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4ページ目 のび太パパ「のび太はどうだった?」 のび太ママ「あの子狂ってるわ。出てきたら殺される」 のび太パパ「のび太が?ははっ!そんなわけないだろ?「 のび太ママ「けど実際一人殺してるのよ!?」 のび太パパ「きっと何かの間違えさ。のび太を信じよう」 のび太ママ「あなた」 その後、二人は熱く絡まり合った。 次へ トップへ
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ゲーム ドラえもん のび太の月面探査記 パッケージ版/ダウンロード版 版権キャラ 造成 6,458円(税込)540MB ドラえもんたちと一緒に月の世界を大冒険! 「映画ドラえもん のび太の月面探査記」のゲームがNintendo Switchに登場! 何もない月面に映画オリジナルキャラクター"ムービット"たちの家や工場、映画館を建てて、自分だけのウサギ王国を開拓しよう! さらに、映画に沿ったストーリーやミニゲームなど、映画の世界を楽しめる内容が盛りだくさん! さぁ、ドラえもんたちと一緒に月の裏側へ出発だ! メーカー フリュー 配信日 2019年2月28日 対応ハード Nintendo Switch セーブデータお預かり対応 対応コントローラー Nintendo Switch Proコントローラー タッチスクリーン プレイモード TVモード, テーブルモード, 携帯モード プレイ人数× 1 対応言語 日本語 レーティング CERO A 名前 コメント
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8ページ目 のび太「・・・いない。逃げたか」 ドラえもん「気づいてないね」 のび太ママ「ええ。さすがドラちゃんの道具ね」 のび太「ちっ、また振り出しか」 ドラえもん「よしっ」 のび太「なんてね。いるんだろ?二人とも。透明マントかな?それとも石ころ帽子?」 のび太ママ「気づいてる!?」 ドラえもん「大丈夫!姿は見えてないから!今のうち逃げよう!」 のび太「これを振り回そう!」ブンブン ドラえもん「!?大量のナイフを括り付けた輪っかだ!」 のび太ママ「当たる!当たるわ!」 のび太「ひゃは!」ブンブン のび太ママ「ぐぎゃっ」ぶしゅーーーー のび太ママの首をかっ切った。 ドラえもん「ママーーーー」 のび太「ん?血が付いてる。あはは、いるね。」 のび太ママ「はや、く、にげ、て」ピクピク ドラえもん「くそ、くそ。ママの死は無駄にはしない!」スタタタ のび太ママ「よ、ろしく、ねドラえもん」ばたり のび太「もういないかな?」ブンブン 次へ トップへ
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のび太とジャイアンは囚われの3人を救うためまずは1階の探索を開始した ジャイアン「こんなに広い場所を探すとなるとかなり時間が掛かる、二手に分かれて探すぞ」 のび太「分かった、気をつけてね」 ジャイアン「お前こそな!」 2人は早く3人を探すため二手に別れた、そしてジャイアンは1階の奥を探すことにした ジャイアン「さすがに此処まで奥に来ると部屋もねーな・・・うん?」 見ると奥に一つだけ寂しげに部屋があった ジャイアン「こんな奥にあるってことは3人を閉じ込めてる部屋、って可能性が高いな・・」 この部屋が怪しいと踏んだジャイアンはその部屋に駆け出し、そっとドアを開け部屋を覗いた ジャイアン「誰もいないのか・・・?なら入っても良いよな」 中が無人のことを確認し静かに部屋に入った ジャイアン「部屋の奥にまたドアがある・・さてはあそこに3人が居るんだな!」 そう考えると奥のドアに向かって走り出し勢い良くドアを開けた、そこに恐怖絶するものがいるとも知らずに ジャイアン「あわわわわ・・・・」 その部屋には鎖で繋がれた巨大なガルーラが一匹、恐ろしい顔で立っていた ガルーラは恐ろしい顔のままギロリとジャイアンを睨み付けた ジャイアン「たたたたたたた、たすけ、助けてくれ~!」 恐怖するジャイアンをガルーラは手で掴み高々と高く持ち上げた ジャイアン「俺を食っても美味くないぞ!止めてくれえええ!」 必死に命乞いをするジャイアンをガルーラは口に運び・・・ではなく腹のポケットに入れた ジャイアン「へ?・・・何だ・・食われるかと思ったぜ」 先ほどまで怖い顔をしていたガルーラはジャイアンをポケットに入れると嬉しそうにニコニコしている どういうことだ?と考える前に手前のジャイアンが通ってきた部屋のドアを開ける音がした ジャイアン「まずい!隠れさせてくれ!」 焦ったジャイアンはガルーラのポケットに潜り息を潜めた 部屋に入ってきたのはロケット団隊長だった 隊長はガルーラに近づくとすると突然殴る蹴る、暴行を加えたのだ ジャイアン(何やってんだ・・・?) ポケットに隠れていて外の状況が分からないジャイアン、そんな彼の隠れているガルーラのポケットを隊長は蹴った ジャイアン「ギャ!!!」 隊長「ムッ!誰か居るのか!?」 突然の攻撃に驚いたジャイアンは思わず声を出してしまった、隊長はガルーラのポケットの中を覗いた 隊長「な・・何だ?・・・ポケットの中に人間が・・・?」 見つかってしまったジャイアンは覚悟決め、ポケットから顔を出した 隊長「何だ貴様は?何故俺のサンドパックのポケットに入ってるんだ」 ジャイアン「サンドパック?」 隊長「このガルーラは俺のストレス発散ように捕まえたポケモンよ、いつもこうして痛めつけて仕事の鬱憤を晴らしてるのさ」 言われて良く見て見るとガルーラの体は傷だらけだった、と、ここでジャイアンはあることに気が付いた ジャイアン「そういえば・・このガルーラの子供が居ねーがどういうことだ?」 隊長「子供?ああ、そういえばそんなのも居たっけな、このまえうっかり腹に強力な攻撃をしちまって殺しちまったぜ」 ジャイアン「何だって!?」 隊長「子供が死んでからこの親ガルーラ突然大人しくなってよ、親子ポケモン何て言われてるぐらいだからな、子供が死んでショックなのかな?はっはっはっは!」 ジャイアン「・・・せねぇ・・」 隊長「はっ?」 ジャイアン「許せねぇ!!!ガルーラ、メガトンパンチだ!」 怒りのジャイアンの怒号に影響されたガルーラは拳を振るい隊長を吹っ飛ばした 隊長「ひぃぃぃぃい!!助けてくれー!」 隊長は泣きながら部屋を出て行った ジャイアン「ザマーみろ!・・・あっ!奴を逃がしちまった!ロケット団に見つかっちまう、早く逃げねえと・・」 ポケットから飛び出ようとするジャイアンをガルーラは抑えた ジャイアン「な、何だよ、離せよ、奴等に捕まっちまうだろ!」 しかしガルーラはジャイアンをポケットから出そうとしない、どうやらジャイアンを子供と勘違いしているらしい ジャイアン「しょうがねえなー・・・分かったよ、お前も俺様の手持ちに入れてやるぜ!」 困り果てたジャイアンは仕方なく、ガルーラを連れて行くことにした その頃のび太は・・・ のび太「広すぎるよ・・これじゃあ見つかるわけないよなー・・・・」 あまりの広さに愚痴を零していた、まだ1階しか探索してないと言うのにもうクタクタのようだ だらだらと歩いていたその時、前方より人が走ってくる音がした のび太「え?ちょっ、ヤバイって!何処か隠れる場所は・・・あった!」 焦りまくった末、物陰を見つけそこに隠れた 隊長「大変だ!ガルーラが暴れているぞ!」 そう叫びながら隊長は走り去っていった のび太「ガルーラ・・?誰か見つかったのかと思った・・・」 ホッとするのび太、しかし何か嫌な予感がしてならなかった どうしても気になるのび太は走り去っていった隊長の道を辿ってみることにした しばらく走っているとロケット団団員達が多数いる通路に出た、その団員達の集団の真ん中で信じられないことが起きていた 暴れるガルーラ、いや、のび太の目に映ったのはガルーラではなくそのガルーラのポケットで鉄拳を振るい暴れているジャイアンだった のび太(何やってんだあのゴリラ!見つからないようにって言ったのに・・・あいつには脳というものが無いのか?) もう呆れることしかできないのび太、見捨てるわけにもいかないので頭を抱えながらジャイアンを助けに行った のび太「オコリザル、からてチョップだ!」 マンキーは修行の中でオコリザルに進化していた、オコリザルはロケット団を蹴散らしのび太の通る道を作った のび太「ジャイアン!何やってんの!?」 ジャイアン「おうのび太か、いや、このガルーラがポケットから出してくれないから仕方なく戦うことにしたんだ」 あまりに馬鹿げた発言にのび太は体を震わせ怒鳴った のび太「モンスターボールに入れれば良いだろ!!!」 ジャイアン「あ、その手があったか」 のび太「その手があったかじゃないだろ!ジャイアンのせいで沢山ロケット団が集まってきたじゃないか!」 2人は数え切れない団員達に囲まれていた 幹部「まったく笑わせてくれる男だな・・」 ジャイアン「か、幹部!」 無数の団員達から離れた場所に幹部が立っていた 幹部「わざわざ自分から居場所を教えてくれるとは親切な奴だ・・・下っ端ども!奴等を生け捕りにしろ!」 この一声で下っ端達は一斉に2人に襲い掛かった ジャイアン「くそー!全員ぶん殴ってやる!」 幹部「くっくっく・・・思ったより早く終わったな」 ジャイアン「く、くそー・・・・」 2人は多数相手に奮戦したが多勢に無勢、あっという間にボコボコにされてしまった 幹部「こいつ等は牢に入れておこう、連れて行け」 下っ端「はっ!」 2人は下っ端達に担がれ牢まで連行された 幹部「着いた着いた・・・ふふふふ、しばらく此処に入っていろ、お友達も居るぞ」 のび太「友達・・・?」 2人は抵抗することもできず牢にぶち込まれた ジャイアン「この野郎!出せー!」 出来杉「この声は武君!?」 のび太「出来杉?」 牢の奥には出来杉が小さく蹲っていた ジャイアン「出来杉!こんなところに居たのか!」 出来杉「何だって此処に居るんだい?」 のび太「捕まえられた君達を助けに来たんだよ、でも捕まっちゃって・・・」 出来杉「そうか・・・そういう作戦だったね」 静まる空気の中、ジャイアンが言った ジャイアン「何とかして此処を出ようぜ!ポケモンの技で扉を突き破るんだ!」 出来杉「それは無理だよ、僕も試してみたけどこの扉は頑丈に作られてて傷一つ付けられなかった」 ジャイアン「だったらこの技の出番だぜ!行けゴーリキー、怪力だ!」 ゴーリキーは扉に向かい懇親の力で押しまくった ジャイアン「くそ!ゴーリキーだけじゃ駄目だ、のびた!お前もポケモンを出せ!」 のび太「僕は怪力を使えるポケモン持ってないよ!」 ジャイアン「これを使え!」 そう言うと持ち物から秘伝マシンを取り出し、のび太に投げ渡した のび太「じゃあカビゴンに覚えさせよう・・・・よし!覚えさせたよ!」 ジャイアン「二匹で押すんだ!行けー!!」 ゴーリキーとカビゴンは扉を押し破った ジャイアン「やった!逃げるぞ!」 3人は牢を脱出した 一方しずかはカードキーを捜し上の階へ来ていた しずか「ゲームではこの辺に落ちていたはずだけど・・・見つからないわ」 ゲームでは分かっていても見つけるのは簡単ではなかった しずか「・・・もしかしたらゲームを知ってる幹部が持ってるか隠したのかも・・だったらどうすべきかしら・・・え!?」 ふと見た部屋の机に無造作にカードキーが置かれていたのだ しずか「罠?・・でもカードキーはあそこにある・・・取らない理由は無いわね」 危険覚悟でしずかはその部屋に入り机にあるカードキーに手をかけた しずか「・・・何もない?まあ良かったわ・・」 そう言ってカードキーを持ち上げると警報が鳴り出した しずか「くっ!これを持ち上げると警報が鳴る罠だったのね、早く逃げないと・・」 しかし手遅れだった、部屋の扉はいつの間にか閉められ脱出は困難となった 幹部「あんな罠に掛かるとは・・マヌケだな」 しずか「なっ・・・・!」 いつの間にかしずかの背後には幹部と数人の下っ端が立っていた しずか「なるほど・・・此処に閉じ込めて逃げられないようにしておいて倒す作戦だったのね」 幹部「そういうことだ、しかしお前が掛かったか・・・これは好都合だ、一番厄介な奴が消えてくれれば後は楽だ」 しずか「私がやられる?まだ寝言を言う時間には早いわよ」 幹部「くっくっくっく・・・寝言かどうかは自分で調べると良い!」 しずかはピッピ、幹部はゲンガーを出し交戦した しずか「・・・この前の戦いの決着をつけましょうか」 幹部「この前の戦いで押されていた奴が何を強がっている?」 しずか「確かにこの前の私じゃ敵わないわ、でも私はあれから更に強くなった・・・もう負けることはないわ!」 幹部「ふん・・では私も本気で戦ってやろう!」 2人の戦いは激化した その頃、牢を脱出した3人は・・・ ジャイアン「勢い良く飛び出たのは良いがどこに行けば良いんだ?」 出来杉「まだ捕まってるスネオ君にドラえもんを探すのが得策だと思う・・」 のび太「じゃあまたばらばらになって探そうよ!」 ジャイアン「そうだな、よし!ここで分かれるぞ!」 3人が散り散りになろうとした瞬間、上の階から人の悲鳴が聞こえた しずか「きゃあああああ!!!」 ジャイアン「しずかちゃん?・・・上からだ!」 3人は上の階へ走った 出来杉「ここだ!ここの部屋から悲鳴が聞こえたんだ」 のび太「でもこの扉いくら押しても開かないよ!」 ジャイアン「俺様に任せろ!うおおおおおお!!!」 ジャイアンは扉に向かい思いっ切り体当たりをし、扉を粉砕した ジャイアン「これで入れんぞ、行くぜ!」 3人は部屋に入ると思いもよらない状況を目にした しずか「あ、あなた達・・・?」 幹部「ちっ!邪魔が来たか・・」 しずかは大分やられたようで体中ボロボロになっていた のび太「しずかちゃんがこんなにやられるなんて・・・」 幹部「邪魔者め!失せろ!」 ゲンガーの攻撃が3人を襲った 出来杉「くそ!反撃だ、サンダース!ミサイル針!」 幹部「ぐわ!」 ミサイル針は幹部を襲った、そして・・その拍子に幹部が被っていた帽子が地面に落ちたのだった 出来杉「どうだ!・・・え!?」 のび太「ま、まさか!」 ジャイアン「お前が・・・幹部だったのか!!?」 そこに立っていたのはこの3人の友達であり、共にこの世界に来た親友・・・ スネオ・・・骨川スネオが生気を失った目で立っていた・・・ のび太 ギャラドス(レベル45)、ピカチュウ(レベル41) 、オコリザル(レベル40)、スリーパー(レベル40)、カビゴン(レベル41)、メタモン(レベル39) ドラえもん シルフカンパニーにて監禁 ジャイアン リザードン(レベル57)、ウツドン(レベル46)、ゴーリキー(レベル44)、サイドン(レベル42)、ガルーラ(レベル35) スネオ 手持ち不明 しずか フシギバナ(レベル69)、プリン(レベル55)、ピッピ(レベル54) 、ドードリオ(レベル53)、タマタマ(レベル52) 出来杉 手持ち不明
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6ページ目 どらえもんと話してからテストは始まったかというとしじつのためにひつ用だったからです。 ぼくはまい日テストをやったかというとそれがあたまとかんけいするからだそうです。 ドラえもん「のび太くん、今日は迷路のテストをしよう」 のび太「めいろー?」 ドラえもん「ああ、君のライバルも用意してある」 ぼくはドラえもんについていったかと思うとどこかの部屋にきてケースを見せられて中のネズミを見た。 ドラえもん「彼の名前はアルジャーノンというんだ」 ドラえもん「見ててご覧」 ドラえもんはアルジャーノンをケースから出してよこの大きな箱にいれて箱のうえにあったふたをとるとめいろが出てきました。 するとアルジャーノンはめいろを進みはじめます。 ドラえもん「アルジャーノンは手術を受けたネズミなんだ」 すぐにアルジャーノンわゴールについてうれしそーに鳴きだしてしっぽをふってドラえもんがアルジャーノンにチーズおわたします。 ドラえもん「君は今からアルジャーノンと競争をしてもらう」 ぼくはわらた。それはネズミになんか負けるはずがないからです。 ドラえもんわ僕にほそながい棒をわたしたかというとめいろをやるためです。 ドラえもんが合図をしたらアルジャーノンもぼくもめいろをはじめます。 ぼくはどっちのみちに行けばいいかわからないというとそれは道がたくさんあるからです。 まちがった方へ棒を動かすと弱いでん気がながれたかというと間ちがいを教えるためです。 次へ トップへ
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全ての終わり、一つの始まり――そして誰かいなくなった(後編)◆o.lVkW7N.A 前編より 二つの人影が、北東にある港町目掛けて歩いていた。 そのうちの片方、桃色の長い髪を靡かせる色白の少女が、褐色の肌をしたもう一人に話しかける。 「あれで、良かったのかしら」 「さあね」 その問い掛けに少々むっつりとした表情で振り向くと、彼女はぶすりと呟く。 「ああしろって言ったのは、私じゃなくてあなたでしょ」 「確かにそうだわ。でも、トリエラさんだって承諾したじゃない」 相手から平然とそう言い放たれて、少女は益々むっとしながら反論を試みようとする。 けれど視線を向けた先では、淡々とした狂いのない歩調で歩みを進める少女が、興味深そうにこちらを見つめていた。 それに毒気を抜かれた形になった彼女は、大きく吐息して胸の中に詰まった空気を一斉に吐き出すと、掌をひらひらさせて告げる。 「そうだね、確かに私もオーケーした。はいはい、あなたの言う通りだよ……」 * * * まるで肺に小さな穴でも開いているかのように、吸っても吸っても酸素が足りない。 眩暈がするほどの息苦しさに倒れ込みそうになりながらも、双葉は駆け足を止めなかった。 目的地へ続く森の中を一目散に走り、朽ちかけた廃病院を一人、目指す。 シャナの行為を無為にするわけにはいかなかった。 戦う力を持たない自分に出来るのは、守ってもらった命を無駄にしないよう努めることだけだ。 双葉は荒い息で木々の間を掻き分け、よろめく足で一歩一歩と前へ進んだ。 先ほど上空から落下した衝撃で体中に鈍痛が響いていたものの、泣き言を言う暇はない。 苦しさを無理やり抑え込んで、少しでも速くと疾走する。 「……いて削って裁って刻んで刎ねて刈って削いでほじくってくりぬいて薙いで断って削いで……」 その途中、林の間から耳に飛び込んできた誰かの独言に、思わずびくりと身体を強張らせた。 あまりにも異常で物騒なその単語の羅列に息を呑み、相手に気付かれないよう迂回しようとする。 大きく距離をとってその場から通り過ぎようとしたところで、しかし双葉は気付いた。 そこに立っているのが、先ほど別れたばかりの紫穂だということに。 安堵に胸を撫で下ろそうとするものの、常軌を逸したその表情を見て判断を迷う。 正直に言って、とても恐ろしかった。近寄りがたい気色の悪さすら感じた。 すぐ側にいる双葉にも気付かないのか、紫穂は壊れたテープレコーダーのように言葉を紡ぎ続ける。 どんよりとした双眸に明るい色はなく、ただ闇のように深い黒色が澱んでいるだけだ。 恐怖に竦む足で、それでも双葉は紫穂へと足を進めた。 『三人で病院へ戻るわよ』と、シャナはそう自分に言ったのだ。 だったら、紫穂をここへ置いていくわけにはいかない。 首に縄をつけてでも彼女を病院まで連れて行って、そうして三人で再会しなければ。 「紫穂? おい、どーしたんだよ!」 生気の感じられない彼女に近づいて、がくがくと肩を揺さぶった。 そうされて漸く双葉の存在に気がついたのか、紫穂は薄い笑みを湛えたまま呟く。 「きっと、皆皆皆死んじゃうんだわ。シャナちゃんも小太郎君も薫ちゃんも葵ちゃんも、皆皆皆……」 「……何言ってるんだよ? 紫穂、お前、おかしいぞ!?」 そう問いながらさらに強く身体を揺すっても、彼女は平然としたままだ。 まるで幽霊の相手でもしているような気分になって、ぞっとした双葉が背中一面に鳥肌を立てた。 「人形がね、棺桶を運ぶのを『見た』のよ。あれはこの島にいる皆のための棺。次は誰のためのものかしら。 私? あなた? ああ、そう言えばシャナちゃんが居ないわね。シャナちゃんのかもしれないわ」 「……なっ、てめぇ!!」 双葉には、人形だの棺だのという言葉の意味は分からなかった。 どんな理由でかは知らないが、今の紫穂は相当に混乱している。 そのせいで死神の登場する白昼夢でも見て、現実との区別がつかなくなったのかもしれない。 けれど、だからと言って、今の彼女の発言が許せるわけはなかった。 「……何よ、シャナちゃんは強いから死ぬわけなんてないって、そう思ってるの? でも、そんなわけないじゃない。だって、あなたを助けた神楽ちゃんは呆気なく死んじゃったでしょう?」 ケラケラケラケラと耳を劈く甲高い声を立てて、紫穂が可笑しそうに笑う。 双葉は見開いた両目で相手を真っ直ぐに睨み付けると、その笑声を打ち破るようにして叫んだ。 「……あいつらのことを、そんな風に言うな。あいつらは、あたしに約束してくれたんだ。 絶対に戻るから、きっとまた逢えるからって、そうあたしに言ってくれたんだ!!」 そうだ、シャナは自分に約束してくれた。 すぐ怒るし、考え方は合わないし、冷たいし、頑固だし、素直じゃないし。 そんな嫌なやつだけど、それでも、双葉の前で確かに誓ってくれた。 ――――だから、守ってもらった自分に出来るのは。 「……だから、だからあたしは信じてるんだ。 シャナがあんなやつに負けるわけねーって、死んだりなんかするはずねーって!!」 * * * 赤い髪をした少女は最早、絶体絶命どころではなかった。 死の淵に足を掛けているどころか、全身がその沼に浸かり辛うじて指先だけが岸辺に引っかかっている状態だ。 のび太の見ているすぐ先で、トリエラがナイフを振るっている。 腕と脛に鋭く線を引いて相手の動きを封じた彼女が、ついにその剣先を喉笛へと持っていった。 あと数センチ、5ミリ、3ミリ、1ミリ……。――――さくり。 耳を塞ぎたくなる様な音は、意外にも聞こえなかった。 むしろ、温めたナイフでバターを切るのに似たごく軽い手応えで、刃先は皮下へ潜り込んでいく。 その光景に思わず息を呑んだのび太には微塵も構わず、トリエラの手にするナイフの鋭利な先端が少女の喉下へ喰らい付く。 そのまま指先に力を込め、彼女は皮膚に食い込んだ刃先を真横へ引こうとした。 まるで、仕留めたばかりの獲物を巨大な虎が一撃で屠るかのように無駄の省かれた動作で、そのナイフを真っ直ぐに――――。 「だだだだだだだ駄目、駄目ぇぇっっっっっ!!!!!」 瞬間、のび太は反射的に叫び声をあげていた。 その絶叫にトリエラがぴたりと作業をやめ、不可解そうな表情で彼へと振り返る。 「怖いなら目でも瞑ってなよ。すぐに終わるから」 トリエラはそれだけ言い捨てると、すぐに止めを差そうと少女の身体へ向き直る。 それを阻止せんと急いで彼女に駆け寄ると、のび太は泣きそうな顔でぶんぶんと首を激しく横に振った。 「ちちち違うんだ。……僕、僕っ、トリエラさん達に嘘吐いてたんだよ……!!」 「……どういうこと?」 のび太が口にした言葉に、トリエラが眉を顰めて問う。 先ほどまで使用されていた血染めのナイフを向けられ、のび太はうっと声を詰まらせた。 怖い。怖い。本当のことを言ったら、きっと殺されてしまう。 まるで、石でも丸ごと飲み込んでしまったみたいに喉の内側が苦しかった。 たった一言の言葉を発するのがひどく困難で、舌の先は縺れているのか思うように動かない。 それでも、自分の嘘のせいで関係のない人が死んでしまうなんて、やっぱり耐えられない。 僕は運動だって勉強だってできないし、弱虫の臆病者だけど、それでもそんな卑怯な人間にはなりたくないから。 「……先に襲おうとしたの、本当は僕のほうなんだ。 でも、その人に反撃されそうになって、それで……腹が立って……、僕……っ」 「それで、私達にあることないこと吹き込んだ、ってわけね」 ふぅと心持長めな溜息を吐いて、トリエラが左右の瞳を苦々しげに歪める。 握っていたままだったナイフの先端をのび太の胸元へ押し当てると、怒ったように告げた。 「だとしたら、私が今退治するのはあなたってことになるけど」 「……うん、分かってる」 ごくんと唾液の塊を嚥下すると、のび太は恐怖に震えた聞き取り難い声で言った。 膝をがくがくと振動させ、顔中に冷たい汗をびっしりと掻きながら、それでも彼はしっかと口にする。 「ぼっ、僕が死ぬのは……、仕方ないからいいんだ。 すごく、すごくすごくすごく怖いけど! 本当に怖くて怖くてしょうがないけど!! でもいいんだ! だけど、だけどお願いだから、僕を殺したら、代わりにその人を助けてあげて!」 「言っている意味が分からないよ。あなたを殺したって、この子を助ける義理も方法もないしね」 にべもなくそう返すトリエラに、けれどのび太は怯まない。 死への恐怖も戦慄も、自分の情けなさへの嫌悪感も勿論全部ある。 それらは、ともすれば体中全てを飲み込んで襲い掛かってきそうなほどに強すぎる感情だ。 だが今はそれ以上に、自分のせいで重傷を負ってしまった少女を助けたい、助けねばという一心が勝っていた。 「あ、あのね……」 野比のび太は、決して学校の成績がよいほうではない。 むしろ、万年0点ばかり取っているような相当の落ち零れ少年である。 けれど彼には、二つの特徴があった。 一つは、定められたルールの応用が人並み以上に巧みであるということ。 例えばひみつ道具を使用する際など、彼は瞬時にその道具の最適な利用方法を思いつくことができる。 その特異な発想によって、お金儲けやちょっとした悪巧みに利用された道具は数知れない。 彼のそういった才能は、ドラえもんですらしぶしぶ認めざるを得ないところだった。 勿論、最後に何らかのしっぺ返しを喰らうことも多々あるのだが、顔に似合わずアイディアマンであるというのは事実だ。 そしてもう一つ。 ――――彼は人の幸せを願い、人の不幸を悲しむことのできる少年だった。 この殺し合いが始まってからの彼は、確かに駄目なところばかりが目立っていた。 自分達が手掛けてしまった子豚の死に怯え、グリーンに泣き言をいい、果てには幼い赤ん坊や少女を殺害しようとまでした。 だがそれでも、のび太は根っからの悪人などでは決してない。 ただひどく臆病で怖がりなだけで、奥底では誰よりも優しい心の持ち主――それが彼だった。 他人のために泣いてあげられ、友人のために命をかけられる少年。 普段はいじめられてばかりなのに、ここぞというところでは歯を食い縛ってでも意地を貫き通すことの出来る少年。 そんなのび太だからこそ思い付けた、少女の助け方。 それは。 「トリエラさん、さっき言ってたよね。これで三人目だから、そうしたらご褒美でも貰おうか、って……。 だから、だったら僕を三人目にして……そのご褒美で、その人の怪我を治してあげて……!」 * * * リルルは、眼前の状況を面白いものとして捉えていた。 単にお人好しなだけだと思っていたのび太が放った覚悟、それが非常に興味深かったのだ。 自分の命と引き換えに他者を助けようとするなんて、非効率的で非合理な判断だわ。 そう思うものの、彼の行いを『馬鹿げた行為』とばっさり切り捨てられない自分が、心のどこかに存在した。 この島で出会った人間達を通して知った、『他人を思いやるこころ』というキーワード。 人間を理解する上での重要なその言葉の意味を、リルルは未だ本質的には把握していなかった。 その語意を分かろうと思えば思うほど、頭の中で激しいエラー音が鳴り響く。 けれどその障害ゆえに益々、リルルは『こころ』について関心を引かれた。 人間の本質を、ロボットと人間の差を知りたいという彼女の欲求は、最早己でも止めようがない。 折角銃を持っていたのに、自分を撃たず結果的に死んでしまったサトシ君。 元々は敵だったはずなのに、危機に陥った少女を助けに入った黒髪の少年。 その彼の理性的な命令を無視して、無意味にも援護に向かおうとしたお下げの少女。 そして、大切な人を壊してしまったにも関わらず、自分を心配してくれたイエローさん。 彼らの不可解な行動に共通する『こころ』というものの存在を、リルルはもっと理解したかった。 そして彼女は、それが一般的なロボットの思考回路から相当に逸脱していることも知らず、思う。 ここでのび太君を死なせてしまっては、いけないのではないかと。 ――それは、彼女の思考内に現われた、小さな、けれど明確なバグだった。 リルルは考える。サンプルを減らすのは得策ではないから、と。 けれど、この島に人間はまだまだたくさんいる。観察対象が必要ならば、トリエラを注視していればいい。 一人くらい壊れたところで損失とは呼べないし、その一人が以前からの知り合いだったとしても同じことの筈だ。 それなのに彼女は、のび太を殺さずに済ませる方法を探していた。 自分の選択したその行動の真意には気がつかないまま、リルルはトリエラに告げた。 「のび太君は私にとって重要な観察対象だわ。壊すのはやめて」 「そういう訳にはいかないよ。その子はゲームに乗ろうとした側だし、そもそも本人がそれを望んでる」 ナイフを翳したままそう答えるトリエラに、リルルが臆することなく言葉を続けようとする。 「いいえ。それでも私は、大切なサンプルを失うわけにはいかな……」 「……いいんだ、リルル」 言いかけた声を途中で遮ったのは、彼女が庇おうとしたのび太本人だった。 その口調は、以前に聞いた情けないそれとは百八十度違い、別人のように力強いものだ。 驚くリルルに、のび太は憑物が落ちたようなからっとした笑顔で更に告げる。 「すごく怖いし、痛いのは嫌だけど……、でも悪いことをしようとしたのは僕なんだから。 それに、こうでもしないとあの子の怪我は治せないんだもの」 真っ直ぐな瞳で自分を射抜くのび太に、リルルは何か言い知れぬものを感じた。 そして彼女の体の奥底から、純粋な感情が湧き上がる。 ――――『この人を、ここで壊したくはない』と。 リルルは無言で顔を伏せると、背負っていたランドセルから小さなガラス瓶を取り出した。 桃色の液体がなみなみと注がれたその小瓶を手に、彼女は告げる。 「それなら、問題はないわ」 「え?」 彼女の言葉に、のび太とトリエラが二人揃って首を捻り、不思議そうな顔を向けた。 リルルはその疑問に応えるように、手の中の瓶を左右に揺らしてみせる。 中の薬液がちゃぷちゃぷと音を立て、小さな波を起こした。 「折角だから、これを使ってみようと思うの。 効果がどのくらいあるかは分からないけれど、試してみてからでも遅くはないでしょう?」 言いながら、リルルは倒れている赤髪の少女へそっと近づいてその脇にしゃがみ込む。 強制的に上下の前歯を抉じ開けて、その隙間から桃色の液を流し込もうとする。 とはいえ、意識のない人間に薬を飲ませるのは難しい。 流し入れた溶液の大半は唇から零れ落ち、僅かでもきちんと嚥下できたのか相当に疑問が残る。 その様子を見つめながら、リルルはぽつりと小さな声で少女へと向けて呟いた。 「……あなたは、このまま壊れてしまってもいいの?」 * * * 少女は、がらんとした広い堂内を、一人、ぽつりぽつりと歩いている。 そこは、かつて彼女がある契約を交わした場所と酷似していた。 紅蓮の炎が壁際一面にゆらゆらと揺らめいて燃ゆる、天道宮最奥の聖堂。 それまで呼ばれる名前の無かった少女が、己のすべてと引き換えにして一つの称号を得たそこ――。 今現在彼女の眼前に広がっている光景は、記憶の中のその場所とあまりに似通いすぎていた。 色が、音が、匂いが。五感のすべてがその相似性を鋭敏に感じ取る。 けれど細部が似ていればいるほど、埋め様の無い、あの日あの瞬間との絶対的な差異が際立っていた。 彼女に力を与えた、 天壌の業火’アラストール。 ――――大いなる紅世の王であり、彼女の無二のパートナーでもあるその姿が、今ここには存在していないのだ。 彼の代わりとして目の前にあるのは、どこまでも落ちていけそうな深い奈落の闇と、その脇に立つ一人の男だった。 いかつい身体つきに、ばらりと肩へ垂れ流した長い髪。 そしてその顔に纏われた、サーカスの道化のようなデザインをした奇妙な仮面。 その面の間から覗いているぎょろりとした両の目玉が、これでもかというほどの眼力で少女を睨み上げる。 けれど痛いほどのその視線に、彼女は微塵も怯みなどしない。 むしろ、相手を逆に圧倒せんばかりの鋭さを持って、男を真正面からねめつけた。 互いの視線が、中空で交錯する。 瞬間、火花が飛び散るのにも似た刹那的な緊張感が辺りを包み、重苦しい空気を周囲に齎した。 「お前にたずねたいことがある」 注ぐ視線を逸らさぬまま固そうな口を開くと、男は目の前に立つ少女に質問する。 それはあまりにも重い問い掛け。 これまでに、ある難病を患った幾人もの者が尋ねられてきた、生死を分かつ究極の二者択一。 「――――生きのびたいか? それともこのまま死んでゆくか?」 「どういうこと?」 男の言葉に少女は眉を顰め、そうして先を促すように顎を傾けた。 彼女の仕草を了承したのか、男はゆっくりと己の伝えるべき言葉を続ける。 「お前はこのままでは、いずれその怪我によって死ぬ。 ゆっくりと失血死に見舞われ、或いは傷口が化膿して、やがてもがいて死ぬ……」 そう言われて四肢に目をやった少女は、漸く自分の手足の健が深く断たれていることに気付く。 今の瞬間まで痛みを感じなかったのが不思議なほどに重傷だった。 わざわざ相手に指摘して貰わなくとも、確かにこの傷ならばいずれ自分の命は消えてなくなるだろう。 どこか冷静にそう判断を下している少女を再び凝視すると、男は懐から何物かを取り出して指の先で摘んだ。 手の中へ容易に隠れてしまいそうなほど小さな瓶に入れられた薄赤色の液体。 それを彼女の前で軽く振ってみせると、男は告げる。 「しかし、この『生命の水』を飲めばおまえの怪我は治るだろう」 「…………っ!」 小瓶の中の液体が、ちゃぷんちゃぷんと表面を波立たせて波紋を作った。 期待に満ちた眼差しでそれを見つめる少女の鼻先へ、男がにこりとも笑わずにその華奢な瓶を差し出す。 少女が、おずおずと腕を伸ばした。 けれど後ほんの僅かというところで、男は瓶をぶらりと上空高く持ち上げ、少女から遠ざけた。 その行為に、少女が全身から苛立ちの色を発散させる。 「私は生きたいの。もっともっともっと生きたいの。生きなきゃいけないの! ……だから、早くその薬を渡しなさいよ!!」 苛立たしさを声に変換させるようにして絶叫した彼女を、男は無表情のまま軽く手で制する。 開かれた掌を胸の前に突き出され、少女は未だ憤懣冷めやらぬ顔のまま「何よ」と口にした。 「私は、公平を期するため、前もって言っておかねばならない。 これを飲んだ瞬間から、お前は死の苦痛から解放されるとともに、人生の様々なものをあきらめねばならない……。 お前は『生命の水』のあやつり人形になるのだ」 そこで一旦言葉を区切ると、男は薄く胸先を上下させて息を吐き――――、そして訊いた。 「……さあ、どうする?」 尋ねられ、少女はそっと瞳を閉じた。 そのまま、永遠にも感じられるほど長い――けれど実際には刹那でしかない時間が経過する。 今にも心臓の鼓動が響いて聞こえそうな静寂が周囲に帳を下ろし、闇がさらに深さを増した。 しんと静まり返ったその暗闇を切り裂いたのは、彼女の瞳。 ぱちりと開かれたその双眸に宿るのは、全ての昏き物を斬り伏せる灼熱の赤き炎だ。 闇の中で燃え盛る二つの紅き業火が、男の瞳を一直線に射抜き貫く。 「……馬鹿にしないで。私はとっくに人間をやめてるの。 過去も現在も未来もなくして、その全てを代償にしてフレイムヘイズになった。 失ったものも諦めたものも数えきれないくらいなのに……、 今更それが一つ二つ増えるのを、まさか怖がるとでも思ってるの?」 少女はそれだけ言うと、男の手にしていた瓶を奪うようにもぎ取った。 それを鷹のような視線でただ眺めながら、男は彼女へ告げる。 「苦難の道を選んだか。――――覚悟は出来ているんだな?」 「……茨の道ならずっと前から歩いてる。何度も言わせないで」 少女は手にした小瓶の蓋を回し明け、中に詰められている液体を一息に仰ぐ。 薔薇に似た柔らかな香りがふんわりと鼻を抜け、微かな甘みを伴ったそれが喉を滑り降りた。 それを最後に彼女の意識は霧の様に失せ――――、 同時に、 炎髪灼眼の討ち手’と呼ばれた少女の存在もまた、完全に消えてなくなった。 * * * 「本当にいいわけ?」 不審そうな顔で尋ねてくるトリエラに、のび太は力強く首肯した。 彼女がのび太に訊いたのは、彼がこれからどうするつもりなのかという事だった。 「あと数時間もすれば、陽が落ちて辺りが闇に包まれる。 足を引っ張りさえしなければ、北東の街で夜を明かすつもりの自分達に同行しても構わない」と。 そう話してくれたトリエラの提案は、確かにとても魅力的だった。 彼女達は二人とも十二分に強いから、一緒に行動すれば一人でいるよりもずっと心強いだろう。 それに、この島にいる中で数少ない友達であるリルルとここで別れるのも、非常に躊躇われる。 けれどのび太には、まだやらねばならないことが残っていた。 だからこそ、彼は二人の誘いを断って一人この場に残る決心をしたのだ。 それを決意するのはとっても勇気がいることだったけれど、それでものび太は覚悟を決めていた。 ……一言でもいいから、この子に謝ろう。 のび太は自分の吐いた嘘のせいで大怪我を負ってしまった少女へ、心からそう思っていた。 あの液体を無理やり飲み込ませたあと、彼女の身体にあった傷跡は波が引くようにして消えていった。 その光景は、まるでビデオテープの映像を逆回しに流しているような不思議なものだった。 だが、傷が消えても少女の意識はなかなか戻らない。 そのためのび太は、倒れたままの彼女が目覚めるのをじっと辛抱強く待っていたのだ。 意識が戻ったら、今度こそ僕はこの子に殺されてしまうかもしれない。 でも、たとえそうなってしまうとしても、やっぱりちゃんと謝らなくちゃ、との思いを抱いて。 「それじゃあ私達、そろそろ行くわ」 「うん、……リルルたちも気をつけて」 そんな風にまるで普段と変わらない挨拶を交わして二人と別れてから、どれほど時間が経っただろう。 のび太は、地面に横たわっている少女が小さく唸り声を上げて、ぴくりと身体を動かすのに気付いた。 肩を抱えて前後に揺さぶれば、腕の中の彼女が緩やかな動作で半身を起こす。 「……起きた!!」 ほっとして思わず歓声を上げるのび太に、対する少女がゆっくりと瞳を開く。 恐らく、起きたばかりで現在の状況が分かっていないのだろう。 眼前にいるのが、先ほど自分を落とし入れようとした相手であるのにも、気付いていないのかもしれない。 少女はきょろきょろと辺りを見渡すと、突然、目の前に居たのび太に勢い込んで問いかけた。 吐息のかかりそうな距離まで近づけられた相手の顔面が、必死の形相を見せている。 「……おまえ、茶色い肌の女を知らない!?」 「ト、トリエラさんのこと? それなら、もう行っちゃったけど……」 咄嗟にそう答えたのび太に、少女は憎憎しげに顔をくしゃりと歪める。 それは上官の命令を遂行しそこなった下士官のようであり、或いは親の敵を逃した復讐者のようでもあった。 まるで、背後の何者かに十本の糸で操られているかのように感情を抑えた声色で、少女はぼそりと呟く。 「あいつの肩から覗いて見えた、あの骨組み……」 そうして、怖気のするほど低い声で彼女は告げた。 感情を見透かさせない銀の双眸に、透き通るようなプラチナブロンドの髪の少女。 ―――― 銀髪白眼の破壊者’が、「しろがね」としての唯一絶対の使命を。 「…………自動人形は、全部壊さなきゃ」 【B-2/草原/1日目/夕方】 【シャナ@灼眼のシャナ】 [状態] しろがね化、生命の水の効果で傷は全て回復 [装備] マスターソード@ぜルダの伝説(重量感あり、使えない事は無い) [道具] 支給品一式(水少量、パン一個消費)、包帯、ビュティの首輪 [思考] あの自動人形はどこ……? 第一行動方針:のび太から情報を聞く 第二行動方針:廃病院に帰還し、双葉・紫穂と合流。その後18時までにB-7のタワーを目指す。 第三行動方針:自動人形(と認識した相手)は、全て破壊する 第四行動方針:コキュートスを見つけたい(アラストールと合流) 第五行動方針:小太郎の仲間(ネギとエヴァ)を探す 基本行動方針:ジェダを討滅する。 [備考]:義体のトリエラを、自動人形の一種だと認識しました。 【野比のび太@ドラえもん】 [状態]:心身ともに疲労、鼻骨骨折。 [装備]:なし [道具]:グリーンのランドセル(金属探知チョーク@ドラえもん、基本支給品(水とパンを一つずつ消費)、 アーティファクト『落書帝国』@ネギま!(残ページ無し))、ひまわりのランドセル(基本支給品×1) [服装]:いつもの黄色いシャツと半ズボン(失禁の染み付き。ほぼ乾いている) [思考] :こ、怖いけどちゃんと謝らなきゃ…… 第一行動方針:シャナに自分のしたことを謝る 第二行動方針:リルルたちを追って、北東の街へ向かってみようか? 第三行動方針:最初の子豚≠ジャイアンだと確信するために、ジャイアンを探す。 基本行動方針:もう、他の人を殺そうとしたり嘘をついたりは絶対にしない [備考]:「子豚=ジャイアン?」の思い込みは、今のところ半信半疑の状態。 【B-2/森/1日目/夕方】 【吉永双葉@吉永さん家のガーゴイル】 [状態]:腹部の銃創と胸部の刺傷は塞がったが、激しい運動は禁物。全身に打撲や擦り傷。 [服装]:血のついたオーバーオール、腹部にカラフルな包帯。 [装備]:メガネ@ぱにぽに、コキリの剣(泥がついている)@ゼルダの伝説 [道具]:基本支給品一式(水少量、パン一個消費)、ショックガン@ドラえもん、きんのたま@ポケットモンスター、包帯 [思考]:……シャナ、絶対に戻って来いよ!? 第一行動方針:紫穂を連れて廃病院に帰還。そこでシャナや小太郎の帰還を待つ 第二行動方針:あまりにシャナが遅いようなら、様子を見に行くことも考える 第三行動方針:梨々と合流 基本行動方針:このふざけた殺し合いを終わらせ、脱出する 【三宮紫穂@絶対可憐チルドレン】 [状態]:邪剣による精神汚染、 [装備]:ワルサーPPK(銀の銃弾7/7)@パタリロ!、七夜の短刀@MELTY BLOOD、邪剣ファフニール@TOS スクール水着@魔法先生ネギま!、全身黒タイツ@名探偵コナン [道具]:支給品一式×2(水少量、パン一個消費)、デスノート(ダミー)@DEATH NOTE、血濡れの庭師の鋏@ローゼンメイデン、包帯 [服装]:スクール水着の上に全身タイツを重ね着 [思考]:削って裁って刻んで刎ねて刈って削いでほじくって死んで死んで死んで…… 第一行動方針:???(精神汚染真っ最中) 第ニ行動方針:誰も信用しない。状況に応じてステルスor扇動マーダーor対主催のどのスタンスもとれるように構えておく 第三行動方針:利用できそうな仲間を探す 基本行動方針:元の世界に帰るためには手段を選ばない。自分の安全は最優先。 [備考]:サイコメトリーを駆使し以下のことを知りました 1、神社で起こったコナン&ネギ&リリスの遭遇について、支給品を透視して大まかに把 握しました。先入観による勘違いあり。 2、廃病院内部で起こった事態について客観的に把握しました。表面的に透視していたの で、会話以外の細かい部分は見落としている可能性あり。 3、庭師の鋏を透視して、これがブルーの支給品でなかったこと、また動く人形の存在を把握しました。 4、モニュメントで起こった出来事について、神楽の死体を透視することで把握しました。 5、蒼星石が棺を運んでいる姿を、森の中を透視して目撃しました。 【D-1/道路/1日目/夕方】 【トリエラ@GUNSLINGER GIRL】 [状態]:胴体に重度の打撲傷、中程度の疲労。右肩に激しい抉り傷(骨格の一部が覗いている) [装備]:拳銃(SIG P230)@GUNSLINGER GIRL(残段数1)、US M1918 “BAR”@ブラックラグーン(残弾数0/20) ベンズナイフ(中期型)@HUNTER×HUNTER、 トマ手作りのナイフホルダー [道具]:基本支給品、回復アイテムセット@FF4(乙女のキッス×1、金の針×1、うちでの小槌×1、 十字架×1、ダイエットフード×1、山彦草×1) ネギの首輪、金糸雀の右腕(コチョコチョ手袋が片方だけついている)、血塗れの拡声器 [思考]:余計な運動しちゃったなぁ……、早く街で休もうっと 第一行動方針:リルルに警戒しつつも、一時的な同盟を了承。足を引っ張ったり敵対するようなら始末も考える。 第二行動方針:安全な場所まで移動して休息。 第三行動方針:好戦的な参加者は倒す。 第四行動方針:南西or北東の街に行き、銃器店or警察署を探して武器弾薬の補給を図る。 第五行動方針:トマとその仲間たちに微かな期待。トマと再会できた場合、首輪と人形の腕を検分してもらう。 基本行動方針:最後まで生き延びる(当面、マーダーキラー路線。具体的な脱出の策があれば乗る?) [備考]: US M1918 “BAR”@ブラックラグーンは、地面に叩きつけられた際、歪みを生じている可能性があります。 少なくとも肉眼的には異常は見られません。 【リルル@ドラえもん】 [状態]:左手溶解、故障有(一応動くが、やや支障あり)、人間への強い興味 [装備]:長曾禰虎徹@るろうに剣心 (※レッドの体液でべっとりと汚れ、切れ味がほとんどなくなっている) [道具]:基本支給品×2、さくらの杖@カードキャプターさくら、クロウカード(花、灯、跳)@カードキャプターさくら [服装]:機械部分の露出している要所や左手を巻いたシーツで隠した上から、服を着ている [思考]:のび太さんが助かってよかったわ。また逢えるかしら? 第一行動方針:とりあえずトリエラに同行。邪魔をしないよう注意しながら、観察を続ける 第二行動方針:人間に興味。「友達」になれそうな人間を探す 第三行動方針:強い参加者のいる可能性を考え、より慎重に行動する。 第四行動方針:兵団との連絡手段を探す。 第五行動方針:のび太に再会できたら、そのときこそ一緒に行動する 基本行動方針:このゲームを脱出し(手段は問わない)、人間についてのデータを集めて帰還する 参戦時期:映画「のび太と鉄人兵団」 中盤 (しずかに匿われ、手当てを受ける前。次元震に巻き込まれた直後からの参戦) 【B-2/草原/1日目/午後】 【白レン@MELTY BLOOD】 [状態]:腹部に大きなダメージ(休んでマシになってきた)、中度の疲労、体の所々に擦り傷 「こぶたのしない」の力で、白く可愛らしい子豚の姿に変身中。ランドセルは咥えて運んでいる [装備]:エーテライト×3@MELTY BLOOD、 [道具]:支給品一式、ころばし屋@ドラえもん、小銭入れ(10円玉×5、100円玉×3)、 [服装]:こぶたに変身中なので今は無し。 元の姿に戻れば、『いつもの白いドレス(洗ったばかりなので一部が少し湿っている)』になる。 [思考]:とにかく、今のうちにどこかへ逃げなきゃね 第一行動方針:のび太達から逃げる。 第二行動方針:豚化が解けるまでは、どこかで大人しくしておこう 第三行動方針:蒼星石たちを置いて逃げてきてしまったが、後で戻って戦場跡を漁るかどうか思案中 第四行動方針:できれば『ご褒美』で傷を治したい。 基本行動方針:優勝して志貴を手に入れる。 [備考]:白レンはシャナに解放されてすぐ、この場から離れました。 その後どちらの方向へ向かったのかは、次の書き手さんにお任せします。 ≪165 信じるものは -all or nothing- 時系列順に読む 168 そして誰も東に行かなかった≫ ≪165 信じるものは -all or nothing- 投下順に読む 167 少し遅い(前編)≫ ≪161 骨は囁く シャナの登場SSを読む 171 大した事じゃない(前編)≫ ≪160 リリス乱舞/斬、そして……(前編) のび太の登場SSを読む 171 大した事じゃない(前編)≫ ≪161 骨は囁く 双葉の登場SSを読む 171 大した事じゃない(前編)≫ ≪161 骨は囁く 紫穂の登場SSを読む 171 大した事じゃない(前編)≫ ≪148 MOTHER/2発の銃弾/金糸雀の逆襲 トリエラの登場SSを読む 175 第一回定時放送≫186 集結の夜≫ ≪148 MOTHER/2発の銃弾/金糸雀の逆襲 リルルの登場SSを読む 175 第一回定時放送≫186 集結の夜≫ ≪160 リリス乱舞/斬、そして……(前編) 白レンの登場SSを読む 171 大した事じゃない(前編)≫
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始めに・・・・・・ ドラえもんのび太のB.W@ HP2012年12/12日 作成・ このゲームの著作権および免責事 当wikiで公開されているのびB.Wはスガンヌ氏作成 このゲームを使用したことによって生じたすべての障害・損害不具合等に関しては、改造版作者とwiki管理者および その他団体・組織とも、一切の責任を負いません。 各自の責任においてご使用ください。 ドラえもんのび太のB.W をご利用頂き誠に感謝いたします。 - 【ソフト名】 ドラえもんのびたのB.W 【制 作 者】 スガンヌ 【著 作】 スガンヌ 死のかくれんぼ他ゲームのDLはまずゲームに必要な物を読んでからよく読んでからプレイするのに必要なものを揃えてから遊んでください またスガンヌ氏に許可なく第三者に販売などをする事は禁止いたします 注意 死のかくれんぼのびB.Wはまずゲーム開始に必要な物をよく読んでプレイするのに必要なものを準備してからプレイするようにしてください。
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前へ 最早この学校が、ポケモン消失事件と関わっているのは間違いないだろう。 事件の謎を解く為、のび太たちは意を決してラムパルドの向かった方向へ進む。 そして辿り着いた場所は…… 「ここは……科学室?」 薬品の特異な匂いが微かに漂うそこは、間違いなく科学室であった。 「でも、ラムパルドはどこにもいないねえ……」 たしかに、ラムパルドはここの部屋に入ったはずだ。 しかし、この部屋には怪しい匂いを放つ薬品位しか目に付く物はない。 一体ラムパルドはどこに消えたのだろうか? そんな疑問を男三人が頭に浮かべていたその時だった。 「ねえ、ちょった!」 静香が声をひそめながら足下を指差す。 そこには、鍵穴がついている一つだけ色の違う床があった。 この床なら科学室での授業で見たことがある、この下は収納スペースか何かだと思っていたが、もしや? 静香が口に人差し指を当てて『静かに』という仕草をしながら床を空ける、鍵は開いているようだ。 床を取り外すと、地下へと続く階段が現れた。 おそらく誰も知らないであろうこの下の地下室。 そこに、ポケモン消失事件の真相があるはずだ…… のび太はゴクリと唾を飲む。 そして、まるで地獄へ続いているような禍々しい階段を一歩、また一歩と下りていった…… 地下室では、衝撃的な光景が待ち構えていた。 そこには先程のラムパルドに、エスパータイプのポケモンフーディン、そして…… この日、この学校の警備担当になっている教職員、藤山の姿があった。 この瞬間、だれもが悟った。 ポケモン消失事件の真犯人が、この学校の教師である藤山だったことを。 しかし、自分の教師が犯罪者だったという驚くべき光景を見ても、誰も言葉を発しない、 この部屋に入る前、何があっても声を出さないようにすることは決めていた。 いくら石ころ帽子を被っていても、声を聞かれたらおしまいだからだ。 ……でもこの場合は、声を出さないではなく、『出せない』というべきだろう。 彼らの予想を遥かに上回っていたこの展開に、だれもが腰を抜かしていた。 当の藤山は、教え子が間近で見ていること気付くよしもない。 自分の手持ちであるフーディンの頭を撫で、『よくやった』と微笑みかけている。 その光景を見た4人のうち、頭の回る静香はあることに気付いていた。 ラムパルドは、フーディンの念力で運ばれていた、だから浮いて移動していた、ということだ。 そして、のび太も別の光景を捉えていた。 彼は普段は頼りないが、いざという時に物凄い集中力と観察力を発揮する。 そんな彼の目は見逃していなかった……フーディンに向かって微笑む藤山の口元が、醜くゆがんでいることを…… そして次の瞬間、藤山はフーディンにサイコキネシスを命じた。 サイコキネシスによって空間が歪められ、ラムパルドの体が変形していく…… そして次の瞬間、ラムパルドの首が吹き飛んだ。 藤山は落ちた首を拾い上げると、悪魔のように高笑いをした。 あまりにもグロテスクな光景を目の当たりにし、ラムパルドの飛び散った血を体に浴びた4人の精神的ダメージは、あまりにも大きかった。 のび太たち4人に、数時間前までの勇ましい姿はなかった。 嗚咽を必死に堪えているのび太と静香。 放心状態になり、下半身を少し濡らしているスネ夫。 口をポカンと開け、その場に立ち尽くしているジャイアン。 どの人物も、この世のものとは思えない絶望の表情を浮かべていた。 一方、藤山はラムパルドの首を持ったまま壁にあるスイッチを押す。 すると、奥から巨大なカプセルが現れた。 中にはポケモン……のような物が入っていた。 だが、それはとてもこの世のものとは思えない姿をしていた。 胴体+足、腕、翼、尻尾の4つの部分が、色も構成も違うのだ。 まるで、いろいろのポケモンの部位をつぎはぎして作られたかのように…… しかもこの物体…… 「あ、頭がない……」 のび太が思わず呟いたが、カプセルに目を奪われている藤山は気付かなかったようだ。 そして、藤山は狂ったように独り言を言う。 「後はラムパルドの頭と、フーディンの脳を加えるだけ…… こいつを完成させれば、この世界をぶっ壊すことだってできる! ハハハハハ、アーッハハッハッハ!」 おぞましいその姿を目の当たりにしたのび太が思わず後退する。 その時壁に当たって、ドスンという鈍い音が部屋中に響いた。 さすがの藤山も、これを聞き逃すことはなかった。 「やっぱり誰かいるのか! 出て来い、さもなくばこいつの餌にするぞ!」 その一言を聞いた4人は慌てて逃げ出した。 何とか校舎外まで逃げてきた3人は、一言も喋らずにそれぞれの家へ戻っていった。 ―――翌日、野比家 「のび太君、起き……あれ、起きてたの?」 「……うん。」 パッチリと目を開けているのび太の姿に、ドラえもんは目を丸くしていた。 「昨日は眠れなかったんだ……さっさと学校に行ってくるよ。」 のび太がそう告げるとドラえもんはさらに、満月のように目を丸くした。 世界一寝付きがよいのび太が眠れなかった……明日は嵐が来るかもしれない。 のび太本人から言わせてもらえば、眠れなくて当然である。 昨晩、あんな光景を目の当たりにしたのだから…… 授業は全く頭に入らなかった、頭の中では昨日の光景が何度も繰り返し再生されている。 放課後、ジャイアンとスネ夫がのび太の席まで近づいて来た。 藤山がポケモン消失事件の犯人で、とんでもない怪物を生み出そうとしていることを先生に告げようという相談だった。 先生なら何とかしてくれるかもしれない……その考えに同調したのび太は早速先生の元へ向かう。 だが先生から返ってきたのは残酷な対応だった。 「何を言っているんだお前たちは!藤山先生がそんなことするわけないじゃないか。」 後に優等生である静香も加えてもう一度言ったが、やはり先生の答えは変わらなかった。 4人は裏切られた気分で空き地へ向かう、これからのことを相談するために…… 「このまま放っておいたらこの世界がどうなるかわからねぇ! 一体どうすればいいんだよ!」 苛立つジャイアンの姿を見て、スネ夫は涙ぐみながら言う。 「ジャイアンが、ポケモンを盗もうなんて言わなきゃこんなことに巻き込まれなかったのに!」 「やっぱり、ポケモンを盗んだのは君たちだったのか……」 スネ夫が発言した瞬間、突然1人の少年が空き地に現れた。 少年の名前は出木杉英才という、彼ものび太たちと同期に入学した1人だ。 同時期の生徒で唯一、一度も昇級試験に落ちずに5年生になっている。 おまけに容姿端麗でスポーツも得意、美術や音楽の才もある。 いわば、筋金入りの『天才』である。 そんな彼は見抜いていた、教師ですらわからなかったポケモン窃盗事件の犯人を。 出木杉には何を隠しても無駄だろう、のび太たちは彼に全てを話した……昨夜のことも、だ。 全て聞き終えた出木杉は予想外の言葉を投げかける。 「よし、僕も手伝うよ! 藤山先生をこのまま放っておくのは危険だ!」 昨夜静香と同じような展開を繰り広げたが、昨日以上にのび太は驚かされた。 出木杉はかつて有名なトレーナーで悪の組織とも戦った父の正義感を受けついでいる。 そんな彼がいまの話を聞いて、黙っていられるわけがなかったのだ。 それに彼は父のバトルセンスを受け継いでいる、加わればかなり役に立つだろう とりあえず出木杉の提案で、いろいろなところに助けを求めることにした。 だが警察や軍隊に電話しても、先程の先生のような反応しか返ってこない。 「やっぱり、僕たちだけで戦うしかないのかな……」 諦めたように呟く出木杉に、のび太は言った。 「協力してくれる人、1人心当たりがあるよ!」 その時、ドラえもんはのび太の部屋で好物のドラ焼きを堪能していた。 虫の音一つ聞こえない静かな空間……だがそれは突然崩壊する。 部屋のドアが開き、突然5人の子供たちが入ってきたのだ、驚いたドラえもんはドラ焼きを喉に詰まらせてしまった。 そんな様子など気にとめずのび太は言う。 「ドラえもん、僕たちに協力して欲しいんだ! 頼れるのは君しかいないんだよ。」 のび太はドラえもんに全ての事情を説明した。 話を聞き終えたドラえもんは言う。 「それで最近おかしかったのか……のび太君、君には言いたいことがたくさんある。 でも、今はその藤山という先生を止めるのが先だ。 僕にできることがあるなら何でも協力する、誓うよ!」 めでたく、ドラえもんも仲間に加えることができた。 静香が今日チェックしてきたところ、今日も警備担当は藤山になっているそうだ。 つまり、あのポケモンらしきものが完成するのも今日ということになる。 その時に備え、6人は作戦を立て始めた。 「相手はどんな手を使ってくるかわからない、でも僕には秘策があるんだ。」 出木杉のアイデアを聞いた他の5人は、彼の考えに感心する。 さすがは出木杉、といったところか。 さらにスネ夫が家にある戦闘用道具を持ち出してきてくれることになった。 気合の襷などの強力アイテムもあるらしい、あるのとないのでは大違いだ。 一通りの話し合いを終えたところで、皆はそれぞれの家へ帰ることになった。 「じゃあ今日の12時に、空き地に集合だよ!」 ドラえもんが念を押すように告げる。 ―――決戦の刻は、もうそこまで近づいてきていた。 時は午後11時30分、ドラえもんは押入れから出てのび太を起こしに行く。 だが、のび太は起こすまでもなくすでに目覚めていた。 「あれ、のび太君起きてたの?」 「うん、全然眠れないんだ……」 「そうか……最近いろいろあったもんね。」 ドラえもんが意味深に呟いた。 「じゃあ、行こうか!」 服を着替え、のび太はドラえもんとともに玄関を出る。 のび太とドラえもんが来たとき、空き地にはまだ誰もいなかった。 しばらくして1人、2人と集まり始め、集合時間の5分前ぐらいには全員が集まった。 「スネ夫君、例のものは持ってきた?」 「もちろんさ、こっそり持ち出してきたんだから丁重に扱ってよね。」 出木杉に問われたスネ夫が、持っていた袋の中身を取り出す。 気合の襷、先制の爪、貝殻の鈴……などなど、かなり貴重かつ強力なアイテムである。 「何もなしで戦うのは危険だからね、皆で手分けして使おう。」 出木杉に言われて、みんながアイテムを一つずつ取る。 「じゃああとは今日立てた作戦通りに行こう。 そのためには早く行かなければいかない、急ごう!」 「よっしゃあ、行くぜえ!」 出木杉の言葉を聞いたジャイアンが早速走り出した。 「もう、武さんったら。」 「ハハハ、頼もしいなあ。」 その姿を見て、静香と出木杉が笑いあう。 そんな光景を見て、のび太は軽く舌打ちをした。 出木杉英才と源静香、どちらも優等生である。 勤勉な静香は出木杉によく勉強を教えてもらっている。 また2人は仲がいい、2人で遊んでいる風景をのび太も見たことがある。 仲良しの美少年と美少女……そんな2人は学校でも『ベストカップル」として評判である。 のび太は、そんな出木杉が憎かった。 静香に好意を抱くのび太にとって、出木杉は恋敵だったのだ。 だからこの戦いに出木杉が加わると言ったときも、のび太はあまり嬉しくなかった。 でものび太は気付いていない…… 自分が抱いているのは『憎しみ』ではなく『妬み』そして、『憧れ』であることを。 「静香に近づきたい、仲良くしたい。」 そんな自分の願望を見事に実現してみせている出木杉。 5年生までストレート進級し、頭もよくてバトルの才能もある出木杉。 自分がいつしかそんな出木杉に憧れ、目標としていることにのび太はまだ気付いていない。 「おいのび太、ビビッてんのかぁ?」 いきなり、ジャイアンがのび太の背中をおもいっきり叩いた。 「もー、やめてよジャイアン、僕は全然怖がってなんかいないよ!」 「またまた……ん?」 ジャイアンが驚いて目を見開く。 自身の言うとおり、今ののび太の顔にいつもの怖気づいた様子は見られなかった。 「着いたよ、トキワトレーナーズスクールだ。」 何度も潜り、見慣れてきたはずの校門が、なぜか禍々しい気配を漂わせているように見える。 「じゃあ皆、石ころ帽子を被って!」 ドラえもんの合図で全員が帽子を被る。 その瞬間、急に仲間の気配が消えて自分1人になった気になる。 闇の中孤独に立たされた6人、その心には恐怖という感情が湧き上がっていた。 学校内へ繋がる通り抜けフープ、そこを最初にくぐりぬけたのは以外にものび太だった。 「みんな、早くきてよー!」 校門の向こう側から聞こえる声を聞き、残りの5人はのび太が既に第一関門をクリアしたことを知る。 「のび太が行ったんだ、俺だって!」 ジャイアンがのび太に続いてフープをくぐりぬける。 他の4人も続いて建物内へと入っていく。 「ねえ、はぐれたらいけないから手を繋いで行こうよ。」 スネ夫が提案する、内心ではおそらく孤独が怖くなったのだろう。 他の5人はそれに賛同し、手を握り合って校舎内へと向かった。 他の人物が闘いのことを考えているなか、のび太だけは別のことを考えていた。 自分の右手に握られている丸い手、これは間違いなくドラえもんだろう。 しかし左手を硬く握ってくるこの手は? 小さな手のひら、細い指……間違いない、静香の手だ。 静香と手を繋げる機会が来るなんて……おそらく今自分の顔はにやけていることだろう。 廊下を恐る恐る進んでいると、突然物音が聞こえてきた。 ガタガタと、机が動いている音だ。 発生源は、のび太たちが見慣れた3年生の教室だった。 その音が怖くなったのか、静香は手をさらにキツく握る。 それに合わせて、のび太の顔もますますにやけてくる。 「とりあえず、音の正体を確かめなきゃね。」 ドラえもんが声をひそめて言い、6人は勇気を出して教室へと入る。 中に入った瞬間、ジャイアンが驚いて声を出す。 「ズ、ズル木!」 そこにはクラスメイトの1人、ズル木の姿があった…… ジャイアンたちが驚いているが、もっと驚いているにはズル木の方である。 石ころ帽子を被っている6人の姿をズル木は見ることができない。 つまり、彼の視界には誰も映っていないのだ。 しかし、たしかに今声が聞こえてきた。 それも、何もない空間から、だ…… どういうことだ? 今のは確かにクラスメイト、剛田武の声だった。 しかし、そこには誰もいない。 混乱するズル木の思考が出したのは、とんでもない結論だった。 「まさか、剛田が幽霊になって僕を呪いにきたんじゃ……」 ジャイアンはまだ生きている、だから幽霊になるわけがない。 というかそもそも、幽霊なんて存在するかどうかもわからない。 しかし、ズル木はこの状況をこんな風にしか捉えることができなかった。 そして、いもしない幽霊に対しての恐怖がこみ上げてくる。 「う、うわあああああ! た、助けてえええ!」 下半身を濡らしながら必死に教室を駆け回るズル木。 そんな彼に、いつもの優等生の姿は微塵も見当たらなかった。 「ったく……黙ってろ!」 ジャイアンがズル木の頭をしばいて静まらせる。 「とりあえず、今日ここで起こったことは忘れてもらったほうがいいよね。 ……本人のためにも。」 ドラえもんはポケットから『忘れろ草』を取り出し、ズル木に嗅がせる。 ズル木を保健室まで移動させると、6人は科学室へと向かった。 ―――科学室の地下室 怪しげなカプセルの前に立ち、同じくらい怪しい笑みを浮かべる男が1人。 男の名は藤山、この学校の教師である。 「待て、そこまでだ!」 突然、部屋の中に大声が響き渡った。 声の主は剛田武という彼の教え子だ、他にも4人の教え子がいる。 藤山は一瞬何が起こったのか理解できなかったが、状況を把握すると落ち着きを取り戻した。 「そうか、昨日ここにいたのはお前たちだったのか…… おそらく、ポケモンを盗んだのもそこにいる落ちこぼれ三人なんだろう?」 藤山がのび太、スネ夫、ジャイアンの三人を指差して嘲笑う。 「このやろ・・・「待って」 藤山に向かっていこうとするジャイアンを出木杉が止める。 「……それにしても君たちはラッキーだよ、こんな瞬間に立ち会えるなんてね。」 藤山は不気味な笑顔を浮かべて言う。 「見せてあげよう、私のポケモンを!」 藤山が壁のスイッチを押すと、奥にあったカプセルが開き、中のポケモンがでてきた。 「鉄をも砕くラムパルドの頭! どんな敵も絞め殺すハッサムの腕! バンギラスのダイアモンドの如き強度を持つ胴体と、大地を揺るがす強靭な脚! 鋼のように硬いボスゴドラの尻尾! 目にも止まらぬスピードで空を翔るプテラの翼! そしてコンピューターを軽く凌駕するフーディンの頭脳! ミュウから作られた伝説のポケモンはミュウツー…… なら私が生み出したこの最強のポケモンは、『フジツー』だ!」 藤山の言葉を聞いた静香が呟く。 「この人、完全にイカれてる……」 「みんな、作戦通り行くよ!」 出木杉の合図とともに、5人はモンスターボールをフィールドに投げた。 のび太は昼間、出木杉が言っていたことを思い出す。 『どんなに強いポケモンだろうと、生まれた時は必ず『レベル1』なんだ。 だからそのポケモンがレベルを上げて強くなる前…… つまり、生まれたばかりのときに速攻で倒してしまえばいいのさ。』 かなり単純だが、言っていることはもっともである。 いくら強いポケモンの強い箇所を組み合わせて出来たポケモンでも、レベル1なら大したことはない。 今こそが、フジツーを倒せる最初で最後のチャンスなのだ。 「行くぜヒトカゲ、体当たりだ!」 ジャイアンの命令を聞いたヒトカゲはフジツーの前へ向かう。 だがヒトカゲはフジツーの前に立つと、攻撃をやめてしまった。 援護に向かったスネ夫のミズゴロウ同じ状態になる。 「ど、どうなってるんだ?」 ジャイアンが不思議に思っている間にヒトカゲとミズゴロウはやられてしまった。 「これでレベルは6、まあヒトカゲにたとえてやるとレベル30くらいかな、ハハハハハ!」 藤山が勝利を確信したかのように笑い出した。 「な、何が起こってるの? スボミー、吸い取るよ!」 主人である静香の命令にスボミーは答えない。 それを見た出木杉が驚きながら言う。 「そんな、まるでポケモンが操られてるみたいだ……ん、操る? まさか!」 「そのまさかだよ、私はポケモンを洗脳することが出来るのさ。」 藤山の一言を聞いた瞬間、少年たちの頭から『希望』の2文字は消えてしまった。 洗脳されたポケモンは、敵の思うように動かされる。 たとえ伝説のポケモンでも、洗脳されてしまえば勝ち目はないのだ。 あまりにも強大な敵の力……その前に落胆する少年たちの1人、出木杉英才が問う。 「ポケモンの合成、そして洗脳…… どちらも普通の知識だけでは不可能なハズ…… まさかあなた、『遺伝子学』の研究を?」 「その通りだよ、やっぱり君は察しがいいねえ」 藤山が笑う、少年たちが驚く。 遺伝子学、とは名前の通りポケモンの遺伝子に関する学問である。 数年前まで、たくさんの学者がポケモンの遺伝子について研究を深めていた。 だがある日、いきなりその研究が止められることになる…… ……グレン島に、遺伝子学について研究していた『フジ』という学者がいた。 彼は幻のポケモン、ミュウの遺伝子からミュウツーというポケモンを作り出した。 ミュウツーの力は凄かった……いや、凄すぎたというべきか。 ミュウツーはフジ博士の屋敷を破壊して脱走、フジ博士の生死はいまだ不明だ。 このようなことを二度と繰り返させないために、ポケモン学会は『遺伝子学』の研究を禁止したのだった。 「遺伝子学は国によって禁止され、今ではほとんどその知識が残されていないはず…… なのに、どうしてあなたはポケモンを洗脳出来るほどの知識を持っているんですか?」 出木杉の問いに対して、藤山は衝撃的な答えを出した。 「なぜ私がこんなに遺伝子学について詳しいのか……単純なことだよ 『藤山』という現在の名前は偽名、私の本名は『藤 理科雄』 かつてミュウツーを生み出したフジ博士とは、私のことさ!」 数年前『消えた』はずのフジ博士が目の前にいる…… そして、かつてミュウツーを作り出したように、今度はフジツーを作り出した。 それを知った少年たちは、宝くじで3億円を当てたような驚きを見せた。 「さて、正体を教えたからには生きて返す訳にはいかないなあ…… フジツー、スボミーに火炎放射だ!」 静香のスボミーは一撃で倒された、残りはのび太のコイキングと出木杉のムクバードだけである。 「ムクバード、翼で打つだ!」 「コイキング、体当たり!」 2人が必死で命じても、洗脳された2匹にその命令は届かない。 「藤山、いやフジの手元にあるリモコンのような機械…… おそらくあそこからポケモンを洗脳する電波的なものが出ているんだろう あれを奪うか壊すかすれば、洗脳が止められるかもしれない!」 出木杉がフジの手に握られている機械を見ながら呟く。 その呟きを聞き取ったフジが答える。 「その通り! でもフジツーがいる限り、お前たちはこれに触ることもでき…… 「それはどうかな?」 突然、フジの手元にある機械が奪い取られた……何もないはずの空間から。 「お前の最大の誤算は、6人目の存在に気付かなかったことだ!」 石ころ帽子を脱いだドラえもんが勝ち誇ったように言う。 その姿を見た出木杉とのび太が叫ぶ。 「「さあ、反撃開始だ!」」 突然現れたドラえもんに驚きながらも、フジの顔にはまだ余裕が残されていた。 「その機械は私しか扱えない、よって君がフジツーを洗脳することは不可能だ そしてそのムクバードでは今のフジツーに勝つことは出来ない! コイキングなど論外だ! どう足掻いても、君たちが私に勝つことは出来ない!」 その通りである、今のフジツーならムクバードなど1発で倒すことが出来るだろう。 だが、少年たちはまだ諦めてはいない。 「まずはそこの雑魚から消してやろう、踏み付けだ!」 もとはバンギラスのものだった巨大な足がコイキングを踏み潰した。 「ハハハハハ! これで残りは後いっ……ぴ、き? え……そ、そんな馬鹿な!」 フジが驚いたのも無理はないだろう、コイキングの体力がまだ残っていたのだから。 「スネ夫から授かった気合の襷のおかげだ! さあ、今度はこっちの番だ! コイキング、がむしゃら!」 気合の襷で体力を限界まで減らしてがむしゃら、もっとも基本的な連携技の一つである。 のび太が勝ちを確信した笑みを浮かべる。 「これで敵の体力も残り1だ……出木杉、後は任せたよ」 「ああ! ムクバード、電光石火だ!」 フジツーの残り体力をムクバードが削る。 体力が無くなったフジツーは瀕死状態になり、後ろ向きに倒れる。 ……藤理科雄を下敷きにして、だ。 数分後、のび太たちの通報で警察が駆けつけ、奇跡的に生存していた藤理科雄を逮捕した。 こうして、ポケモン消失事件はめでたく幕を閉じたのであった。 ―――今、のび太たち5人は職員室で先生と向かい合っている。 あの後、ポケモン消失事件はポケモン学会によって隠匿された。 藤理科雄の生存、ポケモンを洗脳する技術などの真実を公表すれば、必ずそのことを研究しようとする輩が現れる…… だから、この事件は闇に葬っておこうと判断されたのだ。 この事件のことを知っているのはポケモン学会を始めとする国の機関の一部の人間、現場に駆けつけた警察、トキワトレーナーズスクールの教員、そしてのび太たちだけだ。 危険極まりないフジツーは学会の手によって処分され、藤理科雄は死刑となった。 遺伝子についてあまりにも多くを知っている彼を生かしておくのは危険、そう判断されたのだ。 死刑直前、彼はこう言ったという。 『私を殺しても、必ず第二、第三の私が現れる…… その人物はこの世に破滅をもたらす、お前たち人間がそれを止めることはできない!』 一方、見事にフジ博士の野望を止めたのび太たちはというと…… 静香との約束通り、先生にポケモンを盗んだことを報告することになった。 教員たちはのび太たちが事件を解決したことは知っているが、そのうちの3人がポケモンを盗んだことはまだ知らない。 のび太が恐る恐る、先生に真実を告げ、頭を下げる。 それと同時に、ジャイアンとスネ夫も一緒に頭を下げた。 先生は一瞬困惑した表情を浮かべたが、すぐにいつもの怒りの表情を見せた。 「ばっかもーん! お前たちは自分が何をしたのかわかっているのか!」 静香と出木杉が必死でなだめるが、先生の怒りは止まらない。 3人はこの時、『退学』を覚悟した。 数分後、落ち着きを取り戻した先生は校長室へ向かった。 しばらくして職員室へ戻って来た先生は、のび太たちに冷静に話しかけた。 「先程校長先生と、君たち3人の処分について話してきた 何度も言うが、ポケモンを盗んだという君たちの行為は許されないことだ だが、藤理科雄を捕まえた点は評価しなければいけない…… 我々は彼の身近にいながら、彼のやっていることに気付くことができなかった それに、私は君たちが相談してきたにも関わらず、君たちより奴の方を信じてしまった そのせいで君たちは大人の協力を得れず、自分たちだけでフジと勝負することになった そして見事、彼に勝った……そこで、だ」 先生が一度会話を切る。 のび太たち3人が息をのむ。 「ポケモンを持つことが許されるのは4年生以上、だからお前たちを4年生に進級させることになった! お前たちにはそれだけの実力がある、そう判断されたのだ」 退学を間逃れたどこらか、まさかの4年生への進級…… それを聞いた3人は一瞬凍りつき、次の瞬間―― 「やったー!」 と子供らしくはしゃぎ回った。 一応、今進級すると他の生徒が不審に思うので進級は今年度末ということになった。 だが、合格は内定したので、試験に苦しむ必要もなくなったのだ。 のび太はこの一日の学校生活を上機嫌で凄し、鼻歌を吹きながら家へと向かった。 家に帰ると、のび太は駆け足で自分の部屋へと向かう。 そして部屋の中にいるドラえもんに、興奮しながら今朝のことを話した。 だが、それを聞いたドラえもんの返事はそっけないものだった。 「そう、それはよかったね」 その顔は、どこか寂しそうにも見えた。 「ねえ、どうしたのドラえもん? もっと喜んでよ!」 興奮するのび太、だが次のドラえもんの一言で彼は急激に静まることになる。 「のび太君……僕、未来に帰ることになったんだ」 あまりにも突然なドラえもんの発言にのび太は驚く。 「そ、それってどういう… 「あのね、のび太君……」 ドラえもんが口を挟まさまいという態度をとる。 「僕の仕事は、君を一人前の人間に育てることだった……でも君はもう、立派に成長していたんだ…… ポケモン消失事件を見事に解決したし、今度は4年生になる もう、僕の役目は終わったんだ! だから、僕は未来に帰らなきゃならない……」 ドラえもんの目には涙が浮かんでいた。 一番つらいのはドラえもんなんだ……その彼が決めたんだから、止めるわけにはいかない! そう決心したのび太は、彼が未来へ帰って行くのを黙って見送った。 数分後、部屋に1人残されたのび太はひたすら泣きつづけていた。 ―――これがまだ、後にトキワ英雄伝説として語り継がれる七年後の出来事の序章に過ぎなかったことなど、この時の彼には知る由も無かった。 ――――――トキワ英雄伝説 プロローグ完―――――― 次へ
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13ページ目 のび太「まずその口を黙らせようか。お、ここにしずかちゃんの嘔吐物が」ねちゃー ドラえもん「!?」 のび太「おらおら食えよ!」 ドラえもん「うぼ、げぼ、おろろろろろ」 のび太「ひゃははははっ!おもしれー」 ドラえもん「や、やめて」 のび太「うるせーな」ぐしゃっ ドラえもん「うぎゃぁぁぁぁっ!腕がぁぁ」 のび太「簡単に潰れて面白いなー」ぐしゃっ ドラえもん「うがぁぉぁぁぁぁっ足がぁぁぉ!」 のび太「ダルマモンになったね」 ダルマモン「もう、やめて」 のび太「飽きた。しずかちゃんのケツの穴に詰め込んどこう」ズボッ ダルマモン「い、息がーーーーーーーできないよー」 しずか「・・・」 のび太「しずかちゃん起きろ」ぺしぺし しずか「のび太さん?もうやめて」 のび太「あと五発でね」ずぶ しずか「あげぽよっっっ!!!!」 次へ トップへ