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※妄想シーンがあります ※お兄さんがキモく、ウザくなります ※ゆっくりが木から生えます 「ゆっくりが実る木」 ある家の玄関に種が入っている袋が落ちていた。 「うん?」 何じゃこりゃと袋を拾い上げるお兄さん。 すると種のほかに紙が置いてあった。 「この種を植えてください 追伸 おなかがすいているのであればこの木から育った実を食べてください」 それしか書いてなかった。 「へぇ・・・ なんかの果物か? ちょうどいい、腹も減ってるし、金もないから、植えてみるか。」 早速中庭に種を植える。 水とか肥料はバッチリだ。 「へへ、そう簡単にならないのは知ってんだよ。 ま、気長に待ちますか。」 実はこの男、前に木を育てたのだが一ヶ月足らずで駄目になってしまった経験がある。 そんなことは関係ないか。と思い家の中に入る。 そして夜。 何か変な音がした。 「何だ?ゆっくりが忍び込んできたか? いや、違う。ゆっくりがこんな時間帯にくるはずがない。」 なんだってんだよー、ったく と思った後、外を見つめた。 すると植えたはずの木があっという間に育っているではないか! 「な・・・なんじゃこりゃアアアアあアアアアあアアアアアアアアアアアアアアあアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」 しかも立派に育っている。 「やばいってこれ。夢だよ、夢だって、そうさ!いつだってッ!!」 とあわてて家の中に戻り 布団に飛び込む 「だからお休みー」 布団を再びかぶり眠りにつく。 で、翌日。 ぱっと目を覚ました俺は中庭を覗いた。 すると目の前にあったのは・・・ やはり立派な木だった。 「何で夢じゃないのおおおおおおおおお!!!」 ゆっくりのような悲鳴を上げたお兄さん。 さらによく見るともう実がなっている。 「はぇぇ・・・はぇぇよぉ・・・」 この木の成長振りにびびるお兄さん。 よく見ると、その実はどこかで見たような気がする形だった。 「なんかこうウザい感じがするな・・・」 はぁーと、溜め息をした次の瞬間。ぷちりという音がした。 「ん?何の音だ?木の裏側っぽいな、見てみるか。」 と覗くと、黒い髪に赤色リボン。これってまさか・・・ 「ゆっきゅりちていっちぇにぇ!」 一口サイズの小さなゆっくりれいむだ。 「さっきまでいなかったはずのれいむがなぜここに・・・ まさか!」 お兄さんは木の実を見る。 よく見ると、ほかの木の実には黒い帽子、カチューシャ、猫耳帽子、ナイトキャップなどがついている。 これでもう明らかになった。 この木はゆっくりが実る木。 「なんてこった。 俺は大変なものを・・・ あ。」 お兄さんは懐に合った紙を取り出した。 『この種を植えてください 追伸 おなかがすいているのであればこの木から育った実を食べてください』 と書いてあった。 食っていいから大丈夫だよなと思った俺はまりさと思われる実に手を伸ばす。 「よし・・・」 と実をくいっと引っ張った。 すると実は簡単に取れた。 まりさは悲鳴を上げることもなく絶命した。 次に帽子をぽいっと捨てる。 「ゆぅ~にゃにしょれぇ?おいちいにょ?」 と木の実から生まれたれいむがたずねてくる。(以下実れいむ 実まりさなど) 「ん~どだろ。」 ぽいっと口の中へ放り込む。 味はいまいち まだ成長が未発達のせいかそんなにおいしくなかった。 「これ以上増えてもらってはこまるな・・・ 何かいい策はないもんか・・・」 と頭を抱え悩みこむ。 するとお兄さんの家の近くから声がした。 よく見ると一人のお兄さんがれいむとまりさを籠につめ歩いているところだった。 「何してるんですか?」 と問いかけると、お兄さんは苦笑し。 「お前知らないのか。 こいつらを加工所に売り飛ばすんだよ。 そうすりゃ金になる。」 「かごうじょいやあああああああああああああああああ!!」 加工所という単語を聞き暴れるれいむとまりさ 「るっせーな、今楽にしてやるから覚悟しとけ。」 なんてやり取りの後お兄さんはすたこらさっさと逃げていった。 サイドビジネスの予感。 お兄さんは将来の自分を想像した後、とんでもないことを考えてしまった。 「いや、待てよ。 ぽんぽーんと連れて行ったら怪しいって思われて家宅捜索されるんじゃ!?」 創造というよりモロ妄想である サイドビジネスはあきらめた。 金を渡す加工所の気持ちも少しわかった気がする。 「そうだ!木!」 俺はあわてて庭の中へ。 すると実がぽろぽろ落ちてきている。 そしてお兄さんのほうを向いて 「「「「「「「「「「ゆっきゅりちていっちぇにぇ!」」」」」」」」」」 オウ、ノーもう生まれてる。 しかも十匹近く。 でも、こいつらを飼うわけにはいかない 野生に離してもれみりゃが現れるだけ。 どーすんのよ。 殺しまくってストレスを処理しても ぽんぽん増えるやつだから飽き飽きになるだろう。 なので。 数週間後。どこかのマンション トントンとドアのノック音がする。 「うるせーなぁー朝から。つーかチャイムがあるからそれ押せよ。 どんだけレトロな人間だ?お前。」 「すまないなぁ・・・お前が一流の虐待お兄さんとして折り入って頼みがあるんだ。」 「はぁ?」 「友達のよしみってことで・・・ こいつら全部殺してもかまわないぞ」 と差し出されたのは大型サイズの籠にゆっくりたちが無造作に押し込まれている。 「んな!何匹いるんだよ!こいつら」 「んー、50匹くらいかな。」 「キャッホオオオオオオオオオオオオオオオオオオウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウ!」 友達が歓喜の声を上げる。 「まさかこんなにゆっくりを大虐殺する日が来るとは!!」・・・と。 「あ、こいつら5000円な。 あと前に貸した10000円返せ。 それとこのことは誰にも言うな。」 すると友達はマッハの速さで財布を持ってきて。 15000円を渡した後、強くドアを閉めた。 「・・・いよっし!」 とお兄さんはルンルンと笑顔で帰った。 つまり加工所ではなく友達に売り飛ばせばいい。 秘密にさせておけば家宅捜索なんてないんだぜ!(モロ妄想です) そんな簡単なことに早く気づかなかったんだろ。 なんて思いお兄さんは家に帰る。 そして家に帰り木の本へ戻るお兄さん。 実ゆっくりたちのお帰りコールがあったので適当に返事をし木の本へ行く 「やっほ~ぅ。わがいとしのきよぉ~ かえったぞぉ~」 とでれでれと戻ってみると新しい実が実りつつあった。 「おお、金が実る。金が実る。」 お兄さんは次から次へと実を確認しました。 「おお、今日はちぇん・・・みょん・・・ おお、れみりゃだ。 フランまで。 むふふ・・・ お兄さんはうれしいどぉ~♪」 思わずれみりゃの真似をしたお兄さん さらには踊りまで真似する始末。 「うっうー♪うあ♪う・・・うん?」 お兄さんが何かに気がついた。 見たこともない実がはえていたのだ。 すると近くにいた実ちぇんが現れ実を見るなり 「ら・・・らんしゃまあああああああああああああああ!!」 「・・・は?」 「らんしゃまだ!まちがいないよ-わかるよー」 「なにいってんだここにらんがいるわけ・・・」 といい木の実を見ると 確かにいた。 らんがいた。 他にもゆゆことか、えーりん、ゆかりとかも生えていた。 「てかえーりんがここから生まれてもいいのか!?」 なんてお兄さんは思っていたがそれはどうでもいいとして。 まさに希少種のラッシュ。 売れば相当の金額になるだろう。 あと、どうでもいいができればゆゆこは早く生まれてきてほしい お兄さんのほしいゆっくりランキングナンバーワンだからだ。 お兄さんはルンルンとしていた。 まさかあの木からゆゆこが生まれてくるとはと。 翌日には生まれてくるんだ。 楽しみだな・・・ そして翌日。 お兄さんはウキウキしていた。 早くゆゆこうまれねーかな。 その隣にはちぇんがいた。 早くらんしゃま生まれないかな。 お互いはそんなことを考えていた。 すると実がゆれる。 ついに・・・ついに・・・ ゆゆこが(らんしゃま)が生まれるんだ! 実がぽとりと落ちる。 生まれてきたのは・・・ 「どうも、ゆっくりしていってください わたしはきよくただしい きめぇまるです」 きめぇ丸だった。 場の空気が凍りつく。 ついでにきめぇまるは生まれてきてから言語能力が発達しており生まれたにもかかわらず成体ゆっくりに近いような話方をする。 「なんでらんしゃまがうまれないのおおおおおおおお!?わからないよおおおおおおおおお!?」 ちぇんが半狂乱になっている。 「大丈夫だ!落ち着けちぇん!次こそはらんが生まれるって!多分!!」 「ゆ・・・そうだねーおちつくよー」 (さぁこい!ゆゆこ!!生まれたらお兄さんとゆっくりしようね!) お兄さんはそう思い妄想を開始した。 それはお花畑じゃなくてゆっくりたちのゆっくりプレイス 俺はゆゆこと手(?)を取りながら嬉しく虐待をしていた。 「あはははははははは・・・」 「こぼねー」 ゆっくりたちを踏みつけ、蹴飛ばす俺。 ゆっくりたちを容赦なく食らいまくるゆゆこ まさに俺の人生薔薇色! かもぉーん!ゆゆこ!! しかし、木に変化が起きた。 木が見る見ると枯れ、木が朽ち果ててしまったのだ。 当然実は栄養を受け取ることができなくなり黒ずんでしまった。 らんも、ゆゆこも。 「「うっ、うわああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」 すると玄関近くにチャイムの音が 「はい・・・」 それは郵便局の人だった。 「いたいた。実はあなたにこれを渡すように頼まれまして。では。」 一通の手紙を渡した後、郵便局の人はバイクにまたがり去っていった。 その手紙には 「遅れてすいませんでした。 この木はゆっくりを実らす木ですが 一ヶ月たつとかれてしまいます。 お手数をかけすみませんでした。」 と書いてあった。 それを見たお兄さんは 「なんてこったい。俺のゆゆこがあああああああああああああああああああああああ!!」 ちぇんはもう息もしていないらんに泣き縋る。 「うわああああああああん!らんしゃまあああああああああああ!ゆっくりしてええええええええ!わからないよおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」 お兄さんはその後怒りに身を任せ手紙を力いっぱいに破り捨てた後 、枯れ木などに八つ当たりをはじめ。 最後、暴れすぎたせいか意識がブラックアウトする。 「・・・はぁっ!!」 俺はがばりと起き上がった。 「な、・・・なんだ。」 お兄さんは起き上がり庭を覗く。 気はない、ゆっくりたちの死体もないし、ちぇんもいない。 まさか・・・これは 「夢オチかよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」 あとがき 最後は夢オチでした。 ゆっくりの出産方法に茎による植物性出産を考え 木からから生まれたらどうなるだろうかと考え作りました。 夢じゃなかったらどうなることかと俺は思う。 byさすらいの名無し 過去作品 いじめ系2850 ゆっくり油火踊り祭 いじめ系2889 ゆっくりべんじゃー いじめ系2932 すぃー吶喊 いじめ小ネタ542 ゆっくりジェットコースター いじめ小ネタ545 ゆっくりボール いじめ小ネタ546 ゆっくり太郎 いじめ小ネタ553 ゆっくりできない川さん いじめ小ネタ562 ゆっくり草野球 いじめ小ネタ567 ゆっくり瞬殺されるよ! いじめ小ネタ573 金バッチがほしいよ! このSSに感想をつける
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※fuku2325の続きです 一旦部屋を出た隣人が戻ってきた時、その両手にはボウルが抱えられていた。 ボウルは水で満たされており、中央には正方形の小さな木の板が浮かんでいる。 そしてその各辺に向かい合う形で、数センチ離れて4枚の木の板がこれまた浮かんでいる。 そしてその中の3枚は、中央向きの辺に垂直になるように木の板の壁がある。 「これがレベルハード……クォータージャンプ…………!」 「さて、これからルールを説明するぞ」 「うー!うー!」 食事が運ばれてくると思ったら謎のボウルが運ばれてきて、いぶかしげに見る赤ゆっくり達に男と隣人が説明を始める。 「まず、この中央の板に1匹、他の4枚の板に1匹ずつ配置についてもらう。 中央の1匹は目隠しをしてこの4方向のうちのどれかに向かって飛ぶ。見ての通り、壁がないところに飛べればゲームクリアだ。 中央の板との差は数センチ、助走をつけなくても十分飛べる距離だ」 「クリア出来た者には豪勢な食事等、れみりゃと同じ扱いをしてやろう…………」 「ゆ!とべばごはんもらえるの!」 「ゆっくちとばせてね!」 食事と聞いて、赤まりさ達の目が輝き始める。当然だろう、もう丸3日も何も食べてないのだから。 しかし、親まりさと赤ぱちゅりーは不安げな表情だ。 「むきゅ…………でも、ほかのところにとんだら?」 「ああ、それは見ての通り、飛んでも虚しく板の壁にぶつかるだけだ。当然飛べば落下、水の中に落ちる」 「ゆゆ!そんなゆっくりできないこと、まりさのあかちゃんにやらせないでね!」 「心配はいらない。他の4枚の板にもそれぞれ赤ゆっくりがいる。そしてそいつらは、中央の赤ゆっくりに助言できる。 つまりセーフエリアにいる者が『こっちは大丈夫』、他の者達が『こっちは危険』と言えば平気さ。 ついでにサービスとして親まりさ、お前もセーフエリアの情報を教えていいぞ」 「そんなことしていいの!?それならかんたんだね!」 随分と有利な条件を出され、親まりさは完全に安堵の表情である。 赤まりさ達は、早く始めろと言いたげだ。赤ぱちゅりーは……まだ不安げである。 「ククク……それでは配置についてもらおう。では飛びたい者はいるか……?」 「むきゅ!ぱちゅりーがとぶわ!」 真っ先に立候補したのは、意外にも赤ぱちゅりーだった。 この賢いゆっくりは気付いていた。あまりに有利すぎる、何か罠があるに違いないと。 それなら、この危険な役目は自分が引き受けるべきだ。妹達には任せられない、そう思い立候補した。 だが、そんな心は赤まりさ達には知る由もない。 「おねーちゃん、ずりゅいよ!」 「まりさもとびたいよ!ごはんほしいよ!」 「むきゅー!だめよ、きけんだわ!」 赤まりさ達も条件を聞き、それなら楽勝だと我も我もと立候補し始めた。 赤ぱちゅりーが必死に説得するも、全く聞き入れられず、喧嘩を始めている。 このまま見ているのもそれはそれで面白いが、今回の目的はクォータージャンプだ。 男は適当な赤まりさをつまんだ。 「よし、じゃあ今回はお前に飛んでもらうか」 「やった!ゆっくちとぶね!」 「ゆゆ!?おねーちゃんだけずりゅいよ!」 「ごめんね!こんかいはおねーちゃんにまかせてね!」 「むきゅ!きをつけてね!なにがあるかわからないからね!」 つまんだ赤まりさに布の切れ端で作った目隠しをし、方向感覚を失わせるため何回かくるくる回し、中央の板に置く。 そして他の4匹を手に乗せ、ニヤリと笑ってゆっくり達に話しかけた。 「そうだ、一つ言い忘れた。もしセーフエリアに飛べたら豪勢な食事が出ると言ったよな。 あれはあの赤まりさを自分のところに飛ばすことができたゆっくりにも同じ条件を出してやるよ」 「ゆ?どういうこと?」 ゆっくりにとっては難しい言い方だったのだろう、皆きょとんとしている。 「つまり、お前らが『こっちが安全だよ』と言ってあの赤まりさを自分のところに飛ばすことができれば、 そいつにも豪勢な食事など、れみりゃと同じ扱いをしてやるってことだ。 セーフエリアにいなくても、自分のところに飛ばせればOKだ。まぁその場合、あの赤まりさは水の中だがな」 要は、姉妹を殺して自分が食事を得ることができるということである。 少しの静寂のあと、赤ぱちゅりーの顔が青ざめていった。一方、赤まりさ達は目の色が変わっている。 親まりさと、目隠しされた飛び役の赤まりさは少し慌てたが、相変わらず平静を保っているようだ。 この2匹は信じていた。いくら空腹でも、姉妹を殺してまで食べようとはしないだろうと。 赤ぱちゅりーも同様に信じていた…………いや、信じることにした。 「それでは……GO……!」 「うー!」 隣人とれみりゃの合図により、ついにゲームが開始される。 この時、飛び役まりさは安心しきっていた。姉妹が助けてくれると信じていたからだ。 その期待に応えるように、早くも声が聞こえてくる。 「むきゅー!こっちがせいかいよ!」 赤ぱちゅりーの声だ。 実はこの赤ぱちゅりーこそが、セーフエリアに割り当てられた赤ゆっくりである。 懸命に声を振り絞る。それは自分のところに飛ばせて食事を貰おうという気はなく、純粋に妹を助けようとした行為だ。 透明ケースの中で見ていた親まりさも、セーフエリアのぱちゅりーの声に安堵した。 早速飛び役まりさが赤ぱちゅりーの声の方へと慎重に歩いていくが、そこに予想外の声がかかる。 「だまされないでね!こっちがあんぜんだよ!」 「どっちもちがうよ!まりさのほうだよ!」 「おねーちゃん、だいじょうぶだからこっちにきてね!」 飛び役まりさ、赤ぱちゅりー、親れいむはびっくりした。 何せ全員が全員、自分の方こそセーフエリアだと主張しているのだ。 しかし、セーフエリアはただ一つ。必然的に3匹は嘘をついていることになる。 「むきゅー!しまいよりもごはんのほうがだいじなの!?」 「ぱちゅりーおねーちゃんはうそちゅきだよ!きをちゅけてね!」 「まりさのほうだっていっちぇるでちょおおお!!!」 「みんなだまそうとちてるよ!しゃいてーだね!でもこっちはだいじょうぶだよ!」 飛び役まりさはパニックに陥った。 皆でセーフエリアを教えて簡単に食事にありつけるはずが、全く逆の展開だ。 一体誰を信じればいいというのだろうか。 「おいおい、困っているみたいだぞ。お前の出番じゃないのか?」 男が親まりさに耳打ちする。 赤まりさ達の裏切りに呆然としていた親まりさだが、その声で我に返ったようだ。 自分が飛び役まりさにセーフエリアを教えれば、助けることができるのだ。 「せいかいはぱちゅりーのところだよ!おかーさんをしんじてね!」 皆が一斉に親まりさの方を向く。 餡子を分けた自分の子供達、最後には自分を信じてくれると思っていた。 3日前のゲームで姉まりさを助けられず、今まで一人だけ食事を摂っていた親まりさは、飛び役まりさにはもはや信頼を得られなかった。 「おかーしゃんはだまっちぇね!」 「ひとりだけごはんをたべるおかーしゃんは、ゆっくちできないよ!」 「おかーしゃんのいうこちょはむちちてね!」 「むきゅん!ひどいわよみんな!」 「どぼちてえええええ!!!!!!」 愛する我が子に自分の意見が全く信用されないのはどんな気持ちだろうか。 親まりさは必死に泣き叫んでいるが、もはや赤ゆっくり達には雑音でしかないようだ。 飛び役まりさは誰の言うことも信じられず、右往左往するばかりであった。 5分ほど経っただろうか。ついに飛び役まりさは、意を決した。 向かう先は、末っ子の赤まりさ。姉妹の中で最も可愛がっていた最愛の妹である。 きっと自分を騙すことはないだろう。そう思い込み、声の方へと向かっていく。 「そうだよ!おねーちゃん、こっちだよ!」 「まっててね、今行くよ!」 「むきゅううう!!!そっちはだめよ!」 「やめてええええええ!」 赤ぱちゅりーと親まりさ、そして他の姉妹達の警告を無視し、ついに板の縁へとたどり着く。 この先こそが安全に違いない。そう信じ、飛んだ。 そしてその直後、跳ね返された赤まりさは絶望を抱えたままボウルの中へ落ちていった。 「どぼちて…………こんなことに…………」 「やっちゃね!これでおいちいごはんをくれりゅんだね!」 悲痛な表情の赤ぱちゅりーと親まりさ、沈んでいった赤まりさや口汚く罵る赤まりさ達には目もくれず、末っ子まりさは大喜びだ。 「ククク……見事だ、では……」 「ああ、分かってる。それじゃあ仲良くな」 男は末っ子まりさを摘むと、隣人の側にいるれみりゃのすぐ近くに置いた。 れみりゃは末っ子まりさを目の前にし、うーうー楽しそうに唸っている。 「ゆ!れみりゃはこわいよ!ゆっくちできないよ!はやくたちゅけてね」 「いやいや、わしは言ったぞ……れみりゃと同じ扱いにしてやる、と……」 「まずは今まであんな狭い箱に閉じ込めていたから、れみりゃと同じ広い所に出してやらないとな。 喧嘩はほどほどに、な。喰われるかもしれんが、まぁそれも喧嘩の範疇だ」 しばらく末っ子まりさはポカンとしていたが、自分が喰われそうだ、ということは理解できたようだ。 一転、大声で泣き叫び始める。 「ゆううううう!!!!なにちょれえええええ!!!!」 「んじゃー俺らは食事を持ってくるから、それまで仲良くな」 「ククク……もちろん、それまで生きていたらだがな……」 「うー!うー!」 男と隣人が部屋を出て行き、れみりゃが舌なめずりをする。 十分後、二人が戻ってきた時に部屋にいたのは満足そうなれみりゃと泣いている赤ぱちゅりーに親まりさ、そして大笑いしている二匹の赤ゆっくりだけで、末っ子まりさの姿はなかった。 「おやおや……せっかく食事を持ってきたというのに、どこへ行ったものだか……」 「しょうがないな。んじゃれみりゃ、喰うか?」 「うー!」 食事を食べるれみりゃとそれを眺める二人へ、ケースの中の親まりさがか細い声で聞いた。 「おにいさんたち……どうしてこんなことするの……」 「んー……、まぁ、楽しいからかな」 「え……たのしいから、まりさのあかちゃんたちをころしたの……」 隣人がニヤリと親まりさに笑いかける。 「ククク……ゆっくり崩壊のパターンはいろいろあってじつに興味深い…… わしはその様を現場、あるいはTVで眺めながられみりゃと遊ぶのを人生最高の愉悦と感じておる…… ゆっくりが崩壊していく様は、楽しい…………」 パートナーのぱちゅりーを失って悲しみにくれる自分を支えてくれた赤ゆっくり達。 幸せだったあの時は、この二人の人間によって壊された。 それも、自分達が楽しいからなどという勝手な理由で、赤ゆっくり達を殺した。 7匹もいた自分の家族。2匹はこの飼いれみりゃに喰われ、その命を落とした。 1匹はノミで打たれ真っ二つに。1匹は水の底へと沈んでいった。 そして2匹は姉妹の命より自分の食事を優先するようになり、まともなのは1匹の赤ぱちゅりーのみ。 自分達の家族は、たった3日で崩壊したのだ。 「むきゅー……おかあさん、しっかりして……」 赤ぱちゅりーが慰めてくれても、親まりさはただ涙することしかできなかった。 翌日の昼。 隣人は男を招き、最後の仕上げに入った。 「ゆっくち……したいよ……」 「ごはん……まだ……」 「むきゅ……」 再び箱に入れられた赤ゆっくり達には昨日も全く餌を与えず、もう餓死寸前である。 おそらくあと何時間ももたないだろう。 「おにーさんたち……まりさはいいから、あかちゃんにごはんをあげてね」 「ククク、喜べ……今日でお前達は解放してやろう……」 予想外の申し出に、親まりさは目の色を変えた。 それはもちろん、瀕死の赤ゆっくり達も同様である。 「ゆ!ほんとうに!?はやくおうちにかえしてね!」 「いいだろう……それでは、助けたい赤ゆっくりを一匹選ぶがいい…‥」 意味が分かっているのか分からないのか、親まりさは固まっている。 男が補足をした。 「この3匹の中で1匹だけ、お前と一緒に逃がしているからそいつを選べってことだ。 残り2匹はどうなるかっつーと」 「うー!うー!」 「我がれみりゃのランチだ……ククク……」 「そんなのえらべないよお゛お゛お゛おお!!!!!!」 「んじゃ全員殺すか」 「それもだめえ゛え゛え゛ええ!!!!!」 一方、2匹の赤まりさ達は先ほどの瀕死の様子はどこ吹く風。 我先にと親まりさにアピールを始める。 「おかーしゃん、まりさをたちゅけてね!」 「そんなやちゅほっちょいて、まりさにちてね!」 先日まで散々罵倒していたというのに、この変わり身の速さ。 幼いながらもまりさ種といったところだろう。 「おかーしゃん、はやくまりさにちてね!」 「うるちゃいよ!まりさにきまってるでちょ!」 親まりさは大騒ぎする赤まりさ達を困りながら眺めていると、ふとその横の赤ぱちゅりーが目が合った。 赤ぱちゅりーは弱々しい、しかし強い意志を感じる声で言った。 「むきゅ……ぱちゅりーはいいから……いもうとをたすけて……」 その瞬間、親まりさにはパートナーだったぱちゅりーの姿が脳裏をよぎった。 すっきりする直前、親まりさに向けたぱちゅりーの最後の言葉。 「もしぱちゅりーがしんでも、あかちゃんたちをまもってね……」 親まりさは常に自分より他人を優先した、心優しいぱちゅりーを愛していた。 そして今ここに、同じく自分の身より妹を優先する赤ぱちゅりーがいる。もう迷うことはなかった。 「ぱちゅりーを……たすけてください……」 「さいちぇーなおやだね!ふじゃけないでね!」 「ちねえええ!ゆっくちちねええええ!」 もはや死を逃れられない2匹の赤まりさは、最後まで親への罵倒を続けていた。 玄関へ置かれた親まりさと瀕死の赤ぱちゅりーに隣人が問う。 「ククク……あいつらはいいのか……」 「まりさは、ぱちゅりーをがんばってそだてるよ……」 親としての愛情は全く無くなったわけではない。 それでも、最後まで自分を責めることのなかった赤ぱちゅりーとは比べものにならなかった。 「んじゃ、達者でな」 「うー!うー!」 「ごめんね……あかちゃんたち……」 親まりさは歩く体力も残っていない赤ぱちゅりーを口の中に入れ、森の巣へと急いで駆け出した。 あそこなら保存してある食料がある。赤ぱちゅりーを助けられる。 親まりさが出て行った後、隣人の家では。 「「ちね!ちね!ちね!ちねえええええ!!!!!」」 数分後れみりゃに喰われる運命となった赤まりさ2匹が、ひたすら出て行った親を罵倒し続けている。 「それにしてもいいのか?あの親まりさと赤ぱちゅりーを逃がしちまって」 「いいんですよ。今回の目的はあのノミで突くゲームとクォータージャンプですから。 1匹だけ逃がすなんてのは最後のちょっとした思い付きです。目的は果たしました」 ゆっくりへの虐待が一段落し、隣人は平常モードへ戻っていた。 「それもそうだな。あの赤ぱちゅりーも巣まではもたないだろうし」 「あの家族には随分楽しませてもらいました。また何か面白いゲームを考えたら招待しますよ」 「ああ、俺も考えとくさ」 笑いあう二人の周りを、れみりゃが楽しそうにうーうー飛び回っていた。 (もうすぐだよ……がんばってね……) 親まりさは巣への道を必死の形相で走っている。 ただ一人残った、最愛の子。この赤ぱちゅりーだけは命に代えてもゆっくりさせてあげたかった。 口に含んでいるため喋れないが、心の中で強く呼びかけたその時。 (おかあさん……いままでありがとう……) その言葉を本当に口の中の赤ぱちゅりーが発したかは分からなかった。 ただでさえ体が弱い赤ぱちゅりー、喋れる元気があるかも分からない。だが、親まりさには聞こえた気がした。 自然と足が速くなる。この子だけは助けたい、と強く思いながら。 「ついたよ!しっかりしてね、ぱちゅりー!」 口からそっとぱちゅりーを巣の中の地面に置く。 目は閉じられており、安らかに眠っているようにも見えた。 「ほら、ごはんだよ!これをたべてげんきになってね!」 ぱちゅりーの好物だった、でも妹達に優先させて食べさせていた木の実を口元に近づける。 しかし、赤ぱちゅりーが目を覚ますことはなかった。 「ほら、ぱちゅりーのだいすきなものだよ……いっしょにゆっくりしよう……」 赤ぱちゅりーはやはり目を覚まさなかった。 「ぱちゅりー……そろそろおきようね……」 やはり目を覚まさない。 「ぱちゅ……りー……」 何度も何度も、親まりさは赤ぱちゅりーに呼びかける。 しかし、赤ぱちゅりーが目を覚ますことはなかった。 終 あとがき 多分次からは普通の作品で行きます。 福本ネタを続けるとしたら欠損ルーレットあたりか。 過去作 ゆっくり鉄骨渡り ゆっくりアトラクション(前).txt このSSに感想を付ける
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※ハコマニア再び。しゃべらせます。 【観察キット】 「今回もまぁ、悪くない出来だ」 ここは川のほとりの一軒家、俺こと虐待お兄さんの家である。 「予想できる限りのアクシデントへの対策も、大丈夫」 川のほとりにあるのは、水車による《ハコ》の動力確保のため。 「この日のために、れみりゃもしつけた」 「うー☆」 「よーし、いい子だ」 ほかの家から離れているのは、ゆっくりの悲鳴が近所迷惑にならないように。 「それじゃ、趣味の仕事といきましょうか」 「まりさをここからだしてね!」 「いまならゆるしてあげるよ!あとおいしいおかしをもってきてね!」 「もってきてね!」 「ゆっくりしていってね!」 捕獲用《ハコ》には、成体のれいむとまりさ、子が…多いな。 数えるのもおっくうだ。ざっと20はいるかいないかだろう。 まぁ数が多いのは、今回の《ハコ》にはいいのかもしれない。 「おぅお前ら」 調子のいいゆっくりに、威圧するように話しかける。 「おじさん!ゆっくりさせてね!」 「ゆっくりできるひと?」 「れいむ!このおじさんはゆっくりできないひとだよ!」 こうも数が多いとうるさくてしょうがない。悲鳴はいいが喧騒は嫌いだ。 俺は物陰で居眠りしていたれみりゃを呼ぶ。 「れみりゃー、おいでー」 「うー…?うー!」 俺の声と分かるや否や、いい速度で飛んでくる。 虐待が専門の俺に、しつけはかなり大変だった。 「れみりゃだー!」 「ゆっくりできないよ!」 「だずげでー!」 しっかり怯えてくれている。まず条件として充分。 「こっから出たいんだろ?今出してやるよ」 れみりゃを捕獲《ハコ》の上で飛び回らせつつ、蓋に手を掛ける。 「いやああああぁぁぁぁ!!!」 「ごわいいいいいぃぃぃぃ!!!」 「おじさん!ゆっくりやめてね!」 俺は《ハコ》に手をかけ、ゆっくりと持ち上げる。 さすがに20匹前後となるとそこそこ重い。《ハコ》の重さもきつい。 その《ハコ》の周りを、終始れみりゃが飛び回る。 「ごわいっ!ごわいよおおおぉぉぉ!」 「おがあざあああぁぁぁん!」 しかしまぁ本題はそこじゃない。今回の《ハコ》へと、ゆっくりたちを移す。 れみりゃを離し、蓋を開け、ドサドサと《ハコ》の中へと落とす。 「ゆぶっ!」 「びゅっ!」 「いたいよ!ゆっくりできないよ!」 「ゆっくりできないばかなおにいさんはどっかいってね!」 全員入ったところで、《ハコ》の蓋を閉め、数歩下がる。 今回の《ハコ》は、いわば観察用の《ハコ》だ。 壁一面を改造し、幅ゆっくり1匹強、深さと幅が壁一面の《ハコ》である。 《ハコ》には8割ほど、少し固めの土が盛られている。 部屋側に向いている《ハコ》には半透膜、こっちからのみ見える膜を張ってある。 そして今回のためにわざわざ飼いならしたれいみりゃ。 身の危険がなければ、あいつらは巣を作ろうとすら思わないだろう。 そう、「巣を作らせるための《ハコ》」だ。 れみりゃを手元に呼び戻す。 今ゆっくりたちには、壁と土と仲間達しか見えていない。 「こんなとこじゃゆっくりできないよ!ゆっくりすをすくろうね!」 「ゆっくりりょうかいしたよ!」 「みんなでゆっくりできるすをつくるよ!」 なんだ、見せるだけでよかったのか。なら飼いならさなくてもよかったな。 だがまぁ、ゆっくり相手への恐怖、ってのは大事だ。 しつけの甲斐あって、れみりゃは大根をかじりながらおとなしくしている。 もちろんゆっくりも食うぞ。 ゆっくり達は、巣づくりを開始したようだ。 一体顔面だけでどう巣穴を掘るのか気になっていたんだが… 土に混ざった石を加え、ザリザリと削っている。おぉ、意外に賢い。 親れいむ、まりさが率先して穴を掘り、子れいむまりさ達が土を外に出す。 土を体全体で押し出すようにしていて、それと同時に巣穴を固めている。 始まってそんなに立たずして、大本っぽい1本の巣穴が完成していた。 …意外と、いい生態系してるじゃねぇか。 まずはちょっかい程度。 巣穴のまわりに積まれている土を、軽く巣の中に払ってやる。 といっても、巣が壊滅しない程度にだ。まだ本気虐待タイムには早い。 「れみりゃ、頼む」 「うっうー☆」 れみりゃの鳴き声を聞いて怯えるゆっくり達。巣を作る手(?)が早まる。 れみりゃは巣の入り口に立ち、足で周りの土を蹴落とした。 始めは、ぱらぱらとこぼれる程度。 「ゆー?」 「たぶんやわらかいんだよ!もっとしっかりさせようね!」 「ゆっくりできるすをつくろうね!」 子供達は気にせず、土を上へ上へと追いやる。 れみりゃがいることを知っているので、外に出すのではないようだ。 巣の上のほうにある、ちょっとした空間めがけて登っている。 こぼれる程度の土が、小さな土砂崩れのレベルに発展する。 「ゆ”ー!つちがおちてきたよ!」 「ゆっくりにげるよ!」 土を押していたれいむ、まりさ達はあわてて下へ駆け下りる。 だが土に追いつかれ、コロコロと転がったり、半分土に埋まったりしていった。 「ぃゆ”っ!」 「だいじょうぶ!?ゆっくりしていってね!!」 「「「ゆっくりしていってね!!!」」」 土もたいした量じゃないので、半分埋まった子もすぐに自力で抜け出した。 どういう反応を見せるか気になっていたのだが、そんなに面白くない。 「よくあることだよ!しっかりつちをおさえていってね!」 「あぶないとおもったらもどってきてね!」 「ゆっくりわかったよ!」 「すのためにがんばるよ!ゆっくりしていってね!」 …なるほど、自然にはよくあることか。 「ゆー!ゆっくりー!」 「ゆぅー!」 さっきのプチ土砂崩れに、空洞で土をもっていたれいむ達が埋もれていた。 少し頭を出す程度で、身動きは取れないらしい。 顔が上を向いているのはラッキーだろうか。だがまぁ、もたないだろう。 むしろもたせない。れみりゃ、頼んだ。 「うー☆うー☆」 泥んこ遊びが楽しくなったのか、指示があるやいなや調子に乗り出すれみりゃ。 まぁ、この程度なら計画に支障は出ない。好きにやらせてやろう。 れみりゃに、ゆっくりが生き埋めになった空洞の場所を教える。 ちょうど他の巣穴と軸の被っていない、いい空間だ。 「いいぞ、跳ねろ」 「うーっ!うーっ!」 ドンッ、ドンッ、と巣全体に振動が伝わる。 れみりゃの声と未知の衝撃に困惑する巣の中のゆっくり達。 子供達は一目散に親の元へ駆け寄り、一家固まって無事を祈っている。 やがて、振動が止んだ。 安心安全を確認したのち、ゆっくり一家は巣作りを再開する。 先ほどの空洞は、潰れてなくなっていた。 そこからゆっくりの声もしない。 「よーしよくやった、戻っておいで」「うぁー!」 「足拭けよ」「うー☆」 いいれみりゃだ。まったく、これ以降も頑張ってもらおう。 れみりゃの声がすっかりしなくなったのをいいことに、巣作りは熱を上げる。 数が多いせいか、子供が2,3いなくなったことにも気づかないらしい。 親失格だな。まぁ人里を襲う時点でアウトだがな。 穴を掘り、土を運び、壁を固め、それを延々繰り返す。 …日が暮れる頃には、立派な巣が出来上がっていた。 始めに親が掘った一本の穴を元に、派生するように小さな部屋がいくつか。 幅のせいで1箇所にまとまれないのか、部屋の数はだいぶ多い。 穴掘りをやめたあたり、ここらで完成なのだろう。 「かんせいしたよ!ゆっくりしていってね!」 「ゆっくりしていってね!」 「「「ゆっくりしていってね!!!」」」 巣穴に響き渡る完成コール。わざわざありがたいこった。 「すもできたし、ごはんをさがしにいくよ!」 「おっきなこどもたちもてつだってね!」 「ゆっくりりょうかいしたよ!」 「いっぱいえさをあつめるよ!」 「いってらっしゃい!きをつけてね!」 「きをつけてね!」 餌か。直接的な虐待《ハコ》ばかりで考えてもなかった。 まぁ適当に餡子でも与えておけばいいだろうよ。 「れみりゃ、おやつ《バコ》もってきてくれ」 「うぅー☆」 とてとてと歩いて《ハコ》を取りにいくれみりゃ。気分らしい。 持ってきてもらった《ハコ》には、すでに絶命した子ゆっくり達。 虐待前に絶望を与えるため、あとは自分の甘味のために用意してあるものだ。 「数も多いからな…、適当に潰して投げてくれ」 「うぁ!」 「終わったら2つまで食べていいぞ」 「うー☆」 れみりゃはハコからい匹ずつ取り出すと、両手で押しつぶしていった。 変形する饅頭。そこに悲鳴はない。 れみりゃは潰しては巣の《ハコ》に投げを繰り返していった。 子供も多いし、この程度で充分だろう。 「よくやった。ほれ」 「うぁ!うっぅー☆」餡子で口を汚しながら笑う。「口拭けよ」「うー☆」 巣穴から出たゆっくり達は、その餡子の山を見て歓喜した。 「ゆっ!あまいのがいっぱいあるよ!ゆっくりできるね!」 「みんなではこんでゆっくりしようね!」 「「「ゆっくりしていってね!!!」」」 潰しただけだから皮とか飾りとかも多少残っているんだが、気にならないようだ。 なかなか殺生なものである。 「毒でも混ぜとけばよかったか…。次はそうしよう」 観察と発見こそ、新たな虐待へのステップである。 ゆっくり達は食べないように餡子をくわえ、頭に載せ、巣へ戻っていった。 巣の中では、きゃいきゃいと食事を楽しむ姿がうかがえる。 キセルをふかし一服。れみりゃは煙たがって逃げてしまった。 さて、一通り観察は済んだ。ここからがお楽しみ虐待タイムである。 「巣潰しは、威力こそあるものの虐待としてはつまらなさすぎる」 れみりゃが潰した巣穴は、あたかもそうであったかのようになくなっている。 それに家族のゆっくりが気づいていない。いろいろと虐待としてはぬるい。 「水牢…か。土に大丈夫かね」 水牢、単純に水に浸ける虐待である。 ゆっくりすることが許されず、皮もふやける、虐待としてはシンプルなものだ。 だが今回は《ハコ》そのものではなく、巣である。 水を吸って崩れたりしなければいいのだが。 まぁそれも一興か。そういや大雨と変わらんな。 せっかくの虐待だ。一握りの「悪意」を。 ゆっくり達は全員巣の中。おk。 入り口となっている穴に、目の細かい金網を張る。脱出防止だ。 しっかりと土とその他で固定。軽く引っ張ってみるがそう動きはしない。 かまどのほうでは湯も沸いたようだ。準備は万全。 湯のみに煎茶、ティーカップにさました紅茶を入れて、優雅なティータイム。 「うぁー☆」「待て待て、最後に一仕事だ」「うー☆」 れみりゃを鳴かせながら飛び回らせ、外にれみりゃがいるのを教えてやる。 「ゆっ!れみりゃのなきごえがするよ!」 「すのなかならだいじょうぶだよ!ゆっくりしていってね!」 その安心を打ち砕く。これぞ虐待道。 巣の入り口の金網から、残ったお湯をちろちろと流しいれる。 「ゆぅ?」 子ゆっくりが異変に気づいたようだ。水が流れてきている。 「おかーさん!おみずがはいってきてるよ!」 「ゆっ!たぶんあめがふってきたんだね!いりぐちをふさぎにいくよ!」 「ゆっくりわかったよ!」 「れみりゃにきをつけてね!」 この程度の量ではゆっくり達につく頃には土に吸われ、熱も奪われているようだ。 親れいむと数匹の子ゆっくり達が、巣穴の入り口めがけて上がってくる。 ほどよい高さまで上がったところで、少し勢いよくお湯を流す。 「あぢゅっ!このあめあついよおかーさん!」 「ゆっくりできないよ!」 「ゆっ、あめがあついなんておかしいよ!みんなはうしろにいてね!」 先頭が子ゆっくりから親れいむに代わる。 れいむは穴の真下にたどり着くと、なにごとかと上を見上げた。 ここぞとばかりにお湯を流す。 「ゅあ”じゅっ!」 顔面クリーンヒット。煮えたぎるお湯はさぞかし辛かろう。 「ぅあ”っ、あづっ!」 熱さに苦しみながらも、子供達を危険に晒すまいと必死に耐える。 非情かと思ってたがそうでもないじゃないか。 追撃をかける。少し多め、軽く押し流す程度だ。 「ゆ”う”う”う”う”ぅぅぅぅっ!!」 目と口を閉じて、必死に子供達に浴びせまいと頑張っている。 だが、お湯の量はそんなもんじゃない。れいむが全身に浴びつつ、後ろへ流れる。 「あ”ぢゅい!」 「ごのあめあぢゅいよ!ゆっぐりでぎないよ!」 危険と分かるや否や、親を放置して一目散に巣の底まで逃げ出す子ゆっくり。 親れいむは気づいてか気づかずか、必死にお湯を耐え続けている。 お湯を浴びた顔面は真っ赤になっていた。赤くなるのか。 次のステップだ。一旦お湯を止める。 「ゆうううぅぅぅ…」 親れいむは土に顔をうずめている。きっと土が冷たいのだろう。 子ゆっくり達は巣の上で起きたことを報告している。 「おそらからあついあめがふってきたんだよ!」 「あめはあつくないよ!うそをつかないでね!ゆっくりできないよ!」 「うそじゃないよ!おかあさんがたいへんなんだよ!」 「ゆっ!?れいむが!?」 それを聞いた親まりさが一目散に巣穴の入り口めがけて駆け上がる。 「れいむ!れいむっ!」 「ゆ”ぅぅ、まりざ?」 「だいじょうぶ!?ゆっくりしていってね!」 「ゆっ…くりしてい…ってね」 返答できるレベルのやけどらしい。まぁその程度のお湯だしな。 特に何かできるわけでもなく、れいむをいたわるまりさ。 …お次はちょっときっついぜ。 お湯を、半分ほど残して残りを注ぐ。 「ゆ”う”う”う”ぅぅぅっ!!」 「あじゃああああぁぁぁぁ!!!」 親ゆっくりにたたきつけられる熱い濁流。 今度は防ぐとかせき止めるとかそんなちゃちな量じゃない。 量にして巣の半分を浸水させる量のお湯を、一気に注ぎきる。 当然、ゆっくり2匹でこの流れをせき止めることも出来ない。 「あじゅっ、あぶっ、むぅううぅぅぅぅ!!」 「ゆぶぶっ、ゆっぶ、ゆぅー!」 耐え難い熱と共に、親ゆっくりが巣の底へ流される。 ってか溺れてないかこいつら?溺死しないんじゃなかったっけ? やがてお湯が巣の底、子ゆっくり達にまでたどり着く。 「ゆぅ?」 「なんかみずのおとがするよ!」 何かと思って巣の先を眺めていたら、突然泥水が流れ込んできた。 泥水の先頭には、親ゆっくりが2匹。 「おかーさん!おとーさん!」 「だいじょうぶ!?ゆっくりしていってね!」 「ゆ”っ、ここはあぶないよ!ゆっくりしないでにげてね!」 「ここじゃゆっくりであづっ!!!」 お湯が、親ゆっくりを飲み込み、子ゆっくりに襲い掛かる。 「あじゅううううぅぅぅぅ!!!」 「ゆ”っ!ゆ”ぅっ!」 「あ”あ”あ”あ”ぁぁぁぁ!!」 量の多いお湯はそう熱量を奪われない。 巣のそこまでアツアツをお届けってわけだ。 「あじゅいっ!あじゅいいいぃぃ!!」 「ゆっぐりでぎないいぃぃ!!」 悲鳴に包まれる巣。すでに動かないゆっくりも何匹かいるようだ。 子供じゃまだ弱い、ってか。虐待しがいがないな。 「みん…な!あわてないでゆっくりきいてね!」 お、親まりさ。れいむに比べれば軽症なだけあって、まだ動けるようだ。 「あついあめがこないところにすをつくるよ!ゆっくりてつだってね!」 「ゆゆっ!みんなでゆっくりしようね!」 「「「ゆっくりしていってね!!!あっつっ!!!」」」 熱さに絶え絶えになりながら、熱い湯を踏みしめながら、巣の上を目指す。 動かなくなったゆっくりたちは置いていったようだ。 まず高い位置の横穴に避難して、それから横穴を掘り進めるらしい。 なるほどこれなら下に湯がたまり、ゆっくり達の方には流れてこない。 親まりさの指示に従って、比較的元気な子ゆっくりたちが掘り進める。 「れいむ、だいじょうぶ?ゆっくりしていってね!」 「ゆっくり…していってね…」 れいむの火傷跡を舐めるまりさ。土が付いていようがおかまいなしだ。 巣を作るだけあってか、仲間愛は強いのだろうか。 初めのやつといい、湯に巻き込まれたやつといい、一体どっちなんだ。 巣穴がガンガン掘られていく。 横穴も、完成時の巣の半分ほどにまで大きくなっていた。 「これでゆっくりできるね!」 「あついあめもこわくないよ!」 怖くない。だとさ。それで済ませるお兄さんじゃないさ。 お湯も、再び沸きあがったようだし。 「う”ぁ!あづい!」「…やっぱ熱い紅茶はダメか」「う”ー」 再び沸いたお湯でお茶を淹れなおす。れみりゃは熱いのはダメらしい。 煎茶にせんべい、紅茶にクッキー、なんて万全な準備だろうか。 「れみりゃ、それじゃ頼んだぞ」 「ぅー…」 熱い紅茶が不満だったのか、しぶしぶ動き出す。 両手でしっかり鍋の取っ手を持ち、巣穴めがけて飛んでいく。 最後に限って、俺の湯量調整は必要ない。 完膚なきまでに、苦しませるだけ。 「いいか?」「うー」「元気出せ、砂糖1つやるから」「うー☆」 れみりゃの調子も出たところで、最後の仕上げを開始する。 「それじゃ、全部流し込め」 「うぁー☆」 早く砂糖が欲しいのか、おもいっきりぶちまけるれみりゃ。 まぁ巣にも入ってるし、大丈夫だろう。 ゆっくり家族の目の前に、滝のように落ちていくお湯。 「ここならあついあめはこないよ!ゆっくりできるね!」 「みんなでゆっくりしようね!」 今は、まだ来ないだろうよ。どんどんとお湯が巣へ流れ込んでいく。 当然、行き場を失ったお湯は水位をあげる。壁越しに熱気が伝わる。 「ねんのためにあなをふさぐよ!みんなてつだってね!」 「ゆっくりりょうかいしたよ!」 「だいじなすのためにがんばるよ!」 なんと、それをされては湯が届かない。それだけは防がねば。 …と思ったが、その心配はないようだ。 水位は上がるところまであがり、横穴へお湯が流れ出す。 入り口に積まれ始めた土ごと、お湯が横穴を侵略する。 「ゆぅっ、あめがはいってきあじゃっ!?」 「これじゃゆっくりできないよ!いそいであなをふさごうね!」 「「「ゆっくりしていってね!!!」」」 だがもう遅い。餡子脳を悔やめ。 どんどんと、ゆっくりを押し流すほどにお湯が入ってくる。 「ゆー!?ゅあっづっ!!」 「あじゅいあじゅいあじゅいあじゅい!!」 湯はゆっくり達を半分浸けるほどまで侵食している。 お湯から逃げるように飛び跳ね、そのしぶきが仲間に飛び散る。 それを全員がやっているものだから、みんながみんな必死だった。 「あじゅーいー!?」 「ゆっぐりでぎないいぃぃ!!」 もうどうしていいのかわからず、ひたすら熱湯の餌食となるゆっくり達。 お湯はまだ流れている。そろそろ子ゆっくりが浸水するだろう。 「あぶっ、あじゅ、ばじゅい…!!」 「ゆっぐ、ゆぐ、ゆ”…ゆ”ぅ!」 「う”ぅ、ゆっぐぃじだがあづっ!!!」 やがて、巣全域が水没した。 キセルで一服。 「…終わったか」 れみりゃは物陰で角砂糖をかじっている。 ゆっくりの巣は、ものの見事に水没している。 あれだけ大量の湯を流し込んでも、巣が崩れることはない。 巣のあちこち、吹き溜まり的な場所に動かない子ゆっくりが転々としている。 みんなゆでだこのように真っ赤だ。表情も悪くない。 こういう景色を見ると、虐待した甲斐があるってもんだ。 せんべいを齧ろうとすると、わずかに巣の中で動きがあった。 「…お?」 見ると、子れいむが1匹、生きている。 必死に目を瞑り、体を真っ赤にしながらも、動いている。 するとそのゆっくり、なんとぷくーっと頬を膨らました。 「呼吸も出来ないのになぜ膨らませられる…」 つくづく理不尽な生き物だった。 その浮力に任せて、巣からの脱出を試みているようだ。 みるみるうちに子れいむは浮上していく。 壁に当たるたびに火傷が痛むらしく、口が開きそうになるのを耐えている。 そして子ゆっくりは、巣の入り口へとたどり着いた。 金網で封をした、その入り口に。 「ゅあ”ばっ!?」 当然、金網も湯を浴びているわけで、充分に熱い。 それに触れれば、普通に辛いだろう。 子れいむは金網に負け口を開き、巣の底へ沈んでいった。 「…これで、ほんとに終了かな」 観察《ハコ》での虐待は終了した。 成果としては…よくわからん生態系を見せ付けられた。 子を大事にしたと思いきや見捨て、 溺死したと思ったら浮いてきて、 正直、今回の観察結果をどう生かすべきか、まだ考え付かない。 とりあえず、今回の結果を他の村のお兄さん達に報告してみよう。 なにかいい案が浮かぶかもしれない。 片付けのことを考えながら、俺は一旦部屋を後にした。 【あとがき】 どもっす、タカアキです。 蟻の巣観察キット的なアレを思い浮かべてくれれば幸いです。 絵ヅラで思いついて、文に立ち上げたんだが、いまいち虐待がつまらない。 というわけでお兄さん方、なんか考えてくれ。
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さて、ぱちゅりーの群れはというと、24匹目の群れの一員を賑やかに祝っていた。 群れのみんなが持ち寄った草花や虫に木の実をみんなで食べて、歌を歌ったりお話したりしていた。 長であるぱちゅりーもまりさも、楽しいお祭りは大好きだった。 「まりさがむかしいたむれでは、えっとうがおわるとみんなであつまってゆっくりのうたをうたってゆっくりしたよ」 「ぱちゅのむれはあまったごはんをもちよっていっしょにたべたわ」 長のぱちゅりーとまりさは少し離れたところで、とてもゆっくりした群れの様子を見てゆっくりしていた。 「まりさとれいむのあかちゃん、ゆっくりうまれてよかったね」 「むきゅ、またあかちゃんがうまれたらおいわいしましょうね、むきゅきゅ、あかちゃんがうまれるたびにおいわいよ!」 「たくさんおいわいできるね、ゆっくりできるね!」 お互いの顔を見合ってゆっくりと笑うぱちゅりーとまりさ。 ぱちゅりーは群れのゆっくりみんなが好きだった、だからもっとみんなとゆっくりしたかった、特に目の前のまりさとは。 お祭りの陽気に当てられたのか、ぱちゅりーは少し積極的になっていた。 横目で群れのゆっくり達が見ていないのを確認すると、ちゅっとまりさの唇に自分の唇を軽く当て、そして離した。 「ゆっ!ぱぱぱちゅりー……」 「む、むきゅ~」 顔をりんごのように真っ赤にするまりさ、ぱちゅりーの顔も同じくらい赤くなっていた。 ただぱちゅりーもまりさも、ずっとこのゆっくりした時間が続けばいいと思っていた、ずっとずっと。 「う~♪とりゃ~♪」 上空から聞こえた間の抜けた声と一緒に、ゆっくり達のとてもゆっくりした時間は唐突に終わった。 一個の白い塊が回転しながら群れに落ちていく、れみりゃが投げたゆっくりさくやだ。 「む~しゃむ~しゃしあわゆ゛びゅ!!!えれ゛れ゛ぇぇぇ!!!!」 ブチャァ!さくやはその分厚い底部で、木の実を食べていたまりさの上に勢いよく着地した。 まりさの口から食べていた木の実と大量の餡子が勢いよく吐きだされ、葉っぱの上に盛られていた木の実にかかった。 白目を向いて口から餡を吐き続けるまりさの上から、さくやが瀟洒に降り立つ。 「さくやでございます、そして」 「うっう~☆あまあまだどぉ~♪」 「ゆっ!おそらをとんでるみた~い」 「ゆっくりしてるどぉ~♪」 「いだいぃ!!ひっぱらないでねぇええええええええ!!!!ゆびぃ!!!!!」 「わたくしのつかえる、おじょうさまたちにございますわ」 呆然としているぱちゅりーの群れのゆっくりに餡子がかかる、子れみりゃに空中に持ち上げられ引っ張られ引きちぎられたれいむの物だ。 「れみりゃだぁああ!!!」 群れの一匹のゆっくりが叫ぶ、それと同時に楽しかったお祭りは地獄と化した。 空かられみりゃが襲いかかってくる、れみりゃとゆっくりでは闘いようが無い、どのゆっくりも一目散に逃げ出す。 「むきゅ~!みんなにげて!」 「ぱちゅりーこっちだよ!みんなもばらばらににげてね!」 「だずげでぇえええ!!!!」 「れいむ!!!」 一匹のれいむが子れみりゃに捕まった、子れみりゃは思い切りれいむの顔に齧りつく。 凄まじい悲鳴が上がる、そのまりさと仲良くしていたれいむは涙を流しながら食べられるまりさを見ている。 「ゆぐっ!」 「せなかがおるすにございますわ」 そのれいむの背中にさくやの咥えた木の枝が突き刺さり、そのまま力任せに薙ぎ払われた。 そして一度、ニ度、三度、さくやはれいむの背中を突き刺す、二度目の突きでれいむの中枢餡は傷つき、体が完璧に麻痺し動けなくなった。 「さぁちっちゃいおじょうさま、さくやのあまあまでぃなーにございます」 「うっう~♪」 「しゅごいどぉ~♪」 「たべるどぉ~♪」 そして動けないれいむに小さな赤れみりゃが襲いかかる。 体を齧られるも痛みにも身じろぎ一つ出来ず、声も出せないれいむの瞳から大粒の涙が流れる。 「うっうー!」 「ゆげっげ!!!!げっ!!げっ……」 そして親れみりゃは手に持った木の棒で捕まえたれいむの口に突きいれていた。 24匹のゆっくりが暮らす、ぱちゅりーのゆっくりした群れは既に五匹がゆっくりできなくなっていた。 「うっう~♪このあまあまをたべたらにげたのもつかまえるどぉ~♪」 「う~♪あまあま☆うまうま♪」 「うっ♪うっ♪う~♪」 れみりゃ特有の貪欲さから来る豪快な食べっぷりを隠れて見ているゆっくりがいた、みょんである。 その口には木の枝が咥えられており、その目は真っ直ぐにゆっくりさくやのことを見つめていた。 みょんは死ぬ気でさくやへの襲撃を計画していた、まだ小さい赤ゆ達はちぇんに任せた、ちぇんと子供達がゆっくりできればそれ以上は望まない。 群れ長の巣に避難するように言っておいたので、ほとぼりが冷めたら長と一緒にこの危険な森から逃げてくれるだろう。 みょんはかなり長い間、いろいろな土地を旅をしてきたゆっくりで、れみりゃの話も多く聞いていた。 その皮の厚さや怪力、空を飛ぶ速さ地を走る速さ、子れみりゃでも平均してみょん十匹分の力を持つ、そう一時師事を受けた老みょんはしみじみ語った。 みょんはれみりゃの恐ろしさに震えあがり、どうすれば勝てるのかと老みょんに聞くと老みょんはこう答えた、 れみりゃを見たら一目散に逃げろ、しかし、さくやを連れているれみりゃは勝てないまでも追い払う事は出来ると。 『さくやはれみりゃをたいせつにするが、れみりゃもさくやをだいじにする、さくやをきずつければさくやをたすけることをゆせんするみょん』 さくやに酷い手傷を負わせれば、みょんはその場で殺されても、れみりゃはさくやの治療のためにこの場を去るかもしれない。 そしたら群れのみんなが逃げる時間を稼げる、勿論逆上したれみりゃに殺されるかもしれない、それでも。 「みょんはむれのみんなをまもりたいんだみょん」 これ以上群れのゆっくりに餡子が流させない、ここじゃなくてもみんなが新しいゆっくりプレイスでゆっくりできればいい。 さくやまでの距離は三跳ね分、れみりゃを見るのに夢中なあの様子なら、間違いなく殺れる! みょんが隠れていた茂みから飛び出す、一回跳ねる、二回目一回目よりも長く高く高く!その跳躍はみょんの限界をはるかに超えている! 「うっう~☆つかまえたどぉ~♪」 「マラッ!!!!」 驚愕のあまりあんぐりと開いた口から木の枝が落ちていく、さくやに気を取られすぎて子れみりゃに上空から狙われていた事に気付かなかったのだ。 れみりゃにがっしちと掴まれ身動き一つできないみょん、れみりゃはにこにこと笑いながら大きな口を開ける。 「あまあまたべるどぉ~☆」 あぁ、せめて木の枝を咥えたままなられみりゃを刺せたのに、大きく開いた口が絶望したみょんに迫って来る。 ちぇん、おちびちゃんたち、みんな、とおくににげてね……。 激痛にもだえ苦しみながら死んでいくみょんの最後の思考だった、しかし現実は残酷である。 れみりゃから逃げるために森を出たのは、群れで唯一スィーを持っていたまりさと相乗りさせてもらったぱちゅりーだけだった。 尚、這って逃げようとしたぱちゅりーがいたが、ゆっくりの死を見たショックとれみりゃの恐怖でクリームを吐いて死んでしまったものが一匹いた。 他のゆっくりの殆んどは自分の巣に隠れる事でれみりゃの危機は去ったと確信していた。 平和でゆっくりした日々が続いたこの群れにはたくさんの知識があった。 美味しい草花、食べてはいけない毒草、薬に使える薬草の知識。 特に越冬に関して言えば、長ぱちゅりーの恋人まりさはその知識に長けており、普段から保存食の作り方を群れのゆっくり達に口伝していた。 そう、生活を豊かにゆっくり過ごす知識がこの群れでは最も尊ばれ、蛇の一匹もおらず子ゆっくりが遊び回っても安全な森のため危険に対する知識は必要とされていなかった。 ゆっくりを切に願ったゆっくりが次元の壁を越えて集ったのがこの森だ、それも当然だったのかもしれない。 しかし危機に対してまるで知恵を持たないゆっくりは、捕食種にとって理想的な食事であり、れみりゃを呼び込む要因にもなった。 「うっう~♪あっちにもこっちにもあまあまのにおいがするどぉ~♪」 「おそらくすにかくれたのですわ」 「うっう~♪みんなまぁまについてくるどぉ~♪あまあまをつかまえにいくどぉ~☆」 まるでちょっと散歩に行くかのような気楽さでれみりゃ達は群れの巣を荒らしまわった。 最初に犠牲になったのはありすの巣だった。 「やめなさいよ!とかいはじゃないわ!!」 ありすが子供達と一緒に時間をかけてコーディネイトした巣が荒らされていく、親れみりゃが巣穴から差し入れた腕が暴れ狂い木の枝や木の葉を目茶苦茶にしているのだ。 「あっちにいくのぜぇ!」 子まりさが木の枝を咥えて突撃した子まりさに運悪くれみりゃの腕が直撃する。 「ゆびゃっっ!!!!」 子まりさの顔が大きく凹み右目が潰れた、れみりゃは子まりさを掴むと巣の外に腕を引っ込めた。 「ありすのおちびちゃん!!おちびちゃん!!」 ありすの体は考えるよりも先に衝動で動いた、奪われた子まりさを助けに巣から飛び出てしまい。 「おかあさんまって!」 最悪な事に子ありすもそれに続いてしまった。 巣から飛び出たありすの頭上から真っ直ぐに子れみりゃ二匹が襲いかかる。 「ゆ!びべ!!べべぇゅ!!!!!」 ありすを掴んだまま飛ぼうとした子れみりゃだったが運悪くバランスを崩し、ありすの顔面を地面につけて一メートルも引っ張ってしまう。 あたりはカスタードまみれになり、顔をこそぎ落されたありすはビクン……ビクン……と痙攣して息絶えた。 「いだぃいいい!!やめでぇえとがいはじゃないぃいい!!」 さて子ありすはというと、赤れみりゃ達に四方八方から襲いかかられカスタードを吸うついでに髪を引きぬかれていた。 そんな惨劇の中、さくやはうっとりとした表情で木の陰に隠れて震えていたまりさを捕まえ尋問していた。 ここに何匹のゆっくりがいるかその巣はどこか、あのお祭りの場にいなかったゆっくりはいるか? さくやに体を刺される痛みから逃れるために、まりさは全てを喋った。 そして聞きたいことは全て聞き、さくやはふと疑問に思った事をまりさに聞いた。 「おじょうさまがたがいてあぶないのにどうしてそとにいたの」 「ありすとこどもたちがしんぱいで……ようすをみにきたんだよ……」 そう言ったまりさの両目から涙が流れ落ちる、ずっと好きだったありすもそのおちびちゃんも死んだ。 まりさもこの場から逃れることはできない、ゆっくりできないおわりがくる。 震えるまりさにれみりゃ達が襲いかかり、その皮を餡を残らず食らい、残ったのは引き裂かれた帽子だけだった。 「ゆぐっひっぐ、みんなしんじゃたよぉお!ゆっぐりできないぃい!!」 「おちびちゃんげんきをだしてね、ぺ~ろぺ~ろ」 嘆き悲しむ子れいむを親れいむが優しく慰める。 無論親れいむも親しいゆっくりが無残に殺された悲しみを感じていた、しかしそれ以上にあの場から子れいむを連れて逃げおおせた奇跡に感謝していた。 (ゆっくりあぶなかったよ……もうすこしでれいむは……れいむは……) 二匹の子れいむに捕まり空中で引き裂かれたれいむがいた、この親れいむはれいむのすぐ傍でゆっくりくつろいでいたのだ。 あの二匹の子れみりゃに引き裂かれていたのは自分だったかもしれない、そのことに恐怖すると同時に助かったことこれからもゆっくりできることに感謝していた。 (れいむ……れいむはおちびちゃんときょうのみんなのぶんまでゆっくりするよ!) れいむの言うところの結界、巣穴を覆い隠した木の枝や木の葉には強い香りのするものが含まれていた。 そのためれみりゃ達は餡子の匂いを追えず、親れいむのいる巣を見つけるのに少し手間取った。 メキィ!バリィ! 「う~♪あまあまだどぉ~♪」 「うっう~♪」 「れみりゃだぁあああ!!!」 ほんの少しだけだったが……。 巣の中に入って来たのは三匹の赤れみりゃ、手に持った木の枝でれいむを滅多刺しにする。 「ゆびぃっ!いだぃいいい!!!!」 「ゆっ!ゆぅげぇええええ!!!!」 最もゆっくりできるおうちにれみりゃが入って来て親れいむを拷問し始めた。 恐怖と絶望のあまり子れいむは大量の餡子を吐き出し、静かにその生を終えるのであった。 「あそこであっていたみたいね……」 さくやはというと満足気な表情でゆっくりしていた。 まりさから聞き出したあの情報が無ければ、もしかしたら逃していたかもしれないれいむ達をおじょうさまに食べさせられたのだから。 それはつまりさくやのれみりゃへの忠誠の証、れみりゃ達をさくやがゆっくりさせたからに他ならなかった。 「うっう~♪れみぃのあかちゃんはすごいどぉ~♪」 「えぇおじょうさま、ちっちゃいおじょうさまがたはりっぱにかりができていますわ」 「おっきいちびちゃんたちもそうだどぉ~♪」 れみりゃのは二匹の子れみりゃを指さした。 子れみりゃ達は嬉しそうにダンスを踊ってゆっくりしている。 狩りの訓練のため、いつもは親れみりゃの鼻に頼っている二匹の子れみりゃに匂いを追わせてみたのだ。 結果、子れみりゃ達は自分の鼻で匂いを追い、ゆっくりの隠れ潜んでいる巣を探し当てたのだ。 踊りを終えた二匹の子ゆが巣穴の偽装を壊すのを微笑ましく見守るさくやとれみりゃだった。 「うっう~☆あまあまでてくるどぉ~♪」 「でてきてれみぃのおなかにはいるどぉ~☆うっう~うっ~♪」 「おまえたちこそもりからでてくのぜ!!」 巣穴から木の枝を咥えてまりさが飛び出してくる。 真っ直ぐ子れみりゃに向かって突進するが避けられ、顔から地面に突っ込む。 子れみりゃが手を伸ばすと底部で跳ね起き、目茶苦茶に木の枝を振り回す。 鬼気迫るそんな表情で暴れ回るまりさ、子れみりゃも怪我はしたくないため手を出せない。 「みんなのもりからでてくのぜぇええ!!!でてくのぜぇぇぇええ!!!」 ブン!ブン!まりさの振り回す木の枝は子れいむを牽制して近寄らせない。 まりさが一跳ねする毎に、子れみりゃは一歩下がる。 まりさの群れのゆっくりを殺された怒り、そして家族を守りたいという強い気持ちは捕食種と一対一で挑む恐怖に勝さった。 残念ながらまりさは自分が闘う捕食種れみりゃは眼前の一匹だけと、空を飛び後ろに回った子れみりゃの方を完全に失念していた。 ベチィ!といういい音とまりさの悲鳴が森に木霊する。 背後に回った子れみりゃが、かがんで平手でまりさを思い切り打ったのだ。 木の枝を口から落としたまりさに、前にいた子れみりゃの靴が叩きこまれる、渾身の蹴りだ。 まりさは後ろに飛ばされ、とばっちりを食らった背後の子れみりゃが倒れる。 「うっ!おね~ちゃんきをつけるどぉ~」 「う~ごめんだどぉ~」 「ゆっ……ゆっ……」 頬のあたりが大きく凹んだまりさはもはや底部を動かす元気もなく倒れている。 しかしその表情は笑っていた、まるでれみりゃ達に勝てたのかのように。 (まもったのぜ、まりさはおちびちゃんとれいむをまもったのぜ……) まりさの無謀な突撃は時間稼ぎのためだった。 元はウサギの住んでいたと思われるまりさの巣には入口は一つだが出口は二つあった。 ふだんは木の枝や葉っぱでしっかり偽装してあるそこは、いざという時の脱出路だった。 (なくてもだいじょうぶってれいむはいったけど、きちんとつかえるようにしておいてよかったのぜ) (れいむまりさがいなくてもゆっくりするのぜ、おちびちゃんたちおおきくなるのぜ……) まりさが稼いだ時間はほんの一分にも満たない僅かな時間だったが、れみりゃ達には完全な死角となる場所に隠された出口はある。 あの子れみりゃ達も巣の中を探して、見つからないと親れみりゃを呼んで、そうこうしているうちにれいむは何処かに隠れてくれるだろう。 逃げ切ったれいむはこの森を出て、何処かゆっくりした所で子供達をゆっくり育てるだろう、そして何年もたってからまりさの所にゆっくりやってくるだろう。 まりさは子れみりゃに牙を突き立てられ、皮を引き裂かれても笑っていた。 それはれみりゃの蹴りによって周りの餡子が中枢餡を押しつぶしたことと、大切な家族を逃す事の出来た満足、その両方から来たものだったのだろう。 「う~♪あまあまおいしいどぉ~♪」 「きっとあのすのなかにもいるどぉ~♪」 まりさを食べ終え、ゆっくりした足取りでもぬけの殻の巣を覗き込むれみりゃ、しかしれいむ達はいない。 「うっう~♪ほかのゆっくりはまぁまがつかまえたどぉ~♪」 「はなして!れいむたちをはなしてね!」 「おじょうさまがかくしとびらからにげようとするのをつかまえたのですわ」 「うっう~♪まぁますごいどぉ~♪」 「ゆぶぶ……」 「おね~ちゃん!ゆきゅちして!ゆっきゅち!ゆっきゅち!」 親れみりゃは親れいむと子れいむを腋に抱えて持ってきた、子れいむがあんこを吐いているのは腋と上腕で強く締めすぎているためだろう。 赤れいむはさくやが髪を咥えている、口が塞がっていても流暢な会話が出来るのはさくやが瀟洒だからなのか? まりさの尋常ではない戦いぶりに、これまでの経験上まりさは恋人か家族のゆっくりの囮になっていると気付いたさくやが親れみりゃに進言し。 親れみりゃは大人のれみりゃの発達した嗅覚で、逃げ出そうとしていたれいむ達を捕まえたのだ。 「さくやがおしえてくれたんだど☆さくやはすごいんだどぉ~♪」 「すごいどぉ~♪」 「さくやゆっくりしてるどぉ~☆うっう~♪」 「もったいなきおことばですわおじょうさま」 さくやにもしも尾が生えていたら千切れんばかりに振っていただろう。 親れみりゃとさくやは示し合わせたかのように、捕まえていたゆっくりを逃がす。 親れいむは泣きわめく赤れいむを頭に乗せると、底部が歪んでうまく生えない子れいむを引っ張って逃げようと懸命に努力する、 「さぁ、にげようとしたあまあまはつかまえたから、おちびちゃんたちがんばってつかまえるど♪」 「「うっう~りょーかいだどぉ~♪」」 親まりさは幸せだった番いのれいむと子供達の悲鳴を聞かずに、希望を持って死ねたのだから。 さて、れみりゃに恐怖しすぐに森を去った、臆病でありながら群れで最も賢明だったまりさとぱちゅりー。 その二匹を除いて、生きている群れのゆっくりは五匹。 群れ長のぱちゅりー、その恋人のまりさ、みょんの番いのちぇんに、みょんとちぇんの二匹の子ゆ。 五匹は群れ長であるぱちゅりーの巣で息をひそめてて隠れていた。 「むきゅきゅ、やっぱりしんぱいだわみんなのすをみにいきたいわ」 「おさ、いまはあぶないんだよ~ゆっくりわかってね~」 みょんは群れのみんなが心配で行ったり来たりしているぱちゅりーが、外に飛び出さないように何度も言い聞かせていた。 れみりゃも眠らないわけではない、おひさまが出ているうちに襲ってきたなら、夜はきっと何処かで眠るはずだ。 逃げ出すなら夜だと、ぱちゅりーは思っていた、だから暗くなったら群れの巣を回って生き残った皆で逃げ出そうと計画していた。 ぱちゅりーは群れの巣の場所を全て記憶していたが、ありすの巣が心配だった内装に凝った素敵な巣ではあったが、狭くれみりゃに襲われたら逃げようのない巣だった。 「おさしんぱいしないでね!いまごろおとーさんがれみりゃをやっつけてるみょん!」 「そうだよ~おとーさんはつよいんだよ~わかってね~」 「そうだよ~きっといきてかえってきてくれるよ、だからしずかにゆっくりまとうね」 無邪気にはしゃぐ子ゆっくり達をちぇんは優しく頬ずりをした。 しかしその二股の尻尾は力なく垂れている、ちぇんは番いのみょんがもう生きていないと諦観を抱いていた。 「ゆっ、しっかりすあなはふさいであるよ、これよるまでまとうねおさ」 「むきゅ~でもありすがしんぱいよ、こどももいるのにやっぱりあぶないわ」 「きっとありすはだいじょうぶだよ、ゆっくりしてるからぱちゅりーもゆっくりしようね」 ぱちゅりーが群れ長になってからは、みんなの前だと長と呼んでいたまりさも、ぱちゅりーを落ち着かせるため二人の時のように名前で呼んだ。 ぱちゅりーは群れ長としては非常事態を除いては有能だったが、情に人一倍厚いため群れのゆっくりが危険でそれをどうにもできない状態で落ち着かずにいた。 まりさは頬ずりして大丈夫だよとぱちゅりーを元気づけるが、その目は怯えと動揺で震えていた。 「ぱちゅりー、よるまでしんぼうだよ、でていったらたべられちゃうよ」 「でもありすがたべられたらありすのおちびちゃんもたべられていたら……ぱちゅはぱちゅは……」 「げんきをだしてねみんなゆっくりしてるよ、ゆっくりだいじょうぶだよ」 そう言うまりさの心中は穏やかではなかった、ぱちゅりーは危ないのは狭いありすの巣だけと思っているが。 はっきりいってれみりゃに襲いかかられたら、今いる巣を含めて殆んどのゆっくりは巣に籠る事も逃げる事も出来ず食べられてしまうだろう。 巣に籠っていても、親れみりゃはともかく子れみりゃ、赤れみりゃは容易に巣の中に入ってこれるはずだ、逃げるのは出口が一つの巣では無理だろう。 もしもれみりゃに巣を気付かれ、襲われて逃げ切れるとしたら、脱出路を備えた親まりさの巣くらいのものだろう。 それでも、その脱出路から逃げられたとしても、子ゆと生まれたばかりの赤ゆを連れて逃げ切れるかは疑問だ。 (おひさまははやくねむってね、おつきさんはやくでてねゆっくりおねがいするよ) 群れの仲間の安否を確認できず、巣の中でじっとしていては時間の流れはゆっくりが這うのよりなお遅い。 ボォン!そんな巣の中に木の葉が木の枝が舞った、それらは巣の入り口を隠していた物だった。 続いて一本の腕が入り込んでくる、バン!バン!地面を叩きながら手で巣の中を探っている。 「むぎゅ!!?うぇえ゛え゛」 「ぱ!ぱちゅりー!」 肉体的にも精神的にも、自分の巣へのれみりゃの襲撃はぱちゅりーの耐えられるものではなかった。 大きくえずいて泡立ったクリームを吐くぱちゅりー、死に瀕した恋人にまりさは何もできない。 「なんでれみりゃがくるのっ!!!わからにゃいぃいい!!!」 「おとーさんは?みょんのおとーさんがやっつけたんじゃないの!?」 二匹の子ゆの頭の中でれみりゃと死闘を演じていた、強いおとーさんみょんは何処に行ったのか混乱して聞く二匹。 「あわてないでね、おかーさんがまもるからおくちのなかにかくれようね!わかってね!」 ちぇんは子みょんと子ちぇんを口の中に入れる、子供達は何としても守ろうとちぇんは覚悟を決めた。 巣の中に腕を突っ込んだ親れみりゃはゆっくりが掴めなかった。 子れみりゃ達を突入させるのもいいが、お気に入りの狩りを試すのも悪くないと思った。 「うっう~☆ぐん☆グニル☆う~♪」 親れみりゃは勢いよく木の枝を巣の中に突きいれた。 一度目は外れ二度三度ど目茶苦茶に木の枝を突きいれる内に、やっと刺さった。 「む゛!む゛ぎゅ゛う゛う゛ぅぅぅ!」 「ぱちゅりー!!!」 ゆっくりを突く心地よい感触と共に、凄まじい悲鳴が上がった。 れみりゃはそのまま木の枝をゆっくりと引く。 さくやが作ってくれた『かえし』で引っ張ってもゆっくりは抜けない。 そのままゆっくりと引っ張っていると、少し木の枝が重く感じた、突き刺さったゆっくりが重くなったようだ。 「むゆっ、ぱちゅはまりざがまひょふよ」 「うっう~♪」 ご満悦になったれみりゃはゆっくりゆっくりと時間をかけて少しずつ木の枝を引っ張って行った。 「ゆっ、ゆっ」 「つれだどぉ~☆」 目を刺し貫かれ外に引きずり出されようとしているぱちゅりー、その髪を咥えたまりさが巣の外に引きずり出された。 外に引きずり出されるぱちゅりーをまりさはそうはさせまいと引っ張っていたのだろう。 もしも力を入れて引っ張っていたらまりさが堪え切れず髪を咥えるのをやめるか、ぱちゅりーの髪が千切れて体だけが巣の外に出ただろう。 しかし弱く、まりさでも勝てそうなゆっくりな力で引っ張る事でぱちゅりーを取り戻せると頑張り、まりさは一生懸命にぱちゅりーごと巣から引きずり出されたのだ。 「にぱ~☆」 「ゆゆっ!」 れみりゃはこのまりさの心の機微は全く理解しておらず、ゆっくり引っ張ると二匹釣れる時がある、それ位に捉えていた。 「ゆ゛ゆ゛-っ!!」 太陽を背に立つれみりゃに気付き、必死になっていたため巣から引きずり出された事に気づき。 まりさは最愛の恋人を捨て、少しは安全な巣に戻ろうとして、子れみりゃと赤れみりゃに襲われた。 子れみりゃの振り下ろした拳はまりさの頭を凹ませ、赤れみりゃが噛みついた場所は皮が裂けた。 激痛に絶叫するまりさを見ながら親れみりゃはぱちゅを食べる。 「う~、くむらさきのあまあまはしょうじきびみょうだどぉ~」 「おじょうさまはあんこがおすきですものね」 「たべようとおもったけどいらないどぉ~☆ぽいっ♪」 れみりゃはぱちゅりーのクリームが苦手だった、本人の言を借りると食感が悪いそうだ。 既に絶命したぱちゅりーの亡骸はれみりゃが振り回した木の枝から外れて飛んで行った。 べちゃと地面に落ちて周りにクリームを流したが誰も見もしない。 「うっう~♪なかにまだいるどぉ~♪」 「れみぃがたべるどぉ♪」 「あまあまたべるど~♪」 「う~☆それじゃあおちびちゃんたちがんばるんだどぉ~♪」 子れみりゃ二匹を先頭に赤れみりゃ三匹が続いて巣の中に入って行く。 巣の中に入った子れみりゃ二匹と赤れみりゃ三匹はちぇんを見つけた。 しかし攻撃をするのは躊躇われた、ちぇんは通常の二倍も膨らんでいたからだ それだけではない両頬は詰め物をしたように左右に膨らんで、それが蠢いているのだ。 流石に気持ち悪く思った子れみりゃは呆然と、異様なゆっくりの様子を見ていた。 無言で両頬を蠢かせるゆっくりは子れみりゃにとっては不気味で攻撃も躊躇われた。 親れみりゃが見れば、ちぇんの頬の動きに驚くものの、とりあえず木の枝で突いてみただろう。 さくやなら一目で哀れなちぇんの最後の抵抗を見抜き、存分に傷めつけて味をつけてかられみりゃ達にちぇんと子供達を捧げただろう。 しかし赤れみりゃ達は異様なちぇんを見ても、不気味には感じなかった。 「うっう~へんなのだどぉ~☆」 「う~☆」 むしろ新しい形の面白いあまあまだと飛び付いた。 好奇心で一杯の赤れみりゃは手を伸ばし一直線にちぇんに突進した。 赤れみりゃ二匹は尻尾を引っ張り出す、それでも必死に耐えるちぇん。 残りの一匹は時々蠢く左右の頬の左側に思い切り噛みついた。 すると膨らんでいた左側の頬は叫びをあげて、すぐに引っ込んだ。 中に何かいる!赤れみりゃは噛みついて出来た傷口を広げて体ごとちぇんの体に入って行く。 普通なら激痛に悶絶し体を激しく暴れさせるだろうが、子れみりゃ達が赤れみりゃの様子を見て大丈夫と思い。 赤れみりゃをたすけるためしっかりとちぇんを押さえつけていた。 「ゆぐぐぐぅぅ!!!ぐげぇぇえぇえええ!!!」 このままではお腹の中の子度が食べられてしまう、緊急避難という形でちぇんはチョコを吐いたのではない。 限界まで大きく膨らみ、口内の子ゆに頬の両端に寄せ動かせる事で異様なゆっくりとなり、れみりゃ達に帰ってもらおうとしたのだ。 しかしそうして無理して大きく膨らんで、二匹の子ゆに口の中で激しく膨らんだりした事でちぇんは大分気持ち悪くなっていた。 そこに頬を食い破って体内に赤れみりゃが入って来たのだ、そしてちぇんの体の事など気にせず手足をばたつかせ派手に暴れたのだ。 ちぇんが大量のチョコを吐き出すのも当然の事だった。 そして吐きだされた子ゆが、無残に食い殺されるのも当たり前だった。 「ゆやぁあああああ!!こないでぇえ!!!」 怯えて震えながら必死に逃げようとするみょんは子れみりゃに捕まった。 「いだいぃいいい!!!!」 その頭にちょっと噛みついて穴を開けると、子れみりゃは端の方から力を入れていきどんどん小さな穴からみょんの中身を吸っていった。 「ゆ゛っやめ〝で!!つゆ〝っゆ〝ユ〝!ユ〝!ゆっ!!ゆ゛っ……」 力尽きたみょんが捨てられる。 「わきゃらにゃいよ~わきゃらにゃいよ~」 赤れみりゃに尻尾を掴まれ、赤ちゃん言葉に戻ってしまったちぇん。 赤れみりゃは何の前触れもなく唐突にちぇんの小さな目に指を押し当てた。 何をされるかも分からず、恐怖で反射的に目をつぶったちぇんだがれみりゃの指から目を守れるほど、ちぇんのまぶたの皮は厚くない。 「いじゃいぁいぃいいぃい!!!!わぎゃらないぃいい!!!!!!!」 そんな風に苦しむちぇんを見て、れみりゃ達はニコニコと幸せそうに笑う。 その笑みには怒りとか憎しみとか嘲りと言った邪気は無く、ちぇんから見てもゆっくりとした笑みだった。 その笑みのまま子れみりゃ二匹と赤れみりゃ一匹がちぇんに寄って来る、その体を生きたまま食べるために。 (やめて!こないで!) ちぇんは大声で叫んだつもりだったが、子ゆ二匹と暴れる赤れみりゃ、大量の餡子を吐き出した体にそんな体力は残っていなかった。 口をパクパクと開け閉めする親ちぇんはわが子の断末魔を聞きながら永遠にゆっくりできなくなった。 「ふ~おなかいっぱいだどぉ~♪」 「ぽんぽんいっぱいだどぉ☆」 「うっう~☆う~☆」 一時間後、群れで一番大きかった巣で、れみりゃ一家はゆっくりしていた。 脱出路つきのこの巣だけは、何とか親れみりゃも無理して入れるだけの入り口の広さがあり、巣の中も十分に広かった。 親れみりゃも子れみりゃもたくさん食べてお腹はでっぷりと肥えていたが、赤れみりゃは特にその傾向が大きかった。 「ちっちゃいおちびちゃんたちよくたべたどぉ~☆りっぱだどぉ~☆」 「うっう~♪たくさんたべてまぁまみたいになるどぉ~☆」 「おねえちゃんみたいになるどぉ~☆」 「うっう~☆おねえちゃんみたいにりっぱなれでぃになるんだどぉ~♪」 「れみぃはさくやみたいになるどぉ~☆」 「もったいなきおことばですわ」 さくやはまたも真っ白に燃え尽きていた。 これからもれみりゃ一家はたくさんのゆっくりを食べ、たくさんゆっくりするだろう。 そしてその生涯を終えるまでに、何度次元の壁を突き破り、別の世界のゆっくりを食べるのか、それは誰にも分からない。
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畑 ある日、俺が畑に出てみると、そこには一匹のゆっくりがいた。 「ゆっくりしていってね!!!」 近づいててみると、それはゆっくり霊夢の親子だった。 「うめぇ!これめっちゃうめえ!」 「おいしいね、ゆっくりたべようね!」 呆然としていた男、その男に気付いたのか子供霊夢が話しかける。 「おじさん! ここはれいむたちがさきにみつけたんだよ! おじさんはちがうところでたべものをさがしてね!」 「うめぇ!まじうめぇ」 「こっちもうめぇ」 「……」 「おじさんまだいたの。ゆっくいしないんだったら、ほかのところにいってね」 おそらくは母親霊夢、に体当たりを食らわされる、おかげで服は土だらけだ。 腰も強く打ってしまったので、ゆっくり達の楽しそうな笑い声を聞きながら、その場を後にした。 別の方が書いた続き 家 俺が、農作業から帰ってくると、そこには三匹のゆっくりがいた。 「おいじさんもゆっくりしにきたの?」 とゆっくり霊夢。 「ここはゆっくりたちのいえだよ!!!」 とゆっくり魔理沙。 「むきゅー!」 とゆっくりパチェリー。 「ここは俺の家なんだけど……」 「ちがうよ! ここはれいむたちがさきにみつけたんだよ!!!」 「そうだよ! ここはまりさたちのいえだよ!!!」 「むきゅー! ぱちぇりーたちでゆっくりするんだよ!!!」 「いやぁ、ここはもともとおれの……」 「ゆっくりできないんだったらでていってね!!!」 ゆっくり霊夢からタックルを食らわせられる。 「おじさん。かってにひとのいえをとっちゃだめだよ!!!」 こんどはゆっくり魔理沙からだ。 「むきゅ~! うそつききらい!!!」 最後にゆっくりパチェリーからの一撃。 農作業に疲れて帰ってきた俺は、反撃する体力もなく、その日は家の中から聞こえるゆっくり達の声を聞きながら、外で一晩過ごした。 別の方が書いた続き 屋台 今日は街まで屋台を出してきた。 売るのは、自慢の佃煮だ。 「いいにおい! おじさんこれなぁに?」 「なぁに?」 見ると家族なのだろうか、少し大きい霊夢が小さい霊夢を連れてこちらを覗いていた。 「お嬢ちゃんたちは姉妹かい?」 「うん! きょうはれいむたちがあかちゃんをつれてきたの! おじさんそれなぁに?」 なるほど、良く見るとようやく外を出歩けるようになったらしい、初めて見る光景に釘付けのようだ。 「これは佃煮だよ。ちょっと食べてみるかい?」 少量を皿に載せて、話していた霊夢に差し出す。 警戒するでもなく、いきなり食べ始める。 「ゆっ! おいしい! おじさんこれおいしいよ!!!」 随分喜んでいるゆっくり霊夢、くるっと後ろを向いて。 「みんな! これおいしいよ! おじさんがたべていいっていったから、みんなでゆっくりたべよう!!!」 「ほんと!!! いただきまーす」 「れいむのせなかにのってね! だいのうえまでのせてあげるよ!」 「ゆっくりのるよ」 「いいにおいー」 あっという間に、台の上に上がりこんでくるゆっくり姉妹。 「うめぇ!! めっちゃうめえぇ!!!」 「おいしいよ! はじめてたべたよ!」 「あかちゃんたちゆっくりたべてね!!!」 「「「ゆっくりたべるよ!!!」」」 みるみる丹精込めて作った佃煮が無くなっていく。 全て食べ終わるのに、5分もかからなかった。 「おいしかったね!!!」 「またたべたいね!!」 「ひがくれてきたから、早く帰ろうね!」 「「おうちでゆっくりしようね!!!」」 そのまま、こちらを振り向かないでゆっくり姉妹は帰っていった。 山菜 俺が山で山菜を取っていると、ゆっくり魔理沙とゆっくり霊夢が近づいてきた。 「おじさんなにとってるの?」 「あぁ、これはさんs「あぁ、これおいしいたべものだ!!!」」 言うが早いか、俺の籠に迫り来る二匹、なす術もなく倒される俺。 「うめぇ、めちゃうめぇ」 「これ、なかなかとれにんだよね! おじさんまりさたちのためにとってくれてありがとう」 朝から苦労して取っていた山菜をどんどん食べられる。 こっちも苦労した身なので、唖然と居て座ったまま動けなかった。 「はぁ、おいしかった!!! おじさんありがとう! おかげでゆっくりできたよ!!!」 「また、まりさたちにごちそうしてね」 ゆっくりゆっくりと言いながら、二匹は山の中に消えていった。 家宝 久しぶりに家でのんびりしていると、庭にゆっくりがやってきた。 「ゆっくりしていってね!!!」 なんてことはない、よくいるゆっくり魔理沙だ。 「いらしゃい、ゆっくりしていってね」 「うん! ゆっくりするよ!!!」 ゆっくりできる人と思われたのか、ズカズカ家の中に入り込んでくるゆっくり魔理沙。 「すごい! ゆっくりできるよ!!!」 そういって棚に向かって跳ねていくゆっくり魔理沙。 棚に載っている花瓶やガラス細工をなぎ倒し、代わりに自分が棚に乗って行く。 「ゆ♪ ゆ♪」 ひとしきり飽きたのか、今度は台所の方に向かっていく。 「ゆ! おいしそうなのがいーぱい!!!」 手当たり次第に、粗食するゆっくり魔理沙。 その度に、米はぶちまけられ、野菜はバラバラに食べられ、肉や魚もかじられる。 おまけに涎まみれだ。 最初に、家宝の壷を破壊されてしまって放心状態だった俺は、その様子を見守る事しか出来なかった。 「おじさん! ゆっくりできたよ! またあそびにくるね!!!」 本当に遊びに来るのだろうか、事務的に片づけをしていた俺はそんな事を考えていた。 翌日、友達と称する二匹を連れて、本当に遊びに来た三匹を見て、あぁ本当に来たなぁとしか思わなかった。 牛肉 今日は奮発して高い牛肉を買ってきた。 これからなににして食べようかアレコレ考えながら家路を急ぐ。 「ゆっくりしていってね!!!」 道から突然ゆっくり霊夢が飛び出してきた。 驚いて尻餅をつく形になる。 「ゆ! おじさん、そのふくろからいいにおいがするよ!」 「あぁ、これはさっきかってきた牛肉の匂いだよ」 「ゆっ! おにく! れいむもたべたいたべたい。おじさんいっしょにゆっくりたべよう!!!」 転んだ拍子に袋を放していたのがいけなかった。 既に、袋の中に顔を突っ込んでいるゆっくり霊夢。 こちらは、腰を打って立ち上がれない。 「ゆっ! これうめぇ!めっちゃうめぇ!」 一緒に、という言葉を忘れ一心不乱にむしゃぶりつくゆっくり霊夢。 「うん。ごっくん! おじさんありがとう! またいっしょにゆっくりしようね!!!」 喰い散らかした時の粕だけ残して、ご機嫌にゆっくりは去っていった。 れみりゃ 今日は紅魔館の近くで果物を取っていた。 実りに実った果実が数多く実っている。 俺は興奮して、手当たり次第に籠に入れていく。 「う~! た~べちゃうぞ~!!!」 ゆっくりれみりゃだ。 紅魔館の中で大切に育てられているらしいそれが、何故ここに居るのかは分からなかったが、下手に泣かせてあのメイド長にナイフを刺されるのはごめんだ。 「う~♪ うまいうまい♪」 れみりゃはそんな事お構いなしだ、男の籠から果実を取り出し勝手に食べている。 「う~! まず!」 自分が不味いと思ったのは捨てる、踏みつける。 「う~! ぐ~るぐる♪」 おなかが膨れたれみりゃは、持っていた日傘をたたんで、籠の中かき回し始めた。 久しぶりに沢山取れた果実がグチャグチャになっていく、手を出さないのはれみりゃが怖いからではない、メイド長が怖いのだ。 「う~!うっう~!!」 さんざんかき回した後、大威張りでれみりゃはその場所を後にした。 後には、ぐちゃぐちゃになった果実と、使い物にならなくなった籠だけが残された。 捕獲 ある日、俺が一身蜂起してなんとかゆっくりを捕まえた。 といっても、家でゆっくりしようと、言って連れて帰っているだけだが。 さぁて、連れて帰ったらどうしてあげようか。 「う~!」 「ゆっくりしね!」 その声に後ろを向くと、ゆっくりれみりゃとゆっくりフランが後ろから迫っていた。 その勢いにびっくりして思わずゆっくりを抱いていた手を離す。 「ゆゅ? ゆ゛ーーー!!」 一瞬で空中高く運び去られるゆっくり霊夢。 「ゆっぐりじたいよ。たがいよ! ごわいよ! おじざんだずげでよ!」 「う~!」 「ゆっくりしね!」 互いに両頬から食べていく二匹、あっという間に食べつくしてしまった。 「うっう~♪ あうあう♪」 「ゆっくりしね♪」 遥か高空で行われた二匹の食事。 折角手に入れたゆっくりを数分で食べ終わった二匹は、新たな獲物を探して飛び立っていった。 ゆレミ&フラ 俺が露天で竹細工を売っていると、紅魔館でご寵愛を受けているゆっくりれみりゃとゆっくりフランがやってきた。 二人ともよたよたと日傘を差している。 先程、屋敷のメイド長が一緒だったところをみると、また一緒についてきて、メイド長が買い物をしている間自由行動をしているらしい。 「うっう~! た~べちゃうぞ~♪」 今日はきぐるみを着ているれみりゃがそういいながら、俺の竹細工を蹴散らしていく。 「う~ゆっくりしね♪」 それを真似して、ゆっくりふらんも同じ事をしだした。 俺は黙っているしかない、以前注意して泣かせた店主が、すぐさま駆けつけたメイド長に連れ去られて以来戻ってきていないからだ。 「う~♪ がぁお~♪」 「うっう~♪」 笑顔で全て壊しつくした二匹は、同じく買い物を済ませたメイド長に駆け寄っていった。 メイド長が買っておいたペロペロキャンディーを両手で掴んで、ご機嫌なまま二匹は帰っていった。 ピクニック 今日は一人でピクニックだ。 数時間かけて森を散策し、ちょっと開けた所でいざ昼食を、と思っていた時。 「ゆっ、「「ゆっくりしていってね」」」 珍しい、ゆっくりシャンハイとホーライを連れたゆっくりアリスに会った。 「今日は、ゆっくりしているよ」 そういってゆっくり達に笑顔を送る。 「ゆゆっ! そう。 ゆっくりできてよかったね」 「ヨッカタァネ」 「ヨカータネ」 返事を返してくれたようだ、この種類も他のゆっくり同様、人間に友好的な種類らしい。 「おじさん、ありすとゆっくりしてくれる?」 「うん、いいよゆっくりしよう」 今日はピクニック、のんびりしようと思ってここまで来たのだ。 「アリィス、ヨカッタネ」 「ヨカターネ」 「君も一緒にお昼食べる?」 「っ! おひる! ……うん。ありすもいっしょにたべてあげる!」 「そうかい、」 じゃあどうぞ、言おうとして差し出した弁当箱が地面に落ちる。 同時に飛び散る中身。 「これはいらないよ! ありすがおひるのじゅんびするから! おきゃくさんにしょくじをだされちゃ、とかいはとしてはじだもの! おじさんはゆっくりまってていいよ」 三匹で直ぐに駆け出す、程なくして戻ってきた三匹のゆっくりは。 大きな虫と、落ちてぐちゃぐちゃになった果実と、よく分からない葉っぱを運んできた。 それからのピクニックは、なにをしようにも、アリスが空回りして、心を休めることが出来なかった。 選択肢 投票 しあわせー! (0) それなりー (0) つぎにきたいするよ! (3) 名前 コメント すべてのコメントを見る
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※超ネタ話。電波を突然受信したので(ry ネタ度が強いので合わない人には合わないと思います。ご了承ください。 ※虐待成分は結構ありますが、取りあえず肩の力抜いて読むことをオススメします。 ※後半性ネタ注意。 ※ここで使われたゆっくりは、一部を除いて後で美味しくスタッフとゆっくりゆゆこが処分しています。 「全国数億人のゆっくり虐待ファンの皆様、こんばんは。遂にこのときを向かえました。実況ながらわたしも興奮が隠しきれません」 「解説の私もお股が濡れてばかりです」 「世界一のゆっくり虐待お兄さんが、今日ここに決定するのです!!」 『第一回 チキチキゆっくり虐待選手権!』 「まずは選手宣誓です。予選を勝ち抜き、決勝までコマを進めた4名。代表して選手Dが宣誓いたします」 「本名は人権の侵害により控えさせてもらいます。ご了承ください」 「宣誓! 我々選手4名は! ゆっくり虐待の精神に則り、ゆっくりを愛し、ゆっくりを憎み、ゆっくりを見下し、やりたい放題、殺りたい放題、犯りたい放題、ゆっくりを虐待することをここに誓います!!」 「ありがとうございます! 立派な選手宣誓でしたね」 「あの選手は間違いなく勃起してましたね、ハイ。そそり立っていました」 「私も今後の虐待を思い浮かべると、うん年ぶりにそそり立ちそうですっ!」 「さぁ、いよいよ1回戦が開始されるようです」 「最初の虐待のテーマはなんですか?」 「それは……これです!」 『ゆちゅりーサンドバッグ対決』 「選手4名の目の前には、中身が生クリームなゆっくりぱちゅりーが磔にされて置かれます。このゆちゅりーをひたすらフルボッコにしてもらい、一番長くゆちゅりーを生き延びさせられた人が勝者です!」 「軽く叩いておけばいい……普通に考えるとそう思ってしまいますが、あの「むきゅー、むきゅー」言っているものを相手にして力を入れずにいられるか……長く苦しめたいとより強く思っている方が勝者となるでしょう」 「むきゅーっ! どうしてこんなところに連れてくるの! 帰してー!」 「本を読んでゆっくりさせでぇぇえぇえぇっ!!」 「むぎゅぅうぅうぅうぅううぅっ!!」 「さぁゆちゅりーの準備も整いました!」 「この時点で潰したいと思っている人が続出しているようですね。会場の空気が変わりました」 「私はそのまま丸呑みしたいです。それでは……よーい、始め!」 「むきゅっ? いったいなにがはじまるの!」 「……」 殴っ! 「むぎゃっ!? なにするぎゃべあっ!?」 殴殴殴殴殴殴殴殴殴殴殴殴殴殴殴殴殴殴殴殴っ! 「むぎゃっ! やめぶばっ!?」 「いたいのっ! いたいのやめぶへっ!」 「いぎゃげげべぶぷるぽあっ!?」 「おおっとっ! いきなりA選手がもうラッシュをかけています! 早い、早すぎる! 拳が見えない! まるで北斗百裂拳の再現だっ!!」 「野球のボールもバットも消えますし、そんなに珍しく感じませんね」 「しかし大丈夫でしょうか? 一説にはシュークリーム以上に脆いと言われるゆちゅりー。あのスピードではすぐに破れてしまいそうです。開始前のゆちゅりーの叫びに我慢できなくなったんでしょうか!」 「いいえ見てください、あれだけのスピードを出しながら彼のゆちゅりーが1番凹んでいません。どうやらよほど叩き慣れているみたいですね」 「ぶびぇあげろぼえれおべあれぶふっ!?」 「むきゅぶへっ! お、おねえおぶあっ! だいじょぎゃぶっ!」 「一方で選手Bの人は殴るペースが遅いですね」 「いくつ叩いたかは審査員の印象以外にマイナスはありませんからね。むしろ実は隣同士で姉妹だという事実を聞きながら、よく我慢しているとおもいますよ!」 「む、むきゅぶあればっ!? も、もうやべぇれでげべぼっ!?」 「……」 「どうじべればっ!?」 「……はっ!」 「ぶじゅっ!!」 「おおっとっ! 選手C、なんとゆちゅりーを前蹴りで潰してしまったっ!!」 「どうやら我慢の限界が来たみたいですね……しかし最後を蹴りにした辺り、彼もさすがですね。やはりこの大会、一筋縄ではいきませんよ」 「……」 「むぎゅ、ぎゅ、ぎゅ、ぎゅ、ぎゅ、ぎゅ、ぎゅ、ぎゅ、ぎゅ、ぎゅっ!?」 「一方で選手Dはひたすらはたいてますね、あれは顔が赤く腫れますよ」 「しかし遅く殴るかはたくかが正攻法ですが、あれだけ殴っているのに選手Aのゆちゅりーが一番無傷ですよ、恐ろしい……まさに職人芸ですね」 「おねいぶるおっ! だずげぼるえう゛ぁっ!?」 「ぶれううれらえあせぃえうれれあぃあうえれっ!?」 「おーと、妹らしい選手Bのゆちゅりーが潰れてしまった!」 「選手Bの人は残念ですが、個人的にはGJを言いたいですね。良く潰してくれた。姉妹だと聞いた時から、観ている人たちはいつ潰れるか期待していたでしょう」 「むぎゅ、ぎゅ、ぎゅ、ぎゅ、ぎゅ、ぎゅるばっ!?」 「……」 「おおっと、今度は選手Dのゆちゅりーから生クリームが漏れてしまったっ!」 「あの方法なら、普通のゆっくりは3ヶ月持つものですが……さすが世界一脆いゆっくりですね」 「よって勝者は、選手Aです!!」 「よっしゃーっ!」 「……む、むきゅう……」 「選手Aには10ポイントが加算されます!」 「あれだけ叩かれたのに、ゆちゅりーが普通に喋られるのは、まさに奇跡です」 「……ぱ、ぱちゅりーの妹が……妹があぁあぁぁあっ……」 「ほら、仕事だ。行ってこい」 「こぼね~♪」 「むきゅっ!? す、吸い込まれ……いやぁぁあぁああぁぁっ!!」 「さて、それでは片付けも済みましたので、2回戦へ進みましょう!」 「2回戦のテーマはなんですか?」 「それは……こちらです!」 『駄々っ子ゆっくりゃ黙らせ対決』 「選手の皆様の前には体つきの豚臭いゆっくりれみりゃを用意します。そのゆっくりゃには昨日プリンを与えていません。ゆっくりの中でも1、2を争うわがままなゆっくりゃは大好物を食べられなかった不満にひたすら駄々を捏ねてくるでしょう。そのゆっくりゃを 果たしてどう黙らせるのか、もちろん殺ってしまっても構いません」 「しかしこれは勝負ですから、普通に殺るだけでは高得点は望めません。黙らせるという部分をどう解釈するかがポイントになりますね」 「れみりゃのプリン! ぷでぃんがたべたいどぉ~!! ぷでぃん用意じでっ!!」 「ぶでぃんじゃないとヤダ、ヤダ、ヤダ、ヤダ、ヤダ、ヤダ!!」 「ざぐや~! ざぐやぁああぁぁああぁあっ!!」 「なんでぶでぃんがないの! ぶでぃんようじぢで──」 ぶ~っ。 「……でじゃっだどぉ~」 「ぶっ殺したいですね」 「誰か爆破AAお願いします」 「ぷでぃんぷでぃん! れみりゃのぷでぃん!!」 「……」 「ぷぶぶるえぁ!? な、なにすぅぎゃぁぁあぁあああぁぁあっ!!」 「おっと! さっそく豚の悲鳴が聞こえています! 今、私の溜飲が下がりました!」 「私もです。全国数億人の虐待ファンもそう思っているでしょう」 「どうやら……あれは選手Aのゆっくりゃのようです! 羽根を千切っています!」 「いだいどぉ~~~~~っ!! ざぐやーー!! ざぐやーーー!!」 「……ふんっ! ふんっ!」 「ぎゃぶぼげあがごっ!!」 「おーとっ! 選手Aそのまま殴り始めました」 「どうやら彼は素手で虐待するタイプのようですね……こういう虐待はお約束な分、安定感があります。これからも期待が持てますよ」 「ぷでぃーんっ!! ぷでぃーんっ!!」 「……」 「うぅ? う~♪ れみりゃのぷでぃーんっ!!」 「ゲェェェェッ! 選手B、なんとプリンを手に持っておりますっ!!」 「まさか食べさせておとなしくさせる気でしょうか……ほとんど点数になりませんよ」 「ぷでぃーん♪ ぷでぃーん♪」 「……ハイっ!」 「ぷっ!?」 「ああやった、やってくれた選手B! テーブルに置いたプリンをそのまま拳で破壊しました! あっぱれ、あっぱれっ!!」 「あの呆然としたゆっくりゃの顔を見てください! 震えながら、一言も声を上げませんよ! ……これは高得点が期待できますね」 「Zzzzzzzz……」 「……起きて起きて」 「うえぇ?」 「選手Cのゆっくりゃは寝ていたみたいですね」 「あれですね、実況の身である私ですが、寝てて黙ってるしいいんじゃないかという理由で1つ潰させて欲しいですね」 「私なら寝てる間にホッチキスで口を塞ぐのが1番だと思いますが、選手Cはどうするつもりなんでしょうか?」 「うー……? れみりゃにぷでぃ~~んくでるどぉ~~?」 「……」 「ん? あれは……」 「箱……ですかね?」 「どっちにぷでぃんは入っているかなぁ?」 「うぅ? うぅ~~……」 「考えさせてますね、あれで脳死させるつもりでしょうか?」 「さすがにぷでぃんブレインでも箱を選ぶぐらいで脳死にはならないですよ。なにか狙いが……」 「う~……みぎぃっ!」 「こっちだね? はい!」 「ゆっくりしね!」 「おおっと、どうやら外れだった模様! 箱から出てきたのはゆっくりゃの天敵、ゆっくりふらんだぁ!」 「ゆっくりゃの失敗で虐待になったということでしょうか? それとも……」 「ぎゃぁぁあぁあぁぁっ!! おじじゃん! ひだり゛も゛! ひだりも、あ゛げるんだどぉ~!!」 「左もかい、そら!」 「ゆっくりしね!」 「ギャァァアァアアアアァァアァアァアァアアっ!!」 「なにぃ!? なんと両方とも入っていたのはゆふらんだった!」 「正解はどちらにも入っていない……だったようですね。ぷでぃんブレインのゆっくりゃには効果的な虐待ですね」 「……」 「うー! うー!」 「選手Dは……あれは何をしているんですか?」 「さぁ? ここからだとゆっくりゃを持ち上げているようにしか……」 「……」 「うううううううううううううっ!!」 「あっ! ゆっくりゃの頬が赤く染まっています! 口から体液も垂らし目も虚ろです! これはもしやっ!」 「まさか……発情させたんですかゆっくりゃを! 持ち上げているだけで!? 普通ゆっくりゃを発情させるなんて3時間は必要なのに……なんてテクニック!」 「さて、審査員の採点が明らかになりました」 「なかなか全選手、個性のある虐待でしたね」 「勝者は……選手Bです!」 「フッ、当然の結果だ」 「……」 「プリンを出して潰すというシンプルかつ最高な虐待方法を見せてくれましたからね」 「いまだにあのゆっくりゃはショックから立ち直れないのか、真っ白ですよ」 「ゆっくりしね!」 「ぷでぃーん……ぷでぃーん……」 「ううううううううううううううううううう」 「はい、仕事仕事」 「こーぼねー♪」 「それでは第3回戦に入りたいと思います」 「臭い臭い屁ごと豚が綺麗さっぱり吸い込まれていって皆さんご満悦ですね。それで3回戦のテーマは?」 「こちらです!」 『子連れれいむから誘拐対決』 「今回はもうぴっちぴちのばーじんじゃなくなった痴女饅頭の親れいむを4匹。しかも子 だくさんのを集めました!」 「饅頭にぴっちぴちはともかくばーじんなんてあるんですか?」 「ばーじんだろうと何だろうと畜生は畜生ですからね。ともあれ選手の皆様には親れいむが庇う子れいむたちを全部奪い取ってもらいます。他のゆっくりに比べれば母性の強いれいむですが、果たしてどれだけ早く奪い取れるかが焦点です。ただし! 子供への被害は 問題ありませんが、親れいむへの攻撃などはすぐに失格となります。注意してください!」 「庇う親からどうやって奪うのか……なかなかテクニックのいる虐待になりそうですね」 「それでは……開始です!」 「おかぁさん……こわいよ」 「ゆっくりしたいよぅ……」 「だいじょうぶだよ! おかあさんがしっかりまもってあげ──」 「ゆぐっ!?」 「きゃっ!?」 「うえっ!?」 「どうじでだれもい゛な゛い゛のぉぉお゛お゛ぉお゛ぉぉお゛お゛ぉっ!!」 「選手A見事です! 親れいむに気づかれないどころか、開始してすぐに子れいむを全員奪いました! 守るなんて気安くいっていた親れいむは号泣しております! いい気味だ」 「本音漏れてますよ。奪った子供を持ってきた網に入れていますね。あの準備の良さ……多分彼は今まで2桁の家族を虐待していますね、下手すれば3桁かも……きっと普段は網をそのまま熱した油に入れて揚げ饅頭を作るんでしょう」 「いやぁぁああぁあぁぁあっ!! れいむのこどもたちをかえじでぇええぇぇえっ!!」 「……」 「かえじでぇええぇえっ!! かえじぶっうえれげれぼごああっ!!」 「おっと選手A、鬱陶しく足下にまとわりついていた親れいむにやはり拳で襲いかかりました! しかしこれは……大丈夫なんでしょうか?」 「子れいむを捕まえた後ですから大丈夫ですね。捕まえる前なら問題でした。むしろこれなら追加点を与えたいぐらいですよ」 「レロレロレロレロレロレロレロレロ」 「キャッ! キャッ! おもちろーい!」 「やめてぇえぇぇぇっ!! かえじでぇえぇぇええぇえっ!!」 「選手Bは捕まえた子れいむを口に入れて舌で遊んでいるようです! いつ食べられるかわからない恐怖に、親れいむは気が気じゃないでしょう!しかし捕まえた子れいむはまだ1匹、スピード対決でこの余裕は大丈夫でしょうか?」 「時には点数を失っても、虐待しないといけない時があるという事です。彼にとって舌で遊ぶというのは、家族虐待には欠かせないのでしょう」 「ゆゆ……ゆっくり我慢してね!」 「ゆっ!」 「……っ!?」 「おぉっと!? 選手Cの親れいむ、なんと子供を口の中に入れてしまった! これでは手を出すことができなーい!!」 「なかなか経験豊富なれいむがいたみたいですね……捕食種相手なら結局、親ごと食べられるでしょうが」 「……ニヤリ」 「……っ!」 「ゆっ? ゆるぶう゛ぉっ!?」 「ああ選手C! ほくそ笑んだ親れいむに我慢の限界が来たのか、親れいむの口へ目がけて手を突き刺してしまったぁ!! 上に持ち上げ、「お前の死に場所はここだ!」と高らかに叫んでおります! 手を伝わって落ちている餡子の量から、子供は即死しているでし ょう! 痙攣しながら親れいむは泣いていますが、その涙は痛みなのか後悔なのかっ!!」 「大会なので失格になりますが……私はよくやったと言いたいですね。あんなほくそ笑んだ親れいむを放っておいたら虐待好きの名が泣きます」 「ゆっ!? ゆゆゆゆゆゆゆっ!!」 「……」 「やめっ!? おじさ……!? いやぁぁあぁあぁっ!!」 「あれは……? 選手Dからは親れいむの悲鳴しか聞こえてきません、どうしたんでしょうか?」 「まさか先ほどと同じように? しかしそれでは……」 「お、おかぁしゃーん……」 「大丈夫おかあしゃん? どこもいたい所ない?」 「……ゆ、ゆゆゆゆゆっ! れ、れいむのかわいいごどもだじぃっ!!」 「ゆゆっ!!」 「なにじゅるのおかあしゃ──ぎゃひぃいいぃいぃっ!?」 「かわいいよぉ!! かわいくて犯かしたくなっちゃうよおぉおぉおおっ!!」 「なんと親れいむ! 性欲のまま子供を襲っております! 興奮したとはいえ近親相姦も辞さないとは! 草葉の陰でゆっくりありすが妬ましく見ているぞ!!」 「生きてるのも妬ましく見そうですが、しかし発情させても普通なら近親相姦はしない筈ですよ……よっぽど選手Dのテクニックは飛び抜けているんでしょうね。恐ろしいです」 「……? おっと、ここで審査員の方から物言いです」 「なになに……なるほど、親れいむを発情させるのは厳密にいえば手を出している事になる」 「しかし極めて微妙なラインなので、本来3位である得点から更に減点という処分にすると……これは選手Dには辛い結果が出てしまいました!」 「手を出しているのは事実ですからね……むしろ失格になっていなかっただけマシかもしれません」 「では改めて……今回の勝者は選手Aです!!」 「……れいむの赤ちゃん……だいじなあかちゃん……」 「オラオラッ!」 「あばらぼぴっ!?」 「おおとっ!? 喜びの声を上げながら選手A! 景気づけでしょうか親れいむを拳で突き破りました!! そのまま拳を上に突き出しております! アピールです! 自分こそが虐待ナンバーワンだとアピールしております!!」 「実際、現在のトップは選手Aですからね、他の選手もまだどうにかなるとはいえ、圧倒的に有利ですよ」 「それじゃまたよろしく。今回はでかいのばかりだから食い出があるぞ」 「こぼねー♪」 「おっと、ちょっと待ってくれ」 「ん?」 「ハフっ?」 「次はいよいよ4回戦、最後の対決になります!! 現在のトップは選手A! それを僅差で選手Bが追う形です!! 選手C、Dはちょっと苦しいか!?」 「選手Cは2度失格しているのが厳しいですね、どうも虐待を我慢できないタイプのようです。しかし選手Dの人は厳しい状況ながら何かやってくれそうな期待感があります。最終戦は今まで通りの採点に加え、審査員の判断で点が加算されますから、最後までわかり ませんよ」 「最後のテーマは……こちらです!!」 『レイプありす虐待対決』 「選手の前には発情したありすと普通のまりさを一緒に置いておきます。もちろんゆっくりの中でも、レイプと発情ととかい派(笑)で定評のあるありすは、何も気にしないでまりさに襲いかかるでしょうが、その状態から好きに虐待してもらいます! ゆっくりゃの時 と同じで殺ってしまっても失格にはなりません!!」 「やろうと思えば出産まで虐待に絡められそうですね……これはどんな虐待が出るか予想ができませんよ」 「ああまりさ、まりさぁああぁっ!! ありすのことをそんなにまっていてくれたのねぇえぇえぇっ!! まって、もうちょっとしたらもうちょっとしたらすっきりするがらぁぁぁあぁあぁっ!!」 「いやだぁぁあぁあっ!! すっきりしだぐないぃいいぃぃいっ!! ゆっぐりざぜでぇえぇえぇえっ!!」 「あああああああああああああああっ!!」 「ゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆっ!?」 「予想通り早くも始まっています。このままでは全部のまりさがにんっしんっしてしまいそうです!! しかしそれはそれで見てみたいものがあります」 「妊娠を利用しようと思っていない人は、早くしないと手遅れになってしまいますね……」 「まりざぁあぁぁぁっ!! まりざぁぁあぁあぁあっ!!」 「……」 「ゆっ!? なにするのぉぉおぉおぉっ!! ありすのじゃまをしないでぇえぇえっ!!」 「開始と同時にほとんどの選手が交尾を中断させましたね」 「まぁ当然かもしれません。産まれた子供と食べるとか妊娠ネタはいろいろ応用が利きますが、だからといってありすのすっきりする姿なんてみたくないですからね」 「おじさんいなか者ね! はやくそのいなかくさい手をはなして! とかい派のありすは今まりさとめくるめく愛をまんきつ」 「おらぁ!」 「ぶるぺっ!! いやぁあぁぁぁっ!! なにずるのぉお゛お゛ぉおぶるぺぱ!!」 「いったいったAがいったぁーーっ!! 期待していた通り選手Aは直接殴りにかかりました! それでこそAです! やってしまえA!!」 「最後の最後まで素手で虐待するその姿は感動さえ覚えますね……ありすの生意気な面が凸凹に変形するのを見ると胸がすっとしますよ」 「いやあぁぁあっ!! まりさ、まりさあぁぁあああぁっ!!」 「だしてぇえぇえぇえっ!! だしてぇえぇええぇえっ!!」 「ついに出ました透明な箱! 透明な箱キタっ! これで勝てる!!」 「実況しろよ。選手Bと選手Cはまりさを大きめな透明な箱に入れましたね。虐待飼育ではもはや定番となっている箱ですが、ここから果たしてどうやって……おや? 両選手とも一端、控え室に戻りましたよ?」 「選手Cはまりさを入れたまま透明な箱を持って戻りましたね。果たしてこれからどういう虐待を考えているんでしょうか? 取りあえず我々は選手Cのありすの絶叫と、透明な箱にありすが貼り付いて怯えている選手Bのまりさを見て楽しみたいと思います!!」 「快感がつきませんね、この大会は」 「……」 「ゆっ……ゆっ……」 「おおっと? 選手Bが先に戻ってきました! あれは……れいむです! 先ほど3回戦で、舌で子供を遊ばれ続け泣かされ続けた親れいむです!!」 「そういえば彼はれいむを回収していましたが……4回戦のテーマを読んでいたんでしょうか?」 「……ハイッ」 「ゆっ!? れ、れいむ……?」 「ゆぅ~……」 「選手B、持ってきたれいむをそのまま透明な箱にいれました! 親れいむが落ち込んでいる理由のわからないまりさは困惑しております!」 「これは……立ちましたね、フラグが」 「ゆぅ……」 「……ゆっ」 「ゆ? ……ゆ」 「……」 「……」 「えーと……まりさがそっとれいむに寄り添い、頬を舐めて慰めております。それにまんざらじゃなく、れいむは頬を赤らめて照れております。ちなみに自慢ではないですが、私は未だに独り身です。誰かパールのような天子持ってきてー」 「気持ちはわかりますが、取り合えず視線を箱の外に移してみてください」 「いやぁあぁあぁっ!! まりざぁぁぁあぁああぁっ!! れいむなんかとながよぐじないでぇえぇえっ!! すっきりざぜでぇえ゛ぇえ゛え゛えぇえぇえぇ!!」 「……」 「……」 『すっきりー』 「……」 「……ッ!?」 「……ッ!」 「おおっと、選手Cも戻ってきましたね。手にはまりさの入った透明の箱が……? えぇ? あれは……」 「ありすとまりさ……でしょうか? 一緒の箱に入っていますが……なにか違和感がありますね。喋られないのは……ホッチキスで口を留められているからでしょうか」 「まりさっ! 戻ってきてくれたのね!! だいじょうぶ! ちゃんとまりさを愛するためにわたしはさっきのままだから今すぐすっきりへぶはっ!?」 「ありすが選手Cに突き飛ばされましたね、何だかあのまま潰しても点数が高そうなのは気のせいでしょうか?」 「たぶんそこそこ良い点数になるでしょうね」 「ありす、本物のまりさはどっちかな?」 「えっ? そんなの決まってるわ! 黒い帽子を被っている方がまりさよ!!」 「それじゃこっちは偽物のまりさなんだね?」 「そうよ! そんなありすのまねしてる偽物のまりさなんてきれいにつぶれてね!!」 「……ッ! ……ッ!!」 『あー……なるほど』 「きれいにつぶれたわまりさ! ほめてまりさ!! そして愛しあいましょう!!」 「跡形もなく潰したね、でもこのままじゃかわいそうだから、帽子とカチューシャは元に戻してあげようね」 「……え? あ……りす? ……あああああああああっ!! まりざぁああぁあぁあっ!! どうじでぇえぇええぇえぇえっ!!」 「まりさにありすの格好をさせ、ありすにまりさの格好をさせて、本物を殺させたわけですね。選手Cはなかなか頭脳プレイが光ります!」 「虐待的には比較的ありふれているものですが……潰す方を選ばせたのは珍しいですね。あれでありすがより後悔しています。まるで同情はできませんが」 「ああああああっ!! まじざぁあぁあぁあぁあっ!! いくわぁあぁあぁっ! そろぞろいっじゃぅうぅぅぅぅっ!!」 「いやああぁあぁあぁあぁああっ!!」 「おっと!? 唯一ありすとまりさを引き離さなかった選手D、いつの間にかありすがすっきりし終えようとしています!! これは一体どういうことでしょうか!?」 「産まれた子供を利用しようとしているんでしょうか……? しかしありすのすっきり顔を見せられた後では誰もが不満になると思いますが……」 「しかしそうこう言っている内にありすがすっきりし終えてしまったっ!!」 「……うっ、うううぅっ……すっきりしだくながっだよぅ……」 「ふふっ、まりさ……かわいかったキャッ!?」 「……」 「調子に乗ってたありすを片手で持ち上げましたね。どうするんでしょうか?」 「見たところ透明な箱も持ってないようですが……えぇ!?」 「な、なにおじさん! はやく離して! わたしはまりさとはなしをしてるの!」 「これはわたしのオンバシラだ」 「え……? い、いやぁぁぁあっ!! やめでぇえぇぇえっ! そんなものにちかづけないでぇえぇえぇっ!!」 「クロスアウッ!! な、なんと、選手Dが瞬時に服を脱いでいるぅっ!? ブリーフもありません! 全裸です! 滾る虐待魂が男に服を脱がせたのかぁ!! 変態という名の紳士だよぉっ!!」 「やはり宣誓の時に感じたわたしの勘は間違っていなかった……そそり立っている、立派なオンバシラがそそり立っていますよっ!!」 「刺さないでええぇえっ!! そんなの刺さないでぇええぐぎゃあぁぁあぁ!!」 「……」 「ああああああああああっ!! いだいいいいいいい、うごがざないでぇえぇぇえええぇえぇぇえっ!!」 「なんと選手D、ありすを自身のオンバシラで貫き動かしています!! しかしこれはどうなんだぁ!! 私たちは貴方の発射を見に来たわけではないぞぉっ!!」 「……いや、待ってください。まだ発射すると決めつけるのは早いですよ」 「ああああぁあああああぁあぁあぁああぁあっ! いやぁあぁあぁぁっ!! なんで、なんでかんじちゃうのぉおおぉおおおおおおおおおっ!!」 「……」 「いやぁぁあぁあぁあっ!! こんなのですっきりじだぐないぃいいいぃいいっ!!」 「こ、これは!? 発射するどころか……ありすがすっきりしそうになっている!?」 「テクニシャンの本領発揮ですね……しかもさっきまでありすがまりさにしていたことをやり返す形になっています……これは面白い」 「あああああああああああああああああずっぎりぃいいぃいっ!」 「……」 「ついにすっきりさせられてしまったありす! 彼のオンバシラに貫かれたまま燃え尽きたようにぐったりしております!!」 「普段やっていることをやられてざまぁwwwwwwというところです。……ん?」 「あ、あああああああああっ!! こないで! こっち来ないで! ゆっくりさせでぇえぇえぇっ!!」 「……っ!? ま、まりざぁあぁぁっ!!」 「……」 「やめでぇえええぇえぇっ!! まりざのお腹の中にはありずのあがじゃんがあぁぁあぁあっ!!」 「ゆっぐりざぜでえぇえぇえぇえっ!!」 「がったいっ!!」 「ぎゃあぁあぁああああぁああぁあっ!!」 「いやぁあぁぁぁあああぁあぁっ!!」 「な、なんと選手D! 2匹刺し、2匹刺しです!! ありすの後にまりさまでも自身のオンバシラに突き刺してしまいました!! おっと、そのままその場で回っております回っております!! 口ずさんでいるのは「だんご○兄弟」! 貴方は名曲さえもレイプするのかぁ! これはもう観ている人たちへの完全なアピールです!! 彼は優勝を確信しているっ!! いや、まずそれらを全て 置いておいて一言、お前のオンバシラ何センチなんだぁ!!」 「このために、まりさに子供を身ごもらせたんですね……いやはや、恐ろしい虐待が残っていました……これはいくつ点数が入るかわかりませんね」 「あ、あああぁああぁぁあああぁっ……」 「まりさぁぁああぁ……まりざぁああぁぁあぁあっ……」 「……ただいま、集計結果が届きました」 「いよいよですね」 「ここまで大量のゆっくり達の悲鳴を聞いてきました……ゆちゅりー、ゆっくりゃ、れいむ、まりさ、ありす。どれもこれも最高に甘美でした。その中でも特にいい声を上げさせた虐待お兄さんが決まります」 「……」 「それでは発表しましょう! 栄えある優勝者は!!」 「ドローッ!!」 「……はっ?」 「ドローです! 同点です!! 3回戦まで選手Aで決まりだったところですが、4回戦でまさかの同点劇が待っていた!! トップは選手Aと選手Dの2人です!!」 『……』 「……では、優勝者は2人……?」 「いえ!!」 「これより、プレーオフを開始します!!」 「ところで、あのオンバシラが突き刺したゆっくりはどうするんですか?」 「ゆゆこにでも食べさせとけ」 「こぼね!?」 02へ続く 元ネタ 子ゆっくりを口の中で嘗め回す fuku1026 ありすの真似をしているまりさは潰れてね! 虐めAAその7の貴方は所詮帽子しか~ その他、色々な設定をお借りしています、ありがとうございます。 このSSに感想を付ける
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ゆっくりの取替え子は幸運を呼ぶ、という都市伝説があります。 この世界のゆっくりは中身を漏らさない限り、なぜか野生動物に襲われません。ゆっくりや人間には襲われますが。 対策 と傾向 「れ み り ゃ だ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ !!」 今日の夜もどこかの森からこの声がこだまする。 ゆっくり捕食種。ゆっくりに生まれながら他のゆっくりを食べるもの達である。 正直どんぐりの背比べな気が大いにしないでもないが当の本人たるゆっくりにとっては恐怖そのもの。 傷を負って餡子を漏らさない限り動物に襲われることはないためか、日常的に襲ってくるこいつ等は相当怖い、らしい。 新米ブリーダーとしてそこそこ忙しい日々を送っていたある日のことだ。 俺が家に帰ると玄関前にゆっくりがたたずんでいた。 「お家宣言しようも入れなかったとかいうオチじゃないだろうなぁ」 などと思いながら近寄るといきなり 「おにいさん!ちぇんたちにれみりゃをなんとかするほうほうないかな!?」 「わぁお、斬新なアプローチだなおい」 話を聞いてみると体つきれみりゃが毎夜のごとくやってくるらしい。おかげで群れは寝るに寝れず大層困っているんだとか。 人間にに教えを請いに来る野良ゆっくりなんて……初めてみたよ。長がちぇん、という群れも初めて聞いたが。 「で、なぜ俺に聞いてくるんだお前ら……俺はまったく関係ない人間だぞ」 「にんげんさんはこわいよぉだけどおにいさんはれみりゃやふらんをいじめたことがあるんでしょ?」 なぜ知っている………。まぁ何度か家に侵入したれみりゃとかを夕餉のおかずにしてたが。 「ああ、なん回かあるがその時のいじめ方を教えてどうするんだ?お前らじゃ基本できない方法が多いぞ」 まず先に余計な希望を与えないように言っておく。できないことをできないと教えないと背伸びして自滅するからな、こいつらは。 現実をまず教えねば。 「わかるよぉ……、でもれみりゃがなにがにがてだとか、これがすきだというのがわかれば それをつかってみんなをにがしたりおっぱらったりできるかもしれないよ、わかるねぇ?」 対策を考えてたのか。ちぇんにしては頭がいい。少しぐらいこいつらを助けてやるのもいいかもしれん。 こいつらが壊滅して俺が躾けているゆっくり達が夜に空飛ぶ肉まんに持ってかれても困る。 「おまえらにできそうことを2、3教えてやる。これができればお前らでもれみりゃを何とかできるかもしれん」 「ほ、ほんと?」 「俺ら人間には聞かんからな?」 「わ、わかってるよ!」 絶対れみりゃに利いたら人間でも使う気だったな……。 「まぁいい、れみりゃの弱点の一つは辛いものだ、唐辛子や山椒とかだな」 「れみりゃもからいのでゆっくりできないの!?」 「れみりゃもお前らを食うって違いがあるだけでゆっくりだからな。辛いのが大嫌いなんだよ」 「からいのがにがて……わかったよぉ!」 「もう一つは日光。あいつらが太陽の出てるときに襲ってこない理由がこれだ。なぜか知らんが太陽に触れるとあいつら灰になるらしい」 「わかったよぉ」 「最後の一つだがあいつらはお前らが怯えて当たり前だと思っていることだ」 「なんでそれがじゃくてんなの、わからないよぉ?」 「考えてみろ、お前らが食べてる草や果物がいきなり噛み付いてきたらビックリするだろ?」 「ちぇんたちはくささんじゃないよぉ!」 わかっとるわ! 「れみりゃにはそう見えるんだ、だからお前らを簡単に食べられる、わかるね?」 「……わかったよぉ、でもれみりゃはこわいよ?どうすればれみりゃにこうげきできるの?」 「むぅ………」 確かに。れみりゃに対する恐怖は本能的なものなんだろう………。本能を乗り越えられる…もっと強い何か、アレだ!! できればゆっくり共には使ってほしくない手段だが……。俺にはアレぐらいしか思いつかんしなぁ……。 「よし、恐怖に打ち勝つものを俺が用意してやる、ただし本当に最後の手段として使え。芥子団子も用意してやる。 あいつらは意地汚いから落ちてる怪しいものでも食べるからな」 「ありがとぉぉ!」 「なに、そのかわり頼みが一つある」 「たのみ?」 「あぁそれはだなぁ、群れにいたらでかまわないんだが両親とは違うゆっくりが産まれたところはいないか?」 「うぅん、たしかいたよぉ?ありすとぱちゅりぃのこどもなのにまりさがうまれてきたんだよぉ」 「その子を貰えないか?大事にするから」 「う~ん、わかったよぉ。それでいいなら」 よっし、取替え子ゲットぉ!内心ガッツポーズをしながら俺は群れがある、と言う場所に向かった。 群れの巣の真ん中辺りの空き地にテントを敷き、 「じゃあ、今夜は仕掛けを置くから、真ん中の広場にいるからな。あかりを一晩中ともしとくかられみりゃはこないだろうよ、ゆっくり休んでおけ」 「わかったよぉ」 そういってちぇんは巣の方向へと跳ねていった。 さて、設置をせねばならんな、と。 翌日、仕掛けを設置し終わり、俺は取替え子まりさをもらい里に帰った。それからその群れがどうなったかはしらない。 もらったまりさとは上手くやっている。幸運がくるかどうかはしらんが、ブリーダーとしてはきっちり躾けているつもりだ。 その日の夜、群れが寝静まった夜にれみりゃがやってきた。 「う~……おくちがからいどぉ………、あまあまでくちなおしだどぉ」 「「れみりゃだぁぁぁぁぁぁ!!」」 ここまではほぼいつもどおり。しかし、今回はおにいさんがつくった「しかけ」がある。 お兄さん曰く『れみりゃにたいするきょうふもこえられる』らしいのだが長のちぇんはどういったものかはわからない。 だが、どうにかなるに違いない、とおにいさんの指定した丸いわっかの書かれた場所までれみりゃを誘き寄せて皆で紐を思いっきり引いた。 次の瞬間、れみりゃの頭上に無数の死んだゆっくりのパーツや飾りがあめあられと降り注いだ。 お兄さんが食用のゆっくりの飾りや部品を仕込んでいたわけだ。 「う~?」 これがどういったものかはれみりゃは知らない。だが、くっついたこのよくわからないものを取ってから獲物たちに向かおうとして。 さっきまでと様子が違うことに気づいた。 「う~!?」 当初ちぇんは困惑していた。いきなり、しらないゆっくり達の亡骸がれみりゃの頭上にかかっていたのだから無理は無い。 しかし、次の瞬間猛然たる怒りが沸いて来た。なんだあれは。あれはゆっくりできない代物だ。あんな奴がいたらゆっくりできないよ!と。 群れの仲間達も意思は同じらしく、今か今かと号令が待たれていた。ちぇんは叫んだ。 「ゆっくりしねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」 次の瞬間、狂戦士と化した一団がれみりゃに襲い掛かった。 「うぁぁぁぁぁぁぁい、いだいどぉ!ご、ごうまがんのれでぃーになにずるんだどぉ!?」 反撃をするれみりゃ。しかし、いつもならここでとまるはずの餌の攻撃がとまらない。 ゆっくりできないものを殺す。いま、この集団はそのためだけに動いているのだ。 「ゆがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」 「ざ、ざぐや!ざぐやぁぁぁぁぁ………」 悲鳴も群れに飲み込まれ、このれみりゃは二度と巣には帰れなかった。 ちぇんが意識を取り戻したとき、そこにあったのは傷つき、倒れる仲間の姿(幸いにも死んだものはいなかった) と殆ど原型をとどめていないれみりゃの姿、そして狂騒状態に自分達をおいやった見知らぬゆっくり達の遺骸だった。 ちぇんはおにいさんがどういう方法をつかったのか少しだけわかった。 「しんだゆっくりのおかざりやにおいがついたゆっくりとはなかよくできないってことだね、わかるよぉ」 ゆっくり達は見知らぬゆっくり達の遺骸を埋め、それから再び仕掛け台の上にれみりゃの死体を置いた。 それいらい、この群れで捕食種の被害を受けることは大きく減ったという。 あとがき ゆっくりできないゆっくりは死ね、と言う概念を逆手に取れば捕食種と互角に戦える、と思って書いてみた。 あの反応はニホンミツバチの覚悟遺伝子みたいなものだと思って書いてみました。 でも、お兄さんの干渉といえど死者を使うコイツラってもうゆっくりじゃないですね。 このSSに感想を付ける
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『お目覚めはゆっくりと』 ※現代にゆっくりがいる設定です 東京近県の衛星都市。 比較的地価の安いこの地域は、学生やフリーター、若手の新入社員達が多く住んでいる。 だから、専門学校を卒業して間もないような人間でも、 このあたりで部屋を借りつつ、"ゆっくり"と暮らすのも可能だった。 * * * 8畳フローリング・ロフト付き。 そんな間取りの部屋の中央で、1匹のゆっくりれみりゃが座っていた。 その傍らには、クレヨンや画用紙や積み木といったものが散乱している。 れみりゃは、大好きな玩具に囲まれながら、 幸せそうにだらしのない下ぶくれスマイルを浮かべていた。 「うー♪ ぷっでぃーん♪」 自然と口から漏れるのは、大好きな言葉。 れみりゃは、この部屋の主の人間とともに暮らし、実にゆっくりとしていた。 その証拠に、れみりゃの体は標準的なものに比べて、はるかに"ふとましかった" ふくよかな四肢ははちきれんばかりにプヨプヨしており、 お腹はぷっくら膨らみ、下ぶくれ顔にはさらに二重顎のおまけがついている。 「うー♪ ぽかぽかしてきたどぉー♪ そろそろだどぉー♪」 太陽から差し込む温かい光。 ポカポカの陽気を受け、部屋の中はエアコン無しでも温かい。 れみりゃは、その気温と太陽の光を確認してから"うーしょ、うーしょ"と重たそうに立ち上がり、 小さな黒い羽をパタパタ動かして、重たい体を浮き上がらせた。 「ぱたぱた~♪ う~☆」 れみりゃが、ご機嫌で飛んでいく先、 そこは部屋の角にあるベッドの上だった。 「おねぇーさーん♪ あさだっどぉー♪」 ベッドの上には、部屋の主である人間が眠っている。 れみりゃには、この部屋で"ゆっくりする"ためにいくつかの対価……すなわち勤めが課されていた。 朝になったら起こすというのも、比較的夜行性のれみりゃの役目の一つだ。 「……ん、うん……すぅ……すぅ……」 ベッドで寝ている人間は、わずかなリアクションだけをして、また健やかなな寝息をたてはじめてしまう。 その寝顔に下ぶくれ顔を近づけ、ぬぼぉーっと覗くれみりゃ。 れみりゃは、起きない人間のために、次なる手段をとることに決めた。 「しょーがいなどぉー♪ とくべつさーびすだっどぅ♪」 人間を踏まないように、れみりゃはよいしょとベッドの上に着地する。 短くて柔らかい足は、ちょうと人間の首を中心にして、左右に置かれていた。 れみりゃは、それからドスンと、まるで尻餅をつくように尻から座り込む。 大きなお尻の下には、ちょうど人間の顔があった。 「……うぷっ」 それまで定期的な寝息を立てていた人間の口から、反射的な吐息が漏れた。 それから、れみりゃは尻を顔に乗せたまま、左右に尻を振るように体重を移動する。 それはまるで、尻を顔に擦りつけるような所作だ。 「でびぃーのかわいいおじりぃー♪ あさから、くんかくんか☆できるなんてしあわせもんだどぉー♪」 ご機嫌満悦の微笑みを浮かべる、れみりゃ。 "うーうー"とリズムを刻みながら、お尻を揺らしていく。 「……うぁ?」 ふと、れみりゃはお尻のあたりがムズムズしているのを感じた。 れみりゃは、そのムズムズに促されるように、少しだけいきむ。 「あーぅあぅー♪ でび☆りゃ☆ぶぅーーー♪」 "ばっぶぅーーーー!" 豪快な音をたてて、れみりゃの尻から黄色いガスが勢いよく放出された。 「うー♪ でちゃったどぉー♪」 れみりゃは、照れながら、それでいてどこか得意そうに、顔を赤らめて笑う。 その直後、れみりゃの体はゴロンと前転して、布団の上に着地した。 「うー!」 驚き、目を見開くれみりゃ。 何が起きたかわからず左右をきょろきょろしてから、 れみりゃは背後へ振り向いて元気に叫んだ。 「うっうー☆おはようさんだどぉー♪」 そこには、気だるそうに上半身を起こして、片手で頭を押さえている部屋の主がいた。 「……おはよう、れみりゃ」 "自分のおかげで、今日も部屋の主が起きられた" そう考えているれみりゃは、どこか誇らしげだ。 大好きな人間に構っても追うと、朝の支度を始める人間のまわりをピョコピョコついて回る。 一方の当の人間はというと、れみりゃを適当にあしらいながら、洗顔に着替えにと、テキパキすませていく。 「……物騒な事件が続くなぁ」 人間は、新聞を開いて、ジャムを塗ったパンと野菜ジュースを口にする。 "未確認ゆっくりまた出現!" "未確認ゆっくり第4号、第21号と交戦" "ゆっくりと人間の共存は可能なのか?" "鏡の中に現れたゆっくりが人間を襲う!?" 記事を流し読みで済ませて、オートマティックな所作で朝食を終える人間。 テキパキ食器を洗い終えて、ふと一息。 この後、温かいコーヒーを一杯飲んで家を出るのが、この人間の毎日だった。 コーヒーに、ふーふー息を吹きかけて、人間は今の時間を確かめようと机の上へ視線を移す。 「……あれ、時計は?」 そこには、置いてあるはずの時計が無かった。 いわゆる電波時計という奴で、仮にれみりゃが起床役を忘れていても、きちんとアラームが鳴る代物だ。 量販店で買った安物ではあったが、あるはずのものが無くなっているというのは何とも気持ち悪い。 コーヒーを冷ますのをやめて、人間はあたりを探し始めた。 すると、人間の様子から事態を察したのだろう。 れみりゃが、机の上に立ち、人間の前にバンザーイと両手を上げた。 「う~~♪ あのゆっくりできないジリジリは、でびぃーがぽぉーいしといてあげたどぉ♪」 "ぽぉーい♪" その言葉を聞いて、人間は溜息をついた。ああ、またやってしまったのかと……。 人間は肩を落として、ゴミ箱の蓋を開ける。 すると、中には探していた電波時計が確かに入っていた。 「あれもぽぉーい☆これもぽぉーい♪ ゆっくりできないものはみんなぽいするのぉー♪ ぽぉーい♪」 「ぽーいぽーい♪」と物を投げ捨てるジェスチャーを織り交ぜながら、 "うぁうぁ"楽しげに踊り出す、れみりゃ。 それとは対照的に、人間は電波時計と一緒に捨てられていたものを見つけて、顔を青くした。 「ああっ、ボクのケータイ!!」 人間は、最近買い換えたばかりの携帯電話が乱雑に捨てられていたのを見て、慌ててそれを取り出す。 液晶をオンにすると、待ち受け画像と今日の日付、それにアラームが鳴っていた履歴が表示された。 どうやら、れみりゃはアラームが鳴ったものをまとめて、"ぽーい"してしまったらしかった。 壊れていないことにほっと胸を撫で下ろしてから、人間はケータイ電話をポケットに移す。 れみりゃはといえば、相変わらず誇らしげに胸をはり、人間の足下でニコニコしている。 どうやら頑張ったご褒美を欲しがっているらしい。柔らかくて短い手で、人間の服の裾を引っ張っている。 「でびぃーがんばってぽぉーいしたどぉー♪ ごほうびに、ぷっでぃ~ん☆ふたちょもってきてぇ~ん♪」 れみりゃからすれば、全くの善意の行動だったのだろう。 怒られるという不安は全く感じていないようだった。 本来ならば、しっかりここで教えておくべきなのだが、 ケータイに表示された予想外の時刻の前では、そんな余裕は無かった。 人間は冷蔵庫を開けてプリンを取り出すと、それをれみりゃに手渡す。 れみりゃはプリンを掲げて喜び、部屋の中央に座ってプリンを開ける。 「はぁ……いってきます……」 「うーうー♪ ゆっくりおつとめしてくるがいいどぉー♪」 プリンをがっつきながら、れみりゃは靴を掃き終えた人間に手を振った。 そうして、プリンを食べ終わると、れみりゃはパタパタ飛んで、ロフトの上に向かう。 ロフトの上には、収納用の段ボール箱と、ゆっくり用のおもちゃ箱、 そして人間の赤ん坊用のベビーベッドが置かれていた。 ベビーベッドには、ひも付きの札がひっかけてあり、 そこには汚い平仮名で大きく"こーまかん"と書かれていた。 「でびぃーはこれからおねむするどぉー♪ おやすみだっどぉー♪」 れみりゃはそのベビーベッドで横になり、目を瞑る。 それから、うぴーうぴーと鼻提灯を出しながら眠り始めるのに、さして時間はかからなかった。 * * * それから、数時間が経った。 れみりゃはタオルケットにくるまりながら、相変わらず寝息を立てている。 幸せそうにヨダレを垂らしているれみりゃ。 その顔に、突如"こぶし"がめり込んだ。 「ゆっくりしね☆」 「う、うびぃー!?」 いきなりの痛みに、れみりゃは起きあがり、 赤くなってヒリヒリジンジン痛む顔に手をあてる。 「うぁ~~! でびぃーのえれがんとなおかおがぁ~~~!」 目が覚めるとともにより明確になる痛みに、れみりゃは涙を浮かべて叫んだ。 「うー! おねぇーさま、ようやくおきた! おそい!」 「う、うぁ!?」 涙でにじむ視界の中、れみりゃの視線の先には、ゆっくりフランがいた。 このフランもまた、れみりゃとともにこの部屋に住んでいるゆっくりであった。 「うー! おねぇーさまをいぢめるふらんは、でびぃーがやっづげでやるどぉー!」 れみりゃはグシグシ涙とヨダレををぬぐってベビーベッドから出ると、 その手をぐるぐる振り回して、フランの下へドタバタかけていく。 だが、フランはそんなれみりゃの姿を見て、 キランと目を輝かせたかと思うと、手に持った棒で逆にれみりゃを殴り飛ばした。 「くりゃえ~☆ れ~ばてぃん☆」 「!!??」 "れーばてぃん"の直撃を受けたれみりゃは、叫ぶことさえできずに、床に倒されてしまう。 フランはそんなれみりゃの上に馬乗りになると、べしべしその頭をたたき出す。 「うーー! ふらんちゃん、やべでぇーー!」 「うー☆しねしね! ゆっくりしね!」 れみりゃの戦意は、あっという間に粉砕されてしまった。 だぁーだぁー泣き叫び、フランに許しを請うのが精一杯だ。 「うー! もぉーぶただいでぇー! でびぃーは、ゆっぐりおねむしてただけだどぉー!」 一方、フランは電波時計をれみりゃの前にドンと置いて指を指す。 時刻は午後4時。ちなみにれみりゃの起床時間は、午後3時と決められていた。 「もうおきるじかん! おねぇーさま、ゆっくりおきる! そしてしぬ☆」 「ぷんぎゃー!」 フランは最後に大きな一発をれみりゃにお見舞いすると、 "うー☆"という天使の笑顔に戻って、"こーまかん"と名付けられたベビーべッドへ上る。 「う、うぁ、うぁぁ……」 れみりゃは、痛む体を何とか起こして、 ベビーベッドでタオルケットをかけるフランに抗議の叫びをあげた。 「う、うー! そこはでびぃーのこーまかんだどぉー! ふらんちゃんはつかっちゃだめだどぉー!」 「うー、ゆっくりねる……つぎのしごとまで、しえすた……」 れみりゃの我が侭などどこ吹く風。 フランは涼しい顔を浮かべたまま、健やかな眠りに入っていく。 れみりゃは、何とか"こーまかん"を取り戻して再び眠ろうと考えたが、 先ほどまでの攻防の後では、フランに逆らうほどの勇気も無かった。 「さくやぁー! さくやぁどこぉーー! ふらんちゃんがいぢめるどぉーー!!」 れみりゃに残された手は、泣いて助けを呼ぶことだった。 なお、この部屋を借りている主、すなわち現在働きに出ている人間の名前は"さくや"ではない。 無償の愛で自分に尽くしてくれる存在、さくや。 れみりゃ種にとって、その名前を叫ぶことは本能的なものであった。 故に、仕方の無い側面もあるのだが、これから眠ろうとするフランからすれば、その騒音はたまったものではない。 それに、あまり五月蠅くしては、アパートを借りている人間にも迷惑がかかる。 困り者の姉が我が侭を言った時、ブレーキ役となるのが自分の役目だと、フランは考えていた。 故に、フランはベビーベッドから出て、 前のめりでわんわん泣いているれみりゃの尻を蹴飛ばした。 「ゆっくりしね☆」 「ぶひぃー!」 フランのその考え自体は間違っていないのだが、 そのやり方は少々過激で、主の人間からも度々注意はされていた……。 しかし、れみりゃに対して過激な言動に出てしまうのは、 れみりゃがさくやを呼ぶのと同じく、フラン種にとっての本能だ。 れみりゃへの愛情・愛着・信頼があったとしても、 あるいは、そういった感情があればこそ、フランはれみりゃに対して過激な行動に出てしまう。 「うぁぁーー! うぁぁー! でびぃーのぷりてぃーなおじりがぁーー!!」 「おねぇーさまもちゃんとしごとする……そうじとせんたくしなきゃだめ」 両手で尻をさするれみりゃに対し、冷静に告げるフラン。 それに対し、れみりゃは仰向けになると、泣きながらダバダバ手足を振り回し始める。 「でびぃーはおぜうさまだからいいんだもぉーん! そんなのさくやがやってくれるもぉーん♪」 フランは、大きく息をはいた。 しかし、それは残念だからでは無い。 聞き分けの無い姉に対して、今日もこれから"姉妹水入らずの肉体的コミュニケーション"を行える喜びからだ。 「う、うぁ!?」 キラーン☆と光るフランのルビー色の瞳に、れみりゃは反射的にビクっと体を震わせた。 「かぞくのるーるをまもれないやつは、ゆっくりしね!」 フランはそう叫ぶと、段ボール箱の中に入っていた小さな"あまあま"のヌイグルミを、れみりゃの口に押し込んだ。 口を塞がれ、"んーーんーー"とさくやの名を呼ぶこともできないれみりゃ。 その様子を確認して、うんうんと頷くフラン。 そうしてフランは、背中をゾワゾワ走る愉悦に身を任せるのだった。 * * * 薄暮の空の下、れみりゃ達の主の人間は、自転車を横に歩いていた。 自転車のカゴの中には、近所のスーパーで買った食品や日常雑貨が入っている。 「まいったなぁー、もう遅刻できないよ……やっぱり分担を変えるしか……」 主の人間は、結局今朝遅刻してしまい、上司からたっぷりしぼられてしまった。 元々、この人間は朝に弱く、遅刻をしがちだった。 より確実に起きられるよう、れみりゃにお願いをしたが、どうにも成果は上がらない。 妹のフランに頼めばより確実なのだが、 フランは、昼頃まで夜~朝シフトのバイトに出ており、それは難しい。 バイトといっても、いかがわしいものではなく、深夜のラジオ出演や雑誌関係の仕事が殆どだ。 いわゆる、タレントペットならぬ、タレントゆっくりなのだ。 その出演料は意外とバカにならず、"共同生活"を行う上で大いに助かっている。 実のところ、仕事が忙しい月に関して言えば、この人間の正規の月収さえ上回ることもあった。 そんな折、一人だけ働くフランに負い目を感じてか、それとも姉としてのプライドがあってか、 れみりゃにも家事という名の仕事を与えてみたが、なかなか上手くはいかない。 予想はしていたが、目覚まし係というのも向いていなかった。 「……うん?」 ふと、とある光景が目に止まり、人間は足を止めた。 自転車をアパート共有の駐輪場に置いてから、小走りでその現場へと向かう。 その現場は、アパートの目の前の電柱だった。 そこに、数人の小学生らしき子ども達が集まっている。 思い思いのバッグを持っていることからすると、学校帰りというよかは、塾帰りなのかもしれない。 そして、彼らの中心には、縄跳びのロープで電信柱に巻き付けられた、ゆっくりれみりゃがいた。 れみりゃの体はしっかり固定されており、うびーうびーと濁った寝息を立てている。 そのふとましい姿、何かあった時のため帽子に刺繍したアップリケ型の飼育証明を見て、 "間違いなく我が家のお嬢様だ"と主の人間は確信した。 「おい、こいつなんだよ?」 「こいつ、ゆっくりだろ? どっかのペットかな?」 「これ見てみろよ! 眠っていたらつねって起こせってさ」 少年が指差した先、電柱に一枚のメモが貼り付けられている。 そこには、平仮名で"ねてたらつねっておこす。それいがいしたらゆっくりしね"と書かれていた。 その文字を見て、主の人間には察しがついた。 姉妹喧嘩……というには一方的な、フランの制裁が行われているのだと。 そんなことを知らない少年の一人が、むぎゅーとれみりゃの頬を引っ張った。 その痛みには、寝ぼけ眼でれみりゃが目を覚ます。 「う~~! でびぃーのきゅ~どなほっぺがじんじんするどぉ~~!」 赤く腫れた頬をさすろうとするが、手はロープで固定されているため動けない。 しばらく"うーうー"難儀した後、れみりゃは痛みから逃げるように目を瞑って浅い眠りへ落ちていく。 「おっ、起きたぞ」 「でも、また寝ちゃったぞ?」 「なんか面白いな、こいつ♪」 少年達は、次々にれみりゃの頬を抓ったり、引っ張ったり、叩いたりしていく。 見ると、れみりゃの頬にはあちこちに赤く腫れた後がある。 おそらく、この少年達の前にも、同じようなことをした人がいたのだろう。 最初はおそるおそるだった少年達も、 起きてはまたすぐ寝てしまうれみりゃに対し、徐々に警戒感を無くして力を入れていく。 「うぁぁー! やめるんだどぉーー! さくやぁぁーーー!!」 れみりゃはとうとう泣き叫びだし、目の前の少年達へ敵意をあらわにしだした。 れみりゃのボリュームの大きな声に、びくっと後退する少年達。 少年達は、れみりゃが動けないのを再確認してから、れみりゃへ文句を言い始めた。 「なんだよ、このデブ! ここに起こせって書いてあったから起こしてやったんだぞ!」 「うー! でびぃーはおでぶさんなんかじゃないどぉー! こういうのは"ふとましい"っていうんだどぉー♪ これだから、ものをしらないしょみんはいやなんだどぉー♪」 説明してやれば美的感覚の無い少年達も、自分の凄さを認めるに違いない。 そして、あふれだすエレンガントさとカリスマにひれ伏して、ぷっでぃ~んを持ってくるに違いない。 れみりゃはそうとでも考えたのか、余裕の笑みを浮かべはじめた。 しかし、そんな事が起こるはずもなく。 少年の一人が、怒りの形相でれみりゃへ向かい、拳を振り上げる。 ここに来て、ようやく危険を感じ取ったれみりゃは、本能に従って絶叫した。 「なんだと、この!」 「さくやぁぁーー! たすけてぇぇーーー!! ああああーーー!!」 さすがにこれはやりすぎだ。 距離を置いて見ていた主の人間は、そう判断して、すたすたとれみりゃ達の下へ歩いていく。 その際、主の人間は、物陰に隠れているフランの姿を見つけた。 おそらく、ひどいめにあっている姉の姿を楽しみつつも、適度なところで助けに入るつもりだったのだろう。 主の人間は、やれやれと心中で肩をすくめた。 フランは頭の良いゆっくりであり、事実その能力もゆっくりとしては最上級のものだが、 自分の力を過信しすぎてしまうのが困ったところだ。 本当の危険が迫った時には、いかにフランといえどどうすることも出来ないのだ。 現に、この少年3人の前にフランが現れたとしても、いざ喧嘩になってしまえばフランに勝ち目は無い。 後でちゃんと話そう。 主の人間がそう決めたと同時に、れみりゃが主を発見して希望の声をあげた。 「う、うぁ! お、おねぇーさんだどぉー♪」 泣き叫んでいたのも忘れ、あっという間に喜色満面になるれみりゃ。 一方、驚いたのは少年達だ。 「「「え?」」」 少年達は、れみりゃに接していたのとは異なり、すっかり萎縮してしまっている。 少年達にも、れみりゃが飼いゆっくりであるのは何となく理解できていた。 もし自分たちがいじめていたのを見られていたら。 もし、さらに電柱に巻き付けたのまで自分たちだと思われたら……。 目の前のお姉さんに、親に、先生に、しかられる光景……。 いやそれ以上に、せっかく勉強したのに受験に影響するかもしれない、 損害倍賞の裁判を起こされ支払いを命じられてしまうかもしれない……。 なまじさかしかったが故に、少年達は最悪のケースを連想して震え上がっていた。 「え、あの、ご、ごめんなさい」 「こいつ……じゃない、このゆっくり、お姉さんのものなんですか?」 萎縮する少年達に無かって、主の人間は微笑んだ。 ただし、目だけは笑わずに。冷たく見下ろす視線を心がけて。 「うん、確かに。そのれみりゃはボクの家族だよ」 少年達は、目の前の女の冷たい目と威圧感、それに"家族"という言葉に恐怖した。 そこから、どれだけ自分たちへ怒りを持っているかを察し、 このまま見過ごしてはくれないだろうことを覚悟した。 「うー♪ ばかなしょみんも、これでゆっくりわかったどぉー♪ でびぃーをこあいめにあわせたぶん、たっぷりおねぇーさんにいぢめられるがいいどぉー♪」 一方、れみりゃはすっかり調子に乗っていた。 「うー♪ これでようやくぐっすりできるどぉー♪」 フランに少年達に、自分を襲った理不尽な恐怖は取り払われた。 これでもう安心だと、れみりゃはすっかり気を抜いていた。 だから、突如お尻に走ったムズムズ感を押さえることもできなかった。 "ばっぶぅーーーー!" 驚いて少年達が振り向き、さらに一様に鼻を押さえる。 れみりゃは、豪快な放屁を放って、恥ずかしそうに赤面した。 「う~~♪ あんしんしたら、でちゃったどぉ~~♪」 どこか誇らしげな、れみりゃの笑顔。 その笑顔を見ているうちに、主の人間の中にふと芽生える感情があった。 「……ねぇ、みんな。最近このれみりゃ運動不足なんだ。良かったらもう少し遊んであげて」 何気なく放たれた、主の人間の言葉。 少年達は目を丸くし、れみりゃは耳を疑いながら冷たい肉汁の汗をダラダラ流した。 「う、うー?」 「でも、ひどいことしたらダメだよ! ボクの大切な家族なんだからね!」 主の人間は、それだけ言うと、れみりゃに背を向けてアパートの方へ歩いていく。 「お、おねぇーさん? おねぇーさんまつんだどぉー!!」 れみりゃは必死に叫ぶが、それが聞き入れられることはない。 主の人間の姿は、そのままアパートの自室へ消えていった。 その代わりに、れみりゃの視界に入ってきたのは、ニヤニヤと不気味に笑う少年達だった。 * * * 「うー、おねぇーさま、だいじょぶ?」 人間が部屋に入ると、窓からフランが入ってきた。 仕掛け人の割には、姉のれみりゃのことを心配してソワソワしている。 「大丈夫だよ。それより仕事までちゃんと寝といた方がいいよ?」 「うー、わかった」 人間は、フランの頭を撫でてやり、それから冷蔵庫を開けた。 そこからプリンを3個と、オレンジジュースの入ったペットボトルを取り出す。 それから風呂場へ行き、桶を持って出ると、 そこに冷蔵庫から取り出したものとタオルも入れ、短い廊下を歩いて玄関へ向かった。 扉の外からは、れみりゃの声が今も聞こえていた。 "おねぇーさんたすげでぇーー! ごぁいひとがいぢめるよぉぉーー!!" ああ、この声だったらきっと自分もすぐ起きられるんだろうな。 主の人間は、そんなことを思いつつ、玄関のドアを開けた。 おしまい。 ============================ 自分の憧れのライフスタイル(?)を書いてしまった結果がコレだよ! まぁ近所の子どもにいじめられていたら助けると思いますが。 たぶん、子ども相手に大人げなくマジギレしちゃうかもです; あと一部に特撮ネタが無駄に入っていますが、ご容赦を。 『仮面ライダーゆケイド』とか妄想してました。 by ティガれみりゃの人 ============================
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このゆっくりれてぃは完全に俺設定全開です 人里から遠く離れた山の中、この中にあるゆっくり達の群れがある 基本群れを組むのは被捕食種のみだ 捕食種が徒党を組んでいる場合はそれは家族か大規模なえさ場を発見したときぐらいである そしておそらく唯一であろう被捕食種と同じ群れで生活をする捕食種がある それがゆっくりれてぃだ ゆっくりれてぃ 発見数が少ないため未だに詳しいことは分かっていない おそらく人目を避けて山奥とかに生息するからだろうといわれている ただ、成長すれば巨大まりさとかドスまりさとかを超える大きさになりおそらく全ゆっくり一であるということ また餡子容量の多さからか知能もゆっくりとしては高めであることがあげられる 加工場では生産するゆっくり餡子の保管、熟成用に数体のれてぃを飼っている 常に餡子を抜き飢餓状態にしておくので目の前のゆっくりを素早く捕食する その勢いからゆゆこ以上のブラックホールというあだ名まで付いているが野生の彼女は本来はとても心優しい存在だ まあ、そんな存在じゃないと被捕食種と同じ群れに入ることなんてできないだろうが この群れは30匹前後のれいむ種とまりさ種、そしてれてぃが一匹で構成されている むろん、れいむ達もれてぃが捕食種であることは当然知っている 「ゆゆっ!れてぃ、きょうもゆっくりしていってね!!」 「きょうもくろまく~」 だが、空腹時以外はとてもおとなしい、頭の上で子れいむがきゃっきゃと遊ぶのをほほえましそうに眺めている れてぃが被捕食種と群れを組める理由の一つは他のれみりゃやふらんに比べて雑食性が強いことがあげられる 常にゆっくりを食べなくてもれいむたちと同じえさで満足できるのだ 体が大きい分当然餌の消費量は多いがれてぃがいればそれ以上の餌を確保できることが多い 「ゆゆっ!きょうもゆっくりかりにいくよ!!」 「れてぃ、きょうもたのむんだぜ!!」 「くろまくらしくくちのなかにはいってね~」 そう、れてぃはゆっくり達をその大きな口の中に入れて運ぶのだ ちなみに間違って食べてしまうことはない、れてぃは同じ群れのゆっくりは家族のように思っている また大きい分移動速度も速いため遠くまで移動でき、餌不足に悩まされにくい さらに周囲の群れのゆっくりもれてぃが捕食してしまうためさらに餌が不足しにくいという完璧さだ 「ゆゆっ!!きょうはここでえさをとるよ!!れてぃ、ゆっくりおろしてね!!」 「くろまく~」 れてぃが舌をのばし、その上をゆっくり達が這い出てくる それはまさにゆっくりキャリアー、作者の趣味にあわせればゆっくり空母だ れてぃも餌を捕りに行く 「ゆっ、このきのみはとってもくろまく~」 れいむやまりさには手も足も出ないような高さの木の実だって舌をのばすだけで簡単に取れる 「むーしゃ♪むーしゃ♪しあわせー!!」 見るとすぐ足もとでゆっくりれいむの一家が花を食べていた もう動物型出産ができそうな大きさのお母さんれいむが一匹 蔦が生えたら死んでしまいそうだが子供は何とか作れそうな大きさの子れいむが三匹だ 見たところれてぃには気がついていないようだ れてぃはゆっくりから見ると山のようにでかいため警戒心の薄いゆっくりは知らず知らずのうちにれてぃの足元まで来ることが多い 本来なら群れのれてぃ以外のれてぃには近づかないのだがいつのまにか近づいてくることが多いのだ そういえばさいきんゆっくりたべてなかったな そんなことを考えたれてぃ、今日のおやつはこれにしよう 「くろまく~」 全ゆっくり最長の舌を器用に使い四匹のゆっくりを平らげた 「ゆゆっ!?!?」 「まっくらでなにもみえないよ!!」 「おかあさぁーん!!」 「ゆゆっ!おかあさんはここにいるよ!ゆっくりしんぱいしないでぐぼあ゛ぁぁ!!」 「おか゛あ゛さ゛ん゛がぁぁぁ!!」 うん、ゆっくりはおいしい、いつもこんなもの食べてたら甘すぎてふとましくなっちゃうけどたまにはいいか あまったゆっくりは群れの皆のおやつにしよう れてぃはのこった子れいむたちをゆっくり潰しながら合流場所に向かっていった 「ゆゆっ!れてぃ、ここだよ!!ゆっくりきてね!!」 「ゆっくりくろまく~」 「ゆゆっ、れてぃ、はにあんこがついてるぜ?まさかまたゆっくりをたべたんだぜ?」 「くろまく~」 「ゆゆっ、あとでれいむたちに分けてくれるの!?ゆっくりできるれてぃはずっとむれでゆっくりしていってね!!」 れてぃの群れにいるゆっくりはれてぃのゆっくり食いを当然のことと受け止めている もちろん群れの仲間を食べることは許されない だがれてぃの食事を分けてもらうことには共食いとはまた違うカテゴリに含まれるらしい れてぃの数は少ないがれてぃと同じ群れに入りたがるゆっくりは多い 大量の餌が確保できるうえにれてぃが他の捕食種から守ってくれるからだ 全ゆっくり最高の表皮を持つれてぃはふらんの攻撃でもダメージを与えることは難しい 逆にれみりゃやふらん程度はぺろりと食べてしまう まさにれてぃはゆっくりの保護者とも守護神ともいえる存在だ だが、それが長く続くかどうかは分からない もし、不作が続いて周囲の森の食料が少なくなったら さらに他の群れのゆっくりまでいなくなったら そして群れのリーダーが餌のある場所まで群れの引っ越しを行うことができなければ この群れのゆっくりはすべてれてぃの腹の中に入ることになるのだ 続く どうも、セインと申します 自分の脳内のゆっくりれてぃ像を描いてみました これが一般的な設定に… とは言いませんが、これを見た人たちがさらに詳しいれてぃのいろいろな設定を作ってくれればうれしいです ゆっくりれてぃの生活 8月2日 0040 セイン このSSに感想を付ける
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ふぁいたーれみりゃの苦悩 5KB いじめ ギャグ 小ネタ 思いやり いたづら 日常模様 捕食種 希少種 創作亜種 独自設定 日本語って難しい 「ふぁいたーれみりゃの苦悩」 羽付きあき ・超小ネタ ・希少種いじめ注意 ・独自設定のゆっくりが登場しますご注意を ・・・とある公園で私はジュースを飲んでいた。 近くにちょうどいいくぼみに腰かける。 暫くすると、凄まじいオーラを纏ったれみりゃが私の横にどっかりと座った。 暫く目も合わずに座っていた私とそのれみりゃであったが、目を合わせずにれみりゃが声をかけた。 「そこの人間・・・ちょっとれみりゃの話を聞いてほしいんだど」 「何でしょうか?」 「この間、ソフトクリームを買ったんだど」 「・・・」 「で、同じように"アイスクリーム"が売られてたわけだけど、それを見てふと考えたんだど・・・」 れみりゃが手をぐっと握りしめた。 目の前ではどこからともなく現れたゆっくりこがさが傘を振り上げて必死に何かを叫んでいる。 「う~ら~め~し~や~!」 それを見ていた私とれみりゃは、暫く言葉を交わさず沈黙の時間が流れた。 こがさは必死に傘を振り上げて驚かそうと悪戦苦闘している様だ。 「おどろいたでしょ~!もういっかい!う~ら~め~し~や~!」 再びれみりゃと私が激論を交わす。 「"ソフトクリーム"と言う言葉の反対後を"アイスクリーム"と定義するなら"ハードクリーム"がただしいんじゃないかど!?」 「・・・いや"ハードクリーム"ってなんかハンドクリームの強い版見たいで食べ物っぽくないでしょ」 「そうかど・・・じゃあ、"ショートケーキ"はどうかど?あれって1ホールでも"ショート"だど。1ホールのショートケーキは"ロングケーキ"じゃないかど!?」 れみりゃがそう言った。 その双眸には闘志の炎が宿っている。理不尽な世の中に対する挑戦の様に・・・ 「いや"ロングケーキ"って言ったら普通は"ロールケーキ"になっちゃうでしょ」 私が言葉を紡いだ瞬間。れみりゃが目を開いて愕然と項垂れた。 目の前でこがさが視界に入る様に傘を振り回している 「おどろいてよー!ほらほら!もういっかい!う~ら~め~し~や~!」 「・・・そんな考えがあったのかど・・・れみりゃの考えが足りなかったど・・・」 「誰だって間違いはありますよ。気を落とさないでください。所で朝焼けと夕焼けっていう言葉がありますよね」 「・・・」 「何で"昼焼け"ってないんでしょうか?あった方が自然ですよね?」 「いや、そうは思わないど」 項垂れたれみりゃが再び顔を上げる。 そして力強くこう言った。 「そもそも朝焼けとか夕焼けと言うのは、オレンジ色で焼けている様に見えたからついたとかんがえるのが順当だど。でも昼は焼けた様に見えないど!それに」 「それに・・・」 れみりゃが立ち上がった。壁にドスンと拳を付けて力の限り叫ぶ。 こがさが驚いてひっくり返ってしまった。 「ひゃっ・・・!」 「"昼焼け"って"日焼け"じゃないかど!?」 私はジュースを飲み干すと空を見上げて呟く。 「・・・確かに君の言う通りだ・・・世の中っていうのは理不尽なことだらけだな・・・」 「その理不尽に打ち勝っていく事こそが人生を生きると言う事じゃないかど?それこそ"克己"というものだど」 目の前ではこがさが涙目になりながらこちらに何かを話している 「おどろいてよ~・・・わちきをむししないでよ~・・・」 それを見ていたれみりゃが再びポツリポツリと話を始める 「"うらめしや"で思い出しんで聞いてほしいんだど、れみりゃは闘ゆっくりなんだど。それで得意技は"裏投げ"と言う技なんだど」 こがさの顔が明るくなる。すぐさま傘を持ち直してれみりゃの前で傘を振る 「これは"うらなげ"じゃないよ~!おどろいたでしょ!」 それを見ていたれみりゃが再び静かに言葉を紡ぎ出す。 「これで幾多の強豪に勝ってきたわけだけど、悩みがあるんだど」 「それは?」 「なんかいつの間にかれみりゃの得意技は"バックドロップ"になってるんだど」 「一緒じゃないのかい?」 「厳密にいえば似てはいるけど結構細かい所が違うんだど。どっちも凄い技には変わりないんだど。でも細部を見ていくと実はブリとハマチ位違いがあるんだど」 その言葉を聞いたこがさが叫んだ 「これはぶりでもはまちでもないよ~・・・!」 私はそれをみながられみりゃに話しかける 「じゃあ、勝った後のマイクパフォーマンスで"裏投げ"って事を強調すればいいじゃないか」 「いや、なんかそれ恥ずかしいど。"バックドロップじゃねぇ!裏投げだコノヤロー!"とか公衆の面前で言うのは恥ずかしいんだど」 「でも恥ずかしいからと言って間違いを正すのがカッコいいってものでしょ。むしろそんな事で恥ずかしいって言ってる方が恥ずかしい様に思えますよ」 「う~ん・・・それもそうだど・・・」 「いっその事バックドロップと裏投げを両方使ってみたらどうですか?」 「それを使いこなしてるとどっちがどっちか分からなくなっていってなんか混乱してくるど~・・・」 れみりゃが頭を抱えた。 それを見てこがさがはしゃぎながら傘を振る 「こんらんしたでしょ~!もっとこんらんしてね~!う~ら~め~し~や~!」 それを見ていた私とれみりゃが互いに言葉を交わす。 「じゃあ、裏投げと書いてバックドロップとルビを振るとかどうでしょうか?」 「いやそれじゃ、同じ技ってことになるど」 「じゃあ、裏投げとバックドロップの違いを説明したパンフレットを配るとか」 「いちいち回りくどいからダメなような気がするど・・・」 「どうすればいいんでしょうかねぇ・・・」 「あ~・・・!どうすればいいんだど~!」 こがさがさらに勢いよく傘を振る。 どうやらこのれみりゃがあまりの恐怖のあまりしゃがみガードをしていると感じたようだ。 「う~ら~め~し~や~!ほらほら!もっとわちきにおどろいてね!」 私は、拳を握りしめて静かにこう言った。 「でもこのまま間違いを正さなかったらずっとバックドロップって勘違いされますよ」 それを聞いた途端にれみりゃが顔をバッと上げた。 こちらの方へ向いてこう切り出す 「・・・やっぱり間違いを正してみんなに1から説明してみるど」 そう言って帽子をかぶり直すと立ち上がる。 私もゴミ箱に空き缶を入れると立ち上がった。 「「ところで・・・そこのこがさはさっきからなにしてるん(だど)ですか?」」 それを聞いた途端にぴたりとこがさの動きが止まった。 プルプルと震えると、砂糖水の涙を流してどこかへ去っていった。 「・・・うわーーーーんっ!うーらーめーしーやーっ!」 ~完~