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10万年前・南極 カーラとヒャッコイ博士がパオパオに乗ってどこかに向かっていた。 すると博士は何かを見つける。 博士「これは?」 少女「博士!」 2人がたどり着いたのは遺跡の中だった。 博士「素晴らしい……」 カーラ「これがブリザーガの骨格……」 骨格の額に何か刺さっていた。 カーラは骨格を 登って剣を抜こうとする。 博士「もっと慎重に!」 振り向くと何かを目にする。 博士「あのシルエットは…… カーラ、急げ!」 カーラ「もうちょっと…… 抜けた!」 パオパオは間一髪カーラをキャッチ。 博士「行くぞ!」 地上からオクトゴンが現れる。 カーラ「オクトゴン!」 博士「音霊を使う。先に行け!」 博士の銃が炸裂。 しかしオクトゴンは博士を転倒させてしまう。 カーラ「博士、テックタク! うわあーっ!」 カーラが飛んだ拍子にリングが落ちてしまう。 カーラ「しまった!」 パオパオがカーラの足を掴む。 カーラ「ダメ!」 リングは海に落ちてしまう。 カーラ「リングが‼︎」 10万年後・東京 アナウンサー「効率の暑さは収まる気配がありません! 今日も35度以上になるところが多く、この暑さはしばらく続く見込みです。都心部では、45度を記録した場所もあり、全国的に猛暑が進んでいます。東京は2週間連続……」 ドラえもん「かき氷食べ放題になる道具?」 のび太「このままだと暑くて焼け死んじゃうよ。宿題だって全然捗らないし……」 ドラえもん「またそんなことばっかり言って!」 するとドラえもんのテレビ電話が鳴り響く。 ドラえもん「ドラミからだ……」 電話に出るとドラミは占い師の格好をしていた。 ドラミ「お兄ちゃん、大丈夫? よかった……まだ元気みたいね」 ドラえもん「全然元気じゃないよ。こっちは暑くて……」 ドラミ「暑い? おかしいわね。ロボット占いによると、お兄ちゃんは今週人生最悪の運勢で氷難の相が出てるって……」 のび太「氷難?」 ドラミ「当たるって評判なんだから…… 『氷の難』って書いて『氷難』よ。冷たいこ・お・り! 氷で災難に遭うって…… とにかく氷には気をつけて、絶対に近づいちゃダメよ。それからペンギンには要注意! ラッキーアイテムは星」 ドラえもん「全くもう…… ドラミはすぐ流行に流れるんだから……」 ドラミ「ええっ? 流氷に流される?」 ドラえもんが通話を切る。 のび太「ハァーッ。食べないと死ぬ、かき氷……」 ドラえもん「かき氷…… 流氷…… そうだ! いくらでも食べ放題の場所がある!」 ドラえもんは押し入れを探し始める。 ドラえもん「えーっと、確かこの辺に…… あいたっ! これだ。気になったんでとっておいたんだ」 ドラえもんが見つけたのは新聞の切り抜きだった。 そこには「巨大氷山北上」と書いてあった。 のび太「巨大氷山……」 ドラえもん「お腹いっぱいかき氷を食べよう……」 のび太「なるほど! あっ。でもドラミちゃんの占いは? 氷難の相、氷に注意って……」 ドラえもん「気にしない、気にしない……」 どこでもドアを開けるそこは氷山の上だった。 のび太「これが氷山?」 ドラえもん「あっちだ!」 ドラえもんとのび太はタケコプターで霧の中を前に進む。 のび太「何もないけど…… 一月以上前の記事だし、もう溶けちゃったんじゃない? ん? うわあっ!」 のび太が氷の壁にぶつかりそうになるが、間一髪回避。 ドラえもん「こっち、こっち!」 のび太はドラえもんの元に向かう。 のび太「ねぇ、あの氷の壁って……」 ドラえもん「見てごらん……」 2人が目にしたのは巨大な氷山だった。 のび太「わあーっ! 巨大氷山だ!」 ドラえもん「ここならかき氷食べ放題!」 のび太「これじゃいくら食べても減らないね……」 早速氷を掘るドラえもん。 のび太「ねぇ、うちからテーブルと椅子を持ってくるからどこでもドア出して!」 ドラえもん「それならいい道具がある。氷細工小手!」 のび太「何?」 2人の下の氷が沈む。 のび太「いってぇ。これがテーブルと椅子?」 ドラえもん「間違えた。えーっと、プラスにセットして……」 今度は氷が高くなる。 ドラえもん「そしたら今度は後手先を細めにして、こうして、こうして……」 ドラえもんの作業によってソファーが完成する。 のび太「すごい! ソファーになった」 ドラえもん「うーん、こんなもんかな。次は、ふかふかスプレー! これを吹きかけると氷がふんわり柔らかく固まって溶けなくなるんだ……」 のび太「わーっ!」 2人は早速氷のソファーに座る。 のび太「ねぇ、テーブルも作れる?」 ドラえもん「もちろん! どんな形だって自由自在」 こうしてドラえもんとのび太は氷の屋根も作り、かき氷をたらふく食べる。 のび太「ふーっ、涼しくていいねぇ…… だいたい近頃の夏は暑すぎるんだよ。地球上全部こんな風に氷だったらいいのに……」 ドラえもん「またまた…… でも確かに地球は昔、君の望むように氷に覆われてたことがあるんだけどね……」 のび太「あっ、知ってる。マンモスとかいた時代でしょ?」 ドラえもん「それよりもっとずーっとずーっと昔、地球全体が厚い厚い氷に包まれてたことがあるんだ」 のび太「本当?」 ドラえもん「その頃なら海も山も全て氷に覆われて世界中どこへ言ってもこんな景色だったはず……」 のび太「へぇーっ……」 ドラえもん「それは、スノーボールアースって呼ばれる現象で、数千万年続いたって言われてる。まぁ、人間が地球に誕生するずっと前の話だけどね…… さぁ、十分涼んだ。帰って宿題をやりたまえ」 のび太「ええっ? せっかくいい場所見つけたのに、もっとここで遊ぼうよ! そうだ! ここに氷の遊園地を作ろう!」 ドラえもん「えっ?」 のび太「作ってみたいと思わない? 氷の観覧車にジェットコースター!」 ドラえもん「宿題は?」 のび太「大丈夫。夏休みはまだあるんだし!」 ドラえもん「うーん……」 のび太「ねぇ、ねぇ?」 ドラえもん「じゃあ、ちょっとだけだよ」 のび太「やった! さすがドラえもん!」
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9ページ目 スネオ「うはは、たった一個の燃料でスレって何個もpart出来るんだね、初めて知ったよww」 ドラえもん「それよりのび太くんが……あっのび太くん!」 のび太「やっぱり、スネオの言う通り4Sも持ってて良かったよ、おかげで助かった」 出来杉「良かった、何とか生きてた」 スネオ「いやぁ~、ハッピーエンドは気持ち良いなぁ~」 次へ トップへ
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5ページ目 のび太「くそっ、だったら俺一人でジャイアンに復讐してやる」 ドラえもん「飲めよ?」 静香「はい」ごくり ジャイアンの家 のび太「おい!ジャイアン!」 ジャイコ「なーにのび太さん?お兄ちゃんは部屋でスネ夫さんと遊んでるわ?」 のび太「ジャイアンを呼べ」 ジャイコ「私を倒したらね」 のび太「いいだろう」 のび太はジャイこをやっつけた。 ジャイこ「さすがのび太さんね。いいわ呼んでくる」 次へ トップへ
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前へ 「誰ですの?あなたたち」 エリカが今しがた壁から入ってきた三人にきく。 「入り口は一階ですけど?」 「ああ、正面が混んでたんでな」 ハヤトは袴を払いながら平然と答える。 「それに急いでたからちょっとすっ飛ばしてきた」 「なるほど」 エリカは顔色一つ変えず肯定する。 「それより、ここからどうやって出るの?」 スズナがハヤトにきく。 ハヤトたちがいるところは牢屋の中。 相手との間は鉄格子がある。 「なーに、こんな鉄」 ハヤトはそう呟くと、「エアームド、エアカッター」 エアームドが鉄の翼を振る。 風の渦がヒュッ、と音を鳴らす。 粉砕音が響き、鉄格子が散る。 両者の間を隔てるものは無くなった。 「これで思い切りやれるわけだ。 エアームド!エアカッター!」 再び風が鳴る。 目的はモンジャラ。だが 「思い切りやれるのは」 イワークが壁となり、風は掻き消される。 「こっちも同じだよ」 ヒョウタは微笑みかけてきた。 鉄の壁、鉄の天井、鉄の床。 牢屋はそういうものなのだろう。 閉じ込められたものは冷酷に硬く、重い鉄により閉塞感を味わう。 人間味を感じさせない雰囲気は心の自由を奪う。 だけど、鉄は冷めやすいし、熱しやすい。 そう、今牢屋の階は熱かった。 「いわおとし!」 ヒョウタの命令と共に、天井が崩れ落ちる。 落下地点にいた三人は散り散りになる。 「ほら、スネ夫!」 のび太はスネ夫に手を伸ばす。 スネ夫は不意を突かれた。 「ど、どうしたんだよのびt」「上るよ。上まで」 「の、上るって……まさか最上階まで!?ちょ、ちょっと」 スネ夫の推測は正しかった。 のび太はスネ夫の腕をいやにがっしり掴み、階段へ向かう。 悪態をつくスネ夫を気にせず、のび太は上っていく。 埃から鉄までもが舞う部屋をあとにして。 「ユキカブリ、こなゆき!」 スズナの声のもと、ユキカブリはモンジャラを攻撃する。 震えるモンジャラの蔓が凍りだす。 「モンジャラ、そのままつるのムチです!」 つるのムチは氷をまとい、ユキカブリを襲う。 「ユキカブリ、はっぱカッターで氷を砕いて!」 ユキカブリの手から葉が飛び出し、氷の蔓を襲う。 氷はひび割れ、澄んだ音を立てて裂ける。 だがムチの攻撃は続いていた。 鋭い音が響き、ユキカブリは呻く。 「モンジャラ、続けなさい!」 「ユキカブリ、走りながらこなゆきをかけ続けて!」 モンジャラのムチが次々と降り注ぐ。 ユキカブリはそれの間を駆け抜け、こなゆきを出す。 ムチは氷を纏い、肥大していく。 モンジャラの攻撃は威力を増していった。 それでも、スズナの読みどおり。 「どうやらスピードが遅くなっているみたいね!」 エリカは一瞬顔を歪めるが、すぐに命令を続ける。 「もっと速く、モンジャラ!」 だが、モンジャラにとってその命令は厳しかった。 何故なら蔓の氷がすでに大きくなりすぎていたから。 モンジャラは再び、ユキカブリ目掛けて蔓を振り上げる。 だが、蔓が高く上ったとき、限界を超越した。 蔓は大きな氷とともに、モンジャラに落下する。 氷が落下すると、煙がもうもうと立ち込めた。 「くっ、戻りなさい」 エリカは煙の中にボールの光を出す。 だがなかなかモンジャラにあたらず、エリカは舌打ちする。 「結構慌てているようね」 ようやくモンジャラを収めると、スズナが挑発してきた。 「黙りなさい!」 エリカは淑やかさを忘れ、怒鳴りながらボールを取り出す。 「あっ!おい」 声をかけたのはヒョウタだったが、その声はエリカに届かなかった。 「いけタマタ……な!?」 エリカが繰り出したタマタマに突然菱形岩が降りかかる。 さっきのステルスロックだ。 「……ヒョウタ!!どうして言わなかった!?」 エリカが怒鳴ると、ヒョウタは反抗した。 「僕は止めたよ。でも君が気づかなかっただけだろ」 エリカは歯噛みして呻いていた。 「くぅっ!!タマタマ、ユキカブリを攻撃」 「あ、ゴメーン。凍らしといちゃったから」 スズナは氷付けにされたタマタマを示す。 ヒョウタは隣でくず折れているエリカを一瞥してすぐ戦闘に目を向ける。 「イワーク、がんせきふうじ」 エアームドを取り囲むように、落石が生じる。 落石はエアームドに直下するが 「こうそくいどう」 一瞬でエアームドは技を回避する。 落石は空を押しつぶした。 「くそ、速いな。ならイワーク、ロックカット!!」 イワークの皮膚である岩石が削れ落ちる。 削れ落ちた岩が立てる粉塵の中、イワークは一段と軽くなっていた。 「たたきつける!」 イワークはエアームドに突撃する。 速さは格段に上がっている。 でも、エアームドは上をいっていた。 「避けろ!」 ハヤトの鋭い声。 エアームドはイワークの鼻先から姿を消す。 イワークは壁に激突した。 部屋は衝撃で揺れ動く。 イワークは体制を持ち直す。 「イワークはまだ大丈夫だ。 そんなに柔な体じゃないんでね」 ヒョウタは笑いながら言う。 その様子がハヤトは気になった。 「ずいぶん楽しそうに話すな」 その質問に、ヒョウタは笑う。 「素晴らしい気分だからね! こんな風に戦ってるとすがすがしいんだ! さて、続けさせてもらうよ。イワーク!」 イワークは一声唸り、再びエアームド目掛ける。 何故だかイワークの速度は上がっていた。 トレーナーの気迫と呼応しているように。 ハヤトもその変化にきづいた。 「エアームド!こうそくいどう!」 ハヤトの素早い命令。 エアームドはそれをききとり、動こうとした。 でも少し遅れる。 イワークの体がエアームドの羽を掠める。 エアームドは高い叫び声を上げ、壁に叩きつけられる。 「イワーク、今だ!」 ここぞとばかりにイワークは突撃する。 エアームド目掛けて。 「エアームド!避け」 爆発的な衝撃音が、ハヤトの必死の叫びを掻き消す。 代わりにエアームドの叫び声と、突風―― 「な、まさか」 風を感じたハヤトはハッとする。 壁にぽっかりと穴が開いていた。 陽光が薄暗い階に差し込む。 光の中、ハヤトにはヒョウタの顔が見えた。 空虚な顔、やがて青ざめて口をあけ…… 「イワァ―ク!!」 ヒョウタは穴のそばに駆け寄った。 だが、足元の鉄片に躓き、ヒョウタの勢いは落ちることなく。 ハヤトは考えるより速く手を伸ばし、ヒョウタを掴んだ。 ヒョウタは顔だけ穴から出し、ゆれ留まる。 やがてゆっくりと建物内に押し戻された。 ハヤトは穴の下を覗く。 下にはイワークとエアームドが倒れていた。 二体の周りには民衆が集まっている。 「やれやれ、おいお前、イワークのボールを」 ハヤトはヒョウタを向いた。その時だった。 ハヤトはヒョウタの首飾りに気づいた。 ハガネールを模した銀のペンダントだ。 ハヤトは息を呑み、ヒョウタを掴む。 あまりの勢いにヒョウタは押し倒されそうになった。 「な、何だよ!」 ヒョウタは怒鳴るが、ハヤトは鋭く睨みつける。 「きかせてくれ。 ……そのペンダント。そうか。 お前はトウガンさんの息子なのか?」 ヒョウタは僅かばかり眉を上げ、顔を逸らす。 「あんた、親父のこと知ってるのか」 「ああ、知ってる!」 ヒョウタは力強く答えた。 「トウガンさんはお前のことを待って」「ここでは話さないでくれ!」 ヒョウタはそう言うと立ち上がる。 ハヤトはヒョウタの様子を見つめていた。 目の前にいるヒョウタは、イメージしていたヒョウタと違っていた。 というか、ロケット団員だなんて。 「ほら、終わったようだよ」 ヒョウタはハヤトに告げた。 ハヤトが見ると、崩れ折れるエリカと笑顔のスズナが目に映る。 「あんたはいきなよ。 僕が後始末しておく」 ヒョウタの言葉にハヤトは驚いて振り向く。 「お前」 「安心してくれ。これでも団の中じゃ有力なんだよ」 ハヤトはヒョウタの気持ちを察した。 「ご免」 ハヤトはそう言うとスズナに駆け寄った。 「馬鹿な奴らめ」 モテ夫はモニターで全て見ていた。 「あんなに簡単にまけるなんてまったくあれでも幹部の」 「モテ夫さま」 サカキが声を掛ける。 「なんだ?サカキ」 モテ夫は相変わらず振り返らずに言う。 「お客様をお連れしています」 「客?そんなもの」 モテ夫はそこで初めて振り返った。 「お、おまえ!」 モテ夫は息を呑む。 「モテ夫君。 そろそろ終わりだよ」 宣告がモテ夫の耳にこだまする。 「どういう意味だい……ドラえもん!」 モテ夫は恐怖を感じていた。 目の前の青いロボット――ドラえもんの言葉に。 ドラえもんは無表情のまま頷く。 「言葉どおりの意味だよ。モテ夫君。 君はもう十分楽しい思いをしただろう? さあ、僕らのところに帰るんだ」 「……いやだね」 モテ夫は強気に答える。 「サカキ、こいつを連れ出せ!」 モテ夫は怒鳴るが、サカキは動かない。 「モテ夫さま。 私はリーダーの指示をききます」 「リーダー?」 モテ夫は鼻で笑う。「それは僕だろう」 「違うよ」 入り口から誰かが否定する。 モテ夫の視線が入り口へ写る。 入り口の人物は優しげに告げる。 「そのリーダーは、僕さ」 出木杉がそこにいた。 「なあ……のび太」 スネ夫は階段を駆け上りながら、声をかける。 「ん?なんだい」 のび太は顔を向け、首を傾げる。 「あのさぁ、実は……し、しずちゃんが話あるって」 スネ夫は必死に取り繕った。 自分で言及することもできるが、それには危険が伴う。 なのでスネ夫はこのように、かかる危険を自分からしずかに移した。 「ふうん、しずかちゃんが」 のび太は事も無げにまた階段を上りだす。 (……本当にしずちゃんの言っていた通りだ。 でも、これだけじゃ無いよな) スネ夫はのび太の行動を監視する。 ジャイ子は最上階の一室で待っていた。 部屋の扉には『牢屋』と書かれている。 のび太、スネ夫は必ずこの部屋に来るだろう。 「けれど……」 ジャイ子は牢を振り返る。 鉄格子の向こうにジャイアンが、石の床で座っている。 そして、そのすぐ脇のテーブルにはモンスターボールが三つとリュック一つ。 ここはジャイアンの荷物を隠した部屋だったのだ。 ジャイ子は一抹の不安を抱えていた。 「ジャイ子」 ジャイアンはだめもとで話しかけた。 「本当に改心してはくれないんだな」 「当然よ」 ジャイ子ははっきりと言う。 「アタシの気持ちは変わらないわ」 するとジャイアンは溜め息をついて、テーブルを見つめる。 (せめて俺のボールさえ取れれば……) ジャイアンは歯噛みしている。 その時だった。 「!!来たわ」 ジャイ子は立ち上がると、自分のボールに手を掛ける。 同時に、部屋の扉が開かれた。 「フフフ、今最高に活気付いているこの僕スネ夫さまただ今参じょ「行きなさい、ハクリュー」……え?」 言葉を折られた上にとんでもない化け物を見せられたスネ夫は呆然とした。 そこに息を荒げたのび太が到着する。 「?どうしたのスネ……!!」 のび太は部屋の中で広がる二つの生き物を見た。 いや、『二つの』ではない。『二つ分の』…… 「うわぁ……」 のび太は思わず声を漏らす。 双頭のハクリューだ。 青い鱗が煌びやかに照り、その異形を際立てる。 「こ、これも改造ポケモン!?」 スネ夫はぽかんとしながら叫ぶ。 「そうよ!」 ジャイ子は意地悪く笑いながら答える。 「さあ、行け!ハクリュー!!」 左首のハクリューが一声唸る。 「!!?」 スネ夫は突然体を強張らせる。 「スネ夫!?」 のび太はスネ夫に駆け寄ろうとするが 「来るな……ただのでんじは……来るぞ!!」 スネ夫の声で振り返るのび太。 右首のハクリューが大きく首を振り上げ―― 「たたきつけるだ!」 のび太は叫びながらスネ夫を抱えて、ハクリューの懐に飛び込む。 背後で首が空を切り、粉塵が巻き上がる。 「あ~あぶなか……」 溜め息をつくのび太の目に、牙をむく左首ハクリューの顔が―― のび太は声にならない叫びを上げ、スネ夫を抱えたままハクリューの右脇に逃げ込む。 なんとか落ち着くと、のび太はリュックからまひなおしを取り出し、スネ夫に与えた。 「おい、お前ら!!」 ジャイアンが怒鳴ってきた。 「こんな化けモンにびびってねえで、とっととポケモン出せ!!」 「……ふう、まったく無茶言うよ」 自由になったスネ夫が愚痴を漏らす。 「でも、言ってることはあってるよ」 のび太はボールを取り出しながら言う。 スネ夫は立ち上がり、頷く。 「のび太。出すのはハスボーだ」 急に語調を変えたスネ夫をのび太は見つめた。 「何かいい考えがうかんだの?」 「もちろん。怒鳴られてすっきりしたよ」 スネ夫はのび太に笑いかけてきた。 のび太も笑い返す。 ハクリューはゆっくりと、のび太とスネ夫の方へ向きを変えてきた。 「行くよ!ハスブレロ」「行け、チルット!」 二人のポケモンが繰り出される。 (お……おお!?) ジャイアンは誰にも気づかれないように喜んだ。 先ほどの右首ハクリューのたたきつける。 その衝撃で削れた石片が、手元にある。 鋭い石。硬い。 これをつかえば、もしかしたら…… (この縄を切れるかも!?) ジャイアンはジャイ子の様子を伺いながら作業を始めた。 「チルット、どっちでもいい。 首元を旋回するんだ!」 スネ夫は指示を出すと、のび太へ目を移す。 「のび太。僕が合図したら『しろいきり』だ。 合図するまで何もするなよ」 のび太は頷いた。 チルットは左首ハクリューの首元を回る。 ハクリューがいらいらした様子でその後をおう。 やがて左首ハクリューが唸り、大口を開け―― 「今だ!のび太!!」 「しろいきりだ、ハスブレロ!!」 丁度チルットが左首ハクリューの口に近づいた瞬間。 霧が一気に立ち込める。 辺りは白く包まれる。 視界はほんの少しだけ…… (……き、切れた!!) ジャイアンは縄を切り落とすと、見えないことをいいことに一人ガッツポーズする。 (おっと、こうしちゃいられねえ) ジャイアンは手探りでテーブルを探し出す。 やがてジャイアンはついに見つけた。 自分のボールを。 (おっしゃぁ!!これで戦え……) ジャイアンの思考は急に切り替わる。 霧が晴れてきた。 そして同時に、格子の向こうで気味の悪いものが見える。 「な……なんだよあれ」 ジャイアンは唖然とする。 「な、なに?」 ジャイ子は目の前の光景を見て呟く。 だらりと垂れる右首ハクリュー。 その首に巻きつく左首ハクリュー。 「よくやった、チルット」 スネ夫が手を伸ばすと、チルットは無事生還してきた。 ハクリューは右首から地面に倒れ、地響きを出す。 そして動かなくなった。 「ふふ、チルットを囮に使ったんだ」 スネ夫が呆然とするジャイ子に解説する。 左首ハクリューはチルットを追っていた。 そこに突然白い霧が巻かれ、視界が狭まる。 左首ハクリューの意識はチルットに集中した。 チルットは命令どおり右首ハクリューの首元を回る。 左首ハクリューはその後を追いかけ、知らないうちに 右 首 ハ ク リュ ー の 首 を 絞 め て い た。 「……これが、霧の中起こっていたことさ」 スネ夫は長々と説明していた。 「あ、あいつらすげえ……」 ジャイアンは口を開けながら驚嘆する。 (な、なんて驚いてる場合じゃねえ……) ジャイアンはボールをリュックにしまい始めた。 ジャイ子は舌打ちしながらも構える。 「まだよ……まだモテ夫さまから授かったバシャーモが」 「「もしも~し」」 突然、放送が鳴った。 その場の四人は顔を上げる。 「い、今の声は……!!」 スネ夫が息を呑み、呟く。 「出木杉……だったよな」 ジャイアンが言う。 「「あ~もう聞こえたかな? 簡単に言うよ。 茂手モテ夫は僕が倒した。もうここにはいない」」 出木杉は不気味に笑いながらマイクの前にいた。 「ロケット団の皆さん。 そして民衆の方々。 人探しはもういいです。 撤収してください」 「お……おいやめろ……」 出木杉の背後でモテ夫は呻く。 「ん~?」 出木杉はマイクから離れ、モテ夫の前に立つ。 「民衆は……ロケット団のことを……知らない。 そんなことばらしたら、大変なことに」 「ダーテング」 出木杉はモテ夫の台詞を無視して自分のポケモンを呼ぶ。 「や、やめろ」 モテ夫の必死の懇願は出木杉に踏みにじられる。 「じんつうりき」 「やめろおオォぉあァぁあァ!!」 モテ夫は頭を抱えて転げ周り、そして動かなくなる。 「ドラえもん、これでいいんだろ?」 出木杉は肩をすくめてきく。 「……いや、まだだ」 ドラえもんはきっぱり告げる。 「僕は君も止めなければならない。 なぜなら君もモテ君と同じく」 途端に出木杉は高笑いする。 「僕が?そいつと同じだって? ハハハ!! 月とすっぽんだよ。 そいつはこの世界の長には相応しくない。 真の天才はこの僕だけさ」 ドラえもんは首を横に振る。 「違う。君も彼と同じく、この道具で」 「ドラえもん。 今すぐ外で待っているサカキを呼んであげてもいいんんだよ?」 その言葉で、ドラえもんは黙り込む。 「せっかく二人になれたんだ。 話したいことは山ほどあった」 出木杉は椅子に座り、頬杖をつく。 「いったい何をだい?」 ドラえもんはまずきいた。 これが尋問の始まりだった。 次へ
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一人の少年がのび太の家へ向かっていた。 彼はの名前は暁 遊(あかつき ゆう)、のび太の通う小学校へ転校してきた転校生だ。 最初はクラスに馴染むことができなかったが今ではちゃんとのび太達の友達になっていた。 彼はのび太から のび太 「今から僕の家に来て!!」 と一方的な呼び出しを受けて今、のび太の家に向かっている。 遊 「のび太の奴……何の用だ?」 のび太の家に到着した。 遊 「おじゃましまーす」 のび太ママ 「あらあら、いらっしゃい」 のび太のママが出迎えてくれた。 玄関を見ると他にもたくさんの靴が並んでおり、遊以外も呼ばれている事はわかった。 階段を上がりふすまをあけると のび太、ドラえもん、スネ夫、しずか、出来杉、ジャイアンの六人がのび太の部屋で座っていた。 ジャイアン 「おい!!遊!!遅いぞ!!」 遊 「悪い悪い」 こちらで遊を叱りつけている体格のいい少年ジャイアン、かなり強引な性格で喧嘩が強いガキ大将 ドラえもん 「やあ、遊君いらっしゃい」 遊 「ああ」 みんなご存知青いタヌキ(ネコ)こと未来のロボットドラえもん のび太 「待ってたよ!!」 こちらのメガネの少年のび太、居眠りと射撃の天才でテスト0点記録更新中 出来杉 「それじゃドラえもん皆もそろった事だしそろそろ説明してよ。」 こちらの少年、出来杉は勉強、スポーツなんでもできる最強小学生 遊 「なんだ、お前らも聞いてなかったのか?」 しずか 「ええ、のび太さんに呼ばれて……」 こちらはドラえもんメンバーの紅一点しずかちゃん 出来杉と同じくらい勉強もできる。のび太の憧れ ドラえもん 「それじゃ、発表するよ……なんと!!」 のび太 「ポケモンの世界で冒険が出来ます!!」 全員 「……………」 一瞬だけ全員の時間が止まった。 遊 「……マジか?」 ドラえもん 「もちろん!!」 ドラえもんが自信満々に 頭を縦に振った。 ポケモン、のび太達の間ではやっているゲームの事だ ジャイアン 「よっしゃー!!」 ジャイアンが歓喜の雄叫びをあげた。 ドラえもん 「このポケモンワールドプレイを使えばポケモンの世界へひとっ飛び!!」 のび太 「ポケモンの世界に行きたいかー!?」 全員 「オッー!!」 ドラえもん 「スイッチオン!!」 ドラえもんが機械のスイッチを押すと全員は光につつまれた。 次へ
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ドラえもん のび太の創世日記 これの研究成果を普通に評価した先生は凄い。 -- 名無しさん (2015-02-08 22 46 57) ◎大変よくできました。これからも力を合わせて頑張ってください。 -- 名無しさん (2015-02-08 22 54 30) ジャイアンが劇場補正どころかヒロイン化した作品 -- 名無しさん (2015-02-08 23 10 13) ビッグバンを至近距離で受けても傷一つつかなかったのび太・・・(外で観てたドラは黒コゲなのに) -- 名無しさん (2015-02-08 23 24 23) ラスト新しい地球に昆虫人移住させてたけどさ、あれって新しい地球でまた昆虫人みたく地底に追いやられる生物が出るんじゃないの? と素直に丸く収まったと思えなかった -- 名無しさん (2015-02-08 23 27 58) これ、主題歌が凄くイイんだよね。ドラ映画でも個人的に上位に入る名曲だと思う。 -- 名無しさん (2015-02-08 23 35 13) 地球の誕生の流れや生物の進化の過程とか、かなり勉強になった映画 -- 名無しさん (2015-02-08 23 38 32) ↑3 進化退化放射線上手く使えばいいんじゃない? -- 名無しさん (2015-02-08 23 48 12) バトル要素0のドラえもん映画は後にも先にもこれくらいだろう。 -- 名無しさん (2015-02-08 23 49 10) ↑一応ムカデとは戦ってるけどね。 -- 名無しさん (2015-02-09 00 27 45) 昆虫人達のタイムマシンがタイムパトロールを撒いたりしてるから科学力は昆虫人のほうが進んでるのかな? -- 名無しさん (2015-02-09 03 06 15) これを見て思うのだがドラえもんの世界すらもこの道具で作られた世界、とも解釈できるよな。 -- 名無しさん (2015-02-09 03 25 40) 創世セットで政治をシミュレーションできれば現実にも生かすことができなくもない...? -- 名無しさん (2015-02-09 04 45 02) ギガゾンビやストームは過去に介入するよりも創世セットで好き勝手やってれば良かったんじゃないの? -- 名無しさん (2015-02-09 06 31 23) ↑たぶん彼らが時空犯罪者になる前にはなかったんだよ。 もしくは あくまで小学生が自由研究に使う程度のものと思ってたか… -- 名無しさん (2015-02-09 07 16 23) のび太「僕は新世界の神になる(キリッ」 -- 名無しさん (2015-02-09 07 37 32) ↑×5ずいぶんとアナログなマトリックスであるw -- 名無しさん (2015-02-09 08 53 37) ↑アナログの意味を間違えてないか? -- 名無しさん (2015-02-09 11 16 42) 細かいことを気にしてると、ハゲるぞ。 -- 名無しさん (2015-02-09 11 21 35) これに登場する昆虫人といい、竜の騎士の恐竜人といい、まるでゲッターロボの敵の恐竜帝国だなあ… -- 名無しマン (2015-02-09 12 02 36) ↑6あれ?ギガゾンビはたしかドラえもんより1世紀後から来たはずなんだけど…まあ、ギガゾンビは鉄の槍見せびらかして粋がっていたし実は未来ではかなり貧乏だったのだろうが。 -- 名無しさん (2015-02-09 15 02 14) のび太がマジで神になった作品。このセットか、あるいはこれに似たものがあらゆる世界、パラレルワールドを創造しているかもしれない。 -- 名無しさん (2015-02-09 15 30 28) ↑カルドセプトもそんな感じだよな。その世界のトップが新しい世界創造する設定だったし… -- 名無しさん (2015-02-09 16 01 03) 白神様と呼ばれていた大ムカデは、地底世界とつながる洞窟を守護するために昆虫人によって置かれた番人だと解釈してた -- 名無しさん (2015-02-09 18 11 03) ↑私もずっとそう思ってた・・ -- 名無しさん (2015-02-09 18 24 35) 進化退化放射線源を昆虫に当てたのってドラえもんじゃなかったっけ?確かスイッチ切り忘れたまま下に向けて、たまたまそこに居た昆虫に当たっちゃったはず -- 名無しさん (2015-02-09 20 01 46) 洞窟が崩れたというより逃がすために大岩で塞いだように見えた そのあと隙間から小さい昆虫人出てきて攻撃してたし -- 名無しさん (2015-02-09 21 29 15) 漫画版だとしずかちゃんが神様としてしたのは干ばつ地域に雨降らせて 疫病をから人々を救ったんだっけ? -- 名無しさん (2015-02-09 21 41 23) ↑3 いや、確か魚に進化退化放射線源を当ててる時に虫が魚と放射線源の間を通って当たったはず -- 電王牙 (2015-02-09 22 17 38) ↑翼の勇者やワンニャンでもトラブルの原因になってたよねあの道具 -- 名無しさん (2015-02-09 22 44 37) 聖戦を「神様のためとか言ってるけどあたしそんなこと望んでないのに」と言い放った藤子先生はマジですごいと思った。 -- 名無しさん (2015-02-10 03 34 12) ↑↑そうそう、フェニキアが究極体に進化したり(無論バビロンのせいでもあるが) -- 名無しさん (2015-02-10 12 13 09) やっぱり作者自ら脚本書くと壮大で良いよね -- 名無しさん (2015-02-10 13 07 40) なお壮大過ぎてエピソードが書ききれなかった模様。 -- 名無しさん (2015-02-10 15 52 55) ドラえもん のび太のソーサラー(魔法使い)日記 -- 名無しさん (2015-02-11 13 14 05) ツッコミ無しかよ先生! -- 名無しさん (2015-02-12 13 24 17) オリジナルの登場人物がいちいちエゴの固まりすぎて素直に楽しめなかった作品。ドラ映画はどれも好きだけどこれだけは苦手 -- 名無しさん (2015-02-13 21 43 52) ↑神の視点から見た人間って案外そういうものかもよ -- 名無しさん (2015-02-13 21 55 18) 昆虫人はあなたを憎んでます -- 名無しさん (2015-02-14 01 29 35) ↑3そりゃ人間自体がエゴの塊なんだから、創世を扱う今作でそういう人物が描写されてるのは当然でしょ。 -- 名無しさん (2015-02-14 01 37 36) 原作のドラとしずかが自分の活躍をのび太に話すシーンの作画に違和感。誰か別の人が書いたのかな? -- 名無しさん (2015-03-11 17 55 43) いくら未来の道具とはいえ、ただの小学生が太陽系とそこに住む全ての生命を作れるってよく考えるとすげえな -- 名無しさん (2015-09-24 11 07 49) 地底世界に居た連中が地上世界に介入するってシチュエーションなら竜の騎士と似た感じだよね。 -- 名無しさん (2015-09-24 11 35 05) 先生もよく受け入れたなwww -- 名無しさん (2016-04-17 12 32 39) ドラえもん達が危ない目に合わないおかげで安心して見れたから一番好きな映画だったな。振り返ると確かに倫理観とか色々どうなんだって突っ込みどころ満載だけどw -- 名無しさん (2016-06-17 21 32 46) ドラえもん版「フェッセンデンの宇宙」だなこりゃ。こっちはハッピーエンドだけど。 -- 名無しさん (2016-06-17 22 42 58) ↑3 宇宙創造について調べて、そのうえで生命体の進化をシミュレーション。さらにそこにもしもこんなことで干渉したら未来がどう変化するか。このような点について着目して作りました。とかの方向性にもっていけば何とか……ッ -- 名無しさん (2016-06-17 23 45 50) のび太の絵がけっこう笑える -- 名無しさん (2016-06-18 06 20 28) 最終的にはのび太がいる現実世界、のび太が作った地球の世界、新しく作った虫人間の地球が存在する事になった。それぞれの歴史は今も輝いていると願う。 -- 名無しさん (2016-06-18 14 49 06) アフターエピソードに小学館の「のび太の地球を救え!―まんが版環境基本計画」がある -- 名無しさん (2016-10-10 12 32 17) 鎧武「俺が苦労してやってる事をいとも簡単に・・・未来って凄いな」 -- 名無しさん (2016-11-05 16 07 38) 大統領は戦争するぞって姿勢はあったが書かれてるがアニメだと警告したり、のび太が神だと知ると落ち着いて話を聞いたりと悪い人でもなかったなあ。良い指導者だったろう…移住した昆虫人間の星でのび太の銅像立ててそう -- 名無しさん (2016-11-11 22 12 38) 先生「大変よく出来ました」 ・・・ツッコんでいいのかな? -- 名無しさん (2016-12-05 21 55 51) 先生もドラえもんのことは知っているし、「未来のシミュレーター」程度のものだと思ってるんじゃないか? -- 名無しさん (2017-01-28 14 33 16) ブリキ、三銃士の後だったから、戦闘シーン控えめでなんかつまんないなと思ってしまった少年期。今はすごく好き。あと上の方のコメにあるギガゾンビが使わなかった理由は、世界創造とかやべえって理由で創生セットは発売禁止、記録からも抹消されたからそもそも存在を知らなかったと予想w -- 名無しさん (2017-03-04 11 59 47) 野比奈も婆さんも結構な歳なのに子供いないっぽかったよな、あの後子供作ったのか… -- 名無しさん (2017-05-08 17 05 47) とりあえず、これが公開された時自分の年齢はまだ4歳。ビデオで見たけどちょいと1~5歳の子供には確かに難解過ぎる内容。大人になって視聴してからようやく話を理解できた。 -- 名無しさん (2017-05-08 17 14 50) ドラえもんって秘密道具を出しっぱなしにする悪癖があるから、創生セットから昆虫人が出てこれたのもそれが原因じゃないかなぁ -- 名無しさん (2017-05-08 17 33 13) ↑ぜんぜん違う。昆虫人がタイムマシンでのび太たちの世界に(彼らが言うなら超空間の支流から)やってきたのであって、道具出しっぱなしとは関係ない。そこちゃんと説明されてたはずだけど -- 名無しさん (2017-05-08 17 41 11) 倫理的にどうかとは思うけど宇宙作りたい -- 名無しさん (2017-06-26 11 23 10) あと10年ぐらい経てばこのレベルの電子ドラッグが発売されそう -- 名無しさん (2017-06-30 11 28 28) 22世紀の道具を自由研究テーマとして使っていい学校はかなり寛大だなあとは思う -- 名無しさん (2017-08-02 21 44 29) のび太はマット内の爆心地にいたはずが全くの無傷だった。←神様リングで無敵モードの可能性があるかな? -- 名無しさん (2018-04-10 16 24 09) 昆虫人の経緯を考えると大統領には憎悪の感情が存在しないのかと思ってしまうな -- 名無しさん (2018-06-24 23 35 51) ドラえもんとのび太凄いな平和な宇宙を作ってくれるとは。おいエンブリヲ、セーラーコスモスお前らはどうなんだ? 身勝手に宇宙作ったり疲れたと言って宇宙を静かに滅ぼそうとしやがってよ・・・ -- 名無しさん (2018-08-23 00 57 59) 22世紀が平和なのって本来なら対立して滅ぼしあう運命だった種族や国家は戦争になる前にさっさと自分達で新しい地球を作って移住してるからだったりして。 -- 名無しさん (2018-08-24 15 31 52) ↑2何を言っているのか分からないけど、それに比べてみたいな叩き方せんでくれよ -- 名無しさん (2018-08-24 16 07 57) 宇宙の素にヒッグス粒子が入ってないのはどういうこと?95年時点だとまだ考案されてなかったとか? -- 名無しさん (2018-09-30 11 58 07) 久しぶりにこれを読んで、去年の秋から始まって今年の1月から再放送してる『SSSS.GRIDMAN』を思い出した。さしずめ新条アカネがのび太達のポジションに近いといったところか -- 名無しさん (2019-02-14 13 29 42) 映画版のエモドランは何故目立ちたがりの濃いキャラになったんだろ?原作だとそこまでしゃしゃり出てなかったような。 -- 名無しさん (2019-02-20 06 55 46) まさかこの時は速水さんが別なジャイアン役の人とラップして、金曜日版ラストのゲストになるとは思わなかったろうな…。 -- 名無しさん (2019-09-20 19 08 08) ビタノがかなりいい性格をしていて笑えた。 -- 名無しさん (2019-09-22 21 22 25) この作品に関して思うのだが、竜の騎士にも言えるが何だかゲッターロボみたいだった…別の生物から進化した人類が地底で栄えて、地上を取り戻そうとするのとか。 -- 名無しさん (2019-10-02 10 17 47) 映画というより学習ビデオに近い印象 -- 名無しさん (2019-12-13 12 44 09) ある意味っていうか、文明シミュレーションとも言えるかなあ。 -- 名無しさん (2019-12-13 13 35 49) あれ?井上和彦さん、嘗ては先生役じゃなかった? -- 名無しさん (2020-01-24 19 39 11) エンディングの日記でティラノサウルスにテンション上がって最期ちょっと泣いちゃうのび太すき -- 名無しさん (2020-02-09 04 36 58) 創生セットで、太陽系外は作られているのかな? それとも宇宙(創生セット世界)の「果て」がある? のび太達の世界でもハテノハテ星雲という「果て」はあるけども。 -- 名無しさん (2020-04-12 17 16 19) アクションとか冒険に乏しいからあまり評価高くないけどNHKドキュメンタリーとか歴史物が好きな自分にはドラ史上トップクラスに好き。藤子版火の鳥と言っていいくらいの良作だと思ってる。 -- 名無しさん (2020-06-28 02 53 53) 先生「私もリアルタイムで見てみたかったな」出木杉「僕も見たかった!!」 -- 名無しさん (2020-09-15 21 19 22) ログ化を提案します -- 名無しさん (2021-03-26 19 47 53) 当時の世相(阪神淡路大震災)の都合で関東大震災に昆虫人が関わってたってエピソードは削られたけど、結末を思えば削って正解だったね -- 名無しさん (2021-08-05 23 34 27) シムアースみたくあえて現実の地球と違う環境でシミュレートしてみたいな。ヒトデ文明とか食虫植物文明とか生まれるかも -- 名無しさん (2021-08-05 23 37 24) ↑絶対スプラトゥーンの世界を作ろうとする奴が出てくるw -- 名無しさん (2021-08-05 23 43 50) ↑2ゼンカイジャーに出てくるような世界も作れそう -- 名無しさん (2021-08-05 23 46 24) ↑もし創世セット内でキカイトピア的な世界が生まれるとしたら、高度に科学文明が発達するまでに育てたのに滅亡してリセット…しようと思ったら、残された機械が社会を築き始めたので観察続行。みたいな感じだろうか -- 名無しさん (2021-08-09 22 31 18) 今見るとたしかに異色作。けど、これが子供の頃に見た一番最初の劇場版ドラえもん(なんなら初めて見たドラえもん)だから未だにこれが一番好き -- 名無しさん (2021-08-10 00 25 19) リメイク版作る際は、尺の都合でカットしたシーンやアイデア出しだけで終わった箇所などを出来る限り詰め込んで(特にしずかちゃんが向かった西洋で戦争を見届けざるを得なくなった箇所)、シンエヴァ級の上映時間でやってほしい。 -- 名無しさん (2021-08-10 18 45 58) 純粋なシミュレーションゲームにしても面白そうだな -- 名無しさん (2021-08-11 21 47 19) ログ化しました -- (名無しさん) 2021-08-20 17 17 18 創世セットといい人間製造機といい未来の世界には論理というものがあるのか心配になってきた -- (名無しさん) 2021-12-01 19 35 43 自分なら昆虫が繫栄してるの見たら、そのままそれでシミュレートするなあ。現実と同じように脊椎動物が繁栄するもよし、本当にそのまま昆虫文明が出来上がるも良し -- (名無しさん) 2021-12-01 20 07 00 チュン子のお宿で流れる曲がなんて曲か知りたい -- (名無しさん) 2021-12-10 22 00 54 イマイチ納得し難い結末だけど、全体の雰囲気、何より主題歌が最高。 -- (名無しさん) 2022-01-09 00 06 58 普段の冒険要素があまりないから子供の頃は面食らった。 -- (名無しさん) 2022-02-09 22 45 29 ↑ほかの大長編よりも非日常に飛び込む感が薄く、いつもの話のスケール拡大版のように見える。確かに異色作だ。 -- (名無しさん) 2022-02-10 00 38 10 通常回+学習漫画の合わせ技的な映画だったから子供のころはなんか響かなかったけど、知識がつく年齢になると面白いと感じる。そういう映画 -- (名無しさん) 2022-04-17 20 22 49 EDで提出された自由研究のノートを見ると小学生達みんなレベル高すぎ。一見それほどでもなさそうなのび太の観察眼や画力もよく見るとかなりしっかりしている。 -- (名無しさん) 2022-05-17 10 13 35 個人的に90年代の大長編では一番好きかな?パラレルワールドでのび太が活躍してるのが良いし、地底人を安易に悪役にしていないのも良い。 -- (名無しさん) 2023-07-12 09 07 57 エモドランも4次元ポケットからひみつ道具を出してくれるお助けロボットなのかしら -- (名無しさん) 2023-08-14 19 20 00 これ創世セット棄てるわけにもいかないし物語の後の処遇が気になる。 -- (名無しさん) 2023-10-01 19 10 26 あっちはあっちで(ポケットの中で)やってくんじゃない?侵略は放棄したんだし。 まあ魔界大冒険と似たようなもんかな。 -- (名無しさん) 2023-10-01 19 32 44 壮大な歴史と未来をしっとりと歌い上げた主題歌をバックに、完成した絵日記を1ページずつめくって最後に先生のコメントで締めくくる。これ以上にこの作品を見事に表すエンディングがあるだろうか。賛否両論いろいろある作品だけどエンディングの良さに関しては正直全ドラえもん映画の中でぶっちぎりの一位だと思ってる -- (名無しさん) 2024-04-12 00 22 09 しずかちゃんが女神として活躍するページって加筆?絵柄が何か違うし、当時コロコロで読んでたときはあの部分無かった気がする -- (名無しさん) 2024-05-08 23 31 38
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拝啓 ドラえもんさま。 こんばんは、野比のび太です。 陽春の候、いかがお過ごしでしょうか。 さて、あなたに誘われるままポケットモンスター金銀の世界にやって来てから、 六時間ほどが経過いたしました。 言い出しっぺのあなたがゲームの世界に来ないとは正直予想外でした。 おかげでぼくはウツギ博士にお使いを頼まれ、先ほどやっとそれを終え、 一人だけ大幅に遅れをとっています。 博士からのお礼は特にありません。 早くも現実の世界に帰りたくなってしまいました。 スペアポケットとは言いません。 せめてウラシマキャンデーを、ウラシマキャンデーをください。 冗談です。 それでは、またお会いいたしましょう。 敬具 ここはヨシノシティ かわいい花の香る町 「へぇ、ゲームの世界にも季節ってあるんだぁ」 のび太は感嘆の声を洩らした。 この町にはその説明の通り、至る所に花がある。 もちろん、春を象徴する桜もその花を咲かせている。 「きれいだなぁ……」 のび太はのび太らしい率直な感想を述べた。 「ほらヤドン、桜きれいだよ」 しかし、のび太のパートナーであるヤドンは桜に一瞥も与えず、 ただぼんやりと月の浮かんだ夜空を眺めている。 のび太はやれやれと思いながらポケギアに目を落とす。 「次の町はキキョウシティか。みんなもう着いてるんだろうなぁ……」 のび太は溜め息を漏らした。 ヤドンはまだ空を見ている。 ウツギによれば、もともとのび太たちがもらえるはずだったポケモンたちは、 数日前に何者かに盗まれてしまったらしい。 のび太は不安を感じずにはいられない。 「そういうイベント、なのかなぁ?」 のび太の独り言に答えるものはいなかった。 考えていてもしょうがないと判断したのび太は、 ヤドンを連れて30番道路に向かった。 ここは30番道路 キキョウシティ …… ヨシノシティ 「ここを抜ければキキョウシティなんだね」 のび太はなんとなく、そばにあった大きな木に手をついた。 そして、木の上からなにかがぶら下がっていることに気付いた。 「うわッ!」 のび太は驚き、慌てて後ろに下がった。 そのなにかの正体は野生のイトマル。 のび太は胸を撫で下ろす。 「はぁ、どきどきしたぁ……」 のび太はイトマルをよく捉えようとして、そのつぶらな瞳と目が合った。 「よし、捕まえてみよう」 そう決めるや否やのび太は傍らのヤドンに命じる。 「体当たり!」 気を抜いていたらしいイトマルにヤドンのピンク色の体がぶつかった。 「よし、モンスターボール!」 射撃が得意なだけあって、のび太の投げたボールは見事にイトマルに命中し、 当たったボールは揺れもしなかった。 「やった、えへへ」 初めて自力でポケモンを捕まえ、頬が紅潮している。 「やっぱり考えすぎだったな」 のび太は実に単純な構造の脳みその持ち主だった。 ここはキキョウシティ 懐かしい香りのする町 「だれかと一緒に行けばよかったかしら」 しずかはぽつりと呟いた。 しずかはこの世界に来た四人の中で唯一、ポケモンをプレイしたことがない。 みんなのプレイを見ていた程度だ。 経験不足はしずかを焦らせ、結局ここまで一人で来てしまったのだった。 「別に優勝するつもりもないのに」 そう、ゲームには勝者がつきものだ。 今回の場合は最初にチャンピオンになれば優勝である。 しかし、しずかは勝ち負けにはあまり興味がなく、 どちらかと言えばかわいいポケモンと一緒にいたいという気持ちだった。 どうせ黙っていてもだれかが優勝するだろうと考え、 これからは自分のペースで進むことにした。 「それじゃナゾノクサ、お散歩にでも行きましょ」 パートナーのナゾノクサを連れて、しずかもまた31番道路へ歩き出した。 ここはマダツボミの塔 ポケモンの修行をなされよ 「オニスズメ、つつく!」 ジャイアンはマダツボミの塔で坊主相手に修行をしていた。 修行と言っても、マダツボミ狩りと言い換えることができるほど一方的なものだった。 ジャイアンのパートナーはワンリキーだが、 マダツボミやホーホーを相手にしてはその実力は発揮できない。 そこで新入りのオニスズメの出番というわけだ。 そしてとうとう、マダツボミの塔において最も強い坊主、コウセイをも倒してしまった。 「あんたも弱いなぁ。全然手応えなかったぜ」 ジャイアンは勝ち誇った笑みを浮かべる。 そんなジャイアンを見据え、コウセイは口を開く。 「確かにそなたは強い。だが」 「負け犬のくせに説教かよ」 ジャイアンを無視してコウセイは続ける。 「そなたはポケモンに対する愛情が足りない」 途端にジャイアンの顔が不愉快そうになった。 「愛情なんて強さに関係ねぇよ」 「どう思おうと勝手だが、そのままではこれ以上強くはなれまい」 いつものジャイアンならばとっくにコウセイを殴っていただろうが、 コウセイの持つ密かな迫力に圧倒されてしまっていた。 「ちッ、ばかじゃねぇの。なにが愛情だよ」 ジャイアンはそう吐き捨て、塔をあとにした。 キキョウシティ ポケモンジム リーダー ハヤト 華麗なる飛行ポケモン使い! 「それじゃよろしくお願いします」 「こちらこそ」 その頃、スネ夫はキキョウジムに挑戦していた。 ハヤトはポッポを、スネ夫はパートナーであるケーシィを繰り出す。 「ポッポ、体当たり!」 先手を打ったのはハヤトだった。 スネ夫は動じず、ケーシィに指示を出す。 「テレポート!」 ポッポから攻撃を受ける直前にケーシィの姿がかき消えた。 「どこに行った?」 「後ろだよ」 ケーシィはポッポの背後に回っていた。 「ポッポ、風起こし!」 「ケーシィ、テレポート!」 スネ夫はただただ、ケーシィにテレポートを命じ、 ポッポの攻撃をケーシィがテレポートで避ける、という行為が幾度も繰り返される。 「どういうつもりだ!」 スネ夫はそれには答えない。 そして、ハヤトはスネ夫のその意図に気が付いた。 (悪あがき狙いか!) そう、スネ夫は技ポイント切れによって悪あがきを発動させようとしているのだ。 (舐めた真似を) 「テレポート!」 怒りに震えるハヤトにスネ夫の声が聞こえた。 (今のが十四回目のテレポートだな) テレポートの技ポイントは十五。 ならば、とハヤトは考える。 ケーシィが最後のテレポートを使ったときに、 ポッポに守るを使用させれば悪あがきを防ぐことができるだろう。 「ケーシィ」 スネ夫が指示を出そうとした。 「ポッポ、守る!」 ハヤトの命令を受け、ポッポが自身を丸め、防御しようとしたそのとき。 「悪あがき!」 ケーシィはテレポートではなく、悪あがきを発動した。 「なにッ!」 防御体勢が万端でなかったポッポは、悪あがきをまともに食らい倒れた。 「ばかな!なぜ……」 スネ夫がいやらしい笑みを浮かべて言う。 「技ポイントが常に満タンとは限らないよ?」 その言葉にハヤトははっとする。 「なるほど、おれと戦う前にテレポートの技ポイントを一だけ減らしておいたのか」 テレポートの連発が悪あがき狙いであることが気付かれるのは、 スネ夫にとっては計算のうちだったのだ。 「仕方ない。出てこい、ピジョン!」 ハヤトが繰り出したのは、切り札でもあるピジョン。 「先制攻撃だ、泥かけ!」 もはや攻撃を避けるすべを持たないケーシィは、泥かけを食らってしまった。 「ケーシィ、悪あがき!」 命中率が下がっているケーシィの悪あがきは虚しく空を切る。 「ピジョン、風起こし!」 もともと防御力の高くないケーシィは、ピジョンの攻撃で戦闘不能となった。 「戻れ、ケーシィ。次はこいつだ!」 スネ夫が出したのはハネッコ。 「ハネッコ、だと?」 草タイプのハネッコは飛行タイプのピジョンとは相性が悪い。 「どこまでも舐めたものだな」 ハヤトは呆れかえっている。 それを見て、スネ夫はにやりと笑った。 「ピジョン、体当たり!」 ハヤトの指示を受けたピジョンは、ハネッコ目がけて走り出した。 (効果抜群な風起こしを使わないなんて、随分と手を抜いてるじゃないか) ハヤトが本気を出していないことが分かり、スネ夫はほくそ笑む。 「舐めてるのはぼくじゃない、あんたの方さ。ハネッコ、毒の粉!」 ハネッコの至近距離にいたピジョンに毒の粉が直撃した。 「ハネッコ、続いてフラッシュ!」 ハヤトとピジョンに少しの暇も与えず、スネ夫はハネッコに命令した。 眩い光がジムを照らす。 「目が、目がぁッ!」 ピジョンはもちろん、ハヤトも思わず目をつぶった。 スネ夫はどこに持っていたのか、しっかりとサングラスを装着している。 「秘伝マシンを持っていたのか……」 ハヤトは目を押さえながら呟いた。 そう、フラッシュを含むすべての秘伝マシンは、 ポケモン図鑑やポケギアと同様に、 ゲームが開始したと同時にプレイヤーに配られている。 一つしか手に入らないものであるため、 二人以上でプレイするときは全員に配られるように設定されているのだ。 スネ夫はさらにフラッシュを命じ続ける。 ハヤトの目が回復するころには、ハネッコはすでに六回目のフラッシュを終えていた。 それからは一方的な戦いだった。 ハネッコに攻撃はほとんど当たらず、たまに当たってもすぐに光合成で回復してしまう。 ピジョンはと言うと、毒に少しずつ体力を奪われ、加えて攻撃を食らっていた。 それから数分後、ピジョンはとうとう体力が尽きて倒れた。 「……おれの負けだ。これを受け取ってくれよ」 ハヤトはスネ夫にジムバッジと技マシンを渡す。 「ありがとうございます」 (技マシンは泥かけか。正直いらないなぁ) スネ夫は口先でだけ礼を言うと、ジムを出た。 上機嫌で鼻歌など歌うスネ夫の耳に、聞き慣れたあの声が聞こえた。 「スネ夫、勝負だ!」 ジャイアンからしてみれば、さしたる理由はなかった。 ただむしゃくしゃしていたから、そしてその目の前をスネ夫が通ったから、 ジャイアンはスネ夫に勝負を挑んでいた。 「ジャ、ジャイアン。それはちょっと勘弁してくれないかなぁ」 スネ夫は必死でジャイアンとの勝負を避けようとする。 今戦える手持ちはハネッコしかいないのだ。 「ぼく、一応ジム帰りだから手持ちが」 「うるせぇな、勝負しねぇなら全財産よこせ!」 さすがジャイアン、めちゃくちゃである。 スネ夫の脳みそは経験上、こう言っている。 機嫌の悪いジャイアンに逆らうことは最も無駄な行為の一つであり、 無駄どころか危険なのでやめた方が賢明だ、と。 諦めがついたスネ夫はハネッコを出した。 ジャイアンはオニスズメを繰り出す。 結果は言わずもがな、ジャイアンの楽勝であった。 「ありがとな、スネ夫。いいストレス解消になったぜ」 ジャイアンはスネ夫の所持金の半分を奪い、ジムへと向かっていった。 ここは31番道路 キキョウシティ …… ヨシノシティ 「やっと着いたよ、キキョウシティ」 のび太はキキョウシティ入口を前にして呟いた。 「正確にはまだ31番道路だけどね」 あと一息、と入口に入ろうとしたそのとき。 「ぐはッ!」 扉が勢いよく開き、のび太の顔面にクリティカルヒットした。 ついでに鼻血が出た。 「あっ、ごめんなさい!」 のび太の耳にかわいらしい声が届いたが、当然その程度では痛みは治まらない。 「ごめんですんだら警察はいらないんだよ、ってしずちゃん!」 「あら、のび太さん!」 扉を開いたのはのび太の思い人、しずかだった。 「ほんとにごめんなさい!」 「いや、全然平気だから気にしないで」 しずかは腰を深く折り、のび太に謝罪する。 のび太は鼻にティッシュを詰めている。 「そんなことより、しずちゃんはどうして戻ってぐふッ!」 のび太の言葉はそこで途切れた。 驚きながらしずかが呟く。 「あれは……ホーホー?」 のび太は今度は野生のホーホーに後頭部を攻撃されたのだ。 「この……ヤドン、体当たり!」 ヤドンの体当たりがホーホーに当たり、ホーホーは千鳥足になる。 「よし、あれ?」 のび太はポケットを探るが、モンスターボールがないことに気付く。 どうやらイトマルと会ったときに、驚いて落としてしまったらしい。 「仕方ないや。しずちゃん、ボールを投げて!」 「わかったわ!」 しずかはボールを取り出し、ホーホーに投げつけた。 ボールは二、三度揺れて動きを止めた。 「よかったね、しずちゃん」 初めてポケモンを捕まえたしずかはうれしそうだ。 「そうだわ、のび太さん」 しずかは名案を思い付いたかのような顔でのび太に尋ねる。 「一緒に行かない?」 のび太から誘うことはあっても、しずかから誘われるなど滅多にないことだ。 これは千載一遇のチャンス、逃してなるものか。 「とんでもない、喜んで!」 いまいちどちらなのか判断しづらい返事をしてしまった。 「それってどっち?」 しずかの一言でのび太は冷静になった。 「えぇと、オッケーってことです」 「よかったわ。これからよろしくね、のび太さん」 しずかの言葉にのび太はすっかり舞い上がってしまった。 ここはヒワダタウン ポケモンと人とが共に仲良く暮らす町 「やっと着いたぁ……」 息も絶え絶えにスネ夫は呟いた。 「確か次はヤドンの井戸にいるロケット団を追っ払うんだっけ?」 だいぶ前とは言え、ゲームのポケモン金銀をクリアしているスネ夫は、 ゲームのおおまかな流れを覚えている。 「はぁ、めんどくさ……あれ?」 ヒワダジムの入口がスネ夫の視界に入った。 ゲーム通りならば入口を塞いでいるはずの人間は、そこにはいない。 「もしかして、やらなくても」 ジムに近付き、窓から中を覗き込んだ。 中ではたくさんのトレーナーたちが挑戦者を待ち構えている。 「いいみたいだね……ふわぁ」 スネ夫から欠伸が一つ洩れた。 そう、時刻はもうすぐ夜明け。 ジムの中には目を赤くしている者、睡眠を取っている者もいる。 「ジムのトレーナーも大変だなぁ」 ジムには後で挑戦することにし、スネ夫はポケモンセンターへ向かった。 「もう、どこだよここは!」 ジャイアンは頭をぼりぼり掻きむしりながら呟いた。 ほとんど叫んでいるようなものであったが。 「洞窟ってこんなんなんだなぁ」 ジャイアンはRPGのダンジョンをほとんどすべてスネ夫にやらせていた。 そのためジャイアンは、たとえ地図があったとしてもまったく進めないのだ。 話も聞かなければ地図も読めない。 つまり剛田武という人間は、RPGはさっぱり向いていないのだが、 本人はそういったゲームが大好きなのだ。 俗に言う下手の横好きというものである。 「くそッ、せっかく早起きしたのに」 まさかのタイムロスに舌打ちをする。 そんなジャイアンの脳裏に、ある一つの考えが浮かんだ。 「なぁ、あんた」 ジャイアンは近くにいる眼鏡の男に尋ねる。 「あんたはこの洞窟の出口までの道程を知ってるか?」 男はいきなり話しかけられ、少し驚いたようだが、ジャイアンの質問に答える。 「あぁ、知ってるが。それがどうかしたのか?」 物分かりの悪い男に若干いらつきながらも、ジャイアンは続ける。 「ここであんたとバトルしておれが勝ったら、 速やかに所持金をよこすと共におれを出口まで連れていってほしいんだよ」 それを聞いた男は明らかに不満そうな顔をする。 「それじゃ、オレだけが損じゃねぇか」 「話は最後まで聞いてくれよな」 ジャイアンはさらに続ける。 「その道中で出てくる野生ポケモンは全部おれが倒すし、 もしあんたが勝ったら、おれの所持金と手持ちを全部やるよ」 しばしの沈黙。 それを破ったのは男の方だった。 「分かった。その話に乗ってやるよ」 男の言葉にジャイアンは、ガキ大将らしかぬ笑みを浮かべた。 「気持ちのいい朝だなぁ」 窓から差し込む日光を浴びて、背伸びをするのび太。 「……ってもう十時じゃん!」 ポケギアを確認したのび太は慌てて身支度を整える。 息を切らして部屋を出れば、そこではしずかが待っていた。 「しずちゃん、おはよう……」 のび太は謝罪の意味を含んだニュアンスで言った。 「のび太さん、こんにちは」 一見すれば普通の挨拶だが、自分の「おはよう」に対し、 わざわざ「こんにちは」で返している辺りから、のび太はしずかが、 「もう朝じゃなくて昼よ。いつまで寝てるのよ、まったく!」 ということでも考えているのでは、などと邪推してしまう。 しかし、 「ゆっくり眠れたみたいでなによりだわ」 しずかはにっこり微笑みながら言った。 のび太の杞憂は数秒で吹っ飛び、代わりに押し寄せてきたのは、 心優しいしずかを疑ってしまった自分に対する情けなさ。 「そ、それじゃ、進もうか!」 それを誤魔化すため、のび太は不自然なくらい大きな声を出した。 すると、 「あぁッ、いたいたいたいたいたいたいたいた!」 一人の男が二人に近付いてきた。 「まさかまだ寝ていたとは……。いやぁ、探しましたよ」 白衣の男はにこやかに言い、のび太は不躾にも尋ねる。 「えっと、だれですか?」 「ぼくです。ウツギ博士の助手ですよ」 「……あぁ、おはようございます」 思い出せはしなかったが、とりあえずのび太は頭を下げた。 「のび太くん、もう朝じゃなくて昼ですよ。 いつまで寝てるんですか、まったく!」 のび太の邪推は微妙な形で当たってしまった。 すると助手は、鞄からなにかを取り出した。 「これをのび太くん、きみに届なければならなくて」 「これって、あのタマゴですか?」 そう、前日にのび太がウツギに頼まれて、 ポケモンじいさんに見せにいったタマゴである。 それに対する助手の首肯。 続いてタマゴについての大まかな説明を施し、 そういう訳なので、とのび太にタマゴを手渡して去っていった。 「なにが生まれるのかしらね」 しずかが興味深そうに言い、 のび太はそのおかしな模様のタマゴをじっと見つめていた。 ヒワダタウン ポケモンジム リーダー ツクシ 歩く虫ポケ大百科 「やっぱりできちゃった」 ジムバッジを握った右手を見つめてスネ夫が洩らした。 ツクシの使用する虫タイプに対して、相性のよくない二匹ではなく、 新入りのウパーで戦ったおかげで楽勝だった。 「それにしても、あの青狸め。ちゃんと説明しろよな、まったく」 スネ夫はここにはいない相手に悪態を吐きながら、町の入口を一瞥した。 「ジャイアンはまだ来てないみたいだし、いい感じだ」 このペースで進めればいいんだけど、と呟いて、スネ夫はウバメの森へ向かう。 スネ夫にとって、町の人間が困っているだとか、悪事を働いている人間がいるだとか、 そういったことは、まったく興味の対象になりえなかった。 「お前の全財産はありがたくもらっとくぞ」 眼鏡の男はジャイアンを見下ろしながら言った。 ジャイアンの持ち掛けたバトルは、男による一方的な戦いに終わった。 ジャイアンはこの世界では初めての惨敗を味わったのだった。 戦う前に自分が決めたルールの通りに、 手持ちのポケモンが入ったボールを渡そうとするジャイアンを、男は両の手で制する。 「あぁ、ポケモンはいらねぇよ。最初からもらうつもりもなかったからな」 男はさらに続ける。 「お前には絶対に勝てるって思ったから、お前の話に乗ったんだ。 バトルに手持ちポケモンを賭けるような奴は、弱いに決まってるからな」 男の言葉にジャイアンは俯いたまま。 「まぁ道案内くらいならしてやるよ。オレも鬼じゃないしな」 今のジャイアンにとって、男のその申し出は屈辱以外のなにものでもなかった。 しかし一人では洞窟を抜けられない。 ジャイアンは結局、男に誘われるまま黙って付いていった。 ゲートを抜けるとウバメの森 「うぅ、気味悪いなぁ」 スネ夫が心底、嫌そうに呟いた。 ウバメの森は空も見えないほど木が鬱蒼と生い茂り、 その空気は水分を孕み、じっとりとしている。 幽霊が出てもおかしくなさそうなくらいだ。 「こんな細かいところまでリアルにするなよなぁ」 すると足下から、がさがさという音。 「うひゃッ!」 恐る恐る見てみると、そこにいたのは背中に二つの茸を持つポケモン。 「なんだ、野生のパラスかぁ……」 状態異常で攻めて攻めて攻めまくるのが、スネ夫のポケモンにおいての常套手段。 特にパラセクトは、スネ夫もゲームで愛用していた。 「よし、捕まえてやろう」 ありがたく思えよ、と右手でパラスを指差しながら、 スネ夫は左手でモンスターボールを構えた。 一方、のび太としずかは繋がりの洞窟にいた。 「あぁ、のび太さんと一緒でよかったわ」 しずかがぼそりと洩らした。 その言葉にのび太は心の中でガッツポーズ。 ちなみにしずかにとってその台詞は、 一人でなくてよかった、という意味合いでしかなかった。 「しずちゃん、メリープを捕まえておいてよかったね」 薄暗い洞窟を照らしているのはしずかのメリープ。 それのおかげで二人は迷うことなく進んできた。 「のび太さんもサンドを捕まえられたわよね」 「まぁほとんど偶然なんだけどね」 そう、たまたま落としたモンスターボールが転がっていき、 そこでぼーっとしていたサンドに当たったのだ。 「なんでぼくの手持ちって、こんなのばっかりなんだろうなぁ」 のび太は溜め息を吐いた。 「あれかしら。類は友を呼ぶって言うじゃない」 「……」 しずちゃん、それはあれでしょうか。フォローのつもりなのでしょうか。 まさか嫌味ですか。それとも天然ですか。 ぼくの特に繊細というわけでもない心は、ほんの少しだけ傷つきました。 のび太はそんなことを思いつつ、とりあえず笑顔でいた。 ヒワダジムの前でジャイアンは立ち尽くしていた。 あの男は洞窟を抜けるとすぐに、用事があるから、と言って去っていった。 あのとき、男が紡いだ台詞。 そして記憶は逆上り、マダツボミの塔でコウセイに言われた言葉も蘇る。 「おれは……」 そう言うと、ジャイアンは深く息を吸い、ゆっくりと吐いた。 自分のモンスターボールを見つめ、両の手でそれらをぎゅっと握り締めた。 「おれはッ……!」 このときのジャイアンは、涙こそ流してはいなかったが確かに泣いていた。 その理由は、たくさんありすぎた。 ジャイアンはやっと、それらに気付くことができたのだ。 しばらくして、ジャイアンはジムの中へ消えていった。 次へ
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!!ゲームタイトル!!! タイトル名・・・ドラえもんのび太のBIOHAZARD 作者・・・・・・aaa !!!!!著作権違反!!!!! 藤子・不二雄さん CAPCOMさん が持っている著作権を無視し、このゲームを作ったそうです 最悪の場合aaaや総合番の掲示板管理者★って奴達には損害賠償および10年以下の懲役を与えることとなる 不当利得返還請求 著作権者は、著作権を侵害することによって利益を得ている者に対し、当該不当利得の返還を請求することができる(民法703条)。 のびハザだってこういうように調子に乗っている奴がいるのが現状 !!!!!グルであるサイト!!!!! http //www42.atwiki.jp/nobitahazard-wiki/ http //jbbs.livedoor.jp/game/50111/ この二つのサイトは俺を編集拒否リストに入れたり俺をホスト規制中!!!などと言われ俺を書き込みできなくしました こいつやっつけられたいために俺を追放させているので改造版総合にブラクラなど貼って荒らしましょう!! !!!!!!!!!グルであるホスト晒し!!!!!!!!! ホストはp7111-ipad01koufu.yamanashi.ocn.ne.jp IPは219.160.108.111 俺にいろいろ攻撃するというゴミクズ山梨民www ホストはwb91proxy04.ezweb.ne.jp IPは111.86.147.134 ホストはKD111102051022.ppp-bb.dion.ne.jp IPは111.102.51.22 千葉 ホストはp2214-ipad02tottori.tottori.ocn.ne.jp IPは220.105.88.214 ゴミ鳥取 ホストはpv01proxy09.ezweb.ne.jp IPは222.15.68.203 ホストはFL1-111-169-183-17.kgs.mesh.ad.jp IPは111.169.183.17 俺をシカトするとか言ったゴミ鹿児島民 ホストはN037132.ppp.dion.ne.jp IPは61.202.37.132 東京 ホストは IPは ホストは IPは 違反ゲームののびハザ信者の発言(笑) ??? :このB.O.W.は命名されていません:2011/08/03(水) 10 35 41 HOST p1189-ipad08koufu.yamanashi.ocn.ne.jp ??? お前それわざと言ってんじゃねえだろうな?笑えないジョークだぞ 反省にも値しない行動しかしていないばかりか 362-368のようなふざけたことしてるから お前の立場的に誹謗中傷を受けても仕方ねえんだよ。で、反省してる割には人様を余裕で煽るとはいい御身分だなってことだ。 あれから落書きの始末もついてねえし、挙句の果てにこんな態度で反省してるだと?てめえ、人をなめんのもいい加減にしろよ? 百歩譲って愚豚ってのはやめてやる、のびハザが好きだってんならお前のやるべきことは落書きの始末と更なる猛省だ 俺たちに対する反論も逆ギレも煽りもどれもお門違いだ、わかったらさっさと消しに入って来い馬鹿野郎 高校生にもなってそんなこともわかんねえのか のびハザが好きな訳ねぇだろゴミカスww ??? :このB.O.W.は命名されていません:2011/07/05(火) 21 57 40 HOST pv01proxy07.ezweb.ne.jp 真偽はともかくとしてもはや?????の規制解除はあり得ん、たとえ今更便乗して良心が戻ったぬかしたところで 今までしてきたことは許されるわけじゃないし消えるわけでもない どうあがいても現実が変わらない奴にこれ以上気にかける必要はない それに断言しよう、こいつに反省はない こいつって本当バカだなwwwきめええええwwwwwwww お前一度死ねよwwwwww
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前へ ジンが本来の姿、ミュウツーに戻った衝撃。 その衝撃に、試合を見ていた誰もが驚きを隠せずに居る。 だが、のび太だけは何か納得する様な顔をして、ジンを見ていた。 「もっと驚くと思ったが……冷静だな。 メガネ、お前最初から俺に何か違和感を感じてたな?」 ジンの言葉に、笑みで答えるのび太。 そして言った。 「そう、僕は前から何かおかしいと思ってたんだ。 ようやく…その何かに気付いたよ。 どうしてあの時、しずかちゃんは腕輪を付けていなかったか、ってことにね」 ジンが苦い顔をする。 あの時…のび太がしずかに大怪我を負わされた時。 あの時から感じていた違和感が、確信に変わっていく。 「もし、しずかちゃんが操られていたとしたら、腕輪が外れてる訳が無い。 お前がしずかちゃんに変装するにしても、腕輪は見逃さないはずだ。 だったら答えは一つしかない。 お前は……しずかちゃんの体だけをコピーしたんだ」 のび太がそう言った瞬間、ピクリとジンの表情が歪んだ。 どうやら、のび太の推測は的を獲ていたようだ。 「フン、女だからと言って服以外は取らなかったのが間違いだったか… メガネはメガネでも、メガネ猿くらいの知能はあるようだな」 それだけ言うと、ジンは前に手を突き出した。 「じゃあそろそろ……始めるぞ!」 「ちっ、何だよ。この胸騒ぎは……」 ジャイアンは、息を切らしながら裏山に向かっていた。 どうしてかと理由を聞かれても答えられない。 だが、ジャイアンは感じていた。 自分が必要とされているという、確信のある直感を。 「のび太、絶対負けんじゃねぇぞ!」 「はぁ…はぁ!ハッサム、メタルクロー!」 ハッサムの一撃は、何も無い砂の中へ叩き込まれた。 勿論ジンにダメージは与えられない。 そして、ジンの声が辺り一帯へ響き渡った。 「メガネ…どうした? さっきまでの威勢は? もうそろそろトドメを刺してやろうか?」 『くっ、クソッ…どうなってるんだ!? どうしてミュウツーが変身を使うんだよ!?』 のび太が予想していたジンの正体はミュウ。 黒いミュウの弟の存在も考え、自在に変身が使えるミュウだろうと予想していた。 だが、正体はミュウツー。 わざわざ変身を覚えさせなくてもかなりの戦力になるはずだ。 それなのに、出木杉はわざわざミュウツーに変身を覚えさせている。 「ガァーッ!」「くっ!」 混乱しているのび太を下からカバルド…いや、ジンが襲ってきた。 不意を突かれ、避けることが出来ないのび太。 咄嗟に、ポケットのガスガンをジンの口に放り込んだ。 「グォォオォ…」 いくら固い表皮を持つカバルドンでも、喉がつまれば死ぬ。 大きな喉に異物を突っ掛えたカバルドンは、堪らず暴れだした。 『…違う!』 だが、すぐのび太は気付いた。 そのカバルドンがジンの擬態じゃないことに。 「ハッサム、注意するんだ」 のび太は警戒を促し、汗も拭わず辺りの様子を見渡す。 だが、ジンは現れない。 精神が焦り、乱れる。この様な状態では考えがまとまる訳も無い。 のび太は完全に、ジンのペースに飲み込まれてしまっていたのだ。 『クソクソクソクソ!ジンは一体何に化けてるんだ!?』 「クックッ、良い顔だよ。メガネ」 すると、そんなのび太の心を読んだかの様にジンが話を始めた。 必死でのび太は声に注意を払い、声の出所を探す。 「この砂嵐が強い場所でそんなことしても無駄だ。 俺はいつでもお前を殺せる。 そこで……だ。一つゲームをしようじゃないか」 「ゲーム……だと?」 顔をしかめるのび太に、ジンは説明を始めた。 ルールは簡単。ジンがのび太の周り四方位のどれかに隠れる。 それを当てればジンは変身を解き、のび太達の前に姿を現す。 外せば攻撃され、死亡。 生存率25%の、まさに命懸けのゲームだ。 「当たったら、絶対に出てくるんだろうな?」 「フン、わざわざ自分から提案したゲームのルールを破る奴なんて居ないさ。 ただし、お前もルールを守れ。 外せば死だ。ポケモンはボールに戻しておけ」 のび太は条件を飲み、ゲームに同意した。 だが、この時彼は重大なミスに気付いていなかったのである。 もし、仮に今ジンがのび太を攻撃したとする。 すると、ハッサムがのび太を守るか、攻撃を避けるか、避けきれず死ぬことになる。 だが、それぞれの確率の比はせいぜい5 3 2が妥当だろう。 そうなると生存確率は約80%。 比べるまでもなく、これはのび太側に不利なゲームだ。 のび太は焦りと不安を利用され、底無し沼の中に引きずり込まれたのだった。 「さぁ…考えろ……」 砂嵐が吹き続ける中に声が響き、ゲームの開始を告げた。 まず、のび太が試みたのは周囲の状況を確認。 それは、ジンがしてしまったかもしれない、僅かな綻びを見つけるため。 生き残る確率を0.1%でも上げたいがための足掻き。 だが、もちろんそんなラッキーにすがって勝てる程戦いは甘くない。 辺り一辺、ただ一つの変化も見つけることは出来なかった。 『……大丈夫、確率は4分の1。きっと当てられる!』 そう自分に言い聞かせてみる。 だが、のび太の体はなかなか言うことを聞いてくれない。 体は感じているのだ。 自分の身に迫っている、確かな死の恐怖を。 「悩んでるな?メガネ」「!?」 ジンは突然のび太に話しかけた。 もちろん、声の出所は分からない。 「俺に驚かなかった所を見ると、兄貴のことを知っているようだな? 一体、お前はどこで兄貴のことを知った?」 突然の質問にのび太は焦った。 だが、冷静になり考えると、これはチャンスである。 上手く会話をすれば、ジンの隠れ場所や、出木杉の情報を知れるかもしれないのだから。 『やってやる…!』 のび太は焦る思考を落ち着かせ、このやり取りに集中し始めた。 「あぁ、ミュウには色々な情報を教えて貰った。 お前がミュウの弟であることも、薄々感付いていたよ」 「フン、やはりそうか。 じゃあ兄貴はまだ自我を保っているのか?」 「……お前も見ていたろう? ミュウは僕とパパの為に出木杉を裏切った。 そして、それが出木杉の怒りに触れて…」 「完全な出木杉の操り人形にされてしまった…って訳か」 ジンの声に明らかな変化がある。 やはり、自分の兄のことになると少し落ち着きを無くすようだ。 「洗脳を解く方法は分からないのか?」 「それは分からない。でも手がかりならある。 洗脳能力を持っているのはデオキシスで、完全に操れるのは一体だけ。 支配する対象が多くなれば多くなる程、その支配力は低下するんだ」 「なるほど……だが、この可能性も考えられないか?」 「えっ?」 「そのデオキシスの洗脳能力はもっと強力で、他にも支配されてる奴が居るって可能性さ」 「!?」 心臓が跳び跳ねたかの様な衝撃を、のび太は受けた。 確かにそうだ。 のび太達が知っている洗脳対象者は二人だけ。 だが、もし……他にも洗脳された者が居るとしたら。 デオキシスの洗脳能力の強さは、計り知れない物となってしまう。 「フン、どちらにせよ、俺は出木杉の全てを破壊するだけだ。 洗脳能力など俺の敵ではないからな。それじゃあゲームの続きを…」 「ま、待て!お前に一つ聞きたいことがある!」 「あぁ? メガネ猿に話すことなんて無い。 と言いたい所だが、俺もお前から情報を貰ったからな。 まぁ、一つくらいなら聞いてやらなくもない。話せ」 質問出来るのは一つだけ。 のび太は考えた。一つで、より多くの情報を知れる質問を。 そして言った。 「……お前は、どうしてそんなに出木杉を憎むんだ?」 その質問を聞いた瞬間、周りの砂地が唸り始めた。 「どうして…だと?」 砂嵐が強まり、視界を覆い尽くす。 そして爆音が響いた。 「そんなの決まってる! 出木杉が俺の全てを奪ったからだッ!」 堪らず座り込むのび太。 この嵐じゃあ、普通なら周りの様子など見ては居られない。 「俺は…俺達は……静かに暮らしたかっただけなんだよ!」 その声と共に、大きな砂の波がのび太を襲いかかった。 ジンは言ってない。 ゲーム中、のび太への攻撃をしないとは。 俺がまだ小さい頃の話。 物心つく頃には、俺達には家族が既に居なかった。 兄貴が言うには、人間って生き物が自然を壊すかららしい。 俺は納得が行かなかった。 何故なら、自然って物は地球に生きる全ての共有物。 たった一種類の生物が破壊して言い訳ないのだ。 俺はいつも言っていた。 「大きくなったら、俺は必ず人間に復讐する!」 だが、その度に兄貴は言うのだ。 「だったら私は、全力でお前を止めるよ」 兄貴は優しい。優し過ぎる。 こんなワガママな俺を大切にしてくれるし、困ってる奴を絶対見放さない。 俺は、そんな兄貴が大好きだった。 正直、兄貴が居るなら、他の仲間が居なくても良いと思っていた。 一生兄貴が居てくれるなら…… だが、そんな些細な願いさえ、神様は許してくれなかった。 そう、出木杉。出木杉が俺の幸せを奪ったのだ。 目を覚ますと、俺は兄貴と一緒の檻の中に居た。 隣の兄貴を揺すってみたが、絶対に起きない。 何か薬を盛られているようだ。 「ヒャッヒャッヒャッ! いやー、出木杉様の頭脳には本当に頭が下がりますなー」 「!?」 俺は素早く寝たふりをした。 「こんな薬を短時間で作り出すなんて、俺でも無理ですよー」 薄目を開ける。 そこには、小さな子供と凶悪な顔をした四角い何かが居た。 その四角い何かの手には、怪しい液体が入った突起状の物がある。 「ポケモンと言えど、生き物。 他の生物との合成は難しいが、細胞の変化や活性化など簡単だ。 なんせ……俺の頭脳には、ありとあらゆる知識が詰め込まれてるからな」 俺は直感で気付いた。 あの液体はヤバい、絶対に体に入れてはいけない物なのだと。 「じゃあ、早速……この細胞変化薬をミュウに投与しますかw これさえ使えば、ミュウは触れた物ならどんな物にだって化ける事が出来ますよ。 ヒヒヒw早くこの長ーい針を血管にチクッとしたくて堪りませんw」 「……やれ」 変態が近付いてくる。その手にあの薬品を持って。 「雷電、その薬は強いからなるべく心臓から離れた所に射てよ」 「クヒッw分かってますよぅw」 !? まさか…狙いは兄貴!? 兄貴は眠っている。あれを避けることは出来ない。 「ハァハァwぶっすりイカせて貰いますよー」 突起状の物が近付いてくる。 幸せが……壊されてしまう。 「止めろ!!!」 「なっ、貴様ぁ!?」 俺は液体を持った腕を必死で押さえた。 だが、体が痺れてなかなか思うように動けない。 「この雷電様の体に触れるんじゃねぇよ、このド糞がぁ!!!」 ドスッ…… 「!?」 胸に、何かが突き刺さる感触がして…俺の意識は消えた。 「出…杉…ま……すい…せん…」 「……いい……ミュ…には…代わ……活性…薬…射…」 「こ…ゴミ……捨て……?」 「失…作……の穴…用意……そこ……捨てろ」 次に目を覚ますと、俺は暗い洞窟の中に居た。 周りには、感情が高ぶり殺し合いをする奴らばかり。 俺は立ち上がり、そいつらに向かっていった。 あのガキ共に、復讐するために…… この数ヵ月間、俺は復讐のことばかりを考えてきた。 力が全て。逆らうものは力で屈服させる。 俺は全ての物を屈服させて生きてきた。 この戦いも一緒だ。 俺との力の差を思い知り、絶望し、自らの力の無さを嘆くだけ。 こんな平和ボケしてそうなメガネに、俺が負ける訳ないのだ。 「メガネ、早く俺の居る場所を当ててみろ。 クックック、まぁ、さっきの攻撃で死んじまったかもしれんがな」 もう結果は分かりきっている。 さっきの砂の波の直撃、あのガキに耐えられるはずがない。 俺の頭には、砂の中に倒れるメガネの姿が思い浮かんだ。 砂嵐が弱まる。 だんだんと視界が良くなり、このゲームの勝敗が明らかになった。 「なっ…そんな馬鹿な!?」 メガネは立っていた、体を砂だらけにし、多くの擦り傷を負いながらも。 そして、その指は、真っ直ぐ俺の方を指差していた。 「ジン……お前が居るのはそこだ。 さっきの砂の暴走、ある一ヶ所を中心に始まっていた。 つまり、そこがお前の隠れている場所! そして、お前が姿を変えた物の正体はこの砂地の一部だ!」 砂地に響き渡る、大声。 俺は、元に姿を戻し、メガネと対峙した。 「あの砂嵐の中、目を瞑らず、僅かな変化を見逃さないとは… メガネ、どうしてお前はそこまで強い? 何がお前を強くさせる? 俺への復讐心か? それとも女への執着心か? 一体なんなんだ」 俺は不思議だった。この男の強さが。 何か強い思いが、こいつを動かしているのは確かだ。 だが、それが分からない。 メガネは答えた。その強い思いの正体を。 「ジン、僕は凄く弱いんだ。 誰かが側に居ないと何も出来ないし、いつも逃げてばかり生きてる。 このバトルも、僕は逃げ出したくて堪らないんだ。 でも…皆が支えてくれる。 今まで戦ってきた友達が、家族が、僕の背中を前へ前へと押す。 僕は、もう後ろへは下がれないんだよ。 下がるには、沢山の物を背中に負い過ぎた。 だから僕は前に進む! 例え前に巨大な壁があったとしても! 僕はお前を越えないといけないんだッ!」 メガネは、懐のボールに手を伸ばす。 俺は素早く波動弾を放った。 「くっ!」 横っ飛びしながらも、メガネはホウオウを呼び出す。 ホウオウはメガネを背中に乗せ、俺をギロリと睨み付けた。 「ジン、行くぞ!」 「フン、全力でこい。のび太!」 「「お前には負けない!!!」」 「皆、チャンスは一度だけだ。 監視員が入ってくる瞬間……その一瞬を狙うぞ」 僕の言葉に、皆はうなづいた。 僕は聞いたのだ 監視員の長だったイマ〇ニ?が土に還ったため、 もうすぐ代わりの監視員がこの労働部屋に呼ばれるという話を。 「スネ夫君、どうして他の監視員を気絶させないんだい? ここに隠れている僕達だけでも軽く30人は超す。 岩だってあるんだ。監視員7人くらいどうってこと…」 「もし監視カメラがあったらどうするのさ。 それに、監視員がポケモンを持っていて気絶させるのに時間がかかったら、 本部に連絡されてしまう。そうなったら作戦が潰れてしまうだろ?」 僕がそれだけ言うと、スズは一言謝り後ろに下がった。 皆もう何も言えない。 僕は、この反乱者達の実質的リーダーになっていた。 最初は子供に指図されるのを拒む大人だってもちろん居はしたが、 僕の作戦、そして説明を聞くと皆驚いたような顔で納得していった。 僕は弱い。のび太にもジャイアンにも、敵の幹部にさえ実力は到底敵わない。 「認めるよ…」 僕は自分の弱さを認めた。 自分の弱さを知り、初めて見えてきた活路。 それこそが悪知恵。情報。そしてそれを活かした必勝の策。 これこそが自分の生きる道だと、僕は受け止めていた。 「監視員が入ってきたら、ゆっくりとドアに近付こう。 監視員がドアの鍵を閉めようと後ろを向いた瞬間を……狙う。 ドアを出たら右手にあるアイテム倉庫まで走って、ポケモンを回復させるんだ」 辛かった、この道のり。 夜も寝ないで情報を集めた苦労が、今結ばれる。 「ドラえもん、のび太、ジャイアン、しずかちゃん、出木杉…」 僕は祈る様に、6人の名前を呼び続けた。何度も、何度も…… 「波動弾!」「大文字!」 バトルは砂地を抜け、空中で更に激しさを増していく。 『やっぱり…思った通りだ!』 ミュウツーであるジンの攻撃力は、前の2体と比べて明らかに低い。 それはのび太はこの勝負に勝機を感じさせた。 それには理由がある。 ジンがパートナーにしたポケモンはルカリオのみ。 そして、自分自身を鍛えることが余り出来なかったからだ。 あのルカリオの強さ。 あれは偶然…いや必然というべき結果である。 ジンは洞窟から抜け出した後、 たまたま山登りに来ていた田代 昌志(51)を襲い、トレース(変身)。 その後、正体をバラさずに大会に出るため、パートナーとしてリオルを捕まえた。 リオルを捕まえ、ジンは大会での必勝策を考えた。 そして、行き着いたのが現在の状態。 ルカリオ育成に残された時間のほとんどを費やし、残りの2体の内の1体は自分。 最後の1体は、憎しみの対象である幹部から奪い取るという、ジンだけに可能な状態である。 「クソッ、やはり…真っ向勝負は分が悪いか」 だが、この作戦には弱点があった。 それは自分自身の育成が困難だということ。 ジンは既に死んだ存在。 絶対に出木杉の部下に見つかってはいけない存在であったからだ。 それに加え、経験値を稼ぐ最良の策であるトレーナー戦も不可能。 それ故に、自然とメンバーの中でルカリオが最も強く、ジンは最も弱くなってしまったのだった。 ジンは地面に降りようと加速する。 「ホウオウ、吹き飛ばしだ!」 だが、のび太がそれを妨害した。 強力な風で体勢を崩されたジンは、思わず目を瞑ってしまう。 「聖なる炎!」「ぐあぁッ!」 強力な炎がジンを襲った。 ジンがあらゆる物体へのトレースが可能でも、触れられる物が無ければ意味が無い。 だからのび太はホウオウを出した。 ジンを無理やり空中戦に引きずり込む為に。 この一撃で、のび太の勝利は完全に決定付けられたかと思われた。 「まだ…立つんだね」 だが、ジンは倒れない。屈しない。 その悪魔にも似た形相で、のび太を睨む。 「ホウオウ、大文字」 ジンへと炎が真っ直ぐ伸びていった。 のび太は決して容赦しない。 それが、実力を認め合ったライバルへの彼流の礼儀なのだ。 だが、ジンはその礼儀を受けとりはしなかった。 何故なら……彼にはまだ最大の策が残されていたのだから。 「…サイコキネシス!」 大文字は軌道を変えた。 大文字は聖なる炎と違い、幅はあっても長さは無い。 軌道を少し変えるだけで簡単に避けられるのだ。 「自己再生」 そして、ダメージが回復する。 ジンは言った。 「出木杉と戦う時まで使いたくなかったが、相手がお前なら仕方がないな」 その手を天にかざす。 「のび太……悪いがお前はここまでだ」 手から目映い光が弾け、その光はこのポケモン世界全域へと拡がった。 「雷電様、また実験材料を集めてきましたよ」 「ん、何だよ…疾風かよ。そいつを檻に入れてさっさと帰んな」 「はい……」 ある日、俺は冷たい鉄の柵の中に入れられた。 周りには俺と同じような顔をした奴らがたくさん居る。 怒りと恐怖が混じった顔。 俺達は必死に叫んだ。必死に柵に噛み付いた。 「ギャーギャーうるさいな。この……実験体どもが!」 無駄なことだとは理解している。でも止めない…いや、止められない。 このまま黙っていても、自分達は死んでいくだけなのだから。 「……この部屋だ。この部屋が私の始まり……」 ――そんな絶望の中だった。 あの人が現れたのは。 彼女は腰のモンスターボールをいくらか手に取り、俺達の前に置いた。 「出木杉と戦う意志がある奴だけ、このモンスターボールの中に入れ。 私の指示を聞くのなら、それ以外の自由は約束してやる」 で…き……すぎ? それが俺達を閉じ込めた奴の名前? なら、悩むことは無い。 俺は真っ直ぐボールへと近づいていった。 「ネズミのくせになかなか決断が早いな。気に入ったぞ」 俺を切っ掛けに、他の奴らも動き出す。 結局、10匹程居た仲間達は全員モンスターボールの中に入ることを選んだ。 「な…何なんだ……これは」 のび太の周りをたくさんの影が覆う。 見れば、それはポッポを始めとする多くの飛行タイプのポケモンの群れだった。 「飛行タイプだけじゃないぞ」 ジンが下を指差す。のび太はその指の先を見た。 思わず言葉を無くす……その光景。 そこには、大量のポケモンが犇めきあう、地獄のような光景が広がっていた。 「約2000体と言ったところか…」 ジンはゆっくりとのび太から離れ、微笑む。 「ルールに逸れてはいないだろ? 3匹というのは手持ちの数。 野生のポケモンがどんな行動をしようと、それはただの事故だと扱われるんだからな」 のび太は沈黙した。 まるで負けを確信したかのように、その表情を曇らせ、目を瞑る。 「どうした?……卑怯だとでも言いたいのか?」 そうジンが牽制すると、のび太はホウオウに耳打ちをして、言った。 「卑怯だとは言わないよ。 自分がポケモンであることを活かしたうえ、これ程の仲間達の支持を受けているんだ。 これはお前の実力……だったら、僕もこの状況を実力で打破するしかないさ」 そう言い終わった。 と同時に、ホウホウが真っ直ぐジンへと突っ込む。 『ゴッドバード…!?』 大群を用いることへの僅かばかりの罪悪感。 そして、それによる攻撃へのためらいの瞬間を、のび太は見逃さなかった。 「あたしは…助かったの?」 もう二度と見れないと思っていた空。 それが今、あたしの目の前に広がっている。 そう、彼女……いや、人の姿をしている彼が救ってくれたのだ。 実験材料に使われそうだった、あたしのことを。 彼は言った。 「俺は出木杉に捕らえられた他の奴らを救いに行く。 お前達は、自分の種族を集め、俺の戦いに協力して貰えるよう頼んでくれ」 彼は多くを語りはしない。 だけど分かる。彼の決意とその思いの強さ、そして、出木杉から受けた悲しみの深さは。 あたしじゃ彼の力にはなれない。 あたしは弱者。 単独じゃ強者の眼中に映ることさえ稀な、小さな小さな存在。 だからあたしは仲間達の元へ急いだ。 弱者が強者に近付く唯一の方法は……群れを成すこと。 群れれば彼に近付ける。群れれば一緒に戦える。 「皆にお願いがある」 あたしの声は、彼に届くだろうか。 いや、きっと届かないだろう。 あたしの声なんて聴こえなくても良いんだ。 彼の悲しみを少しでも取り除けられるのなら、あたしはどんな苦しみでも受け入れる…… 「お前は…!?」 ピジョンがジンの前で翼を広げる。 ホウホウのゴッドバードは、ピジョットの胸を貫き、その勢いを無くした。 ジンの命令ではない。 ましてやジンが操ったという訳でもない。 ジンは自分を守ってくれたピジョンを、ただじっと見つめた。 「……よくやった」 その言葉を聞いたピジョンは、静かに目を閉じる。 その目から溢れていく涙。 のび太はその姿を、ただ見ていることしか出来ない。 「ジン、ごめん……でも狙ってやった訳じゃ……」 のび太が嘆く。そしてその顔を上げた。 『しまった!?』 戦いに嘆いている暇は無い。 そのことを一瞬、のび太は忘れていた。 既に、近くにジンの姿はない。 のび太が下を向いた瞬間、ジンはポケモンの集団に紛れ、 その集団の内の一体をトレースしたのだろう。 ジンのトレースはほぼ完全。集団から見つけだすことは不可能だ。 「全員倒してみろってことか…」 一匹が集団を抜け、のび太に向かって突進する。 それに続き、多くのポケモンがのび太を襲い始めた。 その様子は、まるで餌に群がるアリ。 その集団に飲み込まれ、のび太の姿は消えてしまった。 「死んだか…」ジンはそう言った。 だが本当は分かっている。あの男が、こんなことで死ぬ男ではないことを。 「聖なる炎!」一筋の炎が集団を裂く。 多くのポケモンがその身を焼かれ、力なく地面に落ちていった。 集団は驚き、少しのび太と距離を空けてしまう。 「負ない……どんな辛い状況だって…負けてたまるか!」 ドーム内は、驚くほど静かな時間が流れていた。 スクリーンに映る一人の男。 観客は無言で、その男の闘いを見つめているのだ。 と言っても、スクリーンの大部分に映っているのはポケモンの群れ。 男はその群れの中心に居る。 その群れに飲み込まれそうになるが、男のポケモンがそれを許さない。 ドームには、ポケモン達の鳴き声を掻き消すほどの男の叫びが響き続けていた。 ある者は拳を握り、ある者は手を合わせて願う。 男の無事と、男の勝利を。 この会場に集まる沢山の者の気持ちが、この一人の男で一つになっていた。 『頑張れ!!!!のび太!!!』 「あれ…何だ?…目が…」 一人の男が異変に気付く。だが、もう遅い。 この時、ドーム内の静けさの原因が一人の男だけではないことに、誰も気付いてはいなかった。 「うぁッ!」 鋼の翼で腕を切られ、血が吹き出す。 のび太は素早く衣服を破り、それで傷を塞いだ。 ホウオウももう限界に近い。 残ったハッサムは体力は半分も残ってはいない。 限りなく最悪に近い状況だ。 のび太は周りを見渡した。 かなりの数のポケモンを倒したはずである。 実際目に見えてその数は減っているのだ。 『くそッ……せめて、地上の攻撃さえ無かったら…』 だが、のび太は未だ攻撃を避けられずにいる。 その原因は地上のポケモン達の攻撃にあった。 横からの攻撃に集中すれば縦からの攻撃を喰らう。逆もまた然り。 あらゆる角度から一度に狙われて、無傷でいろという方が無茶だ。 フラつく足を両手で押さえ、のび太は顔を上げた。 「あぁ…来るのか」 ゆっくり、ゆっくりとポケモンの大群が近付いてくる。 それは偶然だった。 混乱する意識、視線の方向、タイミング。 その全てが重なり、次の瞬間のび太はホウオウをボールへと戻した。 当然のことながら、足場を失ったのび太の体は落下を始める。 勝利のための苦渋の選択に、攻撃の対象を失ったポケモン達は混乱した。 『死ぬつもりか!?のび太!』 大群に潜むジンはその行動の真意を掴めず、焦りの色を隠せない。 だがジンの脳裏には、この焦りを利用される光景が色濃く浮かぶ。 ジンはその光景によって、のび太救出を踏み留まったのだった。 『このままじゃ死ぬな…』 のび太は冷静に腰のボールに手をかけた。 ハッサムを繰り出し、その体に掴まる。 「ハッサム、地面に破壊光線だ…」 両腕からの二本の光線が放たれ、落下の勢いを消した。 目的はそれだけじゃない。 光線は同時に、地面にいたポケモン達の集団を吹き飛ばし、着地を安全な物にしたのだ。 「くっ、問題はここからだ…」 ポケモン達は、のび太の周りを囲った。 さっきのような攻撃では、一時的に退かすことは出来ても倒すことは出来ない。 「くそッ!…後一歩なんだ……この集団させ、いなければ…」 のび太はハッサムを見た。 ハッサムは無言でうなづく。 「うん、分かってる…戦うよ」 何をしても勝機はない。だが、何かをしなくては勝機は生まれない。 響く鳴き声。のび太に襲い掛かる大群。 のび太は拳を握った。 「ハッサム!メタル…」「火炎放射だァ!!!」 のび太の周りを荒々しい炎が放たれ、多くのポケモンがその身を焼かれる。 上空で響く怒鳴り声。そして、その巨体が目の前に着地した。 「へっ、ボロボロじゃねーか。手助けさせて貰うぜ」 「ど、どうして……こんなことを…」 その男は、のび太に背を向けたまま言った。 「良いから黙ってろ。お前はジンと…そして出木杉の戦いに集中すりゃあいいんだ。 この雑魚共は俺がブッ潰してやっからよぅ。この……ジャイアン様がな!」