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※俺設定注意 ドスまりさの目の前でゆっくり達は全滅した。 泣き喚くもの、状況を理解せずに脅しつけるもの、命乞いをするもの。 人間はそんなゆっくり達を差別しない。 全て平等に、踏み潰し、切り裂き、引き千切り、殺す。 親ゆっくりも子ゆっくりも赤ゆっくりも老ゆっくりもすべてみんな殺されてゆく。 もちろん、ドスまりさもその殺戮の範疇にいた。 体は切り裂かれ、脳天に杭を打ち込まれているドスまりさの意識はない。 やがて処刑は終わる。 里の広場という処刑場にあるのは餡子。餡子。餡子の海。 気付けば日も暮れ始め、人間達はそれぞれの家に帰る。満身創痍のドスまりさを置いて。 だが、ここで奇跡が起こる。 ドスまりさの意識が目覚める。 本来ならば有り得えない。いくらドスとて、これほどの傷を負えばそのまま死ぬはずだった。 やがてドスまりさは地面にうち捨てられた帽子を拾い、ゆっくりと這い出す。 まただ。また、やってしまった。 ドスまりさはゆっくりと這う。おうちへと帰るのだ。 今回で何度目だ?一体、いくら死なせれば気が済むのだ? ドスまりさの胸中に浮かぶものは後悔。 ドスまりさは今まで何度も群れの全滅を見てきた。 ある時は突然の大雨。ある時はれみりゃの大群。そして、今回は人間の里に手を出してしまった。 他にも例をあげればきりが無い。 それほどまでにゆっくりは死にやすい。 今度こそ。今度こそこの群れは、立派にゆっくりさせてみせる。 そんな想いを何度も抱き、何度も打ち砕かれた。 この世はゆっくりできないものが多すぎる。そうだ。そうなのだ。 人間もれみりゃもふらんも山犬も雨も風も自然も何もかも、すべてがゆっくりできない。 もう解った。ゆっくりできないものには近づかない。近づきたくない。 だから次の群れは。次の群れこそはゆっくりさせてみせる。 ドスまりさは傷を庇うようにゆっくり這っていく。 その脳天には、いまだに杭が打ち込まれたままになっていた。 人間が立ち入ろうともしないような森の奥。 ここはゆっくりの理想郷。 ここのゆっくりは皆ゆっくりと、しあわせに暮らしている。 ゆっくりできないものなど無い。すべてがゆっくりしている。 ドスまりさは全てのゆっくりがしあわせー!になれるように、この理想郷を「ゆっくり・あるふぁ・こんぷれっくす」と名づけた。 ゆっくりぱらのいあ 日の光が射しこむ朝。木の下に掘ったおうちの中で、まりさはゆっくり目覚める。 遂にこの日がやってきてしまった。 朝日の下、憂鬱な気分を紛らわすように溜息を吐く。 まりさの属する群れには、あるひとつの掟があった。 成人を迎えたゆっくりは、定期的に”お仕事”に就かねばならない。 まりさはこの春大人の仲間入りをした。今日初めて”お仕事”に就く。 これが普通の狩りや家事ならば、喜んでやろう。 まりさは本来そういう仕事に憧れていたし、その能力もあった。 だが違う。これからやる”お仕事”はどう考えても喜べるものではない。 ”お仕事”を放棄することは出来ない。 そんなことをすれば群れの長が黙っては居ない。 良くて追放、悪ければ・・・・・・まりさは考えるのを止める。 こんなことを考えても仕方が無い。 今日”お仕事”を済ませれば、当分の間は大丈夫。この群れに大人のゆっくりは数多くいる。 ゆっくり特有の前向き思考で、まりさは現状の問題を棚上げする。 こんな時はお兄さんと遊んだときのことを思い出そう。 まりさの話を聞いてくれて、まりさにいろんなことを教えてくれたとってもいい人。 今度はいつ会えるのだろう?また会って遊んでほしい。 楽しいことを思い浮かべるけれどもやっぱり憂鬱。 まりさはそんな気分で、森の広場へと向かっていった。 森の広場。 そこだけ木が切り取られたような広い空間に、巨大な饅頭が鎮座している。 この群れの長、ドスまりさだ。 「まりさ。まりさはゆっくりしてる?」 「もちろんだよドス。ゆっくりしてるのはゆっくりの『ぎむ』だよ」 嘘だ。本当はゆっくりなどしていない。 だが嘘をつく。そうでなければ殺されてしまうから。 このドスまりさは狂っていた。 ドスまりさはこの群れ、「ゆっくり・あるふぁ・こんぷれっくす」をゆっくりにとっての理想郷だと信じ込んでいる。 ドスまりさは森の外は、ゆっくりできないものがうようよしていると信じている。 彼らは「ゆっくり・あるふぁ・こんぷれっくす」の破壊を目的にしているのだ。 そのためドスまりさは、こんな森の奥に引っ込み、手出しができないようにした。 さらにドスまりさは、群れのゆっくりの中にも反逆者が混じっている、と信じている。 彼らはゆっくりできないもの、例えば人間と通じており、「ゆっくり・あるふぁ・こんぷれっくす」の破壊を目論んでいる。 彼らは忠実な群れのゆっくりに化けている。探し出し、処刑しなくてはならない。 ここのゆっくりは、皆ゆっくりしている。何故ならば、ドスが皆にゆっくりを提供しているから。 ドスはみんなの友達であり、ドスはみんなのことを常に考えている、ドスまりさは自分でそう信じている。 従って、群れのゆっくりは皆ゆっくりとしていなければならない。 もしゆっくりとしていないならば、それこそ反逆者である証拠だ。 「れいむ。れいむはゆっくりしてる?」 「もちろんだよドス。ゆっくりしてるのはゆっくりの『ぎむ』だよ」 「ありす。ありすはゆっくりしてる?」 「もちろんよドス。ゆっくりしてるのはとかいはの『ぎむ』だわ」 「ぱちゅりー。ぱちゅりーはゆっくりしてる?」 「むきゅ、もちろんよドス。ゆっくりしてるのはゆっくりの『ぎむ』よ」 「ちぇん。ちぇんはゆっくりしてる?」 「もちろんだよー。ゆっくりしてるのはゆっくりの『ぎむ』なんだねー」 今日集められたゆっくりは5匹。 れいむ、ありす、ぱちゅりー、ちぇん、そしてまりさ。 この中で”お仕事”が初めてなのはまりさとぱちゅりー。 2匹は幼馴染みだった。 「今日はあつまってくれてありがとう。さっそく”お仕事”の説明をするよ」 一通り挨拶し終えたドスは話を切り出す。 「この前、ゆっくりできないれみりゃを見かけたという報告があったよ」 「れみりゃはゆっくりできない。ゆっくりできないものはこの森にいてはいけない」 「ドスはそう考えたよ。だからみんなに集まってもらった」 「みんなの”お仕事”は、そのれみりゃを永遠にゆっくりさせること」 「もちろん、反逆者がいたら報告してね。場合によってはその場で処刑してもいいよ」 きた。これだ。まったくゆっくりできない。 両親から聞いた話の通り過ぎて、まりさはさらに憂鬱になる。 「全てのれみりゃ・ふらん・その他捕食種はゆっくりできないよ」 「この森に住むゆっくりたちは全てゆっくりしており、この「ゆっくり・あるふぁ・こんぷれっくす」は そうした完璧なゆっくりのみに許されたゆーとぴあだよ」 「ゆっくりしていない外見、中身、その他もろもろを持ったゆっくりは見つけ出され、根絶しなければならないよ」 知っている。 この森には飾りを無くしたゆっくりなんて者は居ない。 この森にはドスに逆らうゆっくりなんて居ない。 なぜなら飾りを無くせばドスに殺されるから。ドスに歯向かえば殺されるから。 最低のディストピアだ。 「ドスに内緒のお話・行動をしているゆっくりは反逆者だよ」 「ドスが知らない、認めていない組織に参加しているゆっくり。ドスが知らないということはその組織は秘密組織であり、 それに参加する者はドスや、「ゆっくり・あるふぁ・こんぷれっくす」に危害を加えようとしているものと判断するよ」 「そんな反逆者は、狩りだして処刑されねばならないよ」 それも知っている。 秘密の狩りに出かけたもの。隠れてすっきりをしたもの。 彼らは全てドスに殺された。 この群れには密告というルールがある。 不穏な行動を取るゆっくりをドスに密告し、その報酬として安全を約束される。 自分の保身のために他のゆっくりを売る。 お陰でこの森から逃げる算段をつけることすらも難しい。 「ドスは君達の力量を考え、十分な装備を提供し、適切な任務を与えるよ」 「つまり、君達の任務成功率は100%だとドスは確信しているよ」 嘘だ。 ただのゆっくりがたった五人で、れみりゃに敵うと思っているのか。 それにこの森にれみりゃなんて居ない。 とっくの昔にドスまりさが狩りつくしてしまった。 報告というのもどうせ誰かの口から出任せ。 居ないものをどうやって捜せというのか。 つまり、まりさ達の任務成功率は0%だ。 ドスまりさの傍からゆっくりにとりが顔を出す。 このにとりも狂っていた。 まりさ達に手渡されるのは複雑に変形した棒のような何か。 おそらくはドスまりさの話を聞いて作った何かの模造品。これが「十分な装備」とは、恐れ入る。 「もし任務が失敗してしまうようならば、ドスはそれを反逆者の陰謀だと判断するよ」 まりさ達は任務の失敗を言い繕うために、反逆者を捜し出す。 別に反逆者である必要はない。誰かをそう仕立て上げれば良いだけのこと。 これからまりさたちが行うのは、自分達の命をかけた騙し合いだった。 「それからもう一つ!もし人間さんを見つけたら、必ず報告してね!」 「人間さんはゆっくりできないよ!人間さんはゆっくりできないよ!人間さんはゆっくりできないよ!」 壊れたようにドスまりさは繰り返す。 過去に何かあっただろう。それほどまでにドスまりさは人間を恐れている。 だがまりさは報告しない。 そんなことをすれば殺されてしまう。 ドスからすれば人間と会っているゆっくり=反逆者だからだ。 馬鹿正直に話をして、ドスまりさに反逆者と思われたら元も子もない。 「それじゃあみんな、頑張ってきてね!ドスはここで皆のことを応援してるよ!」 まりさ達5匹は、れみりゃが居たと報告された場所へ向かって歩き出す。 これから居もしないれみりゃを捜し出して、5匹の中の誰かを反逆者にするのだ。 まったくもって非生産的な”お仕事”。 楽しすぎて涙が出る。 そういえば、まりさは本当に反逆者なんだっけ。 ドスに内緒で人間さんと出会い、遊んだ。殺されるには十分な理由。 それだけのことで死んでたまるか。誰を犠牲にしてでも、絶対に生き延びてやる。 まりさはそう決意し、森の中を跳ねていった。 広場から遠く離れた森の何処か。 今まりさはひとり、森の中をぶらついていた。 当然のように、れみりゃはいなかった。 報告があったという洞穴。どこを探そうとれみりゃの影も形も見当たらない。 それでも一応、どこかに居るかもしれないという理由でまりさ達は分散して捜索を続けることにした。 死体は自分の無実を証明できない。 だから、まず先に殺してから相手に罪を被せることのほうが楽だ。 五人全員一緒に居ていつ誰から襲われるともわからない状況より、ひとりの方が気が楽だった。 このままでは任務は失敗に終わる。 その前に誰かに反逆者になってもらわねば。誰がいいだろうか?れいむあたりがいいかもしれない。 当然、相手も同じ事を考えている。殺るか殺られるか。 そう考えながら、まりさは周囲を捜索する振りを続ける。 突如。 目の前の茂みから、がさがさと音が鳴る。 まりさは驚愕する。 誰だ。れいむかありすかちぇんか。誰がまりさを殺しに来た。 いや、まさか。もしかしたられみりゃかもしれない。 もし本当にれみりゃが居たとしたら、今まりさはひとり。殺される。 あらゆる可能性が頭の中を駆け抜け、まりさを青褪めさせる。 しまった。いくら危険でも、全員で固まっていた方が良かったのかもしれない。 ここでまりさは殺され、後の4匹はまりさを反逆者ということにして生き延びる。 嫌だ。絶対に嫌だ。死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない…… もうまりさが何を後悔しても遅い。茂みをかき分け、出てきたのは――― 「お、いたいた。まりさ、ゆっくりしていってね」 まりさの不安は外れた。茂みから出てきたのは、人間さん。 そう、まりさと一緒に遊んでくれたお兄さんだ。 安心とともに地面にふにゃりとへたれ込むまりさ。 「ゆ、ゆぅぅ……。びっくりさせないでね、おにいさん」 「?」 お兄さんが首をかしげている。一体何のことかわからないのだろう。 お兄さんに説明してあげなきゃ。まりさはゆっくりと、今の状況を説明し始めた。 「ふーん……成る程ね。難儀だな、お前も」 「ゆぅ……ゆっくりりかいしてくれて、うれしいよ……」 大体の説明を終え、お兄さんはまりさを励ましている。 こんな異常な話に理解を示してくれたお兄さんに、まりさはさらに好感を持った。 「お前んとこの長が狂ってて、今お前は誰に殺されるかわからない状況だと……すごい話だな」 「ゆ……そうなんだよ」 普通ならばこんな話は信じられない。少なくとも、まりさは信じない。 でもお兄さんは信じてくれている。人間さんはとってもゆっくりできるとまりさは思った。 「俺にはどうすることも出来ないけど……とりあえずこれ、食べるか?」 「ゆゆっ?それ、なぁに?」 懐から真っ赤な丸いものを取り出すお兄さん。 初めて見るそれに、まりさは疑問を呈する。 「見たこと無いのか?トマトっていうんだ。美味しいぞ」 「ゆっ……?」 日の光を浴びて輝くトマト。言われてみればとても美味しそうに見える。 まりさはふらふらとお兄さんに近寄り、トマトを一口かじる。 「おっ……おいしぃ~!!しあわせぇ~!!!」 思わず涙が出てしまう。 それくらいに美味しい。ほんのりとした酸味と甘さのコラボレーション。まるで太陽の味。 まりさは脇目も振らず、トマトを平らげる。 「おにいさん!ありがとう!おいしかったよ!」 「どういたしまして。傷物でよかったらまだまだあるよ」 更に懐からトマトを取り出すお兄さん。まりさはトマトにかぶりつく。 ああ、こんなに美味しいものをくれるだなんて。やっぱりお兄さんは良い人だ。人間さんはゆっくりできる。 ドスは何であそこまで人間さんを恐れるのだろう?こんなに人間さんはゆっくりできるのに。 赤い果実を食みながら、まりさはそんなことを思った。 もう日が高く昇っている。 お兄さんと別れ、まりさは歩き出す。 トマトのお陰でおなかは満腹。気力も充実。 今ならば誰にも負ける気がしない。生き残るには最高のコンディションだ。 そろそろ洞穴の前に戻るべきか。 このまま一人で居続けたならば、いつの間にか反逆者に仕立て上げられ、逃亡したということになりかねない。 そうなればドスまりさの山狩りが始まる。逃げ切れるとは思えない。 まりさは急いで元来た道へと引き返す。 「ゆっくり!ゆっくりいそぐよ!……ゆっ!?」 何か声がする。 ゆっくりしていない罵声。何か争うような音。洞穴の前で誰かが戦っている。 まりさは木の陰に隠れ、様子を伺う。 「まっででねおぢびぢゃん!!今がらままがおぢびぢゃんのがだぎをうづがらね!!」 「ゆあ゛っ、ぐるな゛、ぐるな゛ああああああああぁぁぁぁぁ!!!!」 ゆっくりありすとゆっくりれいむ。 恐怖を顔に貼り付けながら逃げるれいむを、修羅もかくやという表情のありすが追っている。 「までっ、までえええええぇぇぇぁぁぁああああ!!!!おぢびぢゃんのがだぎいいいいいぃぃぃぃぃ!!!!」 「ゆひいいいぃぃぃぃ!!!!ごなっ、ごないでえええぇぇぇぇぇぇぁぁぁああ!!!!」 すでに両者はぼろぼろだ。まりさが到着する前からふたりは戦っていたのだろう。 「じねえええええええええええええぇぇぇぇえええ!!!!!」 「ゆびゅぇっ!!!」 ありすの体当たりが炸裂する。吹っ飛ぶれいむ。 「じねっ!じね、じねえええええぇぇぇ!!!」 「ゆびゅっ!!!ぶっ、ぼぉっ!!!」 すかさずれいむに圧し掛かるありす。 そのままれいむを踏みつけだした。 「おまえのっ、ぜいでっ!!まりざがっ、おぢびぢゃんがっ、じんだっ、んだっ!!」 「げびゅっ!!ぶびょっ!!びょぶっ!!ぼびっ!!ぶぽっ!!」 ありすの踏みつけは終わらない。 どんどん餡子を吐き出し小さくなっていくれいむ。 「おばえざえっ、おばえざえいながっだら、ありずはっ!!」 「びょっ!ぶっ!ぼぇっ!」 おそらく、ありすの家族はれいむの密告によって反逆者として処刑された。 偶然にもれいむと”お仕事”をすることになったありすは、仇を討とうとしたのだ。 こんな光景は珍しくない。密告によって家族を失うゆっくりは大勢いた。 「までぃざどっ!!!おぢびぢゃんどっ!!!いっじょにっ!!!」 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」 ありすは止まらない。 れいむが皮だけになっても、まだ跳ね続けている。 「ありずは・・・・・・じあわぜに・・・・・・」 ようやくありすは止まる。 れいむだった饅頭皮に顔をうずめ、泣き始めた。 まりさは隠れるのをやめた。 そっとありすの傍に近寄る。 「ありす・・・・・・」 「ゆ・・・・・・?ま、まりさ・・・・・・?」 ありすは顔を上げる。涙と泥と餡子でぐちゃぐちゃの顔。 「まりさだ・・・・・・まりさ・・・・・・まりさ・・・・・・」 何度もまりさの名前を呼ぶありす。様子がおかしい。 「ゆふ、ゆふふ・・・・・・!あのれいむをやっつけたから、まりさがかえってきた!」 何を言ってる・・・・・・そう言おうとして、まりさはやめた。 このありすは狂った。長年の仇を討ち、復讐という精神の拠り所を失ったのだ。 「まりさが、まりさがかえってきた!」 れいむを殺しても、まりさとおちびちゃんは帰ってこない。 わかっていたはずの現実から逃避し、ありすは楽しい夢の世界へといった。 「あれ?まりさはかえってきたけど、おちびちゃんがいないわね?」 きょろきょろと周囲を振り返るありす。 その瞳に正気の色は無い。 「おちびちゃんったらいったいどこにいったのかしら・・・・・・まりさ、しってる?」 まりさに子供の居場所を尋ねるありす。 まりさは首を振り、わからないと言った。 まりさにあの世の場所などわかるはずも無い。 「もう、おちびちゃんったら!ままにこんなしんぱいさせて、いけないこね!」 言葉では怒りつつも、その顔は満面の笑顔で満たされている。 きっとおちびちゃんがいた頃のありすはこんな感じだったのだろう。 慈愛に満ちた、優しいママ。 「まりさはそこにいてね!ありすはおちびちゃんをさがしてくるわ!」 まりさを洞穴に残し、ふらふらとありすは歩いていく。 見つかるはずの無いおちびちゃんを捜しに行くのだ。 「おちびちゃん~♪かくれてないででておいで~♪」 少しずつありすの姿は遠く、小さくなっていく。 おちびちゃんを呼ぶ声は、本当に楽しそうだった。 やがて、ありすの姿は見えなくなった。 でも、あの声は。 楽しそうにおちびちゃんを呼ぶ声はいつまでも消えずに、まりさに届いていた。 それからすぐに、ちぇんとぱちゅりーは戻ってきた。 まりさはれいむが反逆者であったこと、自分がそれを倒したことを伝えた。 ありすはれいむに食われたことにした。 生きていると知られるよりも、死んでいると思われたほうがあのありすにとって幸せだと思えたのだ。 結局、任務は失敗に終わった。 邪悪なる反逆者・れいむがその命を以ってまりさたちを阻んだのだ、ということにした。 森の広場で、ドスまりさに報告を行う。 「―――というわけで、にんむはしっぱいしちゃったよ、ドス」 「ゆうう!!反逆者がいたなら、仕方ないね!!」 まりさの言い訳に納得するドス。 任務は失敗だが、反逆者を見つけたことで満足したようだ。 「それじゃあ皆、お疲れ様。今回の任務はおしまい―――」 任務の終了を言い渡そうとするドス。 れいむという犠牲を払って生き延びられたというまりさの安心を――― 「まってねドス!はんぎゃくしゃはまだこのなかにいるんだよ!わかってねー!」 ―――ちぇんの叫びが、阻んだ。 「ゆ?どういうこと、ちぇん?」 「わかるよー!まりさははんぎゃくしゃだったんだよー!」 まりさの息が詰まる。 一体どういうことだ。このまま行けば任務は完了するはずだったのに。 「ちぇんはみたんだよー!まりさがにんげんさんといっしょにいるところを! まりさはにんげんさんからなにかあかいたべものをもらっていたよー! たのしそうにおしゃべりしてたよー!きっとまえからにんげんさんをしっていたんだねー!」 ちぇんは見ていたのだ。まりさが人間さんと出会った一部始終を。 それだけならばまだ良かったかもしれない。その後ちぇんはまりさを見失った。 そして洞穴に戻ってみればまりさと、れいむの死体があった。 きっとまりさは人間さんの手下として、れいむを殺したに違いない。 ありすがれいむに喰われたというのも嘘だ。きっとまりさがありすを殺して、食ったんだ。 なにも知らぬちぇんが、そう思ったのも不思議ではない。 本当の反逆者を告発するのに一片の躊躇もない。 「まりさのいってたことはうそだよー!きっとれいむとありすはまりさにころされたんだよー!」 「・・・・・・本当なの?まりさ」 能面のような無表情でドスまりさが問う。 やばい。やばいやばいやばい。殺される。何とかしてこの場を切り抜けなければ―――! 「ちっ、ちがうよ!ドス!そのちぇんのいってることはうそだよ!」 咄嗟にそんな言葉が口から出る。 こうなったら、ちぇんを反逆者にしてしまおう。そうでなければ、自分がそうなる。 まりさは覚悟を決め、嘘を並べる。 「まりさはそんなことしらないよ!きっとちぇんがにんげんさんのてしたなんだよ! まりさをはんぎゃくしゃにして、ころそうとしているにちがないよ! どす!だまされちゃだめだよ!このちぇんのほうこそはんぎゃくしゃだよ!」 「ちがうよー!まりさがはんぎゃくしゃだよー!わかってねー!」 「・・・・・・ゆうううぅぅぅぅ・・・・・・」 ドスまりさは悩む。 両者の言っていることは正反対。どちらかが反逆者だという明らかな証拠が無い。 はたして本当のことを言っているのはちぇんか。まりさか。 「まりさはしょうにんがいるよ!まりさはぱちゅりーといっしょにいたよ!」 「むきゅっ!?」 突然話を振られ、うろたえるぱちゅりー。 ドスまりさがパチュリーの方を向き、訊ねる。 「本当なの、ぱちゅりー?」 「む、むきゅううううううう・・・・・・」 おろおろしているぱちゅりーを見ながら、ちぇんは哂う。 何を言っているんだ、あのまりさは。 あの時まりさはひとりで、ぱちゅりーなどいなかった。まりさは自分の首を絞めたようなものだ。 虚偽の告発は、それも反逆だ。あの反逆者まりさは、処刑されるのだ。 「・・・・・・ほ、ほんとうよ。ぱちゅはまりさとずっといっしょにいたわ!」 「にゃあ!?」 ぱちゅりーの言葉に驚くちぇん。 そんな。どうして。何故そんな嘘を。 ちぇんはぱちゅりーの言っていることがわからない。 「ぱちゅはまりさといっしょにいたけど、にんげんさんなんてみなかったわ!ちぇんのいってることはうそよ! きっとちぇんがにんげんさんにあって、まりさをはんぎゃくしゃにするよういわれたにちがいないわ!」 ちぇんは知らなかった。 このぱちゅりーはまりさの幼馴染みだということを。 日々互いが密告をする群れの中で、2匹は信頼しあっていたということを。 ぱちゅりーは何も知らない。 まりさが人間さんと出会っていたことなど知らない。 まりさの言っていたことは嘘だということも知らない。 ただ、まりさのため。そのためだけに今こうして口裏を合わせている。 「いだいなちせいをもったドスならわかるでしょう!ちぇんははんぎゃくしゃよ!」 「ちっちがうよおおおおおおおお!!!わがっでねえええぇぇぇぇぇぇぇ!!!」 今度はちぇんがうろたえる番だった。 まりさは反逆者だったはずなのに、いつのまにか自分が反逆者ということになっている。 しかも相手には証人が居る。2対1。絶体絶命。 「・・・・・・ドスは判断したよ」 ゆっくりと口を開くドスまりさ。 「ドスはちぇんを反逆者だと判断し、これを処刑するよ!」 「に゛ゃあ゛あ゛あ゛あ゛あああ!!!ぢがうよおおおおお!!!ドズぅ、わがっでよおおおおおお!!!!」 泣きながら自身の潔白を訴えるちぇん。 だが無駄だ。もうドスまりさはちぇんを反逆者と決めている。反逆者の言うことなど聞かない。 ゆっくりと開かれる口。 そこにはちぇんを消し去るための光が満ちる。ドススパークだ。 「反逆者はゆっくりしないで死んでね!!」 閃光。 まりさは見た。ドスの口から放たれる、灼熱の焔を。 小さく引き絞られた口径により、威力を高められた光の槍がちぇんを穿つ。 スパークと言うよりはまるでレーザーのよう。 ドスまりさは少なくとも勤勉だった。 己の身を守るため、群れを人間やれみりゃから救うために研鑽し続けた。 その結果がこのレーザー。このドスまりさだけが編み出した、新たなる武器。 ちぇんの額に穴が開く。 びくびくと痙攣し、白目を剥くちぇん。穴は深く、ちぇんの後頭部まで貫通している。 だがドスまりさはまだ止めない。 二度三度、レーザーを撃つ。次々にちぇんの穴が増えていく。 発射時間を抑え、その代わりに連射を可能にしたこのレーザーに隙は無い。 危なかった。まりさはそう思う。 一歩間違えば、自分がこうなっていたのだ。ドスの恐ろしさを改めて再認識する。 ドスまりさは止まらない。 ドスまりさがレーザーを撃つたび、森にレーザーの発射音が木霊する。 最早ちぇんが蜂の巣と見分けが付かなくなった頃。 ようやくドスまりさはちぇんを撃つのをやめた。 「―――ふぅ。反逆者はゆっくり死んだよ!」 元ちぇんだった穴だらけの何かの前で、ドスまりさは笑顔でそう言った。 最初の一発で死んでいたのに、何故ここまでやる必要があるのか。 やはりドスまりさは狂っているのだ。どうしようもない偏執狂。 「ごめんね、まりさ。ドスはまりさのことを疑ってしまうところだったよ」 まりさに謝るドスまりさ。 疑ってしまうところだった?思い切り疑っていたではないか。今は謝罪より、さっさと開放してくれ。 まりさは心の中で毒突く。 「さぁ、まりさ、ぱちゅりー、ご苦労だったね!"お仕事"は終了だよ!」 今度こそ任務の完了を告げるドス。 ようやく終わった。まりさは安堵する。 このふざけた茶番も終わり。次の"お仕事"がいつかは解らないが、とりあえずそれまではゆっくりできる・・・・・・。 「まりさとぱちゅりーにはご褒美をあげなくっちゃね!」 突然、ドスまりさがそんなことを言い出した。 ご褒美?なんだそれは? 両親の話にも出てこなかったご褒美とやらに、まりさは興味を持つ。 もしかしてまりさ達が優秀だったからご褒美をくれるのかもしれない。 5人の内、2人も反逆者がいたのだ。普通だったら全滅していてもおかしくはない。 生き残った2人は、それだけ優秀だった。ならば一体どんなご褒美が出るのだろう。 もしかして綺麗なたからものかもしれない。 ドスまりさが持っていると言われていたキラキラと輝く石。 そんなものがあれば、まりさは一生他のゆっくりに自慢ができるだろう。 もしかして沢山の食べ物かもしれない。 ドスまりさは群れの食料を管理している。そこからご褒美としてまりさに融通してくれるのでは。 自分の身体が埋まるほどの量の食べ物。一体どれほど幸せだろう。 もしかして。もしかして。もしかして。 まりさの期待は際限なく高まる。 「まりさたちには・・・・・・あの・・・・・・えーと・・・・・・なんだっけ・・・・・・ あの赤くて丸い、とってもおいしいもの。あのほっぺが落ちそうになるあれの名前は・・・・・・」 ああ。それはトマトだ。赤くて丸くて美味しいもの。 あの太陽のような輝きを持った食べ物は、まりさの心の中に刻まれていた。 「ゆっ!ドス、それはとまとさんだよ!」 まりさは指摘する。ドスのご褒美はトマトだったのか。 トマトならばご褒美として申し分ない。さぁ。早くトマトを。トマトをくれ。 まりさがドスに向かってそう言おうとした時。 「・・・・・・まりさ、トマトさんって一体何?トマトさんは人間さんの食べ物だよ」 冷たく重い、ドスまりさの言葉が返ってきた。 「まりさ、まりさは人間さんのことをよく知らないはずなのに、なんでトマトさんのことを知っているの?」 まりさは凍りつく。 やばい。しまった。迂闊だった。何とかしなければ―――。 「まりさは人間さんと出会ったことがないんでしょ?それなのになんでトマトさんのことを知ってるの? 人間さんを知らないのに、トマトさんは知ってる。 もしかして、まりさは人間さんと出会ってるんじゃないの?」 ドスまりさはまりさを騙したのだ。 ちぇんを処刑したとき、ドスまりさはまりさのことも疑っていた。ちぇんの証言は具体的過ぎる。 赤い食べ物とは一体何か。恐らくだが、トマトのことか、苺のことだろう。 ドスまりさはまりさにカマをかけてみたのだ。知らないならば良し、もし知っているならば反逆者。 「まりさはドスに嘘をつき、人間さんと出会っていた。これは立派な反逆行為となるよ! よってドスはまりさを反逆者と見なし、これを処刑するよ!」 まりさの目の前が真っ暗になる。もう駄目だ。まりさは死ぬ。 絶望の涙を流すまりさ。 「それからぱちゅりー!ぱちゅりーはドスに嘘をついていたね! ぱちゅりーはまりさと一緒にいたと言ったけど、それなら人間さんと出会っていることになるよ!」 「む、むきゅ!ドス、じつは、ぱちゅりーは・・・・・・」 「もしぱちゅりーがまりさと一緒じゃなかったなら、それもドスに嘘をついたことになるよ! ぱちゅりーはドスに嘘をついた!これは立派な反逆行為であり、ドスはぱちゅりーを反逆者だと判断するよ!」 「む゛、む゛ぎゅううううううううううう!!!」 ぱちゅりーも反逆者となった。 もうまりさたちに逃げる手段はない。 「ドスはまりさ、ぱちゅりーの両名を反逆者として認め、刑の執行を開始するよ!」 またも口を開くドス。その中には滅びの光。 今度その照準が向けられるのはちぇんではない。狙うのは、まりさ達。 最早まりさたちに希望はない。絶望し、涙を流しながら寄り添う二匹。 一体何のために生まれてきたのか。 自分達はゆっくりするために生まれ、生きてきたはずだ。それが何故、こんなことに。何故こんなことで死ななければならない。 もっとゆっくりしたかった。まりさ達はそう叫ぼうとして。 その叫びは光の中に呑み込まれていった。 「・・・・・・ゆぅ。まさか全員死んでしまうとは思わなかったよ」 「でも次のまりさ達なら。今度のゆっくり達なら、もっとうまくやってくれるよね」 「―――もしもし、○○さんですか?ええ、はい。私です。いつもお世話になってます」 今俺は電話をかけていた。相手は少し離れた里の重役さん。 「はい。いました。きめえ丸が巡回中に見つけたんです。 ・・・・・・ええ、うちのゆっくり園の中に逃げ込んでました。もう群れを作っていますね」 少し前、とあるドスまりさが群れを率いて里にちょっかいを出したらしい。 勿論その群れは潰され、ドスも殺されたはず・・・・・・だった。 「ええ、いえ、いいんですよ。別にうちの商品の価値が下がるというわけでもないし。 こちらとしても貴重なドスがゆっくり園にいるというのは好ましいことですから」 ところがそのドスは満身創痍ながらも逃げ仰せ、今は俺が所有する食用ゆっくりの繁殖地―――「ゆっくり園」に逃げ込んだ。 ここと向こうの里ではかなりの距離があるというのに、大した奴だと思う。 「はい。それに、結構面白い個体ですよ、奴は。どうもそちらでお灸を据え過ぎたようでしてね。 どうやら人間を恐れているようなんです。それも異常なくらいに」 今のドスまりさはとても変わったルールというか、指導方法を群れに課している。 いや、指導方法とは言い方が悪かった。あれではまるで粛清と、独裁だ。本当に変わっている。 「それに他にも面白いところがありまして。"ドススパーク"ってご存知でしょう? あれが少し変わってましてね。まるでレーザーみたいに連射してるんですよ」 毎日毎日誰かを疑っては、殺す。その日々をドスまりさは送っている。 きっとあのレーザーはそんな中で生み出されたものかも。実に興味深い。 「ああ、大丈夫です。連射が効くといっても、相手は人間を恐れているし、危険はありませんよ。 それに、あのレーザー程度じゃ問題にはなりません。駆除しようと思えばいつでもできます」 それに何より面白いのは、ドスがそんな暴君だというのに意外と群れの安定は保たれているということだ。 心優しい名君より、狂った無慈悲な暴君。そっちの方がゆっくりには合っているのかもしれない。 「しばらくは様子を見ようと思っています。あのドスが一体どういう群れを作っていくのかが興味あるので。 ・・・・・・ええ、どうも。ありがとうございます。それでは、また」 受話器を置く。傍らにはゆうかと、きめえ丸が立っていた。 「よし、きめえ丸。お前はもう一度監視に言ってこい」 「おお、了解了解。まったくゆっくり使いの荒いことで」 「ゆうかは俺についてこい。ちょっとあの群れのゆっくりに接触するぞ」 「わかったわ、お兄さん」 はてさてドス。お前は一体、その狂った頭でどんな理想郷を作ろうとしているんだ。 人間が立ち入ろうともしないような森の奥。 いや、正確にはここは私有地。だから誰も立ち入ろうとしない。 ここはゆっくりの理想郷。 ここのゆっくりは皆ゆっくりと、しあわせに暮らしている。 ゆっくりできないものなど無い。すべてがゆっくりしている。 それは嘘だ。全てはドスの妄想。ただドスがそう思っているだけ。 ドスまりさの頭にはいまだ杭が刺さっている。その杭のせいか、はたまたこの世の現実か。そのどちらかが、ドスまりさの心を狂わせた。 ここには幸せなゆっくりなど一匹もいない。ドスまりさは繰り返し滑稽な茶番を行う。 ドスまりさは全てのゆっくりがしあわせー!になれるように、この地獄を「ゆっくり・あるふぁ・こんぷれっくす」と名づけた。 ――――ゆっくり、あなたはゆっくりしてる? ――――ZAP! ――――ZAP! ――――ZAP! おわり ――――― 元ネタはボードゲームの「パラノイア」です。 閉ざされたディストピア。狂った管理者。敵はモンスターではなく、他のプレイヤー。 いかに生き延びるか、あるいは滑稽に死ぬか。 そんな設定に心惹かれました。 といっても元ネタの設定の良さの10分の1すら伝わってないとおもうんだねー、わかるよー! て言うかボードゲームやったことないくせにこんなSS書くなんて身の程知らずだったんだね、わかるよー!! このSSに感想をつける
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ゆっくりありすが散々な目にあいます まぎらわしいので書いておきます 「」が会話文 『』が心の声です 作者のストレスがありすでマッハです カオスでカスです。 それでよければどうぞ。 昼~ 某所 人里近くの森 家 ゆっくりが沢山棲む、割と人里近くにある森に、鬼井山は居を構えている。 昼飯を済ませた鬼井山は、腹ごなしに散歩でもすっか。ついでにゆっくり捕獲すっか。という思いで家を出た。 其の鬼井山が扉を開けて見た映像とは・・・・・ 「んほぉおおおおおおお!!!ぎぼぢいいばぁぁあああああ!!!」 「ゔ-!!!ゔ~~~~~!!!」 地獄絵図だった。 夜行性であるはずの体なしゆっくりれみりゃ(以下ゆっくりゃ)とレイパーありすが玄関前で交尾してた 「ん、ぼぉおおおおおお!!でびりゃの、まむまむ、どがいばよぉおおおお!!」 「ゔゔぶぶぶ、ゔ~~~~~!!!」 鬼井山は一瞬で判断した 『体なしゆっくりゃいじめづらいんだよなぁ。 でもこのままほっとくとレイパーが増えるからなぁ。 とりあえずゆっくりゃを捕獲して隔離しとくか。』 懐から折りたたみ透明な箱をとりだしゆっくりゃをもちあげて中にほおりこむ 「んぼ・・・・ゆっ?」 「ゔ~!ゔ~~~~~~~~!!」 『あ、爪きっとくの忘れた・・・・。まぁ、いいか。』 「NiceDay.きもくてサンドバックなゆっくり共!!」 『とりあえずゆっくりゃ隔離成功。 このレイパーをどうs』 「ゆっ!このいなかもの!ありすのおよめさんこうほかえしなさい!」 『オーケー。虐待決定。こいつは俺の獲物決定。』 「おいありす、このゆっくりゃ返してほしいか?」 『とりあえず聞いてみっか。』 「さっさとかえしなさい! それぐらいもわかんないの?ばかなの?」 やっぱゆっくりきめぇ。 「やだね。あげる理由が無い。というかお前のモノじゃない。」 「どうでもいいからかえせぇえええええ!!!」 おお。きもいきもい。 さてどういじめよう。 「このやくにたたないじじいはさっさとれみりゃをかえせぇえええええ!!」 「黙れこの糞畜生が!」 「ゆっ・・・・」 (・・・・サンドバックでいいか。) そう決定した鬼井山は手っ取り早く懐から取り出した透明のビニールにありすをいれた。 家の中に入って扉をしっかり閉めて施錠して・・とゆっくり対策をした後虐待部屋へと移動した。 昼~ 鬼井山の家、虐待部屋 とりあえずいままで透明な箱にいれていたゆっくりゃを開放する 「う~!う~!」 「おい肉まん、幾つか言っておく。 邪魔するな、騒ぐな、此処から出るな、意思疎通を取るならすばやく。以上。」 「ゔっ・・・・」 『とりあえず・・・これでゆっくりゃのほうはOKかな? 問題はこの袋の中でもごもごいってるレイパーだ。』 鬼井山は近くにあるタンクから伸びているゆっくりの口にフィットする形のホースを持った。 袋の中に居るゆっくりの口にホースを銜えさせ。ガムテープで固定した。 もごもごいってるけど鬼井山は無視して作業を続ける。 袋の中の空気をぬいてゆっくりにぴったりにさせる ゆっくりやめてね!とかとかいはじゃないぃいい!とかきこえてくるけど気にしてはいけない。 それから数分後、サンドバックは完成した 頭の部分にはありすが。胴の部分はひろったありすが積めてあるもの。 ゆっくりゃがうずうずしてたけど気にしない 『とりあえず準備完了。虐待に入ろうか!!!』 鬼井山は大きく息を吸い込んで 「ヒャアアアアアア!!!虐・待!だッッッッッッ!!!」 と声高々に宣言した後サンドバックになぐりかかった。 「ゆべぇっ!」 ありすが悲鳴を上げた。 フック・フック・ジャブ・ジャブ・ストレート・ストレート・アッパー・キック・ストレート と華麗にサンドバックに攻撃を叩きこんだ。 「ゆべっ!べべっ!ゆぎっ!やべdゆぎぃっ!」 がありす。 「「「「「やめてあげてね!いたがってるでゆぎゃぁああっ!ゆっぐじでぎだぃいいいいい!!」」」」」 がありすズ 「ヒャァーッハァ!オラオラオラオラ無駄無駄オラオラ無駄無駄オラ無駄オラ無駄オラ無駄オラ無駄ァッ!!!」 一瞬でゲシュタルト崩壊したけれど気にしないで攻撃を叩きこんでいく 胴部分から悲鳴が聞こえなくなった頃ありすも限界が来たようだ。 「ぼっど、ゆっぐじ、じたが・・・?」 ここで鬼井山がタンクを操作してホースに オレンジジュース(果汁1%、糖度99%、自家製)を流し込んだ。 「ゆゆー!(ガボガボ)とかいはなあまさねー!(ガボガボ)しあわせー!(ガボガボ)」 少したってから操作してオレンジジュースを止める。 「ゆゆっ!もっとながしなさいよ!つかえないわね!」 とか暴言を吐き出したら合図。 「・・・いくぜオラオラァ!」 ジャブ・ジャブ・ジャブ・ジャブ・ジャブ・ジャブ・ジャブ・ジャブ・ジャブ・・・・ 「ゆべっ!べっ!べっ!べっべっべっ・・・」 ジャブ・ジャブ・ジャブ・ジャブ・ジャブ・ジャブ・ジャブ・・・ 「やべっ!ぼうっ!やべっ!でぇっ!ゆぎゃっ!・・・」 ジャブ・ジャブ・渾身の右ストレートォッ! 「ゆべっ!やべっ!ゆげぇえええええええええっ!!!」 カン、カン、カーンというK.O.の音が何処かで聞こえるのは気の所為です。 「ぃょっしゃぁあああああ!!!あー、だりぃ・・・・」 流石に鬼井山も疲れた様子を見せる。 「うー!うー!」 とゆっくりゃがタオルをもってきた、すっかりマネージャーである。 「ん・・・・まぁいいや。ありがとう。だがプリンはないぞ。」 「うー、うー♪」と撫でられていたがプリンは無いぞで少し落ち込んだようだ。 「ゆ゙・・・・びゃっど。ぼばり・・・?」 とかありすがほざいてるがむししてゆっくりゃを強めにわしわしとする。 「うー!うー!」 少し涙目になっていた。 鬼井山は可愛いゆっくり、頭のいいゆっくりは好きである。 とすこしわしゃわしゃしたあと思い出したようにタンクを操作してオレンジジュースを流した 「ごっく、(ガボガボ)ごっく。(ガボガボ)とかいはー・・・・」 『少しやりすぎたか、図に乗らない程度に希望をあたえてやんなきゃ其のうち反応なくなっちまう。』 さてどうしたものか、とおもってたらいきなり鬼井山脳に昼の景色がフラッシュバックする。 「これだ・・・・・」 「う~?」 こうしちゃおれん、と行動を開始する鬼井山 ありすを睡眠薬で眠らせて箱に閉じ込めて・・といいつつ行動する鬼井山であった。 夕方~ 虐待部屋の一角。 透明な箱いれられたありす(睡眠薬投与済み、そろそろおきる) とゆっくりまりさ(加工所産、様子がおかしい) 「・・・そろそろおきるかなぁー・・・?」 「うー?」 と、鬼井山が言った後すこししてゆっくり二匹が起きた。 「ゆ・・・ゆゆっ!?まりさっ!?」 「ゆゆっ!ありすがおきたよ!ゆっくりしていってね!」 「ゆっくりしていってね! まりさ!とかいはなありすをたすけにきてくれたのね!?うれしいわぁ!」 「そうだよ!たすけにきたよ!・・・だけどね、なんかまりさ、からだがおかしいよぉ・・・ ありす、すっきりさせてぇー?」 『・・・・・うぁ、これは、引く・・・・・』 と鬼井山が真っ青になってる前でありすは 「ゆふぅううううん!ばでぃざぁあああ!!どがいばのでぐにっぐみぜであげるわぁああああ!!」 と簡単に誘い受けに乗っていた 馬鹿である。 ~~~ここからさきは作者が描写を嫌がるので会話文のみで御進みください~~~ 「ばでぃざぁああああ!!ぼっべだ、ぼっぢぼぢでぇええええ!!」 「ありすぅうう!!ありすのほっぺたももちもちだよぉおおお!!」 「ばでぃざああああああ!!ばでぃざのまむまむに、あでぃずのべにべにいでぇるでぇえええ!!!」 「ありすぅううう!!!まりさのばぁじんもらってぇええええ!!」 「んほぉおおおおおおお!!」 「ゆぅうううううううう!!」 「んほっ!んほっ!んほぉおっ!」 「ゆぅっ!ゆぅゅ!ゆぅううっ!」 「すっ」 「すっ」 ~~~戻します~~~~ 「其処までだ饅頭二匹」 「ゆべぇえええええ!!たべないでぇええええ!!」 「ばでぃざあああああああああ!!!」 「うー♪」 すっきりーしそうなありすを袋に入れてすっきりーしそうなまりさをゆっくりゃがぱっくんして。 というのを数秒のうちにやってのけた。 いつのまにかゆっくりゃと仲のいい鬼井山であった。 「さて準備準備」 ありすをちゃっちゃとサンドバックに戻していく 胴部分のモノは全く変えないである。死臭で脅すためだ、ゆっくりゃも引く臭さになっている。 やべでー!とかごろじでやるぅうー!とか聞こえるけど空耳だ。絶対。 というのを後2回ぐらい繰り返した。 そのころには気力が薄く、助かる見込みがないと思いつつある。 ここで鬼井山は殴るのをやめておいしく食べるために「加工」の工程に移る。 気持ち悪いとはいえ饅頭だ。何であれおいしく食べるのが鬼井山の心情である。 サンドバックのなかの袋(清潔)に入ってる饅頭 (変形しているが、ぎゅうぎゅうずめな為漏れてはいない) を取り出し、潰し、混ぜて半分はゆっくりゃにあげる。 「うー!うー!!あまあま♪」 おいしそうに食べている。そのあと半分はお裾分けしてくれた。ぶっちゃけ使わないけど食べる事にした。 欲張りでは無いゆっくりは好きな鬼井山であった。 大量の死んだありすの半分は湯煎で解かしてパイに積める。 シュークリームが沢山できた。 あとで里の寺子屋にもってこうかなぁ?と鬼井山は思考していた 「・・で、おい饅頭」 「なぁに・・・?ありすに、なにか、よう?」 「やっと死ねるぞ。喜べ。」 「・・・そう。やっとおわるのね・・・。」 「そうだ。うれしいか?もう殴られないぞ?」 「・・・・・もっととかいはにゆっくりしたかったわ・・・。」 「そうかい。じゃぁな。」 といって、鬼井山はありすを眠らせた そのありすの半分をつかってエクレアを作った そのありすの半分を使って 「・・・ゆ?しんでない・・?」 「よーう、饅頭」 「おにいさん!?なに!?」 「うっうー♪」 「体がちっちゃくなった感想はどうだぁー?あと、皮をパイ生地にしてやったぞー♪喜べー♪」 ゆっくりありすを改造していた。 鬼井山はお菓子職人でもあった。 「・・・え?」 「実験のつもりで皮変えたら動けるようになるとは・・・マジゆっくりって不思議・・・」 「だぁでぃごでぇえええええええ!!!」 「あ、目と口は元の奴と一緒だからよろしく。作るのだるいんで簡便な♪」 「もどじでぇえええええええええ!!」 「だが断る。 あ、お前もうゆっくりじゃなくて、ゆっくりっぽい何かだから。」 「あでぃずはゆっぐでぃだよぉおおおお!?」 「・・・まぁいいや。飾りも髪も元の奴だから。群れに帰れ。んじゃぁな♪」 「やべでぇえええええええ!!ぼどにぼどじd・・・?!」 こうして。ありすは群れへと返された。 「あー、すっきりした。 ゆっくりゃー。お前さんも群れに帰るかー?」 「うー・・・?うー・・・・」 「まだ居たいのね、はいはい。いいよ。」 「うー♪」 「寺子屋にこれ届けるから手伝えー?」 「うー!」 ありすは。幸せな未来を暮らしたか。不幸な今で死んだか。それは皆さんのご想像にお任せします。 ~~~~~~あとがき~~~~~~ どうも、半年ROMです。 ほぼ初めまして。ですね。 今後も頑張ります!よろしければよろしくおねがいします。 批評はスレでおねがいします。 レスはできませんがしっかりと聞きます。 ご参考にさせていただきます。 このSSに感想を付ける
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※『』内の台詞はお兄さんとまりさの通信です。まりさは小声なので他のゆっくりには聞こえません。 ゆっくり並列宇宙の旅 「やぁまりさ、今日もゆっくりしてるかい?」 「もちろんゆっくりしてるよ!」 彼の名は発明お兄さん、色々な物を発明してはゆっくりで実験するナイスガイ。 ちなみに彼女は助手まりさ、お兄さんの助手として手助けをするが、実験ゆっくりが見つからない場合は彼女も実験対象にされる。 「さて、今日の発明品なんだが…」 「ゆゆっ!!今度はちゃんと実験ゆっくりを用意してね!この前の植物型妊娠体験装置の実験も大変だったんだよ!!」 植物型妊娠体験装置…それは頭に直接植える事で茎がどんどん成長し、赤ゆっくりのような丸い餡子玉ができるだけで、特に妊娠はしない。 だがしっかりと餡子は吸われていき、赤ゆっくりができるまでの時間経過とどれだけ餡子を吸われるのかを妊娠前に体験できる発明である。 しかし試作機はリミッターが正常に動作せず、まりさは体内の餡子の80%を装置に吸い取られて瀕死を経験している。 「すまんすまん、でも妊娠体験はできただろ?」 「あれは臨死体験だったよ!!ぷんぷん!」 「今回はそれなりに安全だし、何より楽しい実験だから大丈夫だ!」 「ゆゆっ?本当?」 彼女は漢字で喋る事ができるくらいの強化は施されているが、結局は餡子脳のようで、一瞬で発明お兄さんを信用してしまった。 そのお兄さんは馬鹿デカイ機械を取り出した。 「これは並列宇宙移動装置と言ってな、別の宇宙へ移動できる装置なんだ」 「ゆゆゆー!?帰ってこれるの!?」 「そこは大丈夫だ、だがこの装置はまだ試作でな…ゆっくりしか転送できないんだ」 「ゆぅ、じゃあ実験ゆっくりを使ってね!」 「(捕まえるのめんどくせぇ…)まぁ待て、この装置の凄いところは好きな宇宙へ行ける事だ。つまりまりさが望む宇宙に行けるって事だな」 「ゆーん?」 「説明するのもめんどうだ、早速使ってみよう!」 そう言ってお兄さんはまりさを装置へと放り込む。 「ゆべっ!おにいさん、もっと優しくしてね!」 「すまんすまん、手が滑らなかった。それよりこれを帽子に組み込むぞ」 まりさの帽子の中に小型のスピーカと80年代に流行っていそうな機械が取り付けられた。 「これは転送装置と通信機だ、これを失くすと帰ってこれなくなるからな」 「ゆがっ!?待ってね、そんなのダメだよ!」 「心配するな、シリーズ物の予定だから失くしたりするフラグじゃない、安心しろ、じゃあな!」 「ゆー!!」 電子レンジのような機械が強く点滅し、中のまりさは消滅してしまった。 「頑張れよー」 「ゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆ!!」 チーンッ! 『おいまりさ、しっかりしろ!』 「ゆ、ゆーん…おにいさん…ゆっくりフードかつお味はもう飽きたよ…」 『寝ぼけるな!』 お兄さんからの通信で目が覚めたまりさは、ゆっくりフードを食べる夢を見ていたせいか、涎でベタベタであった。 そこにカチューシャがトレードマークのブロンドゆっくりが現れる。 「あらあら、おねぼうさんなまりさね」 「ゆっ!?」 ゆっくりありすである。 「ゆっ!『お兄さん!ありすだよ!』」 『ちょっと待て、その宇宙の事を調べている』 『どうして転送する前に調べてくれないのぉぉぉぉぉぉ!!』 まりさは涙目の状態で警戒していた。 それもそのはず、まりさの周辺のゆっくりありすは、お兄さんの実験失敗によって軒並みれいぱーありすになっていたのである。 その惨劇を目の当たりにしたまりさはありす=れいぱーの印象が非常に大きかった。 「まりさ?」 「ゆっ!?ゆゆゆゆっくりしていってね!」 「うふふ、ゆっくりしているわよ」 まりさにとって近年稀に見るまともなありすだ。 しかしれいぱーが発情する前は狡猾である事もまりさは知っているため、その警戒を解く事はできなかった。 「まりさはどうしてこんなところに?」 「ち、ちょっと野暮用があったのぜ!」 『何でだぜ化してんだよ…それより安心しろ、この宇宙は「れいぱーありすの存在しない宇宙」だ』 「ゆー!?」 まりさは安堵した。 と同時にれいぱー化事件のせいでしばらく会っていない(もう生きているかも怪しい)彼女だったありすを思い出した。 「ゆぅ…」 「まりさ?」 「ありす、すりすりするよ!」 「ゆゆっ!?」 賢くなったと言っても所詮は饅頭である。 久しぶりにみたありすと彼女ありすを重ね合わせ、ずっと我慢していたすりすり欲求が爆発したのだ。 すっきりではないにしろ、初対面ですりすりを要求するのもなかなか出来る事ではないのだが… 「すりすりすりすりすりー!」 「ちょ、まりさやめて、ほかのゆっくりがきたらどうするのよ…すーりすーり♪」 ありすもまんざらではないようだ。 「むきゅ!?てんかのおうらいでなにをやってるの!」 「ひるまからすりすりなんてゆっくりできてないよ!」 「すりすりだねーわかるよー」 「ちーんぽ!」 そんな破廉恥なすりすりが気になって現れたのはぱちゅりー、れいむ、ちぇん、みょんの標準四人衆。 「ゆゆっ!他のみんなもいるんだね、ゆっくりしていってね!」 そもそも実験室にお兄さんと一緒にいる事が多く、他のゆっくりと言えば実験用ゆっくりしか会う機会の少ないまりさにとって、この出会いは新鮮そのものであった。 「ゆ…ゆっくりしていってね」 それに対してありすは至極バツの悪そうな顔をしている。 「むっきゅーん、まりさ、そんないなかもののありすはほうっておいて、ぱちゅりーたちとあそぶわよ!」 「そうだよ、れいむとすりすりしようね!」 「わかるよーありすなんてほうちだよー」 「てぃんぽ!」 「ゆぅ、でも…」 「あ、ありすはべつにかまわないわ、まりさはみんなとゆっくりすればいいじゃない」 「ありす…わかったよ、他のみんなともゆっくりするね!」 「むっきゅっきゅっ…」 そうしてまりさは誘われるままホイホイと洞窟について行っちゃったのだ。 「むぎゅほぉぉぉぉぉ、まりさはさいこうねぇぇぇぇぇ!」 「ゆぎゃぁぁぁぁぁ!」 「ゆゆゆーん!れいむ、こんなまりさははじめてだよぉぉぉ!」 「やべでぇぇぇぇぇ!」 「わがるよぉぉぉ、らんしゃまきもちいいよぉぉぇぇぇぇ!」 「ばりざはらんじゃまどぢがうぉぉぉぉ!」 「ちんぽ!」 「ぞんなぶっどいべにべにはいらないぉぉぉ!」 なんとおぞましい光景だろうか。 四匹のゆっくりは一斉にまりさに襲い掛かったのだ、いわゆるれいぱーである。 「おにーざん、どういうごどなのぉぉぉぉ!」 『すまんすまん、『れいぱーありすのいない宇宙』じゃなくて『ありす以外が全員れいぱーの宇宙』だったよ、てへっ☆』 「てへっ☆じゃないでしょぉぉぉぉぉぉぉ!」 「むぎゅううううううう、さけんでいるまりさもさいこうだわぁぁぁぁ!」 「やべでぇぇぇぇ、おにいざんだずげでてててて」 『んー…転送装置の再使用は20分のインターバルがいるんだよ、あと10分弱だから頑張れ!』 「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」 20分後… 「ゆひぃ…ゆひぃ…」 「んーあれだな、妊娠体験装置で耐性を付けておいて正解だったな、茎が10本も生えた状態で生還するとは」 落書きのように緊急治療装置とかかれたボウルには並々のオレンジが注がれており、そこにまりさは頭部だけ出して沈められた。 「がぼがぼっ!ゆっぶり!がぶっ!」 「おい、叫ぶと鼻からオレンジジュースが入るぞ!鼻ないか」 そう言ってお兄さんはブチブチと茎を抜いていく。 実りかけていた子ゆっくりにも遠慮なしだ。 「げひゅー…ゆっくりさせてよ!」 「大分回復したな、科学の進歩にゆっくりしている暇はないんだ、次行くぞ」 「ゆゆーっ!?」 チーン!(転送装置の音) 「ゆぅ…あれじゃまるっきり電子レンジだよ…」 『電子レンジならお前はとっくに爆散しているじゃないか』 「ゆっ?」 まりさが辺りを見渡すと、風景こそ変わり映えしないものの、そこには大量のまりさ種が鎮座していた。 『おにいさん、ここはどんな宇宙なの?』 『ちょっと待て、今調べるから』 『どうして先に調べないのぉぉぉ!』 そこに一匹のまりさが話かけてきた。 「むきゅ、ゆっくりしていくんだぜ!」 「『むきゅ!?』」 「どうしたんだぜ?まりさはむれのゆっくりじゃないのぜ?わからないことはこのけんじゃまりさにきくといいのぜ!」 相手もまりさなのでここでは助手まりさと呼称する。 助手まりさは非常に戸惑っていた。 それもそのはず目の前のまりさは顔も髪も帽子までもがゆっくりまりさ。 しかし喋るたびに「むきゅ」と放ち、自分の事を賢者と呼ぶ。 「これは…」 『ぱちゅりーか?』 「むきゅん、どうしたんだぜ?」 助手まりさが困惑していると別のまりさも声をかけてきた。 「わかるぜー!まりさはきをうしなってたんだぜー!」 「だいじょうぶなのぜ?とかいはのまりさのうちでゆっくりやすむといいのぜ?べ、べつにまりさがタイプだからさそってるわけじゃないのぜ!」 「ゆっくりしていってね!」 「ちーんぽ!」 『まずいな』 『まずいね』 ここは外見がまりさ種のみの宇宙。 と言っても中身は~ぜが付くだけでほとんど在来種と同じ性格のようだ。 『思ったより面白くない上に、れいむまりさとみょんまりさはだぜ言葉を使わないから、SSじゃ区別できねぇ…』 『ゆー、さっきれいぱーネタがあったから大丈夫だと思うけど…あのありすまりさは明らかにまりさを凝視してるよ』 『かと言ってそんな宇宙でした。じゃ話にならんからちょっと調べて来い』 『ゆゆ!?まりさの中身が他のゆっくりでした。以外に調べる価値ないよ!むしろこんな変なまりさ見たくないよ!』 ポチッ! 「ゆべべべべべべべべ!!」 「むきゅ!?まりさどうしたんだぜ!?」 お兄さんがボタンを押すと、助手まりさに電流が走った。 『お兄さん、素直じゃない子は嫌いだぞ♪』 『ゆっ…ぢぐじょう…帰ったら覚えていてね!』 「わからないぜー!まりさ大丈夫なのぜ!?」 気を取り直してぱちゅまりさへと近づいていく。 他のゆっくりと交渉する際はれみりゃを出すのが通例、これはお兄さんの知恵であり、助手まりさも何度かこれで切り抜けてきた。 「まりさ、まりさはれみりゃに襲われて逃げてきたんだよ!」 「れみりゃ?」 「そうだよ!林の向こうにいっぱいいて危なかったんだよ!」 「むきゅう…まりさ、れみりゃってなに?」 「ゆゆっ!!」 助手まりさは凍り付いてしまった。 れみりゃの名前を出して群れの不安を煽るとともに、そのまま助けてもらうのが“襲われちゃったよ助けて作戦”なのだ。 しかしこのまりさはれみりゃの存在を知らない。 自然界のゆっくりでれみりゃに襲われないなんて事があるのだろうか!? 『まりさ!ここはまりさしかいない宇宙だ!きっとれみりゃはいないんだ!』 『ゆっがーん!』 「むっきゅん、なんかあやしいまりさだぜ!」 ぱちゅまりさが不審がると、他のまりさもこちらを睨む。 『南無阿弥陀仏』 『どぼじで念仏をどなえるのぉぉぉぉぉ!!』 「あやしいまりさはとりしらべをするぜ!」 まさに絶体絶命のその時、ちぇんまりさが絶叫しながら走ってきた。 「まりしゃがきたんだぜー!わからないぜー!!」 「まりしゃがでたのぜ!?」 「むぎゅう!まりさはゆっくりおうちににげるぜ!」 「おちびちゃんがしんぱいだよ、まりさもゆっくりもどるよ!」 「ちんぽー!」 阿鼻叫喚の中を逃げ惑うゆっくり達。 あれだけいたまりさっぽい群れは誰1匹として残ってはいなかった。 『なにがあったんだ?』 『まりしゃってのが来るらしいよ』 『まりしゃ…まりしゃ…まりしゃ?』 『きっとまりさに似た何かじゃないかな』 『まりしゃ…まりりゃ…れみりゃ…ああ、れみりゃのまりさ版か』 『あ、なーるほど、それなら辻褄が合うね!』 『ああ、と言う訳で念仏の続きと行くか』 「うっうーたべちゃうんだぜー!」 「ゆぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!」 どうしても胴付きまりさにしか見えないそれは、ゆっくりとは思えないほどの幻想郷最速の動きでまりさを捕らえた。 あとは何時も通り餡子を吸い上げるだけだ。 「ゆ、ゆぎゃぎゃぎぎぎぎぎ!…お、おにいざん…だずげでッ!!」 「このあまあま、いつもよりおいしいんだぜー」 『そりゃ良い物食わせてるから旨いわな』 「おにいざんッ!!」 2分経過、まりさは10%ほどを吸い上げられた。 「ゆっ、ゆっぐり、ゆぐっ、ゆっ…おにい…ざん…ばやぐ…てんそ…う…」 『待て、あとちょっとでエネルギーが溜まる』 5分経過、もう半分は吸われただろうか? まりさの片側は凹んでぺらぺらだ。 「あまーっくておいしんだぜー♪」 「もっど…ゆっぐり…じだがった…」 『頑張れまりさ、諦めるな!』 8分経過、もはやゆっくりのミイラだ。 これでも生きているまりさにいい加減まりしゃも不信感を覚える。 「ゆふっー…どうじですってもすってもなくならないんだぜー?」 「ゆぎぎぎぎぎ…」 『(伊達に強化してないからな)まりさ大丈夫か!エネルギーチャージが5分前にはゆっくり終わってたから転送するぞ!』 『ゆっ、ゆっぐり…ごろじで…やる…』 『まぁそう言うな、行くぞ』 チーン! 「まりさ、大丈夫か?」 「ゆ………ころ………ゆっ」 「これは緊急治療装置じゃ無理だ、移植手術だな」 明らかにぺらぺらのまりさを見てお兄さんは冷蔵庫へとゆっくり走っていく。 冷蔵庫を開けるとそこにはタッパーに詰められた餡子がずらりと並んでいた。 高級餡子を移植するのもありだが、やはり一番いいのは本人の餡子だ。 そのためお兄さんは毎日まりさから少しずつ餡子を抜き取り、輸血ならぬ輸餡を準備していたのだ。 その輸餡を乱暴に詰めていく 「ゆっ…ゆっ…ゆっ…ゆげぇ…」 「むぅ、ちょっと古めの餡子だからな…まぁゆっくりなら大丈夫だろ」 「おにっ、おにぃざん…だずげ…」 「だから助けてる最中だ」 そうしてまりさはオレンジジュースに満たされたカプセルに沈められ、口には酸素吸引用のホースが固定されている。 「ゆっくりって酸素必要なのかね?」 「すーはー、すーはー、おにーさん!ゆっくりしていってね!」 「ウザッ!」 お兄さんはホースの先端を押さえた。 するとたちまちもがき苦しむまりさ。 「ゆぼっ!ゆぶっ!ゆぼぼっ!」 「おおっ、やっぱり酸素が必要なのか」 「ゆぷはぁッ!なにするのー!」 治療終了--- 「なぁまりさ?」 「なに!」 オレンジジュースのプールに漬かりながらもまりさは威嚇のぷくーっ!を忘れない。 「今回の旅行の感想はどうよ?」 「もう二度とごめんだよ!」 「…だろうな、悪かったよ、お詫びに今日の夕食はステーキだぞ!」 「ゆゆーんっ!?松坂牛だね!?」 「もっさ普通のポークステーキだ、ちなみに俺のは神戸牛」 「ゆがぁぁぁぁぁぁぁ!」 彼は愛でお兄さん。 全ての研究と発明は、愛しのまりさのために行われる。 明日もお兄さんの歪んだ愛情はまりさの平凡な一日にスリル&サスペンスを与えてくれるだろう。 幸せまりさ、よかったね! 「ぢっどもよぐないよッ!!」 「まりさー、次は人工胴付きゆっくり化パーツのテストなー」 「ゆぎゃぁぁぁぁぁああ!!」 あとがき 他の作者さんの設定とか見てると「ああ、この設定って結構面白いな」って思うわけですよ。 自分で作ってる時も「こんな設定どうだろう、この設定ならゆっくりにこんな動きがさせれる」とか色々妄想が膨らむわけです。 それを一発で解決する夢の設定並列宇宙(平行宇宙?)でしたがいかがでしたでしょうか? あと3宇宙くらい回る構想でしたが、ボリュームが増えすぎるのもなんですので、今日はこのくらいで。 今までに書いたゆっくり ゆっくり信仰していってね! ゆっくり新技術を導入していってね! ゆっくり体調管理をしていってね! 虐待理由 協定 ゆっくりの能力を得たお兄さん
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ゆっくり種2 13KB パロディ 悲劇 自然界 現代 人間なし 創作亜種 独自設定 パロディなのにギャグを入れれない・・・・ 『ゆっくり種2』 希少種 パロディ 俺設定満載です 『ゆっくり種』の続きです。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 人の住まなくなって放棄された村、かつてはここで林業などで生活の糧を得て暮らしていた。 だが今は住む者もなくみる影もなくなっている。 『ふん・・・・』 この村でただ一つの神社の奥で胴付きのゆっくりがあぐらをかき座っている。 その雰囲気は他ゆを圧倒し恐れさせていた。 『かなこさま・・・・・・ただいまもどりました。』 奥に鎮座するゆっくりに仮面で顔を隠したまりさが帰還の報告をする。 『・・・・で首尾は?』 言語からも他のゆっくりを遥かに凌駕する胴付きのゆっくり、これが希少種を束ねる「ゆっくりかなこ」であった。 彼女は通常種を忌み嫌い憎んでいた。 通常種による希少種の迫害が続き仲間で殺されていく、現状の不遇さえも希少種のせいだと罵る無能な通常種に怒りさえ覚えていた。 しかし同じゆっくり、以前までは彼女もここまで通常種を憎んではいなかった。 だが事件は起こってしまった。それ以来彼女は通常種を憎み滅ぼす事に生きている。 『にしのもりのむれはほぼせんめついたしました・・・』 『略?逃げられたか』 『はい・・・もうしわけありません。あしつきをおさえるまえにうごかれてしまいました。』 『ふん・・・・逃げた奴に追っ手をかけよ!通常種を結束させてはならん。』 難を逃れる事ができた通常種に更なる追撃の命令を下すかなこ 『しょうちいたしました・・・・・つきましてはおねがいがあります。やつらのなかにてごわいゆっくりがいたためにさくせんはしっぱいいたしました。おってにかのじょらをおかしたただけないかと・・・・』 『・・・・さなえだけでは不足か?』 『てきにきしょうしゅがかたんしており、そいつがなかなかてごわく・・・・・』 『ふん・・・分かったさなえと後三匹連れていけ』 『ありがとうございます・・・・では。』 許可を得ると仮面まりさは社を出て行った。 『ふん・・・無能な通常種に加担するとは・・・・戯れの過ぎる希少種もいたもんだな・・・』 次の作戦に集められたメンバーはどのゆっくりも特殊な能力を与えられている者ばかりであった。 [ゆっくりさなえ] 空気を吐き出す事により風を操る能力を持つ。その威力は近距離からならばゆっくりを吹き飛ばし、石を含めば貫通する威力の礫も打てる。 [ゆっくりきめいまる] スピードに長けゆっくりからは視認しにくくなる能力も持つ。偵察や伝令に最適なゆっくりである。 [ゆっくりドスまりさ] 通常種でありながら能力の希少性でかなこの群れの一員となったゆっくり、ドススパークを連発で打つ事が出来る能力を持つ。 [ゆっくりゆうか] ドスには劣るがスパークを放つ事ができる能力を持つ。プライドが高く無能者には容赦がない。 以上の4匹が仮面まりさの指揮下に加わった。この4匹は研究所の出身でかなこによって研究所を脱出をする事が叶った為、かなこに絶大な信頼を寄せている親衛隊である。 『これよりむのうどもについげきをかける。かくじすぃーにのりわたしにつづけ』 5台のスィーが闇夜の中へと消えていった。 さなえは不安に想う、さとりと再び対峙した時に自分は戦えるかと。 なんとか説得して群れに連れてこれないかとも思う。 そんな不安を余所に追撃隊はあーくえんじぇるさんを追っていった。 『むきゅう・・・・すなさんはゆっくりできないわねぇ・・・』 追っ手が迫っている事も知らないぱちゅりー達はあーくえんぜるさんのタイヤが砂にとられて速く動けない事に悩んでいた。 これでは緊急時に対応できずやられてしまう。 『まりさみたいにいしさんをくわえてね。』 その向こうではスィまりさが生き残りのゆっくりに石礫の打ち方を教授していた。あーくえんぜるさんの上から石礫を放てば威嚇くらいになると判断された為、ぱちゅりーの命令により攻撃訓練を実施していたのだ。 『むずかしいんだぜ・・・ちいさいとごっくんしちゃうんだぜ・・・・』 『まりさはおくちのおくにいれすぎなのよ。れいむみたいにおくちいりぐちでくわえてね。』 礫を上手く打てないまりさにれいむはアドバイスをする。 れいむも辛うじて打てる程度ではあったのだが、石を咥えるとつい飲み込んでしまうまりさよりはマシと言えよう。 この様子をはるか向こうから伺っている物がいたのだがそれに気が付く者はいなかった。 『う~いたんだどぉ~やっつけるんだどぉ~』 上空からゆっくりれみりあの声がする。 事態に気が付いたぱちゅりー達は焦って迎撃体制にはいる。 『くらうんだぜぇ~ぷっ』 ポト 『どうしておそらさんいとばないんだぜぇ~』 やはり訓練時間が足らないために上手く石礫を放てないゆっくり達、上空からは3匹のれみりあが迫ってくる。 『いしさんはこうやってうつんだよ!』 バシュン! バチン 『いたいんだどぉ~おちるんだどぉ~ざぐやぁぁぁぁぁぁ!!!!』 グチャ スィまりさの石礫がれみりあを捉えて打ち落とした。れみりあは潰れ饅頭と化した。 だがいくらスィまりさでも連射はできない、残りのれみりあがあーくえんぜるさんに執りつく! 『まりさはたべてもおいしくないんだぜぇ~』 『とかいはじゃないわぁぁぁぁ!!!!』 『でいぶはじんぐるまざぁなんだよぉぉぉ!』 狂乱と化すゆっくり達 バチン 『う”ぅぅぅぅぅぅいだいんだどぉ~!!!』 グチャ 側面からの石礫によってれみりあが落ちる。後の1匹もたじろぎ動きを止めてしまった。 『こっちよ!』 砂山によって死角となった場所から5台のスィーが飛び出してきた。スィーに乗ったゆっくりは次々と石礫を放つが れみりあに上空高くへと逃げられてしまった。 敵は残り1匹となったが上空では対処のしようがなかった。 『さとりがやります。』 さとりは身体を光らすと金髪へと変化しドスまりさへと変化する。 『くらいなさい!』 ドゥゥゥ ずる ゥゥゥゥゥゥゥーーーーーーーー!!! 砂に足をとられて上手くスパークを命中させる事ができないさとり 『それならばならばこうです!』 再び身体を光らせるさとりは今度は光る羽を生やしZUN帽を被った格好へと変化する。 煌く七色の翼を羽ばたいて高く昇って行くさとり 『うぅぅぅ・・なんだんだどぉ?まるでふらんなんだどぉ・・・・』 さとりの変化に困惑し対応に遅れるれみりあ ドッカ さとりに上空から体当たりされ墜落していく 『ざぐやぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!』 グチャ こうしてぱちゅりー達は危機を回避する事ができた。 あーくえんぜるさんに先程、援護の石礫を放ってくれたスィーが近寄って来る。 乗っていたのは通常種2匹とみなれないゆっくり2匹だった。 『むきゅう!たすけてくれてありがとう。このむれのおさとしてかんしゃするわ』 『かんちがいするんじゃないんだぜ!あれはまりさたちのえものだっただけなんだぜ』 感謝を述べるぱちゅりーにリーダーと思わしきまりさが答えた。 『むきゅう?れみりあがえものなの?』 捕食種に望んで近寄るゆっくりはありえない、獲物と称して戦いを挑むゆっくりにぱちゅりーは驚いた。 まりさの言う事にはあのれみりあはこの砂浜を占拠して通常種を襲う希少種の群れのゆっくりなのだそうだ。 その希少種の群れの長は通称【砂漠(笑)のぬこたん】と呼ばれるゆっくりおりん! おりんに対抗すべくまりさ達は日々この場所で戦っている。 当然、捕食種と通常種の戦力差は大きく日々仲間を亡くしていた。 『むきゅ~それはすごいわぁ!』 『てれるんだぜ~ほめてもなにもでないんだぜ』 感嘆するぱちゅりーにまりさは照れて答える。 その日はまりさの群れに泊めてもらう事となった。 まりさの群れは海岸沿いを進んだ先の浜辺にあった。古く廃棄された釣り船を住処としていて船底に開いた穴を入り口にしている。 『・・・・・・というわけでぱちゅはどすにあいにいかないといけないのよ・・・』 釣り船の群れの長に事情を説明するぱちゅりー この群れのおさはゆっくりみょんである。 先代の長がおりんにやられてしまったので戦闘力の高さから選ばれたらしい。 『それはたいへんなんだみょん!それにしてもさいきんのきしょうしゅはひどいみょん!』 希少種の蛮行に怒りを覚えるみょん。 『むきゅう・・・・みょんもたいへんなようね・・・』 ぱちゅりーはここの希少種も自分等を襲った希少種と関係あるような気がしていた。 この時さとりはこの群れにいた希少種のゆっくりと話をしていた。 『たすけてくれてありがとう。さとりはさとりよ』 『ゆっくりしていってね。こいしはこいしよ』 『こいしはどうしてこのむれに?』 通常種の群れであるはずの場所の希少種2匹が加担しているのを疑問に思い問う。 しかし何やら話せない事情があるらしく同行しているゆっくりやまめに誤魔化されて理由は聞けなかった。 翌朝、希少種同士で食料の調達にでる2匹、通常種の群れに混ざる希少種という環境が2匹に親近感を感じさせていたのでる。 『むこうのはやしにのいちごさんがはえているばしょがあるわ』 『のいちごさんはみながゆっくりできそうね』 『たくさんもちかえりましょう』 2匹短時間で昔ながらの仲間のように仲良くなった。 『あんたたちはどうしてたたかっているのかい?』 林の影から急に声をかけられ2匹は驚き戦闘体制をとる。 『そんなにけいかいしてくていいよ。おりんはきょうのところはあらそうきはないよ』 林の奥からは猫を思わす姿のゆっくり、ゆっくりおりんが出てきた。 おりんは2匹に距離を取った場所から質問する。 『1ひきはしんがおさんだね?もぅ1ひきははじめまして、おりんはおりんだよ。』 新顔?さとりはこいしが群れに最近入ったのだとこの時悟った。 争う気はないと言っていても油断出来ない、2匹はいつでも動けるように攻撃態勢は崩さなかった。 『どうしてたたかうのかとは!それはあなたたちがおそってくるからではないですか!』 『そうよ!あなたたちなんかゆるさないんだから!』 2匹はおりんの問いにそう答える。 だがおりんは溜息を1つつき再び問う。 『おりんがつうじょうしゅをおそうのはなかまのかたきだからだよ。』 おりんは話す。 かつて通常種と希少種は共に暮らしはしないが戦争に至るほど険悪では無かった。 だがその関係を通常種の方から裏切ってきた。 希少種の群れを人間に売り飛ばして駆除されそうになった自分らの安全を買う事件が起こった。 畑を襲った罪を希少種の住処を人間に教える事で免除してもらったのだ。 全てではないが沢山の仲間が研究所に捕獲されてしまった。 長であるかなこは怒り悲しみ、そして通常種を憎むようになったのだと言う。 『・・・でもさとりはみなをまもるためにたたかいます。』 『それはいつまでかな?』 『おそうのをやめてくれるまでです!』 『それはどちらかがぜんめつするまでだめだよ。』 『そんな・・・』 どちらかが滅亡するまでこの戦いは続くのだと言う。 『うったからうたれて、うたれたからうって・・・それでたたかいはおわるのかな?』 おりんは嘆き気味にさとりに問う。 『・・・・それはさとりにはわかりません。』 『おりんにもわからないよ。きょうはごめんねつぎにあうときはてきとしてたたかうことになるね。じゃあね~』 おりんはその様に言い残すと林の奥へと姿を消していった。 のこされた2匹はおりんの問いに答えを見つけ出せずにいるのであった。 群れに戻ると長であるみょんやぱちゅりーが慌しくしていた。 偵察に出していたまりさが沢山の希少種がこちらに攻めてきているのを目撃したのだと言う。 迎撃体制に全戦力を投入する長2匹 『これよりあーくえんぜるさんもみょんにかせいすることになったわ!みんなきをひきしめてね』 『『『『ゆっくりりかいしたよ!』』』』 士気が上がって行く通常種のゆっくり達 そこに見張りのありすが声を上げる。 『いなかものどもがあらわれたわ!みんなきをつけて~』 群れに緊迫感が走る。 まず住処の釣り船前にあーくえんぜるさんを配置して中へは簡単には入れないように構えた。 その上では石礫に長ける者達が待機し上空からの攻撃に備える。 後の者は周辺の守りを固めながら戦う事になる。 『うぅ~れみりあのかたきなんだどぉ~』 『でいぶぅはまだじにだくないよぉ・・・おそらをとんでるみた・・』 グチャ 空中に浚われ放り出されたれいむは落下して潰れてしまった。 やはり戦力差は大きい 『いしさんをうてー』 『『『『ゆっくりりかいしたよ!』』』』 バシュン 『『『『ざぐやぁぁぁぁぁぁぁ』』』』 グチャ 通常種の石礫部隊も敵の数を確実に減らしはいたが戦渦は一向に好転しない 一方さとりも苦戦していた。 昨日は1対1だったので勝つ事はできたのだったが、流石に複数のれみりあ相手だと分が悪い。 だが能力では負けてはいない。 4匹のれみりあを撃墜し3匹の羽を傷つけ地上戦に持ち込む。 『いきます!』 光に包まれると今度は白髪へと変化するさとり、口には光る刃が現れる。 『かくごしてください!』 ザシュ 『いだいんだどぉ・・・ざ・・・ぐ・・・や・・・』 れみりあを光の刃で切り裂いていくさとり、残った2匹のれみりあ達は恐怖して後ずさりしていく。 だが逃す訳にはいかない!一気に追い詰めていく ザシュ 『う”・・・・・う”・・・・う”・・・』 口元から切られ声も出せずに事切れる。 『う・・・うぅ・・・れみりあはこうまかんにかえるんだどぉ~』 背中を見せ逃げようとする最後のれみりあ、だがその逃亡は味方によって出来なくされてしまう。 ブス 『う?・・・なんでだどぉ?れみりあはこ・・こうまかんへ・・・・』 振り向いた瞬間におりんによって串刺しにされてしまったのだ。 『とうぼうへいはしけいなんだよ。』 部下に対して慈悲も何も無い言葉をかけるおりん。 流石にさとりもれみりあを7匹も相手にした後なので疲労困憊だったが、負ける訳にはいかないと気を引き締める。 『やはりたたかわなければなりませんか?』 『これがおりんとさとりのしゅくめいさんってやつなんだよ』 緊迫して向き合う2匹 先制しておりんが飛び掛る。 『むれをまもりたかったらかつしかないんだよ』 『さとりはおりんとたたかいたくありません!』 寸でで攻撃を避けながらさとりは言う。 『さとりはなかまをまもれないゆっくりなのかな?』 『さとりは・・・さとりは・・・・みんなを守るんだぁ!!!』 ピキーン 何かがさとりの中で弾けた。 身体を光が包むとふらんへと変化した。 上空を高く昇ると旋回して勢いをつけて地面スレスレで飛ぶ、勢いを維持したままで今度はみょんへと変化する。 ザシュ 弾丸のように飛んでくる刃をおりんは避ける事ができなかった。 自分の致命傷でる切り傷を見てさとりを向きおりんは言う 『さとり・・・ゆっくりしていてね』 ドサ おりんはこの言葉を最後に事切れて倒れた。 『おりん・・・どうしてさとりはたたかわなくてはいけなかったのですか・・・・・?』 もぅ答えとはもらえぬと知りつつもさとりは涙を流しながらおりんに聞いた。 おりんの敗北によって希少種群は一気に劣勢となった。 やがて次々と逃亡を始めこの戦いは通常種群の勝利する事ができた。 だがこの戦いはさとりの心に大きな疑問を残す。 どうして自分は戦わなければならないのか?どうやったら戦いは終わるのか? 砂浜の向こうに海を眺めながらさとりは答えを求めるのであった。 つづく 無理にキャラを増やすと動かしにくくてしょうがない・・・・・ しかし書き始めてしまったのだからなんとか頑張ります。 誤字等あれば勘弁して下さい これまで書いた物 ふたば系ゆっくりいじめ 1097 ゆ虐ツアー ふたば系ゆっくりいじめ 1111 ゆ虐ツアー お宅訪問編 ふたば系ゆっくりいじめ 1116 雪原のまりさ ふたば系ゆっくりいじめ 1122 ゆヤンワーク ふたば系ゆっくりいじめ 1129 まりさの思い出 ふたば系ゆっくりいじめ 1152 まりさとつむり ふたば系ゆっくりいじめ 1154 ゆっくり種 トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る SEED・・・ -- 2013-09-04 20 38 45 ようやくわかった。タイトルの"種"ってそういうことなんだね。 -- 2010-12-23 18 20 40
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今まで書いたやつの中に投下忘れがあったので投下 気づいたら死にましたネタ 「ゆっくりー」 「ゆっくりー」 冬のとあるゆっくりの巣 ここでは二匹のゆっくりが冬ごもりをしていた ゆっくりまりさとゆっくりれいむ。ありがちなペアである。 「おなかすいたよ!!そろそろごはんにしようね!!」 「ごはんたべてゆっくりしようね!!」 この二匹のゆっくりは幸せだった。秋に一人立ちしてから出会い、そのまま仲良くなった。 そしてはじめての冬篭りに不安だった二匹は協力して巣を堀り、餌を集めた。 その間いろいろなことが起きた。 あるときはれみりゃに襲われた。その時はれいむがとっさにぶつけた石にひるんだ隙に逃げ出した あるときは人間のゆっくり狩りに襲われた。その時は別のゆっくりの悲鳴を聞いたときに素早く隠れた。 あるときは狐に襲われた。その時は二匹で協力して棒を使って追い返した。 「むーしゃ、むーしゃ、しあわせー」 「ゆゆぅ、これだけじゃおなかいっぱいにはならないね」 「でもあんまりたべすぎるとゆっくりできないよ!!」 「ゆっくりできないのはいやだよ。ゆっくりがまんするよ!!」 いろいろな苦労を乗り越えて二匹はようやく冬篭りの準備を整えた その苦労を協力して乗り越えた二匹の信頼はその辺のゆっくりの家族よりよっぽど強いものだった。 「ゆっくりねむくなってきたよ!!いっしょにゆっくりねようね!!」 「ゆっくりおやすみ!!」 おそらく春になればこの二匹は番になるのは間違いなかった。 きっと子供もできて家族愛あふれるゆっくり家族になるだろう。 『ぶぎゅ!!』 しかしそれは次の瞬間仮定の話にすぎない物となった。 「あたたたた……おーい、助けてくれー」 「おいおい大丈夫か、酒の飲みすぎで太ったんじゃねえか?」 冬の山、雪に埋もれた森で一人の男が急に沈み込んだ雪に足を取られていた。 そしてそれを見たとなりの男が引き上げる 「かもしれんなぁ、最近冷えるからここんとこ酒がぶ飲みしちまっててな。ふ〜」 「酒くさっ!てめぇ今も酔っ払ってやがるな!!」 「うっひゃっひゃっひゃ、狩りなんざ寒いからな。酒でも飲まなきゃたえれねぇよ」 「そんなんじゃ銃の照準あわねぇだろうが…ったく」 口論しながら去っていく男達。 その後ろには大きくへこんだ穴があった。 ゆっくりの能力からすると巣はそんな深くないに違いない 適当に掘った穴だろうしきっとこんなことしょっちゅうだろうな 過去作品 巨大(ry 餌やり ゆっくり対策 巨大まりさ襲来 ゆっくり埋め どすまりさの失敗 原点 ゆっくり駆除ありす まきぞえ なぐる ゆっくりのある田舎 現実的なドスまりさ ゆっくりゃの飼育
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ゆっくりの中でも俺が最高にムカつくゆっくり。 それは自分から人に迷惑をかけておきながらその自覚を持たず 正義面こいて歯向かってくるゆっくりだ。 そして俺のように畑を耕す人間はその手合いに出会う事が稀にある。 『ゆっくりに悪気は無い』俺の中にはそんな考えも無い事は無い。 自然の中で暮らすゆっくり達は人間の持つルールなんて知った事では無いのだ。 ルールを知らない、それ故にルールを破った事にも気がつかない。 結果的に俺に迷惑をかける事になったとは言え コイツ等のした事は自分達がゆっくりする為に何も知らずにした事だ。 だが、許す許さないという話になれば 断固、許さない。 ゆっくりれいむを発狂させよう! 古緑? 「おちびちゃんたちはれいむがまもるよ!! みんな!いまのうちににげて!!」 目の前には親れいむと思わしき大きさのゆっくりが 後ろにいる小さなゆっくり達を隠す様に俺の前に立ちはばかっている。 ゆっくりにしてはそこそこ賢いようで 自分と人間のサイズの差から決して敵わないとは分かっているのだろう。 その両の眼には堪えているのだろうが涙が滲んでいる。 「ゆええぇぇん!!」 「みゃみゃ!みゃみゃ!!」 親れいむの後ろでその子ゆっくり達4匹が泣きながら震えている。 親ゆっくりを含めて5匹とも全てれいむ種だ(元々は6匹だったがさっき一匹踏みつぶした) 恐らく長女であろう一番大きな子れいむが母の死の覚悟を感じ取ったのだろうか 早く逃げるように他の姉妹に呼びかけている。 俺はというとあまりの怒りで頬がピクピクと引きつり、 フヘへと笑ってるのかどうかも分からない様な声が唇から出て行く。 おちびちゃん達を守るだと?お前が俺からか?フザケやがって これから『とんでもない目』に遭わせてやるから 今からでもゆっくりの神様に奇跡が起こりますようにとお祈りしておけ。 もっとも、そんなのがいればの話だがな。 ゆっくりれいむは目の前に立つ山の様に大きな男を見て震えていた。 人間の事は群れのありすから聞いている。 そのありすの片目は人間の子供に戯れに奪われて食われた事で失ったと言っていた。 自分よりも大きく強く、狩りの上手いあのありすが 何の抵抗も出来ずに負けたと聞いたれいむは最初から人間に勝てるとは思ってもいなかった。 ただ子供達を助ける為に、 ただ子供達を逃がす為に目の前の人間を威嚇するのだ。 「(ぜったいに…ぜったいにおちびちゃんたちだけはまもるよ!! れいむのこのいのちにかえても…ぜったいにまもるよ!!)」 しかし、この『人間には決して勝てない』という考えは 後にひっくり返る事になる。 数週間前。 ゆっくりれいむの巣の中で子れいむと親れいむがその頬をすり付け合っていた。 「わかってくれてれいむはうれしいよ、おちびちゃん、 ともだちにいたいことしちゃったらあやまらなきゃいけないよ そのときだけは…ゆっくりしてちゃいけないんだよ…」 「ゆん…ゆっくちりきゃいしちゃよ…」 ゆっくりれいむは群れではその面倒見の良さと 子育ての上手さで一目置かれる存在であり、 群れの皆はれいむの事を『ゆっくりの母』と心の中で尊敬していた。 普段の生活の中ではいつもニコニコと子供達に歌を教えたり、 子供達がせがむ時は群れの親ゆっくり達の昔話を話してあげる事もあった。 「やっぱりおちびちゃんはれいむのじまんのこどもだよ! さぁ、みんなとゆっくりあそんでおいでね!」 「みゃみゃ!ありがとう!ゆっくちあしょんでくるにぇ!」 その優しさの一方で子供達が悪い事をしたらキチンと反省する様に厳しく叱りつけ、 その子が分かってくれた時は溢れんばかりの愛情で包んで上げる事の出来る 群れのゆっくり達の評価に違わぬ『ゆっくりの母』であった。 「それじゃあれいむ、ゆっくりおねがいするんだぜ!」 「ゆっくりしていってね! おちびちゃんたちもあかあさんに 『おいのり』をしてあげようね?」 「たくしゃんごはんがゆっくちとれましゅよーに! おかあしゃんがきょうもゆっくちかえってこれましゅよーに!」 「いつもすまないんだぜ、れいむ おれいにたくさんごはんをとってくるんだぜ!!」 「こまったときはおたがいさまだよ! まりさ!ゆっくりがんばってね!」 「「「がんばっちぇにぇ!!」」」 ゆっくりれいむは群れの中で片親の、 狩りに行く時にはいつも巣を空けなくてはならない親ゆっくりの代わりに 子供達を預かり、教育を授ける役割を任されていた。 その報酬として子供達を預ける親ゆっくりから食料を分けて貰う事で生活していたのだ。 これはゆっくりれいむが言いだした事では無く、 ゆっくりれいむの愛情を信じるゆっくり達によって持ちかけられた仕事である。 それ程ゆっくりれいむは皆に信頼され、そして子供達の事を愛していた。 だがそんな愛に満ちあふれた、 順風満帆だった生活は段々と失われていった。 「ゆぅ…これっぽっちじゃ おちびちゃんたちがゆっくりできないよ…」 「ごめんなさいれいむ… なんだかごはんがあまりとれないの…」 「ゆ…!ゆっくりきにしないでねありす! みんなつらいんだからしかたないよ!」 何故だかは分からないが 皆の昼間の狩りで採ってくる食べ物が少なくなってきている。 その量はどんどんと減り続け、 今では子供達が満足出来ないくらいの量になってしまっていた。 原因は群れの狩猟範囲内に存在する 食べられる草や虫を食い尽くした事によるモノなのだが、 群れのゆっくり達はそんな事は知る由もない。 やがて食料をれいむに分け与える事も出来なくなる程 余裕の無くなった群れのゆっくり達は 昼間の狩りの間に子供達をれいむに預ける事が出来なくなっていた。 れいむ一家に食料を分けていたら自分達がゆっくり出来なくなるからだ。 「おかあしゃん、おなかしゅいたよ…」 「もっとゆっくちしたいよぉ!」 「ゆぅ…ごめんねおちびちゃんたち おうたをうたってゆっくりしようね?」 困ったのはこのゆっくりれいむだ。 子のお守りをする事で食料を分けてもらっていたのに それが無くなっては生活が出来ない。 いつまでも貯めておいた食料だけで何とかなる筈も無く、 ゆっくりれいむは久しぶりに自分で狩りをする事に決めた。 「ゆ?おかあしゃん、これなぁに?」 「おいちくないよ…ゆっくちできにゃいよ」 「ゆ…これはたべものじゃないよ ゆっくりたべないでね…」 「おなきゃしゅいたよぉ…」 しかし狩りに慣れている他のゆっくりですら 今は満足に食料を採ってくる事は難しいのに 久しく狩りをしていなかったれいむに上手くやれる筈も無い。 (元々あまりれいむは狩りが得意ではなかった) 「ゆー!そういうことなら このまりさがゆっくりひとはだぬいでやるんだぜ!!」 困り果てたれいむは友達のゆっくりまりさに相談してとっておきの狩り場を教えてもらった。 まりさがまだ他の誰にも教えて無い、最近見つけたばかりの秘密のゆっくりプレイスだそうで 少し遠い事だし危険かもしれないという考えもあり、 独り身のゆっくりはともかく家族を持つゆっくりには迂闊には教えられないが そういう事情があるのなら仕方が無いとまりさは教えてくれた。 そのゆっくりプレイスにはご飯が沢山あり、 そのご飯の味はどの虫さんや草さんよりも甘いらしい。 ゆっくりれいむも一度だけまりさがそこから持ってきたご飯を分けて貰ったが 本当に頬が落ちる様な美味しさであり、病み付きになりそうな味だった。 ゆっくりれいむはこの美味しいご飯を子供達にも 味わって欲しくなり、この晴れた日の真っ昼間に子供達を連れて まりさが教えてくれたゆっくりプレイスに久しぶりのピクニックを兼ねて行く事にした。 「「「む~ちゃ!む~ちゃ!ちあわちぇ~!!」」」 「おいちいね!おかあしゃん!」 「よかったね!おかあさんもうれしいよ!」 「ゆっくちー!!」 暫くの間満腹の感覚を忘れていた子供達。 その子供達のお腹が膨れていくのを見てゆっくりれいむは幸せだった。 このゆっくりプレイスがあれば群れの皆もゆっくり出来る。 皆でこのゆっくりプレイスの近くに引っ越す様にまりさと一緒に皆と相談しよう。 ゆっくりれいむは太陽の眩しさに目を細めながらそう決心した。 「テメェら…!!何やってやがるんだ!!」 ゆっくりれいむは底なしに不運だった。 第一にこの人間の目に見つかってしまった事。 まりさに教わったゆっくりプレイスは村の一員であるこの男の畑だった。 その上、それを知らないまりさが4回程も畑を荒らした為に この日畑の主である男はずっと神経を尖らせて畑荒らしを警戒していたのだ。 そして男は初犯のれいむを畑荒らしの常習犯として認識した。 「…ゆ?ここはれいむたちのみつけたゆっくりぷれいすだよ! おじさんもゆっくりしていってね!」 「「「ゆっくちちていっちぇにぇ!!」」」 「………………」 第二にその男はゆっくりの事が大嫌いだった事。 この村では今までゆっくりに畑を荒らされる事は他の害獣に比べてずっと少なかったし 山の入り口付近ではゆっくりが子供の遊び相手になってくれる事も稀にあり、 大旨村の人間はゆっくりに対して好意的だった。 しかしこの男は昔からゆっくりの姿や仕草、喋り方が嫌いであり 更に最近になって自分の畑ばかりが何度も荒らされる事から ゆっくりに対する意識は最悪と言えるモノに変わっていった。 「ここは俺の畑なんだよ…!! いや…やめだ、話すだけ無駄だ… ぶっ殺してやる!!」 「ゆゆー!!?」 第三にこの男は非情に残忍な男であり、 村の人間からも少しばかり距離を置かれていた存在だった事。 この性格から妻は愚か友人も僅か数人しかいない。 また、その友人達が少し村はずれにある男の家を訪ねてくる事も滅多に無かった。 「ゆゆ~?にんげんしゃん! ゆっくちちようよ!」 「死ね」 「ゆぴ!」 「………………ゆ……? ゆうぅぅぅうぅぅうっぅううううう!!?」 第四に子供達を連れて来てしまった事。 これがゆっくりれいむにとって最悪の事態を招く事になった。 そして話は冒頭に戻る。 「おちびちゃんたちはれいむがまもるよ!! みんな!いまのうちににげて!!」 「フ…フヘへ…何だと…?」 「ゆっくりたたかうよ! もうおちびちゃんたちにはゆびいっぽんふれさせないよ!! ゆっくりかかってきてね!!ばかにんげん!!」 「…………………」 舐めた口訊きやがって。 『お母さんは悪い人間から子供達を守るよ!』 そんな雰囲気をプンプンさせてやがる。 実際そんなつもりでいるんだろうがな…! 怒りで眼球付近の筋肉をピクピクと痙攣させる男は 道具なんかを使って楽に殺す事はしないと心に誓い、 持っていた鍬を地面に下ろそうとした。 そしてその瞬間、男に生まれた隙をゆっくりれいむは見逃さなかった。 「ゆっくりしんでね!!」 ゆっくりれいむは鍬を下ろす際に 男の膝が沈んだのを見て猛然と向かって行った。 まさかあのゆっくりがここまで俊敏に攻撃に移れるとは思いもせず、 油断していた男は胸のど真ん中にゆっくりれいむの体当たりをもろに受け、 元々バランスを取りづらい体勢であった事と 農作物に足を取られた事もあり、べたりと畑に尻餅をついた。 (この時男が尻餅をついた事で農作物が潰れ、更に余計な被害が生まれた) 「やっちゃ~!!みゃみゃちゅよーい!!」 「…ゆ、ゆっくりはんせいしてね! おちびちゃんたち!ゆっくりしないでにげるよ!」 時間稼ぎの為であり、子供を逃がす為、 そして男の注意を自分に向かせる為の攻撃だったが 殊の外尻餅までつかせる事が出来たゆっくりれいむは驚き、 あわよくば自分も助かるかもしれないと思ってしまったが この事態は『決して』招いてはならない事だった。 「ゆ?どうちちぇ? みゃみゃ!ちゃんしゅだよ! ゆっくちできにゃいにんげんをゆっくちやっちゅけちぇにぇ!」 「「やっちゅけちぇにぇ!」」 「みゃみゃ!かんばっちぇにぇ!」 何故ならゆっくりれいむの子供達は母が人間に尻餅をつかせた事によって 『母は人間に勝って自分達の見つけたゆっくりプレイスを守ってくれる』 そんな意識を子ゆっくり達に植え付けてしまい、 その結果、母の逃げるという言葉の意味を理解出来なくなってしまったからだ。 「………てめぇ…!! 楽に死ねると思うなよ…!!」 そして何よりも最悪な事に 軽視していたゆっくりに尻餅をつかされたという屈辱的な事実は男の怒りを狂う程に高め、 この五匹のゆっくりを『この場で』皆殺しにしようと思っていた 男の予定を変えてしまう結果になった。 「みゃみゃいけー!!」 「ゆっくちできにゃいにんげんをゆっくちたおちぇー!」 「「「ゆーゆ!ゆーゆ!ゆーゆ!ゆーゆ!」」」 一転、期待の高まった小ゆっくり達に応援されるゆっくりれいむは 今度は勝利という未来を明確に想像し始めた。 人間は聞いていたよりも強くない? その証拠に自分の体当たりで倒れたではないか 勝てるかもしれない! 勝ったらこのゆっくりプレイスは守られて もう自分で狩りにいく必要は一生無いし ずっとおちびちゃん達とゆっくり出来る。 「…ゆっくりくらってね!!」 ゆっくりれいむは今度は二の足をしっかりと地面につけて立つ男に 先程よりも更に勢いよく跳ねて向かっていった。 ゆっくりれいむはこの攻撃で決着を付けるつもりだった。 跳ねる時の角度も最高、今度は男の腹目掛けて体当たりをぶちかました。 7秒後、ゆっくりれいむは畑の外で意識を失っていた。 男の腹に向かって行くれいむの体当たりのエネルギーは れいむに突き刺さる男の膝に乗せられて跳ね返り、 その結果れいむは男の膝一撃の下に気絶した。 その前歯は全てへし折れ、口の上は窪んで黒い餡子が透けて見えている。 男はこれ以上農作物に被害を出さぬ為に 倒れたれいむの髪の毛を掴み上げ、畑の外に投げ捨てたのだ。 「「みゃみゃあぁあぁ!!ゆっくちちちぇいっちぇにぇ!!」」 「おきちぇみゃみゃあぁあぁ!! ゆっくちできにゃいにんげんがきゅるよぉぉ!!」 「「「ゆっくちおきあがっちぇにぇ!!」」」 その声で目を覚ましたれいむはその体をピクピクと痙攣させながら体を起こすと 畑の中央に目を向けた。 尻餅をついた為、土の付いてしまったズボンの尻部分を手で払って土を落とし、 周囲の被害を確認した男はこちらまでゆっくりと向かってくる。 分かっているのだ。ゆっくりれいむがもう碌に動けない事を。 そして男のその顔はこれでもまだ怒りが収まらんと言わんばかりに紅潮している。 ゆっくりれいむは心底恐怖に震えた。 もう既に男との距離は4m弱、人間なら一瞬で詰められる間合いだ。 子供達はゆっくりれいむの側で震えて母から離れようとしない。 ゆっくりれいむは決意した。 どうせもう逃げられないのならー 「おぢ…おぢびちゃんだぢ!! おかあさんのくぢのながにゆっくりはいってぎてね!! ここならあんぜんだよ!!」 「ゆ!?みゃみゃ!?」 「ゆっくちりきゃいしちゃよ! ゆっくち!ゆっくち!」 「…ゆ”!!ぜっだいにでできぢゃだめだよ!! ゆっぐりまもっであげるがらね!!」 ゆっくりれいむは4匹の子供達を全て口の中にしまい込むと口をしっかりと結び、 男に背を向け、そして顔を地面につける守りの体勢に入った。 この子を守る為のゆっくりの行動は頭隠して尻隠さず、一見間抜けにも見えるが 決して無駄なものでは無く、たとえば同じぐらいの大きさの動物に襲われても 親はやはり食い殺されてしまうものの 成体ゆっくりの分厚い背中に守られた子ゆっくり達は 親の背中を食って満腹になった動物が去った後に口から生きて這い出る事が出来る。 つまり完全に子を生かす為の行動。 ゆっくりれいむは自分の命と引き換えに子を生かす事を再度決心したのだ。 「…………なんだそりゃ?」 こめかみに青筋を浮かべた男は冷たくそう言い放つと 右脚を振りかぶり、ゆっくりれいむの右頬に尖った靴の先を蹴り入れた。 「ゆぶうぅ!!? ゆ”べぇッ……!!ゆ”ぅ”…!ゆ”ぐ”う”ぅ”うぅ~~~!!」 ゆっくりれいむの頬に食い込む男の足先。 少し手加減して蹴った為にくるぶしの辺りまで食い込んだものの ゆっくりれいむは蹴り飛ばされる事無く蹴られる前と同じ位置で悶絶した。 「おがあじゃん!!おねえ”じゃんが!!おねえじゃんがあぁあぁ!!!」 「ゆびぁああぁああ!!ごわいよぉおぉぉぉ!!」 口から2匹の子ゆっくりが慌てて出てきたが残りの2体は出て来ず、 ゆっくりれいむが余りの痛みから嘔吐くと『子ゆっくりだったモノ』が吐き出された。 「……………?」 「ゆ”…ゆ”……? ……お…おぢびぢゃん…おじび……」 余りにも凄惨なその様を見てもこの残忍な男はぴくりとも表情を変えずに ゆっくりれいむに向かって今度は平坦な口調で次の様に話しかけた。 「お前、ガキの事が随分大切みてーじゃねぇか? 俺の家に遊びにこいよ 今までのツケもついでに払わせてやるからよ」 「おぢびぢゃん…にげで………にげで」 男はその言葉を聞いてニコリと微笑むとゆっくりれいむの髪を掴んで持ち上げた。 その視線の先には涙目で逃げようか、母を助けようか迷っている様子の子れいむが二匹。 「おっと!お前等にも付き合って貰おうか ホレ逃げんな逃げんな」 「ゆ”んや”あ”ぁ”あ”あぁああ!!」 「おがぁざん!おがぁざんだずげてぇえぇ!!」 ゆっくりれいむはその悲鳴をまるで遠くに聞きながら 朦朧とした意識の中、群れでの幸せだった頃の生活を思い出していた。 いつか狩りに行ったきり戻って来なかったまりさがお家の中で微笑んでいて 子供達もまりさの帽子の間から悪戯な微笑みをこちらに見せている。 ご飯も沢山あって 夕方までありすの家族と一緒にお喋りして… ありすの子供の頃のお話をしてあげて… 子供達にお布団を用意してあげて… 意識を失ったゆっくりれいむとその二匹の子を乱暴に部屋の中に投げ込んだ男は また畑に出て鍬を拾うと夕方まで農作業を続け、再度家に入り込んだ、 そして雨戸をしっかりと閉めて、その日はもう外に出る事は無かった。 夜はこれから ゆっくりれいむの悪夢はこれから 幸せな夢の中でゆっくりれいむは群れの子供達に囲まれて どこまでも幸せそうに微笑んでいた。 (続く) このSSに感想をつける
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※注 意※ 設定的には3430と同じです。 飼いゆっくり 無事なゆっくり ハートマン軍曹に負けず劣らずな量の暴言 原作キャラと交流のある鬼井山 ほかの漫画や小説のパロネタ 軍人鬼井山 虐待というより虐殺 があります それが許せるならどうぞ。ごゆっくりと・・・・ あ、いや間違えたごゆっくりせず。 実験 朝~ ガバッ! 「「「おにいさん!ゆkk・・・」」」 「ヒャッハー!台詞キャンセルだー!!!」 この前みたいに騒音で起こされてたまるか。 「・・・・びっくりした。 うつだ。しのう・・・」 「ちょ、おまっ はやまるなぁーーー!!」 やんやもんや 「・・・・まぁ、NiceDay饅頭・・・」 「「「「「おはよう・・・・・」」」」」 あさからなんだよ・・・もう・・・・ 「・・んで、朝飯はどうする?あと寝てる間になんかあったりしたか?」 起こせとはいったが、急げとはいってないからな。 俺の飼い饅頭が焦るなんてなんかあったんだろう。 「むきゅん。おにいさん。今日の朝ごはんは出来合いのものでいいわ。大問題があったのよ。むっきゅ。」 ゆっちゅりーがいつの間にか漢字を使い始めた。今日この頃。 「・・・けーねさんと、さとおささんがよんでる・・・」 「ついでに野良ゆっくりがここまできたから今箱に入れて閉じ込めてるわ。 ・・・まったく、農作業の途中だったのに」 「さくもつはぶじみょん、だけどさくがこわれぎみみょん」 ふむ。 頭がちっとばかし回る饅頭が俺様の庭と人里を荒らしたと。 「・・・・・・おい俺に付き従う中隊饅頭諸君・・・ 気力は十分か?エモノは?愚かな饅頭共を食料から土に返す準備はOK?」 「お、おにーさんがきれたー!」 「みょ、みょーん!」 「わからないよー!!」 「・・・うつだ」 「かっぱっぱー!」 「うぅうー!うーうー!!」 「・・まったく、都会派じゃないわね。少し落ち着きなさい。」 「じゃぉおおおおん!」 「・・・・むきゅぅ。もう止められないわね。」 「狩りの予感がするわ。あぁ、私はただ農作業がしたいだけなのに・・・」 「あまあまたべられる・・?」 「たぶんそうだぜ!くそまんじゅうどもをけちらすんだとおもうぜ!」 数匹頭のいい饅頭がいるな。 こいつらはもう人間レベルじゃねーのか? 「ま、いっか よーし・・・ れみりゃとめーりんは倉庫からパン、牛乳、食用饅頭をもってこい さっさとだ、ハリー! ゆうか、ふらんは武器庫からエモノもってこい 俺のは革のグローブな。たるんでる暇があるなら足動かせ! 手の空いてるやつは食卓を準備しろ!異論は認めない! ちなみに俺は身だしなみを整えてくる!」 寝巻きで人里まで行くわけにもいかないしね!!! 「うー!」 「じゃおん!」 「あぁ、今日は忙しそうな日ね・・・」 「・・・そうね。」 「「「「ゆっくりわかったよ!」」ぜ!」・・うつだ」 朝~ 朝食後 鬼井山の家 「ごちそうさんっ!おら!今日の役割分担言うぞ! ねぇ耳かっぽじってよーくききやがれ饅頭!」 「・・・日に日に口が悪くなってるわね、むきゅん・・」 きこえないきこえない。 「ぱちぇ、ありす、ふらん、れいむ、ちぇんは俺について来い 人里でゆっくり対策をする。 残りはここで防衛だ。俺の指揮下で死ぬことは許されん。 俺のチームの方は俺がリーダーを勤める。 家のチームでは・・そうだな。ゆうかとまりさでやれ。 サボったら夕食だからな」 まぁ、流石に夕食には出さないがな。 「むきゅん。移動ね・・・」 「はぁ、なにするのやら、面倒くさいわ」 「・・うー」 「わかったよ」 「わかるよー」 「ふぅ、サボるわけないじゃない」 「わかったんだぜ、せきにんじゅうだいなんだぜ・・」 「「「わかったよ!」」」 んじゃぁ移動か。 移動中の描写を省いて代わりに説明 鬼井山の飼いゆっくり(頭のいい順、うー!やじゃおんでも意思疎通はできてます) ゆっくりぱちゅりー ゆっくりゆうか ゆっくりありす ゆっくりれみりゃ ゆっくりるなさ ゆっくりめーりん ゆっくりまりさ ゆっくりちぇん ゆっくりみょん ゆっくりれいむ 各武装 鬼井山 革のグローブ、軍用ナイフ、各種唐辛子、各種トラップツール 厚手の布の上着 煙草、ライター ゆっくりぱちゅりー 本、各種トラップツール 喘息の薬、鬼井山特性ゆっくり治療薬 ゆっくりゆうか 猟銃、鍬、トラップツール その他ゆっくり 軍用ナイフ 農具 トラップツール 鬼井山特性ゆっくりに利く薬各種 朝~ 人里 「先生!里長!お元気ですか!?」 いきなしけーねせんせいと里長のお出迎え 相変わらずえぇスタイルやぁー・・げふんげふん。 「あぁ、おまえこそどうだ?また菓子作りの腕を上げたんじゃないか?」 「おぉ、よくきたねぇ、のんびりしていってほしいけれども事情があるんだよ・・・」 あのファッキン・ビッチな饅頭共か・・・ 「・・・お前、もうすこし怒の感情を抑えることをしたらどうだ? すごい勢いで伝わってくるぞ?」 ハッ! 「す、すみません。どうも、開放的な生活のせいで感情を抑える必要がなくなってですね・・ まぁ、これはおいておいて。飼いゆっくりから事情は聞きました。野良対策ですね?」 「うむ、そうだよ、夜遅くに集団でこられてね。すごい集団だったもんで、潰せなくてね・・」 「農作物と人は無事だが、柵やらなんやらがぼろぼろになってしまった。」 「これを繰り返されたらもたんと思って手伝いとして呼んだんだけれども すまんなぁ・・・・」 あぁンの・・・よし落ち着け。 「いえいえ、人里のお手伝いができるなら喜んで。 こちらは罠のテストにもなりますし、食材も手に入るんで。 こんなことでしたらいくらでも手伝いますよ」 こんな社会的な会話したの久々だ・・今度の配達に俺も参加しようかな? 「むっきゅ。けーねさん、里長さん。 どこが被害を一番被ってるか教えてれます?むきゅ。」 「逆に一番被害を負ってないところも教えてほしいわ あいつらにそんな知性はないとおもうけれど。そこを狙うかもしれないから」 お、こいつらやっぱ頭いいな まじで人間レベルだろ・・ 「うむ、一番被害を食っているのは北の方の畑だな。」 「無事なのは南東だよ。南西にはおまえさんたちの家があるんだろう? そっちにいったんで南西に行く時間がなかったんだろうなぁ」 ふむ・・・かなり相手も頭が回るな? 上位クラスか、ドゲス類だろう。 「ん~・・・先生、里長。少し里の人員借りていいですか? 借りれるならゆっくりと一緒にバリケードをはってほしいんですよ。 あ、虐がつく人はご遠慮くださいね?」 飼いゆっくりでも見境なしにやるやつがいるからなぁ・・ 「あぁ、いいよ。祭りもないし、農作業だけでストレスがたまってる若者がたんまりといるから・・」 「うむ、何人ぐらい必要だ?」 ん~・・・そうだなぁ。 「北に10人、北西、北東、東、西、南、南西、南東に5人ずつ・・くらいですね」 全部軽いし、簡単にしかけられるから大丈夫だろう。 「そんなに少ない人員でいいのか?もし大群でこられたら破られるんじゃないか?」 けーねせんせいが動揺してらっしゃる!萌え!・・・げふん。 「いいえ、進入を知らせるトラップとワイヤー、強化柵だけですので。 河童の皆さんの協力でできた外の世界でも通用する罠です」 おぉ!今の俺は輝いている!! 無駄に輝いている!!!あのよのままん!ぱぱん!みてるかい!! 「・・ふむ、それなら信用できるだろう。少し待っててくれ。呼んでくる」 「あぁ、俺も手伝います」 昼前~ 人里、寺小屋 「ふーっ 設置し終わりましたね」 「あぁ、いい運動になったな。」 「むきゅー・・・けほん、けほん」 「あら?ぱちゅりー、大丈夫?」 「うー。おくすり・・・いる?」 「ゆっくりつかれたね・・・」 「そのきもちわかるよー・・・」 あ゛ぁ゛疲れた。 とりあえずいつくるか、が問題なんだが。 「ん~・・ふらん。家にもどってれみりゃ呼んで来い。 んでれみりゃといっしょに周りの森見て来い。偵察だ」 「うー。わかった」 これでついに暇になった。どうしよう 「・・・けーねせんせい。寺小屋にいるととあるトラウマが脳内に・・・」 「ん?あぁ、お前が宿題を15連続でわすれたときだったか?」 あぁ・・思い出すだけで額が痛む・・・ 「あれから忘れ物が一切なくなりましたよね・・・」 「ふふっ そうだな」 あぁ、何気ないひと時・・ 至福! 「ん~・・煙草すってもいいですか?」 「だめだ。ぜったいにだめだ。」 おぉう、即答 「先生って禁煙激しいですよね・・・何故です?」 「体に悪いからな。まったくもこーもなんどちゅういしても・・・・」 おぉう、先生のマシンガントーク始まった Help・・ 「お茶持ってきたよー」 GJ!!!里長GJ!!!! 「おぉう、ありがとうございます。」 「・・む、すまない。私がやるべきなんだが・・」 「むきゅぅ。いいにおいの緑茶だわぁ・・」 「ほのぼのするわねー。」 「ゆっくりしてるにおいだね!」 「ゆっくりできるんだねわかるよー!」 夕方~ こねぇ。 「きませんねぇ。ゆっくり共・・・」 「・・・何回目だ?」 「むきゅ、299回目ね、先生の何回目だ?は100回目。」 うわぁ、すっげぇ暇ゆっくり発見。 「おま、数えるぐらいしかやることがないのかよ」 「えぇ、そうよ。暇なんだもの。むきゅん」 「「すーや、すーや、しあわせー」」 ん~・・・ひまだなぁ・・・ 「そういえばエモノはメンテナンスしてるか?」 「むきゅ。本をメンテナンスするのは無理だわ。」 「・・・うー。ゆびきっちゃう・・」 「舌でナイフを砥げというのは無理があるわ。」 「「すーや、すーや、ばくすいー」」 ん~・・暇だな りーん!りーん! うぉっ! 「ゆっ!?」 「ゆぅっ!わかんないよっ!」 「あら、ずいぶん派手な音なのね。これ」 「うー・・」 「むっきゅ。おにーさん、ふらん、でばんよ」 「うっせ、いわれんでもわかってらぁい。 いってきまーす」 よーっし。待ちかねた虐殺タイムだ・・・ 「どこが一番多い?」 「む、北だな。北はたのんだ。ほかは全部食い止める。」 「妹紅さんもでてるから北以外は全部平気だよ、いってらっしゃい。」 二人の心遣いに全俺が泣いた。 「ぱちぇ、ありす、れいむ、みょんは待機でいいよな?」 「いいよ、いってらっしゃい」 夕方~ 人里の北 早速ついた其処は やはり地獄絵図だった。 「ゆっぎゅぢでぎじゃいぃいいいい!!!」 悲鳴を上げもだえる饅頭 「びゃべ、えれえれえれえれっ」 死臭で吐き始める饅頭 「ゆぎゃぁああああああああああああはははははははははは!!!」 気の違った饅頭 その中で俺は 「うぉおおおおおおおおおおおおおおおおおああああああああああああああ!! 喜べ饅頭共!!!輪廻からはずしてやるぅううううううううううううううう!!」 「うっ!? ・・・・うー、おにいさん。いい?」 俺の声にびびったものの、食欲旺盛な昼飯抜きふらん 「GO!GO!GO! Let sMoveOut!Fire!!!」 「うー・・・ いっていいのね。いってきます」 革のグローブ(すごい甘いにおいがする 甘いもの苦手な人はこれに近寄るだけで吐く) を装着して、っとナイフを左で構えて、右手は臨戦態勢。 「1,2,3,4.GO!」 地面を全力で蹴って近くにいるゆっくりの集団に突撃して 有無を言わさず左手のナイフでなぎ払い 「「ゆぎぃいいいい!!ぶぇああああああ!!」」 右手で頭を握りつぶしそのまま握りこぶしで一匹つぶして 「「ゆぎゃっ! ゆぶしゃっ!」」 遠心力を利用して左足で饅頭を蹴散らす 「Cooooooooooooooooooooooooool!」 「「「「ゆびゃ!ぎゅぎゃっ!」」」 サイッコーにクールだ! だいぶ狩れたかな? 静かになったけど 「ふらーん? ふらーーーん?」 おかしい、探してみよう 数分後 「うぅううう!!」 そこには巨体と戦うふらんの姿が! 『さっさとまけてだぜ!つかれたんだぜ!うざったいほしょくしゅはゆっくりしないでしね!だぜ!」 「うぅー!だまれ!」 そこにすかさず入りこむ俺! 「いょーうふらーん。苦戦してんじゃーん?変わってやるから下がってな!レディには荷が重いぜ!」 「うぅー・・・ごめんなさい、ざこはたおしておくね」 へへん。このくそのかたまりみてぇなやつをどうするか。と 『おい!どけだぜ!このくそにんげん!』 あ゛・・・?いま何ていった? 『どけっつってるんだぜ!くそじじい!くず!』 「いいか?俺がこの世でただ一つ我慢できんのは―――暴言の語彙が少ないやつだ!」 『ゆ゛っ!?』 あぁ!この醜い顔! 「まるで聳え立つ糞だ!じじいのファックの方がまだ美しい! おい畜生饅頭!いや豚畜生にも劣る糞畜生! じぃっくりかわいがってやる!涙ひとつ流せないほどにな!」 『ゆ?ゆ?!ゆゆっ!?』 暴言すら理解できてないようだ。行動で示してやる。 「おるぁああああっ!」 『ゆぎぃいいいっ!』 全身をバネにして強烈なボディ・ブロウをかます俺 「まぁッだまだぁッ!」 『ゆぎゃぁあああああ!』 足で地面を蹴り、勢いをつける。 手を地面につき、地面を蹴ってないほうの足でゆっくりの下腹に蹴りをめり込ませる 「ふぅっ!いてぇだろ饅頭!」 『ぶぎゃぁっ!でゅっぐぢでぎだいじじいばじでぇええええっ!』 うっせぇ! 「お前なッ!」 バックステップで距離をとり 「なんかッ!」 全力で走ってスピードをつけて 「いってるけどッ!」 地面を蹴り飛翔。大ジャンプ 「いってることがッ!」 地面にひも付きナイフを投げる 「いまいちッ!」 それを全力で引く 「わッかんねぇんだよぉッ!!!」 突き刺さるは回転を加えつつ高速で落下してきた鬼井山の両足 『ゆぎゃぁあああああああっ!ゆべっ!』 かなりめり込み、あんこを吐き出す 「ふぅっ!DustToDust! 死ぬか?俺の所為で死ぬか?さっさと死ねッ!」 『ゆぎぃ、ゆぎぃ・・・』 精神的にも肉体的にも限界が近いかな? あ、そうだ 「おまえ、人間が好き好むもの知らないだろ?」 『だべぼのだろっ!?ざっざど、よごぜっ!』 生意気だなぁ・・・ 「まぁ、これでも食らえよ、糞饅頭」 して取り出すは煙草 口に咥え、火を灯し、息を吸い込み吸えるようにしてから 「よっと、ドスの上ってのぼりずらいな。」 『ゆっ! おでぃどぉおおおお!!ばりざのうえがらおでぃどぉおおおお!!』 「あとでな。 ふーっ!っと」 目いっぱい吸い込んだ煙草の煙を吸殻とともに口の中に入れる 『ゆ』 間髪いれずに口をあまったトラップツールで止める! 『~~~~~!!!~~~~!!!!!!!』 「あぁー!いい呻き声あげんじゃねぇかぁ・・・・・・うっ!」 ふぅ。 「とりあえずこいつも食らっとけ たぶんうめぇぞ」 口のトラップを一部はずしそこから中に持ってきた唐辛子をすりつぶして入れてやる 『~・・! !!!!!!!!!!!!!!!』 うっは、すっげもごもごいってる 「おまえさんみててあきねぇなぁ! じゃぁ敬意を表して・・」 『?』 「・・・・・・・・タマ切り取ってグズの家系を絶ってやる! 長年かけて虐待してやる!俺のいえの横でな!」 『!!!!』 ん~・・運ぶにはこのまんまじゃなぁ・・・ 「おーい。ふらーん?」 「・・・う~?」 口にゆっくりの残骸、中身をべったりつけてご登場してくれたふらん。 うぅーん。 「おれ、くいちらかすなっつの おりゃ、拭いてやるからこっちゃこい。 あとゆっくり用睡眠薬~激!~をくれ。」 「・・・う~。はい。どうぞ。」 よし!きれいになった。 んでこの薬をこいつの口の中に無理やりつっこんで。 『~~~~~~~~~!!!!!!・・・・zzZZZZ』 すごい苦いらしい。 ~~~中略~~~ その後、周りのゆっくりをきれいにし、柵をたてて、ドスをいえまでひっぱってって。 そのとちゅうにけーねせんせいからお礼と野菜、肉をもらった。 夜~ 鬼井山の家 「帰ったぞ!The・饅頭共!!!」 「「「「「おかえりなさい」」」」」 うん、荒れてないところを見ると防衛成功だな。 「防衛の様子はどうだった?」 「あ、私とまりさで蹴散らしてたわ。肥料がたくさん取れたわよ」 「ゆっへっへ!ぜんせんをささえられたのはひとえにまりささまのおかげだぜ!」 ふむ。戦果はいいようだね。あぁ。疲れた 「今日は疲れたぁー・・・」 「むきゅん。おにいさん。寝てていいわよ。」 「・・この食料を食料保存庫に入れておいてくれ。だれでもいい。 俺はもう寝る。寝るといったら寝る」 「うー、私も寝ていい・・・?」 「じゃぁおぉん・・・」 「夜更かしは健康に悪いから寝るわね・・」 「うー・・・」 「「「「ゆっくりもうねるよ!」」」」 「ふぅ。私も眠いからこれ入れてもう寝るわね。お休み」 「むきゅぅん。わたしもねむいわ、ゆうか。ごめんね。お先に」 『~~~~~~~!!~~~~~~~~~~!!!!!』 ドスまりさ永遠地獄END はい。どうも半年ROMです。 こんかいはぽん!と浮かんだネタをかきつつ、スレをみつつ・・・ いつもはもっとこねくりまわしてからできるんですが。 今回はサクっといけました。 こんごも俺が書く作品はこんな感じになるとおもいます。 スレ、Wikiの鬼意山、虐待おねぇさん方にささげる。 By鬼井山、もとい半年ROM このSSに感想を付ける
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価値 by ”ゆ虐の友”従業員 人里の外れにある大きな畑。 「ゆっゆっ!」 「ゆゆー!」 ここでは、ゆっくり達によるイチゴの収穫が行われている。 「とってもりっぱないちごだにぇ!」 「おちびちゃん、たべちゃだめだよ!あっちのかごにゆっくりいれてね!」 二十匹を越すゆっくり達が、人間の指示で動いている。 そんなことが可能なのか?と思う人もいるだろう。 もちろん素行の悪いものもいるが、よほどの問題とならないかぎりは多目に見る。ある程度の基準で作業が進みさえすれば良い。 できの悪い労働力をいちいち怒鳴ったり潰したり、そんなことをしているほど農業は暇な商売ではないのだ。 それに、ゆっくり達はよりゆっくりするための対価として、納得して働いている。 「ゆーしょ!ゆーしょ!」 「ゆっきゅ!ゆっきゅ!」 ゆっくり達は朝から夕刻まで一生懸命に働き、いくつもの籠(かご)に山盛りのイチゴが収穫される。 「ゆっくりがんばったよ!」 「いちごさん、ゆっきゅりしていってにぇ!」 日が落ちるころになると人間の男が現れ、作業を取りまとめる。 この日は、長い収穫作業の最終日。ゆっくり達に待望の報酬が支払われる日だった。 「よし、今日までよく働いたな」 「ゆっへん!」 ゆっくり達は、ゆっくりできない風にも負けず、数多くの誘惑にも負けず働いた。 悪天候やれみりゃの襲撃で命を落としたものもいたが、それでもついに作業を完遂した。 「それでは、今期の報酬をやろう」 「ゆゆゆーー!!!」 男の周りに終結し、そわそわと待つゆっくり達がどよめく。 ゆっくりに長期間の労働をさせるにいたった報酬―― 「ほれ」 男は、一本の大根を取り出すと、ゆっくりの一匹に与えた。 「すごくゆっくりしたおやさいだよぉぉぉぉぉぉーーー!!!」 「しゅごいよぉぉぉぉぉぉーーーー!!!!」 「れいみゅにもみせてにぇ!」 「まりさにもだよ!」 「やべでね!おざないでね!!」 ある地域の野生ゆっくり(以下”A群”)に関する報告 A群のゆっくりにとって、イチゴの価値は低い。 彼らにとってイチゴとは、「おちびちゃんでもとれる、ふつーのおやさい」だからである。 ゆっくり特有の”思い込み”によって「大したものではない」とされているために、 実際の糖度に関わらず甘さを感じることもほとんど無い。 一方で、大根の価値は非常に高い。 よほど体格の大きいゆっくりでなければ手に入れることができない大根は 「とってもゆっくりしたおやさい!!」であるためで、 彼らにとってはそれは至上の味わい、そして最高級の社会的価値でさえあるという。 A群のゆっくり達ならば、大根を手に入れるためにはなんでもするのではないだろうか。 我々が、宝石や黄金のためにそうするように。 「ゆっへっへ!!まんまとせしめてやったのぜ!」 「さすがはまりさだよ!にんげんからだいこんをてにいれるなんてすごくゆっくりしてるよぉぉぉぉ!!!!」 大根を後生大事に運ぶゆっくり達。イチゴ収穫組のリーダー格であるまりさとれいむは得意満面だ。 「ゆっく、ゆっく……ぺっ!!」 まりさは畑からくすねてきたイチゴを吐き出す。 「こんなつまらないものをあつめるだけでだいこんをくれるなんて、やっぱりにんげんはばかなんだぜ!」 「ゆっくりぃぃぃぃぃ!!!!」 こうして手に入れた大根は、リーダーまりさとれいむのおうちに保管することになった。 他のゆっくり達は面白かろうはずもないが、おうちの規模の関係で仕方なかったのだ。 自分のおうちに大根があるということで、特に子まりさは有頂天だ。 「だいこんさん!まりしゃのおうちでゆっきゅりしていってにぇ!」 白く輝く表面も、鮮やかな緑の葉っぱも、それはほかのどんなものとも換えがたいゆっくりだ。 「ゆ、ゆっくり!!!!」 「ゆゆぅ!?」 そのとき、運搬係だった一匹のれいむが、子まりさを押しのけて大根に飛び乗った。 「ぺーろ、ぺーろ……!」 「なにやっでるのぉぉぉぉぉ!!!???」 「かってはゆるさないぜ!!」 すかさずまりさが引きずり落としにかかる。 「おりるのぜ!!ゆっくりおちつくのぜ!!」 「ゆ……」 まりさが近づいたそのとき、運搬係れいむは地面に落ち――そしてそのまま、動かなくなった。 「ゆゆ!?まりさはまだなにもしてないのぜ……!?」 れいむは死んでいた。 「むきゅ、あんまりきゅうげきにゆっくりしたものだからしょっくしょうじょうがでたのね!」 一匹のぱちゅりぃがそう断定すると、一同は深い沈黙に包まれた。 「おちびちゃんもきをつけなきゃだめだよ!」 「わかったよ…まりしゃきをつけるよ……」 とにかくそのようにして、大根はまりさのおうちに置かれることとなった。 「うー!!おぜうさまのすぴあ☆ざ☆ぐんぐにるがないんだっどぉ〜!! しゃくや、しゃくやぁぁ〜!!」 ぐずりだしたれみりゃに俺は言ってやった。 「れみりゃのすぴあ☆ざ☆ぐんぐにるなら、森のゆっくりが持ってったぞ」 我が家の飼いれみりゃのおもちゃの中でも一番のお気に入り、『すぴあ☆ざ☆ぐんぐにる』。 要するに、売り物にならなかったしけた大根なのだが。 「おぜうざまのだいじなものをがっでにもっでいくなんて、ゆるせないっどぉーーー!!!!」 俺はイチゴを頬張りながら、どたどたと家を出て行くれみりゃを見送った。 振動を感じて、よほどの大きなゆっくりが大根を見るためにやってきたのだと思った。 「だいこんはとってもゆっくりしてるけど、さんぱいきゃくはちょっとめんどうなのぜ……」 のそのそと入り口へむかうまりさとれいむ。 「ここはまりさと!」 「れいむのゆっくりぷれいすだよ!ゆっくりしていって……ね……?」 そこにいたのはれみりゃ。 「おまえが、れみりゃのすぴあ☆ざ☆ぐんぐにるをとったんだどぉ〜?」 「ゆびぃぃぃぃぃぃ!!!!????」 慌てておうちに逃げ込もうとする二匹だが、むんずと捕らえられて圧迫される。 「ゆ゛っゆ゛っゆ゛っ!!!!」 「ゆあああああ!!!!!!!」 「しらべはついてるっどぉー、おじゃまするど」 後には、取り返しのつかないところまで握りつぶされた二つの”元”ゆっくりが天を仰ぐのみだった。 「ぎゃおー☆あったどぉー!! これこそおぜうさまのすぴあ☆ざ☆ぐんぐにるだっどぉーー!!」 大根を手に大喜びのれみりゃ。そこへ、背後から声がかけられる。 「そ……それは!ま、ま、ままままりさのゆっきゅりしたおやさいだよ!!!!かえしてね!!」 子まりさだ。 子まりさは物陰から両親の末路を見た。隠れていなければ。それはわかっていた。 それでも子まりさには、苦労して手に入れた大根を持っていかれることが許せなかったのだ。 たとえその相手が、れみりゃであったとしても。 「それはとってもだいじな、おかーしゃんとまりさの……」 「うーーーー☆」 れみりゃは斟酌しない。ただ力任せに大根を振るった。 「ゆぺし!!!???」 致命的な質量と速度で叩きつけられた大根に触れた瞬間――永遠へと引き伸ばされた最後の一瞬――子まりさは知った。 極上の甘さを。ゆっくり感を。世界の真理を。 生まれて初めて、本当に、ゆっくりとした。 「………!」 「………!」 そこにはすべてが存在し、 規定不可能の闇がなにもかもをむさぼっていた。 心安らぎ、心安らぎ、心安同時ににに不安ににににににににに責め苛まれていた。 「………」 スローモーションの終わりの中で、 「@f」 子まりさは最初で最後の 「」 うんうんをした。 「ぐじゃいどぉぉぉぉーーー!!!おぜうざまのだいじなすぴあ☆ざ☆ぐんぐにるがぐじゃいのやだどぉーーー!!」 「くせーんなら家に持ち込むなよ……!ド饅頭が……!」 返り餡だか返りうんだかがこびりついて汚れたその大根に、俺は彫刻刀で <すぴあ☆ざ☆うんうんにる> と彫ってやった。 「ぢがうどぉぉぉぉーーー!!!!うんうんじゃないどぉぉぉぉぉーーー!!!!」 「名前も彫ってやろう……出来た、<すぴあ☆ざ☆うんうんにるれみりゃ>」 「ばう゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛!!!」 おしまい。
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※虐待分?皆無です ※ゆっくりが電化製品を使います ※胴付きがでます 「おお、激写激写」 ピロリン、という撮影する音が路地裏で鳴る。 胴付きゆっくりでも使える。を触れ込みにたくさんのアイテムが発売されている現代。 この胴付ききめぇ丸が使っているのもそのシリーズのデジタルカメラだ。 機能はカメラ付き携帯のカメラにも満たない玩具のようなものだが、 シンプルな構造は多少賢い個体であれば十分使いこなせる。 まず、赤いスイッチを押し、電源を入れる。 画面に被写体を捕え、大きな黒いボタンをゆっくり押していく。 画面の真ん中にある十字のマークが赤から緑に変われば、大きな黒いボタンを押しきる。 ピロリンと音がしたら撮影終了。赤いスイッチを押して電源を切る。 きめぇ丸の持っているのは上位タイプでズームとオートのフラッシュ機能がある。 きめぇ丸が撮影したのはゆっくりれいむだ。 「おお、笑顔笑顔」 ゆっくりれいむは急に何かよく分からないものを向けられ、ピロリンと音を鳴らされた揚句、 笑顔を強要される事に少しムカッとしている。 「きめぇまるはゆっくりできないの?ゆっくりしていってね!!」 「おお、失礼失礼・・・れいむ、笑顔笑顔」 ピロリン、きめぇ丸はまたシャッターを切る。 謝ったくせに、注意した事をやめないきめぇ丸にれいむはとうとう怒り出した。 「きめぇ丸はゆっくりできないんだね!さっさとどっかにいってね!!」 「お、おお、拒否?拒否?・・・清く正しくきめぇ丸でした」 トボトボときめぇ丸はれいむのいる方は逆に方に歩き出す。 テーテッテテーテテテテーテテー、きめぇ丸が首からぶら下げている携帯電話が鳴る。 きめぇ丸はカメラをポーチにいれ、電話を取る。 ゆっくりには耳が無いので、トランシーバーのように持ってしゃべるのがゆっくりのスタイルだ。 ゆっくり用携帯電話、ボタンはごく少なく、ダイヤルボタンも見えない。 小さな液晶画面には「おねえさん」とだけ表示される。 緑に光っているボタンを押すと電話を受ける。 「清く正しくきめぇ丸です」 「あ、きめぇ丸、あたしだけどお昼食べるから合流しない?」 「おお、お昼お昼。いただきます」 「じゃあ、現代地メールしてよ迎えに行くから、よろしくね」 「おお、把握把握」 赤く光っているボタンを押す。これで電話を切るだ。 きめぇ丸はお姉さんに現在地を報告するため、メールを打つ。 まず、大きく1と書かれたボタンを押す、これでお姉さんの電話番号と携帯アドレスが呼び出される。 次に、緑色のボタンを押してしまうと電話をかけてしまう事になるので、 数字の下にある。パラボナアンテナの描かれたボタンを押す。 これでGPSが現在地を読み取り、お姉さんの携帯にきめぇ丸の位置が送信される。 さらにきめぇ丸はもう一度、1を押し、パラボナアンテナボタンの隣にあるマイクボタンを押す。 そして、ピーという音が鳴ると携帯に話し始める。 「清く正しくきめぇ丸です。豆かんがたべたいです。おお贅沢贅沢」 伝言を登録すると、マイクボタンをもう一度押す。 これでお姉さんにはさっき言った音声がメールで送信される。 待ち時間の間、きめぇ丸は今度2のボタンを押す、液晶には「れみりゃ」と表示され、 緑のボタンを押し、電話をかける。 「おでんわありがとぉ~れみりゃだどぉ~」 「清く正しくきめぇ丸です」 「でも、れみりゃはいまおるすだどぉ~、またかけてほしいどぉ~。ピーッ」 「お、おお、不在不在」 せっかく、友人に電話をして暇を潰そうとしたのに、きめぇ丸の目論見はダメになってしまう。 仕方ないのでお姉さんが来るまで別の事をしようとポーチからICレコーダーを取り出す。 これもボタンが少なくシンプルな構造だ。赤いボタンを押せば録音。 再生にはお姉さんが持っているノートパソコンが必要なので、これ単体に再生機能はない。 キョロキョロ辺りを見回すきめぇ丸、そこに1匹のゆっくりまりさがやってくる。 「どうも、清く正しくきめぇ丸です」 「ゆ?ゆっくりしていってね!」 きめぇ丸はICレコーダーの録音ボタンを押す。 「おお、把握把握。まりさはゆっくりしていますね」 「そうだよ。まりさはとてもゆっくりできるんだよ!!」 それからしばらくきめぇ丸はまりさとの何気ない会話を録音する。 「じゃあ、まりさはそろそろごはんをさがしにいくんだぜ」 「まりさ、写真写真、すこしまってください」 ICレコーダーを止め、ポーチにしまう、代わりにデジカメを取り出す。 「ゆ?なにそれ?」 「清く正しいかめらです」 「ゆ?」 無論、まりさにカメラなんて言っても分かるわけがない。 「おお、説明説明」 そう言ってきめぇ丸は試しに犬の糞を撮影する。 「見てください。あそこにあるものをここに写す。把握?把握?」 「ゆー・・・うん、すごいね!」 「まりさを撮影してもよろしいですか」 「うん、ゆっくりやっててね!!」 「おお、快諾快諾」 ピロリン、きめぇ丸はまりさを撮影する。 「みせてみせて」 きめぇ丸はデジカメの画面をまりさに見せる。 「ゆ?これ、まりさ?」 「そうです」 まりさはあまり納得いかなかった。自分はもっとスマートで綺麗なゆっくりだと思っていたのに、 写っているのはでっぷりとして頬の汚れたゆっくりまりさだった。 「ま、まりさはこんなんじゃないよ。こわれてるんだね!!」 「清く正しいかめらはこわれてません」 「ゆ!ちがうよ!!そんなのまりさじゃないよ!!」 「おお、困惑困惑」 「ちがうよね!まりさもっときれいなゆっくりだよね!!」 「お、おお・・・同意同意」 まりさの勢いに押し切られ、そう答えるきめぇ丸。 満足したのかまりさは路地裏の奥の方へ行ってしまう。 「お、おお・・・汚く誤った大人の世界です」 きめぇ丸はまりさの背中にそんな言葉を送った。 しばらくすると、お姉さんがやってくる。きめぇ丸はお姉さんと合流し、ある甘味処に行く。 営業中という看板の下には「ゆっくりと同席できます」の文字。 まだまだこういったお店は少ないが、携帯で検索をかければ何件かヒットするようになった。 今まではきめぇ丸がコンビニの前で待って、公園で食べる事が多かったが、 最近では外食もしやすくなった。 「この煮込み雑炊をひとつください」 「あ、ごめんなさいそれ来月からなんですよ」 「じゃ・・・この煮込み雑煮を」 「ですからごめんなさい、お雑煮も来月からなんですよ」. ガーンだ。結局、お姉さんはコンビニで何かを買うことにして自分ときめぇ丸の分の豆かんを頼んだ。 「恨むわよ、きめぇ丸。あたし、お腹空いてたのに・・・」 「おお、立腹立腹」 お姉さんとの仕事の話をする。お姉さんはゆっくり関連雑誌、週刊「ゆスキー」の記者で、 『都会派きめぇ丸』というコーナーを担当している。そこに出てくるのはお姉さんを同居しているきめぇ丸だ。 都会で楽しめるゆっくり関連施設やゆっくり用家電、時には他のゆっくりとの対談なんかもする。 「これ食べたらゆっくり対応コンビニの取材に行くからね」 「おお、把握把握」 「そのために~、あんたの携帯、新しくしたんだからね~」 きめぇ丸の携帯にはもう電話とメール以外にもう一つの機能があった。 それはお財布携帯としての機能だ。会計時、機会にタッチし、円マークのボタンを押すとお会計ができてしまうのだ。 使う度に飼い主にメールが行くようになっており、飼い主は自分の携帯からお財布機能を停止させる事もできる。 限度額は予め決めておけ、今のきめぇ丸は1日の限度額は500円に設定してある。 一週間前に説明をした時、きめぇ丸は昨日の使い方の復習よりも「清く正しくきめぇ丸です。おねえさん、お金が枯渇枯渇」と限度額を引き上げて貰う為の文句を考えていた。 コンビニの取材は難なく終わる。 低い戸棚にはゆっくりが好む商品が置かれている事は評価できたが、 警備員に捕食種のゆっくりふらんを巡回させているのは若干やりすぎだろう。 お姉さんはイケメンの店員に「可愛いですね」と言わたと有頂天だったが、イケメン店員はきめぇ丸の方を見ていた。 勿論、きめぇ丸は限度額アップのためにお姉さんに伝えなかった。 ひとまず、お姉さんときめぇ丸は会社に戻り、お姉さんは記事の作成。 きめぇ丸は同僚のてんこ、れみりゃと別室でゆっくり用家電を試していた。 てんこは「ゆスキー」ではなく月刊「雷撃虐兄」の『裏・都会派てんこ』というコーナーを担当しているゆっくりてんこだ。 お姉さんのコーナーを丸パクリしていると思われがちだが、ペンネームこそ違え、お姉さんが書いているのだから問題はない。 「きめぇ丸、おねえさんとお食事にいったそうですね。汚い汚い」 「こら、てんこ。そん時、お前は俺の弁当勝手に食って、俺に説教されてるトコだっただろ」 てんこはお兄さんに怒られ、にんまり笑う。 このお兄さんはゆっくり家電クロスレビューなんてのを書いてるお兄さんで、 きめぇ丸が食事の前に電話したれみりゃの飼い主だ。 自分の飼ってるれみりゃ、それにお姉さんの飼ってるきめぇ丸、てんこに家電を使わせ、その感想をまとめて点数をつけさせたりする。 もちろん、メーカーからお金なんて一切貰っていない。 お金を貰いレビューの点数を弄れば最初は売れるだろうが、だんだんレビューの信用が落ち、ひいては雑誌、出版社の信用が落ちる。 それに「あのメーカーはお金を渡している」なんてネットで噂になるのもメーカーとしては避けたい。 そのため、お兄さんはお金を受け取らず、公平にレビューをまとめる。 「おねえさんはあまり怒らないから、てんこはおにいさんが怒ってほしいのです。おお、熱愛熱愛」 「はぁ・・・てんこにモテるぐらいならお前達の飼い主にモテてーよ」 「れみりゃはおにいざんが、だい好きだどぉ~」 「わたしは嫌いです。おにいさんは怒るから嫌いです。怒られるの嫌いです」 お兄さんの言葉にれみりゃとてんこが答える。 「おお、両手に花、清く正しく交際してあげてください」 「お前はどっからそんな言葉覚えるんだ」 そんなやり取りをしながら、今日は『ゆっくりに持たせたい!防犯ブザー特集!!』という事で、 いろんなメーカーの防犯ブザーが用意された。 部屋に置かれた大きな水槽には朝、お兄さんがその辺で捕まえてきた野生のゆっくりまりさやれいむが入っている。 「まずは紅魔社の防犯ブザーだ。よし、鳴らしてみるぞ」 お兄さんがブザーの先についている紐を引く。 『う~、れみりゃだどぉ~』 もう一度引く。 『れみりゃだどぉ~、たべちゃうぞぉ~』 「うん、紅魔社は毎回れみりゃバカだな」 紅魔社というのはゆっくりれみりゃ専門店から始まったメーカーで 他にゆっくりふらん、ゆっくりめいりん、ゆっくりぱちゅりーなんかのアイテムを生産している。 お兄さんは社長と一度会った事があるが、れみりゃをお嬢様と呼ぶちょっとぶっ飛んだメイド服のお姉さんだった。 毎回、真面目なのかどうなのか疑問に感じるようなアイテムが多い。 そんなので儲かるのか?とよく聞かれるが、ゆっくりれみりゃファンの狂信的な支持を得て今日まで経営を続けていられる。 れみりゃバカだと言ったお兄さんも僅かな給料で紅魔社の株を買い。毎月、れみりゃ用の服が一着付いてくる「月刊わたしのおじょうさま」を定期購読している。 ゆっくりは「れみりゃだぁ!!ゆっくりできない!!!」と大騒ぎだった。 しかし、きめぇ丸とてんこが布でれみりゃを隠し、お兄さんが防犯ブザーの紐を引くと。 「ゆ?れみりゃ?」「どこ?いないよ?」「ゆっくりできないね」「れみりゃはさっさとどこかにいってね」と、 反応はイマイチだった。そういうわけで、れみりゃには目を見えるように穴を開けた紙袋を被せた。 「もう紅魔社はこういうマジメなアイテムに手を出すなよ。株価下がる・・・」 「おお、恐慌恐慌」 「おにいさん、無様だな。おにいさん」 「れみりゃのあたらしいぼうしだどぉ~」 3匹がそれぞれの反応を見せた後。次の防犯ブザーの検証に移る。 「次はエタニティ社の防犯ブザーか、何々・・・まりさ用?これは期待できそうだ」 お兄さんは防犯ブザーのボタンを押す。 『ピーーーーーーーーッ』 「ゆぎぃいい!!!!」 小さな電子を音と共に水槽の中のゆっくりまりさが悲鳴を上げる。 「ゆぎゃあぁあああ!!!ゆっく、ゆうっくりぎゃぁぁああ!!!」 「なにぃいいい、これぇゆぐぃぃいいい!!!!」 「ゆ、ゆぎぃ、ゆぐっ、ゆっぐぅぎゃああ!!!」 「お、おお、絶大絶大」 「じぶんの手を汚さずに、さすがお兄さん汚い汚い」 「お~、なんだどぉ~?まりさゆっくりできないどぉ~?」 3匹ともその威力に感心していた。 水槽の中では絶叫するまりさ種と心配する他の種達で大混乱になっている。 お兄さんがボタンから指を離す。 「さ、さすがエタニティ社・・・」 エタニティ社は薬品産業、医療技術、宇宙開発事業などを行っている大企業だが、 何故かこのゆっくり関連の産業にも、とても熱心に参入してきているメーカー。 高い技術力で優れたアイテムを開発するが、おの防犯ブザーもだが、たまに強力すぎる商品が販売され後に回収になる事が多い。 「これも回収・・・かな」 そう言ってお兄さんは防犯ブザーをテーブルに置き、次のを用意しようとする。 『ピーーーーーーーーッ』 振り返ると、れみりゃが楽しそうにボタンを押している。 「うっう~、きれいなねいろだどぉ~」 そう言いながら踊りだす。お兄さんはとっさにれみりゃの紙袋を外し、携帯でムービーを撮る。 「きめぇ丸、カメラだ。この可愛い姿を撮れ!!」 渋々、きめぇ丸はポーチからカメラを取り出し、れみりゃを撮影する。 その間もまりさの絶叫が続く。 「ゆっぐりできなぁいいぃいい!!!!」 「われりゅぅううう!!!!!!」 「ゆぎゃぁあ!!・・・ゆぎゃぁあ!!!もっどゆっぐりじだぎゃあぁ!!」 5分ほどれみりゃが踊ると、まりさ種は殆ど絶命していた。 「あーあ、ちょっと、虐兄のデスクいって、まりさ種貰ってくるわ」 お兄さんはそう言って部屋を出た。まりさ種を水槽に補充し、検証が再開される。 「じゃあ、次はジレイ堂のおりんりんベル」 こうしてお兄さんときめぇ丸達の防犯ベル検証は進んでいく。 「おーい、きめぇ丸、てんこ帰るよー」 お兄さんとの検証を終え、別室で遊んでいた2匹をお姉さんが迎えに行く。 「おねえさん、うるさい」 いきなりてんこにそう注意される。 「ん?」 てんこは眠っているきめぇ丸を指差す。 「ああ、寝ちゃったか。しゃーないね」 お姉さんは右手に持っていたバッグの紐を調節しリュックにすると、 右手できめぇ丸を抱き、左手でてんこと手を繋ぎ家路に着く。 「おねえさん、てんこもカメラが欲しいです」 「ん?じゃあ、週末買いに行こうか」 「さすが、おねえさん優しい優しい」 ~あとがき~ 携帯電話とか胴付きなら使えるかなーという妄想から生まれました。 ちょっと勢いで書いたんでパロも多めです。書いてたイメージとしてはプロの虐待お兄さんやドロワの千夜先生の世界観で書いてます。 次回「裏・都会派てんこ」!はあるかな?ないかな?ある!!・・・・ウサ ~登場した雑誌~ 『週刊ゆスキー』 ゆっくり関連商品を紹介する雑誌、紹介されているのは生活雑貨などがメインで、 ゆっくり用家電はまだページが少な目、『都会派きめぇ丸』の他に『まりさだもんね!』『だってレイなんだみょん』がある。 『月刊雷撃虐兄』 虐待お兄さん御用達の雑誌、虐待グッズの紹介などがメインで、 てんこがゆっくり用家電を悪用する『裏・都会派てんこ』の他にふらんが虐待グッズを使う『虐待ゆフランサン』がある。 特典として、ゆっくりの求愛の声が収録されたCDが付いており、野良ゆっくりを集めるのに重宝する。 『月刊わたしのおじょうさま』 毎月、一着れみりゃ用(他の胴付きもサイズ的に合うが背中に穴が空いているので羽のない個体は注意)が付いてくる。 れみりゃの写真や漫画などが掲載されている100%れみりゃ雑誌、2冊買って、余分にでた1着を自分なりに改造するのが通。 by118
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/3589.html
※ゆっくり人間登場します ※ごくごくライトながらHENTAI表現があります ※虐待成分は薄めです ※ゆっくりいじめ小ネタ341 ゆっくりになったお兄さんの続きです ※レイパーさんごべんなさい 朝日が差し込む剣道場。 「めーんっ!!」 その凛とした冷ややかな静寂を大きな怒声が打ち破った。 声の主は雪のように白く、滝のように流れる長い髪を揺らす少し小柄な少女。 彼女は目の前に置かれた人形に向かって何度も竹刀を打ち下ろす。 「ゆびゅ!?」 「ゆ、ゆっぐぢぃ・・・ゆぎぃ!?」 「ゆ゛っ・・・!?」 竹刀が朝の冷たい空気を切り裂き、ひゅうと音を立てるたびに悲鳴を上げるのは一匹のゆっくりれいむ。 ゆっくりとはいつの間にか現れた人の顔を模した喋り、動き、増える謎の饅頭である。 科学の常識を一瞬にして覆したその不条理な存在はいまや社会の一部として様々な形で人々の役に立っている。 「いぢゃい!いぢゃいよー!」 「めーーーんっ!!」 例えばさっきからずっと泣き言を口しているこのれいむ。 彼女は今人形の頭部に固定されて身動きが出来ない状態にされている。 れいむを潰さないように竹刀を打ち込む事が剣道の練習としてなかなか効果的なのだ。 特に過剰な打ち込みが減点対象となる試合を意識した練習として人気が高い。 「めーんっ!!」 「ゆびぃ!?やべでね!いづぼのゆっぐぢぢだおねーざんにもどっでね!?」 思いっきり打ち込まれたれいむの額が真っ赤に腫れ上がっていた。 本来なら彼女がこれほどまでに固定されたゆっくりを痛めつけることはない。 「めーんっ!!」 「ゆがっ!?いぢゃいよ!どほぢでこんなごどずるのおおお!?」 全力で振り下ろす。れいむの額には人間で言うところの青あざのようなものが浮かんでいる。 もし、後輩達の下手な打ち込みでゆっくりがこんな状態になっていたら、彼女らを叱っているだろう。 「めーーーんっ!!」 「ゆ゛っ!?」 トドメとばかりに振り下ろされたその一撃はれいむの皮を破った。 彼女の額に出来た断層から少量の餡子が漏れ出し、良く磨かれた床に滴り落ちた。 しかし、少女は手を止めることなく再び竹刀を振り上げる・・・ 「よう、部長。珍しく荒れてんな?」 「あ、先生。おはようございます」 が、そう言いながら道場に入ってきた青年、剣道部の顧問に気付いて竹刀を下ろした。 彼女が一礼をする傍らで、れいむは恐怖で実を固くしたままぽろぽろと涙を零している。 青年は少女の礼に軽く手を掲げて応じながられいむのそばまで歩いてゆくと、彼女を人形の頭部から取り外した。 「で、何があったんだ?お前がゆっくりに怪我させるなんて珍しいじゃないか」 「・・・・・・いえ、何でもありません」 「そうか。後片付けは俺がしておくから、早く着替えて教室に戻れ」 彼は基本的に“軽い・ゆるい”と形容される性格の持ち主である。 それでも教師としては様々な面で優秀であり、こういうところで気を効かせられる人物でもある。 「いえ、結構です。片付けくらい自分でします」 もちろん、彼の人となりは剣道部主将である彼女も十分に理解している。 だからこそ気を遣われていることを理解し、意固地になって好意を無碍にするようなことを口走った。 特に今日のように荒れていることを気取られたくない時はなおのこと、である。 「もう始業前だ。生徒(ガキ)は急いで教室に戻れ。でないと俺が怒られちまう」 れいむの額にといた小麦粉を塗りながら時計を指差す顧問。 少女が彼の指の先に目をやると確かに備え付けの時計は朝のHRの5分前を示していた。 「ちーん・・・っ!・・・まずい、遅れちゃう!?」 「・・・ちーん?」 「な、何でもありません!?後片付けお願いします!」 彼女は顔を真っ赤にして、慌しく女子更衣室へと駆け込んでいった。 残された顧問は首をかしげながらものんびりと床を拭き、人形を片付けた。 少女は気付かなかったが教師にも朝礼がある。それに遅れた彼は後ほど教頭にこってりと絞られることになった。 灯りがついておらず、カーテン越しの朝の日差しだけが光源の薄暗い更衣室。 少女は帯を解いて袴を脱いでから自分のロッカーに常備しているタオルで丁寧に汗を拭ってゆく。 色白で、鍛えているわりには細くて柔らかい太ももを、太ももから膝へ、膝からふくらはぎへ、ふくらはぎからつま先へ。 「はぁ・・・」 早朝からの稽古による普段なら心地良くさえある疲労感に包まれながら、彼女はため息をつく。 それは女性特有のあの日だからとか、そういう理由では断じてない。 本人にしか分からない、誰にも相談できない、そしていくら汗を流しても忘れるの出来ない理由があった。 「ゆっくりがお母さんなんて・・・そんなみょんな話あるわけ・・・」 彼女の悩み。それは先日父親の口から明かされた彼女の母にまつわる話だった。 「お前のお母さんはゆっくりみょんなんだ」・・・そんな事を聞かされたときは大いに混乱した。 いやまさか流石にそれはないだろう、常識的に考えて・・・と。 その後にやってきたのは夭折した母をネタにしてたちの悪い冗談を口にする父への怒り。 基本的に温厚な彼女だが、その時ばかりは流石に我慢できずに父を叩きのめた。 しかし、部屋に戻って頭を冷やした彼女の胸に去来したのはその話は事実かもしれないという考え。 「またみょんとか言ってるし・・・」 彼女にはその極めて非常識な可能性を認めざるを得ない要因がいくつかあった。 “みょう”が“みょん”になる奇妙な口癖のほかにも、さっき時計を見た時のように驚くと卑語を口走ってしまったりもする。 それに、時間がないにもかかわらず汗を拭いているのも彼女の特殊性ゆえだ。 「・・・まずい、時間が」 時計を見ると残り時間あと3分。 が、何故か甘い匂いを発する汗を放っておくわけにも行かず、またため息をつきながら道着を脱いだ。 鍛えているわりには細い腕を袖から抜き、道着を袴の上にたたんで置いた。 2枚目のタオルを手にすると顔からうっすらと汗の滲む首筋へ、首筋から方へと力を入れずにタオルを這わせてゆく。 それから、タオルを左手に持ち替えて浮かした右腕を腋、二の腕、肘・・・と指先まで丁寧に拭く。 もちろん左腕も同じように拭き、紺色のスポーツブラに包まれた薄い胸、へそや腰も拭いてから制服を着た。 「よしっ!・・・かな?」 更衣室に備え付けられた鏡でセーラー服に乱れがないかを確認し、自分そっくりの白髪の少女に微笑む。 大丈夫、いつも通りに笑えている・・・これならさっきのように心の乱れを気取られることもないだろう。 それに何処からどう見ても普通の人間だ。万が一にも自分がゆっくりと人間のダブルだと見抜かれることはないだろう。 そう勝手に結論付けると、スカートと長い髪を翻して更衣室を後にした。 「こんにちは、部長」 「あ、こんにちは。部活は?」 6限目の授業が終わり、少女が竹刀を背負ってのんびりと剣道場に向かっていると廊下で背の高い後輩と出くわした。 彼女と同じセーラー服に身を包んだ170cmを超える後輩はセミロングの黒髪と良くも悪くも平均的な顔立ちをした少女。 小柄で線が細く、やや丸顔で童顔に見えるが切れ長の瞳と長い白髪が強烈に人の目を引きつける少女とは好対照の容姿をしている。 が、性格的な面に関してはどちらも真面目で、部活を休むことも遅れることも良しとはしない。 「この前言ってたじゃないですか?今日は先生午後から出張だって」 「きょ・・・!きょ、今日だったっけ、先生の出張?」 出張のことを完全に失念していたため、驚いて「きょせい(去勢)!」と言いそうになったらしい。 とっさの卑語をすんでのところで飲み込んだ彼女は恥ずかしさで頬を朱に染めつつ視線をそらして、話を続けた。 元々透けるように白い肌をしているので、顔色の変化は誤魔化しきれない。 「?」 「な、何?」 「いえ、大丈夫ですか?」 「だ、大丈夫。ゆっくりしてるよ」 首をかしげながら彼女を見下ろす後輩の視線に一歩後ずさるが、幸いにもそれ以上の追求はなかった。 何となく居心地が悪かったので、少女は適当に会話を切り上げて小走りにその場から逃げ出した。 が、しかし・・・ 「うわ、雨だぁ・・・」 正面玄関から校外に出ようとしたところで困ったことに雨が降っていることに気付いた。 今のところあまり激しくは降っていないが、いつ雨足が強くなるか分からない。 「参ったな・・・傘持ってきてないよぉ・・・」 そう嘆く彼女の視界に、家路を急ぐ野良の親まりさの帽子のつばに入って雨をしのぐ子ゆっくり達の姿が飛び込んで来た。 「あめさんはゆっくりできないよ」と急ぐ彼女達の姿には余裕こそないものの生きていること自体に満足しているような雰囲気がある。 彼女はゆっくりほどではないが雨に弱く、溶けることはないがふやけてしまうし、長時間雨に当たると簡単に体調を崩してしまう。 これもまた自分のゆっくりと人間のダブルたる所以なのだろうか・・・そう意識した瞬間、また憂鬱な気持ちになってしまった。 「お母さん、か・・・」 視線の先の子ゆっくり達には帽子で雨から守ってくれる母親がいる。 でも自分には・・・母親は既にこの世にいないらしい。 それに今は父親と顔を付き合わせたくない。父親と向き合うと、どうしても母のことが話題に登る気がして彼と向き合うのが怖かった。 もっとも、今仕事中の父をそんな用事で呼び出すつもりなんて、彼女には微塵もないけれど。 「・・・職員室で借りてこよう」 玄関に置かれた公衆電話を見つめながら、そんな自分勝手なことを考えている自分に気付いて少し悲しくなった。 職員室へ行こうときびすを返して歩き出す。が、俯いて歩いていると廊下の曲がり角で男子生徒にぶつかってしまう。 その拍子に盛大に尻餅をついてしまった。 「すぺるまっ!?・・・あ」 「大丈夫か・・・って委員長?いや、すぺる?え?」 男子生徒の胸板にぶつかった鼻を押さえながらも、失言に気付いて顔を真っ赤にする。 しかもぶつかった相手がバスケ部の副部長にして彼女と同じクラスの男子生徒だったために、恥ずかしくて顔を上げられない。 彼の前で座り込んだまま鼻を押さえて俯いている様子は何か酷いことをされたかのように見えなくもない。 「お、おーい、委員長?」 「何?」 もちろん少女は俯いたままであり、男子生徒はいっそう焦る。 このまま逃げるのも廊下でだべっているばつが悪い上に、ずとーっとした視線を向ける廊下でだべっている生徒の視線が痛い。 何か上手いこと誤魔化せる話題はないものかと思案していると、目ざとく彼女が傘を持っていないことに気がついた。 「な、なあ・・・委員長、傘忘れたのか?」 「う、うん。天気予報はちゃんと見たんだけど・・・」 「ああ、アンタ妙なところで抜けてるからな、頭良いのに」 その一言で、目線だけは彼のほうを向いていた少女は再び俯いてしまった。 「あ、ゴメン・・・それより委員長、アンタ雨苦手だろ?」 「う、うん・・・なんで知ってるの?」 「たまに休む時は大体雨の日の後だから、かな。プールにも入ってないみたいだし」 「うん・・・雨、っていうか水に浸かるとすぐに体調崩しちゃうんだ。きっと体が弱いんだよ」 何か言い訳がましいことを口走りながら、彼女は視線を再び男子生徒の顔に向けた。 彼は困ったような表情で苦笑いを浮かべているが、さっきの卑語を訝しがっているような雰囲気はない。 少し安堵した少女はゆっくりと起き上がると、彼に頭を下げた。 「ぶつかってゴメン」 「いや、気にしてないよ。それより俺の傘使う?」 「ううん、悪いよ」 「じゃあ、ぶつかった罰として俺の傘を使え」 「うっ・・・」 そう言うと、男子生徒はバスケ部副部長の名に相応しい巨体に見合ったサイズの傘を少女に押し付け、玄関へと駆けて行った。 「・・・ありがとう」 彼女は少しおかしそうに苦笑を浮かべながら、既にいなくなった彼に向かってお礼を言った。 小柄な彼女には不釣合いの大きな傘に守られてのんびり歩いていると、雨の降りしきる公園にひとつの影を見つけた。 ゆっくりを髣髴とさせる丸っこいシルエットだが、胴体と小さな翼のついた不思議なナマモノ。 先ほどの親野良まりさの子どもを両手に一匹ずつ握り締めて、木の下で喜びのれみりゃダンスを踊っていた。 幸せそうな彼女とは対照的に足元では娘を奪われたまりさが泣きじゃくっている。 「こんにちは、れみちゃん。こんな日にお外にいると風邪引いちゃうよ?それに、拾い食いしたらお腹を壊すよ?」 「うぅ?あ、おねーさんだどぉ!れ・み・りゃといっしょにゆっくりしていくんだどぉ~♪」 「ゆえーん、おかーさぁん!こわいよー!?」「まりしゃもっとゆっくちしたいよー!」 「とってもゆっくりしたおねえさああん!ばりさのあがぢゃんにひどいことずるれみりゃをやっづげでね!?」 「え・・・れみ、りゃ?」 少女は今の今まで気付いていなかった。自分がれみちゃんと呼ぶ童女がゆっくりれみりゃであることに。 もっとも、ゆっくり人間に関する知識はおろか、その存在すら知らなかった彼女が自分の目には胴付きが人間に映ると知る由もない。 ちなみに彼女がれみちゃんと仲良くなれたのはゆっくりにとっては彼女がとても魅力的なゆっくりに映るからだったりする。 が、やはり彼女がそんな事を知っているはずはない。 「・・・ねえ、れみちゃん、あなたゆっくりなの?」 「うぅ?そうだどぉ、れみぃはこーまかんのえれがんとなおぜうさまだどぉ♪」 「おねーさん!はやく、まりさのかあいいおぢびぢゃんをたすけてね!ゆっくりぢちゃったれいむのあがぢゃんなんだよ!?」 「「おかーーしゃあん!?」」 自分の子どもなら自分で助けろ。本来ならばそう言って一蹴するべきところだろう。 しかし、昨日の父親のとんでもない告白で母親というものに対してナイーブになっていた彼女の反応は少し違っていた。 「・・・・・・れみちゃん、その子達をまりさに返してあげて?」 傘を持ったまま、腰を曲げて身をかがめてれみりゃと目の高さをあわせ、微笑む。 れみちゃんがれみりゃである以上それは彼女に飢えろといっているようなものだし、彼女もそれは承知している。 それでも必死に母に助けを求める子ども達を放っておくことができなかった。 「うぅ~・・・おねーさんがそういうんならかえしてあげる~」 「ありがとう、れみちゃん」 ぷぅ、っと頬を膨らましながらもれみりゃは湿った地面に子ゆっくりを投げ捨てる。 目の前の危機から逃れることに成功した子ゆっくりは急いで跳ねてきた親まりさに頬擦りすると、少女にお礼を言ってから逃げていった。 少女は遠ざかってゆく3匹を、姿が見えなくなるまで今にも泣き出しそうな表情で見守り続けた。 「う~・・・おねえさん、きょうはなんかおかしいどぉ?」 「・・・そんなこと、ないよ」 「えれがんとなれみぃになんでもはなすんだどぉ!」 まりさ達が消えてからもしばらく感傷に浸っていた少女の顔を下から覗き込むれみりゃ。 全く隠し通せていない心の乱れを気取られないように顔を背けるが、その動作がれみりゃに彼女の葛藤を確信させた。 うっへん、と肥えた胸だかお腹だかを張るその仕草はどこか笑いを誘うものがある。 「・・・ふふっ、れみちゃんになら話してもいいかな?」 「れみぃはかりすまおはなしあいてなんだど~♪」 彼女がようやく笑顔を見せたのがよっぽど嬉しかったらしく、れみりゃは喜びのダンスを踊り始めた。 「ねえ、れみちゃん、あなたには私は人間に見える?ゆっくりに見える?」 「うぅ?おねーさんはゆっくりだどぉ?」 自分が彼女を人間の子どもと区別できなかった時点でその可能性を疑っていたが、改めて指摘された少女は俯いた。 れみりゃは心配そうに様子を伺っているが、少女にはれみりゃに気を使っている余裕はない。 下から覗き込む下膨れの童女と視線を合わさないように目を逸らしながら話を続けるのが精一杯だ。 「でもね、私のお父さんは人間なんだよ。それにずっと自分のことを人間だと思っていたの・・・」 「うぅ?」 深刻な表情をしている彼女とは対照的にれみりゃは首をかしげている。 その様子を見て少女は「れみちゃんには分からないかな?」と苦笑した。 しかし、れみりゃは首を左右に振りつつ手足をばたつかせ、全身でそれは違うという意思を示す。 そして満面の笑みを浮かべて少女に抱きつくと・・・ 「おねーさんがにんげんでもゆっくりでもれみぃのおともだちなんだど~!」 さも当然のことのようにそう言ってのけた。 その日の夜。少女は夕飯のカレーを作り終えて父の帰りを待っていた。 父には辛口を、それから自分用に砂糖をたっぷり入れた超甘口を。 待ちながら、和室で普段剣道場でやっているように正座して一人物思いにふける。 (私は・・・どうしてゆっくりが母親だってことが嫌だったんだろう?) 年頃の彼女にとって男でひとつでここまで育ててくれた自分の父親がHENTAIだったという事実は確かに衝撃的だろう。 それに、自分の母親がゆっくりだと言うことや、その出生の非常識さにも驚かされた。 何より卑語を口にするクセの原因が自分の本質に関わるものであると言うことには軽く目眩すら覚えた。 (けど、本当に辛かったのは・・・) 目を瞑って今日一日の出来事を思い返す。 朝の稽古で半ば八つ当たりをするような格好で酷い目に合わせしまったれいむ。 割れた額から餡子を零す姿は非常に痛々しいものだった。 (あの子には明日ちゃんと謝らないとな・・・) 詳しくは聞いてこなかったが、荒れている自分の心配をしてくれた顧問。 顧問同様に自分の異変を察して、率直に心配してくれた後輩。 (二人にいはちゃんとお礼を言わないとダメだよね) つい口にしてしまった卑語には何も言わず、自分の体質のことを察して傘を貸してくれた男子生徒。 鈍感な上に色恋沙汰への関心もあまりない少女にとってはただの親切な人に過ぎないのが切ない。 (傘、ちゃんと返さないとね) 何の接点もない、ただ気まぐれに助けただけのまりさと子ゆっくりの一家。 あのまりさはゲスではないようだったがいささか頼りなく見えた。 (あの子、ちゃんと子どもの面倒を見れるのかな?) 自分が何者でも友達だと言ってくれたれみちゃん。 彼女のおかげで、自分の生い立ちにきちんと向き合う勇気が持てた。 (今日、子ゆっくりを諦めてもらったから今度何か持って行ってあげよ) そして、恋ゆっくりの命を奪ったも同然の自分を十数年間守り続けてくれた父親。 今日は朝から一度も口を利いていなかった。 (お母さんのことを一番聞きたがっていたのは私なのに・・・酷い事しちゃったなぁ) 結局、彼女は万が一自分の正体がばれた時に人間以外の何かとして疎外される事を危惧していただけだった。 流石に自分がゆっくりと人間のダブルであることを公表する勇気はない。 けれど、彼らは自分の正体を知っても多少驚きはしても、最終的には受け入れてくれるだろう。 幸運にも彼女の周りには優しい人が、呆れるくらいのお人好しが大勢いる。 (・・・もう少し皆を信じてみよう) そう思ったら少しだけ肩の荷が下りたような気がした。 「お父さん、美味しい?」 「ああ、美味いよ」 いつもより少し遅めに帰ってきた父親と一緒にカレーを食べる少女。 彼女は辛口の食べ物が大の苦手なので、味見はしていないが父の様子を見る限りちゃんと作れたようだ。 「ねえ、お父さん?」 「なんだ?」 「お母さんの写真ちょうだい」 「お前・・・」 あんな馬鹿みたいな話を信じてくれるのか?・・・その父親の問いに彼女は照れ笑いで応えた。 「うん。私のお父さんはあんな酷い嘘つかないよ」 「お前・・・」 「・・・ちょっと、泣かないでよぉ」 良い子に育ってくれた、そう思いながら父は感極まって泣き出してしまった。 右手の人差し指と中指で目頭を押さえる彼に少女は近くに転がっていたティッシュを手渡す。 が、父はそれをイカ臭いからと言って拒んだ。 「お父さん、変なもの置きっぱなしにしないでよ・・・」 「わ、悪かった・・・それより母さんの写真だけど、この一枚しかないんだ」 イカ臭いの意味を察して白い目を向ける彼女から顔を背けつつ、父親は一枚の写真を手渡す。 ところどころパリパリになっているその写真には口から白い液体を漏らしたゆっくりみょんの姿が写っている。 「これ、お母さん怪我してるの?」 「いや、それは私の・・・」 「お父さん・・・殴っても良いよね?」 「止めてくれ」 どうしてこんな写真しかないのよぉ、と文句を言いながら写真の硬くなっている箇所を指でなぞった。 「それに・・・どうしてこんなに保存状態が悪いの?」 「それはな・・・私はお前の母親以外ではマスをかけないんだ」 「え?」 悲しいかな、とっさに卑語を口走るクセのせいで卑語に関する知識は豊富だったりする。 それゆえの目年増・耳年増が彼女に彼の言葉の意味を即座に理解させた。 「お父さん・・・これ、返す」 「気にすることはないぞ。彼女の痴態は私の胸の中にしっかり刻み込まれて・・・」 「本当に殴っていい・・・かな?」 「ごめんなさい」 いろんな意味で落胆しながら少女が食器を片付けるついでに手を洗っていると、父親は何も言わずに自分の部屋へ。 そして、彼女が食器を片付け終える頃に黒いヘアバンドを手にリビングに戻ってきた。 「ちゃんと洗っているし、これを汚されるのは嫌がっていたから清潔だ」 そう言って彼が差し出したのは、あのみょんが身に着けていた頭飾り。 写真以外の形見はこれしかないんだ、とばつの悪そうに呟く父の手からそれを受け取った。 「ねえ、似合うかな?」 翌朝、少女が早朝の稽古に行くと普段は朝練に来ない後輩と顧問の青年、そして何故かバスケ部副部長の姿があった。 「バスケ部の朝練のついでに寄った」とは本人の談だが、バスケ部に朝練はない。 それゆえ、彼女から傘を受け取った彼は1時間以上グラウンドを走り続けることになった。 この日、朝風呂上りの彼女が色っぽいことに気付いた彼は毎日早くに学校に来てグラウンドを走ることになる。 数年後、その邪な努力が日課になり、彼の所属する高校のバスケ部をインターハイへと導くことになるのだが、それはまた別のお話。 「可愛いと思いますよ。可愛さ3割増です」 彼と別れてから後輩と一緒に更衣室へ向かい、着替えを終えた彼女は備え付けの鏡で自分の姿を確認する。 それから自分そっくりの黒いヘアバンドをつけた、白髪の少女に微笑んでみる。 自分で言うのもなんだけれど、いつもより3割増くらい可愛く笑えている。 後輩の極め付きも受けた彼女は、紺色の袴と長い髪を翻して更衣室を後にした。 「遅いぞお前ら、早く座れ」 既に着替えて道場でれいむと一緒に待っていた顧問の青年。 向かい合うように2人が正座したのを確認し、短い瞑想を済ませてから威勢よく「礼!」と号令をかけた。 2人とれいむはその号令にあわせて深々と頭を下げた。 「れいむ、昨日はゴメンね?」 「ゆゆっ、だいじょうぶだよ!れいむとってもゆっくりしてるよ!」 「ありがとう」 「でも、きょうはゆっくりうちこんでね!」 分かってるよ、とれいむの頭を撫でながら人形の頭部にれいむを固定する。 そして、竹刀を振り上げれいむの額めがけて振り下ろした。 「ゆびぃ!?い、いぢゃいよぉぉぉおおお・・・」 「え、あれ?」 「どうぢでいぢゃくずるの?!」 「ご、ゴメンね!もう一回、今度はちゃんとするから」 「ゆぅ・・・」 再びれいむと向かい合った少女はゆっくりと竹刀を振り上げ、額めがけて振り下ろした。 「ゆぐっ!?ゆえーん!いぢゃいよー!」 「え、あ・・・あれ?」 「あー、お前・・・変なクセついちゃったみたいだな」 普通はそう簡単につくようなものじゃないんだけどな、と呟く先生。 どうしよう、と白い髪を揺らして困惑する少女に年長者としてアドバイスを授けた。 「フォームを確認しながらゆっくり打ちを繰り返すのが一番だよ」 「それじゃあ・・・れいむを打つのが一番ってことですね?」 「そういうこった」 それならすぐに治る、と安堵す少女と先生と後輩。 そんな彼女達に恨みがましい視線を送りつつ、れいむは心の底から叫んだ。 「れいむゆっぐぢしだいよおおおおおおおおおおお!!」 ---あとがき--- ついにやっちゃったよオリジナルゆっくり人間・・・。 SS書いていると一層レイパー氏のあの発想がどれだけ凄いか痛感するんです。 で、ついカッとなってやってしまいました・・・さーせん。 byゆっくりボールマン みょん娘(中学2,3年生くらい) 髪型:白髪、ロング (ロングなのは当初のプロットでは最後に母親と同じ髪形になる予定だったから) 体型:やや小柄、胸は薄く全体的に細身 長所:無駄に耳が良い、見た目のわりに力が強い、簡単に怪我を修復できる 短所:驚くと卑語を口にする、水が苦手、ゆっくりに好かれやすい 特技:剣道、というか棒状のものを扱うのが得意。多分ナニも・・・