約 632,050 件
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/1192.html
1.ゆっくりれみりゃ(体あり)をつれてきます。 2.体を固定させて手は地面と水平になるようにします。 3.手を切り落とします。 4.う"う"ーとうなりますが放置しておきましょう。 5.ものの10数分で手が生えます。3に戻る れみりゃの手大量ゲット! なんか豚足みたいな感じなのかな・・・
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/968.html
※れみりゃはれみりゃでも体無しのれみりゃです。 『野生のれみりゃ家族』 とうに日も暮れて真っ暗な森の中、子れいむと子まりさが身を寄せ合いながら進んでいた。 夜目が利かない二匹には何も見えていない。 勘を頼りに家族のおうちへと向かおうとしていた。 しかしそんな二匹を見つめる影が一つ。 「うー!」 れみりゃである。 れみりゃと言ってもで体の無いれみりゃで、人間で言う耳の辺りから生えている羽で空を飛んでいる。 夜行性で夕方に目を覚まし、日が昇る前に眠りにつく。 主食はれいむ種とまりさ種、まさにれみりゃの目の前をウロウロしているアレだ。 「うー、たーべちゃうぞー!」 「ゅっ!? れ、れみりゃ!?」 「こ、こないでね! こっちにはいないからこないでね!! れみりゃの声に自分が狙われていることに気づいた二匹は逃げも隠れもせず、立ち止まってキョロキョロと辺りを見回す。 だが何も見えない。見えると言ったらすぐ隣にいる親友ぐらいのものだ。 だから気が付かなかった。 れみりゃはもうすぐそばまで飛んできていたことに。 「ゆ"ぅぅぅぅ!! ずわないでぇぇぇ!!」 「ま、まりさ!?」 れみりゃが狙ったのはまず子まりさだった。 頬に噛みついてそこから餡子を吸い上げていく。 「あ"あ"あ"あ"ぁ"ぁ"ぁ"……」 れみりゃは成体、まりさは子供。 食欲旺盛なれみりゃはあっという間に子まりさの中身を吸い尽くしてしまった。 子まりさの体は中身を吸われてペラペラの皮。形を遺しているといるとすれば目玉と髪、あとは帽子ぐらいか。 「まりさっ! まりざあぁぁぁぁ!!!」 もう喋らないまりさの帽子にれいむは縋りついて泣きわめく。 しかし亡き親友を想って泣くような時間などれいむには元々なかった。 「うー!」 「ゅ"ぁ"っ!?」 次の瞬間れいむは宙に浮いた。 れみりゃがれいむの体に噛みついて飛び立ったのだ。 通常ならおそらをとんでるみたいなどと呑気なことを言っていたかも知れないが、今はそんな余裕など無かった。 それよりもずっと強い刺激が与えられたから。 「ずわないでぇぇぇぇぇ!! れいむばおいじぐないよぉぉぉ!!!」 れみりゃはれいむの中身を吸いながら飛んでいた。 普通に考えてわざわざ飛びながら食事する必要は無いのだが、このれみりゃにはそれなりの理由があった。 れみりゃの飛んでいく先にその理由がいる。 元はゆっくりの家族が住んでいた洞穴がれみりゃの巣だ。 「ゆ"っ、ゆ"っ…」 中身の餡子を半分近く吸われて痙攣しているがれいむは生きていた。 れみりゃはそれ以上餡子を吸わずに巣へと持ち帰る。 「ぅー! ままおかえりー!」 「うーうー!」 「まーま! まんま! ぅー!」 巣の中には小さなれみりゃが数匹いて、れみりゃを笑顔で出迎えた。 れみりゃの赤ちゃんだ。 小さな羽をパタパタと忙しく動かして母れみりゃの周りを飛び回る。 「うー! ごはんだよ!」 母れみりゃはれいむを床に落とす。 れいむは「ゅ"」とだけくぐもった声を出して床にへたり込んだ。 赤ちゃんれみりゃは一斉に衰弱しきったれいむへと飛び付き噛みついた。 そしてちぅちぅと中身を吸っていく。 母れみりゃがわざわざれいむを殺さずに持ち帰ったのは赤ちゃんのため。 餡子を半分だけ吸っておいたのも食べ物であるれいむが暴れて赤ちゃんに危害を与えないようにするためだった。 「ぅぁぅぁ、ちあわしぇー!」 「ぅー、ぅー、あまあま!」 「あまくておいちい! ぅぅぁー♪」 美味しそうに食事する赤ちゃんを見て、母れみりゃは満面の笑みを浮かべた。 この赤ちゃん達を産んだ時に最愛のパートナーは死んでしまったので苦労も多い。 だが赤ちゃん達が幸せそうにしているのを見れればどんな苦労も報われ、疲れなんて吹き飛ぶというものだ。 食事が終わると赤ちゃんれみりゃの口の周りに付いた餡子を舐めとってあげる。 その後はおうちの中でパタパタと家族全員で飛び回るのだ。 このれみりゃ家族の巣は元々ゆっくりの大家族が住んでいただけあってとても広い。 なので小さな赤ちゃんれみりゃにとっては外に出なくとも十分運動でき、 母れみりゃが狩りに行ってる間も巣の外へ行こうとする子はいなかった。 それ故に母れみりゃは気兼ねなく狩りに行くことができ、すべての子をゆっくりと育てることが出来たのだ。 母れみりゃが狩ってくるれいむやまりさを食べてゆっくりと赤ちゃんれみりゃは子れみりゃと呼ばれるまでに成長した。 子れみりゃも食欲がますます旺盛になり、母れみりゃが持ち帰る獲物では満足いかなくなってきた。 そろそろ狩りに連れて行ってもいいだろうと母れみりゃは思っていた。 日が暮れて、いつも狩りに出かける頃に母れみりゃは子れみりゃに呼びかけた。 「うー! きいてー!」 「ぅー?」 「なーに、ままぁ?」 「きょうからはみんなでかりいくー!」 突然の提案に子れみりゃ達はお互いに顔を見合わせ、一瞬の沈黙の後決断した。 「ぅー、かりいくー!」 「うー! いっぱいたーべちゃうぞー!!」 「ままとかりいくのー! ぅぁー♪」 満場一致だ。 生まれつきの捕食種であるれみりゃだ。 狩りとは憧れであったし、本能的にも狩りという行為を求めていたのだ。 母れみりゃが出かけている間に、 「いつかままとかりにいくー」 「れみりゃはいっぱいかるのー! うー!」 「うぅー! れみりゃのほうがいっぱいかるもん!」 などと語り合い、いつか来る狩りを夢見ていたぐらいだ。 子供達の熱意と期待に満ちた目を見て母れみりゃのやる気も漲ってきた。 今ならば、ドスすら狩れる気さえした。もちろん現実的に無理だが。 「うー! かりにいくー!」 「「「ぅー!!!」」」 れみりゃ家族は元気よく巣を飛び立っていった。 母れみりゃを先頭とし、子れみりゃ達が後を追う形だ。 「ゆ"うぅぅぅぅぅ!!? なんではいっでごれだのぉぉぉぉ!!?」 「ごわいよ、おがーじゃーん!!!」 まず最初の獲物は以前から目を付けていたれいむ親子だった。 このれいむ親子はおうちの入口の隠し方が下手で、暗い森の中とはいえ夜目の利くれみりゃからすれば一目瞭然だ。 そして入口の前の枝をどかして中に侵入したわけである。 母れみりゃは母れいむを最初に狙う。 子れいむを最初に狙うと母れいむが激昂して暴れだす危険があるからだ。 逆に母れいむさえ押さえれば後は子れいむや赤ちゃんれいむの群れ。 健康な子れみりゃ数匹で十分狩り尽くせる。 「ゅ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"!! ずわ、な、いで…ぇっ!!」 「ながみが、なぐな、でぐぅぅ!!」 「おが、ぁ…じゃん……」 「ぅーぅー、うまうま♪」 「うあうあ♪」 「おいちー!」 「うー! うー!」 母れいむにとってそれは地獄絵図だろう。 目の前で自らの餡子を分けた子供たちが為すすべもなく捕食されていくのだ。 子れみりゃに噛みつかれた子れいむ達は皆一様に中身を吸われて皮だけになって死んでいく。 なまじ姿を遺している分だけ悲しみや絶望も多い。 中身だけ吸われたので子供達の死体は残る。 母れいむは目の前の死体を見て、愛する子供たちが死んだ事を認めざるを得ない。 中身を戻せば生き返りそうですらある綺麗な死体を、生き返らないと理解しながらも見続けさせられるのだ。 まさに悪夢。 だが頭に食い込む母れみりゃの牙による痛みが、これが夢なんかではないことを認識させ、さらに母れいむを絶望させる。 そして恐怖や絶望で染まった母れいむの餡子を一気に吸い上げるのだ。美味い。 恐怖こそが獲物の味を格段に上げる調味料であることを母れみりゃは知っているのだ。 だからこそ子れいむ達が全滅するのを見せつけた。 「ぁ"ぁ"…ゆっぐり、じだがっだ……」 「う"ー♪」 母れいむは絶望の中死んでいった。 少しずつ中身を吸い取っていったため、実にゆっくりと死んでいった。 初めての狩りは大成功に終わった。 子れみりゃ達はたくさん食べてもう満腹だ。 これなら今日はもう他のゆっくりを狩らなくても問題ないだろう。 特に子れみりゃ達にとって一番の成果は初めての狩りを成功させたという経験だ。 「うー! うー!!」 母れみりゃは上機嫌に月に向かって高らかに鳴いた。 子れみりゃ達も母に続いて威勢よく鳴き声をあげた。 迫力も何もないか細い鳴き声であったが、そこには確かな自信がこもっていた。 それかられみりゃ家族は毎晩ゆっくりを狩った。 夜が更けて森のゆっくり達が眠りについた頃にれみりゃ家族は狩りに出かける。 そして母れみりゃは今日の獲物を見つけた。 茂みの中にまりさの親子がいる。 草木に覆われていて、空中から眺めている分にはその姿を見ることは出来ない。 だが子まりさが寝てる間に転がったのか、茂みからはみ出ていたおかげで見つけることが出来た。 こんな所に潜んで寝ているところを見ると、きっとおうちを持ってない親子なのだろう。 「うー! たーべちゃうぞー!!」 「うー!!」 れみりゃ達は滑空してまりさ達の隠れている茂みへと滑空した。 ガサガサと茂みに体を突っ込んでまりさの姿を見つける。 まりさ達は目の前に危機が迫っていることに気付かずスヤスヤと眠っている。 しかしれみりゃ達が草木をかき分ける音に母まりさが目を覚ました。 目の前には笑顔で口を開ける母れみりゃの姿が。 母まりさの顔が寝ぼけ顔から不思議そうな顔、そして驚きの顔に変わり、最後は顔を一気に青ざめていく。 「れ、れみ…っ」「うー!!」「あ"あ"がががが!!?」 状況を把握して悲鳴を上げようとしたときに噛みつかれた。 他の子まりさは眠ったまま噛みつかれて中身を吸われている。 恐怖を知らずに死んでいくのはこの状況ではむしろ幸せなことだろう。 「ゅ"う"ぃ"ぃ"ぃ"ぃ"!! はなじでぇぇぇ!! こどもはだべでいいがらまりざだけはだすげでぇぇぇぇ!!!」 「うー! だめ!」 「い"や"あ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"!!!」 こうして狩りはあっけなく終わった。 体無しれみりゃが夜行性なのは寝込みを襲うことで狩りの成功率を上げるためなのかもしれない。 また次の狩りでは巨石の割れ目に住むゆっくりを見つけた。 そのゆっくり達はもうとっくに日が暮れたというのに珍しく起きていた。 「まりさぁぁぁ! すっきりじようねぇぇぇ!!」 「いいよありすぅ! いっぱいこどもつくろうねぇぇ!!」 ありすとまりさのカップルだ。 どうやらすっきり中らしいがれみりゃにはそんなこと関係ない。 獲物が何していようとも獲物であることに変わりはない。 「うー! たーべちゃうぞー!」 「たべちゃうー!」 「うあうあー!」 黙って襲えばいいのにわざわざ宣言してから襲う辺りはゆっくりらしい。 といってもお互いに頬を擦り合わせて快楽をむさぼり合っているありすとまりさはれみりゃの接近に気付かない。 母れみりゃは発情して危険なありすを先に押さえつけた。 「なっ、なにするのよ!! ってれみりゃもがわい"い"ぃ"ぃ"ぃ"ぃ"い"だい"ぃ"ぃ"ぃ"!!!?」 発情ありすを押さえつけるだけではまだ危険だ。れみりゃと言えども発情ありすは脅威になる。 なので間髪入れずに中身のカスタードを吸い上げた。 「ゆ"、ぐ…なにず、るのよ"ぅ"…」 1/3ぐらい中身を吸えば元気に動くことは不可能になる。 これで後はゆっくりと食べることができる。 残るまりさも子れみりゃより二倍近く大きく、普段なら危険な相手だ。 しかし今のまりさは快感で脱力してしまっていた。 さらに子れみりゃ達が一斉に吸いつき、残る体力も奪う。 そしてありすもまりさも動けなくなった所で母れみりゃは子れみりゃに提案する。 「うー! すこしずつたべたらうまうまー!」 「ぅー、やってみるー!!」 「ちょっとずつすうー!」 「や"め"でぇぇ! はな、じでぇぇ!!」 まりさは必死でもがいて逃げようとするが、全然動けておらず、少しずつ吸われていく。 子れみりゃは一気に中身を吸い上げたいのを我慢して、人間が熱い飲み物を飲むときのようにゆっくりと吸っていく。 体の中が吸われていくまりさはとてつもない恐怖を味わうことになる。 少しずつ感覚が狂っていき、記憶が欠けていく。 産まれて初めてお母さんに挨拶したこと。 初めて友達が出来て一緒に遊んだこと。 野菜がいっぱい生えてる場所でお腹いっぱい食べたこと。 妻であるありすが何故か大怪我していた自分を介抱してくれたこと。 ありすと結婚して初めて結ばれた日のこと。 今までの幸せな記憶が一瞬浮かんで、そして消えていった。 代わりに残ったのは恐怖という感情とどこまでも深い闇だった。 「まりざっ! まりざぁぁぁぁ!!」 「うふふふふ…ふふ…ふ……」 ありすの必死な呼びかけも全てを失っていき壊れていくまりさにはもう届かない。 そして生命の維持に必要な分の餡子を失ったまりさは奇妙な笑い声すら出さなくなり、ただの饅頭と化した。 「まりざぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」 「ぅー! おいちかったー!」 「うまうま♪」 ありすの悲痛な叫びなど聞こえていないのか、子れみりゃ達は吸うごとに美味しくなっていったまりさの味に満足の様子だ。 これは恐怖を与えれば美味しくなるということを教えるための教育でもあった。 子れみりゃ達はまだ獲物は何か分からないけど美味しくなるという程度の認識しか持っていないが。 「よぐも、よぐもまりざをぉぉぉ!!!」 「うー! たーべちゃうー!!」 後は母れみりゃが存分に恐怖を味わったであろうありすを一気に吸い上げた。 ただひとつ、母れみりゃの誤算としてはありすが感じていたのは恐怖よりも怒りの感情が強かったことか。 おかげで粘度の高くて若干苦いカスタードを食べる羽目になってしまった。 それさえ除けばこの狩りも成功だった。 しかし子れみりゃは一匹のまりさを分け合って食べたため満腹ではなく、 その日のうちに他のゆっくりを狩ることになったが。 そのまた次の狩りで見つけた獲物は大物だった。 れみりゃ家族の巣よりも広いおうちの中に巨大なれいむがいた。 母れみりゃよりもずっと大きく、1mほどもあった。 頭には複数本の太い茎と、その先からはまだ目覚めていない赤ちゃんが実っている。 もう片方の親のまりさはおうちの入口にいたので早速食べさせてもらった。 何かを守ってるような感じであったが、まさかこれほど大きな獲物を隠していたとは。 「うー! たーべちゃうぞー!」 「ぅぅー! いっぱいはえててどれからたべるかこまるー!」 「やめてね! ゆっくりできないれみりゃはさっさとでてってね!!」 「うー? やだ。たべるー!!」 「ぅー、ぅー、ぅあぅあ!!」 「こ、こないでね! れいむたちはまずいれいむだよ! あかちゃんもおいしくないよ!! だからやめてね!!」 しかしそんな事を言われて帰る捕食者などいない。 何せこれほど大きく、さらにたくさんの小さい獲物を生やしている個体は初めて狩る。 捕食者としてこれほど心昂る獲物はなかなか見つけられるものではない。 「や、やめてね!! あかちゃんだけはやめてぇぇぇぇぇ!!!」 しかしこのれいむ、まったく動こうとしない。 これは動くつもりがないのではなく動けないのだ。頭に生えた太い茎が重過ぎて最初から動こうにも動けないのだ。 だからこそまりさに食事や門番などの雑用をすべてまかせていた。 だが自分を守ってくれるはずのまりさはもういない。 「うー! ちっちゃいのからたべるー!」 「ぅー! おいしそー!」 「やめてっ! れいむはどうなってもいいからあかちゃんだけはぁああ"あ"あ"あ"あ"あ"!!! 「ちぅちぅ、しあわせ、うー!!」 「なかみすくないけどおいちー!!」 「うまうま、うー♪」 母れみりゃも子れみりゃも巨大れいむが実らせた多数の赤ちゃん達を手当たり次第に吸っていく。 次々と赤ちゃんれいむと赤ちゃんまりさが産声を上げる前に皮だけの死体に化していった。 「やめでぇぇぇぇ!! もうあがじゃんをごろざないでぇぇぇぇ!!!」 母れいむは頭上で起きている惨劇に泣いてやめてくれと懇願することしかできなかった。 だがそれに対するれみりゃ家族の返答は赤ちゃんの味に対する感想だった。 「うー! おいしー!」 「あかちゃんうまうま♪」 「まだまだいっぱいあるー!!」 「いっぱいたべるよ、うー!!」 「ゆ"ぅ"ぁ"あ"あ"!! なんでごんなごどずるのぉぉ!!」 「だってれいむはれみりゃのごはんー♪」 「だからたべられるのはあたりまえー、うー♪」 「ぞんなのっでないよ"ぉ"ぉ"ぉ"ぉ"!!!」 そうして、れみりゃは泣き叫ぶれいむとの会話を楽しみながらほぼ半数の赤ちゃんゆっくりを吸い尽くした。 さすがにもう満腹で食べれなかった。 「うー、またあしたもくるー!」 「またあしたもよろしくだよー!」 「あしたもたーべちゃうぞー!!」 「ゅ"あ"あ"…」 そんな事を言いながら去っていくれみりゃ家族を力ない瞳で見送るれいむはもう生きた心地がしなかった。 自分は直接傷つけられていないが、死んだまりさと死んだ赤ちゃん達の数だけ心を切り裂かれたような気分だった。 「はやく、うまれてねあかちゃん…」 巨大れいむはまだ目覚めない赤ちゃん達にそう話しかけた。 次の夜までに赤ちゃんが産まれれば逃がすことも可能なのだ。そうなれば軽くなる自分も逃げられるかも知れない。 だが赤ちゃんゆっくりが茎から離れるのは最悪のタイミングとなった。 そして次の夜。 「うー、うー、いっぱいうまうまー♪」 「やめでぇぇぇぇぇ!! せめでこれいじょうはごろざないでぇぇぇぇ!!!」 結局ほとんどの赤ちゃんはお母さんを見ることも、地に触れることもないまま物言わぬ皮と化してしまった。 残る赤ちゃんは数匹。 その赤ちゃん達にも子れみりゃの牙が突き刺さろうとしたところで赤ちゃんは茎から離れた。 「ゆっ!?」 巨大れいむは赤ちゃんゆっくりが目の前に落ちたことで泣きやんで心は期待に満ちた。 目の前の赤ちゃん達はゆっくりと目を開いていく。 そして目が合うと、 「ゆっくりちていっちぇね!!」 「ゆっきゅりしていっちぇね!!」 「おかーしゃん、ゆっくりしていっってね!!」 産まれて初めて母である巨大れいむに向けて挨拶した。 「ゆっくり、していってねぇぇ…」 辛いことはいっぱいあったけど可愛い赤ちゃんが産まれた。 巨大れいむは感動して涙した。 今がどんな状況であるかを忘れて。 「うー!」 「ゅ? おねーちゃんもゆっぎゅべぇっ!?」 地面に落ちた赤ちゃんをれみりゃが捕らえたのである。 他の赤ちゃん達も何が何だか分からないまま捕まって中身を奪われてしまう。 この世に生を受けて数秒。 それがこの赤ちゃんゆっくりの生涯だった。 「…??」 巨大れいむは目の前で何が起きたのか分かりたくなかった。 だがここまで巨大に育つほどのゆっくりの知能では現実逃避したくでも出来なかった。 分からない振りをしても分かってしまう。 可愛くてゆっくりしている赤ちゃんは目の前で食べられたのだ。 「ゆぅぅぅぅぅぅぁぁあああぐぐぅぅうぁぁあああ!!!!!」 「う、うー?」 「うぅぅ!?」 「ぅあー、ごわいのがいるー!!」 れみりゃすら怯えさせるほどの咆哮。 悲しみと怒りの篭った空気を震わせる叫びだ。 つぶしてやる。 あかちゃんたちのふくしゅうをしてやる。 巨大れいむは手始めに目の前の子れみりゃ達を潰す。 そして母れみりゃに見せつけてやるのだ。 そして、そして… だがしかし、実行には移せなかった。 いくら気持ちが昂ろうとも重い自分の体を動かすほどの力を出せなかった。 地を這うばかりで跳ねることも出来ず、目の前の子れみりゃを潰すなんて夢のまた夢。 一瞬怯えたれみりゃ達も巨大れいむがやっぱり動けないことに気づくと巨大れいむへと襲いかかった。 「うー! たーべちゃうぞー!!!」 「こわがらせたばつー!!」 「ぁ、ぁぁ……」 憎しみの炎も一瞬で鎮火し、巨大れいむの心は恐怖に塗り替えられていった。 それに伴って餡子の味がれみりゃの大好きな恐怖に染まった味になっていく。 それこそがれみりゃの求めていたものだ。 れみりゃ達は巨大れいむに群がって思い思いの場所から餡子を吸い上げていった。 「ゆぐうっぃぃおああぁぁっぁええええ!!!!」 体の至る所から体の中身を吸い上げられる痛みに、巨大れいむは白眼を向いて体を痙攣させる。 痛みに対する叫びももはや言葉になっておらず、声帯を滅茶苦茶に動かした結果の音となっていた。 れみりゃ達の食欲は凄まじく、ものの10分ほどで巨大れいむは死に瀕していた。 「ごめん、ね。あがじゃん…てんごくで、ゆっぐり……じよ……ぅ」 巨大れいむはその言葉を最後に生涯の幕を閉じさせられた。 それかられみりゃ家族は複数回の狩りを成功させた。 子れみりゃ達は数々の経験の中で成長し、一人前の捕食者と言えよう。 独り立ちの日も近いのかもしれない。 今日の狩りを終えたら子供達に独り立ちさせよう。 母れみりゃはそう決意して子供たちとの最後の狩りに向かうことにした。 だが、巣を出ようとしたときに思わぬ来客がれみりゃ家族を襲うことになる。 「ゆっくりしね!!」 「ゆっくりちね!」 それはゆっくりふらんの家族だった。それも体無しの。 その天敵の姿を見てれみりゃ達は震えあがった。 「うー! みんなにげてー!」 「にげるー!」 「うー!!」 「にがさいないよ! ゆっくりしね!!」 「ゆっくりちね!」「ゆっくりちねぇ!!」 ふらんは大口を開け、そこから人間のような腕を突きだしてれみりゃを殴りつけた。 どういう体内構造をしているのか。 とにかくこの喉から出る手がふらんの武器だった。 「う"あ"ー! う"あ"ー!」 「ぅ"ー! い"だ"い"ー」 ふらんの口から飛び出た握りこぶしがれみりゃの顔にめり込み、 れみりゃは今まで感じることのない痛みに泣き叫びながら地面を転がった。 そんなれみりゃにふらんは追撃をかける。 「しね! ゆっくりしね!!」 「ちねちね!」 「しねしねしんじゃえ!!」 「う"あ"ー! もうやめでー!!」 「ま"ま"ー!! だずげでー!!」 子れみりゃは子ふらんに幾度も殴られながら母に助けを求めるが、 母れみりゃも同じように動く間も与えられずに殴られて動けない。 ふらんの狩りはれみりゃとは違い、食事がメインではない。 「ゆっくりしね」と言っているもののふらんの求めるものは獲物が苦しむ姿だった。 だからふらんはれみりゃを殺さずに殴る。さらに殴る。もっと殴る。まだ殴る。 「う"ぅ"っ! う"ぁ"! やべっ、でぇ!!」 「ゆっくりしね! ゆっくりしね!!」 「ぅ"あ"ーーー!!」 何度も殴られた皮は伸びて中身の色が薄らと見えている。 羽も破けてもう飛ぶことは出来ないだろう。 母れみりゃがそれなら子れみりゃはもっと悲惨だった。 相手が加減を知らない子ふらんだったのもあるが、すでに皮は破れて中身が辺りに飛び散っていた。 大きく見開いた瞳は涙を流しながら空を見ていた。 あの様子ではもう長くは持たないだろう。 なんでこんなことになったのだろう。 子育ては間違いなく成功していたし、独り立ちした後も立派な捕食者として夜空を駆けたはずなのに。 なのになんでこんなに無残な姿になって地面に転がっているのか。 「う"ぅ"ー!!」 がんばって育てた子を目の前で崩されていく。 母れみりゃにとってこれほど悔しいことなかった。 理不尽だと母れみりゃは怒りも感じていた。 しかしこれはれみりゃ家族が他のゆっくりに対する狩りと同じなのだ。 弱い者は強い者の糧となり、強い者はさらに強い者の糧になる。 単純により強い者に狩られただけなのだ。 ゆっくりの場合は食べるだけではなく苦しませるという行為が増えるだけのこと。 子れみりゃの苦しみは死という形で終わったが、母れみりゃはまだまだ苦しみの未来が待っている。 ふらんは自分の巣に獲物を枝など棒状の物で突き刺して保管する性質がある。 母れみりゃがふらん達に連れていかれた先はまさに地獄だった。 絶対者であるふらん家族からはれみりゃもれいむもまりさも全て同列として扱われ、同じようにいたぶられた。 たまに子ふらんが加減を間違えて"運良く"死ぬことが出来たゆっくりもいた。 だが再生力の高いれみりゃはいつまでも運良く殺されることはなかった。 「う"ー…たべ、てー……」 「ゆっくりしね!!」 「うぎゃっ」 殺してほしいと願い出ても答えは拳で返ってくるだけだった。 子を失った母れみりゃはすでに生きる気力は無かったが生かされ続けた。 ああせめて後一日。もう一日早く子を独り立ちさせていれば少なくとも子供達は無事だったのに。 我が子恋しさで独り立ちを遅らせてきたことを後悔した。 もし独り立ちさせていれば、子供達の雄姿を想像することでこの苦しみも少しは緩和しただろう。 しかし現実に子れみりゃは目の前で死んだ。 いくら子の雄姿を想像しようにも「もし〜ならば」とifの空しい妄想でしかなく、 悔やまれて強い苦しみとなって母れみりゃの心を締め上げた。 考えれば考えるほど苦しい。 だからこそ痛みで他の辛い事を忘れられるふらんの暴力の時間が、 母れみりゃの心の安らぎとなるのにそう時間はかからなかった。 終 by ゆっくりしたい人 そして母れみりゃが転生したのがドMてんこ。 [今までに書いたの] ゆっくりいじめ系43 ゆっくり家族の引っ越し 虐 制 家 共 ゆっくりいじめ系49 ゆっくりとのワンダフルライフ 虐 無 外 ゆっくりいじめ系105 加工所職員のストレス解消法 虐 無 ゆっくりいじめ系116 懐かし玩具とゆっくり 制 無 ゆっくりいじめ系119 ギロチンとゆっくり 虐 家 ゆっくりいじめ系120 マッサージチェアとゆっくり 虐 性 道 無 ゆっくりいじめ系169 Ten little Yukkuri 虐 家 ゆっくりいじめ系173 Ten little Yukkuri後日談 虐 家 性 道 ゆっくりいじめ系186 犯人は子れいむ 制 家 無 萃香×ゆっくり系1 子鬼とゆっくり 制 衣玖×ゆっくり系1 衣玖さんとゆっくり 虐 そ その他 ゆっくり草原観察 そ 性 その他 ごみ箱ゆっくり そ 道 ゆっくりいじめ系217 整地ゆっくり 虐 家 無 ゆっくりれみりゃ系いじめ19 れみりゃと亀さん 虐 性 無 ゆっくりいじめ系267 愛の劇場 -背徳の饅頭- そ 性 無 ゆっくりいじめ系275 妖怪とゆっくり 虐 そ 家 ゆっくりいじめ系313 ゆっくり家族とエターナルフォースブリザード 制 家 無 ゆっくりいじめ系329 都会派と甘い罠 虐 性 無 衣玖×ゆっくり系2 ゆっくりてんこ大虐殺 虐 家 捕 ゆっくりいじめ系374 親の心子知らず、子の心親知らず そ 性 家 無 ゆっくりいじめ系380 公衆便所ゆっくり ゆっくりいじめ系418 大乱交!ゆっくりファミリー 虐 性 無 ゆっくりいじめ系424 ゆっくりの歌 虐 家 無 ゆっくりいじめ系459 色つきゆっくりの結末 虐 無 ゆっくりいじめ系493 ゆっくりペットショップ 制 無 ゆっくりいじめ系515 強姦まりさの敗北 ゆっくりいじめ系542 赤ちゃんゆっくりの冒険-前- そ 環 家 性 捕 ゆっくりいじめ系543 赤ちゃんゆっくりの冒険-後- そ 環 家 性 捕 ゆっくりいじめ系618 ゆっくり家族のある夏の日 虐 環 家 ゆっくりいじめ系729 灰色の檻の中で 虐 環 家 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau9/pages/272.html
「れみりゃの帽子」 まりさは逃げていた。森の中を、ゆっくりらしからぬスピードで逃げていた。 後ろを見る余裕などないのに、後ろを見ずにはいられない。 何度も何度も自分の後ろから追いかけてくる“それ”の姿を確認した。 「がおー♪たーべちゃーうぞー♪」 胴体のあるゆっくりれみりゃがご機嫌そうな顔で、まりさを捕食しようと追いかけてくる。 顔だけなら、まりさの全身と同じバレーボール大なのだが、胴体付きとなるとその威圧感はまりさにとっては この上ない脅威だ。 目の前で群れの仲間をれみりゃに食べられたという経験も、まりさの恐怖を増幅させる。 「ま、まりさはおいしくないよ!!ゆっくりたべないでね!!」 「ぎゃおー!おいしいまんじゅうだーべぢゃーうぞー♪♪」 まりさは草を掻き分け、木々の間を抜け、橋を渡り、獣道を駆け上り、とにかく逃げ続けた。 なのに、後ろを振り返るたびにれみりゃが近づいてきているように感じる。 迫り来るニコニコ顔のれみりゃは、まりさにとって恐怖の対象でしかない。 その声は、もう耳元でささやいているぐらい近く感じられた。 「ゆっ、ゆっ、ゆっくりついてこないでね!!」 出かけるときに、お母さんは後頭部に赤い綺麗なリボンを結んでくれた。 何事もなく、無事に帰ってこられるように…というおまじないだった。 だからまりさは信じている。自分は絶対に帰り着いて…お母さん達とゆっくりできる、と。 このまま逃げ切って、自分のおうちにたどり着いて、お母さんに精一杯甘えながらゆっくりしたい。 赤いリボンを大きく揺らしながら、一刻も早く日常に戻るためにまりさは逃げ続ける。 「うー♪もーすこしでおいつくどー♪」 すぐ後ろに、れみりゃの気配を感じていた。ちょっとでも気を抜いたら…捕まる。 そうしたらどうなるか、まりさはよく分かっている。だから、何が何でも逃げるのだ。 今がゆっくり出来なくても、いつかきっとゆっくりできるようになると信じて。 そして… まりさが木の根を飛び越えた瞬間。 「がおー!づーがまーえぶぎゅえ!!??」 「だべないでええええぇぇぇぇえっぇええ!!!」 木の根につまづいたれみりゃは、華麗に宙返りし…地面に強く叩きつけられた。 死を覚悟したまりさはそのまま目をつぶってしまい、勢いあまって正面の木に激突した。 「ぶぎゃ!!」 痛みに涙を滲ませながら、後ろを振り向くと… そこには、全身の痛みにのた打ち回るれみりゃの姿があった。 「ぶー!!れびりゃのぶりでぃーなあじがー!!!ざぐやー!!ざーぐやああぁぁぁっぁっぁあ!!!!」 れみりゃの両脚は、膝のところで明らかにおかしな方向に折れ曲がっていた。 「びゃー!!れみりゃのうでがー!!ぶーてぃほーふぇいすがああぁぁぁぁ!!ざぐやどごおおおぉぉ!!?」 両腕もぐしゃぐしゃに折れ曲がり、顔は地面と擦ったことによって平らになり、ところどころ肉がはみ出ている。 胴の部分からも肉汁が染み出している。とくに腰辺りからの流出は多く、水溜りを作るほどだった。 死に物狂いで暴れるのだが、もはや膝や肘から先はれみりゃの意思どおりに動かずぶら下がっているだけ。 結局その場から数センチも動けなかったれみりゃは、疲れて暴れるのを止めた。 「ゆ……ゆっくりしていくの?」 まりさは、状況を把握できずにいる。 先ほどまで自分を追いかけていた天敵が、目の前に倒れている。 動かない?…いや、ちがう。大怪我で動けないのだ。 …ならば、やることはひとつである。 「…まりさたちをたべるれみりゃは、ゆっくりしんでね!!」 「ぎゃお?やめでええぇぇ!!やめないどだーべぢゃーぶべっ!!??」 一瞬で立場が逆転した。 れみりゃが動けないと分かったまりさは、れみりゃの全身を思い切り踏み潰していく。 全力でジャンプし、れみりゃの体の上で着地する。 ひたすら恨みをこめて。かつてれみりゃに食べられていった仲間の顔を思い浮かべながら… 「ゆっくりしね!!ゆっくりしね!!」 「ぶぎゃ!!やめぶへ!!ざぐぎゃ!!どぼ!!」 最初は脚、次は腰、次は腹、次は腕、最後は顔面。という具合にジャンプと着地を繰り返す。 まりさが着地するたびに、れみりゃは奇妙な声を上げる。 悪路を舗装するように、れみりゃの身体が薄く平らに均されていく。 「ゆっゆっ…ゆっくりしねえええぇぇえぇぇっぇえ!!!!」 「ざああああぐうううううやああああぁぁぁぁぁぁぁぶぎゅえ゛え゛え゛っ!!!」 最後の一撃はれみりゃの顔面に炸裂した。“顔のようなもの”が肉とかいろいろ吐き出した。 そこにいるのは、すでにれみりゃではなかった。もうれみりゃの原形をとどめていない。 どこが脚で、どこが腕で、どこが胴だかわからない。ここまで来るとれみりゃ種でも回復不可能だ。 「ゆぅ………ゆっくりたおしたよ!!」 今まで何匹もの仲間がれみりゃに食べられてきた。 恐怖を忘れて復讐を遂げたまりさの顔は、すっきりしていた。 れみりゃの残骸を食べながらしばらくゆっくりしていたまりさだったが…あることに気づいた。 「…ゆ!?まりさのぼうしどこ!?」 さっきまではれみりゃを倒すのに必死で気づかなかったが、まりさの帽子はいつの間にか脱げていた。 命と同じぐらい大事な帽子を失くしたら一大事である。後頭部に赤いリボンがあるが、それでは不十分だ。 まりさはすぐに探し始め…すぐに見つけた。帽子は、ついさっき自分が木と正面衝突したところに落ちていた。 「ゆっくりみつけたよ!!」 安心したまりさは、嬉しそうに跳びはねて帽子をかぶろうとするが…そこでまた異変に気づく。 「ゆ゛っ!?まりさのぼうしがやぶれてるよ!!なんでええええぇぇぇ!?」 木にぶつかった時の衝撃によって、まりさの帽子は酷く破れていた。 もう少し引っ張れば真っ二つに千切れてしまうというくらい、その帽子は破れている。 頭の後ろに結んである赤いリボンが切れていないのが、唯一の救いであるが… これでは、まりさはこの帽子をかぶることができない。 「どうじで!!どうじでまりざのぼうじやぶれでるの!?これじゃかぶれない゛い゛いいいぃぃぃぃぃ!!」 ゆっくりたちは、通常自分の髪飾りや帽子を自力で直すことは出来ない。 このまりさも例に漏れず、帽子を自分の力で直すことなど不可能だった。 帽子をかぶれない、ゆっくりできないと知ったまりさは、復讐を遂げた幸福感から一転、絶望の底に 叩き落された。 しかし… 「まりざのぼうしがあああああああぁぁぁぁ……ゆゆ!?」 そこには、もうひとつ帽子が落ちていた。 それは、まりさの執念の復讐により絶命した…ゆっくりれみりゃのピンク色の帽子。 壮絶な攻撃にもかかわらず、帽子だけは無傷でその場に残っていた。 この状況で迷うほど、ゆっくりの餡子脳は精巧に作られていない。 まりさは迷わず、ぴったりサイズのれみりゃの帽子をかぶってこう宣言した。 「ゆゆ!!きょうからこれがまりさのぼうしだよ!!」 巣への帰り道。 自分より上位種であるゆっくりれみりゃを、運を味方につけて倒したまりさ。その顔は自信に満ち溢れていた。 帽子が破れて被れなくなるというトラブルはあったが、代わりにれみりゃの帽子を被ることで解決した。 おうちに帰ったら、お母さんや妹達に自慢しよう。きっと褒めてくれるに違いない。 そう思うと、まりさの跳ねるペースは自然に速まっていく。 そんな帰り道。別のゆっくりが通りかかった。 「まりさ!ゆっくりしていってね!!」 目の前に現れたのは、ゆっくりありすだった。 このありすは発情期に我を忘れて交尾するタイプではないが、ことあるごとにまりさにくっついて、 『とかいはのありすが、いっしょにゆっくりしてあげるね!!』 などと押し付けがましいことを言いながら、頬をすり寄せてくるのだ。 まりさとしては妹達や他の友達とゆっくりするほうが楽しいので、どちらかと言うとこのありすが嫌いだった。 とは言っても、遊んであげないと木の陰に隠れてこちらをじっと見つめるという奇行に走るので、 いつも仕方なく遊んであげているのだが…今回は様子が違った。 「ま、まりさ…そこでゆっくりしててね!!こっちにこないでね!!」 「ゆ?ありす?ゆっくりどうしたの!?」 ありすの様子がおかしいということは、まりさにもすぐに分かった。 いつもだったら、2人きりなら一目散に飛びついてきてすり寄ってくるはずなのに… そんな疑問を抱きながら、一歩前に出た。 「ゆぎゃああぁあぁぁあ!!!ごっぢごないでね!!ずっとそこでゆっぐりじででね゛!!」 都会派らしくないありすの動揺に、まりさはさらに疑問を深めた。 目には涙を浮かべて、こっちをじっと見てがくがく震えている。 一体何をそんなに怖がっているのか…と考えているうちに、ありすは勢いよく跳びはねて帰ってしまった。 「……ゆっ!まりさつよくなったからね!!ありすはまりさよりよわいから、にげたんだね!!」 餡子脳は、当然の帰結として都合のいい解釈をする。 まりさは更に自身をつけて、森の奥の集落にある自分の巣へと向かった。 巣の入り口の前まで来ると、そこでは母れいむと妹ゆっくり達が楽しそうに遊んでいた。 妹ゆっくり達が作った花の冠を、母れいむは嬉しそうにかぶっている。 赤いリボンに黄色い花。まりさの目には、母れいむがいつもより綺麗に見えた。 「ゆっくりただいま!!」 まりさの声に一家は振り向く。 いつもなら、この後みんなで巣に戻って美味しいご飯を食べるのだが…やはり、いつもとは様子が違った。 「ゆ!!ゆっくりこっちにこないでね!!そこでゆっくりしててね!!」 まずは母れいむが警戒心を示す。周りの妹達も、不安そうな顔をして母れいむの後ろに隠れた。 やはりいつもと違う。まりさは、ありすに会った時と同じような疑問を頭に浮かべていた。 「どうしたの?まりさかえってきたよ!!いっしょにごはんたべようね!!」 「い、いいからそこにいてね!!そこからうごかないでね゛!!」 母れいむは恐怖に耐えながら、必死に言葉を紡ぐ。 まるで…捕食種であるゆっくりれみりゃと対峙している時のように。 その表情、その行動、全てがまりさには理解できなかった。 「みんな!!おかーさんのおくちのなかにはいってね!!ここならあんぜんだよ!!」 「ゆ!!ゆっくちはいるよ!!」「おがーざん!!ごわいよお゛ー!!」 母れいむの呼びかけに従って、合計7匹の妹ゆっくりが母の口の中に収まる。 すると、母れいむはまりさに背を向けて一目散に逃げ出した。 「そこでずっとゆっくりしててね!!こっちにこないでね!!」 「ゆ゛っ!!ゆっくりまってね!!まりさもいっしょにいくよ゛!!」 家族に置いて行かれると思ったまりさは、全力で母まりさの後を追いかける。 「ゆっくりおいてかないで!!まりさもいっしょにゆっくりしたいよ゛ぉ!!」 「ついてこないでね!!いっしょにゆっくりできないよっ!!」 しかし、母れいむも全力で逃げる。それはもう、ゆっくりれみりゃに追いかけられているかのように。 まりさはかなり成長したとは言え、母れいむと比べればまだ子供だ。 体格差を考えれば、全力で逃げる母れいむに追いつけるわけがなく… 数分追いかけ続けたが、結局母れいむには追いつけず完全に姿が見えなくなってしまった。 「どぼじでええぇぇぇぇ!!おがーざんどいっじょにゆっぐりじだいのにいいいいぃぃぃぃ!!」 何故? どうして自分は、家族に置いていかれるのか。お母さんはどうして自分を置いていくのか。 家族だけではない、よく考えたらありすも同じだ。どうして皆…自分から逃げるのか。自分を避けるのか。 まりさは餡子脳で必死に考えたが、答えらしきものはまったく思い浮かばなかった。 とぼとぼと、誰も居ない巣に帰りついたまりさ。 まりさは、逃げていった一家が帰ってくるのを一人で待ち続けた。 日が沈んで空が赤らみ、そして更に日が落ちて黒い空に綺麗な星々が輝く時間になっても…帰ってこない。 「ゆっくりぃ…」 一人さびしく呟くまりさ。 空腹に耐えかねて、母れいむが昼間に集めたであろうご飯を、一人ぼっちで口に運ぶ。 「むーしゃ…むーしゃ…」 ご飯は美味しかった。お母さんが頑張って取ってきてくれたものだから。 でも…幸せじゃなかった。お母さんと、妹達と、皆で食べないと楽しくない。幸せじゃない。 『ごはんおいしーね♪』『まりさもっとたべるよ!!』『れいむもたべるよ!!』 『ゆ!!れいむはじゃましないでね!!』『まりさこそじゃましないでね!!』 『みんなけんかしないでね!!ごはんはたくさんあるからね!!』 そんな団欒の声も、今は聞こえてこない。 そういえばご飯の時間は、いつもひとつ下の妹れいむとご飯の取り合いで喧嘩になったっけ。 お母さんは、そんな自分達を仲裁して…お母さんの分のご飯も分けてくれた。 いろんなことがあったけど、いつもご飯の時間は楽しかった。 でも、今はそこには誰もいない。自分ひとりだけだ。 「…いっしょにゆっくりたべたいよぅ!」 まりさの言葉は、巣の中に響いたと思うとすぐに消える。 誰の耳にも届かず、減衰して…消えうせるのだ。 夜。ゆっくりが眠りにつく時間は早い。 「ゆっくりねむくなってきたよ…」 まりさは、自分以外誰も居ない巣の中で…静かに眠りについた。 早朝。 夜早い分、やはり目覚める時間も早い。 が、れみりゃの帽子をかぶっているまりさはいつも以上に早く目覚めた。外が異様に騒がしかったからだ。 「ゆ?…ゆっくりしていってね!!」 目が覚めたまりさは、他の家族を起こす意味もこめて声を張り上げた。 「……ゆぅ」 しかし、反応は返ってこない。それもそのはず、家族は昨日の夕方から行方不明なのだから。 自分の姿を見るや否や、一家揃って逃げていってしまった母親と妹達。 起きた直後はご機嫌だったまりさだが、昨日の事を思い出して憂鬱になってしまう。 「ゆっくりぃ…どこにいったの?」 その問いに答えるゆっくりは、どこにもいない。 まりさはすっかり意気消沈してしまい、丸みのある身体が脱力して潰れた饅頭のような形になった。 朝になっても家族は帰ってこない。もしかして自分は捨てられてしまったのではないか… どんどんネガティブな方向に思考が進んでしまい、いつしかまりさの目には涙が浮かんでいた。 「ゆっぐりー!!…いっじょにゆっぐりじだいよ゛!!」 …そのときだった。 「「「…っくり………てね!!!」」」 巣の外からの、声。 まりさはこの声によって目覚めたのだったが、まりさはそのことに気づいていなかった。 「ゆ!?だれかゆっくりしてるの!?」 「「「ゆっく………ね!!!!」」」 その声は、大勢のゆっくりが一斉に発しているように聞こえた。 巣の中に居るせいか、内容がよく聞き取れない。 だが、巣の外に仲間がたくさんいる…その事実だけで、まりさの憂鬱な気分は吹き飛んだ。 家族はどこかに行ってしまったけど、まだ集落の仲間がいる。 もしかしたら、お母さんや妹達もすぐそこに戻ってきているのかも… まりさは晴れやかな笑顔で、巣の外に飛び出した。 待ち構えていたのは、総勢数十匹のゆっくり。皆同じ集落の仲間だ。 まりさたちの巣の入り口を取り囲むように、半円を描いて並んでいる。 よかった、やっと皆とゆっくりできる! まりさは、本能に刻み込まれたあの言葉を 「「「ゆっくりしんでいってね!!!!」」」」 …発する前に、飲み込んでしまった。 数十匹のゆっくりの魂が篭った声は、すさまじい音圧となってまりさの身体を揺さぶる。 その声に吹き飛ばされそうになりながらも、まりさは何とかその場に留まった。 「い、いまなんていったの!?へんだよ!!まりさのききまちがいだよね!!」 聞き間違いに違いない。集落の仲間が“ゆっくりしんでいってね!”なんて自分に言うわけがない。 そう信じて疑わないまりさは、仲間の言葉を疑う代わりに自分の耳を疑った。 「みんな!!いっしょにゆっくりしていってね!!」 「「「……………」」」 普通なら元気な返事が返ってくるはずなのに、目の前の仲間達は誰一人として返事をしない。 癒されるはずだった孤独感は、仲間の殺意に近い視線を浴びることによって…さらに膨れ上がっていく。 「「「ゆっくりしんでね!!!!」」」 「ゆ゛!!ひどいいいいぃぃぃぃ!!!どうじでそんなごどいうのお゛お゛おおお゛ぉぉぉ!!??」 …聞き間違いではなかった。仲間は確かに“しね”と言っている。 どうして?どうして?昨日まで共に仲良く過ごしてきた仲間なのに、どうしてそんなことを言うの? 「みんなゆっぐりじようよお゛おお゛お゛おぉぉぉぉぉ!!!」 どんなに呼びかけても、返事は返ってこない。冷たい目でまりさを見つめているだけだ。 いや、ただ見ているだけではない。仲間達は少しずつ…まりさの方へにじり寄ってきている。 恐怖と、憎しみと、殺意と、狂気を帯びた、冷ややかな視線。 まりさはこの場から逃げ出したかったが、四方を囲まれているためそれも叶わない。 「ゆっぐりだずげでええぇぇぇぇええぇえ!!ゆッぐりじだいよ゛お゛おおお゛おぉぉぉおお!!!!」 「…ゆっ!!」 その声に反応して群れから飛び出してきたのは、昨日の夕方姿を消した母れいむだった。 真剣な表情で、まりさをじっと見つめている。まりさは目の前の母の姿を見て、泣き叫びながら飛びついた。 「おがーじゃああぁぁぁん!!どごいっでだの!?ざびじがっだお゛おお゛お゛ぉぉぉぉ!!! もうどごにもいがないで!!いっじょにゆっぐりしようね゛えええぇぇぇ!!!」 “まりさはあまえんぼさんだね!”と言われてもいい。とにかく母に甘えたい。 誰も居ない巣の中で、一人寂しく眠った昨日の夜…もう二度とあんな思いはしたくない。 だから、このまま母れいむを捕まえたら絶対に放さない、そのつもりだった…が。 「…ゆっぐりしねっ!!」 「ぶぎゅあ!!?」 予想に反する位置からの、予想に反する攻撃。 その衝撃で、まりさは地面に叩きつけられ…少量の餡子を吐き出した。 まりさは自分の耳を疑い、今度は目を疑った。 自分を攻撃したのは…正面に居る母れいむだったのだ。 ショックのあまり動けずいるまりさは、母れいむの目を見てあることに気づく。 “目”が同じだったのだ。他の群れの仲間と。 まるで親の敵を見るような、冷たく攻撃的な目。どう考えても、子供を見る目ではなかった。 「みんな!!このれみりゃはちいさいから、きょうりょくすればたおせるよ!!」 群れ全体に呼びかける母れいむ。まりさは、何がなんだか分からなかった。 「れみりゃ?そんなのどこにいるの?ここにいるのはまりさだよ!!」 「みえみえのうそをつかないでね!!れみりゃがまりさなわけないよっ!!」 言い放つ母れいむ。周りのゆっくりたちも“そうだそうだ!”と同意する。 「どうじで!?まりざはまりざだよ゛!!れびりゃじゃないよ゛!!!」 「まだうそをついてるよ!!うそつきれみりゃはみんなでころそうね!!」 その母れいむの言葉が、合図となった。 一斉にまりさに襲い掛かる、数十匹のゆっくりの群れ。 すでに成体に近い体格とはいえ、たった一匹で数十匹の成体ゆっくりに勝てるわけがなかった。 「びぎゃああぁぁぁぁあぁ!!やめで!!ゆっぐりでぎいなおおrてお!!?」 「れいむたちをたべるれみりゃは、ゆっくりしね!!ゆっくりしね!!」 四方から押し寄せるゆっくりの群れに、まりさは全身を蹂躙される。 目玉を押しつぶされ、口は無様に引き裂かれ、頬は痛々しく噛み千切られ… 「いだい!!いだいよ゛!!まりざにら゛んぼうずるのやめでぇえ゛ぇぇぇ!!」 「れみりゃは、とかいはのありすのこどもをたべたよね!!ぜったいゆるさないよ!!ゆっくりしねえ゛ぇぇえ゛!!!」 「まりさのともだちもれみりゃにたべられたよ!!ゆっくりあのよではんせいしてね゛!!」 家族を、友達を、れみりゃに奪われた…群れの仲間達。 心にぽっかり空いたままの空洞…その痛みが、嫌と言うほど伝わってくる。 まりさは教えたかった。そのれみりゃを自分は倒したんだ、と自慢したかった。そして褒められたかった。 でもできない。させてくれない。絶え間ない暴力が、まりさを徹底的に甚振り続けるから… 喋る間も、泣く間も、許しを請う間も与えられず、ただひたすら嬲られる。 全身隙間なく打ちのめされる。裂けた傷から中身を引き出される。 黒い餡子が自分の周りにばら撒かれるたびに…まりさは、何か大切なものを失っていくような気がした。 「やべでね!!まりじゃじんざうお゛!!ながみ゛!!ながみ゛どらないでえ゛え゛ぇぇぇぇえ!!!」 「れみりゃはゆっぐりじねえぇぇぇ!!」「わるいれみりゃはしね!じね!じね゛!!」 「ありずのごどもをがえぜ!!がえじで!!がえじでよおおおおおおぉおぉぉぉお!!!」 「みんなの゛!!みんなのどもだじもがえじで!!もっどいっじょにゆっぐりじだがったのに゛!!」 被食種であるが故の悲しみと憎しみ。それらを全て、まりさにぶつける群れの仲間。 その深い感情が、まりさの心と身体を深く傷つける。 どうして…どうしてこんなことになったのだろうか? 自分はただ、皆とゆっくりしたかっただけなのに。家族と一緒にゆっくりしたかっただけなのに。 なのに皆は、一緒にゆっくりさせてくれない。もっと…もっともっとゆっくりしたかったのに。 こんなことなら…一人で出かけないで皆と一緒にゆっくりしていればよかった… 「ゆ゛っ!!ゆっぐでぃじだぎゃあdっだあよおおおえおええおおぉtっげろがおp!!!」 「ゆ゛ッぐりじねえ゛えぇえ゛え゛ぇえ゛ぇぇぇぇ!!!!」 母れいむの最後の一撃。 まりさが最後の餡子を吐き出したのは、その直後だった。 「ゆっ!!ゆっくりたおしたよ!!」 母れいむの宣言に、歓声が沸き起こる。 「やったね!!ちいさなれみりゃをたおしたよ!!」 「これでゆっくりできるよ!!」「みんなでゆっくりしようね!!」 「これならおおきいれみりゃにもまけないよ!!」 大勢で跳びはねて、喜びをかみ締めるゆっくりたち。 今までたくさんの家族や仲間をれみりゃに食べられ、そのたびに悲しみのどん底に突き落とされてきた。 そんな日々は、今日を境に変わるだろう。 何故なら群れの仲間達は、自分達の力を合わせることでれみりゃを倒せることを知ったのだから。 だが、母れいむだけは何故か浮かない顔をしていた。 「ゆぅ…まりさがかえってこないよ!どこにいったの?」 まりさというのは、母れいむの一番上の子まりさのことである。 昨日の昼に出かけたきり、帰ってきていない…普段なら晩御飯の時間には帰ってくるのに。 もしかして、別のれみりゃに食べられたのでは…! そうでないなら、道に迷ったのかもしれない。だとしたら今頃お腹を空かして泣いているだろう。 「ゆ!!れいむはまりさをさがしてく…る………よ?」 ぴょんと一回跳ねて、森のほうへ自分の子供を探しに行こうとする母れいむ。 「………ゆぅ?」 ふとその視界に…先ほど撃退したれみりゃの残骸が入った。 ズタズタに引き裂かれた皮から漏れ出す餡子。何かがおかしいと感じた。 …れみりゃの中身って、餡子だっけ? そういえば餡子だったかもしれない。いや、餡子に違いない。 結論付けた母れいむ。しかし、違和感は他にもあった。 餡子に隠れて目立たないが…そこには金色の髪の毛が残っている。何かがおかしいと感じた。 …れみりゃの髪って、金色だっけ? そういえば金色だったかもしれない。いや、金色に違いない。 母れいむの頭の中には、中身が餡子で金髪のれみりゃがでっち上げられていた。 よく見ると、れみりゃの帽子は脱げて地面に落ちている。 帽子を被っていないれみりゃの残骸を見て、母れいむはそれが何かに似ているような気がした。 つい最近、どこかで見たような…気のせいだろうか? などと考えながら適当に跳ね回っていると、母れいむはれみりゃの残骸に埋もれたあるものを見つけた。 それは、赤いリボンだった。 昨日の昼、自分が子まりさの頭の後ろに結んであげた、赤い綺麗なリボン。 何事もなく、無事に帰ってこられるように…そんな願いをこめてまりさに結んであげた、赤いリボン。 …そんなリボンと同じ色で、同じ形。 瞬間、母れいむは今まで自分がしたことの本当の意味を理解した。 昨日から今日にかけての出来事を、ゆっくりと思い出す母れいむ。 小さなれみりゃから逃げ出した後、群れの仲間に相談してれみりゃを倒す作戦を立てた。 ちょうど自分の巣にれみりゃが忍び込むのを見ていたので、作戦を立てるのは容易だった。 朝になって、れみりゃが出てきたところを…袋叩きにした。 小さなれみりゃなら、数十人でかかれば倒せる。すべては作戦通りだった。 突如侵入してきた外敵を排除するためと思ってやってきたこと全ての結果。それが目の前にある。 「おかーしゃん!!ゆっくちしようね!!」「ゆっきゅりー!!」 「あれー?まりしゃおねーちゃんはー?」 「まりさおねーちゃんといっしょにゆっくりしたいよ!!」 子供たちの声に、母れいむは何も答えない。 「ゆ?おかーしゃんどうしたの?げんきないよ!!」 「げんきだちてね!!ゆっくりげんきだしてね!!」 「いっしょにゆっくちすればげんきになるよ!!」 「…………」 無言のまま、子供たちのほうを向く。 母れいむの目に映るのは、無邪気な子ゆっくりたち。 自分がやってしまったこと。自分が殺したものの正体。自分が子供たちから何を奪ったか。 母れいむは、それらをゆっくりとゆっくりと理解した。 だから、母れいむは…考えるのを止めた。 何もかもを、考えるのを止めた。 悲しみの声を上げることも、絶望の涙を流すこともせず。 ただ、考えることを放棄した… ビュウッと強い風が、木々の間を駆け抜ける。 赤くて綺麗なリボンは、高く舞い上がって…どこかへ消えてしまった。 (終) あとがき 最初は軽快なのを書こうと思ってたのに…おかしいなぁ。 悪いことしたゆっくりがIKEMENお兄さんの制裁を受ける、そんな王道を今度は書きたい。 作:避妊ありすの人 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/5377.html
注)今回は虐待要素が変な方向に向かってますw 僕はゆっくり改造お兄さん! 略してゆ改お兄さんだよ! 僕はゆっくりを直接改造して良個体にする仕事をしてるんだ! 今日はゆっくりを改造するところを見せてあげるよ! ここは僕の働く研究所! ここでゆっくり改造をしてるんだ! 早速僕の作品を見せてあげよう! まずは「絶対にれいぱーにならないゆっくりアリス」 「ゆー!お兄さんはとかいはねー!」 このアリスはどれだけ振っても振動を与えてもれいぱーにならないんだ! 試しにやってみるよ!」 ブンブン! 「ゆー!れいぱーは全然とかいはじゃないわー!!」 「ね!れいぱーにならないでしょ!」 作り方は簡単!発情しにくいゆっくりれみりゃの中身をごく少量スポイトで取り出してアリスに打ち込むだけ! 他にも「プリンの嫌いなれみりゃ」! 普通なられみりゃはプリンが欲しくて駄々をこねることがあるでしょ? でもこのれみりゃは矯正してないのにプリンを欲しがらないんだ! 実際に見てみよう! 普通なら・・・ 「れみぃはぷでぃんが食べたいどーー!!!」 「ぷでぃんくれなきゃやだああああ!!」 うるさいから始末しとこうw 「うーーー!!!いぢゃいどおおおおお!」 「ちゅぶれるどおおおおお!!!!!」 ブチュッ! 気をとりなおして改造ゆっくりだと・・・ 「うーー!おにーさん!おかえりなさいだどー!」 「そうだ!プリンあげようか?」 「うー!れみぃにきをつかわなくてもいいどー!そのかわりに他のゆっくりにやさしくしてあげてほしいど ー! ね?賢いでしょ? 他にも「れみりゃと仲のいいゆっくりふらん」や「衝撃に強いぱちゅりー」などの作品をつくってるんだ! この作品で僕はお金を稼いでるんだ! 次は実際にゆっくりを改造しているところを見せてあげよう! 続く あとがき ついに長編としての作品作りをはじめました! いやーwどんなことも始めることはとてもすがすがしい気にさせてくれます!これからもよろしくお願いします! by No.13 P.S スパゲッティのナポリタンって日本で出来たんですよ!
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/5155.html
ゆっくりカフェ03〜れみりゃ編〜 私はこのカフェの店主 客からは店長と呼ばれている。 私の店にはれみりゃがいる。 私の店、とは言っても私が飼っているのではなく、 2階の雨風を防げる軒下に藁を敷いて住みついているのである。 (ツバメの巣の糞避け板を床にしているようだ) このれみりゃ、このお店が出来る前のお店の店主の飼いゆっくりだったらしく、 前の飼い主が与えた銅バッチを今でもつけている。 地主から聞いた話ではそのお店はお菓子屋だったようで、 お菓子屋はいつも甘い香りに包まれていたらしい。 そのせいだろうか、毎日のように野良ゆっくりが流れ着いては甘いものを要求し、 お店に人がいない時には襲撃まがいのことをしていて店主は頭を悩ませていたらしい。 この街ではゆっくり食品衛生条例というものがあり、 野良ゆっくりを食品として販売するには煩雑な手続きを要する。 その為、野良ゆっくりをいくら潰しても再利用することができず ゴミが増えるだけで迷惑極まりなかったようだ。 その店主が一計を案じ、野良ゆっくり対策のために買ったのがあのれみりゃというわけである。 それなりに効果はあったようだが、その店主に商才がなかったらしい。 れみりゃを飼って3ヵ月後に店が潰れてしまった。それが今から1年前の話である。 商才は無かったが飼いゆっくりの育て方には定評があったようで、 このれみりゃは食べていいゆっくりと食べてはいけないゆっくりの見分けがつくのである。 食べていいゆっくりとは、ご存知の通り野良ゆっくりであり、 食べてはいけないゆっくりとは飼いゆっくりである。 例えば、今、飼い主と一緒に散歩しているゆっくりれいむが店の前を通り過ぎようとしている。 れいむ「ゆっ! ゆっ! おにいさんもっとゆっくりあるいてね! ゆっ! ゆっ! れいむのあんよがつかれてるよ!」 声のトーンがコントロールできないようであり、運動不足、しつけが足りない飼いゆの証しである。 頭にきらめく銅バッチは薄汚れているごくごく普通にいる飼いゆっくりだ。 しかし、これだけうるさくても、れみりゃは巣の中で「う〜 う〜」と寝息をたてているだけで、 飛び掛って食べようとしない。 みなさんが思っているように私も最初は気づいていないものだとばかりおもっていた。 でもこれが野良ゆっくりだとれみりゃは見逃さない。 ちょうどいいところに、野良のまりさ種がやってきた。 この店は前がお菓子屋ということもあり、 この界隈のゆっくりたちには「あまあまがあるゆっくりぷれいす」と認識されているらしい。 そもそもゆっくりを珍しがっていた前の店主がお菓子の売れ残りをあげていた事にも問題はあるのだが・・・ まぁ、いない人のことを言ってもしょうがないので割愛する。 さて、野良まりさはゆっくりぷれいす、つまり私の店のドアをドンドン叩きだした。 このドアは前の店主がつけた丈夫な樫の木でできていて、ゆっくり程度じゃ壊れない代物である。(高かったらしい) 「おじさん!!素敵なまりさがきてやったのぜ!! まりさのスーパー頭脳にかかればここにあまあまがあるのはすぐにわかるのぜ!! おじさん!中にいるのはわかっているんだぜ!!」 野良まりさの言うとおり私は店の中にいる。 今日は定休日だがゆっくりたちの面倒を見ないといけないし、することもないので 店の中で赤ゆを茶菓子にコーヒーを飲んで新聞を読んでいた。 ちなみに話は脱線するが、この赤ゆたちの入っているカップには面白い構造をしている。 直径10cm高さ5cmの底が少し深いどこにでもある食器なのだが、 食器の下には熱を伝える装置がついている(充電式)、設定温度はお好みで20〜50℃ぐらいである。 ちょうどゆっくりできない温度まで上げれるものと考えてもらえればいい。 これだけなら熱さで泣き喚いてる赤ゆを順番につま楊枝を刺していくだけなのだが、 この食器には真ん中に2cm×2のすこし高い突起部分がある。 ここには熱が通っておらず、食器に入れられたゆっくりたちは先を争ってここに群がるというわけである。 ついさっきまで仲のよかったゆっくりたちがここでは他の姉妹を蹴落とそうと必死になっている。 見るだけでも面白いのだが、真ん中のゆっくりをたべると 赤ゆA「ちゅぎはれいみゅがきょきょにいくべきなんだよ」 赤ゆB「まりちゃのすーぱーぴゃわーにかちぇるわけないでちょ わかっちゃらちゃっちゃとどいちぇね」 赤ゆC「やみぇてねれいみゅがゆっきゅりできないよ」 などとイス取りゲームよろしく、先を争っている。 食べられる怖さなど二の次である。 設定温度を落とすと 『食べられる怖さ』>『熱くてゆっくりできない温度』となり、 赤ゆD「どうちて れいみゅをたべるの!!」プクー 赤ゆE「きょきょはゆっくちできないー」 赤ゆF「みゃみゃー!たちゅけてよー!」 とさっきよりワーワーうるさいもんである。 バターを溶かしたり食べ方は色々と考えていこうと思う。 さてさっきのまりさだが 〜〜5分後〜〜 「じじぃ!はやくあまあまもってこいっていってるでしょ!ばかなの? まりさのいうことが聞けないばかなじじいはさっさとあまあまもってこい!! あまあま持ってきたら命だけはゆるしてやってもいいのぜ!!!!」 まりさの罵倒がヒートアップしていた。 その時、まりさの後ろに腐りかけたチーズケーキが落ちてきた。 まりさは気づいて 「ゆ?あまあまが落ちてるよ! これはきっとじじぃが持ってきたんだぜ! 姿を見せないのはまりさ様が怖かったんだぜ きっと!」 さんざん自画自賛をしてから半分食べて半分を帽子の中に入れた。 きっと巣に持ち帰って家族に与えるんだろう。 ちなみにこの腐りかけたチーズケーキ もちろん私が与えたものではない。 このあたりではむやみに野良ゆっくりに餌を与えるのは条例で禁止されているからである。 このチーズケーキ、もともと私が数日前にれみりゃにあげたものである。 与えたのはいいが、元々お菓子屋に飼われていたれみりゃはグルメだったらしい。 口をつけずに巣の近くに放置していた。 食べないのなら捨てるように言ったのだが、「う〜う〜」言って首を振るばかりであった。 そのチーズケーキがまりさの後ろに落ちてきた。 「しかたないのぜ!今回はこれでゆるしてやるのぜ! 次も来るからじじぃはあまあまを用意して待っているのぜ!」 と、まりさは一応の収穫に満足したのか帰路についた。 その時!そのときである! 今まで息を潜めていたれみりゃが巣から飛び出し、帰ろうとするまりさ目掛けて滑空していった。 その姿はまるでねずみを狙うフクロウのようであり、鷹のようであった。 私はそのままガブリッ!といくものだと思っていたが、それは違った。 れみりゃは滑空の威力を使ってまりさに体当たりをくらわせたのだ。 まりさ「プギャ!!ゆべっ!」デン!デン! れみりゃのほうが体格が小さかったが滑空の威力が加わっていたため、 まりさは体当たりの衝撃によって二転三転ころころと転がってしまった。 アスファルトの上を転がったのである。怪我は無いがまりさの体は擦り切れて痛々しいものだった。 そのまりさに向かってれみりゃは鋭い歯をたてて噛み付いた! 「ひぅ!」 噛み付いた場所はお尻の少し上、うなじの下である。 普通、れみりゃ種がまりさやれいむに噛み付くとき、ほっぺたに噛み付くことが多い。 理由としてはいくつかある。 一つはほっぺたの近くはやわらかく、中枢餡子に近いため他の部位より美味しい餡子を早く吸えるのである。 他には、その姿がありありと見せつけられるようにほっぺたを噛み付かれることでまりさ達は抵抗さえしないことも多々あるのである。 つまり暴れるのを防ぐのが理由である。 そして一番の理由はなんといっても、恐怖が倍増されることによって甘みが増えるのである。 お尻の上を少し噛み付いたのは何か理由があるのか?と 一年近く同居しているれみりゃの狩りに私は少しばかり興味を持った。 れみりゃはまりさに噛み付いた後、口の中に隠し持っていた細い木を 噛み付いて出来た傷口に突っ込んだ。 本当に細い木で、箸のような細さであった。 「ゆぎゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛」 まりさの悲鳴があたりにこだました。 れみりゃは数回まりさの周りを飛び回っていたが悲鳴を上げてのたうち回るまりさを尻目にどこかに飛び去っていってしまった。 まりさは噛まれた痛みや小枝が餡子をえぐる痛みに対し気持ち悪いように体をぐねらせていた。 そして、痛みにもだえながらも『なぜれみりゃが去っていったのか?』と考えていた。 いくら自尊心の高いゆっくりであっても、れみりゃがまりさを恐れたとは思えなかった。 いつまでも考えつづける餡子脳があるわけでもないし、 噛まれた箇所がお尻に近く餡子も厚かったのでなんとか歩くことが出来た。、 数分休憩した後まりさは巣に帰ることに決めた。 体当たりの衝撃で帽子の中でシャッフルされたチーズケーキを食べ、 来るときの1/5ぐらいの速度でのっそりのっそりと歩き出した。 歩くたびに体の中に刺さった小枝が痛いのだろうか 「ゆぐっ!ゆぎっ!」と声を上げている。 ゆっくりと帰っていくまりさはとてもじゃないがさっきまでの威勢は無い。 レイパーアリスに絡まれたら即死だろう。 しかし、アリスたちに出会ってもまりさはきっと巣にたどりつけるだろう。 れみりゃが彼を尾行しているのだから・・・ れみりゃはグルメである。 目の前のチーズケーキに手を付けず、手負いのまりさを捕食することを我慢できるぐらいに。 帰路につくまりさとそれを尾行するれみりゃを見送りながら、私はれみりゃの狩りについて考えてみた。 まず、チーズケーキ れみりゃはまりさがチーズケーキに気をとられている隙に体当たりを食らわせた。 れみりゃは自分がここに住んでいることをまりさ達に知られたくなかったのであろう。 野生のゆっくりは捕食種がいる所には近づかない。れみりゃはそれを本能で知っていたのである。 その為チーズケーキを使うことで『いきなり現れた』演出を行ったのである。 (当店にとってはれみりゃが自己主張してくれたほうがありがたいのだが) 次に噛み付いた箇所と木の棒 おそらくである。れみりゃは子ゆっくりを好んで食べるのだろう。 そのためには巣の案内をまりさに行わせ、同時にまりさを無力化するのが望ましい。 だからお尻の少し上を噛み付いたのであろう。 れみりゃはこの後巣まで尾行し、まりさ達がいる前で赤ゆを捕食するだろう。 その時、まりさはどういう行動をするだろうか・・・ 十中八九怒りにまかせ多少の痛みにこらえながらもれみりゃの食事を妨害するのは明白である。 その時、臀部が痛かったらまりさの体当たりは半減するものである。 さらに木の棒が刺さっていることにより痛みは倍増されるということである。 巣まで帰っている間に木の棒は深く刺さっている。 相方のれいむなりアリスなりに手伝ってもらっても引き抜くことは不可能である。 しかしながらお尻付近に刺さった細い木の枝である。 狩りや遠出さえしなければ日常生活に不自由しないだろう。 キズが回復し時間が経過すればまた子作りをするだろう。 その時は手負いのまりさに茎を実らせているかもしれないが・・・ 遠出ができない彼らは新しい巣を探すだろうか? 巣を変えたとしてもおそらく近場ですませるだろう。 そうなると将来生まれるであろう彼らの赤ゆ達はれみりゃの食料になってしまうという寸法である。 まぁ、ここまで考えてはみたものの、 赤ゆっくりが生まれているかどうかわからないものである。 れみりゃの狩りが成功したかどうかは彼が帰ってきてから聞くことにしよう。 彼の狩りが成功することを祈りつつ私は最後の赤ゆを噛まずに飲み込んだ。 赤ゆ「ゆ゛び゛ゃ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛み゛ゃ゛み゛ゃ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ ゆ?きょきょどょこ?くりゃい゛よ゛!ゆっちくできなよ゛! ゆゆゆ???あみゃあみゃのにぉいが・・・」 私は最後にコーヒーを飲もうかと思ったが、赤ゆが幸せそうに姉妹を食べているのをきいて、しばらくそっとしておくことにした。
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/57.html
ゆっくりいじめ系322 ゆっくりボール虐道無 阿求×ゆっくり系8 ゆっくりボール2虐道 ゆっくりいじめ系353 ゆっくりボール3虐環無 ゆっくりいじめ系357 ゆっくりボール3-2虐環捕無 ゆっくりいじめ系365 ゆっくりボール3-3虐制無 ゆっくりいじめ系375 ゆっくりボール4虐家捕無 ゆっくりれみりゃ系いじめ31 ぷっでぃ~ん天国虐捕無 ゆっくりいじめ系401 びりゃーど虐家道無 その他 ゆっちぇすそ ゆっくりいじめ系412 必殺コンボ?虐 ゆっくりれみりゃ系いじめ36 ゆっくりぼーる5虐家道 ゆっくりいじめ系436 ゆっくりみだら1そ家性無 ゆっくりいじめ系438 ゆっくりみだら2そ家性無 ゆっくりいじめ系442 ゆっくりみだら3そ家性無 ゆっくりいじめ系448 ディスコミュニケーションそ無 ゆっくりいじめ系458 ゆっくりみだら4そ家性無 ゆっくりいじめ系484 鬼意さんVSドス 1虐 ゆっくりいじめ系485 鬼意さんVSドス 2虐性 ゆっくりいじめ系486 鬼意さんVSドス 3_1制 ゆっくりいじめ系487 鬼意さんVSドス 3_2虐 ゆっくりいじめ系500 ゆっくりみだら5虐無 ゆっくりいじめ系513 ゆさくや1 ゆっくりいじめ系525 ゆさくや2_1 ゆっくりいじめ系526 ゆさくや2_2 ゆっくりいじめ系529 ゆっくりみだら6 ゆっくりいじめ系559 ゆさくや3虐制家 ゆっくりいじめ系573 ゆさくや3.5虐そ無 ゆっくりいじめ系582 淡々とゆっくりを尾行してみたそ家環無 ゆっくりいじめ系589 淡々とゆっくりを尾行してみた 2虐環家無 ゆっくりいじめ系597 虐待おばば虐無 ゆっくりいじめ系602 淡々とゆっくりを尾行してみた3虐環家捕無 ゆっくりいじめ系607 ゆっくりみだら7虐性捕無 ゆっくりいじめ系620 ゆさくや4虐捕無 ゆっくりれみりゃ系いじめ42 ゆっくりみだら8虐性家無 ゆっくりれみりゃ系いじめ43 ゆっくりみだら9虐性無 ゆっくりいじめ系650 虐待おばば2虐無 ゆっくりいじめ系665 ゆっくり研究虐家無外 ゆっくりいじめ系684 鬼意裁き虐無 ゆっくりいじめ系697 野生のゆっくり ゆっくりいじめ系749 現代ゆっくり虐家無 ゆっくりいじめ系753 殺されたお兄さん制性無 ゆっくりいじめ系760 とうぎじょう虐薬共無 ゆっくりいじめ系782 非ゆっくり過敏症虐家無外 ゆっくりいじめ系814 ゆー園地虐そ共機料無外 ゆっくりいじめ系818 すっきりしたくないありす虐そ性無 その他 M ゆっくりいじめ系850 ゆっくり研究2 ゆっくりいじめ系865 二択 ゆっくりいじめ系876 二択2 ゆっくりいじめ系890 技巧派まりさの誕生_1 ゆっくりいじめ系891 技巧派まりさの誕生_2 ゆっくりいじめ系893 虐待おばば3 ゆっくりいじめ系916 ゆー郭 ゆっくりいじめ系921 ゆー郭2 その他 ゆっくりボール乙 ゆっくりれみりゃ系いじめ51 ゆっくりゃへのおしおき ゆっくりいじめ系964 ミニマムゆっくり ゆっくりパチュリー系いじめ3 ぱちゅりー ゆっくりいじめ系993 バレンタインデイ ゆっくりいじめ系995 普通のゆっくり虐め ゆっくりいじめ系1007 見守るドスまりさ ゆっくりすいか系いじめ1 ゆっくりすいか ゆっくりいじめ系1139 やねのうえのゆっくり ゆっくりいじめ系1107 ゆくぶつかん ゆっくりいじめ小ネタ172 ほしれいむ ゆっくりいじめ系1193 れいむをまもるもの ゆっくりいじめ系1199 ゆっくりできた日々1 ゆっくりいじめ系1209 ことばのろう ゆっくりいじめ系1218 ゆっくり ゆっくりいじめ系1231 こんにゃゆっくちいりゅかな? ゆっくりいじめ系1240 でーしーえす ゆっくりいじめ系1274 虐兄とドス ゆっくりいじめ系1280 ゆっくりのがっこう ゆっくりいじめ系1291 ありす ゆっくりいじめ系1301 ゆっくりできた日々2 ゆっくりいじめ系1307 ゆーろ ゆっくりいじめ系1342 お食事会 ゆっくりいじめ系1347 まりさのおうち ゆっくりいじめ系1378 かみいじめ ゆっくりいじめ系1409 ルールある虐待_01 ゆっくりいじめ系1410 ルールある虐待_02 ゆっくりいじめ系1411 ルールある虐待_03 ゆっくりいじめ系1453 ゲスまりさ調教_01 ゆっくりいじめ系1454 ゲスまりさ調教_02 ゆっくりいじめ小ネタ216 うんうん ゆっくりいじめ系1472 うんうん2 ゆっくりいじめ系1484 ゆっくりを退化させよう ゆっくりいじめ系1502 初物お兄さん ゆっくりいじめ系1530 髪の毛で綱引き ゆっくりいじめ系1571 ゆっくり問答 ゆっくりいじめ系1595 ねじこんでみた ゆっくりいじめ小ネタ234 しゃぶれいむ ゆっくりいじめ系1645 れいコン ゆっくりいじめ系1652 ふぐぅ! ゆっくりいじめ系1659 おうち宣言を最大限尊重してあげた ゆっくりいじめ系1902 カッパの住処 ゆっくりいじめ系1906 ぱんちゅりー ゆっくりいじめ系1967 ゆんどら 1 ゆっくりいじめ系1968 ゆんどら 2 ゆっくりいじめ系1974 ゆっくり人間(クロスオーバー作) ゆっくりいじめ系1995 ゆっくりいじめ系2002 新物質 ゆっくりいじめ系2016 げっぺるどんがァーッ! その他 ゆっくりスレ その他 実録!虐待SSの作り方 ゆっくりいじめ系2033 ゆっくり学部虐待科 ゆっくりいじめ系2045 馬鹿なの?寝るの? ゆっくりいじめ系2057 あるレイパーの更正 ゆっくりいじめ系2076 飽きた ゆっくりいじめ系2088 力 ゆっくりいじめ系2124 お帽子 ゆっくりいじめ系2126 せつゆん ゆっくりいじめ系2142 ドスモス ゆっくりいじめ系2164 巨大ゆっくりの饗宴(前編) ゆっくりいじめ系2165 巨大ゆっくりの饗宴(中編) ゆっくりいじめ系2166 巨大ゆっくりの饗宴(後編) ゆっくりいじめ系2170 ゆれんたいん ゆっくりいじめ系2174 新たなる?ゆっくり ゆっくりいじめ小ネタ340 矢ゆっくり ゆっくりいじめ小ネタ341 ゆっくりになったお兄さん ゆっくりいじめ小ネタ351 敬いお兄さん ゆっくりいじめ小ネタ369 ゆっかりクッキング ゆっくりいじめ小ネタ391 ゲスに情けなど不要! ゆっくりいじめ系2198 とあるHumyonの憂鬱 ゆっくりいじめ系2254 100スレ記念1 ゆっくりいじめ系2255 100スレ記念2 ゆっくりいじめ系2256 100スレ記念3 ゆっくりいじめ系2257 100スレ記念4 ゆっくりいじめ系2258 100スレ記念5 ゆっくりいじめ系2259 100スレ記念6 (完結) ゆっくりいじめ小ネタ405 ふえちゃうぞ! ゆっくりいじめ小ネタ409 うんうんイーター ゆっくりいじめ小ネタ416 めだま ゆっくりいじめ系2349 やさぐれいむ ゆっくりいじめ小ネタ425 うんうんする理由 ゆっくりいじめ系2377 まりさのあい(前編) ゆっくりいじめ系2378 まりさのあい(後編) ゆっくりいじめ小ネタ428 奇跡の声 ゆっくりいじめ系2406 レイパーの動機 ゆっくりいじめ小ネタ441 虐待おばば4 ゆっくりいじめ小ネタ450 赤ゆの底力 ゆっくりいじめ系2465 どのゆっくりがこのみ? ゆっくりいじめ系2488 あおりぼん ゆっくりいじめ系2493 やさぐれいむ2 ゆっくりいじめ系2509 魔剣ゆギャリア ゆっくりいじめ小ネタ470 えたーなるばーじん ゆっくりいじめ系2523 目が見えない少女 ゆっくりいじめ系2586 まりさと子るーみあ ゆっくりいじめ系2597 飼いゆっくり ゆっくりいじめ系2602 うんうんと4匹 ゆっくりいじめ小ネタ484 コネタ集? ゆっくりいじめ小ネタ489 ゲス家族 ゆっくりいじめ小ネタ492 21かもしれない ゆっくりいじめ系2682 365匹を虐殺してみた1 ゆっくりいじめ系2683 365匹を虐殺してみた2 ゆっくりいじめ系2684 365匹を虐殺してみた3 ゆっくりいじめ系2685 365匹を虐殺してみた4 ゆっくりいじめ系2686 365匹を虐殺してみた5 ゆっくりいじめ系2695 副工場長れいむに勝手にパラレル ゆっくりいじめ小ネタ502 ゆっくりしていってね! ゆっくりいじめ系2719 ある愛護団体のお仕事 ゆっくりいじめ小ネタ519 ゆ虐1発ネタ?集虐他性巨希ゆゆっくりいじめ小ネタ520 コード虐無 ゆっくりいじめ小ネタ524 ドス・・・制汚無 ゆっくりいじめ系2836 ありす虐待エンドレス1他性家 ゆっくりいじめ系2842 ありす虐待エンドレス2虐改家無 ゆっくりいじめ系2843 ありす虐待エンドレス3-A虐家共無 ゆっくりいじめ系2844 ありす虐待エンドレス3-B虐滅環家無 ゆっくりいじめ系2845 ありす虐待エンドレス『母』虐家共無 ゆっくりいじめ系2846 ありす虐待エンドレス『まりさ』虐家共無 ゆっくりいじめ系2847 ありす虐待エンドレス『再会』虐滅家共無 ゆっくりいじめ系2848 ありす虐待エンドレス4虐環家無 ゆっくりいじめ系2849 ありす虐待エンドレス『れいぱー』虐性家無 ゆっくりいじめ系2852 ありす虐待エンドレス0虐家無 ゆっくりいじめ小ネタ554 ゆっくりカスタムキット虐改無 ゆっくりいじめ系2906 ゆっくりが生き残れる理由虐環家無 ゆっくりいじめ小ネタ557 平凡な虐待虐家無 ゆっくりいじめ系2915 ○んぶーぶ○ーど Y虐他無現 ゆっくりいじめ系2918 駄作!!虐汚家無 ゆっくりいじめ系2936 死神のいたずら虐他汚家ゆ ゆっくりいじめ系2958 なつやすみのじゆうけんきゅう虐環実家無 ゆっくりいじめ小ネタ587 クリスタルお兄さん ゆっくりいじめ系2997 ゆっくりの手、略してゆてて 1 ゆっくりいじめ小ネタ595 ぶりんぶりん虐汚家無 ゆっくりいじめ系3036 ゆっくりの言葉の読者への影響虐他実家無 ゆっくりいじめ系3045 ゆっくりの言葉が読者に与える印象(制裁編)制他実家無
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/1361.html
前? 「う~?」 ゆっくりれみりゃがパチュリーに連れてこられたのは、今までの自分の家では無かった。 「お姉さんも、ここでいっしょにゆっくりしようね」 ゆっくり霊夢が言ったが、ここはもうゆっくり達の家でもない。 「あら、思ったほど酷くなかったわね。これなら意外と早く終わりそうね」 「じゃあ、さっさとやって頂戴。私はここ数日働きすぎて疲れたわ」 「何を言っているの? あんたにも手伝ってもらって、やっと意外と早くよ」 「むきゅーん」 そういって人形を使い家を直してくアリス。 彼女がこの家の主である。 「あぁ、でも人形のダメージは酷いわね。コレが終わったらいったん修理しないといけないわね」 ブツブツ言いながら、同じくブツブツ言っているパチュリーにアレコレ指示をする。 ちなみに、パチェリーのブツブツは、小悪魔早くこっちに来いだったりするが。 「お姉さん、わたしたちもてつだうよ!」 三匹が、何か仕事は無いものかと、ウズウズしながら話しかける。 「大丈夫よ。あなた達は外で遊んでいらっしゃい。ずっと檻の中に居たから、体が鈍ってるんじゃない?」 「いいの?」 「えぇ、良いわよ」 「やったぁ、まりさ、ぱちぇりー行こう」 「むきゅー」 「お姉さんゆっくりしてくるよ!!!」 ゆっくり魔理沙がアリスにそう話す。 元が単純なゆっくり種であるゆっくり魔理沙は、先ほどの会話で、アリスが優しくなったと思ったらしい。 その口調は、普通のゆっくりが人に向けるそれと同じであった。 「いってらっしゃい」 「イッテラシャィ」 「ラシャーイ」 笑顔で送り出すアリスとその人形達。 「お庭もひどいねー」 「あらしだったからだよ」 「ぱちぇりーはものしりだね」 「きょうはおともだちこないねー」 「「ねー」」 日が天辺まで昇った時、木陰を求めて、何時もの木の下で話す三匹。 ゆっくり魔理沙も、アリスが居なくなってからの暮らしと、何も変わっていない事に安堵する。 「う~♪」 玄関からした声は、庭に追い出されたゆっくりれみりゃの声だ。 「う~! ゆっくりゆっくり♪」 一昨日、加工場内で見たゆっくり達が忘れられなかったのだろう。 木陰で屯っている三匹を見て、とても嬉しそうにダンスを踊る。 「いっしょに来たゆっくりだね」 「にんげんみたいに、からだもあるね」 「きしょうしゅっていうんだよ」 「「ぱちゅりーはものしりだね!!!」」 「むきゅ~」 「「「ゆっくりしていってね!!!」」」 「う~~!!! ゆっくりしゅるしゅる!」 それから、四匹はいっしょになって遊んだ。 庭を駆け、一緒になって話をしている内に、日は森の木よりも低くなっていた。 家の修理もそろそろ終わるようだ。 「みんなー、修理は終わったわよ。そろそろ暗くなるから、入ってらっしゃい」 「「「はーい」」」 「うっう~」 四匹がドアに近づくよりも前に、ドアの前に一人の人影が立った。 「すいませーん。遅くなっちゃいました。もう修理は終わっちゃいましたか?」 小悪魔だ。 片手に持っている大きな紙袋は、荷物が入っているのだろう。 「小悪魔。あなた随分遅かったじゃない。外で様子でも見てたんじゃないの?」 「いいえー。そんなことないですよ。私は、パチュリーさまに使役される身ですから。主が必要としているなら、直ぐにでも駆けつけますよ」 「お姉さん、ずっと外に居たよ」 「れいむたちが、そとにでたときからいたよ」 「おそとでゆっくりしてたよ」 「う~♪」 「ちょ!! 止めてよ!! 折角直したんだから!!!」 それを聞いてスペルカードを使おうとするパチュリーを必死に止めるアリス。 「いえ、それは落としていった幻影のスペルカードがですね……」 必死に言い訳する小悪魔。 「ゆゆゆ!!」 「「ゆ~~♪」」 「うっう~♪」 面白そうに笑う四匹。 暗くなった外から見るそれは、とても幸福そうな生活の一ページに見えた。 翌日、数少ないゆっくりれみりゃの持ち物(主にきぐるみ)を置いて、パチュリーとその使い魔は帰っていった。 太陽が、地面から切離されたばかりの、まだ早朝と言ってもいいような時間。 今、この家で起きているのはアリスだけだ。 「さてと。それじゃあ、朝食の用意をしちゃいますか」 上海と蓬莱を起こし、朝食の用意に取り掛かるアリス。 二人で、必死に野菜を切る人形達。 そして、切った野菜を鍋に入れ、調理していくアリス。 クツクツと煮立つその鍋からは、食欲をそそる匂いが漏れている。 「うん! 上出来ね。二人とも、四匹を起こしてきて」 二人は頷いて台所から出る。 向かう先は、随分前から使っていなかった石造りの小屋。 二人が中に入ると、たっぷりと敷き詰められた藁の中で、三匹が気持ち良さそうに眠っていた。 外で寝ると言っていたので、アリスが急遽、藁をしいて寝室にしたのだ。 それまで、ベットやソファーの上で寝ることはあっても、専用の寝室がなかった三匹には、与えられた専用の寝室を非常に喜んでいた。 一方のれみりゃは、壁際で毛布に包まって眠っていた。 昨夜、仲良くなった三匹と一緒にこの部屋をみた直後、れみりゃだけは走って家の中に行ってしまった。 初めての寝室に興奮している三匹に、おやすみを言って家の中に入ったアリス達。 家に戻り、れみりゃを探すと、アリスの部屋のベッドで跳ねて遊んでいるところを見つけた。 「う~♪ ゆっくり!!!」 本人は、ゆっくりのつもりで遊んでいるのだろうその様子は、アリスを突き動かすには十分だった。 「ねぇ、れみりゃ。三匹はもう寝ちゃったわよ。一緒に寝ないのかしら?」 「ここでねりゅ~。べっど♪べっど♪」 加工場で床で寝ていた事はあっても、やはりベッドが恋しかったのだろう。 まして、あんなところで寝るなどということは、紅魔館ぐらしのれみりゃには考えられないことであった。 「ふーん。でもそこは私のベッドよ?」 「ん~ん。れみりゃの。ちかづくとた~べちゃうぞ~♪」 この時、ゆっくり魔理沙がいたならば気付いただろうが、今のアリスの目は何時もの、ゆっくりを見る目であった。 「せっかくお風呂にも入れてあげたのに。それでもまだそんなに図々しいなんてね」 つかつかと、無言で自分のベットに近づいていくアリス。 「きちゃだめ~♪ ぎゃお~♪ぎゃお~♪」 暖房を効かせた部屋と外の様な、二人の温度差はすさまじいものであった。 「た~べty!?」 かいじゅうの真似事をしているれみりゃに回し蹴り。 れみりゃは、衝撃をモロにくらって部屋の入り口に吹っ飛ぶ。 「うー。うー」 「コレは私のベッドよ? あんたはさっきの三匹と一緒に、あの中で眠るのよ。分かった?」 「うー。わがっだ。わがっだー!! うあ!!! ああ!!!」 れみりゃの返事も無視し、更に二三発蹴る。 とたんに、先ほどまで大泣きしていたれみりゃが大人しくなった。 「……あら、もう気絶しちゃったの?」 「本気で蹴り過ぎよ。あれじゃあ誰だって気絶するわよ。まぁ気持ちは分かるけど」 呆れた声で言うパチェリー、だが余程眠いのかしきりに目を擦っている。 「あんなのが私の部屋に入っただけで嫌気がするわ。小悪魔、コイツさっきの小屋に入れてきてくれるかしら」 同時に、シーツかと思う程つぶれた毛布が投げられる。 「人間らしく寝たがってたから、それでもかけてあげて」 「はい。分かりました、アリスさん」 アリスも疲れていたのだろう、後は小悪魔に任せて、自分も早々にベッドに潜っていった。 ―― そして、昨日のそれが引きがねになったのだろう。 アリスは早々に、れみりゃを最重要に、と人形たちに命じた。 魔理沙たちには余力でいい、とも言った。 その言葉の通り、眠っているれみりゃの顔面にパンチをして起こす上海。 「うー? うー?」 れみりゃの方は、何が起こったのか分からずおろおろしていたが、やがて何時ものように泣き出した。 さらに、自分が小汚い小屋の中で寝て言うことに気付いてまた泣き出す。 「どーしたの?」 「なんでないてるの」 「むきゅー」 その声で起き出した三匹、れみりゃが泣いているのが不思議なようだ。 「ォコシタラナィタノ」 「イエ、カワテサビシークナタノ」 「そっか~」 「れみりゃもゆっくりしようね!!!」 「しよおねー、……むきゅ」 懸命にゆっくりれみりゃを気遣う三匹。 れみりゃも、三匹に励まされだんだんと泣き止んだ。 「「今日もいっしょにゆっくりしようね!!!」」 「むきゅ~」 「う~♪」 大声で泣いたので目も覚めたのだろう、れみりゃは機嫌よく返事をする。 「ゴハンダァヨ」 「アサゴーハン」 人形達に引きつれらて家の中に入る、玄関から既に美味しそうな匂いが漂っていた。 「おねえさん、おはよー。おいしようなにおいだよ」 「おはよー。おなかへったよ、おねえさん」 「ごはん。ごはん」 「はいはい、どうぞ。」 トン。 軽い音と共に、パンとスープを人数分床に置くアリス。 それは、犬用の入れ物であった。 「テーブルの上は狭いから、ここで我慢してね」 たしかに、アリスの家のテーブルは狭い。 仮にゆっくりが三人のったら、それだけでいっぱいになってしまうだろう。 それを食事代わりにするのであれば、話は別だが。 「だいじょうぶだよ、お姉さん」 「魔理沙おねーさんがきたときもこうしてたべたよ」 「ごはん。ごはん」 ガツガツと、意地汚く食べる三匹。 以前の魔理沙なら、ここまで汚く食べていたら、すぐにアリスにイジメられていたが、一年という月日ですっかり忘れていた為、他のゆっくりと同じような食べ方に戻っていた。 それを見て、嫌悪感を感じているのではないかと思われたアリスだったが、それよりも、突然飛び出た魔理沙の名前に、一瞬頬を赤らめていた。 しかし、すぐにその熱は直ぐに冷めることとなった。 この三匹が、魔理沙を慕っているのが許せなかったからだ。 「う~? う~?」 その上このゆっくりれみりゃである。 以前、レミリアから散々コケにされていたアリスにとって、このゆっくりに出会えたことは幸せだった。 普通のれみりゃ種を相手にしたところでは晴れない。 しかし、この『元』レミリアであれば、その気持ちが晴らせるのだ、これ以上このれみりゃができる恩返しは無い。 「う~! ぱちぇ? こぁくま?」 そのれみりゃは、嘗て大事にしてくれた人の名前を叫びながら、キョロキョロと辺りを伺っている。 どうやら、パチェリーと小悪魔が見当たらないので騒いでいるらしい。 「あの二人ならもう帰ったわよ」 「っ!!」 その表情を見るたびに、体が小刻み震えていく事を感じるアリス、あのレミリアを自分が責めている。 それだけで、それだけで最高の興奮剤になり得た。 「ほら、パチュリーがあなたにって置いていったわ」 パチュリーが作っておいたプリンを差し出す。 とたんに、飛びつかんばかりの勢いでアリスの元に駆け寄るれみりゃ。 「う~♪ぷりんたべるたべる♪」 その表情でうかがい知れる。 どうやら、早くよこせといっている。 スプーンを両手に持って、椅子に座って待っている。 「どこに座っているの?」 「う~♪はやくちょうだい♪」 昨日のことを既に忘れたのか、それとも気絶して記憶が無いのか、アリスのどす黒い空気を全く気に止めないれみりゃ。 そのまま、笑顔でプリンを出す、バケツ一杯分もある大きなプリンだった。 「う~♪おっきいおっきい」 自分の顔ほどもある大きなプリンにご満悦のれみりゃ、彼女ならものの数分で平らげてしまうだろう。 「そのまえに、きちんとご飯をたべなさい」 スープとパンを三匹と同じ皿に装ってれみりゃの前にだすアリス。 「い~らない♪ ぷりん~ぷりん~♪」 元からお菓子しか食べないれみりゃは、聞く耳を持たない。ましてや、目の前に大きなプリンがある状態ではなおさらだった。 「そう、仕方ないわね」 いざ、スプーンを付けようとした瞬間に取り上げる。 当然、れみりゃは不満爆発だ。 「うー!れみりゃのぷりん!ぷりん!」 意に返さず、一人前だけを切り取ってれみりゃの前に出しなおす。 残ったプリンは三匹の前に出し。 「好き嫌いしたからよ。……さぁ、デザートのプリンよ」 食事に夢中で気が付かなかった三匹、突然出された大きなプリンにご満悦だ。 「すっげっ、でっけぇ!」 「うまい! うまいよお姉さん!!!」 「ごはん! ごはん! むきゅ~」 むしゃぶりつく三匹、対照的に自分のプリンと三匹のプリンを交互に見るれみりゃ。 急いで自分の分を食べ終える。 そして、その中に割り込もうとする。 「う~!」 しかし、既にプリンは無くなっていた。 れみりゃに限らず、お菓子はゆっくり達にとってご馳走のようだ。 「うーー」 「好き嫌いした方がわるいのよ。これからはきちんと食べなさい」 紅魔館ではお菓子しか出されなかったれみりゃは、アレは違う人の食事だと思っていたのだろう。 「うー!! いぎゃあ!!!!」 「そして、あそこは私の席よ。分かった?」 突き破らんばかりの蹴りを放ったアリスは、代わりの椅子を準備して自分も朝食を取った。 ―― 「おーいアリス、いるかぁ?」 「まっ魔理沙! いっ居るわよ」 朝食を終えて、人形達の修理でもしようかと思っていたアリスの家に、意外な来訪者がやってきた。 「まぁ、もう入ってるけどな。それにしても一日でここまで直すとはなぁ」 いつでもあんたを迎え入れるためよ、とは口が裂けても言えないアリス。 適当に相槌を打ってごまかした。 「あっ、魔理沙おねーさんだ」 「魔理沙おねーさん~いらっしゃい」 「ゆっくりしていってね」 「おお、元気だったか。あの嵐だったから心配したぜ。まぁアリスがいたんなら、大丈夫だろうけどな」 とたんにアリスの表情が曇る。 馴れ馴れしく魔理沙に話しかけるゆっくり達を見ているアリスの顔、それは先ほどと同じ感情だった。 「はは、そうだな。ところでアリス、これからちょっと出かけないか?」 「でっ、でかける! 何処へ?」 ひっそりとアリスに耳打ちする魔理沙。 当の本人は、昨日はきちんとお風呂に入ったか、寝癖はないか、そればかり考えていた。 「紅魔館さ、フランの奴がたまには運動したいって言うからな。お前もずっと図書館に篭ってただろ? 運動しないと体に毒だぜ」 「……ごめんなさい。今日はちょっと行けそうに無いわ。家に置いておいた人形の修理もあるから」 そうか、それじゃな、と言い残して出て行った声も、さよならと言った三匹の声も、既にアリスには届いていなかった。 また、他の人の所に行くのは別に良い、こうして誘ってくれたから。 でも、私より饅頭三匹を心配していたのが気に食わなかった。許せなかった。 「ねぇ、あなた達。私はこれから街に行ってくるから、魔理沙の所に遊びに行ってきたら?」 「まりさのところ?」 「いくいく!」 「そう、場所は分かる? えぇ、大丈夫。蓬莱に道案内を頼むわ」 「ホラーイ」 蓬莱人形に連れられて家を出る三匹、もう一匹はもたもたと何かをしているようだ。 「あなたは、何をしているの?」 「うー、がお~!がお~!」 どうやら、お気に入りのきぐるみを着て行きたいらしい。 「それなら、何日も着ていたから洗濯するわよ」 「うー! もうひとつだして! だして!」 代わりのきぐるみを出せと、駄々をこねるれみりゃ。 「これかしら?」 「う~♪はやくはやく」 良くやったと言わんばかりの顔をしているれみりゃの前で、きぐるみに朝のスープの残りをかける。 「う゛ー!」 ころころと表情が変わるれみりゃ、それを見て興奮するアリス。 「あらあら、これも洗濯しないとね。ダメじゃない、こぼさずに食べないと」 「う~! やってない! やってない!」 ブンブンと首を振って否定するれみりゃ。 「……その態度がムカツクのよね。いいわ、きぐるみを着せてあげる」 ちょっと待ってなさい、そう言いながら上着を脱がす。 ドロワーズ一枚になったゆっくりれみりゃを取り合えず庭に出しておく。 「そのこのきぐるみを乾かすまでちょっと待っててもらえるかしら」 「うん、いいよおねえさん。ゆっくりまってるよ!!!」 魔法を使えば直ぐ乾くが、あえて一時間ほど自然乾燥させてから魔法を使う。 傍から見ると何をしているのか分からないが、当の本人は酷く嬉しそうなので何か意味が有るのだろう。 「ほら、乾いたわよ。自分で着れるでしょ?」 「う~!きる~!」 ばしっとアリスの手から奪い取る、きぐるみが着れる事が嬉しいようで、ドロワーズの上から直接着ていることに気付いていない。 「がぁお~♪ た~べちゃ~うぞ♪」 「ゆっくりしてね!!!」 「おおこわいこわい」 「むきゅー」 三匹の元へ駆け寄っていくれみりゃ、これで全員準備はできたようだ。 「じゃぁ、きおつけていってらっしゃい」 「うん、ゆっくりしてくるよ!!!」 四匹を送り出したアリスも町へ向かった。 そこで、急遽製作した特製のゆっくり専用のセルフ販売ボックス設置する。 勿論、ゆっくり達の餌代対策であるが、思いのほか順調に事が運んでいる。 これは、なかなかいいビジネスかもしれない。 アリスはそう思っていた。 続き? このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/3030.html
この物語は、幻想郷の日常を淡々と描写したものです。過度な期待はしないでください。 原作キャラ崩壊、独自設定、パロディーなどなんでもあり。 以上に留意した上でどうぞ。 パティシエールな小悪魔3 「美味しい! 何ですかこの肉まん?! まるで舌の上でとろけるような感じです!」 一口その肉まんを齧った小悪魔は、そのあまりの柔らかさに驚いた。 明らかに普通のものよりも柔らかく、とろりとした肉汁が溢れそうになっている。 「これは、確かに今まで食べたことがないほど柔らかいわね」 隣で同じように肉まんを食べたパチュリーも、驚いている。 「どうです、中国四千年の味は?」 特製肉まんを賞味する二人に、テーブルの向かいからニコニコしながら声をかけたのは紅美鈴。 紅魔館の門番であり、赤い髪に緑色の中華風衣装を纏った、気を使う程度の力を持つ妖怪である。 ここは紅魔館の門の内側に作られた、門番のための詰所。 美鈴は紅魔館内にも自室を与えられていたのだが、勤務時間中以外も何かと便利なので、この詰所で過ごす事が 多かった。 今日は美鈴にとって、久々の休日であった。 門の外では、代わりの妖精メイドが門番を務めている。 とはいっても、上空を含めた紅魔館の周りには美鈴が気を張り巡らせて、侵入者があった場合にはすぐ判る ようにしていた。 大体、危険な侵入者は殆どが空からやってくる。紅白とか白黒とか。 そういう意味では、外に立っていなくても警備は出来る。 毎日外に立っているのは、紅魔館の示威行為であり、デモンストレーションでもあるのだ。 余談だが、幻想郷の人里では、美鈴の人気は高い。親しみやすい雰囲気の美貌で、紅魔館一のナイスバディー、 その上拳法の達人だが、普段はのんびりとした性格で、礼儀正しく人間にも好意的である。 人里の男どもが勝手にやっている人気投票では、優勝したこともあるくらいだ。そのため、紅魔館には美鈴を 一目拝もうと遠巻きに見に来る里の者や、腕試しと称して殴られに来る者など、様々な人間が現れる。 いつも適当にあしらっているそれらの対応が、危険な侵入者よりよほど多いので、今日はその相手をしなくて いいだけ気楽な様子だった。 閑話休題。 今日のお茶会は、美鈴の招待で、門番詰め所の中の部屋で行われていた。 メニューは、美鈴特製、新作ゆっくりれみりゃの肉まんと、仄かに甘い香りが漂うジャスミンティー。 なんでも、この前小悪魔に貰ったクリーム・ブリュレのお返しに、新作点心の味見をして欲しいとの事だった。 美鈴は非番の日には時々、パチュリーや小悪魔のお茶会に参加し、点心をご馳走する事があるのだ。 「この柔らかさ、まるで高級霜降り肉のような… いや、もっと溶けて無くなる様な儚さ…」 きらきらと目を輝かせて賞賛する小悪魔。 このれみりゃの肉まんは、幸せな味がする。 栄養状態も最高で、思う存分ゆっくりしていたのだろうな、と小悪魔は感じていた。 美鈴は、小悪魔の幸せそうな顔に気を良くして言った。 「そう、そこでこれ、ゆっくりれみりゃの豚トロ饅頭なんて名前でどうでしょう?」 「そうね、鮪のトロは、人肌で脂肪分が溶けるので食すと溶けるように柔らかいと聞くわ。 食べたことはないけど、こんな感じかしら?」 パチュリーはいつか本で読んだ、未だ見ぬ外界の食材へと思いを馳せているようだ。 「食べるたびに熱々の肉汁がぴゅっぴゅっって飛び出してきますよ。とってもジューシィで美味しいです!」 「我等が紅魔館のパティシエール、小悪魔にそこまで褒めてもらえるとは、嬉しいですねえ」 「いえいえ、私のお菓子作りなんかただの趣味ですから。そんなに凝った物は出来ませんし… それにしてもの肉まん、中から肉汁がトロトロと溢れてきて、普通のゆっくりれみりゃの肉まんともぜんぜん 違いますよ、どうやって作ったんですか?」 「それは禁則事項です」 「それって、私の口癖、真似しないで下さいよぅ」 美鈴と小悪魔は、仕える主こそ違え、同じ紅魔館に住む者として仲が良かった。 赤いロングヘアーが共通する二人は、傍目には姉が美鈴、妹が小悪魔という姉妹のような雰囲気だ。 それを眺めてパチュリーは目を細める。 「お正月には、この豚トロ饅頭で飲茶スタイルのパーティーやりましょうか?」 「飲茶スタイルって?」 美鈴の提案に、パチュリーが疑問系で聞き返す。 「飲茶スタイルは、給仕用のワゴンにコンロや鍋を載せて、テーブルのそばで注文に応じて料理をする。 っていう形式の事ですよね? 居ながらにして屋台料理の雰囲気が味わえるという」 小悪魔は知っている範囲で答えた。 それに美鈴が相槌を打つ。 「そうそう、それですよ。 豚トロ饅頭を蒸かす以外に、ゆっくりめーりんを使った刀削麺の実演なんかもやっちゃいますよ? あいつら、面の皮が厚いから丁度良さげだし」 「あ、あの包丁で削って作った麺を、そのまま鍋の中に放り込むのですか? 良いですね、美鈴さんと咲夜さんの競演なんて、見てみたいなあ」 「中身はピリ辛ピザまんだから、坦々麺風スープかな」 もうもうと湯気を上げる大釜の前でナイフを構え、目にも留まらぬスピードでゆっくりめーりんの皮を削る 美鈴と咲夜。 小悪魔はその横で、ピリ辛のスープを作っている… 二人の楽しげな会話を聞くパチュリーの頭の中には、そんなビジョンが鮮明に浮かんだ。 「まあ、館の食堂なら良いけど、図書館ではやらないでね。 これ以上部屋の湿度を上げられたらかなわないわ」 「あー、私も泣きます」 最近特に、かび臭い本の手入れが大変なのだ。 パチュリーの言葉に本来の司書の仕事を思い出した小悪魔は、一転して本当に泣きそうな顔をしている。 それを見た美鈴は、思わず苦笑してしまう。 「はいはい、じゃあ食堂で」 そんなわけで、新作、ゆっくりれみりゃの豚トロ肉まん試食会は好評のうちに終了した。 美鈴は最後まで作り方を教えてくれなかったが、 「この肉まんは、仕込みが肝心でちょっと時間がかかるんです。 作り方は中国四千年の秘儀なんで秘密ですよ。特に咲夜さんには見せられませんからね。ウフフ…」 などと、意味深な事を言っていたのだった。 大図書館に戻った後、小悪魔は蔵書を整理しながら、クリスマスに作るケーキのレシピを考えていた。 (クリスマスにはやっぱり、ブッシュ・ド・ノエルが良いかな? チョコレートクリームが沢山要るから、ゆっくりちぇんを発注しようかな… でも、悪魔がクリスマスを祝うのも変な気もしますが…ケーキくらい良いですよね) パチュリーは中央のテーブルで本を読んでいたが、考え事をしているのか、どこか集中できない様子だった。 小悪魔を見ると、唐突に口を開く。 「美鈴の豚トロ饅頭だけど」 「はい?」 パチュリーの目が、悪戯っぽくきらっと輝く。 「中国四千年の秘密と言われると、是が非でも暴きたくなるわね」 流石、ノーリッジの名前は伊達ではない。 その知識欲は、自身に知らないことがあるのを許せないかのようである。 確かに小悪魔も、気にならないと言ったら嘘になる。 料理人としての好奇心が、あの肉まんの秘密に迫りたいと囁くのだ。 「でも、どうやって探るんですか? 流石に私やパチュリー様が嗅ぎ回ると、目立ちすぎて美鈴さんにばれちゃいますよ?」 「そうね、そこで、これを使ってみようと思うんだけど…」 「むぎゅ…ぎゅ…ぎゅ…ぎゅ…」 「チルノフの冷蔵庫で冷やされていた所為か、妙に顔色が悪くてガタガタ震えてるわね?」 小悪魔はパチュリーの取り出した直径15cmほどの水晶球と、同じく15cmほどのゆっくりぱちゅりーを見ると、 パチュリーのやろうとしている事に合点がいくと同時に、ちょっと残念気味に言った。 「ゆっくりに偵察させる気ですか? まあそれはともかく、その子は使えないと思いますよ」 「どうして?」 「外見は変わってませんけど、中身いじっちゃいましたから。 その子の中身の生クリームを半分抜いて、代わりにコーヒーゼリーを入れてありますから、 多分まともに動けないと思います」 小悪魔はパチュリーの手からゆっくりぱちゅりーを受け取ると、ちょっとシェイクしたり揉んだりした後に、 頭頂部に太目のストローを突き刺した。 「むぎゅっ!」 その瞬間だけ大きく痙攣したゆっくりぱちゅりーだが、それ以外は真っ青な顔でぶるぶると震えるのみだ。 「どうぞ。新しいデザートを試作中だったんです。ちょっと試食してみて頂けますか?」 パチュリーはそれを受け取ると、恐る恐る飲んでみた。 太目のストローを咥えるパチュリーの口に、白と黒のマーブル模様の液体が吸い込まれると、透けるように白く 細い喉がコクコクと微かに上下する。 「んっ、ちょっと喉に絡みつくような感じがするけど、トロっとして美味しいわ、これ!」 そう言うパチュリーは、唇に付いた白い生クリームを舌でペロッと舐めとる。 その光景に小悪魔はにっこり微笑むと、パチュリーに見えないように小さくガッツポーズをした。 「それ、ドロリッチなんとかって名前で、外界で流行っている最新スィーツだそうです。 山の上の神社の巫女さんに教えてもらったんで、試しに作ってみたんですけど」 「ふぅん、外界では不思議なものが流行るのね… それはともかく、あの娘は巫女じゃなくて…」 「まあ良いじゃないですか、青巫女さんのほうがわかり易いですし」 そうこうしているうちに、ゆっくりぱちゅりーは萎んでしわしわの干物のようになってしまう。 「思わず飲み干してしまったわ…どうしましょう」 「とりあえず厨房にストックしてある加工前の子なら居ますが、あんまり期待できないと思いますよ? 加工所で食用に育てられた子は、殆ど体力無いですし…」 「まあ実験だし、いいわ、一匹持ってきてくれない?」 「むきゅぅ…」 そんなわけで小悪魔に持ってこられた、直径15cmほどのゆっくりぱちゅりー。 箱から出され目は覚ましているが、半眼で眠そうな表情をしている。 まあこれは、ゆっくりぱちゅりー種に共通する特徴だが。 パチュリーは水晶球とゆっくりぱちゅりーをテーブルに置くと、何やら呪文を唱え始めた。 水晶球とゆっくりぱちゅりーの上に手をかざすと、それぞれの下に光り輝く魔方陣が出現し、今までうとうと していたゆっくりぱちゅりーが、急に痙攣したように動きを止める。 「むきゅ!」 それと同時に、水晶球にはテーブルの反対側からゆっくりぱちゅりーを覗き込む小悪魔の姿が映し出された。 「えっと、これはこの子の見ている景色。って事ですか?」 水晶球を指差しながら尋ねる小悪魔に、パチュリーは頷く。 「それだけじゃなくて、こちらからその子を自由にコントロールする事が出来るわ。 ゆっくりは構造が単純だから、魔法がよく効くわね」 なるほど、術をかけた相手を、遠隔操作出来る魔法らしい。水晶球はモニター代わりのようだ。 パチュリーが水晶球の上に両手をかざすと、ゆっくりぱちゅりーはきょろきょろと辺りを見回し始めた。 それと同期して、水晶球の景色も左右に動く。 「リンクはOKのようね、行くわよ、ドロリッチ2号!」 「むきゅっ!」 ドロリッチ2号というのはこの子の名前らしい。パチュリーが号令をかけると、ドロリッチ2号は、 ぽよん、ぽよんと軽い音を立てながら跳ねて前進する。 「うっ」 数歩行ったところでドロリッチ2号は急停止し、パチュリーは口に手を当てる。 「どうしたんですか! パチュリー様!?」 「…酔うわね、これ」 水晶球を覗き込んで青ざめるパチュリーを見て、不安になる小悪魔だった。 「大丈夫かなあ、これで…」 結論から言うと、ゆっくりぱちゅりーをリモートコントロールし、美鈴の豚トロ饅頭製作現場をスパイする、 「ドロリッチ計画」は頓挫した。 4機もの精鋭を送り込んだのだが、全て稼動不能という散々な結果に終わったのだ。 2号は気分の悪くなったパチュリーがコントロールを失った間に、小悪魔が止めるより早くテーブルから落下、 3号は階段を昇る途中で同じくコントロールを失い転落、 4号は扉に挟まれ作戦行動不能、 5号は庭に出たところで、うろついていたゆっくりれみりゃに捕食されてしまった。 「全く…、想像以上に…脆弱な種ねえ…、こんなので良く…今まで絶滅しないで…居るわね…」 青ざめた顔で、ぜいぜいと肩で息をして憤るパチュリー。 小悪魔は、ぱちゅりーの操縦で酔ってふらふらしているパチュリーをなだめながら、これ以上食材を無駄に するのは避けたいと思っていた。 「まあ、この子達は天然ものじゃなくて、加工所の養殖ものですから…あぁ、勿体無い…」 「やっぱり、食用のゆっくりを転用するのは無理があるわね」 「そういう問題でも無いような気がしますが…」 「仕方が無いわね、こんな事もあろうかと、密かに用意していたアレを出すわ」 パチュリーは暫く考えた末、ついに虎の子の最終兵器投入を決めたようだ。 「…まだやるんですか?」 何だか目的と手段が入れ替わっているような気もする小悪魔だが、パチュリー様は結構頑固なので、 言い出したら聞かない所がある。 (それに、こんなに楽しそうな主を見るのも久しぶりだ、自分も結構悪戯は好きだし、もう少し付き合おう…) 小悪魔は傍観するだけだと甘く見ていたのだ。その時までは。 パチュリー様が魔法の実験に使う小部屋から、見慣れない一匹のゆっくりを抱えて戻ってきた。 直径15cmほどの饅頭形態に、側頭部に蝙蝠のような羽。遠目にはゆっくりれみりゃの様に見えたが、めーりんの 様な赤い髪。おまけに、細くて黒い尻尾も見える。 (これって、もしかして…) 「こぁ!」 それが鳴いた。 小悪魔はある確信を得たが、あえて尋ねてみた。 「あのぅ、それって…」 「そう、あなたのゆっくり、“ゆっくりこぁ”よ」 「こぁ!」 「やっぱり…でも初めて見ました」 「そうね、だって、私が魔法で作り出したんだもの。 ゆっくりちぇん以上の俊敏性と、れみりゃやふらんより速く飛べる羽と強靭な牙、めーりんより強い皮膚と 赤い髪、もちろん知能も強化してあるし、必殺技も仕込んであるわ。 これが、“私の考えるちょっと強いゆっくり”よ!」 「こぁ!こぁ!」 パチュリーの説明に合わせて、何だか自慢げに鳴いてみせるゆっくりこぁ。 「えー、“さいきょうのゆっくり”じゃないんですか…」 自分で突っ込んでから、そんなのは自分に似合わないな、と思う小悪魔だった。 「でも何で…?」 と言いかける小悪魔を制し、パチュリーが続ける。 「本当はあなたへのクリスマスプレゼントにしようと思ってたんだけど。 あなた、咲夜が“ゆっくりゃざうるす”の話をするの、いつも羨ましそうに聞いてたでしょ? まあ、いつもお世話になってるから、これ位良いかなって。 ちょっと早いけど丁度良いわ、これから実戦投入よ」 「こぁ!」 「パチュリー様…」 照れ隠しなのか、ツンデレ口調で早口のパチュリー様。 本当は、クリスマスの朝にこっそり枕元に置いておくつもりだったのだろう。 アレな理由で先に貰ってしまい、サプライズは無くなったが。いや、今十分驚いた。 逆に、こんなに顔を真っ赤にしてプレゼントを渡してくれるパチュリー様が見られたのだ。 小悪魔は嬉しさで感無量だった。 「悪魔がクリスマスプレゼントなんて、貰っても良いんでしょうか?」 「ここは幻想郷、何でも受け入れる場所でしょ、そんな細かいこと誰も気にしないわ。 でもそうね、渡すタイミング外しちゃったから…お歳暮だとでも思えばいいでしょ?」 気恥ずかしさが増したのか、真っ赤な顔でツンツンした態度のパチュリー。 「ありがとうございます!」 「こぁ!こぁ!」 嬉しさは伝播するのだろう。 小躍りしそうにはしゃぐ小悪魔につられたように、ゆっくりこぁも嬉しそうにしている。 「さあ、感動のご対面のところ悪いけど、あなたには早速その子を操縦してもらうわよ。 私たちには、その子しか残されてないの」 パチュリーの言葉に、我に帰る小悪魔。 「でも私、そんなのコントロールできませんよ?」 水晶球を指差して言う小悪魔に、パチュリーが返す。 「大丈夫よ、私の魔法で、あなたの意識をこの子の中に飛ばすの。 それで、シンクロ率も上がって思ったようにコントロールできるわ」 「それってもしかして、幽体離脱とかいう厄いものでは…?」 何やら危険な香りを感じた小悪魔は、恐る恐る聞いてみる。 「大丈夫よ、危なくなったらすぐに引き戻してあげるわ」 「はぁ…」 あんまり大丈夫じゃないような気もするし、何より折角パチュリー様から貰ったプレゼントを、危険な目には 遭わせたくないと思うが、パチュリー様はやる気だ。 むしろその為に渡されたのだから。 仕方なく覚悟を決める小悪魔だった。 「お願いします…」 「こぁ!」 何故だかやる気満々のゆっくりこぁと、椅子に座る小悪魔。 パチュリーはにっこり笑うと、それぞれの額に手をかざす。 その手前に光り輝く魔方陣が現れると同時に、小悪魔は意識を失い、そのままテーブルに伏してしまう。 次の瞬間、テーブルに伏している自分の姿が見えた。 不思議な光景だな、と小悪魔は思う。 寝ている自分の姿を外から眺めるなんて、めったに出来ることではないだろう。 「シンクロ率は80%以上ね、どう、調子は?」 後ろからパチュリー様の声が聞こえる。 (はい、大丈夫そうです) 「こぁ!」 自分の考えた言葉とは違う鳴き声が発せられた。 やはり、自分がコントロールしているとはいえ、この子はこぁとしか喋れないようだ。 だが、人語を喋れない事と、頭の良さは別である。 小悪魔には、生まれてから今までパチュリー様に育てられた、この子の記憶の断片が感じられた。 パチュリー様は私にばれない様に、苦労してこの子を育てたようだ。 そして、パチュリー様の私への感謝の気持ちと、この子の、育て親であるパチュリー様への感謝の気持ち、 両方が感じられるその記憶の断片は、とても暖かいものだった… (ありがとうございます、パチュリー様) 「こぁ!こぁ!」 「凄いわね、シンクロ率100%よ」 ゆっくりこぁはパチュリー様に向き直ると、感謝の意を込めた挨拶をした。 パチュリー様は、水晶球に表示される数字を見て驚いた様子だが、こちらを見るとにっこりと笑う。 こちらの思いは、言葉にならなくともなんとなく伝わっているのだろう。小悪魔はそう思った。 (今までありがとうございました、行ってきます) 「こぁ!」 パチュリー様に挨拶をして、ゆっくりこぁは飛び立った。 小悪魔は、普段と同じように側頭部の羽を動かすことが出来、あまり違和感を感じることは無かった。 普段から空は飛べるが、本当に羽を使って飛んでいるわけではない。魔力を使って浮き上がっているのだ。 ゆっくりこぁも、よく分からないがそんな不思議な力で飛べるのだろう。 図書館を飛び出したゆっくりこぁは、門番の詰め所を目指した。 ゆっくりれみりゃの肉まんは、詰め所の奥のキッチンで作られたようだ。 秘密があるとすれば、その先だろうと思ったのだ。 「こぁ!」 「うー? うー?!」 紅魔館の庭に出たこぁは、ゆっくりれみりゃを見つけた。 ゆっくりれみりゃもこちらを見つけたようだ。 仲間だと思ったのか、食べ物だと思ったのか、ニコニコしながら近寄ってくる。 だが、こんな所で遊んでいるわけにはいかない。 こぁは、飛行速度を上げた。 その飛行速度は、ゆっくりれみりゃよりずっと速く、その高度はずっと高かった。 「ぅーっ!」 ゆっくりこぁは、今まで籠の中で飼われていた。無論、パチュリーがこっそり育てていたからである。 はじめて見る外の世界は光に溢れ、広く、清々しい空気に包まれている。 外の世界を自由に飛びまわれるって、こんなにも素晴らしいものだったんだ。 こぁの意識を感じ取った小悪魔も、嬉しくなる。そういえばこんなに自由に飛ぶのは、久しぶりだ。 「こぁ!」 そのころ大図書館では、パチュリーが水晶球を見て目を瞠っていた。 「凄い、シンクロ率が150%を超えたわ。 俄かには信じられない値ね…」 無論、危険なことがあれば、意識は引き戻すつもりだ。 傍らでテーブルに伏している小悪魔を、ちらりと見る。 ゆっくりれみりゃを振り切ったこぁは、門番詰め所にたどり着いた。 中に美鈴が居る様子は無い。 幸いにも自室に戻ったのか、出掛けているのか。 この隙に、こぁは詰め所の中へと入り込む。 控え室の奥には洗面所や小さな炊事場があり、簡単な調理が出来るようになっている。 そこにはコンロの上に蒸し器が載っているのが見えた。そこで豚トロまんを蒸しあげたのだろう。 しかし、蒸し器の中は綺麗に片付けられ、周りにもそれらしいものは置いていない。 「こぁ!」 さらに奥の階段を目指す。 こぁの意識が、更に奥にある階段に何かがあると囁くのを感じていた。 上に通じる階段は仮眠室へ。下に通じる階段には、小悪魔は入ったことがない。 (この階段は、地下牢に通じていると聞いたことがあります。この紅魔館は、中世ヨーロッパの城を改装して、 そのまま幻想郷入りしたものだそうですから。 詰め所の地下には、当時の敵の侵入者や不審者を閉じ込めたり、拷問したりする部屋があると…) (ちょっと怖いですが、行ってみよう…) 薄暗い階段に、ちょっとびくびくしているこぁ。 だが、ここで引き返すわけにはいかない。 小悪魔はこぁの意識を宥めながら、先へと進む。 (この先に、美鈴さんの言っていた秘密が?) 地下の扉の奥からは、「う゛う゛う゛…」という、うめき声のようなノイズが漏れてくる。 よほど凄惨な現場が待っているのであろうか?果たして中国四千年の秘儀とは? 「ギギギ…」 体全体を使って扉を押し開けると、そこは奥の牢屋に通じる小部屋の様である。 壁際には、奇怪なオブジェが置かれていた。 壁に固定されているらしい棚のような木の板の上に、ゆっくりれみりゃの頭が置かれている。 その顔は上に向けられ、その口には上から固定された大きな漏斗が差し込まれている。 暗く見難かったので、最初は頭だけのゆっくりれみりゃ、胴なしに見えたが、そうではない。 木の板は前後に分割されており、半円形にくりぬかれた部分に挟まれるようにれみりゃの首が嵌っているのだ。 ピンク色の服を着た胴体は、木の板の下に見える。 そして驚くべきことに、その体はぶくぶくと肥大化し、通常のれみりゃ種より2倍は大きい。 ピンク色の服は、肥え太った胴体ではちきれそうに膨らんで、まるでボンレスハムのようだ。 その丸々と太った足でも、通常のれみりゃよりはるかにふとましい体を支えられないのか、床に座り込むような 形で手足を時折じたばたさせている。 「う゛ぷぅーっ、う゛ぷぅーっ」 弱々しい叫び声も、口に差し込まれた漏斗の所為か、太りすぎた所為なのか、濁音交じりで聞き取りにくい。 (何ですか、これ…でもどこかで見たような?) 小悪魔はこんなに太ったゆっくりれみりゃは見たことがない。 通常の状態では、胴体つきのゆっくりれみりゃはここまで大きくならないのだ。 ゆっくりれみりゃには骨格が無いので、あまり大きくなると自重で潰れて動けなくなる。 今目にしているゆっくりれみりゃは、まさにそんな状態だ。 だが、どこかで見たような気もする。不思議な感覚だった。 と、そのとき部屋のさらに奥にある牢らしき部屋から物音が聞こえた。 こぁは飛び上がって驚き、咄嗟に壁の近くの物置らしき所に飛び込む。 体が小さいから出来た芸当だ。 小悪魔は恐怖に怯えるこぁの意識を宥めつつ、奥の部屋へと意識を集中した。 そこから現れたのは、美鈴その人であった。 ニコニコしながら、ゆっくりれみりゃに話しかける。 「さ、食事の時間ですよ、おぜうさま!」 そして、奥の牢屋らしい部屋からリボン付きの子ゆっくりを5,6匹持ってくると、壁に固定されている ゆっくりれみりゃに近づき、子ゆっくりをごろごろと漏斗に流し込んだ。 「ゆっ、ゆっくりやめてね!」 「れみりゃいやぁー!」 「れいむおいしくないよー!」 「だべだいでぇー!」 叫ぶ子ゆっくりに構わず、美鈴は木の棒で上から子ゆっくりを突き、漏斗の真ん中のれみりゃの口に繋がって いる穴にぐいぐいと押し込んでゆく。 「むぎゅ、やべでっ!」 「いだいいだいだい!押さないでね!ゆっくり押さないでね!」 「ぶぺっ!ぶごっ!」 漏斗の中で潰されながら叫ぶ子ゆっくりたちと、 「ぶぅ゛ーっ!ぶぅ゛ーっ!」 漏斗を咥えさせられ叫び声も上げられず、涙を撒き散らしもだえるれみりゃの頭。 餡子がのどに詰まると呼吸が出来ないのか、その顔は青くなったり赤くなったり忙しい。 その机の下では、ぶくぶくに太った体がじたばたと無駄な足掻きを続けている。 中々にシュールな光景だ。 そのうち、子ゆっくり達は美鈴の手によって、無理やりゆっくりれみりゃの口の中に押し込まれてしまった。 小悪魔は、この光景が何かに似ていると考えていたが、暫くしてそれを思い出す。 (そうだ、フォアグラだ、これ) フォアグラというのは、人為的に太らせたガチョウやアヒルのレバーを使った料理を指す。 このれみりゃと同じように首を固定して、漏斗で無理やり餌を与え続けると、レバーに脂肪が蓄積されて、 いわゆる脂肪肝と同じような状態になるのだ。 それを使ったフォアグラ料理は、脂が乗って軟らかく、世界三大珍味の一つと呼ばれる。 そういえば先程のとろけるような肉まんの食感、それもフォアグラに良く似ている。 このゆっくりれみりゃの仕込みだろう作業も、以前、大図書館の資料で見たことがあるフォアグラの写真に そっくりだった。 先ほどの疑問が解消し、美鈴の作業の秘密が分かって、小悪魔はほっとしていた。 だが、ゆっくりこぁの意識はそうではなかったようだ。 はじめて見る恐ろしい光景、怖そうに見えるお姉さんに怯えてしまい、小悪魔が意識を緩めた弾みで、思わず 泣き声をあげてしまったのだ。 「…こぁ!」 小悪魔がしまったと思うより早く、美鈴がこちらに気付いて振り返る。 「おやぁ? いつの間に逃げ出した子が居るのかな?」 (まずい、逃げなきゃ!) 「こぁ!」 だが、恐怖で萎縮してしまったこぁの体は、震えたまま動かない。 目前まで迫った美鈴は、獲物を前にした豹のように、目を輝かせて微笑んでいた。 「みぃつけた!」 恐怖心で震えるゆっくりこぁの意識は、冷たく、暗い闇となり、小悪魔の意識も覆い隠してしまった… 「はっ、ここは!?」 がばっと起き上がった小悪魔。その肩から椅子の上へ、ぱさりと毛布が落ちる。 「図書館よ、私があなたの意識を引き戻したの。 驚いたわね、シンクロ率が急に200%を超えて、危険な波形が見えたのよ。 一体何があったの? 大丈夫?」 パチュリー様が話しかけてくるが、それどころではなかった。 「すみません、あの子が危ないんです! 話は後で!!」 小悪魔はダッシュで図書館を出る。 階段を駆け上り、中庭へと飛び出す。 そこから、詰め所まで飛んで行く。 勿論、普段は歩いて行くのだが、今はゆっくりこぁが心配で気が気ではなかった。 美鈴さんに秘密を探っていたことがばれても、何とかしなければならない。 このままでは、あの子はゆっくりれみりゃの餌にされてしまうかもしれないのだ。 クリスマスにはちょっと早かったけど、パチュリー様から頂いた大事な子だ。 短い間だったが、暖かい記憶も共有したし、一緒に空も飛んだ。 そんな子を失ってしまったら、パチュリー様に申し訳が無い。 飛行の風圧なのか、それとも別の何かか。小悪魔は目尻から暖かいものが零れるのを感じながら、詰め所へと 飛び込んだ。 「美鈴さん! その子は駄目なんです!!」 詰め所の部屋の中には、美鈴と、テーブルの上で肉まんをパクつくゆっくりこぁが居た。 そのゆっくりとした様子は、すでに打ち解けて仲の良い家族のようだ。 その無事な姿を確認すると、小悪魔はその場でへたり込んでしまう。 「はぁ、良かった…」 「どうしたんですか、そんなに慌てて?」 「こぁ!」 のんびりと声をかけてくる美鈴と、小悪魔を見るなりその胸に飛び込んでくるゆっくりこぁ。 「すみません、この子はパチュリー様から頂いたプレゼントなんです。 美鈴さんが食べちゃったんじゃないかと心配になって…」 小悪魔は、ゆっくりこぁの髪を撫でながら言った。 あえて地下室の事については触れないように。 「この子を見つけたときに、小悪魔の気の流れを感じたんですよ。 だから、多分パチュリー様の差し金であそこに忍び込んだんだと、ピンと来ました。 何より、見たことの無い珍しいゆっくりでしたからね」 やはり小悪魔の感じたとおり、美鈴にはすでに察しがついていたようだ。 「良かった、本当に良かった…」 「こぁ!」 「でも、地下室のアレ、咲夜さんには秘密ですよ。 中庭で増えすぎたゆっくりれみりゃの間引きは任されているとはいえ、アレはショックでしょうから」 笑いながら言う美鈴。 小悪魔も尤もだと頷いて見せた。 「とにかく、この子は多分世界で一匹だけの存在なんです。 私はこの子を育ててみようと思います」 「こぁ!」 「分かりました。 まあ、咲夜さんも“ゆっくりゃザウルス”飼ってるし、私もれみりゃ飼育してますから、何かあったら相談に 乗れると思いますよ?」 そう言う美鈴の言葉を聞いて、この二人は当てにならないだろうなあ、と思う小悪魔だった。 終 by 神父
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/2712.html
オリ設定有 虐待ほぼ無し ぶっちゃけただのネタ 「じじいさっさとはなしてね!!いまならゆるしてあげるよ!!」 「あとおかしももってきてね!!そしてすぐしんでね!!」 ぎゃあぎゃあ騒ぐゆっくり共が入っている袋を担いで歩く俺。ゆっくりは村に来て畑を荒らすゲスどもだ。 だいたい村に来るゆっくりはゲスかバカばっかりである。普通のゆっくりは来る必要ないし。 そして村から少し離れた小屋に着く。小屋にしては少し大きめではあるが、人間が住むには狭い程度の大きさだ。 そして扉は閉まっているがここからでも小屋の中の生物の声が聞こえてくる。 「ゆゆっ!?このこえは…」 がちゃ 『うー!』 「れみりゃだあああああ!!!!!!!」 げすゆっくり達が言うとおりここは村のゆっくりれみりゃの飼育小屋である。 その数は結構多く、五十を超えるほど。ただし三分の二くらいは子供だ。 俺は持っている袋の中身を餌箱の中に入れる。げす達はぼとぼとと落ちた、中にはつぶれたものもいたが気にしない この箱はゲスゆっくりが逃げないよう結構深い。 しかし空を飛ぶことができるれみりゃには簡単に入ることが出来る。 「ほーれ、あまあまだぞー。たっぷり食えよ」 「うー♪」 「やめてね!!れみりゃはゆっくりできな…ああああああ!!!」 「だずげでぇええええ!!!」 「いびゃああああああああああ!!!!!! あっという間に子れみりゃにたかられるゆっくり達。 狭い箱を必死に転がって抵抗しているものもいるが、そいつはすぐに親が押さえつけるので結局何もできず中身を吸われる。 餌箱の底にはさっきまで生意気言ってたゆっくり達のデスマスクだけが残った。これは後で畑の肥料にする。 『うー!うっうー!』 「うまかったか?そいつはよかった」 『うー!うー!』 「ああ、待ってろ今開けるからな」 子れみりゃに返事をしながら親れみりゃ用の入り口を開ける。ちょっと大きい木窓のような代物だ。 そしてあっという間にそこから飛び立っていく親れみりゃ達。小屋にはまだ狩りができない子れみりゃだけが残った。 それなりに昔、ゆっくりと呼ばれる饅頭生物が現れた。 そしてそいつらはだんだんと野生の生き物として知識をつけ、人間の畑を襲うようにもなった。 そこで農家は対策としてそいつらを捕食するゆっくりを飼うという流れが起きる。それがれみりゃというわけだ。 ゆっくりの捕食種であるれみりゃを飼うようになった村は次々と増えていった。 分かりやすくいうとねずみを取るために猫を飼うようなものだと思えばいい。 そしてそれを繁殖させ、別の村などに売り払うのがこの小屋である。 ちなみに全て胴体無し。ペットではなくあくまで狩りをやらせるためのゆっくりなのだ。胴体有など売れるはずも無い。 胴体有は動きは遅い、わがままは言う、野菜を引っこ抜くことから逆に害獣扱いされている。 『うー♪うー♪』 子れみりゃ達がいっせいに歌う。満足したのだろう。 一日一食で適当なゆっくりで済むのだから実にリーズナブルだ うちでは基本子供には餌をやるが親には自分でとりに行かせるようにしている。 なぜならゆっくりを取れないと飼う意味が無いからだ。 そのため餌は子供の分だけしか入れない。そして親れみりゃは子れみりゃに優先的に与えるので狙いどおりに食べてくれる。 後は親達を解放してきちんと狩りに行かせる。しばらくしたら戻ってくるのできちんと集まってるか確認したら閉める。 彼女達はここを家だと認識している上に、子供を残しているから何もしなくても戻ってくる。副業としてはかなり楽である。 俺は親が全員飛んでいったのを確認すると、小屋を出て家へと戻った。 次の日。朝日が顔を出す頃に小屋に来る。 親達が戻ってきており、うとうとと眠っていた。 こいつらは夜行性だからそろそろ眠る時間なのだろう 「ひぃ、ふぅ、…よし、足りてるな」 俺は数を数えて全員いる事を確認すると出入り口を閉め、畑仕事へと戻った。 ~~~~~~~ これだけ書くのにえらく時間かかってしまった。 現在のんびりゆっくり戦乱シミュを製作中…完成するかどうかも不明だが 過去作品 巨大(ry 餌やり ゆっくり対策 巨大まりさ襲来 ゆっくり埋め どすまりさの失敗 原点 ゆっくり駆除ありす まきぞえ なぐる ゆっくりのある田舎 現実的なドスまりさ このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/4862.html
※リハビリ的な何かなので読まないの推奨 「かっぱっぱ〜かっぱっぱ〜♪」 さらさらと言う擬音がぴったりなほど穏やかに流れる清流。 そこからどこか間の抜けた、それでいてなんとも憎めない声が聞こえていた。 緑の帽子を被った、ゆっくりにとりだ。 主には川の中や川岸で生活するゆっくりだ。 にとりは川の真ん中でぷかぷかとに浮いている。 水面から顔だけだした(ゆっくり自体が顔だけと言えるが)状態である。 大きな眼をパチクリさせながらにとりは空を見ていた。 彼女の頭上に行われている戦いを。 「う゛ー!う゛ー!」 「ゆゆ! ゆっくりゆっくりふゅーじょんしていってね!!!」 空には二匹のゆっくりが居た。 片方はゆっくりれみりあ。 もう片方はゆっくりうつほ。 二人がどうして出会ったか。そんなこまけえこたぁいいんだよ! 問題は、今の状況である。 うつほはれみりゃに頬を擦りつけている。ゆっくり間ではよく見られる親愛の印である。 が、それを受けるれみりゃの方はと言うと。 「う゛ゥゥゥゥゥー!!!!!」 泣いていた。しかも普段泣き虫なところを考えても尋常じゃないくらいの泣きっぷりである。 その理由はすぐわかった。うつほに擦りつけられている頬の部分がどんどん灰になっているのである。 「う゛ー!あ゛づい゛ー!」 泣きながらもなんとか離れようとする。が、あまりの熱さに動きも鈍くなっている。 しかもうつほはれみりゃの状態に気づいてないので、すぐに間を詰める。 つまりチェックメイトである。 「ゆゆー! うつほとゆっくりしてね!!!」 「ざぐや゛ー!!! う゛ー!!!」 その地獄絵図をにとりは目の当たりにしていた。 正直なところ、「うわなんかめんどくせーからぎったんぎったんにひきさいてやろうか。」と思っていたのだが とりあえず水の中にいる限り安全だろう。そう思って高みの見物としゃれこむとした。 自分の方が低い位置にいるくせに。 「?」 異変に気づいたのはその時だった。 なんだか先ほどよりれみりゃとうつほが近くに見える。 いや近づいているのだ。うつほの熱はついにれみりゃの羽根にまで及んだのだろう。 片羽になったれみりゃはバランスを取ることさえできずにフラフラと下に落下していく。 うつほはそれに今だに気付かないのでそのまま一緒に降りてくる。 つまり 「う、う……う…………」 「ゆ? しずかだねれみりゃ!うつほもいっしょにおやすみするよ!」 「か、かっばぁああああああああああああ!!!!こっちこないでぇえええええええ!!!」 【あとがき】 200X年 ゆ虐wikiは核の炎に包まれた。 だが人類とゆっくりは死滅しなかった。 でも俺は死滅しそうだよパトラッシュ。 by バスケの人 このSSに感想をつける