約 65,113 件
https://w.atwiki.jp/yaru_hikari/pages/263.html
▽タグ一覧 一般人 男 , ──- 、 ゝ/______\ / | / , - 、 - 、l l | / l l l |─| ^|^ | Y⌒ ` ─ ヘー ヽ ヽ_ |`───┘ノ ∩ ヽ、_ヽ__// ∩ ┘`ー┬─´\/\/ー┬─´ └-、 _ __|_ ノ |_|___三 | | 出典 ドラえもん 【概要】 スマイルプリキュア達がいるクラスの隣のクラスの生徒(つまり中学生)。特技はあやとりと射撃とピーナッツの投げ食い。特に射撃は宗介も驚愕するほど(*1)。 小学校時代の思い出が強くて中学校での環境に馴染むことができず(*2)不登校となり、ななこの悩みの種の一つだったが、80の体を張った説得により部屋から出てきて科特隊基地見学へ行くことになる。 アイギスに接しているうちにロボット工学者になりたいと思うようになる。 ウルトラマンに変身した80に地球人形態の時に負った頬の傷を見つけた為、80の正体を知る。 確定しているわけではないが、おそらくこの世界にドラえもんはいないと思われる(*3)。 第25話で再び登場し、女の子と一緒にシャイニングを応援した。
https://w.atwiki.jp/poke_ss/pages/2024.html
1ページ目 のび太「ドラえもん?」 ドラえもん「あ?あぁのび太君か。」 のび太「なにしてるのドラえもん?」 ドラえもん「見てわからないのか?」 静香「のび太さん、助け、て」 のび太「し、静香ちゃん!?」 そこには縛られムチで打たれている静香ちゃんの姿が ドラえもん「流行りのSMだよのび太君」 のび太「そんなことより助けてドラえもん!」 ドラえもん「待ってろ。今終わる」 静香「!!?ぎゃぁぁぁっ」 ドラえもんは自分の直径30cmはある一物を入れたのだ のび太「oh、素晴らしい眺めだ」 次へ トップへ
https://w.atwiki.jp/nobita_in_pokemon/pages/374.html
拝啓 ドラえもんさま。 こんばんは、野比のび太です。 陽春の候、いかがお過ごしでしょうか。 さて、あなたに誘われるままポケットモンスター金銀の世界にやって来てから、 六時間ほどが経過いたしました。 言い出しっぺのあなたがゲームの世界に来ないとは正直予想外でした。 おかげでぼくはウツギ博士にお使いを頼まれ、先ほどやっとそれを終え、 一人だけ大幅に遅れをとっています。 博士からのお礼は特にありません。 早くも現実の世界に帰りたくなってしまいました。 スペアポケットとは言いません。 せめてウラシマキャンデーを、ウラシマキャンデーをください。 冗談です。 それでは、またお会いいたしましょう。 敬具 ここはヨシノシティ かわいい花の香る町 「へぇ、ゲームの世界にも季節ってあるんだぁ」 のび太は感嘆の声を洩らした。 この町にはその説明の通り、至る所に花がある。 もちろん、春を象徴する桜もその花を咲かせている。 「きれいだなぁ……」 のび太はのび太らしい率直な感想を述べた。 「ほらヤドン、桜きれいだよ」 しかし、のび太のパートナーであるヤドンは桜に一瞥も与えず、 ただぼんやりと月の浮かんだ夜空を眺めている。 のび太はやれやれと思いながらポケギアに目を落とす。 「次の町はキキョウシティか。みんなもう着いてるんだろうなぁ……」 のび太は溜め息を漏らした。 ヤドンはまだ空を見ている。 ウツギによれば、もともとのび太たちがもらえるはずだったポケモンたちは、 数日前に何者かに盗まれてしまったらしい。 のび太は不安を感じずにはいられない。 「そういうイベント、なのかなぁ?」 のび太の独り言に答えるものはいなかった。 考えていてもしょうがないと判断したのび太は、 ヤドンを連れて30番道路に向かった。 ここは30番道路 キキョウシティ …… ヨシノシティ 「ここを抜ければキキョウシティなんだね」 のび太はなんとなく、そばにあった大きな木に手をついた。 そして、木の上からなにかがぶら下がっていることに気付いた。 「うわッ!」 のび太は驚き、慌てて後ろに下がった。 そのなにかの正体は野生のイトマル。 のび太は胸を撫で下ろす。 「はぁ、どきどきしたぁ……」 のび太はイトマルをよく捉えようとして、そのつぶらな瞳と目が合った。 「よし、捕まえてみよう」 そう決めるや否やのび太は傍らのヤドンに命じる。 「体当たり!」 気を抜いていたらしいイトマルにヤドンのピンク色の体がぶつかった。 「よし、モンスターボール!」 射撃が得意なだけあって、のび太の投げたボールは見事にイトマルに命中し、 当たったボールは揺れもしなかった。 「やった、えへへ」 初めて自力でポケモンを捕まえ、頬が紅潮している。 「やっぱり考えすぎだったな」 のび太は実に単純な構造の脳みその持ち主だった。 ここはキキョウシティ 懐かしい香りのする町 「だれかと一緒に行けばよかったかしら」 しずかはぽつりと呟いた。 しずかはこの世界に来た四人の中で唯一、ポケモンをプレイしたことがない。 みんなのプレイを見ていた程度だ。 経験不足はしずかを焦らせ、結局ここまで一人で来てしまったのだった。 「別に優勝するつもりもないのに」 そう、ゲームには勝者がつきものだ。 今回の場合は最初にチャンピオンになれば優勝である。 しかし、しずかは勝ち負けにはあまり興味がなく、 どちらかと言えばかわいいポケモンと一緒にいたいという気持ちだった。 どうせ黙っていてもだれかが優勝するだろうと考え、 これからは自分のペースで進むことにした。 「それじゃナゾノクサ、お散歩にでも行きましょ」 パートナーのナゾノクサを連れて、しずかもまた31番道路へ歩き出した。 ここはマダツボミの塔 ポケモンの修行をなされよ 「オニスズメ、つつく!」 ジャイアンはマダツボミの塔で坊主相手に修行をしていた。 修行と言っても、マダツボミ狩りと言い換えることができるほど一方的なものだった。 ジャイアンのパートナーはワンリキーだが、 マダツボミやホーホーを相手にしてはその実力は発揮できない。 そこで新入りのオニスズメの出番というわけだ。 そしてとうとう、マダツボミの塔において最も強い坊主、コウセイをも倒してしまった。 「あんたも弱いなぁ。全然手応えなかったぜ」 ジャイアンは勝ち誇った笑みを浮かべる。 そんなジャイアンを見据え、コウセイは口を開く。 「確かにそなたは強い。だが」 「負け犬のくせに説教かよ」 ジャイアンを無視してコウセイは続ける。 「そなたはポケモンに対する愛情が足りない」 途端にジャイアンの顔が不愉快そうになった。 「愛情なんて強さに関係ねぇよ」 「どう思おうと勝手だが、そのままではこれ以上強くはなれまい」 いつものジャイアンならばとっくにコウセイを殴っていただろうが、 コウセイの持つ密かな迫力に圧倒されてしまっていた。 「ちッ、ばかじゃねぇの。なにが愛情だよ」 ジャイアンはそう吐き捨て、塔をあとにした。 キキョウシティ ポケモンジム リーダー ハヤト 華麗なる飛行ポケモン使い! 「それじゃよろしくお願いします」 「こちらこそ」 その頃、スネ夫はキキョウジムに挑戦していた。 ハヤトはポッポを、スネ夫はパートナーであるケーシィを繰り出す。 「ポッポ、体当たり!」 先手を打ったのはハヤトだった。 スネ夫は動じず、ケーシィに指示を出す。 「テレポート!」 ポッポから攻撃を受ける直前にケーシィの姿がかき消えた。 「どこに行った?」 「後ろだよ」 ケーシィはポッポの背後に回っていた。 「ポッポ、風起こし!」 「ケーシィ、テレポート!」 スネ夫はただただ、ケーシィにテレポートを命じ、 ポッポの攻撃をケーシィがテレポートで避ける、という行為が幾度も繰り返される。 「どういうつもりだ!」 スネ夫はそれには答えない。 そして、ハヤトはスネ夫のその意図に気が付いた。 (悪あがき狙いか!) そう、スネ夫は技ポイント切れによって悪あがきを発動させようとしているのだ。 (舐めた真似を) 「テレポート!」 怒りに震えるハヤトにスネ夫の声が聞こえた。 (今のが十四回目のテレポートだな) テレポートの技ポイントは十五。 ならば、とハヤトは考える。 ケーシィが最後のテレポートを使ったときに、 ポッポに守るを使用させれば悪あがきを防ぐことができるだろう。 「ケーシィ」 スネ夫が指示を出そうとした。 「ポッポ、守る!」 ハヤトの命令を受け、ポッポが自身を丸め、防御しようとしたそのとき。 「悪あがき!」 ケーシィはテレポートではなく、悪あがきを発動した。 「なにッ!」 防御体勢が万端でなかったポッポは、悪あがきをまともに食らい倒れた。 「ばかな!なぜ……」 スネ夫がいやらしい笑みを浮かべて言う。 「技ポイントが常に満タンとは限らないよ?」 その言葉にハヤトははっとする。 「なるほど、おれと戦う前にテレポートの技ポイントを一だけ減らしておいたのか」 テレポートの連発が悪あがき狙いであることが気付かれるのは、 スネ夫にとっては計算のうちだったのだ。 「仕方ない。出てこい、ピジョン!」 ハヤトが繰り出したのは、切り札でもあるピジョン。 「先制攻撃だ、泥かけ!」 もはや攻撃を避けるすべを持たないケーシィは、泥かけを食らってしまった。 「ケーシィ、悪あがき!」 命中率が下がっているケーシィの悪あがきは虚しく空を切る。 「ピジョン、風起こし!」 もともと防御力の高くないケーシィは、ピジョンの攻撃で戦闘不能となった。 「戻れ、ケーシィ。次はこいつだ!」 スネ夫が出したのはハネッコ。 「ハネッコ、だと?」 草タイプのハネッコは飛行タイプのピジョンとは相性が悪い。 「どこまでも舐めたものだな」 ハヤトは呆れかえっている。 それを見て、スネ夫はにやりと笑った。 「ピジョン、体当たり!」 ハヤトの指示を受けたピジョンは、ハネッコ目がけて走り出した。 (効果抜群な風起こしを使わないなんて、随分と手を抜いてるじゃないか) ハヤトが本気を出していないことが分かり、スネ夫はほくそ笑む。 「舐めてるのはぼくじゃない、あんたの方さ。ハネッコ、毒の粉!」 ハネッコの至近距離にいたピジョンに毒の粉が直撃した。 「ハネッコ、続いてフラッシュ!」 ハヤトとピジョンに少しの暇も与えず、スネ夫はハネッコに命令した。 眩い光がジムを照らす。 「目が、目がぁッ!」 ピジョンはもちろん、ハヤトも思わず目をつぶった。 スネ夫はどこに持っていたのか、しっかりとサングラスを装着している。 「秘伝マシンを持っていたのか……」 ハヤトは目を押さえながら呟いた。 そう、フラッシュを含むすべての秘伝マシンは、 ポケモン図鑑やポケギアと同様に、 ゲームが開始したと同時にプレイヤーに配られている。 一つしか手に入らないものであるため、 二人以上でプレイするときは全員に配られるように設定されているのだ。 スネ夫はさらにフラッシュを命じ続ける。 ハヤトの目が回復するころには、ハネッコはすでに六回目のフラッシュを終えていた。 それからは一方的な戦いだった。 ハネッコに攻撃はほとんど当たらず、たまに当たってもすぐに光合成で回復してしまう。 ピジョンはと言うと、毒に少しずつ体力を奪われ、加えて攻撃を食らっていた。 それから数分後、ピジョンはとうとう体力が尽きて倒れた。 「……おれの負けだ。これを受け取ってくれよ」 ハヤトはスネ夫にジムバッジと技マシンを渡す。 「ありがとうございます」 (技マシンは泥かけか。正直いらないなぁ) スネ夫は口先でだけ礼を言うと、ジムを出た。 上機嫌で鼻歌など歌うスネ夫の耳に、聞き慣れたあの声が聞こえた。 「スネ夫、勝負だ!」 ジャイアンからしてみれば、さしたる理由はなかった。 ただむしゃくしゃしていたから、そしてその目の前をスネ夫が通ったから、 ジャイアンはスネ夫に勝負を挑んでいた。 「ジャ、ジャイアン。それはちょっと勘弁してくれないかなぁ」 スネ夫は必死でジャイアンとの勝負を避けようとする。 今戦える手持ちはハネッコしかいないのだ。 「ぼく、一応ジム帰りだから手持ちが」 「うるせぇな、勝負しねぇなら全財産よこせ!」 さすがジャイアン、めちゃくちゃである。 スネ夫の脳みそは経験上、こう言っている。 機嫌の悪いジャイアンに逆らうことは最も無駄な行為の一つであり、 無駄どころか危険なのでやめた方が賢明だ、と。 諦めがついたスネ夫はハネッコを出した。 ジャイアンはオニスズメを繰り出す。 結果は言わずもがな、ジャイアンの楽勝であった。 「ありがとな、スネ夫。いいストレス解消になったぜ」 ジャイアンはスネ夫の所持金の半分を奪い、ジムへと向かっていった。 ここは31番道路 キキョウシティ …… ヨシノシティ 「やっと着いたよ、キキョウシティ」 のび太はキキョウシティ入口を前にして呟いた。 「正確にはまだ31番道路だけどね」 あと一息、と入口に入ろうとしたそのとき。 「ぐはッ!」 扉が勢いよく開き、のび太の顔面にクリティカルヒットした。 ついでに鼻血が出た。 「あっ、ごめんなさい!」 のび太の耳にかわいらしい声が届いたが、当然その程度では痛みは治まらない。 「ごめんですんだら警察はいらないんだよ、ってしずちゃん!」 「あら、のび太さん!」 扉を開いたのはのび太の思い人、しずかだった。 「ほんとにごめんなさい!」 「いや、全然平気だから気にしないで」 しずかは腰を深く折り、のび太に謝罪する。 のび太は鼻にティッシュを詰めている。 「そんなことより、しずちゃんはどうして戻ってぐふッ!」 のび太の言葉はそこで途切れた。 驚きながらしずかが呟く。 「あれは……ホーホー?」 のび太は今度は野生のホーホーに後頭部を攻撃されたのだ。 「この……ヤドン、体当たり!」 ヤドンの体当たりがホーホーに当たり、ホーホーは千鳥足になる。 「よし、あれ?」 のび太はポケットを探るが、モンスターボールがないことに気付く。 どうやらイトマルと会ったときに、驚いて落としてしまったらしい。 「仕方ないや。しずちゃん、ボールを投げて!」 「わかったわ!」 しずかはボールを取り出し、ホーホーに投げつけた。 ボールは二、三度揺れて動きを止めた。 「よかったね、しずちゃん」 初めてポケモンを捕まえたしずかはうれしそうだ。 「そうだわ、のび太さん」 しずかは名案を思い付いたかのような顔でのび太に尋ねる。 「一緒に行かない?」 のび太から誘うことはあっても、しずかから誘われるなど滅多にないことだ。 これは千載一遇のチャンス、逃してなるものか。 「とんでもない、喜んで!」 いまいちどちらなのか判断しづらい返事をしてしまった。 「それってどっち?」 しずかの一言でのび太は冷静になった。 「えぇと、オッケーってことです」 「よかったわ。これからよろしくね、のび太さん」 しずかの言葉にのび太はすっかり舞い上がってしまった。 ここはヒワダタウン ポケモンと人とが共に仲良く暮らす町 「やっと着いたぁ……」 息も絶え絶えにスネ夫は呟いた。 「確か次はヤドンの井戸にいるロケット団を追っ払うんだっけ?」 だいぶ前とは言え、ゲームのポケモン金銀をクリアしているスネ夫は、 ゲームのおおまかな流れを覚えている。 「はぁ、めんどくさ……あれ?」 ヒワダジムの入口がスネ夫の視界に入った。 ゲーム通りならば入口を塞いでいるはずの人間は、そこにはいない。 「もしかして、やらなくても」 ジムに近付き、窓から中を覗き込んだ。 中ではたくさんのトレーナーたちが挑戦者を待ち構えている。 「いいみたいだね……ふわぁ」 スネ夫から欠伸が一つ洩れた。 そう、時刻はもうすぐ夜明け。 ジムの中には目を赤くしている者、睡眠を取っている者もいる。 「ジムのトレーナーも大変だなぁ」 ジムには後で挑戦することにし、スネ夫はポケモンセンターへ向かった。 「もう、どこだよここは!」 ジャイアンは頭をぼりぼり掻きむしりながら呟いた。 ほとんど叫んでいるようなものであったが。 「洞窟ってこんなんなんだなぁ」 ジャイアンはRPGのダンジョンをほとんどすべてスネ夫にやらせていた。 そのためジャイアンは、たとえ地図があったとしてもまったく進めないのだ。 話も聞かなければ地図も読めない。 つまり剛田武という人間は、RPGはさっぱり向いていないのだが、 本人はそういったゲームが大好きなのだ。 俗に言う下手の横好きというものである。 「くそッ、せっかく早起きしたのに」 まさかのタイムロスに舌打ちをする。 そんなジャイアンの脳裏に、ある一つの考えが浮かんだ。 「なぁ、あんた」 ジャイアンは近くにいる眼鏡の男に尋ねる。 「あんたはこの洞窟の出口までの道程を知ってるか?」 男はいきなり話しかけられ、少し驚いたようだが、ジャイアンの質問に答える。 「あぁ、知ってるが。それがどうかしたのか?」 物分かりの悪い男に若干いらつきながらも、ジャイアンは続ける。 「ここであんたとバトルしておれが勝ったら、 速やかに所持金をよこすと共におれを出口まで連れていってほしいんだよ」 それを聞いた男は明らかに不満そうな顔をする。 「それじゃ、オレだけが損じゃねぇか」 「話は最後まで聞いてくれよな」 ジャイアンはさらに続ける。 「その道中で出てくる野生ポケモンは全部おれが倒すし、 もしあんたが勝ったら、おれの所持金と手持ちを全部やるよ」 しばしの沈黙。 それを破ったのは男の方だった。 「分かった。その話に乗ってやるよ」 男の言葉にジャイアンは、ガキ大将らしかぬ笑みを浮かべた。 「気持ちのいい朝だなぁ」 窓から差し込む日光を浴びて、背伸びをするのび太。 「……ってもう十時じゃん!」 ポケギアを確認したのび太は慌てて身支度を整える。 息を切らして部屋を出れば、そこではしずかが待っていた。 「しずちゃん、おはよう……」 のび太は謝罪の意味を含んだニュアンスで言った。 「のび太さん、こんにちは」 一見すれば普通の挨拶だが、自分の「おはよう」に対し、 わざわざ「こんにちは」で返している辺りから、のび太はしずかが、 「もう朝じゃなくて昼よ。いつまで寝てるのよ、まったく!」 ということでも考えているのでは、などと邪推してしまう。 しかし、 「ゆっくり眠れたみたいでなによりだわ」 しずかはにっこり微笑みながら言った。 のび太の杞憂は数秒で吹っ飛び、代わりに押し寄せてきたのは、 心優しいしずかを疑ってしまった自分に対する情けなさ。 「そ、それじゃ、進もうか!」 それを誤魔化すため、のび太は不自然なくらい大きな声を出した。 すると、 「あぁッ、いたいたいたいたいたいたいたいた!」 一人の男が二人に近付いてきた。 「まさかまだ寝ていたとは……。いやぁ、探しましたよ」 白衣の男はにこやかに言い、のび太は不躾にも尋ねる。 「えっと、だれですか?」 「ぼくです。ウツギ博士の助手ですよ」 「……あぁ、おはようございます」 思い出せはしなかったが、とりあえずのび太は頭を下げた。 「のび太くん、もう朝じゃなくて昼ですよ。 いつまで寝てるんですか、まったく!」 のび太の邪推は微妙な形で当たってしまった。 すると助手は、鞄からなにかを取り出した。 「これをのび太くん、きみに届なければならなくて」 「これって、あのタマゴですか?」 そう、前日にのび太がウツギに頼まれて、 ポケモンじいさんに見せにいったタマゴである。 それに対する助手の首肯。 続いてタマゴについての大まかな説明を施し、 そういう訳なので、とのび太にタマゴを手渡して去っていった。 「なにが生まれるのかしらね」 しずかが興味深そうに言い、 のび太はそのおかしな模様のタマゴをじっと見つめていた。 ヒワダタウン ポケモンジム リーダー ツクシ 歩く虫ポケ大百科 「やっぱりできちゃった」 ジムバッジを握った右手を見つめてスネ夫が洩らした。 ツクシの使用する虫タイプに対して、相性のよくない二匹ではなく、 新入りのウパーで戦ったおかげで楽勝だった。 「それにしても、あの青狸め。ちゃんと説明しろよな、まったく」 スネ夫はここにはいない相手に悪態を吐きながら、町の入口を一瞥した。 「ジャイアンはまだ来てないみたいだし、いい感じだ」 このペースで進めればいいんだけど、と呟いて、スネ夫はウバメの森へ向かう。 スネ夫にとって、町の人間が困っているだとか、悪事を働いている人間がいるだとか、 そういったことは、まったく興味の対象になりえなかった。 「お前の全財産はありがたくもらっとくぞ」 眼鏡の男はジャイアンを見下ろしながら言った。 ジャイアンの持ち掛けたバトルは、男による一方的な戦いに終わった。 ジャイアンはこの世界では初めての惨敗を味わったのだった。 戦う前に自分が決めたルールの通りに、 手持ちのポケモンが入ったボールを渡そうとするジャイアンを、男は両の手で制する。 「あぁ、ポケモンはいらねぇよ。最初からもらうつもりもなかったからな」 男はさらに続ける。 「お前には絶対に勝てるって思ったから、お前の話に乗ったんだ。 バトルに手持ちポケモンを賭けるような奴は、弱いに決まってるからな」 男の言葉にジャイアンは俯いたまま。 「まぁ道案内くらいならしてやるよ。オレも鬼じゃないしな」 今のジャイアンにとって、男のその申し出は屈辱以外のなにものでもなかった。 しかし一人では洞窟を抜けられない。 ジャイアンは結局、男に誘われるまま黙って付いていった。 ゲートを抜けるとウバメの森 「うぅ、気味悪いなぁ」 スネ夫が心底、嫌そうに呟いた。 ウバメの森は空も見えないほど木が鬱蒼と生い茂り、 その空気は水分を孕み、じっとりとしている。 幽霊が出てもおかしくなさそうなくらいだ。 「こんな細かいところまでリアルにするなよなぁ」 すると足下から、がさがさという音。 「うひゃッ!」 恐る恐る見てみると、そこにいたのは背中に二つの茸を持つポケモン。 「なんだ、野生のパラスかぁ……」 状態異常で攻めて攻めて攻めまくるのが、スネ夫のポケモンにおいての常套手段。 特にパラセクトは、スネ夫もゲームで愛用していた。 「よし、捕まえてやろう」 ありがたく思えよ、と右手でパラスを指差しながら、 スネ夫は左手でモンスターボールを構えた。 一方、のび太としずかは繋がりの洞窟にいた。 「あぁ、のび太さんと一緒でよかったわ」 しずかがぼそりと洩らした。 その言葉にのび太は心の中でガッツポーズ。 ちなみにしずかにとってその台詞は、 一人でなくてよかった、という意味合いでしかなかった。 「しずちゃん、メリープを捕まえておいてよかったね」 薄暗い洞窟を照らしているのはしずかのメリープ。 それのおかげで二人は迷うことなく進んできた。 「のび太さんもサンドを捕まえられたわよね」 「まぁほとんど偶然なんだけどね」 そう、たまたま落としたモンスターボールが転がっていき、 そこでぼーっとしていたサンドに当たったのだ。 「なんでぼくの手持ちって、こんなのばっかりなんだろうなぁ」 のび太は溜め息を吐いた。 「あれかしら。類は友を呼ぶって言うじゃない」 「……」 しずちゃん、それはあれでしょうか。フォローのつもりなのでしょうか。 まさか嫌味ですか。それとも天然ですか。 ぼくの特に繊細というわけでもない心は、ほんの少しだけ傷つきました。 のび太はそんなことを思いつつ、とりあえず笑顔でいた。 ヒワダジムの前でジャイアンは立ち尽くしていた。 あの男は洞窟を抜けるとすぐに、用事があるから、と言って去っていった。 あのとき、男が紡いだ台詞。 そして記憶は逆上り、マダツボミの塔でコウセイに言われた言葉も蘇る。 「おれは……」 そう言うと、ジャイアンは深く息を吸い、ゆっくりと吐いた。 自分のモンスターボールを見つめ、両の手でそれらをぎゅっと握り締めた。 「おれはッ……!」 このときのジャイアンは、涙こそ流してはいなかったが確かに泣いていた。 その理由は、たくさんありすぎた。 ジャイアンはやっと、それらに気付くことができたのだ。 しばらくして、ジャイアンはジムの中へ消えていった。 次へ
https://w.atwiki.jp/pgbr-himmel/pages/53.html
15.野比のび汰 (のび汰) 男 漢字は違うが、某アニメと動揺の名前を持つ中学生。キャラもそのまんまで、まるでアニメのキャラが成長したような男子。 ただし、青い猫型ロボットは身の回りに存在しない。 いじめられっ子で成績も悪く、女子からも嫌われている。ただ逃げることはせず、めげずに学校には通っている。行動するとすべてが逆に作用する不運の持ち主。不運が転じて助かっていることも無くはない。 素直なのだが、そのせいで騙されやすく、いつも他人を信じては痛い目に遭っている。ここ数ヶ月でかつあげを十数回されるが、両親に話す勇気もなく、金遣いが荒いと言われ怒られている。 物静かなのだが、キレるとどうなるかは不明。というよりも、本人もキレたことがないために、怒り方すらよくわかっていないらしい。
https://w.atwiki.jp/nobita_in_pokemon/pages/535.html
前へ ジンが本来の姿、ミュウツーに戻った衝撃。 その衝撃に、試合を見ていた誰もが驚きを隠せずに居る。 だが、のび太だけは何か納得する様な顔をして、ジンを見ていた。 「もっと驚くと思ったが……冷静だな。 メガネ、お前最初から俺に何か違和感を感じてたな?」 ジンの言葉に、笑みで答えるのび太。 そして言った。 「そう、僕は前から何かおかしいと思ってたんだ。 ようやく…その何かに気付いたよ。 どうしてあの時、しずかちゃんは腕輪を付けていなかったか、ってことにね」 ジンが苦い顔をする。 あの時…のび太がしずかに大怪我を負わされた時。 あの時から感じていた違和感が、確信に変わっていく。 「もし、しずかちゃんが操られていたとしたら、腕輪が外れてる訳が無い。 お前がしずかちゃんに変装するにしても、腕輪は見逃さないはずだ。 だったら答えは一つしかない。 お前は……しずかちゃんの体だけをコピーしたんだ」 のび太がそう言った瞬間、ピクリとジンの表情が歪んだ。 どうやら、のび太の推測は的を獲ていたようだ。 「フン、女だからと言って服以外は取らなかったのが間違いだったか… メガネはメガネでも、メガネ猿くらいの知能はあるようだな」 それだけ言うと、ジンは前に手を突き出した。 「じゃあそろそろ……始めるぞ!」 「ちっ、何だよ。この胸騒ぎは……」 ジャイアンは、息を切らしながら裏山に向かっていた。 どうしてかと理由を聞かれても答えられない。 だが、ジャイアンは感じていた。 自分が必要とされているという、確信のある直感を。 「のび太、絶対負けんじゃねぇぞ!」 「はぁ…はぁ!ハッサム、メタルクロー!」 ハッサムの一撃は、何も無い砂の中へ叩き込まれた。 勿論ジンにダメージは与えられない。 そして、ジンの声が辺り一帯へ響き渡った。 「メガネ…どうした? さっきまでの威勢は? もうそろそろトドメを刺してやろうか?」 『くっ、クソッ…どうなってるんだ!? どうしてミュウツーが変身を使うんだよ!?』 のび太が予想していたジンの正体はミュウ。 黒いミュウの弟の存在も考え、自在に変身が使えるミュウだろうと予想していた。 だが、正体はミュウツー。 わざわざ変身を覚えさせなくてもかなりの戦力になるはずだ。 それなのに、出木杉はわざわざミュウツーに変身を覚えさせている。 「ガァーッ!」「くっ!」 混乱しているのび太を下からカバルド…いや、ジンが襲ってきた。 不意を突かれ、避けることが出来ないのび太。 咄嗟に、ポケットのガスガンをジンの口に放り込んだ。 「グォォオォ…」 いくら固い表皮を持つカバルドンでも、喉がつまれば死ぬ。 大きな喉に異物を突っ掛えたカバルドンは、堪らず暴れだした。 『…違う!』 だが、すぐのび太は気付いた。 そのカバルドンがジンの擬態じゃないことに。 「ハッサム、注意するんだ」 のび太は警戒を促し、汗も拭わず辺りの様子を見渡す。 だが、ジンは現れない。 精神が焦り、乱れる。この様な状態では考えがまとまる訳も無い。 のび太は完全に、ジンのペースに飲み込まれてしまっていたのだ。 『クソクソクソクソ!ジンは一体何に化けてるんだ!?』 「クックッ、良い顔だよ。メガネ」 すると、そんなのび太の心を読んだかの様にジンが話を始めた。 必死でのび太は声に注意を払い、声の出所を探す。 「この砂嵐が強い場所でそんなことしても無駄だ。 俺はいつでもお前を殺せる。 そこで……だ。一つゲームをしようじゃないか」 「ゲーム……だと?」 顔をしかめるのび太に、ジンは説明を始めた。 ルールは簡単。ジンがのび太の周り四方位のどれかに隠れる。 それを当てればジンは変身を解き、のび太達の前に姿を現す。 外せば攻撃され、死亡。 生存率25%の、まさに命懸けのゲームだ。 「当たったら、絶対に出てくるんだろうな?」 「フン、わざわざ自分から提案したゲームのルールを破る奴なんて居ないさ。 ただし、お前もルールを守れ。 外せば死だ。ポケモンはボールに戻しておけ」 のび太は条件を飲み、ゲームに同意した。 だが、この時彼は重大なミスに気付いていなかったのである。 もし、仮に今ジンがのび太を攻撃したとする。 すると、ハッサムがのび太を守るか、攻撃を避けるか、避けきれず死ぬことになる。 だが、それぞれの確率の比はせいぜい5 3 2が妥当だろう。 そうなると生存確率は約80%。 比べるまでもなく、これはのび太側に不利なゲームだ。 のび太は焦りと不安を利用され、底無し沼の中に引きずり込まれたのだった。 「さぁ…考えろ……」 砂嵐が吹き続ける中に声が響き、ゲームの開始を告げた。 まず、のび太が試みたのは周囲の状況を確認。 それは、ジンがしてしまったかもしれない、僅かな綻びを見つけるため。 生き残る確率を0.1%でも上げたいがための足掻き。 だが、もちろんそんなラッキーにすがって勝てる程戦いは甘くない。 辺り一辺、ただ一つの変化も見つけることは出来なかった。 『……大丈夫、確率は4分の1。きっと当てられる!』 そう自分に言い聞かせてみる。 だが、のび太の体はなかなか言うことを聞いてくれない。 体は感じているのだ。 自分の身に迫っている、確かな死の恐怖を。 「悩んでるな?メガネ」「!?」 ジンは突然のび太に話しかけた。 もちろん、声の出所は分からない。 「俺に驚かなかった所を見ると、兄貴のことを知っているようだな? 一体、お前はどこで兄貴のことを知った?」 突然の質問にのび太は焦った。 だが、冷静になり考えると、これはチャンスである。 上手く会話をすれば、ジンの隠れ場所や、出木杉の情報を知れるかもしれないのだから。 『やってやる…!』 のび太は焦る思考を落ち着かせ、このやり取りに集中し始めた。 「あぁ、ミュウには色々な情報を教えて貰った。 お前がミュウの弟であることも、薄々感付いていたよ」 「フン、やはりそうか。 じゃあ兄貴はまだ自我を保っているのか?」 「……お前も見ていたろう? ミュウは僕とパパの為に出木杉を裏切った。 そして、それが出木杉の怒りに触れて…」 「完全な出木杉の操り人形にされてしまった…って訳か」 ジンの声に明らかな変化がある。 やはり、自分の兄のことになると少し落ち着きを無くすようだ。 「洗脳を解く方法は分からないのか?」 「それは分からない。でも手がかりならある。 洗脳能力を持っているのはデオキシスで、完全に操れるのは一体だけ。 支配する対象が多くなれば多くなる程、その支配力は低下するんだ」 「なるほど……だが、この可能性も考えられないか?」 「えっ?」 「そのデオキシスの洗脳能力はもっと強力で、他にも支配されてる奴が居るって可能性さ」 「!?」 心臓が跳び跳ねたかの様な衝撃を、のび太は受けた。 確かにそうだ。 のび太達が知っている洗脳対象者は二人だけ。 だが、もし……他にも洗脳された者が居るとしたら。 デオキシスの洗脳能力の強さは、計り知れない物となってしまう。 「フン、どちらにせよ、俺は出木杉の全てを破壊するだけだ。 洗脳能力など俺の敵ではないからな。それじゃあゲームの続きを…」 「ま、待て!お前に一つ聞きたいことがある!」 「あぁ? メガネ猿に話すことなんて無い。 と言いたい所だが、俺もお前から情報を貰ったからな。 まぁ、一つくらいなら聞いてやらなくもない。話せ」 質問出来るのは一つだけ。 のび太は考えた。一つで、より多くの情報を知れる質問を。 そして言った。 「……お前は、どうしてそんなに出木杉を憎むんだ?」 その質問を聞いた瞬間、周りの砂地が唸り始めた。 「どうして…だと?」 砂嵐が強まり、視界を覆い尽くす。 そして爆音が響いた。 「そんなの決まってる! 出木杉が俺の全てを奪ったからだッ!」 堪らず座り込むのび太。 この嵐じゃあ、普通なら周りの様子など見ては居られない。 「俺は…俺達は……静かに暮らしたかっただけなんだよ!」 その声と共に、大きな砂の波がのび太を襲いかかった。 ジンは言ってない。 ゲーム中、のび太への攻撃をしないとは。 俺がまだ小さい頃の話。 物心つく頃には、俺達には家族が既に居なかった。 兄貴が言うには、人間って生き物が自然を壊すかららしい。 俺は納得が行かなかった。 何故なら、自然って物は地球に生きる全ての共有物。 たった一種類の生物が破壊して言い訳ないのだ。 俺はいつも言っていた。 「大きくなったら、俺は必ず人間に復讐する!」 だが、その度に兄貴は言うのだ。 「だったら私は、全力でお前を止めるよ」 兄貴は優しい。優し過ぎる。 こんなワガママな俺を大切にしてくれるし、困ってる奴を絶対見放さない。 俺は、そんな兄貴が大好きだった。 正直、兄貴が居るなら、他の仲間が居なくても良いと思っていた。 一生兄貴が居てくれるなら…… だが、そんな些細な願いさえ、神様は許してくれなかった。 そう、出木杉。出木杉が俺の幸せを奪ったのだ。 目を覚ますと、俺は兄貴と一緒の檻の中に居た。 隣の兄貴を揺すってみたが、絶対に起きない。 何か薬を盛られているようだ。 「ヒャッヒャッヒャッ! いやー、出木杉様の頭脳には本当に頭が下がりますなー」 「!?」 俺は素早く寝たふりをした。 「こんな薬を短時間で作り出すなんて、俺でも無理ですよー」 薄目を開ける。 そこには、小さな子供と凶悪な顔をした四角い何かが居た。 その四角い何かの手には、怪しい液体が入った突起状の物がある。 「ポケモンと言えど、生き物。 他の生物との合成は難しいが、細胞の変化や活性化など簡単だ。 なんせ……俺の頭脳には、ありとあらゆる知識が詰め込まれてるからな」 俺は直感で気付いた。 あの液体はヤバい、絶対に体に入れてはいけない物なのだと。 「じゃあ、早速……この細胞変化薬をミュウに投与しますかw これさえ使えば、ミュウは触れた物ならどんな物にだって化ける事が出来ますよ。 ヒヒヒw早くこの長ーい針を血管にチクッとしたくて堪りませんw」 「……やれ」 変態が近付いてくる。その手にあの薬品を持って。 「雷電、その薬は強いからなるべく心臓から離れた所に射てよ」 「クヒッw分かってますよぅw」 !? まさか…狙いは兄貴!? 兄貴は眠っている。あれを避けることは出来ない。 「ハァハァwぶっすりイカせて貰いますよー」 突起状の物が近付いてくる。 幸せが……壊されてしまう。 「止めろ!!!」 「なっ、貴様ぁ!?」 俺は液体を持った腕を必死で押さえた。 だが、体が痺れてなかなか思うように動けない。 「この雷電様の体に触れるんじゃねぇよ、このド糞がぁ!!!」 ドスッ…… 「!?」 胸に、何かが突き刺さる感触がして…俺の意識は消えた。 「出…杉…ま……すい…せん…」 「……いい……ミュ…には…代わ……活性…薬…射…」 「こ…ゴミ……捨て……?」 「失…作……の穴…用意……そこ……捨てろ」 次に目を覚ますと、俺は暗い洞窟の中に居た。 周りには、感情が高ぶり殺し合いをする奴らばかり。 俺は立ち上がり、そいつらに向かっていった。 あのガキ共に、復讐するために…… この数ヵ月間、俺は復讐のことばかりを考えてきた。 力が全て。逆らうものは力で屈服させる。 俺は全ての物を屈服させて生きてきた。 この戦いも一緒だ。 俺との力の差を思い知り、絶望し、自らの力の無さを嘆くだけ。 こんな平和ボケしてそうなメガネに、俺が負ける訳ないのだ。 「メガネ、早く俺の居る場所を当ててみろ。 クックック、まぁ、さっきの攻撃で死んじまったかもしれんがな」 もう結果は分かりきっている。 さっきの砂の波の直撃、あのガキに耐えられるはずがない。 俺の頭には、砂の中に倒れるメガネの姿が思い浮かんだ。 砂嵐が弱まる。 だんだんと視界が良くなり、このゲームの勝敗が明らかになった。 「なっ…そんな馬鹿な!?」 メガネは立っていた、体を砂だらけにし、多くの擦り傷を負いながらも。 そして、その指は、真っ直ぐ俺の方を指差していた。 「ジン……お前が居るのはそこだ。 さっきの砂の暴走、ある一ヶ所を中心に始まっていた。 つまり、そこがお前の隠れている場所! そして、お前が姿を変えた物の正体はこの砂地の一部だ!」 砂地に響き渡る、大声。 俺は、元に姿を戻し、メガネと対峙した。 「あの砂嵐の中、目を瞑らず、僅かな変化を見逃さないとは… メガネ、どうしてお前はそこまで強い? 何がお前を強くさせる? 俺への復讐心か? それとも女への執着心か? 一体なんなんだ」 俺は不思議だった。この男の強さが。 何か強い思いが、こいつを動かしているのは確かだ。 だが、それが分からない。 メガネは答えた。その強い思いの正体を。 「ジン、僕は凄く弱いんだ。 誰かが側に居ないと何も出来ないし、いつも逃げてばかり生きてる。 このバトルも、僕は逃げ出したくて堪らないんだ。 でも…皆が支えてくれる。 今まで戦ってきた友達が、家族が、僕の背中を前へ前へと押す。 僕は、もう後ろへは下がれないんだよ。 下がるには、沢山の物を背中に負い過ぎた。 だから僕は前に進む! 例え前に巨大な壁があったとしても! 僕はお前を越えないといけないんだッ!」 メガネは、懐のボールに手を伸ばす。 俺は素早く波動弾を放った。 「くっ!」 横っ飛びしながらも、メガネはホウオウを呼び出す。 ホウオウはメガネを背中に乗せ、俺をギロリと睨み付けた。 「ジン、行くぞ!」 「フン、全力でこい。のび太!」 「「お前には負けない!!!」」 「皆、チャンスは一度だけだ。 監視員が入ってくる瞬間……その一瞬を狙うぞ」 僕の言葉に、皆はうなづいた。 僕は聞いたのだ 監視員の長だったイマ〇ニ?が土に還ったため、 もうすぐ代わりの監視員がこの労働部屋に呼ばれるという話を。 「スネ夫君、どうして他の監視員を気絶させないんだい? ここに隠れている僕達だけでも軽く30人は超す。 岩だってあるんだ。監視員7人くらいどうってこと…」 「もし監視カメラがあったらどうするのさ。 それに、監視員がポケモンを持っていて気絶させるのに時間がかかったら、 本部に連絡されてしまう。そうなったら作戦が潰れてしまうだろ?」 僕がそれだけ言うと、スズは一言謝り後ろに下がった。 皆もう何も言えない。 僕は、この反乱者達の実質的リーダーになっていた。 最初は子供に指図されるのを拒む大人だってもちろん居はしたが、 僕の作戦、そして説明を聞くと皆驚いたような顔で納得していった。 僕は弱い。のび太にもジャイアンにも、敵の幹部にさえ実力は到底敵わない。 「認めるよ…」 僕は自分の弱さを認めた。 自分の弱さを知り、初めて見えてきた活路。 それこそが悪知恵。情報。そしてそれを活かした必勝の策。 これこそが自分の生きる道だと、僕は受け止めていた。 「監視員が入ってきたら、ゆっくりとドアに近付こう。 監視員がドアの鍵を閉めようと後ろを向いた瞬間を……狙う。 ドアを出たら右手にあるアイテム倉庫まで走って、ポケモンを回復させるんだ」 辛かった、この道のり。 夜も寝ないで情報を集めた苦労が、今結ばれる。 「ドラえもん、のび太、ジャイアン、しずかちゃん、出木杉…」 僕は祈る様に、6人の名前を呼び続けた。何度も、何度も…… 「波動弾!」「大文字!」 バトルは砂地を抜け、空中で更に激しさを増していく。 『やっぱり…思った通りだ!』 ミュウツーであるジンの攻撃力は、前の2体と比べて明らかに低い。 それはのび太はこの勝負に勝機を感じさせた。 それには理由がある。 ジンがパートナーにしたポケモンはルカリオのみ。 そして、自分自身を鍛えることが余り出来なかったからだ。 あのルカリオの強さ。 あれは偶然…いや必然というべき結果である。 ジンは洞窟から抜け出した後、 たまたま山登りに来ていた田代 昌志(51)を襲い、トレース(変身)。 その後、正体をバラさずに大会に出るため、パートナーとしてリオルを捕まえた。 リオルを捕まえ、ジンは大会での必勝策を考えた。 そして、行き着いたのが現在の状態。 ルカリオ育成に残された時間のほとんどを費やし、残りの2体の内の1体は自分。 最後の1体は、憎しみの対象である幹部から奪い取るという、ジンだけに可能な状態である。 「クソッ、やはり…真っ向勝負は分が悪いか」 だが、この作戦には弱点があった。 それは自分自身の育成が困難だということ。 ジンは既に死んだ存在。 絶対に出木杉の部下に見つかってはいけない存在であったからだ。 それに加え、経験値を稼ぐ最良の策であるトレーナー戦も不可能。 それ故に、自然とメンバーの中でルカリオが最も強く、ジンは最も弱くなってしまったのだった。 ジンは地面に降りようと加速する。 「ホウオウ、吹き飛ばしだ!」 だが、のび太がそれを妨害した。 強力な風で体勢を崩されたジンは、思わず目を瞑ってしまう。 「聖なる炎!」「ぐあぁッ!」 強力な炎がジンを襲った。 ジンがあらゆる物体へのトレースが可能でも、触れられる物が無ければ意味が無い。 だからのび太はホウオウを出した。 ジンを無理やり空中戦に引きずり込む為に。 この一撃で、のび太の勝利は完全に決定付けられたかと思われた。 「まだ…立つんだね」 だが、ジンは倒れない。屈しない。 その悪魔にも似た形相で、のび太を睨む。 「ホウオウ、大文字」 ジンへと炎が真っ直ぐ伸びていった。 のび太は決して容赦しない。 それが、実力を認め合ったライバルへの彼流の礼儀なのだ。 だが、ジンはその礼儀を受けとりはしなかった。 何故なら……彼にはまだ最大の策が残されていたのだから。 「…サイコキネシス!」 大文字は軌道を変えた。 大文字は聖なる炎と違い、幅はあっても長さは無い。 軌道を少し変えるだけで簡単に避けられるのだ。 「自己再生」 そして、ダメージが回復する。 ジンは言った。 「出木杉と戦う時まで使いたくなかったが、相手がお前なら仕方がないな」 その手を天にかざす。 「のび太……悪いがお前はここまでだ」 手から目映い光が弾け、その光はこのポケモン世界全域へと拡がった。 「雷電様、また実験材料を集めてきましたよ」 「ん、何だよ…疾風かよ。そいつを檻に入れてさっさと帰んな」 「はい……」 ある日、俺は冷たい鉄の柵の中に入れられた。 周りには俺と同じような顔をした奴らがたくさん居る。 怒りと恐怖が混じった顔。 俺達は必死に叫んだ。必死に柵に噛み付いた。 「ギャーギャーうるさいな。この……実験体どもが!」 無駄なことだとは理解している。でも止めない…いや、止められない。 このまま黙っていても、自分達は死んでいくだけなのだから。 「……この部屋だ。この部屋が私の始まり……」 ――そんな絶望の中だった。 あの人が現れたのは。 彼女は腰のモンスターボールをいくらか手に取り、俺達の前に置いた。 「出木杉と戦う意志がある奴だけ、このモンスターボールの中に入れ。 私の指示を聞くのなら、それ以外の自由は約束してやる」 で…き……すぎ? それが俺達を閉じ込めた奴の名前? なら、悩むことは無い。 俺は真っ直ぐボールへと近づいていった。 「ネズミのくせになかなか決断が早いな。気に入ったぞ」 俺を切っ掛けに、他の奴らも動き出す。 結局、10匹程居た仲間達は全員モンスターボールの中に入ることを選んだ。 「な…何なんだ……これは」 のび太の周りをたくさんの影が覆う。 見れば、それはポッポを始めとする多くの飛行タイプのポケモンの群れだった。 「飛行タイプだけじゃないぞ」 ジンが下を指差す。のび太はその指の先を見た。 思わず言葉を無くす……その光景。 そこには、大量のポケモンが犇めきあう、地獄のような光景が広がっていた。 「約2000体と言ったところか…」 ジンはゆっくりとのび太から離れ、微笑む。 「ルールに逸れてはいないだろ? 3匹というのは手持ちの数。 野生のポケモンがどんな行動をしようと、それはただの事故だと扱われるんだからな」 のび太は沈黙した。 まるで負けを確信したかのように、その表情を曇らせ、目を瞑る。 「どうした?……卑怯だとでも言いたいのか?」 そうジンが牽制すると、のび太はホウオウに耳打ちをして、言った。 「卑怯だとは言わないよ。 自分がポケモンであることを活かしたうえ、これ程の仲間達の支持を受けているんだ。 これはお前の実力……だったら、僕もこの状況を実力で打破するしかないさ」 そう言い終わった。 と同時に、ホウホウが真っ直ぐジンへと突っ込む。 『ゴッドバード…!?』 大群を用いることへの僅かばかりの罪悪感。 そして、それによる攻撃へのためらいの瞬間を、のび太は見逃さなかった。 「あたしは…助かったの?」 もう二度と見れないと思っていた空。 それが今、あたしの目の前に広がっている。 そう、彼女……いや、人の姿をしている彼が救ってくれたのだ。 実験材料に使われそうだった、あたしのことを。 彼は言った。 「俺は出木杉に捕らえられた他の奴らを救いに行く。 お前達は、自分の種族を集め、俺の戦いに協力して貰えるよう頼んでくれ」 彼は多くを語りはしない。 だけど分かる。彼の決意とその思いの強さ、そして、出木杉から受けた悲しみの深さは。 あたしじゃ彼の力にはなれない。 あたしは弱者。 単独じゃ強者の眼中に映ることさえ稀な、小さな小さな存在。 だからあたしは仲間達の元へ急いだ。 弱者が強者に近付く唯一の方法は……群れを成すこと。 群れれば彼に近付ける。群れれば一緒に戦える。 「皆にお願いがある」 あたしの声は、彼に届くだろうか。 いや、きっと届かないだろう。 あたしの声なんて聴こえなくても良いんだ。 彼の悲しみを少しでも取り除けられるのなら、あたしはどんな苦しみでも受け入れる…… 「お前は…!?」 ピジョンがジンの前で翼を広げる。 ホウホウのゴッドバードは、ピジョットの胸を貫き、その勢いを無くした。 ジンの命令ではない。 ましてやジンが操ったという訳でもない。 ジンは自分を守ってくれたピジョンを、ただじっと見つめた。 「……よくやった」 その言葉を聞いたピジョンは、静かに目を閉じる。 その目から溢れていく涙。 のび太はその姿を、ただ見ていることしか出来ない。 「ジン、ごめん……でも狙ってやった訳じゃ……」 のび太が嘆く。そしてその顔を上げた。 『しまった!?』 戦いに嘆いている暇は無い。 そのことを一瞬、のび太は忘れていた。 既に、近くにジンの姿はない。 のび太が下を向いた瞬間、ジンはポケモンの集団に紛れ、 その集団の内の一体をトレースしたのだろう。 ジンのトレースはほぼ完全。集団から見つけだすことは不可能だ。 「全員倒してみろってことか…」 一匹が集団を抜け、のび太に向かって突進する。 それに続き、多くのポケモンがのび太を襲い始めた。 その様子は、まるで餌に群がるアリ。 その集団に飲み込まれ、のび太の姿は消えてしまった。 「死んだか…」ジンはそう言った。 だが本当は分かっている。あの男が、こんなことで死ぬ男ではないことを。 「聖なる炎!」一筋の炎が集団を裂く。 多くのポケモンがその身を焼かれ、力なく地面に落ちていった。 集団は驚き、少しのび太と距離を空けてしまう。 「負ない……どんな辛い状況だって…負けてたまるか!」 ドーム内は、驚くほど静かな時間が流れていた。 スクリーンに映る一人の男。 観客は無言で、その男の闘いを見つめているのだ。 と言っても、スクリーンの大部分に映っているのはポケモンの群れ。 男はその群れの中心に居る。 その群れに飲み込まれそうになるが、男のポケモンがそれを許さない。 ドームには、ポケモン達の鳴き声を掻き消すほどの男の叫びが響き続けていた。 ある者は拳を握り、ある者は手を合わせて願う。 男の無事と、男の勝利を。 この会場に集まる沢山の者の気持ちが、この一人の男で一つになっていた。 『頑張れ!!!!のび太!!!』 「あれ…何だ?…目が…」 一人の男が異変に気付く。だが、もう遅い。 この時、ドーム内の静けさの原因が一人の男だけではないことに、誰も気付いてはいなかった。 「うぁッ!」 鋼の翼で腕を切られ、血が吹き出す。 のび太は素早く衣服を破り、それで傷を塞いだ。 ホウオウももう限界に近い。 残ったハッサムは体力は半分も残ってはいない。 限りなく最悪に近い状況だ。 のび太は周りを見渡した。 かなりの数のポケモンを倒したはずである。 実際目に見えてその数は減っているのだ。 『くそッ……せめて、地上の攻撃さえ無かったら…』 だが、のび太は未だ攻撃を避けられずにいる。 その原因は地上のポケモン達の攻撃にあった。 横からの攻撃に集中すれば縦からの攻撃を喰らう。逆もまた然り。 あらゆる角度から一度に狙われて、無傷でいろという方が無茶だ。 フラつく足を両手で押さえ、のび太は顔を上げた。 「あぁ…来るのか」 ゆっくり、ゆっくりとポケモンの大群が近付いてくる。 それは偶然だった。 混乱する意識、視線の方向、タイミング。 その全てが重なり、次の瞬間のび太はホウオウをボールへと戻した。 当然のことながら、足場を失ったのび太の体は落下を始める。 勝利のための苦渋の選択に、攻撃の対象を失ったポケモン達は混乱した。 『死ぬつもりか!?のび太!』 大群に潜むジンはその行動の真意を掴めず、焦りの色を隠せない。 だがジンの脳裏には、この焦りを利用される光景が色濃く浮かぶ。 ジンはその光景によって、のび太救出を踏み留まったのだった。 『このままじゃ死ぬな…』 のび太は冷静に腰のボールに手をかけた。 ハッサムを繰り出し、その体に掴まる。 「ハッサム、地面に破壊光線だ…」 両腕からの二本の光線が放たれ、落下の勢いを消した。 目的はそれだけじゃない。 光線は同時に、地面にいたポケモン達の集団を吹き飛ばし、着地を安全な物にしたのだ。 「くっ、問題はここからだ…」 ポケモン達は、のび太の周りを囲った。 さっきのような攻撃では、一時的に退かすことは出来ても倒すことは出来ない。 「くそッ!…後一歩なんだ……この集団させ、いなければ…」 のび太はハッサムを見た。 ハッサムは無言でうなづく。 「うん、分かってる…戦うよ」 何をしても勝機はない。だが、何かをしなくては勝機は生まれない。 響く鳴き声。のび太に襲い掛かる大群。 のび太は拳を握った。 「ハッサム!メタル…」「火炎放射だァ!!!」 のび太の周りを荒々しい炎が放たれ、多くのポケモンがその身を焼かれる。 上空で響く怒鳴り声。そして、その巨体が目の前に着地した。 「へっ、ボロボロじゃねーか。手助けさせて貰うぜ」 「ど、どうして……こんなことを…」 その男は、のび太に背を向けたまま言った。 「良いから黙ってろ。お前はジンと…そして出木杉の戦いに集中すりゃあいいんだ。 この雑魚共は俺がブッ潰してやっからよぅ。この……ジャイアン様がな!」
https://w.atwiki.jp/nobita_in_pokemon/pages/449.html
――――アナタがいなくなってから、もう一ヶ月が経とうとしています―――― 【ドラえもん、のび太のいない冒険】 ~~プロローグ 主役のいない町~~ 『――……からして、警察のほうでは捜査本部を設置する見込みを――――』 電灯の明かりが消えた、真っ暗な空間でテレビだけが点いています。 ニュースのお姉さんが淡々とした口調で話すことは、私たちにとって、とても重要なある事件について、 『――以上、ニュース・ザ・ドラから、特集、【行方不明の少年……』 ――――そう、 『「野比 のび太」君(11)】についての情報をお届けいたしました』 私たちの大事な友達、のび太さんがいなくなったことを明確に告げる、ニュースです。 私の名前は「源 しずか」、のび太さんのお友達です……ってこんなところではじめまして、というのは変ですよね、 皆さんは私のことを、よく知っているはずです。 少なくとも、この馬鹿作者よりは知っていることだと思います。 ……のび太さんは、急にいなくなりました。 ほんの一ヶ月ほど前、私に「大物になってくるからさ、たのしみにしててよ!!」 と満面の笑みを浮かべ、私は何のことだかわからずにただ「がんばってね」と言った翌日、 忽然と行方がわからなくなりました。 始めはおじさんもおばさんも「ドラえもんがついてるはずだし、しばらくすれば帰ってくるさ。 でもそのときはきついお灸を添えてやらなきゃな」とたいした心配をしていなかったようだけど、 二日たっても、三日たってものび太さんどころか、ドラちゃんすら帰ってきませんでした。 おじさんたちは警察に連絡して、すぐに調査本部とか言うのが設置されたらしいんですが、 結局、今現在になっても有力な手がかり一つ得ることはできていないそうです。 あのとき、警察の人から聞き込みをされていたときのおばさん泣き顔は一生忘れられません。 その肩を抱いて、自身も苦しいのに、それを押し殺してやさしく諭す、おじさんの苦しい顔を一生忘れられません。 私はしばらく泣き続けました。 あの時、私が止めていれば、こんな事態にはならなかったと思うんです。 私につられたのか、スネオさんも、出来杉さんも、果てにはあのたけしさんも、声に出して涙を流したほどです。 そして一ヶ月のときが流れ、今日もどこか心に穴が開いたまま学校が終わりました。 私を呼び止める声がして、振り向いてみればそこにいたのは出来杉さん。 私は出来るだけ明るい笑顔を振舞いましたが、こんなぎこちない笑顔、 出来杉さんなら多分嘘だと見抜いてしまっているでしょう。 現に、出来杉さんは苦虫を噛んだようにいったん顔をゆがめるました。 しかし、次の瞬間には凛と背筋を伸ばし、何かを決意したような顔で口を開きました。 「しずかちゃん、今日の午後4時30分、のび太くんの家に集合してくれないかな?」 驚くようなコメント、少なくとも、今の私にとっては…… 答えをためらいました、なぜ? いまさら? 行って、なんになるの? 私の頭に誘いを拒むための言葉が次々に並べられます。しかし、 「しずかちゃん! よく聞いて……もしかしたら、のび太くんを見つけることが出来るかもしれない」 その一文が、私の頭の中を駆け抜け、作り出した言葉を粉々に打ち砕きます。 胸に触れていないのに、心臓の音がじかに聞き取れる気がしました。 「いいかい、これはのび太くんを見つけ出す最初で最後のチャンスなんだ。時間は今日の午後4時30分、忘れないでね……」 出来杉さん言葉に、思わずはっと覚醒した私は、一言だけ言葉を返そうとしましたが、 そのときすでに、出来杉さんは目の前にはいませんでした。 「(今日の4時30分――――)」 私は腕時計を覗き込みます。現在の時刻は3時21分、あと1時間と9分――――。 「(あと1時間と9分後に、いったい何があるというのかしら……? ううん、考えたってしょうがない。それよりもあと1時間と9分後に、何が起きてもいいような準備をしなくちゃね)」 私は時計から目を離します。大きく息を吸い込み、溜めた息をゆっくりと吐き出すと、私は準備のために家へと急ぎました。 しかし、これが、これこそが私たち全員の命がけの大冒険になるなんて―――このときはまだ、誰一人として予想していませんでした。 走る、とにかく走る! 息が苦しくなってきたし、普段は走るのは苦手な俺だが今日は特別だ。 【ドラえもん、のび太のいない冒険】 第一話 ~てがかり~ 「おうっ、おうっ! スネオっ! 何で起こさなかったんだよ!! おまえのせいで遅刻しちまうじゃねーか!!!」 「ちょ、“ボクのせい”って。何度も起こしたのに起きなかったのはジャイアンじゃないか!!」 「うるせー! 言い訳……はぁ、する……はぁ、はぁっ……な!!」 俺の名前は性器の……オット失礼。世紀の大天才歌手にして、ガキ大将「剛田武」。 皆からはジャイアンって呼ばれれらぁ、よろしくな!! で、俺の隣でヒィハァ行ってるこいつは「骨川スネ夫」。生意気なことばっか言う奴だが、俺の大事な心の友の一人だ。 なんで俺らがこんなには走ってんのかと言うとだな、今日の放課後出来杉に誘われたんだ。 俺の、俺らの心の友、「のび太とドラえもんを探そう」ってな! できすぎ曰く、なんか心当たりがあるらしいんだと。しかもそれによりゃあ、のび太を探し出せんのは俺たちにしかできないだと! 俺は心から震え上がったぜ! 今までいろんなことを乗り越えてきた心の友だ。 警察なんかに任せて置けねぇと思ってたとこだしな!! でもよ、実際約束の時まで1時間以上在ったからよ、俺はスネオの家に行ってちょっと仮眠って奴を取ってたんだが…… スネオが俺を起こしやがらねぇから、今こうして時間と競争してんだ。 ったくよ~、本来なら一発やっちまうとこなんだが、その時間さえ惜しいんだぜ……ん? 「おっ、やっと来たね、2人とも」 よくみりゃ視線の先――のび太の家の前――にゃあ出来杉としずかちゃんが並んでやがる。 ちくしょう、出来杉のやろう。あれじゃまるでしずかちゃんと付き合ってるみたいじゃねーか。 「はぁっ、はぁ……いや、ごめん。じつはさぁ、ジャイアンがね……」 「言うなっ!!」 「ぎゃっ!? なんだよぉ、何も殴らなくたっていいだろ!!」 「うるさい! お前が悪い」 スネオの奴、油断もすきも無く俺を悪く言おうとしやがるから目が離せねーぜ。 それにしても、しずかちゃん……ずっと俯きっぱなしだな……。 「ほらしずかちゃん。皆来たよ」 出来杉がニコニコした顔で話しかけると、はっとしたしずかちゃんは俺たちに挨拶してきた。 ってかしずかちゃん、今頃気づいたのかよ………… 家に入り、やつれた感じのおばさんにのび太の部屋まで案内された俺たちは今、 出来杉の指示の元ドラえもんが残したっていう“手がかり”って奴を探してんだが…… 「おい出来杉、ほんとーに“手がかり”なんてあんのかよ?」 「大丈夫、ドラえもんが言うんだから、間違いなくあるはずさ」 「はぁ~っ、ボクもうお腹すいてきたよ」 「なにのび太みてぇなこと言ってんだ、俺が探してんだぞ、おまえもしっかり探せ!」 うなだれるスネオに一喝してやるけど、実際さすがの俺も結構キツイぜ。 もう軽く1時間以上はこうやって部屋ん中ごそごそしてんだぜ。太陽も落ちかけちまって外、暗ぇしよ。 唯一もくもくと作業を続けてるしずかちゃんも、さすがに疲れってモンがみえる。 「なぁ出来杉よぉ、ほんとに……」 「本当だよ! 1週間前、ボク宛にドラえもんから手紙がきたんだ。 『手がかりは、のび太君の部屋にある探してくれ』って短く書かれたメッセージが!!」 「でもさ~、こういうことって普通、警察が調べてるはずだよね? だったら今さら僕たちが調べても 何にも出てこないと思うけど? その手がかりってやつも、今頃警察が保管してるんじゃない?」 やれやれといった風に首を振るスネオ。反論してぇが、確かにそのとおりだ。 「だいたいさ、なんでそんな大事な手紙がジャイアンでもなくボクでもなくしずかちゃんでもなく 出来杉! キミに届くんだ? 確かにジャイアンじゃ手紙をなくしたりするかもしれないけどさ、 ボクや、ましてやしずかちゃんなら絶対にそんなことは無いだろうしってうわあっ!? ……ギュムッ!!」 「よけいなお世話だ!」 全く、本当に一言多いぜ……でも、他の事は「確かに」って思うことが多いから、侮れねぇんだよな~こいつ。 「そんなこと、僕にいわれてもわからな「みつけたぁ!!!!!!」!!!?」 「どうしたスネオ!? 何を見つけた……ってそりゃあ」 心臓がはねた。突然叫んだスネオの元に、みんなが駆け寄る。 スネオの手の中にあるものを見て、俺は納得した。なるほど、こいつが手がかりか…… 俺たちの考えを出木杉が声に出す。たしかにそこにはほこりにまみれて色が変わったスペアポケットと、 それに縫い付けてある、かさかさした紙切れがあった。 表紙には、『この手紙を読んでいるのが僕の大切な友達であることを祈る』って書いてあるな。 「……読んでみるよ」 意を決したように、出木杉が手紙を開く。 そこには、パソコンで打たれたみてぇな、機械的な字が並んでた。 「『この手紙を読んでいるということは、今、おそらく僕は“こっち”の世界からいなくなった事になっていると思う。 でも、心配はしなくても良い。僕はのび太くんを探しに、“ある世界”に行っているだけだ。 その世界とは……君たちもよく知っていると思う、そう、【ポケットモンスターの世界】に、僕はいることだ』」 「!」 「!!」 「なんだとぉ!!?」 「ちょ、たけし君。静かにしてくれ!」 珍しく怒鳴るような声を出した出木杉の気迫に、俺たちは思わず押し黙っちまったが、 ――【ポケモンの世界】――その言葉に、俺の心の中で久しぶりにさび付いていた冒険に対する好奇心とか、 なんかいろいろわくわくしたものがガタガタと暴れだし、体が運動したみたいに熱を持ってきたぜ! おっと、出木杉が続きを読み始めたみてぇだ。 「『もちろん、のび太くんを探すためだ。のび太くんは僕より先にポケモンの世界に行き、帰ってこなくなった。 すぐさま僕は彼の後を追い、ポケモンの世界に飛び込んだんだけど……現状、この手紙が読まれているということは、 僕はまだのび太くんを探し出せていない。もしくは見つけたのだけど、何らかの理由で連れ戻していないんだろう。 もし、君たちが僕たちを探すために命を……止めておこう、どうせこんなことを書いても、 君たちなら、勇気ある君たちならきっと僕たちを探しに来てしまうだろう。 この手紙が縫い付けてあったスペアポケットに、ポケモンの世界に入るための秘密道具が1つだけ入っている。 使い方はよく知っているはずだ。ただ一言、 ポケモンの世界へ! と言えばいい。 ……迷惑かけてごめんね。無事に帰れたら皆で楽しくドラ焼きを食べよう。 ――Ps、もし来るのなら、ドラ焼きを持ってきてくれないかな? そろそろそっちの世界のドラ焼きが恋しいんだよ~……じゃあ、よろしく! ドラえもん』…………」 スネオが黙ったままスペアポケットに手を入れ、道具とやらを取り出そうとする。 「あった!」 目を見開いて言うと、勢いよくポケットから手を抜いて、道具をとりだした。 「『どこでもドア』!? 『もしもボックス』じゃねぇのか!!?」 とりだされた道具を見て、俺は予想していた道具と全く違う道具が出てきたことに、驚きを隠せなかったぜ。 てっきり、『もしもボックス』かなんかが出てくんのかと思っていた俺は、ぼーっと目を見開いちまう。 ……でもよ、驚きを隠せてないのは俺だけじゃねぇな。しずかちゃんも、スネオも、出木杉も、あ然とした顔で 『どこでもドア』を見つめてるしな。 「ん! なんだこれは? ……“新宇宙完全大百科端末の検索結果、一件”なんのことなんだ?」 「!? なんだって、おい出木杉。それちょっと見せてくれ!!」 出木杉がドアに張り付いていた紙きれを覗き込むと、どっかで聞いたことあるような気のする名前が出てきた。 ん~? どこでだ? スネオとしずかちゃんは覚えてるみたいだが……ん~~~? 「やっぱりそうだ! 皆よく聞いて! 信じられないけど、“ポケモンが存在する星”がこの世にある!!」 「なに! スネオ、それは本当か?」 「本当だよ! ……ってジャイアン、何で君が疑問に思うのさ? “宇宙完全大百科端末”に書いてあるんだからさ、間違いないでしょ!」 スネオは興奮してんのか、ばたばたと手足を動かして俺に言う。 ……“宇宙なんちゃらこうちゃら”……あ! 思い出したぜ! 「ああっ! あのアラボアとかいうとこに行ったときに使った奴だろ!?」 「アラビアだよ! ジャイアン。それに、野球の試合での結果をハッキリ出すときにも使ったろ?」 「ああ、そうだったな~よく覚えてるな、スネオ。さすがだぜ!!」 そうだったな、こいつには昔お世話になったことがある。すっかり忘れてたぜ。 「おまえら、準備はいいか?」 のび太の部屋にいたときから30分後、あれからいったんそれぞれ冒険の準備をしにいったん家に帰った俺たちは今、 のび太の部屋ではなく、裏山の中にいた。 見上げた空ではさらにお日様が落ちて、もう完全に暗くなる一歩手前といったとこだな。 「あたりまえだよ」 80cmはあるだろうリュックを背負った出木杉が力強く言う。 「まぁ、ポケモンの世界に行くなんてめったに無いからね、チャンピオンになったついでにのび太も探してやるさ。」 嫌みったらしい口調だが、わずかにひざが震えてるぜ、スネオ! 「……のび太さんもドラちゃんも、必ず見つけ出すわ!」 しずかちゃんが震える手で拳を握る。さすがに気合が入っているな。 背負うピンクのリュックから『名物・ドラや』ってのが見えるあたり、ちゃんと買ってやったのか…… 円になって、それぞれで顔を合わせる。考えたくはないけどよ、ここで別れりゃもう会うことは無いかも知れねぇ。 スネオの提案で、効率のよさってやつを考えたところ向こうについたら全員ばらばらに行動することを決めてる。 幸い全員がポケモンをプレイしたことがあるから、最低限のことから応用までわかるしな、問題はねぇだろ! 「よし、それじゃあ行くぞ!!」 「「「おーッ!」」」 俺が叫んで手を上げると、皆も手を上げて叫ぶ。 「ポケモンの世界へ!!」 日が傾いて、完全な夜になった。 俺たちの新しい冒険は、こうして始まったんだ。 次へ
https://w.atwiki.jp/hanzaibokumetu/pages/15.html
!!ゲームタイトル!!! タイトル名・・・ドラえもんのび太のBIOHAZARD 作者・・・・・・aaa !!!!!著作権違反!!!!! 藤子・不二雄さん CAPCOMさん が持っている著作権を無視し、このゲームを作ったそうです 最悪の場合aaaや総合番の掲示板管理者★って奴達には損害賠償および10年以下の懲役を与えることとなる 不当利得返還請求 著作権者は、著作権を侵害することによって利益を得ている者に対し、当該不当利得の返還を請求することができる(民法703条)。 のびハザだってこういうように調子に乗っている奴がいるのが現状 !!!!!グルであるサイト!!!!! http //www42.atwiki.jp/nobitahazard-wiki/ http //jbbs.livedoor.jp/game/50111/ この二つのサイトは俺を編集拒否リストに入れたり俺をホスト規制中!!!などと言われ俺を書き込みできなくしました こいつやっつけられたいために俺を追放させているので改造版総合にブラクラなど貼って荒らしましょう!! !!!!!!!!!グルであるホスト晒し!!!!!!!!! ホストはp7111-ipad01koufu.yamanashi.ocn.ne.jp IPは219.160.108.111 俺にいろいろ攻撃するというゴミクズ山梨民www ホストはwb91proxy04.ezweb.ne.jp IPは111.86.147.134 ホストはKD111102051022.ppp-bb.dion.ne.jp IPは111.102.51.22 千葉 ホストはp2214-ipad02tottori.tottori.ocn.ne.jp IPは220.105.88.214 ゴミ鳥取 ホストはpv01proxy09.ezweb.ne.jp IPは222.15.68.203 ホストはFL1-111-169-183-17.kgs.mesh.ad.jp IPは111.169.183.17 俺をシカトするとか言ったゴミ鹿児島民 ホストはN037132.ppp.dion.ne.jp IPは61.202.37.132 東京 ホストは IPは ホストは IPは 違反ゲームののびハザ信者の発言(笑) ??? :このB.O.W.は命名されていません:2011/08/03(水) 10 35 41 HOST p1189-ipad08koufu.yamanashi.ocn.ne.jp ??? お前それわざと言ってんじゃねえだろうな?笑えないジョークだぞ 反省にも値しない行動しかしていないばかりか 362-368のようなふざけたことしてるから お前の立場的に誹謗中傷を受けても仕方ねえんだよ。で、反省してる割には人様を余裕で煽るとはいい御身分だなってことだ。 あれから落書きの始末もついてねえし、挙句の果てにこんな態度で反省してるだと?てめえ、人をなめんのもいい加減にしろよ? 百歩譲って愚豚ってのはやめてやる、のびハザが好きだってんならお前のやるべきことは落書きの始末と更なる猛省だ 俺たちに対する反論も逆ギレも煽りもどれもお門違いだ、わかったらさっさと消しに入って来い馬鹿野郎 高校生にもなってそんなこともわかんねえのか のびハザが好きな訳ねぇだろゴミカスww ??? :このB.O.W.は命名されていません:2011/07/05(火) 21 57 40 HOST pv01proxy07.ezweb.ne.jp 真偽はともかくとしてもはや?????の規制解除はあり得ん、たとえ今更便乗して良心が戻ったぬかしたところで 今までしてきたことは許されるわけじゃないし消えるわけでもない どうあがいても現実が変わらない奴にこれ以上気にかける必要はない それに断言しよう、こいつに反省はない こいつって本当バカだなwwwきめええええwwwwwwww お前一度死ねよwwwwww
https://w.atwiki.jp/opedmiroor/pages/1692.html
ドラえもんの提案によって森の火事は鎮火されたが、その隙に鬼五郎に逃げられてしまう。 のび太はパカポコに乗って鬼五郎を追いかけるが、狙撃で怯んでしまう。 鬼五郎「やい小僧! 俺と勝負だ。出てこい!」 のび太「うっ……」 鬼五郎「やい! 隠れてたって無駄だぞ。そこだ!」 拳銃を打つとそれは草の集合体だった。 鬼五郎「な、なんだありゃ?」 森の植物たちがのび太のふりをして鬼五郎を翻弄しているのだ。 鬼五郎「こっちだ! やい、本当の小僧はどこだ?」 のび太「森の植物たちが、僕を助けてくれてるんだ。鬼五郎!!」 鬼五郎「小僧!」 のび太は「命のねじ」を踏んで転ぶが、「フワフワ銃」を発射。 鬼五郎は膨らんで浮いてしまう。 鬼五郎「うわああーっ!」 のび太「やった……」 その後、鬼五郎はのび太に持たれていた。 鬼五郎「おーい、助けてくれよ。もう逃げ隠れしないから……」 ジャイアン「本当のび太、射撃は名人だな」 のび太「いやあ、それほどでも……」 ピーブ「いろいろとありがとうございました……」 のび太「ドラえもん。鬼五郎たち、このまま地球に返すわけにはいかないね……」 ドラえもん「だから、『たまご逆転装置』で元に戻ってもらうのさ」 しずか「あっ!」 その後、「たまご逆転装置」が鬼五郎を元に戻していた。 ドラえもん「これで元の1人になっているはずだ……」 ふたが開くと、鬼五郎は黒子となっていた。 ホクロ「俺、なんか生まれ変わったような気分がする。本当に、みんなに迷惑かけた…… ごめんね」 しずか「ホクロさんになったのね……」 ホクロ「俺、地球に戻って自首するよ……」 しずか「ホクロさん」 ドラえもん「『どこでもドア』!」 ホクロ「じゃあみんな、元気でな。さよなら」 ホクロは「どこでもドア」をくぐって地球に戻った。 のび太「さぁ次はねじまきシティを元に戻そう!」 ドラえもん「のび太君。もうこの星はピーブたちに任せたほうが良さそうだよ。それより時々みんなで遊びにこよう……」 のび太「うん、そうだね」 しずか「ピーブ、プピー、頑張ってね。必ずまた遊びに来るわ」 ピーブ「しずかさんもお元気で!」 ジャイアン「弟ティラ、兄ちゃんははるか地球よりお前の幸せを願っている……」 スネ夫「ジャイアン、オーバーなんだから」 のび太「パカポコ、元気でね……」 しずか「さようなら!」 スネ夫「また来るね」 ジャイアン「さようなら!!」 のび太「きっとまた会いに来るよ」 ドラえもん「じゃあみんな、元気でね!」 ドラえもんたちは「どこでもドア」で地球に帰って行った。 (終)
https://w.atwiki.jp/nobita_in_pokemon/pages/237.html
前へ タマムシシティ 二日後 「ロケット団アジトに行くのはいいけど、流石にメンバー分けない? こんなに固まってたら見つかるよ」 スネオが提案した。 「そうだねえ、三人ずつで分けようか」 「じゃあ私とドラちゃんとのび太さん。 スネオさんとタケシさんと出木杉さんでどう?」 歩きながら全員が意見を出し合い向かっていく。 ロケット団アジト 「鍵を探すのがスネオ班、シルフスコープを探すのがしずか班」 「そんなところだね、じゃあここで別れよう」 二つの班が別行動を開始する。 のび太としずかとドラえもんはあっさりスコープを見つけた。 「あれ、こんな所にあるなんて無用心だね」 のび太が驚きの声をあげる。 『確かに取られやすくしろといったけど、 こんな目立つ所に置くなんて聞いてないわよ!』 「ラッキーだね、これでもうここには用は無いし帰ろうかな」 ドラえもんが図鑑を持つ。 「出木杉君、もうスコープ見つけたからアジトの出口に戻るよ」 『速いね。こっちも鍵を見つけたし出口に向かうよ』 『ブツッ』という音が鳴り電源が切れる。 「なんか嫌だね」 「何が?」 「この空気、待ち伏せされたときとそっくりじゃない?」 ドラえもんが気付く。 周りにロケット団員が集合していることに。 「あっさり罠に引っ掛かったね。アンタ達馬鹿じゃない?」 「誰が馬鹿だ!」 のび太がモンスターボールを構える。 「おっと動くんじゃないよ! ブーバーンの破壊光線を直接受けることになるからね」 「どうすればいいのかしら?」 しずかが話に入る。 「そうだねえ・・・牢にでも入ってもらおうかな」 「そんなのご免だ! リザードン、煙幕!」 いつのまにか出していたリザードンで煙幕を放った。 「これで作戦成功だね」 「ハル様、宜しいのですか? 奴等を逃がして」 赤いバイクスーツを纏った女、ハルが笑う。 「問題ないよ」 そう言うと、息を吸い込み口調を変えてハルが叫ぶ。 「これよりロケット団全員でシルフカンパニーに向かう! 準備はいいね!?」 『オオーーーーーー!!』 脱出に成功した一行。 「はぁ、はぁ。何とかなったね」 息が荒いのび太、体力がない少年である。 「これからどうするの?」 「出木杉君たちはもうポケモンタワーに向かったんだってね」 「僕達も向かおうよ!」 ここは シオン タウン シオンは 紫 尊い 色 出木杉達はポケモンタワーの前にいた。 「皆。大丈夫だった?」 ドラえもんが聞く。 「大丈夫だったよ。ああ、そうだ。のび太くんこれ」 出木杉がのび太に笛を渡す。 「ポケモンの笛? 出木杉さん速いわね」 「入り口で幹部と会ってさ、『ここで争う気はないから』とか言って 何処かに行ったんだよ」 スネオが答える。 「その時、あの娘がこいつを出木杉に『プレゼント』とかいって渡したんだぜ。 憎いな、色男」 ジャイアンが出木杉を腕でつつく。 「フジ老人は?」 「もう家に帰ったよ」 スネオが退屈そうな顔で言う。 「後はカビゴンをどかすだけだね」 「どっちかのカビゴンが動けばもう一体も消えるから、 タマムシのほうからも行こう」 ドラえもんが説明する。 「設定の変更ね・・・じゃあ私とドラちゃんとスネオさんで サイクリングロードに行くわ」 しずかは何か考えている様子だ。 「じゃあ僕達はシオンを降りていくよ、セキチクシティで落ち合おうよ」 「わかった。じゃあ皆セキチクで」 11番道路 「ねえ出木杉」 「なんだいのび太君?」 「こいつを手に入れるチャンスが来るのも、意外に早かったね・・・」 目の前にいるカビゴンを指差し、のび太が言う。 「笛は出木杉が吹いてよ」 「のび太じゃ上手く吹けねえもんな」 ジャイアンが茶々を入れる。 「わかった、じゃあ吹くよ」 優雅な笛の音がなる。 出木杉は吹き終えると、笛から口を離し誰に対してかはわからないがお辞儀をする。 笛の音を聞いたカビゴンが起きて出木杉に襲い掛かる。 「リザードン!」 カビゴンの攻撃をリザードンが受け止める。 「今だ! モンスターボール!」 のび太がモンスターボールを投げる。 「馬鹿野郎! そんなんで入るわけねえじゃんかよ!」 しかしジャイアンの叫びとは裏腹にモンスターボールは しばらくすると動きを停止した。 「やったあ! カビゴンゲット!」 ボールを持ってのび太が飛び回る。 「なあ出木杉。運も実力のうちっていうがよ・・・」 「あれは行き過ぎだね」 出木杉が苦笑する。 のび太は半ば呆れている二人を尻目に大喜びしていた。 ここは セキチク シティ セキチクは ピンク 華やかな 色 「やっと着いたね」 のび太が顔からでる汗を腕でぬぐう。 「確か・・・サファリに行くのは僕とスネオ君とドラえもんだったよね?」 「ああそのはずだぜ」 ジャイアンがモンスターボールをいじる。 「じゃあ僕はここで」 「ああ、また後でな」 出木杉が走っていく。 「じゃあしずかちゃんと合流しようよ」 「しずかちゃんはジム行ってるんだろ。俺たちはレベル上げでもしようぜ!」 「そうだね、じゃあ草むらに行こうよ」 サファリゾーン 『畜生、出ない・・・』 スネオは金の入れ歯を回収した後、自分の目当てのポケモンを探していた。 ずっと探しているがポケモンは見つからない。 このサファリの何処かにいるはずのポケモン、ガルーラにはまだめぐり合えない。 『くそ!』 服も汚れ、汗もかき探すのに疲れ果てた頃何か近づいてくるポケモンを見つけた。 『こいつは・・・ラッキー!』 スネオがボールを構えボールを投げる。 しかしラッキーはボールから出てしまった。 『ラッキーは見当たらないなあ』 ドラえもんは自分がさっき見かけたラッキーを探していた。 『後138歩か・・・波乗りは貰ったけどラッキーが欲しい』 ドラえもんが考えていると目の前にガルーラが横切る。 『あれは・・・ガルーラ!』 「待てー!」 ドラえもんは歩数を気にせずガルーラを追いかけた。 スネオがラッキーを追いかけていると目の前に何か見えた。 『あれはドラえもんと、ガルーラ!』 やっと見つけた目的のポケモンにスネオがモンスターボールを構える。 スネオがガルーラに向かってボールを投げる。 しばらくするとボールの動きが停止した。 ドラえもんがガルーラを追いかけていると目の前に何か見えた。 『あれはスネオと、ラッキー!』 さっきの奴は見失ったけど今回は見失わない。 ドラえもんがラッキーに向かってボールを投げた。 しばらくするとボールの動きが停止した。 『あの二人が秘伝マシンを回収してるから僕は楽に目的のポケモンを探せたよ』 満足そうにストライクを見る出木杉。 『次はグレンかシルフカンパニー。あの強い幹部達を考えると すぐにシルフに行くのは危険だな』 皆に自分の考えを伝えよう。 出木杉はそう考えるとサファリゾーンの出口へ向かった。 「無事に皆で集まれたね」 ポケモンセンターに全員が集合する。 「皆、提案があるんだけど」 出木杉が自分が思っていたことを伝える。 「各自、個人行動か・・・」 「悪い提案じゃないと思うんだよ」 出木杉が語る。 「幹部は僕たちより圧倒的に強い。だからぼくたちも レベルを上げなきゃいけないと思う。 その時全員で行動すると、皆に・・・・・・頼る。 だから各自のレベルアップもかねて何日か各自で行動したほうがいいと思うよ」 その提案を受けるとジャイアン、のび太、しずか、スネオの順に賛成した。 「皆が賛成なら僕は反対しないよ」 ドラえもんがOKを出す。 「秘伝マシンは全員に渡したし僕は明日グレン島に向かうよ」 「僕もグレン島に行く!」 「僕もご一緒させてもらうよ」 スネオ、のび太、ドラえもんはグレン島に向かうことになった。 「私は・・・セキチクに残るわ。ここでレベルも上げたいし」 『本当は行きたい所があるけど・・・皆に内緒で行きたいのよね』 しずかはセキチクに残る?ことになった。 「僕はタケシ君と行き先が同じだ」 「俺たちも出かけてくるって訳だ」 ジャイアンと出木杉は?に向かうことになった。 「日程は・・・何日間にする?」 「全員が5日ぐらいでいいんじゃない?」 「それでいいかな」 全員が行動を分けることを決めた。 現在の状況 ドラえもん セキチクシティ ウインディLV48(気) ギャラドスLV42 メタングLV37 ラッキーLV30 のび太 セキチクシティ リザードンLV45(木) ピカチュウLV42 エーフィLV38(爪) カビゴンLV35 しずか セキチクシティ フシギバナLV47(種) ニドクインLV44 ペルシアンLV41 ミロカロスLV38 スネオ セキチクシティ クロバットLV50(毒) ニドキングLV47 マルマインLV44 ガルーラLV29 ジャイアン セキチクシティ カイリキーLV46(黒) ダグトリオLV42 ケッキングLV38 出木杉 セキチクシティ カメックスLV45(雫) ピジョットLV41 フーディンLV40 ストライクLV32 ふたご島 「寒いわね・・・」 しずかが呟く。 格好はRと文字のついたコートを羽織って手袋をつけている状態だ。 『コートや手袋を支給してくれるなんて嬉しいわ。ロケット団、中々じゃない』 最初は不満ばっかりだったが面白い幹部や待遇のよさに満更でもないしずか。 「ここにいるはずなんだけど・・・」 辺りを見回し姿を探す。 しずかの目的のものは・・・ 「いたわ!」 上手く見つからないように隠れて行動するしずか。 「あのポケモンがフリーザー・・・」 青い綺麗な鳥。 翼を羽ばたかせると綺麗な粉のようなものが舞う。 輝きに、しずかは魅了されていた。 『綺麗ね・・・』 しずかが見ているとフリーザーが目の前に飛んできた。 慌ててボールを構え、戦闘態勢に入る。 しかししずかが目の前を見たとき、そこにはもうフリーザーの姿はなかった。 「夢だったのかしら?」 その時、腰のモンスターボールから青い一羽の鳥が出てきた。 それは紛れもなくフリーザーだ。 「フリーザー!? 何で・・・? まさか自分からボールに入ったの?」 フリーザーが返事をするように鳴き声をあげて背中を向ける。 背中に乗れと告げている・・・しずかはそう言われている気がした。 「フリーザー・・・。ええわかったわ、一緒に行きましょう!」 しずかはそういって背中に乗る。 それを確認するとフリーザーはふたご島を飛び立った。 無人発電所 「サンダー!」 ジャイアンが叫ぶ。 自分の求めてたポケモンに巡り合えた喜び。 それが何事にも変えられない喜びだった為、つい口に出してしまった。 「俺がお前の使い手になってやる! 勝負だサンダー!」 ジャイアンがカイリキーを出す。 ポケモンを出すのを見るとサンダーは巨大な鳴き声を放った。 『すげえ威圧感だ!』 ジャイアンは興奮する。 サンダーが動いた。 カイリキーに向かってドリル嘴を放つ。 「カイリキー掴め!」 ドリル嘴を受け止め、カイリキーがサンダーの行動を抑える。 『そういや、のび太はカビゴンをこんな風にしてゲットしてたよな。 もしかしたら、俺も!』 ジャイアンは考えた結果ボールを投げることにした。 「行け、モンスターボール!」 モンスターボールがジャイアンの期待に答える事は無かった。 「エレブーもゲットしたしエレキブースターも取った。もうここには用は無いな」 出木杉はジャイアンを迎えに行く。 『サンダーか。物理攻撃技しか好まないタケシ君が・・・成長しているな、彼も』 歩いていると音が聞こえる。 『電気音か? 様子を見に行くか』 出木杉が見に行くとそこには何か電気を集めるものがあった。 『玉みたいだな。・・・電気球かな? のび太君のために持っていくとするか』 電気球を手に入れ出木杉はジャイアンの元に向かった。 「中々捕まらねえなあ、さすがは伝説! 俺が見込んだ奴だぜ」 ジャイアンが楽しそうに笑う。 サンダーはダグトリオに対して攻撃する技がないせいか攻撃を仕掛けてこない。 「いいかげん捕まえなきゃ出木杉が来るよな。よし、ハイパーボールを投げるか!」 経費削減の為に買っていたモンスターボールを投げるのをやめることにする。 「一発で入んねえかな、それ!」 ハイパーボールを投げた瞬間、サンダーが満足そうな表情を見せた。 ボールに収まりしばらくすると動きが停止する。 サンダーが収まったボールを取りすぐに投げる。 「サンダー、よろしくな!」 しばらくすると出木杉がやってきた。 「タケシ君。サンダーをゲットしたのか」 ジャイアンの隣で飛びたそうにしているサンダーを見る。 「ああ、出木杉もエレブーを手に入れたみたいだな」 「もちろん。エレキブースターも見つけたから通信よろしくね」 「任せとけよ!」 ジャイアンは機嫌がいいのか、簡単にOKを出した ここは 1の島 御縁が 集まる 結び島 「グレンを終わるとすぐにここに来るんだったね、忘れてたよ」 スネオが声にあげる。 「他の皆もカツラさんにパスを渡しておいたから大丈夫だね! 僕達は探検しようよ」 のび太が提案する。 「僕はマサキさんの用があるから3の島に行くよ」 図鑑をいじりながらドラえもんが言う。 「僕は一人で行きたい所があるんだ。 のび太は2の島に行ってリザードンに技でも覚えさせたら?」 「何が覚えられるの?」 スネオが呆れたような動作を取る。 「そんなことも知らないのか・・・。行ってからの楽しみにしてたら?」 「わかった。そうするよ」 のび太はすぐ頷いた。 船着場に着くと船が待っていた。 ドラえもん、のび太が乗り込む。 「あれ、スネオは行かないの?」 「ああ、グレンで待ち合わせしてるからそこで集合するときには行くさ」 『船の出港時間です、支給席にお座りください』 船のアナウンスがなるとスネオは出口に向かった。 「じゃあな、二人とも」 スネオは船を見送ると、船着場を後にした。 灯火山 「熱いなあ」 スネオが呟く。 格好はいつもと変わらない格好だ。 『ファイヤーはここにいるはずだ。必ず僕がゲットする!』 足を踏みしめ山を登り決意する。 『いた!』 ファイヤーの姿を発見したスネオは近くの物陰に隠れようとする。 スネオは考える。 『まずはマルマインで麻痺させて、10万ボルトの一発ぐらいは耐えるよな。 その後はガルーラで・・・いやガルーラだったらあんまり耐えれないかも。 クロバットで怪しい光を撃って・・・ でも自分を攻撃して倒れたりしたらいけないしな。 ニドキングは・・・』 ファイヤーは先程見えた人影が気になり、スネオがいる方角に注意を向けている。 一方スネオはまだ考えていた。 『出会い頭に駄目元でクイックボールを投げて、 入らなかったらさっき考えた作戦で行こう』 考えが固まりスネオはファイヤーと向き合う。 「ファイヤー! 僕がお前をって・・・うわっ!」 いきなりファイヤーが炎を吐いてきた。 「危ないじゃないか! いきなり何するんだって・・・」 後ろを見ると野生のペルシアンが倒れていた。 「お前・・・・・・まさか僕を助けてくれたのか?」 ファイヤーが声をあげる。 「そうか・・・」 少し間を空けてスネオが呟く。 「お前は・・・捕まえちゃいけないよな。 捕まえたら僕が恩知らずみたいじゃないか」 スネオが後ろを向いて灯火山を下山した。 下山すると灯火山の入り口にファイヤーが待っていた。 自分に何か語りかけている気がする。 『連れて行け』と。 「まさかな・・・」 駄目元でボールを投げる。 ファイヤーはボールにあっさり入り、少しするとボールの動きが停止する。 そのボールを持つとスネオは、すぐにボールを投げた。 「もしかしたら・・・お前は僕を認めてくれたのかもな」 ファイヤーに語りかける。 『誰かに認められるなんて、何時以来だろう』 スネオは新しい戦力を手にしてグレン島に向かった。 ここは 2の島 一人より 二人の 遊戯島 「何処に技を教えてくれる人なんているんだよ、スネオの嘘つきめ!」 のび太が悪態をつく。 2の島に次の船が到着したみたいで、観光客でいっぱいになってくる。 その中に見覚えのある頭を二つ見つけた。 「あれはまさか・・・。おーいしずかちゃん! 出木杉!」 のび太の言葉に二つの頭が反応する。 二人は人ごみを掻き分けのび太の前に辿り着いた。 「のび太さん。あなたも技を教えてもらいにきたの?」 「僕達もその予定だったんだよ。一緒に行こうよ!」 きわの岬 「お前等か、技を教えに貰いに来た三人は」 老婆が三人をじろじろと見る。 「ふむ、ポケモンを出せ」 それぞれがパートナーポケモンを出した。 「ふむう、お前等はいいトレーナーのようじゃのう。よし技を伝授してやろう。 きわの岬でレベルでも上げて待っておれ」 老婆がそう言うと怪しげな黒い着物を着け始めたので三人は家から飛び出した。 ここは 3の島 大小 揃って 親子島 「ジャイアン、もうイベントは終わったよ」 ドラえもんがジャイアンにそう言うと船に乗り込む。 「やることがはやいんだよ!」 数日後・・・・・・ ここは グレン タウン グレンの 赤は 情熱の 色 「皆集まったね。今からヤマブキに乗り込むんだけど・・・・・・ 用意はいい?」ドラえもん。 「問題ねえよ!」ジャイアン。 「出来る限りのベストを尽くしたよ」出木杉。 「満足いってるよ」スネオ。 「いけるわ」しずかちゃん。 「のび太君は大丈夫?」 「大丈夫だよ。じゃあ行こうよ皆でヤマブキへ!」 現在の状況 ドラえもん ヤマブキシティ ウインディLV58 ギャラドスLV55 メタグロスLV55 ハピナス LV54 のび太 ヤマブキシティ リザードンLV54 ピカチュウLV51 エーフィLV52 カビゴン LV53 しずか シルフカンパニー フシギバナLV56 ニドクインLV54 ペルシアンLV53 ミロカロスLV55 フリーザーLV59 スネオ シルフカンパニー クロバットLV57 ニドキングLV55 マルマインLV52 ガルーラ LV54 ファイヤーLV59 ジャイアン ヤマブキシティ カイリキーLV58 ダグトリオLV51 ケッキングLV53 プテラ LV50 サンダーLV57 出木杉 ヤマブキシティ カメックスLV56 ピジョットLV52 フーディンLV53 ハッサム LV54 エレキブルLV55 次へ
https://w.atwiki.jp/nobita_in_pokemon/pages/367.html
前へ ドーム控え室。 「待ってよ!出木杉!」 無言で立ち去る出木杉を心配し、追いかけるのび太。 「うるさい!来るな!」 出木杉が大きな声で怒鳴る。 いつも温厚な出木杉にしては珍しかった。 「さっさと出ていってくれ!目障りだ!」 立ち尽くしているのび太を他所に、続ける出木杉。 彼は今、凄まじいほどの屈辱に襲われていた。 『なんで僕が……野比君に……』 出木杉は現実世界で何においてものび太より上だった。 勉強も、スポーツも、何もかも。 だが、あろうことか全てが自分より下回っているのび太に負けたのだ。 『なんで……なんで……』 のび太が手を差し出そうとするが、出木杉はありったけの力で振り払った。 「いいから……さっさと出てけよ!」 出木杉が怒鳴るのはこれで3度目になる。 のび太はしぶしぶ部屋を出ていった。 ドーム観客席。 「あ、のび太さん」 遠くから走ってくるのび太を見て、しずかが言った。 「はぁ……はぁ……」 全速力で走ったのか、ゼエゼエと息をつくのび太。 「のび太、しずかちゃん。スネ夫の試合が始まるぜ」 ジャイアンが首で促した。 ドーム闘技場。 「話はのび太から聞いた。お前は僕がここで倒すさ」 試合開始前から挑発するスネ夫。 「口だけなら何とでも言えるわ……本当に私を倒せるのかしら?」 リンは何事も無いように言い返した。 「これから証明してあげるよ。そんな口がきけなくなるようにね……」 「じゃあ、楽しみにしてるわね」 両者言い終えると、それぞれの位置についた。 『対策は万全。勝つのは僕だ!』 『あの威勢……いつまで持つのか楽しみね』 それぞれの思いを抱えながら、ボールを構える二人。 そして、試合開始のホイッスルが吹かれた。 「それでは、準決勝第二試合、始め!」 両者からボールが放たれる。 スネ夫はテッカニン、リンはファイヤーだ。 「身代わり!」 ボールから出てくるやいなや、テッカニンが身代わりを作り出す。 「火炎放射」 テッカニンの身代わりが破壊される。 その後も同じような光景が繰り返されていた。 『そろそろだな』 「テッカニン!」 頭の中で計算を済ませたスネ夫が叫ぶ。 すると、テッカニンが輝き始めた。 「チイラの実の効力さ。そして……バトンタッチ!」 そう、スネ夫の目的はバトンタッチで補助効果を引き継がせる事だったのだ。 「戻れテッカニン……そしていけ、ナマズン!」 満を辞して登場したのはナマズン。 それも数回の加速とチイラの実により、素早さと攻撃力が数段アップしている。 『このナマズンで一気に押し切ってやるさ』 次の指示で、ナマズンのがんせきふうじがファイヤーをとらえた。 「出てきなさい、フリーザー」 煌びやかに光る両翼を羽ばたかせ、フリーザーが現れる。 「一撃で散ってもらう!がんせきふうじ!」 ナマズンが先手を取って攻撃する。 だが、がんせきふうじはフリーザーを捕えきれていなかった。 「くそ、外したか!」 がんせきふうじの命中率は80パーセント。 リンのフリーザーにとっては危惧すべき技なのだが、リンは全く動じていない。 『どういうことだ……』 スネ夫が怪しく思ってフリーザーを見ると、案の定キラキラと光る粉が見つかった。 『光の粉か……。だけど、次は外さないさ』 「フリーザー、心の目!」 フリーザーがナマズンに照準を合わせる。 『心の目から絶対零度か……ここで外せば、間違い無くやられる!』 少し戸惑うスネ夫。 だが、すぐに指示を出した。 「何をしたのか知らないけど……決めなさい!絶対零度!」 突如、猛吹雪が発生する。 「さあ、終わりよ」 吹雪はナマズンを完全に捕えていた―― 「フン……甘いんだよ」 猛吹雪で姿が隠れているスネ夫が、嘲笑うかのように言い放った。 「これは……まだ倒れてないのね」 ナマズンはまだピンピンしている。 その周囲は青い防御壁で囲われていた。 「まもる、だよ」 吹雪が止み、うっすらとスネ夫の姿が現れた。 スネ夫は絶対零度が放たれる直前に、ナマズンにまもるを指示。 そして、見事に攻撃を避けたというワケだ。 「トドメだ!がんせきふうじ!」 二発目は当たり、フリーザーを一撃の下に降した。 ドーム観客席。 「スネ夫、すげえ……こんなに強かったのか」 驚きの声をあげるジャイアン。 それにのび太が反論する。 「ジャイアンはスネ夫と戦っただろ?今更言うことじゃないんじゃない?」 対して、ジャイアンはいつになく真面目な顔で答えた。 「いや、俺と戦った時よりも強い……これは、勝てるかも知れないぜ!」 「そうね……このペースなら、勝てる可能性は十分にあるわ」 しずかもジャイアンに賛同する。 だが、のび太はイマイチそんな気がしなかった。 『確かに、スネ夫は強いけど……アイツはまだ切り札を隠してる、そんな感じがする』 言うなれば、真っ暗闇の奥に何かがある……そんな感じだ。 一抹の不安を抱えながら闘技場を見つめるのび太だった。 「さあ、次は何を出す?」 試合の流れが自分に向いているからか、余裕のスネ夫。 対して、リンは顔色一つ変えずにボールを放った。 「ミュウツー!」 繰り出されたのは破壊神、ミュウツー。 「あなたもすぐに葬ってあげるわ……あの御曹司のようにね」 ナマズンが地震を起こすも、ミュウツーの体力は残ってしまう。 「サイコキネシス!」 ミュウツーから強力な念波が放たれる。 だが、これも同様に体力を奪いきることは出来なかった。 「もう一度、地震だっ!」 スネ夫が二回目の地震を指示する。 『これで倒れてくれ……』 だが、スネ夫の願いも虚しくミュウツーの体力は残っていた。 そのままミュウツーがサイコキネシスを放ち、遂にナマズンが倒れてしまう。 「ふふ、あなたの手持ちにミュウツーを倒せるポケモンはいるのかしら?」 ナマズンを倒したことにより、勝ち誇ったような笑みを浮かべるリン。 ミュウツーは絶対に倒されない――彼女はそんな雰囲気を醸し出していた。 ――だがこの男、スネ夫は違った。 『いくら強いミュウツーでも、僕の前では無力さ』 「いけぇっ!」 スネ夫が次なるモンスターボールを放った。 繰り出されたのは、モンスターボールさながらのポケモン。 その周りでは電気がバチバチと音を立てていた。 「これは……マルマインね」 リンが苦い表情をする。 「ふふ……先手を取って倒させてもらうよ」 マルマインのスピードはミュウツーのそれを上回っている。 スネ夫は、ミュウツーに攻撃される前に倒してしまおうというのだ。 『急ピッチで育てた甲斐があったってもんだよ……』 二日前―― 『ミュウツーか……どうやって倒そう』 先程のダイゴとリンの試合で、ミュウツーの圧倒的な強さを見せられたスネ夫。 彼は今、ミュウツーの対策法を考えていたのである。 『今のポケモンじゃ、間違い無く勝てないな』 ミュウツーは凄まじい破壊力に加えて、素早さも高い。 覚える技も豊富なので、弱点を突かれて一撃死ということも十分に考えられる。 『仕方ない……アイツを使おう』 スネ夫が考え出した対策法は、至極単純なものだった。 『こっちが先手の一撃で倒せばいいんだ。それをやるにはアイツしかいない』 スネ夫は大急ぎでビリリダマを捕まえ、育て始めたのだった。 舞台は戻る。 『今のミュウツーなら、大爆発を使わなくても倒せるな』 「マルマイン、十万ボルト!」 強力な電撃がミュウツーの体力を奪った。 無言でミュウツーをボールに戻すリン。 その顔は屈辱で歪んでいる。 さすがの彼女も、ミュウツーが倒されたことには動揺を隠せないようだ。 「……サンダー!」 リンが次に選んだのはサンダーだ。 甲高い咆哮をあげ、スネ夫を威圧する。 『サンダーならマルマインにあまりダメージは与えられないハズ……どういうことだ?』 スネ夫は疑問を抱く。 だが、既に彼の腹は決まっていた。 「マルマイン、大爆発!」 マルマインの体に光が集まっていく―― そして、次の瞬間……それは一気に弾けた。 「やったか!」 目をこらし、爆発のあった所を見るスネ夫。 彼の目は期待に満ちていた。だが…… 「……残念ね」 不意に、リンの声が聞こえてくる。 スネ夫は更に目をこらし、勝敗の行方を確かめる。 「これは……しまった!」 スネ夫が見たのは元気に羽ばたいているサンダーと、力尽きて倒れているマルマインだった。 落胆するスネ夫を嘲るかのように、空中を旋回するサンダー。 「あなたが大爆発を指示する前に、見切りをさせたのよ」 見切り……守ると同じく、相手の攻撃を無効化できる技だ。 「……くそ!」 自らの判断ミスを恨むスネ夫。 何せ、冷静になっていれば簡単に予測できた事なのだ。 「ふふ、勝負を焦りすぎたわね……」 リンがほくそ笑む。 ドーム観客席。 「ああっ!スネ夫のバカ!」 顔を真っ赤にしながら地団駄を踏むジャイアン。 それに、すかさずしずかがフォローを入れる。 「でも、スネ夫さんの優勢は変わらないわ。あっちは3匹も消耗しているんですもの」 舞台は闘技場へ。 「いけ、ユレイドルッ!」 大爆発の不発によって落胆したスネ夫だったが、落ち着きを取り戻してボールを放つ。 「鋼の翼よ」 サンダーの翼がユレイドルを切り裂く。 「負けるなユレイドル!原始の力!」 今度はユレイドルが反撃する。 その後、もう一度同じ光景が繰り返され、サンダーが先に倒れた。 「やったぞ、ユレイドル!」 歓喜の叫びをあげるスネ夫。 リンは愚者を見るような目でサンダーを見つめていた。 「戻りなさい、サンダー……」 サンダーをボールに戻し、ため息をつくリン。 そのままボールを取り出し、放り投げた。 「レックウザ!」 レックウザ……これまた伝説のポケモンだ。 「ドラゴンクロー」 即座に指示が降され、レックウザの鋭い爪がユレイドルを襲う。 先程の蓄積ダメージもあり、ユレイドルは耐えることが出来なかった。 「こうなったら……フライゴン!」 ボールからフライゴンが出現し、すぐさまレックウザに一撃を与える。 「ドラゴンクローね……なら、こっちもよ!」 レックウザも反撃する。 食らったダメージはフライゴンの方が大きかった。 「フライゴン、もう一度!」 またもやフライゴンが攻撃し、レックウザの反撃が待ち受ける。 フライゴンが次の攻撃を受け切るのは不可能だった―― 『敵のレックウザはかなり消耗している……ならば!』 今なら一撃でレックウザを倒せると悟ったスネ夫。 無造作にボールを取り出し、それを放った。 「ジュカイン!」 繰り出されたのは幾度と無くスネ夫のピンチを救ってきた相棒、ジュカイン。 即座にレックウザに飛びつき、必殺のドラゴンクローを浴びせる。 「どんなもんだい!」 思わずガッツポーズを決めるスネ夫。 だが、レックウザをボールに戻すリンの顔からは余裕さえ感じられた。 『奴の手持ちは残り1匹……こっちは体力全快のジュカインと、残り体力が僅かなテッカニンだ』 数では勝っているが、テッカニンは相手に一発当てるのが限度。 ジュカインでなるべく相手の体力を減らさねばならない。 「……もう、終わりね」 冷たい表情で最後のボールを取り出すリン。 その雰囲気から見るに、自分が負けるとは思っていないようだ。 「出てきなさい……」 リンがふんわりとそのボールを投げる。 「こ、これは……!」 繰り出されたポケモンを目の当たりにして、絶句するスネ夫。 現れたのは、赤と緑で彩られたなんとも奇妙な生き物だった。 その肩と思われる部分からは触手のようなモノが伸びていて、その異形をより引き立てている―― ――そんな異様な姿を露にしたそのポケモンの名は、デオキシスという。 「デオキシス……だって?」 口をポカンと開けたまま、立ち尽くすスネ夫。 その存在は知っていたが、まさか使うトレーナーがいたとは……。 「まさか、あなた如きに切り札を出す事になるとはね」 驚くスネ夫を他所に、嫌らしい笑みを浮かべるリン。 「冷凍ビーム」 「させない、見切りだ!」 デオキシスから氷の光線が放たれるも、ジュカインはそれを避ける。 だがこの時、スネ夫は悟っていた。 『ジュカインじゃデオキシスには勝てない……』 例え一撃目を避けたとしても、次なる攻撃が待ち構えている。 「冷凍ビーム」 スネ夫は見切りを指示したが、やはり失敗。 ジュカインはまともに冷凍ビームを受け、倒れた。 「お疲れ、ジュカイン」 ジュカインをボールに戻すスネ夫。 『後は……残り体力僅かのテッカニンだけか』 だが、スネ夫は安堵した。 『テッカニンのスピードは、デオキシスよりも上!この勝負、勝った!』 デオキシスの耐久力ならば、先制の一撃で倒せるだろう。 スネ夫は余裕の表情で最後のボールを放った。 「いけ、テッカニン!」 ブンブンと羽を羽ばたかせ、テッカニンが姿を現す。 依然無表情のままのリンを見て、スネ夫が口を開いた。 「僕の……勝ちだよ」 だが、リンは全く動じていない。 どこかスネ夫を哀れむような、そんな雰囲気を醸し出していた。 「何言ってるの?あなた」 挑発気味に言い放つリン。 それを聞いたスネ夫は、余裕をかまして言った。 「デオキシスなら、テッカニンは確実に先手を取れる。そして、デオキシスの防御力は極端に低い。これがどういうことかわかる?」 リンは鬱陶しそうにスネ夫の方を見ている。 その態度が気に食わなかったのか、スネ夫はテッカニンに指示を出した。 「それは……お前が負けるってことなんだよ!テッカニン、シャドーボール!」 テッカニンが漆黒の玉を作り出す。 そして、それをデオキシス向かって放ち―― 「どうしたんだ!テッカニン!」 テッカニンは黒い玉を作り出したまま、動かない。 先程ののび太と出木杉の試合を観戦していたスネ夫は、ようやくこの事態を悟った。 「テッカニンの方が遅いということは、まさか……先制技かっ!」 そう、スネ夫はデオキシスが覚える唯一の先制技の存在を失念していたのだ。 そして―― 「残念だったわね。先に動くのはデオキシスよ」 首を振って目の前の光景を否定するスネ夫を嘲笑うかのように、リンが囁いた。 「しんそくっ!」 リンの命令と共に、デオキシスが姿を消す。 「あ、あ、あ……」 依然首を横に振ったまま、狼狽するスネ夫。 焦点の定まっていないその目で、必死にデオキシスの行く手を探る。 そして―― 「デオキシス!」 リンの声が響き渡る。 その瞬間、デオキシスの姿で太陽が隠れた。 「テ、テッカニン!」 テッカニンの姿が、デオキシスの暗い影に覆われる。 だが、それと同時に闘技場全体――いや、観客席までもが暗くなっていた。 刹那、轟音を伴って雷鳴が轟く。 それは丁度デオキシスとテッカニンの居る位置を捕え、その周囲を照らす。 「決めなさい!」 眩い光を伴いながら、テッカニン向かってフルパワーで突進するデオキシス。 次の瞬間には衝撃音が聞こえ、テッカニンは鈍い音を立てて倒れた。 「勝者、リン選手!」 審判の声を聞くと、リンは満足げな表情で闘技場を出る。 「そ、そんな……」 テッカニンをボールに戻さず、天を仰ぐスネ夫。 その時、彼の顔に一滴の雫が落ちた。 「ああ……」 土砂降りの雨に打たれながら、ただただ立ち尽くすスネ夫だった。 「というワケで、決勝戦は明後日となります」 司会の声が会場に響く。 そして、それを神妙な顔で聞いていた少年が一人。 「明後日、か……」 その顔はいつものふぬけた顔ではなく、強い決意が表れている顔だった。 雨に打たれ、真剣な眼差しで司会を見つめている。 「そして、決勝戦に進めるのはこの二名です!」 観客席の上の方にあるボードに、決勝戦に出場する選手の名前が映される。 野比のび太 ― リン・サブラス それを見ると、少年は少し安堵したような表情を見せる。 すると少年は闘技場に背を向け、観客席と下の階を繋ぐ廊下を進む。 聞こえるのは、切なく響くトン、トンという足音だけだ。 少年は廊下を渡り終え、階段を下りていく。 明かりが全くついていない、暗い階段。 そして最後の一段を踏みしめた時、一階の明かりによって少年の顔が照らし出される。 その少年――野比のび太は真っ直ぐ扉を見据え、会場を後にした。 トクサネシティの宿。 のび太がここに戻って数時間、まだ雨は降り続いていた。 何のためらいも無く寝転ぶのび太だったが、彼には一つ気がかりな事があった。 『ドラえもん……』 そう、リンに奪われたであろうドラえもんの事だ。 ダイゴの日記にそう記してあったから、おそらく間違いはないだろう。 『そうだ!』 拳で手のひらを叩くのび太。 どうやら何かを閃いたらしい。 のび太は急いでレインコートを羽織り、宿を出てペリッパーに乗る。 その行き先は――サイユウシティ。 「はぁ……はぁ……」 ペリッパーから降りるやいなや、ドームへ向かって走り出すのび太。 そのままドームの扉を開け、中に入った。 「よし、行こう」 ゼエゼエと荒い息をつきながらも、のび太は走る。 彼が足を止めたのは、闘技場だった。 「やっぱり……」 のび太は数日前の事を思い出していた。 ここ、闘技場でリンに会った日の事だ。 そして、今も数日前と同じ――闘技場にリンが立っていたのだ。 「あら、あなたなの」 リンは、以前と同じ冷たい表情でのび太を見つめた。 のび太はゆっくりと口を開いた。 「ドラえもんをどうした」 その声は小さいものだったが、妙な威圧感が混じっていた。 リンは依然表情を変えない。 「ああ、あのロボットのことね」 まるで「忘れていた」とでも言いたげな感じだ。 「あのロボットは、御曹司さんが見つけたものを私が貰ったのよ」 「それは知ってる。そこからを知りたいんだ」 今の事は、ダイゴの日記に記してあった事と同じ。 のび太はその先を知りたいのだ。 「大丈夫よ。壊しはしてないわ」 「じゃあ、どうしたんだ」 間髪入れず、鋭く問うのび太。 「ただ……ポケットの道具を取っただけよ。ついでにそのポケットもね」 その言葉を聞くと、のび太は安堵した。 ドラえもんはまだ生きている、ということがわかったからだ。 「わかった。だけど、これで終わりじゃない」 のび太が、今度はハッキリと聞こえる声で言った。 「何?まだ何か用なの?」 鬱陶しそうに聞くリン。 それをのび太は厳しい表情で見据え、口を開いた。 「ドラえもんを……返せ!」 のび太の声が響き、リンが静まる。 だが、それも束の間だった。 「……アハハ!そんなにあのロボットを返してほしいの……」 「ああ、そうだ」 のび太が言い終えると、リンは意地の悪そうな笑みを浮かべた。 「ダメよ」 一瞬、その場が静まり返った。 そして、数秒が経つとのび太が沈黙を破った。 「何で!何でだ!」 「だって、面白くないもの。その代わり……私に勝ったら返してあげるわ」 のび太は悟った。 もう、バトルで勝つしかない。 それ以外にドラえもんを取り返す手段は皆無なのだ。 しかも、のび太が負けたらリンの望みが叶ってしまう。 世界が滅ぶなんて事になったら、最早ドラえもんどころの騒ぎじゃない。 「ああ、受けて立ってやる」 そう言うと、のび太はボールからペリッパーを出した。 「勝負は明後日……その時にケリをつけてやる!」 ペリッパーに乗り、雨に打たれながら飛び立つのび太。 彼は闘技場の方を振り向かずに、サイユウシティを後にした。 次へ