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うーぱっくと果樹園 その男は幻想郷でも珍しく果樹園を持っていた。 果樹園とはいえ大規模な物でもなく、リンゴ、ミカン、桃、柿、ブドウなどスタンダードな果物の木がそれぞれ1、2本ずつ。 そして、スイカやメロンといった厳密に言えば果物ではない作物がが少しと、男一人が管理できる精一杯で構成された物だった。 季節は秋の初め。 スイカやメロン、桃といった夏の作物は既に収穫し、好評の内に売り切れた。 今度は柿やブドウ、リンゴ、ミカンを収穫する番である。 作業を始める為に男は物置小屋へと道具を取りに行く。 物置小屋は妙に乱雑で、あちこちにダンボール箱が散乱している。別にこの男はズボラで片付けが下手という訳ではない。 男は誰もいないと思われる物置の中でパンパン、と手を叩きながら言った。 「おーいお前達起きろー。仕事だー!」 するとどうした事か。物置のあちこちに散乱していたダンボール箱がにもぞもぞと動き出し、 「「「「「うー!!」」」」」 という声と共に一斉に飛び起きた。 このダンボールはうーぱっく。 ゆっくりれみりゃ(以下ゆっくりゃ)種の亜種であり、その体は肉まんではなくダンボール箱とゆっくりゃの翼で構成されている。 特筆すべきは「契約」の概念を持っているということである。ゆっくりゃに限らずゆっくりは自分勝手で、一方的な要求しかしないモノなのだが、うーぱっくは違う。 うーぱっくは「空飛ぶダンボール」という自分の特性を生かし、他のゆっくりを自分の身に乗せ、輸送し、その対価に食料を貰って生きている。 契約の相手はゆっくりに限らず、対価さえもらえれば人間、妖怪問わずうーぱっくは物を運ぶ。 男は野生のうーぱっくの群れと契約し、果樹園の手伝いをさせていた。 男は梯子を持つと、果樹園へと向かう。うーぱっくも仲良く行列を作って後に続いた。 最初にリンゴの木に梯子をかけ、上っていく。 実ったリンゴは綺麗な赤色をし、一つ一つが爽やかな芳香を放っている。 男はうーぱっくを呼ぶと、その中にもいだリンゴを一つ一つ丁寧に詰めていく。 リンゴの収穫が終わると今度はミカンだ。こちらも天気に恵まれたこともあり、例年以上の収穫があった。 ミカンの収穫が終わり、日が暮れる頃には、沢山いたうーぱっく達の中身は果物で一杯になっていた。 「よし、今日はこれ位にして帰るぞ!」 「「「「「うー!!」」」」」 中身が重いのか、多少ふらつきながらうーぱっく達は家の中に入ってゆく。 男は収穫物を一つ一つチェックし、商品になるものとそうでないものを選別する。 商品になるものは木箱に丁寧に詰め、傷物や虫食いのあるものは労働の対価としてうーぱっく達に振舞う。 今年は収穫も多いため必然的にうーぱっく達の分け前も多くなる。いつもより多いご馳走にうーぱっく達もホクホク顔だ。 そんなうーぱっく達の様子を木陰から窺う者がいたのだが、うーぱっく達は勿論、男も気付かなかった。 翌日、男は収穫した果物を売りに里へと出かけていった。 うーぱっく達は外で思い思いに飛び回っていた。うーぱっく達だけでは収穫を行う事はできない。その為、男が不在の時は休日として羽を伸ばしても良いようになっている。 男としてもうーぱっく達の仕事ぶりには満足しているため、それくらいの事は当然として受け止めている。 そんな中、群のリーダーであるうーぱっくが一匹のまりさに気付いた。 まりさは、ひとしきり辺りをキョロキョロと見回していたが、しばらくすると森の中へ戻っていき、十数匹の仲間を率いて戻ってきた。 「ゆっへっへ!あのじじいはるすみたいなんだぜ。いまのうちにここのくだものはまりささまがいただいていくんだぜ」 人間全てが善人ではないように、ゆっくりにも悪い個体が存在する。その最たる例がこのまりさの様な通称「ゲスまりさ」である。 狡賢いまりさ種のなかでも輪をかけて悪知恵に長け、その性格はまさに下衆。強盗紛いの事をして他のゆっくりから餌や家を奪い、自分の快楽の為に強姦し、いざとなれば仲間はおろか餡子を分けた親姉妹まで裏切るという始末。 人間は勿論、同じゆっくりからも嫌われている鼻摘み者だ。 しかし、人間にもチンピラに迎合するような考え無しな者が大勢いるように、ゲスまりさにも多くの手下がいた。 まりさと同じ様な下衆な性格な者もいれば、単純に「このまりさと一緒にいた方が効率良く餌にありつける」と考える打算的な者など、この群にいる理由は様々だ。 「ゆゆっ!さすがまりさ!これだけあればとうぶんはしあわせ~だね!」 「うふふ、きょうのらんちはとかいはにふさわしいふるーつばいきんぐね!」 「たいりょうなんだねー、わかるよー」 「ちーんぽ!」 などなど、各々好き勝手な事を喚き散らしている。 そんな中、リーダーのゲスまりさがリーダーうっぱっくに話しかける。 「おい、うーぱっく!もたもたしないではやくまりささまをあのきのうえまではこぶんだぜ!」 「う、うー?」 うーぱっく達は困惑した。あの木は今の雇い主の物だ。どこの馬の骨とも知れぬゆっくりに好きにさせるわけにはいかない。 群で相談を始めたうーぱっく達に業を煮やしたのか、ゲスまりさは怒鳴り始めた。 「あーもう、じれったいんだぜ!とれたくだもののはんぶんはくれてやるからとっととまりさたちをのせるんだぜ!!」 その言葉にすぐにうーぱっく達は反応する。基本的にうーぱっく達は「契約」に基づいて行動する。今の雇い主よりも良い条件で雇うと言うものがいるのなら喜んでそれに従う。 うーぱっく達はゲスまりさの群を乗せ始めた。 「ゆっへっへ!さいしょからすなおにそうしていればいいんだぜ」 うーぱっく達が木に辿り着くと、ゲスの群は枝に飛び移り、たわわに実った果実をかじり始めた。 「むーしゃ、むーしゃ、しあわせー!なんだぜ!」 その食べ方は汚い事この上なく、一口齧っては別の実に齧りつき、中には意味も無く枝葉を揺らし、折角の果物を落とす者までいる。 そんな様子を見て、うーぱっく達は不安になっていた。自分達は分け前にありつけるのだろうか?このままあの群に自分達の分け前まで食べられてしまうのではないだろうか? そう考えたリーダーうーぱっくは、リーダーのゲスまりさを問い詰めた。 「うー!うー?」 「ゆゆ?うーぱっくたちもきのみがほしいのかだぜ?ゆっへっへ!さいしょからそんなやくそくまもるきなんてなかったんだぜ!やっぱりうーぱっくはばかなんだぜ!あのれみりゃのなかまだけあるんだぜ!」 「うーぱっくのくせにおいしいものたべようだなんてばかなの?しぬの?」 「とかいはのらんちのじゃまをするなんてやっぱりいなかものね!」 「ぶすいなんだねー、わかるよー」 「おおおろかおろか」 口々にうーぱっくを嘲笑するゲスの群。 そんなゆっくり達に対するうーぱっくの行動は迅速だった。 うーぱっく達はゲスゆっくり達を木から突き落とし始めた。 いつもニコニコとどこか締まりの無い笑顔のうーぱっくではあったが、その時の笑顔からは楽しげな様子は一切無く、容赦の無い冷たいものを含んだ笑顔に変わっていた。 もっとも、人間はおろか、ゆっくりにすらわからぬほどの変化ではあったが・・・。 「契約」をもって生活するうーぱっく達にとって、契約不履行は死にも勝る大罪である。 口約束でハナから守る気は無いとはいえ、ゲスまりさの群は「収穫の半分を対価として渡す」という契約を交わしたのだ。だからこそうーぱっく達は群を木の上まで運んだのだ。 それを破ったゲス達は死んで当然とうーぱっく達は考えていた。 一方、落とされたゆっくりたちにとってはたまったものではない。さっきまで言いなりだったうーぱっく達が急に自分達を突き落としたのだから。 「なにするんだぜ!はやくまりさをたすけるんだぜぇぇぇぇ!!」 いくら粋がっても所詮は饅頭。木から落ちれば命はない。他のゆっくり達も皆必死に自分を突き落としたうーぱっく達に助けを求める。 「い゛や゛ぁぁぁぁぁ!!じにだぐないぃぃぃぃ!!」 「いなかものでいいからだずげでぇぇぇぇぇ!!!」 「わからないよー!!」 「ぢんぼーーーー!!」 意外な事にうーぱっくは地面に激突する寸前でゆっくり達を助けた。 さっきまで死の危機に瀕しみっともなく泣き喚いていたゆっくり達は俄然強気になる。 「このまりささまをころそうとするなんていいどきょうなんだぜ!せいさいしてやるんだぜ!!」 と、うーぱっくのなかで必死に暴れるゆっくり達。しかし、日頃大量の果物を運び、丈夫になったうーぱっくにはびくともしない。 うーぱっく達は暴れるゆっくり達をものともせず、どんどん上昇してゆく。 「ゆーっ、ゆーっ・・・。きょ、きょうはこれくらいにしといてやるんだぜ!さっさとまりささまをおろすんだぜ!」 暴れてもびくともしないうーぱっくを相手に疲れたのか、まりさは抵抗をやめ、負け惜しみを言った。 しかし、聞いているのかいないのかうーぱっくは降りる気配を見せない。 「はやく!はやくおろすんだぜ!」 「うー♪」 意外なほどあっさりとうーぱっくはゆっくりを降ろすことに決めた。 ただし、地上10mの高さから、である。 ゆっくり達が無駄な抵抗を試みているうちに、うーぱっく達はずっと上昇を続けてきた。 高さがある程度まで達したと見るや、うーぱっく達は見事なまでに整った編隊を組んで一斉にバレルロールを行った。 「おーい、今帰ったぞー!」 「「「「「うー♪」」」」」 男が里から帰ってくると、うーぱっくの群が出迎えてくれた。 庭を見るとゆっくりの残骸と思しき潰れた饅頭があちこちに広がっていた。 念の為収穫していない柿やブドウの木を確認すると、一部ゆっくり達が食い荒らした実があるが、全体としてそれ程酷い被害ではなかった。 「お前達が退治してくれたのか?偉いぞー!」 留守にしていて事情を知らない男は、適当にうーぱっく達が木を荒らしに来たゆっくり達を退治してくれたということにし、齧られて商品にならなくなった柿をうーぱっく達にくれてやった。 「さぁ、明日も収穫するからしっかり働いてくれよ!」 「「「「「うー♪」」」」」 賑やかなうーぱっく達と共に男は明日の収穫に思いを馳せた。 あとがき 今回はうーぱっくに出張ってもらいました。 前回のゆっくり剥製ではゆっくりのセリフが殆ど無かったため、ゆっくりにも喋って貰ったんですが、どうにも難しいですね・・・。 何より泣き喚く時にいちいち濁音をつけなきゃいけないのがなんとも面倒臭いです。 他の作家様のSSとは比べ物にならないほど酷く、虐待描写も少ない文章ですが、少しでも楽しんでいただけたら幸いです。 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/2786.html
注意 出てくるゆっくりはみんな最終的に死にます。 おれの好きなゆっくりが死ぬなど許せんッ!!!という方はご遠慮ください。 「ホーホー」 鳴き声を上げ、木の上で一羽の梟が獲物がかかるのを待ち続ける。 梟は肉食で鼠等を捕食する一流のハンターだ。 そんな彼等が今狙っているのは鼠ではない。 鼠よりも大きく、それでいてそれに匹敵する繁殖力を持つナマモノ“ゆっくり” だった。 「ホー…ホー…」 この梟は幻想郷に住む梟の中で古参であり、あまりにも膨大な時間を生きている 為に妖怪になりかけていた。 その為知能もよく回り、餌には困らなかった。 「どうじでうごげないのおおおおおおッ!!?」 下では“撒き餌”が騒がしい。 木から梟が見るのは二匹のゆっくりまりさとゆっくりれいむの番だ。 しかもれいむは奴らの言い方からすればにんっしんしていた。 頭の茎を揺らしながらまりさに寄り添っている。 どうしてこんな事になってしまったのだろうか? れいむはもう何度したかわからない自問自答をした。 自分達はただ巣の中でゆっくりしていただけだった。 かわいい赤ちゃんとかっこいいまりさといっしょにゆっくりしていただけだった 。 だけどいきなり恐い鳥さんがやって来てまりさを連れていってそしてれいむも… 。 その時の出来事を思い出しガタガタとれいむは震え出す。 彼女達は動かない。いや、動けないのだ。 身体のあんよにあたる部分を鳥に啄まれてしまったからだ。 だから暗い夜の森の中で寄り添っているしか出来ない。 ゆっくりは捕食種でもない限り夜中は出歩かない。 夜は危険がいっぱいだからだ。だから巣の中に閉じこもっている。 それでも安全とは言い難いがそちらの方が助かる確率が高かった。 しかし今は森のど真ん中にいる。 身動きもとれない。 動物に襲われたらひとたまりもない。 そんな恐怖に終わりが来た…最悪の形で。 「うーうー☆」 「れみりゃだああああああああッ!!!」 まりさの絶叫が響き渡る。 ぎゃあぎゃあと騒いでいたせいで見つかってしまったのだ。 「う~♪あまあまみつけたど~☆」 そこに現れたのは胴なしれみりゃだ。 大きさ的には成体よりは小さいといった感じだ。 おそらく親と狩りに来たのだろう。 獲物としては十二分だ。 妖怪や野犬だったら返り討ちになりかねない。 梟は仕掛けが功を奏した為ほくそ笑む。 しかし油断はしない。 長生きの秘訣は焦らない事だと自分に言い聞かす。 「やだこっちこないでええええええッ!!?」 れいむが涙を流しながら叫ぶ。 「うるさいど~♪ あまあまはえれがんとなおぜうさまのでざーどになるのがしあわせなんだど~♪ 」 「そんなのぜんぜんじあわぜじゃないよー!!」 泣き叫ぶれいむに対して胴なしれみりゃは今にも襲い掛かろうとしている。 「おちびじゃんすごいんだど~!!」 そんな言葉と共に胴ありのれみりゃがやって来る。 おそらく親なのだろう。 胴なしれみりゃが襲い掛からなかったのは親を待っていたんだろう。 まあ動いたら襲い掛かるつもりだったんだろうけどれいむ達は底部を啄まれてい るから身動きとれなかったから動かなかったのだろうけど。 「う~、おねえちゃんすごいんだど~!」 「さすがはれみりゃのじまんのいもうとなんだど~☆」 他にも三匹胴なしれみりゃが跳ねをパタパタさせてやって来る。 思ったよりも大量だ。 梟の目的はれみりゃ等肉の身体を持つ生物の捕獲だった。 梟は肉食だ。ゆっくりのような餡子饅頭は好まない。少なくともこの梟はそうだ った。 ゆっくりは数が多く、巣が見つけやすく、ゆっくり自体捕まえやすい。 梟の体躯にはゆっくりの巣はちょうどよく潜り込める広さなのだ。 個人的には好みではないが捕まえやすい獲物…それを使えば他の獲物も捕まえや すくなるんじゃないか?とこの梟は考えた。 そして考えついた手段がこれだった。 今れみりゃ達は皿におかれたディナーとなったのだ。 警戒が強ければ不自然に思うかもしれないが残念ながらこのれみりゃ達にそこま で考える知能はなかった。 「きょうはおちびちゃんがぷっでぃんのつぎにすごいごちそうをみつけたんだど ~♪すごいど~♪」 親れみりゃは胴なしの子れみりゃの頭をなでなでする。 れみりゃは頭のいい個体ではない為捕まえた獲物はその場で食べてしまう。 そしてその間は本来ならば周囲を警戒しなければならないのによくわからない“ こうまかんのおぜうさま”としてのプライドとやらがある為でディナーは優雅に 食べるそうだ。傍目にも優雅にはカケラも見えないが。 しかも中身はほかほかの肉まん。 肉食のこの梟にとってまさにうってつけのカモだった。 「いただきますだど~♪」 親れみりゃの許可を得て子れみりゃがまりさに襲い掛かる。 「こないでね!たべるなられいむにぎゃあああああああッ!!!」 三方向から中身を吸われ絶叫するまりさ。 みるみる内にぺらぺな皮になっていく。 「うー!うー!」 一匹あぶれた子れみりゃが物欲しそうに見ている。 「だめなんだどー☆ おねえちゃんはいもうどにさきをゆずってあげるんだどー♪」 「う~…」 どうやら我慢しているのはこの中で一番上の姉のようだ。 サイズは大した違いは無いから時間的にはあまり差はないだろうが。 「ゆ゛っ…ゆ゛っ…」 皮だけに等しい状態になったまりさが痙攣している。 既に意識は無いだろう。 「ばりさぁッ!!しっかりじでぇッ!!」 れいむが泣き叫ぶ。 見捨てられたのを聞いていなかったのか今もまりさを慕っていた。 だがそんな想い等ここでは糞の役にも立たない。 「めいんでぃっしゅをいただくんだど~♪」 そう言って親れみりゃはれいむの頭に生えた茎を折った。 「「「「ゆぎゃああああああああああああああああああッ!!!」」」」 すやすやと希望に満ち溢れた未来が待っていた筈の赤ゆっくり達が目を見開き絶 叫を上げる。 中途半端に成長して自我が芽生えていたのが不幸だった。 「ゆっくちしていってね!」と親に告げる筈の口は、「ゆ…ゆ…」と絶叫と嗚咽 を漏らすだけだった。 「でいぶのあがじゃんがあああああああああッ!!!」 れいむが喧しく泣き叫ぶ。 遠くにいるこちらからでも五月蝿いのだ、れみりゃからすれば苦痛だろう。 「うー、うるさいどー!!」 「ゆげ!?」 親れみりゃがれいむを蹴り飛ばす。 そのままころころと転がり、止まる。 それに満足したのか親れみりゃは、 「うー、おちびちゃんおまたせしたんだどー♪」 そう言った親れみりゃの言葉と共に我慢していた子れみりゃがれいむに襲い掛か る。 「やめてね!れいむおいしくないかぎゃあああああああああ!!」 「うー!」 れいむの中身がどんどん吸い出されていく。 「やだあ!れいむじにだくない! まりさとあかちゃんとゆっくりずるのぉッ!!! いっしょにおうたうたったりおさんぽしたりしてずっとゆっくりするのぉッ!! 」 れいむは足掻くが子れみりゃの牙はがっちりとはまり、抜けない。 最期の最後、れいむはどうしてこんな目に遭うのかと思っていた。 れいむは幸せだった。 ゆっくりしてかっこいいまりさと一緒にゆっくりして赤ちゃんが出来て、ゆっく りした幸せな未来が続くと信じて疑ってなかった。 なのに現実はまりさや赤ちゃんを殺され、自分もれみりゃに食われている。 どうしてこんな事になったのか? そうだ…あのこわいとりさんがれいむたちのゆっくりプレイスにきたからだ。 れいむの脳裏に丸い狩人の双眸がフラッシュバックする。 どうして…れいむなにもわるいことしてないのに…。 れみりゃに中の餡子を吸われいく中、最後まで自分の幸福を奪った梟を脳裏に浮 かべながられいむは事切れた。 れいむが完全な皮のみになった頃、梟はようやく羽根を広げる。 生物は食事を終えた後は動きが鈍くなる。 それはゆっくりにも同じ事だった。 さて、あちらの食事は終わった。次はこちらの食事だ。 そう梟は言いたげに音も無く飛び立った。 「うー、でざーとなんだどー♪」 そう言って親れみりゃは茎に生えている赤ゆっくりをちぎり子れみりゃに投げ与 えた。 「うー!とってもでりしゃすなんだどー♪」 赤ゆっくりはれみりゃ達にとって御馳走だ。 赤ゆっくりがいる間は親のゆっくりが巣から出ないからだ。 とても美味しいでざーとに子れみりゃは舌鼓を打つ。 「う~、れみりゃもほしいんだど~♪」 れいむを吸い付くした子れみりゃも親れみりゃのいる方へ羽根をパタパタとさせ て近づこうとし、 「う!?」 音も無く消え去った。 それはあまりにも迅速で、赤ゆっくりを食べて幸せな子れみりゃとそれを配って いた親れみりゃが気付く事もなく、一番上の子れみりゃは梟に連れ去られたのだ った。 『う~!?』 叫び声を上げて逃げ出そうとするが梟の脚の爪ががっちりとくわえ込み、そのど ちらも出来ない。 そしてそのまま木に梟は着地する。 『うげぇ!?』 身体が圧迫される痛みが走るが致命傷にはならなかった。 距離はさして離れていない。 子れみりゃから親れみりゃの姿も見える。 『まんま~!?』 れみりゃは必死に親に助けを求めるが声も出せない状況では気付く訳もない。 『う~!?ざくや、だずげで~!?』 本能に刻まれたさくやという存在に助けを求めるがそれは無駄な行動でしかない 。 梟も悠長にしていれば他の獲物が逃げてしまう為一匹に時間をかける訳にはいか ない。 逃げられないように手早く羽根をむしり取る。 『うぎゃー!?いたいどー!!』 バタバタといっそう激しく暴れるが食い込んだ爪から逃れられない。 羽根がなくなったから飛んで逃げることも出来ない。 そして邪魔な帽子を捨て、啄みはじめる。 『もうやだどー!!れみりゃおうちにかえるー!!ぷぎゃ!うぎ!』 自分の中身が瞬く間に食われていく。 先程れいむにした事を身を持って味わっていく。 鋭い嘴によって生まれる鋭い痛みに子れみりゃの身体に生まれてから一度も味わ った事のない痛みが何度も襲い来る。 皮は破れ、中からほかほかの肉まんの湯気を立ち上らせながら必死に助けを求め るが既に口にあたる部分は破壊されて声が出ない。 『ま…んま……ざ…ぐや…』 目玉を啄まれ、残った片目で幸せそうな親れみりゃを見つめる。 親れみりゃはようやく一匹足りない事に気付くが、隠れんぼか何かと思い、「お ちびちゃんどこなんだど~?」と明るい口調で言っていた。 『たず…』 必死に懇願する子れみりゃ。 だがその願は絶対に届かない。 残った片目も梟に啄まれる。 必死に瞼を閉じるが、その瞼も食われ、剥き出しの目が前方を向く。 そこには、かつてれいむが死に際に思い浮かべたものと同じ丸い狩猟者の双眸。 それが子れみりゃの見た最後の光景だった。 目をえぐられ、視覚を完全に奪われる。 『だれ…たず…』 薄れいく意識の中、あの双眸を脳裏に浮かべながらあてもなく誰かに救いを求め 、子れみりゃは髪の毛と皮を残し、梟の腹の中に収まった。 皮肉にも、この子れみりゃが最後に浮かべた光景と死に方は先程喰らったれいむ とほぼ同じものだった。 「おちびちゃんかくれてないででてくるんだど~!」 一方、親れみりゃは赤ゆっくりがついた茎を片手に子れみりゃを捜す。 二つ程赤ゆっくりが残っているのはいなくなった子れみりゃの分だろう。 「う~、でてこないとでざーとたべちゃうんだど~!」 親れみりゃはいつまで経っても出て来ない子れみりゃに対して告げるが反応が返 って来ない。 れみりゃは幸福だった。 初めての一緒の狩りでおちびちゃんがすごい御馳走を見つけた事がとても嬉しか ったのだ。 はじめてのかりでこんなでりしゃすなあまあまをとれるなんてさすがおぜうさま のおちびちゃんたちだどー!と思っていた。 これから先自分を超えるカリスマ溢れるおぜうさまに相応しき存在になると信じ て疑わなかった。 こうまかんにかえったらなでなでしてあげるんだどー♪と思っていたらいつの間 にかおちびちゃんがいなくなっていたのだ。 最初はかくれんぼだと思っていたがいつまでも出て来ないので不安になってくる 。 だがおぜうさまのおちびちゃんがやられるわけないんだどーという何処にも保証 のない結論を信じて疑ってなかった。 そしてその想いは裏切られる事になる。最悪の形で…。 親れみりゃは見つけた。 子れみりゃの成れの果てを…。 それは子れみりゃの髪と皮、羽根、そして帽子だった。 無残に食い散らかされたそれは紛れも無く“死”を物語っていた。 「うあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!?」 親れみりゃは絶叫する。 さっきまでかわいらしく笑っていた子れみりゃが今は醜い残骸に成り果てている 。 いずれえれがんとなおぜうさまになってこうまかんをひきいると親れみりゃが思 っていた妹思いな子れみりゃはもうどこにもいない。 かわいらしくてえれがんとな「う~☆」という鳴き声も聞けないのだ。 ショックのあまり持っていた茎を落としてしまう。 「おちびちゃんじっがりずるんだど~!!」 親れみりゃは子れみりゃの残骸をかき集める。 目尻には大粒の涙が流れていた。 ついさっき死んだれいむのように輝かしい未来が待っていた筈のれみりゃ達に突 然訪れた悪夢。 「う゛っ…う゛っ…おちびぢゃん…」 子れみりゃの残骸を抱きしめ落涙する親れみりゃ。 「まんまぁ~…げんきだすんだど~…」 そんな親れみりゃに今一番上となった二番目の子れみりゃが慰める。 「おねぇちゃんはきっとてんごくでしあわせにしてるんだど~」 自分だって家族で唯一の姉を失って辛いはずなのに一生懸命親れみりゃを慰めて いる。 「まんまぁ~ないちゃったらてんごくのおねえちゃんもかなしくなっちゃうんだ ど~」 「げんきだしてほしいど~」 そうだ…まだこのこたちがいるんだどー。 親れみりゃは三匹の子供達を見つめる。 一番上のお姉さんはいなくなってしまったけどまだこの子達がいる。 残念だけどいなくなった子の分まで仲良く幸福に暮らしていこう。 そう思い、両手に抱えていた子れみりゃの残骸を一旦地面にそっと置き、れみり ゃは落とした茎を拾う。 「みんなでこのでざーとをたべておねえちゃんのぶんまでこうまかんのあるじに ふさわしいおぜうさまになるんだどー♪」 「「「う~、わかったど~♪」」」 笑顔に戻ってくれた親れみりゃを見て子れみりゃも微笑む。 家族の死を乗り越えて彼女達は成長したのだ。 だが彼女達は気付いていない。 悪夢はまだ…終わっていないと…。 それは疾風のようだった。 親れみりゃが一番上の子れみりゃにあげる筈だった赤ゆっくりを二番目の子れみ りゃにあげようとしたその時、 「う゛ぁ!?」 一番下の子れみりゃが変な声を上げ、親れみりゃがそちらの方を向いた時には一 番下の子れみりゃの姿が何処にもなくなっていた。 「うぎゃあああああああッ!!?」 そして子れみりゃの絶叫が響き渡る。 「おちびちゃん!?」 さっきの悪夢が再び蘇る。 また突然いなくなってしまった子供に親れみりゃは蒼白しながら辺りを見回す。 今度はすぐに見つかった。 「う゛…う゛…」 一番下の子れみりゃは木の枝に突き刺され、肉汁を垂らし、痙攣していた。 まるで百舌鳥のはやにえだ。 急所を外してあるからまだ生きていた。 「おちびちゃん!!いまたすけるんだどー!!」 そう言ってれみりゃが羽ばたいて子れみりゃを助けようと飛ぶ。 もう子供を失うのは嫌だ。 そんな親として純真な思いでれみりゃは向かった。 だが、 「うがぁ!?」 突然れみりゃは現れた何かに弾き飛ばされた。 かつてれいむを蹴り飛ばした時のようにれみりゃは転がる。 「ううう…」 身体に激痛が走る。 だけど早く助けないと子供が死んでしまう。 そう思い立ち上がる。 これがハリウッド映画だったら涙を浮かべる名シーンになっただろう。 だがこれはハリウッド映画じゃない。 親れみりゃの子を思う気持ちなど全く意味の無いものだった。 「まんまぁ~!?たずげでだど~!!」 親れみりゃの眼前にはさっき自分を慰めてくれた二番目の子れみりゃが鳥に踏ま れていた。 丸い二つの無垢そうな双眸をした鳥。 無垢故に残酷さが込められている感じがする。 親れみりゃは理解した。 こいつがおちびちゃんを殺した奴だと。 「おちびちゃんをはなすんだど~!!!」 親れみりゃは叫ぶ。 今にも飛び掛かりたいのだが身体が痛くて上手く動けないのだ。 だから出来るのは精一杯の威嚇。 「まんまぁー!たずげでー! れみりゃまだじにだぐないんだどー!!」 泣き叫ぶ子れみりゃ。 逃げ出そうにも子れみりゃに食い込んだ爪は深く、梟の重量を跳ね退ける力も無 い。 姉の死に悲しみながらも親を一生懸命慰めてくれた心優しい(親れみりゃ基準) 子の顔が恐怖に歪んでいる。 唯一無事な子れみりゃはがたがたと震えている。 そして梟はさりげなく、あまりにも自然に子れみりゃの帽子をひきちぎった。 頭の一部分を含めて。 「うわあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ッ!!」 突如頭に走る激痛に絶叫するしかない子れみりゃ。 帽子と髪は剥げ、右目の周囲は剥き出しの肉まんの中身が見える。 人間でいうなら骨が見えているようなものだ。 親れみりゃはその光景に唖然とする。 こうまかんのおぜうさまにふさわしいかわいらしくてかりすまあふれるおかおが …。 そこからは親れみりゃは何も言えなかった。 目を背けたくなるような光景(親れみりゃにとって)が広がっていたからだ。 しかし、自分達が危機的状況なのは変わらない。 梟はれみりゃが上手く動けないのを把握していた。 だから手早く羽根を毟り取り、吐き捨てる。 れみりゃの再生能力は高く、ゆっくりの中でも愚鈍な知能を補うかのように身体 能力は優れていた。あくまでゆっくりとしてだが…。だから羽根が毟られてもし ばらくすれば生えてくるのだ。 今この場で梟がやっているのは逃亡の防止。 この時点になると既に梟から逃げる方法は皆無になる。 他のゆっくりと違って羽根というアドバンテージを持つれみりゃだがその分跳ね るのが不向きなのだ。 羽根のない胴なしれみりゃはかつて獲物であった披捕食種にすら敗れる始末なの だ。 その為に他のゆっくりと比べて体付きに進化しやすいのかもしれない。 先程一匹を囮にして親れみりゃに不意打ちをし、痛烈なダメージを与えた。 囮を使わないでそのまま突っ込んでもよかったのだがこの梟は徹底して慎重だっ た。 もしも先にれみりゃが近付いてくるのに気付かれたら逃げられるのではないか? 手足がなく動きが鈍いれみりゃの方を攻撃しても牙にさえ気を付けていれば反撃 を受けることはない。 それ故の行動だった。 難点は悲鳴が喧しく、他の動物や妖怪をおびき寄せる可能性もあるが数だけは多 いゆっくりの悲鳴等森の中では日常茶飯事だ。 獣達が気にする事はない。 梟は安心して食事を進める。 と言ってもゆっくりのようにのんびりとしている訳ではない。 迅速に子れみりゃを喰らっていく。 「ざぎゅ!…だずげ…」 瞬く間に子れみりゃの身体が梟の腹に入っていく。 きっと中で姉妹と再会出来て先に食べられた子れみりゃも喜んでいるだろう。 「やめるんだどー!!!」 親れみりゃが身体の痛みを我慢して体当たりして来る。 子を思う気持ちが痛みを凌駕したのだ。 だがその程度で切り抜けるならこのような状況に陥らない。 梟は一旦食事を止め、軽く飛んでれみりゃの背後にまわって親れみりゃを地面に 叩きつけた。 時を軽く遡り、親れみりゃが梟に体当たりをかけたその時、 「ま…んまぁ…」 助けに来てくれた…。 中身が少なくなり思考が乏しくなった子れみりゃでもそれは理解出来た。 やっぱりまんまはさいきょーのきゅうけつきなんだどー。 こんなとりなんかあっというまにたべちゃうんだどー。 等と勝利を確信した子れみりゃ。 親れみりゃが木に突き刺さった子れみりゃを助けようとして梟に叩き落とされた 事など覚えていない。 だがこのれみりゃは知らない。 安易な希望は絶望を倍加させると。 自分にのしかかってた梟の重みが無くなる。 だが動けない。 子れみりゃは気付いていないがもう完全に助からない量まで啄まれてしまった。 もし親れみりゃの体当たりが成功し、もし梟に勝利した場合…それでも天文学的 確率の話だがそうなったとしても子れみりゃは死ぬ。それは絶対だった。 だが現実の悪夢は別の方向へと続く。 梟は難無くれみりゃの背後にまわり、地面に叩き付けた。 そう、子れみりゃがいる地面に。 それを子れみりゃはスローモーションのようにゆっくり感じた。 『まんまぁ~♪ こわかったんだど~☆』 カリスマ溢れる母の姿に恐れをなして梟が逃げ出したと本気で思っている子れみ りゃは自分を抱きしめてくれると思っていた。 だがそれは違う。 親れみりゃの背後にまわり、上から地面に押し付けているのだ。 『まんまぁ~いたがったんだど~!!』 死に際なせいか周囲の動きがゆっくりと感じられる。 五感が鋭敏にでもなったのだろうか。 親れみりゃと子れみりゃが触れ合う。 愛しい母の抱擁に痛みを忘れて子れみりゃは幸せな気持ちになる。 だが、 『まんま…すこしいたいんだど…』 親れみりゃの抱擁が強くなる。 そもそも子れみりゃが勘違いしているだけで抱擁ですらないのだから。 だんだんと自身が圧迫されていくのがわかる。 『まんまぁー!いたいんだど!はなれてほしいんだど!』 もはや母の抱擁などと生易しいものではない。 確実に殺すのしかかりだ。 『いだいいだいおうぢがえどぅー!!』 勿論もう家には帰れない。 死神が歩きから全力疾走に変わっただけだ。 『ごべんなざいわるいごどじだのならあやまるからやめてだどー!!』 子れみりゃは必死に声に出ない命乞いをするがだれにも聞こえない。 そのまま子れみりゃの身体がひしゃげていく。 『ごべんなざいもうわがままいわないからあまあまをポイッとかじないがらまん まのいうごどちゃんとぎぐがらやめでぐだざいだどー!!』 そんな命乞いなど誰の耳にも届かないのに必死で言い続ける。 『つびゅ…れる…』 じんわりと子れみりゃに痛みが走り、目が圧迫されて飛び出す。 一瞬にして子れみりゃの視界は暗闇に包まれる。 自分の身体が破壊されていくのがわかってくる。 『やだやだやだやだやだやだやだやだじにたぐないじにだくないじにたくないじ にたくない!!』 五感が鋭敏になり、時間の流れがスローモーションのようになったのが災いした 。子れみりゃは本来なら一瞬ですむ痛みと恐怖をゆっくりと味わう羽目になった 。 目玉が飛んでいく。 そこから肉汁が溢れる 口から残った肉まんが飛び出そうとする。 その結果口いっぱいに広がる自身の味。 子れみりゃは口を閉じて耐えるがすぐに決壊し、口から流れでる。 『れみりゃのながみでてきちゃだめだどー!!』 口を強く閉じて流出を止めようとする子れみりゃ。 しかし上からの圧力ですぐに口自体が破壊され流出の中に歯が含まれ出す。 口だけではない。圧力で子れみりゃの中身は穴という穴から飛び出してくる。 『ざ…ぐ…や…だず…』 子れみりゃは母ではなくさくやに救いを求めたのだった。 そして長い痛みの中、子れみりゃは愛しい母の胸の中でようやく死ぬ事が出来た のだった。 親れみりゃは自身の身体の下からダイレクトに子れみりゃの潰れる感触を感じた 。 「う゛あ゛、う゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛ッ!!!」 もはやえれがんとやかりすまのカケラもなく泣き喚く親れみりゃ。 親れみりゃが泣き喚いているのを尻目に梟はある事に気付いた。 それは迅速に行動しなければならない事だった。 それを済ませ、梟はさっさと獲物を確保して巣に戻る事にした。 「う゛、う゛う゛~…」 濁流のような涙を流す親れみりゃを尻目に梟は親れみりゃの羽根をひきちぎる。 「うぎゃー!!!?」 激痛に親れみりゃがのけ反るが梟には関係ない。 そのまま羽根を今まで子れみりゃにやったようにそこら辺に吐き捨て、脚を啄み 機動力を奪う。 これでもう親れみりゃは満足に動けない。 「やだー!!もうおうちがえるー!!!」 もう親としての威厳もへったくれもない。 ぶざまに命乞いをする親れみりゃ。 すると、すっと上にのしかかっていた梟がどいたのだ。 「う゛?」 突然の事に戸惑いを隠せない親れみりゃ。 そんな親れみりゃを尻目に梟は飛び立つ。 「うー!だすがったどー! れみりゃのかりすまにびびってにげだしたにちがいないどー!!」 そのまま森の中に飛んでいく梟を見ながら歓喜の踊りと称する手足ばたばたをす る。 「う゛~!?なんでうごけないんだどー!?」 親れみりゃは脚を啄まれて動けない事をすっかりと忘れていた。 自分の怪我すら忘れてるのだ、枝に突き刺さっている虫の息の子れみりゃも忘却 の彼方だ。 それと同時に周囲に誰もいない事を気付かなかった…。 自身の子供が何処にもいない事に気付かなかった。 そして、 「う~しね!」 新たに現れた驚異にも気付かなかった。 (後編?へ)
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ゆっくりClose Air Supportしてね! ※※※前フリ長くて申し訳ない※※※ 「きょうもゆっくりしようね!」「ここはさいこうのゆっくりポイントだね!」 ゆっくりがゆっくりできるかどうか以外にはさほど関心を持たないのはよく知られている。 ここにいるゆっくりの大群もまったくその通りで、食料がたくさん存在し天敵がいないこの地に満足し、ゆっくりしていた。 この群れはもともと数は多くなく、5匹ほどのゆっくりのグループが数を増やして形成したという経緯がある。 3ヶ月前、この地にやってきた5匹は昨日まで住んでいた森とは様子が違う木々に初めは戸惑っていたものの、 ゆっくりするのに十分以上の条件が整っていることが分かるとここを安住の地とし爆発的に数を増やした。 ゆっくり達は、時々仲間が消えるものの(川に落ちたんだろうと考えた)天敵のいないこの地におおむね満足し、最高のゆっくりポイントとした。 これからこの地はゆっくりの楽園となるだろう、そうゆっくり達は各々考えていたのだが… よく晴れた朝、ゆっくりれいむはここに住むようになってから妙にふやけるようになった皮を揺らしつつ、 朝食を求めて背の低い木を掻き分けていた。 「ゆっくりーとまっててねー♪」 やっと見つけた朝食候補に喜びをあげるれいむは舌をゆっくりと伸ばして捕食を試みる。 故郷の森では見たことが無い蝶だったが空腹の前にはそんなことはどうでも良かった。 と、そのとき。爆発音が響き木々を揺らす。 「ゆっ゛!?」 反射的に音源へと警戒態勢を取った。(といっても体を向けるだけだが) 近くで物体が動いたことに気が付いた蝶は当然逃げてしまう。 「ゆぅぅぅぅ…」 今日初めての食事は昼食になりそうだという事に残念がるれいむ。 気を取り直して音源のほうを見ると「鳥」が緑の中へと吸い込まれていくところだった。 ゆっくりれみりゃやゆっくりフラン、つまり自分達に危害を加える飛行物体には注意を払うゆっくりだが、 そうでない飛行物体、すなわち鳥や蝙蝠に普通は関心を持たない。 だが、れいむは自分の食事が台無しにされた事に腹を立てており、その抗議をしてあわよくば食料を手に入れるため、「鳥」が落ちたほうへと向かっていった。 さきほどの爆発音で同じ方向を見ていたゆっくりたちが、れいむの行動を不思議がって後を付いてくるのに気が付かずに。 幸か不幸か目的地は川のこちら側だった。(向こう側なら早々に諦めていつもの生活に戻れただろう。) 「鳥」が落ちたと思われる場所に到着したことでれいむ達の生活は永遠に変わってしまった。 生まれつきの警戒心があるれいむは、いきなり目的地(ちょうど木の密度が薄くなって広場のようだった)に出て行くことはせず、茂みを通してその場所を観察した。 そこにいたのはニンゲンだった。 見たことも無い妙な服を着ていたが体つきや顔からして間違いなくニンゲンだった。 「ゆっ、ゆっくりしていってね!」 れいむは故郷で何度か人間に殺されそうな目に合わされていたが、生物としての自己防衛反応のためかその事をすっかり忘れており、 食事の落とし前をどうしてくれようという気持ちで茂みから飛び出していった。 その割には第一声がまったくその気持ちを感じさせない物だったが。 だが、そのニンゲンは全く無反応だった。 れいむの自己に都合の良い記憶によればこのセリフを聞いたニンゲン何らかの反応を示すはずだが、 目の前の疲れきった顔の男は二つの目でれいむを注視するだけだった。 「ゆっくりしていってね!!」 今度はゆっくりの模範ともいえる声と顔で挨拶をするれいむ。 だが、男はやはり無反応だった。 「「「ゆっくりしていってね!!!」」」 三回目の挨拶は偶然にも合唱となった。 れいむを追いかけてきたゆっくりたちがこの段階で追いつき、いっせいに挨拶をしたのだった。 「いっしょにゆっくりしようね!」「このひとはいっしょにゆっくりできる?」 「あさごはんたべようね!」「ゆっくりしたいよ!」「にんげんだ!にんげんだ!」 「いいからかえってゆっくりしようね!」「ここでゆっくりしたいよ!」 れいむと他のゆっくり達が一斉に会話を始めて広場は騒然とする。 男は相変わらずれいむを見ていた。 ウィルソン・フォード中尉は混乱していた。 ちょっとしたミスから十字軍の名が付いた愛機を落とされ、かろうじて脱出してここに降り立ったがパラシュートが木に絡まって動けず何とか切り離す、 そこまでは自分が知っている知識の範疇の出来事だった。 ──だが、こんなに妙な丸っこい生命体が生息しているなんて聞いてないぞ! 最初の丸いのが茂みから飛び出してきたとき敵かと思い拳銃を構えたが、少なくとも敵ではないと分かり今は下ろしていた。 あまりの驚きからその場所で固まった彼は、後からどんどん増える丸い物体のお仲間に圧倒されて動くに動けないでいた。 こんな生き物が生息する地域に入ったらどんな目に遭うか分かったものではなかった。 幸いにもここは友軍基地に近く、救援はすぐに来ると思われたので何とかなるだろうという目論見もあった。 そこまで考えたところで丸い連中がいよいよ騒がしくなってきた。 「YUKKURISITENE!!」「YUKKURISITEITTENE!!」 やはり意味は分からない。響きから日本語かと思ったが(日本に駐留した事がある友人のおかげだ)彼には日本語に関する語学能力は無かった。 あまりに騒がしいとそれで敵がやって来るのは明白なので、彼は丸い連中を黙らせようと試みた。 「君達、少し静かにしてくれるかな?」 「YU?」「WAKARANAII WAKARANAIYOO!」「YUKKURISHABETTENE!!」「TIIIINPO!」 当然だが通じなかった。 こんな妙な物体と会話を試みた自分の頭が心配になってきた彼は、ここにいるとそろそろ本格的に危険だと考え、友軍基地の方角を確かめて歩き始めた。 「STOP! PLEASE!STOP! DANGER!」 「ゆっくりあるいてね!」「いっしょにゆっくりしようよ!!」 なるべく単語を減らして意思の疎通をこころみる男の努力も空しく、 意味が理解できない言語を投げかけられたゆっくりたちはますます彼に興味を持って後をつけるようになった。 彼は追跡者を振り切ろうと足を速めるが、障害物が多いため思うように進めない。 男とゆっくりの珍道中はしばらく続いた。 いい加減ウンザリしてきた中尉は怒鳴りつけて追い払おうと丸い連中のほうを振り返った。 何か相手をしてくれるのかと期待に満ちた目を向けてくる連中の向こうで何かが動いた。 ついに恐れていたほうの追跡者が来たのだ。 「クソッ!!」 もはや形振りかまっていられない為、直ちに全速力で逃走に移る。 それを丸い連中も何匹か脱落させつつ全力で声を上げつつ追いかけ始め、恐ろしいほうの追跡者がそれを追いかけるという形になった。 「YU!!…」「YUGUEEE!」 脱落したヤツが踏まれて断末魔を上げているのが聞こえたが、それにかまわず彼は走り続けた。 「おい!こっちだ!速く来い!」 「いいぞ、もう少しだ!頑張れ!」 目の前に現れた友軍の救出部隊が射撃しつつ声を張り上げる。もう少しだ。 そして、ついに友軍の後ろへと飛び込む。 「良く頑張った!フォード中尉! 悪いがもう少し待ってくれ!連中を片付け…なにっ!?」 労いの言葉を掛けてきた隊長と思しき人物が、こちらに全速力で向かってくる丸い連中と追跡者を見て途中で発音をやめる。 途中で丸い連中を踏んで混乱し、さらには銃撃を受けたためかかなり距離が離れていた。 背の低い丸い連中には弾が当たらず、弾幕の下でまごまごしているのが見えた。 突然の出来事で混乱しているのだろう。 こっちに来いと声を上げてみたが、意思の疎通はやはり不可能でやっぱりまごまごしていた。 『こちらスワローテイル。派手にパーティ中らしいからウェイターを連れてきたぞ。』 通信機から声が漏れていた。航空支援で追跡者を吹き飛ばすのだろう。 『お客の位置を知らせてくれ、でないと注文を取りにいけん。』 「俺達より北の連中だ!いま発炎筒を投げる!」 前線航空統制官の要請に隊長が答える。 直ちに指示が出され、赤い煙を上げる棒状の物体が追跡者のほうへと投げられた。 危険を感じ取った追跡者が撃たれながらも無理に接近しようとするが、丸い連中が邪魔で思うように進めなかった。 「赤い煙の辺りだ!派手にブチかませ!」 『了解した。 …確認した、今ウェイターを送る。コールサインはヴァイパーだ。』 『こちらヴァイパーリード。お客は確認した、今から料理を送るぜ!』 統制官の返答の後、パイロットが今度は答えた。 音が辺りに響き始め、あっというまに木々を揺らさんばかりの轟音となる。 ターボ・ジェットの音が耳を破壊するかどうかというほど大きくなったとき、上空を影が通過した。 ニンゲンは恐ろしい。れいむはそう思い始めていた。 あの妙なニンゲンに付いていったら仲間が次々と踏まれ、初めは100を越えようかという勢いだったゆっくりは50以下にまで減っていた。 「わ゛た゛し゛のあか゛ち゛ゃんか゛あ゛ああ!!」「おちついてゆっくりしてね!!」 「まりさ゛あ゛ああな゛んて゛え゛えええぇぇ」「そんなと゛こ゛ろて゛ゆっくりし゛ないて゛ええぇぇ!」 地球と同化した仲間や家族のほうを見たゆっくりが泣き叫んでいる。 今のところニンゲン同士で争っているみたいだから安全だけど、いつ矛先がこちらに向くか分からない。 そこまで考えたれいむは逃げ出すタイミングを伺っていた。 冷静に考えればゆっくりの身体なら這いずって逃げれば弾など頭の上を通過していくだけなのに、 小豆ペーストの脳ではそこまで思い至らないのは流石ゆっくりといったところだろうか。 そうこうしているうちに轟音が聞こえてきた。あの「鳥」がいると聞こえる音だが、いつもとは大きさが段違いだ。 何だろう?そう思ったれいむが音のほうを見ると、空中に丸い物体が浮かんでいるのが見えた。 その物体が何か考える間も無く、れいむの一生は幕を閉じた。 群れから脱落しつつ幸運にも踏まれること無くいたゆっくりまりさは恐ろしい物を見てしまった。 絶え絶えの息を整えつつ、先行した仲間達のほうを見るとちょうど轟音が聞こえてきた。 続いて何かが風を切るような高い音。 れいむと同じように疑問に思ったまりさは音のほうを観察する。 その瞬間、れいむ達と追跡者のニンゲンのあたりで爆発が起きた。 ニンゲンだったものやゆっくりだったものが高く放り上げられ、こちらにもそれが飛んできた。 あまりの事態に口をあんぐりと開けていたまりさだったが、その口にチビれいむが飛び込んできた。 あわてて吐き出すまりさ。チビれいむだけでも助かって良かったと思い始め、仰向けに寝転がる彼女をゆすりだす。 「ゆ゛っ!ゆ゛っ!おき゛て゛よ!いっし゛ょにゆっく゛りし゛ようよ!」 いくらゆすっても起きないのでより強くゆするまりさ。 その拍子にチビれいむがごろんと転がる。 「ゆ゛っ!ゆ゛う゛う゛ぅ゛ぅ゛!!な゛んて゛え゛え゛え゛ええ!!!」 チビれいむの後頭部は存在しなかった。代わりに残り少ない餡子が露出しており、顔の裏側が一部露出していた。 そういえば魔理沙の額にくっ付いている物体、これはこの子の一部じゃないのか。 「ゆふ゛ェッ゛!オ゛ェッ゛! ケ゛ヒ゛ュう゛!」 あまりにショッキングな事態にまりさは餡子を吐き始めた。 良く知られているように、餡子を吐き始めたゆっくりはまず助からないといわれる。 自制心が少ない生物の為、とちゅうで体調を持ち直して吐くのをやめる前に体内の餡子を出し切って絶命してしまうゆっくりが非常に多いためだ。 このゆっくりまりさも死へのマラソンをひた走り始めた。 だが、恐ろしい光景はこれで終わりではなかった。 爆弾の破片が体中に刺さって絶命寸前、仲良くぐったりと寝転ぶゆっくりとニンゲンの上からさらに何か落ちてきたのだ。 今度の物体は空中で何か液体を撒き散らしながら落下、液体はただちに発火してかろうじて生き残った生物を焼き始めた。 「やめ゛へ゛フ゛ッ!! にけ゛ヘ゛ェ゛ェ゛ェ゛ェ゛!!!」 こんな状態だというのに仲間達を気遣うまりさ。 真にたたえられるべき仲間意識だったがそれは全くの無駄に終わった。 まりさの悲鳴といってよい警告に気づいた何匹かのゆっくりが地面を転がって消火しようとしたが、ナパームの特性上それは無意味な行為だった。 「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛!!」 火達磨になったゆっくりたちが断末魔を上げながらもてる力を持って走り回る。 体中のナパーム燃料を撒き散らしながらのため、周り中の木という木に火が燃え移り、典型的な地獄を現出させていった。 ゆっくりは一匹、また一匹と力尽きていき残ったのは炎を上げる黒い炭素の塊だけだった。 「エヘ゛ッ゛!エヘ゛ッ゛!エ゛ヘ゛ッ゛」 火が静まる頃にはまりさもとうとう吐ける物を吐きつくして妙な空気音を上げる塊と化していた。 最後に「ゆっく゛り゛…」と呟いてまりさは動かなくなった。 「いい腕してるな、流石だ。全部きれいに吹き飛んだぞ!」 『ありがとう、悪い気はしないぜ!それじゃこっちはカンバンなんで帰るな!ヴァイパーリード、オーバー。』 『こちらスワローテイル。迎えが来るまでは上をカバーしておこう。いつでもモニターしてるから、何かあったら呼んでくれ。』 ターボ・ジェットの音が遠ざかっていき、後に残ったのは微かに聞こえるプロペラの回転音となった。 このようにしてれいむについて行ったゆっくりが悉く帰らなかった為、楽園のゆっくりは激減してしまった。 だが、残されたゆっくり達は連中のことをすぐに忘れ、減った分を穴埋めするかのように繁殖に勤しんだ。 食料は十分で天敵に怯える事が無く、仲間がたくさんいる生活をゆっくりたちは楽しんだ。 ここは楽園などではない事を知らずに… フォード中尉は無事に原隊復帰できたが、ジャングルで出くわした日本語のような言語を操る謎の生命体の事を話しても誰も真に受けなかった。 そのうち彼自身もその事を忘れ、ヴェトナムで任務に精励し続けた。 ある日、彼は妙な命令を受けて飛んだ。 「ジャングルのこれこれこういう地点を空軍と共同して爆撃せよ」という命令だったが、 その地点にはヴェトコンなど明らかにおらず、戦略的価値も無かった。 強いていえば野生のバナナなど「食料」が多いぐらいだが軍事的な意味は到底あるとは思えなかった。 彼は任務に忠実な軍人であるので命令に従って愛機を駆った。 やがて迫り来る爆撃目標地点で彼が見たものは… ────────────────────────────────────────────────── B-52で爆撃するつもりがF-105で航空支援してた\(^o^)/ おまけに虐待でも制裁でもなくてごめんなさい。 by sdkfz251
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お兄さんと冷めた肉饅 5KB *初投稿です *ハード虐待(笑) *肉饅の台詞が少ないのは仕様です。各々方の脳内で補完してください *依怙贔屓要素、アリアリ *某コピペの加筆改悪 玄関を開けると、薄汚い胴付き肉饅――ゆっくりれみりゃがいた。 10月半ばの冷たい秋雨が降りしきる中、一時の安息を求めて雨宿りをしていたのだろう。 しかし、運の悪い奴だ。 よりにもよって、虐待趣味を持つ俺の家に辿り着いてしまったのだから。 俺の姿を認識して、逃げようとするれみりゃを問答無用で抱え上げる。 野良ゆっくり故、泥塗れでゴミ臭い。 そんな物を抱えれば、俺の服も泥塗れでゴミ臭くなる。 だが、どうということもない。 そもそも、虐め用ゆっくりを捕まえに出かけるつもりだったので手間が省けた。 それに、激しい虐待を行えば、どのみち服は汚れるのだ。 ただ、これだけは気に食わない。 俺の腕の中で只管に震えるだけの肉饅は、降りしきる小雨に体温を奪われて、すっかり冷え切っていた。 肉まんのくせに冷たいとは許せん。 やるべき事が決まった。 まずは、肉饅らしくしてやらないとな。 『お兄さんと冷めた肉饅』 これ以上玄関先に留まって他人の目に触れるとまずいので、さっさと家の中へと連れ込む。 玄関の鍵を閉めたら、挨拶代わりの虐待だ。 オーソドックスに殴る。手っ取り早くアマぎる。意表をついて胴無しにする。 どれも先人達の編み出した素晴らしい手法であるが、挨拶代わりとしては最善じゃない。 初対面の饅頭に対して行うべき最善手とは即ち。 「うあーーーー!!!!でびりゃのおぼうじがえぢでーーーーー!!!!」 お飾り剥奪。 ゆっくり饅頭共にとって、飾りとはたったひとつの個性であり、命の次に価値有る物。 それを目の前で奪ってやれば、たいていの饅頭共は恐怖と憤怒で、とてつもないストレスを感じてゆっくりできなくなる。 だが、俺の虐待は、それだけでは終わらない。 両腕を天に掲げて、俺の手中にある帽子に向かって必死で跳ねる肉饅。 羽があるのに飛ばないとか馬鹿すぎる。 その肉饅のスカートを鷲?みにして、頭側から引っぺがす。 何が起きたのか理解できずに、『( ゚д゚)ポカーン』な顔になっているが好都合。 その隙に靴とドロワーズも脱がせ、丸裸になった肉饅を足の先から頭の天辺まで視姦する。 ここに至って、肉饅はやっと現状に気づいたようだ。 咄嗟に両腕を胸の前に掲げ、内股気味な構えをとりだした。 目はカッと見開かれ、顔は憤怒のためか真っ赤だ。 確か饅頭共の戦の型の一つ、餡戦(アンチン)とかいったか。 当然、人間様に通用するわけもない。 嫌がる肉饅を再び抱え上げて洗面所へと運送。 我が家の唯一の自慢、全自動洗濯機に先ほど奪った「れみりゃのすてきなおべべ」を放り込む。 野生の生物は、自分の臭いに愛着を持つという。 高性能洗濯機により汚れ一つなくなった己の一張羅を目撃したときの、こいつの間抜け面が目に浮かぶようだ。 服はこれでよし。後はこいつ自身の臭いだ。 風呂場へ連れ込み、全身に満遍なくお湯を浴びせる。 ある程度の浸水を確認できたら、頭髪用洗浄液を頭から浴びせて、わしゃわしゃと揉みこむ。 ほう、どうやらこいつは、髪を触られるのが嫌いなようだ。 先ほどから、目を閉じて「うっ、うー♪」と泣き喚いて嫌悪感を露にしている。 「うっぎゃーーー!!!!」 洗浄液が目に入ったか。 すかさず、シャワーで目に追い討ちをかける。 自分で自分が怖くなるほどの鬼畜っぷりだ。 頭が終わったので次は体だ。 頭髪用とは別の洗浄液を使って洗う。 もちろん、肉饅ごときにスポンジなど使わない。 手洗いで、体の隅々まで洗いつくす。 頭髪のときとは異なり、今度はまた怒っているようだ。 全身を真赤にして、体全体で怒りを表している。 だが、粘膜に触れる度に「うっ……、あ……」と声を漏らし、全身を震わせていることを鑑みると、しっかりと俺を恐怖しているようだ。 まあ、己の決して敵わぬ相手に、いいように弄ばれているのだから当然と言えば当然だ。 さあ、これで体臭は完全に消え去った。 再び全身にお湯をかけた後、タオルで体を擦り、熱風を浴びせて虐める。 体表の水分が完全に枯渇したことを確認したら、洗濯の終わった服を着せてやる。 くっくっく……、思った通り。 完全に自分の臭いが感じられなくなって戸惑ってやがる。 いい気味だ。 そんなことをしている間に、飯時になったのでリビングに移動して餌を与えてやる。 「がえぜーーーーーー!!!! でいぶのおぢびぢゃんかえぜーーーーーー!!!!!!」 今朝、自宅に侵入してきた子連れのアホ饅頭、もとい元子連れのアホ饅頭だ。 もちろん透明な箱に閉じ込めて、目の前で「おちびちゃん」を虐め殺してやった。 生きたまま中枢餡を少しずつ削って、それを自身に食べさせてやるといった作業を繰り返すことで徐々に狂って行く我が子を目の当たりにしたためか、その餡子は吐き気がするほど甘く、とてもじゃないが食べる気になれん。 おまけに、気が振れてしまったのか、さっきからこれ以外の言葉を話さないので虐待にも使えない。 とんだ土饅頭だ。 「うー☆ おまんじゅうたべりゅー♪」 肉饅は、そんなクソ不味い饅頭に文句も言わずに齧り付いて中身を吸い始めた。 「ゆぐ、ぎ、がえ、ぎ、ぎぃゅぜ、やぁがぁぁぁえぎょぅうぅぅぅ……」 元子連れ饅頭の鳴き声が、徐々に小さくなって行く。 余程腹が減っていたのか、バスケットボールほどもある大きさの饅頭が瞬き数回の内にぺらっぺらになった。 安上がりな生ものめ。 さて、食事も与えたし、本格的に虐めてやろうと思っていた矢先に、なんと肉饅が俺に対して攻撃を仕掛けてきたのだ。 胡坐を掻いて座る俺の膝を両腕で掴み、「うー♪ うー♪」言いながら頭を擦りつけてくる。 体当たりのつもりだろうか? 小癪な奴だ。 とてつもなく腹が立ったので、お返しに頭を鷲掴みにして、髪の毛をボサボサにしてやる。 こいつは髪に触られるのを嫌うということは、風呂場の一件で学習済みだ。 案の定、頑なに目を閉じて嫌がっている。 饅頭に比べてプライドの高い肉饅は、精神的に追い詰めて行くのが最善であるという俺の持論は、やはり正しかったようだ。 そんな風に楽しいゆ虐タイムを過ごしていたら、もう23時を回っていたので、さっさと寝ることにする。 早寝早起きは、楽しい虐待ライフの基本だ。 ここで愛でお兄さんならば、肉饅用の寝床でも作ってやるんだろうが、残念ながら俺は虐待お兄さんだ。 故に、そんな面倒なことはしない。 すっかり疲弊して眠そうな肉饅を抱きかかえて寝室へ向かい、そのまま布団へ潜り込む。 うむ、やはり肉饅は温かくないとな。 今夜はぐっすり眠れそうだ。 だが、肉饅よ、貴様は眠れないだろう。 俺という恐ろしい天敵の腕の中で、いつ寝相で潰されるとも知れぬ恐怖を味わって夜を明かすといい。 それじゃ、おやすみ。れみりゃ。 ・おまけ うー……。 おにいさんにぎゅーってされるとカーッてなっちゃうぞぅ。 どきどきしてねむれないどぅ……。 お兄さんの不夜城レッド作戦は、案外うまくいっていた。 あとがき 猛烈に肉饅が食べたくなっての犯行です。 後悔はしていません。 あと、私は好きだから虐める派です。 トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る 流れが霧島龍二さんと同じよu(グシャッ -- 2015-08-01 01 01 01 はぁとふるぎゃくたい -- 2015-01-29 03 22 24 ↓おい早苗さんもいれろよ!!! -- 2014-11-30 22 08 12 れみりゃは滅ぶべき。こんな生ぬるい虐待は駄目だ。精神から肉体までズタズタにして「こんなゴミ肉饅が生まれてすみません」と言わせなきゃ気がすまねぇ!ヒャッハー補食種は全滅だ~!!(フランゆゆこ等含む) -- 2014-11-17 23 58 55 俺の知ってるSSの中では最高ですねもっとたくさんの作品を作ってくれるとありがたいです \最高です( ^ω^ ヽヽヽヽ ) -- 2014-09-09 23 15 03 吐き気がする… 恐ろしい おrrrrrr -- 2013-11-16 13 48 59 うーうー…お兄さんはとっても怖いんだどぅー(棒) -- 2013-05-30 23 12 45 鬼畜だー怖いよー残虐すぎるよー(棒) -- 2013-01-19 22 23 08 こんな虐待見たことねー(棒) -- 2013-01-01 12 43 35 きゃーこわーい(棒) -- 2012-12-16 19 59 08 なんという卑劣極悪な虐待なんだ(棒) おそらく、恥ずかしくなる服を着せて衆人観衆の 中を連れ回すとか、人前で吊り上げる(抱き上げる)とか 人前でぺろぺろ(おやつ)させるとかも するんだろうな、このお兄さんは・・・・ おぉ・・・こわいこわい -- 2012-08-11 14 47 06 真っ青だよ… -- 2012-08-09 16 02 42 なんてこった・・・、この作者の血の色は何色なんだ・・・。 -- 2012-08-07 02 46 30 おお・・・こわいこわい -- 2012-08-02 18 13 41 こんな怖い虐待は 「東の悪魔」と呼ばれた俺ですら初めて見たぜ・・・ -- 2012-07-07 20 16 27 ガクガク•••ブルブル•••。 こんなハードな虐待初めてだ。 怖すぎて眠れなくなったわw -- 2012-05-19 14 10 19 恐ろし過ぎる虐待だ・・・ -- 2012-02-22 09 14 07 れみりゃかわいいな -- 2012-02-21 12 36 25 なんというおぞましい虐待だ‥‥。吐き気がするぜ! とても面白かったです。 -- 2012-01-29 13 55 17 このお兄さんHENTAIじゃんwww?誰か来たみたい・・・? -- 2012-01-29 08 48 31
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ゆっくりの使命(?)は周りをゆっくりさせることなんだと思う 暇なので名曲を改変してみた 日本全国ゆっくり音頭 ♪ゆっくりできる ゆっくりできる ゆっくりできるよ!! ゆっくりできる できるよ ゆっくりしていってね!! 1月は お正月で ゆっくりできるよ!! 2月は 豆まきで ゆっくりできるよ!! 3月は おひな祭りで ゆっくりできるよ!! 4月は お花見で ゆっくりできるよ!! 5月は 子供の日で ゆっくりできるよ!! 6月は 田植えで ゆっくりできるよ!! 7月は 七夕で ゆっくりできるよ!! 8月は 暑いから ゆっくりできるよ!! 9月は 台風で ゆっくりできるよ!! 10月は 運動会で ゆっくりできるよ!! 11月は 何でもないけど ゆっくりできるよ!! 12月は ドサクサで ゆっくりできるよ!! やっぱりゆっくりはこんな感じで生きてるイメージです 超ポジティブ、ゆっくり生ってすばらしい れみりゃ編も見てみたいですね。 -- れみりゃ好きの人 (2008-11-29 11 12 09) きめぇ丸編のも御所望願いたいです…おぉ、期待期待。 -- きめぇ丸好きの人 (2009-03-21 15 34 23) こんな風に年中ゆっくりしたいw -- 名無しさん (2011-02-18 18 13 55) 田植えってもっと早くかと思った -- 名無しさん (2011-05-07 16 25 06) 名前 コメント
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「奇形ゆっくり」 雪もだいぶ解けた頃。 草原には、越冬したゆっくりの姿が現れ始める時期だ。 森の中を歩き続ける僕。 僕は、ある条件を満たすゆっくりを探している。 探しているのは、単体のゆっくりではなく、子供を連れたゆっくり一家でもなく、発情したゆっくりありす でもなく、ゆっくりれみりゃなどの捕食種でもない。 僕が探しているのは、お互いを愛し合ったカップルのゆっくりだ。 それも、既に交尾を済ませて妊娠初期の…そう、そのタイミングが一番“いい”。 越冬後の初春になると、冬を生きて越すことができた安心感のためか、それとも家族計画を考えているのか、 多くのゆっくりが交尾を行う。 草原には結構な数のゆっくりが顔を出し始めているから、そろそろだと思うのだが… 「ゆっ!?おにーさん、ゆっくりしていってね!!」 「はいはい、ゆっくりゆっくり」 すれ違うゆっくりには適当に返事を返しておいて、巣のありそうなところを手当たり次第に探していると… 「ゆぅ!!ゆっくりそだっていってね!!」 「ゆっくりいいこになってね!!」 狭い入り口から中を覗くと、ゆっくりれいむとゆっくりまりさのカップルがお互い寄り添っていた。 れいむの頭には3本の蔓が生えている。妊娠初期なのだろう、つぼみは固く閉じていてまだ子ゆっくりの 原型すら出来ていなかった。 ふむ…こいつらは、丁度よさそうだな。よし、こいつらにしよう。 そう決めると僕はこいつらを連れて帰るべく、ゆっくりに声をかけた。 「やぁ、ゆっくりしていってね!!」 「ゆっ!?ゆっくりしていってね!!」 本能に刻まれた言葉を僕に返す2匹のゆっくり。 「お、れいむは妊娠してるのかな?」 「そうだよ!!もうすぐのれいむのあかちゃんがうまれるよ!!」 「まりさのかわいいあかちゃんがうまれるよ!!」 どうやら、ちゃんと望まれて生まれようとしている子供のようだ。 ひとまず安心した。そうでなくてはこれからの計画も、意味がなくなるからだ。 「よし、これから赤ちゃんが生まれる二人のために、すっごくゆっくり出来るところを用意してあげたよ」 「ゆゆっ!?ゆっくりできるところ!?」 「おにーさん!!ゆっくりあんないしてね!!」 これから親になるというのに、この馬鹿っぷりはいかがなものか。 毎度のことだが、こいつらが絶滅しない納得のいく説明がほしい。 「よし!!じゃあお兄さんについてきてね!!」 息が上がらない程度のペースで、家へと続く道を走る僕。 家まではそれほど遠くない。ジョギングのペースで走って10分ほどだ。 だから僕にとっては軽い運動でしかないのだが…どうやら、2匹のゆっくりにとっては違うようだ。 「おにーさん!!もっとゆっくりしていってね!!」 「おいてかないで!!もっとゆっくりあんないしてね!!」 普通のゆっくりなら決してついてこれないペースではないのだが、妊娠しているれいむは頭に生えた蔓が折 れないように注意しながら跳ねなければならない。 「れいむ!!ゆっくりいそいでね!!」 ペースの遅いれいむに付き添うまりさも、同様である。 「そんなにゆっくりしてると、ゆっくり出来るところがなくなっちゃうぞー!!」 「ゆゆーっ!!??いやだよ!!ゆっくりしたいよ!!」 「ゆっくりいくからまっててね!!れいむ!!もっとゆっくりはやくしてね!!」 どんなに急かしても、こいつらは一定のペース以上速くはならない。 これは…何か別の方法を考える必要があるな。 ちょっとばかり考えて、思いついたのは… 「おーい、まりさ!」 「ゆっ!?」 「まりさがれいむを後ろから押して手伝ってあげれば、早くゆっくりできるぞー!」 「ゆゆ!!おにーさん、あたまいいね!!まりさゆっくりてつだうよ!!」 さっきから2匹の様子を見てわかったのだが、れいむは蔓が折れないように注意してペースを落としている のに対し、まりさは単純にれいむに付き添っているだけ。蔓に注意を払っているわけではない。 つまり、まりさはれいむがゆっくりしている理由がわからないのだ。 ゆっくり出来るところがなくなる、という僕の言葉に焦りを感じるとともに、ペースを上げようとしない れいむに苛立ちを感じはじめるまりさ。 だから…後ろから押して手伝ってやれ、という指示にも簡単に従う。 「れいむ!!もっとゆっくりいそいでね!!」 「ゆぎゅううう!!まりさあああああああああやめてよねええええええ゛え゛え゛え゛!!!!!」 ぐいぐいと後ろから押していくまりさ。それでもペースを上げるわけにはいかず、必死に抵抗するれいむ。 だが、身重の体ではまりさを押し返すことは出来ない。 そのまままりさの力に押し負けて、ペースを上げることになってしまった。 「やだあああああああああ!!あがぢゃんできなぐなっぢゃううううううう!!!!」 「れいむ!!はやくゆっくりできるところでゆっくりしようね!!」 まりさはれいむの悲鳴を聞いてないのだろうか? これから生まれる赤ん坊すら気遣わないあたり、やっぱり頭の中が餡子なんだなぁ。 しばらくして、もう少しで家に着くというところに差し掛かると… 「まりざやめでよおおおおおお!!!…ゆぎゅ!?」 まりさに押されてハイペースで跳ねていたれいむが石につまづき、顔面から倒れ伏してしまった。 あ、これはヤバい、と思った。その角度と、そのスピードが。 ボキッ!! 3本の蔓のうち、一番細かった1本が折れてしまったのだ。 「ゆぎゃああああああああ!!!れいむのおおおおおお!!あがぢゃんがああああああああ!!!」 ゆっくりらしからぬ速さで起き上がって、折れた蔓のもとへ駆け寄るれいむ。 その後を、まりさがゆっくり追いかけた。 れいむは、滝のように涙を流しながら萎えた蔓を見下ろしている。 その後ろのまりさは、ばつの悪そうな顔をしていた。 最初は悲しみの震え…そして、その震えは怒りに変わった。 「ゆぐぐぐぐぐぐぐ!!!!まりざのせいだよ!!まりざがうしろからおしたからだよ!!」 「ゆぎゅ!?まりさはわるくないよ!!れいむがゆっくりしすぎたのがだめなんだよ!!」 へぇ、ゆっくりも夫婦喧嘩するんだぁ。 「あかちゃんがああああああ!!!れいむのあがぢゃんがあああああ゛あ゛あ゛あ゛!!!!」 「ゆっ…れ、れいむのせいだよ!れいむがころんだから――― 「はい、そこまで!」 このまま見ていても面白そうだったのだが、殺し合いに発展する気配を感じたので仲裁に入る。 「今のはどっちも悪くないよ。たまたま、その蔓が細すぎたんだ。たぶん折れなかったとしても赤ちゃんは できなかったよ」 「ゆっ!?そうなの!?」 「そうだよ。だから、残りの2本を大事にすれば良いのさ」 「ゆゆ!!わかったよ!!れいむのあかちゃんだいじにするね!!」 「まりさのあかちゃんゆっくりさせてあげるね!!」 あー、⑨でよかった。 2匹の仲直りは済んだので、すぐそこの自分の家に案内する。 玄関から入っていく2匹は、終始寄り添ったまま離れようとしなかった。 2匹を専用の部屋に案内し、準備を済ませると僕も2匹と同じ部屋に向かった。 僕が抱えているのは、最近幻想入りしたという毒入りギョーザと、2リットルペットボトルに入った廃油だ。 「おーい、ゆっくりしてるかい?」 「ゆっくりしてるよ!!おにーさんもゆっくりしていってね!!」 先に与えておいたお菓子を食べつくして、2匹は文字通りゆっくりしていた。 れいむが妊娠している以上、昔のように跳び回って遊ぶことは出来ない。 2匹にとっても、今までのように跳びはねるより、寄り添いあってゆっくりしてる方が満足できるのだろう。 ギョーザとペットボトルが視界に入るやいなや、跳ね寄ってくる2匹。 「ゆゆ!?それはなに!?」 「ゆっくりできるもの?ゆっくりできるならまりさにちょうだいね!!」 おお、食いついてきた。そうでなくちゃ困る。 「これはね、栄養価の高い食べ物だよ。もうすぐ赤ちゃんが生まれるれいむに食べてもらおうと思ってね。 これを食べれば、元気でいい子な赤ちゃんがたくさん生まれるよ!」 餡子脳にも理解できるように、説明は怠らない。 すると、期待通りれいむが食いついてきた。もう期待通り過ぎて怖いぐらいだ。 「ゆゆ!!れいむたべるよ!!さっさとそれをゆっくりちょうだいね!!」 「わかったわかった。まりさも食べるか?」 「まりさはいらないよ!!ゆっくりれいむにあげてね!!」 さっきのことを少しは反省しているのだろうか、それとも夫(?)としての自覚が芽生えてきたのか。 僕としてはれいむが食べてくれさえすればかまわないので、ギョーザを適当に床に置いて、大きい器に廃油 を移し替えた。 「むーしゃむーしゃ、しあわ…せ…?」 一口食べて、早速異変に気づいたらしいれいむ。 「おにーさん!!これすっごくまずいよ!!こんなのたべられないよ!! こんなものをたべさせるおにーさんとはゆっくりできないよ!!」 「わがまま言うなよ。元気な赤ちゃんが生まれなくてもいいのかい?」 「ゆぎゅ……がまんしてたべるよ…!」 赤ちゃんのため、って言っておけば大抵のことは我慢できそうだな、このれいむ。 眉間にしわを寄せて、いかにも不味そうな顔をしながら、ギョーザをちびちびとかじっている。 ダイオキシンとか、タリウムとか、メタミドホスとか、かなりヤバイ代物らしいんだが、体調には変化はな さそうだ。 実は、毒に対してはかなり耐性があるのだろうか? 「れいむ!!ゆっくりがんばってね!!あかちゃんのためにがんばってね!!」 毒入りギョーザを栄養食か何かと勘違いしている2匹。 まりさは、不味そうにギョーザを食べているれいむを応援している。 そのあと、いろいろヤバそうなものが浮いてる廃油にもれいむは口をつけた。 「ゆぎゅ、まずい……でもあかちゃんのためにがんばってのむよ!」 「ゆゆゆ!まりさもてつだってあげるね!!」 何を思ったのか、自らも廃油を飲みだすまりさ。 お前が飲んだら意味ねーだろ(笑) 目の前の不味い飲み物がなくなればいいとでも思っているのだろうか? さすが餡子脳。僕の予想の斜め上を常にキープしている。 そんなこんなで、3日間。 蔓には、少しずつ子ゆっくりの原型らしきものが現れ始める。 僕はすでにその異変に気づいていたのだが、2匹のゆっくりは気づかない。 出産自体初めてなのだろう、こういうものなんだ、と納得しているようだ。 そして。 いろいろヤバいものを体内に取り込んでいったれいむだったが、ついに…その時が来た。 出産のときである。 部屋の真ん中に陣取ったれいむ。 それを少し離れた所から、不安そうに見守るまりさ。 2匹の数週間の愛の結晶、そして僕の“3日間の努力”の結果が…今、目の前にその姿を現そうとしている。 小刻みに震えだしたれいむ。その時が近づいているのだろう。 最初は堪えていた声も、だんだん我慢できなくなってきたらしい。 「ゆ……ゆ…ゆゆゆゆ…!!」 プチッ! ぽとっ 一匹目のゆっくりの誕生である。 「ま、まりさのあがちゃんがうまれたよおおおおお!!!」 「れいむのっ、れいむのがわいいあがちゃんんんんんんんんんん!!!!」 遠くから見守ると決めていたまりさも我慢できなかったらしい。 赤ちゃんが生まれた嬉しさのあまり、すぐに生まれたての赤ん坊のもとへと跳ねてきた。 その時点で、2匹は初めて“異変”に気づいた。 「ゆ゛……ゆ゛ぐり゛……ぢででね゛……!!」 「なんなの!!このごおがしいよ!!!おがしいよおおおお!!??」 「ゆぎゃあああああああああああ!!??へんだよっ!!へんながおだよおおおおお!!!!」 このゆっくりには、口と呼べるものがなかった。 正確には、口のなり損ないのような…上唇と下唇がところどころ途切れながら癒着しているのだ。 だから、言葉を発しようとしても『ゆっくりちていってね!!』とはならない。 プチッ! ぽとっ 二匹目の誕生。れいむ種である。 今度こそまともな子供が生まれてほしい…そう願うれいむとまりさ。 しかし、そんな願いは無残にも打ち砕かれた。 「ゆっくりぃちていってにぇ……ありぇ?うごけないよ?!」 二匹目の赤ちゃんは、言葉は比較的しっかりとしていた。 しかし、この赤ちゃんには致命的な欠陥があった。 饅頭らしい弾力性が殆どなく、中身が液体のようにドロドロしているのである。 簡単に言えば…そう、やわらかすぎるのだ。 これでは、自由に弾力性を利用して跳ね回ることは出来ない …この赤ちゃんは、一生自力では動けないだろう。 「ゆっゆっ!!ゆっくりうごいてね!!ゆっくりはねてね!!」 異常に気づいたまりさが赤ん坊を手伝おうとするが、無駄なことだった。 「ゆっ…ゆっ…うぅ、うごけないよおおおおお!!うわああああああんん!!!」 「ゆぅ!!ゆっくりしていってねええええええ!!!」 自力で動けないことに絶望する赤ちゃんゆっくり。 そんな子供を目の前にして、どうしたら良いのか分からず泣き喚くまりさ。 それを遠くから見ているれいむの顔には、疲れの色が見え始めた。 プチッ!! ぽとっ 三匹目。 「ゆっくりちていってね!!…ゆゆっ!?くらいよ!?おかーさんどこおおおお!!??」 駆け寄ったまりさは絶望した。 その赤ちゃんゆっくりには…目がなかったのだ。 「おかーさんはここにいるよ!!ゆっくりしていってね!!」 「ゆっ!?みえないよおおおおお!!まっぎゅらだよおおおおおおおお!! おがーざあああああ゛あ゛ん゛ん゛ん゛!!!!ゆッぐりじゃぜでよおおおおお゛お゛お゛!!!」 大声で泣き叫ぶ赤ちゃんゆっくりを宥めようと、まりさが頬を摺り寄せるが… 「ゆぎゃ?!なに!?なにかぶつきゃったよ!?なんなの!?わがらないよおおおおお!! ごわいよおおおおおおおおお!!だじげでよおおおおおおおおおお!!??」 「こ、こわくないよ!!おかーさんだよ!!ゆっくりなかないでね!!!」 どんなに宥めようとしても、赤ちゃんゆっくりは泣き止まない。 そして、四匹目、五匹目…と順番に生まれていく。 生まれつき音の聞こえないもの。 硬すぎて跳ねることのできないもの。 「ぎょぎょぎょ」と気持ち悪い声を発しながら、芋虫のように這うもの。 目を覚ましても蔓から離れられず、終いには頭が破れてしまうもの。 十匹生まれれば十通りの奇形ゆっくりが生まれた。 赤ちゃんゆっくりにならずに、緑色の実のままの状態で落ちたものの方が幸運だろう。 その幸運すら、この一家にはなかった。 さっきまで、生まれてきた子ゆっくりと思う存分ゆっくりすることを思い描いていた親ゆっくり。 皆で草原をお散歩したり、水辺でゆっくりしたり、巣の中で固まって眠ったり… 畑のものを食べたらゆっくりできないよ、と教えてあげたり… いろんなことをしたかった。いろんなゆっくりをしたかった。 でも、それができない。この一家は、できないのだ。 そして、そんな一家を見てると僕は性的興奮に似た絶頂を覚えるのだ。 「さて、と…」 僕は次の準備に取り掛かる。 奇形赤ちゃんゆっくりに囲まれ、未だ泣き止まない親2匹に声をかける。 「やあ、赤ちゃんはかわいいかい?」 「ゆぐっ…へんだよおおおおおお…がわいぐないよおおおおおお……!!」 そりゃあな、僕だって見てて気持ち悪いもん。 でも、自分の赤ちゃんを“かわいくない”なんて言うなんて、困った親だなあ。 「そうかそうか、かわいくないか。じゃあ捨てちゃおう」 そう言って、目のない赤ちゃんゆっくりをピンセットでつまみあげる。 目の見えないゆっくりにとっては、その浮遊感は恐怖にしか繋がらないらしい。 「なに!?へんだよ゛!?ういでるよおおお!!??ごわいよおおおおお゛お゛お゛お゛!!!」 「おにーさんなにするの!?あかちゃんをゆっくりはなしてね!!」 まりさが僕に体当たりしてくるが、さすがゆっくり、全然効果がない。 むしろ、その弾力が気持ちいいくらいだ。 「だってかわいくないんだろう?だったら捨てちゃおうよ!」 「やめでよおおおおおお!!!がわいぐなぐでもまりざのあがぢゃんなのおおおお゛お゛お゛!!」 “かわいくない”ってところは否定しないのかよ(笑) 「かわいくないなら捨てちゃうよ!!ポイ!!」 鼻をかんだティッシュを捨てるように、赤ちゃんゆっくりをゴミ箱に放り込んだ。 ゆうううぅぅぅ、と悲鳴を上げながらゴミ箱の底に落ちていく、盲目ゆっくり。 底に溜めてある熱湯に突っ込んだそいつは… 「ゆぎゃあああああああ、あづいよおおおおおおおお!!!!みえないよおおおおおお゛!!!! ゆっぐりできないよおお゛お゛お゛お゛お゛!!!あがーぢゃんだじげでええええええ!!!!」 そんな悲鳴も、十数秒すると熱湯の中へ消えた。 「さーて、次はどいつにしようかな♪」 「もうやめでよおおおおおお!!!あがぢゃんずでないでええええええ!!!」 「えー、だってかわいくないんだろー?」 「おねがいじまずううううううううううう!!! れいむのあがぢゃんだずげでぐださいいいいいいいいいいい!!!」 子ゆっくりを片っ端から捨てるのも楽しいが、そこまで頼まれたらしょうがない。 僕は妥協案を提示することにした。 「…わかった。じゃあこうしよう!」 「ゆっ!?」 期待に目を輝かせる、親ゆっくり。 しかし、その期待はすぐに打ち砕かれる。 「れいむとまりさが赤ちゃんを一匹だけ選んでね!!その子だけは助けてあげるよ!」 「ゆううううぎゃああああああどおじでえええええええ!!??」 「どおじでそんなごといいうのおおおおおおおおおお!!??」 「選ばないと、全員捨てちゃうよ!!ゆっくりしないで選んでね!!」 「ゆぐっ!?」 選ばないと…子供が全員殺される。 それだけは避けようと、2匹は唯一の生き残りとする赤ちゃんを選ぶべく、辺りを見回す。 「おがーちゃん!!まりしゃをえらんでね!!」 「れいむしゅてられたくないよ!!ほかのこをすててね!!」 「ちにだぐないよおおおお!!おがーぢゃあああああん!!」 喋ることのできるものは、その言葉で親の気を引こうとする。 言葉を発せないものは、その目で親に訴えかける。 精神すらまともでないものは、何が起きているかも感知していない。 「早く選ばないと、全員捨てちゃうよ!!」 「ゆゆっ!!やめてね!!すぐえらぶからね!!」 そして、2匹の親ゆっくりが選んだのは…二匹目に生まれた、動けないゆっくり子れいむだった。 「どおじでええええええ!!??」 「なんでそのごなのおおおおお!!??」 「そのごはうごげないごだよ!?うごげるれいむをえらんでね゛!!」 選ばれなかった子ゆっくりは、たまったものではないだろう。 自由に動けるものは必死に母ゆっくりにすがろうとするが… 「ごめんね!!あのよでずっとゆっくりしてね…!!」 れいむは涙ながらに駆け寄った奇形子ゆっくりを跳ね飛ばした。 うまい具合に僕の足元に転がってきたので、そのままピンセットでつまみあげる。 「ゆぎゃあああああ!!!はなじでよおおおおお!!!」 「ごめんねー。でもお母さん達が、君たちの事かわいくないって言うからさー」 「ゆゆぅ!?れいむかわいいよおおおお!!!かわいいからすてないでねええ゛え゛え゛え゛!!」 そんな叫びも、ゴミ箱の中へ吸い込まれていった。 2匹の親ゆっくりは、自分達が選んだ一匹の子れいむを挟み込んで守っている。 悲しみと絶望に震えながら、唯一生き残るであろう子れいむを、しっかりと守っている。 「はーい、じゃあ君達はゴミ箱行きでーす!恨むならお母さんたちを恨んでくださいねー!」 「いぎゃああああああああああああああああ!!!!」 ぽいぽいとゴミ箱に放りながら、全体に聞こえるように呟く。 「あーあ、お母さんが、あんな毒入りギョーザと食べちゃったから」 「ゆっ!?」 「お母さんが、あんな汚いものを飲んだから、赤ちゃん皆かわいくなくなっちゃったよ!」 「なにをいっでるのおおおおおおおおおお!?」 「お母さんのせいで、皆気持ち悪くて汚い赤ちゃんになっちゃったよ!」 「おかしいよ!!ゆっくりせつめいしてね!!」 「ギョーザと飲み物にはね、危ないものが入ってたんだよ!!本当は食べちゃダメだったんだよ!」 そこまで説明して、やっと理解したらしい。 母体であるれいむは…自ら汚染物質を体内に取り込んだ。 それは子ゆっくりにも蓄積されていき、結果として奇形ゆっくりが生まれた。 やっと。やっと理解したのだ。 親ゆっくりも…そして、子ゆっくりも理解した。 自分がこんな酷い目にあっているのは、母親であるれいむのせいであるということに。 僕は心無い言葉を子ゆっくりに浴びせながら、次々とゴミ箱に放り込んでいく。 「おがーぢゃんのせいだあああああああああ!!!!だずげでええええええ!!!」 「はーい、お母さんがあの子を選んだので、皆あの世行きでーす!」 「おがーぢゃんなんがしんじゃえええええええええ!!!」 「その前に死ぬのはお前らでーす!!あの世でゆっくりしていってね!!」 「おがーだんだじげで!!みでないでだずげでよおおおおおおおお!!!!」 「お母さんはあの子を選んだので、君は助けてもらえません!!ゆっくり死んでね!!」 母ゆっくりを罵倒しながら、ゴミ箱の中へと消えていく子ゆっくりたち。 その言葉の暴力に、れいむとまりさは震えながら耐えている。 「ごめんね!!……あのよでゆっくりしてね…!!」 そして、選ばれた子ゆっくりを除くすべての奇形ゆっくりが…ゴミ箱の中でお汁粉に変わった。 一旦ゴミ箱を片付け、再び部屋に戻ってくる。 親子3匹がいるほうを見ると、どうやら最後の生き残りである子れいむが、両親を罵倒しているらしい。 「おがーぢゃんのせいでじぇんじぇんうごけないよ!!ゆっくりあやまってねええええ゛え゛え゛!!」 本当はすぐに飛び掛って噛り付きたいのだろうが、やわらかすぎて動けないので、それもできない。 その上、2匹の親ゆっくりの返答も酷いものだった。 「お、おかーさんは悪くないよ!!おかーさんはわるいものたべてないよ!!」 「そうだよ!!かわいくうまれてこなかったれいむがわるいんだよ!!」 「ゆぎゅううううう!!?どおじでぞんなごどいうのおおおお゛お゛お゛!!??」 生後10分で親子喧嘩か。すごいもんだな、ゆっくりって。 「はーい、そこまで!」 この前と同じように仲裁に入る。 「いいことを教えてあげるよ。二人の親のどっちかが死んで子れいむの食べ物になれば、子れいむは動ける ようになるよ!」 「ゆぎゅ!?ほ、ほんとうなの!!?」 それは親ゆっくり2匹にとって、衝撃であろう。 どちらかが犠牲にならなければ、目の前の子は一生動けないままゆっくりしなければならない。 親2匹は…どちらが犠牲になるか、選ぶことが出来るだろうか? 「どっちが食べ物になるか、ゆっくりしないで決めてね。ゆっくりしてると、手遅れになるよ!」 「ゆぎゅ!?それじゃれいむがあかちゃんのたべものになってね!!まりさはしにたくないよ!!」 急かされたせいか、焦ったまりさが思わず本音を漏らしてしまった。 となれば、二人の“ジョーカーの押し付け合い”はもう止まらない。 「どうして!?まりさがたべものになればいいよ!!れいむはあかちゃんうんだんだよ!?」 「れいむはあかちゃんうむだけで、ぜんぜんたべものとってこなかったよ!! やくたたずのれいむは、ゆっくりたべものになってね!!」 「おがーぢゃん!!げんがはやめでよおおおおおおおおお!!!!」 これが人間だったら恐ろしい会話だが、ゆっくりの場合だと笑えてくるから不思議だ。 さて…そろそろフィニッシュといこうかな。 「そうか、どっちも食べ物にならないなら…赤ちゃんが死ねばいいよね!!」 そう言って拳を振り上げ… 「やめでえええええええええええええええええ゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛!!!」 「あがぢゃんにげでねええええええええええええ゛え゛え゛え゛!!!」 親2匹の絶叫とともに… グシャッ! 最後の奇形ゆっくりは、ただの潰れた饅頭になった。 「どっちも食べ物になってくれないなら、赤ちゃんは死ぬしかないよね!! だって、動けないままゆっくり生きていけるわけないもんね!!」 2匹は震えている。 「どうしたの?助けたかったの?でも食べ物になるほうを決めなかったよね。 助けたかったのに早く決めなかった二人が悪いんだよ!!」 それを聞いた2匹の、震えが…止まった。 そして… 「がああああああああああああ!!!???れいむのぜいだああああああああ!!!」 「まりざのぜいでじょおおおおおおお!!?まりざがたべものにならないがらああああ!!!」 2匹は、鬼のような形相で責任の押し付け合いを始めた。 「れいむのぜい!!ぜんぶれいぶがわるいの!!!ばかなれいむはゆっくりしね!!」 「ゆぎゅうううううう!!まりざがあがぢゃんだずげながったのがわるいの!!ゆっくりしんでね!!」 「ごろじでやるっ!!おおばがれいむなんがゆっぐりじね!!」 「まぬけなあほまりざは、ゆっぐりあのよであがぢゃんにあやまってね!!」 僕は外に通じるドアを開けておき、2匹を放っておいて自室に戻ることにする。 2匹の騒ぐ音がうるさいので、音楽を大音量で流してくつろぐことにした。 翌日。 2匹がいたはずの部屋を覗いてみると… そこにはゆっくり一匹分の餡子が、部屋を中心として放射状にブチまけられていた。 原形をまったく留めておらず、毛髪や飾りも残っていないので、れいむとまりさのどちらなのかわからない。 僕としては…できれば、れいむのほうに生き残っていてほしい。 あいつがまた子供を作れば、また奇形が生まれるに違いないからだ。 できれば、そうあってほしいな。 だってその方が、ロマンティックだろう? (終) 続く あとがき 虐待スレ10の 340前後を見て、勢いで書いた! まともに読み返してないので、誤字とかあるかも!! 後悔はしてな・・・・・・いや、半分ぐらい後悔してる! でも、自分が読みたいものが書けたからOK! ゆっくり読んでくれてありがとう!! 作:避妊ありすの人 このSSに感想を付ける
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※超ネタ話。電波を突然受信したので(ry ネタ度が強いので合わない人には合わないと思います。ご了承ください。 ※虐待成分は結構ありますが、取りあえず肩の力抜いて読むことをオススメします。 ※後半性ネタ注意。 ※ここで使われたゆっくりは、一部を除いて後で美味しくスタッフとゆっくりゆゆこが処分しています。 「全国数億人のゆっくり虐待ファンの皆様、こんばんは。遂にこのときを向かえました。実況ながらわたしも興奮が隠しきれません」 「解説の私もお股が濡れてばかりです」 「世界一のゆっくり虐待お兄さんが、今日ここに決定するのです!!」 『第一回 チキチキゆっくり虐待選手権!』 「まずは選手宣誓です。予選を勝ち抜き、決勝までコマを進めた4名。代表して選手Dが宣誓いたします」 「本名は人権の侵害により控えさせてもらいます。ご了承ください」 「宣誓! 我々選手4名は! ゆっくり虐待の精神に則り、ゆっくりを愛し、ゆっくりを憎み、ゆっくりを見下し、やりたい放題、殺りたい放題、犯りたい放題、ゆっくりを虐待することをここに誓います!!」 「ありがとうございます! 立派な選手宣誓でしたね」 「あの選手は間違いなく勃起してましたね、ハイ。そそり立っていました」 「私も今後の虐待を思い浮かべると、うん年ぶりにそそり立ちそうですっ!」 「さぁ、いよいよ1回戦が開始されるようです」 「最初の虐待のテーマはなんですか?」 「それは……これです!」 『ゆちゅりーサンドバッグ対決』 「選手4名の目の前には、中身が生クリームなゆっくりぱちゅりーが磔にされて置かれます。このゆちゅりーをひたすらフルボッコにしてもらい、一番長くゆちゅりーを生き延びさせられた人が勝者です!」 「軽く叩いておけばいい……普通に考えるとそう思ってしまいますが、あの「むきゅー、むきゅー」言っているものを相手にして力を入れずにいられるか……長く苦しめたいとより強く思っている方が勝者となるでしょう」 「むきゅーっ! どうしてこんなところに連れてくるの! 帰してー!」 「本を読んでゆっくりさせでぇぇえぇえぇっ!!」 「むぎゅぅうぅうぅうぅううぅっ!!」 「さぁゆちゅりーの準備も整いました!」 「この時点で潰したいと思っている人が続出しているようですね。会場の空気が変わりました」 「私はそのまま丸呑みしたいです。それでは……よーい、始め!」 「むきゅっ? いったいなにがはじまるの!」 「……」 殴っ! 「むぎゃっ!? なにするぎゃべあっ!?」 殴殴殴殴殴殴殴殴殴殴殴殴殴殴殴殴殴殴殴殴っ! 「むぎゃっ! やめぶばっ!?」 「いたいのっ! いたいのやめぶへっ!」 「いぎゃげげべぶぷるぽあっ!?」 「おおっとっ! いきなりA選手がもうラッシュをかけています! 早い、早すぎる! 拳が見えない! まるで北斗百裂拳の再現だっ!!」 「野球のボールもバットも消えますし、そんなに珍しく感じませんね」 「しかし大丈夫でしょうか? 一説にはシュークリーム以上に脆いと言われるゆちゅりー。あのスピードではすぐに破れてしまいそうです。開始前のゆちゅりーの叫びに我慢できなくなったんでしょうか!」 「いいえ見てください、あれだけのスピードを出しながら彼のゆちゅりーが1番凹んでいません。どうやらよほど叩き慣れているみたいですね」 「ぶびぇあげろぼえれおべあれぶふっ!?」 「むきゅぶへっ! お、おねえおぶあっ! だいじょぎゃぶっ!」 「一方で選手Bの人は殴るペースが遅いですね」 「いくつ叩いたかは審査員の印象以外にマイナスはありませんからね。むしろ実は隣同士で姉妹だという事実を聞きながら、よく我慢しているとおもいますよ!」 「む、むきゅぶあればっ!? も、もうやべぇれでげべぼっ!?」 「……」 「どうじべればっ!?」 「……はっ!」 「ぶじゅっ!!」 「おおっとっ! 選手C、なんとゆちゅりーを前蹴りで潰してしまったっ!!」 「どうやら我慢の限界が来たみたいですね……しかし最後を蹴りにした辺り、彼もさすがですね。やはりこの大会、一筋縄ではいきませんよ」 「……」 「むぎゅ、ぎゅ、ぎゅ、ぎゅ、ぎゅ、ぎゅ、ぎゅ、ぎゅ、ぎゅ、ぎゅっ!?」 「一方で選手Dはひたすらはたいてますね、あれは顔が赤く腫れますよ」 「しかし遅く殴るかはたくかが正攻法ですが、あれだけ殴っているのに選手Aのゆちゅりーが一番無傷ですよ、恐ろしい……まさに職人芸ですね」 「おねいぶるおっ! だずげぼるえう゛ぁっ!?」 「ぶれううれらえあせぃえうれれあぃあうえれっ!?」 「おーと、妹らしい選手Bのゆちゅりーが潰れてしまった!」 「選手Bの人は残念ですが、個人的にはGJを言いたいですね。良く潰してくれた。姉妹だと聞いた時から、観ている人たちはいつ潰れるか期待していたでしょう」 「むぎゅ、ぎゅ、ぎゅ、ぎゅ、ぎゅ、ぎゅるばっ!?」 「……」 「おおっと、今度は選手Dのゆちゅりーから生クリームが漏れてしまったっ!」 「あの方法なら、普通のゆっくりは3ヶ月持つものですが……さすが世界一脆いゆっくりですね」 「よって勝者は、選手Aです!!」 「よっしゃーっ!」 「……む、むきゅう……」 「選手Aには10ポイントが加算されます!」 「あれだけ叩かれたのに、ゆちゅりーが普通に喋られるのは、まさに奇跡です」 「……ぱ、ぱちゅりーの妹が……妹があぁあぁぁあっ……」 「ほら、仕事だ。行ってこい」 「こぼね~♪」 「むきゅっ!? す、吸い込まれ……いやぁぁあぁああぁぁっ!!」 「さて、それでは片付けも済みましたので、2回戦へ進みましょう!」 「2回戦のテーマはなんですか?」 「それは……こちらです!」 『駄々っ子ゆっくりゃ黙らせ対決』 「選手の皆様の前には体つきの豚臭いゆっくりれみりゃを用意します。そのゆっくりゃには昨日プリンを与えていません。ゆっくりの中でも1、2を争うわがままなゆっくりゃは大好物を食べられなかった不満にひたすら駄々を捏ねてくるでしょう。そのゆっくりゃを 果たしてどう黙らせるのか、もちろん殺ってしまっても構いません」 「しかしこれは勝負ですから、普通に殺るだけでは高得点は望めません。黙らせるという部分をどう解釈するかがポイントになりますね」 「れみりゃのプリン! ぷでぃんがたべたいどぉ~!! ぷでぃん用意じでっ!!」 「ぶでぃんじゃないとヤダ、ヤダ、ヤダ、ヤダ、ヤダ、ヤダ!!」 「ざぐや~! ざぐやぁああぁぁああぁあっ!!」 「なんでぶでぃんがないの! ぶでぃんようじぢで──」 ぶ~っ。 「……でじゃっだどぉ~」 「ぶっ殺したいですね」 「誰か爆破AAお願いします」 「ぷでぃんぷでぃん! れみりゃのぷでぃん!!」 「……」 「ぷぶぶるえぁ!? な、なにすぅぎゃぁぁあぁあああぁぁあっ!!」 「おっと! さっそく豚の悲鳴が聞こえています! 今、私の溜飲が下がりました!」 「私もです。全国数億人の虐待ファンもそう思っているでしょう」 「どうやら……あれは選手Aのゆっくりゃのようです! 羽根を千切っています!」 「いだいどぉ~~~~~っ!! ざぐやーー!! ざぐやーーー!!」 「……ふんっ! ふんっ!」 「ぎゃぶぼげあがごっ!!」 「おーとっ! 選手Aそのまま殴り始めました」 「どうやら彼は素手で虐待するタイプのようですね……こういう虐待はお約束な分、安定感があります。これからも期待が持てますよ」 「ぷでぃーんっ!! ぷでぃーんっ!!」 「……」 「うぅ? う~♪ れみりゃのぷでぃーんっ!!」 「ゲェェェェッ! 選手B、なんとプリンを手に持っておりますっ!!」 「まさか食べさせておとなしくさせる気でしょうか……ほとんど点数になりませんよ」 「ぷでぃーん♪ ぷでぃーん♪」 「……ハイっ!」 「ぷっ!?」 「ああやった、やってくれた選手B! テーブルに置いたプリンをそのまま拳で破壊しました! あっぱれ、あっぱれっ!!」 「あの呆然としたゆっくりゃの顔を見てください! 震えながら、一言も声を上げませんよ! ……これは高得点が期待できますね」 「Zzzzzzzz……」 「……起きて起きて」 「うえぇ?」 「選手Cのゆっくりゃは寝ていたみたいですね」 「あれですね、実況の身である私ですが、寝てて黙ってるしいいんじゃないかという理由で1つ潰させて欲しいですね」 「私なら寝てる間にホッチキスで口を塞ぐのが1番だと思いますが、選手Cはどうするつもりなんでしょうか?」 「うー……? れみりゃにぷでぃ~~んくでるどぉ~~?」 「……」 「ん? あれは……」 「箱……ですかね?」 「どっちにぷでぃんは入っているかなぁ?」 「うぅ? うぅ~~……」 「考えさせてますね、あれで脳死させるつもりでしょうか?」 「さすがにぷでぃんブレインでも箱を選ぶぐらいで脳死にはならないですよ。なにか狙いが……」 「う~……みぎぃっ!」 「こっちだね? はい!」 「ゆっくりしね!」 「おおっと、どうやら外れだった模様! 箱から出てきたのはゆっくりゃの天敵、ゆっくりふらんだぁ!」 「ゆっくりゃの失敗で虐待になったということでしょうか? それとも……」 「ぎゃぁぁあぁあぁぁっ!! おじじゃん! ひだり゛も゛! ひだりも、あ゛げるんだどぉ~!!」 「左もかい、そら!」 「ゆっくりしね!」 「ギャァァアァアアアアァァアァアァアァアアっ!!」 「なにぃ!? なんと両方とも入っていたのはゆふらんだった!」 「正解はどちらにも入っていない……だったようですね。ぷでぃんブレインのゆっくりゃには効果的な虐待ですね」 「……」 「うー! うー!」 「選手Dは……あれは何をしているんですか?」 「さぁ? ここからだとゆっくりゃを持ち上げているようにしか……」 「……」 「うううううううううううううっ!!」 「あっ! ゆっくりゃの頬が赤く染まっています! 口から体液も垂らし目も虚ろです! これはもしやっ!」 「まさか……発情させたんですかゆっくりゃを! 持ち上げているだけで!? 普通ゆっくりゃを発情させるなんて3時間は必要なのに……なんてテクニック!」 「さて、審査員の採点が明らかになりました」 「なかなか全選手、個性のある虐待でしたね」 「勝者は……選手Bです!」 「フッ、当然の結果だ」 「……」 「プリンを出して潰すというシンプルかつ最高な虐待方法を見せてくれましたからね」 「いまだにあのゆっくりゃはショックから立ち直れないのか、真っ白ですよ」 「ゆっくりしね!」 「ぷでぃーん……ぷでぃーん……」 「ううううううううううううううううううう」 「はい、仕事仕事」 「こーぼねー♪」 「それでは第3回戦に入りたいと思います」 「臭い臭い屁ごと豚が綺麗さっぱり吸い込まれていって皆さんご満悦ですね。それで3回戦のテーマは?」 「こちらです!」 『子連れれいむから誘拐対決』 「今回はもうぴっちぴちのばーじんじゃなくなった痴女饅頭の親れいむを4匹。しかも子 だくさんのを集めました!」 「饅頭にぴっちぴちはともかくばーじんなんてあるんですか?」 「ばーじんだろうと何だろうと畜生は畜生ですからね。ともあれ選手の皆様には親れいむが庇う子れいむたちを全部奪い取ってもらいます。他のゆっくりに比べれば母性の強いれいむですが、果たしてどれだけ早く奪い取れるかが焦点です。ただし! 子供への被害は 問題ありませんが、親れいむへの攻撃などはすぐに失格となります。注意してください!」 「庇う親からどうやって奪うのか……なかなかテクニックのいる虐待になりそうですね」 「それでは……開始です!」 「おかぁさん……こわいよ」 「ゆっくりしたいよぅ……」 「だいじょうぶだよ! おかあさんがしっかりまもってあげ──」 「ゆぐっ!?」 「きゃっ!?」 「うえっ!?」 「どうじでだれもい゛な゛い゛のぉぉお゛お゛ぉお゛ぉぉお゛お゛ぉっ!!」 「選手A見事です! 親れいむに気づかれないどころか、開始してすぐに子れいむを全員奪いました! 守るなんて気安くいっていた親れいむは号泣しております! いい気味だ」 「本音漏れてますよ。奪った子供を持ってきた網に入れていますね。あの準備の良さ……多分彼は今まで2桁の家族を虐待していますね、下手すれば3桁かも……きっと普段は網をそのまま熱した油に入れて揚げ饅頭を作るんでしょう」 「いやぁぁああぁあぁぁあっ!! れいむのこどもたちをかえじでぇええぇぇえっ!!」 「……」 「かえじでぇええぇえっ!! かえじぶっうえれげれぼごああっ!!」 「おっと選手A、鬱陶しく足下にまとわりついていた親れいむにやはり拳で襲いかかりました! しかしこれは……大丈夫なんでしょうか?」 「子れいむを捕まえた後ですから大丈夫ですね。捕まえる前なら問題でした。むしろこれなら追加点を与えたいぐらいですよ」 「レロレロレロレロレロレロレロレロ」 「キャッ! キャッ! おもちろーい!」 「やめてぇえぇぇぇっ!! かえじでぇえぇぇええぇえっ!!」 「選手Bは捕まえた子れいむを口に入れて舌で遊んでいるようです! いつ食べられるかわからない恐怖に、親れいむは気が気じゃないでしょう!しかし捕まえた子れいむはまだ1匹、スピード対決でこの余裕は大丈夫でしょうか?」 「時には点数を失っても、虐待しないといけない時があるという事です。彼にとって舌で遊ぶというのは、家族虐待には欠かせないのでしょう」 「ゆゆ……ゆっくり我慢してね!」 「ゆっ!」 「……っ!?」 「おぉっと!? 選手Cの親れいむ、なんと子供を口の中に入れてしまった! これでは手を出すことができなーい!!」 「なかなか経験豊富なれいむがいたみたいですね……捕食種相手なら結局、親ごと食べられるでしょうが」 「……ニヤリ」 「……っ!」 「ゆっ? ゆるぶう゛ぉっ!?」 「ああ選手C! ほくそ笑んだ親れいむに我慢の限界が来たのか、親れいむの口へ目がけて手を突き刺してしまったぁ!! 上に持ち上げ、「お前の死に場所はここだ!」と高らかに叫んでおります! 手を伝わって落ちている餡子の量から、子供は即死しているでし ょう! 痙攣しながら親れいむは泣いていますが、その涙は痛みなのか後悔なのかっ!!」 「大会なので失格になりますが……私はよくやったと言いたいですね。あんなほくそ笑んだ親れいむを放っておいたら虐待好きの名が泣きます」 「ゆっ!? ゆゆゆゆゆゆゆっ!!」 「……」 「やめっ!? おじさ……!? いやぁぁあぁあぁっ!!」 「あれは……? 選手Dからは親れいむの悲鳴しか聞こえてきません、どうしたんでしょうか?」 「まさか先ほどと同じように? しかしそれでは……」 「お、おかぁしゃーん……」 「大丈夫おかあしゃん? どこもいたい所ない?」 「……ゆ、ゆゆゆゆゆっ! れ、れいむのかわいいごどもだじぃっ!!」 「ゆゆっ!!」 「なにじゅるのおかあしゃ──ぎゃひぃいいぃいぃっ!?」 「かわいいよぉ!! かわいくて犯かしたくなっちゃうよおぉおぉおおっ!!」 「なんと親れいむ! 性欲のまま子供を襲っております! 興奮したとはいえ近親相姦も辞さないとは! 草葉の陰でゆっくりありすが妬ましく見ているぞ!!」 「生きてるのも妬ましく見そうですが、しかし発情させても普通なら近親相姦はしない筈ですよ……よっぽど選手Dのテクニックは飛び抜けているんでしょうね。恐ろしいです」 「……? おっと、ここで審査員の方から物言いです」 「なになに……なるほど、親れいむを発情させるのは厳密にいえば手を出している事になる」 「しかし極めて微妙なラインなので、本来3位である得点から更に減点という処分にすると……これは選手Dには辛い結果が出てしまいました!」 「手を出しているのは事実ですからね……むしろ失格になっていなかっただけマシかもしれません」 「では改めて……今回の勝者は選手Aです!!」 「……れいむの赤ちゃん……だいじなあかちゃん……」 「オラオラッ!」 「あばらぼぴっ!?」 「おおとっ!? 喜びの声を上げながら選手A! 景気づけでしょうか親れいむを拳で突き破りました!! そのまま拳を上に突き出しております! アピールです! 自分こそが虐待ナンバーワンだとアピールしております!!」 「実際、現在のトップは選手Aですからね、他の選手もまだどうにかなるとはいえ、圧倒的に有利ですよ」 「それじゃまたよろしく。今回はでかいのばかりだから食い出があるぞ」 「こぼねー♪」 「おっと、ちょっと待ってくれ」 「ん?」 「ハフっ?」 「次はいよいよ4回戦、最後の対決になります!! 現在のトップは選手A! それを僅差で選手Bが追う形です!! 選手C、Dはちょっと苦しいか!?」 「選手Cは2度失格しているのが厳しいですね、どうも虐待を我慢できないタイプのようです。しかし選手Dの人は厳しい状況ながら何かやってくれそうな期待感があります。最終戦は今まで通りの採点に加え、審査員の判断で点が加算されますから、最後までわかり ませんよ」 「最後のテーマは……こちらです!!」 『レイプありす虐待対決』 「選手の前には発情したありすと普通のまりさを一緒に置いておきます。もちろんゆっくりの中でも、レイプと発情ととかい派(笑)で定評のあるありすは、何も気にしないでまりさに襲いかかるでしょうが、その状態から好きに虐待してもらいます! ゆっくりゃの時 と同じで殺ってしまっても失格にはなりません!!」 「やろうと思えば出産まで虐待に絡められそうですね……これはどんな虐待が出るか予想ができませんよ」 「ああまりさ、まりさぁああぁっ!! ありすのことをそんなにまっていてくれたのねぇえぇえぇっ!! まって、もうちょっとしたらもうちょっとしたらすっきりするがらぁぁぁあぁあぁっ!!」 「いやだぁぁあぁあっ!! すっきりしだぐないぃいいぃぃいっ!! ゆっぐりざぜでぇえぇえぇえっ!!」 「あああああああああああああああっ!!」 「ゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆっ!?」 「予想通り早くも始まっています。このままでは全部のまりさがにんっしんっしてしまいそうです!! しかしそれはそれで見てみたいものがあります」 「妊娠を利用しようと思っていない人は、早くしないと手遅れになってしまいますね……」 「まりざぁあぁぁぁっ!! まりざぁぁあぁあぁあっ!!」 「……」 「ゆっ!? なにするのぉぉおぉおぉっ!! ありすのじゃまをしないでぇえぇえっ!!」 「開始と同時にほとんどの選手が交尾を中断させましたね」 「まぁ当然かもしれません。産まれた子供と食べるとか妊娠ネタはいろいろ応用が利きますが、だからといってありすのすっきりする姿なんてみたくないですからね」 「おじさんいなか者ね! はやくそのいなかくさい手をはなして! とかい派のありすは今まりさとめくるめく愛をまんきつ」 「おらぁ!」 「ぶるぺっ!! いやぁあぁぁぁっ!! なにずるのぉお゛お゛ぉおぶるぺぱ!!」 「いったいったAがいったぁーーっ!! 期待していた通り選手Aは直接殴りにかかりました! それでこそAです! やってしまえA!!」 「最後の最後まで素手で虐待するその姿は感動さえ覚えますね……ありすの生意気な面が凸凹に変形するのを見ると胸がすっとしますよ」 「いやあぁぁあっ!! まりさ、まりさあぁぁあああぁっ!!」 「だしてぇえぇえぇえっ!! だしてぇえぇええぇえっ!!」 「ついに出ました透明な箱! 透明な箱キタっ! これで勝てる!!」 「実況しろよ。選手Bと選手Cはまりさを大きめな透明な箱に入れましたね。虐待飼育ではもはや定番となっている箱ですが、ここから果たしてどうやって……おや? 両選手とも一端、控え室に戻りましたよ?」 「選手Cはまりさを入れたまま透明な箱を持って戻りましたね。果たしてこれからどういう虐待を考えているんでしょうか? 取りあえず我々は選手Cのありすの絶叫と、透明な箱にありすが貼り付いて怯えている選手Bのまりさを見て楽しみたいと思います!!」 「快感がつきませんね、この大会は」 「……」 「ゆっ……ゆっ……」 「おおっと? 選手Bが先に戻ってきました! あれは……れいむです! 先ほど3回戦で、舌で子供を遊ばれ続け泣かされ続けた親れいむです!!」 「そういえば彼はれいむを回収していましたが……4回戦のテーマを読んでいたんでしょうか?」 「……ハイッ」 「ゆっ!? れ、れいむ……?」 「ゆぅ~……」 「選手B、持ってきたれいむをそのまま透明な箱にいれました! 親れいむが落ち込んでいる理由のわからないまりさは困惑しております!」 「これは……立ちましたね、フラグが」 「ゆぅ……」 「……ゆっ」 「ゆ? ……ゆ」 「……」 「……」 「えーと……まりさがそっとれいむに寄り添い、頬を舐めて慰めております。それにまんざらじゃなく、れいむは頬を赤らめて照れております。ちなみに自慢ではないですが、私は未だに独り身です。誰かパールのような天子持ってきてー」 「気持ちはわかりますが、取り合えず視線を箱の外に移してみてください」 「いやぁあぁあぁっ!! まりざぁぁぁあぁああぁっ!! れいむなんかとながよぐじないでぇえぇえっ!! すっきりざぜでぇえ゛ぇえ゛え゛えぇえぇえぇ!!」 「……」 「……」 『すっきりー』 「……」 「……ッ!?」 「……ッ!」 「おおっと、選手Cも戻ってきましたね。手にはまりさの入った透明の箱が……? えぇ? あれは……」 「ありすとまりさ……でしょうか? 一緒の箱に入っていますが……なにか違和感がありますね。喋られないのは……ホッチキスで口を留められているからでしょうか」 「まりさっ! 戻ってきてくれたのね!! だいじょうぶ! ちゃんとまりさを愛するためにわたしはさっきのままだから今すぐすっきりへぶはっ!?」 「ありすが選手Cに突き飛ばされましたね、何だかあのまま潰しても点数が高そうなのは気のせいでしょうか?」 「たぶんそこそこ良い点数になるでしょうね」 「ありす、本物のまりさはどっちかな?」 「えっ? そんなの決まってるわ! 黒い帽子を被っている方がまりさよ!!」 「それじゃこっちは偽物のまりさなんだね?」 「そうよ! そんなありすのまねしてる偽物のまりさなんてきれいにつぶれてね!!」 「……ッ! ……ッ!!」 『あー……なるほど』 「きれいにつぶれたわまりさ! ほめてまりさ!! そして愛しあいましょう!!」 「跡形もなく潰したね、でもこのままじゃかわいそうだから、帽子とカチューシャは元に戻してあげようね」 「……え? あ……りす? ……あああああああああっ!! まりざぁああぁあぁあっ!! どうじでぇえぇええぇえぇえっ!!」 「まりさにありすの格好をさせ、ありすにまりさの格好をさせて、本物を殺させたわけですね。選手Cはなかなか頭脳プレイが光ります!」 「虐待的には比較的ありふれているものですが……潰す方を選ばせたのは珍しいですね。あれでありすがより後悔しています。まるで同情はできませんが」 「ああああああっ!! まじざぁあぁあぁあぁあっ!! いくわぁあぁあぁっ! そろぞろいっじゃぅうぅぅぅぅっ!!」 「いやああぁあぁあぁあぁああっ!!」 「おっと!? 唯一ありすとまりさを引き離さなかった選手D、いつの間にかありすがすっきりし終えようとしています!! これは一体どういうことでしょうか!?」 「産まれた子供を利用しようとしているんでしょうか……? しかしありすのすっきり顔を見せられた後では誰もが不満になると思いますが……」 「しかしそうこう言っている内にありすがすっきりし終えてしまったっ!!」 「……うっ、うううぅっ……すっきりしだくながっだよぅ……」 「ふふっ、まりさ……かわいかったキャッ!?」 「……」 「調子に乗ってたありすを片手で持ち上げましたね。どうするんでしょうか?」 「見たところ透明な箱も持ってないようですが……えぇ!?」 「な、なにおじさん! はやく離して! わたしはまりさとはなしをしてるの!」 「これはわたしのオンバシラだ」 「え……? い、いやぁぁぁあっ!! やめでぇえぇぇえっ! そんなものにちかづけないでぇえぇえぇっ!!」 「クロスアウッ!! な、なんと、選手Dが瞬時に服を脱いでいるぅっ!? ブリーフもありません! 全裸です! 滾る虐待魂が男に服を脱がせたのかぁ!! 変態という名の紳士だよぉっ!!」 「やはり宣誓の時に感じたわたしの勘は間違っていなかった……そそり立っている、立派なオンバシラがそそり立っていますよっ!!」 「刺さないでええぇえっ!! そんなの刺さないでぇええぐぎゃあぁぁあぁ!!」 「……」 「ああああああああああっ!! いだいいいいいいい、うごがざないでぇえぇぇえええぇえぇぇえっ!!」 「なんと選手D、ありすを自身のオンバシラで貫き動かしています!! しかしこれはどうなんだぁ!! 私たちは貴方の発射を見に来たわけではないぞぉっ!!」 「……いや、待ってください。まだ発射すると決めつけるのは早いですよ」 「ああああぁあああああぁあぁあぁああぁあっ! いやぁあぁあぁぁっ!! なんで、なんでかんじちゃうのぉおおぉおおおおおおおおおっ!!」 「……」 「いやぁぁあぁあぁあっ!! こんなのですっきりじだぐないぃいいいぃいいっ!!」 「こ、これは!? 発射するどころか……ありすがすっきりしそうになっている!?」 「テクニシャンの本領発揮ですね……しかもさっきまでありすがまりさにしていたことをやり返す形になっています……これは面白い」 「あああああああああああああああああずっぎりぃいいぃいっ!」 「……」 「ついにすっきりさせられてしまったありす! 彼のオンバシラに貫かれたまま燃え尽きたようにぐったりしております!!」 「普段やっていることをやられてざまぁwwwwwwというところです。……ん?」 「あ、あああああああああっ!! こないで! こっち来ないで! ゆっくりさせでぇえぇえぇっ!!」 「……っ!? ま、まりざぁあぁぁっ!!」 「……」 「やめでぇえええぇえぇっ!! まりざのお腹の中にはありずのあがじゃんがあぁぁあぁあっ!!」 「ゆっぐりざぜでえぇえぇえぇえっ!!」 「がったいっ!!」 「ぎゃあぁあぁああああぁああぁあっ!!」 「いやぁあぁぁぁあああぁあぁっ!!」 「な、なんと選手D! 2匹刺し、2匹刺しです!! ありすの後にまりさまでも自身のオンバシラに突き刺してしまいました!! おっと、そのままその場で回っております回っております!! 口ずさんでいるのは「だんご○兄弟」! 貴方は名曲さえもレイプするのかぁ! これはもう観ている人たちへの完全なアピールです!! 彼は優勝を確信しているっ!! いや、まずそれらを全て 置いておいて一言、お前のオンバシラ何センチなんだぁ!!」 「このために、まりさに子供を身ごもらせたんですね……いやはや、恐ろしい虐待が残っていました……これはいくつ点数が入るかわかりませんね」 「あ、あああぁああぁぁあああぁっ……」 「まりさぁぁああぁ……まりざぁああぁぁあぁあっ……」 「……ただいま、集計結果が届きました」 「いよいよですね」 「ここまで大量のゆっくり達の悲鳴を聞いてきました……ゆちゅりー、ゆっくりゃ、れいむ、まりさ、ありす。どれもこれも最高に甘美でした。その中でも特にいい声を上げさせた虐待お兄さんが決まります」 「……」 「それでは発表しましょう! 栄えある優勝者は!!」 「ドローッ!!」 「……はっ?」 「ドローです! 同点です!! 3回戦まで選手Aで決まりだったところですが、4回戦でまさかの同点劇が待っていた!! トップは選手Aと選手Dの2人です!!」 『……』 「……では、優勝者は2人……?」 「いえ!!」 「これより、プレーオフを開始します!!」 「ところで、あのオンバシラが突き刺したゆっくりはどうするんですか?」 「ゆゆこにでも食べさせとけ」 「こぼね!?」 02へ続く 元ネタ 子ゆっくりを口の中で嘗め回す fuku1026 ありすの真似をしているまりさは潰れてね! 虐めAAその7の貴方は所詮帽子しか~ その他、色々な設定をお借りしています、ありがとうございます。 このSSに感想を付ける
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復讐 ※下手、俺設定、矛盾 ひどい、有り様だった。窓ガラスは全て砕けちっている。 本棚は、横向きに倒れ、書物は破り取られたり、奪われていた。 台所も荒らされ、割れた食器が散乱し、食物のカスが残っていた。 私は、絶望に浸っていた。 目の前には、皮と、餡子と、涙と、飾りと……。 全てが、蹂躙され、強姦され、殺害されていた。 走馬灯のように、頭の中を思い出が駆け巡る。 もう、戻ってくる事は無い、思い出。 私は、胃の中のものを曝け出した。頭を抱える。心臓が破裂しそうだ。 目を閉じて、涙をひたすら流し続けた。 憎しみと悲しみと怒りとが、混ざって……。 私の心臓は、動作を停止した。 ◇ 長い間、私は、船に乗っていた。 川は、どうしようもなく、長くて……ただ、悲しみが増すばかりだった。 私の後ろの青年は、それを察してか、何も喋らなかった。 ◇ 「初めまして……」 目の前に閻魔を務める女性がいた。否、少女かもしれない。 彼女は、淡々とした口調で話した。 「……貴方は、心の清らかなお方です。 とても、正義感の強い、理想的、模倣的な人間でしょう」 「はあ……」 途切れ途切れに、彼女の抑揚の無い声が聞こえた。 それよりも……あの子達は……。 気づかぬうちに、涙を流していた。止めなく……頬を伝わる。 すると、女性は、温もりのある声で言った。 「泣くのをやめてください。 彼女達は、また、新しい生を授かるのですから」 「納得できません……。私には。何故でしょうか、閻魔様? あの子達は、悪いことをしたでしょうか? 私の自分勝手で、あの子達を育てました……。 でも、あの子達は、礼儀正しくて、純粋な子達でした」 私の口から、言葉がどんどんと漏れ出す。俯いて、床の一点を私は、凝視する。 閻魔は、しばらく、黙っていたが、やがて、喋った。 「……何かしたいことは有りますか?」 彼女は、私に尋ねた。意味を理解するのに、何十秒もかかった。 「もし、良ければ、私に復讐させてはくれませんか?」 私の口から、ようやく捻り出したように言葉が出た。 すると、冷め切った心が、今度は熱く燃えたぎるようになった。 「私の記憶を保ったまま、来世を迎えたいのです」 「……本来は、それをするために、何十年も苦役を負わなくてはいけないのですが。 ……しかし今回は、それを欠点を負うことでで補完しましょう。 つまり、転生するしてから、記憶を保てる代わりにより苦労しなくては、いけません」 「はい……私は、その覚悟があります」 私は、頷いた。 「そうですか……。では……」 彼女が、持っていた棒を高く捧げた。 緑色の光が、私の身体を包み込み、跳んだ……。 ◇ 暗く、暗く……ひたすら暗く……温かい。 音は無くて、何かに包まれていることしか分らない。 なので、私は、考える事にした。 ゆっくり達は、何故殺されたのだろうか……? そう言えば、前に何匹かのゆっくりが来た事があった。 それ以外に、ゆっくりが私の家に来た事は無い。 私は、少し痛めつけてから、彼女等を森に返したのだ。 彼女達は、怒っていた。こんなに可愛い自分を、正しい自分を痛めつけた私に。 だから、他の群れの仲間を呼んで、私の家に突入したのだろう。 ならば、私は、彼女達の群れを見つけ出して、潰さなくてはいけない。 それが、せめてもの、死んで行った友人達への弔いなのだ。 そう、考えていると、全身を包んでいる物が、開いていった。 ぽたっ 身体が、落ちた。風が当たる。 「ゆっくりしていってね!!」 「ゆっきゅりしちぇいっちぇにぇ!!」 「かわいいあかちゃんがうまれたよ!!」 「まりしゃににちぇ、きゃわいいにぇ!!」 懐かしく、甲高い声が、四方から聞こえた。 そして、乾いた地面に軟着陸した。 「ゆゆっ?」 後ろから、低めの声が聞こえてきた。 振り向こうとしたが、身体がうまく動かせない。 「だいじょうぶ!? れいむぅ!!」 どうにか、答えなければ、いけない。 口を開いて、喋ろうとしたが、息が出るばかり。 しかし、やっとどうにか、喋る事が出来た。 「ゆっっきゅりしちぇいっちぇにぇ!!」 『あし』で、地面を叩いて、跳ねる。 身体を、くいっと、捻って、我が新しい親の顔を見た。 ……どうやら、私は、ゆっくりとして、生まれてしまったようだ。 なるほど、確かに、ゆっくりは、生物の中でも、かなり脆弱だ……。 親れいむは、私が動き喋るのを見て、安心したようだ。 すると、彼女は振り向き、もう片方の親、まりさを見た。まだ、四つ程の茎が生えている。 私の家……巣は、洞窟だった。 私は、周りを見た。まりさが一匹、れいむが二匹、姉として生まれている。 どれも、わくわくしながら、新しい姉妹を待っているのだった。 ぽたっ ぽたたっ ぽたっ 次々と、私の妹が生まれ始める。 「ゆっきゅりしちぇいっちぇにぇ!!」 まりさが三匹、れいむが一匹だ。 まりさ、れいむがどちらも五匹の黄金比的な数と言えよう。 全てが生まれ終わると、茎が、しなびて、まりさから落ちた。 周りのゆっくり達が、それを貪り始めたのを見て、私を食む。特に味はしなかったが、腹を満たす事は出来た。 「まだ、からだがじょうぶじゃないから、ゆっくりすであそんでね!! それと、まりさも、おつかれさま!! ゆっくりやすんでいってね!!」 産児が終わると、親れいむは食料を集めに出て行った。 赤ゆっくり達は、することも無いので、親まりさと遊ぼうとするが、 「ゆゆぅ……まってね……まりさはつかれたの……」 と言われてしまい、赤ゆっくりだけで、遊ぶことにした。 それで、一匹の赤まりさが、かけっこをしようと言い出した。 「わきゃっちゃよ!!」 周りもそれに同意し、かけっこが始まる。 ◇ 「じぇいじぇい……」 「ゆっきゅりちゅかりぇたよ……」 「おかあしゃんみゃだかにゃあ?」 「おにゃかしゅいたよ!!」 皆が、ぜえぜえと疲れきっていた。 私はと言うと、最後尾に回ったが、体力は消耗していない。 そう、身体を鍛えるのは重要だが、まず、大きくならなければ。 そうしなければ、私は敵討ちなど出来ないだろう。 ◇ それから、十日ばかしが経った。 我々は、直径十二、三センチ程の子ゆっくりにまで成長する事が出来た。 その日、見知らぬゆっくりありすがやって来たのだ。 「おねえしゃんはだれ?」 まだ抜けない赤ちゃん口調で子まりさが尋ねた。 「おひさしぶりね、れいむ、まりさ!! とかいはな、わたしにはかなわないけど、なかなかかわいいこどもね!!」 どうやら、ありすは、私の親の知り合いであるようだ。 まりさ、れいむ、そして私は彼女と挨拶をした。 そのうち、十一匹で、雑談が始まった。 ありすは『とかいはなぶゆうでん』を子供に話し、子供は目を輝かせる。 「ゆゆっ? そういえば、どうして、きたの?」 その話の途中で、親れいむは、ありすに聞いた。 「あっ……そうよ!! ありすのすごいぶゆうでんをきいてね!!」 「ゆゆっ!!」 「おねえさん、まだあるの!!」 「すごいね!!」 特にまりさ種は、ありすを尊敬と畏怖の目で見つめていた。 なんと、可愛いのだろうか、と思いつつ、心が痛んだ。 「とかいはな、ありすはすごいのよ!! ふふん!!」 ありすは、そう言って話を始めた。 「このまえね、ありすたちのおうちのはいろうとしたら、にんげんがじゃましてきたの。 でも、ありすたちはかしこいから、かんたんににんげんからにげられたんのよ」 よくある、自慢話だ。だが、話はまだつづいていた。 「そのあと、ありすたちは、どすまりさのむれのゆっくりといっしょにふくしゅうしにいったの。 とうめいなかべをこわして、なかにはいると おうちには、あまあまや、ごほんがあって、みんなよろこんでいたの。 それと、びゆっくりがたくさんいたのよ!! ひとりじめした、にんげんをころしたかったけど、いなかかったの。 ありすは、おそいかかってきたびゆっくりをみんなたたきつぶしてやったの!! それで、みんなにありすはつよくてかっこいい!! ってほめられたのよ!! やっぱり、おろかでばかなゆっくりはしぬべきなのよ!!」 え……? 今、何と、言った。私の顔が歪んだ。 愚か……馬鹿……私のゆっくりをそんな風に言うのか。 怒りが、心に満ちる。今にも、ありすを殺してやりたかった。 皮を裂き、目玉をくり抜き、歯をへし折らせてやりたい。 だが、体格が違いすぎた。だから、我慢した。殺害衝動を押さえ込んだ。 それよりも、二つ分ったことがある。まず、あの群れは、この付近にいる、と言うことだ。 そして、もう一つ、このありすを死ぬより辛いようにしてやる必要がある、と言うことだ。 「ゆゆっ? どうしたの、れいむ? おかおのいろがわるいよ?」 顔を俯け、下から、ありすを睨んでいると、親れいむに話し掛けられた。 私は、上を向いて、ごまかした。 「ご、ごわいよ~!! ありずごわいい!!」 どうにかして、泣き真似する。涙は出ていないが、それに気づかれることはなかった。 すると、周りの子ゆっくりもそれに同調して泣き始めた。 「ごわいい!! やだああ!!」 「じにだぐないい!!」 両親と、ありすは困って飛び跳ねた。 「そ、そんなことないよ!! ありすがころすのは、わるいゆっくりだけだよ!!」 「そうだよ!! ありすは、せいぎのみかたなんだよ!!」 親れいむが言い、それに次いで、親まりさが言った。 それを聞いて、ありすは照れた。顔を赤らめて、一段と高く跳ねる。 「ゆっゆっ!! そうよ!! ありすはかっこよくて、とかいはなのよ!!」 「そうだったんだね!! こわがって、ごめんね!!」 子まりさが、言うのを引き金に、私含め七匹の子ゆっくりも謝った。 それから、色々喋って、ありすは群れへと帰って行った。 ◇ 二十日が経った。生まれてから、一ヶ月になるか。 私達は、直径二十センチ程の、若々しいゆっくりへと成長していた。 親に、外に出ることを許されてから、幾ばくかの友人が出来た。 その一匹にぱちゅりーがいて、私は、姉のまりさと一緒によく彼女と遊んだ。 その中で、気づいたのだが、ぱちゅりーは私に気があるらしい。 私をぼうっと、見つめていることがたびたび有ったし、それに気づかれると、赤面するからだ。 私は、気の毒だった。何故なら、私の姉も彼女のことが好きだったからだ。 しかし、姉は、ぱちゅりーへの愛が意味の無い物であることに気づかなかった。……最期まで。 それは、川に沿った帰り道を、跳ねている時に言われたことだった。 「どうしたら、ありすみたいにかっこよくなれるんだろ?」 まりさが、跳ねながら言った。 本人は気づかれていないと思っているが……ぱちゅりーの気を引きたいためだろう。私は答えた。 「おとなになって、からだをきたえればいいよ!!」 正直、あの女郎みたいになって欲しくは無いが。だが、しょうがない。彼女達の視野は狭のだ。 だから、ああ言う見てくれだけの、格好良さのあるアバズレを目標にしたがるのだ。 しかし、次の言葉は……我慢できなかった。否、我慢してはいけないのだ。 「まりさも、くずで、おろかで、ばかで、びっちの、 くそゆっくりをせいばいする、せいぎのみかたになりたいよ!!」 クズ、愚か、馬鹿、ビッチ(聞きなれないが、アバズレを表す外来語らしい)、糞……。 それを、聞くと、私の心臓と脳のリミッターが外れたようだった。 「ゆっびぃ!? なにびゃ!?」 私は、まりさに突進した。体格では勝るが、不意討ちにまりさが、ひるみ、川に落ちた。 まりさが、水に濡れながらも這い上がってくる所に追撃する。 「ぎゃっべえ!? どぼぼぼっ!!」 まりさが、吹っ飛んだ所にさらに叩き込んだ。 まりさは、川の深い所に入ってしまい、喋る事が出来なかった。 「ぶうう!! ぶうううう!!!」 まりさは、必死に身体をくねらせて、こちらに泳いで来る。 たたみ掛けようとしたが、もっといたぶらせてやろう、と思った。 「どおじでええ!? どうじでごんなごどずるの!! ゆっぐりできないれいむば……じねえええ!!!」 まりさが、私に突進をしかけるが、濡れている為か、遅い。 私は、冷静に足元の石を口で咥えた。ひんやりとする。 「ぎゃばああああ!!!!」 全身全霊をかけたまりさは、雄たけびを上げて飛び上がった。 私は、身体をくねらせて……そして、回転し、石をまりさに投げた。 ゆっくりの弾力は意外と強い。石は、正確に直進し……皮のふやけたまりさを見事に貫通した。 「ぼぎゃああああ!!??」 まりさは、惰性に従って、進み、落ちた。 べちゃっと、まりさは、潰れた。皮が簡単に裂け、餡子が飛び散った。 私はまりさを食らった。皮を食い、散った餡子を舐め尽くした。 全ては……私の、愛する者達の復讐のために……。 ◇ 「おねえざんが!! おねえざんがあああ!!! ああああああああ!!!!」 私は、巣の中に飛び込み、泣く。ただ、ひたすらに泣く。 涙は、すんなりと、出た。あの時の悲しみを思えば。 「どうしたの!? れいむ!!」 「ゆっくりなきやんでね!!」 「じじょうをはなしてね!!」 私の肉親が、近寄って来て、落ち着かせようとしたが、出来ずにおろおろするばかり。 「おねえざんをでみりゃが、だべぢゃっだあああ!!!」 びくっと、空気が凍りついた。 「おねえざんん!!!」 子れいむは、まりさを思って泣いた。 「じにだぐないいい!!!」 子まりさは、恐怖を感じ、跳ね回った。 「でみりゃごわいいいい!!!!」 子れいむは知らぬ恐怖に怯えて、叫んだ。 「じずがにじでよおお!!!」 親れいむ一声叫ぶと、皆が沈黙した。彼女は、涙を流しながら、言った。 「もう、まりざばもどっでごないんだよおおお!!! だがら、れいむだぢが、まりざのぶんまでいぎなぎゃいげないの!!!」 「そうだよ!!! まりさは、れいむをたすけてあげたんでしょ!?」 親まりさは、飛び跳ねながら、私に尋ねた。私は、跳ねて、肯定した。 「そうだ!! 『むれ』にいけば、いいんだよ!!」 隅にうずくまって、白目を剥いていたまりさが、飛び跳ねた。 『群れ』……あの憎き、ゆっくり共の巣窟だ。 もしかしたら、行けるかもしれない……これは、またと無い機会だ。 「む……むりだよ……むれには『つよいゆっくり』しかいけないよ……」 しかし、親まりさは、地団駄を踏んで言った。 「まりさは、つよくないし、あたまもよくないよ……だから、むりだよ……」 どうやら、『群れ』は、能力が高かったり、知能が有ったりする、 エリートのゆっくりで無ければ、行けないようだった。 それを聞いて、子達は愕然とした。 親は、強くない。 それを、責めるべきではないのだが、こいつらは、ゆっくり。 彼女達の中で、親は、保護者から、罵倒される存在に変わってしまっていた。 「しね!! まりさたちのこともまもられないようなおやはゆっくりしね!!」 「おお、おろかおろか。こどももまもれないなんて、おやしっかくだね!!」 「れいむは、こんなすからすたこらさっさして、『むれ』にいくよ!!」 平気で親を罵倒する子まりさ二匹と、子れいむ。 彼女達は、蓄えていた食料を食い荒らして、外に飛び出て行った。 純真な末っ子の子れいむが止めようとしたが、跳ね除けられた。 親二匹は、子に罵倒されたのが衝撃的で、動くことも出来なかった。 残ったのは、親れいむと、消極的な親まりさ。身体の小さい、末っ子の子まりさ。 私と、大人しい長女子れいむと、末っ子子れいむ。 家族が、四匹減り、家はそのぶん、広くなった。 「ゆ!? れいむ、なにずるのおおおお!!??」 私が、家から飛び出ようとすると、親まりさに止められた。 自分の子とこれ以上、別れたくないからだろう。 「ゆっ!! だいじょうぶだよ!! れいむは、おかあさんのことを、せめたりしないから!! れいむは、おねえさんたちをよびもどしにいきたいだけだよ!!」 親まりさを残して、私は飛び出した。 あの、命知らず達の末路を見てやろう。 周りを見回すと、左の方にあいつらが居た。おおよそ、二十メートル程、離れているか。 ◇ あやつらに三メートル程まで近づいた。 あいつらは、後ろから私が来るのに、まったく気づかず、ぺちゃくちゃ喋る。 「ありすみたいになって、れみりゃをたおすんだよ!!」 「そうだよ!! 『むれ』にいけば、つよくなるよ!!」 何を勘違いしているのだろうか。『むれ』に簡単に入れると思っているようだ。 きっと、自分が強いと言う、根拠の無い思い込みの弊害であろう。 「ありすみたいになって、あのじじいとばばあみたいなぐずをころすんだよ!!」 「れいむたちなら、できるよ!!」 「せいぎのみかたになるんだよ!!」 ……親のことを馬鹿にするなんて、よく出来る。 正義の味方……良心的なゆっくりを殺す奴をそう、呼ぶのだろうか。 ……ゆっくりさせなくしてやる。 私は、息を吸い込み、叫んだ。 「こうまかんのおじょうさまああああ!!!!」 「ゆぅ!?」 「れみりゃ!?」 私が叫ぶと、ゆっくり達は、きょろきょろ慌て出した。 ザザッ……芝生が音を立てた。ゲス達は、そちらの方を向いた。 肌色の腕が突き出された。もぞもぞと、それが動く。 所々切れたピンクの服の袖が見え……凹凸の無い、身体が現れた。 水色の髪、鋭い牙、赤い目……胴付きのれみりゃだ。 「でみりゃごわいいい!!!」 「だ、だずげでええええ!!!!」 「お、おがあじゃあんんん!!!」 先程、れみりゃの話しを聞いたせいか、それぞれが、腰を抜かしてしまい、動けなくなった。 れみりゃは、私の方を向いていたが、怯える声を聞いて、振り返った。 「れみりゃさま!! それは、さくやのよういした、でなーです!!」 「うっう~♪ ありがとうだどお~♪」 私が、自分のことをさくや、と言うと、れみりゃは否定もせずに、 ぶるぶると震えているゆっくり達に飛びかかった。 「うっう~♪ そおれえ~♪」 可愛い、よちよちとした動作で、子まりさを一体掴んだ。 残りの二体は、口を開けて、それを見ていた。 「だずげで!!! だずげえべええっばああああ!!!!」 ガブッと、れみりゃが、子まりさを噛み砕き、飲み込んだ。 れみりゃは、にぱー、と笑って、もう一体の子まりさを掴む。 「れみりゃさま!! その、まりさはわるいまりさです!! ほっぺをひっぱって、ちぎりとってください!!」 すると、掴まれたまりさがこちらに気づいた。 まりさは、身をよじって、れみりゃに叫んだ。 「おでがいでずううう!!! あのでいぶをだべでええええ!!!!」 「う? あれは、れみりゃのしもべだどおお!!」 れみりゃは、私を食べろ、と言ったのに怒ったようだ。 まりさの、両頬を尖った爪を食い込ませて、引っ張り始めた。 「びゃああ!? なにずるのおおお!!! やべでええええ!!!! あのでいぶをだべでええええ!!!!」 まりさは、逃げ出したれいむを食べろと、れみりゃに言った。 そのれいむは「どおじでぞんなごどいうのおお!?」等と泣き喚いていた。 れみりゃはそれを無視して、拷問を続ける。 「びびばぶばいいいい!!!! びょっびぇええええ!!!!」 ビチィと頬が千切れた。餡子は、漏れ出し、まりさは落下した。 れみりゃは、落ちて、さらに餡子を噴出したまりさを踏みつけた。 「ゆぎゃあああああ!!!!!」 まりさは、帽子までも、潰され、皮の塊となった。 れいむは、その死体に「しね!! しね!!」などと叫んでいた。 が……お前もすぐに死ぬだろう。 「ゆぐぅ!!?? はなじでね!! ばなじでええええ!!!!」 れいむは、リボンを掴まれて、持ち上げられた。 彼女は、れみりゃの方を見て、媚びた笑いをする。 「れみりゃさま!! そいつのりぼんをとってください!!」 「うっう~♪ じゅうしゃのねがいをきく、れきりゃは、かっこいいんだどお~!!」 れみりゃは、ブチッとれいむのリボンを千切り取り、 「いらないものは、ぽいっ、だど~♪」と言いながら草むらに捨てた。 「ゆぎゃあああああ!!!!! がえぜええええ!!!! じねええええ!!!! でいぶのりぼんんんん!!!!」 れいむは、半狂乱状態で、叫び続けたが、れみりゃは無視して、笑っている。 それだけではない。普段眠っているれみりゃの嗜虐心に火がついたようだ。 さらにそれに伴って、かなり知能が増大したらしい。 「……しね……」 れみりゃの目の色が変わった。赤が……紅に……。 我が主は、指をれいむの頬に刺した。柔らかく……恐ろしく。 「びぃ!?」 鋭い爪に刺されて、れいむが小さく悲鳴を上げた。 それを見て、れみりゃは、美しく微笑んだ……。 れみりゃは、指を優雅にかき回す。 れいむは、最初ちょっとした違和感を感じるだけだったが、次第に動きは速さを増していく。 「ゆびゃ!!?? やべっ!!?? がばば!!??」 今まで感じた事の無い、内部からの痛みにれいむは、驚き、うめく。 れみりゃの、その瞳は、嘲笑っていた。愚かで、下等な、生き物に……。 「びゃびゃびゃびゃびゃ!!!!!」 れいむは、涎と涙を止まらんばかりに垂れ流し、白目を剥いた。 口はだらしなく広がり、泡が口角に集まっている。 身体は、定期的にびくんびくん、と痙攣していた。 れみりゃは、かき混ぜるのを止めて、指を引っこ抜いた。れいむは、何も反応しなかった。 彼女は、今度は、むっちりとした手を大きく開いた口に突っ込み、何かを握った。 「びゃっべええええ!!??」 れいむは、正気を取り戻し、餡子を一気に噴き出した。 れみりゃは、落ちていた枝を拾い、れいむに真上から突き刺した。 やすやすと、れいむの皮を貫通し、地面に刺さった。れいむは、磔にされたのだ。 吸血鬼を模した物にそう、されるなんて、なんて皮肉なのだろうか。 「ゆっくり、死ね」 れみりゃは、抑揚のついた声で、れいむに言った。 さっきよりも、起伏があるのに、それは氷のように、冷たかった。 れいむは、泣き叫ぶこともしなかった。 ただ、一言つぶやいただけだ。 「おぎゃ……じゃん……ぎょべん……なざぃ……」 れいむは、言い切ると、がっくりと、俯いた。 私も、それには同情せざるを得なかった。 しかし……れみりゃは、まさしく、鬼だった。 彼女は、死んだまりさの上半分にそれの餡子を詰め、逆さに置いた。 続いて、れいむの上半分を勢い良く切り取った。 「びゅっばあああ!!!」 れいむの口の半分ほどから上あたりは、跡形も無く消え去った。 れみりゃは、まりさの上半分をそれに接合した。 そして、餡子や、まりさの残った皮でそれを補強した。 これは、ゆっくり虐待の中の一つだ。 意識が混同し、感覚を共有することで、様々な虐待が出来るらしい。 もっとも、私は虐待なんて、嫌いだが。 しばらく経つと、皮が再生しはじめ、金髪のまりさが出来上がった。 まあ、下の方はれいむであるが、皮の色に少々違いがあるだけで、まりさにしか見えない。 『ゆゆぅ!?』 二つの声が、そのまりさから聞こえた。 れみりゃは、ふふふ、と妖しく笑っていた。 まりさがその場で跳ねた。 『どおじでうごがないのおおおお!!??』 どうやら、移動しようとしたらしい。 しかし、意識が二つある為、全身の連携を取る事が出来ないでいるのだ。 「でいぶはじねえええ!!!」 「まりざごぞじねえええ!!!」 すると、二体は自分の身体の中にある、もう一つの人格に気づいたためか、罵りあいを始めていた。 まず、下半身が、走り出して、上半身を木にぶつけようとした。 しかし、上半身は、後ろに身体を引いて、それを避けた。 「びぇびぇええ!!」 下半身のれいむが、ごつごつとした木にぶつかり、幾つか切り傷を作った。 「ばーかばーか!!」 それを見て、上半身のまりさは、嘲笑をしえいた。 れみりゃは、脚を投げ出して、それを醜悪な風景を楽しんでいた。 私も、れみりゃの隣に座って、ぼうと、彼女達の馬鹿な争いを眺めていた。 「ゆぐううう!!!」 すると、れいむは、高く跳ね、空中で身体を逆さにした。 まりさの上半身が、硬い地面に突っ込んでいく。 「ゆぎゃべええええ!!??」 まりさは、頭をぶつけ、ぐにゃりと曲がる。あまりの圧力の為に、餡子が少し噴き出してしまった。 「しね!! ぐずなまりさはしね!!」 「うるざいいいい!!!! ゆっぐりじないでじね!!」 れいむと、まりさは罵詈雑言を掛け合い、自らの身体を傷つけた。 目がぽろり、と取れ、歯が何本も折れた。『あし』には大きな穴が空き、唇がひしゃげた。 全身が、痛々しい切り傷で覆われ、餡子がそこかしこから漏れて、皮が見えなくなっていた。 「が……!! じ、べっべっべっ!!!」 「ぴゅうぴゅう……びゅりゅりゅりゅ!!!」 二匹のゆっくりは、言葉もろくに喋られず、 息を吐き出すのがやっと、と言う有り様なのに、未だ争いを続けていた。 もはや、目的を忘れ、ただ、本能に従って行動しているだけなのだろう。 「ぎゅびゃあああああ!!!!!」 いきなり、まりさが欠けた歯で自分の舌を噛んだ。かなり痛がっているが……。 「びゃ!!!??? びゃばだじゃかす!!!!!????? びゃぼるぼべらぎゃああああ!!!! はじああああああ!!!!!!」 より、舌と神経の繋がっているれいむは、この世の物とは思えぬ…… まるで、金属と金属を擦り合わせたような……音で、のた打ち回り、叫び続けた。 「べ……ゆ……まじざぞざじざよ……」 まりさは、疲れた顔で笑った。皮肉で、むなしい、笑いだった。 「ゆっ!! ゆっ!! ゆっ!! ゆっ!!」 れいむは、何度も繰り返し、繰り返し、悲鳴を上げていた。 それは、どんどんと無機質になって行き、どんどんと聞き難いものになっていった。 「ビピィッ……ビピィッ……」 壊れた蓄音機のようにれいむは、言葉を発し続けたが、それもやがて止まった。 「ゆ!! まりさは、やっぱりすごいね!! れいむなんて、けっきょくはくずで、どうしようもないんだね!!」 まりさは、生気を取り戻し、生意気に叫んだ。 しかし、幸せの絶頂とは、長く続かないものだ。 まりさは気づいた。 「ゆぎいいいい!!?? なんでうごげないのおおおお!!??」 『あし』が動かない。 ……当然だ。『あし』を動かしていたのはれいむの餡子だ。 確かに、ゆっくり達は同化能力を持っているが、れいむはまだ『生きている』。 そう、『生きている』のだ。だから、餡子が同化することは無く、かと言って、れいむが動くことも無い。 れいむは、死んだのでは無く、精神が完全に崩壊しただけなのだ。 「死ね」 れみりゃは、立ち上がり、静かに言った。 まりさの顔は完全に青ざめた。 「おでがいでずうううう!!!! まりざをだずげでぐだざいいいい!!!!」 「嫌だ、死ね」 れみりゃは、否定すると、後ろを向いて、翼を大きく開いた。 彼女は、私に何も言わなかったが、忘れているのではなく、必要の無い存在になってしまったのだろう。 「さようなら」 そう言って、れみりゃは立ち去った。 もう、彼女と会うことは無かろう。 「おでがい!!! でいぶう!!! だずげでよおおおお!!!!」 まりさは、私に気づいたのか、助けを求めてきた。 私は無視して、愚鈍な生き物の悲鳴を背に、元着た道を帰った。 ◇ 「ゆゆ!? どうだった!?」 親まりさは、私を見るとすぐに飛んで来た。 「……がんばったけど、みつからなかったよ……」 私は、意気消沈するふりをする。 親も子も俯いて、暗い顔をした。 「で、でも!! まだ、こどもはよにんいるよ!!」 親れいむが、どうにかして親まりさをはげまそうとした。 「そ、そうだよ!! れいむたちは、おかあさんたちから、にげたりしないよ!!」 「ばかにすることもないし、みすてたりもしないよ!!」 「だから、もう、なやまいでね!!」 「あのこたちのことはもうわすれてゆっくりしてね!!」 子ゆっくり達も、親まりさをはげまそうと頑張る。 それでも、親まりさは下を向いたままだった。そして、そのまま、何かをつぶやいた。 「まりさなんて……おやじっがぐなんだよおおおお!!!!」 まりさは、突発的に自傷行為を始めた。 親れいむと、子ゆっくり達は、呆然としていたが、私はすぐに飛び出した。 「ゆう!!!! ゆう!!!! ゆぶ!!!!」 まりさは、何度もごつごつした巣の内壁にぶつかって、傷を作る。 「やめて、おかあさん!! そんなことしないで!! そんなばかなことしても、いみないでしょう!!」 思わず、元の口調が出てしまった。 私は、母を押し止めようとしたが、彼女は違う所に行って、また、自傷し始めるのだ。 体格では、私が劣る為、追いつくこともできなかった。 途中から、親子も加わって、止めに入ったものの、まりさの自傷は、止めさせられなかった。 「ゆぎぎぃ……ばかなおやで、ごべんね……」 まりさは、餡子を垂れ流し……絶命した。 「どおじでごんなごどじだのおおおお!!??」 「ゆがああああ!!!! じなないでええええ!!!!」 「もっど、ゆっぐりじようよおおおお!!!!」 「が、が、がっ!! がっ!!! びゃべ!!!!」 親子四匹が泣き、末っ子れいむが狂ってしまった。 少しだけ悲しく、とっても後悔した。私があんな嘘をついたことに。 ◇ それから、十日程経っただろうか。 家は、とても広かったが、ただ、寒いだけだった。 今までの、活気は無かった。 父は、やつれ、私を含めた子ゆっくりが主に狩りをしていた。 彼女は、最近どんどん傲慢になっていった。 私達が、虫を取っていっても、しぶしぶ食べるようになり、蜂蜜やキノコを欲しがった。 また、意味もなく私達を叱ったり、乱暴をしたりもした。 そして、ついに限界が来てしまった。 「ゆっぶええええ!!??」 末っ子子まりさが、親れいむに突進したのだ。 「しね!! しねえええ!!! しょくりょうもとれないおやはしねええええ!!!!」 私達はまだ、子ゆっくりだ。成人するには、あと一ヶ月はかかる。 「うるぜえええ!!! おやにはんぎゃくするやづっはああああ!!??」 反撃しようとした親れいむに、末っ子子れいむが上からのしかかる。 親れいむは、十日動かずに、だらけきっていたので、身体もかなり鈍ってしまっていた。 「ゆびゅべ!!!! ぼべえええ!!! ごっごおお!! だっ!!」 私は、何もせずにその様子を見ていた。 長女れいむは、惨劇に怯えきり、私の後ろに隠れていた。 「どっびいいいい!!!! ゆぐりぃ!!!」 父の身体に亀裂が走り、餡子が漏れ出す。 どんどんと父は、平べったくなって行き……死んだ。 我が妹達は、巣から出て行った。 私は、目の前の肥えた食料に近づき、貪り始めた。 復讐の前のランチだ。 無理して食べ終わると、ゲップが出た。 後ろを振り向くと、長女れいむも、立ち去ったいた。 私も、この巣を捨て、『群れ』を目指した。 to be continued ………… あとがき ゆっくりになる、と言うコンセプトで書いてみました。 最後が、尻切れトンボみたいになってしまいました。すみません。 続編も頑張りたいと思っています。どうぞ、何かご指摘を。 ここまで、見てくれてありがとうございました。 このSSに感想を付ける
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・6作目 ・なんか思いついた。 麦茶あき れみぃと野良豆ゆっくり(前編) 「まつんだどー!!」 「「「またないよー!!」」」 あるところに飼いゆっくりである胴付きれみりゃとそれに追いかけられてる野良ゆっくりがいました。 一見、捕食種が自分の獲物であるゆっくりを狙って追い駆けてるように見えますが・・・違います。 このれみりゃは自分のおやつを盗んだ野良ゆっくりたちを追いかけているのです。 「きょうこそつかまえてやるんだどー!!」 「やれるもんならやってみるんだぜー!!」 「ば~か!!ば~か!!」 「のろまれみりゃ~♪」 「うがあああああ!!!ゆるさないどおおおおお!!!」 普通なられみりゃがゆっくりを捕まえてそのゆっくりを食べるのがセオリーなんですが。 このゆっくりたちにはちょっとわけがあるのです。 「つかまえたど!!」 そんなこと話してる間にれみりゃがゆっくりれいむを捕まえたようです。 ここまではいいですね・・・しかし。 スポッ! 「ゆっくりにげるよ!」 「う?!」 れいむがれみりゃの手から脱出したのです。 捕まえられる虫が人間の手から軽々と避けるように。 実はこのゆっくりたち、通常の赤ゆっくりサイズなのです。 いわいる豆ゆっくりでしょう。 この豆ゆっくりたちは自分たちの体格とそれに似合わぬ速さを活かしてれみりゃから今まで逃げていたのです。 「れいむ!だいじょうぶなんだぜ?!」 「だいじょうぶだよ!あんなのろまにつかまるれいむじゃないよ!」 「とかいはね!それにくらべてれみりゃはいなかものだわ!」 「「「ゆきゃきゃきゃきゃきゃ!!!」」」 「うううー!!!」 れみりゃはまたか!と言わんばかりに悔しがっています。 このれみりゃと豆ゆっくりたちとのやり取りは一度ではありません。 ほぼ毎日こんなことを繰り返しているのです。 豆ゆっくりたちはタンスの陰に隠れていきました。 「うわあああああああああ!!!またにげられたどおおおおおおおおお!!!」 今回で34回目。あの豆ゆっくりたちに逃げられたのです。 「ちょっとれみりゃ!うるさくて勉強できないじゃない!」 「お姉さん!またあいつらがでてきたんだどー!!」 「うっさい!ほっぺをこうしてやる!!」 「うーー!!うーー!!」 頬っぺたをつねられるれみりゃ。 三回ほど伸ばされたところでようやく放されました。 「うう・・・れみぃはうそいってないどぉ・・・」 「じゃあ、どこにいるのよ」 「タンスのかげにかくれちゃっただど・・」 「ふーん」 そう言ってお姉さんはタンスを動かし、豆ゆっくりがいるか確認しましたが。 「いないじゃない」 「おかしいんだど!!たしかにここににげただど!!」 「夢でも見てたんじゃないの?」 「しんじてほしいどー!!」 こんなやり取りも繰り返してた。 が、お姉さんは一向に信じてくれなかったのだ。 何せ証拠のゆっくりたちがいないのだ。 「もうこんなことするんじゃないわよ」 「れみぃ・・・・うそついてないど・・・・・」 れみりゃはお姉さんに怒られてしょんぼりするれみりゃ。 もちろんれみりゃは嘘をついていない。 しかし証拠がなければ信じてくれないのだ。 お姉さんはタンスを元に戻し、勉強しに二階に行った。 この時お姉さんとれみりゃは気づかなかった。 タンスの陰で薄っすら光っていた、丸い筋の光に。 場所を移って、お姉さんの住んでいる家の裏の雑木林。 先ほどれみりゃに追いかけられてたゆっくりたちはその奥へと進んでいた。 進んでいくと小さいが開けた場所にたどり着いた。 「ただいまなんだぜ~」 「おちょーしゃんだ!!!」 「おきゃえりなしゃい!!」 「むきゅう、きょうもぶじごはんさんがとれたのね」 そうここは豆ゆっくりたちの群れだったのだ。 広さはそんなにないが豆ゆっくりたちのは十分な広さだ。 ダンボールをみんなで運び、それぞれの家を作ったり 人間が落としていった人工物を拾い集めて家具や遊び道具や武器を作った。 また保育園も存在し、子供たちが立派に成長できる環境も作った。 野良の群れでは数少ないとてもゆっくりとした場所だった。 まりさたちを出迎えてくれたのは自分の子供たちと群れの長ぱちゅりーである。 このぱちゅりーたちもまりさたちと同じく豆ゆっくりである。 豆ゆっくりは自然には存在しない。 人間の手で人工的に作られたゆっくりである。 では何故豆ゆっくりたちが野良なんてしているかというと人間に捨てられたのである。 飼い主たちは豆ゆっくりは小さいからすぐ死ぬだろうと思っていましたがその安直な考えがいけなかった。 現にこうして豆ゆっくりたちは生き残り、群れまで作っているのだ。 そもそも通常の野良もゴキブリ並みにしぶといから豆ゆっくりたちが生き延びる可能性は意外と高いのである。 「ちぇんたちはさきにかえっているのぜ??」 「そうよ。みんなでごはんさんをわけあたえてるわ」 「じゃあまりさたちもいくのぜ」 まりさたちはみんなが集まっている広場に行った。 このゆっくりたちは遠征組みとあの家にいたれみりゃのおやつを盗んだ隠密組みだった。 隠密組みはれみりゃのおやつを気づかれずに盗む係り。 まりさたちもおやつは盗んだがそれはあくまで囮として。 大量に手に入れるにはまりさたちが囮になってれみりゃがまりさたちに集中しているその隙にちぇんたちが盗んでいくのだ。 遠征組みは生ゴミや使えそうなものを拾ってくるのが仕事である。 そこには食料と拾ってきたガラクタが置いてあった。 「わかるよーまりさがかえってきたんだねー」 「ちーんぽ!」 「きょうもたいりょうなのぜ」 「まりさたちのおかげなんだよー。おとりやくありがとねー」 豆ゆっくりたちが食べるには多すぎるほどの食料があった。 この食料は全てまりさたちが獲ってきたのである。 「みんなでむ~しゃ、む~しゃするのぜ」 「「「「「む~しゃむ~しゃ・・しあわせー!!!!」」」」」 まだ食料はあったが満腹であった。 この食料は保存し、食料が無くなった時のためにとっておく。 保存庫には野良には贅沢すぎるほどの数の食料が保存されていた。 「これだけあればみんなもゆっくりできるんだぜ」 「むきゅう。しょくりょうのしんぱいはないし、れみりゃもこないし、おちびちゃんたちはりっぱにせいちょうしてくれて・・・」 「ここはさいこうのゆっくりプレイスだね!」 この場所はれみりゃの飼い主の家からほぼ目と鼻の先にある雑木林の中にあった。 丁度いい広さでありお家を作るには絶好の場所だった。 周りにはあまあまが獲れる蛇苺さんもあったし、何より近くにあった人間さんの家がよかった。 そうあれはこの群れができて間もない頃― この群れを作った当初、あまあまが獲れた事はよかったがそれでも食料が足らなかったのである。 どうにかして食べ物を手に入れようとして人間の家に入ろうとしたのだが、 赤ゆっくりサイズの豆ゆっくりでは人間の家に侵入するなど到底できない。 はずだった。 「こうなったらにんげんのおうちにはいってしょくりょうをうばうんだぜ!!」 「ゆー!!でもどうやってはいればいいの??!」 「むきゅう・・・わたしたちじゃむりよ・・・」 どうにかして入ろうとまりさが家の壁に体当たりする。 しかしそんなことしても家の中には入れない。 その時。 「ゆっくり・・・ゆ??!」 「あれ?まりさ??」 「「ゆ??」」 まりさが消えたのだ。 その代わりさっきなかった穴が壁にポッカリ開いてあった。 「まりさはここなんだぜ~・・・」 「なかからまりさのこえがきこえるよ!!」 「はいってみましょう!!」 全員が穴の中へ入っていった。 穴の中は暗かったが穴から入ってくる光でなんとか中の様子が見える。 全員が入ったのはよかったが狭い通路で赤ゆっくりのサイズでも一列に並ぶしかなかった。 「ゆうぅ・・・・せまいよお」 「まりさはどこかしら」 「ここなんだぜ」 「よかったぶじみたいね」 「そんなことより、すごいところをはっけんしたんだぜ」 「「「「???」」」」 まりさに連れられて奥の方に進む。 そこには、あっと驚かせる光景があった。 「ゆ?ここは??」 広い部屋だった。 もし豆ゆっくりたちがここに住むなら50、いや100匹の豆ゆっくりが住めそうな場所だ。 暖かい地面にやわかそうな毛布。 しかも高台(ミニテーブルのことである)の上にはおいしそうな食べ物があった。 れいむたちはそのこと驚いたままだった。 「す、すごいよ!!なんなのここー!!??」 「むきゅ!!もしかしてここはにんげんさんのおうちのなかなんじゃ!」 「「「ゆゆー??!」」」 「たしかにありすたちがまえにすんでいたところとにているわ!」 ぱちゅりーたちは以前飼われていた家を思い出していた。 そうだ、確か人間の家はこんな感じだったと。 豆ゆっくりたちはそのことに大いに喜んだ。 「やったよ!!にんげんさんのいえにはいれたよ!!」 「ゆふん!まりさのおかげなんだぜ!!」 「さすがまりさね!」 「むきゅう・・・なんこうふらくのじょうさいをうちやぶるなんて・・・・まりさはすごいわ」 「わかるよー、まりさはすごいんだねー」 みんなまりさを褒め称えてた。 まりさはすごい!まりさは群れの英雄だ!と言いながら胴、じゃなく頭上げをしていた。 豆ゆっくりたちは大喜びだ。 ここの飼いゆっくりが来るまでは・・・ 「うー?誰かいるんだどー?」 時が止まった。 頭上げをしていたゆっくりたちが声のした方向を向いてみるとそこには自分たちを食べるれみりゃがいた。 何故こんなところにれみりゃが?ここはゆっくりプレイスじゃないの? という思考がゆっくりたちの動きを止めてしまった。 頭上げをやめさせられたまりさは高いところから落ちてしまい、痛がってみんなに怒っていたがれみりゃを見るや否や同じ様に固まっていた。 れみりゃも豆ゆっくりたちと似たようなことになっていた。 自分がおやつを食べようとしてお手手を洗っていたら、急に話し声が聞こえてきたのだ。 れみりゃ以外にこの家には飼い主のお姉さんしかいない。 そのお姉さんも二階にいるし、 では誰がいるのだ? 誰かいるのかと確かめに行ったら・・・ そこには沢山のゆっくりがいた。 何でこんなところにゆっくりがいる?? しかも全て赤ゆっくりじゃないかと。 お姉さんが連れてきたのかなと考えたが自分の飼い主がそんなことするはずがなかった。 ではこいつらは?何だ?? 「れ・・・」 時が再び動き出す。 「「「「「「「「れみりゃだあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!」」」」」」」」 「ううーー!!?お前らどこからわいたたどー??!」 長く保たれた沈黙は破られ、その場にいたゆっくりたちはパニックになった。 わらわらと虫のように当たり構わず逃げ惑う豆ゆっくり。 みなれみりゃから逃げようとしていた。 「こわいよおおおおおおおおおおおおおお!!!!」 「まりさはまだしにたくないいいいいいいい!!!」 「とかいはああああああああああああ!!!!」 「むきゅううううううう!!!!」 「わからないよおおおおおおお!!!!!」 いきなり叫ばれてびっくりしたれみりゃだったがすぐに我に返った。 不法侵入したこいつ等を捕らえねば・・・ 「うー!まつんだどー!!」 目の前にいたまりさを捕まえようとしたが・・・ ヒョイ・・・ 「う?」 まりさは素早く動き、れみりゃの手から逃れられた。 「ゆわあああ!!あぶなかったのぜえええええ!!!」 「ううう!!おとなしくつかまるどー!!」 れみりゃは再度まりさを捕まえようとしたがすぐに逃げられてしまった。 何度も何度もやったが捕まる気配は一向になかった。 「ゆ??れみりゃのくせにおそいんだぜ?どういうことなんだぜ???」 理由は二つあった。 一つはまりさたちが赤ゆっくりサイズの成体であったこと。 赤ゆっくりは基本あんよが弱い。 生まれたばかりではあんよの発達はなっていない。 赤ゆっくりたちは家の中で少しずつ運動をしあんよを鍛えさせていく。 やがて外に出り、親や他の子ゆっくりたちと遊びながらあんよはやがて丈夫なものとなっていくのだ。 しかしこの豆ゆっくりたちはすでに成体であった。 通常の赤ゆっくりと比べてあんよはすでに鍛えられているし、何より軽いから良く飛ぶのだ。 普通の成体ゆっくりと比べると遅いのだが赤ゆっくりサイズでこれほど速いやつはいない。 しかも全員が自分たちが小さいこと理解しているので、もし大きい猛獣さんに会ったときのための逃亡術を心得ていたのだ。 二つ目はれみりゃの方に問題があった。 野生や野良れみりゃなら例えこの速さでも一匹二匹は余裕で捕まえられる。 がこのれみりゃは生まれた頃から飼いゆっくりでまともな狩りなど一度もしたことがなかったのだ。 その狩りの経験不足が今のれみりゃの状況を物語っている。 「ううー!!どうしてつかまらないどーー!!?」 一度も狩りをしたことが無いれみりゃに逃げることをちゃんと心得てる成体豆ゆっくりが捕まるはずもなかった。 「よくわからないけど、もしかしてあのれみりゃ・・・たいしたことないんだぜ??」 「むきゅ!!まりさ!こっちよ!」 「ゆ?!」 例のタンスの隙間からぱちゅりーが呼んでいた。 すでにみんな逃げているようだ。 まりさも逃げ後れないようタンスの隙間に入った。 「まつんだどー!!」 れみりゃが迫ってきた、しかし・・・・ 「つかまえ・・うぎゃあ!!!」 思いっきりまりさを捕まえようとして飛び掛ったがタンスに激突してしまった。 あまりの痛さにれみりゃはしばらく動けなかったが痛みが襲ってきて暴れだした。 「いたいどおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!ざぐやあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!」 ものすごく痛いようである。 そりゃあ頭に思いっきり頭をぶつければ人間でも痛い。 下手をすれば病院行きだ。 よい子は真似しない様に。 そんな騒ぎを聞きつけてお姉さんがやって来た。 「ちょっとれみりゃ!!なにしてんのよ!」 「いたいどおおおおおおおお!!!たすけてほしいどおおおおお!!!」 お姉さんがれみりゃのおでこにオレンジジュースを塗っていく。 塗られたせいか、れみりゃはすぐに泣き止んだ。 「で、なんでこんなことになったの?」 「ふほうしんにゅうしたやつらをつかまえようとしたらタンスにぶつかっちゃったんだどー・・・」 「ふーん・・・・?ふほうしんにゅう??」 「ゆっくりだどー・・・ちびっこいやつらだったどー」 「そいつらどこにいるの?」 「タンスの隙間にはいったたどー」 お姉さんが確かめるためにタンスを動かしたが・・・・ 「いないわよ」 「ううううっっ????!!!!」 いなかった。 あれだけいたのにも関わらずこつ然とその姿がいなくなったのだ。 「だいたい、子ゆっくりが家の中に入れるわけ無いか・・・アンタ夢でも見てぶつけてたんじゃないの?」 「たしかにいたど!!」 「まあ、いいけど」 お姉さんはそう言って二階に上がってしまった。 「ううー・・・たしかにいたんだどー・・・まちがいないんだどー・・・」 そのゆっくりたちはすでに外に出ていたのであった。 「ふぅ・・・いちじはどうなるかとおもったわ」 外には避難した豆ゆっくりたちがいた。 全て無事だったため全員が安堵した。 「でもなんでいりぐちさんをかくしちゃんたんだぜ?」 「ばかねえ・・・もしここがきづかれたらぱちゅたちのそんざいがにんげんさんにばれるとこだったわよ」 数分前― なんとかれみりゃから逃げたみんなはぱちゅりーとまりさを待っていた。 すぐに二人が出てきたため全員寄り添った。 「みんなーぶじー?」 「だいじょうぶよ」 「ぶじなんだねー」 「むきゅう・・・もうにげおくれたものはいないみたいね」 ぱちゅりーがもう一度確認するために穴の中を覗いた。 そしたられみりゃが痛がっているような声が聞こえたのだった。 「むきゅう・・・さすがのれみりゃもここまでは・・『ちょっとれみりゃ!!なにしてんのよ!』むきゅ?!」 人間さんの声が聞こえた。 どうやらあの騒ぎを聞きつけやってきたようだ。 『で、なんでこんなことになったの?』 『ふほうしんにゅうしたやつらをつかまえようとしたらタンスにぶつかっちゃったんだどー・・・』 れみりゃと会話している。 そうか、あのれみりゃはこの家の飼いゆっくりだったのか。 『そいつらどこにいるの?』 『タンスの隙間にはいったたどー』 ドスドスと人間さんが近づいてくる。 「むきゅ!まずいわ!まりさ!ここのあなをふさいでちょうだい!!」 「ゆ?なんで・・「はやく!!」わ・・・わかったんだぜ!!」 まりさは大急ぎで穴を塞いだ。 穴はなんとか完全に塞がったようだ。 『いないわよ』 『ううううっっ????!!!!』 間一髪でお姉さんには気づかれなかったようだ。 「ふぅ・・・いちじはどうなるかとおもったわ」 ここで現在に戻る。 豆ゆっくりたちは自分たちの群れに戻っていた。 全員が戻ったのはよかったが、肝心の食料については何一つ解決してなかった。 「どうしよう・・・せっかくいいゆっくりプレイスをみつけたのに・・・」 「どうしようもないわ・・・」 みながうな垂れていた。 しかしその時まりさが高らかにこう宣言した。 「あのおうちにいってごはんさんをぬすめばいいんだぜ!!」 「「「「ゆゆー??!」」」」 何言っているんだこのまりさはと全員が非難した。 あの家は人間さんの家だし、そもそもれみりゃがいるのだ。 もしまた見つかったら・・・・ 「あんしんするんだぜ!あのれみりゃはじつはのろまなんだぜ!」 「ゆ??どいうこと?」 まりさは説明した。 さっきの逃亡の時自分がれみりゃに捕まりそうになった事。 逃げていたがさっきかられみりゃの動きがとろかったこと。 もしかしたらあのれみりゃは大した事ないのでないかということを全て話した。 「それほんとー!?」 「むきゅう、それがじじつならたしかめるひつようがあるわ」 「どうやって?」 「またれみりゃにおいかけられるのよ」 「「「そんなのやだよー!!!」」」 「みんなあんっしんするのぜ!まりさがいくんだぜ!」 「で、でも」 「むきゅう。いいだしっぺはまりさよ。これいじょうのてきにんはいないわ」 豆ゆっくり一同は例の穴へと向かった。 まりさが塞いだ穴を掘り返して家の中へと続く通路を開いた。 まりさは何の躊躇もせずに奥へと進んでいった。 みながまりさの勇姿を見守るためにタンスの隙間にいたままだ。 そして再び家の中へ・・・ 「れみりゃー!!でてくるのぜー!!まりさはここにいるのぜ!!」 「ゆぅ・・・だいじょうぶかな・・・まりさ」 「まりさをしんじましょ」 まりさが大声でれみりゃを呼ぶと当の本人が現れた。 おでこに傷をつけたまま。 「ううー!!いたんだど!!つかまえてやるんだどー!!」 「やれるもんならやってみるんだぜ!」 まりさとれみりゃの鬼ごっこが始まった。 まりさは部屋の中で逃げ回り、れみりゃはそれを追いかけていた。 れみりゃはさっきと同じ様に捕まえようとしたがまりさはそれをまたも回避した。 壁際に追い詰めても股の隙間から逃げられ、飛び掛って捕まえようとしても避けられてしまった。 「どうしたんだぜ?!そのていどなのぜ??!」 「うぅ・・・つ・・つかれたどー・・・」 れみりゃはもう疲弊していた。 まともに運動をしたことがなかったれみりゃはすぐに動きを止めて休んでしまった。 ゼーハーゼーハーと息を切らしていた。 それを見た豆ゆっくりたちは驚いていた。 あのれみりゃが自分たちを捕まえられずにいる。 まりさはまだ余裕のようだ。 「むきゅう、しんじられないわ・・・あのれみりゃが」 「すごいよまりさ~」 豆ゆっくりみんながまりさを褒めていた。 まりさにもそれが聞こえていたようで「ゆふん!」と顔を唸らせた。 とりあえずまりさはこれ以上追いかけっこはやめてタンスの隙間に戻ってしまった。 豆ゆっくり一同はまりさの勇姿に感激していた。 あのれみりゃを倒した(?)のだとか、英雄まりさなど褒め称えていた。 今日まりさは二度も頭上げされたのだった。 「すごいよ~!!まりさ!」 「とかいはね!!」 「てれるんだぜ~」 「むきゅう、たしかにあのれみりゃはたいしたことはなさそうね」 「じゃあこのままやっつけちゃおうよ!」 「ばかね、つかまりはしなかったけどたおしていないでしょ?」 「あなるふぁっく!!」 確かに逃げれはしたが倒せていない。 赤ゆっくりサイズではどう足掻いてもれみりゃを倒すには無理だ。 だがぱちゅりーは倒す必要は無いといった。 私たちはすでにゆっくりプレイスを持っている。 問題があるのは食料のみ。 ではどうするか? ぱちゅりーはみなにその問題の解決策を伝えた。 「わたしたちでにんげんさんのいえからたべものをうばうのよ!」 「それはめいあんなんだぜ!」 「もちろん、みんなでいくのはよくないわ。あのれみりゃがいかにのろまでもいずれつかまるわ・・・・ おとりやくをかんがえないと」 「だったらまりさがそのやくをやるのぜ!」 「れいむもやるよ!あれぐらいだったられいむにもできそうだよ!」 「ありすもいくわ!」 「たべものさんはちぇんたちがかいしゅうするよー」 「そうもれ!どうていのていそつきき!」 作戦はこうだ。 まず、まりさたちが家に侵入し、れみりゃを引き付ける。 れみりゃがまりさたちに目を向けている間ちぇんたちが素早く静かに食べ物を回収していく。 ちぇんたちが運び終えたらまりさたちはすぐさま隙間に戻って逃げる。 これがぱちゅりーが考えた森の賢者の作戦であった。 「みんなががんばれば、このさくせんはうまくいくわ!」 ぱちゅりーの思惑道理に作戦はうまくいった。 まりさたちは軽々とれみりゃから逃げ、ちぇんたちはれみりゃのおやつや家の食べ物を盗んでいった。 おやつはともかく、家の食べ物は少量しか盗まれなかったためにお姉さんも気づかなかった。 最高の餌場が手に入ったとみんな喜んでいた。 食料も無事に確保できたら豆ゆっくりたちはすっきりーをした。 頭から茎が生え、お腹が膨らんで沢山の子供ができた。 「おちびちゃんができたよ!!」 「このむれができてからのはじめてのこどもね!」 「おちびちゃ~ん♪ゆっくりうまれてね~」 あまあまやうまい生ゴミばかり食べたせいか一週間もしたら、出産の時を迎えた。 夫であるゆっくりたちはクッションを用意し、おちびちゃんがいつでも生まれてもいいよう準備を整えてた。 「れいむ!いつでもいいんだぜ!」 「う・・・うまれる!!」 スッポーン・・・ポテッ お腹の中からゆっくりの子供が生まれた。 プルプルと震えてから「ゆっきゅりしちぇいっちぇね!!!」と元気に挨拶をした。 れいむ、まりさの子供は3匹も生まれた。 子れいむ2、子まりさ1匹である。 二人は子供が生まれた喜びから「ゆっくりしていってね!!!」と何度も言った。 自分たちの子供ができて大喜びしていたが食料がすぐに無くなるのでは?という疑問があった。 しかし赤豆ゆっくりや子豆ゆっくりたちはすごく小さかったためほんの少しの食べ物でもすぐに満腹になった。 みんな栄養満点でいい具合に成長した。 そして今現在。 まりさは自分の子供を見てゆっくりしていた。 みなゆっくりしていたし、子供たちもよく育っている。 何一つ不満は無い。 とてもゆっくりできている。 妻のれいむも、友達のありすにぱちゅりー、ちぇん、みょん。 みんなゆっくりしていた。 もう少ししたらおちびちゃんたちに狩りの勉強をさせよう。 そしてあのれみりゃを家族全員で見下してやるのだ。 まりさはそんな未来を夢見ながら子供たちと昼寝をした。 しかし、この群れの未来もそう遠くはなかった。 後編に続く 今まで書いたもの anko1994『加工所本部(前編)』 anko1996『加工所本部(後編)』 anko2002『れいむその後』 anko2005『まりさその後』 anko2030『14番れいむのその後』
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巨大ゆっくりの饗宴(前編)の続き 『うぅ~?!』 「ん~・・・改めて見ると本当に不細工ねぇ?」 目を覚ました、というよりも彼女が去ったのを確認してから動いた私の目の前には巨大なれみりゃザウルス。 聞くところによればティガれみりゃというらしい、が私の結界を壊そうと必死に腕を振り回していた。 もちろん、この結界が饅頭風情の惰弱な攻撃でどうにかなるはずもない。 『う゛~~~~~!おぜうさまはぶざいぐじゃないど~!!』 「そうなの、それはごめんなさい。今度から醜悪な豚まんと呼ぶわ」 『でびりゃは・・・ぶだばんじゃないんだど~~~~~~~!!?』 どうしてこうも安い挑発に簡単に乗るのかしら? 涙目になりながらも執拗に右手に握られた扇の先に展開されている結界にパンチだか引っかきだかを繰り出している。 何度も何度も結界を殴り続けているうちに気がつけばティガれみりゃの手はボロボロになっていた。 『う゛、う゛~・・・でびりゃのえれがんとのおででがいだいどぉ~・・・』 「あら、本当にボロボロね?まるで野生の豚みたいだわ」 『ぶだっでいうな゛~~~~~~!?』 再び始まる猛攻。といっても、一撃たりとも結界を破って私に届くことはないのだけれど。 それでもボロボロになった両手から肉汁や中身を撒き散らしながら、延々と腕を振り回す。 ゆっくりにしては見上げた闘志かもしれない。 『う゛~!でびぃはもう゛ぶださんはいや゛なんだどぉ~!!?』 「・・・・・・“もう”?」 『どうぢであだらないんだどぉ~!?う゛~~~~~~!!』 なるほど。彼女を突き動かしているのは私に対する怒りでも、おぜう様としての矜持でもないらしい。 とめどなく双眸から溢れ出す涙と、本人は自覚さえしていないであろう、肉汁の混じった涎。 力みすぎたせいで口内を噛んでしまったにもかかわらず、そのことに気付いていない。 『う゛う゛う゛~~~~~~~~~~~~~っ!!?』 「れみりゃ、もうお止めなさい」 『うあ゛~~~~!いだい゛いだいはいや゛なんだどぉ~~~~!?』 恐怖のあまりにティガれみりゃは錯乱状態に陥ってしまっていた。 彼女の視界には私も、私の後ろで傷を癒しているドスまりさも映っていないのだろう。 今、彼女の見ているものは、脳裏に焼きついた恐怖。 「・・・仕方ないわね」 話を聞ける状態にないティガれみりゃにため息をつきつつ右手を下ろし、代わりに左手を突き出す。 しかし、れみりゃは私の動作に気付くことなく巨大な腕を私にめがけて振り下ろした。 警戒心がない、というよりも警戒する余裕すらないと言うべきだろうか。 守りの構えから反撃の構えに転じたことも知らずに、私めがけて渾身の一撃が放った。 『うあ゛ーーーーーーーっ!!』 「四重結界」 その一撃を受け止めるべく、再び結界を展開する。 さっきまでの結界とは比較にならない強度に加え、接触した相手に破壊をもたらす結界を。 高速で回転する4枚の薄い光の壁は思い切り良く突っ込んできたれみりゃの腕を瞬く間ずたずたに引き裂く。 そして、彼女が異常に気付いたころには右手をごっそりと失っていた。 『う゛・・・う゛あ゛・・・れ、れびりゃのおででがーーーーー!?』 「参ったわ、これはこれで話になりそうにない・・・」 仕方がない、そう心の中で呟いてかられみりゃの大きな顔の前まで飛んで行き、彼女に話しかける。 錯乱しているせいで全くと言っていいほど会話にならなかったが、スキマから取り出した標識で2,3発叩いたら落ち着いた。 『う゛ー・・・れみりゃはぶだざんななんがじゃ・・・』 「分かったわ。ごめんなさいね、豚なんて言って」 『うぅ?』 突然の態度の変化に少し戸惑うティガれみりゃ。 少しの間、不思議なものを見るような目で首をかしげながら私を見ていたかと思うと、急に満面の笑みを浮かべる。 何となく、にぱぁ~♪という効果音と後光が見えたような気がしなくもないが、多分気のせいだろう。 『わかればいいんだどぉ~♪』 「ところで、エレガントなおぜう様に訊きたいのだけれど・・・」 『なんだどぉ~?』 ようやく機嫌を直したれみりゃは重そうな顔に両手を添えてお尻を振りながら私を見つめている。 どうやら褒められたのが相当嬉しかったらしく、照れて顔が真っ赤になっている。 恐らく、育った場所で罵られ酷い目に遭うばかりで、褒められることに慣れていなかったのだろう。 「貴女達の主人について教えてもらえないかしら?」 『う~・・・おねえさんはいいひとだけど、それはむりなんだどぉ~・・・』 「どうして?」 出来るだけ警戒されないように笑顔を絶やさずに、そう尋ねた。 両手は腰の高さまで下ろされ、手のひらをれみりゃに向けて、ペットに対して「さあ、おいで」と言う時のような格好をしている。 もちろん、スキマを出すこともせずに霊力や妖力も抑えて、可能な限り無防備を装った。 『だって・・・そんなこといったら、ゆっくりできないんだどぉ~・・・』 「あら?そんなこと気にしなくてもいいのに」 『い、いやだどぉ・・・お、おぢおぎは、ずごぐごわいんだどぉ・・・』 目に見えて怯えるティガれみりゃの体はぶるぶると震えている。 いささか鬱陶しい顔立ちのナマモノとは言え、同情を誘うには十分すぎる仕草だろう、このサイズでなければ。 「大丈夫よ、私が守ってあげるわ」 『うぅ?・・・ほんとうに?』 「ええ、本当よ。それに、私の知り合いには私よりも強い人だっているわ」 だから、あなたは何も恐れなくて良いのよ? すっ、とれみりゃの額に手の届く距離まで近寄った私はそう囁くと、彼女の頬を撫でる。 泣きじゃくっていたせいで少し脂っこいが、弾力があってさわり心地は決して悪くなかった。 『うぅ・・・だっだら、おしえてあげるどぉ~♪』 「ふふ、ありがとう」 『へんなおにーさんたちだどぅ~♪』 「・・・・・・飛光虫ネスト」 それじゃ何の役にも立たないでしょうが。 そんなツッコミより早く、私は彼女の巨体めがけて無数の未確認飛行物体を射出していた。 まったく、何のためにこんな肉まんに優しくしたのかわかったものじゃない。 『うぎゃーーーー!?なにずるんだどーーー!?』 私の背後に連続して出現する無数のスキマから、何発も何発も謎の飛行物体が放たれ、ティガれみりゃの巨体を穿つ。 まずは動きを封じるために脚を。ついでに不可抗力で尾を穴だらけにしてゆく。 やがて、自重を支えられなくなった脚は崩れ、支えを失った胴体は地へと沈んだ。 『やべるんだどーーーー!でびりゃは、やざじいおねーざんがずぎだどぉおーーー!?』 もはや歩くことも敵わないほどにボロボロで、もはや健常な四肢は左手しか残っていない有様。 それでもティガれみりゃ身をよじり、両腕をばたつかせて飛行虫の大群から逃れようと必死にもがく。 しかし、その抵抗は何の意味もなさなかった。 『う゛ぅ・・・ほどぢで・・・』 やがて、その胴体すらも蜂の巣にされてしまったティガれみりゃは顔だけになっていた。 それでもここが本体のようなものである彼女は決して死なない。 しかし、今の彼女に自力でこの状況を打開する手段は残されておらず、もはやただ大きいだけの肉まん。 「ふぅ・・・まりさ?」 『なあに、お姉さん?』 一仕事終えた私は、私がティガれみりゃの相手をしている間に傷の大半を癒したドスまりさに声をかける。 その声に反応した彼女は急いで傍までぼいんぼいんと跳ねて来ると、場違いな気の抜けた笑みを浮かべた。 「れみりゃはもう大丈夫・・・ゆっかりん達を探しにいくわよ」 『ゆっくり理解したよ!』 私とドスまりさは木々を掻き分けながら、何か大きな気配のするほうへと急いだ。 「こ・・・これは?!」 ようやくゆっかりん達を発見した時、なんだか面白いことになっていた。 その場に居合わせたのはきめら丸に、ゆっかりん、気色の悪い巨大ありす。それと申し訳程度にれいむ。 その撃ち3匹が巨大種であり、ありすに至っては触手まで搭載したオリジナルに見せたら昏倒しそうな風体をしている。 しかし、驚くべきことに巨大な3匹を差し置いて場の主役になっていたのは無理矢理連れてきた例の娘だった。 『ゆゆっ!なんだか凄くゆっくり出来る感じがするよ!』 『なんというゆ力・・・おお、怖い怖い』 きめら丸と触手ありすが現在対峙しているのは妖怪でもなんでもない、間違いなく普通の人間。 ただ一点、何故か未知のオーラを放出していて、そのオーラが10mを超える超巨大ドスまりさの形になっていることを除けば。 そして、そのドスまりさがありすの触手による一撃をことごとく阻んでいることを除いては。 『ゆゆっ!どうして、ありすのぺにぺにがとどかないの!?』 『ゆっくり光線・・・いや、それ以上の力・・・!?』 「あえて名付けるなら“ゆっくり結界”ね」 名付ける必要は特にないのだけれど、名前があったほうが便利でしょう? とにかく、ゆっくり結界を纏った彼女の前に触手ありすは手も足もぺにぺにも出ない。 対する彼女はゆっくりとれいむをゆっかりんの傍に下ろすと、余裕の表情で触手ありすと向かい合う。 『ゆぅうぅぅ!はやぐごごがらででぎなざいよ、いながもの!?』 「いや、そう言われて出て行く馬鹿はいないでしょ?」 『でてきたらありすのぺにぺにでそっちのおおきのといっしょにすっきりさせてあげるわよ!』 おおきいの、は言うまでも無くゆっかりんのことだろう。 彼女とすっきりーするときのことを想像しているのか緩みきった見るに堪えない笑みを浮かべている。 “彼女”に見せたら本当に発狂してしまうんじゃないかと思えるほどに見苦しい表情だ。 「大きいの?ゆっかりんのことか・・・」 『そうよ!いなかもののおねーさんもとくべつにあり・・・』 「ゆっかりんのことかあああああああああああ!!」 どこぞの超野菜星人みたいなことを叫びながら、彼女は触手ありすを睨みつけた。 と同時に、触手ありすめがけて全力疾走。彼女にあわせて移動するゆっくり結界を利用して近くの樹木に触手ありすを叩きつけた。 彼女と一緒に中にいるゆっかりんとれいむも結界に移動に引きずられ、転げまわっている。 『ゆぎぃ!?』 「これは、ゆっかりんの触り心地抜群のほっぺたの分・・・!」 一瞬、バトル漫画チックにキャラが変わっていると思ったけどそんなことは無かった。 ゆっかりんの頬じゃなくて本人を心配してあげなさい。 と内心で突っ込んでいるうちに、今度は触手ありすに向かって右手を突き出す。 すると、ドスまりさの形をした結界が全身を使って柔らかそうな右頬を叩きつけた。 『ゆべしっ!?』 「これは・・・いきなりこんなところに連れてこられた私の分・・・!」 それ、ただの八つ当たり。 しかし、よっぽど根に持っていたらしい。更に問答無用で結界を叩きつけた。 右、左、右、左、右、左、右、左・・・と執拗に殴打を繰り返す。 「これは、脚の疲労感の分・・・!これは、さっき食べた茸が苦かった分・・・!」 『ゆびぃ!?ありずっ!?ぞんなのっ!?ぢらなっ!?』 気がつけば、もはや八つ当たりですらなくなっていた。 昨日目玉焼きが焦げた、節分の時にペットのゆっくりすいかが泣き叫んだせいで怒られた・・・ もはや腹いせ同然のやり場のない怒りを容赦なく触手ありすに叩きつける。 やや気の毒な気もするけど、面白そうだから放っておこう。 『ゆ゛っ・・・やべで、やべでぐだざいいいいいい!あやばりまず!あやばりまずうううううう!?』 「だが断る」 その言葉は相手の提案が自分にとって有利なものである時に使ってこそよ? それはさて置き、再開される理不尽な暴力。 結界ドスの頬でありすを叩き、跳躍して結界の顎で踏みつけ、体当たりをして弾き飛ばす。 『ゆびょ!?あ、ありずの・・・べにべにがぁ・・・!』 執拗な攻撃に耐えかねた触手ありすの触手、もといぺにぺにが1本もげた。 触手ありすは力なく地に落ちたぺにぺにへと這って行こうとするが、彼女の容赦ない攻撃のせいでそれすらも叶わない。 そうこうしている内に1本また1本と触手ありすのぺにぺにが引き千切られ、本体から離れてゆく。 『やべでええええええええ!?あ、あでぃずのどがいはなべにべにがあああああああ!?』 『おでがいでず!ぼうやべでぐだざいいいいいいいいい!?』 「やだ」 『ぞんなああああああああああ!?ごんなのどがいはじゃないわ゛あ゛あ゛ああああああ!?』 数分後、触手ありすのぺにぺにはもはや見る影も無くもがれ、今やただの大きいだけのありす種と化していた。 自分のアイデンティティを奪われた彼女は焦点の定まらない目であらぬ方向を見つめながら、『ゆひっ、ゆひぃ』と気味の悪い笑みを浮かべている。 これで、残るはきめら丸ただ一匹。 『ねえ、お姉さん?』 「なにかしら?」 『加勢しなくていいの?』 「危なくなってからで十分でしょ?」 『まりさはどうしたら良いの?』 「邪魔になるだけだから観戦してなさい」 『ゆっくり理解したよ!』 「でも、そうね・・・思いっきり戦えるようにはしてあげても良いかしら?」 ゆっくり結界の中にスキマを発生させ、ゆっかりんとゆっくりれいむをドスまりさの傍に呼び寄せた。 『まさかありすが敗れるとは・・・何者ですか、貴女は?』 「私は・・・やる気のないお姉さんが手前勝手な怒りによって目覚めた・・・・・・ん~、ドスお姉さんよ!!」 『今考えましたね?おお、適当適当』 ニヒルな笑みを浮かべつつ首を振るきめら丸。 一見するときめぇ丸種特有の人を馬鹿に仕切った態度にしか見えないが、彼女には全く油断がなかった。 四肢でがっちりと地を掴み、翼を広げ、僅かに身をかがめて角を突き出し、尾を持ち上げるその姿は間違いなく臨戦体勢。 対するドスお姉さん(仮)もゆっくり結界を展開したまま、じっときめら丸を睨みつけている。 「うりゃ!」 『おお、遅い遅い』 先に動いたのはドスお姉さん(仮)だった。 しかし、きめら丸は大きな翼を羽ばたかせて空へと飛び上がり、いとも容易くそれを凌いだ。 ゆっくり結界は10mを超える巨大なものだが、きめら丸はるか上空。 とてもじゃないがゆっくり結界による攻撃は届きそうにない。 『ここなら一応安全なようです・・・ね?』 一旦その場にとどまり、地に這いつくばっている私たちの様子を確認しようと下を向くきめら丸。 淡く輝く金色のオーラはいつの間にか消えていて、代わりに一点に収束された光がまばゆく輝いている。 その閃光の正体を知る彼女の瞳は驚愕によって見開かれた。 『こ、これは・・・!?』 『ゆゆっ!すごい!ドスパークだよ!』 ドスパーク。それは本来ドスまりさのみが使える必殺技。 あるキノコを食べる必要があったり、使用回数があったりとその性能には個体差があれど、いずれもゆっくりの希望。 襲い来る獣を焼き払い、時には人間さえも恫喝せしめるその力を人間が行使した。 それも、出力は10m超級のドスまりさが放つドスパークとほぼ同じ。 「発射口が小さい分射程と威力が随分増しているみたいだけど」 『しかしそれでは素早い標的には当たりませんよ?おお、無駄撃ち無駄撃ち』 そこにいたのは数瞬前まで上空にいたはずのきめら丸。 巨体を得てなお衰えることを知らない俊足を以って、一瞬にしてあの距離を詰めてきたらしい。 おお、速い速い。 などとやっている間にもきめら丸はドスお姉さん(仮)めがけて突進する。 「はい、隙あり」 『なん・・・ですと・・・?!』 2発目のドスパークが、それも今度は右手の掌から、ただ撃つのではなく薙ぎ払うように放たれた。 なるほど、これなら簡単にはかわせないだろう。少なくとも空を飛べる相手でなければ文字通り必殺の攻撃だ。 そう、空さえ飛べなければ。 『おお、怖い怖い』 手からドスパークを発射できたことも驚きだが、きめら丸の想像を絶する機動力は驚嘆に値する。 もっとも、流石にかわしきれなかったらしく、きめら丸の一部が転がっているが。 彼女の中身は黒糖饅頭のようで、その破片からは甘い匂いが立ち込めている。 『おや、前足を落としてしまったようですね?おお、痛い痛い』 「また空に逃げたか・・・もうそろそろ体力がもたないんだけどなぁ・・・」 『どうやらお互い限界のようなので、そろそろ逃げさせてもらいますよ』 そう言い残すと、翼を羽ばたかせて夜空の彼方へと飛び去っていった。 直後、ドスお姉さん(仮)は地面に突っ伏した。どうやらわりと真剣に体力の限界だったらしい。 『ゆゆっ!お姉さん、あのお姉さんを助けないと!』 「そうね・・・貴女に任せるわ」 そう言い終えるが早いか、私はスキマに潜り込んできめら丸の後を追った。 『まさか人間がドスパークを撃つとは…』 「おお、怖い怖い?」 声をかけられてようやく、背中の重みを認識したきめら丸は振り返った。 そして、彼女にしてみればいつの間にかそこに腰掛けている私を見て、驚愕する。 『・・・おお、いつの間に?!』 「知らなかったの?Phボスからは逃げられない」 実際はPhに限ったことではないけれど。 再びスキマに潜り込んできめら丸の尾による先制攻撃をかわし、今度は彼女の眼前に姿を現す。 空を歩く姿を目の当たりにして私が人外の何かであることを理解したらしく、『おお、怖い怖い』と激しく首を振った。 「今、貴女の前には逃げられない敵が立ちはだかっている」 『おお、大魔王大魔王・・・』 「もちろん、何の意味もなく立ちはだかっているわけじゃないわ」 『そう仰られても、私には貴女にお教えすることなどありませんよ』 シェイクを止め、先ほど見せた臨戦態勢(空中Ver.)になるきめら丸。 「だったら、私にも貴女を生かして帰す道理は・・・あら?」 しかし、きめら丸は私に突撃を仕掛けず、急降下して戦線離脱を図った。 どうやら自分の実力では絶対に勝てない相手であることも把握しているらしい。 本当に優秀な個体だ。 「もっとも・・・絶対に逃げられないことも把握しておくべきだったわね」 巨大ゆっくりの饗宴(後編)?