約 632,110 件
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/858.html
※虐待されないゆっくりが居ます ※虐待と言うよりは虐殺かもしれません ※俺設定入ってます ※東方キャラがほんのちょっとだけ出てます <<ふつうとちょっとだけちがうゆっくりさくやのおはなし>> ゆっくりさくやというゆっくりがいる。 銀髪にまるでメイドのようなカチューシャの形をした飾りを持つゆっくりだ。 数はあまり多くないらしく中々見かける機会は少なかったのだが、とある事情により我が家で飼うことができるようになった。 これは、普通とほんの少しだけ違うゆっくりさくやと俺のある日の出来事である。 「だんなさま、あさですわ! ゆっくりおきてください!」 ある日の朝。いつものようにさくやに起こされた。さくやはいつも俺より先に起きる。一度さくやが寝るまで待ってみようとした事もあったが、 さくやも寝ずに根競べになって三日三晩寝ずにすごしてダブルノックダウンとなってからは諦めた。 このさくやは元々湖の向こうにある紅魔館という所で飼われていたゆっくりで、里に行商に行った際に会ったそこに住む赤い髪の悪魔さんから譲り受けた。 なんでも屋敷にいたほかのゆっくりと問題を起こして屋敷に置けなくなったが、捨てるには忍びないので誰かに譲りたかったらしい。 何で縁もゆかりもない俺かと疑問に思ったものだが、間違っても屋敷に来ないような人なら誰でも良かったらしい。 まあ、信用してもらえたのなら有難い事だ。出来るならば俺の露店の商品を買ったり胸触らせてくれたりしたらもっと良かったが。 しかしまあ、そこでの教育の成果なのだろう、このさくやは、人間の俺から見ても非常に優秀でそつがない。 こいつ本当にゆっくりなのか? そう思わせるほどに見知ったゆっくりの印象と違う。 まず控えめであり、人間(俺)を立て、ぎゃあぎゃあと騒ぐ事もない。家に侵入したゆっくりを仕留めておやつに出してくれるくらいだ。 逆にちゃんと戸締りをしてくれと注意もされた。それなら何故追い出されたのだろう、と思うが、妖怪の考えることは分からん。 恐らくこの性格からお嬢さまの機嫌でも損ねたのだろう。 「あいよ。しかしお前ほんとゆっくりしてないよなぁ」 「だいのゆっくりをえるためにはしょうのゆっくりはすてるのがしんのゆっくりですわ!」 ……さいですか。本当はゆっくりに姿を変えた向こうのメイドさんじゃねえのかお前。 寝床からのそのそと這い出て居間へと向かう。まずは飯を食わねば仕事も出来ない。 「さて、作業に入るか。さくや、外で遊んできていいぞ?」 俺は木を使った細工物を作る職人だ。作ったものを露店で売ったりもするが、オーダーメイド物のほうが売り上げはいい。 家庭でゆっくりを飼う事が多くなってからは。ゆっくり用のおもちゃやゆっくりが好む棲家用の家具も作っている。 そういった物を扱う店からの注文が一番多いが、まあ蛇足だろう。 さくやに手伝える事はあまりないのでそう言うと、さくやはこっちに向かって跳ねてきた。 そういえば、コイツに頼まれて作ったものがあったな…… 「だんなさま! おねがいしていたものはできました?」 「おう。出来てるけど他の家のゆっくりに向けて使うんじゃないぞ? 危ないからな」 そう言って出したのは木でできた小さなナイフ。ゆっくりが口に咥えて丁度いい、と言うくらいの大きさで、先端に重りが仕込んである。 ゆっくり種は大抵幻想郷の英雄や妖怪に似た顔を持ち、オリジナル(実際は違うらしいが便宜上そう呼ぶ)が持つ物を持ちたがる傾向にある。 例えばみょん種なら木の枝(刀のように使うらしい。飼いゆっくりでは木刀や小刀を持ちたがるとか。)、 ぱちゅりー種なら本(文字を書いた紙切れなら何でもいいらしい)等。 コイツの場合、オリジナルのメイドさんのように投げナイフを欲しがった。流石に刃物は危ないのでこうして木を削ったものを与えているが。 実際腕はたいしたもので、飛んでいる胴なしのきめぇ丸を仕留めた事もある。 「そんなばかなまねはしませんわ! ぷんぷん!」 心外だ、とばかりに膨れるさくや。こういうときばかりはこいつもゆっくりらしいなぁ、と思うので、ついついからかってしまうのだ。 「はは、悪い悪い。ほらよ」 与えてやると喜んで髪の下にしまい込む。前に見せてもらったが、まりさ種のように帽子がないためずり落ちないように工夫している。 その時はよく考えたものだなぁ、と感心したものだ。 「それではだんなさま、おひるにはもどりますわ! きょうのおやつはなにがいいですか?」 「あー、そうだな。ここ暫く餡子だったしそれ以外が食いたいな。まりさとれいむ以外だったら何でも良いや。 でもゆかりんだけは勘弁な」 「かしこまりましたわ!」 開けっ放しの戸から出て行くさくや。近所で飼っているゆっくり達と遊んだ帰りに野良を狩って来てその日のおやつにする、 というコースがいつもの流れで、多いときは4・5匹狩ってくることもある。その際にナイフを使うので、それなりに消耗が激しい。 まあ端切れの木材で作れるし甘味は得られるしで収支としては大いにプラスだ。 さくやも俺が喜んでくれるのが嬉しいらしく、嬉々として狩っている。楽しそうで何よりだが、 たまに怪我をして帰ってくるのであまり熱を上げすぎないようにとは言ってある。 狩って来たゆっくりは適度に恐怖を与えてある為美味いが、さくやが死んでは元も子もないのだ。 そして正午。ゆっくりが跳ねる音がするのでさくやが帰ってきたと思ったが、縁側に上がってきたのは違うゆっくりだった。 狐のような耳と9本の尻尾が生えたゆっくりと、猫のような耳と2本の尻尾が生えたゆっくり。 ゆっくりらんとゆっくりちぇんだ。何やら追われているようで、しきりに後ろを向いて酷く怯えた様子で震えている。 「どうしたんだお前ら。ここは俺の家だぞ?」 「わ、わかるよー! でもおわれてるんだよー! わかってねー!」 「何に追われてるんだ?」 と聞くと今度はらんが、 「と、とってもゆっくりできてないゆっくりだよ! ゆっくりたすけてね!」 「まー、良いけど。取り合えず中に入っておけ。そこだと見つかるんじゃないのか?」 手招きすると凄い勢いで跳ねてきて膝に乗った。まだ恐いのかガタガタと歯を鳴らしながら震えている。 そうしていると、少ししてまたゆっくりが跳ねてくる音がした。目を向けると、そこにはうちのさくやがいた。 らんたちの震えが一層酷くなる。なるほど、そういうことか。 「おい、あのさくやがお前達を追いかけてたゆっくりか?」 「そ、そうだよー! あのさくやがいきなりおいかけてきたんだよー! わかってねー!」 「にんげんさん、はやくあいつをやっつけてね! やっつけてくれたらおとなしくでていくよ!」 どうやら俺とさくやの関係は知らないらしい。俺はそんな2匹の頭を掴み、軽く持ち上げながらさくやに聞く。 「こいつらが今日のか?」 びくりと手の中の2匹が硬直する。どうやら俺とさくやの関係を理解したらしい。 「はい、だんなさま。たまにはいきのいいゆっくりでもとおもいまして」 2匹が激しく震えだす。俺は手をさくやの方に向ける。丁度、2匹の底面がさくやに向けられる形になる。 たまにはおやつの前にちょっとしたショーでも見ることにしよう。 「さくや、真ん中に当てろ」 「かしこまりましたわ!」 言うが早いか、さくやの姿が軽くぶれる。直後、2匹が「ゆぎぎっ!?」と悲鳴を上げる。 2匹の底面には俺がさっき渡してやったナイフが刺さっていた。丁度底面の中央、相変わらずいい腕をしている。 「よし、よくできた。後でごほうびをやろう」 さくやに笑いかけて、ナイフが刺さったままの2匹を天地逆にして床に置く。 ゆっくりは底面を動かして跳ねたり這ったりするため、底が損傷したり逆さにされると動けなくなる。 ナイフは刺さったままの為、迂闊にひっくり返ろうものなら深く刺さって悪ければ即死だろう。 俺は動けないようにした後囲炉裏に薪を放り込んで火をつけた。どちらかといえば、俺は焼き饅頭の方が好きなのだ。 それに底と口を焼いておけば、ナイフを抜いた後でも動けないし、食べる時に叫ばれなくて済む。 火を熾していると、背後でまた悲鳴が上がった。振り返ると、さくやが2匹の顎からナイフを貫通させて口を縫いとめていた。 そこまでしなくても良いのになぁ、と苦笑する俺の前で、薪がぱちぱちと燃え始めていた。 「さて、さくや。今日はご苦労さん。昼に言ってたごほうびだぞ」 夜。良い月がでているので、月見酒としゃれ込もうと縁側に出ていた。 俺とさくやの間にはさらに盛られた、いかにも美味そうな饅頭。この間寺子屋に顔を出した時にガキの時分世話になった慧音先生に会ったので、 髪飾りを差し上げたらお礼にと貰ったのだ。先生、できれば今度その胸にある2つの饅頭を揉ませてください。 ちなみにいうと、ゆっくりではない。ちゃんと材料の段階から吟味して丹精こめて作られた高級品だそうだ。 「おいしそうですわ!」 眼に見えて喜ぶさくや。やはりゆっくりなのか、甘いものには目がないようだ。 俺が饅頭を手に取ると、口をつけるのを確認してから時分も取って食べ始める。 本当、できたゆっくりだよお前は。 「むーしゃ、むーしゃ、しあわせ……!」 目尻に涙を浮かべながら心底幸せそうな顔をする。いわゆる「へぶんじょうたい!」と言う奴だろうか。 そのいつもは見せない愛らしさに俺自身も「へぶんじょうたい!」となっていた所に水を差すかのように、 ぱたぱたと言う羽音が聞こえてきた。 「うー! うー! なんかいいにおいがするどぉ~?」 庭に下りてきたのはゆっくりれみりゃ。しかも胴付きだ。 捕食種として有名で、狩人の家では飼われることも多いれみりゃだが、胴付きはあまり好かれる事はない。 赤ん坊の頃からしっかりと教育された物ならともかく、野良の胴付きは図々しい個体が多いのだ。 胴なしは飛び回りこそすれ、多少我侭だが飼う際は他のゆっくりと余り大差はない。 だが、胴付きの固体は手足があり戦闘力が(ゆっくりにしては)非常に上がる反面、 慢心する事が多く常の生意気なゆっくり以上に自分を過信しすぎる。つまり非常に身の程知らずなのだ。 暫く辺りを見回していたれみりゃだが、どうやら俺や饅頭に気付いたようだ。 あのゆっくり独特のふてぶてしい笑みを浮かべ、こちらに向かって歩いてくる。 「おいしそうなあまあまがあるんだどぅ~。こーまかんのえれがんとなおぜうさまがたべてあげるからそれをよこすんだどぉ~?」 「だが断る」 そういってさっと家の中に皿を滑らせる。そして面食らったようなれみりゃに、畳み掛けるようにまくし立てた。 「俺の趣味は木で細工物を作る事ともうひとつ、自信満々に要求してくるゆっくりの要求を却下する事だ。 というか人の物が欲しいなら『寄越せ』はないだろ。『ください』だろ普通。まあくださいといってもやるつもりはないが」 言い放ってやると、れみりゃはぽかんとした後遅れて顔を真っ赤に染めて地団太を踏んだ。 そしてさくやがいるのに気付くと、俺を指差して大声で怒鳴り散らした。 「さくやー! そのあまあまをもってきてれみりゃによこすんだどぉー! そしてそいつをしょけいするんだどぉー! おぜうさまのめいれいだどぉー!」 れみりゃ種とさくや種の間には、オリジナルの様にさくやがれみりゃに奉仕するという奇妙な共生関係を築く場合がある。 初対面同士であってもそうらしいが、本能にそういうものだと刻まれているのだろうか。 しかしさくやは返事をしない。正直、素直に言う事を聞いてしまうのではないかと危惧したが、流石は元紅魔館のゆっくり。 その辺りの教育もしっかりしているようだ。 「…………」 さくやの顔は俯いていて良く見えない。心なしか震えているように見える。 本能が「れみりゃに奉仕せよ」と言っているのに抵抗しているのだろうか? だが、それは、間違いだと俺は気付かされた。さくやがなぜ紅魔館から追い出されたのかと言う理由を知ると共に。 「ざくやぁー! なぁにをじでるんだどぉ! ざっざとあまあまをもっでぐるんだどぉ!」 ゆでだこの様に真っ赤になって怒鳴り散らすれみりゃ。しかしさくやは動かない。 そして震えは良く見ずとも確認できる程に大きくなっていき、それが頂点に達した時、 まるで今日の昼と同じように、さくやの姿がぶれた。 「いぎゃぁぁぁぁぁっ!? でびりゃのぶりぢーなおべべがいだいんだどぉー!?」 れみりゃの悲鳴にそちらを向くと、れみりゃの両目にナイフが突き刺さっていた。そう、俺がさくやに作ってやったあのナイフだ。 れみりゃはそれを抜こうとするが、目測を誤りさらにナイフを押し込んでしまう。たまらず転倒し悶えるが、 さくやの動きがれみりゃが地面に倒れるよりも早かった。目にも留まらぬ速さでれみりゃに体当たりをすると、 胴体にストンピングをかました後、新しく取り出したナイフで四肢を縫いとめたのだ。 そして再度ナイフを取り出すと、今度は胴体に向けそれを突き刺し、引き抜き、それを何度も繰り返す。 「ふざっ! けるなっ! おまえのようなっ! くそまんじゅうがっ! おぜうさまでっ! あるものかっ! わたしのっ! おぜうさまは! れみりあさまっ! ただひとりっ! おまえのようなっ! できそこないがっ! かるがるしくっ! そのなまえをっ! かたるなぁっ! しねっ! しんでしまえっ! おまえのようなっ! ごみくずはっ! ゆっくりっ! しないでっ! さっさとっ! しねぇぇぇっ!」 突き刺し、抜き、また別の場所に突き刺し、抜く。 胴体に突き刺す場所がなくなれば今度は四肢、四肢に刺す場所がなくなれば今度は頭。 れみりゃ種は高い再生力を持つが、今回はそれが裏目に出た。他の場所を刺す間にその傷が治れば、 今度は治った場所から順に刺されていく。さくやの突然の狂乱は、それから暫くして れみりゃがゆっくりともいえないようなミンチに成り果てて動かなくなってから、ようやく終わった。 「はぁっ、はぁっ、おもい、しったか、くそ、まんじゅうめ……!」 「落ち着け、さくや。もう死んでる」 息を荒げ、なおもれみりゃに突き刺そうとするさくやを抱え上げ、抱きしめる。 抱き上げられる事で我に返ったのか、さくやはふるふると震えだした。袖が暖かい液体で濡れる感覚は、さくやが泣いているからだろうか。 「どうしたんだよいきなり。お前らしくもない」 「だ、だんな、さま……」 「取り合えず、洗ってやるよ。話はその後だ。今のお前、肉汁で凄いことなってるぞ?」 さくやの身体は、れみりゃの肉汁でぎとぎとになっていた。人間でいうなら、返り血で真っ赤に染まっているというところだろうか。 震えながらぽろぽろと泣くさくやを抱えながら、俺は風呂場へと向かった。 それから、暫く後。俺は居間でさくやの身の上話を聞いていた。 自分は生まれも育ちも紅魔館であること。自分は紅魔館の主、レミリア=スカーレットが戯れに手ずから育てたゆっくりであること。 主の事が大好きで、紅魔館を追い出された事も恨んではいないこと。そして、自分が紅魔館を追い出される事になった原因を。 「わたしは、おぜうさまがだいすきでした……こんなあるじにそだてられて、わたしはげんそうきょういちのしあわせものだともおもいました。 だから、ゆるせなかったんです、れみりゃが。あんな、おぜうさまをぶじょくするようなそんざいが……」 ゆっくりの多くは生意気で身の程を知らず、オリジナルにすら歯向かって殺される事もあるという。 ゆっくりアリスのレイパー種など、オリジナルからすれば皆殺しにしたくなるであろうものもいる。 さくやは、主の事を本当に慕っていた。忠義に篤い、ゆっくりらしからぬゆっくりなのだろう。 だから、れみりゃが許せなかった。オリジナルが飼っているれみりゃにすら牙を剥いて、殺してしまった。 それでやむなく紅魔館から出される事になったのだと言う。殺されなかったのは、せめてもの温情だったのだろう。 「そうか……まあ、気持ちは分かるよ。俺も生意気なゆっくりは腹立つし。 でもまあ、何事も程々が肝心だ。抑えるところを抑えるのも、瀟洒なメイドって奴だと思うぞ」 「はい……」 「俺は別にさ、それを知ったからってお前を追い出そうとかそういうのはないんだよ。 むしろ、嬉しいくらいだ。お前が腹の底までさらけ出してくれてさ。 だからさ……もっと抑えるところは抑えて、立派なメイドになれよ。 オリジナルが嫉妬するくらいに凄いメイドにさ」 「だんなさまぁ……っ!」 さくやが胸に飛び込んでくる。そういえば、こいつが自分からこうしてくるのは初めてだな…… 俺はそんな事を思いながら、声を上げて泣くさくやを抱きしめていた。 ―――――――――――――――――――――――― あとがき どうも、初めまして。95スレ 754です。 前々から書いてみようか、とは考えてたんですが、いまいちネタが浮かばずに居たところに 95スレ 750の人の一言にインスピレーションを得て書いてみました。 れみりゃ虐待SSというよりは、さくやメインのSSになってしまった感がありますが。 れみりゃを溺愛する咲夜さんというのが先達の方々のSSでよく見かけたので、 逆にさくやを育てるレミリア様がいてもいいのではないかと思いまして。 そして、そんな主に育てられたさくやは果たしてれみりゃを「おぜうさま」として認識できるのか?とも。 自分は「オリジナルをに愛されて育った後にゆっくりを見ても、主のまがい物にしか見えないのでは」という見解に至りました。 オリジナルに会った事がないさくやなら別なんでしょうけれど。 今回出てきたさくやは主に対する忠誠心が高すぎたさくや、と言う感じです。もはや狂信の域に達してるなぁこれ。 しかし、まだまだ虐待の仕方が甘いですね。虐待というより虐殺ですし。精進せねば。 今度はタカアキさんのやつのような、道具というか機械や虐待する為のものにゆっくりを放り込んで~みたいな物も書いてみたいです。 あと、一言だけ。今回はれみりゃを虐待しよう! ということでこういう感じになりましたが、 別にれみりゃが嫌いじゃないんです、俺。それだけですが。 最後に予想されるであろう質問に対するQ&A。 Q・なんで木工細工の職人なん? A・ナイフを作って与える都合上。深い意味は無いです。 Q・さくや速過ぎ。 A・紅魔館の英才教育マジパネエ。 Q・おっぱい揉みたがるなんて変態じゃねえか。 A・多感な時期に目の前にあんなものぶら下げられたらそりゃおっぱい星人に育とうというものです。 以上。 書いたもの ふつうとちょっとだけちがうゆっくりさくやのおはなし
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/2452.html
注意 虐待ありません パロディです。 都合上、ゆっくりが現れてからの年数を「Y歴○○年」と表記しています。 『YUKKURI of THE @%#$?』 #1 あそぼうれみりゃ 「ねぇ、まりさ知ってる? 子ゆっくり達の間で流行っている噂」 「ゆっくり知ってるぜ! あれだろ? "あそぼうれみりゃ"」 「ええ、おかげで遊び場に遅くまで居座る子ゆっくりがいなくなって助かるわ」 今、子ゆっくり達の間で『あそぼうれみりゃ』という噂がまことしやかに流れている。 どのようなものかと言うと… 「ゆぅ、すっかり遅い時間だよ! 早くゆっくり帰るよ!」 ほぼ太陽が沈んだ頃、子れいむは忘れ物を取りにドーム型の人工洞窟に戻ってきた。 この人工洞窟はいつからあったのかは定かではないのだが、天井に発光成分のあるコケが張り付いており、 いつでも明るかったため子ゆっくり達の遊び場となっていた。 成ゆっくり達はこの場所を利用できない。 なぜなら、入り口が横に狭く、成体ゆっくりでは進入できないから。 「でも、みんなばかだよ! "あそぼうれみりゃ"なんてただの噂話なのに怖がって!!!」 (むきゅ、夕方過ぎまでこの洞窟にいると、入り口にれみりゃがくるそうよ!) 「ゆ…あ………ぁ……」 洞窟の入り口にはゆっくり通常種の天敵の捕食種、れみりゃがいた。 普通のれみりゃは太っていて鈍重だが、このれみりゃは骨と皮だけと言わんがばかりに痩せている。 腕も足も木の棒のように細く、服もスカスカ。 顔も下膨れが引き締まり、まるで餓死直前であるかのような様相だ。 (それでね! れみりゃは洞窟の中には入ってこないのよ! だから、こういって誘い出そうとするのよ!!!) 「あそぼお」 「ゆっくりこの中に入れないのはわかってるよ!!! れいむはゆっくり帰るからさっさと出て行ってね!!!」 子れいむは振り絞れる勇気すべてを使ってれみりゃに威嚇する。 「はやぐででいっでよおおおおぉぉぉ!!! れいむががえれないでじょおおおおぉぉ!!!」 れみりゃは出入り口に両手足をかけ、入り口を揺さぶる。 「あそぼおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」 「あそぼおおおおおぉぉぉおおおおぉぉぉおおおお!!!」 「あそぼおおおおぉぉおおおおおぉぉぉおおおおぉぉおおおおおお!!!」 「あそぼおおおおぉぉおおおおおおぉおおおぉおぉおお!!!」 入り口がガタガタと音を立てて揺れる。 子れいむは恐怖のあまり声を出すこともできずにこの光景を見ている。 もし、『あそぼうれみりゃ』が「入ってこない」のではなく「入ってこれない」のだとしたら? もし、「入ってこれない」理由が「入り口が狭いから」だとしたら? もし、洞窟に進入するためにガリガリに痩せたのだとしたら? ----Y暦31年.人工洞窟 #2 訪問 がさがさ… 「はぁ」 またか、とみょんはため息をつく。 夜中、たまに自分の家と間違えてバリケードを破って入ってくるゆっくりがいる。 しかもたちの悪いことにそのままおうち宣言するということもある。 みょんは少々手荒だが、木の棒でしたたか叩いてから追い出すようにしている。 光コケの蓋を取り、明かりを確保。武器である木の枝を咥え、侵入者を待つ。 がさささ!!! ひときわ大きい音がしてバリケードが完全に崩れた。 そこにいたのは 「み"ょん!!?」 ゆっくりれいむであったが、額から右頬にかけて皮が破れだらりと垂れ下がり、 左頬は損壊し歯が見える。 そして頭には見たこともない金属片が突き刺さり、眉間には木の枝が突き刺さっていた。 「ゆュ……まチガえタ」 みょんが固まっているとれいむは一言 そう残してどこかへと跳ねていった。 ----Y暦27年.泉のほとりにほど近い洞窟 #3 帰り道 ザーザー… 「ゆぅ、全くついてなんだぜ…」 友達のれいむと遊んでいたら、突然雨が降り出した。 れいむの巣はすぐ近くだがまりさの巣は結構遠い。 最初はぽつぽつとしか降らなかったので、大きな葉っぱを傘代わりにすれば濡れずに帰れるだろう。 そう思ってれいむの巣で雨宿りせずに帰路についたが、 もうそろそろ巣につくであろう頃になって雨脚が強まった。 傘代わりの葉を見ながらまりさは思う。もっと早くに帰ってれば良かった。と。 ずん! 「ゆっ?」 突然葉が重くなった。 バランスを崩しながらも葉をのぞくと、そこには沢山のゆっくりの顔が映り込んでいた。 「げらげらげらげら!!」「げらげらげらげら!!」「げらげらげらげら!!」「げらげらげらげら!!」 「げらげらげらげら!!」「げらげらげらげら!!」「げらげらげらげら!!」「げらげらげらげら!!」 「ゆ、ゆうぅぅうううう!!!」 恐ろしくなって葉を離し、逃げ出す。 後ろを振り返り、葉を見るとそこにはゆっくりの顔も笑い声も無くなっていた。 「……………」 ----Y暦3年.まりさの巣の近辺 #4 訪問2 「ゆぅ……ゆぅ……」 ちぇんとらんは二匹寄り添って眠っていた。 「おい」 「おいィ」 「おい」 「おいィ!!!」 「ゆぅ?」 「むにゅ…、どうしたのらんしゃまぁ…」 何者かの声にらんが気付き、起きる。ちぇんはらんが起きるとつられて起きた。 何だろうと光コケの蓋を外す。 すると、気の棒などで覆ったバリケードの外に何者かがいることがわかった。 「おいィ!」 ガタガタガタ!!! 木の棒の隙間から声が聞こえる。 二匹はそちらを見て絶句した。 木の棒の隙間から目玉が何個も二匹を凝視しているのだ。 「おいィ…………」 「こコを……アけロ」 正体不明の訪問者にがたがた震える二匹。 「オいぃ!!!」 ----Y暦30年.場所は伏す #5 他に、誰がいたのか 「ゆー、ありす、まりさ! こっちだよ! 早く来てね!!!」 「れいむ、都会派は焦らないのよ!!!」 「そうだよ、もうちょっとゆっくりしようよ…」 れいむ、まりさ、ありす。 仲の良い三匹はこのたび親元を離れ、新しい巣に引っ越そうとしていた。 「でも、そこ本当に誰もいなかったの?」 「ゆ! 誰もいなかったよ! れいむちゃんとこの目で見たもん!!!」 れいむが見つけたのは中くらいの大きさの洞窟。 前日に中をのぞいて見たところ、住人もおらず、誰かが住んでいる様子もない。 三匹で生活するには広すぎるくらいの広さ。 れいむは一目で気に入り、三匹での生活に心踊らせ、二匹に知らせ 早速翌日三匹で下見をしに来たのだ。 「ゆ! ついたよ! ここだよ!!!」 岩肌に見える小さめの穴。成ゆっくり一匹分の入り口。 「ゆー! なかなか都会派な場所じゃない!!!」 「まりさここ気に入ったよ!!! さすがれいむだね! ゆっくりできるよ!!!」 早速三匹は順番に洞窟の中に入った。 「ゆわ~ひろ~い!」 「ありす、ここが気に入ったわ! さっそく、お引っ越しの準備しましょ!」 「ゆ? 誰かいるよ!!!」 入ってきたときは誰もいなかったはずなのに、気がつけば自分たちの目の前にゆかりんがいた。 そのゆかりんは一瞬だけ笑ったように見え、 ザクッ! 袈裟に切られた。 しかし三匹には何がゆかりんを切り裂いたのか、見えなかった。 ザクッ!ザクッ!ザクッ!ザクッ!ザクッ!ザクッ! ザクッ!ザクッ!ザクッ!ザクッ!ザクッ!ザクッ! ゆかりんは中身をまき散らかし、残骸があちこちに散らばった。 その中で、目玉だけはしっかりと三匹を見据えていた。 ----Y暦27年.山奥の洞窟 お気づきの方もいらっしゃると思いますが、 これらは「不安の種」のエピソードを元に作成されています。 これかなり怖いので、怖いの苦手な方は見ない方がいいです。 次は「不安の種+」のエピソードも書こうかなぁ、と思っています。 今まで書いたSS? ドスまりさとゆうか1~3 ゆっくり闘技場(性)1 不幸なきめぇ丸 名物餡玉 行列の出来るゆっくり スカウトマンゆかりん前・後 ファイティング親子とゆっくり まりさの商売 ぱちゅりーの失敗1~4 盲点 進化 ぶっかけ!ぱちゅりー! 短い話しを一つだけ ありふれた話 対決!ドスまりさ! 被虐のみょん_その一 とあるきめぇ丸の一日 おさんぽバターみょん さなえに首ったけ ゆっくり兵団 このSSに感想をつける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/4871.html
※ちーんぽ!といってくるみょんがでます ※みょんが成仏します ※実際にやってみたりします 「ゆっくりレポート 〜みょん〜」 通常種のゆっくりの中にはれいむ種とまりさ種より強い上位種がある。 それはみょん種とちぇん種だ。 みょんは戦闘力が高いため棒切れを武器に戦うことがある。 ちぇんしゅは攻撃力こそ無いが瞬発力などが高い。 群れにれみりゃなどの捕食種が現れた場合、みょんとちぇんは、ドスとともに立ち向かう個体もあれば、怖くて逃げ出すものもいる。 今回のレポートはそのみょん種について調べ簡単にまとめてみた。 1 話しかたについて。 みょん種の話し方は3つに分かれる。 それは動物系と通常系と混合系の3種類 動物系は「ちーんぽ」や「ぺにすっ!」「まらぁ」 など性に関する言葉を発して来る存在自体が下ネタという存在。 しかし、その言葉が理解できるのは同じみょん種ぐらいのようなものである。 ほかにも感情表現でうれしくなると 「びっくまらぺにすっ!」 などと意味不明な言葉を発して来る。 つまりみょん種はうれしくなると「びっく」などの言葉を言うのではないかと思う。 通常系は普通のゆっくりと同じようにしゃべることができる固体。 しかしゆっくりとは違い語尾に「〜みょん」をつけてくる。 例「ゆっくりしていくみょん!」 混合系は通常種と動物種の混合タイプ 語尾に「〜みょん」では無く動物種の言葉を発する。 例「ゆっくりしていくちーんぽ!」 ちなみにこの3つのうち一番多いのはこの種らしい。 2 通常種による動物種の翻訳。 先ほどお話したように動物種の言葉は同じ属性に値するみょん出ないと翻訳はほぼ不可。 なので動物種と通常種を一緒にさせ、動物種の言ったことを俺に伝えるように通常種に依頼した。 ――――――――――――――― そして数分経過すると。 「ちーんぽ、まらっ、ぺにす。」 と動物種のみょんが通常種のみょんにはなしかけてきた。 なんていってんのと聞くと 「おにーさんはほんとうにやさしいのといってたみょん!」 といってきた。 「ああ、そうなのか。 みょん、俺は優しいお兄さんだ。その証拠に・・・ほら」 とチョコをばら撒く そして 「びっくまらぺにす!」 と歓喜の声。 「おにいさん、これは・・・」 「ああ、言わなくてもわかる。 お兄さんありがとう!か何かだろ。」 「すごいみょん!おにいさん!」 ――――――――――――――― という感じになった。 やはり動物種のみょんがいる場合。 通常種、もしくは混合種のみょんの存在は不可欠なのだ。 3 戦闘力の高さ。 みょんの戦闘力は前文にも述べたように高い。 その戦闘力は時にはれみりゃに匹敵するほどらしい。 なので、実験してみた。 ――――――――――――――― まずは軽いウォーミングアップ。 お兄さんはお出かけしてくるといい。 もし変なゆっくりがはいってきたらこいつで始末してくれと、木の枝を渡す。 お兄さんが外へ出たら近くにいた野良ゆっくり(まりさ種)をみょんに気づかれぬよう、家にぽいっと放り込む。 「ゆっ・・・ぐっ・・・ぎゅっ」 と三回はねた後転がるまりさ。 そして起き上がりあたりを見渡す。 「ゆぅっ・・・いたいのぜ・・・ここはどこなのぜ?」 とまりさの目の前に広がる謎の空間。 しかし、わかるのは今まで住んでた家よりももっともマシな空間。 「ゆう・・・すごいのぜ・・・ここはにんげんさんのおうちなのぜ?にんげんさんにはもったいないのぜ!だからここを・・・」 まりさは息を吸い思いっきり声を上げた。 「ここをまりさのゆっくりプレイスにするよ!!」 まりさは高らかとお家宣言をしてしまった。 違う部屋にいたみょんはぴくんと耳(?)を立てた。 「みょんっ?ふしんしゃがいるみょんね・・・」 「ちんぽ?」 「みょんはちょっとみてくるみょん!みょんはそこでまってるみょん!」 とお兄さんに渡された木の枝を持って部屋を出る。 その部屋には 「ちんぽっぽー」 と見送る動物種のみょんが見送っている姿があった。 みょんは玄関に向かった後キッチンへ向かう。 するとキッチン近くに 「むーしゃ、むーしゃ」という声が聞こえた。 間違いない。不審者だ。 みょんはこっそりとキッチンの中へ。 よく見るとまりさ種がキッチンのものを貪り食っている。 「んめぇっ!まじぱねぇ!!」 ついでにこのご飯もわざと用意したものだ。 みょんは (ゆ!おにいさんがよういしたごはんをたべている!?ひとがつくったごはんをたべるなんてゆるせないみょん!) こっそりとまりさに近づき声を上げる。 「やい!まりさ!!なにをやっているみょん!」 「ゆ!みょん!!まりさのゆっくりプレイスにようこそ! でもかってにはいってきちゃだめだよ! あとごはんさんあまっているからいっしょにたべようね!」 みょんは絶句した。 こいつ、何を言っている。 ここはお兄さんのおうちなのに、なぜ『まりさのゆっくりプレイス』と言い切れる。 しかもそのご飯はお兄さんが用意していたご飯・・・ 許せない。 早く退治しないとお兄さんが帰ってくる。 時間はない。 短い針さんが3の数字をさしたら帰ってくる。 すべてを賭けるしかないと考えた。 「どうしたの?みょんゆっくりs(ドスッ)」 まりさの腹部に木の枝が刺さる。 「ゆぎゃあああああああああああああああああいたいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!」 「おまえはおにいさんのおうちにむだんでしんにゅうした!いまからそのつみをつぐなってもらうみょん!」 「どおじでえええええええええ!!ここはまりざのゆっぐりぷれいずっ・・・ゆっ゛!!」 「そういうゆっくりはゆるさないみょん!じごくにおちろみょん!」 「いだいいいいいいいいいいいいいいい!! ごべんなざい!ごべんなざい!! まりさがわるかったですう! ここがおにいさんのおうちとはしらなかったんですう!!」 「・・・あいかわらずくちだけはたっしゃだみょんね・・・まりさってのはみょん・・・ いまらくにしてやるみょん! ゆっくりしねみょん!」 と木をさらにねじ込ませた。 「ゆぐげげげげげげぇっ!」 とまりさが痙攣している。 中枢餡にたどり着いたのかと思ったみょんは木の枝を引き抜いた。 しばらくしないうちにこのまりさはゆっくり死ぬだろう。そう確信していた そして3時になるとお兄さんがみょんの大好きなおやつを持って帰ってきた。 「みょん、お勤めご苦労様」と言ってくれたそれが何よりもうれしいことだ。 ――――――――――――――― やはりまりさ種は瞬殺だった。 適度に休憩を与え飯も食わせた後。 次の実験に移る。 ――――――――――――――― 夜。 みょんがまだ寝る時間じゃないときに 「今日は早く寝る」といい部屋を後にする。 みょんから 「ゆっくりおやすみみょん!」 「ちんぽー」と送られた。 今度はれいむやまりさではなくれみりゃを放つ この日のために前日捕まえたものだ。 昼と同じくみょんに気づかれぬようにれみりゃを放つ。 「うっう〜♪」とのんきな声を放つれみりゃ 通常種のみょんが動物種のみょんが遊んでいるときに 「ぎゃおーー!たべちゃうぞー!!」 とばかげた声がする。 その声の主が 「れ・・・れみりゃだあああああああああああああ!」 「ちんぽー!まらっ!ぺにすっ!まらぺにすっ!」 「うー☆あまあまにひきいただきますどぉー♪」 「そうはさせないみょん。みょん!」 「ぺにすっ!」 と木の枝を構えた二匹。れみりゃに勝負を挑むのだ。 「はさみうちだみょん!」「ちんぽこ!」 とれみりゃの頬をさす。 「うぎゃあああああああああああああざぐやああああああああああああああああああ!!」 といないはずのメイド長を呼ぶれみりゃ 「さくやあ・・・どこぉ・・・こあいあまあまがいるよぉ・・・」 おびえるれみりゃ。それはそうだ、今まで痛みを味わったこともないれみりゃをつれてきたのだから。 「つぎははねさんをうごけなくさせるみょん!」 「ちんぽこぽーん!」 と二匹が羽を引きちぎった。 「あぎゃあああああああああああああああああ!!」 羽をちぎり、食べてみると 「おいしいのかおいしくないのかわからんみょん!」 「ちんちん!」 「やめるどぉぉぉぉおおお!いたいどおおおおおおおおお! れみりゃはぁ〜かり☆しゅまであたまのきれる。こーまかんのあるじなんだどぉー!!」 「うるさいみょん!」 「なにがあるじだみょん!それはたんなるおもいこみにしかすぎないみょん! おまえはにせもののあるじだみょん!」 「ちんぽこちーん!」 「・・・え よくきこえないどぉ。もういちどいうどぉ」 れみりゃがとぼける。 「わかったみょん! おまえは!なさけなくて!げすな!にせものあるじだみょん!!」 「う・・・う・・・うわあああああああああああああああああああああああああああ!」 そんな・・・そんなはずは無い。 れみりゃはれっきとした。こーまかんの主。 くーるで、かり☆しゅまな主なのに なのにあのみょんはれみりゃのことをにせものといった。 でもれみりゃの家族もみんなこーまかんの主といっていた。 じ・・・じゃあ本物の主は・・・ ぷちん れみりゃの理性を保つ線が切れた。 「ぐびょびょびょびょびょびょびょびょ!」 「ついにこわれたみょんね・・・ あわれなもんみょん」 「まらぺにす!」 「ゆっくりしぬみょん!」 れみりゃの脳天に木の枝をさす。 「びょびょびょびょびょびょっ・・・ ぐべえええええええええええええええええ!!!」 その後れみりゃは肉汁などを吐き息をしなくなった。 「・・・おわったみょん・・・」 みょんは見つめ合い、軽いスキンシップをした後、 「おやすみみょん」 といい眠りについた。 ――――――――――――――― やはりれみりゃもだめだった。 相当このみょんが戦闘慣れしていることがよくわかる。 やはりちぇんよりみょんがつよいのではと思った。 やはりドスの群れなどでは用心棒候補としてみょんの名前が多い 4 みょんの不思議な特性 みょんは独特の話し方をするだけではないんじゃないかと思う ということでゆっくり辞典で少し調べてみることにした 何でも辞書にはみょんの中に時折半霊をつれているみょんが存在し、その半霊はみょん以外のゆっくりに憑依可能らしい。 その半霊はみょんじゃないと見えないらしく 見抜くのは相当難しいそうだ。 あとみょんをあと方も無く消滅させる方法というものが書いてあった。 開いてみると、そこにはこうかいてあった。 ――――――――――――――― ゆっくりみょんは元々別世界の存在。 「南無阿弥陀仏」というとみょんはあと方も無く成仏します。 面白そうなのでためしに山に登りみょんを一匹ほど成仏させる。 ゆっくりしていってねというとれいむがあらわれ、お菓子を分け与えることを条件にみょんにあわせてもらった。 「ちんぽー!」 「はいはい、ゆっくりゆっくり。 じゃあ、早速だが。」 すぅーと深呼吸をした後叫んだ。 「南無阿弥陀仏!!」 そういうと、みょんの体からしゅぱあああという光が放たれた しかし、れいむはのんきに 「ゆぅ〜みょん。きれいだよぉ・・・」 と、するとみょんのからだから発される光がさらに強くなりお兄さんの視界を覆い尽くす。 目がちかちかするが。 目の前を見るとさっきまでいたみょんの姿が無かった。 本当に成仏したのか?と思い天を見ると半霊が。 よく見ると半霊はみょんのすがたをしている。 おそらく成仏しようとしているみょんだろう。 するとみょんが 「ゆっくりしていってね!」 と声を上げる。 うぉぉすげぇ半霊状態だと「ちーんぽ」とか言わないのか! そう感激しているとみょんが口を開いた。 「そこのおにいさんにおねがいがあるよ。 みょんがじょうぶつしたらみょんのしたいをそこにうめてね・・・おねがいだよ・・・」 お・・・おれ!?と思った。 「わ・・・わかった」と返事をすると。 なぜか雲から光がさし、みょんを照らす。 「ゆ・・・おむかえさんだね・・・いまいくよ・・・」とみょんが消え始める。 そして完全に消える直後。 「ゆっくりじょうぶつするよ!」 といい完全に消滅した。 よく見ると魂の抜け殻になったみょんの遺体が 遺言通りに土に埋めると、 「ゆぅ〜どうしたの、みょんは?」 とれいむが聞いてくる。 「え・・・・・・ゆ・・・ゆっくりしちゃった。」 と言ってその場を後にした。 ――――――――――――――― にみょんが畑荒らしに来たら南無阿弥陀仏といえばすぐに成仏する。 しかも成仏寸前になるとまともにしゃべるというものだ。 やはりゆっくりはやめられない。 あとがき ゆっくりレポートというものだが 回想が妙におおかったことは謝りたい byさすらいの名無し 過去作品 いじめ系2850 ゆっくり油火踊り祭 いじめ系2889 ゆっくりべんじゃー いじめ系2932 すぃー吶喊 いじめ系2938 ゆっくりが実る木 いじめ系2967 ゆっくり天井針 いじめ系2974 もしもゆっくりが廃スペースシャトルにいたら いじめ小ネタ542 ゆっくりジェットコースター いじめ小ネタ545 ゆっくりボール いじめ小ネタ546 ゆっくり太郎 いじめ小ネタ553 ゆっくりできない川さん いじめ小ネタ562 ゆっくり草野球 いじめ小ネタ567 ゆっくり瞬殺されるよ! いじめ小ネタ573 金バッチがほしいよ! いじめ小ネタ580 とかいはこーでぃねーと このSSに感想をつける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/2979.html
タグ希望は環境 現代にゆっくりがいます。 ゆっくりは幻想郷から落ちてきました。 おおかたどこかの誰かさんがスキマでも使ったとお思いください。 それでも幸せなゆっくりがいます。 ゆっくりと現代 近年突如現れた饅頭に知能が付与されたようなびっくり生物(なまもの)ゆっくり。 モノの数年でかなりの数に増えた彼らは、少しずつ都市部へと流れ込み始めた。 町に行けばおいしいものがあるに違いない、と妙にポジティブな希望を抱いて。 しかし、彼らに待ち受けていたものはそんな幻実ではなくありふれた現実だった。 「ゆっゆっゆっ……」 ここに跳ねているのはゆっくりれいむ。れいむは実にゆっくりできていなかった。 この『町』というところは前にいた山よりゆっくりできないものが多いのだ。 「これじゃぜんぜんゆっくりできないよ!」 そうごちりながられいむは跳ねる。 昨日も黒い四つのわっかが現れて道の真ん中で寝てた親友だったまりさが潰された。 「いたたた……」 跳ねるのを止める。ここの道は霊夢達には固すぎる。 長時間跳ね続けると皮が腫れてしまうからこうして足を定期的に休まなければ跳ねることもままならない。 「でもすーりすーりすると……」 ここにきて間もないころにれいむは子供達のにこれと同じような道ですり潰されたようむを見た。 この道で張って進む事はできない。れいむはそう思っていた。 「ゆぅ、おなかがすいたよ………」 ここ数日何も食べていない。ここは草が極端に生えていなかった。 最初はお花を食べていた。だけどお花は妙に苦かった。 それでも空腹よりはましだと思って食べていたのだが、 「花を荒らす奴は誰だ」 と人間が夜に見回りするようになったから食べられなくなってしまった 「ゆうかよりこわいよ……」。 山にいたころに長から人は怖いものと教えられてきたから人には近寄らないようにしてきた。 だから人の多い昼間は隠れている。夜がれいむ達の生活時間だ。 「ここにはれみりゃがいなくてよかったよ……」 れいむは少しだけホッとする。だがホッとしたところで空腹感は変わらない。 れいむは再び跳ねてご飯を探しに行く。 「ごみさんでもいいからなにかたべたいよ……」 ごみ集積所にたどり着く。夜にゴミを捨てる不届き者はまだまだ健在らしくゴミ袋はたくさんあった。 「ゆゆゆ、やったね!」 れいむはすなおに喜び、ごみ集積所へと跳ねていく。だがその喜びはぬか喜びに終わった。 「フーーー!!」 「うわぁぁぁぁぁぁぁ!!」 先客の猫がいたのだ。猫にとってもこういった生ゴミは貴重な栄養源。 よくわからんポッと出の丸っこい新参者にとられるわけには行かないのだ。 「ゆぅぅぅぅぅぅ………」 このれいむは勝ち目のない戦いはしないことにしていた。 このいかにも強そうな猫に戦いを挑んで食べられてしまったら元も子もない。 トボトボとその場を立ち去っていく。 空腹感は増すばかり。 「ゆぅぅぅぅぅ……こ、こうなったらにんげんさんのおうちに」 人の家に侵入する。これも山にいたとき人里にいったというまりさから聞いたものだ。 そのときに簡単な構造を教えてもらった。 まりさいわく 「にんげんさんはおうちにたくさんたべものをたくわえてるんだぜ!だからすこしぐらいもらってもいいんだぜ!」 とのこと。このまりさはしばらく後に見かけなくなったのだが多分人間に捕まったのだろう。 そう考えると怖くなってきたが 「す、すこしぐらいならばれないよね」 悪さをするのは気が引けるが自分ももう少しゆっくりしたいのだからいいよね、と自己正当化を行いめぼしい家を探すことにした。 夜道にていんていんとマンガみたいな足音が響く。 そして人の家の前に着いた。 しかしおかしい。まりさの言ってたような戸があるわけでなし、屋根へ上るための梯子もない。というか家が妙に四角い。 昔自分が遠目に見たにんげんさんの家屋はもっと平べったくなかっただろうか。 「ゆぅぅぅ・・・・・・」 どうしようか、と困っていたときれいむは一つの突破口を見つけた。 ガラス窓だ。そうだ、まりさは確かこうも言っていた。 「とうめいないたでおおってるところはいしをぶつければすぐにわれるぜ」と。 れいむはそのまりさの言葉に賭けた。 庭に手ごろな石がないかを探す。 あった。 口に入るかを確かめる。 入る。 石を口に咥えて方向を確かめ、れいむは石を噴き出した。 カィン 「ゆ? ゆぅぅぅぅぅぅぅぅ!?」 石は当たった。確かに当たった。しかし、音はしてもガラスは割れなかった。 技術の発展はガラスでもある程度の衝撃は防げるようになったのである。 今のへろへろのれいむの射出した石では20発撃ってやっと割れるかどうかだろう。 「ま、まりざのうぞづぎぃぃぃ………」 今は亡き無謀と勇気を履き違えたゆっくりに恨み言をこぼしもうだめだ、とへこたれるれいむ。 ふと足元の草に気づく。 「ゆっ!くささんだよ!たべれるよ!!」 そうだ、草はあまりおいしくはないが食べられるではないか。 家に入ることばかり考えていて足元にある食べ物に気づかなかったわけである。 灯台下暗しとは正にこのこと。 それはともかくれいむはくさに噛り付く。 食べる、食べる、食べる!! 「む~しゃ、む~しゃ、しあわせ~!」 寝静まっている人やゆっくりもいるだろうからか控えめの声でれいむは久しぶりの食事の喜びを表した。 数時間後、れいむは自分の巣に戻っていた。 あれから数件ほど別の家の庭に入っては草を毟り巣に運んでいたのだ。 人の家に入らずともお庭に草があったのは助かった。これでしばらくは暮らしていける。 「やっと、ここでゆっくりできそうなきがしてきたよ……」 とれいむが思った矢先、むんずと何かに掴まれる。 「ゆ?」 目線を開けるとそこには にこにことわらった 古臭いドレスを着た ふとましい体つきゆっくり。 「れ み り ゃ だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」 「う~♪」 ハッピーエンドが好きな一部の人には実に最悪な話なのだが れいむがれみりゃがこの町にいないというのは たまたま今まで出会わなかったというだけだ。 実際のところは数日ほど前に一匹の胴付きれみりゃが町に来ていた。 そして、れいむと同じようにご飯を探し回っていた。 だが、ここはれみりゃの住んでた森のテリトリーより広く。生きているゆっくりは森より少ない。 潰された死体はみかけるが生きたゆっくりはそうそう見つからない。 つぶれたゆっくりはおいしくない。 それだけの理由でれみりゃは生きたゆっくりを探した。貴族は食わねど高楊枝と言ったところか。 そして今日、おなかをすかせてふらふらのれみりゃはついにおいしそうな獲物を見つけたのである。 たまたまそれがさっきまで大変だったれいむなだけで別に誰でも良かった、といっておく。 「うぅ~、いただきまぁす」 「ゆべぇ!?」 頬に齧り付く。齧りとった箇所から餡子が漏れ出てくる。 「あまあまぁぁぁぁ」 甘い。今までつぶれたゆっくりを我慢してきた甲斐があったものだ。 「ひゅ、ひゅうっぐりひゃべふぇべ!?」 頬に開いた穴で満足に発声はできない。 「れみりゃはおなかすいてるんだどぉぉぉ おとなしくたべられるんだどぉぉぉ」 「ひゅヴぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!?」 齧る。齧る。啜る。毟。啜る。喰らう。 今までの空腹を癒すかのように一心不乱にバレーボールサイズのれいむを食べ続けるれみりゃ。 このサイズを食べつくしたなら数日はもつだろう。その間に次の獲物を探そう、とれみりゃは考えていた。 なに大丈夫だ、自分ならきっと見つけられるとも思っている辺りはほんと楽観主義だが。 一方食われ、餡を削られどんどん薄れ行く意識の中 (もっとゆっくりしたかった……) と思いながられいむの意識は消えていった。 明け方近くにれみりゃはれいむを食べ終えた。 「うぅ~♪ おなかいっぱ……うぅ!?」 日が昇り始めていた。 今まで森に住んでいたこのれみりゃが日傘を持っているわけがないのでこれは致命的だった。 食欲に我を忘れ、時間を考慮していなかった結果がこれだよ! 「うぁぁぁぁ、うぁぁぁぁぁぁ!!」 たちまちれみりゃの体は火傷の症状を表し始めた。このままではれみりゃは灰になって死んでしまう。 「う?」 食べていたれいむの巣だったポリバケツに気づき、慌ててれみりゃはそれを被った。 これでもう太陽に当たらない。 「うぅ~♪」 しかし、慌ててもぐりこんだせいで変に嵌ってしまいバケツから出ることができなくなってしまった。 歩けるには歩けるのだがちょこちょことしか歩けず、視界が見えないのでどっちに進めば良いのかもわからない。 「うぁぁぁぁぁぁぁぁうぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!だれがだじゅげでぇぇぇぇぇ!!ざぐやー!ざぐやー!!」 誰も来るわけがない。ここは人一倍人を恐れていたれいむが見つけた場所だ。 そんなところに人がくるわけなど当然なかった。 このれみりゃは奇特な人間が来なければ死ぬまでバケツの中にいるしかなかった。 これはほんの一部の例である。 ゆっくり達がこの世界の都市に適応するまではもう少しの時間がかかるだろう。 後書き アスファルトの床には首だけのゆっくりにはさぞかし響くだろうなぁ、と思って書き始めたらなんか違う方向に………。 しかも、先越されたぁぁぁぁぁぁ! 現代都市にゆっくりを住ませようとしたらかなりきつい感じがしました。 あいつらはいるとしたら田舎に住ませてやるべきです。それでも畑荒らしたら潰されますし、冬眠寸前の熊に食われたりと大変な気がしますが。 公園に落ちたドスとかはなんかうまくやってけそうなイメージがあります。 ドスが少食、という設定ならですが。 以前書いたもの fuku3328.txt ドスに纏わる二、三の話.txt fuku3313.txt 小ネタ.txt fuku3290.txt 中立な話.txt このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/slowlove/pages/1016.html
『ゆゆ~♪おとーさんとおかーさんのほっぺたあったかいよ~♪』 「みんなでくっついてればさむくないね!!!」 「ゆっくりはるをまとうね!!!」 冬、十分な備蓄と準備の下ゆっくり達の冬越えが始まる 家族みんなで身を寄せ合い、溜め込んだ餌を食べ、春に思いを馳せながらゆっくりすごす 冬越え、といっても冬眠ではなく単に巣の中でゆっくり春を待つ 『みんなでゆっくりするのもひさしぶりだね!!!れーむ、しあわせ~♪』 「はるがきてもげんきにがんばろうね!!!」 「れーむははるがきたらどうするの?じぶんのゆっくりぷれいすさがしにいく?」 『ゆゆっ!?じぶんだけのゆっくりぷれいす?』 「おとーさんとおかーさんはここがゆっくりぷれいすだけど、れーむにもじぶんだけのゆっくりぷれいすがあるはずだよ!!!」 『ゆ~、みんなとゆっくりしたいけど・・・じぶんだけのゆっくりぷれいすがほしいよ!!』 「じゃあきまりだね!!ゆっくりぷれいすをみつける”コツ”をおしえるよ!!」 『ゆっくりおぼえるよ!!!』 「ゆっくりれみりゃはだっこしてあそんでくれるけど、ちからがつよいからきをつけてね!!!」 「うーぱっくはいろんなところにつれていってくれるから、すごくゆっくりできるよ!!!」 「ありすははずかしがりやさんですぐほっぺをすりすりしてくるけど、いやがらないであげてね!!!」 そのほかにも、餌場の事、巣を構える場所の条件など親ゆっくりはゆっくり丁寧に教えていった 『ゆ~・・・ゆっくりぷれいすをみつけるのはたいへんそうだね・・・』 「「ゆっくりがんばってね!!!」」 「まりさ!!まどのそとをみてね!!ゆきがやんでるみたいだよ!!!」 「ほんと!?そろそろはるもちかいね!!!ゆきがとけたらいりぐちをあけようね!!!」 『ゆきさん!!はやくとけてね!!!』 春、この家族から一匹のゆっくりが旅立った、自分だけのゆっくりぷれいすを求めて きっとこのゆっくりも家族を作り、子を育て、冬を超え、自分の子を送り出していくのだろう 『おかーさん!!!おとーさん!!!いままでありがとう!!!』 「「ゆっくりがんばってね!!!おとーさんとおかーさんとのやくそくだよ!!!」」 『ゆっくりいってきます!!!』 ~おわり~ 餌ってアンタ・・・・ -- 名無しさん (2012-05-11 00 26 38) ↑な、何かの間違いだよきっと、じ、自分たちの食料を餌だなんて・・・ -- 名無しさん (2012-12-24 17 47 00) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/2141.html
※注意書き 人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人_ > ずれているのは仕様だと思って諦めてね!! <  ̄^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y ̄ \ ' , ./ ̄⌒⌒ヽ._ \ \\ ./⌒ー \ x‐―ァ / |\ / | \\ 〉 | | / ⌒ヽ./ \ /⌒(⌒{ノー{_ノ⌒ノ /イ7⌒7/ハ._> `' 、 「| | || || '⌒´ レ'V⌒Y、∨ | ヘ __,|_| 、__|| |ヘ\\ ... - ヘハ}_] ヒ_ン )|| |、\\\ //∧ ,___, /' ∨7777ー>――‐-、 --─ ./// \ /' |l. ∨/ /´ ―-、 \ ./// |. }>‐イ|l || l | / \ ヽ || | | j⌒ー N| || | |⌒ ', `. || l| | ハ || || | | ', | || l| | { | || || |. ハ x | /' ハ. | | |. | ヘ. }| | /_ {/ハ. / || \ | |______人_>‐‐イ | //∧ ⊥ ヘ. {⌒Y^i⌒! \| }_人_ノ‐' `7ー ヽ ヘ. \ノ‐ヘ._j⌒く⌒ `ーイ| | - 、__| _>‐、V}| }ハ | レ'^ { ー r‐┼ァ ∧ (. -x―、 `、| /7 7くヽ. ヘ}く ∧_ゞ.__レ'}⌒{ /// ‐{ `、 '、 |' .// ./ /⌒ / ̄ \} } { 〈 || //イ '、 } } | ` | | | | く〉 ̄ ̄ ∧___〉‐‐ }// ―イ| | } / // / | } /} ゞ! \______/-' `ー‐-、___ノ ───--一 ' // . - `、 いつもの散歩コースを歩いていると、変な薬の入った缶を見つけ、今日に限って魔が差したのか何となくその缶を拾ってしまった。 「で、でー・・・しー、えすぅ・・・?なんだこれ?」 何か文字が書かれているが擦り切れてしまっていてはっきりと読むことが出来ない。 訝しく思いながらも何故かその缶が捨てられず、手に持ったまま散歩を続けていると、今度は死にかけのゆっくりぱちゅりーに遭遇した。 「む、むきゅ~・・・おにぃさん・・・ぱちゅりーを、ゆっくりたすけて・・・」 「一体どうしたんだ?助けてだけじゃ分からないだろ?」 「のどがかわいたわ・・・むきゅ・・・」 その言葉を聞いた俺は、ついさっき拾った『でーしーえす』とやらを彼女に飲ませてあげた。 両頬を押さえて口が開いた常態で固定すると、彼女の口に少しずつ『でーしーえす』を注いでやる。 最初は何も言わずに黙々と飲み続けていたぱちゅりーだったが、やがて「ごーくごーく、しあわせ~」などと鳴くようになる。 「これだけ元気になりゃ、後は自分で飲めるな?」 「むっきゅ~!」 『でーしーえす』の缶を目の前においてやると、彼女はすぐにそれを咥えて口全体を器用に使って飲み干した。 瞬間、異変が起こった。そして、それが終るまでの時間はあまりに短かった。 突然ぱちゅりーの下あご付近にこぶが出来たかと思うとそれが成長して人間の手足を形成し、更にすさまじいスピードで成長した。 そうして、今やぱちゅりーの四肢は力強く膨張し、身の丈も2mにも達し、遥かな高みから俺を見下ろしていた。 「む、むきゅ?なんだかすっごくゆっくりできるわ!」 「な、なんじゃこりゃあああああああああああああああ!!?」 俺は呆然とぱちゅりーを、否まっちょりーを見上げることしか出来なかった。 信じられないほどに逞しい四肢と高い身長を持ったこの良く分からない何かがさっきまで死にかけていたぱちゅりーだとはとても思えない。 というか、同じものであってほしくない。 「むきゅ~・・・いまならおにーさんにかてそうなきがするわ!」 「ちょ!?おま・・・恩を仇で返す気か!?」 「むっきゅっきゅ・・・じゃくにくきょうしょくよ!」 フーフークワッ・・・そんな擬音を発しながら目を見開いたまっちょりー大きな手で逃げそびれた俺の頭を掴む。 「むっきゅ~!!」 「う、うわああああああああああああ!?」 クシカツ・・・そんな音を立てて俺の頭が潰れ・・・なかった。 まっちょりーの表情を見る限り全力で握っているつもりだろうが、その力は子どもの握力にも及んでいない。 どうやら見かけ倒しだったらしい。びっくりさせやがって! 「・・・痛くもかゆくもないな」 「む、むきゅ!?」 予想外の事態に困惑しているまっちょりーにすかさず蹴りを見舞ってやった。 すると、予想通りいとも簡単にすっ転んだ。何故かゴシカアアアアンというありもしない金属音を響かせながら。 転倒したまっちょりーはばたばたと手足をばたつかせているが、手足の正しい使い方を理解できていないらしく一向に起き上がる気配を見せない。 その様子を観察すること46秒。逞しかったまっちょりーの筋肉はあっという間にしおれ、文字通りもやしのようになってしまった。 「むぎゅ~!おにーさん、ぱちゅりーをたすけて!?」 「弱肉強食だろ?」 とどめにけりを一発お見舞いした俺は、さっさと帰路に着いた。 そして取り残された元まっちょりー。 「むきゅ~・・・だれがたすけて~!?」 ひょろっとした体を必死に動かし、声を張り上げて助けを求めるが誰も助けてくれない。 人間も獣もゆっくりも、皆して彼女のあまりの異形を前に曰く形容しがたい恐怖を覚えてそそくさと立ち去ってしまうのだ。 そして気がつけばとっぷりと陽も暮れて、捕食種たちの跋扈する時間になっていた。 「だれがぁ~、だしゅげでえええええええ・・・!」 夜の風の寒さに凍えながらも叫ぶ元まっちょりー。 しかし、それがいけなかった。 「ぎゃおー!たべちゃうど~♪」 「うっう~♪へんなのがいるんだど~♪」 「「う~っ♪」」 姿を現したのは蝙蝠のような羽を生やした、四肢を持つ最も有名な捕食種のゆっくりれみりゃ。 見たこともないゆっくりに興味津々の捕食者達は一斉に元まっちょりーに群がる。 「むぎゅ!?やべで!?いぢゃいわ!?ぢぬううう!?」 あるものは細長い腕を捻って遊び、またあるものは足をつま先から少しずつ食べてゆく。 その遊びは徐々にエスカレートして行き、ある赤れみりゃは腕をこねて伸ばし、結んで遊び始めた。 そんな馬鹿馬鹿しくも凄惨な宴の生贄の悲鳴が夜空に響き渡った。 ‐‐‐あとがき‐‐‐ 流石にまっちょりーはビジュアル的に可愛くねーやと反省orz そういや一時期胴付きぱちゅが流行ったな・・・ このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/4761.html
※ゆっくりがかみさまになるなんてありえねえ。って人はお帰りください。 「ゆゆっ、いくよ、ぱちぇ」 「ええ、ドス……いえ、かみさま」 ゆっくりぱちゅりーは、ドスを見上げつつ、言った。 「ゆゆぅ……ドスでいいよ」 「むきゅ、もうあなたはかみさまなのよ、ケジメはつけないと」 「ゆぅ、ぱちぇがそう言うなら」 そう言って、元ドスまりさ……今は、誕生したばかりの「ゆっくりの神様」は頷いた。 生前、とても優秀な群れの長だったドスまりさは、死後、ゆっくりの神様となった。幼馴染で相談役だったぱちゅりーもまた、その眷属として一種の妖精に生まれ変わった。 ゆっくりが、ゆっくりを望みつつほとんどゆっくりできていないわけを、ドスは神様になったことで知った。 要するに、ゆっくりには神様はいなかったのだ。 でも、これからは違う。自分がゆっくり神様になった以上、もうゆっくりたちのゆっくりできない状態は終わりだ。 ……と、意気込んだものの。 「ゆぅ、なにをすればいいのかな」 「むきゅう、なにをすればいいのかしら」 いったいなにをどうしたらいいのかわからない。他の神様はどんなことをしてるのだろうかと思って色々見学してみたら、みんなそれぞれの役割、実りを豊かにしたり、人の厄を取ってやったりに励んでいた。 「ゆっくりのかみさまのやくわりってなんだろう?」 「むきゅぅ」 つまりは、それがわからないから何をすればいいのかがわからないのである。 ゆっくりたちをゆっくりさせよう、とはまず真っ先に考えたのだが、その方法がわからないし、そもそもそれだけの力も無い。神様になったのだから、なにか凄いゆっくりできる能力が備わっているのかと思ったが、それも無い。優れたドスまりさであったゆっくり神様(以下、ゆ神)は、ゆっくりオーラ、ドススパークなどの能力を持っていたが、それも言ってしまえばドスまりさとしてのそれで神様ならではの、というものではない。 「むきゅ、わからないことは聞きましょう」 「ちぇんの口癖だったね、ゆっくり聞きに行こう」 ゆ神とその眷属は、妖怪の山の頂にある神社へ行った。 「そりゃ、信仰が無いからさ」 「ゆゆ? 信仰?」 先輩の神様が言うには、神というのは捧げられる信仰によって力も違ってくるところがあるそうだ。 神様に成り立てのゆ神は、誰にも信仰されていないから生前の能力とそう変わらないものしか持っていない。生命力がかなり上がってちょっとやそっとでは死なないぐらいだ。 「ゆゆぅ、どうすればいいのかな」 「まあ、信仰を得ることさ」 結局のところ、それしかないようだ。 色々と教えられたゆ神とその眷属ぱちゅりーは、早速それを試してみることにした。 まず信仰を得る対象であるが、これはゆっくりしか考えられないだろう。ゆっくり神を信仰すればゆっくりできる、という話をなんとかしてゆっくりたちの間に広める必要がある。 「むきゅ、それはまかせて」 そこで、ぱちゅりーが「神の使い」としてゆっくりたちの前に現れて、ゆっくり神というものがいること、それへ信仰を捧げるべきことを説くことにした。 ゆっくりの中から、特に賢い個体、その中でも群れの長などを勤めているものを選んで、ぱちゅりーから神の言葉を伝えた。 曰く―― ゆっくり神に信仰を捧げれば、ゆっくりできる。 ゆっくり神を信仰せず、冒涜するものはゆっくりできない。 ゆっくりたちは「信仰」というものを上手く理解できないようだったが、とにかく、自分たちがゆっくりできるのはゆっくり神様のおかげであり、ゆっくりできた時、それへ 「ゆっくりありがとう」 と、感謝するべきである、という程度には理解したようだ。 「ゆゆっ、なんだか力がわいてきたよ」 なんだか、内からわき上がる力にゆ神は嬉しそうに笑った。これが信仰を得た効果であろう。 「むきゅ、それじゃ、そろそろ」 「そうだね、ゆっくりきせきをおこすよ!」 「むきゅ! れいの群れに、れみりゃがたくさん向かってるわ」 やがて、待ちに待っていた時が来た。以前から、群れの長のぱちゅりーの指示の元、群れ全体を上げて毎日ゆ神様へのお供えを捧げていた特に敬虔な群れがれみりゃたちに襲われるというのだ。 「うー! あまあまたくさん!」 「ゆわあああ! れみりゃだああああ!」 「たちゅけてええええ!」 「おきゃーしゃーん!」 「おちびちゃん、おくちのなかに!」 阿鼻叫喚。 「うー!」 「ゆぴゃあ!」 とうとう、逃げ遅れた子れいむが最初の餌食になろうとしたその時、 「がみざま! おぢびちゃんがだずげでええええ!」 赤ちゃんたちを口の中に入れていたために、子れいむを助けに行けない母れいむが叫んだ。 「うー!」 子れいむに噛み付こうとしていたれみりゃが、見えない何かに弾かれたように、勝手に後ろに飛ばされていく。 「う? う? うー?」 他のれみりゃたちも続々と子れいむに襲い掛かるも、結果は同じ、子れいむは、まるで見えない壁にでも守られているかのようだった。 ――ゆっくり帰れ。 厳かな声が、上の方から聞こえてきた。 しかし、れみりゃたちはその声の主がどこにいるのかわからぬことを怪訝に思いながらも、そんなにおつむがよろしくないので、とにかく視界に入っているゆっくりを捕食することにした。先ほどの子れいむにはどうしても近づけないので、別の子れいむへ。 ――帰らないなら、こうだよ! またもや、天からの声。 次の瞬間、太い光の棒が空から降ってきて、子れいむに襲い掛かろうとしていたれみりゃを直撃。れみりゃは塵一つ残さずに消え去り、その近くにいたれみりゃたちは体の一部を削り取られてしまい、痛みに泣き叫んだ。 ――ゆっくり帰れ。 れみりゃたちは、その声が届くか届かぬかという時に、一目散に逃げ出していた。 「ゆゆ、助かったよ」 「ゆわーい、れいむー!」 「まりしゃー!」 喜び合うゆっくりたち。長のぱちゅりーは、空を見上げながら確信していた。ゆっくり神様がゆっくりしないで助けてくれたのだと。 「むきゅ、みんな、これはかみさまのおかげよ。まいにちおそなえものをしておいのりをしていたおかげよ」 そのぱちゅりーの言葉に、群れのゆっくりたちは空へ向かって、 「かみさま! ゆっくりありがとう!」 と、叫ぶのであった。 「ゆっゆっ、どんどん力がわいてくるよ」 ゆ神は、広がる信仰に比例して力を得て喜んでいた。これで、ますます多くのゆっくりをゆっくりさせることができる。 しかし、もちろん全てのゆっくりがかみさまを信仰しているわけではない。 「まりさがゆっくりできるのは、狩りが得意だからなのぜ。かみさまのおかげだなんてうそっぱちなのぜ」 「かみさま? なにそれ? おいしいの? べつにかみさまなんかいなくても、ゆっくりできてるよ」 どうしても、かみさまを信仰しないものもいたが、これはしょうがないことである。人間でも、全ての者が神を信仰しているわけではないのだ。 しかし、あまりにも不信心で、自らが信仰しないだけならともかく、神様を信仰している他のゆっくりを馬鹿にしたり暴力を振るったりするものは―― 「ゆっへっへ、いらないのならまりささまがいただくのぜ!」 「ゆゆっ、それはかみさまへのおそなえものだよ、たべちゃだめだよ!」 「げらげらげら! かみさまなんていないのぜ。馬鹿なれいむはゆっくりしね!」 「ゆわわわっ、いたいよぉぉぉ」 「むーしゃむーしゃ、しあわ……ゆぎゃああああああ」 「ゆ! おそなえものをたべたまりさが潰れちゃったよ!」 「むきゅ、これはしんばつね」 「長! しんばつってなぁに?」 「かみさまを信仰しないゲスなゆっくりを、かみさまがこらしめることよ」 容赦なく、神罰を加えた。これにより、ゆ神への信仰はますます増していった。 だが、その一方で、その行為はそれまで保たれていたバランスを崩すことであることに、ゆ神も眷属ぱちゅりーも気付いてはいなかったのである。 「ようやく捕まえたぞ!」 「うー! うー!」 とある農夫が、ゆっくりれみりゃをその手に掴んでいた。捕食種に分類されるれみりゃも、大人の人間に捕まっては逃げられるものではない。 「おい、なんで畑の野菜を取ろうとしたんだ。お前らはゆっくりを食べていたはずだろう」 農夫は、れみりゃを潰したりせずに尋問を始めた。 最近、れみりゃやふらんなどの捕食種が畑にやってくるようになったのだ。人間たちは、そんなことは想像していなかったので、地面を跳ねる通常種への対策しかしていなかったために、飛行する捕食種たちには罠などが全く役に立たずに甚大な被害を受けてしまっていた。 夜通しで畑の番をすることで、れみりゃたちが畑を襲っていることはわかったものの、なぜそんなことになるのかはわからない。 れみりゃやふらんは、通常種にとっては恐ろしい存在であったが、ゆっくりの餡子を食べて満足し、畑の野菜などには手を出さないことから、人間たちからはゆっくりを自然に駆除してくれる存在と認識されていた。 「うー! れみりゃをはなすんだどぉー」 「質問に答えたら離してやる」 「うー! れみりゃはおやさいきらいだどぉ、にがいんだどぉ」 「だったらなんでわざわざ畑を襲ったんだ」 「うー……あまあまをたべようとすると、じゃまされるんだどぉ、そらからぴかーってくるんだどぉ、こわいんだどぉ」 「……なんだ、そりゃあ」 よくわからないが、とりあえずその農夫はれみりゃが言っていたことをまとめて里長に報告した。すると、他にもれみりゃやふらんから聞き出した報告が上がってきており、それと似通った話であることがわかった。 捕食種が通常種を食べようとすると、どこからともなくそれを制止する声がして、かまわずに捕食しようとすると、空から光が降ってきて殺されてしまう。それで仕方なく、畑を襲うようになったのだという。 「空からの光といったら、もうこれは人間業じゃあねえ、天狗の仕業に違いねえ」 「天狗なら、事情を話せば止めてくれるかもしんねえな。そもそもなんでゆっくりなんぞ助けてるのがわからんが」 そういうわけで、なんか天狗がやらかしたのだろうという結論に達した人間たちは、天狗の中でも新聞販売を通じて人間に対しては友好的な一派に相談してみることにした。 「その件なら、うちでも調査中です。少なくとも天狗の仕業じゃないですねえ」 「それなら他の妖怪か。わざわざゆっくりを助けて回る神様はおらんじゃろうしなあ」 「調査中ですんで、ちょっと待ってください。……で、三ヶ月だけ、三ヶ月だけとってみませんか?」 しょうがないので、里長をはじめとして何軒かの家で「文文。新聞」を購読することにして、続報を待った。 一週間ほどすると、天狗が情報を報せてきた。新聞の「号外」という形で、 「この号外は新聞をとってる方へのみお配りしています。いやぁーよかったですねえ、新聞とってて」 その号外には、例の通常種ゆっくりを捕食種から守る謎の光が特集されており、どうやら新しく神様になった元ドスまりさのゆっくり神様の仕業であるらしい、と書かれていた。 「まさか、神様だとは……」 「いくらゆっくりといっても、神様が相手じゃあどうにもなんねえ」 「れみりゃもふらんも飛べるからのう、今までの柵や罠じゃ意味が無い。畑全体に網をかけるなんぞ、とても無理じゃし、どうしたら……」 「のう……ここはわしらも神頼みしかないんじゃなかろうかの」 その、特集記事の隅っこに、広告が出ていた。 「守矢神社 信仰募集中」 と、書かれている。配置にあからさまに意図的なものを感じるが、溺れる者はなんとやら、本当にこの問題を解決してくれるのならば信仰してもよかろうと思った本来信心深い幻想郷の人間たちは、最近山頂にできた神社へと持ち込むことにした。 白狼天狗に案内されて守矢神社へ到着した人々は、事情を訴えた。その神社の巫女(正式には風祝という)が請け負ったために、喜んで帰っていった。 「くっくっくっ、来たねえ。よし、あれを実行に移すよ」 「あーうー、もともとバランスを回復するために準備は整ってたのに……ワルだねぇ」 「よう、忙しいとこ悪いね」 「ゆゆ、忙しいから、できるだけ早くしてね」 その日、ゆ神は、先輩の神様に呼び付けられて、山頂の神社へとやってきていた。 「随分、頑張ってるようだね」 「ゆゆん、信仰もだいぶ集まってきたよ」 以前、まだ信仰が一切得られていない状態のゆ神とは明らかに放つオーラが違っていた。 「しかし、そのおかげで、れみりゃとかふらんとかは困ってるみたいだぞ」 それに冷水を浴びせる神様の声。 「ゆゆゆ、でも、それはしょうがないよ」 「……お前は、ゆっくりの神様ではなかったようだな」 あっさりと言い切ったゆ神に、神様はどこか冷淡な表情で言った。 「ゆゆ! せんぱいの神様でも今の言葉は許さないよ!」 「言い直そう。お前は、れいむやまりさなどの通常種ゆっくりの神様だ」 「わ、わかってるならいいけど」 「しかし、そのおかげでバランスが崩れているんだよ」 神様は、ゆ神に、人間からの訴えを伝えた。 「ゆゆぅ……でも、それはしょうがないよ」 と、ゆ神が多少は躊躇いつつも言った。 「うん、やはりお前は、通常種ゆっくりの神様だ」 「ゆっ! 別に、それでいいよ。忙しいからそろそろ帰っていいかな?」 「別に非難してるわけじゃない。若い神ってのは、荒々しいもんさ。しかし、このままではバランスが崩れっぱなしになる。だから、新しい神様を用意した」 「ゆ? 新しいかみさま?」 「おい、出てこい」 その声に応じて、神社の境内に現れたのは―― 「ふ、ふ、ふ、ふらんだぁぁぁぁぁ!」 思わず、ゆ神は叫んでしまった。 神になる以前、ドスまりさになった時に、ふらんへの恐怖はなくなっていた。ドスになってしまえば、もはやれみりゃやふらんは単体では敵ではないからだ。しかし、今、ゆ神は声を限りに叫んでいた。 なぜなら、そのふらんが、自分と同じぐらいに多きかったからである。 「うー! ふらんかみさまー」 「ゆ、ゆ、ゆ、なんなの、そのでっかいふらんは!」 「むきゅきゅきゅきゅ」 それでも、ゆ神はまだしも、眷属ぱちゅりーなどは卒倒しそうになっている。 「こいつは生前、ふらん種の中でも相当な強さでね、今度、捕食種ゆっくりの神様になったから、まあ、仲良くやっとくれ」 「うー、だんまくごっこ!」 と、言いつつ、体当たりするでっかいふらん(以下、ふらん神) 「ゆゆゆゆっ! 負けないよ!」 ゆ神も反撃する。必殺のドススパーク。神様になり信仰が集まってからはさらに威力を増したファイナルドススパークだ。 「うー!」 ふらんの動きが止まる。 「ゆふん、やったね」 「うー!」 しかし、光が収まると、ふらんは元気一杯に突っ込んできた。 「ゆぅ……なんでスパークがきがないのおおお」 「ボムで削り殺されるEXボスはいないねえ」 「ゆぅぅぅ、なに言っでるのがわがら゛ないよ゛ぉぉぉぉ」 しょうがないので、ゆ神も体当たりで受けて立った。二柱のゆっくり神様の戦いは、さすがに既に信仰を得ているゆ神が勝利した。 「うー、おぼえてろー」 ふらん神はよろよろ飛んで逃げていったが、ゆ神の方も大ダメージを受けていた。スパークが効かないために肉弾戦をせざるを得なかった結果である。 神様なので、怪我はすぐに治ったのだが、それからは、捕食種からゆっくりたちを助けようとすると、必ずふらん神が邪魔しに来るようになった。 追い払えても、それまでにゆっくりたちが捕食されてしまう。このままでは神様の権威に傷が付き、信仰が減ってしまうかもしれない。 そのうちに、ふらん神を追い払うのがどんどん困難になっていき、遂には負けてしまうようになった。 「うー! ふぉーおぶあかいんど」 「ふ、ふらんが増えたぁぁぁぁぁ!」 「うー、ゆっくりしね!」 「うー、ゆっくりしね!」 「うー、ゆっくりしね!」 「うー、ゆっくりしね!」 もう、ボッコボコである。このふぉーおぶあかいんどという四体に増える技をふらんが使うようになってから、ゆ神の勝率が激減、それに伴って捕食されるゆっくりたちは激増した。 「かみさまなんていないのぜ! そのしょーこに、れいむの家族はれみりゃに食べられちゃったのぜ」 「ゆゆぅ……そうなのかも。おとーさんもおかーさんも、まいにちかみさまにおそなえしてたのに……」 そうなると、それまでの信仰を捨てるものが現れるのも致し方ないことであった。 「ゆぅ、あのふらん、どんどん強くなるよ」 「どうしてかしら、れみりゃやふらんは、通常種に比べたら数は少ないはずよ」 それならば得られる信仰はどうしたってこっちのほうが多くなるはず。いかに、ふらん神が生前の力を反映した強い神様であったとしても、神様である以上は、信仰をたくさん得たゆ神には勝てないはずなのだ。 「どうもどうも、清く正しい新聞拡張員でございます」 悩んでいると、天狗が訪ねてきた。 「お悩みの件についてはこちらで調査がついてます。今日の一面に載っていますよ。とりあえず三ヶ月とってみませんか」 どうやら、話を聞かれていたらしく、足元見るにも程がある商談をふっかけてきた。仕方ないので購読することにし、早速その今日の一面とやらを見てみた。 「ゆゆっ、なにこれ!」 「むきゅ、な、なんで人間がふらんを……」 記事の内容は、最近、人里でゆっくりふらんの形をした神様なんだか妖怪なんだかよくわからないものを祭り上げるお祭りがあったとのことであった。 一体どこからそういう話が出てきたものか、ゆっくりによる畑の被害を抑える効果があるということになっているようだ。 すわ、何事ぞ、とやってきた博霊の巫女は、祭りの特別顧問におさまっていた守矢神社の風祝に説明を受け「あんたら、マメね」と言い残してさっさと帰宅。 「なぜ、妹様が祭られているのかしら。そもそも、限られた者しか存在を知らないはずなのに」 と、噂を聞きつけやってきた紅魔館のメイド長もまた、特別顧問というかそもそもそっち方面の担当な風祝に説明を受けて納得して帰っていった。 祭りの評判は悪くなく、継続的に行われる見通しが立っているとのこと。 このふらん神様に捧げる破壊の儀式は荒々しいもので、各家から持ち寄ったもういらないので壊そうとしていた家具やらなにやらを「うー! ゆっくりしね!」と叫びながら破壊する。その際、より狂的にするのが神様の心にかなうものとされ、酒を飲んだ里人たちがその周りでやはり「うー! ゆっくりしね!」と囃し立てるその光景はかなり凄まじいものだったらしい。 しかし、特別顧問によると、神様を祭るにはそういった荒々しさも必要で、近いうちに守矢神社で御柱祭をやるというのを散々宣伝していった。 「ゆゆゆゆ、人間がふらんを信仰するだなんて」 「むきゅきゅ、ありえないわ」 と、ゆ神と眷属は信じられぬ面持ちだが、人間の信仰というのは融通無碍なもので、鼠の被害を減らすために猫の神様を祭り上げたり、御利益があると思えばなんでも信仰するものなのである。他にも、祭り上げておかないと災厄をもたらすそもそも神様なんだかよくわからない存在をも神様に祭り上げてしまうこともある。 「あーうー、信仰しないと祟っちゃうぞ、あーうー」 とか言う祟り神などがその例であろう。 「ゆっくり狩りからかえったよ!」 「おかえり、まりさ、どうだった?」 「たーくさんとれたよ、みんなでむーしゃむーしゃしようね!」 「ゆわーい、おとーしゃん、しゅごーい」 「むーちゃむーちゃ、しよーにぇ」 「ゆっゆっ、おいしちょーなきのみしゃんだよー」 楽しそうなゆっくり一家の団欒風景。 「むーしゃむーしゃ、しあわせー」 「むーちゃむーちゃ、ちあわちぇー」 しあわせ一杯の笑顔また笑顔。 最近よく見られるようになった食事の前の「おそなえ」をこの一家は行っていない。かみさまを信仰していないのだ。かといって、信仰している他のゆっくりを馬鹿にしたりはしておらず、かみさまを信仰するゆっくりの友達もいる。 みんなでむーしゃむーしゃしているその時、その団欒をぶち壊す音がした。巣の入り口を塞いだ枝やら葉っぱやらが、外側からの力に押されておうちの中に飛び込んでくる。 人間の襲撃―― それに思い当たって、まりさたちは恐怖に震えた。おうちにいるところを人間に襲われて逃げられる例は極めて少ない。 「ゆっ」 だが、その予想は外れ、姿を見せたのはゆっくりであった。しかも、友達のれいむとまりさである。 「ゆゆっ、どうしたの。ゆっくりせつめいしてね」 友達と言っても、尋常ではない訪問に、まりさはゆっくり怒っていた。 「ゆ……そのゆっくりたちはだれ?」 ぞろぞろと、ゆっくりたちが入ってくる。れいむとまりさ以外に、知らないゆっくりがいるのを見て、まりさは不安げに聞いた。 「……おまえたちは、かみさまを信仰しない悪いゆっくりなんだぜ」 いきなり、見たことがないまりさが言った。 「ゆゆゆ、そ、そんなのまりさたちのかってだよ」 と、言いつつ友達のまりさを見る。このまりさや一緒にいる友達のれいむは熱心に神様を信仰しているが、信仰するかしないかはそれぞれの自由であると言って、まりさ一家とも普通に付き合っていた。当然、信仰しないから悪いゆっくりだ、などという言葉を聞いたこともない。 「……」 「ゆぅ……」 しかし、なんだか友達のまりさとれいむの態度が冷淡であった。 「長に、おつげがあったんだぜ。最近、れみりゃやふらんにやられるゆっくりが増えたのは、お前らみたいにふしんじんなゆっくりのせいで、かみさまの力が弱くなったからなんだぜ」 「ゆ? なにをいっているの? そんなのまりさたちは知らないよ」 「おい」 「みょん」 口に先を尖らせた棒をくわえたゆっくりみょんが前に出てきた。 「ゆっ! なにをするの! 変なことしたらゆるさないよ!」 「おちびちゃんたち、おかあさんのおくちにはいってね!」 父まりさが家族を守るように前に出、母れいむは子供たちを口中へと誘う。 「ゆっくりやれ!」 「みょん!」 どうやらリーダーらしいまりさが言うと、みょんは躊躇うことなく、棒を父まりさの眉間に突き立てた。 「ゆぎゃ!」 「ま、まりさぁ!」 「つれていくんだぜ」 眉間に刺さった棒を引っ張られ、父まりさが泣きながら跳ねていく。棒を真っ直ぐにではなく、少し斜めに引っ張られているので、そうしないと激痛が襲ってくるのだ。 「お前らもだぜ」 口の中に子供を三匹入れて頬を膨らました母れいむも、体当たりをされ、棒で叩かれて周りを囲まれ、後ろから尖った棒で追い立てられておうちから出されてしまった。 「ゆひぃ、ゆひぃ」 父まりさは、必死になって飛び跳ねるのに精一杯で話すことができない。 「まりさ、れいむ、どぼしてごんなごとずるの? どぼして?」 母れいむは、友達だと思っていたまりさとれいむに涙ながらに訴えるが、それが聞き入れられることはなかった。 やがて、近くの群れへと到着した。ここは友達――だったはずのまりさとれいむが所属している群れで、ゆっくり神様を信仰していたが、排他的ではなく、信仰をしないために群れには入っていなかった一家とも友好的に付き合っていた――はずの群れであった。 「ゆあああああ」 群れの集会場の広場。そこは地獄になっていた。 何匹ものゆっくりたちが、ゆっくりできなくなっていた。串刺しにされているもの、真っ二つに割られているもの、ぺしゃんこに潰されている子供たち。 「ひ、ひどずぎるぅ、どぼじでごんなごとずるのぉぉぉぉぉ」 「こいつらは、かみさまを信仰しないふしんじんゆっくりだからだぜ。お前たちも、こうなるんだぜ。かわいそうだけど、しょうがないんだぜ」 リーダーまりさが冷徹に告げる。 「ゆわぁ! あ、ありす! ありすぅぅぅぅ!」 棒で刺されてから、黙っていた父まりさが、振り絞るような声を出した。母れいむがその視線の先を追うと…… 「あ、ありすがぁぁぁ! ど、どぼしてえええ」 そこには、友達のありすの無残な骸が転がっていた。目はえぐりぬかれていて空ろな穴になってしまっている。 「どぼじて、どぼじておなじむれのありずまで……」 「そいつは、お前らにしんばつするのにはんたいしたからそうなったんだぜ」 「そ、そんなぁぁぁ」 ありすは、両目を抉り取られても、信仰はそれぞれが自由にするもので、したくないものへ押し付けてはいけない、などとふしんじんなことを言っていたために、殺されたのだという。 「まったく、ゆっくりしてないありすだったんだぜ、ともだちだと思ってたのに」 「そうだね、ゆっくりはんせいしないありすだったから、しょうがないよ」 と、得意そうに言うのは、友達だと思っていたまりさとれいむ。彼女たちは、自ら曰く「間違った信仰の仕方をゆっくり反省した」らしい。 嘆き悲しんでいるのも、それが自分たちに降りかかるまでであった。とうとう、かみさまを信仰はしていないものの、真面目にゆっくり生きてきたゆっくり一家は、不信心の罪により処刑されてしまった。 「ゆぁぁぁ! でいぶと、でいぶとおちびだぢだげはぁぁぁぁ!」 父まりさは、目の前で家族が死ぬのを見せ付けられた後に串刺しにされた。 「んー、んー、んー」 母れいむは、子供たちを守るために固く口を閉じていたが、おかまいなしに頬を刺されまくり、頭を棒で叩かれて遂に死んでしまった。 「おきゃーしゃーん」 「おちょーしゃん、たちゅけちぇぇぇ」 「いぢゃいよ、れいみゅ、じにだくないぃぃぃ」 子供たちは、母の死後に口の中から取り出されて、一匹ずつ石で打たれ潰された。 それをやるゆっくりたちは、皆一様に真面目な顔をして、 「ゆっくりかみさま、ゆっくりおるゆしください」 「ふしんじんものをころします。ゆっくりさせてください」 と、口々にそんな言葉を唱えていた。 「ゆぅ……」 「かみさま、しょうがないことなのよ」 沈んだ表情のゆ神を慰める眷属ぱちゅりー。 先日、ぱちゅりーは、以前から特に信仰のあついことで目をかけていた群れの長の所へ再び神の使いとして舞い降り「ごしんたく」を授けて来たのである。 ゆっくりをゆっくりさせまいとする、あくまが現れた。ゆっくりたちがもっとゆっくり神様を信仰しないと、そのあくまを押さえることができない。もっともっと信仰せよ。信仰しないものは……永遠にゆっくりさせてあげなさい。それは、わるいことではなく、そのゆっくりたちのためなのだ。 それが招いた結果が、敬虔で真面目な信徒たちによる、ゲスもそうでないゆっくりも、まとめて「信仰しているか否か」でくくって永遠にゆっくりさせる行為である。 しかし、眷属ぱちゅりーは嘘をついた、とは思っていない。実際に、それにより信仰をするゆっくりが増えれば、ゆ神の力が増え、ふらん神を止めることができるようになる。 しょうがない。しょうがない。より多くのゆっくりをゆっくりさせるためだから、しょうがない。せめて、それからは目をそらすまい。 だから、ゆ神とその眷属は自分たちの行動が招いた結果を見続ける。 「たちゅけてぇぇぇ、たちゅけてぇぇぇ!」 「この子たちは、もうふしんじんが餡子にしみこんでいるので助けることは無理なんだぜ」 「おねえしゃんたちをいじめりゅにゃあああ!」 「この赤ちゃんたちは、まだ今から教えれば間に合うんだぜ。……ただし、かみさまへのわるくちを言ったら、ころすんだぜ」 「にゃ、にゃにがかみちゃまにゃの! まりしゃたちをゆっきゅちさせにゃいかみちゃまなんていらにゃいよ!」 「まりしゃのいうとおりだよ!」 「いらにゃいよ! いらにゃいよ!」 「かみちゃまなんて、いらにゃいよ!」 「……ざんねんなんだぜ、この赤ちゃんたちも……」 本当に残念そうに言ったそのまりさが促すと、周りにいたゆっくりたちが、その子ゆっくりと赤ゆっくりたちをぐいぐいと押しやった。その先には、大きな穴が空いていてそこには既に事切れた子ゆっくりたちの親ゆっくりがいた。 「おちょーしゃん、たしゅけて!」 「おきゃーしゃん、おくちにいれちぇぇぇ」 「みゃみゃあ、みゃみゃああああ!」 死んでいるのがわからないのか、一斉に助けを求める子供たち。 「よし、やるんだぜ」 「ゆっ!」 ゆっくりたちが、飛び上がって子供たちを上から潰す。潰された子ゆっくりたちは別のゆっくりがくわえて引っ張っていき、まだ死んでいないものは、そこでまた念入りに潰される。そして、完全に死んだことが確認されると、次々に穴に投げ込まれていった。 「ゆっくりかみさま、ふしんじんなゆっくりはころしました。ゆっくりおゆるしください」 「ゆっくりおまもりください」 「ゆっくりさせてください」 信仰が集まってくる。 力が沸いて来る。 これなら、ふらん神にも勝てる。 そう思いながら、ゆっくり神様は泣いていた。 ゆっくり神様は、ゆっくりをゆっくりさせないゆっくり悪魔と戦っている。みんなが信仰をしている時は、神様は悪魔に勝ち、ゆっくりを守ってくれる。しかし、信仰が廃れれば悪魔がはびこって、ゆっくりできなくなってしまう。 ゆっくり神様へ信仰を捧げなさい。 ゆっくり神様を信仰しないものは、永遠にゆっくりさせてあげなさい。 「むきゅぅ」 二度も神の使いからお告げを受けた群長ぱちゅりーは、近付く死を悟ってから書き記した文章を眺めて、満足そうにしていた。ゆっくりだけに実際は全てひらがなで書かれている。 短い文章だが、これだけのものを書くにもゆっくりはひどい苦労をする。頭のいいぱちゅりーだからできたことであろう。 これは、神の使いからのお告げをほぼそのまま文章にしたもので、これを群れに伝えていくために書き残そうと思い立ったのだ。 「ゆぴぃぃぃぃ、やめちぇぇぇ」 「たちゅけちぇぇぇ」 表から、悲鳴が聞こえてきたが、長ぱちゅりーは表情を動かさない。既に聞き慣れた声だからだ。 表では、群れのゆっくりたちが、捕らえてきたふしんじんなゆっくりの子供を永遠にゆっくりさせていた。親は発見した場所で殺されていて、持ち運び易い子ゆっくりを連れてきたのである。 「かみさまをしんじないふしんじんゆっくりめ、ゆっくりしね!」 「げらげらげら、かみさまはおまえらにおいかりなのぜ。ゆっくりしね!」 「おちびたちも、そのいちばんちいさいやつをゆっくりさせてあげるんだぜ」 「ゆゆ、よーち」 「ゆっくちちね! ふちんじんゆっくちめ!」 「ゆゆん、そのちょーしそのちょーし」 若い連中が小さい子供たちをけしかけている。 長ぱちゅりーは、率直に言って、例えふしんじんゆっくりとはいえ、同じゆっくりを殺すのを楽しむような若者たちには嫌悪感を覚えざるを得ない。自分たちの頃は、心を鬼にしつつも、その鬼と化した心のどこかに、罪悪感があったものだ。 しかし、それすらも、ふしんじんなのではないか、とも長ぱちゅりーは思うのだ。 あの、躊躇い無く信仰しないゆっくりを殺す若者たちの姿こそ、ゆっくり神様の御心にかなうものなのではないか、と。 「ゆあああああ、悲しみを背負っていないおまえには負けないよ!」 「うー、ゆっくりしね! ゆっくりしね!」 「信仰を得るために、どれだけ涙を飲んだか……教えてあげるよ!」 「うー、ふぉーおぶあかいんど」 「ゆゆゆっ!」 「うー、ゆっくりしね!」 「うー、ゆっくりしね!」 「うー、ゆっくりしね!」 「うー、ゆっくりしね!」 「ゆべ、ゆび、ゆぎ、やっぱりぞれ、ずるい゛よ゛ぉぉぉぉぉ!」 そして、今日もゆっくり神様たちの戦いは続いている。 終わり リアルに仕事中に「ゆっゆっ」とか言ってしまって困っています。 この趣味がばれたら、わしの人生おしまいじゃ。ゆっゆっ。 作品がけっこうたまってきたんで、今まで書いたものリスト作りました。 2704~2708 死ぬことと見つけたり 2727 人間様の都合 2853・2854 捕食種まりさ このSSに感想をつける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/3869.html
突然だが、俺は二重人格である。といっても、俺と”もうひとり”はさほど人物相が異なっていないらしく、 日常生活において不都合になることはあまりない。 あまりない、のだが…… 「まったく、面倒臭い」 俺は混沌の坩堝と化した台所を片付けていた。 流しにはうずたかく皿や碗が積み重ねられ、床もごみから何から散らかり放題。 俺は結構綺麗好きな性質で、こうした状態が我慢ならない。 その反対に、”もうひとり”はかなりずぼらである。 「今回は、向こうが長い間表出してたからな……」 俺と”もうひとり”の場合、相手側が意識の上に表出している間もう一方は完全な無感覚の眠りについており、 相手側に口出しすることは一切不可能。 ふと意識を取り戻して、この台所の惨状を見たときの脱力感といったらなかった。 「……!」 まったく、これは晩までかかる……。 「ぅっぅー!」 「ん?」 俺は手を動かすのをやめて、耳を澄ませる。 「うー!」 今度は確実に聞こえた。うわさに聞く、ゆっくりとかいう生き物の声だ。 しかし、何か妙だ。 「ぅー!」 どこからか聞こえてくる声はこもっていて小さい。俺はさらに耳を澄ます。 「うー!うー!」 その声は、まだ片付けていない部屋の隅から聞こえてきていた。 重箱の隅 by ”ゆ虐の友”従業員 十分ほどもかかって俺はそれを発掘した。 声源である、正月のおせち料理のわずかにこびりついた重箱。その中に二匹のゆっくりがいる。 確かれみりゃとかいわれる、胴付きの種族だ。 二匹のれみりゃ――おそらく親子なのだろう――が俺を見上げる。 「う~ぷっでぃんなぐなっちゃったどぉ~もっともっでぎでぇ~」 「ぷっでぃん~!」 餌…を要求しているのか? 「とっとともってこないとぉ~たーべちゃーうどぉー。ぎゃおー☆」 「ぎゃおー☆」 その動作が効果ありと本気で考えてか、元気よくこちらを威嚇する二匹のれみりゃ。 うぜえ。森にでも捨ててくるか…… 「って、小さくね?」 「あう?」 通常、胴つきのゆっくりは体長1メートル弱はあるという。 しかし、目の前のこの二匹は大きいほうでも俺の手のひらぐらいの大きさしかない。小さいほうはその半分だ。 「言うなら豆れみりゃってところか……」 ゆっくりの生態はいまだ謎が多く、新種のゆっくりも日ごとに発見されている。 もしこれがそうした新種だったらと考えると、あまり無碍に扱うのもためらわれる。 「”もうひとり”なら、こういうの詳しいんだけどな……」 いや、詳しいなんてもんじゃない。”もうひとり”は、いわゆる虐待お兄さんと呼ばれる趣味の人間だ。 個人の趣味をどうこういうつもりはないが、畳に落ちた餡子は完全にふき取って欲しい。 「しょうがない。あいつが表出するまで飼うか」 俺はそう決意した。 「さっさとするどぉ~たべたいどぉーぷっでぃんー」 「うー!ぷっでぃんー!」 こいつらの処遇は、”もうひとり”が決めてくれるはずだ。 * * * * そのようなわけで、あくまで暫定的にだが豆れみりゃを飼育する生活が始まった。 はじめに住んでいた重箱を”こーまかん”だと言い張ってやまないので、仕方なく巣箱としてくれてやる。 あとで覚えとけよ……。 「うっうー!ものわかりのいいじゅうしゃはほめてつかわすどぉ♪」 「まんまぁのじゅーしゃー!」 死ね。 こいつらときたら、ずうずうしいことに見境なく餌を要求してくるのも日常茶飯事であるらしい。 「ぷっでぃんたべたいどぉー!」 「うーうー!」 「黙らっしゃい」 「おぜうさまはぷんぷんだっどぉー!とっとともってこないとさくやにいいつけるどぉー!」 「いいちゅけるどぉー!!」 「うるさいうるさい」 体に見合った量しか食べないからいいようなものの、そう何度も何度も飯の用意をさせられてたまるか。 ”もうひとり”なら気にしないのかもしれないが、俺はその重箱をくれてやるのにもかなり抵抗があるんだぜ。 「このっ」 重箱の縁から身を乗り出して、口うるさくわめく親れみりゃにでこぴんを食らわせる。 「ぎゃぶぅぅぅぅーーー!!??」 うはは、よく飛ぶこと。 「うーー!!まんまぁをいじめるなーー!」 「生意気言いやがって。お前も飛ぶか?ん?」 「いだいのはやだどぉー!」 「だったら黙っとけ、ボケが」 「うううーー!ここはおぜうさまとまんまぁのこーまかんだどぉーー!」 でこぴん。 「うあーーー!!」 おっと、ここで選手交代のようだ。 余人には説明しがたい、人格交代に伴う疼きが脳裏を冒してゆく―― あとは任せたぜ、”もうひとり”―― * * * * ――意識を取り戻すと、部屋が散らかっていた。しかしこのぐらいはいつものことだ。 暦をめくるまでもなく、部屋の汚れ方で三日経ったとわかった。伊達に長い付き合いではない。 ごみをまとめ、玄関を掃き清める。庭先の木の枝とごみをまとめて焼く。 「そういえば、あいつらどうなったかな」 俺は掃除を終えると台所に向かった。まあ、おそらく死んでるだろうがね。 「うおっ、なんじゃこりゃ」 予想は大きく外れた。 「うっうーうあうあ☆」 「れみ☆りゃ☆うー!」 元気に台所を飛び回る二匹。いや、それどころか、俺が世話していた時よりも良い扱いを受けているのが、 重箱の中に散らばった食い残しの量からわかる。 「おぜうさまはこばらがすいたどー!ぷっでぃんもってこいだどぉー!」 「てぃらみすでもいいどぉー!」 「んだと蚊トンボども。餌ならそこにまだあるだろう」 「こんなのえれがんとじゃないどー!」 「おぜうさまはじゅうしゃとちがってぇ、かり☆すまなんだどぉー!」 「こんなの、ぽーい!だどー!」 「うっうー!おぜうさまもやるどぉー!」 「おい、やめやがれ!重箱から食べ残しを投げ捨てるんじゃない」 「おもちろいどぉー!」 「ぽーい!」 「うおおおおおおおお!!!」 「ぐずなじゅうしゃだどぉ。とっととぷっでぃーん、もっでくるどぉ~」 おかしい。あの”もうひとり”がゆっくりをこんな風に甘やかし、生かしておくなど過去になかったことだ。 まさか、それほどまでに貴重なゆっくりなのか……? そう考えると、俺は振り上げた拳の落とし場所を失う。 うなだれた俺を見て、豆れみりゃどもはいっそう調子付く。 「あう~~ぷっでぃんはみっつずつだどぉ~。わかったかぁ~ばぁか~!」 「ばぁかぁ~~!!」 「うぐぐぐぐぐ……!」 仕方ない。……俺は歯を食いしばって、あいつらのための餌を用意する。 (おい、”もうひとり”) (どうしてこんなやつをそのままにしておくんだ?こいつらを虐めるのが、お前の望みなんじゃないのか?) 俺は心の中で問いかけるが、もちろん返事はなかった。 * * * * それから何度か俺と”もうひとり”は入れ替わったが、豆れみりゃどもは俺が表出するたびに増長していく。 まず、子供が三匹に増えた。 次に、餌の回数が日に五度となった。 のうさつ☆だんすともけーれむべんべごっこの拝謁は義務。 「なめとんのか!!」 ――そしてまた、目覚める。 足取りも重く、”もうひとり”が汚した部屋を掃除しては台所へと向かう。 (いっそ潰してしまうか) いや、ここまできてそれは…… 行きたくない。 しかし、こんどこそやつらの無残な有様を眺められるかもしれないという希望が俺を縛り付ける。 おい、今度こそ頼むぜ”もうひとり”。 虐待お兄さんなんだろ? しかし、今回も期待は裏切られた。 「うっうー!」 「「「うー!」」」 台所から聞こえてくる、相変わらずの騒々しいわめき声。今日も今日とてだんすぱーてぃーか。優雅なご身分だ。 俺は引き戸を引く。 「あうー!ぷっでぃんもっでぎでぇ~」 「「「ぷっでぃんー!」」」 とうに聞き飽きたぷっでぃんコールなど、ほとんど気にもとまらなかった。 俺の目は床に釘付けになっていた。 「お前ら…それは何だ…」 親れみりゃが悪びれもせず答える。 「こんなものもしらないんだどぅ?ものしらずなじゅうしゃをもっておぜうさまははずかちーどぉー! これはぁ、おぜうさまのえれがんとなべっそうだどー」 床に並べられているのはすり鉢、酒枡、お猪口。 それらを豆れみりゃが持ち上げられるはずはないから、”もうひとり”がやったのに違いない。 それぞれにれみりゃが一匹ずつ取り付いている。 「ここはおぜうさまのべっそうだどー!」 「こっちはおぜうさまのー!」 一番遅く生まれた、末っ子の子れみりゃが”べっそう”からあぶれて重箱にいる。 「まんまぁー!おぜうさまもべっそうほしいどぉー!」 「うっうー!おちびぢゃん、そういうときはじゅうしゃにめいれい☆するんだっどぅ♪ それがえれがんとなれでぃのたしなみだど~」 「わかったどぉ♪じゅうしゃははやくべっそうもってこいどぉー♪」 俺は絶望的な気分で、数日前までは整然としていた俺の食器棚から茶碗を一つ取り、床に置いた。 っていうかお前、重箱独り占めしたほうが得じゃねえか。 俺は黙ってそいつらの餌を床にぶちまけると台所を出た。 * * * * <俺だ。連絡を乞う> 自分にあてて手紙を書くなんてはじめてのことだ。馬鹿馬鹿しくて涙が出る。 俺には”もうひとり”の意図が理解しかねる。 頼むから返事をくれ。 * * * * ――目覚める。部屋の掃除を最優先にしたいところだが、俺はあたりを探し回って、 ”もうひとり”からの手紙の返答を求めた。 机の上。ない。 戸棚の中。ない。 食卓の上。ない。 「……」 大きく息をつき、目を閉じる。 この数日のうちにれみりゃはまた二匹増え、全体では六匹となっている。 我が物顔に台所を飛び回って遊ぶそいつらに触れないよう、また足元の”べっそう”食器類に注意しつつ台所を突っ切り、 料理の用意を始める。 考える時間が必要だった。 森のはずれの古道具屋で手に入れた自慢の調理器具を振るって、思考を整理しよう。 これまた古道具屋由来の料理教本を眺める。 「ん?」 後ろのほうのページ――デザートと書かれた一群の中にそれはあった。 『プディング』。これこそ、やつらの言う正統ぷっでぃんなのでは? 「材料がない……」 バニラエッセンスというのがない。ほかにもいろいろ足りない。というか卵と砂糖と牛乳しかないが…… 「まあ為せば為るってことで」 俺は試行錯誤の末、どうにかそれらしいものを仕上げた。そのころには豆れみりゃたちがぶんぶんと俺の周囲を飛び回り、 ことあるごとに振り払わなくてはならなかった。 「とーってもえれがんとなかおりだどぉーー!!」 「さすがはえれがんとなおぜうさまのじゅうしゃだどー!」 れみりゃの賛美を受けながら、俺はそれを器に盛る。 「はやくたべたいどぉ~~」 「とっとともってくるどぉーー!」 俺は戸棚にその適当プリンをしまうと、里へと出かけた。 * * * * 用を終えて俺は帰宅する。 台所の引き戸を開けると、プリンを待ちかねたれみりゃ達の大合唱だ。 「おそいどぉー」 「おなかすいたどぉー」 「さくやにいいづけるどぉーー!!」 「ぷっでぃーんはやぐぅ~」 「まあ待て」 俺は里で買ってきたものを台所に運び込む。ガラス箱に入ったゆっくりは、豆れみりゃの原形とも言うべきゆっくりれみりゃだ。 今は箱の中で眠っている。 豆れみりゃ達は仰天した。 「すっごいどぉー!」 「おっきぃどー!」 * * * * 以下は俺の推理である。 ”もうひとり”はある日、珍しいゆっくりを手に入れた。 彼は、それが珍しいばかりでなく、ある目的に向いていることに気づく。 豆れみりゃは普通のゆっくりに比べ力がないため物的被害を出さない。 扱いやすく、しかし増長しやすい。 彼はこう思ったに違いない。「なんと初心者向けのアイテムなんだ」と。 そして今回のことを計画したのだ。 「これは、もうひとり(つまり俺のことだ)を巻き込んで、面白いことができるぞ」と。 彼はあの重箱をこーまかんとして豆れみりゃにあてがう。 やがて俺は当然の帰結として豆れみりゃと出会い…その後はごらんのとおり、というわけだ。 俺が豆れみりゃへの鬱屈した感情を育み続ける一方で、彼は出番の間一貫して甘やかし続ける。 俺を煽るためと、あとでの虐待のたのしみを倍増させるためだ。 相当期間の間――そして、俺が彼の意図を解明するまで――俺がぶち切れて豆れみりゃを殺したりしないことなど、 彼にはわかっていたのだ。なぜなら俺は彼で、彼は俺なのだから。 彼は、「おい、”もうひとり”。一緒に面白いことをしないか」と誘うかわりに、不可解な状況を俺に投げてよこしたのだ。 状況が解明されることを信じて。 * * * * 俺は戸棚から適当プリンを取り出す。 「うっうー!」 「あまあまのにおいだどぉー!!」 飛び掛ってくる豆れみりゃをかわしながらガラス箱をたたいて通常れみりゃを起こし、 まだ寝ぼけているそいつの前に皿を置いてやる。 「あう?」 「「「「「「だめぇ~~それおぜうざまのぉ~~!!!!」」」」」」 箱の中のれみりゃは、初めて味わう人間手製の甘味に舌鼓を打ちながら平らげていく。 「うああ……!あんまぁぁ~~いどぉぉ~~!!ほっぺがおちちゃうどぉ~~!!うっうーーー!!!」 通常れみりゃは、一口食べては昂ぶる心のままに踊り、気が済むまで踊ってはまた一口食べる。 「おぜうさまにふさわしいぃ~、とってもえれがんとなすいーつだっどぅぅ~~♪ れみ☆りゃ☆うー!!にっぱぁ~~☆」 その様子を見せられる豆れみりゃ達はたまったものではない。 「まんまぁ~あれたべたいどぉーー!」 「じゅうしゃーー!はやくおぜうさまたちにもあれもってくるどぉーー!!」 (しかしまだまだこんなもんじゃない) (俺達ふたりがかりの甘やかしからの逆落としはこれからが本番なんだぜ) (なあ、”もうひとり”) * * * * 通常れみりゃは、長い時間をかけてプリンを食べ終えた。 「うっぷぅ~~。とってもでぃりしゃーすだったどぅ~♪またたべたいどぉ~♪」 「ぜんぶだべぢゃっだぁぁぁ~~!!」 「しゃくやー、しゃくやぁー!!」 「おっきいおぜうざまずるいっどぉー!!」 ガラス箱をぺしぺしと叩いている者もいるが、プリンの余韻にひたる通常れみりゃに気づかれてさえいない。 「じゅーしゃーー!!」 「おぜうざまにもぷっでぃんーー!!」 飛び掛ってくるれみりゃを手で払いのけながらガラス箱に近づく。 「れみりゃ。おいしかったかい?」 「うー?もちろんだどぉ~。おぜうさまはだいまんぞくだどぉ♪」 「そうかいそうかい」 俺はそういいながら、台所の床を片付けはじめる。 「だめだどぉーー!!それはおぜうざまのえれがんとなべっそうだっどぉーー!!」 「ん~?聞こえんな~?」 ひっかき傷とかついてないだろうな……大事な食器を一つずつ検分しながら、流しで洗ってゆく。 「ヒャッハァーー!!掃除だぁーー!!」 「べっそうがえじでぇ~~!!」 「ざぐやーー!ざぐやーー!」 しばらくすると、かつて豆れみりゃの帝国であった台所は、ほぼ完全に元の様相を取り戻した。 「すすす……すっきりーー!!」 「じゅうじゃのばがーー!!」 「うあーー!うあーー!」 今や台所の床に残っているものといえば、通常れみりゃのガラス箱と”こーまかん”重箱だけである。 水拭き、空拭きを終え、丁寧に食器を戻した食器棚のガラス戸をパチンと閉める。それは今までにないほど高く澄んだ音を立てた。 * * * * 「さて」 豆れみりゃを重箱に押し込め、本格的に通常れみりゃとの面通しをしなくては。 「うー!せんまいどぉー!」 「おぜうさまはおそとでれみ☆りゃ☆うーするのぉー!」 「駄目だ」 聞き分け悪く外へ飛び出そうとする一、二匹を手でひっ捕まえ重箱に戻す。 「せまいのやだどー!」 また一匹飛び出す。ああもうきりがねえ。 「おらっ」 ちょうど飛び出そうとしていたゆっくりを下敷きにする形で、重箱に蓋をかぶせる。 「ゆびゃあああああ」 殺してしまったかと思ったが、れみりゃは蓋と重箱の縁の間に挟まれたままもがき苦しんでいる。親れみりゃが、 見えないながらも子の危険を悟ってうろたえ出す。 「あう?おちびちゃーん!?でびりゃのえれがんどなおちびちゃーん!?」 「まんまぁーぐるぢいどぉー」 案外頑丈にできてるんだな。蓋が閉まらないので、重箱の中へと指で押し込んでやる。 「ぎゅぶぅぅぅぅ……いたかっだどー」 「おちびぢゃーーん!!」 きっと箱の中で感動の再開をしているのだろう。 「うーん、どうしたものか」 とりあえず、蓋をぴったりと閉じてみる。たちまち反応があがる。 「くらいどぉーー!?」 「なんにもみえないどぉーー!」 「ごあいぃぃぃぃーー!!」 これはなかなかの好反応。 とはいえ、ただでさえ人の話など聞かないゆっくりが恐慌状態に陥っているのだ。今は話をするだけ無駄だろう。 俺は蓋の上に重しを載せて散歩に出かけた。 * * * * 散歩から帰ると、豆れみりゃどもは騒ぎ疲れたのか重箱は静かになっていた。 「うーおなかすいいたどぉー、ぷっでぃんー」 と暢気な声は通常れみりゃ。お前はもう少し黙っててくれ。 俺は重箱に顔を寄せる。 「もしもーし、れみりゃ、聞こえるかい」 「うー!じゅうしゃだどー!」 「くらくてえれがんどじゃないどぉー!なんとかするどー!!」 「いいか、よく聞けよ。 蓋を開けてもお外に出ないで、こーまかんで俺の話を聞けるかい?」 箱の中でれみりゃ達が飛び回る気配がする。 「うーぞんなのやだどぉー」 「おそとでだいぃー」 「じゃあ、ずっとその中にいるんだね」 「どーじでぇ~~!?」 「やぁだぁ~!!」 そのとき、親れみりゃが言った。 「おちびぢゃんだぢぃ~、いいこにしてじゅうしゃのはなしをきくんだどぉ~。まんまぁはまっくらいやだどぉ~!」 「ううー!」 「わがっだ~」 どうやら話は決まったようだ。それにしても、”まんまぁはまっくらいやだどぉ~!”。 威厳もカリスマのひとかけらもない親だな。 「お外に出ないこと。わかったね?」 「わがっでるどぉ~はやくあけるんだっどぉ~」 不遜な言葉遣いはひとまず聞き流し、俺は蓋を開けてやった。 重箱に豆サイズのれみりゃが並んで座っている光景はそれなりにかわいらしい。それを、 ガラス箱の通常れみりゃによく見えるように重箱を押し出してやる。 俺は通常れみりゃに聞く。 「こいつを見てくれよ……どう思う?」 満腹感から眠たげにしていたれみりゃだが、重箱の中にいるものが小さな同属だと気づくと興味を示した。 「うーちっちゃくてかわいいおちびちゃんたちだどぉ~♪」 それを聞いて豆れみりゃもまんざらではない。 「ほめられたどぉ~!」 「おぜうさまはかわいいどぉ~!あうー!」 しかし、その中に一匹だけ釈然としない表情の者がいる。親れみりゃだ。 「おい、どうした?可愛いってよ」 俺は親れみりゃに水を向ける。 「うー、おぜうさまはおちびちゃんじゃないどぉ~」 「だとさ」 通常れみりゃはきょとんとしている。 「そんなことないど?おちびちゃんもかわいいどぉ~?」 「うー!おぜうさまはまんまぁだどー!おちびちゃんじゃないどーー!!」 通常れみりゃは頷いた。 「あうーわかったどぉー」 「わかればいいんだどぉ!」 「きっとけんそんしてるんだどぉ!ちびちゃんなのにえれがんとだどぉ~。えらいどぉ~なでなでしてあげるど~」 「ううううううーーー!!!」 はっはっは、こりゃいい。 そのとき、俺の脳裏に次のプランがひらめいた。 to be continued... ■ □ ■ □ 次回予告という名の備忘録 「餌は全部お前に管理してもらうからな。おちびちゃん達にもちゃんと分けてやるんだぞ」 「わかったどぉ!おぜうさまがちびちゃんたちをりっぱにやしなってみせるどー!」 生きるためには通常れみりゃから餌を与えてもらうしかなくなった豆れみりゃ。 「おぜうざまはぢびぢゃんじゃないぃぃ~~!!!」 自らの立場を否応なく理解させられていく豆れみりゃ達。 多重人格コンビのエスカレートする虐待攻勢、親れみりゃの止めどもないカリスマブレイク。 通常種とかは出るのか!従業員は三種類のれみりゃをこのまま書き分け続けられるのか!? 豆れみりゃの明日はどっちだ! 次回『豆れみりゃと多重人格お兄さん』に――Take it easy!
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau9/pages/1845.html
※原作キャラ崩壊注意 おkな方のみどうぞ 「まんま?♪ どこ??」 夕焼け色に染まる野原。そこに地面に這いつくばるようにしてよたよたと動いている一匹の生物がいた れみりゃである。詳しく言うなら胴体付きである。 そしてこのれみりゃはまだ赤ん坊のようで、一応立って歩くことは出来るのだが、地面に張り付いている方が楽らしい。 にこにこと笑みを浮かべて母親を探すために顔をキョロキョロと動かしていた。 うー?と言いながら頭を右に傾けていると、空から何かが現れた。 「あまあまだっどぉ?♪ ゆっくりたべてねれみりゃのあかちゃん?♪」 「はなしてね!!! ゆっくりはなしてね!!!」 両手でれいむを掴んで現れたのはこの赤れみりゃの親であった。 子供の前に降りると 「にぱぁー☆ おいしいおやつだどぉ?♪」 といいながられいむを差し出す。 「うー? まんま?♪ たべていいのー?」 「もちろんだどぉ?♪ いっぱいたべるんだどぉー!」 といっても一匹しかいなのだが、赤れみりゃはそれを気にすることもなく、目の前の饅頭の頬をまだ小さい手で ギュッと掴んだ。 「うー! ぷにぷにー!」 思ったよりずっと柔らかい感触が気持ちよく、ギュッギュッと引っ張って遊ぶ赤れみりゃ。 一方れいむの方はそれを楽しむ余裕もなく 「いたいよ! ゆっくりやめてね! れいむおこるよ!!!」 そういってタックルの一つでも食らわせようかとしたが 「うー! うごいちゃだめだどぉー!」 と親れみりゃに上から押さえつけられた為にそれも叶わず、飽きた赤れみりゃにむしゃむしゃと頭を齧られたのであった。 「あまあま?♪ でりしゃすー!」 口の横に餡子を付けて満面の笑みを浮かべる赤れみりゃ。 「うー♪ とってもぶぅーてぇふぉーだどぉ?♪ いーこぉいーこぉ?♪」 自分の胸元へ赤れみりゃを抱き寄せると、丸っこい手で頭をナデナデし始めた。 「まんまー・・・しゃくや・・・」 「うー♪ ほんとうにかわいいどぉ?♪」 そうして赤ん坊はスヤスヤと眠り始めた。 次の日の朝。二匹は大木の下で抱き合って寝ていた。 完全な余談であるが、これには理由がある。自然の山にはれみりゃ等がゆったりできるスペースは洞窟ぐらいしかないのだが そんなものは滅多にない。なので、多くのれみりゃは家を持たずに常に移動しながら生活している。 寝る時は木の下などで一夜を明かす。この為か、れみりゃ達の巣(こーまかんと呼んでいる)への憧れは相当強いのである。 目を覚ました二匹は、眠い目を手でこすりつつ、自分たちの上にかけておいた草をどこした。 そして親れみりゃは、その草を赤れみりゃにそっと被せる。 「いまからもーにんぐをもってくるからどぉ?♪ ゆっくりまつんだどぉ?♪」 「うー♪ わかったー♪ れみりゃかりしゅまだからまてるー♪」 「いーこだどぉー♪」 れみりゃはバサバサと羽を羽ばたかせて飛んで行った。 その様子を地面にべたっと横になりながら見送った赤れみりゃは、親の言いつけ通りにじっと動かずに待っていた。 目の前を蟻が通る。 「う?? ありさんー!」 目の前をちょうちょが通る。 「うー! ちょーうーちょー♪ きらきらー!」 目の前をどせいさんが通る。 「うー? なにこれー?」 色々と興味を引く物が通って行ったが、それでも赤れみりゃは母親の言いつけを守った。 親のれみりゃが出て行って10分ほど経っただろうか。 どこからか赤れみりゃに呼びかける声が聞こえてきた。 「れみりゃさまー。さくやですよー。れみりゃさまー?どちらにいらっしゃるのですかー?」 「うー?・・・しゃくやー♪」 その声が自分が愛する完全で瀟洒な従者の者だと気づいた赤れみりゃ。精一杯の声と身振り手振りで 自分の居場所をアピールする。 「しゃくやー! ここー! れみりゃここー!」 両足で立ちあがってブルンブルンと手を振る赤れみりゃ。 それに気づいたのか、茂みを奥から何かの影が向かってくるのが見えた。 「しゃくやー♪」 赤れみりゃはトコトコトと走った。自分たちをエレガントにゆっくりさせてくれるさくや。 ぷでぃんを食べさせてくれるさくや。まんまーと同じくらい大好きなさくや。 一度もあったことのない存在でありながら、遺伝子に刻み込まれたそれは、ゆっくりを求めるゆっくり種の本能であった。 「しゃくやー! だっこー♪」 その影の足元にやっとたどり着いた。そこに居たのは間違いなくさくやだった。 「うー! しゃくやー♪ しゃくや?♪」 さくやは何も言わずに自分を抱き上げる。そして後ろにいた見知らぬ女と何かを話し始めた。 「うー♪ だっこー♪」 赤れみりゃは抱っこされたと思って上機嫌なので、そんな些細な事を不審に思わなかった。 さくやは自分を出血死するのではと思うぐらい鼻血をボタボタとだしながら笑顔で見ていた。 「うー? しゃくやー♪ あしょぼー♪ もうすぐまあまーがくるからいっしょにあしょぼ?♪」 とびっきりの笑顔でさくやに話かけてみる。 でもさくやは、名残惜しそうな顔で後ろの女が持っている袋にぎゅっと自分を押し込んだ。 「うー? まっくらー! しゃくやー? しゃくやー?!」 いきなり真っ暗で何も見えない。すると上からさくやの声が聞こえてきた。 「申し訳ありませんが少し止まっていてくださいねお嬢様。お家に着いたらオヤツにいたしますので。」 そういって頭の上に手が乗って・・・ 「咲夜さーん? こんどはなにしてるんですか?」 袋を担ぎながら質問したのは紅美鈴。紅魔館を守る麗しき門番である。 スリットから生足をチラつかせつつ、上司である咲夜に問いかけてみた。 赤れみりゃの居た場所から少し茂みで隠れている理由について。 「決まってるでしょう? いきなり子供が消えてアタフタするれみりゃ様の様子を見るのよ。」 あくまで冷静に、表情もクールなまま、鼻から未だに血を垂らしつつメイド長の咲夜はそう言った。 「はあ・・・。というかですね。そもそも朝早くからこうして、ちっちゃいれみりゃ様を捕獲しに来た理由も教えてもらって ないんですけど・・・」 一応主に似ている生物である。様付けで呼ばないとナイフが飛んでくるのでキチンと様を付ける美鈴。 「あら? 言ってなかったかしら?」 すっかり忘れてたのか、咲夜は頭に?を浮かべた。 「だいたい、れみりゃ様達はレミリアお嬢様が全部捨ててきたじゃないですか。」 「そうね・・・あれは残念だったわ。お嬢様のご命令とはいえ・・・」 本気で悲しそうな目をする咲夜。しかし急に顔をあげると 「でもその時理由はちゃんと聞いたわ! あのだどぉ?言葉が気に入らないと!つまり子供ならいいのよ!」 なんだか一人で勝手に盛り上がってきた上司に不安を隠せない美鈴。 「あの・・・さくやさーん?」 「ええそうよ! こんなに可愛いれみりゃ様ならきっとお嬢様もお許しになられる筈よ! 成長抑制剤を薬師に作ってもらったし、これなら前のようにれみりゃ様がたくさん・・・うふ、うふ、うふふふふ・・・」 思わぬ豹変にその薬師の所に連れていくべきか本気で迷う美鈴。 すると、どこからか呑気な声が聞こえてきた。 「うっうー!うぁうぁー♪ あまあまぁ?♪」 「はなじでね! ゆっぐじばりざをはなじでべ!」 「むきゅん! はなして!」 まりさとぱちゅりーを掴んで飛んできたのはおそらく親れみりゃなのであろう。 すとっと赤ん坊の居た所に降りると 「あかちゃーん♪ あまあまだ・・・・うー?」 赤ちゃんが居るはずの所が空になっているのに気づいたのか、首を傾げる親れみりゃ 周りを探せども見当たらない。近くの茂みをかき分けても見つからない。 ついには二匹のゆっくりをほおり投げて必死で探し始めた。 「あがじゃーん! どごだぉー! あがじゃーん! どごだどぉー!!! あがじゃーん!!!! ざぐやあああああああああ!!!! だづげでえええええええ!!!!」 「泣きだすれみりゃ様・・・ハァハァハァ。ダメ!もう我慢の限界が!」 土まみれになりながら子供を探すれみりゃ。そしてそれを『ピー』しながら見守る上司。 この日以来、美鈴は三か月ほど行方不明になるのだが、それはまだ誰も知らない。 「あがじゃああああああああんんんん!!!!! どこだどぉおおおおおおお!!!!!」 by バスケの人
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/1370.html
太陽がそろそろ真上に上る頃。 紅魔館のれみりゃの終わる事のない一日が始まった。 「う~~♪ さくやだっこだどぉ~~♪」 「さくや~~? どぉこだどぉ~~~!!!」 自慢のベッドで起きたれみりゃは、いつも直ぐに抱きかかえてくれる咲夜がいないことを不審がり、そのふっくらとした首周りを動かして、周りの様子を観察しだした。 「う~~~♪ いじょ~~はないどぉ~~~♪ れみりゃのこ~まがんだどぉ~~~♪」 自分の屋敷に異常がない事を確認したれみりゃは、 「うんしょ~~~♪ だどぉ~~♪」 と声をかけて布団から飛び出し、咲夜の捜索に取り掛かった。 「う~~~♪ どこだどぉ~~~♪」 「う~~~!! みつけたど~~~♪」 彼方此方を飛び回り、数分としないうちに咲夜を見つけたれみりゃ。 実際には、一番初めに来そうな食堂に咲夜が先回りしていただけであったが。 「うっう~~~♪ さぐや~~~♪ すぐにぷっでぃ~~んをもってくるんだどぉ~~~♪」 「……」 「うーーー!! はやくするんだどぉーーー!! こーまかんのあるじのめいれいだどぉーーー!!!」 「……」 「う?」 咲夜は、声を出す代わりに、懐から取り出したナイフをれみりゃ目掛けて振り下ろした。 「うーーー!!! いだいどーーー!!! なにするんだどーーー!!」 「……」 「さぐやーー!! どこだどーーー!! すぐにたすけるんだどぉーー!!!」 泣き叫ぶれみりゃと、黙ってそれを見つめる咲夜。 その均衡を崩したのは、真の主の声だった。 「咲夜~そろそろ神社に行きたいんだけど~」 「はい。それではご一緒させて頂きます」 「うーー!! まつんだどーーー!! こうまかんのあるじはそいつじゃないどーーー!!!」 「うっさい!!!」 「うぎゃ!!!」 連れて行かせまいと、必死に咲夜に抱きつくれみりゃをなぎ払う。 「うーーー!!! まっでーーーー!!!」 何度も何度も、懲りずに追いかけ続けるが正面玄関が締められた所で、その追いかけっこも終わりを迎えた。 「う~~!! う~~~!!」 その場に腰を下ろし、グズグズと泣いていたれみりゃだったが、次第に泣きつかれてきたのか段々と寝息が混ざり始めた。 「う~~!! ……ZZZ ……Z!!! んぎゃ!!!!」 突然の衝撃に何事かと顔を上げる。 そこには、数人のメイド達が、楽しそうにれみりゃを見下ろしていた。 「う? うっう~~~♪ れみ☆りゃ☆う~~♪ にぱ~~~♪」 段々と頭が冴えてくると、自分の大好きなダンスを見せ始める。 「う~~~♪ ぷっでぃ~~んほしいんだどぉ~~~♪」 最後にはお約束のプリンコール、今までと同じ手順を踏んでいた。 「……クスクス」 「うーー!! いたいどーーー!!!」 しかし、今は違う。 プリンをくれるどころか、れみりゃを蹴り出したのだ。 「いいいいだいどーー!! こうまがんのれでーになにするんだどぉーーーー!!!!」 その煩い口に、渾身の蹴りが飛ぶ。 「うががが!!! あああああああ!!!!」 口を押さえて蹲るれみりゃ。 それを確認して、メイド達は何処かへと消えていった。 「うーーー!! うーーー!!!」 大粒の涙を上げて泣き叫ぶれみりゃだが、時間と共に痛みがひいていくのか、それとも忘れてしまうのか段々と涙の量が減っていく。 「ぐず!! うーー!! うーー!!」 そして先ほどと同様、段々と寝息が混じり出す。 「うーー!! ……ZZZZZ んぎゃーーー!!!!」 今度は、思い切り壁まで飛ばされた衝撃で跳ね起きた。 「うううう!! いだいーー!! ざぐやーー!! ざぐやーーー?!!」 「咲夜さんならいませんよ?」 声をかけたのは小悪魔。 そして、れみりゃを吹き飛ばした張本人である。 「うーー!! おまえなんがあっじいげーーー!!!!」 「あらあら。ツンデレってやつですか?」 自身の渾身の脅しにも怯まずにツカツカと近づいてくる小悪魔に、れみりゃのほうが後ろに下がる。 「うーーー!!! ごないでーーーー!!! ごないでーーーー!!!」 「残念ですね。私は肉まんに好意を向けられたくないんです。……えい♪」 「んべぼ!!!!」 至近距離で鳩尾にけりが入る。 当然、れみりゃは壁に向かって一直線に飛んでいく。 「んぎゃらっぱ!!!!!」 そして同様に壁にあたる。 あまりの衝撃に声もでないようだ。 「まだまだ。お楽しみはこれからですよ? ブッ細工な肉まんさん♪」 「……かは。!!! やだーーー!! ざぐやーーー!! ざぐやーーー!!!」 ―― 「それじゃあ。私はパチュリー様に飛び切り辛い紅茶を淹れなければならないので、失礼しますね」 「う……あがが!! うわーーー!! うわーーーー!!!!!」 日も落ちかけてきた頃、漸く開放されたれみりゃは、堰が切れたように泣き出した。 「うわーーーー!!! ざぐやーーーー!!! ざぐやーーーーー!!!!!」 本日三度目の大泣き。 当然、それだけ泣けば疲れもどっと溜まる。 「うー……ZZZZ。 ZZZZZZ~♪」 すんなりと眠りに落ちたれみりゃ。 きっと素敵な夢を見ることだろう。 「!!! んびゃらってぃ!!!!」 しかしながら、それは叶わない。 今しがた帰ってきた咲夜が、れみりゃの背中にナイフを突き立てたからだ。 「う? ざぐやーーー!! ざぐやえおやっつげでーーー!!!!!!」 「何を言ってるんですか?」 「うあーーーー!! うあーーーーー!!!」 今日、自分がいけた事を上手く言葉にできないれみりゃが呟いた事等気にせずに、れみりゃを食堂まで運んでいく。 「皆、良く聞いて!! きょうはデザートに大きなプリンを付けるわ」 既に食堂に来ていたレミリアが、集まったモノに声をかける。 「う~~~~!!!! ぷっでぃ~~~~~ん!!! れみりゃもたべる~~~~♪ ほかはいらにゃいからぽいするのぉ~~~~♪」 プリンの言葉で覚醒したれみりゃは、一目散に手近なテーブルに走って行き蹴り返された。 「んびゃ!!! うーーー!!! ぷっでぃ~~~~ん♪」 それにもめげず、今度は咲夜たちがいるテーブルへ。 「う~~♪ んぎゃ!!!!!」 こんどは美鈴のけりでまたけり返される。 「ほら~~~♪ 肉まんさん~~♪ ぷりんをあげますよ~~~♪」 「うーー!! ぷりんじゃなぐでぷっでぃ~~んなの~~~♪」 小悪魔から差し出された皿に載っているプリン目掛け、勢い良く飛んでいくれみりゃ。 対する、小悪魔は後一歩の所で皿を引っ込め、代わりに突き出していた手にフォークを突き刺した。 「うあーーーー!!!!! いだいーーーー!!! いだいーーーー!!!!」 「うるさい!!!」 「あああーーーーー!!!! あああーーーーー!!!!!」 フランドールに弾き飛ばされたのを皮切りに、彼方此方に飛ばされ蹴られ殴られていく。 漸く終わったのは、最後のグループが食事を終えた時だった。 「うーーー!! ……もうねむいどーーー……」 痛さと泣き疲れで、極限まで体力を削られているれみりゃは、泣きもせずに寝入った。 「……ZZZZZ!!! あああぎゃはぁーーーーーーー!!!!!」 しかし、寝る事はできない。 名も知らぬメイドに蹴られ飛び起きる。 「うあーーー!!! ……ZZZZ!!! あがやーーーー!!!!!!!」 更にもう一人。 「いだいーーー!! ざぐやーーー!! うーー!! ……ZZZZ !!! うあーーーーー!!!!」 もう一人。 「うあーーー!! いだいどーーーー!! つがれだーーーー!!! ああああああーーーー!!!!」 ここは吸血鬼の住む館、紅魔館。 「ああああーーー!! だずげでーーーー!!! れみりゃをだずげでーーー!!!」 生活リズムも様々なこの屋敷では、何時でも誰かが起きている。 「うーーー!!! うーーーーー!!!!」 もう、れみりゃに明日は来ない。 これが壊れても、庭にはまだまだ我侭に育ったれみりゃが沢山いるのだ。 このSSに感想を付ける