約 65,223 件
https://w.atwiki.jp/nobita_in_pokemon/pages/117.html
「ピカチュウ!そこだ、いけー!」 「やったー!サトシが勝ったよ」 のび太とドラえもんはポケモンのアニメを見ていた。 「ああ・・・僕もサトシみたいにポケモンの世界で冒険したいなー」 何事もなさそうにのび太は呟いた。 「ポケモンの世界で冒険・・・そうだ!」 ドラえもんが何か思いついたようだ。 「どうしたの?」 「のび太君、ポケモンの世界にいくことが出来るよ」 「本当?本当に行けるの?」 のび太は嬉しそうに期待を膨らませた。 「このリアルゲームプレイヤーを使って・・・と」 「何それ?」 のび太にとって初めて見る道具だった。 「この道具はね、ゲームソフトを実際に体感できるんだ!」 最後まで聞かないうちに、のび太は走り出した。 「のび太君、どこ行くの?」 「しずかちゃんを呼んでくる!」 そう言うと、扉も閉めずに玄関を飛び出した。 「しずかちゃーん!」 「あら、のび太さん」 「あのね、ポケモンの世界で冒険できるんだ!詳しい話しは後!とりあえず来て!」 早口でまくしたてるのび太。 「どうしたんだい?しずか君」 「あら、出来杉さん」 出来杉は、しずかの家に勉強しにきた所だった。 (しまった!僕の計画が!)のび太は焦り出した。 「あのね、のび太さんが実際にポケモンの世界に行けるって言うの。一緒にこない?」 「へぇ、面白そうだね!僕も行くよ!」 (あぁ・・・しずかちゃんと二人きりで旅をする僕の夢が・・・) しかし、のび太の不運は続いた。 「話しは聞かせてもらったぜ、のび太」 ジャイアンとスネオだ。 (もう二人きりどころじゃないや・・・) こうして、ドラえもん、のび太、しずか、スネオ、ジャイアン、出来杉 の6人がのび太の部屋に集まった。 「みんな揃ったことだし、早く行こうぜ!」 ジャイアンが、待ち切れなさそうに言い出した。 「そうだね・・・あっ!バージョンは金銀クリスタルでいいよね?」 金銀クリスタルは一番新しいシリーズだったので、反対する者はいなかった。 「それじゃ、ポケモンの世界へレッツゴー!」 「・・・ワカバタウンだ!遂に来たんだ!」 スネオが言う。 「うおおー!俺は行くぜ!じゃあな!」 と言った途端に走り出したのはジャイアン。 「ま、待って!ルールの説明がまだだよ!」 慌ててジャイアンを引きとめるドラえもん。 「ルールなんてあんのか?じゃあさっさと説明しろよな!」 ドラえもんは説明書みたいなものを読み出した。 「このゲームはポケットモンスター金銀クリスタルです。 最初にチャンピオンになった者が勝ちです。 それでは、冒険をお楽しみ下さい。 ※普通のゲームとは違い、キャラクターやシナリオに 決められたプログラミングはされておりません。 プレイヤーの行動次第では、シナリオが大きく変化する場合があります。」 「それじゃ、行っていいんだな!」 ジャイアンが駆け出そうとする。 「ま、まだだよ!最初のポケモンを貰わないと!」 こうして6人は、ウツギ研究所へ行った。 「やあ!待っていたよ!」 ウツギ博士が出てきた。 「ポケモン、下さい!」 「うん、ちょっと待っててね」 そう言うと、ウツギ博士は研究所の中へ入っていった。 それから10分が経った・・・ 「3匹しかないから、後3匹取り寄せてきたんだ」 「うおおー!早くくれよ!」 ここに来てからずっとこの調子のジャイアン。 「なんだか、ワクワクしてきたよ!」 「どんなポケモンになるのかしら」 「強いポケモンが来ますように・・・」 様々な思いが交錯する中、それぞれにモンスターボールが手渡された。 のび太 ピチュー ドラえもん トゲピー しずか チコリータ スネオ ヒノアラシ ジャイアン ワニノコ 出来杉 イーブイ 「ピチューか、よろしくね」 「トゲピーだ!可愛いなあ」 「チコリータは草タイプね・・・。最初のジムで苦戦しそうだわ」 「やった!ヒノアラシだ!僕欲しかったんだ♪」 「うおおおー!ワニか!かっこいいぜ」 「イーブイ・・・まぁいい方だな」 こうして6人の旅が始まった。 <のび太> 「ピチューだけじゃ心配だから・・・何かポケモンを捕まえよう」 のび太にしてはいい判断である。 「あっ、あれは・・・ポッポだ!」 野生のポッポが現れた! 「いけっ!モンスターボール!」 しかし、元気なポッポはすぐにボールから出てしまう。 「あれ?なんで捕まらないんだ?」 あろうことか、のび太はポケモンの捕まえ方を知らないようだ。 力の限りにモンスターボールを投げ続けるが、捕まらない。 「はぁ・・・はぁ・・・もう疲れたや。休もう」 そうこうしてるうちに夜が来た。 「もう・・・動けないよ。助けてよドラえもーん」 その時、誰かの足音がした。 「さっきから君のこと見てたんだ。ポケモンの捕まえ方、教えようか?」 突然のことに唖然とするのび太。 「ぜ、是非教えて下さい!」 それからのび太は色々教わった。 弱らせてからボールを投げること、状態異常にすると捕まりやすいこと・・・ 「それじゃ、頑張ってね」 「あ、ありがとう!」 捕まえ方を知ったのび太は意気込んだが、夜なので中々ポケモンが出てこない。 「ん・・・あっ、あれは!」 野生のホーホーが現れた! 「よし、まずはピチュー!電気ショックだ!」 ホーホーの体力はギリギリ残った。 「いけっ!モンスターボール!」 のび太はホーホーを捕まえた。 「やったー!僕のポケモンだぞー!」 のび太は疲れも忘れて走り出すのだった。 <ジャイアン> ジャイアンは、ヨシノシティを通り30番道路にきていた。 ワニノコも大分強くなったようだ。 とその時・・・。 「そこの君、勝負しようぜ」 「おう!受けて立つ!」 どうやら勝負を仕掛けられたらしい。 「いけ、ワニノコ!ひっかく攻撃!」 相手のコラッタが一発で倒れた。 「どんなもんだい!」 その後、ジャイアンはその辺のトレーナーを次々と倒していった。 <ドラえもん> ドラえもんは、攻撃技を使えないトゲピーに苦戦していた。 指を振るをしてみても、運まかせなので攻撃技が出ないときもある。 「はぁ・・・どうやって育てれば・・・ん!?」 ドラえもんの後ろにキャタピーがくっついていた。 「そうだ!キャタピーを捕まえよう」 キャタピーはドラえもんが気にいったのか、すぐにボールに入った。 <しずか> しずかは淡々とレベル上げをしていた。 その辺のトレーナーなら一撃で倒せるほどだった。 「そろそろ他のポケモンを捕まえなくちゃ・・・」 チコリータでは最初のジムで不利なので、他のポケモンを探し始めたのである。 「・・・あれはオタチだわ!」 野生のオタチが現れた! 「チコリータ、体当たり!」 オタチの体力は残り僅かだ。 「今よ、モンスターボール」 オタチを捕まえた。 そして、しずかは休むこともなくオタチのレベルを上げ始めた。 <スネオ> 「フフン!絶対に僕が一番にチャンピオンになるんだ!」 スネオはもうキキョウシティに着いたらしい。 ゲームが上手いだけあって、進めるのがはやいようだ。 早速、フラッシュの秘伝マシンをとる為にマダツボミの塔に行った。 「ヒノアラシ、火の粉!」 坊主のマダツボミ達は次々と倒れていく。 「ハハッ!チョロいもんさ!余裕余裕~♪」 長老も難なく倒し、見事フラッシュをゲットした。 <出来杉> 「そなたの戦い方、素質を感じる。この秘伝マシンをどうぞ。」 「ありがとうございます」 スネオが塔を後にして間もなく、出来杉もフラッシュをゲットした。 そして、すぐにキキョウジムへ向かった。 「イーブイだけでも、何とか倒せそうだな・・・」 そう呟くと、出来杉はキキョウジムに入っていった。 「ジム戦、よろしくお願いします」 「チャレンジャーか、俺はハヤト。飛行タイプの使い手だ!」 出来杉vsハヤトのバトルが始まった。 「イーブイ、すなかけだ」 「チッ・・・命中率が下がってしまう。ピジョン、風起こし!」 風起こしはイーブイにヒットした。 「イーブイ!砂かけを続けろ!」 出来杉はピジョンの命中立をとことん下げた。 「くそ・・・!攻撃があたらない」 「今だ、イーブイ。連続で体当たり!」 ピジョンは倒れた。 出来杉はバッジを貰うと、次なる町、ヒワダタウンへ向かった。 現在の状況 のび太 ピチューLv7 ホーホーLv5 (バッジ0) ドラえもん トゲピーLv5 キャタピーLv3 (バッジ0) しずか チコリータLv14 オタチLv12 (バッジ0) スネオ ヒノアラシLv12 (バッジ0) ジャイアン ワニノコLv12 (バッジ0) 出来杉 イーブイLv14 (バッジ1) しずかは、マイペースでレベル上げに励んでいた。 チコリータとオタチも進化し、マダツボミの塔も楽勝であった。 「次は、いよいよジム戦ね・・・」 しずかは深呼吸をするとジムに入っていった。 それから5分後。 「とどめよ!ベイリーフ!体当たり!」 「くっ・・・強い・・・」 タイプ相性では不利だったが、レベル差のおかげで勝ったようだ。 そして、回復を済ませて次の町へ向かう所・・・ 「しずかちゃん、勝負だ!」 ジャイアンが勝負を仕掛けてきたようだ。 「あら、剛さん?どうしていきなり・・・?」 「キキョウジムに挑戦する前に、レベルを上げようと思ってな!」 どうやらジャイアンは、マダツボミの塔をクリアしたらしい。 「へぇ・・・私も舐められたものね」 「なんだと・・・?」 戦いの火蓋が切って落とされた。 「そんな・・・この僕が負けるなんて・・・」 スネオはハヤトとの勝負に負けた。 「こんなはずは・・・絶対・・・」 スネオはあてもなく走り出した。 ?何も見えない。 どうやら洞窟に入ってしまったようだ。 「ここは・・・?助けてよママー!」 暗いしどこから入ったかもわからない。 もう駄目かと思ったその時、スネオに何かがぶつかった。 薄っすらとだが見えた・・・ズバットだった。 ゲットしようと思ったが、この暗さでは狙いが定まらない。 その時、ヒノアラシが火の粉を出した。 辺りが明るくなり、一瞬だがズバットの位置がわかった。 「そうか・・・!ヒノアラシ、火の粉だ」 明るくはなるがズバットには当たらない。 「連続で火の粉!」 間髪入れず火の粉をうつヒノアラシ。 炎は見事ズバットに当たった。 「今だ、モンスターボール」 ズバットを捕まえた。 「やった!」 スネオは洞窟を抜け出した所で倒れた。 「いけ、ホーホー!体当たり」 相手のコラッタは倒れた。 「よし、いいぞホーホー」 のび太は未だに30番道路にいた。 その時だった・・・! 「・・・そこのトレーナー、俺と勝負しろ」 赤髪の少年が勝負を仕掛けてきた。 「え?・・・?」 いきなりの事にびっくりするのび太。 「いけ、ヒトカゲ」 「こっちもだ!いけ、ピチュー」 ヒトカゲは金銀では出現しないポケモンだった。 だが・・・のび太がそんな事を知っているはずがない。 疑いもなくバトルに徹するのであった。 「ピチュー、電気ショックだ!」 「かわして火の粉」 ヒトカゲは電気ショックを回避し、ピチューに火の粉を当てた。 「は、速い・・・」 あっという間にピチューは倒れた。 「残りは君だ、ホーホー!」 「火の粉だ」 「かわせ!そして体当たり」 ギリギリの所でホーホーは火の粉を避けた。 だが、素早いヒトカゲに体当たりは当たらない。 「ヒトカゲ、連続で火の粉」 ホーホーは避ける術もなく倒れた。 「この程度か・・・」 そう言うと、赤髪の少年はその場を立ち去ろうとした。 「待って・・・君、名前は?」 「シルバー」 のび太は何か言おうとしたが、既にシルバーの姿はなかった 「ワニノコ、ひっかく攻撃だ!」 しかしダメージは少ない。 「ふふ・・・どうやらレベルが違いすぎるようね」 「まだだ!ワニノコ、ひっかきまくれ!」 「そろそろ終わらせるわ!ベイリーフ、はっぱカッター」 ワニノコは一撃の下に散った。 「まだだ!ワニノコ、立ち上がれ!」 「・・・何言ってるの?もう無理よ。瀕死なんだから」 「くそっ!くそっ!くそっ!」 ジャイアンは何も言わず・・・いや、言えず立ち去った。 「なんで勝てなかったんだ・・・?この俺が」 ジャイアンはそばにある木を殴りつけた。 「ちくしょう!ちくしょう!ちくしょう!・・・イテッ!」 どうやら間違ってイシツブテを殴ったらしい。 イシツブテは殴られてもじっとしていた。 「お前・・・俺を・・・?」 ボールを当ててみると、イシツブテはすんなりボールに入った。 悔しさは痛いほど残っている。 だが、このイシツブテに出会った事で、少し気が晴れたような気がした。 「バタフリー、念力だ!」 ドラえもんは長老のホーホーを倒し、マダツボミの塔をクリアした。 キャタピーもバタフリーになり、大分強くなったようだ。 そして回復を済ませ、いよいよジム戦だ。 「バタフリー、念力」 「負けるなピジョン!風起こし」 激しい技の応酬だ。しかし、相性の関係でバタフリーが押されていた。 「とどめだピジョン!風起こし」 バタフリーは倒れた。 残るは対してレベルも上がってないトゲピーのみ・・・。 ドラえもんは諦め気味でボールを投げた。 「トゲピー、指を振る」 いちかばちかの指を振る。だが出てきたのは体当たりだった。 「ハハハ!相手にならないな。風起こしだ!」 トゲピーの体力はかなり減った。 「もうどうにでもなれ!トゲピー指を振るだ」 泥棒が出てきた。ドラえもんは負けを悟った。 だが、ピジョンは元気の塊を持っていた。 「しまった!元気の塊を持たせてしまっていたのか!」 「よし、元気の塊をバタフリーに!」 先程のダメージもあり、ピジョンは倒れた。 「やったー!」 現在の状況 のび太 ピチューLv9 ホーホーLv9 (バッジ0) ドラえもん トゲピーLv5 バタフリーLv12 (バッジ1) しずか ベイリーフLv18 オオタチLv16 (バッジ1) スネオ ヒノアラシLv12 ズバットLv4 (バッジ0) ジャイアン ワニノコLv14 イシツブテLv4 (バッジ0) 出来杉 イーブイLv14 (バッジ1) のび太はマダツボミの塔で長老と戦っていた。 「とどめだホーホー!体当たり!」 「しまった、マダツボミが」 かなり苦戦したがフラッシュの秘伝マシンをゲットした。 そして、いよいよジムに挑戦しようとしたところだ。 誰かがジムから出てきた。 そう、それはあの赤髪の少年・・・シルバーだ。 「フン・・・ジムリーダーってのはこの程度か」 「き、君はあの時の?」 「お前は、確か以前戦った奴だな」 どうやらシルバーはのび太のことを覚えているようだ。 「シルバー、だよね」 「あぁ・・・覚えていたとはな」 「ジム戦、勝ったの?」 「当たり前だ。あんな雑魚には負けない」 あの強さなら確かに勝てるだろうな。のび太はそう思った。 「長居をしすぎた。いつまでもこんな町にいる必要はない」 そう言うと、シルバーは立ち去っていった。 シルバーが去った後、のび太はジムに入っていった。 「あのー、ジム戦をやってもらえますか?」 「挑戦者か。受けて立とう」 初めてのジム戦なので緊張が止まらない。 「いけ、ピジョン」 ハヤトはピジョンを繰り出した。 「い、いけ、ピチュー」 「電気タイプか・・・ならば泥かけだ!」 効果抜群の上に命中率を下げられた。 「ピチュー、電気ショックだ」 だが当たらない。 「そのまま泥かけを続けろ!」 攻撃を当てることもなくピチューは倒れた。 「なら、いけホーホー」 「飛行タイプか・・・なら砂かけだ」 「ま、また攻撃があたらない・・・」 完全にハヤト有利である。 「そ、そうだ」 のび太がある事を閃いた。 「ホーホー、みやぶるを使うんだ!」 「しまった、これでは攻撃が当たってしまう・・・」 「全力で体当たり!」 ピジョンは倒れた。 のび太がジム戦を終えて程なく、スネオもハヤトを倒していた。 ヒノアラシもマグマラシに進化しているようだ。 と、そこへ人影が現れた。 「・・・スネオさん?」 その人影はしずかだった。 「あ、しずかちゃん!まだこんなところにいたの?」 「どういうこと?」 「とっくにジムバッジをとって先にいってると思ってたんだ」 「あら、そう」 そう言うと、しずかは立ち去ろうとした。 「待ってよしずかちゃん。勝負しよう」 「え?」 「ちょっとレベルを上げたくてね」 スネオがジャイアンと同じ事を言ってたので、しずかは気に食わなかった。 「あら、剛さんもそう言って負けたわよ。それでもやるの?」 「僕をジャイアンなんかと一緒にしてもらっちゃ困るよ」 完全に険悪なムードだ。 「あなたでも剛さんでも私には勝てない事は変わらないわよ?」 「なめるな!いけ、マグマラシ!」 しずか対スネオの戦いが始まった。 「いきなさい、ベイリーフ」 ベイリーフならマグマラシが負ける事はない。スネオは心の中でそう呟いた。 「マグマラシ、火の粉だ!」 「遅い・・・かわしなさい」 マグマラシの火の粉はいともたやすく避けられた。 「ベイリーフ、毒の粉」 マグマラシは毒状態になった。 「くそ!連続で火の粉を放て!」 「葉っぱカッターよ」 「バカめ!葉っぱカッターで火の粉を止めれるはずがない・・・えっ!?」 葉っぱカッターが飛ぶ時に起こる風で炎は消えていた。 「そんな・・・風圧で火の粉を消すなんて!」 「このぐらい容易いことよ」 スネオはようやく悟った。レベル差がありすぎるのだ。 そして、マグマラシの体力も毒で減っていた。 「とどめよ、体当たり」 重い一撃を受け、マグマラシは倒れた。 その後スネオはズバットを出したが、ベイリーフに歯が立たなかった。 「なんで・・・こんな・・・」 スネオは敗北のショックを隠し切れない。 「相手にならないわ。もういきましょう」 しずかは立ち尽くしているスネオに振り向きもせず、ゆっくりと歩いていった。 「ワニノコ、とどめのひっかく攻撃!」 ジャイアンはジム戦を終え、ウィングバッジを手にしていた。 その時、ジャイアンの目にメガネの少年がうつった。 「のび太!」 やはりその少年はのび太だった。 「ジャ、ジャイアン・・・」 「のび太、俺とバトルしろ!バトルだ!」 「え、そんな・・・嫌だよ・・・」 のび太は、今の戦力じゃ絶対に負ける。そう思っていた。 レベルもジャイアンのほうがかなり上だ。 「ジャイアン、このポケモンあげるから見逃して」 のび太はモンスターボールを差し出した。 「これはなんだ?」 「め、珍しいポケモンだよ」 ジャイアンはさも珍しそうにそのボールを見つめた。 「これを俺にくれるのか?」 「う、うん・・・そのかわり、今回は見逃してほしいんだ」 「おう!わかったぜ」 その時、のび太はようやくホッと一息つけたのであった。 そして、のび太と別れた後・・・。 「どんなポケモンが入ってるんだ?」 モンスターボールからポケモンが出てきた・・・いや、ポケモンじゃない。 「こ、これは・・・ピッピ人形!」 ジャイアンの顔がみるみるうちに強張っていく。 「のび太ぁッ!」 ジャイアンの顔が真っ赤になった。 その頃、出来杉は・・・。 「よし、メリープがモココになったぞ」 新戦力のモココを連れて、ヒワダタウンに到着していたのであった。 現在の状況 のび太 ピチューLv11 ホーホーLv11 (バッジ1) ドラえもん トゲピーLv5 バタフリーLv12 (バッジ1) しずか ベイリーフLv21 オオタチLv18 (バッジ1) スネオ マグマラシLv14 ズバットLv12 (バッジ1) ジャイアン ワニノコLv15 イシツブテLv14 (バッジ1) 出来杉 イーブイLv18 モココLv15 (バッジ1) 出来杉は、たった一人でヤドンの井戸のロケット団を全滅させていた。 そして、ジムリーダーのツクシと戦っていた。 「ストライク、電光石火!」 「電磁波だ」 モココの電磁波が決まり、ストライクは自由に動けなくなった。 「とどめだ、電気ショック」 「・・・完敗だよ。このバッジをどうぞ」 出来杉は苦戦することもなく倒し、ウバメの森へ向かった。 そして、スミ職人にいあいぎりの秘伝マシンを貰った。 それから暫く歩いた・・・その時だ。 「やぁ・・・君が出来杉君だね?」 現れたのは黒ずくめの男だ。 「はい、そうですけど・・・」 出来杉は、その男に嫌なオーラを感じた。 「フフフ・・・どうやら下っ端を可愛がってくれたようだね」 「・・・!」 出来杉は妙な威圧感に押されて何も言えなかった。 「君は必ずここへ来る・・・そう踏んで待ち伏せしていたのさ」 (なるほど・・・下っ端と連絡をとっていたのか) 「フフ・・・ロケット団に逆らう者は生かしてはおけないんでね」 そう言うと、男はゴルバットを繰り出した。 「仕方ない・・・いけ、モココ!」 「ゴルバット・・・怪しい光」 モココが混乱した。 「しまった・・・モココ、電気ショック!」 ちゃんと技を出せたが、素早いゴルバットには当たらない。 「ゴルバット、吸血だ」 ゴルバットはモココの血を吸い、モココの体力は減った。 (このままでは負ける・・・そうだ!) 出来杉にある考えが浮かんだ。 「ゴルバット、もう一度とどめの吸血だ」 再びゴルバットはモココの血を吸おうとした・・・。 「今だ、モココ!電気ショック!」 電気ショックはゴルバットに当たった。・・・ように見えた。 「ハハハ!それは残像だ。残念だったな」 モココは力を使い切って瀕死状態になり、出来杉は何も言えなかった。 「フフフ・・・本来ならこのまま連れて行く所だが・・・今回は特別だ」 出来杉は顔を上げなかった・・・いや、上げれなかった。 「だが、次に同じような事があれば・・・もう容赦はしない」 出来杉は恐怖に怯えていた。 「・・・名を名乗ってなかったな。俺の名はフスイ。ロケット団幹部のフスイだ」 ロケット団幹部のフスイが去った後、出来杉はウバメの森を抜けた。 (このままじゃ、勝てない・・・もっと強くならないと) 出来杉は、幹部とはいえロケット団に勝てない自分に不甲斐なさを感じていた。 「・・・あれは!」 野生のケーシィが現れた。 (こいつは進化させたら強くなる・・・捕まえよう) 出来杉は、テレポートに苦戦したがケーシィを捕まえた。 その頃、つながりの洞窟では・・・。 「あ、のび太君!」 「ドラえもん!それにしずかちゃん!」 「あら、二人とも」 上手い具合にのび太とドラえもんとしずかが鉢合わせした。 そして、3人はヤドンの井戸へ向かった。 「あら?ロケット団がいないわ?」 本来いるはずのロケット団がいない・・・。 「多分、僕達より先にいってる誰かがやったんだろうね」 ドラえもんが推測する。 「あれ?これは何だろう」 のび太が無線みたいなものを見つけた。 「・・・Rってかいてある・・・まさかロケット団の!」 その機械は今までの会話を再生できるようだ。 そして、その中に驚くべき会話があった。 ピーッ・・・ 「フスイだ。さっきお前等を倒した出来杉という少年を見つけた。」 「・・・さすがフスイ様。で、いかがなものに?」 「まさか、俺があんな少年に負けると思っているのか?」 「いいえ、すいません。」 「そして、さっき一人の少年を我がロケット団に招き入れた。」 「そうですか。しかし少年に仕事が務まるのですか?」 「フフ・・・大丈夫だ。かなり腕が立つ赤髪の少年だ」 「なるほど。我が組織の戦力には十分、ということですか。」 「ああ・・・。」 「話しは戻りますが、その出来杉という少年はどうされたのですか?」 「・・・それはお楽しみにしておこう・・・フフ。」 「わかりました。で、チョウジとラジオ塔の件は・・・?」 「心配するな。計画は練ってある。じきにお前等にも知らせる。」 「ロケット団が世界をこの手にするのも近いですね・・・。」 「まだ幹部内だけにしか知られてないが・・・チョウジとラジオ塔は・・・」 「はい?どういうことですか?」 「・・・いや、いい。ただ、更なる計画を練っているとだけ言っておく。」 ピーッ・・・ 「・・・僕は赤髪の少年を知ってるんだ」 のび太はうつむきながら言った。 「誰?」 「シルバーっていうんだ。前に僕と戦って・・・」 のび太はシルバーとの出来事を話した。 「へぇ・・・じゃあそのシルバーがロケット団に入ったのは確かだね」 ドラえもんが結論付けた。 「それよりも、更なる計画って何?それにチョウジとラジオ塔は・・・って?」 しずかは物凄く不安そうな顔で話す。 「・・・この世界を手にするのも近い・・・どんな計画があるんだろう」 3人は驚きと不安で沈んでいた。 「あ、あのさ、今から考えても仕方ないし・・・ジム戦いかない?」 のび太が切り出した。 「そ、そうだね!くよくよしてたら駄目だもんね」 ドラえもんもそれに続ける。 こうして3人はジムへ向かった。 現在の状況 のび太 ピチューLv14 ホーホーLv14 (バッジ1) ドラえもん トゲピーLv11 バタフリーLv15 (バッジ1) しずか ベイリーフLv23 オオタチLv21 (バッジ1) スネオ マグマラシLv15 ズバットLv13 (バッジ1) ジャイアン ワニノコLv17 イシツブテLv15 (バッジ1) 出来杉 イーブイLv18 モココLv18 ケーシィLv10 (バッジ2) 「よし、次は僕の番だ・・・!」 しずかとドラえもんは既にバッジを手にしていた。 「もうスネオとジャイアンもクリアしたらしい。認定トレーナーに名前がある」 ドラえもんのその言葉でのび太の緊張が高まった。 だが、のび太の予想に反して勝負は楽だった。 「とどめだピチュー!電気ショック!」 「あぁ・・・ストライクが」 その時、ピチューがピカチュウに進化した。 「やった!ピカチュウだ!」 こうしてのび太は意気揚揚をジムを出た・・・。 「・・・あれ?しずかちゃんは?」 そう、その場にはドラえもんしかいなかった。 「ああ、急いでるから、って・・・」 「そ、そんなぁー」 のび太はさっきまでの嬉しさが一気に消えた気がした。 その頃しずかは・・・。 「あんなノロマに付き合ってたら日が暮れるわ・・・」 丁度コガネシティについた所だった。 出来杉はもう3個目のバッジを手にしていた。 そしてジムを出た所だ。 「やあ、出来杉!」 「君は・・・スネオ君」 どうやらスネオは今からジムに入る所らしい。 「いい所で君に会った。君は今ジムバッジを手に入れたんだろ?」 「ああ、そうだけど・・・」 そこでスネオが何かを決めたような顔をした。 「よし・・・じゃあ勝負だ」 「え?」 突然のことに出来杉は驚いた。 「ちょっと自分の実力が知りたいんだ」 「・・・いや、やめておこう。無駄な争いはしたくない。」 「逃げるの?」 スネオが挑発する。 「無駄な争いはしたくないと言っているんだ」 出来杉が少し不快な様子で答える。 「逃げるんだ。へえー出来杉って意外と臆病なんだねー」 その言葉に出来杉は我慢ならなかった。 「・・・やってやろう。ただ、君が自信を失うことになるけどね」 出来杉が初めて冷静さを欠いた。 「いけ、ズバット!」 「・・・出ろ、モココ!」 スネオはズバット、出来杉はモココだ。 「ズバット、怪しい光だ」 「く・・・モココ、電気ショック!」 だが自分を攻撃してしまった。 「今だ!噛みつく攻撃」 全く無抵抗なモココはかなりのダメージを受けた。 「モココ、電気ショック」 今度はズバットに命中し、ズバットは倒れた。 「ち・・・次はお前だ、マグマラシ!」 「くそ・・・モココ、電磁波!」 「遅い、マグマラシ電光石火だ」 マグマラシは電磁波をうける事なくモココを倒した。 「モココが倒されるのは計算外だったな・・・いけ、ユンゲラー」 「先手必勝!マグマラシ電光石火だ!」 「テレポートだ」 ユンゲラーはマグマラシの背後に現れた。 「終わりだ・・・念力!」 マグマラシは背後からの一撃で倒れた。 「だから言ったろ?自信を失う事になるってさ」 出来杉は冷酷な顔でスネオを見下した。 「く、くそ・・・覚えてろ!」 スネオは捨て台詞を残し去っていった。 「さて、そろそろエンジュシティに向かおうか・・・」 出来杉はエンジュシティを目指し歩き始めた。 そして、時間が経ってコガネジムの中では激戦が繰り広げられていた。 どうやらジャイアンが戦っているらしい。 「アリゲイツ、噛みつく攻撃だ!」 ワニノコはアリゲイツに進化していた。 「ミルタンク、かわしてころがるや!」 だがアリゲイツにはあまり効いてない。 「ころがるを続けるんや、ミルタンク!」 次第にダメージは大きくなっていく。 「くそ・・・アリゲイツ、噛みつきまくれ!」 この攻撃でミルタンクの体力は大分減った。 勝利は目の前だった。が・・・ 「甘いで!ミルタンク、ミルクのみ!」 そこには傷を癒したミルタンクがいた。 「そんな!回復もできるのかよ!」 「ウチのミルタンクは強いでー!ふみつけ!」 アリゲイツはかなりのダメージをうけた。 「くそ・・・噛みつきまくれアリゲイツ!」 「無駄や!ミルクのみで回復するんや」 あっという間にミルタンクの体力は回復した。 「ミルクのみは自分のミルクを飲んで回復するんや!」 (自分のミルクを飲んで回復・・・そうだ!) その時、ジャイアンにいい考えが思いついた。 「アリゲイツ!ミルタンクの乳を吸え!」 ミルタンクのミルクがなくなっていく。 「やばい、アリゲイツをふりおとすんや!」 だが1回食いついたアリゲイツは離れない。 「噛みつく攻撃!」 すかさずアリゲイツがミルタンクに噛みつく。 「ああ・・・もう回復できない・・・!」 「今だ、とどめの噛みつく!」 ジャイアンは見事3つ目のバッジをゲットした。 スネオはポケモンのレベル上げをしていた。 どうやら、出来杉に負けたことがかなりショックだったらしい。 長い特訓のせいかズバットもゴルバットになっていた。 そして、いよいよジムに入ろうとした・・・が、その時誰かが出てきた。 (またこのパターンか・・・今度は誰だ?) 「あら、スネオさん」 (げげっ!会いたくない奴に会っちゃった!) 出てきたのは既にジムをクリアしたしずかだった。 「今からジム戦?」 「うん・・・」 その言葉を聞くと、しずかはそっぽを向けてエンジュシティへ向かった。 (あいつが勝てて僕が勝てないはずはない!) スネオはそう心に念じてジムに入った。 そして、10分後のことだ。 ミルタンクのころがるとミルクのみに苦戦しながらも、スネオは勝利を納めた。 現在の状況 のび太 ピカチュウLv18 ホーホーLv17 (バッジ2) ドラえもん トゲピーLv13 バタフリーLv19 (バッジ2) しずか ベイリーフLv28 オオタチLv26 (バッジ3) スネオ マグマラシLv22 ゴルバットLv22 (バッジ3) ジャイアン アリゲイツLv23 イシツブテLv19 (バッジ3) 出来杉 イーブイLv21 モココLv20 ユンゲラーLv18 (バッジ3) ここはエンジュシティの踊り場だ。 「君のバトル、美しかった!是非これをもらってくれ」 出来杉は、まいこはんを倒し波乗りの秘伝マシンを貰っていた。 (次は焼けた塔にいかないと・・・伝説のポケモンもいるしな) 出来杉は焼けた塔へと入っていった。 だが、そこで見たものは出来杉の予想とはまったく違ったものだった。 「・・・伝説のポケモンがいない・・・!」 そう、既に誰かが伝説のポケモンを逃がしたか捕まえたということだ。 出来杉は考えた。 (僕がコガネジムをクリアした時には、まだ誰もクリアしてなかった・・・ そして、コガネ→エンジュ間の道は一本道だ。誰も僕より先に来れるはずはない) その時、出来杉の脳裏に一人の人物が浮かんだ。 (ロケット団・・・ロケット団幹部のフスイ・・・僕が負けたあいつなのか?) 確かに、ロケット団なら伝説のポケモンを狙う事も考えられる。 考えれば考えるほど不安な気持ちになってしまう。 出来杉は、不安を抱えながら焼けた塔を後にし、エンジュジムへと入っていった・・・。 出来杉は順調にマツバのポケモンを倒していった。 「これで最後だ!いけ、ゲンガー」 マツバはゲンガーを繰り出した。 「モココ、電気ショック」 「かわしてシャドーボール!」 モココの電気ショックは余裕でかわされ、シャドーボールで瀕死になった。 (このゲンガー、強い・・・) 「次はこいつだ、イーブイ」 「ゲンガー!催眠術だ」 催眠術はイーブイに当たり、イーブイは眠ってしまった。 「・・・終わりだ、夢食い」 イーブイも一撃でやられてしまった。 「・・・お前だけが頼りだ!いけユンゲラー」 出来杉は最後のポケモン、ユンゲラーを出した。 「ユンゲラー、サイケ光線だ」 「遅い!かわしてシャドーボール」 ゲンガーはユンゲラーの攻撃さえも容易くかわした。 「ユンゲラー、テレポートだ!」 ユンゲラーはゲンガーの背後に回った。 「いけ、サイケ光線」 しかし、出来杉が命令した時には、ゲンガーは既にユンゲラーの背後にいた・・・。 しずかは辛うじてマツバに勝った。 (あんなにレベルを上げたのにこんなに苦戦しちゃうのね。 そろそろ戦力アップをはからないと・・・) そう思ってジムを出ると、スネオがいた。 「あ・・・」 「あら、スネオさん」 (なんでいつもいつもこんな状況になるんだよー) スネオは心の中で嘆いた。 「今からジム戦・・・よね」 「そうだけど・・・」 「あのマツバって人、かなり強いわ。気をつけたほうがいいわよ」 「そうかい、ありがとう(やけに親切だな・・・)」 しずかのアドバイスを受け、スネオはジムに入った。 「ようこそチャレンジャー。じゃあ早速・・・始めようか!」 (遂に僕の新しい戦力を使う時がきた・・・!) スネオ対マツバの戦いが始まった。 「いけ、ゴースト!」 「ゴーストか・・・なら、いけゴルバット」 マツバはゴースト、スネオはゴルバットだ。 「ゴルバット、噛みつくだ!」 ゴルバットはゴーストにかみついた。ゴーストはかなりダメージをうけている。 (余裕余裕!ゴルバットだけでもいけるかも) 「ゴースト・・・呪いだ」 ゴルバットはゴーストに呪いをかけられた。 ゴーストは瀕死になったが、ゴルバットは呪いに襲われている。 「いけゲンガー!」 「(呪いで死ぬ前に倒さないと・・・)ゴルバットかみつく攻撃」 だがゲンガーの素早い動きの前に、ゴルバットは狙いを定め切れない。 そのまま、ゴルバットは呪いのダメージで倒れてしまった。 「次は・・・いけ、ストライク」 そう、スネオは虫取り大会でストライクを捕まえていたのであった。 「ゲンガー、シャドーボール!」 「よけろストライク、れんぞくぎりだ」 だが、ゲンガーもそれをかわした。 「中々素早いな・・・なら舌で舐めるだ!」 ゲンガーの舌で舐めるを食らって、ストライクは麻痺した。 「シャドーボール!」 だがストライクはギリギリでよけた。 「ストライク、れんぞくぎりだ」 「かわせゲンガー!」 ゲンガーはまたもやストライクの攻撃をかわした。 「今だストライク、追い討ち!」 「ゲンガー!」 「・・・何!」 スネオの予想に反して、ゲンガーは立っていた。 それだけではない。ストライクが倒れていた。 「残念だったな・・・ギリギリの所で黒い眼差しを使わせてもらった。 それでストライクは一瞬怯み、シャドーボールでトドメをさしたってことさ。 でも、今のには驚いたよ。まさか元のスピードがフェイクだとはね」 ストライクは今までのフェイクスピードではない普通のスピードで追い討ちをしたのだ。 「この作戦も駄目か・・・これで最後だ、マグマラシ!」 「ゲンガー、シャドーボールだ」 「かわせマグマラシ!火の粉!」 「こっちもかわせ、ゲン・・・何!」 火の粉はゲンガーに命中した。 「どうした?かわすんだゲンガー!」 「フフ・・・どうやら今までの戦いで体力を使いすぎたようだね」 「まさかこれを狙って?」 「今だ、とどめの火の粉!」 スネオはバッジをゲットした。 (ふぅ・・・あそこでゲンガーのスタミナがきれてなかったら負けてたな) ジムからでて、ようやく一息ついたスネオであった。 現在の状況 のび太 ピカチュウLv23 ホーホーLv19 (バッジ3) ドラえもん トゲピーLv18 バタフリーLv22 (バッジ3) しずか ベイリーフLv31 オオタチLv30 (バッジ4) スネオ マグマラシLv23 ゴルバットLv23 ストライクLv20 (バッジ4) ジャイアン アリゲイツLv25 イシツブテLv23 (バッジ3) 出来杉 イーブイLv25 モココLv24 ユンゲラーLv22 (バッジ4)
https://w.atwiki.jp/poke_ss/pages/1588.html
6ページ目 看守「もう二度と来るなよのび太」 のび太「うん!ありがとね看守さん!」 看守2「感じの良い子だったな」 看守「あぁ。あんな子供が人殺しとはね」 のび太「ふ、さて、殺しますかね」 野比家 のび太「ただいまー」 のび太パパ「おかえりのび太」 のび太「他の二人は?」 のび太パパ「出て行ったよ」 のび太「どこ?」 のび太パパ「残念だけどおしえられぬ」 のび太「言え」 のび太はパパにナイフを突きつけた のび太パパ「おい!のび太!!!!本気か!?」 のび太「一人も二人も一緒さ」 のび太パパ「ママの言ってたことは本当だったな」 のび太「言え」 のび太パパ「言えない」 のび太「」ザク のび太パパ「ぐおっ!」 のび太「パパ血綺麗」うっとり その後、のび太はパパを切り刻んで揚げて食べた。 のび太「デリシャス」 次へ トップへ
https://w.atwiki.jp/nobita_in_pokemon/pages/389.html
前へ ロケット団信者たちが、ポケモンリーグを乗っ取った・・・ 信じたくない・・・でも、目の前のテレビはそれが事実だということを告げている。 何度も同じ発言を繰り返すキャスターの声が、僕にはとても残酷に聞こえた。 その場に立ち尽くし、深く絶望している僕を呼ぶ者がいた・・・ 先程まで動く気配すら見せなかったドラえもんだ。 「出木杉、大変なことになっちゃったね・・・」 「ドラえもん、もう終わったんだよ!何もかも・・・」 僕の目的はこのゲームをクリアし、スネ夫を甦らせることだ。 だがこのゲームのクリア条件は、参加したプレイヤーの内、一番最初に“チャンピオンを倒すこと”だ。 チャンピオンのいるポケモンリーグが信者のものになったいま、チャンピオンに挑戦することは不可能となったのだ・・・ 「ゲームをクリアすることが出来ないし、この世界にずっといたらその内裏切り者に殺される!だからもう僕たちは終わったんだ・・・」 「そんな事ないよ!」 絶望する僕をドラえもんが元気づけようとする。 「これからみんなをここに集める、そこで僕の考えを話すよ。 その時になれば君もわかるさ、まだ道はあるということをね・・・」 一時間ほど経つと、メンバー全員が揃った。 みんなもうポケモンリーグ乗っ取り事件のことは知っているようで、青ざめた顔をしていた。 そんな場をドラえもんの言葉が刺激した。 「みんなもうゲームクリアは不可能だと諦めているみたいだけど、まだクリアの方法は残されているんだ。」 その一言でうるさくなった場を気にせずドラえもんが続けた。 「クリアの条件はあくまでチャンピオンを倒すこと・・・なら手段は一つしかない。 信者を倒してリーグに再びチャンピオンを戻し、そのチャンピオンを僕らが倒せばいいのさ。」 ドラえもんの言葉にだれも反論しようとはしなかった。 スネ夫を助けるために残された唯一の手段だ、僕らはそれを実行するしかない・・・例えそれが信者と戦う道だったとしても、だ。 僕らは覚悟を決め、信者と戦ってポケモンリーグを取り返すことを決意した 場面は変わって、ここはトキワシティポケモンセンター前。 いまから僕たち5人は別々の場所へ旅立とうとしていた。 現在の僕たちでは信者たちと戦うのはあまりにも無謀だ、だから10日間ポケモンを鍛え、10日後再びこの場所で会うことになった。 ジャイアンはトレーナー修行の定番と呼ばれるシロガネ山へ、山籠りとはいかにも彼らしい選択だ。 ドラえもんは禁断の場所と呼ばれるハナダの洞窟へ、あんな危険な場所に行く勇気は尊敬に値する。 のび太と静香、そして僕は辺境ナナシマへ行くことにした(ただし3人とも別行動)前述した2人に比べて比較的安全な選択だ。 「じゃあここでお別れだね。」とドラえもん 「みんな、元気でね。」と静香 「お互いがんばろう!」とのび太 「じゃあみんな、10日後もう一度会おうぜ!」 ジャイアンの一言でみんなはそれぞれの目的地へと飛び立って行った。 僕とのび太と静香はナナシマへ向かうことになっているから、ナナシマ行きの船が出ているクチバシティまでは一緒に行くことになる。 だが僕は先に済ましておきたい用があったので2人に別れを告げてヤマブキシティの方へ向かった。 ヤマブキに着いた僕は警察署へと向かった。 ナナシマで修行する前に、どうしてもやりたいことがあった・・・この10日間の間に裏切り者の正体を暴くことだ。 いま僕の推理には大きな謎が3つあった。 一つ目は、スネ夫の死体が消えたこと。 二つ目は、捕らわれていたのび太の前に現れた僕。 三つ目は、サカキが裏切り者を後継者に指名したということ。 ここに来たのは三つめの謎を解く鍵となる、サカキという人物について知るためだ。 この警察署の刑事とはスネ夫殺人事件の時に面識があるので、彼に協力してもらうことおうと思ったのだ。 刑事は快く僕を迎え入れてくれ、サカキの演説をこっそり録音したテープがあるという資料室に案内してくれた。 資料室の“ロケット団関係”と書かれた段にそのテープはあった。 だがそのテープより、その横に不自然なスペースがあるのが気になる。 「刑事さん、ここだけ開いているのが気になるんですけど、なにかここにあったんじゃあ・・・」 刑事は少し躊躇ってから返事をした。 「鋭いね・・・そう、そこにはそのテープと同じようにサカキの演説が収められたテープがあった。 だが、数日前にそのテープは何者かに盗み出されてしまったのさ・・・」 サカキの演説が録音されたテープが盗まれた・・・どうやら、この謎についてはなんとなく真実が見えたような気がした。 「刑事さん、やっぱりそのテープは結構です、もう必要ありませんから・・・・・・」 僕はそう告げると、警察署を出てクチバシティへ向かった。 のび太たち2人に遅れて、僕もナナシマの一つ、1の島に足を踏み入れることが出来た。 1の島には温泉と、伝説のポケモンファイヤーが住むと言われる灯火山がある。 願わくばファイヤーを手持ちに・・・と思って灯火山へ向かった。 灯火山へ向かう途中の火照りの道で、僕は意外な人物と会った。 禿げた頭に少し残った白髪、黒く怪しく光るサングラス・・・グレン島のジムリーダーであるカツラだ。 「やあ、えーと・・・出木杉君だったかな? こんなところへ何のようじゃ?」 「いや、ちょっと灯火山へ行ってみようと思いましてね。カツラさんは?」 「わしは温泉に疲れを癒しに来ただけじゃよ・・・そんなことより、いま灯火山は火山活動が活発だから危険じゃ、近づかないほうがいいぞ。」 僕はカツラの忠告を素直に聞き、彼に礼を告げてポケモンセンターへ引き返した。 1の島にはもう用はないので、次に4の島へ行くことにした。 4の島には高レベルなポケモンが生息するいでだきの洞窟がある、そこで何日か修行しようと考えたのだ。 だがそこに行くことは出来なかった、島と島を行き来するシーギャロップ号の船員いわく 「4の島はいま周辺に巨大な竜巻が発生して船が近づくことが出来ねえ。 おまけに電話による連絡も出来ない、4の島はいま完全に孤立しているのさ。」 とのことだ。 僕は4の島行きを諦め、同じく強力なポケモンがいる7の島へ向かうことにした。 たくさんのトレーナーが修行に訪れるといわれる7の島のしっぽう渓谷、そこで僕は意外な人物を目にした。 青い服を身にまとい、鞭を持った女性・・・現ポケモンリーグチャンピオン、ドラゴン使いのイブキの姿がそこにあった・・・・・・ ポケモンリーグチャンピオン、イブキ。 ポケモンリーグが信者のものとなったいま、何故彼女がこんなところにいるのだろうか? このまま立ち去るわけには行かない、僕は思い切ってイブキに訪ねてみた。 「あのー、チャンピオンのイブキさんですよね・・・ どうしてこんなところにいるんですか?」 僕のほうを向いたイブキは、イライラしながら答えた。 「ポケモンリーグが乗っ取られたとき、私はこの島に出かけてたのよ。 つまり・・・信者に私の不在を狙われたってこと、じゃあ修行の邪魔になるからどっか行ってくれない?」 なるほど・・・彼女がここにいる理由は分かった。 だが、何故彼女はここで修行をしているのだろうか・・・イラつくイブキに恐る恐る聞いてみた。 「本当なら今すぐにでもポケモンリーグを取り返しに行きたいんだけど、今の私の実力じゃあたぶんやられてしまう。 だからここでこっそり修行してるってわけよ。」 どうやら彼女は信者を倒すためにここに修行しているらしい、なら・・・ 「イブキさん、実は僕も信者を倒すために修行しているんです。 だから、僕とその仲間に協力してもらえませんか?」 チャンピオンである彼女の力が加われば戦いがかなり楽になる、思い切って頼んでみると、こんな返答が飛んできた。 「私に協力しろ、か・・・ なかなか面白いこと言うねえ。 目的は同じだから協力するのはかまわない、ただし・・・あなたに協力するだけの価値があればの話だけどね。」 イブキはどうやら僕の実力を試すつもりのようだ。 彼女を仲間に引き入れるためにも、ここは受けて経つしかない! それにしても、本来ならポケモンリーグで行われたであろうチャンピオン戦がこんな形で実現するとは・・・ お互いのモンスターボールからポケモンが放たれ、戦いの火蓋が切って落とされた。 数分後――― そこには地面に手をついて落ち込む僕と、それを無言で見ているイブキの姿があった。 僕と彼女のバトルはあっという間に決着がついてしまった。 僕はどうにか彼女のポケモンを一体倒すのが精一杯だった・・・つまり、圧倒的な実力差を見せつけられる結果となってしまったのだ。 あわよくば、チャンピオンに勝てるかも知れない・・・ そんな僕の甘い考えは、彼女のポケモン達の強力な技で打ち砕かれてしまった。 これでは彼女は僕に協力しようなどと考えないだろう・・・ しかし、彼女の口から意外すぎる言葉が放たれた。 「まあ、合格ね・・・ いいわ、あなたに協力してあげる。」 「本当ですか? 僕はボロ負けしたのに・・・・・・」 「たしかに、バトルは私の圧勝だった。 でも、あなたには素質がある・・・バトルの最中にそれに気付いたのよ。」 僕に素質がある、チャンピオンである彼女からそう言われたのはかなり嬉しかった。 「じゃあ10日後・・・にまた会いましょう。」 「待ちな、まだ帰らせるわけにはいかないよ。」 一度ポケモンセンターに戻ろうとした僕を彼女が引きとめ。こう言った。 「たしかに、あなたには素質がある・・・ でも、それがまだ開花していなくては意味がないのよ。 これから決戦の日まで私があなたをみっちり鍛えてあげるわ。」 彼女がそういった時、僕のもとに近づいて来る少年の姿があった。 「おーい、出来杉―!」 こちらへ近づいて来る少年を見て、状況が理解できないイブキは少々混乱していた。 「あ! 彼は僕の仲間です・・・ そうだ!修行なら彼も一緒に鍛えてあげてください。」 「あんまり戦力にはなりそうもないけど・・・まあいいわ。」 「あれ、出木杉・・・どうかしたの?」 事情も分からぬのび太を巻き込み、僕の地獄の修行が始まった・・・ 現在の状況 7の島 手持ち リザードンLV46、サーナイトLV43、ポリゴン2LV41、サンダースLV42、トドグラーLV41 バッジ 8個 出木杉メモ 名前 手持ち のび太 ケッキング、キノガッサ、ダグトリオ、フーディン(7の島時) ドラえもん フシギソウ、ピジョン、ビリリダマ(タマムシシティ時) 静香 ロゼリア、他不明(セキチクシティ時) ジャイアン エビワラー、ニドキング(シオンタウン時) イブキは修行を始めると言い放った後、いきなり僕たちを島の北側へと連れて行った。 「あのー、どこまで行くんですか?」 「うるさい! もう少しだからおとなしくしろ・・・」 のび太の問いをあっさりと切り捨てたイブキは突然足を止めていった。 「さあ着いた、ここだよ。」 イブキが僕たちを連れて行った場所・・・そこには高い塔がそびえ立っていた。 この建物は知っている・・・しかし名前が出てこない。 「あのー、ここどこですか?」 僕のかわりにのび太が質問し、それにイブキが答えた。 「ここはトレーナータワーといって、トレーナーたちが力を高めるところだ。 トレーナーは一階から最上階まで途中にいる7人のトレーナーを倒しながら進み、その登る速さを競い合う・・・ それがトレーナータワーのルールだ。」 そうだ、ファイアレッドではたしかに7の島にそんな施設があった。 でもゲームでは結局入ったことがなかったのでどんなところかイマイチ分からない。 「で、僕たちにここを登って見ろということですか?」 「その通り! なかなか物分りがいいじゃないか。」 僕の質問が終わると、早速僕らはトレーナータワーを登ることになった。 中にいるトレーナーは自分の手持ちの最高レベルにレベルを合わせてくるのだが、使ってくるポケモン自体が弱いのでたいしたことはない。 だが、塔を速く登るためにはトレーナー自身が速く走らなければならない、その疲労が頭のカンを鈍らせ、ポケモンバトルへ影響を及ぼす。 結局、思ったよりバトルに時間をかけてしまったが、なかなか速く登ることができた。 一方のび太の方はというと、走ったことによる疲労で倒れて死人のように動かなくなっている。 イブキがその後タイムを教えてくれた・・・僕が7分30秒、のび太が8分25秒(走る速さによってこれだけの差がうまれた) まあまあかな・・・と満足していた僕に、イブキが衝撃の一言を放った。 「こりゃダメね、遅すぎるわ。」 遅すぎる?自分では結構いいタイムだと思っていたのに・・・ ショックを受ける僕に、イブキがとどめの一言を投げかけた。 「もしかして、あんなタイムで早いとか思っているんじゃないわよね・・・いいわ、現実を教えてあげる。 四天王のタイムは平均で5分30秒程度、ちなみに私は4分53秒よ。」 四天王は自分より2分も速く、チャンピオンのイブキに至ってはそれよりさらに30秒速い。 自分の目標がこんなに手の届かないところにあったことを知って、僕は絶望した。 そんな僕に、イブキはとんでもない試練を出した。 「落ち込んでいる場合じゃないよ! あなたたちにはこの10日間で、私と同じ4分台が出せるようになってもらうよ。」 4分台・・・最低でも今より2分30秒はタイムを縮めなければならない、のび太はさらにキツイ3分30秒程度だ。 そしてこの後、トレーナータワー4分台を目指して壮絶な修行が始まるのであった。 僕たちは次にしっぽう渓谷の南端まで連れて行かれた。 そしてそこにつくなり、なんといきなり手持ちのポケモンを全て取り上げられてしまった。 「このポケモンたちは私が鍛えといてあげる。 あんたたちはその間、この島の陸地部分を一周走っておいで。 日没までに帰ってこなかったら晩飯はなし、分かったらさっさと行って来な!」 反論する間もなく、僕たちはこの島内を走りに行かされた。 7の島はたしかに狭いが、走って一周となるととても大変だ。 脚がだんだん痛みを増し、息が荒くなってくる。 走り始めてどの位経っただろう・・・腕に巻かれたポケッチに表示された数字が僕を苦しめる。 まだ走り始めてから30分も経っていない、距離もまだ全然進んでいないようだ。 運動音痴ののび太のことがふと脳裏に浮かぶ、彼は大丈夫なのだろうか・・・ 後ろを見ると、そこには膝をついて止まっているのび太の姿があった。 「のび太君!大丈夫かい?」 心配した僕が駆け寄っていっても、のび太は何も言わない。 「立てられるかい? 手を貸してあげよう。」 「うるさいなあ、僕のことなんか放っておいてよ!」 僕が差し伸べた手を彼は払いのけ、邪険に振舞った。 これにはさすがにちょっとイラついたが、冷静に彼に告げた。 「しんどくてもここはがんばらなきゃ。さあ、早く立って一緒に走ろう。」 だがのび太は何も言わない、僕はとうとう彼を怒鳴りつけた。 「いい加減にしろよ!そんなんだから君は何をやってもダメなんだよ!」 「うるさい!大体何で僕がこんなしんどいことしなきゃいけないんだ! この修行だって訳が分からないうちに勝手に参加させられただけ、僕は1人でのんびり楽しくやるつもりだったのに。 それに僕が走って何になるんだよ!戦うのは僕たち人間じゃなくてポケモンだ、人間が体を鍛えてもバトルじゃあ何の役にも立たないのに・・・」 のび太はそう言うとその場に座り込み、顔を伏せて完全に塞ぎこんでしまった。 これ以上何を言っても無駄だろう、僕は彼を無視して再び走り始めた。 のび太のことを頭から振り払うかのように、僕は猛ダッシュで先へ進んでいった。 あれからだいぶ時間が経ち、僕はついに島の北端まで辿り着いた。 だがもう脚も心臓も限界である、やはり最初に飛ばしすぎたのが原因だろう。 だが日没まであと2時間を切ってしまった、ここで休んでいる暇は無い。 僕は悲鳴を上げる脚を再び動かし、残り半分となった距離を走り始めた。 だがそんな僕に空がとどめを差す、雨が降り始めたのだ・・・ 足場が悪くなり、走りにくくなったうえに転倒までしてしまった。 膝から血が出始め、その痛みが走りに影響を与え始める。 残りあと4分の1の地点まで来ると、僕は遂にその場に座り込んでしまった。 ふと、のび太の言葉が頭をよぎった・・・『戦うのは人間ではなくポケモン、人間が走って何のいみがあるのか』 そう、その通りだ・・・なんで僕はこんなしんどい思いをしてまでして走っているのだろうか、走っても何の意味があるかも分からないのに・・・ すっかりやる気をなくした僕に、遠くから走って来る1人の少年の言葉が聞こえてきた。 「何やってるんだよ出木杉!さっきあれだけ偉そうなこと言っておいて・・・」 「のび太・・・君?」 黄色のシャツに青い半ズボン、間違いなくそれはのび太の姿であった。 「どうして、また走り始めたの・・・」 「あの後、僕気付いたんだ・・・僕がここで立ち止まっていたら、スネ夫を救うことは出来ないって。 だから僕は走る、たとえその意味が分からなかったとしても・・・」 よく見ると、彼の足や腕のところどころに転んで擦り剥いた傷が残っている。 自分より何倍も傷つきながら、それでも彼は走っている・・・その姿に僕は感動を覚えられずにはいられなかった。 立ち上がり再び走り始めると、先程まで重かった脚が急に軽くなり、どこまでも走っていける気がした。 ―――1時間後、日没とともに僕らはイブキの下へと帰ってきた、 あの後、イブキは僕らのゴールしたタイミングが日没とほぼ同時だったことに少しケチをつけたが、一言、 「よく頑張ったな。」 と言い、ポケモンセンターで豪華な夕飯をご馳走してくれた。 食事の最中、僕はイブキに聞いてみた、先程の修行にはどんな意味があったのかと。 イブキはこう答えた。 「目的は体を鍛えることじゃないから、走ること自体には意味は無かったのさ。 私があんたたちに鍛えてもらいたかったのは“精神力”さ。」 「精神力?」 「そう、精神力・・・どんな状況でも決して諦めないという力さ。 あなたたちはあの状況でも、諦めずに日没までにゴールしてみせた。 あなたたちは今日の修行で、強い心を手に入れることが出来た・・・それはかならずポケモンバトルでも活きてくるわ。」 あの修行は僕たちの心を鍛えるためのものだった、イブキはそう言った。 たしかに僕は精神力を磨くことが出来ただろう・・・だが、僕が手にすることが出来たのは強い心だけじゃない・・・ 「ん、どうしたの出木杉?」 隣の席にいるのび太が僕に問う。 僕は一言、「なんでもないさ。」と言うと、彼に微笑みかけた・・・すると、彼も嬉しそうに微笑む。 この修行でもう一つ、僕は大切な物を得ることが出来た・・・そう、目の前にいるこの少年の笑顔が、何よりの証拠である・・・・・・ 現在の状況 7の島 手持ち リザードンLV47、サーナイトLV45、ポリゴン2LV43サンダースLV45、トドグラーLV43 バッジ 8個 出木杉メモ 名前 手持ち のび太 ケッキング、キノガッサ、ダグトリオ、フーディン(7の島時) ドラえもん フシギソウ、ピジョン、ビリリダマ(タマムシシティ時) 静香 ロゼリア、他不明(セキチクシティ時) ジャイアン エビワラー、ニドキング(シオンタウン時) あのマラソンからの翌日、僕らは全身筋肉痛でとても動けるような状態ではなかった。 イブキはどうやらこうなることを予測していたようで、今日はセンター内でポケモンバトルの戦術を徹底的に叩き込まれた。 次の日、3日目からは再び修行が再開された。 だがその内容は、どんな状況でも冷静さを失わないための精神修行、ポケモンと意思の疎通を深めるためにポケモンと遊ぶなど、一風変わったものが多かった。 勿論、その一方できちんとしたレベル上げもしているのだが・・・ 修行期間が残り半分となった時、僕たちはイブキからモンスターボールを渡された。 「あのー、これは一体何ですか?」 「私からのプレゼントよ、中に入っているポケモンを出してごらん。」 イブキの指示に従って中を見ると、僕のボールにはタツベイ、のび太のボールにはミニリュウが入っていた。 「育てるのは難しいけど、最終形態まで育てればきっとかなりの戦力になる。 あなたたちならきっと育てられる、そう思ってこのポケモンを譲ることにしたわ。」 これで六匹、全てのメンバーが決まった。 頼れる相棒リザードン、積み技と強力な特殊技を使いこなすサーナイト、驚異的な素早さを誇るサンダース、残りのポケモンも進化すればかなり強くなる・・・でも、 「ポリゴン2を進化させるには怪しいパッチが必要なんだよな・・・」 僕が何気なく呟くと、イブキが突然僕のバッグを取り上げて言った。 「前から思ってたんだけどさ、何であんたこれを使わないの?」 そう言いながらイブキが取り出したのは、僕が昔地下通路で拾った黒い箱だ。 まさか、これが怪しいパッチだというのか・・・ こんな近くに新たな戦力を手に入れる鍵があったとは・・・ のび太の協力によって、ポケモン界最高級の特攻を持つ新たな戦力、ポリゴンZが誕生したのだった・・・ それからも様々な修行を経て、ついに最後の修行日を迎えた。 僕たちはいまトレーナータワーに向かっている・・・目標の5分台を達成するときが来たのだ。 トレーナータワーでの戦いは、以前よりかなり速く進めることができた。 進化やレベルアップをして強くなったポケモンたち、そして修行で鍛えた僕自身の力が最大限に発揮されたからだろう。 精神修行のおかげでいつも冷静に指示することができ、ポケモンとの親交を深めたことによってポケモンが僕の考えをうまく理解してくれる。 戦いだけでなく登るのもしんどかったが、一日目のあのマラソンに比べればたいしたことはない・・・そして最後まで諦めずに全力を尽くした。 塔を登り終え、疲れ果てていた僕らの前にイブキが来て、タイムを発表した。 「のび太は4分56秒!あんたバトルだけじゃなくて根性もかなりついたわね。 そして出木杉は4分47秒!まさか私の記録を上回るとは、たいしたものね。」 4分47秒・・・その記録を聞いた僕の心は達成感で満たされた。 だがもはや舞い上がる気力もない僕らは、倒れたまま腕だけ上げてガッツポーズをとって彼女に答えた。 「じゃあ、今日はもうポケモンセンターに戻ってゆっくり休みなさい。」 「え、まだ4時ですよ!」 「あなたたちは修行中、5、6時間しか寝てないからかなり疲れているはず・・・ さすがにそのボロボロの体で戦う訳にはいかないでしょ。」 イブキの予想外の言葉を受けて、のび太は両手を上げて喜びながらポケモンセンターへと帰っていった。 僕も速く眠りたいので、のび太の後を追ってセンターへ向かった。 のび太は、5時までに夕飯を終えると、センター内のベッドで死んだように眠り始めた。 今の時刻は7時、ちょっと早いけど僕ももう眠ることにしよう・・・ 僕は今までの疲れを癒すため寝室へと向かった。 夢の世界が遠のいていき、目を見開けば再び現実の世界へと引き戻される。 先程から寝たり起きたりを繰り返していた、もうこれで二度寝どころか五度寝くらいだ。 枕元の時計は現在の時刻が午後9時であることを示している・・・隣のベッドで寝息を立てながら心地よさそうに寝ているのび太はもう4時間寝ている計算になる。 一度外の空気でも吸ってリフレッシュすれば、のび太のように眠れるかもしれない・・・ そう考えた僕は、ポケモンセンターの外へ出て周辺を散歩し始めた。 ふと、地面に座って星を見ているイブキの姿が目に入った。 「なんだ、まだ寝てなかったのか・・・明日の決戦のためにも早く寝たほうがいいぞ。」 僕の姿を見るなり彼女はそう言った。 僕がうまく眠れないことを告げると、彼女は僕に隣で一緒に星を見ようと誘ってきた。 現実の世界では決して見られない満天の星空を見ながら、僕はあることを考えて彼女に言った。 「ねえイブキさん・・・寝る前にバトルしませんか?」 彼女は無言で頷き、モンスターボールを取り出した。 ―――それから30分程度経過した、お互い3匹のポケモンが倒れてここまでは互角だ。 僕が今出ているポケモンに指示を与えようとすると、突然イブキはポケモンをボールに戻した。 「もうやめよう。この続きは今度・・・そう、信者を倒してポケモンリーグを取り返したときに・・・」 どうやら彼女はかなり疲れているようだった、無理もないだろう。 この間の戦いで四天王の内シバは重傷を負い、カンナは行方不明、キョウとイツキは死亡した。 イブキは仲間を失い、必死で修行している上に僕たちの修行の面倒まで見てくれたのだから。 僕は無言でポケモンをボールに戻し、彼女に頭を下げてセンターへと戻っていった。 ベッドに入った途端物凄い眠気が僕を襲ってきた・・・抵抗する間もなく、僕は夢の世界へとおちていった。 ―――夢を見た、スネ夫も含めた僕たち空き地で楽しく遊んでいる夢だ・・・ 僕はこの戦いに勝って、あの世界に戻らなければならない・・・・・・ 場所は変わって、ここはトキワシティポケモンセンター前。 僕たちがここに来た頃には、もう他の全員が集まっていた。 「遅いぞのび太、出木杉! ・・・ん?その人は?」 「この人はポケモンリーグチャンピオンのイブキさん!凄いでしょ。」 ジャイアンたちにのび太がイブキが仲間になってくれた経緯を説明する。 僕はと言うと、今日の戦いについてドラえもん、イブキと話し合っていた。 「とりあえず全員の戦力を確認しよう、じゃないと作戦は立てられない。」 僕の提案に皆が賛成してくれ、早速それぞれの手持ちを披露しあった。 ドラえもんと静香のポケモンは均等に育っている。 それに対してジャイアンは、強いポケモンと弱いポケモンのレベル差が激しいが、一番強いギャラドスはなんと64レベルである。 のび太とイブキの手持ちは一緒に修行しただけあってよく知っている。 全員のポケモン確認が終わったところで、早速ポケモンリーグへ行く手順を話し合った。 ポケモンリーグの近くは信者が多すぎて近づくことができない、結局チャンピオンロードから近づいていくことになった。 「おい、何だよこれ・・・」 チャンピオンロードに入った瞬間、ジャイアンがそう口を開いた。 作戦では守りが手薄だったはずのチャンピオンロードには、すでに300人程度の信者が待ち構えていた。 「落ち着けみんな! ここは私がこいつらと戦う、お前らはポケモンリーグへ向かうんだ。」 イブキが叫び、信者たちの輪に飛び込んでいった。 「戻ってくださいイブキさん、1人じゃ無茶です。」 「なーに、大丈夫! 私の実力は一緒に修行したあんたが一番良く知っているだろう。」 その通りだ・・・彼女なら1人でもこの信者たちと戦うことができるだろう。 僕たちは彼女のおかげで、無事この信者の軍勢を切り抜けることができた。 あの信者の軍勢を切り抜けると、全くと言っていいほど敵がいなかった。 おそらくあの場所に信者を仕向けたのは裏切り者だ、あそこで僕たちの戦力を削るつもりだったのだろう。 だが、僕たちがイブキという強力な戦力を加入させたので、裏切り者の作戦は脆く崩れ去ったことになる。 裏切り者といえば、結局いまだにその正体がつかめないままだ。 修行期間はイブキの指示したメニューをこなすのが精一杯だったので、あまり考える余裕がなかったのだ。 結局、この中途半端な状況のままでチャンピオンロードを抜けてしまった。 ポケモンリーグの入り口付近には、何故か信者が1人もいなかった。 まるで裏切り者が僕たちを待ち構えている、そんな感じがした。 「ついに、ここまでやって来たね。」 入り口の前に立ち、ドラえもんが言った。 「この世界のためにも・・・」 「スネ夫さんのためにも・・・」 「絶対に、負けられない!」 ドラえもんに続き、ジャイアン、静香、のび太の三人が発言する。 僕はと言うと、いまだに信者の正体をしつこく考えていた。 他人とそっくりに姿を変えられる道具でもあれば、2人目の僕の謎は解けるのにな・・・ 「ねえのび太君、他の人とそっくりに姿を変えられる道具、なんてものはないの?」 半分投げやりな気持ちでのび太に訪ねてみると、予想外の答えが返ってきた。 「そんな道具はないけど、姿を消せる“透明マント”っていう道具ならあるよ。 というか何で今そんな話をするの? 戦いに集中しなきゃ・・・」 姿を消す道具、透明マント・・・この道具の存在を知った瞬間、頭の中でバラバラになっていた全てのピースが次々と繋がっていった。 『そして僕は辿り着いた、裏切り者の正体に・・・』 僕は知るべきではなかったのかも知れない・・・苦悶する僕のことなど知らずに他のみんなは戦いへの決意を固めている。 様々な思いが交差する中、遂に僕たちはポケモンリーグへ足を踏み入れた。 現在の状況 ポケモンリーグ 手持ち リザードンLV61、サーナイトLV58、ポリゴンZLV56 サンダースLV59、トドゼルガLV55、ボーマンダLV60 バッジ 8個 出木杉メモ 名前 手持ち のび太 ケッキング、キノガッサ、ダグトリオ、フーディン、カイリュー(最終決戦時) ドラえもん フシギバナ、ピジョット、マルマイン、ペルシアン、ジュゴン(最終決戦時) 静香 カメックス、ライチュウ、ウインディ、ロズレイド、ハピナス(最終決戦時) ジャイアン エビワラー、ニドキング、ケンタロス、ギャラドス(最終決戦時) 次へ
https://w.atwiki.jp/opedmiroor/pages/1063.html
少年の投げた槍が魚を突き刺し、追いかけて取る。 それを持って走っていると煙を見つけ、その場所に向かう。 少年が見たのは壊滅した村だった。 少年「マヴァ、パヴァ! うわああーん!!」 すると今度は空に巨大な穴が出現。 少年はなんとか振り切ろうとするが虚しく穴に吸い込まれてしまった。 のび太「ドラえもーん!!」 ドラえもんのび太の日本誕生
https://w.atwiki.jp/nobita_in_pokemon/pages/544.html
朝、目覚ましに驚き呆れる。 知ってる人は知っている。 知らない人は、覚えてね。 そして、のび太少年も、驚き呆れていた。 っつても、ご丁寧に目覚まし時計に驚き呆れている訳ではない。 変わり果てた、友の姿に。 野比家の押し入れの中で、ただ意味も無く、ビチビチとビートを刻む、友人の姿に。 「何でやねん……」 のび太は嘆驚の声を漏らした。 何故か関西弁で。 自分の友人が寝床としている場所で、鬱陶しく跳ね回る、一匹のコイキングを見て……。 ―鯉になった狸― まず、のび太は第一に考えた。 これは孔明の、いや、ドラえもんの罠だと。 どこかで、慌てる自分を見て、面白がっているのだと。 「そうはいかないよ、ドラえもん……」 そこで、のび太は部屋を隅々まで引っくり返し、押し入れに隠していたどら焼きをエサにドラえもんを捜索した。 しかし、全く音沙汰は無い。 彼のげに異常などら焼きへの執着心。 この部屋に居るのなら、目の前のそれに、かぶりつかぬ訳は無い。 しかし、それは依然として無い。 と、いうことは、あの青狸はこの部屋に居ないということだ。 「じゃあ、どこに……」 IQ60という、ある意味驚異的な頭脳をフル回転させるのび太少年。 しかし………。 「コココココココココココココココココココココココココココ………」 雑音がうるさくて、集中出来ない。 「うるさいな! 全く!」 のび太は、不快感を惜しげもなく表面に出し、雑音の元へと歩み寄った。 そして、のび太の怒りは、一気に吹っ飛んだ。 押し入れの床に、文字が、書いてある。 水で書かれた、拙い文字が。 そこには、今北人にも解りやすいように、産業で、こう書いてあった。 『・このコイキングは、僕。すなわち、ドラえもん。 何で、こうなったかと言うと、寝惚けて、動物変身ビスケットを食べたから。 それより何より、体が乾いた。このままじゃ、死ぬ。水をおくれ…』 大変な事になった。 「待っててね! ドラえもん! 今から、水持ってくるから!」 のび太は、慌てて部屋を飛び出し、風呂場へ向かう。 友人の今北産業が、ダイイングメッセージになるなど、縁起でも無い。 とりあえず、体長40センチという、コイキングの体にフィットしそうな桶を見つけ、水を入れる。 そして、それを部屋に持っていった。 「コ…コ…コ…………」 ドラえもん?は死にかけていた。 彼には悪いが、吹き出しそうになってしまった。 まぁ、本当に死なれたら、洒落にならないので、持ってきた桶にドラえもんを入れてやる。 「コココココココココココココココココココココココココココココココココココココココココココココ」 元気が、戻った。 どうやら、大事には至らなかったようだ。 しかし、庭の錦鯉は、癒しの効用があると、言われているが、何故か、コイツは見ててストレスが溜った。 ―五分後― 「コココココココココココココココココココココココココココ」 「うんうん」 「ココココココココココココココココココココココココココココココココココココ」 「成程、成程。」 「ココココココココココココココココココココココココココココココココココココ!」 「よし、分かった」 五分後、翻訳蒟蒻を食ったのび太は、ドラえもん、もといコイえもんから、ことの詳細を聞いていた。 その詳細を、産業でまとめると。 夜中、お腹が空いたから、何か食べようとビスケットをとり出したら、それが動物変身ビスケットだった。 と、いうことだった。 二行余った。 「まぁ、とにかく、動物変身ビスケットの効果は一日位で消えるんでしょ?」 「ココココココココココココココココココココココココココココココココココココ」 のび太の問いに、最弱ポケモンはビチビチをヒレを動かす。 翻訳蒟蒻を食べてない筆者には、良く分からないが、どうやら肯定しているようだ。 のび太は続ける。 「良かったじゃない。 一日なら。 今日、一日、家に居ればいいんだからさ」 しかし、安堵の表情を浮かべるのび太とは対照的に、ドラキングは、モロに不服そうな態度を露にする。 さも、何かあります、と言わんばかりに。 「ココココココココココココココココココ」 「え? 今日は外出しなきゃならない理由がある? 何で?」 「コココココココココココココココココココココココココココ」 「今日の三時から………ミーちゃんとデートォ!? で、僕にデート場所まで連れて行けだってぇ!?」 面倒臭い、そんなものすっぽかしてしまえ、のび太は言う。 しかし、ドラえもんも譲らない。 「コココココココココココココココココココココココココココココココココココココココココココココ!」 「あ、止めて、ドラえもん! 部屋が濡れちゃう! ママに怒られる!」 「ココココココココココココココココココココココココココココココココココココ?」 「分かった! 空き地でも、裏山でも連れて行くから止めて!」 コイえもんの決死のじたばたにより、結局、コイキングの姿のまま、ドラえもんはミーちゃんとのデートに行き、のび太はそのサポートをする事に決まった。 「はぁ、面倒臭いことになりそうだなぁ…」 これから、二人の身には、面倒臭いで済まされぬ出来事が起こるのだが、今はまだ、筆者以外は誰も知る由も無かった。 産業で分かる優しい荒筋 ドラえもんが コイキングに なりますた ―――中編―――― 閑静な住宅街。 そこはかつて、人々を和ませる生活の場であった。 静かな路地を歩くだけで、ある種の爽快感、いわば、リフレッシュした気持ちを与えてくれていた。 せわしく飛び回る雀を愛でながら、塀の上で昼寝をする猫に安らぎを感じる、そんな場であった。 しかし、今はなんだ。 昼でもトチ狂った露出狂が辺りうろつき、真っ黒な服来た不審者が、登校中の女子小学生を遠目に見ながら、気色の悪い笑みを浮かべる。 住宅街は限りなくデンジャラスなゾーンへと変わっていった。 こんなことでいいのか日本。 嗚呼、どうなっちまうんだ日本。 そして、また残念なことに、今日も、この住宅街には一人の不審者が歩いていた。 「コココココココココココココココココココココココココココココココココココ」 「うわ、ドラえもん暴れちゃ駄目だよ!」 そう、のび太である。 真っ赤な鯉を抱えて、うろつく冴えないメガネ。 これを不審者と言わずして、なんと言おうか。 のび太の黄色い服は、ドラえもんの水分によってビショビショになっている。 それは、ズボンにも達し、端から見たら、とてもはしたないことをしてしまったように見える。 「ミーちゃんとは何処で待ち合わせしたの?」 のび太が聞く。 「コココココココココココココココココココココココココココココココココココ」 「裏山の近く? また遠いなぁ……」 裏山はのび太の小学校の裏にある。 ここからだと、500メートル程であろうか。 普通ならばなんともない距離だが、今日はとんでもないお荷物が居る。 ビチビチした新鮮なお荷物である。 「ココココココココココココココココココココココココココココココ(おい、のび太君)」 お荷物は言う。 「なんだい?」 会話が成り立ってるのは前編で翻訳蒟蒻的なものを食べたからです。 決して二人は友情で繋がってるとかそんなオシリが痒くなることではありません本当にありがとうございました。 ――剛田家――― 俺はジャイアン。ガキ大将だ。 どのくらいガキ大将かと言うと、友達から借りた『もんすたあレース』をメモリーカードごと一年半借りて、返さないくらいガキ大将だ。 そんな核汚染物質並にニトロなガキ大将の俺だが、ちょっと女の子っぽい趣味がある。 例えば料理とか、お人形ごっことかだ。 こないだ、元気にリカちゃん(人形)と遊んでたら、突然ピンク色のドアが現れて青狸とメガネ猿が出てきやがった。 まぁ、それはともかく俺が最近新たにハマり始めたものがある。 それは、これだ。 テレビ『月に代わって~お仕置きよッ!』 俺が美少女戦死セーラームーンにハマり始めたのは一ヶ月前だった。 俺は熱心なHUNTER×HUNTERファンで、冨樫が世界中の子供達を救うボランティアをするために、休載してたのを知った時はゲロまで吐いて感動したくらいだ。 それはおいといて、俺は冨樫の休載中、まるでストーカーの様に冨樫の情報を集めたもんだ。 まぁウィキペディア見たり、ググったりしただけなんだが。 そして、その血の滲むような努力の結果、冨樫の奥さんが、元売れっ子漫画家だという情報を手に入れた。 俺は、それに興味が湧き、奥さんの作品を調べてみた。 そして、それを適当にアマゾンで落とし、読んでみた。 その日から、俺の今までの価値観が180度変わった。 セーラー服に身を包み、バッタバッタと敵を撃破してゆく美少女達。 「パネェ・・・」 一ページ一ページ捲る度に、心が躍った。 これほど面白い漫画は、ゴーゴーゴジラマツイ君以来だった。 次の日、気づいたら俺は、怪しげな電気街の怪しげな店で、セーラー服を購入していた。 カードで一括払いだった。 俺は、今、そのセーラー服に身を包んでアニメを観ている。 本当ならyoutubeで見たいとこだったが、英語が全く分からなかった。 「つーきーのひーかりにみーちびかーれえええええええ♪ なんーども、めぐりあううううううううう」 嗚呼、俺、今マジで倖田、じゃなくて幸せだ。 感無量な俺を残し、物語は進展してゆく。 そして、物語は佳境を向かえ少女達が敵の前に立ちはだかる。 「言うぞー言うぞー」 俺は変なステッキ片手に準備をする。 少女達は変身をしている。 俺は一度、あの台詞を一緒に言ってみたかった。 そして、少女達の変身が終わった! 「今だ!月に代わっておしお「おじゃましまーす! ジャイアン、ちょっと水をちょうだ……………」 「あっ……………………」 「……………………」 DIO様が時を止めた。そして、 「何その格好……………………」 大変なことになった。 ヤバイ、これはマジでヤバイ。 俺の目の前にはのび太。 なんか変な魚持ってズボンびっしょりなのび太。 対して、俺は超ミニスカのセーラー服に右手に変なステッキ。 のび太の格好も不審者だが、多分不審者オーラはこっちのが上だ。 案の定、 「何やってんの……ジャイアン……」 なんか凄い目で見られた。 繰り返すが、これはヤバイ。 俺はブッシュもヒラリーもベジータも避けて通るガキ大将だ。 しかし、そのガキ大将たる所以は俺の強大な権威、いわゆるオーソリティから来ている。 そのオーソリティの崩壊、すなわち俺のガキ大将の地位の崩壊。 もし、クラスに 『ジャイアンが変なコスプレしてセーラームーン見てたよ』 という噂(事実だが)が広まってしまったら、その瞬間、俺はティウンティウンしてしまう。 それだけは、避けたかった。 「ジャイアン……その来てる服、誰の?」 完璧に顔をひきつらせなから、のび太が言う。 少なくとも、これが俺の物ということがバレてはならない。 「これは……ジャイ子のだ!」 「えっ? ジャイ子ちゃんの服着てるの?うわぁ……」 「コココココココココココココココココココココココココココココココココココ(流石の僕も、それは引くわ)」 どうやら逆効果だったようだ。 なんか魚にも馬鹿にされたような気がする。 『キャアアアアア』 気まずい雰囲気の中、俺の後ろで少女達のダメージを受けた的な声がする。 不覚にもおっきしてしもうた。 絶対絶命の変態、ジャイアン! 彼のガキ大将の威厳は、そして完璧に忘れられかけているが、干からびかけているドラえもんの安否は!? そしてあえなくおっきしてしまったジャイアンのポケモンは!? 以上、後編に続く! かもね^^
https://w.atwiki.jp/nobita_in_pokemon/pages/453.html
前へ #のび太サイド 「……よし、皆準備はいいか?」 ジャイアンが僕、ドラえもん、静香ちゃんの三人に問う。 「うん、いいよ」 「ええ、問題無いわ」 僕と静香ちゃんは答えたが、ドラえもんはしかめっ面をしただけだった。 因みに、今は深夜。 僕達はここ、ギンガ団アジトの前に居る。 本当は明日襲撃する予定だったのだが、ジャイアンの提案で覆されてしまった。 事は一時間前に遡る―― 「なあ、襲撃は今夜にしないか?夜ならアジト内の警備も手薄な筈だぜ。 それに……俺達、昨日と今日で大分強くなったじゃねえか」 唐突に提案するジャイアン。 僕は賛成したが、ドラえもんはやっぱり反対だった。 「ダメだよ!静香ちゃんは今日襲われたところでまだ精神が不安定なんだ! 早くても明日じゃないと……」 「いや、遅くても今日じゃないとダメだ!もう我慢できねーよ……」 「だから静香ちゃんが――」 ドラえもんの言葉は途中で止まった。 今まで黙っていた静香ちゃんが、急に立ち上がったからだ。 「もう……やめて……」 熱弁していたドラえもんとジャイアンがしぶしぶ座る。 それを見た静香ちゃんは一呼吸置き、言った。 「ドラちゃん、私の事はいいの。心配してくれてありがとう。 私は今日でも問題無いわよ、武さん」 その静香ちゃんの言葉を合図に、僕達はポケモンセンターを出た。 そして飛行タイプのポケモンを出し、それに乗る。 僕達は夜空を翔け、トバリシティへ向かった―― ――そうして、今僕達はこうしてアジトの前に居るというわけだ。 「じゃあ、行くぞ皆!」 ジャイアンが僕達を先導してアジト内に入っていく。 ワンテンポ遅れて静香ちゃん、ドラえもんも小走りでその後を追う。 僕も躊躇する事無く、吸い寄せられるようにアジトの中へ入っていった―― 僕達が侵入して間も無くの事だ。 「侵入者だー!侵入者がいたぞー!」 アジト内に響く下っ端の声。 それを聞き、目を凝らしたジャイアンは舌打ちをする。 大勢の下っ端達が雪崩のように押し寄せてきたのだ。 「随分と手荒い歓迎だこと」 静香ちゃんがエンペルト、そしてロズレイドを繰り出す。 下っ端達もそれぞれのポケモンを出すが、虚しくすぐにやられてしまう。 間髪入れず、エンペルトのバブル光線が放射されたのだ。 「のび太さん達は先に行って!ここは私一人で十分」 二匹のポケモンを駆使し、相手のポケモンを次々と倒しながら静香ちゃんは言う。 「……わ、わかった」 僕はそう短く告げ、ドラえもんとジャイアンと共に走っていった。 「で、これからどうするよ」 息を切らせながらジャイアンが問いかける。 「んー、どうしようk……」 答えようと思った僕の言葉は途中で止まった。 というより、止まることを余儀なくされた。 また……下っ端達がやってきたのだ。 「鬱陶しいね……」 額の汗を拭いながら、ドラえもんはそう吐き捨てる。 「へっ、丁度いい!ここでウォーミングアップといくか」 ジャイアンがボールを構える。 「え?ジャイアン、どうするの?」 「お前は先にいけよ。コイツ等は俺とドラえもんに任せてくれ」 胸をドンと叩き、任せてくれといったような表情のジャイアン。 僕はコクリと頷くと、傍にあったワープパネルに乗った。 「……ここ、どこだろう?」 薄暗い部屋に辿り着いた僕は、暗闇に向かって呟く。 そして、僕が数歩歩いたその時だった。 「よう、のび太」 「え?スネ夫……?」 暗闇の中から現れたのはスネ夫だった。 「スネ夫、久しぶり……」 そう言ってスネ夫の方へ駆けて行く僕だったが、それは虚しく遮られてしまう。 スネ夫の傍らのポケモン、ゴウカザルによって。 「僕がギンガ団に入ったって事はもう知ってるよね?」 一歩、また一歩と退く僕に、スネ夫が問いかける。 僕はそこで後退を止め、言った。 「知ってるさ。どうしても……やらなくちゃいけないの?」 その言葉を聞いたスネ夫は、ゴウカザルに指示を出す。 それと共に、物凄い威力の炎が僕の居る所を襲った。 「くっ!」 苦しい呻き声を上げ、辛うじて避ける。 そのまま、僕は宙にボールを放った。 それがバトル開始の合図となる―― 「さあ行けドラピオン!どくびし!」 「燃やし尽くせゴウカザル!フレアドライブだあぁっ!」 僕の指示に従ってどくびしを撒いたドラピオンに、炎の塊が突っ込んできた。 「まだ倒れないよ。雷の牙だ!」 辛うじてゴウカザルの攻撃を耐えたドラピオンが、電気を纏った牙で反撃する。 でも、次の攻撃を受けて耐えられる筈が無かった。 「次はヨルノズクだ!」 「蹴散らせぇ!フレアドライブッ!」 再三フレアドライブを行うゴウカザル。 ヨルノズクは何とか耐え、それを見た僕は薄ら笑いを浮かべた。 「スネ夫、まさかフレアドライブの追加効果は忘れてないよね? 何度も行った反動で、ゴウカザルの体力はかなり減っている筈だよ。 ……エアスラッシュで決めろ、ヨルノズク!」 刹那、放たれる空気の刃。 「くそ……戻れゴウカザル」 スネ夫がゴウカザルをボールに戻す。 次に出てきたのはビークインだった。 「どくびしの効果で、毒状態になってもらうよ!」 スネ夫のビークインが毒に侵される。 「そんな事ぐらいわかってるよ……ビークイン、つばめがえしだ!」 「ギャロップ!」 僕の一声と共に、投げたボールからギャロップが現れる。 「これで決めるよ……フレアドライブだあッ!」 ギャロップが赤い炎を帯び、ビークインに突進する。 スネ夫はすぐさまビークインを戻したけど、次のボールを出す様子は見せない。 「……はは、合格だよ。のび太」 突然笑い出したスネ夫が言う。 僕には何の事だかさっぱり分からなかった。 「僕はギンガ団に加担する気なんてさらさら無いよ。 ただ……ちょっとお前の実力を試したくてさ」 「はぁ?」 何と言うか、一気に気落ちした。 「……一体どうなってるの?」 「詳しい事は後で話すよ。とりあえずここを出よう」 いきなりすぎて状況を把握しきれない。 スネ夫は頭に疑問符を浮かべている僕を他所に、先に部屋を出ていった。 皆の手持ち のび太 ライチュウLv48、ヨルノズクLv46、ギャロップLv47、ドラピオンLv46 ドラえもん ムクホークLv49、ムウマージLv47、ヌオーLv45、バリヤードLv42、ウソッキーLv40 静香 エンペルトLv51、ミミロップLv48、ロズレイドLv50、パチリスLv46 スネ夫 ゴウカザルLv48、クロバットLv46、ビークインLv45、ドククラゲLv43、ドータクンLv42 ジャイアン ラムパルドLv50、マスキッパLv47、ギャラドスLv45、ドンカラスLv43 #ドラえもんサイド 「よし、後はこのボタンを押せばいいだけだな」 ジャイアンが機械のボタンを押す。 すると、瞬く間に三匹の伝説のポケモンは消えてしまった。 「じゃあ、戻ろうか。さっきの下っ端の話によると、かなりヤバイ状況らしいし」 僕はジャイアンを先導して部屋を出る。 下っ端の話によると、出木杉がアカギを倒し、幹部達を連れてテンガン山へ向かったらしい。 そこで出木杉が伝説のポケモンを復活させ、この世界を―― 「おい、何してんだよ。さっさと行くぞ」 さっきまで僕の後ろに居た筈のジャイアンが、いつの間にか僕を先導していた。 僕はボールを懐に戻し、その背中を追いかける。 やっと出口に辿り着くと、そこには静香ちゃんが居た。 「良かった、二人とも無事だったのね。 ……あれ?のび太さんは?」 「のび太は……スネ夫を連れ戻しにいってるぜ」 「そう……じゃあ、ひとまずポケモンセンターに戻りましょう」 僕達は静香ちゃんと共に、ポケモンセンターへ向かった。 幾分滑稽に見えるアジトに背を向けて。 「のび太君を悠長に待ってる場合じゃないし……仕方ないか」 これからの事を話し合い、外に出た僕達。 相棒のムクホークを出し、満月の浮かぶ夜空へ繰り出す。 のび太君とスネ夫君は、恐らく後で来るだろう。 今は先にテンガン山へ向かわないと。 「よし、行こう!」 僕がそう言い、ムクホークにテンガン山へ向かうように指示したその時だった。 「おーい!みんな、待ってよー!」 「の、のび太君?」 アジトの中から飛び出してきたのは紛れも無くのび太君だった。 のび太君もヨルノズクに乗り、此方へ来る。 「無事だったのね……スネ夫さんはどうしたの?」 静香ちゃんが即座に質問する。 「スネ夫は後で来るってさ。話はスネ夫から全部聞いたよ。 出木杉がテンガン山で伝説のポケモンを復活させようとしている事。 そして、ギンガ団のボス……アカギが出木杉に倒されたこともね」 「なら話は早いぜ!俺達と一緒に来いよ!」 ジャイアンがフッと笑みを浮かべ、暖かくのび太君を迎える。 僕達は決意を固め、トバリシティ上空を飛んでいった―― ※ここからは三人称で進みます 「……洞窟から出たらこんな所に出るのね」 テンガン山の内部を歩き、やがて雪原に出たのび太達。 ジャイアンとドラえもんは平気そうだが、のび太と静香は相当疲れていた。 「はぁ……もうダメぽ」 息を切らしながら、のび太が情けない声を漏らす。 そんな時だった。 「やっぱり来たのね、アンタ達」 少し休んでいた四人の前に現れたのはギンガ団幹部、マーズ。 それを見て、ジャイアンは懐のモンスターボールを手に取る。 「……待って、武さん」 ジャイアンを遮り、静香が一歩前へ出た。 首で皆の方を一瞥し、言い放つ。 「この女は私に任せて。 恐らくこの山には他に二人の幹部がいる筈よ。 だとしたら、一人一殺でいかないと出木杉さんまで辿り着かない。 それに……体力の無い私がいても足手まといになるだけよ」 それを聞いたドラえもんは止めようとしたが、言葉が出なかった。 静香の表情には、何かを決意したような――そんな力強いものがあったのだ。 「じゃあ、静香ちゃん……頑張ってね」 のび太が照れくさそうに言う。 そんなのび太の顔を見た静香は、フッと微笑んだ。 「ありがとう、のび太さん」 のび太達を見送った静香は、ボールを二つ取り出す。 「行きなさい!エンペルトとミミロップ!」 雪原に、静香の従える二匹のポケモンが現れる。 「ダブルバトル、ということなのかしら」 マーズも躊躇する事無く、二つのボールを放った―― ―――――――――― やりのはしら。 テンガン山の山頂であるここは、そう呼ばれていた。 沢山の柱があり、床に刻まれた紋章がシンオウ地方の深い歴史を感じさせる。 この場所に一人の少年が現れたのは、つい先程の事だった。 激しい強風を肌で感じ、嫌らしい笑みを浮かべる。 (恐らくもうすぐ野比君達が来るだろう。 山中に配置した三人の幹部が足止めしている間に……とっとと復活させようかな) 少年、出木杉は床に刻まれた紋章に近づく。 「赤い鎖……これを使えば……」 出木杉が、湖のポケモンから作り出した赤い鎖を天に翳す。 それと同時に、空から一筋の光が降ってくる。 その光は紋章のある所に直撃し、巨大な二体のポケモンの姿を形取る。 片方は、時間ポケモンディアルガ。もう片方は、空間ポケモンパルキア。 両方とも、このシンオウ地方において神と称されたポケモンだ。 テンガン山中腹、雪原内。 「ブニャットとラフレシア……ね」 静香がマーズのポケモンを一瞥し、呟く。 「蹴散らしてあげる!ブニャット、催眠術!」 ブニャットの催眠術により、エンペルトが眠ってしまう。 だが、静香は気にする様子も見せずミミロップに指示を出した。 「ラフレシアに炎のパンチ!そして……」 「何!?」 マーズは驚く。 攻撃を放ったミミロップの横で、エンペルトが目覚めたのだ。 「状態異常を治す木の実……ってところかしらね」 歯噛みするマーズ。 それを見て、静香は勝ち誇ったような顔をする。 エンペルトの渾身の一撃、ハイドロポンプはブニャットを一撃の下に降した。 「まだ終わってないわ……ラフレシア!」 マーズの一声と共に、ラフレシアが動く。 エンペルトに眠り粉をかけようとするが、虚しく外れてしまった。 「どうやら運も私の味方のようね」 静香は依然、余裕の笑みを見せていた。 「行きなさい、チャーレム!」 マーズがチャーレムを繰り出すも、出てきた直後にミミロップのピヨピヨパンチが飛んでくる。 (……よし!) 心の中で安堵するマーズ。 静香のミミロップが甘えるを使ってこなかったのは嬉しい誤算だった。 そのお陰で、ピヨピヨパンチを受けたチャーレムが本来の攻撃力で攻撃出来る。 「とびひさげりっ!」 マーズの狙いは、エンペルトただ一匹だった。 彼女が踏んだ通りならば、エンペルトが静香のパーティの主力。 ここで潰しておけば、後々楽になる筈。 「お願い、エンペルト……!」 静香の願いも虚しく、チャーレムの攻撃によってエンペルトが倒れる。 その上、ラフレシアの眠り粉でミミロップが眠ってしまった。 「形勢逆転……ね」 静香は焦っていた。 (私の残り控えポケモンはロズレイドとパチリス。 ミミロップには薬を使うから、このターンは動けない。 相手のチャーレムとラフレシア……どう倒せばいいの?) 静香にとって、エンペルトを失ったのはかなりの痛手だった。 何せ、エンペルトは静香の手持ちの中でも屈指の強さを誇るポケモン。 まさかそれをバトル序盤に失う事になろうとは。 「お願い、パチリス!」 静香がパチリスを繰り出す。 それから静香の指示が飛ぶのにかかった時間、僅か一秒足らず。 「甘える!」 チャーレムはパチリスに甘えられ、攻撃力がガクンと下がる。 マーズは舌打ちをしながらも、的確な指示を飛ばした。 「チィ、厄介な……でも、まずはあのミミロップをやりなさい!」 攻撃力が下がったとはいえ、効果抜群のチャーレムの飛び膝蹴り。 それに加え、ラフレシアのエナジーボール。 ミミロップが耐えきれる筈も無かった。 マーズの顔に余裕の色が見える。 静香は仕方なくミミロップを戻し、ロズレイドを出す。 形勢は圧倒的に不利。 しかし、静香はまだ諦めてはいなかった。 「狙いをラフレシアに!」 静香の声が、パチリスをロズレイドを駆り立てる。 パチリスの怒りの前歯と、ロズレイドのじんつうりきがラフレシアを降した。 テンガン山頂上付近、雪原内。 ここでは、ドラえもんとジュピターが対峙していた。 「やっぱり来たのね、狸さん」 「僕は狸じゃない!猫型ロボットだ!」 ドラえもんが怒鳴り、先に行ったのび太とジャイアンを見つめる。 やがて、二人の姿は洞窟の中へ消えていった。 降り続ける雪と共に、二つのボールが宙を舞う。 ドラえもんのボールからはヌオー、ジュピターのボールからはスカタンクが出てきた。 「どうやら先取点は僕のものらしいね」 スカタンクなら、ヌオーの地震攻撃で倒せる。 そう踏んだドラえもんは、僅かに笑みを見せた。 「スカタンク、つじぎり!」 スカタンクがヌオーに斬りかかる。 ドラえもんはその状況を楽観していたが、やがてその顔は青ざめていく。 「甘いのよ、狸さん」 ジュピターが小声で囁く。 ドラえもんのヌオーはあっけなく倒れていた。 スカタンクのつじぎり、その一撃で。 「ピントレンズを持たせてたのよ」 ジュピターがドラえもんに言い放つ。 「なるほど……だから急所に当たったのか」 ドラえもんは感心しながらも次の手を考える。 「いけっ、ムクホーク!」 ドラえもんの選択は、切り札のムクホーク。 その空を裂くような咆哮に、ジュピターは少したじろいだ。 「ムクホーク、ブレイブバードッ!」 ムクホークが空高く飛翔し、勢いよくスカタンクに突っ込む。 それはまるで、全てを貫く矢のような攻撃。 「この一撃で決めろ!」 再びドラえもんの声が響く。 ムクホークは更に加速し、最高速度でスカタンクに突撃した。 それによってスカタンクは力尽き、倒れる。 ジュピターは歯噛みする。 (あの鳥をどうにかしないとやばいわね……でも、どうすれば) ドラえもんのムクホークはかなり鍛えられている。 それ故、先手を取って倒さないと逆にこちらがやられる。 「ならこの子しか居ないわね……行きなさい、マニューラ!」 鋭い鉤爪を持ったポケモン、マニューラが現れる。 (マニューラ……やばい!) 危険を感じたドラえもんが、ムクホークをボールに戻そうとする。 だが、ジュピターはそれを読んでいた。 「追い討ちっ!」 ムクホークがボールに戻る寸前、マニューラの鉤爪がその身体を裂く。 瀕死には至らなかったものの、その体力はかなり削られてしまった。 「くっ……やっぱり強いか!……ん?」 ドラえもんが次のボールを取り出したところで、ふと気付いた。 自分が優勢なのにも関わらず、浮かない顔をしているジュピターに。 (……どうしたんだろ?あの顔……何か迷っているような) 少し蒼白で、迷いの色が見え隠れしているジュピターの顔。 それを気にならずにはいられないドラえもんだったが、とりあえず次のボールを放つ。 「いけ、ウソッキー!」 ドラえもんにとっては最良の選択だった。 防御力の高いウソッキーなら、先手を取られても反撃の一撃でマニューラを撃破出来る。 (一旦戻した方が得策かしらね……) ジュピターがマニューラをボールに戻す。 だが、それもドラえもんの想定内の事だった。 「読んでいたよ!ウソッキー、ステルスロック!」 「くっ……」 見事に決まったステルスロックが、ジュピターにプレッシャーを与える。 次へ
https://w.atwiki.jp/opedmiroor/pages/2407.html
「予告状…… 今夜12時に、この美術館で1番貴重なお宝、いただきに参ります。怪盗アルセーヌ・ルパン……」 美術館で複数の宝が警備されていた。 警部「ルパンめ…… 1番貴重なお宝か。幻の秘宝、ボヘミアの踊る犬か? それとも、第3展示室の名画、悪魔の足ツボマッサージか? いったいどっちなんだ⁉︎」 時刻は12時を過ぎ、天井からシャンデリアが落下。 警部「しまった! 奴は第3展示室だ! 急げ‼︎ 逃がすな、行け‼︎」 警官が第3展示室に向かう。 警部「ふっふっふ……」 警部が変装を解き、ルパンに戻る。 ルパン「ふっふっふ……」 声「そこまでだ!」 ルパン「誰だ?」 のび太「ふっふっふ…… 名探偵シャーロック・のび太だ!」 ルパンが逃げる。 のび太「待て‼︎ ああっ!」 のび太が落ちると、そこは教室だった。 のび太「待てーっ、ルパン。待てーっ!」 ジャイアン「はっはっは! のび太、お前ホームズになったつもりかよ?」 しずか「昨日の映画? 面白かったわよね……」 スネ夫「見た、見た! 『ルパン対ホームズ対オシシ仮面』でしょ?」 のび太「かっこよかったよね、ホームズ。僕もあんな風になれたらなぁ……」 ジャイアン「無理、無理。お前にあんな天才的な推理ができるわけないだろう?」 スネ夫「のび太にピッタリなのはさ、あのマヌケな刑事の役。『怪しい』なんつってさ!」 のび太「くうっ!」 野比家。 ドラえもんが昼寝の体制に入る。 ドラえもん「ふあーっ…… どら焼き食べ過ぎて眠くなっちゃった……」 何者かがキーボードを操作。 のび太「ただいま! ドラえもん、ドラえもん、ドラえもん、ドラえもん!」 超空間からカードが降ってくる。 そこへのび太が部屋に入ってくる。 のび太「ドラえもん! あれ? なんだ、いないのか……」 ランドセルを投げた拍子に中から0点の答案が飛び出す。 のび太「わあっ! まずい、0点のテストだ! ん? 何だこれ? D? X?」 ママ「のびちゃん?」 のび太「わああっ! どうしよう、どうしよう。テストが……」 ママが部屋にやってくる。 ママ「のび太!」 のび太「はい‼︎」 ママ「外から帰ったら、手を洗ってうがいしなさいっていつもいつも言ってるでしょ?」 のび太「今、やろうと思ってたところ……」 ママ「怪しい…… 絶対忘れてたでしょ?」 押入れに超空間が現れ、そこから手が出てきてドラえもんの鈴を取ろうとする。 ドラえもん「もう、くすぐったいよ…… ミイちゃん、そんな…… ん?」 鈴が超空間の中に消えていく。 ドラえもん「……わああーっ! ない、ない、ない! 鈴がない‼︎ 鈴が盗まれた…… どうしよう、どうしよう、どうしようったらどうしよう! のび太く〜ん‼︎」 ドラえもんのび太のひみつ道具博物館
https://w.atwiki.jp/opedmiroor/pages/2309.html
『これよりワープに入る』 宇宙船の中の森でロップルとチャミーが遊んでいた。 モリーナ「ロップル、待ちなさい! 走らないで。こら待て!」 モリーナが追いかけるとロップルはこけてしまう。 モリーナ「ホラ見なさい」 すると宇宙船が揺れる。 チャミー「何、何? どうしたの?」 モリーナ「大丈夫よ……」 警報品が響く。 船員「なんだ? どうしたんだ⁉︎」 そこへモリーナたちがやってくる。 船長「まずいな。エネルギー波の嵐だ」 操縦士「このままでは嵐に吸い込まれます!」「第2ロケットのブースター、破損」 バーンズ博士が宇宙服を取り出す。 カモラン「バーンズ博士。まさかこの嵐の中に出て行くつもりじゃ?」 モリーナ「お父さん! 何があったの?」 博士「モリーナ。ここにきちゃダメだと言っただろう……」 モリーナ「待ってよ。どうする気なのお父さん?」 博士「大丈夫。こう見えても宇宙船をいくつも作ってきたんだぞ……」 ロップル「気をつけてね、おじさん」 バーンズ博士は船の修理に取り掛かる。 すると船の機能が回復する。 船員「ブースター、動きました」 船長「よし、ワープから抜け出すぞ! 準備を急げ」 するとエネルギー波がバーンズ博士を襲う。 ロップル「おじさん!」 船長「急げ!」 命綱が切れ、博士は船から引き離される。 博士「うわっ!」 チャミー「お父さん! 誰かお父さんを助けて。お願い!」 博士「うわああーっ!!」 野比家。 ドラえもん「起きてよ。のび太くんってば…… ねぇ、ねぇ」 のび太「ん? あれ!?」 のび太が起きた衝撃でドラえもんが吹き飛ぶ。 ドラえもん「何驚いてるの?」 のび太「すっごい夢を見たんだよ。宇宙船を修理してる最中、エネルギー波の嵐に襲われたんだ!」 ドラえもん「あっ、今は嵐よりジャイアンだよ!」 のび太「ん?」 空き地で中学生が野球をしていた。 ジャイアン「のび太、大変だ。我がジャイアンズの球場が中学生に乗っ取られた…… なぁのび太、俺たちこのまま黙ってていいんだろうか?」 のび太「よくないって…… ここは僕らのホームグラウンドじゃないか」 スネ夫「そうだ!」 のび太「この空き地を使う権利が僕らにはある!」 スネ夫「さすがのび太。いいこと言うなぁ……」 出木杉「カッコいい、さすがだよ……」 のび太「それほどでも……」 ドラえもん「また乗せられて……」 ジャイアン「よーし! お前が我がジャイアンズに代表だ。責任を持って中学生から球場を取り戻せ!」 ジャイアンとスネ夫がのび太を突き飛ばす。 その表紙にのび太は中学生のズボンをおろしてしまう。 中学生「なんだお前は?」 のび太「ぼ、僕たちもここで野球をしたいなぁって……」 中学生「なんだと?」 のび太「だ、だって、中学生なら野球部に入ればいいじゃない……」 中学生「誰が野球部なんか……」「俺たちは自由に野球を楽しみたいの」 のび太「とかなんとか言って、下手すぎて入れてもらえなかったりして……」 一同「グサッ……」 のび太「えっ? 本当なの?」 中学生「気にしてること言いやがって……」 中学生たちがドラえもんとのび太を追いかける。 中学生「邪魔だたぬき!」 ドラえもん「僕はたぬきじゃない!」 のび太は道を左に曲がるが空き缶を踏んで工事中の穴に落ちてしまう。 中学生「どこ行った? 向こうを探せ!」 のび太「助けてよ…… ドラえもーん‼︎」 ドラえもん新・のび太の宇宙開拓史
https://w.atwiki.jp/poke_ss/pages/1102.html
3ページ目 ~空き地~ のび太「ハァ……」トボトボ スネオ「のび太~こっち来いよ面白いもの見せてやるよ」 のび太「スネオ、それは?」 スネオ「iPhone5さ、それよりこのスレ見てみろよ」 のび太「これは(ジャイアンの!?)」 スネオ「コイツこの程度で釣ってるつもりなんだぜ笑えるよ」 スネオ「何だよこのシチュエロゲかよw」 のび太「これたぶんジャイアンが書いているんだよ」 スネオ「それ本当かのび太!?とりあえず『剛田 武乙』とでも書くか」 スネオ「ビビってるビビってるww」 次へ トップへ
https://w.atwiki.jp/poke_ss/pages/1101.html
2ページ目 10秒後 ジャイアン「着いたぞ」 のび太「え?……ここは?」 ジャイアン「VIP」 のび太「びっぷ…って何それ?」 ジャイアン「さぁてスレ立てるか~へへへ今日は大漁かな?」 ジャイアン「早速釣れてる釣れてるww」 ジャイアン「何だよコイツ嫉妬し過ぎだぜwwさては童貞だな?釣りなのにwwwww」 のび太「ジャイアン…魚」 ジャイアン「あ!?魚なら魚屋でも行って買って来い!!!!!」 のび太「ヒッ!」ビクッ 次へ トップへ