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さんさくめ ちょっと ちょうしこきすぎた あいかわらず だぶん だよ by おれまりさ とか よばれたひと 「あ~楽しィ~!マジAQN最高だぜ」 今日もハッピーターンをつまみながらビールを飲んで、某ゆっくりスレを見て1日の疲れを癒す。 そんな私はゆっくり愛好家。壁紙はゆっくり、勿論デスクトップを飾るのはゆっくりデスクトップアクセサリー なぜならゆっくりは特別な存在だからです。 デスクトップ画面には50匹を超えるゆっくりが縦横無尽に飛び跳ねている。 この為にCPUをセレロンからクアッドに変えたのは言うまでもない。 「あ~かぁいいよ~ゆっくり~!俺の大根もおろせる頬でスリスリしたいよ~~!」 悲しいかなこいつらは与えられた画像とルーチンでしか動く事できない デスクトップを見てニヤニヤしてる俺。親が見たら泣くね絶対、まだAV見てる方が救いがあるよねウン しばし至福のゆっくりタイムを満喫してると、辺りが一瞬真っ白い光に包まれに遅れてゴロゴロと言う音が外から響いていた 「結構近いな。落雷で俺のゆっくり画像が消えちまったら困るな。可愛いゆっくりちゃん、少しの間会えないけど我慢しててね」 そう言ってスタートボタンにポインタを合わせた瞬間であった ガラガラガッシャーーン!! 眩い閃光と共に耳をつんざく爆音が俺の部屋を襲った 同時に激しい衝撃で俺の体は吹っ飛ばされ壁に叩きつけられた 「うぉ…いってて、本当に落ちるとは…はっ俺のゆっくり1号カスタムは!?」 自慢のゆっくり専用PCを見やると本体は白煙を上げモニタは真っ暗な画面だけを映していた 「なん…だとっ!?」 何という事だ...給料の3か月分を費やして組み上げたゆっくり専用PCが!? 1年掛けて関連サイトやアップローダを暇さえあれば業務中でも探して集めた画像がッ!? 通勤中に思いついてにやけてしまう程の思いのたけを綴ったゆっくりとの妄想ライフSSががっ!? おきのどくですが ぼうけんのしょは きえてしまいました 3行の文が俺の中を渦巻いていた。 ゆっくりが居なくて何の人生を楽しめようか 目の前が真っ暗になり俺の人生も真っ暗にあんりかけたときであった ビッ ピーー 聞きなれた起動のビープ音がPCから聞こえた 「良かったPCは生きてる!」 後はデータが生きてるの確認するだけ OSのロゴが消えるとと何時もの乱雑なデスクトップ画面が映った 相変わらず暢気にゆっくり達が跳ねまわっている。よし問題ない 後はマイゆっくりフォルダを確認するだけだ。ポインタを置くと目を瞑って祈る思いでクリックする 「…。」 うっすら目を開けると白い背景にいくつものアイコンがいくつも見えた。 良く見ると虫食いの如く所々有る筈のフォルダが消えてる 「ま…PCが生きてるなら儲けものだな、ハハ…」 とりあえず飲み物をとって気を落ちつける事にした。もう流れちまった画像の事を考えると飲まないと涙が零れそうだからだ 「さてと…他の方は…ん?」 可笑しい…さっきまで有った筈のフォルダや画像のアイコンまでが消えている 「ま…まさかウィルス!?」 だがウィルスソフト反応してない。じゃあ一体なぜ?Why? 「ん…なんだこりゃ?」 何故かデスクトップアクセサリーのゆっくりれいむが妙な行動している。 AAでよく見るむーしゃむーしゃと物を咀嚼するアクション。 こんな動きしたか?徐にポインタを近づけてクリック するとれいむが口からアイコンを吐き出した。こ…これは!?タイトル名を見ると私的神画像の1つ!? 「れいむのしょくじをじゃましないでね!」 スピーカーから聞こえる筈のない物が聞こえた。 それだけではない他のゆっくり達を見るとデータにない筈の動きをしている 「これは一体?おまえはだれなんだ!?」 「れいむはれいむだよ。ばかなの?」 いや待て落ち着け……これは夢だ。夢でないとしたら幻覚だ。頬をつねろう 「あだだだだっ!?」 本物だ。じっくり観察してみるとデスクトップ上ではゆっくり達が思い思いに動いていた 数匹で歌を歌ってる者・追いかけっこをする者・フォルダのアイコンに顔を突っ込む者、絵やSSをみて想像するしかなかった光景が今ここに存在している 「フ…フハハハハハ!見ろ全国の『お兄さんども』よ!!俺はゆっくり愛好家達が誰もが羨む夢『ゆっくりと暮らす』をこの手に手に入れた」 「うるさいよ!しょくじちゅうなんだからゆっくりしずかにしててね!それとごはんがたりないからすぐもってきてね!」 「ああ・・・ハイハイゴハンね。ゴハン?お前ら電子データの癖に物が食えるわけないだろ」 「なにいってるの?おっきいおさらのなかにあるのがれいむのごはんだよ!」 よく見たら開いているマイゆっくりフォルダの中に多くのゆっくりが集っている。そいつら一様に何かを咀嚼している。ま…まさか!? 「こいつらファイルを食ってる!?」 何と気づいたらマイゆっくりフォルダの画像やテキストファイルの殆どが消失してる。こいつは不味い! 「ば・・・ばかたれ!今すぐ辞めろ!!」 「これはれいむがみつけたごはんだよ!ゆっくりできないおにいさんはきえてね!」 叫ぼうが一向にゆっくりはやめる気配がない。止めようにも画面の向こうの存在に干渉することなどできやしない。 「そうだ?さっきれいむに…」 フォルダでファイルをむさぼってる一匹のゆっくりをクリックする 「ゆ!?いたいよ!まりさをはなしてね」 ビンゴ!やっぱりそうだ。こいつらはデータなのでPCから操作で干渉できる 「おにーさんまりさをはなしてね!」 そのままドラグしてゴミ箱へドロップ 「ゆ゛ーーー!」 仲間の叫び声に気付いた他のゆっくり達が一斉に振り向く 「ゆっ!おにいさんまりさをかえしてね!」 「ここはれいむたちのおうちだよ!かってにいじらないでね!」 口々に非難の声をあげるれいむたち。 余りの事にこいつらの本質を忘れていた。 自分勝手で頼みもしないのに居着いてまるでそこの主の様に振舞う そして俺はお兄さん ならば成すべき事は一つ… 「おにいさんれいむをむししないで…むっぐ!こんなにごはんいらな゛っ」」 手始めにバックアップ済みの大容量データを放り込んであげた。 3GBもする御馳走を貰ったれいむは歓喜のあまり白目を剥いて気絶してしまようだ 「て゛い゛ふ゛ぅぅぅぅぅ!!」 れいむのつがいらしきまりさの口にはどっかで拾ったゆっくり.zip .exeとかいう何か怪しい香りのするファイルを御馳走させてあげた 「や"めでっ!?むーしゃむーしゃしあわせー♪」 「アレ何ともないのか?」 「ゆ…ゆっくゆっくゆっくりゆっくりゆっくりゆっくりゆっくりっくりっくりっくりっくりっくりっくりりりりりり」 「あ…やっぱりヤバいファイルだったか」 まりさは壊れた録音機の如く奇声を発しながら画面上を狂ったように走りまわる 今度は呆気にとられて動けない3匹のゆっくりを範囲指定して圧縮ソフトのアイコンに放り込んであげた するとデスクトップに3匹のゆっくりがいびつに融合した真四角なアイコンがあらわれたではありませんか 「き゛ほ゛「い゛や゛あ゛ぁぁ「は゛な゛れ゛て゛ぇぇぇぇ」ぁぁぁ」ち゛わ゛る゛い゛ぃぃ」 ゾクっとする様な不気味な声を立ててガタガタ動いている しかし本当の悪夢はこれからだ。ゆっくりデスクトップアクセサリの設定画面を起動してRemilaと名の付いたファイルを起動させる。 「うー?」 他のゆっくり達の顔が凍りつく。まさかれみりゃまで出てくるとは思いもしなかったろう 突如出現させられて戸惑っているれみりゃ。だが周囲を見回すと事態を把握したのかにっこりと笑う 「たべちゃうぞー!れみりあ うー!」 ようやく危機を悟り逃げ回る残りのゆっくり達。 「れ゛み゛り゛ゃ゛た゛ぁぁぁぁぁあぁ!!」 「い゛や゛た゛あ゛ち゛に゛た゛く゛な゛い゛ぃぃぃぃ」 半狂乱になって画面を逃げまどうゆっくりの様子は滑稽なものだった。 「ハハハハ!見ろ、人が…じゃなくてゆっくりがゴミの様だ!」 れみりゃに中身を食われてデリートされる物 画面端に逃れようとして将棋倒しになり押しつぶされる物 やけくそになったのか他の仲間を押し倒して性行為に及ぶ者 とにかく隠れようと自分からゴミ箱につっこむ者 宴は空が白むまで続いた。騒動が収まった頃にはデスクトップには数匹のゆっくりがポインタから逃げるように画面端で縮こまっている。 まだ続けたいところだが今日は出勤日、眠い目を擦り身支度を整え朝飯を取る。 今まで起こった事が夢のようだった。だけど現実なんだよこれが 出かけるので電源を消そうとPCの前に行く 「お゛ね゛か゛い゛で゛す゛ゆ゛っく゛り゛さ゛せ゛て゛く゛た゛さ゛い゛…」 その言葉を聞いて電源を切る手を止めた 「そうか帰ったらあそんであげるからそれまでゆっくりしていってね!」 俺は軽い足取りで家から出てゆく。何か聞こえた気がするけど気のせいだろう このSSに出てくる固有名称・団体名・商品名・企業名は実在の物とは無関係です このSSに感想を付ける
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夢の跡 秋冬期の間、厳しい寒さに襲われる幻想郷。 「ざむいどぉぉぉぉ……うう~、おぜうさまはさむいのいやだどぅ~」 それは、他種から恐れられ、ゆっくり食物連鎖の頂点に位置するれみりゃ種とて例外ではない。 「あったかいべっどがほしいど~!さくやー!さくやー!」 この若いれみりゃは、今までたった一匹で気ままに暮らしてきた。家族や従者や仲間はいなかった。 れみりゃにとってこれが初めての冬となるのだが、その肉饅に刻まれた越冬に関する記憶はというと、 ”さむくなったらさくやにめいじてだんろにひをいれさせるんだっどぅ~” ”しろいのふってきたらこーまかんからでないでゆっくりすごすどぅ~” まったく役立たずの代物だった。 冬が近づき、困窮したれみりゃは森を出て人間の里を目指した。 「さくやがぐずぐずしてるからいけないんだっどぅー! しかたがないから、おぜうさまをうやまうにんげんにたすけさせてあげるどぅ!」 うっうーうあうあ☆とご機嫌で進むおぜうさま(自称)だった。 「うう?」 まだ人里からはかなり離れたところ、森の中にぽっかりと開けた広場で、 れみりゃはとても素晴らしい”こーまかん”を見つけた。 周囲に高い竹垣を巡らせ、その中心に立派なお屋敷が立っているのだ。 「すっごいどぅ~!!おぜうさまにふさわしいおやしきだっどぅ~!!」 れみりゃは喜び勇んでその建物に走り寄った。 「うっうー☆おぜうさまだっどぅー☆あけるどぅ~!!」 ちなみにこの時れみりゃの脳内では、 こーまかん→おぜうさま☆のおなり!→もんばんのおでむかえ→さくやのぷっでぃん!→えれがんとなひととき という、まったくありえない妄想が渦を巻いている。 「もんばんはなにしてるどー!おぜうさまをまたせるなんてふとどきだっどぅ~! たーべちゃーうどー!!」 吹き募る風の冷たさに震えながら、だみ声を張り上げるれみりゃ。 やがてその声を聞いて、竹垣の一部、格子戸になっている部分が開いた。 現れたのは人間だった。 「ちくしょう冷える……なんだ、ゆっくりか。わざわざ歩かせやがって」 「はやくあけるどー! こーまかんのもんばんは、さむくてもおそとでたいきだっどぅ~!! おぜうさまをうやうやしくでむかえるぎむがあるどぅ~☆」 もちろん人間は安易に格子戸を開けたりはしない。 「うるさい、帰れ」 「なんでだどーーー!!??おぜうさまをはやくおやしきにいれるどー!!」 * * * * ゆっくり飼育畜舎『紅魔館』。 それは要するに、ゆっくり達をゆっくりさせるための家畜小屋、 ゆっくりの言葉で言えばゆっくりぷれいすのことだ。 愛好家が自分の所有するゆっくりをゆっくりさせるための商品として、 他のゆっくり関連商品とともになかなかの人気を誇っている。 俺は今、その新商品の試用のためにここに住まわされて三日になる。 この”紅魔館”、外見はとても美しい。軽石を着色して模造した赤煉瓦としっかりとした建材で出来ていて、 今までの畜舎とは比べ物にならないほど立派だ。 しかし、 「うおお……寒い……寒い……」 所詮はゆっくり用の簡素な建築物である。飼い主の視線がきちんと通るように設計されているため、 風通しが良すぎて冬はとても寒い。野ざらしよりは遙かにましだが、人間の住む場所ではない。 「なんで俺がこんな思いをせにゃならんのだ…」 * * * * 締め出されたれみりゃは、全く的外れな怒りに燃えた。 「ううー!くーでたーだどー!? おぜうさまをはいせきするつもりだどー!?ゆるさないっどぅ!!」 怒りにまかせて、竹垣に突進するれみりゃ。 「うあうあ!!うー☆」 ざく。 「うぎゃあああああ!!!???」 竹垣に仕込まれた、斜切り竹がれみりゃの表皮を切り刻む。 「いだいどおおお!!!いだいどおおお!!!」 転げまわるれみりゃ。 それから三度ほど竹垣に撃退された後、飛行して竹垣を乗り越えればいいということにれみりゃは気づいた。 「うっうー☆おぜうさまはえれがんとにはばたくどぅー!! いっくどぅぅぅ☆」 しかし竹垣は高い。”紅魔館”を「何から」撃退するために作られたのか?それを考えれば当然だった。 「うー…うー…… もーだめだどぅぅぅぅ!!」 ぼてん。力を使い果たして、もといた地面に落ちるれみりゃ。 「うー!うー!」 ぼてん。 「うぅぅぅぅ!!!!!」 ぼてん。ごろごろごろ…… 「どーじてだめなんだどぅぅぅ!!!!」 これも何度挑戦しても駄目だったので、そのうちれみりゃは疲れて眠ってしまった。 * * * * 「あう……?」 太陽がまぶしくてれみりゃは目を醒ました。いつもそうだ。快適でない野外での睡眠はすぐに妨げられる。 「う……う……」 目の前には竹垣と立派な住居。自分が入ることの出来ない、自分の城。 「れみりゃの……こーまかん……」 身寄りがなく、家を持たないれみりゃはずっとみじめだった。 それが”みじめさ”と気づくことさえ無いまま、れみりゃはその感情にさいなまれてきた。 ”自分の紅魔館”と思えるその建物を目にした今では、その感情は今までよりもずっと強くれみりゃを傷付ける。 「うわああああああんんんんん!!!! ざくやーーーーー!!!ざくやーーーーーー!!!」 れみりゃは泣いた。泣いて、いつもと同じように手を差し伸べるものもないまま泣き止んだあと、 れみりゃの胸にはある決心が芽生えていた。 「ううう……このおぜうさまが、じきじきにこーまかんをとりもどしてやるどぅ……! おぜうさまは、つよいんだっどぅ……!!」 れみりゃは断腸の思いで紅魔館の敷地――森の広場から離れた。 向かった先は、ゆっくりの住む森の奥深くだった。腹が減っては戦はできぬ、というわけだ。 「ぎゃおー☆たーべちゃーうどぉー☆」 「やめてね!!ゆっぐりざぜてね!!」 「だめだどぅ♪おぜうさまのえいようになって、こーまかんふっこーのいしずえとなるんだどぅ♪」 逃げるゆっくりを捕らえ、むしゃむしゃと食べるれみりゃ。少しだけ元気が戻ってきた。 「むきゅん!!ぱちゅはしにたくないわ!なんでもするからゆっくりたすけてね!!」 「やっだどぅ~☆むらさきのはめずらし~んだどぅ☆でざーとにするどぅ♪」 他のゆっくりよりも緩慢な動作で跳ねるぱちゅりぃ種を、とどめをささずに追い回すれみりゃ。 「ぎゃお~♪ぎゃお~♪」 「むきゅん!むきゅん!」 その時ふと、名案がれみりゃの頭をよぎった。 「うあ☆いいことかんがえたどぅ☆ おぜうさまはぱっちぇをとくべつにゆるしてあげるどぅ!」 ぱちゅりぃをつまみあげる。 「む、むきゅ?」 「こーまかんをとりもどすのをてつだってほしいんだどぅ!」 れみりゃと、れみりゃの参謀となったぱちゅりぃはさらに森の奥へと進んだ。 善良そうなれいむやちぇんの群れを見つけては、れみりゃの力を後ろ盾に仲間に引き入れる。 ぱちゅりぃ曰く、「すてごまはいくらあってもこまらないのよ、むきゅ!」らしい。 三日のうちに、総勢十二体もの群れとなった。 「あのぶれいものに、めにものみせてくれるどぅ!!」 れみりゃの瞳には光が輝いていた。今までのように一人ではない、その暖かさも嬉しかった。 それからさらに一週間、ぱちゅりぃの要望どおりの軍勢を整えたれみりゃは、再びあの広場へと進路をとった。 「れみりゃのこーまかんはぁ、こーんなにひろくってぇ~、ほかのゆっくりのおうちより、 なんばいもなんばいもすてきなんだっどぅ~☆」 「むきゅ!それはたのしみね!」 「ゆっくりできるよ!」 「ごーじゃすなんだねわかるよー!」 れみりゃはゆっくり達にに請け合う。 「こーまかんをとりもどして、みんなでえれがんとにすごすんだっどぅ~!!」 「むっきゅん!」 「ゆゆー!」 「わかるよー!」 いつか一人で歩いた道を、今度はたくさんの仲間と歩く。 ぱちゅりぃの作戦と、充分な人員。そしてれみりゃのかりすま☆で紅魔館を奪回するという希望が、 れみりゃの足を速めた。もうすぐそこは森の広場だ。れみりゃは群れを率いて、一番にその場所へと到達した。 肉饅の記憶にも、いまだ鮮明に残るその場所。 「うあ?」 その場所には、なにもなかった。ただ、竹垣の残骸と思しき木や竹の屑がまばらに散らばり、 紅魔館のあった場所とおなじ広さの空き地が広がるばかりだった。 「お、お、お、おかしいどぅ………」 この数日のうちに、れみりゃが憧れ、また、自分の住居と勝手に思い込んだ紅魔館は、 実はすでに試用段階を終えて取り崩され、ばらばらの資材となって村の専門店へと送られていたのだ。 「こーまかんが、なくなっちゃったどぅ~!!!!」 れみりゃは混乱した。 「む、むきゅー!もっとくわしくせつめいして!!」 後からきたぱちゅりぃも、れみりゃの言う事を完全に理解することができず、途方に暮れる。 「どういうこと!?れいむにゆっくりせつめいしてね!?」 「わからないよー!?わからないよー!?」 「こーまかんがあったのに、なくなっちゃったんだどぅぅぅぅぅ!!!!」 まったく要領を得ないれみりゃの説明と、なにもない広場。 ゆっくり達も、ゆっくりなりに状況を覚り始める。 「れいむをだましたね!!ゆっくりできないれみりゃとはいっしょにいられないよ!!おうちかえる!!」 「うそつきなんだねわかるよー」 「ちがうんだどぅ!!ちがうんだどぅぅぅぅ!!! ほんとにあったんだどぅぅぅぅ!!??れみりゃのこーまかんんんんん!!!!!」 太陽の下、森の広場でれみりゃは眠る。 あるものは去り、あるものは激昂したれみりゃに叩き潰された、悲しい夢の跡は静寂に包まれている。 吹き抜ける冬の先触れはまた一段と厳しさを増したようだ。 ぱちゅりぃはれみりゃの寝顔を見守っていた。 「なにがなんだかわからないけど、とんだむだぼねだったわ、むきゅ」 その”なんだかわからないこと”のおかげで、れみりゃに食べられるはずのところを救われた自分がいて、 すべてを失ったれみりゃがいる。 それは自分にとっては大変な幸運であるはずなのに、なぜか、とても悲しかった。 ”なんだかわからないこと”。 それは、いつも空の上から自分たちを見ていて、好きなときに自分たちからすべてを奪っていくのだ。 「それじゃ、わたしもにげるわね。 たすけてくれてありがと、れみぃ。さよなら。げんきでね」 ぱちゅりぃはれみりゃを起こさないように小声で呟くと、冬を越すためのおうちを探して何処かへと跳ねていった。 おしまい。 書いた人:”ゆ虐の友”従業員 このSSに感想を付ける
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お兄さんと冷めた肉饅 5KB *初投稿です *ハード虐待(笑) *肉饅の台詞が少ないのは仕様です。各々方の脳内で補完してください *依怙贔屓要素、アリアリ *某コピペの加筆改悪 玄関を開けると、薄汚い胴付き肉饅――ゆっくりれみりゃがいた。 10月半ばの冷たい秋雨が降りしきる中、一時の安息を求めて雨宿りをしていたのだろう。 しかし、運の悪い奴だ。 よりにもよって、虐待趣味を持つ俺の家に辿り着いてしまったのだから。 俺の姿を認識して、逃げようとするれみりゃを問答無用で抱え上げる。 野良ゆっくり故、泥塗れでゴミ臭い。 そんな物を抱えれば、俺の服も泥塗れでゴミ臭くなる。 だが、どうということもない。 そもそも、虐め用ゆっくりを捕まえに出かけるつもりだったので手間が省けた。 それに、激しい虐待を行えば、どのみち服は汚れるのだ。 ただ、これだけは気に食わない。 俺の腕の中で只管に震えるだけの肉饅は、降りしきる小雨に体温を奪われて、すっかり冷え切っていた。 肉まんのくせに冷たいとは許せん。 やるべき事が決まった。 まずは、肉饅らしくしてやらないとな。 『お兄さんと冷めた肉饅』 これ以上玄関先に留まって他人の目に触れるとまずいので、さっさと家の中へと連れ込む。 玄関の鍵を閉めたら、挨拶代わりの虐待だ。 オーソドックスに殴る。手っ取り早くアマぎる。意表をついて胴無しにする。 どれも先人達の編み出した素晴らしい手法であるが、挨拶代わりとしては最善じゃない。 初対面の饅頭に対して行うべき最善手とは即ち。 「うあーーーー!!!!でびりゃのおぼうじがえぢでーーーーー!!!!」 お飾り剥奪。 ゆっくり饅頭共にとって、飾りとはたったひとつの個性であり、命の次に価値有る物。 それを目の前で奪ってやれば、たいていの饅頭共は恐怖と憤怒で、とてつもないストレスを感じてゆっくりできなくなる。 だが、俺の虐待は、それだけでは終わらない。 両腕を天に掲げて、俺の手中にある帽子に向かって必死で跳ねる肉饅。 羽があるのに飛ばないとか馬鹿すぎる。 その肉饅のスカートを鷲?みにして、頭側から引っぺがす。 何が起きたのか理解できずに、『( ゚д゚)ポカーン』な顔になっているが好都合。 その隙に靴とドロワーズも脱がせ、丸裸になった肉饅を足の先から頭の天辺まで視姦する。 ここに至って、肉饅はやっと現状に気づいたようだ。 咄嗟に両腕を胸の前に掲げ、内股気味な構えをとりだした。 目はカッと見開かれ、顔は憤怒のためか真っ赤だ。 確か饅頭共の戦の型の一つ、餡戦(アンチン)とかいったか。 当然、人間様に通用するわけもない。 嫌がる肉饅を再び抱え上げて洗面所へと運送。 我が家の唯一の自慢、全自動洗濯機に先ほど奪った「れみりゃのすてきなおべべ」を放り込む。 野生の生物は、自分の臭いに愛着を持つという。 高性能洗濯機により汚れ一つなくなった己の一張羅を目撃したときの、こいつの間抜け面が目に浮かぶようだ。 服はこれでよし。後はこいつ自身の臭いだ。 風呂場へ連れ込み、全身に満遍なくお湯を浴びせる。 ある程度の浸水を確認できたら、頭髪用洗浄液を頭から浴びせて、わしゃわしゃと揉みこむ。 ほう、どうやらこいつは、髪を触られるのが嫌いなようだ。 先ほどから、目を閉じて「うっ、うー♪」と泣き喚いて嫌悪感を露にしている。 「うっぎゃーーー!!!!」 洗浄液が目に入ったか。 すかさず、シャワーで目に追い討ちをかける。 自分で自分が怖くなるほどの鬼畜っぷりだ。 頭が終わったので次は体だ。 頭髪用とは別の洗浄液を使って洗う。 もちろん、肉饅ごときにスポンジなど使わない。 手洗いで、体の隅々まで洗いつくす。 頭髪のときとは異なり、今度はまた怒っているようだ。 全身を真赤にして、体全体で怒りを表している。 だが、粘膜に触れる度に「うっ……、あ……」と声を漏らし、全身を震わせていることを鑑みると、しっかりと俺を恐怖しているようだ。 まあ、己の決して敵わぬ相手に、いいように弄ばれているのだから当然と言えば当然だ。 さあ、これで体臭は完全に消え去った。 再び全身にお湯をかけた後、タオルで体を擦り、熱風を浴びせて虐める。 体表の水分が完全に枯渇したことを確認したら、洗濯の終わった服を着せてやる。 くっくっく……、思った通り。 完全に自分の臭いが感じられなくなって戸惑ってやがる。 いい気味だ。 そんなことをしている間に、飯時になったのでリビングに移動して餌を与えてやる。 「がえぜーーーーーー!!!! でいぶのおぢびぢゃんかえぜーーーーーー!!!!!!」 今朝、自宅に侵入してきた子連れのアホ饅頭、もとい元子連れのアホ饅頭だ。 もちろん透明な箱に閉じ込めて、目の前で「おちびちゃん」を虐め殺してやった。 生きたまま中枢餡を少しずつ削って、それを自身に食べさせてやるといった作業を繰り返すことで徐々に狂って行く我が子を目の当たりにしたためか、その餡子は吐き気がするほど甘く、とてもじゃないが食べる気になれん。 おまけに、気が振れてしまったのか、さっきからこれ以外の言葉を話さないので虐待にも使えない。 とんだ土饅頭だ。 「うー☆ おまんじゅうたべりゅー♪」 肉饅は、そんなクソ不味い饅頭に文句も言わずに齧り付いて中身を吸い始めた。 「ゆぐ、ぎ、がえ、ぎ、ぎぃゅぜ、やぁがぁぁぁえぎょぅうぅぅぅ……」 元子連れ饅頭の鳴き声が、徐々に小さくなって行く。 余程腹が減っていたのか、バスケットボールほどもある大きさの饅頭が瞬き数回の内にぺらっぺらになった。 安上がりな生ものめ。 さて、食事も与えたし、本格的に虐めてやろうと思っていた矢先に、なんと肉饅が俺に対して攻撃を仕掛けてきたのだ。 胡坐を掻いて座る俺の膝を両腕で掴み、「うー♪ うー♪」言いながら頭を擦りつけてくる。 体当たりのつもりだろうか? 小癪な奴だ。 とてつもなく腹が立ったので、お返しに頭を鷲掴みにして、髪の毛をボサボサにしてやる。 こいつは髪に触られるのを嫌うということは、風呂場の一件で学習済みだ。 案の定、頑なに目を閉じて嫌がっている。 饅頭に比べてプライドの高い肉饅は、精神的に追い詰めて行くのが最善であるという俺の持論は、やはり正しかったようだ。 そんな風に楽しいゆ虐タイムを過ごしていたら、もう23時を回っていたので、さっさと寝ることにする。 早寝早起きは、楽しい虐待ライフの基本だ。 ここで愛でお兄さんならば、肉饅用の寝床でも作ってやるんだろうが、残念ながら俺は虐待お兄さんだ。 故に、そんな面倒なことはしない。 すっかり疲弊して眠そうな肉饅を抱きかかえて寝室へ向かい、そのまま布団へ潜り込む。 うむ、やはり肉饅は温かくないとな。 今夜はぐっすり眠れそうだ。 だが、肉饅よ、貴様は眠れないだろう。 俺という恐ろしい天敵の腕の中で、いつ寝相で潰されるとも知れぬ恐怖を味わって夜を明かすといい。 それじゃ、おやすみ。れみりゃ。 ・おまけ うー……。 おにいさんにぎゅーってされるとカーッてなっちゃうぞぅ。 どきどきしてねむれないどぅ……。 お兄さんの不夜城レッド作戦は、案外うまくいっていた。 あとがき 猛烈に肉饅が食べたくなっての犯行です。 後悔はしていません。 あと、私は好きだから虐める派です。 トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る 流れが霧島龍二さんと同じよu(グシャッ -- 2015-08-01 01 01 01 はぁとふるぎゃくたい -- 2015-01-29 03 22 24 ↓おい早苗さんもいれろよ!!! -- 2014-11-30 22 08 12 れみりゃは滅ぶべき。こんな生ぬるい虐待は駄目だ。精神から肉体までズタズタにして「こんなゴミ肉饅が生まれてすみません」と言わせなきゃ気がすまねぇ!ヒャッハー補食種は全滅だ~!!(フランゆゆこ等含む) -- 2014-11-17 23 58 55 俺の知ってるSSの中では最高ですねもっとたくさんの作品を作ってくれるとありがたいです \最高です( ^ω^ ヽヽヽヽ ) -- 2014-09-09 23 15 03 吐き気がする… 恐ろしい おrrrrrr -- 2013-11-16 13 48 59 うーうー…お兄さんはとっても怖いんだどぅー(棒) -- 2013-05-30 23 12 45 鬼畜だー怖いよー残虐すぎるよー(棒) -- 2013-01-19 22 23 08 こんな虐待見たことねー(棒) -- 2013-01-01 12 43 35 きゃーこわーい(棒) -- 2012-12-16 19 59 08 なんという卑劣極悪な虐待なんだ(棒) おそらく、恥ずかしくなる服を着せて衆人観衆の 中を連れ回すとか、人前で吊り上げる(抱き上げる)とか 人前でぺろぺろ(おやつ)させるとかも するんだろうな、このお兄さんは・・・・ おぉ・・・こわいこわい -- 2012-08-11 14 47 06 真っ青だよ… -- 2012-08-09 16 02 42 なんてこった・・・、この作者の血の色は何色なんだ・・・。 -- 2012-08-07 02 46 30 おお・・・こわいこわい -- 2012-08-02 18 13 41 こんな怖い虐待は 「東の悪魔」と呼ばれた俺ですら初めて見たぜ・・・ -- 2012-07-07 20 16 27 ガクガク•••ブルブル•••。 こんなハードな虐待初めてだ。 怖すぎて眠れなくなったわw -- 2012-05-19 14 10 19 恐ろし過ぎる虐待だ・・・ -- 2012-02-22 09 14 07 れみりゃかわいいな -- 2012-02-21 12 36 25 なんというおぞましい虐待だ‥‥。吐き気がするぜ! とても面白かったです。 -- 2012-01-29 13 55 17 このお兄さんHENTAIじゃんwww?誰か来たみたい・・・? -- 2012-01-29 08 48 31
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※ハコマニア再び。しゃべらせます。 【観察キット】 「今回もまぁ、悪くない出来だ」 ここは川のほとりの一軒家、俺こと虐待お兄さんの家である。 「予想できる限りのアクシデントへの対策も、大丈夫」 川のほとりにあるのは、水車による《ハコ》の動力確保のため。 「この日のために、れみりゃもしつけた」 「うー☆」 「よーし、いい子だ」 ほかの家から離れているのは、ゆっくりの悲鳴が近所迷惑にならないように。 「それじゃ、趣味の仕事といきましょうか」 「まりさをここからだしてね!」 「いまならゆるしてあげるよ!あとおいしいおかしをもってきてね!」 「もってきてね!」 「ゆっくりしていってね!」 捕獲用《ハコ》には、成体のれいむとまりさ、子が…多いな。 数えるのもおっくうだ。ざっと20はいるかいないかだろう。 まぁ数が多いのは、今回の《ハコ》にはいいのかもしれない。 「おぅお前ら」 調子のいいゆっくりに、威圧するように話しかける。 「おじさん!ゆっくりさせてね!」 「ゆっくりできるひと?」 「れいむ!このおじさんはゆっくりできないひとだよ!」 こうも数が多いとうるさくてしょうがない。悲鳴はいいが喧騒は嫌いだ。 俺は物陰で居眠りしていたれみりゃを呼ぶ。 「れみりゃー、おいでー」 「うー…?うー!」 俺の声と分かるや否や、いい速度で飛んでくる。 虐待が専門の俺に、しつけはかなり大変だった。 「れみりゃだー!」 「ゆっくりできないよ!」 「だずげでー!」 しっかり怯えてくれている。まず条件として充分。 「こっから出たいんだろ?今出してやるよ」 れみりゃを捕獲《ハコ》の上で飛び回らせつつ、蓋に手を掛ける。 「いやああああぁぁぁぁ!!!」 「ごわいいいいいぃぃぃぃ!!!」 「おじさん!ゆっくりやめてね!」 俺は《ハコ》に手をかけ、ゆっくりと持ち上げる。 さすがに20匹前後となるとそこそこ重い。《ハコ》の重さもきつい。 その《ハコ》の周りを、終始れみりゃが飛び回る。 「ごわいっ!ごわいよおおおぉぉぉ!」 「おがあざあああぁぁぁん!」 しかしまぁ本題はそこじゃない。今回の《ハコ》へと、ゆっくりたちを移す。 れみりゃを離し、蓋を開け、ドサドサと《ハコ》の中へと落とす。 「ゆぶっ!」 「びゅっ!」 「いたいよ!ゆっくりできないよ!」 「ゆっくりできないばかなおにいさんはどっかいってね!」 全員入ったところで、《ハコ》の蓋を閉め、数歩下がる。 今回の《ハコ》は、いわば観察用の《ハコ》だ。 壁一面を改造し、幅ゆっくり1匹強、深さと幅が壁一面の《ハコ》である。 《ハコ》には8割ほど、少し固めの土が盛られている。 部屋側に向いている《ハコ》には半透膜、こっちからのみ見える膜を張ってある。 そして今回のためにわざわざ飼いならしたれいみりゃ。 身の危険がなければ、あいつらは巣を作ろうとすら思わないだろう。 そう、「巣を作らせるための《ハコ》」だ。 れみりゃを手元に呼び戻す。 今ゆっくりたちには、壁と土と仲間達しか見えていない。 「こんなとこじゃゆっくりできないよ!ゆっくりすをすくろうね!」 「ゆっくりりょうかいしたよ!」 「みんなでゆっくりできるすをつくるよ!」 なんだ、見せるだけでよかったのか。なら飼いならさなくてもよかったな。 だがまぁ、ゆっくり相手への恐怖、ってのは大事だ。 しつけの甲斐あって、れみりゃは大根をかじりながらおとなしくしている。 もちろんゆっくりも食うぞ。 ゆっくり達は、巣づくりを開始したようだ。 一体顔面だけでどう巣穴を掘るのか気になっていたんだが… 土に混ざった石を加え、ザリザリと削っている。おぉ、意外に賢い。 親れいむ、まりさが率先して穴を掘り、子れいむまりさ達が土を外に出す。 土を体全体で押し出すようにしていて、それと同時に巣穴を固めている。 始まってそんなに立たずして、大本っぽい1本の巣穴が完成していた。 …意外と、いい生態系してるじゃねぇか。 まずはちょっかい程度。 巣穴のまわりに積まれている土を、軽く巣の中に払ってやる。 といっても、巣が壊滅しない程度にだ。まだ本気虐待タイムには早い。 「れみりゃ、頼む」 「うっうー☆」 れみりゃの鳴き声を聞いて怯えるゆっくり達。巣を作る手(?)が早まる。 れみりゃは巣の入り口に立ち、足で周りの土を蹴落とした。 始めは、ぱらぱらとこぼれる程度。 「ゆー?」 「たぶんやわらかいんだよ!もっとしっかりさせようね!」 「ゆっくりできるすをつくろうね!」 子供達は気にせず、土を上へ上へと追いやる。 れみりゃがいることを知っているので、外に出すのではないようだ。 巣の上のほうにある、ちょっとした空間めがけて登っている。 こぼれる程度の土が、小さな土砂崩れのレベルに発展する。 「ゆ”ー!つちがおちてきたよ!」 「ゆっくりにげるよ!」 土を押していたれいむ、まりさ達はあわてて下へ駆け下りる。 だが土に追いつかれ、コロコロと転がったり、半分土に埋まったりしていった。 「ぃゆ”っ!」 「だいじょうぶ!?ゆっくりしていってね!!」 「「「ゆっくりしていってね!!!」」」 土もたいした量じゃないので、半分埋まった子もすぐに自力で抜け出した。 どういう反応を見せるか気になっていたのだが、そんなに面白くない。 「よくあることだよ!しっかりつちをおさえていってね!」 「あぶないとおもったらもどってきてね!」 「ゆっくりわかったよ!」 「すのためにがんばるよ!ゆっくりしていってね!」 …なるほど、自然にはよくあることか。 「ゆー!ゆっくりー!」 「ゆぅー!」 さっきのプチ土砂崩れに、空洞で土をもっていたれいむ達が埋もれていた。 少し頭を出す程度で、身動きは取れないらしい。 顔が上を向いているのはラッキーだろうか。だがまぁ、もたないだろう。 むしろもたせない。れみりゃ、頼んだ。 「うー☆うー☆」 泥んこ遊びが楽しくなったのか、指示があるやいなや調子に乗り出すれみりゃ。 まぁ、この程度なら計画に支障は出ない。好きにやらせてやろう。 れみりゃに、ゆっくりが生き埋めになった空洞の場所を教える。 ちょうど他の巣穴と軸の被っていない、いい空間だ。 「いいぞ、跳ねろ」 「うーっ!うーっ!」 ドンッ、ドンッ、と巣全体に振動が伝わる。 れみりゃの声と未知の衝撃に困惑する巣の中のゆっくり達。 子供達は一目散に親の元へ駆け寄り、一家固まって無事を祈っている。 やがて、振動が止んだ。 安心安全を確認したのち、ゆっくり一家は巣作りを再開する。 先ほどの空洞は、潰れてなくなっていた。 そこからゆっくりの声もしない。 「よーしよくやった、戻っておいで」「うぁー!」 「足拭けよ」「うー☆」 いいれみりゃだ。まったく、これ以降も頑張ってもらおう。 れみりゃの声がすっかりしなくなったのをいいことに、巣作りは熱を上げる。 数が多いせいか、子供が2,3いなくなったことにも気づかないらしい。 親失格だな。まぁ人里を襲う時点でアウトだがな。 穴を掘り、土を運び、壁を固め、それを延々繰り返す。 …日が暮れる頃には、立派な巣が出来上がっていた。 始めに親が掘った一本の穴を元に、派生するように小さな部屋がいくつか。 幅のせいで1箇所にまとまれないのか、部屋の数はだいぶ多い。 穴掘りをやめたあたり、ここらで完成なのだろう。 「かんせいしたよ!ゆっくりしていってね!」 「ゆっくりしていってね!」 「「「ゆっくりしていってね!!!」」」 巣穴に響き渡る完成コール。わざわざありがたいこった。 「すもできたし、ごはんをさがしにいくよ!」 「おっきなこどもたちもてつだってね!」 「ゆっくりりょうかいしたよ!」 「いっぱいえさをあつめるよ!」 「いってらっしゃい!きをつけてね!」 「きをつけてね!」 餌か。直接的な虐待《ハコ》ばかりで考えてもなかった。 まぁ適当に餡子でも与えておけばいいだろうよ。 「れみりゃ、おやつ《バコ》もってきてくれ」 「うぅー☆」 とてとてと歩いて《ハコ》を取りにいくれみりゃ。気分らしい。 持ってきてもらった《ハコ》には、すでに絶命した子ゆっくり達。 虐待前に絶望を与えるため、あとは自分の甘味のために用意してあるものだ。 「数も多いからな…、適当に潰して投げてくれ」 「うぁ!」 「終わったら2つまで食べていいぞ」 「うー☆」 れみりゃはハコからい匹ずつ取り出すと、両手で押しつぶしていった。 変形する饅頭。そこに悲鳴はない。 れみりゃは潰しては巣の《ハコ》に投げを繰り返していった。 子供も多いし、この程度で充分だろう。 「よくやった。ほれ」 「うぁ!うっぅー☆」餡子で口を汚しながら笑う。「口拭けよ」「うー☆」 巣穴から出たゆっくり達は、その餡子の山を見て歓喜した。 「ゆっ!あまいのがいっぱいあるよ!ゆっくりできるね!」 「みんなではこんでゆっくりしようね!」 「「「ゆっくりしていってね!!!」」」 潰しただけだから皮とか飾りとかも多少残っているんだが、気にならないようだ。 なかなか殺生なものである。 「毒でも混ぜとけばよかったか…。次はそうしよう」 観察と発見こそ、新たな虐待へのステップである。 ゆっくり達は食べないように餡子をくわえ、頭に載せ、巣へ戻っていった。 巣の中では、きゃいきゃいと食事を楽しむ姿がうかがえる。 キセルをふかし一服。れみりゃは煙たがって逃げてしまった。 さて、一通り観察は済んだ。ここからがお楽しみ虐待タイムである。 「巣潰しは、威力こそあるものの虐待としてはつまらなさすぎる」 れみりゃが潰した巣穴は、あたかもそうであったかのようになくなっている。 それに家族のゆっくりが気づいていない。いろいろと虐待としてはぬるい。 「水牢…か。土に大丈夫かね」 水牢、単純に水に浸ける虐待である。 ゆっくりすることが許されず、皮もふやける、虐待としてはシンプルなものだ。 だが今回は《ハコ》そのものではなく、巣である。 水を吸って崩れたりしなければいいのだが。 まぁそれも一興か。そういや大雨と変わらんな。 せっかくの虐待だ。一握りの「悪意」を。 ゆっくり達は全員巣の中。おk。 入り口となっている穴に、目の細かい金網を張る。脱出防止だ。 しっかりと土とその他で固定。軽く引っ張ってみるがそう動きはしない。 かまどのほうでは湯も沸いたようだ。準備は万全。 湯のみに煎茶、ティーカップにさました紅茶を入れて、優雅なティータイム。 「うぁー☆」「待て待て、最後に一仕事だ」「うー☆」 れみりゃを鳴かせながら飛び回らせ、外にれみりゃがいるのを教えてやる。 「ゆっ!れみりゃのなきごえがするよ!」 「すのなかならだいじょうぶだよ!ゆっくりしていってね!」 その安心を打ち砕く。これぞ虐待道。 巣の入り口の金網から、残ったお湯をちろちろと流しいれる。 「ゆぅ?」 子ゆっくりが異変に気づいたようだ。水が流れてきている。 「おかーさん!おみずがはいってきてるよ!」 「ゆっ!たぶんあめがふってきたんだね!いりぐちをふさぎにいくよ!」 「ゆっくりわかったよ!」 「れみりゃにきをつけてね!」 この程度の量ではゆっくり達につく頃には土に吸われ、熱も奪われているようだ。 親れいむと数匹の子ゆっくり達が、巣穴の入り口めがけて上がってくる。 ほどよい高さまで上がったところで、少し勢いよくお湯を流す。 「あぢゅっ!このあめあついよおかーさん!」 「ゆっくりできないよ!」 「ゆっ、あめがあついなんておかしいよ!みんなはうしろにいてね!」 先頭が子ゆっくりから親れいむに代わる。 れいむは穴の真下にたどり着くと、なにごとかと上を見上げた。 ここぞとばかりにお湯を流す。 「ゅあ”じゅっ!」 顔面クリーンヒット。煮えたぎるお湯はさぞかし辛かろう。 「ぅあ”っ、あづっ!」 熱さに苦しみながらも、子供達を危険に晒すまいと必死に耐える。 非情かと思ってたがそうでもないじゃないか。 追撃をかける。少し多め、軽く押し流す程度だ。 「ゆ”う”う”う”う”ぅぅぅぅっ!!」 目と口を閉じて、必死に子供達に浴びせまいと頑張っている。 だが、お湯の量はそんなもんじゃない。れいむが全身に浴びつつ、後ろへ流れる。 「あ”ぢゅい!」 「ごのあめあぢゅいよ!ゆっぐりでぎないよ!」 危険と分かるや否や、親を放置して一目散に巣の底まで逃げ出す子ゆっくり。 親れいむは気づいてか気づかずか、必死にお湯を耐え続けている。 お湯を浴びた顔面は真っ赤になっていた。赤くなるのか。 次のステップだ。一旦お湯を止める。 「ゆうううぅぅぅ…」 親れいむは土に顔をうずめている。きっと土が冷たいのだろう。 子ゆっくり達は巣の上で起きたことを報告している。 「おそらからあついあめがふってきたんだよ!」 「あめはあつくないよ!うそをつかないでね!ゆっくりできないよ!」 「うそじゃないよ!おかあさんがたいへんなんだよ!」 「ゆっ!?れいむが!?」 それを聞いた親まりさが一目散に巣穴の入り口めがけて駆け上がる。 「れいむ!れいむっ!」 「ゆ”ぅぅ、まりざ?」 「だいじょうぶ!?ゆっくりしていってね!」 「ゆっ…くりしてい…ってね」 返答できるレベルのやけどらしい。まぁその程度のお湯だしな。 特に何かできるわけでもなく、れいむをいたわるまりさ。 …お次はちょっときっついぜ。 お湯を、半分ほど残して残りを注ぐ。 「ゆ”う”う”う”ぅぅぅっ!!」 「あじゃああああぁぁぁぁ!!!」 親ゆっくりにたたきつけられる熱い濁流。 今度は防ぐとかせき止めるとかそんなちゃちな量じゃない。 量にして巣の半分を浸水させる量のお湯を、一気に注ぎきる。 当然、ゆっくり2匹でこの流れをせき止めることも出来ない。 「あじゅっ、あぶっ、むぅううぅぅぅぅ!!」 「ゆぶぶっ、ゆっぶ、ゆぅー!」 耐え難い熱と共に、親ゆっくりが巣の底へ流される。 ってか溺れてないかこいつら?溺死しないんじゃなかったっけ? やがてお湯が巣の底、子ゆっくり達にまでたどり着く。 「ゆぅ?」 「なんかみずのおとがするよ!」 何かと思って巣の先を眺めていたら、突然泥水が流れ込んできた。 泥水の先頭には、親ゆっくりが2匹。 「おかーさん!おとーさん!」 「だいじょうぶ!?ゆっくりしていってね!」 「ゆ”っ、ここはあぶないよ!ゆっくりしないでにげてね!」 「ここじゃゆっくりであづっ!!!」 お湯が、親ゆっくりを飲み込み、子ゆっくりに襲い掛かる。 「あじゅううううぅぅぅぅ!!!」 「ゆ”っ!ゆ”ぅっ!」 「あ”あ”あ”あ”ぁぁぁぁ!!」 量の多いお湯はそう熱量を奪われない。 巣のそこまでアツアツをお届けってわけだ。 「あじゅいっ!あじゅいいいぃぃ!!」 「ゆっぐりでぎないいぃぃ!!」 悲鳴に包まれる巣。すでに動かないゆっくりも何匹かいるようだ。 子供じゃまだ弱い、ってか。虐待しがいがないな。 「みん…な!あわてないでゆっくりきいてね!」 お、親まりさ。れいむに比べれば軽症なだけあって、まだ動けるようだ。 「あついあめがこないところにすをつくるよ!ゆっくりてつだってね!」 「ゆゆっ!みんなでゆっくりしようね!」 「「「ゆっくりしていってね!!!あっつっ!!!」」」 熱さに絶え絶えになりながら、熱い湯を踏みしめながら、巣の上を目指す。 動かなくなったゆっくりたちは置いていったようだ。 まず高い位置の横穴に避難して、それから横穴を掘り進めるらしい。 なるほどこれなら下に湯がたまり、ゆっくり達の方には流れてこない。 親まりさの指示に従って、比較的元気な子ゆっくりたちが掘り進める。 「れいむ、だいじょうぶ?ゆっくりしていってね!」 「ゆっくり…していってね…」 れいむの火傷跡を舐めるまりさ。土が付いていようがおかまいなしだ。 巣を作るだけあってか、仲間愛は強いのだろうか。 初めのやつといい、湯に巻き込まれたやつといい、一体どっちなんだ。 巣穴がガンガン掘られていく。 横穴も、完成時の巣の半分ほどにまで大きくなっていた。 「これでゆっくりできるね!」 「あついあめもこわくないよ!」 怖くない。だとさ。それで済ませるお兄さんじゃないさ。 お湯も、再び沸きあがったようだし。 「う”ぁ!あづい!」「…やっぱ熱い紅茶はダメか」「う”ー」 再び沸いたお湯でお茶を淹れなおす。れみりゃは熱いのはダメらしい。 煎茶にせんべい、紅茶にクッキー、なんて万全な準備だろうか。 「れみりゃ、それじゃ頼んだぞ」 「ぅー…」 熱い紅茶が不満だったのか、しぶしぶ動き出す。 両手でしっかり鍋の取っ手を持ち、巣穴めがけて飛んでいく。 最後に限って、俺の湯量調整は必要ない。 完膚なきまでに、苦しませるだけ。 「いいか?」「うー」「元気出せ、砂糖1つやるから」「うー☆」 れみりゃの調子も出たところで、最後の仕上げを開始する。 「それじゃ、全部流し込め」 「うぁー☆」 早く砂糖が欲しいのか、おもいっきりぶちまけるれみりゃ。 まぁ巣にも入ってるし、大丈夫だろう。 ゆっくり家族の目の前に、滝のように落ちていくお湯。 「ここならあついあめはこないよ!ゆっくりできるね!」 「みんなでゆっくりしようね!」 今は、まだ来ないだろうよ。どんどんとお湯が巣へ流れ込んでいく。 当然、行き場を失ったお湯は水位をあげる。壁越しに熱気が伝わる。 「ねんのためにあなをふさぐよ!みんなてつだってね!」 「ゆっくりりょうかいしたよ!」 「だいじなすのためにがんばるよ!」 なんと、それをされては湯が届かない。それだけは防がねば。 …と思ったが、その心配はないようだ。 水位は上がるところまであがり、横穴へお湯が流れ出す。 入り口に積まれ始めた土ごと、お湯が横穴を侵略する。 「ゆぅっ、あめがはいってきあじゃっ!?」 「これじゃゆっくりできないよ!いそいであなをふさごうね!」 「「「ゆっくりしていってね!!!」」」 だがもう遅い。餡子脳を悔やめ。 どんどんと、ゆっくりを押し流すほどにお湯が入ってくる。 「ゆー!?ゅあっづっ!!」 「あじゅいあじゅいあじゅいあじゅい!!」 湯はゆっくり達を半分浸けるほどまで侵食している。 お湯から逃げるように飛び跳ね、そのしぶきが仲間に飛び散る。 それを全員がやっているものだから、みんながみんな必死だった。 「あじゅーいー!?」 「ゆっぐりでぎないいぃぃ!!」 もうどうしていいのかわからず、ひたすら熱湯の餌食となるゆっくり達。 お湯はまだ流れている。そろそろ子ゆっくりが浸水するだろう。 「あぶっ、あじゅ、ばじゅい…!!」 「ゆっぐ、ゆぐ、ゆ”…ゆ”ぅ!」 「う”ぅ、ゆっぐぃじだがあづっ!!!」 やがて、巣全域が水没した。 キセルで一服。 「…終わったか」 れみりゃは物陰で角砂糖をかじっている。 ゆっくりの巣は、ものの見事に水没している。 あれだけ大量の湯を流し込んでも、巣が崩れることはない。 巣のあちこち、吹き溜まり的な場所に動かない子ゆっくりが転々としている。 みんなゆでだこのように真っ赤だ。表情も悪くない。 こういう景色を見ると、虐待した甲斐があるってもんだ。 せんべいを齧ろうとすると、わずかに巣の中で動きがあった。 「…お?」 見ると、子れいむが1匹、生きている。 必死に目を瞑り、体を真っ赤にしながらも、動いている。 するとそのゆっくり、なんとぷくーっと頬を膨らました。 「呼吸も出来ないのになぜ膨らませられる…」 つくづく理不尽な生き物だった。 その浮力に任せて、巣からの脱出を試みているようだ。 みるみるうちに子れいむは浮上していく。 壁に当たるたびに火傷が痛むらしく、口が開きそうになるのを耐えている。 そして子ゆっくりは、巣の入り口へとたどり着いた。 金網で封をした、その入り口に。 「ゅあ”ばっ!?」 当然、金網も湯を浴びているわけで、充分に熱い。 それに触れれば、普通に辛いだろう。 子れいむは金網に負け口を開き、巣の底へ沈んでいった。 「…これで、ほんとに終了かな」 観察《ハコ》での虐待は終了した。 成果としては…よくわからん生態系を見せ付けられた。 子を大事にしたと思いきや見捨て、 溺死したと思ったら浮いてきて、 正直、今回の観察結果をどう生かすべきか、まだ考え付かない。 とりあえず、今回の結果を他の村のお兄さん達に報告してみよう。 なにかいい案が浮かぶかもしれない。 片付けのことを考えながら、俺は一旦部屋を後にした。 【あとがき】 どもっす、タカアキです。 蟻の巣観察キット的なアレを思い浮かべてくれれば幸いです。 絵ヅラで思いついて、文に立ち上げたんだが、いまいち虐待がつまらない。 というわけでお兄さん方、なんか考えてくれ。 このSSに感想を付ける
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巨大ゆっくりの饗宴(前編)の続き 『うぅ~?!』 「ん~・・・改めて見ると本当に不細工ねぇ?」 目を覚ました、というよりも彼女が去ったのを確認してから動いた私の目の前には巨大なれみりゃザウルス。 聞くところによればティガれみりゃというらしい、が私の結界を壊そうと必死に腕を振り回していた。 もちろん、この結界が饅頭風情の惰弱な攻撃でどうにかなるはずもない。 『う゛~~~~~!おぜうさまはぶざいぐじゃないど~!!』 「そうなの、それはごめんなさい。今度から醜悪な豚まんと呼ぶわ」 『でびりゃは・・・ぶだばんじゃないんだど~~~~~~~!!?』 どうしてこうも安い挑発に簡単に乗るのかしら? 涙目になりながらも執拗に右手に握られた扇の先に展開されている結界にパンチだか引っかきだかを繰り出している。 何度も何度も結界を殴り続けているうちに気がつけばティガれみりゃの手はボロボロになっていた。 『う゛、う゛~・・・でびりゃのえれがんとのおででがいだいどぉ~・・・』 「あら、本当にボロボロね?まるで野生の豚みたいだわ」 『ぶだっでいうな゛~~~~~~!?』 再び始まる猛攻。といっても、一撃たりとも結界を破って私に届くことはないのだけれど。 それでもボロボロになった両手から肉汁や中身を撒き散らしながら、延々と腕を振り回す。 ゆっくりにしては見上げた闘志かもしれない。 『う゛~!でびぃはもう゛ぶださんはいや゛なんだどぉ~!!?』 「・・・・・・“もう”?」 『どうぢであだらないんだどぉ~!?う゛~~~~~~!!』 なるほど。彼女を突き動かしているのは私に対する怒りでも、おぜう様としての矜持でもないらしい。 とめどなく双眸から溢れ出す涙と、本人は自覚さえしていないであろう、肉汁の混じった涎。 力みすぎたせいで口内を噛んでしまったにもかかわらず、そのことに気付いていない。 『う゛う゛う゛~~~~~~~~~~~~~っ!!?』 「れみりゃ、もうお止めなさい」 『うあ゛~~~~!いだい゛いだいはいや゛なんだどぉ~~~~!?』 恐怖のあまりにティガれみりゃは錯乱状態に陥ってしまっていた。 彼女の視界には私も、私の後ろで傷を癒しているドスまりさも映っていないのだろう。 今、彼女の見ているものは、脳裏に焼きついた恐怖。 「・・・仕方ないわね」 話を聞ける状態にないティガれみりゃにため息をつきつつ右手を下ろし、代わりに左手を突き出す。 しかし、れみりゃは私の動作に気付くことなく巨大な腕を私にめがけて振り下ろした。 警戒心がない、というよりも警戒する余裕すらないと言うべきだろうか。 守りの構えから反撃の構えに転じたことも知らずに、私めがけて渾身の一撃が放った。 『うあ゛ーーーーーーーっ!!』 「四重結界」 その一撃を受け止めるべく、再び結界を展開する。 さっきまでの結界とは比較にならない強度に加え、接触した相手に破壊をもたらす結界を。 高速で回転する4枚の薄い光の壁は思い切り良く突っ込んできたれみりゃの腕を瞬く間ずたずたに引き裂く。 そして、彼女が異常に気付いたころには右手をごっそりと失っていた。 『う゛・・・う゛あ゛・・・れ、れびりゃのおででがーーーーー!?』 「参ったわ、これはこれで話になりそうにない・・・」 仕方がない、そう心の中で呟いてかられみりゃの大きな顔の前まで飛んで行き、彼女に話しかける。 錯乱しているせいで全くと言っていいほど会話にならなかったが、スキマから取り出した標識で2,3発叩いたら落ち着いた。 『う゛ー・・・れみりゃはぶだざんななんがじゃ・・・』 「分かったわ。ごめんなさいね、豚なんて言って」 『うぅ?』 突然の態度の変化に少し戸惑うティガれみりゃ。 少しの間、不思議なものを見るような目で首をかしげながら私を見ていたかと思うと、急に満面の笑みを浮かべる。 何となく、にぱぁ~♪という効果音と後光が見えたような気がしなくもないが、多分気のせいだろう。 『わかればいいんだどぉ~♪』 「ところで、エレガントなおぜう様に訊きたいのだけれど・・・」 『なんだどぉ~?』 ようやく機嫌を直したれみりゃは重そうな顔に両手を添えてお尻を振りながら私を見つめている。 どうやら褒められたのが相当嬉しかったらしく、照れて顔が真っ赤になっている。 恐らく、育った場所で罵られ酷い目に遭うばかりで、褒められることに慣れていなかったのだろう。 「貴女達の主人について教えてもらえないかしら?」 『う~・・・おねえさんはいいひとだけど、それはむりなんだどぉ~・・・』 「どうして?」 出来るだけ警戒されないように笑顔を絶やさずに、そう尋ねた。 両手は腰の高さまで下ろされ、手のひらをれみりゃに向けて、ペットに対して「さあ、おいで」と言う時のような格好をしている。 もちろん、スキマを出すこともせずに霊力や妖力も抑えて、可能な限り無防備を装った。 『だって・・・そんなこといったら、ゆっくりできないんだどぉ~・・・』 「あら?そんなこと気にしなくてもいいのに」 『い、いやだどぉ・・・お、おぢおぎは、ずごぐごわいんだどぉ・・・』 目に見えて怯えるティガれみりゃの体はぶるぶると震えている。 いささか鬱陶しい顔立ちのナマモノとは言え、同情を誘うには十分すぎる仕草だろう、このサイズでなければ。 「大丈夫よ、私が守ってあげるわ」 『うぅ?・・・ほんとうに?』 「ええ、本当よ。それに、私の知り合いには私よりも強い人だっているわ」 だから、あなたは何も恐れなくて良いのよ? すっ、とれみりゃの額に手の届く距離まで近寄った私はそう囁くと、彼女の頬を撫でる。 泣きじゃくっていたせいで少し脂っこいが、弾力があってさわり心地は決して悪くなかった。 『うぅ・・・だっだら、おしえてあげるどぉ~♪』 「ふふ、ありがとう」 『へんなおにーさんたちだどぅ~♪』 「・・・・・・飛光虫ネスト」 それじゃ何の役にも立たないでしょうが。 そんなツッコミより早く、私は彼女の巨体めがけて無数の未確認飛行物体を射出していた。 まったく、何のためにこんな肉まんに優しくしたのかわかったものじゃない。 『うぎゃーーーー!?なにずるんだどーーー!?』 私の背後に連続して出現する無数のスキマから、何発も何発も謎の飛行物体が放たれ、ティガれみりゃの巨体を穿つ。 まずは動きを封じるために脚を。ついでに不可抗力で尾を穴だらけにしてゆく。 やがて、自重を支えられなくなった脚は崩れ、支えを失った胴体は地へと沈んだ。 『やべるんだどーーーー!でびりゃは、やざじいおねーざんがずぎだどぉおーーー!?』 もはや歩くことも敵わないほどにボロボロで、もはや健常な四肢は左手しか残っていない有様。 それでもティガれみりゃ身をよじり、両腕をばたつかせて飛行虫の大群から逃れようと必死にもがく。 しかし、その抵抗は何の意味もなさなかった。 『う゛ぅ・・・ほどぢで・・・』 やがて、その胴体すらも蜂の巣にされてしまったティガれみりゃは顔だけになっていた。 それでもここが本体のようなものである彼女は決して死なない。 しかし、今の彼女に自力でこの状況を打開する手段は残されておらず、もはやただ大きいだけの肉まん。 「ふぅ・・・まりさ?」 『なあに、お姉さん?』 一仕事終えた私は、私がティガれみりゃの相手をしている間に傷の大半を癒したドスまりさに声をかける。 その声に反応した彼女は急いで傍までぼいんぼいんと跳ねて来ると、場違いな気の抜けた笑みを浮かべた。 「れみりゃはもう大丈夫・・・ゆっかりん達を探しにいくわよ」 『ゆっくり理解したよ!』 私とドスまりさは木々を掻き分けながら、何か大きな気配のするほうへと急いだ。 「こ・・・これは?!」 ようやくゆっかりん達を発見した時、なんだか面白いことになっていた。 その場に居合わせたのはきめら丸に、ゆっかりん、気色の悪い巨大ありす。それと申し訳程度にれいむ。 その撃ち3匹が巨大種であり、ありすに至っては触手まで搭載したオリジナルに見せたら昏倒しそうな風体をしている。 しかし、驚くべきことに巨大な3匹を差し置いて場の主役になっていたのは無理矢理連れてきた例の娘だった。 『ゆゆっ!なんだか凄くゆっくり出来る感じがするよ!』 『なんというゆ力・・・おお、怖い怖い』 きめら丸と触手ありすが現在対峙しているのは妖怪でもなんでもない、間違いなく普通の人間。 ただ一点、何故か未知のオーラを放出していて、そのオーラが10mを超える超巨大ドスまりさの形になっていることを除けば。 そして、そのドスまりさがありすの触手による一撃をことごとく阻んでいることを除いては。 『ゆゆっ!どうして、ありすのぺにぺにがとどかないの!?』 『ゆっくり光線・・・いや、それ以上の力・・・!?』 「あえて名付けるなら“ゆっくり結界”ね」 名付ける必要は特にないのだけれど、名前があったほうが便利でしょう? とにかく、ゆっくり結界を纏った彼女の前に触手ありすは手も足もぺにぺにも出ない。 対する彼女はゆっくりとれいむをゆっかりんの傍に下ろすと、余裕の表情で触手ありすと向かい合う。 『ゆぅうぅぅ!はやぐごごがらででぎなざいよ、いながもの!?』 「いや、そう言われて出て行く馬鹿はいないでしょ?」 『でてきたらありすのぺにぺにでそっちのおおきのといっしょにすっきりさせてあげるわよ!』 おおきいの、は言うまでも無くゆっかりんのことだろう。 彼女とすっきりーするときのことを想像しているのか緩みきった見るに堪えない笑みを浮かべている。 “彼女”に見せたら本当に発狂してしまうんじゃないかと思えるほどに見苦しい表情だ。 「大きいの?ゆっかりんのことか・・・」 『そうよ!いなかもののおねーさんもとくべつにあり・・・』 「ゆっかりんのことかあああああああああああ!!」 どこぞの超野菜星人みたいなことを叫びながら、彼女は触手ありすを睨みつけた。 と同時に、触手ありすめがけて全力疾走。彼女にあわせて移動するゆっくり結界を利用して近くの樹木に触手ありすを叩きつけた。 彼女と一緒に中にいるゆっかりんとれいむも結界に移動に引きずられ、転げまわっている。 『ゆぎぃ!?』 「これは、ゆっかりんの触り心地抜群のほっぺたの分・・・!」 一瞬、バトル漫画チックにキャラが変わっていると思ったけどそんなことは無かった。 ゆっかりんの頬じゃなくて本人を心配してあげなさい。 と内心で突っ込んでいるうちに、今度は触手ありすに向かって右手を突き出す。 すると、ドスまりさの形をした結界が全身を使って柔らかそうな右頬を叩きつけた。 『ゆべしっ!?』 「これは・・・いきなりこんなところに連れてこられた私の分・・・!」 それ、ただの八つ当たり。 しかし、よっぽど根に持っていたらしい。更に問答無用で結界を叩きつけた。 右、左、右、左、右、左、右、左・・・と執拗に殴打を繰り返す。 「これは、脚の疲労感の分・・・!これは、さっき食べた茸が苦かった分・・・!」 『ゆびぃ!?ありずっ!?ぞんなのっ!?ぢらなっ!?』 気がつけば、もはや八つ当たりですらなくなっていた。 昨日目玉焼きが焦げた、節分の時にペットのゆっくりすいかが泣き叫んだせいで怒られた・・・ もはや腹いせ同然のやり場のない怒りを容赦なく触手ありすに叩きつける。 やや気の毒な気もするけど、面白そうだから放っておこう。 『ゆ゛っ・・・やべで、やべでぐだざいいいいいい!あやばりまず!あやばりまずうううううう!?』 「だが断る」 その言葉は相手の提案が自分にとって有利なものである時に使ってこそよ? それはさて置き、再開される理不尽な暴力。 結界ドスの頬でありすを叩き、跳躍して結界の顎で踏みつけ、体当たりをして弾き飛ばす。 『ゆびょ!?あ、ありずの・・・べにべにがぁ・・・!』 執拗な攻撃に耐えかねた触手ありすの触手、もといぺにぺにが1本もげた。 触手ありすは力なく地に落ちたぺにぺにへと這って行こうとするが、彼女の容赦ない攻撃のせいでそれすらも叶わない。 そうこうしている内に1本また1本と触手ありすのぺにぺにが引き千切られ、本体から離れてゆく。 『やべでええええええええ!?あ、あでぃずのどがいはなべにべにがあああああああ!?』 『おでがいでず!ぼうやべでぐだざいいいいいいいいい!?』 「やだ」 『ぞんなああああああああああ!?ごんなのどがいはじゃないわ゛あ゛あ゛ああああああ!?』 数分後、触手ありすのぺにぺにはもはや見る影も無くもがれ、今やただの大きいだけのありす種と化していた。 自分のアイデンティティを奪われた彼女は焦点の定まらない目であらぬ方向を見つめながら、『ゆひっ、ゆひぃ』と気味の悪い笑みを浮かべている。 これで、残るはきめら丸ただ一匹。 『ねえ、お姉さん?』 「なにかしら?」 『加勢しなくていいの?』 「危なくなってからで十分でしょ?」 『まりさはどうしたら良いの?』 「邪魔になるだけだから観戦してなさい」 『ゆっくり理解したよ!』 「でも、そうね・・・思いっきり戦えるようにはしてあげても良いかしら?」 ゆっくり結界の中にスキマを発生させ、ゆっかりんとゆっくりれいむをドスまりさの傍に呼び寄せた。 『まさかありすが敗れるとは・・・何者ですか、貴女は?』 「私は・・・やる気のないお姉さんが手前勝手な怒りによって目覚めた・・・・・・ん~、ドスお姉さんよ!!」 『今考えましたね?おお、適当適当』 ニヒルな笑みを浮かべつつ首を振るきめら丸。 一見するときめぇ丸種特有の人を馬鹿に仕切った態度にしか見えないが、彼女には全く油断がなかった。 四肢でがっちりと地を掴み、翼を広げ、僅かに身をかがめて角を突き出し、尾を持ち上げるその姿は間違いなく臨戦体勢。 対するドスお姉さん(仮)もゆっくり結界を展開したまま、じっときめら丸を睨みつけている。 「うりゃ!」 『おお、遅い遅い』 先に動いたのはドスお姉さん(仮)だった。 しかし、きめら丸は大きな翼を羽ばたかせて空へと飛び上がり、いとも容易くそれを凌いだ。 ゆっくり結界は10mを超える巨大なものだが、きめら丸はるか上空。 とてもじゃないがゆっくり結界による攻撃は届きそうにない。 『ここなら一応安全なようです・・・ね?』 一旦その場にとどまり、地に這いつくばっている私たちの様子を確認しようと下を向くきめら丸。 淡く輝く金色のオーラはいつの間にか消えていて、代わりに一点に収束された光がまばゆく輝いている。 その閃光の正体を知る彼女の瞳は驚愕によって見開かれた。 『こ、これは・・・!?』 『ゆゆっ!すごい!ドスパークだよ!』 ドスパーク。それは本来ドスまりさのみが使える必殺技。 あるキノコを食べる必要があったり、使用回数があったりとその性能には個体差があれど、いずれもゆっくりの希望。 襲い来る獣を焼き払い、時には人間さえも恫喝せしめるその力を人間が行使した。 それも、出力は10m超級のドスまりさが放つドスパークとほぼ同じ。 「発射口が小さい分射程と威力が随分増しているみたいだけど」 『しかしそれでは素早い標的には当たりませんよ?おお、無駄撃ち無駄撃ち』 そこにいたのは数瞬前まで上空にいたはずのきめら丸。 巨体を得てなお衰えることを知らない俊足を以って、一瞬にしてあの距離を詰めてきたらしい。 おお、速い速い。 などとやっている間にもきめら丸はドスお姉さん(仮)めがけて突進する。 「はい、隙あり」 『なん・・・ですと・・・?!』 2発目のドスパークが、それも今度は右手の掌から、ただ撃つのではなく薙ぎ払うように放たれた。 なるほど、これなら簡単にはかわせないだろう。少なくとも空を飛べる相手でなければ文字通り必殺の攻撃だ。 そう、空さえ飛べなければ。 『おお、怖い怖い』 手からドスパークを発射できたことも驚きだが、きめら丸の想像を絶する機動力は驚嘆に値する。 もっとも、流石にかわしきれなかったらしく、きめら丸の一部が転がっているが。 彼女の中身は黒糖饅頭のようで、その破片からは甘い匂いが立ち込めている。 『おや、前足を落としてしまったようですね?おお、痛い痛い』 「また空に逃げたか・・・もうそろそろ体力がもたないんだけどなぁ・・・」 『どうやらお互い限界のようなので、そろそろ逃げさせてもらいますよ』 そう言い残すと、翼を羽ばたかせて夜空の彼方へと飛び去っていった。 直後、ドスお姉さん(仮)は地面に突っ伏した。どうやらわりと真剣に体力の限界だったらしい。 『ゆゆっ!お姉さん、あのお姉さんを助けないと!』 「そうね・・・貴女に任せるわ」 そう言い終えるが早いか、私はスキマに潜り込んできめら丸の後を追った。 『まさか人間がドスパークを撃つとは…』 「おお、怖い怖い?」 声をかけられてようやく、背中の重みを認識したきめら丸は振り返った。 そして、彼女にしてみればいつの間にかそこに腰掛けている私を見て、驚愕する。 『・・・おお、いつの間に?!』 「知らなかったの?Phボスからは逃げられない」 実際はPhに限ったことではないけれど。 再びスキマに潜り込んできめら丸の尾による先制攻撃をかわし、今度は彼女の眼前に姿を現す。 空を歩く姿を目の当たりにして私が人外の何かであることを理解したらしく、『おお、怖い怖い』と激しく首を振った。 「今、貴女の前には逃げられない敵が立ちはだかっている」 『おお、大魔王大魔王・・・』 「もちろん、何の意味もなく立ちはだかっているわけじゃないわ」 『そう仰られても、私には貴女にお教えすることなどありませんよ』 シェイクを止め、先ほど見せた臨戦態勢(空中Ver.)になるきめら丸。 「だったら、私にも貴女を生かして帰す道理は・・・あら?」 しかし、きめら丸は私に突撃を仕掛けず、急降下して戦線離脱を図った。 どうやら自分の実力では絶対に勝てない相手であることも把握しているらしい。 本当に優秀な個体だ。 「もっとも・・・絶対に逃げられないことも把握しておくべきだったわね」 巨大ゆっくりの饗宴(後編)?
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罪の無いゆっくりがゆっくり出来なくなります ※避妊あ○すさん、オチぱくってすいません ゆっくりれいむをブン殴ろう! ビキィ!! 朝っぱらから某掲示板に張り出された笑顔のゆっくりれいむ画像を見て イキナリ有頂天な怒りが確定的に明らかになった俺は 3日前から家の前の空き地にある土管を住処としている野良でいぶの元まで赴き、 もみあげを掴んで引きずり出した 時は朝の5時、意外と朝の早いゆっくりとはいえまだ寝ている時間だ 何故こんな事をしているか?でいぶに怒りを燃やしていた事も勿論あるが 一番の理由は急にヤツの頬に本気でフックを叩き込んだらどうなるか試してみたくなったのだ この時間なら人もいない… これからの事を考えると頬に邪悪な笑みを浮かべてしまう事を止められない事は確定的にあき 「…ゆ…ゆッ!?人間さん!?どうしてれいむを持ち上げてるの!?」 起きやがった。まぁそりゃ起きるよな ちなみに俺と野良でいぶとの接触はこれが初めてである 饅頭の質問にはこれからお前をブン殴るとテレパシーで返した 「人間さん!ゆっくりおろしてね…?」 人の話を聞かないこの野良でいぶは人間に対して嫌な思い出があるのか 俺の笑顔の中にゆっくり出来ないモノを感じ取ったのか 傲慢な個体が多い野良ゆっくりにしては大人しく、媚びたような笑みをこちらへと向けてくる 野良なだけあって掴んだもみあげがなんかベトベトする、汚いさすが野良でいぶ汚い 俺はでいぶを地面に降ろしてやった 「ゆ、ゆっくりしていってね?」 なんだか可哀想になってブン殴る事を止めた)と思っているのか!? もみあげを掴んだままでも殴る事は出来るが確実に頬をブン殴りたかったのだ と言うわけで2月霜のきらめく朝生まれた夢を叶えるために 俺はオドオドしきったでいぶの前髪を掴み最高の角度で叩き込めるよう持ち上げ、位置を調節した でいぶは俺が遊んでやってると思っているのか「ゆ~♪お空を飛んでるみたい!」等と喜びだした なんという危機感の無さ、ゆっくりはそうでなくては面白くない それにしてもこの台詞は久しぶりに聞いた ?準備は整った 「…ゆ?」 掴んだ左手を掲げ右手に力を込める 正直でいぶは重い、成体にしては小さめのゆっくりだが 5キロぐらいはあるんじゃないだろうか?ちょっとプルプルしちゃう 「~~~~~~~~~!!」 声にならない叫び声を上げ、でいぶは激しく暴れだした(底部をうねうねさせた) これから何をされるか分かったのであろう、可哀想に目には涙があふれている そして俺は朝の冷たい空気を胸いっぱいに吸い込み 夢を叶えた 出勤する際にまだゆっくりと気絶しているでいぶの姿を見たが あの姿、電車の中でも思い出し笑いしてしまう! 成人男性の有頂天の怒りと好奇心を全て吸収したでいぶの頬には くっきりとした拳の形の窪みが生まれ、 掴んだ前髪は殴られた時の衝撃で全て引きちぎられてしまっていた 前歯を巻き込んで砕けた歯では一生まともな食事は出来ないだろう ただでさえ辛いであろう野良の生活…そして突如失った手も同然の歯…醜い姿… やった俺が言うのもなんだが、でいぶにはそれでも強く生きていって貰いたいと思う だって野良ゆっくりは苦しんでる時の姿が一番、ゆっくり出来るだろ? ~fin~ 作者:古緑
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近所のおばさんのところに行った時いい方法が思いついた。 おばさんの家には最近あまり見ることのなかった吊るし柿がしてあった。 これだ!これしかない!俺に電流走る。 早速実行に移そうと俺は山へ出かけた。 ソフトボールくらい大きさのゆっくりがちょうどいいだろうなとかいろいろ想像していると ついにゆっくりれいむの家族を見つけた。親と思われるバスケットボールくらいの 大きさの親ゆっくりを先頭に子供が10匹列になって森の奥のほうにゆっくりと進んでいた。 子供の大きさは約15cmであっただろう。あまりに思い通りだったためかなり興奮したが ここで焦っては台無しと思いゆっくりと家族の後をつけた。 「きょうもゆっくりしようね!!!」 そう言って親ゆっくりが先に家に入っていった。そこを見計らって俺は子ゆっくり達に すばやく近づき持っていた袋に素早く放り込んだ。 「ゆっ!ゆっ!?」 ゆっくり達は少し混乱していたが他の姉妹と一緒だったためそこまで大騒ぎはしなかった。 「はやくはいってきてね!!!」 という親の言葉を背に俺はさっさと自宅へ向かった。 家に帰ると取ってきたゆっくりを箱に移し変えた。 「ここはどこ!?」「おかーさーーん!!!」 などと口々に言うゆっくりたち。 「ここはお兄さんの家だよ。ゆっくりしていってね!」 といって箱の中に飴玉を入れてやった。 「うめぇ!めちゃうめぇ!!」「おにいさんありがとう!!!」「ゆっくりしていくよ!!!」 なんて単純なやつらだ・・・。親とはぐれたことはもうどうでもいいようだ。 ゆっくりたちを安心させると俺は早速次の作業に入った。いよいよ「干しゆっくり」作りだ。 おばさんに教えてもらった干し柿の作り方のメモを参考につくってみる。 えーと、[まず皮を剥きます]だと・・・!? ピーラーを台所からもってきてまず1匹を箱から取り出した。 「おにーさんあめちょーだい!!!」 などとほざいているがそんなの関係ねー。ピーラーを当てて皮を削ぎ落とす。 「い"ーーーーだい"い"い"い"よ"おおおおおお!!!!」 くそ!皮が柔らかくてうまく剥けない。なので表面を少し削ぎ落としただけでやめてあげた。 「ゆ"っ!ゆ"っ!」 剥かれたゆっくりは涙目だ。2匹目も同じように皮を剥いてやった。 「ぎゃあ"あ"あ"あ"ーーー!!!!」「お"う"ぢがえ"る"ぅぅぅーーー!!!」 後のほうのゆっくりは他のゆっくりの悲鳴を聞いているため箱を出る前からすでに泣いていた。 えーと、次は[2個1組になるように紐の両端で結びます]か。 ちょうどいいことにれいむにはリボンがあるためそこに紐を通す。 それから[熱湯に通すと乾きが早くなる]らしいので熱湯を用意する。 皮を剥かれてよほど痛かったせいかゆっくりたちは泣くばっかりで動こうとはしなかった。 お湯が沸いたので紐をもって2匹のゆっくりをなべの上まで持っていった。 「や"め"でぇぇーー!!」「あづい"のい"や"あ"あーーー!!!」 お構いなしに湯につける。死なないように10秒くらいで出してやる。 「あ"づっ!あ"づい"よお!」「お"にい"ざんやめ"でね!!!」 また湯につける。死なない程度に。 「おにいさんもうやめてあげてね!!!」「おかあさんのとこにかえしてね!!!」 その他のゆっくりが必死に抗議してきたのでこの辺にしてやる。次はお前らなんだけどな。 10匹分終わったがもうかなりぐったりしている。でもまだ生きてるからたいしたもんだ。 次は[日当たり、風通しのよいところに干す]という作業だ。 縁側に吊るしてやった。そのころにはもう日も落ちて満月が昇っていた。 障子を閉めると月夜に浮かぶ10個のシルエットがなかなか趣深い。 今日はこの辺にして寝ることにした。饅頭だから1週間もすれば乾くだろう。 朝起きて様子を見てみる。 「おにいさんはやくおろしてね!!!」「おうちかえる!!!」「あめ!あめ!」 まず驚いたのがこいつらの剥いた皮がもとの厚みに戻っていることだった。剥き損だったのか。 しかも昨日のことはあんまり覚えてないみたいだ。 「おまえらゆっくりだったらどこでもゆっくりできるだろ?ゆっくりしていけよ。」 そう言い残して俺はさっさと仕事へ向かった。 「おにいさんまってね!!!」 無視した。 仕事から帰る途中今度はゆっくりまりさの家族を見つけた。しかもまた子供が10匹も。 昨日と同じ手順で素早く子供だけを回収。家に帰って同じように干し柿の作り方に従い 作業をする。皮を剥くのが無駄だと今朝知ったばかりだが面白いので剥いてやった。 縁側にいってれいむの様子を確認する。 「お"な"がずい"だよ"ー!」「ゆ"っぐりでぎないよー!」 泣けば泣くほど水分が失われることをこいつらわかんないのだろうか。 「よしよし。今日はいいものを持ってきてやったぞ!」 「えー?なになに?」「ごはんたべるー!」 とたんに泣き止み俺に期待を寄せてくるれいむたち。そこで紐に結ばれた10匹の ゆっくりまりさを見せてやった。 「友達が増えてうれしいね!」 といってれいむたちと同じように吊るしてやった。 「ま"り"ざぁ"あああ!!!」「お"に"い"ざんひどい"いいいぃ!」 皮が透けてて白目むき出しの湯気が出まくったまりさを見てまたれいむたちは泣き始めた。 3日くらいたつとさすがにしなびはじめているのがはっきりと確認できた。 「おにいさんおなかすいたよぉ」「もうおうちかえるぅ」 泣いてはいなかったがもう元気はなくなってきた。 「もっとゆっくりしたかっ・・た・・・」 と弱音を吐くヤツも出てきた。 そろそろだなと期待を膨らませて仕事に出た。 帰ってくると何か騒がしい。泥棒か!?と思い聞き耳を立てる。 「いまたすけるよ!!」「ちょっとまっててね!!!」 「おかあさんはやくしてね!!」「はやくおろしてね!!」 どうやられいむとまりさの親が助けに来たらしい。急いで縁側へ向かう。 「おかあさんうしろ!!」 「!!」 2匹の親ゆっくりは一瞬驚いたが間髪いれずに体当たりをくらわせてきた。 「こんなことしたのはおにいさんだね!」「ゆっくりしね!!」 ドカッ!ドカッ! あまり痛くない。逆に今度は俺が親れいむにかかと落としをくらわせる。 「ゆ"っぐっ!!ゆ"っぐうううんっ!!!」 頭のてっぺんが凹んで涙目の親れいむ。 「はやくおろしてね!!」 あいかわらず体当たりをしてくる親まりさ。 今度は両頬を掴んで思いっきり引っ張った。 「い"い"いいいだい"よお"おおお!!!」 そしてねじる! 「い"や"あ"あ"あああああああああ!!!!!」 最後は床に叩きつける! ビターーーン! 何かものすごくすっきりした。 「ゆ"っぐ!ゆ"っ!」「も"う"や"め"でぇええええ!!」 観念したのかもう体当たりはしてこなくなった。 「おかあさんたちをいじめないでね!!」 と聞こえたのでこのへんにしておいた。 2匹の親ゆっくりは透明な箱に入れて逃げられないようにした。こいつらには子供が 干からびていく様子を見てもらおう。 5日目になるととうとう干からびて死ぬやつが出てきた。 「ゆっくりおきてねっ」 「・・・」 「ゆ"っぐりおぎでよ"ぉぉ!」 「・・・」 死んだのは一匹のれいむだった。周りが呼びかけても起きることはなかった。 そいつの死を理解すると今生きているゆっくりたちに絶望が襲ってくる。 「い"っい"や"だああああ!!」「じに"だぐな"いいいいい!!」 絶望が隣、また隣へと伝わっていく。極度の空腹、渇きが絶望を加速させる。 俺は死んだヤツを紐からはずした。他のゆっくりたちの視線が集まる。 「お前おなかすいてるだろ?ほら!」 そしてそれを親れいむの入っている箱に入れてやった。 この親は子供達が家の前で消えてから2日間森の中を探し続けただろう。そして見つけたこの家。 さらにそこから2日間身動きが取れていない。空腹は限界のはずだ。 「う"う"ぅ・・・」 しなびた自分の子供を見つめる親れいむ。 「おかあさんたべちゃだめだよ!」 必死にとめる子供達。 1時間くらい見つめていただろうか。葛藤の末ついに親れいむが動いた。 「むーしゃむーしゃ」 「お"があ"ざんな"んでぇぇぇぇぇ!!」 子供達がさらに絶望する。 「うめぇ!めっちゃうめぇ!しあわせ~♪」 親れいむは涙を流しながら食べた。 面白いもんだ。自分の子供を食べといて幸せとは。 面白かったので今度は子まりさを1匹離してやる。 もちろんまりさは全部生きてるので生きたやつをということになる。 「おにいさんたすけてね!」 残り少ない体力で必死にお願いしてくる。 「よしよし。お前はお母さんのところに返してやろう。」 そして親まりさの箱に入れてやった。 「お"がーざーん!!」 泣きながら母の元に寄る子まりさ。 「はぁ・・はぁ・・・」 親まりさの口からよだれが垂れる。 「おかあさん・・・!?ってぎゃあああぁああああ!!!!」 「むーしゃ♪むーしゃ♪」 「どうじでぇぇぇぇぇぇ!!!」 「うめぇ!はんぱねぇ!」 れいむとはちがってまりさは迷いなく食らいついた。これが種別による差なのだろう。 「お"があざんな"んで・・・・」 吊るされた子供たちは親も信じられずどうしていいのやら分からなくなっていた。 次の日朝起きると吊るされていた子供達が無くなっていた。 「もしかしてお前らが食ったのか!?」 箱に入れていたため不可能だとは分かっていたが一応聞いてみた。 「ぢがう"よ!うー!うー!ってやつがれ"いむ"とま"りざのごども"をおおお!!!!」 2匹の話によれば昨日の夜にゆっくりれみりゃ(胴体付き)がうーうー言いながら全部食べたそうだ。 それにしてもこいつら自分が食べるのはおkでれみりゃにはだめなのか。 「そりゃ痛かっただろうなぁ。」 子供が全部いなくなった今こいつらを監禁してても意味がないので2匹を箱から出してあげた。 2匹は安心した様子だ。 「おにいさんおなかすいたー。」「なにかもってきてね!」 図々しいなぁ。お前らの子供死んでんだぞ。 「じゃあちょっと待ってろ。」 俺は奥の部屋に行ってちょっと太目の紐を持ってきた。 「ちゃんとたべものをもってきてね!」「はやくゆっくりさせてね!!」 その言葉にムカつきつつも紐をリボンと帽子に結びつけた。 そして子供たちと同じように縁側に吊るしてやった。 「「はやくおろしてね!!」」 抗議する2匹。 「親なら子供の痛みわかってあげなきゃね。じゃ、ゆっくりしていってね!!!」 「ゆッッッッ!!!!?」 暑い日差し、渇き、空腹を何日も耐え抜いた末助からなかった自分達の子供たち。 しかも1匹は自分が食べてしまった。 過酷な試練がこの2匹に今襲いかかろうとしている。 2匹は白目になり口をガッと開き震えた。 自分の犯した過ちを悟ってしまったのだ。 BAD END いなくなった子供たちは諦めよう!
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「いっけーゆっくり橙!しっぽアタックよ!」 「わかるよー」 「ゆっ、いたいよ!ゆっくりやめてね!」 ネコマタ妖怪の指示を受けてゆっくりちぇんがゆっくりれいむに飛び掛りクルリターンして尻尾を叩き付けた。 「よーしその調子でやっちゃえー!」 「わかるよー、このままいけばかてるよー」 「ゆぐっ、もうやめて…」 バシバシと尻尾を叩きつけられて弱っていくゆっくりれいむに後ろから氷精が声を荒げて言った。 「ちょっとーちゃんとやりなさいよー! でないとこっちのゆっくりまりさをガシャーンとやっちゃうからね!」 「ゆ!」 氷精の言葉を聴いてゆっくりれいむがはっとした表情をした。 氷精の手には完全に氷付けにされた親友のゆっくりまりさが握られていた。 湖の近くで二匹でゆっくり遊んでいたところをこの氷精に捕まえられてゆっくり同士で殺し合いをさせられているのだ。 「どうじで…どうじでこんなことに…」 「わかるよー!わたしがかてるよー!」 頭に何度も尻尾を叩きつけられ、皮を裂かれながられいむは俯いて涙を流した。 「れいむは…れいむはゆっくりしたかっただけなのにぃー!!!」 れいむの、心の底からの叫びであった。 その叫びと共にれいむは頭に叩きつけられようとするだった尻尾に噛み付き思い切り引きちぎった。 「ぎゃああああああああああああ!?」 「ゆっぐりごべんね゛ええええええええ!!!」 引き千切った尻尾を吐き出すと今度はさっきまでの優勢が一瞬で消え混乱の最中にあるゆっくりちぇんの耳に噛み付いた。 「わからない!わからないよおおおおおお!!!!」 「ああああ!わ、わからなかったら人に聞くのよゆっくり橙!」 「わからないいいいいい!どうすればいいのおおおおおおおお!?」 「えーっと、どうしよう」 ゆっくり、トレーナー共に激しく混乱するネコマタ陣営。 「ごべんね゛ええ!ゆっくり…死んでね!」 「あ゛に゛ゃあああああ!!!」 遂に耳も食いちぎられ、れいむはそこに口を付けると力いっぱい中の餡子を吸った。 「ずっずぢゅううううう!ずぼっぉ!ずっちゅううう!」 「わからないいいいいい!なにもわからないよおおおおおお!!!」 「ゆ、ゆっくりちぇえええええん!」 こうなればもう捕食する側と捕食される側に分かれた一方的な狩りであった。 「やっぱりあたいったら最強ね!」 餡子を半分ほど吸われ完全に動かなくなったゆっくりちぇんを見て勝ち誇る氷精。 その足元には暗いものを宿した目で必死にすがりつくれいむが居た。 「はやく、はやくまりさを元に戻してね!」 「わかってるってば、そらっ!」 ガシャン 「あ」 「ま゛り゛さ゛あああああああああ!!!」 凍らせたゆっくりを元に戻すのは高等技術なのである。 れいむは同属殺しまでしたにも関わらず結局親友を救えなかったことに絶望して 白目を剥いて餡子を吐いて果てた。 「うにゃー、また負けたー…」 「ま、あたいに勝とうなんて三光年早いのよ」 「古典的なネタにわざわざ突っ込むのも何なんだが光年は距離だ」 さて、今の戦いは何かと言うと最近人里の子ども達の間で流行り出したゆっくりバトルという遊びなのだ。 子どもがトレーナーとなってその辺で捕まえてきたゆっくりに指示を出して戦わせる遊びなのだそうだ。 ゆっくり側には指示に従う謂れは無いので如何にゆっくりを指示に従わせてモチベーションをあげて戦わせるのかが重要な勝負の鍵になってくるらしい。 ゆっくりを闘わせる賭博が人里にて行われているのだがそれを子ども達が真似し出したのだろうと思う。 だが紫様曰く『あれが半端な形で幻想入りしちゃったみたいね 本格的にこちらに境界を越えて入ってくるのは少し先かしら、まだまだ現役ですものね』とのことだ。 紫様のおっしゃることは中々意味がわからない。 「うーん、餡子吸わせちゃったからあんまりおいしくないわね 大ちゃんこれあげるよ、あたいこっちの氷ゆっくり食べるから」 「え、うんありがとうチルノちゃん」 ちなみに負けたゆっくりは勝者がおいしく頂くようだ。 食べかけの上にほとんど餡子の残っていない饅頭を渡されて緑髪の妖精は愛想笑いを浮かべた。 「藍さま~全然勝てないよ~」 「うーん、とにかくもっと精進することだな」 今私の尻尾に腰掛けてゆっくりを食べているのが氷精のチルノ。 そのチルノからゆっくりを貰った緑髪の妖精が大妖精、名前はよく知らないので割愛。 そしてしっぽに包まって泣き言を言っているのが妖怪の式をやっている私の式である橙だ。 「へっへーんだ、あんたがいくら頑張ったってあたいには勝てないよ だってあたいが最強だもん!」 「うにゃー!腹が立つー!」 橙が尻尾のなかでじたんだを踏む代わりにじたばたともがいた。 このくらいで怒っているようではまだまだ修行が足りないかなとも思うが 友達と遊んでいる時に小言を言うのもなんだし尻尾の中で動かれるのが軽くくすぐったくて心地よいので放置する。 「くやしいー!藍さまー!敵をとってー!」 そうやって私を頼っているようでは修行が足りないと言わざるを得ない。 小言を言うのもなんだがせめて自分でなんとかするように言わないといけないか。 大体子ども同士の遊びに保護者がでしゃばるのは流石に大人気ない。 「橙、人に頼ってばかりいずに自分で」 「馬鹿ねー、そんな油揚げにごはん詰めたの食べるのが生きがいの妖怪の下っ端狐に頼ったってあたいに勝てるわけないでしょ! なんたってあたいは最きょ」 「よかろう受けて立とう」 「やったー!藍さま頑張って!」 私はすっと立ち上がると氷精の宣戦布告を受けた。 橙が万歳して歓声を上げる。 「えーと、あのぉ子どもの遊びに大人が出てくるのは流石に大人気ないんじゃ…」 大妖精が控えめに抗議をしてきた。 「私はゆっくりバトルに関しては全くの素人だ 経験的にはそちらの氷精が圧倒的に有利、だから私も一週間時間を貰いたい その間にゆっくりを調教してここに持ってきてそちらのゆっくりと戦わせる それなら充分対等な勝負になるはずだ」 「えー、でも…」 「上等じゃない!受けて立ってやるわ!」 「うむ、それでは一週間後に会おう」 おいなりさんを馬鹿にした奴は例え子どもと言えど許すわけにはいかん。 一週間後徹底的に叩き潰してくれる。 「とは言ったものの」 マヨヒガに戻り、勢いで勝負を受けてしまったもののノウもハウも無い状態からゆっくりを調教して戦わせるというのは中々難しい。 やはり受けるべきではなかったか、いやしかし油揚げの中に入れるものを酢飯ではなくごはんと言うような輩を許すわけにはいかん。 さてどうしたものかと頭を悩ませているとぴょこんぴょこんと橙がこちらに走り寄ってきた。 「藍さまー、どうやってチルノちゃんのゆっくりに勝つか決めた?」 「いや、どうしたらいいか皆目見当もつかない どういうゆっくりを捕まえればいいのかわからないしどうやればゆっくりを戦わせられるのかもまだわからないし あの子のゆっくりも息絶えてたからまた別のゆっくりで来るだろうから対策の立てようもない、はっきり言って八方塞だよ」 そういって私はハァ、とため息をついた。 「藍さま、そういうときはね」 私が何もわからないと聞いて橙が何やら嬉しそうな笑みを浮かべる。 「ん?どうした橙」 「藍さまが私に言ったことだよ」 「あ、なるほど」 私はぽん、と手を打った。 『わからなかったら人に聞く!』 二人の声が重なった。 経験者がすぐ近くに居ることをすっかり忘れていた。 「それでは橙先生、ゆっくりをどう戦わせればいいのか教えてくれるかな?」 「ふにゃ、先生なんてなんだか照れる うーんとねまずは…」 それから橙先生によるゆっくりについての講義が始まった。 まずゆっくりを戦わせる方法はいくつかあること。 ゆっくりは三大欲求に弱いのでそれを餌に戦わせる方法。 これはどんなゆっくりにも通用する、特に食べ物をちらつかせるのがオーソドックスだ。 おなかを空かせておくことでさらに効果は上がるがその分体力が低下するので難しい。 性的欲求不満にさせる方法は戦闘に集中しづらく戦闘中に交尾しようとしてしまうこともあって難しい。 しかしゆっくりアリス種はこの方法で戦わせるとかなりの強さを誇るらしい。 ただ子どもがゆっくりアリスを捕まえて、育てるのは中々難しいので中々出てこないらしい。 睡眠不足にしておく方法は徹夜ハイとうまくタイミングが合えば悪くない戦法だがやはりこれも体力の低下が懸念される。 次に情に訴える方法。 所謂人質による脅しである程度知性の育ったゆっくりは意外と情に厚くこの方法は中々有効なようだ。 橙を下したチルノのゆっくりもこの方法で戦わさせられていたようだ。 他にも母ゆっくりに対して子ゆっくりを人質に取るなどといった戦法もあるようだ。 次に恐怖に物を言わせる方法。 所謂体に覚えさせるという方法なのだが 普通に教えられればいいのだがゆっくりの知性だとどうしても肉体的精神的苦痛を必要とする。 これは調教がきっかりはまればかなりの戦闘意欲が期待出来、他にも戦闘技術を教えこみやすく強力だが 常にやりすぎてストレスや肉体的損傷で死亡する可能性が付きまとい、恐怖の余り錯乱状態に陥る可能性もある。 次に純粋な戦闘種を戦わせる方法でこれを使えばほぼ勝ちは決まったようなものだが これはゆっくりれみりゃなどの戦闘種は子どもの手には手に入りづらく 大人の財力に物を言わせて買うのも大人気ないので除外する。 最後に純粋にゆっくりと友情を結んで戦ってもらう方法。 この方法は食べ物などで釣りつつ少しずつ信頼関係を培う必要があり今回の二週間という制限時間の中では難しいだろう。 次にゆっくりの種類について まず基本となるのがれいむ種とまりさ種 オーソドックスな種類で強さはどちらも似たり寄ったりだが 戦闘意欲に関してはまりさの方が高いらしいが基本スペックはれいむの方が若干強く 特に母れいむの強さは一目置かれているようだ。 自分の手でれいむに子どもを作らせてそれを人質にする場合もあるとか。 それからゆっくりみょん れいむ種より若干強いらしいが、語彙が極端に少ないので意思の疎通が難しい。 モデルとちがって刀は使わないらしい。 そしてゆっくりちぇん 指示に従わせやすいらしいが戦闘力に関しては若干他の種に劣る。 マタタビを使えば簡単に従わせられるらしい。 他にもアリス種やみすちー種など色々な種類が居るが主に使われているのはこの四種のようだ。 「ふむ、かなり勉強になったよ」 「でも私もチルノちゃんには全然勝てないから勝つためにどうすればいいのかまではわからないの… あんまり役に立てなくてごめんね藍さま」 「いや、作戦を考える取っ掛かりができただけでも大きな前進だよ ありがとう橙」 「ふにゃっ、えへへぇ…!」 私は橙の頭を帽子越しにそっと撫でた。 私は縁側に座りおいなりさんをお茶請けにお茶を飲みながら思索にふけった。 「まずどのゆっくりをどういう方針で戦わせるか考えないとな」 恐らくこの四種の内のどれかから選んで戦うことになるだろう。 相手がどんなゆっくりを出してくるかわからない以上なるべく臨機応変に戦えるゆっくりがいいのだが。 時間が余りないことを考えれば意思の疎通が難しいみょん種は除外した方がいいだろうか。 母れいむを子どもを人質に戦わせる方法が一番ストレートでやりやすそうだがゆっくり一家は中々見つけるのが難しい。 適齢期のれいむならすぐに見つかるだろうが交尾させてから死亡されると時間的にあまり後が無い。 それに無理やり作らされた子どもが人質としてどこまで通じるかどうか。 「なるほど、これはなかなか難しいな」 子どもの遊びというのは意外と奥が深い、参った参ったと頭を抱えた。 「テンコー!」 「ん?」 縁側に九本の尻尾を付けたゆっくりがこちらを見ていた。 「テンコー!」 「テンコー…ゆっくり天弧といったところか」 そのゆっくりは九本の尻尾に私に似た狐耳を付けて、帽子をかぶったゆっくりだった。 「ちがうよ!ゆっくりてんこは最近出てきたにせものだよ! らんはゆっくりてんこーだよ!にせものはゆっくりしね!」 「うわぁ」 ゆっくりは今確かにらんと言った。 よりによって私の姿を模したゆっくりまで現れるとは、紫様や橙の姿を模したものだけでも割と苦手だというのになんということだ。 それにしても一人称はらんなのに名前はゆっくりてんこーとはどういうことだ。 らんはどこから来たのだ、どちらで呼べばいいのかよくわからない。 「えーっと、ゆっくりてんこーと言ったか」 「らんでいいよ!」 自分の名前で呼ぶのが嫌だからわざわざ長いほうを選んだというのにこの饅頭頭ときたら、空気を読んでくれ。 「それじゃあらん、一体ここに何をしにきたのか教えてもらってもいいかな?」 「いいにおいがしたからゆっくり来たよ!それゆっくりらんに頂戴ね!」 よりによって私のおいなりさんを狙ってきたとは、運の無い奴だ。 「他の食べ物なら分けてやらんことも無いがこれは駄目だ」 最後通告である、これを断ればこいつはもう二度とおいなりさんを拝むことは無い。 「いやああああああ!それたべたい!それたべたい!」 そう言って私のおいなりさんに向かってぴょんぴょんとジャンプを始めた。 仕方ない、殺すか。 「ぞれ゛え゛え゛え゛え゛!!!ぞれ゛だべだいどお゛お゛お゛!!! おでがい゛!いっごだげ!いっごだげえええええ!!!」 「……」 なんというおいなりさんへの執着心であろうか。 その切ないまでにおいなりさんへ想い焦がれる姿をみて私はふと気づいた。 おいなりさんを馬鹿にしたものを倒すのはおいなりさんを愛するものでなくてはならないということに。 「…いいだろう」 私はおいなりさんを半分に千切り半分は自分の口に、半分はゆっくりてんこーに渡した。 ゆっくりてんこーは夢中でそのおいなりさんを貪った。 「うっめええええええ!めっちゃうっめえええええええ!!!! こんなおいしいものたべたことないよおおおおおおおお!!!」 てんこーはべちゃべちゃ言いながらひたすら初めてのおいなりさんの味をかみ締めていた。 「もっと!これもっとちょうだい!ねえ!」 てんこーは私においなりさんを要求して体当たりを繰り返した。 ――重い おいなりさんを想って繰り出す体当たりとはここまで重いものなのか。 私はすっと立ち上がったがまだ足に対して体当たりを繰り返している。 「おいなりさんが食べたければ私の言うことを聞いてもらおう …どうしても倒さなければならない相手がいるんだ」 「ゆ!ゆっくりわかったよ!すぐゆっくりやっつけにいくよ!だからはやくおいなりさん持ってきてね!」 もう倒しに行く気満々でいる。 「ふっ、頼もしい奴だ、だが今日はもう遅い ゆっくり眠って英気を養うといい」 「ゆっくりやすむから明日はちゃんとおいなりさんよういしてね!」 よし、少々もったいないがおいなりさんを餌に明日からビシバシ鍛えよう。 「きょうからゆっくりしようね!」 次の日、小鳥の囀りと差し込んでくる朝日、そしてゆっくりてんこーの泣き声で目を覚ました。 「ん…ああおはよう」 とりあえず寝床から出て今は紫様が冬眠時期なので橙と私の分だけ朝ごはんを作り その中から油揚げを一枚、ゆっくりの方にほうってやるとピラニア並の獰猛さで噛み付いていて少し驚く。 その後私が食べようとしていた厚揚げに飛び掛って来たのでその跳躍力に感心しつつ尻尾を一本引きちぎって壁の方に投げつけた。 私はテーブルマナーには厳しいのだ。 それはそれとして千切った尻尾をよく見るとおいなりさんだった。 食べてみると油抜きが充分ではないのか油くさくてしつこい。 体が鈍っているのかもしれない、もっと運動させる必要があるようだ。 とりあえず体を動かさせ、同時にてんこーの身体能力を見るために散歩をしつつ手ごろな野生のゆっくりを探す。 10分ほど歩くともう息を切らせて「も、もっとゆっくりしようね!」などとほざいたので ここで甘やかしては強くなれないと思い蹴り転がしながら進むとすぐに 「じぶんであるぎまずう゛う゛う゛!」と目から涙を流し口からは餡子を吐きながら懇願してきたので 「ちゃんと歩かなくちゃだめだぞ」と言って歩かせる。 そのまま歩き続けているとゆっくりれいむの一家と遭遇した。 捕まえて決戦用に育てることも考えたが今はこのてんこーが居るので予定通りてんこーの強さを見るために 子ゆっくりを二匹取り上げ、その内一匹を捻り潰して残り一匹を返してほしくばてんこーと戦えと挑発すると 涙ながらに母ゆっくりが襲い掛かってきた。 勝ったらおいなりさんとてんこーを激励したものの母ゆっくりは強く、てんこーは防戦一方となった。 母ゆっくりが上に乗っかりそのまま押しつぶそうとしたのでこれは危ないと手に持っていた子ゆっくりを 母ゆっくりがよく見えるよう握りつぶして餡子を顔の辺りに投げつけてやった。 そして「れ゛い゛む゛のあがぢゃん゛ん゛んん゛んん!!!」と絶叫してコテン、と転がって逆さまになった隙にてんこーが逆に 母ゆっくりの上に圧し掛かってそのまま餡子が完全に出来るまで踏みつけ続けて事なきを得た。 体力はまだまだだが与えたチャンスを物にするくらいのことは出来るようだ。 てんこーは「はやくおいなりさん頂戴ね!ゆっくりしてるとおこるよ!」などと調子にのったことをぬかしたので 「ごはんの時間まで待ちなさい」と言ってからサッカーボールの様にドリブルしてそのまま家に帰った。 それからお昼ごはんにしたがてんこーは餡子を吐き続けていたので橙と二人だけで食卓を囲んだ。 午後は雑務を片付け晩御飯時にてんこーにはおいなりさんを一つ与えた。 ふと、もともと尻尾としておいなりさんが生えていたところにおいなりさんをくっつけたらどうなるのか気になって もう一つおいなりさんを取って朝千切った傷口の辺りにくっつけて押さえておくと 五分ほどでてんこー自身で動かせるようになっていた。 だいぶ疲れたのでその日はそのまま橙と一緒にお風呂に入ってから床に就いた。 てんこーはとりあえず箱詰にして棚にしまっておいた。 三日目、四日目、五日目もそんな感じで過ぎていき六日目 「らんってよんでね!らんってよんでね!」などとうるさかったので尻尾を引き千切ったり 「おいなりさんがたりないよ!もっとちょうだいね!」とほざいたので尻尾を引き千切ったり あの後母ゆっくりと再び出会うことはなかったものの普通のゆっくり相手ならばてんこーは危うげなく勝てる程度には戦えるようになっていた。 こちらの指示にもしっかりと応えているし戦意もおいなりさんを餌にすれば充分。 尻尾のおいなりさんの味も充分に引き締まっておいしくなっており最初に出会った時とは違う、そう確信できる。 あまりにおいしいのでついつい残り二本まで尻尾を食べてしまった。 4本目を食べた辺りで目に光がなくなってきたのでそろそろやめなくてはと思ったのだがやめられないとまらない。 寝る前に尻尾を付け足しておき、決戦の日に備えた。 そして運命の日。 「逃げずに来たことはほめてあげるよ」 「子ども相手に誰が逃げる大人は居ないさ」 「へっへーんだ、そうやって余裕ぶっていられるのも今のうちだよ! あたいは超レアなゆっくりを見つけたから絶対に負けないよ!」 「希少さなら私のゆっくりとて負けては居ないさ 来い、てんこー!」 「テンコー!」 九本の尻尾を器用に使っててんこーが大きくジャンプして私の横に着地した。 「そんな奴あたいのゆっくりでけちょんけちょんにしてやるわ! 来な、てんこ!」 「お前らは一級ゆっくりのてんこの足元にも及ばない貧弱ゆっくり そのゆっくりが一級ゆっくりのてんこの名前を騙ることでてんこの怒りが有頂天になった この怒りはしばらくおさまる事を知らない」 チルノの後ろから悠然とした態度でゆっくりと歩みを進めて出てきたのはゆっくりてんこだ。 一級ゆっくりを名乗るその戦闘力は伊達ではなくゆっくりれいむやまりさを寄せ付けない強さを誇るのだが 相当な希少種で普通子どもの手に捕まえられることは無いゆっくりなのだが。 「あ、私がチルノちゃんと一緒に頑張って探して来たんです 大人の人が出てくるんだからちょっとくらい手を貸してあげてもいいですよね」 大妖精、恐ろしい子――…! 「藍さま、あのゆっくり強いよ…!」 「大丈夫、心配要らないよ橙 もちろん構わないわ大妖精」 「ゆ!てんこーはらんが元祖だよ!偽者はゆっくり死ね!」 「てんこは私の方が初出なのは確定的に明らか だというのに勝手に名乗るとは…汚いさすがてんこー汚い」 きしくも真てんこ決定戦の様相になりバチバチと火花を飛ばす二匹のゆっくり。 戦意はお互いに充分、ならば勝負を分けるのは個体の能力と戦術、そしてトレーナーとゆっくりの信頼関係だ。 「それじゃ、私が審判やるから」 そう言って前に出てきたのは緑髪で少年風のいでたちの少女、リグル・ナイトバグだった。 「永夜の異変の時に会った蛍の妖怪か、フェアなジャッジを期待するわ」 「頼まれたからにはしっかりやるよ えーっとそろそろ始めちゃっていい?」 「無論、いつでも大丈夫だ」 「はやくしなさいよ!あたいがこてんぱんにのしてやるんだから!」 「チルノちゃん、戦うのはゆっくりだよ」 「藍さまー!頑張ってー!!」 全員の合意を確認し、リグルはそれじゃあと腕を挙げた。 「ゆっくりバトル…スタート!」 その言葉を聞くと同時に相手に飛び掛る二匹のゆっくり。 「ゆぅぅぅっ!偽者を倒してらんはゆっくりおいなりさんをたべるんだからはやくゆっくり死んでね!」 「同じ時代を生きただけの事はあるな、だがその程度ではゆっくりてんこに淘汰されるのが目に見えている」 「てんこー!がんばれー!」 「てんこちゃん、しっかりー」 二匹ががっちりと組合全力で押し合うがお互いにびくともしない。 てんこの方は表情ひとつ変えないがそれは個体の特性らしいので個体能力はほぼ互角と見ていいようだ。 「よし、力比べはもういい!離れろてんこー!」 「テンコー!」 「!逃げる気!?」 「ほう、経験が生きたな」 てんこーがカカっとバックステップし、一気に二匹の距離が離れる。 「てんこー、アルティメットブディストだ!」 「ゆっくりまわるよ!」 私の指示を聞くやいなやてんこーが回転しぶんぶんと尻尾を振り回す。 その姿を目を細めて警戒するゆっくりてんこ。 「虚仮脅しだよ!そんなの気にせずやっちゃえてんこ!」 「うるさい、気が散る。一瞬の油断が命取り」 「むっきー!誰に向かって言ってるのよ!」 「チルノちゃん落ち着いて!」 てんこーは回転しつつ器用にもそのまま体当たりを繰り出した。 敵も横に跳んで避けようとするも尻尾を完全に避けきれないゆっくりてんこにべしべしと当ててダメージを与えていった。 「よし、そのまま攻めるんだてんこー!」 「もっとゆっくりまわるよ!」 敵がこちらの出方を伺っている今がチャンス、私はさらに攻める様指示を出し てんこーもそれに応えて強烈な尻尾攻撃を繰り出していく。 ゆっくりにとって高速で振り回されるおいなりさん九個のパワーはかなり脅威となる。 私がこの一週間でてんこーに覚えさせた唯一の技である。 まあ技といっても回るだけなのでそれほど教え込むのは難しくなかった。 「お前それで良いのか?」 再び距離を取ってこちらの攻撃を見ていたゆっくりてんこがこちらに声をかけてきた。 まさかもうこの技の弱点に気がついたというのか、敵ながら恐るべきゆっくりである。 「偽者は話しかけないではやく死んでね!」 「お前要石でボコるわ…」 そういうとゆっくりてんこはその場に落ちている石を口に含むとてんこーの顔に向かってぺっ!と吐き出した。 「ゆ!?いたい!いたい!」 「ちょっと!石使うなんて卑怯だよ!」 橙が審判のリグルに抗議しに駆け寄った。 「どうなんですか、別に武器を隠し持っていたわけじゃないし構わないと思いますけど…」 それに続いて大妖精がすぐさまフォローに走る。 「うーん、その辺に落ちてるものだからセーフで」 「ええー!そんな~!」 橙の審判への抗議は失敗に終わった。 「耐えろてんこー!」 次々と小石がてんこーの顔にぶつかり、顔の皮が少し破れてちらりと中身を見せた。 「自由自在の破壊力ばつ牛ンの要石を決めれるばもうてんこーは早くもは終了ですね」 止めとばかりにゆっくりてんこが少し大きめの小石を口に含んでてんこーに狙いを付け発射した。 その一撃を待っていたのだ。 「てんこー!逆回転!」 「ゆ!さらにゆっくりまわるよ!」 てんこーが即座に逆回転し、飛んで来た小石を尻尾ではじき返してゆっくりてんこに直撃させた。 こんなこともあろうかと仕込んでおいた奥の手である。 「やったー!藍さますごい!」 「ああ!何やってんのよこの馬鹿!ちゃんと避けなさいよ!」 「これあてたの絶対てんこーだろ・・汚いなさすがてんこーきたない」 ゆっくりてんこの顔の皮がむけて辺りに桃の香りが漂ってくる。 「そのまま攻めまくれ!」 「テンコー!」 「お前天地開闢プレスでボコるは…」 私と橙が完全に勝利を確信した瞬間、予想外の事態が起きた。 ゆっくりてんこがジャンプをして空中から小石を吐き出して来たのだ。 上からの攻撃では尻尾で跳ね返すことも出来ないではないか。 それにしてもゆっくりにはあるまじきなんという跳躍力と滞空時間であろうか。 「くっ、天人を模したのは伊達ではないということか…!」 私は歯噛みをして拳を握り締めた。 「やっぱりあたいったら最強ね!」 「いだいいだいいだいいいいいいいいいい!!!!ごべんなざいも゛う゛やべでええええええええ!!!」 「てんこの名前にしがみついた結果がこれ一足早く言うべきだったな?てんこー調子ぶっこき過ぎてた結果だよ?」 勝ち誇るてんこ陣営、完全に戦意喪失したてんこー。 「ここまでか…」 私は地に膝をついた。 「あっがががががががががががががが!!!」 「もはやてんこの勝利は確定的に明らか やはりてんことてんこーの信頼度は違いすぎた」 その時、信じられないことが起こった。 「ス ッ パ ッ テ ン コ ー ! ! ! !」 小石に曝されるままだったてんこーが叫び なんと尻尾が外れゆっくりの命より大事と言われる頭飾りを脱ぎ去ったのだ。 「ゲェー!スッパテンコーですってー!?」 「知っているの、リグルさん!?」 「いや知らないけど」 リアクションをキン肉マンか男塾かどちらかに統一してほしい。 「お前ら目の前でスッパされる奴の気持ち考えたことありますか? マジでぶん殴りたくなるほどむかつくんで止めてもらえませんかねえ・・?」 ゆっくりの命より大事な飾りを捨て去ったことに対して嫌悪感をあらわにしてゆっくりてんこがてんこーを睨み付けた。 「もうゆっくりなんてしてられるか!」 てんこーが一瞬にして視界から消失した。 私は思わず立ち上がる。 「な!?」 「てんこーちゃんが消えた!?」 「な、何よ!逃げるつもり!?」 チルノと橙が驚愕の声を上げる。 「いいえ違います、あれを!」 大妖精が指刺した先には高速で動く何かに切り裂かれていくゆっくりてんこが居た。 「てんこの命がダメージでマッハなんだが」 「まさか…てんこー!?」 てんこーがゆっくりてんこの周りで現れては消え、現れてはまた消える。 そう、てんこーが視認できないほどの超高速で体当たりをしてゆっくりてんこをずたずたにしているのだ。 いや実はみんな突然のことで面食らっただけで普通に目で追えるスピードなのだがそれでもゆっくりとは思えないほど素早い。 「こ、これはまさにプリンセスてんこー -Illusion-」!!」 お前は何ギリギリ過ぎることを言っているんだこの虫けら。 「てんこーちゃんいっけー!」 「ああああああどうしよう大ちゃん!?」 「これはもうあきらめた方がいいと思うな」 呆気に取られる私を尻目に橙がてんこーに声援を送りチルノは狼狽し大妖精はひたすら冷静に戦況を分析した。 「よ、よし、止めだてんこー!!」 「スッパー!!!」 てんこーが真正面からズタズタに切り裂かれたてんこに襲い掛かった。 「想像を絶する痛みがてんこを襲った」 強烈な体当たりを喰らって遂にゆっくりてんこは桃風味の餡子を撒き散らして弾けとんだ。 「最強のあたいがぁ~~!!!」 「元気出して、チルノちゃんはよく頑張ったよ」 「やったね藍さま!てんこーちゃん!」 チルノが頭を抱えて絶叫しているのを尻目に橙が私に駆け寄ってくる。 「ああ、だが危ないところだった、よく頑張ったなてんこー …てんこー?」 橙を抱き寄せてにおいを嗅ぎながらてんこーを呼んだのだが返事がない。 「おい、どうしたてんこー、帰ったらおいなりさんを…」 私は橙と一緒にてんこーの様子を見に歩み寄った。 「死んでる…」 尻尾を自ら引き千切り、頭飾りを捨て去ったてんこーは出産に耐えられなかったゆっくりのように白目を剥いて果てていた。 違いは黒ずむのではなく真っ白になっていたことくらいか。 「結局スッパってなんだったんだろうね」 私の尻尾に腰掛けててんこーの形見のおいなりさんを食べながら橙が私に問いかけた。 「うーん、恐らく死に直面したストレスから来た一種の逃避行動だったんだろう」 私はそう言って空を見上げててんこーとの一週間を思い出していた。 中々いい息抜きになったし悪くない一週間だった。 ただ惜しむべくは最後にもう一度てんこーにおいなりさんを食べさせてやりたかった。 「どっちも死んだんだから引き分けよね!やっぱりあたいって最強!」 「ええー何よそれ、ちゃんと負けを認めなきゃだめだよ」 「審判としては時間差から考えててんこーの勝ちを宣言させてもらうわ」 「チルノちゃんがそれでいいんだったらまあそれでいいんじゃないかな」 四人は私の尻尾に腰掛けながら今回の勝負に関して思い思いの意見を述べ合っていた。 「それにしてもおいなりさんって意外とおいしいわね 油揚げにご飯つめるなんて変なのって馬鹿にしてたけど」 チルノがてんこーの尻尾をむしゃむしゃ頬張りながら言った。 食べながら言ったので私の尻尾にご飯粒がついたが気分がいいから許してやろう。 「それさえわかってくれればもう私から言うことは何もないよ まあ好き嫌いせずに色々食べてみるといいわ」 それにしてもてんこー、最初に食べた時はあんなにしつこかったのに本当においしくなった。 ちなみにさっき拾ってきた帽子は生姜で出来ていた。 子ども達は要らないというので私だけおいなりさんの付け合せにいただくことにしたのだ。 それは幻想郷のこの青空のように清清しい味のおいなりさんだった。 Fin
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ゆっくりれいぱー 15KB れいぱー 人間なし 独自設定 初投稿 注意書き、自分設定があります。 れいぱーが出ます。 何もしていないゆっくりが死にます。 虐待はしてないかもしれません 「「「んほおおおぉぉぉぉおお!!!! とってもかわいいわあぁぁぁ!!!!」」」 複数のれいぱーありすの雄たけびが周囲に響き渡る。 とあるゆっくりの群れは、突然襲撃してきたれいぱーありすの集団に為すすべもなく蹂躙されていた。 群れにいるゆっくりは、大半がれいぱーの餌食となっている。 「やべでええぇぇぇぇ!!」 「きぼぢわるいぃぃぃぃいいいい!!」 「わ゛か゛ら゛な゛い゛よ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛!!??」 「むぎゅ~~~~~~~~!!??」 「つんでれでかわいいわねぇぇ!!」 「もっときもちよくなりましょぉぉねぇぇ!!」 「わかるわぁぁぁぁ!!」 「イイ! イイわぁあああああ!!」 沢山のゆっくりが、それぞれの悲鳴をあげて犯されていく。 茎に餡子を吸い上げられて死んでいくゆっくり。 無理な姿勢での交尾によって皮が破れてしまったゆっくり。 我が子を目の前で犯されて精神が壊れかけているゆっくり。 それぞれの惨状が、そこにはあった。 しかし、何事にも例外と言うものは存在する。 中にはれいぱーの魔の手から逃れたゆっくりもいたのだ。 ゆっくりありすである。 れいぱーと同種であるが故に、大した興味を示されなかったのだ れいぱーがゆっくりありすを襲う場合というのは、よほど満たされていない時ぐらいである。 ありすは必死で駆けていた。 近くの群へとれいぱーの襲来を知らせるべく、駆けていた。 ありすは己の性欲を定期的に発散させていたので、れいぱーとはならなかった。 群れのゆっくりもありすとれいぱーとは、ちゃんと区別してくれていた。 あのれいぱーの集団が来るまでは。 ありすは自分に自信が持てなくなっていた れいぱーと自分が違うものだ、などと最早言えるわけもない。 目の前で犯されていった仲間たちの顔が頭から離れない。 れいぱーたちはありすに興味を示さず、適当に痛めつけて放っておかれた。 邪魔をしなければどうでもいい、とでも言わんばかりであった。 それと同時に仲間であるようにすら見られていた 実際に、 「かまととぶっちゃって! どうせあなたもれいぱーなんでしょ?」 と同意を求めるように言われたのだ。 ありすには我慢ならなかった。おまえらとは違う! と声を大にして言いたかった。 その一念が死に掛けた身体を動かしていた。 そう、ありすの体は所々の皮が破れてクリームも漏れている。 瀕死に近い状態であっても、ありすは必死で身体を動かしていた。 他のゆっくりへと、その危機を伝えるために。 しかし、とありすは考える。 危機を伝えてどうしようというのか。 あの恐ろしいれいぱーの集団にどうやって対抗できるというのか。 そこまで考えてから、ありすは笑みを浮かべた。 そうだそうだそうだ。良い考えがある。とても良い考えだ。 「これ」ならば、ゆっくりでもできる。ゆっくりならばできる。 れいぱーなどゆっくりできなくしてやる。ずっとだ。 ありすは死にぞこないの身体で、狂ったように笑っていた。 「んふふふふ! つぎはどうしましょうか!」 「むこうにいっぱい、かわいいゆっくりがいるらしいわ!」 「はやくいきましょうねぇ!」 れいぱーたちは先程よりは少し落ち着いていたが、満たされない性欲によって今だに「すっきりー!」する相手を求めていた。 次なる目標は、逃がしたありすが向かった先である。 怪我をしたありすは他のゆっくりに助けを求めにいくだろう。 そうでなくとも、怪我そのものを治さなければいけない。 そのために別の群れへと駆け込むだろうと、れいぱーたちは算段をつけていた。 れいぱーたちも性欲にまみれていても、馬鹿ではない。このためにありすを泳がせておいたのだ。 目論見がまんまと成功して、「フヒヒ!」という笑いが止まらないれいぱーであった。 やがて、れいぱーの集団はゆっくりの群れがあるらしき場所に辿り着いた。 れいぱーたちの興奮度合いが即座に上昇する。準備は万端である。 「ゆべっ!」 一匹のれいぱーが突然転んだ。周りのれいぱーは何事か、と注視すると、そこには底部をクリームまみれにしたれいぱーがいた。 「ゆふふ! そんなにあせってどうしたの?」 「もうぬれぬれね!」 口々に転んだれいぱーを囃し立てる。冷やかし半分、侮蔑半分といった具合である。 「ゆゆ!? ち、ちがうわよっ! 落ちてたくりーむでころんだのよ! これはありすのくりーむじゃないわ!」 転んだれいぱーは慌てて弁解する。 まだ「すっきりー」が始めてもいないのに、大量のくりーむを出しては沽券に関わる。 他のれいぱーも確認してみると、確かにそれは交尾する際に出るくりーむとは量が違った。 交尾の際に出るくりーむは、もっと液体に近い。しかしこれは、どろりとした感触がある。 どちらかといえば、ゆっくりありすの中身に近い粘度である。 何故そんなものがあるのか、れいぱーには分からなかったが、すぐにどうでもいいことは忘れてしまった。 れいぱーたちは何するものぞ、と他のゆっくりがいるであろう場所へと進んでいった。 木々を抜けると、いくらか開けた場所があった。 地面にはいくつかの穴が開いていて、どうやらここがゆっくりの居住地だとれいぱーたちは当たりをつけた。 しかし、周囲を見渡せどゆっくりの姿は無い。 「まわりをみてくるわね!」 一匹のれいぱーがそう言うと、ぴょんぴょんと別の方向へ跳ねていく。一足先に獲物を探そうという魂胆なのだろう。 それを見た他のれいぱーもまた、我先にと獲物を探しに行くのであった。 中にはその場に留まるものもいた。 「「「ゆふふ……ほんとのとかいはなら、えものはまつのがじょうしきよ?」」」 家にこっそりと隠れているのはいないだろうか、と考えたれいぱー達である 残ったれいぱー達は息を潜めて、誰もいなくなったように装う。 れいぱーは獲物を犯すためならば、一定の我慢もできるのだ。 案の定、息を潜めてから少したつと一匹のゆっくまりさが巣穴らしき所から這い出てきた。 「ゆ!? ど、どうして……?」 「「「「んほおおおぉぉぉぉぉお!! まりさぁぁぁぁ!! すっきりしましょうねぇぇぇぇえええ!!!」」」」 待機状態から一瞬にして発情状態まで達し、大地を駆けていく。 こうなると、位置取りなどは早い者勝ちだ。相手が仲間であろうと関係ない。 己が最も「すっきりー」できる場所を求めるのがれいぱーというものだからだ。 「ゆ!? ゆっくりまって……」 目の前のゆっくりが新たな行動を起こす前に集団で逃げられないように取り囲む。 そこから、ぎゅうぎゅうと押し包むように交尾をするのが、このれいぱーたちのやり口である この方法であれば、最低でも四方を取り囲む四匹には快感が行き渡り、八方で囲んでもそれなりに快感は得られる。 れいぱー的理想としては身動きできない相手を一対一で犯すのが良かったが、数には限度がある。 今回もれいぱー四匹に対して、相手はまりさ一匹である。 先程の群れを犯しつくしたのと同じように、即座にまりさを囲み、素早く身体を密着させた。 「とかいはなあいをうけとめてねぇぇぇぇ!!」 「すっきりしましょうぅぅぅ!!」 「きもちいいわぁぁぁぁ!!」 「かわいいわぁ! とってもかわいいねぇぇぇ!!」 「ゆぎゅ! やめ、やめてねぇ!? すっきりしたくないぃぃぃぃ!?」 まりさはありすに四方を固められて、全く身動きが取れなくなる。 そこまで圧迫を受けても、ゆっくりの身体は妙に柔らかいために潰れきることはない。 縦に伸ばされた身体でれいぱーの猛攻に晒される。 「ゆうぅぅううぅぅ!!?? やべでぇぇぇぇぇぇ!!??」 まりさの心は嫌悪感で一杯だった。 昨日まではとってもゆっくりした毎日を過ごしていた。 大好きなれいむがいて、優しいお母さんもいる。 ご飯もたくさんあって、困ることなんて何も無かった。 おうちに戻ってきたのは忘れ物をしてしまったからだ。 危ない、と言われたけれどすぐに取ってくれば大丈夫だ、と思った。 おうちに戻った時、ちょうどれいぱー達がやって来てしまった。 その忘れ物もたった今、れいぱーに踏まれてどこかへいってしまった。 今の自分にゆっくりなんてどこにもない。 汚いどろどろしたものに押し潰されて、気持ち悪い言葉を投げつけられている。 まりさはわけが分からなかった。どうして、こんなにゆっくりできていないんだろう。 ありすが教えに来てくれて、皆で逃げようって言って、ありすが何か言って、皆は、待ってるって、 そこまで思い出してから、はっとまりさは我に返る。 そうだ、あの時に教えられたはずだった。れいぱーへの対処法を。 「――――――――!」 「ゆっ……?」 まりさが何か叫ぶのが聞こえた。 れいぱーには良く聞き取れなかったが、それは大事なことであるような気がした。 それでも身体は快楽を求めて「すっきり−」を得ようと、さらに身体を突き動かそうとした。 ぐちゃり 「「「「……ゆ?」」」」 奇妙な感触にれいぱー達は疑問符を浮かべる。まったくすっきりできない感触が身体に残った。 まりさから身体を離してみれば、そこには皮と餡子だけが散っていた。 「「「「……どおしてつぶれちゃってるのぉおおぉぉおお!!??」」」」 理解できない事態を前に、れいぱーと言えども恐れを抱いた。 しかし、その目はまりさの遺体から離れない。 まるで魅入られたように釘付けである。 「ゆ……」 「ゆあ……」 「ゆぐぐ……」 れいぱーたちは歯を食いしばり、目を見開いて、何かを耐えている。 口の隙間から押し込みきれない呻きが漏れ出る。 「「「「ぎぎぎ……! ゆっくりぃ!」」」」 れいぱー達は一斉にまりさの亡骸へと猛烈な勢いで突っ込んでいった。 その様はまるで魔法にでも操られたかのようであった。 その奇妙な光景は各所で見られた。 犯されそうになったゆっくりが何かを言っては死んでいく状態がいくつもあった。 れいぱーはその死骸で身体を黒く汚しながら、それでも獲物を探し回った。 その度に目の前でゆっくりに死なれては叫び声をあげていた。 『どうしてこんなことに』 これは今現在における、れいぱー達の共通した認識であった。 別の方向へと向かっていたれいぱーは、物陰で何かが動いているの発見した。 ゆっくりれいむである。 れいぱーの方へと後頭部を向けているが、どうやら隠れているつもりらしい。 そして、そんなものを見せられて満足できるれいぱーではなかった。 「れいむぅぅぅ!! すっきりしていってねぇぇええ!!」 「ゆっ!? ゆっくりこっちにこないでね、こないでね!?」 れいむは逃げようとするが、れいぱーの圧倒的な身体能力によってあっさりと追いつかれた。 そのまま上かられいむを押さえつけ、絶対優位な姿勢を取る。 「んほおおおおおお!!」 「ゆぎゅううううう!?」 ぬちゃりぬちゃりと気持ちの悪い音を立てながら、れいむをれいぷしていく。 どんどん高ぶっていくありす。泣き叫ぶれいむ。 れいぱーにとっては当たり前の光景であるが、他のゆっくりにとっては悲惨であり凄惨な光景であった。 このれいぱーは軽い欲求不満になっていた。運が悪いのか、まったくゆっくりが見当たらなかったのだ。 今度こそは、とれいぱーは思った。もう少しで「すっきり」できる。 これならば、思う存分「すっきりー」できるはずであった。 れいぱーの焦りと性への欲求が、れいむへの締め付けをほんのわずかに緩めさせた。 れいむはその隙を見逃さなかった。 地面に押し付けられていた身体を少しだけずらして、辛うじて喋る隙間を開いた。 れいぱーがそれに気づくのに遅れてしまった。 れいむが、『それ』を口にした。 「――――――――!!」 一瞬でれいむは絶命した。痛さを訴える間もなく、簡単に死んだ。 同時にれいぱーの身体を支えていたものがなくなって、地面に顔を打ち付ける。 「ぶべっ!?」 その様子はとても無様であった。まるで「とかいは」ではない。 そのことはれいぱー自身が一番理解していた。 例えれいぱーであっても。とかいはであらねばならないのだ。 「ゆ、ゆぐぐぐ……」 痛みに耐えながら起き上がる。そして、れいむの方を見る。 「ゆっ……!?」 その顔にはある感情が浮かんでいた。恐怖である。 れいぱーは怯えていた。見たくない、とその表情は語っていた。 しかし、それと同時に見なければならないという強迫観念が厳然とれいぱーの中には存在した。 「ゆ、ゆぅぅぅ……!」 見てはいけない。見てはいけない、と経験は告げている。 だが本能は見なければならない、と言っている。 れいぱーは見た。見てしまった。 そこにあったのは二つに割れたゆっくりれいむ。 断面からは黒い餡子が見える。 れいぱーの頭の中でれいむが死の間際に発した言葉が響く。鳴り止まない警鐘のように。 ―――さあ、おたべなさい! が。 ここで、一つ別の話が入る。 ゆっくりの餡子には、そのゆっくりが今まで生きてきた記憶が宿っているという。 そして、時には餡子を吐き出したりするなどの行動をとって、「嫌な記憶」を忘れようとする。 目の前で仲間が死んでしまった時。子供が凄惨な最後を遂げてしまった時。 これらのような『精神的に耐えられない状態』に陥った時、ゆっくりは餡子を吐き出して少しでもゆっくりしようとする。 嫌なことは忘れてしまえばゆっくりできる、というゆっくりなりの本能なのだろうか。 とにもかくにも、それがゆっくりなりのある種の自衛行動である。 ちなみに一部のゆっくりが取る「うんうん」などの行動はそれに当たる。 「うんうん」は人間から見たら、ただの餡子に過ぎないがゆっくりから見れば嫌なモノの塊に見えるのだろう。 そして、そういったゆっくりは大概が口汚く罵るなどの特徴、所謂ゲス的な特徴が多く見られる。 そのことから「嫌な記憶」以外に警戒心などの記憶も捨てているのではないか、と言われることもある。 「嫌な記憶」は餡子を捨てて、忘れてしまう。 それがゆっくりの持つ本能の一つである。 ならば、「嫌な記憶」を持ったまま、餡子を捨てていなかったらどうなるのか。 その一つの答えがここにあった。 「ゆ、ゆぎぃぃぃいぃぃいぃ!!」 二つになったれいむの身体へと突っ込むれいぱー。 そのまま、れいむの死骸を貪り食う。泣きながら、それでも食う。 食わなければいけないのだ。食わなければ二度とゆっくりできない。そんな気がしてならないのだ。 「ゆ……」 ある程度の量を食べた所でれいぱーの動きが止まる。 満腹になったのではない。 行き当たってしまったのだ。「嫌な記憶」と。 「嫌な記憶」とは、すなわち犯された記憶。 ついさっき、れいぱーからされた、酷い仕打ち。 「ゆ゛べぇ゛あ゛がいいいぃいいああああ!!??」 れいぱーには本来有り得ないはずの、別のゆっくりによってれいぷされた感覚が頭の中を駆け巡る。 ぼろぼろになるまで打ち付けられる痛み。 ぬちゃり、という気色悪い粘着質な感触。 酷いことをされているという恐怖。 れいぱーなんかに犯されているという屈辱。 大切な友達であったまりさに対する申し訳ない気持ち。 これらは勿論、れいぱーの記憶ではなく、れいむの記憶であった。 しかし、当のれいぱーからしてみれば、『れいむの記憶である』というのはただの言葉でしかなく、 本当に自分が犯されている感覚や記憶しか思い浮かばない。 「嫌な記憶」がまるまる引き継がれたのだ。 「ゆ、ゆべえええええぇぇぇ!!」 れいぱーも口からクリームを吐いて、「嫌な記憶」を出そうとする。 しかし、まだれいむの餡子は残っている。それらを全て食べた後に吐き出さない限りは無駄である。 吐き出しても、新たに「嫌な記憶」を補充してしまっては意味が無い。 「ゆっぐりできないぃぃぃいい!!」 れいぱーの悲痛とすら言える叫び声が辺りに響き渡るが、誰も助けにも来ない。 他のれいぱーは同じような目に会って、同じような苦しみを味わっている。 何より、このれいぱーがこのれいむの残骸を『食べなければ』ならない。 それが出来なければ、れいぱーはゆっくりを名乗る資格を失ってしまうからだ。 「さあ、おたべなさい!」とはゆっくりがその一生に一度だけできるものである。 それを行なうためには、ただその言葉を唱えれば二つに割れる、とするものから、 真に相手のことを思った時にのみ二つに割れる、と諸説ある。 この場合は実は後者に当たる。 これら死んでいったゆっくり達は、真に相手のことを思っていた。 殺したいほどに。 負の意識によって「さあ、おたべなさい!」を成立させたのだ。 こうしてゆっくりれいぱー達は己が欲に従えば従うほどに苦しみを味わうこととなった。 取れる道は二つ。 ゆっくりでなくなるか、酷い苦しみを味わっていくか。 どちらにしても因果応報。れいぱーは今まで犯してきた所業を、文字通りその身で味わう羽目になった。 れいぱーへの対抗手段。 これは生き残ったゆっくりを通して、他のゆっくりへと伝わっていった。 今までは、れいぱーと言えば通常のゆっくりを凌駕する身体機能を持ち、 貪欲なまでの性への執着によって、狙った獲物を逃がさないとされていた。 ゆっくりが恐怖する対象の一つであった。 しかし、これを境にれいぱーへの認識が変化していく。 その身を犠牲にすれば、犠牲になった分のれいぱーに深刻なダメージを与えられるようになったのだ。 これと同時にゆっくりれいぱーもまた、その数を大幅に減らしていった。 れいぱーと言えども犯された記憶に苛まれることは、大きなトラウマとなったからだ。 他のゆっくりを犯そうとした時、『犯された記憶』が勝手に蘇り、何も出来なくなる。 例え中身を吐き出してそれらの記憶を忘れようとしても、同じことをすれば餡子の奥底にまで刻まれたトラウマが復活する。 その繰り返しに耐えられず、壊れてしまうれいぱーすらいた。 『犯された記憶』を持つれいぱーは挙動不審となる。 これはゆっくりれいぱーとゆっくりありすを区別する上で役に立った。 通常のゆっくりありすはゆっくりしており、れいぱーはゆっくりしていない。 ゆっくり的にこれほど簡単な見分ける術は存在しなかった。 また、この対抗手段は他のゆっくりを犯そうとするゲスゆっくりに対しても効果を発揮した。 それらのゆっくりが他のゆっくりを犯そうとしても、ゆっくりの体型では口を閉じさせることは難しい。 そこまでするぐらいであれば、むしろ即座に殺したほうが楽に終わる。 ゲスならばそれで良いのかもしれないが、己が快楽を常とするれいぱーではそうもいかない。 れいぱーにとっては死活問題であり、これを機にれいぱーでなくなるものも少なくなかった。 それでもまだ、れいぱーであることを止めないものもいる。 そんなゆっくりれいぱーに対して、他のゆっくりは覚悟を決めてこう言うのだ。 まるで魔法の呪文を唱える様に。 「さあ、お食べなさい!」 トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る でもれいぱーを倒してないよね。 感情のあるお食べなさいを言う←レイプ中ってそこまで冷静になれない。特にゆっくりは。 ↓×1 負の感情ですら愛を感じるとは病んでいる、いや弩Mかww -- 2018-01-11 13 31 15 ↓×8 報われてねえwwww -- 2016-01-11 21 06 38 野良ゆっくりが初めてかっこよくかんじた。 -- 2013-06-01 08 16 37 お食べなさいの解釈だったり、理由付けが上手だわ 真に相手の事を思いやる(※ただし、負の意味で)とかすんごい納得した -- 2012-08-16 08 15 27 コロンブスの卵とはこのことか。その手があったか。盲点だったなあ。 うん、実にうまい使い方だと感心する。 凄いわ。 -- 2012-06-09 21 17 59 面白い設定だな。お食べなさいをこう使うとは… ゆっくりできたよー! -- 2010-10-13 20 49 26 さあ、お犯りなさい! -- 2010-06-25 01 57 44 んほぉぉぉぉ!!!! すっきりー!!!! ふう… -- 2010-06-24 01 03 18 ↑吹いたw -- 2010-06-17 07 57 04 んほおおおおおおっ!!!!ありすのとかいはなあいにいのちをかけてうけとめるなんてとかいはねえええっ!!!そんなところも嫌いじゃないわあああっ!!! -- 2010-05-13 19 20 10 面白い。設定もきちんとしてるし、納得できるし、れいぱーに簡単に制裁を加えられている すっきりできた -- 2010-03-09 13 45 33
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ゆっくり虐待スレ80の 782 784 で指定されたシチュエーションを787 789で指定されたゆっくりを書きました しっと団であふれるクリスマスの町 泡展望の惨太苦蝋子 ケーキとして材料にされていくゆっくり かなこんとけろちゃんとさなえ 慌てん坊のゆっくりサンタともりゃじんじゃ 幻想卿にも冬が訪れようとしていた 秋の神が季節のバトンを冬を告げる妖怪に托し、既にチラホラと雪が降り始めている 野生の動物たちも冬籠もりの準備を始め、それはゆっくりも同様だった 「ゆっくりとうみんしようね!」 「おちびちゃんたちはこっちにきてね」 一組のまりさとれいむの番 この二匹は木の根の下に穴を掘り自分たちの巣を作っていた 丁度成体のゆっくりが4匹ほど入れるほどの大きさであり、4匹の子ども達を入れても十分な大きさである れいむが巣の入口を塞ぎこの一家の冬籠もりが始まった れいむが巣を塞いだあと、森に異変が起きた 冬籠もりを始めたゆっくりの巣を掘り返す一団が現れた 彼らはしっと団 一人寂しくクリスマスを過ごしているこの世全てのカップルを撲滅するというスローガンを掲げて暴れている集団だ 人間の里で暴れているところを上白沢慧音に見つかったためこの森にやってきた 「ゆっくりごときが彼女を冬籠もりなんざ俺達がゆるさねえぜえええ!!」 「やめてね!まりさたちのごはんをもってかないでね!」 「うるせえ!てめえみたいな饅頭はこうだ!」 男はくらいつくゆっくりまりさを掴むと口から舌を引っ張り出しからしを塗りたくった 「がらい”い”い”い”!」 「おきゃーしゃんをいじめにゃいでね!」 子まりさが奥から母を心配してやってきた それをみたしっと団はさらに激昂し 「ヒャッハア!ならおまえが助けてやりな!」 子まりさを掴むと子まりさをまるでたわしのように使って親まりさの舌を吹き出した 「いぢゃいよお”お”お”お”!!ぎゃらいよお”お”お”!」 「お”ひ”び”ぢゃ”ん”ん”ん”!!」 結局この親子は冬籠もり用の餌を奪われ巣もメチャメチャに破壊されてしまった もはや冬を生きて越すことは不可能だろう 他のゆっくり達も時間に差はあれど皆一様に巣に篭もり冬籠もりを始めていた しかし、越冬用の食糧が十分でないゆっくりも存在する そのようなゆっくりはラストスパートとばかりに寒空の中食べられるものを必死で探している 運良く見つかるものもいれば運悪く見つからないものもいる そんな中、一匹のれいむが餌を口の頬張りながらポヨンポヨンと一生懸命走っていた 「いそいでおうちにかえるよ!」 れいむは運良く食べられる草と木の実を見つけることが出来た そうして最後の食糧を巣で待っているまりさと3匹の子どもの元へと急いでいる この番はまりさが母親でれいむが父親である 母親役をすることが多いれいむであったが自慢の狩りの腕で父親役をこなしていた そして丁度れいむが自分の巣の近くまで来たときだった 「きゅうにくらくなったよ?」 まだ昼なのであるがれいむの視界に影が落ちる 冬とはいえ明るかったのだがちょうど自分がいる場所に四角い影が出来ている 「めりーゆっくりすます!」 「うーゆっくりすます!」 「れ、れみりゃとふらん!!?」 声に驚いてれいむが上を見上げるとそこには大きなうーぱっくに乗ったれみりゃとふらん 二人が乗ってもうーぱっくにはまだまだ余剰スペースがあり、そこには大きな白い袋が置かれていた その袋は中に入っているものが暴れているようでがさごそと袋を突き破ろうとしている 「うーしずかにするんだどぉー♪」 れみりゃが五月蠅い袋を右手でポカン、と叩くと袋は静かになった れいむはれみりゃの姿に驚いていた 普段来ている婆臭いおべべではなく、袖口に白いフリフリを付けた赤い服を着ている それはふらんも同じでその上二人とも普段いつもつけている帽子の上に丁度今着ている服とマッチする赤い帽子を被っていた そしてその帽子にはきらりと輝くゴールドバッジ 「うーぷれぜんとをみつけたよ♪」 驚いて固まってしまったれいむをつまみ上げてふらんは袋に押し込んでいく 「やめてね、れいむにはまりさとおちびちゃんがいるんだよ!」 「うー♪」 れいむを袋に押し込むと二匹はうーぱっくに指示を出して飛び去っていった 残された家族はれいむを待ち続けたがいっこうにれいむが戻ってこないため 自分たちだけで冬籠もりを始めてしまった 人間の里、そこでも雪が降りしきる中それぞれの冬を過ごしている 炬燵で暖まるもの、商売をするもの、寺子屋に行くもの。 その中である店が一風変わったサービスを開始していた それはゆっくりによるクリスマスケーキの配達である 意外なことに好評を博し予約完売という状況だ ケーキも一般的な生クリームを使用しいちごをのせたものからチョコクリームを使用したものまで多種多様に存在する それをサンタクロースに扮したゆっくりが配達するためゆっくり好きから莫大な支持を得ることに成功した そして先ほどれいむを捕獲したれみりゃとふらんがその店へと降り立つ 「お、帰ってきたか」 「たくさんとっきたどぉ〜♪」 「うー♪いっぱい♪」 二匹はこの店で飼われているゆっくりだ 捕食種でありながら幼い頃から育てられたためにとても店主である青年に懐いていた 青年は袋を受け取ると中を確認する 「はやくまりさをいえにかえすんだぜ!」 「むぎゅ!ふゆがこえられないわ!」 袋を開けると中から叫び声が上がる 袋の中には沢山のゆっくりが詰まっていた 番のまりさとぱちゅりーや先ほどのれいむと二匹が捕まえてきた野生のゆっくりだ 「わからないよーここはどこー?」 「おうちにかえすちーんぽ」 袋がパンパンになるほどギュウギュウに押し込まれたゆっくりが口々に文句を言うも 青年は中を確認すると袋の先を閉じギュッと結んでしまった こうなってはゆっくりが脱出する術はない 男は袋を別室に運ぶとれみりゃとふらんに甘いお菓子を与えた 「よくやってくれたな、これだけあれば十分だ」 「う〜♪おぜうさまにはぞうさもないんだどぉ〜♪」 「うー♪」 お菓子を食べながら喜びに浸っていた この青年はこの二匹をよく躾けていた 褒めるときは褒め、叱るときは叱る 二匹は客の前に出ても失礼なことをしないまでになり、ついにはゴールドバッジを取得することも出来た そして配達を任せられるようにまでなったのだ 「よし、じゃ最後にこれを山の守矢神社まで配達してくれるか?」 「分かったどぉ〜♪」 「運ぶ〜!」 青年は小さな箱を二匹に預けた それを二匹はうーぱっくに乗り配達させる 「う〜♪」 ちょうどうーぱっくも配達の礼として余り物のケーキを食べていたところだ 「う〜さいごのはいたつにいくどぉ〜」 「うーぱっくもはやくじゅんび〜♪」 うーぱっくがケーキを食べ終えると二匹は再び空へと舞い上がった 配達を任された箱はケーキだと説明されていたので中のケーキが崩れないようにしっかりと押さえながら 冬空の下を飛ぶうーぱっく その中に乗っているれみりゃとふらんはサンタの服のおかげで寒さをあまり感じなかった 二匹はサンタ服をとても気に入っていた 「うーめりーゆっくりすます♪」 「う〜めりーゆっくりすますだどぉ〜♪」 二匹が守矢神社に向かった後青年は先ほどのゆっくりが詰まった白い袋を持ってとある場所へと向かっていた ゆっくりを二匹に捕まえさせていたのはこのためだ 二匹は青年へのプレゼントだと思っているが青年の思惑は別にあった 「こんにちは」 目的地に着くと青年は丁寧に挨拶をし、中へと入っていく そこで袋を顔見知りとなったここで働いている男へと差し出す 「これをお願いします」 「分かりました」 袋を差し出された男はそれを受け取ると袋を更に別室へと運んでいく 青年はその間、椅子に座って差し出されたお茶を出しながら目的が終わるのを待っている 青年が持ってきた袋は別室で開封された そこからわらわらと詰められていたゆっくり達が押し出てくる 元より袋の容量を多めに入っていたために雪崩のように崩れ出た 一匹のまりさがようやく袋から解放されゆっくり出来ると思っていると急に床が動き出した 「ゆ?」 同じく他のゆっくりも床が動き出したことに戸惑っていた 動く床に連れられ進んでいるとまりさの元に大きな手がやってきた その手はあろうことかまりさの帽子を掴み上げると別の場所に持ち去っていた 「やめてね!てさん、まりさのぼうしをかえしてね!」 帽子を失うとゆっくりは他のゆっくりから変なゆっくりと認識されてしまう そして帽子がないと言うだけで殺されてしまうこともある まりさは必死に手を追いかけるが床が動いてるため追いかけても進んだ分だけ着地した瞬間に戻されるというのを繰り返した それは他のゆっくりも同様だった れいむはリボンを、ありすはカチューシャを、パチュリーとちぇんは帽子を手に奪われていた 「むきゅぅぅ!!」 「ありすのかちゅーしゃをかえしなさい!」 「わからないよー!かえしてよー!」 ピョンピョン跳びはねるも非常にも床が動いているため全てのゆっくりが髪飾りを失ってしまった ゆっくり達が悲しんでいると突然ヒュンッと音がした すると一番前にいたまりさの頭が少し切られて上から中の餡子が見える状態となった 「ゆぎゃあああ!!ばでぃざのあだまがあああ!!」 それを皮切りに次々とヒュンッと音がするたびに頭が切られて中身が見える状態となった 「やべでええええ!!」 「ゆっぐりでぎないよぉぉぉぉ」 「ゆええええん!!」 阿鼻叫喚がそこにあった ゆっくりが涙を流し動く床によって運ばれていき、終着点へと着いた そこには白い服を着た人間が大勢いた 人間達はてきぱきと運ばれてきたゆっくりを仕分けしていた 稀に髪飾りを付けたままのゆっくりを見つけるとそれを手で取り外し頭をカットし仕分けしていく 今し方運ばれてきたゆっくり達も同じ様種別事に分けられ別の場所へと運ばれる ぱちゅりーとちぇんは同じ場所に運ばれてきた ぱちゅりー種とちぇん種 この二匹は中身が生クリームとチョコクリームである またもや動く床の上に乗せられたゆっくり達 目の前にはまたもや手がある その手はゆっくりを掴むと器用に中身を絞り出し容器へと溜めていく あっと言う間に大量の生クリームとチョコクリームのできあがりだ そう、ここは加工場 青年はここでケーキに欠かせない生クリームを仕入れに来たのだ 勿論、他のゆっくりも洋菓子を作る以上欠かせない存在であり彼の店の商品へと変わる 髪飾りも加工されケーキのデコレーションに利用される しかし、青年はそこを知り合いになった職員に頼み込み、ゆっくりから取り去った髪飾りを全く別のリボンへと作り替えてもらっていた 「こんなもの何に使うんですか?」 「ウチの飼いゆっくりが欲しがるんですよ」 職員にそう話すと男は洋菓子の材料を受け取り加工場を後にする 袋にはリボンを詰めてもらって 守矢神社では東風屋早苗が境内の掃除をしていた 冬が訪れ木枯らしが吹くがそれでも巫女のつとめを果たしていた 時折訪れる参拝客に挨拶をしているとそこにゆっくりがやってきた 「「めりーゆっくりすます!」」 うーぱっくに乗ったサンタれみりゃとふらんがやってきた 二匹はクリスマスの挨拶を交わすと早苗へ配達の品を差し出した 「あら、クリスマスにはまだ1日早いですよ?」 「う、うー?」 「うふふ♪慌てん坊のサンタクロースですね♪」 早苗は幻想卿に来る前にいた現代の歌を思い出した 慌てん坊のサンタクロース、クリスマス前にやってきた ちょうど今がその様な感じである 「宛名が八坂様になってますね、ちょっと待っててね」 宛名を確認すると早苗は神奈子を呼びに行った 早苗に呼ばれて変わるように神奈子が二匹の前に現れた 「あら、意外と早いのね。明日でもよかったのに」 この品は神奈子の注文である 里で見かけた洋菓子屋に注文していたものだ クリスマスケーキを早苗が注文していたので手間になるだろうから一緒でいいと言ったのだが青年が気を利かして別々に配達されることとなった 「う〜ちゃんとはいたつしたんだぉ〜♪」 「うーはんこをおしてね!」 品物を渡すと二匹は神奈子に受け取り確認のハンコをお願いする 神奈子がハンコを押すと二匹は配達が完了したことに喜び 「うーちゃんととどけたよ♪」 「れみりゃたちはちゃんとはいたつしたどぉ♪」 とうーぱっくの上で小躍りをしそうになった 「う〜!」 それには流石にうーぱっくも抗議した いかに自分が大きいとは言え二匹に中で踊られてはたまったものではない 「ごめんだどぉうーぱっく…」 「うーごめん…」 思わず神奈子がクスッと笑っていると早苗が神社の中から戻ってきた その手には三匹分のオレンジジュースが用意されている 「配達ご苦労さま、こんなのしかありませんがどうぞ」 これには三匹も喜んだ オレンジジュースと言えば怪我をしたゆっくりを治すほどのものである 三匹はそれを飲み干すと早苗にお礼を言い帰って行った 「おねえさんありがとぉだどぉ♪」 「ありがとう♪」 「うーうー♪」 早苗はゆっくり愛好家の1人で神社の周りのゆっくりに時々を餌を与えているほどである 無論、野生のゆっくりの舌が肥えないように気をつけて 「あんたも物好きだね早苗」 神奈子は先ほどのような礼儀正しいゆっくりには理解を示すが、野生の意地汚いゆっくりには理解を示さなかった それも野生を生きるためには必要だが、人語を話すためにどうにも不快感が増してしまう しかし、早苗は殆ど気にしていないようであった 「ところで八坂様、何をお頼みしたんですか?」 早苗は神奈子の手にある小さな箱を覗き込んだ 「それは開けてのお楽しみ。諏訪子も呼んでみんなでね」 「はい♪」 神奈子が頼んだのはモンブランであった その後、三人は美味しいモンブランで舌鼓を打った そうして翌日のクリスマス 妖怪の山、守矢神社の近くの群でも冬籠もりが始まろうとしていた 「ゆっくりしていってくださいね!」 この群には珍しいことにゆっくりさなえが存在していた それだけでなく、ゆっくりかなこ、けろちゃんまでもがいる非常に珍しい群だ 群れのリーダーはドスまりさだ そのドスまりさをかなことけろちゃんがサポートする形となり、この群は非常にゆっくりとしていた 通称、もりゃじんじゃである 野生のゆっくりが何故この時期まで外で生きていられるのかというと、近くの現人神の奇跡のおかげであった この群も明日には冬籠もりを開始する ドスがいるおかげもあって備蓄も順調で安心して巣に篭もることが出来る状態だ 「「めりーゆっくりすます!」」 そこにサンタれみりゃとふらんがやってきた この二匹は守矢神社に配達に行っているうちにこの群のゆっくり達と仲良くなり今では歓迎されるほどに有効な関係を築くことが出来た 「「「ゆっくりしていってね!」」」 二匹の登場に群のゆっくりが挨拶をする 群のゆっくり達は冬籠もりの前に二匹に会えたことを喜んでいた 「さんたさんがぷれぜんとをもってきたどぉ〜♪」 「うーまずはおちびちゃんたちから♪」 二匹はうーぱっくの中にある袋からリボンを取り出し、子どものゆっくりから順番にプレゼントであるリボンを付けていく 「すてきなおりぼんさんだね!」 まりさは帽子にリボンを付けてもらい、れいむは自分のリボンにもらったリボンを付けてもらった 皆、色とりどりのリボンを付けてもらえて大喜びである 「つぎはおかあさんたちー♪」 次に成体ゆっくりにもリボンを付けていく 「ありすにもとってもにあうとかいはなりぼんね♪」 「ちぇんにもつけてねー」 「ぱちゅりーにもおねがいね!」 ありすもカチューシャと色合いを兼ねたリボンをプレゼントされ、またちぇんも緑の帽子に映えるリボンをプレゼントされた ぱちゅりーもまたリボンを付けてもらった。 「うーぱちゅりーはこれでべんきょうしてね!」 ふらんがいつも仲良くしているぱちゅりー一家に一冊の本をプレゼントした この本は飼い主である青年が読まなくなった本である 「むきゅ!そんなのわるいわ、ぱちぇもおりぼんさんだけでじゅうぶんよ!」 「ぱちゅりーはたくさんごほんをよんでみんなをたすけるんだどぉ〜♪」 「…わかったわ、それじゃあこのごほんはいただくわね♪」 れみりゃからの後押しもありぱちゅりーは本をもらった その本は青年が山で取れる木の実を利用した菓子が作れないかと読んでいた本であり幸運にも春になってぱちゅりーが内容を少しでも学べていれば役に立つ本であった 「かなことけろちゃんにもりぼんをつけるどぉ〜♪」 慣れた手つきでかなことをけろちゃんにもリボンを付けていく 「おんばしらー♪」 「あーうーゆっくりありがとう!」 しかもこのけろちゃん、畜生帽ではなく普通の帽子を被っている突然変異種であった そのためリボンを付けても帽子が逃げたりする問題がなかった 最後にれみりゃとふらんはドスまりさの髪にリボンを付けた ドスまりさのリボンは信頼の証であり、他のゆっくりも時々ドスまりさにプレゼントしている 「ゆっくりありがとう!みんなもおれいを言ってね!」 「「「「「ありがとう、れみりゃ、ふらん♪」」」」」 「どういたしましてだどぉ〜♪」 「うー♪」 上機嫌な二匹。そして二匹にうーぱっくも交えてゆっくりすますを祝った 「れいむたちがおれいにゆっくりおうたをうたうよ!」 「れいみゅたちのおうたをれみりゃとふりゃんもゆっきゅりきいちぇね!」 祝いの場ではれいむの親子が中央で歌を歌っていた 赤ゆっくりと子ゆっくりがそれぞれゆっくり特有の歌を歌う 「ゆ〜、ゆ〜、ゆ〜、ゆ〜、れみりゃとふりゃんは、しゃんたしゃん〜♪」 「ゆっくり〜ゆ〜ゆっくりゆ〜♪」 群でも屈指の歌声を誇るれいむ親子の歌にゆっくり達はうっとり、もといゆっくりしていた 「つぎはさなえたちがうたいますね!」 「あーうー!」 「おんばしらー!」 続いてはさなえ、けろちゃん、かなこ この三匹も歌が上手くれいむ親子と一緒に歌を歌う事が多い 「ゆっくりにこいをしてたころは〜♪」 「ゆゆゆ、ゆっくり〜できるとはおもってなかったよ〜♪」 「ゆっくり、ゆっくり、ゆっくり〜♪」 こちらもとてもゆっくりした歌を歌った 「ドスたちはそろそろ冬ごもりをするね!れみりゃとふらんもゆっくりしてね!」 「ゆっくりしてくださいね!」 ドスまりさとさなえに見送られ三匹は飼い主の元へと帰る この群も冬ごもりを始め次にあえるのは春になるだろう 「ドスたちもゆっくりしてね!」 「はるになったらまたあそぶんだどぉ〜!」 プレゼントを配り終えた二匹は友達と別れ、とても幸せそうにして青年の元へと帰りました 終わり by お題の人 クリスマス仕様なので虐待成分を薄くしてます いや、決して思いつかなかったとか守矢家ゆっくりをケーキにしたくなかったとかそもそも中身何よとかじゃありませんよ?