約 738,028 件
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/267.html
前 特に何もしてないゆっくりが死ぬよ! こねたって書いてるけど結構長いよ! 表現の拙さは勘弁してね! ピタゴラゆっくり ~こねた編~ 1.10本アニメ 何もない真っ白な空間につれてこられた10匹のゆっくりたち。 「ゆ?ゆ?」と不思議そうに周りを見渡している。すると、どこからか若い 男の声が聞こえてきた。 「1」「ゆ”っ!?」 「2」「ゆぐっ!」 「3」「ゆっ!」 「4」「ゆぅ!」 「5」「!?!?」 「6」「ゆぁっ!?」 「7」「ゆぎぃ!」 「8」「ゆゅ!?」 「⑨」「ぁたい!」 「10」「ゆひぃ!?」 男の声がリズム良く数字を数えると同時に、黒い棒が地面から現れ ゆっくり達を貫いていく。 「10本アニメ!!」 「「「「「ゆッぐりざぜでぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!」」」」」 男のタイトルコールらしき言葉とゆっくりの叫び声がほぼ同時に響き渡る。 「ねぇねぇ、山の上に温泉が出来たんだって。」 ゆっくり達の悲鳴や嗚咽を無視して、1番左端にいた棒が話をきりだす。 「じゃぁ、みんなで入りに行こうよ!」 「「いいねぇ~。」」 1番の話を聞いた3番の提案に全員が賛同する。 「でも、ここから山は遠いよ?」 「じゃあ、ふもとまでは車で行こう。」 「おっけー。」 カチッカチッカチッカチッ そんな音とともに棒たちは折れ曲がったりしていく。そのたびに刺さっている ゆっくり達が小さな悲鳴を上げるがそんなのは無視だ。 「できたー。」 あっという間に棒たちは自らの体で自動車を作り上げた。ゆっくりが刺さっているので 奇妙なデザインだ。ちょうど車体の角部分にきており顔が縦に伸びて間抜け度がアップした ゆっくりもいる。 「それじゃ、しゅっぱーつ。」 「ぷっぷー。」 もう何番目の棒か分からないが、その合図で車輪役の2本の棒が回りだし、車はゆっくり走り出す。 車輪役が回るたびにゆっくりは地面に押さえつけられるの繰り返し、ゆべっゆべっと汚い声を上げるが、 当然そんなのは無視だ。 「とりあえず、ついたー。」 そんなこんな車は温泉のある山のふもとまできた。車輪役にささっていたゆっくりは頬が接地面だった ため、その頬は丸みを失いキレイな平地になっていた。 「ここからは道が険しいからキャタピラモードで行こう。」 「「そうしよう!」」 確かに温泉への道は舗装されておらず、岩が飛び出ているところもある。どうやら棒たちはモードチェンジ するようだ。 再びカチッカチッと音を上げて形を変えていく棒たち。今度は、今まで車体役だったものたちが、車輪役の棒 たちの周りを楕円形になるように囲っていく。まさしくキャタピラの形だ。 「よし、しゅっぱーつ。」 合図とともに山の頂上に向けて出発する棒たち。車輪役の棒の回転がベルト役の棒に伝わり、前へと進んで いく。車輪役に刺さっていたゆっくりは今まで受けていた圧力がいくらか和らいで安心する。しかし、ベルト 役に刺さっているゆっくり達はたまったものではない。なぜなら車輪役のゆっくりよりもずっと長い時間地面 に押さえつけられるのだ。しかも、地面は所々岩が露出しており、その岩の角で切り傷が顔の片面に大量にで きてしまうのだ。ついには中身がすこし出てしまったゆっくりもいる。 「「「ついたー。」」」 そんなこんなで山の温泉に到着した一行は元の棒の状態に戻る。棒たちに刺さっていたゆっくり達の顔は泥だら けな上、傷だらけで、激痛と移動による疲労で死んだ魚の目をしている。 「よ~し、さっそく疲れた体を温泉で癒そう!」 「そうしよう!」 そういって棒たちはそそくさと温泉へと入る。 「ん~、生き返る~。」 「いい湯加減だー。」 「やっぱり温泉は42度にかぎるねー。」 「「そうだねぇ~。」」 江戸っ子よろしくな感想を述べ、思い思いに今日の疲れを癒す棒たち。 しかし、ゆっくりにとって癒しなどではなかった。 「あづい!あづいよぉぉぉぉぉ~!!!!」 「ゆっぐりざぜでよぉぉぉぉ!!」 「あ”ぁどげるぅ!れ”い”う”のがらだがどげるぅぅぅぅぅ!!!!」 あるものは熱さに泣き叫び、あるものは傷口から流れ出す自分の中身に絶望の声を上げる。 「よーし、そろそろ帰るか。」 「「そうしよう!」」 たっぷり1時間棒たちは温泉を楽しみ帰り支度を始める。棒に刺さっていたゆっくりのうち8匹は姿を消してい る。なぜ、ゆっくりは消えたのか?簡単なことだ、キャタピラ役でできた傷から餡子が流れ出し、全て温泉に溶 けてしまったのだ。唯一形を保てたのは車輪役に刺さっていたゆっくりだが、それも棒たちが42度の温泉でゆっ くりしていたため、温泉饅頭になってしまった。 「腹ごしらえして、しゅっぱーつ。」 棒たちは三度形をかえ、今度は大きな鳥の形になる。そして、刺さっていた温泉饅頭を器用に取り外すと、ペ ロッっと平らげ、そのまま大きく羽ばたいて山を降りていった。 2.ゆっくりスイッチ ――ガシャン。 真っ暗だった部屋でいきなりライトアップされる5匹のゆっくり。突然の明かりに目を細めたりまわりを 見渡している。 「ゆっくりスイッチ、『か』!」 どこからか、幼い子供の声が聞こえてくる。 「回転のこぎり。」 つづいて、無機質だがどこか渋みのある男の声が聞こえてくる。 「ゆ?ゆ?」 その声とともに1番左端にいたゆっくりれいむが謎ののびーるアームにはしっ、と両側から掴まれる。そして・・・ ギューン、ガガガガガガガガガガガガガガ 「ゆ”ゆ”ゆ”ゆ”ゆ”ゆ”ぅ~~~~~~!!」 どこからか回転があらわれ、ゆっくりとゆっくりれいむを削っていく。 「あががががっがhgycふぉsぢあhjdgふぁd・・・・・・」 最終的に言葉にならない言葉を上げ、体を真っ二つにされて絶命した。 「ゆっくりスイッチ『き』!」 「!!・・・ゆっくりしね!」 再び聞こえた子供の声に、ゆっくりれいむの隣にいたゆっくりまりさはそう叫び後ろにある暗闇へ逃げようとする。 他のゆっくりはれいむの壮絶な死に方を目の当たりにしてただ呆然を目を見開いているだけなのに、こと生き延びる ことに関してこのまりさ、貪欲であった。 「機関銃。」 バララララララララ だが、残念ながらそんなことは無意味だった。放たれたM14ライフル弾は、対象のあまりの柔らかさのために中で はじけること無くゆっくりの体を貫通し、ゆっくりに無数の穴を開けていく。 ゆっくりまりさは何が起こったのか分からなかった。れいむが死ぬのを見て、暗闇に逃げ込み危険が去るの待とうと 飛び跳ねた瞬間、体の中を何かが通り過ぎた。そして、それ一つではなかった。 本人は必死に過去から状況を分析していると思っている走馬灯の最後に、自分はもう長くないと、流れ出る大量の餡子 と体内に感じる燃えるような熱さからそう結論した。 「ゆっくりスイッチ『く』!」 「釘バット。」 「ぢんぼーーーーー!!!!」 今度は釘バットをもったのびーるアームがゆっくりみょんを横なぎに殴りつける。いい具合に打ち付けられた釘がみょん の肌深くに突き刺さり、そのまま抜け際にごっそりと頬の肉?を絡め取っていく。 「ぢ、ぢ・・・ん・・・ぼぅ!?」 すでに虫の息のみょんだが、のびーるアームは返しの刃で逆側の頬をぶんなぐる。ふたたび突き刺さった釘が、たっぷり と頬の肉をこそぎとっていく。 「ぢ、ぢぢぢ・・・。」 両頬の肉を失ったみょんは、かろうじて残った口で呻き声をあげる。その姿はどこかの県のマークの銀杏のようだった。 「ゆっくりスイッチ『け』!」 「削り器。」 「!?わからないよー!?わからないよー!?」 次はゆっくりちぇんがのびーるアームに掴まれ、左右にスライドされる。 「ゆぎゃあああああ!!!いだい!いだいぃぃぃぃ!」 ゆっくりちぇんは体の最下部に起こった激痛に叫び声をあげる。なぜなら、のびーるアームによってスライドされた体は 床につけられた削り器によって薄くスライスされているのだ。 「だじゅげで~!だじゅげらんじゃまぁぁぁあぁ!!!」 徐々に削られていくゆっくりちぇんの体。 「だず・・・げで・・・ゆっがりんざまぁぁ・・・・・。」 助けに来るはずも無い、ましてや会ったこともない自分の主(だと思い込んでいる)の名前を叫びながら、体が半分以上無く なったところで絶命する。 「ゆっくりスイッチ『こ』!」 「こねる。」 動詞もありかよ!というクレームが視聴者から来そうだが『こ』でいいのが思いつかなかったので無視する。 「むぎゅ!?ゆっくりやめてよね!!」 さきほどまでの地獄絵図に半死半生状態で青い顔をしていたゆっくりぱちゅりーが、のびーるアームに掴まれた衝撃で正気 を取り戻し抗議の声を上げる。 しかし、そんな願いは通るわけもなくのびーるアームは作業を開始する。 「むきゅ?むきゅーん・・・。」 一体どんな仕打ちが待っているのかと恐怖したゆっちゅりーだが、突然アームに揉み解すような愛撫をうけ、表情が和らぐ。 もみもみもみもみもみもみ 「むきゅぅん。むきゅきゅーん。」 アームの巧みなもみもみに段々と目はとろんとし、顔が上気してくるゆっちゅりー。それを合図とするかのようにアームの 動きが止まる。 「むきゅ?なんで止めるの!?ぱちゅりーをもっとすっきりせsむぐぼぇ!!??」 これからというときにお預けを喰らったゆっちゅりーの抗議の声が、口に突っ込まれた片方のアームによって遮られる。 「むぐぅ!!!!?????」 アームはそのままゆっちゅりーの右内頬の肉を破り、中の餡子を口内まで引きずりだす。コア部分の餡子ではないため命に 別状は無いが、その激痛に白目を向くゆっちゅりー。アームは左側にも同じ作業をする。 ゆっちゅりーの口内に餡子が満たされたのを確認したアームは次の作業に移る。まずは餡子が抜き取られ、びらびらになった 両頬の皮を口内にある餡子と混ざるようにこねていく。それと同時に下あごを限界まで引っ張り、それを口の中に突っ込み、頬 と一緒に練りこんでいく。 コネコネコネコネコネコネコネ ベテラン菓子職人も目を見張るスゴ技で、1粒の餡子も漏らすことなくゆっちゅりーをこね回していく。 「むきゅー・・・むきゅー。」 やがてアームによってこねくり回されたゆっちゅりーは、見事に饅頭から団子で華麗なる転身を遂げた。 しかし、この団子ゆっちゅりー、表面は餡子しかなく、顔の皮も餡子と程よく溶け合って顔なの無いのにどこから声を出してい るのだろうか。 「ゆっくりスイッチ『かきくけこ』完成!」 うれしそうな子供の声が響き渡った。 ※残ったゆっくりはスタッフが後でおいしくいただきました。 糸冬 ーーーーーーーー 制作・著作 N H K あとがき的な こねたって書いておきながらかなり長くなってしまった。 ゆっくり考えた結果がこれだよ! あと、NHKはにとり放送協会と読みます。 名も泣き作者 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/1736.html
「ゆっくりしていってね!!!ここはまりさのゆっくりぷれいすだよ!!!」 「おにーさんはゆっくりできるひと?できないならでていってね!!!」 「ゆー?きこえないの?ばかなの?しぬの?」 「そんなことよりおなかがすいたよ!!!ゆっくりもってきてね!!!」 「もうおこったよ!!ひっさつのたいあたりをおみまいするよ!!!」 「ゆっ!!!なにしてるの!!!はやくきたないあしをどけてね!!!」 「くるしいよ!!!ふんずけるのはやめてね!!!」 「ゆ~♪ゆゆ~♪おうたもうたえるんだよ!!!かわいいでしょ!!!」 「ゆっ!?くるしくなってきたよ!!!もうやめてね!!!」 「まりさにはこどもがいるんだよ!!!だからもうかえるよ!!!」 「ゆぐっ!?ほんとにやめてね!!!もう・・・なかみが・・・」 「くる・・・し・・・・ゆげぇぇぇ!!!」 「ゆふっ!!・・・ゆふっ!!ゆっくり・・・したけっかが・・・」 昼寝から目覚めるととゆっくりまりさが一匹家に中に入っていた 大方戸締りし忘れたとこから入ってしまったんだろう 「ゆっくりしていってね!!!」 ゆっくり寝てたらお前が居たんだけどね 「ゆゆ~?ゆっくりしていってね!!!」 「ゆー?ゆゆー?ゆっくりしてね!ゆっくりしてね!」 「ゆっくりしたいよ!!!ゆっくりさせてね!!!」 ゆー!!ゆー!!ゆっくりくらってね!!!」 嗚呼、鬱陶しい足に纏わりつくな 踏みつけて押さえつけとくか 「ゆっ!!ゆっくりしていってね!!!ゆっくりしていってね!!!」 「ゆゆっ!!ゆっくりやめてね!!!」 「ゆ~♪ゆゆ~♪ゆっくりしていってね!!!」 まだまだ元気そうだな もう少し力を入れてみるか どの辺まで耐えられんるんだろうな? 「ゆっくりさせてね!!!ゆっくりやめてね!!!」 「ゆっくりしたいよ!!!おうちかえる!!!」 「ゆっ!?ゆっくりやめてよね!!!ゆっくり・・・でるよ・・・」 お、様子が変ってきたな餡子が集まってるほうが真っ黒に変色してきたな そろそろ来るのかな? 「ゆっ・・くり・・・・ゆげぇぇぇ!!!」 「ゆふっ!!・・・ゆふっ!!ゆっくり・・・したけっかが・・・」 結局何がしたかったんだろうなアレは それにしても床に何か敷いておくんだったな 掃除が面倒になりそうだ ~おわり~ このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/3133.html
注:いじめ成分が物凄く薄いです 注:ゆっくりが汚いです(うんうんやしーしー描写じゃ無く、精神的な物でも無く) 注:ゆっくりが現代の町で生きる物です 注:お兄さんは虐待鬼意山じゃないです 注:かといって愛で兄いさんでもないです 注:他の人のSSとネタが被ってる気がします 漫画喫茶から帰る途中、月を見ながら歩いている俺の耳に変な音が聞こえた なんだなんだ?と思って音の発信源に近づいてみる暇人な俺 その俺の目の前のゴミ捨て場に、ゆっくりれいむと、ゆっくりまりさが居た 中身が散乱したゴミ袋が周囲に散ばる中で何やらもぞもぞしている ゴミ漁りをしているのだろうか?町のゆっくりがするには珍しくも何とも無い行動ではある……のだが 「じゃまなごみさんはいらないよ!」 「そうだね!たべられないごみさんはゆっくりしないでどっかいってね!」 ………カラス以上にゴミを辺りにぶち撒けまくるなぁ しかも、事ある毎に大声で叫びやがる。今何時だと思ってやがるんだあいつら? 夜中の3時。草木も眠る丑三つ時である。寝てる人に迷惑をかけるな 昼にゴミ捨て場に来ると叩き出されるから、人が寝静まった夜に来る程度には知恵が回るみたいだが… 大声出しちゃ意味無いだろと。まあ、これも、町のゆっくりとしては珍しくもない行動ではある ……ゆっくりを対象とする条例を政府の人には作ってもらいたいものだ。ゆっくりに対してだけ非常に厳しい物を と、そんな事をつらつら考えながらゆっくりを離れた所から見ている俺 折角の連休を、こんな無駄な事に費やして良いのかしらん。家で寝てた方が有意義な気がする 「ゆゆっ!?あまあまさんがいっぱいはいってるよ!あかちゃんたちにももってこうね!」 「すごいねまりさ!おうちにかえってゆっくりたべようね!」 仲が良さそうだしあの二匹は夫婦かな?会話の内容から察するに子供も居るようだ ………うん?普通なら妻の方は巣で子供達の世話をしてるんじゃないのか? 巣を空にするとは子供達が危なくないか? と考えていると、疑問に対する答えが当の本人達から都合よく返ってきた 「ゆぅ……れいむ。おうちのあちびちゃんたちだいじょうぶかなぁ?」 「だいじょうぶだよまりさ!ねむってるかわいいおちびちゃんたちはあぶないめになんてあわないよ!」 …相変わらず謎思考全開だ まあ、ゆっくりの基本形の一つだから不思議ではな……ちょっと待てよ!? よく見るとあいつら……昼間にスーパーの前で物乞いして、バイトにぶん殴られたゆっくり達じゃないか! ゴミ漁りすると人間に殴られるから、昼の間は物乞いをする事にしたんだろうかな? しっかしそれにしても、バイトに箒で殴られて追い払われる時に子供も一緒に居たはずだけどなぁ それに、逃げる途中で子供が数匹車に潰されてたはずなのに……起きてる時は危ないけど寝てる時は平気って、どんな妄想力やねんと 一瞬ツッコミの声が出かけるとは…ゆっくりのボケは凄い物があるな 「そうだね!じゃあゆっくりかえろうねれいむ!」 「うん!わかったよまりさ!」 ん。どうやら巣に帰るらしい まりさの帽子の中にあまあまさん(千歩譲っても俺の目には食い物に見えん)を入れると跳ねて行く ぽいんぽいんと…本当に間が抜けた音を立ててるなぁ 生暖かい目で見ながら尾行しようとすると、唐突にゆっくり夫婦が止まった む?もしかして気付かれたか!?と一瞬体が硬くなった俺 だが、そんな事は無かった 「「ゆっくりかえったよ!!ゆっくりしないではやくゆっくりおきてね!」」 ゆっくり夫婦の一際大きい声。静寂な夜気を引き裂きまくりです 離れてる俺の耳もキーンと鳴るぐらい大きい……とても近所迷惑です 「ゆ……ゆゆ」 「ゆーっ…わかったよおかあさん!」 って!?何か出て来た!? 「ゆゆ…おかーしゃん、おかえりゅなさい…」 「おとうさんもおかえりなさい!」 目の前の自販機の裏から這い出てくる。なにかこぎたないの 昼間見た赤ゆっくりと子ゆっくりの生き残りだろうかね。しかしうすぎたない 赤ゆっくりが物凄く眠たそうにしてるのは、やはり赤ん坊だからか。それにしてもきたねーな つか、ゴミ捨て場からメッチャ近っ!ほんとうにきたないさすがきたない 「おかーしゃん…あまあまさんとってきてくれた?」 「かわいいおちびちゃんのためにとってきたよ!ゆっくりたべてね!」 「ゆー、まりさもゆっくりたべたいよ!」 「いっぱいあるからゆっくりたべてもだいじょうぶだよ!」 「ゆ!?それほんとう!?へぶんじょうたい!」 「「「「むーしゃ、むーしゃ、しあわせー!!!!」」」」 …………もしかして、ここが巣なのか? 自販機の裏だから冬になっても安心快適!なのは分かるし ゴミ捨て場が近くにあるから、餌の心配もしないで良いのは分かるけど…… 「朝になったら保健所に連絡しよう……」 そう心の中で固く誓いながら家に帰る俺であった。あー嫌なもん見ちまった <おわり>
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/1936.html
前 いくらかのゆっくりを捕獲した少女は、家に戻り、自室にこもる。八畳ほどの空間、ベッドと本棚とクロゼッ トとサンドバッグ以外には、さして注目すべきものもなく。 シンプルもシンプル、といった様相の屋内にて、少女はプラスティックケースを解放し、そこからゆっくりを 取り出した。餡子で床が汚れぬよう、事前に新聞紙は敷いてある。 釣果ならぬゆっくり果は上々。成体れいむに成体まりさが一匹ずつ、あとは適当に、子ゆっくりと赤ゆっくり の詰め合わせだ。 少女に解放されたゆっくりたちは、窮屈な場所から解放されたことにより、実に幸せそうな表情を見せる。 「ゆ゛っ……!? ここ、どこ」 「おかーしゃん、ここ、とってもひりょいよ!」 「そうだね! ここをまりさたちのゆっくりぷれいすにするよ!」 「ゆゆっ? おねーさん、どこからはいってきたの? ここはれいむたちのおうちだよ!」 「おねーさんはじゃまだからどっかいってね! れいむのこたちをじゃましないでね!」 「ちないでね!」 さてもさても、恐るべきは餡子脳。先程、その他でもないおねーさんに閉じ込められたのにもかかわらず、整 理された屋内を見て、ゆっくりプレイス宣言。もうここまで救いようがないと、少女もさすがに溜息のひとつや ふたつは吐き出さざるを得ない。 とりあえず、とっとと作業をすますか、と少女は思い、黒髪を後ろで縛ってまとめ、部屋の中心部に腰を下ろ す。ゆっくりたちが騒ぎ立てるが無視を決め込み、とりあえず一番大きいゆっくりれいむをひっつかみ、手元に 寄せていく。 来週の課題のために、少女は腕を振るった。 「ゆゆ? おねーさん、やめてね!」 「おかーしゃんをはなちてね!」 「ええっと、こうかなあ? ……ん、こんな感じかね」 「ゆぐい゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛!!?」 「やめてね! れいむをいじめないでね! ……や゛め゛でね゛っ!!」 「でい゛ぶう゛う゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛!?」 「お゛がーじゃ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ん゛!!?」 「よし、ここで、こうして、と。ああ、ついでにこっちも」 「ぎびょえ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛!!?」 「ばり゛ざあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!?」 「やびぇ゛びぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ 「おがあ゛あ゛じゃ゛あ゛あ゛あ゛あ゛」 「あ、ちょっと失敗しちゃった。やっちゃったぜ!」 「ぎぴい゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛!!?」 「もっと……ゆっくぢ、ぢだがっだ……」 「ぐぞばばあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!! ごろ゛じでや゛る゛ぅ゛!」 「じね゛……ゆ゛っぐじじね゛ぇ゛……!」 「さて、あとは洗浄洗浄」 しばしの時を経て、少女は作業を終えた。 もう、ゆっくりたちの声は聞こえない。あの、不快なゆーゆーという声は聞こえない。 来週の課題をどうするか、楽しみにしつつ、少女は作業の果てに得たものをかばんにしまい、ゆっくりとベッ ドに向かっていった。 一週間後。 少女は肩から大きなかばんをひっさげ、いつものように電車に乗り、いつものように慣れた道を歩き、予備校 へと向かう。都会の喧騒はもう慣れたものであるが、今日は課題を色々とためしたいので、気分が浮ついてしま い、車のクラクションも気にならぬほど。 横断歩道を渡り、やたら安いラーメン屋を右手に、少女はひとつのビルの前で立ち止まった。それなりに汚れ の目立つ、どこにでもありそうな建造物である。 気合を入れ、少女はビルの中に進み、階段を上ってひとつの部屋の中に入っていった。 そこは、学校の教室ほどの大きさの空間。ただ、教室と違うところは、机はなく、椅子は背もたれのない簡易 型のそれが、部屋のすみにうず高く積まれている、という点であろうか。 人の数は、まばら。それぞれ、イーゼルを組み立てたり、鉛筆を削ったりと、自分の作業に没頭し、少女が部 屋に入ったことなどどこ吹く風。 部屋の右側と左側には、リンゴやら空き瓶やらを詰んだものが鎮座している。言うまでもなく、今日の課題の モチーフだ。 この日の課題は、コラージュのみで絵を描け、というものだ。 いわゆる、コラージュアート課題である。 材料は自分でもってくる。ただしあまりにもやばいものは駄目。大抵は、雑誌や新聞紙の切り抜きなどを用い て、巧みにそれを貼り合わせ、ひとつの絵にしていく。なかには、ビーズのようなものを使う者もいると少女は 聞いたが、成功例はとんと聞いたことがない。 今日の課題は、ただ鉛筆だけを使ってデッサンするわけではないので、いくぶんか新鮮な気分になって絵を作 ることが出来るのが強みだった。 モチーフからやや離れた場所に少女は陣取り、かばんを置いて材料を取り出す。 クレヨンや絵の具。 雑誌にハサミ。 のりにテープ。 そして。 ゆっくりの皮。 「ゆっへっへっへっへ、さすがに皆、これは使うまいて」 ゲスまりさのような笑い声を小さく漏らし、少女は唇をゆがめた。 真っ白なデスマスクは、綺麗に洗浄されており、ゆがんだその形状と目や口の穴ぼこ具合は、さながらムンク の描いた名画『叫び』を想起させるキモさである。 とはいえ、そのデスマスクを作ったのは他でもない少女なのだから、不快感に眉をひそめることもない。 遊び心で作った、コラージュ用ゆっくりの皮。しかし、世界には羊皮紙なるものがあるのだから、ゆっくりで それを代用するのもいいのではないか? という、少女のへんてこ理論により、それは作り上げられた。 羊皮紙ならぬゆっくり皮紙。ぶよぶよとした感触が、適度に気持ち悪くて素敵であった。 少女はそのゆっくりの皮をかばんにしまう。 開始まで少し時間があるので、少女はお手洗いに行くことにした。ぼさぼさの黒髪が、どんな具合にへなって いるかを確認したかった、というのもある。 教室を出て、手洗いに行く。 が、扉を開けた瞬間、誰かにぶつかったらしく、少女は衝撃を感じた。少女の方は多少後退する程度ですんだ ものの、相手側はしりもちをついてしまっている。 悪いことをしたな、と思いつつ手を伸ばし、そこで少女はかたまった。 「あ……お嬢。ごめんね、怪我とかない?」 「そこまでやわな体はしていないわ」 少女の眼前でうずくまるは、金色の髪を流した、幼子そのものといった体躯の女性。深紅のスカートが目にま ぶしいが、かといって毒々しい印象は微塵もなく。人形のように整ったその顔立ちと相まって、とかくとかく目 立つ、そんな童女。 幼子の姿を見ながら、少女は心の中で嘆息した。 いつも何かしら赤い衣服をまとい、淑女めいた態度で相手と接する、幼い体躯の女性。そんな彼女と知り合っ た人間は、皆、彼女のことを『お嬢』と呼ぶ。あだ名にしてはひねりがない。しかし妙に似合っているのだから たちが悪い。 かくいう黒髪ぼさぼさ少女も、この『お嬢』と知り合いであった。予備校で言葉を交わして以来、とりあえず は友人のスタンスで接し続けている。俗に言う、美術仲間、といったところか。 が。 「大丈夫? 立てる?」 「……先輩」 「ん?」 「抱っこして頂戴」 またか、と少女は苦笑した。 お嬢は、少女にだけやたら甘えてくる。先輩、などと呼んでいるのにもかかわらず、よくよく少女に命令を出 す。しかも、さも当然といったかのように。 それでも少女は、お嬢を嫌うことはない。『そういうものだ』と分かっているからこその関係である。 黒髪を揺らし、少女は、お嬢の小さな体を抱きかかえる。ほんのり香る、薔薇のように甘い匂いは、ゆっくり の餡子臭を打ち消してくれるような気がした。 「ゆっへっへ、今日のコラージュは、私が勝ってみせるんだぜ!」 「あら、それは楽しみなのだわ」 「へっ! ほえづらかかせてやるぜ!」 「ほえづらをかくのは先輩の方なのだわ」 やたら微笑ましい会話をしつつ、ふたりはモチーフのある部屋へと入っていく。 「……あれ? 私、なんで教室を出たんだっけ?」 「無粋ね、先輩は」 空を夕闇が支配している。 都会特有の喧騒は止むことがないが、昼時にあるような活気は感じられない。それは、ノスタルジックですら ある橙色の光が、町や人々を覆っているがゆえか。行き交う車の数も、行き交う人間の数も、ほとんど変化がな いというのに、どこか寂寥感すら漂ってくる。 夕刻に彩られたその都会のなか、ひとつのビルから黒髪の女性が躍り出た。その整った顔は渋い色に染まり、 放っておけばくしゃにくしゃになりそうだ、と予見すら出来るほど。 「あー……、やべぇわ、これ。普通にショック」 少女は、盛大な溜息をついた。 ゆっくりの皮をコラージュアートに使う。そのアイディアまでは良かったのかもしれないが、それを皆が考え ぬ、といういわれはどこにもない。 ある意味では、案の定、というべきであろうか。少女以外にも、ゆっくりの皮を用いて、コラージュアートを 作り上げた者がいた。それが他でもない、あのお嬢である。 少女の作り上げたコラージュアートは、それなりの出来と言って良かったろう。苦悶の表情に染めたゆっくり の皮を用いることにより、不可思議な変化を見せるしわを絵画の上に乗せ、えもいわれぬ不安定性と、そこはか とない珍奇なる威圧感を醸し出せた。これは成功と言って差し支えないであろう。 が、少女のその目論見もむなしく、お嬢の作品は少女の上を言っていた。きちんと洗い流されたゆっくりの皮 を用いたうえに、的確な構成方法によって「もっと……ゆっくりしたかった……」と言葉が聞こえてきそうなほ どに生々しい感触を、ひとつの紙の上で見事表現させるに至ったのである。 美術の予備校は、学校のテストと同じく、その順位を残酷なまでにしっかりと表示する。絵を描く時間が終わ れば、次は講評の時間となる。出来の良い者の作品から並べ立て、きちんと順位を決め、上位の者からしっかり と評価するのが基本であるのだ。 そういう順位づけがあり、少女はお嬢に負けた。勝負の界隈において、敗北は明確な印となってあらわれる。 「まけたー……」 口に出してみれば、悔しさが湧き出てくる。どんな人間とて、負けるのは嫌である。それは絶対不変の真理だ。 敗北を希求する閣下もいるが、あれって結局自己満足と自己欺瞞と自己顕示欲で構成されている、あさましき意 図のうえでの発言でしかなくね? などと少女が思う暇もあらばこそ、やにわに響く車の稼働音。 結局、上にいる者は上にいるのである。先輩だの後輩だの、ゆっくりだの人間だの、そういう枠組みは関係が ない。某轟竜のようにに、頭がエターナルあーぱーでも、力が強ければどうにかなってしまう。それは、この、 都会という社会空間の中においても例外ではなく。 とはいえ、実際に力の差を見せられると、もうどうにもこうにも、という気持ちが強い。しかも、少女の心を 悩ますのは、あのお嬢に負けたという事実であろうか。憎からず思っている相手に力の差を見せつけられるのは、 なんというか、非常に評価を下しづらいのである。 とはいえども、清々しい気持ちも、それなりにはあるわけで。 少年漫画的な敗北者感情を抱えたまま、少女は予備校のそばにある自動販売機から、缶コーヒーを購入し、そ れをちびちびと飲んでいた。 色褪せたブラウススーツと黒髪が、夕闇の空に彩られ、不可思議な旋律を描き出す。人の波が絶えぬ場におい て、少女は久方ぶりにゆっくりとしていた。 と、そこで。 「そんなに落ち込んでいるなんて、らしくないわね」 「……あー、お嬢? どーせ私なんてよ……」 お嬢、参上。 金色の髪と超然とした態度と、深紅のロングスカートを見せ、野暮ったい予備校から出たのにもかかわらず、 その姿はハイソサエティもハイソサエティといったところ。 「地獄に堕ちるのはまだ早いのだわ。というより、演技をおやめなさいな」 「……ちっ、ばれたか」 ぶすっとした様子で少女が言い、ガードレールに腰かければ、当の金髪童女は微笑みひとつで返した。何の邪 気もてらいもないその笑みは、とかいは(笑)のそれとは比べるのもおこがましいほどで、少女は自然、頬を薄 紅色に染めていた。 「いいじゃない。先々週、私はあなたに負けたのだし」 「いんやー……そういう問題じゃなくてさー。自信満々だった素材が、実は他の人も考えていたうえに、自分よ り上手に使えてましたー! なんて言われると、へこむじゃん」 「ふふ、そうかもしれないわね。……でも、今回、私は運だけで勝ちを拾った気がするのだわ」 「慰めはよせよう。……もうライダージャンプしてライダーキックすゆ。アンカージャッキくれ」 ぶつぶつと遠くを見据えて腐る少女。 そんな黒髪やさぐれ女に、当のお嬢は、やにわに飛び込みぎゅっと抱きつく。 「お……お嬢?」 「もう……。本当に、手がかかる子ね、あなたは。落ち込まないで、下を向かないで。あなたの描き出す曲線が、 あなたの五指が紡ぎ出す色彩が、すべて、すべて、美に繋がっているのだから」 「うぅ……」 「頑張って。月並な言葉だけれど……。でも、腐ったあなたを、見たくないの」 「その、お嬢……」 「素敵な線を描くあなたが好き。ひたむきに頑張るあなたが好き。決して屈しないあなたが好き。……そんなあ なただからこそ、私は、あなたを買っているのだわ。……ここで、折れるの?」 挑発的に目を細められて放たれたお嬢の言に、少女はしどろもどろになりつつも、首を横に振ることで答えた。 「そう、その意気なのだわ。天の道を行くのだわ」 「なぁんか上手に丸め込まれた気がするけど……ま、いいか。頑張らなくちゃね。ゆっくり程度に心動かされる なんて、ワシもまだまだじゃ。くやしいのう、くやしいのう」 「すぐネタに走る性格はどうかと思うのだわ……」 黒髪を撫でながら、妙な顔つきで嘘涙を流す少女。そんな姿をあきれながら白眼視するお嬢。都会の喧騒には 似つかわしくない、不器用であるけれどもあたたかな、どこか甘酸っぱく、青い匂いのするその光景。まさしく それは友情形成の瞬間にも似た光景で、美しい沈黙が周囲を、 「ゆゆ? おねーさんたち、ゆっくりできるひと?」 支配しなかった。 もしもこの場に第三者がいたのならば、空気嫁、と言ったことであろう。汚いビルの前で、黒髪の女性と金髪 童女が、不器用なやりとりをしているそのさまは、誰しもが打ち破れぬ領域のそれである。しかし、そんな空間 をも破るゆっくりは、もう、ノットエアリードとかそういう領域の話ではない。 少女とお嬢のそばに寄ってきたのは、バスケットボールほどの大きさをほこる、ゆっくりれいむだった。憎た らしい声といい、ウザったい顔といい、実に殴り飛ばしたくなる要素を備えている。 とはいえ、所詮、害獣。女の子ふたりは見向きもせず。 「ね、先輩。つらかったら、力になるのだわ。だから、折れないで」 「う、うん。……あひゃひゃ、髪、くすぐったいよ」 「触ってもいいのだわ」 「ふえ?」 「おねーさんたちはゆっくりできるひと?」 「レディが髪を触らせるのは、心を許した相手だけよ。光栄に思いなさい、先輩」 「あはは、じゃ、遠慮なく。……あ、いいなぁ、本当に髪、さらさらしてる。わ、いい匂い」 「も、もうちょっと優しく触るのだわ」 「あ、ごめんね。私、がさつだから……って、こりゃ言い訳だな。ごめんね、本当に」 「ゆっくりできないの? ゆっくりできないおねーさんは、ゆっくりしね!」 「あなたの指は繊細。だから、心だって、そう。がさつなんて言わないで……」 「またまたご冗談を」 「……ばか、鈍感」 「何か言った?」 「何も言ってないのだわ」 「ゆぅぅぅ! どぼぢでぎがな゛い゛の゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛!?」 少女ふたりがじゃれあうなか、空気読めない糞饅頭は、ぽよんぽよんと体当たりをくり返す。そのたびに、少 女の髪が揺らめき揺らめき、されど女子ふたりは知らん顔を決め込む。 「ゆっ! いまはゆっくりできないきぶんなんだね! ゆっくりさせるね!」 「れいむはおうたがじょうずだよ! れいむのびせいをきいて、ゆっくりしていってね!」 「ゆ~♪ ゆゆゆ~♪ ゆっゆゆ~♪」 好き勝手に自分を賞賛し、好き勝手に耳障りな音を垂れ流すゆっくりれいむ。 これに無視を決め込める人間は、そうそういまい。無論、それはれいむが注目されたくてやっていることなの だから、ウザさが増すのはしょうがない話なのかもしれないが。どんなに善意をもって相手に接したとしても、 それで相手が気にいってくれる道理など、寸毫微塵たりともない。 それは、ゆっくりと人間の間にも当てはまるわけで。異文化コミュニケーションは、本当に大変なのである。 マゼランだって、海峡みつけたあとに現地民とバトルしてぶっ殺されたんだから。 「やっかましいわ!」 「うるさいのだわ!」 ゆっくりれいむに降りかかる、それは見事なダブルヤクザキック。そんな攻撃をあっさり出来る、そんな少女 とお嬢は素敵。何故なら、彼女らもまた特別な存在だからです。 「ゆげえ゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛!!?」 きりもみ回転しながら、餡子をまき散らして吹き飛ぶれいむ。宙を飛んだかと思えば、しかし近くに設置され てあるガードレールにぶつかり、顔がひしゃげる。次いで、作用反作用の法則にしたがって、跳ね返されるよう にれいむは吹き飛び宙を浮き、重力の法則にしたがって落下。 都会の汚い道の上、丁度、吐き捨てられたガムがある場所に、顔面から突っ込み、れいむは痛みのあまりにの たうちまわる。 とはいえ、ここは都会。誰もゆっくりなんぞ気にも留めない。 邪魔なゆっくりを片付けて、少女とお嬢は、ふん、と鼻息ひとつ。 それからきびすを返し、ふたりして駅の方へと向かって歩いていく。 「いい蹴りなのだわ、先輩」 「あなたもね、お嬢」 ゆっくり、ゆっくりと駅に向かってふたりは歩く。夕暮れの道を、淡い色彩の影が染め上げる。 「先輩」 「なぁに?」 「手を、繋いで頂戴」 「うん、いいよ」 大きなかばんをひっさげて、少女と童女は歩き出す。その時、ふわり、と童女は艶めいた笑みを浮かべた。 「……ふふ」 「どうしたの?」 「なんでもないのだわ」 夕暮れ時の帰り道。女子ふたりは、遠い遠い空を見据えて、ゆっくりと歩きだした。 「い゛だい゛よ゛ぉ゛……ぐる゛ぢい゛よ゛ぉ゛……」 感動的なフィナーレ光景を壊すは、無論のこと、ズタボロのゆっくりれいむ。餡子を口の端から流し、苦悶の 表情を浮かべ、ゆーゆーと泣き声を漏らしている。 しかし、誰も気に留めない。携帯電話片手のサラリーマンが、れいむに気付かぬままに歩を進め、うずくまる れいむを蹴り飛ばす。 「ゆぎい゛っ!!?」 ころりころころ転がって、路地裏へと着地するれいむ。れいむの体はボロボロだった。だが誰も謝らない。そ れは当然の話である。所詮、害獣。情けをかける道理など、針の先ほども存在しない。 と、その瞬間、路地裏に降り立つ人物、ひとり。 長身痩躯の温和そうな男性だった。黒いシャツをまとい、簡素ないでたちで、れいむを視界の端におさめなが ら、あらぬ方向を向いている。 「ゆぅ……おにぃさん、たすけ……」 「やあ! 僕は虐待お兄さん! みんな元気かな?」 助けを求めるれいむの声には耳も貸さず、誰もいない空間に向かって大声で話しかける男。傍目に見ても見な くても、普通に奇妙で怖い。 「ふふふ、あの女の子たち、可愛い顔をしてなかなかの蹴りを放つね! ゆっくりを殺さず、しかし苦痛を与え る強さの蹴りを放つのは、そこそこ難しいんだ! 鍛えれば、虐待お姉さんになれるかもしれないね! でも、今は美術の勉強をしているようだし、ゆっくりごときに人生を浪費しちゃ駄目だよね! ゆっくりをい じめるのは、やっぱり専門職の僕! 餅は餅屋だよね!」 温厚そうな顔のままに、壁に向かって話しかける虐待お兄さん。道を行く人々は、かなりひいているが、当の 本人は全く気にしない。 「え? さっきから見ていたのなら、どうして女の子たちの間に入って、ゆっくりを排除しなかったのかって?」 「おにぃ、ざぁん゛……。だずげでぇ……」 「いや、あそこで僕が出たのなら、僕は空気読めない子だったからね。女の子同士の、ちょっと不器用な友情風 景を壊すほどに、僕は野暮じゃないのさ!」 「ゆっくりでぎな゛ぃ゛……」 「それにしても、ゆっくりとは本当に面白いよね! 食べてよし、虐げてよし、団結力や絆を高めるための道具 にすらなり得るんだよ? 共通の敵を認識すれば、団結力が生まれる、それが人間だよね! でも、ゆっくりを その敵として認識し、攻撃を加えることで友情を深めるなんて……いやあ、僕の求める虐待道は、まだまだ遠い ね! あの女の子たちには一本とられちゃったなあ、あはは!」 「だずげでよ゛ぉ゛ぉ゛!!」 ぺらぺらとしゃべり続けるお兄さんに、れいむの声は全く届いてない。何故なら、彼もまた虐待お兄さんだか らである。ゆっくりとまともに会話しようなんざ、全く考えていない。 「僕はようやくのぼりはじめたばかりだからね……。この果てしなく遠い虐待道をさ……」 「だずげでよ゛ぉ゛ぉ゛! いだいよお゛!」 「社会で生きるのは大変だよね! ゆっくりしている暇なんてないし」 「ぎいでる゛の゛ぉ゛ぉ゛!!?」 「でも、たまにはゆっくりしてみてもいいんじゃないかな? 根を詰めていると疲れちゃうよ!」 「だずげろ゛ぉ゛ぉ゛!! ごの゛ばがぁ゛ぁ゛!!」 「月並な言葉だけれど、みんな、たまにはゆっくりしていってね!」 「ゆ゛っぐりでぎな゛ぃ゛ぃ゛……!」 げふげふと餡子を吐きながら泣き出すれいむ。しかし、お兄さんは全く表情を変えず、つかつかとれいむのも とまで歩いていき、れいむを持ち上げる。 たすけてくれた! とれいむが顔を笑みの色に見せる暇もあらばこそ、まるで弓を引くがごとく振り上げられ る、お兄さんのこぶし。 「でもまあ、こいつらは絶対にゆっくりさせないけれどね! ヒャア! 虐待だぁ!」 「どぼぢでぞん゛……ゆぎゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!!?」 なんだかんだ言って、人間たちは結構ゆっくりを上手にあしらっていた。 社会でもゆっくりの扱いが決まる日は、そう遠くないだろう。めでたし、めでたし。 「ごごじゃゆっぐりでぎないよお゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛!!!!」 (おしまい) 最後は全部かっさらう。それが虐待お兄さん。台詞がウザいのは仕様。 初投稿なのになんでこんな長いんだ……。マジすみません。 塾とか予備校とかにゆっくりをもっていきたい。 サンドバッグにしてストレス解消して、餡子食べて疲労回復。 あれ? ゆっくり、普通に受験生のお供じゃね? by 鮭チップス このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/409.html
「奇形ゆっくり」 雪もだいぶ解けた頃。 草原には、越冬したゆっくりの姿が現れ始める時期だ。 森の中を歩き続ける僕。 僕は、ある条件を満たすゆっくりを探している。 探しているのは、単体のゆっくりではなく、子供を連れたゆっくり一家でもなく、発情したゆっくりありす でもなく、ゆっくりれみりゃなどの捕食種でもない。 僕が探しているのは、お互いを愛し合ったカップルのゆっくりだ。 それも、既に交尾を済ませて妊娠初期の…そう、そのタイミングが一番“いい”。 越冬後の初春になると、冬を生きて越すことができた安心感のためか、それとも家族計画を考えているのか、 多くのゆっくりが交尾を行う。 草原には結構な数のゆっくりが顔を出し始めているから、そろそろだと思うのだが… 「ゆっ!?おにーさん、ゆっくりしていってね!!」 「はいはい、ゆっくりゆっくり」 すれ違うゆっくりには適当に返事を返しておいて、巣のありそうなところを手当たり次第に探していると… 「ゆぅ!!ゆっくりそだっていってね!!」 「ゆっくりいいこになってね!!」 狭い入り口から中を覗くと、ゆっくりれいむとゆっくりまりさのカップルがお互い寄り添っていた。 れいむの頭には3本の蔓が生えている。妊娠初期なのだろう、つぼみは固く閉じていてまだ子ゆっくりの 原型すら出来ていなかった。 ふむ…こいつらは、丁度よさそうだな。よし、こいつらにしよう。 そう決めると僕はこいつらを連れて帰るべく、ゆっくりに声をかけた。 「やぁ、ゆっくりしていってね!!」 「ゆっ!?ゆっくりしていってね!!」 本能に刻まれた言葉を僕に返す2匹のゆっくり。 「お、れいむは妊娠してるのかな?」 「そうだよ!!もうすぐのれいむのあかちゃんがうまれるよ!!」 「まりさのかわいいあかちゃんがうまれるよ!!」 どうやら、ちゃんと望まれて生まれようとしている子供のようだ。 ひとまず安心した。そうでなくてはこれからの計画も、意味がなくなるからだ。 「よし、これから赤ちゃんが生まれる二人のために、すっごくゆっくり出来るところを用意してあげたよ」 「ゆゆっ!?ゆっくりできるところ!?」 「おにーさん!!ゆっくりあんないしてね!!」 これから親になるというのに、この馬鹿っぷりはいかがなものか。 毎度のことだが、こいつらが絶滅しない納得のいく説明がほしい。 「よし!!じゃあお兄さんについてきてね!!」 息が上がらない程度のペースで、家へと続く道を走る僕。 家まではそれほど遠くない。ジョギングのペースで走って10分ほどだ。 だから僕にとっては軽い運動でしかないのだが…どうやら、2匹のゆっくりにとっては違うようだ。 「おにーさん!!もっとゆっくりしていってね!!」 「おいてかないで!!もっとゆっくりあんないしてね!!」 普通のゆっくりなら決してついてこれないペースではないのだが、妊娠しているれいむは頭に生えた蔓が折 れないように注意しながら跳ねなければならない。 「れいむ!!ゆっくりいそいでね!!」 ペースの遅いれいむに付き添うまりさも、同様である。 「そんなにゆっくりしてると、ゆっくり出来るところがなくなっちゃうぞー!!」 「ゆゆーっ!!??いやだよ!!ゆっくりしたいよ!!」 「ゆっくりいくからまっててね!!れいむ!!もっとゆっくりはやくしてね!!」 どんなに急かしても、こいつらは一定のペース以上速くはならない。 これは…何か別の方法を考える必要があるな。 ちょっとばかり考えて、思いついたのは… 「おーい、まりさ!」 「ゆっ!?」 「まりさがれいむを後ろから押して手伝ってあげれば、早くゆっくりできるぞー!」 「ゆゆ!!おにーさん、あたまいいね!!まりさゆっくりてつだうよ!!」 さっきから2匹の様子を見てわかったのだが、れいむは蔓が折れないように注意してペースを落としている のに対し、まりさは単純にれいむに付き添っているだけ。蔓に注意を払っているわけではない。 つまり、まりさはれいむがゆっくりしている理由がわからないのだ。 ゆっくり出来るところがなくなる、という僕の言葉に焦りを感じるとともに、ペースを上げようとしない れいむに苛立ちを感じはじめるまりさ。 だから…後ろから押して手伝ってやれ、という指示にも簡単に従う。 「れいむ!!もっとゆっくりいそいでね!!」 「ゆぎゅううう!!まりさあああああああああやめてよねええええええ゛え゛え゛え゛!!!!!」 ぐいぐいと後ろから押していくまりさ。それでもペースを上げるわけにはいかず、必死に抵抗するれいむ。 だが、身重の体ではまりさを押し返すことは出来ない。 そのまままりさの力に押し負けて、ペースを上げることになってしまった。 「やだあああああああああ!!あがぢゃんできなぐなっぢゃううううううう!!!!」 「れいむ!!はやくゆっくりできるところでゆっくりしようね!!」 まりさはれいむの悲鳴を聞いてないのだろうか? これから生まれる赤ん坊すら気遣わないあたり、やっぱり頭の中が餡子なんだなぁ。 しばらくして、もう少しで家に着くというところに差し掛かると… 「まりざやめでよおおおおおお!!!…ゆぎゅ!?」 まりさに押されてハイペースで跳ねていたれいむが石につまづき、顔面から倒れ伏してしまった。 あ、これはヤバい、と思った。その角度と、そのスピードが。 ボキッ!! 3本の蔓のうち、一番細かった1本が折れてしまったのだ。 「ゆぎゃああああああああ!!!れいむのおおおおおお!!あがぢゃんがああああああああ!!!」 ゆっくりらしからぬ速さで起き上がって、折れた蔓のもとへ駆け寄るれいむ。 その後を、まりさがゆっくり追いかけた。 れいむは、滝のように涙を流しながら萎えた蔓を見下ろしている。 その後ろのまりさは、ばつの悪そうな顔をしていた。 最初は悲しみの震え…そして、その震えは怒りに変わった。 「ゆぐぐぐぐぐぐぐ!!!!まりざのせいだよ!!まりざがうしろからおしたからだよ!!」 「ゆぎゅ!?まりさはわるくないよ!!れいむがゆっくりしすぎたのがだめなんだよ!!」 へぇ、ゆっくりも夫婦喧嘩するんだぁ。 「あかちゃんがああああああ!!!れいむのあがぢゃんがあああああ゛あ゛あ゛あ゛!!!!」 「ゆっ…れ、れいむのせいだよ!れいむがころんだから――― 「はい、そこまで!」 このまま見ていても面白そうだったのだが、殺し合いに発展する気配を感じたので仲裁に入る。 「今のはどっちも悪くないよ。たまたま、その蔓が細すぎたんだ。たぶん折れなかったとしても赤ちゃんは できなかったよ」 「ゆっ!?そうなの!?」 「そうだよ。だから、残りの2本を大事にすれば良いのさ」 「ゆゆ!!わかったよ!!れいむのあかちゃんだいじにするね!!」 「まりさのあかちゃんゆっくりさせてあげるね!!」 あー、⑨でよかった。 2匹の仲直りは済んだので、すぐそこの自分の家に案内する。 玄関から入っていく2匹は、終始寄り添ったまま離れようとしなかった。 2匹を専用の部屋に案内し、準備を済ませると僕も2匹と同じ部屋に向かった。 僕が抱えているのは、最近幻想入りしたという毒入りギョーザと、2リットルペットボトルに入った廃油だ。 「おーい、ゆっくりしてるかい?」 「ゆっくりしてるよ!!おにーさんもゆっくりしていってね!!」 先に与えておいたお菓子を食べつくして、2匹は文字通りゆっくりしていた。 れいむが妊娠している以上、昔のように跳び回って遊ぶことは出来ない。 2匹にとっても、今までのように跳びはねるより、寄り添いあってゆっくりしてる方が満足できるのだろう。 ギョーザとペットボトルが視界に入るやいなや、跳ね寄ってくる2匹。 「ゆゆ!?それはなに!?」 「ゆっくりできるもの?ゆっくりできるならまりさにちょうだいね!!」 おお、食いついてきた。そうでなくちゃ困る。 「これはね、栄養価の高い食べ物だよ。もうすぐ赤ちゃんが生まれるれいむに食べてもらおうと思ってね。 これを食べれば、元気でいい子な赤ちゃんがたくさん生まれるよ!」 餡子脳にも理解できるように、説明は怠らない。 すると、期待通りれいむが食いついてきた。もう期待通り過ぎて怖いぐらいだ。 「ゆゆ!!れいむたべるよ!!さっさとそれをゆっくりちょうだいね!!」 「わかったわかった。まりさも食べるか?」 「まりさはいらないよ!!ゆっくりれいむにあげてね!!」 さっきのことを少しは反省しているのだろうか、それとも夫(?)としての自覚が芽生えてきたのか。 僕としてはれいむが食べてくれさえすればかまわないので、ギョーザを適当に床に置いて、大きい器に廃油 を移し替えた。 「むーしゃむーしゃ、しあわ…せ…?」 一口食べて、早速異変に気づいたらしいれいむ。 「おにーさん!!これすっごくまずいよ!!こんなのたべられないよ!! こんなものをたべさせるおにーさんとはゆっくりできないよ!!」 「わがまま言うなよ。元気な赤ちゃんが生まれなくてもいいのかい?」 「ゆぎゅ……がまんしてたべるよ…!」 赤ちゃんのため、って言っておけば大抵のことは我慢できそうだな、このれいむ。 眉間にしわを寄せて、いかにも不味そうな顔をしながら、ギョーザをちびちびとかじっている。 ダイオキシンとか、タリウムとか、メタミドホスとか、かなりヤバイ代物らしいんだが、体調には変化はな さそうだ。 実は、毒に対してはかなり耐性があるのだろうか? 「れいむ!!ゆっくりがんばってね!!あかちゃんのためにがんばってね!!」 毒入りギョーザを栄養食か何かと勘違いしている2匹。 まりさは、不味そうにギョーザを食べているれいむを応援している。 そのあと、いろいろヤバそうなものが浮いてる廃油にもれいむは口をつけた。 「ゆぎゅ、まずい……でもあかちゃんのためにがんばってのむよ!」 「ゆゆゆ!まりさもてつだってあげるね!!」 何を思ったのか、自らも廃油を飲みだすまりさ。 お前が飲んだら意味ねーだろ(笑) 目の前の不味い飲み物がなくなればいいとでも思っているのだろうか? さすが餡子脳。僕の予想の斜め上を常にキープしている。 そんなこんなで、3日間。 蔓には、少しずつ子ゆっくりの原型らしきものが現れ始める。 僕はすでにその異変に気づいていたのだが、2匹のゆっくりは気づかない。 出産自体初めてなのだろう、こういうものなんだ、と納得しているようだ。 そして。 いろいろヤバいものを体内に取り込んでいったれいむだったが、ついに…その時が来た。 出産のときである。 部屋の真ん中に陣取ったれいむ。 それを少し離れた所から、不安そうに見守るまりさ。 2匹の数週間の愛の結晶、そして僕の“3日間の努力”の結果が…今、目の前にその姿を現そうとしている。 小刻みに震えだしたれいむ。その時が近づいているのだろう。 最初は堪えていた声も、だんだん我慢できなくなってきたらしい。 「ゆ……ゆ…ゆゆゆゆ…!!」 プチッ! ぽとっ 一匹目のゆっくりの誕生である。 「ま、まりさのあがちゃんがうまれたよおおおおお!!!」 「れいむのっ、れいむのがわいいあがちゃんんんんんんんんんん!!!!」 遠くから見守ると決めていたまりさも我慢できなかったらしい。 赤ちゃんが生まれた嬉しさのあまり、すぐに生まれたての赤ん坊のもとへと跳ねてきた。 その時点で、2匹は初めて“異変”に気づいた。 「ゆ゛……ゆ゛ぐり゛……ぢででね゛……!!」 「なんなの!!このごおがしいよ!!!おがしいよおおおお!!??」 「ゆぎゃあああああああああああ!!??へんだよっ!!へんながおだよおおおおお!!!!」 このゆっくりには、口と呼べるものがなかった。 正確には、口のなり損ないのような…上唇と下唇がところどころ途切れながら癒着しているのだ。 だから、言葉を発しようとしても『ゆっくりちていってね!!』とはならない。 プチッ! ぽとっ 二匹目の誕生。れいむ種である。 今度こそまともな子供が生まれてほしい…そう願うれいむとまりさ。 しかし、そんな願いは無残にも打ち砕かれた。 「ゆっくりぃちていってにぇ……ありぇ?うごけないよ?!」 二匹目の赤ちゃんは、言葉は比較的しっかりとしていた。 しかし、この赤ちゃんには致命的な欠陥があった。 饅頭らしい弾力性が殆どなく、中身が液体のようにドロドロしているのである。 簡単に言えば…そう、やわらかすぎるのだ。 これでは、自由に弾力性を利用して跳ね回ることは出来ない …この赤ちゃんは、一生自力では動けないだろう。 「ゆっゆっ!!ゆっくりうごいてね!!ゆっくりはねてね!!」 異常に気づいたまりさが赤ん坊を手伝おうとするが、無駄なことだった。 「ゆっ…ゆっ…うぅ、うごけないよおおおおお!!うわああああああんん!!!」 「ゆぅ!!ゆっくりしていってねええええええ!!!」 自力で動けないことに絶望する赤ちゃんゆっくり。 そんな子供を目の前にして、どうしたら良いのか分からず泣き喚くまりさ。 それを遠くから見ているれいむの顔には、疲れの色が見え始めた。 プチッ!! ぽとっ 三匹目。 「ゆっくりちていってね!!…ゆゆっ!?くらいよ!?おかーさんどこおおおお!!??」 駆け寄ったまりさは絶望した。 その赤ちゃんゆっくりには…目がなかったのだ。 「おかーさんはここにいるよ!!ゆっくりしていってね!!」 「ゆっ!?みえないよおおおおお!!まっぎゅらだよおおおおおおおお!! おがーざあああああ゛あ゛ん゛ん゛ん゛!!!!ゆッぐりじゃぜでよおおおおお゛お゛お゛!!!」 大声で泣き叫ぶ赤ちゃんゆっくりを宥めようと、まりさが頬を摺り寄せるが… 「ゆぎゃ?!なに!?なにかぶつきゃったよ!?なんなの!?わがらないよおおおおお!! ごわいよおおおおおおおおお!!だじげでよおおおおおおおおおお!!??」 「こ、こわくないよ!!おかーさんだよ!!ゆっくりなかないでね!!!」 どんなに宥めようとしても、赤ちゃんゆっくりは泣き止まない。 そして、四匹目、五匹目…と順番に生まれていく。 生まれつき音の聞こえないもの。 硬すぎて跳ねることのできないもの。 「ぎょぎょぎょ」と気持ち悪い声を発しながら、芋虫のように這うもの。 目を覚ましても蔓から離れられず、終いには頭が破れてしまうもの。 十匹生まれれば十通りの奇形ゆっくりが生まれた。 赤ちゃんゆっくりにならずに、緑色の実のままの状態で落ちたものの方が幸運だろう。 その幸運すら、この一家にはなかった。 さっきまで、生まれてきた子ゆっくりと思う存分ゆっくりすることを思い描いていた親ゆっくり。 皆で草原をお散歩したり、水辺でゆっくりしたり、巣の中で固まって眠ったり… 畑のものを食べたらゆっくりできないよ、と教えてあげたり… いろんなことをしたかった。いろんなゆっくりをしたかった。 でも、それができない。この一家は、できないのだ。 そして、そんな一家を見てると僕は性的興奮に似た絶頂を覚えるのだ。 「さて、と…」 僕は次の準備に取り掛かる。 奇形赤ちゃんゆっくりに囲まれ、未だ泣き止まない親2匹に声をかける。 「やあ、赤ちゃんはかわいいかい?」 「ゆぐっ…へんだよおおおおおお…がわいぐないよおおおおおお……!!」 そりゃあな、僕だって見てて気持ち悪いもん。 でも、自分の赤ちゃんを“かわいくない”なんて言うなんて、困った親だなあ。 「そうかそうか、かわいくないか。じゃあ捨てちゃおう」 そう言って、目のない赤ちゃんゆっくりをピンセットでつまみあげる。 目の見えないゆっくりにとっては、その浮遊感は恐怖にしか繋がらないらしい。 「なに!?へんだよ゛!?ういでるよおおお!!??ごわいよおおおおお゛お゛お゛お゛!!!」 「おにーさんなにするの!?あかちゃんをゆっくりはなしてね!!」 まりさが僕に体当たりしてくるが、さすがゆっくり、全然効果がない。 むしろ、その弾力が気持ちいいくらいだ。 「だってかわいくないんだろう?だったら捨てちゃおうよ!」 「やめでよおおおおおお!!!がわいぐなぐでもまりざのあがぢゃんなのおおおお゛お゛お゛!!」 “かわいくない”ってところは否定しないのかよ(笑) 「かわいくないなら捨てちゃうよ!!ポイ!!」 鼻をかんだティッシュを捨てるように、赤ちゃんゆっくりをゴミ箱に放り込んだ。 ゆうううぅぅぅ、と悲鳴を上げながらゴミ箱の底に落ちていく、盲目ゆっくり。 底に溜めてある熱湯に突っ込んだそいつは… 「ゆぎゃあああああああ、あづいよおおおおおおおお!!!!みえないよおおおおおお゛!!!! ゆっぐりできないよおお゛お゛お゛お゛お゛!!!あがーぢゃんだじげでええええええ!!!!」 そんな悲鳴も、十数秒すると熱湯の中へ消えた。 「さーて、次はどいつにしようかな♪」 「もうやめでよおおおおおお!!!あがぢゃんずでないでええええええ!!!」 「えー、だってかわいくないんだろー?」 「おねがいじまずううううううううううう!!! れいむのあがぢゃんだずげでぐださいいいいいいいいいいい!!!」 子ゆっくりを片っ端から捨てるのも楽しいが、そこまで頼まれたらしょうがない。 僕は妥協案を提示することにした。 「…わかった。じゃあこうしよう!」 「ゆっ!?」 期待に目を輝かせる、親ゆっくり。 しかし、その期待はすぐに打ち砕かれる。 「れいむとまりさが赤ちゃんを一匹だけ選んでね!!その子だけは助けてあげるよ!」 「ゆううううぎゃああああああどおじでえええええええ!!??」 「どおじでそんなごといいうのおおおおおおおおおお!!??」 「選ばないと、全員捨てちゃうよ!!ゆっくりしないで選んでね!!」 「ゆぐっ!?」 選ばないと…子供が全員殺される。 それだけは避けようと、2匹は唯一の生き残りとする赤ちゃんを選ぶべく、辺りを見回す。 「おがーちゃん!!まりしゃをえらんでね!!」 「れいむしゅてられたくないよ!!ほかのこをすててね!!」 「ちにだぐないよおおおお!!おがーぢゃあああああん!!」 喋ることのできるものは、その言葉で親の気を引こうとする。 言葉を発せないものは、その目で親に訴えかける。 精神すらまともでないものは、何が起きているかも感知していない。 「早く選ばないと、全員捨てちゃうよ!!」 「ゆゆっ!!やめてね!!すぐえらぶからね!!」 そして、2匹の親ゆっくりが選んだのは…二匹目に生まれた、動けないゆっくり子れいむだった。 「どおじでええええええ!!??」 「なんでそのごなのおおおおお!!??」 「そのごはうごげないごだよ!?うごげるれいむをえらんでね゛!!」 選ばれなかった子ゆっくりは、たまったものではないだろう。 自由に動けるものは必死に母ゆっくりにすがろうとするが… 「ごめんね!!あのよでずっとゆっくりしてね…!!」 れいむは涙ながらに駆け寄った奇形子ゆっくりを跳ね飛ばした。 うまい具合に僕の足元に転がってきたので、そのままピンセットでつまみあげる。 「ゆぎゃあああああ!!!はなじでよおおおおお!!!」 「ごめんねー。でもお母さん達が、君たちの事かわいくないって言うからさー」 「ゆゆぅ!?れいむかわいいよおおおお!!!かわいいからすてないでねええ゛え゛え゛え゛!!」 そんな叫びも、ゴミ箱の中へ吸い込まれていった。 2匹の親ゆっくりは、自分達が選んだ一匹の子れいむを挟み込んで守っている。 悲しみと絶望に震えながら、唯一生き残るであろう子れいむを、しっかりと守っている。 「はーい、じゃあ君達はゴミ箱行きでーす!恨むならお母さんたちを恨んでくださいねー!」 「いぎゃああああああああああああああああ!!!!」 ぽいぽいとゴミ箱に放りながら、全体に聞こえるように呟く。 「あーあ、お母さんが、あんな毒入りギョーザと食べちゃったから」 「ゆっ!?」 「お母さんが、あんな汚いものを飲んだから、赤ちゃん皆かわいくなくなっちゃったよ!」 「なにをいっでるのおおおおおおおおおお!?」 「お母さんのせいで、皆気持ち悪くて汚い赤ちゃんになっちゃったよ!」 「おかしいよ!!ゆっくりせつめいしてね!!」 「ギョーザと飲み物にはね、危ないものが入ってたんだよ!!本当は食べちゃダメだったんだよ!」 そこまで説明して、やっと理解したらしい。 母体であるれいむは…自ら汚染物質を体内に取り込んだ。 それは子ゆっくりにも蓄積されていき、結果として奇形ゆっくりが生まれた。 やっと。やっと理解したのだ。 親ゆっくりも…そして、子ゆっくりも理解した。 自分がこんな酷い目にあっているのは、母親であるれいむのせいであるということに。 僕は心無い言葉を子ゆっくりに浴びせながら、次々とゴミ箱に放り込んでいく。 「おがーぢゃんのせいだあああああああああ!!!!だずげでええええええ!!!」 「はーい、お母さんがあの子を選んだので、皆あの世行きでーす!」 「おがーぢゃんなんがしんじゃえええええええええ!!!」 「その前に死ぬのはお前らでーす!!あの世でゆっくりしていってね!!」 「おがーだんだじげで!!みでないでだずげでよおおおおおおおお!!!!」 「お母さんはあの子を選んだので、君は助けてもらえません!!ゆっくり死んでね!!」 母ゆっくりを罵倒しながら、ゴミ箱の中へと消えていく子ゆっくりたち。 その言葉の暴力に、れいむとまりさは震えながら耐えている。 「ごめんね!!……あのよでゆっくりしてね…!!」 そして、選ばれた子ゆっくりを除くすべての奇形ゆっくりが…ゴミ箱の中でお汁粉に変わった。 一旦ゴミ箱を片付け、再び部屋に戻ってくる。 親子3匹がいるほうを見ると、どうやら最後の生き残りである子れいむが、両親を罵倒しているらしい。 「おがーぢゃんのせいでじぇんじぇんうごけないよ!!ゆっくりあやまってねええええ゛え゛え゛!!」 本当はすぐに飛び掛って噛り付きたいのだろうが、やわらかすぎて動けないので、それもできない。 その上、2匹の親ゆっくりの返答も酷いものだった。 「お、おかーさんは悪くないよ!!おかーさんはわるいものたべてないよ!!」 「そうだよ!!かわいくうまれてこなかったれいむがわるいんだよ!!」 「ゆぎゅううううう!!?どおじでぞんなごどいうのおおおお゛お゛お゛!!??」 生後10分で親子喧嘩か。すごいもんだな、ゆっくりって。 「はーい、そこまで!」 この前と同じように仲裁に入る。 「いいことを教えてあげるよ。二人の親のどっちかが死んで子れいむの食べ物になれば、子れいむは動ける ようになるよ!」 「ゆぎゅ!?ほ、ほんとうなの!!?」 それは親ゆっくり2匹にとって、衝撃であろう。 どちらかが犠牲にならなければ、目の前の子は一生動けないままゆっくりしなければならない。 親2匹は…どちらが犠牲になるか、選ぶことが出来るだろうか? 「どっちが食べ物になるか、ゆっくりしないで決めてね。ゆっくりしてると、手遅れになるよ!」 「ゆぎゅ!?それじゃれいむがあかちゃんのたべものになってね!!まりさはしにたくないよ!!」 急かされたせいか、焦ったまりさが思わず本音を漏らしてしまった。 となれば、二人の“ジョーカーの押し付け合い”はもう止まらない。 「どうして!?まりさがたべものになればいいよ!!れいむはあかちゃんうんだんだよ!?」 「れいむはあかちゃんうむだけで、ぜんぜんたべものとってこなかったよ!! やくたたずのれいむは、ゆっくりたべものになってね!!」 「おがーぢゃん!!げんがはやめでよおおおおおおおおお!!!!」 これが人間だったら恐ろしい会話だが、ゆっくりの場合だと笑えてくるから不思議だ。 さて…そろそろフィニッシュといこうかな。 「そうか、どっちも食べ物にならないなら…赤ちゃんが死ねばいいよね!!」 そう言って拳を振り上げ… 「やめでえええええええええええええええええ゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛!!!」 「あがぢゃんにげでねええええええええええええ゛え゛え゛え゛!!!」 親2匹の絶叫とともに… グシャッ! 最後の奇形ゆっくりは、ただの潰れた饅頭になった。 「どっちも食べ物になってくれないなら、赤ちゃんは死ぬしかないよね!! だって、動けないままゆっくり生きていけるわけないもんね!!」 2匹は震えている。 「どうしたの?助けたかったの?でも食べ物になるほうを決めなかったよね。 助けたかったのに早く決めなかった二人が悪いんだよ!!」 それを聞いた2匹の、震えが…止まった。 そして… 「がああああああああああああ!!!???れいむのぜいだああああああああ!!!」 「まりざのぜいでじょおおおおおおお!!?まりざがたべものにならないがらああああ!!!」 2匹は、鬼のような形相で責任の押し付け合いを始めた。 「れいむのぜい!!ぜんぶれいぶがわるいの!!!ばかなれいむはゆっくりしね!!」 「ゆぎゅうううううう!!まりざがあがぢゃんだずげながったのがわるいの!!ゆっくりしんでね!!」 「ごろじでやるっ!!おおばがれいむなんがゆっぐりじね!!」 「まぬけなあほまりざは、ゆっぐりあのよであがぢゃんにあやまってね!!」 僕は外に通じるドアを開けておき、2匹を放っておいて自室に戻ることにする。 2匹の騒ぐ音がうるさいので、音楽を大音量で流してくつろぐことにした。 翌日。 2匹がいたはずの部屋を覗いてみると… そこにはゆっくり一匹分の餡子が、部屋を中心として放射状にブチまけられていた。 原形をまったく留めておらず、毛髪や飾りも残っていないので、れいむとまりさのどちらなのかわからない。 僕としては…できれば、れいむのほうに生き残っていてほしい。 あいつがまた子供を作れば、また奇形が生まれるに違いないからだ。 できれば、そうあってほしいな。 だってその方が、ロマンティックだろう? (終) 続く? あとがき 虐待スレ10の 340前後を見て、勢いで書いた! まともに読み返してないので、誤字とかあるかも!! 後悔はしてな・・・・・・いや、半分ぐらい後悔してる! でも、自分が読みたいものが書けたからOK! ゆっくり読んでくれてありがとう!! 作:避妊ありすの人 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/656.html
※この作品は何もしていないゆっくりがナニでアレされます? やあ、みんな!元気かな? 俺は汚兄さん。またの名をHENTAIお兄さんだ! 最近のゆっくりたちって良く喋るよね? アレはアレで魅力的なんだけど、ああいう娘ばかり相手にしているとたまには喋らない娘としてみたくなるよね? そんなわけで今、俺は風のうわさを頼りに殆ど喋らないゆっくりを探しにやって来たんだ! 「ゆっくりしていってね!」 俺が森の中でそう叫ぶと各所から「ゆっくりしていってね!」という返事が帰ってくる。 更にすかさず「ゆっくりしたい子はこっちに来てね!」と言うとあっという間に17匹ほどのゆっくりが集まる。 「やあ、君たちはゆっくり出来る子かな?」 「「「「「そうだぜ、だからまりさに、プギャ!!」」」」」 「「「「「「そうだよ、だかられいむに、ユゲッ!!」」」」」」 「「「「「「ゆっ!ゆっゆっ!」」」」」 とりあえず、喋ることのできた個体の頭頂部に素早く指で突いて黙らせると、喋れない個体だけがその場で跳ね回っていた。 ただし、俺の喋れる子たちに対する行動を見たせいで少し怯えてしまっていて、中には泣き出す娘までいた。 「はっはっはっ!君たち、怯えることはないよ!お兄さんと一緒にゆっくりしよう!」 「「「「「「ゆ、ゆっくりしていってね!」」」」」」 「そうだね、ゆっくりしようね!」 その言葉を合図に俺はイチモツを覆い隠すもの全てを脱ぎ捨て法というからを破り捨て、蝶の如く自由に羽ばたいた! 正しく描写するならばズボンとパンツを脱いで、いきり勃ったムスコを露出させるとその場に座り込んだ。 「「「「「「ゆっ!?」」」」」」 はじめて見ると思しき人間のモノに喋れない娘たちは一瞬ぎょっとする。 けれで、いつも通り蜂蜜をたんまり練り込んでいるので、甘い匂いにつられて徐々に興味津々と言った表情になり・・・ 「ゆーっ」 やがて好奇心旺盛な1匹のゆっくりまりさが意を決して俺のムスコにしゃぶりついた! 「おおおぅ・・・!?」 やはりゆっくりの口は良い。この感触は何度体験しても挿入した瞬間にイきそうになる。 その行為が人間にとって何を意味するのかなどゆっくりに分かるはずもなく、甘いものを食べられる幸福を満面の笑みで表現しながら必死にしゃぶりついている。 「ゆーっ!!」 すると、その様子を見ていたまりさが今、モノを咥えているまりさを押しのけて、自分が甘いモノを独占しようとし始めた。 「しくじったな・・・」 よくよく考えて見れば、6匹もいるのではイチモツだけではあまりに数が少なすぎる。 しかし、それではお預けを喰らうゆっくりたちが可哀そうだ。 そこで俺は顔と胸と足の裏にズボンのポケットに入っていた蜂蜜を塗りたくった。 「さあ、これで喧嘩しなくて大丈夫だよ!」 僕が最高のスマイルを浮かべるとその意味をゆっくり理解したゆっくりたちは元気良く俺に殺到した。 「ゆーっ♪」 「ゆゆっ!」 「ゆぅ~♪」 一番大きなまりさはさっき強奪したイチモツを相変わらず咥え続けている。 その舌使いはなかなかにテクニカルで、俺のムスコははちきれんばかりに怒張していた。 足の裏を攻めるのは2匹のれいむだ。少しくすぐったいが一生懸命な姿は実に感動的。 胸部に舌を這いずりまわすのはれいむとまりさ。時々乳首を舐められるのだが、そのときの快感は言葉にしがたいものがある。 最後に顔を嘗め回しているのはゆっくりまりさ。舌と全身を巧みに使って俺をしゃぶり倒すその動きは実に官能的なものがある。 6箇所から絶え間なく与えられる快感は想像以上にすさまじく、数分後、俺はオーガズムを味わった。 ---あとがき--- これはゆっくりが喋らないことに何か意味があるのか? byゆっくりボールマン このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/998.html
注意書き 俺とゆっくりの話 と、ほんの少し関係がありますがたぶん知らなくても大丈夫だと思います。 バッジ設定があります、詳しい設定については「俺とゆっくりの話 1」を読んでください。 タイトルのとうり、人間はゆっくりを愛でてます、でも虐待成分もありますし、そっちがメインだと思っています。 そんなわけで飼われているゆっくりがいます。 また、多少人間虐めな部分もあります。 そして頻繁に視点が移り変わっています。たぶんかなり読みにくいとは思いますが許してください、ごめんなさい。 オリジナルキャラがいますが、名前はないので親子間でも「お母さん」「娘」などと呼び合っています。 「おかぁさん、れいむとちぇんはあした、ほかのひとにもらわれていくんだね?」 「そうだよ、きっとそのひともおにいさんみたいにやさしいひとだからゆっくりいうことをきいてね」 「わかるよー!ちゃんということきいてゆっくりするよー!!」 俺の飼っているゆっくり達が寝床として用意した小屋の中で会話しているのが聞こえた。 彼女(?)らの言う通り、明日子れいむと子ちぇんは近所に住む人の所にもらわれていく。 俺がゆっくり達と「れいむ一匹とちぇん一匹以外はみんなペットショップか他の人に引き取ってもらう」という約束をしたからだ。 今はれいむとちぇんを飼っている俺だが、その子供全員まで面倒を見る余裕がないことをれいむとちぇんは理解していたし、 生まれたばかりの赤ゆっくりも最初は泣き叫んだが、親の賢明な説得の結果、自分が貰われることを承諾し、それまでの間精一杯親とゆっくりしようとしている。 今までも何匹かの子ゆっくりが他の他人や友人に引き取られていった。前の飼い主や親ゆっくりに会うとホームシックみたいな症状が起きてしまうことがあるので、 様子を見に行くことはできなかったが飲み屋で会った友人宅のゆっくりはちゃんと彼のいうことを聞いているらしい。 当然だ、何のために自分が育てる予定のない赤ゆっくりにまでシルバーバッチを持たせたと思ってるんだ、飼い主がちゃんとしていれば悪いゆっくりに育つはずがない。 次の日、子れいむと子ちぇんは少し離れた所に住む女性とその娘に引き取られていった。 父親は仕事で帰りが遅く、女性もたまに夜遅くまで出かけて行くことがあるらしい。昼の間娘がさみしい思いをしないように…とゆっくりを飼おうとしたんだそうだ。 とりあえず娘が親ゆっくりや子ゆっくり達と遊んでる間に女性に簡単な買い方の説明をする。 飼い方といっても基本的な躾についてはたぶん問題ないだろうが、ゆっくりにあまり触れない人にとってゆっくりは未知の固まりだ、お勧めの飼育書の紹介して、 買って読んでくださいねと言った。女性も 「あら、そんな本があるのね…じゃあ帰りにでも買っていこうかしら?」 と言ってくれた。これで買ってくれないと困る、ゆっくりに限らずペットを飼うのは大変なのだから。 最期に二人は俺にお礼を言ってから家を出て行った。 夕日に照らされた少女の腕に抱かれて頭をなでられる子れいむの顔を見て、俺もこの人たちならきっとゆっくり育ててくれるだろうと思った。 あれ?あっちに本屋ってあったっけ? 妹のちぇんと一緒におねーさんに運ばれて15分ほど移動した。 お兄さんの家より大きい家に着くとおねーさんが「きょうからここがあなたたちの家よ、ゆっくりしていってね!」と言ってくれた。 「ありがとう!おねーさん!!おねーさん!!ゆっくりしていくね!!」 「きょうからここがおねーさんたちとちぇんたちのいえになるんだねー!!わかるよー!!」 「いやぁね、この子たちは、今日から私のことはお母さんって呼んでくれていいのよ?お姉さんなんて呼ばれたら逆にくすぐったいじゃない?」 おねーさんのおかーさんが笑いながら言った、自分たちのお母さんはれいむお母さんとちぇんお母さんだけど、この家でゆっくりする以上 お姉さんのお母さんはれいむたちにとってもお母さんなんだと思った。 「わかったよ!!きょうからよろしくね!!おかーさん!!」 「よろしくね、さて、今日はれいむちゃん達が来たお祝いをしなくちゃね、晩御飯の準備をするから娘と遊んで待っててね」 「ごはん!!わかるよ!!ゆっくりまってるよー!!」 「ゆっくりつくってね!!おねえさん、ゆっくりあそぼうね!!」 「うん!じゃあ付いて来て、私の部屋に案内してあげる!!」 お姉さんに連れられてお姉さんのお部屋にきた。 お姉さんはニッコリ笑いながられいむとちぇんの頭をなでてくれた。 「ゆ、ゆ、ゆ~っくり~」 「ゆっくりできるよ~わかるよ~」 「あはは、かわいい!!」 さいしょはお姉さんの話を聞いていたり、お歌を歌ってもらったりしていたのだが、お姉さんは途中からちぇんの尻尾を触り始めた。 「ゆゆっ!?」 「あはは、ふさふさして気持ちいい~!!」 「ゆゆゆゆ、や、やめてよ!ちょっといたいんだよ!わかってね!!」 「キャハハ、ほら、クリクリ~」 さらにそのままちぇんの尻尾と尻尾をこすり合わせて楽しんでいる 「い、いたいよー!!ゆっくりやめてね!!」 「おねえさん!!れいむのいもうとがいたがってるよ!!ゆっくりやめてね!!」 「えー?ふさふさして気持ちいいのに…じゃあれいむであそぶ!!」 「ゆっくりあそんでいってね!!」 あの後、ちぇんちゃんのしっぽに何度か触ろうとしたけど、れいむちゃんは怒って触らせてくれなかった、ふさふさしてて気持ちよかったのになぁ… 尻尾に触れなかったので、頬を突いたり、軽く転がしたりして遊んであげた、れいむちゃんも、ちぇんちゃんも笑ってくれたので、楽しかったみたい。 また尻尾に触りたいけど、ちぇんちゃんに嫌われるのは嫌だから触らないで上げよう。 「ちぇんの尻尾には触れないようにしましょう ちぇん種の尻尾は非常に敏感で、強く握ったりするとゆっくりに激痛が走ります、また若い個体れあれば少し触れただけでも強い刺激になるのでちぇん種を飼育する場合は注意してください」 民明書房 ゆっくりの飼い方 第4版より抜粋 お姉さんといっぱい遊んでいるとお姉さんのお部屋の外からお母さんの「ごはんよ~、はやくおりてらっしゃ~い」という声が聞こえた。 お姉さんに抱っこされて、ちぇんと一緒にお台所に行く。テーブルの上にはたくさんのお料理が並べられていた、そのうちいくつかは 本当のお母さんやお兄さんと一緒に食べたことはあったけど、こんなにいっぱい並んだご飯は初めてだった。 「きょうはれいむちゃん達の来たお祝いにお母さん、たくさんご飯作っちゃったわ、いっぱい食べてね!!」 「いまれいむちゃん達の分もよそってあげるね!!」 テーブルの上に載せられ、前に置かれたお皿に盛られるたくさんのご飯、全部食べきれるかなと思ったけど、せっかくお母さんが作ってくれたんだから全部食べなきゃ。 「じゃあ、いただきます」 「いただきまーす!!」 「「ゆっくりいただきます!!!」」 いただきますの挨拶をして目の前のご飯を食べ始めた。 「むーしゃ、むーしゃ、しあわせ~」 「おいしいんだね!わかるよー!!」 「あら、そう言ってくれるとお母さんも作ったかいがあったわ!!」 「とってもおいしいよ!!ゆっくりできるよ!!」 「おかあさん!おりがとうだよー!!!」 そんな話をしながられいむとちぇんはご飯を食べた、あまりの美味しさに気がついた時はまわりを汚しちゃってたけどお母さんは仕方ないと笑ってくれたし、 お姉さんはれいむとちぇんのお口を拭いてくれた。途中でおかあさんとお姉さんは難しいお話をしてた、何の話をしていたのかよくわからなかったけど、 お父さんという人は、今日帰ってくるのはとても遅くなるらしい、お姉さんのおとうさんなら、れいむたちのお父さん。今日のうちに挨拶したかったな… 「むーしゃ、むーしゃ、とってもしあわ…」 「もぐもぐたべるよー!!…」 ゆっくり、しかし激しく食事をするれいむとちぇん、しかしある料理を口にした瞬間、動きが止まり、白目をむいてガタガタと震え始めた。 「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」 「ゆっぐりできない゛よ゛お゛ぉぉぉぉ!!!」 「ど、どうしたの?れいむちゃん、ちぇんちゃん!!」 「おがあざん!!このごはん゛は゛きら゛い!!ゆっぐりで゛き゛な゛い!!」 「ごめ゛ん゛ね゛!!でも゛こ゛れ゛だけ゛は゛の゛こ゛さ゛せ゛て゛ね゛!!」 「…だめよ、好き嫌いはいけないの、わかるわよね?」 「でも、でもぉ!!」 「ゆっくりできないよ!!!」 「嫌いなものでも食べないといけないわよ、ほら、半分にしてあげるからちゃんと全部食べなさい!!」 「お母さん…でもこの子たちの嫌がり方、すごいよ?」 「でもお母さんは好き嫌いは許さないわよ、あなたもピーマン、残さずに食べなさい。」 「はぁーい」 いま、お母さんは何て言った?「全部食べないといけない?」 そんな、あの食べ物は口に入れた瞬間、れいむの中身が熱くなっちゃうのに!?ゆっくりできないのに!? でも、お兄さんや、本当のお母さんは「ちゃんと、新しい飼い主の言うことを聞くんだよ」といった、だかられいむも、ちぇんもちゃんと食べなくちゃ、 お母さんのいうことを聞かないと 「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!」 「ゆ゛っく゛り゛でき゛な゛い゛ん゛だね゛!でも゛ち゛ぇん゛は゛ま゛け゛な゛い゛よ゛!!」 「がんばって食べるのよ!お母さん、応援するからね!!」 れいむちゃん達がいきなり叫び出した時、間違ってゆっくりにとって毒になるものでも入れたのかしらと不安になった。 でも確かにれいむちゃん達は「このごはんきらい」といった、そういえばゆっくりは雑食っていうし、人間が食べれるのにゆっくりが食べれないものなんてあるはずがないわよね? でも好き嫌いはいけないこと。私も母に嫌いな食べ物を残さず食べろと言われ、いくら泣いても食べ終わるまで許してくれなかったことが何度かある。 結局私はなんでも食べれるようになったから、母には感謝してる。れいむちゃん達も、きっといつか私に感謝してくれるはずだ。 「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!」 「ゆ゛っく゛り゛でき゛な゛い゛ん゛だね゛!でも゛ち゛ぇん゛は゛ま゛け゛な゛い゛よ゛!!」 「がんばって食べるのよ!お母さん、応援するからね!!」 正直、ゆっくりが嫌いな食べ物というだけでここまで叫ぶとは思えなかった、きっとあの飼い主さんが甘やかしすぎたのね。 「ゆっくりに辛いものは厳禁!! 基本的に人間が食べるものはなんでも食べれるほど雑食性の強いゆっくりですが、唯一辛いものだけは食べさせてはいけません。 辛いものは餡子でできたゆっくりの体にとって猛毒であり、子供のゆっくりならほんの少しのハバネロで即死することすらあります。 また、香辛料なども種類によっては毒となることもあるので、ゆっくりにご飯を上げるときは注意してあげてください。」 民明書房 ゆっくりの飼い方 第4版より抜粋 なんとかご飯を食べ終えたれいむとちぇんは母親に言われ、娘と一緒にお風呂に入ることになった。 「おねぇさん!れいむをゆっくりお風呂に入れてね!!」 「おふろだねー!わかるよー!!」 この気楽な饅頭についさっきまで毒を食わされてたんだぞ、と突っ込んではいけない。彼ら自身も辛いものが毒だということが分かっていないため、好き嫌いを直そうと自ら積極的に毒を食ったのだ。 れいむとちぇんはおねえさんといっしょにお風呂に入った。 人間って不思議、れいむも、ちぇんも、ゆっくりはあまり変わらないのに、人間は結構違う。 前に一緒にお風呂に入ったお兄さんにあったぶらぶらしたものが、お姉さんには見当たらない。 お姉さんがちぇんの頭を洗ってあげるのを見ている、れいむはそんな事を考えていた。 「はい、これでおしまい!!」 「すっきりさっぱりしたよー!!わかるよー!!」 そんなどうでもいいことを考えているうちにお姉さんがちぇんの頭を洗い終わったようだった。 「じゃ、お風呂にはいろっか」 「ゆっくりぃ~」 「わがるよぉ~」 「あはは、なにそれ、おじさんみたい!!」 れいむとちぇんにはお風呂は大きかったけど、お姉さんが用意してくれた桶の中に入るからゆっくり沈んだりしないよ! 「「ゆ~ゆゆゆ~ゆ~♪」」 れいむちゃんとちぇんちゃんが気持ち良さそうに歌を歌っていた。どこか音程のずれた、おかしな歌だったけど、それが逆に聞いてて楽しくなる、そんな感じがした。 「ゆっ!そろそろれいむたちはおふろからあがりたいよ!!」 「おねえさん!ゆっくりだしてねー!!」 歌を一曲歌い終わったと思ったらすぐにお風呂から上がりたいと言ってきた、まだ3分ぐらいしか経っていない、私はもっと入りたいのに。 「え~?私ももっと入りたいよ?それにすぐに上がっちゃうと湯冷めしちゃうよ?」 「ゆざめ?なにそれ?」 「もしかしてゆっくりできないの?」 「うん、とてもゆっくりできないよ」 「じゃあ、ゆっくりがまんするよ…」 「でも…このままお風呂に入っていてもゆっくりできなくなっちゃうよ、わからないよー…」 ほんと、ゆっくりってわからない、お風呂が大好きですみたいな事をさっきも言っていたのに、本当はお風呂、嫌いなのかな? このままお風呂に入っているとゆっくりできない、それはたしか本当のお母さんに最初に教えてもらったこと。 でも、すぐにお風呂からでると「YUZAME」になってゆっくりできなくなるってお姉さんは言った。 じゃあれいむもちぇんも、どっちにしろゆっくりできないの?どうすればいいの? 「お、おかあさーん!!」 「どうしたの!?何があったの!?」 「れいむちゃんとちぇんちゃんが溶けちゃったぁ!!」 娘がタオルも巻かずに飛び出してきたときはどうしようかと思った。だが、娘の持ってきた洗面器の中には黒い水が入っていてぶよぶよとした気味の悪いものが浮いている。 「おかぁ…さん…たすけてねー…」 「ゆっくり…したけっかが…」 私は急いで洗面器から二匹を取り出した。 「ゆっくりと水について ゆっくりは基本的にきれい好きな動物のため、子育て期などの特別な場合を除き、頻繁に水浴びをします。 飼いゆっくりの場合も少なくても三日に一度はお風呂に入れてあげましょう。別に毎日でもかまいません。 ですが注意点がいくつかあります。ゆっくりの皮は比較的軟らかいため、少し力が入っただけでもすぐ破けてしまいます。体や頭を洗ってあげるときでもできるだけ力を込めず、 手で表面を軽くこするように洗ってあげましょう。 次は入浴時間です。一般にはあまり知られていないことですが、ゆっくりは長時間水につかっていると皮が溶け、餡子が漏れ出してしまいます。 水の場合で約五分、お湯の場合で三分以上は濡らさないで上げてください。 もし、餡子が溶け出てしまった場合、すぐ自ら上げて体をタオルなどで優しく拭いてあげましょう。しばらく待って餡子の流出が止まらないようであれば重症です、ゆっクリニックに行きましょう。」 民明書房 ゆっくりの飼い方 第4版より抜粋 れいむとちぇんが飼われてから、三か月ほどたった。 結局れいむもちぇんも、たまに尻尾をいじられ、頻繁に出される辛い物を「すききらいはいけない」と、泣きながら食べた。 お風呂でふやけた時は症状が軽くて助かったが、あれ以降お風呂は一分ぐらいしか入れてもらえなくなった。 毎日毒を食う生活だった、だけど、れいむもちぇんも自分は幸せなんだと信じていた。 昔、本当の母親に言われた一言「飼い主さんのいうことをちゃんと聞いたらきっとゆっくりできるよ!」その言葉をずっと信じて居たため、 二匹は他の飼いゆっくりには見られない位に飼い主に従順なゆっくりになっていた。 通常、野生のゆっくりは4か月ほどで亜成体となり独り立ちする、辛いもの以外は栄養豊富な食べ物をたらふく食べたこの二匹はもう、成体のゆっくりとほとんど変わらない大きさをしていた。 そして人間でいえば思春期のゆっくりが二匹、同じところで生活している。そうすればどうなるか、答えは明確だった。 もうすっかり夜になった。 おかあさんも、おねえさんも、おとうさんもたぶん寝ているぐらいの夜。 自分もちぇんも多分こんな遅くまで起きた事はないと思う。でもなぜか、今日はれいむもちぇんも寝るに寝られなかった。 「おねえちゃん…」 「なぁに、ちぇん、ゆっくりはなしてね」 「ちぇん、なんだかおねえちゃんといっしょにいるとなんだかうずうずむずむずするんだよ…」 「じつはれいむもなんだよ…」 「れいむおねえちゃん…」 「ちぇん…」 お互い見つめあう二人、少しずつ近づいて行き、触れ合う肌 「んほっ!?」 「に゛ゃっ!?」 その瞬間、二匹に電流が走った 「な、なに、いまのは!?」 「わ、わからないよー!!」 生物的に成熟し始め、早すぎるすっきりで朽ちてしまうゆっくりが現れ始めるこの時期、野生なら親に、飼いなら飼い主に性教育を受ける頃だ。 だが、親にも飼い主にも性教育を受けていない二匹には何が起こったのかわからない、ただ、未知の刺激を感じた二匹の心は新しいおもちゃを見つけたような興奮を感じていた。 「わ、わからないけど…もういちどやってみるよ…」 「わかったよー、ゆっくりやってね…」 二匹が本能的に交尾を開始するまでにそんな長い時間はかからなかった。 今日も私はいつものように6時に起きた。ちぇんちゃんとれいむちゃんを飼うようになってから、朝起きるのが少し早くなった。毎朝朝ごはんの前にれいむちゃん達と遊ぶのがとても楽しい。 居間に降りてみるとれいむちゃんの姿が見えなかった、ちぇんちゃんが古新聞を居間の隅に積み重ねているのを見つける。 「おはよう、ちぇんちゃん」 「ゆっ、おはようなんだね、わかるよー!!」 「それで…何してるの?」 「お、おねがいするよ!!それをどかさないでね!!」 「だめだよ、ゴミを散らかすとお母さんに怒られちゃうよ?」 「わからないよぉー!!」 遂に泣き叫んでしまうちぇんちゃん、でも散らかったのをこのままにしておけないし…私はちぇんちゃんにごめんね、と言ってから積み重なった新聞紙の上の方をどかした。 「ゆゆっ、おねえさん、おはよう!!でもゆっくりしんぶんさんをもどしてね!!!」 新聞紙の山の中にはれいむちゃんがいてこっちを向いて挨拶をしてきた、でも、その頭には植物の茎のようなものが生えていて、それには8個くらい、ちゃっちゃいゆっくりが付いていた。 「…」 「ゆっ」 「お…おかぁさーん!!大変!れいむちゃんが!!」 「ゆっくりの性欲について ゆっくりはそのほのぼのした外見、生活からは想像しにくいですが性欲の旺盛な生物です。 ですが、若いゆっくりは交尾をすると疲労や子供に栄養を取られ死んでいしまうことがあるので対策をしっかり行いましょう。 生まれてから五か月~半年ぐらいでゆっくりは性欲を感じ始めるのでその前からゆっくりに性教育をしてあげてください。 内容はお互いが激しく体をこすり合わせることがすっきりであること、すっきりすると子供ができることがあること、若い時にすっきりしてしまうと死んでしまうことがあること、 この三つで十分です。ゆっくりは性に関することは割合速く覚えるため教育にあまり苦労はしないでしょう、成体のゆっくりと一緒に飼育しているならその個体に教育してもらうのも一つの手です。 また、性欲が解消されないとゆっくりは自慰行為に依存したり自傷行動を行ってしまうこともあるので、繁殖させる予定がない時は何らかの対策を立てる必要があります。 プロのブリーダーは定期的にゆっくりをすっきりさせてあげることがありますが、とても難しい方法なので去勢手術、避妊手術を行うことをお勧めします。」 民明書房 ゆっくりの飼い方 第4版より抜粋 娘の悲鳴で起こされたその日以来、なぜかれいむちゃんは新聞紙の山の中に隠れるようになり、ちぇんちゃんはれいむちゃんに新聞紙をかぶせ、その前に立つようになった。 今までこんなことはしなかったのにどうしたのかしら? さすがにゴミを散らかされると困るし、たまには日光浴もしないとれいむちゃんにも、あかちゃんにも悪いわよね? 「ゆっくりやめてね!!おかあさん、はなして!!かたづけないでね!!」 「だめじゃない、れいむちゃん、古新聞を散らかしちゃ?」 「でもそれがないとゆっくりできないよぉ…」 でも、言った時は新聞紙から出てくるけどまたすぐに新聞紙を散らかして二匹は中にもぐりこんでしまう、何度言ってもその時はいうことを聞くのに、何時間かたったらまた何かをちらかしてその中にもぐりこんじゃう。 そして新聞紙かられいむちゃんを取り出すと大声で泣き始めちゃう。 ちぇんちゃんが泣きながらないてるれいむちゃんに紙くずをかぶせてたけど何を考えているのかしら? れいむがにんっしんしてから何日かがたった。 ここ何日かずっと怒られてばっかりだ、もちろん悪いのはれいむたち、それは分かっているのに…頭に赤ちゃんができてからなぜか広いお家が怖くなってきた。 れいむはとにかく狭い所に入りたくて新聞紙という紙を散らかしちゃう。 お母さんやお父さんに怒られたから悪いことだということは分かっているのに…わかっているのに新聞紙の中に入りたくて、ちぇんにれいむを隠すようにお願いしちゃう。 ちぇんも悪いことだとわかっているのにれいむを隠すのを止められない。れいむたちは悪いゆっくりなのかな? なんで悪いことを止められないんだろう?今も夜でれいむとちぇん以外が部屋に居ない事をいいことにちぇんに新聞紙をかぶせてもらっている。 悪いことなのに、怒られるのに、それがわかっていて泣いてるのに。気がついたら新聞紙に隠れようとしている。 新聞紙や、周りのいろんなものをちぇんが集めている時、隣の部屋からお父さんの声がした。 「まったく、だから躾けられないならゆっくりなんか飼うなと言っただろう!!」 隣の部屋からお父さんの声が聞こえた。 「そんなこと言ったって、最初に飼いたいって言ったのはあの娘なのよ!あなただって飼って良いって言ったじゃない!?」 「それはお前が自分も躾を手伝うからと言ったからじゃないか!!あいつら、昨日は俺の仕事の書類まで新聞紙に混ぜて潜ってたんだぞ!!」 ごめんなさい、お父さん。ごめんなさい、ちぇんもなんでそうしちゃうかわからないんだよ!!でも今口にくわえているのはお父さんのお仕事の紙? あああ、悪いことなのに、悪いことなのに…この紙はここに置こうね、お姉ちゃん…わからないよ… 「まったく、だから軽い気持ちで生き物を飼うなと言ったのに…あいつらの子供が全部埋まれたらどうする気なんだ!?全部面倒を見る余裕は家には無いのは分かっているだろう!!」 「なによ!!自分はまったく関わろうとしない癖に悪いことがあったら全部私のせいにするの!?」 「そうは言っていないだろう!!」 ああ、なんでちぇんもれいむおねえちゃんもこんな怒られるようなことをしているんだろう、ゆっくりできないよ… はじめてお父さんに挨拶したときは笑顔で「娘と遊んでやってくれ」って言ってくれたのに…いまのちぇんたちはおねえちゃんとまったく遊んでいないよ…。 いつからだろう、こんなにゆっくりできなくなったのは、れいむおねえちゃんを隠したくなったのは… そうだ、わかる、わかるよ。こいつだ、れいむおねえちゃんにはえてるこいつらがでてきてからちぇんも、れいむおねえちゃんも、おねえちゃんも、おかあさんも、おとうさんもゆっくりできなくなったんだね。 わかる、わかるよ~、こいつらがいたから、ゆっくりできないんだね!!いまわかったよ!! その時、れいむから生えてた茎、それについていた実の一つが震えて地面に落ちた。 「ゆっ、ゆっくりちていっちぇね!!」 とっても純粋な笑顔で、虐待お兄さんが思わずつぶしたくなるような、ゆっくりから見れば天使のようにゆっくりした笑顔で赤れいむがそう言った時、ちぇんの中で何かが弾けた。 「ゆっくりしんでね!!ちぇんはゆっくりしたいんだよ!!」 ああ、今までゆっくりできなかったけど、ついにれいむとちぇんの赤ちゃんが生まれた、とってもゆっくりした赤ちゃん、天使のような笑顔で 「ゆっ、ゆっくりちていっちぇね!!」 とれいむにゆっくり言ってくれた。 「ゆっくりしんでね!!ちぇんはゆっくりしたいんだよ!!」 何が起こったのかわからなかった、目の前にはちぇん、その足元には丸く広がる何か…もしかして、ちぇんが赤ちゃんを? 「どお゛じでごん゛な゛ごどずる゛の゛お゛ぉぉぉぉ!!!!」 「こいつらがいるからちぇんも、おねえちゃんも、みんなみんなゆっくりできないんだよ!!おねえちゃんはわかるよねー!!」 そうだ、れいむのあかちゃんが、あたまからでてきたとき、それかられいむはゆっくりせまいところにいきたくなってとまらなくなって、それでみんなにおこられるおうになって、ゆっくりできなくなったんだ。 じゃあこいつらがいなくなればれいむたちはゆっくりできる、このおうちにはじめてきたときみたいに、みんなでゆっくりするんだ!! 「ゆっくりおちろおぉー!!」 あたまをおもいっきりゆらしてあたまにはえたごみどもをかべにたたきつける、なんひきかは「ぶびゅ」とかいってつぶれた、ゆらしたことでうまれはじめたやつもいたけど、 そいつらはちぇんがかたずけてくれる。 「どうした、何があったんだ!!」 物音に気づいた父親と母親が隣の部屋から入ってきた。 彼らが見たのはまさに地獄絵図だった、あたり一面餡子で覆われ、れいむとちぇんが自分の子供を手当たり次第に叩き潰している。 「な、何をやっているの!?」 「ごみどもをつぶしてるんだよ!おかあさん、わかるよねー!!」 「よごしてごめんねおかあさん!!おとおさん!!あとでゆっくりあやまるからいまはだまってゆっくりみててね!!こいつらがいなくなればみんなゆっくりできるからね!!」 「れいむ!ちぇん!おまえたちは自分が何をやっているのかわかっているのか!?じぶんの子供を殺しているんだぞ!!」 父親が悲痛な叫びをあげた。 「なぁに、おとうさん、なにかあったの…?」 そして、娘が眠そうに目をこすりながら部屋に入ってくる。 「まっててね、おねえちゃん、こいつがさいごだよ!!」 「こいつをやればゆっくりできる!!わかる、わかるよー!!」 れいむとちぇんは最後の一匹の両頬を加え、思いっきり引っ張った。 「お、おかあちぁん、ゆっちゅり、ゆっちゅ、ゆぶべべっぇっっ!!!」 「「ゆっくりしねぇ!!」」 「ゆびゅ!!」 鈍い音を立てて最後の赤ちゃんが真っ二つになった。 「やった、やったよ、おねえちゃん、これでいっしょにゆっくりできるね」 「おとうさん、おかあさん、もうちぇんたちはおこられることはしないよ、ずっといっしょできるよ、わかるよ…」 れいむとちぇんが帰り餡子まみれのまま、光のない眼で娘に近づいてきた。 「い、いやあぁぁぁぁぁぁぁぁー!!!」 深夜の人里に少女の甲高い悲鳴が木霊した。 「ゆっくりは本来、木の根元の空洞等に巣を作って生活する動物です、それは飼いゆっくりでも変わらず、ゆっくりだけの安全な空間を欲します。 巣への依存度はあまり高くはありませんが、それでも多少のストレスを感じることがあるので出来るだけ巣となる小屋などを用意してあげてください。 お金に余裕がなければ段ボールなどを使うのも一つの手です、とにかくゆっくり以外が入れない狭い空間を作ってください。 巣の掃除ですが、ゆっくりは基本的にはきれい好きなので特に必要ありません。ただ、異臭がするなどの異常がある場合は掃除をする必要があります。その時はゆっくりと一緒に掃除をしましょう。 成体のゆっくり、特ににんっしん中のゆっくりは非常に怖がりになるため巣に引きこもりがちになります。この時期のゆっくりは非常にストレスに敏感なので、 むやみに巣から出したりしないでたまに入口をのぞいてあげるぐらいにしてください。ご飯もこのときは入口の近くに置いてあげれば自分で食べてくれます。 ゆっくりが心の底から飼い主を信頼している場合はにんっしん中でも巣の中にいるより飼い主のそばにいることを望みますがそこまでなついてくれなかった時も無理やり可愛がろうとはせずに、 ゆっくりが自分から出てくるのを待ってください。この時期飼い主が巣を荒らしたり、子供が巣の外から丸見えなところに移動させたりすると強いストレスがかかり、最悪精神崩壊を起こして自分の子供を殺してしまうことすらあります」 民明書房 ゆっくりの飼い方 第4版より抜粋 「こんな野蛮な生き物、今すぐ引き取ってください!!」 まったく、いきなりこれかよ?朝早くドアノックの音で起こされた俺は家の前にすごい剣幕のあの女性がいるのを見たとき、なにかあるなと思いゆっくり達に隣の部屋で静かにするように言った。 「こんな自分の子供を殺すような生き物…!!おかげで娘は部屋に引きこもっちゃったのよ!!」 女性は両手に虐待用透明な箱(防音)を俺に押し付けてきた。中のれいむもちぇんも何かを叫んでいるが声は聞こえない、ただ、涙をながしながら女性に何かを訴えていた。 「ゆっくりして、ゆっくりしようよ!!」 「なんでちぇんをすてちゃうの?わからない、わからないよ!!」 おれにゆっくりを押しつけてすぐ帰ろうとする女性を捕まえてなんとか何が起こったのか聞き出す。 ふざけるな、妊娠中の動物はストレスに敏感なんだ、それを何度も引っ張り出した…? 俺の腕を振り切ろうとする女性に俺はどうしても聞きたかった事を聞いた。 「なんで飼育書を飼わなかったんです!?そうすりゃこいつらだって自分の子供を殺すようなことは…」 「あなたが本をくれなかったのが悪いのよ!!こんなに手のかかる生き物だと知っていたらゆっくり何て飼おうとは思わなかったのに!!」 俺はそれを聞いて唖然とした、俺は確かゆっくりを上げるとき、飼育書を飼ってくださいと言った。なのに俺があげないから悪いとは? なんというか、俺より年上の人が、DQNというか、ゆとりというか、にんげんゆっくりというか…そしてそれを見抜けなかった自分が、何より情けなく思った。 俺は、こいつらをどうすればいいんだ?こいつらをここまで追い詰めてしまったのは、あんな飼い主に渡してしまった俺の責任だ。 こいつらはもうまともなゆっくりとしての生活は送れない、人間に媚びて諂い、そのためになら子供まで容赦なく殺してしまうようになってしまった。 でも、自分には何の罪もない、少なくとも、自分のせいで子供殺しという罪を犯してしまったこいつらを処分してしまうなんてできない。 家で飼うにも、今のこいつらは子ゆっくりをゆっくりできなくする存在として殺してしまう。最悪、兄弟や実の親であってもだ。 俺は、どうしたらいいんだ?? あとがき ちゃんとした知識もなく、動物を飼った結果起こった悲劇…みたいなものを書いてみました。 何度もあきらめようとして、そしたらアイデアが浮かんで、途中でアイデアが浮かばなくなって…そしたらアイデアが… というループを繰り返した結果、SSの視点が飼い主のお兄さん、れいむ、ちぇん、娘、母親、完全な第三者ところころ変わるという非常に読みにくいものになってしまいました。 なんとか文の書き方や中身で誰の視点か分かりやすくはしたつもりでしたが…ごめんなさい、わからないならそれは自分の力不足です。 この話、実話をモデルにしています。 四分の一は自分がハムスターを飼っていた時のこと。 四分の三は兄の持っていた動物関連の本に乗っていたある獣医の体験談です。 現実にも犬に葱食わせて殺しかけた、赤ちゃんを不用意に近づけてかみ殺された。 猫にマグロの刺身食わせて殺しかけた。 ハムスターを同じところに集めた結果共食いが起きたなどの「飼い主が少し知識を集める」ことで防げたはずの悲劇が起きてます。 皆さんも動物を飼うときは気を付けてくださいね 9月10日 2209 セイン このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/4760.html
「ゆっくりれいむ」 俺はめったに見かけない、胴付きのゆっくりれいむを飼っている。 理由は、炊事洗濯掃除等をやらせるためだ。一人暮らしなのでやる人間が自分しかいないのだ。 しかし、家のれいむは物臭なゆっくりらしく、洗濯も掃除も余りしようとしない。 毎日やるように言っても、 やらないので何度か、山の奥に捨てに行こうかと思ったが、 今も一緒に暮らしている。 「さーて、今日は風呂に入るぞ」 俺の言葉ににれいむは、びくっと反応した。 「な・な・ななにいってるのおにいさん、れれ・れれれいむはまだきれいだよ」 いくら風呂が嫌いだからって、 どもりすぎだろう。 「知るか、とにかく一緒に入るぞ」 「いやぁぁぁあ!!、おゆさんはゆっくりできないぃぃぃ!!!」 俺は、嫌がるれいむを引きずりながら風呂場に向かった。 一般人にたまに間違えて覚えている人間がいるが、 ゆっくりの全てが、水に溶けるわけではない。 ゆっくりにとりや、ゆっくりすわこ等は、溶けないどころか、 水中で生活できるし、その方が、生存率が高かったりする。 そして、胴付きゆっくりは、水に溶けにくかったりする。 胴付きゆっくりは、 体の表面に数mm程度の特殊な皮が形成されている。 この特殊な皮が耐水性をもっているらしい、 ちなみに、饅頭が人型でも崩れたりしないのもこの皮の為だとか。 だからと言って、毎日胴付きゆっくりを風呂に入れるのはまずい。 水に溶けないので、問題がないように思えるが、 実は、ゆっくりは体が腐らないように、 防虫防腐効果のある、物質を体の表面に分泌しているのである。 風呂に入ると、この物質も汚れと一緒に流してしまうのだ。 ゆっくりんぴーすとかいうゆっくり愛護団体の研究報告によると、 夏場に毎日、胴付きゆっくりを風呂に入れると、 一月で半身が腐ったゆっくりになるんだとか。 そんなわけで、れいむは風呂が嫌いで、 そんなわけで、俺は、れいむを風呂に入れるのは4日に一度にしている。 「あ~~~~、いいゆだよ~~~、ゆっくりできるよ~~~」 とは言え所詮ゆっくり、 風呂に入ってしまえば風呂嫌いを忘れたように風呂でゆっくりする。 「体は洗ってやったんだから、溶ける前に出ろよ」 俺が、れいむと一緒に風呂に入るのは、 そういう趣味があるからではなく、 れいむがゆっくりしすぎて、溶けるのを防ぐためである。 他意はない。 体を洗い終わった俺も、湯船に入った。 「ゆゆんゆ、ゆんゆんゆん、ゆ!ゆゆ~ん」 れいむはご機嫌そうに歌っている。 「ゆゆんゆ・・・ねえおにいさん、これなんなの?」 れいむは、俺のすね毛を掴みながら聞いてきた。 「これは、すね毛って言って、足を守るためにあるんだぞ」 「ゆ!すねげさんがあるとおにいさんはゆっくりできるんだね!!」 少し違う気もしたが、めんどくさいので、 「そうだぞ~、ゆっくりできるぞ~」 と、答えた。 ゆっくりを飼ってよかったことは、早起きになったことか、 朝5:00には、「ゆっくりおなかがへったよぉ」と、起こしにくるのだ。 どこのお年寄りだ。 今日も、朝早くに起こしに来た。 「おにいさんあさだよ。ゆっくりごはんつくってね」 自分で作れよこんちきしょうとは思うが、 もう一年近く同じよう名やり取りをしているので、諦めている。 「あ~まだ眠い」 働きに出るまで、約3時間ある、その分もう少し寝ていたいが、 飯を作るまで、れいむは起こし続けるし、 飯を作ったら、眠気は覚めていたりする。 なので諦めてさっさと起きる。 「ゆっくりおはようおにいさん」 「ん~おはろ~」 起きるとれいむがいつも通りすぐそばにいた。 いつものように、料理作るわけでもないのに、 エプロンをしている。 エプロンを着る時は、なぜか、いつもの巫女装束を着ない。 「はだかエプロンは、おにいさんがゆっくりできるよ!!」 とか、この間理由を聞いてもないのに言っていた。 俺をゆっくりさせるつもりがあるなら、ぜひもっと家事をしてもらいたい。 「さきに、いってまってるからゆっくりしないでごはんつくってね!」 「・・・あ~い」 冷蔵庫の中には、 パンとか調理しないでも食べれるものはいくらでもあるのに、 何でこいつは、わざわざ俺に朝飯を作らせるのだろうか? 台所のテーブルに行くれいむの後姿を見ながら思う。 それにしても、せっかくの裸エプロンも、 こいつでは、魅力は6割減といったところだろう。 あまり、肉付きが良くない体型だし、 ゆっくりだし、なんか表面がテカテカしてるし、 脚にすね毛がびっしり生えてるし、 すね毛? 「ほわぁぁぁぁ!!!!?!」 「ゆひぃ!?どうしたのおにいさん、わるいゆめでもみたの」 「今!現に!悪夢見てるよ!て言うか! お前がどうしたんだよ!こっちの台詞だよ! 何だよそのもっさりした脚!」 「?・・・!すねげさんのことだね! すねげさんがあるとゆっくりできるから、 きのうのよるにすねげのかみさまにおねがいしたんだよ!」 すね毛の神様がんばりすぎだろ、 俺だって誰かに頼られたりしたら、 張り切ってがんばったりもする事もあるさ。 「ゆゆ~んすねげさんとってもゆっくりしてるよ~」 きっとすね毛の神様も、 頼られて張り切っちゃったんだろうな、 何せ、すね毛だ。 『すね毛を生やしてください』 なんて極レアなオーダー、 きっと神生(?)初だろうよ。 今後あるとも思えない。 ダカラ、 レイムニ スネゲハエテモ シカタナイヨネ? 「なんて言うと思ったかこのやろぉぉぉ!!!!」 ブチブチブチブチィ 「ゆぎゃぁぁ!!」 俺は、れいむのすね毛を掴んでそのまま引きちぎった。 「なにするのぉぉぉ!! すねげさんがないと、おにいさんが「ゆっくりできねぇよ!!なんで俺が胴付れいむに、 すね毛が生えてないとゆっくりできない人間になってんだよ!! どんなHENTAIお兄さんだよ!! 上級者通り越して超級者の位置だよ!」 「おらぁ!ゆっくりできないすね毛はゆっくりしないで消えろぉ!」 ブチブチブチブチィ 「ゆぎゃああああ!ゆっくりできないぃいい!」 「ガムテープだぁぁ!まとめて抜けろぉ!」 ブチブチブチブチィブチィ 「れいむのすねげさんがぁぁぁ!!」 「オラオラオラオラ」 ブチブチブチブチブチブチ 「ゆぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃ」 「オラ!」 「ユ!」 「」 「すねげさんがないとゆっくりできないよぉぉぉ」 部屋の隅で、泣き喚くれいむ、 部屋中に飛び散るすね毛、 飛び散って張り付いたすね毛まみれのガムテープ 地獄絵図だ。 と、こんなことしている間に、 もうそろそろ家を出ないと会社に間に合わない時間だ。 「れいむ!俺は会社に行ってくるからな!部屋の掃除くらい頼んだぞ」 朝飯は我慢しよう。食ってたら間に合わない。 あ~、疲れた。 朝飯食ってなかったし、 朝っぱらから暴れたので、いつもよりも疲れた。 「ただいま~」 朝、掃除しろと言ったのを、珍しく実行してくれたらしく。 家の中は片付いていた。 「ゆっ、おにいさん、かえってきたんだね」 居間には、巫女服に着替えたれいむがいた。 もうすね毛は生えていない。 すね毛は・・・ 「おにいさんのおかげでぜんぜんゆっくりできなかったよ。 でも、もう気にしてないよ、もっとゆっくりできる、 ふわふわさんがれいむに生えたんだからね!」 「・・・うん、その『ふわふわ』が何なのか一目みてわかったよ。 ありえねぇよ!何だよそれ! その腋毛?気持ち悪いよ! 生えてきたってレベルじゃねぇよ!もっさりしすぎだよ! 自分の頭ぐらいの大きさの腋毛玉なんて始めて見たよ! もっさりしすぎて、さっきから、 『人類は十進法(以下略)』のポーズしか取れてねえじゃねぇか! 俺が会社行ってる間何してたんだよ!腋毛の神様にお願いでもしたのか!」 「なにいってるのおにいさん?わきげさんはかってにはえて 「こないよ!腋毛は勝手に生えてこないよ、そんなには! こっち来い、そんな腋毛修正してやる!」 「やめておにいさん! そんなことしたらおにいさんがゆっくりできなくなるよ!」 どうやら、こいつは 毛が生える=俺がゆっくりできる という式を、確立したらしい。 証明もしてないのに。 だめだこいつ 早く何とかしないと・・・ ~あ~と~が~き~ 初期のゆっくりっぽいものを 書こうとしてたんだ。 書こうとしただけで終わったけど。 このSSに感想をつける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/935.html
注意 オリキャラが出ます。良いゆっくりが酷い目にあいます。俺設定があります。 「ゆっゆゆのゆ~♪」 調子の外れた鼻歌をゆっくりれいむが口ずさんでいる。その顔はとても嬉しそうだ。 口の中では飴玉のようなものをころころと舐めているのに、よくもまあ口ずさめるものである。 ゆっくりれいむは帰りの途についていた。 よく見れば、ゆっくりれいむには身体の各所に傷がある。今はもう塞がっているが、その傷は新しいものである。 それもそのはず。その傷はついさっき出来たものだからだ。仕掛けられていた罠に掛かってしまったのだ。 しかし、悪いことだけがあったのではなかった。 「だれがだずげでぇえええええ!!」 と叫んでいると、たまたまそこを通りがかった変なおねえさんに助けてもらった上に、家で傷の手当てをしてくれた。 髪がぼさぼさで変な言い方をする人だったが、きれいな飾りとおいしい「あめ」のどっちがいいか選ばせてくれたのだ。 ゆっくりれいむはとても悩んだが、結局は食べ物に釣られて飴を選んだ。 その際に色々と小難しいことを言われたが、餡子脳では十分の一も覚えていられなかった。 その後は「ゆっくり帰っていくんですよぅ」と見送られてきたのだ。 「ゆー! ゆっくりしていったよ!」 感極まって、飛び上がりながら叫ぶ。ゆっくりなりの喜びの表現なのだろうか。 ぴょんぴょん、と跳ね回りながら、ゆっくりれいむは群れへと帰っていった。 「ゆっくりかえってきたよ!」 「「「ゆっくりしていってね!!」」」 ゆっくりれいむを出迎える子ゆっくりたち。 赤ちゃん程度の大きさの個体もいれば、ある程度成体に近いほど育った個体もいる。 交尾をしたゆっくりまりさはどこかへ行ってしまったが、ゆっくりの群れの中にいれば食べ物を困ることは少なかった。 「ゆ~ゆ~ゆ~♪」 「「「ゆ~~ゆ~~♪」」」 身体を擦り合わせ、子ゆっくりたちとゆっくりする。交尾とは違う性質のものである。 ひとしきりゆっくりすると、子ゆっくりたちはエサをねだり始めた。 「おかーさん! ごはんごはん~!」 「ゆっ、ごはんだね! おいしい……?」 ゆっくりれいむは口の中にあった「あめ」をあげようとしたが、いつのまにか無くなっている。 どこへいってしまったんだろう、と不思議に思いながらも、すぐに忘れた。 このゆっくりれいむは飴を初めてみたので、飴がどういう性質のものか分かっていなかった。 「きょうはみんなで、ゆっくりごはんをさがしにいこうね!」 「「「ゆっくりごはんー!」」」 子ゆっくりたちも賛成のようである。ゆっくりれいむたちの家を出て、近くへ食べ物を探しに行った。 途中、独り身のゆっくりまりさに出会う。 このゆっくりまりさはゆっくりれいむの家族ととても仲がいい。 「「ゆっくりしていってね!」」 このゆっくりまりさは成体にまで育っているものの、家族や子供がいなかった。 ゆっくりれいむが気になるのか、群れに入った頃からよく世話を焼いてくれたので、二匹はとても仲が良かったのだ。 「ゆっくりしていってね!」 「ゆっくりしていってね! ゆ? れいむ、そのけがは!?」 身体にうっすらと残っている傷跡をゆっくりまりさは見つけた。 子供たちでも気づかなかったのに、それに気づくということは、よほどゆっくりれいむのことを気にかけているのだろう。 「だいじょうぶだよ! ゆっくりなおってるよ!」 「ゆっくりよかったね!」 傷跡をぺろぺろと舐めるゆっくりまりさ。ゆっくりれいむはくすぐったそうに身を震わす。 二匹はそのまま、一緒に食べ物を探しに行くことにした。 ゆっくりまりさは十分な食べ物を持っていたが、家族の多いゆっくりれいむを手伝ってあげたかったのだ。 ゆっくりれいむもゆっくりまりさの気持ちには気づいていたが、家族が多いので気後れがあった。 また、ゆっくりまりさは群れの中でも人気があり、一緒になるといじめられてしまうかも、という思いもある。 「ゆっゆっ! おいしそうなものがあるよ!」 「ごっはっん♪ ごっはっん♪ みんなでゆっくりたべようね!」 色々あるかもしれないが、今ゆっくりできれば関係ないのかもしれない。 子ゆっくりたちは食べ物探しに不慣れなので、あまり見つけられなかったが、その分は大人二匹で補い合った。 「「「む~しゃ♪ む~しゃ♪ しあわせー♪」」」 皆でご飯を食べあうゆっくりたち。ゆっくりまりさが家族となる日もそう遠くないかもしれなかった。 それから、幾日か経った。 いつもと同じく、平凡だが皆がゆっくり出来る日々が続いていた。 群れの中ではちょっとしたいざこざはあっても、大きな騒動はおきていない。 ゆっくりれいむや子ゆっくりたちも、群れの皆とゆっくり遊んだりしていたある日のことだった。 その日は朝から頭が重いような、何か妙な感じがしていたが、ゆっくりたちは大して気にしていなかった。 元々、そんな細かいことを気にする生き物ではないのだ。 「ゆっきゅり~!」 子ゆっくりが元気そうに駆け回るのをゆっくり眺めるゆっくりれいむ。母として至福の時間だろう。 しかし、子ゆっくりの動きが急に鈍くなった。 「ゆぅ……ゆ、ゆっきゅり……」 「ゆゆ! どうしたの!? ゆっくりげんきになってね!」 ゆっくりれいむが近寄って確かめてみると、子ゆっくりは熱を出しているようだった。 げんきだしてね、と舐めてやるも一向に良くならない。 仕方がないので家の中でゆっくりさせることにしたが、子ゆっくりはぐったりしたまま動かない。 「ゆっくりしていってね!」 「…………」 子ゆっくりは寝ているかのようにまったく動かなくなる。 ゆっくりれいむは心配ではあったものの、外にいる子供たちの面倒を見ることに決めた。 念のため、巣穴の前で子ゆっくりたちを見ている。これなら誰かに入られることもないだろう。 その後、ゆっくりまりさも来て、二匹で子ゆっくりたちの姿をゆっくりと眺めていた。 「「みんなでいっしょに、ゆっくりしていこうね!」」 青々と広がった草原で跳ね回る多数のゆっくりたち。ここは、まさしくゆっくりプレイス。 皆が争うことなく、平和に暮らしていける楽園である。 ここには未だ人間の手も入ってきていない。来るものは拒まず、去るものは追わずという精神も存在している。 ゆっくりれいむたちはしばらく子供たちと一緒に遊んでいた。子供たちを遊ばせているとも言えたが。 しかし、どうも様子がおかしい。それは子供たちだけでなく、ゆっくりれいむ自身も感じていた。 「ゆぅ~、きょうはなんだがへんだよ! ゆっくりできないよ!」 「ゆっくりできない!」 「からだがあついよ!」 日陰で横になったり、水に入ったりしてみるが、どうにも熱くてゆっくりできない。 それは群れ全体で起こっている現象であった。 「ち~んぽ~ぅ……」 「わからない、わからないよぅ……」 「むきゅ~」 「ゆっくりできないよ……」 皆が皆、熱くて動きが鈍くなっている。口からは蒸気でも出てきそうな勢いである。 周辺には天敵がいないが、このままでは食べ物などで問題が起こることは目に見えていた。 そんな時、『それ』は突然に起こった。 「ゆっきゅり、ゆっきゅり! ゆっきゅりがんばってるよ!」 「ゆっくりきをつけてね!」 先のゆっくりまりさとは別のゆっくりまりさの家族がいた。 熱さにも負けず、きゃいきゃいと親まりさの前で子ゆっくりがはしゃいでいる。 親まりさも多少はだれていたが、その様子を幸せそうに見守っていた。 「ゆっきゅり~! ゆっきゅ『パン』じ!?」 「ゆ!?」 乾いた音を立てて、子ゆっくりが破裂した。帽子すら残っていないほど、跡形も無く散った。 放射状に飛び散った黒い斑点のような餡子以外には、その存在を思い起こさせるものは残っていない。 いきなりのことで親まりさも理解が追いつかない。 「ゆゆゆ? あかちゃん、どこいったの? かくれんぼ?」 きょろきょろと辺りを見回すが、当然のごとく子ゆっくりは既にこの世からいなくなっている。 「ゆ~! あかちゃんどこ~!? はやくゆっくりかえってきてね!」 矛盾したようなことを言う親まりさ。本当に何があったのか理解出来ずにいる。 飛び跳ねながら子供を呼び続ける。それに気がついた他の姉ゆっくりたちも母の元へと寄って来た。 「おかーさん、どーしたの?」 「ゆっ! あかちゃんがどっかいっちゃったんだよ! ゆっくりさがそうね!」 「ゆっくりりかいしたよ!」 家族総出で子ゆっくりを探すが、見つかるはずもなく、徒に時間だけが過ぎていく。 やがて、熱さから何匹かが音を上げ始めた。 「ゆぅ~、ゆっくりしようね!?」 「あついよ! あつくてゆっくりできないよ!」 親ゆっくりまりさが少しでも涼しくしてあげるために、子供たちを舐めてみるがまったく効果がない。 それどころか舐めている親まりさも熱さで音を上げる。 「ゆふ~、ゆふぅ~……あちい、あちいよう!」 「あっつ! めっちゃあっ『パン』づ!?」 そして、熱さが決壊した。人間だったら血壊とでも表現したかもしれない。 再び小さな音を立てて、再び子ゆっくりが親まりさの目の前で破裂したのだ。 「ゆ、ゆっじいいぃぃぃいい!!??」 今度は親ゆっくりまりさも何が起きたかは身をもって把握出来た。 先ほどのように餡子が周囲に飛び散ったのだが、それが子ゆっくりを舐めていた親まりさの舌にかかったのだ。 餡子はゆっくり的にはとんでもない熱さを持っていた。人間が浴びても火傷を負うような熱さである。 かかった餡子は少量であったが、それでも親まりさには耐え難い熱さであった。 熱さのあまり、喋ることも出来ずに飛び跳ねる親まりさ。周りにいた子ゆっくりは突然の行動に驚き慌てる。 「どうしたの、おかーさん!? おちついてね!」 「いもーとはどこいったの!?」 親まりさの影になってて見えなかったのか、親と消えた子まりさの心配をする。 だが、親まりさはそんなことに構っている余裕はない。口の中の熱さをどうにかしたいという考えしかなかった。 「ゆぎいいいいぃぃぃ!!! ゆ、びいいいい『バン!』びゃ!!??」 大きな音がして、親まりさが破裂した。音が子ゆっくりより大きいのは身体のサイズ差のためだろうか。 周囲に飛び散る餡子。大きさが大きさであるため、子ゆっくりの時とは飛び散る量と範囲も違う。 「あぢゅい! な゛に゛ごれ゛ぇぇぇ!?」 「お゛がーざぁ゛ぁぁ゛ん゛!!!」 家族全員に餡子が降り掛かる。熱さでのたうちまわるが、程なくそれは収まった。 パン、という音と共に。 ゆっくりプレイスにある巣から、ゆっくり達が顔を見せ始める。 当然、親まりさ達が破裂した音を聞きつけたからだ。 しかし、既に家族の姿はなく、餡子が飛び散っている跡しかなかった。 何があったのか、皆で話し合うがまったく結論らしい結論も見出せなかった。 結局、『がんばってゆっくりしようね!』という所に落ち着いた。 方策も特に無く、自分たちの家に戻っていった。 「ゆっくりかえってきたよ!」 「ゆっ、おかえりなさーい」 ゆっくりれいむが家に帰って来た。子供たちがそれを出迎えるが、いつもの元気さは影を潜めている。 ゆっくりまりさから貰った食べ物をあげても、あまり食べようとはせずに残してしまう。 食欲旺盛なゆっくりとしては異例のことである。 ゆっくりれいむも心配であったが、どうすることも出来ない。 「ゆっくりたべてね! ……ゆっ?」 何やらがさがさと足音が聞こえてきた。ゆっくりが草むらを移動する音とは違うものだ。 嫌な予感がして、ゆっくりれいむは様子を見に行く。 「よっと……よっとっと!」 そこにはよたよたと覚束ない足取りで歩いてくる人間がいた。 ゆっくりれいむは『人間が来た』と皆に知らせようと思ったが、その姿には見覚えがあった。 この前、助けてくれた人間である。他の人からは「ドクター」と呼ばれていた。 眼鏡をかけて白衣を着ている、というある意味分かりやすい服装である。ただし、山道を登るような服装ではない。 「おねーさん! ひさしぶりだね! どうしたの?」 「やや! どうもどうも! こちらこそお久しぶりですよ!」 そーなのかー、とでも言わんばかりに両手を広げて、友好の意を示すドクター(仮)。 だが、その顔に浮かぶのは苦笑いに似た表情であった。 ゆっくりれいむは助けてくれた人間なので、ドクターは良い人だと認識していた。 「あのー、ですね。近頃、自分の身体に変なことが起こってませんかねぇ?」 「へんなこと? ゆっくりわからないよ!」 それを聞いて困り顔のドクター。腕を組んでうむむと唸る。 「例えば、ですねー。身体が発情してるわけでもないのに、変に熱くなったりー、とか」 「ゆゆゆ! あついよ! みんな、あついっていってるよ! れいむのあかちゃんもあついよ!」 「あちゃー……もう、症状が出ちゃったか。あちゃー」 ドクターは何故か「あちゃー」を二度言った。それは本人としては後悔の表れなのだが、そうは見えない。 それでもすぐに気を取り直したのか、ゆっくりれいむに向き直る。 「すみませんが、迷惑だとは思うのですけれども、ワタシをあなたの群れに連れて行ってもらえませんかねぇ?」 馬鹿丁寧というには何処か変な口調で、ドクターゆっくりれいむに頼み込む。 放っておいたら土下座して頼みかねない勢いである。 「いいよ! おねえさんはやさしいから、れいむたちのおうちにつれていってあげるよ!」 ゆっくりれいむはドクターのお願いを聞き入れて、「こっちだよ!」と言いながら跳ねて行く。 ドクターは特に急ぐことも無く、その後について行った。 家につくと、ドクターはてきぱきと色々な物を取り出し始めた。 「ゆ? なにしてるの?」 「やっ、ちょっと準備するものがありまして。気にしないでくださいな。あ、これどーぞ」 「あめさんだー! ぺ~ろぺ~ろ♪、しあわせー!」 ドクターは飴を取り出し、ゆっくりれいむにあげる。 その間に何か物々しい機械を持ち出す。ただし、大きさは手で持てるぐらいの大したものではない。 ドクターは機械を色々と弄くっていたが、調整も終わったのか、ゆっくりれいむに声をかける。 「では、次に赤ちゃんたちを連れてきてくださいな」 「わかったよ!」 ゆっくりれいむはすぐに家に戻って、熱くてだれていた子供たちを連れて来る。 一匹の子れいむが出ることもできないほどぐったりしていたので、その子は家の中に残しておいた。 「ゆっきゅりー……」 「なーに、おかーしゃん」 「ゆ!? にんげんだよ! にんげんがいるよ!」 連れて来られた途端、騒ぎ始める子ゆっくりたち。人間は危険、と教えられているのである。 すかさず、ゆっくりれいむが説明を始める。 「ゆっ! みんな、このおねえさんはれいむをたすけてくれたひとだよ!」 「ゆっ! そーなの?」 「ありがとー!」 「ゆっきゅりちていってね!」 「いえいえ、どーいたしまして。大したことはしてませんので」 適当に返事をしつつ、子ゆっくり一匹一匹にみょんな機械を当てていく。 子ゆっくりたちは何をしているのかも分からず、きょとんとしている。 全ての子ゆっくりに機械を当て終えると、ドクターはうむうむと一人で頷く。 「どうしたの! れいむのあかちゃんたちをゆっくりさせてあげてね!」 「えー、面倒なのは好きではないので、単刀直入に申しますと」 一呼吸置く。 「もうゆっくりできませんねぇ」 バン、という破裂音が響いた。 続き このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/791.html
以前大福を作った際余った餡子となんとなく買った生クリームを混ぜたことがある すると意外と美味だった訳だよ。 大体2 5くらいかな?みんなも暇があれば試してみるといい。 凍らせるのもいいぞ、見事なアイスクリームに代わるから。 「「ゆっくりしていってね!!」」 待ってましたと言うように出てきたゆっくりれいむとゆっくりありすと赤ゆっくり4匹。 この組み合わせは珍しいな・・・とそんなのどうでもいい。 問題なのはこいつらが俺の家に勝手に入ってきたことだよ。 人の家に勝手に入り込むなぞ外道め、成敗してくれる 「ゆゆ!おにいさんはだあれ?ゆっくりできるひと?」 れいむは不思議そうな顔でこちらを見つめる。 赤ゆっくりもこちらに気がついたようで徐々に騒ぎ始める。 「ゅゆ!おにいちゃんはゆっくちできりゅひちょ?」 「おにぃちゃんもゆっくちちようね!」 「ゅゅー!」 ぅう・・・五月蝿い。 こいつらの鳴き声を聞いてると頭に血がのぼる。 しかし・・・これはチャンスよ! れいむの中身は餡子!ありすはまぁ・・・カスタードだが・・・いいか。 「よーしそれじゃゆっくりしようか、その前に」 僕は親れいむと親ありすを抱え込む。 「わぁい!おそらをとんでるみたい!」 「とかいはのありすにしてはひくすぎるけど・・・しかたないからがまんするわね!」 「おかあちゃんだけぢゅるいよ!れいみゅもゆっくちちたい!」 いちいち騒がないで欲しいなぁ・・・これだからゆっくりは・・・ しかし、この親ゆっくりは茶番よ! こんな年老いたようなゆっくりなんぞを食べる気にはなれんね! 「じゃあお母さん達とお兄さんはおかしをつくるから君達はゆっくり待っててね?」 『お菓子』。 この言葉を聴いただけで赤ゆっくりだけでなく親も目を輝かせる。 「おかち!?おにいちゃんはやきゅゆっくちおかちちょうだいね!」 「おかあちゃんがんばっちぇつくっちぇね!」 「ゆゆ!おにいさん!れいむたちにもおかしをちょうだいね!」 「ああ、無事作れたらあげるともさ!」 早く潰したい、その気持ちを今はぐっとこらえて台所へ向かった。 「おにいさん!れいむたちおなかへったよ!ゆっくりおかしをつくってね!」 「とかいはのありすはゆっくりまってあげる」 いやぁ、本当にゆっくりは他人任せだなぁ。 たまには苦労するということを教わるのもいいだろうよ。 「そぉい!!」 ベチャッ。 二匹の断末魔は聞こえることなく、第一作業終了。 餡2:カスタード5の割合でいくから・・・このくらいか。 僕は出来上がったものをリビングへと持っていった。 ※余ったカスタードはあとでスタッフが美味しくいただきました※ 「ゅゆ!おにいちゃんだ!」 「おかちおかちー!!」 俺の姿を確認すると真っ先に飛び出してくる赤ゆっくりたち。 「・・・ゅ?おにいちゃん!おかあちゃんたちはどこ?」 今すぐこれだ、といったら食べてもらえないから適当にスルー。 「さぁみんな!これが今日のおやつだよ!!」 小さなお皿に盛り付けされたクリーム。正直色は微妙だが、味は確か、確認済みだ。 「ゅー!!」 皿を前に出してやると、真っ先に飛びついてくる。 「・・・ゆ!!あまーい!!おいちいよおにいちゃん!!」 「うっめ!これめっちゃうっめ!!!」 「ちゅっきりー!!!」 「ちょかいはのありちゅにちてはまだまだね!!」 よしよし大好評この上なし。 赤ありすの言動に少し腹は立ったけど。 赤ゆっくりたちがある程度食べ終えたところでいざカミングアウト。 「おや?お母さん達が戻ってくるよ!みんなでほめてあげなきゃね!」 「ゆ!?おかあちゃんがつくったんだもんね!ゆっくりほめてあぎぇるよ!」 「「「「ゆっくちほめりゅよ!!」」」」 子供たちも嬉しそうだぜ母さん達よ。 俺は台所から持ってきたさ。 お母さん達の抜け殻をなっ! 「ほーらおかあさんたちも嬉しそうだぞっ☆ゆっくりしていってね!(裏声)」 ・・・あれ? おかしいな、この後家族で和気藹々となる光景が目の前に現れるはずだったのに。 今見えるのは徐々に青ざめていく赤ゆっくりの姿で・・・ 「「「「おがぁ”あ”ぢゃ”ああ”あ”あ”あ”ぁ”ん!!!!」」」」 一気に大量の涙。あれれー? 「おがぁじゃんになんでごどすりゅのぉお!!!」 「おにいぢゃんはゆっぐぢでぎないひどだよ!!ゆっぐぢぢね!!」 「人聞きの悪い!お母さん達を食べたのは君達じゃないか!!ゆっくりしぬのは君達さ!ハハハハハ」 少し壊れてきた。俺がね。 「それに君達は勘違いをしているっ!俺はお母さんを殺したわけじゃない! お母さんは君達においしいおかしをあげるためにしんだのさ! 俺は何もやってないぞ!?無実のお兄さんを虐める君達は悪い子だ! 悪い子には恒例の・・・お仕置きタイム!」 ながーいセリフを言い終えた僕はボウルに赤ゆっくりを放り込む。 「い”やだぁああ!!!ゆっくちちたい!!ゆっくちちたいよぉおお!!!」 「ありちゅはわるくないよおおお!!!どおじでごんなごどするのぉおお!!??」 「おがあぁあぢゃぁあああん!!!だづげでぇええええ!!!」 「やめろー!やめてくれー!しにたくなーい!しにたくなぁああああぁああい!!!」 1匹のれいむが豹変したがまぁいいさ。 赤ゆっくりはれいむ3匹、ありす1匹とカスタードが足りなくなったがそこいらはさっき余ったカスタードで補おう。 「いでよ!ハンドミキサー!スイッチON!」 僕はハンドミキサーのスイッチを入れた。勿論強さはMAXの5。 「びっぶうっぶぶぶぶぶぶおlgじょいびあ!!1」 「gyぐggyぐぐうfllだlだあかがあだ」 「びぇllbぇdぁだぁっぁdkっだぐっがglがあ」 「ゆうびゅあbっびゅゆゆゆゆgっぐちdyぎゅだいあがったよ!!!」 ちゃんとした言葉を話す暇を与えることなく混ざり終わった。 ためしに味見してみる。 「おお!流石赤ゆっくりはとろみが効いてて美味い!美味いぞ!!!」 これは・・・近い内商品化の話を加工所に持ち出す必要があるぞ!! そんな思考が頭をよぎった僕は急いで身支度をはじめた。 勿論、そんな安易な発想で作られた商品は既に発売していたとさ。 「ゆっくりした結果がこれかよ!!」 お兄さんは激怒したとさ。 終 ______________________________________________________ あとがき 知ってる人は少ないとは思いますが前にゆっくり大福を作ろうとした馬鹿です。 その後の体験をゆっくりに持ち込んでみました。 これを書いてる初めありすの中身を生クリームと勘違いして・・・・ 仕方ないのでカスタードでもいけるだろうと無理矢理通した作品です^^; 材料が揃ったので時間が空けばもう一度ゆっくり大福を作ろうかとも考えています。 勿論気まぐれでただの大福だけ作って食べる、なんてことも・・・・むしろそっちのほうが可能性高い。じゅるり。 では、最後まで読んでさった方、本当にありがとうございました! 代表作(?) ゆっくり大福 このSSに感想を付ける