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アニメ アニメ(あ行検索) お兄ちゃんだけど愛さえあれば関係ないよねっ 作品・スタッフ・キャスト・サブタイトル・主題歌・関連商品・関連リンク あらすじ:両親が死んだことによりそれぞれ別の親類の家に身を寄せていた双子の兄妹、姫小路秋人と姫小路秋子は、それぞれが身を寄せていた家を離れ、東京で6年ぶりに2人で暮らすこととなった。ところが秋子は6年の間に極度のブラザーコンプレックスとなっており、兄に対して恋愛感情を抱いていた。 (Wikipediaより) 作品 タイトル:お兄ちゃんだけど愛さえあれば関係ないよねっ よみ:おにいちゃんだけどあいさえあればかんけいないよねっ 区分:TV スタッフ 原作 - 鈴木大輔 監督 - 川口敬一郎 シリーズ構成 - ふでやすかずゆき キャラクター原案 - 閏月戈 キャラクターデザイン・総作画監督 - 川村幸祐 プロップデザイン - 千葉崇洋、滝本祥子 色彩設定 - 鈴木寿枝 美術監督 - 椋本豊 音響監督 - 飯田里樹 編集 - 吉武将人 撮影監督 - 林コージロー 音楽プロデューサー - 伊藤善之、斎藤滋 音楽 - 安藤高弘 音楽制作 - ランティス プロデューサー - 伊藤誠、斎藤滋、津田好久、細川修、石塚正俊、立崎孝史、岩浅健太郎、金子逸人、和田洋介、南寛将 アニメーションプロデューサー - 田部谷昌宏 アニメーション制作 - SILVER LINK. 製作 - おにあい製作委員会 キャスト 姫小路秋人 - 逢坂良太 姫小路秋子 - 木戸衣吹 那須原アナスタシア - 茅原実里 猿渡銀兵衛春臣 - 下田麻美 二階堂嵐 - 喜多村英梨 鷹ノ宮ありさ - 諸星すみれ 神野薫子 - 高本めぐみ 龍崎玲花 - 渡會眞菜 媛川鮎美 - 長谷悠衣 秋男 - 置鮎龍太郎 秋菜 - 真堂圭 アキーオ - 置鮎龍太郎 アキーナ - 真堂圭 車掌 - 後藤ヒロキ 男子A - 伊藤嶺 男子A - 畠山航輔 男子B - 菅原壮一郎 男子B - 中根久美子 男子C - 林祐弥 先輩 - 鍋井まき子 美少女 - 金元寿子 カラス - 中根久美子 サブタイトル 第01話 - おにあい(お兄ちゃんだけど愛さえあれば関係ないよねっ) 第02話 - みだらね(休み時間だからお兄ちゃんに会いたいよねっ) 第03話 - ぶらなし(セレブだから整理整頓できなくても仕方ないよねっ) 第04話 - はだかだ(恥ずかしいけど裸の付き合いは大切だよねっ) 第05話 - せいかん(生徒会長と密室で二人きりだから完璧に危険だよねっ) 第06話 - まょちき(妹(まい)レボリューションだから地球規模の妹革命だよねっ) 第07話 - ちっぱい(ちっちゃいけどパーフェクト管理人だから問題ないよねっ) 第08話 - からふる(水着買ったらファッションショーするべきだよねっ) 第09話 - にーにー(にゃんにゃんがいるからにゃーにゃーだよにゃっ) 第10話 - ぎんだま(銀兵衛って名前だからまぁ男の子だと思われるよねっ) 第11話 - はかない(お風呂上がりに着替えがないから履かないよねっ) 第12話 - あいだね(愛はあるけど妹だから問題あるよねっ) 主題歌 OP1 曲名 - SELF PRODUCER 歌 - 茅原実里 作詞 - こだまさおり 作曲・編曲 - 菊田大介 ED1 曲名 - Lifeる is LOVEる!! 歌 - リリアナシスターズ 作詞 - 畑亜貴 作曲・編曲 - 高田暁 アニソン情報 関連商品 お兄ちゃんだけど愛さえあれば関係ないよねっ Vol.1 Blu-ray お兄ちゃんだけど愛さえあれば関係ないよねっ Vol.2 Blu-ray お兄ちゃんだけど愛さえあれば関係ないよねっ Vol.3 Blu-ray お兄ちゃんだけど愛さえあれば関係ないよねっ Vol.4 Blu-ray お兄ちゃんだけど愛さえあれば関係ないよねっ Vol.5 Blu-ray お兄ちゃんだけど愛さえあれば関係ないよねっ Vol.6 Blu-ray オープニングテーマ SELF PRODUCER エンディングテーマ Lifeる is LOVEる!! 関連リンク 公式サイト 作品・スタッフ・キャスト・サブタイトル・主題歌・関連商品・関連リンク アニメ アニメ(あ行検索) お兄ちゃんだけど愛さえあれば関係ないよねっ
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ターン制ライトノベルなので、各キャラの出番がほぼ均等にある。 一応キャラの担当巻があるが、妹はすべての巻で優遇されている。 ストーリーはキャラ萌えです。 ストーリーの内容はないので、絵がかわいいコミック版読めばよいよ 兄の前以外でお嬢様タイプの妹であるが、兄の前ではおバカ系ブラコンになる妹 作中に兄の前以外のシーンがほとんどないのでお嬢様な印象はまったくない。 添い寝やらなんやらを要求する割に、ちょっと抱きついただけでフリーズするくらいウブ。 兄の方は、態度は素っ気ないが実は妹以上にシスコン。 +ネタバレ 自分たち兄妹をモチーフにした近親相関小説を出版している。 111 イラストに騙された名無しさん [sage] 2011/04/01(金) 23 51 17.93 ID 0Nqq/ov/ お兄ちゃんだけど愛さえあれば関係ないよねは折角二人暮らしだったのに、なぜか全員越してきちゃったのがなんとも 学校で他のキャラいるから、家くらい二人っきりにしてほしかった 兄の変態っぷりは今までにないかな 485 イラストに騙された名無しさん [sage] 2012/04/23(月) 19 36 50.60 ID HVzAMsZ4 女子モテは4巻もやって何も話が進んでないのが駄目 5巻もやって何も進んでないおにあいも同様 本筋の話を転がさず無駄に女増やしたり適当なイベントで何冊も費やして ダラダラ引き延ばすタイプのラノベは妹物に限らずすぐ飽きるわ 最近読んだ期間限定いもうとの1巻は割と面白かった ただ設定的にもキャラ的にも長く引っ張れるようなものじゃないので 3巻くらいですっぱり終わって欲しいところだが 941 イラストに騙された名無しさん [sage] 2011/12/14(水) 00 22 02.43 ID 9zVyL7PC ぼちぼち消化したものを ・お兄ちゃんだけど愛さえあれば4 妹としての安定感は見せたものの、存在感は低下ぎみ。 キャラ追加で今後如何に。銀に添い寝されたい。 (略)
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『ゆっくり一家の平凡な一コマ』 9KB 小ネタ 育児 自然界 どうという事も無い小話 『ゆっくり一家の平凡な一コマ』 D.O とある森の大きな大きな木の根元、根っこの隙間に掘られた穴は、 とあるゆっくり一家の、小さくもゆっくりしたおうちであった。 そのおうちの中からは、今日もゆっくり一家の楽しそうな声が聞こえている。 「ゆっへん!れいみゅ、ゆっくちしちぇるでしょ!」 「ゆっゆ~ん、れいむのおちびちゃんは、とってもゆっくりしてるよ~」 ぎゅんっ、と胸をそらして見事なのーびのーびをする赤れいむの姿を見て、 母れいむは嬉しそうに微笑みながら歓声を上げた。 「ゆんっ!まりしゃもゆっくちしちぇるよ!ゆんっ!ゆっくち!!」 「ゆわぁぁああ!おちびちゃん、すっごくゆっくりしたこーろこーろだね!」 赤れいむの妹である赤まりさも、姉に負けてなるものかと渾身の前転を披露する。 母れいむはそのゆっくりとしたこーろこーろに、感激の声を発した。 「(れいむのおちびちゃんたち…とってもゆっくりしてるよぉ)」 母れいむの瞳が嬉し涙でうるむ。 それほどまでに、2匹のおちびちゃん達は可愛く、元気で、とてもゆっくりと育っていた。 だから、母れいむはおちびちゃん達に向かって、自分かかけられる最大の賛辞を投げかけたのであった。 「おちびちゃんたちは、れいむにそっくりの、とってもゆっくりしたゆっくりになれるよ!」 「「………」」 「ゆ?」 おうちの中が静まり返った。 「ゆぅ…おきゃーしゃん…」 「ゆ?ゆゆっ?どうしたの、おちびちゃん?」 赤れいむと赤まりさは、申し訳なさそうに、母れいむからサッと目をそらす。 「おきゃーしゃん…ゆっくちしちぇにゃいよ」 「まりしゃ、おきゃーしゃんみたいになりちゃくにゃい…」 「ど、どうぢでそんなこというのぉぉおおおおお!?」 母れいむに衝撃が走った。 これまで、母れいむは自分こそこの世の全ゆっくり、全生物の中で最もゆっくりしたゆっくりだと思っていたのに、 よりによって、愛するおちびちゃん達からその事を全否定されたのである。 とはいえ、おちびちゃん達が自分に嘘をつくとも思えない母れいむは、 とりあえず理由を問いただすことにした。 「どうして…?れいむ、ゆっくりしてるよ・・・?」 それに対する答えは、れいむに新たな衝撃を与えたのであった。 「おきゃーしゃん、あんまり、あしょんでくれにゃいでしょ」 「ゆ?ゆゆっ、おしごとのあいだに、あそんであげてるよ・・・?」 「じぇんじぇんたりにゃいよ!まりしゃ、もっとあそびちゃいよ!」 「ゆ、ゆがーん!?」 母れいむは、おちびちゃん達と出来る限りのスキンシップを取ってきたつもりだった。 狩りの方は今日もそうだが、父まりさが行ってくれている。 だからこそ、貯蔵食糧の整理の合間にはおちびちゃんとすーりすーりしてあげられるし、 おうちのお掃除の合間には、おちびちゃんを頭に乗せてたかいたかいしてあげられる。 お外の天気がいい時は、お布団(の干草)を天日干しするついでに、家族みんなで日向ぼっこだ。 母れいむとしては、これほどおちびちゃんと遊んでくれる母ゆっくりなど、 この森には一匹もいないに違いないと思っていたほどだったのだ。 だが…おちびちゃん達にとっては違うらしい。 母れいむの自己満足でしかなかったのだろうか… おちびちゃん達の母れいむへの苦情は続く。 「おきゃーしゃん、おはだがよごれちぇ、きちゃにゃいよ!」 「うんうんのにおいがしゅるときもありゅよ!」 「ゆががーん!?」 おうちのお掃除には、おトイレ(用の穴)の掃除も含まれる。 家事をしっかりこなすゆっくりなら、なおさら体が汚れる時もあるだろう。 「おはだもあんよもがーさがーさだし、ゆっくちできにゃいよ!」 「おりぼんしゃんも、しわしわだよ!れいみゅ、そんなおりぼんしゃんになりたくにゃいよ!」 「ゆ、ゆぅぅぅううう!?」 お肌を磨く時間も、おリボンの手入れをする時間も惜しんで、 家事に子育てにと奔走してきた母れいむ。 だが、その努力はなんだったのだろうか。 泥まみれになって働く母れいむの姿は、 おちびちゃん達にとってはゆっくりできないモノでしかなかったのである。 「とにかく、れいみゅはおきゃーしゃんみちゃいに、ゆっくちできないゆっくちはいやだよ!」 「まりしゃも、もっとゆっくちしたゆっくちににゃるんだよ!」 「ゆ、ゆわぁぁあああああん!」 母れいむの慟哭は、森の奥の奥にまで響き渡ったのであった。 *************************** 「ゆっくりただいま~なのぜ」 その日の午後、父まりさがおうちに帰ると、 おうちの中はいつもと様子が異なっていた。 「ゆ、おうちがきたないのぜ…ゆぅ、れいむたちはだいじょうぶなのぜ…?」 いつもはキレイに片付けられているおうちの中が、微妙に薄汚れている。 父まりさは、おうちの異常に危険を感じ、とっさにお帽子から木の棒を取り出すと、 切っ先をおうちの奥に向けて構え、慎重に中に入っていき…そして見た。 「ゆっゆ~ん!これでおかーさんも、ゆっくりしたゆっくりになったでしょ!ゆっくりー!」 「「おきゃーしゃん、きりぇ~い!ゆっくちしちぇるよ~!」」 水浴びでもしてきたのか、全身にホコリ一つ付いていない、 おリボンもしわ一つなくのばされ、さらに髪にはお花を挿して飾り立てている、 若い頃に戻ったかのような美ゆっくりとなった、母れいむを。 「まりさ!れいむゆっくりしてるでしょ!」 「「おとーしゃん、おきゃーしゃんが、とってもゆっくちしちぇるよ!」」 そして、父まりさが帰ってきた事に気付いた母れいむとおちびちゃん達は、 とびっきりの笑顔とセクシーポーズで父まりさを出迎えたのであった。 「…で、どういうことなのぜ」 「れいむはかんちがいしてたんだよ!」 「……なんのことなのぜ?」 わけのわからない父まりさに、母れいむはくねくねとセクシーに体をくねらせつつ、 笑顔で言い放った。 「れいむは、つまであり、おかーさんであるまえに、ゆっくりなんだよ!」 「……それで、おそうじをさぼったのぜ?」 「れいむは、こそだてや、ひびのせいかつにおわれて、たいせつなことをわすれてたよ!」 「……」 「ゆっくりしてないゆっくりは、ゆっくりじゃないよ!れいむ、これからはゆっくりいきるよ!」 「……れいむ。れいむはそんなことより、もっとだいじなことをわすれてるのぜ」 「ゆゆっ!?これいじょうにだいじなことなんてないでしょ!」 「「おとーしゃん、ゆっくちりかいしちぇにぇ!!」」 *************************** それから3分後。 「ゆ…いじゃい、ばりざ、もうやべで…」 「ゆぴぅ、おとーしゃ…やべぢぇ」 「まりしゃの、ゆっくちしたあんよしゃんが…いちゃいぃぃ…」 母れいむは両目に木の枝を突き刺され悶絶していた。 おちびちゃん達は、父まりさのお下げであんよを叩かれ、あんよが倍以上にはれ上がっていた。 そして今は、親子そろってよだれやしーしーを垂れ流したまま地面に突っ伏している。 「『おかえりなさい』と『おつかれさま』がまだなのぜ」 「おきゃ…おきゃえりなしゃい…」 「おとーしゃ…おちゅかれ…」 父まりさは少しだけ満足した表情になり、その視線を母れいむに向けた。 「で、れいむからは、かんしゃとねぎらいのことばをまだきいてないのぜ」 「ゆ、ゆぴぃぃいいい!?まりざ、ゆっぐぢいづもありがどうごじゃいばず! まりざのおがげで、いづもれいぶだぢはゆっぐぢでぎまず!ゆっぐぢぢでいっでねぇぇぇえ!!」 母れいむが叫ぶと、それに合わせてお下げがぴこぴこと、上下左右に動く。 これは母れいむが自分の意志で動かしている訳ではない。 母れいむの両目を貫いた木の枝がそのままお下げの中まで突き通されているため、 まばたきするたびにお下げが、ぴこぴこざわざわと動いているのである。 これは父まりさが『ぴこぴこざわわの刑』などと呼んでいるものであり、 母れいむが愚行に走った時に行われるお仕置きの中では、比較的軽い部類にあたる。 どうやら今回は本気で怒っているわけではなく、 純粋におちびちゃん達への見せしめを兼ねた、教育的指導のようであった。 「おちびちゃんたち」 「「ゆっ!ゆっくち!?」」 「おとーさんは、ゆっくりしてないのぜ?」 「「ゆ、ゆっくちしてましゅ!!」」 父まりさは、少し意地悪い表情になり、おちびちゃん達に話しかける。 「おとーさんは、からだがよごれてどろんこなのぜ?」 「ゆ、ゆっくちがんばって、ごはんをとってくれてりゅから、ゆっくちできましゅ!」 「おとーさんは、あんまりあそんであげられないのぜ?」 「お、おとーしゃんは、まいにちいっしょうけんめいはたらいてましゅ!ゆっくちできましゅ!」 「ゆふん。りかいできたならいいのぜ」 「「ゆっくちりかいしちゃよ!!」」 「じゃあ、ばつとしてきょうは、ゆうごはんぬきなのぜ」 「「ゆっぴゃぁぁああああん!どうしちぇぇぇえええ!!」」 父まりさは、今日の収獲をお帽子の中から取り出し、 普段ならおちびちゃん達に優先して食べさせているイモムシやらお花やらをバクバクと口に運んでいった。 「ゆっくりしたおかーさんとゆっくりしてたんだから、ごはんなんかいらないのぜ?ゆふふふ」 「「おとーしゃん、いじわるしにゃいでぇぇええええ!!」」 さらに、 「それじゃ、ばつとしておちびちゃんたちのおかざりはもらっとくのぜ」 「「やめちぇぇぇえええ!」」 「おちびちゃんたちはゆっくりしてるから、おかざりなんていらないのぜ?」 「「おかざりしゃんがないと、ゆっくちできにゃいぃぃいいい!!」」 だが、必死ですがりつく赤れいむと赤まりさを無視して、 父まりさは2匹のお飾りを奪うと、お下げでぺしんと弾き飛ばし、 そのままこの日は、家族のだれとも二度と口を開こうとしなかったのであった。 *************************** この日、結局おちびちゃん達は夕ご飯抜きになった上、罰としてお飾りまで父まりさに捕られ、 身も心もゆっくりできなくなる羽目になった。 とはいえ父まりさが眠った後、おちびちゃん達が空腹に耐えかねて、 こっそり父まりさのお帽子の中に忍び込み、中に仕舞い込まれた苦い雑草を食べていた所、 その中から2匹のお飾りまで見つかり、無事お飾りに包まれながら、ゆっくりと眠ることはできたのだが。 そして翌日、おちびちゃん達の頭の上に乗っているお飾りを見ても、 父まりさは特に何も言わなかった。 「「おとーしゃ…」」 「………」 結局この日も口は聞いてくれなかったが、一応朝食はもらえたため、 許してもらえたのだろうとは2匹も理解した。 もちろん、二度と同じ内容で、父まりさを困らせるようなこともなかったのだった。 ちなみに、 母れいむは、この後数日の間、視力が落ちて自分のゆっくりとした美貌を見る事ができなくなった。 そして、視力が戻ってからもそんなことに興味を持つことは無くなったかのように、 真面目に働くようになったとのことである。 挿絵:トラップあき
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追われるれいむ 30KB 虐待 自業自得 野良ゆ 虐待人間 十二作目です。 麦茶あき 逃げていた。 ただ逃げていた― れいむは逃げていた。自分の子供たちと一緒に。 逃げなければこちらが殺されることを理解しているから。 すでに番のまりさは死んでしまった。 今れいむに残されているのはまりさとの間にできた子ゆっくりたちのみ。 子れいむ、子まりさ、末っ子れいむである。 カラカラカラッッ・・・・・・・・ あの音だ。 あの音が近づいてくる。 自分たちをゆっくりできなくする恐ろしい音。 後ろを向くといた。 その音を出している元凶、人間だ。 あの人間から逃げなければ。 ゆっくり、ゆっくりするために。 れいむたちは必死で逃げた。 追われるれいむ 「おちびちゃんたちいいいいいいい!!はやくにげるよおおおおおおおおお!!!」 「「「ゆわああん!!きょわいよおおおお!!!こっちきょないでえええええええええええええ!!!!」」」 追ってくる人間から必死に逃げていたれいむ。 逃げても逃げてもその距離は変わらず追いかけられていた。 人間の方は歩いているだけ。 わざと距離を保ち続けている。 その手には何故か玄翁。 それを地面に擦れ引きづられていく。 この玄翁のせいで番のまりさは潰された。 何故このれいむたちが追いかけられているかと言うと、 この人間の家にお家宣言したからである。 窓を割り侵入し、部屋を荒らしてこの人間を奴隷扱いにした。 もちろんそんなことをすればどうなるかはお決まりだ。 番のまりさは死んで、今そんな状況になっているのだから。 れいむたちをすぐ殺さなかったのはそれではつまらないから人間はわざと逃がし、恐怖を与えながら追いかけているのである。 れいむたちはこの人間の家から逃げ出し住宅街を走っていた。 狭い場所を通っても先回りした人間がいる。 隠れようにも隠れそうな場所はなかった。 「なんできゃくれしょうなばしょがないにょおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」 「ゆっくちしないでぇれーみゅたちをたしゅけちぇよおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」 そんな言葉が届いたのか目の前にゴミ捨て場が見えた。 そこにはれいむたちと仲がいいまりさとありす一家がいた。 どうやら家族で狩りの最中のようである。 「おちびちゃんたち、こうやってこのふくろさんをやぶるんだぜ」 「「「ゆっくちりきゃいしちゃよ!!!」」」 「ゆふふ、ものおぼえがいいおちびちゃんたちね」 「「「「たすけてえええええええええええええええええええええええええええええええええええええぇぇぇぇ!!!!!」 「「「「ゆ???!!」」」」 まりさ一家が振り向いた先にはれいむ一家がいた。 ずっと走っていたせいか歯茎がむき出しで迫ってきた。 「ちょ、ちょっとれいむなんてかおしてるのよ!とかいはじゃないわ!!」 「なにがあったんだぜ??!」 「にんげんに・・ゆっくりできないにんげんからにげているんだよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」 「にんげんさん?」 「ゆ?もしかしてあれなんだぜ??」 まりさがおさげを指した先にはあの人間がいた。 れいむを見つけ玄翁を振り回している。 「ゆひいいいいいいいいいい!!!!もうきてるうううううううううううううう!!!!」 「「「きょわいよおおおおおおおおおおおおお!!!!」」」 「なんだかゆっくりできないいなかものね」 「ゆふん、れいむまかせるんだぜ。まりさがあのにんげんをやっつけてやるんだぜ」 まりさは咥えていた木の枝を再び咥え直し、人間と対峙した。 「おいくそにんげん!!よくもともだちのれいむをいじめたんだぜ?!まりさがせいっさいしてやるからかくごするんだぜ!!!」 「「「おちょーしゃんかっこいいー!!」」」 「おちびちゃんたち、おとーさんのゆうしを・・・」 ドガッ!!・・・・バンッ!! 「「「ゆ??」」」 ありすたちは何が起こったか理解できなかった。 まりさが目の前で一瞬で消えたのだ。 どこに行ったか周りを見たらまりさが塀の壁にぶつかっていた。 「ま、まりさ・・・?」 「ゆべえ!!・・いだいいいい!!!!」 玄翁で殴られた痛みと塀の壁にぶつかった痛みで動けなかった。 人間はそんなまりさを玄翁で殴り続ける。 「ゆべ!!いだい!!やべ!!やめ!!ぎゃばっ!!!」 ガンッ!!ガンッ!!!ガンッ!!! 「やめてえええええええ!!!まりさが!!まりさがしんじゃううううううう!!!」 「おちょーしゃんをいじめりゅなぁぁ!!!」 「こにょくしょにんげん!!」 「ゆっくちちね!!!」 ぽふっぽふっ 子ゆっくりたちは自分の父親を救おうと人間の足に体当たりをするが、 そんな攻撃は人間の前では無意味だ。 子ゆっくりたちの体当たりを無視し、まりさを殴り続ける。 ガンッ!!!ガンッ!!!! 「あばぁ・・・・・・・・・・・やがべぇえ・・・」 殴られ続かれてまりさの体はもう潰れかかっていた。 眼球は飛び出し、餡子は飛び出て死に掛かっている。 最早助からない。 ガンッ!!! 最後の一撃でまりさの中枢餡が潰れてしまった。 まりさは「もっとゆっくりしたかった」とも言えずに殺された。 「まじざあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!」 「「「おぢょうじゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛んん!!!!」」」 「まじざがあああ・・・!!れいむぅうう!!!どうして・・・・・・・・?・・・れいむ??」 ありすがれいむの方を振り向いたらいつの間にかいなくなっていた。 実はまりさが人間と対峙したときすでにれいむたちはいなくなっていた。 まりさたちにまかせ自分たちだけ逃げてしまったのだ。 「れいむおねーしゃんいにゃいよぉー??」 「ともだちのまりしゃもだわ!?」 「れいむううううううううううううう!!!!どこいって・・(ガンッ!!!)ゆぶぇ!!?」 「「「おきゃあああああああああしゃん??!!」」」 ニヤリと笑いながらありすを潰していく人間。 ありすはやめてと叫ぶがまりさと同じ結果になった。 子ゆっくりたちもである。 れいむは再び逃げ続ける。 このまま逃げても埒は明かない。 れいむは元々住んでいた公園に行くことにした。 そこには野良ゆっくりたちの群れがあり、きっとみんなならなんとかしてくれると思っていた。 ただれいいむたちは疲れていた。 走り続けていたせいで体に疲労が溜まってしまったのだ。 成体であるれいむならともかく子ゆっくりたちはいつ走れなくなってもおかしくはない。 やがて疲れたと言い止ってしまい、あの人間に殺されるだろう。 「おきゃー・・・しゃん・・・・・まりしゃ・・・」 「ゆっくち・・・・ゆっくち・・・」 「ちゅかれたああああ!!!!」 「ゆう・・・!!」 ―まずい、子供たちが駄々こねだした。 れいむはおちびちゃんたちをお口の中にいれ再び走ったが、思うように走れない。 中にいる子ゆっくりたちが外へ出ないよう口をしっかり閉じながら走るというのは予想以上に体力を使うからだ。 れいむは何か役くに立てそうなもの探した。 すると目の目にまりさがいた。 番を持っていない独身のまりさである。 「ゆ~ん♪きょうはいいゆっくりびよ「ばりざああああああああああああああああああ!!!!」ゆっ??!」 「そのおぼうしよこせえええええええええええええええええええええええええ!!!!」 「なんでそんなこと・・・ゆべあ!!!」 まりさはれいむの体当たりを喰らい帽子を外してしまった。 れいむはすかさずそれを捕り、中に子ゆっくりたちを入れた。 「ゆわーい♪ゆっくちできるじぇ!!」 「ふかふかだね!!」 「やっちょゆっくちできりゅよ!!」 れいむはおぼうしを被り再び走り出した。 「れいむううううううううう!!!まじざのおぼうじがえじゆばげ!!??」 まりさはあの人間に玄翁で潰された。 人間は逃げているれいむを見つめ追いかけた。 走るのに苦労しなくなったれいむだがまた問題が起こった。 子ゆっくりたちが腹を空かし始めたのである。 体力を消耗し、休憩中の子ゆっくりはゆっくりするために何か食べてゆっくりしたかった。 「おきゃーしゃん、おにゃかしちゃよ・・・」 「む~しゃむ~しゃしたいじぇ・・」 「くじゅおやああああああ!!!はやきゅれいみゅにごきゃんしゃんもっっちぇきょいいいいいいいいいい!!!!」 特に末っ子れいむが酷かった。 れいむはそんな子供たちのために何か食べさせてやろうと周りを見渡した。 母性(笑)というやつだろう。 すると目の前に都合よく狩りから帰る途中のちぇんを見つけた。 おぼうしの中には生ゴミが詰まっている。 「にゃ~ん♪きょうはいっぱいとれ「それよこせええええええええええええええええええええ!!!!」にゃ??!!」 ちぇんは突如現れたれいむにびっくりしてしまった。 しかもその顔はまりさ一家に見せたときよりも酷かった。 「こ、これはちぇんのなんだよー・・わかってねー・・」 「うるさいよ!!かわいそうなれいむにごはんさんをわたすのはだいゆちゅうのしんりなんだよおおおおおおお!!!?」 「わ、わからないよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお???!!」 れいむはちぇんに体当たりし、おぼうしの中から食料を出した。 それを食べてまりさから奪ったおぼうしの中にいた子ゆっくりたちにも分けてやった。 「「「む~しゃむ~しゃ、しあわせええええええええええええ!!!!」」」 「ゆふん、おなかいっぱいだよ~」 「ちぇんのごはんさんがああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!」 「うんうんちてあげりゅよ!!しゅっきりー!!!」モリンッ! 「にゃあああああああああああああああ!!!!にゃんでちぇんのおぼうしさんでうんうんしちゃうのおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」 末っ子れいむがちぇんのおぼうしの中にうんうんをしてしまった。 れいむたちもそれを見てちぇんのおぼうしにうんうんした。 「ゆふー、きれいにうんうんできたよ!ありがたくおもってね!!!」 「「「おもっちぇね!!!」」」 「おもわないよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」 腹がいっぱいになり体力が回復したれいむは公園を目指し走り出した。 ちぇんはおぼうしに付いたうんうんを必死に取ろうとがんばっている。 「にゃあああん!!ちぇんのおぼうしさああああん!!うんうんくさいのはにゃがっ??!」 ちぇんは潰された。 またあの人間である。 人間は再びれいむを追った。 やっとのことで公園に着いたれいむは群れがあるところにすぐさま駆け込んだ。 群れのゆっくりは見知らぬゆっくりが来てざわめいていたが、 れいむがおぼうしを取るとすぐにれいむだとわかった。 「れいむ、まりさはどうしたんだぜ??」 「それにこのおぼうしはまりさのじゃないまりさのよ?なにがったの??」 「うしろふぁっく??」 「くわしいはなしはあとでするよ!!れいむはゆっくりできないにんげんからにげてきたんだよ!!!」 「ゆ??にんげんさん??」 「にんげんさんからにげてきたんだね、わかるよー」 「なんでにんげんさんからにげてるのよ」 「れいむたちをころそうとしてるからだよ!!あのじじいはれいむのまりさをころしたんだよ!!」 群れのゆっくりたちがざわめく。 「ま、まりさがやられたの??!」 「ゆ、ゆるせないんだぜ!!せいっさいしてやるんだぜ!!!」 「しかもれいむたちのおうちをかってにはいってきたんだよ!!!ゆるせないよ!!」 「ごくあくなんだぜ!!!」 「とってもいなかものだわ!!!」 「ごうかん!!」 「むきゅう!!みんなそこまでよ!!!!」 奥からぱちゅりーが現れた。 群れのゆっくりたちは「おさ!!」といいれいむのところに道を開けた。 「れいむ、きいていいかしら」 「なに??!」 「まりさはころされたのよね」 「そうだよ!!」 「なんでかしら」 「わかんないよ!!いきなりころされたんだよ!!!」 「むきゅ・・・・」 ぱちゅりーは少し考えて・・・・ 「れいむ、おうちにはいってきたといったわね」 「いったよ!!」 「れいむたちのおうちはここにあるはずよ」 「れいむたちがみつけたおうちなんだよ!!あのじじいはあとからやってきたのにれいむたちをむししてまりさをころしたんだよ!!!」 「むきゅう、すべてがってんがいったわ」 「れいむ、あなたにんげんさんのいえにおうちせんげんしたのよ」 「ゆっ??!」 「かってにしんにゅうしてきたあなたたちをしまつしたんでしょね」 「なにいってるのおおおおおおお!!!??あれはれいむたちがみつけたおうちなんだよおおおおおおおおおおおおおおおお???!!!」 「しょーだしょーだ!!!」 「れいみゅたちがみちゅけたにょに!!!」 「おちょーしゃんはやられちゃったんだじぇ!!!!」 れいむはぱちゅりーの言った事に激怒した。 子ゆっくりもれいむと同じく怒り出したが。 「だまりなさい!!!」 「「「「ゆっ???!!」」」」 「あなたたちがばかなまねをしたせいでまりさがしんだのよ、にんげんのいえにおうちせんげんしちゃいけないってあれほどいったのに・・・」 「はあああああああああああああああああ????!!れいむがみつけたんだかられいむのものにきまっているでしょおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!??」 「おばか!!・・・・もういいわ、あなたたちはいますぐこのむれからでていってちょうだい」 「ゆえええええええええええええ????!!どぼじでえええええええええええええええええええええ???!!」 いきなり追放宣言されたれいむはわけがわからなかった。 「にんげんさんにおわれているんでしょ?だったらここにくるかのうせいだってあるわ。そのせいでむれがほろんだらどうするのよ!!!」 「そんなのむれのみんなでやっつければいいでしょおおおおおおおおおおおおおおおお???!!」 「ばかすぎるわ!!!そんなことしてみなさい!!すぐにかこうじょのにんげんさんがあらわれてむれはぜんめつよ!!!!」 「かこうじょはゆっくりできないいいいいいいいいいい!!!!」 「れいむうううううう!!!いますぐでていきなさい!!!」 「ちぇんたちをまきこまないでねええええええええええ!!!わかれよおおおおおおおおおおお!!!!」 「どぼじでぞんなごというのおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」 群れのゆっくりたちにまで見捨てられてはもうれいむに行くあてはなかった。 れいむはそんな群れに嫌気を指しおぼうしに子ゆっくりたちをいれ群れを出て行った。 「そんなにいうならでていくよ!!このゆっくりなしいいいいいいいいい!!!!」 れいむはこうえんの広場に出て公園の外に行こうとした。 その時群れの方から悲鳴が聞こえたのである。 「ゆ??なに??」 れいむが振り返るとあの人間がいた。 玄翁をゆっくりたちに殴りつけ潰し、ダンボールを踏み潰し群れを蹂躙した。 潰すたびに人間は笑った。 その表情は三日月の笑みをし、楽しそうに殺している。 群れのゆっくりたちはなんとかやめさせようと止めようとしているが抵抗する間もなく殺されていった。 「やべでえええええええええええええええええええええええ!!!!れいむたちをころさないでえええええええええええええええええええ!!!!」 「まりざばだじにだぐないいいいいいいいいいいいいいいいいゆがばあああああああ!!!!」 「おちびちゃんはつぶさないでええええええええええええええ!!!!」 「むきゅううううううううううううううううううううう!!!!!」 「おうちがああああ!!!おうちがああああああああああああああ!!!!!」 「いやじゃああああああああああああ!!!はにゃちてえええええええええゆび!?」 「ありしゅのいもうちょがああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!」 「やめるんだぜえええええええええええええ!!!いだい!!やべ!!ごめ!!ゆぶ!!」 「わがらな!!?」 「れいぷううううううううううう!!!!」 人間は次々とゆっくりを潰していった。 ぱちゅりーは逃げようとしたが掴まれて後ろから殴られようとしていた。 その時ぱちゅりーはその様子を見ていたれいむに気が付いた。 恨みの篭った目で睨み付け・・・・ 「このくそばかぐずでいぶうううううううううううううううう!!!!おばえのせいでむれがあああああああああ!!!もりのげんじゃのぱちゅがあああああああ!!!! (ガンッ!!!)ゆばっ!!?(ガンッ!!!)やべで??!(ガンッ!!!)ごべ??!(ガンッ!!!)むぎょ!!!(ガンッ!!!)ぶばあ??!!(ガンッ!!!)」 ぱちゅりーは中枢餡を潰され死んだ。 人間は向こうにいたれいむを見つめニヤリと笑い・・・こう言った。 イマカラソッチニイクヨ・・・・・・・・・ 「ゆひいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!」 れいむは必死で逃げる。 公園を出て道という道を走り、逃げ続けた。 途中何匹かのゆっくりとすれ違ったが、後から来た人間にみな潰されていった。 「いだいいいいいいいいいいいいいい!!!!れいむなにもしでべ??!」 「きょわいいいいいいいいいい!!!!だれがだじゅ??!」 「なにもしてないのにいいいいいいいいいい!!!?まりさなにもしてないのにいいいいいいいいいいいいいいいい????!!」 「んぼおおあああああああああ!!!!もっどずっきり・・・・・」 道に歩いていた野良ゆっくりたちはわけもわからず死んでいった。 「ちがうううううううううう!!!でいぶのでいぶのせいじゃないいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!」 逃げながら潰されていくゆっくりたちを見る。 どれもこちらを睨んでいる様にしかれいむには見えなかった。 その時おぼうしが少し浮き、中から末っ子れいむが落ちてしまった。 「ゆ?おしょらちょんで・・・・・(ペチャっ!)ゆぴいい!!いちゃいいいい!!」 地面に落ちた衝撃で泣き出す末っ子れいむ。 痛みに耐え切れないのか必死で母親を呼ぶ。 「いじゃいいよおおおおおおおおおおお!!!おきゃああああしゃあああああああああああああああん!!!」 が、当のれいむには聞こえておらずそのまま行ってしまった。 「どぼしてええええええええ???!はやきゅきゃわいいいれいみゅをたしゅけろおおおおおこのくじゅおやああああああああああああああああああああああああああ!!!!」 すでに時は遅し。 末っ子れいむが叫んだ後目の前が暗くなった。 恐る恐る振り返るとあの人間がいた。 玄翁片手で楽しそうだ。 末っ子れいむはあまりの恐怖でしーしーを漏らし、必死に助けを呼んだ。 「だれきゃあああああああああああああああああああああああ!!!!れいみゅをたしゅけろおおおおおおおおおおおおお!!! きゃわいいれいみゅがピンチにゃんだぞおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお???!! おきゃああしゃああああああああああああああん!!!はやきゅたしゅけてええええええええええええええ!!! もうくじゅにゃんていわにゃいからあああああああああああああああああ!!!! はやきゅ、はやきゅうううううううううううううううううううううううううううううううううう!!!!!!! はやきゅたしゅけろくずおやああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!」 (ブチッ!!!) れいむには末っ子れいむが潰されたことは知らずに逃げていた。 だがたどり着いた場所は川である。 行き止まりになってしまい絶体絶命だった。 「かわさんがあってさきにすすめないよおお・・・」 その時おぼうしの中から子まりさと子れいむが出てきた。 「おきゃーしゃん、もうだいじょうびゅ??」 「それどころじゃないよ、かわさんがあってさきにすすめないんだよ」 「どぼじてきゃわさんがありゅのおおおおおお???!」 子れいむは目の前にある川に罵倒し始めた。 しかし、そんなことしても川は道を開けてくれたり干上がったりはしない。 ただ子まりさだけは何故か冷静でいた。 するとお飾りのおぼうしを脱ぎだし、川に置き子まりさは川に浮かんだ。 「ゆっくち~♪」 それを見たれいむたちは子まりさに自分たちも乗せてくれと言ったが、断られた。 そもそも子まりさのおぼうしでは乗っても沈んでしまうだけである。 だがれいむはあることに気づいた。 自分にはこれがあると。 それは奪い取ったまりさのおぼうしである。 れいむは近くにあった木の枝を拾い、以前番のまりさが子まりさに水上まりさのやり方を教えていたときを思い出し見よう見まねでやってみた。 見事おぼうしは浮き木の枝を使い子まりさの後に続いた。 「ゆふん、やっぱりれいむはてんっさいだよ」 「しゅごーい!!おきゃーしゃんういてりゅー!!」 子まりさと合流し、親子で楽しく笑いあう。 しかし何か大切なことを忘れている。 「れいみゅはああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ????!!」 れいむは子れいむの叫びに気づき岸の方を見た。 そこには置いてきぼりにされた子れいむが必死にこちらを呼んでいる。 「ゆわあああああああああああああ!!!?おちびちゃんをわすれてたよ!!!」 れいむは木の枝を使い岸に戻ろうとした。 後もう少し、後もう少しで岸にたどり着こうとしていた。 だが、れいむは何かに気づき急に反転し、子まりさの方へ引き返してしまった。 「お、おきゃあああしゃあああん???!!どぼじてええええええええええええええ!!!?? 「おちびちゃん!!にげるよ!!!」 子まりさもそのことに気づいた。 気づいていないのは子れいむだけである。 遠ざかっていくれいむと子まりさを必死に呼び戻そうと呼んだが二匹はそのまま向こうに行ってしまった。 「どぼじでええ・・・??!にゃんでれいみゅだけ・・・・???!!」 その時子れいむは気づいた。 後ろから来る圧倒的存在感に。 そこにはあの人間がおり、子れいむを見つめていた。 子れいむはようやく気づいた。 自分は見捨てられたんだと。 あの時れいむが引き返したのはこの人間がやってくることに気づいたからだ。 仮に子れいむを助けようとしてもすぐにやってきて川に沈められる危険性があったためれいむは子れいむを見捨てたのだ。 「あ・・・・・あ・・・・・・・・」 子れいむは自分が殺されることを理解していた。 人間は玄翁を振り上げ、子れいむを潰した。 潰されるまで子れいむは「助けて」と言ったがそんな言葉に耳を貸すわけでもなく潰された。 人間は川を航海中のれいむと子まりさを見つめニヤリと笑った。 れいむと子まりさはもう少しで川を渡るところだった。 二匹ともすでに子れいむは殺されたことは理解していた。 それでも子れいむのことは口にせず向こう岸に渡ろうとしていた。 「もうすこしだよ・・・・」 「ゆっ・・・・ゆっ・・・・・・・・ゆ??」 子まりさが何かに気づいた。 なんだかあんよが冷たい気がする。 何かと思い確かめてみたらお帽子に水が溜まっていた。 「おぼうしにおみじゅしゃんがあああああああああああああああああああああああ!!!!」 何故??!!と子まりさは思った。 確かに子まりさは水上まりさではないにしろまだおぼうしが溶けるには早かった。 子まりさの体が水に浸かり溺れていく。 体は水を吸って沈んでしまい、水の中に落ちた。 その時水の中に何かいるのが見えた。 にとりだ。 一匹のにとりが子まりさのおぼうしを破き、浸水させたのだ。 体を突かれ食われていく子まりさ。 必死にもがくが無駄だった。 その時にはすでに体は四散し、水に溶けていった。 何か言いたかったらしいが水の中なのでわからなかった。 「いやーうまかったねー」 「もういっぴきもたべようよ」 「みてきたけどあれ、れいむだったよ」 「えー??!まりさじゃないの??!」 「なんでまりさのおぼうしにのってるのさー??」 「まあいいや、きょうみあるのはまりさだけだし。むししよ」 「「「そーだねー」」」 ある意味れいむは命拾いしたのである。 れいむはやっとの思いで向こう岸に着いた。 途中、子まりさが沈んでしまったことに気づいたが自分にはどうすることもできなかった。 「まりさ・・・・おちびちゃん・・・・・・・・」 れいむは失った家族のことを思い浮かべていた。 まりさ、子まりさ、子れいむ、末っ子れいむ。 全て失ってしまった。 しかしまだ自分がいる。 なんとしてでも生き残り、あの人間に復讐するのだ。 「まっててねみんな・・・・・」 (ケタケタケタ・・・・・・・・・・・・・・・・・) 「いつかかならず・・・・・・・・」 (ケタケタケタ・・・・・・・・・・・・・・・) 「かたきをとるよ!!!」 (ケタケタケタ・・・・・・・・・・・・・・・) 眉毛をキリッとさせれいむは空を見上げた。 空にはまりさたちが微笑んでいるように見えたようだ。 「みんな・・・・・・・・・・」 (ケタケタケタケタケタケタケタケタケタケタ・・・・・・・・・・・・・・・・・) 誰かが笑っている気がする。 れいむは後ろを振り向きその者に文句を言おうとした。 「さっきからうるさいよ!!だれがわらって・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ッ!!!!」 だが言葉が止まってしまった。 れいむはその正体が信じれなかった。 こんな顔→(◎Д◎)し、汗としーしーを垂らしながら固まっていた。 目の前にいるものが信じられずに。 無理もない、何故ならそこにいるのは・・・・・・・ あの人間だったから。 「ゆわあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!??」 れいむはわけがわからなかった。 何故ここにあの人間がいる?! 川を渡ったのにいつの間にかこちらにいた人間。 別になんら不思議ではない。 単にこの人間は橋を渡り、ここに着ただけに過ぎない。 なにせゆっくりが川を渡るスピードなぞ、ゆっくりが普通に這っているのとあまり変わらなかったのだ。 そのせいでこの人間は余裕で向こう岸に着いてしまっていた。 れいむはそれに気づかずにいつの間にか追いつかれていた。 「ゆっくりにげ・・・・・・!!」 れいむはこんな状況になっても逃げようとしたが、 人間に蹴られ10m先に飛ばされてしまった。 「おそらとんでゆばしっ??!」 コンクリの地面に顔から叩きつけられたれいむは余りの痛さに動けなかった。 その衝撃のせいで歯が何本か欠けている。 れいむは逃げようと這いつくばってでもこの場から逃げようとした。 しかし、人間はそれを許してはくれなかった。 玄翁を振り上げれいむを殴った。 ガンッ!! 「ゆがっ??!」 ガンッ!!ガンッ!!! 「ゆべ!!!ゆぎゃで!!」 ガンッ!!!ガンッ!!! (ケケケケケケケケケケケケケケケ・・・・・・・・!!!) 「ゆぎぃ!?ゆ、ゆがあああああああああああああああああああああああああ!!!!」 れいむは玄翁を叩きつけられる前にジャンプして逃げた。 力を振り絞り逃げようとする。 「ゆぎぃ・・・・!!ゆっくぎ・・・!!れいむは・・・・・ゆっくりするんだ・・・・・・!」 大した生命力である。 こんな状況になってでもゆっくりすることだけは考える餡子脳の性なのか。 その光景を見て人間はあることを思いついた。 れいむに近づき叩きつけるのではなく先ほどれいむを蹴飛ばしたようにれいむを殴った。 「ゆばっ??!おぞらどんでる???!!」 殴られた衝撃で飛んだれいむはまたもや地面とキスをした。 人間はまたれいむに近づき同じ様に殴る。 その衝撃でれいむの口から餡子が出てきた。 死の兆候である。 「ゆべばっ!!!いだいい!!いだいいいいいいいいいいいいい!!!!やだやだやだ!!!でいぶはゆぐびじだい!!!」 (ガンッ!!)「ゆがじば!!?・・・ゆぎぃ・・!!!ゆぐじ、ゆっくじぃぃいいいいいするううううううううう!!!してやるうううううううううううううう!!!」 (ガンッ!!!)「ゆぎゃら??!・・で、でいぶはおじびぢゃんとばじざといっじょに・・・・・ゆっぐりずるんだ・・・!!いぎで、いぎでゆゆっぐりいいいず・・」 (ガンッ!!!)「あぎゃあ??!・・くぞにんべんはじねええ!!・・・・ゆっぐぢできないにんげんはいばずぐじねええええええええ!!!!」 殴られ飛ばされてれいむの皮から餡子が出ている。 眼球は飛び出し、もみ上げの一本はいつの間にか取れてしまった。 人間は最後の一振りをれいむに叩きつけようとした。 その時。 「おばえにごろざれだみんばのぶんまでじねえええええええええええええええええええええええ!!!!」 そこで人間の動きが止まった。 れいむを見つめ何か考えている。 「・・・・??」 れいむは何故殴られなかったのかわからなかった。 すると人間は持っていた袋を開け、その中身をれいむの上に落とした。 ボトッ・・・ボトッ・・・ボトッ 中から出てきたのは餡子、カスタード、生クリーム、チョコだった。 れいむは落ちて来た物を必死に食べた。 「む~し゛ゃ!!む~し゛ゃ!!じあわぜえええええええええええええ!!!!」 れいむはきっとこの人間が自分のことを許してくれたのだと思っていた。 このあまあまはそのお詫びだろうと。 しかし、それは大きな間違いである。 れいむが餡子を食べているうちに中から赤い布が出てきた。 「ゆ??」 れいむは最初それが何なのかわからなかった。 だが見覚えがある。 餡子からかき出し姿を見せた赤い布の正体は真っ赤なリボンだった。 れいむはこのリボンのことをよく知っていた。 「おちびちゃんのおかざり・・・・??」 よく見ると周りにも見たことがあるお飾りが埋まっていた。 番のまりさのおぼうし、末っ子れいむのリボン、ゴミ捨て場にいたまりさとありす一家のお飾り、 うんうんをされたちぇんのおぼうし、おさぱちゅりーのおぼうしに群れのみんなのお飾り。 何故みんなのお飾りがここにあるのか一瞬理解できなかった。 だが気づいたしまった。 ここにある大量のあまあま、死んでいったみんなのお飾り。 れいむは顔を青ざめ答えにたどり着いてしまった。 これはみんなの中身だ。 「ゆべぇぇ!!?」 れいむは同族の中身を食べてしまったショックで自分の中身を吐き出してしまった。 この人間は潰していったゆっくりたちを律儀に袋に詰め込んでいたのだ。 逃げてばかりいたれいむはそんなことは知らなかった。 しかし今れいむはそんなことを考えている余裕はなかった。 死臭の匂いがするあまあまに埋もれているれいむはゆっくりできない匂いに苦しんでいた。 「ゆがあああああああああああ???!!ここはゆっくりできないいいいいい!!!だしてえええええええ!!!ここからだしてええええええええええ!!!」 人間はその様子を見て笑い出した。 もう思い残すことはないのか最後の一振りを掲げた。 逃げようとするれいむだがあまあまに足を捕られて動けなかった。 「ゆひいいいいいいいいいいい!!!いやだあああああああああああああああ!!!!ゆっくりしだいいいいい!!!ゆっくりずるんだあああああああああああああああああ!!!!!」 (ちね・・・・・・・・・・・) 「??!!」 人間の声ではない。 別の誰かだ。 れいむはこの声に聞き覚えがある。 その声の主はあまあまから聞こえてきた。 (れいみゅをゆっくちさせないくずはちね・・・・・・) 「おちびちゃん??!」 れいむは気づいた。そうだこれはおちびちゃんの声だ。 だが何故自分の子供が死ねと言ってくるかがわからなかった。 「おちびちゃん??!おかあさんにそんなひどいこといわないでね!!?」 (だまれ・・・・・・・このくず・・・) 「??!・・ぱ、ぱちゅりー・・・・??!」 ぱちゅりーの声まで聞こえた。 それに呼応して次々と声が聞こえてくる。 (しねえええ・・・・・・・・いますぐしねえええええええええ・・・・・・・・) (こっちにこい・・・・・・・ゆっくりできなくさせてやる・・・・・・・) (このいなかもの・・・・・・・よくも・・・・よくも・・・・・・・) (おまえのせいなんだよー・・・・・・・・・・・わかれよー・・・・・・・・・・・・・・) (くじゅちね・・・・・・くじゅはちねぇ・・・・・・・・) (もっとゆっくちしちゃかっちゃのに・・・・・・・・・) (すっきりしたかったのに・・・・・・・) (おまえのせいでむれが・・・・・・・・・・・・・・・・) (れいむたちかんけいなかったのに・・・・・・・・・・・・・) (ふざけるな・・・・・・・なにがゆっくりしたいだ・・・・・・・・・・・・・・・・・) (*1))))))) 「ゆええええええええええええええええええええええええええ????!!どぼじでそんなこというのおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!??」 死んだ後もゆっくりの残留思念のようなものがれいむを死に追いやろうとする。 家族、群れのゆっくり、巻き込まれたゆっくりたちはれいむを許したりはしなかった。 人間はそれに答えてやろうかという思いで玄翁を叩き付けた。 が、さっきあまあまを食べたせいか、一撃では死ななかった。 「ゆべあ!!!いだいいい!!!ゆべでぜ!!!」 (*2))))))) 「いやだああ!!あっぢに!!いきたぐない!!!ゆばば!!!ゆべべ!!!」 最後の一振り。 高く、高く上げ振り下ろそうとした。 「やべで・・・・・・・・・・ゆっくり!!!ゆっくりしだいいい!!!ゆっくりじでただけなのにいいいいいいいいいい!!!でいぶはわるぐないいいい!!!わるいのはこのにんげんだああああああああああ!!!」 (おまえがにんげんをおこらせたんだ!!!) (くじゅおやはちね!!!!) (れいみゅをみしゅてたくじゅが!!!) (いましゅぐちね!!!) 「うるざいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!ゲスはいますぐきえろおおおおおおおおおおお!!!! だれがああああああああああああ!!!!でいぶをたすけろおおおおおおおおおおおおおおお!!!! ばりざああああああああああああああああああああああ!!!!くそちびいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!! ぱちゅりいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!! なんでたすけにこないんだああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!?? でいぶがかわぞうなでいぶがピンチなんだぞおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!?」 「ケケケケケケケケケケケケ・・・・・・・・・!!」 「??!」 「ユックリデキナクナッテシネ♪」 「いやだ!!れいむはゆ・・(ブシュウッ・・・!!!) れいむはまだ生きていた。 中枢餡が壊れていていつ死んでもおかしくはない状態だがそれでも生きていた。 「ゆ゛っ・・・ゆ゛っ・・・・ゆ゛っ・・・」 人間は地面に落ちているゆっくりの中身とれいむを袋に入れ詰め直し、 笑いながら自分の家へ帰っていった。 れいむは死ぬ最後まで苦しみ死臭の中で怨念たちの声を聞きながら死んでいった。 (な゛・・・・・ん・・で・・・?・・・・・・・・・・でい・・・・・・・ばるく・・・・・・・・・・・・・な・・・・・・・・) 最後までれいむは自分が犯した罪を理解しようとはしなかったようである。 あとがき 追われるって怖いよね 予想以上に容量が大きくなりすぎてしまったorz 法然しゃんが折れた「ぐんぐにる」の挿絵を描いてくれていたようです。ありがとうございます(喜) 餡庫には保管されてませんが画像だけはすでにわが手に 大切に保管しまーす 今まで書いたやつ 加工所本部 前編・後編 れいむその後 まりさその後 14番れいむのその後 れみぃと野良豆ゆっくり 前編・後編 あいつらの違い れいむはいい飼いゆっくりさ 折れた「ぐんぐにる」 ドスれいむ 挿絵:○○あき
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ここでは、ちびちゃと、もなちゃとの喧嘩師で誰が一番強いと思うか投票する場所です。 お気軽にご投票ください。 文章を投票した場合、規制対象になる場合があります。 不正投票を削除しました。 順位 選択肢 得票数 得票率 投票 1 黒いカリスマ 241 (20%) 2 てぃんてぃんてぃんくるくるくるパー 79 (7%) 3 カカオ 76 (6%) 4 明智 66 (6%) 5 ❀リン❀ 52 (4%) 6 IJIE 44 (4%) 7 はみだし刑事 35 (3%) 8 レオ♪ 28 (2%) 9 林 27 (2%) 10 マスター・ネギ様 25 (2%) 11 イケメン総隊長@イケメンかーくんだよぉ♪ 20 (2%) 12 ζRёⅹζ 18 (2%) 13 最強喧嘩師【南風8号】 18 (2%) 14 バグ 17 (1%) 15 骨川スネ夫 17 (1%) 16 龍星 15 (1%) 17 【髑髏】.NaO*ドナ 14 (1%) 18 愛桜 14 (1%) 19 雑魚雑魚喧嘩師←たまに見るけど意外に強い 14 (1%) 20 †☤☣白霧騎苑☣☤† 13 (1%) 21 竜神軍団(竜戦士) 13 (1%) 22 かのん 11 (1%) 23 アレックス太郎 11 (1%) 24 結衣 10 (1%) 25 赤神 10 (1%) 26 酒 10 (1%) 27 ★JOKER★ 9 (1%) 28 紅魔郷 9 (1%) 29 広樹ノ介 8 (1%) 30 糞屑粕滓糟馬鹿雑魚阿保糖分王 8 (1%) 31 ☆まろん☆ 7 (1%) 32 くるとん 7 (1%) 33 ℨℰ大阪人ℛℴ 6 (1%) 34 【守護軍/四天王】【月輝隊/少尉】レキ 6 (1%) 35 俺 6 (1%) 36 地獄夜 凶死朗 三等軍曹 6 (1%) 37 蛙鳴蝉噪 6 (1%) 38 迅帝紅神カリスマ 6 (1%) 39 ???@真似師 5 (0%) 40 きくち 5 (0%) 41 テラ 5 (0%) 42 憂鬱な天使 5 (0%) 43 雷霧 5 (0%) 44 鬼畜 5 (0%) 45 魔神 5 (0%) 46 ERISU☆ 5 (0%) 47 よっちゃん 4 (0%) 48 ☠ギ―太@【喧嘩龍】☠ 3 (0%) 49 ☣chaos☣ 3 (0%) 50 【轟軍】メア(総帥) 3 (0%) 51 【闇帝】アナログ 3 (0%) 52 なにわ喧嘩師 3 (0%) 53 にゃん丸 3 (0%) 54 のいず 3 (0%) 55 まえふぁん 3 (0%) 56 アンチ@←まあ雑魚だけどなんとなく 3 (0%) 57 オリオン 3 (0%) 58 ロータス 3 (0%) 59 世界保健機関 3 (0%) 60 伝説の喧嘩師 3 (0%) 61 大阪人 3 (0%) 62 廃墟の神☠狂人 3 (0%) 63 烈火雷鳴 3 (0%) 64 "まゆちい死 2 (0%) 65 OHOH 2 (0%) 66 PIZAふじみつ 2 (0%) 67 XXX@真似師 2 (0%) 68 2 (0%) 69 あ 2 (0%) 70 ふでばこ 2 (0%) 71 ゆう 2 (0%) 72 シャド 2 (0%) 73 ファントム 2 (0%) 74 フィッシャーマンクスコバトン 2 (0%) 75 ミルクティー 2 (0%) 76 メア 2 (0%) 77 伝説の喧嘩師 カイ 2 (0%) 78 伝説の登録喧嘩師(笑)←こいつ自作自演(苦笑) 2 (0%) 79 元喧嘩師のおじいさん 2 (0%) 80 死刑囚 2 (0%) 81 狂流 2 (0%) 82 神荒し軍団「リーダー」 2 (0%) 83 竜神 2 (0%) 84 開様 2 (0%) 85 雑魚 2 (0%) 86 雑魚エース 2 (0%) 87 雑魚ソーセージ 2 (0%) 88 ズダダダダダダダダダダダダダ 2 (0%) 89 マターリ喧嘩師 2 (0%) 90 !?!? 1 (0%) 91 http //www.nukistream.com/video.php?id=160941 1 (0%) 92 KickmaG 1 (0%) 93 § 纏璽龍§ 1 (0%) 94 †*£αLα£*† 1 (0%) 95 ★JOKER★以外皆雑魚 1 (0%) 96 ★ワールドボーイ★ 1 (0%) 97 ★鬼牙龍魔★ 1 (0%) 98 ☠ピエロ☠ 1 (0%) 99 ☸ペイン元帥☸ 1 (0%) 100 【アフロ】ψζRYOζψ 1 (0%) 101 【残響死滅@遊び人☠】 1 (0%) 102 【白龍/総帥】ブラック 1 (0%) 103 【蒼炎/大元帥】Genius 1 (0%) 104 【轟軍】遼輔 1 (0%) 105 【魑魅魍魎】邪魅♪ 1 (0%) 106 あなごくん 1 (0%) 107 うんこ 1 (0%) 108 おいなり 1 (0%) 109 かほり 1 (0%) 110 ささだ 1 (0%) 111 ちーぼー 1 (0%) 112 にゃんちゃん軍曹 1 (0%) 113 のぞ 1 (0%) 114 ぴんくぱんさあ 1 (0%) 115 ぽぽぽぽーん 1 (0%) 116 まぁ 1 (0%) 117 まいぴー 1 (0%) 118 アビス 1 (0%) 119 アンパンマン 1 (0%) 120 エビ太郎 1 (0%) 121 ガタ吉 1 (0%) 122 シルビア 1 (0%) 123 マスター 1 (0%) 124 マリオ 1 (0%) 125 ラビット 1 (0%) 126 ルイージ 1 (0%) 127 ・・・ 1 (0%) 128 伝説の罵倒師 1 (0%) 129 喧嘩師 1 (0%) 130 喧嘩神 1 (0%) 131 山岡軍総司令官 1 (0%) 132 弾丸の喧嘩師 1 (0%) 133 影武者 1 (0%) 134 春風 1 (0%) 135 暇人 1 (0%) 136 来ないで(ℒくん(・ω・ 1 (0%) 137 死にたもうれ 1 (0%) 138 殺陣エリザベス 1 (0%) 139 江角 1 (0%) 140 火拳のエース 1 (0%) 141 真・雷天・極・神 1 (0%) 142 真理 1 (0%) 143 神楽 1 (0%) 144 秘境 1 (0%) 145 究極新星軍モンハン】☠総長☠【 1 (0%) 146 紅流 1 (0%) 147 紫芋 1 (0%) 148 臨也 1 (0%) 149 融合 1 (0%) 150 覇激くん 1 (0%) 151 鋸海 1 (0%) 152 音やん 1 (0%) 153 www 1 (0%) 154 ね[1]" 0 (0%) その他 投票総数 1190 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\ -- ドドリア (2011-01-26 15 11 09) なんでうちがのってんのw!? -- オリオン (2011-02-16 19 25 34) 知らないしな -- カエル君 (2011-02-16 19 27 37) 誰がのせたのwwつか、カエルとアマツマガツチは強い!! -- オリオンですw (2011-02-16 19 32 05) アビスってどんなキャラ? -- ・・・。 (2011-03-08 19 05 06) 俺入ってない・・・ww当たり前かw -- ここあげぱん (2011-03-11 21 37 46) なんでカエルとアマツマガツチ強いと載せたwwww別に強くないからぁ~みんな分かったね?喧嘩わダメですよたぶん此処に居る人喧嘩してる人が結構いるかもねちびちゃちとか喧嘩する人がいっぱい居るから飽きたからもなちゃとに行きましたカエル君が居たら声かけてねwwwwまぁ~こえかけなくていいけどねぇ~wwww -- オリオンなんで? (2011-03-12 20 04 24) wwwッをリオンとか喧嘩しない癖になwww -- オリオン何で? (2011-03-12 20 05 06) 何でもなちゃとでもちびちゃとでも一番雑魚い俺が投票されてんだしwwwwww -- 明智 (2011-03-19 13 05 32) 当たり前だ、俺は喧嘩やってるつもりは無いからな -- 明智 (2011-03-19 19 48 43) 13時5分なんかに俺発言してないぞ -- 明智 (2011-03-27 22 34 42) な、カエルって俺じゃないよね?俺すっげー喧嘩弱いから -- カエルスープ (2011-03-29 21 46 16) カエルスープって見たことあるような気がするな?? -- 明智 (2011-04-10 15 00 38) なんか、強いやつらばっかだねー -- 真・雷天・極・神 (2011-04-29 22 18 59) あれー?リン♪のってないなあ、、、 -- 腐女子 (2011-04-30 18 03 41) あああああ -- 神ぽん (2011-05-09 22 08 02) 神聖軍かみじゃね?????wwww -- NARUTO (2011-05-31 20 20 35) 俺が喧嘩師やってたの2年前だぞw -- カカオ (2011-09-07 17 32 52) よくわからんが黒いカリスマはまじつえーと言う噂だからとうひょうしまぴ -- ゴースト姫[空軍] (2011-10-06 05 14 02) ↑の続きとうひょうしまぴた♪ -- ゴースト姫[空軍] (2011-10-06 05 14 58) 今ケンカ強い奴地底に来てくれ -- 名無しさん (2011-12-30 20 22 35) 黒いカリスマってそんなに喧嘩強いんだなぁ -- たて (2012-01-06 10 59 42) ◇cOj3C8←頭がおかしい、キチガイ、大部屋で見れるよ! -- もなちゃと利用者 (2012-01-10 17 36 00) •http //meafisu0927.blog.fc2.com/【轟軍】のHPは全く面白くないよ -- 【轟軍】のスパイより (2012-01-24 00 43 03) 黒いカリスマねぇ… -- 千奈〆 (2012-01-29 10 23 24) 黒カリはまーじで強い -- 名無しさん (2012-02-06 02 48 29) ジャニーズいちごbbsでいいかんじ -- 紅魔郷ぱねぇ (2012-02-25 13 58 14) 本物の黒いカリスマってRX7がトリプに入ってる人だよね?? -- 鈴 (2012-03-01 22 49 41) うーん -- ジクロロさん無いね (2012-03-26 13 23 11) 狂犬の黒いカリスマが1位かぁ、、喧嘩師って名前が入ってたら直ぐ噛み付くもんな -- ゴムリオン (2012-04-09 13 03 17) こないだレキにずたぼろにされたw -- 元銀狼の一味 (2012-04-28 21 51 33) 最近見なかったけど黒いカリスマは相変わらず強い 3人相手して圧倒してた -- 雷風 (2012-07-20 11 15 45) もなちゃと◆uNAn9WwQWk (ID 35): うわきもいのいる [無視] -- もなちゃと◆uNAn9WwQWk (2012-07-27 15 28 40) (ゆう)ってやつ喧嘩したけどマジ恐い!タイピング速すぎ! -- 万華鏡 (2012-11-04 19 58 28) ※結衣は喧嘩師じゃありません -- 結衣 (2013-01-20 13 39 46) もなちゃとで喧嘩強くて何かの自慢にでもなるの? -- 鼻毛 (2013-12-26 14 08 21) ↑只々競ってるだけで自慢にはなれないかもね。 -- 名無しさん (2014-02-12 23 48 15) http //xxeronetxx.info/img/20140303/v1-029.html -- 鼻毛 (2014-03-16 17 28 15) 名前 コメント
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「ただいまー。お前ら、嬉しいニュースがあるぞ」 「おにいさん、ゆっくりおかえりなさい!!」 「うれしいにゅーすってなんなの?」 「「「「なんなの?」」」」 大学から帰ってきた男は、我が家の愛すべき同居人であるゆっくり一家の部屋に行くと、こいつらの喜びそうな話を真っ先にしてやった。 「実はな、この前お兄さんに恋人が出来たって話をしただろ」 「ゆっくりおぼえてるよ!! とってもびじんさんなおねえさんのしゃしんをみせてくれたよ!!」 「さすがはまりさだ、曇りなき審美眼を備えているようだな」 「ゆうぅ!! ゆっくりてれるよ!!」 「でな、その彼女だが、話を聞くと最近ゆっくりを買ったらしいんだ」 「ゆゆっ!! ほんとう!?」 「ああ、しかもまだ生まれて間もない赤ゆっくりだ。とっても可愛いらしいぞ」 「ゆうぅ……まりさとれいむのちびちゃんたちも、ゆっくりかわいいよ!!」 「拗ねるなよ。そんなこと同居してる俺が一番よく解ってるよ」 「ゆっくりあんしんしたよ!!」 「でだ、ここからが肝心なんだが、明日彼女がこの部屋にやってくるんだが、その時、赤ゆっくりも一緒に連れてくるっていうんだ」 「ゆゆっ!!」 「何でもゆっくりショップで買った赤ゆっくりらしくてな。一匹だけの購入だから、親も姉妹も友達もいないんだ。 彼女が部屋にいるときはとっても嬉しそうな様子を見せるそうなんだけど、大学に行ったり、外出したりすると、その子は一人ぼっちになっちまう」 「ゆうぅ……ゆっくりかわいそうだよ」 「だから、お前らにその子の友達になって欲しいんだ」 「ゆっくりまかせてよ!!」 「そういうと思ってたよ。それに生まれたばかりの赤ゆっくりだから、お前らで立派に教育してやってくれ」 「「「「「ゆっくりりかいしたよ!!」」」」」 一家の元気な返事に満足した男は、一家全員を自分の掌に乗せる。 そして、小指で丁寧に丁寧に一家全員の頭を撫でてあげた。 ここで気になる人が出てくることだろう。 一家全員が掌に乗る? そんなことが可能なのかと? 可能なのである。 一家の家族構成は、親まりさに親れいむ、生後半年の子ゆっくり三匹に、生後三か月の赤ゆっくり三匹の計八匹。 普通のゆっくりなら、それだけで10㎏を超す重量になるものである。 しかし、男の飼っているゆっくりは、普通のゆっくり種とは異なる、新種のゆっくりであった。 その名もマイクロゆっくり。 普通の成体ゆっくりが最大でバスケットボールほどの大きさまで成長するのに対し、このマイクロゆっくり種は、最大でピンポン玉ほどにしか大きくならないのが特徴である。 ゆっくりが現代社会に現れて早10年。 初めこそ人々はその不思議な生態に大いに沸いた。やれ宇宙人の襲来だとか、異世界からの侵略者だのと、毎日のように特番で流されたものだ。 おかげで当時見たかった番組が、かなり潰されてしまったものである。 しかし、人間の慣れというのは恐ろしいもので、半年も過ぎるとゆっくりに対する関心は徐々に薄れ始めた。 道端でゆっくりを見ても、犬や猫を見るような感覚で見向きもしない。 ゆっくりたちに、人間が恐怖するほどの力がなかったことも、関心を無くさせる要因だったのだろう。 そんなこともあって、現代社会はすんなりとゆっくりの存在を認めてしまったのである。 そうなると次に人間が起こす行動は、ゆっくりが人間にどれだけ利益をもたらすかということだ。 如何にもエゴで凝り固まった現代人の考えそうなことである。 まず真っ先に、その饅頭という特殊な姿から、当然の如く食用への流用が行われ始めた。 続いて、簡単な言葉を話し、理解できることから、人間の仕事の一部に使われることとなる。 そして、その憎らしくも愛らしい容姿から、ペット界でも当然扱われていった。 今や犬や猫を飼うが如く、普通の家庭でもゆっくりが飼われている。 しかし、ゆっくりの飼育には結構手間がかかる。 食べ物を食べても排出しないというのはペットとして最高の利点なのだが、ゆっくりはかなりの大食漢で、月々の出費もバカにならない。 何事にも興味を示し、躾がなっていないと部屋の中で暴れ放題、すぐに部屋が荒らされてしまう。 しかも、荒らされるだけならともかく、動き回りたがるくせに猫のように俊敏性や機敏性は持ち合わせていないので、ちょっとしたことですぐに怪我を負ってしまう。 オレンジジュースと小麦粉で治るのはいいが、大事なペットが怪我をしているのを見るのは飼い主として辛いものがある。 そこで開発されたのが、ゆっくりの遺伝子餡をいじって生み出された新種のゆっくり、その名もミニゆっくりである。 成長してもソフトボール大の大きさにしかならないミニゆっくりは、家計への優しさや、暴れても被害が少ないこともあって、爆発的なブームとなった。 ブームとなれば大金が動き、大金が動けば味を占める。 となると、次に人類が考え付くのは、ミニゆっくりより小さな種を作り出すということであろう。携帯電話が進化するたびに薄く小さくなるようなものだ。 ミニゆっくり出現から3年の年月をかけ、人類は遂にミニゆっくりよりも更に小さい新種、マイクロゆっくりを誕生させることに成功した。 しかし、このマイクロゆっくりはミニゆっくりと違い、一過性のブームに終わってしまった。 成長してもピンポン玉という大きさから、家計への負担、家への被害はミニゆっくり以上に減ったが、それ以上にその扱いがとても難しい種であったからだ。 成体ゆっくりですら途轍もなく皮がもろく、ちょっと力の加減を間違えるだけで、簡単に皮が破れ餡子が漏れ出してしまう。 食べ物も粉末状まで砕かないと摂取できないし、水を与える時もスポイトで一滴ずつ飲ませなければならない。 また赤ゆっくりなど小豆大の大きさしかなく、鼻息の荒い飼い主が飼おうものなら、一息で飛ばされること請け合いだ。 ゆっくりの利点であるオレンジジュースと小麦粉で回復できるという特徴も、普通のゆっくりのように頭からジャブジャブ掛けようものなら、オレンジジュースの池で溺死しかねない。 そういった飼い難さも相まって、マイクロゆっくりは一部のマニアだけが買い求める上級者向けの種となってしまったのである。 男はそんな上級者の一人であった。 子供のころは、普通のゆっくりを飼っており、それが亡くなりミニゆっくりが出るや、先代の代わりにとミニゆっくりを求めた。 小さくなった分、寿命は普通のゆっくりより少なく、男が高校生の時には、悲しいことにミニゆっくりは寿命を迎えてしまった。 翌年が受験だったこともあり、ゆっくりを飼うのを控えていた男だが、無事志望大学に合格できたことと、一人暮らしの寂しさもあって、一学年の夏にマイクロゆっくりを購入したのである。 元来のマメで繊細な性格も相まって、現在に至るまでの一年半、紆余曲折はあったものの、特に大きな失敗を犯すこともなく育てることに成功している。 まりさ一家は、男の話を聞いて、明日が楽しみだった。 男は優しく、とてもゆっくりした飼い主だったが、その体の構造上、普通のゆっくりと同じく、外を散歩することなどはさせてもらえない。 ウッカリ外に出ようものなら、誤って人間に踏みつぶされるか、突風に吹き飛ばされるかが落ちである。 そんなこともあって、一家は生まれてこのかた家族以外のゆっくりと出会ったことがなかった。 中でも生後三か月の赤ゆっくりは、男の話を聞いて、特に興奮した。 生まれたばかり。つまりそれは、自分たちより年下であることを意味する。 まだまだ甘えたい年頃ではあるが、同時にお姉ちゃん風を吹かせたかった赤ゆっくりは、早く明日が来ないかと待ち遠しくて仕方がなかった。 「おにいさん!! かのじょさんは、ゆっくりまだこないの?」 「う~ん、そろそろ来ると思うよ」 今朝から一家は、何度も男に訊ねてくる。それほどまで、赤ゆっくりの登場が待ち遠しかったのだ。 焦らしプレイのように悶々とした時間を過ごす一家であったが、午後1時を過ぎたころ、来客を知らせるベルが鳴り響いた。 「ゆっ!! おにいさん!!」 「分かってるよ、いま迎えに行ってくる」 ベッドから飛び降り、玄関にドアを開ける。 そこには、以前写真で見せてもらった長い黒髪の女性が佇んでいた。 「こんにちは、愛で男くん」 「やあ、ようこそ。汚い所だけど、まあ上がってくれよ」 「ええ。お邪魔します」 女性は軽くお辞儀すると、靴を脱いで、部屋に上がり込んだ。 その手には、小粋な可愛いペットゲージがぶら下がっている。 「愛で子、昼食はもう取った?」 「ええ、一時間くらい前に」 「そっか、良かったよ。家の冷蔵庫、何にも入ってないからさ」 「ふふ、後で一緒に買いに行きましょう。今夜は私が作ってあげるから」 「ひゃっほーいっ!! 手作り料理ゲットゥ!!」 男はテンション高く悲鳴を上げる。隣人や階下の人が、苦情に来ないか心配である。 彼女である愛で子は、男性の部屋が珍しいのか、興味深そうに周りを見渡している。 そして扉を跨ぎ隣室に入るや、一mという特大の水槽を見つけると、「これね!!」と、目を輝かせて近づいてきた。 言うまでもなく、マイクロ一家の入った水槽である。 普段、一家は水槽の中で生活している。 と言っても、一mという巨大な水槽であるため、マイクロ一家にとっては、巨大な庭付き大豪邸のようなものである。 一家は愛で子の目の前に一列に並び、歓迎の意を示す。 「「「「「「「「ゆっくりしていってね!!!」」」」」」」」 愛で子もそんな一家に目を細め、「ゆっくりしていってね」と笑顔で返した。 「おねえさんが、おにいさんのかのじょさんなの?」 「ええそうよ。よろしくね、まりさちゃん」 「ゆっくりよろしくね、おねえさん!!」 軽い挨拶を済ませ終えるや、一家は気になっていたことを愛で子に告げる。 「おねえさん!! あかちゃんはどこにいるの?」 その言葉に愛で子は微笑むと、手に下げていたゲージを開けて、中に手を入れる。 そして、それを優しく掴むと、両手で姿が見えないように隠しながら、ゆっくり水槽の中に手を入れていった。 一斉に愛で子の手に群がってくる一家。 興味津津とばかりに、愛で子の手の中を注視する。 ようやく待ちに待った瞬間がやってきた。愛で子がその手を上げる。 手の中から出てきたゆっくりは、一家に目を向けると、大きな声で挨拶をしてきた。 「ゆっきゅりちていっちぇね!!!」 「ゆゆっ!?!?!?」 その瞬間、一家全員が凍りついた。 目の前のれいむ種を、呆気に取られながら見つめ続ける。 「おい、お前らどうしたんだ、急に無口になって?」 傍でジッと見ていた男が、一家の妙な態度に首を捻る。 あれほど楽しみにしてたというのに、なぜ急に押し黙ってしまったというのか。 その疑問に、一家の大黒柱たるまりさが口を開いた。 「ゆうぅ……おにいさん!! ゆっくりうそをついたね!!」 「はあ、何のことだ?」 「おにいさんはあかちゃんがくるっていってたよ!! それなのに、このれいむはもうりっぱなおとなだよ!!」 「……なるほど、そういうことか」 愛で子が取り出したれいむ。それは、一家の大黒柱であるまりさの5倍は大きかったのだ。 それ故に、一家は男が嘘をついたのだと解釈したのである。 そんな一家に、男ではなく愛で子が説明を加えてくる。 「まりさちゃん。この子は、本当に赤ちゃんなのよ」 「うそだよ!! まりさよりおおきいのに、あかちゃんなんてへんだよ!!」 「この子はね、普通のゆっくりの赤ちゃんなの」 「ふつうのゆっくり?」 「まりさちゃんたちはね、マイクロゆっくり種って言って、ゆっくりの中でも一番小さい種族なの。そしてこの子は普通のゆっくり……一番大きな種族で、これでもまだ生まれたばっかりなのよ。 本当は普通のゆっくり種も生まれたばかりはこんなに大きくないんだけど、この子は胎生出産で生まれたから、特に大きい子なの」 「ゆうぅぅ……」 説明を受けても、いまいち納得できない一家。 確かに胎生で出産された子供が、蔓で出産された子供より大きくなることは知っている。しかし、それでも納得できないものは、納得できない。 それも仕方がない。一家は自分たち以外の種にあったことがなく、自分たちこそがスタンダードなのだから。 「さっきの挨拶を聞いただろ。『ゆっきゅりちていっちぇね』って赤ちゃん言葉だったじゃないか」 男も注釈を入れてくる。 言われてみればその通りで、あれは自分たちのチビちゃんも少し前まで使っていた赤ゆっくり言葉である。 もしかしたら目の前のゆっくりは態と赤ゆっくりの喋りをマネしているのかとも考えたが、一家はすぐにそれを否定した。 赤ゆっくりの喋り方は、まだ舌足らずなだけであって、意識して喋るのはとても難しいのである。 仮に意識して話せたとしても、普通の成体ゆっくりなら、演技でも赤ゆっくり言葉を使うことに抵抗があるだろう。 人間に例えるなら、常時「バブー」「ハーイ」「チャーン」と言っているようなものである。正に羞恥プレイだ。 「お前らは、昨日俺と約束したよな。この子と友達になってくれるって。俺はお前たちを約束を守らないような子に育てた覚えはないぞ」 男が少し厳しい口調で言ってくる。愛で子も若干悲しそうな表情だ。 一家は目の前の巨大赤れいむに目を向ける。この状況を全く理解していないような、能天気な振る舞いだ。 最初は若干渋る態度を取っていた一家だったが、男たちや巨大赤れいむの様子を見て決心した。昨日言ったとおり、この子と友達になってやろうと。 大好きな男やその彼女を悲しませるのは一家としても本意ではないし、よく巨大赤れいむを観察すると、態度のそこかしこに赤ゆっくり独特の仕草が見て取れる。 体は大きくても、この子は確かに生まれたばかりの赤ちゃんなのだ。 それなら、両親は自分の娘たちのように、子ゆっくりは自分の妹のように、赤ゆっくりは妹が出来たように接してあげればいい。 これが一家の出した結論だった。 「おにいさん!! ゆっくりうたがってごめんね!! まりさたち、この……おちびちゃん? と、いっぱいあそんであげるよ!!」 「おお、偉いぞ、まりさ」 「まりさちゃん、ありがとう」 「ゆっくりまかせてね!!」 こうして、一家の世話が始まった。 一家の中で最初に巨大赤れいむと接触したのは、赤ゆっくりたちだった。 「「「ゆっくりしていってね!!」」」 「ゆっきゅりちていっちぇね!!」 「なにかあったら、なんでもおねえちゃんたちにいってね!!」 一度やってみたかったお姉ちゃん風を吹かせる赤ゆっくりたち。 しかし、そこは生まれたばかりの巨大赤れいむである。元々ゆっくりは空気が読めないが、それに輪をかけて遠慮がないというか、空気が読めない。 「ゆっ? れいみゅよりちっちゃいにょに、おにぇえちゃんにゃんて、おかちいよ!!」 「ゆっ!?」 痛いところを突かれた赤ゆっくりは、短く呻く。 親まりさですら、最初巨大赤れいむを見たとき、大人だと思ったくらいである。巨大赤れいむがおかしいと思っても不思議ではない。 しかし、そこは水槽の側に控えていた愛で子が、巨大赤れいむを叱りつめる。 「こら、れいむ。お姉ちゃんに、そんな口をきいちゃ駄目でしょ」 「ゆうぅぅ……で、でみょ……」 「でもじゃありません、お姉ちゃんに謝りなさい」 「……おねえちゃん、ゆっきゅりごめんにゃちゃい」 「お前ら、相手は生まれたばかりなんだ。許してやってくれ」 「ゆ、ゆっくりゆるすよ……」 のっけからケチがついた一家と巨大赤れいむとの接触。 若干、嫌な空気が流れ始めるが、そこは年長者の理解ある親まりさが取り成した。 「ゆっ……みんなでなかよくゆっくりしようね!! きょうは、まりさたちがゆっくりあそんであげるからね!! おねえさんのちびちゃんは、なにであそびたい?」 「ゆっ!!」 大好きな飼い主に叱られて気落ちしていた巨大赤れいむだが、親まりさの言葉に目を輝かせ始める。 目の前に好物をぶら下げられると、数秒前のことすら忘れるのが、赤ゆっくりの特性である。 「りぇいむ、ゆっきゅりおにごっごがちたいよ!!」 一匹で生活していた巨大赤れいむは、集団での遊戯に憧れていた。 嘗て、テレビでたくさんのゆっくりが集まってしていた鬼ごっこを、一度遊んでみたかったのである。 しかし、これには愛で子か難色を示した。 「愛で男くん。鬼ごっこしたいって言ってるけど、大丈夫かしら?」 「どういうこと?」 「まりさちゃんたちが、れいむに潰されちゃったら……」 「ああ、それは俺らが注意していれば大丈夫だろう。危なくなったら、すぐに手を入れればいいよ」 「……そうね、分かったわ」 愛で子も納得したことを受け、親まりさが全員の顔を見渡し告げてくる。 「ゆっくりりかいしたよ!! それじゃあ、みんなでおにごっこをやろうね!! まずさいしょは、まりさがおにさんになるよ!! みんなゆっくりしないでにげてね!!」 その言葉に、蜘蛛の子を散らすように、水槽内を駆け回っていく一家と巨大赤れいむ。 まりさは男の躾もあってゆっくりにしては頭がよく、ゆっくり十まで数え終えると、水槽内を駆け始めた。 まずは、巨大赤れいむを追いかける。 別に自分の子供が酷いことを言われたからとか、そんなチッポケな感情からではなく、鬼ごっこをするのに相手にされないのは詰らないだろうという、まりさなりの優しさであった。 「おねえさんのおちびちゃん!! ゆっくりまってね!!」 「ゆうぅ!! こっちにきちゃよ!! ゆっきゅりにげりゅよ!!」 自分が追われていることに気が付いた巨大赤れいむは、親まりさから逃げようと、全力で水槽内を駆け回る。 しかし、これがそもそも間違いの元であった。 前述のとおり、巨大赤れいむは、親まりさの実に5倍の体積がある。 その体格差はしっかりとこの状況にも反映され、親まりさが全力で追いかけても、巨大赤れいむには追い付くことが出来なかった。 「ゆひーゆひーゆひー……おねえさんの……おちびちゃん……ゆっく……り……してね……」 数分後、親まりさは息も絶え絶えといった様子で、トロトロ巨大赤れいむを追い続ける。 しかし、どんなに頑張ろうと体格のハンデは大きかった。 これでは仕方がないと、親まりさは手近にいた自分の子供にタッチをする。 「ゆ、ゆっくり……つかまえ…たよ」 「ゆうぅ、つかまっちゃったよ!! つぎは、れいむがおにさんだよ!! ゆっくりにげてね!!」 鬼になった子れいむが、姉妹や巨大赤れいむを追いかける。 しかし、初めは親まりさ同様、巨大赤れいむを追いかけていた子れいむだったが、自分には追い付けないことをすぐさま理解するや、すぐにターゲットを切り替えた。 子れいむに、親まりさほどの忍耐を要求するのは酷というものである。 子れいむは、妹である赤まりさにタッチをし、次は赤まりさが鬼となった。 しかし、赤まりさは最初から巨大赤れいむを狙う気はなかった。 巨大赤れいむにお姉ちゃんじゃないと言われたことを多少根に持っていることもあったが、それ以上に親まりさと子れいむの様子を見て、自分では巨大赤れいむには追い付けないと理解していたのである。 赤まりさは、態とゆっくり逃げていた親れいむを追いかけタッチした。 その後、鬼は目まぐるしく変化していったが、巨大赤れいむが鬼になることは一度もなかった。 巨大赤れいむはツマらなかった。 一家が構ってくれたのは最初だけで、後は自分そっちのけで、一家だけで鬼ごっこをしているように見えたのだ。 そこには自分と相手の体格差などは全く考慮に入っていない。 当たり前である。巨大赤れいむは、生まれたばかりなのだ。自分が遠慮しなくちゃならないなんて考えは、一切巨大赤れいむの餡子脳にはない。 自身がすべきことは、何事においても全力でゆっくりすることと考えている。 マイクロ一家はそんな巨大赤れいむの気持ちに気がつかない。 当然と言えば当然である。いくら賢いとはいえ、彼女らもまたゆっくりなのだから。 しかし、それを眺めていたギャラリーは理解していた。 次第に巨大赤れいむのテンションが下がるのを見て、これは不味いと思い始めた男は、水槽内で駆け回るマイクロ一家に声をかける。 「おい、お前ら、もう疲れただろ。そろそろゆっくり休んだらどうだ?」 「ゆっ? れいむたち、まだつかれてないよ!!」 「そうだよ!! まだまだいっぱいあそべるよ!!」 ゆっくりらしい、実に空気の読めない発言。 仕方がないと、男は餌で一家の関心を引き付けることにした。 「お菓子をあげるぞ~、美味しいぞ~」 「ゆゆっ!! ゆっくりおかしたいむにするよ!! みんな、ゆっくりあつまってね!!」 親まりさの号令を受けて、巨大赤れいむを含む全員が、親まりさの元に集合してくる。 男は水槽横に置いておいたお菓子の缶の蓋を開ける。 しかしそれを見て、しまったという表情を見せる。 「愛で男くん、どうしたの?」 「あ、いや、まだたくさん残ってると思ってたんだが、思いのほか菓子の量が少なくて……」 「まあ!!」 菓子を詰めた缶の中には、クッキーが二枚入っているだけであった。 男は自分の失態に、唇を噛みしめる。今日、愛で子が来ることは分かっていたのだ。前もって確認し、予め買いだめしておくべきだった。 仕方がないと、男は二枚のクッキーを取り出し、巨大赤れいむに与えてくれと、愛で子に渡してくる。 しかし、愛で子は受け取りを拒否し、逆にマイクロ一家にあげてと遠慮する。 愛で子の気遣いは嬉しいが、ホスト役の男からすれば、自分のマイクロ一家こそ我慢させるべきなのは間違いない。 半ば押しつけるように愛で子の手を取るが、愛で子も愛で子で態度を崩さない。 普段はお淑やかな性格だが、こういうところは頑固で曲げない娘なのだ。元々、育ちのいいお嬢さんなのである。 少しの間、互いに押し付け合っていた二人だが、どちらも引かないと分かるや、仕方がないと折半することで落ち着いた。 男はクッキーを粉々にしてマイクロ一家の前に、愛で子は四等分に分けて、巨大赤ゆっくりの口に持っていった。 「「「「む~しゃむ~しゃ(む~ちぁむ~ちゃ)、しあわせ(ちあわちぇ)~~~♪♪」」」」 ゆっくり独特の食事風景。 全員が美味しそうにクッキーを頬張っている。 しかし巨大赤れいむは、その体の大きさ上、食べる量も当然多く、クッキー一枚では腹の足しにもならなかった。 対して、全員を併せても巨大赤れいむに遥か及ばないマイクロ一家は、未だ粉々のクッキーに舌鼓を打っていた。 それを羨ましそうな視線で眺める巨大赤れいむ。 初めこそ我慢していたのだが、そこは赤ゆっくりの忍耐力である。すぐに欲に負けて、一家の前のクッキーに突進しようとした。 しかし寸でのところで、愛で子の手が巨大赤れいむの進路を塞ぐ。 「ゆっ!?」 「れいむ、あなたは今何をしようとしていたの?」 「ゆ……ゆうぅ……」 「あなたにはちゃんとクッキーを一枚与えたでしょ。それなのにまりさちゃんたちの分を横取りしようなんて、そんな悪い子はお仕置きしますよ」 「ゆうううぅぅぅぅ――――――!!!! ごめんなちゃああああ――――――――いっ!!!!」 愛で子は軽く巨大赤れいむの頭を小突く。 それは衝撃に弱い赤ゆっくりでも全く痛くない形だけのものであったが、痛い痛くない以前に、最愛の飼い主が自分を怒ったことが、巨大赤れいむには耐えられなかった。 「ゆわあああああぁぁぁぁぁぁぁ―――――――――――――――――ん!!!!」 癇癪持ちの子供のように、巨大赤れいむの鳴き声が部屋中に響き渡る。 男は慌てて慰めようと一家にお菓子を与えてやれと忠告するが、それを愛で子が制止する。 「ちゃんと半分ずつ分けたのだから、そんなことをしてはだめよ」 「しかし……」 「甘やかすだけじゃ、この子の為にもならないわ。私、この子には、しっかりした子に育ってほしいの」 「んん……まあ、その気持ちは理解できるが……」 愛で子の気持ちは、男も大いに理解できる。 男もマイクロ一家を育て上げるのに、決して甘やかすだけではなかった。 時には厳しく叱りつけ、時には目一杯褒めてやる。勉強も教え込んだし、マナーも身につけさせた。飴と鞭を上手に使った結果が、この賢いマイクロ一家であるという自負がある。 しかし、今日はあくまでホストの立場である。その為、粗相がないようにと、ついつい手を出してしまうのだ。 なかなか泣きやまない巨大赤れいむに溜息をつき、愛で子は仕方がないと、今度はやさしく頭を撫で始める。 それを受けて、愛で子が自分を許してくれたのかと考えた巨大赤れいむは、ようやく涙を仕舞い込んだ。 しかし、愛で子はそれだけでは終わらせなかった。自分のしたことについては、しっかりと反省をさせなければならない。 「れいむ。お姉ちゃんたちに、何か言うことがあるでしょ?」 「ゆっ?」 初め、何を言われているのか分からなそうな巨大赤れいむ。 自分がしようとしたことの罪の意識はないのだろう。 「お姉ちゃんたちのお菓子を、横取りしようとしたでしょ。あなたもそんなことされたら嫌でしょ。ちゃんと謝りなさい」 「ゆうぅ……でも、れいみゅ、たべちぇないよ……」 「食べる食べないではなく、しようとしたことが問題なの。素直に謝れないのは、人としてもゆっくりとしても最低よ」 愛で子の言葉に納得のいかない様子の巨大赤れいむ。 そもそも巨大赤れいむには、初めから納得できなかった。 自分は既に食べ終わっているのに、向こうは未だに美味しそうに頬張っている。 向こうのほうが食べる数が多いのに、自分より食べるのが遅い。それは、向こうのほうが、大量の菓子を与えられたことを意味するのではないのか。 子どもというのは、論理より視覚を優先させる生き物である。 長く細いコップと短く太いコップに同じ量の水を入れ、どっちのほうが多いかと問うと、ほとんどの子供が長く細いコップを選ぶという。 そのコップに入った水のほうが、高さが高いからだ。 これと同じで、マイクロ一家の菓子は粉々に砕かれているため、空気を含んで一見大量にあるように見える。 そこに、体格の差や菓子を折半したという事実は含まれていなかった。 その為、巨大赤れいむからすれば、どうしても自分の不手際とは思えなかったのである。 しかし、そうはいっても、最愛の飼い主である愛で子は、厳しい表情で巨大赤れいむを見つめている。 謝るまでは、決して許さないというのが見え見えだ。 この家に来て早々謝罪をさせられ、またもや謝罪するのは、巨大赤れいむのプライドを大いに傷つけたが、愛で子に許してもらえないよりはマシと、渋々一家の目の前に赴き頭を下げる。 「ゆっきゅりごめんなちゃい……」 「まりさたちは、ゆっくりおこってないよ!! ゆっくりげんきをだしてね!!」 親まりさが代表で返事を返したことで、愛で子の吊りあがっていた眉も、とりあえず元に戻った。 そもそも、マイクロ一家からすれば被害にあたたわけではないので、怒る理由がないのだ。 親まりさの空気の読める対応に、ホスト役の男もホッと息をもらす。 愛で子にいいところを見せる意味でも、不穏な空気にならなかった意味でも、親まりさの対応は上出来の部類だった。 後は巨大赤れいむのケアをすればいいと、買い物に行ったとき大量にお菓子を買ってくることを約束し、その場は何とか幕を閉じるのであった。 しかし、巨大赤れいむの餡子脳には、着実に不満が渦巻き始めたのである。 中編へ
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明日は絶対勝つよ 山下大輔がチームにいたころ、大ちゃんAAが「明日は絶対勝つよ」というAAがわしせんに貼られていた。 「大ちゃん明日は試合ないよ…」と返されることが多かった。 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\ / \ / ヽ / ̄\ l \,, ,,/ | 今日は負けないよ! ,┤ ト | (●) (●) | | \_/ ヽ \___/ | | __( ̄ | \/ ノ ヽ___) ノ
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『電車を待ちながら』 30KB 制裁 いたづら 自業自得 野良ゆ 現代 13作目ましてこんにちわ、キャンセルあきです。 「いやあ、ありがとうございました」 「本当にまあ、危うく出発時間が遅れてしまうところだったね。ありがたいね。これ、お礼ね」 猛烈な残暑も過ぎた九月の終わり、人気の少ない田舎の駅の、そのホーム。 お兄さんと駅員のおじさんは、甘い珈琲を差し出して、ゆっくり対策課の駆除係に心から、 お礼の言葉を述べていた。 電車の待ち時間、線路上にたむろしている野良ゆっくりに気付いたお兄さんが 連絡を入れると、その駆除係は取るものも取り敢えず飛んできてくれたのだ。 線路の上に陣取って、電車を相手に「つうこうりょう」を要求していたまりさの親子は今、 ホームの喫煙コーナーで黒いシミにジョブチェンジしている。 「それじゃあ、野良ゆっくりどもの後始末はお兄さん達に御願いしますよ」 「私はゆっくり対策課じゃないんですが……まあいいです、承りました」 お兄さんは再び電話を掛けて、対策課の応援を頼む事となった。 そして、ホームのベンチに落ち着き、ホットのブラックコーヒーを啜っていた時の事だ。 「おにいさん、ちょっとれいむのはなしをきいてほしいよ!」 ベンチの下から、バスケットボール並みのサイズがある薄汚れたれいむと、そのおちびちゃんらしき 子れいむ、子まりさが合わせて1ダースほど、こーろこーろと現れた。 「ゆーんゆーん!」「おかあしゃーん、あみゃあみゃまだにゃにょ?」「ゆっくちしないではやきゅしちぇね!」 「おかあさん、このにんげんさんはゆっくりできるのぜ?」 中には、赤ゆ言葉もすっかり抜けた成体に近い子まりさまでいる。 どこをどう見ても、野良のしんぐるまざー一家であった。 電車を待ちながら キャンセルあき ■HR 議題:あいさつはだいじだよ! お兄さんの隣に座っている駆除係が、「処理しましょうか?」という目を向けてきたが、 お兄さんは軽く断ってれいむの相手をする事にした。 「どうかおにいさん、れいむたちをかい――」 「まあまあ話を聞く前に、まずは駆けつけ一坏からどうぞ」 じょぼじょぼ、と手にした「クソ苦いコーヒー」を親れいむに垂らすお兄さん。 「ゆ……?」 一瞬、何をされたかも分からずに固まる親れいむの表面に、ぞわりと血管のようなシワが浮く。 待つこと三秒。 「――ゆっぎぇえええええええええええっ!」 びったんびったんびったんびったん。 「お、おきゃあしゃんどうちたにょ!?」 「おかあしゃん、ゆっくちちてね! れいみゅがぺーろぺーろしてあげりゅからねええ!」 饅頭肌におぞましい浮腫を作ってのたうつれいむに、子ゆっくり達が駆け寄ったが、お兄さんの 飲んでいた「クソ苦いコーヒー」は、成体のれいむですら瀕死になる程のにがにがだ。 「ぺーろぺー……ゆぎゃ!」 「ゆ……れいみゅ? にゃんでれいみゅがえいえんにゆっくちしちゃってるのおおお!?」 コーヒーの染みた親れいむの肌をぺーろぺーろした赤れいむは、餡子を吐いて即死した。 「ゆっげ! おじびじゃ! おにいざん! どぼじでごんなごどをずるの!」 「挨拶も無しにいきなり要求から入るなんて、ゆっくりしていないゆっくりですから」 「ゆ、ゆがーん!」 ゆっくりしていないゆっくり――それはゆっくりにとって最大級の侮蔑の言葉である。 多大なショックを受けたれいむは、しばしの間、体を冒すにがにがの事も、最愛の おちびちゃんが永遠にゆっくりしたことも忘れて激昂した。 「れいむはれいむだよ、ゆっくりしていってね! ほらほら、れいむはゆっくりしてるでしょ! ゆっくりしてないゆっくりだなんていわないで、ゆっくりていせいしてね、ぷんぷん!」 「お兄さんはお兄さんです。ゆっくりしていって下さいね。本当にゆっくりしたゆっくりなら、 私に向って"のーびのーび"してくれますか?」 「ゆゆん! そんなことあさめしまえっ! だよ!」 れいむは体をうねらせてのーびのーびをした。 その間に、お兄さんは餡子を吐いてた赤れいむの残骸をナマモノ用のゴミ箱に放り込み、 代わりに甘いゆっくりフードを幾らか、子ゆっくり達に向ってばらまいた。 たちまち、ゆっくりできる匂いに群がる赤ゆっくり達。 「ほら、れいむはゆっくりしたゆっくりでしょおおぉ? おにいさんはていせいしてね!」 「……それなりにゆっくりしたゆっくりですね。認めますよ」 「それから、えいえんにゆっくりしちゃったおちびちゃんの、"しゃざい"と"ばいしょう"を ようっきゅっするよ!」 「その前によく見て下さい。おちびちゃん達はみんな、ゆっくりしてるじゃないですか」 「ゆ……? おちびちゃんたち?」 後を振り返ると、 「どうしたのおかあさん? まりさゆっくりしてるよ?」 「おそらからあまあまがふってきたのぜ! みーんな、まりしゃのものなのぜ!」 「むーちゃむーちゃ、ちあわしぇええええ!」 殆ど成体の長女まりさを筆頭に、れいむの子ゆっくり達はみなゆっくりフードへと群がって、 幸せにむーしゃむーしゃしている。 「ゆゆーん、みんなゆっくりしてるよおお!」 「そうですね、どなたか、大変な目にあったおちびちゃんは残っていますか?」 「いち、にい…………たくさん! おちびちゃんたちはみーんなそろってるね! みんなゆっくりしてるよ! おにいさんもゆっくりしたにんげんさんだね! ゆんゆゆーん」 思い込みの激しさが体調にまで表れるゆっくりのことである。 れいむはいつの間にか、クソ苦いコーヒーが体にしみこんだ事すら忘れて、ゆっくりし始めた。 「それで、私に何か用事があったんではないですか?」 「ゆゆ――! そうだよ! おにいさんにおねがいがあったんだよ!」 危うくそのままひなたぼっこを始めてしまう所だったれいむは、慌ててお兄さんに向き直った。 「どうか、れいむたちを――「勿論駄目ですよ」――"かいゆっくり"に!?」 「……」 「……れいむをかいゆっくりに――「お断りします」――どぼじでぞんなごどいうのおおおおっ!?」 ■道徳:うそつきはどろぼうのはじまりだよ! 「貴方を飼いゆっくりにした所で、私はゆっくりできそうもないです。ゆっくり理解して下さい」 「なんで!? どぼじで!? りゆうをゆっくりおしえてね、おにいさん!」 「うしろを見て下さい」 「ゆん?」 振り向けば、おちびちゃんたちが、 「はやくまりしゃをゆっくちしゃせるのじぇ!」「じじいはあみゃあみゃもっとよこちてにぇ!」 などと言っていた。 「飼いゆっくりは、"人間にゆっくりさせてもらう"ゆっくりではなくて、 "人間をゆっくりさせる"ゆっくりで有ることくらいは分かりますよね?」 「あれはおちびちゃんのいうことでしょおおおお!?」 「子は親の鏡ですよ。そもそも、どうして飼いゆっくりになりたいんですか?」 「それは……れいむは"かり"がへただから、おちびちゃんたちをゆっくりさせてあげられないんだよ。 だから"かいゆっくり"に――」 「だったらなおさら駄目ですね……」 「どぼじでえええええ!? れいむが"のら"だから? "しんぐるまざー"だからあああ!?」 「どちらも違います」 "飼いゆっくり"としてやっていけるぐらい人間と付き合えて、価値観を共有できるならば、 "野良ゆっくり"でも食い詰める事は無いからである。 人間が捨てるゴミでも、ゆっくりならば食べたり利用できたりする物は多々あるので、 人間と"交渉"する概念を身につけた野良ならば、地域によっては快適に暮らせるのだ。 「しんぐるまざーでも、ゴミ拾いと草刈り、物乞いで、立派に子育てするれいむは居ますからね」 「はああああああっ!?」 そうしたゆっくり達は、人間との力関係を理解しているので、時には人間に拾われる事もある。 しかし、人間と親しい野良ゆは決して、「かいゆっくりにしてください」とは言わない。 「自分は人間と交流する能力ないよ!」という宣言に等しいからである。 「かいゆっくりにしてください」は死亡フラグ。懸命に野良をやって、人間の目に止まるのを 期待するしかない――それは今や、野良ゆにとってすら常識であった。 しかるに、このれいむはどうだろう? 「いやだあああああ! もうなまごみさんも、にがにがなくささんもたべたくないんだよ! むしさんはすぐにぴょんぴょんでにげちゃうよ! れいむはもう"かり"にいきたくないよ!」 「なつさんはあつくてゆっくりできなかったのぜ!」 「だんだんしゃむくなってきちぇ、おうちもゆっくちできないよ!」 「だからじじいは、まりしゃをゆっくちしゃせてにぇ! いましゅぐでいいよ!」 「ほらほら、おにいさん、おちびちゃんはゆっくりできるよね? おうたもうたえるんだよ? れいむたちなら、おにいさんをたくっさんっ! ゆっくりさせてあげられるよおおおおおっ!」 「おかあさん、ゆっくりしてね、まりさがすーりすーりしてあげるよ!」 「おかあしゃんをいじみぇるな! れいみゅぷきゅーしゅるよ! ぷきゅううう!」 「"ビキィっ!"」 「すいません、ちょっとだけ落ち着いて下さいね。あくまでこの場は、私がれいむと話します」 親子の様子に"きた"駆除係が飛びかかろうとしたのを、お兄さんは優しく宥めた。 線路に入った野良まりさ達は、死臭すら出すことなく処理された。 そのため、れいむ親子は、駆除係に気付いてすら居ない。 それどころか、眼中にはいってもいないようだ。 「それでれいむ、貴方はどうやって、私をゆっくりさせてくれるんですか?」 「ゆん……れいむは……れいむはきんばっじさんになれるよ」 「ほう……金バッジですか」 「ゆ――そうだよ! きんばっじさん、きんばっじさんだよ!」 "金バッジ"という言葉が、お兄さんの興味を引いたとあって、れいむは必死で連呼した。 「れいむのおかあさんは、きんばっじのかいゆっくりだったんだよ!」 「本当ですか?」 「いまおもいだしたんだからまちがいがないよ! だかられいむも、すぐにきんばっじさんになれるよ!」 それは、餡子脳の中で発生したでたらめにすぎなかった。 が、次の瞬間には、本ゆんも気づかないうちに、れいむの中で真実にすり替わっていた。 ゆっくりの思い込みは、自身の記憶など容易くゆがめるのである。 「もしそれが本当なら、確かに私にとってはゆっくりできますね……」 「おちびちゃんたちだって、おにいさんにかいゆっくりにしてもらえれば、みんなみーんな、きんばっじさんだよ!」 「それでは、テストをしてあげましょう」 「ゆゆ!? てすと?」 「このテストに全て合格出来たら、貴方たち全部を私の飼いゆっくりにしてあげます」 「ゆ……ほんとうなの、おにいさん! れいむはてすとをするよ! ゆっくりしないではやくしてね!」 「ええ。……ただし」 と、お兄さんは優しげな笑顔に真剣な光を宿らせて、れいむを見た。 「もしもれいむが、出来もしないことを"出来る"と言い張るような嘘つきでしたら、 絶対にゆっくりできなくなります。私が保証しますよ」 「ゆ、れいむ、いたいいたいなてすとさんはゆっくりできないよ?」 「安心して下さい」 落ち着いた声が、れいむに届いた。 お兄さんの声は、とてもゆっくりできる。 「テストが終わるまでは、私はれいむを決して傷つけません」 「ゆん、とうっぜんっだね!」 「そして同時に、テストに合格するまでは決して貴方たちを手助けもしません」 「にんげんさんのてをかりなくても、れいむはりっぱにやりとげてみせるよ!」 「結果は最後に言いますが、もしも途中で不合格だったとしても、テストは最後までやりますか?」 「ゆーん……やるよ! れいむはさいごまでてすとさんをうけるんだよ!」 「おちびちゃんたちにもテストを手伝って頂きますが、それで良いですね?」 「ゆっくりりかいしたよ! いいよね、おちびちゃんたち! えいえい、ゆー!」 「「「「えいえい、ゆー!」」」」×11 「ええ、了解しました……それではテストを始めましょう」 ■社会:おかざりはだいじだいじだよ! 「まずはれいむに質問です。お飾りが無くっても、自分の家族や大切なゆっくりを区別出来ますか? これは金バッジゆっくりになるためには、とても重要な事なんです」 「ゆ……おかざりがなくっても?」 れいむは背後でゆっくりしている、沢山のおちびちゃん達を見た。 みんなゆっくりしていて個性的で、我が身にも代え難いおちびちゃん達だ。 この中の誰一人が居なくなっても、れいむは中枢餡を切られるような悲しみに駆られることだろう! 母性(笑)溢れるれいむが、例えお飾りが無くとも、おちびちゃんを見間違えるわけ無いじゃないか! 「ゆん! できるにきまってるよ! やっぱりれいむはきんばっじにふさわしいおかあさんだね!」 「本当ですね? ならばテストしましょう」 「ゆん? おにいさんまりさになにをするの!?」 「れいみゅ、おしょらをとんじぇるみちゃい!」 言うが早いかお兄さんは、れいむのおちびちゃん達の中から、一番大きな子まりさと、 一番小さな赤まりさをつかみ取った。 「おちびちゃんたち! おにいさん、いったいなにをしてるのおおぉぉぉ!?」 「すこし、お飾りを借りますね。ひょいひょい、と」 「やめてね! まりさのおかざりさんかえしてね!」 「れいみゅ、おかじゃりしゃんがにゃいとゆっくちできにゃいよ!」 そして、れいむに見えない所で二体のお飾りを奪ってしまう。れいむの前には、外されほかほかの おぼうしとおりぼんさんが置かれた。そしてお兄さんが、れいむに向って右手を差し出す。 「それでは、はい。私の手に乗っているゆっくりを、ちゃんと区別ができますか?」 「……ゆ!?」 お兄さんの右手の上。れいむの目の前。 そこには、お飾りのない、ゆっくりしていないゆっくりが置かれていた。 「お……おちびちゃん?」 お飾りが無いため、そのゆっくりは、全く特徴のない"のっぺらぼう"に見える。 だが、お兄さんの右手に乗っているゆっくりは、たった今れいむの足下から奪われたばかりの、 最愛のおちびちゃんに違いないのだ。 「ゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆ……」 「さあ、このゆっくりは誰でしょう? ちなみに、声を出せないように口は押えてあります」 「ゆんゆゆゆゆゆゆんゆんゆんゆんゆん……」 れいむはそのお饅頭――じゃなくてゆっくりをにらみ続ける。 子まりさはさらさらのきんぱつさんだ。でも、赤れいむの髪もさーらさーらしていて区別出来ない。 子まりさのおめめはおそらのようなあおいいろだ。でも、赤れいむの瞳もおんなじくらいきらきらだ。 今のれいむにとって、おちびちゃんを区別することは、無改造の虐待鬼威惨がヒグマとタイマンを 張るくらい難しいことだった。 せめて、れいむに似て罪な程の美ゆっくりで有ること以外に、区別出来る所があれば! 「ゆ……そうだよ! まりさちゃんはいちばんうえのおねえちゃんだよ、だかられいむとおんなじくらい おおきいんだよ」 「ほうほう、それで?」 「れいむはいちばんあとにうまれたんだよ! だかられいむのおくちにはいるくらいちいさいよ!」 つまり、お兄さんの手に乗っているのは――れいむとおなじくらいに成長したゆっくりは、 「そのゆっくりはれいむのまりさちゃんだよおお!」 ぽふん。 れいむは、子まりさの外された帽子を、お下げで掴んで乗せた。 するとのっぺらぼうだったお饅頭はたちまち、金髪のゆっくりした"おちびちゃん"として見える。 「ゆゆーーん! やっぱりれいむのおちびちゃんはゆっくりしてるよおおお!」 「……まあ、色々と言いたいことはありますが、ひとまずこの場は正解にしておきましょう」 「おにいさん、こんないたずらはやめてほしいよ」 「我慢して下さい。テストが終わったら、特別にご褒美を上げますから」 「おちびちゃんはつらかったよね、だけどいいんだよ。れいむはおちびちゃんがもどってきて くれただけでだいまんぞくっ! だよぉ!」 お兄さんの手から降ろされるなり、ジト目で人間を睨み付けるのをすーりすーりで宥めながら、 れいむは勝利の美酒に酔った。 だが、余韻にひたってばかりもいられない。 「さあおにいさん! れいむはみごとにせいかいしてみせたよ! これでれいむはきんばっじ――」 「では、次のテストに行きましょうか」 「ゆゆ! まだあるのおおお!?」 「テストはあと一、二、"沢山"ありますからね。……嫌なら止めても良いんですよ?」 「わかったよ! はやくつぎのてすとさんにいこうね、おにいさん!」 ■算数:さんよりうえまでかぞえようね! 「それでは次の質問ですが、れいむは"二"よりも大きな数を数えられますか? 金バッジを目指すなら、二桁の足し算くらいは暗算でやってもらわないといけないのですが……」 「ゆゆ……かず?」 金バッジではなくて銀バッジであれば、"12"まで数えるのが最低ラインと言われている。 理由は時刻。 「十二時に帰る」という言葉が理解出来なければ、留守番をさせられないのだ。 「例えば、れいむは自分のおちびちゃん達の数を数えられますか? 先程から数が減ったり増えたりはしていませんか?」 「ゆん?」 言われてれいむは、おちびちゃん達を見回した。 数をかぞえる。いち、に、たくさん。 再度確認する。いち、に、たくさん。 「おちびちゃんたちは"たくさん"いるよ! おにいさんはへんなこといわないでね!」 れいむは、数を数えるのに極限まで集中した。 あまりに夢中で、言い返す頃には、れいむは直前にされたテストの内容など全てすっかり忘れていた。 お兄さんに隠された赤れいむ? 赤れいむは犠牲になったのだ。ぼせい(笑)の犠牲に。 「はあ、これは駄目かも分かりませんね。それではれいむ、"二"の次の数は何ですか?」 「ゆ……"に"のつぎのかずは……えーと……えーと」 「せめて、"五"までは数えて欲しいですね」 野生ゆっくりでもぱちゅりーなら、それなりの確率で"十"まで行ける個体はいる。 だが、普段からいい加減なナマモノであるれいむには、これはかなり厳しい問題と言えた。 「かず……かずは……えーと」 「"二"のつぎは何でしょう? "五"は何番目でしょう?」 「に……ご……。"ご"? そうだよ、れいむはおもいだしたよ! "かず"は、いち、に、さん、し、ごだよ!!」 「……ほう? もう一度御願いします」 お兄さんの顔に、これは素直に感心の色が見えた。 顔色をうかがうれいむは、"きんばっじ"という言葉に反応した時と同じく、これだ、とひらめく。 「ぱちゅりーがいってたんだよ。かずは、いち、にい、さん、し、ごなんだよ、あってるでしょ!?」 「では、"三"の次は何ですか?」 「ゆ……いち、に、さん、し、ご。いち、に、さん、し、ご……さん? さん?」 だが、そこまででれいむは固まってしまった。 このれいむ、どうやらかつて一緒にいたぱちゅりーが"五"まで数えることは出来たらしい。 しかしながら、ぱちゅりーが数えている場面を、理解するでもなく見ていただけなのだろう。 「私の指は今、何本ありますか?」 お兄さんが指を三本立ててれいむに見せた。 「えーと……いち、に、たくさん。あれ? いち、に、たくさん。ゆ……ゆううううううっ!」 物体が三つ存在するという概念と、"さん"という言葉が全く結びついていない。 「本当に数を分かっているんですか? 嘘つきはゆっくりできませんよ?」 「ゆ、れいむはゆっくりりかいしてるよ! かずはいち、に、さん、し、ごなんだよ! ぱちゅりーがいったから、まちがいないんだよおお! ばかにしないでね、ぷんぷん!」 「……分かりました、まあいいです。それでは次のテストに行きましょうか」 ■音楽:ゆっくりおうたをうたおうね! 「それでは次のテストです。れいむには、おうたを歌って貰います」 「ゆ――! ゆわーい。おうたはれいむもだいすきだよ。ゆぷぷぷぷぷ、おにいさんもようやく、 れいむをかいゆっくりにするきになったみたいだね! ゆっくりしてるね!」 れいむは、自分の得意分野が出題された位で得意になっている。 「ただし、私が"止め"と言ったり、手を叩いたり、あるいは何か特別な事が起こったら、 直に歌うのを止めて下さいね」 「ゆっくりりかいしたよ!」 「金バッジならば、おうたを歌ったりしていても、周囲の危険に気づきますし、 人間の指示を受け取ることもできるのです。れいむはちゃんとできますか?」 「もちろんだよ、れいむはゆっくりうたってあげるよ!」 「本当ですね?」 れいむは勘違いしているが、このテストは要するに、『おうた』の最中であっても周囲の 様子に気を配ることが出来るのか、指示が聞けるのか、というものである。 「おちびちゃんたちも居るので、一緒に歌って貰いましょう」 「おちびちゃんたち! ゆっくりりかいしたよね? それじゃあおかあさんといっしょに、 おうたをうたってあげようね! さん、はい!」 「「「「「「「「ゆっくり~のひー♪ まったり~のひー♪」」」」」」」」 一斉に、饅頭達が雑音を垂れ流し始めたのにもめげず、お兄さんは静かに一分待った。 「はい、ストップ」 「ゆん! こんなかんじでいいんだね、おにいさん!」 「まあいいですけど、これだけじゃわかりませんね。もう一度御願いします。 今度は私が号令を出しますからね、さん、はい!」 「「「「「「「ゆっくり~のひー♪ まったり~のひー♪」」」」」」」 一分。お兄さんは、今度は手を鳴らして合図した。 「ゆっくり~の――ゆっ! おちびちゃんたち、うたうのをゆっくりやめてね! どう、おにいさん? れいむたちゆっくりしてるでしょ?」 「ええ、たしかにゆっくりしています。でも、少し声が小さくなってきましたね」 「おちびちゃんたち、かいゆっくりになるために、もっとおおきなこえでおうたをうたうんだよ! さん、はい!」 「「「「「「ゆっくり~のひー♪ まったり~のひー♪」」」」」」 一分。お兄さんが足を踏みならす。 「ゆん! おちびちゃんたち、うたうのをやめてね!」 れいむが指示を出すと、おちびちゃんたちはぴたりと歌うのを止めた。 「……ゆふん」 ドヤ顔でお兄さんを見上げるれいむ。 歌声は秋空へと綺麗に響き渡っていたし、注意深く周囲を警戒したれいむはお兄さんの 合図を見逃すこともなかった。 そのうえ、おちびちゃんたちはれいむの指示に段々素早く反応するようになって、 ざわざわと騒がなくなっていった。 これはもう、合格以外あり得ないおうただっただろう、そういう自負がれいむにはあった。 「……まあいいでしょう。次のテストが最後ですよ」 「ゆゆゆ……ゆわーーーい!」 やった、合格だ! れいむは喜びのあまりちょっとうれしーしーをもらしつつ、きりっとした顔で おちびちゃん達に自分の姿を見せてあげた。 ――みんな、れいむのすがたをみて、おかあさんみたいなきんばっじさんをめざすんだよ! れいむの餡子な脳内では、既に金色に輝くバッジが赤いおりぼんさんに付けられている。 さあ、いち、に、たくさんのおちびちゃんたちと一緒に"飼いゆっくり"の玉座に着くのはもうすぐだ! ■体育:みんなおくちにはいってね! 「それでは最後のテストです」 「ゆん! いまのれいむはむてきだよ! どんなてすとさんでも、どんとこい、だよ!」 「「「「どんときょい、じゃよ!」」」」 小さいおちびちゃん達までが、れいむの真似をしてふんぞりかえっている。 「危険なものが迫っている時、お母さんはおちびちゃんを守ってあげなければなりませんよね?」 「ゆ、そうだね! それでれいむはどうすればいいの?」 「小さなゆっくりのみなさんを、お口に入れて守って下さい。理解出来ましたか?」 「……ゆっくりりかいしたよ」 「おちびちゃんたちきこえた? まずはいちばんおおきなおねえちゃんのおくちに、はいれるだけ はいるんだよ! のこったおちびちゃんたちはおかあさんのおくちにはいってね!」 「「「ゆっくちりかいしちゃよ!」」」 母れいむがゆっくりならざる即断即決を下すと、おちびちゃんたちはこーろこーろと転がって、 先ずは大口を開けたおねえちゃんゆっくりのお口に入っていった。 「ゆゆ? のこったのはれいむだけなの?」 「しょうだよおきゃあしゃん!」 お口に入りきれなかったのは、なんと赤れいむが一体だけだった。 「ゆゆーん、いつのまにか、おねえちゃんもおおきくなってたんだねえ!」 我が子の成長を喜ぶ母れいむ。 「あかちゃんれいむは、おかあさんのおくちにゆっくりはいってね!」 「ゆっくちおかあしゃんのおくちにはいりゅよ!」 これで、残った子ゆっくり達はみんな、大きなゆっくりのお口に入った。 「…………」 「…………」 「……もう出しても大丈夫ですよ」 「おちびちゃんをぺー、するよ!」 「こーろこーろ、でりゅよ!」 「どう、おにいさん! これでれいむのてすとさんはぜんぶおわったんでしょ?」 「ええ、テストは全て終了ですね」 「ゆふん!」 ようやくだ。やっとここまでれいむはこれた! 「やくそくだよおにいさん! れいむたちをかいゆっくりに――「勿論、しませんよ」……ゆ?」 ■採点:うそつきさんはふごうかくだよ、りかいしてね! 「ゆゆゆゆゆゆゆ? いま、おかしなことがきこえたよ? れいむはかいゆっくりになれ――」 「――貴方が飼いゆっくりになることは有り得ません。ゆっくり理解して下さい」 「は……はああああああ!? おかしいよおにいさん! れいむはさいごまでてすとさんを うけたでしょおおおおおっ!? ごうっかくっ! なんでしょおおおおおおおぉぉっ!?」 「れいむは最後までテストを受けましたが、途中で不合格が決まってましたから」 あれだけのテストを受けて、今更不合格だったとは納得できないれいむだが、 れいむとお兄さんは確かに、約束していたのだ。 ――結果は最後に言いますが、もしも途中で不合格だったとしても、テストは最後までやりますか? ――ゆーん……やるよ! れいむはさいごまでてすとさんをうけるんだよ! 不合格であっても、最後までテストはやると。 「どぼじでぞんなごどいうの!?」 しかし、れいむは納得ができない。 「れいむがいつ、どのてすとさんにふごうかくだったっていうの! ゆっくりせつめいしてね!」 テストに合格していた思い込みが、テストの全てを完璧にこなしたというプライドに転化されて、 不合格を認めることができない。 「れいむは最初から、全てのテストに不合格でしたよ?」 そんなれいむに、お兄さんは死刑宣告にも等しい採点結果を、告げた。 「……はああああああああ!?」 「まずは、最後のテストからいきましょう。『危険なものからおちびちゃんを守れるか?』という テストでしたが、れいむはおちびちゃん達を守り切れていません。ですから不合格です」 「なにいってるのおにいさん! れいむのおちびちゃんたちは、このとおり、いち、に……あれ? いち……に…………」 「れいむ、貴方のおちびちゃんは、どれだけ残っていますか?」 「……"に"だよ」 れいむは、周囲をきょろきょろと見回している。 「おちびちゃんたちが"ふたり"いるよ……」 だが、"たくさん"いた筈のおちびちゃんが、どれだけ確認しても、二体しか居ない。 「……どうして、どうしておちびちゃんたちが"ふたり"しかいないの?」 「それはれいむが、貴方たちにとって危険な物から、守ることが出来なかったからです。 続けてその前にやった、おうたのテスト結果ですが、これも不合格ですよ」 「おちびちゃ……なんで? どおして?」 れいむは、れいむたちは、とてもゆっくりした"おうた"を歌えたはずだ。 「あのテストは、『お歌の最中に周囲が見えているか?』です。歌いながら気を配っていれば、 おちびちゃんたちが"減っている"事にも気付いた筈です。よっておうたのテストも不合格」 そしてさらに、とお兄さんは言葉をつなげる。 「あるいは、れいむが本当に『三以上を数える事が出来る』のなら、途中でおちびちゃんの 数の変化に気付いた筈なのです。つまり、数のテストも不合格」 採点は続けられる。 弾劾は、続いている。 「おちびちゃん……そうだよ!」 そこで、れいむは気付いた。 「さいごのてすとさんで、おちびちゃんたちはおねえちゃんのおくちにかくれたはずなんだよ! なーんだ! おねえちゃんがまだおくちに、いれたまんま……じゃ」 そして、疑問を覚える。 どうして一番上のまりさおねえちゃんは、まだお口におちびちゃん達を入れたままなんだろう? と。 れいむの"おちびちゃん"は、困惑したれいむを、冷たい瞳で見下ろしていた。 「ゆ……?」 ……見下ろす? 「どうしてれいむのおちびちゃんが、れいむより大きくなってるの?」 「そして、一番最初のテストで『お飾りが無いゆっくりを区別出来て』いれば、そのゆっくりが そもそも、貴方のおちびちゃんですら無い事に気付いていた筈なんです」 よって、最初のテストも不合格。と、小さなつぶやきがれいむのテスト結果を"零点"と宣告。 「もういいですよ、"ふらん"」 お兄さんは、れいむの眼前に居る"まりさ"からおぼうしを取り去った。 「ほんとうに、こんないたづらはにどとこんてにゅーしないでほしいよ、お兄さん」 お飾りをとられても身じろぎどころか、嫌がる素振りすらしない"のっぺらぼう"は、 大きく口を開け、「げぷ」と"ゆっくりの死臭に満ちた吐息"をれいむに浴びせかける。 その赤い口。 鋭く尖った砂糖菓子の牙。 殺意に満ちたとげとげしい眼光。 七色に輝く飴細工の羽。 もはや、特有のお飾りを付けていなくても分かる。 それは、野良ゆっくりが遭遇する中でも、最大級に禍々しい捕食種のひとつ。 「ふ……ふらんだあああああああああああああああああああああっ!」 「うー……死ね!」 「お、おかあしゃあああああん! ゆげっ! いちゃいよ、ゆっくちできにゃいゆっくちめ! ゆびゃ! やみぇちぇね! れいみゅいちゃいいちゃいはいやじゃよ、ゆぎゃ!」 硬直するれいむの目の前で、ゆっくりふらんは悠々と赤れいむを嬲り始めた。 苦痛を味合わせて甘くする、ふらん種の本能だ。さっきまではれいむの背後で"手早く" 子ゆっくり達を食っていたので、鬱憤を晴らすかのようにハッスルしている。 「や……やめてよ。れいむにのおちびちゃんがいたがってるでしょ? おにいさん?」 「私は、『テストに合格するまでは手助けしない』と言いましたよ?」 「ほ、ほかのおちびちゃんたちはどこにいったのおおおおっ!?」 「とっくの昔に、ふらんのお腹の中です」 「うそつき! おにいさんはうそつきだよ! てすとさんがおわるまでは、れいむたちに いたいいたいをしないっていったでしょおおおお! どぼじでふらんをつれてきたのおおおっ!」 「いいえ、ふらんは最初から居たんです。れいむが気づかなかっただけですよ」 「……ゆ?」 「お飾りを付けていなかったので、れいむは気づきもしませんでしたが、最初から私の 隣に居たのです。線路に入り込んだまりさ達を駆除して、もらうためにね」 お兄さんが、ゆっくり対策課に電話連絡を入れるや否や、洗濯中のお飾りを付けもせずに、 文字通り飛んで――というよりお姉さんにぶん投げられて――来たのがふらんだった。 「ゆっべ! おがああじゃああ! だずげ! れいみゅをだずげでねえええ、おかあじゃあんん! どぼじでだずけないの!? れいみゅをだずげりょおお、こにょ、くしょおやあああ!」 「う……うそつき。うそつきうそつきうそつきうそつき! おまえはうそつきだああああ、 このげす、くそどれい! くそじじいいいぃぃぃぃ!」 「……ほう?」 ふらんは飽くことなく、昏い情熱を燃え上がらせて赤れいみゅを嬲る。 その悲鳴を背後に、親れいむはお兄さんを"下衆"と詰る。 お兄さんの目に、危険な光が宿った。 「そうだよ、れいむはゆっくりしたおかあさんだから、れいむはきんばっじさんなんだよ! てすとさんは、ぜんぶぜんぶ、ぜーーーーんぶ、ごうかくしてるにきまってるんだよおおおおおっ! れいむはごうかくだよ! れいむはきんばっじだよ! おまえだけがうそつきの、くそじじいなんだよ! さっさとれいむをゆっくりさせろ、この……くそどれいいいいいいいいいいいぃぃぃぃいぃ!!」 「……お兄さん。こいつ、ツブそうか?」 尖った歯で、痙攣する赤れいみゅの中枢餡を"こりこり"しつつ、ふらんが言う。 「いいえ、それには及びませんよ。……れいむ、私は"飼いゆっくりになりたい"という貴方の為に、 最大限のチャンスを提示しましたよ」 「あたりまえだああああっ! れいむはしんぐるまざーなんだよ! じじいはやさしくしなきゃいけないんだよ、 それがていっせつっなんだあああ!」 「ふらん」 「ぶちいっ!(もっちょ……ゆっくちしちゃかっちゃ……)」 ふらんの口の中で、れいむ最後のおちびちゃんが永遠にゆっくりした。 「ああ……これでしんぐるまざーでもなくなりましたね」 「だったらなんだっていうのおお!? ぜんぶじじいがうそつきだからわるいんでしょおおおお!? ばかなのおおおぉ? しぬのおおおおぉぉぉ!?」 「私は貴方との約束を破ってはいません。それでも私を、"嘘つき"と言いますか!」 「そうだああああっ! おまえがうそつきなのがわるいんだあああっ! しゃざいしろ、ばいしょうしろ! れいむをっ! ゆっくり……させろおおおおおおっ! そしてれいむを"かいゆっくりに"――」 「――分かりました」 厳かな声が、れいむの中枢餡を打った。 「ゆ……? ゆふふふふふ! ようやくじじいもれいむのいだいさがわかったみたいだね! さあ、くそどれいは、このれいむさまにびゆっくりのまりさをつれてきてすっきりーさせるんだよ!」 「れいむがそう思うのなら、私は嘘つきなのでしょう、れいむの中では……。 なので私はせめて少しでも嘘つきから離れるために、自分の言葉を守りたいと思います。 『出来もしないことを出来ると言い張るような嘘つきは、絶対にゆっくり出来ない』と、 私は確かに言いました」 そう、テストは既に終わっているのだ。 お兄さんがれいむをどうしようが、既に約束の外。 「ゆふふふふふ。れいむはきんばっじさんだよー! ゆっくりしたけっかがこれなんだよー」 お兄さんはおもむろに、懐からおもむろにピーラーを取り出した。 この皮むき器、ゆっくりの餡子を傷つけずに皮だけを剥くための特別製で、 商品名も少し変わっている――すなわち、『謝罪と賠償』。 ■放課後 「オラァ! 居るなら返事しやがれ……って、あれ? アイツが居たんじゃ無かったのかよ、ふらん?」 数分経って、ゆっくり対策課駆除班のお姉さんが駅に着いた。 そこで目にしたのは、綺麗に掃除された無人のホームと、日向でうとうとするふらんの姿だけだ。 「うー……おにいさんなら、おっきなすぃーにのっていったよ。 おねえさんにでんごん、"すこしはせがのびましたか?"だって」 「野郎……次に会った日を命日にしてえらしいな、おい」 お姉さんの身長は、九年前から四尺八寸――現在の単位に直して148cm――で変化が無い。 ちょっと物足りないと感じているのをわざわざつつく命知らずは、お兄さんくらいのものだ。 踵を浮かせて背筋を伸ばし、精一杯見栄を張った体勢で辺りを見回していると、奇妙なオブジェが 目に付いた。 「……なんだこれ?」 喫煙コーナーの灰皿代わりに置かれているそれは、表面をニスで塗り固められた、黒い餡子玉だ。 時折蠕動している所を見るに、まだ生きているようである。 「このぴこぴこの形からみるに、元はれいむっぽいがよ……」 「おにいさんがつくったよ。ふらんはまずそうだからたべないけど」 「……そうだな、れいむなんざどうなったっていいや、放っておこう。ほれ、帽子だ」 「うー、おねえさんありがとう!」 ゆっくりんぴーすのメンバーが聞いたら怒り出しそうな台詞だが、命の価値が違うんだから仕方ない。 お姉さんとふらんが仲良く駅を去って、黒い餡子玉はちょっと蠢くオブジェとして、 駅のホームに取り残された。 ――れいむは―― 二度とゆっくりはできなかった……。 餡子とゆっくりの中間の不思議物体となり、中枢餡が非ゆっくり症で脳死するまで、 駅のホームに佇むのだ。 そして死にたいと思っても餡子が無くならないし。 餡子むき出しの激痛に、考えるのも止められなかった。 ~おわり~ ■あとがき 鬼威惨がまたヒグマさんにむーしゃむーしゃされました。三人目です。 加工所謹製『謝罪と賠償』シリーズ。 対ゆっくり駆逐用品のブランド。 玄翁、のこぎり、鉋などの大工用具から始まり、キリライター、半田ごて等の工具、果ては包丁や、 作中でお兄さんが使ったピーラー等の料理器具に至るまで、幅広いラインナップを誇っている。 自殺願望のあるゆっくりの『謝罪と賠償』要求に応えるべく、「一撃で行動不能になるが決して即死はしない」 使い勝手を目指して常に改良が続けられている。 ――が、本来の用途においてもかなり"使える"事が、加工所の技術力に対する評価を高めている。
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白銀君インタビューのインタビューコーナー にょろ<ようこそ。 白銀<どーも(´・ω・`) にょろ<何歳ですか? 白銀<13の中学1年(´・ω・`) にょろ<毎度聞きますがそれは「しろがね」ですか?「はくぎん」ですか? 白銀<しろがねのつもり(´・ω・`)b にょろ<なぜその名前に? 白銀<妹から付けられた。由来、ポケモンの白銀山らしい(´・ω・`) にょろ<ところでちびちゃとはいつからしてますか? 白銀<今年の6月ぐらいからですかね(´・ω・`) にょろ<タイピング早いですね^^喧嘩師ですか? 白銀<ぇ、違うよWWW オレタイプ遅いよWW にょろ<一時期ちゃっとに来てなかったみたいですが何かありましたか? 白銀<アク禁WWWW にょろ<ちびちゃとの友達は誰が居ますか? 白銀<にょろちゃん、、以下省略w にょろ<あなたのそのかっこいい顔を見せて頂きたいのですが・・・。 白銀<かっこよくないよ>< にょろ<僕のことってどう思います? 白銀<(´・ω・`)むっちゃ優しい人だぬ にょろ<白銀君は彼女居るのですか?リア充ですか・・・? 白銀<彼女はいるが、リア充と非リア充の真ん中ぐらいですかね(´・ω・`) にょろ<ご趣味は。 白銀<サッカー にょろ<将来の夢は? 白銀<医者とかほざく(´・ω・`) にょろ<ご協力ありがとうございますた。 白銀<どーも(´・ω・`)インタビューさんくす(´・ω・`)b 名前 コメント
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「狭間に見た夢」 羽付きあき ・理不尽物です ・第三者視点です ・いくつかの独自設定を盛り込んでありますご注意を ・視点がコロコロ変わります。ご注意を ・・・子れいむの眼下には煌びやかな街の光が映し出されていた。 イルミネーションが星の様にキラキラと輝き、車のライトが流れる光の河を形作っている。 「ゆゆーんちょっちぇもきらきらしちぇきれいぢゃね!」 感嘆の声を上げる子れいむ。 後ろを振り向けば、フカフカの毛布のベッド、より取り見取りのあまあまの数々。 おうたを歌うステージ。底部に履く「おようふくさん」は子れいむのお気に入りばかりを何十着も用意されていた。 そう、自分は金バッジゆっくりなのだ。 子れいむはクッキーやチョコレート、ケーキなどのあまあまを夢中になって食べた。 「む~しゃむ~しゃ!ちあわちぇー!」 口の周りはチョコやクリームだらけ、幸せだった。はじける様な笑顔を浮かべ、次はステージの上で体をくーねくーねと動かして「おうた」を歌う。 「ゆ~ん♪ゆゆ~ん♪ゆっきゅり~♪ゆっきゅりしちぇいっちぇ~ね~♪」 子れいむは今、幸せだった。 快適な「おうち」頬っぺたが落ちるほどの甘い「あまあま」ふわふわの「べっど」 そして飾りに輝く金バッジ。 「ゆふふ!おちびちゃんとってもゆっくりしてるね!」 「ゆゆ!おきゃあしゃん!ゆっくりしちぇいっちぇね!」 「ゆっくりしていってね!」 親れいむが声をかける。モチモチの小麦粉の肌にしっとりとした砂糖細工の髪、そして皺ひとつない飾りに輝く金バッジ。 子れいむ自慢の母親だ。 「おきゃあしゃんしゅーりしゅーり!」 「すーりすーり!おちびちゃんはこれからずっとゆっくりしたまいにちをおくるんだよ!」 「れいみゅちょっちぇもしあわちぇぢゃよ!」 「れいむもとってもしあわせだよ!」 ・・・子れいむはこれから、親れいむに見守られ育ち、同じ金バッジの番いのまりさと「ずっといっしょにゆっくり」して、かわいいかわいい子ゆっくり達を育み、笑顔いっぱいの「家族」と永遠にゆっくりするのだ。ずっと・・・きっとずっと・・・ ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ・・・不気味な音を立てた風がビュービューと流れていく。 風はまだあまり強くないが、空は鉛色に染まっており、夏のはずなのに不気味なほどの静寂さを醸し出していた。 そう、台風が近づいてきている。 と言っても、明後日やそこらの話だ。まだ雨も降っていないし、ただ曇っているだけである。 この街には曇り空がお似合いではないかと思う。 そう考えるのは私が街ゆっくりに焦点を当てているからだろうか・・・? いずれにせよ、街は相も変わらず寂しい、荒涼とした感じを醸し出している様に思えた。 羽付きが横を跳ねて追いついてきた。 「羽付き、もうすぐ台風だけど"おうち"に居なくていいのかい?」 「まだほんかくてきになるのはさきのはなしだぜ。それに」 「それに?」 「たいふうやふぶきみたいなひのまえは、まりさのおうちによくくるんだぜ。あぶれたゆっくりが・・・」 「じゃあ尚更戻った方がいいんじゃないか?」 「いまもどってるところなんだぜ」 「え?」 「このさきのろじうらにまりさのおうちがあるんだぜ」 私と羽付きは今にも落ちてきそうな曇天の下を歩く。 風はただ不気味に、そして寂しく音を立てて流れていくだけだった。 ・・・・・・・・・ ・・・・・・ ・・・ こじんまりとした路地裏に、ひと際立派なダンボール箱がある。 ビニールシートをかぶせ、大きさがバスケットボールサイズのゆっくりなら3~4体は入れそうな程の大きさだ。 「ここが羽付きの?」 「いつつめのおうちだぜ」 「五つ目?」 「そうだぜ。このきせつとつぜんあめとかがふってきたりとか、いらいをうけたところがとおかったりしたときになんこかおうちをてんざいさせてあるんだぜ」 「でも、勝手に住み着かれたりしないのか?」 「かってにすみついてもらったほうがけっこうなんだぜ。かってにおそうじをしたりしてくれるからわりかしべんりなんだぜ」 ・・・羽付きはどうやら全部で10個近くの「おうち」を持っていると言う。 街の各所に点在しているそれらを使って長丁場の依頼や地域ゆっくりの一時的な避難場所の提供等に羽付きは使っていると言う。 重要な所は普段は地域ゆっくりの住まいとして提供しており、それ以外の所は勝手に街ゆっくりに住み着かせていると言う。 街ゆっくりの最重要物資である食料等はおいていないので勝手に食い荒らされる心配は無いと言う。 また、羽付きがよく使用している「おうち」は食料も相当数貯めているが、南京錠を使った簡易的かつ堅牢な「きんこ」を作っており、破られる心配は無いと言う。 ・・・羽付きの「おうち」の前に二体のゆっくりがいる。 先客だろうか?パッと見た限り地域ゆっくりと言った感じではなさそうだ。 「先客がいるね」 「れいむのおやこかぜ・・・」 羽付きと私は少し近づいて様子を伺う。 バスケットボール大のれいむと、ソフトボールほどの子れいむ。合わせて二体の様だ。 風貌は汚く、ボロボロの飾りと砂糖細工の髪、いくつか擦り切れて駆けているリボンは街ゆっくりと言う事を否応なしに現していた。 煤や泥にまみれた小麦粉の皮は生傷だらけで、底部に近づくにつれ多くなっていく。底部も真っ黒くカチカチになっているようだ。 「ゆゆー!ちょっちぇもすてきなおうちがありゅよ!おきゃあしゃん!ここをおうちにしちゃいよ!」 「・・・ここはほかにすんでるゆっくりがいるよ。でもたいふうさんがどこかへいくまでちょっとだけやすませてもらおうね」 どうやら先ほどここを見つけたようだ。 恐らく食料も住処も持っていないれいむなのだろう。 こんな天気にまで外に出ていると言う事は「おうち」を探しながら食料をあてどなく探して街をふらついていたのだろう。 「じゃあ、なかでゆっくりやすもうね」 「ゆっくりわかっちゃよ!」 親れいむがビニールシートを捲った時に、羽付きが飛び出した。 「かってにはいってもらっちゃこまるんだぜ」 「「ゆゆ!?」」 驚くれいむ親子をしり目に羽付きが意にも介さず淡々としゃべる。 「ここはまりさのおうちなんだぜ。あまやどりならおうちのなかにまではいらなくてもこのろじうらならあめもかぜもはいらないんだぜ」 「ゆ!?れいみゅゆっくりやしゅみちゃいよ!いじわりゅしにゃいぢぇいれちぇね!」 「ゆゆう・・・しかたないよ・・・おちびちゃん・・・」 食らい下がる子れいむを宥める親れいむ。 グズっていた子れいむも親れいむが粘り強く宥めてようやく落ち着いた様だ。 「そこにすきまがあるからねるときはそこにすればいいぜ。あとこれからにんげんさんがくるけどべつにまりさやれいむたちにはなにもしないからほっといてもらってけっこうなんだぜ」 「ゆっくりわかったよ」 私が近付いて行くと、少しおびえた表情をした物の、そこまでの事だった。 ビールケースなどが積まれたその隙間に、すっぽりと体を押し込め、じっとしているれいむ親子を見ずに、羽付きは帽子の中から一口ゼリーやアーモンドチョコ等を取り出すと、黙々と食べ始めた。 「む~しゃむ~しゃ・・・」 「ゆうう・・・」 「おいししょうぢゃよ・・・」 それを見ていた親れいむが恐る恐る羽付きに話しかける。 「ま、まりさ!」 「なにかぜ?」 ・・・羽付きが目玉だけを動かしてれいむを見据える。 「その・・・ち、ちょっとだけでいいかられいむたちにもわけてほしいよ!」 羽付きの動きがとまった。それをYESと見たのか親れいむが捲し立てるように話す。 「れいむたちはゆっくりできないにんげんさんにおうちをこわされてからずっとゆっくりできないせいかつをしていえるんだよ!」 「だからなんだぜ?」 「ご、ごはんさんもあんまりたべられないでおちびちゃんもおなかをすかせてるよ!れいむがだめならせめておちびちゃんにごはんさんをちょうだいね!」 「いやにきまってるんだぜ」 「ゆ・・・ほんのちょっとでいいから・・・ち、ちょうだいね!」 「いやっていってるのがきこえないのかぜ!!」 「ゆぅ!?」 羽付きが声を荒げてどなりつけた。 ビクリと小麦粉の体を震わせてれいむがひるむ。 「まりさはじぶんがかわいそうとかいってだれかからなにかをもらおうとするゆっくりがだいっきらいなんだぜ!かわいそうなのはおまえのせいだぜ!じごうじとくのぐずになさけをかけてやるほどまりさもよゆうはないんだぜ!」 「ゆびぇえええん!きょわいよぉぉ!」 ・・・羽付きの声に驚いた子れいむが泣きだしている。 親れいむそれを見て子れいむに寄り添い、すーりすーりで宥めている。 「おちびちゃんだいじょうだよ!こわくないよ!すーりすーり!」 「ゆぇええええん!ゆびぇぇええええん!!」 羽付きはその光景を冷めた目で見ながら、帽子をかぶり直している。 「言いすぎじゃないか?」 「にんげんさんはあまいんだぜ。どこかのゆっくりのえさばをしらずにかりをしてるとかならまりさだってごはんさんはあげるけど、こんなやつらにやってたらきりがないんだぜ」 「悪いゆっくりには見えないけどなぁ」 「ゆっくりにいいわるいがあるとすればそれはかいゆっくりだけだぜ。まりさたちはまちゆっくり、そもそもがわるいというぜんていにいるんだぜ」 「しかし泣きやまなかったらうるさくって仕方がないんじゃないかい?」 私がれいむ親子に目を向ける。火がついた様に泣き喚く子れいむを必死になだめるれいむであったがあまり意味は無い様だ。 「ゆびぇええええん!おなかすいちゃよぉぉおおお!どぼじぢぇえええ!?れいみゅたちにゃにもわりゅきょちょしちぇにゃいにょにいいいい!きょんなにょっちぇないよおおおおお!」 「おちびちゃんゆっくりなきやんでね!すーりすーり!」 「どぼじじぇきんばっじのれいみゅちょおきゃあしゃんぎゃきょんなゆっきゅりきにゃいにょおおおおおお!?」 「おちびちゃん!きんばっじでもゆっくりできないときがあるんだよ!?」 「ゆえええええん!きんばっじさんはいつになっちゃらもらえりゅにょおおおお!?」 「おちびちゃんがゆっくりしたゆっくりになったらだよ!だからなきやんでね!ゆっくりしていってね!」 「ゆびえええええええええん!」 ・・・ダメだ。キリがない。 私はバッグの中から板チョコレートを取り出し、小さく割るとれいむ親子の方に投げつけた。 「ゆ?」 「ゆっく・・・ひっく・・・ゆゆぅ・・・?」 「お腹がすいてるから泣くんだよ。それ食べていいよ」 ・・・途端に親子れいむの顔が明るくなる。 何度も親れいむがお礼を言って、子れいむが貪る様に食べている。 「ゆっくりありがとうね!おにーさん!」 「はふっ!むしゃむしゃ!はぐっ!しあわしぇええええ!!おにーさんゆっきゅりありがちょう!」 「でも、あげるのはこれっきりだからね?」 「「ゆっくりわかったよ!」」 先ほどとは打って変わって明るくなったれいむ親子を見ると、私は再び羽付きの方へと歩んでいった。 「いただけないんだぜ。にんげんさん」 「いいじゃないか、うるくなくなっただけでもさ」 「・・・ゆぅ」 「それにしても金バッジとか言ってたね。あのれいむ親子」 「ふいてるだけだぜ。きっとほんとうのきんばっじならまちゆっくりになるはずないんだぜ・・・ほんとうにゆっくりしていれば・・・」 羽付きの表情が曇った。すぐに帽子の唾を下げたため表情が隠れてしまったが、何か嫌な事でも思い出したかのように私は見えた。 「おにーさん!ゆっくりしていってね!」 「ゆっくちしちぇいっちぇね!」 私が振り返るとそこにはれいむ親子が近付いていた。 「ああ、別にいいよ」 「おにーさんはとってもゆっくりできるね!」 「れいみゅきょんにゃおいしいあみゃあみゃをたべちゃのはじめちぇぢゃよ!」 「所で、さっき金バッジがどうのこうのって言ってたけど、れいむ達は金バッジだったのかい?」 「ゆぅ・・・」 ・・・れいむが口をもごもごとさせている。 半面、子れいむの方は明朗快活に答えている。 「そうぢゃよ!おきゃあしゃんはきんばっじのゆっきゅりだっちゃっちぇいっちぇちゃよ!だきゃられいみゅもきんばっじのゆっくりになりゅんぢゃよ!」 「ゆ・・・おちびちゃん・・・」 「きんばっじになればとっちぇもゆっきゅりできりゅんぢゃよ!れいみゅがあとちょっとおおきくなっちゃらおきゃあしゃんもきんばっじになっちぇゆっきゅりできりゅっちぇいっちぇちゃよ」 「へぇ・・・金バッジにねぇ」 「おにーさん・・・」 れいむの顔が焦りに陰る。 ・・・都合の良い方便に金バッジを使ったと言う事はありありとわかった。 羽付きもウンザリと言った顔をしている。 目をキラキラと輝かせて輝かしい未来を信じている子れいむに、私はこう言った。 「凄いね。きっと金バッジになれるよ・・・ゆっくりしたね」 「ゆ!おにーしゃんありがちょうね!」 「・・・おちびちゃん。ごはんさんをたべたらあんまりうごかないようにしようね。きょうはもうねようね」 「ゆ!?でみょ・・・」 「寝た方がいいよ、疲れてるんだろう?」 「ゆゆ!しょうじゃね!ゆっきゅりちゅーやちゅーやしゅりゅよ!」 「・・・じゃあ、しっかりれいむにくっついてね」 「ゆゆ!わかっちゃよ!」 ・・・この子れいむの信じている未来が来る事は、おそらく永遠にないだろう。 羽付きも怒りを込めて目でれいむを見ていた。 私も正直言ってkのれいむのしている事に感心しない。 何時かウソもばれる日が来るだろう。その時はどうするのだろうか・・・ ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 「すーやすーや・・・」 「ちゅーやちゅーや・・・」 15分もするとすぐにれいむ親子は小麦粉の皮を寄せ合って眠り始めた。 ・・・寝顔だけは金バッジ級だ。 「このれいむ親子はどうなるんだろうな・・・」 「さあ・・・まりさにはかんけいないことだぜ」 「この子れいむは金バッジを何かよく知らないで信じ込んでる節があるなぁ・・・かわいそうに」 「・・・きんばっじなんてあのれいむがおもってるほどいいものじゃないんだぜ」 「だろうね」 ・・・羽付きの顔が曇る。 きっと何かを思い出しているのだろう。 だがそれを聞く勇気は私には無かった。 そう考えていると、微かに遠くでゆっくりの悲鳴が聞こえた。「ゆんやあ」と それを聞いて羽付きが急いで「おうち」から飛び出す。 「すぐにここをはなれるんだぜ!」 「なんでだい?」 「かこうじょだぜ。いっせいほかくにきたんだぜ!」 「何だって!?」 「はやく!はやくいくんだぜ!」 「でももう表には・・・」 そう、私と一緒に居ても羽付きは「街ゆっくり」 見つかればつかまってしまうだろう。しかも、すぐそこまで来ている。 そう考えた私の考えを見抜く様に、羽付きが帽子の中から、ほんの少しだけ鈍く光る金色の丸い何かを取り出した。 「まりさはだいじょうぶだぜ!きんばっじをこうやってつけたら・・・」 「よかった!じゃあ・・・」 「はやくいくんだぜ!」 「ちょっとまって!れいむ達は!?」 「・・・ざんねんだけどおいていくんだぜ。それに、もうばっじのよびはないんだぜ」 「・・・!・・・しょうがないか」 ・・・私と羽付きは路地裏を一気に飛び出した。 表では袋に詰められて泣き叫び、苦しむ街ゆっくりがそこらかしこに現れている。 「 わがらないよぉぉぉ!!らんじゃまああああ!」 「むぎゅううう・・・!ぐるじぃぃ・・・えれえれ・・・!」 「どがいばっ!どがいばあああ!までぃざあああああ!」 「でいぶうううう!おぢびぢゃああああん!にげっ!にげるんだぜえええええ!」 棒の先にフックを付けた物を持ってゆっくりを引っかけて捕まえる加工所職員達。 路地裏から飛び出した、私と羽付きを一瞥するが、すぐに路地裏へと通り過ぎて行った。 あのれいむ達は・・・私と羽付きが振り返り、れいむ親子のいた場所を眺める。 未だすーやすーやと眠り続けていたれいむ親子だったが、表の騒音にようやく目覚めたようだ。 「ゆゆ!?」 「ゆぅ・・・おきゃあしゃんどうしちゃの・・・?」 「・・・そとのようすがおかしいよ!おちびちゃん!いますぐいどうするよ!」 「ゆ・・・ゆっくりかわっちゃよ!」 ・・・親れいむの只ならぬ様子に感ずいたのか、素直に言う事を聞いて隙間から飛び出すれいむ親子、だがその目前に、加工所職員がいた。 「ゆううううう!おちびちゃん!いそいでにげてねっ!」 「ゆ!ゆ!」 足元を掻い潜って逃げようと跳ねた親れいむの小麦粉の顔がゆがんだ。 その瞬間、凄まじい勢いで蹴っ飛ばされ、壁面に叩きつけられる。 「ゆげぇっ!」 「おぎゃあじゃああああああああん!?」 「おぢびぢゃ・・・にげ・・・ゆぐぇっ!」 跳ね寄る子れいむに逃げろと言う親れいむ、だが言葉半ばに加工所職員がれいむの底部辺りを思いっきり踏みつけた。 ゴボリと口か餡子が吐き出される。 「ゆげぼっ!ゆごぼっ!おぢびぢゃん・・・!おでがい・・・にげっ・・・ゆぐぉおっ!」 「おぎゃあじゃん!おぎゃあじゃああああん!ゆっぎゅりじじぇええええええ!」 親れいむが再び踏みつけを食らう。 勢いよく転がって、地面に這いつくばりながら、せき込み、餡子を吐き出した。 「ゆぐっ・・・!ゆげぇぇぇぇええええ…!ゆげぼっ・・・!ゆご・・・お”ぅ”げえ”え”え”え”え”・・・!」 ビチャビチャと餡子と砂糖水が吐瀉物のごとく口からダラダラと流れ出る。 「おきゃあしゃんをゆっきゅちいじめにゃいぢぇね!れいみゅおきょりゅよ!」 「ゆげっ・・・!げぇっ・・・!お、おぢびぢゃん・・・!」 ・・・加工所職員の目の前に立ち、大きく膨らみピコピコを激しくふって威嚇する子れいむ。 加工所職員がひきつった笑みを浮かべると、棒の柄で、子れいむを突こうとした。 その刹那、親れいむが背中を向けて子れいむをかばい、柄の棒での突きを受けた。 ゴチッと音がしてれいむの後部に棒の柄がめり込む。 「ゆぐっ・・・ゆぐぅぅぅっ!」 「おぎゃあじゃん!?」 「おぢびぢゃん・・・は・・・れいむ・・・が・・・まも・・・まもるよ・・・!」 加工所職員が棒の柄で何度も何度もれいむを突き続ける。 そのたびにれいむは屈んで子れいむを守り続けた。 「ゆぐっ!ゆがっ!ゆぎっ!」 「おぎゃあじゃんぼうやべぢぇ!おぎゃあじゃんすっぎょきゅいちゃがっちぇりゅよ!?」 「ゆっぐぅ!べいぎ・・・!だよ・・・!おぢびぢゃん・・・は・・・!れいぶが・・・れいぶが・・・!まもるがらねっ・・・!ゆぐぇっ!」 ・・何度突いても屈んで耐え続けるれいむに業を煮やしたのか、フックで引っかけると、こちらに引っ張ってこようとする。 「おぢびぢゃんっ・・・!れいぶのおぐぢのながにばいっでね・・・!ゆぎっ・・・!」 「ゆ!ゆっくりわかっちゃよ!」 ・・・ここからではそこまでしか見えなかった。 恐らくフックで引っ掛けられて袋に詰め込まれてしまったのだろう。 加工所職員が路地裏から出てきた時には、れいむ親子が入っていたであろう袋がグネグネと蠢いているのを私は見た。 あっという間に加工所の捕獲は終わった。 後に残ったのは隠れて無事だった子ゆっくり達や赤ゆっくり達の親ゆっくりを呼ぶ慟哭。 そして破壊された「おうち」の数々。 まだこの子ゆっくり達はまだマシな方だろう。 捕まったゆっくり達は明日までのゆん生なのだから・・・ 羽付きと私は、ただその光景を眺めている事しかできなかった。 ・・・・・・・・・ ・・・・・・ ・・・ 「ゆうー!」 「ゆゆ!」 子れいむ達の目の前に広がっていたのは、まさしく「ゆっくりプレイス」ともいうべきものだった。 どこかの大きなビルの上の階なのだろう。絶景が子れいむ達の眼下に広がっている。 あの後、親切な人間さんが子れいむ達を助け出してくれたのだ。 一目見て金バッジのゆっくりだとわかったと言う。 そしてけがをした親れいむを治療してくれた。 小麦粉を水で溶いた物をハケで塗ってくれて、すっかり子れいむを守るために受けた傷は治ってしまった。 すっかり元気になった親れいむを見て、何故か子れいむは涙が止まらなかった。 そんな子れいむを見て人間さんは、チョコレートをお皿一杯に持ってきてこう言ってくれた。 「お腹がすいてるから泣くんだよ・・・それ食べていいよ」 にっこりとほほ笑む人間さんを見て、お礼を言いながら、チョコレートをほおばった。今まで食べた事のない様な味だった。 ・・・そして子れいむ達は汚れを洗って綺麗にしてもらった後は「おようふく」を着せてもらったのだ。 「とっても似合ってるよ」 そうほほ笑む人間さんに親れいむと子れいむはこう言った 「「にんげんさん!ゆっくりありがとうね!!」」 そう、子れいむは今、幸せだった。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 「おぎゃあじゃああああああああああああん!!」 「おぢびぢゃんっ・・・!おぢびぢゃぁぁんっ・・・!」 ・・・捕まった後、れいむ親子はトラックに載せられ、「加工所」に入れられた。 餡子脳の奥深くに刻まれているのだ。加工所はとてもゆっくりできないものだと。 戦々恐々とする親子れいむは、せまくるしい籠の中に入れられ、一夜を明かした。 怖がりながらも小麦粉の皮を寄せ合って寝た。親れいむの温もりだけが子れいむを包み込む優しい祐樹だった。 ・・・それが最後の親れいむの温もりとなる事も知らずに そして今、籠から親れいむが引っ張り出されようとしている。 何とか食らいついていたが、とうとう引っ張り出されてしまった。 加工所の職員にピコピコを掴まれて連れて行かれる時に、親れいむはひたすら子れいむに語りかけていた。 「おちびちゃんっ!れいむがいなくなってもつよくてゆっくりしたゆっくりになってねっ!まけないでっ!まけないでねっ!おちびちゃんんんんんっ…!」 「おぎゃあじゃんっ!おぎゃあじゃんっ!!おぎゃあじゃあああああん!!」 ・・・そして、扉がバタンと大きく音を立てて閉められた。 子れいむは、それ以降親れいむを見ていない。 そして今子れいむは真っ暗やみの狭い狭い「箱」の中に居る。 何もない、本当に何もないところだ。 ・・・餌だけはほんの少しだけ毎日小さな窓からポロリと落ちてくる。 食にこまる事は無かった。だが子れいむは「しあわせー」と叫べない。親れいむがいないから・・・ 今日も子れいむは夢を見る。儚い夢だ。 あの羽根のついたまりさの横にいた人間さんが助けだしてくれる夢。 その中で、子れいむは全てを手に入れる。金バッジをくれて、あまあまも、親れいむも、「おようふく」も・・・ 淀みゆく空虚な思考の「ゆっくりプレイス」の中で、子れいむは今日も夢を見る。 たとえそれが叶う事のない夢だとしても ここには真っ暗で狭くて、冷たくて、本当に、何も、無い。 ・・・・・・・・・ ・・・・・・ ・・・ 夏の夕暮れが全てをオレンジ色に染め上げていく。 台風は去り、再び夏はうだるほどに太陽を照らしつける。 私は、夕暮れの街に居た。 あの後、羽付きは「おうち」を転々と変えて街にいる。 時にはバッジを付けて、時には「かざり」を変えて・・・ 少なくとも羽付きが捕まる事は無いだろう。 私はなぜかそう確信していた。 ・・・あの親子れいむの事を何故かよく思い出す。 金バッジの事を何も知らず、あるはずのない空虚な未来を信じていたあの子れいむは幸せだったのだろうか? 本当のあの親れいむは金バッジだったのだろうか・・・ 全てをする術はもうどこにも無かった。 日はまた沈み、また昇っていく。 昨日もまた、明日もまた・・・ あの子れいむにも親れいむにも太陽は光を照らし続けてくれるだろう。 きっと・・・ずっと・・・