約 632,109 件
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/1437.html
このSSには罪の無いゆっくりれいむ、ゆっちゅりー、体つきゆっくりゃが虐待されます。 また、ゆっくりめーりんが登場します。 嫌な方は見ないで下さい。 ゆっこーまかん 前編 ここは幻想郷の森の中、かの有名な紅魔館から少し外れた暗い森の中。 人がやっと一人入れるような小さな洞穴があった。 洞穴の中にはヒカリゴケの明かりがともされ、少し埃っぽい空気で満ちていた。 その洞穴の中に鎮座するは人でもなく動物でもなく、虫や魚でもなく漬物石ほどの大きさの 奇妙に蠢き奇声を挙げる存在が3つあった。 「ゆっ!そのごほんをれいむにちょうだいね!」赤いリボンの下膨れの饅頭のような物体が かくもたどたどしい言葉で、かつ中途半端に枯れた汚い言葉遣いをしている。 これがゆっくりれいむ、幻想郷で近年話題の人間の特徴を備えた饅頭妖精の一種である。 「むっきゅ!~!!??ちょれはぱちゅりいのだよ!かってにもってがなぁ~いでっ☆」 シュークリームの皮のような帽子らしき物体を被ったそれは目が半分しか開いておらず舌を だらしなく垂らしては引っ込める。不気味に結ばれた紫の紫蘇と思しき髪の毛に相当する部分は ぼいん、と動くたびに不可解なリズムで揺れる。 「うぎゃおー!ごごはれみぃさまの「ごーまがん」だどっ!やかましくするなー!きぃーーーーー!!!!!!」 誰よりもやかましい物体はなんと人間の幼児ほどの体をそなえたゆっくり、ゆっくりゃ(ゆっくりれみりゃ)である。 これまた肉まんのような帽子を被り、ババクサイ服を着てへらへら笑いながら手を絶妙なリズムでスライドさせながら 踊っている。背中に付いたお飾りの羽もつられて踊っている。この種は体つきになると羽が使えなくなるのだが 本体の意思に応じてご都合主義的に動くことができるのだ。もっとも、空を飛ぶほどの力は無い。 「ゆっ!くっせえ!めっちゃくせえ!ゆちゅりーこのごほんきたなくてくっさいよ!じちょうしてね!」 れいむはそういって口に咥えた本を振り投げて捨て去る。 「むっ牛~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!!」 「むっ牛~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!!ユヂュディのでえじなでえじな「ごぼん」があああああ!!」 号泣するゆちゅりー。 「むーぎゅー♪ぱちぇはがーわいーいどー♪」 汚いダンスを続けるゆっくりゃはまるでこの狂想曲を指揮しているかのようである。 「じゃあお☆じゃあお☆ぱっどちょーじゃあお☆」 そこにのこのこと現れたのは辛そうな赤い髪をしたゆっくり、ゆっくりめーりんである。 「ごっ、メーディンいーどごおいで。デイブとぱちぇがじぇんがしているど♪」 どうやらゆっくりゃは「来たね」と「おいで」を勘違いして使っているらしい。 知能が幼児並というゆっくりの中でもとりわけアホのゆっくりゃはコミュニケーションに必要な最低限の能力すら欠如しているようだ。 「じゃあお☆れいむう。ぱあちぇ。ジェンガはやめるんじゃお☆」 めーりんもやはり「けんか」を「ジェンガ」と勘違いしている。 そもそもゆっくり種が人里へ出ることは何らかの手段で処分されることを意味しているので 何でゆっくりが人語を解する上喋ることができるのか、理由は謎に包まれたままである。 「ゆっ!ゆっくりしていってね!!」 「むっ。むっきゅりしていってね!」 「うっ!たーべちゃーうぞー♪しゃくやー♪」 れいむに続いてゆちゅりーもゆっくり種に固有の挨拶「ゆっくりしていってね!!」を唱和した。 しかしゆっくりゃだけは相変わらず自分の世界から抜け出さない。 この種は何かゆっくりとは違った存在なのかもしれない。もっと恐ろしいものだ・・・!! 調停するジャオ。 「じゃおじゃお」 「ゆゆ?」 「ウジャジャ、じゃーお、じゃーお、じゃじゃーん!」 「ゆゆっ!ゆー☆ゆゆんゆさいぱちゅりー!」 「むっ。わかればいいのよ」 さも当然な表情をするゆちゅりー。 イライラしてきた一人ぼっちにされたゆっくりゃはストレス発散に叫ぶ 「んー・・・・ぎゃおー!れみぃさまはごーまがんのおぜうさまだど♪うあうあ♪」 「じゃおお。それはりくつがおかしい」 冷静な表情で反論するジャオ。 「じゃおー!デヴィのいうどおりにずるどー!!」 きれたゆっくりゃは汚い涙を溜めながらジャオを豚みたいな手で殴る。ヒヅメ付きだから結構痛い。 パシッ「じゃ」 ぺちっ「ジョン!」 どすっ「JAOOOOOO!!」 こめかみにヒヅメがクリティカルヒットした。ジャオは悲しそうだ。 「わじゃじゃじゃ・・・!!」 涙が溢れ、口角を上げようと必死でこらえている。 「・・・・・・・!!!」 「うっうー♪プリンをちょうだい?さくや!」 「ゆっ!れみいは言葉が上手くなったね!」「むきゅ。これはちんぽだわ」 「進歩」をあられもない言葉と言い間違えたゆちゅりー。 「ゆっ!ぱちぇ今のはちんぽじゃないよ!ちんぼだよ!」 「むきゅ?むぅ~、ち~んぼっ!わかったわむきゅきゅ」 クールに笑おうとするゆちゅりー。ますますひどい。 りん。 「・・・・・ゆ?」 鈴の音がする。 りん。シャン。りん。 その音は近づいてくる。 「ゆっくりだれかがきたよ?」 「うー?デヴィのおうぢにおきゃくざま?」 その少女は現れた。美しい着物に身を包んだ黒髪の美少女。 稗田阿求、通称AQNである。 「うふふふふふ・・・ここね・・・ついにつきとめたわ」 AQNは体のあちこちに色々な植物や森の障害をくっつけて微笑んでいる。 彼女はゆっくりを殺すことに生きがいを感じていた。異常性癖と言えるがそれは限られた命が可能にした一瞬の輝きである。 「ゆ?おねーさんはゆっくりできるひと?」 「なによ、ごほんよみにきたの?」 「うーうー!こんやはたのしいよるになりぞーで!」 「じゃおお!ここはとおさないぞ!」 様々な反応を見せるゆっくりたち。AQN嬢は微笑んだまま動かない。 「うふふふ・・・そうね・・・いいわ・・・。」 「・・・はあ・・・はあ・・・はあ・・・・・・ねえ、おねえさんをゆっくりさせて?」 「ゆ?ゆっくりしていってね!」 「むっきゅりしていってね」 「ぎゃおー!ぶっでぃ~ん☆ぷりんをちょうだい、さくや?」 「わじゃじゃじゃじゃじゃwww」 どうやらゆっくりしたいという意思表示だろうと安心した様子のゆっくり達。しかしそれは違っていた。 むんずっ 「じゃお?じゃあい!おそらをとんでるみたいじゃお!」 嬢はジャオを掴んでいた。人間から見てサッカーボールほどの大きさしかないそれを掴むのはとても容易い。 重さも2キロくらいで丁度持ちやすい。ジャオは自分に迫る危機に気が付かないで浮かれている。 「じゃじゃじゃwwwわじゃじゃじゃじゃじゃwww」 下品な表情で楽しそうにしているジャオを見たAQNは感じていた。 自分の核心が心臓の鼓動と共に脈打ち、隆起してくるのを感じた。 「・・・・・はぁ・・・・あぁ・・・・・ねぇ、おねえさんの方向いて?」 「じゃん!」 ジャオはうれしそうに向いた。 ドシャ 瞬間、ジャオの体は嬢の手に隠し持っていた飛び出し式鉤爪で引き裂かれた。 これは厚い皮を誇るジャオですら内部から全て8片に刻む優れものだ。 「むじゃ~あああん、ジョオオオオオオン!」 目は飛び出し、赤い髪は地面に落ちる。ジャオの最後はあっけなかった。 「ゆ、じゃ・・・お・・?」 「むきゅ、じゃお・・・?」 「うー?・・・ジャオ?ジャオおおおおおおおおおおお!!!??」 三匹の叫び声が木霊した。嬢は爪を舐める。 「ああ・・・この醤(ジャン)の味・・・ふぁっ!」 ビクン 嬢の核心が大きな快楽で震えている。脊髄を通る快感に嬢は打ち震えた。 「ゆ~~~~~~!!どぼじでじゃおをごろじだのおおおおお!!!」 「むぎゅぎゅぎゅぎゅ!!!じゃおをあのよへもっでがないでええええ」 「んー!んー!デヴィがだべだがっだのにいいいい!」 3匹は大きく泣いていた。 「んふ、あん、・・・ふぅ。気持ちいいわ。こんなのやめられるわけないじゃない。さ、次はどのこにしようか・し・ら☆」 ゆっこーまかん 中篇 ジャオの醤を指に付け、物欲しげな雌の目で人差し指、中指をしゃぶる少女、AQN 涎にまみれた指をいとおしそうに見つめながらゆっくり達へ目を移した。 「はあ・・・はあ・・・・はあ・・・ああ・・・こんなにかわいらしい本棚があるわね」 「むきゅっ!それはぱちゅりーのごほんでつまっているよ!」 ゆちゅりーが目を潤ませながら嬢の袴を掴んで止めようとする。振り返って嬢は 「あら?そういえばこんなところにとてもちっちゃなむらさきもやしさんがいたのね」 「むきゅん!ぱちゅりーはむらさきもやしなんかじゃないよ!」 「あら?否定するとどうなるかわかる?・・・んふふ・・・」 そう言うと嬢はおもむろに本の一つを取り出しめくる。破り捨ててやろうという魂胆である。 中身はスーパーの広告チラシや電話帳の切れ端で作られていた。 所々クレヨンか何かで落書きされた跡がある。嬢は不思議に思って尋ねた。 「あら、・・・ねーぇ、もやしちゃん?」 「む~きゅ~??なあにお姉さん?・・・っぱぱちぇはもやしじゃないよ!」 ゆちゅりーはもやしと言われても否定をし忘れた。 「このぉ、・・・ご本は何が書いてあるのォ?・・ねぇ、お・し・え・て?」 「むっきゅん!しょれはね、ぱちぇのだいじなでえじなけんきゅうざいりょうなんだよっ」 「研究・・・材料?ここは何が書いてあるの?」 嬢は広告の「特選土用うなぎ 1980円」の部分を見せた。 「むっきゅん!それはね・・・とくせいのおやつでぱちゅりいがみりょくてきないせいになるには・・・」 ぶちっ 嬢の中で、何かが切れた。ゆちゅりーから本を取り上げる。 「むきゅ!まだごほんよんでるの」「しゃああああらくうううせえええええいいい!!!!」 ビリビリビリ! 「ぶぎゅううううううん!!!!」 嬢は本をビリビリと破き、地面に落とした。 ゆちゅりーは半月状の目から溢れんばかりに涙を流し、地面の本に駆け寄る。 「どぼじでやぶっぢゃうのおおお!!!ばぢぇのでえじなでえじなごぼんが」「カスが」 嬢は興奮が止まらず、本、いや紙くずを踏みにじる。紙が泥と砂でぐしゃぐしゃになっていく。 ぱちゅりーがだいじにしていた、とくせいびようほうのかかれたごほんが・・・・。でえじにしてたひみつのむきゅりかたがよめないよお・・・・・・・・・・ ゆちゅりーの無い頭の中で思いのようなものが蠢く。 ゆちゅりーは足が震え、嬢の前に跪くと紙くずを寄せ集めようと必死になった。 「むきゅ、むきゅ、・・・っげふんげふん!むきゅむきゅ。・・・げふん!むきゅ。」 「ゆぢゅりいいいいい!!ゆっぐりだずげるじょ!!!」 「ああ・・・いい声ね・・・。むふっ、私・いけないこだわ・・・あぁん☆」 嬢はそういって股間に手を寄せて微妙な振動を与える。 一方喘息の発作を起こしたゆちゅりーの元にそれまで呆然としていたゆれいむが慌てて駆け寄る。 ゆれいむはゆちゅりーの頬を舐めてなだめる。 「ゆ。ゆ。ゆ~~!ぱちぇははやくげんきになってね!れいむがたすけるよ!」 「むきゅ。・・・ありがちょ。」 「・・・ふあああああん!!・・・ぁあ~、イッちゃったわ・・・さて、と」 「ゆっ。まかせてね!ってぎょおおおおええええええ!!!??」 誇らしげなゆれいむの頭の先を頂点を迎えた嬢が持っていたナイフですっと切り取る。 りぼんはかろうじて外れないで餡子だけを上手く露出させることに成功。 「むっぎゅううううううん!!??(>.<Uつo でいぶどぼじだのおおおおお!!?」 「ゆゆゆゆああああああ!!!!ゆ~・・・ゆ~・・・ぱちぇでいぶあだまのざぎがおがじいよおおおおお」 「むっぎゅん!!はやくよぐなっでな!よぐなでえええ!」ぺちょ・・・ぺちょ・・・ ゆちゅりーは訛りながらゆれいむの頭を舐める。実は甘いことに気づいたゆちゅりーは舐める速度を早くする。 「べちょっ!うっめむきゅ!これめっちゃうめむきゅ!べろべろベッチョン!」 「ゆああああああああ!!!」 ますます苦しむゆれいむ。それを見た嬢は思いついた。 「・・・あらあら・・・んふっ☆・・・イイこと思いつーいたっ。」 嬢は地べたに座り、袴をたくし上げて少女の秘部を露出させる。 それはいかなる文学的な表現を以てしても喩え尽くす事の出来ない楽園である! 弛まぬ人類の歴史を通して幾兆の男達が夢見、そして目指した偉大なる目的。 それは花びらを飛び立つ蝶の一片の燐粉ですら覆い尽くす事の出来ない幻の愉悦。 ああ、このいとおしく、かつ悩ましい存在のためにどれだけの文学が現れては消えていったことか!! ひとまずそこまでにして、嬢はゆれいむの餡子を指ですくう。 「ゆげっ」 「ごめんねー。治療するからね。」 「むきゅ!わたしのれいむになにをするの!?はしたないよ、おねえさん!」 「・・・んふ。私、そんなにぃー、・・・・・・はしたないかしら?」 「そうだよ、はしたないむきゅ!」 「れいむを治してあげたいわよね?」 「むきゅ!当たり前だよ!」「ゆぐう!はやぐなおじでねええええ」 「じゃあ治してあげる。今からおねえさんの言うとおりにしてね?」 「むきゅ!何でも手伝うよ!」「ゆぶぶぶぶぶ」 れいむは口から泡を吹いている。嬢はその餡子をおもむろに秘部に塗りたくった。 「むきゅきゅ!!??なにじでるのおねいざん!むっきゅりなおじでね!?」 「はぁ・・・はぁ・・・じゃあ、ングッ、・・・じゃーぁ・・・・おねえさんの餡子にまみれたここ、舐めてくれるぅ?」 「むぎゅ!!?ほんとになおるの?げふんげふん」「パ・・・ヂュディ・・・」 つづく このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/754.html
※現代社会に当然のようにゆっくりがいます。 ※オリ設定満載です。 ※ぬる虐めです。そして割と愛で気味です。 ※fuku2278.txtの続きですが、読まなくても問題はありません。 数年前に突如現れ、急速に社会に浸透していった(ような気のする)ゆっくりと呼ばれる新たなる生命体。 人間の生首が膨張したような容姿のそいつらは饅頭のクセに生きていたり、どこから来たのは全く不明だったりとあまりに謎が多すぎる。 が、目新しいものや珍しいものを好む人々はその「ゆっくりしていってね!」とか「ゆーっ!」などと珍妙な鳴き声をあげる未知の存在をあっさりと受け入れた。 そんなご時勢ゆえ、こんなものが出現するのも時間の問題だったといえる。 ゆっくりと遊べるアトラクションパーク“ゆー園地”はこの夏オープン!ゆっくり好きのみんなは絶対に来てね! そんな馬鹿馬鹿しいキャッチフレーズに騙される物好きというのは意外と多いもので、ゆー園地はゆっくり連れの人々でごった返していた。 「おにーさん、たのしみだね!」 右を向けばやや小柄な青年の肩に乗ったまりさが瞳を輝かせ・・・ 「れいむゆっくりあそぶよ!」 左を向けば父親と並んで歩く12歳前後の少年に抱きかかえられたれいむが腕の中で飛び跳ねている。 「「ゆっきゅりー!!」」 どうやら私の前の女性は本来同伴不可の赤ちゃんゆっくりを連れてきているようだ。 「たのしいところなんだねー、わかるよー!」 後ろのほうからはちょっと珍しい種の・・・確かゆっくりちぇんの期待に満ちた声が聞こえてくる。 あたり一面ゆっくり馬鹿だらけ。 かく言う私もその一人・・・とは言いがたいところなんだけど、傍から見れば十分にゆっくり馬鹿に見えるんだろう。実に心外だ。 今私たちが目指している場所、『ゆー園地』はその名の通りゆっくりと飼い主が一緒に楽しめる遊園地。 最高時速25kmのジェットコースターや最高到達点15mの観覧車、顔饅頭だらけのお化け屋敷などの素敵なアトラクションが盛りだくさん。 しかもこれで入場料は大人1人3000円のゆっくり1匹につき500円。フリーパスだとその2倍。 ・・・・・・・・・・ちょっと責任者出て来なさい。 「れいむー、たのしみだねー!」 そう言いながら私の右肩で緩みきった間抜け面をさらしているのはゆっくりまりさ。 「ゆっくりしようねー」 まりさに返事をしたのは左肩に乗っているゆっくりれいむ。ちなみに、まりさのつがいで子どもが6匹いたりするが子どもはサイズの関係で入場禁止なので友人宅に預けている。 こっちは入場料や、恐らく中に入ったらこいつらが欲しがるであろう食べ物なんかの出費を考えるだけで頭が痛いのに、なんとも気楽な連中だ。 「おねーさん、ゆっくりあるいてね!」 そして、抱きかかえられたまま私のお腹に顔をうずめて怯えているのはもう1匹のゆっくりまりさ。 こいつは非ゆっくり過敏症なる珍妙な症状を持っていて、時速3km以上の速度で移動するものを見ると気絶してしまう。 しかも、ふざけた事に自分自身の落下速度が3kmを超えると気絶してしまうので這って移動することしか出来ない。 そんな有様だから私が普通に歩くだけでも気絶してしまう。そのため、仕方なくこうやって視界を塞いで連れ歩いているのだ。 何で私がゆっくりなんかのためにここまでせにゃならんのか・・・。 「はぁ・・・」 何度目になるかもわからないため息をついた時、ようやくゆー園地に到着した。 入場した私たちはまず手近にあったメリーゴーラウンドに乗った。 ここのメリーゴーラウンドは四つん這いになったメイド服の妖精少女が木馬代わりという実にシュールな代物だ。 木馬の台数は15台程度。ゆっくりが乗ることを前提に作られているので全体的に小ぢんまりとした造りで、ゆっくり用の台座がメイドの頭に設置されている。 そして、回転速度も非常に遅い。時速2kmくらいしか出てないんじゃないか、これ? 「おーい、まりさ。これならあんたでも大丈夫だろ?」 せっかく連れてきたんだから楽しんでもらおうと思って過敏症まりさに声をかける。 「ゆゆっ!ほ、ほんとうに?!」 そして、その言葉を信じたまりさは恐る恐る外へ目を向ける。 エレエレエレエレエレ・・・ すると、視界に飛び込んできた普通に歩いているお兄さんを見て嘔吐、気絶してしまった。 ・・・だめだこりゃ。 念のため用意しておいた透明のビニール袋で過敏症まりさの嘔吐を受け止め、まりさ自身もそこに放り込んでおく。 「はぁ・・・仕方ないか。アンタらだけでも楽しみな?」 「いわれなくても~」 「ゆっくりたのしんでるよ~!」 流石と言うか何と言うか、言われるまでもなく2匹はゆっくりしていた。 「ゆ~ゆ~ゆ~、ゆ~ゆ~♪」 「ゆゆっ~ゆゆ~♪」 こっちはどうしようもないほど退屈だというのにむかつくほど楽しそうだ。 その姿を見ていると、何故か頬をつねりたくなってくる。いや、そう思ったときには既にれいむの頬をつねっていた。 「ああ、くそっ!うっとうしい!」 「はひふふほ、ほへーひゃん!」 「ゆゆっ!おねーさんゆっくりやめてあげてね!」 「うるさーい!私も少しは楽しませろ~!」 周囲の人たちが騒いでいる私たちの様子をチラチラと伺っているような気がしたが、メリーゴーラウンドが止まるまでずっとつねり続けてやった。 「あっはっは・・・ごめんごめん。ちょっと調子に乗りすぎた」 酷くふてくされて頬を膨らませているれいむに苦笑しながら右手を自分の顔の前にかざして謝る。 「ぷんっ!れいむ、やめてっていったのに!やめてくれなかったおねーさんなんてきらいだよ!」 「まりさもやめてっていったのにどうしてやめてくれなかったの!?おねーさんひどいよ!ぷんっぷんっ!」 ついでにパートナーのまりさもふて腐れている。 「う~ん・・・おわびにお菓子買ってあげるから、それで許してくれ」 「お菓子」という単語に反応したれいむとまりさはちらりと私のほうに目を向ける。 が、すぐにそっぽ向いてしまった。 「おかしなんかにつられないよ!」 「れいむほんとうにおこってるんだからね!」 しかし、そう言いつつもこちらの様子をちらちらと伺う2匹。やっぱりお菓子が気になるらしい。 その様子を見て、私はある作戦を思いついた。 「ねえ、まりさぁ、許してよぉ~。許してくれたら美味しいお菓子を買ってあげるからさぁ~」 「ゆ、ゆぅぅぅうう・・・」 作戦名『各個撃破』。2匹をいっぺんに懐柔しようと双方が双方の気持ちを汲んで、自分も良からなく茶という意識を芽生えさせるためなかなか上手い行かない。 しかし、1匹ずつならどうだろうか?それも直接つねられた訳ではないから比較的怒りの軽いまりさを重点的に攻める。 「ね、まりさ、お願い?」 と、許しを請いつつまりさの抱きつく。 饅頭に詫びながら胸を押し付ける女ってのは傍から見たらどういう風に見えるのだろうか? 「ゆぅ・・・しかたないね!あやまるんならゆるしてあげるよ!」 「おお~!ありがと~、まりさぁ~!」 自分でも気色の悪いとしか思えないような猫なで声でまりさに感謝の意を伝えつつ、今度は頬ずりをした。 「ゆぅ~!おねーさん、おかしわすれないでね!」 「もちろん忘れないよ♪やっぱりまりさは優しいなぁ」 「ま、まりさのばかあああああああ!どほぢででいぶをみずでるのおおおお!!」 「ゆゆっ!?みすててないよ!おねーさんをゆるしてあげただけだよ!」 「でいぶがゆるぢでないのどどぼぢでがっでにゆるずのおおお!まぢざなんでぎらいだよ!」 「ゆぅ!?どぼぢでぞんなごどいうのおおおおお!」 気がつけば私そっちのけで痴話げんかを始めてしまった。 「まりさ~、だいすきだよ~♪」 「まりさもだよ~♪」 痴話げんかを始めてからものの42秒ほどで仲直りした馬鹿2匹は、不快指数を高める何かを撒き散らしていた。 「あ~、暑苦しい暑苦しい・・・」 腕の中で鬱陶しいくらいいちゃいちゃしている2匹から目をそらしつつ、私は適当に何か食べられそうな場所を探していた。 「何かないかなぁ?」 しかしこのゆー園地って施設は、ゆっくりも入場可の癖に無駄に広い。 そのくせアトラクションの数はそれなりに多いのだが一つ一つが小さめだし、休憩所になりそうなところも少ない。 更に敷地内がほとんど舗装されていなくて、結構大きな石ころなんかがごろごろ転がっていたりする。 「はっはっは、れいむは鈍臭いな~♪」 「おにいざああああん!まっでえええええええ!!」 そんなわけで、飼い主に運んでもらえず、自力で移動せざる得ないゆっくり達はみんな痛みを堪えて涙目になっている。 「・・・もしかして、私甘すぎる?」 そんな風にぼやいたとき、運よく園内の地図を見つけた。 「適当に何か食べれそうなところは・・・お、あったあった」 「ゆ?おねーさん、なにがあったの?」 「まりさたちにもゆっくりおしえてね!」 いつの間にかいちゃいちゃタイムを終えていた2匹は首をかしげながら上目遣いで私に質問をする。 「ん、ゆーくりーむだってさ。どんなものかは知らんけど、多分シュークリーム的な何かだ」 「「ゆゆっ!しゅーくり-むってなに!?ゆっくりできるもの?」」 「ハモるな、鬱陶しい。ん~、まあ、そうだな・・・アンタらの基準で言えばゆっくり出来るものだな」 「「ゆ~っ!おねーさん!ゆっくりいそいでゆっくりできるものをたべにいこうね!」」 ゆっくりできる、と聞くや否や、2匹は満面の笑みを浮かべていまだ見たことの無いゆーくりーむなるものを催促し始める。 「はいはい、わかったわかった」 そう言って私がゆーくりーむ販売店目指して歩き出したとき、どこかでゆっくりの悲鳴が聞こえた。 「ゆぎぃいいいいいいい!?おにーざん、でいぶのあんよがあああああ!!」 「ん、どうしたんだい?・・・おや、ガラス片が落ちてたみたいだね。それにこんな深手を負ったんじゃ歩けそうに無いね」 「おにいざあああああん、あのおねえざんびだいにでいぶをだっごぢでええええ!」 「やだよ。重いし暑苦しいし」 「ゆぎいいいいいいいいいいいいいいいいい!!」 やっぱり私は甘すぎるようだ。それにしてもガラス片が落ちていたというのは笑えないな・・・。 「こ、これが・・・ゆーくりーむ・・・」 私は思わず喉を鳴らしてしまった。しかし、美味しそうだからではない。 「ご、ごんあのだべでないよおおおおおおおおおお!!」 「どぼぢでごんなごどずるのおおおおおお!!」 2匹にいたっては泣き出してしまった。ちなみに、過敏症まりさは歩いている途中に目を覚ましたが、また気絶してしまったのでリアクションは皆無。 私達の前に差し出されたそれは、こんがりと底部を焼かれたテニスボールサイズの子ゆっくりまりさだった。 子ゆっくりの口の中にはスライスされた美味しそうなイチゴが並んでいる。それもあまおう2つ分くらいの量だ。しかし、それをこの子ゆっくりが食べることは無い。 なぜならその子の口には歯が一本も無く、口の両端にキノコの山のビスケット部分のようなものがつっかえ棒としてはめ込まれているから。 れいむ達を怯えさせているのはそれだけではない。この子は・・・目も失ってしまっていた。そして、その空洞には右目に生クリームが、左目にはカスタードクリームがねじ込まれている。 「あ・・・ぁああぁ・・・」 しかし、このような悲惨な姿にされてもなお、この子ゆっくりは死んでおらず、時々うめき声のようなものが漏れ出してきた。 「・・・・・・いくらなんでも、これは引くわ」 確かにゆっくりのテーマパークの名物らしい代物ではあるが、どう見ても悪趣味すぎる。 「・・・・・・って言っても1つ600円もしたんだし、捨てるわけにもいかないか」 「ゆっ!?おねーさん、このこをだべぢゃうの!?」 「だめだよ、おねーさん!このごをゆっぐぢだづげでね!!」 当然といえば当然だが、2匹は私がその子ゆっくりを食べることにさえも強い抵抗感を示していた。 「って、言われてもなぁ・・・この子どう見てももう助からないよ?歯も目も無いし、足も使い物にならないし・・・」 目が無い、歯が無い、足が動かないのうちのどれか一つくらいならまだしも、3つセットでは流石にどうしようもない。 それに、よしんば助かったとしてもこれ以上ゆっくりを養う経済力を私は持ち合わせていないのだ。 「こんなんでも飼ってくれる物好きはそうそういないだろうしなぁ・・・」 やはり、さっさと楽にしてやるのが一番だろう。 そう結論付けた私はその子ゆっくりにかじりついた。 「「ゆぎゃ!?おねええざあああん!!なにぢでるのおおおおお!!」」 「む~しゃむ~しゃ・・・う、美味い!?」 ゆーくりーむは想像を絶する美味さだった。あまり甘いものが好きでない私でも普通に食べられる。 不味くない、決して不味くないぞ。見た目はかなりアレだけど。帽子があるので手が汚れないのもポイント高いな。 「むーしゃむーしゃ、しあわせ~!」 「うっめ、これめっちゃうめぇ!」 私に散々文句を言っていた2匹は「供養だと思って食べてやれ」といったらしぶしぶ食べ始めた。 ただし、しぶしぶだったのは最初だけ。一度口に入れてからはもうノリノリだ。 「ははっ、そんなに美味しかったんならまた買うかい?」 「ゆゆっ!もういらないよ!」 とはいえ、流石に生きた同属を食うのはもう勘弁願いたいらしい。 「そうか。じゃあ、気を取り直して・・・次はアレに乗ろうか?」 私は最高時速25kmというジェットとは程遠いジェットコースターを指差した。 「うおあああああああああああああ!!」 最高時速25kmとか言った奴出て来い!どう見ても普通のジェットコースター並みの時速に達してるじゃないか! 位置エネルギーを得るために高く高く昇りつめたゆっくりれみりゃと呼ばれる種の形をしたマシンが落下を始めた瞬間、頭の中はゆー遊地の公式ホームページのゆっくりコースターの解説への怒りでいっぱいになった。 「ゆぎゃああああああああああああああ!!」 「ゆぎぃぃいいいいいいいいい!!」 ジェットコースター恒例の悲鳴の中にゆっくりの叫び声も混じる。 少し落下が落ち着いたところで隣のゆっくり用の座席にくくりつけられているれいむ達を見ると、今にも吹き飛ばされそうな格好のまま見たことも無いような壮絶な形相で悲鳴を上げていた。 ちなみに帽子やリボンはどう考えても落下しそうだったので私が持っている。 「「「「ゆぎゅううううううううう!?」」」」 「「「「ゆげええええええええ!?」」」」 加速したマシンが右へ左へ振られるたびにゆっくり達が悲鳴を上げる。 「おにいざあああああああああん!だしゅげでええええええええええ!!」 落下し手からしばらく走行し、ある程度速度が落ちたところで前の席のお兄さんのれいむが泣き言を口にした。 2つ目の山を登り始めたころに聞こえてきたそのれいむの言葉を皮切りに、ほかのゆっくり達も泣き声を上げる。 「おねえざあああああああああん・・・!」 それはうちのれいむとまりさも例外じゃなかった。過敏症まりさは言うまでもなく気絶中。 「ははっ、大丈夫だって。私がついてるんだから安心しな」 「ゆぅ・・・まりさがんばるよ!」 「よしよし、いい子だ」 しかし、そうは言いながらも私はある不安を隠せないでいた。 最初のキャメルバックが一番高く、そこで得た位置エネルギーを運動エネルギーに変えてマシンを走らせるのが一般的なジェットコースターの仕組みだ。 摩擦でエネルギーを消耗してしまうので、大抵の場合1つ目のがいちばん高いのだが・・・このジェットコースターは2つ目の山が一番高い。 そんな構造は最初の位置エネルギーのみ走行しているならば不可能。だが、最近はリニア式の加速を用いることで、途中でも加速することが出来るらしい。 何が言いたいかというとだ・・・このマシンはさっきより高いところから落ちる、つまりさっきより加速がつくってこと。 「れいむ、まりさ、来るぞ!」 その言葉と同時に身構える2匹、というかマシン上の全ゆっくり。 「ひゃあああああああああああああああ♪」 「きゃあああああああああああああああ!」 「ゆぐええええええええええええええ!?」 「ゆぎょおおおおおおおおおおおお!?」 「うぎゃあああああああああああああああ!?」 「ゆべええええええええええええええ!?」 「ゆうううううううううううううう!?」 搭乗者の悲鳴が園内に一斉に轟く。人間のほうは案外余裕がある。私だって速いとわかっていればさほど怖くはない。 が、ゆっくりのほうはそうも言ってられないらしい。 あるゆっくりはエレエレと中身を撒き散らし、また帽子を被ったままだったあるまりさは帽子を失ってしまっていたが目先の恐怖でそのことに気づけないでいた。 またある小柄なゆっくりぱちゅりーは完全に意識を失ってしまっていた。 初めて見る胴体付きのゆっくりゃと呼ばれるゆっくりもぼろぼろ涙を零しながら悲鳴を上げていた。 しかし、各々恐慌状態に陥ったゆっくり達を乗せたマシンはゆっくり達の都合なんてお構い無しにメインのループに差し掛かっていく。 そして、あっという間に転地が逆転していた。 「「「きゃああああああああああああああ!!」」」 ジェットコースターとはこういうものだと理解している人間は余裕綽々。悲鳴を上げているがみんな妙に楽しそうだ。 「ぢぬううううううううううううううう!!」 「おぢるうううううううううううう!!」 「ゆっぐぢでぎないいいいいいいいいい!!」 「もっどゆっぐぢぢだがっだよおおおおおお!!」 が、ゆっくりはそうは行かない。高速で駆け抜けた直後の天地が逆転したその光景に死さえも覚悟していた。 悲鳴を上げていないのは気絶してしまっているゆっくりぱちゅりーとうちの過敏症まりさくらいだろう。白目をむいてぶくぶくと泡を吹いている。 ループから抜け出し、直線に差し掛かったところでようやくゆっくり達は安堵のため息をつく者も居たがマシンの軌道はそこに追い討ちをかけた。 前触れのない3度目の急降下。と言っても前の2回のキャメルバックの際に残しておいた位置エネルギーを使っているだけだから、ちゃんとコースを確認しておけば予想できることだけど。 だが、もちろんそんな器用なことをゆっくりに出来るはずもなく、予期せぬ加速に恐怖した全てのゆっくりが内容物を吐き出した。 エレエレエレエレエレエレ・・・・・・ エレエレエレエレエレエレ・・・・・・ エレエレエレエレエレエレ・・・・・・ エレエレエレエレエレエレ・・・・・・ エレエレエレエレエレエレ・・・・・・ 吐き出されたそれらが酷く手抜きな舗装しかされていない敷地内の地面に落下した時には、ジェットコースターは余剰エネルギーを熱にして発散し、搭乗口へと到着していた。 「おかえりだど~♪」 そう言ってジェットコースターから降りた母親に飛びついたのは胴体付きゆっくりれみりゃの子どもだった。 「うぅ~・・・ま~まはきぼぢわどぅいんだど~・・・」 しかし、ジェットコースター酔いで足元のおぼつかない母れみりゃは子どもの体当たりを受け止めることが出来ず、転んだ拍子に階段から転げ落ちていった。 「うぎゃああああああああああああああ!!」 「いだいーーーーー!!いだいどおおおおおおお!!」 その隣ではさっき帽子を落としてしまったまりさが泣き叫んでいる。 「おにいざあああああああああん!まりざのぼうぢがないよおおおおおお!!」 「あっはっは!新しいのを買えばいいじゃないか!」 「ぞれじゃゆっぐぢでぎないよおおおおおお!!」 帽子は固体識別のために必要なのだが、このお兄さんはそのことを知らないのだろうか? まあ、他人の家のゆっくり事情に首を突っ込むのも野暮なので放っておこう。 「おにーざぁん・・・でいぶをはやぐおろぢでええええ!?」 声のしたほうに視線をやると、怪我しているらしく足に当たる部分に包帯を巻いているれいむが自力で降りられないため、飼い主に助けを求めている。 が、飼い主は次の乗客と思しき女性と話をしていた。 「おや、ゆっくりを連れて来ていらっしゃらないんで?」 「いえ、連れてきてたんですけど・・・ちょっと倒れてしまって・・・」 「でしたらうちのれいむと一緒に乗ってあげてください」 「良いんですか?」 「まだ乗るって聞かないんですよ。でも俺は十分堪能したんで・・・」 「だったら、喜んで借りさせていただきますね。ありがとうございます」 哀れ。ゆっくりれいむはナンパのだしにされた挙句、もう一度乗ることが決定してしまった。 「む・・・むぎゅううううう・・・」 そんなお兄さんの足元を飼い主の女性に連れられておぼつかない足取りで通り過ぎていくのは気を失っていたゆっくりぱちゅりー。 げっそりとやつれたその表情にはどこか同情を誘うものがある。 「さ~って!ぱちゅりー!次はフリーフォール行くよ!!」 が、絶叫ものが好きらしく、テンションが上がりすぎた主人はぱちゅりーのコンディションなどお構い無しに次のアトラクションへと向かっていった。 「・・・・・・あんたら、優しい飼い主でよかったね」 いまだにジェットコースターの恐怖で震えている腕の中の2匹にそう呟き、さっきれみりゃが転げ落ちた階段を下りて行った。 「むきゅ!そこのかわいいゆっくりさん、ぱちゅりぃといっしょにすっきりするのよ!」 今私の腰掛けているベンチは高さ的は70cm程度でどう見てもゆっくりの跳躍力で乗ることは不可能。形状的は骨組みの金属製のパイプそのままで、座ると言うよりも少し腰を預ける程度の用途のものだ。 そのゆっくりではまともに座ることも出来ない皆ベンチに腰掛け、膝の上にまりさとれいむを乗っけてゆっくりしていると、目の前に胴体つきのぱちゅりー種が現れた。 「いきなりすっきりを要求するってのはどうよ?」 などと突っ込みつつも、れいむとまりさを膝から降ろして、そのぱちゅりぃの前へとつかつかと歩いて行く。 後ろからゆっくりにとってはそこに置かれること自体が既に苦行に等しいベンチの上にいるれいむとまりさの「おねーざぁん、れいぶおぢぢゃうううう!」とか「ゆっぐぢでぎないよおおお!」という悲鳴が聞こえてくるが無視無視。 それから、身をかがめて目の高さを合わせてぱちゅりぃの表情をしげしげと眺める。 「むきゅ!口では抵抗してても体は素直ね!」 すると、何を勘違いしたのかぱちゅりぃは私の胸に猛然とパンチを繰り出し始めた。 どうやら、このぱちゅりぃは私の胸とゆっくりの区別がつかないらしい。相当おつむが残念なようだ。 もちろん、ゆっくりの中でも虚弱なぱちゅりぃの攻撃なんて痛くもかゆくもないけど、何となく鬱陶しい。 というか、見ず知らずのゆっくりにいきなり胸をしごかれて嬉しいのはごく一部の変態お姉さんくらいだろう。 「むきゅ・・・むきゅ!むきゅ・・・!ぱちゅりぃのろんりてきなてくにっくはすごいでしょ?」 などと抜かしながら1匹で勝手によがって、頬を紅潮させていくぱちゅりぃ。 私の冷めた視線にはまったく気づいていない。 「いまにもすっきりしそうでしょ?ぱちゅりぃのてくすごいでしょ?」 どこまでも自分の技巧を信じて疑わず延々と私の胸にパンチ(愛撫のつもりだろうか?)を繰り返す。 「すごいほっぺよ!こんないやらしいほっぺしてるゆっくりはじめてよ!」 なるほど、ゆっくりにとって頬の柔らかさは人間の胸に通じる何かがあるらしい。 「はあぁはぁ・・・」 そんな感じで自分だけ勝手に盛り上がっているぱちゅりぃの表情はどんどん奇天烈なものになっていく。 きっとゆっくり同士なら欲望を刺激するいやらしい表情なのかもしれないが、残念ながら人間の私には「うわぁ・・・きもい」と言う感想しか浮かんでこなかった。 「鬱陶しい!」 胸を殴打し続けるぱちゅりぃに突っ込みのでこピンをお見舞いしてから、首根っこを掴んでれいむ達が座っているベンチへ連れて行く。 れいむ達は落ちまいと必死にプルプルしているが、まだ助けなくても大丈夫そうなのでぱちゅりぃをベンチに無理やり座らせて説教の一つでもたれようとしたその時・・・ 「お姉さん、ちょい待ちぃ!うちの子苛めたらあかん!」 垢抜けない感じのおさげ眼鏡の少女が飛んできた。 「ん、飼い主?」 「せや、飼い主や!その子はうちのペットやさかい、苛めたらあかんよ!」 「そうかそうか、飼い主か。じゃ・・・」 その偉く賑やかな飼い主にぱちゅりぃが私の胸に対して働いた狼藉を虚実交えて説明してあげた。 「このドアホを好きなようにしてください!」 物分りのよいお嬢さんだ。事情を理解したらすぐにぱちゅりぃを差し出してくれた。 「むきゅ!?どほぢえええ!!でばぢゅでぃーなにぼぢではないわよーーー!!」 「やかましいわっ!訴えられたらどないするつもりやってん!?」 「ははっ、ちょっと叱ってやろうと思っただけだから」 私に代わってぱちゅりぃにお仕置きのコブラツイストをかけている彼女をなだめてから、ある提案をした。 「それでも気が済まないんなら・・・荷物持ちにでもなってもらおうかな?」 と言っても、持たせられるものはれいむとまりさと過敏症まりさの入った袋くらいなのだけど。 「かしこまりました、お姉さま!不肖の女子高生、由栗 珠緒とそのペット・・・全力で荷物持ちをさせていただきます!」 そんなわけで妙な連れができた。 「くぉら、ぱちゅりぃ!何ちんたら歩いとんねん!」 「むぎゅううううううう!おもいいいいいいいい・・・!」 れいむとまりさを抱きかかえて今にも死にそうな表情でふらふらと歩いているぱちゅりぃに容赦ない叱責が飛ぶ。 「お姉さまを待たせたらうちが容赦せえへんからなぁ!」 いつの間にかお姉さまになってるよ、私。そっちの気は基本的に持ち合わせていないんだけどなぁ。 「ん~・・・ちょっとお腹すいたから何か食べてかない?どうせ観覧車までもうすぐなんだし、急ぐこともないだろ?」 「・・・お姉さま、気ぃ使ってへん?」 「使ってない使ってない。本当にお腹がすいただけだから」 厳密には半分が気遣い、もう半分が本当にお腹がすいただけといったところだけど。 ぱちゅりぃが力尽きて転んだら、れいむ達も怪我しかねないし。 「そうですかぁ~・・・せやったらあっこのゆっくりゃの肉まんが美味しいですよ~!」 と言われ、彼女の指差すほうを見てみると、親と思しき大きめの胴体付きれみりゃが子どもれみりゃの四肢をもいではそれを肉まんに加工していた。 どうやらそれらの子どもはみんなれみりゃの子どもらしい。 その子どもの数総勢121匹。とにかく機械的に出産を繰り返させられたことは火を見るより明らかだった。 「でびりゃのあがぢゃんでづぐったおいぢいにぐまんはいりまぜんがあああああああ!!」 「「「「「「ままぁー!!いだいいいーーー!いだいーーーー!!」」」」」」 その子ども達も我が子を捌く母れみりゃもみんなずっと涙を流し続けている。なんとも悪趣味な。 しかし、ほかの客からはなかなか好評なようで・・・ 「こどもをうるなんて。おお、おろかおろか」 「あのれみりゃはなにしてるんだど~?」 「あのれみりゃはね、悪いことをしたお馬鹿さんだからお仕置きをされているんだよ」 「まぬけなんだど~♪」 「ひっどいかおね!まったくとかいはじゃないわ!」 などなど、口々に目の前の捕食種の不遇を馬鹿にして楽しんでいた。 「おねーさん!あのれみりゃかわいそうだよ!」 そんなことを口にするのはようやく追いついたぱちゅりぃに抱きかかえられている我が家のれいむ。 なんていい子なんだろうか。おねーさんは感動した! 「よっしゃ!それでは珠緒、行きますっ!」 ぱちゅりぃが追いついたことを確認した珠緒は早速肉まんを買いに行った。 「肉まん5つお願いします!」 「はいよ、5つね。れみりゃ!!」 「いやだああああ!でびりゃのあがぢゃん、うぎゃ!」 やはり、我が子の四肢を引きちぎるのが苦痛なのだろう。売店の床にぺたんと座り込んでじたばたと手足をばたつかせる。 が、そんな抵抗をしたところで何の意味もなく、ただ蹴り飛ばされただけだった。 「お客さんを待たせたらダメだろ?」 「いだいーーーーーー!!」 「もっとお仕置きして欲しいか?」 「いやでずうう!やりまずううううう!!」 泣き叫びながらも、手を床について起き上がったれみりゃは近くの子どもの右足を引きちぎる。 「うぎゃああああああああああああああああ!!」 それと同時に子どもの悲鳴がこだました。 「床に手をついたら手を洗え!!」 ごもっとも、といって良いのかいけないのか? またしてもれみりゃは店主に殴られた。そして、泣く泣く引きちぎった四肢は汚い手で触ったために破棄されてしまった。 そんな調子で5分後には製作工程を知らなければ美味しそうな肉まんが私達の手元に届けられた。 ゆーくりーむの時と同じようなやり取りの後で、肉まんを食べ終えた私達は早速観覧車に飛び乗った。 15mどころかどう見ても50mはありそうな気がしたが、公式ホームページの情報が当てにならないのは先刻承知済みなので気にしないことにする。 「ゆうううう!おねーさん、たかいよ!」 「ゆぅぅぅうううう!おねーさん、こわいよ!」 「むきゅうううううう!ぱちゅりーはこわぐないわよ゛!」 どう見ても怖がっています。が、その気持ちもわからなくはない。 この観覧車は恐ろしいことに足元や座席部分が透明の板で出来ているのだ。 人間の私や珠緒でも床があるとわかっていても怖いのだからあ、ゆっくりたちにとってその恐怖は計り知れないものだろう。 しかし、しかしだ。観覧車と言う乗り物。これはゆっくりと上っていく優雅さを楽しむ人もいるのだろうが、残念ながら私はそういうタイプではない。 たまに居るだろ?意味も無く揺らしてみたり、落ちたらどうなるだろうとか呟く奴が。 実は私はそういうタイプなのだ。 「なぁ、れいむ?いきなり止まって動かなくなったらどうしようか?」 「ゆぎゅ!?ゆっぐりやべでね、おねーざん!ごわいごどいわないでね!」 既に涙目。高所はあらゆる生き物が本能的に怖がると言うが、どうやらゆっくりもその例に漏れないらしい。 「でもさ、風が吹いたりしたら・・・こんな風に」 言いながら体を揺らしてゴンドラを左右に振る。 「やべでええええ!おねえざあああん!」 「ははっ、大丈夫だって」 どうやら私はゆっくりより馬鹿らしい。高いところに来てテンションが上がっていたため自重しない。 「ゆ~ら、ゆ~ら・・・」 「ゆううううううううううううううう!!」 「ゆぎいいいいいいいいいいいいいいい!!」 「むぎゅうううううううううううう!!」 ゆっくり達は私や珠緒にへばりついて泣きじゃくる。しかし私は自重しない。 この恐怖のひと時は観覧車から降りるまで、つまり15分いっぱい続いた。 「おねーさん、ひどいよ!ぷんぷんっ!」 「まりさたちすごくこわかったんだからねっ!」 そういって2匹は頬を膨らませる。しかし、文句を言いながらも私のひざの上に居るのはご愛嬌。 その隣ではぱちゅりぃも2匹に倣って頬を膨らませていたが、珠緒に「お姉さまに失礼や!」などとぶん殴られていた。 「いやぁ、悪い悪い。帰りにスルメ買ってあげるからそれで勘弁してくれ」 あまり悪びれた様子もなく頭を掻きながら謝る私を見た2匹は苦笑を浮かべ「まあ、それでこそおねーさんだししかたないか」と言って許してくれた。 ゆっくりに理解されるのは地味にむかつくものがあるが、今は気にしないでおこう。 「ありがとう」 頭をなでると2匹ともうれしそうに目を細める。その様子を伺いながら近くの時計を見ると18時をさしていた。 「お姉さま、もうすぐパレードや!」 そう言いながら立ち上がった珠緒はさっさとパレードのコースへと行ってしまう。 「こらこらぁ~、先に行くなよ~」 苦笑しながら2匹を肩に乗せ、過敏症まりさの入った袋を持ち、ぱちゅりぃの手を握って彼女を追いかける。 「・・・なんだ、これ?」 珠緒に追いついた私の目の前で繰り広げられる光景は私の想像を絶するものだった。 まず、先頭に必死に逃げ回るゆっくり達。 「これじゃゆっぐぢでぎないよ!!」 「わからないよー!!」 「ゆぎゃあああああああああ!!」 などなど、思い思いの悲鳴を上げながら阿鼻叫喚の一部として頑張っている。 「待つんだど~♪」 「うっう~♪」 「まぁま~、もっとゆっくりあるくんだど~」 などなどのん気な様子で先頭集団を追いかけるのはゆっくりれみりゃの群れ。 「うーっ!美味しいんだど~♪」 この子達に捕まった先頭集団のゆっくりは食べられてしまう運命にあった。 「「「「「ゆっくりしね!」」」」」 更にその後ろを追いかけるのはゆっくりふらんと呼ばれるはじめてみる種族。 この種族はれみりゃを捕食するほか、捕らえたゆっくりをいたぶる習性があるらしい。 「やべでえええええええ!」 「でいぶのあがぢゃんだべないでえええええ!」 あるふらんはれみりゃに馬乗りになってただひたすら殴り続けている。 またあるふらんは母れいむを足で押さえつけて子どもを一匹一匹食い殺して居る。 そして、またあるふらんは・・・竹やりを持った男性に虐待されていた。 その男性はパレード最後の集団『虐待お兄さんズ』の一人だ。 「ゆっくりしろモーニング!」 「ひゃあ!我慢できねぇ!虐待だぁ!」 などなど、各々の虐待愛を口にしながら目に付いたゆっくりを片っ端から嬲って行く。 更にエキサイトしたギャラリーが自分の手にしたゆっくりたちを投げ込んだり、パレードに乱入してゆっくりを虐待し始める。 「おねーざん、どぼぢでえええええええええええ!」 「やべでええええ!でいぶなにもぢでないよおおおおお!!」 「わがらない!わがらないよー!!」 「はっはっは!家や街中だと人目があるし、森や山の中でも後始末が面倒だけど・・・ここなら思いっきり虐待できるぜぇ!!」 「ごめんね、まりさ・・・私本当は・・・ずっと貴方のことを嬲り殺したいと思っていたのよぉぉぉぉおおおお!!」 園内の各所で繰り広げられる虐待祭り。 物の数分もしたころには園内が餡子臭で満たされ、餡子に汚されていた。 「・・・・・・ゆがががが・・・が・・・」 「ゆげぇ・・・ゆ゛ゆ゛・・・」 あまりに衝撃的な後継を目の当たりにして気を失ってしまった2匹をさっきよりきつく抱きしめながら、隣にいる珠緒の表情を伺う。 「ああぁ・・・すごいわぁ・・・」 頬に手を当てた格好のままぱちゅりぃにチョークスリーパーをかけている彼女は恍惚の笑みを浮かべていた。 「・・・ねぇ、珠緒?」 「なんですか、お姉さま?」 「ここって・・・ゆー遊地だよね?」 「ちゃいますよ。ここは虐待家と捕食種のパラダイス『うー園地』ですよ」 おわり ---あとがき?--- ゆっくりが現代社会にいたところで世間体のせいで虐待できないだろうな、と思ってこんなものを書いてみました。 とにかく話の展開にぶつ切り感あふれるのが気になるところ。 急に登場したオリキャラ「由栗 珠緒」は某所での悪乗りの産物・・・っ!! byゆっくりボールマン このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/1104.html
※fuku2180、ゆっくり鉄骨渡りの設定を引き継いでいます。 「ゆっくりしていってね!」 「「「「「「ゆっくちちていっちぇね!」」」」」」 目覚めの挨拶からまりさ一家の一日は始まる。 森にある、自ら掘って作った巣の中には親まりさ1匹、赤まりさ6匹、赤ぱちゅりー1匹がいた。 「おかあさんはごはんをとってくるから、みんなはゆっくりまっててね」 「むきゅ、ゆっくりまってるわ!」 「ゆっくちぃ〜」 親まりさは毎日、赤ゆっくり達の世話で休む間もないが、親まりさは幸せだった。 「ぱちゅりー…………まりさは頑張るよ…………」 死を覚悟でまりさとすっきりすると同時にこの世を去ったパートナーに思いを馳せる。 大好きだったぱちゅりーの死には大声で泣いたが、その数日後、 「ゆ……ゆっきゅりちていっちぇね!」 「ゆ……ゆっぐり゛じようね゛え゛え゛……」 まりさの頭の茎から一番に産まれた赤ぱちゅりーを見て、再び涙する。 ぱちゅりーの餡子を引いた、ぱちゅりーそっくりな赤ゆっくり。 さらに産まれる自分そっくりな赤まりさ達。この子達を命に代えても守りきろうと強く思った。 「ごはんをとってきたよ!みんなでゆっくりたべようね!」 運のいいことに、今日はクズ野菜が落ちていた。 普段森に生えるものではない。きっと天国のぱちゅりーのプレゼントだろうと思った。 「「「「「「むーしゃ、むーしゃ…………ちあわちぇ〜♪」」」」」」 満足そうにクズ野菜をほおばる赤ゆっくり達を見て、親まりさも笑顔になる。 と、そこに、 「クズ野菜を見つけたゆっくりを追いかけてみれば、こんなところによく作ったもんだな」 「だ、だれ!?」 突如、聞きなれない声がする。 「ああ、俺は虐待お兄さんさ。君達を捕まえるためにやってきてね」 「ゆ!こっちこないでね!ゆっくりでていってね!」 「そうはいかないな、虐待お兄さんだもの。よっと」 巣の中に男の右手が入ってくる。 しかし、巣の奥にいるまりさ一家には届かないようだ。 「こ、こわいよー」 「ゆっきゅりできないわ!」 「だいじょうぶだよ、ここにいればつかまらないよ!」 カタカタ震える赤ゆっくり達を安心させるため、親まりさは力強く言い切る。 内心は親まりさも怖いのだが、赤ゆっくりに不安を与えるわけにはいかない。 それに、現に男の手は届かないのだ。 「もうあきらめてね!ゆっくりおうちにかえってね!」 「うーん、しょうがないな。引っ張り出してくれないか?」 「うー!」 その声と共に、1匹のゆっくりが巣の入り口に姿を現す。 大きな顔と2枚の羽、体無しのゆっくりれみりゃである。 こういう時のために、男が連れてきたものだ。 「れ、れみりゃはこないでねえええええ!!!!!」 「うー!うー!」 れみりゃに喰われるかと思いきや、れみりゃは家族に牙を突き立てることはしなかった。 代わりに、あっという間に全員巣の外に引きずり出される。 「ふむ……赤ゆっくりは合計7匹か。あいつの要求した数より一匹多いから食べていいぞ」 「うー!」 「ゆ゛!」 れみりゃは一匹の赤まりさに喰らいつく。 体の小さな赤ゆっくり。小さな断末魔を上げ、すぐにれみりゃの胃袋に収まった。 「ま、まりざのあがぢゃんがあああああああ!!!」 「むきゅうううううん!」 「まりちゃのいもうとがああああ!!」 「はいはい、お前らはこの箱に入ってお兄さんと一緒に帰ろうね」 男は加工場製透明ケースに親まりさと赤ゆっくり達をポイポイと放り込む。 「これでゲームに必要な6匹、と。じゃああいつの所に帰るとするか」 「うー!」 上機嫌で帰路についた一人と一匹と、まりさ一家の表情は対照的だ。 「まりちゃ達、どうなりゅの…………」 「だいじょうぶだよ!おかあさんがたすけてあげるから!」 できもしないと分かっていても、強がりを言うくらいしかなかった。 男はそのまま人里へ行き、家に入っていった。 そしてまた別の、若干年下気味の男が彼らを出迎える。 「お疲れ様です。わざわざこんな面倒事を頼んですみませんね」 「まぁ俺も今回の虐待には興味津々だからな。この程度の手間は問題じゃないさ」 「そう言って頂けると助かります。お前も行儀よくしていたか?」 「うー!」 さて、この出迎えた男、まりさ一家を捕まえた男の隣人であり、男同様虐待お兄さんである。 そしてこのれみりゃは、この隣人のペットであった。 隣人は男に『赤ゆっくり6匹と親ゆっくりを捕まえて欲しい』と頼み、戦力としてれみりゃも貸し出した。 数々の虐待を共にしてきた仲、れみりゃも男には懐いているようだ。 「さて、それで道具は揃っているか?」 「バッチリです」 隣人は道具を一式、机に並べて男に見せる。 それは工具のノミと、5枚のごく小さな鉄板。 赤ゆっくりが入る程度の底面積の、縦長で透明な直方体の小さな箱を6つ。それらは1から6まで番号が書かれている。 さらに箱の上の方に4辺のうちの1辺だけ鉄板が差し込めそうな切れ目があり、その周囲は黒い紙で覆われていた。 「さすがだな。それじゃあ早速始めようか」 「ええ、この時を楽しみにしていましたよ」 隣人は箱からゆっくり達を取り出した。 親まりさは隣人の頭の上をパタパタ飛び回っているれみりゃに襲われるかと怯えていたが、そんな気配はないようだ。 そして6匹の赤ゆっくり達は6つの箱にそれぞれ1匹ずつ入れられていった。 「ゆ!ちぇまいよ!」 「ここじゃゆっくちできないよ!」 箱のサイズは赤ゆっくりがギリギリ入れる程度。 箱の中は、自由に動き回れる余地は全くない。 「なにするのおにいさん!赤ちゃん達をゆっくり出してね!」 透明ケースに残された親まりさが騒いでいる。 「ククク……そうはいかぬな……これから貴様らには、ゲームをしてもらうのだから……」 「げ、げーむ?」 隣人はいやらしく笑ったかと思うと、急に口調が一変した。 また始まったか、と男は心の中で一人ごちる。 この隣人、普段は真面目な青年なのだが、ゆっくり虐待になると性格が豹変するという困った癖がある。 溜めるような言い方が多くなり、一人称もコロコロ変わったり。 最初は男もかなり戸惑ったものだが、数々の虐待を共にこなしてきた今はもう慣れっこだ。 「説明しよう……わしはこれから一度だけ、この箱の中へノミを振り下ろす…… そんなことをしたら赤ん坊はどうなるか……分かるな?」 ゆっくり達の顔が青ざめていく。 ノミの先は見るからに鋭い。あんなものを喰らえば、とても生きてはいられないだろう。 「や、やめてね!まりさのあかちゃんをころさないでね!」 「ククク……心配無用……そのためにこの鉄板があるのだからな……」 「ど……どういうこと?」 「この鉄板は箱の切れ込みに差し込むことができる……これを差し込めば……」 隣人は説明しながら、箱の一つに鉄板を差し込んだ。 そして右手のノミをその箱目がけて強く振り下ろす! 「「「「「「「ゆ!」」」」」」」 ゆっくり達の悲鳴と共に、キンッという金属音。 隣人の振り下ろしたノミは鉄板に阻まれ、下にいる赤ゆっくりまでは届かない。 「このように……ノミは鉄板に阻まれ赤ん坊は助かるという仕組みだ……」 そして男は親まりさを透明ケースから出し、赤ゆっくり達と同じ机の上に置く。 結果的には大丈夫だったが自分の子供の危機だった、まだ平常心ではないようだ。 「それじゃあ俺達は10分ほどこの部屋を出る。時間が来たらノミを振り下ろしにまた来るぞ」 「ククク……どの赤ん坊を危険に晒すか、ゆっくり考えることだな……」 「うー!うー!」 親まりさと箱に入れられた赤ゆっくり達を残し、2人と1匹は部屋を出て行った。 親まりさは現実を受け入れ切れなかった。 昨日までの赤ゆっくり達との幸せな生活が、いきなりこんな事態になってしまった。 しかも既に1匹の赤まりさがれみりゃの犠牲となっている。 しかし。 「こわいよおおおお!」 「おかーしゃんたちゅけてえええ!」 「まっててね!かならずおかあさんがたすけるからね!」 今自分がやることは、とりあえずこの鉄板を箱に差し込んで子供を守ること。 すぐに頭を切り替え、鉄板を口にくわえようとしたが。 「ゆ……いちまいたりない……」 箱の数は6つだが、鉄板は5枚。 必然的に、子供を一匹無防備にしてしまうのだ。 『どの赤ん坊を危険に晒すか、ゆっくり考えることだな……』 ここに来て初めて、親まりさはその言葉の意味を理解した。 「おかーしゃん、はやくちて!」 「はやくまりちゃをまもっちぇね!」 赤ゆっくり達はそんなことは知らず騒いでいる。 いや、よく見ると3の番号の箱の赤まりさ、それと6の番号の箱の赤ぱちゅりーは黙っている。 この2匹は他の4匹に比べ賢く、既に鉄板が一枚足りないという意味を分かっていたのだ。 「みんな、よくきいてね……じつはいちまい、いたがたりないんだよ……」 「ゆ!どういうこちょなの!」 「だから、ひとりだけまもれないんだよ…… もしそこにあれがふりおろされたら、たぶん…………しんじゃうんだ……」 死ぬ、という言葉を聞いて赤ゆっくり達は泣き叫び始めた。 先の赤まりさと赤ぱちゅりーは相変わらずのだんまりだが。 「まりちゃ、ちにたくないよおおお!」 「たちゅけてええええ!」 「だいじょうぶだから、おかあさんのはなしをきいてね!」 親まりさが必死になだめるも、赤ゆっくり達は騒ぎ続ける。 そんな中、赤ぱちゅりーの一喝が飛んだ。 「むきゅ、うるさいよ!だまってね!」 いきなりの姉からの大声で、赤ゆっくり達はビクッとして騒ぐのをやめた。 「だいじょうぶ、たとえいたがなくても、はこはむっつもあるわ。 おにいさんはいちどだけふりおろすといってたわ。そうそうあたるものじゃないわ」 「で、でも……あちゃることもあるんでちょ……」 「むきゅ……そうだけど、かくりつはひくいわ……」 「じゃあ、まりちゃはいやだよ!ほかのだれかにしてね!」 再び騒ぎ出す赤ゆっくりを見て、赤ぱちゅりーは親まりさ共々頭を痛める。 確かに確率は6分の1とはいえ、死の危険はあるのだ。 死にたいわけではないが、姉として妹達をそんな危険に晒すわけにはいかない。 だからその危険な役目に自分が立候補しよう、と思ったところで、予期せぬことが起こった。 「……そのやくめは、まりさがひきうけるよ!」 そう叫んだのは、先ほど赤ぱちゅりーと共に黙っていた赤まりさだった。 この赤まりさは、赤ぱちゅりーに次いでの2番目の姉である。 赤ぱちゅりーを除けば姉妹でもダントツに賢く、妹達の面倒をよく見ていた。 そして幼いながら責任感が強く、妹達を守るために名乗りを上げたのだ。 「ほ、ほんとうにいいの……」 「おかーさん、これがおねーさんであるまりさのやくめだよ!」 「むきゅ……それならわたしが……」 「いいんだよ!かくりつはひくいっていったでしょ!だいじょうぶだよ!」 「おねーちゃん、ありがとう!」 「これでたちゅかったよ!」 死の危険があるにも関わらず、笑顔を見せる赤まりさを見て親まりさは涙を流さずにはいられなかった。 ぱちゅりー、ぱちゅりーのあかちゃんはこんなにもいいこだよ。 どうか、このこをたすけてあげて。 天国のパートナーに祈りながら、親まりさは箱に鉄板を差し込んでいった。 この赤まりさが入った3の番号の箱を除いて。 「さて、そろそろ終わったか?」 「きたね!いつでもいいよ!」 親まりさが、再び部屋に入ってきた2人と1匹と対峙する。 「ククク……では始めるとしようか……」 隣人がノミを持って机に座り、ついにゲームが始まった。 予想はしていたが、男はゆっくり達のに呆れるばかりだった。 勝負が始まってすぐのこと、隣人が、 「目星はついた……1かな……」 と言ってノミを近づければ中の赤ゆっくり達はおろか、親まりさまで「ゆ〜」と安堵の表情。 賢い赤まりさや赤ぱちゅりーも、まだ幼く表情まで気が回らないようだ。 「いや、2かな……」 ゆ〜。 「ククク……4も怪しそうだな……」 ゆ〜。 「いやいやいや、3も捨てがたい……」 ここで、ゆ!と皆でビクッとする。 ゆっくり達は無意識的にやっているのだろうが、バレバレである。 「それとも……6か……」 ゆ〜。 「いや……やはり3か……」 ゆ! 「む……5のような気がしてきたぞ……」 ゆ〜。 「………………3………………」 ゆ! すぐに振り下ろしても良かったのだが、そこはさすがに虐待お兄さん。 男と隣人は、しばらくそうしてゆっくり達で遊んでいた。 「ククク……散々迷ってきたが、ついに決心したぞ……」 段々飽きてきた隣人は、ついにノミを振り下ろす決心をする。 いよいよか。ゆっくり達の表情がこわばった。 「鉄板のない箱は……おそらく4……!」 叫ぶと同時に、4を目がけてノミを振り下ろす。 助かった、と安堵するゆっくり達。 金属音と共に、悔しがる男達の姿がゆっくり達の目に浮かんだ。 しかし、隣人は箱にノミを突っ込まず、寸止めした。 「と見せかけて実は……これだっ…………!」 隣人がノミを打ち下ろしたのは、すぐ隣りの3の箱だった。 皆が大好きだった赤まりさは真っ二つに切られ、この世を去った。 「おかーしゃんのうそちゅきぃー!」 「たちゅけるっていったくちぇに!」 「ちね!やくたたずのおかーしゃんはゆっくちちね!」 「むきゅ……おかあさんはわるくないわよ……」 「ぱちゅりーおねーしゃんまで、なにいっちぇるの!」 「ごべんね゛え゛え゛えええ!!!!」 4匹となった赤まりさは、箱の中で親まりさを責め続ける。 たまたま隣人が振り下ろしたところを無防備にした親まりさのせいだと思っているようだ。 自分にも責任の一端があるとも知らずに、いい気なものである。 さて、そろそろいいだろう。男はゆっくり達に話しかけた。 「いやぁ、残念だったなぁ。でもお前らのせいでもあるんだぜ」 「ゆ!なんでまりちゃのちぇいなの!」 「まりちゃ、なんにもちてないよ!おかーしゃんがわるいんだよ!」 「いや、それがさ……あの死んだ赤まりさの箱にノミを近づけるとさ。 誰とは言わないがお前らの中で何人か、明らかに怯えた反応する奴がいたんだよ」 本当は全員なのだが、それではこれから期待するような面白いことは起こらない。 「いや〜かわいそうに。お前らの中でバカ正直に反応する奴がいたせいで死んだからなぁ。 まあ誰とは言わないけどさ、そいつらのせいで死んだようなもんだしな」 少しの間、ゆっくり達はポカンとしていた。 が、少しして男の話を理解した赤まりさ達は一斉に喧嘩を始める。 「ゆ!おねーちゃんをちなちぇた、まぬけなゆっくりはまりちゃじゃないよ!」 「まりちゃでもないよ!おねーちゃんでちょ!」 「なにいっちぇるの!わたちたちのなかでいちばんばかなあんたでちょ!」 「そうだよ!このまえだってまりちゃのぶんまでごはんたべちゃって!」 「ちがうよ!まりちゃじゃないもん!」 「(むきゅ……たぶんわたしの……いや、わたしたちのせいだわ……) 「やめてえええ!!!けんかしないでえええ!!!」 「うるちゃいよ!もしかしておかーしゃんなんじゃないの!」 この責任の押し付け合いを見たいがために、わざと『何人か』と言ったのだ。 自分勝手なまりさ種らしく、期待通りの展開である。 「ククク……見ろよ、れみりゃ……」 「うー?」 「仲の良かった者が……些細な誤解……つまらぬすれ違いで………… 仲違い……醜く言い争う様は……いつ見ても…………楽しい…………!」 「うー!」 れみりゃは分かってるのか分かってないのか、隣人の頭の上を飛び回るだけであった。 「今日は仲違いさせるところまでだったな。次は3日後だったっけ?」 「ええ、それまでに準備は済ませておくので、3日後にまたいらして下さい。 れみりゃと一緒にお待ちしていますよ」 「うー!」 虐待していない時は、いつもの正常な隣人に戻っているようだ。 しかし虐待時が最も輝いていると言われる虐待お兄さん、むしろあちらが正常なのかもしれない。 虐待お兄さんにとっては、異常こそ正常である。 男は自宅に帰っていった。その日、隣人は親まりさ一家には餌を与えなかった。 翌朝。 「おーいれみりゃ、ご飯だぞ〜」 「うー!うー!」 隣人がれみりゃに与えたものは、ハチミツを塗った食パン。 それと川で釣ってきた魚を焼いたもの。野生のゆっくりから見れば破格である。 「どうだ、上手いか?」 「うー!」 「ククク……かわいいのう、かわいいのう……」 れみりゃと対照的に、透明ケースに入っている親まりさとまだ箱にいる赤ゆっくり達は空腹に襲われている。 なにせ男に捕まえられた昨日の朝から何も食べていないのだ。 「まりちゃにもそれをちょうだいね!」 「ごはんをくれないおにーちゃんはちんでね!」 「むきゅう……」 「分かった分かった……やろうじゃないか……」 隣人は親まりさのケースにクズ野菜をばらまく。 れみりゃの食べているものと比べれば遥かに落ちるが、ゆっくりの食事としては十分だ。 「ゆ!なんでおかーしゃんにだけあげるの!」 「おかーしゃんにあげるのならまりちゃにちょうだいよ!」 「ククク……貴様らにやる食べ物などないわ……」 冷たく言い放つ隣人。 それを聞いて、赤まりさ達がまたも騒ぎ始めた。 「おなかちゅいたよおおおお!!!」 「ゆっくちできないいいいいい!!!」 この4匹の赤まりさはことあるごとに騒いでいる。 迷惑な存在だが、泣き叫んでいるゆっくりを見て楽しむのが虐待お兄さんである。 「ゆ……まりさはいらないよ。あかちゃんたちにあげてね……」 親まりさはクズ野菜に手をつけずに言った。 昨日は自分の子供に散々罵倒されたとはいえ、やはり親であった。 このまりさはいわゆるゲスまりさではなく、昨日ノミで突かれた赤まりさ同様立派なまりさなのだろう。 「だが……却下っ……!」 「ゆ!な、なんで!」 「そうしたいからさ……食え……食わねば赤ゆっくり達の命はないぞ……」 「ゆ……」 子供の命とは比べられない。 申し訳なく思いながらも、クズ野菜に手をつけ始めた。 そんな親まりさに隣人は、赤ゆっくり達に聞こえないように囁く。 「ククク……それと食事中のいつものセリフ……頼んだぞ……」 「そ、そんあことあかちゃんたちのまえでいえないよ!」 「言わねば……赤ん坊が死ぬだけだ……」 そう言われるとどうしようもない。 涙を流しながら、親まりさは食べ続ける。 「むーしゃ、むーしゃ……しあわせ〜……」 「ゆがあああああ!!!!」 「ちねおかーしゃんはゆっくちちねえええええ!!!」 「むきゅ〜、みんなやめるのよおおお!」 赤まりさ達は親まりさの事情も知らず、口汚く罵る。 親まりさを庇うのは、赤ぱちゅりーだけだった。 ゆっくり一家が捕まえられてから、3日がたった。 再び男は隣人の家を訪れ、そして初めて赤ゆっくり達は箱から出された。 食事は常にれみりゃ豪勢、親まりさにはクズ野菜、赤ゆっくり達は無し。 育ち盛りの赤ゆっくりが3日も何も食べていないということは、かなり餓死に近づいているということだ。 「あかちゃんたち、しっかりしてね!」 「ゆ……ゆっくちちたいよ……」 「ごはんがたべたいよ……」 「むきゅ……」 いい感じに弱っている赤ゆっくり達に向かって隣人は言った。 「ククク……そんなに飯を食いたいなら食わせてやろう……」 「ゆ!ごはんくれるの!」 「ゆっくちもってきてね!」 瀕死なはずなのに、突然のご飯宣言に色めき立つ赤ゆっくり達。 男と隣人はほくそ笑んだ。この程度の元気さはないと面白くない。 「いいだろう……ただし、食いたければ戦え……」 「ゆ?」 「飛んでもらおう……貴様らには……空を……! ククク……そう……!貴様らがこれからするのは………… 生存率25%……クォータージャンプ…………!」 続く あとがき 今回は指きりジャックをゆっくりでやってみました。 次回はクォータージャンプ。さすがに皆殺しの魔女は無理でしょうけど。 過去作 ゆっくり鉄骨渡り このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/slowlove/pages/852.html
かわいいゆっくりゲットだぜ!!3-上(こんにちわ、れみぃ) ゆっくりれみりあ(れみりゃ)の捕食種設定ありです。 3ープロローグかわいいゆっくりゲットだぜ!!3-プロローグ(さよなら、れみぃ)の次の日のぱちぇ達から続いてます。 大量のゆっくりの死体が出てきます。 『』は動物やしゃべらない物の言葉です 大工の林は俺設定です。信じないでください。 幻想卿にありそうな地名や設定が登場しますが、自信が無いので信じないでください それでもよければどうぞよんでください では、駄文開始です… 冬も真っ盛りのある小さな林の木の大木の下にウサギの巣にそっくりな巣穴があった。 だがその中にはウサギではなくまんじゅうの生き物であるゆっくりが住んでいた。 その中では1匹の胴体付きゆっくりが「うー! うー! まんまぁー!」と声をあげて泣いていた。 その姿を見た瞬間にその物体に近づこうとするのだが相手に近づけなかった。 仕方なく彼女の名前を大声で呼んだ。 「むきゅ…れみぃ…れみぃ…」 …1週間前に保護したゆっくりぱちゅりーの親が悪夢にうなされているようだがどうしたのだろうか… 昨日、話してくれたゆっくりれみりあ…れみぃという名のれみりゃが原因なのだろうか… とりあえず、ゆっくり達の昼寝の邪魔をしてはいけないと思い部屋から抜け出した 休みの日ぐらい外にいる老犬と遊ぶかと庭に出た。 おお寒い寒い。さすがに2月にになると1時ぐらいでも凍りつくように体が痛い 自分のような寒がりな者には、寒さがつらくてしかたない。 付き合いの長い年をとった愛犬が、私の横で尻尾を振りながら近づいてきた。 『散歩の時間ですかい?ご主人』 「ああ、いつもより少し速いが暖かいうちに散歩に行くか?」 『そうですね。この年になると寒さがつらいから暖かいうちに行きましょうやご主人』 犬と会話をしたつもりになった私は、散歩用の犬の紐を取りに家の中に戻った。 一応、書置きが必要かと思い「いぬのさんぽにいく」と書いた紙を置いて玄関のドアに手をかけた時に背後に気配を感じた 誰だろうと振り返ってみると赤髪のロングヘアーに悪魔の羽をはやしたゆっくり…ゆっくりこぁが話しかけてきた 「こぁ、わたしもゆっくりつれていってください!!」 「ああ、構わないけど…君がぱちぇと離れるなんて珍しいことがあるもんだな…」 「ゆっくりはなしたいことがあるのです! つれていってください!」 「だったら外は寒いから家の中で話そうか?」 「いいえ、できればぱちゅりーさまのいないところではなしたいのです!」 「…わかった。それじゃあいつをつれてくるからここで待っていなさい」 ぱちぇに聞かれたくないといっていたがなんだろうか… そういえば彼女もれみりゃとは知り合いだということと関係あるのだろうか 私は、犬の首輪に紐をつなげるとこぁを片手で抱えて歩き始めた。 散歩コースの川の土手に到着するとこぁがしゃべりはじめた。 「わたしとぱちゅりーさまが、れみぃさまとあったのはこのばしょでした」 「昨日の夜にぱちぇから聞いた川の土手というのはここだったのかい」 「はい、わたしとぱちゅりーさまとなかまたちがむれをでてすむことをきめたばしょです」 「それで君とぱちぇは川沿いに歩いていって柿の木から林に向かったのだったかな」 「はい、そのとおりにあるいてください」 「待て、君達は湖に向かって歩いたのかその逆かを教えてくれ」 「ええーとあちらにむかってあるきました」 どうやら湖とは反対に向かって歩いていけばいいことがわかった。 そういえば、ここに住んでいたゆっくりまりさとゆっくりれいむの夫婦はどうなったのかと考えながら川沿いを歩いていった それとれみりゃとの出会いや別れの話こぁ視点からはなしてもらった。 それに対しての意見を言うと「あくまで小悪魔ですから」といいかえされた。 うまいことを言うもんだと感心した。 歩き始めて1時間もすると遠くに里外れの林があるのが見えた 「あそこがれみぃというゆっくりがすんでる林なのかい?」 「ええ、あそこにれみぃさまがすんでいるはずです」 「何で君は私を連れてきたんだい?」 「もちろん、ぱちゅりーさまのためにです。れみぃさまのことを心配してうなされていることがよくあるので…あなたにたすけてもらおうとかんがえてるのです」 「あの林ならば私もいったことがある。里の有力者が木材を妖怪に襲われず安全に確保するのに里近くに作った林だな。この時期は使われていないはずの小屋があったはずだが…」 ゆっくりたちが勝手にはいった小屋ってまさか… とりあえず、一度家に帰ろうと思ったときに道の真ん中で若い男性が小刻みに震えているのが見えた。 確か大工で修業している若者だったはずだ。気分が優れないのか顔色が悪い。 「大丈夫ですか? 気分が悪いのですか?」 「ああ、あんたは…たまにウチの仕事を手伝ってくれる人だよな」 「ええ、そうですけどなにがあったのですか?」 「あそこの林に小屋があるのはあんたも知っているだろう。」 「ええ、去年の春先に手伝いに行ったので知っていますが」 「棟梁に頼まれてあの小屋にある大工道具を取りにいったんだけどよ…」 彼は一瞬ためらうような顔をしたが意を決したように一気に話し始めた 「それで取りに行くものがあって、小屋に入ったら甘い臭いがしたんだよ。 それと気味の悪い黒い生首のような物体と芽の生えた黒い丸い物体が床を埋め尽くす様に落ちてたんだ。 それに『ゆー、ゆー』とお化けの声が聞こえてきたんだよ 怖くなって小屋を飛び出したんだけど間違えて里の入り口とは逆に走ったんだが 今度は、『うー、うー』っていううめき声が聞こえてきてよ。 そこから少しでも離れようとして走り続けたらここにいたんだよ」 というと彼は横に流れている川に顔を突っ込みいきおいよく洗いはじめた。 とある異変以降、何故か幽霊が幻想郷に多く現れる異変が継続している。 空を見ると白いオタマジャクシを大きくしたような幽霊が飛んでいる。冥界か三途の川にでも向かっているんだろうか… この幻想卿では妖怪がいるのだからお化けがいても変ではない気がした… 待てよ。これはあの土地に入るチャンスではないだろうか? 『ご主人があの目をしている時は悪巧みを考えている時だ…』 「幽霊や妖怪がいるんだから、お化けくらいいてもおかしくないのでは?」 「あんた…そういうが怖いものは怖いんだよ。あれをみればあんただって…」 「だったら、私が見に行って来ましょうか?取りに行くものを教えてください」 「あ、ああ、いってくれるのか…あんたなら棟梁も文句言わねえだろうな。 取ってくるものは小屋の畳の下の隙間の大工箱に入ってるから箱ごと持ってきてくれ」 「条件があります。私が夜までに戻ってこなかったら寺小屋の先生に相談する事」 「それぐらいはかまわないから、よろしく頼むぜ。あと鍵を貸した事は内緒にしてくれよ」 「ばれなければ問題ないから心配しないですよ。それじゃいきますかね。なにかあったときはよろしく頼みます」 『それじゃさっさといきましょうーや。ご主人』 「ああ、それじゃ気をつけてな…またあとであおうな」 「ええ、こぁ、林の中に行くから案内してくれ」 「こぁ、ゆっくりあんないいたします」 そして、わたしとこぁはお化けがいるという林の中の小屋を目指していった。 林に入って10分も歩くと例の小屋が見えてきた。 なんとなくお化けの正体はわかっているのだが扉の鍵をカチッと言う音がするまでまわした。 ゆっくりとドアを開けていった。その先にある恐ろしいものとは… 「こぁああああーー!!」 「はぁー、やっぱりな…」 そこにあったものはソフトボールぐらいからバスケットボールぐらいの大小様々なゆっくりの死体が落ちていた。 冬の寒さのおかげが腐ったりはしていないしハエもたかっていなかったが気分のいいものではない。 空腹のあまり死んだのだろうかげっそりと頬がやせて死んでいるゆっくり。 頭から蔦を出したまま黒くなって死んでいるゆっくり。 体が真ん中から分かれているゆっくり。 「そんな、しょくりょうがあんなにあったのにぜんめつするなんて」 「この様子から見ると子供を増やしすぎて餓死したんだろうな。共食いをしないだけまともなのかもしれないが」 「こぁ、でも…こんな…おそろしいことになるなんて」 「君たちが巣を出たときに寄ったときはどんな状況だったんだい」 「はい、いりぐちがきでとじられてはいれなかったんです。 それでこえをかけたのですがへんじがなかったので、とうみんしているんだろうとおもいさりました。 あのきのおおきなはこのうらあたりにいりぐちがあったのですが・・・」 私がそちらを見てみると大きな本棚がおいてあった。 何らかの理由で出入り口を閉めたのだろうか・・・ 生きているゆっくりが残っているだろうかと思いこえをかけてみた。 「ゆっくりしていってね!!!」 「ゆっくりしていってください!!」 「…っ…っ…」 …何故かこぁが返事をしただけで他の返事はない様だった。 私は小屋の外の物置の中に穴を掘るものが無いか探し始めた。 鉄製のスコップを見つけたので小屋から少し離れた場所の土を掘り始めた 犬も手伝ってくれているようだがあまり役にはたっていない。 土を掘り始めて30分もすると直径1メートル深さも1メートルぐらいの穴ができた。 少し離れた場所でこぁが10センチ、犬が30センチぐらいの穴を掘っていたので誉めてあげた 私は「ゆっくりしていってね!!!」と声をかけながら生きているかを確かめながらゆっくりを1匹ずつ穴に入れていった 10分ほどして穴を埋めようとした時にミニトマトぐらいのゆっくり達が40匹ぐらい出てきた 死んだ親達と違ってあまりやせてはいないがどうしてなのだろうか… 代表なのだろう黒い帽子をかぶったまりさ種の赤ん坊が話しかけてきた 「ゆうぇーん、おとーしゃんちゃちをにひぢょいこをしにゃいで」 「生きているゆっくりが残っていたのかどこに隠れていたんだ」 「…こぁ、たぶんベッドさんのしたやたたみさんのしたのすきまですね」 …こぁの奴気付いていたのに教えなかったのかよと思いながら子供たちに事情を説明することした 「君たちのお父さんやお母さんは死んでいるんだ。だからお墓に埋めてあげるんだよ」 「死んでいるってにゃに?おはかって?」 「それは…二度とゆっくりできなくなってしまうことなんだ。君たちのお父さんは動かないししゃべる事は2度と無いんだ」 「ゆゆっゆっゆ?」 「でも…お墓にはいらないと天国でゆっくりできないからお墓をつっくてあげたんだよ」 「おきゃーしゃんいにゃいちょ。まりしゃちゃちは…ぎょひゃんちゃべれにゃいよ!!」 母親がいなければご飯を持ってこないと言いたいのか…出費がかさむが仕方ないか 「ゆっくりこれをたべていってね!!」 そういうと犬のおやつに持ってきた犬用ののビスケットを粉々にして赤ゆっくり達の上にまいた 「むちゃ、むちゃ、ちぃあわせ!!」 などといってる赤ゆっくりを捕まえると本棚に入れてふたを閉めた。 その様子をみてかソフトボール代の子ゆっくりも10何匹か出てきた だしてとかちぃあわせとねむねむかいっている赤ゆっくりたちを無視して私はゆっくりの死体を穴の中に埋めていった。 穴を土で埋め終えた頃には赤ゆっくり達は泣き疲れて眠っていた…こいつらはどうするかな… 今はれみぃと言う名のれみりゃを優先しなければと思ってこぁにれみりゃの巣の場所を聞いた。 こぁの後に歩い15分も歩くと木の下にウサギの巣にそっくりな巣穴があった。 「こぁ、ゆっくりまっていてくださいね!!」 そいうとこぁは巣の中に潜っていったさすがに私の大きさではこの巣には入ることができない 『あっしが中に入って様子をみてきましょうか?ご主人』 隣に座っている老犬が穴掘りの用意をしていたが 「いや、ここはこぁに任せよう」 『来る途中の話から考えるとあの女はやばいですぜ。ご主人』 断って気持ちだけを受け取った 5分ぐらい犬と遊んでいたのだがこくぁがでてこないので心配になり穴の中をのぞきこもうとした瞬間 「こぁああああーー!! れみぃさまがいなくなりました!!」 とこぁが勢いよく飛び出してきて空を飛びまわっている…飛びまわっている? こぁってとべたの? 「とりあえずおちつけ! れみぃが住んでいたのはこの場所だけなのか?」 「いいえちがいます! ちかくのたおれたきのなかでとうみんをしようとしていました!」 「だったらとりあえずそこにいってみよう。この巣から移動しているかもしれないから?」 「こぁ、ゆっくりりかいしました!! ゆっくりしないでついてきてください!!」 「なぁ、こぁはそらをとべたの?」 「背中の羽は伊達じゃありませんから!!」 何故か、誇らしげにかえされた こぁのあとをは早歩きで5分も歩いただろうか落雷でも落ちたのか中に空洞のできた大木が倒れていた。 入り口には大きな板に草や布が立てかけてあったのでそれをどかすとそれなりに暖かい空間が広がっていた。 中には枯葉やどこからか持ってきたのかぼろぼろの布切れが引かれている。 その上ですやすや寝息をたてている胴体付きのゆっくりがいる。 ずんぐりむっくりした幼女のような姿に、ふくよかな手足。 大きな下ぶくれ顔と、ピンクのスカートと洋服、背中には黒い悪魔のような羽… ゆっくりれみりゃに違いないと思った 「れみぃさま!! こぁがまいりました。ゆっくりしないでおきてくださいね!!」 「う~? まんまぁー、もうはるがきたどぉー?もうおきてもいいどぉー?」 「ゆっくりしないでおきてくださいね!!」 「う~? まんまぁー、もうおこっていないんだどぉー?」 「こぁ! はんせいしてくれればいいのです。れみりゃさますばらしいゆっくりぷれいすをみつけました。ぱちゅりーさまとこどもたちといっしょにすみましょう」 「う~? れみぃ…まんまぁーたちといっしょにてもいいのかどぉ?」 「もちろんです♪ ゆっくりしていってくださいーー!!」 「ゆっくりしていってねだどぉーー!!」 …ちょっと待て!! こぁのいったゆっくりプレイスというのはどこの事だ。 今、彼女が住んでいるのは私の家の一部屋だ。そこにゆっくり6匹で住んでいるという事は… 「うっう~☆うぁうぁ~♪ れみ☆りゃ☆う~~♪」 喜んでいるのだろうか、ダンスを踊り出すれみりゃをみてあきらめ気分になった。 仕方ない、俺が面倒を見てやるかな。そんな気分になったのだった。 こぁーり(ニヤーリ)と後のほうでこぁが子悪魔のような笑いをしているのを犬だけが見ていた 「こんにちわ、れみぃ」 「おじさん、だれだどぉー!!」 「今日から君の家族になるものだがいえにかえろうか?」 「すごいんだどぉ! れみぃのかわいさにめしつかいができたんだどぉー!!」 「いや、私はぱちぇと一緒に住んでいる者で…」 「さすが! れみりゃはこーまかんのおぜうさま☆なんだどー!!!」 」 「…」 なんかわけのわからないことをほざいているが、家に帰ってからぱちぇとらんにしつけをさせれば直るだろうと聞かないことにした 年齢的に、本当にお兄さんなんだよ、俺は…20台後半だけど30まではおじさんと呼ばれたくはないんだよ。 「それじゃ、さっさと用事を終わらせて家に帰ろうかな。いくぞ3匹とも」 『了解ですぜ。ご主人』 「こぁ、ゆっくりりかいしました」 「うー☆わかったどぅー!おじさん!!」 そして、私たちは家に向けての帰路についた。 れみりゃが空を飛んでることに内心では驚いていたが顔には出さなかった。 そして、私たちは家に向けての帰路についた。何かを忘れているような気がするのは気のせいだろうか? とりあえず『れみりゃ、ゲットだぜ!!』 中編かわいいゆっくりゲットだぜ!!3-中へ続く 【あとがき】 作者名無しです。 とりあえず、れみりゃと私との出会いを書きました 3話目のプロローグを外伝にすればよかったと後悔しています 次もかわいいゆっくりゲットだぜ!! 書いたもの かわいいゆっくりゲットだぜ!! 1・2・3 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/746.html
またもオリキャラ、オリ設定。 今回も虐待成分はほぼ無きに等しいです。 酷評されても仕方がねえ、いぢめちゃいねーもの ========================================== -森の彼女と逆襲のゆっくり- どうもこんにちは。私は森に住む、妖怪と人間のハーフ。 まだまだ若いピチピチオネーサンです。ダラダラ物書きをして生活しているわ。 名前は…まぁいいわよね? 別にそんな重要なモノでもない気がするし。 ただ…そう。私の能力は『物を均等に完璧に分ける程度の能力』。 これだけはバラしておこうかしら。 今回は久々にこの能力を使う事になりそうだけど。 「毎度おなじみきめぇ丸です」 その来客は丁度私が朝風呂から上がった直後にやってきた。 山に住む天狗の部下のゆっくり。ゆっくりなのにゆっくりが嫌いというよく分からないゆっくりである。 今まで家に新聞を配達していた鴉天狗が多忙のためゆっくりに配達を任せたと言う。 このゆっくり、何故かちぇんが怖がるので玄関前で新聞を受け取る。あのゆっくりはゆっくりしないでさっさと配達に戻った。 まったく落ち着きのないゆっくりだ。とゲシュタルト崩壊起こし始めたところで新聞に目を通す。 「んー…」 新聞の一面は先日噴出した神社の温泉についてだった。 ずらずらと色々書いてあるが、実は詳しい事はかなりぼかして書いてある事に私は気付いた。 一通り読んで確実に分かったことは間欠泉から地霊は出なくなったこと、そして博麗神社の温泉はこれからも利用可能、という事だった。 「使えない新聞ねぇ。所詮上からの圧力に弱いパパラッチ天狗か」 思わず漏れた隠す気のない愚痴を吐きつつ、今度神社に温泉入りに行こうと画策した。 「おぅ?」 一面の下に小さく存在する記事を発見した。 『ゆっくりのつがい 民家を襲撃 38歳男性全治2週間の怪我』 ゆっくりに襲われて人が大怪我? 一面よりその記事に私の目は行った。 なんでもゆっくりが民家に忍び込み食料を盗み食い。そこに家の主人が帰ってきた。 ここまではゆっくりいじめSSによくある展開である。で、この後透明な箱に入れられて(ry ところが今回はそうは行かなかったらしい。 驚くことに、そのゆっくりのつがいは家のロープを駆使し、主人の足を引っ掛けて転倒させたらしい。 文にするのは簡単だがゆっくりにとって簡単に出来ることではない。 普通のゆっくりならば咥えたロープを掴まれ、そのままガンダムハンマーよろしく叩きつけられてもおかしくないのだ。 成人の、それも男性を転倒させるのであればそれなりの計画を立て、ゆっくり自身にもパワー、スピード、テクニックなどを求められる。 それが可能なゆっくりとは一体。私は久々にウキウキしてきた。 放っておけばまた被害が出るであろう。そうでなくても関係のないゆっくりが殺されるかもしれない。 純粋なゆっくり好きな私としてはいても立ってもいられなかったのだ。 詰まっている小説のネタになるかもしれないし。 「ちぇん! 里へ行ってゆっくりのつがい 民家を襲撃 38歳男性全治2週間の怪我を捕まえるわよ!」 「わからないよー、げがをしたおとこのひとをつかまえるのー?」 うっかり見出しをそのまま大声読んでしまったが別に恥ずかしくなんかない。 「あいつら、家に帰ってきた私を見つけたら暴れ始めましてね。一匹を取り押さえようと追いかけていたらいつの間にか足に縄を巻きつけていたんですよ」 腕を釣りながら被害者の主人は言う。 「腕やっちまって、せめて足止めしようと『ゆっくりしていってね!』って叫んだんですが、なんと奴らそれを無視しやがったんですよ」 驚きだ。ゆっくりが『ゆっくりしていってね!』に反応しないとは。 アレは本能から出てしまうもので制御など出来ないと聞いたことがあるが。 「ちぇん」 「なにかなー」 「ゆっくりしていってね」 「わかるよー、ゆっくりしていくといいよー」 ウチのちぇんでもこれだ。 「実に興味深いですね。どんなゆっくりなのかしら」 …誰? 私じゃないわよ? 振り返ると見た事がある顔…この前餡子クッキーをご馳走になった稗田阿求さんだった。 「ご機嫌よう稗田様。先日はクッキーありがとうございました。今日はいかがいたしました?」 「ゆっくりが里の人にケガをさせたとかで。一大事じゃないですか」 そういう稗田さんの顔はどこか嗤っているようだった。あの、すみません、なんかちぇんが怯えているんですが。 「早く対策を打たないと犠牲者が増えるばかりです。普通のゆっくりと違って頭もいいみたいですし」 「ええ、そうです。稗田様、何か情報は掴んでおいでですか? よろしければお教え願いませんか?」 私がダメモトで聞くと稗田さんは袖から一枚の写真を取り出した。 「犯人のゆっくりだそうです。天狗の下っ端が撮影に成功していたらしいですわ」 一面のせいで載せるスペースが無くなったか。早速写真を見せてもらうと…… 「ねぇ、ちぇん」 「なにおねーさん」 「このれいむ、見覚えない?」 「こんどはわかるよー、このまえちぇんをぼかぼかしてくれたまりさとれいむだねー」 そう、この前トロロのクシャミ砲によってスターダストメモリィと化した筈のゆっくりまりさ・れいむに間違いなかった。 私は一度家に入られたゆっくりの事は忘れないようにしている。 見分けることが難しいといわれるゆっくり。 実は見分け方にはコツがあるのだ。 以前侵入したこの二体。まりさとれいむ。 よくいるタイプであるが、こういうときには自分で一つ一つに特徴をつけてやればいい。 例えば、二匹は成熟したつがいであるが、子供はいない。 おそらく仲間意識はあるが恋愛という意気には踏み込んでいないのだろう。 成熟しながらも子供を持っていないというのは大きな特徴の一つだ。 またどうしても見分けがつかないときには、このちぇんが役に立つ。 種族が違うとどれも一緒に見えてしまうのは生き物のサガだ。こういうときには同属に見てもらうのが一番だ。 「こいつらの駆除、私に任せてもらえませんか?」 と言うと稗田さんはちょっとびっくりしたようだった。 以前このゆっくり共に襲撃された旨、自らの手で再度反省させる必要がある旨を話すと稗田さんは納得したような、それでいて残念そうな顔をして了解してくれた。 「さて、と」 対策を考える。恐らく二匹はまたこの里に現れるだろう。 季節は秋。冬篭りの準備をしなければならないが、この時期は他のゆっくりや動物、そして妖怪の動きも活発になる。 下手に動き回って食料を探すより民家に侵入し しゅっと盗むほうがリスクが低く効率も良いのを奴らは知っているのだろう。 あの二匹はなかなかに頭がいい。取れるだけとって危険と感じたら別の里に移動するはずだ。 だが、ゆっくりは新聞を読まない。ということは男性が怪我をし、こちらが必要以上に警戒していることを知らないのだ。 心理としては男性の家の全く逆方向の家に行きたがるはずだ。男は里の東口方面に住んでいた。 ならば西口だ。意表を付いてくる可能性は無いわけではないので東口には人を配置する。少なくともこれで東口から入ろうとはするまい。 西口の方で夜遅くまで家をあける用事のある家主を探す。そして協力を得、私は家の番をすることになった。 家の明かりは一切遮断し戸口の鍵を開けておく。民家が近いのでガラス戸を破ってくる事はないはずだ。 野菜くずを調達し、台所のすぐに目に付く場所に設置。オトリである。 と、そうだ。相手が奴等なら……例のブツを作っておこう。 材料は紙と筆とはさみ。これだけである。 私の能力『物を均等に完璧に分ける程度の能力』で小さく紙を切り分ける。 丁度お守りくらいのサイズに切り分たものを九枚作り、そこに絵を描く。 8枚の下の方を折り曲げ、スゴロクの駒の様にした。 紙が余ったのでこれにも絵を描いて使うことにする。島を二つ描いた。 「おねーさん、それどうするのー?」 「なんでもないわよ。ただちょっとしたゲームを作るの」 ちぇんは?マークを頭の上に浮かべていたが気にせずブツを完成させた。 後は待つだけ。見張りをちぇんに頼み少々仮眠をとることにした。 「おねーさん、おきてー。まりさたちがきたよー」 「ん…」 どうやらビンゴだったようだ。音を立てないように立ち上がる。 台所を覗き込むとあの二匹がいた。以前私の家に上がりこんだときとは違い物を散らかしていない。どうやら遊びは無しで食物一点狙いのようだ。 れいむが見張りをし、まりさが袋の中の野菜くずを食べていた。見張りをつけるとは。 ふとよく見るとゆっくりたちの顔の両サイドに耳当てのような物がついている。 あー、なんだっけ、たしか『へっどほん』とか言うんだったか。 外の世界の携帯蓄音機で、耳に直接音楽を流すため、周りに音が漏れないんだとか。 なぜゆっくりがそんなものを持っているかは知らないが、大方河童の所からパチって来たのだろう。 最近の河童は物騒なものを作る割に管理がちゃんとしてないから困る。 しかし、なるほど、耳栓の代わりか。あれなら『ゆっくりしていってね!!!』の掛け声に反応することもない。 だがそれは……つまりこちらもよほど大きな音を出さなければ気付かれないという事だ。 二匹を取り押さえるのは思っていたよりかなり簡単だった。 れいむを私とちぇんの二人掛りで一気に取り押さえる。 まりさは『へっどほん』のせいでれいむが襲われたのに気付くのが遅かった。 そのため、私がれいむを人質に取ると素直に投降した。 まりさ種にありがちな仲間を簡単に見捨てる可能性はあったが、このまりさは頭がいい。 おそらくれいむが取り押さえられた時点で自分も逃げられないと悟ったのだ。 「ゆ! このまえのおねーさんだ!」 「ほんとうだ! これでこのまえのうらみがはらせるね!」 驚いた事に二匹は私を覚えていた。 そしてこのまえのうらみ、と言ってる事からトロロに吹き飛ばされたことも覚えているようだ。 「おねーさん! まりさとれいむはぱわーあっぷしたよ! だからこのまえみたいにはいかないよ!」 「こんどはおねーさんをまかしてあげるよ!」 「もしまりさがかったらまりさたちにおやさいをたくさんよういしてまりさたちをにがしてね!」 「れいむたちがまけたられいむたちをすきにしていいよ! もんだいはおねいさんがだしてね!」 どうやらこの前、私にしてやられた事が相当悔しかったらしく、私にリベンジを要求してきた。 計 画 通 り そう、私はこうなることは予想していた。相手が私を覚えていたら、という仮定ではあったが。 その為に先ほどブツを制作していたのだ。ブツをちぇんに持ってこさせる。 前回はちょっとしたとんちで、ちょっと想像力があれば正解できた問題だ。 だがしかし、今回私が出す問題はとんちじゃ解決できない。ちゃんとした計算でなければ正解しない。 私は先ほど作ったブツを二匹に見せる ゆっくりれいむ、ゆっくりまりさ、ちびれいむが二匹、ちびまりさが二匹、ゆっくりれみりゃ、ゆっくりさくやが描かれた駒。 それと船の駒と二つの島が浮かんでいる台紙を置く。 島にはそれぞれAとBと描かれていた。 「このゆっくりファミリーは今、左のこのAの島にいて、みんな右のBの島に行きたがっています。 Bの島に行くには船を使う必要がありますが船を扱えるのはこの内親れいむ、親まりさ、そしてさくや。 船は座席が二個しかないから二匹しか乗れないわ。そして船の数は一台。 だけどこのファミリー、実はとても仲が悪くて、親れいむは親まりさが見ていないと子まりさを、 親まりさは親れいむが見ていないと子れいむを食べてしまいます。 そしてゆっくりゃはさくやがいないと皆を食べちゃいます。 そこで問題。この家族を一人も殺さずに皆をBに送り届けてみなさい」 「…ゆ?」 案の定一回では理解されなかったので三回くらい教えてやった。 「ゆっくりりかいしたよ!」 「みんなをあっちにわたらせればいいんだね!」 「そういうこと。夜が明けたら私の勝ちね。じゃ、スタート!」 ちなみにこれは実際に出来る問題よ。SSを読んでいるあなたも適当に駒を作って挑戦しては如何でしょうか。正解はSSの一番下に書いておく。 二時間後、まりさの頭から湯気が出始めて「ゆっ……ゆっ……」と呻きながら震えだした。 知恵熱ね。今ごろまりさの体内ではほかほか餡子が出来ているはず。 まぁ正解するこたぁ無いと思っていたけどね。でもこれ小学生でも頑張れば出来る問題なのよね。 ゆっくりがゆっくりから教わる事には限度がある。 せいぜいゆっくりぱちゅりーから簡単ななぞなぞを教えてもらうとかその程度だろう。 れいむが「まりさがしんじゃう!」と泣き出したので絞った濡れタオルを被せ冷却してやる。 多少水を吸ってしまうだろうが、直接保冷庫にぶち込まれるよりかはいいだろう。 さてこの二匹、どうしたものか。まりさが目を覚ますと「ま゛いり゛まじだーごべんな゛ざーい゛!」と泣きついてきた。 先ほど大きなことを言ったのを後悔しているのだろう、まぁ本人達は負けるはずはないと思っていたのだろうが。 とりあえず笑顔でゆっくり用の袋に二匹を詰め込んだ。 「くらい! おねーさんだして! おうちかえる!」とかうるさかったので暫くムロフシの如く袋をハンマー大回転してやると静かになった。 きっと袋の中でサントピアワールド(新潟県にある遊園地。マスコットがキモい)の夢を見ているに違いない。 捕獲したとの報告を稗田さんにした。 稗田さんは「もしよければこちらで処分するけど」と言っていたが断った。 このゆっくりに興味をもったからである。 断った後の稗田さんの目が何か怖かったが、気付かないフリをしておこう、うん。 家に帰って袋から二匹を取り出し、透明な箱に入れてやる。 ムロフシした際にちょっと吐いたのか、野菜のカスが体のいたるところに付いていた。 がくがく震えるゆっくりに私は判決を言い渡した。 「あんたらは以後人里には降りないように。里の人たちにもあんたらがわかるように飾りを付けさせてもらうわ」 そういうと私はまりさから帽子を、れいむからは髪飾りをふんだくってやった! 「ゆー!」 「おねいさん、れいむたちのかみかざりをゆっくりかえしてね!」 はいはいスルー。そして帽子に『なんなんだアンタ』ワッペンを、髪飾りには某バクベアード様をマジックで描いてやった。 / ̄ ̄ ̄\ z 〈 Y y / 人 、 ヾ γ __ \/ / // \|  ̄Y γ=―=ヾ Y | /(・)(・|| 廴f く (●) 冫 レ 我ながらすごい取り合わせだと思う (6 / つ || 、_i ゙ミ三彡" L | | ___ ||  ̄ヽ / | | /__/ || ニュノ\ /ヾ /| | /||\ _/>-r―r-イ\ イ /ト 个 ∧ ヾ 「ゆ゛ー! かっこわるいよ゛ー!」 「ごわ゛い゛よこ゛のめ゛だま゛ー!」 「慣れよ鳴れ。その程度だったら他のゆっくりも気にしないでしょうし。命とられるよりはマシでしょ」 そう言うとしぶしぶ納得したようだ。うん、頭のいいゆっくりはほんと助かる。 「今度里に下りてきたら問答無用で潰して良いと言ってあるから。絶対降りちゃ駄目よ」 「ゆ……でもにんげんたちのところにいかないとれいむたちふゆをこせないよ…」 「冬の蓄えくらいだったら提供してあげるわよ」 と、台所から大量のお菓子を持ってきてやる。 「賞味期限切れたヤツもあるけど、別に問題ないはずよ。あられとかお煎餅とかよく貰うんだけどしょっぱいのは苦手なのよね」 「ゆ!」 「おねーさんいいの!?」 「いいけど条件があるわ。明日から冬が来るまで、日が一番高く上った時間になったら私の家へ来ること。そんで私の授業を受けなさい」 ゆっくりは不思議な顔をしていた。まぁ当然か。 「ゆぅ、じゅぎょー?」 「勉強よ。あんたらは野良ゆっくりにしちゃ頭がいいみたいだから、もっといいこと覚えるべきなの。それを私が教えてあげるから 来たらまたお菓子をあげるわ。こなかったら巣まで行ってオシオキ。いいわね?」 「ゆー、ゆっくりりかいしたよ!」 「おかしがもらえるならゆっくりじゅぎょーをうけざるおえない!」 かくして私は二匹のゆっくりの先生となり、私もまた新たな小説のネタを手に入れた。 これから私の周りは自分が予想していた以上に慌しくなるのだがそれはまた別の話。 -了- ========================================== -あとがき- いじめている箇所が2つとか。/(^o^)\ つ、次はいじめ要素入るばずだからゆっくり待ってね! ちなみにヘッドホンはどこかのバラエティー番組宜しく電波受信式でどこからともなくクラシックが流れていると思ってください。 ☆問題回答 A B → さくや れみりゃ ← さくや → さくや 子まりさ ← さくや れみりゃ → 親まりさ 子まりさ ← 親まりさ → 親まりさ 親れいむ ← 親れいむ → さくや れみりゃ ← 親まりさ → 親まりさ 親れいむ ← 親れいむ → 親れいむ 子れいむ ← さくや れみりゃ → さくや 子れいむ ← さくや → さくや れみりゃ ※それぞれまりさとれいむが逆でも可 筆者は小学校の頃半日かけてクリアしました 作:ゆっくりいくさんはフカヒレまんだと思う人 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/3066.html
作品の後ろにある文字の説明はジャンルマークについてに纏めてあります。 作者名の改名は、お気軽にお申し出下さい。ご自分で編集して変えていただいても問題ありません。 作品の一覧追加も、漏れがありましたらお気軽にお申し出下さい。これまたご自分で編集していただいても問題ありません。 は~わ行で始まる作者別はがくれれみりゃの人 バスケの人 春巻 パロ饅 半年ROM 羊の羽 避妊ありすの人 副工場長れいむの人 古本屋 古緑(ブン殴りあきから改名) 抹茶アイス まりさ大好きあき まりさつむりの人 味覚障害の人 ミコスリ=ハン 水半分 ムクドリの人 ムラッけ木槌 森に魚を求めるの人 ユ~カリ ”ゆ虐の友”従業員 ゆっくりいくさんはフカヒレまんだと思う人 改め ゆいふ人 ゆっくり飾りゴージャスの人 ゆっくり制裁マニア ゆっくりな人 ゆっくりハンターの人 ゆっくりボールマン ゆっくりボールマン2世 ゆっくり饅頭大好きの人 ゆっくりまんじゅうの人 ゆっくりモンスターズの人 ゆっくりレイパー ユユー ○ーメンぶっかけ祭の人 れみりゃが大嫌いな人 ロウ 六人 ロベルト は~わ行で始まる作者別 はがくれれみりゃの人 はがくれれみりゃの作品集? バスケの人 バスケの人の作品集 春巻 ゆっくりいじめ系545 挙の歳末_1? ゆっくりいじめ系546 挙の歳末_2? ゆっくりいじめ系547 挙の歳末_3? ゆっくりいじめ系696 SSC? ゆっくりいじめ系1667 SSC part.2 ゆっくりいじめ系1833 SSC part.5 ゆっくりいじめ系2102 それでも、ゆっくりは要求る。(前篇) パロ饅 パロ饅の作品集? 半年ROM ゆっくりいじめ系1174 頭 ゆっくりいじめ系1298 ありすをいじめる。 ゆっくりいじめ系1439 ゆっくりいじめる? ゆっくりいじめ系1444 いっぱいいじめる? ゆっくりいじめ系1455 ちょっぴりいじめる ゆっくりいじめ系1457 短編にほん ゆっくりいじめ系1515 こいじめ ゆっくりいじめ系1614 たいとるがおもいうかばない。 ゆっくりいじめ系1698 羊の羽 ゆっくりいじめ系637 木まりさで永久機関そ性無 ゆっくりいじめ系767 おしつぶし虐家無 ゆっくりいじめ系839 赤い靴 ゆっくりいじめ系1127 ありすほいほい ゆっくりいじめ小ネタ189 新製品 避妊ありすの人 避妊ありすの人の作品集 副工場長れいむの人 副工場長の作品集 古本屋 古本屋の作品集 古緑(ブン殴りあきから改名) 古緑の作品集 抹茶アイス 霊夢×ゆっくり系4 ゆっくりれいむと霊夢?そ ゆっくりいじめ系94 ゆっくりまりさとおうち虐そ無 ゆっくりいじめ系216 ゆっくりれいむとおいしい味虐無 ゆっくりいじめ系235 ゆっくりまりさと泣いた赤鬼前編虐無 ゆっくりいじめ系247 ゆっくりまりさと泣いた赤鬼中編そ性無 ゆっくりいじめ系253 ゆっくりまりさとないた赤鬼 後編虐そ無 まりさ大好きあき まりさ大好きあきの作品集 まりさつむりの人 まりさつむりの人の作品集? 味覚障害の人 味覚障害の人の作品集 ミコスリ=ハン ミコスリ=ハンの作品集 水半分 ゆっくり加工場系9 幻想郷滅亡の日? 復 その他 ゆっくり大戦? そ その他 広告主?そ 性 その他 yukkuri_jaket?そ ゆっくりいじめ系195 yukkuri_bean虐制共捕性家 その他 yukkuri_sisugita_kekka?そ ゆっくりいじめ系661 ずんぼー虐性 ゆっくりいじめ系819 嫌われありすの一生虐家捕無 ムクドリの人 ムクドリの人の作品集 ムラッけ木槌 ムラッけ木槌の作品集? 森に魚を求めるの人 森に魚を求めるの人の作品集 ユ~カリ ユ~カリの作品集? ”ゆ虐の友”従業員 ”ゆ虐の友”従業員の作品集 ゆっくりいくさんはフカヒレまんだと思う人 改め ゆいふ人 ゆっくりいじめ系554 -森の彼女とゆっくり知恵比べ-そ無 ゆっくりいじめ系585 -森の彼女と逆襲のゆっくり-制無 ゆっくりれみりゃ系いじめ39 VSれみりゃ?制 ゆっくりいじめ系656 -森の彼女と孤独のグルメ-?虐料 ゆっくり飾りゴージャスの人 ゆっくりいじめ系113 ゆっくり飾りゴージャス虐家無 ゆっくりいじめ系167 ゆっくり飾りシャッフル復家無 アリス×ゆっくり系10 ぼくのかんがえたさいきょうのしてんのう?虐性 ゆっくり制裁マニア ゆっくりいじめ小ネタ584 制裁? ゆっくりな人 ゆっくりな人の作品集 ゆっくりハンターの人 ゆっくりいじめ系29 ゆっくりハンター 制 妹紅×ゆっくり系1 ゆっくりたちのトラウマの夜前篇? 制家料 妹紅×ゆっくり系2 ゆっくりたちのトラウマの夜後編?虐 ゆっくりいじめ系121 ゆっくりふぉんでゅ その他 あたっく おぶ ざ きらー ゆっくり?そ 紅魔館×ゆっくり系20 ゆっくりはまさに世紀末? ゆっくりボールマン ゆっくりボールマンの作品集 ゆっくりボールマン2世 ゆっくりボールマン2世の作品集 ゆっくり饅頭大好きの人 ゆっくりいじめ系47 ぐちゃぐちゃゆっくり天国 虐 アリス×ゆっくり系8 アリスのぐちゃぐちゃゆっくり駆除? 制 ゆっくりいじめ系68 お母さん霊夢の受難そ家 ゆっくりまんじゅうの人 ゆっくりまんじゅうの人の作品集? ゆっくりモンスターズの人 ゆっくりいじめ系142 ゆっくりモンスターズ1虐無 ゆっくりいじめ系178 ゆっくりモンスターズ2虐無 ゆっくりレイパー ゆっくりレイパーの作品集 ユユー ユユーの作品集 ○ーメンぶっかけ祭の人 ○ーメンぶっかけ祭の人の作品集 れみりゃが大嫌いな人 ゆっくりれみりゃ系いじめ32 俺はれみりゃが嫌いです? その他 ゆっくり殺しノート? ロウ ロウの作品集 六人 ゆっくりいじめ系2018 夏の庭先 ゆっくりいじめ系2154 町内の動物 ゆっくりいじめ系2336 禁断★実験 ゆっくりいじめ系2361 町内の動物2 ゆっくりいじめ系2398 冬の山にて(前編)? ゆっくりいじめ系2399 冬の山にて(後編)? ゆっくりいじめ系2516 町内の動物3 ゆっくりいじめ系2726 兄弟の暇つぶし ロベルト ロベルトの作品集
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/1376.html
ギャグというかなんというか虐待が主眼じゃないので適当に読んでください。 私の名前は紅 美鈴。紅魔館の門番である。決して中国という名前ではない…筈である。 今日も私は門の前でシェスタ。だってやること無いんだもの。と夢うつつのなか突然頭に痛みを感じて飛び起きる。 「痛!!って、レミリア様に咲夜さん。どうしたんですか?」 「どうしたもこうしたもないわよ。あなたの仕事は何?」 青筋を浮かべてナイフを構えるのは咲夜さんこの館のメイド長である。 「いや門番ですけど。わざわざ紅魔館を襲いに来るやつなんてあの黒白ぐらいですよ~。最近は黒白もちゃんと客としてきていますし。」 「だからって寝てていいってことにはならないわ。あなたがだらけていると紅魔館もなめられてみられるのよ!」 「まあ、いいわ咲夜いつものことだし。それより美鈴ちょっと私の部屋までついて来てくれない?」 と、ここで私の主人であるレミリア様。この中で一番幼く見えるがこれでも500歳である。 「え?別にいいですが何か御用ですか?」 「ちょっとおもしろいものを手に入れたのよ。あなたもきっと気に入ると思うわ。」 見れば咲夜さんは何か荷物のようなものを持っている。またなんかレミリア様の思いつきかしら。 門番を妖精軍団にまかせ、そのまま2人といっしょに館の中へと入って行った。 「で、なんでしょうお嬢様?」 部屋に着くと早速尋ねる。 「美鈴あなた拳法使えるわよね?」 「ええ、一通りの拳法は使えますが…それが何か?」 「外の世界の拳法が幻想入りしたらしくてね。あのガラクタ屋でまとめて買ってきたのよ」 さっき咲夜さんのもっていた荷物を見ると数冊の本だった。どうやらこれが拳法の秘伝書らしい。 「はあ、外の世界の拳法ですか…」 正直気が乗らない。外の世界の拳法と言ってもすでに私は中国拳法を一通り心得ている。あまり新しいものは発見できないだろうと思っていた。 「これは何でも幻想の拳法らしいわ。きっとあなたも見たこと無いもののはずよ」 そんな私の心を見透かしたようなお嬢様の発言。確かに幻想の拳法というなら期待できるかも。 「とりあえず、ここで一冊決めて習得してみて。残りはパチェのところに運んどくから。」 「はあ、じゃあとりあえず見せてもらいますね。」 とりあえず一番上の本を取る。題名は・・・『退かぬ!媚びぬ!顧みぬ!』なんじゃこりゃ? 「えーと第一章はと…」 拳法の心得は大体初めに書いてある。お嬢様を待たせるのも失礼なのでサクサクと決めてしまおう。 「ピラミッドの作り方?!」意味が分からないわ…とりあえず次 次の本は…『今は悪魔が微笑む時代なんだ!!』なんか怪しいタイトルね…第一章はと・・・「石油の掘り方」意味不明却下 三冊目は『サラダバー!!』題名からして駄目そうだ。内容もいきなり「精巧な人形の作り方」ときた。これはあの人形遣いにあげたほうがいいんじゃないかしら? 四冊目は『いてえよー!!!』全く期待できないが第一章目はと…「脂肪の付け方」私だって一応乙女である。これは勘弁してほしい。 「お嬢様…これ本当に拳法書なんですか…?」いつものお嬢様の悪戯じゃないかと不安になってきたので尋ねる。 「いいえ、これは確かに拳法書の筈よ…ほらこれなんてどうかしら?」 取り出してきたのは『せめて痛みを知らず安らかに死ぬがよい』これまた物騒なタイトルですね。と思ったが意外と内容はまともで第一章は「命は投げ捨てるものではない」だった。 これ以上待たせるのも失礼だし、面倒になってきたのでこれに決定。 「では、この本にしますね。」 「あらそう。じゃ、一月後には披露して頂戴」 「はい。できるだけご期待に添えるようにします」 退出して門番の仕事に戻る。やることもないのでさっそくこの拳法の練習でもしますか。 そして、2週間後 夕暮れの頃 「どうしようかしら…」 行き詰ってしまった。 本自体はわかりやすく理解は簡単にできた。所々別人が描いたらしく「ジョイヤー!」だとか「てめえらに明日を生きる資格はねえ!」とか書いてある場所もあったが。 元々気を扱うことが出来たため基本的技術は持っていたし、ここに書いてある当身技なども習得したのだが肝心要の技が問題だった。 「咲夜さんで試すわけにもいかないし…というか死んだら困るし」 この拳法元々は殺人拳らしく突くと体が爆発するだとか、確実に死に至るだとかろくでもない技が多いのである。 治療する技や無力化するだけの技もあるのだが、注意書きに「間違ったところを突くと死に至ることもあります!間違った時は素直に『んー?間違ったかな?』と謝りましょう」と書いてあってはおちおち試せない。 里の人間に手を出したらあの巫女が黙ってないだろうし、拳法の実験如きで人を殺すのも気分が悪い。 「あああ…あと2週間…」 もう諦めてお嬢様に謝ってこようかしらと思っていると目の前をゆっくりのカップルがはねていた。 「ゆっくりって見た目人間っぽいわよね…」 中身は餡子らしいが見た目が似てれば聞くかもしれない。それに他の手も思いつかなかったため早速試してみることにした。 「こんにちは。ゆっくりしてる?」 「ゆっ!おねえさん!ゆっくりしてるよ!」 「おねえさんもまりさたちといっしょにゆっくりしようね!」 「じゃ遠慮なくゆっくりさせてもらうわ。」 さっそく試させてもらうとしよう。ゆっくりまりさを持ち上げる。 「おねえさんあそんでくれるの?」期待に満ちた目でこっちを眺めてくるゆっくり。 心の中でゴメンネと呟いて秘孔を突く。 「ゆ゛っ!?」「おねーさんまりさになにしたの!」「ちょっとつぼを突いてあげただけよ。」 適当にあしらってそのまままりさをおろして様子を見る。 「ゆ~。おねえさん!いきなりなにするの!」「ごめんね。まりさがかわいいからぷにぷにしようとしたら強くやりすぎちゃったわ」「それならいいよ!こんどからはきをつけてね!」 本当なら三秒で爆発するらしいが、どうやら駄目だったようらしい。仕方ないから適当に遊んであげるかと思ったが… 「ゆ゛っ!ががっ!」突然まりさが苦しみだしたと思う間もなく、「ゆ゛べし!」と間抜けな声を上げるとそのまま爆発してしまった。 「ま゛!ま゛り゛ざあああぁぁぁぁ!ぐぷっ!」突然のパートナーの死にショックを受けたれいむ。餡子をまともに浴びたのもあったのかそのままショック死してしまった。 何故か効くのが遅かったが、ゆっくりにも秘孔は効くらしい。普通のゆっくりは頭しかないから突ける秘孔が限られるが、れみりゃ種の体つきを使えば実験できる幅はさらに広がる。 幸いにも、紅魔館周辺にはなぜか体つきのれみりゃが多い。実験のためにはある程度まとまった数を飼っておいたほうがいい。早速許可をもらうためそろそろ起きてくるであろうお嬢様の寝室へと向かった。 「許可するわ。咲夜も協力してあげなさい」 あっさりと許可は下りた。もともと自分を不細工にデフォルメしたれみりゃは嫌いだったらしく、妖精メイドも動員してその日のうちに(というかほとんど咲夜さんが時を止めて)ふらんが1匹、体つきれみりゃが1匹、それとゆっくりれいむとまりさの大家族が集まった。 ふらんと各れみりゃとゆっくり家族の5部屋に分け早速その日から実験を始めることにした。 サクサクと門番を済ませ、妖精組に交代。今日は刹活孔の実験にしよう。 まずゆっくりに残飯や野菜くずを与える。人間や妖怪が食べるものではないがゆっくりには相当上等なものらしくがっついてる。 その隙に一番大きい子どもを確保する。親はそのままにしておけばまた子供を生んでくれるらしいのでそのままにしておいた。 「ゆっくりはなしてね!おかあさんのところでごはんたべる!」 「ゆっくりしていってよー!」 成体一歩手前のゆっくりを3匹抱えながら各れみりゃの部屋へ。そのままゆっくり1匹づつ投げ込む。 「う~う~♪ごはんだど~♪」 「こーまがんのおぜうさまはのこさずたべるんだど~♪」 「まつんだど~♪おとなしくたべられるんだど~♪」 狭い部屋でしかも目の前に投げ捨てたのであっという間にゆっくりたちはれみりゃに捕まってしまい、餡子を吸われているようだ。 今のうちに隣の部屋から透明な箱に閉じ込めて置いたゆっくりふらんを持ってくる。 「やめでえええぇ゛ぇ゛!あんごずわないでぇぇ゛ぇえ!」 「まり゛ざはお゛いじぐないよぉぉ゛ぉぉ!」 「もっどゆっぐりじだがった…」 思い思いの断末魔をあげながら死んでいくゆっくりたち。じゃ、ゆっくりゃも満腹になったようだし早速実験開始と行きますか! 実験のため適当なゆっくりゃの部屋に入るといきなり「う~♪ここはおぜうさまのしんしつなんだど~♪もんばんはでてくんだど~♪」とゆっくりのデスマスクを投げつけられた。 ここでつぶしては実験にならないからさっさと済ませることにする。 「刹活孔!!」と叫びながらゆっくりゃの秘孔を突く。 「う~?ちからがつよくなったきがするんだど~!」刹活孔は命と引き換えに力を強くする秘孔。ただこのままではわかりにくいので早速隣の部屋から持ってきたふらんを外に出す。 「うー!ゆっくりしね!」「う~?いまならふらんにもまけないんだど~♪」 普通れみりゃはふらんには勝てない。だが刹活孔を突かれたれみりゃなら話は別らしい。 「うー!ゆっくりしね!ゆっくりしねええぇぇ!」「う~♪よわいんだど~♪」勝負は初めの一発で決まってしまった。 いつものゆっくりゃだと思って突っ込んだふらんへのカウンターパンチ。その一撃でふらんは地面におち、いまはゆっくりゃに食べられている。 「う~♪あまあま~♪」「ゆっ…くり…し…ねぇ…」最後まで「ゆっくりしね!」と言いながら死んでいった。というか語彙少ないわねゆっくりふらん。 「うっう~♪れみりゃのの・う・さ・つだんすだど~♪」それにしてもこのゆっくりゃノリノリである。 「そろそろかしらね…」強化については確認できた。次は副作用の確認のため、ゆっくり家族の部屋へ向かった。 部屋に入ると同時にさっき子供をいただいたれいむとまりさの夫婦が話しかけてきた。 「おねえさん!れいむたちのこどもがなんにんかいないの!」「ごはんをたべてるうちにいなくなっちゃったの!」 「そのことについて伝えようと思ったのよ。れみりゃがあなたたちのこどもを何匹か食べてしまったらしいの」 「「れみりゃが!?」」「ええ、そのれみりゃを捕まえたんだけど…あなたたちはどうしたい?」 「わるいれみりゃをたおすよ!」「れいむたちのこどもをたべたゆっくりゃはゆっくりしね!」 れみりゃの強さは知っているだろうにわざわざ挑むといってるあたり、流石の餡子脳ではあるが仇うちがしたいというあたり家族愛の強い個体のようね。 「じゃあ、こっちの部屋に閉じ込めてあるから連れてってあげるわね。」 「ありがとうおねーさん!」「ゆっくりしていってね!」 まあ子供を食べさせたのは私なんだけどね。 部屋ではれみりゃが相変わらずよくわからない踊りを続けていた。 「れいむ~まりさ~あれがあなたたちの赤ちゃんを食べたれみりゃよ~」 そのままれみりゃの目の前に2匹をおく。 「こどもをたべたれみりゃはゆっくりしね!」「ゆっくりしね!」 「う~♪もうおどってたらおなかがへったんだど~♪たべるんだど~♪」 いつもならゆっくりゃにとってれいむとまりさはただの餌に過ぎない。 「ゆっくりしね!」まりさがれみりゃに体当たりする。いつもならほとんど効かない攻撃の筈なんだけど… 「うあ゛あ゛あ゛あ゛っ!!!いだいー!!!」 効果は抜群だ! どうやら順調に刹活孔で弱っているみたいね。二匹もそれに気づいたらしく「ゆ!このれみりゃすっごいよわいよ!」「ふたりでやっつけるよ!」と体当たりをかましてる。 「うううう!! いだいーー!! ざぐやーー!! ざぐやーーー?!!」 咲夜さんの名前を呼んでいるがこのれみりゃは咲夜さんに会ったことがないはずである。やっぱり本能に刻まれてるのかしら? そんなこと考えているうちにれみりゃはただの肉片と皮になってしまった。れみりゃは高い再生能力を持つというが刹活孔で弱っていたんだろう。 「れみりゃをやっつけたよ!」「これでこどもたちもてんごくへいけるね!」 今日の実験はこれでおしまいなのでこの二匹を元の場所へと戻しておく。ゆっくりに秘孔が効くことは完全に証明できた。これで無事お嬢様にも見せられそうね。 そのまま気分よく眠りにつき、朝から門番業務をこなす。相変わらず退屈だが今日の夜のことを思うとあっという間に過ぎて行った。 それからの2週間はとても楽しかった。 昼のうちに咲夜さんとメイド隊が集めてくれたため実験台には困らなかった。 新血愁と心霊台の実験はあっという間に狂ってしまってただの動く饅頭になってしまったがちゃんと最後は肉汁を全身から撒き散らして死んでくれた。 残悔積歩拳では何故後ろに下がるか分からずに地面に激突するまで「ざぐやーー!! だずげで!ざぐやーーー?!!」と叫んでいた。それをみて咲夜さんは露骨に嫌な顔をしていたが。 大量にいるれいむとまりさ相手には一気にたくさんの相手の秘孔を突く技の練習台になってもらった。 そうしてお披露目の日。 「で?どんなのを見せてくれるのかしら?」 「外の世界の拳法とは興味深いわね。レミィの持ってきてくれた本を読んだけどやっぱり実際に見なくちゃね」 「お嬢様パチュリー様紅茶のおかわりはいかがですか?」 庭には大量のれいむとまりさがおかれそれをパラソルの下でお嬢様とパチュリー様が眺めておりそばには咲夜さんが控えている。 周りにはたくさんの妖精メイド。どうやら私の拳法お披露目は紅魔館一大イベントになったようだ。 「では!紅 美鈴いきます!」と宣言してゆっくり達の真ん中へ ゆっくりの位置を確認すると早速あぐらをかく。 周りのゆっくりは興味津々の様だ そして両手を横に構え気を発する「ゆっく~り~」「ゆ~ゆ~」どうやら気持ちいいようだ 。この技は相手に苦痛を感じさせずに葬る技なのだ。 そして全員に当たっているのを確認すると既に確認済みの秘孔をつく。 「せめて痛みを知らずに安らかに死んでね♪」 「「「ゆっくりしたよ~!」」」 全員笑顔のままぐちゃぐちゃになっていき、あたり一面餡子の海と化した。 「これは…凄いわね色々と」「あんまり気持ちのいいものではありませんね。」「百聞は一見にしかずね。いいものが見れたわ。」 どうやら好評だったようね。 「お嬢様どうですか?」 「う~ん1か月でちゃんと習得できると思わなかったわ。見くびってたわごめんね美鈴」 久々にほめてもらえた気がする。それだけで頑張ったかいがあったというものね。 「じゃ、さっそく新しい仕事よ。ここの餡子片づけてね」 やっぱり悪魔だった。 今日も紅魔館は平和である。 なんというか適当ですね。 もっといろいろ虐待は考えてあったんですが文章にして伝えることができずどうもうまくいかないので削ってしまいました。 もう最近はうまい職人さんが多すぎて、ほぼROM専です。アイデアは何個かあるので文章にすることができれば書きたいと思うのですが。 ああ、あとはじめにゆっくりがなかなか死ななかったのはそれが長すぎる3秒だからです。 ゆっくりハンターの人 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/586.html
「よし、無事完成。あとは野に放つだけだ!」 誇らしげな表情の俺の目の前にあるのは直径1.5mくらいの球体。中は空洞で、一応入ることが出来る造りだ。 こいつの名前はゆっくりボール チャリオットバージョン。 その巨躯は今までのゆっくりボールの中でも最高の強度を誇り、下級の妖怪にさえ破壊することは出来ない。 しかも、外側には無数の透明な刃(刃渡り5mm前後)が無数についていて、触れれたものを捕らえて離さない。 ゆっくりを保護するという一点においてこのボールほど強力なものはないだろう。 などとどこかの誰かさんに解説している間にも1匹の母まりさと3日分くらいの食料と水を中にいれて、村の入り口へと解き放った。 「さあ、まりさ。ゆっくり君の里に帰って良いよ」 「ゆ!かえっていいの?!」 このゆっくりまりさは野生種だが、それにしては珍しくかなりの規模の集落に所属しているらしい。 “らしい”というのは餌を取りに出かけていたこいつを保護し、まりさ自身からその話を聞かされただけに過ぎず、実物を見ていないからだ。 「それじゃおじさん、さようなら。ゆっくりしんでね!」 善意の保護を捕獲と勘違いして、俺に敵愾心を抱いているらしい。去り際に酷い捨て台詞を吐かれちゃったぜ! よし、決めた!追いかけていってあいつの仲間も全員保護しちゃうぞ~♪ 「ぎゃお~、たべちゃうど~♪」 というわけで、まりさinゆっくりチャリオットを追いかけること13分と28秒。 絶好のタイミングでゆっくりれみりゃが現れてくれた。しかも母1匹に子ども4匹というゴキゲンな組み合わせだ。 「ゆ・・・ゆぅぅぅぅぅうう・・・」 ゆっくりにはチャリオットの強さなんて簡単には理解できない。まりさは本来なら遭遇しないように立ち回るしかない脅威を前にただひたすら怯えるばかり。 そもそもこのボールシリーズ全部透明だから、馬鹿なゆっくりだと自分がそれに入れられていることさえ忘れるんだよな。 「ぎゃお~♪」 「「「「だべぢゃうど~♪」」」」 と、お約束の聖者は磔にされましたを彷彿とさせなくもないポーズで五方から迫るゆっくりゃ。 格下のゆっくりまりさ相手に5匹で包囲して退路をふさいでから襲い掛かるのか。ゆっくりゃにしては珍しく、なかなか統率の取れた集団のようだ。 「ゆ、ゆっくりあっちいってね!」 そんなまりさの叫びも虚しく、鋭利な爪の生えた腕を振りかざした母ゆっくりゃは獰猛な四足獣の如き勢いでまりさに飛び掛る・・・ッ! もはや命運尽きたといわんばかりの絶望的な表情で全身をこわばらせるまりさ。 「れみりゃがいちばんだくさんたべるど~」「いちばんはいちばんぷりぢーなれみりゃだど~」などなど、好き勝手にはしゃぐ子ゆっくりゃ。 哀れなゆっくりまりさの短い生涯はここで幕を閉じる! 「・・・あぎゃ!?」 と、本来ならなるはずなのだが、透明なチャリオットの存在に気付かなかった母ゆっくりゃは目測を誤り、小さな刃の並ぶチャリオットの壁に激突した。 小さな刃であったため中の具がはみ出ることはなかったが、チャリオットに抱きつくような格好で激突したため、上半身のいたるところに満遍なく刃による刺し傷が残っている。 「・・・う!?」 予想外の事態に困惑する子ゆっくりゃ。 「う゛あ゛ーーーーーー!!!いだい゛ーーーーーー!!!ざぐやーーーーーーーーー!!!!」 獲物に届かない理不尽と驚きと、そして何より痛みのせいで我を忘れ、両腕で自分を抱きかかえるような格好でひっくり返ってのたうち回る母ゆっくりゃ。 「ゆ?・・・ゆ!」 一瞬、状況が飲み込めずゆっくりゃ同様に困惑顔になるも、俺の家にいたときに何度かボールに入った経験のあるまりさはすぐに自分の身の安全を理解する。 「おが~じゃ~ん?」 「だいぢょーぶだどぅ~?」 「「いだいの、いだいのどんでげー、だどぅ~♪」」 そんなまりさにわき目も振らず、負傷した母ゆっくりゃのもとへ駆け寄る子どもたち。 う~ん、やっぱり統率取れてるなぁ~。あれか、これが噂のかりすまって奴なのか。 特に手当てをするわけでもないが、心配そうに親の様子を伺っている。 もちろん、格下で、自分達にとっては餌に過ぎないまりさに背を向けて。 「ゆっくりしね!!!」 瞬間、まりさがゆっくりらしからぬ速度でチャリオットを操り、母を気遣う子どもの一群に突撃した。 叫び声に反応して回避しようとするものもいたが、目に見えないチャリオットをかわしきれず、母同様に全身を小さな刃で傷つけられる。 「いぎゃーーーー!!!」 「いだいどぉ----!!!」 「ざぐやーーーー!!!!」 「だずげでーーー!!!」 ものの見事に一撃で4匹全員戦闘不能。汚らしい絶叫を撒き散らしながら地べたを跳ね回るゆっくりゃたちからは先ほどまでの余裕など微塵も感じられない。 理解不能な状況への困惑と全身の痛みで逃げることすらままならない5匹。 しかし現実は無慈悲にして残酷。これはチャンスとばかりにまりさは拙いなりにもチャリオット駆り、何度も何度も執拗にゆっくりゃたちに襲い掛かる。 二回目の攻撃で1匹の子ゆっくりゃは完全に頭部を粉砕され、中身を撒き散らし、そのまま微動だにしなくなった。 「あ゛ーーーーー!!れびりゃのあがぢゃんーーーー!!!」 運よく攻撃が当たらなかったものの、わが子を殺された母ゆっくりゃは大量のしわを作り、涙で顔をぐしょぐしょに濡らして元々見苦しい膨れっ面を更に気持ち悪いものへと変えてゆく。 「いだい゛!!いだいーーー!!」 「おてでが!!おでてがーーーっ!!!」 「うぅ~~~~☆ にぱぁ~~~~~~♪」 あるものは右腕をすりつぶされ、またあるものは左足をねじ切られ、またあるものは顔の1/3と精神を粉々に砕かれていた。 これが人間だったら目を背けたくなるような阿鼻叫喚の地獄絵図であっただろう。 そして少し間をおいての三回目の攻撃は親の両足を瞬く間にすりつぶした。 「ギャおおおオおぉおぉぉォオオおおお!!!!!!?」 上半身は刺し傷だらけ。下半身はもはやない。全身傷だらけで、具の半分近くを持っていかれた母ゆっくりゃは半ば虫の息だ。 立て続けの四回目の攻撃。幸運なのかそれとも不運なのか、母ゆっくりゃを粉砕しようとしたチャリオットは石に躓き宙を舞う。 結果、母ゆっくりゃは死を免れた。しかし、チャリオットは顔を1/3そぎ落とされた子ゆっくりゃへと落下し、その胴体を粉砕、大量の具を撒き散らした。 「うぎょあ!?!」 悲鳴とも呼べない奇声を発し、顔だけになってしまった子ゆっくりゃは・・・ 「れび☆ぢあ・・・う゛ー」 あまりにも場違いな言葉を口にすると同時に満面の笑みを浮かべた。その表情はゆっくりゃにあるまじき可愛らしさだ。 「ぷでぃ、ぷでぃん、ぷでぃ・・・」 しばらく痙攣しながらも笑顔で意味不明な言葉を発し続け、最期にはやはり笑顔のまま息絶えた。 もはや誰がこの場を掌握しているのかは明白。チャリオットの中のまりさは口の両端を吊り上げ陰惨とした笑みを浮かべている。 「ぅあう・・・」 痛がっている場合じゃない。母ゆっくりゃはまだ生きている子どもたちに目もくれず腕の力だけで這って逃げようとする。 「おが~ぢゃ~ん!?」 「うぎゃ!?れびりゃをだづけどぅーーー!!!」 見捨てられた子ゆっくりゃはこの世の終わりでも到来したかのような表情で母の背中を見つめる。 だが、全てをかなぐり捨てた必死の逃走には何の意味もなかった。 「ゆっくりさせないよ!」 もはやゆっくりとさえ呼べないような速さで這いずるしか出来ない母ゆっくりゃの正面を取ったまりさは潰さないように加減した突撃を当てる。 「うぎゃ・・・!?」 短い悲鳴とともに弾き飛ばされた母ゆっくりゃは新たな刺し傷と失った両足から餡子を垂れ流しながら子どもたちのすぐ傍へと弾き飛ばされた。 「いや゛ぁぁぁぁああああ!!!あ、あああ、あがぢゃん!?あああ、あう!?」 落下の際の衝撃で左腕も使い物にならなくなってしまったらしい。唯一自由に動かせる右腕で先ほど息絶えたの笑顔の子どもの生首を引っつかむとそれをまりさのほうに差し出す。 つまり、子どもはやるから見逃してくれということだろう。かりすまは何処へやら。全く酷い親だ。 「お゛がーぢゃーん!?」 「うあ゛ーーーー!!」 その行動は生き残っている2匹の子どもたちを更なる絶望のどん底へと叩き落した。 それを見た瞬間のまりさの笑顔のエグいことエグいこと。 「こゆっくりゃ!!」 エグい笑みを浮かべつつ、偉そうに子ゆっくりゃを呼びつける。 「は、はい゛ーーーーーー!!」 「あ゛ーーーーーー!!!」 痛みと恐怖と絶望からか、思った以上に従順な態度を示す子どもたち。 「そのゆっくりゃをゆっくりたべてね!」 あ~あ、こりゃ母ゆっくりゃ死んだな。自分が先に子どもを差し出そうとした以上、子どもも待ってはくれないぞ。 で、14分と23秒後。 そこには母ゆっくりゃのおべべだけが残っていた。 「「う゛ー!!ぜんぶだべだどぅーー!!」」 2匹の子ゆっくりゃは場違いなほど嬉しそうな笑みを浮かべながら、そのおべべを指差す。 「ぜんぶだべだから、ぷっでぃ~ん・・・ぷぎゃ!?」 何かを言い切る前にまりさのチャリオットアタックで右腕のもげた子ゆっくりゃが圧殺された。 正中線をなぞるように踏み潰されてぺちゃんこになっており、チャリオットの破壊力を100%受けきったらどうなるのかを見事に体現していた。 きっと「ぜんぶ食べたからプリン頂戴」と言おうとしたんだな。 こーまかんのおぜうさまにとって言うことを聞けば報酬があるのが当然なんだろう。だからあんなに嬉しそうだったのか。でも、こいつら野生種っぽいような? 「・・・う?」 唯一生き残った左足のない子ゆっくりゃもまた言うことを聞けばプリンを貰えるものだと思っていたので、何故か仲間が殺されたその状況と意味が理解できず呆然とする。 「ぷっでぃ~んは?」 と、小首をかしげているところに容赦なく、まりさが襲い掛かってきた。 「ギャおああああああああアああああああ!!!ブッでぃいいいいぃぃっぃgsねwgん、srgbんcぢkwsdcうぇr!!!」 その一撃で体の左半分を粉砕され、大量の具を撒き散らした子ゆっくりゃはもはや何を言っているのか全く聞き取れない絶叫を残して、動かなくなった。 「ゆっくりしていってね!」 まりさはもはや1匹たりとも動くもののいないゆっくりゃの群れに向かって今まで以上にえげつない笑みを浮かべたまま、お決まりの文句をはき捨てると、その場を後にした。 そんなこんなで18時間と26分19秒後。 あるときはゆっくりゃを上回る能力のゆフランをもたやすくなぶり殺した。 またあるときは発情したアリスの群れを全く寄せ付けることなく轢き潰した。 更にまたあるときは3頭の蛇をまるでそんなものいなかったかの如く蹂躙した。 挙句の果てには人間でさえも敵わない野犬12頭の群れをいとも容易く一蹴した。 そうして、ゆっくりまりさはようやくゆっくりできる自分の故郷へとたどり着いたのだ。 「あ、おかーしゃんだ!」 真っ先に母の存在に気付いたのは6匹いる子どもたちの末っ子のゆっくりれいむだった。 「おかーしゃ~ん!!」 「れいむーーー!!」 実に涙ぐましい感動の再開。でも、何か大事なことを忘れちゃいないか? と、俺が思案にふけっていたそのとき・・・。 「ゆぎゃ!?」 という悲鳴とともに幼いれいむが空中で何かに激突し、更にそのまま轢き潰され、中身の餡子を撒き散らした。 あ~、そうかそうかそうか。外敵だけじゃなくて、家族や仲間も粉砕してしまうのか。こりゃうっかりしていたぜ☆ などと、俺が一人納得していると村中のゆっくりがわらわらと集まってきた。 「まりさ・・・こどもをころすなんて・・・しばらくみないあいだにゆっくりできなくなったんだね」 そういってまりさを攻めるのはすでに母にはなっているであろう大きさのゆっくりれいむ。 「ゆ!?ちがうよ、したくてしたんじゃないよ!!」 「むきゅ・・・そんなの、かんけいない。おきてはおきて・・・」 まりさの反論をぼそぼそと却下するのはこれまた成人サイズのゆっくりぱちゅりー。 更にどんどん集まってくるゆっくりたち。最前列に大きなゆっくりが立ち並び、その後ろで子供や赤ちゃんが様子を伺っている。 「おかーしゃんはそんなことしないよ!」 そんなゆっくりの群衆の中をかき分けて飛び出してきたのは5匹の子ゆっくり。2匹がれいむ種で3匹がっまりさ種だった。 まりさの感涙に咽ぶ表情から察するにあのまりさの子供だろう。小さい鳴りに必死で母を守ろうとしている。 「み゛、みんな゛ぁぁぁぁあああああ!!」 あくまで自分を信じようとしてくれる子供たちに頬ずりしようとするまりさ。 あ、そんな事したら・・・ みちっ、ぶちゃ、むりゅ、ぐじょ・・・めりめりめりめり・・・! あ~あ、やっぱり。またやっちゃったよ。散々そのボールに頼ってここまで帰ってきたくせにどうして肝心なときにそれの存在を忘れるかね? 叫ぶ暇すら与えられずに押しつぶされた子どもたち。あたり一面に飛び散る餡子。呆然とする母まりさ。そして・・・ 「ゆっくりできないまりさはゆっくりしね!」 誰かの合図をきっかけに子殺しの罪ゆっくりに制裁を加えるべく飛び掛るゆっくりたち。 もちろん、ボールなんて見えていないし、何故触れてもいないのに子どもたちが潰れたのかなんて考えようともしない。 「やめでええええええええええええ!!!」 しかし、誰も罪ゆっくりの言葉など聞くはずもない。飛び掛ったものはことごとく刃によって傷つけられた。 誰も傷つけまいと必死で逃げるまりさ。だが不運にも逃げている最中にアリス種の赤ちゃんゆっくり3匹を踏み潰してしまった。 「ああ゛ああ゛あああ゛あ゛!!アリズのあがぢゃんがあああああああああああ!!!」 「まりさをころせえええええええええええええええええ!!!」 「ゆっくりしね!!」 「だべええええええええええ!!来たらさざっぢゃうううううう!!!!」 怒声とともに飛び掛るゆっくりたち。しかし、チャリオット相手に敵うはずがない。 「おがーーーーーざあああん!!!いだいよおお!!!!」 ある子どもは親にほめられたいがためにまりさに突撃して、またある子どもは逃げるまりさに轢かれて、またある子どもは大人たちに下敷きにされて潰れる。 「あのれいむも子どもをころしたよ!!!」 とめどなくあふれる罵詈雑言。子を、親を呼ぶ悲鳴。怒りが引き起こす数々の惨劇。 繰り返される惨劇の連鎖はとどまることを知らない。 「ばじゅりぃぃぃいいいいいい!!!しんじゃだべえええええええ!!!」 「ゆ、ゆっゆっゆっゆっゆ・・・・ゆぅ?うっめ!めっちゃうめぇ!!」 その子どもは気が触れてしまったらしい。純真無垢な笑顔で母親の死肉を食い漁っていた。 「ゆゆ!!このこ、ははおやをたべてるよ!!ゆっくりおしおきしなぎゅおああああああああああああああああああああ!!!」 「みんなが!!みんながぁ!!わるいんだぜ・・・!!ゆっくりしてればいいのに!!ゆっくりできないならまりさがゆっくりさせてあげるよ!!」 そして狂気がゆっくりの里を飲み込んでいった・・・。 そんな地獄絵図を背に、俺は人里へと引き返した。 この悲劇はゆっくりだからこそ起きた間抜けな喜劇などではない。 これは教訓なのだ。寓話なのだ。 身を守るための道具であっても使い方を誤れば、その恐ろしさを失念すれば自らを傷つけることになる。 そして時には自分の大事な人々を傷つけることになる。 胸に手を当てて考えてみてほしい。人間だって似たような悲劇を何度も経験しているだろう? などと、一人格好良くナレーションをしながらゆっくり歩を進める俺だったが、ある重要な事実を思い出して駆け足になる。 「そういえば・・・紅魔館から依頼されたゆっくりボール・エレガント・ウォーカー~これで君も社交界の鼻~の納品日って明々後日だったな」 さて、ゆっくり急いで仕上げるか!! -----あとがき?----- 書き込めるってシアワセ・・・。 気がつけばゆっくりボールも4作目。 いつも突貫で仕上げるので誤字脱字が酷いぜ。 珍しく虐待分多め?でも、終盤のゆっくりは最早ゆっくりじゃねえ。 ゆっくりボール1号 理想 押さえつけることで成長抑制。しかもボールの中は安全だよ 現実 安全云々以前にボールの中で終わらない苦痛を味わい続ける ゆっくりボール2号 理想 これでゆっくりも人間と一緒にスポーツが楽しめるよ 現実 ボール代わりにされた挙句、発情してもイけない地獄 ゆっくりボール3号 理想 押さえつけることで子どもがあまり成長させずに小さいサイズで産ませる 現実 押さえつけられた影響で母が多大なストレスを受け、奇形の未熟児になる ゆっくりボール4号 理想 絶対防御。これならどんな外敵も安心だ 現実 無差別虐殺装置。しかも食料も取れない これらを製造しているゆっくり愛好家は間違いなくゆっくり脳。 彼は本当にゆっくり好きなんですが、ゆっくり脳なので作るものが全て裏目に出ているだけ。 しかも、ゆっくり脳で自分の都合の良いように解釈するので全く自重しない。 byゆっくりボールマン このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau9/pages/1786.html
実りの秋も終わり、寒く長い冬が近付いて来ているある日の事、ある飼いゆっくりれいむはのんびりと散歩をしていた。 飼い主に買ってもらった『スィー』という乗り物で、もうじき寒くて出歩けなくなる外を見て回っていたのだ。 しかしその帰り道、ちょっと余所見をしていた間に道を歩いていた人間に追突してしまった。 「おいこらぁ! 降りろ! お前免許持ってんのか!?」 いきなり追突されそれなりに痛い思いをさせられた男は、ぶつかった衝撃で混乱しているれいむを怒鳴りつけた。 「ゆ、ゆゆ!? どうなってるの!? ゆっくりせつめいしてね!!」 「おいこら免許見せろ! 早くしろよ!!」 そう、ゆっくりがスィーに乗るには免許が必要なのである。 無免許でスィーを乗っているゆっくりは、それが飼いゆっくりならば飼い主が安くない罰金を支払う事になり、 野良ゆっくりならば殺処分される事になっている。 このれいむは飼いゆっくりなので、当然免許も持っている。 「め、めんきょだね!! ちゃんともってるよ!! だからころさないでね!!」 常々飼い主に言われていた通り、持っていた免許証を掲示する。 それなりに躾は行き届いているようだ。 男はれいむの口から免許証をひったくりじろじろと確認する。 そして何を思ったのか、 「おうお前俺に着いて来い!」 と言い、早足で何処かへ歩いて行き、れいむは慌ててその後をスィーで追いかけて行く。 男は彼の仕事場らしき建物に入り、椅子にどっかりと座った。 必死で着いてきたれいむは、スィーに乗ったまま脅えた表情で男を見上げる。 男はじっと黙り込んでいる。沈黙に耐えられなくなったのか、れいむは震える声で頼んだ。 「め、めんきょをかえしてね!」 「やだよ」 一瞬で断られた。だが諦めずに食い下がるれいむ。 「おねがいしますぅ!!」 男はれいむをジロリと睨み付けると、 「……お前それでも謝ってんのかよコノヤロウ」 「おねがいします! めんきょしょう……」 「やだっつってんだろ。とりあえず土下座しろよコノヤロウ」 「ゆ、ゆうぅ……」 「早くしろよ」 ゆっくりにも土下座は存在する。 地面に額を擦り付けた状態というのはゆっくりにとって最も無防備な状態であり、それ故最大限の服従の表現となるのだ。 れいむは飼い主に買って貰ったスィーをずっと乗り続ける為、その要求にも従った。 地面を舐めるように土下座するれいむに、男は言う。 「お前誰にぶつかったと思ってんだよンノヤロウ」 「ごめんなさい!」 「どう落とし前付けんだよ」 落とし前、等と言われてもゆっくりに過ぎないれいむにそんな事が出きる訳も無い。 「……ごめんなさい! すみませんでした!!」 ただ必死で謝る事しかできない。 「コレ返して欲しいのかよ?」 「はい!」 「じゃあお前とりあえずなぁ、豚の真似しろよ」 「ゆ!?」 「豚だよ。ゆっくりれみりゃになるんだよコノヤロウ。早くしろよおぅ返さねえぞ!」 「やればかえしてくれるんですか!?」 「おぅ考えてやるよ。早くしろよ」 「ゆ、ゆぅ……」 豚―――ゆっくりれみりゃの真似をするという事は、ゆっくりにとって最もゆっくり出来ない相手になりきるという事だ。 人間に飼われていて躾の行き届いたれみりゃも居ない訳ではないが、豚などと呼ばれるのは普通は野良のれみりゃ、 つまり鼻が詰まったような声で、通常のゆっくりにすら劣る知性を持ち傲慢に振舞うあのれみりゃの事を指す。 それはちゃんと躾けられているれいむにとっては土下座以上の屈辱と言ってもよかった。 だがこの場合れいむが全面的に悪く、男はあくまで被害者であるとれいむは認識していたので、 その要求にも黙って従う事にした。 とりあえず通常のゆっくり以上に間が抜けた笑顔を浮かべ、れみりゃの真似をしようとしたが、 「おぅお前何豚のクセにバッジ付けてんだコノヤロウ」 「ゆ、ゆゆ!?」 「お前それ取れよ」 「は、はい!」 れいむは器用に髪飾りに付けられているバッジを外し、床に置いた。 そして今度こそれみりゃの真似をしようとして、 「飾りも取るんだよ。早くしろよ。馬鹿じゃねえの?」 髪飾りも外し、今度という今度こそれみりゃの顔を真似た。 あまりにも間抜けな顔を見て男はニヤニヤ笑いながら、 「おい『だとぉ~』とか鳴いてみろよコノヤロウ」 「れ、れみりゃはごうまがんのおぜうざまだどぉ~♪」 意外と似ている物真似に男はゲラゲラと笑い、れいむは屈辱と羞恥で顔を真っ赤に染めている。 「おぅ次はダンスだよダンス、おら踊るんだよ。早くしろよ返さねえぞ」 「れみ、りゃ、う~♪にっぱ~♪」 生首タイプの通常種でありながら、中々上手くれみりゃのダンスを再現するれいむ。 もたもたとした愚鈍さまでも忠実に再現している。 男は面白そうに、 「もう一回鳴いてみろよ」 「えれがんとなおぜうざまにぷっでぃ~んもってくるんだどぉ~♪」 「よぉし」 やっと免許証を返して貰えるか、とれいむは安堵した。だが男は、 「なんか豚っぽくねぇなあ? なぁ、何か足んねぇよなぁ?」 まだ続けるつもりらしい。れいむは涙が出るのを必死でこらえて男の命令を待つ。 「お前ババ帽子被ってもらおうか。おぅお前これ被れよ。頭出せコノヤロウ。早くしろよ」 男は机の引き出しかられみりゃの帽子を取り出すと、れいむの頭に被せた。 そして再びれみりゃの物真似をさせようとした時、部屋の扉が開いた。 「おぅお前何やってんだゴルルァ!!」 「おにいさん!!」 部屋に入ってきたのは頬に傷のある、何処からどう見ても頭にヤの付く自由業をやっている人間だった。 先程までれいむを苛めていた男は、顔を青くして立ち上がり壁際まで後すさった。 「おぅお前何人のゆっくりいたぶってんだよゴルルァ」 「え、と、その……」 「まあいいや。とりあえずお前免許出せよ」 れいむの飼い主は男から免許証をひったくって確認すると、れいむを抱き上げて男を部屋の外に引っ張り出し、 「おぅお前クルルァに着いて来い!!」 男を建物の外に停めてあった自動車の中に押し込み、発車した。 この後男は他人の飼いゆっくりを虐待した事を攻め立てられ、 肉体・精神・経済全ての面において少なくない賠償を支払う事になるのであったアッー! 作者名当てシリーズだよ!ゆっくりあてていってね!! このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/858.html
※虐待されないゆっくりが居ます ※虐待と言うよりは虐殺かもしれません ※俺設定入ってます ※東方キャラがほんのちょっとだけ出てます <<ふつうとちょっとだけちがうゆっくりさくやのおはなし>> ゆっくりさくやというゆっくりがいる。 銀髪にまるでメイドのようなカチューシャの形をした飾りを持つゆっくりだ。 数はあまり多くないらしく中々見かける機会は少なかったのだが、とある事情により我が家で飼うことができるようになった。 これは、普通とほんの少しだけ違うゆっくりさくやと俺のある日の出来事である。 「だんなさま、あさですわ! ゆっくりおきてください!」 ある日の朝。いつものようにさくやに起こされた。さくやはいつも俺より先に起きる。一度さくやが寝るまで待ってみようとした事もあったが、 さくやも寝ずに根競べになって三日三晩寝ずにすごしてダブルノックダウンとなってからは諦めた。 このさくやは元々湖の向こうにある紅魔館という所で飼われていたゆっくりで、里に行商に行った際に会ったそこに住む赤い髪の悪魔さんから譲り受けた。 なんでも屋敷にいたほかのゆっくりと問題を起こして屋敷に置けなくなったが、捨てるには忍びないので誰かに譲りたかったらしい。 何で縁もゆかりもない俺かと疑問に思ったものだが、間違っても屋敷に来ないような人なら誰でも良かったらしい。 まあ、信用してもらえたのなら有難い事だ。出来るならば俺の露店の商品を買ったり胸触らせてくれたりしたらもっと良かったが。 しかしまあ、そこでの教育の成果なのだろう、このさくやは、人間の俺から見ても非常に優秀でそつがない。 こいつ本当にゆっくりなのか? そう思わせるほどに見知ったゆっくりの印象と違う。 まず控えめであり、人間(俺)を立て、ぎゃあぎゃあと騒ぐ事もない。家に侵入したゆっくりを仕留めておやつに出してくれるくらいだ。 逆にちゃんと戸締りをしてくれと注意もされた。それなら何故追い出されたのだろう、と思うが、妖怪の考えることは分からん。 恐らくこの性格からお嬢さまの機嫌でも損ねたのだろう。 「あいよ。しかしお前ほんとゆっくりしてないよなぁ」 「だいのゆっくりをえるためにはしょうのゆっくりはすてるのがしんのゆっくりですわ!」 ……さいですか。本当はゆっくりに姿を変えた向こうのメイドさんじゃねえのかお前。 寝床からのそのそと這い出て居間へと向かう。まずは飯を食わねば仕事も出来ない。 「さて、作業に入るか。さくや、外で遊んできていいぞ?」 俺は木を使った細工物を作る職人だ。作ったものを露店で売ったりもするが、オーダーメイド物のほうが売り上げはいい。 家庭でゆっくりを飼う事が多くなってからは。ゆっくり用のおもちゃやゆっくりが好む棲家用の家具も作っている。 そういった物を扱う店からの注文が一番多いが、まあ蛇足だろう。 さくやに手伝える事はあまりないのでそう言うと、さくやはこっちに向かって跳ねてきた。 そういえば、コイツに頼まれて作ったものがあったな…… 「だんなさま! おねがいしていたものはできました?」 「おう。出来てるけど他の家のゆっくりに向けて使うんじゃないぞ? 危ないからな」 そう言って出したのは木でできた小さなナイフ。ゆっくりが口に咥えて丁度いい、と言うくらいの大きさで、先端に重りが仕込んである。 ゆっくり種は大抵幻想郷の英雄や妖怪に似た顔を持ち、オリジナル(実際は違うらしいが便宜上そう呼ぶ)が持つ物を持ちたがる傾向にある。 例えばみょん種なら木の枝(刀のように使うらしい。飼いゆっくりでは木刀や小刀を持ちたがるとか。)、 ぱちゅりー種なら本(文字を書いた紙切れなら何でもいいらしい)等。 コイツの場合、オリジナルのメイドさんのように投げナイフを欲しがった。流石に刃物は危ないのでこうして木を削ったものを与えているが。 実際腕はたいしたもので、飛んでいる胴なしのきめぇ丸を仕留めた事もある。 「そんなばかなまねはしませんわ! ぷんぷん!」 心外だ、とばかりに膨れるさくや。こういうときばかりはこいつもゆっくりらしいなぁ、と思うので、ついついからかってしまうのだ。 「はは、悪い悪い。ほらよ」 与えてやると喜んで髪の下にしまい込む。前に見せてもらったが、まりさ種のように帽子がないためずり落ちないように工夫している。 その時はよく考えたものだなぁ、と感心したものだ。 「それではだんなさま、おひるにはもどりますわ! きょうのおやつはなにがいいですか?」 「あー、そうだな。ここ暫く餡子だったしそれ以外が食いたいな。まりさとれいむ以外だったら何でも良いや。 でもゆかりんだけは勘弁な」 「かしこまりましたわ!」 開けっ放しの戸から出て行くさくや。近所で飼っているゆっくり達と遊んだ帰りに野良を狩って来てその日のおやつにする、 というコースがいつもの流れで、多いときは4・5匹狩ってくることもある。その際にナイフを使うので、それなりに消耗が激しい。 まあ端切れの木材で作れるし甘味は得られるしで収支としては大いにプラスだ。 さくやも俺が喜んでくれるのが嬉しいらしく、嬉々として狩っている。楽しそうで何よりだが、 たまに怪我をして帰ってくるのであまり熱を上げすぎないようにとは言ってある。 狩って来たゆっくりは適度に恐怖を与えてある為美味いが、さくやが死んでは元も子もないのだ。 そして正午。ゆっくりが跳ねる音がするのでさくやが帰ってきたと思ったが、縁側に上がってきたのは違うゆっくりだった。 狐のような耳と9本の尻尾が生えたゆっくりと、猫のような耳と2本の尻尾が生えたゆっくり。 ゆっくりらんとゆっくりちぇんだ。何やら追われているようで、しきりに後ろを向いて酷く怯えた様子で震えている。 「どうしたんだお前ら。ここは俺の家だぞ?」 「わ、わかるよー! でもおわれてるんだよー! わかってねー!」 「何に追われてるんだ?」 と聞くと今度はらんが、 「と、とってもゆっくりできてないゆっくりだよ! ゆっくりたすけてね!」 「まー、良いけど。取り合えず中に入っておけ。そこだと見つかるんじゃないのか?」 手招きすると凄い勢いで跳ねてきて膝に乗った。まだ恐いのかガタガタと歯を鳴らしながら震えている。 そうしていると、少ししてまたゆっくりが跳ねてくる音がした。目を向けると、そこにはうちのさくやがいた。 らんたちの震えが一層酷くなる。なるほど、そういうことか。 「おい、あのさくやがお前達を追いかけてたゆっくりか?」 「そ、そうだよー! あのさくやがいきなりおいかけてきたんだよー! わかってねー!」 「にんげんさん、はやくあいつをやっつけてね! やっつけてくれたらおとなしくでていくよ!」 どうやら俺とさくやの関係は知らないらしい。俺はそんな2匹の頭を掴み、軽く持ち上げながらさくやに聞く。 「こいつらが今日のか?」 びくりと手の中の2匹が硬直する。どうやら俺とさくやの関係を理解したらしい。 「はい、だんなさま。たまにはいきのいいゆっくりでもとおもいまして」 2匹が激しく震えだす。俺は手をさくやの方に向ける。丁度、2匹の底面がさくやに向けられる形になる。 たまにはおやつの前にちょっとしたショーでも見ることにしよう。 「さくや、真ん中に当てろ」 「かしこまりましたわ!」 言うが早いか、さくやの姿が軽くぶれる。直後、2匹が「ゆぎぎっ!?」と悲鳴を上げる。 2匹の底面には俺がさっき渡してやったナイフが刺さっていた。丁度底面の中央、相変わらずいい腕をしている。 「よし、よくできた。後でごほうびをやろう」 さくやに笑いかけて、ナイフが刺さったままの2匹を天地逆にして床に置く。 ゆっくりは底面を動かして跳ねたり這ったりするため、底が損傷したり逆さにされると動けなくなる。 ナイフは刺さったままの為、迂闊にひっくり返ろうものなら深く刺さって悪ければ即死だろう。 俺は動けないようにした後囲炉裏に薪を放り込んで火をつけた。どちらかといえば、俺は焼き饅頭の方が好きなのだ。 それに底と口を焼いておけば、ナイフを抜いた後でも動けないし、食べる時に叫ばれなくて済む。 火を熾していると、背後でまた悲鳴が上がった。振り返ると、さくやが2匹の顎からナイフを貫通させて口を縫いとめていた。 そこまでしなくても良いのになぁ、と苦笑する俺の前で、薪がぱちぱちと燃え始めていた。 「さて、さくや。今日はご苦労さん。昼に言ってたごほうびだぞ」 夜。良い月がでているので、月見酒としゃれ込もうと縁側に出ていた。 俺とさくやの間にはさらに盛られた、いかにも美味そうな饅頭。この間寺子屋に顔を出した時にガキの時分世話になった慧音先生に会ったので、 髪飾りを差し上げたらお礼にと貰ったのだ。先生、できれば今度その胸にある2つの饅頭を揉ませてください。 ちなみにいうと、ゆっくりではない。ちゃんと材料の段階から吟味して丹精こめて作られた高級品だそうだ。 「おいしそうですわ!」 眼に見えて喜ぶさくや。やはりゆっくりなのか、甘いものには目がないようだ。 俺が饅頭を手に取ると、口をつけるのを確認してから時分も取って食べ始める。 本当、できたゆっくりだよお前は。 「むーしゃ、むーしゃ、しあわせ……!」 目尻に涙を浮かべながら心底幸せそうな顔をする。いわゆる「へぶんじょうたい!」と言う奴だろうか。 そのいつもは見せない愛らしさに俺自身も「へぶんじょうたい!」となっていた所に水を差すかのように、 ぱたぱたと言う羽音が聞こえてきた。 「うー! うー! なんかいいにおいがするどぉ~?」 庭に下りてきたのはゆっくりれみりゃ。しかも胴付きだ。 捕食種として有名で、狩人の家では飼われることも多いれみりゃだが、胴付きはあまり好かれる事はない。 赤ん坊の頃からしっかりと教育された物ならともかく、野良の胴付きは図々しい個体が多いのだ。 胴なしは飛び回りこそすれ、多少我侭だが飼う際は他のゆっくりと余り大差はない。 だが、胴付きの固体は手足があり戦闘力が(ゆっくりにしては)非常に上がる反面、 慢心する事が多く常の生意気なゆっくり以上に自分を過信しすぎる。つまり非常に身の程知らずなのだ。 暫く辺りを見回していたれみりゃだが、どうやら俺や饅頭に気付いたようだ。 あのゆっくり独特のふてぶてしい笑みを浮かべ、こちらに向かって歩いてくる。 「おいしそうなあまあまがあるんだどぅ~。こーまかんのえれがんとなおぜうさまがたべてあげるからそれをよこすんだどぉ~?」 「だが断る」 そういってさっと家の中に皿を滑らせる。そして面食らったようなれみりゃに、畳み掛けるようにまくし立てた。 「俺の趣味は木で細工物を作る事ともうひとつ、自信満々に要求してくるゆっくりの要求を却下する事だ。 というか人の物が欲しいなら『寄越せ』はないだろ。『ください』だろ普通。まあくださいといってもやるつもりはないが」 言い放ってやると、れみりゃはぽかんとした後遅れて顔を真っ赤に染めて地団太を踏んだ。 そしてさくやがいるのに気付くと、俺を指差して大声で怒鳴り散らした。 「さくやー! そのあまあまをもってきてれみりゃによこすんだどぉー! そしてそいつをしょけいするんだどぉー! おぜうさまのめいれいだどぉー!」 れみりゃ種とさくや種の間には、オリジナルの様にさくやがれみりゃに奉仕するという奇妙な共生関係を築く場合がある。 初対面同士であってもそうらしいが、本能にそういうものだと刻まれているのだろうか。 しかしさくやは返事をしない。正直、素直に言う事を聞いてしまうのではないかと危惧したが、流石は元紅魔館のゆっくり。 その辺りの教育もしっかりしているようだ。 「…………」 さくやの顔は俯いていて良く見えない。心なしか震えているように見える。 本能が「れみりゃに奉仕せよ」と言っているのに抵抗しているのだろうか? だが、それは、間違いだと俺は気付かされた。さくやがなぜ紅魔館から追い出されたのかと言う理由を知ると共に。 「ざくやぁー! なぁにをじでるんだどぉ! ざっざとあまあまをもっでぐるんだどぉ!」 ゆでだこの様に真っ赤になって怒鳴り散らすれみりゃ。しかしさくやは動かない。 そして震えは良く見ずとも確認できる程に大きくなっていき、それが頂点に達した時、 まるで今日の昼と同じように、さくやの姿がぶれた。 「いぎゃぁぁぁぁぁっ!? でびりゃのぶりぢーなおべべがいだいんだどぉー!?」 れみりゃの悲鳴にそちらを向くと、れみりゃの両目にナイフが突き刺さっていた。そう、俺がさくやに作ってやったあのナイフだ。 れみりゃはそれを抜こうとするが、目測を誤りさらにナイフを押し込んでしまう。たまらず転倒し悶えるが、 さくやの動きがれみりゃが地面に倒れるよりも早かった。目にも留まらぬ速さでれみりゃに体当たりをすると、 胴体にストンピングをかました後、新しく取り出したナイフで四肢を縫いとめたのだ。 そして再度ナイフを取り出すと、今度は胴体に向けそれを突き刺し、引き抜き、それを何度も繰り返す。 「ふざっ! けるなっ! おまえのようなっ! くそまんじゅうがっ! おぜうさまでっ! あるものかっ! わたしのっ! おぜうさまは! れみりあさまっ! ただひとりっ! おまえのようなっ! できそこないがっ! かるがるしくっ! そのなまえをっ! かたるなぁっ! しねっ! しんでしまえっ! おまえのようなっ! ごみくずはっ! ゆっくりっ! しないでっ! さっさとっ! しねぇぇぇっ!」 突き刺し、抜き、また別の場所に突き刺し、抜く。 胴体に突き刺す場所がなくなれば今度は四肢、四肢に刺す場所がなくなれば今度は頭。 れみりゃ種は高い再生力を持つが、今回はそれが裏目に出た。他の場所を刺す間にその傷が治れば、 今度は治った場所から順に刺されていく。さくやの突然の狂乱は、それから暫くして れみりゃがゆっくりともいえないようなミンチに成り果てて動かなくなってから、ようやく終わった。 「はぁっ、はぁっ、おもい、しったか、くそ、まんじゅうめ……!」 「落ち着け、さくや。もう死んでる」 息を荒げ、なおもれみりゃに突き刺そうとするさくやを抱え上げ、抱きしめる。 抱き上げられる事で我に返ったのか、さくやはふるふると震えだした。袖が暖かい液体で濡れる感覚は、さくやが泣いているからだろうか。 「どうしたんだよいきなり。お前らしくもない」 「だ、だんな、さま……」 「取り合えず、洗ってやるよ。話はその後だ。今のお前、肉汁で凄いことなってるぞ?」 さくやの身体は、れみりゃの肉汁でぎとぎとになっていた。人間でいうなら、返り血で真っ赤に染まっているというところだろうか。 震えながらぽろぽろと泣くさくやを抱えながら、俺は風呂場へと向かった。 それから、暫く後。俺は居間でさくやの身の上話を聞いていた。 自分は生まれも育ちも紅魔館であること。自分は紅魔館の主、レミリア=スカーレットが戯れに手ずから育てたゆっくりであること。 主の事が大好きで、紅魔館を追い出された事も恨んではいないこと。そして、自分が紅魔館を追い出される事になった原因を。 「わたしは、おぜうさまがだいすきでした……こんなあるじにそだてられて、わたしはげんそうきょういちのしあわせものだともおもいました。 だから、ゆるせなかったんです、れみりゃが。あんな、おぜうさまをぶじょくするようなそんざいが……」 ゆっくりの多くは生意気で身の程を知らず、オリジナルにすら歯向かって殺される事もあるという。 ゆっくりアリスのレイパー種など、オリジナルからすれば皆殺しにしたくなるであろうものもいる。 さくやは、主の事を本当に慕っていた。忠義に篤い、ゆっくりらしからぬゆっくりなのだろう。 だから、れみりゃが許せなかった。オリジナルが飼っているれみりゃにすら牙を剥いて、殺してしまった。 それでやむなく紅魔館から出される事になったのだと言う。殺されなかったのは、せめてもの温情だったのだろう。 「そうか……まあ、気持ちは分かるよ。俺も生意気なゆっくりは腹立つし。 でもまあ、何事も程々が肝心だ。抑えるところを抑えるのも、瀟洒なメイドって奴だと思うぞ」 「はい……」 「俺は別にさ、それを知ったからってお前を追い出そうとかそういうのはないんだよ。 むしろ、嬉しいくらいだ。お前が腹の底までさらけ出してくれてさ。 だからさ……もっと抑えるところは抑えて、立派なメイドになれよ。 オリジナルが嫉妬するくらいに凄いメイドにさ」 「だんなさまぁ……っ!」 さくやが胸に飛び込んでくる。そういえば、こいつが自分からこうしてくるのは初めてだな…… 俺はそんな事を思いながら、声を上げて泣くさくやを抱きしめていた。 ―――――――――――――――――――――――― あとがき どうも、初めまして。95スレ 754です。 前々から書いてみようか、とは考えてたんですが、いまいちネタが浮かばずに居たところに 95スレ 750の人の一言にインスピレーションを得て書いてみました。 れみりゃ虐待SSというよりは、さくやメインのSSになってしまった感がありますが。 れみりゃを溺愛する咲夜さんというのが先達の方々のSSでよく見かけたので、 逆にさくやを育てるレミリア様がいてもいいのではないかと思いまして。 そして、そんな主に育てられたさくやは果たしてれみりゃを「おぜうさま」として認識できるのか?とも。 自分は「オリジナルをに愛されて育った後にゆっくりを見ても、主のまがい物にしか見えないのでは」という見解に至りました。 オリジナルに会った事がないさくやなら別なんでしょうけれど。 今回出てきたさくやは主に対する忠誠心が高すぎたさくや、と言う感じです。もはや狂信の域に達してるなぁこれ。 しかし、まだまだ虐待の仕方が甘いですね。虐待というより虐殺ですし。精進せねば。 今度はタカアキさんのやつのような、道具というか機械や虐待する為のものにゆっくりを放り込んで~みたいな物も書いてみたいです。 あと、一言だけ。今回はれみりゃを虐待しよう! ということでこういう感じになりましたが、 別にれみりゃが嫌いじゃないんです、俺。それだけですが。 最後に予想されるであろう質問に対するQ&A。 Q・なんで木工細工の職人なん? A・ナイフを作って与える都合上。深い意味は無いです。 Q・さくや速過ぎ。 A・紅魔館の英才教育マジパネエ。 Q・おっぱい揉みたがるなんて変態じゃねえか。 A・多感な時期に目の前にあんなものぶら下げられたらそりゃおっぱい星人に育とうというものです。 以上。 書いたもの ふつうとちょっとだけちがうゆっくりさくやのおはなし