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前回 鬼畜王K1 〜鬼誑し編・序〜 鬼畜王K1 〜鬼誑し編・其ノ壱〜 その1からその3までを収録 「お前は彼の気に入ろうとおもうのか? そうなら、彼の面前で困惑した様子を見せるがよい——。」 フリードリッヒ・ニーチェ『善悪の彼岸』「第四章 箴言と間奏曲」より 竜宮レナと親しくなるのに、それほど時間はかからなかった。 レナは俺のことを甲斐甲斐しく世話してくれていた。俺と登下校を共にし、手作り料理を俺の家まで届けてくれた。 クク…これだけ献身的な心を持っていれば、そう苦労はせずに済むだろう。 竜宮レナを忠実な下僕とするのもそれほど時間はかかるまい。 さて、どうやってレナの『弱点』を探り、そこを攻めて追い落としてやろうか…。 そこでまずは、レナの過去を興宮署の大石に調べさせた。 大石は捜査費と称し、多額の不正な金をマージャンに費やしていた。それを親父のコネで突き止めた俺は、 その不正に目を瞑る代わりに大石を顎で使っている。 奴は奴で「あんまり手荒く扱わないで下さいよ前原さぁ〜ん?んっふっふ」とか言いながら、それなりに緻密な捜査をしてくる。ふん、使えるじゃねーかブタ野郎め。 ほどなく、大石が報告書を見せてきた。興宮にあるエンジェルモートで目を通した俺に、ある単語が飛び込んできた。 『オヤシロさま』…! 人喰い鬼を退治し、村人と鬼を共存させた雛見沢の守り神。 レナは太古より雛見沢に伝わる戒律を信じ、それを破った者に降り掛かると言われる『オヤシロさまの祟り』に脅えているらしい。 そして見逃せないのが…レナは過去に「オヤシロさまを見たことがある」と証言していること。 これだ…!こいつを利用すれば、レナは簡単に堕ちる。 「私の報告書はお役に立ちましたか前原さぁ〜ん?んっふっふっふ。 ところでここの店員さんって可愛らしい方ばっかりですよねぇ〜、前原さんも何人かはもう手をつけてらっしゃったりするんですか〜?んっふっふ」 るせーぞブタ野郎、お前ちょっと最近馴れ馴れしいぞ。 俺は返事もせずにテーブルの下にカップを持っていき、向かいに座っている大石の股間にコーヒーを浴びせてやった。 金的を押さえてのたうち回るブタに構わず、エンジェルモートを出る。 …その時の俺の顔は、きっと『鬼』の笑みを浮かべていたに違いない。 「全ては俺の計画通り…レナ、お前をオヤシロさまから解放してやるよ!くっくっくっくっく」 そして、綿流しの祭りを迎えた。 竜宮レナを攻略するチャンス、それは綿流しの祭りの晩…つまり、今夜だ。 あらかじめブタ(大石)の話から『オヤシロさまの祟り』についての知識は得ていた。 なにかが起こるとすれば、今夜…そういう不安が、レナの中でピークを迎えるだろう。 オヤシロさまの祟りに脅えるレナを救う…まさに『神』じゃあないか…くっくっく! さて、部活メンバーとの露店制覇を除けば、綿流しのお祭り自体は特に刺激的でもなく平穏無事に終わった。 だが、本当の『祭り』はこれからだ…俺は平静を装いつつ、景品のクマさんのぬいぐるみを抱えたレナと家路についた。 レナと別れて数十分後、俺は雛見沢ダム工事現場跡に着いた。 ここは、レナがかぁいいものを収集するための、レナの城だ。打ち捨てられた廃車の中で、レナは自宅に戻らず孤独な時間を過ごすことがあるという。 なんでそんなことをするのかまではブタには分からなかったようだが、まぁいい。 俺はレナの隠れ家に辿り着き、コンコンとドアをノックした。 「…レナ。俺だ。前原圭一だ」 「…ッ!!圭一くん!?」 レナは驚いて、ドアを開ける。別れた時と同じ、白いロングスカートと紫の大きいリボン、それに黒いオーバーニーソックスという服装。 レナは俺の突然の訪問をまったく予想していなかったのだろう、俺の顔を見つめて呆けている。 「ど、どうしてここに?お家に帰らなかったのかな?…かな?」 「それはこっちのセリフだぜ。レナこそ家に帰らないで、こんなところにいるなんてよ」 「レ、レナは…そ、そう!かぁいいクマさんをここに置いてから帰ろうと思って」 「嘘だな」 「え…」 「レナ、俺は知っている。お前が今夜、どうしても不安なことを」 「な、なんのことかな?…かな?」 「オヤシロさまの祟り」 「——ッ」 レナが息を飲んだのが分かる。「なぜ圭一くんが?」そう顔に書いてあるぜ…ククク! 俺は車内に滑り込みつつ、後ろ手でドアを閉めた。 「今夜起こるかもしれないオヤシロさまの祟り…それが恐くてたまらないんだろ、レナは。 家にいるより、かぁいいものに囲まれた自分の城の方がまだ安心出来る。そう思っているんだろ。 だがな…それだけじゃダメだ。オヤシロさまの祟りを防ぐには、まだ…」 「…ど、どうしてそこまで知ってるのかな…かな…。わ、私…」 「俺も一応雛見沢の住人だ…興味があって調べたことがあったんだ。 そして知った。オヤシロさまの祟りと、その恐怖…そして、それを回避する方法を」 「…ッ!!!」 レナが驚愕に目を見開く。 俺はレナを見つめつつ、不安を押さえ込むかのようにスカートの裾を掴んでいるレナの手に、そっと自分の手を重ねる。 レナは一瞬ハッとするが、俺の目に体の自由を奪われたかのように動かない。 手首を掴み、こちらにぐいと華奢な体を引き寄せながら、顔を近付けて俺は囁いた。 「今夜…俺がオヤシロさまの祟りから、お前を守ってやる」 「…け…圭一、くん…」 「レナに祟りなど起こらない…俺が側にいるのだから…」 言葉が終わると同時に、俺はレナを両手で抱きしめる。 レナはその言葉で、一気に感情が溢れたらしい。俺の背中に手を回し、胸に顔を埋めて泣いていた。 チェックメイト…!竜宮レナはこれから、俺無しでは生きられなくなる。心も、そして躯もな…! 「レナ…俺は、俺の全てを賭けてお前を守る。だからお前も見せてくれ、お前の全てを」 次回 鬼畜王K1 〜鬼誑し編・其ノ弐〜
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あの宴から数日がたった圭一は合同の上での交換プレイを考えていた 圭一「取り敢えず魅音に話してみるか」 圭一「なぁ魅音来週の日曜日詩音と悟史を誘って家で又遊ばないか?」 魅音「なぁに圭ちゃんまた、変な事考えているでしょう?」 圭一「流石魅音分かっているなら話は早いな」 圭一「早い話が今度は交換プレイして楽しもうって事だ」 魅音「はぁ~~何言ってんのよ?詩音とヤりたい訳なの?私じゃあ不満なの?」 圭一「魅音お前の体は極上品満足しているぞ。しかしこの前の4Pの時思い出せ!あの時の魅音は今までにないぐらい濡れていたし、感じたはずだ!他の人に見られた時の興奮は計り知れない。詩音と悟史 俺と魅音この四人ではないとダメだ!全てをさらけ出し、全てを見せてきた間柄これ以上の相手は居ない。相手を交換してSEXする。他の人とヤっている姿を見る。何とも言えない感情が湧き出る。そして興奮する。どうだ?魅音濡れているぞ? スカートの中に手を入れる魅音は聞いているだけで大洪水足元まで雫が垂れていた 魅音「あっ・・ふぅん・・体が熱いの・・私我慢出来ないよ~早く入れてんっはぁ~」 圭一「なら、OKだな?」 魅音「OKだからぁ~早く入れて下さい」 圭一の反りたったペニスは簡単に魅音の膣に挿入した。 魅音「あっ・・んっ・・うん・・ひゃん・・ダメェ~気持ち良いよ~」 相当興奮していたのか、締まりがキュッとなり圭一は早くも限界に近づいた 圭一の分身は魅音の顔に大量にかかった! 魅音「圭ちゃんの精子・・はぁはぁ・・美味しい」 魅音は手で拭い淫靡な顔しながら舌で舐めていた 圭一「魅音さっきの話し詩音に言っておいてくれ嫌だとか言ったら体を使ってでも納得させてくれ。俺は悟史に話してみる。」 魅音「了解だよ。」 新たなる宴の準備が始まった 魅音「詩音話しがあるんだけど良い?」 詩音「良いですけど。お姉変な事企んでいませんか?」 魅音「変な事じゃないよ?気持ちのいいことだよ来週の日曜日圭ちゃんの家で遊ばない?この前の4Pを超える気持ちいいことだよ。くっくっくっ」 詩音「お姉?何をするつもりですか?」 魅音「交換プレイ!交・換・プ・レ・イ・」 詩音「私と圭ちゃんお姉と悟史君とSEXするって事ですか?」 魅音「そういう事♪たまには良いじゃない?この前の4Pの時興奮したでしょ?あれ以上に興奮するよ?私達は全てをさらけ出し関係だし問題ないでしょ?」 詩音「それは・・・確かに面白いと思いますね 分かりました!OKです」 魅音「次の休みが楽しみだねぇ~体が火照る」 詩音「お姉エロいですね私もですけど♪」 その頃圭一と悟史 圭一「悟史どうだ?良いだろう?」 悟史「むぅ・・・」 圭一「何を悩む?男なら即決!」 悟史「わっ分かったよ・・・圭一にはかなわないな」 これで相互納得の形で交換プレイが実現する その日がやってきた! 目的はSEX時間も夜に集合 魅音「やっほ~圭ちゃん来たよ」 詩音「はろろ~ん圭ちゃん来ましたよ」 悟史「来たよ」 圭一「よく来たな上がれ」 最初は酒を飲みこの前の4Pの話しになり盛り上がった 自然にHな方向になった 圭一が魅音のたわわな胸を触りだした。いつ見ても魅音の胸は形が整っていて綺麗だ!悟史も詩音のたわわな胸を触りだした。双子そろって何とも言えない淫靡な雰囲気を醸し出している 魅音「あっ・・・んっ・・はぁん・・・乳首感じるもっと舐めて~あんっ」 詩音「あんっ・・・そこぉ~あ~~~~~~ん・・・んっ・・気持ちいいです~~」 圭一と悟史容赦なく攻める何時も以上に時間をかけた 圭一「悟史変わるか?」 悟史「うん」 次からは圭一が詩音悟史が魅音を攻め立てた。 圭一は得意の指使いで詩音の膣クリトリスGスポットを攻め立てた! 時には優しくなぞるように時には激しく弄った 詩音「圭ちゃん・・あんっ・・・スゴい・・指が生きてるみたい・・んっあっ・・・んっ・・凄いです。イッイっちゃう~~~~」 詩音はビクンっとなりイった 悟史も負けじとこちらも得意の下技で魅音の花園を攻める。舌でヴァギナを回すように舐めクリトリスには優しくチロチロと舐め膣の中に舌を入れると中でかき混ぜるようにクンニする。 魅音「はんっ・・やんっ・・・んっ・・あ~~~凄い悟史君の舌ザラザラしていて気持ち良いよ~ダメ・・私もイクゥ~~」 魅音は潮を吹きながら痙攣してイった 魅音詩音「凄いよ・・・はぁはぁ・・」 圭一「詩音も感じやすいんだな!感じている時の詩音可愛かったぞ!」 詩音は真っ赤になりながらちょこちょこって圭一に近づきペニスをしゃぶった 圭一のペニスを可愛がるように丁寧に時にはディープストローク亀頭部分を舌で包むように舐め回した 詩音「どうです?圭ちゃんお姉と違うフェラは?気持ちいいですか?」 圭一「魅音も良いけど詩音のフェラも気持ち良いよ!舌が纏わりつくような絶妙な舌使い最高だよ」 見ていた魅音も嫉妬したかのように悟史のペニスをしゃぶった 詩音と違うやり方だった玉袋を中心に竿の部分はキスしながら舐めて口に入れると唾を一杯溜めながらじゅぷじゅぷっといやらしい音を立てながらのフェラ 魅音「悟史君どう?気持ちいいでしょう?詩音と違うフェラ」 悟史「魅音気持ち良いよ」そして圭一と悟史は我慢の限界が近づきそれぞれの相手の口に発射した。 圭一「ふぅ~気持ち良かったよ。さて、次は入れるかな。」 そう言って萎えないペニスはまだまだ元気だった! 詩音「圭ちゃん凄いです大きいですね。私我慢できません早く挿れて下さい。」 圭一は四つん這いになった詩音の後ろから挿した詩音「あっ・・あっ・・んっ・・ひんっ・・はぁん・・ふぁ~・・奥に・当たるの~」 パンパンと音しながらそして突いた 悟史「魅音挿れるよ?」 魅音「うん!一杯気持ちよくしてね。」 魅音はM字開脚に形で悟史のペニスを受け入れた魅音「悟史君も大きい・・子宮に当たるぅ~・・あっ・・ひんっ・・あん・・んっ・・もっと突いて~」 悟史は奥に入れるようにゆっくりと挿入した 一つの部屋にパンパンとイヤらしい音と魅音と詩音の淫靡な喘ぎ声が響き渡る 魅音「あん・・あん・・んっ・・あっ・・んっ・・ひんっ・・あ~ん・・イっちゃう~」 詩音「んっ・・はぁん・・あ~・・んっ・・あっ・・圭ちゃん一緒にイって下さい私・・もうだめぇ~」 圭一と悟史は同時に膣の中に目一杯放出した 今宵も四人による宴は幕を閉じた・・
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「いやー魅音に来てもらえて助かったぜ。今夜はカップラーメンで済まそうと思っていたが、こんな豪勢な食事にありつけるとは。くぅ~幸せだぜ」 そんな俺の言葉が恥ずかしかったのか、照れを誤魔化すように魅音は盛大に笑いながら俺を茶化す。 「圭ちゃんは大袈裟だなぁ。でも圭ちゃんが一人で夕飯作りしてボヤでも起こすよりは おじさんが作ってあげた方が前原家の安全に繋がるしね!」 「いやいや。俺が褒めてるのは何も飯の上手さだけじゃねーぞ。 そんな短い破廉恥なメイド服で料理を作る魅音の姿といったらこれまたたまりませんなぁ~」 「う…罰ゲームだから仕方なくだよ!本当はこれ圭ちゃんに着せる予定だったのに… 明日は圭ちゃんを猫耳メイドにしてあげるから覚悟しておく事だね!」 まるで学校にいる時と変わらない会話とテンション。でも魅音と過ごすこうゆう時間は本当に楽しい。 何故俺が自宅で魅音と二人で食事をしているかというと、 今日の部活で俺が優勝者、魅音がビリだったからだ。 今日の罰ゲームは「ビリが優勝者の専属メイドになる事」普段なら荷物持ちで良かったんだが 今夜から明日にかけて俺の両親が東京まで出張だったので、 その事を帰り道で魅音にぼやいたら 「圭ちゃんが可哀想だからその…食事ぐらい作ってあげてもいいよ」 という事になったのだ。実に有難い。 ちなみに料理を作ってもらっている時も食事中も 魅音がメイド衣装のままなのは俺のリクエストである。 なんだかんだで魅音は押しに弱い。そして優勝者の権限は絶対なのだ。 余談だがこんな俺達でも一応恋人同士だし誰かにはっきり宣言したわけではないが 多分部活メンバーにはバレバレだと思う。 だからその…男ならちょっとした下心もあったわけで。 「ご馳走様でした!いやー本当においしかったぜ!魅音はこれから…どうするんだ?」 さり気なく。本当にさり気なく聞いてみる。 「ああ、私も着替えて片付けしたらもう帰るよ。圭ちゃんの飢えは防いだみたいだしね。 今日の夕飯の残りをラップしておくから、明日の朝御飯はそれをレンジで暖めればOKだよ」 こうゆう面がガサツに見えて意外とまめな魅音の女の子らしさを感じる。 いや!そうじゃなくって!お前、俺と二人きっりなのに何もしないで帰るのかよ!!俺達恋人同士だよな? ああ、そうだ。せっかく魅音がメイドさんになってるんだからご奉仕プレイとかもいいなぁ。 「へ…?」 「あ?」 なんとも言い難い空気が流れる。ん…? もしかして俺また考えている事がそのまま口に出ていたか!? 魅音の表情が赤くなったまま固まる。 「ごごごごごごめん!なんでもねぇ!冗談だ、冗談!気にしないでくれ」 しばらく思考停止したように固まっていた魅音が意を決したかのように口を開く。 「…ぃぃょ」 「…え?」 驚かされたのは俺の方。 「圭ちゃんがしたいって言うなら…いいよ」 …――――――――――― 「っ…は…みお」 「ふぅ…ん…ぅ」 ええっと…俺は夢を見てるんだろうか。魅音とSEXした経験がないわけではないけれどこの状況は初体験だ。 リビングのソファーに座る俺の前に跪きながら、 ピンク色の可愛らしいメイド服に身を包んだ魅音がたどたどしい舌使いで俺のものを舐めあげていく。 フリルのブラウスから覗く豊かな胸元もたまらないが、 俺と目を合わせるのが恥ずかしいのか目を伏せたまま頬を染めて奉仕してくれる姿は絶景そのものだ。 そんな魅音を目の辺りにしていた俺が限界を訴えるのにそう時間はかからなかった。 「んぐ…けいちゃん…気持ちいい…?」 ずっと俯いていた魅音がふいに俺の方を見上げてきた。お前…!その台詞に涙目の表情は反則だろ…!! やばいやばいやばい!! 「魅音…!も…出るから離っ」 「ふぇ?…!ひゃっ」 慌てて魅音の頭を引き剥がしたが時すでに遅し。俺の放った精液は容赦なく魅音の顔面を汚した。 「ご、ごめ…大丈夫か…?…っ!」 「あ…う、うん」 故意ではなかったとはいえ物凄く卑猥な光景だ。俺は荒くなった息を思わず飲み込む。 顔射なんてされた事のない魅音はいきなりの出来事に頭がついていってないようだった。 いかんいかん、先に魅音の顔についた精液を拭き取らねば。 俺は慌ててテーブルの上に置いてあるティッシュ箱からティッシュを数枚とり出して 魅音の顔についた精液を拭き取っていく。 その時ボーっとしていた魅音がふいに口元についていた白濁をペロリと舐めた。 「あはは…圭ちゃんのって苦いね。でも、おじさんの口で感じてくれたなら嬉しいなぁ」 ………… ななななななな!? こうゆう事を計算ではなく素でやってしまう魅音の破壊力といったら本当に測り知れない。 同時に俺の中で何かが切れた音がした。切れたとは言っても堪忍袋の緒ではない。理性の糸ってやつだ。 役割を終えたティッシュを放り投げると俺は衝動に任せたまま魅音をソファーの上に押し倒し乱暴に口づける。 「んぅ!?けぇちゃ…っ…ん」 「はぁ…魅音…口あけて」 「やっ…ん」 まだ自分から舌を差し出すという行為が恥ずかしいのか、魅音はキスをし始めても最初のうちはなかなか口を開いてくれない。 なので俺は攻め方を変える。固く閉ざされた魅音の唇の輪郭を自分の舌でなぞるように優しく舐めてやる。 「っ」 魅音の身体がぴくりと跳ねた。 その身体を自分の体重で押さえつけ、隙を見逃さずに開いた魅音の口唇の間から自分の舌を差し込む。 そしてそのまま逃げられないよう顎を固定し、口内で捕らえた魅音の舌を乱暴に絡めたり吸ったりを繰り返す。 「は…ふ」 漏れた吐息はどちらのものだったか。 口付けた時に感じた自分の苦い味がお互いの唾液の味で分からなくなる頃には 魅音もおずおずと自分から舌を差し出してくれるようになっていた。 「ふ…ぅっ…んんっ…ぅ」 苦しいのか気持ちいいのか。固く握り締めた魅音の拳にぎゅぅっと力が入る。 そんな魅音のちょっとした動作に身体が火照っていくのを感じた。もっと魅音をどうにかしてやりたい。 口付けは続けたままで右手をスカートの中に潜り込ませ魅音の秘部を下着の上から撫で回した。 「ひ!?圭ちゃん…やめ」 羞恥心を煽るためあえて鼻と鼻がつきそうな距離で囁いてやる。 「なぁ?魅音のここ濡れてる。もしかして俺の舐めながら興奮してたのか?可愛い顔して魅音ってやらしいな」 「やぁ…!ち、違…」 「じゃぁキスだけでこうなっちゃったのか?どっちにしても魅音は変態だな」 「違!違う!圭ちゃんが触るからでしょ!圭ちゃんのバカぁ!」 ここまでくると普段強気の魅音だってもう真っ赤になって涙目だ。 魅音にこんなにも可愛い一面があるなんてきっと俺しか知らない。いや、俺だけが知っていればそれでいい。 ワーワーと喚く魅音の口を自分の口でもう一度塞いだ。うん、魅音を黙らせるにはこれが一番手っ取り早い。 そしてそのまま右手を使って下着を引き摺り下ろし、魅音の中に指を一本差し入れる。 「っ!ま、待って圭ちゃ…まだ!あ…」 空いた方の手で魅音の白いフリル付のブラウスのボタンを外して胸を露出させる。 魅音の白くて大きい胸に吸い付いたり乳首を舌で転がしたりいじくり回し、 もう片方の胸は左手でグリグリと乳首を摘まんで可愛がってやると 三箇所からの攻めに耐えられなくなったのか魅音はイヤイヤをするように首を左右に振った。 「ふぁあ…や…そんないっぺんに…ふ…っ…んぅ!」 声を聞かれるのが恥ずかしいのか必死に我慢しているのが分かる。 そんな仕草ですら今の俺には火種にしかならない事を魅音はきっと理解できていない。 魅音の中の指がなじんできた事が分かるとそのまま指をもう二本追加した。 「ぁっ…ああ…は…んっ!」 くちゅくちゅといやらしい音が室内に響く。 「魅音?気持ちよかったら声我慢しなくっていいんだぜ?魅音のかぁいい声もっと聞きたい」 「アっ!んあっ!…い…あ」 カリっとちょっと強めに胸の突起を甘噛みしてやる。 中に入れた指をバラバラに動かしてみたり緩急をつけて出し入れしている内になじんできたようで、 魅音の表情も快楽の色が濃くなっている。喘ぎ声を我慢する事も出来なくなってるようだ。 「この位でいいか…?」 頃合を見て指を引き抜く。すっかり蕩けた表情になっている魅音に今度は耳元で囁いた。 「魅音。ここからどうして欲しい?」 「え…?」 おいおい、まだ赤くなるのか。本当に退屈しない奴だな。 可愛くて仕方ないがもっと魅音をいじってやりたいので、更に意地悪な言葉を紡いでやる。 「魅音が望む通りにしてやるから言ってみろよ」 「う…うぅ」 魅音はまるで羽入のようにあうあうとうろたえながら焦っている。 そんな事言わなくっても分かる癖に…と涙目の魅音が視線だけで訴えてくるが無視を決め込む。 「ご主人様がメイドの言う事聞いてやるって言ってるんだから」 「ひゃ…!?圭ちゃ…!」 挑発するように魅音の耳の中に舌を差し入れ、聴覚をも犯すようにわざと音を立てて舐めてやる。 その度に魅音の身体がビクビク痙攣するのが楽しい。相変わらず耳弱いんだな。 決定的な刺激は与えず緩い愛撫で魅音をじっくり焦らす。 「ほら、魅音」 「ぁ…も…!圭ちゃん…その」 「ん?」 「…しぃ…」 「聞こえなかった。もっと大きな声で言わなきゃ分からないぞ」 追い詰めるようにちょっと強めにクリトリスを刺激すると魅音は白旗をあげた。 「ぅ…もぅ欲しい…」 「”何が”欲しいんだ?」 「な…な…!」 もう魅音の顔は真っ赤でゆでだこ状態だ。まだまだこの程度じゃ済まさないけどな。 「だ…だから圭ちゃんの…入れて欲し…ぃ」 「俺の”何を””どこ”に入れて欲しいんだ?」 「や…もう…やぁっ」 羞恥心に耐え切れなくなったのか魅音は涙を流した。 流石にやりすぎたと思う反面泣き顔の魅音も愛しくってもっと苛めてやりたいという欲望がじわじわと生まれる。 「上手におねだりも出来ないメイドにはご褒美あげられないなぁ」 魅音の右手が動いたかと思うとその手は俺のすっかり硬く立ち上がった股間に触れた。小さな声で呟く。 「圭ちゃん…圭ちゃんのコレ、私の中に入れて…」 魅音を追い詰めているようで追い詰められていたのは俺だったのかもしれない。 俺は本日二度目の衝撃音を聞いた。 「っ、あああぁっ!!」 「うっ…きつ…大丈夫か…魅音?」 あえて魅音のメイド服は脱がさず(ここが大事だ)正常位でなんとか魅音の中に収める。 挿入時には痛みも伴うのか魅音は苦しそうに息を吐いた。でも見たところ快楽が勝っているようで安心する。 「ご、ごめん…魅音、もう俺我慢できな」 先程からの魅音の天然発言や乱れたメイド服姿に俺の理性なんて一つも残っていなかった。 魅音の呼吸が落ち着くのを待つ事も出来ないまま、一心不乱に腰を振って魅音を攻め立てる。 「あっ!…っ…アアっ!んっ…あ、はっ…」 まだ身体が追いつかないのか俺の性急な攻めに耐え切れないのか魅音は必死に俺の背中に爪を立てながら喘いだ。 Yシャツ越しにちくりと感じる背中の痛みでさえ気持ち良くって仕方ない。 全身で感じてますと答えている魅音の反応がたまらなくって、 涎を零して喘ぐ魅音の唾液を舐め取るように舌を這わせそのまま口付ける。 「ふ…んぅ…はぁっ…んあっ」 腰の動きは緩めずに魅音の唇から首筋へ今度は舌を這わせ、そのまま喉に噛み付いた。 「いっ…た…ぁ、ああっ」 自分が魅音という動物を捕らえた肉食獣になったような…そんな征服感を感じて増々興奮する。 「っ…は…」 「んあっ!?あ、やあぁっ!や…そこ…そこ駄目!」 「駄目じゃなく…て、イイんだろ?…ほら」 魅音が一番感じる…だからこそ感じ過ぎて辛い場所を俺は知っていた。 その場所をグリグリと刺激してやると甘い嬌声に泣き声が混じる。 「や…っ…そこやだぁ…も!んあっ…ああぅっ!」 肉と肉がぶつかる音と粘着質な水音、そして魅音の嬌声が俺達の行為の激しさを教える。 「ひっ…アあっ!んぅ…あ、あ、ああ…っ」 可愛らしいスカートから伸びる綺麗な足が俺を拘束する。そしてここまできて魅音も腰を振り始めた。 魅音から求められているような感じがしてなんとも言えない感覚が湧き上がる。 「あぅ…アっ!やっはっ…ああっイ…い…」 「…ん…今なんて…」 「イ・・イイ!…は…んああ」 魅音は行為の最中にイイと言う時は大抵自我を失っている時だ。 まだ羞恥心が残る時は魅音はなかなか素直に気持ちいいとは言ってくれない。 イコール魅音ももうすぐでイキそうなのだと悟る。 そして限界が迫っているのは魅音だけではなかった。 「アアッ!あ、や…あ、たし変にな…変になっちゃ…ふああっ」 「ああ、どうせ俺しか見てないんだからもっと変になっちまえ」 ギリギリまで引き抜いて思いっきり奥まで貫く。 「あああっ!ひぁぁっ」 魅音が感じる度にきゅうきゅうと中が締まるのが分かる。 いい加減こっちが変になりそうだ。 「うん…あっ!…い、イイ…気持ちい…圭ちゃ…も」 「「もっと」?っ…それとも「もう」?」 「圭ちゃ…けぃ…っうぁ、あっ…も…ダメっ…イ、イク!」 ガツガツと狂ったようにお互いの性器を擦り合わせる。 「あ、あ、イっちゃ…!はっ、あああああああっ」 「う…っ…」 一際大きく魅音が悲鳴に近い嬌声を上げ、全身を震わせ果てる。 俺は跳ねる魅音の身体を強く抱き締めて 逃げる事を許さないかのように精液を魅音の中に叩きつけた。 …――――――――――― 「みおーん…生きてるかー?」 ソファーの上でぐったりしている魅音の頬を軽くペチペチと叩き問いかける。 「うぅ…だめ…死ぬ…」 「まさか気絶するとは思わなかった…スマン。正直やり過ぎた。 でも魅音かぁいいかったな。あんな可愛い声で喘ぐし善がるし。もう録音して聞かせてやりたいぐら…ぶへっ!!」 俺の顔面に魅音の投げつけたクッションがクリティカルヒットする。 「わー!もう黙れ黙れ~!圭ちゃんの変態~!!」 「ほほ~?それだけ元気があればまだまだいけるよな?」 黒い笑顔で魅音ににじり寄る。 「ぎゃ~!ケダモノ~!もう無理!本当に無理!」 「ああ、そうそう。魅音が気絶してる間に風呂沸かしておいたんだ。 どうせなら一緒に入るか。魅音も身体ベタベタで気持ち悪いだろ?」 「お、お風呂って!?わ、わわっ」 わたわたと動揺する魅音を抱きかかえてリビングを後にする。 すっかり着崩れたメイド服姿の魅音をお姫様抱っこしてるだけでまたムラムラときてしまいそうだがここは我慢だ。 「けっけけけけ圭ちゃん!お、下ろして!自分で歩ける!歩けるからっ!」 「なーに言ってんだよ。まだ腰立たないんだろ?遠慮するなって」 「う…わ、分かったよ。たまには圭ちゃんにも男らしいところを見せてもらわなくっちゃね」 はぁ、とことん素直じゃない奴め。だがそんな魅音だからこそイイのかもしれないな。 「でもこうゆうのってなんていうか…御飯作ってもらって二人で飯食って、更に一緒にお風呂って新婚さんみたいでいいよな」 「#×○▽☆■$%!?」 魅音さーん?頭から湯気が出てますよー?でも気にせず俺はそのまま続ける。 「その…さ、いつかは俺のメイドさんじゃなくってお嫁さんになってくれよ…な…?」 ちょっとストレートすぎたか?自分で言っておきながら少し気恥ずかしくなる。 「~~~~っ!」 当の魅音は俺の胸にしがみつき顔を埋めたまま震えてる。 悲鳴を耐えているような声が魅音から漏れるが決してこっちを見ようとしない。 本当に分かりやすい奴め。俺以上に魅音が動揺してくれるから俺自身は幾分冷静になれたようだ。 仕方ない。 魅音の赤くなった耳を見れば答えは分かっているが 返事は改めて風呂の中で聞くとしよう。
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嘆キノ森 「沙都子、指を入れたことはありますですか?」 沙都子は、ふるふると首を横に振った。 「入れますですよ……小指から……」 「ふっ……ん……こ、こわい……ですわ……」 「大丈夫なのですよ……沙都子は、これからもっと大きなものも、 ここで受け止めないといけないのですから……」 そんな時のことを考えると、 その人のことがものすごくうらやましく思う。 私は所詮、沙都子と一緒になれる限度は、 限られているのだ。 いつかは……沙都子の一番でなくなる。 今は、今この瞬間はそうであっても、私は沙都子の一番じゃない。 私の中にある、腐ったような独占欲が、 私の心を黒く染めていく。 「沙都子は、一生、ボクのことを思い出すことになるのですよ。 これから誰かが、沙都子のここを触ったとしても、 きっと沙都子はボクのことを思い出すのです……」 私は幼稚にも、沙都子にそう囁きかけた。 それは、自分の欲を納得させるためのものでもあった。 行為は続く。 最初、きつかった沙都子の湿った部分は、 繰り返し出し入れしている間に、大分ほぐれていた。 ただ、それだけが楽しかった。 新しいおもちゃを手に入れたみたいに、 私はそれをし続ける。 沙都子の声が、だんだんと大きくなる。 「あ、り、ぁ、アッ! 梨花! ああああ! あ……か……り……か……」 沙都子は突然、体を大きく震わせて、 顔を真っ赤にさせながら、大きく息をしている。 もはや肩しか動かないようだ。 沙都子はだらしなく股を開いたまま、 空中を見つめていた。 私は空気が気に入らなかったから、 その間に入って、私しか見えないようにした。 「沙都子……これからも……一緒ですよ?」 沙都子は、こくりと頷いた。 私と沙都子は、沙都子がお使いで買ってきたおかきを食べることにした。 部屋が変わってから初めての食事は、 晩御飯だった。 「沙都子……知ってますか? 夫婦は食べるものを全て、 口移しで食べるのですよ?」 「なっ、そ、そんなの……騙されませんわよ」 赤くなってかわいい。 沙都子は、私が望んだままの表情をくれる。 悟史が関わったとき以外は…… 「本当なのですよ……信じてくれませんか?」 「ん……もう、梨花、嘘だったら……承知しませんわよ?」 沙都子はおかきを歯ではさみ、顔を近づけてきた。 目をつぶって、おかきがぷるぷると震えている。 「違いますですよ、沙都子。ボクがお手本をしてあげるです」 私は、おかきを細かく噛み砕き、唾液にまぜた。 「んんっ!」 突然のことに、沙都子は大きく目を見開いた。 それでも、先ほどの感覚が忘れられないのか、 今度は沙都子から……舌を突き出してきた。 私も、そのことに驚いて思わず離れそうになったが、 沙都子の肩をつかんで、なんとか耐える。 「ぷはっ、沙都子……おかわりは要りますか?」 沙都子はこちらも見ずに、首を縦にふる。 もう目がうつろになって、顔がお風呂に入った後のように上気していた。 「沙都子……あーんして?」 私と沙都子は手をお互いに組合い、 中腰のままお互いのおかきと舌をむさぼった。 この手が邪魔だと思っても、 そのブレーキがまた、私の中の嗜虐性を増長させる。 「沙都子はお行儀が悪いのです……お箸も使わず、 犬食いするのですね……」 私は、沙都子を引き寄せて、そのまま背中から倒れこんだ。 沙都子が無理やり私を押し倒したような体勢だ。 もちろん、私が沙都子に押し倒させたのだが。 「犬さんに……ここを舐めて欲しいのです……」 私は、自分自身の場所を指し示した。 足を開いて、自ら恥ずかしいポーズをする。 「む……無理ですわ……だって……そこって……」 「みぃ、ボクのはダメですか?」 いつもならここで、悲しそうな顔をして、 同情を誘うところだが、このときばかりは私も顔を愉快にゆがめた。 なんせ、沙都子はすぐそこまで近づいて、それを言ったのだから。 「ティッシュで拭いてくれてもいいのですよ……ほら、沙都子?」 私は、ティッシュを一枚抜き取り沙都子に渡した。 それを見て、沙都子は先ほどの愛撫を思い出したのか、 また恍惚とも呆然とも取れる表情をした。 瞳は潤み、好奇心に突き動かされそうな腕を、 沙都子は理性で押さえ込んでいるのだ。 同じことを梨花にもすると、どうなるのだろうと、 沙都子は思っているに違いない。 結局、誘惑には勝てずに……沙都子は私に触れた。 スカートを履いたまま、ショーツだけをずらし、 沙都子をもぐりこませる。 結局沙都子は、一二度拭いただけで、 すぐに……舐め始めた。 ぴちゃぴちゃといういやらしい音と共に、 私の腰を伝って、快感が脳に抜ける。 ふるえと共に、ノドの奥から、今まで出したことの無い種類の声が出た。 「あぅ……さ、沙都……急すぎっ……ます……あぅ!」 私はスカートを捲り上げたまま、 体を硬直させている。 変態だ。 私は変態だ。 沙都子に、いやらしいことを強制させてる。 でも……それに従う沙都子も…… いや、沙都子は違う。 沙都子は本能に従っているだけ。 それと、私を気遣ってしてくれているのだ。 でも、私は違った。 沙都子のことなんか、これっぽっちも思ってなかったのだ! そう思うと、急に悲しくなって、 今まで出なかった涙が、ぽろぽろと零れ落ちてきた。 「沙都子、ダメですッ! やめて、沙都子……もういいのです!」 「はみゅ……ちゅ、梨花ぁ? もう降参ですの?」 しまった……沙都子は、逆に調子付いて、 私を執拗に責め始めたのだ。 もうやめてと、いくら叫んだって、きっと沙都子はやめてくれない。 本気で叫んだら止めてくれるのに。 私はそれを知っていて、叫ばなかった。 ただふるふると震えて、沙都子の行為を受け止めている。 「ふふふ……やっぱり、梨花もおんなじだったのですわね」 沙都子は、まるで猫がミルクを飲むように、 無邪気に舐め続けた。 「んぁ……さぁ、さ、と……子……」 「梨花ぁ……わたくしのが変ですの、梨花のここを舐めてたら、わたくしのも……」 「変じゃないのですよ……沙都子……」 確かに私たちは、中のよい姉妹のようだったのかもしれない。 でも、私は違った。 私たちではなく、私は……沙都子が、好きだった。 愛してた。 沙都子は……どうなんだろう? 私を愛してる? うん、確かに愛してる。 私の愛に応えてくれたから、きっと愛してくれている。 家族として。 「はっ……ふっ……梨花……ごめんなさい……」 「しっかりするのです! まだ、あきらめちゃダメです!」 私は、沙都子を背負って森を抜けようとしていた。 一歩、二歩はまだ良かった。 このまま沙都子をどこにでも連れて行けると、 本気で思っていた。 私の体が軋む。 きっと、沙都子と同じ種類の病気にかかっていた。 「かふっ、かふっ! うぇぇえぇ……り、か……がふっ……」 きっと、肺がやられたんだ。 風邪を甘く見すぎた。 確かに、ちゃんとした環境で、ちゃんとしたものを食べて、 ちゃんと看護すれば……風邪なんて無かったのと同じだったのに。 「捨てて行ってくださいまし……梨花、捨てて行ってくださいまし……梨花、捨て」 何度も何度も、沙都子は無理な体で言った。 そのたびにあふれ出るのは、沙都子の願いと……私の懺悔。 「沙都子……私を許してくれますか?」 「何、を? ですの? がふっ!」 「私を……」 罪の名前を教えてください。 罪の名前は嫉妬ですか? 罪の名前を教えてください。 罪の名前は色欲ですか? 罪の名前が分かりました。 罪の名前は不信です。 「梨花を? かふっ!」 「沙都子……愛してます」 「わたくしもですわ」 沙都子の声は、珍しくはっきりとしていた。 どのくらい珍しかったかというと、 少なくとも、今日始めて聞いた。 綺麗な声だった。 「梨花、わたくしを許してくださいますか?」 私は、頷いた。 「わたくしは、祭具殿に進入して……物を壊したことがあるんですの。 梨花、その時酷く怒られてましたわよね?」 「そんなことですか?」 「はい」 「かわいそかわいそです」 「はい」 「沙都子」 「はい」 「死なないで」 「はい」 「死なないで」 「はい」 「死なないで」 「沙都子?」 どれくらい経っただろう? 私が、罪を犯してから、どの程度の時間が経っただろう? 私のわがままから、どの程度の時間が。 最初のわがままは、もっと皆と一緒に居たいということでした。 それから、沙都子と一緒に暮らす方法を知りました。 沙都子は良き友人で、 良き家族で…… きっと私は、沙都子が一番好きでした。 沙都子が壊れていく世界がありました。 私は戦いましたが、あえなく返り討ちにあいました。 次はこうやって、連れ出してみたのです。 私は戦いました。 戦ったのです。 逃げてはいません。 戦いました。 でも、独りよがりだった。 沙都子のことなんか、全く考えてなかった。 沙都子を信じられなかった。 沙都子はもっと強い人間だということ。 そして、皆も沙都子を愛しているということを。 自分が一番だって? 自惚れだ。 「羽入、羽入……なんで私は生きてるの? 何で沙都子は生きられないの? なんで私は何度も何度も……ねぇ、羽入? 居るんでしょう? 返事をしてよ!?」 深い森に、深い嘆きがこだました。 嘆キノ森 ―完―
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「ひ…あぁあっ…けえちゃ…んぅうっ…や、やめ…」 甘ったるい喘ぎ声が鼓膜を刺す。俺は構わず魅音の胸をわし掴んで揉みしだいた。 「ああっ…や、だめだってそれ…」 「駄目?駄目って何が?」 「だ、だからぁっ…あんっ…」 俺の両手で、魅音の白く大きな胸が、ふにゅふにゅと柔らかく形を変える。 そしと魅音はその度に甘ったるい声を漏らし、震える。 「もう…!やだって、それ…」 魅音は潤んだ瞳できっと俺を睨む。けれどそこにはいつもの鋭い眼光は無い。 あるのは頬を火照らせて眉根を寄せた、羞恥と快感に翻弄された表情のみだ。 「ちゃ、ちゃんと…子作りしてくれるって言ったでしょ!?」 そう苦しげに言う魅音の裸の太股には、外出しされた俺の精液が飛び散って滴っている。 正直、目眩がした。 それは魅音の一言から始まった。 「圭ちゃん、あのね……お、おじさんと、こっ……子作りしてほしいの」 突然両親が留守中の俺の家に一人で訪ねてくるなり、魅音は紅潮した顔で意を決したようにそう叫んだ。 俺はもちろん耳を疑った。 「はあ!?何言ってんだよ!!」 「い、今園崎家には、男の跡取りが必要なの。 お母さんとお父さんは婆っちゃにずっと催促されてて…でもどうしてか全然子どもが出来なくて…! それなら次期頭首の私が、子どもを生むしかないって、婆っちゃに頼まれて……! 大丈夫!監督に相談して、初めてでも痛くない薬を貰って飲んできたから!」 ひでえ話だ。それじゃ魅音があんまりにも可哀相じゃねえか。 園崎家に憤りを感じつつそう言うと、魅音は慌てて首を振った。 「しょうがない…しょうがないんだよ。だから圭ちゃん、もし私を可哀相だと思うんだったら……」 魅音がいつものシャツの裾に手をかけて、一気にぐいっと脱ぎ捨てる。 白い肌、淡いレースのレモンイエローの下着に包まれた豊満な胸に、思わず視線が吸い寄せられる。 「私を…抱いてよ……?」 魅音は懇願するように俺を見つめる。 もちろん、拒否するはずが無かった。 正直、魅音との『子作り』は、予想以上に気持ちの良いものだった。 魅音の吸い付くようで滑らかな肌といい、その柔らかく大きな胸といい、脚といい、髪といい、顔といい。 だから魅音の中に初めて挿入した時、 「ぅああぁっ……!圭ちゃんっ…」 と喘いだ魅音の姿を見て、名残惜しさのあまり外出ししてしまった俺を誰が責められよう。 監督、相当強い媚薬を魅音に渡したらしい。 魅音の中から引き抜いて、太股に放出した瞬間、魅音は目を見開いて俺を見た。 「けっ…圭ちゃん、どうして外に出したの!?中に出してもらわなきゃ駄目なのにー!!」 「悪い、魅音。俺あんまり慣れてなくてさ…失敗しちまった。でももう一度やれば大丈夫だろ?」 「ふぇ…もう一度…?」 魅音はぼーっと上気した顔で、はあはあと肩で息をしながらそう言う。 その困惑したような息遣いにさえも興奮してしまう俺は、もうどうしようもないと思う。 「そうだよ、もう一度。今度こそ魅音の中に出すからさ」 「う、うん…分かった……今度はちゃんと、中に出してね?」 魅音は潤んだ瞳でそう俺に縋るように言う。やべえな、こりゃ。 そして俺たちは子作りを再開して、冒頭に戻る。 二回目の外出しの後、さすがに魅音も気付いたらしく、涙を零しながら俺をきっと睨んだ。 「圭ちゃん…ひどいよぉ……」 さすがに心が痛む。まあ下半身の方も、痛いほど興奮していたが。 「意地悪してごめん、魅音。今度はちゃんと中に出すから」 「ほんとに…?」 「ああ、約束する。絶対だ。だから、な?もう一回頑張ろうぜ」 「うん…頑張る」 魅音はこくこくと頷いて、涙の痕が残る赤い顔でよろよろと俺の方に向き直る。 魅音の一糸纏わぬ白い身体。ところどころに俺の精液が飛び散っている。 背中にある鬼の刺青がまた、どこか危ない香りを誘う。 ああ、やばい。やばいぞこれは。 俺はくらくらしながら、魅音の胸を揉み始めた。 「んうぅ…あぁ…あん」 魅音は気持ち良さそうに身体を反らせる。そして片方の手を俺の肩に回した。 「魅音…魅音」 俺は魅音の名前を呼び続けながら、上を向いた乳首に唇を寄せる。 ねっとりと舌でそれを包むと、俺の肩に回された魅音の手の力が強くなった。 その魅音の可愛らしさに、興奮して息が上がる。 指を魅音の中につぷりと入れると、とろとろに濡れた感触が伝わってくる。 「魅音、いくぞ」 「っ……ん、あ…ぅ」 魅音はきつく閉じていた目をうっすら開いて俺の姿を認めると、ほんの少し安堵したように息を吐いた。 それを肯定と受け取り、魅音の両足を掴んで開かせる。 そしてびしょびしょに濡れたその部分に、俺は自分のモノを押し入れた。 「うあっ…あああぁぁあっ……」 魅音が大きく喘ぐ。 ずずず、ずぷ、ぬちゅ。 粘着質の水音がふたりの間に響く。たまらなく温かくいやらしい感覚が下半身を包む。 俺は身体の奥に灯る熱に促されるかのように、腰を動かし始めた。 「ふあぁあっ…けえちゃ……圭ちゃあんっ…!!」 魅音の唇から熱に浮かされたかのように、ぽろぽろと言葉が零れる。 「きもちいい…きもちいいよぉ……」 魅音の身体がふるふると震える。 ぐちゅぐちゅという音が止まらない。 魅音の締め付けのあまりの気持ち良さに、俺も思わず息を吐いた。 「魅音…気持ちいいぞ、魅音…」 「わ、私も…すごく奥に、圭ちゃんのが当たって……お、おかしくなりそう……」 お互い切羽詰まった声で囁き合う。触れ合う汗で濡れた肌がたまらなく心地よい。 ずぷ、ずちゅ、ぐちゅ。 俺は魅音に腰を打ち付ける。その度に魅音の白い胸がぷるんぷるんと揺れる。 とろんとした瞳から涙が頬を伝ってきらめいていて、魅音はとてもきれいだった。 不意に下半身に痺れを感じる。限界が近い。 「魅音、お、俺、もう…」 「わ、私も…いっちゃう、いっちゃうよぉ……!」 締め付けがよりいっそうきつくなる。たまらないな、これ。 その締め付けに促されるように、腰を打ち付けるスピードを速める。 「ああっ…ふわぁああっ…だめ、もうっ……!」 「魅音、魅音……!」 汗が飛び散って光る。熱の中で、魅音の身体と俺の身体がひとつに溶け合うように思えた。 「魅音、出すぞ!」 「ふぁあっ…出して、圭ちゃんの精液、出して…んぁああっ…」 俺は魅音の奥深くまで押し入れて、その熱い精液を一滴残らず魅音の中に放出する。 「あんっ…あぁ、出てるっ…ふぇ……」 注ぎ込まれるその熱を感じたらしく、魅音はびくびくと腰を痙攣させる。 その震える魅音の姿を見ながら、俺は胸の奥にじんわりと広がってゆく愛しさを感じていた。 その数十分後。 俺たちはひとつの毛布にくるまって、裸のまま寄り添っていた。 隣りの温もりに穏やかな気持ちを感じながら、俺は口を開いた。 「なぁ魅音」 「……何?圭ちゃん」 まだ恥ずかしさが残っているのか、魅音はどこかぶっきらぼうな声で返す。 「ずっと気になってたんだけど…どうして、子作りの相手は俺だったんだ?」 不意に魅音の身体が強張る。 「ば、婆っちゃが、圭ちゃんを骨のある若者だって気に入ってて!圭ちゃんとなら、頭の良い元気で逞しい子どもが生まれるだろうって言ってたから!」 俺は拍子抜けした。 思わず苦笑する。 「そうなんだ…意外だな、そんなに気に入ってもらってたなんて」 「……ごめん、嘘」 魅音はそうぽつりと漏らし、意を決したように顔を上げて俺を見た。 「私、圭ちゃんが良かったの。圭ちゃんじゃなきゃ嫌だったの」 「え?」 魅音は小さく息を吸って、言葉を続ける。 「だって私、圭ちゃんが好きだから」 それを聞いた瞬間、俺は魅音を抱き締めていた。 魅音は小さく驚いたように声を上げたが、やがて照れたように黙り込む。 そうしてぴったりと身体をくっつけて抱き合う俺たちの上には、ただ暗闇のみがあった。 婆っちゃが「子どもを作れ」と言った時はどうしようかと思った。 けれど勇気を出して圭ちゃんに「抱いてほしい」と言い、圭ちゃんがそれに応えてくれようとしたとき、こんなに嬉しいことはなかった。 いっぱいいっぱいだった私に比べ、多少圭ちゃんには、この状況を楽しんでるフシが無かったと言えば嘘になるが、まあそれは気にしないでおこう。 だからお互いの思いを伝え合った後、私はとても幸せな気持ちで圭ちゃんの腕の中にいた。 すると不意に圭ちゃんが言った。 「そういえば魅音、もし子どもができてなかったらどうするんだ?」 「…ふぇ?」 「今日したからって子どもができたとは限らないだろ?仮にできたとしても、女の子だったらどうするんだ?」 「……それは…その…」 何も考えてなかった。ほとんど勢いでここに来たから。 けれど改めて考えてみる。もし今日できていなかったら、それはつまり… 私は思わず口をつぐんだ。顔がかあっと赤くなるのが分かる。 すると私の頭に浮かんだ考えを、圭ちゃんが先に口にした。 「まさか、できるまでずっと子作りするってことか?」 「……多分」 頷くと、圭ちゃんが硬直した。大分ショックだったみたいだ。 そりゃそうだ、こんな恥かしいこと、そんなにしょっちゅう出来るわけ… あれ。何か圭ちゃんの様子がおかしい。俯きながらも、肩を震わせて、不敵に笑っている。 「……ということはつまり」 「け、圭ちゃん?」 「明日も明後日も、魅音としていいってことだよな!?よっしゃあ!」 圭ちゃんが心底嬉しそうに叫ぶ。っていうか、えええ!? 「あ、明日?明後日!?」 「そうだぞ魅音。子どもができるまで毎日だ。これも全部園崎家の未来のためだ、しょうがないんだ魅音!!」 「いや、毎日する必要は…」 「何言ってんだ魅音!そんな甘っちょろいこと言ってる場合かぁ!!できる限り子作りに励むのが俺たちの使命なんだぞ!!」 「ちょ、ちょっと圭ちゃん落ち着いて…」 私は何とか圭ちゃんを宥めようとした。 しかし、すっかり勢いづいた圭ちゃんは構わず喋り続ける。思わず背筋が寒くなるほどだ。 「しかし子作りと言っても、単調なものではすぐに飽きてしまう!子作りを適度に楽しむためには様々なプレイが必須! 手始めに明日の放課後、コスプレHなんてどうだ!?ネコミミ、スク水、メイド服、ナース服何でもござれだ! いやむしろ!明日とは言わず、俺は今すぐでもOKだ!」 「ちょっと待って、待ってってば圭ちゃん!」 圭ちゃんが私の両肩をがっしりと掴む。目がやけに爛々と輝いている。 それとは逆に、私は顔から血の気が引くのを感じた。 まさか、まさかまさか、この男…! 「さあ魅音!!俺の子を孕めええぇぇぇ!!!」 「いっ…いやあああぁぁあ!!」 それからしばらくの間、私の苦労が絶えることは無かった。 そしてこの雛見沢で、私の叫び声が途切れる夜も無かったという。 終
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p カレースプーン 焦点は知恵留美子 「ふふふ、……ご馳走様」 この世で一番美味しい私のチキンカレーを食べ終え、私は食器とマイスプーンを流しに持っていく。お腹のそこから熱い。カレーの持つ熱さに当てられて、くらくらになった私は焦点の定まらない目で追いながら蛇口をひねった。勢いよく流れる水が私の両手を冷やしていった。スプーンを水にさらしていたときだった。銀色の光を放つスプーンの細長い持ち手を人差し指と親指で無意識のうちにすっとこすり上げていた。スプーンの柄は私の握りに合うような曲線に仕立て上げられている。無論、オーダーメイドの代物でありこの世に一つも存在しない。 「硬い……長くて……きれいで」 ぎゅっと柄の部分を両手で握り締める。私の体温で温くなった銀色は痛いほど自身を主張していた。 「駄目……カレーを食べるのに使う神聖な……神聖な什器をこんな……」 がくがくと膝が震えていくのが分かる。既に私は食事の際下着以外の衣服を脱ぎ捨てていたから、余計に膝と膝の間の熱が増していくのが実感できた。もしこのときワンピース、いつも着ているあの白いワンピースを着ていればもう少しだけ自我を保つことが……できていたのだろうか。 「んああ!!」 気付くと握り締めた両手から少し突き出たスプーンの柄を股間に突きつけていた。 「駄目……止めないと……カレーを汚してあう! ごめんなさ……」 銀色の光沢が下着越しに私の秘裂を突き上げてくる。まるで生き物のようにその硬い体を押し付けてくる。下着越しなのに柄の三分の一程度は私の中にうずまってしまった 「ぁあん」 蹂躙される体を支え切れずに私はキッチンの側壁にずるりと体を預けた。 「もう、やめ……お願い……もうこんなこと……ああ!」 おかしかった……両手でぐっとスプーンの柄を離そうとしてくるのだが、まるで触手のように、意思を持った生物のように柄を強引に滑り込ませてくるのだ。 「あう! 中に入って……る」 ぐしょ濡れで色が変わった下着のわきからその細長い柄で入り込んできたのだ。ちゅくりと粘液をかき回した音が耳に入る。 「やぁあ……ごめんなさい!! ……こんな、もうあなたに欲情なんて……しないから許してぇ……くぅうぅうん……」 ああ、そうか。これは罰……なのね。カレーを使う神聖なスプーンとカレーそのものを汚した私への罰。カレーの神様が下した、淫乱な私に与えた懲罰、おしおき…… 「ごめんなさい、……もうしませんから……いい子でいます、あう……! だから、だから」 もう柄は中ほどまで呑み込まれていた。柄は細身だからするするとその体を蛇のように滑り込ませていく……ヘッドをくねらせて中に入り込み強引にかき回される。 「もっと……もっと悪い留美子を叱って! お願い……お願い!!」 私は必死に懺悔した。カレーを驕り、ないがしろにしてしまった私には相応の罰が必要なのだ。だから、ここは……じっと…… あふれ出てくるカレーへの愛液が自分の下着を濡らし、お尻の方まで生温い感触が伝わって来るのが分かる。罰を受けているのにもっと体は欲しい感じてしまう自分の女としての性がとても愚かしいと思えてしまう。 「はぁ……はぁ……耐えなきゃ……私がすべて悪いん……!? はあう?!」 突如だった……スプーンの柄の動きが止まった。私に執拗に罰を与えていた、この銀色の蛇のような動きが無機物のように動かなくなってしまったのだ。 「ああ……」 制裁が終わってしまった……じゅくりと濡れた手にあるのは懺悔の念にまみれた細長い銀塊と垂れ流した液から放たれる乱れた自分のにおいだった。 「……もう終わり……なの? まだ……きてない……のに」 駄目……駄目です。カレーの神様! まだ罰が緩すぎます。もっともっと、私を、あなた様に欲してしまった淫乱なあなたの教徒には更なる戒めが必要なのです。 「お、願いします……動いて、もっと苦しめて……背いてしまった留美子に……ください……」 ぐっとスプーンに力と想いを込める。先ほどのような甘がらい折檻を求めているのだがぴくりとも動かない。 「いや……動いて……さっきみたくかき回してほしい…のに…………」 熱が入って冷めそうにも無い私の……陰核がじんじんと腫れ上がってとどまる兆しをみせない。……ち、違います! そんな、快楽を得たいからだとか、イき損ねてしまったからとか、そんなんじゃ決して……どうして、与えてくださらないの?罰は、尊いあなたからの天罰ならなんでも受ける覚悟はあるのに…… 「……いや……! まさか、私に失望して……見捨て……」 そんな……ごめんなさいごめんなさい!! 今見捨てられたら私はもう鹿骨、いやこの世では生きていけません! 懺悔なら……懺悔ならあああ!! 「くうぅううん!! み、見て!! 私こんなに反省していますからっ……! あなたが かはっぅうんん!! 与えてくださら……ないなら……じっ自分でいじめて、懺悔しますからああぁ!!!」 悔根と絶望にさいなまれた私は見放されたくない一心で、自らの蜜壷に柄を突き入れた。下品な水音が辺りにこだまして、垂れた罰当たりな淫液の染みがパンティの腰の部分にまで達して、帯のような跡をつくったが、そんなのはもう関係なかった。 「罰当たりで……んふううっ! すけべで、あくっ! 教師の風上にも置けない淫乱 なあ……る、留美子を……もっと、見てええええ!! もう見放さないでっ! お願いいぃいぃいいイクぅううぅ!! ……あっ!!」 「はあ、またやってしまいました」 暑いシャワーで体を清めて私は深く自室のいすに腰掛けて、先ほどの蛮行を省みた。実はカレーに、その……食欲以外の気持ちを持ってしまうのは初めてではないわけで…… 「駄目ですね、私は……また心身を締め上げないと」 私たちすべての人を優しく撫でてくれる聖人のごときカレー。その気持ちを裏切った私には戒めがさらに必要だ。私はいつもよりも厳しい罰である4日間のカレー抜きを心に命じ、台所へと食器の洗いに向かった。 おじいちゃんの資料 焦点は鷹野三四 ニュースで梅雨入りが発表されていた。それに漏れず、この雛見沢にも雨降りが続く6月が訪れた。常人なら嫌う、湿り気を帯びたとうとうと継続する水の季節だが私たちのような不道の輩にはその汚れた姿を隠すことができる相応の季節なのかもしれない。 そんな他愛もないことを浮かばせながら私は市内のとある文房具屋に足を運んでいた。見上げれば陰りの無い灰色の空がしんしんと雨を降らせながら遠くまで伸びていた。 「どうも」 不愛想な店主の声を背中越しに聞く。何件か回って辿り着いたこの店には一般の駅構内にあるような若者向けのカジュアルな雰囲気は微塵も感じられない。雨音が貫くように聞こえる古めかしい店内に置かれているのは業務用であったり果たして何に使うか分からないようなカルトな文房具ばかりだった。雨期なのに妙に毛羽立った店内は恐らく前原君や魅音ちゃんといった学生たちは好んで入らないような暗い雰囲気を醸し出している。別に良いのだ。私は目当てのものを得られればそれで良い。店が繁盛しているのか店員の対応だとかそんなことはどうでも良い。私が今夜使う物さえ手に入ればどうでもいいのだから。 傘を差す。雨に濡れたアスファルトのにおいが鼻をついてくる。 今日も残り少ないかりそめの仕事を終える。夜の診療所はほとんど人気が無くなる。人がいなくならないと私としても今夜は困るのだが。先ほど購入した物をデスクに並べた。店名など入っていない無骨な紙袋から取り出す。コピー用紙と黒のインクカードリッジ。無論ただの紙とインクではない。紙は古紙使用率0パーセントで、インクジェット適正を付加した上質紙だ。一方のインクはプリンターメーカー製造の純正品であり価格の落ちるサードパーティー品などではない。できる限り程度の高い品を求めたかった。それゆえ大衆向きの安価な製品が少ない例の文房具屋を利用したのだ。値はそれなりに張った。だけど価格など二の次だ。これからを思えば……そんなものは…… 印刷されたコピーの束を携えて、診療所の空いた病室に入る。誰もいない真っ暗な廊下を歩くとき途方も無い高揚感が私の中を駆け巡っていた。まだ刷り下ろされて間もない紙の束はその温かみをじっと抱いた胸の奥底に伝えてくる。その熱に当てられたのか普段は血の通っていないような白色の頬は心なしか熱を帯び桃色に染まっているのが分かる。いや染められているのだと心の中で修正する。それほどまでに私が胸中に抱いているこのコピー紙は自分にとって意義のあるものなのだ。短めに揃えられたナース服のスカートも自分の欲情に多少なりの拍車を掛けた。普段着とは違う、まるで男の視線を集めるためだけに仕立てられた短いスカート。ニーストッキングでは収まらない素肌の見える脚。少なからず露出された自分の身体で急速な体液のめぐりが行われていることを自覚する。 部屋に入り備え付けのベットに腰を掛けると、ここで初めて私はインクの香り高いコピーの束を注視した。 「……はぁ」 瞬間、少しずつ口の中の唾液の分泌が増していった。首筋の動脈の鼓動が聞こえたような気がした。 「おじいちゃん……」 私がコピーしたのはおじいちゃんの資料だった。この世で一番尊い存在の私のおじいちゃんが残した雛見沢症候群の研究資料。生涯をかけて論究された神の論文だ。しかもただのおじいちゃんの資料ではない。これはおじいちゃんの草案。つまり発表用にタイプされたのとは違うほとんどがおじいちゃんのペンによって書かれた生の原稿だ。普段はめったに持ち出さないこの資料は普段は厳重に閉まってあるが、この日だけ6月を迎えたこの時だけその封を破ったのだ。とはいえ傷を付けるような真似は避けたい。そう思い先ほどのコピー紙とインクカードリッジを求めたのだ。手書きの資料を写し込むために。そうとなればできるだけ良質な複製を用いたかった。本音を言えばコピー機を使わずに相応の印刷業者に頼み製作してもらいたかったのだが門外不出の資料だ。何かあってからではどうしようもない。だから、診療所のコピー機でやむなく手を打つことにした。紙とインクにこだわったのはそのためだ。 「おじいちゃん……ああ……!」 少しだけ冷めてしまったおじいちゃんの資料を顔にかざす。まだ少しの温かさが頬を染めるがそれ以上に資料のインクのにおいが鼻腔をダイレクトに犯した。それは脳にまで届き、さらなる血のめぐりを呼んだ。紙の中に一二三という文字が見えたとき、熱くなった涙が瞳を潤ませた。 ベッドに完全に身体を預けおじいちゃんの資料と共に横になる。弾みでスカートがまくれ下着があらわになるが資料に夢中になった私はそれを歯牙にも掛けなかった。 「おじいちゃん……すぅぅ、おじいちゃんのいいにおいがする……はぁぁぅ」 資料に魅入られた私はただただ手書きの文字が醸し出すインクのにおいを余すところ無く犬のように嗅ぎまわった。香りだけでは物足りなくなって次は舌を出した。自分では確認することはできないけれど、血が過剰にまわって真っ赤になった舌の先を「序文・背景」の文字に添わす。黒色のゴシックに触れた瞬間、舌先にじんとした刺激が乗ってさらなる劣情を吐き出させた。 「いあう……! おいしい……おいしいようおじいちゃん! 」 過度に垂れた唾液によって文字の周りの余白が灰色に変色してしまうが感じた粘膜の刺激をもっともっと求めようと舌を紙面に押し付けた。「序文」の項がささくれ立って柔らかくなって穴が開いてしまいそうになるが心が押し込められて止めることができなかった。 「んんぅ……んんんぅゆ」 ついに穴が開いたコピーにそのまま顔を押し付けた。目を瞑って濡れた穴に舌を通してそのまま前後させる。資料の、おじいちゃんの味がさらに感じることができるように。 「はあう……! はあうん」 私は動きを止めると口撫が行き届いていないまだきれいなままの資料の束を片方の手に集める。資料の多くを占めている項目、「結果」「考察」が目に入った。それらを筒状に巻き込み片手で固定をする。表面の曲線に舌を添わせつうっと先端まで舐める。 「おじいちゃん……み、三四もしていい? 」 たわむベッドの上で膝立ちになり返ることない問いを被せた。返ってきたのは膝とシーツが擦れる音だけだった。核心に触れる。そのまま覆い被さるように丸めた資料の上に跨ってがくがくと膝を震わせながら腰を下ろした。 「うう……はひ……」 厚みがあるため硬さを帯びている資料の束が履いている下着に食い込む。 「はあぁぁあぁ……」 熱い息が思わず漏れる。だらしなく開いた口の角から粘りっ気のある唾液が垂れ、太もものニーストッキニングを濡らす。その部分だけ濃い黒を作り出した。資料のコピーを両手で持ち替えて、ゆっくりと自分の秘所を擦っていく。下着越しながら直接的な性感帯への刺激が色欲で染まる脳を追い詰めていく。 「……もうこんなに……う……字が……滲んで」 先ほど舐めあげた紙に付けられた唾液と摩擦が原因になってインクがぶれるように滲み始めていた。 「おじいちゃん……駄目ぇ……汚れちゃう」 浮き上がったインクが下着のクロッチに薄い色を付けた。白色の下着の股布はわずかながらの黒を乗せていた。滲んだ快感の黒に心を奪われ、脱力し頭をまくらに押し付ける。両手の前後がさらに勢いと力強さを増していく。 「ううふぅぅあ……!! あはぁあ……おじいちゃん……おじいちゃん。おじ……! 」 とある資料の訂正書きが不意に目に飛び込んだ。瞳孔がくっと開く。 『おじいちゃん、この文字間違ってるよ』 『「追求」はこっちの「追及」、それで、「薦める」はこっちの方の「勧める」だよ』 記憶がよみがえっていく。おじいちゃんとともに過ごしたあの研究の日々。地獄のような暗黒の日々から私を救ってくれたあのおじいちゃんの笑顔。見せてもらった資料。正しい字に置き換えたときに褒めてもらったあの喜び。 「ひゃはああぁぁん!!あはっ…あっあっあふぁ……! あはぅはあ!! おじいちゃん、その……文字……もじぃっぃい!」 資料の膨大な数の文字の群から偶然見つけた二つの字が私の心を幼少へと退行させた。 「それ! それぇぇ! み、美代子が探したんだよぅうぅぅぅ! いっぱいいいいひい、いういっぱい、時間かけてえぅあうああ!」 大人に身体なのに心だけが戻ってしまった私はただ、込み上げる思いを昇華させることしか頭になかった。激しい動きでナースキャップがぱさりと落ちるが構いもしない。そんな自分の醜態を気にもせずさらに両手の速度を上げていく。 「もっとおお……もっと褒めてえ! またお手伝いするからああひうゆ! 」 たまらなくなった私は仰向けに転がった。染み出た愛液とインクでぐちゃぐちゃになったクロッチを片手でずらし、水を浴びせられたような秘所をさらす。下向きに資料を 押し付ける。今度は重力を資料に乗せることができて今までの何倍もの快感を得るようになっていた。 「もう駄目もう駄目もう駄目えぇえぇ! おじいちゃんがきてるうううあうあふう!」 塗りつぶされたその横に訂正として加えられた「追及」「勧める」の文字に陰核を押し付けた私は真っ白な電流が襲う。残してあった近くの資料に顔を突っ込み押し付けながらそのときを待った。 「おじいちゃん……イクっ! 美代子もイっちゃうううう! もっと資料……!読ま、読ませてえええ!!……資料ううっじゅうんん! ……!? 駄目! 踏まないで! おじいちゃんの資料踏んぁじゃぁいやああやううあうあ!! 駄目えええ!」 幼い頃の記憶が入り混じった私は腰を浮かせた。髪の毛がぼさぼさに乱れた。はたから見れば「追及」と「勧める」などただの文字に過ぎない。しかしかけがえのない この二文字に言いようのない劣情を私は覚えたのであった。 「はあ……ふはああ」 体をゆっくりと落ち着かせて心を整理させていく。ベッド上に散らばったおじいちゃんの資料とシーツにできた大きな染みが目に入る。頬がまだ火に当てられたように熱かった。気だるい体を起こし濡れてしわがれた資料に手をやった。雛見沢症候群、L2の文字が瞳に入った。 「……待っててねおじいちゃん……もうすぐ……もうすぐおじいちゃんの研究が完成するから……もう少し」 懐かしいおじいちゃんの神様のような声が聞こえたような気がした。 魅音の髪留め 焦点は前原圭一 「しかし暑いな」 雨がそぼ降る薄暗い外を見て俺はつぶやいた。 「こんな天気じゃ気分も滅入っちまうっての……」 「なんか黄昏ちゃってるねえ……いい男が台無しだよってか? 圭ちゃん」 声を掛けてきたのは俺の1番の親友の園崎魅音だった。俺のこんな戯言を返してくれるのはクラスの中でも気さくなこいつぐらいだった。 「だろ? 俺のセクシーさが消えちまうぜ」 「ふふふ……」 薄ら笑いだが柔らかい表情を浮かべる魅音。それを見て俺の落ち込んだ気持ちがすっと浮かびあがっていくのがわかる。こいつはマジでいい奴なんだよ……面倒見がいい。それでいて人の足元をみるようなことなんて絶対しないしな……顔も結構良いし…… 「圭ちゃんの言うとおり暑いね……おじさん汗ばんじゃうよ」 机の上の下敷きを取り、風を起こす魅音。少しだけ男勝りなのが玉に傷なんだけどな…… 「ああ、そうだなあ、蒸し暑くて汗が…………っ」 会話を続けようと魅音に向き合った時だった。魅音の起こした風が俺の顔に当たった。呼吸をする。風に乗って辿り着いた魅音の……多分、髪の毛のにおいがふわりと俺の鼻腔に入ってきたのだ。 「しかしいつまで降るのかねぇ……外にも出れたもんじゃないよ」 俺が魅音のにおいに戸惑う俺に気にも掛けずに、魅音はそのまま扇ぎ続けた。魅音の髪の毛、汗のにおいと石鹸の香りが混じり合って俺の周囲に漂う。魅音のにおいに占領され、一気に出てきた生唾をゆっくりと飲みこんだ。 「洗濯もできないし、部活も制限されるし……」 起こされる風によって、魅音の結わえた髪が複数本まとまって、たなびく。その動きに目を奪われながら送り込まれてくる魅音の、思春期を迎えている親友のにおいを無意識のうちに肺に入れる。魅音のにおいと梅雨の熱さに冒されて、俺の下半身に脈々と血が流れていくのがわかった。 「……ってどしたの? 圭ちゃん?」 「おお、あ、いや……そうだよな、洗濯物には塩だな……」 気が付くと魅音の怪訝そうにまばたきする瞳が目の前にあった。彼女の大きな瞳にあせった俺はとっさに口から言葉を吐く。 「はは、なにそれ……圭ちゃん、まさかほんとに暑さで……」 怪訝な表情の魅音は俺の顔を下から覗き込むようにして言った。追及されてしどろもどろになる俺。いぶかしむ魅音は次第に顔をほころばせた後に、 「変な圭ちゃん」 そう言って席を立ちどこかへ行ってしまった。 「魅音……」 場に残されたにはいまだに漂う魅音の残り香と教室の蒸し暑さだけだった。無駄に熱くなった額に手をやりながら俺は自嘲した。 「きたねえ……今のはきたねえよ魅音……あんな事されたら誰だって……」 十中八九、魅音が自分のにおいを撒き散らしていたのは無意識の行動だ。漫画とかに出てくる痴女が自分のにおいをフェロモンのように散らす……そんな計算高くて、淫靡な真似があいつにできるはずがない。ただ暑かったから扇いでいただけ…… それだけなのに……俺はあいつに……あいつのにおいに欲情して…… 気が付くと消えそうなにおいを俺は自重することなく丹念に嗅いでいた。気が付かれないようにすうっと静かに鼻を鳴らしながら…… 「それでは前原君、日直の仕事をお願いしますよ」 HRが終了すると知恵先生がじきじきに声を掛けてきた。そうだった……今日は日直だったんだ。黒板の清掃やら、日誌やらの仕事が陰鬱な雨の日も手伝って気分を落とす。短く先生に返事をした後に俺は黒板に向かった。周りの掃除をしていると 「おつかれ、圭ちゃん」 魅音が来ていた。後ろ手に組んで見据えている魅音を一瞥し、そのまま黒板に向き直った。 「おう、魅音か。ったくこんな日に日直だなんて……ついてねえよな」 「まあね……仕方ないさ……でも、ちゃんと仕事はやってね。みんなが交代交代で やってるんだからさ……くれぐれもさぼっちゃ駄目だよ?」 手伝ってくれるのかと思ったのだがどうやら違うらしい。みんなの学級委員長のおでましってところか…… 「へいへい……わかりましたよ、委員長様……」 委員長と呼ばれたのがうれしかったのか、満足気な顔を見せながら言う。 「ふふ、上等上等。……それじゃ、おじさん帰るね、この雨だから今日の部活は中止、圭ちゃんも日直だしね」 湿気でべた付くチョークの粉に悪態をつく俺の姿を尻目に、魅音はバイバイと手を振って教室を出て行った。少し時間が経って雨の校庭を歩く、赤の傘を差した魅音が教室の窓越しに見えた。ぽつんとあいつは一人で歩いていた。 「じゃあな……魅音」 そうつぶやくと、俺は再び黒板と向かい合った。 清掃は終わった。さっさと日誌を書き始めよう。自分の机に座って今日の出来事を思い出しながら適当に鉛筆を動かす。 ───さっきの魅音のにおい……いい……においだったな。 そう思えばこの場所で魅音のにおいの風を受けたんだよな。もうあのときの香りは残ってはいないけど…… ふっと魅音の机を横目で見る。 「……ん?」 魅音の机の端っこに何か小さな物が乗っていた。赤い色をしたそれに導かれるように俺は座っていたいすを引いた。 「……」 輪ゴムだった。あいつの髪留め用の輪ゴムが置かれていたのだ。赤い色をしたそれを手に取る。これは……多分毎日、魅音の髪を束ねている愛用の髪留めだ。見たことがある。この赤いやつは結構な頻度で学校に付けてきている。 「忘れたのか……」 指に取って、拾い上げる。少しだけ湿り気を帯びているような気がして…… ───確かお気に入りって言ってたな。これを毎日……魅音は……髪に…… 少しずつ心の底から込み上げてくるものを感じた。粘った唾をくっと飲み込んだ俺はそっとYシャツのポケットに入れた。席に戻り、日誌の続きを書き始める。 鉛筆を握る手ががくがくと震えていた。 家に帰った後も、心がふわふわしていた。夕飯は俺の好物ばかり揃っていたのだが、まるでスポンジを食ってるみたいで味気なかった。食欲よりもむしろ…… ───風呂に入っておこう 熱い風呂に浸かっていたからなのか、風呂上りの俺は普段よりも体の血の巡りが急速に行なわれていることに気付いた。喉もとの鼓動を感じながら二階の自室に向かう。家族から離れて、一人自室にこもる。 「はあ……ふう……」 机に向かって引き出しに手を掛けた。 「……あぁ」 真っ赤な円が目に飛び込んできた。なんだかじっとりと濡れて、赤というより朱色がかった様相をしていた。指に摘んで目の前に持ってきてみる。 「あいつが……これを……髪に、毎日……」 小刻みに震える指を働かせて、鼻の先に、 「……うぁあ」 ───これ……やべえだろ 学校で嗅いだ魅音のにおいの数倍の濃さがこの輪ゴムには染み付いていた。実際のところはそんなに強くない。微弱なものかもしれない、他人からしてみれば。しかしながら俺は魅音という人間を知っている。あいつの笑い顔、気丈そうであるが、芯は軟い女子であること。魅音の体つき、声……魅音のいろんなものが俺の心の中に焼き付いている。だから俺は魅音の、実際からしてみれば微弱なにおいも敏感に感じ取ってしまう。 「……み、魅音」 気が付くとゴムを口の端にくわえていた。少しだけ前歯で噛む。味はほとんどない。でも、魅音の一部を口に入れていると思うと心がどうしようもなく高揚した。男の性だ。下半身の芯にも激しい血流が起こっているのを自覚した。大切な親友に果てない劣情を覚えてしまった自分がいた。 「う……く……ちくしょう」 未だ経験のない下半身を露出して片手の輪ゴムを鼻の先へ再び持っていった。右の方は垂直に起きたペニスを握らせる。 「ああう……ああ」 摩擦の音が聞こえてしまうほどの強さと速さでペニスを上下させた。魅音の髪のにおいが間接的にペニスへの刺激となった。こんなになるのかというぐらい硬くそしてかさを増した逸物を高速でしごく。まるで魅音の髪の毛に顔をうずませながら、オナニーをしている感覚に陥った。 「く……お前が……魅音が悪いんだ……からな……くそっ」 思春期の男にあんな無防備をさらした魅音が悪い……こんなになってしまったのはすべて魅音のせいだと正当化しようとした。異性を直接意識させるような行動を取ったのは魅音…… ……いや、俺が悪いんだ。自分の……好きな奴の無防備さに勝手に欲情して……性のはけ口として魅音をネタに利用しているのだ。恋愛感情を持った親友の、しかも大切にしている髪留めに言いようのない最低の感情を持ってしまったのだ。 「ごめん……! 魅音……ごめん……ごめん」 心の自覚は芽生えても体の動きは止まらなかった。あいつのお気に入りの髪留めの輪ゴムにペニスを通す。余った残りは指に絡ませて調節した。 「はあ、ああ…………うお……良い……」 輪ゴムの感触が直に伝わる。言いようのない色欲が下半身を支配する。 ───魅音にしごかれてるみたいだ。 そのイメージが脳裏に浮かんだ瞬間に爆ぜた。鈴口から出た粘った塊が手と髪留めを汚した。魅音そのものを汚していると思うと脈動が止まらなかった。5回、6回と精液を吐き出しているうちに心と体が冷静さを取り戻す。 「……はあ…………はああ」 大切な親友を犯してしまったという最低の余韻が体じゅうに残っていた。 「圭ちゃん、おはよ!」 今日も雨だった。六月の湿っぽい空を吹き飛ばすように彼女は言った。 「……おおう……」 「どうしたのさ、圭ちゃん……元気ないね、もしや6月病ってやつ?」 冗談で言っているのか分からないが、魅音は口を尖らせながら話を掛けてくる。昨晩に魅音を犯してしまった最悪の俺に無邪気に話してくる。何も知らない魅音のその姿を見ると、無性に背中があわ立った。ぞくりとした震えが小波のように襲ってきた。整った端正な顔立ちを、そのきれいな髪を……また汚したいと思った。 「……………………魅音、これ……お前の」 震える手を感付かれないようにあの輪ゴムを手渡した。すっと魅音の目が大きさを増す。 「昨日見つけたんだ…………お気に……だったん……」 冷静さを保とうと必死な俺の言動をさえぎり 「嘘?! 圭ちゃん! これ探してたんだよ! 見つかんなくて……なくしたかと思ってた……」 「……はは、よかったな」 乾いた笑いしか出なかった。 「……お気に入りって……覚えててくれたんだ……圭ちゃん」 「……………」 「せっかく、圭ちゃんが見つけてくれたんだし今日はこれ付けるよ……」 そう言うと魅音は俺の手からあの輪ゴムを取るとそのまま口にくわえた。 どくりと心臓が波打つ。魅音は付けていた髪留めを外した。ぱさりと髪の束が落ちていった。初めて魅音のストレートを見たような気がする。 「……詩音みたいでしょ」 「詩音みたいだな」 魅音の口の端の輪ゴムに心を魅入られた俺は、気の利いたこと一つさえ言えなかった。 「……よいしょっと……どう、圭ちゃん? 決まってる?」 俺が汚した輪ゴムが魅音の長い髪の毛をまとめていた。こくりと俺は首を振った。 「……へへっ……ありがと、圭ちゃん……」 fin -
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顔を洗った後もまだ眠気の残る眼を擦りながら、梨花は朝食の用意を始めていた。 彼女が寝不足気味なのには理由があった。 やかんをコンロに載せようと手を伸ばした時、突然背後から、ガバッと抱きかかえられる。 これこそが寝不足の元凶であった。 「…圭一。いきなりは危ないわよ。今朝ごはんの準備してるんだから、邪魔しちゃだめ」 つい一ヶ月前に苗字を変えたばかりの夫の名を困ったような声で呼ぶ。 「朝ごはんならもうここにあるじゃねぇか」 ニヤニヤと笑いながら圭一は梨花の腰を軽くポンポンと叩く。 「もう…ふざけないで。昨夜さんざん食べたでしょ?」 「梨花は昨夜自分の好きなようにたっぷり楽しんだから満腹かもしれないがなぁ…俺はもう腹が減ったぜ」 二人には少し変った習慣がある。夜の営みの前に簡単なゲームをして、どちらが主導権を握って、どんな内容にするのかを決めるのだ。 無論決定権は勝者にある。因みに、昨夜の勝者は梨花であった。 「一晩中俺の上に乗っかって、降りようともせず、乱れまくってもんなぁ…。滅茶苦茶可愛かったぜ」 「バ、バカッ…そんなこと…」 「それはそれでいいんだが…やっぱ旦那としてはこのままってわけにもいかねぇ」 「こんな朝から節操無さ過ぎ、幾らなんでもがっつきすぎよ」 「旦那が嫁さんにがっついて何が悪い」 付き合い始めて以来、梨花の成長を遂げるまで随分と長い事我慢を強いられてきた反動からか、新婚生活における圭一はまるで堤防が決壊してしまったかのような絶倫ぶりであった。 もっとも、何気にそれを平気で受け止めてしまっている梨花も大概ではあったが。 「悪くはないけど…ものには限度という…ひゃっあ!」 口を尖らせる梨花をあえて無視して、圭一は彼女のパジャマのズボンを引きおろしてしまう。 そのまま間髪入れずにショーツの中へと手を挿し入れて梨花の秘密の花園を荒らし始める。そう、かつては固い蕾だったそこも、今では花を咲かせていたのだ。 「んっ…あ…っくっあ…けーいちぃ、こんなところで…いやぁ」 「全然嫌じゃないだろ。場所なんて関係ないぜ。いやむしろ俺はこの方が燃えるっ!」 弄り始めて2分と経たないうちに、圭一の指は花園から溢れ出す蜜に塗れる。 梨花のショーツにたちまちシミが広がってゆく。―あぁもう…また一枚洗濯しないといけないじゃない。 右手で弄り続けながら、圭一は不意に腰に差していたあるものを左手で取り出して梨花の頭に乗せる。 「ちょっ…何よこれ?」 「やっぱ梨花にはコレだよなぁ、大人になってもよく似合うぜ」 彼が取り出したのは猫耳のカチューシャであった。 余談だが、昨夜は圭一が犬耳のカチューシャを付けさせられていたりする。 「昔みたいに、『みぃ~』って言ってくれたらもっといいんだけどなぁ」 「嫌よ、お断りよ。変態」 「男はみんな変態だ」 悪びれもせず、いやワザと芝居がかった風に変態っぽく笑う圭一。 荒らされて開ききった花園の入り口をこじ開けて指を侵入させる。 その一方で梨花の胸にある二つのさくらんぼの片方を摘みながら弄ぶ。 かなり固くなったさくらんぼであった。 「滅茶苦茶感じてるじゃねぇか。不思議だよな~梨花って」 「んはっ、な、なにがよっ!」 「昨夜みたいに俺を責めるのが大好きかと思えば、こうやって俺に責められるのも好きと見える。SとMどっちなんだ?」 「ふふっ、認めたくないけど、実はどっちも好きよ。責められるのも好きってのはちょっと不本意だけど…んっ…」 「梨花は本当に二つの顔があって楽しめるよなぁ。大人びた男勝りなとこと可愛い雌の仔猫みたいなとこ。付き合い始めた頃から、そんな所が堪らなかったぜ」 「んっ、あっはっ…圭一だって似たようなものでしょ?結局責めるのも責められるのもどっちも好きなくせに…そんなところもあるから飽きないけど」 「だな。つまり俺たちは相性が抜群に良いってこった!」 最早燃え上がった赤い炎を消すには一戦交えるしかないと観念した梨花は立ったまま目の前にうつ伏せになる。そして微かな声で「みぃ」と鳴いた。 頃合やよしと見た圭一は右手を梨花のショーツから引き抜くと、彼女の蜜を口で舐め取り、ズボンのポケットからコンドームを取り出した。 それを一旦口で咥えるとズボンとトランクスをセットで脱ぎ下ろし、初めてのときとは比べものにならないほど慣れた手つきでゴムを己が分身にかぶせる。 将来的には子作りに励む予定ではあるのだが、新婚一年目は夫婦水入らずで―――というのが二人の合意事項であった。 「さて、朝ごはんを食べるとするか。いただきます、梨花」 梨花のぐっしょりと濡れたショーツを下ろしながら、圭一は満面の笑みで囁く。 意図的に梨花の上着とエプロンは脱がさないまま。 「召し上がれ。でも朝ごはんなんだから、こってりし過ぎない程度にお願い」 「ん…くっ」 猫耳梨花の秘密の花園に己の分身を宛がった圭一は、そこを荒らすかのようにぐりぐりと侵入を開始する。 「ふぁ…あっ…んあぁあああっ!」 昨夜の逆襲の意図からか、圭一は容赦なく一気に貫いて突き上げる。 そして最初から一気にハイペースでピストンを開始した。 昨夜はずっと梨花のターンであり、彼女の成すがままでさほど動かさなかったので、圭一の腰は朝から絶好調であった。 「んっ、く、んふっ、んっ、あんっ」 圭一は激しく突きながら、腰から手を放すと、今度はエプロンと上着の上から梨花の胸を揉みしだく。 「ふぁあああ、そ、そこっ、あっ、いいっ」 「梨花は本当に胸を揉まれるのが好きだな」 付き合っていた頃から、圭一はよく梨花に胸を揉むようにせがまれたものである。 その甲斐あってか、十年前は絶望的といわれた梨花の胸は、巨乳には程遠いもののそこそこの美乳には育ったのだった。 「くっ、揉んだら急に締まったなっ、もう…くっ、イクっ、おっおおおっ!」 そのまま圭一は新妻の中で果てるのだった。 「ん…ふ…圭一、もういいでしょ?」 梨花は縋るように言うが、背後の圭一は一向に引き抜く様子が無い。 「…おかわり」 「ええっ?」 呆れた声を上げて振り返る梨花。 「やっぱ梨花の中は最高だぁ…胸揉んだ途端、すげえ締め付けだぜ。よし決めた。このまま朝食から食べ放題に変更!今日は日曜だし、いいだろ?」 「で、でも…今日は町会の集まりが…」 「今日くらいサボっちゃえ。先週まで綿流しの祭の準備に本番に後片付けに、古手家は大変だったんだからさ。今週は多めに見てもらおうぜ」 「そんな…あっ…」 圭一は分身を引き抜くと、ゴムを外して先端を軽く拭うと、新しいゴムをつける。 実に慣れた手つきであった。 「今日は確か園崎家が議長担当だったな。じゃあ連絡はしとこう」 そのまま梨花を電話台まで引っ張ると、ナニを思ったかその場で梨花の背後から挿入をし始める。 「あ、ん、け、圭一っ?」 面食らった梨花は振り返って抗議の声を上げるが、圭一は意に介さず受話器を取って肩に置くと、園崎家の電話番号をプッシュする。 梨花と一体になったまま、圭一は何事も無いかのように通話を始める。 「もしもし…古手です。くっ…そ、園崎さんは…おう、魅音か。今日の町会の議題ってなんだっけ?」 自分が『古手』と名乗った時、何故か圭一は梨花の膣がきゅっと締まるのを感じて軽く呻き声をあげる。 まだ新婚一ヶ月で、前原から古手に苗字が変わって間もない。 梨花は、圭一が『古手』と名乗った時、改めて彼の全てを手に入れたことを実感して感じてしまったのだった。 圭一は右手で受話器を持ち、左手は梨花の腰を抱えて放すまいとする。 下手に喘ぎ声を上げたら電話の向こうの魅音にも聞こえかねない。 梨花は歯を食いしばりながら、掌で口を覆う。 「あぁ、市主催の慰安旅行の打ち合わせと高速道路誘致問題か。じゃあ、古手家は園崎家に一任するわ、今日は園崎家が議長担当だろ?なので古手家は今日二人とも体調不良で欠席するんでよろしくっ…俺、どうも夏風邪ひいたらしいんだ。梨花も月一のアレで、な」 電話の向こうで魅音が何か言い返しているようだった。 「…え、何?頭首本人の委任と了承だぁ?…よし代わるぞ」 そう言って圭一は、受話器を目の前で必死に悦楽に耐えている梨花に差し出す。 梨花は恨めしそうに睨み返しながら、それを受け取るのだった。 圭一が頭首になるのは神事の修行が終えるの来年以降なので、現状ではまだ梨花が頭首である。 「……お、お電話代わりましたので…す。きょう…は、お月様で体調が…優れないので、欠席しますです。古手家頭首は、園崎家頭首の議案に賛成しますです」 後ろの夫と合体したまま、梨花は辛うじて用件を伝えた。 「…これで良いか?すまん、…先週までうちは綿流しの祭で立て込んでた上に、梨花がアレだったからな。この借りは返す、じゃあな」 電話を投げるように置いた圭一は、にんまりと笑う。そして再び突き上げ始める。 「これで、今日は一日フリーだな。古手家だけで一週間遅れの祭打ち上げだ、バンバンいくぜ!」 「あっ、あん、…んもうっ、みんなにどう思われてもしらないから!」 TIPSを入手しました
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「ねーねっ! 何してますの?」 沙都子が突然、飛びついてきた。 私は、慌てず騒がずノートを閉じる。 「ねーねー、漫画描けますの? すごいですわ!」 解ってる。 沙都子は私を褒めに、ここに来たんじゃない。 私と沙都子は、私がこっちに泊まっている時限定で、 昔の北条家に住み着いている。 時々は掃除しておかないと、悟史くんが帰ったときにびっくりするからだ。 「ねぇ……ねーねー、今日は……その……」 「なぁに? 沙都子?」 褒めに来たのではない沙都子が望むことは一つだけ。 それを知っていても、私は意地悪をしてその言葉を言ってあげない。 「マッサージ、今日もするんですわよね?」 「ん、もうそんな時間ですか」 時計が九時を指した時は、マッサージの開始の時間だ。 今日はもう、九時半。 沙都子が痺れを切らして、こっちに来たのだ。 「でもねぇ、沙都子? ねーねーがお仕事をしているときは、 沙都子の部屋で一人でマッサージしときなさいって言ってるでしょ?」 「一人でするのは……さみしいんですの」 沙都子があからさまに悲しそうな顔をする。 昔、私に見せてくれる表情は限られていたのに、 今の沙都子は全ての表情を見せてくれるのだ。 「わかりました、沙都子。じゃ、服を脱いでください」 「わかりましたわ! お待ちくださいませ!」 沙都子が、慌てて服を脱ぎ始める。 単純でかわいい子だ。 沙都子の、うらやましいぐらいのピンクと肌色の部分が露になる。 あと数年もしたら、全男子が羨望のまなざしで見るようになるんだろう。 今の沙都子の胸は、私が沙都子の時ぐらいの胸より大きかった。 「あの……ねーねっ、脱ぎましたわ」 「うん、よし。じゃ、私も脱ぎます」 私はわざと、そろそろと服を脱いでいく。 沙都子が、それをじれったく感じたのか、 手伝いますと言って一緒になって服を脱がしにかかってくれた。 それが逆に遠回りになるということを、 沙都子はいつ気がつくだろうか。 「ね、ねーねっ、してくださいまし、してくださいましっ!」 沙都子のぴったりと閉じた桜色の部分は、 雨が降った後より酷いことになっていた。 「だーめ、沙都子。まず上から順番ですよ」 「はやくはやくぅ」 本当にうれしそうな顔をする沙都子を見て、 私の顔もほころんでいく。 「あ、んぅ……にゅ、にゅう……」 「ふふ、沙都子、にゅうってなんです?」 まずは首筋から。 軽く揉んでやる。 「な、なんでもありませんわ」 私が手を触れている間、 沙都子は自分の体を触れてはいけないことになっている。 それが、「マッサージ」のルールだった。 「さ、最近胸が苦しいんですの、 胸のあたりを重点的にお願いしてもよろしい?」 「どう苦しいんですか?」 「あの、その……張って、苦しいんですの」 「だから、どう苦しいんですか?」 えーと、えーと…… そう言いながら、必死に言葉を搾り出そうとする沙都子がいとおしい。 国語のお勉強だ。 この前、沙都子が必死に国語辞典を読んでいたのは、 こういう時のためだったんだと思って、 さらに胸がきゅんとなった。 「ち、乳首ですの……乳首が、ツンってなって、それで、 えーっと、その……苦しいんですの、ねぇねっ! ねーねっ!」 沙都子が泣きそうな顔をする。 全部の顔を見せて欲しい。 だから私は、これだけ考えてペース配分をしているのだ。 沙都子の嘘偽りの一切無い瞳が、 私の目をのぞく。 「ん、いいですよ、沙都子。合格です」 私は、沙都子の豊満になりつつ胸に吸い付いた。 空いた方の胸の突起は、指でつまんでやる。 「ねぇ、あふぅ、ねっ! 指は、ゆびはぁああっ、だ、ダメですの、 苦しいんですのっ! ねーねぇ……あううぅ、ぐすっ…… うわぁあああん、ねぇね、ねぇねっ!」 沙都子が、私の太ももに自分の股をこすりつけてくる。 そろそろ股の方にも、指が入るだろうか? いいや、まだまだ。 沙都子は大事に大事に、扱わなければいけない。 「沙都子、こっちにお尻を向けて?」 「やたっ、ねぇね、大好き!」 沙都子がこちらにお尻を向けて、 太ももをこすり合わせながら揺らせた。 その姿が、たまらなく愛らしかった。 私は、ベッドの傍らに置いてあるローションを少し指にぬり、 それで沙都子の後ろの穴に軽く触れる。 「ひゃぅっ!」 沙都子の体が跳ねた。 沙都子はいつも、自分で腸内洗浄をしている。 私に、これをしてもらうために。 ちょっとぐらい、ごほうびあげてもいいかなと、 私の中のSの毛が告げる。 私は舌を尖らせ、沙都子の穴に突き入れた。 「い、いつもと違いますのっ! 怖い、ねぇねっ! 怖いよぉっ!」 沙都子は自分のお尻をぎゅっと握った。 赤くなって跡がつきそうなほどに…… 「んっ、沙都子、ちょっとおとなしくして」 私はどうしても暴れてしまう沙都子を止めるため、 両手で腰に触れた。 その瞬間だった。 「んはっああっ! あ、あ、ああ、あ、ぁ、ぁ、ぁ……ぁ……ァァァ……ァ」 沙都子は大きく体をえびぞりにし、 くたっと脱力させた。 髪飾りもはずれ、沙都子の髪が前に流れる。 恍惚とした表情の沙都子は、 何も喋らずただ息をしていた。 「沙都子、皆にはナイショですよ? それに、男の人にこんな姿、見せちゃいけませんよ?」 「うん、ねぇ……ねぇ……」 沙都子は、信じられないほどに性の知識に乏しかった。 私は沙都子に性の知識を教え込む必要性を感じた。 許せないことに、強姦というのは、 こういう何も知らない子供を狙って起こる時もあるのだ。 もし沙都子がそんな目にあったら、 私はその相手を必ず見つけ出し、 死ぬより辛い目に会わせる必要がある。 だから、それを未然に防ぐための教育が、そもそものはじまりだった。 最初マッサージとして教えたそれは、 沙都子に不快感を覚えてもらうのが目的だった。 人に裸を見せるというのは、恥ずかしい行為なんですよと、 ちゃんと教えてあげないといけないし、 性器はきちんと洗っておかないと、 病気になってしまう。 それに、沙都子は下着の付け方を知らなかった。 母親が居ないからだ。 そうやって、諸々のことを覚えさせているうちに、 沙都子がMであること、私がSであることを、 私は知ってしまった。 不快感はそのまま、沙都子の快感になってしまったのだ。 「本当はダメなんですけど……ま、沙都子が喜ぶなら、 いいかな……」 私は、沙都子の寝顔にキスをして、 前原のおじさんに渡す原稿の続きを描くことにした。 「あ、この漫画の主人公、悟史君に似てる…… こっちの妹役も……沙都子だし、最低だな、私」 そういいつつも、にやにやと原稿を書いてる私に、 どうか神様、罰をください。 見えない何かに怯える夜 ―完―
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2007/12/17(月)投稿 「わかりました・・・・・・私もレナさんたちと一緒に沙都子を救います」 あの日、綿流しの祭の数日前、私はあの二人と結託した。沙都子を救うために、あの男─北条鉄平を三人で殺害する。 夕暮れのゴミ山で、レナさんと圭ちゃんは私に鉄平の殺害計画を打ち明けた。村の大人たちは沙都子を助けようとはしないらしい。村の筆頭頭首の代行である園崎魅音はあからさまな諦念を携えている。頭首がその気になれば造作もないことであろうこと。しかしながら、その力を使おうとはしない。北条家との確執やダム戦争の過去が関係しているからだ。 下手に動けば村の信頼を失墜させてしまう。そういう類の考えがお姉にそうさせているのだろう。 やはりあいつは自分の仲間より村の目を優先させる卑しい人間なのだ。 そんな中、レナさんと圭ちゃんの計画を聞かされた。八方塞りに陥ったレナさんと圭ちゃんは恐らく最後の手段としてそれに行き着いたのだろう。その計画を頭の中で色々と算段した。 あらゆる可能性を脳内で分析していく。しばしの逡巡の後、私はレナさんたちの計画に同意した。 『詩音、以前、お前は悟史の妹の沙都子を気に留めているって言ってくれたよな。それは俺とレナも同じことだ。だからお前にこのことを話した。色々沙都子を救うために手を尽くしてきたけど、もうこれしかないんだ。詩音、俺たちと一緒に沙都子を救おう』 沙都子のために今まで奔走してきた圭ちゃんの目には悲壮な決意に満ちていたような気がする。 でも、その後ろでたたずんでいたレナさんは静かにじっと私を見つめていた。感情の読めない目で。 私は一旦、本家に戻った。色々と着替えや支度をするためだ。 その日の夜、私は前原屋敷に足を運んだ。聞くと、鉄平を殺すための計画を圭ちゃんの家で練るらしい。 様々な意見と知恵を出し合う。そのほとんどが二人から出されたものだったのだが。 数時間後、私たちは計画の概要を練り終え見直しの作業に入った。 『よし、まず先立って鉄平の行動確認から入っていく。事前に・・・・・・』 私は圭ちゃんの部屋にあった時計を見る。そして圭ちゃんが説明を開始した時だった。 ジリリリリと電子音が階下から鳴り響いた。電話の着信だ。 『悪い、ちょっとでて来る。少し待っといてくれ』 話を中断した圭ちゃんが部屋を離れ、私はレナさんと二人きりになった。 少しの静寂の後にレナさんが口を開いた。 「ねえ詩ぃちゃん・・・・・・圭一くん、誰と話してるんだろうね・・・・・・」 「えっ・・・・・・誰って、今の電話ですか?」 いきなり電話のことを切り出されて私は困惑した。 「そう・・・・・・今の電話」 ただの電話のはずだ・・・・・・なのに何を? 「今の時間ですからね・・・・・・そうですね・・・・・・きっと外出してる圭ちゃんの親御さんからじゃないですか。かわいい息子が一人で留守番してるんですから」 私は気にもかけずにそう答えた。 「そう・・・・・・だったらいいね・・・・・・」 レナさんはうつむき加減で答え、さらに付け加えた。 「レナはね、圭一くんがね、今誰かと繋がってこの計画を暴露しているんじゃないかって思ったの・・・・・・もしかしたらとは思うけど、レナたちを裏切ろうとして・・・・・・」 そんなバカな・・・・・・裏切りだと? 一瞬心臓が大きく高鳴る。 「レナさんそんなの考えすぎですよ。いきなりかかってきた電話でそこまで飛躍した話にまで発展しないですって」 とりあえず計画を立てた本人が裏切ることなどありえない話だ。それ以前に圭ちゃんは沙都子を救おうために私たち以上に尽力していたではないか。 「でもね詩ぃちゃん、埋伏の毒って言葉があるんだよ・・・・・圭一くんがそれを考えていたとしても・・・・・・不思議じゃないんじゃないかな・・・・・・」 「でも・・・・・・」 胸の鼓動がさらに高鳴っていくのを私は感じた。 そのときだった。階下から足音が聞こえ部屋のドアが開いた。 「圭ちゃん・・・・・・」 圭ちゃんはすぐに戻ってきた。こんなにも短い時間の電話ならレナさんは圭ちゃんを疑うことは無いはずだ。安堵感が私を包んだ。 圭ちゃんはそんなこと考える人じゃない・・・・・・ 『詩音、魅音からだ。代わってくれだってさ』 ・・・・・・お姉から・・・・・・? 私は部屋を後にし、受話器を取った。 「・・・・・・もしもし、お姉?」 私のお姉からの電話の内容はこうだった。二人は何か隠し事をしてないか、圭ちゃんのうちでこんな時間まで何をしているのか・・・・・・私たちの最近の動向を事細かに聞いてきた。 長々と話していると上にいる二人に怪しまれてしまうかもしれない。 適当な返事で姉をあしらった後に電話を切った。結構時間を食ってしまったようだ。 急ぎ足で二階へ上がった。 部屋のドアの前で立ち止まり、私は深く息を吸った後ドアを開いた。 「ごめんなさい、レナさんに圭ちゃん。お待たせしま・・・・・・」 部屋の空気が私の言葉を止めた。刺されるような空気が私を支配する。部屋を出るときに感じていた雰囲気は跡形も無く消え去っていた。 「ねえ詩ぃちゃん・・・・・・魅ぃちゃんから何の電話だったの?」 そんな不穏な空気の中、レナさんが私に問いかけてきた。 「べっ、別に大それたことじゃないですよ。私が今どこでほっつき歩いているのか、聞いてきただけです。遅くなるんなら連絡ぐらいしろって」 私はかぶりを被った。まさかあいつからの電話程度でこの計画が滞るなんてことは無い。 そんな安易な考えが私にそうさせたのだろう。 「・・・・・・そう。ただの所在確認だったんだね・・・・・・」 レナさんは何か私を試すような口調で静かに言った。 「でも、どうして詩ぃちゃんが圭一くんの家にいるなんてわかったのかな・・・・・・詩ぃちゃんめったに圭一くんの家になんか行かないのに」 私はレナさんから何か禍々しい物を突きつけられているような気がした。 それがただの杞憂であることを望みながら答えた。 「お姉はまず私のアパートに電話を掛けたんですよ。留守だと分かってそれから色々私がいそうな場所を探っていったんですよ。まったくお節介なおね・・・・・・」 『嘘だろ』 圭ちゃんの抑揚の無い声が響いた。突然の圭ちゃんの発言に私は身をこわばらせた。 圭ちゃん、それは一体どういうこと・・・・・・? 『・・・・・・あのな、詩音。魅音はお前が俺の家にいることを一発で感付いていたぜ。何でそれを魅音が知ってたかわからねえが・・・・・・さっき魅音から聞いたから間違いない。詩音・・・・・・なんでお前、今嘘付いたんだよ・・・・・・』 墓穴を掘っていた。レナさんと圭ちゃんを心配させまいと思ってやった行為が裏目に出たのだ。 まさかあいつ・・・・・・圭ちゃんに既に私の行動を話していたのか? 出過ぎた真似をした自分の姉といまさらになって気がついた鈍い自分を恨む。 「ねえ詩ちゃん・・・・・・どうして嘘つくのかな・・・・・・もしかして、魅ぃちゃんと組んでレナ達を裏切ろうとしてたの?」 キッとした鋭い表情が私を襲った。その時のレナさんの目は恐ろしかった。頭首の目、あの鷹のような鋭い突くような目とは種類が根本的に違う・・・・・・レナさんのはそんな目じゃなかった。 冷凍庫でできた氷のようにくぐもった目。冷たくて、もっとおぞましい何かが取り憑いていた。 「・・・・・・っ!・・・・・・っは・・・・・・・・・・・・」 声など出なかった。レナさんの目に魅入られてしまったのだろうか、私の声帯は固まってしまっていた。 瞳を動かして圭ちゃんに助けを求める。でも無駄だった。 圭ちゃんも強い疑心暗鬼の目で私を見つめていたから。 「ねえ詩ぃちゃん、どうして答えないの? 質問は沈黙で返せって学校で習っちゃったのかな?・・・・・・ねえ答えなよ。詩ぃちゃん・・・・・・」 「そ、そんな、違う・・・・・・私は・・・・・・ただ心配・・・・・・かけないように、レナ・・・・・・さんと圭ちゃんに・・・・・・」 私は絞り出すように弁解した。裏切ろうだなんて気持ちを表に出したわけではない。 ただ理解してもらおうと必死になったが、私から出てきた言葉はそれだけだった。 「白々しいんだよ!! 園崎詩音!」 「・・・・・・!!!!」 激しい言葉を突きつけられて、頭を殴られたような感じを覚えた。初め、圭ちゃんから発せられた罵声だと思った。 違っていた。目の前にいる激昂したレナさんから発せられたものだった。 それに気づくのに少し時間がかかった。 恐い・・・・・・体の震えがさっきから止まらない。ここから逃げたい・・・・・・逃げないと私の身が・・・・・・ 私は自然と後ずさりをしていた。蛇に睨まれた蛙はこんな心境なのだろうか。自分の本能が逃げることを優先させている。 「・・・・・・え!?」 私の背中が何かにぶつかった。直後、私は自分の後ろにいる何かに拘束された。 背中にぬくもりを感じる。見ると私の両脇からぬっと筋骨の深い腕が出てきていた。圭ちゃんだ。 圭ちゃんが私を捕まえている・・・・・・? 「ちょ、ちょっと圭ちゃん?!な、何を? 離してください!!」 必死になって振りほどこうとしたが相手は男だ。羽交い絞めにされた私は圭ちゃんによって完全に動きを封じられた。 『詩音どうして逃げるんだよ・・・・・・やっぱりお前、俺たちを売ろうとしてたのか? レナの言うとおりに』 「そうだよ圭一くん。その女はレナ達を謀って裏切ろうとしたんだよ。沙都子ちゃんなんてどうでもいいんだよ・・・・・・村の汚い大人たちとおんなじ・・・・・・」 沙都子のことを引き合いに出され、私は必死になって答えを探した。 「そんな・・・・・・!違います!私は本気で沙都子を救おうと・・・・・・」 「詩ぃちゃん・・・・・・いまさらだよ、そんなの・・・・・・」 沙都子が心配なのは紛れも無い私の本心の一つ。 「沙都子を救えるなら命だって惜しくない!沙都子は私の大切な・・・・・・仲間だから!・・・・・・だから私を信じてください。レナさんを裏切るなんて毛頭無い・・・・・・!」 沙都子の笑顔が脳裏に浮かんだ。体の震えが止まっていく。 そうだ。これは沙都子のためでもあるのだ・・・・・・ しばしの逡巡の後にレナさんは答えた。 「そう・・・・・・でも言葉だけじゃ何とでも言える」 レナさんはゆっくりと私に近づきながら続けた。 「だからね、詩ぃちゃん。あなたが本当にレナたちを裏切らないか・・・・・・」 目の前に来た。 「詩ぃちゃんを・・・・・・尋問させてもらうよ」 あのおぞましい目が私の数センチ前まで近づいていた。私はまたもやレナさんの目に魅入られた。 覚悟を決めて私はゆっくりとうなずいた。 「大丈夫・・・・・・痛くなんかしないから・・・・・圭一くん。圭一くんも手伝って・・・・・・」 痛くなんかしない・・・・・・ その言葉が脳裏にこびりついた。私の体の自由を奪ったまま圭ちゃんは言った。 『詩音、お前の疑いを晴らすための尋問だ・・・・・・悪く思うなよ』 えっ?何なの・・・・・・尋問?尋問て何を私に・・・・・・? 私の頭の中で様々な事が渦巻いていく・・・・・・でもみんなを救うためだ。どんな尋問でも今、私にかけられた疑いの念を晴らす・・・・・・最初はそんな気持ちが私の中にあった。 いったん圭ちゃんが私から離れた。圭ちゃんは部屋に備え付けられた棚の中から何かを 探しているようだった。 ガチャガチャと棚を引っ掻き回す圭ちゃん。 『確かこの辺に・・・・・・あった』 圭ちゃんが取り出したものは二組のはちまきのような細長い布だった。 「圭ちゃん・・・・・・それで何を?」 圭ちゃんではなくて、レナさんが横から答えた。 「今から詩ぃちゃんに目隠しと両手の拘束をさせてもらう・・・・・・尋問をしやすくするためにね」 目隠し・・・・・・?拘束? そんなものが今から必要なのか? ・・・・・・私は今から何をされるのだ? そう考えている間に私の視界は奪われた。直後に後ろ手を縛られていく。暗闇に晒されて、私の息遣いや鼓動がはっきりと聞こえてくるようになった。視覚が奪われた分、他の感覚が鋭利になったのだろう。 レナさんの声がふいに目の前から聞こえた。 「いい? じゃあ、始めるよ」 目の前にレナさんの気配。恐らく私と向かい合う形になったのだろう。 息を呑んでレナさんの言う『尋問』に備えた。 「まず、詩ぃちゃんは魅ぃちゃんと繫っているの?」 「・・・・・・いいえ。そんなことは絶対ありません」 視界を奪われつつも、レナさんの質問に私は潔白を持って素直に答えた。質問の内容の大半は私が裏切り工作を行っていないかについてだった。しかしながら・・・・・・今までのレナさんからの問いかけはただの質問だ。【尋問】と聞かされていたので私は少し拍子抜けしてしまっていた。 「そう・・・・・・詩ぃちゃん。レナたちを裏切ったりはしてないんだね」 「当たり前です。そんなバカげたことをするわけないじゃないですか」 良かった・・・・・・この調子なら身の潔白はすぐに証明できそう・・・・・・こんなのなら目隠しも拘束も必要なかったのに・・・・・・ 私が胸を撫で下ろした、その瞬間だった。 「んん!!? ちょっと・・・・・・レ、レナ・・・・・・さん! な、何を・・・・・・」 私の胸がいきなりぎゅうっと鷲摑みにされていた。視界を奪われていたので、完全に虚を突かれた。 レナさんに届いたのではないか思うほど心臓が高鳴った。まるで心臓を直に掴まれたのではないかと感じたぐらいだ。 「ねえ詩ぃちゃん・・・・・・詩ぃちゃんおっぱい大きいよね・・・・・・魅ぃちゃんとどっちがおっぱい大きいの?」 「んくっ・・・・・・!レ、ナさん? ・・・・・・いきなり何を・・・・・・?」 レナさんの急な行為に思わずたじろぐ。自分の胸の形が変わるほど掴んでいるだろうレナさんの手を振りほどこうと試みるが、両手が使えずただ弱々しく体を揺り動かすことしかできない。 「どっちがおっぱい大きいの?」 「うぅぅ・・・・・・そ、そんなのわかりっこないです・・・・・・は、離して・・・・・・」 掴む力を強めたレナさんに言う。掴まれた私の胸から痛痒いような感覚が全身に送られてきた。 『ちぇ、分からないのかよ。どっちがでかいか、知りたかったんだけどな・・・・・・』 私の側面の方向から圭ちゃんの声が聞こえた。 そんな・・・・・・圭ちゃんがそんなデリカシーのないことを言うなんて・・・・・・ 確かに私は胸が他人よりも大きいという自負はあった。やはり私たち姉妹は巨乳であると見られていたのか・・・・・・改めてそういう目で他人から見られていたことを私は認識した。 「ふーん、分かんないんだ・・・・・・二人の胸のサイズが分かれば、もし詩ぃちゃんと魅ぃちゃんが入れ替わっても見抜けると思ったんだけどなあ・・・・・・」 入れ替わる・・・・・・まさか・・・・・・? 「詩ぃちゃんたち双子が入れ替わってレナたちに近づいて来たとしたら、正直区別付かないしね・・・・・・詩ぃちゃんが魅ぃちゃんと組んでたら絶対入れ替わりを使ってレナたちに近づいてくるはずだもの」 まさか、レナさんは既に私が組んでいると考えているのか・・・・・・? 違う!そんなこと考えるはずは無い! 私たち姉妹はそもそも、それほど仲は良くなかった。以前の私の言動からレナさんたちだってその事を知っているはずだ。心の通じないような姉妹が入れ替わり起こそうなんて普通の人なら考えない。 「だからね詩ぃちゃん、もし詩ぃちゃんが入れ替わったとしてもそれが見抜けるようにする。詩ぃちゃんの体を今から覚えさせてもらうからね・・・・・・」 目隠しを隔てた向こう側でレナさんが厭らしく笑ったような気がした。 「おっぱいのサイズは判らないって言ったから・・・・・・どうしようかなあ」 「・・・・・・んんぁ!!」 今度は逆のほうの胸を掴まれ思わず声が漏れる。視界を奪われているため、レナさんの行動が全く予測できない。心臓が激しく脈打ち、とどまろうとしない。 「ふふっ、どうしたの・・・・・・?・・・・・・じゃあ、まず、においからいこうかな・・・・・・」 えっ・・・・・・今なんて・・・・・・? 「んっ?!な、何してるんですか!レナさん!?」 私の二の腕と体の間に何かバレーボール大の何かがぞわっと入り込んできた。さらさらっとした髪の毛の感触とわずかな頭髪のにおいを覚え、それがレナさんの頭だとわかった。 「わからない?今から・・・・・・詩ぃちゃんのにおいを覚えるの・・・・・・詩ぃちゃんの腋のね」 嘘でしょ・・・・・・私の・・・・・・腋の? 信じられないレナさんの行動に思考が止まりそうになる。 「あれ・・・・・・詩ぃちゃん、セーターのところに染みが出来てるよ・・・・・・どうしたの・・・・・・そんなに緊張しなくてもいいのに」 着ていたサマーセーターの裾にできた汗染みを指摘され、私の頬がみるみる上気していくのがわかる。極度の緊張がそれを形作ったのだろう。 「レ、レナさん! ・・・・・・そんなところを・・・・・・やめてくださ、んんくぅっ!!」 「はぁ・・・・・・すごい、誌ぃちゃんの・・・・・・はあぁ・・・・・・においがする・・・・・・くぅぅん」 躊躇無くレナさんは私の・・・・・・腋を嗅ぎだした。何度もくんくんと鼻を鳴らすような声が聞こえてくる。こんな姿をそばにいる圭ちゃんはどう思ってるんだろう。その行為に私の耳が真っ赤になっていくのが分かる。 「んん!!・・・・・・レナさん、そんなの・・・・・・駄目だから・・・・・・ぅううん!!!」 信じられないことだったが、さらにレナさんはついに私の腋に顔を押し付けて直接嗅ぎ始めた。 同時にそこからじわっとした感じがあった。レナさんは私の汗染みのところを直接、唇と舌で舐め取り始めていたからだ。まるで発情した犬のような荒い息遣いとレナさんの生暖かい唾液が私の腋から感じられた。目隠しをされているためその息遣いがより鮮明に聞こえてくる。 「い、いやぁぁあ・・・・・・もう・・・・・・あう・・・止め・・・て・・・・・・っくうう!!」 自分の腋という部分が自分とそう年端の変わらない少女に責められている。非現実的でインモラルな光景が私の脳裏で再生されていった。 『なんかすげえことになってんな・・・・・・どうだよレナ、詩音のにおいと味とやらは?』 事を静観していた圭ちゃんは私が知りたくも無い様なことをレナさんに聞いてきた・・・・・・ その言葉に触発されたのか、レナさんは私への責め苦をようやく止めて圭ちゃんの問いかけに答えた。 「詩ぃちゃんのはね・・・・・・なんか少しだけ濃い気がする。私たちよりも。でも、ちょっとだけ香水っぽい香りがした。・・・・・・そうだね・・・・・・これは多分、ウッディ系の香木の香り。詩ぃちゃんは都会の興宮に住んでるからちょっと意識してるのかも」 当たりだった。このとき私は香水を付けていた。種類まで当てられるとは・・・・・・ このレナという少女はいったい何なのだ? 初めて出会った頃は純情そうな少女としか認識していなかった。しかし時間が経つにつれ、ときおり見せる何者も圧倒するような冷たい瞳と年下とは思えないほどの鋭い観察力は形容しがたいほどの強列な印象を刻み付けてくる。 やっと解放された私は鼓動を抑えようと深呼吸を繰り返す。 これで・・・・・・終わるのか・・・・・・? 「まだだよ。詩ぃちゃん」 私の考えを見透かしたようにレナさんの声が飛んできた。 「こんなんで終わるなんて虫が良すぎるよ、詩ぃちゃん。もっと覚えさせてもらうよ・・・・・・詩ぃちゃんの体」 まだ足りないの? 次はどこを・・・・・・責められるの? 「つ、次は何を・・・・・・ひゃあん!?」 「あはは、どうしたの詩ぃちゃん? ちょっと詩ぃちゃんの膝を触っただけなのに・・・・・・」 今度は頬を触られた。目隠しをされているためどこを触られようとしているのかまったくわからない。そのため急に体を触れられてしまうと、その度に体がぴくりと反応してしまうのだ。さらに先の責めで敏感になった私の触覚がそれに拍車を掛けていた。 「すっごーい! 詩ぃちゃん触られただけでお魚さんみたいにビクンビクンしてるよ。圭一くんも触ってみてごらん」 『本当だ・・・・・・なんか全身性感帯て感じだな』 まるで新しいおもちゃに戯れるかのように二人は私の体をもてあそんだ。 「ちょっ、ちょっと、やだ! ふ、ふざけないでください」 着ている服から柔肌が露出した部分。太ももを肘を手の甲をうなじを唇を触られる。 目隠しというものはこうも体を敏感にしてしまうものなのか。触れられるたびに私は無様に体をくねらせた。 「ふふふ・・・・・・じゃあおふざけもこれくらいにしといて・・・・・・」 「・・・・・・!?駄目です!!そ、そこは・・・・・・!!」 ついにというか予想通りというか・・・・・・レナさんはスカートの中に探りを入れてきた。 「んんん!!そんなとこ・・・・・・触っちゃ・・・・・・だめ・・・・・・」 私は自由の利く両足に力を込めレナさんの侵入を防ごうとした。 「ちょっと詩ぃちゃん、力抜いて・・・・・・そう・・・・・・どうしても嫌なんだ・・・・・・圭一くん!」 レナさんが圭ちゃんを呼んだ。 「詩ぃちゃんの足、開かせて」 『ああ、わかった』 圭ちゃんの気配が私の後ろに感じられた。回り込まれたようだ。 「!?圭ちゃん!!!嫌だ!離してください!!」 両足の膝のところに圭ちゃんの腕が回され、そのまま両足を担ぎ上げられた。もちろんそれに抗おうとしたが、所詮、男と女、そして私の両手は縛られている。敵うはずも無かった。 そのまま秘所を晒された。私の中で羞恥心が波となって押し寄せてきた。頭のてっぺんから足の指先までジンジンするような熱い血の流れを感じる。無意識に私の体が熱くそして息も荒くなっていく。 「くすくす、いい格好だね、詩ぃちゃん。丸見えだよ・・・・・・緑色のパンツかあ、ちょっと予想外だったな」 視界の無い私に教えるようにレナさんは私に言った。自分の下着の色まで暴露されるという恥辱が私の心を襲う。 後ろにいる圭ちゃんにも聞こえたはずだ。私の動きを封じている圭ちゃんから少し荒くてぬるい吐息を感じる。首筋にわずかにかかりくすぐったい。 そしてまたレナさんの責めが始まった。 「ぅぅうん!!レ・・・・・・ナ、ん、んん!そんな・・・・・・汚い・・・・・・ところ」 「すううう・・・・・・はあぁ・・・・・・いいよ、詩ぃちゃん。一層においが濃くなって・・・・・・すううう」 私のパンツ越しに大きな温かい塊が押し付けられている。レナさんの顔だというのは言うまでも無い。レナさんはさらに私のにおいを覚えようと秘所に顔をうずめているのだ。 レナさんの息と押し付けている鼻の感触が感じられてじわじわと下半身が熱く湿っていく。 「あれ・・・・・・詩ぃちゃん。なんかこっちも染みが出てきたよ・・・・・・これはなんなのかな?」 ・・・・・嘘! 染みが出来るまで感じちゃっていたのか・・・・・・? こんな状況で? 「そんな・・・・・・じょ、冗談・・・・・・そ、れはレナ・・・・・・さんの、唾じゃあ・・・・・・?」 「違うよ。レナの唾じゃない。詩ぃちゃんから出てきたんだよ・・・・・・確かめてみる?」 確かめるという真意を読み取れずに困惑していた私に、さらなる辱めが襲う。 自分の腰にレナさんの両手がかかるとそのまま私のパンツを脱がしにかかったからだ。 「だ、だめ!!レ、レナさん・・・・・・!!」 抵抗しようとするも両手は縛られ、足の自由は利かない。するりとパンツを抜かれ直接秘所を晒されてしまう。 さらなる責めが行われると予感し、目隠しをされているにも関わらずぎゅっと目をつむる。 「・・・・・・・・・・・・・・・」 しかし、誰の声もしなかった。ただ鼻で必死に何かをすんっと吸っているような音だけが私の暗闇の中で聞こえていた。 何をしているのだろう・・・・・・? 「詩ぃちゃんのパンツ・・・・・・すごい、いいにおい・・・・・・特に染みの部分から強くにおってきて・・・・・・」 ま・・・・・・さか・・・・・・ 「レ・・・・・・ナさん?何をいったい・・・・・・?」 「うふふ・・・・・・詩ぃちゃんの生パンのにおい嗅いでるんだよ・・・・・・はぁぁ・・・・・・いい・・・・・・」 「嘘、でしょ・・・・・・なんて・・・・・・・・・・・・」 自分の履いていたパンツを嗅がれるという変態的な行為を私の目の前でやられた。しかも女の子に・・・・・・ 「ほら・・・・・・これが詩ぃちゃんの出した染みだよ・・・・・・て言っても見えないか・・・・・・圭一くん見えるでしょ?」 「ああ。本当だな・・・・・・薄緑のパンツが染みの部分だけ濃くなってるぜ・・・・・・詩音」 ・・・・・・私はこんな異常な下で感じてしまっていたのか・・・・・・? 「ほら詩ぃちゃん。これだけ近づければわかる? 見える? ・・・・・・ねえ詩ぃちゃん!」 そう言うとレナさんは私の顔に私の脱いだパンツを押し付けてきた。 「んんん! やだ! やめてください!!」 無理やり押し付けられる生暖かいそれに対して、私は顔を捻って遠ざけることしかできない。 レナさんは私の唇や鼻腔の中にそれを無理に押し込もうとする。私への行為に満足したのか、レナさんが笑いながらつぶやいた。 「ふふふふ・・・・・・これで詩ぃちゃんにも分かってもらえたよね・・・・・・じゃあ今度は・・・・・・」 私の秘所にレナさんの指が触れた。慣れることができず、また体を震わせてしまう。そんなことに構うことなくレナさんの指に力が入り、私の秘所をぐっと押し広げてきた。 「びしょびしょだよ・・・・・・詩ぃちゃん。ただ尋問してるだけなのに感じちゃったのかな・・・・・・」 レナさんの嘲笑めいた声が聞こえてきた。 「ここの味も確かめないとね・・・・・・最後に」 「はぁ・・・・・・はぁ、レナ・・・・・・さん・・・・・・やめ・・・・・・!!んはぁぁああぁん!!」 押し広げられた秘所にレナさんの下が躊躇無く進入してきた。生温く蠢くような舌使いに私の秘所はアイスのようにとろけていく。 「んはぁ・・・・・・すごい・・・・・・もっと味が濃いのが出てきてる・・・・・・ん、ん、ん!」 「いや!! 止めて・・・・・・動かしちゃ・・・・・・ぁぁあん・・・・・・レナ・・・・・・さ・・・・・・!!」 私と変わらないぐらい息の荒いレナさんは首を上下させている。ピストン運動のようにして舌を私の膣内に押し込んできた。まだ十代半ばの少女から受ける信じられないような激しい愛撫に私の脳は霞掛かったように麻痺していく。 「もっと・・・・・・もっとだよ詩ぃちゃん・・・・・・!もっと詩ぃちゃんを・・・・・・覚えるから・・・・・・!」 私の様子など歯牙にも掛けずに私を犯していく。暗闇と拘束に縛られた世界でぬらぬらした舌肉と膣内がこすれ合う音が濃密に耳を犯してくる。 ・・・・・・あ、熱い。体の奥底から何もかも溶けてしまいそう・・・・・・ 「・・・・・・ふう・・・・・・はぁ・・・・・・そうだ・・・・・・圭一くん」 レナさんが圭ちゃんを呼んだ。悪魔がささやく様な声で。 何かされるんだ・・・・・・圭ちゃんからも・・・・・・ 「この際、圭一くんも・・・・・・何か詩ぃちゃんの身体を覚えなよ・・・・・・」 一瞬、圭ちゃんが考え込んだ後、 『・・・・・・そうだな・・・・・・悪いが詩音、そうさせてもらうぜ・・・・・・お前のためだからな・・・・・・』 でも、これ以上何を・・・・・・もやのかかった頭でそう思ったときだった。 「はぁん!! 圭・・・・・・ちゃん・・・・・まで、そんな・・・・・・んんん!!」 圭ちゃんは私を後ろから拘束したまま・・・・・・私の後頭部に顔を押し付けてきた・・・・・・ 私の耳から荒い圭ちゃんの呼吸音が聞こえる。 『すうん・・・・・・はああ・・・・・・詩音の・・・・・・髪の毛、いいにおいするんだな・・・・・・はあ、はぁ』 圭ちゃんまでにおいを・・・・・・しかも私の頭と髪の・・・・・・ 私の出した汗と脂の入り混じった髪のにおいを必死になって圭ちゃんは貪っていた。好意を持った異性からの異常な行為に晒さたのだ。私のうなじから背中にかけてぞわっと総毛立って行くのがわかる。 「んはぁぁぁああ!! 圭ちゃ・・・・・・くふぅぅうん!・・・・・・レ・・・・・・ナ、さん・・・・・・あぁあ!」 「すごい・・・・・・また詩ぃちゃんの味とにおいが濃くなったよ・・・・・・ん、ん、ん、ん!」 レナさんのピストン運動が一層激しさを増した。圭ちゃんの熱い息遣いが私にうなじ付近にかかる。 自分の仲間に陵辱され、私の中に凝り固まった快楽の奔流が飢えた獣のように一気に襲ってきた。 「いやぁああぁああぁ!! とめて!!!!もうだめぇえええぇえええぇぇ!!」 そのまま絶頂を向かえた私は、体を震わせながら横ばいに倒れていった・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・気を失っていたのか。 横になった体を起こそうとするがうまくいかない。まだ私の目隠しと手枷は解かれていないようだ。そう遠くは無い距離で二人の話し声が聞こえてきた。 『レナ・・・・・・詩音は、お前の言ったとおり俺たちのことを・・・・・・裏切っていると思うか・・・・・?』 「うん・・・・・・やっぱりその可能性は・・・・・・」 レナさんが口ごもったのがわかる。私の覚醒に気が付いたのだろうか。 「でもね・・・・・・圭一くん、大丈夫だよ・・・・・・だって・・・・・・」 レナさんの言葉が私に向けられていくのがわかる。 「もう詩ぃちゃんの身体、全部覚えたから・・・・・・」 部屋の雰囲気がまたもや徐々に凍っていくのを肌で感じた。 「もし私たちを裏切ろうとしても無駄だからね」 氷のような冷たさを含んだレナさんの声は明らかに私に対して放たれたものだった。 真っ暗な闇に包まれて虫たちのざわめきも聞こえなくなったその日の深夜、ようやく園崎本家に帰って来た。 「それで・・・・・・どうでしたか・・・・・・お姉」 私の貸したサマーセーターとスカートに身を包んでいる、私と瓜二つの存在に声を掛けた。 まるで私が二人になったような奇妙な感覚に陥る。 「・・・・・・やっぱり圭ちゃんたち本気だった・・・・・・詩音の言うとおり・・・・・・」 頭を垂れてうなだれたお姉がそこにはいた。私は前原屋敷であった一部始終を聞く。 計画の実行日、場所、方法、アリバイ工作、そしてお姉が受けた【尋問】とやら・・・・・・ 「尋問ですか・・・・・・お姉だったってことはバレてませんよね・・・・・・」 「・・・・・・それは多分大丈夫だと、思う・・・・・・でも」 初夏だというのに、自分の肩を寒そうに抱きながらお姉は続けた。 「まさか、レナが・・・・・・あんな事を・・・・・・私に・・・・・・しかも入れ替わりのことを真っ先に疑ってきたし・・・・・・」 どうやら、私が考える以上の辱めをお姉はレナさんから受けたのだろう。 それにしても、あのレナという少女・・・・・・さほど面識はなかったが初っ端からこれほどまで疑ってくるとは・・・・・・ 「でも、これであの二人の動きがはっきり判明しますね・・・・・・」 私は今日の夕方、あの二人の計画を聞かされ承諾した。その後、本家に帰りお姉に打ち明けた。 お姉は愕然として固まっていた。それもそうだろう、自分の仲間が殺人の計画を立てているなんて想像も付かなかったのだろう。そして、私の思惑通り、お姉は私との入れ替わりを求めてきた。 「圭ちゃんとレナが本気なのか・・・・・・私が行って確かめてくる・・・・・・詩音はここで私の振りをして待ってて。あと、今から○時間後に前原屋敷に電話を・・・・・・うん、私と連絡するために・・・・・・」 その後、私はお姉の私服を着込み魅音として本家で一時を過ごした。それからお姉に指示された時間通りに圭ちゃんの家に電話をかけて・・・・・・ そう、私は既にレナさんが疑う前からお姉と入れ替わっていた。 お姉としては仲間が殺人者などになって欲しくない一心でこれからあの二人の計画を防ぎにかかるだろう。 私としては・・・・・・ ・・・・・・ククク・・・・・・くけけけけけ レナさんたちの計画通りに進めば、悟史君を追い詰めたあの腐り切った夫婦の片割れをレナさんたちが殺してくれる。私の手を汚すことなく・・・・・・ もし魅音が二人を止めたとしても、沙都子が鉄平に晒され苦しみ続けることになる・・・・・・ 悟史君に寄生してボロボロにしたあの憎い沙都子が・・・・・・あんな愚かしい奴など救う気にもならない。 レナさんたちはどうして沙都子のために自ら捨て身になるような馬鹿な真似ができるのだろうか・・・・・・ あんな奴は一生苦しみ続ければいい。 そして、魅音だ。レナさんたちの計画を防ぐためあいつは動く。その過程で、もしヘマを働けばたちまち二人から返り討ちに合うはずだ・・・・・・悟史君を救う力を持ちながらそれをしなかった魅音。その報いを・・・・・・自分の信じた仲間から受けることになる。 つまり、ことがどう転ぼうが私の良いようにしかならないということだ・・・・・・ 「詩音・・・・・・?」 少し体を震わせていたお姉はちょっとばかり考え込んでいた私を不安げな目をして見つめている。 さっき受けた尋問とやらの余韻が残っているのか、お姉の頬は少しばかり紅潮していた。 私の術中にいることに気が付かない、私の姿をした愚かで可愛い可愛いお姉をにっこりと見つめ返す。 「心配しないで、お姉。私が一緒についてるから・・・・・・ね・・・・・・お姉・・・・・・」 Fin
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「なぁ、そろそろ帰ってもいいか?」 魅音……じゃなくて詩音に誘われてデザートフェスタに訪れたのが運の尽き。 人形を買わされた挙句、強制連行されて延々と詩音の話し相手にされていた。 時計の針は既に十時を回っている。 いくら自宅へ連絡済とはいえ、これ以上遅くなれば親も心配するだろう。 ……しかし、詩音が実在するとはな。 確かに今までの詩音とは、雰囲気が微妙に違う気がする。 「えぇーー!? まだ十時ですよ? 話したいことはまだまだたくさんあるのに」 「もう飽きるほど話しただろ……それにさっきの。魅音と詩音のどっちを助けるかって、昨日も聞いただろ? なんで同じことを何度も聞くんだよ」 「えっ!? ……そ、そうでしたっけ? あは、あはははは……」 憶えてない、というより知らないらしい。 ……ってことは昨日のアレは、やはり魅音か。 姉妹揃って同じことばかり聞いてくるとは、なんというか。 「と、とにかく! 葛西が戻ってくるまで、ここに居てください。こんな遅くに自転車で帰ったら危ないですよ……?」 葛西ってさっき俺たちをここまで運んでくれた人か。 すぐ戻ると言い残してしばらく経つが、まだ帰ってこない。 「そろそろ帰ってくると思いますから、それまでいいじゃないですか。……いいですよね?」 詩音が俺を上目遣いに見つめてくる……。 あーあー、そんな目で見るな。 「ハァ……わぁーったよ。でもしばらくして来なかったら、自転車で帰るからな」 「本当ですかっ!? はいっ!! 葛西が来なかったら、どんどん帰っちゃってください!」 ……ったく、調子のいい奴だな。 「それで、まだ話すような事なんてあるのか?」 「はい。……えぇっと、学校の友達の話なんですけど……」 詩音はそう前置きすると、ポツリポツリと話し始めた。 「その子はですね、好きな人がいたんです。片想いでした。……でも、ある日突然に彼は居なくなってしまった」 「……いきなり重い話だな。いなくなったって、行方不明になったってことか?」 「はい。何の前触れもなく、消えてしまったんです……」 「何かの事件に巻き込まれたとか……?」 「それは分かりません。……その子は彼を必死に探したり、居なくなった原因を調べたりしました」 「そりゃ好きな奴の為だもんな。それくらいはするだろうな」 「……でも見つからなかった。原因も分からなかった。……そして、何の手がかりも無いまま、一年が過ぎました」 どんな理由があって居なくなったのかは分からない。 だが一年も探し続けて貰えたのなら、そいつは果報者と言えるだろう。 「その子は一年経っても、まだ彼の事が好きでした。……でも、他の人を好きになってしまったんです。一目惚れでした」 「それはまた、なんというか」 人間の感情ってのはロジックじゃない。 誰かを好きだったとしても、他の誰かを好きになるなんてことがあってもおかしくはない。 「その子は一目惚れした相手のことは、知人から聞いて知っていました。そして、実際に会って話をしているうちに、どんどん好きになってしまったんです」 「……それで?」 「でも、その子はまだ行方不明になった彼を好きなんです」 「なるほど。まだ行方不明になった奴を好きだから、一目惚れした相手にどう接したらいいか分からない、ってとこか」 「はい。その子はどうすればいいんでしょうか……?」 「……ふぅ~む」 確かに難しい問題のように思える。 でも、これってそんなに悩むようなことか……? 「簡単だな。その一目惚れした奴に好きだって伝えればいい」 「えぇッ??! そ、それじゃ行方不明になった彼はどうするんですッ!?」 詩音が素っ頓狂な声を上げて身を乗り出してくるので、思わず仰け反ってしまった。 「ど、どうするって……居なくなったんだろ? いつ戻ってくるかも、そもそも戻ってくるかも分からない」 「だって……だって一年も想い続けた相手なんですよッ?! その人を忘れろって言うんですかッッ!!?」 「……なんでそうなるんだよ。忘れる必要はないし、ましてや嫌いになる必要だってない」 「なら……行方不明になった彼を好きなまま、一目惚れした相手と、その……お付き合いとかしてもいいんですか……?」 「なにか問題でもあるのか?」 「だ、だって……そういうのって、軽薄というか……」 「そうかぁ? 俺は逆に、一年も好きだった奴を簡単に忘れる方が薄情だと思うけどな」 「でも、相手は嫌がるんじゃ……」 「なんでだよ? それだけ想った相手がいるのに、それでも自分を選んでもらえたのなら普通は嬉しいんじゃないか?」 「……でも……」 「それに一年も想い続けたのなら……既にその子にとって心の一部みたいなもんだろ。それを否定して付き合っていくってのは、ちょっと考えられないんじゃないか?」 「………………」 詩音が黙り込んでしまったので、ぬるくなったコーヒーを口にする。 ……それにしても詩音が友達の事でここまで真剣になれるとは、ちょっと意外だったな。 ……まぁ、悪い奴だとは思ってなかったけど。 「……それで……」 「ん?」 「それで、ですよ。もし一目惚れした相手とお付き合いしたとして……行方不明になった彼が帰ってきたら、どうするんです?」 「……随分と都合よく帰ってくるんだな」 「でも、ありえないとは言い切れないじゃないですか」 「……それはそいつが帰ってきてから考えればいいさ」 「……帰ってきたら……ですか……」 「ああ。……そんな事より、そいつはさっさと一目惚れした奴に気持ちを伝えた方がいい」 「ど、どうしてですか……?」 「だって前の奴には片想いだった。つまり気持ちを伝える前に行方不明になったんだろ? ……なら、今回の奴もそうならないとは限らないじゃないか」 「えっ!!?」 詩音の顔から血の気が引く。 「……い、居なくなっちゃうんですか? 一目惚れした彼も……」 「いや、例えばの話だ。でも、気持ちを伝える前に居なくなれば、そいつはきっと後悔する」 「……はい……絶対に後悔すると思います……」 「なら、迷う必要はないはずだろ?」 「………………」 詩音は視線を落とし、またしても押し黙ってしまった。 何度か口を開きかけるが、そのたびに言葉を飲み込んでしまう。 一体どうしたんだ……? 「……圭ちゃん……」 「なんだ?」 「黙ってたんですけど……実は、その子には双子の姉がいるんです」 「へぇ~……」 ………………双子……? 「双子の姉は、一目惚れした彼とはとても仲がいいんですね。男女の関係を超えた仲なんだと思います」 「そ、それで……?」 「でも、姉は彼を好きになってしまったんです。そして、彼のことを楽しそうに話す姉を見て、その子は彼に興味を持った」 ……お、おい……これって……。 「その子は彼に会ってみたくなった。そして、実際に会ったら……好きになってしまった」 「そ、そうなんだ。詩音、話の途中で悪いんだけどさ。葛西さんも戻ってこないし、俺そろそろ帰るからっ!!」 俺は早口でまくしたて、席を立つ。 そのまま玄関へ向かい、ドアノブに手を掛けようとし…………後ろから抱きつかれた。 「し、詩音……? は、放してくれないか……?」 「……いやです……。……私の話を最後まで聞いてくれるまで、放しません……」 詩音は俺の身体を、その細い腕で締め付ける……。 あぁもぅ、バカバカバカ、俺のバカ! なんでもっと早く気付かないんだよっ!! こんな事なら余計なアドバイスなんかするんじゃなかった。 他人事だと思って無責任なことを話している数分前の自分を殴ってやりたい……。 「……話を続けますね。その子は思い切って相談してみたんです。……一目惚れした相手に」 「け、結構大胆なことするんだな、そいつ……」 「……その子はきっと、行方不明になった人の事は忘れたほうがいい、って言われると思ったんですよね。……でも、彼の答えは違った。忘れる必要なんてない、って言ってくれた」 「…………ぅぅ……」 「……嬉しかったんですよね、その子は。……だって他の人を好きだって気持ちも、全て受け入れてもらえるなんて思ってなかったから……だから、ますます好きになった。どうしようもないほど好きになった」 「で、でもさ! そいつは、その子のカラダが目当てでいい加減なことを言ったんじゃないかっ?! だ、だからあんまり真に受けない方がいいような……」 「……そんなことないですよ……」 詩音は、俺の背中でじゃれるように頬をすり寄せる……。 「……だって、その人は自分のことだって気づいてませんでしたから」 ああぁーーーーーーーーッ!! バレてる、気づいてなかったってバレてるぅぅうぅううッッ!!? 「……でも、そんなに好きなのに……その子は彼に気持ちを伝えられないんです……」 ……へっ……? 「……ど、どうして?」 「だって、彼は双子の姉を好きになるから……」 「で、でも! そいつは、双子の姉には男友達みたいな感覚で接してる……と思うぞ……?」 「今はそうかもしれません。……でも、いずれ好きになる。絶対に好きになる。……事実、姉は彼を好きになってしまったんですから」 ……お、俺が……魅音を……? 「そうなったら、勝てない。……だって、姉の存在は彼にとって大きすぎるから。……その子の入る隙間なんてないんです」 「……詩音……」 「……だから、その子は思うんです。私を好きになってくれなくてもいい。でも、せめて一度でいいから……肌を重ねたい。一つになりたい、って……」 「………………」 「……だからその子は、嫌われるかもしれない、軽蔑されるかもしれない、って思いながら、勇気を振り絞って言うんです」 俺を締め付ける腕の力がより一層強くなった……。 「今日だけでいいんです。私を好きになってください、私を抱いてください、って……」 ……詩音の、恐れから来る震えが嫌でも伝わってくる……。 「……圭ちゃん。彼は、その子の想いを受け止めてくれるんでしょうか……?」 「………………。……多分さ、そいつは……そういうその場だけの関係を求められたって、素直に喜んだりはしないと思う……」 ……背中から息を呑む音が聞こえた。 だから俺は、安心させてやるために詩音の手をぎゅっと握ってやる。 「……でも、その子が本当に勇気を出して言ったのなら……そいつは決して拒んだりなんかしない……絶対に」 ……コツンと、背中に額が当たる感触。 「ありがとう、圭ちゃん……。圭ちゃんに……私の一番大切なものをあげますね」 詩音の手が俺の背後から伸びてきて……ドアの鍵をかちゃり、と掛けてしまった。 その音で混乱しかかっていた思考が平静を取り戻す。 同時に……これから誰にも見られたくない行為をするということを再認識し、今更ながらに迷いが生まれる。 ……本当にいいのかよ、圭一。 詩音は今……ちょっと感情的になってて、こんなことを言い出したんじゃないのか……? それに大切なものをあげる、って……詩音も初めてってことだろ……? 「ん~……しょ、っと」 だとしたら……詩音の望みを叶えてやることが、結果的に詩音の純潔を穢し、傷つけてしまうことになるんじゃないのか……? やっぱり、お互いがもう少し冷静になってから決めたほうがいいよな……? 「なぁ、詩音。やっぱりさ、もう少し冷静に…………」 振り向いた瞬間、眼が点になった。 そこには……し、しし、下着姿の詩音が……。 「おまえ、何いきなり脱いでんだぁあぁああああああッッッ!!?」 「……なにって。私たち、これからエッチするんですよね?」 「えっ!? ……あ……う……?」 「エッチするんだから、服くらい脱ぎますよ。……私はエッチするつもりだったんですけど、圭ちゃんは違ったんですか? 抱く、ってことがエッチする、って意味だってことくらい知ってると思ったんですけど」 「だぁあぁああっっ!! 何度もエッチエッチって言うなぁッッ!!」 「まぁまぁ、いいじゃないですか。誰かに聞かれるわけでもありませんし」 「え、ちょ、おまえ……何する気だ……?」 詩音の手が俺の股間へ伸びる。 それを避けるように後ずさり……玄関のドアに背中をぶつけた。 「とりあえず、圭ちゃんには一回すっきりしてもらおうと思います」 「う、うそ……ちょ……っと、やめ……ろよ……!」 俺はなんとか詩音の手から逃れようと腰を落とす。 ……それでも詩音は諦めるつもりなどないようだ。 「……ねえ、圭ちゃん。圭ちゃんは今、私のこと……好きなんですよね?」 「えっ?! いや、そ、そうだけど……」 「その好きな女の子が、自分の為にご奉仕したい、って言ってるんですよ? それを拒むつもりですか?」 「そ、そんな言い方はずるいだろっっ??!」 「……ずるくてもいいんです。初めてのときは、相手を先に気持ちよくさせてあげよう、って決めてましたから……」 詩音は俺の股を強引に開き、ジッパーを一気に下ろした。 そして、そのままパンツも下ろし……ビン、っと弾き出されるように怒張したソレが頭を覗かせる。 「……へぇ……想像してたのと全然違いますね。……こんなの入るかなぁ……?」 「……ぅ……うっ……」 「……それじゃ、始めますね」 詩音は小指を立てつつ、右手で俺のモノを握る。 そして、シュッ…シュッ…シュッ……と小気味よく擦り上げ始めた。 「ねぇ、どうです? 気持ちいいですか?」 「……ぇ……あ…………」 「いつもはエッチな本とか見ながらだったりするんですか? それとも誰かを想像しながらとか?」 「……ぁ……そ、それは……」 「……でも、今日は目の前に私が居ますから。……私の下着姿で興奮しちゃってください。それに……なんなら胸を触ってもいいですよ? ほら、結構大きいですよね……?」 そう言って、胸を俺の顔へ近づけてくる……。 ……そ、そんなことしなくても、もう充分だから……! ……ほ、本当に出るから……もうやめてくれ……ッ! そう言おうとしたが、唇が震えるだけで言葉にならない。 そして俺は…………詩音の腹部へ……びゅっびゅっ! と、汚いモノを吐き出した。 「…………えっ? ……け、圭ちゃん!??」 詩音は俺が汚した自分の腹部と、どんどん萎えていく俺のモノを交互に見つめている。 「……あは、あははは……圭ちゃん、意外と早くないですか? ……それに、出すなら先に言って欲しかったなー……」 ……詩音は粘り気のある汚らしいそれを、ねちねちと指で弄ぶ。 「……いくら私が圭ちゃんを好きでも、いきなりこんな所に出されたら、さすがにショックですよ……?」 俺は詩音の不満げな表情を見て……不意に涙がこみ上げてきた……。 「ご、ごめん……。お、俺、こんな事されるの初めてだから、わけわかんなくて……それで……」 ……ああ、くそ、なに泣きそうになってんだよ……! ……情けねぇ……。 「……そっか。……圭ちゃん、緊張しちゃったんですね……」 そう言うと、詩音は俺の頭を優しく抱きしめる。 「……でもね、圭ちゃん。私だって緊張してるんですよ……?」 「……えっ?」 「……ほら、聴こえますよね? ……私の心臓の音」 押し付けられた胸から……バクンッバクンッ……という俺なんかよりも、もっと大きい心音が聴こえる……。 「……聴こえる」 「……ね? だから圭ちゃんも頑張ってください。私も頑張りますから……」 「……うん。……ごめん」 「……よし! それじゃ、ちょっと待っててください」 詩音はパタパタとベッドまで行き、ティッシュペーパーを手に戻ってきた。 「はい、どうぞ。圭ちゃんが汚したんだから、圭ちゃんが綺麗にしてください」 「……うん、分かった」 ティッシュを受け取り、詩音のおなかに付いた汚いものを丹念に拭き取る。 「……圭ちゃんって、自分が悪いと思ってるときは素直なんですね」 「そ、そんなことないと思うけど……」 「…………圭ちゃんみたいな弟が欲しかったなぁ…………」 「……え……?」 「……なんでもないです……」 「………………。……綺麗になったぞ……」 「はい、お疲れ様です。ご褒美に、これを好きにしていいですよ」 「えっ?」 目線を上げると……そこには下着を外した詩音の胸があった。 初めて目の当たりにする、同年代の女の子の乳房。 衣服の上からでも分かっていたことだが、やはり大きい。 そのくせ、先端部分は申し訳程度しかなく……周辺は幼ささえ感じさせる淡いピンクで彩られている。 あまりに扇情的なそれに、思わず生唾を飲み込んでしまった。 ……これは……やばいだろ。 不本意だが、一度吐き出しておいて正解だったかもしれない。 何もせずにこんな物を見せられていたら、詩音を無理やり犯していた可能性だってある……。 「……し、詩音。これ、本当に……」 と、そこまで言って詩音の目線がおかしな位置へ向いていることに気づく。 その視線を追ってみると……再び膨張しつつある自分の股間に行き着いた……。 「おわぁあぁああぁあああぁああッッッ!!?!?」 さ、さすがに大きくなる過程は見せたくないぞッ!? あわててそれを手で隠そうとしたが……詩音に手首をつかまれ、止められた。 「詩音……!??」 「……隠さないでください。どういう風におっきくなるか、興味あるんです」 詩音に手首をつかまれたまま、ふたりで息子の成長を見守る。 すくすくと育った息子は、先ほどよりも猛々しくそそり立った。 「……なんかさっきより大きいですね。ちょっと動いてますし……」 「………………」 「……胸でこれなら……その……アソコを見せちゃったら、もっと……? だ、だとしたら、本当に入らないかもしれませんね……はは、あははは……」 「……………………帰る」 「へっ?」 「もういいッ! もう帰るっ!!」 立ち上がり、ドアノブに手を掛ける。 「……あんなの見られたら、もうお嫁に行けないだろ……ッ!」 ガチャガチャと必死にドアノブを回すが……。 「あ、あれ? 」 ひ、開かない……なんで? 「もぅ、さっき鍵を掛けたじゃないですか」 あぁ、そうだったっけ……。 詩音に引きずり倒されながら、思い出した。 ……俺はすぐに身を起こし、あぐらをかきダンマリを決めこむ。 「ねぇ、圭ちゃん。機嫌直してください」 「………………」 「私はぷりぷりしてる圭ちゃんより、にこにこしてる圭ちゃんが好きだなぁ」 「………………」 「こんな所じゃなくて、やわらかいベッドの上で楽しいことしましょうよ~」 「………………」 詩音に肩を揺さぶられるが、断固無視。 ……我ながら幼稚な抵抗だとは思うが、これ以外に方法を思いつかないのだから仕方ない。 「そうだ、これならどうです? えぇい☆」 詩音は俺の背中に抱きつき、胸をむにー、っと押し付けてくる。 その感触に、下半身は素直に反応するが……。 ……ふん、だが心までは堕とせると思うなよ……? 「ふぅ……しょうがないですねぇ」 背中の感触が無くなった……と思う間もなく浮遊感。 「……えっ、ちょ、うそっ??!」 お、俺は、その……詩音に……いわゆる、お、お姫様抱っこをされている……。 「圭ちゃんって男の子の割りには軽いですね。私やお姉よりも、少し重いくらいです」 「……だ、だからって……こんな軽々と……」 「私はこれでもお姉くらいなら簡単に投げ飛ばせますよ?」 ……それにしたってなぁ……。 詩音はそのまま俺をベッドに運ぶ。 この格好は恥ずかしいが、抵抗しても無駄っぽいのでやめることにした。 「圭ちゃん。誰にもお婿に貰われなかったら、私が貰ってあげますよ」 「……そんときゃ俺が結婚式でウェディングドレスを着て、こうやって抱っこされるわけか。……最悪だな」 「でも意外と似合うんじゃないですか? そうなったら私はタキシードですね」 「あぁ、そっちは似合うかもな……」 ふたりして下らない話で盛り上がる。 ……うん、やっぱりこいつは悪い奴じゃない。 魅音とはタイプが違うけど……話してて楽しいし、会話の相性も悪くないと思う。 「ほいっと」 「おわっ!??」 ベッドに放り投げられた……。 さ、最後はぞんざいな扱いだったな。 「まったく……って、お前なにしてんだぁーーーッッ!!?」 詩音が俺のズボンを脱がそうとしている。 「え? だって私だけ脱いでるなんて不公平じゃないですか。それに圭ちゃんが私の服を脱がせたわけですし」 「んなことはしてねぇッ! お前が自分で脱いだんだろっ!?」 「そうでしたっけ? それなら圭ちゃんも自分で脱いでください」 「…………は?」 詩音はニィ……と笑いながらこちらを見つめている。 し、しまった……ハメられたッ!!? 「さぁ、早く脱いでください。一番恥かしい部分は見られてるわけですし、そんなに抵抗はありませんよね?」 「……分かったよ。脱げばいいんだろ、脱げば……う……うぅ……」 まさか女の子に鑑賞されながら、自ら服を脱ぐはめになるとは思ってなかった……。 自分の衣擦れ音なんぞ聴いても全然嬉しくねぇ……。 「……綺麗な肌ですね。お姉がメイド服やスク水を着せたがるのも解ります」 「いやぁぁあああ!! そんなこと言わないでくれぇ!!」 これ以上の辱めは精神衛生上よろしくないので、さっさと脱いでしまおう。 さて、残るはパンツだけだが……。 「あの……さ。パンツは」 「全部です」 「………………はい」 俺はやけくそ気味にパンツを脱ぎ捨てる。 さぁ、これで全裸だ。 もうなんでも来いってんだ、ちくしょうっ!! 「全部脱ぎましたね。それじゃ、これ着けてください」 「……なにこれ?」 えぇっと、コンドーム? ……着け方がよく分からんが……被せりゃいいのかな? 「あ、説明書に正しい着用方法が書いてありますよ」 「本当か? 見せてくれ」 「ちょっと待ってください。私が着けてあげますから」 「は? え、ちょ……」 詩音はコンドームを包みから取り出すと、俺の股間をいじり始めた。 「ちょっと待て、なにをそんなに触ってるんだよっ!?」 「だって、ちゃんと勃起してないとダメって書いてありますよ?」 「いや、ここまで大きくなってりゃ充分だろ」 「そうなんですか? えぇ~っと、それじゃあ次は……」 詩音は真面目な表情で説明書を読みながら、俺にコンドームを着けている。 その姿があまりに真剣なので、不意に苦笑してしまった。 「……何がおかしいんですか?」 「いや、別に。……真剣だな、と思ってさ」 「当たり前じゃないですか。ちゃんと着けなきゃ危ないんですから。……はい、これで大丈夫です」 そう言うと、詩音はベッドへ仰向けに寝込む。 「それでは。改めまして、どうぞ」 「……む」 自分の胸を両腕で持ち上げている。 「さぁ、好きにしていいんですよ」 好きにしろって言われても……どうすりゃいいんだ。 も、揉めばいいのかな……? 詩音の胸を掴み、少し強めに揉んでみる。 ……や、やわらかいな……。 よく見ると肌は白く、透き通るようで……食い込んだ俺の指が不釣合いだった。 「あっ!? ……け、圭ちゃん……その……い、痛い……です……」 「え……うそっ?!!」 とっさに胸から手を離す。 い、今のでも痛いのか……? 「ご、ごめんッ!! その……わざとじゃないんだっ!」 「………………」 詩音は困ったような表情で俺を見つめている。 お、怒らせた……かな? 「圭ちゃん……ごめんなさい。……私、嘘をつきました」 「え? な、なんのことだ……?」 「……さっきは好きにしていいって言いましたけど……本当は……やさしく……して欲しいです……」 詩音の遠慮がちな……恥じらうような表情に、後頭部をガツンと殴られたような衝撃を受ける。 ……あぁ、やさしくするよ、やさしくするさ、やさしくするに決まってるだろッ!!? 「……分かった。やさしくする。……だから、どういう風にしたらいいか……教えてくれ」 「……はい。……えぇっと……もっとこう、下から……」 「……こう……か?」 詩音の胸を下から持ち上げるように……やさしく揉みしだく。 詩音がほんの少しだけ身をよじらせた。 「……痛いか?」 「……え……っと……その……逆です……」 「………………気持ちいい?」 「………………はい。……気持ちいいです……」 「……それなら、このまま続けるぞ」 「……はい」 丁寧に丁寧に。 大切な物を傷つけないように。 詩音の胸を愛撫し続ける。 「……う……ん……ふぅ……ふっ……」 詩音の呼吸が少しだけ荒くなってきた。 ……目を閉じているってことは、少しは信頼してもらえてるってことかな……。 ……なら…………そろそろいいかな……? 「……詩音。その……さ」 「……?」 「……その……舐めてもいいか……?」 「……む、胸をですか……?」 「ああ。……絶対に……絶対に痛くしないから、さ……」 「………………」 「い、いや……なのか……?」 詩音はふるふると首を横へ振った。 「じゃ、じゃあ……いいんだよな……?」 今度はこくりと縦に振る。 「それじゃ……痛かったら言ってくれよ」 俺は詩音の右胸の乳首をはむ、と丸ごと口に含む。 そして、舌先でちろちろと舐めてみた。 「んんっ……!」 詩音がシーツをきゅ、っと掴む。 ……痛いわけじゃないよな……? 悪い反応ではないと断定し、色々と試してみる。 乳首の周りを、円を描くように舐めてみたり。 ちゅっ、ちゅっ、と軽く吸ってみたり。 舌の先でピン、ピン、と弾いてみたり。 「……んん、はぁっ……あ……んんっ……!」 そのたびに、詩音は素直に反応してくれた。 ……詩音の身体が火照ってきたように感じる。 「……け、圭ちゃん……。……は、反対側も……」 ……こっちは……少し強めに吸ってみるか。 ちゅちゅー……と、わざとらしく音を立てながら吸い上げる。 最後にちゅっ、と口を離すと……胸がぷるん、と波打った。 ………………。 ……も、もう一回やってみよう……。 適当に舌で転がし、最後に吸いながら口を離すと……さっきと同じように揺れる。 ……これはいい……。 なんというか……これを見られるのは一種の特権だよな。 俺はこの芸術的とさえ言える現象を見るために、何度も何度も詩音の胸を吸った。 左右の胸を平等に。 もちろん、吸っていない側の揉む手も休めない。 「はぁっ……はっ……あ、あの、圭ちゃん……」 「……ん?」 「その……そろそろ……」 そう言いながら、股をもじもじさせている。 つまり……その……。 「……圭ちゃんが脱がせてください……」 そういうことらしい。 詩音の恥部に視線を向けると……下着がぐしょぐしょに濡れていた。 「それじゃ、脱がすぞ……」 「……はい。あ、で、でも……いきなり挿れたりしないでくださいね……?」 「し、しねぇよ、そんなことっ!!」 詩音の下着に手を掛け、するすると下ろしていく……。 その途中で、まだ靴下を履いていることに気づいた。 もちろん、それを脱がすような無粋なマネはしないが。 そのまま下着を取り去り、詩音のソコへと目を向けた。 産毛と見まがうほど薄い陰毛は愛液でぬらぬらと湿っている……。 「……詩音……広げてもいいか……?」 詩音はどこからか取り出したクッションを抱きしめていた。 「……は、はい。でも、恥かしいんですから、あんまりジロジロ見ないでください……」 そう言ってクッションで顔を隠した。 ……かわいい奴め。 俺は両の親指で詩音のソレを押し広げる。 ……そこは赤く充血し、つやつやと濡れていた。 「……指、入れてみてください」 「……え……っと、ここだよな?」 「……そこです」 そこへ中指をつぷ、と入れてみる。 充分に濡れていたので抵抗はほとんど無かった。 そして、少しずつ指を動かす。 にちり、にちり、といやらしい音を立てながら。 「……どうだ?」 「……その……くすぐったいです」 「へっ!? うそぉ……」 俺のやりかたって間違ってるのか……? 「あ、いや、その……気持ちはいいんですけど……やっぱり他人の指だと、違和感があるというか……」 「つまり自分の指なら違和感はないわけだ。……詩音もオナニーするんだな」 「えッ!!?」 詩音はクッションから半分だけ見せていた顔を、再び引っ込める。 「そんな事はどうでもいいじゃないですかっ! 馬鹿っ!!」 悪いが、こんな状況で馬鹿と言われても興奮するだけだ。 俺は詩音の中を適度に引っかきまわし、淫らな糸を引かせながら指を抜いた。 「これだけ濡れてれば、もう挿れても大丈夫だよな?」 詩音はクッションをぎゅっと抱きしめ、うなずく。 俺は詩音の腰を引き寄せ、脚を抱え上げた。 ……そして、お互いの性器を密着させる。 「……念のために聞いておくけど、本当に俺でいいんだな……?」 「……はい。圭ちゃんじゃなきゃ嫌です……」 そこまで言われて躊躇う必要はない。 っと、その前に聞いておくことがあったな。 「その……詩音も初めてなんだろ? ちょっとずつ挿れた方がいいか、それとも……」 「……一気に挿れちゃってください。痛いのは一瞬の方が気楽ですから」 「……分かった」 俺は詩音の入り口に亀頭をつぷり、と差し込んだ。 あとはこのまま一気に奥まで挿れるだけなのだが……。 「詩音。そんなに力むと余計に痛いんじゃないか? もう少し力を抜いた方が……」 「だ……大丈夫ですよ」 いや、身体をそんなに強張らせてたら絶対に痛いって。 単純に緊張もあるのだろうが、それ以上に破瓜の痛みへの抵抗が強そうだ。 ……しょうがない。 「詩音、やっぱりやめようぜ」 「……えっ!? な、何でですかっ??!」 詩音が緊張を解いた瞬間を見逃さずに……一気に奥まで貫いた。 「ひぐぅッ!!? ……ぅ……い、痛い……痛いです……」 詩音は表情を歪め、目には涙を浮かべている……。 「詩音、大丈夫か……?」 「大丈夫じゃないですよッ! なんでこんな事するんですか!? 痛くしないって……やさしくしてくれるって言ったのに……!」 「ごめん……でも、あのままだとこれより痛かったはずだし……」 「……ひっく……ひっ……わあぁあぁぁんっ……!」 結合部に目をやると、純潔を失ったことを知らせる血が流れ出していた。 俺は泣き出した詩音を慰めるために、その身体を抱きしめてやる。 「俺が悪かったよ。謝るから、泣かないでくれ……」 「……うっく……うっ……」 「……お詫びにさ。今日だけは詩音の言うことをなんでも聞くから」 そこでぴたりと泣きやんでくれた。 ……少し甘いかもしれないが本当に悪いと思ってるんだから、これくらいはしてやりたい。 「…………なんでも?」 「あ、いや、俺に可能な範囲で」 「……じゃあ……私が痛くなくなるまで抱きしめててください」 「……そんなのでいいのか?」 「はい。私が痛くなくなるまで、ずっとですよ?」 「……分かったよ」 この程度でいいのならお安い御用だ。 もともと痛くなくなるまで動かすつもりはなかったわけだし。 ……詩音の顔を見やると瞳を閉じ、満足そうに微笑んでいた。 機嫌も直ってくれたようで一安心だ。 「…………ん?」 ……あれ? 詩音って、その……こんなにかわいかったっけ……? いや、美人だとは思ってたけど、なんで急に……こんな……。 「……圭ちゃん? どうかしましたか?」 「え!? いや、別に。なんでもない……」 「…………?」 詩音は怪訝な表情で俺を見つめている。 ……目を合わせると……その……息が詰まるというか……。 ……俺って……もしかして詩音を……? 「圭ちゃん。そろそろ大丈夫みたいです」 「そろそろって……? あ、ああ。分かった……」 俺はゆっくりと腰を動かし始める。 そして、そこから得られる快感に身震いした。 (これは……オナニーとは全然違うな) 己の肉欲を満たすために何度も何度も腰を振る。 そのたびにお互いの粘膜が薄いゴムを隔てて擦れあう。 にちゃ、にちゃ、と淫らな音を立てながら。 抱きしめた詩音の身体が火照っている。 そして、お互いの体温を感じることが、さらに情欲を深めていく。 ……もう……そろそろか……。 「詩音。そろそろ……」 詩音が頷いたことを確認すると、今までより深めに突き挿れる。 詩音を強く抱きしめ、何度も何度も突く。 そして最後に奥まで突いた瞬間にびゅる、びゅる!と白濁液を吐き出した。 「…………っはぁ……はぁ……ッ!」 詩音の中からずるりと引きずり出し、コンドームの先に溜まった精液の量に驚く。 これ……さっきより多くないか……? 二度目の射精なんだから、さっきより少なくて当然なんだが……。 「圭ちゃん……もう…………………よね……?」 「え、悪い。なんだって?」 意識が逸れていて、詩音の発言を聞き逃してしまった。 「もう一回くらい、できますよね?」 「なっ!? ちょ、待て。さすがに三度は……」 「そんなに出せるんだから大丈夫ですよ。いやだなんて言わせませんよ? さっきの約束があるんですから」 「馬鹿、ちょ、やめろ、そんなとこをさわ……いやぁあぁぁああぁああああああ!!!!!!!!!!!!」 続く Hold me tight2