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前編 【初冬】 誰が疑問に持つこともなく二匹はツガイとなった 狩りの得意な成れいむが山を駆け巡り、たくさんのご飯を集め おっとりした成まりさが気の長いご飯の加工作業や巣の修繕をする 巣とは言っても洞窟や木のウロではない 偶然できた小さな倒木の空洞であり、雨をしのげる程度の作りだ 隙間だらけでとても冬の寒風を防げるはずもないし ご飯をしまうと成体二匹が身を寄せ合えば、なんとか寝る程度の広さしかない いつか増える家族の事を考えると、とても間に合ったものではない 「ゆぅ…これじゃあ ゆっくりできないよ…」 「どうしたの れいむ?」 いつものゆっくりとした口調でまりさが語りかける 「まりさ! ゆっくりしていたらだめだよ! このおうちでは ふゆさんは のりこえられないよ!」 「そうなの?」 「そうだよ! もっとおおきくて かぜさんも ゆきさんも こないおうちがひつようだよ!」 「ゆきさんて なんなの? おいしいもの?」 「ゆーーーーーーーーーーーー!」 これは困った おっとりとしたまりさのマイペースには れいむも大好きではあったのだが 生活するに当たって、まるで頼りに成らないのだ あの時れいむが助けてあげなかったら すぐに変なものを食べたり、他のゆっくりに騙されていたかもしれない しかしれいむは、このまりさとずっと一緒にいると決めたのだ 「どうしよう…どうしよう…どうしよう…」 またまたれいむはどうしようと呟き始めた 近くにはもう空いている洞窟もない 今から他の土地に探しに行くなんて危険を冒すことはできない きっとまりさがすぐに駄目になってしまうだろう れいむ一人なら さくっと探せてしまうのに なんでまりさはゆっくりしているのだろう これからゆっくりできなくなるっていうのに… なんでこんなまりさを選んでしまったのだろうか れいむは 狩りも上手い 料理も上手い 知識も多彩だ 一人でやっていけるはずだ なんでまりさといるんだろう 別に困ることなんてないんだ そんなことはない そうだ あの強いお父さんが れいむをかばって怖いふらんに怪我をされた時も お母さんが毎日お父さんを看病をしていた 優しいお母さんがれいむに古いご飯を食べさせてちゃって 酷く落ち込んで気に病んでしまった時も お父さんはいつも笑顔で元気にお母さんを励ましていた 一人では駄目なんだ 自分が狩りも料理も上手くなったのは両親のおかげだ お父さんお母さんが、まだ弱かったれいむを育てながら 三匹で暮らしていけたのは、夫婦で協力していたからだ 思い悩むれいむに、まりさが言う 「れいむ…ごめんね…れいむ……まりさのせいで ゆっくりできなくて ごめんね…」 「…」 「まりさは…いつも…れいむの あしでまとい だよね……だから……ほかの ゆっくりと いっしょに…」 「そんな…」 「れいむ?」 「そんなことないよ!」 「れいむ…」 「まりさが いてくれるから れいむは がんばれるんだよ! どんなにかりが たいへんでも おうちに まりさがいるから がんばれるんだよ!」 「…」 「れいむには…まりさが! まりさがひつようなんだよ! れいむのまりさは ひとりだけだよ! まりさは! まりさは! れいむの たからもの なんだよ!!!!!」 【真冬】 二匹のゆっくりが山を降りていた まりさ種の帽子が、とても膨らんでいるのは越冬用の食べ物がたくさん入っているからだろう ツガイであろう一回り大きいれいむ種はリボンに大きな葉っぱの袋を下げているようで おそらく生活で使う薬草や木の実の類だと見える 雪は降り始めているが地面はまだ白く染まっていない しかし気温はだいぶ下がり、秋には実りにあふれていた森は音を無くし静まり返っていた 「ゆっ! ゆっ! まりさ! ゆ! だいじょうぶ!?」 「ゆぅ! うん! ゆぅ! きゅうけいは いいよ!」 れいむ達は独り立ちをして跳ねてきた道を戻っていた 小さかった以前の倒木を後にして、持ち運びやすい食料を分担して運んでいる 「ゆっ! あとすこし! がんばって! ゆっ!」 「だいじょぶ! ゆ!」 思い出したのは両親の言葉だ 「おちびちゃん きをつけてね! つらくなったら もどってくるんだよ!」 「だめだよ! もうすぐ さむいさむい ふゆが くるから そのとき かおを みせてね!」 「おかーさん おとーさん! れいむは さびしくないよ! ちゃんと ひとりで ゆっくりできるよ!」 お父さんにれいむの顔を見せてあげよう そして れいむのまりさを紹介しよう お父さんにそっくりな まりさなのに こんなにお母さんにそっくりな ゆっくりさんだったら驚くかな? 巣の大きさはどうがんばっても三匹分しかないだろう しかし自分が育った土地だ 手早く加工すれば ご飯と一匹がギリギリ収まる程度のくぼみやウロは知っている まりさには冬の間 お父さんとお母さんと仲良くしてもらおう 冬がいなくなってくれるのが どれだけ長いのかは わからないが まりさに会うまでは一人で暮らしていたし すこしくらい寂しくても 春になってみんなと会えたら元気になる がんばろう 「ゆっ! ゆっ! ゆっ!」 がんばるんだ 「れいむ! いそぎすぎだよ!」 はやく 「ゆっ! ゆぅ! ゆぅ!」 おかあさんに 「れいむ きをつけてね! じめんさんが つるつるするよ!」 おとうさんに 「ゆっ! ゆぐ! ゆぅ!」 ほんのり雪で覆われた崖の斜面 何か草のようなものでフタをされて隠されているが れいむにしっかりと見えていた 見えた! 自分の育ったおうちだ! 見た事のある原っぱ! 見た事のある洞窟! 「あった! おうちだ! おうちだよ!!!」 塞いでいたフタを急いで外すと れいむは 洞窟の中へと駆けた 思い出すのは子供の頃ばかりで 昔の落書きやいろんな傷が今の自分にとっては とても小さいものに感じられる 「おとーさぁーーーーん!」 入り口にはお父さんが梅雨のときに盛った土の残りが置いてあった 「おかーさーーーーーん!」 お部屋にはお母さんが れいむを慰めてくれた藁のベットがあった 「れいむだよ! れいむが かえってきたよ!」 … 「おとーさん? おかーさん?」 … 「れいむだよ?」 … 「かえってきたんだよ!」 … 「どうして? どこにいったの? れいむが かえってきたんだよ!」 持ってきた食料を誰もいないお部屋に投げ捨てると だいぶ雪が降り積もった巣の外へ出てきた 両親はどこへ行ったのだろう? こんな寒い雪の中 出かけるはずもない まさかふらんに襲われた? それにしても部屋の様子はとても片付いており 荒らされたわけでもなく、狩りに必要な道具や荷物入れは置いたままで どこかへお出かけに行った様子もない すぐにでも使えるような おうちとお部屋があるだけで お父さんとお母さんだけが すっぽりと抜け落ちていないだけだ 『おとーさん なんで おうちのいりぐちを ふさいでいるの? こんなかたちだと れいむが ころんじゃうよ?』 『これでいいんだよ いりぐちと じめんさんに やまを つくっておくんだよ』 『こんなことすると おうちにはいりにくいよ!』 『だいじょうだよ! おとうさんのおとうさんも このいえに こうしてきたんだよ ずっとむかしからね!』 お父さんのお父さん? お父さんのお父さん(おじいちゃん)には…お父さんのお母さん(おばあちゃん)もいたはず なんで昔から住んでいたのに、れいむはお父さんの両親を見たことがないだろうか? 生まれて物心ついた時には お母さんとお父さんと三匹でくっついて 外の寒風を耳にしながら おうちの中で春を静かに待っていた ならあの頃 お父さんの両親 お母さんの両親は どこにいたのだろう? どこへ? この 雪の中 「うわぁあああああああああああああああああああああああああああああああああああ」 れいむは視界が白く染まった雪の中に飛び出た 「おとーさぁあああああああああああああああああああああああああああん!!!!!」 れいむの声は、吹雪で白く染まった原っぱに溶ける 「おかーさあああああああああああああああああああああああああああん!!!!!!」 れいむの声は、閑散とした森に響くだけ 空を見上げたれいむの顔に、雪が舞い落ちる 頬を流れ落ちて行く雫は、雪が溶けたものではない 「…ゆっく……おとうさん………ゆぅ………おかあさん………ありがとう…………ありが……とう…………」 れいむは【自分の家】に戻った まりさは運んできた食料を解いて並べている 「…ゅ……まりさ…………あのね………」 「れいむ いいんだよ わかってるよ」 「…」 「れいむは とてもやさしいから れいむのおとうさんも おかあさんも とてもやさしいひとだって しってるよ」 なんて聡明な妻なのだろう あの冬の日 なんで自分は まりさを馬鹿にしてしまったのだろう 誰よりも優しいまりさだから、何も言わなくてもれいむの両親の気持ちがわかったのだ まりさに出会えてよかった まりさをを選んでよかった れいむを好きでいてくれてありがとう まりさをずっと好きでいよう ここでずっとゆっくり暮らそう 【越冬】 先日の吹雪が合図だった 早々に閉めた入り口には寒風がぶつかりガタガタと鳴らしている 少しだけ空いた覗き用の隙間から、寒さを超えて痛いような空気が入り込んでくる ある程度したら塞いでしまおう 「…」 「…」 ビュォォオオオ 唸り声のような風の音が聞こえるだけだ 「寒いね」 「そうだね」 火を扱えない二匹に暖を取る方法はない 寒さに身震いすると、れいむは入り口を完全に密封して まりさのとなりに落ち着いた 「ゆぅ…」 「…」 「ふゆさん、いつになったら ゆっくりしないで いってくれるのかな」 「まりさはべつに いつでもいいよ」 「ふゆさんが いなくならないと ごはんも たいようさんも ゆっくりしてくれないんだよ?」 「だって… ずっと れいむと くっついていられるから」 狩りを覚え、伴侶を探す、まだゆっくりにはすべき事がある 「もう まりさはー!///」 「こうやって すりすりすると あったかくなるよ」 「そうだね まりさの おはだは すべすべで すりすりきもちいいよ」 「れいむは ごわごわだけど なんだか たのしいよ」 「ごわごわ!? いったなー すりすりりすりすりすりすりすり」 「ゆは! れいむ! もう! すりすりすりりすりすりすりすりすり」 … 「ねぇ……れいむ……あのね」 「うん…………………………」 もう二匹は寒くなかった 彼女らの周りにだけ春が来ているようだ 「………………………………………赤ちゃんがほしい」 「…………………………………………………………!?」 当然の事だ 独り立ちして、夫婦になり、子供を育てる どんな動物でもしてることだ 「わ、わかったよ! れいむ、がんば……ん?」 「どうしたの?」 越冬で暗いおうちの中 若い二匹寄り添っていればこうなるのは当たり前だ しかしれいむには何か引っかかっていることがあった なんだろう 「ちょ、ちょっと ゆっくりしててね!」 「もう れいむ!! ばか!」 れいむは思い出してみた きっと玉のように可愛い赤ちゃんが生まれるだろう 子ゆっくりにまで育ったら、れいむの狩りを教えてあげよう 子ゆっくりに育つまで… 「あのね、まりさ」 「なあに?」 「いま すりすりして すっきりして ゆっくりした あかちゃんができると」 「ゆん?」 「まだ さむいさむい ふゆさんが はじまったばかりなのに ごはんもない おうちに あかちゃんが うまれるよ」 「ゆ…ん?」 「だから いまうまれると すぐおおきくなって ごはんも たりなくなるし さむいから あかちゃんも かわいそうだよ!」 「ゆー」 まりさは本当は理解はしているんだろうが 餡子の下の方に思考と情熱がいってしまい れいむが説得するのに一晩かかった まあ その説得方法も子種を渡さないようにすっきりしてたわけで 【初春】 寒風も弱まり雲の隙間から暖かい日差しが差し込むと おうちを囲んでいた雪も溶け始めてきた ひょっこり芽を出したふきのとうを れいむは採り過ぎないように集めていた 「まりさ! いまかえったよ!」 「ゆー おかえりなさい」 返事を返す まりさの体は少し変わっていた 頭のてっぺんから植物の茎のようなものが生えており 一個だけ白い実が生っていたのだ 「れいむ とってもゆっくりした あかちゃんだよ!」 「まりさに にて すごく ゆっくりしてるよ!」 まだ小さい実を二匹は笑顔で眺める れいむは たびたび入り口の隙間から季節の変わりを調べて もうすぐ春という頃合を計り、子供を設けたのだ そして春が来る数週間の間 貯蓄していた赤ちゃん用のご飯で、すくすく子ゆっくりとなり 春一番が吹いたら れいむと狩りの練習を始めるだろう 数日後の夜 「れれれれれれれれれれれいむ!!」 「ゆぅ…まりさ れいむは まだ ねむたいよ ゆっくりねかせてぇ」 「ゆっくりしているばいじゃないよ れいむ!」 「どうしたの まり……まままままままままままままままりさ!?」 まりさの茎にぶら下がっていた実が ぐりんぐりんと揺れている 赤ちゃんが無意識で産まれ落ちようと揺すっているのだ 「どどどうしようどうしようどうしようどうしようどうしよう」 たぶんれいむが生涯で一番どうしようと慌てただろう 「れいむ! わたしのまえに わらをしいてね!」 「つよいひかりは だめだよ!」 「いりぐちを しめてきてね!」 「まださむいから のっこたわらをふんで あたためといて!」 逆にまりさは人生一番のテキパキっぷりだ 「あかちゃん ゆっくりしてね! あわてなくていいよ!」 「あかちゃん! まりさが おかーさんよ! ゆっくりうまれてね!」 まりさの「お母さん」にれいむは思った そうか 自分はお父さんなんだ ついにお父さんになるんだ いつもまでも両親の子という感覚だったれいむは 親になると言う自覚を深く感じた 「れ れいむが おとうさんだよ! ゆっくりしていってね! ゆっくりしてね!」 くりんくりん揺れていた あかちゃんの小さな口が開いた 「ゅぅ~ ゆっくち うまれりゅりょ!」 まだ目は開いてないが つながった茎から離れようと小さく揺れている 「ゆ! あかちゃん! まりさ! しゃべ! あかちゃ! まりしゃ!」 「おちついてよ れいむ! 」 生まれる前に自分の子供の声を聞いてしまったれいむは もう何がなにやらと餡子脳の限界を超えていた 特に自分ができる事は もう何もないのだが とにかく何かがんばらなければとあたふたとしている ぷちっ とさ 二匹 「…!」 「…!」 おめめ ぱっちり 「ゆっくち ちていっちぇね!」 二匹 「…!!」 「…!!」 ちょっと不思議な面持ちで 「ゆ、ゆっくち ちていっちぇね?」 二匹は 「!」 「!」 そして力いっぱいに 「ゆっくち ちていっちぇね!!!!!!」 「「ゆっくりしていってね!!!!!!!!!!!!!!!!」」 まりさは誰に教わることもなく 茎をれいむに折ってもらうと軽く咀嚼して赤ちゃんに食べさせた れいむは自分が敷いて暖かくなった藁で赤ちゃんを包み いつまでも二匹―いや三匹は寄り添っていた 【二度目の春】 お母さんのまりさに見送られて、一匹の子ゆっくりが巣から顔を出した 赤ちゃんの頃からずっと今まで、巣の中で暮らしてきた、この子ゆっくりのまりさには 外の世界はとても眩しく感じられた 暖かいお日様 草の匂い 頬を撫でる風 今日はお父さんれいむが外で一緒に遊んでくれるという 「まりさ! ゆっくりしないでおとうさんについておいで!」 「ゆゆ!? おとーさん まって! ゆっくりしてね! まってぇえええ!」 こてん 転がってしまった 狭い巣の中では大きく跳ねる必要もなく 体全体を使うような経験がなかったからだ 転んでいるうちにお父さんの姿はどんどん小さくなる 「いじゃいよぉお あんよが ひりひり ずるのおぉおおお」 「…」 お父さんれいむは子まりさに振り返るが、すぐにきびすを返して跳ね始めた 「ゆぅ!?」 お父さんに助けてもらえると思っていた子まりさは 思いがけない対応に驚く 「…おとうさん もういくからね! まりさも はやくきてね!」 「ゆぅえええ! おどーじゃぁん! まっでよぉおお!」 お母さんまりさは入り口の傍で、そのやりとりを見届けると 巣に戻って梅雨になる前にベッドを新しいものに取り替えようと藁を組んでいた れいむは父親として厳しいかもしれないが 頼りない母まりさより、りっぱなゆっくりまりさになってほしいので 毎日狩りの訓練と言っては 何処へ行ってきたのか傷だらけになって戻ってきたり 森で怖い思いをして泣いて帰ってきたり、へんなキノコを舐めさせられたりとかは目をつぶっていた 【二度目の夏】 梅雨や日照りのある季節だ 水に弱く乾燥にも弱いゆっくりにとって冬と共に危険な季節だ 「ゆぅ~ あついよ~」 父れいむから狩りを教えてもらった子まりさも更に大きくなった 「まりさ! なつというのは あついだけじゃないからね!」 「ゆゆ? おとーさん なつは あついんでしょ! まりさも わかるよ!」 「あついあついといっても あつくないときが あるんだよ!」 「???」 どうやら父れいむの説明している事が 子まりさには理解できていないようだ 母まりさは そのうち不当労働に泣いてくるだろうと思って 皆で寝ているベットの上で、いつか使うだろう子まりさのための荷物入れを作っていた 「ゆえええええん!ゆええええん!おどーーざんのばがぁああ!まりさは わるいごどじでないのにぃぃい!」 あら早いこと 母まりさはベッドに飛び込んできた子まりさに おいでおいですると すりすりしながら 涙をぬぐってあげた 【二度目の秋】 実りの秋 春の時と同じように子まりさは巣の外に顔を出した 今度は両親と一緒だ 「…」 春の時は目を輝かせて お外を見ていた子まりさだったが 表情は陰り、はっぱで作られた荷物を抱えている 「まりさ きをつけてね! つらくなったら おかーさんのところに もどってきてね!」 「だめだよ! もうすぐ さむいさむい ふゆが くるから そのとき おとーさんに かおを みせてね!」 「おかーさん おとーさん! まりさは さびしくないよ! ちゃんと ひとりで ゆっくりできるよ!」 すくすくと育った子まりさは、いまや成まりさだ 春夏と過ごした巣は成体三匹では手狭となっている 成まりさはうすうす大きくなったら 一人で暮らす事を理解していた 「まりさ ほんとうに おおきくなったね! おとーさんはうれしいよ!」 お父さんれいむは、自分と同じくらい大きく育った成まりさを嬉しがっていた 「おとーさんの おかげだよ! まりさなら どんな かりでも できるよ!」 お母さんまりさは、自分と同じくらい賢く育ったに成まりさを喜んでいた 「まりさ! ふゆになるまえに ごはんをあつめてね!」 「わかったよ おかーさん! まりさは おかーさんにならった りょうりで いつも おいしいごはんを つくれるよ!」 「…」 「…」 「…」 「ゆわぁああああああああん」 「「まりさぁぁ!」」 この数ヶ月で、両親から受け継いだ狩りや自然の知識を学び 子まりさは一人前のゆっくりとなった もう自分一人の力で生きていかなくてはならない ひとしきり別れを惜しんですりすりを終えると 何度も何度も両親を振り返りつつ、成まりさは遠い草原の向こうを目指した 「いっちゃったね…」 「うん…」 母まりさと父れいむは顔合わせた 「はー 楽しかったねぇ」 「そうねぇ」 狩りの名人だった れいむ いつの間にか草原を駆けた足は、ハリをなくしヒビがわれている 美しかった まりさ 秋の陽光のせいだろうか、金の髪はところどころ白くなっている 「いっぱい ゆっくりしたね…」 「いっぱい ゆっくりしたよ…」 「あのこが ぶじにそだって よかったね」 「りっぱなこ になって よかったね」 おうちの中へ戻る れいむ 足を引きずるような跳ね方は、もう昔のように戻ることはないだろう よろけるれいむを まりさが支えてあげる 「ちょっと あのこのために むりしちっゃたかな」 「れいむったら おやばか ねっ」 れいむは自分の親が、どんな気持ちで見送ったのだろうかと 昨日まで思っていたが…もう考えるまでもなかった 夫婦二匹はおうちへ入った 【そして初冬】 巣のおくにはしわがれた二匹のゆっくりが住んでいた 赤茶にくすみ、垂れ下がったリボンから れいむ種だとわかる 普通より大きな体躯から、若い時には狩りに優れていだろう そのれいむに寄り添っているのは とても長い白髪を持っているまりさ種だ 今もなお 美しいツヤを持っている髪の毛は きっと輝くような金髪だったのだろう 巣の中は綺麗に整頓されており、生活感は漂ってない もしどこかの家族が移り住んだのなら この老ゆっくりより有意義に使うはずだ 二匹はお互いを支えあいながら入り口を出ると 近くにあった軽い枝を組み合わせたようなものでフタをした すると洞窟の入り口は、もう知っているゆっくりにしかわからないように隠されてしまった すでに雪は降っている もしかしたらもう足の感覚はないのだろうか うっすらと白くなった地面を這うように進んでいく その先には何もない もう雪は吹雪に近づき何も見えない けれど二匹は、まるで誰かが通っていったかように 草原だった方向を振り返りと 懐かしそうな目をしている どうしてだろうか 二匹は微笑んでいる きっと彼女達はゆっくりとした人生を過ごして来たのだろう なにも思い残すことはないだろう しかし二匹はいつまでも草原を見つめ続けて語りかけるように呟いた 「ゆっくりしていってね」 あとがき お読み頂きありがとうございました 書き始めたきっかけは 「ゆっくりは一冬しか生きられないほど、か弱いのでは?」と しかしそうなると越冬の経験がなくなってしまいます ではどうやって厳しい冬を乗り越えるのか たった一年の人生を、本能だけで狩りや生活をこなせるのか? その答えは劇中の通りです ちなみに好きな映画は「アンドリュー NDR114」です この映画ではアンドロイドの視点から200年を通してある一家が登場します SSでは、れいむ達は死期を悟ると 自分達の両親がしたように巣を空け渡してどこかへ消えてしまいます ゆっくりの短い人生のスパンでは祖父祖母を見ることは出来ません 代々受け継がれてきた親の愛情が今の元気な子ゆっくりに向けられている…家族っていいですよね! ううう・・・(泣)本っと家族っていいですね・・・ なんか切ないけどほのぼのというか・・・とてもいいお話だったと思います -- 名無しさん (2008-11-12 03 53 26) れいむは自分の親が、どんな気持ちで見送ったのだろうかと 昨日まで思っていたが…もう考えるまでもなかった 本当に涙が出てきた 連綿と受け継がれていく生命の営み 醜いこともあろうが美しい -- 名無しさん (2008-11-12 14 44 08) いつも虐待スレに居ますが、これは良いですね。たまには愛でるのも悪くないかなと -- 名無しさん (2008-11-14 04 27 47) 家族愛を伝える作品として、今までで一番良かったかもしれない。 ただ。。。 この出生率だと、種が存続できないような気が………。 -- 名無しさん (2008-11-14 21 53 05) 私もいつも虐スレに居ますが、この話には感動しました。 「はー 楽しかったねぇ」 この言葉に、生きる事の意味が詰まっているような気がしました。 -- 名無しさん (2008-11-21 03 51 45) 全 俺 が 泣 い た。誰かバスタオルをくれないか。 -- 名無しさん (2008-12-02 21 19 31) 畜生、泣かせんじゃねぇよ・・・。 -- 名無しさん (2008-12-03 01 56 23) 役目を終えた両親はゆっくりぷれいすに行くんだね -- 名無しさん (2009-07-06 11 48 55) 受け継がれる命と去りゆく命に感動しました。 -- 名無しさん (2009-07-13 19 50 37) 目から餡子 -- 名無しさん (2009-10-19 18 17 21) 泣けた。泣けたぁぁぁ。 -- 名無しさん (2010-05-03 18 56 34) ゆっくりしていってね… -- 名無しのゆっくり (2010-12-07 18 53 00) ビバ家族!! -- 名無しさん (2011-05-02 11 07 43) ゆわぁぁん…ものすごくかんっどうしたよ…! -- ななしのゆっくり (2012-10-14 23 19 31) 虐待ばっかで嫌になってたから、めっちゃ癒された。 -- ただのゆっくり (2013-02-11 12 32 49) 泣いた けどこのままだとどんどんゆっくりが減りそう -- 名無しさん (2013-05-14 14 54 06) 名前 コメント
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君達は今日も迷宮を探索していた。すると、どこからか悲痛な人の叫び声のようなものが聞こえる! ほかの冒険者か、公宮の衛士が危ない目に遭っているのかもしれない。君達は、急ぎ声が聞こえる方に行ってみることにした。 だんだん声に近づくにつれて、声が何を言っているのか聞き取れるようになる。どうやら、ゆっくりやめていってね!ゆっくりどこかにいってね!!などと言っているようだ。 …錯乱しているのだろうか? 君達は声の元であろう部屋にたどり着いた。するとそこでは、大量の毒ふきアゲハが草むらの中の何かにたかっていた!件の声はその何かが発しているようだ。 アゲハの群れは、君達に気がつくと一斉にこちらに向かって来た。声の主も気になる所ではあるが、今はそれを気にしている場合ではない。 さあ!剣を抜いて戦いたまえ! 冒険者戦闘中... 毒ふきアゲハの群れを全て倒した君達は、声の主の様子を見ようと草むらに近づいた。すると、草むらから何かが飛び出してきた! 君達は思わず身構えるが、そこにいたのは、 「ゆっくりしていってね!!!」 …人間の生首のようなものだった。これが声の主だろうか?というか生き物だろうか?それとも新種の魔物なのだろうか? 君達はとりあえずそれを警戒しつつ観察する。一見無害そうに見えてもそうでない物の方がこの迷宮のなかでは多いのだ。(例えばりすとかリスとか栗鼠とか) しかし、 「おにいさんたちたすけてくれてありがとう!このままじゃ、れいむのあんこがちょうさんにぜんぶすわれてゆっくりできなくなるところだったよ!」 若干涙ぐみながらそう話しかけてくるそれは、どう見ても害を及ぼすようには見えなかった。 あんこってなんだ、確かどこかの菓子の材料だったはずだ、などと話し合っているうちに、君達の仲間のひとりがそれに近づいて行った。 「ゆっ?おねーさんどうしたの?」 魔法使いのような赤い帽子を被った彼女は、それをつついてみた。 ぷにっ …ぷにぷにぷにぷにぷにぷにぷに よほど触感が気に入ったのか、彼女は非常に和んだ表情でそれをつつき続ける。 しかし、それはやたらとつつかれたせいで体勢を崩しそうになる。そしてあわてて体勢を戻しながら、 「おねーさんなにするの!!」 と膨れつつ言ってきた。…やはり、こちらに何か害を及ぼすことはなさそうだ。 彼女はそれに謝りつつも、仲間達と共に、それに気になったことを聞いてみる事にした。 →彼女?について 「れいむはゆっくりだよ!れいむはゆっくりするおまんじゅうなんだよ!」 よく分からなかったが、饅頭ということはこれは菓子なのだろうか。 →れいむは生き物なのか 「れいむはおまんじゅうだけどいきてるよ!ごはんたべないとしんじゃってゆっくりできないよ!!」 はたして饅頭が生き物の範疇に入るのかは疑問だが、とりあえず生き物であるようだ。 →ゆっくりとはなにか 「ゆっくりはゆっくりすることだよ!ゆっくりするとゆっくりできるよ!」 よく分からないが、なんだかそれはれいむにとって大切なことのようだ。 →今まで見たことがないが、昔からここにいるのか 「れいむはいままでほかにもゆっくりがいるところでくらしてたけど、さっき、きがついたらここにいたんだよ!こまってたらちょうさんたちにおそわれちゃったんだよ!」 とりあえず、ここではないところから来たのだろう。 ここがどこなのか分かってないようなので、君達はれいむに説明を試みる。 ここには、魔物たちがわんさかいてとても危険な事。自分達は冒険者で、魔物達を倒して迷宮の奥に進もうとしていること。 話して聞かせているうちに、れいむはだんだん不安になってきたようだ。魔物が怖いのだろう。 そんなことをしているうちに、だんだんと夜が近づいてきていた。そろそろ町に戻ろうかと思った君達は、れいむにそのことを告げる。 するとれいむは一瞬びっくりしたような顔をした後、ぽろぽろと泣き出た。 「れ、れいむまものがきたらすぐにやられちゃうよ!ひとりはやだよ!かえりたいよおぉ!こわいよお゛お゛お゛ぉ!!!」 ついには本気で泣き出してしまった。君達はあわててれいむをなだめる。そして、先ほどれいむをつつきまわしていた仲間が言った。 よかったら、一緒に町までこないかと。 その言葉にほかの仲間とれいむは驚いたが、その仲間は言葉を続ける。 町には魔物がでないし、たくさん人がいる。あなたみたいなもののことを知っている人がいるかもしれない。あなたの面倒は自分がみるし、いろいろと調べてみる。 自分は冒険者だから、いつも一緒にはいられないかもしれないけど、町にはここにいないギルドの仲間も居るし、ひとりぼっちで寂しいことはない。 それに、 「うちのギルドにはなんだかんだでお人よしばかりだから悪いようにはしないだろうさ」 そうさね?といいつつ彼女は君達のリーダーに向けてニヤリと笑いかける。 それに君達のリーダーもにやりと笑いつつ返す。 「上や周りに何か言われるかもしれないが、 『迷宮で見たこともない生き物を見つけた。無害なようだが、一応うちのギルドの有志の手で調査する』 とか言っておけばおそらく何も言えないだろうな。」 彼女は、あながち嘘でもないさ。と満足そうに言い、いまいち事態が飲み込めてない様子のれいむを抱き上げ、目線をあわせて今一度問いかける。 一緒に町まで来ないかと。 「…れいむいっしょにいってもいいの?」「いいって言ってるじゃないか!」 そう言って笑う彼女の顔を見て、れいむは安心したようだ。 「ありがとう、おねーさん…」 そう言って、れいむはそのまま眠ってしまった。 いきなり知らないところに来てしまったうえに、毒ふきアゲハにあんこを吸われたりして疲労がたまっていたのだろう。 彼女は、そっとれいむの頭を優しく撫で、じゃあ町に帰るか。と呟いた。 君達は、れいむを連れて町まで帰っていった。町にいる仲間たちに、新しく仲間が増える事をはやく報告しないとね、などと話しながら。 あとがき 小説なんて今まで書いたことなかったのに唐突に受信した電波にしたがって書いてみた結果がこれだよ! 世界樹なんだしと思ってゲームブック的な文章にしようとしたけど無理がありすぎる。 続きはあるかもしれないしないかもしれない。自分でも悩み中。 はぁ~♪れいむが可愛すぎて鼻血がでそう・・・ -- 名無しさん (2009-06-28 02 20 49) 2のペットみたいな扱いにできると面白いかも。乙です -- 名無しさん (2009-09-13 00 01 33) リスとか栗鼠とか・・・ -- 名無しさん (2009-12-20 00 38 15) スキルはゆっくりすることだけだなきっと -- 名無しさん (2011-04-29 15 53 13) 名前 コメント
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ゆっくりきすめの桶屋さん ここはゆっくりきすめの夫婦が営む桶屋さん。今日もいろんなゆっくりが桶を求めてやってきます。 一方のきすめが歯で木を削り出し、一方のきすめが髪の毛で桶を組み上げます。 木を削り出している方のきすめが「きょうふぁひゅっくりひひたひことふぁあるの…」 何か言いたそうですが口に木を咥えているのでよく聞き取れません。そうこうするうちにお客さんが来たようです。 「ゆ…?お客さんだよ!」 「ゆっくりしていってね!」のうかりんがやってきました。 「「ゆっくりしていってね!!」」 「水遣り用の桶はできたっぺ?」 「できあがったよ!」 きすめが差し出した桶はいつもきすめが入ってる桶と違って下の方に栓が付いていました。 ここから汲んだ水や貯めておいた雨水を出すわけだ。 「いい出来だっぺ。はい約束の報酬だっぺ。」 そう言って差し出したのはのうかりん印のひまわりナッツでした。 食べたことの無い人に説明するとピーナッツより小粒で柔らかく軽い味わいだと思ってもらえればいいでしょう。 のうかりんは水を汲んだ桶をスィーに載せて行きました。 「ゆっくりしていってね!」今度はゆっくりれいむがやってきました。 「「ゆっくりしていってね!!」」 「れいむが頼んでおいた桶はできた?」 「はい!これね!」 桶の縁の一部がU字型に欠けています。どういうことなの? 「ゆわーい!これこれ!はい、お礼の山芋さん!」 れいむは喜んで二つの桶を重ねてかぶりました。するとちょうど目と口の部分がU字型の部分から露出しています。 そのままれいむはぽいんぽいんと跳ねながらお家に帰って行きました。 「ゆっくりただいま!」 「ゆっ!おかあさんゆっくりしていってね!」 子供たちのお出迎えです。 「今日はおちびちゃん達にプレゼントがあるよ!」 「ゆゆっ?なあに?」 「これだよ!」 れいむはかぶっていた桶を外して地面に置きました。 「これがおちびちゃん達の移動式ゆっくりプレイスだよ!」 桶の縁のU字の穴はちょうど子ゆっくりにとって出入り口にちょうどいい大きさでした。 「ゆわーい!」 「これはほんとうにゆっくりできるね!」 「おちびちゃん達ははそこでゆっくりしていってね!お母さんはまた狩りに行ってくるよ!」 れいむはもう一つの桶をかぶったまま狩り場に行きました。 ここはその狩り場。今は秋。栗のイガがいっぱいなっています。 すでにまりさが狩りをしています。板でシーソーの様なものを作って石を載せ、 反対側にぽいんと飛び乗って石を栗の枝に飛ばしています。 この季節栗は豊作だが空を飛べるゆっくりでないとこうやって落とすしかないのです。 「まりさ!ゆっくりしていってね!」 「れいむ!ゆっくりして…ゆ?」 「ゆふふ…驚いた?これがれいむの新兵器だよ!」 石で枝を揺らして落とす以外に自然落下する栗も多いのですが、半面イガが刺さってしまいますので まりさの様な帽子をかぶったゆっくりでないと狩りができませんでした。 れいむも長い枝で低めにある実をゆっくりゆ~さゆ~さとゆすって落とします。 桶をかぶったれいむの上に栗のイガがぱらぱらと落ちてきましたが桶に跳ね返されて中のれいむはなんともありません。 「これでゆっくり狩りができるね!」 「ゆゆ~ん!大収穫なんだぜ!」 今までは狩り場でイガから栗を出して帽子に入る分だけしかおうちに持って帰れませんでしたが、 れいむの桶に入れて持って帰ることにしました。 「「ゆっくりただいま!!」」 「おかあさんたちゆっくりしていってね!!」」 まりさとれいむの子供たちが移動式ゆっくりプレイスで遊んでいました。 「今日は大収穫だよ!」 「ゆっくりご飯の支度にするんだぜ!」 「「ゆわ~い!!」」 子供たちはもみあげで器用に枝を使いイガから栗を取り出します。 「取り出した栗はクリの先端を噛むんだぜ!そうやって栗に穴をあけると焼いても栗がはじけないんだぜ」 「おかあさんものしり~」 「さあ、準備ができたよ!ゆっくり焼こうね!」 その頃のきすめの家 「ゆふ~…ようやくゆっくりできるね!きすめはあのとき何が言いたかったの?」 一方のきすめがもじもじしながら口を開いた。 「あのね…」 「ゆ?」 「赤ちゃんができたの…」 一瞬ぽかんとしていましたが次の瞬間 「ゆわあああああああい!!!ゆっ!ゆっ!ゆっ!」 喜びにあたりをぽいんぽいんと跳ねまわりました! 「ゆっ!じゃ赤ちゃんの桶を作らないとね!かわいいかわいい赤ちゃんにぴったりのかわいい桶を!」 「「ゆっくり作ろうね!」」 もっちり 単純ににやにやできる良いSSでした。赤ちゃん用桶とかかわええなぁ -- 名無しさん (2009-10-05 01 24 42) 俺でもきすめの桶買えますか? きむすめのきすめ……イイ! -- 名無しさん (2009-10-05 19 42 04) How much KISUME s oke? -- Yukkuri Like man (2010-04-01 01 49 26) 名前 コメント
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1944年3月 大ヒノモト帝国大会議室 「…諸君に集まってもらったのは、他によらない」 重役のゆっくりさなえが腰をすわえ、会議に参加しているゆっくりさなえに告げる。 さなえは、いきなり激昂した様子で叫び始めたっ! 「私たちは、脇役であるかっ!」 「「否! 否! 否!」」 「そうだ! いまや、人気は我らの元にある! これが何を意味するか、わかっているな!」 「「人気! 人気! 人気!」」 「その通りだ! …時は満ちた! 今こそ、主役交代の時! 下克上の時である!!!」 「「今こそ主役を! 今こそ主役を!!」」 「ゆっくりのさなえを存分に可愛がってくださいね!」 「あなたなんて誰もみないです! このさなえの方こそ、満足するまで可愛がってくださいね!」 「あなたみたいなカマトトぶった奴なんていまどき時代遅れです! 隠居者は隠居者らしく隅っこで震えて日向に出てこないでください! 」 「なんですか!」 「なんですか!」 プリプリと怒ったゆっくりさなえの二人は喧嘩を始めてしまった。 お互いに顔の頬をぶつけ合うだけのものだが、当事者の二人は歯を食いしばって目の色を変えて死闘を繰り広げている…、の、だろう。 お互いに体をぶつけ合ってじゃれあっている様にしか見えない。 かわいい。 「「今こそ主役を! 今こそ主役を!」」 「…ゆ? ゆゆっ! ゆっくりのさなえが攻め込んできたよ! ゆっくりできないね!」 某日 れいむ村 「さあ、ゆっくりのれいむ! お前たちはのさばりすぎました! 今こそ主役の座を受け渡すのです!」 「そんなこと言われても、れいむはただ気に入られただけだし…」 「問答無用! こうなったら、実力行使です!」 ゆっくりのさなえの一人がれいむの集団に向かい捨て身の体当たりをかましてくる! れいむ軍団は突然の事に驚きひるみ、後ずさりをしてしまう! さなえ師団が猪突猛進に、気迫を体全面に表し攻め込んできた! 「え~い! 降参しないと、酷い目にあわせますよ~!」 「ゆくく…、執念もここまでくるとおぞましいね!」 「正義とは己を突き通すことなのです!」 「意味がわからないよ!」 激しい攻防での防衛もむなしく、れいむ村の住民は押されていた。 「ういしょ、おらぁ~! まだ諦めないのですか、すでにお前たちはさなえたちの手のひらの上に乗せられているのですよ~!」 「…」 終わらない攻防に、次第にれいむたちの士気が萎えていく。 「…もう、やめない?」 「何を、あなたたちが降参すればいつだってやめますよ! 弱者は強者のいいなりになる運命なのです!」 「…」 「さあ、さあ! ひれ伏せ~!」 「…」 ポコン 「あ゛あ゛あ゛あ゛ん、い゛た゛い゛、い゛た゛い゛!゛!゛」 「…」 結局占領は無理でした☆ 打ッち切り へたれだなさなえwwww -- 名無しさん (2009-06-04 15 45 27) 大量のさなえさんに和んだw -- 名無しさん (2009-06-04 17 40 55) 重大な事に気が付いた… タイトルがれいむと…まりさ? -- 名無しさん (2009-06-30 16 47 42) かわいい。 -- 名無しさん (2009-12-20 10 49 57) まりさ出て来てないよ。タイトル詐欺とオチに笑った。 -- 名無しさん (2010-04-21 14 00 13) 名前 コメント
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この話は以下のイラストを元にしています ドスまりさ1 ドスまりさ2 ドスまりさ式たかいたかい 「ゆ……ぎ……ゆぎぃぃ……」 魔法の森の一角で、一体のゆっくりまりさが死にかけていた。 強く蹴られた頬はへこんで裂け、餡子が漏れていた。帽子はかぎ裂きができ、 型崩れしていた。 このまりさは人里の近くの草原で遊んでいたところ、近くの畑にもぐりこんで いた別のゆっくりと間違えられ、人間に袋叩きにあったのだった。 命からがらここまで逃げてきたが、ダメージが大きすぎてもう一歩も動けなかっ た。動けたにしても帽子がダメになっているので、仲間うちでも偏狭な者に出会っ たら、襲われてしまうかもしれなかった。 「ゆっぐ……ゆっぐぅ……」 涙を浮かべて、朦朧とまりさは考える。 どうして、こんなことになったのかな……。 何がいけなかったのかな……。 何も悪いことしてないのに……。 「ゆっぐり……じだがったよぉ……」 ヒュー、ヒューと漏れる息が少しずつ細くなっていった。まりさは意識を失っ ていった。 ……ぼよーん…… ……ぼよーん…… 森の奥から不思議な音が聞こえてきたが、まりさはすでに音のするほうを見る こともできなくなっていた。ただ意識のどこかで、これ以上こわいものがこなけ ればいいなあ、と思っていた。 ……ぼよーん。 接近した不思議な音が、ふいにすぐそばで止まった。何やらきゃらきゃらとさ んざめくような、大勢の声が聞こえた。 かと思うと、深みのある美しい声で、話しかけられた。 「ゆぅっくり、していってねぇ~?」 まりさは、残った力を振り絞って目を開けた。 「ゆ……ぅ?」 不思議なものが目に映った。見上げんばかりの、もちもちと丸い頬。 その上に、とうもろこしの房を思わせるふさふさの金髪と、何やら面白がって いるような大きな瞳が見えた。 広い広い魔法使いの帽子が、まりさとその周りの茂みに影を投げかけていた。 それは枝を広げた木ほどもある、巨大なゆっくりまりさだった。まりさが今ま で見たことのあるどんなゆっくりよりも大きかった。ただ大きいだけでなく、き らきらと光る不思議な粉のようなものをまとわりつかせ、見たことのないとても 穏やかな場を周囲に作り出しているような感じがした。 まりさは一瞬、幼いころ森の動物に殺されてしまった母の姿をそれに重ねた。 おかあさん、迎えに来てくれたの。 それが、もう一度言った。 「ゆぅぅぅっくり、していってねぇぇぇぇ~?」 それを聞いたまりさは、涙をこぼした。あとからあとからぽろぽろとこぼした。 ゆっくりしたい。 痛みもつらさも忘れて、体を休めたい。 なんの心配もないところで、のんびりと日を浴びて座っていたい。 「……ゆっくり、させてぇぇぇ」 心の底からの細い泣き声を漏らして、まりさは哀願した。 すると、大きなまりさの後頭部のあたりから、ぴょんぴょんといくつもの小さ な影が飛び降りた。それらがまりさを囲んで、口々に挨拶した。 「ゆっくりしたいのね!」 「いっしょにゆっくりさせてあげる!!!」 「ゆっくりと乗せてあげるね!!!」 そのゆっくりたちに抱えあげられ、まりさは大きなまりさの金髪の中に連れ込 まれた。 そこは優しい匂いに満ちた空間で、まりさの痛む肌をそっと包み、温めてくれ た。 「さぁぁぁて、ゆぅぅぅっくり、行こうねえぇぇぇ」 意識を失う直前、まりさは体をふわりと持ち上げられるのを感じた。 ……ぼよーん…… ……ぼよーん…… ……ぼよーん…… 大きなゆっくりまりさは大きな放物線を描いて、森の奥へと進みだした。 まりさはほどなく回復した。大きなまりさの髪や帽子に住んでいる、十匹ほど のれいむやぱちゅりーたちが、親切に世話をしてくれた。 「ゆっくり、ゆっくり良くなってね!!!」 下心も誤解もない、純粋な親切。まりさは熱い感謝のおもいに浸されて、何度 も例を言った。 「ありがとぉぉ、ゆっくりしていくよ……!」 起き上がれるようになると、まりさは大きなまりさの帽子のつばに出て――頭 の上から直接出られるよう、ちょっとした穴が帽子に開いていた――ゆっくりと した跳躍風景に目を見張った。大きなまりさは悠然とした動きながら、人間が走 るよりも早く移動し、川や崖もらくらくと乗り越えていくのだった。 「ゆっくり! この人はどんな人なの?」 まりさが聞くと、親しくなったれいむが教えてくれた。 「この人はドスまりさだよ! とてもゆっくりさせてくれるまりさなの!」 なぜドスというのかはわからなかったが、まりさはその素性を知った。ドスま りさは魔法の森のもっとも深いところに住む、ふるいふるいゆっくりで、傷つい たゆっくりや心優しいゆっくりの前にだけ、現れてくれるのだという。 ドスまりさのすごいところは、その金髪から不思議な光を振りまいて、自分の 周りに常にゆっくりできる小さな世界を作ってしまうことにあるのだそうだった。 「ゆゆゆ? ゆっくりできる世界? どういうこと?」 「見ればわかるよ! ゆっくりと見ていてね!」 じきに機会が訪れた。ドスまりさが跳ねていく前方に、人影が現れた。棒や箱 など、いかにもゆっくりできなさそうなものを身につけた、男性のようだ。まり さは驚き、声を上げる。 「ゆゆっ、『おにーさん』だ! れいむ、『おにーさん』だよ、ゆっくり逃げて ね!」 「だいじょうぶだよ!」 ドスまりさがおにーさんに近づくと、不思議なことが起こった。食い入るよう にこちらを見ていたおにーさんの顔が、不意にとろんとゆるみ、敵意も意志もまっ たく感じさせないものになったのだ。 ドスまりさはおにーさんの前で立ち止まると、声をかけた。 「ゆぅぅぅっくり、していってねぇぇぇぇ~」 「……ゆっくりしていくよぉ~」 おにーさんは焦点の定まらない目で言って、片手を挙げた。 ドスまりさはその場を離れ、ゆっくりと去っていった。おにーさんは追ってこ なかった。 ぽかんとするまりさに、れいむが微笑みかけた。 「ね! みんなゆっくりするんだよ! だかられいむたちはだいじょうぶ!」 「ゆっくりしていってね!」 驚きつつも、まりさは遠くなった人影に声を投げかけた。 ドスまりさは深い深い森の奥に、大きな大きな洞窟を持っていた。そこには、 まりさと同じように助けられたゆっくりたちが、たくさんゆっくりしていた。 まりさもそこでゆっくりしていけばいいと薦められたが、まりさはそれを断っ て言った。 「まりさは助けられてとてもうれしかったよ。だから、まりさもおなじことをし たいよ……!」 「ゆっ! それなられいむといっしょに、おしごとをしようね!」 まりさはれいむに教えられたとおり、自分の帽子のレースをすこし噛み切って、 ドスまりさの髪にリボンのように結び付けた。そこには他にも何十ものリボンが ついていた。 それが終わると、ドスまりさは振り向いて、穏やかで温かい笑顔を向けてくれ たのだった。 「ゆぅっくりしていってねぇ~!」 「ゆっ!」 まりさはにっこりとうなずき返した。 ……ぼよーん…… ……ぼよーん…… ……ぼよーん…… 魔法の森の奥を、不思議な音が通り過ぎていく。 その正体を確かめた人間は、いない。 ============================================================================= YT かっけぇw -- 名無しさん (2008-08-06 02 19 10) ついでに、お兄さんも心の底からゆっくりさせてあげてね。焦点の定まらない目で、ってこぇぇぇぇw -- 名無しさん (2008-10-20 17 45 56) おぉっ、ドスまりさの生態を描いた貴重なSSハケーン♪ 俺もゆっくりさせt(ry -- 名無しさん (2008-12-09 15 24 23) 俺は常にゆっくりしてるから、一緒にゆっくりしようぜ! -- 名無しさん (2010-03-21 03 01 52) なんてかっこいいんだ、姉貴と呼ばせてください!! -- 名無しさん (2010-06-08 23 02 23) どすはとってもゆっくりしてるね! -- 名無しさん (2010-11-28 01 42 11) まりさを袋叩きにしたやつ、後で屋上な? -- 名無しさん (2012-12-13 21 33 13) 名前 コメント
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※選ばれしゆっくりの番外編です。新種ゆっくり誕生秘話の後の話でもあります。 ※ゆっくりちるのの生態(後編)はもうしばらくお待ちください。。 ※駄文、稚拙な表現注意。 ※俺設定注意 ※うすたネタ注意 ゆっくりみていってね 「くー。明日からどうやって暮らせばいいんだ。」 そうつぶやきながら田舎のあぜ道を歩く人影がひとつ。 俺の名前は・・・フリーターお兄さんとでも呼んでくれ。 と言っても今は失業者お兄さんなわけだが。 先ほど勤めていたラーメン屋をクビになってしまったからだ。 くっ、俺は悪くない。俺は悪くないんや。 ただ俺はストレスがたまるとラーメンを人の頭にぶちまけるくせがあるだけなんや。 むかつく客に「そぉい!!」と言いながらラーメンぶちまけただけなんや。 と意味も無く関西弁になりながらとぼとぼ歩く俺。ほんと明日からどうしよう。もう貯金もほとんどない。 道端に札束でも落ちてないかと見回すが当然そんなものはあるはずもない。 はー。とりあえず兄貴のところいってめしおごってもらうか。できれば金も貸してほしい。 「ゆっくりみていってね!!」 あー。ゆっくり。ゆっくり。悪いが今はゆっくりの相手をしている気分じゃないんだよ。 そう思いながら通り過ぎる。 「ゆっくりみていってね!!」 あーうるさいな。なにがゆっくりみていってね、だ。こちとら明日からの生活で頭がいっぱい・・・。 ん!?ゆっくりみていってね!?ゆっくりしていってねじゃなくて? 慌てて後ろを振り返る。そこに奴はいた。 生首のような体。銀髪の髪。銀縁の丸めがね。 なんだ!?こいつ!?こんなゆっくり見たこと無いぞ!? そう驚きふためく俺に 「こーりんのすてきなおどうぐたちゆっくりみていってね!!」 とのたまうなぞのゆっくり。 おどうぐ!? よく見るとなぞのゆっくりの前にはござが敷いてあり、そこにはガラクタが乱雑におかれている。 「こーりんどうにあるすてきなおどうぐたち、ゆっくりかっていってね。かわなきゃいっしょうのそんだよ。」 そう言い、きりっとするなぞのゆっくり。 うぜぇ。おもにありもしないイケメンオーラを出そうとしているところがうぜぇ。 そう思い立ち去ろうとしたが、ふと昔兄貴が言っていたことを思い出した。 ゆっくりには露天商売まがいのことをする品種がいる。 売ってある商品は大抵ガラクタだが、中にはどこから手に入れたのか驚くような高価な品がまざっていることがある。 確かに兄貴はそう言っていた。ゆとりのゆっくり研究員をやっていたこともある兄貴のいうことだ。間違いない。 貧乏を脱出するチャンスだ!! そう思うと今までガラクタにしか見えていなかったこいつらがお宝に見えてくるから不思議だ。 「おい。」 「ゆっ!?」 「この商品はいくらだ?」 「ゆっ、ぜんぶあまあまとこうかんだよ。さんじゅうねんにいちどのさーびすでーだよ。」 あまあま?つまり甘いものか。確か昨日サービスでもらった飴があったはず。あわててポケットを探る。 あった!! 「ゆっ!!あまあま!それとならどれでもひとつこうかんしていいよ。」 くっ、ひとつだけかよ。これは絶対にはずせない。 そう思いござにあるガラクタたちに目を通す。 せみの抜け殻、ビー球、ただの丸い石とおままごとレベルの物から、古めかしい小さな仏像や、青く光る石をあいらったブローチのような高価なにおいのする品までまさに玉石混合だ。 「ん!?なんだ。この八角形の鉄のかたまりは?」 「それは、みにはっけろだよ。」 「ミニハッケロ!?なんだそりゃ!?」 「もってるといろいろべんりだよ。げんそうきょうのまりさがもっているのとおなじやつだしね。」 ゲンソウキョウ?なんだそりゃ?まりさってあの黒いぼうしをかぶったゆっくりのことか? そんなものよりこっちだ。 俺は小さな仏像とブローチを前に考え込んだ。 どっちだ?どっちが高価な品なんだ? この仏像、まえになん○も鑑定団で似たようなの見たことあるきがする。たしかあれは数百万はしたよな・・・。 いやそれをいったらこのブローチも歴史を感じさせる。飾りも本物の宝石に見えてきたし。 くっ、わからん。 いっそのことどちらも買うか? あまあまはどこかから買ってくればいいんだし。 いや、だめだ。ここは田舎のあぜ道。近くにコンビニはおろか、ひとっこひとりいない。 ひとっ走り買いにいくにしても時間がかかる。それまでこの店がある保障は無い。 こうなれば最後の手段だ。 「うおおおおお!!!!」 俺はゆっくりのめがねをうばい、 「ゆっ!?かえしてね!こーりんのいんてりじぇんすなめがねさんかえしてね」 「そぉい」 月までとどけこーりんのめがねとばかりにぶん投げた。 「こーりんのだんでぃなめがねさんまってぇぇぇぇぇ!!」 ゆっくりにとって飾りは命の次に大切なもの。当然泣きながらめがねの飛んでいったほうへ探しにいく。 小動物をいじめてるようで気が引けるがしょうがない。 この隙にブローチと仏像をつかみ帰らせてもらうとしよう。 さすがにかわいそうなんでキャンディはここに置いていくとするか。どうせいらんし。 しかしこいつら換金したら何に使おうかな。とりあえず油苦理飯店の高級ゆっくり中華を食べに行こう。 前からいってみたかったんだよなぁ。 1時間後 森の中にこーりんはいた。レンズにひびが入り、フレームの曲がっためがねをかけて。 飛んでいっためがねは幸い見つかったものの、地面におちたショックでレンズにひびが入り、フレームも曲がってしまった。 「ゆう・・・。こーりん、いけめんじゃなくなっちゃったよ・・・」 がっくりするこーりんだが、ひとつだけいいこともあった。 あまあまが手にはいったことである。あのあとこーりんどーに戻ったところ、なぜか店先においてあったのである。 めがねさんが壊れたのは残念だが、せめてあまあまを食べて元気をだそう。 そう思い、あまあまをほうばろうとするこーりん。 しかし、ない。たしかにそこに置いたのに!? 「ゆゆっ!!?あまあまさん、ゆうだなかみかくしにあわないでてきてね!!」 そう言い、当たりを見回すこーりん。そして見つけた。 あまあまをくわえ逃げていくゆっくりまりさの姿を。 「まってね!!こーりんのあまあまさんかえじでねぇぇぇ!!」 「ゆっへっへ。しぬまでかりていくだけだぜ」 そういうとまりさはゆっくりらしからぬスピードではねていった。 後にはむせび泣くこーりんが残された。 どうやら幻想郷でも現代日本でもこーりんはまりさに搾取される運命らしい・・・。 所かわってここは郊外の安アパート。フリーターおにいさんの兄、店員おにいさん(元研究おにいさん)の住むアパートである。 「でっ、どちらも偽物だった、と」 「そのとおりだよ、ちくしょー!!ほんとなら油苦理飯で優雅なディナーのはずだったのに・・・」 そう言いながらカップめんをすするフリーターおにいさん。 あの後スキップしながら古道具屋へブローチと仏像を持ち込んだものの、どちらも安物であると判明。 怒りのあまり、途中で物乞いをしているリボンのちぎれたれいむを蹴飛ばしてしまった。 当然、油苦理飯など行けず、店員おにいさんの出してくれたカップめんが夕食となった。 「馬鹿だなぁ。僕なら確実に儲けることができたのに。」 「どうやってだよ!!あのなかにはガラクタしかなかったんだぞ!!」 「そうじゃなくてそのゆっくりをゆっくりショップに売ればよかったんだよ」 「えっ・・・」 「これを見て。」 そう言い、分厚いカタログを出す店員おにいさん。タイトルに「ゆっくり大全集 09年度版」と書いてある。 その中の1ページを開き、フリーターおにいさんへ見せる。 「これがいったいどうしたん・・・いぃっ!!?」 そのページには確かに昼に見たゆっくりの写真が載っていた。 名前はゆっくりこーりん。希少度S、そしてショップ買い取り価格・・・・100万以上!!!? 「希少度がSなら100万以上の買い取り価格がつくゆっくりは多いよ。なかにはいくら金を積んでも手にはいらない奴もいるしね。 僕の店に持ってきてくれればよかったのに・・・」 「そ・・」 「こーりんなら、婦人層に人気があるから200万以上でもいけたかもな。」 「そ・・・・」 「そ?なんだい?」 「そぉい!!!」 フリーターおにいさんが店員おにいさんの頭にラーメンをぶちまけ、兄弟げんかが始まるのはこれから10秒後のことであった・・・。 by長月 今日の希少種 ゆっくりこーりん 希少度 S 古道具屋のまねごとをするゆっくり。どこに店を出すかはわからない。 店のことをこーりんどうと呼び、古道具を並べてあまあまや食料などと交換する。 基本的にあるのはガラクタだが、中には貴重な品や幻想郷のマジックアイテムも売っている。 どこから貴少品を手に入れるかは不明で、一説によるとスキマ妖怪が関係しているらしい。 あとがき やはり希少種ネタはいいですね。もっと絵でもSSでも希少種ネタがふえればいいのに。 今まで書いた作品 ふたば系ゆっくりいじめ 176 ゆっくりちるのの生態(前編) ふたば系ゆっくりいじめ 185 選ばれしゆっくり ふたば系ゆっくりいじめ 196 新種ゆっくり誕生秘話 選ばれしゆっくり番外編
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ここはゆっくりたちがゆっくりしている大地。 人里から遠く離れ、妖怪たちも知る事の無い世界。 そこに、ひとつのゆっくり集団がありました。 ゆっくりれいむと、ゆっくりまりさ。 それに、ゆっくりぱちゅりーとゆっくりありすの4匹です。 まだ小さいこの4匹がどうして一緒に暮らすようになったのか、家族はどうしたのか。 ゆっくりたちはとてもゆっくりしている生き物なので、そんなこともう忘れてしまいました。 でも大丈夫です。 4匹は、みんないつでも仲良し。 大事なのは、この4匹がそれぞれを大切な友達だと思っている事なのでした。 そんなある日の事です。 4匹が草原で仲良く遊んでいると、地面の上を黒い影が通り過ぎました。 「ゆ! みんなあぶないよ! ゆっくりにげてね!!」 誰が上げたかその声に、みんなゆっくりなりに急いで近くの背の高い草むらに逃げ込みます。 妖怪や人間は居ませんけれど、鳥に襲われては動きのゆっくりなゆっくりはひとたまりもありません。 それに、ほとんどが夜行性ですが、ゆっくりの中にも空を飛んでゆっくりを食べるゆっくりも居るのです。 幾ら平和とは言えここは大自然です。 その事を身にしみて知っているから、ゆっくり達は草むらの中からじっと空を見ます。 そこにいたのは、ゆっくりを食べるゆっくりの一種類、ゆっくりれみりゃでした。 真昼だと言うのに珍しいですね。 顔の横から生えた翼をはためかせ、きょろきょろと何かを探しています。 自分達の事でしょうか。 見つかったら食べられちゃうかもしれない。 その想像が、ゆっくり達を自然と小さく縮めていきます。 その時です。 ざぁっ、と、強い風が草原を駆け抜けていきました。 その風にあおられ、隠れていた草むらが大きくなびき、ゆっくり達の姿が丸見えになってしまいます。 そして、その事で気がついたのか、ゆっくりれみりゃが一直線にこっちに飛んできました。 ゆっくり達は、ゆっくり隠れているつもりだったので、突然の事に体が動きません。 怖い、食べられちゃう!! 皆、ゆっくりれみりゃが怖くて目に涙を浮かべています。 そんな4匹の前に、大きく口を開けたゆっくりれみりゃがびゅーっと飛んで来て…… 「うー♪ うー♪♪」 ぺろり、とゆっくりれいむの顔を舐めました。 「???」 何が起こったのでしょうか。 そのままがぶっと食べられちゃうと思ったれいむも、他の3匹も、何がなんだかよく判りません。 もしかして、食べる前におもちゃにでもするつもりなのでしょうか。 でも、ゆっくりれみりゃはみんなの顔を一舐めすると、わざわざ地面に降りて不器用にぴょんぴょん跳ねています。 「うー♪」 お決まりの「ぎゃおー!」も「たーべちゃーうぞー!」も言いません。 『ゆ?』 これはどういうことなのでしょうか。 みんな困ってしまいます。 ニコニコしながらぴょんぴょんしていたゆっくりれみりゃも、だんだんと困った顔になってきました。 やがておずおずと、ゆっくりれいむが挨拶します。 「ゆ……ゆっくりしていってね?」 するとゆっくりれみりゃは笑顔に戻り、みんなの周りを跳ね、飛び回ります。 どうやら、このゆっくりれみりゃは自分達を食べに来たようではないみたいです。 それならば、ゆっくりがする事は一つです。 『ゆっくりしていってね!!!!』 「うっうーーー♪♪♪」 どうやらこのゆっくりれみりゃはちょっと変わり者のようでした。 れみりゃ種だというのにゆっくりたちを食べようとはせず、夜はみんなと一緒に眠ってしまいます。 近づいてきた鳥だって追い払ってくれますし、高い所にある珍しい木の実なども取ってきてくれました。 ほかのゆっくり達は怖がりましたけど、そんな事は関係ありません。 いいじゃないですか、皆、それぞれどこか違うものなのです。 4匹にとって、このゆっくりれみりゃはもうお友達なのです。 いつからか、みんなは5匹のゆっくり集団になっていました。 それからしばらくたったある日。 突然れみりゃがれいむに噛み付きました。 それどころか、リボンを取ろうとしたり、髪を抜こうとしたりするのです。 今まで友達だと思っていたれみりゃのそんな行動にれいむは怒り、そして泣き出してしまいます。 まりさやありすも、口々に「ゆっくりあやまってね!」「ゆっくりできないこはきらいだよ!」と怒ります。 最初は「うー! うー!!」と必死に何かを訴えていたれみりゃでしたが、あらあら、しまいには自分も泣き出してしまいました。 怒られた事が悲しかったのでしょうか。 いいえ、そうじゃありません。 れみりゃはただ噛み付いたわけではないのです。 ただ怒られた事よりも、自分のしたい事がみんなに伝わらなかった事。 自分が上手く伝えられなかった所為で、れいむが泣いたり、みんなが怒ったりした事。 その事が、とっても悲しかったのです。 した方も、された方も、わんわんと泣いているばかり。 初めは怒っていたまりさとありすも、慰めても泣き止まない2匹の様子にどうして良いのかおろおろとするばかりでした。 わんわんと泣きながらも、れみりゃはまだ何かを伝えようとしているようです。 その場で小さく飛び跳ねてみたり、れいむの下にもぐりこもうとしてみたり。 他のゆっくりよりもおしゃべりが上手くないれみりゃは、自分の体を使って何かをしようとしているのです。 れみりゃは、本当の事を判ってもらって、みんなと仲直りをしたかったのです。 そんな様子を、ゆっくりと見ていたゆっくりがいます。 それはゆっくりぱちゅりーです。 頭の良いぱちゅりーは、れみりゃは意味も無く噛み付くゆっくりではない、きっと何かがしたかったはずだとゆっくりと考えていました。 ゆっくり、でも真剣に考えをめぐらせます。 やがて。 「むきゅーーーーん!! わかったわ!!!」 体の弱いぱちゅりーにしては大きな声と高いジャンプ。 それが、ぱちゅりーの喜びを示していました。 ぱちゅりーはまずれみりゃの所に行くと、顔を舐めたり頬擦りしたりして、やさしくなだめます。 やがてれみりゃが落ち着き始めると、自分はれみりゃの横に行き、今度はれいむに向かって自分の上に乗るように、と言いました。 病弱なぱちゅりーにとっては辛い事でしょう。 でも、ぱちゅりーは優しいれみりゃの想いに応えてあげるために、必死で我慢します。 れみりゃの顔を横目で見ると、れみりゃは満面の笑みを浮かべていました。 ああ、良かった。 友達が笑っている、自分の考えが間違いで無いとわかると、それだけでそんな苦労もどこかへ飛んでいきます。 自分の上にれいむがゆっくり乗ったら、次はれみりゃの上に乗るようにと。 まだぐずりながらも、れいむはぱちゅりーの言うとおりに動きます。 さあ、これで準備はおしまい。 「れいむ、れみりゃにゆっくりつかまっててね!」 ぱちゅりーが言うと同時、れみりゃが小さな翼を精一杯動かします。 するとふわり、とれみりゃだけの時よりは速さも高さも少ないですが、れいむをのせたままゆっくりとれみりゃが浮かび上がりました。 「わぁすごい、おそらをとんでるよ!!」 浮かんだれみりゃの上から見る景色、その光景にれいむはたちまち泣き止んで目を輝かせます。 そう、れみりゃは以前にれいむが「れみりゃみたいにおそらがとべたらなぁ」と言うのを聞いて、それを叶えてあげようとしたのです。 れいむを乗せたまま、バランスを崩さないようゆっくりゆっくりとれみりゃは飛んでいきます。 空からは、みんなニコニコ笑ってこちらを見ているのが見えました。 やがて、短い空の旅が終わり、れみりゃとれいむはゆっくりと地上へと降りてきます。 「れみりゃ……さっきはゆっくり怒ってごめんね!」 れいむはれみりゃが自分の事を思ってしてくれた事に気づき、さっきは泣いて怒った事を謝りました。 「う……? うーーー♪♪」 れみりゃは一瞬ぱちくりすると、れいむに擦り寄ります。 れみりゃにとっては、れいむが喜んでくれた事、それだけで十分なのでした。 2匹は笑いながら、体をすりあわせてにっこり仲直り。 そこにまりさとありす、ぱちゅりーも加わってみんなで仲良くすりすり。 それかられみりゃは疲れるでしょうに、まりさも、ありすも、それぞれ乗せて空に舞い上がります。 そして最後に、今回一番の功労者のぱちゅりーを乗せて、みんなよりも、ゆっくりゆっくりと飛びました。 ぱちゅりーを乗せたれみりゃが戻ってくると、まりさとありすが自分達も乗せてくれたお礼と、二人で怒った謝罪を込めて木の実や花を集めていました。 さすがにちょっと疲れたし、大事な帽子もみんなが乗ってくしゃくしゃになってしまいましたが、れみりゃはそんな事気にしません。 みんな怖がるれみりゃ種の自分を受け入れてくれた友達。 そんな友達みんなが笑顔で幸せ。 それがれみりゃの一番なのです。 『ゆっくりありがとうね、れみりゃ!!!』「うーーーー♪!♪!♪」 そんな仲の良いゆっくりたち、まりさとありすが集めてくれたご飯を食べると、そろって近くの木の洞に入っていきました。 ……あらあら、みんな寝ちゃいましたね。 今日は色々と疲れたのでしょう、ちょっと早めのお昼寝の時間みたいです。 ゆっくりおやすみなさい。 おわり。 作・話の長い人 ゆっくりできてよかったね。 -- 名無しさん (2009-07-14 22 18 00) れみりゃかわええ/// -- 名無しさん (2009-09-18 05 54 27) れみりゃは可愛いなぁ… -- 名無しさん (2010-07-14 05 16 38) イイハナシダナー -- 名無しさん (2010-09-19 18 37 43) れみぃかあいい -- 名無しさん (2010-11-27 14 27 04) めっちゃいい話この話作った人マジかみ -- ゆっくり大好きです!! (2011-10-22 19 49 55) れみりゃが可愛いすぎて生きるのが辛い -- 名無しさん (2012-01-03 08 44 39) よし、れみりゃ1匹飼わせてもらおうか -- ちぇん飼いたい (2012-02-27 19 10 39) さて!今日の昼飯は・・・ 肉まん・・・だと・・・ -- 名無しさん (2012-08-11 10 39 36) ありがとう。 ゆっくり虐待とかわけのわからないジャンルが増える中で、すごく安心のできる作品でした。キャラクターがものすごくかわいいです。 -- 名無しパチュ (2012-09-25 20 20 51) ↑同感、ゆっくり虐待する人ってなんかこう・・・病んでるんだろうね。 -- 名無しさん (2012-12-13 07 06 17) 絵本みたいにほのぼのしてるな。 -- 名無し (2014-02-14 07 51 47) 名前 コメント
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作者名:*作者当てシリーズ 「皆さんこんばんは、クイズ・ゆっくり答えていってね!の時間です」 永遠亭の一室に設けられたセットの中央で一匹の兎が挨拶すると、 観客からささやかな拍手が返される。 宣言を行った兎、司会役の因幡てゐの後ろには、回答席代わりに 木組みの箱が並び、その先には閉まった襖があるだけの簡易な会場がある。 観客席に居るのも十数人の兎達で、座布団の上で正座したり、 体育すわりしたりと思い思いにくつろいでいた。 「それでは、回答者の皆さんを紹介しまーす」 てゐがセットの横にはけ、木箱で出来た回答席の方を向くと それぞれの箱の奥からゆっくりが顔を覗かせている。 皆一様に不安げな顔をしており、あまりゆっくりした様子ではない。 「まず1匹目はれいむさん、今の心境はいかがですか?」 「ゆゆっ、ここはゆっくりできないよ! ゆっくりかえしてね!」 てゐは一番手前、左端にいるゆっくりれいむにマイク代わりの人参を向ける。 回答席手前の箱はてゐのひざくらいの高さしかなく、その奥には高さを調節する為の 板が重ねてあり、その上に乗ったれいむはてゐを見上げながらじたばたと喚くが 箱の前から逃げることが出来ない。 他のゆっくり達も同様に、台となる板の上から逃げずに怯えているが、 どの個体も足を焼かれたり、傷を負ったりしているわけではなかった。 ゆっくり達の背面側の、板の角2箇所からひもが伸びており、その先についた2つの 洗濯ばさみが後ろ髪の生え際をしっかりとはさんでいる為、痛みに弱いゆっくりは 方向転換すら出来ないのである。 「それでは2匹目のまりささん、意気込みを聞かせて下さい」 「ゆゆーっ!? むししないでね!? れいむをかえしてね!?」 続けて、れいむの隣の席に座るまりさの横に移動し、 必死のお願いをスルーされて涙目で叫ぶれいむを無視しながらまりさに人参を向けると、 まりさは口を真一文字に閉じ、膨れ上がりながらてゐを睨み付けていた。 「なるほど、気合十分ですね! がんばってクイズに答えて下さい」 「ぷひゅるる、ちがうんだぜ! いたいめにあいたくなかったら はやくまりさをはな…ゆゆっ、やめてね! たたかないでね!?」 意図を汲んで貰えなかったまりさは、溜め込んだ息を吐き出しながら脅しにかかるが、 てゐが無言で人参を持った手を振り上げるといやいやと首を振る。 貧弱な知能が挑発するような強気な言葉を選んでしまうが、 竹林の巣から連れて来られてこの回答席に座らされるまでの間、 逃げようとする度に振るわれた暴力で抵抗が通用しないことを体が覚えているのだ。 「やめ、やめてねっやめてねやめぎゃっ!!」 脳天に振り下ろされた拳骨が饅頭の頭を凹ませると、まりさは顔の中央を真っ赤にしながら ぽろぽろと涙を流して震えだし、観客達からどっ、と笑いが起こる。 無視されたことでぶちぶちと不満を漏らしていたれいむも、目の前で繰り広げられた 暴力に青い顔で口をつぐんだ。 「はい、3匹目はみょんさんです」 「ちーんぽ!」 「4人目はぱちゅりーさんです、自信はいかがですか?」 「むきゅ、いつでもじゅんびおっけーだわ」 みょんはまともな会話が成り立たないので、人参を向けることもせず素通りし、 れいむとは反対側の端に居るぱちゅりーに問いかける。 知識に自身のあり、抵抗が無駄なことも知っているぱちゅりーは 落ち着てクイズに対処するつもりのようだ。 「以上、4匹の回答者に拍手!」 再び客席から拍手が送られる中、てゐが司会の定位置となるれいむの横まで戻って 振り返ると、ぱちゅりーの横にある襖が開いて1匹の兎が姿を現す。 アシスタント役となるその兎が抱えた透明な箱には、 回答者と同じ4種類の赤ちゃんが1匹ずつ入っていた。 「ゆゆっ! れいむのあかちゃん!」 「ぺにす! まらちんぽ!」 「まっ、まりさのあかちゃんをそこからだすんだぜ!」 「みゅっ、おしょらをとんでりゅみたい!」 「ゆゆっ、おかーしゃんがいりゅよ!」 「おちんぽ!」 箱の中に自分の赤ちゃんの姿を見た回答者達は騒ぎ出すが、 当の赤ちゃん達は状況がわかっておらず、高い所からの視点に目を輝かせている。 親ぱちゅりーだけは、地面からの遠さに怯える赤ちゃんぱちゅりーを 心配そうにじっと見つめるだけであった。 ゆっくり達の様子を満足そうに眺めると、てゐは回答者に向かってルール説明を始める。 「クイズの優勝者には、自分の赤ちゃんとゆっくりする権利が与えられます」 「「ゆ、ゆゆっ?」」 「ゆ、ゆうしょうしないとどうなるの?」 「優勝したゆっくり以外は、もう二度と赤ちゃんとゆっくり出来ません」 「「ゆゆーっ!?」」 「ぺ、ぺに…!」 まりさも含め、みな母親役として子を産んだ回答者達は、 赤ちゃんとゆっくり出来なくなるという宣告に騒然となった。 子供が連れてこられた時点でこんな展開になると予測していたぱちゅりーさえも、 不安に耐えられずクリームを吐きそうになる。 「む、むきゅ…ぱちぇのあかちゃんはほかにもいたはずよ、 そのこたちはどうしてるの?」 「ゆゆっ、れいむもあかちゃんいっぱいいるよ?」 「まりさもだぜ! あかちゃんはどうしたのぜ!?」 「ちんぽ! まらぺにすっ?」 「はい、親と種類が違うとわかりにくいので、 今居る赤ちゃん1匹ずつを残して、他はみんな殺しました」 あっさりとしたてゐの返答に、一瞬思考が停止するゆっくり達。 赤ちゃん達も姉妹の行方は知らなかったらしく、呆然としている。 「む、むぎゅ、ぎゅ、ごぼっ」 と親ぱちゅりーがクリームを吐き出したのをきっかけに、 回答者達も涙を撒き散らしながら騒ぎ出した。 「「どぼじでぞんなごどずるのぉぉぉ!?」」 「どぴゅっ! ま゛らべにずぅぅぅ!!」 わんわんと泣き出した赤ゆっくりの入った箱を床に置き、 アシスタント兎がぱちゅりーの口にクリームを戻す姿を確認すると、 てゐは説明を続行する。 「クイズに正解で1ポイント、先に5ポイント溜めた回答者が優勝です、 不正解でのポイント減少はありませんが、罰ゲームがあるので注意して下さい」 「ぞんなのじらないよ! れ゛ーむだちをかえじでねぇぇ!」 「先ほども言いましたが、優勝出来なかったらもう子供とは会えません 親も子もここで死んでもらいます」 「ゆゆっ…ま、まりさはゆうしょうしてゆっくりするんだぜ!」 「まらまら、ちんぽぺにっ」 「れ、れいむも、あかちゃんをまもるよ…!」 自分だけでなく、子供の命まで掛かっていることを教えると 逃げ出すことしか考えていなかった親ゆっくり達も優勝を狙わざるを得なくなった。 「クイズは早押し形式で行われます、答えがわかったら 回答席の上にあるプレートを持ち上げて、一番早かったゆっくりが 問題に答えられます」 「むきゅ、このぼうね!」 クリームを戻されて意識の戻ったぱちゅりーが答える。 回答者の前にある箱の上には、菜ばしの先に丸い紙が貼り付けてあるだけの、 簡易なプレートが置いてあった。 ゆっくり達は洗濯ばさみで板から離れられないよう固定されているが、 菜ばしの先を咥えられる程度には余裕がある。 「ゆっくりりかいしたよ!」 「おかーしゃん、がんびゃってにぇ!」 「ゆっくちまりちゃをたしゅけちぇね!」 「もちろんだぜ! ゆうしょうはまりさがいただくんだぜ!」 「まら、ちーんぽ!」 「おちんぽっ!」 「ごほっ、ごほ、おかーしゃん…」 「むきゅ、かならずたすけるから、しんぱいしないでまっててね」 「それでは、早速1問目から始めて行きましょう」 4者4様に決心を固めたところで、てゐはクイズの開始を宣言した。 ごくり、と息を飲み、回答者達もすぐにプレートを咥えられるよう 身を低くして構える。 「第1問、頭部に茎が生えず、胎内で子ゆっくりサイズまで育ててから 出産する繁殖方法をなんと言う?」 「ゆ……ゆゆっ!?」 「むきゅ…!?」 動物型、胎生型にんっしんっは人間が付けた呼び方で、ゆっくり達は 単に「あかちゃんができた」としか言わない。 野生で生きるゆっくり達には全くわからない問題に固まってしまう回答者達。 どのゆっくりも餡子の中の少ない記憶を必死に探すが 一向に答えが見つからず焦りが募る。 「そろそろタイムアップですよー、10、9、8…」 「ぺ、ぺに…ぺにっ!」 てゐが始めたカウントに急かされたのか、みょんが力強くプレートを掲げると、 他の回答者達は先を越されたと焦るような顔でみょんを見つめた。 これで正解したらみょんの優勝、ひいては自分と子供の死に一歩近づいてしまう。 透明な箱の中の赤ちゃんみょんは母の雄姿に目を輝かせ、 びっきゅまりゃぺにちゅ!と賞賛の声を送った。 当のみょんは答えを知らないままプレートを上げてしまったが、こうなった以上 回答しなくてはならないと、発言するために一旦プレートを席の上に戻し、 一度息を整えてから当てずっぽうに言葉を並べる。 「ち…ちんぽこ、ぺにちんぽ!」 「…ざんねーん、不正解!」 「ど、どぴゅうっ!?」 みょんの珍回答に観客から笑いが上がり、他のゆっくり達も ライバルの不正解にほっと胸を撫で下ろす。 「それでは、不正解のみょんさん親子にはペナルティが与えられます、 今回のペナルティは『げんこつ』でーす!」 「ぺ、ぺにっ…!?」 てゐからの罰ゲーム宣言を聞いたみょんは目を見開いて叫びを上げた。 ペナルティがあるとは知らされていたが、赤ちゃんまで受けるとは聞いていない。 先ほどまりさがうけたげんこつも、成体ゆっくりなら耐えられるが 赤ちゃんゆっくりが受ければ確実に潰れてしまう威力である。 アシスタントは箱の中で落胆している赤ちゃんみょんを掴み上げると 親みょんの頭の上に乗せる。 「ぺににっ?」 「ちんぽっ、もっこりちんぽこっ!!」 「ま、まりゃっ、まりゃまりゃ…」 親みょんは頭上にいる赤ちゃんみょんを見上げ逃げるように叫ぶが、 成体ゆっくりの頭の上は赤ちゃんゆっくりにとってそれなりの高さである。 赤ちゃんみょんが動けずおたついている間にアシスタントが壁に固定された ロープを外すと、天井から『げんこつ』が振ってきた。 「どぴゅううっ!!?」 天井から落ちてきた物体、軍手の中に分銅を入れた『げんこつ』は 断末魔を上げる暇も与えず赤ちゃんみょんを潰し、そのまま親みょんの脳天を破って 底面の皮まで到達する。 「「ゆ…ゆわ゛あ゛あぁぁぁぁぁ!!!」」 「やぢゃぁぁぁ! おうぢがえりゅ! おうぢきゃえちでにぇええ!?」 「む、むぎゅう、ごぼっ」 目の前でみょん親子の死を見せ付けられたゆっくり一同は涙を撒き散らしながら叫び、 ぱちゅりーは再びクリームを吐き出してしまう。 ゆっくり達の壮絶な叫びに観客からはどっ、わはは、と笑いが起こり、 盛大に拍手が送られた。 「はい、みょんさんは罰ゲームで死んでしまったので、 リタイアになりました!」 「もうやめでねぇぇ!? ゆっぐりざぜでぇぇ!」 「それでは次の問題」 「どうぢでぎいでぐれ゛な゛いのぉぉぉぉ!?」 「ゆゆっ、こたえないとゆっくりできないんだぜ…」 アシスタントがぱちゅりーのクリームを戻すが、てゐは回復を待たずに 2問目を読み上げ始める。 ぱちゅりーが動けず、れいむが泣き喚いている今が 何とか正解してポイントを稼ぐチャンスと、まりさは身構えていた。 「ゆっくり達がゆっくり出来る理想的な場所のことを…」 「ゆっ、わかるんだぜ!」 答えがわかる問題が来たことで、ここぞとばかりにプレートを掲げるまりさ。 泣き喚いて身構えていなかったれいむも慌ててプレートを上げようとするが、 咥え損ねて回答席の下に落としてしまう。 「ゆ、ゆゆぅっ! ぷれーとさんゆっくりしてねぇっ!」 「はい、ではまりささん」 「ゆっ、かんたんなんだぜ! こたえはゆっくりぷれいすだぜ!」 「…はい、不正解!」 「「ゆゆっ!!?」」 まりさだけでなく、れいむも答えの予想が外れたことに驚きの声を上げ、 正解が掛かっているまりさはじたばたと地団駄を踏みながら抗議する。 「ゆっ、そんなのうそなんだぜ! まりさはまちがってないんだぜ!!」 「問題には続きがあります、ゆっくり聞いてね!」 「ゆ…ゆうっ!?」 「ゆっくり達がゆっくり出来る理想的な場所のことを、ゆっくりぷれいすと言いますが …ゆっくり達が怖がる場所といえばなんでしょう? 答えは加工場でした! まりささんと赤ちゃんまりさは罰ゲームでーす!」 観客席から歓声と拍手が上がり、アシスタントは箱の中で逃げる赤ちゃんまりさを捕まえると 親まりさの元に連れてくる。 「みゅみゅーっ、どーちてまちがえちゃうの!? おきゃーしゃんのばきゃぁぁ!!」 「ゆ、ゆゆぅっ!! ずるいんだぜ! こんなもんだいむこうだぜ!」 「正当な引っ掛け問題だよ! 今回の罰ゲームは『風船』です」 「やっ、やめるんだぜ! あかちゃんはゆるすんだぜっ!!」 「やめちぇにぇ! おきゃーしゃんたしゅけてにぇぇぇ!?」 アシスタントが先に萎んだ風船の付いたものと付いていないもの、 2本のチューブを親子に近づけると、親まりさは赤ちゃんまりさをかばうように前に出ようとするが、 髪の生え際をはさんだ洗濯ばさみに皮を引っ張られ動きが止まってしまう。 「ゆぎぃっ!? あ、あかちゃんにげるんだぜ! にげてねぇぇ!!」 「みゅ、みゅうう! ゆっくちにげりゅよ! みゅびゅっ!?」 「あ、あかちゃ、ゆげえっ!?」 親まりさの髪の中から這い出て来た赤ちゃんまりさの口に萎んだ風船が押し込まれ、 その様子に悲鳴を上げた親まりさの頭にも残ったチューブが突き刺される。 2本のチューブの先にはそれぞれ足踏みタイプの空気入れが付いており、アシスタントは 両手で空気入れを操作しまりさ親子へ同時に空気を送り始めた。 「み゛ゅ、み゛ゅみ゛ゅみ゛ゅぅ~~っっ」 「ゆ゛ぎっ、ゆ゛っぐりやべべべ、ゆっぐ! ゆ゛っぎぎぎぎぎ!」 赤ちゃんまりさの口内で風船が膨らみ口を限界まで開かされ、 親まりさは体内に直接空気を送られて皮がぱんぱんに張るが、 それでも空気の注入は止まらない。 「み゛ゅみ゛ゅ……み゛っ!」 「ゆぎぎぎ…ゆ゛ぃばっ!!」 「まっ、まりじゃぁぁぁぁ!?」 「む、むきゅぅぅぅん!!」 限界に達した赤ちゃんまりさは口を境に真っ二つに裂け、 親まりさは顔全体が破裂し、共に即死してしまう。 「続いての問題でーす」 「も、もうやめでね!? れいむはどうなってもいいから、 あかちゃんはかえしてあげでね!?」 「むきゅ、ぱちぇからもおねがいするわ! あかちゃんだけはたすけてあげて!」 クリームを戻して再び回復したぱちゅりーとれいむは、 自分を犠牲にしてでもと中止を懇願する。 「ここでやめたら、優勝者無しで全員死んでもらいますよー」 「ゆ、ゆゆぅっ!? おねがいだから゛ゆるじでぇぇぇ!!」 あっさりと断られ絶叫を上げるれいむと言葉を失うぱちゅりー、 その様子に客席からも笑いが上がり、クイズは続行された。 「ゆっくりが乗って移動する、長方形の板に4つの車輪が付いた物体の事をなんと言うでしょう」 「むきゅ、わかるわ!」 「ゆゆっ、れいむもわか…なんでぷれーとさんとれないのぉぉ!?」 2匹とも答えがわかる問題が出るが、れいむは先ほどの問題でプレートを掴み損ねて 回答席の下に落としてしまっている。洗濯ばさみで自分の乗った板に固定されたれいむは プレートに向かって舌を伸ばすが全く届かず、その間にぱちゅりーがプレートを上げてしまった。 「はいぱちゅりーさん」 「むきゅ、答えはすぃー、よ!」 「はい正解!」 「ゆ、ゆゆぅぅ!」 観客席から拍手が上がり、アシスタントがぱちゅりーの回答席に正解数を示す ボールを1個置いたのを見て、れいむは強い焦りを感じていた。 プレートを落としてさえ居なければ、動作の遅いぱちゅりーに早押しで負けるはずがないのに そのプレートそのものが取れる位置にないのである。 「それでは次の問題、ずばり、今何問目でしょう?」 「むきゅ! いまは、さんもんめよ!」 自信満々にプレートを上げ、答えるぱちゅりーにれいむも悔しそうな顔を上げるが、 沢山の数を数えられないれいむは今が何問目か実際にはわかっていない。 「不正解、今は4問目です! ぱちゅりーさん親子は罰ゲームでーす!」 「む、むきゅ!? ぱ、ぱちぇはみっつしかもんだいをきいてないわ!」 「2問目の時点で、クリームを吐いて気絶してたからね」 「む、むきゅぅぅ!?」 「体が弱くなければ赤ちゃんも死ななかったのに、残念ですねー」 自分のせいで赤ちゃんが死んでしまう、がたがたと震えながら透明な箱の方を見ると 既に赤ちゃんぱちゅりーは居らず、おろおろしている赤ちゃんれいむだけが入っていた。 「む、むきゅ? ぱちぇのあかちゃんは…?」 ぱちゅりーが疑問の声を上げると、開いた襖の先に見える廊下から 湯気の立ち上る手鍋を持ったアシスタントが入ってくる。 「ぱちゅりー親子の罰ゲームは『かまゆで』です、赤ちゃんはもう鍋に入ってますよ」 「むきゅっ!? あかちゃん! あかちゃんはどうなってるの!?」 「それじゃ、自分の目で確かめて下さーい」 アシスタントがぱちゅりーを拘束する洗濯ばさみを外し、 後頭部を掴んで鍋の上まで持ち上げる。 先に入っていると言う赤ちゃんの姿を探そうとするぱちゅりーだったが、 顔面に熱い湯気が当たり目を開くことすら出来ない。 「あぢゅ! あぢゅいわ! あかぢゃんどごにいるの!? へんぢしで!」 湯気を避けようと必死に顔を振りながら、赤ちゃんの声を聞こうと呼びかけるが 全く返事が返ってこない。間をおかず、親ぱちゅりーも鍋の中に落とされ 全身に焼けるような熱さが伝わってきた。 「む゛ぎゃあっ!? あぢゅ! あぢゅ! あぢゅいぃぃ!!」 クリームを吐き出しながらも、鍋から逃げようともがくぱちゅりーだが 熱湯でゆでられた皮の表面では普段のように力を伝えることが出来ず、 程なくしてクリームを溶け出させながら鍋の中に沈んでいった。 「ゆ…ゆが…」 「残った回答者はれいむさん1匹だけですね」 ぱちゅりーの最後をぶるぶると震えながら見つめるれいむにてゐが呼びかけると、 自分1匹だけ、と言う言葉でれいむの中にある考えが浮かぶ。 「ゆっ、ほかのかいとうしゃがいないなら、れいむのゆうしょうだよね!? れいむとあかちゃんをゆっくりかえしてね!!」 「おかーしゃん、ゆーしょうちてくりぇてありがちょー!」 てゐに向き直って安心しきった笑顔を見せるれいむに、ぴょんぴょん飛び跳ねながら喜ぶ 赤ちゃんれいむ。だがてゐもアシスタントもれいむ達を解放しにくる様子がない。 一刻も早くこんな場所から離れたいと、親れいむは目を吊り上げて叫ぶ。 「ゆゆっ、どうしたの? はやくれいむたちをかえしてね!」 「だめです、優勝は先に5ポイント集めたゆっくりなので、 他のゆっくりが全員死んでもまだ優勝じゃありません」 「ゆ!? どうぢでぇぇぇ!?」 「もうやでゃぁ! おうぢがえぢでぇぇぇ!!」 目と口を全開にして叫ぶ親れいむに、赤ちゃんれいむもじたばたと地団駄を踏むが、 てゐは構わず問題を読み上げ始めた。 「第5問、ゆっくり達が出会った時にする、挨拶の言葉は何?」 「ゆ、ゆゆっ! ゆっくりしていってね! ゆっくりしていってね!」 帰るには5ポイント取らなくてはいけないと、れいむは涙を流しながらも挨拶の言葉を叫ぶが、 てゐからの返事はない。 「どうしたのっ!? ゆっくりしていってね! ゆっくりしていってね!!」 「れいむさん、プレートを上げないと回答権は無いですよー?」 「ゆ、ゆゆぅっ!?」 回答席の下に落ちたプレートを指差しながらの、てゐの返事でプレートの存在を思い出したれいむは、 ずりずりと這ってプレートに近づこうとするが、髪の生え際を洗濯ばさみでつかまれている為 後頭部に感じる痛みで前進を止めてしまう。 「タイムアップになったら罰ゲームですよ、10、9…」 「ゆゆーっ、ゆっふりしへね! ゆっふりしへいっへへ!? ゆっふり!」 「…5、4、3…」 「おかーしゃん! ぎゃんびゃっちぇ! ぎゃんびゃっちぇにぇぇぇ!?」 プレートに向かって届かない舌を伸ばしながら回答を続けるが、カウントダウンは止まらない。 赤ちゃんれいむも必死に応援するが、タイムアップを待たずにアシスタントの手が 赤ちゃんれいむを掴み上げた。 「はいゼロー! ざんねんでしたっ!!」 「ゆゆぅぅぅ!! ゆっぐりぢていっでね! ゆっぐりぢでいっでべぇぇ!!」 「たぢゅげちぇ――!!」 諦めきれずに回答を続けようとする親れいむの頭に連れてきた赤ちゃんれいむを乗せると、 アシスタントは回答席の後ろにある襖を開く。開いた襖の奥から体無しのれみりゃが入り込んでくるが 振り返る事が出来ない親れいむはその姿を見る事ができず、赤ちゃんれいむはれみりゃの事を知らない。 「みゅみゅ? ゆっくりちていっちぇにぇ!」 「ゆゆ? どうしたの?」 「れいむさんの罰ゲームは『れみりゃ』です」 「ゆゆーっ!? れみりゃはやだぁぁぁ!! あかちゃんにげてね! あかちゃんにげてねぇぇ!!」 親れいむはじたばたともがきながら叫ぶが、赤ちゃんからの返事が返ってこない。 「ゆゆっ、どうしたの…?」 と頭を傾けて見上げると、ちぎれた赤ちゃんれいむの顔面を咥えて餡子を吸い出す れみりゃと目が合った。後頭部しか残っていない赤ちゃんれいむは叫び声すら上げる事が出来ず、 上を見る為に傾いた親れいむの頭部からころんと落ちてしまう。 「ゆ゛あ゛あ゛あ゛あ゛―――っ!!! やべでね!! だべな゛いでね゛ぇぇぇぇ!!!」 「うー!」 赤ちゃんれいむでは物足りないれみりゃは、そのまま見上げて来る親れいむの額に噛み付き、 餡子を吸い上げはじめる。 「ゆ゛ゆ゛うぅぅぅっ!!? も、もっど、ゆっぐ…」 見る見るうちに萎んでいく親れいむは、もっとゆっくりしたかった、 と言い切ることも出来ず、餡子が体の外に流れ出していく感触を感じながら意識を失った。 口から親れいむの皮をぶら下げたままのれみりゃを掴んだアシスタントが 襖の奥に消えていくのと同時に、中央へ移動したてゐがクイズの終了を宣言する。 「残念ながら今回は優勝者無しと言う結果に終わりました。 クイズ・ゆっくり答えていってね! それではまた、次回お会いしましょう!」 観客席に向けててゐがお辞儀をすると、観客達からは盛大な拍手が返された。 おわり。 ↓の企画向けです。 作者当てシリーズ作者予想スレ http //jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/11995/1227272050/(※リンク切れ) このSSに感想を付ける
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前々回 前回 ゆっくりもこうを飼おう その3 人間の里にクリスマスの時期がやってきた この幻想卿は日本にあるが、西洋系の妖怪もいるため西洋の文化も幻想入りしていた クリスマスもその一つで、皆がそれぞれに祝い事をしていた 最も、ただ飲み会をする口実を欲しかっただけかも知れないが 「もっこもっこにしてやんよ!」 そして私も今、もこうのクリスマスプレゼントを考えていた よく手伝いをしてくれるのでささやかなものを送ろうと考えたのであったが そもそもゆっくりには何を送ればいいのだろうか? もこうはというと最近流行った歌を歌っている そのせいか鳴き声が今までの「ゆ!」だったのが「もこ!」に変わってしまった これはこれで個性があって悪くはないのだが 「なぁ、もこうは何か欲しいものはあるか?」 「もこ!もこうはおにいさんといっしょならそれでいいよ!」 と中々に殊勝なことを言ってくれる ここまで賢く育ってくれたのは嬉しいが、こういうときは素直に欲しい物を言って欲しいものだ と、ここで扉がドンドンと叩かれた ノックにしては低いところから聞こえてきたが相手が分かっているので気にしない 「お、ちぇんか」 「ゆっくりしていってね!」 「ゆっくりしていってね!」 友人のちぇんが遊びに来た ちぇんは丁寧にゆっくりの挨拶をする もこうも挨拶をしてちぇんを招き入れた 「わかるよーちぇんはあそびにきたんだよー」 友人の家とは割と近所なためたまにちぇんが遊びに来る 逆にもこうを遊びに行かせるときもある らんは最近ちぇんの親離れを見守っているらしくあまり着いてくることはなかった 「もこ!ゆっくりあそぼうね!」 ちぇんには飼いゆっくりであることを示すバッジが付けてある このバッジは飼いゆっくりの賢さを現す一種の目安だ ランク分けされておりちぇんはシルバーバッジ その上のゴールドバッジは店の手伝いをするゆっくりなどが付けているため、ペット用と言うよりも商業用に近い が、ペット用であっても賢いゆっくりはゴールドバッジを取得することが出来るため時々付けているゆっくりがいる ちなみにもこうも先日シルバーバッジを取得したばかりだ 今まではお手製のリボンを付けて飼われていることを証明していた 確からんは近々ゴールドバッジの試験を受けるらしい ゆっくりらんは賢いので案外合格するかも知れない 「もこ、もこうがあっためてあげるよ!」 考え事をしているとおやつにと上げたおにぎりをもこうが頬張っていた 炎を上手く操ることが出来るようになり、なんと口に入れたものを軽く温めることが出来るようにまでなった もこうが口からおにぎりを出すとそれは焼きおにぎりになっていた 「わかるよーやきおにぎりだねーもこうはすごいよー!」 「もこ♪」 焼きおにぎりをちぇんと半分ずつわけるもこう 二匹ともふーふーしながらおにぎりを食べていた やはり、ゆっくり同士で遊ぶのは楽しいようで二匹は時間を忘れて遊んだ ドンドンとまた扉が叩かれ、開けてみるとそこにはゆっくりらんの姿が 「らんはちぇんをむかえにきたよ!そろそろおうちにかえるよ!」 ゆっくりのお迎えだ こういう風景を見られるとは中々に貴重なものだ 「わからないよー。まだくらくないよー?」 「おにいさんがさんたさんにてがみをかくかららんがむかえにきたよ!」 「もこ?」 まだ遊びたいというちぇんにらんが「サンタに手紙を書く」と言う それを聞いたちぇんは「わかったよー」と言いらんの元へとテポテポて歩いていく 「ちぇんはもうかえるね!もこうもおにいさんもゆっくりしてね!」 「ゆっくりしてね!」 らんがペコりとお辞儀をすると二匹は器用に戸を閉めて友人宅へと帰っていった 「もこ?おにいさん、さんたさんってなあに?」 「あぁ、サンタさんはな…」 もこうにサンタの説明をしていなかったことを思い出した もこうにはサンタとは良いゆっくりにプレゼントをくれる人だと教えることにした これならば何か聞き出せるかも知れない 「サンタさんは良いことをしてるゆっくりにプレゼントをくれる人なんだよ」 「もこ!?」 「もこうはサンタさんにお願いするものはないかい?」 「もこ…」 どうやらもこうにも欲しい物があるようで、言うか言うまいかともじもじと迷っている 少し考えた後にもこうは意を決して 「もこうはかぞくがほしいよ!」 「かぞく…だと…?」 もこうはペットショップで購入したために早期に親元から離されている そのせいかゆっくりの家族に憧れているようだ 先ほどもらんと一緒に帰るちぇんを羨ましそうに見ていた 「さんたさんにおねがいするね!」 「あぁ…」 が、私には難しい問題だ 成体ゆっくりを連れてこようにももこう種は珍しいためまず見かけない ペットショップでも成体もこうは見なかった かといって別の種類のゆっくりをあてがうわけにもいかない それは成体ゆっくりにももこうのためにもならないからだ シルバーバッジ取得記念に新しいケージを買ってあげたときに大喜びしていたのを見て油断してしまった 幸い、小博打で得た金があるため金銭的な問題がないのが救いだが 「もこうは良いゆっくりだからゆっくりやすむね!」 遊び疲れたのかもこうは新しいケージへと戻り寝床で休み始めた と言うわけで今から急いでペットショップへ行こう 「え~成体のもこうですか?希少種の成体は中々いないんですよ…」 「そうですか…」 ダメ元で聞いてみたが、やはり珍しいだけあってこの店にはいないらしい 「明日になれば、ブリーダーさんからまた新しいゆっくりを引き取るんですがその時にもう一度来てはどうですか?」 「分かりました…今日はこのゆっくり用高級フードをください」 クリスマス用に豪華なフードを買って帰った 明日また来るが今日のウチに用意は済ませておこう 家に帰るともこうはまだ眠っていたので、帰りに買った小さめのクリスマスツリーを飾ることにした 小さいながらも色とりどりのイルミネーションにプレゼントやサンタ、靴下を模した飾りに極めつけはツリーの一番上にある大きな星だ なんでも、とある魔法使いが出したらしくその輝きは宇宙の星を連想させる ゆっくり用高級フードを冷蔵庫にしまい、準備はできた 次の日、再びペットショップを訪れるとケースの中のゆっくり達が一新していた クリスマスプレゼントに買っていく客が多くなったために買い手が見つかったゆっくりは別のスペースに移したらしい 新たなケージの中にはこれまた新しいゆっくり達がゆっくりとしていた 狭いながらもゆっくりできるように設計されたケースのためゆっくりは幸せそうにしている 「「あるゆっくりしたひのこと~♪」」 「ありしゅはゆっきゅりしゅるよ」 「いもうとたちもゆっくりしてね!」 歌を歌うものからまだ眠いのか藁の上で眠るもの、どのゆっくりもそれぞれゆっくりしていた 「いらっしゃいませ。あぁ、あなたですか、残念ながらもこうは今回いないんですよ」 「やっぱり難しいですよね…」 「えぇ、もこうはいませんが今回も希少種を仕入れたんですよ」 ちょっと見てみませんか、と店主は私にケージを指し示す そこには特徴的な帽子を頭に乗せたゆっくりが眠っていた 青みが掛かった銀色の髪をしたそのゆっくり、ゆっくりけーね 帽子はさしずめ三重の塔、と言った感じで物理的法則を無視したかのように頭の上に乗っかっている 「ゆっくりけーね、名ブリーダーの×××さんが育てたゆっくりから産まれたんですよ」 血統書を見せてくるがそんなものは別にどうでもいい この特徴的な帽子に私は一目惚れしてしまった 昔から私は主人公よりも脇役が好きになってしまうタイプでグ○ンラ○ンより○ング○タンが好きだ その私の心をこのゆっくり(の帽子)は掴んではなさい 「店主、このゆっくりをくれ」 と、思わず即決してしまったのである 店を出た後に、我に返った もこうのクリスマスプレゼントを買いに来たというのに何と言うことを… 店主には今晩取りに来ると伝えて買い手が付いたことを示す札を貼ってもらってあるが考えると軽率すぎた キャンセルするわけにもいかず、もこうへのクリスマスプレゼントはゆっくりけーねと決まってしまった 「おにいさん!くつしたをつるしてね!」 「分かった分かった」 もこうにサンタはくつしたにプレゼントを入れると教えたところくつしたをねだられたのでゆっくりが一匹はいるほどの靴下を用意した それを壁に吊して後はプレゼントをいれるだけ もこうは楽しみなのかどこかそわそわしている 「もこ~…さんたさんはいつくるの?」 「サンタさんはみんなが寝ている時に来るんだ。夜更かししたらサンタさんは来ないぞ」 「もこ!きょうははやくねるね!おにいさん、おやすみなさい」 「あぁ、おやすみ」 もこうは昨日と同じくケージの中の藁の上で寝ている このケージは少々奮発したためゆっくり二匹なら余裕ではいる大きさはある 今はもこう一匹のため空きスペースがある 「さて、そろそろかな」 時計を見ると約束の時間が近くなっていたので私はペットショップへと急ぐことにした ペットショップでけーねを受け取った 今回はケージはないため手で直接抱えている けーねが寒くないようにと店主がゆっくり用毛布をサービスしてくれたため今はすやすや眠っている この分だと上手くいきそうだ 家に帰るともこうが眠っているのを確認してから靴下にけーねをいれる 流石に宙ぶらりんは可哀想なので靴下は床に降ろしておく 後は明日になりもこうが起きるのを待つだけだ 翌日、もこうはいつもより早く起きて逆に私を起こした 「おにいさん、ゆっくりはやくおきてね!」 私の顔をペチペチと叩いてくるのでたまらず起きてしまった 「まだ6時だぞ…」 「ゆっくりごめんね!でもくつしたさんがゆかにあるよ!」 ソワソワと靴下を見るもこう その眼はキラキラと輝いていた 「…サンタさんが来てくれたみたいだな」 「もこ♪」 膨らんだ靴下を見てもこうは上機嫌のようだ 「ゆっくりしていってね!」 この挨拶を聞いたゆっくりは反射的に返してしまう習性を持っている それは靴下の中のけーねも例外ではなく 「ゆっくりしていってね!」 と、靴下の中から這い出てきた 「ゆ?ここはどこ?」 けーねは見慣れない部屋に少々戸惑っているようだがもこうは大喜びだ 「もこ!おにいさん、ゆっくりがいるよ!」 「あぁ、おまえの家族だ」 それを聞くともこうはけーねに歩み寄った 「ゆっくりしていってね!」 「ゆっくりしていってね!」 互いに顔を合わせて挨拶を交わし 「もこ!もこうはもこうだよ、ここはおにいさんのおうちだよ!」 「けーねはけーねだよ!もこうはとってもゆっくりできるゆっくりだね!」 少々肌寒かったが、それでもけーねはもこうの近くにいると暖かかった もこうもゆっくりにとっての最大の賛美を送られて顔を赤くして照れていた 「けーねともこうはかぞくだよ!ゆっくりしようね!」 「ゆっくりしようね!」 けーねももこうもまだ子ゆっくり。野生では時折親を亡くしたゆっくりが他のゆっくりの家族に迎え入れられることがあると聞いたがどうやらけーねももこうのことを家族と思ってくれたようだ 二匹は楽しそうに家の中を走り回っていた 夜にはいつもより豪華な餌を与えてあげた けーねはぱちゅりー種のように賢いため舌が肥えることもなく、普通の餌も一緒に食べてくれたので一安心だ 「「む~しゃむ~しゃ、しあわせ~♪」」 けーねはこの家ともこうが気に入ったようで、幸せな顔をしている もこうも初めての家族にとても喜んでいる 大きめのケージが役に立ち二匹は藁の上で寄り添うように眠りだした 最初はどうなることかと思ったが、これはこれで良い結果に終わってくれた 「メリークリスマス、もこう、けーね」 ゆっくり用毛布を掛けてやり、私も床に付いた… 時間とネタの都合上残念ながらラオめーりんの話がかけません(´;ω;`) れみりゃサンタとか考えてたんですが… もこたんかぁいいよお(´;ω;`) -- 名無しさん (2009-01-16 16 55 24) ラ、ラオめーりんの人だったのか‥!人の成長というのは素晴らしいですね ああもう本気で可愛いわ、みんな。飼いたい、マジで切に思う飼いたい。 そして希少種と聞いてけーねではなくかぐやを想像してしまった私はかぐもこ派。でもたまにはけねもこも良いよね!! -- 名無しさん (2009-01-16 17 31 21) くおお、かわええのう -- 名無しさん (2009-01-16 18 18 23) ほのぼのー -- 名無しさん (2009-01-27 23 47 52) グ○ンラ○ンより○ング○タン は、 グレンラガンよりキングキタンでしょうか?? -- 特定の種だけゆっくり愛でな人 (2009-02-28 16 13 28) けねもこは俺のジャスティス -- 名無しさん (2010-01-23 01 06 40) やっぱけねもこだね。 -- 名無しさん (2010-12-01 15 01 32) バッジとか舌が肥えるとかお好きですね -- 名無しさん (2012-06-12 20 47 18) ゆっくりけーねは、ゆっくりもこうのことをもこたんと言う。 -- 白上沢慧音 (2012-09-25 21 24 01) ↑先生何やってんですかwww -- 名無しさん (2012-12-25 18 39 18) やっぱけねもこだね。 もこけーねだろ -- yiuyiuiyiuiyiuyiuyiuyiuyiuyiuyiuyiuyiuyiuyiu (2019-11-21 16 45 36) とってもゆっくり出来るよー -- もこうの愛でがみたい人 (2022-01-09 18 57 41) 名前 コメント
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『ゆっくりりぐる』 りぐるは蛍の様なゆっくりだ。大体は後ろ髪を虫の薄羽根のように使って飛び、 綺麗な水辺に住み付き、同じく水辺に住むゆっくり達と交友を結ぶ。 「ゆっくりしていってね!!!」 「ぶーん。ゆっくりしていってね!!!」 ご近所のれいむとご挨拶だ。蛍なのにぶーんが口癖で良く他の虫に間違われる。 というよりもこの挨拶のとき以外はぶーんとしか言わないことが多い。 ひたすらにマイペースな所は同じくゆっくりのちるのと似ていた。 「いっしょにゆっくりしようね!!」 「ぶーん!!」 仲良しのれいむのお誘いだ。りぐるは嬉しそうにした後、 れいむの目線ぐらいまで高度を下げ、仲良く川辺で追いかけっこする。 しばらく遊んでお昼時。 「おなかすいたよ!!!」 「ぶーん!!!」 いきなり森林の中に突っ込むりぐる。 「ゆゆ?どこいくの?!」 そう言ったれいむの元にしばらくしてから、何かを口に咥えたりぐる戻ってきた。 それをポトッと落してなにやら自慢げな顔でれいむを眺める。 「みみずさんだね!!」 「ぶん!!」 「むーしゃむーしゃ、しあわせー!!」「びゅーんびゅーん、しあわせー!!」 りぐるは他のゆっくりに比べ雑食性に劣る。 淡水に住む巻貝、カタツムリに土中に住むミミズなどしか食べられないのだ。 だから、そういった貝類がすむ比較的綺麗な水辺や湿地帯でしかりぐるを見ることはない。 「すこしかわにつかってゆっくりしようね!!」 「ぶーん!!」 ・・・・・・・・・。 「ゆ。そろそろあぶないね!!ゆっくりつかっていたところがむずむずしだしたよ!!」 水に浸かった時のいつもの危険信号にれいむはすぐに水から飛び出す。 「ぶーん」 「ゆ!!あんまりおみずにつかってゆっくりしすぎるとだめだよ!!」 りぐるは平気な顔でぼけーとしていた。 水辺に住む性質上、りぐるの皮は水に溶けにくいお餅なのだ。 あせあせとするれいむを尻目に一人でしばらくぼーっとしていた。 そんなこんなで日が暮れて、 これからがりぐる達の本当の魅力が発揮される時間となる。 れみりゃも友好的なこの地方の川辺はゆっくり達の夜の社交場だ。 そしてそれを彩るりぐる達の見せ場でも合った。 後頭部をピカーッと光らせ飛び回るりぐる達は、それその物が計算された ライトアップに勝るとも劣らない美しい光の軌道を浮かばせ、 川辺に居るゆっくり達はそれに見惚れて愛を語り合う。 そして、れいむの友のりぐるも楽しげに存分に飛び回るりぐる達の中に居た。 とまあ長所も短所も多いのだが、ゆっくり達の内輪でりぐるは敬遠されることが多い。その理由は・・・。 「あつい!!ゆっくりはなれてね!!!りぐるたちみんなでれいむにあつまらないでね!!」 先程のりぐるの仲間だろう。6体のりぐるが甘えるようにれいむに擦り寄っている。 そう、りぐるはよく仲良しのゆっくりに、たかるようにすりすりしてくる甘えん坊さんなのだ。 まあ、このれいむもりぐるを嫌うほど嫌がっているわけではない、 りぐる達とはこれからも仲良くやっていくことだろう。 即興の人 このゆっくりりぐる達に 会える水辺はどこにありますか? -- 名無しさん (2010-03-02 09 05 43) ゆっくりりぐる可愛いな♪ -- 名無しさん (2010-04-09 15 05 09) ゴミはちゃんと持って帰ろう -- 名無しさん (2013-07-06 07 07 10) 名前 コメント