約 738,030 件
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/539.html
「よし、無事完成。あとは野に放つだけだ!」 誇らしげな表情の俺の目の前にあるのは直径1.5mくらいの球体。中は空洞で、一応入ることが出来る造りだ。 こいつの名前はゆっくりボール チャリオットバージョン。 その巨躯は今までのゆっくりボールの中でも最高の強度を誇り、下級の妖怪にさえ破壊することは出来ない。 しかも、外側には無数の透明な刃(刃渡り5mm前後)が無数についていて、触れれたものを捕らえて離さない。 ゆっくりを保護するという一点においてこのボールほど強力なものはないだろう。 などとどこかの誰かさんに解説している間にも1匹の母まりさと3日分くらいの食料と水を中にいれて、村の入り口へと解き放った。 「さあ、まりさ。ゆっくり君の里に帰って良いよ」 「ゆ!かえっていいの?!」 このゆっくりまりさは野生種だが、それにしては珍しくかなりの規模の集落に所属しているらしい。 “らしい”というのは餌を取りに出かけていたこいつを保護し、まりさ自身からその話を聞かされただけに過ぎず、実物を見ていないからだ。 「それじゃおじさん、さようなら。ゆっくりしんでね!」 善意の保護を捕獲と勘違いして、俺に敵愾心を抱いているらしい。去り際に酷い捨て台詞を吐かれちゃったぜ! よし、決めた!追いかけていってあいつの仲間も全員保護しちゃうぞ~♪ 「ぎゃお~、たべちゃうど~♪」 というわけで、まりさinゆっくりチャリオットを追いかけること13分と28秒。 絶好のタイミングでゆっくりれみりゃが現れてくれた。しかも母1匹に子ども4匹というゴキゲンな組み合わせだ。 「ゆ・・・ゆぅぅぅぅぅうう・・・」 ゆっくりにはチャリオットの強さなんて簡単には理解できない。まりさは本来なら遭遇しないように立ち回るしかない脅威を前にただひたすら怯えるばかり。 そもそもこのボールシリーズ全部透明だから、馬鹿なゆっくりだと自分がそれに入れられていることさえ忘れるんだよな。 「ぎゃお~♪」 「「「「だべぢゃうど~♪」」」」 と、お約束の聖者は磔にされましたを彷彿とさせなくもないポーズで五方から迫るゆっくりゃ。 格下のゆっくりまりさ相手に5匹で包囲して退路をふさいでから襲い掛かるのか。ゆっくりゃにしては珍しく、なかなか統率の取れた集団のようだ。 「ゆ、ゆっくりあっちいってね!」 そんなまりさの叫びも虚しく、鋭利な爪の生えた腕を振りかざした母ゆっくりゃは獰猛な四足獣の如き勢いでまりさに飛び掛る・・・ッ! もはや命運尽きたといわんばかりの絶望的な表情で全身をこわばらせるまりさ。 「れみりゃがいちばんだくさんたべるど~」「いちばんはいちばんぷりぢーなれみりゃだど~」などなど、好き勝手にはしゃぐ子ゆっくりゃ。 哀れなゆっくりまりさの短い生涯はここで幕を閉じる! 「・・・あぎゃ!?」 と、本来ならなるはずなのだが、透明なチャリオットの存在に気付かなかった母ゆっくりゃは目測を誤り、小さな刃の並ぶチャリオットの壁に激突した。 小さな刃であったため中の具がはみ出ることはなかったが、チャリオットに抱きつくような格好で激突したため、上半身のいたるところに満遍なく刃による刺し傷が残っている。 「・・・う!?」 予想外の事態に困惑する子ゆっくりゃ。 「う゛あ゛ーーーーーー!!!いだい゛ーーーーーー!!!ざぐやーーーーーーーーー!!!!」 獲物に届かない理不尽と驚きと、そして何より痛みのせいで我を忘れ、両腕で自分を抱きかかえるような格好でひっくり返ってのたうち回る母ゆっくりゃ。 「ゆ?・・・ゆ!」 一瞬、状況が飲み込めずゆっくりゃ同様に困惑顔になるも、俺の家にいたときに何度かボールに入った経験のあるまりさはすぐに自分の身の安全を理解する。 「おが~じゃ~ん?」 「だいぢょーぶだどぅ~?」 「「いだいの、いだいのどんでげー、だどぅ~♪」」 そんなまりさにわき目も振らず、負傷した母ゆっくりゃのもとへ駆け寄る子どもたち。 う~ん、やっぱり統率取れてるなぁ~。あれか、これが噂のかりすまって奴なのか。 特に手当てをするわけでもないが、心配そうに親の様子を伺っている。 もちろん、格下で、自分達にとっては餌に過ぎないまりさに背を向けて。 「ゆっくりしね!!!」 瞬間、まりさがゆっくりらしからぬ速度でチャリオットを操り、母を気遣う子どもの一群に突撃した。 叫び声に反応して回避しようとするものもいたが、目に見えないチャリオットをかわしきれず、母同様に全身を小さな刃で傷つけられる。 「いぎゃーーーー!!!」 「いだいどぉ----!!!」 「ざぐやーーーー!!!!」 「だずげでーーー!!!」 ものの見事に一撃で4匹全員戦闘不能。汚らしい絶叫を撒き散らしながら地べたを跳ね回るゆっくりゃたちからは先ほどまでの余裕など微塵も感じられない。 理解不能な状況への困惑と全身の痛みで逃げることすらままならない5匹。 しかし現実は無慈悲にして残酷。これはチャンスとばかりにまりさは拙いなりにもチャリオット駆り、何度も何度も執拗にゆっくりゃたちに襲い掛かる。 二回目の攻撃で1匹の子ゆっくりゃは完全に頭部を粉砕され、中身を撒き散らし、そのまま微動だにしなくなった。 「あ゛ーーーーー!!れびりゃのあがぢゃんーーーー!!!」 運よく攻撃が当たらなかったものの、わが子を殺された母ゆっくりゃは大量のしわを作り、涙で顔をぐしょぐしょに濡らして元々見苦しい膨れっ面を更に気持ち悪いものへと変えてゆく。 「いだい゛!!いだいーーー!!」 「おてでが!!おでてがーーーっ!!!」 「うぅ~~~~☆ にぱぁ~~~~~~♪」 あるものは右腕をすりつぶされ、またあるものは左足をねじ切られ、またあるものは顔の1/3と精神を粉々に砕かれていた。 これが人間だったら目を背けたくなるような阿鼻叫喚の地獄絵図であっただろう。 そして少し間をおいての三回目の攻撃は親の両足を瞬く間にすりつぶした。 「ギャおおおオおぉおぉぉォオオおおお!!!!!!?」 上半身は刺し傷だらけ。下半身はもはやない。全身傷だらけで、具の半分近くを持っていかれた母ゆっくりゃは半ば虫の息だ。 立て続けの四回目の攻撃。幸運なのかそれとも不運なのか、母ゆっくりゃを粉砕しようとしたチャリオットは石に躓き宙を舞う。 結果、母ゆっくりゃは死を免れた。しかし、チャリオットは顔を1/3そぎ落とされた子ゆっくりゃへと落下し、その胴体を粉砕、大量の具を撒き散らした。 「うぎょあ!?!」 悲鳴とも呼べない奇声を発し、顔だけになってしまった子ゆっくりゃは・・・ 「れび☆ぢあ・・・う゛ー」 あまりにも場違いな言葉を口にすると同時に満面の笑みを浮かべた。その表情はゆっくりゃにあるまじき可愛らしさだ。 「ぷでぃ、ぷでぃん、ぷでぃ・・・」 しばらく痙攣しながらも笑顔で意味不明な言葉を発し続け、最期にはやはり笑顔のまま息絶えた。 もはや誰がこの場を掌握しているのかは明白。チャリオットの中のまりさは口の両端を吊り上げ陰惨とした笑みを浮かべている。 「ぅあう・・・」 痛がっている場合じゃない。母ゆっくりゃはまだ生きている子どもたちに目もくれず腕の力だけで這って逃げようとする。 「おが~ぢゃ~ん!?」 「うぎゃ!?れびりゃをだづけどぅーーー!!!」 見捨てられた子ゆっくりゃはこの世の終わりでも到来したかのような表情で母の背中を見つめる。 だが、全てをかなぐり捨てた必死の逃走には何の意味もなかった。 「ゆっくりさせないよ!」 もはやゆっくりとさえ呼べないような速さで這いずるしか出来ない母ゆっくりゃの正面を取ったまりさは潰さないように加減した突撃を当てる。 「うぎゃ・・・!?」 短い悲鳴とともに弾き飛ばされた母ゆっくりゃは新たな刺し傷と失った両足から餡子を垂れ流しながら子どもたちのすぐ傍へと弾き飛ばされた。 「いや゛ぁぁぁぁああああ!!!あ、あああ、あがぢゃん!?あああ、あう!?」 落下の際の衝撃で左腕も使い物にならなくなってしまったらしい。唯一自由に動かせる右腕で先ほど息絶えたの笑顔の子どもの生首を引っつかむとそれをまりさのほうに差し出す。 つまり、子どもはやるから見逃してくれということだろう。かりすまは何処へやら。全く酷い親だ。 「お゛がーぢゃーん!?」 「うあ゛ーーーー!!」 その行動は生き残っている2匹の子どもたちを更なる絶望のどん底へと叩き落した。 それを見た瞬間のまりさの笑顔のエグいことエグいこと。 「こゆっくりゃ!!」 エグい笑みを浮かべつつ、偉そうに子ゆっくりゃを呼びつける。 「は、はい゛ーーーーーー!!」 「あ゛ーーーーーー!!!」 痛みと恐怖と絶望からか、思った以上に従順な態度を示す子どもたち。 「そのゆっくりゃをゆっくりたべてね!」 あ~あ、こりゃ母ゆっくりゃ死んだな。自分が先に子どもを差し出そうとした以上、子どもも待ってはくれないぞ。 で、14分と23秒後。 そこには母ゆっくりゃのおべべだけが残っていた。 「「う゛ー!!ぜんぶだべだどぅーー!!」」 2匹の子ゆっくりゃは場違いなほど嬉しそうな笑みを浮かべながら、そのおべべを指差す。 「ぜんぶだべだから、ぷっでぃ~ん・・・ぷぎゃ!?」 何かを言い切る前にまりさのチャリオットアタックで右腕のもげた子ゆっくりゃが圧殺された。 正中線をなぞるように踏み潰されてぺちゃんこになっており、チャリオットの破壊力を100%受けきったらどうなるのかを見事に体現していた。 きっと「ぜんぶ食べたからプリン頂戴」と言おうとしたんだな。 こーまかんのおぜうさまにとって言うことを聞けば報酬があるのが当然なんだろう。だからあんなに嬉しそうだったのか。でも、こいつら野生種っぽいような? 「・・・う?」 唯一生き残った左足のない子ゆっくりゃもまた言うことを聞けばプリンを貰えるものだと思っていたので、何故か仲間が殺されたその状況と意味が理解できず呆然とする。 「ぷっでぃ~んは?」 と、小首をかしげているところに容赦なく、まりさが襲い掛かってきた。 「ギャおああああああああアああああああ!!!ブッでぃいいいいぃぃっぃgsねwgん、srgbんcぢkwsdcうぇr!!!」 その一撃で体の左半分を粉砕され、大量の具を撒き散らした子ゆっくりゃはもはや何を言っているのか全く聞き取れない絶叫を残して、動かなくなった。 「ゆっくりしていってね!」 まりさはもはや1匹たりとも動くもののいないゆっくりゃの群れに向かって今まで以上にえげつない笑みを浮かべたまま、お決まりの文句をはき捨てると、その場を後にした。 そんなこんなで18時間と26分19秒後。 あるときはゆっくりゃを上回る能力のゆフランをもたやすくなぶり殺した。 またあるときは発情したアリスの群れを全く寄せ付けることなく轢き潰した。 更にまたあるときは3頭の蛇をまるでそんなものいなかったかの如く蹂躙した。 挙句の果てには人間でさえも敵わない野犬12頭の群れをいとも容易く一蹴した。 そうして、ゆっくりまりさはようやくゆっくりできる自分の故郷へとたどり着いたのだ。 「あ、おかーしゃんだ!」 真っ先に母の存在に気付いたのは6匹いる子どもたちの末っ子のゆっくりれいむだった。 「おかーしゃ~ん!!」 「れいむーーー!!」 実に涙ぐましい感動の再開。でも、何か大事なことを忘れちゃいないか? と、俺が思案にふけっていたそのとき・・・。 「ゆぎゃ!?」 という悲鳴とともに幼いれいむが空中で何かに激突し、更にそのまま轢き潰され、中身の餡子を撒き散らした。 あ~、そうかそうかそうか。外敵だけじゃなくて、家族や仲間も粉砕してしまうのか。こりゃうっかりしていたぜ☆ などと、俺が一人納得していると村中のゆっくりがわらわらと集まってきた。 「まりさ・・・こどもをころすなんて・・・しばらくみないあいだにゆっくりできなくなったんだね」 そういってまりさを攻めるのはすでに母にはなっているであろう大きさのゆっくりれいむ。 「ゆ!?ちがうよ、したくてしたんじゃないよ!!」 「むきゅ・・・そんなの、かんけいない。おきてはおきて・・・」 まりさの反論をぼそぼそと却下するのはこれまた成人サイズのゆっくりぱちゅりー。 更にどんどん集まってくるゆっくりたち。最前列に大きなゆっくりが立ち並び、その後ろで子供や赤ちゃんが様子を伺っている。 「おかーしゃんはそんなことしないよ!」 そんなゆっくりの群衆の中をかき分けて飛び出してきたのは5匹の子ゆっくり。2匹がれいむ種で3匹がっまりさ種だった。 まりさの感涙に咽ぶ表情から察するにあのまりさの子供だろう。小さい鳴りに必死で母を守ろうとしている。 「み゛、みんな゛ぁぁぁぁあああああ!!」 あくまで自分を信じようとしてくれる子供たちに頬ずりしようとするまりさ。 あ、そんな事したら・・・ みちっ、ぶちゃ、むりゅ、ぐじょ・・・めりめりめりめり・・・! あ~あ、やっぱり。またやっちゃったよ。散々そのボールに頼ってここまで帰ってきたくせにどうして肝心なときにそれの存在を忘れるかね? 叫ぶ暇すら与えられずに押しつぶされた子どもたち。あたり一面に飛び散る餡子。呆然とする母まりさ。そして・・・ 「ゆっくりできないまりさはゆっくりしね!」 誰かの合図をきっかけに子殺しの罪ゆっくりに制裁を加えるべく飛び掛るゆっくりたち。 もちろん、ボールなんて見えていないし、何故触れてもいないのに子どもたちが潰れたのかなんて考えようともしない。 「やめでええええええええええええ!!!」 しかし、誰も罪ゆっくりの言葉など聞くはずもない。飛び掛ったものはことごとく刃によって傷つけられた。 誰も傷つけまいと必死で逃げるまりさ。だが不運にも逃げている最中にアリス種の赤ちゃんゆっくり3匹を踏み潰してしまった。 「ああ゛ああ゛あああ゛あ゛!!アリズのあがぢゃんがあああああああああああ!!!」 「まりさをころせえええええええええええええええええ!!!」 「ゆっくりしね!!」 「だべええええええええええ!!来たらさざっぢゃうううううう!!!!」 怒声とともに飛び掛るゆっくりたち。しかし、チャリオット相手に敵うはずがない。 「おがーーーーーざあああん!!!いだいよおお!!!!」 ある子どもは親にほめられたいがためにまりさに突撃して、またある子どもは逃げるまりさに轢かれて、またある子どもは大人たちに下敷きにされて潰れる。 「あのれいむも子どもをころしたよ!!!」 とめどなくあふれる罵詈雑言。子を、親を呼ぶ悲鳴。怒りが引き起こす数々の惨劇。 繰り返される惨劇の連鎖はとどまることを知らない。 「ばじゅりぃぃぃいいいいいい!!!しんじゃだべえええええええ!!!」 「ゆ、ゆっゆっゆっゆっゆ・・・・ゆぅ?うっめ!めっちゃうめぇ!!」 その子どもは気が触れてしまったらしい。純真無垢な笑顔で母親の死肉を食い漁っていた。 「ゆゆ!!このこ、ははおやをたべてるよ!!ゆっくりおしおきしなぎゅおああああああああああああああああああああ!!!」 「みんなが!!みんながぁ!!わるいんだぜ・・・!!ゆっくりしてればいいのに!!ゆっくりできないならまりさがゆっくりさせてあげるよ!!」 そして狂気がゆっくりの里を飲み込んでいった・・・。 そんな地獄絵図を背に、俺は人里へと引き返した。 この悲劇はゆっくりだからこそ起きた間抜けな喜劇などではない。 これは教訓なのだ。寓話なのだ。 身を守るための道具であっても使い方を誤れば、その恐ろしさを失念すれば自らを傷つけることになる。 そして時には自分の大事な人々を傷つけることになる。 胸に手を当てて考えてみてほしい。人間だって似たような悲劇を何度も経験しているだろう? などと、一人格好良くナレーションをしながらゆっくり歩を進める俺だったが、ある重要な事実を思い出して駆け足になる。 「そういえば・・・紅魔館から依頼されたゆっくりボール・エレガント・ウォーカー~これで君も社交界の鼻~の納品日って明々後日だったな」 さて、ゆっくり急いで仕上げるか!! -----あとがき?----- 書き込めるってシアワセ・・・。 気がつけばゆっくりボールも4作目。 いつも突貫で仕上げるので誤字脱字が酷いぜ。 珍しく虐待分多め?でも、終盤のゆっくりは最早ゆっくりじゃねえ。 ゆっくりボール1号 理想 押さえつけることで成長抑制。しかもボールの中は安全だよ 現実 安全云々以前にボールの中で終わらない苦痛を味わい続ける ゆっくりボール2号 理想 これでゆっくりも人間と一緒にスポーツが楽しめるよ 現実 ボール代わりにされた挙句、発情してもイけない地獄 ゆっくりボール3号 理想 押さえつけることで子どもがあまり成長させずに小さいサイズで産ませる 現実 押さえつけられた影響で母が多大なストレスを受け、奇形の未熟児になる ゆっくりボール4号 理想 絶対防御。これならどんな外敵も安心だ 現実 無差別虐殺装置。しかも食料も取れない これらを製造しているゆっくり愛好家は間違いなくゆっくり脳。 彼は本当にゆっくり好きなんですが、ゆっくり脳なので作るものが全て裏目に出ているだけ。 しかも、ゆっくり脳で自分の都合の良いように解釈するので全く自重しない。 byゆっくりボールマン このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/4249.html
近年ゆっくりを飼うのがブームになっている。だがゆっくりの生態は不確かであり、手に負えなくなって捨ててしまう無責任な 飼い主もまた星の数程存在するという。野良になったゆっくりは大抵都市部に住み込み、ゴミを食い散らかしたり 歌という名の雑音を響かせたりする。運が悪ければ腹の立ったおっさんに踏み潰され終わりである。 ゆっくりを飼う時は事前にゆっくりに関する知識を学んでおかねばならない。他のペットでも言えることだが・・・。 そこで、今回は種類別にゆっくりの特徴やペットで飼う際の注意を説明しよう。 れいむ種 最もポピュラーで数の多いゆっくりだ。母性が強くしっかり子供を育てるのが数の多さの理由である。 他の種類と比較しても能力は平均的であり、クセが無いので1番飼いやすいと言える。 ただし全てのゆっくりに言えることだがゲス化しているゆっくりは止めておこう。 飼ってもストレスが溜まるだけで、気付けば部屋が餡子だらけになってしまうからだ。 れいむ種の親は母性が強く、それの影響か赤れいむはかなり甘えん坊だ。 しっかりすりすりして、餌もなるべく手渡しで与えよう。 ただし、この時点でしっかり躾をしておかないと成長してから手に負えなくなるので注意。 だいたい捨てられるれいむは飼い主が甘やかしたせいで増長した個体である。 では赤れいむの躾の様子を少し見てみよう・・・。 「またうんうんする場所を間違えやがったな・・・。明らかに駄れいむだな・・・。」 「ゆ・・・!れいみゅはだれいみゅじゃにゃいよ!!ゆっくちあやまっちぇね!!」 飼い主に反抗した時はちゃんと罰を与えてその体に飼いゆっくりとしてのルールを刻み込んでやろう。 体罰に見えるかもしれないが、ゆっくりの躾はこれぐらいしないと効果が無い。 一流のブリーダーなら体罰無しでも良い子に育てられるらしいがここでは省いておく。 「謝るのはテメエだろぉ!!お仕置きだ・・・!!」 「ゆびゃっいぢゃいぃぃぃぃぃぃぃっ!!!!ゆびゃぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!」 お仕置きはゆっくりの弱点である底部に打撃を与えるのが最も効果的だ。れいむ種だけでなく全ての種類に言える。 他にも針で軽く刺してやったりデコピンでふっ飛ばしたりするのも効果的だが、あまりやりすぎると・・・。 「こにゃいでぇぇぇぇぇぇぇ!!!!おがーじゃぁんだじゅげでえぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!!!」 ここまで怯えてしまったら矯正は極めて困難だ。記憶力が無いゆっくりでもトラウマはしっかり残る。 虐待用では無く普通に飼いたいなら必要以上の暴力は控えるべきである。 「お母さんなんてここにはいねえよ・・・。飼い主にむかって来ないでとは何だ!!?ああんっ!!?」 おやおや、飼い主さん怒ってデコピンを連発し始めたようだ。まあ確かに五月蝿くしたら躾も必要だな。 「ゆ゛っ゛!!ゆ゛っ゛!!!」 「あ~あ痙攣してやがる。こいつは失敗だったな~。やっぱ安もんじゃダメだな・・・。」 ショップで買う時はなるべく高い値段の個体を買おう。安いのは初心者には絶対無理である。 「ゆ゛っ゛!!ゆ゛っ゛ゆ゛べぎ・・・っ!!」 「うるっせーよ。この駄作が。さ~て、新しいゆっくりを買いにいくかな・・・。ん?まりさがいないな・・・。」 ちょっと躾しただけで痙攣するような弱い個体は控えよう。丈夫に越したことは無い。 まりさ種 れいむ種に次いで数の多い種類。運動神経が優れており、やんちゃな性格の個体が多い。 元気に跳ね回る姿を見たいのならまりさ種を飼うのも悪くないが、まりさ種は他の種類と比べ ゲスが多いのが問題である。またワガママに育ちやすいのでれいむ種よりは育てにくい。 中級者向けと言えるゆっくりである。やはり赤まりさから徹底した躾が必要である。 「おい・・・!よくも皿を割りやがったな・・・!!」 「ゆっ?ななな・・・なんのこちょ?まりしゃわかりゃないんだじぇ!!」 「バレバレなんだよ糞チビが・・・!お仕置きだ・・・!!!」 あらあら、飼い主さん激怒して赤まりさの帽子を取り上げちゃったよ。赤まりさは号泣して怒り出した。 「まりしゃのぼうち!!ゆっきゅちしにゃいでかえすんだじぇっ!!かえじぇぇぇぇぇぇっ!!!」 ゆっくりは帽子や髪飾りを取られると『ゆっくりできない』と騒ぎまくります。にしても口の悪い赤まりさだな。 「誰に向ってしゃべってんだ糞チビぃ!!恩知らずは・・・こうだ!!!ビ~リビ~リ、不幸せ~♪」 「ゆぴゃぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!ばりちゃのぼうちぃぃぃぃぃぃぃぃっ!!!!」 ゆっくりにとって帽子や髪飾りは命と同じぐらい大切なものであり、目の前で破くとめちゃ絶叫する。 どうしても言うことを聞かないゲスにはやってもいいが、もう一生懐いてくれないので注意。 「ぼうちぃぃぃぃっ!!!よぎゅもぉぉぉぉぉぉ!!!!ゆっきゅちじねぇぇぇぇぇぇぇっゆぴ・・・っ!!」 「黙れザコの分際で・・・!やっぱ生まれついてのゲスは救いが無いな~・・・。」 飼う時は慎重に選ぼう・・・。 ありす種 『とかいは』という独特の信念を持っているゆっくりで、他のゆっくりとはやや性質が異なる。 まず下品で野蛮なことを嫌い、赤ありすの時点で『とかいは』なゆっくりになりたいと思っている。 またプライドが高く、自分の価値観を相手に押し付けてしまうのもありす種の特徴だ。 なので飼育は逆にその性質を利用すれば躾がしやすい。こういう行動が『とかいは』なんだと 教えればちゃんと覚えるし、逆にこういう行動は『いなかもの』だよと教えればそれをしなくなる。 こうして見ると中々育てやすそうだが、ありす種には致命的な欠点がある。それは・・・。 「んふをぉぉぉぉぉぉぉっ!!!ばでぃざぁぁぁぁぁっずっぎりじばじょおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!!」 「ゆぎゃぁぁぁぁぁっすっきりなんかしたくないんだぜぇぇぇぇぇっ!!!!」 そう、レイパー化するのである。つまり普段は『とかいは』などと上品ぶっているが、 その本性は欲望の塊なのである。個体差はあるが、振動を加えれば90%は5秒で発情すると言われている。 「いぐわよばでぃざぁぁぁぁぁぁぁんふぉぉぉぉぉぉぉぉっずっぎり・・・ぶげばぎゃっ!!!!」 「ったく・・・。昼間から盛り上がってんじゃねーよ。」 「ゆへぇ・・・。おにいさんありがとなんだぜ・・・びゅげへっ!!?」 「見せつけてんじゃねーよ、糞共が・・・!!気分悪くなってきた・・・。早く買って帰ろう・・・。」 野生で見つけたら速攻で叩き潰そう。また、容易に発情するありすは飼わない方がいい。 成体のありすの大半はこの様に救いが無いが、赤ありすの場合どうだろう? (ポトッ)「ゆっきゅちちていっちぇね!」 「ゆ~ん♪ちょかいはないもうちょだにぇ~!いっちょにゆっきゅちちようねぇ~♪」 「ありちゅたちみんにゃでちょかいはなこににゃろうね~♪」 「ゆゆ~?どうしちぇみゃみゃいにゃいの・・・?」 「ゆえ~ん!みゃみゃあいちゃいよ~!」 赤ありすは他の種類の赤ゆっくりと比べても輪をかけて甘えん坊であり、この時点ではレイパー化することも無い。 毎日真剣に向き合い、コミュニケーションを欠かさず行えば成体になってもレイパー化しない優秀なありすにすることも可能だ。 ただしありす種は少し育て方を間違えれば、本能に刻まれた様々な迷惑行為(発情・とかいはなコーディネイト)を行うので上級者向けと言える。 また、野生の赤ありすのほとんどは不幸な境遇で生まれてくる場合が多い。上のセリフもそんな赤ありすたちの呟きである。 「ん?ありすばっか・・・。ああ、レイパーの子か・・・クズだな・・・。」 先ほどの飼い主さんがたまたま見つけた様子。飼い主さんの言う通り、この赤ありすたちはレイパー化したありすの子である。 適当なゆっくりと無理やりすっきりしたレイパーありすは、赤ゆなど気にせず次の獲物を狙ってどこかへ行ってしまう。 そしてすっきりしてしまった相手は朽ち果てゆん生を終えてしまう。結果赤ゆだけ取り残されてしまうのだ。 今回はどうやらぱちゅりー種が相手だったらしく、大量の赤ありすの中に少しだけ赤ぱちゅりーが混ざっていた。 「ゆ?おにーしゃんだぁれ?ありちゅのみゃみゃしらにゃい?」 「ああ、知ってるとも。だから皆このケースの中に入りな。連れてってやるよ。」 「ゆ~♪おにーしゃんしんせちゅ~♪とってちょかいはだにぇ~!!」 「むきゅ~・・・。おにゃかしゅいたわ・・・。」 飼い主さんは買ったゆっくりを入れようと持ってきたケースに赤ありす20~30匹と赤ぱちゅりー数匹を放り込み足を進めたようだ。 飼い主さんの選択は正しい。こういう状況で生まれた赤ゆは種類問わずレイパーの資質が受け継がれてしまう。 ありす種でなくとも、世代を経てありす種と結ばれて赤ありすが生まれた時、片親が普通のありすであっても子供に レイパーとしての本能が先祖返りしてしまうのだ。見つけたら即刻駆除するか、加工場やペットショップへ持っていって引き取ってもらおう。 「ぐ・・・ぐりゅじぃ~・・・。」 「ちょかいはじゃにゃいよぉ~・・・!!」 「むぎゅぎゅぎゅ・・・!!」 「ありゃりゃ・・・。ぱちゅりー何匹か潰れてやんの。こいつらで遊ぶか・・・。」 ぱちゅりー種 ゆっくりの中でもトップクラスの知能を持つゆっくりで、記憶力も他のゆっくりを数段上回っている。 常に新しい知識を求め、本やチラシなど文字を読むことを至高の喜びと感じる変わった習性があり、 その賢さから群れのリーダーや指導役となっている個体も多い。唯一の弱点は体が恐ろしいまでに貧弱であることだ。 ちょっとしたショックで中身のクリームを吹き出し、非常に死にやすい。飼うなら細心の注意を払う必要がある。 また、ぱちゅりー種は知らないことも知ったかぶる習性があるので、気になる人は細かい知識も授けてあげよう。 おっ、そんなことを言ってる間にあの飼い主さん、人気の無い所まで行ってさっきのケースを開けたようだ。 まだ生きている赤ぱちゅりーを別の小さいケースに入れ、大きいケースから何匹か赤ありすを取り出し見せつけた。 「いいか~、ぱちゅりーたち。これから起こることを見ても絶対に吐くなよ。最後まで吐かなかったら親に会わせてやる。」 「むきゅ~ん・・・。わかっちゃわ・・・。」 手に持った赤ありすを赤ぱちゅりーに見せながら・・・潰した。グシャッと音が鳴り、手からクリームが垂れる。 思考停止状態で目を丸くする赤ぱちゅりー。そして自分たちの姉妹の無残な姿を見て固まる赤ありす・・・。 「ほ~ら。次いくぞ。ありす~、全員潰してあげるからね~♪」 「ゆ・・・ゆぴゃぁぁぁぁぁっ!!!どうちてこんにゃ・・・ゆぶげっ!!!」 「こんにゃのちょかいはじゃにゃっぴぎゃふっ!!!」 「みゃみゃだじゅげっぎゅべ・・・っ!!!」 「ほれほれ!ぐ~しゃぐ~しゃ、絶命~♪」 赤ありすが次々と潰される姿を見た赤ぱちゅりーはというと・・・。 「むぎゅっぶほっえれえれえれえれ・・・!!!」 「むぎゅぎゅぎゅぎゅぎゅぎゅっ!!!!」 「ゆげぇぇぇぇぇぇっえれえれ・・・むぎゅっむぎゅっ!!!」 やはり耐えられず嘔吐していた。飼い主さんはすごくがっかりって感じで溜息をついてる。あっ赤ぱちゅりーを掴んだ。 「所詮レイパーの子だな・・・、約束も守れんとは。もしそうじゃなかったら飼ってやっても良かったんだけどな。そりゃっ!!」 「むぎゅ~!?おしょらをちょんでるわ・・・ぴぎっ!!!」 「ゆぶげっ!!!」 「むぎゅぎゅぎゅ・・・むぎゅぶっ!!!」 飼い主さん、赤ぱちゅりーをボールみたいに投げて木にぶつけたみたいだ。ペチャッと小粋な音が響いた・・・。 「ぱちゅりー飼おうと思ったけど飼育めんどそうだな・・・。別のにするかぁ~・・・。」 ぱちゅりー種は飼育にとても手間がかかるゆっくりである。色々教えたり健康管理を小まめに行うのが面倒な人は止めた方がいい。 ちぇん種 ゆっくりの中でも変った外見をしている個性溢れるゆっくり。猫に近い姿と習性が特徴で、猫耳と2本の尻尾がチャームポイント。 本能的に暖かい所を好み、『らんしゃま』、つまりゆっくりらんを溺愛する。それと『わかるよー』というのが口癖だ。 運動能力はまりさ種にやや劣るが、瞬発力はゆっくりの中でもトップクラスで、尻尾を使って高い木の上にも上ることができる。 また、基本的にゲスが少なく素直な個体が多いため、猫の代わりにペットとして飼う者も少なくない。 他のゆっくりと比べても比較的飼いやすいと言えるので、初心者はここから始めてみるのも悪くないかもしれない。 「いらっしゃいませ~!」 「さて、どいつを飼ってこうかな・・・。ちぇん種がいいか・・・。いや、みょん種も悪くないよな・・・。」 飼い主さん、どうやら赤ちぇんのケースを覗いたようだ。中では赤ちぇんたちが丸い餌入れを皆で囲んで仲良く食事していた・・・。 「わきゃりゅよー!む~ちゃむ~ちゃ・・・ちあわちぇだよー!!」 「むぐむぐっごほっ!?わ・・・わきゃりゃにゃいよ・・・!」 「わきゃりゅよー、にょどをつまりゃせたんだねー。しゅ~りしゅ~りしゅればにゃおりゅよー。」 「しゅ~りしゅ~り・・・。ほんちょだ!わきゃりゅよー!」 「う~ん・・・。全員尻尾千切ってカラスの巣にぶん投げてあげたい・・・!おっと、まだ買って無いんだ、我慢我慢・・・。」 ずいぶんとユニークな愛情表現だこと。まあ、愛し方は人それぞれだから突っ込んじゃいけないね。 すると飼い主さん、今度はみょん種のケースを覗いたぞ。やっぱり成体ではなく赤みょんを見ている・・・。 みょん種 希少種とまではいかないが、野生ではあまり目撃されないそこそこ珍しいゆっくりだ。1番の特徴はその独特な言語だろう。 『ちーんぽ』という代表的な鳴き声から分かるように、みょん種の言語は全て卑猥な単語で構成されている。 人の言葉は分かるが、話せないのだ。ただし訓練すればちゃんと人間の言葉をしゃべれるようになるし、 野生でもぱちゅりーから教えてもらって普通の言葉をしゃべる個体もいるので、知能は水準以上と言える。 ただし赤みょんの時点では中身が少ないため、卑猥な言語以外はしゃべれない。その点は非常に特異な特徴と言えるだろう。 懐きやすく恩をしっかり返すタイプなので飼いゆっくりに向いているが、卑猥な言葉を当たり前のように叫ぶので 女性は控えた方がいいかもしれない。また、言葉を覚えるのは個体差があり、子供の時点で人間語をしゃべるようになる個体もいれば、 成体になってもちんぽちんぽ連発する個体もいる。中には人間語とみょん語が混ざっている個体も存在するらしい。 「ちーんぴょ!ちーんぴょ!」 「まりゃまりゃ!ちんぴょっちんぴょー!!」 「相変わらず変態クラスのゆっくりだな・・・。飼うのは止めとこうか・・・。」 それともう1つみょん種には大きな特徴がある。それは器用なことだ。口に棒などを加えて捕食種を撃退したり、 木の構造を上手く利用して頑丈な巣をつくったりできる。そのためかよく大工さんがみょん種を飼ってたりする。 「やっぱ、ちぇん種かな・・・。ってあれ!!?あのすいません!さっき置いてあった赤ちぇんは!!?」 「すいませーん・・・。先ほど常連の方がまとめて購入してしまいました~・・・。」 「な・・・なんてこった・・・。」 その頃・・・ 「いや~まとめてちぇん種が手に入って良かった良かった。早速ちぇんマー投げ用に飼育しないとな!!」 購入した彼の名は人呼んで『運動鬼異惨』・・・。かつてちぇんマー投げというスポーツを始めてからゆっくりを使用した スポーツ(ゆポーツ)にハマり、今では様々なゆポーツの大会で素晴らしい成績を残している偉人である。 彼は今回マイボールを買いに来ていたのだ。何でも手塩にかけて育てたゆっくりの方が良い成績が出せるとか・・・。 「くそ・・・っ!さては運動鬼異惨だな・・・!そろそろ大会が近いって言ってたっけ・・・ちくしょう・・・っ!!!」 「あの~、如何なさいますか・・・?」 「すいません・・・!この大安売りの赤れいむ全部ください・・・!!」 「あ・・・はい・・・。ありがとうございます・・・。」 れみりゃ種 言わずと知れた捕食種である。胴付きと胴無しの2種類に大別されるが、ここでは飼うのに適した胴無しについて説明する。 胴付きは正直ペットには向かない。一流のブリーダーすらイライラする程愚鈍でワガママで好き嫌いが多いからだ。 胴付きを育てるのは極めて難しいのだ。胴付きれみりゃは人間を都合のよい召使い程度にしか思わないのだから・・・。 さて、それに引き換え胴無しれみりゃは中々飼いやすい。胴付きれみりゃはすぐに『さくや』などという名前を口にするが、 胴無しれみりゃはそもそも言葉をしゃべらず『うー!』としか鳴かないので五月蝿くない。 動きも速く餌も自分で取ってきてくれるので餌代もほとんどかからないのがミソだ。ハンターがよく猟犬の代わりに 連れて歩いていたりしている。ただしあくまで捕食種は捕食種、あまり放置すると逃げてしまったり飼い主に襲いかかったりするので しっかり世話をしてやること。 「ほ~ら!れみりゃただいま~!お土産だぞ~!!」 「うー!うー!!」 あの飼い主さんも別の小屋でれみりゃを飼ってたようだ・・・。胴無しれみりゃはゆっくりが嫌いな人でも飼っている場合が多い。 やはり無駄口を叩かず、可愛らしく鳴いているだけだからに違いない。人間語は教えれば一応覚えるらしいが、 本来しゃべらない種類なので簡単な言葉しか覚えられない。覚えさせたければトライしてみよう。 「ショップで買っためちゃ安い赤れいむだ!美味そうだろ~!?」 「うー!!う~♪」 「れれれ・・・れみりゃぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!?」 「きょわいよぉぉぉぉぉ!!!!こにゃいでぇぇぇぇぇぇぇっ!!!!」 「ゆぴゃぁぁぁぁぁぁっ!!!!やべでにぇ!!!!やべ・・・っ!!!!」 「う~♪あまあま~♪」 「もっちょゆっきゅち・・・。」 「れいみゅのいもうちょが・・・ゆぴぃぃぃぃぃぃぃぃぃっ!!!!」 まさに赤れいむにとって地獄絵図、だが胴無しれみりゃにとっては食事の時間であり、飼い主さんにとっては至福の時間だ。 飼い主さんはストレスが溜まったとき、このように赤ゆをれみりゃに食わせて楽しむのだ。いい趣味してるな全く・・・。 さて・・・。これで基本的なゆっくりの説明は終わりだ。まだまだ希少種などの説明はしていないが、 希少種は一般の人にはあまり多く渡らないだろうから説明は不要だろう。それでは良いゆっくりライフを・・・ゆぎゃっ!! 「・・・さっきから追跡していたのはお前か・・・!!いちいち五月蝿くてイライラしてたんだよ・・・!!」 おやぁ、どうやらバレてたらしいのでそろそろ帰ろうかね・・・。ん?私の正体?それは秘密だ。・・・さらばっ!!! 「あっ!待ちやがれ・・・行っちまった・・・。何なんだアイツは・・・。まぁいっか。続きを見ないとな・・・。」 どうやらこの飼い主は虐待派だったようである。それもそのはず、彼は人々から『赤虐鬼異惨』と恐れられる男だったのだ。 赤ゆを中心に虐待するからそう呼ばれるようになったとか・・・。 例が虐待鬼異惨だった時点でこの飼育の説明は破綻していたのだ・・・。ゆっくりを飼おうと思っている方は決して真似をしないように・・・。 過去作 2517 ちぇんマー投げ 2526 ゆンペルダウン 2550 痙攣鬼異惨の日曜日 2560 分からないだらけのゆん生 2570 馬鹿とゆっくりは使いよう このSSに感想をつける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/4603.html
「れいむのあかちゃんが生まれるよ!ゆっくり産まれてきてね!!」 「ゆゆ~ん!まりさとれいむのあかちゃん凄くゆっくりしてるね!」 実ゆっくりが震える。 ついに出産の時が来たのだ。 「生まれるよ!れいむの可愛い赤ちゃんがうまれるよ!」 「まりさの赤ちゃん!ゆっくりしてね!」 ポト。 最初に茎から落ちたのはれいむ種の赤ゆっくりだった。 「ゆっきゅりしちぇいっちぇね!!」 パチっと目を開き大きな声で第一声を上げる赤れいむ。 そのゆっくりした姿に親れいむと親まりさは感動した。 「ゆゅーん!!れーみゅ ゆっくちうまりぇちぇ しゅごーくゆっきゅりしてるよ!」 楽しそうに跳ねる赤れいむ。 産まれてきた喜びを全身で表現しているのだ。 「ゆっくちちたら うんうんしゅるよ!ちゅっきりちゅるよ!」 ブリブリ。 ビチビチ。 ブショワー。 赤れいむからこんもりと山のように餡子が垂れる。 ついでに砂糖水も噴き出す。 「ゆがああああああ!?れいむのおチビちゃんが餡子を出しちゃったよ!?」 「餡子が出るとゆっくりできなくなるよ!おチビちゃんゆっくりしていってね!!」 その行動に親れいむと親まりさは大慌てになる。 しかし当の赤れいむは全く気にしていなかった。 「ちゅちゅちゅちゅちゅちゅちゅちゅちゅっきりいいいいい!!!!もっちょ うんうんと ちーちーちて ちゅっきりちて ゆっきゅりだよ!!!」 ブリブリブリブリ………。 ブショー。 赤れいむは更に糞と尿をひねり出す。 「ゆあああ!!れいむの貴重なおチビちゃんがあああああ!!!」 「どぼじでぞんなごどじでるのおおおお!?」 「ちゅっちゅっちゅっちゅっちゅっきりいいいい!!!」 ブリブリとシーシーは止まらない。 ついに赤れいむは皮だけになってしまった。 「もっちょ…………ちゅっき…り……ちちゃかっ………た……………」 それが赤れいむの最期の言葉だった。 その後生まれてきた赤ゆっくり達もみな糞尿を撒き散らして死んでいった。 「どぼじでれいむのおチビちゃんがああああ!!!?」 「なんでゆっぐりじでぐれないのおおおお!?」 皮だけになった10匹の赤ゆっくりを見ながら2匹の親ゆっくりは絶望した。 だが絶望はこの2匹で終わることはなかった。 世界中のゆっくりがその日を境に究極の進化を遂げたのだ。 汚物ゆっくりとしての最終進化だ。 産まれた瞬間から糞尿を撒き散らす究極の生命。 それから間もなくゆっくり種は絶滅した。 このSSに感想をつける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/106.html
第3話 ゆっくりたちの、実にゆっくりとした一週間 一日目 天高い秋晴れの空が広がっていた。 小春日和の朗らかな日差しを受けて、二匹のゆっくりたちは今日も元気に跳ねまわる。 ゆっくりまりさに誘われて、ゆっくりれいむは追うように魔法の森へ。 今は二匹連なって仲間睦まじく秋空を飛ぶトンボを、わき目もふらず追いかけっこ。 しっとりと濡れた露草の藪を踏み越えて、たどり着いたのは森の奥の開けた野原だった。 流れ込む肌寒い秋風は、トンボの細い体を宙へ高く吹き上げる。 「ゆー! ゆっくりしていってね!」 ゆっくり二匹の願いもむなしく、トンボは風をとらえて青く高く秋の空へ。 ぴょんぴょんと口を開いて飛び上がる二匹。だが届くわけもない。 トンボを見送るゆっくりまりさはしょげ返った表情。 口寂しいのか、茂みのクコの実をむしゃむしゃとほおばる。 そして、ぷくうと膨れ面。 「おなか空いたよ、おうちかえる!」 ゆっくりまりさの見つめる東の空は深く青みがかり、黄昏の近さを思い出させる。そろそろ暖かなねぐらに替える頃。 けれど、ゆっくりれいむは承知しない。 「まだちょっと早いから、ゆっくりしていこうね!」 遊び足りないと飛び跳ねながら訴ってくる。 まりさの傍へすりよって、その帽子のあたりにすりすりとほっぺをすりつけた。 この上ない友愛の仕草に、とろんと赤みがかるまりさの表情。 「ゆ……ゆっくりする……」 たやすく屈するまりさだった。 こうして始まった、今日最後の遊び場は生い茂るススキの野原。 人の姿も隠れそうなその場所で遊ぶ種目は決まっていた。 そう、かくれんぼ。 「ゆっくり30秒数えてね!」 目をぎゅっと瞑るまりさに声をかけて、ススキに身を沈めこむゆっくりれいむだが。 「みつけた!!!」 あっさりと見つけ出すゆっくりまりさ。 「?」 きょとんとした表情で不思議を表現するれいむにまりさはフと不適な笑い。 隠れる一帯のススキが押し倒されて道となっていることを、まりさは教えようとはしなかった。 鬼が交代となり、今度はれいむが探し回る番。 しかし、れいむの失敗を目のあたりにしたためか、まりさは中々見つからない。 ススキの下、藪の中、木陰。目に入るところを探し回ってもどこにも見当たらなかった。 「まりさ、どこー?」 太陽が山々に姿を隠し、暗がりが降り始めて、急に心細さに襲われるゆっくりれいむ。 日が完全に沈めば、野犬の群れに出くわしかねない。 「ゆっくりしないで、でてきてね!」 ほとんど涙目で森を走り回る。 「れいむ、こうさん?」 すると、意外なところからまりさの声が聞こえてきた。 そこは荒れ果てた家屋。魔法の森に暮らす数人のモノ者好きがいるらしいが、この廃屋は誰かのかつての住処なのだろうか。 廃屋の庭は伸び放題の藪になっており、その草むらから石積みブロックで囲った建造物がにょっきり顔を覗かせていた。 幅は1メートルぐらいだろうか。人が建てたらしい、しっかりとした枠組み。その傍らに一本の柱がのびて、吊り下げられていたのは錆びた滑車。だが、繋がれていただろう綱はすでに朽ち果てて残骸が絡みつくのみだった。近くに底の抜けた大きな桶が転がっているのが目に入るが、ゆっくりたちには木っ端にしか見えない。 そんな残骸よりもゆっくりれいむの興味を占めていたのは、建造物の上で得意げにふんぞり返るゆっくりまりさ。 建造物の上に渡された粗末な板の上から、まりさはニヤと不敵な表情で笑いかけてくる。 「ここを知っているのは、わたしたちだけだよ!」 その言葉に、れいむは素敵な遊び場を見つけ出したことに気づいた。 朽ちた廃屋を恐る恐る探る二匹。ソファの一つでも残っていたら、その上でとびはねて埃を払い、新たなゆっくりスペースにできるかもしれない。 そこはきっと優雅なゆっくりの一時。自分たちだけのゆっくり城。 「うっとりー!」 あらぬ方向へ躍りだした夢に、ゆっくりれいむの表情も緩みがち。 「れいむ! 明日から、ここを探検しようね!」 まりさの言葉を、喜色満面で受け止める。 「うん、やくそくだよ!」 胸躍らせるわくわくに、いてもたってもいられない。 明日からの大冒険に弾む心のまま、れいむはまりさへと弾み寄る。 大きくジャンプ。まりさの元へと飛びのった。 まりさも身を摺り寄せて親友に応える。 「ゆゆゆ……」 「ゆっゆっゆ!」 とろけそうな嬌声で、二匹は芯からの喜びを訴えあう。でも、まだ足りない。この嬉しさをあらわすには、アレしかなかった。 ゆっくり二匹は狭い板の上で、身をかがめる。 引き伸ばされたゴムがはじけるように、この日一番の見事な跳躍。 「ゆっくりしていってね!」 その頂点で放たれたのは、黄昏の秋空に響き渡るゆっくり二匹の美しい唱和だった。 陶酔の表情のまま、二匹は同時に板の上へ落下していく。 どすんと、景気のいい音をたてて板で弾むゆっくりの全身。 途端に体の下で鳴った、くぐもった音。 なんだろう。顔を見合わようとするゆっくり二匹。 だが、視線が合う間もあらばこそ、お互いの顔が大きくぶれだした。 「ゆっ!?」 めきという乾いた音が、へし折られる木の音だと気づいたときにはもう遅い。 二匹は板の下に急激に落ちこんでいく。 ぞわりと総毛立つ感覚。 次の瞬間、慣性に捕らわれた二匹の体は真っさかさまに下へ。 一瞬、見下ろした二匹の目の前には、どこまでも広がる何も無い暗闇。 まりさがのっていた建築物は、塞がれることなく板一枚で封印されていた古井戸だった。 二匹が弾んでへしおったのは、まさにその封印の板。 突き破った二匹の落下を受け止めるものはなにもない。 「ゆ、ゆっくりー!」 遠ざかる絶叫も井戸に吸い込まれて、すぐに何も聞こえなくなる。 後に残されたのは静寂。 やがて太陽はすでに山間に没して、秋の寒々とした夜気が漂いだす。 一斉に鳴き始めるコオロギの声。 何事も無かったかのように深まり行く秋の夕暮れだった。 二日目 「ゆっくり! ゆっくりしていってね!」 必死の呼びかけが、何度もゆっくりれいむを揺さぶった。 ゆっくりまりさのやけに近くからの呼び声。 ようやく目を覚ましつつある、寝ぼけ眼のれいむ。でも、まだ夜中なんだから眠らせて欲しい。 ここは見渡す限りの暗がり。 もっとゆっくりすればいいのに。 「ゆ……? ゆゆゆっ!?」 そんな思いをまりさに伝えようとして、ようやく自分の片頬を圧迫する固い感覚に気づいた。 もう片方の頬に押し付けられていたのは柔らかい感覚。 耳の近くでまりさの息遣いがして、その感触がまりさであることを確信する。 お互いのほっぺたがぴったりくっついてその体温の暖かさが心地いいのだけど、この暗がりはじめじめと蒸していて、べっとりとはりつく感触。ちょっとだけ離れたい。 でも、できなかった。前にも後ろにも動けなかい。跳び上がることも、押し付けられたまりさの圧力に遮られてしまう。 「ゆっくり離れてね!」 ゆっくりれいむのお願いに、ゆっくりまりさの体がわずかに震えた。 「動けない……!」 震えて、泣きそうな声。 どうしたのだろう。悲しそうなまりさを慰めたい。 でも、自分も身動き一つできず、ただ視線だけを走らせる。 れいむの周囲は相変わらずの暗闇だったが、闇に目が慣れてきたのか暗がりにぼうと浮き上がるまりさらしき輪郭。だが、自分を押さえつける石の感触の正体がつかめない。 ようやく視界に変化があったのは、視線を真上に向けたとき。 くっきりと、丸く切り取られた青空がはるか遠くに見えた。 太陽はまだ低いのか光が差し込むことはなく、ただ入り口付近の朧に眩しい。 れいむは、自分がどんなところにいるのかようやく悟った。 井戸という知識はゆっくりにはない。深い穴の途中にひっかかって身動きできない状況を、絶望という言葉で理解できただけだ。同じ方向を見て、ほっぺたをあわせている自分とまりさ。その両側はがっしりとした石積みが押さえ込んで身動きできない。 いや、それは幸運なことだろう。壁につっかえなければ、井戸の底へまっさかさまに落ちていくだけだ。 けれど、石積みの壁は古びているのか、ゆっくりたちが身じろぐとぽろぽろと壁面がこすれて下に落ちていく。 わずかな間に続いて、真下から響いてくる水の音。 「ゆゆゆゆ!」 ゆっくり二匹を恐怖に至らしめたのは、穴のさらなる深さよりも水で満たされているだろう、その奥底だった。 水溜りや少しの雨なら、はしゃいで遊びまわることもできるゆっくり。 だが、長時間全身が水につかれば、皮がぶよぶよにふやけて、やがては中身を水中に吐き散らすはめになる。 だから、雨の日は巣穴で家族とゆっくり過ごすのがゆっくりたちの常識だった。 今は二匹がぴったりと穴につっかえているからいいが、もし外れて水中に落ちた場合、待っているのは緩慢な死、腐敗。 「ゆーっ!」 一際高いゆっくりれいむの泣き声。 だが、果たしてこの井戸から外に届いたかどうか。 井戸の中は雫の落ちるほどが響き渡るほどの、閉ざされた静寂。望みは薄かった。 れいむの絶望が恐怖に変わる。 「いや! いやいやいやいや!」 「おちついて、ゆっくりしてね!」 取り乱したれいむに、ゆっくりまりさの声が届かない。 「ゆっくりしないと落ちるううう!」 とうとう、まりさも涙声。 その切羽詰った叫びとともに、れいむの壁に面した頬が、ずりと壁面を擦った。 ほんのわずかながらも、強烈に肌がざわつく落下の感覚。 「ゆ!」 もはや、身じろぎもできないれいむ。 「ね゛っ。ゆ゛っぐり゛じよう!」 まりさの懇願混じりの声に頷くこともできなかった。 穴の中央付近でひっかかっているこの均衡が、容易く壊れることをようやく理解する。 二匹は、ほぼ平行につっかえているが、実感まりさの方が下がり気味だった。 ただ、壊れかけた石壁が一箇所飛び出して、ゆっくりまりさの顎にぎっちりくいこんでいる。 そこをとっかりに二匹は横からの圧力で落下を免れていた。ごくわずかな幸運。 それでも、ほんの一時だけ死に猶予を与えているだけにしか思えなくて、ゆっくりれいむの喉を悲しみが突き上げる。 「ゆっ、ゆっ……!」 ゆっくりまりさも泣いていた。しゃくりあげることすら許されない、この絶望に。 どれほど悲嘆に暮れていただろう。 れいむは周囲が明るく照らし出されていることに気がついた。 日差しが高くなり、井戸の上空から一直線に差し込む光。 湿って凍えたゆっくり二匹をぽっかぽかに包み込む。 「暖かいね」 「うん」 れいむの呟きに、短いまりさの返事。 「気持ちいいね」 「うん」 相変わらずのまりさの短い返事。でもゆっくりと言葉を交わせたことがれいむは嬉しかった。 ほかほかの日向にほっこりと表情を和らげる二匹。太陽が隠れるまで半刻を要さないだろうが、一時のゆっくりを存分に味わう。 光に照らし出されて周囲の様子が明らかになり、二匹は少しだけ落ち着きを取り戻していた。 概ね、予想通りの井戸の光景。忘れ去られた井戸の中で、ほっぺをひしゃげてよりそう二匹の姿はひどくユーモラス。二匹がへばりつく石積みの壁には、ところどころ穴があいて、広がる光の領域に慌てて逃げこむ蟻やムカデ、イモリの姿があった。 れいむがその壁に向けて精一杯舌をのばす。舌に張り付く数匹の蟻んこたち。 ぺろっと飲み込んで、むーしゃむーしゃと咀嚼する。あんまり幸せな味ではなかったが、食べることができたという事実がれいむにわずかな希望を与えた。 このまま、しのいで張り付いていれば誰か井戸を覗き込む人が現れるかもしれない。そうだ、森に行こうと誘ったのはまりさ。誰かに行き先を教えていれば、家族のゆっくりや仲間が探しにきてくれるかもしれない。言っていなくても、まりさの行動範囲に魔法の森は必ず含まれる。探す目的地の一つとなるだろう。 見つけてもらえば、また存分に太陽の下でゆっくりできる! 「まりさ、あのね!」 その思い付きがもたらした希望、喜びを、ほかならぬまりさと分け合いたかった。 だが、まりさは先ほどまでの日向ぼっこの表情が一変し、またじんわりと涙を流していた。唇をかみ締め、ひっくひっくとえづく。 「まりさ、どうしたの?」 「ゆっ、ゆっぐり゛痛ぐなっでぎだ!」 二匹の重みを受ける石壁のでっぱり。そこに接したまりさの顎にうっすらと走る一筋の線。石壁に擦ってできたわずかな切り傷。 まりさの顔の影になって見えないれいむに、にわかに募る不安。 「だいじょうぶ!」 「……うん、ゆっくりしていれば治る」 実際、日向でのんびりしていれば、一日で薄皮がはって消えるだけの傷。 まりさは気丈な言葉でれいむを安心させてくれる。 それでも、自分たちを助けるために負ったその傷を、なめて労わってあげられないのがれいむには悔しい。 だから、せめて心を労わりたい。 「ここを知っている誰かがきっときてくれるよ、ゆっくり頑張ろうね!」 きっと、森に遊びに言ったことを知った誰かが気づいてくれるよ! そんな、言葉にするのももどかしい想いを口にする。 まりさはどんな表情をしたのだろう。 れいむと同じく希望の取り戻した笑顔を浮かべたのだろうか。 だが、わからない。 ほとんど次の瞬間、井戸は暗闇に沈んでしまっていた。 目蓋に残った光の斑点は、井戸から引き上げていった陽光の残滓。 あまりにも短い日差しの終わりに、わかっていながらもれいむは打ちのめされる。 黙り込んでしまったゆっくり二匹。 「ここを見つけたせいで……ごめんね」 沈黙を破ったのは闇のなかからの、か細いまりさの声。 泣きすがる、哀れみを乞う響き。 れいむは、親友のそんな声を聞きたくなかった。 心が滅入って、ついつい尻馬にのって相手を責めたくなる気持ちを跳ね除けるように叫んでいた。 「違うよ! れいむがもっと遊ぼうといわなければよかったんだよ!」 だが、空元気も、傷を舐めあうことも二人に救いをもたらさない。 それ以上何を言えばいいのかわからず、上を見上げた。 いつか現れるかもしれない仲間の姿を見逃さないよう、ひたすらに空を見ていた。 日暮れの早まる秋の空。 色合いが朱に染まる夕焼け、数刻もしないうちに夜が訪れる。 井戸の中は、すでに光一つない宵闇。 もう、ゆっくりたちが出歩ける時間ではない。 どこから落ちる水滴の音と、カサカサとはいまわる虫たちの音だけが異様に響きわたる。 「ここから出して」 「おうちかえる」 ぽつりと時折こぼれる二匹の呟き。 だが、やがてそのささやかな願いを飲み込むのは圧倒的な暗闇。 嗚咽すらも押しつぶすような静寂に二匹の存在は沈み込む。 三日目 ゆっくりれいむは家族の夢を見ていた。 藪の奥の横穴にひっそりとある暖かな我が家。 姉妹れいむたちと押し合いへし合いして遊んでいると、お母さんれいむが登場。下膨れたした顔で、「ゆっ! ゆっ!」と娘たちを叱る。 渋々寝床に入るゆっくりれいむたち。でも、少しでお母さんれいむの傍に近寄れるように動き出して、再び始まる大騒動。 結局、お母さんれいむにぴったりと全員がよりそって、ぽかぽかの体温を感じながらゆっくりと眠りについた。 ゆっくりお母さんはぷっくり膨らんだほっぺを娘たちに押し当てたまま「ゆー! ゆ-!」といつもの子守唄。娘たちを優しく眠りに導いてくれる。 絶対的な安堵を与えてくれる母親の懐。ゆっくりれいむはただ幸せな夢を見ていればいい。よだれをたらしつつ、存分にまどろみを貪る。 これ以上ゆっくりしようがないほどにゆったりとした心。 幸福に包まれて、れいむは気ままに明日を思う。 明日、目が覚めたら何をして遊ぼうかな。 最近、ゆっくりまりさとばっかり遊んでいたからたまには他の皆も入れて一日中ゆっくりするのもいいかもしれない。 あれこれ考えながら眠りへと落ちていくれいむ。 さあ、次に目を覚ませばいつもの楽しい毎日の始まりだ…… 期待に心を弾ませて目を覚まそうとするゆっくりれいむ。 だが、れいむが感じたのは、ほっぺたをぽつりと濡らす雫だった。 「冷たいよ!」 姉妹か誰かの悪戯かと、寝ぼけ眼で不満を口にした。 だが、顔全体に降り続く雫が急速にゆっくりれいむの眠気を奪い去っていく。 それは、芯まで凍えそうな秋雨だった。 現実を思い知らされる井戸の暗闇。 上を見上げれば、丸く切り取られた空はうんざりするほどに暗い雲の色。 もっとゆっくり夢をみていたかった。恨めしげに天を睨むが、れいむの髪やほっぺを叩くような雨足は弱まることはなかった。石壁からはひっきりなしに伝い落ちる雨だれ。 いつ止むとも知れないどんよりとした空模様だった。 そんな天気を眺めていたれいむは、ふと感じた違和感に小首を傾げる。 井戸の出口まで、少し遠くなったような? 「起きたなら、ふんばってね!」 必死なまりさの声に、違和感の正体に気づく。 濡れてグズグズに緩んだ頬。壁面との抵抗が極端に弱まっていた。 わずかながら、ずり落ちつつある二匹のゆっくり。 「ゆ、ゆっくり!」 青ざめてぎゅっと頬をよせると落下は一端停止する。まだ、さしたる力を込めずともふんばることはできそうだ。 だが、力を完全に抜くとすぐさま底へ落ち込みそう。 数秒足りとも力を緩められない。24時間中続く、無慈悲な義務がここに生まれた。 もはや、さきほどまでのように無防備に寝入ることはできない。 「ああああ! ゆっくりでぎないよお!!!」 ゆっくりまりさの叫びは、今のれいむの悲嘆そのものだった。 二匹、力が弱まらないようにぎゅっと口結んでふんばって、それでもぽろぽろと涙があふれてくる。 だが、これはいつまでも続く地獄ではないと、れいむは信じたい。 昨日から抱いている希望、探しにきてくれる友人や家族のことがれいむの脳裏に浮かぶ。 「まりさ、がんばろうね!」 今頃、お母さんれいむや他のゆっくりまりさたちがこの雨の中を探し回っているのだろう。 この井戸のあるあばら家は魔法の森のほど近く。 うまくいけば一日もたたず探索範囲に入る。 問題は、それまでの数日を耐えられるかどうか。 「だから、もう少しがんばろうね!」 まりさを落ち着かせるための笑顔向けて、れいむの健気な呼びかけ。 だが、まりさの表情はますますクシャクシャの泣き顔になっていく。 「ひっく……っ、がんばっても……どうせ、誰もきてくれないよおおお!」 突然の嗚咽交じりの絶叫に、びくんと震えるれいむの全身。 単なる弱音ではなく、確信をもったまりさの口調にれいむの顔から笑顔が引けていく。 変わってれいむの顔に張り付いたのは不審。 「どうして、そんなことをいうの?」 「だって……」 応えるまりさの顔は、もう雨と涙でどろどろだった。 「だって、皆には霧の湖で遊ぶと言ったんだもん!!!」 「ゆ?」 れいむの脳みそはまりさの言葉を理解しきれず、硬直する。 わかっっていたのは、霧の湖はこことはまるで反対側にあることだけ。 その意味がじんわりとれいむに染み入ってくる。 ガクガク震えだす全身。 どんどん強くなっていく。 止まらない。 体を震わしながらこみ上げてくるのは、得体の知れないふつふつとした感情。怒りか悲しみかもはや形をもたないままに沸点を超えた。 「まっ!! ま゛り゛ざあああ、なんでなの! なんでえええ!!!」 困惑、怒り、やるせなさ、感情のにごりが煮えたぎるれいむの狂乱だった。 「ごめんなさい! ごめんなさい! ごめ゛んな゛ざいいいいいいい!」 わんわんと声をあげて、しゃくりあげながら謝罪を繰り返すまりさ。 昨日までのれいむなら、親友のそんな様子を見ればそっとよりそって泣き止むのを待っていただろう。 だが、もはやれいむは容赦しない。 「はやく説明してね!!!」 激しい詰問に、ひぃと息を飲むゆっくりまりさ。 「ゆっくりパチュリーやゆっくりアリスたちに邪魔されずに、れいむと一緒に遊びたかったのおお!!!」 その言葉に、れいむはいっつもまりさにくっついて離れない二匹のことを思い出す。 まりさと遊んでいると、ゆっくりパチュリーがどこからともなく這い出して、二人の後をゆっくりとついてくる。そうなれば、弾むように力一杯遊ぶことはできない。パチュリーを中心にして静かに過ごすゆっくり。 ゆっくりアリスはもっと扱いが難しい種。普段は遊びに誘っても嫌がって一緒に遊びにはいかない。だけど、諦めて他のゆっくりと遊んでいると木陰からじっとりと見つめてきて、もう一度誘わない限り一日中続くのだ。結局、お願いして一緒に遊んでもらうことになる。 だが、れいむとまりさは知らなかった。ゆっくりアリスが本当に問題行動を起こす発情期のことを。 発情期を迎えたゆっくりアリスは、無理やりゆっくりまりさと交尾しようと森や平原などいたるところを徘徊し、見つけるなり集団で襲い掛かってくる。お母さんれいむのように成熟しきった個体同士なら普通に交配する限り、時間はかかるが何度でも子を生める。だが、まだ青いゆっくりまりさにとって、無理やりの交尾は極めて危険だった。ある程度の子供が生えるものの、母体のゆっくりまりさはショックのあまりに白目をむいてそのまま朽ち果ててしまう。 凄惨を極めたのが、ゆっくりアリスの群れ全体が発情した三年前。ゆっくりまりさの集落がいくつも全滅して、やがて一斉に生まれてきた子供たちがゆっくりまりさの生息数大爆発を招くことになる。野草や昆虫たちを手当たり次第に 食い尽くすゆっくりまりさたち。ゆっくりまりさと交配しやすい種であるゆっくりれいむも数を増やして、生態系の破壊は広がっていった。その処理策として設立されたのが、ゆっくり加工所だった。 もちろん、ゆっくりたちはそんな事実は知る由も無いが、ゆっくりアリスのどこかただならぬ雰囲気は薄々と察してはいた。 結局、なぜかウマの合うゆっくりまりさとゆっくりれいむで遊ぶのが一番楽しいのだ。 でも、だからといって親友のついた取り返しのつかない嘘を許せすことができない。 大きく膨らんだ希望が、そのまま絶望の重みとなった憤り。 その熱い塊をぶつける対象を目前に見つけて、怒りが爆ぜた。 「嘘つきまりさなんて大っ嫌い!」 憤怒が、井戸の中でぐわんぐわんと鮮烈に反響していた。 「ごめ゛んな゛ざい、ごめ゛んな゛ざい、ごめ゛んな゛ざい……」 念仏のように繰り返すまりさの態度。だが、その惨めさがますますれいむの熱を吹き上げさせる。 後どれだけの時間をここですごせばいいのか。 いや、もはや助けられることすら望み薄だろう。このまま家族にも知られることなく、干乾びて朽ち果てていくゆっくりたち。げっそりと痩せて、やがては水の中へすべり落ちる。 そうなれば運命は決まっていた。ゆっくりたちの皮は水に弱い。ぐにゃぐにゃに膨らんで、皮はいずれ破れるだろう。 まず、中身が水や外気にさらされる。やがてはじまるのは腐敗。自分の体が耐え難い異臭を放ち、中から朽ち果てていく長い長い悪夢。早く意識が途絶えることをひたすらに願いながら、ゆらゆらと汚水を漂う。 おぞましい想像に、れいむの体がぞわりと悪寒に震えた。 れいむはそんな未来など、井戸に落下してから一度たりとも考えたことはなかった。 探し回ってこの家をみつける仲間のゆっくりたち。近づくとかすかなゆっくりの声が聞こえてきて、覗き込んだ先にあったのは仲間の窮地。慌てて集まる沢山のゆっくりたち。探し出されてきた長いロープが井戸にたらされ、中の二匹が ロープを噛みしめるなり一気にひっぱりだされる。外に出られたら、すぐにうち帰ってお母さんれいむを安心させよう。 それが、数分前までれいむが夢想していた未来。もう、消え失せてしまった未来絵図。 それもこれも、このまりさのせいだ。こいつが馬鹿なことを言ったばかりに全部終わってしまった。 こいつのせいで……死ぬ。 「い゛や゛だあっ! ま゛り゛ざのぜいで、じにだぐないいい!」 もうれいむは止まらない。 「ま゛り゛ざの、ばがああっ! ま゛り゛ざだげ、じね!」 「ゆっ! ゆ゛う゛う゛うううううっ!!!」 断末魔のような悲鳴を上げるまりさを黙らせようとするかのように、れいむはぐいぐいとまりさを壁に押し付ける。 「泣いてないで、落ちないようにしてね!」 れいむの棘のこもった言葉に従って、律儀に押し返すまりさ。 もう、何も喋らない二匹。 ゆっくりと、もう泣きたくなるぐらいにゆっくりと時間は過ぎていく。 井戸の中を、妖怪の山から吹き降りてきた風が入り込み、濡れた体をぞくりと振るわせた。 寒い。 隣のまりさの体温がなければ、野宿すら耐えられない季節になりつつあった。 鼻をすすりながら、懸命に押してくるまりさの暖かな全身。 それだけがれいむに温もりを与えてくれた。 だが、耳朶に届くのは嗚咽交じりの侘び。 「ごめ゛んな゛ざあああい……」 泣きすがり、許しを乞う陰鬱な声。 井戸の底とで命を預けあうまりさが繰り返す哀願に、すううと冷えていくれいむの心。 まるで、自分のほうが取り返しのつかないことをしてしまったような痛みが胸を刺す。 今はまりさだけが頼りなのに。 自分と同じ苦しみを背負う相手を一方的に責めて、自分は何がしたかったのだろう。 もう何もかも嫌になる。 「だれかぁ……はやくたすけてえ……」 見上げる井戸の上。 黒ずんだ雨雲に占められた、あいかわらずの代わり映えのない空とその向こうにいるかも知れない神様に、ゆっくりれいむはひたすら祈っていた。 だが、畜生に神はいない。 井戸を覗き込む人影どころか、厚い雲に隠れたまま太陽すら姿を見せないまま、いつしか空は夜の色に沈む。 救いは、ようやく雨足を弱めつつある丸一日降り続いていた雨。 打ちつける雨の粒も、今は優しく降りしきる霧雨だった。 だが、代わって二匹を苛むのは夜半の冷え込みの厳しさ。もはや冬の始まりと大差がない。 「ゆゆゆ……」 れいむの舌の根も凍えて言葉を吐き出せない。 もうじき初霜がおりてもおかしくない秋の日暮れだった。 凍えた体は力が上手く入らない。希望なき奮闘にも関わらず、二匹は少しずつ、井戸の底へと近づいていく。 その都度、腐ったような水の匂いが濃くなって、れいむの喉にまとわりつく。 ぶわあんと、反響するカトンボの羽音がひどく耳障り。 水際に近寄るほど濃厚に漂いはじめる死の気配。 「……い」 れいむの耳がまりさの呟きを拾う。 また「ごめんなさい」だろうか。 朦朧とした口ぶりで繰り返すその言葉に、れいむに湧き上がるのは逆に罪悪感。 「もういいから、謝らないでね!」 精一杯の優しさをこめて呼びかける。 だが、反応は予想外のものだった。 「違うのおお」 それは、半泣きのまりさのうめき。 「かゆいの、かゆいの、すっごくかゆいの……」 しみこんだ水分を枯れ果てるまで流すかのように、だらだらとこぼれ落ちる涙。 余程の痒み襲われているのか、ぶるぶると痙攣のように震えだした。 「傷が、顎のあたりが痒いいい! ジクジク、かゆいいいいい!!!」 みっともなく、幼子のように泣き叫ぶまりさ。 恐らく、患部は最初に井戸を落下したときにおった顎付近の傷。 れいむからはまりさの顔越しの位置になって、傷の様子はわからない。闇の中、懸命に舌を伸ばしている様子のまりさも、患部にまで舌がのびずもどかしい模様。よほど痒いのだろう、なおも舌を伸ばして時折えづく。 「き、きっと傷がカサブタになろうとしているんだよ。痒いけど、我慢だよ!」 少しでも前向きな言葉を口にして、まりさの気を紛らわそうとする。 けれども、まりさを襲う痒みは尋常ではないようだ。 「痒いよう、痒いよう……」 繰り返すまりさの嗚咽を聞きながら、三日目の夜はふけていく。 眠って底に滑落しないよう、唇をぎゅっとかみ締めるだけの夜は、ひたすらに長い。 中編
https://w.atwiki.jp/futabayukkuriss/pages/2402.html
ゆっくりシャンティー 25KB 虐待-普通 調理 現代 大食いアイドルによる、食用ゆっくりエッセイ いつの頃からか憶えてないけど、あたしのモットーは『人生は一度しかないから、色 んな事をやってみる』だった。いやまぁ、犯罪とか人に迷惑を掛ける事は駄目だろうけ ど。人として。 思えばあたし、色んな事をやったよ。自衛隊にも入ったし、セミプロのコスプレイヤ ーもやった。そして今は……。 『大食いアイドル』って何よ? 本人が『何よ?』って言うのも変だけど、自分で付 けた肩書きじゃないしなぁ。大体、アイドルって言える歳かなぁ? コスプレだって去 年で引退したっていうのに……。 まぁ、大食いタレントってヤツなのよ。そのジャンル自体も微妙だけど。顔の方も、 コスプレイヤーやってたぐらいだから、多少の自信はある。あー、いやいや、自慢じゃ ないから。飽くまで、他の大食い連中と比べて、って話ね。まぁなんとか、テレビに映 ってても大丈夫だよね、ってコト。 そんなワケで、テレビとか雑誌とかで『大食いアイドル』なんて肩書きを付けられち ゃたの。いや、本物のアイドルには悪いと思ってるわよ。あの娘達にしたら、あたしな んてオバサンだろうし。 さて、今日は胃袋を広げに来たんだ。ん? 意味分からないって? えーと……。 一口に大食いタレントって言っても、色んなタイプがいる。人によっては、胃や腸の 柔軟性が高くて、物凄く沢山の食べ物が入るって人もいる。でも、あたしはそういうタ イプじゃない。普段の胃のサイズは、それほど大きくもない。だから、イベントとか試 合の前には暫くの期間、多目に食べるようにして、徐々に胃のサイズを大きくしなきゃ ならないんだ。 普段から大きくしておけばいいと思う人もいるかも知れないけど、そうもいかない。 沢山食べたいのは山々だけど、そんな事をしてたら、あっという間に財布が悲鳴を上げ る。大食いタレントのギャラなんて、たかが知れてるのよ。彼氏に奢ってもらうにして も、破局の原因になる(あ、現在、彼氏募集中。週1ぐらいでデカ盛りを奢ってくれるよ うな人がベター)。 そんなワケで、シーズンオフ(?)は胃を小さく(と言っても、普通の人と比べて小さい かどうかは怪しい)しておいて、必要に応じて大きくしていく、って感じなの。 でね、このアーケード商店街の中の、とあるお店が今日のターゲット。そこで大食い しようって話。 この商店街の最寄り駅は、あたしの自宅の最寄り駅から2駅離れている。普通なら自転 車で来る距離なんだけど、あたしはよく歩いて通う。ま、都会の私鉄の2駅分なんて大し た距離じゃないんだけど、一応、大食いをする以上、カロリー消費の助けにね。あ、カ ロリー計算は数字のまやかしだって事は知ってるし、そもそも気休め程度の運動量だけ どね。 今日行くお店は、駅側からアーケードに入ってちょっと行った所にある、『ゆっくり の王様』ってトコ。店の名前で分かると思うけど、原材料に食用ゆっくりを使ったスイ ーツのお店。 ぶっちゃけ、このお店、有名な割にはそれほど美味しくはない。特段安くもない。内 装もそんなに綺麗じゃない(ソファーなんか、ボロボロに破けてるトコもある)。じゃぁ 何故?って思うわよね? 実は、所謂デカ盛りメニューが多いってトコがポイント。ス イーツ屋なのにね(笑)。ま、スイーツの大食いの練習とかにはもってこいってワケ。 とかなんとか言ってる間に、お店の前に着いた。よく見る光景だけど、店頭には一押 し商品の宣伝ポスターなんかが貼られている。今貼られてるのは『モンふらん』……。 うーん。この商品にはイヤな思い出が……。 これは名前の通りの商品で、アイス化してある子ふらんや赤ふらんが、山のように積 まれてる物。 アイス化って言うと聞こえはいいけど、要は凍死体みたいなもの。いや、それは流石 に聞こえが悪いか(笑)。でもそもそも、人間が食べてるものの殆どは、形態はどうあ れ、動物か植物の死体だし。 死体を食物にする事とそれに対する罪の意識っていうのは、古今東西に有って、それ らは形の変遷は色々と有れど、特に宗教観に大きく反映されてたりする。イスラム教の ハラームなんて有名よね。あれは『穢れているから』と理由を付けてはいるけど、そも そもの起源は、死体を食べることに対する罪の意識とか、寄生虫の危険性の問題から来 ているのよね。 え? なんでそんな事知ってるかって? そりゃまぁ、一応こういう仕事してるんだ からさ、食べ物についてぐらいはある程度の知識が無いとマズいでしょ。 まぁ、それ以前に、食べるだけじゃなくて料理とかも好きだし、大学では『食物文化 論』とか『食物論』とかの単位も取ったし。『チョコレートとマヨネーズの相似と相違 は……』とか『エマルションとサスペンションが……』云々とか。ま、そんな感じの事 をやってたワケよ。 あぁ、話が脱線しちゃった。『モンふらん』の話ね。 これさ、見た目はカラフルで綺麗だし、少しだけならそこそこ美味しいの。ただ、殆 ど全部がふらんで出来てるワケじゃない? いくら食べても餡子味だから、あの量は流 石に飽きるのよ。いや、あたしがそもそも餡子がそれほど得意じゃないってのは有るか も知れないけどね。 前に注文した時は、もったいないから全部食べたけど、流石にキツかったなぁ……。 そもそもあたしは、大食い自体が目的じゃないんだ。美味しいから沢山食べる。その 結果として大食いになる。……ってだけ。だから、いくらデカ盛りでも、飽きるほど単 調な味だったりするとキツい。 あたしも仕事で大食いやる以上は、なんとか克服したいとは思ってはいるんだけど、 こればかりはねぇ……。 ん? さっきこの店の事を『それほど美味しくはない』って言ったじゃないかって? いや、美味しいには美味しいんだけど、お洒落な美食雑誌とかで特集されるレベルまで じゃない……って意味よ。その辺りは察してよ(笑)。 店に入ると、店員が迎えてくれる。流石に店員とはもう顔見知りだ。会釈を交わして から奥に案内され、ソファーに座った。 店は、今では多くなくなった、イートインが出来るケーキショップみたいな感じ。入 り口付近にはテイクアウト用のケーキショウケース。そこから進むと厨房とカウンタ ー。一番奥に客席がある。 なんか、一昔前の駄菓子屋兼お好み焼き屋とかみたいで、結構こういう店は好きだ。 席について間も無く、店員が水とメニューを持ってくる。まぁ、注文する物はもう決 まっているのだけど、一応、メニューを開いて指差しながら言う。 「『ロッキーマゆンテン』を一つ」 「かしこまりました」 店員がうやうやしく頭を垂れてから下がる。 この店はゆっくりスイーツの店だが、メインはケーキだけではなく、他にサンデーや パフェがある。さっき出てきた『モンふらん』はケーキ系だけど、今、あたしが注文し た『ロッキーマゆンテン』はパフェ系。他のデカ盛りメニューもパフェ系が多い。 この店で使われている食用ゆっくりは、成体ゆっくり、子ゆっくり、赤ゆっくり共、 全てが養殖物だ。盛り付けの問題で、サンデーやパフェには子ゆっくりや赤ゆっくりが 使われることが多いそうだ。そりゃそうだ。あの成体の大きさの物が皿の上に載ってい たりするのは、いくらデカ盛りでも邪魔だろう。一方、成体ゆっくりの方はそのまま使 われる事は少なく、加工されて素材やソースとして使われる事が多いとか。 この店はチェーン店なのだが、以前、このチェーンの食用ゆっくりは『野良ゆっくり を捕まえて使っている』という噂が流れた事がある。 結論から言うと、これは嘘だ。そもそも、これだけ養殖の食用ゆっくりが安定供給で きる今現在、野良ゆっくりを捕まえて食用にするコストと手間を考えれば、分かりそう なもんだけど……。 この噂の発端というのは、チェーンのとある店での出来事。この店は大きな駅の地下 街にあったんだけど、そこから地上に伸びる通気ダクトの排気口にはめてあった金網が 何故か外れていて(野良ゆっくりが壊したのかも知れないけど)、そこから店内へと野良 ゆっくりが転げ落ちてきて、店内を叫びながら走り回ったという事件があったのだ。た またまそれを見ていたお客さんが、『野良ゆっくりを使っている』という噂を立ててし まったというワケらしい。 実はこれ、実際にその店でバイトしてた友達から聞いた話。 とかなんとか言ってる間に、 「お待たせしました。『ロッキーマゆンテン』です」 注文したのが出来てきた。 これは何回見てもすごい絵面だ。アイス化されたれいむ、まりさ、ありす、ぱちゅり ー、ちぇん、みょんの6種類の子ゆっくりや赤ゆっくりをそれぞれ数匹使って、山のよう に盛り付けられている。頂上の赤ありすの口に刺してある花火がパチパチいっているの は若干悪趣味って感じはするけど、まぁ、しょうがない。 「いただきます!」 あたしは手を合わせて言った。コレに限らず、食事の時は必ず『いただきます』を言 うようにしている。声を出しちゃマズいような時でも、心の中では言うようにしてい る。 最近、『いただきます』を言わない人が多いような気がする。そりゃまー、個人の主 義の問題だから他人の事に口出す権利は無いけど、『いただきます』の言葉の意味ぐら いは知っていて欲しい。 『いただきます』って言葉は本来、『自分の命を繋ぐため、あなたの命をいただきま す。あなたの命をいただく事に感謝し、その命を無駄にしません』という、食材となっ た物への感謝の言葉だ。まぁ、今の日本じゃ、命を繋ぐっていう切迫した状況のために 食事をする事はまず無いけど、それでも食材への感謝は必要だと思う。 美味しいから沢山食べるって言ったけど、それも食材への感謝に関係が有る。どうや って食べようと、あるいは、食べないで捨てようと、食材の命を奪っている事に変わり は無い。それだったら、美味しく戴く方が食材への供養になるんじゃないかって思って てね。うん、自己満足だなんてことは分かってる。でも、そうでも思わないと、自分が 他の命を奪って生きている事自体を深く考え出して、切なくなる。 美味しく食べるために、それ以外にも気を使っている事はある。例えば、化粧。あた しは普段からあんまり化粧はしない方だけど、食べ物屋に入る時は特に、スッピンか無 臭の薄化粧で行く事にしてる。 たまーにゴテゴテの化粧してて、クッサくてしょーがない女とかいるのよね。食事っ て五感で楽しむものだから、それを化粧品の匂いで邪魔されるのがイヤ。自分も他の人 の邪魔をしたくないから、化粧には気を使ってる。 普段からそう言ってたお陰で、最近はテレビとか雑誌とかの仕事でも、メイクさんが 気を使ってメイクしてくれる。感謝、感謝! そう言えば、世界には食べ物が充分に無くて飢えている人が沢山いるのに、大食いな んて真似をして恥ずかしくないのか!って、テレビとか雑誌とかの大食いイベントに対 する感想としていただくことが有る。あたしに対する名指しの批判も有る。 確かに、命を繋ぐ量以上の大食いなんて『必要』は無い。それは確かにそうだ。でも 残念ながら、あたしが食べなかったからっていっても、その分が飢餓地帯に回されるっ て事は絶対に無い。世の中はそんなに単純じゃあない。あたしが飢えている人を助けよ うと思っても、それが直接出来るワケでもない。 だったらあたしは、あたしの社会的な役割を果たす事がベストなんじゃないかな、と 思ってる。あたしが大食いイベントに出て、それを見た人が喜んでくれるなら、それで いいんだと思う。それは、いくばくかの経済効果になるだろうし、そういった事が巡り 巡って飢えている人を救う事になるかも知れないから。全く遠い道のりの話だけど、い つの日か、そうなればいいなと思ってる。ただ、食べ物に関する感謝は、飢えている人 達に負けないぐらいしないといけないとは思う。 勿論、違う意見の人達は、あたしの言い分なんか受け入れられないだろうけど、それ は仕方ないし、あたしも分かってる。ただ、あたしがどういう考えを持って大食いと向 き合っているか、それだけは知っていて貰えると嬉しい。 あー、なんか説教臭くなっちゃったわね。あたし自身、説教臭いのは嫌いだから、さ っきの話はスルーしてもらってもオーケー。人によっては、ああいう話ってイラっとす るだろうしね。あたしの悪い癖なんだ。ゴメンね。以下同文。 さて、まずは一口。……ん、美味い。いや、普段言葉に出す時は『美味しい』って言 うけどね(笑)。甘いには甘いんだけど、色んな種類のゆっくりが使われてて中身毎に味 が違うから、味の単調な『モンふらん』に比べると、飽きにくくて量を食べ易い。 同じデカ盛りパフェやサンデーが売りの店の中でも、材料費をケチっているような店 だと、単価の安いれいむやまりさが多く使われている事が多い。そういったヤツは結 局、餡子味しかしないんで、飽きてしまう。変なトコをケチっちゃ駄目っていう良い見 本ね。 パクパクと快調に食べていく。ギャラリーが居ればビックリまなこで眺められる事も 多いけど、今日は今んとこ他に客は居ないし、店員はもう見慣れたもんだ。 『大食いアイドル』のあたしに対する感想は、批難や否定的意見ばかりでもない。具 体的意見は、否定的、肯定的のどちらもありがたいし、応援メッセージを貰うと励みに もなる。 好意的メッセージの中でも多いのは、『食べ方が綺麗ですね』というものだ。これは あたしが意識してやっていることではないけど、言われて嬉しい事には間違いない。多 分、子供の頃の親の躾のお陰だろう。それに関しては、親に感謝してる。 同じ大食いタレントの中でも、食べ方が汚い人もいる。勿論、『大食いタレント』の 第一義は『沢山食べる事』だから、一概に否定はしないし、他人の主義だから、あたし が意見するような問題でもない。 ただ、あたしの主義として、沢山食べるためとか早く食べるために、食べ方の美しさ を犠牲にするつもりはない。それは、あたしなりの美学ってヤツだ。 以前聞いた事がある言葉に、ある論客が言っていた『スポーツというのは美しくなけ ればならぬ。筋肉の塊のようなのが走っているのは言語道断』というものが有る。それ はまた極端な意見だとは思うけど、言いたい事は分かる気がする。目的のためにそれ以 外を切り捨てるのもいいけど、人に見られる事である以上は、醜いよりは美しい方がい いと思うし、そうありたいと思ってる。 実際のところそのお陰で、大食いだけじゃなくて、B級グルメリポートみたいな仕事 も入ってくるようになったから、実益もあるんだけどね。エヘヘ。 ……と、店に他の客が入ってきた。親子連れ、というか母と娘だ。お父さんが会社に 行っている間の久しぶりにお出掛けって風情なのか、娘の方はエラくはしゃいでいる。 近くの席に座ったその親子は、暫くの間、楽しそうにメニューを眺めていた。する と、特に気にしていたワケではないんだけど、あたしの耳にその注文が聞こえた。 「『ゆっくりシャンティー』一つ」 口には出さなかったが、あたしは内心『えっ?』と思った。 『ゆっくりシャンティー』と言えば、この店では『ロッキーマゆンテン』と並び称さ れるデカ盛りメニュー二枚看板の一つだ。その手のマニアからは、『ゆっくりの要塞』 という、ワケの分からない二つ名まで付けられている。 いくら二人とはいえ、母親と娘でそれを食べ切るのは無謀なんじゃないかなー?と、 あたしは思った。 注文品が来るまでの間も、その子のワクワクは止まらないようで、はしゃぎ続けてい た。それはまぁいいし、分かるんだけど……。その内、ソファーに上がって跳ねなが ら、叫び声を上げるようになった。 ここまでくると迷惑だ。が、その親は一向に注意しようとしない。最近、こういう親 が多いんだよなぁ……。たとえ注意したとしても、『ほら、おねえちゃんに怒られちゃ うわよー』とか言ってる事が多い。そーじゃないだろ。他人のせいじゃなくて、自分の 責任を認識させるように注意しろよ!とか思うわけで。 昔はあたしも、見ず知らずの相手に対してマメに注意してたりもした。たまーに徹底 抗戦してくる相手も居るけど、殆どは注意を低姿勢にしさえすれば分かってくれる。 ま、その後に同じ事を繰り返してないとは言えないけどね。 ただ、今のあたしはタレントの端くれだ。大してではないが、それでも顔は知られて いる可能性がある。注意したがために、逆捩じを食らわせられないとも限らない。まし てや、あの親の態度を見るに、その危険性は高い。 他に客が居ないせいもあって、イライラしながらも我慢していたあたしだったが、つ いに耐え切れなくなって注意しようとした時だった。 「お客様、危険ですし、他のお客様のご迷惑となりますので……」 店員が気を利かせてくれたのか、先に注意をしてくれた。 「……ごめんなさい」 幸いな事に、その子は素直におとなしくなった。あぁ、良かった。 でも、親の方はというと、一言も発せず、それどころか店員を睨みつけている。あー もう、こいつは完全に『でいぶ』だ……。 店員はその親の視線を完全に無視しつつお辞儀をすると、下がり際にあたしの方を向 いて目くばせをした。あたしも苦笑しながら会釈を返した。お行儀悪く、フォークをく わえたままだったけど。 さて、人間の言葉を喋るという事を除けば、ゆっくりを食用とする事に対する違和感 の大きな原因の一つは、その生物としての地位にある。 生物学的に同じ生物が、同じ場所において、愛玩用、食用、害獣、益獣の全てに該当 する可能性が有るというのは、かなり珍しいそうだ。ゆっくりは、その珍しい例の一つ なのらしい。つまり、ある人にとっては可愛がるべき存在が、他の人にとっては食べる 物であったり、叩き潰すべきものであったりするというワケ。 ま、急激にその存在が拡大したゆっくりという生物に対して、法律をはじめとした社 会的な共通認識が確立されていないという点が問題なのかも知れないわね。 「ゆ?」 ん? どうやら、『ゆっくりシャンティー』が出来たのかな? 「ゆゆっ?」 『ゆっくりシャンティー』が『ロッキーマゆンテン』とかと大きく違うのは、それに 使われているゆっくりが、まだ生きているって事。ま、勿論、歩き回ったり、跳ね回っ たりは出来ないように処理はされてるけどね。もしそうじゃなかったら、店内が大変な 騒ぎになるわよね……。 「ゆ? ここはどこ? ゆゆっ? なんであんよしゃんうごかにゃいのお?!」 冷凍睡眠状態から戻って徐々に正気を取り戻すにつれ、皿の上に盛られた子ゆっくり や赤ゆっくりが騒ぎ出す。 「お待たせしました。『ゆっくりシャンティー』です」 店員が親子の席にそれを置く。 「ゆっ? ゆっ? にんげんさん、ゆっくりしてね! ゆっくりしてね!」 フォークとスプーンを構える女の子を見上げて、ゆっくり達は身の危険を感じたの か、必死になって人間をなだめようとする。ただ勿論、女の子はそんなものにかまうは ずも無く。 「ゆっくりしちぇにぇっ!! ゆぎッ!? いちゃいぃ~っ!! ゆぶッ……」 フォークが刺されて固定された一番手前の赤まりさは、スプーンで切り裂かれて絶命 した。 生きたままのゆっくりを食べるというのも、人によっては抵抗がある事だ。ただ、あ たし個人としては、魚の活け造りとか踊り食いなんかに比べれば全然マシ。それだけゆ っくりの事を『食物』として見ているのかも知れない。 そもそも、魚の活け造りなんていう物が出てくるようなお上品な店に、あたしが自分 から行く事はない。でも、まだあたしがコスプレやってた頃に、とあるプロダクション のお偉いさんが連れてってくれた店で、一度だけ出てきたコトがあった。その時、盛ら れてた魚が突然暴れだしたの。単なる脊髄反射で動いたのかも知れないなんて事は分か ってるけど、真っ当な女の子(!)が見て、喜ぶようなものでもない。驚いたあまりに飛 び退いて涙を流してるあたしを見て、そのお偉いさんは笑ってたな。あの時、『あぁ、 もうこのプロダクションとは関わるまい』と思ったもんだ。 魚の活け造りっていうのは、元々は鮮度というか味を落とさないための調理法だ。そ れなのに、『魚には痛覚は無い』とかいう偽善的理由を後付けしたもんで、調理法自体 のイメージが悪くなっちゃったっていう経緯は有る。 魚にも痛覚が有るっていうのは、何年か前の学術研究報告で見たような気がする。そ もそも、脊髄の有る生物に痛覚が無いと思われてた方が、おかしいと言えばおかしいん だけど。人間で言うところの『感情を興奮させる』痛覚と同じものかどうかは微妙だけ ど、身体の物理的危険を感じるレセプタが発見されたって事は、やっぱり同じようなも のなんだろうね。 そういえば、食用の養殖ゆっくりというのは、出荷前に恐怖や苦痛を与えられるらし い。ゆっくりというのは、ストレスを与えられると甘みや旨みが増すからだそうだ。 これが残酷だと言う人も世の中には居る。その意見はもっともな面もあるけど、食用 生物のこういった処理は、ゆっくりに限った話でもない。 例えばアサリ。アサリを料理する前は、砂を吐かせた後に水から上げておく。こうし ておくとアサリは、エラ呼吸が出来なくなって酸欠状態になる。するとアサリは、体内 に蓄積してあるグリコーゲンを使って生き延びようとし、その時に貝類の旨み成分であ るコハク酸が増えるそうだ。つまり、酸欠にして旨み成分を増すという話。酸欠状態が アサリの苦痛に当たるかどうかは微妙なトコだけど、少なくともアサリにとっては好ま しい環境じゃないわけで、ストレスを掛けて味を向上させるという点では一緒だと思 う。 味以外の面でも、食用生物にストレスを掛ける処理方法は有る。最近多くなってきた 背綿無しのエビ。アレなんかは、背綿(要するに、消化管の中の消化途中の餌と、それと 一緒に飲み込んだ砂)を無くすために、出荷の何日か前から餌を与えなかったりする。こ れなんかは手段と結果の違いは有るけど、エビにストレスを与えてるって点においては 一緒よね。 そもそも人間は、美味しい物を食べるためだったら、いくらでも(あたし個人として は、この言葉が正しいとは思わないけど)『虐待』をしてきた。ガチョウに強制給餌して 脂肪肝を作らせたりとかは、問題として取り上げられる事も有るけど、そんなに極端な 例じゃなくても、考えようによってはいくらでもある。レイヤーやブロイラーを狭い所 に押し込めて飼っているのも似たようなもんだし、さらには、養殖全てが……ってな話 になりかねない。 ま、人間が捕食種である以上、その捕食種と被捕食種の関係が変わらない以上は変わ らないんだろうけどね。いや、変わったらそれはそれで困るけど……。 もっと根本的な話だと、食肉のための屠殺にだって色々と議論は有る。最近、盛んに 言われているのは、『不要な苦痛を与えない人道的な屠殺方法』とかの話。 正直、死んだ人に話なんか聞いた事ないから(当たり前)、何が人道的かなんて分から ないし、死んだら意識自体が存在しなくなるはずだから、その前の苦痛っていうのがど んな意味を持っているのかも分からない。それが分かるというのなら、(多くの場合は 『希望的な』)推測に過ぎない。屠殺銃にせよ、屠殺槌にせよ、電気にせよ、ガスにせ よ、殺す事には変わりない。 それに『人道的』な話をするなら、苦痛だけが問題ってワケでもない。食用に養殖さ れている多くの動物は、充分に育つまでは大事に大事に育てられる。ところがある日、 食品として加工されるため、それまで思ってみたこともない『屠殺』をされるワケだ。 これは人間の感覚だと、『騙された』とか『裏切られた』だよね。 競走馬の屠殺についても聞いたことがある。競走馬というものは、大金を稼ぐ『ダイ ヤモンドの原石』として、それはそれは大事に育てられる。ただ、そういった馬の多く は、レースで十分に稼ぐ事が出来ないままに歳を取り、種馬になる事も出来ず、コスト ばかり掛かるのを嫌がった馬主(こうした馬主の多くにとっては、競走馬は投資対象にし か過ぎない)は屠殺する事を選択する。 それまで大事に育てられてきた競走馬は、全く何も疑う事もなく屠殺場に連れられて くる。屠殺銃が眉間を打ち抜くその瞬間まで。 そうして屠殺された競走馬は、二束三文で食用の馬肉となる。元々食用として育てら れたわけじゃないこの肉は、硬くて美味しくない。食べる方にもあまり喜ばれない。 『他者に支配された生死』の価値を云々するのも馬鹿らしいけど、何て言うか……、 『殺され甲斐が無い』って感じよね。 じゃ、動物じゃなくて植物ならばいいのかっていうと、それも違うと思う。植物だっ て同じ生物だから、その『存在を停止する』、つまり、生命活動を停止する事は、動物 にとっての死と同じ意味のはず。少なくとも、科学が発達した現代では、そういう意味 だろうと思う。健康のために、とか言うのならともかく、屠殺がイヤだから、とか言っ て肉や魚を食べないベジタリアンは、はっきり言って馬鹿か偽善者だと思ってる。あ、 今のはオフレコで。あの手の過激派って怖いのよ……。 これ以上の話は哲学的な問題になっちゃうから、あたしには難しくって良く分かんな いわ。……って、表向きはそういう事にしてある。本当は興味が無いっていうだけだけ どね(笑)。 端的に言うと、『人道的屠殺』っていうのは、屠殺対象に暴れられると危険だからと か、屠殺する側やそれを食べる側の気休めって意味が一番大きい。ま、そう言ってくれ るなら、それが一番すっきりする。誰だって、食事の度に罪の意識にさいなまれたりし たくないだろうからね。食べられる対象の気持ちを考えられるっていうのは、ある意味 人間の特権だろうし。 そういえば昔、『サタデーナイトライブ』のあるコーナーで、『君が殺して、君が切 る! 好みの厚さに切り放題!』とかいう、ステーキハウスのパロディCMをやってたの を見た事がある。当時は『悪趣味だなぁ』ぐらいにしか思ってなかったけど、今考えて みると、物凄く社会派なメッセージが入ってたんだなーとか思う。成長って大事よね。 「ごぷっ! えれえれえれ……」 「えれえれえれ……」 『ゆっくりシャンティー』には、その名前通り、ぱちゅりーが沢山使われている。ぱ ちゅりー種は良く知られている通り、ゆっくりの中では身体的にも精神的にも脆弱だ。 だから、皿の中の他のゆっくりが切られたり食べられたりするだけで嘔吐する事があ る。場合によっては嘔吐だけで死んでしまう。ま、嘔吐っていっても中身は生クリーム だから、食べる方にしてみたら問題無いんだけど。 『ゆっくりシャンティー』のマニアは、まず、ぱちゅりー以外をわざとその目に付く ように食べ、それを見たぱちゅりーがショックで嘔吐する(『チェーンリアクション』と 呼ぶらしい)のを見て楽しむそうだ。なるべく一度に多くのぱちゅりーに嘔吐させず、あ るぱちゅりーが嘔吐したのを見て他のぱちゅりーが嘔吐して……、というように連鎖(汚 い言い方をすれば『貰いゲロ』)する数を競う楽しみ方もあるとか。マニアってのは業が 深いわねぇ。 「れいみゅは、つよいん……、ゆがッ!」 「えれえれえれ……」 「おぼうしさんかえしてね! まりさのすてきな、おぼッ……!」 「えれえれえれえれ……」 「こ、こんなのとかいはじゃ……。もっとゆっ……」 「えれえれえれえれえれ……」 幼いゆえの無垢さによる残酷さか、女の子は嬉々として『ゆっくりシャンティー』を 食べ……、というより潰し続ける。 断末魔を叫ぶゆっくり。断末魔さえ叫べないゆっくり。それを見て吐くゆっくり。皿 の上のゆっくり達にしてみれば、まさに地獄絵図&阿鼻叫喚。 「ありしゅは、こんないなかもッ……!」 「きゃわいいれいみゅを、いじめなッ……?!」 「ちゅぶれりゅぅ! ちゅぶッ……!」 「ゆっくり……、もっちょゆっぐうぅッ……」 「うしょだあぁ~! まりしゃの、かれいなゆんしぇいがはッ……!」 「いちゃいぃ~! これぬいッ……!」 「……」 親子が交互にフォークとスプーンを持っていたが、ゆっくり達の声がしなくなるまで にはそれほど長い時間は掛からなかった。それから程なく親子は席を立ち、会計を済ま せて店を出た。 ふと、その『ゆっくりシャンティー』の皿を覗くと、どうやら半分も食べてなかった みたい。ゆっくりの死屍累々って状態。 なんかイラっとする。あたしはゆっくり愛で派じゃないので、可哀想って感じじゃな いんだけど、それでも、もったいないとは思う。 ただ、もしもお父さんも一緒に来てたら、『もったいないから』ってんで、お父さん が残り全部を食べる羽目になるんだろうなー。そういうのが、子持ちのお父さんが太る 一因だって聞いた事がある。それはそれで可哀想だ。 で、あたしの方はなんとか完食。いやいや、そんなに飽きはこなかったけど、やっぱ り楽に食べ切れる量でもない。それに何と言っても、コレだけの量のアイスだ。体が冷 える。 昔、医者には胃下垂気味だって言われたことはある。そのお陰か太りにくい体質では あるけど、やっぱりこれだけ食べてると太るのは心配。心配なら『大食いアイドル』な んかヤメロっつー話もあるけど。まぁ、体型が維持出来なくなったら、やめる事も考え ようかな。 「ごちそうさま」 レジでは店員が、申し訳なさそうな顔をしていた。 「すみませんねぇ、色々と……」 それがさっきの親子連れの客の事を意味している事は、すぐに分かった。 「大変よね。仕事とはいえ」 あたしが眉をひそめながら言うと、店員は苦笑しながら答えた。 「まぁ、そうなんですけどね……。あぁ、お代はいいですよ。さっきの事も有るし、い つも贔屓にしてもらってるし……」 それはマズい。あたしが大食いするのも仕事だけど、店が食べ物を出すのも仕事だ。 ちゃんとした仕事にはちゃんとした見返りが有るべき。それがあたしの主義でもある。 お金を払った方が、内需拡大にもなるしね(笑)。お金が回らないと、景気も良くならな い。 「駄~目。お仕事なんだから、代金は取らないと」 あたしがそう言いながら突き出した代金を、店員は必要以上にかしこまりながら受け 取った。 「おねえさん! かわいいれいむに、あまあまちょうだいね! たくさんでいいよ!」 店から出た直後のあたしの足元に、どこに隠れていたのか、野良ゆっくりらしき薄汚 れた成体れいむが寄ってきた。 「あー、悪いけど、あんたにやれるようなもんは持ってないわよ」 実際、ゆっくりにやれる餌なんか持ってなかったんだけど、それを聞いたれいむの反 応は予想通りって言うか……。 「つべこべいってないで、さっさとあまあまよこせ! このくそばばあ!」 態度の悪い野良ゆっくりには良くあるタイプの反応だ。自分の要求が通らないと、す ぐに悪態をつき始める。少しは我慢できる生き物なら、人間の反応も違うだろうに。 あたしはため息をつきながら、そのれいむに言った。 「あのさぁ……、あんたみたいなのがこんな所にいたら……」 「ゆ?」 「店が野良ゆっくり使ってると思われそうで迷惑だろッ!」 「ゆべッ!?」 会心のインステップキックを喰らったれいむは、見事に舞い上がり、狙いたがわずア ーケードの隙間から消えていった。漫画やアニメでよく見る、『お空にキラーン』って ヤツだ。 それにしてもいいキックだったなぁ。あたし、高校の時はソフトボール部だったんだ よなー。女子校だったから、後輩にはモテたけど……。サッカー部に入ってれば、全国 行けたかなー。 そんなことを思いながら、あたしは家路についた。 トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る お話ししたいなぁ -- 2014-08-10 16 13 12 社会の事を良くわかってらっしゃる。 てか、あの親子を虐・・たいと思ったが、問題はない。ゆっくりと同じだからwww -- 2012-08-03 23 29 07 昨日は店頭で山のようにケーキを積み上げて売ってたねw -- 2011-12-25 13 51 39 話の元ネタとなった店の近くにオレの勤務先があるわw あそこのパフェはまさにドカ盛りだよね。 -- 2011-12-24 01 11 37 読みがいはあったけど、文章はちょっと冗長気味に感じたかな。タイトルが「お姉さんの一人語り」的なものだったら、もっとしっくり読めたかも。 -- 2011-10-30 16 13 57 ゲスというより、現実社会によくいるタイプ。 -- 2011-10-27 23 28 50 親子うぜえええ、将来有望な虐待師じゃなくただのゲスだな -- 2011-10-20 12 00 42 話が長い -- 2011-09-10 06 40 48 考えさせられるSSだった。例えば… オレが熊とかライオンに喰われるって状況なったら、生きたまま体の末端部から喰われるんじゃなくて、 一撃で首の骨を折って即死させるとかしてから喰って欲しいって思うもん。 他の動物やゆっくりも、喰われる・殺されるってなったら苦痛の少ない方法で、殺って欲しいって思うんじゃないかな? -- 2010-07-15 23 45 51 この女自己主張強いなwww -- 2010-06-04 22 23 24
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/2304.html
前 次の日、俺は親ゆっくり達のお互いを罵る罵声と、それを止めようとしている姉妹たちの叫び声で目が覚めた。 「なんでまりさがゆっくりねてるの!?れいむとあかちゃんのためにゆっくりしないでみはってくれないなんてひどいよ!!!!!」 「うるさいんだぜ!!まりさはいっしょうけんめいみはってたけどつかれちゃっただけだぜ!!」 話が見えてきたぞ、多分寝ずの番をすると言っていた親まりさがぐっすり眠っているのを朝起きた親れいむが見つけて喧嘩になったんだろう。 三日前まではあんなに仲が良かったのにね、それにしても俺も含めてお前等の子供はまだ赤ちゃんなんだから喧嘩なんて見せちゃダメだろ。 「「おかーしゃんたちゆっくちちてね!!」」 あー止めとけよ、親れいむも親まりさもイラついてるんだからそんなこと言うと。 「ぷんぷん!!!うるさいんだぜ!!!あかちゃんたちはしずかにしてるんだぜ!!!!」 「「ゆゆ!?ゆぅ~‥」」 「あかちゃんたちにどなったね!!!れいむおこったよ!!!!まりさはあかちゃんたちにゆっくりあやまってね!!!」 「みんなとってもうるさいんだぜ!!!!!まりさはおこったんだぜ!!!!」 あーあ、親同士の喧嘩に油注いじゃったよ。 親れいむも親まりさも、お互いのことを睨みあう。 俺の姉妹は可哀想に、眼に涙をためてぷるぷる震えてやがる。 十秒は経っただろうか、親まりさは巣の入口から外に出て行こうとする。 「まりさどこいくの?!れいむとあかちゃんたちにあやまってないよ!!!」 「…うるさいんだぜ!!‥しばらくそとのくうきをすってくるからそのあいだれいむたちははんせいしてるんだぜ!!」 そう言うと親まりさは外に出かけて行った。 「ゆぅえぇぇぇん!!!ゆぇぇぇん!!まりしゃおかーしゃんのばきゃ~!!!」 「ぷきゅぅぅ~!まりしゃおかーしゃんいじわるだよ!!」 「あかちゃんたちないたりおこったりしちゃゆっくりできないよ!!!まりさのことはいいからみんなでゆっくりしようね!!」 泣きだす姉れいむに膨れて怒る妹まりさ、意外な事に親れいむは地団駄を踏んだり、眼の前にいない親まりさの悪口を言うことなくゆっくりしようと言っている。 「まりさはしばらくしたらおいしいものをもってごめんなさいしにくるよ!!それまであかちゃんたちはれいむとゆっくりしようね!!」 だそうだ、親れいむが言うには親まりさは気性こそ荒く乱暴者で喧嘩は今までも沢山してきたが、 遅くとも喧嘩の次の日には、花や綺麗な小石や美味しい虫に木の実といったゆっくりできるものを持って帰ってくるそうだ、ちょっと意外だな。 その後、しばらく俺はお歌の練習という名の酷い虐待を姉妹たちと一緒に受けることになった。 「ゆぅ~♪ゆ!ゆぅぅ♪ゆぅ~ゆぅ~♪」 「「ゆぅ~♪ゆ!ゆぅぅ♪ゆぅ~ゆぅ~♪」」 「ゆーゆ!ゆゆーゆー!」 「まりしゃおねーちゃんちゃんとうたっちぇね!!じょーじゅじゃないよ!!」 「まりしゃとっちぇもへただよ!!ゆっくちまじめにうたっちぇね!!」 体はゆっくりになっても感性は人間のままだったようだ、ゆっくりの歌は生前と同じように聞いていても不快なだけだ。 それを歌えと言われてもうまく歌えるはずがない、俺のへたくそな歌に姉妹たちは耐えられなかったようださっきから俺に向かってうまく歌え、真面目に歌えと言ってくる。 「ゆ~…たしかにちょっとじょうずじゃないね!!でもまりさはれいむとまりさのあかちゃんだよ!!すぐにじょうずになるからゆっくりしてね!!すーりすーり♪」 「ゆ~まりしゃおね~しゃんだけじゅるいよ!!まりしゃもしゅーりしゅーり♪」 「れいむもしゅーりしゅり♪」 「ゆぅ~♪みんなあまえんぼうだね!!すーりすーり♪ゆっくりしてね!!」 俺は母れいむや姉妹に頬擦りされながら、この不快なスキンシップ合戦が早く終わってくれないかなと考えていた。 「とってもすっきりしたいわ!!ありすのあいがほしいゆっくりのおうちはここね!!!」 唐突に巣の入口からそんな声がした、振り向くとそこにはギラギラした血走った眼に、だらしなく開いた口から涎を垂らしているゆっくりありすが一匹いた、絶賛発情状態と言ったところか。 体は親まりさと同じくらいの大きさで親れいむより一回りほど大きい、幸いにも俺の姿は親れいむに隠れて見えていないようだ。 「ゆぅ?みたことにゃいゆっくちだね!!ゆっくちちていってね!!」 「おねーしゃんゆっくちちていってね!!」 「ゆぅ~♪とってもとかいはなあかちゃんにかわいいれいむね!!みんなありすがたっぷりすっきりさせてあげるわ!!」 親れいむの影から出てありすにニコニコ笑いながら挨拶をする馬鹿な姉や妹は放っておいて、俺はありすに見つからないように慎重に物陰に身を隠してこっそり様子をうかがう。 親れいむや姉妹のゆっくりがレイプされるのは面白そうだが、ありすにレイプされるのは御免だからね。 「ぷくくぅぅ!!あかちゃんたちおかーさんのうしろにゆっくりかくれてね!!!ゆっくりせずにいそいでね!!」 「ゆぅ?なんでおかーしゃん?」 「おかーしゃん!!ちゅっきりってなに?」 「いいからゆっくりせずにかくれてね!!ありすはゆっくりできないゆっくりなんだよ!!!」 「はぁはぁ…つんでれなのね!!!れいむかわいいわ!!!ありすとすっきりしましょうねぇぇぇぇ!!!!!」 親れいむはありすに対して体を膨らませながら威嚇するが、ありすはまるで動じていないむしろ興奮して親れいむに突撃していった。 親れいむは突撃してきたありすをゆっくりにしては軽やかともいえるステップでかわして、体当たりを仕掛ける。 「ゆぅぅぅ!!!!ゆっくりでてってね!!!!」 「びゅぅ‥つんでれはかわいいよぉぉぉ!!!!でもすなおなほうがかわいいよぉぉぉぉ!!!!!すっきりさせてすなおにしてあげるからねぇぇぇぇ!!!!!!!」 「やめてね!!れいむはありすとすっきりなんてしたくないよ!!!」 親れいむの渾身の体当たりはありすの情欲を燃え上がらせるだけだった、ゆっくり同士の喧嘩において体格や体重は、単純なテクニックやスピードよりも大きなウエイトを占める要素だ。 体格がありすより一回り小さく、素早く動けるが体重の軽い親れいむは喧嘩はからっきし苦手だった。 つまり親れいむに百戦錬磨のレイパーありすを倒すことなど不可能だった。 ありすは少し口から垂れたカスタードを舌で舐めとると、親れいむに圧し掛かって体を小刻みに振動させながら頬ずりをし始めた。 無論親愛の表しているわけでもなんでもない、親れいむをレイプしているのだ。 「ゆぁぁぁ!!!!!れいむのほっぺもっちもちのつるつるだよぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!」 「ゆ゛ぅぅぅぅ!!!!!!やめて!!!やめて!!!!!ぎもじわるいよ゛」 「おきゃーしゃんいやがっちぇるよ!!ゆっくちやめてね!!」 「ぷくぅぅ!!おきゃーしゃんをいじめるとれいみゅおこりゅよ!!」 体中から甘ったるい匂いのべとべとした液体をまき散らしながら、嫌がる親れいむに体をこすりつけて涎を垂らしながらぶるぶる震えている様は、こう背筋にゾクッと寒気が走る物がある。 人間だったころはありすのレイプをする姿を見て滑稽だと笑ってみていたが、ゆっくりになった身で改めて見ると恐怖と強い生理的な嫌悪感さえ感じる。 「ゆほほほほぉぉぉぉぉぉ!!!!!!れいむきもちいいよ!!!!んほぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!すっきりぃぃぃぃ!!!!!!!!!!!」 「やべでぇぇぇ!!!!!!でいむずっぎりじだくなぁいぃぃ!!!!!!んんんん!!!!!!!ずっぎっりぃぃぃ!!!!!!!!!」 ありすの一方的で激しい愛撫ならぬバイブは、れいむの体力をどんどん奪っていき強制的にすっきりさせ、頭に望まぬ子供を生やすことになった。 親れいむは疲れ切った体から、栄養を頭に生えたありすの子供達に吸収され見る間にやつれていく、ちょっとしたスペクタクルだ。 「ゆぅ…ゆぅぅ‥とってもくるしいよ…ゆぅぅ…まりさぁ…」 「ありすはまだまだすっきりしたりないわ!!!!そこのあかちゃんたちもありすのあいをわけてあげるわ!!!!!!!!」 「ゆぅぅ!!!!ゆっくちやめてね!!!」 「こっちにこないでね!!!!」 親れいむがありすにレイプされるのを震えながら固まって見ていた姉れいむに妹まりさは、自分達をありすが親れいむと同じ目にあわせようとしている事に気づいて必死に逃げようとした。 しかし素早く近づいたありすに圧し掛かられ、二匹仲良く動きを封じられる。 「んほぉぉぉ!!!!ろりっこかわいいよ!!!!!!ありすがはじめてになってあげるよぉぉぉぉぉ!!!!!!!」 「ゆぇえ…!!くるちいよっ!!ゆっくちどいてね!!!」 「びゅぶ!!!ゆぅ…うぅ~…」 成体のありすに圧し掛かられて、妹まりさも姉れいむも苦しそうだ、特に姉れいむはありすの圧力で口からぼたぼた餡子を吐き出している。 「ゆぅぅぅ!!!!それじゃあいくよぉぉぉ!!!!!!んほぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!」 「ぎもぢわりゅいぃぃ!!!!!!おがーしゃんだじゅげでぇっぇぇ!!!!!!」 「びゅえぇ!!ぇぇうぇええ!!!!」 「やめて…あかちゃん‥いじめ…ないでね…」 18禁レベルの顔で奇声を上げながらぶるぶる震えて粘液をまき散らすありす、粘液まみれになって泣きながらもがいている妹まりさに、体を圧迫されて液状になった餡子を吐きながら白眼を向いている姉れいむ。 そして眼の前でありすに犯し殺されそうになっている娘たちを泣きながら見つめている瀕死の親れいむ、苦しむゆっくりを見るのは最高だ俺はこの為に生きてるんだよ。 こいつ等を見ていると、俺の饅頭で出来た体が餡子の中心からほっこり暖かくなってきて、本当に安らかで穏やかな満ち足りた気分になる、あぁ~これがゆっくりするということなのか。 「んほぉぉぉ!!!!れいむもまりさもぎもぢいよぉぉ!!!!すっきりぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!!!!!!!」 「いやぁぁぁ!!!!ゆっくちできないぃぃ!!!!!ちゅっぎり!!!!!!」 「ぎゅえ!!!…えぇ!!…ぇぇ」 ありすは姉れいむと妹まりさですっきりすると二匹からどいた。 「ゆっくち…ちた‥かった‥よ…」 ありすの退いた後には真っ黒く干からびた姉れいむと、口とありすの圧力で底部が裂けて出来た傷口から餡子を流して絶命した妹まりさしか残っていなかった。 「ゆっくりきもちよかったわ!!ありすはせかいじゅうのゆっくりをすっきりさせてあげなきゃいけないからもういくね!!ありすのあかちゃんをゆっくりしたこにそだててあげてね!!」 ありすは満足そうな顔でそういうと巣の外に出て行った。 清々しいほどのヤリ捨てだな、まぁ頑張ってゆっくり達に可愛い赤ちゃんを授けまくってくれ、応援してるぜ。 「ゆぅぅ…あかちゃん…れいむのあかちゃん…」 親れいむは黒く干からびてしまった姉れいむと妹れいむの死骸の傍に、這って行こうとしてはいるようだが頭の茎に栄養を吸い取られているのでそれも叶わない。 茎に実った四匹の赤ちゃんゆっくりは全員ありすだが目を覚まして体を揺らし始めている、レイプ型出産のゆっくりありすは茎に実った赤ちゃんの成長が早い、そろそろ生まれてくるのだろう。 さてこの親れいむは絶望しきって泣いているが、俺が実の娘がまだ生きていることを知ったらどんなに喜ぶだろうか?やっぱり俺を産んでくれた大事な母親だ、親孝行してやろう。 俺は物陰から飛び出て親れいむに駆け寄ってやる。 「お母さん大丈夫?」 「ゆぅ!?まりさ!!まりさいきてたんだね!!!ゆぅぅ…しんでいったあかちゃんと‥おかあさんのぶんまでゆっくりしてね!!!!!」 親れいむは大粒の涙を流しながら体を震わせている、よほど死ぬ前に俺の生存が確認できたことがうれしかったようだ。 さて感激と安堵の涙を流している親れいむの頭の上の種違いの我が姉妹、ありす達は親れいむの感激の涙とともに茎から落ちた。 「ゆぅぅぅ!ゆっくちちていってね!!」 「ときゃいはなありしゅだよ!おかーしゃんゆっくちちてね!!」 「おねーしゃんゆっくちちてね!!」 「おかーしゃんゆっくちちてるね!!」 地面に落ちるなり俺と母親に挨拶をする妹ありす達、なかなか元気で礼儀の良い子たちじゃないか。 しかし、そんな素直な姉妹達を親れいむは嫌悪と侮蔑に満ちた目で睨みつけていたが、憔悴しきって死相の浮かんだ顔にふと暗い笑みを浮かべて俺を見るとこんなことを言ってきた。 「ゆぅ‥れいむ…ありすはみんな…ゆっくりできないこだよ…だからありすをつぶして…おかあさんに…む~しゃむしゃさせてね」 なるほどありすに奪われた体力はありすで回復しようということか、優しくて純情な赤ちゃんまりさにそんなことを頼むなんて悪い親だな、 第一それだけ衰弱してちゃ赤ありすの四匹食ったとしても、助かる可能性は二~三割だ、それなら普通は子供を助けるよな。 「ゆぅ?む~ちゃむちゃってなに?」 「ぷきゅぅ~!ありちゅはゆっくちしたこだよ!!」 「おかーしゃんおにゃかへったよ!!」 「ここはときゃいはなおうちね!!ゆっくちちゅるよ!!」 「まりさ…ゆっくりしないで…ゆぅぅ…はやくありすたちをつぶしてね」 母れいむは心底この可愛い四姉妹を嫌っているようだ、頭に生えた茎をこの四匹に与えることは絶対にないだろう、それならこの姉妹は何を食べればいいんだ? 硬いものは親が柔らかく噛み砕いたものでなければ食べられないし、目の前の親れいむは息も絶え絶え、親まりさはいつ帰ってくるかもわからない その間この可愛い妹達にお腹を空かせたまま、死んだ親れいむと寂しく過ごせというのか?姉として俺はそんな事は出来ないな。 この姉妹達は確実に親れいむに愛されていない、帰ってきた親まりさに愛してもらえるかどうかは分からないが、この世に生まれおちた瞬間を祝福されず喜ばれない、それはどれほど辛いことだろうか? その上にこの子達はお腹を空かせているのだ、心はともかく、せめてお腹だけでも満たしてやろうじゃないか。 俺は覚悟を決めると親れいむの前に立ち姉妹達に向かって、おもてなしの真心をこめてある宣言をする。 「さぁ、お食べなさい!!」 次の瞬間俺の体は二つに裂けた、不思議と痛みはなくポカポカと体が温かい。 何故唐突に俺の体が二つに裂けたかというと、妹ありす達に向かって、お食べなさい宣言をしたからだ。 お食べなさい宣言とは、ゆっくりが自らの意志で心から相手に食べてほしいと思った時に言うことで自ら命を絶ち、相手に自分を食べてゆっくりしてもらうための行為だ。 無論自己中心的なゆっくりがこの行動をとることは殆ど無く、老いて死期を迎えた飼いゆっくりや、本当に稀にだが越冬中に子供や連れ合いに自らの体を食べさせるためなど、 本当に稀にしかこの行動は起こらない、しかしその分、さぁ、お食べなさいをされてそのゆっくりを食べないことはそのゆっくりに対する最大級の侮辱となるのだ。 「ゆぅ!!!おねーしゃんがふたちゅになったよ!!ありちゅはいただきまちゅちゅるよ!」 「おねーしゃんゆっくちちたんだね!!ありしゅもゆっくちいきるよ!!」 「おたべなしゃいされたらゆっくちいただきましゅするよ!!」 「ありちゅはゆっくちおねーちゃんをたべりゅよ!!!おねーちゃん!!ゆっくちちてね!!!」 妹ありす達は俺の死に目元を潤ませながらも、自分達のために死ぬことを選んだ優しいお姉ちゃんの尊い志を汚さぬように、俺に感謝して俺の皮や餡子を食べ始めた。 まぁ、たった3日しか生きていない身だが、なかなか楽しい饅生を送れた、せいぜい味わってゆっくり食べてくれ。 「ゆゆゆゆゆゆ!!!!!????あかちゃんなにしてるのぉぉぉぉ!!!!!!!!ゆうぇぇぇぇ!!!!ゆっ~あぁぁぁっぁぁっぁああ!!!!!!!!!」 俺の後ろにいる親れいむは絶望の叫び声をあげている、背中に生温かいものがかかるこれは多分液状の餡子だ。 自分の可愛い赤ちゃんが、自ら進んでありすとの間に出来た忌わしい子共達に食われているのだ、そりゃ餡子も吐きたくなるだろうな。 最後に残ったたった一つの希望、まりさとの間に生まれた可愛い子供がゆっくり生きて大きくなる、 そんなささやかな希望さえ打ち砕かれて、口から餡子を吐きながら慟哭する、そんな死ぬ間際の親れいむの顔が見れないのが残念だ。 「むーちゃむちゃ!!とってもゆっくちできるあじだよ!!」 「まりしゃおねーしゃんゆっくちありがとね!!!」 「ありちゅはおねーちゃんをたべて!!ゆっくちちたとかいひゃになるよ!!」 「おねーちゃんはゆっくちできるよ!!ありちゅはきっととかいひゃになるからゆっくちあんちんちてね!!」 さて俺の妹達はというと、目からぽろぽろ涙を流しながらも、ゆっくり俺の餡子を飲み込んでいる。 餡子が減ってきたせいか、眼が霞んで眠気がゆっくり襲ってくる、俺はどうやら本当にこれから死ぬようだ。 それにしてもお食べなさいで死ぬのはこんなにも満ち足りた死なのか、痛みもなくただ温まった体にゆっくりと眠気が降りてきてまるで縁側で日向ぼっこをしながらまどろんでいるような気分だ。 短かったがなかなか楽しい饅生だった、しかし少しだけ心残りがある親まりさの事だ、俺は親まりさが家に帰ってきてこの光景を目の当たりにする所を見る事が出来ないのが悔しい。 家に帰ると番いと可愛いわが子達の苦悶に満ちた形相の死体を見つけるだろう、勿論家族を殺した憎いありすの子供たちも見つける。 どれ程親まりさは苦しむだろう?悲しむだろう? そして何より親まりさは妹ありす達をどうするんだろうか、怒りにまかせて踏みつぶすのか敵の子共とはいえれいむの赤ちゃんでもあると育てるのだろうか? 俺達の死体と妹ありす達を見ながら、苦しみ葛藤する親まりさを死にゆく俺はじっくり観察できないのが実に心残りだ。 さて、本当に俺は死ぬようだ、俺の記念すべきゆっくりとしての饅生一回目が終わる、かなり不純な動機とはいえ俺はこの身を妹達に食べさせた。 つまり自己犠牲の精神でゆっくりを助けたのだ、これであの閻魔様も俺の地獄行きを考え直してくれるといいんだが。 まぁ、今はそんなこと考えても意味はない、せいぜい後二回あるらしいゆっくりとしての生を虐待ゆっくりとして楽しむとするか。 俺は瞼を静かに閉じ、妹ありす達のしあわせ~の声を聞きながら意識を手放した。 「むーしゃ!!むーしゃ!!しあわせー!!」 俺が目を覚ますと、俺の下で砂糖を舐めているゆっくりれいむがいた。 死んだらすぐにゆっくりに転生するのか、なかなか面白いな。 どうやら今度の俺の体はゆっくりれいむらしい、また普通種か…やっぱりゆふらんとかきめぇ丸に生まれたかったんだが仕方ないな。 それにしてもここは台所の様だ、こいつは飼いゆっくりだったのだろうか? しかしそれにしては体が薄汚れている、嫌な予感がする。 「おい、何してるんだ貴様?」 俺の目の前に眉間に青筋の浮いた強面お兄さんがいる、明らかに怒っている。 「ゆゆ!!おにいさんここはれいむのゆっくりプレイスだよ!!!ゆっくりしていってね!!!」 お母様目の前の素敵なパンチパーマの御人を挑発なさるのは止めていただけないでしょうか? 「おうおうおう!!!!人の家荒らしといてなんじゃそりゃ!!!虐待じゃぁぁ!!!!!!!」 こっちにこないでくれ!!!!助けて愛でお兄さん!!!! BYゆっくりな人 続 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/267.html
前 特に何もしてないゆっくりが死ぬよ! こねたって書いてるけど結構長いよ! 表現の拙さは勘弁してね! ピタゴラゆっくり ~こねた編~ 1.10本アニメ 何もない真っ白な空間につれてこられた10匹のゆっくりたち。 「ゆ?ゆ?」と不思議そうに周りを見渡している。すると、どこからか若い 男の声が聞こえてきた。 「1」「ゆ”っ!?」 「2」「ゆぐっ!」 「3」「ゆっ!」 「4」「ゆぅ!」 「5」「!?!?」 「6」「ゆぁっ!?」 「7」「ゆぎぃ!」 「8」「ゆゅ!?」 「⑨」「ぁたい!」 「10」「ゆひぃ!?」 男の声がリズム良く数字を数えると同時に、黒い棒が地面から現れ ゆっくり達を貫いていく。 「10本アニメ!!」 「「「「「ゆッぐりざぜでぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!」」」」」 男のタイトルコールらしき言葉とゆっくりの叫び声がほぼ同時に響き渡る。 「ねぇねぇ、山の上に温泉が出来たんだって。」 ゆっくり達の悲鳴や嗚咽を無視して、1番左端にいた棒が話をきりだす。 「じゃぁ、みんなで入りに行こうよ!」 「「いいねぇ~。」」 1番の話を聞いた3番の提案に全員が賛同する。 「でも、ここから山は遠いよ?」 「じゃあ、ふもとまでは車で行こう。」 「おっけー。」 カチッカチッカチッカチッ そんな音とともに棒たちは折れ曲がったりしていく。そのたびに刺さっている ゆっくり達が小さな悲鳴を上げるがそんなのは無視だ。 「できたー。」 あっという間に棒たちは自らの体で自動車を作り上げた。ゆっくりが刺さっているので 奇妙なデザインだ。ちょうど車体の角部分にきており顔が縦に伸びて間抜け度がアップした ゆっくりもいる。 「それじゃ、しゅっぱーつ。」 「ぷっぷー。」 もう何番目の棒か分からないが、その合図で車輪役の2本の棒が回りだし、車はゆっくり走り出す。 車輪役が回るたびにゆっくりは地面に押さえつけられるの繰り返し、ゆべっゆべっと汚い声を上げるが、 当然そんなのは無視だ。 「とりあえず、ついたー。」 そんなこんな車は温泉のある山のふもとまできた。車輪役にささっていたゆっくりは頬が接地面だった ため、その頬は丸みを失いキレイな平地になっていた。 「ここからは道が険しいからキャタピラモードで行こう。」 「「そうしよう!」」 確かに温泉への道は舗装されておらず、岩が飛び出ているところもある。どうやら棒たちはモードチェンジ するようだ。 再びカチッカチッと音を上げて形を変えていく棒たち。今度は、今まで車体役だったものたちが、車輪役の棒 たちの周りを楕円形になるように囲っていく。まさしくキャタピラの形だ。 「よし、しゅっぱーつ。」 合図とともに山の頂上に向けて出発する棒たち。車輪役の棒の回転がベルト役の棒に伝わり、前へと進んで いく。車輪役に刺さっていたゆっくりは今まで受けていた圧力がいくらか和らいで安心する。しかし、ベルト 役に刺さっているゆっくり達はたまったものではない。なぜなら車輪役のゆっくりよりもずっと長い時間地面 に押さえつけられるのだ。しかも、地面は所々岩が露出しており、その岩の角で切り傷が顔の片面に大量にで きてしまうのだ。ついには中身がすこし出てしまったゆっくりもいる。 「「「ついたー。」」」 そんなこんなで山の温泉に到着した一行は元の棒の状態に戻る。棒たちに刺さっていたゆっくり達の顔は泥だら けな上、傷だらけで、激痛と移動による疲労で死んだ魚の目をしている。 「よ~し、さっそく疲れた体を温泉で癒そう!」 「そうしよう!」 そういって棒たちはそそくさと温泉へと入る。 「ん~、生き返る~。」 「いい湯加減だー。」 「やっぱり温泉は42度にかぎるねー。」 「「そうだねぇ~。」」 江戸っ子よろしくな感想を述べ、思い思いに今日の疲れを癒す棒たち。 しかし、ゆっくりにとって癒しなどではなかった。 「あづい!あづいよぉぉぉぉぉ~!!!!」 「ゆっぐりざぜでよぉぉぉぉ!!」 「あ”ぁどげるぅ!れ”い”う”のがらだがどげるぅぅぅぅぅ!!!!」 あるものは熱さに泣き叫び、あるものは傷口から流れ出す自分の中身に絶望の声を上げる。 「よーし、そろそろ帰るか。」 「「そうしよう!」」 たっぷり1時間棒たちは温泉を楽しみ帰り支度を始める。棒に刺さっていたゆっくりのうち8匹は姿を消してい る。なぜ、ゆっくりは消えたのか?簡単なことだ、キャタピラ役でできた傷から餡子が流れ出し、全て温泉に溶 けてしまったのだ。唯一形を保てたのは車輪役に刺さっていたゆっくりだが、それも棒たちが42度の温泉でゆっ くりしていたため、温泉饅頭になってしまった。 「腹ごしらえして、しゅっぱーつ。」 棒たちは三度形をかえ、今度は大きな鳥の形になる。そして、刺さっていた温泉饅頭を器用に取り外すと、ペ ロッっと平らげ、そのまま大きく羽ばたいて山を降りていった。 2.ゆっくりスイッチ ――ガシャン。 真っ暗だった部屋でいきなりライトアップされる5匹のゆっくり。突然の明かりに目を細めたりまわりを 見渡している。 「ゆっくりスイッチ、『か』!」 どこからか、幼い子供の声が聞こえてくる。 「回転のこぎり。」 つづいて、無機質だがどこか渋みのある男の声が聞こえてくる。 「ゆ?ゆ?」 その声とともに1番左端にいたゆっくりれいむが謎ののびーるアームにはしっ、と両側から掴まれる。そして・・・ ギューン、ガガガガガガガガガガガガガガ 「ゆ”ゆ”ゆ”ゆ”ゆ”ゆ”ぅ~~~~~~!!」 どこからか回転があらわれ、ゆっくりとゆっくりれいむを削っていく。 「あががががっがhgycふぉsぢあhjdgふぁd・・・・・・」 最終的に言葉にならない言葉を上げ、体を真っ二つにされて絶命した。 「ゆっくりスイッチ『き』!」 「!!・・・ゆっくりしね!」 再び聞こえた子供の声に、ゆっくりれいむの隣にいたゆっくりまりさはそう叫び後ろにある暗闇へ逃げようとする。 他のゆっくりはれいむの壮絶な死に方を目の当たりにしてただ呆然を目を見開いているだけなのに、こと生き延びる ことに関してこのまりさ、貪欲であった。 「機関銃。」 バララララララララ だが、残念ながらそんなことは無意味だった。放たれたM14ライフル弾は、対象のあまりの柔らかさのために中で はじけること無くゆっくりの体を貫通し、ゆっくりに無数の穴を開けていく。 ゆっくりまりさは何が起こったのか分からなかった。れいむが死ぬのを見て、暗闇に逃げ込み危険が去るの待とうと 飛び跳ねた瞬間、体の中を何かが通り過ぎた。そして、それ一つではなかった。 本人は必死に過去から状況を分析していると思っている走馬灯の最後に、自分はもう長くないと、流れ出る大量の餡子 と体内に感じる燃えるような熱さからそう結論した。 「ゆっくりスイッチ『く』!」 「釘バット。」 「ぢんぼーーーーー!!!!」 今度は釘バットをもったのびーるアームがゆっくりみょんを横なぎに殴りつける。いい具合に打ち付けられた釘がみょん の肌深くに突き刺さり、そのまま抜け際にごっそりと頬の肉?を絡め取っていく。 「ぢ、ぢ・・・ん・・・ぼぅ!?」 すでに虫の息のみょんだが、のびーるアームは返しの刃で逆側の頬をぶんなぐる。ふたたび突き刺さった釘が、たっぷり と頬の肉をこそぎとっていく。 「ぢ、ぢぢぢ・・・。」 両頬の肉を失ったみょんは、かろうじて残った口で呻き声をあげる。その姿はどこかの県のマークの銀杏のようだった。 「ゆっくりスイッチ『け』!」 「削り器。」 「!?わからないよー!?わからないよー!?」 次はゆっくりちぇんがのびーるアームに掴まれ、左右にスライドされる。 「ゆぎゃあああああ!!!いだい!いだいぃぃぃぃ!」 ゆっくりちぇんは体の最下部に起こった激痛に叫び声をあげる。なぜなら、のびーるアームによってスライドされた体は 床につけられた削り器によって薄くスライスされているのだ。 「だじゅげで~!だじゅげらんじゃまぁぁぁあぁ!!!」 徐々に削られていくゆっくりちぇんの体。 「だず・・・げで・・・ゆっがりんざまぁぁ・・・・・。」 助けに来るはずも無い、ましてや会ったこともない自分の主(だと思い込んでいる)の名前を叫びながら、体が半分以上無く なったところで絶命する。 「ゆっくりスイッチ『こ』!」 「こねる。」 動詞もありかよ!というクレームが視聴者から来そうだが『こ』でいいのが思いつかなかったので無視する。 「むぎゅ!?ゆっくりやめてよね!!」 さきほどまでの地獄絵図に半死半生状態で青い顔をしていたゆっくりぱちゅりーが、のびーるアームに掴まれた衝撃で正気 を取り戻し抗議の声を上げる。 しかし、そんな願いは通るわけもなくのびーるアームは作業を開始する。 「むきゅ?むきゅーん・・・。」 一体どんな仕打ちが待っているのかと恐怖したゆっちゅりーだが、突然アームに揉み解すような愛撫をうけ、表情が和らぐ。 もみもみもみもみもみもみ 「むきゅぅん。むきゅきゅーん。」 アームの巧みなもみもみに段々と目はとろんとし、顔が上気してくるゆっちゅりー。それを合図とするかのようにアームの 動きが止まる。 「むきゅ?なんで止めるの!?ぱちゅりーをもっとすっきりせsむぐぼぇ!!??」 これからというときにお預けを喰らったゆっちゅりーの抗議の声が、口に突っ込まれた片方のアームによって遮られる。 「むぐぅ!!!!?????」 アームはそのままゆっちゅりーの右内頬の肉を破り、中の餡子を口内まで引きずりだす。コア部分の餡子ではないため命に 別状は無いが、その激痛に白目を向くゆっちゅりー。アームは左側にも同じ作業をする。 ゆっちゅりーの口内に餡子が満たされたのを確認したアームは次の作業に移る。まずは餡子が抜き取られ、びらびらになった 両頬の皮を口内にある餡子と混ざるようにこねていく。それと同時に下あごを限界まで引っ張り、それを口の中に突っ込み、頬 と一緒に練りこんでいく。 コネコネコネコネコネコネコネ ベテラン菓子職人も目を見張るスゴ技で、1粒の餡子も漏らすことなくゆっちゅりーをこね回していく。 「むきゅー・・・むきゅー。」 やがてアームによってこねくり回されたゆっちゅりーは、見事に饅頭から団子で華麗なる転身を遂げた。 しかし、この団子ゆっちゅりー、表面は餡子しかなく、顔の皮も餡子と程よく溶け合って顔なの無いのにどこから声を出してい るのだろうか。 「ゆっくりスイッチ『かきくけこ』完成!」 うれしそうな子供の声が響き渡った。 ※残ったゆっくりはスタッフが後でおいしくいただきました。 糸冬 ーーーーーーーー 制作・著作 N H K あとがき的な こねたって書いておきながらかなり長くなってしまった。 ゆっくり考えた結果がこれだよ! あと、NHKはにとり放送協会と読みます。 名も泣き作者 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/4111.html
※最初で最後のゆっくり虐待に挑戦中です。 ※どくそ長いです。(十回超の予定) ※うんうん、まむまむ描写あり。 ※標的は全員ゲスです。 ※最初の数回は読者様のストレスをマッハにすることに腐心しています。虐待は次回から。 ※虐待レベルはベリーハードを目指します。 ※今回は人間が悲惨な目に会う描写があり、気分を深く害される恐れがあります。 一応、今回だけ読み飛ばしてもいいように書いていく予定です。 ※以上をご了承頂ける方のみどうぞ。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― 『永遠のゆっくり』4 ずっと俺には疑問だった。 突如として現実世界に現れた不可解な存在、ゆっくり。 こいつらは一体なんなんだ。 中身に詰まっているのは餡子のみ。 他のどの生態系にも類を見ない不可思議な機構で動いている。 小麦粉と甘味でほとんどが構成されたその肉体はひどくもろく、衝撃や苦痛でたやすく餡子を漏らして死ぬ。 なにより不可解なのはその知能だ。 言語を話す、という時点で他の動物とは比較にならないほど知能は高い。 ところがその行動は単細胞生物のそれで、 思考力や学習能力にひどく乏しく、目先のゆっくりしか目に入らず、 野生動物なら最低限あってしかるべきはずの危機管理能力が決定的に欠けている。 おそろしく弱いくせに自信に満ち溢れ、無謀なことばかり繰り返す。 こんな生物は、生態系としては下の下で、 とっくの昔に絶滅していておかしくないはずなのだが、 並はずれた性欲に支えられた繁殖力、ただそれだけを武器に、 ゴキブリ以上のしぶとさで地球にしがみついている。 俺にはわからなかった。 大学で少々生物学をかじった身として、 ゆっくりの生物としての整合性が理解できなかったのだ。 性欲以外のほぼすべての特徴が、生物としてマイナス要素しかない。 なぜ、そんな生き物が生まれてきたのだろうか。 生物に意味などあるはずはない。 しかしどの生物も、進化の過程を経て、 思わず感心してしまうほどの適合力を見せて、自らの生活圏とぴったりと結合している。 しかし、ゆっくりは見たところ、どの生活圏にも結合していない。 森に繁殖すれば、たちまちそこの食物を食べつくしてしまう。 町に住めば、人間どもに追われ、迫害されている。 こいつらはなんのために生きているのだろう。 どんなゆっくりプレイスも、例外なく破綻する。 生まれては死に、繁殖しては滅び、流れるようにあちらこちらをさまよう。 こいつらが生物としてぴったりとはまり、安定していられるのはどういう環境なのだろうか。 「何か月かね?」 「は、はい……三ヶ月ちょっとらしいです」 長浜氏はソファに身を沈めたまま、険しい表情をしていた。 「ゆぅ~ん、おじいちゃんどうしたの?なんだかこわいよ?」 「なんでもないよ。あっちへ行っていなさい」 「ゆっくりりかいしたよ!」 絨毯の上を跳ねながら、開け放したドアを出ていくゆっくりれいむ。 長浜氏の邸宅。 広い居間でテーブルをはさんで向かい合い、俺は恐縮しきっていた。 俺の隣には由美。 向かい合ったソファの正面には由美の祖父長浜氏が座り、 その隣に由美の両親が座っていた。 俺の返答を聞いたあと、長浜氏は黙ってこちらを見つめていた。 俺はうつむいて冷や汗をたらしながら、つけ慣れないネクタイの位置を直した。 由美の妊娠を知らされたときには、すでに受胎してから二か月半ばを経過していた。 毎日俺の部屋に通っていたはずの由美が、ある時を境に数日間来なくなった。 心配になった俺は電話で連絡した。 すると、由美は震える声で、産婦人科に行ってきたことを告げてきた。 妊娠を知らされ、俺の喉がひりついた。 ゆっくりの世話に追われてこのところすっかりご無沙汰だったが、 ゆっくりをここに迎える直前、すでにご懐妊なさっていたらしい。 どうする。 俺はしばらく悩み、時間をかけて由美と相談し、結論を出した。 「こういう事柄に関しては、君には忍耐力がなかったようだね」 やっとのことで、長浜氏が仏頂面で言った。 俺は恐縮して頭を下げるしかない。 「大切な孫娘なんだよ。たったひとりの……つい先日、成人式を挙げたばかりだ」 「は。はい」 「君はまだ働いていない学生の身分だろう」 「……はい」 「とんだことをしてくれたよね」 「は」 「嫁入り前の、人の娘に……娘というのは君、宝だよ」 「……」 「おじいちゃん」 「黙っていなさい!」 由美が口を挟もうとしたが、長浜氏がぴしゃりと遮った。 これほど険を含んだ長浜氏は初めてだった。 あの礼儀正しい老紳士が、静かに怒っている。 耐えがたい、重苦しい沈黙。 「どうするのかね」 やがて、ぽつりと長浜氏が聞いてきた。 震える手で膝を握りながら、俺は声を絞り出した。 「……由美さんを、僕にください」 「……今、なんと言ったのかね?」 「僕に由美さんをください!必ず幸せに、幸せにしてみせます!!」 俺は叫びながら顔をあげた。 長浜氏は、顔中をくしゃくしゃにして笑っていた。 「いやいやいやいや、さあさあどうぞどうぞ」 「いや、あの、僕は車なんで」 「いやいやいいじゃないか。帰りは送らせるよ、まあどうぞ」 俺の手に持ったグラスに、高そうな酒がどぼどぼと注がれる。 「いやあうん、懐かしいな。私もそうだったんだよ。 圭一くん、私も君といっしょでね、深窓の令嬢を結婚前に孕ませてしまった。 相手方のオヤジさんにはぶん殴られたよ」 「そうでしたか」 長浜氏は浮かれまくっている。 由美の両親はそれほど浮かれる気にはなれないようだったが、ともかく笑顔を作っていた。 「もしも君が逃げ出すようだったら、ただではおかなかったよ、うん。 しかし、これで全て丸く収まりそうだ。君なら大丈夫だろう、うん、ね。 困ったことがあるならいつでも言ってきたまえよ、我々は家族になるんだからね」 「ありがとうございます!」 「本当に、頼んだからね。由美、いい人を見つけたね」 「うん!」 涙を浮かべ、由美が頷いた。 「ゆっくりしていってね!!ゆっくりしていってね!!」 「ゆっくり!!ゆっくり!!」 場の雰囲気を察知し、長浜氏の飼っているゆっくり共が嬉しげに絨毯の上で飛び跳ねている。 この時ばかりはゆっくりが可愛く見えた。 しかし多いな。大小さまざま、何十匹いるんだ。 「由美から聞いているよ」 「え?」 「例の、ゆっくりの事だよ。君の家で飼っている」 「あ、はい……」 声のトーンがわずかに沈んだ。思い出すことさえ不快だ。 「ものすごく大変らしいね。床のうんうんを舐めたんだって?」 「あ、いや、まあ……」 そんなことまで耳に届いていたとは。 あの姿だけは見られたくなかったなあ。 「君は今、ゆっくりが好きかね?」 「…………」 「嫌いだろうね。無理もないよ」 「はい……」 長浜氏の声は穏やかだった。 彼は由美に向きなおって言った。 「なあ、由美。もういいだろ。解放してあげなさい」 「……うん。圭一、今まで本当にごめんね」 「圭一君。そもそもは私までがぐるになって君に頼んだことだったが、 これまで本当に、よく由美に付き合ってくれたね。心から感謝しているんだよ。ありがとう」 ストレートに「試していた」と言ってくるわけじゃないが、 やはりあの計画で、俺が試されていたのは確かのようだ。 夫として由美と向き合っていく忍耐力を、俺は証明したのだ。 「ともかく、君たちは近いうちに夫婦になるのだろ?」 「はい、そのつもりです。準備は大変だと思いますけど……」 「もちろん手伝うよ。それでだ、そういう準備もあるし、 もうゆっくりに一日中かかずらっているわけにはいくまい」 「は……そうですね」 「あのゆっくりはこちらで引き取ろう。 もちろん最低限の躾は必要だろうが、責任をもってできるかぎりゆっくりさせるよ」 「あの、私が面倒見るから!」 「どうするつもりだい、由美。これまで通り自由奔放にゆっくりさせるのかい?」 「できれば、そうしたいんだけど」 長浜氏はしかしかぶりを振った。 「もうよしなさい。結果は出ているだろう」 「結果……」 「圭一君。君たちはゆっくり達の言うことをすべて聞いてきた。 すべてゆっくり達の思うままにさせた。そうだね?」 「はい」 「では改めて聞くが、あのゆっくり達は、 他のゆっくりに比べてゆっくりできていたと思うかね?」 俺は少し考え、答えた。 「いいえ」 「子供を殺したんだって?」 「えっ」 自分のことを言われてるのかと思い、一瞬どきりとした。 「れいむとありすがいがみ合い、互いに子供を殺し合ったそうじゃないか」 「あ、はい」 「そして結局、増えすぎた子供たちは間引かれていった」 「……はい」 「まりさ達は他のゆっくりを虐げた。 甘味を与えるたびに、その甘味を家族で奪い合った。 互いに憎み合い、相手の隙を窺い、強者の存在に怯え、強者は反発に苛立つ。 いつ子供たちが殺されるか虐められるかわからず、戦々恐々とする生活。 由美。そんなゆっくり達が、ゆっくりしていると思うのかい?」 由美は眼を伏せた。 「ゆっくりしていなかっただろう?」 「……うん」 「今回のことはいい経験だったな、由美。 ゆっくりという生物は、自分にとって一番いい選択をする判断力が足りていないんだ。 ただ目先の欲求だけで行動し、結局はそのつけが回ってきて面倒事を増やし、苦しむことになる。 ………もしかしたらそれは人間も同じことかもしれないね。程度は大きく違うが」 俺は頷いた。 まあ、ゆっくりと一緒にされたくはないが。 「お前の計画は、ここで終わりにしよう。 今回のことを糧に、改めてゆっくりが本当にゆっくりできる為にはどうすればいいか考え直してみればいい。 あのゆっくり達はこちらで引き取るよ。 もちろん一旦味をしめさせた責任はあるから、できるかぎりは贅沢をさせてやる。 他のゆっくりに悪影響が出るだろうから、個室で飼おう」 「うん。わかった」 由美は頷いた。 「でも、あたしも面倒見てもいいよね」 「うん。好きにしなさい」 好々爺の笑みで、長浜氏は頷いた。 すべて終わった。 運転手のハイヤーに乗せられて長浜氏の邸宅をあとにした今、俺はようやく肩の荷が下りた。 いや、これから結婚や求職もろもろで本当に忙しくなるのだが、 そんなものはあのゆっくり共の相手をすることに比べれば些細なことに思えた。 本当に大変だった。 しかしそれは報われた。 長浜氏は俺を認めてくれ、俺は由美と結婚できることになった。 こうして結果が出てみれば、自分でも驚いたことに、 あのゆっくり達に感謝の念さえ湧きあがってきた。 なにはともあれ、やつらは俺にチャンスをくれたのだ。 「今まで本当にごめんね。大変だったよね」 隣に座る由美が改めて詫びてきた。 「うん。大変だった。すごく」 強がってみせる余裕もなく、俺は正直に苦笑した。 「あんなゲスゆっくりが、本当に可愛いのか?」 俺はここで初めてゲスという言葉を使ったが、由美は否定しなかった。 「うん。おかしいよね」 「どこが可愛いの、あんなの」 「それは、ええと、ゆっくりと人間と同一視してるから可愛くないんだと思う」 「え?」 いつになく真面目な顔をして、由美は言った。 「礼儀とか思いやりとかは、人間のルールだよね。 そういうのがない人は、私も嫌い。 でも、ゆっくりは、人間とは違うルールで生きてる。 ふつうの人間にとっては不愉快かもしれないけど、私は人間とは別物だと思ってるから、腹が立たない。 私ってゆっくりオタクだから、人間の手垢がついてない純粋な子ほど可愛いと思っちゃうんだね」 「そんなもんか」 共感はできなかったが、素直に受け止めることができた。 「でも、今回の失敗でまたわからなくなっちゃった。 ゆっくりのルールって一体なんだろうね。 人間のルールを押しつけたほうが幸せになれるのかな? ゆっくりって、ゆっくりするために生きてるんじゃないの? どうしてなかなか、自分たちでゆっくりできないのかなあ……」 毎日ものすごい数が生まれ、そのほとんどが死んでいくゆっくり。 わざわざ人里に下りてきて、家や畑を荒らしては潰されるゆっくり。 ゲスやレイパーや共食い、同族で殺し合うゆっくり。 ゆっくりとは、一体なんのために生きているのだろうか。 「ゆっ、おそいよ!!ごみくず!!」 由美と一緒に家に戻れば、甲高い挨拶が飛んでくる。 「ぐずぐずしないであまあまをもってきてね!!」 「そのめはなんなの?ばかなの?たちばわかってるの?ばぁーか!!」 「まま、かちくがもどってきたわよ」 「あらそう、どこをほっつきあるいてたのかしら。 そろそろしつけなおしたほうがいいかもしれないわね」 「ゆっくりしないでしね!!げらげらげら!!」 「とっととうんうんをなめるんだぜ!!たっぷりためといてやったんだぜ!!」 子ゆっくり共は成体サイズになり、滑舌もまともになっていた。 改めて眺めると、よくもこんな連中と付き合ってきたものだと思う。 しかし終りが見えた今は、そんな声も耐えて受け流すことができた。 ゆっくり共の罵声を無視し、鞄を放り出して横になる。 無視できることがこんなに有難いとは。 「ゆっ!?ごみくず!!なにゆっくりしてるのぉ!?さっさとおきてせいざしてね!!」 「あまあま!!あまあま!!きいてるのかだぜ!?ゆっくりするんじゃないのぜぇ!!」 「くちをあけるんだぜ!!うんうんをじかにたべさせてやるんだぜ!!」 無視無視。 よじ登ろうとしてきたゆっくり共を適当にあしらって追いやる。 潰してやりたいところだが、こいつらは長浜氏の家に飼われるのだからそうもいかない。 「ぎいでるのがああああああああゆっぐりごろじいいいいいいいいい!!!?」 その言葉にはさすがにどきりとした。 一緒に来ている由美のほうを見る。 しかし由美はそれには触れず、かがみ込んでゆっくり達に言った。 「れいむちゃん、まりさちゃん、ありすちゃん。みんな聞いて。 明日、みんなでお引越ししましょうね」 「ゆっ!?」 「ここではもうゆっくりできないの。 もっとゆっくりできるゆっくりプレイスに連れていってあげる」 ゆっくり共は一瞬きょとんとしてから顔を見合わせ、その後げらげらと笑い合った。 「げらげらげらげら!!ばかがなにかいってるのぜぇ!?」 「ゆっくりプレイスはここなんだぜ!!まりささまがきめたんだぜ!!」 「いいのよ、おねえさん。かちくがむりにあたまをつかわなくてもいいの。 かんがえることはとかいはなありすたちにまかせておきなさいね」 「むのう!!のろま!!ばぁーか!!ろどん!!」 予想できていた反応に、由美は困ったように笑った。 「ね、これからは人間さんの話を聞いて。 今度のゆっくりプレイスでは、人間さんがみんなをゆっくりさせてくれるわ。 でも、人間さんの言うことを聞かなくちゃだめよ」 ぼひゅっ、という音が響く。 ゆっくり共が吹き出したらしい。冗談じゃないという驚き、ちゃんちゃらおかしいという嘲笑の両方だろう。 「ばかなの?しぬの?あたまつかってる? そんなところでゆっくりできるわけないでしょぉぉ!!」 「いーい?にんげんさんはごみくずでのろまな、かとうなせいぶつなの。 ゆっくりがみちびいてあげなきゃいけないの。いうことをきくのはにんげんさんのほう。 わかるかしら?もういちどいってあげましょうか?」 「かわいがってやっていればつけあがるなだぜ!! にんげんのいうことをきくぐらいならゆっくりするんだぜぇ!!」 最後の発言は意味がおかしい。 「勝手よね、私たち。今更しつけようなんて」 「そうだな」 由美に頷いてやる。 虐められているうちは、叩き潰してやりたいと渇望していたものだが、 このゆっくり共もある意味では被害者、もとい被害ゆっくりなのだ。 そう思うとなんだかどうでもよくなった。 ただし、あくまで「ある意味で」という前置きつきでの穿った見方だ。 ガラスを割って侵入してきたこのゲス、追い払ったところで別の人間に潰されるか、 群れの中で孤立して自滅するかだろう。 まあifの仮定なんかしたって無意味だが、こいつらが不幸だなどとは言わせない。 最低限のルールは課されることになるが、これから行くところだって、 死ぬまで存分にゆっくりできる夢のようなゆっくりプレイスだ。 とにかく、明日の昼には迎えが来て、 こいつらは長浜氏の邸宅に移されることになる。 その旨を伝えると、ゆっくり共は俄然騒ぎ出した。 「なにいってるのぉおお!?ばかなのぉぉぉぉ!!!」 「まりささまはここにすむんだぜぇぇぇ!!しねぇ!!!しぬんだぜぇぇぇ!!!」 「このかちくはもうだめね! そこのおすにほかのつがいをさがさせましょう」 「おい、なにゆっくりしてるんだぜぇ!! このばかをなんとかするんだぜ!!あのことをいわれてもいいんだぜぇ!!?」 「あのことって?」 由美が聞いてきた。 「全部話すよ。それより、もう出よう。 もう一晩だってこいつらといたくないよ」 俺は由美を近くのファミレスへと誘った。 「おいぃ!!にげるなだぜぇ!!ごみくず!!もどれぇぇ!!」 「ゆっくりごろし!!ゆっくりごろし!!あかちゃんごろしいいいい!!」 結局、俺は子殺しに加担した全てを、ショックを与えないように細部は省いて話した。 俺がゆっくり愛好派ではないことはもともと承知の上だし、 計画が失敗に終わったという結論が出た今、取り繕うこともなかった。 由美は悲しんだが、結局は許してくれたようだ。 「全部、私のせいよね」 「よせよ。みんな悪かったんだ、俺もお前もおじいさんも、もちろんゆっくりも。 後悔したって始まらない。みんなでやり直そうぜ」 「そうね」 あのゲスどもに関しては、俺はもう関わらないけど。 その日は、由美を送り返したあと近くのビジネスホテルに泊まった。 問題は山積みだが、それでもあのゲスのいない生活を考えるだけで心は浮き立った。 翌日から、俺はそれまでの鬱憤を晴らすかのように勉学に打ち込んだ。 もともと勉強好きな俺は、遅れを取り戻すべく、大学でも自宅でも猛烈に並び、 一時落ちていた成績を再び大学トップクラスにまで戻した。 同時に、就職活動も行った。 有名大学で優秀な成績を収める俺にとって、そう難しいことではなかった。 だが、結局は長浜氏の強い勧めで、長浜グループ関連の建築会社に内定が決まった。 コネを使うことになってしまったが、実力的にも不足はない。 在学中に結婚までしてしまった。 長浜氏の願いで、俺が婿養子として迎えられることになった。 由美は一人っ子だし、家柄を考えれば無理もないか。 順風満帆だった。 我ながらなんというシンデレラボーイ。 あの地獄に堪えた報酬は、十分見合ったものだった。 だが、そんな地位や収入などよりも、 俺は何より、由美との結婚生活が楽しみだった。 愛する妻、子供、ピクニックやキャッチボール。 陳腐だが愛にあふれた家庭生活を想像するだけで、俺はすでに幸福の絶頂にいた。 俺は長浜氏の邸宅に一時的に住んでいた。 就職するまでは、という長浜氏の強い勧めだった。 あの人はなんだかんだで、いろいろと強引に勧めてくる。 一人ではしゃいでいる祖父に比べ、 由美の両親のほうは少々ぎこちなかったが、おいおい打ち解けていけるだろう。 「おにいさん、ゆっくりしていってね!!」 「ごはんのじかんになったらあまあまをおねがいね!!」 長浜氏の邸宅には、ゆっくりが大量にいた。 れいむ種、まりさ種、ありす種、ぱちゅりー種、ちぇん種やみょん種などレアなものも。 正直うざったかったが、あのゲスどもに比べれば天地の差。 これだけしつけが行き届いていれば問題なく付き合っていけそうだ。 問題のゲス共は、ひどいものだった。 ここに連れてこられてすぐに個室に移されたが、 しつけをしようとしても全く言うことを聞かない。 人間は自分たちの奴隷だ、黙って言うことを聞け、あまあまをもってこいの一点張りで、 そればかりか嬉々として嫌がらせをしてくる。 少々強く言うと、ものすごい剣幕で火がついたように暴れまわった。 長浜氏の知人である有名ゆっくりブリーダーに見てもらったが、これはダメだろうとのことだった。 「ここまでつけ上がったゆっくりは、多分もう無理だと思います。 人間をなめているばかりか、明確な悪意を向けてきている。 しつけるにしても、ものすごく強烈なやり方でないと。 もしかしたら死んでしまうかもしれませんよ」 さすがにそこまですることもない、という長浜氏や由美の意見で、 結局このゆっくり共は、郊外に外出する時以外は個室から出さずに寿命まで勝手にやらせることにした。 といっても、こいつらは外出することはあまりないが。 「しかし、よくもまあここまでつけ上がらせましたね。びっくりしました。 ここまでの個体は初めて見たかもしれません。 逆にゆっくりブリーダー向きかもしれませんよ、あなた」 俺はそう言われたが、勘弁してくださいと首を振った。 そんなゲスどもを、由美は相変わらず面倒を見ている。 長浜邸では、家族だけでなく使用人も大勢のゆっくり共の面倒を見ているが、 あのゲスは使用人でさえ関わりたがらず、結果としてほとんど由美が面倒を見ることになった。 結局相変わらず甘やかしているようだ。 「おねえさんはゆっくりしないでおうたをうたってね!!」 「きたないうたなんだぜ!!ゆっくりできないからとっととやめるんだぜぇ!!」 「げらげらげらげら!!」 しかし、ついに別れのときがやってきた。 俺が就職し、なかなか広いアパートに住むことも決まった。 子供が生まれたら、最初は自分たちの家に迎えたい。 そういう俺の希望で、出産の前に引越しの手続きを済ませることになった。 一応、出産前後は由美の母がアパートに通っていろいろ手伝ってくれる。 由美のお腹の子は五か月になっていた。 お腹の膨らみもはっきりとわかる。 俺の宝だ。 引っ越し前日の夜になって、 由美はあのゲス共に別れの挨拶をしてくると言った。 俺は挨拶などする気も起らず、寝室で由美を見送った。 俺はずっと疑問だった。 身体能力や耐久性はあまりに弱いゆっくり。 しかし、その自意識は身の丈をはるかに超え、 危険な場所やより強大な敵に、自分から飛びこんでいく。 その構造は一体なんなのだろう。 生物として、全く理にかなっていない。 何度考えても、生物学的にまったく説明がつかなかった。 ゆっくりとは一体なんなのか? 由美はいつまでも帰ってこなかった。 十二時時を過ぎて深夜になっても、由美は二人の寝室に戻ってこなかった。 由美がゲス共に会いに行ってからすでに三時間。 いくらなんでも別れを惜しみすぎではないのか。 俺は立ち上がり、ゲス共の部屋に向かった。 「由美。俺だ。いるのか?」 ドアをノックしたが、返答はなかった。 しかし気配はあった。 中でわめき声が聞こえている。ゆっくり共が騒いでいるのだ。 いつもの事だった。 しかし、その声に俺はどこかいつもと違う空気を感じた。 なんだ? 俺はドアを開けた。 「ゆっ!!ゆっ!!ゆっ!!ゆっ!!ゆっ!!」 「んほぉおおおおおおおおすっきりいいーーーーーーーーーっ!!!」 「ゆっくりするなだぜぇ!!さっさとおきるんだぜぇ!!!」 由美と娘はそこにいた。 「ゆっ!!ごみくずがやってきたんだぜ!!」 「ゆゆっ!?いまごろきてもおそいよ!!げらげらげらげら!!」 「んっほぉぉぉぉおおお!!!きもちいいわああああああ!!!」 俺は膝をついた。 言葉が出なかった。 脳が思考を放棄し、体が震えて動かなかった。 「ゆっ!!ゆっ!!ゆっ!!ゆっ!!」 執拗に飛び跳ね、踏みつけていたれいむは、 俺を認めると、そこに乗ったままで罵ってきた。 「くそじじいのあかちゃんはしんだよ!! れいむだっておちびちゃんをころされたんだからね!! ゆっくりりかいしてくるしんでね!!ざまぁ!!」 まりさ共が、由美の体に体当たりを繰り返している。 「まりささまのゆっくりベッドでゆっくりするんじゃないんだぜぇ!! くそどれいにそのふかふかはもったいないのぜ!!おきるんだぜえぇ!!」 由美は動かなかった。 頭をまりさ用の天蓋つきベッドに突っ込んだまま、ぴくりともしなかった。 天蓋は一部の骨組が折れ、由美の頭の下に敷かれている。 「あかちゃんのおはだすべすべよぉぉぉぉぉ!! なんかいでもいけるわあああああんほおおおぉぉぉすっきりいいいいいーーーーっ!!!」 ありす共が粘液にまみれながら絶叫している。 親子五匹のありす共が、それにまとわりついて蠢いていた。 地獄。 無間地獄。 こいつらは。 俺は泣きながら這いずっていった。 震える喉からやっとのことで絞り出したのは、次の問いかけだった。 「どうして」 それは、このゲス共に向けた質問ではなかった。 俺は何に向かって問いかけたのだろうか。 「ゆっ!!ごみくずはばかすぎてあきれるんだぜぇ!! ごみくずのたくらみなんてまりささまはすべておみとおしなんだぜ!? おきのどくなんだぜぇ!!げらげらげらげら!!ふっきんほうかい!!」 まりさが笑っている。 「ゆふぅ~……とかいはなせれぶのありすには、 いなかもののかんがえることなんておみとおしよ」 「ままはおみとおしよ!あてがはずれたわね!!んほっ、んほほぉぉ!!」 「どうしてわかったかおしえてあげましょうか? ありすがまえにすんであげていたゆっくりぷれいすのにんげんは、 はじめはありすにぞっこんで、かいがいしくありすにほうししていたわ。 ありすがいえば、すっきりようのゆっくりをつぎつぎともってきた。 にんげんがあれこれやってくれというから、 やさしいありすはおのぞみのぷれいをみせてあげもしたわ」 このありすの飼い主が、あの技術を教えたのか。 「でも、そのにんげんは、あれほどかわいがってもらったおんもわすれて、 このありすをうらぎった。 にんっしんっしたのよ。 にんっしんっしてこどもがうまれたたとたんに、 そのにんげんはありすをゆっくりぷれいすからほうりだした。 じぶんのこどもにかまけて、 ほんらいのしごと、ありすのどれいのせきむからにげだしたのよ!」 「んほっ、まったくにんげんはいなかもののかとうどうぶつよね! ちゃんとみてないとすぐににげだすんだから!!」 「このおねえさんがにんっしんっしたときから、 ありすにはこうなることはわかっていたわ。 あなたたちにんげんは、こどもができると、まわりがみえなくなる……」 「だからまりささまがまびいてやったんだぜ!!」 まりさが引き継いだ。 「こどもをみてしこうていしするまえに、 まりささまがまよいのたねをつみとってやったんだぜ! ごみくずどもはいままでどおり、つよくてかっこいいまりささまにしんすいして、 まりささまだけにつかえていればいいんだぜ!!」 「あらりょうじだったけど、れいせいになってよくかんがえなさい。 おちついてかんがえればこれがただしいとわかるはずよ。 いなかもののかとうせいぶつでもね!!」 「れいむはおまえにこどもをころされたんだよ!! こどもをころされるくるしみがわかった!?もっとくるしんでね!!げらげら!!」 ゆっくり共は、悪意の塊のような表情を浮かべてせせら笑っていた。 それはひどく醜く、どれほど憎んでも足りなかった。 「こどもはありすにおかされてしんだよ!! くやしい?くやしい?ねぇねぇ、いまどんなきぶん?どんなきぶん?ゆっゆっゆ~♪」 震えて泣きながら、俺はゆっくりと疑問が氷解していくのを感じていた。 「ざまぁ!!ざっまぁぁぁぁ!!くやちぃくやちぃ~~~~~♪」 ああ。 「げらげらげら!!そしてこのかお!!ないてるときがいちばんばかみたいなんだぜぇ!!」 そうか。 「ごみくずはむせびなき~♪れいむたちはいいきぶん~♪ゆっゆ~~ゆゆゆ~♪」 お前たちは。 「このおねえさんひっどいかおよねぇ、みっともないったらありゃしない! とかいはにこーでぃねーとしてあげるわ!んほおおぉぉすっきりいいーーーーーー!!!」 苦しむために生まれてきたんだな。 由美は死んではいなかった。 しかし、病院で医師に宣せられたことは死と同義だった。 頚椎骨折。 あの部屋で倒れたとき、首の部分がちょうどまりさの天蓋つきベッドを下敷きにして、 その骨組をなしていた木材にぶつかり、頚椎を折っていた。 脊髄を損傷して由美は全身不随となり、意識も失ったまま戻らなかった。 病院のベッドで点滴を受け、なにも映さない目で天井を見つめるだけの生活になった。 子供は女の子だった。 発見したときにはすでに手遅れになっており、 その亡骸は、長浜家の墓に埋葬された。 俺が決めてあった名前が、その墓には彫られた。 長浜氏と俺の意向を受け、 その事件は日本中に大々的に報道された。 その主犯であるあのゲス共は事情聴取を受け、 警察やテレビの取材班に喜々として自分の所業を語り、 その様子は日本中に放映された。 「まずまりささまがあしにまりさしゃいにんぐあたっくをくらわしたんだぜ!!」 「そしたらおねえさんがぶざまにたおれたんだぜ!!おとうさんはつよいんだぜ!!」 「たおれたところにれいむがおなかのうえでぴょんぴょんしたんだよ!! ごみくずのあかちゃんはすぐにでてきたよ!!にんげんさんはもろいね!ぷげら!!」 「あかちゃんのおはだはとってもすべすべもちもちしていてとかいはだったわ。 またもってくるならすっきりしてあげてもいいのよ?」 「おなかすいたあああ!!れいむおうちかえるうううう!!」 それは飼いゆっくりによって人間が殺された日本史上初の事件だった。 日本中がその事実に震撼し、愛護派の多くが認識を改め、虐待派がさらなる気炎をあげた。 その日から、日本中で捨てゆっくりの数が増大し、 同時にむごたらしく殺されたゆっくりの死骸が町に散乱し、市民はその処理に追われた。 だが、殺されるゆっくりに同情する者はいなかった。 日本の法律では、ゆっくりを罰する法は制定されていない。 人を殺し、全身不随に追いやったそのゆっくり共を憎み、処刑を望む声は高かったが、 俺はそのゲス共を手元にとどめた。 長浜氏は憔悴しきってうなだれていた。 俺はあの居間でテーブルをはさんで向かい合い、黙っていた。 居間にゆっくりの姿はない。 長浜氏の邸宅から、ゆっくりの姿は一掃されていた。 すべて加工所に送られていた。 もはやゆっくりの姿を見るのも嫌なのだろう。 先日は、道端で出会った野良ゆっくりにあまあまを要求され、 長浜氏らしからぬ激昂を見せて踵で一息に踏みつぶしていた。 いまではゆっくり愛護会の会長も退いている。 重苦しい沈黙が流れたが、 やがて長浜氏が言った。 「すべて私のせいだ」 孫と同じ事を言う老人が悲しかった。 「ただ一度だけ、一度だけ叱りつけてやればよかった。 強くたしなめれば、あの素直な孫は言うことを聞いてくれ、あんなことはやめたろう。 私がそれをせず甘やかしたために、たった一人の孫娘とひ孫を、君の妻と娘を死なせてしまった」 「お祖父さん」 「私を恨んでくれ」 震える老人はひどく小さく見えた。 「それは僕の言う事です……あなたの孫娘を守れなかったこと、深くお詫びします。 このことは、一生をかけて償うつもりです」 「圭一君」 俺は長浜氏に向かって、毅然として言い放った。 「僕は誰も恨んでいません。 僕の恨みは、あのゲスゆっくり共に全て向けられています」 「君の注文どおり、やつらは元の個室でのうのうと贅沢三昧の日々を送っておるよ」 「そのようですね。ありがとうございます」 「どうするつもりかね?」 「どう、とは」 「やつらをどうするのかね」 「質問で返すことをお許しください。 お祖父さんはどのようにしたいとお思いですか?」 「殺してやりたい!」 テーブルに拳を叩きつけて長浜氏は叫んだ。 「この手で引き裂いてやりたい、踏みつぶしてやりたい!! やつらは、やつらは……私は今まで………今ごろになって………」 すべては遅すぎた。 長浜氏は自分を責めていた。 あの日から眠れた日がどれだけあったろうか。 「僕に任せてくださいませんか」 「……どうするのかね」 「一息に殺したところで、この恨みは晴れるものではないでしょう」 俺はノートを取り出し、長浜氏の前に置いて言った。 「僕は人をやめます。どうぞ軽蔑してください」 俺の顔を見てから、長浜氏はゆっくりとページをめくった。 彼は眼を見開いた。 ノート一冊分にびっしりと書き込まれたそれは、俺の計画書だった。 「これは……」 「あの日から書き続けていました。まだ未完成ですが」 眉をひそめてそのノートを食い入るように見つめていた長浜氏は、 自分の頬を掴みながら呻いて言った。 「……わたしはかまわない。 しかし君は……それでいいのか」 「はい」 「君にはまだまだ先の人生が残っている。 こんなことに……こんなことで……人間を捨てることはない」 「僕はこれから先の人生を、あのゆっくり共に捧げるつもりです」 「私がやる。これは私がやろう。しかし君は」 「これから先、同じ犠牲者を生まないためです。 そしてこれは、ゆっくり達のためでもあります」 「こんなことが?」 俺は頷いた。 狂人と思われようとかまわなかった。 「ゆっくりは苦しむために生まれてきたんですから」 「……それは」 「あの生物がどういう生き物なのか、ようやくわかったんです。 あいつらは弱い。痛みに弱く、耐久性もなく、ひどく簡単に苦しみ、壊れる。 そのくせ悪意や闘争心が強く、強い外敵に向かって無謀な喧嘩を売り、執拗に挑発する。 どこにも根付くことができないくせに、どこにでも入り込む。 そんなゆっくり共が生物として安定している状態は何か、ずっと考えていました。 そしてそれは、苦しんでいる状態でした」 「それは、君……いくらなんでも」 「そう考えれば、すべてにつじつまがあいました。 やつらの行動はすべて、苦しむというただそのことに向けられている。 生まれては死に続け、憎まれ虐げられつづけるゆっくり共は、 そのことですでに生物としての目的を達しているんですよ」 「………」 「僕は残りの一生を、やつらのために捧げます。 今こそ僕は、苦しむために生まれてきたやつらの奴隷になりましょう。 人間のために、ゆっくりのために、お互いの種の安定を目指そうと思います」 「圭一君」 力なくうなだれ、長浜氏は言った。 「君は変わったな」 「変わりました」 俺は答えた。 計画は実行されることになった。 計画には長浜氏が全面的に尽力してくれることになり、 さらに二か月間が準備期間にあてられた。 都心からそう遠くない、しかし奥まった山奥の廃墟が選ばれ、 目的のために改築された。 その間、ゲスどもはあの個室で贅を尽くしていた。 長浜氏や俺の指示に従い、使用人たちは毎日やつらの面倒を見ていた。 実行の日。 今、俺は改築された建物の中で、 大きなテーブルの前に立っている。 テーブルの上には、睡眠薬を食事にまぜられた十三匹のゆっくりが眠っている。 「ゆぴぃ……ゆぴぃ……ゆぴぃ……ゆぴぃ……」 あの日、俺の部屋に侵入してきたまりさとれいむ。 まりさが外から連れ込んできたありす。 それぞれが50cmのバランスボール大だった。 そしてその子供、子れいむが三匹、子まりさが三匹、子ありすが四匹。 十匹とも30cm大のバスケットボール大。 テーブルを囲むのは、計画の実行に関わる人々。 長浜邸の使用人やゆっくりの研究者たち。 計画のリーダーは俺だ。 俺の計画を、これからこの手で実地に行うことになる。 こいつらのために、持てるすべてを捧げよう。 涎を垂らしながら泥のように眠りこむゆっくり共に向かって、 俺は静かに声をかけてやった。 「ゆっくりしていってね」 続く
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/668.html
※何の罪も無いゆっくりがナニでアレされます。そういうのが苦手な人は回れ右。 森の中を歩いていると、ゆっくりれいむを見かけた。 その瞬間、勃起したのでとりあえずお決まりの挨拶をしてみた。 「ゆっくりしていってね!」 「ゆっくりしていってね!おじさんはゆっくりできるひと?」 主の本能に従ってお約束の返事をするゆっくりれいむ。 おじさんって年ではないのだけれど、そんなことをいちいち気にする性分でもないので軽く聞き流す。 「すごくゆっくりできるひとだよ!だかられいむのおうちにつれていってね!」 「うん!れいむのかぞくといっしょにゆっくりしようね!」 警戒心が無さ過ぎるぜ。しかしそのピュアハートが良いんだな!! というわけで、俺はゆっくりれいむの家族の待つ家へ向かうことになった。 「ただいま、みんな!れいむがゆっくりかえってきたよ!」 「「「「おかえり、おかあさん!れいむたちゆっくりおるすばんしていたよ!」」」」 「おかえり、れいむ!まりさもゆっくりあかちゃんをまもっていたよ!」 そのれいむの家はかつて人間が使っていたと思しき木造の小屋だが、ゆっくりの言えとしては破格の大きさだった。 そこにいたのは子れいむと子まりさが2匹とにんっしん中のゆっくりまりさが1匹。 「ゆ?おじさんはゆっくりできるひと?」 「そうだよ!ゆっくりできるひとだよ!」 そう言うと小屋に備え付けられた棚にあった釘と金槌とベニヤ板で、壊れてしまって押すだけで開いてしまう扉を即座に封印した。 「ゆゆっ?」 何をやっているのかよくわからないらしく、興味津々のゆっくりたち。 そんなゆっくりたちを尻目に作業を終えた俺はすぐさまズボンと下着をずり下ろしていきり勃ったイチモツの封印を解く。 「だから、おじさんとゆっくりシようね!」 そう叫ぶや否や、近くにいた子れいむを掴むとその可愛らしい口に俺の白楼剣を突き立てた! 「んぐっ!?」 「ゆゆっ!おじさん、なにするの!?」 すぐさま抗議する母れいむだったが、口にナニを入れられた子れいむの表情を見せてやるとすぐに黙りこくった。 そりゃそうだろうな。親だったら子どものこんな嬉しそうな表情を見せられたら文句なんて言えなくなる。しょせんゆっくりだし。 「どうだい、れいむ。お兄さんのぺにぺには甘くて美味しいだろう?」 「うん、おいひぃ~。あまあま~♪」 実はこんなこともあろうかと毎朝起きたらMy白楼剣に潤滑剤として蜂蜜を縫っているのだッ!! それはさて置き、その言葉を聞いたとたん、子ゆっくりたちが俺の下に殺到する。 「れいむもあまあまー!」 「「あまあまぺにぺにはまりさのものだぜ!」」 「おいおい、お兄さんのぺにぺには一つしかないんだぜ?」 と、俺が困っているのをお構いなしに子どもたちはぺにぺに争奪戦を始めてしまった。 しかし、こんなことで俺の憩いのひと時が邪魔される訳にはいかない。だから・・・ 「よ~し、しかたない!お兄さんが4匹全員いっぺんに相手してあげるよ!」 そう言うと、一匹の子まりさを空いているほうの手で掴んで、俺の顔に近づけ・・・ 「まりざああああ!!がわいいいよおおおおおおおおおお!!!」 と、アリスっぽく叫びながら子まりさの口に舌をねじ込んでやった。 「ゆ!?」っと驚き、またしても抗議しようとする母れいむにまた、子どもの表情を見せてやる。 「ゆ!・・・あまあまらぜ!」 口の中には飴が入っているので、こっちもあまあまだ。 さらに残りの2匹を足で押さえつけると、要石でも止められそうにない、激しく、荒々しく、それでいて慈愛に満ちた地震を発生させた。 「ゆぎゃ!おじさんなに・・・ゆぅ~ん、ゆっゆっゆ・・・」 「ゆ!?ゆぅぅぅぅぅううぅぅ・・・ゆっゆっゆっゆ・・・」 ゆっくりのそれとは違う、絶妙な緩急と多彩な振動、そして時には焦らしも交えたをテクニックの前に子どもたちはあっという間にヘブン状態! あっという間に子ゆっくりたちは何かよくわからない汁で体中をぬらぬらとてからせ、にちゃにちゃと淫靡な音を小屋中に響き渡らせる。 何度か親ゆっくり2匹が俺にこの行為をやめさせようとしていたが、その度に幸せそうな表情の子どもを見せつけられては押し黙ってしまうだけだった。 「ゆううううううう・・・きもぢいいいいいいい・・・・」 「いぐぅうぅぅぅぅ・・・いっぢゃうううううう・・・!」 「あまあま~、ゆっゆゆぅぅぅぅうう・・・ちゅぱ・・・」 「あまあまだぜ・・・にちゃ、ぷちゅ・・・ゆうううううう・・・」 イチモツと舌を咥えている子ゆっくりたちにも本人があまり意識しない程度に振動を与えているので、すでに発情モード、もうすぐオーガズムに達するだろう。 勿論、俺もナ☆ 続く、はず? ---あとがきっぽい何か--- 今回はゆっくりとせっくる。 多分この後は母ゆっくりを母まりさの前で自分のテクニックの虜にしたり、 口だけじゃ物足りなくなって子どもたちの体に穴を開けたり、 最終的に母まりさの産道を犯したりする予定、のようなそうでないような? byゆっくりボールマン このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/1371.html
「ホホホホ....よくぞいらっしゃいました。さて今日はどんなご用件で?ああ?猟ゆっくりをご覧になりたいと承知しました。ではこちらへ」 私はある興味深い話を聞いて里にほど近い廃農場を改築してできたゆっくりの養成所に来ていた。 「ここ最近ゆっくりの駆除数は多くなってますが、ゆっくり全体で見れば統計上減るどころかむしろ増えてるのが現状です なにしろあれはゴキb・・・失礼雑草のようなものですからねホホホホ...それはともかく減らないのは駆除の仕方に問題があるからなのです。 臭いものは元から断つのが一番。巣を見つけてコロニーごと叩きつぶすのが最も効果的と言うわけですなホホホホ.... しかし人間では隠れたゆっくりの巣を見つけるのは難しい。そこでわたくしめはゆっくりにやらせてみればと思いついたのです つまりはコペルニクス的思考転換と・・・オホン、まぁ毒を以て毒を制すと言う訳ですな」 歩きながらの男の説明終わったあたりでガラスの向こうに厩舎らしき場所にいくつもの鉄柵の囲いがいくつもある場所にきた 「ここは未来の生まれたばかりの猟ゆっくりの卵たちを育てる場所でございます。猟ゆっくりというのは若いうちから育てないといけません。 ま、当然ですな…躯が大きくなると態度も大きくなって育てるのも難しいですからなホホホホ....」 一つ囲いの中には大体5~6匹のちびゆっくり達が居る。まだビー玉大から野球ボール程の大きさの様々の子ゆっくりが飼育されている 「ゆっ!」 「ゆ~ゆゆ~♪」 まだまだ子供なのでどれも元気に跳ねまわったり、歌ったり、仲間同士で追いかけっこっしたり藁の上で飛び跳ねたりして遊んでいる。 「猟ゆっくりと言うのは全てのゆっくりがなれるものでは有りません。ここは適性があるかどうかを調べる場でもあるのです。おや… そろそろ時間の様ですな」 案内をしている男がそう言うと厩舎内のベルが鳴り始めた。すると周囲のゆっくり達が急に騒ぎ始めゆっくり達の大合唱が始まった 「ゆ!ゴハン~!」 「おなかしゅいたよ!はやくれいむにごはんをちょうだいね!」 白衣を着た男達がバケツを抱えてやってきた。男たちは囲いの前に立つと餌をエサ入れに流し込む。よく観察してみると小さいゆっくりの 囲いには大量の餌を入れているが、比較的育っている子ゆっくりの方にはその半分かそれ以下しか入れていない。明らかに囲いの中の ゆっくり達の十分の量なエサではない。どういう訳か尋ねてみる 「ホホホ...よくぞお気づきになられました。これも適性を図るプロセスの一つなのです。まぁこちらをご覧ください」 私は案内役に促され今白衣の男が給餌している一つの囲いを覗く。中では3匹の子ゆっくりれいむと2匹のゆっくりまりさ達がエサ台の前に集まっていた。 「ゆ!きょうはきのうよりごはんがすくないよ!おじさんごはんもっとちょうだい!」 一匹の子れいむが声を上げる。しかし白衣の男は次の囲いの給餌に行って既に居ない 5匹はゆーゆーと不満の声を上げていたが 「だいじょうぶだよ。わければみんなたべれるよ」 と5匹の中で2番目に大きいれいむが提案する 「みんなでいっちょでたべればおいちいよ!」 「そうだね!」 と嬉しそうに飛び跳ねながら口々に声を上げる3匹のれいむとまりさ 「そんなのぜったいやだよ!おっきなまりさはわけたらまんぞくできないよ。」 一番大きいまりさが異を唱えた 「ねんちょうしゃのいうことはぜったいだよ!」 それに3番目に大きいれいむが一番大きいまりさの横で援護する。こいつはどうも一番大きい奴の側らしい 「でもみんなでわけないとゆっくりできないよ!」 「そうだよ!」 口ぐちと非難をあげる3匹 「ちっちゃいくせなまいきだよ!まりさをうやまわないれいむはしね!」 そう言うとガキ大将は他の3匹を跳ね飛ばす。 「ゆぎゃっ!」 「い゛た゛い゛よぉぉぉ!!」 「ゆ゛う゛う゛う゛ぅぅぅぅ」 3匹と言えど体格差ではまりさには足元に及ばず成す術もない 「おねえちゃんのいうこときけないけっかがそれだよ!」 と言ってガキ大将の側についてた腰ぎんちゃくのれいむが跳ね飛ばされて動けないゆっくり達の傍で芥悪態を付く 結局餌はガキ大将まりさが総取りし、そのおこぼれを腰ぎんちゃくのれいむが食べていた 「ハフッハフッ!めっちゃうめ!」 「しあわせ~♪」 「おなかすいたよぉ~…」 「ずるいよぉ~…」 「ゅぅ…」 残る3匹はおこぼれすら貰えずその様子を見て愚痴ることしかできなかった。しかし空腹に耐えられず敷いてある稲藁を力なく 食み始めた 「さてお客様ここで一つクイズです。この5匹の中猟ゆっくりの適性があるのはどれだと思いますか?」 私はおそらく一番大きいゆっくりまりさでないかと答えた 「なるほど…ホホホ、それでは選別を行いますのでしばしお待ちください」 案内役はジェスチャーで指示を出すと、一人の白衣の男が今みていたゆっくり達の囲いにやってきた。 「ゆ?おじさんこんどはでざーと?はやくだしてね!」 ガキ大将まりさは開口一番生意気な口を叩く。白衣の男は何かを取り出す 「じらさないでまりさのためにはやくちょうだいね!」 白衣の男は表情一つ変えず何かをまりさの口に素早く突き出す そばで大きな口を開けて餌をねだる口には餌の代わりに尖った鋭い棒が刺さる 「げぶぁッ!」 後頭部に突如風穴を開けられるガキ大将まりさ 「どぉぼでぃでぇぎょんぼどずるのぉ...」 ガキ大将まりさにさした棒を引き抜き何度も突くのが繰り返される 「ゆ゛…ふ゛り…たか…よ」 何かを言い残し息絶えるガキ大将まりさ 「ざまぁだね!」 「いじわるなまりさしんでね!」 それを見たガキ大将に跳ね飛ばされてた3匹のゆっくりは嬉々として飛び跳ねる 「ホホホホ....お客様残念ですが不正解です。あのゆっくりまりさは体格や強さなどは申し分ありませんが、猟ゆっくりに求められるのは、 他の猟ゆっくりとの協調性と主人への忠誠心。 ゆっくり狩りというのはゆっくりの集団を追い込み仕留めるのを目的しております。 単独では難しいので普通はチームを組むのが基本です、お山の大将など必要ありません。強さなどは二の次…そんなものは訓練次第でどうでもなります。無論同族食いする様なのはNGですぞ。例えば10匹の群れを追うのに1匹に食いついて9匹を逃すようなのを猟ゆっくりとは言えませんからねホホホホ....。 それと人を小馬鹿にするようなことを堂々と言うゆっくりが主人の言う事など聞くはずありませんからねぇ。当然ダメ おっと何時までもここで時間を取ってたら昼になってしまいますな。それでは次に参りましょう、ホホホホ....」 案内役は私を次の部屋へ案内する。次は猟ゆっくりに選ばれた奴らが野生のゆっくりの巣の追跡や集団を追い込む 訓練が見れるらしい このSSに感想を付ける