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登場する人物は愛で系です 本編ぬる虐めすら怪しいです。 暗い雰囲気…? 冗長です 古本屋?のSSです 初期の面影がありません(笑) 【まりさとわたし スミカ】 「ち ひ゛ちゃぁ゛ぁ゛ぁぁぁん…」 「だぜぇぇぇぇぇ!!だすんだぜぇ!!」 ゆっくりたちの要求に冷酷さすら感じさせない機械的な声が 三十八回目の同じ返答を、天から降とすように告げる。 「拒否する。」 「う゛う゛う゛う゛ぅちびぢゃん…ちびちゃん……」 「ここからだぜぇ!ばりさざまをだぜぇ!!」 「拒否する。」 三十九回目の要求の却下 ちょっとした家具でも運搬するような背の高い段ボール箱に閉じ込められた まりさ種とれいむ種の成体ゆっくりが れいむは一粒種の赤れいむを案じて力無く泣き震え まりさは我が身の不自由に怒り狂っている。 見下ろす青年の掌に乗った赤れいむの様子は二匹からは見えないが 青年の家に侵入した一家が捕まって30と5分 ダンボール箱に閉じ込める時にさえ 青年はゆっくり達を手荒には扱わず 二匹が見上げる切り取られて窓になった側面とは反対側の 中の二匹がいる側の側面には、土の冷たさが伝わらないように座布団まで敷かれている。 青年の無機質な瞳が、掌の赤れいむに向けられ2~3度小さく頷く 声も出せないほど赤れいむを案じる母れいむは気が気では無いらしく その様子に苛立ちを募らせるまりさは大きく舌打ちする。 「もぅ…おうちかえる…」 「ゆ゛ぅ゛?!なにいってるんだぜふざけるんじゃないぜ!! このおおきなおうちはまりさのだぜ!!まりさざまがかえるおうちは…」 「かんけいないよ!!れいむはちびちゃんがいちばんだいじだよ!ばかなの?!しぬの!?」 「れいむ!?」 まりさに逆らう事など古今一度も無かった母れいむが 耐え切れなくなったように血の出るような叫びを挙げる。 「にんげんざん、おねがいします!ちびちゃんをかえしてくだざい!! れいむはつぶされてもかまいません!どんなひどいおしおきもうけますから゛!! だからちびちゃんをっ、ちびちゃんだけでもおうちにかえしてあげてくださ゛いぃぃぃ!!」 「この、れいむっ!なにばかなこといってるんだぜ?!…ゆ!?」 窓のように開けられた、二匹から見て天井側の側面から 先程まで赤れいむを乗せていた右腕が 二匹めがけて伸びてくる…そして バンッ!バン!! 「っひぃ!?」 「やべろぉ!!」 内側から何度も何度も、壁の一箇所を叩き続ける。 ダンボールの中にいる二匹には、その音が凄まじい轟音に その震動を大地震の様な衝撃として感じる。 バンッべりィ! 「ひっ、…ゆぅ?」 「なんなんだぜ!?」 何かが勢い良く破れるような音を立てて 青年の拳が叩きつけられた壁面が観音開きに開放され 母れいむはそのままに、暴れていたまりさは 「ゆびっ、べ!?」 転がり出て顔面を地面で打ちつけ、小さくバウンドする。 母れいむはその後を、おそるおそる這い出してくる 「おかーさんっ!」 「ゆゆっ!ちびちゃん!!」 涙を流して頬を摺り寄せ、再会を喜ぶ母子に視線を合わせるように といっても長身の男性が膝を折っても、必然的に見下ろす構図に成るのだが 母れいむの排気ガスやその他の汚れにギトつく黒髪に 丁寧に指を通して、何度か撫でてから 先程とは違う、確かに感情のこもった声で尋ねる。 「さっきの言葉は本当か?」 「!っ、…ぅ…ぁ… ゆ…」 青年の言葉に、自分の発言を思い出したのか 一瞬青ざめて動転する母れいむ その眼が、頬を寄せている赤れいむに救いを求めるように向けられる。 赤れいむは、何も言わずに母れいむを見つめ返す。 「本当か?」 「そんなわけないんだぜぇ!!」 母子に集中しているのを隙ありと見て取ったのか いつの間にか復活していたまりさが 勢いをつけてその背中に体当たりを仕掛ける。 「ッ…少し待て」 「しね!しねっ…ゆ、あ、やべろお゛!!はなぜ!!」 「静かにしていろ…」 「むぐぅ!」 最初に捕獲した時とは違い、乱暴に布製ガムテープをまりさの口に貼り付け ダンボールの中に放り込むと出てこないようにもう一度テープで封印する。 ガタガタと体を揺らして暴れているが、自力での脱出は絶対不可能だ。 「どうなんだ?」 まりさの凶行にすら気づかないほど一心に赤れいむを見つめていた母れいむに 促すようにもう一度、静かな声音で青年が尋ねる。 「れいむは…、ゆっくりできないことはぜんぶれいむにしてください。 このこだけは、ゆっくりさせてあげてください。にんげんさん…」 恐怖に濁った瞳ではなく、それこそ慈母のような微笑で 一部の人間の持つゆっくりのイメージを根底から覆すような言葉を迷い無く言い切り この世の最後の未練とばかりに赤れいむを見つめている。 「おちびちゃん、ゆっくりさせてあげられないだめなおかあさんでごめんね… ちびちゃんだけはゆっくりしてね……」 「おかあ、さん」 少し驚いたような顔をして、それでも堪え切れないような目尻の涙を 擦り寄った母の、薄汚れた身体に摺り寄せる。 この母れいむは、これから先どんな恐ろしい目にあうのかを特有の能天気さから想像していないのでは無い もう全く恐れていないだけだ。 青年が一度も『子供を助けてやる』と言っていないのに 全ての罰が自分に架せられて それで全てが終ると 信じている。 「 。」 男が冷然と、機械の様な声を降らせる。 まるで予測していなかった答えに、れいむの思考は完全に停止した。 「………ゆ?」 自分たちを見下ろす瞳に、先程までの暖かな感情は宿っていない。 ただ、その肩が、瘧の様に震えて 唇が、裂ける様に 吊り上がって。 いるだけ 唐突に、母れいむの脳裏に ある一連の映像が浮かぶ 生まれた時から野良ゆっくり 産まれた時には両親は黒く朽ちて 保護してくれる誰かなど、一度だっていなかった。 たくさんの酷い物を見続けて、生きてきた。 市街に生きるゆっくりたちに、鬱憤をぶつけられるように 四方八方から踏みつけられて朽ち果てるめーりん 餌場にしているゴミ捨て場で、両の目玉をえぐられて 懸命に逃げようと這いずりながら 全身を啄ばまれて息絶えたありす。 なかまたちをいとも容易く踏み潰す、黒く巨大な人間さんの影。 ほかにもたくさん、たくさん。 「にんげん、さん?いま…なん、て?」 それでも、こんな 「 。」 こんな、こんなにも 「う、ぁ…、あ」 こんなにも〝おぞましいもの"を、みたことがない。 「拒 否 す る 。」 その微笑みは、まさに 「ああああああああああああああああああああああああ!!!!!」 地獄の 「も゛っと゛ゆ゛っく゛ち゛し゛た゛か゛った゛あ゛あああぁぁぁぁ!!」 悪鬼のソレだった。 * * * 肩に赤れいむを乗せた青年が 先程とは違う子供用の棺桶のようなダンボールを引きずって 時折何度か小さく頷きながら川沿いの道を歩いていた。 ずぅり、ずうり―― 底の部分に錘でも入っているのか 引きずられるダンボールは砂袋を引くような音を立てている。 チョロチョロチョロ… 不意に引きずられる箱から川の物ではない水音が上がり 青年が歩みを止めて箱を振り返る。 「………?」 引かれる箱の底の部分から、僅かに鼻を突くような甘いにおいが立ち上る。 徐々に箱から漏れ出す液体に思い当たる事があるのか 顔をしかめて、青年は構わず 先程より心なしか乱暴に箱を引きずって 再び川沿いの道を進む。 やがて、電車の線路を通す鉄橋を目前に 青年が足を止めた。 「ついたな」 「……」 無言の赤れいむに、青年は僅かに眉をひそめて 川の石垣へと柵を乗り越える。 鉄橋の下にはそこそこ広いスペースがあり 空き缶や襤褸切れのようなタオル その他のガラクタが雑多に転がっている。 少し荒れているが見る人が見れば つい最近までゆっくりの巣があった場所だと見て取るだろう 青年はそこに、ダンボール箱を叩きつける 測ったようにピッタリと橋下のスペースに収まる段ボール箱を 何度か蹴りつけて観音開きの部分が下になるように回転させる。 箱の中でまりさがバウンドしているのだろうガタガタと音を立てて端の部分が跳ねる ジーンズのポケットへ手をやって 鞘に収まっていた何かを引き抜く。 それは、奇妙なデザインの道具だった。 くの字に曲がった赤いグリップに 鋸のようにギザギザと波打つ光を反射しない黒く短い刀身 青年が刀身に息を吹きかけると 以前の使用でこびり付いていた細かい汚れが 風に乗って宙を舞った。 コンコン ノックするようにダンボールの右端を叩くと 反対側の端が僅かに持ち上がった。 まりさがいるのは、左端… 青年が箱に刃を入れる まりさがどれほど暴れても、青年がどれほど乱暴に扱っても 壊れもへこみもしなかった、ゆっくりではどうしようもない強度の箱が 文字通り紙でも切るようにザクザクと音を立てて 男の肩で赤れいむだけがその様子を歯を食いしばって凝視している。 箱は真ん中で断ち切られ、まりさが粗相をした半分を 青年が足で菱形に潰し、平らになった上に腰を下ろす。 切断された部分から、中で震えるまりさの姿が見える。 切断面を、刃でガリガリと削る。 ガリガリ ガリガリ ガリガリ 入念に、何度も何度も 一周、二週、三週 その様子を最早垂れ流す水分も残っていないまりさが ガタガタと震えながら血走った目で見ている。 まりさの脳裏にこびり付いている 閉じ込められたすぐ後に聞こえたれいむの魂切るような絶叫 あれ程の悲鳴を、まりさは聞いたことが無い どんなゆっくりも、あんな絶望しか篭っていない声をあげる前に死んでしまう。 「(ぱ、ぱぴっ、ぱぴっ!?)」 四週、五週と入念に、何度も何度も 箱が青年の手で削られる音が 自分の体から上がる状況を、想像する事ができない 「(ぱ、ぴぷぺぽッ、ぱぴぷぺぽ、ぱぴぷペポオッッッ!!!???!!?!!)」 許容できる恐怖の限界を超えたのか 心の中で意味の無い絶叫をあげて まりさの眼が「ぐるん」と裏返り、白目を剥いて気を喪う。 「…」 獲物を鞘に仕舞い、男がまりさに手を伸ばす。 カンカンカンという踏み切りの音がして、電車が近づいてくる 電車の明りで手元を照らされた青年が、過たず目的の物を掴み引きちぎる。 ビリビリッ 「ぶぎびぇ!あ゛にするんだぜっ…ゅヒぃっ」 ガムテープを一気にはがされた傷みで意識を取り戻したまりさが 橋の上を通る電車の光に照らされて、何の感情も宿さないその瞳だけを 走馬灯のように断続的に照らし出す。 「お え 、 は 生きら ない…。」 全身が聴覚の役割を果たすゆっくりは、驚くほどあらゆる音を聞くことが出来る 電車が通り過ぎる轟音の中で、銀色の何かをまりさに近づけながら 青年はなんと言っただろう? ゆっくりできない、ゆっくりできるわけがない 銀色の何かが、内側からキチキチと音を立てて開いて行く 「あ、あぁ…やべろっ、やべでっ!?やべでぐだざいぃぃぃ!!!!!??!?! れいむ、赤ちゃん!!れいむぅ!!まりさをたすけっ…」 その様子を見続けていた赤れいむが、まりさから目をそらす 此処にいたって、まりさの縋る全ての希望は断ち切られ。 銀の袋ら何かが這い出し 瘧(おこり)のように震える青年の くちびるが、赤く裂けた。 ……… …… …。 * * * 「おかーさんとれいむのおうち、どうしてあのまりさに?」 「あの場所に…ゆっくりハウスは、もともと作るつもりだったからね」 「ゆぅ…でも」 それ以上の「ゆっくりできない発言」を遮るように 青年は静かに首を振る 「あのまりさは、元飼いゆっくりの子供だろう。あの子が歪んでしまったのは人間のせいだよ」 「でもぉ…」 頷きながら、ボードに挟まれた地図上の橋に赤い点をつける 地図には赤、青、黄の点がポツポツと、しかし無数に置かれている。 ゆっくりの習性、行動様式、嗜好性、餌場となるゴミ捨て場等を 一定の法則に当てはめてリストアップするだけで数百箇所 その近辺を歩くだけで多ければ数十の野良ゆっくりを見ることが出来る そしてその内の九割が人間の都合で持ち込まれたゆっくりか、その子孫だ。 青年はリストアップした『ゆっくりが好む場所』に 人間の目つかない場所を選んで耐水性ダンボールの住処を設置して回っている。 それは、善意からの行動ではない。 「偽善、だな」 青年の作る快適な住居は野良ゆっくりが夢に見るほど欲する 風雨を凌ぎ、烏などの外敵から身を守れる≪理想のおうち≫だ。 必然ソレを見つけたゆっくりは、棲家を手に入れようと欲して 親子、姉妹、親友であっても骨肉相食む決死の奪い合いを演じる。 今、正確な数字ではないが六万のゆっくりが都内に棲息していると言われている 青年は、その予測は希望的観測だと確信している。 青年が日常的に行っているロードワークでは最低でも八万匹 加えて潜在的には相当数の【野良予備軍】とも言うべきゆっくりが都内には生きている。 予備軍、今はあくまで予備軍である。 快適な空間で飼い主に愛され 生まれつき持っているものではなく、買い与えられた装飾品で身を飾り 誇らしげにその証であるバッジを与えられた――飼いゆっくり。 人の側に寄り添う生き物には 自然とは切り離された自浄作用が働く 大量発生し【人間の基準で】不要だと判断されれば 瞬く間にその存在は【悪】と談じられ、断じられ、弾じられる。 それは逃げ場の無い虐殺であり、期間は人々が飽きるまで 【ゆっくり】という種を忘れるまで、意識の中から消し去るまで無期限に続く。 それが始まった時、ゆっくりを飼う事に経済的な負担を意識の片隅にでも感じていた人間はどうするか? 今なら処分代が浮くとばかりに、愛して慈しんだハズの言葉持つ存在を 僅かな罪悪感と共に、あるいはゴミを捨てるほどの感慨も持たずに捨てる。 多くの場合に、与えたものを剥ぎ取って。 それは保身のためである、飼いゆっくりの装飾品やバッジには 飼い主の情報が記録されている。 装飾品を喪ったゆっくりがどうなるかを、知っている飼い主は意外と少ない。 目にする機会が無いからだ 野良の中にあっては生きている事をゆるされないからだ。 「……。」 青年がゆっくりハウスを配置するようになって 野良ゆっくりの数は、目に見えて激減した。 人目につくゴミ捨て場や自動販売機、ATMなどのまわりのゆっくりは 設置しなくても定期的に【居なくなる】…魅力的な棲家だからだ。 青年のしたことは 【魅力的な棲家】で起こっていることが 街中の人目につかないところで起きるようにする細工 種全体に対して【人間の自浄意識】を向けさせないように 彼等同士で数を減らしてもらっているだけ 本来彼等が住まうべき、深い山林の中で行われる営みの誘発…否、強制だ 青年は唇は引き結び、激しく身体を震わせる 瞳には激しい嫌悪の色が浮かんでいる。 青い点は低競争率 黄色い点は中競争率 赤い点は高競争率、好条件の棲家だ。 番も居ないあのまりさは、恐らく2日としない内に住処を奪われ 全てを喪って他のゆっくりの餌と化すだろう 一時も娘とはなれず、狩りにまで連れ立って見守り 『おうち』よりも子供を選んだ母れいむと違って。 「偽善だっ…僕のやっていることは…」 『おまえは、人(ぼくら)とは生きられない。』 無力感に涙を流す、彼等を連れてきたのは人間(ぼくら)なのにと 「すまない、すまない…」 悪鬼の形相でもって人間(みずから)をにらみつけて 唸るようにただ体を振るわせ続けた。 まだ納得がいかないのか、浮かない顔の赤れいむに 身体を震わせて答える。 「君達がよければ、僕の庭に居を構えるといい…おうちの件はソレで勘弁して欲しい」 「ほんちょ…ほんとにっ?!」 「本当だ。」 傷を負ったゆっくりを匿うのは青年の自認する悪癖の一つだ 庭の入り口は保護する個体が居ない時は開けているが そのために設えたドアは野良の侵入を完璧に防ぐ。 その上で過剰な餌は与えない、野良より多少マシなだけの生活を 自分達が出て行くというまで提供するだけ。 この赤れいむは、異常に賢い。 青年の見立てでは生後3日と言う所だが、既に母親よりも思考は論理的だ 自分が保護しても成長して野生に戻った時 人間を見下したり、短絡的な行動はとらないだろう。 何ならまとめて自分が飼っても良い…とまで考えて 「偽善、だな」 一人悲しく身体を震わせた。 * * * 【クリニック】二階の研究施設の一室に カントリー調のネームがウッドプレートが吊るされている。 『Y&Mのしりょうかいはつぶ』 コンコンと、軽いノックが転がる。 「はーいっ!」 「…ゆみくん」 青年がぬっと顔を出す。 部屋の主を怖がらせないように、その顔は精一杯の微笑を讃えている。 「うぉうッ?!朝からカッシー先輩!?」 「じゃおじゃおー!」 「…おはよう。」 白衣の下にゴシック調のドレスを着込んだ小柄な少女が 青年の来訪によろこぶめーりんを取り落とし腕の中から取り落とし へたりこんでいたクッションから、バネ仕掛けのように跳ね上がる。 少女の反応に落胆しているのか、何処か気落ちしたように 「………毎度、驚かせてすまない。」 「いっう、お、あん♪」 『いえいえそんなことありませんよ』と口にしようとして舌が回らず 引きつった顔でクルクルと意味も無くその場で回る。 青年はますます気落ちする。 「じゃふぉっ!」 「めーりん、いつもすまない。」 慌てふためく飼い主に代わって 一辺30cm程の大振りな銀色のパウチを5つ銜えて青年に駆け寄る。 膝を折りめーりんから空気穴の開いたパウチ受け取って一応銘柄を改める。 『身の毛もよだつ生の味、生きてるばったさん!(カッシー先輩用)』 めーりんの頭を撫ぜながら、身体を震わせて唇を吊り上げる。 「保護するゆっくりができてね、もう一袋もらえるかい?」 「うヒィっ?!」 「………すまない。」 物怖じしないめーりんと違い、飼い主の少女は怖いものが大の苦手だ。 驚かせるのは本意では無いので追加の一袋を受け取って 退室を告げようとして… 機械の様な瞳が見開かれ、入り口脇に置かれた帽子掛けの一点に注がれる。 「ゆみ、くん…コレは?」 「うえ!?、それはアレですよ、原作読み返してノリで作ったはいいケド使い道が無くって…」 雷を受けた様な衝撃を感じながら 伸ばしかねた指を僅かに震わせて、鉢巻の様なソレを指した 「不要なら…譲ってもらえないだろうか?」 「え、あぁ…どうぞどうぞ!」 「感謝する」と言って、ビシィっと音がなるほどの勢いでソレ―― 血のような真紅の生地に 曲がった長い鼻と 三日月の形に歪んだ目をあしらった仮面を装着する。 顔半分だけ振り返って、尋ねる 「どうだろう、おかしい所は無いだろうか?」 「…………カンペキデス、ハイ」 「じゃおじゃおじゃおーーーん!」 『かっこいい!』と、はしゃぎ回るめーりんと白衣の少女の温度差に 心なしか声の弾んだ青年は気づかない。 今までに無く青年の体が激しく震え 赤い肉の裂け目の様な三日月に青年の唇が笑みを形作る 「ありがとう、またくるよ…」 パタン、とは 音を立てないようにゆっくりと閉じられた扉ではなく 青年の退室と同時に膝から崩れ落ちた少女――ゆみの体が立てた音である。 「あ、あれじゃぁホントに悪魔(デモン)ですよぉ…だまってれば…笑わなければ…」 「じゃおおん…」 飼い主の発言に納得いかないのか、じゃおじゃおと文句を言いながら めーりんは『ばったのおにいさん』を見送った。 ※カッシーこと柏木研究員(21)は大学生である。 彼のいる【クリニック】は悪の秘密結社ではない。 彼の恩師である教授とともに、カッシーはゆっくりと人類の共存の為に働くのだ! 【つづく?】 ぬるいじめ?三作目…都会の自然淘汰を書きたかった、今は反省している。 思わせぶりで冗長な文章にイラっとした人ごめんなさい。 え、『まりさとわたしシリーズ』じゃない…? と読み返して思った。
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『ゆっくりまりさを育ててみよう』 13KB ギャグ 不運 飼いゆ 子ゆ 現代 二作目、期待はするなよ!! ゆっくりでもわかる前回のあらすじ 飼っていたゆっくりが死んでしまったお兄さんは公園の野良に産ませた子ゆっくりを飼うことを決意 家の中でお兄さんの餡子脳が開放されゆっくりは拷問を受けコンポスト行き、最終的にゆっくりショップへ直行したのだが 前回寿命の短い不良品を掴ませられた俺だったが今回はゲスれいむを掴ませられた 俺があまあまをくれる事を当然だと思っていたそいつは甘味の代わりに俺による制裁を食らい続け三週間で絶命 そして俺が嫌な意味込みでお世話になっていたゆっくりショップは知らない内に潰れていた 理由は不良品を優良品のように売っていたかららしい 確かに思い当たる節は二つほどあるな…… ………近くにゆっくりショップがなくなってしまった俺 結局前回と同じように公園の野良を利用することにした 『まずは目当ての子ゆっくり一匹に溶けやすい甘いものを与えてっと』 なるべく小さい声で言ったためこいつらには聞こえていない 「さっさとあまあまをよこすんだぜぇーーーーーーーー!!!! しにたいんのかだぜぇ!!!!!」 「「たきゅしゃんでいいよ!!!!!!」」 鞄の中の袋から角砂糖を一つだけ取り出し一匹にだけ与える旨を伝えた 「おやであるまりさにきまっているんだぜぇ!!!! さっさとよこすんだぜぇ!!!!!!」 「まりしゃにきまっちぇりゅよ!!!!」 「しゃっしゃとまりちゃにちょうだいにぇ!!!!!!」 「じぶんだけとくをしようちょしゅるやちゅはしんでにぇ!!!! まりしゃのだよ!!!!!!」 一匹だけ矛盾しているが気にしない、俺はとりあえず最初に言葉を発した子まりさに角砂糖を突っ込んだ 「ち、ち、ち、ちあわちぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!」 「おやからもらったおんをあだでかえすくずはゆっくりしね!!!!!!!!!」 「「まりしゃをゆっくちさしぇないくじゅはちにぇ!!!!!」」 『えーっと、なになに? 子ゆっくりが痙攣するまで親に制裁行為を続けさせる、制裁が無い場合は次のステップへ……』 目の前では幸せそうな顔から一変、親や姉妹に執拗に体当たりを食らわせられ痛みに悶える子まりさ 「どぼちてこんなこちょしゅるにょぉぉぉぉぉーーーーーーーー?!?!??!?!?!」 「おまえなんかまりささまのこどもじゃないんだぜ!!!!」 「さっさとまりちゃにあまあまかえしちぇね!!!!!」 「ちね!!! くるしんでちね!!!!!」 俺にも原因があるわけだから助けたい気持ちが無い訳でもないのだがここはグッと我慢 「ゆっ……ゆっ……ゆっ……」 「さあ!!! ふぃにっしゅさんなんだぜ!!!!!」 「「ゆっくちちね!!!!!!」」 まりさがピンチな所へ俺の手がサッと伸び、ゆっくりにとってはるか上空へ連れて行く 「「「なにするんだぜ(じぇ)!!!!!!」」」 『子ゆっくりにオレンジジュースを気持ち多めに吹きかけ連行する、このとき子ゆっくりの生存を家族に知らせて追わせるのがベストっと……』 シュッシュッ「ゆっくちいきかえっちゃよ!!!!!!」 「さっさとそのげすをはなすんだぜ!!!! このどれい!!!!!」 「「おろしぇくしょじじい!!!!!」」 『ただいまぁー……そういえば返事が出来る奴はいなかったな』 れいむはつい最近葬り去って勢いでコンポストにしてしまった可哀想な家族は最近俺が残飯を作るような食事をしていなかったため、つまりカップ麺ばかり食べていたために息も絶え絶えだ、もっとも死にかけていなくても自分を制御できなくなっているうちに買ってしまった防音コンポストのせいで元から返事は出来ないが 「ここをまりちゃのゆっくちぷれいしゅに(プスリ…… いぢゃいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!」 『ここは俺のゆっくりプレイスだよ、理解できないなら死んでね!!』 「まりしゃのどれ(ぷーすぷーす ぎにゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!! 赤ゆっくりは基本的に叫ぶことで身の危険を親に知らせることが仕事である だからというべきか悲鳴の五月蝿いこと五月蝿いこと しかもうんしー垂れ流しでおぉ、汚い汚い 「ゆっくちりかいしちゃよ……」 『じゃあ何故まりさはぷーすぷーすされたの?』 「おうちせんげんをしちゃかりゃだよ……」 『何故おうち宣言したらいけないの?』 「ゆっ?!?!…………ゆーん?!?!? ゆーん?!??!?!??!?!」 『テメェが俺の奴隷だからだうんうん袋!!!!』 「どぼちちぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!?!??!?!??!! にんげんはゆっくちのどりぇ(ぷーすぷーす、ぐーちゃぐーちゃ 「亜shで8づpづじょぺwジェ尾wpscjsplkjウェc毛じょc;じいr;じょい;じょいえ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」 『体の端の方ならばある程度痛めつけても死にません、後々の修復が簡単なように一箇所を集中的にいたぶってやりましょう』 ちなみにれいむを虐待する際に俺の家はフル防音仕様に生まれ変わっている 最近はゆっくりのお陰で防音リフォームも相当安くなっているから多少痛い程度の出費で済んだ よってこの声は外には漏れ出したりはしない、世間体も大丈夫 そろそろ玄関で飛び跳ねている親子饅頭を迎えに行くか 「あみゃあみゃちょーだいにぇ!!!」 『おう、いいぜ』 俺はあらかじめセッティングしておいた親まりさを子まりさの前に突き出す 「くそちびぃ!!!! くそじじい!!!! せいっさいしてやるんだぜ!!!!!」 「ひぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」 自分が殺されかけていたせいか相当な恐怖心が植えつけられているようだが…… 『こいつ固定されてて動けないからな………飯ならこいつを食えよ』 プラスチック製のアイスのカップをひっくり返した所に親まりさをセットしズボンのベルトで縛った簡単な拘束具 しかしゆっくり相手には効果は抜群、ずーりずーりすらする事が出来ない 『本当に動けないだなんて、この本の「あるもので作る ゆっくり拘束具!!」ページは凄いな……』 「どぼちてうごけないんだぜぇぇぇぇぇぇぇぇーーーーーーーーーーーーー!?!?!?!???!」 モルンモルンと体を振るまりさ、しかし少し強いぐらいに締めたベルトは外れるわけも無くそれはどう見たって無駄な足掻きだ そいつの尻のほうにちょっと切れ込みを入れる 「なにするんだぜぇぇぇぇぇーーーーーー!!!!! まりささまのこくほーきゅうのおしりをきずつけるんじゃないんだぜぇ!!!!」 そんなに動くと餡子が出るぜ? その汚いけつ振ってるんじゃねぇよ 『お前らゆっくりの中身はあまあまなんだぜ、知ってた?』 親まりさの餡子ともう一つ粒餡の餡子をひとつかみづつ皿に盛る 『ほら、食べ比べてみろよ』 言うが否や 「あみゃあみゃなんだじぇ!!!」 と言ってまりさは俺が盛った餡子に食らいつく 「むーちゃむーちゃ、ちあわちぇ!!!!!」 『親まりさの餡子も食ってみろよ』 「ゆぅ……ちょもぐいはゆっくちできにゃいんだじぇ!!」 『なら餓死するが良いさ、言っておくが親まりさ以外は食わせないからな?』 どうせここまでは当然の流れだ、あとはこの部屋を出て外から観察するだけだ 五分後 「おにゃかすいちゃんだじぇ」 「さっさとまりささまをかいほうするんだぜ!!!! つかえないちびなんだぜ!!!!!!」 十分後 「ゆぅぅぅぅーーーーーーーーー」 「はやくおやをたすけないげすはしぬんだぜ!!!!!」 十五分後 ようやく子まりさは皿へ向かって動き始めた 「ゆぅぅ、ぺーりょぺーりょ……ちあわちぇーーーーーーーー!!!!!!」 ついに禁断の味を口にしてしまったまりさ、もはやこの育成は成功したと言っても過言ではない 「おちび!! はやくまりささまをたすけるんだぜ!!! はやくおうちにかえってゆっくりするんだぜ!!!!!」 中途半端に頭が良いらしい親まりさは恐怖に怯えている、その頭のよさを少しでも警戒心にまわすことが出来れば ゆっくりはそこまで死亡フラグにはなりえないのだが……まぁ、それが無いからゆっくりとも言える 十八分後 「もうとびちったあんこしゃんがないんだじぇ……」 「ゆっくりしようね!!! おとうさんといっしょにゆっくりしようね!!!!!」 あらかた餡子を食い尽くしてしまったまりさ、次の矛先は 「むーしゃむーしゃ、ちあわちぇーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!」 「だべないでぇぇぇぇぇぇーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!! ゆっくりしてぇぇぇぇぇぇぇぇーーーーーー!!!!!!!」 当然その餡子の大本である親まりさへと向く、俺が抉った尻から食べ始めているからベルトが外れる事も無いだろう 一時間後 「もうたべきりぇにゃいんだじぇ!!」 丸々と太ったまりさ、親まりさは四分の一ほど体積は減っているもののその強靭な生命力のおかげで生きながらえている つくづく生まれてくるのが可哀想な生命体だ 「ぼう…………やべで……おと……さ………わる………たか…………ら」 「すーやすーやするんだじぇ………すーやすーや」 時々様子を見つつも放置しておけば親まりさは二日後には消えていた 『どうだまりさ? 美味かったか?』 「とってもゆっくりできたんだぜ!!!!」 栄養状態が良かったためか赤ゆ言葉も抜け、もう少しで成体になるんじゃないかと言うところまで成長している 『もっと食うか?』 「もちろんなんだぜ!!! はやくつぎのゆっくりをよういするんだぜ!!!!!(プスリ ゆっ?………いだいぃぃぃぃぃぃいっぃぃぃぃぃぃぃぃッぃぃぃぃっぃっぃぃいいぃぃいっーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!」 『俺におねがいをするときは敬語を使う事、分かったな?』 「ゆっっぐりりがいじまじだ!」 『じゃあもう一度』 「はやくつぎのゆっくりをよういしてほしいんだぜ!!!!」 『まぁ、ゆっくりらしさも少しは残したいしいいか……、ほれ』 そこに残飯を強制的に詰め込んだことによって丸々と太った姉妹を放り投げる 「ありがとうなんだぜ!!!」 『好きに食べて良いよ、俺は観察してるから』 「ゆっくりりかいしたんだぜ!!」 「ぼうたべれないんだぜぇぇーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!」 「ごばんざんごっぢごないでぇぇぇぇっぇぇーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!」 「ゆゆっ??!? よくみたらまりさのおねーちゃんなんだぜ!!!!」 「ゆゆっ? ばりざぁ!! だずげでぇ!!!!!」 「ばりざぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!」 「なにいってるんだぜ? まりさをころそうとしたやつをたすけるわけないんだぜ!!!! ゆっくりいただきます!!!! むーしゃむーしゃ、しあわせぇぇぇーーーーー!!!!! うっめ!! これめっちゃうめ!!!!!」 「やべでぇぇぇぇっぇぇぇっぇぇっぇぇぇぇぇぇーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!」 「あねをごろずげずはじねぇぇぇぇっぇぇぇぇーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!」 しかし急激に太った体はいうことを聞かず、動く事さえままならない 「たべやすいようにあしをやぶくんだぜ!!!!(ブチッ」 「ばりざのきゃくせんびがぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!」 「やべでね!!!! こっちこないでね!!!!!!(ブチッ)ゆんやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーー!!!!!!!」 「まんっぷくなんだぜ!!!!」 『よかったよかった、ところで食後の運動に戦闘ごっこをしないかい?』 「いいんだぜ!!! せんてひっしょう! くらえ! まりさあたっく!!!」 『やるな!! だがわが奥義、乱れ突きを受けてもたってられるかな? アタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタ、ホアタァ!!!』 「ゆあああああああああああああ、おにいさんもつよいんだぜ!!!! だけどまりさもまけてられないんだぜ!!!!!」 一通り楽しんだあとは疲れたのか眠ってしまったみたいだ 「ほらまりさ、戦闘の時間だぞ」 『つぎのあいてはどんなやつなんだぜ?』 「お前と同じまりさだけど」 『まりさはもっとつよいやつとたたかいたいんだぜ!!』 おまえはどこの戦闘狂だよ…… 「なにするんだぜ!?!?? さっさとはなすんだぜ!!! あとあまあまもってくるんだぜ!!!!!」 『かかってくるんだぜ!!! まりさとしょうぶするんだぜ!!!!!』 「ゆあぁぁぁぁん?? まりささまにかてるとおもっているんだぜ???」 『ごたくはいいからさっさとかかってくるんだぜ!!!!』 「ほんとうにいいのかぜ??? まりささまはさいっきょうなんだよ!!!!!」 『まりさにかったらあまあまをくれてやるんだぜ!!! それともこわいの?!?!?』 プツン 「まりささまをばかにしたなぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!! ゆっくりしね!!!!!!!!!」 己をバカにされた事により切れたまりささま(笑)が先に体当たりを仕掛ける 「ゆっはっは!!!! くちさきほどじゃあないんだぜ!!!! さっさとあまあまもってきてね!!!!!」 しかしこのまりさは手ごたえというか殴った感触が分からないんだろうか? 『ざんぞうなんだぜ!!!!』 「なん……だと……? なんだぜ」 実際はゆっくりにしてはかなり速いスピードで動いていたため、まりささま(笑)の反応速度の限界を超えているだけだ 『おうぎ! おさげづき!!!!』 まりさのおさげが前にいるまりさに向かって飛ぶ 「ゆぎゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!!!!!」 おさげは内部の餡子まで届き、そして 『あ~んど、たたきつけ!!!!』 「ぶびょ!!!! もっど、ゆっぐ………」 といったようにまりさはだんだんと捕食の前の戦闘を楽しむようになってきた あるときはハンデとしてみょんに唐辛子の粉末を塗った剣を使わせたり あるときはハンデとしてれいむ相手に三分間待ってやったり(傷一つ付かなかった あるときはハンデとしてまりさ複数と戦ったり それでも物足りないと言うか戦い足りないと言うまりさは昼間は修行をすると言い出した(公園で虐殺 まりさは夜になるとしっかり帰ってくるうえ、毎日 『夜はまりさのトレーニングの相手をして欲しいんだぜ!!! 決して性的な意味ではないんだぜ』 と言っているから俺は問題視はしていない むしろ夜帰ってきたときまりさと遊ぶ事が楽しくてしょうがない そういえばこいつ最近漢字の読み書きできるようになったし体当たりがチョッピリ痛くなってきたな そしてまりさが旅立ったのは約三ヵ月後 達筆の習字で『己を磨く旅』という書置きを残して俺の元から去ってしまった そして俺はふと今まで頼ってたゆっくり育成指南書のタイトルを見てみた 『これがあれば失敗しない! 戦闘ゆんぞく育成指南!!』 ……俺は確か愛で用にゆっくりを飼おうと思っていたのだが……、まぁ食費がかからなくて良かったけど それから次々とゆっくり群れに謎の崩壊が訪れ、専門家の間では 「ゆゆこの大量発生だ!!」 「共食いが広がったのでは?」 「鬼意参の仕業では?」 等と不毛な議論が何ヶ月も繰り返されたらしい 書いてると段々モチベーションが下がってしまう……orz ここまで見てくださってありがとうございます、オチが弱くてすいません 今まで書いたもの anko2659 餡子脳
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人生の楽園 人生の楽園 2023年7月~23年9月 共通事項 放送時間…土曜18 00~18 30 絨毯の上にカラー表記 固定スポンサー 井上誠耕園(60秒) YAMADA 老人ホーム アビタシオン 龍角散 Ryukakusan 第一交通産業グループ unicharm ユニ・チャーム STARTS(スターツ) DAIHATSU 2023年7月1日 1’00”…井上誠耕園 0’30”…YAMADA、老人ホーム アビタシオン、龍角散 Ryukakusan、第一交通産業グループ、unicharm ユニ・チャーム、STARTS(スターツ) + AC JAPAN(PT)*DAIHATSU 自粛分 2023年9月30日 1’00”…井上誠耕園 0’30”…STARTS(スターツ)、unicharm ユニ・チャーム、第一交通産業グループ、YAMADA、老人ホーム アビタシオン、龍角散 Ryukakusan + AC JAPAN(PT)*DAIHATSU 自粛分
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前 ゆっくり達がゆっくりできるにはどうすればよかったか 言葉が通じずともただ媚び続け、ペットとして生きればよかったか それは否。中身が餡子で、何も世話しなくても光合成で育つ。そんな金のなる木を人間がペットとして扱うだろうか。 家畜にされることが関の山である。幸いなことに今までゆっくりは人間から隠れて生きていたので、殆ど捕まらなかった。 さらに人間に捕まえるのは人間の子供だったのですぐに弄ばれて殺されていた。よって光合成で育つということが知られていなかった。 人間がいないようなところを探して生きていけばよかったか。 ある意味正解。しかしあの森以外の環境では、日の光が当っていなかったり、昼間から妖怪が出没したり、 逆に見通しがよすぎて危険なため、この選択枝は除外される。 人間と戦えばよかったか 論外。人間の子供にさえも勝てないゆっくりに、大人相手に勝てるはずがない。あのまりさのように目的を達するために命をかけ、 渡り合っていける個体はほとんどいない。逆に人間の大人たちを本気にさせて、あっという間にまとめてお汁粉にされてしまうだろう。 つまり、人間に認められるしかないのである。そのため、まりさの考えは間違ってはいなかった。 言葉が届かないなら、行動で示せばいい。 しかし、人間に認められる。その難しさをまりさは知らなかった。 まりさはずりずりと体を引きずらせて森の中へと逃げていた。飛び跳ねる体力はもう残っていない。 だが、体内の餡子を4分の1程度失ったことで、無駄に餡子を撒き散らすことがなくなり、虫などがよってこなかった。 不幸中の幸いといえた。 まりさはつい先ほどまでの修羅場を回想した。殺さずに思いとどまってくれたれいむに感謝しながら はやくぱちゅりーをおそとにはこばなきゃ 青鬼になることを決めたときは別に死んでもいいかと思っていた。 でも、人間に追われたとき、いっぱい走ってどきどき苦しくて、体が裂けたときは動くたびにビロビロして気持ち悪くて、 人間達の怒鳴り声で耳がびりびりして怖かった。やっぱり死ぬのは嫌だった。 でも、これでみんなゆっくりできる。 人間のおじさんたちにはたくさん悪いことしちゃったな。ごめんなさいと言えなかった。 れみりゃを怖がらせちゃったな。あの子すぐに泣いちゃうのに。 ありすにはもう会っても口をきいてもらえないだろうな。あの泣き声は忘れられないと思う。 そしてれいむは・・・・・ううん・・・・考えるのはやめよう・・・・・・・・これからきっとゆっくりできるようになるんだ。 あとはまりさがみんなに会わなきゃいい。 そう思って帰り道を急ぐ。ずりずり、ずりずりと そのときまりさの後から、聞き覚えのある声がした。いつかまりさとれいむがピンチだったときに聞こえた、あの声だ。 「あんれぇ、おまえどうしたださ?こんなにぼろぼろで・・・・。また誰かに虐められただか・・・・・・・・・・ 体中べこべこじゃないか・・・・・・・・」 肩には藁の固まり、見上げるほどの巨体。あのときの大男だった。心配そうにまりさを見つめている。 まりさは光を失い、瞳の黒さが深くなった目で大男に視線を向ける。 「おじさん・・・・・・。まりさやったよ・・・・・・・・・・。みんながゆっくりできるよ・・・・ でも・・・・・・・・・・まりさわるいこになっちゃったよ・・・・・・・・・・・・・・・」 まりさは自嘲する。大男から目をそらし、ぱちゅりーのところを目指す。 大男のきれいな目がまぶしかった。 「そうはいってもなぁ・・・・そうだ!いいもんをくわせてやるべよ。体がへこんで力がでないんだろう?」 大男はまりさを片手でむんずとつかんだ。まりさの体を覆ってもお釣りが来るほどの大きな手だ。 「ゆぅぅぅ!?おじさんはなしてよ!まりさはゆっくりできないよ!」 「はっはっは。そうかうれしいか。わかった。お望みどおりゆっくりするべ。お前は友達をたすげよどずるいい子だがらな。 いい子は好ぎだよ。」 大男はまりさを持ち上げ、どしどしと足音を立てて運んでいく。 まりさは早くぱちゅりーを日の光の下に出さなけれなければいけなかったが、大男にまりさの言葉は通じていなかった。 日の光が少し傾くくらいまで大男は走った後、まりさは洞窟の中に招待されることになった。真っ暗で、じめじめとしていて、 あまりゆっくりしたくない。 そんなまりさを大男は最高のご馳走で迎えようとしていた。 しかしゆっくりは食べ物を消化できないので何を食べても吐き出してしまうだろうが。 何が出てくるのだろうか。これほどの大男だ。何を食べればこれほどまでに大きくなるのか興味があったのだろう。 食べきれないくらいたくさんの肉か。 まりさが丸呑みされるくらいのおおきな魚か。 以外にも、山菜の盛り合わせなのかもしれない。 まりさがそわそわと落ち着かない様子を見て、 大男はまりさが期待しているものだと思って、それに答えるかのようにでんっとおもてなしを置いた。 肉だった。 まりさほどの大きな肉の塊。 まりさと同じ形をしている まず人間が食べきれないくらいの大きさだった。 いや、たとえ量が少なくとも食べられないだろう。人間には 「おじさん・・・・これ・・・・・なに・・・・・・・・・」 目の前に置かれたものがぼんやりと見えてくる。その『顔』には見覚えがあった 「そうかそうか。味わって食べたいか。さぁ、ゆっくりと召し上がれ。」 それは3日前に嫌というほど見たあの『顔』だった。 「やべでぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛!おじさん!ゆっぐりざぜでぇ!!」 歯を食いしばって食べないように持ちこたえるても、 まりさは裂けた口からぐいぐいと「ごちそう」を押し付けられる。 「ごちそう」のほっぺたは固く冷たく、つんとすっぱい匂いがした。 いつもれいむとほっぺたをくっつけあったときの柔らかさと餡子の甘い匂いはかけらも感じない。 反射的に「ごちそう」のほうを向くと、その白くにごった眼と目が合った。 「おじざんやべでぇ!おじざん!!おじざん!おじざん!おじざん!」 「遠慮することないべよ。なくほど喜ぶこともあるまいて、ほら、口をあけて。」 まりさは口をがばっと開けられ、無理やり「ごちそう」を押し込まれた。ゆっくりに共食いがあるとすれば、 このような光景が見えることであろう。 まりさは「ごちそう」の3分の1ほどと合体したような姿となっていた。 「ぴぎぃ゛ぃ゛ぃ゛ ぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛!!!」 まりさは歯と舌を使って「ごちそう」を飲み込まないように必死に抵抗する。 まりさが普段はお友達としゃべるときにしか使わない口。そのため、人間の畑を荒らしたときに掘り出した野菜は固くて歯が痛かった。 「ごちそう」はそれよりもずっと固い。 口が塞がれ、息ができない。目の前がぼんやりともやがかかってくる。 「ほらほら、お前達も妖怪なんだからこれぐらい一気に食べないと。大きくなれないぞぉ。」 大男はまったく悪気がなかった。それもそのはずだった。大男はゆっくりのことを妖怪だと勘違いしていた。まりさは気づくべきだった。 目の前の大男が子供達を一方的に痛めつけたときの異常さを。それなのにきらきらとしたきれいな目をしていることを。 彼は、自分が悪いことをしているとは少したりとも思っていない。罪悪感に目を濁らせない。 「こいつらは悪い子だから遠慮することないべよ。いい子のお前達へのご褒美だよ。ちょっと古くなっているけどごめんな。 ほら、酒でも飲んでいっぱいやろうや。」 「ゆぐぐぐうぐぐぐぐぐぐぐぐぐぐぐぐうぐぐぐぐうぐぐ!!!!!! ぐい、ぐい、まりさの頬にさらに無理やり押し込む。まりさは泣きながら吐き出そうとする。 光合成で生きていくゆっくり。口から食べ物を食べたことは一度もない。 まりさは思う。きれいなお花。かわいい虫達。大きな動物。みんなかわいかった。かっこよかった。 一緒にゆっくりする仲間達。人間ともこれから一緒にゆっくりできる。だけど、食べてしまったらゆっくりできない。 そうなったらもうお友達にはなれない。 「ゆ゛ひゅぅ!ゆ゛ゆ゛ぅ!ひゅ・・・・。ゆ゛っぐぅ・・・・・・・すぅ・・ぎ・・・・・・・」 ビリっと、まりさの頬が裂けていく。先ほど切れ目がついていた上に、無理やり押し込まれたからこうなってしまった。 大男はそこでようやく気がつく。 「ああ、ごめんごめん。うれしくてつい押しこんでしまっだや。ごめんな。痛かったべ。やっぱり無理やり食べさせるのはよぐないわ。」 大男はまりさから「ごちそう」を引き抜いた。「ごちそう」はべったりとまりさの唾液がついていた。 まりさは酸欠気味だった体に酸素を行きわたらせるように大きく息をする。まりさは安心した。おじさんはわかってくれた。 まりさは人間を食べたりなんかしないと。ぐったりとした顔でそう思ったところに 「やっぱり食べやすい大きさにしねえどな。ほら、わけてやるがらだんとぐえ。」 大男は酒に酔って顔を赤くしていた。その姿は例えるなら赤鬼だった。 いや、例える必要はない。その正体は紛れもない鬼。 鬼 強い力を持っていた妖怪の一族。卑怯な手を嫌い、誠実なものを好む。 また、いったん友人と認めた相手には敬意を表す。現在幻想郷には殆どおらず、大抵のものは鬼の国で生活している。 妖怪のため、人間も食べる。 なまはげ 東北にて語られている鬼。地方内でも伝承が細かく分かれる。怠け者を懲らしめ、災いをはらい祝福を与える。 人間に仕えていたが正月の十五日だけは里に下りて乱暴や略奪を行う。 そして悪い子をさらって食う。などと伝えられている。 幻想郷は外の世界で途絶え、忘れ去られつつあるものが流れ着く地。なまはげという有名な妖怪の中でも、 悪い子をさらって食うというあまり知られていない部類ものは、幻想郷にやってくる。 ついたばかりで未だ幻想郷の常識も知らず、ただ悪い子を捕まえて食べる鬼。それがこの大男の正体だった。 赤鬼は、これから先の人生で決して泣くことがない。そう確信を持って言い切れるような陽気な笑いを浮かべた。 《きもちわるい》 《きもちわるいよぉ》 まりさが開放されたのは、日が落ちた後であった。しんとした暗闇の中、 ずりっずりっと重くなった体を引きずってぱちゅりーの家を目指す。 その目は遠くしか見えておらず、何度も石で転げそうになる。この日は辛いことが起きすぎた。。 誰かと一緒にいないと壊れてしまいそうだった。誰かと一緒にゆっくりしたかった。 青鬼の決意はどこへやら、まりさは急ぐ。傷ついた体でずりっずりっと、暗い巣の中でひとりぼっちの友達のところに急ぐ。 けれどもその速度はとてもゆっくりしていた。 ぱちゅりーの家が見えた。最後に訪れたのはあの絵本を見に行ったときだった。 巣の外からもぱちゅりーが見えた。眼をつぶってゆっくりと動かない。 寝ているのだろうか。愛する友達に出会えてただうれしかったまりさ。 まりさは巣の中に飛び込む。目測を誤って入り口で体をぶつけてしまった。 まぬけなところをぱちゅりーに見せてしまったのかもしれない。 そう思ってぱちゅりーに近づく。 その顔は、髪と同じく、紫色だった。 ぱちゅりーはすでに息を引き取っていた。 誰もそばにおらず 誰も話しかけてこないで 誰も悲しむことなく 誰も知らずに たった一匹で静かにこの世を去った。 まりさはひとりぼっちになった。 絶望。まりさは二度とれいむ達とは会えなくなり、信じていたおじさんはゆっくりできない人だと知り、 おじさんとゆっくりしていたためにぱちゅりーは死んだ。そう、まりさはもうゆっくりできない。 青鬼になる その言葉の意味をまりさは理解したつもりだった。 誰とも会わずただ一匹で生きていく。 だが、その一文の決意を実行できる生き物はいない。 寂しさ。 まりさの餡子はその気持ちでいっぱいだった。 ちょっとだけ、みんなの様子を見に行こう。 会わないなら大丈夫。ただみんなが人間と仲良くしているところを見るだけ。 別にまりさが捕まったってもうみんなは人間の仲間。だから何も問題ない、 青鬼の決心は、完全に失われていた。 気がついたときには目の前には人間の里。里長の屋敷の前だった。まりさは夜の闇の中ふらふらと明かりにつられてやってきた。 辺りには誰もいない。新しい仲間の歓迎会を開いているのだろうか。 まりさが物陰から覗いた時、人間達はもう闇も深まってきた頃だというのに、明かりを贅沢に使って宴会していた。 酒をぐびりと一気に呑み、おわんに入ったおかずをガツガツ食べて、ガヤガヤと聞き分けられないほどの大音声で騒ぐ。 子供たちまでいた。子供達はお酒が飲めない代わりに、お菓子を食べている。 シュークリーム、エクレア、タルトと豊富な種類がそろっている。 人間達はご機嫌だった。ゆっくりしていない、人間独自の仲間との交流だった。 「たのしそう・・・・・・・・まりさもみんなとゆっくりしたいよ・・・・・・・・・・」 思わず口から漏れる偽らない本音。楽しかった日々。 「? みんなどこいったのかな?にんげんといっしょにゆっくりしているのかな?」 宴会の最中であるにも関わらず、歓迎されるべき主賓はどこにも見当たらなかった。 今頃人間達と一緒にお歌を歌って、ありすがへただとからかわれていると思った。 れみりゃが人間の子供と鬼ごっこをしていると思った。 れいむが人間とほっぺたを寄せ合ってゆっくりしていると思った。 しかしその姿は見当たらない。 《どこにいったんだろう・・・・・・》 まりさはそうっと忍び込み、みんなを探す。 最後に一回くらいは顔を見ておきたかった。一回だけ。一回だけ。 カタッ パタン カタッ パタン いくつもいくつも部屋を空ける。しかし見当たらない。どこにもいない。 おかしい。何か変だ。 まりさはようやく事態の異常さに気がつく。いや、本当は気づいてた。誰もいないのはおかしいと。 ただ認めたくなかった。さっきのような、あのおじさんに裏切られたときのような感覚がしていることを。 本当だったら聞こえるみんなの笑い声がしない。 「・・・・・・・・・・・・・・・・よ・・・・・・・・・・・・・・・・し・・・・・・」 どこからか声が聞こえたような気がする。 「・・・・ゆ・・・・・・・・・・てよ・・・・・・・・・・・・り・・・・・・・・し・・・・・・・・・・・ い・・・・・・・・・・・・・・よ・・・・・」 聞こえた。気のせいじゃなかった。これは紛れもなくれいむの声だった。 まりさはずりっずりっずりっと、れいむの声がするほうをゆっくり目指す。 最後に大好きな友達の幸せな顔を見るために そしてまりさはある部屋の前で立ち止まった。 そこは、台所だった。 奥から聞こえてくるれいむの声。その声はかすれていた。 「ゆっ・・・・・・・・・・・・くり・・・・・・・・・し・・・・い・・・・よ・ たす・・・・・・よ・・・・・・・・・・・・・り・・・・・・・・・・・さ・・・・・・・じ・・さ・・・ん」 「れいむ!まりさだよ!どうしたのれいむ!」 まりさはれいむとついに再会する。 最後にあれほどひどい別れ方をしたにもかかわらず、まりさはれいむへと何のためらいもなく駆け寄る。 まりさはれいむな事情をわかってくれていると信じていた。それはあまりにも都合のいい事考え方をする饅頭だった。 いや、実際れいむは事情をわかっていたつもりだった。しかし今ある状況はまりさのせいによって起こったこと。 れいむは、格子状の籠の中に閉じ込められていた。 「だれ・・・・・・・・・まりさ・・?」 「まりさだよ!れいむどうしたの!みんなどこにいったの!ゆっくりおしえてね!!」 まりさがれいむへと駆け寄る。二匹をさえぎる籠にめいいっぱい近づく。 ほっぺたが押さえつけられるあまりに格子から少しはみ出ていた。 れいむは人間に捕まってはいるが、その体には傷一つなかった。 今は、まだ 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」 れいむは目を伏せてそらす。そのまま十数秒が経過する。 二匹は黙りきり、台所は宴会場からの喧騒が響くのみとなってしまった。 業を煮やしてれいむに問い詰める 「ありすは?ぱちゅりーは?」 れいむは目を伏せたまま答える。その声は、あまりにも弱弱しい。 「みんなたべられ・・・・・・・・・・・・・ちゃったよ・・・・・・・・・・・」 《たべられた》 《たべられた!?》 《どうして?にんげんとおともだちになったんじゃなかったの!》 「れみりゃがさいしょにね・・・・・あたまをぽんっ・・・・・・・・・て・・・・・・きられて・・・・ ぐりぐりって・・・・なかみをむりやりとるの・・・・・・・・れみりやはね・・・・・・はねをばたばたさせて・・・ にげようとしたけど・・・・・・・・・・そうするとはねもきられちゃったの・・・・・・・・・・・・・・・・ ずっといたいいたいってないてて・・・すっごくおっきなこえで・・・・・・・うごかなくなるまでずっとないてたの・・・。」 《うそ》 「ありすはもっとひどかったよ・・・・・・・・・・・かみのけをぜんぶきられて、・・・・べりっ・・・・・・・・・ てかわをはがされたの・・・・・・・・・・・いちまいずつ・・・・・・・・・・いちまいずつ・・・・・・・・・・ ありすは・・・まりさ・・まりさって・・・・・・・・・ずっとよんでたよ・・・・・・・・まりさがたすけてくれるって・・・ ずっと・・・・・・・・しんじてた・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。。。・・・・ おじさんたちはね・・それをみていて・いっぱいわらってた・・・・・・・れみりゃとありすをおいしそうにたべてたの・・ 《うそだよ》 「ほら・・・・れみりゃはそこにいるよ・・・・・・・・・・」 そこに転がっていたのは、かつてれみりゃと呼ばれていた肉まんの皮部分だった。 あのとき、悪さをするまりさを追い払ったれいむ。そのとき人間にはどのように見えていたのか。 「ゆっくりしていってね!(みんなもうだいじょうぶだよ!!)」 リボンのゆっくりは仲間のいる方向に笑いかける。その表情は人間達にも見えた。満面の笑み。 終止無言だった先ほどとは対照的に明るすぎる声で二匹へと呼びかける。 その声は人間達には勝ち誇り、自らの領土を主張するように聞こえた。 人間達は事情を知らなかった。 そのとき、一人の男が水をさすようにつぶやいた 「こいつら、今も【ゆっくりしていってね】って言いつづけているから、里での縄張り争いしただけだったんじゃないか」 -言われたとおりゆっくりするよ。俺達が満足するまでね。- -ゆっくりゆっくりうるさいなぁ、お前から先に苛めてやろうか。- -ん~、いい声で鳴くなあこいつら。少しワンパターンだけど、やっぱりいい声するや。発音の変化がいいね。濁音がついて- -せっかくだけど、ゆっくりしている暇はないだべ- -それににんげんってはなしがつうじないのよ!いきなりつぶされたおともだちもおおいの!- この世界には、ルールがあった。 この世界では、他の世界とひとつ異なるところがある この世界では、ゆっくりの言葉は人間にはある一つの言葉とそれを含む単語にしか聞こえない。 その言葉とは 【ゆっくりしていってね】 ゆっくり達は自分達の言葉がこうして聞こえているのは知らない。 また、人間の言葉は、ゆっくりにとってはうなり声に聞こえる。 つまり、ゆっくり達が火にあぶられようが、壁に叩きつけられようが、切り刻まれようが、人間と友達になりたかろうが、 自分達の意思を人間に伝える方法は存在しないのである。 【ゆっくりしていってね】 人間には鳥や虫のような【鳴き声】にしか聞こえないそれも、あの状況ではある先入観を抱かせることになった。 その言葉の持つ意味が曲解されていく。 あのとき、れいむはまりさに向かって黙りきったまま体当たりを繰り返してしまった。れいむが大好きだったまりさ。 そのまりさへと一言でも責めたら取り返しのつかないことを言ってしまうと思ったれいむ。 だが、人間の目にはれいむがまりさに友好を求めるかのような【鳴き声】を出さないことから、 リボンのゆっくりが、帽子のゆっくりが羽を持ったゆっくりとヘアバンドをつけた ゆっくりにじゃれていたところをいきなりたたき出したようにも見えた。 れいむが【ゆっくりしていってね】と叫びながら叩き続けていれば、 この鳴き声に意味はないことに気がついたかもしれなかったのにである。 また、その後にありすとれみりゃに向かって大声で笑いかけたことは最悪だった。 その様子は人間から見たら、外敵を追い払って仲間に【ゆっくりしていってね】と、自らの縄張りを誇る様子にも見えた。 ゆっくりに対してかまっているのは虐めている子供達だけ。 大人たちが子供の頃に虐めたのは蛙や虫。 つまり、ゆっくりの生態はあまり人間達に深く知られていない。 考えすぎだよと笑っていた大人たちも、いつしか多数派に言いくるめられる。 どうせゆっくりは弱い。ならばこちらからしかけても、報復など恐れるほどではない。 今度はこいつらが徒党を組んで悪さをしでかすのではないか。 だったらこれは弱いものいじめではなく、駆除になる。駆除するなら早いほうがいい。 だから何も悪いことじゃない。 人間達はゆっくりに対して誤解した認識を持つ。。 無害な動物から人間の仲間へ、そして人間の仲間から害獣へ まりさの「赤鬼と青鬼」作戦に誤算があったとすれば、ゆっくりが人間に対して何の役も立たないということだった。 鬼は強く、仲間にすると心強い。用心棒としても、労働力としても使える。 しかしゆっくりは、仲間にしても何の役にも立たない。 人間の仲間というには、あまりにも無力だった。 あたりが静まり返った 「ゆっぐりじていでね!!(ま゛り゛あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛!!だずげでぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛!!!)」 「ゆ~ぐぃ~~!(う゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁん゛!!!)」 命乞いの鳴き声を上げるカスタード饅と肉饅。人々の耳にはそうとしか聞こえていなかった。 「ゆっくりしていってね!」は、『ゆっくりやめてね』と自らの命の危機に対する哀れみを誘っているよう意味にしか聞こえなかった。 害獣の命乞いなど聞き入れるほど人間は甘くない。二匹は今、宴会の出し物になっていた。 人間達は、その深い味に舌鼓を打つ。 「ゆっくりしていってね!(まりさはほんもののまりさなの?)」 れいむがいきなりまりさに対して問いかける。 目は血走り、その声は禍々しい。 「ゆっくりしていってね!ゆっくり!(まりさはまりさだよ!どうしちゃったのれいむ!)」 まりさはあわてて否定する。どうしてこのような質問をされたかわからない。 「ゆっくり!ゆっくり!(ほんもののまりさならみんなをたすけにきてくれたよ! おまえはたすけにきてくれなかったよ!)」 3日前、かなわないのにひたすら人間に立ち向っていったまりさ。 2日前、悪行の限りを尽くして去っていったまりさ。 れいむは、悪さをしたまりさは別のまりさと思い込むことで、自らの心のまりさを責める気持ちからから友達のまりさを守っていた。 「ゆぅ~!ゆゆぅ! (まりさはれいむのしってるまりさだよ!まりさがわるいことをして! みんながまりさをこらしめればにんげんのおともだちになれるとおもっていたんだよ!)」 まりさは自分の存在を否定されていた。それはひとりぼっちになることよりずっと辛い。 なんであんなことを考えたんだろうとまりさは自嘲する。余計なことをしなければみんな死ぬことはなかったのかもしれないのに。 「ゆっくり!ゆゆっくり!ゆっくりしていってね!(みんなしんじゃったよ!おまえのせいだよ!ゆっくりしね!)」 あの時一度も言わなかったまりさへの恨み言を惜しみなく繰り返すれいむ。 れいむは正気を失いつつあった。 「ゆっゆ!ゆぅゆ!(れいむだけでもたすけるよ!ゆっくりしないでたすけるよ!)」 まりさはかつて人間の子供に対して行ったようにれいむの籠に体当たりを繰り返す。 れいむはちょっとおかしくなってしまっただけ。そう自分に言い聞かせながら体当たりを繰り返す。 何度も、何度も、体がへこんでも何度も何度も。 しかしそのとき、まりさの体にはある異物があった。 あの赤鬼に食べさせられた「ごちそう」だ。 それは消化されず、ずっとまりさの体内に埋まっていた。 体内に大量の異物がある状態。 そのような状態で体当たりを繰り返した結果、 餡子と共に吐き出した。「ごちそう」を 《ちがう。これはちがう。まりさはなにもわるくない。おじさんが無理やりまりさに食べさせたから。 おいしくなかったよ。まりさはこんなことしないよ。にんげんをいじめたりしないよ。》 「ゆっくりしていってね!!(れいむ!ちがうの!これはちがうの!あのおじさんが・・・・)」 「ゆっくりしていってね!(ゆっくりだまってよ!!)」 《なんでこんなことになっちゃったんだろう。なにがいけなかったのかな。》 《人間に悪いことをしたから?青鬼になろうと思ったから?》 《おじさんのことを信じちゃったから?あの日ピクニックに行ったから?》 《まりさはただみんなにゆっくりしていってほしかっただけなのに》 「ゆっくりしていってね!ゆっくりしていってね!ゆっぐりじでいでね!ゆ゛っくり!ゆ゛っぐりぃぃぃぃぃ! (しらない!おまえなんてじらないよ!おま゛えなんてまりざじゃないよ!このばげもの!まりざをどごにや゛っだの! に゛ぜも゛の!!ま゛り゛ざを゛がぇぜぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛!!!)」 そのとき、奇跡が起こった。自らの心が人間には伝わらないゆっくり。 しかし憎しみに狂ったれいむの怨嗟の声は、ゆっくりの言葉と人間の言葉に同じ意味を持たせた。 あの愛嬌のある姿はどこにもなく、地獄から響くような『鳴き声』をあげていた。それは屋敷の中にいる人間にも伝わった。 「ゆ゛っ゛ぐり゛じねえ゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛゛ え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛ え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛ええ゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え ゛え゛え゛゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え ゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛ !!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」 その表情はまさに『鬼』だった。 人間たちはこの声を聞きつけ、台所に駆け寄るとあたりに散らばる格子状に千切れた饅頭とそれに混ざった肉片を見る。 人間たちは先ほどまでの宴会で胃の中に入れたものを吐き出す。 次の日から、ゆっくりは【ゆっくりしていってね】という声で人を引きとめて襲うと伝えられることになる。 害獣に認定されていたのはほんの数時間ほど、今は化け物と呼ばれている。 かくして、赤鬼から逃げた青鬼は村から追い出され、誰にも相手にされず、後悔しながらゆっくり苦しみ続けることになりました ゆっくりまりさと鳴いた赤鬼 めでたし、めでたし 著 抹茶アイス このSSに感想を付ける
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注釈: 以下のキャラクターシートは 「pukiwikiライクモード」用に作ってあります くれぐれもご注意下さい! 編集→このページをコピーして新規ページを作成→「悪魔の楽園/キャラクター名」 で、作成します 経験値などの欄は、“残量/獲得量”の書式で書いてください。(自明だとは思いますが) デモンパラサイト キャラクターシート 【初期能力値】 【基礎情報】 【ステータス】 □能力値 □行動値 □エナジー □衝動 □進化経路 □取得特殊能力 【共生武装】 【所持品】 【所持技結晶】 【収入と副収入】(2d6*2000 円) □所持金 【コネクションや他PCとの関係】 【パーソナリティ】 【設定】 【成長履歴およびセッション参加履歴】 デモンパラサイト キャラクターシート 【初期能力値】 satuki__ - 2D+2D+2D+2D+2D+2D = [6,6]+[1,2]+[4,2]+[6,6]+[5,4]+[2,1] = 45 [部分編集] 【基礎情報】 キャラクター名 本田 桃子 プレイヤー名 サツキ 種族 ■人間/□動物() 年齢 17歳 性別 女性 職業 風紀委員 共生生物 モリオン LV 4 経験値 50/1000(魔結晶:25/300) 消費経験値 メイン(950)サブ1(0)サブ2(0) 共生武装1(0)共生武装2(0) 能力元値(0)衝動限界(0) 技能を除いた総和(0)技能(0) 特別単位 1/6単位 ランク G 【ステータス】 □能力値 ○変身前 肉体 機敏 感覚 幸運 知力 精神 ・元値 3 9 3 12 6 12 ・能力値 1 3 1 4 2 4 ・技能 肉弾攻撃 運動 射撃攻撃 直感 特殊攻撃 礼儀 □□□ ■■□ □□□ □□□ □□□ □□□ 水泳 隠密 探索 賭博 知識:※ 統率 □□□ ■□□ ■■□ □□□ □□□ ■□□ 登攀 運転 芸術:※ 交渉 応急手当 尋問 □□□ □□□ □□□ ■■□ □□□ ■□□ 剛力 操作 知覚 社会 情報技術 魅了 □□□ □□□ ■□□ ■□□ ■□□ ■■□ ・変身修正 +1 +2 +2 +2 +5 +4 ○変身後 2 5 3 6 7 8 ○戦闘修正 肉弾D 肉弾防 射撃D 射撃防 特殊D 特殊防 2 3 5 4 9 4 □行動値 変身前(機+感+値) 変身による修正 変身後 行動値: 6 + 7 = 13 □エナジー 変身前(10+肉+幸+精) : 19 追加エナジー : +30 現在エナジー:0+0 □衝動 衝動 第1段階□ 第2段階□ 第3段階□ 第4段階□ 第5段階□ 暴走 1 2 | 3 4 5 | 6 7 | 8 9 | 10 11 | 12 13 14 | 15 | □ □ | □ □ □ | □ □ | □ □ | □ □ | □ □ □ | □ | □ □ | ■ ■ ■ | ■ ■ | ■ ■ | ■ ■ | ■ 自我 | 1.5 2.5 | 3.5 4.5 5.5 | 6.5 7.5 | 8.5 9.5 |10.5 11.5 |12.5 |□ □ □| 現在値:0 □進化経路 1LV 2LV 3LV 4LV 5LV プライム シャーマン セージ プリースト 6LV 7LV 8LV 9LV 10LV 1LV 2LV 3LV 4LV 5LV 6LV 7LV 8LV 9LV 10LV □取得特殊能力 名前 使用可能段階 コスト タイミング 距離 範囲 時間 効果 参照ページ 肉体修復 なし 衝動1点 通常 本人 本人 一瞬 エナジー3d点回復 P25 魔種吸引 なし なし 通常 接触 敵1体 戦闘終了後のみ 対象から悪魔寄生体を奪取できる。 P25 連続攻撃 4LV以上2段階 エナジー10点 通常 - - 一瞬 通常のタイミングで「攻撃」が行える。 P25 限定強化 2LV以上2段階以下 衝動1点 ターン開始/通常 本人 本人 3ターン 悪魔化せずに能力値と戦闘修正が、変身後の値になる(サイコロの数、行動値、エナジーは変わらない) プリズンP74 精神強化 なし なし 常時 本人 本人 ― 戦闘以外の【感覚】【知力】の判定+3 p.038 光線 なし 衝動1点 攻撃 20m 1体 一瞬 2d特ダメ 閃光 の特殊武器 p.038 衝動操作 なし 衝動1点 通常 10m 1体 一瞬 変身中のみ。対象の衝動を1点減点 p.038 治癒光 なし 衝動1点 攻撃 10m 1体 一瞬 判定不要。エナジーを2d+特ダ回復 p.038 聖なる息吹 3段階 なし 攻撃 本人 半径50 一瞬 1戦闘中1回。3d+特ダ+衝動x2回復 p.038 思考転送 なし 衝動1点 通常 1km 1体 6ターン 対象の頭の中に直接声を響かせる p.038 超感覚 なし 衝動1点 通常 本人 本人 18ターン 戦闘外の【幸運】【知力】判定に+5 p.038 治癒領域 なし 衝動2点 攻撃 本人 半径30 一瞬 判定不要。エナジーを3d+特ダ回復 p.039 【共生武装】 エンジェリックウィングLv2(エンジェリックウィング/「メルド+1」()/【行動値】+3) 【所持品】 学生パス(赤) 携帯電話 かばん 武器(肉弾ダメージ3D) 【所持技結晶】 経験値25点結晶 【収入と副収入】(2d6*2000 円) □所持金 0円(0カオス) 【コネクションや他PCとの関係】 【パーソナリティ】 生まれ 教祖 人生経験 悪魔憑きに家族や恋人を殺された 寄生された理由 いつのまにか感染 悪魔的特徴 片目が黒以外の鮮やかな色 悪魔に対する感情 滅ぼすべき敵 戦う理由 邪悪な存在を許せない 変身形状 頭頂部が冠状になっている 追加特徴 【設定】 □100の質問回答 http //www.rassvet.net/trpg100/100question.html 【成長履歴およびセッション参加履歴】 初期 :経験値1000点、魔結晶300点、6単位を獲得 20YY/MM/DD:を消費してを→に成長 20YY/MM/DD:に参加して経験値 点と魔結晶 点、特別単位 点、技能結晶 、円を獲得 経験値950点 メイン1 → 4レベルになりました。 (2009-05-20 00 38 48) 特別単位4単位と魔結晶275点を消費して、エンジェルウィング2Lvを取得しました。 (2009-05-21 04 32 09) 1単位消費して、アウターワンを取得、共生武装メルド+1に装着 (2009-05-21 21 04 43) コメント
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【オリ】MEIKO様/雨の楽園 http //www.nicovideo.jp/watch/sm1267569 http //www.nicovideo.jp/watch/sm1267569 Vocaloid及びVocaloid2のオリジナル曲 使用VocaloidはMEIKO、初音ミク 製作者はBingoBongoP 一つ前のページにもどる
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「ゆがあああ!もうゆるざないよ!まりざだぢはずっどゆっぐりさぜでやるうう!」 衝動に任せて、都会派の矜持をかなぐり捨てて叫ぶありす。 もはや子まりさ達に対する家族の情など微塵も残っていない。 あるのは異様な姿になっても都会派でゆっくりしていた我が子を奪った悪魔への憎しみだけだった。 「れいぱーがこわいこといってるよ!」 「おお、こわいこわい」 「だいじょうぶだよ!おにーしゃんがあのれいぱーはうごけないっていってたよ!」 子まりさ達は自分よりも数段大きいありすに憎悪の念をぶつけられてなお涼しい顔。 自分達にだって大きくて強い親がいて、それ以上にいざとなったらあの男が守ってくれると思っているのだろう。 にやにやと笑みを浮かべてありすの方を横目で見やりながら、3匹で何か話し合いをしている。 「まりしゃ!やっぱりれいぱーはやっつけようね!」 「みんなであまあまさんをむーしゃむーしゃしようね!」 「おうちもおおきくなるね!とってもゆっくちできるね!」 元気良く不穏当なことを口走りながら3匹はありすのほうに振り向く。 どの子まりさも口から涎を垂らしながら、あくまでも純真な丸っこい瞳をきらきらと輝かせながら。 ぽいんぽいんとどこか間抜けな音を立てて、ゆっくりとありすに近づいてきた。 「ゆっくりできないれいぱーはゆっくちちんでね!」 「「ゆっくちちんでね!」」 そう言ってどこか攻撃的な笑みを浮かべる3匹の子まりさ。 しかし、彼女達は気づいていなかった。 自分達にもその笑顔が向けられていることを。 「ゆっくりしぬのはおちびちゃんたちだよ!」 「ゆ゛っ!?」 「「ゆっくちー!お、おかーしゃん!?」」 いつの間にやら彼女達の後ろにいたまりさが長女子まりさを問答無用に踏み潰した。 自分よりはるかに大きい成体のまりさにのしかかられた彼女は、苦しむ暇すらなかっただろう。 ある意味で彼女は幸せだった。 「お、おかーしゃん!どうちてこんなこどしゅるのおおおお!?」 「しょーだよ!まりしゃたちなにもわるいことちてないよ!?」 「ゆっくりだまってね!おちびちゃんたちはずっとゆっくりするんだよ!」 大声で宣言しながら小さく跳躍したまりさは次女まりさを噛み千切る。 問答無用の一撃は次女まりさをほぼ真っ二つにし、口の中に入ったものは咀嚼されずに吐き出された。 彼女は自分の半身を見て呆然とした表情を浮かべたまま、息絶えた。 「ゆゆっ!や、やめてね!?ゆっくりやめてね!?」 「まりさがやめてっていったときにやめなかったこはだれ?」 「やだぁ!?ずっとゆっぐぢやぢゃああああ!?」 残された三女まりさは逃げ道のないケージの中で、唯一の可能性を求めて一心不乱に跳ねる。 彼女の向かう先にあるものは、かつては母と慕った、お面の男曰くゆっくり出来ないれいぱー。 散々罵倒したけれど、赤ありすを食べたけれど、きっとたったひとりの子どもなんだから助けてくれるはず。 そう信じてありすの頬にへばりつこうとした瞬間、頬を膨らませての威嚇をされてしまった。 「ゆぐっ!ど、どほぢぢぇぇ!?」 「おちびちゃんをたべたいなかもののゆっくりはありすのこどもじゃないわ!」 「ゆううううううううう!ゆっくぢぢねぇ!?ゆっくぢごろぢのれいぱーはゆっぐぢぢね!?」 「そうだね、おちびちゃんのいうとおりだね!ゆっくりごろしするわるいこはゆっくりしんでね!」 直後、鬼の形相というにはいささか間抜けな表情で呪詛の言葉を吐く三女まりさをまりさの影が覆い隠した。 「ま、まりさぁ・・・!」 ありすはただただ嬉しかった。 まりさが最後の最後で自分を助けてくれたことが。 子ども達は全員死んでしまったけれど、また産めば良いんだ。 飼い主の男性の家で、まりさとずっとゆっくりして、もっとゆっくりした赤ちゃんを産もう。 「ゆふんっ!これでれいぱーのこどもはみんなゆっくりしたよ!」 そんなありすの夢想をまりさは相変わらず攻撃的な笑みを浮かべたまま打ち砕いた。 彼女の目には紛れもなくありすに対する憎悪の色が宿っている。 「ゆぅ・・・?ど、どういうことなの?」 かつてのパートナーの口から出た予想外の言葉に戸惑うありす。 彼女を一瞥してから、まりさはいつもお面の男が出入りするドアを見る。 彼の姿がそこにないことを確認した所で、再びありすを見ておもむろに口を開いた。 「ゆっくりおしえてあげるよ!まりさはね、ありすがだいきらいだったんだよ!」 「ゆゆっ!?そ、そんなのうそよ!?」 「うそじゃないよ!まりさはありすのせいでずっとゆっくりできなかったんだよ!」 ありすに向かって怒鳴りつけるように喋りながら、まりさは2,3度その場で跳躍する。 人間で言う所の地団駄を踏むに相当する動作なのだろう。 いつもは垂れ下がっている目じりをもわずかに吊り上げて、全身で怒りを表現している。 「まりさはね、ありすとおんなじくきさんからうまれたんだよ!」 「ゆゆっ!?そ、そんなの・・・」 「ゆっくりだまっててね!でも、まりさはおにーさんのおうちでおおきくなったんだよ!」 ありすはまりさの言葉が信じられず、困惑していた。 確かにありすの母に男性のまりさがレイプされて生まれたのがありすなのだから、まりさの姉妹がいても不思議ではない。 しかし、ならどうして生まれたその日、まりさ種の姉妹の姿を見ることが出来なかったのだろうか? 「おにーさんのおうちで、ずっとずっと・・・まりさはゆっくりできなかったんだよ!?」 「お、おにー・・・さん?」 「ありすのおにーさんじゃないよ!おめんのおにーさんだよ!」 その一言で、ありすはまりさの生い立ちをなんとなく理解した。 彼女もまたありすと同じ日に生まれ、誰かに引き取られた姉妹の1匹ということだ。 だが、それでもまだ疑問は沢山あり、矛盾もいくつか存在する。 「ど、どうして・・・ありずとゆっくぢしでくれたの?」 まりさの説明では彼女が今まで仲良くしていた理由がまったく分からない。 だからこそ、ありすはドアの方を見て男がいないことを確認すると、その質問をぶつけた。 あの男に脅されているのかも知れない。そんな淡い期待を込めて。 「おにーさんとのおやくそくだよ!」 「お、おやくそく・・・?」 「そうだよ!ありすをとってもゆっくりできなくするためなんだよ!」 ゆっくり出来なくするために一緒にゆっくりする。 矛盾しているようにも聞こえるが、要するに信頼を裏切られたときの絶望感を味あわせようということだろう。 その結果、ありすは我が子を我が子が食らうという信じがたいものを見せ付けられたのだ。 「ゆっくりりかいしたよ・・・で、でもまだゆっくりききたいことがあ・・・」 「ゆっくりだまってね!もうおはなしすることはないんだよ!」 言い終えるが早いか、ありすに触れるほど近くまで跳ねてきたまりさは彼女の頬に噛み付く。 ありすはその動作が攻撃であったことにさえ気づかずにぼーっとまりさの口元を見つめる。 そしてペッ、と吐き出されたものの正体が自分の皮であることを確認して、ようやく悲鳴を上げた。 「ゆああ゛あ゛あああ゛あ゛あ!ありぢゅのほっべさんがああ゛あ゛あ!?」 「ゆっくりしずかにしてね!」 「ゆぐっ!?」 そこにすかさず強烈な体当たり。 底部が焼かれていて踏ん張ることの出来ないありすはころんと転んでしまう。 焼け焦げた底部をまりさのほうに晒した格好で、何とか動かせる頬などを必死に動かすて起き上がろうとする。 が、何の意味も成さない。 「おお、みじめみじめ」 「ゆぐぅ!み、みな゛いでよぉ・・・ごのいながものぉ!?」 「まっくろあんよのありすよりはとかいてきだよ!ゆっくりりかいしてね!」 そう言いながら、まりさは再び彼女に体当たりを仕掛ける。 ありすはは仰向けの体勢からうつ伏せにさせられ、床と口づけする羽目になる。 地力で起き上がることも出来ず、舌と口を使って何とか横を向こうとするが・・・ 「ゆひぃ!?」 まりさに噛み千切られた頬が床と接触し、激痛となってありすを襲った。 痛みのあまりにありすは嗚咽を漏らし、めそめそと泣き始める。 そんな姿をまりさは薄ら笑いを浮かべたままただじっと見守っている。 「ゆっぐ・・・ゆひぃ・・・。やぢゃぁ・・・おうぢ、かえるぅ・・・」 「ありすにかえるおうちなんてないよ!ありすはここでずっとゆっくりするんだよ!」 「ゆっ・・・ゆぇ、お、おに゛ーさぁん・・・」 最後の希望である飼い主の男性に助けを求めるありす。 その直後、ケージのある部屋のドアがゆっくりと開いて・・・ 「いや、今頃くさい飯食ってるはずだから」 お面の男がのっそりと姿を現した。 「おお、まりさ。ついに話したのか?」 「そうだよ!すごくゆっくりできないかおしてたよ!」 「そりゃそうだろうな。そいつの飼い主もそんな顔してたよ」 あの馬鹿面は傑作だった、と男は大笑いする。 つられてまりさも一緒に大笑いする。 「ゆうううううう!あ、あぢずのおにーざんのわるぐぢいわな゛いでね!?」 「断る。お前の飼い主はでーべーそー」 「ありすのおにーさんはでーべーそー」 「「げらげらげらげらげらげらげらげらげら!」」 床に横むけに倒れた格好のまま憤るありすを指差して男とまりさはさっき以上に大笑い。 しかし、その爆笑は突然終わり、男は冷めた声でまりさに命令した。 「もうそいつには飽きた。まりさ、さっさと潰せ」 「ゆっくりりかいしたよ!」 「あ、あやばりなさいよ゛!おにーざんにあやばっでね!?」 これぞゆっくりといった笑みを浮かべ、彼女に飛び掛るまりさ。 そんな彼女と男に向かってありすは吼える。 彼女達がその言葉を聞き入れるはずもなく、まりさはありすの皮を噛み千切った。 「ゆびぃッ!?」 「ありすはゆっくりしんでね!」 「そうだ。ありす、飼い主の悪口を言ったらゆっくりさせてやるぞ?」 口調だけでこれと言った意図のない思い付きだと分かるその言葉。 が、ありすにとって男性はまりさに裏切られた今となっては唯一無二の家族のような存在。 彼の悪口など言えるはずもなかった。 「そ゛、ぞんなの゛・・・どかいは゛ぢゃ、ないわ゛・・・!」 「・・・レイパーの癖に頑張るねぇ。今まで見た来た連中よりは優秀かも知れないな」 「ありずは、でいばーじゃ・・・ないわ゛よ!」 男に対する怒りが痛みを忘れさせるのか、まりさが噛み付いても悲鳴のひとつも上げない。 ただ彼の方を睨みつけたまま、延々と「いなかもの」だの「ゆっくりしてない」だのと罵倒を繰り返す。 「っち・・・優秀過ぎてつまらないな」 「さ、さわら゛だいでっ・・・ゆぶっ!?」 ありすの強情に業を煮やした男はケージからありすを引っ張り出すと、容赦なく床に叩きつける。 そして、ありすが二度と動かなくなるまでひたすら彼女を蹴り飛ばし続けた。 ありすが死んだ日から2週間ほど経ったある日。 「さあ、まりさ・・・行こうか?」 「ゆっくりついていくよ!」 男に抱きかかえられたまりさは満面の笑みを浮かべていた。 ありすは死んだ、これでようやくまりさは本当にゆっくりした生活を送ることが出来る、と。 自身の幸福な未来を信じ、幸せな家庭を想像して頬を緩めていた。 「おにーさん!まりさのはにーはどんなこなの?」 「・・・会ってからのお楽しみだ。でも、とってもゆっくりした子だぞ?」 「ゆぅうぅぅぅぅ!まりさ、どきどきしてきたよ!」 男と話しながら彼がまりさのためだけに連れてきたというハニーのいる部屋へと向かう。 彼のいつもと違ってもったいぶったゆっくりとした足取りに言おうなく期待感が高まってゆく。 素敵なパートナーとのすっきりーを想像するだけで思わず目尻が下がってしまう。 「おにーさん、ゆっくりいそいでね!」 「そう慌てるなよ。あと少しなんだから」 「ゆぅぅ・・・ゆっくりりかいしたよ」 男にこれ以上わがままを言ってはいけないと判断したまりさは少しだけ落ち込む。 それでもはやる気持ちを抑えきれないらしく、彼の腕の中でそわそわと底部や頬、口を動かしている。 「ついたぞ」 「ゆ~っ!ゆっくりたのしみだよ!」 やがて、男の足が止まった。 彼の右手がドアノブを掴むのを見つめながらまりさは頭の中で最初の挨拶の予行演習を始める。 もっとも、満面の笑みを浮かべて元気良く「ゆっくりしていってね!」と挨拶するだけのことなのだが。 ゆっくりとドアが開き、まりさの視界に清潔な白い部屋と丸いシルエットをした金髪のゆっくりの姿が飛び込んできた。 →ありす虐待エンドレス1へ このSSに感想をつける
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5階層 そこ等じゅうにカビが発生しているが、ピクミンに問題は無い。が、長時間いると花が散って葉になる。 出現する敵は キノポンガシグサ カビムシ マロガエル デイピッツ ムラサキショイグモ オナラシ バクレツキン オオキノポンガシグサ キノミン キノポンガシグサは5階に近付くにつれて異常な量になってくる。 カビムシやデイピッツ、バクレツキンも同じように増えてくる。
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北朝鮮が労働力を補うため北朝鮮帰還事業で言われたスローガンだ。しかし実態は過酷な環境だった。
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ゆっくり達がゆっくりできるにはどうすればよかったか 言葉が通じずともただ媚び続け、ペットとして生きればよかったか それは否。中身が餡子で、何も世話しなくても光合成で育つ。そんな金のなる木を人間がペットとして扱うだろうか。 家畜にされることが関の山である。幸いなことに今までゆっくりは人間から隠れて生きていたので、殆ど捕まらなかった。 さらに人間に捕まえるのは人間の子供だったのですぐに弄ばれて殺されていた。よって光合成で育つということが知られていなかった。 人間がいないようなところを探して生きていけばよかったか。 ある意味正解。しかしあの森以外の環境では、日の光が当っていなかったり、昼間から妖怪が出没したり、 逆に見通しがよすぎて危険なため、この選択枝は除外される。 人間と戦えばよかったか 論外。人間の子供にさえも勝てないゆっくりに、大人相手に勝てるはずがない。あのまりさのように目的を達するために命をかけ、 渡り合っていける個体はほとんどいない。逆に人間の大人たちを本気にさせて、あっという間にまとめてお汁粉にされてしまうだろう。 つまり、人間に認められるしかないのである。そのため、まりさの考えは間違ってはいなかった。 言葉が届かないなら、行動で示せばいい。 しかし、人間に認められる。その難しさをまりさは知らなかった。 まりさはずりずりと体を引きずらせて森の中へと逃げていた。飛び跳ねる体力はもう残っていない。 だが、体内の餡子を4分の1程度失ったことで、無駄に餡子を撒き散らすことがなくなり、虫などがよってこなかった。 不幸中の幸いといえた。 まりさはつい先ほどまでの修羅場を回想した。殺さずに思いとどまってくれたれいむに感謝しながら はやくぱちゅりーをおそとにはこばなきゃ 青鬼になることを決めたときは別に死んでもいいかと思っていた。 でも、人間に追われたとき、いっぱい走ってどきどき苦しくて、体が裂けたときは動くたびにビロビロして気持ち悪くて、 人間達の怒鳴り声で耳がびりびりして怖かった。やっぱり死ぬのは嫌だった。 でも、これでみんなゆっくりできる。 人間のおじさんたちにはたくさん悪いことしちゃったな。ごめんなさいと言えなかった。 れみりゃを怖がらせちゃったな。あの子すぐに泣いちゃうのに。 ありすにはもう会っても口をきいてもらえないだろうな。あの泣き声は忘れられないと思う。 そしてれいむは・・・・・ううん・・・・考えるのはやめよう・・・・・・・・これからきっとゆっくりできるようになるんだ。 あとはまりさがみんなに会わなきゃいい。 そう思って帰り道を急ぐ。ずりずり、ずりずりと そのときまりさの後から、聞き覚えのある声がした。いつかまりさとれいむがピンチだったときに聞こえた、あの声だ。 「あんれぇ、おまえどうしたださ?こんなにぼろぼろで・・・・。また誰かに虐められただか・・・・・・・・・・ 体中べこべこじゃないか・・・・・・・・」 肩には藁の固まり、見上げるほどの巨体。あのときの大男だった。心配そうにまりさを見つめている。 まりさは光を失い、瞳の黒さが深くなった目で大男に視線を向ける。 「おじさん・・・・・・。まりさやったよ・・・・・・・・・・。みんながゆっくりできるよ・・・・ でも・・・・・・・・・・まりさわるいこになっちゃったよ・・・・・・・・・・・・・・・」 まりさは自嘲する。大男から目をそらし、ぱちゅりーのところを目指す。 大男のきれいな目がまぶしかった。 「そうはいってもなぁ・・・・そうだ!いいもんをくわせてやるべよ。体がへこんで力がでないんだろう?」 大男はまりさを片手でむんずとつかんだ。まりさの体を覆ってもお釣りが来るほどの大きな手だ。 「ゆぅぅぅ!?おじさんはなしてよ!まりさはゆっくりできないよ!」 「はっはっは。そうかうれしいか。わかった。お望みどおりゆっくりするべ。お前は友達をたすげよどずるいい子だがらな。 いい子は好ぎだよ。」 大男はまりさを持ち上げ、どしどしと足音を立てて運んでいく。 まりさは早くぱちゅりーを日の光の下に出さなけれなければいけなかったが、大男にまりさの言葉は通じていなかった。 日の光が少し傾くくらいまで大男は走った後、まりさは洞窟の中に招待されることになった。真っ暗で、じめじめとしていて、 あまりゆっくりしたくない。 そんなまりさを大男は最高のご馳走で迎えようとしていた。 しかしゆっくりは食べ物を消化できないので何を食べても吐き出してしまうだろうが。 何が出てくるのだろうか。これほどの大男だ。何を食べればこれほどまでに大きくなるのか興味があったのだろう。 食べきれないくらいたくさんの肉か。 まりさが丸呑みされるくらいのおおきな魚か。 以外にも、山菜の盛り合わせなのかもしれない。 まりさがそわそわと落ち着かない様子を見て、 大男はまりさが期待しているものだと思って、それに答えるかのようにでんっとおもてなしを置いた。 肉だった。 まりさほどの大きな肉の塊。 まりさと同じ形をしている まず人間が食べきれないくらいの大きさだった。 いや、たとえ量が少なくとも食べられないだろう。人間には 「おじさん・・・・これ・・・・・なに・・・・・・・・・」 目の前に置かれたものがぼんやりと見えてくる。その『顔』には見覚えがあった 「そうかそうか。味わって食べたいか。さぁ、ゆっくりと召し上がれ。」 それは3日前に嫌というほど見たあの『顔』だった。 「やべでぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛!おじさん!ゆっぐりざぜでぇ!!」 歯を食いしばって食べないように持ちこたえるても、 まりさは裂けた口からぐいぐいと「ごちそう」を押し付けられる。 「ごちそう」のほっぺたは固く冷たく、つんとすっぱい匂いがした。 いつもれいむとほっぺたをくっつけあったときの柔らかさと餡子の甘い匂いはかけらも感じない。 反射的に「ごちそう」のほうを向くと、その白くにごった眼と目が合った。 「おじざんやべでぇ!おじざん!!おじざん!おじざん!おじざん!」 「遠慮することないべよ。なくほど喜ぶこともあるまいて、ほら、口をあけて。」 まりさは口をがばっと開けられ、無理やり「ごちそう」を押し込まれた。ゆっくりに共食いがあるとすれば、 このような光景が見えることであろう。 まりさは「ごちそう」の3分の1ほどと合体したような姿となっていた。 「ぴぎぃ゛ぃ゛ぃ゛ ぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛!!!」 まりさは歯と舌を使って「ごちそう」を飲み込まないように必死に抵抗する。 まりさが普段はお友達としゃべるときにしか使わない口。そのため、人間の畑を荒らしたときに掘り出した野菜は固くて歯が痛かった。 「ごちそう」はそれよりもずっと固い。 口が塞がれ、息ができない。目の前がぼんやりともやがかかってくる。 「ほらほら、お前達も妖怪なんだからこれぐらい一気に食べないと。大きくなれないぞぉ。」 大男はまったく悪気がなかった。それもそのはずだった。大男はゆっくりのことを妖怪だと勘違いしていた。まりさは気づくべきだった。 目の前の大男が子供達を一方的に痛めつけたときの異常さを。それなのにきらきらとしたきれいな目をしていることを。 彼は、自分が悪いことをしているとは少したりとも思っていない。罪悪感に目を濁らせない。 「こいつらは悪い子だから遠慮することないべよ。いい子のお前達へのご褒美だよ。ちょっと古くなっているけどごめんな。 ほら、酒でも飲んでいっぱいやろうや。」 「ゆぐぐぐうぐぐぐぐぐぐぐぐぐぐぐぐうぐぐぐぐうぐぐ!!!!!! ぐい、ぐい、まりさの頬にさらに無理やり押し込む。まりさは泣きながら吐き出そうとする。 光合成で生きていくゆっくり。口から食べ物を食べたことは一度もない。 まりさは思う。きれいなお花。かわいい虫達。大きな動物。みんなかわいかった。かっこよかった。 一緒にゆっくりする仲間達。人間ともこれから一緒にゆっくりできる。だけど、食べてしまったらゆっくりできない。 そうなったらもうお友達にはなれない。 「ゆ゛ひゅぅ!ゆ゛ゆ゛ぅ!ひゅ・・・・。ゆ゛っぐぅ・・・・・・・すぅ・・ぎ・・・・・・・」 ビリっと、まりさの頬が裂けていく。先ほど切れ目がついていた上に、無理やり押し込まれたからこうなってしまった。 大男はそこでようやく気がつく。 「ああ、ごめんごめん。うれしくてつい押しこんでしまっだや。ごめんな。痛かったべ。やっぱり無理やり食べさせるのはよぐないわ。」 大男はまりさから「ごちそう」を引き抜いた。「ごちそう」はべったりとまりさの唾液がついていた。 まりさは酸欠気味だった体に酸素を行きわたらせるように大きく息をする。まりさは安心した。おじさんはわかってくれた。 まりさは人間を食べたりなんかしないと。ぐったりとした顔でそう思ったところに 「やっぱり食べやすい大きさにしねえどな。ほら、わけてやるがらだんとぐえ。」 大男は酒に酔って顔を赤くしていた。その姿は例えるなら赤鬼だった。 いや、例える必要はない。その正体は紛れもない鬼。 鬼 強い力を持っていた妖怪の一族。卑怯な手を嫌い、誠実なものを好む。 また、いったん友人と認めた相手には敬意を表す。現在幻想郷には殆どおらず、大抵のものは鬼の国で生活している。 妖怪のため、人間も食べる。 なまはげ 東北にて語られている鬼。地方内でも伝承が細かく分かれる。怠け者を懲らしめ、災いをはらい祝福を与える。 人間に仕えていたが正月の十五日だけは里に下りて乱暴や略奪を行う。 そして悪い子をさらって食う。などと伝えられている。 幻想郷は外の世界で途絶え、忘れ去られつつあるものが流れ着く地。なまはげという有名な妖怪の中でも、 悪い子をさらって食うというあまり知られていない部類ものは、幻想郷にやってくる。 ついたばかりで未だ幻想郷の常識も知らず、ただ悪い子を捕まえて食べる鬼。それがこの大男の正体だった。 赤鬼は、これから先の人生で決して泣くことがない。そう確信を持って言い切れるような陽気な笑いを浮かべた。 《きもちわるい》 《きもちわるいよぉ》 まりさが開放されたのは、日が落ちた後であった。しんとした暗闇の中、 ずりっずりっと重くなった体を引きずってぱちゅりーの家を目指す。 その目は遠くしか見えておらず、何度も石で転げそうになる。この日は辛いことが起きすぎた。。 誰かと一緒にいないと壊れてしまいそうだった。誰かと一緒にゆっくりしたかった。 青鬼の決意はどこへやら、まりさは急ぐ。傷ついた体でずりっずりっと、暗い巣の中でひとりぼっちの友達のところに急ぐ。 けれどもその速度はとてもゆっくりしていた。 ぱちゅりーの家が見えた。最後に訪れたのはあの絵本を見に行ったときだった。 巣の外からもぱちゅりーが見えた。眼をつぶってゆっくりと動かない。 寝ているのだろうか。愛する友達に出会えてただうれしかったまりさ。 まりさは巣の中に飛び込む。目測を誤って入り口で体をぶつけてしまった。 まぬけなところをぱちゅりーに見せてしまったのかもしれない。 そう思ってぱちゅりーに近づく。 その顔は、髪と同じく、紫色だった。 ぱちゅりーはすでに息を引き取っていた。 誰もそばにおらず 誰も話しかけてこないで 誰も悲しむことなく 誰も知らずに たった一匹で静かにこの世を去った。 まりさはひとりぼっちになった。 絶望。まりさは二度とれいむ達とは会えなくなり、信じていたおじさんはゆっくりできない人だと知り、 おじさんとゆっくりしていたためにぱちゅりーは死んだ。そう、まりさはもうゆっくりできない。 青鬼になる その言葉の意味をまりさは理解したつもりだった。 誰とも会わずただ一匹で生きていく。 だが、その一文の決意を実行できる生き物はいない。 寂しさ。 まりさの餡子はその気持ちでいっぱいだった。 ちょっとだけ、みんなの様子を見に行こう。 会わないなら大丈夫。ただみんなが人間と仲良くしているところを見るだけ。 別にまりさが捕まったってもうみんなは人間の仲間。だから何も問題ない、 青鬼の決心は、完全に失われていた。 気がついたときには目の前には人間の里。里長の屋敷の前だった。まりさは夜の闇の中ふらふらと明かりにつられてやってきた。 辺りには誰もいない。新しい仲間の歓迎会を開いているのだろうか。 まりさが物陰から覗いた時、人間達はもう闇も深まってきた頃だというのに、明かりを贅沢に使って宴会していた。 酒をぐびりと一気に呑み、おわんに入ったおかずをガツガツ食べて、ガヤガヤと聞き分けられないほどの大音声で騒ぐ。 子供たちまでいた。子供達はお酒が飲めない代わりに、お菓子を食べている。 シュークリーム、エクレア、タルトと豊富な種類がそろっている。 人間達はご機嫌だった。ゆっくりしていない、人間独自の仲間との交流だった。 「たのしそう・・・・・・・・まりさもみんなとゆっくりしたいよ・・・・・・・・・・」 思わず口から漏れる偽らない本音。楽しかった日々。 「? みんなどこいったのかな?にんげんといっしょにゆっくりしているのかな?」 宴会の最中であるにも関わらず、歓迎されるべき主賓はどこにも見当たらなかった。 今頃人間達と一緒にお歌を歌って、ありすがへただとからかわれていると思った。 れみりゃが人間の子供と鬼ごっこをしていると思った。 れいむが人間とほっぺたを寄せ合ってゆっくりしていると思った。 しかしその姿は見当たらない。 《どこにいったんだろう・・・・・・》 まりさはそうっと忍び込み、みんなを探す。 最後に一回くらいは顔を見ておきたかった。一回だけ。一回だけ。 カタッ パタン カタッ パタン いくつもいくつも部屋を空ける。しかし見当たらない。どこにもいない。 おかしい。何か変だ。 まりさはようやく事態の異常さに気がつく。いや、本当は気づいてた。誰もいないのはおかしいと。 ただ認めたくなかった。さっきのような、あのおじさんに裏切られたときのような感覚がしていることを。 本当だったら聞こえるみんなの笑い声がしない。 「・・・・・・・・・・・・・・・・よ・・・・・・・・・・・・・・・・し・・・・・・」 どこからか声が聞こえたような気がする。 「・・・・ゆ・・・・・・・・・・てよ・・・・・・・・・・・・り・・・・・・・・し・・・・・・・・・・・ •い・・・・・・・・・・・・・・よ・・・・・」 聞こえた。気のせいじゃなかった。これは紛れもなくれいむの声だった。 まりさはずりっずりっずりっと、れいむの声がするほうをゆっくり目指す。 最後に大好きな友達の幸せな顔を見るために そしてまりさはある部屋の前で立ち止まった。 そこは、台所だった。 奥から聞こえてくるれいむの声。その声はかすれていた。 「ゆっ・・・・・・・・・・・・くり・・・・・・・・・し・・・・い・・・・よ・ •◦◾◾◾◾◾◾◾たす・・・・・・よ・・・・・・・・・・・・・り・・・・・・・・・・・さ・・・・・・・じ・・さ・・・ん」 「れいむ!まりさだよ!どうしたのれいむ!」 まりさはれいむとついに再会する。 最後にあれほどひどい別れ方をしたにもかかわらず、まりさはれいむへと何のためらいもなく駆け寄る。 まりさはれいむな事情をわかってくれていると信じていた。それはあまりにも都合のいい事考え方をする饅頭だった。 いや、実際れいむは事情をわかっていたつもりだった。しかし今ある状況はまりさのせいによって起こったこと。 れいむは、格子状の籠の中に閉じ込められていた。 「だれ・・・・・・・・・まりさ・・?」 「まりさだよ!れいむどうしたの!みんなどこにいったの!ゆっくりおしえてね!!」 まりさがれいむへと駆け寄る。二匹をさえぎる籠にめいいっぱい近づく。 ほっぺたが押さえつけられるあまりに格子から少しはみ出ていた。 れいむは人間に捕まってはいるが、その体には傷一つなかった。 今は、まだ 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」 れいむは目を伏せてそらす。そのまま十数秒が経過する。 二匹は黙りきり、台所は宴会場からの喧騒が響くのみとなってしまった。 業を煮やしてれいむに問い詰める 「ありすは?ぱちゅりーは?」 れいむは目を伏せたまま答える。その声は、あまりにも弱弱しい。 「みんなたべられ・・・・・・・・・・・・・ちゃったよ・・・・・・・・・・・」 《たべられた》 《たべられた!?》 《どうして?にんげんとおともだちになったんじゃなかったの!》 「れみりゃがさいしょにね・・・・・あたまをぽんっ・・・・・・・・・て・・・・・・きられて・・・・ ぐりぐりって・・・・なかみをむりやりとるの・・・・・・・・れみりやはね・・・・・・はねをばたばたさせて・・・ にげようとしたけど・・・・・・・・・・そうするとはねもきられちゃったの・・・・・・・・・・・・・・・・ •ずっといたいいたいってないてて・・・すっごくおっきなこえで・・・・・・・うごかなくなるまでずっとないてたの・・・。」 《うそ》 「ありすはもっとひどかったよ・・・・・・・・・・・かみのけをぜんぶきられて、・・・・べりっ・・・・・・・・・ てかわをはがされたの・・・・・・・・・・・いちまいずつ・・・・・・・・・・いちまいずつ・・・・・・・・・・ ありすは・・・まりさ・・まりさって・・・・・・・・・ずっとよんでたよ・・・・・・・・まりさがたすけてくれるって・・・ ずっと・・・・・・・・しんじてた・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。。。・・・・ おじさんたちはね・・それをみていて・いっぱいわらってた・・・・・・・れみりゃとありすをおいしそうにたべてたの・・ 《うそだよ》 「ほら・・・・れみりゃはそこにいるよ・・・・・・・・・・」 そこに転がっていたのは、かつてれみりゃと呼ばれていた肉まんの皮部分だった。 あのとき、悪さをするまりさを追い払ったれいむ。そのとき人間にはどのように見えていたのか。 「ゆっくりしていってね!(みんなもうだいじょうぶだよ!!)」 リボンのゆっくりは仲間のいる方向に笑いかける。その表情は人間達にも見えた。満面の笑み。 終止無言だった先ほどとは対照的に明るすぎる声で二匹へと呼びかける。 その声は人間達には勝ち誇り、自らの領土を主張するように聞こえた。 人間達は事情を知らなかった。 そのとき、一人の男が水をさすようにつぶやいた 「こいつら、今も【ゆっくりしていってね】って言いつづけているから、里での縄張り争いしただけだったんじゃないか」 -言われたとおりゆっくりするよ。俺達が満足するまでね。- -ゆっくりゆっくりうるさいなぁ、お前から先に苛めてやろうか。- -ん~、いい声で鳴くなあこいつら。少しワンパターンだけど、やっぱりいい声するや。発音の変化がいいね。濁音がついて- -せっかくだけど、ゆっくりしている暇はないだべ- -それににんげんってはなしがつうじないのよ!いきなりつぶされたおともだちもおおいの!- この世界には、ルールがあった。 この世界では、他の世界とひとつ異なるところがある この世界では、ゆっくりの言葉は人間にはある一つの言葉とそれを含む単語にしか聞こえない。 その言葉とは 【ゆっくりしていってね】 ゆっくり達は自分達の言葉がこうして聞こえているのは知らない。 また、人間の言葉は、ゆっくりにとってはうなり声に聞こえる。 つまり、ゆっくり達が火にあぶられようが、壁に叩きつけられようが、切り刻まれようが、人間と友達になりたかろうが、 自分達の意思を人間に伝える方法は存在しないのである。 【ゆっくりしていってね】 人間には鳥や虫のような【鳴き声】にしか聞こえないそれも、あの状況ではある先入観を抱かせることになった。 その言葉の持つ意味が曲解されていく。 あのとき、れいむはまりさに向かって黙りきったまま体当たりを繰り返してしまった。れいむが大好きだったまりさ。 そのまりさへと一言でも責めたら取り返しのつかないことを言ってしまうと思ったれいむ。 だが、人間の目にはれいむがまりさに友好を求めるかのような【鳴き声】を出さないことから、 リボンのゆっくりが、帽子のゆっくりが羽を持ったゆっくりとヘアバンドをつけた ゆっくりにじゃれていたところをいきなりたたき出したようにも見えた。 れいむが【ゆっくりしていってね】と叫びながら叩き続けていれば、 この鳴き声に意味はないことに気がついたかもしれなかったのにである。 また、その後にありすとれみりゃに向かって大声で笑いかけたことは最悪だった。 その様子は人間から見たら、外敵を追い払って仲間に【ゆっくりしていってね】と、自らの縄張りを誇る様子にも見えた。 ゆっくりに対してかまっているのは虐めている子供達だけ。 大人たちが子供の頃に虐めたのは蛙や虫。 つまり、ゆっくりの生態はあまり人間達に深く知られていない。 考えすぎだよと笑っていた大人たちも、いつしか多数派に言いくるめられる。 どうせゆっくりは弱い。ならばこちらからしかけても、報復など恐れるほどではない。 今度はこいつらが徒党を組んで悪さをしでかすのではないか。 だったらこれは弱いものいじめではなく、駆除になる。駆除するなら早いほうがいい。 だから何も悪いことじゃない。 人間達はゆっくりに対して誤解した認識を持つ。。 無害な動物から人間の仲間へ、そして人間の仲間から害獣へ まりさの「赤鬼と青鬼」作戦に誤算があったとすれば、ゆっくりが人間に対して何の役も立たないということだった。 鬼は強く、仲間にすると心強い。用心棒としても、労働力としても使える。 しかしゆっくりは、仲間にしても何の役にも立たない。 人間の仲間というには、あまりにも無力だった。 あたりが静まり返った 「ゆっぐりじていでね!!(ま゛り゛あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛!!だずげでぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛!!!)」 「ゆ~ぐぃ~~!(う゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁん゛!!!)」 命乞いの鳴き声を上げるカスタード饅と肉饅。人々の耳にはそうとしか聞こえていなかった。 「ゆっくりしていってね!」は、『ゆっくりやめてね』と自らの命の危機に対する哀れみを誘っているよう意味にしか聞こえなかった。 害獣の命乞いなど聞き入れるほど人間は甘くない。二匹は今、宴会の出し物になっていた。 人間達は、その深い味に舌鼓を打つ。 「ゆっくりしていってね!(まりさはほんもののまりさなの?)」 れいむがいきなりまりさに対して問いかける。 目は血走り、その声は禍々しい。 「ゆっくりしていってね!ゆっくり!(まりさはまりさだよ!どうしちゃったのれいむ!)」 まりさはあわてて否定する。どうしてこのような質問をされたかわからない。 「ゆっくり!ゆっくり!(ほんもののまりさならみんなをたすけにきてくれたよ! おまえはたすけにきてくれなかったよ!)」 3日前、かなわないのにひたすら人間に立ち向っていったまりさ。 2日前、悪行の限りを尽くして去っていったまりさ。 れいむは、悪さをしたまりさは別のまりさと思い込むことで、自らの心のまりさを責める気持ちからから友達のまりさを守っていた。 「ゆぅ~!ゆゆぅ! (まりさはれいむのしってるまりさだよ!まりさがわるいことをして! みんながまりさをこらしめればにんげんのおともだちになれるとおもっていたんだよ!)」 まりさは自分の存在を否定されていた。それはひとりぼっちになることよりずっと辛い。 なんであんなことを考えたんだろうとまりさは自嘲する。余計なことをしなければみんな死ぬことはなかったのかもしれないのに。 「ゆっくり!ゆゆっくり!ゆっくりしていってね!(みんなしんじゃったよ!おまえのせいだよ!ゆっくりしね!)」 あの時一度も言わなかったまりさへの恨み言を惜しみなく繰り返すれいむ。 れいむは正気を失いつつあった。 「ゆっゆ!ゆぅゆ!(れいむだけでもたすけるよ!ゆっくりしないでたすけるよ!)」 まりさはかつて人間の子供に対して行ったようにれいむの籠に体当たりを繰り返す。 れいむはちょっとおかしくなってしまっただけ。そう自分に言い聞かせながら体当たりを繰り返す。 何度も、何度も、体がへこんでも何度も何度も。 しかしそのとき、まりさの体にはある異物があった。 あの赤鬼に食べさせられた「ごちそう」だ。 それは消化されず、ずっとまりさの体内に埋まっていた。 体内に大量の異物がある状態。 そのような状態で体当たりを繰り返した結果、 餡子と共に吐き出した。「ごちそう」を 《ちがう。これはちがう。まりさはなにもわるくない。おじさんが無理やりまりさに食べさせたから。 おいしくなかったよ。まりさはこんなことしないよ。にんげんをいじめたりしないよ。》 「ゆっくりしていってね!!(れいむ!ちがうの!これはちがうの!あのおじさんが・・・・)」 「ゆっくりしていってね!(ゆっくりだまってよ!!)」 《なんでこんなことになっちゃったんだろう。なにがいけなかったのかな。》 《人間に悪いことをしたから?青鬼になろうと思ったから?》 《おじさんのことを信じちゃったから?あの日ピクニックに行ったから?》 《まりさはただみんなにゆっくりしていってほしかっただけなのに》 「ゆっくりしていってね!ゆっくりしていってね!ゆっぐりじでいでね!ゆ゛っくり!ゆ゛っぐりぃぃぃぃぃ! (しらない!おまえなんてじらないよ!おま゛えなんてまりざじゃないよ!このばげもの!まりざをどごにや゛っだの! に゛ぜも゛の!!ま゛り゛ざを゛がぇぜぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛!!!)」 そのとき、奇跡が起こった。自らの心が人間には伝わらないゆっくり。 しかし憎しみに狂ったれいむの怨嗟の声は、ゆっくりの言葉と人間の言葉に同じ意味を持たせた。 あの愛嬌のある姿はどこにもなく、地獄から響くような『鳴き声』をあげていた。それは屋敷の中にいる人間にも伝わった。 「ゆ゛っ゛ぐり゛じねえ゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛゛ え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛ え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛ええ゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え ゛え゛え゛゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え ゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛ !!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」 その表情はまさに『鬼』だった。 人間たちはこの声を聞きつけ、台所に駆け寄るとあたりに散らばる格子状に千切れた饅頭とそれに混ざった肉片を見る。 人間たちは先ほどまでの宴会で胃の中に入れたものを吐き出す。 次の日から、ゆっくりは【ゆっくりしていってね】という声で人を引きとめて襲うと伝えられることになる。 害獣に認定されていたのはほんの数時間ほど、今は化け物と呼ばれている。 かくして、赤鬼から逃げた青鬼は村から追い出され、誰にも相手にされず、後悔しながらゆっくり苦しみ続けることになりました ゆっくりまりさと鳴いた赤鬼 めでたし、めでたし