約 65,222 件
https://w.atwiki.jp/nobita_in_pokemon/pages/401.html
「みんな、準備はいい?」 ドラえもんが確かめた。 ここはテンガンざんの頂上。 ドラえもんの他に五人の少年少女が集結していた。 「ま~ったく大変な目にあったよ」 すっかりくたびれた様子の丸眼鏡を掛けた少年、のび太が溜め息混じりに言う。 「ホントだよ、ドラえもん! 突然壊れちゃうような使えない道具、何で出したんだ!」 そうトゲトゲしく怒鳴ったのは、髪型もトゲトゲしく背の低い少年、スネ夫。 「しょうがないだろ。 未来デパートからのお試し秘密道具だったんだから、期待はしてなかった」 眉を顰めて、ドラえもんが肩をすくめる。 「僕は使うのに反対したんだ。 それなのにのび太君が『面白そう!』って勝手にみんなを集めて始動しちゃうからだよ」 「……つまりのび太のせいか! この野郎!」 短気で大柄なガキ大将、ジャイアンが拳をのび太に向けた。 「ま、待ってよジャイアン!」 のび太が慌てて弁明を始める。 「だって好きなゲームの世界に入れるなんて、楽しそうじゃない! それに、そっちだってノリノリだったじゃないか!」 「そうよ、武さん」 と割り込んできたのは、おさげをした五人中唯一の少女、静香だ。 「のび太さんを怒る必要は無いわ。 とにかく、今は元の世界に早く戻りましょうよ」 強気に説得する静香を見て、のび太の頬が紅潮する。 「し、しずちゃぁん……」 のび太の言葉は相当頼りなかった。 「ほら、剛田君も手を降ろして」 突然声を掛けられて、ジャイアンは振り向いた。 声の主は優等生と称される好少年、出木杉。 「……ちぇ、わかったよ」 ジャイアンは不服そうに呟きながら拳を解いた。 「さて、今度こそ良いね?」 ドラえもんが再度確かめる。 反対するものはいない。みんな『早く帰りたい』という思いは同じなのだ。 「じゃあ、しずちゃん、出木杉君」 ドラえもんが呼び掛けた二人は、頷いてモンスターボールを投げた。 地面にぶつかったボールは赤い光を放つ。 次第に光が広がり、大型の生物が現れた。 『神』――この二体はこの世界でそう称されている。 片方は、黒い体に煌く青い筋が巡る生物。胸には煌くダイヤがある。 片方は、白い体に煌く赤い筋が巡る生物。両肩には煌く真珠がある。 「パルキア、僕らを元の世界に行かせてくれ」 出木杉は白い生物に命令した。 パルキアは一声唸り、力を溜め始める。 「パルキアの『あくうせつだん』が始まるよ。これで元の世界に行ける」 「よくやってくれた、出木杉君。 さあ、静香ちゃんも早くして。『あくうせつだん』の前に時間を戻さなきゃ」 ドラえもんが黒い生物を一瞥し、静香を見る。 「ディアルガ、お願い。時間を戻して」 静香は指示を出した。 ところが、ディアルガは反応を示さない。 「どうしたの?ディアルガ」 静香は不思議そうにディアルガを見つめた。 「しずちゃん、まだかい?」 ドラえもんの声色には、焦りの色がちらついていた。 「ディアルガ、もう一度言うわよ。時間を戻して」 ――ディアルガは首を横に振った。 「おいやばいぞ。もうすぐ『あくうせつだん』が発動されてしまう!」 出木杉が叫んだ。 「ちょ、ちょっと待ってよ。 確か空間だけ移動しても、時間が戻っていなくちゃダメなんじゃないの?」 のび太がドラえもんに質問した。 「うん。空間だけだと、この世界にいた間の時間が消滅しない。 僕らが旅した間、元の世界では僕らはいなくなっていたことになっちゃうんだ。 だから時間も戻さないと、現在どころか未来まで大きく変えてしまうかもしれない」 「じゃ、じゃあどうするのさ!?」 「早く時間を戻さないとじゃんか!」 スネ夫とジャイアンが大慌てで捲くし立てる。 「……ディアルガ、ひょっとしてあたしと離れたくないの?」 静香は語りかけた。 ディアルガは小さく唸り、それから静香を見つめる。 そんな姿を見て、静香はディアルガにそっと手を触れる。 「聞いて、ディアルガ。あたしたちはここにいてはいけないの。 だから元の世界に戻る。 そのために貴方の力が必要なのよ。 だから……お願い。時間を戻して」 パルキアの体が光り始める。 「おい、出木杉! 技発動させんな、バカ野郎!」 ジャイアンが怒鳴り散らした。 「パルキアにちゃんと耐えろって指示したさ!」 出木杉が大声で説明する。 「だけど我慢には限界があるんだ! 限界点を突破したら発動してしまう!」 「ディアルガ、安心して」 静香は顔を上げて、ディアルガの目を見つめた。 「きっとまた会えるわ。 今と全く同じ姿じゃ無くても、元の世界で会えるかもしれない。 貴方が今、あたしたちを救ってくれたらきっと――」 やがて、ディアルガは頷いた。 体中から青い光が染み出している。 「ドラちゃん、みんな! 『ときのほうこう』発動するわ!」 静香が吉報を伝えてきた。 「おっしゃぁ!」「やったぜ、しずちゃん!」 歓喜の中、ドラえもんは静香と出木杉を手招きする。 「時間を遡る間、何が起こるかわからないんだ。 だからこっちで一塊になって! しずちゃん、出木杉君!」 静香と出木杉はドラえもんたちと手を繋いだ。 「ディアルガ、今よ!」 声高に、静香が発動の許可を出す。 時空を揺さぶる『ときのほうこう』が、テンガンざん頂上に響き渡る。 時間の遡上が始まった。 ――彼らが来ていたのは『ポケットモンスター ダイヤモンド・パール』の世界。 未来デパートから配達されたお試し版『ゲーム世界入り込み機』を使用したのだ。 時期は丁度ポケモンの新作が出た頃。 当然の如く、みんなが行きたいと思ったゲームの世界は、ポケモンの世界だった―― 時間は戻った。 まだテンガンざんの頂上――時間はドラえもんたちがこの世界に来た時。 「僕らが作った時間はここまでだ。 あとは空間移動だけ……出木杉君!」 ドラえもんが合図を出す。 「パルキア、いけぇ!」 出木杉の声。 パルキアは呼応すると、ドラえもんたちのすぐ前を切り裂いた。 空間が切断され、黒い紡錘状の穴が宙に浮かぶ。 ――『ゲーム世界入り込み機』は出たい時にボタンを押せばすぐ元の世界へ戻るはずだった。 ところが、どうやら故障していたらしく、元の世界へは帰らなかった。 そこでドラえもんたちは計画したのだ。 ディアルガ、パルキアを利用して元の世界に帰る計画を―― 「タイムマシンみたいなものだよ。 中は異次元で繋がっている。さあ、閉じる前に行こう!」 先導するドラえもん、それに続く子供たち。 最後尾の静香は一瞬後ろを振り返った。 ディアルガは力を尽くした様子でよろめく。 それでも、静香をしっかり見つめている。 その目線をしっかり受け取り、静香は穴へと入っていった。 全員が出てきたのは、のび太の部屋だった。 静香が降り立つと、切断された空間は元通りになり、跡形も無くなった。 「やっと戻ってこれた~」 のび太が万歳をして喜ぶ。 「いやはや、長い旅だったね」 ドラえもんはそう言うと、畳の上の『ゲーム世界入り込み機』を手に取る。 「全くもう……急いで返品してやる」 「でも、そんなに悪くなかったよな」 ジャイアンが笑いながら語りだす。 「やっぱ自分の力で育てるのはいいもんだぜ!」 「ふふ、戦うときもかなり迫力あって楽しかったよね!」 スネ夫が話に乗ってきた。 そうして、みんなはそれぞれの思い出を語っていく。 夕暮れ時、ようやくみんなは帰り始めた。 「じゃあな、のび太!」「いろいろと楽しかったよ!」 ジャイアンとスネ夫はそう言って手を振り、のび太の家を後にする。 「僕を呼んでくれてありがとう! いい思い出になったよ、のび太君。ドラえもんも」 出木杉は無邪気に礼を言うと、夜の迫る外へと出て行った。 「……じゃあ、また学校で会いましょう。のび太さん」 最後に、静香が扉を開けた。 のび太とドラえもんは顔を見合わせて、微笑み合う。 「大変だったけど、いい冒険だったね」 ――冒険は終わり、何の変哲も無い日常が戻ってきたのだ。 たった五年間の平和が―― 未来――2126年。 ドラえもんは未来デパートから出てきた。 「……おかしいなぁ。確かに未来デパートからだと」 「お兄ちゃぁん!」 空から黄色い二頭身、ドラえもんの妹であるドラミがタケコプタ―を使って降りてきた。 「やぁ、ドラミ。よく僕の居る所がわかったね」 地に降り立つドラミに、ドラえもんは声を掛けた。 「うん。航時局の人がタイムマシンを点検しに来て、その時たまたま聞いたの! お兄ちゃんがこっちに来てるって。いったい何があったの?」 「未来デパートにちょっと用が……でも変なんだ。 『ゲーム世界入り込み機』って道具のお試し版が僕の所に来ていたんだけどね。 未来デパートはそんなもの配達させていないし、そんな道具も無いって言うんだ。 とりあえず欠陥があったから処分してもらったけど」 「あぁ~、じゃあまたお兄ちゃん、のび太さんたちに迷惑掛けちゃったんだ」 ドラミの言葉に、ドラえもんはムッとする。 「僕のせいじゃ無いよ! のび太君が勝手に始動させたから……全くあいつはいつも、何やっても――」 『また始まった』という様子で、ドラミは肩を竦めた。 「じゃあ、僕は帰るけど、セワシ君にもよろしく!」 ドラえもんはタケコプターを取り出す。 「伝えとく。暇が出来たらまたこっちに遊びに来てね!」 妹に見送られながら、ドラえもんは宙へ浮かんだ。 ――丁度同じ頃だ。 この国の環境省が、南極で異常な生体反応を確認したのは―― のび太たちがポケモンの世界で冒険した記憶は、徐々に薄れていた。 みんな日常を満喫する中で、非凡な日々は遠のいていったのだ。 やがて、月日は流れていく。 気がつけば5年の歳月が経っていた。 そうして今――野比のび太14歳。 中学校の体育館裏。 のび太は思い切りど突かれて尻餅をついた。 「おい、のび太。どういうことだよ!」 目の前に倒れこむ友人を見下ろしながら、ジャイアンが怒鳴る。 「俺らともう付き合わないって!?」 すると、のび太はキッとジャイアンを睨みつけた。 追い詰められた小動物が見せる必死の目つきとよく似ている。 「あぁ、そうだよ。ジャイアン! 僕ももう中三なんだ。遊んでいる暇なんか無い」 その気迫に押されながら、ジャイアンは少したじろいた。 「で、でもよぉ。別に絶交する意味はねえだろうが」 「いーや、そうはいかない! 僕の意志は固いんだぃ! 僕はこれから必死で勉強する。君らがいると鬱陶しいんだよ!」 「な、何だとこの――」 再び殴りかかろうとするジャイアンを、後ろから手が出てきて抑える。 「ふふ、やめてあげなよ。ジャイアン」 そう言って出てきたのは、頭髪検査など気にもせずリーゼントヘアを通すチビ、スネ夫。 「どうせのび太のことだから、三者面談で何か言われたんでしょ。 『今の学力じゃ、どこにも入れません』って――」 スネ夫とジャイアンの笑い声が響く中、のび太は肩で風を切りその場を去った。 ジャイアンかスネ夫が、のび太を貶してくる。 これは逃れられないスパイラルだった。 だから、のび太は決心したのだ――ジャイアンとスネ夫から離れようと。 そのため勉強を始めようとするが、当然うまくはいかなかった。 それがのび太の特性、学校のテストで順位が常に一番大きな数である事実は覆らない。 三者面談もボロボロ。先生から薦められたのは県下最低ランクの高校のみ。 だがダメだ。そこには――ジャイアンが来る。 いっその事私立に入る手もあった。レベルの低いとこならきっと。 だがダメだ。そこには――スネ夫が来る。 それ以前に親が反対してきた。『そんなお金無いから公立で我慢しろ』って。 こうして、運命はのび太を縛り付けていた。 夕暮れ時。 「ただいま~……」 のび太は自宅の扉を開けた。 返事は無い。代わりに台所から調理の音が聞こえている。 恐る恐る、のび太は台所の扉を開いた。 丁度その時、のび太のママ、玉子が振り向く。 「あら、帰ってたの? のびちゃん」 玉子は優しく微笑みかける。 そのおっとりとした表情に、のび太は一抹の期待を感じた。 (この様子はなかなか良さそうだ。今ならきっと……) 「あ、あのさママ。志望校をさ、せめて私立の方に」 ジャイアンよりスネ夫の方がマシ、そんな等式がのび太を愚かな行為に走らせた。 途端に変貌する玉子。その顔には鬼神が乗り移ったかのようだ。 「じょ、冗談だよ! ママ!」 のび太は急いで階段を駆け上る。 「ん、やぁおかえり」 のび太の部屋でごろ寝していたドラえもんは、上半身を起こす。 のび太は返答せずに、机に向かった。 「ドラえもん、何も聞かないでくれ! これから僕は勉強するんだ。僕の人生を素晴らしくするために!」 「……何も聞いてないけど。まぁ頑張りなよ」 そう答えると、ドラえもんは漫画を取り出す。 「くぅ~、ロボットは気楽で――おっと、僕もやらなきゃ!」 「ドラえも~ん」 机に突っ伏したのび太が、憐れな声を出す。 「僕を勉強出来る体にしてぇ~」 「……無理だね」 さらりと流され、のび太は膨れた。 やがて、ゆっくりと上半身を机から起こす。 のび太の目線はドラえもんに向けられた。 そこで一つの疑問が、突然浮かんでくる。 「あのさ、ドラえもん。君って……いつまでここにいるの?」 急にその場の雰囲気が沈み込む。 「その気になれば、今すぐにでも帰れるけど」 ドラえもんははっきりと言った。 「どうする、もういなくなってほしい?」 「な……そんなんじゃないよ! ただふと思っただけだって」 急いで首を横に振るのび太だが、だんだんその顔も俯いてくる。 「ただ、いつまでも君に甘えていちゃいけないなって思った」 ドラえもんは立ち上がり、のび太の方へ歩み寄った。 やけに真剣な顔つきでいる。 「どいて。のび太君」 「? どうしたんだい。ドラえもん」 「未来の世界に帰るのさ」 途端にのび太が顔を歪ませる。 「な、なに言ってんだよ。ドラえもん! 僕はいなくなれなんて一言も喋ってないし、思っても」 その言葉を切って、ドラえもんが首を横に振った。 「君の言うとおりなんだ。 僕がいつまでもここに居るわけにはいかないよ。 君も、今度の8月で15歳なんだ。僕がいなくてもやっていけるはずだよ」 長年ドラえもんと行動を共にしてきたのび太だからわかる。 今話したことは全て、ドラえもんの本心だと。 「……絶対に帰らなくちゃなの?」 のび太は縋る思いで、ドラえもんに質問した。 ドラえもんは素直に頷く。 「出会いがあれば、必ず別れがあるものなんだ。 僕が君に、永遠に尽くすことは出来ないからね」 「じゃあ、少し待ってよ」 そう言うと、のび太はドラえもんの目を見つめた。 「せめて、僕が高校に入学するまで居てくれないかな。 その代わり、僕頑張るから。 自分でやれば出来るって、君に証明したいからね」 すると、ドラえもんの顔が次第に綻んだ。 「うん」 「のびちゃーん、静香ちゃんが来てるわよー!」 階下で、玉子が呼んでいる。 のび太は首を横に傾げた。 「こんな時間になんの用だろう?」 兎に角、のび太は階段を降りていく。 玄関で、静香は待っていた。 「やぁ、しずちゃん。どうしたの、こんな時間に」 「のび太さん、大変よ! 今日の帰り道、たまたま武さんにあったの。相当怒っていたわよ、貴方に」 その言葉を聞き、のび太の顔が蒼ざめていく。 「お、怒っていたって……どのくらい?」 「そりゃぁもう、金属バット振り回して『あいつをスクラップにする練習だ』って言うくらい。 どうするの? 貴方多分――明日が命日ね」 静香の宣告が、のび太の心でこだまする。 「しずちゃん……教えてくれてありがとう。 久々に、ドラえもんの道具をつかう事にするよ」 階段を登りながら、のび太はふと考えた。 (……僕、またドラえもんを頼りにしてるな。 これじゃドラえもんの言った通りだ) 次第にのび太の足が重くなる。 (やっぱり、そろそろドラえもんと別れなきゃなのかな。 そうしないと、僕は本当に自分で頑張れない……) 気がつくと、扉の前。 のび太は一呼吸ついて、扉を開いた。 「ドラえもん、ちょっと――」 「のび太さん! 丁度良かったわ、一緒に来て!」 突然、ドラえもん以外の声がのび太を呼び掛ける。 その声の主は机の引き出しから半身を出していた。 「ド、ドラミちゃん!?」 息を飲むのび太の前で、ドラえもんが立ち上がる。 「うん。のび太君も来たほうが良い。 たった今ドラミが来たところなんだ。 話は後でするよ。未来が大変なことになっているから」 そういうと、ドラえもんは引き出しへ向かう。 「さあ、のび太君も早く!」 ドラえもんに促され、のび太はついて行った。 引き出しの中には超空間が広がっている。 板の上に機材を乗せた簡素なタイムマシンが一つ。 そしてその隣にチューリップ型のタイムマシン。 そのチューリップが、ドラミの乗ってきたタイムマシンだった。 三人はドラミのタイムマシンに乗り込む。 ドラミが操縦桿を握り、タイムマシンが始動する。 「目標……2126年っと」 轟々と音を立てて、タイムマシンが動き出す。 「……ふぅ、久しぶりだな。タイムマシンに乗り込むのも。 ところで、そろそろ話してくれないかな?」 のび太はドラえもんとドラミに向き合った。 「未来が大変なことになってるって?」 「えぇ、そうよ。 未来である事件が起こってしまったの。しかもそれにはのび太さんたちが絡んでいるわ」 ドラミが淡々と説明した。 のび太は首を傾げるばかり。 「事件? 何で僕が絡んでいるのさ」 「ほら、10歳の頃だよ。僕らがポケモンの世界で旅した時」 ドラえもんが話をする。 「あの時、僕らはディアルガとパルキアを使って元の世界に戻った。 『ゲーム世界入り込み機』は処分したけど、もうその時に問題は起きていたんだ。 僕らが道具で作り出したポケモンの世界は、まだ残っていたんだよ。 当然、ディアルガとパルキアも生きていた。 そして来たんだ――こっちの世界に」 途端に空気が張り詰める。 「そ、それってつまり……」 のび太は恐る恐る目線を泳がし、ドラえもん、そしてドラミへ向ける。 「そう、未来でポケモンが発生しているのよ」 ドラミが事件の全容を語りだした。 「南極で氷付けにされた未確認生物が発見されたの。 日本の環境省が最初に発見して、博士たちが日本へ運んだ。 いろいろ研究されていたみたいだけど、その間にまた事件が起きた。 ディアルガとパルキアのいた南極から、生物が次々と発生したのよ。 その生物たちは異常な繁殖力で南極に住み着いた。 さらにその生物は環境適応力が凄まじく、どんな場所でも住むことが出来るとわかった。 ここまでわかる?」 ドラミは一旦言葉を切り、のび太を見つめた。 「う、うん。 つまりその生物がポケモンなんだね」 「そういうこと。それで」「ま、待ってよ!」 話を続けようとするドラミを急いでのび太は制した。 「まだよくわからないんだ。どうしてディアルガとパルキアがそこに?」 「君も覚えているだろう? その二体の能力を」 ドラえもんが答える。 「『時間転移』と『空間転移』――これが二体の能力だ。 これはタイムマシンにも備わっているって前に話したことあるよね? 同じように考えれば良い。 ディアルガとパルキアは超空間を通って南極に来たんだ。 時間と空間を越えてね。 だけど、恐らく出た場所が南極の永久凍土の中だったんだ」 「未来の博士たちもそれに気づいたの」 ドラミが話を取り次いだ。 「ディアルガとパルキアに備わった『タイムマシンに似た能力』。 そこから仮説を立てて、さらに続々と発生する新たなポケモンにも結論付けた。 彼らは凍土の中の穴を通ってこっちへ来てしまったのよ」 「……じゃあ、未来はどうなっちゃったの?」 のび太が質問する。 「今のところ、まだポケモンたちはそんなに繁殖していないわ。 あたしがこっちへ向かう時、各国でポケモンの適応力に注目が集まっていたけど。 そうやって世界中にポケモンが移り住んでも完全に広まるまで4~5年は掛かるはずよ。 だから今ならまだ間に合うの」 「間に合うって……まさかポケモンを全て戻す気じゃ」 のび太は不満げな顔をして、ドラえもんに目を移す。 「僕の持っていた『ゲーム世界入り込み機』がわかればいいんだ。 それを見れば、作られたポケモンの世界を消すことが出来る。 ポケモンたちは存在出来なくなり、これ以上増えることは無い。 その後は地道に減らしていくか、保護していくかはまだわからないけど―― とにかく僕らは『ゲーム世界入り込み機』の情報を伝えに行くわけさ」 「もし見つからなかったら?」 素直なのび太の質問が、ドラえもんを翳らせる。 「探すか、デパートの処分履歴を見てもう一度作るしかない。 で、でも安心して! 時間は掛かってもタイムふろしきとタイムマシンで元に戻れるから。 ところでドラミ、どうして僕らの世界に来たんだい?」 「……ぇ? どういう意味? お兄ちゃんたちがポケモンの世界を作ったのは7月20日でしょ? この前こっちに機械を処分しに来たときそう教えて――」 「ま、待てよドラミ。いつの話をしているんだ? ポケモンの世界を作ったのは4年前の7月20日だぞ」 「そ、それホント!?」 ドラミが口調を荒げる。 「ホントだよ、ドラミちゃん。 あれは確かに4年前の今日……あれ、もしかして連れてくる人、というか僕らを間違えた?」 「そんなわけ無いわ! タイムマシンにはちゃんと入力したもの。 それについ最近点検があったばかり……ね、お兄ちゃん覚えているでしょ?」 ドラミはドラえもんに振り向いた。 その期待の目線に反して、ドラえもんは首を横に振る。 「僕の記憶だと、それも4年前だね。 丁度僕が機械を処分した日に、ドラミの方から話してきた」 「そう、その後お兄ちゃんと別れて、それで家に帰ったの。 そうしたら環境省から連絡が入ってお兄ちゃんを連れてくるように言われて」 「つまり君は――」 ドラえもんがドラミの言葉を切って結論する。 「4年前の僕と出会ったんだ。 ここにいるのは4年後の僕とのび太君だよ。 ほら、のび太君も中学三年生なんだ。背が伸びてるでしょ。顔はあまり変わってないけど」 「ふん、どうせ童顔だよ!」 のび太はムッと一言吐き捨て、それからドラミに向き合う。 「それで、いったいどうして僕らの世界にくることになったの?」 「それは……まだよくわからないけど」 何度もタイムマシンの設定画面を確認しながら、ドラミは言った。 「もしかしたら超空間自体が歪んだのかも――! 着いたわ!」 空気が抜け出るような音が、辺りに響く。 光が包み、タイムマシンは超空間を抜けた。 出てきたのは、セワシの部屋。 高層ビルの一室だ。 降り立った三人は真っ暗な室内を見回す。 「セワシさーん!」 ドラミが叫ぶが、返事は無い。 「どうやら留守のようだね」 ドラえもんが赤外線の入った目で辺りを探った。 「変ねぇ、暇なときはいつもそこらへんで寝ているんだけど……」 ふとドラミが呟いた言葉に、のび太の血筋が端的に現れていた。 (全く、しっかりしろよ。僕の子孫) ふてくされて、のび太は窓の外を見つめる。 その時――見えた光景によってのび太は口をあんぐりと開けた。 「ね、ねぇドラえもん! あれ見てよ!」 慌しく、のび太が窓の外を指差した。 夜の外では、カラスが飛び交っている。 しかもただのカラスではない。 頭の羽が、草臥れた山高帽の形をしている。 その体も普通のカラスとはかなり違っていた。 「あ、あれはヤミカラスだよ! ポケモンの!」 「ちょっと待って!」 そう一声告げ、ドラミは窓へ近寄る。 右から左へゆっくりと目を向け、やがて顔をしかめる。 「そんなバカな……」 そう呟くと、ドラミは二人の方を向いた。 「おかしいとは思ったけど、タイムマシンは目標より4年進んだ世界へきたみたい。 ここは私の世界から4年後――もうポケモンが日本まで侵食してるわ」 環境省内―― ここは一日中開いている。 「じゃ、のび太君はここに居てね。僕らは奥で話しつけてくるから……」 ドラえもんはそう言い残すと、のび太を広間に残してドラミと共に行ってしまった。 ポケモンが繁殖してしまったことはさておき、例の道具について話してくるらしい。 最も、この世界では4年前の話。通じるかどうかは賭けだが。 椅子に座ってぼんやりしているのび太の目に、ちらほらと色んなものが見えてきた。 ポケモンたちが人に連れられて省内を歩いている。 のび太と同じようにぼんやりとして動かないポケモン、逆に忙しなく動いているポケモン。 今まで架空の世界の住人であったものが、現実として現れている。 改めて、のび太はぞっとした。 (僕は……大変なことをしてしまったんだ。 そう、歴史を変えてしまうくらいの大事を……) にわかに湧いてきた罪悪感から逃げるように、のび太は目線を動かす。 やがてそれはドラえもんたちの向かった通路に向けられた。 (あれ?) 黄色い体が一瞬見えて、通路の脇に消えた。 (ドラミちゃん……かな?) だけど、少しのび太は考えた。 ドラミとドラえもんは少し前に通路へ向かったはず。 それなのにまだ通路にいるはずがない。 そう結論がつくと同時に、奇妙な感覚を感じた。 無邪気な探究心が、体中を駆け巡る。 好奇心に駆られ、のび太はその通路へと吸い込まれるように向かっていった。 通路の奥には大きな引き戸がある。 それだけしか無かった。 (……あれ、でもさっきはここで脇に曲がったような) のび太は首を傾げて辺りを見回した。 白い壁がのび太を挟んでいるだけ。 ますます不思議に思い、のび太はその壁を確かめた。 触れてみると、ひんやりとした感覚が伝わってくる。 少し押してみたが、びくともしない丈夫な壁だ。 「おっかしいなぁ」 更に調査を続けていくうちに、だんだんとのび太の体は引き戸へ近づいていった。 それでも、諦めの悪いのび太は調べ続ける。 もうじき体が引き戸に辿り着いてしまう、その時。 引き戸が重たい音を立てて開き始めた。 「ま、まずい!」 のび太はついしゃべったと同時に、壁の変な窪みを押す。 途端に壁がくるりと回り、のび太を奥へ引き込んだ。 「う、ぅわ!」 とのび太が慌てふためいているうちに、壁はまた閉じてしまう。 壁の奥の暗闇の中で、のび太はぽつんと佇む。 「ん? 今誰かいたような……気のせいか」 そう呟くと、ドラえもんは引き戸の奥へ向く。 「おい、ドラミ。早く戻ろうよ。 のび太君が心配しているに違いないからね」 「うん、わかった」 引き戸からドラミが姿を現した。 脇の壁の中にいる人物を求めて、広間へと向かっていく。 徐々にのび太の目が暗闇に慣れてきた。 「階段だ……」 足元を確かめると、そこには地下へ続く段差が見受けられる。 どうやらこの隠し扉の向こうは地下のどこかへ繋がっているらしい。 多少怯えながら、のび太は慎重に階段を降りていった。 足元は暗いためよく確かめないと落ちてしまう。 そのため足取りもゆっくり、おとなしくなっていた。 下るうちに、次第に周りが明るくなってくる。 (この下に……光るようなものがあるのかな?) 思考を巡らしていると、ついに階段が終わった。 目の前には黒い扉があり、隙間から青白い光が漏れている。 取っ手を見つけると、のび太はつばを飲んでそれを握った。 黒い扉は慎重に開かれる。 その部屋には誰もいなかった。 奥の壁には大きなコンピューターがあるが、それ以前にのび太の目を引くものがあった。 「ディ、ディアルガ……それにパルキアも!?」 のび太は急いで、二体が入っている管に駆けて行く。 二体は緑色の液体に入れられ、目を閉じたままぴくりとも動かない。 その威圧感のある体をのび太は恍惚して見ていた。 そ~っと、その管に触れてみる。 温かい、生物に触れたような感覚が掌に広がる。 「まだ生きてるんだ……」 のび太は直感した。 南極に4年間も氷付けにされて、それでもなお生き続けていたのだ。 嬉しさに似た気持ちをのび太は感じる。 名残惜しそうに、のび太は管から手を離した。 (そろそろ戻らなくちゃ) そう思ってのび太は出口を振り返る。 だが、そこに丁度誰かがやってきた。 のび太は気づいたが、隠れる間も無く黒い扉が開かれる。 出てきたのは白衣の男一人と警備員らしき男二人。 「だ、誰だ君は!?」 白衣の男が声を荒げた。 何とか対処しようと、のび太は口を動かす。 「あ、あのそのこれは――」 「おい警備員! 捕らえろ!」 のび太の努力空しく、白衣の男は警備員を使役する。 警備員の一人は前に出て赤と白のボールを投げた。 (あ! モンスターボールじゃないかぁ) 羨ましそうにのび太が目を向けているうちに、橙色のポケモンが繰り出される。 「ガーディ! あの少年を捕らえるんだ!」 片方の警備員が指示を出す。 呼応するように吠えて、すぐにガーディはのび太の方へ駆け出してきた。 「う、うゎああ!」 すっかり動揺して叫びながら、のび太は管の方へ走ろうとした。 しかし、突然の騒音が行動を止まらせる。 何かのブザーが鳴り、室内が赤く照らされた。 ふとコンピューターを見ると文字が書かれていた。 ――侵入者――と。 一瞬自分のことかとのび太は思ったが、すぐに違うとわかった。 地下室の壁が爆音と共に砕かれたからだ。 「な、なんだいったい!?」 警備員たちも動揺している。 この世界の住人が動揺している中、のび太の思考もただではすまない。 完全に混乱していた。 地下室の壁に出来た大穴には、鎧のような皮膚とドリルを持つポケモン。 ドサイドンが一体だけいる。 (あ、あの一体でこんな大穴を――!?) のび太が驚くのも当然だ。 地下室の壁はドサイドンの身長の5倍はある。 その高さに及ぶ大きな穴を一体で開けてしまったのだから。 「くそ、ガーディほのおのキバだ!」 警備員が命令し、ガーディがドサイドン目掛けて牙を燃やし突撃する。 一瞬炎が閃き、ドサイドンの腹に橙の炎が舞い上がる。 ガーディは確かに相手の腹に噛み付いていた。 炎が二体を包んで燃え盛る。 やがて、火が消えてガーディは相手と間合いを取った。 その行動に反して、ドサイドンは極めて何事も無かったかのようだ。 「な、ダメージがほとんどない!?」 愕然とする警備員の声。 「ドサイドン、ロックブラストだ」 穴の奥から声が聞こえ、ゆっくりとドサイドンの腕がガーディに向けられる。 ガーディは必死に逃げようとするが、その行く手ごと岩の塊が多数発射された。 風を巻き起こす勢いで、ガーディは岩ごと壁に叩きつけられる。 鮮血がその場に飛び散った。 「ガーディぃぃ!!」 駆け寄る警備員の前で、ガーディはがっくりと項垂れる。 「ストーンエッジ」 再びドサイドンへの指示。 ドサイドンは仰角に岩石を打ち込み、それが白衣の男たちに降りかかる。 白衣の男と一人の警備員は急いで扉から逃げたが、一人は残った。 さきほどガーディに駆け寄った警備員だ。 「ガーディ! しっかりしろガーディ!」 警備員の悲痛の叫びが聞こえてくる。 しかし、岩は勢いをとめることなく警備員に降り注いだ。 あっという間に入り口周辺が岩に埋まる。 のび太は麻痺したかのようにその岩を見つめていた。 先ほどの警備員の言葉が頭の中で反芻する。 さっきまで叫んでいた人が、助けようとしたポケモンが、今は岩の下に埋もれている。 恐らくもう助からない。 (死んだんだ――) そう考えると、のび太の体に悪寒が走った。 ドサイドンが赤い光に包まれ、穴の奥に消えた。 「サイコキネシス」 穴の奥の人物、ドサイドンを操っていた人物が別のポケモンに命令する。 ディアルガとパルキアの入った管が光り、宙に浮かんだ。 その質量をまるで感じさせず、二本の管は穴へと飛んでいった。 上の空ののび太の横で。 しんと静まり返った室内。 のび太はふと、大きく開けられた穴を見つめた。 (あそこに入ったら、ここから離れられるかな) 今ののび太の考えていることは唯一つ。 ここから離れることだけだ。 ディアルガとパルキアは恐らく極秘に扱われていたのだろう。 それが連れ去られた場にいれば、のび太は間違いなく疑いがかかる。 しかし、そんなことはあまりよく考えていなかった。 ただ、あの岩から離れたい。 あの入り口に山積みにされている、人の命を奪った岩から一刻も早く。 (でも、その岩で人が死ぬ原因を作ったのは――) 負の意識がのび太を蝕む。 自分のせいなのだ。それは言い逃れ出来ない事実。 気がつくとのび太は穴へ入っていた。 徐々に角度がつくところを見ると、どうやら地上にたどり着けるようだ。 でも、のび太の足取りはだんだんと重くなる。 考えがどんどん落ち込み、自分のしでかした失敗が重みとなっていた。 そしてその罪悪感から逃げたい思いも強くなった。 「……?」 急に土じゃない何かを踏んだ感触がして、のび太は下を向いた。 赤い下地に時計の模様が描かれている――タイムふろしきだ。 途端にのび太の脳が、私利私欲のために指令を出す。 欲望のまま、のび太はタイムふろしきを被った。 時の流れはすごいもので、4年もあれば人は変わるものだ。 年を取っても変わるのだから、若返っても変わる。 どうして自分が無事なのか、どうしてタイムふろしきがあるのかは考えなかった。 4歳若返ったのび太がそこにいた。 次へ
https://w.atwiki.jp/opedmiroor/pages/1694.html
リバイアサンが壁を突き破ったことにより海水が流れ始めた。 ドラえもんたちはルフィンや仲間たちによって脱出に成功した。 ドラえもん「みんな大丈夫?」 ジャイアン「のび太が無事だから大丈夫!」 のび太「そんな言い方ないだろう? あっ、ああっ!」 ジャイアン「なんだ今度は?」 海から巨大クジラが出現。 タイムパトロールの艦隊に振りする。 ドラえもん「タイムパトロール隊だ!」 さらに、ジャックたちの船も出現。 ジャック「ベティ、リトルレディ号だ!」 タイムマリン。 隊長「ありがとう。すべて君たちのおかげだ……」 ルフィン「この島の水路がわからなくて苦労していたんです……」 ドラえもん「ルフィンがタイムパトロール隊員だったなんて」 ルフィン「仕方ありません。黙っていてごめんなさい……」 のび太「合成生物たちはどうするんですか?」 隊長「すべて元の動物たちに戻す。ただ、1頭だけ行方不明なんだよ」 ドラえもん「ええっ? リバイアサン!?」 隊長「心配いらない。コントロールされない限り凶暴性を発揮することはない…… これからは伝説動物として生きていくだろう」 のび太「よかった……」 ドラえもん「じゃ、そろそろうちへ帰ろうか……」 一同「うん!」 のび太「ルフィン、さようなら」 ルフィン「さようなら。いろいろありがとう……」 しずか「これからも頑張ってね……」 のび太「ルフィン……」 一方、キッドとコルトはまだ戻ってきていなかった。 ゴンザレス「それが、キャプテンが戻ってこないレス……」 ドラえもん「ええっ?」 ジャック「パパ!」 ベティ「父さん!」 すると海中からコルトとキッドが浮いてくる。 キッド「おーい! 宝物を手に入れたぞ!!」 リトルレディ号。 ドラえもん「お世話になりました……」 のび太「お別れだね、ジャック……」 ジャック「ノビ!」 のび太「ダメ×2! 泣いちゃ立派な海賊になれないよ」 ジャック「泣いてなんかないよ。ノビこそ……」 のび太「僕は泣いてなんかないよ……」 2人「目から汗が出たのさ!」 ベティ「武、ここに残って一緒に海賊やろう……」 ジャイアン「そうはいかないんだよ。母ちゃんが心配すっから」 ベティ「また歌が聞きたかったのに……」 ジャイアン「本当? じゃあ俺、残ろうかな!?」 スネ夫「ジャイアン、誤解だよ誤解!」 ジャイアン「少しだけだよ」 ドラえもん「歴史的事件になるからそれはダメ!」 一同「あははは!」 そして、いよいよ別れの時が近づいてきた。 一同「さようなら!!」 ベティ「さようなら。武!」 ジャック「さようなら。ノビ、ルフィン!」 コルト「出発だ。帆を張れ!」 一同「おーっ!」 帆を張るとそこにはドラえもんの顔が描いてあった。 一同「わあーっ!」 キッド「あばよ。キャプテン・ドラえもん!!」 タイムマリンが消える。 (終)
https://w.atwiki.jp/opedmiroor/pages/2433.html
少年が川で魚に石槍を刺して捕まえとうとする。 しかし、失敗して熊に持っていかれてしまう。 その後、川に飛び込んで泳ぎ、素手で魚を捕まえる。 少年は魚を持って戻るが、村は悲惨なことになっていた。 少年「トヌー! カヌー! ああーっ!」 少年の後ろに時空の穴が出現。少年を吸い込んでしまう。 野比家。 ママは0点を取ったのび太に説教をしていた。 ママ「のび太! あれほど言ったのに、どうしてこんなことになるの? 先生から電話をいただいて、ママがどれだけ恥ずかしかったか…… それに、なんなのこれ?」 答案の裏には絵が描いてあった。 ママ「テストは空欄だらけなのに落書きだけはしっかり描いて!」 のび太「落書きじゃないもん、ペガサスだもん……」 ママ「ん? ペガサス? とにかく、夢みたいなことばっかり考えてるからこんなことになるの!」 ママは消しゴムで絵を消し始める。 ママ「今日からは外出禁止、昼寝禁止、漫画もテレビも禁止!」 のび太「そんな! ああっ!」 ママ「いいわね?」 のび太「今日という今日は我慢できない! 学校でも家でも叱られて、もううんざりだ! 僕は家出する!」 ドラえもん「ふーん……」 のび太「『ふーん』って…… 止めるなよ。止めても無駄だからね」 ドラえもん「止めないよ。どうせすぐに帰ってくるんだから……」 のび太「バカにするな! 今回はちゃんと計画だってねってあるんだぞ!」 ドラえもん「計画? どんな?」 のび太「実は、前から密かに考えてたんだ…… 誰にも頼らず、自分の力だけで生きてみせたいと。生きていくにはなにが必要か。それは衣食住…… 着るもの、食べるもの、住む家であります!」 ドラえもん「へぇーっ。君にしてはしっかりしたことを……」 のび太「でしょ、でしょ? だから着せ替えカメラとグルメテーブルかけとキャンピングカプセル貸して!」 ドラえもん「呆れた…… 僕の道具をあてにしてるの?」 のび太「友達だろ? 親友だろ?」 のび太は荷物を持って出かける。 ドラえもん「なにが『誰にも頼らず』だ……」 のび太「固いこと言うなって…… 自由と独立への第1歩を踏み出すぞ!」 しかしのび太は階段を踏み外して落ちてしまう。 ドラえもん「第1歩を踏み外した……」 のび太「ド、ド、ドラえも〜ん‼︎」
https://w.atwiki.jp/terachaosrowa/pages/1300.html
ここはカオスロワなので衛宮の考えた話は本当に起こった。 ドナルドの魂が消滅していないがアーマゲモン達とデーモン達の戦いが始まった。 しかしこの戦いの結末は衛宮の話から大きくずれた。 開始直後に古泉一樹が逆襲のドラえもんのジャンボガンで肉片と化した。 アーマゲモンはゲッタービームをデーモンに放つもデーモンはハルヒを盾にして難を逃れた。 デーモンのゲス野郎さに怒ったアーマゲモンのシャインスパークでデーモンは消滅した。 残った明智光秀も逆襲のドラえもんの熱線銃で蒸発した。 そんなこんなでアーマゲモン達は玉子の固有結界に突入した。 【アーマゲモン@デジモン+色々】 [状態]究極体 [装備]なし [道具]なし [思考]基本:対主催 1:命をかけて長門を守る。 2:主催を倒す。 ※長門は始め三人いて、今では融合して一人になったのを知っています。 ※死者の力の代わりに五つの大いなる力の能力(ストナーサンシャイン等)を使えます。 【逆襲のドラえもん@リルルと鉄人兵団(以下リル鉄)】 [状態]健康 [装備]熱線銃×2@リル鉄 [道具]ジャンボガン@リル鉄、地球破壊爆弾@ドラえもん [思考]基本:主催を潰す 1:味方は多いに越したことはない。 【涼宮ハルヒ@ニコロワ 死亡確認】 【古泉一樹@ニコロワ 死亡確認】 【デーモン@ニコロワ 死亡確認】 【明智光秀@戦国BASARA 死亡確認】
https://w.atwiki.jp/moemonbattle/pages/107.html
←2014年8月 2014年10月→ 9月 日付はその日の最初の枠の日付を参照しています 1日 ゼルダ無双 part37~43 2日 いもらじ 芋姫薙凪カット集放送 3日 Minecraft 3D酔いs(ry~サバンナでも同じ事言えんの?編~ 5枠 4日 放送なし 5日 6日 7日 8日 9日 いもらじ 10日 Minecraft ウィザーと鉄人兵団編~ 2枠 11日 ドラクエ10 アフロポテトのDQ 8枠 12日 ドラクエ10 アフロポテトのDQ 5枠 13日 放送なし 14日 ドラクエ10 アフロポテトのDQ 3枠 15日 いもらじ~ドライブ編~ 6枠 りょう氏とのドライブ放送 16日 放送なし 17日 いもらじ 芋畑統計調査報告枠-2009~2014- 4枠 萌えっ娘もんすたぁ鬼畜3rd+ver part1~3 18日 スマブラ3DS part1(長時間枠) 萌えっ娘もんすたぁ鬼畜3rd+ver part4~9 19日 放送なし 20日 21日 スマブラ3DS part2 スマブラ3DS part3(長時間枠) 萌えっ娘もんすたぁ鬼畜3rd+ver part10~16 22日 萌えっ娘もんすたぁ鬼畜3rd+ver part17~20 23日 萌えっ娘もんすたぁ鬼畜3rd+ver part21~25 24日 放送なし 25日 萌えっ娘もんすたぁ鬼畜3rd+ver part26~27,27,29(27は重複、2枠目は実質part28) 26日 萌えっ娘もんすたぁ鬼畜3rd+ver part30~34 27日 萌えっ娘もんすたぁ鬼畜3rd+ver part35~41 28日 萌えっ娘もんすたぁ鬼畜3rd+ver part42~48 29日 萌えっ娘もんすたぁ鬼畜3rd+ver part49~54 30日 萌えっ娘もんすたぁ鬼畜3rd+ver part55~61 戻る
https://w.atwiki.jp/nobita_in_pokemon/pages/351.html
前へ 『ドラえもんのび太の携帯獣冒険記』 第二章 ♯第九話 「逆襲のオリー」 ドラえもん達が敵と交戦している一方、 のび太とオリーは次々にクラウドの部下達を蹴散らしていた。 二人の周りには、気を失った部下とそのポケモン達が倒れている。 「ほ~、結構強くなったやん、特にその眼鏡」 クラウドは関心したように言う。 部下が散っていくのを見ていたにも関わらず、余裕を保っている。 「今度は気絶だけじゃあ、済まさないわ」 オリーは静かに言う。 オリーは以前のような、狂気に満ちた目をしておらず、 獲物を追い詰めた鷹のような目をしている。 「やってみぃや」 クラウドは完全に戦闘態勢に入った。 「先手必勝や!ドラピオン、どくづき!」 クラウドの指示を受け、ドラピオンはもの凄い勢いで、のび太に突っ込んできた。 「うわあ!」 のび太はシューズを起動し、ドラピオンの攻撃を避けた。 ドラピオンのツメはアスファルトに突き刺さった。 「うはあ~、危なかったあ!」 「ボーっとしない!」 オリーの怒声がのび太の耳に届く、それと同時にオリーのエアームドがのび太を鷲掴みにし、宙を舞った。 「な、何を……うわあ!?」 のび太が驚いた理由、それは、のび太がさっきまで立っていたところに、 ドラピオンの尾が突き刺さっていたからだ。 「エアームド!エアカッター!」 エアームドはのび太を掴んだまま、翼を振るい、衝撃波を放った。 エアカッターは、ドラピオンの背に直撃した。 「エアームド、のび太君を降ろして、ドリルくちばし!」 エアームドは、のび太を手早く降ろし、くちばしを軸に高速回転し、 ドラピオンに突撃した。 「ドラピオン、つぼをつくや!」 ドラピオンは自分のわき腹の辺りをツメでぐっと押した。 すると、さっきのび太に向かって突っ込んできたときよりも、更に速いスピードで、 エアームドの攻撃を避けた。 「! どういうこと?」 オリーもこのことには驚いている。 クラウドは右手でサングラスをクイっと持ち上げる。 「まあ、この技覚えるやつは少ないからなあ、教えたるわ。 この技は、まあ、人間にもあるけど、ツボを突くことで、肉体を活性化する技なんや。 どや、予想外ってやっちゃろ?」 クラウドは自慢げに語る。 その時のび太はこのことになにも関係無いが、以前、ママがぎっくり腰の治療のため、 針灸に通っていたことを思い出していた。 つぼをつくにより肉体が活性化されたドラピオンは、 先ほどまでとは、雰囲気が違った。 「かかってこいや」 クラウドがオリーを挑発する。 「いいわ、さっさと終わらせる。 エアームド、かげぶんしんからこうそくいどう!」 エアームドは十数匹の自分の分身を作り出し、 分身と共に、一斉にドラピオンにもの凄い速さで突撃した。 「難易度高いなあ、この的当は!ドラピオン、遊んだれや!」 ドラピオンは口を大きく開き、迫ってくるエアームドの分身達を、 ミサイルばりで次々に消していった。 「エアームド、分身を解いて更に加速!」 エアームドの分身が全て消える。 残ったのは、もちろん本体のエアームド一匹。 しかし、エアームドは、今までと比べ物にならないスピードで、 ドラピオンに迫る。 「はがねのつばさ!」 エアームドの翼が銀色に輝く。 「ドラピオン、シザークロス!」 ドラピオンは向かってくるエアームドに上手くタイミングを合わせ、 両腕を振り下ろす。 「とった!」 「まだよ、そのままみきり!」 ドラピオンのシザークロスが当たる直前、エアームドはもの凄いスピードで旋回し、 攻撃を避けた。 「なにっ!」 「いっけええええええええええ!!」 エアームドは一瞬で体制を立て直し、刃のような翼でドラピオンの腹を切り裂いた。 ドラピオンの腹の傷口からは、大量の鮮血が溢れ出す。 ドラピオンは口から血の混じった泡を吹きその場に倒れた。 『ドラえもんのび太の携帯獣冒険記』 第二章 ♯第十話 「毒雲」 「くぉの……よくもわいのドラピオンを……」 クラウドは息絶えたドラピオンを見つめ、肩を震わせている。 サングラスをかけているので、直にその目は見えないが、 のび太は、怒り狂ったときのオリーと同じ雰囲気を感じた。 「エアームド、いきなさい!」 オリーの命令でエアームドは、羽についた血を振り落とし、 真っ直ぐクラウドに向かって、突撃した。 「ドクロッグ!!」 クラウドは、ドクロッグを繰り出した。 「(あの目……オリーちゃんが狂ったときの、ミミロップとかと、 同じ目だ! あれはヤバイ!!)」 のび太は直感的にそう感じた。 「モウカザル、援護するんだ!」 モウカザルは走り出す。 しかし、エアームドは既にドクロッグと対峙していた。 「つばさでうつ!」 エアームドは翼を振るい、ドクロッグを襲った。 ドクロッグはエアームドの攻撃をもろに受けたが、不敵な笑みを浮かべた。 「(な、何!?)」 オリーは、その笑みに悪寒を感じた。 「かわらわり!!」 ドクロッグは思いっきりエアームドの頭を殴りつけた。 エアームドへのダメージは大きいようで、エアームドはバランスを崩し、倒れてしまった。 「エアームド!」 「終わらんでぇ!! ドクロッグ、仕留めろ!」 オリーが腰から、ボールを取り出すよりも速く、 ドクロッグは拳にある、毒のツメをにゅっと出し、 それを、エアームドの目玉に突き立てた。 エアームドは、目玉を刺された直後に、ボールに回収された。 「エアームド! エアームド!!」 オリーは動かなくなったエアームドに必死に呼びかける、 しかし、エアームドはぴくりともしなかった。 ドクロッグのツメには猛毒がある。 それを、脳に近い、目に突き刺されたのだから、ひとたまりもなかったのだろう。 「いやぁぁぁぁぁぁぁあぁああ!!」 オリーは涙をこぼしながら、その場に膝まづいた。 「オリーちゃん! くそお!モウカザル、かえんぐるまだ」 モウカザルは尻尾の先にある、炎を大きくし、前回転しながら、ドクロッグに突進した。 「避けろ、ドクロッグ」 モウカザルの攻撃はいとも簡単に避けられてしまった。 しかし、ドクロッグの特性はかんそうはだ、直接触れなくても、 高温で、体が乾いてしまうようだ。 その証拠に、右肩が、少しパリパリになっている。 「ドクロッグ、どくづき!」 ドクロッグは、怒りに満ちた瞳で、モウカザルをひと睨みし、 あの猛毒のツメを立てて、飛びかかってきた。 「負けるか!マッハパンチ」 モウカザルは足の力を最大限に発揮し、もの凄い速さで間合いを詰め、 ドクロッグの顔面を殴った。 ドクロッグはカウンターの右ストレートを顔面に受け、ノックダウンした。 「さあ、次を出せクラウド! やっつけてやる!」 のび太はかなり興奮していた。 オリーのエアームドが殺されたこともあるが、 自分やポケモンの力が確実に以前よりも高まっていることに、 不謹慎ではあるが、喜びを感じていたのだ。 「じゃかましい! 調子こくなよ餓鬼ィ!!」 クラウドはニドキングを繰り出した。 ニドキングは以前と同様に、冷たくて、見下した目をしていた。 「はかいこうせん!!」 ニドキングの口から、衝撃波が放たれる。 「ベーだ!当たるもんか!」 のび太とモウカザルは、はかいこうせんを避けた。 しかし、クラウドは攻撃が外れたにも関わらず、 ニヤニヤと笑っている。 「(何が可笑しい……? まさか!!)」 のび太は慌てて振り返った。 はかいこうせんは、それほどスピードはないが、 オリーの方へ、真っ直ぐ向かっていた。 オリーは泣き崩れていて、そのことに気づいてはいない。 そう、クラウドは最初から、オリーを狙っていたのだ。 「オ、オリーちゃぁぁあん!!」 『ドラえもんのび太の携帯獣冒険記』 第二章 ♯第十一話 「血」 瓦礫が散乱し、気を失った人々が倒れているこの場所は、 ジャイアンとユウマが熱戦を繰り広げていた、 捕獲装置の製造現場だ。 ユウマはあれからも、フライゴンが疲れきるまで、 怒りに任せ、はかいこうせんを撃ち続けたのだ。 もちろん、他の団員には当たらないようにだ。 「もう、死体すら残ってはいないだろうな」 ユウマは、フライゴンの背から降り立ち、 クレーターと化した、ジャイアンのいた場所を歩いた。 「しかし、なんだって『エルド』を裏切るようなことをしたんだ……」 ユウマはジャイアンとの短かったが、なんとなく楽しかった時間を思い出していた。 「いや、あの裏切り者のことはもう忘れなくては。 とりあえず、クラウドさんに、現状報告をしなくちゃ」 ユウマは、クレーターから出て、通信機のある場所へ向かった。 「これで、よし。あいつがアンテナを折った所為で、時間かかったよ」 ユウマは回線を回復させ、クラウドと連絡を取ることにした。 ユウマはクラウドの無線のIDを入力した。 本来ならば、ここで画面に「通信中」とでるが、 「エラー」の画面が表示された。 「? まだ駄目か……仕方ない、もう一度」 ユウマは回線を直そうと、振り向いた。 すると、彼の目の前には、砂だらけになったジャイアンが、仁王立ちしていた。 「ひっ!!」 ユウマは思わず、変な声を発してしまった。 ジャイアンは何も言わず、ユウマの顔面を力いっぱい殴った。 ジャイアンに殴られたユウマは、鼻血を噴出し、転倒した。 「ぐうう……何故生きてる?」 ユウマは鼻を抑えながら、ジャイアンに問う。 「てめえの一発目のはかいこうせんのとき、 俺は、ドードリオを出し、あの場所から離脱したんだ。 で、お前がそれに気づかず、撃ちまくっている隙に、 俺はキングラーのあなをほるで、隠れていたわけよ」 「ひ、卑怯な……」 「うっせえ!気づかないやつが悪いのさ!!」 ジャイアンは再び、ユウマの顔面を殴った。 ユウマは、鯨の潮吹きのごとく、鼻血を噴出し、 気絶した。 「……おめえとは、もう少し仲良くなりたかったぜ」 ジャイアンは、どこか寂しげな、表情を浮かべ、 ユウマを見つめていた。 「おっと、そろそろやらねえと」 ジャイアンは、捕獲装置を破壊するため、 工具入れに入っていた。爆弾らしきものをいくつか引っ張り出してきた。 ジャイアンは、それを捕獲装置に縄を使って巻きつけた。 「さて、あとは火だな」 ジャイアンは、バーナーを取り出し、爆弾から長さが80mほどある導火線に 火をつけた。 導火線についた火は、一気に爆弾をめがけた。 「トンズラするぜ!」 ジャイアンはドードリオを出し、建物から脱出した。 そして、その数秒後。 建物からもの凄い爆音が響いた。 ジャイアンの作戦は、成功したのだ。 「よし、これで地龍は捕まらねえだろ。 次は本部だな。まさに俺ってヒーローだな」 ジャイアンはブツブツ言いながら。 建物を後にしようとした。 すると、彼の肩に、一滴の水が落ちた。 「ん?雨か?」 ジャイアンはふと上を見た。 そこには、一塊の真っ黒な大きな雲が頭上を覆い尽くしていた。 ジャイアンが、驚きのあまり、口をパクパクしていると、 雨が一気に強くなった。 「な、なんだこりゃ?」 「雨、好き?」 ジャイアンの背後から、突然少女の声がした。 ジャイアンは恐ろしくて、振り向けなかった。 「あたしは好きよ、だって、雨って……」 少女が何かポケモンを繰り出した。鳴き声は豪雨のせいで聞こえない。 「返り血をながしてくれるもん」 ジャイアンの顔がさっと青ざめる。 それと同時に、ジャイアンの首筋を何かが掴んだ。 「あたしは『時雨巫女 レイン』。天国へのおみやげにおぼえといて」 ジャイアンの首から鮮血が噴出す。 『ドラえもんのび太の携帯獣冒険記』 第二章 ♯第十三話 「死?」 「ぐお……」 首から血を吹き出したジャイアンは、ドードリオの背から落ちた。 そんなジャイアンに追い討ちをかけるように、雨は一層激しくなる。 「ま、まだ死ぬわけには……」 ジャイアンはポケットをまさぐり、「ヒトデマン軟膏」を取り出した。 「なにやってんの?」 レインはジャイアンに行動に気づいたようだ。 「無理しちゃ、だぁめ」 ジャイアンを襲ったポケモンが、ジャイアンの手から軟膏を叩き落とす。 ポケモンの正体は、オーダイルだった。 「ぐ、いけドードリオ……」 ジャイアンの必死の命令に応えたドードリオは、オーダイルに突撃した。 「皆、たの……む」 ジャイアンは手持ちを全て繰り出し、必死に抵抗した。 しかし、首から流れる血は収まらず、どんどん流れていく。 「そろそろ、まずいんじゃない?」 ジャイアンの耳には、レインの言葉がほとんど届いていなかった。 豪雨のせいもあるが、彼の意識は消え入る寸前だったのだ。 「ちくしょ…う、俺は…絶対的な……」 ジャイアンはとうとう、その場に倒れてしまった。 『ドラえもんのび太の携帯獣冒険記』 第二章 ♯第十四話 「葛藤」 ところ変わって、ドラえもん達。 あれからも、女の猛攻は続き、頼みの綱のしずかのガラガラも、 苦手な湿気で、疲弊していた。 『そろそろ、諦める?』 相変わらず、女は霧の向こうから挑発する。 相手をじわじわとなぶり殺す戦法が好きなのだろうか? よっぽどドSであるのか? 「ドラちゃん、次に敵のライボルトがとっしんしてきたら、 私のガラガラが……」 しずかは、ガラガラの頭を優しく撫でる。 ドラえもんは怒っていた。敵に対してだけでは無く、 幼い少年少女を助けることすらできない自分に腹が立っていたのだ。 『そろそろ、終わりにしましょう?だって意外にあなたたち抗わないもん』 女の声が途切れる。その直後、しずかのガラガラが悲鳴を上げ、倒れた。 「ガラガラ!」 しずずかが、ガラガラを回復させようとする。 しかし、無情にも、ガラガラは、頭がかち割られ、死んでいた。 「いやああああああ!」 しずかが絶叫する。その時、彼女の背後に人影が現れた。 『ドラえもんのび太の携帯獣冒険記』 第二章 ♯第十五話 「覚悟」 「しずかちゃん!後ろだ!」 ドラえもんが叫ぶ。 「えっ?」 しずかは振り向くも、時既に遅く、しずかは、凄まじい蹴りを喰らって、 宙を舞った。そしてそのまま、地面に落ちた。 「これで2匹目ね」 女がゆっくりとドラえもんの方を向く。 女は眼鏡をかけ、水色の長い髪を腰まで伸ばしている。 「初めまして、ドラえもん君。私は『エルド』の幹部の『魔霧乙女 ミスト』よ」 「か、幹部……?クラウドと同じか?」 ミストはククっと小さく笑う。 「まあ、立場上では同じだけど、あいつより私の方が数倍強いわ」 ミストは自信たっぷりに言う。 その間ドラえもんは、こっそりとボールを手にしていた。 「(今、こいつは自分の自慢話に夢中だ!パッチールで混乱させて、一気に叩く!)」 意を決したドラえもんはボールをもっている右手を振り上げる。 しかし、その瞬間。パッチールのボールは真っ二つにされてしまった。 中に入っていたパッチールは、もちろん無残な姿になっている。 「な……」 ドラえもんはミストの方を見る。 ミストは片足をドラえもんの方に向けていた。 彼女の履いている靴から、機械音がしている。 「ウフフ、びっくりした? 私が、戦闘用の手持ちが少ないのは、私自身が戦えるからよ。 それも、並のポケモンは瞬殺できるわ。 そこのパッチールみたいにね」 ミストはドラえもんのパッチールを指差す。 「そ、その靴は一体?」 「ああ、この靴? いいわ、教えてあげる。 この靴の名は「エアロ・ウォーカー」。 言うなれば、ランニングシューズの改造版かしら。 さっきみたいに、この靴の裏からは、エアスラッシュ並の 空気の刃が飛ばせるの、よッ!!」 ミストは説明していたかと思うと、いきなり片足を振り上げ、 ドラえもんに刃を飛ばした。 ドラえもんはそれを受け、吹き飛んでしまった。 頑丈なドラえもんでも、かなりのダメージを受けた。 「ふ~ん。やっぱそれなりに頑丈なのね」 ドラえもんはふらつきながらも立ち上がる。 「僕は負けない! おまえらみたいな悪党なんかには決し」 ドラえもんは言い終わらないうちに、蹴り飛ばされてしまった。 やはり、ランニングシューズのような、加速能力があるのだ。 「バッカじゃないの!? 勝てないってわかってるじゃないの!」 ミストは更にドラえもんに猛攻を加える。 ドラえもんはあらゆる場所を蹴られ続けた。 彼は、意識がもうろうとしていた。 「さあ、トドメ!!」 ミストは凄まじい蹴りをドラえもんの腹に浴びせる。 「あっ……ガ……」 ドラえもんは腹の方から「カチッ」という音を聞き、倒れた。 ミストは息づかいが荒いまま、ドラえもんの頭を踏みつけた。 まさにSだ。 「さあて、そろそろ壊れてもらおうかしら」 「ま……まだだ!!!」 ドラえもんは力の限りミストを払いのけた。 「僕は皆を守らなきゃいけないんだ!! お前なんかに倒されているヒマはない!!」 ミストの目が冷たくなる。 「なら死ね!」 ミストの放った刃がドラえもんめがけ飛んでくる。 「僕は、負けない!」 ドラえもんが叫ぶ、その瞬間。 ドラえもんのポケットが光り輝いた。 「こ、これは!」 ドラえもんは素早くポケットに手を突っ込み、あるものを取り出した。 次の瞬間。ミストは腹から血を噴出していた。 「え……!?」 ミストはその場にがっくりと膝を落とす。 「私の刃を跳ね返したとでも言うの……? あんたの手持ちにはミラーコートなんて使えるやつ……」 ミストはそこで、倒れた。 ドラえもんの手には、赤いマント―ヒラリマントが握られていた。 『ドラえもんのび太の携帯獣冒険記』 第二章 ♯第十六話 「復活のドラ」 ドラえもんはヒラリマントを握り締めたまま、 呆然としていた。 「……どうして、ポケットが使えるようになったんだろう?」 ドラえもんはおもむろにポケットに手を突っ込み、 まさぐってみた。 すると、手に懐かしいものが触れた。 「タ、タケコプター!!」 ドラえもんの十八番のタケコプターが久しぶりに顔を出した。 「あ、そうだ! しずかちゃんとスネ夫君を治療しなきゃ」 ドラえもんは一縷の希望にかけ、ポケットを再びまさぐった。 「あ、あった。おいしゃさんカバンだ!」 しずか、スネ夫は早めに治療したかいもあり、すぐに意識を取り戻した。 しかし、霧は晴れる様子はなかった。 「スネ夫君、君はこの霧を発生させているポケモンを見たんだね?」 スネ夫は頷く。 「そうさ、コータスとオニゴーリの二匹で何かしてたよ」 「そのポケモンが原因とみて間違い無さそうだな」 ドラえもんはポケットに手を突っ込み、タケコプターを三つ取り出した。 「ド、ドラちゃん!!どうしたのよこれ?」 しずかは目を丸くして驚いている。 「さっきの戦いでポケットが使えるようになったんだ。 さあ、これで、ケリをつけに行こう!」 三人はタケコプターを頭に着け、大空に飛び立った。 霧を脱出した三人はすぐに、霧の元である、 コータスとオニゴーリを見つけた。 二匹は双極に位置していて、 コータスは熱気を、オニゴーリは冷気を口から放っていた。 「霧の発生は……あったかくて湿り気のある空気が、 冷たい空気と混ざってできる……。 成る程ね、ミストはそれを戦闘に利用してたのか」 ドラえもんが関心している。 「どーでもいいから、あいつらを倒そう!」 スネ夫がイライラしながら言う。 「わかったよ、じゃあ、僕がコータスをやっつける。 しずかちゃんとスネ夫君は、オニゴーリをお願い」 ドラえもんの指示に二人は頷く。 「さあ、あいつらを倒してのび太君を助けに行こう!」 三人は二手に分かれて、敵に殺到した。 『ドラえもんのび太の携帯獣冒険記』 第二章 ♯第十七話 「怒りと信念と」 ところ変わって、のび太&オリー組。 クラウドのニドキングが放ったはかいこうせんが、 今まさにオリーに命中しようとしていた。 「オ、オリーちゃああああああああん!!!」 のび太は声を張り上げ、オリーの元に走った。 しかし、シューズの力を持ってしても、 光線は追い抜けなかった。 「逃げてぇええええええ!!」 のび太の必死の声にオリーは、はっと顔を上げた。 しき、無情にも、はかいこうせんは、オリーに直撃し、爆音を上げた。 「そ、そんな……」 のび太は煙が立ち込めるオリーのいた場所を前に、 膝を落とした。 「ハハハハハハハハハハハ!! ざまあないなあ!!」 クラウドが腹を抑えて大笑いをしている。 ニドキングも満足そうな顔をしている。 のび太はその笑い声を聞きながら、唇をかみ締め、涙をこぼしていた。 そして、クラウドを睨みつけ、モウカザルと共に突撃していった。 のび太の目はかつてのオリーと同じく「憎しみ」の一文字で表せた。 「モウカザル! かえんぐるまだ!」 のび太は喚き散らすように、モウカザルに命令した。 モウカザルは火炎を纏い、ニドキングに激突した。 しかし、ニドキングはケロリとした表情を浮かべ、 モウカザルを払いのけた。 「くそおお! マスキッパ、ヤミカラスも行けえ!」 のび太は二匹を繰り出した。 「マスキッパは、ニドキングを押さえ込め! ヤミカラスはとにかく攻撃だ!」 のび太の命令通り、マスキッパは触手を伸ばし、ニドキングの手足を縛りつけ、 自由を奪った。 「よし、やっちゃえ、ヤミカラス!」 のび太はほとんど勢いに任せ、ヤミカラスに指示した。 それが裏目に出るとは分からずに。 「あほかおのれは!!」 「え」 クラウドが一喝する。 その直後、ニドキングは両手足に巻きついた触手を力いっぱい引きちぎった。 マスキッパの触手のちぎれた部分から、緑色の血が吹き出す。 そして、ニドキングはそのまま、突進してくるヤミカラスをなぎ払った。 「マスキッパ、ヤミカラス!」 のび太は慌てて、二匹の元に駆け寄った。 マスキッパは大量に出血し、ヤミカラスは翼が片方折られていた。 「ったく……これだから、ガキは……。ようく見てみいや」 クラウドはのび太の後方を指差す。 のび太はさっと振り返った。 「! あああああ!」 のび太の視線の先には、オリーが倒れていたのだった。 「オリーちゃん!」 のび太は、三匹をボールに戻し、クラウドがいるのにも関わらず、 オリーの元に駆け寄った。 「オリーちゃん?」 オリーは気絶しているだけで、呼吸も正常だった。 体は爆煙のススで汚れていたものの、怪我は何一つ無かった。 ただ、オリーの右腕―機械の腕はグシャグシャに壊れていた。 「ど、どーゆーこと?」 「わいも気づかへんかったけど、そいつ、その機械の右腕を盾にしたみたいやな。大したやっちゃ」 クラウドが言う。 「さて、そろそろ頭冷えたか? さっきは、自分のポケモンに酷いことしちゃったなあ」 「うん……僕は馬鹿だ……。ポケモン達にイライラをぶつけた挙句に、怪我をさせちゃった。 でも、僕はふっ切れたよ!」 のび太はまだ、元気のあるモウカザルのボールを握る。 「僕にまた力を貸してよ、モウカザル?」 その言葉に呼応したように、モウカザルは紅く輝きだした。 最終進化の兆しだ! 次へ
https://w.atwiki.jp/nobita_in_pokemon/pages/154.html
のび太とジャイアンは囚われの3人を救うためまずは1階の探索を開始した ジャイアン「こんなに広い場所を探すとなるとかなり時間が掛かる、二手に分かれて探すぞ」 のび太「分かった、気をつけてね」 ジャイアン「お前こそな!」 2人は早く3人を探すため二手に別れた、そしてジャイアンは1階の奥を探すことにした ジャイアン「さすがに此処まで奥に来ると部屋もねーな・・・うん?」 見ると奥に一つだけ寂しげに部屋があった ジャイアン「こんな奥にあるってことは3人を閉じ込めてる部屋、って可能性が高いな・・」 この部屋が怪しいと踏んだジャイアンはその部屋に駆け出し、そっとドアを開け部屋を覗いた ジャイアン「誰もいないのか・・・?なら入っても良いよな」 中が無人のことを確認し静かに部屋に入った ジャイアン「部屋の奥にまたドアがある・・さてはあそこに3人が居るんだな!」 そう考えると奥のドアに向かって走り出し勢い良くドアを開けた、そこに恐怖絶するものがいるとも知らずに ジャイアン「あわわわわ・・・・」 その部屋には鎖で繋がれた巨大なガルーラが一匹、恐ろしい顔で立っていた ガルーラは恐ろしい顔のままギロリとジャイアンを睨み付けた ジャイアン「たたたたたたた、たすけ、助けてくれ~!」 恐怖するジャイアンをガルーラは手で掴み高々と高く持ち上げた ジャイアン「俺を食っても美味くないぞ!止めてくれえええ!」 必死に命乞いをするジャイアンをガルーラは口に運び・・・ではなく腹のポケットに入れた ジャイアン「へ?・・・何だ・・食われるかと思ったぜ」 先ほどまで怖い顔をしていたガルーラはジャイアンをポケットに入れると嬉しそうにニコニコしている どういうことだ?と考える前に手前のジャイアンが通ってきた部屋のドアを開ける音がした ジャイアン「まずい!隠れさせてくれ!」 焦ったジャイアンはガルーラのポケットに潜り息を潜めた 部屋に入ってきたのはロケット団隊長だった 隊長はガルーラに近づくとすると突然殴る蹴る、暴行を加えたのだ ジャイアン(何やってんだ・・・?) ポケットに隠れていて外の状況が分からないジャイアン、そんな彼の隠れているガルーラのポケットを隊長は蹴った ジャイアン「ギャ!!!」 隊長「ムッ!誰か居るのか!?」 突然の攻撃に驚いたジャイアンは思わず声を出してしまった、隊長はガルーラのポケットの中を覗いた 隊長「な・・何だ?・・・ポケットの中に人間が・・・?」 見つかってしまったジャイアンは覚悟決め、ポケットから顔を出した 隊長「何だ貴様は?何故俺のサンドパックのポケットに入ってるんだ」 ジャイアン「サンドパック?」 隊長「このガルーラは俺のストレス発散ように捕まえたポケモンよ、いつもこうして痛めつけて仕事の鬱憤を晴らしてるのさ」 言われて良く見て見るとガルーラの体は傷だらけだった、と、ここでジャイアンはあることに気が付いた ジャイアン「そういえば・・このガルーラの子供が居ねーがどういうことだ?」 隊長「子供?ああ、そういえばそんなのも居たっけな、このまえうっかり腹に強力な攻撃をしちまって殺しちまったぜ」 ジャイアン「何だって!?」 隊長「子供が死んでからこの親ガルーラ突然大人しくなってよ、親子ポケモン何て言われてるぐらいだからな、子供が死んでショックなのかな?はっはっはっは!」 ジャイアン「・・・せねぇ・・」 隊長「はっ?」 ジャイアン「許せねぇ!!!ガルーラ、メガトンパンチだ!」 怒りのジャイアンの怒号に影響されたガルーラは拳を振るい隊長を吹っ飛ばした 隊長「ひぃぃぃぃい!!助けてくれー!」 隊長は泣きながら部屋を出て行った ジャイアン「ザマーみろ!・・・あっ!奴を逃がしちまった!ロケット団に見つかっちまう、早く逃げねえと・・」 ポケットから飛び出ようとするジャイアンをガルーラは抑えた ジャイアン「な、何だよ、離せよ、奴等に捕まっちまうだろ!」 しかしガルーラはジャイアンをポケットから出そうとしない、どうやらジャイアンを子供と勘違いしているらしい ジャイアン「しょうがねえなー・・・分かったよ、お前も俺様の手持ちに入れてやるぜ!」 困り果てたジャイアンは仕方なく、ガルーラを連れて行くことにした その頃のび太は・・・ のび太「広すぎるよ・・これじゃあ見つかるわけないよなー・・・・」 あまりの広さに愚痴を零していた、まだ1階しか探索してないと言うのにもうクタクタのようだ だらだらと歩いていたその時、前方より人が走ってくる音がした のび太「え?ちょっ、ヤバイって!何処か隠れる場所は・・・あった!」 焦りまくった末、物陰を見つけそこに隠れた 隊長「大変だ!ガルーラが暴れているぞ!」 そう叫びながら隊長は走り去っていった のび太「ガルーラ・・?誰か見つかったのかと思った・・・」 ホッとするのび太、しかし何か嫌な予感がしてならなかった どうしても気になるのび太は走り去っていった隊長の道を辿ってみることにした しばらく走っているとロケット団団員達が多数いる通路に出た、その団員達の集団の真ん中で信じられないことが起きていた 暴れるガルーラ、いや、のび太の目に映ったのはガルーラではなくそのガルーラのポケットで鉄拳を振るい暴れているジャイアンだった のび太(何やってんだあのゴリラ!見つからないようにって言ったのに・・・あいつには脳というものが無いのか?) もう呆れることしかできないのび太、見捨てるわけにもいかないので頭を抱えながらジャイアンを助けに行った のび太「オコリザル、からてチョップだ!」 マンキーは修行の中でオコリザルに進化していた、オコリザルはロケット団を蹴散らしのび太の通る道を作った のび太「ジャイアン!何やってんの!?」 ジャイアン「おうのび太か、いや、このガルーラがポケットから出してくれないから仕方なく戦うことにしたんだ」 あまりに馬鹿げた発言にのび太は体を震わせ怒鳴った のび太「モンスターボールに入れれば良いだろ!!!」 ジャイアン「あ、その手があったか」 のび太「その手があったかじゃないだろ!ジャイアンのせいで沢山ロケット団が集まってきたじゃないか!」 2人は数え切れない団員達に囲まれていた 幹部「まったく笑わせてくれる男だな・・」 ジャイアン「か、幹部!」 無数の団員達から離れた場所に幹部が立っていた 幹部「わざわざ自分から居場所を教えてくれるとは親切な奴だ・・・下っ端ども!奴等を生け捕りにしろ!」 この一声で下っ端達は一斉に2人に襲い掛かった ジャイアン「くそー!全員ぶん殴ってやる!」 幹部「くっくっく・・・思ったより早く終わったな」 ジャイアン「く、くそー・・・・」 2人は多数相手に奮戦したが多勢に無勢、あっという間にボコボコにされてしまった 幹部「こいつ等は牢に入れておこう、連れて行け」 下っ端「はっ!」 2人は下っ端達に担がれ牢まで連行された 幹部「着いた着いた・・・ふふふふ、しばらく此処に入っていろ、お友達も居るぞ」 のび太「友達・・・?」 2人は抵抗することもできず牢にぶち込まれた ジャイアン「この野郎!出せー!」 出来杉「この声は武君!?」 のび太「出来杉?」 牢の奥には出来杉が小さく蹲っていた ジャイアン「出来杉!こんなところに居たのか!」 出来杉「何だって此処に居るんだい?」 のび太「捕まえられた君達を助けに来たんだよ、でも捕まっちゃって・・・」 出来杉「そうか・・・そういう作戦だったね」 静まる空気の中、ジャイアンが言った ジャイアン「何とかして此処を出ようぜ!ポケモンの技で扉を突き破るんだ!」 出来杉「それは無理だよ、僕も試してみたけどこの扉は頑丈に作られてて傷一つ付けられなかった」 ジャイアン「だったらこの技の出番だぜ!行けゴーリキー、怪力だ!」 ゴーリキーは扉に向かい懇親の力で押しまくった ジャイアン「くそ!ゴーリキーだけじゃ駄目だ、のびた!お前もポケモンを出せ!」 のび太「僕は怪力を使えるポケモン持ってないよ!」 ジャイアン「これを使え!」 そう言うと持ち物から秘伝マシンを取り出し、のび太に投げ渡した のび太「じゃあカビゴンに覚えさせよう・・・・よし!覚えさせたよ!」 ジャイアン「二匹で押すんだ!行けー!!」 ゴーリキーとカビゴンは扉を押し破った ジャイアン「やった!逃げるぞ!」 3人は牢を脱出した 一方しずかはカードキーを捜し上の階へ来ていた しずか「ゲームではこの辺に落ちていたはずだけど・・・見つからないわ」 ゲームでは分かっていても見つけるのは簡単ではなかった しずか「・・・もしかしたらゲームを知ってる幹部が持ってるか隠したのかも・・だったらどうすべきかしら・・・え!?」 ふと見た部屋の机に無造作にカードキーが置かれていたのだ しずか「罠?・・でもカードキーはあそこにある・・・取らない理由は無いわね」 危険覚悟でしずかはその部屋に入り机にあるカードキーに手をかけた しずか「・・・何もない?まあ良かったわ・・」 そう言ってカードキーを持ち上げると警報が鳴り出した しずか「くっ!これを持ち上げると警報が鳴る罠だったのね、早く逃げないと・・」 しかし手遅れだった、部屋の扉はいつの間にか閉められ脱出は困難となった 幹部「あんな罠に掛かるとは・・マヌケだな」 しずか「なっ・・・・!」 いつの間にかしずかの背後には幹部と数人の下っ端が立っていた しずか「なるほど・・・此処に閉じ込めて逃げられないようにしておいて倒す作戦だったのね」 幹部「そういうことだ、しかしお前が掛かったか・・・これは好都合だ、一番厄介な奴が消えてくれれば後は楽だ」 しずか「私がやられる?まだ寝言を言う時間には早いわよ」 幹部「くっくっくっく・・・寝言かどうかは自分で調べると良い!」 しずかはピッピ、幹部はゲンガーを出し交戦した しずか「・・・この前の戦いの決着をつけましょうか」 幹部「この前の戦いで押されていた奴が何を強がっている?」 しずか「確かにこの前の私じゃ敵わないわ、でも私はあれから更に強くなった・・・もう負けることはないわ!」 幹部「ふん・・では私も本気で戦ってやろう!」 2人の戦いは激化した その頃、牢を脱出した3人は・・・ ジャイアン「勢い良く飛び出たのは良いがどこに行けば良いんだ?」 出来杉「まだ捕まってるスネオ君にドラえもんを探すのが得策だと思う・・」 のび太「じゃあまたばらばらになって探そうよ!」 ジャイアン「そうだな、よし!ここで分かれるぞ!」 3人が散り散りになろうとした瞬間、上の階から人の悲鳴が聞こえた しずか「きゃあああああ!!!」 ジャイアン「しずかちゃん?・・・上からだ!」 3人は上の階へ走った 出来杉「ここだ!ここの部屋から悲鳴が聞こえたんだ」 のび太「でもこの扉いくら押しても開かないよ!」 ジャイアン「俺様に任せろ!うおおおおおお!!!」 ジャイアンは扉に向かい思いっ切り体当たりをし、扉を粉砕した ジャイアン「これで入れんぞ、行くぜ!」 3人は部屋に入ると思いもよらない状況を目にした しずか「あ、あなた達・・・?」 幹部「ちっ!邪魔が来たか・・」 しずかは大分やられたようで体中ボロボロになっていた のび太「しずかちゃんがこんなにやられるなんて・・・」 幹部「邪魔者め!失せろ!」 ゲンガーの攻撃が3人を襲った 出来杉「くそ!反撃だ、サンダース!ミサイル針!」 幹部「ぐわ!」 ミサイル針は幹部を襲った、そして・・その拍子に幹部が被っていた帽子が地面に落ちたのだった 出来杉「どうだ!・・・え!?」 のび太「ま、まさか!」 ジャイアン「お前が・・・幹部だったのか!!?」 そこに立っていたのはこの3人の友達であり、共にこの世界に来た親友・・・ スネオ・・・骨川スネオが生気を失った目で立っていた・・・ のび太 ギャラドス(レベル45)、ピカチュウ(レベル41) 、マンキー(レベル40)、スリーパー(レベル40)、カビゴン(レベル41)、メタモン(レベル39) ドラえもん シルフカンパニーにて監禁 ジャイアン リザードン(レベル57)、ウツドン(レベル46)、ゴーリキー(レベル44)、サイドン(レベル42) スネオ 手持ち不明 しずか フシギバナ(レベル69)、プリン(レベル55)、ピッピ(レベル54) 、ドードリオ(レベル53)、タマタマ(レベル52) 出来杉 手持ち不明
https://w.atwiki.jp/poke_ss/pages/1104.html
5ページ目 ジャイアン「あぁぁ!のび太の野郎!!ぜってぇにゆるさねぇ!!!……ってアイツ今どこにいるんだよ」 ジャイアン「まぁ良い、のび太をギッタンギッタンのボッコボコにしたら俺のwikiも盛り上がるか……」 のび太「……ジャイアンから電話だ……」ガクブル ジャイアン「よぉのび太、お前が書いたんだろ、俺の餓鬼代将の立場をメチャクチャにしやがってぇぇぇ!!覚悟しとけよ……」 のび太「スネオ、助けてくれ……」 スネオ「まぁ、家に来いって」 スネオ「それよりさっきの電話内容録画したったww燃料投下ww」 次へ トップへ
https://w.atwiki.jp/nobita_in_pokemon/pages/277.html
前へ ジムに入ると、まず最初にジムリーダー認定トレーナーを見ておいた。 そこには僕とドラえもんを除く4人の名前があった。 僕たちが24・25番道路にいる間にジム戦を済ましたのだろう。 早く彼らに追いつこうと心に決め、ジムリーダーのもとへ歩いていった。 「あら、また子供の挑戦者?今日は多いわね・・・」 近づいた僕にすぐ声をかけてきたのは、オレンジ色の髪をした 25歳くらいの美人の女性だった。 ここにいるということは、恐らくこの女性がジムリーダーのカスミで 間違いないだろう。すっかり立派な大人になっているが、かすかに昔の面影がある。 僕がそんな事を考えていると、突然カスミがこう言った。 「どうしたの、さっきから私の顔をジーッと見てるけど・・・」 「い、いえ!なんでもありません!」 思わず赤面してしまった。どうやら僕はずっと彼女の顔を見つめていたらしい。 疑問を聞き終えたカスミは腰につけてあるモンスターボールを取り出した。 「じゃあ、早速始めましょうか。」 「ええ、どうぞ。」 「出ておいで、トサキント!」 カスミの最初のポケモンはトサキントだった。昔は手持ちにいなかった ポケモンである。どうやらタケシと違い、手持ちのポケモンが変わっているようだ。 「頼んだぞ、リザード!」 僕は当初の予定通り、タイプでは不利なリザードを出した。 カスミはちょっと驚いているようだ。 「水タイプにリザード?折角こっちが水タイプで来るって分かってるんだから ちゃんと相性で有利なポケモンをつれてこればいいのに・・・」 確かにカスミの言うとおりだ。しかし、僕はあえてこの厳しい道を選んだのだ。 「炎タイプだからって甘く見ないでくださいよ。リザード、行くぞ!」 僕の掛け声にリザードが雄たけびを上げて呼応する。いよいよバトルの始まりだ! バトルは僕の攻撃から始まった。 「リザード、龍の怒りだ。」 リザードの攻撃を受けたトサキントは吹っ飛んだ。龍の怒りは 相手に必ず40ダメージを与える技だ。序盤ではかなり頼もしい技である。 「力押しできたか。トサキント、超音波よ。」 「読み通りだ。リザード、鳴き声!」 トサキントはもう後一発で倒れてしまう状況だ。だからここは混乱による 攻撃失敗にかけるしかない、という僕の予想が見事に的中した。 トサキントの超音波をリザードの鳴き声がかき消した。 「今だリザード、もう一発龍の怒り!」 トサキントが再び飛ばされ、動かなくなる。どうやらもう戦えそうにはない、 まずは1勝だ。 「なかなかやるようね。コダック、行ってらっしゃい。」 カスミが次に出したのはコダック。これも前はいなかったポケモンだ。 「速攻で倒すよ、リザード。龍の怒りだ。」 僕は先程と同じパターンで倒す作戦に出た。攻撃はコダックに かなりのダメージを与えた。 「2度も同じ手が通じると思わないことね。コダック、金縛りよ。」 「しまった!」 気付いた頃には時すでに遅し。龍の怒りは封じられてしまった。 リザードに残された攻撃技は引っ掻くと火の粉。 どちらもあまりダメージを与えることが出来ない技だ。 「コダック、水鉄砲よ。」 「リザード、火の粉だ。」 水鉄砲と火の粉の応酬が繰り広げられる。ダメージの差では大きく不利だが、 敵は龍の怒りで大ダメージを受けている。結局お互い2回目の攻撃であっさり沈み、 勝負は相打ちに終わった。 「まさか炎タイプに2匹もやられるとはね。でも私は負けない。 スターミー、任せたわ。」 やはり最後は13年前から変わないカスミのエース、スターミーだった。 敵のスターミーに対し、僕はキルリアを繰り出した。ここまでは予定通りだ。 早速こちらから攻撃を仕掛けた。 「キルリア、マジカルリーフだ。」 水タイプに効果抜群で威力60の技マジカルリーフ。これがあるから 僕はキルリアを対スターミー用ポケモンに選んだのだ。 攻撃をくらったスターミーは半分程のダメージを受けた。 「成程、草タイプの技を持っているのね。ならスターミー、影分身よ!」 カスミはこちらの攻撃を受けないようにするために、 影分身で回避率を上げる作戦に出た。だが、どこかおかしい・・・・・・アッ! 「何ボーッとしてるの?スターミー、いまのうちにスピードスターよ。」 僕が異変に気付いた瞬間にスピードスターがキルリアを襲った。 「キルリア!大丈夫か?」 僕はキルリアを心配して駆け寄るフリをする。そしてキルリアにある事を耳打ちした。キルリアは無言で頷き、再び戦闘態勢に戻った。 「よしキルリア、もう一度マジカルリーフだ。」 「スターミー、影分身で避けるのよ。」 キルリアの攻撃は外れ、影に当たった。カスミが笑顔を見せる。 「スターミー、もっと影分身をするのよ。」 「キルリア、何度もマジカルリーフで攻撃しろ。」 マジカルリーフは影にばかり当たって外れている。それを見るカスミは嬉しそうだ。 「いいわよスターミー、そろそろ攻撃に移りなさい。水の波動よ!」 だがスターミーの攻撃が当たる前に、キルリアのマジカルリーフが的確に命中した。カスミは少し焦ったが、すぐに落ち着きを取り戻した。 「今のは運が悪かっただけ、2回続くはずがないわ。もう一度水の波動よ。」 しかしカスミの思い通りには行かない。今度も先にマジカルリーフが命中し、 スターミーは倒れた。向こうの手持ちポケモンはこれで0、僕の勝ちだ! バトルを終えたカスミは僕に近づいてくるとこう言った。 「どうやら私の負けみたいね。しかしあの状態で2回連続攻撃を当てるなんて、 なかなかの強運の持ち主ね。」 「いや、あれは運のおかげじゃありませんよ。」 「え,え?」 僕の言葉が予想外だったのか、カスミは驚いている。 僕は先程の戦いの裏を語ることにした。 「実はさっきのマジカルリーフって技なんですけど、あれはスピードスターと同じ 絶対必中の技なんですよ。あなたは知らなかったみたいですけど・・・」 「え?でも何回か外れたじゃない・・・」 「キルリアがスピードスターで飛ばされたとき、僕が駆け寄って行ったのを 覚えていますか? あの時僕はキルリアにこう耳打ちしたんです、“敵が攻撃してくるまで、 マジカルリーフをわざと外せ”とね。そうする事であなたにマジカルリーフが 必中の技であることを悟られないようにしていた。」 「そういうことか・・・あの技の効果を知らなかった事が致命的だったわね。私の完敗ね。ブルーバッジを受け取って。」 カスミから僕にブルーバッジと水の波動の技マシンが渡される。僕はそれをありがたく受け取り、ジムを後にした。次の目的地はクチバシティ。まだ見ぬ次のジムリーダーに思いをはせ、回復を済ませた後、僕はハナダシティを出て行った。 まったく用事の無い育て屋以外は特に何も無い5番道路をさっさと抜け、 地下通路から6番道路へ向かった。地下通路の中は薄暗く、 不気味な雰囲気をかもし出していた。 「気味の悪いところだな・・・ん、これは?」 僕の足下に不思議な箱のような物が落ちていた。そういえば、地下通路には落し物が多いことを思い出した。僕は周りに誰もいないことを確認すると、その箱をこっそりバッグの中に入れた。こんな窃盗行為はしたくないのだが、どうもこの箱が気になって仕方なかったのだ。 その後は特に何事もなく、地下通路を抜けて6番道路へ到着した。道中たくさんのトレーナーがいたが、僕と互角に張り合えるようなトレーナーは存在しなかった。 僕はあっさりと6番道路を抜けてクチバシティに辿り着いた。 「まずは回復を済ませるか・・・」 ポケモンセンターへ入った僕の目には2人の見慣れた人物が映った。 ジャイアンと静香である。僕に気付いた2人が声をかけてくる。 「あら、出木杉さん。こんにちは。」 「よう出木杉、お前も来たか!」 「やあ静香ちゃん、武君。2人ともなんでこんな所で のんびりしてるんだい?ジム戦は?」 僕の問いにジャイアンが答えてくれた。 「それがよー、クチバシティのジムに入るには居合い切りが必要なんだが、 サントアンヌ号に乗れないから手に入れる手段が無いからここで行き詰ってるんだ。 今のび太とスネ夫が秘伝マシンを手に入れる手段を探しに行ってるんだが・・・」 ちょうどその時だった。タイミングよくのび太とスネ夫が帰ってきてこう告げた。 「皆、朗報だよ!どうやら居合い切り名人は船長を引退してもう死んじゃったみたいで、その息子がこの近くに住んでるみたいなんだ。もしかしたら秘伝マシンをもらえるかも知れないよ!」 その話を聞いたジャイアンが飛び上がる。 「何、本当か!よし皆、早速行くぞ!」 僕たち5人はすぐに居合い切り名人の息子が住む家へと向かった。 居合い切り名人の息子が住むという家はすぐに見つかった。辺りから明らかに浮いている大きな家だったからだ。早速僕たちはその家へ入り、息子に話を持ちかけた。息子は以外にもすぐ返答した。 「よし、いいだろう!家にまだ秘伝マシンは6、7個ほど残っていたから持っていくといい!」 「本当ですか!ありがとうございます!」 とたんに僕たちの顔が明るくなる。だが世の中、そううまくは出来ていないのである。 「ただし、1つ条件があるぞ。」 「条件?何でしょうか・・・」 息子が突きつけた条件はとても厳しいものだった。 「この町とニビシティ周辺を繋ぐ“ディグダの穴”という洞窟は知っているよな。野生のディグダたちが掘り進み、住処としている場所だ。」 「はい、知ってますよ。」 ディグダの穴をゲームでも出てきた場所だ。勿論知っている。 「実は今その場所が野生のサイホーンたちに占領されちまっているんだ。このままじゃあそこを通ることが出来ないし、ディグダたちも住処を失って絶滅してしまう。そこでだ、お前たちがサイホーン軍団を倒してくれれば、この秘伝マシンは譲ってやろう。」 サイホーンの軍団、聞いただけでもとても恐ろしい響きだ。だが、この程度のことであのガキ大将が怯むわけが無かった。彼は勢いよく声を張り上げて言う。 「よしお前ら、いっちょサイホーン狩りと行くか!・・・とあれ?」 ジャイアンが何か疑問を感じて辺りを見回す。僕も一緒に見回してみると、あることに気付いた。ここにいるのは名人の息子、ジャイアン、静香、のび太、そして僕・・・スネ夫がいない! 「あの野郎ー、びびって逃げやがったな!」 「落ち着いて武君!僕たち4人でも戦略を立てればきっとサイホーンたちに勝てる。だから今は彼のことは置いといて目前の敵に集中しようよ。」 僕は怒るジャイアンをなんとか抑え、作戦を考え出した。全員で手持ちを見せ合うと、サイホーン戦の事をあれこれ議論した。ある程度のことがまとまったところで、準備を整え、僕たちはディグダの穴へと向かった。 現在の状況 ディグダの穴前 手持ち リザードLV23、キルリアLV24 所持金 8700円 バッジ 2個 出木杉メモ 名前 手持ち のび太 ヤルキモノ、キノココ(クチバシティ時) ドラえもん フシギソウ、ピジョン(ハナダシティ[全員召集]時) 静香 カメール、ピカチュウ(クチバシティ時) ジャイアン エビワラー、ニドリーノ(クチバシティ時) スネ夫 イーブイ、ズバット(3番道路時) 追記 この世界ではポケモンの技数の制限はありません。 よって4個以上の技を使うことが出来ます。 サイホーンは攻撃、防御の2つの能力に優れており、人を襲う危険性も持つポケモンだ。 バッジ2つ程度の力しかない僕たちがその軍勢を相手にするのは 無謀な賭けだと思われるだろう。 だが、決して勝てないことは無い。 サイホーンは作戦を立ててうまく戦えば簡単に倒すことが出来る相手なのだ。 サイホーンの最大の弱点は、特防が低い上に岩・地面と言うタイプを持っていることだ。 岩・地面は草、水、氷の3種類に効果4倍のダメージをくらってしまう脆いタイプだ。 その上サイホーンは特防が低いので、4倍ダメージの特殊技を使えば もし20レベル程の差があっても一発で倒せるのである。 おまけにサイホーンは素早さがかなり低い。 つまり簡単に先手を取られ、一発で倒されるので自慢の攻撃力が生かせれないのである。 僕たちはサイホーンの弱点を考慮した上で、奴らとの戦い方を考えた。 決まったのは、最初に静香とジャイアンが突っ込んで入って、 僕とのび太がそのフォローをすることだ。 静香が選ばれたのは、水鉄砲を使える上にレベルが高いカメールがいるから、 という単純な理由である。 次にジャイアンが選ばれた理由だが、これも単純な事だった。 僕たちの中で唯一4倍特殊技を使えないジャイアンは後衛に回るべき、 と言うのが僕らの意見だった。 だがジャイアンは、自分が先陣を切るとわがままを言い続け、 結局それが通ってしまったのだ。 まあ彼ならサイホーンを恐れることは無いだろうから、 この役目に一番向いているのかもしれない。 「出木杉、そろそろ僕らも・・・」 ついにのび太が合図を出してきた。 僕は頷き、サイホーンの待つ穴の中へと入っていった。 穴の中にはすでにたくさんのサイホーンを倒している ジャイアンと静香の姿があった。 僕はキルリアを、のび太はキノココを出してやや離れた距離から サイホーンを攻撃した。 ジム戦に続き、ここでもキルリアのマジカルリーフが役立っている。 どんどんサイホーンの数が減っていき、それを倒すジャイアンと静香の顔にも 疲労の色が見え出した。 僕とのび太は2人の合流し、2人に代わってサイホーンの軍勢を相手にする。 技数もかなり減ってきたが、マジカルリーフのPPが無くなりかければ、 前もって準備しておいたピーピーエイダーで回復できる。 どうやら僕の作戦は大成功だったようだ。 ついにサイホーンが3匹ほどまで減り、勝ちを確信したその時! 奥からもの凄い地響きが鳴り響いた。 その音を聞いたサイホーンたちは隠れるように岩場に姿を潜めた。 「おいおい、一体どうなってんだ?」 ジャイアンが疑問を漏らした矢先、奥から巨大な生物が姿を現した。 姿は似ているが、大きさはサイホーンの2倍程ある・・・間違いない、 サイホーンの進化系、サイドンだ! 「こ、こんな化け物がいたのかよ!くそ、エビワラー、ニドリーノ!やっちまえ!」 ジャイアンの手持ちの二匹がサイドンに飛び掛っていったが、 踏みつけられてあっさり倒されてしまった。 「そんな・・・強すぎるわ・・・」 静香のポケモンもやられ、彼女は膝を付いて動けなくなってしまった。 僕の作戦には1つ誤算があった、軍団にはそのボスがいる可能性を 考えていなかったのだ。 サイドンの進化レベルは42、つまりあのポケモンのレベルは最低でも 42と言うことだ。僕らが相手に出来るレベルじゃない! ジャイアンと静香を片付けたサイドンは標的を僕とのび太に変えた。 焦って同様するのび太を僕は落ち着かそうとする。 「落ち着いて、のびた君。 たしかにあのサイドンは強い、でもその性質はサイホーンと殆ど変わらないんだ。 だから、特殊4倍技を2・3発当てれば倒せるはず・・・」 「そうか!でも、攻撃する前にやられちゃうよ・・・」 「大丈夫、僕に考えがある・・・」 僕はのび太に自分が考えた策を告げた。のび太はその策に乗ってくれたようだ。 「よし・・・キルリア、マジカルリーフだ。」 マジカルリーフを受けたサイドンは苦しみ、怒り狂ってキルリアに突進してきた。 …よし、これで注意は惹き付けた。後はどれだけ時間を稼げるかが勝負だ。 「キルリア、影分身で攻撃をかわせ!」 サイドンの突進は外れ、壁にぶつかって激しい衝撃が起きる。 「いいぞキルリア、その調子だ。」 怒りで我を失ったサイドンはなかなかキルリアに攻撃を与えることが出来ない。 だが僕が油断したその時、サイドンが遂にキルリアを捉えた。 キルリアは倒れたが、なんと同時にサイドンまでもが倒れた。 「おい出木杉、何がどうなってんだ?」 状況が理解できないジャイアンが僕に尋ねてくる。 「よし、教えてあげよう・・・のびた君!」 僕が呼ぶと、岩の陰からのび太とキノココ・・・ではなく 先程の経験地で進化したキノガッサが現れた。 「あのサイドンが倒れた原因は、このキノガッサにあるんだ。 まずキルリアが攻撃したときに、キノガッサがサイドンに宿木の種を植え付ける。 そしてサイドンがキルリアを襲っている間に、 キノガッサは吸い取るを使って少しずつサイドンの体力を減らしていくんだ。 マジカルリーフのダメージ+吸い取ると宿木の種の蓄積ダメージ・・・ サイドンが倒れるのは時間の問題だったって訳さ。」 この作戦を知ったジャイアンと静香は僕を褒め称えた。 「あんな短時間、それもあの状況でこんな作戦を思いつくなんて・・・ 凄いわ出木杉さん!」 「ほんと、さすが俺の子分だぜ!」 2人の会話にさり気なく、 「まあ、僕の活躍あっての作戦だったんだけどね!」 と入っていったのび太は華麗にスルーされてしまった。 「そういえば、残ってた3匹のサイホーンは?」 と静香が思い出したように言った。 「2匹は巻き添えくらって倒れてるぜ。残り一匹はどこいったんだ?」 ジャイアンの疑問の答えを僕は知っている。 なぜなら残り一匹は皆が会話している時にこっそり僕が捕まえたのだから・・・ 「あ、ねえ皆見て!」 突然のび太が叫んだので何事かと思えば、 そこには住処に帰ってきたディグダたちの姿があった。 「皆おうちに帰ってきたのね・・・ん、のび太さん、 そのディグダがついてきてるわよ。」 静香の言うとおり、一匹のディグダがのび太に付きまとっていた。 「よし、こいつも今日から僕の仲間にしよう!」 のび太はそのディグダを捕まえ、満面の笑みでクチバへ帰って行き、 僕たちもそれに続く。 こうして、僕たちのサイホーン及びサイドン退治は無事成功に終わった。 僕たちからサイホーン撃破の報告を受けた名人の息子は満面の笑みを見せた。 「いやあ、助かったよ、本当にありがとう。 じゃあ、早速秘伝マシンを受け取ってくれ・・・」 名人の息子から秘伝マシンを貰い、歓喜の言葉を上げようとしたその時、 突然ドアが開いて1人の男が帰ってきた。 「君は確か・・・」 「やあ名人Jr.さん。僕にもその秘伝マシンを頂けませんか?」 現れたのは戦いを恐れて逃げ出したあのスネ夫だった。 「僕は構わないけど、あの子達しだいだね。」 「ふざけんな!今頃どの面下げてきやがった・・・帰れよ!」 ジャイアンに胸ぐらを?まれたスネ夫は、ポケットから1つの石を取り出して言った。 「ジャイアン、秘伝マシンが貰えるならこの“月の石”をあげてもいいんだよ。 これがあれば君のニドリーノが進化できる、君はずっとこれを探していたはずだ。 さあ、どうする?」 「チッ、分かったよ・・・受け取れ、秘伝マシンだ。」 月の石にジャイアンはあっさり釣られてしまった・・・だが、 他の皆が許すはずが無い。 「卑怯だぞスネ夫!君は何もしてないじゃないか!」 「でものび太、君だってドラえもんの分まで貰っているじゃないか。」 のび太はドラえもんの分も秘伝マシンを受け取っていた、 こうなればもう何も言い返すことは出来ない。 「じゃあ、僕はジム戦に行って来るよ。皆、お元気で・・・」 用件を済ませたスネ夫はさっさと家から出て行った。 サイホーン軍団に勝ったというのに、僕たちは心の底から喜べなかった。 ポケモンセンターで回復を済ませ、少しくつろいだ僕はジムへと足を進めた。 リザードに覚えさせた居合い切りで木を切り、入り口前まで来た時に ちょうどスネ夫が出て来て僕に告げた。 「お前も今から挑戦か・・・1つ忠告しておく、油断しないほうがいいぜ。」 スネ夫から不吉な忠告を受けた後、僕はジムの中へ入った。 認定トレーナーには今のところスネ夫の名前しかない、僕は2番目という事だ。 早速僕はジムリーダーに挑むことにした。 「すいません、ジム戦よろしくお願いします!」 「おお、挑戦者か?よろしく頼むよ。」 マチスの英語混じりの挨拶を予想して僕は、向こうの丁寧な日本語に驚かされた。 挨拶をしたのは50から60歳くらいのスーツを着た老人だった。 「あの、あなたがジムリーダーですか?」 「悪いが今ジムリーダーのマチスは外国にいる、私は代理のオルソンというものじゃ。」 オルソンは帽子を取って深々と頭を下げた。 この老人はおそらく、ゲームでジム内にいた一般トレーナーの1人だろう。 なら、楽勝だ・・・しかし頭に先程のスネ夫の言葉がよぎる、油断禁物だ。 「じゃあ行きますよ・・・ビリリダマ、出てきなさい。」 「任せたぞ、サイホーン。」 サイホーンはこのジム戦のための助っ人として捕まえたのだ。 電撃をまったくくらわず、物理技にも強いのでこのジム戦にはもってこいだ。 サイホーンは期待通りビリリダマほぼノーダメージで倒してくれた。 「やはり地面タイプで来ましたか・・・ならチョンチー、水鉄砲です。」 オルソンはなんとチョンチーを使ってきた、サイホーンは一撃で倒された。 …成程、地面対策は万全ってことか、たしかにスネ夫の言うとおりだ。 この勝負、油断したら負ける。 現在の状況 クチバジム、オルソンと交戦中 手持ち リザードLV24、キルリアLV27、サイホーンLV19 所持金 8700円 バッジ 2個 出木杉メモ 名前 手持ち のび太 ヤルキモノ、キノガッサ、ディグダ(クチバシティ時) ドラえもん フシギソウ、ピジョン(ハナダシティ[全員召集]時) 静香 カメール、ピカチュウ(クチバシティ時) ジャイアン エビワラー、ニドキング(クチバシティ時) スネ夫 イーブイ、ズバット(3番道路時) 次へ
https://w.atwiki.jp/nobita_in_pokemon/pages/203.html
「はじめまして、ポケットモンスターの世界へようこそ」 薄暗い空間に一人の声が響いた。 その声は僕とそう年齢の変わらない男の子のもののようだ。 でも詳しいことは分からない。 その男の子は黒いローブを纏っているからだ。 「ポケット…モンスター…?」 僕――野比のび太は思わず呟いていた。 「そう、縮めてポケモン。知ってるよね」 この男の子はなにを言ってるんだろう。 確かにポケモンは知っている。僕の大好きなゲームだ。 だから、ここがポケモンの世界だなんてありえないことだ。 だって、ポケモンはただのゲームだから。 「どうやら忘れちゃったみたいだね。これを見たら思い出せるかな」 そう思ったとき、男の子がなにやら取り出した。 それは複雑そうな機械だった。 よく見ると二つのゲーム――ポケモンのカセットが差し込まれている。 ……そうだ。思い出した。 ドラえもんが未来で買ってきた機械だ。 ゲームの世界に入れるってヤツ。 だから僕は嬉しくて、ジャイアンとスネ夫と出木杉としずかちゃんを誘って、 みんなで発売日の今日に買ったファイアレッドとリーフグリーンを やろうとしたんだ。 そしてゲームを差し込んで、電源を入れて…あとは覚えていない。 ふと周りを見渡すと僕の友達はほとんどそこにいた。 たった一人を除いて。 「……ドラえもん?」 どこにもいない。 僕の大切な友達。 「ドラエモン? ああ、あのロボットのことかな」 男の子が呟いた。 「お前は一体だれなんだ! ドラえもんをどこにやったんだ!?」 僕は叫んでいた。 「僕は…そうだね、このゲームのマスター。ゲームマスターとでも 呼んでもらおうかな」 もしかしたらこの男の子は笑っているのかもしれない。 「ドラエモンの居場所はまだ教えられないなあ。 君たちがチャンピオンになるまではね」 「チャンピオン……?」 今度は僕だけじゃなく、みんなが呟いていた。 「そうだよ。 君たちがチャンピオンになればドラエモンは君たちに返すし、 君たちをもとの世界に帰してあげるよ。 チャンピオンになれなければ、どっちも諦めてもらうけど」 「ふざけるなあっ!」 男の子が説明していると、突然ジャイアンが叫んだ。 「さっさとドラえもんを返しやがれえ!」 ジャイアンは怒りに任せて男の子に殴りかかろうとしている。 「……やれやれ…僕に逆らおうとしても無駄なのに……」 すると、ジャイアンの動きが止まった。 「う…動けねえ……」 その言葉通り、ジャイアンは身動きが取れないようだった。 「……さてと、これで他のみんなも分かったかな。 くれぐれも変な真似はしないようにね」 みんなは黙っている。 当然、僕もだ。 「分かってもらえたみたいだね。 さっきも言った通り、君たちにはチャンピオンになってもらう。 チャンピオンをかけた戦いで負けてしまえばゲームオーバーだ。 ひとりでもチャンピオンになれればみんな帰れるけどね」 空間が揺らぎ始めた。 いや、揺らいでいるのは僕たちみたいだ。 「それじゃ、いってらっしゃい。あとでまた会おう」 その男の子の言葉が終わると、僕たちはそこから消えた。 1番道路。 気がつくと、のび太たちはそこにいた。 「すごい…本当にここが…ポケモンの世界……」 出木杉が呟いた。 ゲーム画面から見る景色と実際の景色の違いに、他のみんなも感動している。 「ところで…ここはどこかしら?」 しずかはポケモンをやったことがないため、知識はほとんどない。 とは言っても、彼らのうち、ほとんどがその場所を知らなかった。 ファイアレッドとリーフグリーンは今日に買ったものだし、 ほとんどが初代を遊んだことがなかったのだ。 「……それにしてもさ」 スネ夫が口を開いた。 「あのゲームマスター、一体どういうつもりなんだ?」 スネ夫が言うことも尤もだった。 「確かに、僕たちにチャンピオンになれだなんて、目的がよく分からないね」 出木杉も考え込む。 「……考えててもしょうがないんじゃないかなあ」 のび太が呟いた。 「取りあえずさ、早くチャンピオンになっちゃおうよ。目的なんてあとでいいしさ」 のび太は明らかに急いでいる。 無理もなかった。 しかし、ここで敵の目的などを考えていても始まらないというのも事実だった。 スネ夫も出木杉もしずかも納得し、今後のことについて話し合い始めた。 ただ一人、ジャイアンだけはなにも喋ろうとはしなかった。 「あっ!」 のび太が突然声を上げた。 「みんな見て、町だよ!早く行こうよ!」 のび太は小さな町を見つけ、話し合いの途中であるにも関わらず走り出した。 のび太は焦っていた。 焦っていて大切なことを忘れていたのだ。 「野比くん、草むらに入っちゃだ……」 気付いた出木杉が止めようとしたときにはもう遅かった。 「うわあああぁぁ!」 やせいのピカチュウがあらわれた! 当然、のび太はポケモンを持っていない。 今ののび太に出来ることはただ一つ。 (……神さま、助けてえ!) 神頼みだった。 しかし、のび太の困ったときの神頼みも虚しく、 ピカチュウはのび太に飛びかかって来た。 「のび太さん、逃げて!」 しずかが叫んだが、のび太は足が竦んで動けない。 「もう…だめぽ……」 のび太はもちろん、周りのみんなも思わず目をつぶった。 ……しかし、なかなかなにも起きない。 のび太が恐る恐る目を開けると、ひとつのモンスターボールがピカチュウを捕獲していた。 「君、大丈夫じゃったか」 のび太の後ろにはひとりの老人が立っていた。 「は、はははい。だだ大丈夫です。どどどうもああああありがとうございましたたた」 まだ震えているのび太。 「無事で何より。わしの名前はオーキド。ポケモンの研究をしておる」 オーキドはさらに続けた。 「そうじゃ!ちょっと君たち、わしに着いてきなさい」 さっさと歩いて行くオーキドに、のび太たちはすこし戸惑いながらも着いて行った。 マサラタウン。 のび太たちはオーキドに案内され、オーキドの研究所へと入って行った。 「草むらは危険じゃ。だからきみたちにポケモンをあげよう。 どれも育てやすいポケモンじゃよ。さあ、選ぶのじゃ」 机の上には四つのモンスターボールがある。 みんなそれぞれボールを選んだ。 「俺は…ゼニガメ……」 「僕は…フシギダネだ」 「僕は…ヒトカゲだね」 「私は…イーブイって言うのね。かわいいわ」 ジャイアンはゼニガメ、スネ夫はフシギダネ、 出木杉はヒトカゲ、しずかはイーブイを手に入れた。 「あのう…僕の分がないんですが……」 みんなが喜ぶ中、のび太が恨めしそうに言った。 基本的に鈍いのでボールを取り損ねたのだ。 「一つ足りなかったか……。 …そうじゃ、君にはさっき捕まえたピカチュウをやろう!大切にするんじゃぞ!」 こうして、のび太はオーキドの思い付きでピカチュウを手に入れたのだった。 / 現在の状況 のび太 マサラタウン ピカチュウ♂ LV5 ジャイアン マサラタウン ゼニガメ♂ LV5 スネ夫 マサラタウン フシギダネ♂ LV5 出木杉 マサラタウン ヒトカゲ♂ LV5 しずか マサラタウン イーブイ♀ LV5 オーキドからポケモンをもらった五人は、研究所から出ようとした。 すると、 「そうじゃった!君たちにこれもあげなくてはのう」 オーキドが取り出したのはポケモン図鑑とタウンマップと空のモンスターボール。 「今度はちゃんと五人分ありますよね?」 のび太が心配そうに尋ねる。 「心配しなくてもちゃんとある。さあ、受け取りなさい」 のび太たちはポケモンずかんとタウンマップとモンスターボールをてにいれた! 「ポケモン図鑑は、見つけたポケモンや捕まえたポケモンのデータを 記録するというハイテクな代物じゃよ、タウンマップはカントーの地図。 モンスターボールは野生のポケモンを捕まえることが出来るぞ」 「どうもありがとうございます」 出木杉が代表してお礼を言った。 「なに、気にすることはないんじゃよ。がんばるんじゃぞ、未来のポケモンマスターたちよ!」 五人が研究所を出て行ってからすこしして、オーキドは寂しそうに呟いた。 「ああ、わしにも孫がいたらのう……」 それを聞いて助手が笑う。 「またですか、博士」 「わしの孫ならきっとすごいトレーナーになれるじゃろうなあ……」 「あのう、博士?仕事を……」 「それでポケモンリーグに挑戦してチャンピオンにだってなれるじゃろうに……」 このあとも延々とオーキドの“架空の孫の自慢話”が続き、 不憫な助手はそれに付き合わされるのだった。 「これからどうする?」 研究所を出てからスネ夫が言った。 「……俺は一人で行く」 ジャイアンの言葉にのび太は驚く。 ジャイアンのことだから、スネ夫と一緒に行くと言い出すと思っていたのだ。 「じゃあな」 言うやいなやさっさと行ってしまった。 「ジャイアン、どうしたんだろ……」 のび太も心配になってきた。 こっちに来てからのジャイアンはすこし様子がおかしい。 「なあに、あのゲームマスターとやらに手も足も出なかったのが悔しかったんだろうさ」 スネ夫がタウンマップを見ながら言った。 「ジャイアンの考えてることなんて僕にはお見通しだよ。まあ、僕にとっても好都合だ」 スネ夫はタウンマップをしまい、続ける。 「僕も一人で行かせてもらうよ。団体行動なんてまっぴらごめんだしね。 じゃ、ばいばい」 そう言い終えると、スネ夫も1番道路へと向かって行った。 残された三人。出木杉が口を開いた。 「……しずかちゃんと野比くんはどうする?」 「私はちょっと不安だし、だれかと一緒に行動したいわ」 しずかの尤もな意見。 「僕も……」 のび太もそれに同意する。 「情けないけど…僕だけじゃきっとチャンピオンになんかなれっこないし……」 ドラえもんのことで焦っていたのび太だったが、すこしずつ落ち着いてきたらしい。 「じゃあ、決まりだね。僕としずかちゃんと野比くんの三人で行動しようか。 まずは1番道路を抜けてトキワシティに向かおう」 出木杉が結論と次の予定を述べた。 22番道路。 ジャイアンはそこでパートナーのゼニガメと新たに捕まえたマンキーのLV上げをしていた。 「ゼニガメ、泡だ!マンキーはけたぐりをお見舞いしてやれ!」 敵対しているのは十匹ほどの野生のポケモンたち。 少々無茶な特訓でもあったが、ジャイアンはそれ以外に得策が思い付かなかったのだ。 (アイツは只者じゃない…強くならなきゃ絶対勝てねえ……) あのゲームマスターにはガキ大将・ジャイアンですら手も足も出せなかった。 だから決めたのだ。 「チャンピオンになってアイツをぶっ飛ばしてやる!チャンピオンに俺はなる!」 大声で夕日に向かって叫ぶジャイアン。 道行く人に変な目で見られたのは内緒だ。 トキワシティ。 スネ夫はポケモンセンターで情報収集をしていた。 (情報収集はRPGの基本だよ。まあ、ジャイアンなんかは強引に突き進んで、 今ごろトキワの森とやらにでもいるんだろうけどね) 取りあえず、夜まで22番道路でポケモンのLV上げや捕獲をし、 トキワシティのポケモンセンターで夜を過ごすことに決めたスネ夫。 のちに、スネ夫はこの判断を後悔することになる。 1番道路。 のび太と出木杉としずかはまだそこを歩いていた。 のび太の足が遅いこと、のび太の体力がないことなどが理由に挙げられるが、 主な理由はしずかが初心者であることだった。 出木杉はしずかにポケモンバトルや捕獲について説明している。 その間、のび太は石段に座って休んでいた。 本当は出木杉がしずかにポケモンについて教えていることが気に食わないが、 自分は教えられないので黙っていた。 (ああっ、もう!出木杉のヤツ、しずかちゃんにくっつき過ぎだ!もっと離れろ!) ……こんなのび太ですが、さすがにドラえもんのことは忘れていないと思います。 「しずかちゃん、分かったかい?」 出木杉が尋ねる。 「ええ、大体は……」 しずかはそう言うが、まだ分からなさそうな様子である。 (どうしたものか……) 出木杉が考え込む。 すると、 「出木杉ー!実際にやってみせたらどう?」 休んでいたのび太からの提案。 (なるほど、それが一番分かりやすい!野比くん、グッジョブだ!) 出木杉はのび太に感心し、感謝した。 しかし、 (失敗しろ!失敗して恥かいちゃえ!) のび太は単に出木杉に恥をかかせようとしていただけだった。 まったくダメ人間である。 「よし、しずかちゃん、見てて!」 出木杉は草むらに足を踏み入れた。 やせいのポッポがあらわれた! 「ポッポか…行け、ヒトカゲ!」 出木杉はボールからヒトカゲを繰り出す。 「ヒトカゲ、ひっかくでポッポの体力を減らせ!」 ヒトカゲの爪がポッポの羽に食い込み、確実にダメージを与える。 しかし、ポッポも負けじと砂をかけてヒトカゲの命中力を下げてくる。 (ちっ、もうすこし体力を減らしたかったけどしょうがないな) 「ヒトカゲ、戻れ!えいっ、モンスターボール!」 ボールがポッポの体に当たった。 ボールは二、三度揺れ、動きが止まった。 やったー!ポッポをつかまえたぞ! 「こんな感じだよ。分かった?」 出木杉がポッポのボールを拾いながら言う。 「ええ、分かりやすかったわ。出木杉さん、ありがとう」 なんだかちょっといい雰囲気な出木杉としずか。 (なんだい!出木杉が成功したのは僕のおかげじゃないか!) 出木杉に失敗してほしかったのび太だったが、 世の中がそんなに思い通りに行くはずもない。 のび太は出木杉がちょっと嫌いになりかけたが、 「野比くん、ありがとう!君のおかげだよ」 「のび太さんもありがとうね」 しずかにも感謝されたのでちょっと好きになった。まったく単純である。 ……重ね重ね申し上げますが、ドラえもんのことは忘れてないと思います。多分。 / 現在の状況 のび太 1番道路 ピカチュウ♂ LV5 ジャイアン 22番道路 ゼニガメ♂ LV8 マンキー♂ LV7 スネ夫 トキワシティ フシギダネ♂ LV6 出木杉 1番道路 ヒトカゲ♂ LV5 ポッポ♂ LV3 しずか 1番道路 イーブイ♀ LV5 次へ