたちがもう帰ってきた。相変わらず仕事が速い。 こちらも一息ついたし今日はこれくらいにして、さあ帰ろうかとしたその時 「きょうもこれでおわりだね!たいへんだったよ!!」 「みんなもなかなかよくがんばったとおもうよ!まあれいむたちにはまけるけどね!!」 少し離れたところで、大声で話すゆっくりがいた。 私と共にいるゆっくりの中でも一番付き合いが長い、れいむたちだ。 少し離れた所にいるのは、れいぱー騒ぎの際に逃げたためだ。 先ほど言った“一部のゆっくり”は全てれいむ種のことである。 しかもその場にいておけばみょん達がきっちり守ってくれたというのに、 下手に逃げるから何匹かが犠牲になってしまっていた。その証拠に逃げなかった他のゆっくりは誰一人死んでいない。 「みんなごくろうだったね!!でももっとはやくすませようね!!」 「れいむたちがてつだえないからっていうのはわかるけどもうすこしがんばらないとね!!」 「かわいいれいむたちにはにんげんさんをゆっくりさせるしごとがあるからね!!」 「れいぱーのせいでれいむたちのなかまがすっきりーっされてしんじゃったよ!! みょんたちもがんばってくれないとこまるよ!!おわびとしてれいむたちをもっとゆっくりさせてね!!」 「「「「「ゆっゆっゆっゆっ!!!」」」」」 当の彼らはと言うと私達の冷たい視線も全く意に介さずに、好き放題言って体を揺らしていた。 しかし実際の所、彼らが言っていることはデタラメ以外の何物でもない。 ここに来て、私のれいむへの評価は『あまり役に立たない』から『全く役に立たない。むしろ邪魔』になっていた。 それならば何故ここにいるのかと言うと、 他のゆっくりを引っこ抜く際に、一緒に付いて来るから。 私とて、何もれいむが憎いわけではない。 死なせたくないなら、最初から引き抜かなければいい話だ。 その証拠にまりさ種の帽子が埋まっていた場合は無視しているので、まりさ種は今この場に一匹も居ない。 が、れいむは少し事情が違った。 集団を一気に引き抜く際に他のゆっくりの中に上手く紛れ込んで、必ず数匹ほどついてくるのだ。 いくら他の、いない集団を探せども探せども必ず紛れ込んでいる。これではまるでペナルティだ。 しかも 「おそいよくずめーりん!!ぴかぴかさんはこぶだけなのにどれだけかかってるの!!」 「まったくやくにたたないねくずめーりんは!!のろま!ぐず!!のんびりしてるとかばかなの?しぬの?」 「どうせあやまることもできないんだもんね!おぉおろかおろか!!」 「「「「「じゃ、じゃおぉぉん・・・・・・」」」」」 めーりんを目の敵にして、やたらといじめる。 どうやらめーりんが言葉を話せないことを理由に見下しているらしい。 いくら私や他のゆっくりが叱っても 「めーりんがぐずだからわるいんだよ!!」 「どぼじであんなくずかばうの!?かわいいれいむがかわいそうじゃないの!?」 などと言ってまったく反省しない有様だ。 言うまでもなく他のゆっくりはめーりんを差別などしない。 しかもめーりんは役立たずなどではない。むしろれいむの十倍は(腕力的に)役に立つ。 だがめーりんは気が弱いので、やたらとヘコんでその後の作業効率がガタ落ちしてしまう。 おまけに大所帯になってきた最近では号令の意味もよく理解せずに、勝手な行動を繰り返すのも珍しいことではない。 一方的な差別意識で協調の和を乱す。 雑音を振りまいて人の神経を逆なでする。 作業を一切手伝わずに自分の好き勝手に振舞う。 行進を乱すことで作業効率、活動時間を削る。 しかし絶対に別れようとせず、もし少しでも邪険に扱おうとすれば非難してくる。 ここまでくれば流石に、害悪と判断されるのも致し方ない事だろうと思ってしまう。 だがそれでも見捨てないのは、ひとえに最初の恩があるからだ。 この星に来て不安だった私を支えてくれたれいむ達。 今だって問題はあるが、あくまでもれいむ達自身には悪意はないのだ。・・・多分。 そして望む望まざるに関わらず、命を預かってしまった以上私には守る義務と責任がある。 なのでいとも簡単に、邪魔だからさようなら。などと言えるほど薄情にはなれないのだ。 ・・・とは言うが、最近は流石に度が過ぎている。 他のゆっくりからも苦情がちらほら出てきてるのだ。 流石にあからさまには表に出さないが、なんとなく全体の雰囲気から伝わってくる物がある。 このままではいけない。れいむに態度を正す気がないのなら、こちらも対策を考えなければ・・・ れいむ達をめーりん達から少し離しながら、私は深刻な問題として、考え込んでいた。 現在のゆっくり ちぇん、30匹。ぱちゅりー、1匹。みょん、30匹。めーりん、15匹。そして、れいむが20匹。 ~脱出計画20日目~ 「きょうはこれくらいだね。ちょっとつかれたよ~」 「みょんたちはもうすこしだいじょうぶそうだみょん」 「ぱちぇはこういうところ、くらくておちつくわ~」 あれからも回収は進み、とうとう残すところ、あと五つとなった。 今日は洞窟に来ている。 薄暗く足元に不安があったものの大した仕掛けや障害は無く、おおむね順調に調査、回収が終わった。 そして・・・ 「ぐずめーりんのせいでれいむがおみずさんにおっこちちゃったよ!」 「はやくしんじゃったれいむにあやまってね!!あやまれないならどれいになってね!!」 「じゃおぉぉん・・・・・」 れいむも相変わらずだ。今日もめーりんいじめに精を出している。 ちなみについ先程小さな池に落ちて死んでしまったのもめーりんに一切責任は無く、単なるれいむの不注意だ。 そりゃそこら辺を考え無しに跳ね回っていれば池にも落ちるだろう。 勿論自分から助けようとして死にに行く無謀なゆっくりはいない。 が、れいむ達はそうは思っていない。 むしろ最近は悪い事は全部めーりんのせいと思い始めている節がある。 本来ならば早く止めなければならないのだが 「おやめなさい。死んでしまったのはあのれいむのふちゅういでしょうに」 それは私の仕事ではなさそうだ。 「なに?さとりも「べつにだれかの味方というわけではありませんが、今回はれいむに非があります」ゆっ!?」 「どぼじで「むしろいわれもない罪でせめたてるあなたたちの方がよっぽどひどいと思いますが」ゆがあぁ゛ぁ゛!」 次々とれいむ達の言うことを先読みして、的確な意見を出すあのゆっくりは、さとりと言う。 目の様なアクセサリーをつけていて、死んだ魚のような目をしている彼女は礼儀正しく、そして少しばかり毒を吐く。 どうやら人、ゆっくりに関わらず心を読むことができるらしい、恐るべきゆっくりだ。 「めーりんたちも、もう心配はいりませんよ。え?いえいえ、おれいなどいりません」 「じゃおおん。じゃおぉぉん」 心を読むためにめーりんの言うこともわかるらしく、とても気に入られているようだ。 他のゆっくり達の心に隠された不安を取り除く、カウンセラーのようなことをやっている。 流暢に話せて頭もいいので、ぱちゅりーや私の話し相手にももってこいだ。 つい二日ほど前。倒れていたところを偶然発見して、救出したのが出会いだった。 話を聞いてみると、どうやら姉妹を探して各地を回っているそうな。 私達がこの星を飛び回っていることを知ると、連れていってくれと頼んできた。 理由は言わずもがな、姉妹の探索である。 こちらもまだ搭乗数に余裕はあるし、本人も何かしらの役には立つと言っているので迎えたのだ。 実際は上記のとおりに活躍してくれている。特にめーりんのことに関しては本当にありがたい。 余談ではあるが、“姉妹”と言う事は、ゆっくりにも性別があるのだろうか?と、ふと思った。 思えばれいぱーも性器のような物を持っていたし、それなら一括りに“彼ら”で纏めるのは失礼ではないのか? 以上の疑問をぱちゅりーにぶつけたところ、 「ゆっくりにそういうのはないわ。 あとすっきりーっにも、えっと・・・あかちゃん? とにかくそんなものきいたこともないわ。ゆっくりはあいさつされるとじめんからでてきて、 すっきりーっはきもちいいけどやりすぎるとしんじゃうもの。っていうことしかしらないの」 と言うことらしい。博識なぱちゅりーが知らないということは、本当に無いのだろう。 しかし、それなのに姉妹という概念はあるのは不自然だと思うが・・・まあ気にしないでおこう。 ともあれさとりは非常に抑止力、またはカウンセラーとして役立ってくれている。 ただ・・・ 「さとりはだまっててね!あとちかよらないでね!!!」 「こころをよむなんてきもちわるいよ!かわいいれいむのかんがえてることよまないでね!!」 「ろこつにちかよってくるなんていやらしいよ!くずめーりんとおにあいだね!!」 「どぼじでぞんなひどいごど言うんでずがああぁぁ゛ぁ゛!!?」 問題は、彼女自身が打たれ弱いことか。 淡々と毒を吐いたりするのでてっきり神経が図太いと思っていたが、 意外にさとりはガラスのハートの持ち主だった。 嫌味や遠まわしな悪口であればあるほど的確に倍返ししてくるのだが、 率直且つ単純な拒絶の言葉をぶつけられると簡単に傷ついてしまう。 よって語彙も遠慮もなく、ズケズケと自分の意見を通してくるれいむはさとりにとって天敵だったようだ。 「わだじだっでずぎでこころをよんでるわげじゃないでず・・・ も゛ういっぞあのこのように目をとじでじまいだい・・・・・・」 あぁ。またなにやら失意のあまりえらい事になりそうになっている。 止めなければ。ぱちゅりー!! 「わかってるわ!!えーっと、さとり!れいむのいうことをまにうけちゃだめよ!! ことばがたりないせいでああいうしかなかったの!わるぎはないのよ!!」 ああ。悪気がないのは本当だ。・・・だからなお悪いのだが。 最近思えてきたのだが、悪気もなくあそこまで自分勝手にボロクソ言えるのも一種の才能ではないだろうか。 羨ましいとは全く思わないが。 「・・・そうですね、ありがとうございます。もう少しがんばってみようとおもいます」 「むきゅん、それがいいわ。くじけちゃだめよ!!」 考えているうちに説得が完了したようだ。毎度の事ながらぱちゅりーも頑張るな。 「むきゅ~、さとりはかしこいからことばにきをつけないといけないの。・・・つかれるわ」 確かに大変だろう。説得役は私と交代でやっているのだが、だからこそぱちゅりーの苦労はわかる。 まあ、おかげでさとりも大丈夫だろう。それにしても・・・ 「さとりをやっつけてやったよ!やっぱりれいむがいちばんだね!!」 (なんでほかのゆっくりをいじめてよろこんでるの?わからないよ~・・・) 「いちばんゆっくりできるのはれいむなのになんでにんげんさんはやさしくしてくれないんだろうね!!」 (めーりんにはくずくずいってやさしくしないくせに、よくいうみょん・・・) 「きっとにんげんさんのめがふしあななんだよ!あんなよわいぱちゅりーといっしょにいるんだもん!!」 (ぱちぇはたしかにからだがよわいけどあなたたちとくらべても、そうちがいはないはずだわ・・・) ・・・どうしたものか。もう他のゆっくりも敵意を隠しきれていない。 れいむ達は鈍いから気付いていないが、このままではそう遠くないうちに不満が爆発する。 できればやりたくはなかったが、このまま和が壊れる前にれいむを捨てるしかないのか・・・ 頭を抱えて私はれいむをじっと見つめた。 「ゆっ?どうしたのにんげんさん。・・・れいむにみとれてるの?」 「やっとれいむのみりょくにきづいたんだね!!かわいくてごめんね!!!」 暢気なものだ。どういう扱いになるかもわからないのに、それも知らずにこんな事を本気で言っているのだから。 もはや救えないか。 仕方ないと、溜息をついて裁決を下そうとした瞬間、洞窟の奥から声が聞こえた。 「・・ぅー・・・」 声はどんどん大きくなっていき、やがて何者かの姿が見える。 「うっうー☆こっちからおおきなこえがしたどぉ~」 「う~♪あまあまがいっぱいあるどぉ~!!いただきま~すだどぉ~!!」 「えらびほうだいたべほうだいだどぉ!きっとかわいいれみぃへのごほうびねぇ~ん☆」 声の主は膨れた顔と体の・・・女の子!?馬鹿な!この星に、しかもこんな洞窟にどうして人間が!! なにやら少し、こう、ズレたセンスの帽子と服を着ていた。 計十人ほどいる女の子はゆっくり達を見ながら、笑いながら頭の悪そうな話し方で物騒なことを言っている。 これはどういう事なのか、ぱちゅりーに聞こうとすると・・・ぱちゅりーは震えて、固まっていた。 他のゆっくりも同じだ。あのみょんまでもが女の子を睨みつけたまま動かない。 そして「「「「「れ、れみりゃだぁぁぁ!!」」」」」れいむの一言が合図になった。 れいむは真っ先に逃げ、それに反応したようにれみりゃと呼ばれた女の子が一人襲い掛かった。 「ゆ、ゆっ!?やめてね!はなしてね!!あ゛っあ゛っ!あんごずわな・・い・・・で・・・」 そして逃げ惑うれいむの内、一匹に噛み付くと見る見るうちにれいむと中身を吸い尽くす。 「ぼ・・っど・・・ゆっぐ・・り・・・・・・」 「うー☆でりぃしゃすなんだどぉ!まだまだたりないからおなかいっぱいたべるんだどぉ!!」 ペラペラのカラカラになって、苦悶の表情を貼り付けたまま絶命するれいむ。 女の子はれいむのミイラを放り捨て、すぐに別のれいむを捕まえて、また躊躇なく中身を吸い始めた。 このままではれいむが全滅してしまうぞ! そうしてるうちに、女の子は手当たり次第にゆっくりを襲い始めた。 「うっう~♪はやくつかまるんだどぉ~」 「ちぇんはそうかんたんにつかまらないんだよ!あきらめてねー!!・・・に゛ゃ!!?」 ちぇんは必死に紙一重で逃げ回っている。が、そのうちに捕まり、中身を吸われ始めた。 「・・・れみりゃあいてじゃさくせんはむだだみょん! とにかくたくさんでおそいかかってだれかがつかまったらかまわずそのすきをつくんだみょん!!」 「「「「「ちーんぽ!!」」」」」 「うぅ゛~っ。いだいんだどぉ!なまいきなんだどぉ!! れみぃのすぴあ☆ざ☆ぐんぐにるをくらうんだどぉ!!」 「ぢ、ぢーんぼぉ!!」 「み゛ょん゛!!」 「さとりたちはさがってるみょん!!」 「大丈夫ですか!?」「じゃ、じゃお!?じゃおぉん!!」 みょんたちもさとりとめーりんたちを守りながら必死に応戦しているが、 女の子が持っている木の棒で払われて潰されていく。 そしてこっちにも一人、ゆっくりとやってきた。 ぱちゅりーも固まってる場合ではないぞ!一体あの子達はなんなんだ!! 「・・はっ!ごめんなさい、おにいさん!! あれはにんげんさんじゃないわ!ゆっくりよ!」 あれがゆっくり!?しかし体が・・・ 「れみりゃは“どうつき”のゆっくりなのよ! しかも“ほしょくしゅ”だから、なんとかしないとみんなたべられちゃうわ!!」 ほしゅくしゅ?・・・捕食種か!!よく見れば背中からコウモリの羽のような物が生えている。人間ではない様だ。 確かに、今の状況を見ていると他のゆっくりに比べて圧倒的だ。動きは遅いのに、手足があるだけでこうも違うのか。 今は数でなんとか押せているけど、そのうちどんどん不利になっていく。何とかせねば・・・しかしどうやって!? 「う~☆やっとあまあまたべれるどぉ♪いただきますだどぉ!」 「う゛ぎゅっ!?ぢ、ぢ、ぢーんぼぉ・・・!」 「みょん!・・・いまのうちにかかるみょん!みょんのぎせいをむだにするなみょん!」 「ぶぎぃっ!?いだいぃぃ!!でびぃのぷりちーなおかおがあ゛ぁぁ゛ぁ゛!!!」 「ぜーっ、ぜーっ・・・もう、うごけない・・・に゛ゃ!?」 「つかまえたどぉ♪れみぃのかりしゅまがあればこんなもんだどぉ☆」 「ちぇーん!!・・・ちぇんをはなすんだよ!わかってに゛ゃん!!」 「うるさいんだどぉ!かわいいれみぃにたべられるのをこーえーにおもうんだどぉ☆」 「に゛ゃ・・・に゛ゃ・・・わが・・・ら・・・な゛・・い・・・」 「「「「「ちぇぇぇーん!!!」」」」」 「ゆ゛っゆ゛っゆ゛っ・・・がわいいでいぶ・・・ゆ・・っぐり・・・」 「ここはほかとちがってかんたんにたべられるんだどぉ♪ ・・・でもちょっとまじゅいんだどぉ」 「あ゛あ゛あ゛!!でいぶぅ!ゆっぐりじでよぉぉ!!!」 「や、やめてね!たべるなられいむを・・・ゆ゛あぁぁ゛ぁ゛!!やっばりやべでぇぇぇ!!!」 「うっう~☆うあ☆うあ☆」 やはり押されてきたか・・・! 「ぶぎゃ!?・・・どぼじで・・でびぃ・・が・・・・」 私の頭の上のぱちゅりーを狙った奴を潰して、予想どおりの展開に思わず舌打ちした。 奴らは私が相手なら、そうたいしたものでもない。が、ゆっくりが相手ではそれどころではない。 私がカバーに入っても、とても全部は無理だ。どうする?いっそ何も考えずに片っ端から・・・ 「「「「「じゃぉぉぉぉん!!じゃおおぉぉぉぉん!!!」」」」」 とうとうみょん達に守られていためーりんたちが泣き叫び始めた。 当たり前だ。元々臆病なめーりんたちがこの状況に耐え切れるわけがない。 だが、それが災いしたのか――― 「うぅ~?あそこにもないてるゆっくりがいるどぉ!あれならかんたんにたべれるどぉ!!」 「ほんとだどぉ!しゃしゅがれみぃはいいことかんがえつくんだどぉ!!てんさいなんだどぉ!!」 痺れを切らした二匹のれみりゃが、泣き声に気付いてめーりん達に一斉に群がった。 「「いっただっきまーすだどぉ!!」」 二匹は口を広げてめーりんに噛み付く。駄目だ、間に合わない! 「「「「うー!!ゆっくりしね!!!」」」」 「「うっう~?なんなん、ぶぼぉ!!?」」 しかし突如横から、というかどこからともなくやってきた赤い物体が、高速でれみりゃを弾き飛ばした。 「じゃお、じゃおぉぉん!!」 「めーりんをいじめるやつはどいつもこいつもみんなゆっくりしね!!」 謎の物体の正体は四人の、赤い服を着た金髪の女の子。 体型とかがれみりゃに似ているところを見ると、おそらくゆっくりだろう。 「「「「「ふ、ふりゃんだぁぁぁ!!」」」」」 「「「「「うわぁぁぁぁ!!ふらんだぁぁぁぁ!!!」」」」」 今度はれいむだけでなく、れみりゃまでが慌てて逃げ出した。 ふらんと呼ばれたゆっくりはれいむやちぇんたちには目もくれず、れみりゃにだけ襲い掛かる。 「ぶえぇぇぇ!!いだい!だずげでざぐやぁぁぁ!!」 「うー!!くらえ、れーばていん!!」 「でびぃはこーまかんのおじょーざまなんだどぉ!いうごどぎがないどざぐやが・・・ぶぎぃ!!」 「うるさい!ゆっくりせずにしね!!」 のそのそと逃げるれみりゃたちとは対象的に、ふらんたちは非常に俊敏だ。 いとも簡単に追いついて持っている木の棒で頭を刺したり、徹底的に顔を殴りつけて潰したりしている。 「ど、どういうことだみょん?なんでふらんが・・・」 「こんなみょんなことはみたこともないみょん!」 「とにかくたすけてくれるんだね!ありがたいよー!!」 「・・・あとでたべられたりしないよねー?」 「たすけてね!れいむはおいしくないよ!!」 一部を除いて、今の状況に困惑気味だ。どうやらこれは異常な光景らしい。 「じゃおん!じゃおおぉん!!」 「なるほど・・・少し前におともだちになったゆっくりだったんですね」 「むきゅ!?そういえばまえにといってもつよいおともだちがいるっていってたわね。 まさかふらんのことだっただなんておもわなかったわ」 どうやらあのふらんはめーりんの友達のようだ。ならば味方ということでかまわないのだろうか。 「たしかにふらんとめーりんはなかがいいこともあるらしいけど・・・」 今や戦況は一変していた。 あれだけ好き放題やっていたれみりゃは数で勝っているにもかかわらず、 戦う気も起こさずに逃げ回り、ふらんに狩られてどんどんその数を減らしてゆく。 「う゛・・・う゛っうぅ・・・なんででびぃがこんなべに・・・」 「だまってゆっくりしね!!」グシャ そうしてる内に、とうとう最後のれみりゃを潰し終えた。 私とみょんたちが潰した数を差し引いても、実に八匹ものれみりゃを片付けたことになる。 そして、れみりゃの死骸を蹴り飛ばしたふらんたちはこちらに向かって歩いてきた。 一瞬身を固くする、めーりん以外のゆっくりたち。 それもそのはず。ぱちゅりーが言うにはふらんも捕食種らしいのだ。 あの速さが相手となれば、脅威は先ほどのれみりゃの比ではない。一応気は引き締めておかないと・・・ 「じゃおおぉぉぉん!!」 「うー、だいじょうぶ?だれかゆっくりしちゃってない?」 「じゃおん!!」 が、一向にこちらを襲う素振りは見せない。どうやら大丈夫そうだが・・・? 「う~?これがめーりんのいってたにんげんさん?」 「ゆっくりもたくさんいる!ゆっくりし・・・なせちゃだめなんだよね」 「じゃお!?じゃおおぉぉん!!」 「うー。わかってる・・・めーりんのおともだちならふらんにとってもおともだちだもんね」 反応を見る限りこちらに対しても敵意はないようだ。 その事に少し安心すると、ふらんたちは一斉にこちらに振り向いた。 「めーりんがぶじでよかったね。ついでにほかのゆっくりも」 ・・・あぁ、ぱちゅりーではなく私に言っているのか。 いや、確かに助かった。しかし何故急にこんな所に? 「うー・・・ふらんたち、れみりゃいじめてあそんでたの。そういえばここどこだろ?」 「そしたらめーりんのゆっくりできないこえがきこえたからたすけにきたの」 なるほど。遊んでたら遠くまで・・・ と言うか、知らないところまで来てしまうほど熱中していたのか。 「それじゃそろそろかえろっか・・・うー、ここどこなの?」 「さあ?どこかわかんないけどきっとなんとかなるよ」 「うぅ~・・・・・・」 用は済んだとばかりに引き返そうとしたふらんたちだが、 一匹だけがめーりんたちを見たまま動かない。 「うー、どうしたの?」 「じゃお?」 「・・・・・・やっぱりふらん、めーりんたちについてく!!」 「「「うー!?なにいってるの!!?」」」 突然の提案に他のふらんは驚いている。 それはふらんだけではない、私達もだ。 「このままじゃしんぱいだよ!またれみりゃがきちゃうかも!!」 まあ確かにこれから先、奴らに遭う可能性は決して低くないだろうが。 「ふらんがひとりでもいればあいつらみんなにげてくよ!だから・・・」 言いたい事はわかる。しかしふらんは捕食種だ。 他のゆっくりがなんと言うか・・・めーりんはどうして欲しいのだろう。 「じゃぉ・・・じゃおぉぉん!!」 「他のゆっくりをいじめないならついてきてくれるとうれしい、だそうです」 当たり前というか、最低限の条件だな。ふらんは守れるのだろうか? 「うー・・・でもおなかすいちゃうし、ゆっくりたべないとふらんがしんじゃうよ!」 困ったものだ。まさか饅頭であるゆっくりにも、食欲がある者がいるとは・・・ 正直、私としては居てもらえると非常に助かる。しかし他のゆっくりを死なせるわけにもいかない。 生贄に捧げるようで気が進まないのだ。当然だろう。 頭を悩ませる私を不安げに見上げるめーりんたち。ふらんもじっと見つめている。 「むきゅ・・・どうしましょう、おにーさん」 「みかただとこころづよいけど、さすがに吸われちゃうのはゆっくりできないですね・・・」 「ちぇんもこのふらんはこわくないけど、しんじゃうのはやだよー」 「たたかいのなかでしぬことこそぶしのほんかいだみょん!そんなしにかたはいやだみょん!」 「う~、どうするの?ふらん。はやくきめてよ」 「うぅ~・・・・・・」 皆、ふらん自体が嫌なわけではないが、食われるのは御免のようだ。 「ふらんもれいむをゆっくりさせてくれるの?れいむはだいにんきだね!!」 「ついでにじゃまなくずめーりんたちもたべちゃってね!」 「さっさとしてね!ふらんだからってぐずはきらいだよ!!」 「ほしょくしゅもとりこにしちゃうれいむのみりょくはすごいね!」 「「「「「ゆっゆ~ん、かわいくてごめーんね!!!」」」」 ただ一種族を除いて。 れいむ達は、ふらんが敵ではない事を確認すると逃げ惑うことをパッタリとやめてしまった。 それどころか他のゆっくりのように自分のために働いてくれると思い込んでしまったようだ。 実際はまだ味方になったわけではないのに、のんきなものである。 味方どころかふらんは友達のめーりんを馬鹿にされたことでイラッとしているというのに。 「・・・ごはん、ねぇ」 「じゃまなゆっくり・・・だみょん」 「ゆっくりごろしはゆっくりできないけど・・・」 「・・・めーりんばかにしたな・・・!!」 いや、ふらんだけではない。他のゆっくりの目までが妖しく輝いている。まさか・・・ 「ええ、そのまさかでしょう。 “殺さなければいい”だそうですよ。・・・私もどういけんですが」 やっぱり。だめだ!れいむを生贄にするなんて・・・ 「じゃあほかにほうほうがあるのかみょん!?もうみょんはげんかいだみょん!」 私の制止の声を聴いて、みょんが怒りをあらわにした。ここまで怒ったところは見たことがない。 そしてそれに続いて堰を切ったように他のゆっくりも不満をぶちまけ始めた。 「そうだよ!なんでれいむだけいっつもなんにもしないのに、あんなにえらそうなの!?」 「めーりんやさとりをいじめてよろこぶなんてゆっくりできないよー!!」 「おうたかなにかしらないけどうるさくてしゅうちゅうできないみょん!!」 「じゃ・・・じゃお?じゃお?」 あまりの勢いに、唯一この場で悪意を持たないめーりんは混乱している。 「だいじょうぶよ。ちゃんとすいきらなきゃしなないわ」 「しばらくほうっておけばなおるよ。わかってねー」 「いままですきかってやってきたぶんのつけをはらうんだみょん。とうぜんだみょん」 いや、しかし殺さないからと言って・・・ 「どうするおつもりですか?もうみんなこれいじょうはがまんはできませんよ。 折角のふらんのもうしでをことわれるほどの余裕もありません。 それになによりもみんなが怒っているのは、あなたの事です」 私の・・・?どういうことだ。 「あいつのせいでおにいさんはちっともゆっくりできてないみょん!」 「ゆっくりさせるなんていいながらじゃまばっかりしてるよ!!わかれよー!!」 「いくらわるぎがなくても、おにいさんがもうそろそろげんかいだってことぐらいきづくべきだわ! それができないなら・・・せめてできるはんいでやくにたつべきよ」 なんという事だ。私の悩みは、みんなにバレていたのか。 「まああれだけれいむのほうを見ながらため息ばかりついてれば、だれだってわかりますよ」 自分ではそこそこ隠し事ができるほうだと思っていたのに・・・ 「それはもういいわ、おにいさん。それよりもれいむのことよ」 「おにいさんもあまり時間がないんでしょう?このさいぜいたくは言ってられないと思いますが」 確かにさとりの言う通りだ。これから更に困難になっていくと思われる以上、もう時間に余裕はない。 ・・・・・・本当に殺したりはしないんだな?食べても死なないんだな? 「うー。がまんするからたぶんだいじょうぶ・・・だとおもう」 「じゃお!?じゃ、じゃおぉん!!」 「やさしいのですね・・・でもいけませんよ、めーりん。もう決まったことなのです」 「・・・ほんとはだれもすきでこんなことはしたくないみょん」 「でもれいむのせいでゆっくりできないのはもういやなんだよ。わかってね・・・」 「じゃあ、ふらん。たべてもいいわよ。・・・ぜったいにぜんぶすっちゃだめだからね」 「うー、わかってる」 ついて来ると言ったふらん以外は、話がまとまると別れの言葉を残して去っていった。 そして早速、ふらんは離れた所で騒いでいるれいむ達の元にゆっくりと歩み寄る。 「ゆ?なんなの?ようがないならあっちいってね!」 「あんまりふらんがちかくにいるとゆっくりできないよ!どっかいっててね!」 「でもぐずのめーりんよりかわいいれいむのそばにいたいっていうきもちはよくわかるよ!」 「・・・まためーりんばかにした!」 れいむの言葉で、とうとうふらんの堪忍袋の緒が切れたようだ。 ふらんはれいむを一匹だけ持ち上げて 「ゆっ!?おそらをとんでる―――」 「ゆっくりいただきます!!!」 「―――ゆぎぇっ!!」 噛み付いた。 「「「「「で、で、でいぶぅぅぅぅ!!!」」」」」 「どぼじでいぎなりだべぢゃうのぉぉぉ!!?」 「ふらんはでいぶたちのどれいじゃなかったのぉぉぉ!!?」 「うわ゛ぁぁぁ゛ぁ゛!!!でいぶがぁぁぁ゛ぁ゛!!ゆっぐりじでぇぇぇ゛ぇ゛!!!」 「ゆ゛っゆ゛っゆ゛っ・・・あ゛っやべでっ、ずわないっでっ!!」 「うー。うー。ごちそうさまでした。・・・あんまりおいしくなかった」 「じっんじゃうっ。でいっぶ、じっんじゃっう」 ふらんの食事が終わった頃には、れいむはげっそりした痛々しい姿になっていた。 「ゆぁぁぁ・・・どぼじででいぶが・・・」 「ごんなのゆっぐりでぎないよぉぉ!」 「にんげんざん、どういうごどなのぉ!!?なんででいぶだちをゆっぐりさせでぐれないのぉ!!?」 私に向かって、何故、どうして、と口々に訴えかけるれいむたち。 それに答える言葉を私は持ち合わせていない。せめて好きなだけ言わせてやろう・・・と思ったのだが。 「れいむがはたらかないからわるいんだよ」ボソッ 「・・・ちぇん?いまなんていったの?」 「れいむがなんにもしないからわるいんだよ!」 れいむたちの声に答えたのは、ちぇんの怒りの声だった。 それを皮切りにして、みょんたちも次々と今まで溜めていたものをれいむにぶつけ始める。 「いっつもへんなおうたばっかりうたってなんにもしなかったよ!!」 「それどころかおにいさんのいうこときかないし、なんでもほかのだれかのせいにするし!!」 「れ、れいむはにんげんさんをゆっくり」 「おにいさんはぜんぜんゆっくりできてなかったよ!そんなことにもきづかなかったの?ばかなの?しぬの!?」 「ちがうよ!れいむはほかのゆっくりよりも!」 「なんだみょん!?れいむがほかのゆっくりよりもすごいところといったら、 ほかのゆっくりのわるぐちいってゆっくりできなくすることだけだったみょん!!」 「おまけにどれだけおこってもじぶんはわるくないってぜんぜんはんせいしなかったみょん! そんなれいむのどこがゆっくりできるんだみょん?ゆっくりできるのはれいむたちだけだみょん!」 「めーりんのほうがよっぽどゆっくりできるみょん! きがよわいめーりんのやさしさにつけこんですきほうだいいうれいむよりはみょん!!」 「「「「「う・・・うぅ・・・」」」」」 全員から責められて何も言えなくなったれいむたちの前に、さとりとぱちゅりーが出てきた。 「かわいそうだとは思います。あなたたちには心から悪気がないことも私にはわかっています。 でも、あなたたちはやりすぎました。もう少しはやくきづくべきでした」 「はたらくきがないいじょうここでおわかれするか、なにかやくにたってもらうしかないわ。 ・・・いまのあなたたちにできることはふらんをゆっくりさせることだけよ。 ときどきなかみをすわれるいがいはなにもしなくていいの。それくらいはがまんしてちょうだい」 「い、いやだぁ・・・」 「ゆっぐりさせでよぉ・・・」 「でいぶたべられたくないよぉ。にんげんさん・・・」 無情に告げられたれいむ達は、今度は助けを求めるかのようにこちらを見た。 しかし、それに答えるための言葉も私は持ち合わせていなかった。思わずれいむたちから目を逸らす。 ・・・行こう。 「いつまたれみりゃがくるかわからないみょん。さっさとかえるみょん」 「ふらんもこれからよろしくねー!!」 「うー、よろしくね」 「じゃおぉん・・・」 「行きましょう、めーりん。もう決まったことですから」 「ごほっごほっ。ひさしぶりにたくさんはなしたからつかれちゃったわ」 れいむたちを放っておいて、私たちはシャーク号まで帰ることにした。 誰一人としてれいむたちがいる方には目を向けない。 そしてれいむたちはと言うと、しばらく静かに泣いていたが だれもかまってくれないことがわかると急いで後をついて来た。 本当にこれでよかったのだろうか・・・? 現在のゆっくり ちぇん、20匹。みょん、15匹。めーりん、15匹。ぱちゅりー、さとり、ふらん、1匹。ふらんのお弁当、4匹。 ~脱出計画25日目~ ようやく・・・ようやくここまで来た。 目の前には(だれが作ったのかは知らないが)何故か大きな橋と、その先には最後となる部品が転がっている。 とうとう最後となったこの地域にはそれこそこれまでとは比べ物にならないほどに苛酷な環境が待っていた。 尺の都合上詳細は省くことにするが、とにかくみんなの力を合わせてここまで来たのだ。 「これでさいごかみょん・・・」 流石に疲れた様子でみょんが呟く。 彼らに限らず、私も含めた皆が満身創痍だ。 巧妙な罠や仕掛け。そして相次ぐゲスゆっくりやれいぱーたちとの連戦で随分数も減ってしまった。 ここまで残ったのは、ほとんどが出会った当時からずっと一緒にいるゆっくりばかりだ。 経験がモノを言ったのだろうと思う。 「けほっ。あとは、はこぶだけね。めーりん。つかれてるでしょうけど・・・」 「じゃおぉぉぉん!!」 「ここまでみんなのおかげで休めたからだいじょうぶ、だそうです」 「がんばろうね、めーりん!」 「「「「「・・・・・・」」」」」 皆が楽しそうに話す中、れいむたちだけが少し離れたところで黙り込んでいる。 この前までの、あの騒ぎようが嘘のようだ。 れいむがふらんの食糧となってから数日間。 皮肉にも皆の言う通りにしてれいむが大人しくなってから、私達の作業効率は大幅に上がってしまった。 今までのように迂闊にめーりんたちを馬鹿にすれば、機嫌が悪くなったふらんに食べられる。 言うことをきかずに好き勝手すれば、作業が長引いた分だけ空腹になったふらんに食べられる。 他にも、生意気を言えば食べられる。目が合うと食べられる。おやつ代わりに食べられる。 暇潰しに食べられる。地面から出た瞬間に食べられる。とにかく食べられるなど、数え上げればきりがない。 しかも確かに死ぬまで吸われることはないのだが、基本的に吸われた後はほったらかしである。 元々他のゆっくりとは基礎能力に差がある上に、体力が風前の灯となったれいむが進行について来れるだろうか? そんなわけがない。吸われたれいむのほとんどが、体力が戻る前に息絶えてしまっていた。 いくられいむでも吸われる事が間接的な死因となってしまうことは流石に理解している。 よってふらんに目をつけられないように、自分に出来る限り空気を読むことにしたようだ。 私もできれば助けてやりたいのだが、それは他のゆっくりに止められてしまった。 あれから以来、れいむに対するみんなの風当たりがとても強くなっていたのだ。 “れいむはあれがお仕事。あれだけしかできないんだから気を使ってあげる必要はない。” “皆だってお仕事中に死んじゃうことがあるのに、なんでれいむだけ助けるの?” などと、そんなことまで言われてしまっては流石に手を貸すわけにはいかなかった。 だがそのおかげで効率がグンと上がり、ふらんの助けもあってとうとうここまで来ることができた。 目の前ではめーりんたちが懸命に部品を持ち上げている。 最後だけあってかなり大きいのだが、彼らならきっと問題ないだろう。 さあ、帰ろう。そして・・・ ・ ・ ・ 帰り道。ほとんどのゆっくりが運搬に数を割かれている中、残った数少ないゆっくりと私は話していた。 残ったゆっくりは皆、始めてその種族にあった当初からついてきてくれている数少ない生き残り。 言わば最古参とも言うべき存在である。 ゆっくりは引き抜いた直後にある程度情報をリンクさせるらしいので 皆それなりに私に友好的なのだが、やはりこうも付き合いが長いと特別というか、愛着が湧く。 右手に絶壁、左手に少し底が深めの溝がある道を通っていたところで、皆が唐突に口を開き始めた。 「よかったね、おにーさん!これでやっとゆっくりできるね!!」 「みょんたちもがんばったかいがあったみょん!」 「これまでいろいろあったわね。・・・でも、もうおしまいね」 「じゃぉん・・・」 ぱちゅりーの一言で、場の空気が沈む。 そう。これで最後ということは、後は私が脱出するだけ。そして彼らとは・・・ わかっていたことだが、やはり少し気分が落ち込む。想像以上に、私は彼らが気に入っていたらしい。 だが、こうして沈んでいても仕方ない。 幸いリミットまでにはまだ時間がある。一日くらい時間をとってゆっくりしてもいいだろう。 この星に来て、初めての休暇だ。せめて思いっきり楽しい時間を・・・ 「そこまでよ!!」 「ここでとまってね!!」 またか!今度はなんだ?考え事をするといつも邪魔が入る!少しは場の・・・でかいな、オィ。 「どすにむかってえらそうだよ!にんげんのくせに!!」 「さっさとはなしをききなさい!むきゃきゃきゃきゃ!!」 声のした方をみると、そこには二匹のゆっくりが目の前に立ち塞がって大声を出していた。 なんだか気持ち悪い笑い方のぱちゅりーと、とんでもなく大きいまりさだ。 まりさの帽子の上に、ぱちゅりーが乗っている。 ぱちゅりーの方は単にゲスっぽいで済ませられるのだが、まりさの方は・・・色々と規格外だ。 とにかくでかい。私の身長の約三倍はある。道を埋め尽くすほどの大きさだ。 それにしても何の用だろうか?生憎と、もう助けは必要ないのだが・・・ 「なにいってるの!なんでゆっくりをいじめるにんげんをたすけなきゃいけないの?」 「むきゃ!どすがにんげんのいいなりになるとおもったらおおまちがいよ!」 虐める・・・?どういう事だ。 「とぼけてもだめだよ!みんなにぴかぴかさんをはこばせたり、れいぱーとたたかわせたり、 ふらんにれいむをたべさせたりしてたでしょ!どすはぜんぶみてたんだよ!!」 ああ、そういうことか。れいむはともかく、他の子はみんな善意で・・・ 「だまってね!もうにんげんなんかにすきかってさせないよ!! どすがみんなをつれてくからね!それでとってもゆっくりしたむれをつくるからね!!」 怒っているのはわかるが、いまいち話の要領がつかめない。 連れて行く?群れ?なにがなんだかサッパリだ。 「むきゅ!まさかどすがいるなんておもわなかったわ! どすはゆっくりのむれのおさになるべきゆっくりなのよ。 ゆっくりをゆっくりさせるのがおしごとなんだって。ぱちぇもみたのははじめてだけど」 なるほど。リーダー種か。名前はドスまりさとでもしておこう。 しかし、これは調度よかったのではないか? 私がいなくなった後の引き取り手が見つかってよかったとも言える。 ぱちゅりーの言う通りならきっと悪いようにはしないだろうし・・・ まあ最後の部品を運び終わったら、引き取ってもらってもかまわない。 「なにいってるの?どすはいまほしいからいまからつれてくよ! ついでにそのぴかぴかさんもどすのたからものとしてもらっていくよ!!」 なんだと?それは困る! 「しらないよ!げすにんげんはかってにひとりでのたれじんでね! さあみんなそのぴかぴかさんもってついてきてね! そこのげすにんげんなんかよりもたくさんどすがゆっくりさせてあげるよ!」 ドスは自信満々に呼びかける。私の言葉など全く聞いていない。どうしたものか・・・ 「やったー!!どすがきてくれたよ!!」 「これでやっとゆっくりできるよ!!」 私が頭を捻っていると、一部のゆっくりが飛び出して、ドスの下へと駆け寄った。 ・・・れいむだ。 「よろしくね!どす!!れいむたちをゆっくりさせてね!!」 「やっとこれからゆっくりできるよ!!もうあんなところにいたくないよ!!」 「ゆゆ~ん♪やっぱりかわいいれいむがさいごにはかつんだね!!」 「・・・よろしくね。れいむ」 私の下にいたれいむが軒並みあちらに移ったようだ。 理由は聞かなくてもわかるが・・・ドスがあまり嬉しそうじゃないのは何故だろう。 「あのにんげんぜんぜんれいむたちにやさしくしてくれなかったよ!」 「せっかくゆっくりさせてあげたのにおれいもいわなかったよ!」 「ゆっくりさせてあげたんだからゆっくりさせてくれるのがあたりまえなのにね!」 「そうだね!おまけにふらんにかわいいれいむたちをたべさせるなんてさいてーのげすにんげんだよ!!」 次々と出てくるれいむたちの不満。まさかここまで恨まれていたとは・・・身に覚えがないのがほとんどだが。 それにしてもれいむがみんな行ってしまったという事は、 「さあ、ほかのゆっくりもみんなこっちにきてね!! どすがしあわせーっ!!にしてあげるよ!!さっさとこっちきてね!!」 他の皆も行ってしまうかもしれないという事だ。 ふと様子を見ると、皆はうつむいて考え込んでるようだった。 「そんなげすにんげんなんかほっといてはやくこっちきてね! むれをつくってどすがだいすきなゆっくりぷれいすにしようね!!」 ・・・正直、ここまで来て諦めきれないというのが本音だ。 しかし、もうここらへんで終わりかもしれないな。 ゆっくりの長と、偉そうに命令するだけの人間じゃ差は歴然だ。だれだって前者について行きたくなる。 「さっさとしてね!かんがえなくてもわかるでしょ? そんなえらそうなだけのやくたたずよりもどすのほうがえらいんだよ!!」 「むきゃ!しかもこっちにはそんなのうなしぱちゅりーじゃなくて このもりのけんじゃのぱちゅりーさまがいるのよ!こっちにきたほうがいいにきまってるわ!!」 ・・・奴らの言っていることは非常に腹が立つが、私にはどうしようもない。 あんなに大きなゆっくりを倒す方法も思いつかないし、せっかく彼らが平和に暮らせるチャンスを・・・ 「おことわりだよー」 ・・・なんだって? 「どすのところにはいかないよ!ちぇんたちはおにいさんといっしょにいるよ!」 「みょんたちもどすのところにはいかないみょん!ゆっくりぷれいすなんかいらないみょん!!」 「ぱちぇもやめておくわ。のうなしっていわれたのもきにいらないし」 「じゃおおぉぉん!!」 「行かない、だそうですよ。私もけっこうです。だって、あなたたち・・・」 「うー!めーりんたちがいかないならふらんもいかない!!」 私のそばにいるゆっくり達が、一斉にドスに向かってお断りの返事を言い始めた。 いや、そばにいる者だけではない。運搬中の者達も、荷物を下ろして一斉に騒いでいる。 「ど、どぼじでぇぇぇ!!?どずがゆっぐりさせであげるっていっでるのにぃぃぃ!!」 その通りだ。このままついて行けば仲良く、平穏に暮らせるというのに。 「それでもおことわりだみょん!」 「おにいさんのこともよくしらないのにわるくいうどすなんかといっしょにいきたくないみょん!!」 「どすなんかいなくてもちぇんたちはゆっくりできてるんだよ!わかるねー?」 「じゃぉぉぉん!!じゃおおぉぉぉん!!!」 「そうですね。めーりんのいうとおりです。 いきなり出てきてすきほうだい言っているあなたたちよりも、 私たちはおにいさんをえらびます。そもそもいじめられてなどいませんしね」 「つまりあなたたちよりもおにいさんといっしょにいたいのよ。 いっしょにいれるじかんがあとちょっとしかなくてもぱちぇたちはおにいさんといっしょにいるわ!」 まさかここまで慕われていたとは。不覚にも少し感動してしまった。 しかしそれではドスたちは・・・ 「ゆぐっぐぐぐぐ・・・・!!どういうことなのぱちゅりー! いってたこととぜんぜんちがうよ!!」 「むきゃ!?そ、そんなことないわ!!かしこいぱちぇのかんぺきなさくせんが・・・ぱちぇのせいじゃないわ!!」 「なにいってるの!ぜんぶぱちゅりーがいいだしたんでしょ!? どすがでてきてにんげんさんをばかにすればみんなあきれてついてくるっていったじゃない!! にんげんさんがそだてたゆうしゅうなゆっくりでどすのかんっぺきっなむれをつくろうとしたのにぃ・・・」 なるほど、そういうことか・・・ それにしても随分と勝手にペラペラとばらすものだ。これでは語るに落ちるとも言えない。 「・・・まあそういうことです。あのドスたち、ずっとそのことばかり考えてましたよ」 しかもモロバレだったらしい。そりゃついて行かないか。 「いえ。それはあくまでも私だからわかったことです。 みんなは本当に心からドスよりもあなたをえらんだのですよ。にんきものですね。 ああ。もちろん私だってしらなくてもあなたをえらんでましたので。かんちがいしないでくださいね?」 そう言われるとどうにもむず痒くなる。だが、悪い気はしない。 「ど、どうしたの?どす。ゆっくりできてないよ?」 「あんなゆっくりがいなくてもかわいいれいむたちがいるよ!!しんぱいしないでね!!」 「ぐぞぉぉぉ!!こんなやくたたずでもなにかのやくにたつとおもったのにぃぃぃ!! おまえたちなんかいらないよ!ドスがほしいのはゆーのーなゆっくりだよ!!さっさとどっかいってね!」 「「「「「ゆがーん!!!」」」」」 れいむはおまけ扱いか。流石にここまで来ると可哀想だな・・・ それにしても、結局奴らはどうするのだろう。 あそこを退いてもらわないと帰るに帰れないのだが。 「う゛う゛う゛う゛・・・もうゆるさないよ! こんなどすのすごさがわからないゆっくりなんていらないよ!! にんげんといっしょにどすすぱーくでころしてやる!!」 「むきゃ!!やっちゃえ、どす!ぱちぇのおもいどおりにならないゆっくりなんていらないわ!!」 「いくよ!むーしゃむーしゃ・・・」 とうとうドスが逆上した。言ってる事はまるで子供の我侭だが、あのサイズでは暢気にしていられない。 そしてドスが何かを食べるような動作をすると、徐々にドスの口内が光りだす。なんだ、あれは! 「むきゅっ!?いけないわ。あれはどすすぱーくよ!!」 どすすぱーく!?・・・なにやらまずそうな雰囲気がプンプンするが、やっぱり危険なのか? 「とってもあついひかりをだす、どすのゆっさつわざよ! おおきないわもこわせるくらいにすごいの!こんなせまいみちじゃにげられないわ!」 熱光線!?そんな馬鹿な!!熱光線が出せる生物なんか・・・いや、もう気にするのはやめよう。それこそ今更だ。 それよりもどうする。ぱちゅりーの言うことを信じるならば、到底防ぎきれる物ではない。 当然逃げ場もないし、このままでは全滅してしまう。 右の崖はとても登れそうにない。左の溝は・・・駄目だ、深すぎる。一度入ると這い上がる方法がない。 しかも溝の底には、少しだけだが水が流れている。それだけでも時間がかかればゆっくりにとっては致命的になる。 ふらん!ドスを何とかできないか! 「うー・・・たぶんむり。かてないわけじゃないけどじかんかかる」 ですよね!なら説得は・・・ 「ほうふぐうへるひょ!ひんあひはごおひはよ!!ひゅっひゅっひゅっひゅ!!!」 「むきゃきゃきゃきゃ!!おばかなぱちゅりーといっしょにゆっくりできなくなっちゃいなさい!!」 ああ、なんだか駄目っぽい。口が開いて何を言っているのかは解らないが、絶対ろくな事じゃない。 ならこの際部品を盾に・・・だめだ。とても全員は隠れられない! まったくいい案が思いつかない。この星に来てからずっとこうだ! 「やべでぇぇぇ!でいぶなんにもしでないよぉぉぉ!!」 「どすはゆっくりさせてくれるんじゃなかったの!?しにたくないぃぃぃ!!」 「たすけてね!!たすけてよぉ!!にんげんさんでもいいからかわいいでいぶをたすけてぇぇぇ!!」 そうしてるうちにどんどん光は強くなっていく。 「ひふひょ!ほふふはーく!!!」 くそっ、こうなったら一か八か溝に飛び込んで――― 「そんなことしちゃだめだよ!!ゆっくりやめてね!!」 「ぎゅっ!!?」 『ボン!!!!』 「むぎゃっ!!」 全員に飛び込むように告げるために振り返った矢先に、ドスの方から巨大な爆発音が聞こえた。 「ゆ゛っ・・・ぎゅ・・・どぼ・・じ・・・でぇ・・・」 「な゛に゛が・・・がじごいばぢぇ・・・ゆっ・・ぐり・・・」 何事かと見てみると、ドスは口の中が爆発したようにえぐれて片目が飛び出ている。 頭上のゲスぱちゅりーも何かに潰されたようにへこんで、クリームを吐いていた。何が起きたのだ? 「あ゛っあ゛っ・・・おぢるぅぅぅ!!」 「むぎゃあ゛っ!!?」 そしてバランスを崩して溝に落ちた。あ、ついでにぱちゅりーが下敷きになって死んだ。 ・・・よく分からないが、これは助かったのか。 状況がつかめないのでイマイチ実感が湧かない。一体あれからどうやって? 「おねえちゃーん!!」 「こいし・・・こんなところにいたんですね!」 急に聞き覚えが無い声が聞こえたのでそちらに向くと、 見知らぬゆっくりがさとりと体をくっつけている所だった。いつの間に!? ・・・よく見ると身に着けているものや雰囲気がどことなくさとりに似ているが、まさか・・・ 「はい。この子がさがしていた、いもうとのこいしです」 「おにーさん!あぶないところだったね!!」 彼女が例の・・・さとりと比べると随分快活な印象を受けるな。 ん?今の物言いだとまるで君が助けてくれたように聞こえるのだが・・・ 「そうだよ!かべのうえからあのあやしいどすをみてたんだけど、 おねえちゃんがあぶないところだったから、かべからとびおりてどすのあたまにぶつかったの!」 なんとも危ない真似をするものだ。一歩間違えれば地面に激突して死んでいたというのに。 しかしこれで合点がいった。ドスは頭からぶつかられた拍子に口を閉じてしまったんだな。 後は発射口を塞がれたまま暴発して・・・あの様というわけだ。ぱちゅりーはその余波を食らったのだろう。 「こいしは“むいしき”でうごけるからほかのゆっくりにもみつからないんだよ! これからのじだいは“すてるすこいし”だね!!・・・ね?」 無意識で、か・・・まるで武道の達人のようだ。いや、時代かどうかは聞かれても困るが。 「だ・・・だずげ・・・で・・・」 おお、忘れていた。どうやらまだ溝に落ちたドスが生きていたようだ。 「ごべんなざい・・・ばでぃざがわるがっだでず・・・だがら・・だずげで・・・」 うーむ。・・・済まない、無理だ。 「ど・・・どぼ・・じ・・・で・・・」 私達でも引き上げる方法がないと言っているのに、君のような巨体を引き上げる方法などあるはずがない。 それに、流石に殺そうとしてきた相手を助けようとするほど私はお人好しではないのだ。 時が経てば、そのうち水で溶けて死ぬことができるだろう。 まあそれが何日、何ヶ月かかるかは解らないが・・・頑張ってくれ。 「ぞんな・・たすげで・・・いかないでぇ・・・やだ・・・やだぁ・・・・・・」 さあみんな。随分遅くなったけど、シャーク号へ帰ろう。 「どうなることかとおもったけど、みんなぶじでよかったみょん!」 「もうひとがんばりだよ!がんばろうねー!!」 「じゃおぉぉぉん!!」 「うー♪ふらんもてつだう!!」 「むっきゅん・・・ごめんなさい。すこしやすませてもらってもいいかしら?」 「ねえ、おにーさん。こいしもいっていい?」 ああ、もちろんだ。なんと言っても命の恩人だからな! 「やったー!!これでおねえちゃんといっしょにいられるよ!!」 「そうね。・・・どこをむいしきでふらふらしていたのか、ちゃんときかせてもらうわね」 「お、おねえちゃん、こわい・・・」 みんな思い思いに帰ってゆく。もちろん部品は忘れない。 これで本当に終わりなんだな・・・ 「に・・・にんげんさん?」 「れいむたちを・・・わすれないでね?」 そんなとき、れいむたちが恐る恐る話しかけてきた。まだいたのか。 「しょうがないねえ、にんげんさんは・・・」 「ひどいよにんげんさん。れいむをわすれるなんて・・・ふひっ」 れいむたちは仲間にしてほしそうにこちらを見ている。 「にんげんさん。まさかれいむをおいていったりしないよね?」 「かわいいれいむをゆるしてね・・・ごめーんね?」 「すてるわけないよね?つれていってくれるよね?」 なかまにしますか? お断りします! あれだけの事を言ったのだ。当然戻ってこれるわけがない。 今回は流石に私も見過ごせないし、もし私が許しても他の者達が絶対に許さないだろう。 「ぞんなぁ・・・だずげでよぉ・・・」 「こんなところにいちゃゆっくりできないよぉ・・・」 確かにここには草木が一本も生えておらず、すべてが岩肌で殺風景な事この上ない。 こんな所では、基礎能力が底辺のれいむたちではまともに生きていけないだろう。 まあしかし、あそこで罵詈雑言を言ったのが運の尽きだ。 このまま戻って他のゆっくりにフクロにされるか、ここで頑張って生きるかの違いなんだから耐えなさい。 「やだ・・・ゆっくりさせてよぉ・・・」 「おねがいします!れいむがわるかったです!あやまりますから・・・だからぁ・・・」 その言葉を、もっと早くに聞きたかったよ。 ずっと謝り続けるれいむたちに背を向けて、私はみんなの後を追いかけた。 ・・・さよなら、れいむ。 「「「「「い゛やだぁぁ゛ぁ゛ぁ゛!ゆっぐりざぜでよぉぉ゛ぉ゛!!!」」」」」 もう、私は振り返らなかった。 現在のゆっくり もう書く必要はない! ~脱出決行。別れの日~ とうとうこの日がやってきた。 私はいつものように防護スーツに身を包み、皆は見送る為にシャーク号の前に集まっている。 「おわかれだね、にんげんさん。わかりたくないよー・・・」 「いろいろとしゅぎょうになったみょん。ゆんせいいっしょうわすれないみょん!」 「じゃぉぉぉん・・・」 「うー、ないちゃだめっていったでしょ?」 「おにいさんのおかげでこいしも見つかりました。ほんとうにありがとうございます」 「もうどこにもいったりしないからだいじょうぶだよ!おにいさんも・・・またあおうね!」 「むきゅ~。でもおにいさん。ほんとうにぱちぇたちここにすんでいいのかしら?」 そう。ぱちゅりーが言う通り、彼らにかつて拠点であった場所である、ここに住むように私が勧めたのだ。 ここにはれみりゃやれいぱーどころかゆっくり自体がいない。よって敵となる者がいない。 彼らの繁殖方法がなんなのかは知らないけれど、思うがまま繁栄できるはずだ。 そしてふらんの食事なのだが、ここには沢山の果実がなっている事に気付いた。 色々と調べてみると、どうやら様々な果物が季節ごとに生るようだ。 ふらんが言うには、別にゆっくりじゃなくても甘いものなら何でもいいとの事なので、 これは使えないか?と思い提案した。 幸いふらんも気に入ったようだ。これでもうゆっくりを襲う事はないだろう。 仲間に会えなくてもめーりんや他のゆっくりがいるから寂しくもないらしい。 気候も落ち着いているし、近くに洞穴があるので多少雨が降っても大丈夫だ。 まさに“ゆっくりプレイス”だと言えよう。 最後にほんの少しだけど、恩返しができて本当に良かった。 ・・・さて、本当にもう行かないとな。 「おにいさん!たいへんだったけどたのしかったよ!!」 「みょんたちなかよく、げんきでやっていくみょん!しんぱいしないでみょん!!」 「じゃぉぉぉん!!じゃおぉぉぉぉん!!!」 「おともだちたくさんできて、ふらんとってもうれしかった。ありがとう!・・・うぅ~」 「私も、すこしじぶんがすきになれそうです!おせわになりました!」 「こいしはみじかいあいだだったけど、とってもゆっくりできたよ!ありがとね!!」 「おにいさん、ずいぶんあたまがかるくなったでしょ?・・・またのせてね!さようなら!!」 「「「「「「「ゆっくりしていってね!!!」」」」」」」 皆が口々に別れの言葉を告げてゆく。 が、しかし。これが今生の別れではない。 また会おうと思えばいつだって来れるのだ。・・・この防護スーツを纏って。 だから、きっと彼らにはこう言うべきなのだろう。 また会おう、と。 ~脱出後。シャーク号船内~ さて。救命信号も発信したし、最悪自力でも近くの補給コロニーまで行ける。もう心配する事はない。 帰ったらこの命がけの、それでいて不思議な冒険を話にまとめよう。 そして・・・まあ信頼できる近しい人間にくらいは見せてもいいだろうか。 だが彼らがいた星の場所に関しては、黙っていようと思う。 あそこは無闇に人が立ち入るような場所ではないように思えたからだ。 人々が彼らの存在を知る事で、邪な余計な考えを持つ者が訪れる必要はない。 彼らが望む事は、ただ自分と誰かが仲良く一緒にゆっくりする事だけなんだから。 私がいなくなった約一ヶ月間、随分世間を騒がせたのだと思う。 きっと帰ってから色々と忙しくなる。 だからせめて、彼らが別れ際に言ったとおりに今だけは思う存分ゆっくり休む事にしよう。 私はシートに身を預けて、この一ヶ月で何度も口にしたあの言葉を思い浮かべて目を閉じる。 ゆっくりしていってね、か・・・ なかなかいい言葉じゃないか。 ・あとがき ようやく書き終わりました。 かなりズルズル長引くし、正直放り出したくなった問題作です。 こうやって形にしてもなんだか気に入らないし、正直言って前編あげてなきゃお蔵入りだったでしょう。 それでも一応形にはしてみたので、読んで下さった方の時間が無駄にならない程度には・・・と思いたいです。 ちなみに、最近気づいた事ですが、私は通常種が嫌いなのではありませんでした。 れいむとまりさが嫌いなのです。あとレイパー。 なので今までもこれからも、とことん奴らを重点的に虐めていこうと改めて思いました。 最初はみんな好きだったのに、どこでこうなったんだろう・・・ では、ここまで長い間お付き合い頂いた方々。本当にありがとうございました。 また他の作品で!! 小五ロリあき ・過去作品 ふたば系ゆっくりいじめ 412 僕と『あの子』とゴミ饅頭と ふたば系ゆっくりいじめ 446 俺とゲスと自業自得な餡子脳 ふたば系ゆっくりいじめ 460 弱虫まりさとほんとの勇気 ふたば系ゆっくりいじめ 484 ドスと理想と長の資格 前 ふたば系ゆっくりいじめ 494 ドスと理想と長の資格 後 ふたば系ゆっくりいじめ 514 僕とさくやとおぜうさま ふたば系ゆっくりいじめ 548 てんことれいむとフィーバーナイト 前編 ふたば系ゆっくりいじめ 559 てんことれいむとフィーバーナイト 後編 ふたば系ゆっくりいじめ 583 ゆっくりしたけりゃ余所へ行け ふたば系ゆっくりいじめ 599 はじめてのくじょ~少女奮闘中~ ふたば系ゆっくりいじめ 615 お兄さんは静かに暮らしたい ふたば系ゆっくりいじめ 659 よくあるお話 ふたば系ゆっくりいじめ 674 かわいいゆっくりが欲しいなら ふたば系ゆっくりいじめ 701 おうちは誰の物? ふたば系ゆっくりいじめ 789 ゆめみるれいむときゃっしゅさん ふたば系ゆっくりいじめ 790 ユクミン 前 小五ロリあきの作品集 トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る れいむは囮です それだけしか取り柄は無い -- 2014-08-23 02 47 36 さとりとこいしかわいいよー。わかれよー。 -- 2014-08-11 20 44 33 ユクミン 続編お願いします -- 2013-08-12 00 25 35 とてもゆっくりできました。 続編書いてくれたら嬉しいなぁ・・・(チラッ) あとれいむざまぁwww -- 2013-04-03 04 04 59 ↓くいーんちゃっぴーやくはくいーんありすだねー、わかるよー -- 2012-10-01 19 27 14 ↓3 わかるよー くいーんちゃっぴーとかあめぼうずにぎゃくさつされるゆっくりがみたいんだねー -- 2012-08-24 00 36 33 このSSでここまで主人公とシンクロして読んだ作品は始めて。 そもそも自分こう言う話に弱いしw -- 2012-08-18 14 06 00 すばらしい!!!物凄くゆっくりできたよ!! 確かに主人公がほぼ傍観に徹してたのは少しもどかしかったかもしれません。 でも、それをさっ引いても凄くゆっくりできたよ!! -- 2012-03-19 12 52 51 ユクミン2編希望! -- 2011-11-03 12 06 56 ドスもゲスぱちぇもザマァ!wwww -- 2011-10-23 20 38 02 面白い! おにいさんとゆっくり達の友情に感動した。そしてれいむ達とドゲスともりけんざまぁww -- 2011-08-23 07 23 40 面白いなー 俺もやってみたいと思った -- 2011-06-09 13 07 20 やりたいなーこれ。 おにいさんはれいむどもの扱いに苦労してたけど、ゲームだったらむしろ進んで殺しまくりたい。れいむの集団を水に投げ込みまくったり、夜に置き去りにして現地生物に無残に殺されるところが見たい。 -- 2011-02-18 13 16 39 ユクミン2はまだですか? -- 2011-02-18 11 12 07 ↓×5 だってれみりゃとか頭悪すぎて説得理解できねえし、仲間になったとしてもわがままだし馬鹿すぎて味方食うだろうし、れいむ共と同じくクソ邪魔な汚物にしかなりえんよ。 れみりゃは可愛くないし冷遇して当然。と思うよ。 -- 2011-02-09 17 48 26 面白かった!! -- 2011-01-07 19 02 36 良い話だなー! オ●マーと、ゆっくり達(一部を除き)の友情に乾杯! -- 2010-11-14 20 11 28 好きだね -- 2010-10-16 22 09 54 葛藤して、変わって行く、捨てられない主人公がとても良かった。 ゆっくりで心温まる「対等の異種間の交流」が読めると思わなかったよ! ゆっくりに頼りきりの探索行なのに、不安が払拭されて行くのが面白かった。 -- 2010-10-06 20 01 53 主人公があくまで指揮者・傍観者に徹しているのがもどかしかったです。 だが元ネタがアレなので仕方ないのは分かるがむずむずしたよ。でもそれぞれの能力を活かした面白い作品でした。 ……しかし………… れみりゃの扱いがヒドイじゃないか!!! 胴付きれみりゃ10体登場のときは「おぜうさまも仲間に?ヤッター!!!」とか思ったのに、ふらん無双!? ぐがああああああ!!!可愛いれみりゃになんてことするんだ!おぜうさまは優遇して当然でしょうが! 何故れみりゃの扱いがデブ饅頭やゲロ袋と同じなんだよ!!!信じられん!狂気の沙汰だ! れみりゃ虐殺はこのSSの魅力を大きく損ねている!!! -- 2010-08-13 03 52 59
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登録日:2021/05/15 Sun 17 56 42 更新日:2023/06/05 Mon 23 43 19NEW! 所要時間:約 36 分で読めます ▽タグ一覧 SM要素あり いじめ いじめるヤバイ奴 いじヤバ ギャグ漫画 サスペンス シュール シリアスな笑い バトル漫画 ホラー マガジンポケット マガポケ マッチポンプ ミステリー 中村なん 人間失格の女達 変態の巣窟 常識人が少ない 所要時間30分以上の項目 漫画 狂人の見本市 異能バトル 自作自演 講談社 『いじめるヤバイ奴』とは『マガジンポケット』(略称『マガポケ』)で連載中の漫画である。 作者は中村なん。 【概要】 最近のWEB漫画でもよく見る「いじめ」を題材とする漫画。 ジャンルは『マガポケ』によると「ホラー・ミステリー・サスペンス」である。 『マガポケ』の公式ツイッターが宣伝のため本作の第1話の画像をツイートしたところ、たちまち炎上しアカウントがBANされかけたという逸話を持つ。 下記のあらすじでは類似ジャンルとの差異を強調しているのだが……。 【あらすじ】 【ただの“いじめ”ではありません。】 仲島は、クラスで「いじめっ子」として君臨していた。 いじめの対象は儚げな女の子・白咲さん。暴虐の限りを尽くし、 毎日のように彼女はいたぶられた。その状態をクラスの皆は見て見ぬふり。 止めようものなら、次は自分が標的になってしまうから。 憑りつかれた様に「いじめ」を行う仲島。その様子は明らかに何かが狂っていた。 なぜ、彼は蛮行に及ぶのか。その実態は恐るべきものだった― (以上、『マガポケ』より掲載) 【登場人物】 仲島達也 クラスに君臨する恐怖のいじめっ子。 高校入学直後から同級生の白咲に対して毎日のように凄惨ないじめを行っている。 同級生たちを恐怖で支配し、担任教師の弱みも握るなどいじめ隠しを徹底している。 常人には理解できないほどの鬼気迫る覚悟を持っていじめを行う彼の真意とは―― 白咲花 仲島のいじめられっ子。 どこか儚げな雰囲気のある少女。入学当初は目を引くほど綺麗な黒髪であったが、 仲島のいじめが始まってすぐに真っ白な髪となってしまった。 毎日のように仲島から残酷ないじめを受けており、 他の同級生や担任はその状態を黙認しており孤独なまま苦しめられている。 田中浩太 仲島と白咲の同級生の中で、唯一いじめを止めようと動いた正義感の強い少年。 表向きはいじめに同調しつつ、 仲島のいない場では白咲に優しい言葉でもかけようと考えたが、 ただの偽善と悟り仲島のいじめを止めようと奮闘することになる。 おらWiki篭りぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ! 恐怖の追記・修正ショー始めんぞぉぉぉぉぉぉ! △メニュー 項目変更 「話があるって、一体なにごとかしら?」 「最近いじめる事が本当に苦痛に感じてしまって精神的にガタがきてまして……」 「ダメええええええええええ!」 「痛あああああああああああああああああああああああ」 「お前は死ぬまで私のいじめっ子」 「いいな」 クラスで行われるいじめの真実、それはいじめられっ子の筈である白咲が仲島に自身へのいじめを強要している異様な関係の結果だった。 白咲は痛みや恐怖のない中途半端ないじめなど許さず、当然いじめを少しでもやめようとするのもダメ。 そのような行為で白咲のご機嫌を損ねればすれば恐ろしいお仕置きが待っている。 果たして仲島はこの状況から逃れられるのか?そして白咲の思惑は一体何なのか? 歪つで狂った悲劇の結末や如何に―? ●目次 【概要】 【あらすじ】 【登場人物】 【改めて概要】 【あらすじ】 【登場人物】主要人物 (元)矢場高生徒会 その他の元矢場高関係者 徳光陣営 その他の元場井高関係者など 百桜森中学校関係者 その他の人物 【用語など】 【改めて概要】 この作品はよくあるいじめられている側の視点に立つものではなく、 加害者役を強要されている―いじめさせられる側の視点から描いた、一風変わった題材の漫画である。 先述のとおり、『マガポケ』の作品紹介や各種宣伝でも「ただの”いじめ”ではありません。必ず最後まで読んでください。」と記載されており、時折漫画のWEB広告で見かける「○○に見えて実は…、」という類の作品のように見える。 その認識は間違っていない、うん。間違ってはいないのだがその……なんか違う。 単行本2巻辺りまでは上記のような流れが続いていくのだが、修学旅行編(3~4巻)辺りから徐々に雲行きが怪しくなり、 要所要所で現れる謎の薀蓄と出オチ感あふれる奴ら 『いじめバトル』『いじめっ子探偵』『全自動いじめ装置』など『いじめ』を冠する謎概念の数々 いじめで洗脳する奴、廃人状態から復活変身する奴、愛の力で異常なバフがかかる奴、自称新撰組などが入り混じる異能バトルの頻出 そんな人外魔境の中で一人だけデスノート染みた心理戦をやらされる主人公 などの要素が入り混じった結果、一体どういうジャンルの漫画なのかさっぱりわからなくなっている。 友情・努力・勝利といったバトル漫画の王道要素やボス格へのお仕置きパートなどを指して「本作の『いじめ』はジョジョで言うスタンド」「『いじめ』を題材にしたホビー漫画」などと評されており、 読めば読むほど「あれ…?『いじめ』って何だっけ……」という気持ちになるのは否めないだろう。 一方で、仲島の心理や上記のお仕置きパートなどを見るに『いじめはいけない事』というテーマは一貫しており、いじめに対する啓蒙マンガの体はきちんと保っている……はず。 「いじめバトル」の点を前面に出したプロモツイートはマガジン史上最速で停止されたけど 2021年7月13日深夜についに公式ツイッターが開設されたが、早速凍結を危ぶむ声が出ている。 2021年7月29日に第1話がボイスコミック化されたが、これも以下略。 総じて、「いじめるヤバイ奴」というタイトルはこの上なくこの作品にふさわしい表題なのだが、 いじめる奴以外も本作の人物は大体ヤバい奴なので展開もヤバくなるという認識でいいのかもしれない……。 とりわけ、苗字に色が入ってる女子は全員ヤバい。とりあえずヤバい。 【あらすじ】 1学期(1巻) 心優しい少年であった仲島は、 同級生の少女白咲に毎日のようにいじめを強要され徐々に精神を蝕まれつつあった。 仲島の精神が限界に近付くなか、 いじめを許さない田中の行動によりますます仲島はいじめを続けるのが困難になる。 苦境に立たされた仲島は逆に田中を利用して白咲いじめから逃れようとするが…。 2学期序盤(1巻~3巻) 白咲家での一件を経て白咲の恐ろしさを再認識した仲島は白咲に逆らうことをやめ仮初の平和を享受していた。 しかしその状況は転校生加藤の登場で一変。仲島は平穏を守るため本物のいじめっ子とのいじめバトルに挑むことになる。 そんな孤独な戦いを続ける仲島の前に謎の少女青山が現れ…。 修学旅行編(3巻~4巻) 修学旅行でもいじめが終わることはない。 仲島は京都三泊四日の修学旅行の間ずっと白咲をいじめなければならなくなるが、 青山の提案によりこの機会を利用して逆に白咲を倒す計画を立てる。 しかしその裏で青山は白咲殺害の計画を進めており…。 一方、仲島のいじめに黒幕がいること感づいた加藤も暗躍を始め、 さらに自身の正義を見失った田中にも転機が訪れる。 仲島、白咲、青山、加藤、田中、そしてまだ見ぬいじめっ子といじめられっ子。 それぞれの思惑が交差し波乱の修学旅行が幕を開ける。 文化祭編(4巻~7巻) 修学旅行が終わっても、仲島の白咲をいじめる日常は続く。 文化祭の実行委員となった仲島は、 同じ実行委員であり修学旅行でいじめから救った少女緑田がまたいじめられていることを知り、彼女を守るために奔走する。 文化祭実行委員会の仕事に加え「白咲いじめ」と「緑田守り」のダブルタスクを続ける仲島。 疲労困憊の彼にさらに生徒会のいじめ告発という問題が襲い掛かる。 裏で卑劣ないじめを行っている生徒会の標的とされた仲島に協力を申し出たのは意外な人物で…。 生徒会長選挙編(7巻~11巻) 仲島たちの通う私立矢場高校は文化祭の一件により学校の腐敗した状況が露見し、 姉妹校である私立場井高校に吸収合併され、新たに私立矢場井高校となる。 しかし場井高校は生徒会長徳光の手によって、 学校全体でいじめが推奨されている恐ろしく腐敗した学校であった。 徳光に反抗する少女黒宮の依頼を受けた仲島は、 豪華な生徒会長室を得て白咲をいじめるために生徒会長選挙に立候補する。 会長選挙にはいじめ撲滅を願う田中や、女優になる夢を持つ少女吹石なども立候補し熾烈な争いとなる。 そんな中、仲島は黒宮が白咲と同じ中学に通っていたことを知り…。 いじめっ子覚醒者編(11巻~) 生徒会長選挙での仲島たちの奮闘の結果、 矢場井高校はいじめのない平和な学校となりつつあった。 改めて白咲いじめをやめる決意を固めた仲島は、 白咲との対話を通じてそれを成功させようと考える。 仲島が白咲の通っていた百桜森中学校で起きた事件を調査しようとするなか、 ある意外な人物が救いの手を差し伸べ…。 一方、平和になったはずの矢場井高校にも不穏な空気が漂い始め…。 【登場人物】 主要人物 仲島達也 本作の主人公。 誕生日 10月10日 血液型 O型 身長 177cm 好きなこと ゆっくりお風呂に浸かること 表の顔はクラスに君臨する恐怖のいじめっ子、実態はいじめさせられっ子なのは上述の通り。 簡単に言えば偽サディスト。 本来は自身のいじめ行為にものすごいストレスを感じる程に優しい性格だが、 白咲の恐怖のお仕置きから逃れるため、文字通り命がけの覚悟でいじめを行っている。 ……中盤以降からその努力が明後日の方向に向かっているのはたぶん気のせい。 フィジカル面では他レギュラーキャラに及ばないが、 計画立案力、土壇場での決断力と胆力、不測の事態へのアドリブ能力などは高水準であり、駆け引きなど心理戦の強さは劇中トップクラス。 加えて敵対勢力は仲島を中心人物=最大の脅威として警戒するため、必然的に彼より遥かにヤバい奴らへの注意が疎かになる傾向にある。 要するに、長編における役割は表向きの旗振り役(リーダー)兼囮(デコイ)。主人公なのにとことん不憫である。 一方、仲島も仲島で白咲ばかりに気を取られて、他のヒロインもヤバさではどっこいどっこいな事に全く気付いていないのだった……。 仲島くんのいじめっ子生活概要 学校における白咲いじめは授業時間以外のほぼすべての時間行われていおり、 それもワンパターンにならないように毎回趣向を凝らしている のだがあまりに凝りすぎたせいで胸糞・スプラッタ系から徐々に変なプレイに変遷していく。 休日もいじめの予習や下調べといった準備に時間を割かれており、 学校の外で白咲と出くわした場合ももちろんいじめを強要される。 放課後の業務連絡は基本的に白咲家で行われ、万が一白咲のご機嫌を損ねた場合にはもれなくお仕置きが待っている。 端的に言えば、生活のほぼすべてを白咲に支配されていると言っても過言ではない。 最初の頃は白咲の思考は一切理解できていなかったが、修学旅行編辺りから白咲の思考をある程度読めるようになり、 白咲の怒りゲージを認識でき、テレパシーを行える状態にまで至っている。 白咲花 本作のメインヒロインにしてもう一人の主人公。色つき苗字の女子その1。 誕生日 3月31日 血液型 AB型 身長 157cm 好きな食べ物 ちゃんこ鍋 仲島のいじめられっ子に見えて、実際は仲島に対するいじめさせっ子なのは上述の通り。 簡単に言えばド(S)Mな黒幕。 一見白髪の儚げな少女に見えるが、裏の顔を見せた時の戦闘能力は異様に高い。 加えて、周囲の人間や動物に寒気を覚えさせる威圧感まで出せるが普段は「か弱いいじめられっ子」の偽装を完璧にこなしている。 家は大きな豪邸であるが、一人暮らしらしく家族構成も不明。 ついでに家事全般もまるっきりダメの模様。 長編ではエピローグにて敵のボス格をフルボッコ&お仕置きで廃人化させるトドメ役。 白咲さんのいじめられっ子生活概要 要求するいじめの傾向としては単純な痛みや恐怖を伴うもの、 或いはセクハラ・失禁など自身の尊厳が踏みにじられるタイプを好んでいる模様。 定期的にいじめが行われるようなスケジュールを組み、休日でも仲島と遭遇すればいじめを強要、 当然のように仲島のSNSアカウントは特定済で、挙句の果てにバイト先にまで現われていじめを要求する…… などなど仲島の項で上述した通り、彼の生活のほぼすべてを支配しているといっても過言ではない。 いじめが行われない時間が長引く、いじめ内容がぬるいなど彼女の機嫌を損ねた場合、仲島には恐怖のお仕置きが待っている。 特に印象的なものは1話終盤で本性を現して仲島にぶっ刺したアイスピックと、この作品で最も痛そうな仕打ちであるペンチを使った抜歯行為。 ちなみに、お仕置きは自宅の専用の部屋(マジックミラー仕様)で行われるのでそうそう露見はしなさそうである。無情。 一体彼女の過去に何があったのか?何故いじめっ子役に仲島を選んだのか? 彼女のバックグラウンドに迫ることがこの作品の一応メインテーマでもある。 中学時代の親友に仲島を指して「クラスの中心人物ですごく優しくて私の言うことは何でも聞いてくれて私のために一生懸命尽くしてくれる男」と評し、 仲島以外からいじめられる事も仲島が自分以外をいじめる事も許しておらず、 偶に自分がされるはずのいじめを仲島に行ったりする事などから、 少なくとも何らかの屈折した独占欲を仲島に抱いている事は確実視されている。 田中浩太 仲島達のクラスメイト。 誕生日 6月7日 血液型 O型 身長 172cm 第一志望の大学 京都大学教育学部 上述の通り、序盤のクラス内で唯一仲島のいじめを止めようとしたのだが、 (どうにかして白咲の正体を露見させたい仲島の誘導で)白咲家を訪れた際に恐怖の抜歯プレイを見せつけられ心がへし折れる。 以来、白咲いじめが起こるたびに一人トイレに隠れ震えるようになってしまう。 こうして己の正義を殺された序盤のかませキャラとして終わると思いきや…… 修学旅行に訪れた京都で新選組の刀剣を眺めているうちに、 「たとえどんな苦境になっても新選組は世の理不尽と戦った……だから俺は新選組になる」 という謎の天啓を得て、以降自身を新選組と称するようになる。なんでさ。 新選組という概念を獲得してからは自分の信念を貫くため恐れることなく突き進むようになったのだが、 良くも悪くも表裏がないタイプであまり融通が利かない、 更に身体能力も人並みのため悪人判定した面子に突貫してはだまし討ちや単純な力づくでボコられて気絶するのがお決まりになっている。 一方、出オチ気味な出番とは裏腹に、彼の真っすぐな心意気は屈折した連中の胸を打つようで 後述の加藤などを友人兼新選組メンバーとして迎えている。 そんな田中は仲間からとても慕われており、彼のピンチには全力で助けに入る。 君、女性陣よりヒロインしてない? 新選組立ち上げ以降の仲島との関係は主に「決して相容れない共闘相手」といったところ。 尤も、仲島の方は彼の姿勢を非常に高く買っている。なお、当たり前だが新選組要素には怪訝を示した 以上のように、田中と新選組周りだけ「一度心折れた少年たちの再起劇」になっている。 一度は完全に『いじめ』に屈した彼が本物のヒーローになった瞬間は本作屈指の名シーンである……新選組という概念に目を瞑れば。 矢場井高校合併後の活躍 矢場井高校合併後は権力を持って仲島のいじめを止めるために生徒会長選挙に立候補。 新たに加わった岩瀬も含め新選組として校内のいじめをなくそうと活動を続ける。 その突飛な言動故に中間選挙ではわずか二票しか獲得できず、 さらに投票日には薬師丸に拉致されるなど、劣勢に立たされ続ける。 しかしその地道な活動は場井高生の心に届いており、最終的に矢場井高校の生徒会長となる。 生徒会長となってからは、新撰組を正式な生徒会の組織とし、その活動により学校からほとんどいじめをなくすことに成功している。 その後六峰の企みによりいじめっ子覚醒者が現れ始めるも、 誠心誠意「いじめをしてはいけない」と訴えかけることによりいじめっ子覚醒者を浄化することに成功する。 ただし浄化の際にいじめっ子覚醒者の攻撃を一身に受けるため、浄化は一日三人が限度となっている。 加藤雄介 仲島のクラスに転校してきた少年。 誕生日 9月25日 血液型 A型 見た目は長身イケメンだが、実態は「いじめの末に同級生を自殺に追い込んだ」と噂されるほどのいじめっ子で真正のサディスト。 腕っぷしも頭の回転も優れており、更にいじめっ子としての感覚で対象がいじめっ子か否かを見分けることが出来る。 いじめを強者にのみ許された行為と考え、自分自身の手でいじめる対象を壊すことに至上の快感を覚えている。 上記の噂のような事態は実際には起きていなかったようだが、元々集団行動が苦手な面もあり積極的に訂正する気はなかった模様。 転校前から噂の影響で誰も寄り付かず、彼自身も上記の信条故に単独でいじめを行う事に拘っている。 転校して早々仲島の白咲いじめに対して、いじめの主導権を争ういじめバトルを行うも敗北。 その経緯で仲島が真のいじめっ子ではないことを悟り、彼の背後に存在するであろう「黒幕」を暴く為の行動を始める。 そして、修学旅行中に「黒幕」暴きの準備を行っていたが…… 『いじめっ子の仲島を止めたい』田中を自分と同じ目的を持つ人物と勘違いして利用しようとする、 「黒幕」と見なした青山に事実上の宣戦布告をしたりと、絶妙に噛み合わない事態が続く。 そして、修学旅行最終日に「黒幕」を苦しめる目的で仲島をいじめるが、その事に激昂した白咲の襲撃に手も足も出ず敗北。 世にも恐ろしいお仕置きを受け、見るも無残な状態と化す。 ボロボロになった彼に手を差し伸べたのは、都合よく利用しようとしていた筈の田中だった……。 修学旅行以後はお仕置きの後遺症で髪の毛は真っ白、常に木の杖を使い、顔は気の抜けた絵柄の漫画みたいに描かれ、 当初からすっかり様変わりしてしまった(通称・廃人状態)。 いじめられる弱者の立場を身をもって味わった事、田中の真摯な言動に救われた事から性格もすっかり丸くなり田中とは親友関係を築いている。 尤も、白咲から視線を向けられるだけで震えが止まらなくなるなど、彼女への恐怖心をばっちり植えつけられてしまっているが……。 だが、とある事態をきっかけに廃人状態から数分間だけかつての姿に戻る力を身に着け、親友(田中)の窮地を救う変身ヒーローの立ち位置に収まる。 後に変身の制限時間も無くなったが、白咲を目の前にすると変身を強制解除されるという弱点は残っている。 ……そもそも、『廃人』ってこういう事だっけとか言ってはいけない。 田中が生徒会長となってからは生徒副会長となっており職務に励んでいる。 青山紗季 仲島の同級生で、長い黒髪と抜群のスタイル(胸)をもつ美人さん。色つき苗字の女子その2。 誕生日 1月14日 血液型 AB型 身長 163cm 嫌いなこと 離婚 学校の屋上で仲島と白咲の会話を偶然聞き、両者の真の関係を知った上で仲島に対白咲の協力を申し出る。 ヒロインとしてのポテンシャルはかなり高く、料理を初めとした家事能力は抜群。 腕っぷしも強く困難に対しては力押し(物理)で強引に突き進むことが多い。 更に、見様見真似で武術の奥義を体得するなど明らかに出る漫画を間違っているキャラの一人。 「友情なんてくだらない」と思っているらしく、基本的に単独で活動しており普段は屋上や木の上で読書をしている。 ただし…… 仲島に協力を申し出た本当の目的は、白咲を排除して運命の人(と勝手に思い込んだ)仲島と結ばれる事。 「愛だけが欲しい」という考えを持ち、執着した事柄に対しては文字通り『なんでもする』一方で、 興味のない事にはとことん無関心という割り切った性分の持ち主。 更に自室には仲島の写真が大量に貼ってあり、毎朝写真の仲島に挨拶したりキスしたりしている。 要は、ヤンデレやストーカー寄りのちょっとヤバい人。 ただしそのヤバイ部分が仲島本人に向かうことはなく、むしろ仲島のためになる行動をとることが殆どである。 初登場時に提案した対白咲の方針が「白咲を(この世から)排除する」というぶっ飛んだ代物だったため当然仲島は拒絶。 以後仲島の前では猫を被っており、仲島からは「家庭的なか弱い女の子」だと思われている。 いや、流石に気付こうよ仲島……。 基本単独で行動するという本人の性質上、土壇場で唐突に現れて自分に都合の悪い連中=仲島の敵対勢力に損害を与えていく、 ランダムエンカウントする強エネミー的なポジションに収まっている。 ……このようにとんでもないヒロインではあるが、 『他の奴らの方が遥かにタチが悪い』というあんまりな理由で本作の主要女性陣の中では比較的まともな部類の扱いである。 また選挙編以降友情などの人間性も獲得しつつあり、相対的にかなりまともになりつつある(それでもかなり危険な人物だが)。 緑田夏香 仲島と同学年の女子。色つき苗字の女子その3。 誕生日 8月20日 血液型 B型 身長 150cm(アホ毛込み時210cm) 元々いじめられっ子であり、修学旅行中に仲島に助けられたのを切っ掛けに好意を抱くようになる。 と、ここまではよかったのだが…… 仲島を理想の騎士様(あるいは勇者、王子、またお嬢様を守る執事)と考え、 「ずっと仲島に守ってもらうにはどうすればいいか」→「また誰かにいじめられればいいんだ!」 というぶっ飛んだ発想に至り、以来自分を程よくいじめてくれそうな悪い奴らを求めるいじめられたがりっ子と化した。 一見判り難いのだが、彼女にとっていじめられる事は「目的」ではなく「手段」のため特にそっちの趣味はない。 そのため、ひとたび都合が悪くなると自分にいじめの矛先が向くように取り入ったグループにとって不利になるような行為に走る。 加えて、登場するたびに頑丈さがインフレしていき、 しまいには顔に飛んできた投げナイフが突き刺さらずそのまま落ちる程の異常な防御力の持ち主になってしまった。 (こいつにはやはりナイフも効かんか…) さらにアホ毛も自律稼働するようになり、途轍もない防御力の持ち主となった。 総じて、ヤバイ奴だらけの本作でも 基本的に欲望のまま行動している上に、誰も彼女の動機を正確に把握していないっていうか理解しようがない 上記の取り入ったグループに対する不利な行動を文字通り致命的なタイミングでやらかす あげくその頑丈さを盾に「私をいじめろよ」と迫ってくる など、要所要所で地雷のように爆発して状況をひっかき回すトップレベルのヤバい奴になってしまった。 ……どうしてこうなった。 名前通り作画的には緑色の髪と瞳が特徴で、片目メカクレかつアホ毛も搭載した欲張りセットなキャラ。 加藤らと同様にキメるシーン以外はほぼ適当作画という割り切った描かれ方をしている。 決して盾の後輩とか黒いウマ娘とかと比べないように 自室はお菓子やら漫画やらで散らかり放題、ゲーム完徹プレイの末に家族に着替え歯磨きをやってもらう、 など私生活はかなりだらしない模様。 ちなみにゲーマーとしての腕は本物であり、プレイヤーネームは本名の「ミドリダ」。 その名はどのタイトルでも必ず上位勢として名が挙がるほどの、まさにネトゲ界の神のような存在であるらしい。 ゲーム実況チャンネルもあり、登録者は50万人を超えるらしい。 (元)矢場高生徒会 如月 (元)矢場高の生徒副会長。 容姿・学力・身体能力・家柄に恵まれ、また一年生にして生徒副会長に抜擢されたことから「奇跡のスーパー王子」とも呼ばれる学校内の人気者。 表向きには学校内外から圧倒的な信頼を得ている好人物として振舞っているが、 裏では生徒会ぐるみで「いじめ奴隷」を生み出し娯楽でいじめを行っている卑劣な人物。 田中から仲島のいじめについて相談を受けたことをきっかけに、文化祭のミスターコンで仲島のいじめを大々的に告発する計画を立てる。 さらに文化祭後は田中もいじめ奴隷にしようと画策するが、その計画を加藤に知られたために仲島たちと争うことになる。 当初は緑田いじめの犯人が仲島であると勘違いしていたが、いじめが緑田による自演だと知ると、新たに緑田もいじめ奴隷に加えている。 その本性は善意のない悪人でありながら、他者から崇拝されたいという願望の持ち主であり、 ミスターコンでの仲島の告発でその願望を満たそうとするも、仲島の本物のいじめには敵わず目論見は失敗。 さらに緑田・青山・白咲などの行動により生徒会の正体が露見してしまい完全に敗北する。 その後自身に好意を伝えた会長を利用して罪を逃れようとし、さらにほとぼりが冷めるまで海外留学しようと画策するが、 白咲のお仕置きを受け廃人同然の状態と化す。 他の廃人とは異なり精神がほぼ完全に崩壊しており、 矢場井高校合併に際しては白咲と徳光が潰し合うことを願い狂ったように笑っていた。 その後… 矢場井高校合併後は正気を失った状態で学校を徘徊し続けていた。 しかし六峰転校後、彼のカウンセリングにより正気を取り戻し、変身能力も獲得。 仲島たちへの強い復讐心をもとに六峰に協力するようになる。 学校徘徊のお陰で校内のあらゆる仕掛けや隠し通路を把握しており、それらを自在に操れる能力を持つ。 その能力と新選組へのスパイ活動によって慎重かつ徹底的に仲島たちを追い詰めようとしている。 会長 (元)矢場高生徒会長。カチューシャが特徴的な少女。 本名不明。生徒会長でなくなってからも会長と呼ばれていることなどから、名字が会長である可能性が高い。 生徒会の中では会長という立場にいながらあまり目立たない人物。 密かに如月に想いを寄せており、生徒会のいじめに同調していたのも如月に嫌われたくなく、一緒にいたかったから。 文化祭で生徒会のいじめが白日に晒された直後、如月に想いを告げその罪を被ろうとまでしたが、最終的には如月への思いは吹っ切れた模様。 その後は「けじめを付けたいことがあった」ために長かった髪を切っており、如月のことも「クズ男」呼ばわりしている。 生徒会メンバーで唯一文化祭後入院しておらず、矢場井高校合併後は一人矢場高生徒会の執務を行っていた。 その後、徳光について如月から聞いていたこともあり、仲島に生徒会長選挙立候補を依頼し、彼の後援会につく。 合併後は妙にお色気ネタを言うことが多くなっており、自分を大事にしてくれる男性を求めるようになっている。 木戸 (元)矢場高生徒会役員の眼鏡をかけた少年。 冷静で頭もかなり冴えているだけでなく、如月曰く生徒会でも容赦の無さは随一であり、「いじめ奴隷」に対する「いじめ調教」の手法を確立した人物。 文化祭当日には仲島の誕生日を祝う計画を破綻させられた青山の怒りを深く買っており、彼女の攻撃を受ける。 その際に青山を新たないじめ奴隷にしようと考え尾本を使役しようとするも、通用せず殺されかける。 その後は他の生徒会の役員共々入院。青山について訴える意思はなく、因果応報と捉え更生しつつある。 選挙後は六峰の洗脳を受けており、いじめっ子パニックで覚醒者の一人として暴れている。 猫木 (元)矢場高生徒会役員で名前の通り猫のような顔をした少女。語尾に「にゃ」を付けるなど口調も猫っぽい。自宅には多数の猫がいる。 どことなく軽薄な感じで生徒会のいじめも楽しんで行っている。隠密行動が得意らしく、仲島のいじめ動画の撮影を行った。 手の爪を一瞬で伸ばすことができ、ある程度の戦闘能力もある。 文化祭では仲島のいじめ動画の管理をしており加藤に狙われるが、逆に加藤を岩瀬の元へ誘き寄せることに成功している。 緑田に生徒会のいじめ動画を流された際には木戸とともに動画を仲島のいじめ動画に変えようとするが、青山の一撃を受け倒れる。 その後は他の生徒会の役員共々入院。木戸同様青山について訴える意思はなく、因果応報と捉え更生しつつある。 退院後は会長から生徒会選挙で仲島の後援者になるよう勧誘される。 罪を償う意識もあって快諾しようとするが、その直前にパンダの被り物をした人物の襲撃を受け再び入院することとなる。 選挙後は六峰の洗脳を受けており、いじめっ子パニックで覚醒者の一人として暴れている。 岩瀬隆 (元)矢場高生徒会役員である少年。 誕生日 9月10日 がっしりした体格で(加藤を除けば)矢場高一の怪力の持ち主。勉強は苦手らしい。 生徒会の中で唯一直情的な部分が見え隠れしており、自身の腕力で弱者を痛めつけることを好んでいた。 文化祭前のいじめのない期間中生徒会で最もストレスを溜めており、文化祭では仲島のいじめ動画を奪おうとした加藤をいじめる。 その途中加藤を助けに来た田中を一撃で気絶させ、さらに田中と加藤の友情を嘲弄するが、それにより覚醒した加藤に敗れ入院する。 元より丈夫な体をしていたため生徒会で一番に退院しており、田中と加藤に謝罪し許される。 その後二人を自分が今まで出会った誰よりも強い人物と考え、その強さの理由を知るために新選組に入る。 選挙投票日には田中を倉庫に幽閉していた徳光陣営の井本を倒し、さらに薬師丸と激突。 薬師丸の圧倒的なスピードの前に追い詰められるが、その戦いの中で自分が田中や加藤と友情を育んでいたことを自覚。 仲間について加藤が語っていたことを理解し、本当の強さを手に入れたことが加藤の完全覚醒に繋がることとなる。 田中が生徒会長となってからは生徒会書記となり仕事に励んでいる。 また前川と交際を始め、その点について加藤と痴話喧嘩をするようになる。 その他の元矢場高関係者 尾本 (元)矢場高生徒会に「いじめ奴隷」にされていた少女。「いじめ奴隷」時代にはポチと呼ばれていた。 「いじめ奴隷」の中でも特に優秀な存在であったらしく、主に生徒会がいじめを行っている間の見張り役を担っていた。 高い気配察知能力を獲得しており、それにより仲島と加藤が生徒会のいじめ動画を撮影するのを阻止していたが、青山の攻撃は防げなかった。 青山に生徒会のいじめ動画を撮影された際には青山の「仲島が生徒会を倒す」という趣旨の言葉を信じて報告しなかった。 文化祭では青山をいじめ奴隷にしようと考えた木戸に呼び出されるも、青山の言葉を信じて命令に逆らい、洗脳から脱け出す。 生徒会長選挙では(おそらく青山がいたから)吹石の後援者となっている。 吹石晴美 女優を夢見て矢場高文化祭のミスコンに参加した少女。本作では数少ない常識人。 初登場時はインスタのフォロワーが三万人を超えており、いくつかの芸能事務所から連絡が来ていたほどの人物。 ミスコンで優勝し本命事務所に実力を見せようとするも、 青山の存在感に敗れ優勝を取り逃し、本命事務所からの連絡やインスタのフォロワーの一部を失う。 その後は矢場井高の生徒会長を夢の足掛かりとすることを考え、生徒会長選挙に立候補。 その際仲島が生徒会長になれば一緒に過ごせる時間が減るかもしれないと、うまく青山を口車に乗せて後援会に加える。 さらに尾本も後援会に加わり、美女三人衆を全面に押し出す作戦に出る。 当初はあくまでも選挙を自分の夢のため利用しようと考えていたが、 徳光陣営による矢場高生の襲撃などをきっかけに、徳光を倒し学校からいじめをなくすことを目標とするようになる。 いじめっ子パニックの際は、当初尾本とともにオーディション用歌唱データの録音をしていたため騒動に気づいていなかった。 いじめっ子覚醒者の襲撃には、いじめっ子の演技をしてその場を凌ぎ、青山の助けにより尾本とともに生徒会室に避難することになる。 小杉礼二 矢場井高生徒会長選挙の立候補者の一人。爽やかで独特な髪形をしたどこかナルシストにも見える少年。 実は中学時代いじめられており、いじめられるのもいじめられてる人を見るのも嫌っている。 合併前の矢場高ではいじめのない幸せな生活を送っており、いじめを推進する徳光には反対であった。 中間選挙での得票数は6人中4位の絶望的なものであり、 吹石から徳光が王手をかけているという情報を聞いてからは完全に勝利を諦め、 徳光を倒す可能性が最も高い仲島への支持を表明し立候補を辞退する。 早川 文化祭以前に緑田をいじめていた主犯。水泳部のエースで全国トップクラスの潜水記録を持つ。 いじめのアリバイ作りのため神社の池に潜って泳ぐというぶっ飛んだ行動をしたかなりの強者。 クラスを恐怖支配してうまくいじめを隠し通していたが、修学旅行中滞在先の旅館で従業員からいじめを目撃される。 誰が誰をいじめているのかは露見しなかったものの、 それにより教師の見回りが強化されたことに怒った「いじめっ子探偵」仲島と彼に恐怖支配された同級生らにいじめを追及される。 最終的には白咲の正当防衛によって串刺しにされ病院送りとなり、いじめも発覚したことで退学となる(他のいじめ仲間は停学)。 阿部 仲島のクラスの担任で四角い眼鏡をかけた一見無個性な男性英語教師。矢場高が場井高に合併されてからも同職に就いている。 未成年との援助交際を行い、学校で風俗のサイトを見て予約するなど、かなり問題のある教師。 援交現場を捉えた写真を仲島に握られており、彼のいじめを黙認している。 また矢場高生の欠席が続出した際には人が減るとわくわくすると言うなど、やや不謹慎な部分のある人物。 一応社会人としての常識や良識は持ち合わせており、学校の腐敗した状況も認識している。 脅迫されているためでもあるが仲島には協力的であり、 いじめが表沙汰にならないよう忠告したり、彼が生徒会を倒そうとした時に助言を送ったりしている。 生徒会選挙後には悩む仲島に対しいじめをやめればいいと助言している。 校長 私立矢場高校の校長。口髭が特徴的な中年男性。 世間体のみを気にする事なかれ主義の腐った大人であり、いじめ問題などには積極的ではない。 修学旅行で旅館の従業員にいじめが目撃された際には、学校の醜聞をこれ以上晒さぬため教員の見回り強化を指示した。 いじめの犯人が早川たちと分かると、彼らに処分を下し見回り強化をやめるが、この一件でいじめに対してかなり神経質になる。 その後文化祭で生徒会のいじめが世間に露呈したことで学校の腐敗が発覚し、校長職を辞任することとなる。 徳光陣営 徳光貞志 元場井高の生徒会長。場井高をいじめ学校に変えた張本人。 おそらく読者に最も本名を覚えられている人物。 恵まれた家柄に生まれ、あらゆるジャンルで誰にも負けない成績を残してきた極めて優秀な人物であり、凄まじいカリスマ性の持ち主。 中学時代からカリスマ生徒会長として生徒の心を支配しており、当時後輩であった如月にも影響を与えている。 いじめを崇高な行いと考え、自分や学校、ひいては国の発展のためにはいじめが必要だと考えるかなりヤバい人物。 その他いじめをおかずにして美味しく白米を食べるなど、いじめに対して強い思いを持っている。 世の中の人間を優秀なエリートとそれにいじめられるものの二種類で考える強い選民思想の持ち主でもあるが、その分優秀な人物には寛容であり、 矢場井高校生徒会長選挙では元矢場高生である緑田を自身の後援会に加え、敵である仲島も自身の仲間に引き込もうとしている。 生徒会長選挙では多くの場井高生の支持により序盤から優位に立っていただけでなく、 仲島が中間選挙の提案をした際にはその意図を一瞬で見抜き提案を一度は拒否するなど、強敵として君臨。 中間選挙では仲島に次ぐ2位の得票数であったが、これは仲島陣営を油断させるための票操作によるもの。 その裏で仲島の支持基盤である元矢場高生が投票できないようにいじめで欠席に追い込み、最終的に100人近くの元矢場高生をいじめる。 投票日当日まで仲島たちの一歩先を行き、 投票後には吹石票が仲島に譲渡されないよう武力行使に出て、仲島の優しさをも見抜き利用する。 しかし緑田の思わぬ裏切りによって形成が逆転。緑田の異常な言動と肉体の頑丈さに恐怖を覚え気を失うが…。 徳光霧矢 徳光貞志のもう一つの人格。 誕生日 11月20日 血液型 A型 貞志よりも気性が荒く、普段は表に出ないよう貞志に強く封じられている。 この人格が表に出ると髪の毛を一房前に垂らすようになる。 知識や記憶は貞志と共有しており、貞志同様優れた頭脳の持ち主。 加えて肉体を最適な思考・意識で動かすことができるために非常に高い戦闘能力を持ち、その強さは徳光陣営の誰もが敵わぬほど。 戦闘においては投げナイフを主な武器としており、高い分析能力により的確な行動を可能にしている。 また洗脳能力も貞志を上回り、洗脳したものを自分の指笛や口笛の音色で自在に操ることができる。 これは単に場井高生だけでなく、自宅に待機させている訳アリの実力者たちも自由に使役できる。 生徒会長選挙終盤にて緑田に恐怖した貞志が気絶したことで表に現れる。 緑田の特性を瞬時に見抜いて攻略し、洗脳した場井高生を仲島たちに見せつけて圧倒する。 しかし開票結果は田中の勝利に終わり、登場直後に敗北することとなる。 その後選挙を仕切り直し再び会長に返り咲こうと画策するも、白咲の襲撃を受ける。 いじめ調教した実力者たちも使って白咲を撃退しようとするも、あっさり敗北し強烈な制裁を受けることになる。 その後… 白咲から制裁を受けた後は加藤などと同様に廃人と化し、杖が必要になったほか、髪も白くなり頭頂部が禿げ上がってしまう。 また制裁直前に人格を貞志に切り替えたため精神ダメージは抑えられたが、結果として貞志の人格が消滅する。 これにより白咲に悪態もつくことができ、また1日1時間だけ元の姿に変身が可能となる。 また明晰な頭脳はそのままであり、金の力によって場井高生などを使役できるなど、廃人状態でもかなり優秀。 廃人となってからは色々と辛いこともあって過去の自分の行いについて反省しており、その罪を償おうとしている。 そのため仲島が白咲の過去の調査を計画していることを知った際には協力を申し出ており、以後仲島と友情を育むことになる。 調査旅行にも同行しており、仲島とは異なる視点から事件について考察し、ある違和感をもとに単独で再調査を行う。 その際に六峰の襲撃を受けてしまい、仲島に六峰について伝えられないことを悔いながら凶刃に倒れる。 川園 徳光の側近。 森田 徳光の部下の中でも特に戦闘能力が高い三人のうちの一人。ほとんど常に微笑んでいる優男風味の人物。 高い戦闘技術と五感を有するほか、絶が使えるなど負けない術を持つ戦闘のプロのような人物。 生徒会長選挙では、矢場高生の票を減らすためにコアラの被り物をして矢場高生を襲撃していた。 その際にウィッグを付けていた青山も誤って襲撃し、彼女の危険性を認識している。 投票日当日には吹石票が仲島へ譲渡されるのを防ぐため、選挙管理室に向かう仲島たちを奇襲。 会長や尾本を攫うことに成功するも、迷宮内にて煙幕にまぎれた白咲の一方的な暴力を受け戦意喪失する。 六峰の洗脳は受けておらず、いじめっ子パニックの際にはなぜか黒宮と行動を共にしている。 前川 徳光の部下の中でも特に戦闘能力が高い三人のうちの一人。高名な武闘家の一人娘であり幼い頃から一度も恋をせずただ修行に明け暮れていた。 初めての誕生日プレゼントは14歳の時腕試しとして与えられた熊であり、それ以来男にも女にも熊にも負けたことがなかったという。 生徒会長選挙投票日には吹石の票が仲島に譲渡されることを直接阻止するために行動。 その途中に偶然青山と遭遇し、衝突する。 武器を持たない青山相手に優勢に立ち回るも、究極奥義「三岐大蛇」を完全にコピーされ敗北する。 そのまま青山に殺されそうになるも、恋を知らずに死ぬのは残念という理由で見逃される。 そこで自分も普通の女の子らしく恋などがしたかったと自覚し、選挙後は岩瀬と交際しているが、そのことで加藤に嫉妬されている。 薬師丸海斗 徳光の部下の中でも特に戦闘能力が高い三人のうちの一人。長髪のイケメン。 誕生日 7月9日 高いパワーと圧倒的なスピードの持ち主で、暇つぶしでやったボクシングでいきなり大会優勝したほどの実力者。 生徒会長選挙では徳光の勝利がほぼ確定していたために退屈を感じており、 退屈しのぎに最終演説直前に田中を攫い、いじめで心を折ろうと考える。 井本を倒した岩瀬を圧倒するも、完全に覚醒した加藤には敵わず敗北する。 その後、田中達新選組のもとに謝罪に訪れた際、数学が得意であったことから新選組に入り生徒会の会計を担うことになる。 新選組の中では自分が最も頭脳派であるという自覚がある。 いじめっ子パニックの際は加藤・岩瀬とともに田中の救出に動くが、如月の策によりモンスターハウスに入れられる。 待ち構えていたラジコン部部長飯田を難なく倒しモンスターハウスを脱出するも、そこで加藤を探す栗原と遭遇。 新選組に迷惑をかけないために捨て身の策まで使い一人で栗原を倒そうとするも、圧倒的な強さの前に敗れる。 井本 徳光陣営の一人である非常に大柄な少年。 温厚な性格らしいが、自分より小さいものが調子に乗ることを許さない人物。 薬師丸が田中を倉庫に監禁した際に見張りを任されていたが、鍵を掛け忘れており、岩瀬に見つけられてしまう。 その後岩瀬との戦いに敗れ、最後は薬師丸に倒される。 茶髪で目つきの悪い奴 徳光陣営の一人。本名不明。 特にこれといった活躍も見せないまま生徒会長選挙投票日に黒宮に倒された。 その他の元場井高関係者など 黒宮 元場井高校の女子生徒。色つき苗字の女子その4。 誕生日 10月29日 血液型 A型 身長 160cm 好きな食べ物 焼き芋 徳光に心酔していない数少ない人物であり、反徳光のレジスタンスとして密かに活動していた。 偶然出会った仲島を見込んで生徒会長選挙への立候補を依頼。以降裏方として情報提供などの支援を行っている。 ちなみに中学時代は白咲の同級生だったらしく、白咲は自身のいじめ関連のネタを覚られないようにしている模様。 しかし…… 中学3年の時に起きた白咲に関わるとある事件において、渦中にあったクラスの学級委員であったことが判明している。 会長選挙当日には襲ってきた徳光陣営の茶髪モブをいつの間にか撃退しており、現時点では戦闘能力もその真意も未知数の存在。 宮内弘樹⇒徳光貞志 矢場井高生徒会長選挙立候補者の一人。 誕生日 8月2日 自身の青春だったネトゲ部の復活のために立候補した、これといって特徴のない少年。 打倒徳光という共通の目的を持つ仲島に自身の票を譲渡すると打診したのだが……。 その上で彼が選んだ手段はなりふり構わないという言葉で収まるようなものではなかった。 わざわざこの選挙で勝つためだけに、自身の名前を「宮内弘樹」から「徳光貞志」へと公的に改名し、誤投票を目論むという 正気の沙汰とは思えない奇策を披露した。 母親の旧姓が「徳光」である事に目をつけたのが作戦を思いついた理由であり、その経緯で両親に離婚してもらうという無茶をやらかしている。 だが、会長選挙は混乱を避けるため登録時の「宮内弘樹」の名前で投票を行うこととなったため作戦は不発。 自身の捨て身の行動が無駄になった事に思わず号泣。最終的に仲島の支持を表明して立候補を辞退する。 当初はモブ同然の存在だったのに、上記の狂気じみた作戦1つでこの作品屈指のヤバい奴判定を受けたとんでもない人物。 生徒会長選挙後は悲願のネトゲ部復活を成し遂げた。 その後…… ネトゲ部部長として部活連会議に参加した際に六峰の洗脳を受けいじめっ子覚醒者となってしまう。 その後カラオケで六峰の命令により緑田をいじめようとした際、 彼女が自分の最も尊敬する人物「ミドリダ」であることを知り、 さらに自分が何者かにいじめっ子になるよう洗脳されていたことに気づく。 ミドリダを差し置いて何者かが自分を手下として扱おうとしたことを許さず、 ついには自力で六峰の洗脳を解除し、ミドリダに忠誠を誓う。 こうして緑田軍団副団長となった徳光は、王の命令により手段を問わず六峰の弱みを握ろうと動き出す。 当初は六峰について悪い情報を一切見つけられなかったが、六峰の担任である阿部を援交について脅迫し、六峰の履歴書を入手する。 百桜森中学の事件について知った際にいじめっ子パニックが発生。 その隙に六峰のパソコンを奪おうとするが、六峰に洗脳されたいじめっ子の妨害を受け窮地に陥る。 赤谷 矢場井高校美術部部長。色つき苗字の女子その5。 誕生日 5月25日 血液型 O型 身長 157cm 赤髪ツインテールとお嬢様口調が特徴的で、仲島曰く神々しさすら感じるオーラの持ち主。 芸術家としての腕は確かで、数々の賞を獲得しているらしい。 一見清楚なお嬢様に見えるが… 実は好きな男子をいじめたいという性癖の持ち主であり、 それにより度々問題を起こし、数々の学校で退学を繰り返してきた危険人物。 本人曰くいじめは極上の愛であり、いじめたいという欲望は一種の性欲と同じらしい。 いじめができないときは対象をいじめている絵を描いて欲望を処理している(本人曰く春画)。 現在は仲島に何故か惚れており、いじめっ子覚醒者のふりをして度々仲島にいじめを仕掛けているが、 いじめを極めた仲島に対しては通用していない。 いじめっ子に溢れた世界を創りたい六峰と利害が一致しているため協力関係を結んでいるが、 あくまでも最優先は仲島であるため、完全に六峰の味方ではない。 他の色付きの例に漏れず、高い戦闘能力の持ち主。 戦闘スタイルは鎖付きの首輪、巨大な網、ネイルガン、ラジコン、化学兵器など、多様な武器を次々取り出して駆使するというもの。 栗原 矢場井高校剣道部主将。 強そうな人物を見つければすぐに勝負を挑もうとする戦闘狂であり、本作では珍しいいじめと特に関係のないヤバイ奴。 一方で銃刀法違反を恐れ普段は木刀を竹刀に偽装するなど、妙に常識的な部分がある。 本人曰く己が一番強いことを証明しようとするのは生物の本能であり、それに従って生きているだけとのこと。 その強さは本物であり、加藤や赤谷も強者と認めるほど。 精神も強靭で、赤谷を除く部活連メンバーの中で、唯一六峰の洗脳が通用していなかった。 また強者を見抜く目も確かであり、いじめっ子覚醒の黒幕を探る仲島と話した際には、 彼から多くの修羅場を潜り抜けたもの特有のオーラを感じ取り、勝負を挑もうとした。 仲島を攻撃しようとした際には、彼を守ろうとした加藤・赤谷と激突し、最終的に赤谷の催眠ガスによって眠らされる。 いじめっ子パニックの際は、加藤と赤谷を探しながらいじめっ子覚醒者を一人倒し続けていた。 その後加藤の居場所を知るために薬師丸と激突し、勝利する。 百桜森中学校関係者 矢野アズサ 白咲の百桜森中学校時代の親友。現在は地元の女子高に通っているが、今も白咲との交流は続いている。 アイドルになることを夢見ており中学の頃からダンススクールに通っている。 中学時代は白咲と西山恵美との三人でよく過ごしていたらしい。 矢場高の文化祭前に白咲とともに西山恵美の墓参りをしており、その際に互いの近況を報告している。 現在白咲が仲島にいじめをさせていることなどは知らず、また彼女から仲島たちには白咲の過去について悪し様に語るよう頼まれている。 西山恵美 百桜森中学校少女刺殺事件の被害者。白咲と矢野の親友であった人物。 中学三年生の時は白咲とは別のクラスであり、主に三人の同級生女子からいじめられていたらしい。 自分をいじめていた女子生徒に教室で刺殺されたらしく、 その原因はいじめがエスカレートしたことによるものとされているが、詳細は不明。 数学教師 百桜森中学校の女性数学教師。実家は書店を営んでいる。 西山恵美が殺害された事件について、いじめに気づけなかったことを悔いている。 事件について調べていた仲島と霧矢に接触し、その意思を確認するためにRSA暗号を用意する。 六峰 西山恵美の死後百桜森中学校に転校してきた少年。白咲や黒宮とは同学年。 人当たりのよい爽やかな人物で、すぐに他人と打ち解けることができ、知らない人の相談にも乗るような人物。 また凝り性な部分があり、気功など様々な技術を持っている。 12月になってから矢場井高校に転入して仲島たちと同級生となり、すぐに校内の人気者となる。 その正体は… 爽やかな人気者としての姿は演技であり、その本性はかなりの悪人。 全ての人類がいじめっ子となった世界を創るため暗躍している。 他人の感情が読めるという特殊な技能を持ち、巧みな話術と組み合わせていじめっ子覚醒者を生み出している。 この技能は戦闘でも用いられ、霧矢を上回るほどの極めて高い戦闘能力を持つ。戦闘の際には鋏を武器とする。 白咲の正体を知っており、西山恵美の死にも関与しているなど、謎の多い人物。 仲島と霧矢が百桜森中学校に調査に出向いた際は彼らを尾行し、特に危険と感じた霧矢を襲撃する。 その後は部活連を始めとして矢場井高校内に次々といじめっ子覚醒者を生み出し始める。 その他の人物 喜の感情しか持たない赤ん坊 徳光霧矢が使役した人物の一人。本名不明 見た目は禿げた髭面で筋骨隆々な中年男性であるが、作中では一貫して赤ん坊と呼ばれている。 呼び名の通り喜の感情しか持っておらず、常に「きゃっきゃ」と嬉しそうな声をあげている。 その行動は徳光の口笛などの音色によってのみ決定づけられるため、感情の読める六峰にとっては厄介な敵であった。 徳光が六峰に敗北した後はどこかへと姿を消した。 【用語など】 私立矢場高校 文化祭編までの本作の舞台であり、仲島たちが通っていた高校。首都圏にある。 文化祭編で初めて学校名が明らかとなった。仲島によるとそこそこの偏差値の学校であるらしい。 仲島の担任阿部によると世間体のみを気にする学校であり、いじめなどの問題には積極的に取り組まない。 生徒副会長であった如月の父親が多額の寄付をしていたらしく、生徒会のいじめ動画も握りつぶされていた可能性が高いほど腐敗した学校となっている。 阿部の「この学校お前が思ってるよりはるかに腐っているぞ」という発言が全てを表している。 修学旅行は一年生が京都へ三泊四日で行くものであり、文化祭ではミスターコンとミスコンが行われた。 文化祭で生徒会のいじめが世間に露呈してからは学校の腐敗も明らかとなり、校長を始めとした学校上層部が辞任。 それをきっかけに姉妹校であった場井高校に吸収合併されることとなったが、合併後もクラスなどは据え置きである。 私立場井高校 矢場高の姉妹校。場所も矢場高に近いものと思われる。 仲島によると本物の一流校であるらしく、成績優秀な生徒や恵まれた家柄の生徒が多く、品がいいらしい。 また部活もハイレベルなものが多いらしい。 全国でも有数の進学校というだけあり、国の政財界には多くの卒業生がいるらしい。 生徒の自主性を尊重するという理念から生徒会に与えられた権限も大きく、 役員一人一人に専用の個室が与えられ、特に会長の部屋は豪華なものとなっている。 徳光が生徒会長となってからは、 家柄が低くかつ成績下位である一割の生徒を下民と見下しいじめることが推奨された、いじめ学校と化していた。 その体制はいじめられている側も受け入れ、さらに教員までもが学校の業績が上がったことから黙認しているほどの腐敗したものであり、 各種業界にいる卒業生に握りつぶされ世間にも公表できない状態であった。 後の吸収合併で矢場高の生徒全員と職員を受け入れられるほど校舎が広く、 ・なぜか誰も手入れせず異常に草木が生い茂っている「樹海の中庭」 ・昼間でもなぜか真っ暗な「音楽室前の暗黒廊下」 ・迷宮のようになっており二度と戻らなかった者もいるという「迷いの廊下」 など、訳の分からないダンジョンも多数存在する。 私立矢場井高校 矢場高が場井高に吸収合併されてできた学校。文化祭編後の本作の舞台。 クラスなどは据え置きであるが、校舎や制服など多くの部分が場井高のものとなっている。 既刊11巻現在校章の生産が追いついておらず、制服に校章がついているのが元場井高生、ついていないのが元矢場高生と判別できる。 合併直後は徳光の敷いた体制により元矢場高生は元場井高生の下民よりも下の存在と見下されていた節があった。 生徒会長選挙は非常に盛り上がった行事であり、投票日には生徒が校内で出店を運営し一種の祭りの様相を呈していた。 百桜森中学校少女刺殺事件 市立百桜森中学校にて3年生の女子生徒が同クラスの女子生徒を包丁で刺殺した事件。 加害者生徒も直後に自身の首を切り死亡したため、動機不明で現在も捜査が続いている。 被害生徒は加害生徒にいじめられていたらしく、いじめがエスカレートした末に起きた悲劇とされている。 事件については学校内で箝口令が敷かれており、外部の者が詳細を知ることは難しい状態になっている。 事件の原因となったとされるいじめは、加害生徒を含む三人の女子生徒が中心に行っていたらしく、 残る二人の女子生徒も後に不幸な目に遭っているらしい。 被害生徒の西山恵美と白咲は親友であり、その死を最も近くで見ていたのも彼女らしい。 矢場井高校部活連合 矢場井高校の全ての部活動からなる連合組織。 互いに健全な活動をするため協力することが目的とされている。 各部の代表者が集まった定期会合が行われており、生徒会も参加する時がある。 六峰が最初にいじめっ子覚醒者を生み出した組織でもある。 追記・修正のほどよろしくお願いします -アニヲタWiki- △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] 事前作成分の文章量が想定より多くなってしまい、一部だけを載せました。人物一人の説明があまりに冗長で申し訳ございません。可及速やかに文章を削り他の人物についても書きます。他の皆さんも躊躇なく加筆修正よろしくお願いします。 -- determinant4 (2021-05-15 17 59 42) いじめられっ子がいじめっ子に自分をいじめるように脅してたって、魔法少女オブジエンドのつくね(正確にはつくねのもう1つの人格あすか)を思い出す -- 名無しさん (2021-05-15 18 06 44) とりあえず込み入った内容ということは伝わった -- 名無しさん (2021-05-15 18 39 43) いじめ系漫画に見せかけて、実はおかしな漫画だからラブデスターや淫獄団地みたいなB級マンガしてる気がする -- 名無しさん (2021-05-15 18 55 53) 最初はいじめ漫画だと思ってたら、いつの間にか超人達のバトル物と化してたりギャグ要素があったり田中関係で熱くなれたりと、どんな漫画か簡単に言い表せなくなってるんだよな -- 名無しさん (2021-05-15 19 22 25) キャラクターの説明を個別記事化(特に加藤)していけば本項は文字数を節減できるんじゃないかな? -- 名無しさん (2021-05-15 21 27 34) やはりキャラクターについては個別記事化した方がよいのでしょうか?派生項目を作る基準がよくわからないので一旦文章の簡素化の方に努めます。 -- determinant4 (2021-05-15 22 59 08) 暫く読んでたら、あれ?これギャグ漫画?みたいになった。 -- 名無しさん (2021-05-16 06 11 06) ↑社会派→いじめへのアンチテーゼ→シュールギャグ漫画→ギャグ漫画(時々バトル)→バトル漫画→『いじめ』という特殊能力を持った能力バトルモノ と印象が変わっていった -- 名無しさん (2021-05-16 06 58 09) ↑3各人物の経歴の部分を切り分けて、opencloseの隠しメニューにたたむのがいいんじゃない? -- 名無しさん (2021-05-16 12 53 01) 画力画風とストーリー展開でギャグ漫画に見えるのはある -- 名無しさん (2021-05-16 17 09 54) まだカラーズ2人までしか紹介されてないのか -- 名無しさん (2021-05-16 17 17 08) これ、白咲花は絶対幼少期に何らかの悲劇(トラウマ)により今の歪んだ人格になったとは思うけど、まだ明かされてないんだよね…『美醜の大地』って作品の登場人物の高島津絢子(主人公を虐めた悪役令嬢)はサイコパスな立場が花に近いけど絢子の場合は幼少期の悲惨な出来事(実母が実父でもある歪んだ人格の祖父から非道な扱いを受けているのを目撃してしまう・精神的に限界が来た実母が自殺、その瞬間を直視する・その後やってきた継母から壮絶な虐待を受け頭部に大怪我をした事で完全に精神が崩壊する)が原因で人格破綻者になったという多少なりとも同情の余地があるけど花にはそんな過去があるのかどうか…(ちなみに、『美醜の大地』の主人公の名前はハナ(カタカナ表記)なんですよね、偶然でしょうが) -- 名無しさん (2021-05-16 19 54 14) この漫画読んでるやつで加藤嫌いなやつっている? -- 名無しさん (2021-05-16 20 06 59) 嫁姑ものと見せかけたバトル漫画だった「かんかん橋をわたって」に近いものを感じる。 -- 名無しさん (2021-05-17 18 58 44) 文字を読む動画で『イジメはいじめられる方が悪い』ってやつに似てるな -- 名無しさん (2021-05-18 08 36 38) 序盤がガチでキツくて脱落者多いのでこうして「こいつにはやはりナイフも効かんか…」のコマを見せる -- 名無しさん (2021-05-18 20 39 18) 「テコ入れするにしても狂人バトル漫画にシフトするのは頭おかしくない…?いや面白いか否かで言ったらめっちゃ面白いからいいけど…」っていう感想を+チック姉さん以外で抱くことになるとは思わなかった -- 名無しさん (2021-05-21 16 51 56) はいはいウェブ漫画にありがちな胸糞系ねと思ってたらなんかギャグっぽくね?絵柄のせい?いや校舎ダンジョン化してるわこれ確信犯だってなった -- 名無しさん (2021-05-21 17 01 16) 廃人って口がへの字になることじゃねーんだわ -- 名無しさん (2021-05-24 13 10 40) 流石に青山さんの説明短くした方がいいんじゃ…人物像じゃなくてストーリーの説明しちゃってるし仲島+白咲+田中より長いのはちょっと -- 名無しさん (2021-05-25 22 45 13) オラァ!豚みたいにブヨブヨした記事の添削してやるぞ!(とりあえず概要だけ手を加えましたがどうですか白咲さん) -- 名無しさん (2021-06-13 11 22 53) 最近の展開は正直かなり微妙・・・ -- 名無しさん (2021-06-16 09 17 53) 無駄に家庭崩壊までして改名した奴がよりによって緑 -- 名無しさん (2021-06-23 01 10 09) 途中投稿ミス。無駄に家庭崩壊までして改名した奴が、たった1話でよりによって頭とフィジカルのおかしい緑に心酔して忠実な部下ポジになるとか伏線あっても予想できる訳ねえだろ!! -- 名無しさん (2021-06-23 01 12 51) とりあえず、メイン勢+αのテコ入れは終わったかな。1から0.1刻みで10まで紹介しようとするのはこのタイプの作品の記事には向かないやり方だと思われ。 -- 名無しさん (2021-06-29 06 00 29) 更新おつおつ 赤さんの追加も楽しみ -- 名無しさん (2021-06-29 17 39 54) この漫画は群像劇だから登場人物や用語の説明だけ羅列しても勢力や関係がややこしくてよくわからないんじゃないかなっていう素人意見 -- 名無しさん (2021-07-07 05 38 31) 矢場(ヤバ)高校と場井(バイ)高校 二つ合わせて矢場井(ヤバイ)高校ってバカ田大学みたいなネーミングだな -- 名無しさん (2021-07-11 14 11 54) まごうことなき一話限りの雑魚なのに、まがいなりにもあの緑田をいじめていたということでその後奴が暴れる度に評価が上がる早川くん、ワンピースのヒグマみたいな扱いになってる -- 名無しさん (2021-07-31 01 41 56) いじヤバ公式ツイッターで登場人物のプロフィールが載ってます。あの人の意外な一面も…。 -- 名無しさん (2021-10-29 16 07 14) 如月の魅力すっかりなくなったよね -- 名無しさん (2022-01-09 11 40 28) 学校にライオンとワニが…? -- 名無しさん (2022-01-28 02 03 35) 仲島って弱い扱いされがちだけど精神力強いし機転は効くし運動神経高いしいじめによる精神支配とうんこ攻撃は依然いじめっ子トップクラスのいじめ能力だし首輪や睡眠ガスのようないじめ攻撃への耐性あるし霧矢の協力あってだがバスジャックにも対抗できるしで暴力性能が低いだけで総合的に見ると割と上位クラスじゃない?白咲さんに鍛えられてるだけはあるスペックしてる -- 名無しさん (2022-02-07 20 54 03) 本編がガンガン更新されたせいで相対的に追記修正いじめが足りなくなっちまったようだな白咲い……! -- 名無しさん (2022-02-18 16 14 27) まだ追記修正レベルが足りねえんだわ…もっと追記修正をしろ! -- 名無しさん (2022-02-20 13 58 21) まさかこの漫画が進撃の巨人だったとは… -- 名無しさん (2022-11-05 15 56 51) 追記修正いじめショーしたいけど、ネタバレ配慮とか……いらないか! -- 名無しさん (2023-02-19 00 20 07) 色名字のうち、空席だった黄色がまさかアイツだったとはな… -- 名無しさん (2023-06-05 23 43 19) 名前 コメント
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日本語版タイトル:こわいものなしのランディ 英語版タイトル:Fearless Randy こわいものなしのランディ、というお話。 今日はエージェント鉄道の仲間の1人が戻って来る日だ。彼は怖い物無しのランディ、誰もが彼の噂を知っていた。彼は陽気で走るのが速く、そして怖い物無しだ。トーマスがランディを乗換駅まで運んで来た。 ザック「やあ、ランディじゃないか!」 ザックが声をかけた。 ザック「随分久しぶりだね!」 ランディ「怖い物無しのランディ様のお帰りだ!」 これまで
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老夫婦とまりさ4 17KB 虐待-凄惨 制裁 愛で 悲劇 理不尽 差別・格差 誤解・妬み 家族崩壊 家出 駆除 飼いゆ 野良ゆ 赤子・子供 自然界 現代 虐待人間 愛護人間 五作品目です。人間主体となっているのでご了承下さい 五作品目です。 >小出し 今回から一作品ごとの文章量を増やしていけるように頑張ります。 前作品の続きです。 老夫婦の過去話中心で子まりさは殆ど出てきません。 また、子どもが苛められるシーンがあるのでご注意下さい。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 老夫婦とまりさ4 1. 老夫婦にはかつて息子がいた。 勉学は秀でており運動神経もよく、学校での成績も上位に入っていた。 しかし、その生活が幸せであったわけではなかった。 いじめの存在が彼を不幸にしていた。 それは小学校中学年ほどから顕著になり、毎日のように陰湿ないじめが発生していた。 (…またか) 登校してみると学校の学習机の中にゆっくりの死骸が詰め込まれていた。 いつものように少年は机の中身の掃除をし始めた。 その様子をにやにやと遠巻きに見つめる集団がいる。 ゆっくりの死骸を机に詰め込んだ当事者達である。 「…」 少年はその視線に気付いているものの相手にせず淡々と作業をしていた。 いじめが始まった頃には少年の味方をし、いじめ集団に対抗する同級生もいた。 しかし、それはすぐいなくなった。憐憫の情を見せるだけで、自分たちも標的にされることが分かったからだ。 少年と関わるだけで、同じようないじめを受けることとなったのである。 今では少年を避けようと視線を逸らすことが当たり前となっている。 「おはよう。朝の会やるぞー」 いじめが始まった原因は少年に対する嫉妬である。 成績が優秀であることから、目を付けられたのだ。 最初の頃はちょっとした遊び感覚のものであり、少年も笑って応じていた。 だが、それは次第に過激になっていき収まることはなかった。 少年は抵抗したものの、それは余計に相手を刺激するということが分かってから何もしなくなった。 教師に頼ったこともあったが、それは無駄に終わった。 いじめ集団の頭は村の有力者の子どもであり、幅をきかせていた。 聞けば校長とも私的な繋がりを持っており、その態度は横柄なものであった。 少年は学校においては孤立無援の状態であった。 「起立。礼。おはようございます」 「「「おはようございます」」」 少年は号令をかけ、形式的に朝の会を始める。 授業においても挙手や発言は消極的に行い、休み時間には机で俯せていた。 必要以上のことはせず、最低限のことだけをこなしていた。 いじめが嫉妬から来ることが分かっているため、極力目立たないようにしていたのである。 「何寝てんだよ」 「うぜーから学校に来んなよ」 昼休み。自分の席で少年が俯せていると椅子を蹴られた。 できるだけ相手にしないように無言でそのままの体勢を維持しようとしている。 「起きてんじゃん。さっさと帰れよ」 「お前にこんなもんはいらねーよ」 いじめ集団の一人が机を蹴り倒す。 机の中からすでにぼろぼろである教科書とノートを全て取り出し、窓から投げ捨てた。 一部は側溝に落ち、一部は校庭に落ちた。 いつものように少年は椅子に座ったままだった。 チャイムが鳴る。もうすぐ授業の時間となった。 少年は席から立ち上がり教科書とノートを取りに外へと向かった。 「…」 前日が雨であったために、教科書とノートはどろどろに汚れている。 少年は泥を軽く水で流し落とし始めた。 頭に感触を感じた。手で触ると妙に生ぬるく粘質がある。 見上げると窓からいじめ集団がにやにやこちらを見ていた。 少年の手についているのは唾であった。 「見てんじゃねーよカス」 「そのまま帰れ、帰れ」 少年は手を洗い、教室に戻った。 机と椅子は倒されており、筆箱はゴミ箱の中にあった。 だが、それはいつものことであり、いつものように元に戻し、いつものように、授業の号令をした。 少年は歳不相応に達観していた。 傍若無人な権力に対する自分の無力さを知っており、それに対抗する術もない。 対抗できたとしてもそれは自分をさらに苦しめるだけであり、耐えるしかないことを悟っていた。 授業が終わり、至福の時が訪れる。 机の中身を全て片付け、早々に学校を出て行く。 足取りは速く、逃げるように家へと帰っていった。 2. 「ただいま」 「おかえり、学校はどうだった」 「別に」 「…そう」 父も母もいじめの存在には気付いており、学校に訴えをしたこともあった。 しかし、それは徒労に終わっただけであった。 学校を牛耳られており、担任は操り人形そのものであった。 地元の警察にも行ったが、相手にされなかった。 小学校児童を罪に問えるわけでもなく、保護者同士でなんとかして下さいとのことであった。 せめて口頭注意でもと願い入れたが、逆恨みされいじめを助長させる結果となった。 他にも出来ることは全てしたが、結果は芳しくなかった。 少年の立場は悪くなるばかりで何も好転はしなかった。 「…はぁ」 少年は自分の部屋に入るとため息を漏らした。 慣れてしまったこととはいえ、精神的にはかなり辛かった。 ランドセルを投げ捨てるように置くと、学習机の一番下の引き出しを開けた。 その中には一匹のれいむがいた。 れいむは少年の姿に気がつくと怯えた目で震え上がった。 そのれいむは片眼をえぐり取られており、代わりにたわしを無理矢理に詰め込まれていた。 足は剣山に突き刺されており、すでに足としての機能は全て失われていた。 髪であったと思われる部分は焼かれ縮れていた。 口は縫いつけられ、声が出ないようにされていた。 少年はいじめでの苦しみをこのれいむにぶつけていたのである。 「さて…」 少年はテープで繋げられた鉛筆をれいむに突き刺していく。 れいむの悲鳴は口内のみで響き渡り、少年の部屋には響かない。 そのおかげで両親に悲鳴を聞かせることはなく、両親にも気付かれていないと少年は思っていた。 実際は少年がれいむを捕らえ、虐待していることを知っているが知らない振りをしていた。 不満の捌け口ができていることを肯定的に捉えたのだ。 虐待という歪んだ形であるものの、塞ぎ込まずにいるのはそのおかげだからである。 6本目を刺した時点でれいむは気を失った。 「今日は早いな」 つまらなそうにそう言うと机の引き出しを閉じ、その日の宿題を始めた。 宿題を終えると何をするのでもなく、新しい虐待方法について考えはじめた。 「ごはんですよー」 「はーい」 母に呼ばれて部屋を出て、夕飯を食べはじめる。 会話はなかった。学校について聞いても良い話が出てくるはずもない。 無理に話したとしてもそれは少年の心を傷つけるだけである。 ただ、少しずつ少年の心は荒んでいくだけで、誰も救うことはできなかった。 「ごちそうさま」 「…」 食事を終えると少年は部屋へと閉じこもった。 少年は必要な時以外は自分の部屋に戻り、虐待に関することか宿題のみを行っていた。 少年の生活と心は塞ぎ込んでいく一方であった。 「ただいま」 父が帰ってきた。 別の校区の教師をしている父は帰りも遅い。 言葉には力が感じられない。 部屋越しに聞こえてくる両親の話には、勤め先の学校でもいじめがあるという話もよくある。 自分と同じ立場の子どもがいるようで、父はそれを悩んでいるようである。 (…僕と同じような子がいるんだな) そう思うと心が多少楽になり、諦めもつきやすくなった。 その日はれいむに鉛筆をさらに3本刺すだけで眠りにつくことができた。 3. (俺は無力だな…) 学校で教師としての立場をしていてよく思うことである。 熱心に教育をし、保護者からの評判も良いがそれは自身の満足には直結しない。 いじめは保護者の見えないところでも進行しており、時には解決できないこともある。 そういった現実を目の当たりにしたその時、強く無力感を感じた。 「先生!助けてよ!」 いじめが進行している子の訴えである。息子と同じ学年だ。 息子と違い出来の悪い子であるが、素直で明るい子である。 いじめの原因はその出来の悪さからであり、原因は息子とは真っ向に反対している。 「何があったんだ?」 「あいつらが物をぶつけて来るんだ!」 泣きながら指さす方向にはいじめ集団がしまったといったような顔でこちらを見ている。 「おい!お前らそれは本当か!」 いじめ集団はその場から逃げ出し、姿をくらました。 良く言えば追い返した、悪く言えば逃がしたということになるが、とにかくその場でのいじめは終わった。 「先生、ありがとう!」 その子に笑顔が戻ってきた。 それに笑顔で返すがそれは仮の笑顔であった。 いじめが途切れたとしても、それは一時的なものであり根本的な解決となっていない。 同じようなことが以前もあり、今回もいじめがあったことを考えれば意味のないことであることが明白である。 いじめには根本的な解決が必要である。 職員会議においてこの子がいじめられているということに関して取り上げたが年老いた世代は消極的であった。 いじめが世間に露呈すると学校としての立場が悪いから大々的に取り組めない。 そもそもいじめ対策をするということはいじめの存在を認めていることになる。 そういったことを平気で言い放ち、いじめを黙認する姿勢を取っている。 若い世代はそれはいけないであろうと刃向かうも相手にされない。 (老害め…!) いじめは本来学校全体で取り組む課題であるのだが、前向きに結束することはなかった。 仕方が無く若い世代で協力的に取り組み、解決へと努力をすることにした。 この校区には村の有力者という者が介入するということなく、息子の校区とは違い段々と良い方向へと向かっていった。 だが、自分の息子に対するいじめを解決できるわけでないために、権力に対する無力感はさらに大きくなった。 (…くそっ!なんて俺は無力なんだ!息子一人助けられないのか!) 自分の校区の子どもは助けられるのに、自分の息子が助けられない苛立ちは自分の心を責め立てた。 4. 中学生になり少年は苛立ちを募らせ始めた。 それには幾つかの理由があった。 一つは、いじめのさらなる過激化である。 控えめであった暴力行為が激しくなり、体に生傷が絶えなくなってきた。 体の発育も伴いその痛みも次第に強くなり、苦しさも酷いものとなった。 また、いじめ集団も拡大し、少年を囲い込む人数はさらに増えていた。 一つは、虐待への慣れである。 引き出しに入れていたれいむはすでに死んでおり、新しくゆっくりを捕らえるもどれも長生きはせず、死んでいった。 いじめの激化に伴う虐待の残虐化が原因であるが、それに慣れてしまい生半可な虐待では満足できないようになったのである。 少年の荒んだ心を癒すためには相当な虐待が必要となってきたのである。 そして、もう一つは父の校区のいじめの改善である。 これが少年の心をさらに傷つけることとなった。 自分の父がいじめを改善しているということが分かり、自分と比べることで不満を募らせたのだ。 これまでに父は息子のために奔走していたが効果がなく、少年はありがたみを感じていない。 父は自分の職業の役割を真っ当に遂行にしているだけであったのだが、少年の眼にはそうは映らなかった。 ただ、自分を差し置いて他の子どもを優先する愚かな父親としか見ていなかった。 「おい、こんな時間にどこへ行くんだ!」 「うっせーこの糞親父!」 夜も遅い時間に、少年は家を飛び出した。 玄関を乱暴に閉めると少年は自転車に跨り、夜の闇に溶けていった。 何も見えない闇の中を父と母はむなしく見つめていた。 少年の向かった先はゆっくりの群れがいるという山である。 ここに来た目的は虐殺を通しての気晴らしである。 「…ゆっくりしていってね!」 「ゆっくりしていってね!」 少年が一声かけると、愚かにも一匹のれいむがそれに反応してしまった。 近頃虐殺をする人間が出るというので注意するよう群れのリーダーから言われたばかりである。 「そこか」 少年は声のする方向に懐中電灯を向けてれいむを見つけ出した。 「ゆ!?」 「本当にお前らは馬鹿だな」 髪を掴むと懐中電灯を置き、持っていたライターでじりじりとあぶり出した。 れいむから悲鳴が発せられる。ライターの火は少年とれいむの顔を下から照らしている。 「やめでぇぇぇぇぇぇぇ!」 「やめるわけないじゃん」 いじめ集団と同じ台詞を吐き出し、れいむを少しずつ焼いていく。 その悲鳴は群れのゆっくりにも聞こえており、巣の中で震えている。 「なんでお前を助けに来ないんだろうなぁ」 「だれがだずげでぇぇぇぇぇぇぇぇ!どぼじでだずげでぐれないのぉぉぉぉぉぉ!」 助けに行かないのは当たり前である。少年にはその理由がよく分かっていた。 下手に手を出すと巻き添えを喰らうことは目に見えて明らかなのである。 勝てない相手に手を出すことは自分の死を早めるだけだ。 「みんなお前が嫌いなんだよ」 「そんなわげないでじょぉぉぉぉぉ!でいぶはみんなのあいどるなんだよぉぉぉぉぉ!」 「うぜぇよ」 少年は日々の不満をれいむのぶつける。 いじめ集団と同じように高圧的にれいむに声をかける。 ふと、少年は自嘲的に笑う。自分が嫌っているいじめ集団と自分が全く同じであるということを笑ったのだ。 最も嫌いであったいじめ集団と自分の姿を重ねて、自分の愚かさが滑稽に思えたのだ。 それでも少年はれいむをあぶり続けた。 それが楽しいからである。 愚かだからなんだというのだ。嫌いだからなんだというのだ。 今、この場で、弱い者をいじめることが何が悪いというのだ。 世間から嫌われ、迫害されるものを痛めつけることが何が悪い。 自分がそうされているのだからそれは当然だ。ゆっくりをいじめて何が悪いのだ。 「おりゃっ!」 「ゆぎゅぼぁっ!」 れいむのもみあげを持ち近くの石に叩き付ける。 頬からぶつかり、餡子が飛び散り、歯が数本宙に浮いて闇に消えた。 「汚ぇ顔だなぁ」 「ゆぎぃぃぃぃ…」 すでに原型を留めないれいむを足で踏みにじり、冷淡に言い放つ。 れいむの死は目前であった。 「お前、生きてる価値ないよ」 短い悲鳴と共にれいむは潰れた。 少年は満足そうな笑みを浮かべた。 「さて、次はお前だ」 「むきゅっ!?」 一匹のぱちゅりーが切り株の後ろにいた。 隠れているつもりだったのであろうが、丸見えであった。 自分が人間を見えていなければ、人間も自分も見えてないだろうと思っていたのだろうか。 「まっ…まってね!ぱちゅりーはこうしょうをしにきたのよ!」 「交渉だぁ?」 思いも寄らない発言に眉を歪ませた。 ゆっくりごときが交渉をするとは思ってはいなかった。 「にんげんさんはおかねさんがすきなんでしょ!これをあげるからかえってくれないかしら!」 ぱちゅりーが見せたのは100円玉であった。 このぱちゅりーはゆっくりにしては賢くお金の概念を多少は知っているようであった。 「へぇ、お金持ってるのか」 「むきゅ!これでかえってくれる?」 「さっさとよこせよ」 「かえってくれるとやくそくしてくれるかしら?」 「ああ帰ってやる」 少年はぱちゅりーから100円玉を受け取るとぱちゅりーを足で踏みにじり始めた。 帰るつもりなど毛頭なかった。 「足りねーよ。こんなんで帰るかよ」 「むぎゅぅぅぅぅ…でもさっきかえってやるって…」 「言ってねぇよ」 少年は落ちていた棒きれを持ちぱちゅりーの目玉をえぐった。 感触は柔らかく、簡単に取れた。 「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」 少年は二つ目もえぐる。同じような悲鳴が響いた。 だが少年はそれをにやにやと見つめるだけであった。 「げんじゃなおめめさんをがえじてぇぇぇぇぇぇぇぇ!」 「他のゆっくりがどこにいるか教えたら教えてやるよ」 「ぢがぐにあるおおぎないわざんのじだにいまずぅぅぅぅぅぅ!」 他のゆっくりがどうなるか知れないのに即答した。 最初は群れのことを考えて交渉をしに来たようだが、自分に危機が迫れば身勝手なものである。 「へぇ、本当にいるのか」 少年が岩の下の窪みを覗くとありすが一匹寝ていた。 嘘を教えれば良かったものを正直に答えていた。 「お前は本当に独りよがりだなっ!」 「むぎゅっ!」 そう言うと同時にぱちゅりーを蹴り飛ばした。 岩に当たり、その体は破裂するように細かく飛び散った。 「さて」 少年はありすをいかに虐殺しようかと思案した。 結果、れいむとぱちゅりーの死骸を詰め込み、土で埋めるという方法にした。 寝言で「あまあまさんがいっぱいだぁ」と漏らすありすは滑稽であった。 土を被せようとした時にやっと起きたらしく、なにやら叫びが聞こえていた。 何を言っているかは分からなかったものの少年はそれで満足であった。 土を被せ終わると、声が聞こえなくなったのを確認すると少年はその場を立ち去った。 その一晩で群れから三匹のゆっくりが消えた。 夜中の虐殺は少年の不満が溜まる度に行われ、段々とその頻度も上がっていた。 皮肉なことにその行為がゆっくりによる畑の被害の減少に貢献していた。 5. 中学も三年になると家庭内での暴力は当たり前のものとなった。 息子が両親にことあるごとに喧嘩をふっかけた。母が暴力を受けると父がそれを懸命に押さえるということが多かった。 病院沙汰にはならなかったものの、それは酷い状況にはかわりなかった。 父は武道をやっていたこともあり、当初は息子の暴力を押さえることもできていた。 しかし、身体の衰えと心労、息子の成長により力関係は逆転していった。 家庭は乱れ、息子はついに刃物を手に両親を脅すことも辞さないようになってきた。 父が稼いだお金はほとんどが息子に吸い取られ、全てが虐待、暴力に注ぎ込まれていった。 そしてついにその日がやってきた。 「おい、お前!どこに行くんだ!学校は!」 「うっせーよ。こんな田舎から出て行くだけだ」 「何言ってるの!」 「殺すぞこの糞ばばあ!」 息子は母を突き飛ばした。 父は母を抱き支える。 「母さんになんてことをするんだ!」 「うぅ…」 「黙れこの糞じじいが!息子を息子と思わないような奴を親に持った覚えはねーよ!」 息子は両親に対して恨みを持っている。 自分をいじめから救ってくれなかったことが許せないのであった。 さらに父が自分を見捨てて他人を助けているように思っていた。 「何を言ってるんだ!俺はお前を助けようと…!」 「寝言は寝て言え!なんで他人の子どもを助けて俺を…!俺をっ…!」 少年は言葉の先を言えずに、目に涙を蓄えている。 ここに来て悲しみが溢れてきたのであろうか。 手はつよく拳を握り、体を大きく震わせている。 「糞っ…!じゃあな!」 少年はかつて育った家に背を向け走り出した。 両親はそれを追おうとしたが、やがて足は止まった。 道の真ん中で立ちつくし、寂しい気持ちに包まれ家へととぼとぼと戻っていった。 その日は警察に連絡をし、失意のまま翌朝を迎えた。 (…家、こんなに広かったんだな) 夫は妻より早く起きると家を見てまわり始めた。 家族の一人がいなくなった家は広く感じた。 酷い思いをさせられた息子でもいなくなれば悲しいものである。 息子の部屋を見る。 部屋に近づくだけで暴行されるのでこれまで近づいたことすらなかった場所である。 中は荒れており、少年の心がそのまま体現されたかのように思えた。 それでも賞状やトロフィーなどの過去の栄光を表すものはそのまま残っていた。 「…」 長く沈黙し、部屋を眺めて今までの思い出を巡らしてみた。 楽しかった時の息子を思い出し、何かがこみ上げてくるのを感じた。 逃げるように部屋を後にして縁側に向かった。 近くの柱に手を掛けるとそこには背比べの傷跡が残っていた。 傷跡は11歳の8月の記録で終わっていた。 それを見て、父はその場に崩れるように座り静かに泣いた。 6. 家から息子がいなくなってから長い月日経った。 夫は仕事を退職した。夫婦には白髪も増え、老夫婦と言えるような風貌になっていった。 時は少しずつ夫婦の心に残った傷を癒していったが治るわけではなかった。 息子のことを思い返す度に、悲しみが心を襲った。 そのためか、息子のことを話題に出すことはほとんどなくなっていった。 それでも息子がいつ帰ってきてもいいように、部屋はいつも綺麗にしていた。 息子がいなくなったことで暴行されることはなくなったが、幸せではない。 残った財産で土地を買い、畑仕事をして生活していくようになったのはこの頃からである。 「…お前は俺たちが悪かったと思うか?」 子まりさに息子のことについて話し終わるとお爺さんはそう聞いた。 その言葉はいつものような元気がなく、酷く思い詰めているように思えた。 「…まりさには難しくてよく分からないけどお爺ちゃんたちは頑張っていたと思うんだぜ」 子まりさが話を全て理解できていたかはどうかは分からないが、はっきりとした口調でそう答えた。 それは嘘偽りでなく、心からの言葉であった。 「…そうか」 老夫婦の顔にほんの少しの笑みが戻った。 子まりさにの一言は老夫婦の気持ちを多少なりとも和らげたのだろう。 「ほらほら、せっかくの料理が冷めちゃいますよ。もう食べましょうよ」 「お、そうだな」 夕食は明るい雰囲気を取り戻した。 その日は老夫婦にとっての記憶に残る一日となった。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 今まで書いたもの ふたば系ゆっくりいじめ 1085 ゆっくり一家とゲスとお兄さん ふたば系ゆっくりいじめ 1101 老夫婦とまりさ1 ふたば系ゆっくりいじめ 1107 老夫婦とまりさ2 ふたば系ゆっくりいじめ 1114 老夫婦とまりさ3 トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る 今なら小学校でも、いじめは立派な犯罪と認知され始めてる。 (遅ぇーよ!!) モノが無くなれば窃盗だし、痣が残れば傷害。 (まぁ、証拠を残さない方法に進化しただけだがな!!) 今は、PTAも警察も動き始めている。 (日記など記録がなければ動かないがな!!) いじめられている皆、きっと今も頑張っているだろう。 あとは「私を助けて!!」って言うだけだ!! (結局示談になって心の篭ってない「ごめんなさい」⇒「お咎め無し」だがな!!!怒) -- 2018-03-09 06 46 26 おじいさんのむすこさんをや味゚る奴らはゆっくりしね! -- 2014-06-15 13 47 30 あれだ 饅頭どうにかするより腐った人間どうにかしたほうが先だな -- 2013-07-12 05 41 34 やはりまんじゅうをつぶすのはただげんじつからめをそらしてるだけなんだよ・・・ おにーさんはいじめっこというにんげんのげすどもをせいっさいすることにしたよ・・・ -- 2012-10-04 00 36 20 漢字を喋るゆっくり・・・だと!? -- 2011-09-14 18 37 58 そりゃ親なら「自分を殺せるわけない」って思ってるからだろ。いじめっ子には何されるかわからんだろし。 -- 2010-12-17 22 45 41 親に刃物を振るえる癖に、いじめっ子相手には何もできないんだなー -- 2010-12-17 22 02 56
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※微妙に前回のSS(fuku4146.txt)とリンクしている部分がありますが、知らなくても大丈夫な程度です ※このSSの野菜は実際の食品と異なる恐れがありますが、どうか寛大な心でスルーしてください 俺が親父から引き継いだ畑は一人で耕すには少し広い畑なのだが、その日は早起き した甲斐もあってか、太陽が真上に登るより早く畑仕事を終わらせることが出来た。 余らせた時間を有効に活用しようと、俺は畑を囲んでいる柵の点検に取り組んでいた。 といっても、柵が壊れてないか適当に見回るだけなのだが。 今日の昼飯は何にしようかなー、嫁さんがいりゃこんなこと考えんでもいいのに なーなどとどうでもいいことを考えながら柵を点検しつつ歩いていると、後ろか ら「「ゆっくりしていってね!!!」」と声がかかった。 声の主は振り向くまでもなく分かる。 というか、いきなり人にこんな言葉をかけてくるのは奴らぐらいしかいないだろ う。 「おにいさんはれいむとまりさのためにおやさいをとってきてね!そうしたられ いむたちのゆっくりぷれいすでゆっくりさせてあげるよ!」 振り向くとそこには予想通りというか、ゆっくりと呼ばれている生物が二匹居た 。 ゆっくりまりさと、ゆっくりれいむとか呼ばれている奴だ。 バッジがついてないから恐らく野生のゆっくりだろう。 大して珍しいものでもないな。 「さっさとまりささまのためにはたらくんだぜ!」 こんなに傲慢な奴らを見るのは久しぶりだけど。 「ゆうかのはたけのおやさいはだめだったけどこれでれいむたちもおやさいたべ られるね!」 「とりあえずあるだけおやさいもってくるんだぜ!」 奴らの幸せ餡子脳では人間がゆっくりのために食料を差し出すのは当たり前だから 、さっさとよこせや!とか思ってるんだろうなぁ。 まぁ愛で派の人間なら気まぐれに野生のゆっくりに野菜くずやお菓子を与えるこ とはあるかもしれないがともかく、我が家では畑に侵入しようとしたり、労せず 人様の野菜を奪おうとしてくる勘違い饅頭どもに対しては例外なく制裁で応えて やっているのだ。 こいつらを潰して畑の肥やしにでもしようかとも思ったが、ゆっくりれいむの言 った「ゆうかの畑」というのが気になった。 まさか「本物」のことでは無いだろう。 ゆっくりゆうか 植物を育てることを生きがいとする珍しいタイプのゆっくりだ。 ゆっくりの中では比較的知能の高いほうで、特に植物を育てることに関してなら ゆっくり随一の知識をもつとか。 その特徴を生かして自分で野菜を育てて収穫する自給自足の生 活をすごしているそうだ。 だが、ゆうかの育てている植物を狙って他のゆっくり達が襲撃してくることも多 い。 それに加えて基本的に知能の低い他種のゆっくりとはつがいにならないため増え にくく個体数は他のゆっくりと比べると非常に少ないレアなゆっくり・・・らしい。 というか実物を見たことがないのでどこまでが真実なのかわからないのだ。 この話も、子供の頃近所に住んでたゆっくりブリーダーのお兄さんから聞いた話で、 自分の目で見て確かめたわけじゃない。 実物を見つけたら仲良くなって、あわよくば家に来て畑仕事の手伝いをしてもらいたいと 前々から思っていたんだが、まさかこんな所で機会が巡って来るとはな・・・。 よし、こいつらにゆうかの所まで案内してもらうとしよう。 そうと決まれば善は急げだな。 「なにさっきからぶつぶついってるわけ?まりささまがやさいをたべたいってい ってるんだぜ?わかったらとっととあるだけよこすんだぜ!」 「あー、うん、ちょっと待ってな」 2週間ほど前のこと、畑に侵入しようと柵を壊そうとしていたゆっくりの群れを追い払う のに躍起になって、収穫したじゃがいもを何日も倉庫にしまい忘れるということがあった。 その結果、太陽にさらされ続けていたじゃがいもは、俺が存在を思い出し慌てて回収しに いった頃にはすっかり芽が太くなり、皮は緑色に変質してしまっていた。 とてもじゃないが出荷するわけにもいかず、かといって自分で食べて処分するわけにもいかず、 捨てるのもなんだかもったいないので、とりあえず倉庫にしまっておいたのだった。 そんな経緯を経たアレなじゃがいもを幾つか倉庫から持ってくる。 「持ってきてやったぞ~。こんなもんでもいいのか?」 そういってまりさとれいむにじゃがいもを見せてやる。回収したときよりも皮の色が濃く、 芽も大きくなっていて正直気持ちが悪い。こんなもんでも食うんだろうか・・・ 「ゆ!おにいさんゆっくりしすぎだよ!さっさとれいむたちにあやまってね!」 「おにいさんはどんくさいしのろまだけどかんだいなまりささまはゆるしてやるんだ ぜ!だからさきにたべさせるんだぜ!」 なんでわざわざ食い物持ってきてやったのに文句をいわれなきゃならんのだ…まあいいさ。 どちらに先にあげるか少し悩んだが、結局まりさに与えることにした。そのほうが後々 面倒が無くていいだろうと思ってのことだ。 「さぁ、これでも食べてゆっくりしていってね!」 「それじゃあいただくんだぜ!むーしゃむ ーしゃ、むーしゃむーしゃ・・・しあわせー!!!」 その幸せとやらがずっと続くと良いね・・・まぁ無理だろうけど 「でもこれだけじゃたりないんだぜ!もっといっぱいもってこいだぜ!」 この時点でこいつらがゆっくり出来ない運命をたどるのは確定してしまったのだから。 「れいむにもはやくちょうだいね!まちくたびれてるよ!」 「はいはい」 れいむにはやらず、あくまでもまりさにだけ与え続ける まりさのリクエストに答えて持ってきていたアレなじゃがいもをどんどん口に放 り込んでいく。 にしてもいい食いっぷりだ。この調子なら・・・ 気付くと10個近くあったじゃがいもは残り1つになっていた。 「ゆゆ!さっきからまりさばっかりずるいよ!かわいいれいむにもおやさいたく さんちょうだいね!」 気をとり直してれいむに話かける 「もちろんれいむにもまりさと同じ物を食わしてあげるよ、でもその前に一つ質 問に答えてくれないかな?」 「おやさいもってこないのにしつもんとかなんなの?ばかなの?しぬの?れいぎ をしってね!」 まさか饅頭に説教される日がくるとはな。 やはりこいつらには、自分達の立場を分からせてやる必要があるようだ。 その上で道案内を「お願い」することにしよう。 さすがにこれ以上こいつらが好き勝手言われるのは俺としても面白くない。 それにそろそろ仕掛けが効いてくる頃合いだろうし。 「・・・ところでまりさ、体の調子はどうだ?」 「ゆ?なにいってるの?おやさいたべてゆっくりしてるんだからげんきにきまっ てるんだぜ! それよりれいむにもはやくおやさいをあげ・・・あげ・・ゆ・・・・ゆぐ・・・ げぇ・・・・」 「ゆゆ?どうしたのまり―――」 会話を中断したのを不思議がったれいむがまりさに話しかけようとしたまさにそ の時だった 「え"ろろろろろろろろぉっ!お"ぇろろろろろろろろろろっ、ろ ろっ、ろえれぇれえれぇれぇれぇれれれれぇっ!」 まりさの口から盛大にまりさの中身であり体の大半を構成しているもの・・・餡 子が吹き出した。 「ばりざあぁぁぁ!!どぼぢでながみはぎだしでるのお゛おぉぉぉぉ!?ゆっく りできないでしょ お゛ぉぉぉぉ!!」 なぜまりさは突然苦しみだしたのか? それはまりさに与えたじゃがいもに原因がある。 じゃがいもの発芽部分には有毒成分であるアルカロイドが含まれている、 これは芽だけでなく光が当たった皮部分にも多く含まれている。 つまり光にさらされ続けて緑化した表皮には多くのアルカロイドが含まれているのだ。 これらを取り除かずにじゃがいもを食べると、人なら食べて20分後くらいから、 ゆっくりの場合食べたものはすぐに消化吸収して餡子になるため10分とかからず 症状がでる 主に吐き気嘔吐、腹痛、呼吸困難などの症状を示し、食中毒を起こすこともある 。接種量次第では最悪死ぬこともある ちなみに、アルカロイドの中毒量は成人で200~400mgと言われており、子供の場 合はその10分の1程度、で中毒症状がでる 緑化したイモには一つあたり150~220mgほどのアルカロイドを含んでいる。 つまりまりさは既に9個もの緑化したじゃがいもを食べたから少なくとも1350mgは 摂取したことになる。 ゆっくりがどれくらいで中毒になるかは知らなかったが、少なくとも成人した人間 を三人以上中毒症状を起こさせられるだけの量を食べてただですむはずがないだろう ことは想像できた。 その結果がこれだ。 「というわけだ、理解できたか?」 「わがらないよおおぉおおぉぉぉぉぉ!」 「ちぇんみたいな話し方だな、まぁそういうのも嫌いじゃないよ」 「ゆっぐりしないでさっさとおやじはまりさをだずけでよおおぉおおぉぉぉ!!はやぐ ううぅうぅぅぅぅ!!!」 「ゆっくりして逝ってね!!!」 「ゆっぐりしていってね!!!」 「ゆっぐじじでいっでねぇえ・・・ゆぅ・・・もっどぉ・・ゆぐり・・したかっだ・・・うぇ・・」 条件反射ってすごいね。怒りが有頂天だろうと瀕死だろうと本能にきざまれた台詞を優先するんだもん。 「ゆ?まりさ・・・?まりさ!めをあけでよまりざ!!!まりざあぁああぁぁああぁあああぁぁぁ!!!」 俺がれいむとじゃれている間にお決まりの台詞をはいてまりさは死んでしまった。 まぁこれは想定の範囲内だ、人間でも摂取しすぎると死んじまうぐらいの代物だしな。 この後はまりさが死んだ理由をこいつにもわかるように説明して、 その上で俺の言うこと聞かないと残りの(といってもまりさに食わせすぎて一つしかないが) ジャガイモ食わせるぞーとか言って脅せば、おとなしくゆうかの所まで道案内をしてくれるはず―――― 「むーしゃむーしゃ、しあわせー!!!」 ん? 「お前・・何食ってるんだ・・・?」 「みてわからないの?れいむはまりさのぶんまでゆっくりするんだよ!だからまりさののこした おやさいたべるのはとうぜんのけんりだよ!」 「あの、まりさがなんで死んだかとか、まったく想像できてないんですか?」 「まりさがしんだのはゆっくりできてないからだよ!れいむはゆっくりしてるからだいじょうぶだよ! それよりむれのまりさにもおやさいあげるんだから、もっともってきてよね!」 こいつの中では食ったものが原因ではなくまりさが弱いから死んだことになっているようだ。 ドウイウコッチャ、まぁ一個しか食べてないしさすがに大丈夫だとは思う。 というか大丈夫じゃないとゆうかのいる場所が教えてもらえないので困るのだが。 「それよりれいむにもはやくおやさいをもってきて・・き・・・ゆ・・・・ゆぐ・・・ げぇ・・・・」 「おいィ?れいむどうし―――」 「え"ろろろろろろろろぉっ!お"ぇろろろろろろろろろろっ、ろ ろっ、ろえれぇれえれぇれぇれぇれれれれぇっ!」 なん・・・だと・・・・? こうして俺の畑に侵入しようとしていたゆっくりたちは全滅した。 ゆうかの居場所は結局わからずじまいだった。 回りくどい方法を取った結果がこれかよ・・・。 あとがき ども、高菜書いた人です 虐待(?)されたのは前作に一瞬だけ出てたれいむとまりさ・・・かな? 出番なくてかわいそうだったので書いてみました 余計ひどいことになってる気がしないでもないけど・・・ というかぶっちゃけじゃがいもネタで書きたかっただけです、すんません このSSに感想を付ける
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原材料 6KB パロディ 差別・格差 家族崩壊 野良ゆ 都会 現代 創作亜種 独自設定 名前そのまんまだけど大丈夫かな…… 『……!?似てるぞっ!こいつら!?』 「おでがいじばずううううううううぅぅぅ!!でいぶどおぢびぢゃんをがいゆ”っぐりにじでぐだざいいいいいいぃぃぃぃ!!」 「おにぇがいしましゅうううううぅぅぅ!!」 「あ?」 家に帰る為に公園の中を通り抜けようとする男に、小汚いゆっくりれいむと子ゆっくりれいむが声をかけていた。 おそらく親子なのだろう。 「でいぶどおじびぢゃんはばぼどがいゆっぐりでずうううううううぅぅぅ!!ぜっだいおに”いざんをゆっぐりざぜまずううううううぅぅぅうう!!だがらおでがいじばずううううううううう!!」 「ゆっきゅり!ゆっきゅりいいいいいいいぃぃぃ!!」 よく見ると赤いリボンの切れ端や、白いリボンの欠片を何枚か持っている。 「ゆっぐりじでだれいぶのばりざどっ!がわいいおぢびぢゃんだぢばびんなえいえんにゆっぐりじじゃいまじだああああああぁぁぁ!!おでがいでずうううう!!れいぶをゆっぐりざぜでぐだざいいいいいいいいぃぃ!!」 「ゆっきゅり!ゆっきゅりいいい!!」 それに対し、男は冷め切った目で二匹を見下ろす。 「はあ?何なんだよ一体?何で俺がお前を飼いゆっくりにしないといけないんだよ?ゆっくりを飼うくらいなら『こいつ』を飼ってた方がずっとゆっくりできるぜ」 男はそういうと、肩から提げたカバンの中から小さな箱を取り出し、その蓋をパカッと開けた。 その中には人間の小指の先程度の小さい『豆』が入っていた。 男の声に反応したのか、豆が小さく震えた。 そして、小さくて愛らしい目をパチッと開けた。 「おにーさん。しってる?」 「ゆ”っ!『まめしば』だああああぁぁぁぁぁ!!」 親れいむが呼んだその名前『まめしば』 簡単に言うと『言葉を解する豆』。 とある町に住むおじいさんが育てる豆は命を持つ。 その豆は何故かどうでもいいような豆知識を知りたがる性質があり、いつの間にかおじいさんの元を離れ世界中に散らばるようになった。 その『まめしば』をペット化に成功。 知りたがりのまめしばは飼い主が教える知識をドンドン蓄え成長して行く(知能のみ、体の大きさは変わらない)。 さらには自己学習能力もあり、本やTVからも知識を吸収。 同時に簡単な会話をこなすようにも調整されている。 そしてその会話も、飼い主が教えればドンドン幅が広がって行く。 すごいものになると経済学や心理学まで語りだす。 勿論日常会話も会得可能。 一種の育成ゲームののりである。 餌はミネラルウォーターを大匙一杯一日三回と経済的にも全然苦にならず、そのサイズの小ささも魅力で男のように持ち歩く人もいる。 まめしばはペット業界に新風を巻き起こしたのだ。 「エメラルド色のゴキブリがいるんだよ?」 「うはーーー!!どうでもいいーーー!!ていうか知りたくなかった~!!」 男はニヤニヤしながらまめしばの豆知識を聞いている。 はたから見ると正直怪しいが、まめしばを携帯する人が増えてからは、こういう光景が街の至るところで見られるようになっていた。 「あ~いいなあ~まめしばは……。というわけでおまえらなんて『ゆっぎりじねええええええええぇぇぇ!!』おわっ!!」 親れいむがものすごい形相で体当たりしようとしてきた。 「おばえだぢのぜいでっ!でいぶどおぢびぢゃんばああああああっ『汚ねえよっ!』ゆげぼがあああああぁぁぁ!!」 男の蹴りを喰らい地面にたたきつけられる親れいむ。 そう。 まめしばブームの到来によって、同じく言葉を解する饅頭ゆっくりが行き場を失った。 躾を誤れば……いや、誤らずともゲス化し、その低脳っぷりからバッジ付でない限りしっかり飼うのは難しい。 いや、バッヂ付きでも下手すると危うい。 そんなゆっくりなどより、ほとんど手がかからず、言葉を話すが全く煩くなく、そして可愛げのあるまめしばの方が断然いい。 ゆっくりの多くは処分され、捨てられたものは野良となった。 どうやらこの親子もその類だったようだ。 「ゆげええええええ!!いぢゃいいいいいいいい!!どぼじでごんなごどずるのおおおおおおおおおおおぉぉぉ!?!?」 痛みに耐えかねてあたりを転がりまわる親れいむ。 そこに 「まめちばにゃんかよりれいみゅのほうがきゃわいいにょににゃんじぇ『ゆべええええええ!!』ゆぎゅ!?」 ぶちゃりと嫌な音がした。 「い、いぢゃいよおおおおおぉぉぉぉ!れいぶのたまのようなおはだがあああああぁぁぁ『あーあ、お前、ちびをつぶしてるぞ』……ゆっ?」 頬の辺りをベコリとへこませたれいむは、妙な感触がするあんよをどけた。 そこにはぺちゃんこになって餡子の花を咲かせている子れいむがいた。 「おぢびぢゃああああああああああああああああんんんんんんんんん!!どぼじでづぶれでるのおおおおおおおおおおお!?」 「てめーがやったんだろうが」 「なおってね!ゆっくりしないではやくなおってね!ぺーろ!ぺーろ!!」 無駄な足掻きを繰り返す親れいむ。 「ねえ?知ってる?」 「ん?」 「ゆ”?」 まめしばが箱から顔を出した。 「ゆっくりはまめしばと同じで動物じゃないから、捨てるときは燃えるゴミの日に出さなきゃいけないんだよ?」 現在まめしばもゆっくりも『生物』として定義されていない。 なので捨てるときは燃えるゴミとして出すのが義務付けられていた。 ちなみに法律上は殺しても何のお咎めも無い。 立場的にはゆっくりもまめしばも同じなのだ。 「なにいっでるんだあああああああ!!ゆっぐりばごみじゃだいいいいいいい!!おまえなんがどいっじょにずるなああああ!!ごのぐぞばめがああああああ!!」 「うっせー!」 「ぶぎゅっ!!」 男の足の一撃が親れいむを脳天から踏み潰した。 圧力で目が吹き飛び、口とアナルから盛大に餡子を噴出す。 「てめーらとまめしばを一緒にスンナ!―――まめしば。確かにお前は世間的には『生物』と認められていない。しかもいやに達観した考え方をもってる。でもな。俺にとっては大事な家族だ。こんな道端に落ちてる糞饅頭なんかとは違う。断じてだ。だから……そんな、自分をゴミと同じとか、そんな悲しい事いうな」 「おにーさん……」 その謙虚さも人気の一つかもしれない。 種類によって、感情表現や話し方に差があるのが、まめしばの特徴である 「……よし!さーて、今晩はまめしばが大好きな『アル○スの天○水』にしような~」 「うん!」 「でも、その前に……ゴミを片付けておくか」 男はまめしばをしまうと、親れいむと子れいむのもみ上げを掴んでゴミ箱の中に捨てた。 親れいむはわずかに生きていた。 「ゆ”……ぎ……ど、……どぼじ、ででええええ……」 傷口から餡子がぼとぼとと漏れていく。 「いや、じゃあ……でいぶ……じにだぐ……」 『ねえ?知ってる?』 「ゆ?」 親れいむの目の前に零れた、れいむ自身の餡子の中から、小さな目がひょこっと顔をだした。 『ゆっくりの餡子は、小豆が原料になっているんだよ?』 「―――ゆ”?ゆ、ゆゆゆ”っ……!!」 ねえ?知ってる? ねえ?知ってる? ねえ?知ってる? ねえ?知ってる? ねえ?しってる? ネエ?シッテル? 「―――」 ゲーセンで見かけた瞬間そう思った。衝動書きです ふたば系ゆっくりいじめ 433 ゆっくり親子 とクズ人間 ~Another~ ふたば系ゆっくりいじめ 496 あるドスのゆっくり ふたば系ゆっくりいじめ 530 絶対的虐待意思 ふたば系ゆっくりいじめ 650 絶対的虐待意思 0 ふたば系ゆっくりいじめ 684 ドス以外いらん ふたば系ゆっくりいじめ 733 あるドスの最後 ふたば系ゆっくりいじめ 745 絶対的虐待意思 ~せめてゆっくりらしく~ ふたば系ゆっくりいじめ 815 おかねさんとゆっくり トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る まめしばって多分ゆっくりの虐待がうまいんじゃないの? -- 2016-08-01 11 19 40 豆ウザイって言う奴は、虐待してあげるからね -- 2013-08-28 22 10 09 まさかの豆しばwwww でも、ゆっくりにも良い所あるよ!潰しがい、虐めがいがあるからwww -- 2012-07-29 19 52 30 豆しばって見てたら腹立つからゆっくりのほうがだいぶましな気がするんだが -- 2012-02-05 14 51 30 それでも虐待的には圧倒的にゆっくり>>>>>>>>>>>まめしば(笑) だからゆっくりはあんしんしていいよ!!! -- 2010-11-23 22 33 10 まめしばは可愛いなぁ… げすゆっくりと違って被害もたらさないから、まめしば>ゆっくりになりそやね -- 2010-11-21 19 31 33 まめしば萌ゆる -- 2010-08-12 00 16 03 こんな無駄にうるっせえゆっくり飼うかよ -- 2010-08-06 11 40 14 まめしばはとにかくウザい。 触る気にもならない ゆっくりは弄りたくなる -- 2010-08-03 17 15 56 豆ウザイ。饅頭かわいい。 -- 2010-07-17 23 24 37 豆って植物じゃ…? -- 2010-07-12 09 32 25
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一旦これで完成とします。誤字脱字の類は修正どぞ。補足もあれば追記どぞ。何かあればコメントでつっこんでくれれば。 -- (書いた人) 2011-12-16 19 50 35 いじめをしている人へ そいつの事が気に入らないなら関わるな。 いじめをしている暇あんなら自分の好きな事をしろ。 自分の好きな芸能人の事考えてろ。 その方が100倍楽しいから。 趣味ないんだったら作れ。 いじめばっかしていると自分の好きな芸能人が悲しむぞ。 自分の好きな芸能人に「いじめをしている人に応援してほしくない」って言われちゃうぞ。 -- (みのり) 2014-02-27 20 20 23 いじめをしてる人へ 自分だってひどい事されたら嫌だろ? 自分がされて嫌な事は人に絶対するな。 何回も言うけどいじめをしている暇あんなら自分の好きな事をしろ。自分の好きな芸能人の事考えてろ。 -- (みのり) 2014-02-27 20 24 52
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*警告* 現代物です。 ゆっくりは何も悪いことをしていませんが、ゆっくりできません。 80字改行です。その辺案配していただけると読みやすいです。 ↓以下本文 カーテンの隙間から僅かに光の射し込む部屋で、一人と一つが静かな寝息を立てていた。 人間は柔らかな布団のなかで、ゆっくりはベッドサイドの透明な小箱のなかで。小箱の表 面に浮かぶデジタル時計が、先に箱の中のれいむに朝を告げる。タイマーでれいむと箱を 繋ぐ頑丈なステープルに通電、大事な中身のあんこに直接電気刺激を与えて、ささやかな しあわせーな夢から引き戻す。ゆっくりできない電撃に苛まれ、れいむは必死に声を張り 上げる。 「ゆっくりおきてね! ゆっくりおきてね!」 電気が流れるたびに、まんじゅうボディをピクっと震わせてれいむは叫び続ける。その 可愛らしい仕草が、ゆっくり目覚ましの人気の一つだった。部屋の主はかすかに呻いて、 もぞもぞと布団に潜り直す。 「ゆっくりおきてね! ゆっくりおきてね!」 れいむには電流を止めることはできない。時間になると定期的に流れる電気から解放され るには、スイッチを押して止めてもらう他はない。やがて、溜息を絞り出しながら、長い 髪の女がもぞもぞと身を起こす。おぼつかない手は時計に触れてもなかなかスイッチを押 せない。箱のでたらめな箇所を何度も押す指を見上げ、れいむはもみあげをぴこぴこ跳ね あげ、ゆっくりモーニングを叫び続けることしかできない。 目覚ましれいむは不要な言葉を話せない。時計は勝手なことをしゃべらないものだから。 目覚ましれいむは涙もよだれも流せない。時計は勝手に砂糖水で汚れないものなのだから。 目覚ましれいむは飛び跳ねることはない。時計は勝手に動いたりしないものなのだから。 生産され、収穫されたゆっくりは選別され、適切に加工されて出荷され、消費される。 余計な砂糖水を流すためのあんこは焼き切られ、二度と再生することはない。あんよは 導電性に優れた金属ステープルで貫かれ、箱の底に固定され、跳ねることも、向きを変え ることも許さない。かちり、と小さな音を立ててようやくスイッチが押し込まれた。電流 から解放されたれいむは、白目を剥いて固まっていた。半開きの口からぷしゅぅ~、と湯 気が立ち上る。それでもいつの間にか、小箱の中でゆっくりしている。どこまでも不思議 なまんじゅうなのである。そのコミカルな顔芸に女は相貌を崩し、箱ごしにれいむを撫で ると、はだけた夜着を引っ張りながら布団から這いずり出る。れいむも指の動きに気付い て、容量の乏しいあんこに蓄えられた、数少ない言葉を口に出した。それを口にするだけ で、苦痛も忘れられる気がする素敵な言葉。 「ゆっくりしていってね!」 女は気怠げに朝食シリアルを頬張る。頬杖は下品なこととは知ってはいるものの、悲し き独り身。見せる相手も咎める者もいはしない。 「ん……」 ザラザラと牛乳を張ったボウルにおかわりを継ぎ足す。シリアルの紙箱には、への字口の ゆっくりぱちゅりーが、今にもムキュー! といわんばかりのタッチで描かれている。 肉まんが美味しいことでも有名な、コーマフーヅの人気製品『朝からゆっくり-ぶるーべ りー-』である。生ったばかりの赤ゆっくりを加熱処理してローラーで平たく成形したも ので、原材料の段階から甘いため、調味の必要もないうえに栄養価にも優れている。姉妹 商品はヨーグルト味とクランベリー味。ボウルとカトラリーを洗って伏せて、ペットボト ルのお茶でサプリメントを流し込む。かの女の朝は、だいたいこのようなものだった。 女は身支度を済ませ、誰もいなくなった部屋の中の狭くて透明な箱の中、れいむは今日 もひとりぼっち。透明な箱の中ではすーりすーりも、むーしゃむーしゃしあわせー、も存 在しない。だが、目覚ましれいむは悲しくなかった。そんなものが存在することさえ知ら ないのだから。真っ暗な箱から出してくれた、素敵なおねえさんとゆっくりできさえすれ ば、きっととってもゆっくりできることだろう。目覚ましれいむはそれだけが悲しかった。 おねえさんはれいむをおいて、すぐにどこかに出かけてしまう。れいむは大抵のゆっくり 製品と同様に親の顔を知らない未刷り込みのゆっくりであり、使われる時まで外の見えな い紙箱に入っていた。そして、誰かがそれを買って、使う。動かなくなったらゴミに出す。 ただそれだけだった。女にとってはれいむは500円の目覚まし時計でしかない。21世紀の 地球に突如出現した未知の物体は、連呼するその言葉とは裏腹に、ゆっくりすることはな い。ゆっくりは動いてしゃべる不思議まんじゅうでしかなく、このれいむもまた人語を解 する消耗品にかわりはなかった。 「ゆっ……」 目覚ましれいむの世界は透明な小箱の中だけ。あんよは台に固定され、跳ねることも回 ることもない。ステープルは加工直後にれいむの底と癒着していて、痛みはない。ただ動 くことができないだけ。薄暗い部屋の中の小箱の中で、れいむはぴこぴこともみあげを動 かしてみる。かわいいね、とおねえさんが言ってくれた言葉を思い出すと、れいむはとて もゆっくりした気分になった。目覚ましれいむはひとりぼっちでも、ゆっくりできるおう たを歌い出したりしない。れいむに限らず、大量生産の製品用ゆっくりは親ゆっくりの歌 を聞いたこともなければ、触れあうこともなく、歌など教わることはない。狩りの仕方も、 おうちの作り方も、すっきりーも知らない。消耗品には、求められていない機能は一生必 要ないのだから。しかし、加工品ではないゆっくりにとってはそうではなかった。 「にんげんさんがふくろをはこにかくしているんだぜ!」 「きっとゆっくりできるふくろだね!」 集合住宅のゴミ集積所、動物避けの箱を電柱の後ろから見つめる影。成体サイズのゆっ くりまりさとゆっくりれいむ、そしてソフトボール大の子ゆっくりが数個。 「ゆゆっ、しずかにしないとみつかるよ!」 「こっそり~!」 少女が自治体指定の袋を集積箱に放りこんで、何度も時計を見ながら慌てた様子で駆けて いくのを、隠れているつもりの野良ゆっくり一家が眺めていた。騒ぎながら待ち遠しそう に何度も電柱からはみ出て覗いている。少女がイヤホンで音楽を聴いていたのはまさに幸 運であった。 「にんげんさんはゆっくりしてないね!」 「おちびちゃんたち、ごはんにしようね!」 まりさを先頭に、一家はぽいんぽいんと一列に並んで跳ねて集積所に向かう。 「さっきのにんげんさんみたいに、ふたさんをもちあげればいいんだね!」 野良犬や野良猫にゴミ袋を荒らされないよう、しっかりつくられている箱は、悲しいかな 野良ゆっくりの無い手に負えるものではない。 「みんなであけるよ!」 「ゆんしょ、ゆんしょっ! ふたさん、ゆっくりあいてね!」 ゆっくり一家は箱に張り付いて、めいめいに飛んだり跳ねたり、伸び上がったりと忙しい。 もちろん箱は微塵も動かない。 「朝から野良ゆっくりとか……」 「ゆっくりしていってね!」 「ゆっくりちていってね!」 そこに半透明の袋を提げて、盛大に溜息をついたのは先ほどの女。ゆっくりは野良でも 警戒心が驚異的に薄く、逃げるどころか一斉に挨拶までしてくる始末。 「ほら、どいてどいて」 「ゆゆっ、ふたさんがあいたよ!」 箱を開けてゴミの袋を放り込む女の隣で、親まりさとれいむが何度も跳ねては、縁に届か ずに地面と仲良くなっている。跳ねた拍子に蓋に挟んで真っ二つにならないよう、女が ゆっくりと蓋を閉めると、ゆっくり一家はぷっくー、と一斉に膨れはじめる。 「おねえさん、いじわるしないでね!」 「あんたたち入りたいの?」 「ふくろさんをかくさないでね!」 「ゆっくりできないよ!」 ゆっくりには性差はないようで、どんな種でもとりあえず二匹いれば、すーりすーりする だけで繁殖する。駆除してもどこからともなく発生し、また増えたゆっくりは野良猫や野 良犬、鳥の餌になる。都市部でのゆん害は直接、間接を問わず、決して小さな物ではな かった。そして、このゆっくり一家はゴミ集積箱に餌になるゴミが入っていることを知っ ていた。誰かが餌付けでもしたのだろうか。女は顔をしかめる。 「もう、しょうがないなー」 放置して野良猫の餌になってもらっては困る。かといって、潰したところで餌になること に変わりはない。いくらゆっくりが美味しいおまんじゅうでも、かの女は今まで地面にい たゆっくりを生で食べる気はしなかった。ゆっくり一家の望み通り、集積箱に放り込んで おけば、燃えるゴミと一緒に回収されて、一つの円満解決になるだろう。だが、間違いな く業者が来るまでに、ゴミ袋はゆっくり一家に荒らされ放題となるだろう。ゆっくりをゴ ミ袋に入れて捨てるのが最適だが、急ぎのかの女にはゴミ袋を取りに戻る時間はなかった。 窮ずれば通ず、足下のまりさを見た瞬間、女の脳裏に一条の電光が走った。集積箱の脇の、 空き缶を拾うための大きなトングを手に取ると、片手で蓋をもちあげて女はゆっくり一家 を呼び集めた。 「いれたげるから、こっち来なさい」 「ゆゆっ、ゆっくりはやくしてね!」 まずは親れいむを掴む。トングが食い込んでむにょんと変形した面白い顔に、女は噴き出 しそうになったが、必死に堪えてゴミ集積箱の中へと運ぶ。柔らかく心躍る感触で、持ち 重りのするゆっくりを落とさないよう、なんとか袋の置かれていないスペースに下ろす。 だが、そのまま置いてはゴミ袋を荒らされるだけ。そこでかの女はれいむを天地逆にそっ と置いた。底を焼かれたゆっくりは身動きがとれなくなることはあまりにも有名な話であ るが、あんよと違い、ゆっくりのおつむには跳ねる機能はない。 「ゆふ~っ、おそらをとんでむぎゅ!」 「そこでおとなしくしてなさい」 「おねえさん! れいむをもどしてね! さかさまでうごけないよ!」 次に、女はまりさを挟む。ぶにっと歪んだまりさを逆さまにすると、帽子が地面に落ちる。 「おねえさん、おぼうしさんかえしてね!」 「はいはい」 れいむに触れない位置に気をつけて置くと、女はゆっくりの弾力のある底を破らないよう、 トングで箱の底に何度もか押しつける。あとは何が起きたかわかっていない子ゆっくりも 仲良くさせるだけ。触れて押し合って転がらないよう、すーりすーりの届かない位置に一 家仲良く離して置くと、愉快な声をあげるゆっくり一家をよそに、女は蓋を閉じた。 「ゆゆ~ん、うごけないよ!」 「やめてね! さかさまにしないでね!」 「それじゃゆっくりしていってね」 真っ暗になった箱の中、ゴミのすえた臭いはちっともゆっくりできるものではなかった。 「ゆえ~ん! くらいよ! こわいよ!」 「まっててね、いまたすけるよ!」 「おねえざあん! ゆっくりたすけてね!」 上下に伸び上がってもにもに蠢くゆっくりの百面相だが、誰一人として、それを楽しむ者 はいなかった。とても残念なことである。しかし、ゆっくり一家の阿鼻叫喚の響く集積箱 に、光が射した。一瞬で、ゆっくり一家の顔がぱぁあっと輝いた。 「ゆっくりたすけてね!」 「うん。ぱっと見、中にゆっくりが入ってるのわかるよね」 蓋をあけたのは先ほどの女。子まりさの帽子をゴミ袋の上に置いて、先ほど落とした親ま りさの帽子を縁に挟んで目印にすると、今度こそゴミ捨て場を後にした。ゆっくりが入っ ていることがわかっていれば、気なしにゴミ袋を放り込んで、潰れた中身で箱が汚れるこ とはないはずだった。 再び闇に閉ざされたゴミ集積箱の中、一家は白目で固まっていた。涙とよだれで子ゆっ くりの皮はふやけ、歪な末広がりのつぶれまんじゅうになっている。親ゆっくりもふやけ てこそいないもの、跳ねることも転がることもできず、ただ交互にゆっくりしていってね、 と呼び合うばかり。そして、ゆっくり一家の声は次第に一つ、また一つとかすれ、消えて いった。 書いた物リスト ゆっくりいじめ系464 森に魚を求める 紅魔館×ゆっくり系12 突発ゆっくり茶会 (差し替えて下さった方、本当にありがとうございます) ゆっくりいじめ系540 ゆっくり水雷戦 その他 ゆっくりの手引き ゆっくりいじめ系1097 アストロン ゆっくりいじめ系1014 どすのせいたい ゆっくりいじめ系1907 品評会 ゆっくりいじめ小ネタ259 緩慢しんぼ
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深夜の甘味 6KB 小ネタ 調理 短いです ※一度削除、再アップしました 女の子は甘い物が好きである。これは世の常識だ。 そして甘い物が好きな男の子も多い。 そう、例えばこの俺だ。 今もなにかこう、無性に甘い物が食べたくなったので、リビングの水槽の中かられいむを持ってきた。 着せてあった服は脱がせてある。――大体なんでゆっくりなんぞに服を着せる必要があるんだ? 「ゆゆう。れいみゅはもう、おねむだよう……」 俺の手に乗っているこいつは、妹が大事に大事に育てている子れいむだ。 妹はこいつの他にも何匹かゆっくりを飼っている。 それなりに育ったゆっくりを買ってくりゃいいものを、わざわざ小さい頃から面倒見るだなんて、何だってそんな酔狂なことをするのか俺には理解できない。 妹曰く、「小さい頃から知っている方が安心できる」んだそうだ。 そんなもんかねえ。 こんなモンに下手に愛着持っちゃって、人間として嫌な気分にならないのかよ。 「かわいい」とまで言ってんだぜ。信じらんねえわ。 ともあれ、妹の物は兄の――すなわち俺の物。これも世の常識だ。 俺は甘い物が食べたくなった。 家には妹が育てているゆっくりがいる。 だからそいつを俺が食べる。 どうだ、この見事な三段論法。文句あっか。 この寒い中、しかも深夜に、わざわざ甘い物買いに外出たくないってーの。 しかもこのれいむ。健康そうに育っていて、子ゆっくりとしてはちょうど今日あたりが食べ頃と見たぜ。 「すーや、すーや……むーにゃ、むーにゃ……」 俺の手の中で呑気に眠りこけているれいむを、石油ストーブの上に敷いてあるアルミホイルの上に乗せた。 そのまま食べてもいいけど、この時期は温めたゆっくりが定番だよな。 「……ゆ? にゃんだかあんよがあっちゃかいよ! ぽかぽかだよ! ぽーかぽー……ああああぢゅいいいいいいいい!!」 漫画を読みながら、ちょっと待つ。 「あんよがあぢゅいよおおおおおおお!! いぢゃいよおおおおおおお!!」 おお、鳴いてる鳴いてる。 ちなみに俺の部屋は防音がしっかりしているので、外にこの悲鳴が漏れることはない。 「おねえじゃん! おねえじゃん! たぢゅげでね!! かばいいれいみゅをだぢゅげでね!!」 はいはい。早寝早起きのお姉さんは、自分の部屋で寝てるよ。残念だったね。 さてと――お、あんよはいい塩梅に温まったな。 「れ、れいみゅ、おぞらをとんでるみだいいいい!」 このちょっぴり焦げてるのが、またいいんだよね。 「れいみゅのあんよがあああ……」 じゃあ次は、ひっくり返して、おつむの方を温めるとしようか。 とりあえずお飾りを外して、っと。あちちっ。 「れいみゅのすてきなおりぼんしゃん! かえちて……ああああぢゅいいいいいいい!! れいむのおづむがああああああああ!!」 うーん。飴細工の髪の毛が焼ける甘い香り! たまらないなあ。 早く焼けないかなあ、とばかりに、れいむの体を押しつける。 「やめぢぇえええええ!! おねえじゃん! どごにいるのおねえじゃん! れいみゅをだぢゅげでええええええ!!」 また妹に助けを求めてやがる。よく懐いてるんだなあ。 まったく、こんなにかわいがって、妹も何考えてんだか。趣味が悪いったらないぜ。 ――おっと。あまり温めてもまずいな。そろそろいいか。俺はれいむをストーブから下ろした。 「も、もうやぢゃあ……。れいみゅ、おうぢがえるうううう……」 あっちい! 火傷には注意しないとな。 ゆっくりを加熱していて火傷しましたなんて、格好悪くていけない。 「……ゆ? おにいしゃん、なにしゅるの? やめちぇね! やめちぇね!」 俺の口に運ばれる段になって、ようやくれいむは自分の運命を悟ったらしい。――よしよし。せいぜい鳴いてくれ。 では、いただきます。 俺はれいむのおつむをがぶりとかじった。ゆっくりと某ひよこ菓子は、頭からいくのが俺のこだわりだ。 「いぢゃいいいいいいい!! れいみゅのおつむがあああああああ!?」 うーん、うまうま! この、ほどよく温まった皮と餡子がたまらないね! そこに餡子とは違う髪の毛の甘味が加わって――やっぱり冬の甘味ったらコレだな! スイーツじゃなくて甘味と呼ぶ。これも俺のこだわりだ。 「やめちぇええええええ!! れいみゅのおつむたべないでええええええ!!」 そしてこのれいむの鳴き声。これがまた味のアクセントになるのよ。 やかましいからと口を塞いで黙らせたり、手っ取り早く殺してから食べる人もいるみたいだけど、俺に言わせりゃそれは素人だね。 悲鳴もゆっくりの味の内。これがないとやっぱり寂しいよ。 納豆やくさやなんかも確かに臭いけど、だからと言って臭わなかったら物足りないだろ? 「たちゅけてえええ……おねえしゃん、たしゅけてええええ……」 また妹に助けを求めてやがる。いい加減にあきらめろっての。 俺はれいむの体を口に入れた。 口の中に「もっちょゆっくちしちゃかった……」という声が響く。 うーむ。この断末魔も、ゆっくりを食す醍醐味だぜ。 こんなゆっくりを育ててくれた妹に感謝だ。 「なんで私のれいむを食べちゃったの!?」 「甘い物が食べたかったからだ!」 明けて今日、朝早くから妹に叩き起こされた。 そして説教を食らっている。もちろん、妹のれいむを食べちゃった件に関してだ。 「信じらんない! 私が精魂込めて育ててたって知ってるよね!?」 妹はちょっと涙目になっている。 さすがの俺にも罪悪感が芽生えるが、ここで折れては兄の面目に関わるのだ。 できるだけふんぞり返って言ってやる。 「精魂込めてっておまえ、たかがゆっくりにさあ」 その辺で買ってくりゃいいじゃねえかよ。 「素性がはっきりしていた方が安心できるでしょ!?」 「加工所製のでいいだろ。安全だぜ?」 「私は本物志向なの!」 けっ。何言ってんだか。 「だいたい、あのれいむ。夕べあたりがちょうど食べ頃だったぜ」 俺がそう言った瞬間、妹の目つきが恐く――いや、さっきから恐かったので、より凶悪になった。 「はあ? あんた今何て言った? ちょっともう一回言ってくれる?」 「い、いや、ちょうど食べ頃って……」 「食べ頃!? 夕べが!? 馬鹿なの? 死ぬの?」 「た、食べ頃に見えましたよ?」 つい敬語になってしまった。 「あんた、信っじらんないくらいド素人ね!」 妹は盛大に溜息をついて、 「食べ頃は明日の夜よ。そんなこともわかんないの?」 心底馬鹿にした目つきで俺を見て言った。 口喧嘩で妹に勝てる兄はいない。これは世の常識だ。 俺は今、妹のためにゆっくりを買いに走らされている。 妹サマは『最高級天然子れいむ(血統書付)』をご所望だそうだ。 「なんだって俺がこんな事を……」 つい口に出して愚痴ってしまうが、原因なんてわかりきっている。 妹が食用として大事に大事に育てていたれいむを、俺が食べてしまったからだ。 認めたくないが、まあ全面的に俺が悪い。 自称『本物志向』の妹は、めったに店売りのゆっくりを食べない。 なんでも「加工時の添加物や調味料がゆっくり本来の味を殺す」んだとさ。 この美味しんぼ気取りの女は自分でゆっくりを飼育しはじめた。 もちろん、自分で食べるためにだ。 でもあいつ、ペットにそうするように愛情たっぷりで育てるものだから、まあゆっくりに懐かれること懐かれること。 あの女ってば、一秒前まで自分を「おねえさん」なんて慕ってたゆっくりを笑顔で食うんだぜ! 趣味悪すぎだろ! ――まあいいや。そういう人は世界にごまんといるみたいだし、人様の食生活なんてとやかく言う物ではない。 ただ一つだけはっきりさせておきたい。 あの子れいむは夕べが食べ頃だった。 兄のプライドにかけて、そこは譲れないぜ。 (了) 作:藪あき 挿絵 byめーりんあき 以前書いたもの…… ふたば系ゆっくりいじめ 525 犬 ふたば系ゆっくりいじめ 532 川原の一家 ふたば系ゆっくりいじめ 554 ゴキブリ(前編) ふたば系ゆっくりいじめ 555 ゴキブリ(後編) ふたば系ゆっくりいじめ 569 ねとられいむ ふたば系ゆっくりいじめ 622 格子越しの情景 ふたば系ゆっくりいじめ 654 奇跡の朝に ふたば系ゆっくりいじめ 715 下拵え ふたば系ゆっくりいじめ 729 ある日の公園で ~the Marisas and men~ ふたば系ゆっくりいじめ 740 彼女はそこにいた ふたば系ゆっくりいじめ 759 Eyes ふたば系ゆっくりいじめ 780 そして扉は閉ざされた ふたば系ゆっくりいじめ 921 藪の中から ふたば系ゆっくりいじめ 933 まりしゃのおうち 藪あきの作品集 トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る 愛で派かと思ったらまさかのスイーツだったwwwwww -- 2014-06-05 18 17 30 Oh~ -- 2013-07-10 15 22 56 愛で派だと思ったwww -- 2012-07-30 22 28 00 「ほんものしこう、だってさ。おお、こっけいこっけい。 たべごろさんのわかるかしこいおにいさんが めのくさったいもーとのかわりにたべてあげるよ! かんしゃしてね!」ってことだねー、わかるよー。 うわずみさんだけとっていくことにざいあくかんをかんじない あんこのうなゲスおにいさんをもっておねえさんもたいへんだねー。 -- 2012-02-04 20 26 01 お兄さんちょうど旬の焼きゆっくり2つ予約で -- 2012-01-08 11 52 15 はぁあああ!?甘味といったらゆっくりぃ!?何いってんのぉおおお!? 職人の手で作られたスイーツこそ至高にして究極なんじゃあああああ!! スイーツ侍なめんなぁああああああ!!! あ、店員さん焼きゆっくり一人前追加でお願いします。 -- 2011-11-08 10 52 35 食べ頃は明後日の夜でしたとさ。 -- 2011-09-29 07 02 10 バカ兄貴だな -- 2011-09-14 00 56 38 このお兄さん弱いよ! -- 2010-09-12 20 52 35 なにが本物志向だよ こういう馬鹿うぜぇ -- 2010-08-20 02 30 30
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注意書き これは、落語の「まんじゅうこわい」を自分なりにアレンジしたSSです。 作者の落語に対する知識は乏しいですが、ご了承下さい。 fuku4339に同名のSSがありますが、内容は異なりますのでパクリではありません。 虐待お兄さんが出てきます。 メタネタ、パロディネタがあります。 虐待描写は少なめになっております。 ――えー。11月ですナ。 ――正確には、11月も終わりに近づいて、12月。 ――まぁ、これはSSなので、別に五月とか六月に見て頂いても一向に問題ない訳なのですが、アタシの時間感覚では11月の末頃でございます。 ――11月も末に入ってきますと、クリスマス商戦が始まりまして、あちらこちらの店でジングルベルのリズムが聞こえ出す頃ですナ。 ――まだ一ヶ月も先なのに、お店の経営者様は気が早いものでございます。 ――お師匠様が急ぐ師走の12月の事ですから、忙しくなるのも当然でございますが、まだ11月ですから。 ――皆々様も、12月までに急いで片付けなきゃならん事があれば別ですが、そうでなければまだまだとばかりにのんびり過ごされると、健康によろしいと思います。 ――かく言うアタシは、12月までに片付けなきゃならん事が山積みで、モー目が回りそうでございます。 ――まずアレを片付けて、次にコレを片付けて…と、慣れない予定表を作って一つ一つ用を足している次第でございます。 ――時間が足らない、徹夜で片付けてしまわないといけない、でも寝ないと用事を済ませる事が出来ない、でも時間がない…堂々巡りですナ。 ――明日になるのが怖いというのは、ちょっとした火遊びの後の家に戻った日のカミさんの顔を見る以外にもある事だと、初めて知った次第であります。 ――えー、さて。様々な人がいれば、様々な怖いものがあるものです。 ――十人十色、虫だの爬虫類だの両生類だのと、その辺りは分かりますが、何でそんなものを怖がるのかと思うほどの方もいらっしゃいますナ。 ――難しいこたぁ良く分かりませんが、なんちゃら恐怖症ってのがあるそうで。 ――その伝で言えば、アタシはカミさん恐怖症でございます。 ――ここに集まった面々にも、怖いものはあるものでして…… 「おぅ、勝っちゃんは何が怖いんだい」 「ヘビだな、なんだ、こっちをジーと見て、舌をピロピロピロっと出したり引っ込めたり、また出したりして、気持ち悪いったらない」 「確かに嫌だな、ヘビのあのピロピロは」 「じゃあ、松っつぁんは何が嫌なんだい」 「カエルだなぁ、カエルはぬるぬるぬるぬるっと、あー、口に出すのも嫌だ嫌だ」 「そらぁ、ぬるぬるするのが奴らの仕事みたいなもんだ。それが嫌ならどうにもならんわな」 「お次、竹やんは何が嫌いだい」 「なめくじだな。さっきも道で会ったけど飛んで逃げたよ、2尺は宙に浮いたね」 「ヘビにカエルになめくじって…ムシケンじゃないんだから、そんなにまとめなくていいんだよ。お前ら三人律儀だなぁ」 「で、金っつぁんが嫌いなのはなんだい」 「アリだよ。なにやら触覚でごしょごしょ相談して、話がまとまったーって感じに離したのを見ると、それがおれの悪口じゃないかと思うともうそれだけで嫌んなる」 「あんた、妙なもん嫌うんだな」 「おい、鬼っちゃん、さっきからだまーってみんなの話を聞いてるけど、あんたの嫌いなものやら怖いものはなんだい」 「ないね、何にもない」 「また連れない返事だね。なんだい、あんた、何も怖いもんないのかい」 「何にもないね、ないったらない!」 「おぉぉ、おいおい、何も怒るこたぁないじゃないか、そういう時は普通にないって言えばいいんだよ」 「だからないって答えてるんじゃあないか。そもそも、ぼかぁ聞かれた事に怒ってるんじゃあないんだ、あんまり下らない話してるから怒ってるんだ」 「いいか、ご歴々。人間は『万物の霊長』って言われてるんだぞ。人間は一番偉いんだ。その人間様が怖いって、なに馬鹿な事言ってんだい」 「なんだい、おまえさんはヘビが怖いとか言ってたな、ぼかぁヘビを見たらゾーッとするね」 「震えが来るって、怖いんじゃあねぇか」 「なに馬鹿な事言ってんだい、震えるのはあんまり手ごたえないからじゃあないか」 「手ごたえ? あんた、ヘビをどうするんだい」 「頭ぁ潰してそのまま焼いて食っちまうのよ、決まってるだろ」 「ヘビを潰した上に焼いて食っちまう? ヘェー…じゃあカエルは?」 「カエルなんてものは潰してから味噌漬けだな、何日か漬けとくといい具合に飯が進むんだ」 「そいつぁ凄いな、じゃあ、なめくじはどうすんだい」 「なめくじなんぞは塩ぶっかけて、潰して焼いちまえばいいんだよ」 「何言ってんだい、塩かけたら溶けっちまうじゃねぇか」 「馬鹿言いなさんな、その溶けかけのが美味いんじゃないか」 「いやいや、ホラにしても大したもんだ。じゃあアリンコはどう食べるんだい」 「アリ? アリンコなんぞ、ごま塩のごまが足りない時にパッパッとかけちまえばいいんだよ」 「食べちゃうのかい?」 「おぅ、アリンコの方がごま塩よりちっちゃいからな、そっちの方が食べやすいんだ」 「なんだい、そりゃ。ちょこちょこ逃げまわって食べにくいんじゃないのかい」 「そんなの、潰しっちまえばいいじゃあないか」 「大体、ぼかぁ何でも潰して食っちまうんだ、みんなも怖がってないで潰しっちまえばいいんだよ」 「怖いものなんて何にもないんだ、怖いもの…うっうっうっ」 「なんだい、いきなり泣き出しちまって」 「みんな悪かった…思い出したよ、思い出しちまったんだよ」 「何を」 「怖いもの。みんな、悪かった! 僕も人のこたぁ言えないんだ!」 「いいよいいよ、別に怒っちゃあいないよ」 「そうか…ありがとう、ありがとう」 「怒ったり泣いたり怖がったり喜んだり、忙しいねぇ。そんで、何が怖いんだい」 「いやいやいやいや、それだけは言わん! 言えるわけがない」 「なんだい、人の怖いもん聞いていて自分だけは言わないってどういう了見だい」 「これは口に出すのも嫌なんだ、あー、考えるのも嫌だ。イヤだイヤだ」 「そんなに怖いものがあるのかい。なんだい、言ってみな。悪い様にはしないから」 「そんなら言うけど。怖いものは、ゆっくりだ!」 「ゆっくり?」 「ゆっくりだよ! あぁぁ…怖い怖い。松っつぁんじゃないが、口に出すのも嫌だ」 「ゆっくりってぇと、あんた、あの饅頭なんだか生き物なんだかわからない『ゆっくりしていってね!』って言うしか能のないあの…」 「わァーッ、言うな、言わないでくれ! 体の震えが止まらなくなっちまったじゃぁないか!」 「あァ…あんなものの話をしたから熱まで出てきたみたいだ、もう家に帰る」 「…青い顔して帰っちまった、なんでゆっくりなんてものが嫌いなんだかなァ」 「さてなぁ。きめら丸でも見たかな」 「奴もゆっくりなんだ、叩き潰すか、できなきゃァ離れたらいい話じゃあないかい」 「いやいや、鬼っちゃんはあれだな、普段は大人しいからなぁ、潰す事も逃げる事もできずに震えてたんだろうよ」 「ちがいない…そうだ、面白い事思いついた」 「鬼っちゃんの家にゆっくりを持っていけば“ヒィー”っと悲鳴上げて逃げ回るだろうなァ」 「なるほど、そいつぁ面白そうだ」 『ゆっくりしていってね!』 『ゆっくりしね!』 『ふらんだぁぁぁ! ゆっぐりでぎないよぉぉぉ!』 「これだけ集まるとやかましいなぁ、鬼っちゃんの家に行くまでに気付かれっちまうぞ」 「そうだ、別に悲鳴は上げなくてもいいんだから、口ぃふさいじまおう」 『なにするのおにいさん、ゆっくりやめてね! ゆっぐ…』 『まりさにひどいこ…』 『ゆっくりでき…』 「全部ふさがったらいっぺんに静かになっちまったよ。それだけやかましいってぇ事だね」 「でも、入れてる木箱がごとごとごとごとやかましいぞ、こいつぁどうすんだい」 「ごとごと揺れるのはしかたねぇな、死んだゆっくりなんぞ投げ入れても埒があかない。ほれ、行くぞ」 「ところで、ふらん持ってきたのは誰だい、ただでさえうるさい奴らがもっとうるさくなっちまったじゃァないか」 「まぁ、いいや。持ってきちまったもんは仕方ねぇ、じゃあいくぞ、それッ」 「ヒャハアァーッ! ゆっくりだぁぁぁ!!!」 「おぅおぅ、悲鳴あげてらぁ」 「ヒャアアアアァァァーッ!!! ゆっくり、ゆっくりぃーーーー!!!」 「よっぽど怖いんだな、叫びっぱなしじゃねぇか」 「ヒァッハッハッハァ! ゆっくりがこんな、こんなにぃーーーー!」 「おい、おかしいぞ、なんか楽しそうじゃぁねぇか?」 「まずいぞ、ひょっとしてあれだ、あれ…になったんじゃァないか?」 「そんなに口ごもらなくても、きち○いって言えば簡単じゃァないか」 「いや、いやいやいや…それは言ったらまずい! だめだぞ、事情があるんだからだめだ!」 「そんなに怒るこたぁないじゃないの、きち○いって言っただけで」 「あァーッ、二度も言った! お前、もう言うなよ。言ったが最後、表を出歩けなくなるからな」 「分かった、分かったって…そんな事より鬼っちゃんだ。あいつ、さっきからずっと叫びっぱなしだぞ」 「本当におかしくなっちまったんかなァ」 「いや、そう短絡的に考えたらだめだ。まずは様子を見ないと、どうなってるか分からんからなぁ」 「うん、そう。その通り。じゃあ、ちょっと、のぞいてみるか」 「フヒ、イヒヒヒ…ゆっくりに囲まれてるなんざぁ、夢みたようだなァ」 「ヒヒッ、こいつぁれいむ、こいつぁまりさ、こいつぁふらん、こいつぁ…なんだ?」 「なんだい、おりきゃらかい。あァ? 『み・の・り・こ』だって? おりきゃらはおりきゃらでいいんだよ」 「おお怖い、怖い怖い、あんまり怖いから…」 「ヒャッハァァァ!!! 虐待だぁぁぁ!!!」 「アァー!」 「なんだ、誰かに掘られたか?」 「馬鹿言ってる場合じゃァないよ、あれ、あれ見てみろ」 「ふんっ、ふんっ…あー、こんな怖いものは全部潰してやらないと気が済まないぞ、ふんっ、ふんっ!」 「なんだ、ありゃア、全部素手で叩きっ潰しちまってるぞ」 「怖いから潰しちまってるんじゃぁないのかい?」 「いやァ、あれだけ笑顔で潰すなんてないわ。ありゃアゆっくり虐待が大好きなんじゃァないのかい」 「こいつぁ…だまされたんだ! おい、お前ら行くぞ!」 「おい、鬼っちゃんよ、これぁどういう事だい!」 「いやァー、みんなぁ、すまねぇな。ぼかぁ、本当はゆっくり潰すのが大好きなんだ」 「ごめんで済んだら手にお縄はかけられずに済むんだよ、これだけのゆっくりどもを捕まえるのにどれっだけ苦労したか!」 「大人しいと思う奴ほど怖いってぇ事だな…で、鬼っちゃんの本当に怖いものは何だ!」 「あァ、今度は口の開いたゆっくりが怖い」 ――えー、ゆっくりこわいでございました。 作者当てシリーズ このSSに感想を付ける