約 981,208 件
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/1975.html
※冒頭のみ れいむとぱちぇりーには可愛い子宝が3匹いた 長女の子ぱちぇは、面倒見の良いお姉さん 次女の子れいむは、いつもおっちょこちょいだが家族を明るくしてくれる 末女の子れいむは、まだ赤ちゃん言葉も抜けない甘えん坊さんだ 夏のせせらぎで涼んでいる子供達を、寄り添う両親はうっとりと眺めていた ゆっくりの寿命は短い なぜならば簡素にしか作ることの出来ない巣に恐ろしい捕食者が侵入したり 思うように餌を集めれられなかったり、群れ同士のいざこざで命を落としてしまうからだ 大抵、巣立った成体は思うように生活できずに、家族もった者は食料を維持できずに 自然の厳しさと緩慢な性格から、長寿になる事は おろか子供を残す事すらたやすくない しかしこの家族は 決して家族を見捨てず愛に溢れたれいむと 常日頃と最愛のれいむと家族が幸せになるように思いをめぐらした思慮深いぱちぇりーによって すくすくと子供達は成長し 二人は今日までゆっくりと子供達と暮らすことが出来た ぱちぇはもう子供を生む体力はない、れいむも腹部に追った怪我ですっきりする事もできない 外敵から逃げ、凍える冬を越し、少ない食べ物で助け合い、過酷な数ヶ月を生き抜いた最初で最後の家族 自分達はそろそろずっとゆっくりする頃だろう 親しい知り合いはいないが、悲しんでくれる子供達がいる きっとただの餡子の塊となって、この世界から消えてしまうだろうが 子供達の心の中で自分達は生き続ける 可愛い子供達、自分達の知識と愛を注いだ子供達 きっと賢く逞しく育って、孫を ひ孫を成していくだろう 最愛の恋人と子供達に囲まれて、まるで天に昇るような母れいむだったが 本当に空を飛んでいた 「ゆぅ~?」 変な感触を感じてスィーから降りた成体まりさは辺りをうかがった 楽しく川辺をドライブしていたのだが お気に入りのキノコを食べ過ぎたのだろうか アレは味は不味いが、食べるとハイになる貴重なものだ その時のテンションなら美れいむでも美ありすでも落とせる気がしてくる そんな素敵ナンパ計画を練っていたのに、勢いを崩すとはゆっくりできないな 「ゆぐぐっ ゆぎぎぃ」 小石かなんかに衝突したと思っていたまりさだが、思いもしない結果に驚いた 背中をへこませ痛みにのた打ち回っているれいむがいたのだ 「ゆん! まりささまのじゃまをするからいけないんだぜ…」 とれいむに聞こえない声でつぶやくと ああ、このれいむが半端に怪我をしたら生涯面倒を見ないといけないのか 皮を見る限りだいぶくたびれているし、もっと若いれいむがいいなぁ とりあえず助けずにこのまま死んでくれれば良いが 「ゆんっ ふーっ ふーっ」 まりさはスィーについた返り餡を落として再び乗り込んだ すると痛みから立ち直ったれいむは這って川のほうへ近づいた 「ぱ ぱ ぱぁちぇりぃぃいいいい!!!!」 れいむの視線の先には成体ぱちぇりーがいた。大方友達か恋人だろう そのまま入水心中すればいい まりさは事故で覚めてしまった餡子脳にカツを入れるため 再び帽子の中のハイになるキノコをむしゃぼり食べ始めた 「で、でぃぶぅうううう!!! がぼがぼかぼっ」 「いまれいむが たすけてあげるからね!」 「ぱ、ぱちぇはいいがらぁあ! ごどもだぢを だずげなざいぃ!」 「ゆぅぅうう!? おおおおおぢびじゃんだぢぃいいい!!!?」 ぱちぇは比較的近い所に吹っ飛ばされたため、すぐにれいむに咥えられて浅瀬に戻されたが 軽い子供達は遠い中州の方まで流されていた 「おぎゃあああじゃああああああん!!!!」叫ぶ次女れいむ 「おみじゅ きょわいよぉおおおおおおお!!!」波に飲まれる末女れいむ 「おぢづぎなじゃいいい! ままが だすげにぎでっ ぐれっ がぼがぼがぼがぼっ」溺れている長女ぱちぇ れいむは己を省みず川へ突っ込み、頬を膨らまして浮き輪状態になって子供達を助けようとした しかし泳ぐことは出来ず流れに頼るだけの母れいむは直ぐに岸へと戻されてしまう 何回も何回も繰り返すが 「あきらめじゃだべよ! かぼぼっ おねーぢゃんがら ばなれないでねぇ! ゆぐぼぼぼっ」 長女は髪を妹達に加えさせてなんとか流れている流木を使いながら耐えている 「むきゅううう ぅぅうう …もうやだぁ!! おうぢにがえりだいよぉぉ!」 ついに泣き叫ぶ長女を皮切りに、次女れいむはふやけた部分から体が捻りきれて川底と水面に体が分離された 末女は溶けて表情のない皮だけが浮いていたが やがて散り散りになった 長女ぱちぇは 妹達の変わり果てた姿を呆然と見つめると、母れいむの視界に届かないどこかへ流れて行った 「ゆあああああああああああ!!!!! でいぶの おぢびじゃんだぢがぁああああ!!!!!!」 「むきゅううううううううう!!!!! ぱちぇの おぢびじゃんだぢがぁああああ!!!!!!」 かけがえのない子供達が藻屑となっている おお、ひげきひげきなんて思いながらまりさはキノコを完食した 自分のナンパライフを邪魔した、家族の愉快な末路を見て ノリを取り戻したまりさはスィーを転がし始めた 「ゆ?」 どうやら故障してしまったらしい なんてこった、あんな喜劇ショーとじゃ割に合わない せっかく誰かの巣で拾った まりさのスィーだというのに 動かないスィーに体当たりをすると、謝礼を請求しに夫婦に近寄ろうとする いつのまにやら夫婦の慟哭を耳にして駆けつけていた他のゆっくり達がいた 「だいじょうぶ れいむ? ぱちぇりー?」 「おちびじゃんがぁああ! おちびじゃんがぁあああ!!!!」 「わかるよー かなしいんだねー でも おちつくんだよー」 「みょーん! みょんみょん!」 なんだよ、野次馬かよ 毒ついたまりさはスィーを乗り捨てて 山で例のキノコでも補充にでもするかとその場を離れようとした 「ゆぎぃ! あいつだよ! あいつが れいむとぱちぇの おちびちゃんたちを!!!!!」 「わかるよー うわさの ぼうそうまりさだねー」 「ゆうかりんは みていたわ! あいつが れいむたちを はねたのよ!」 やべぇ バレてる だったら子供達でも救助して善人のフリでもすればよかったぜ スィーも故障しており、ココから逃げることも出来ないまりさは一つひらめいた とココまで考えました もしよかったら、好きに続きを書いてね!!! このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/4657.html
「ゆがあああ!もうゆるざないよ!まりざだぢはずっどゆっぐりさぜでやるうう!」 衝動に任せて、都会派の矜持をかなぐり捨てて叫ぶありす。 もはや子まりさ達に対する家族の情など微塵も残っていない。 あるのは異様な姿になっても都会派でゆっくりしていた我が子を奪った悪魔への憎しみだけだった。 「れいぱーがこわいこといってるよ!」 「おお、こわいこわい」 「だいじょうぶだよ!おにーしゃんがあのれいぱーはうごけないっていってたよ!」 子まりさ達は自分よりも数段大きいありすに憎悪の念をぶつけられてなお涼しい顔。 自分達にだって大きくて強い親がいて、それ以上にいざとなったらあの男が守ってくれると思っているのだろう。 にやにやと笑みを浮かべてありすの方を横目で見やりながら、3匹で何か話し合いをしている。 「まりしゃ!やっぱりれいぱーはやっつけようね!」 「みんなであまあまさんをむーしゃむーしゃしようね!」 「おうちもおおきくなるね!とってもゆっくちできるね!」 元気良く不穏当なことを口走りながら3匹はありすのほうに振り向く。 どの子まりさも口から涎を垂らしながら、あくまでも純真な丸っこい瞳をきらきらと輝かせながら。 ぽいんぽいんとどこか間抜けな音を立てて、ゆっくりとありすに近づいてきた。 「ゆっくりできないれいぱーはゆっくちちんでね!」 「「ゆっくちちんでね!」」 そう言ってどこか攻撃的な笑みを浮かべる3匹の子まりさ。 しかし、彼女達は気づいていなかった。 自分達にもその笑顔が向けられていることを。 「ゆっくりしぬのはおちびちゃんたちだよ!」 「ゆ゛っ!?」 「「ゆっくちー!お、おかーしゃん!?」」 いつの間にやら彼女達の後ろにいたまりさが長女子まりさを問答無用に踏み潰した。 自分よりはるかに大きい成体のまりさにのしかかられた彼女は、苦しむ暇すらなかっただろう。 ある意味で彼女は幸せだった。 「お、おかーしゃん!どうちてこんなこどしゅるのおおおお!?」 「しょーだよ!まりしゃたちなにもわるいことちてないよ!?」 「ゆっくりだまってね!おちびちゃんたちはずっとゆっくりするんだよ!」 大声で宣言しながら小さく跳躍したまりさは次女まりさを噛み千切る。 問答無用の一撃は次女まりさをほぼ真っ二つにし、口の中に入ったものは咀嚼されずに吐き出された。 彼女は自分の半身を見て呆然とした表情を浮かべたまま、息絶えた。 「ゆゆっ!や、やめてね!?ゆっくりやめてね!?」 「まりさがやめてっていったときにやめなかったこはだれ?」 「やだぁ!?ずっとゆっぐぢやぢゃああああ!?」 残された三女まりさは逃げ道のないケージの中で、唯一の可能性を求めて一心不乱に跳ねる。 彼女の向かう先にあるものは、かつては母と慕った、お面の男曰くゆっくり出来ないれいぱー。 散々罵倒したけれど、赤ありすを食べたけれど、きっとたったひとりの子どもなんだから助けてくれるはず。 そう信じてありすの頬にへばりつこうとした瞬間、頬を膨らませての威嚇をされてしまった。 「ゆぐっ!ど、どほぢぢぇぇ!?」 「おちびちゃんをたべたいなかもののゆっくりはありすのこどもじゃないわ!」 「ゆううううううううう!ゆっくぢぢねぇ!?ゆっくぢごろぢのれいぱーはゆっぐぢぢね!?」 「そうだね、おちびちゃんのいうとおりだね!ゆっくりごろしするわるいこはゆっくりしんでね!」 直後、鬼の形相というにはいささか間抜けな表情で呪詛の言葉を吐く三女まりさをまりさの影が覆い隠した。 「ま、まりさぁ・・・!」 ありすはただただ嬉しかった。 まりさが最後の最後で自分を助けてくれたことが。 子ども達は全員死んでしまったけれど、また産めば良いんだ。 飼い主の男性の家で、まりさとずっとゆっくりして、もっとゆっくりした赤ちゃんを産もう。 「ゆふんっ!これでれいぱーのこどもはみんなゆっくりしたよ!」 そんなありすの夢想をまりさは相変わらず攻撃的な笑みを浮かべたまま打ち砕いた。 彼女の目には紛れもなくありすに対する憎悪の色が宿っている。 「ゆぅ・・・?ど、どういうことなの?」 かつてのパートナーの口から出た予想外の言葉に戸惑うありす。 彼女を一瞥してから、まりさはいつもお面の男が出入りするドアを見る。 彼の姿がそこにないことを確認した所で、再びありすを見ておもむろに口を開いた。 「ゆっくりおしえてあげるよ!まりさはね、ありすがだいきらいだったんだよ!」 「ゆゆっ!?そ、そんなのうそよ!?」 「うそじゃないよ!まりさはありすのせいでずっとゆっくりできなかったんだよ!」 ありすに向かって怒鳴りつけるように喋りながら、まりさは2,3度その場で跳躍する。 人間で言う所の地団駄を踏むに相当する動作なのだろう。 いつもは垂れ下がっている目じりをもわずかに吊り上げて、全身で怒りを表現している。 「まりさはね、ありすとおんなじくきさんからうまれたんだよ!」 「ゆゆっ!?そ、そんなの・・・」 「ゆっくりだまっててね!でも、まりさはおにーさんのおうちでおおきくなったんだよ!」 ありすはまりさの言葉が信じられず、困惑していた。 確かにありすの母に男性のまりさがレイプされて生まれたのがありすなのだから、まりさの姉妹がいても不思議ではない。 しかし、ならどうして生まれたその日、まりさ種の姉妹の姿を見ることが出来なかったのだろうか? 「おにーさんのおうちで、ずっとずっと・・・まりさはゆっくりできなかったんだよ!?」 「お、おにー・・・さん?」 「ありすのおにーさんじゃないよ!おめんのおにーさんだよ!」 その一言で、ありすはまりさの生い立ちをなんとなく理解した。 彼女もまたありすと同じ日に生まれ、誰かに引き取られた姉妹の1匹ということだ。 だが、それでもまだ疑問は沢山あり、矛盾もいくつか存在する。 「ど、どうして・・・ありずとゆっくぢしでくれたの?」 まりさの説明では彼女が今まで仲良くしていた理由がまったく分からない。 だからこそ、ありすはドアの方を見て男がいないことを確認すると、その質問をぶつけた。 あの男に脅されているのかも知れない。そんな淡い期待を込めて。 「おにーさんとのおやくそくだよ!」 「お、おやくそく・・・?」 「そうだよ!ありすをとってもゆっくりできなくするためなんだよ!」 ゆっくり出来なくするために一緒にゆっくりする。 矛盾しているようにも聞こえるが、要するに信頼を裏切られたときの絶望感を味あわせようということだろう。 その結果、ありすは我が子を我が子が食らうという信じがたいものを見せ付けられたのだ。 「ゆっくりりかいしたよ・・・で、でもまだゆっくりききたいことがあ・・・」 「ゆっくりだまってね!もうおはなしすることはないんだよ!」 言い終えるが早いか、ありすに触れるほど近くまで跳ねてきたまりさは彼女の頬に噛み付く。 ありすはその動作が攻撃であったことにさえ気づかずにぼーっとまりさの口元を見つめる。 そしてペッ、と吐き出されたものの正体が自分の皮であることを確認して、ようやく悲鳴を上げた。 「ゆああ゛あ゛あああ゛あ゛あ!ありぢゅのほっべさんがああ゛あ゛あ!?」 「ゆっくりしずかにしてね!」 「ゆぐっ!?」 そこにすかさず強烈な体当たり。 底部が焼かれていて踏ん張ることの出来ないありすはころんと転んでしまう。 焼け焦げた底部をまりさのほうに晒した格好で、何とか動かせる頬などを必死に動かすて起き上がろうとする。 が、何の意味も成さない。 「おお、みじめみじめ」 「ゆぐぅ!み、みな゛いでよぉ・・・ごのいながものぉ!?」 「まっくろあんよのありすよりはとかいてきだよ!ゆっくりりかいしてね!」 そう言いながら、まりさは再び彼女に体当たりを仕掛ける。 ありすはは仰向けの体勢からうつ伏せにさせられ、床と口づけする羽目になる。 地力で起き上がることも出来ず、舌と口を使って何とか横を向こうとするが・・・ 「ゆひぃ!?」 まりさに噛み千切られた頬が床と接触し、激痛となってありすを襲った。 痛みのあまりにありすは嗚咽を漏らし、めそめそと泣き始める。 そんな姿をまりさは薄ら笑いを浮かべたままただじっと見守っている。 「ゆっぐ・・・ゆひぃ・・・。やぢゃぁ・・・おうぢ、かえるぅ・・・」 「ありすにかえるおうちなんてないよ!ありすはここでずっとゆっくりするんだよ!」 「ゆっ・・・ゆぇ、お、おに゛ーさぁん・・・」 最後の希望である飼い主の男性に助けを求めるありす。 その直後、ケージのある部屋のドアがゆっくりと開いて・・・ 「いや、今頃くさい飯食ってるはずだから」 お面の男がのっそりと姿を現した。 「おお、まりさ。ついに話したのか?」 「そうだよ!すごくゆっくりできないかおしてたよ!」 「そりゃそうだろうな。そいつの飼い主もそんな顔してたよ」 あの馬鹿面は傑作だった、と男は大笑いする。 つられてまりさも一緒に大笑いする。 「ゆうううううう!あ、あぢずのおにーざんのわるぐぢいわな゛いでね!?」 「断る。お前の飼い主はでーべーそー」 「ありすのおにーさんはでーべーそー」 「「げらげらげらげらげらげらげらげらげら!」」 床に横むけに倒れた格好のまま憤るありすを指差して男とまりさはさっき以上に大笑い。 しかし、その爆笑は突然終わり、男は冷めた声でまりさに命令した。 「もうそいつには飽きた。まりさ、さっさと潰せ」 「ゆっくりりかいしたよ!」 「あ、あやばりなさいよ゛!おにーざんにあやばっでね!?」 これぞゆっくりといった笑みを浮かべ、彼女に飛び掛るまりさ。 そんな彼女と男に向かってありすは吼える。 彼女達がその言葉を聞き入れるはずもなく、まりさはありすの皮を噛み千切った。 「ゆびぃッ!?」 「ありすはゆっくりしんでね!」 「そうだ。ありす、飼い主の悪口を言ったらゆっくりさせてやるぞ?」 口調だけでこれと言った意図のない思い付きだと分かるその言葉。 が、ありすにとって男性はまりさに裏切られた今となっては唯一無二の家族のような存在。 彼の悪口など言えるはずもなかった。 「そ゛、ぞんなの゛・・・どかいは゛ぢゃ、ないわ゛・・・!」 「・・・レイパーの癖に頑張るねぇ。今まで見た来た連中よりは優秀かも知れないな」 「ありずは、でいばーじゃ・・・ないわ゛よ!」 男に対する怒りが痛みを忘れさせるのか、まりさが噛み付いても悲鳴のひとつも上げない。 ただ彼の方を睨みつけたまま、延々と「いなかもの」だの「ゆっくりしてない」だのと罵倒を繰り返す。 「っち・・・優秀過ぎてつまらないな」 「さ、さわら゛だいでっ・・・ゆぶっ!?」 ありすの強情に業を煮やした男はケージからありすを引っ張り出すと、容赦なく床に叩きつける。 そして、ありすが二度と動かなくなるまでひたすら彼女を蹴り飛ばし続けた。 ありすが死んだ日から2週間ほど経ったある日。 「さあ、まりさ・・・行こうか?」 「ゆっくりついていくよ!」 男に抱きかかえられたまりさは満面の笑みを浮かべていた。 ありすは死んだ、これでようやくまりさは本当にゆっくりした生活を送ることが出来る、と。 自身の幸福な未来を信じ、幸せな家庭を想像して頬を緩めていた。 「おにーさん!まりさのはにーはどんなこなの?」 「・・・会ってからのお楽しみだ。でも、とってもゆっくりした子だぞ?」 「ゆぅうぅぅぅぅ!まりさ、どきどきしてきたよ!」 男と話しながら彼がまりさのためだけに連れてきたというハニーのいる部屋へと向かう。 彼のいつもと違ってもったいぶったゆっくりとした足取りに言おうなく期待感が高まってゆく。 素敵なパートナーとのすっきりーを想像するだけで思わず目尻が下がってしまう。 「おにーさん、ゆっくりいそいでね!」 「そう慌てるなよ。あと少しなんだから」 「ゆぅぅ・・・ゆっくりりかいしたよ」 男にこれ以上わがままを言ってはいけないと判断したまりさは少しだけ落ち込む。 それでもはやる気持ちを抑えきれないらしく、彼の腕の中でそわそわと底部や頬、口を動かしている。 「ついたぞ」 「ゆ~っ!ゆっくりたのしみだよ!」 やがて、男の足が止まった。 彼の右手がドアノブを掴むのを見つめながらまりさは頭の中で最初の挨拶の予行演習を始める。 もっとも、満面の笑みを浮かべて元気良く「ゆっくりしていってね!」と挨拶するだけのことなのだが。 ゆっくりとドアが開き、まりさの視界に清潔な白い部屋と丸いシルエットをした金髪のゆっくりの姿が飛び込んできた。 →ありす虐待エンドレス1へ このSSに感想をつける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/2656.html
※冒頭のみ れいむとぱちぇりーには可愛い子宝が3匹いた 長女の子ぱちぇは、面倒見の良いお姉さん 次女の子れいむは、いつもおっちょこちょいだが家族を明るくしてくれる 末女の子れいむは、まだ赤ちゃん言葉も抜けない甘えん坊さんだ 夏のせせらぎで涼んでいる子供達を、寄り添う両親はうっとりと眺めていた ゆっくりの寿命は短い なぜならば簡素にしか作ることの出来ない巣に恐ろしい捕食者が侵入したり 思うように餌を集めれられなかったり、群れ同士のいざこざで命を落としてしまうからだ 大抵、巣立った成体は思うように生活できずに、家族もった者は食料を維持できずに 自然の厳しさと緩慢な性格から、長寿になる事は おろか子供を残す事すらたやすくない しかしこの家族は 決して家族を見捨てず愛に溢れたれいむと 常日頃と最愛のれいむと家族が幸せになるように思いをめぐらした思慮深いぱちぇりーによって すくすくと子供達は成長し 二人は今日までゆっくりと子供達と暮らすことが出来た ぱちぇはもう子供を生む体力はない、れいむも腹部に追った怪我ですっきりする事もできない 外敵から逃げ、凍える冬を越し、少ない食べ物で助け合い、過酷な数ヶ月を生き抜いた最初で最後の家族 自分達はそろそろずっとゆっくりする頃だろう 親しい知り合いはいないが、悲しんでくれる子供達がいる きっとただの餡子の塊となって、この世界から消えてしまうだろうが 子供達の心の中で自分達は生き続ける 可愛い子供達、自分達の知識と愛を注いだ子供達 きっと賢く逞しく育って、孫を ひ孫を成していくだろう 最愛の恋人と子供達に囲まれて、まるで天に昇るような母れいむだったが 本当に空を飛んでいた 「ゆぅ~?」 変な感触を感じてスィーから降りた成体まりさは辺りをうかがった 楽しく川辺をドライブしていたのだが お気に入りのキノコを食べ過ぎたのだろうか アレは味は不味いが、食べるとハイになる貴重なものだ その時のテンションなら美れいむでも美ありすでも落とせる気がしてくる そんな素敵ナンパ計画を練っていたのに、勢いを崩すとはゆっくりできないな 「ゆぐぐっ ゆぎぎぃ」 小石かなんかに衝突したと思っていたまりさだが、思いもしない結果に驚いた 背中をへこませ痛みにのた打ち回っているれいむがいたのだ 「ゆん! まりささまのじゃまをするからいけないんだぜ…」 とれいむに聞こえない声でつぶやくと ああ、このれいむが半端に怪我をしたら生涯面倒を見ないといけないのか 皮を見る限りだいぶくたびれているし、もっと若いれいむがいいなぁ とりあえず助けずにこのまま死んでくれれば良いが 「ゆんっ ふーっ ふーっ」 まりさはスィーについた返り餡を落として再び乗り込んだ すると痛みから立ち直ったれいむは這って川のほうへ近づいた 「ぱ ぱ ぱぁちぇりぃぃいいいい!!!!」 れいむの視線の先には成体ぱちぇりーがいた。大方友達か恋人だろう そのまま入水心中すればいい まりさは事故で覚めてしまった餡子脳にカツを入れるため 再び帽子の中のハイになるキノコをむしゃぼり食べ始めた 「で、でぃぶぅうううう!!! がぼがぼかぼっ」 「いまれいむが たすけてあげるからね!」 「ぱ、ぱちぇはいいがらぁあ! ごどもだぢを だずげなざいぃ!」 「ゆぅぅうう!? おおおおおぢびじゃんだぢぃいいい!!!?」 ぱちぇは比較的近い所に吹っ飛ばされたため、すぐにれいむに咥えられて浅瀬に戻されたが 軽い子供達は遠い中州の方まで流されていた 「おぎゃあああじゃああああああん!!!!」叫ぶ次女れいむ 「おみじゅ きょわいよぉおおおおおおお!!!」波に飲まれる末女れいむ 「おぢづぎなじゃいいい! ままが だすげにぎでっ ぐれっ がぼがぼがぼがぼっ」溺れている長女ぱちぇ れいむは己を省みず川へ突っ込み、頬を膨らまして浮き輪状態になって子供達を助けようとした しかし泳ぐことは出来ず流れに頼るだけの母れいむは直ぐに岸へと戻されてしまう 何回も何回も繰り返すが 「あきらめじゃだべよ! かぼぼっ おねーぢゃんがら ばなれないでねぇ! ゆぐぼぼぼっ」 長女は髪を妹達に加えさせてなんとか流れている流木を使いながら耐えている 「むきゅううう ぅぅうう …もうやだぁ!! おうぢにがえりだいよぉぉ!」 ついに泣き叫ぶ長女を皮切りに、次女れいむはふやけた部分から体が捻りきれて川底と水面に体が分離された 末女は溶けて表情のない皮だけが浮いていたが やがて散り散りになった 長女ぱちぇは 妹達の変わり果てた姿を呆然と見つめると、母れいむの視界に届かないどこかへ流れて行った 「ゆあああああああああああ!!!!! でいぶの おぢびじゃんだぢがぁああああ!!!!!!」 「むきゅううううううううう!!!!! ぱちぇの おぢびじゃんだぢがぁああああ!!!!!!」 かけがえのない子供達が藻屑となっている おお、ひげきひげきなんて思いながらまりさはキノコを完食した 自分のナンパライフを邪魔した、家族の愉快な末路を見て ノリを取り戻したまりさはスィーを転がし始めた 「ゆ?」 どうやら故障してしまったらしい なんてこった、あんな喜劇ショーとじゃ割に合わない せっかく誰かの巣で拾った まりさのスィーだというのに 動かないスィーに体当たりをすると、謝礼を請求しに夫婦に近寄ろうとする いつのまにやら夫婦の慟哭を耳にして駆けつけていた他のゆっくり達がいた 「だいじょうぶ れいむ? ぱちぇりー?」 「おちびじゃんがぁああ! おちびじゃんがぁあああ!!!!」 「わかるよー かなしいんだねー でも おちつくんだよー」 「みょーん! みょんみょん!」 なんだよ、野次馬かよ 毒ついたまりさはスィーを乗り捨てて 山で例のキノコでも補充にでもするかとその場を離れようとした 「ゆぎぃ! あいつだよ! あいつが れいむとぱちぇの おちびちゃんたちを!!!!!」 「わかるよー うわさの ぼうそうまりさだねー」 「ゆうかりんは みていたわ! あいつが れいむたちを はねたのよ!」 やべぇ バレてる だったら子供達でも救助して善人のフリでもすればよかったぜ スィーも故障しており、ココから逃げることも出来ないまりさは一つひらめいた とココまで考えました もしよかったら、好きに続きを書いてね!!! このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/3995.html
登場する人物は愛で系です 本編ぬる虐めすら怪しいです。 暗い雰囲気…? 冗長です 古本屋のSSです 初期の面影がありません(笑) 【まりさとわたし スミカ】 「ち ひ゛ちゃぁ゛ぁ゛ぁぁぁん…」 「だぜぇぇぇぇぇ!!だすんだぜぇ!!」 ゆっくりたちの要求に冷酷さすら感じさせない機械的な声が 三十八回目の同じ返答を、天から降とすように告げる。 「拒否する。」 「う゛う゛う゛う゛ぅちびぢゃん…ちびちゃん……」 「ここからだぜぇ!ばりさざまをだぜぇ!!」 「拒否する。」 三十九回目の要求の却下 ちょっとした家具でも運搬するような背の高い段ボール箱に閉じ込められた まりさ種とれいむ種の成体ゆっくりが れいむは一粒種の赤れいむを案じて力無く泣き震え まりさは我が身の不自由に怒り狂っている。 見下ろす青年の掌に乗った赤れいむの様子は二匹からは見えないが 青年の家に侵入した一家が捕まって30と5分 ダンボール箱に閉じ込める時にさえ 青年はゆっくり達を手荒には扱わず 二匹が見上げる切り取られて窓になった側面とは反対側の 中の二匹がいる側の側面には、土の冷たさが伝わらないように座布団まで敷かれている。 青年の無機質な瞳が、掌の赤れいむに向けられ2~3度小さく頷く 声も出せないほど赤れいむを案じる母れいむは気が気では無いらしく その様子に苛立ちを募らせるまりさは大きく舌打ちする。 「もぅ…おうちかえる…」 「ゆ゛ぅ゛?!なにいってるんだぜふざけるんじゃないぜ!! このおおきなおうちはまりさのだぜ!!まりさざまがかえるおうちは…」 「かんけいないよ!!れいむはちびちゃんがいちばんだいじだよ!ばかなの?!しぬの!?」 「れいむ!?」 まりさに逆らう事など古今一度も無かった母れいむが 耐え切れなくなったように血の出るような叫びを挙げる。 「にんげんざん、おねがいします!ちびちゃんをかえしてくだざい!! れいむはつぶされてもかまいません!どんなひどいおしおきもうけますから゛!! だからちびちゃんをっ、ちびちゃんだけでもおうちにかえしてあげてくださ゛いぃぃぃ!!」 「この、れいむっ!なにばかなこといってるんだぜ?!…ゆ!?」 窓のように開けられた、二匹から見て天井側の側面から 先程まで赤れいむを乗せていた右腕が 二匹めがけて伸びてくる…そして バンッ!バン!! 「っひぃ!?」 「やべろぉ!!」 内側から何度も何度も、壁の一箇所を叩き続ける。 ダンボールの中にいる二匹には、その音が凄まじい轟音に その震動を大地震の様な衝撃として感じる。 バンッべりィ! 「ひっ、…ゆぅ?」 「なんなんだぜ!?」 何かが勢い良く破れるような音を立てて 青年の拳が叩きつけられた壁面が観音開きに開放され 母れいむはそのままに、暴れていたまりさは 「ゆびっ、べ!?」 転がり出て顔面を地面で打ちつけ、小さくバウンドする。 母れいむはその後を、おそるおそる這い出してくる 「おかーさんっ!」 「ゆゆっ!ちびちゃん!!」 涙を流して頬を摺り寄せ、再会を喜ぶ母子に視線を合わせるように といっても長身の男性が膝を折っても、必然的に見下ろす構図に成るのだが 母れいむの排気ガスやその他の汚れにギトつく黒髪に 丁寧に指を通して、何度か撫でてから 先程とは違う、確かに感情のこもった声で尋ねる。 「さっきの言葉は本当か?」 「!っ、…ぅ…ぁ… ゆ…」 青年の言葉に、自分の発言を思い出したのか 一瞬青ざめて動転する母れいむ その眼が、頬を寄せている赤れいむに救いを求めるように向けられる。 赤れいむは、何も言わずに母れいむを見つめ返す。 「本当か?」 「そんなわけないんだぜぇ!!」 母子に集中しているのを隙ありと見て取ったのか いつの間にか復活していたまりさが 勢いをつけてその背中に体当たりを仕掛ける。 「ッ…少し待て」 「しね!しねっ…ゆ、あ、やべろお゛!!はなぜ!!」 「静かにしていろ…」 「むぐぅ!」 最初に捕獲した時とは違い、乱暴に布製ガムテープをまりさの口に貼り付け ダンボールの中に放り込むと出てこないようにもう一度テープで封印する。 ガタガタと体を揺らして暴れているが、自力での脱出は絶対不可能だ。 「どうなんだ?」 まりさの凶行にすら気づかないほど一心に赤れいむを見つめていた母れいむに 促すようにもう一度、静かな声音で青年が尋ねる。 「れいむは…、ゆっくりできないことはぜんぶれいむにしてください。 このこだけは、ゆっくりさせてあげてください。にんげんさん…」 恐怖に濁った瞳ではなく、それこそ慈母のような微笑で 一部の人間の持つゆっくりのイメージを根底から覆すような言葉を迷い無く言い切り この世の最後の未練とばかりに赤れいむを見つめている。 「おちびちゃん、ゆっくりさせてあげられないだめなおかあさんでごめんね… ちびちゃんだけはゆっくりしてね……」 「おかあ、さん」 少し驚いたような顔をして、それでも堪え切れないような目尻の涙を 擦り寄った母の、薄汚れた身体に摺り寄せる。 この母れいむは、これから先どんな恐ろしい目にあうのかを特有の能天気さから想像していないのでは無い もう全く恐れていないだけだ。 青年が一度も『子供を助けてやる』と言っていないのに 全ての罰が自分に架せられて それで全てが終ると 信じている。 「 。」 男が冷然と、機械の様な声を降らせる。 まるで予測していなかった答えに、れいむの思考は完全に停止した。 「………ゆ?」 自分たちを見下ろす瞳に、先程までの暖かな感情は宿っていない。 ただ、その肩が、瘧の様に震えて 唇が、裂ける様に 吊り上がって。 いるだけ 唐突に、母れいむの脳裏に ある一連の映像が浮かぶ 生まれた時から野良ゆっくり 産まれた時には両親は黒く朽ちて 保護してくれる誰かなど、一度だっていなかった。 たくさんの酷い物を見続けて、生きてきた。 市街に生きるゆっくりたちに、鬱憤をぶつけられるように 四方八方から踏みつけられて朽ち果てるめーりん 餌場にしているゴミ捨て場で、両の目玉をえぐられて 懸命に逃げようと這いずりながら 全身を啄ばまれて息絶えたありす。 なかまたちをいとも容易く踏み潰す、黒く巨大な人間さんの影。 ほかにもたくさん、たくさん。 「にんげん、さん?いま…なん、て?」 それでも、こんな 「 。」 こんな、こんなにも 「う、ぁ…、あ」 こんなにも〝おぞましいもの"を、みたことがない。 「拒 否 す る 。」 その微笑みは、まさに 「ああああああああああああああああああああああああ!!!!!」 地獄の 「も゛っと゛ゆ゛っく゛ち゛し゛た゛か゛った゛あ゛あああぁぁぁぁ!!」 悪鬼のソレだった。 * * * 肩に赤れいむを乗せた青年が 先程とは違う子供用の棺桶のようなダンボールを引きずって 時折何度か小さく頷きながら川沿いの道を歩いていた。 ずぅり、ずうり―― 底の部分に錘でも入っているのか 引きずられるダンボールは砂袋を引くような音を立てている。 チョロチョロチョロ… 不意に引きずられる箱から川の物ではない水音が上がり 青年が歩みを止めて箱を振り返る。 「………?」 引かれる箱の底の部分から、僅かに鼻を突くような甘いにおいが立ち上る。 徐々に箱から漏れ出す液体に思い当たる事があるのか 顔をしかめて、青年は構わず 先程より心なしか乱暴に箱を引きずって 再び川沿いの道を進む。 やがて、電車の線路を通す鉄橋を目前に 青年が足を止めた。 「ついたな」 「……」 無言の赤れいむに、青年は僅かに眉をひそめて 川の石垣へと柵を乗り越える。 鉄橋の下にはそこそこ広いスペースがあり 空き缶や襤褸切れのようなタオル その他のガラクタが雑多に転がっている。 少し荒れているが見る人が見れば つい最近までゆっくりの巣があった場所だと見て取るだろう 青年はそこに、ダンボール箱を叩きつける 測ったようにピッタリと橋下のスペースに収まる段ボール箱を 何度か蹴りつけて観音開きの部分が下になるように回転させる。 箱の中でまりさがバウンドしているのだろうガタガタと音を立てて端の部分が跳ねる ジーンズのポケットへ手をやって 鞘に収まっていた何かを引き抜く。 それは、奇妙なデザインの道具だった。 くの字に曲がった赤いグリップに 鋸のようにギザギザと波打つ光を反射しない黒く短い刀身 青年が刀身に息を吹きかけると 以前の使用でこびり付いていた細かい汚れが 風に乗って宙を舞った。 コンコン ノックするようにダンボールの右端を叩くと 反対側の端が僅かに持ち上がった。 まりさがいるのは、左端… 青年が箱に刃を入れる まりさがどれほど暴れても、青年がどれほど乱暴に扱っても 壊れもへこみもしなかった、ゆっくりではどうしようもない強度の箱が 文字通り紙でも切るようにザクザクと音を立てて 男の肩で赤れいむだけがその様子を歯を食いしばって凝視している。 箱は真ん中で断ち切られ、まりさが粗相をした半分を 青年が足で菱形に潰し、平らになった上に腰を下ろす。 切断された部分から、中で震えるまりさの姿が見える。 切断面を、刃でガリガリと削る。 ガリガリ ガリガリ ガリガリ 入念に、何度も何度も 一周、二週、三週 その様子を最早垂れ流す水分も残っていないまりさが ガタガタと震えながら血走った目で見ている。 まりさの脳裏にこびり付いている 閉じ込められたすぐ後に聞こえたれいむの魂切るような絶叫 あれ程の悲鳴を、まりさは聞いたことが無い どんなゆっくりも、あんな絶望しか篭っていない声をあげる前に死んでしまう。 「(ぱ、ぱぴっ、ぱぴっ!?)」 四週、五週と入念に、何度も何度も 箱が青年の手で削られる音が 自分の体から上がる状況を、想像する事ができない 「(ぱ、ぴぷぺぽッ、ぱぴぷぺぽ、ぱぴぷペポオッッッ!!!???!!?!!)」 許容できる恐怖の限界を超えたのか 心の中で意味の無い絶叫をあげて まりさの眼が「ぐるん」と裏返り、白目を剥いて気を喪う。 「…」 獲物を鞘に仕舞い、男がまりさに手を伸ばす。 カンカンカンという踏み切りの音がして、電車が近づいてくる 電車の明りで手元を照らされた青年が、過たず目的の物を掴み引きちぎる。 ビリビリッ 「ぶぎびぇ!あ゛にするんだぜっ…ゅヒぃっ」 ガムテープを一気にはがされた傷みで意識を取り戻したまりさが 橋の上を通る電車の光に照らされて、何の感情も宿さないその瞳だけを 走馬灯のように断続的に照らし出す。 「お え 、 は 生きら ない…。」 全身が聴覚の役割を果たすゆっくりは、驚くほどあらゆる音を聞くことが出来る 電車が通り過ぎる轟音の中で、銀色の何かをまりさに近づけながら 青年はなんと言っただろう? ゆっくりできない、ゆっくりできるわけがない 銀色の何かが、内側からキチキチと音を立てて開いて行く 「あ、あぁ…やべろっ、やべでっ!?やべでぐだざいぃぃぃ!!!!!??!?! れいむ、赤ちゃん!!れいむぅ!!まりさをたすけっ…」 その様子を見続けていた赤れいむが、まりさから目をそらす 此処にいたって、まりさの縋る全ての希望は断ち切られ。 銀の袋ら何かが這い出し 瘧(おこり)のように震える青年の くちびるが、赤く裂けた。 ……… …… …。 * * * 「おかーさんとれいむのおうち、どうしてあのまりさに?」 「あの場所に…ゆっくりハウスは、もともと作るつもりだったからね」 「ゆぅ…でも」 それ以上の「ゆっくりできない発言」を遮るように 青年は静かに首を振る 「あのまりさは、元飼いゆっくりの子供だろう。あの子が歪んでしまったのは人間のせいだよ」 「でもぉ…」 頷きながら、ボードに挟まれた地図上の橋に赤い点をつける 地図には赤、青、黄の点がポツポツと、しかし無数に置かれている。 ゆっくりの習性、行動様式、嗜好性、餌場となるゴミ捨て場等を 一定の法則に当てはめてリストアップするだけで数百箇所 その近辺を歩くだけで多ければ数十の野良ゆっくりを見ることが出来る そしてその内の九割が人間の都合で持ち込まれたゆっくりか、その子孫だ。 青年はリストアップした『ゆっくりが好む場所』に 人間の目つかない場所を選んで耐水性ダンボールの住処を設置して回っている。 それは、善意からの行動ではない。 「偽善、だな」 青年の作る快適な住居は野良ゆっくりが夢に見るほど欲する 風雨を凌ぎ、烏などの外敵から身を守れる≪理想のおうち≫だ。 必然ソレを見つけたゆっくりは、棲家を手に入れようと欲して 親子、姉妹、親友であっても骨肉相食む決死の奪い合いを演じる。 今、正確な数字ではないが六万のゆっくりが都内に棲息していると言われている 青年は、その予測は希望的観測だと確信している。 青年が日常的に行っているロードワークでは最低でも八万匹 加えて潜在的には相当数の【野良予備軍】とも言うべきゆっくりが都内には生きている。 予備軍、今はあくまで予備軍である。 快適な空間で飼い主に愛され 生まれつき持っているものではなく、買い与えられた装飾品で身を飾り 誇らしげにその証であるバッジを与えられた――飼いゆっくり。 人の側に寄り添う生き物には 自然とは切り離された自浄作用が働く 大量発生し【人間の基準で】不要だと判断されれば 瞬く間にその存在は【悪】と談じられ、断じられ、弾じられる。 それは逃げ場の無い虐殺であり、期間は人々が飽きるまで 【ゆっくり】という種を忘れるまで、意識の中から消し去るまで無期限に続く。 それが始まった時、ゆっくりを飼う事に経済的な負担を意識の片隅にでも感じていた人間はどうするか? 今なら処分代が浮くとばかりに、愛して慈しんだハズの言葉持つ存在を 僅かな罪悪感と共に、あるいはゴミを捨てるほどの感慨も持たずに捨てる。 多くの場合に、与えたものを剥ぎ取って。 それは保身のためである、飼いゆっくりの装飾品やバッジには 飼い主の情報が記録されている。 装飾品を喪ったゆっくりがどうなるかを、知っている飼い主は意外と少ない。 目にする機会が無いからだ 野良の中にあっては生きている事をゆるされないからだ。 「……。」 青年がゆっくりハウスを配置するようになって 野良ゆっくりの数は、目に見えて激減した。 人目につくゴミ捨て場や自動販売機、ATMなどのまわりのゆっくりは 設置しなくても定期的に【居なくなる】…魅力的な棲家だからだ。 青年のしたことは 【魅力的な棲家】で起こっていることが 街中の人目につかないところで起きるようにする細工 種全体に対して【人間の自浄意識】を向けさせないように 彼等同士で数を減らしてもらっているだけ 本来彼等が住まうべき、深い山林の中で行われる営みの誘発…否、強制だ 青年は唇は引き結び、激しく身体を震わせる 瞳には激しい嫌悪の色が浮かんでいる。 青い点は低競争率 黄色い点は中競争率 赤い点は高競争率、好条件の棲家だ。 番も居ないあのまりさは、恐らく2日としない内に住処を奪われ 全てを喪って他のゆっくりの餌と化すだろう 一時も娘とはなれず、狩りにまで連れ立って見守り 『おうち』よりも子供を選んだ母れいむと違って。 「偽善だっ…僕のやっていることは…」 『おまえは、人(ぼくら)とは生きられない。』 無力感に涙を流す、彼等を連れてきたのは人間(ぼくら)なのにと 「すまない、すまない…」 悪鬼の形相でもって人間(みずから)をにらみつけて 唸るようにただ体を振るわせ続けた。 まだ納得がいかないのか、浮かない顔の赤れいむに 身体を震わせて答える。 「君達がよければ、僕の庭に居を構えるといい…おうちの件はソレで勘弁して欲しい」 「ほんちょ…ほんとにっ?!」 「本当だ。」 傷を負ったゆっくりを匿うのは青年の自認する悪癖の一つだ 庭の入り口は保護する個体が居ない時は開けているが そのために設えたドアは野良の侵入を完璧に防ぐ。 その上で過剰な餌は与えない、野良より多少マシなだけの生活を 自分達が出て行くというまで提供するだけ。 この赤れいむは、異常に賢い。 青年の見立てでは生後3日と言う所だが、既に母親よりも思考は論理的だ 自分が保護しても成長して野生に戻った時 人間を見下したり、短絡的な行動はとらないだろう。 何ならまとめて自分が飼っても良い…とまで考えて 「偽善、だな」 一人悲しく身体を震わせた。 * * * 【クリニック】二階の研究施設の一室に カントリー調のネームがウッドプレートが吊るされている。 『Y&Mのしりょうかいはつぶ』 コンコンと、軽いノックが転がる。 「はーいっ!」 「…ゆみくん」 青年がぬっと顔を出す。 部屋の主を怖がらせないように、その顔は精一杯の微笑を讃えている。 「うぉうッ?!朝からカッシー先輩!?」 「じゃおじゃおー!」 「…おはよう。」 白衣の下にゴシック調のドレスを着込んだ小柄な少女が 青年の来訪によろこぶめーりんを取り落とし腕の中から取り落とし へたりこんでいたクッションから、バネ仕掛けのように跳ね上がる。 少女の反応に落胆しているのか、何処か気落ちしたように 「………毎度、驚かせてすまない。」 「いっう、お、あん♪」 『いえいえそんなことありませんよ』と口にしようとして舌が回らず 引きつった顔でクルクルと意味も無くその場で回る。 青年はますます気落ちする。 「じゃふぉっ!」 「めーりん、いつもすまない。」 慌てふためく飼い主に代わって 一辺30cm程の大振りな銀色のパウチを5つ銜えて青年に駆け寄る。 膝を折りめーりんから空気穴の開いたパウチ受け取って一応銘柄を改める。 『身の毛もよだつ生の味、生きてるばったさん!(カッシー先輩用)』 めーりんの頭を撫ぜながら、身体を震わせて唇を吊り上げる。 「保護するゆっくりができてね、もう一袋もらえるかい?」 「うヒィっ?!」 「………すまない。」 物怖じしないめーりんと違い、飼い主の少女は怖いものが大の苦手だ。 驚かせるのは本意では無いので追加の一袋を受け取って 退室を告げようとして… 機械の様な瞳が見開かれ、入り口脇に置かれた帽子掛けの一点に注がれる。 「ゆみ、くん…コレは?」 「うえ!?、それはアレですよ、原作読み返してノリで作ったはいいケド使い道が無くって…」 雷を受けた様な衝撃を感じながら 伸ばしかねた指を僅かに震わせて、鉢巻の様なソレを指した 「不要なら…譲ってもらえないだろうか?」 「え、あぁ…どうぞどうぞ!」 「感謝する」と言って、ビシィっと音がなるほどの勢いでソレ―― 血のような真紅の生地に 曲がった長い鼻と 三日月の形に歪んだ目をあしらった仮面を装着する。 顔半分だけ振り返って、尋ねる 「どうだろう、おかしい所は無いだろうか?」 「…………カンペキデス、ハイ」 「じゃおじゃおじゃおーーーん!」 『かっこいい!』と、はしゃぎ回るめーりんと白衣の少女の温度差に 心なしか声の弾んだ青年は気づかない。 今までに無く青年の体が激しく震え 赤い肉の裂け目の様な三日月に青年の唇が笑みを形作る 「ありがとう、またくるよ…」 パタン、とは 音を立てないようにゆっくりと閉じられた扉ではなく 青年の退室と同時に膝から崩れ落ちた少女――ゆみの体が立てた音である。 「あ、あれじゃぁホントに悪魔(デモン)ですよぉ…だまってれば…笑わなければ…」 「じゃおおん…」 飼い主の発言に納得いかないのか、じゃおじゃおと文句を言いながら めーりんは『ばったのおにいさん』を見送った。 ※カッシーこと柏木研究員(21)は大学生である。 彼のいる【クリニック】は悪の秘密結社ではない。 彼の恩師である教授とともに、カッシーはゆっくりと人類の共存の為に働くのだ! 【つづく?】 ぬるいじめ?三作目…都会の自然淘汰を書きたかった、今は反省している。 思わせぶりで冗長な文章にイラっとした人ごめんなさい。 え、『まりさとわたしシリーズ』じゃない…? と読み返して思った。
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau9/pages/1179.html
30年前、人類は突如として現れた謎の生物『ゆっくり』の脅威に晒された。 全長2m~4m、幅3m~6mのその巨大な侵略者は本当に振って湧いたかのように突然人間の住んでいた領域に現れた。 発生源は不明、餅のように柔らかい球体に顔を貼り付けたようなそれはさながら巨大な生首だった。 その肉体を形作っているのは、小麦粉を練った皮の中に餡子がたっぷりとつまった物 そう、驚くべきことに彼等は饅頭だった。 その現代科学をあざ笑うかのような無軌道摩訶不思議ぶりは 何人もの有望な研究者を狂わせ自殺させるという痛ましい事件を呼び起こした。 しかもただの饅頭ではない。 その表皮に拳銃などの通常兵器は通じずロケットランチャークラスの兵器を用いてやっと体に傷がつく。 最新の戦車でさえ一対一では場合によっては遅れを取る。 生身の人間には太刀打ちできる相手ではない。 そしてその強靭さ以上に驚くべきことに、ゆっくりは人の言葉を用いた。 「ゆっくりしていってね!」 それが初めてゆっくりと出逢った男がゆっくりから聞いた言葉だった。 このことから、その巨大な怪生物は以後『ゆっくり』と総称されるようになる。 なのでゆっくりとの対話による和解も試みられたが その天敵を持たない強さからその性分は他の種族に対して傲慢極まりなく そもそもゆっくりは小さな家族的集団しか作らないためいくら対話してもキリが無く大抵の場合破綻した。 そのことを人間がこれまでやってきたことのしっぺ返しと揶揄する識者も居たが やがて自分にも脅威の及ぶ頃になると彼等も他の大勢と同じように自分を棚に上げてゆっくりを口汚く罵った。 傲慢な者同士の対話などうまく行くわけは無かったのかもしれない。 いくら強力なミサイルを使って辺り一帯ごと焼き尽くしても、その場所にまた別の場所からゆっくりが移り住んで 人類は逆に自分たちが住める土地を失っていった。 そうして至る所に突如発生しだすゆっくりにより人類は次々と生活圏を追われ 人類は辛うじて自衛を可能とする力を持っていた都市部へと追いやられた。 多くの人がこのまま人類は地上の覇権をゆっくりに譲り渡し、細々と生きて行くしかないかと思われた。 だが、ある天才の発明により人類に逆転のための炎が燈る。 ゆっくりを研究していたとある女性研究者の手により ゆっくりを長期に渡って完全な休眠、仮死状態にする薬品 ゆっくり休眠剤『ヤゴコロス』が発明されたのだ。 世界中が都市部内の工場を『ヤゴコロス』を製作するために作り変えた。 これを一帯に散布することによりゆっくりをほぼ完全に無力化することに成功する。 そして人類は再び地上の覇権を取り戻した。 だが、問題は山積みだった。 『ヤゴコロス』は非常にコストが高く、また定期的に投与しないと休眠状態を維持できない。 また不可解なことにゆっくりはそれまで居なかったところ、制圧したはずの場所からも突如発生し続けた。 人間は一時的に地上の覇権を取り戻したもののその覇権を守るための刃を必要としていた。 鉄の臭いがする。 鉄の臭いは好きだった。 普段かいでいる甘ったるい臭いと全く逆なところが特に気に入っている。 俺はポケットやら何やらが色々ついたダークグリーンの服を脱ぐと 専用のスーツに着替えていった。 体にピッタリと密着するそのスーツは、一言で言うと所々に堅いパーツのついたスウェットスーツだ。 色はグレーの地に所々暗めの青、専用にあつらえているため俺の体に完全にフィットした。 俺は背中のチャックをあげると扉を開けてヘルメットを片手に抱え歩き出した。 通路を歩き格納庫へと入ると、整備士たちが駆け回る慌しい喧騒を無視して 迷うことなくまっすぐに自分の機体の元へと向かう。 甘い臭いが鼻腔をくすぐった。 機体の前に立って見上げる。 機体のハッチは高さ3mのそのボディの一番上にある。 毎回乗り降りが大変なのだが、構造上そう設計せざるを得ないので仕方ない。 最初の頃は登るたびに一々文句も言ったものだが今では黙して淡々と梯子を登りハッチを目指す。 手動で黒い扉を開けると、立てひざをついて機体の頭頂部に設置されているロックを解除した。 そして重々しいハッチを開けて俺は機体の中に乗り込んだ。 ボスンとパイロットシートの上に背中を預ける。 ずっと思っていたのだが、この中では甘い臭いはしないのは少々奇妙なものを感じる。 中にはコードで繋がれたリングが何個もある。 その形状から拘束具などと揶揄されるソレはコレを操縦するための要だ。 実を言うと、このスーツのシンプルな構造といくつかのパーツもそのための物だ。 俺は手首や足首にあるパーツに次々とそのリングを接続した。 全てのリングを接続したのを確認して、俺は脇に置いておいたヘルメットを被った。 そしてヘルメットに備え付けられている通信システムを起動させると言った。 「スタンバイ完了、これよりジャックを開始する」 『了解、Bjh開始してください』 形式的な文言を言い終わると俺は目を瞑り力を抜いていった。 ゆっくりと溜め込んでいた息を吐いていき、鼻から吸った。 格納庫の甘い臭いが鼻腔をくすぐる。 「嗅覚…同期」 体の力が限界まで抜けきった時、俺の体を外の熱気が撫でた。 「感覚、同期」 順調に行程が進んでいくことに満足して唾を呑む。 甘い味がした。 「味覚、同期」 耳を澄ましていくと格納庫の喧騒が聞こえてくる。 「聴覚、同期」 俺は通信を入れた。 「同期完了、視覚データの転送を」 『了解、視覚データ転送します』 ゆっくりと目を開くと、ヘルメット全体にさっきまで見ていた格納庫の映像が映し出された。 たださっきと違う点を上げるならば、少々目線が高いことだろうか。 さっきは見上げるようだった整備士の中年の大男も今では遥か下に見下ろしている。 俺は進路に障害物の無いことを確認すると言った。 「ジャック完了」 『Bjh完了を確認、ハッチを開放します』 「了解、ゆっくりまりさ、出ます!」 俺は不敵な笑みを浮かべると、ぼいんぼいんと跳ねながら格納庫から発進した。 人類は、ゆっくりに対抗するための刃を欲した。 しかしこれまで人類が作り上げてきた力はゆっくり相手には余りに脆弱すぎるものと 強力すぎて周りまで傷つけてしまうものばかりで帯に短し襷に長しといった有様だった。 だが人類はゆっくりを相手にするのにもっともふさわしい力を手に入れたのだ。 そう、ゆっくりそのものである。 しかしゆっくりはそのまま使うには手に余った。 だからゆっくりの中身を改造して、その脳を侵略してゆっくりに手綱をつけて使役することにしたのだ。 それをゆっくり休眠剤『ヤゴコロス』は可能にした 『ヤゴコロス』を使い休眠状態にしておいたゆっくりをゆっくりの内部に入力デバイスを埋め込む。 そして薬品の量を減らしてゆっくりを半休眠状態にする。 ここからがさっきやった『ジャック』『Bjh』と呼ばれるものだ。 『Bjh』とはBean jam hijackの頭文字からとったもので、要するにゆっくりの餡子をのっとるということだ。 入力デバイス内に人間が乗り込み、自分の感覚を通して半休眠状態のゆっくりの脳を侵略し支配権を奪っていく。 完全に支配権を奪ったところで、今度はゆっくりを半覚醒状態にして五感をのっとられたゆっくりを動けるようにする。 後は操縦者の思うがままに、その手足となってゆっくりは動かせる。 とは言っても所詮操り人形を操るようなもので、完全に自由自在というわけには行かない。 だがそれでも訓練次第でかなり自由に動かせるようにはなる。 スウェットスーツのようなパイロットスーツもゆっくりとの感覚を共有しやすくするための ゆっくりと人間の間にある変換機のような役割を担っている。 人類はこの人の手で動くゆっくりを饅頭兵器、すなわちSteamed bun armsの頭文字をとって Sba、もしくはSb兵器と呼んだ。 そしてそれに乗る人間のことをSb乗り または餡子を乗っ取る人という意味でBean jam hijackerを略してBean jackerと呼んだ。 まあ年を取った人は見も蓋も無く饅頭乗りと呼んだりもする。 これの副次的効果として半休眠状態をデフォルトとすることで『ヤゴコロス』の使用量を減らすことも出来た。 こうして人類はゆっくりと戦うのにふさわしい刃を手に入れ、本格的な反撃を開始した。 そうしてゆっくり駆逐戦、後に第一次ゆっくり大戦と呼ばれる戦いは開始し 15年ほど前に以前人間が生活していた地域を殆ど人の手に取り戻して大戦は終焉した。 大戦を人の手に導いたのはやはり人の操縦するゆっくりを主力にした特殊部隊だった。 ゆっくりが現れ始めてから30年、ゆっくりに人が打ち勝ってから15年 俺は母国の軍隊に、ゆっくりのパイロットとして入隊していた。 ゆっくりとの戦争があった時は俺はまだ小さな子どもでその頃のことは良く覚えていない。 軍隊に入ったのも別に何か特別な理由があったわけではない。 偶然受けた適性検査に受かってそのまま入っただけだ。 そんな軽い気持ちで何故俺が軍隊生活を続けられているのか。 「敵機を視認、これより戦闘を開始します」 『了解、戦闘を開始してください』 俺は足を弾ませ目の前のゆっくりに対して直進した。 予想外に早いこちらのアプローチに驚いたのか、目の前のまりさは驚愕の表情を浮かべている。 そのまりさがやっと対処をしようと動きだした時にはもう大勢は決していた。 俺はまりさの眼前に大きくジャンプし、その勢いで真上に跳んだ。 体一つ分ほど俺の体が宙を舞う。 俺は相手のゆっくりまりさの帽子にとび蹴り ゆっくりの感覚的には底部の端に力を入れてすこし伸ばしてする体当たりが蹴りなのだが それをしてまりさの帽子を叩き落し、まりさの頭の上に乗っかった。 ゆっくり同士の戦いにおいて、これだけでほぼ勝敗は決する。 後は上から数度ジャンプして踏み潰してやればツブレ饅頭の出来上がりだ。 「ど、どおぢでぞんなにゆっぐりぢでないのおおおおおお!?」 悲鳴を上げるまりさに対して俺は言った。 「あんたが遅すぎるのさ」 [まりさがゆっくりしすぎてるんだよ!!] 俺の言葉が俺の操縦するゆっくりまりさを通して、ゆっくり言葉で喋られた。 操縦者が外に向けて言った言葉は、このようにゆっくりの言葉に変換されてゆっくりによって喋られる。 『そこまで、訓練を終了してください』 俺は相手のまりさの頭から降りて、格納庫へと戻るために跳ねていった。 「同期…解除」 手のひらを握ったり広げたりしながら自分の感覚が自分の手をちゃんと動かしていることを確認してから もう外の景色を映していないヘルメットを外し息を吐いた。 面倒な行程だが、これをしておかないとうっかりゆっくりと同期したままヘルメットを外したりしようとして 妙な事故を招いてしまうこともある。 俺もド素人の頃に一度やって格納庫の備品を壊して始末書を書かされた。 さて、さっき言いかけたそれほど目的意識の無い俺が軍隊でやっていけているのかというと つまるところ、それなりに才能があったからだ。 ただしゆっくりの操縦に関してだけで他は平均かそれ以下といったところだが それでもゆっくりの操縦を出来る人間は少ないので重宝される。 人類は地上の覇権を取り戻したものの、まだ自然発生するゆっくりはなくならない。 また、ゆっくり休眠剤『ヤゴコロス』で休眠させているゆっくりを駆除するにもそれが出来る兵器は金がかかる。 かといってそのままにしておいてもゆっくり休眠剤『ヤゴコロス』を定期的に散布せねばならず金がかかる。 なので戦争が終わってから十五年経った今でもSb乗りは引っ張りダコだ。 それから数日後、俺に辞令が下った。 「転属…ですか?」 俺は上官に尋ねた。 「ああ、書類に目を通してから荷物をまとめておいてくれ」 それだけ言って書類を俺に渡すと上官は全て済んだというように立ち去っていった。 俺は面倒だななどと考えながら頭を掻いて書類に目を通した。 転属先は南の方にある大戦前からある古い基地だ。 元々は合衆国の基地だったが、大戦時の混乱によりいつの間にかわが国が実質的に管理運営している。 どこも自分の国のゆっくりに手一杯で、他の国までどうこうしようという余力は無い。 なので合衆国もその基地にこだわらずに放置してしまっているのだろう。 転属は一週間後 それまでにそれほど多くは無い荷物をまとめなくてはならず整理整頓の苦手な俺は溜息をついた。 転属の何が嫌かといえばやはり人間関係の再構築だろう。 特に、ゆっくり操縦士は重用されている割に若者が多い。 ゆっくりと同期するという行為が自我の確立した熟年よりも 若くて自我のやわらかい人間の方がやりやすいからと言われているが科学的に証明はされていない。 まあそんな訳で一般の、特に中年くらいの兵隊からの風当たりは強かったりするのだ。 ここでも大分苦労してやっと操縦士以外の何人かと馴染んできたところだったので 正直に言うと転属はしんどい。 が、そのことで上に文句を言えるほどの立場も俺には無い。 なのでそれなりの覚悟をして、かなり肩肘張りながらこの基地にやってきた。 軽く挨拶だけ済まして特に打ち解けようとすることも無くふらふらと格納庫の方へやってきた。 これから俺の乗る機体も見ておきたいという、別にそれだけの理由だ。 「俺タクヤってんだ!渡邊タクヤ タクヤでいいぜ?オマエ歳いくつ?タメ? まあどうでもいいや、あんま歳かわんなそーだし敬語とか無しな? ゆっくりの整備士やってるんで多分オマエの担当になんじゃないかなと思うわけ なんていうかビビっと運命って奴? ってか今専属無い奴俺だけだしさーってことでヨロシクゥ☆」 捲くし立てながらぽんぽんと肩を叩いたりと 異常なまでに馴れ馴れしいその整備士の態度に俺は正直、「なんだこいつ」と思いながら眉を潜めた。 「あー、その 俺の機体見に来たんだけど…」 俺はマシンガンのごとく繰り出されるその整備士の言葉の縫い目を見つけて控えめに目的を伝えた。 「あーはいはいはい命を預ける愛機のことを一刻も早く知りたいって訳ねオーケーオーケー 多分あのまりさじゃないかな、他に空いてるのは無いし」 そういってそいつは斜め後ろに陣取っているゆっくりまりさを指差した。 俺はその整備士を置いて、そのゆっくりまりさに歩み寄った。 肌の艶から見て整備はきちんとされているようだ。 手で触った弾力から考えても生育は良好 そう悪くない いや、むしろ何故こんないい仕上がりのものがエンプティになっていたのか疑問に思うくらいの機体だ。 「よろしく頼むぜ、相棒」 俺は何の気なしにそんなことを呟いた。 「おっけー!任せてけって!」 オマエじゃない。 そんな感じで、鬱陶しいのが一人懐いてきたものの 俺は引越し後で忙しいというのを理由に訓練時以外は殆ど同僚達とは接触しなかった。 接触すれば波風が立つだろう。 まず新人としての注目が薄れてからじっくり馴染んでいくのがいい。 特にこの基地は高齢の隊員が多いようなので慎重に行こう。 そう思って周りに反感を抱かれない程度に意識して避けていた。 意図してやっているとはいえ宙ぶらりんの居心地の悪い状態の続いていた日のこと。 遂に俺にこの基地に転属されて初めてのスクランブルがかかった。 「坊主!仕事だ!郊外に野生のゆっくりが出やがった!」 ヒゲ面の上官、山崎源五郎二等陸曹の言葉を聴きながら 既に専用のパイロットスーツに着替えていた俺は格納庫へ向かっていた。 山崎源五郎二等陸曹は定年間近の大分年を食った男で いかにもな傷だらけの浅黒い肌と筋肉 そして体毛と酒臭さを供えた男臭い男をそのまま体現したような男だ。 他と同じようにこの人のこともなるべく避け様と思っているのだが 小ざかしい俺の意図など意にも介さずに向かってきてやたらと呑みに誘ってくる人だった。 俺のことは名前ではなく坊主と呼ぶ。 二十歳過ぎて坊主と呼ばれるのは勘弁して欲しいのだが 上官だし顔を見合わせるとどうにもその男臭さに気圧されて指摘出来ずに居た。 「数は何匹ですか?」 「確認されたのは二匹だ、まあそこらに隠れてるかもしれんが こっちで出せるのはオマエだけだ 後は出払ってるか帰ってきたばかりで休養中ってとこだ いけるな?」 「はい、問題ありません 俺一人で充分です」 「言ったな坊主 よし、トレーラーに積むからとっとと糞饅頭に乗って来い!」 「了解しました」 走りはしないが早足にゆっくりの方へと向かう。 ゆっくりの後ろに立つと、その金色の髪の間から垂れている縄梯子を掴んで上っていった。 前はアルミ製だったので最初は面食らったがこの縄梯子にも既に慣れて上るのに5秒とかからない。 黒い帽子についた扉を開けてハッチを開きコックピットへ滑り込む。 すぐに感覚共有用のデバイスに接続してヘルメットを被り呟いた。 「スタンバイ完了、これよりジャックを開始する」 目を瞑り体の力を抜いて鼻から息を吸う。 「嗅覚…同期、触覚、同期 味覚同期、聴覚同期」 感覚を共有させていく順番は人それぞれで、俺は嗅覚から同期させていくのが癖になっていた。 余談だが嗅覚から行く人は結構珍しいらしい。 それにしても、こちらに来てからの訓練で分かってはいたがこのまりさとはこれまでになく同期がスムーズに行った。 どうにも俺とこのまりさは相性がいいらしかった。 「早く視覚データを、ハッチも開けて下さい」 『了解しました、これより視覚データを転送します』 すぐに視覚データがヘルメットに転送され格納庫の映像を映し出した。 それと同時に格納庫のハッチも轟音を立てながら開かれる。 「ジャック完了、ゆっくりまりさ、出ます!」 [ゆっくりいくよ!] 俺はまりさから感覚を奪い去り、外へと飛び出した。 巨大になった体が否応無く巨大な力を手に入れたのだということを感じさせる。 俺は専用の、だが旧式の大型トレーラーに乗り込むと目を瞑り神経を集中した。 『坊主!どうだ、緊張してるか?』 山崎二等陸曹からの通信が入ってきた。 「いえ、実戦は初めてでは無いので大丈夫です」 野生のゆっくり二匹、実戦では一匹しか相手にしたことは無いが 訓練では3対1で勝った事もある、なんら問題ないはずだ。 それでも神経が昂ぶって仕方が無い。 それを見透かされたのか、と思うと心が読まれているようでどうにも座りが悪かった。 「嘘付け!オマエのゆっくりを見りゃ誰だって緊張してるのがわかるぜ!」 なるほど、そういうことかと俺は頷くと同時に まりさとの相性が良すぎるのも考え物だと思った。 以前はそこまでダイレクトに心情がゆっくりに表れてしまうほど細かい機微を再現するようなことはなかったのだが。 それとも単にこの山崎二等陸曹が図抜けて鋭いだけなんだろうか。 そうこうしているうちに、俺を乗せた旧式の大型トレーラーは郊外のゆっくりの発生した地点に到着した。 場所は郊外のさらに外れの広さだけはある寂れた場所。 近くにはクヌギなんかが群生した小さな林もあった。 所々に見える古いコンクリートの欠片や床から上の無い民家の跡から考えて ここも昔はそれなりに栄えていたのかもしれない。 だが30年前に人類が都市部に追いやられた際に家や建物はゆっくりに踏み潰され こんな風に人気の少ないだだっ広い場所がたくさん生まれた。 その殆どは未だに復興しておらず、そんな中ではここはまだ盛り返している方だった。 民家は半径1kmに三軒ほどで通報者含めて避難は完了済み。 多少暴れて周りに被害が出ても問題ない、保険がおりるはずだ。 政府は人口がパンクしかけて問題が山のように出てきた都市部から離れて こういう土地を再び栄えさせようとする人間には寛大なのだ。 『いました!ゆっくりです!』 『種類は?つがいか?』 『それぞれまりさ型とれいむ型です! 恐らくつがいなんじゃないでしょうか?』 『だそうだ坊主』 「了解しました、直ちに駆除を開始します」 俺は跳ねると頭を打つので這いながら大型トレーラーから降りると野良ゆっくりに対して向き合った。 俺のことを見つけたゆっくりれいむとまりさは、こちらを見てこう言った。 「ゆっくりしていってね!」 「ゆっくりしていってね!」 初めて人類に接触したゆっくりが最初に言ったというあの言葉だ。 俺は息を軽く吸うと、腹の底から思いっきり言ってやった。 「あいにくと、この地球上にお前等の安穏の地は無い お前等はここで排除する!」 [ゆっへっへここは俺のゆっくりぷれいすなんだぜ!ゆっくりでていくんだぜ!] 「どおぢでぞんなごどいうのおおおおおおおおおお!?」 「れいむだぢゆっぐりぢでだだげなのにいいいいい!!」 せっかく気張って言ったのに変換後の会話の間抜けさにガックリと肩を落とす。 『坊主!そいつ乗ったまま啖呵は切らないほうがいいぞ 情け無いことになるからよ』 「今痛感してます」 俺は半眼で呻いた。 本当にいらんことを言ったと後悔する。 無駄なことをしたと嘆息しながら 気を取り直して標的のゆっくり二匹を見る。 大きさは、高さ3m横幅5m程と実に平均的で種類もれいむ種とまりさ種の組み合わせという 最もオーソドックスで普遍的な物だった。 これといって見るべきところも恐れるようなところも見当たらない。 ならば二対一でも問題ないだろう。 野生のゆっくりに対して何故数の上で不利にも関わらず俺が余裕を持っているのか。 それは訓練をしているというのもあるが、それは数の不利を完全に覆せるほどではない。 むしろ人間の扱うゆっくりはどうしても人の意思を伝達するためにわずかばかりの遅れが生じるため身体的能力においては劣る。 それでも人間の扱うゆっくりは野性のものに対して優位に立てるのだ。 それは人類が高いとはいいがたい身体的能力で他の強大な力を持つ生物に対して優位に立てた理由と同じことだった。 「ぷんぷん!れいむたちのゆっくりぷれいすなのにきゅうにでてけなんてぜんぜんゆっくりしてないよ!」 「ゆー!だいたいそのぼうしからしてゆっくりしてないよ!」 確かにこのまりさの言うとおりゆっくりから見ればこのとんがり帽子は珍妙なのだろう。 鍔は曲がっているし先の部分も普通のゆっくりからみれば尖り過ぎている。 まあそれは構造上仕方ないことだ。 「アウェイクン」 ゆっくりに備え付けられている一部の装備は意識しながら音声入力をすることで操作可能だ。 手を動かそうとするとゆっくりの方が動いてしまうので通常のボタンなどによる入力方法は使いづらく 苦肉の策でこういった入力方式をとらざるを得ないらしい。 音声は一応個々人で変更可能だが俺は面倒なのでデフォルトのままにしてある。 俺が指示すると、頭にコツンと棒が当たる感触と共に頭上の黒いとんがり帽子が真上に飛び上がった。 ぽかんと口を開けるまりさを他所に俺は体を捻って、ゆっくりと落ちてくるとんがり帽子の、その中から伸びる棒に食い付いた。 そしてとんがり帽子の先をまりさに向けて構えると、そのまま一直線に突撃する。 一瞬後には自分の腹に深々と突き刺さった帽子を愕然とした表情で見下ろすまりさがいた。 「ど、どおぢでぼう゛じがざざっだりずるのおおおおお…!?」 何故野生のゆっくりに対して人間の扱うゆっくりが有利であるのか 要は武器を持っているということだ。 ゆっくりまりさの帽子を加工・コーティングして作り上げた硬化饅頭皮製帽子型突撃槍。 帽子に支柱が通してありこちらの指令に応じて伸縮させて口に咥えて振り回せるゆっくりまりさの主要武器だ。 ゆっくりの研究を進めていく過程で副次的に発見されたこの武器に用いられている新素材は非常に堅く その上比較的軽いため発見当初は技術革新だのなんだのと持て囃された。 だがさらに研究を進めていくにつれて、すぐに劣化する、温度変化に弱い、加工するのが難しい 安定供給するためにはゆっくりの養殖が不可欠、そもそもコストがかかる 生産・加工にもゆっくりの飾りそのままの形を保たないと時間がかかるetcetc 山のような問題点が発見された。 結局いまだにこのかつての新素材を用いているのは対ゆっくり用の武器くらいだ。 それも使いこなせるのは同じゆっくり位なのだ。 この槍だってゆっくりの体重と力で振り回すから対ゆっくり用の武器足りえているが 他のものにとっては雨宿りくらいにしか使えない。 散々扱き下ろしてきたがそれでも対ゆっくり戦においてだけは有用なことは確かだった。 「げふっ、ごぱぁ」 まりさは内部から槍で圧迫され口から餡子を吐いた。 驚愕の表情は既に失せ、土気色の顔で焦点の合わない虚ろな瞳で視線を空に漂わせていた。 「ま゛り゛ざのあんごがあああああ!?」 れいむは伴侶の身に起こった突然の凶事に目を見開き悲鳴をあげた。 後腐れ無くこのままれいむの方も突き殺してしまおうと槍を引き抜いた。 直径一メートルはあろうかという巨大な傷穴から大量の餡子が零れ落ちた。 「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あああ!!!!」 れいむがまりさの傷口に駆け寄り、舌を使って必死に餡子をまりさの体の中にに押し戻そうとした。 しかしいくら舌を器用に動かしても舌の上を流れて餡子は地面に零れて行く。 傷穴に押し戻されたわずかな餡子も未だ止まることの無い餡子の濁流に押し返され体から抜け出していった。 「ま゛り゛っ、ま゛り゛ざああああ!!い゛や゛あああああ!!」 「おどどざあああああああああん!!」 未だ餡子に濡れる槍を構え直し、再び突撃しようと腰を深くした時 近くの森から体長1mほどの小さなゆっくりが現れまりさに駆け寄った。 「!?きちゃだめえええええええええ!!」 俺はその小さなゆっくりごとれいむを貫こうと飛び出した。 『まずい坊主!子持ちだ!小さいのは後にまわせ!』 通信が入ったがもう遅い、既に俺の槍は子れいむの体を貫く いや押しつぶしていた。 『畜生!!やっちまった!!』 山崎二等陸曹は何故か悪態をついた。 そんなに俺の腕が信用できないのだろうかと思って不快感に眉を潜める。 確かに大きい方のれいむは仕留め損なったが別に大きなミスではない。 このれいむをとっとと駆除してしまえばそんな態度を改めさせることも出来るだろうと俺は再び槍を構えた。 「れ゛い゛む゛のあがぢゃんがあああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!! うがあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!」 「な!?」 [ゆ!?] 今まで一度も聞いたことの無い大地を揺るがすかと思うほどのれいむの雄たけびに俺は立ち竦んだ。 槍を持つ手、いや舌と唇が震えた。 『気をつけろ!もういままで倒してきたゆっくりと同じと思うな!!』 山崎二等陸曹が耳が痛くなるほどでかい声で俺に助言を送った。 「い、一体どういう…」 よく意味がわからずに俺は戸惑いながら聞き返した。 『母は強しだ!!』 「じねえええええええええええええええええ!!!」 山崎二等陸曹が叫ぶと同時に、鬼神のごとき形相で突進してきたれいむに俺はたじろいだ。 「っ!?」 [ゆゆっ!?] 辛うじて槍を斜に構えて体当たりを受け流したものの、その余りの迫力に呼吸が荒くなる。 汗や唾液で槍が滑らないように注意しながら穂先を突きつけて牽制しながら距離を取ろうとした。 「よ゛ぐも゛れ゛い゛む゛のあがぢゃんおおおおおおおおおお!!!」 だがそんなもの意にも介さずにれいむはこちらに向かって突進してくる。 このままこちらも突撃で応じるか一瞬迷うが もしこちらの突きを避けられた時あの勢いの体当たりをどうにかできるか不安だったので 再び槍でいなしてから間合いを取った。 「よ゛ぐも゛よ゛ぐも゛よ゛ぐも゛ぉ゛…!れ゛い゛む゛だぢばがぞぐでゆっぐりぢでだだげだどにぃ…!」 お前等が近くに居るだけで人間は恐ろしくて仕方が無いんだと心中で呻く。 「糞っ、隙が無い…!」 [もっとゆっくりしてね!] 「お゛ばえのぜいでゆ゛っぐぢでぎだぐなっだんだあああああああああ!!!」 意図せずして発動したゆっくり語変換機能がれいむの神経を逆撫でてしまった。 俺は舌打ちしつつ槍を咥えたまま横っ飛びに飛んでれいむの突進を避けようとした。 「う゛があああああああああああああああああ!!」 が、予想以上の速さで突っ込んできたれいむに、槍の穂を横から噛み付かれてしまう。 「しまった!」 [ゆぅ~!?] 俺は振りほどこうと頭を振ったが、れいむはガッシリと槍を咥えて離さない。 お互い槍を奪い取ろうと喰い縛り、力が拮抗しあってお互いに動けなくなった。 「くっ…」 俺は冷や汗を垂らしながら呻いた。 今は持ちこたえているが、さっきまでの戦いで向うの方が腕力が上なのは散々見せ付けられた。 このまま膠着状態を続けていればいずれ槍を奪われる。 そうなれば勝ち目は無い。 『坊主!大丈夫か!?』 トレーラーの山崎二等陸曹から通信が入る。 「すいません…厳しいです…!」 俺は情け無いことこの上ない気持ちで弱音を吐いた。 『仕方ねえな、なんとか援護するから切り抜けろ! 1、2の3でいくからタイミング合わせろ』 「…?了解しました」 俺はゆっくりに対抗できるような強力な装備があのトレーラーに積んであったかと疑問に思い首を傾げた。 ゆっくり以外の対ゆっくり兵器はそうポンポン使えるような兵器ではないのだが。 『1!』 そうこうしている内にもカウントダウンは進んでいく。 俺はそれまでなんとか持ちこたえようと歯を食いしばり目の前のれいむを睨みつける。 『2の!』 ひょっとして休眠剤でも積んでいたのかと思い当たり心中で合点する。 滅多に無いことだが作戦中にSbaの休眠剤が切れてしまう場合に備えている可能性も無くは無い。 それなら一応納得がいく。 『3!』 と思った瞬間トレーラーがゆっくりれいむの横っ腹に突っ込んだ。 トレーラーのコックピットがれいむの体にめり込んで、目の前のれいむの顔がひしゃげた。 いくら軍用とはいえ、トレーラーの体当たり程度でゆっくりが傷を負う事はまず無い。 衝撃は完全に饅頭側と餡子の弾力に吸収されてしまう。 が、それでも槍を咥えていた口の力を少し緩ませるには充分だった。 少し面食らったが兎にも角にもれいむから槍を奪い返した。 がっしりとくわえていた口からちゅぽんと音を立てて槍が抜ける。 そのままこちらに槍を引き込み、糸を引いていた唾を引きちぎる。 「マジかよ…」 目の前の事態に頭が時間差で追いついてきてやっと呻きながら 俺は未だトレーラーを頬に減り込ませながら驚愕の表情を浮かべるれいむの額に槍を突き刺した。 「も゛っど…ゆ゛っぐりぢだが…だ…」 か細い断末魔をあげるれいむから槍を引き抜くと、頭から滝の様に餡子を噴出しながらその勢いでれいむは後ろに倒れこんだ。 大地が揺れ、あたりに落ちているコンクリート片が震えた。 「任務…完了か」 ぐるりと周りを見回して、もうゆっくりが居ないことを今度こそ確認して 緊張を解いた俺は溜息を吐いた。 『危なかったな坊主!』 「ええ、お互いに」 元気そうな山崎二等陸曹の声に俺はよくトレーラーで突っ込んでピンピンしてるなと呆れながら返した。 『まあルーキーにしては上出来だ! とりあえず後始末は他の奴等に任せて帰って酒でも飲もうや! どうせ饅頭乗りは一度出撃したらリフレッシュやらなんやらで当分出撃できないんだしよぉ 徹夜だ徹夜!朝まで呑め!三日くらい二日酔いで頭ガンガンなるまで呑むぞ!』 山崎二等陸曹の語気の強さに 比喩じゃなく本当にそれくらい飲まされそうな気配がしたので俺は適当に言い訳を考えて断ることにした。 「あー、その、これから飲み会の準備するのも大変なのでまた今度に…」 『大丈夫だ、整備士の方の坊主に店の準備やら何やらやらせといたから』 渡邊め。 心中で毒づきながら、くたびれ切った体で俺はトレーラーに乗り込んだ。 ―――――――――――――――――――― 次回予告 山崎は大戦時の戦友にして合衆国軍の英雄ブライアンの来訪に沸き立つ。 だが、変わり果てたブライアンの姿に俺はゆっくり乗りの闇を見ることになった。 次回 緩動戦士まりさ 『英雄の末路』 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/ankoss/pages/1284.html
過去書いた物 ふたば系ゆっくりいじめ 716 中華料理店 麻辣 ・前作で出てきた子まりさs(+α)のその後です ・指摘があったので━━は――に、括弧は「」で統一します ・お姉さんの方はもう少し待って下さい、その内書きます ・自分のssに出てくる人間(♂)はほぼマッチョだと思って下さい ・自分のssに出すドスまりさはおおよそ全長100~130センチだと思って下さい ―――とある自然公園 ヒュゥゥゥゥゥゥゥ・・・ 「しゃむいよぉ・・・」(×16) 公園の茂みの中、ガタガタと震える野良ゆっくり達 子まりさ14匹が円を書く様に寄り添っていて、その中心では生まれたばかりの赤まりさ2匹が子まりさにすーりすーりして寒さを凌いでいた 「ゆぅぅ・・・どぼじでごんなごどにぃぃぃ・・・」 「ホンちょならいまごりょゆっくりプレイスでぬーくぬーくして、おとーしゃんやおきゃーしゃんとすーりすーりしてられちゃのにぃ・・・」 「あまあましゃんもいっぱいむーしゃむーしゃできたのにぃ・・・」 「でも・・・おとーしゃん達もおかーしゃんも、ドスまで・・・」 「ゆ、ゆぅ・・・」 皆一斉に黙った・・・それも無理はない 今まで最強だと思っていたドスまりさは何度も地面に叩きつけられ丸揚げとなった 強いと信じていた父親はあっけなく真っ二つ、最後に残ったまりさは唐辛子を食べ餡を吐き死んだ そして最後まで守ってくれていたれいむも、人間の手によってカラッと揚げられた 最後に残ったれいむはにんっしんっしていた為、最小限の被害で済むのなら・・・と子れいむ達と一緒にあの場に残った そして、この公園には生き残った微妙に赤ちゃん言葉が抜けきってない子まりさとあの後れいむから生まれた赤まりさがいた あれから一週間 最初こそ復讐してやると思っていたまりさ達も決意する度にドスまりさや父親達の最後が脳裏に浮かび、そのまま意気消沈 それを10回ほど繰り返したあたりで・・・諦めた そして今は偶然見つけた公園で捨ててあった新聞紙とダンボールを、組み立てる知識はなかったので地面に敷きその上で生活している 生まれたばかりの赤ん坊がいる為、長旅は危険だと判断したからだろう それはある意味正解と言えた 食べ物は回りに生えている雑草、自然公園の為か時々青草が植えられる為尽きる事はなかった そして時々来る人間が食べ残し捨てていく物を食べている だが人間が捨てていくのは3日に一回、あるいはそれ以下である 子まりさ達はそういった現状から人間が捨てた物は赤まりさに食べさせている為、雑草生活を送っている 普通なら赤を捨てるか食うかしそうな物だがここではこうなっていた 「ゆぅ・・・おにゃきゃすいちゃよぉ・・・」 「ん、そうだね・・・それじゃゆっくり狩りに行くよ」 「ゆっくり理解したよ」(×13) ここで言う狩りはゴミ箱の確認と雑草集めの事である だが赤ん坊だけ残す訳にもいかないので常に3匹がここに残り、二匹がゴミ箱の確認をし、残った9匹が雑草を毟る 元々統率が取れているゆっくり達であったが大人の居ない生活を強いられたせいか見事な連携が取れている ―――ゴミ箱前に到着した子まりさ達はゴミ箱から何かはみ出しているのが見えた 「ゆ?ゴミ箱しゃんに何かはいってるよ?」 「ホントだ、じゃあ倒してみようにぇ」 因みにこのゴミ箱は小学生が工作の時間に作ったのはいいが持って帰るのが恥ずかしいし第一家にあっても邪魔なだけだと置き去りになった物だが 今では公園の美化に役立っているので余計に恥ずかしい目にあっている 「せーの、ゆぅぅぅ・・・いっしょ」(×2) 二匹がゴミ箱を押し前面の石にぶつけて倒し、その中身がこぼれる そして出てきた物は・・・ 「うわぁ~、お弁当しゃんだぁー それも一口もたべてないお弁当しゃんだよぉ」 「こっちにはぼろぼろだけどぬーくぬーくできそうなぬのさんがあるよぉ」 おそらく食べようと思ったはいいが蓋を開ける前に落としてしまったのであろうコンビニ弁当と使い古しの赤ん坊のよだれかけが捨ててあった 「これならオチビちゃん達もゆっくりできるにぇ」 「きっとゆっくりできりゅよ、それじゃゆっくり皆の所にもじょろ」 子まりさ二匹で誰も手をつけていない弁当を運ぶのは重労働であったはずだが、皆の喜ぶ顔を見たいという気持ちがそれを感じさせなかった この時、この弁当が悲劇を生むと誰も予想は出来なかった ――― 一方、雑草を集めていたゆっくり達は 「ゆひぃ、ゆひぃ・・・ちゅかれたよ」 「もうこのあたりの草しゃんは取りちゅくしちゃったよ」 9匹の子まりさの帽子に山盛りの雑草が入っている 「でも、もうしゅこし集めにゃいとおなかいっぱいににゃらにゃいよ?」 「しょうだよ、ゴミ箱しゃんにごはんがあるとはかぎりゃにゃいんだよ?」 「ゆぅ・・・しょうだったよ・・・まりさもう少し頑張るよ」 山盛りからてんこ盛りになった所で作業が終わる 「ゆふぅ・・・ゆふぅ・・・やっちょおわっちゃよぉ」 「ちゅかれちゃよぉぉぉ・・・」 「しょうじゃにぇ・・・ちょっと休んでから皆の所に戻ろうにぇ」 「ゆっくり理解したよ」(×8) ―――30分後 14匹の子まりさと2匹の赤まりさは目を輝かせ弁当を見ていた 「うわぁ~・・・ごちしょうしゃんだぁ」 「しゅごいよぉ~、おいししょうだよぉ」 「ゆっへん!」(×2) その弁当を見つけた二匹は得意気に胸を張っている 「しょれじゃ、このお弁当しゃんはオチビちゃんからむーしゃむーしゃしちぇね」 「ゆっきゅりりきゃいしちゃよ」(×2) 子まりさ達は自分達が見ていると赤まりさが遠慮してしまうだろうと離れた所で雑草を食べ始めた 「むーしゃ、むーしゃ、・・・しょれにゃりぃ」 「むーしゃ、むーしゃ、・・・にぎゃいぃぃ」 などと文句を言いつつも集めた雑草を食らい尽くす 「ゲプゥ・・・おにゃきゃふくれちゃよ」 「しょれじゃオチビちゃんの所に戻ろうか」 「しょうだにぇ」 ―――そして戻った時、子まりさ達の目に写った物は・・・ 「ゆ゛っ・・・ゆ゛ゆ゛っ・・・ゆ゛ぅぅぅ・・・」 「ゲブォォ・・・ブォェェェェェっ・・・」 餡を吐き、痙攣している赤まりさであった・・・ 「お、お、お、オチビちゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!」(×14) 「どぼじでごんなごどにぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!」(×14) 全員が涙を流し、声を揃えて叫ぶ 「待っててにぇ、今治してあげりゅからにぇ・・・」 「オチビちゃんゆっきゅりしちぇ・・・ぺーろぺーろ」 「ぺーろぺー・・・ウヴォァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!」 「ま、まりしゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」(×11) 「ゆ゛っ・・・ぐぅぅぅ・・・」 「あ゛・・・ぶぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ・・・」 赤まりさをぺーろぺーろしていた三匹の子まりさまでもが餡を吐き苦しみだした 「どぼじで、どぼじでぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」(×11) 「ゆ゛ぅ・・・み゛んに゛ゃ・・・ぎいぢぇ」 ダメージが少なかったのか、一匹のまりさが口を開く 「き、きっちょ・・・あにょお弁当しゃんは・・・毒にゃんじゃよ・・・ じゃきゃりゃ・・オチビちゃんも・・・ぺーりょぺーりょちたまりちゃ達も・・・」 「もう、もうしゃべっちゃだめぇぇぇ!!!」 「ゆっくりできなくなっちゃうよぉぉぉぉぉぉ!!」 「みんにゃ・・・まりちゃ達の分も・・・ゆっきゅり・・・ちていっちぇにぇ・・・」 その言葉を最後に赤まりさ二匹と子まりさ三匹は永遠にゆっくりした 「ゆ゛わ゛ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・」(×11) 子まりさ達は・・・泣いた 疲れて熟睡するその時までひたすら泣いた ―――翌日 寒さを寄り添う事で防いでいる中、一匹のまりさが口を開く 「ねえ・・・みんにゃ」 「ゆ?なぁに??」(×10) 「まりしゃ・・・あれからかんがえちゃんだけじょ」 「うん・・・」(×10) 「ここからはなりぇちぇ、あちゃらしいゆっくりプレイスをしゃがしに行こうと思うにょ」 「・・・」 皆が黙った 少なくともここにいれば生きる上で最低限の食事は出来る そういった意味ではここは離れ難いゆっくりプレイスである・・・ でも苦楽を共にした姉妹が永遠にゆっくりしたこの地に居続けるのは悲しいし、辛い物があった ―――暫く考えた後、子まりさ達が出した結論は 「しょうだにぇ・・・しゃがちに行こう!」 「きっと、ここよりもゆっきゅりできりゅゆっくりプレイスがみつかるよにぇ!」 「しょうだよ、きっちょ見つきゃるよ!」 その後子まりさ達は力をつけるべく、辺りに残った雑草を食い尽くし旅に出た もうこんな物を食べる必要もない、新しいゆっくりプレイスを求めて・・・ ―――余談――― 「ん?」 とあるサラリーマンが昼休みに公園で休んでいると、どこからかゆっくりの帽子が飛んできた 「帽子か・・・捜して返してやるか」 このサラリーマンはゆ虐趣味はないが愛好家という訳でもない が、帽子を落とした相手が何であれ持ち主が分かっているのならちゃんと返してやろうという今時珍しい好青年であった 「えーっと、風向きから考えるとこの辺だと思うんだけど・・・」 ズリュッ 「ってぅわっ!」 ズシンッ 「ってて・・・何だぁ?」 足元を見るとそこにはボロボロになり、カビが生えているよだれかけがあった 「何だこりゃ・・・ってアレ?」 指で摘まんで持ち上げるとそこにはやっぱりカビの生えたゆっくりの残骸があった 「うっわぁ・・・嫌な物見ちまったなぁ・・・」 そのまま立ち去ろうとした・・・が 「あれ?これって・・・」 手元にあった弁当の蓋を手に取ってみるとそれには〔超激辛!エビチリ弁当〕と書かれていた 「あ~・・・」 青年は理解した このゆっくり達は先週自分が落とし、そのままゴミ箱へ捨てた弁当を食べてしまったのだと 「まぁ・・・仕方がないよな、半分俺のせいだし」 青年は目立たない場所に穴を掘ってカビの塊と拾った帽子、ついでに転んだ時にポケットに入っていたドングリを埋めてやった そして何故か持っていたカマボコ板にゆっくり(多分まりさ種)のはかと書いて刺してやった 墓の字が思い出せなかったらしい 翌日〔はか〕は〔ばか〕になっていた だがそれに気が付く者はいなかった ~~Fin~~ 中傷、侮辱、批判何でも言って 俺、喜んじゃうから
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/2562.html
楽園の終焉 現代日本注意 ドス登場 何とかという地方都市の近くに大きな森が広がっていた。 一昔前ならよく見られた動植物にとっては最後の楽園でもあった。 もっとも、今その森の主要な生物はゆっくりと呼ばれる最近になって大発生した謎のナマモノである。 都市や農村でも多く見られるが、ここまで野生のまま、人間との関わりを持たずに生活を営むゆっくりは最早そうはいないだろう。 この森に棲むゆっくり達の群れもその数少ない群れの一つであった。 最も、そのゆっくり達の繁殖力は凄まじく、食害によって多くの森が昔の姿を失いつつあった。 ここでも他の動植物の繁栄を押しのけるまでに数を増やしたゆっくり達が森の主要なナマモノとなった経緯がある。 今ではゆっくり達の楽園と言っても過言ではないだろう。 この森に棲む群れはドスまりさが治める数百匹単位の一つの群れである。 この群れは先にも述べたとおり、極めて野生のゆっくりの原型に近い生態系を保っていた。 というのも、この森は広く、森の大部分がとある富豪の所有地であったため、人間すらもめったに立ち入らず、外因によるリスクがなかったのだ。 森の深くなったところにゆっくり達のコミュニティが存在し、そこにはとあるれいむとまりさの番が暮らしていた。 この二匹は幼馴染であったため、仲がよくいずれは将来を誓い合う伴侶にと決めていた。 そしてつい最近、二匹がにんっしんしても耐えられるまでに体が成長したため、ついに互いにすっきりしあい、晴れて番いとなったのだ。 「まりさのあかちゃんとってもゆっくりしてるよー♪」 「れいむのあかちゃんもとってもゆっくりしてるね!きっとわたしたちににてゆっくりしたこになるよ!!」 朽ちた木の窪みの巣の中でこんな微笑ましい会話が続いていた。 そしてついに互いの子供達が生まれた。れいむ、まりさともに4体ずつ生まれ、二匹とも大満足である。 「「「ゆっくちちていってぃえにぇ!!!」」」 プチトマト程の大きさの8匹が元気よく挨拶した。 「「ゆっくりしていってね!!」 二匹の愛の結晶に涙を流して喜んでいた。早速互いの蔓を千切り、赤ちゃん達が食べられるように咀嚼し、ぺっと吐き出した。 赤ちゃん達は両親の吐き出した最初のごはんに群がっておいしそうに食べ始めた。 「「「むーちゃむーちゃむーちゃ、ちあわちぇー!!」」」 そんな赤ちゃん達を見て二匹はほほ笑んだ。確かに苦しいこともあったし、これからも苦しいことがあるだろう、 だがこの赤ちゃん達がいればどんなことでも乗り越えられる。そう二匹は確信していた。 次の日からまりさは狩りに出かけ、れいむは子守りをしてまりさの帰りを待った。 毎日のように美味しいごはんを食べ、赤ちゃん達もゆっくり成長していった。 赤ちゃん達が生まれて一月半も経つと、8匹はソフトボール程度の大きさにまで成長し、もう狩りに連れて行ってもいい頃合いである。 その日は家族10匹で狩りに出かけ、小さな虫やトカゲ、雑草等を食べて家に帰った。 そんな日が何日が続き、やがて子供達も狩りの時は単独でも行動できるようになっていった。 ある日いつものように親子で狩りに出かけたとき、一匹の子まりさが森の外れの方まで行き奇妙な音を聞いた。 ・・・ガガガガガガガ・・・・・ 今まで聞いたことのないようなゆっくりできない音だった。 「ゆっ?このおとはなんだかゆっくりできないよ!ゆっくりやんでね!!」 そんなことを言っても止む気配はない。子まりさは怖くなって両親の元へ帰り、そのことを報告した。 「そんなおとわたしたちもきいたことないよ!あしたどすにゆっくりきいてみようね。」 子供の言ったことが何だか分からないが、気になるので群れのドスに聞いてみることにして今日は帰ってゆっくりした。 次の日に家族は群れのドスまりさの元へ行き、“ゆっくりできない音”について報告した。 「ゆぅ・・・そんなおとドスもきいたことないよ、でもゆっくりできないおとがつづくようならなんとかしないといけないね!」 この群れのドスは古くから森に棲んでおり、群れの信頼も厚いゆっくりであった。 ドスは早速、そのゆっくりできない音を調べるために数匹のゆっくり達と子まりさをそこに行かせた。 だが調査に赴いたゆっくり達は二度と帰ってこなかった。 それからまた一月も経つとついにはゆっくり達のコミュニティにも“ゆっくりできない音”が響くようになり、また狩りにでたゆっくりが帰ってこない事件が続出した。 群れのゆっくり達はドスに“ゆっくりできない音”の正体を確かめるために同行してほしいと提案し、 行方不明になるゆっくりが続出していたため、黙って傍観してられないと判断したドスは調査に同行した。 ゆっくり達はより鮮明に聞こえるようになった“ゆっくりできない音”のする方向を目指したが、目の前の光景を見て絶句した。 ガガガガガガガガ・・・・・・ ドドドドドドドド・・・・・・ 今までゆっくり達の狩り場であった森の一角には既に一本の木も生えておらず、 人間達が見たこともない巨大な乗り物に乗り木を切り倒し、地面を均しているではないか。 そう、この“ゆっくりできない音”の正体は人間達のブルドーザーやチェーンソーによる開発に伴う騒音だったのだ。 「な゛に゛ごれ゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛!!!???」 「にんげんさん!ゆっくりやめてね!!きさんがいたがってるよ!!!」 この群れのゆっくり達にとって木は棲みかを与え、外敵や寒さから守ってくれる大切な存在である。 そんな木が人間達によって切り倒されていく・・・ゆっくり達には何をしているかは分からなかったが許せなかった。 だがゆっくり達がいくら叫んでも人間達は作業の手を休めようとしない。 怒りに震えたドスは人間達に叫んだ。 「ゆっくりやめてあげてね!!!」 流石に声が大きく、ロードローラーを操縦していた男がゆっくり達に気づいた。 「ん?なんだ、またゆっくりかと思ったら今度はやけにデカいのがいるじゃないか。」 「なんだじゃないよお!!きさんになにやってるの゛お゛お゛お゛!!?」 「何って見りゃ分かるだろ、木を切ってるんだよ。」 男は平然と答える。 「どぼじでぞん゛な゛ごどずる゛の゛お゛お゛お゛お゛お゛!!??」 「ゆっぐりしてないでざっざどやべであげてね!!!」 ゆっくり達も一緒になって抗議する。 だが男は「止めろって言われても俺にゃムリだ。もっと偉いサンに頼みな」と言って取り合わない。 「「じね!ゆっぐりじね!!」」 ゆっくり達は最後の手段とばかりにドスが止めるのも聞かずロードローラーに体当たりを仕掛けた。 勿論、そんなものが効くわけがないが。 男は煩わしそうな顔をして、躊躇いもせずにゆっくり達をローラーに巻き込み潰していった。 「「「ゆ゛ぎゃ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!?」 「どずぅ゛!ゆ゛っ゛ぐり゛だずげdゆ゛ぎぃい゛・・・」 ドスはその時悟った。今まで行方不明になったゆっくり達は皆このように嬲り殺されていったのだと。 事実、今まで行方不明になったゆっくり達は、このゆっくり達と同じように作業を中止させようとしたために殺されたのだ。 だがこうなってしまえばもはや関係ない。ドスは意を決してドスパークを撃つ態勢に入った。 「ゆっ、おじざん、よくもなかまたちをごろじだね!!」 「殺したっつかお前らが邪魔するからだろ・・・どっちか言うと事故だろこれは。」 男は悪びれる様子もなく答える。 「もんどうむようだよ!!しんだなかまたちのかたきはゆっくりしんでn・・・ゆ゛ぎゃ゛あ゛!!」 ドスが言い終わるのを待たずに男はロードローラーを進めドスも巻き込み踏み殺してしまった。 例え2m近い巨体を誇るドスまりさであっても鉄の麺棒の前では餡子の塊にすぎなかった。 「あーあ・・・こんなに汚れちまったよ、整備が大変そうだな、こりゃ・・・ おーい、またゆっくりを潰しちまった!水撒いてくれ、このままじゃ蟻が沸いちまうぞ!」 男はそう言うなりまた作業に戻って行った。 ガガガガガガガガ・・・・・・ ドドドドドドドド・・・・・・ ドスや調査に行ったゆっくり達も帰って来ず、ますます近づく“ゆっくりできない音”のために群れのゆっくり達は混乱状態に陥った。 やがて現れた人間や巨大な鉄の怪獣のためにゆっくり達は多くが殺され、生き残ったゆっくり達は森の更に奥へ逃れて行った。 その翌年、ゆっくり達のコミュニティがあった場所は巨大なゴルフ場に変わっていた。 毎日多くの人々がこのゴルフ場を訪れコースを回っていた。 そのゴルフ場には今でもたまにゆっくり達が現れる。 かつて森であったため、木々は所々残されており、そこで逃げたゆっくり達が暮らしていたのだ。 だがかつてのような広い森はなく、生き物は極端に少ない。そのため餓えたゆっくり達はコースへ出て人間にクラブで叩き殺されたり、 運悪く飛んできたボールに当たり命を落としたり、またある者は池に落ちてそのままゆっくり溶けて死んでいった。 ゆっくり達がまたコースへ出てきた。 大きな個体が2匹、やや小さな個体が7匹。内訳はれいむが5匹、まりさが4匹であった。 そう、かつてゆっくりの楽園があったときのあの家族だ。 このゆっくり達は子まりさがいなくなり、群れが崩壊した後も何とか森の奥へ逃げ、身を寄せ合って暮らしていた。 一年経てば通常大人になって、各々が家庭を持つのが普通だが、群れが崩壊し、森はコースによって隔てられてしまった上に、 極端に栄養状態が悪かったために子供も十分に成長できなかった。ここまで生き延びてこれたのは単衣に家族愛のお陰であろう。 ゴルフ場が出来てから、コースに囲まれた小さな島状の森に身を潜め、その小さな範囲で餌を探していたが、 やがて餌に困るようになり、ついにコースに出てきたのだ。 その時コースに人間がいなかったためゆっくり達はフェアウェイに降りてゆっくりし始めた。 「ゆー、ひさしぶりにゆっくりできるよ!」 「くささんもたくさんはえてるね!!」 「にんげんさんたちもいないから、みんなでゆっくりたべようね!」 家族は久しぶりに心からゆっくりできた。 やがて芝をついばみ始め少し経ったとき家族に異変が起きた。 「ゆ゛・・・な゛んだがゆっくり゛できな゛いよ゛・・・」 「みんなしっかりしてね!・・・ゆ゛べぇ゛え゛え゛え゛!!」 ゆっくり達は嘔吐し始め、やがて死んでいった。 「も゛っ゛どゆ゛っ゛ぐり゛じだがっ゛た゛よ゛・・・」 普通、ゴルフのコースに生えている芝はその青々しさを保つためや、雑草を除くために、 除草剤やその他多くの薬品が散布されている。異物に対する抵抗力の弱いゆっくりにとっては劇薬以外の何物でもない。 だがこんな光景はこのゴルフ場内では頻繁に見られることなのだ。 かつてゆっくり達の楽園であった森は既にその姿を失い、ゆっくり達も激減していった。 最早ここには二度と「ゆっくりしていってね!!!」のこだまが響くことはないだろう。 Fin どうも、またまた駄文にお付き合い頂きありがとうございました。 人間による開発とそれに翻弄される生物をゆっくりという形を借りて書いてみました。 コースに除草剤やら撒いているというのはうろ覚えです・・・ 確かそうだったとは思うのですが、書き終わってから不安になるってどういうこったいw 過去作品 男と一家 きめぇ丸の恩返し 丙・丁 ゆっくりハザード 永遠亭の怪 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/2505.html
人間が最後にしかでてこないので漢字を使わせてもらいます 最後は結構駆け足に 皆さんは知っているだろうか?ゆっくりにも魂があることを 皆さんは知っているだろうか?ゆっくりが不幸な事故や人間の手で最後を遂げるときがあるのを 皆さんは知っているだろうか?地縛霊を・・・・・・ ゆっくり地縛霊 河原のまりさ達 ここはどこかの森に流れる川であった。 その川は森に住むゆっくり達にとっての水飲み場であり、お風呂であり、水泳の格好の練習場であった。 その格好の練習場にゆっくりまりさの親子がやってきた。 親が1匹、子が3匹の計四匹ですべてがまりさ種であった。 このまりさ一家はゆっくりにしては珍しい同種同士の夫婦であったため、子もまりさのみで 固められていた。 片親のまりさはお家で一番小さな子まりさとお留守番し、残りの家族はこうやって 水を泳ぐ練習に来たのだ。 「ゆ!!おちびちゃん!!練習場についたよ!!」 「「「わ~~い!!お水さんがいっぱいだよ!!」 子まりさ達は大はしゃぎ。それもそのはず、この子まりさ達はようやく赤ちゃんから子ゆっくりに なったばかりのゆっくりでいままで外に出たことなどろくになかったからだ。 大はしゃぎしている子供達をみてまだまだ赤ちゃんだねと内心にっこり笑う親まりさ だがはしゃぎ続けては練習もくそもないので、子供達を呼び寄せ練習を始めることにした。 「おちびちゃん達!!オールは用意してきたよね!!」 「「「もちろんだよ!!!」」」 そういってオールを親に見せつける子ゆっくり達 親まりさはそのオール1つ1つちゃんと出来ているかチェックしていく。 ゆん、特に問題ないよ!!そう判断したまりさは手本を見せるべく子供達を川の近くまで呼んだ 「いい?おちびちゃん達!!こうやって帽子さんを川において」 そういい帽子を川にいれるまりさ、もちろんこのとき帽子が流されないようにオールで留めておく 「こうやってオールさんで帽子が流れないようにして」 そしていっせーのーでで帽子に慎重に飛び乗った 「こうやって帽子さんにのってね!!」 「「「ゆっくり理解したよ!!!」」」 子ゆっくりたちは親がやってくれた手本の通りに通りにやったこともあってか 一匹も仄暗い水の底に沈むことはなかった。 親まりさは全員が無事帽子に乗れたことを確認すると、オールを取り出した 「次はオールさんを使って川を渡るよ!!まりさをよく見て練習してね!!」 まりさはオールを巧みに使って漕ぎ始めた。 子まりさ達は親の漕ぎ方をよく見て、みよう見まねで練習し始めた。 「ゆ~っしょ!!ゆ~っしょ!!」 「ゆぅぅぅぅぅ!!前に進んでよ!!進んでよ!!」 「後ろじゃないよ!!前に進んでね!!」 子供達はなかなかうまくいかないことにいらつきながらも必死に練習した。 その必死な練習もあってか、少しずつであるが行きたい方向に進み始めた。 子供達がうまく泳げるようになったことに親まりさは喜んだ。 だが、運命とはそんな幸せをあざ笑うように待ち構えていたのだ。 それは突然、川底から姿をあらわした 「ゆ?」ポチャン・・・ 川底から姿をあらわした魚が子まりさの帽子の上に姿を現したのだ。 おそらく、呼吸のために水上に現れたのだろう。 必死にバランスを取っていた子まりさは突然川底から現れた魚にバランスを崩され、 川底へと沈んでいった。 ゆ?な、なんでまりさがかわさんにおちているのぉぉぉぉぉぉ!!! ぞごのざがなざんだなぁぁぁぁぁぁ!!!ばりざをおどじだのはぁぁぁぁぁぁぁ!! ぢょっどうばぐ泳げるからっでぶざげないでねぇぇぇぇぇぇ!!! のろでやる!!のろっでやるぅぅぅぅぅぅぅ!!!! まりさの恨みは体と一緒に水に消えて行った。 残された家族は何が起こったのか分からず、ポカンとしていた。 だが、川に取り残された帽子だけがまりさ達親子に現実を教えていた。 そして、 「お、おぢびぢゃんがぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」 「「いぼうどがぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」」 餡子脳がようやく現実を受け入れた。 親と子がその場で泣きつくす中、長女まりさはオールで苦戦しながらもバランスを崩す原因を 作った魚の元へと向かった。 「いぼうどのがだぎぃぃぃぃぃぃぃ!!!!」 長女まりさは怒り狂った顔で魚に近づいていった。 「おちびちゃん!!危ないことはしないでお母さんの所にもどってきてね!!」 親まりさは長女まりさをとめる。だが、怒りでわれを忘れているのか、姉まりさの耳に届くことはなかった。 長女まりさが水上でゆっくりしている魚に近づき、攻撃可能範囲に近づいたことを確認すると 咥えていたオールで魚を攻撃し始めた。 「いぼうどのがだぎぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!」 オールを剣に見立てて攻撃を加える長女まりさ その苛烈な攻撃に驚いたのか、魚は川へ沈んで逃げ始めた。それを逃す長女まりさではなかった。 「ばでぇぇぇぇぇ!!ごろじでやるぅぅぅぅぅぅ!!!」 怒りに狂うまりさは川底に逃げ込んだ魚を追いかけようと身を乗り出した。それがまずかった。 「でてごぉぉぉぉぉぉぉぉ」ポチャン 姉まりさは身を乗り出すあまり、川に落ちてしまった。 だが、怒り狂った長女にはそんなことは関係なかった。 長女まりさはオールを咥えたまま必死にあんよを使って魚に近づこうとする。 だが、ゆっくりの足が水中の魚に勝てるわけがなかった。近づこうとしても簡単に逃げられる。 そして、長女の体が限界に達した。 ぢぐじょうぅぅぅぅぅぅ!!!いぼうどのがだぎがぁぁぁぁぁぁ!!! にぐいぃいぃぃぃぃ!!およげるやづが!!ざがなざんがにぐいぃぃぃぃぃ!! ぜっだいごろじでやるぅぅぅぅぅぅ・・・う・・・うう・・・・・ 長女は水に漂う黒いものに変わり、消えて行った。 三女に続き長女が水に消えていき、親まりさと次女まりさは慌てた。 早く陸に上がらないとまりさ達があぶないよ!!魚さんに襲われちゃうよ!! 親まりさは急いで次女に陸に上がるようにせかした。だが、それがまずかった。 「おとうさんまってね!!ゆっくりまって・ゆわぁぁぁぁぁぁ!!!」ぽちゃん 親が急かすあまりに次女バランスを崩して水の中に落ちてしまった。 親まりさは大慌てになったが、すぐに落ち着いて溺れている次女にオールを差し出して救助しようとした。 早く対処したためかすぐに次女はオールを咥え、助かったと思われたが 「ゆががががががががぁぁぁぁぁぁぁぁ」 さっき長女まりさを襲った魚がまりさを食べ始めたのだ。 ふやけだした体を食い破って体内に口を突っ込みはじめる魚。 体内に入り始めた水が命の源を犯し始め、まりさは死に近づいていく。 おねえぢゃんどいぼうどをごろじだざがなざんめぇぇぇぇぇぇ!! ばりざが泳げだらぐいごろぢでやっだのにぃぃぃぃぃぃ!! ざがながにぐいぃぃぃぃ!!川ざんにうかべるやづがにぐいぃぃぃぃぃ!! にぐいぃぃぃぃぃぃ・・・・い・・・・いい・・・・・い・・・ まりさの体は唯一残った皮すら魚に食べられた。 たった一ぴき残された親まりさは目の前で起こった悲劇に心が折れ、狂った。 「ゆ・・・ゆひゃひゃはyひゃ・・ばりざの・・・おぢびぢゃんが・・ゆひゃひゃひゃひゃ みんな・・・おみずさんに・・・・あひゃっひゃひゃひゃひゃ」 親まりさは後を追うかのように川の中に自ら身を投げた。 最後に考えていたことは、おちびちゃんと一緒にいたいという願いだった。 長女まりさが目を開いた時、目の前には見渡す限りの水が広がっていた。 辺り一面水。だが、水の冷たくて気持ちのいい感触が体にこない。 飲もうとしてもなぜか飲めない。 「どぼじでなにもがんじないのぉぉぉぉぉぉ!!!」 叫んでは見たものの特に変わることもなく、じたばたしても、体の臨界時間を突破しても なにも起こらないためか、長女は水に対する警戒を解き、ゆっくりし始めた。 一人でゆっくりしているとどこからかゆっくりがやってきた。 妹まりさと親まりさだった。 みんなどこ行っていたの?と聞くと家族はお昼寝してたよ、ごめんねと明るく返してくれた。 これでみんなとゆっくりできるねと考えていたその時、視界に何かが映った。 魚だった。大きくまるまると太った魚が四匹いた。 その魚が視界に入るや否や、ゆっくりの家族達は明るい顔から怒りに満ちた顔に変貌し始めた。 妹を川に落としたゆっくり殺し!! ひきょう者!!捕食者!! おちびちゃん達の敵!! 弱虫!!ひきょう者!! 四匹のあんよは水の中であるにも関わらず、魚に負けない速さで動きだした。 「いぼうどだぢのがだぎぃぃぃぃぃぃ」 「おぢびぢゃんのがだぎぃぃぃぃぃぃぃ!!」 「じねぇぇぇぇ!!ひぎょうぼのぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」 「ばりざをづぎおどじだゆっぐきごろじぃぃぃぃぃぃ!!!」 四匹はそれぞれ一匹ずつ魚に近づき、体当たりをしようとした。 「「「「ゆっぐりじねぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」」」」 四匹の声が重なる。そして同時に体当たりが放たれる。 が 「ゆ?どごだぁぁぁぁぁ!!!どごにがぐれだぁぁぁぁぁ!!!」 「でてごいぃぃぃぃぃぃ!!ごろじでやるぅぅぅぅぅぅ!!」 「びぎょうぼのぉぉぉぉぉぉぉ!!!」 「がぐれでないででてごいぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!」 まりさ達親子は気付かなかったであろうが、まりさ達親子は魚に体当たりをすることで 魚に憑依してしまったのだ。 本人達には憑依した魚の体ではなく、憑依した家族の姿しか見えていないため、気づかないのも むりはない。 まりさ達家族が殺そうとした魚を見失い、探していると水上に妙なものが見えた。 別のまりさのお帽子だ。どうやら川を渡ろうとするまりさが川にやってきたのだろう。 それを見た家族は水上のまりさに近づいて行った。 「およげるやづぅぅぅぅぅぅ!!!」 「およげるがらっでなばいぎだぞぉぉぉぉぉぉ!!!」 「じずべでやるぅぅぅぅぅぅぅ!!!」 「ごろずぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!」 彼女たちが死ぬ直前恨んだのは「魚」と「泳げる生き物」だった。 まりさは大急ぎで家にかえらないといけなかった。 愛する妻のれいむが大けがを負ったからだ。 れいむの体には大きな傷口ができ、そこから餡子が流失していた。 出発する前に餡子の流失はどうにか止めたが、このままでは命に関わる。 まりさは川の反対側にある薬草を採りに行った。 そして目的の薬草を見つけたはいいが、いかんせん見つけるのに時間がかかりすぎた。 このままではれいむの命は危ない!!そう判断したまりさは川を渡って時間を短縮することを考えた。 「れいむ待っててね!!すぐ戻るよ!!」 川に着いたまりさは帽子をゆっくりしないで川の水面におき、慎重にのった。 そして帽子の中に薬草があることを確認しつつ、オールで川を横断し始めた。 そして川のちょうど真ん中に差し掛かったそのときであった。 まりさは必死にオールで川を横断するのに夢中で水面をあまりよくみていなかった。 そこに、魚が水面から飛び跳ねてきた。 オールに視線が釘つけとなったまりさにはその魚の存在に気づけずにいた。 だが、水面に映った魚のシルエットがまりさに危険を知らせた!! まりさをはっと驚き、オールで魚の顔を叩き、軌道をそらせた。 ゆ?なんで魚さんがまりさを狙っているの?魚さんに狙われているの!? まずいよ・・・はやく陸に上がらないと!! まりさは大急ぎで陸に上がろうとオールを漕ぎ始めた。 だが、大きな魚四匹が水面から飛び跳ね、大きな口を開けてまりさを狙う!! まりさは食われないようにオールを振りまわすに必死になり、進むに進めなくなってしまった。 そして、10分後 それは静かにやってきた。 オールを振い奮闘していたまりさは、足に何かの感触を感じた。その正体は、水だった。 長時間水に浸かっていた帽子に穴があき、そこから浸水が始まったのだ。 「どぼじでおぼうじにあながあいているのぉぉぉぉぉぉ!!!」 まりさは驚きのあまり、くわえていたオールを離してしまった。 その隙を魚達は見逃さなかった!!まりさめがけて魚が殺到する。 そして水に浸かったあんよをくわえ、まりさを水の中に引きずり込んだ 「ゆぎゃぁぁぁぁぁ・・ごぼごぼごおごぼ・・・」 まりさは水に落ちた。 水に落ちたまりさの目の前にはれいむにつける予定だった薬草が水中を漂っていた。 まりさは死ねないよ!!れいむを助けるよ!! 死なせるものかぁぁぁぁぁぁぁ!! まりさはゆっくりとは思えない気迫で薬草を加えようと必死にあんよを動かす だが、それを阻むように4匹の魚がまりさに殺到し、まりさを捕食し始めた。 いたいよ!!苦しいよ!!魚さん邪魔しないでね!! まりさはれいむを助けるんだよ!! ゆっくり・・・どいて・・・・ まりさの掴もうとしていた薬草が拾われることはなく、 まりさは魚の胃袋に収まった。 まりさを殺したまりさ親子はさっき逃したにっくき仇を探して辺りをぐるぐるしていた。 「どごだぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」 「がぐれでもむだだぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」 「ざっきのまりさどおなじめにあわぜでやるぅぅぅぅぅぅ!!」 「びぎょうものぉぉぉぉぉぉ!!ででごいぃぃぃぃぃぃ!!」 ぐるぐる無駄とも思える探索作業をしていたその時、水上に桶のような物体が影を見せ 川底ににこにこ笑いながら泳いでいるゆっくりの姿が見えた。 「ぞごのやづぅぅぅぅぅぅ!!およげるがらっでなばいぎだぁぁぁぁぁ!!」 「じずべでやるぅぅぅぅぅぅ!!」 「底をおよげでがらっでいいぎになるなぁぁぁぁぁ!!」 「およげるやづはごろじでやるぅぅぅぅぅぅ!!!」 四匹の魚の内、親と三女は水面の物体へ、長女と次女は川底に向かった。 「きすめ!!やまめ!!れいむを向こう岸までお願いね!!これはお代だよ!!」 ゆっくりきすめとゆっくりやまめの番いはこの川で渡し船の仕事をしていた。 この川は安全に渡れるポイントが意外に少なく、横幅が広いためまりさ種でも横断しきるのが 難しい川なのであった。 先のまりさは比較的川幅が短い所を渡ろうとしていたが、それでもギリギリな幅であった。 そのため、そこに目をつけたきすめとやまめはれいむやちぇんといった水に強くないゆっくりを カモにしてお代と称した食糧を提供させて、ゆっくりとした日々を過ごしていた。 今日もこうして何事もなくれいむから食糧を受け取り、渡しを始めた。 「じゃあれいむ!!きすめの桶さんのお舟に乗ってね!!」 「ゆっくり乗るよ!!」 「乗ったね!!じゃあゆっくり出発するよ!!」 この二匹の私のやり方だが、なかなか考えた方法である。 まず舵取り役にキスメが桶の一番前に居座り、その後ろに客を配置させ、そしてやまめが最後尾 に着く。 まず、やまめは最後尾から対岸の木や大きな石に蜘蛛の糸を吐く。 何度も何度も吐き、或る程度強度が出来たのを確認すると糸を回収しつつ対岸に進むというやり方だった。 この日も何事もなく川の中心に来た所で、異変が起こった。 「ゆ?」 「やまめ?どうしたの?全然進んでないよ?」 きすめはやまめに訪ねた 「ゆ~~?何かが引っ掛かっているみたい!!」 「ゆ!!お代を払ったのにこんなところで立ち往生なんて最悪だよ!!」 れいむは二匹に不満をぶちまける。 何故桶が進まないか、それは簡単なことだった。 「ごろべぇぇぇぇぇぇぇ!!ごろべぇぇぇぇぇぇ!!」 「ごわれろぉぉぉぉぉ!!!ごわれろぉぉぉぉぉぉ!!!」 魚に憑依した親まりさが桶の動きを体でブロックしていたからだ。 良く見ると、末っ子まりさが憑依した魚はそこの方を体当たりしていた。 だが、何度やっても桶は体当たりで破壊できない 「ゆがぁぁぁぁぁぁ!!!もういいぃぃぃぃぃぃ!!!うえのやづをぐいごろずぅぅぅぅぅ!!」 末っ子まりさは水上に浮上を始めた。 桶の上の三匹はいまだかつて自分を襲ったことのないものに恐怖していた。 桶が全く動かない、底の方を何かが攻撃している。 やまめときすめはなにが起こっているか分からずただおどおどし、れいむは二匹に ひたすらクレームをぶちまけていた。 「ゆぅぅぅぅ!!はやく動いてね!!お舟さんゆっくりしないで動いてね!!」 きすめは恐怖から必死に蜘蛛の糸を引っ張りが船はビクともしなかった。 そして、水からそいつは現れた。 「ゆわぁぁぁぁぁぁぁ!!さかなさんだぁぁぁぁぁぁ!!」 「やまめぇぇぇぇぇぇ!!はやくなんとかしてぇぇぇぇぇぇ!!」 「なにやっているのぉぉぉっぉぉぉぉ!!れいむはお客なんだよぉぉぉぉぉ!! 安全に運ぶのがしごとでしょぉぉぉぉぉぉ!!はやくなんとかしろぉぉぉぉぉ!!」 魚は勢いをつけ水面から飛び跳ねてきた。 魚はおおきく口を開け、ゆっくりやまめのリボンを咥えた。 重力にひきつけられるように魚の体は水の中へ消えていき、リボンを咥えられたやまめも 魚と一緒に水の中へと消えて行った。口から吐いた糸を残して・・・ 「や、やまめぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」 きすめは必死になってやまめが吐いた糸を咥えた。引き上げてやまめを助けるつもりらしい。 きすめはやまめが吐いた糸を必至に引っ張るもびくともしなかった。 水中でやまめをおそっている魚の力の方が圧倒的に強かったのだ。 「でいぶぅぅぅぅ!!おねがいだがらでづだっでぇぇぇぇぇ!!だーりんがじんじゃうぅぅぅぅ!!」 きすめは悪態をついていたれいむに手を貸すよう頼んだ。 「なんでれいむがそんなことしなくちゃいけないのぉぉぉ!!そんなことよりれいむを はやく向こうに行ってねぇぇぇ!!いとしのまりさが苦しんでいるんだよぉぉぉぉ!!」 このれいむの夫のまりさは数日前、石を思いっきり踏んでけがをしてしまった。 それだけならまだよかったのだが、傷口への処置が甘かったせいかそこから菌が入り、 重い病にかかてしまったのだ。 れいむはそんな夫を助けるべくゆっくりづてで聞いた薬草を採りに行くため、 対岸に行かなければならなかった。 だが、乗って出発したと思ったらこの有様だ。 このままではまりさが永遠にゆっくいしてしまう!!れいむは慌てていた。 その焦りがこれまでの悪態だったのだ。 「おねがいでずぅぅぅぅぅぅ!!おだいはがえじまずぅぅぅぅぅぅ!! でずがらだーりんをだずげでぐだざいぃぃぃぃぃぃ!!」 れいむは涙目になって助けを請うきすめを見て考え直した。 このきすめもれいむと一緒だよ・・だーりんが死んだらゆっくりできないよ・・・ れいむはきすめの咥えている糸の端を咥えると、一緒になって引っ張り出した。 だが、運命とは残酷なものだった。 10分ほど必死になってひっぱっていた糸が急に軽くなり、二匹はよしと思い、思いっきり引っ張った。 糸の先についていた物体が桶の上に落ちる。 「やまめぇぇぇぇぇぇ!!!やま・・・・・・」 「ゆゆぅ~~・・まったく!!れいむを働かせたんだからお代は・・・・・」 糸に先についていた物体を見た二匹は目に入れたとたん、凍りついた。 その物体は、ゆっくりやまめの口の一部であった。 大きく口を開け、苦悶のうめき声を上げるかのような形でやまめの口が糸にへばりついていた。 糸が絡みついた口は水に長いことつかっていたためか、しばらくすると形が崩れ、 生前どんな形を作っていたのか分からないぐらいになった。 「や・・・・・いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!やまめぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」 「ゆぎゃぁぁぁぁぁぁぁ!!」 きすめはやまめの無残な姿に叫び声をあげ、れいむは恐怖のあまり叫んでしまった。 ゆっくりやまめは少しずつ体を魚に食われ、死んだ。 やまめが落ちた所から、やまめの中身と同じ色をしたものが流れだし、そしてその痕跡は消えて行った。 れいむは恐怖からきすめに食ってかかった。 「ぎずめぇぇぇぇぇぇぇぇ!!ばやぐむこうにいっでねぇぇぇぇぇぇ!!」 「ゆぅ・・・・やまめ・・やまめぇ・・・・」 だが、きすめは愛する夫を失ったショックから未だたちなおれていなかった。 「ゆがぁぁぁぁぁぁ!!ばやぐどうにかじないどれいぶだちも死んじゃうんだよぉぉぉぉ!! どうにがじろぉぉぉぉぉぉ!!」 れいむは必死になってきすめにどうにかするよう要求するも、すべて無駄だった。 数分後、底から大きな攻撃を受けきすめとれいむは川に放り出され、 きすめと一体化した。魚の胃袋で 残されたのは生き物とみなされず、ただ主を失い流されてゆく桶が一つあった。 にとりはご機嫌だった。 仲良しのもみじといっぱいゆっくりしたからだ。 一緒にかけっこしたり、一緒にお昼寝したり。とにかくゆっくりした。 いっぱいゆっくりした後、もみじと別れ自分は川をさかのぼって自分のお家に向かい始めた。 お家までもう少しという所で、にとりはごはんさんを見つけた。 二匹のお魚さんだった。しかも向こうは気づいていないのか、ゆっくりと此方に向かってきていた。 ゆ?ごはんさんがむこうからやってきたよ!! これできょうは狩りに行かなくてもよくなったよ!! にとりは特に警戒することもなく、気づいてない振りをして近づいて行った。 あと少しだよ・・・ にとりは捕食者のような顔をし、隙を窺い始めた。 そして、魚が今まさに目の前を通ろうかという正にその時!! ゆっくり狩るよ!!いただきま~~ああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!! にとりが大きな口を開け、捕まえようしたまさにその時、魚が自ら口の中に侵入し、 口の中からゆっくりを食べ始めたのだ。 ゆぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁいだいよぉぉぉぉぉぉぉぉ!! にとりは思いもがけない攻撃に驚き、完全に混乱した。 そして混乱しているまさにその時、もう一匹の魚がにとりのまむまむに顔を突っ込んだ ゆぴぃ!!ゆ・ゆ・・・ゆぴぃぃぃぃぎゃぁぁぁぁぁぁぁ!! まむまむに顔を突っ込んだ魚が中からにとりを捕食し始めた。 食われるたびに中から中身が水に溶け始め、にとりの意識は薄れ始めた。 ゆ・・・いやだよ!!んとりは死ぬ前にきゅうりさんを食べたいよ!! 食べるまで死なないよ!! だが、現実は厳しいものだった。 皮を破られ、魚に動きを完全に止められ、餡子の流失と地獄のような痛みから逃れられず にとりの中身は魚に胃に収まった。 彼女の生きた名残りである皮と髪の毛は水中をただただ漂っていた。 その目は、遠い何かを見つめているかのようだった。 突如やってきたゆっくりを排除したまりさ親子は一旦終結して見失った魚を探し始めた。 「どごだぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!おぢびぢゃんのがだぎぃぃぃぃぃぃ!!!」 「がぐれでもむだだぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」 「ざっきのまりさどおなじめにあわぜでやるぅぅぅぅぅぅ!!」 「びぎょうものぉぉぉぉぉぉ!!ででごいぃぃぃぃぃぃ!!」 さっきと何も変わらず、ただひたすら仇を探すまりさ親子 そこへ次の獲物がやってきた。 それは水上にあらわれ、さっきのきすめの渡し便の数倍も大きかった。 「じねぇぇぇぇぇぇぇぇ!!およげるやづはじねぇぇxっぇぇぇぇ!!」 「でがいがらっでぢょうじごくなぁぁぁぁぁぁぁ!!」 親と末っ子のまりさはきすめと同じ目に合わせるべく体当たりをするもびくともしなかった。 それを見た長女と次女も一緒に体当たりをするも全くびくともしなかった。 「ゆぅぅぅぅ!!ごうなっだらうえのやづをぐいごろじでやるぅぅぅぅぅ!!」 長女のまりさの提案に家族はみな同意し、水面に近づいた。 「じゃあみんな!!行くよ!!」 「じねぇぇぇぇぇぇぇ!!!泳げるやづはびんなじねぇぇぇぇ!!」 「良い泳げるやづはしんだ泳げるやづだぁぁぁぁ!!」 「泳げることを後悔じでじねぇぇぇぇぇぇぇ!!」 家族は仲良く一斉に水面を跳躍し、上にいる生き物に食らいつこうとした 「・・・・・・なんだこりゃ?」 男は最近買ったレジャーグッズのテストに自宅の近くにあった森の川でボートを広げた。 テストのためにゴムボートを広げ、川に浮かべ、オールで漕ぐ練習している最中にそれは起こった。 魚が4匹、ボートに飛び乗ってきたのだ。 「なんで魚が飛んで、ボートに乗るんだ?」 全くもって良く分からない事態に男はどうしようか悩んだ。 「う~~~ん・・・まあいいか。食費は多少浮くだろうよ」 男は結局、その魚を家で美味しく食べた。なにか叫んでいるように見えたが、まあ気のせいだろう と思い、無視した。 冷蔵庫の隅には、相も変わらずゆっくりの死骸が転がっていた。 後日談となるが 男がこの話を隣の虐待お兄さんにすると、何やらぶつぶつと4匹やら子供やらボドム湖やら つぶやき、「きたぁぁぁぁぁぁ!!インスピレーションきたぁぁぁぁぁぁ」と叫ぶと 家に戻って行ってしまった。 後にお兄さんはこの話を元に新曲「サイレントゆっくり、ボドム湖のゆっくり」を書き上げたという。 あの男がボートを広げた辺りは後に、釣り人の絶好のスポットになったという なんでも、やたら良い栄養素が大量発生するためか魚が大量発生しているらしい。 どっちみち、そのまま大量発生した魚を放置しておくと環境が破壊されるおそれがあるため 釣り人はそこで釣りをするようになった。 鮎といった魚がいやというほど釣れるため、みんなホクホクとした顔で帰っていくという。 貧乏学生も食費が浮くという理由で頻繁にするようになったという。 あとがき にとりの描写から始まり、最後の終わり方がだいぶ駆け足になってしまいました。反省してます。 地縛霊のやつはもうちょっと書こうと思います。 作者:アイアンゆっくり 過去作 まりさの馬鹿 ゆっくり地縛霊 れいむ親子の場合 ゆっくりおしえてね!! 1~ 世界で一番短い虐待 このSSに感想をつける
https://w.atwiki.jp/ankoss/pages/1944.html
* 『ふたば系ゆっくりいじめ 154 竜巻さんでゆっくりしようね』おまけ。 例によって面白さよりも、本編の物語に奥行きを与えることが目的となっています 虐成分はほんのり漂う程度。 * 「どっ、どうか惨めなアッシに、『竜巻』のいじられまりさ一家の後日談をお恵みくだせぇ。」 というリクエストがあったので、ついでとばかりにそれっぽく書きましたが、 実際は、しばらく本編書く暇ないんで、とりあえず秋・冬編の予告版を、ということを目的としています。 あと、これまでのダイジェストも。 最初の1行は忘れて下さい。すんません。 『お姉さんのまりさ飼育日記』 D.O 「「「ゆっくりしていってね!!!」」」 公園の植栽に埋まった段ボール箱の中で、今日も元気な挨拶が交わされる。 このまりさ一家の一族は、公園では古株である。 お水は噴水があるので潤沢、物陰も多いため、雨風も防げて危険も少なく、町ゆっくりでは勝ち組だ。 「ゆーん!きょうもぽかぽかできもちいいよ!」 お母さんまりさは、ちょっと抜けたところがあるが賢く、公園の人気者。 「でもおきゃーしゃん、ゆっくちおなきゃしゅいたのじぇ。」 長女まりさは食いしん坊。 「ゆっくち!ゆっくち!」 末っ子まりさは少々成長が遅れ気味だが元気いっぱい。 「ゆゆっ!きょうはみんなでかりにいこうね!」 まりさ一家は、今日も昨日までと同じ、春の平和な一日になると思っていた。 空から生えた、アレを見るまでは。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 「「なんなのあれぇぇぇぇぇえええええ!!!」」 まりさ達の視線の先では、理解を超えた現象が起こっていた。 雲さんに生えたあんよが、一歩前に踏み出すたびに宙を舞う木片、ゴミ、瓦、ゆっくり。 轟音とともにさらに風は激しさを増し、まりさ達の周囲ではゆっくりどころか人間さんまで騒ぎ始めている。 「はっはっはっはっ!!!見ろっ!ゆっくりがゴミのようだ!!!」 竜巻。 ゆっくりどころか人間さんにとっても極めて危険な自然現象。 まりさ一家の周囲は怒号と轟音に包まれた。 まりさ一家は、逃げた。生き延びるために。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 優宇河お姉さんは近所の小中一貫校の家庭科教師。 勤務先の同僚である校務員ゆうかりんに、軽いイタズラをするのがマイブームな人間さんだ。 この日も若い女性の身で独り暮らしを続けながら、自分もゆうかりんと一緒に学校に住みたいな、 などと考えていた。 「え・・・竜巻?うっそでしょぉぉおお!」 買い物帰りの優宇河お姉さんも、さすがに危険を感じて自宅までの道を駆け抜け、 鍵を開けるのももどかしく、一気に家に飛び込んだ。 足もとを通り抜ける影に気づくことなく、ドアに鍵をかける。 「危なかったわ・・・。街中で竜巻って、冗談じゃ「ゆぅ、たすかったよ。おちびちゃんたちもおくちからでてきてね!」?」 「「「ゆっくちー。」」」 「ちょっと!どこから・・・どさくさまぎれに足もとから入ってきたのね。」 (はぁ、まあ外があれじゃあしょうがないわね。しばらくかくまってあげましょ。) 彼女はこれまで、ゆっくりに関しては希少種にしか興味はなく、まして自分で飼おうなどとは考えたこともない。 とはいえ勤務先の学校では胴付きゆっくりが普通に働いていたりするので、拒否反応もなかった。 その一方母まりさの餡子は恐怖に凍りつく。 (にんげんさんのおうちに、かってにはいっちゃったよ! みんなころされちゃうよ。おちびちゃんだけでもたすけないと。 でも、どうしよう。) 母まりさの餡子はフル回転して最善の方法を探す。 ひたすら謝って、許してもらおう。 竜巻の荒れ狂う中を逃げよう。 現実は非情である。潔くあきらめよう。 →とりあえず疲れたのであまあまをもらおう。 「ゆゆっ!?にんげんさんはかわいそうなまりさたちにあまあまをもってきてね!」 他方おちび達も、母まりさの尋常でない雰囲気に、危険を察知する。 (お母さんが怖がってるよ。 きっと人間さんに怒られるんだ。 でも、まりさ達じゃ、人間さんに勝てないよ。 どうしよう。) 赤まりさ達の餡子もフル回転し、生存のための道を探す。 お母さんを置いて、四方に逃げて物陰に隠れよう。 一番安全な、お母さんのお口の中に隠れよう。 現実は非情である。潔くあきらめよう。 →よくわからないけど、とにかく謝ろう。 「「きゃわいくってごめんにぇ!!!」」 (随分な態度ねー。ゆうかりんとえらい違いだわ。まぁ、躾されてないとこんなもんかしらね。) 「もっと奥に行きなさい。玄関も危ないわよ。」 (ゆゆっ!?ちかづいてきたよ!おちびちゃんはまりさがまもるよ!) 「まりさのおはなしをきいてるの?ばかなの?」 (とりあえず家の奥に行かないとね。うわ・・・汚い。持ちたくはないわ。指で突っついたら転がっていかないかしら。) つんっ、つんっ、ころころころ・・・ 「「いちゃーい!おきゃーしゃんたしゅけちぇぇぇえ!」」 「まりさのかわいいおちびちゃんをぼうさんでつつかないでね!」 指で優しく転がしているとはいえ赤まりさにはちょっと痛かったみたいである。 しかし、末っ子まりさだけはなにやら様子がおかしい。 「い、いちゃいけど、ゆふぅん・・・しゅっきりー!」 「おちびちゃんどうしてすっきりーしちゃうのぉぉぉおおお!?」 (・・・性癖はともかく、個性あるのね。みんな同じ饅頭かと思ってたけど・・・) 「意外と面白いわね。」 このあと、まりさ達は風呂場まで転がされ、じゃぶじゃぶと体を洗われて、 訳のわからないうちにこの家で最初の一夜を過ごすこととなった。 まあ、最初の意志の伝達が上手くいったとはとても言えないが、まりさ一家は運が良かった。 これが、優宇河お姉さんとまりさ一家の共同生活の始まりであった。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 4月○○日 今日は日曜日なので取りあえず家にはいるんだけれども、ゆっくり達はどうしたものか。 明日以降のことも考えるとやっぱり放してやるべきかなぁ、などと優宇河お姉さんは考えていた。 一方まりさ一家は戦々恐々である。 よくわからないけど酷いことはされなかった。 でも、これからされるかもしれない。 そこで、彼女たちがとった行動は、 「ここはまりさたちのおうちだよ!ゆっくりしていってね!」 「「きょきょはまりしゃたちのおうちだよっ!ゆっくちしちぇっちぇにぇ!」」 おうち宣言。 自分の縄張りの主張である。 「えー、ちょっと。まずいわねぇ。よくわかんないけど、なんか許しちゃいけなかったはずだけど・・・。」 優宇河お姉さん、自分でもここでようやく気付いたが、ゆっくりの飼い方なんて全然知らなかった。 とりあえず、明日にでも学校でゆっくりの飼い方を調べよう、とは思うが、取りあえずどうしたものやら。 「ねえ、まりさ。ここはお姉さんのおうちなの。今はまりさ達は居候なのよ。」 「ぷっきゅぅぅうううう!きょきょはだれもいなかっちゃよ!だきゃらまりしゃたちのおうちだよ!」 「誰も居ないって、私が居・・・?」 まりさ達の背後には、40センチ×60センチ×30センチ程度の、お姉さん自作おもちゃ箱。 「・・・慎ましいわね、あなた達。好きに使ってよ。」 「ところであなた達。そこで暮らすくらいならウチで飼ってあげよっか。」 「ゆ?」 「ウチの飼いゆっくりになるの。イヤ?」 「ゆ・・・ゆゆっ?」 「私に飼われるのは、イヤ?」 「・・・ゆ・・・ゆっゆっ・・・?ゆひへぇ・・・」 「うわっ、何中身吐いてんのよ!嫌だったのかしら。」 表情を見るとそうでもない。 歓喜3と驚愕7を混ぜたような表情をしながらまりさは餡子を吹いて気絶していた。 「おにぇーしゃん。」 「?何?」 「かいゆっくちって、まいにちむーちゃむーちゃできりゅの?」 「ご飯は毎日あげるけど。」 「ゆわーい!やっちゃあ!」 * o + なんか涙が・・・ 優宇河お姉さんは、とりあえずゆっくりフードを買い込んで、 後のことは、明日以降に何とかすることにして、取りあえず考えるのをやめた。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 4月○×日 優宇河お姉さんもさすがに、生き物を育てようというのだから、最低限の飼い方は勉強しないとダメだ、 餅は餅屋、ゆっくりのことはゆっくりに聞いてみよう、と思い立った。 優宇河先生の働く学校では、学校の施設管理を任されている公務ゆっくり、ゆうかりんが勤めている。 最近はゆうかりんも仕事の幅を広げたいという名目で、優宇河先生に料理を習っている。 当面、倉塚校長にお弁当を作ってあげるという目標に向かって奮闘中だ。 優宇河先生は、いつもどおりエプロンを着けたゆうかりんに目玉焼きの作り方を教えながら 野良ゆっくりについて聞くことにした。 「やっぱり野良ゆっくりを飼うのって手がかかるの?」 「んんっ・・・そうですね・・・ぁぁ・・・育ちによりますよ・・はぅ!」 「話では、町で数世代は過ごした感じね。」 「ふはぁっ!ぅぅ・・・それなら、そこそこ分別は・・・ふぅっ・・・あると思います。」 「分別ねえ。やっちゃいけないことは分かるって感じかな?」 「うっんんぅっ!ふぁぁ・・・それなりに・・・遠慮はあると、んふぁ・・・でも・・・。」 「でも?」 「はぁ、はふぅ・・・野良は野良で・・すから、人間と違う常識が・・・ああぁ!」 「その辺は理解が必要と・・・まあいいわ。んじゃ、服着たら目玉焼きの試食といきましょ!」 「はぁ・・・ふぁい・・・」 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 4月○△日 優宇河お姉さん、今日は休みをとって、まりさ達に飼いゆっくりのなんたるかをたたき込むことにした。 ゆうかりんの貸してくれた本は、『ゆっくりの育て方(銀バッジ取得編)』。 何で持ってるんだろう? 今のところまりさたちは、飼いゆっくりである証明の銅バッジをつけているのだが、 (まりさ一家は大喜びだが、)ICチップによる飼いゆ登録が行われるのは、試験を受けて取得する銀バッジからだ。 現状、法的に財産として認められないので、危なくて外にも出せない。 「ということなのよ。目指すは銀バッジよ!」 「「「えい、えい、ゆー!」」」 「ほんじゃ、さっそく一つづつやってみましょっか。」 銀バッジへの道その1 おトイレのしつけ:決まった場所で用を足すよう躾けましょう。 「ゆっくちりきゃいしちゃよ!」 銀バッジへの道その2 ご飯は好き嫌いなく、キレイに食べるよう躾けましょう。 「ゆっくちりきゃいしたのじぇ!」 銀バッジへの道その3 ご飯は『おあずけ』もできるようにして、主人の言うことを守るよう躾けましょう。 「ゆっくりりかいしたよ!」 銀バッジへの道その4 怪我をしたり物を壊さないように、家の中ではゆっくり過ごすように躾けましょう。 「「「ゆっくりりかいしたよ!」」」 * o + 以上が銀バッジ取得に必要な技能となります。 一般的な野生のゆっくりでは、習得までに2ヶ月から半年ほどかかります。 気長に教育しましょう。 「・・・これだけ?」 「おちびちゃんたちも、みんなゆっくりできるよ!ぎんばっじさんだよ!」 「ゆっくち!ゆっくち!」 「・・・これに下手すると半年って、ゆっくりって手がかかるのねぇ。」 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 8月×△日 まりさ達は銀バッジを無事取得したが、夏になっても全然外に出ようとしない。 クーラーの下でお水をグビグビ飲みながら、一日中ゆっくりしている。 それに、おうち宣言したおもちゃ箱の外で眠ったこともない。 表情には一点の曇りもなく、だらけきった下膨れ顔。 それはそれは幸せそうだ。でも、これでいいんだろうか。 『ゆっくりの育て方』ではゆっくりはお散歩も結構好きだと書いてあったんだけども。 そもそもゆっくりは、ゆっくりという名に反し、体が脆い割には活動的なはずだ・・・ 「ねぇ、まりさ達。今日はお外に遊びに行きましょ!お友達もできないわよ。」 顔面蒼白になるまりさ達。 「おねーさん・・・まりさたちのこと、きらいになっちゃったの?」 「へ?」 「おそとはこわいんだぜ・・・みんなしんじゃうんだぜ・・・」 「えーと、そんな事無いんじゃ。」 「やべでぇ・・・おそとにづれでいがないでぇ・・・」 あまりに悲壮感あふれるまりさ達の表情に、何かよほど嫌なことがあったのかと思ったが、 これまでほとんど気に留めなかった、野良ゆっくり達の姿を注意してみると、その反応が合点いった。 細い小道、公園、ビルの影、どこを覗き込んでも、必ず複数存在するゆっくりの干からびた死骸。 商店が打ち水をするたび、誰かが洗車するたびに、水を求めて群がる、100を超える野良ゆっくり達。 小川を橋の上から眺めていると、5分も間隔を空けずに聞こえる、何かが川に飛び込む音。 日当たりの良いマンホールのふたや、車のボンネットの上には、あんよが張り付き黒こげになった焼き饅頭が多数見られた。 今まで、気にせずにいた景色。この中に彼女たちは当事者として存在していたのだ。 「室内飼い確定ね。でも、お友達がいないってのもかわいそうよねぇ・・・。」 優宇河お姉さんは、やはり校長に掛け合って、学校敷地内の合宿所に住まわせてもらえるようにしてもらおう、 そう、決心した。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 9月×△日 季節は秋。秋雨は長引き、今日もどんより空が曇っている。 優宇河先生はあれから無事、校内の合宿所の部屋を新居として格安で借りることに成功していた。 「ああ、そのおもちゃ箱はこっちに置いてね。あの子たちのおうちだから。ありがとう、ゆうかりん。」 「いえ、こちらこそ。同じ屋根の下、これからもよろしくお願いします。」 「んっふっふ、これで今後は毎日ゆうかりんにイタズラし放題ね!」 「ううっ・・・お手柔らかにおねがいします。」 「ところで、優宇河先生。校長先生になんて言ってここに住めるようになったんですか?嫌がってたと思いますけど。」 「ゆうかりんのこと、奥さんに紹介するって言ったら。」 「うえっ・・・ふぇぇ・・・。そんなのひどいですよ。」 「別にいいじゃない!ゆうかりんがお弁当作ってあげてるんだし。まあ、とりあえずウチのまりさ達、よろしくね。」 「ゆゆーん!おねーさん、ただいまだぜ!」 「おかえり。あんなにお外嫌がってた割に、どこに行ってたの?」 「こんぽすとさまにおまいりしてきたのぜ!」 「コンポスト様?ゆうかりん、何それ・・・。」 「にんげんさんもたくさんおまいりにきてるんだよ!とってもえらいかみさまなんだって!」 「あの、ゆうかがコンポストに入れたゲスまりさが、変なこと始めちゃったんですよ。 最近ではゆっくりどころか、低学年のコたちまで・・・、お代はあまあまでいいよって・・・。」 「商魂たくましいわね。あのゲスまりさ。アレはあれで町に適応した結果ってことかしら。」 「まりさ、まりさ、まりさ。ゆうかはゆうかよ。これからはよろしくね。」 「「「ゆっくりしていってね!!!」」」 「ゆっくりの間では、それで呼び分けてんの?」 「はい。こっちのコがまりさ。こっちがまりさ。このお母さんがまりさです。」 「人間っぽいけど、やっぱりゆっくりなのねぇ・・・。 ああ、そうそう。ゆうかりんに新しい後輩が入ってきたのよ。 ふらんちゃんって言うの。むっつりしてて可愛いのよー。」 「「「ふらんはゆっくりできないぃぃいいい!!!」」」 「そう言えば捕食種だっけ。」 「ゆうかも捕食種ですよ。」 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 12月24日 日は暮れ、今日はクリスマスイブ。 外は一面雪景色だが、人間の部屋の中はとても温かく、まりさ達のはしゃぎまわる声が外まで響いていた。 優宇河お姉さんの部屋でもケーキとごちそうが並ぶ。一緒にいるのがまりさ達だけというのは少々寂しいが。 「ゆーん。ゆうかりんやふらんもこないの?」 「いっしょにあまあまたべたいのぜ。」 「ゆうかりんもふらんちゃんも、忙しくってこれないのよ。 校長のお友達のパーティーに参加だって。まあ、学校の体育館でやってるんだけど。お勤めご苦労様よねー。」 「おねーさんも人間さんのお友達は呼ばないの?」 「・・・まあ、こういう年もあるのよ。まりさ達と過ごしてあげるんだからありがたく思いなさい。 でも、明日はゆうかりん達も呼びましょうね。」 「ゆわーい!あしたもあまあまだね!」 「むーしゃむーしゃするのぜ!ゆっくりいただきます!」 その時、外に赤いリボンが見えたような気がした。 あれは、れいむ?恐らく野良だろう。 今は見えなくなったが、確かに部屋の中を覗き込んでいたように思う。 ウチのまりさ達はやはり幸運なのだろう。 まりさ達がお尻をぷりんぷりんさせながらケーキに顔を突っ込んでいる間も、 野良のゆっくり達は必死で生きているのだから。 「あんたたち、ちょっとは感謝しなさいよ!」 「「「ゆ?」」」 「ゆっくりって薄情ねー。まあいいわ。見返りは求めない主義だから。」 ちなみにその夜、まりさ達は初めて優宇河お姉さんのベッドの枕元で眠った。 少しは野良の頃の苦しみから解放されたのだろうか。 「まあ、ゆっくりいきましょうかね。」 「枕もとに3匹は多いわね。一匹降りなさい。」 「ゆべし・・・いたいけど、すっきりー。」 「そいつも治ってなかったのね・・・。」 あえてヤマ無しオチ無し。本編を待って下さい。 そんないい本編が来るとも限らないけど。 なんだか、家の引っ越しとか、職場の合宿とかが重なって、 これまでの作成ペースは維持できなさそうです。 やむを得ずこんなへんなSSでお茶を濁しましたが、 そろそろ本編も書き始めようかなあ。 過去作品 ふたば系ゆっくりいじめ 132 俺の嫁ゆっくり ふたば系ゆっくりいじめ 148 ここはみんなのおうち宣言 ふたば系ゆっくりいじめ 157 ぱちゅりおばさんの事件簿 『町れいむ一家の四季』シリーズ(ストーリー展開順) 春-1. ふたば系ゆっくりいじめ 161 春の恵みさんでゆっくりするよ 春-2-1. ふたば系ゆっくりいじめ 154 竜巻さんでゆっくりしようね 春-2-2. 本作品 夏-1-1. ふたば系ゆっくりいじめ 137 真夏はゆっくりできるね 夏-1-2. ふたば系ゆっくりいじめ 139 ゆっくりのみるゆめ 夏-1-3. ふたば系ゆっくりいじめ 142 ゆうかりんのご奉仕授業 夏-2. ふたば系ゆっくりいじめ 146 雨さんはゆっくりしてるね
https://w.atwiki.jp/futabayukkuriss/pages/2425.html
まりさとおにいさん 8KB 観察 現代 愛護人間 独自設定 『まりさとつむり』の続きです 『まりさとおにいさん』 これと言った虐待はありません 俺設定満載 人が不幸になります ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 『これじゃとおくまでいけないんだぜ・・・』 ベランダから下を眺めながらぼやくまりさ 『むきゅ~まりさはぼうけんかさんね』 番のぱちゅりーに茶化される。 前回の旅行から帰宅したお兄さんは、まりさのお帽子搭載カメラを改良すべく奮闘していた。 その間まりさはお帽子もカメラもないので外出できない。 新型のカメラ内蔵お帽子製作が苦戦しているのか、既に半日は作業室から出て来ないお兄さん。 暇潰しに使えとお兄さんが、小さいデジカメをお飾り代わりに頭上にくくりつけてくれた。 まりさは庭で草花や昆虫を撮影していたのだが、飽きてしまいベランダで嘆いていたのであった。 別にお帽子が無くても外出はできない事はないのだが、 リモコンを咥えたままで跳ねると無駄にシャッターを押しかねない、 お帽子が無ければ収納も出来ないので家をウロウロしていたのだ。 タッタッタッタッタ 「やべぇ・・・完全に遅刻だよ!急がなきゃ・・・・」 カシャ 家前の道を若いサラリーマンが急ぎ足で駆けて行く、 まりさはなんとなくサラリーマンをカメラに収めてしまった。 別にこれと言う意図もなかったので、撮った事をまりさは忘れてしまった。 結局まりさにお帽子が戻ったのは、その日の夜遅くまでかかった。 『ゆゅ~ん♪おにいさんありがとうなんだぜ』 『むきゅん。まりさかっこいいわよ』 『おせじでもてれるんだぜ・・・』 社交辞令と分かっていても、ぱちゅりーに褒められると嬉しいらしい。 「まだぱちゅりーは撮るなよ!明日撮影して実験するんだからな。」 万が一と言う事もある。用心に越した事はない、 お兄さんはまりさに撮影禁止を言い渡す。 今度のカメラはお兄さんの自信作だ、 バッチに見せかけたレンズに完全防水でお帽子の中に隠された軽量化した本体! リモコンは前回同様のおさげに括り付ける。 これなら少々まりさが暴れても壊れる事もないだろう。 翌日、近辺で撮影をして変な噂がたっても困るので少し足を伸ばして野良が住み着く山までやってきた。 「とりあえずあのれいむを撮ってみろ。」 まりさにたまたま居合わせたれいむを撮影させる。 『ゆ~ん・・・あまりおもいでさんにのこしたくないれいむなんだぜ・・・・』 薄汚いと言うか、憎たらしい感じのするれいむだったので渋々撮影するまりさ。 カシャ 『ゆゅ?れいむがあまりにきゃわいぃからみとれているのね? ゆっくりしたならあまあまちょうだいね。たくさんでいいよ』 まりさがシャッターを押すと、れいむはこちらに気が付き、戯言を言いながら向かってきた。 正直かかわるのが面倒だったので、チョコを1個れいむに見えるように茂みに放り込む。 「ほ~られいむ。チョコだぞあまあまだぞ~ほれ」 ポイ 『ゆゅ?ゆっくりまってね。ちょこさんはゆっくりれいむにたべられてね』 予測通りチョコを追って、れいむは茂みへと跳ねていく、その間にここを離れる。 何歩か足を進めたとこで悲鳴によって足を止められる。 『ゆゅ?ゆ”ゆ”ゆ”ゅゅゅゅゅゅ!!!!』 さっきの茂みからだ。覗きこむと茂みの向こう側は急な下りになっていた、 茂みが目隠しとなっていて気が付かなかった。 そこにれいむは飛び跳ねて入ったので、 ゴロゴロと転がり落ちて行ってしまった。 「あ・・・・・んん~まぁ~いいや・・・れいむだし・・・・」 れいむよりも、まりさのカメラの呪いの方が気にかかる。 それにこの事故は偶然かもしれない、次の被写体を探しに行く。 『おにいさんまりさはあのゆっくりをとるんだぜ。』 次の被写体はまりさが見つけた。 野原でクローバーを頬張るまりさとれいむだ、恐らく番だと思う。 平地で見回す限り危険は無さそうだ、これなら問題は無いと判断した。 『むしゃむしゃ・・ゆ”!ゆ”ゅぎゅぎゅぎゅ・・・・』 カシャ 2匹揃って何か苦しみだす。 近寄ってみるとクローバーに混じってセリが生えていた。 「セリを食ってもこいつらには影響なんかないだろう?」 そのセリを摘んでみて気が付く。 「あ!毒セリか・・・・て事は・・・」 毒セリは人でも間違う事のある植物、餡子脳では判別は不可能だろう。 さっきの2匹を見るとやはり下痢になったらしくウンウンに埋もれて苦しんでいた。 まぁとりあえず死んでない、 きっとこれも偶然だろう・・・・・と思う。 放置しても死なれてもあれなので、オレンジジュースを少しかけてやり次を探す。 この後も沢山の野良を撮影したのだが、どいつもこいつも何かしら不幸になってしまう。 蝶を追いかけていたちぇんは、倒木に突き刺さり怪我をした。 まりさと草摘みをしていたありすは、強風に震えたとたんにれいぱーと化しまりさを茎だらけにしてしまった。 小川で水を飲んでいたぱちゅりーは、急に咳き込み飲んでいた水が器官(あるのか?)に詰まり溺れ死にそうになっていた。 今回の改良で変わった事と言えば、被写体が死ななくなったと言う位だろう。 結局は弱まったとは言え、呪いらしきものは続いている。 俺自身はぶちゃけ、野良が死のうが生きようが迷惑かけなければ興味はない。 だがまりさが仲間を亡くして落ちこんでいるのは哀れだ。 もう少し改良する必要があるだろう。 このままでは、ぱちゅりーや生まれてくる赤ゆの撮影はまだ出来そうも無い とりあえずは今回の実験はここまでにして帰宅する事にした。 ウーーーーーーウーーーーーー 近所まで戻って来ると、やたらとパトカーのサイレンが鳴り響いていた。 「どこかで事件でもあったのかな?」 『ゆゅ~ん。じけんさんはゆっくりできないんだぜ』 他人事のように考えていたら、家に着いて驚いた。 自宅前にパトカーが停車しており、野次馬に近所の住人で溢れかえっていたのだ。 「うちがどうかしましたか?」 自宅前を封鎖している警察官に聞く 「あなたがここの住人ですか?ここに空き巣が入ったと通報が入りまして、駆けつけた警察官が逮捕いたしました。」 空き巣に入られた事に驚き、留守番のぱちゅりーの安否が気になった。 「うち・・・ゆっくりを飼っているんですが・・・・ぱちゅりーは無事なんですか?」 「ぱちゅりー?あぁあのゆっくりですか・・・台所で震えていたのを保護いたしました。 今はあそこのパトカーの中にて預かっております。」 まりさは事態を飲み込めなかったらしく、キョトンとした顔で俺を見上げていた。 パトカーにぱちゅりーを引き取りに行くと、後部座席で毛布に包まれて震えているではないか・・・ よほど怖いめにあったのだろう。 「ぱちゅりー大丈夫か?」 『むきゅぅぅぅぅ!おにいざ~ん!ばりざぁ~!ふきゅぅぅぅ~』 顔を見るなり泣き出す。 落ち着くのを待って何があったのか事情を聞く 俺らが撮影に出たのは朝7時くらいだった、 空き巣が入ったのはその1時間後ぐらいだったらしい。 その後、空き巣は捕まるまでの夕方まで、ずっと屋内で何かを探していたのだと言う。 その間ぱちゅりーは台所の隅にある、 野良が侵入した時用の避難シェルターで震えていたらしい。 台所に電話の子機が置いてあったので、 ぱちゅりーは見よう見まねで電話を使って助けを呼ぼうとしたのだと言う。 それがたまたま登録してある知人にかかり、知人から警察に通報してもらって空き巣は御用となった。 なんとも運の良いような悪いような・・・・ 『ゆゅ・・ぱちゅり~ゆっくりしていってね!ゆっくりしていってね』 『むきゅう!まりさゆっくりしていってね!ゆっくりしていってね』 まりさとぱちゅりーは、互いの無事を擦りあって喜んでいた。 警察による現場検証も終わり、平穏な日々戻る事ができた。 後日、犯人の自供により何故空き巣に入ったのかがわかった。 その日、犯人は寝坊をしてしまい遅刻寸前でかなり焦って出かけたのだと言う。 急ぐあまりに老人を突き飛ばしてしまい、 その老人は頭を強く打ち血を流して倒れてしまった。 犯人は動揺のあまりその場所から逃げてしまったのだが、 その晩ニュースで老人が亡くなった事を知った。 目撃者はいなかったはずだったのだが、 例外がいたのだ。 それはベランダで暇を潰していたまりさだった。 フラッシュが光ったので写真を撮られたのは認識していたのだと言う。 ゆっくりの撮った写真なので飼い主はまだ確認していない可能性があると思ったらしい。 飼い主が外出した所を、空き巣に入って画像を消去しようと家捜しをしたのだが見つからなかった。 あいにくそのデーターの入ったメモリーカードは、 その日の撮影に使用していたので自宅には無かったのだ。 「まさか・・・・・人も呪いの対象って訳じゃないよなぁ・・・ははは・・・」 アリバイ証拠となる画像をパソコンで確認しながら不安に感じた。 とりあえずまりさには、ぱちゅりーの撮影は禁止した。 まりさも恐ろしく感じたらしく素直の了承した。 まぁ撮影自体は止める必要も無いと思う。 自分らに迷惑さえかからなきゃ野良の不幸はどうでも良い。 でもデスカメラじゃ無くなっただけましでしょ? 『おにいさ~ん、ちーずなんだぜ!』 「ばか!まりさ!やめんか!」 『まりさはおやつさんがほしいんだぜ~』 「くそ~つまらん事を覚えやがって・・・」 まりさはおねだりをする前にカメラを俺に向けるようになった。 まぁ冗談なんだろうが・・・・・ 「不幸になるのがこわいでしょぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!!!」 これまで書いた物 ふたば系ゆっくりいじめ 1097 ゆ虐ツアー ふたば系ゆっくりいじめ 1111 ゆ虐ツアー お宅訪問編 ふたば系ゆっくりいじめ 1116 雪原のまりさ ふたば系ゆっくりいじめ 1122 ゆヤンワーク ふたば系ゆっくりいじめ 1129 まりさの思い出 ふたば系ゆっくりいじめ 1152 まりさとつむり ふたば系ゆっくりいじめ 1154 ゆっくり種 ふたば系ゆっくりいじめ 1156 ゆっくり種2 トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る ↓それはゲス化したら、ゲス化の兆候だから可能性はある -- 2013-11-12 19 38 58 ↓ゲス化だったら「ふこうさんになりたくなかったらあまあまもってくるんだぜ!たくさんでいいよ!」 っていうだろ -- 2013-07-14 01 06 04 最後ゲス化の兆候? -- 2011-10-05 23 50 44 まりさと共に死ねばいいのに -- 2010-12-04 16 42 19 まりさの「ち〜ずなんだぜ」ってセリフが可愛い -- 2010-10-08 17 53 52 おもろー! -- 2010-08-28 14 44 47