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鬼ごっこ 毎年夏に行われる街全体を使った鬼ごっこ。 鬼と逃げる人に分かれ、鬼は1人でも捕まえれば勝ち、逃げる人が全員集まれば勝ち。 定期的に掲示板に逃げる側は掲示板に現在位置を書き込まなければならなく、鬼は「こいつは次ここに来るだろう」という読みのもと動かなければならない。 とても広い範囲で行われるため電車・バスなどの交通機関も利用でき、特に社会人が参加すると平気でタクシーを利用するため一瞬で勝負がついてしまうこともある。また地図の読み方が分からず訳の分からない動きをする人もまれに見られる。 このイベントの愛好者で毎年参加するニッシェ人も多い。
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注意 オリキャラが出ます。良いゆっくりが酷い目にあいます。俺設定があります。 「ゆっゆゆのゆ~♪」 調子の外れた鼻歌をゆっくりれいむが口ずさんでいる。その顔はとても嬉しそうだ。 口の中では飴玉のようなものをころころと舐めているのに、よくもまあ口ずさめるものである。 ゆっくりれいむは帰りの途についていた。 よく見れば、ゆっくりれいむには身体の各所に傷がある。今はもう塞がっているが、その傷は新しいものである。 それもそのはず。その傷はついさっき出来たものだからだ。仕掛けられていた罠に掛かってしまったのだ。 しかし、悪いことだけがあったのではなかった。 「だれがだずげでぇえええええ!!」 と叫んでいると、たまたまそこを通りがかった変なおねえさんに助けてもらった上に、家で傷の手当てをしてくれた。 髪がぼさぼさで変な言い方をする人だったが、きれいな飾りとおいしい「あめ」のどっちがいいか選ばせてくれたのだ。 ゆっくりれいむはとても悩んだが、結局は食べ物に釣られて飴を選んだ。 その際に色々と小難しいことを言われたが、餡子脳では十分の一も覚えていられなかった。 その後は「ゆっくり帰っていくんですよぅ」と見送られてきたのだ。 「ゆー! ゆっくりしていったよ!」 感極まって、飛び上がりながら叫ぶ。ゆっくりなりの喜びの表現なのだろうか。 ぴょんぴょん、と跳ね回りながら、ゆっくりれいむは群れへと帰っていった。 「ゆっくりかえってきたよ!」 「「「ゆっくりしていってね!!」」」 ゆっくりれいむを出迎える子ゆっくりたち。 赤ちゃん程度の大きさの個体もいれば、ある程度成体に近いほど育った個体もいる。 交尾をしたゆっくりまりさはどこかへ行ってしまったが、ゆっくりの群れの中にいれば食べ物を困ることは少なかった。 「ゆ~ゆ~ゆ~♪」 「「「ゆ~~ゆ~~♪」」」 身体を擦り合わせ、子ゆっくりたちとゆっくりする。交尾とは違う性質のものである。 ひとしきりゆっくりすると、子ゆっくりたちはエサをねだり始めた。 「おかーさん! ごはんごはん~!」 「ゆっ、ごはんだね! おいしい……?」 ゆっくりれいむは口の中にあった「あめ」をあげようとしたが、いつのまにか無くなっている。 どこへいってしまったんだろう、と不思議に思いながらも、すぐに忘れた。 このゆっくりれいむは飴を初めてみたので、飴がどういう性質のものか分かっていなかった。 「きょうはみんなで、ゆっくりごはんをさがしにいこうね!」 「「「ゆっくりごはんー!」」」 子ゆっくりたちも賛成のようである。ゆっくりれいむたちの家を出て、近くへ食べ物を探しに行った。 途中、独り身のゆっくりまりさに出会う。 このゆっくりまりさはゆっくりれいむの家族ととても仲がいい。 「「ゆっくりしていってね!」」 このゆっくりまりさは成体にまで育っているものの、家族や子供がいなかった。 ゆっくりれいむが気になるのか、群れに入った頃からよく世話を焼いてくれたので、二匹はとても仲が良かったのだ。 「ゆっくりしていってね!」 「ゆっくりしていってね! ゆ? れいむ、そのけがは!?」 身体にうっすらと残っている傷跡をゆっくりまりさは見つけた。 子供たちでも気づかなかったのに、それに気づくということは、よほどゆっくりれいむのことを気にかけているのだろう。 「だいじょうぶだよ! ゆっくりなおってるよ!」 「ゆっくりよかったね!」 傷跡をぺろぺろと舐めるゆっくりまりさ。ゆっくりれいむはくすぐったそうに身を震わす。 二匹はそのまま、一緒に食べ物を探しに行くことにした。 ゆっくりまりさは十分な食べ物を持っていたが、家族の多いゆっくりれいむを手伝ってあげたかったのだ。 ゆっくりれいむもゆっくりまりさの気持ちには気づいていたが、家族が多いので気後れがあった。 また、ゆっくりまりさは群れの中でも人気があり、一緒になるといじめられてしまうかも、という思いもある。 「ゆっゆっ! おいしそうなものがあるよ!」 「ごっはっん♪ ごっはっん♪ みんなでゆっくりたべようね!」 色々あるかもしれないが、今ゆっくりできれば関係ないのかもしれない。 子ゆっくりたちは食べ物探しに不慣れなので、あまり見つけられなかったが、その分は大人二匹で補い合った。 「「「む~しゃ♪ む~しゃ♪ しあわせー♪」」」 皆でご飯を食べあうゆっくりたち。ゆっくりまりさが家族となる日もそう遠くないかもしれなかった。 それから、幾日か経った。 いつもと同じく、平凡だが皆がゆっくり出来る日々が続いていた。 群れの中ではちょっとしたいざこざはあっても、大きな騒動はおきていない。 ゆっくりれいむや子ゆっくりたちも、群れの皆とゆっくり遊んだりしていたある日のことだった。 その日は朝から頭が重いような、何か妙な感じがしていたが、ゆっくりたちは大して気にしていなかった。 元々、そんな細かいことを気にする生き物ではないのだ。 「ゆっきゅり~!」 子ゆっくりが元気そうに駆け回るのをゆっくり眺めるゆっくりれいむ。母として至福の時間だろう。 しかし、子ゆっくりの動きが急に鈍くなった。 「ゆぅ……ゆ、ゆっきゅり……」 「ゆゆ! どうしたの!? ゆっくりげんきになってね!」 ゆっくりれいむが近寄って確かめてみると、子ゆっくりは熱を出しているようだった。 げんきだしてね、と舐めてやるも一向に良くならない。 仕方がないので家の中でゆっくりさせることにしたが、子ゆっくりはぐったりしたまま動かない。 「ゆっくりしていってね!」 「…………」 子ゆっくりは寝ているかのようにまったく動かなくなる。 ゆっくりれいむは心配ではあったものの、外にいる子供たちの面倒を見ることに決めた。 念のため、巣穴の前で子ゆっくりたちを見ている。これなら誰かに入られることもないだろう。 その後、ゆっくりまりさも来て、二匹で子ゆっくりたちの姿をゆっくりと眺めていた。 「「みんなでいっしょに、ゆっくりしていこうね!」」 青々と広がった草原で跳ね回る多数のゆっくりたち。ここは、まさしくゆっくりプレイス。 皆が争うことなく、平和に暮らしていける楽園である。 ここには未だ人間の手も入ってきていない。来るものは拒まず、去るものは追わずという精神も存在している。 ゆっくりれいむたちはしばらく子供たちと一緒に遊んでいた。子供たちを遊ばせているとも言えたが。 しかし、どうも様子がおかしい。それは子供たちだけでなく、ゆっくりれいむ自身も感じていた。 「ゆぅ~、きょうはなんだがへんだよ! ゆっくりできないよ!」 「ゆっくりできない!」 「からだがあついよ!」 日陰で横になったり、水に入ったりしてみるが、どうにも熱くてゆっくりできない。 それは群れ全体で起こっている現象であった。 「ち~んぽ~ぅ……」 「わからない、わからないよぅ……」 「むきゅ~」 「ゆっくりできないよ……」 皆が皆、熱くて動きが鈍くなっている。口からは蒸気でも出てきそうな勢いである。 周辺には天敵がいないが、このままでは食べ物などで問題が起こることは目に見えていた。 そんな時、『それ』は突然に起こった。 「ゆっきゅり、ゆっきゅり! ゆっきゅりがんばってるよ!」 「ゆっくりきをつけてね!」 先のゆっくりまりさとは別のゆっくりまりさの家族がいた。 熱さにも負けず、きゃいきゃいと親まりさの前で子ゆっくりがはしゃいでいる。 親まりさも多少はだれていたが、その様子を幸せそうに見守っていた。 「ゆっきゅり~! ゆっきゅ『パン』じ!?」 「ゆ!?」 乾いた音を立てて、子ゆっくりが破裂した。帽子すら残っていないほど、跡形も無く散った。 放射状に飛び散った黒い斑点のような餡子以外には、その存在を思い起こさせるものは残っていない。 いきなりのことで親まりさも理解が追いつかない。 「ゆゆゆ? あかちゃん、どこいったの? かくれんぼ?」 きょろきょろと辺りを見回すが、当然のごとく子ゆっくりは既にこの世からいなくなっている。 「ゆ~! あかちゃんどこ~!? はやくゆっくりかえってきてね!」 矛盾したようなことを言う親まりさ。本当に何があったのか理解出来ずにいる。 飛び跳ねながら子供を呼び続ける。それに気がついた他の姉ゆっくりたちも母の元へと寄って来た。 「おかーさん、どーしたの?」 「ゆっ! あかちゃんがどっかいっちゃったんだよ! ゆっくりさがそうね!」 「ゆっくりりかいしたよ!」 家族総出で子ゆっくりを探すが、見つかるはずもなく、徒に時間だけが過ぎていく。 やがて、熱さから何匹かが音を上げ始めた。 「ゆぅ~、ゆっくりしようね!?」 「あついよ! あつくてゆっくりできないよ!」 親ゆっくりまりさが少しでも涼しくしてあげるために、子供たちを舐めてみるがまったく効果がない。 それどころか舐めている親まりさも熱さで音を上げる。 「ゆふ~、ゆふぅ~……あちい、あちいよう!」 「あっつ! めっちゃあっ『パン』づ!?」 そして、熱さが決壊した。人間だったら血壊とでも表現したかもしれない。 再び小さな音を立てて、再び子ゆっくりが親まりさの目の前で破裂したのだ。 「ゆ、ゆっじいいぃぃぃいい!!??」 今度は親ゆっくりまりさも何が起きたかは身をもって把握出来た。 先ほどのように餡子が周囲に飛び散ったのだが、それが子ゆっくりを舐めていた親まりさの舌にかかったのだ。 餡子はゆっくり的にはとんでもない熱さを持っていた。人間が浴びても火傷を負うような熱さである。 かかった餡子は少量であったが、それでも親まりさには耐え難い熱さであった。 熱さのあまり、喋ることも出来ずに飛び跳ねる親まりさ。周りにいた子ゆっくりは突然の行動に驚き慌てる。 「どうしたの、おかーさん!? おちついてね!」 「いもーとはどこいったの!?」 親まりさの影になってて見えなかったのか、親と消えた子まりさの心配をする。 だが、親まりさはそんなことに構っている余裕はない。口の中の熱さをどうにかしたいという考えしかなかった。 「ゆぎいいいいぃぃぃ!!! ゆ、びいいいい『バン!』びゃ!!??」 大きな音がして、親まりさが破裂した。音が子ゆっくりより大きいのは身体のサイズ差のためだろうか。 周囲に飛び散る餡子。大きさが大きさであるため、子ゆっくりの時とは飛び散る量と範囲も違う。 「あぢゅい! な゛に゛ごれ゛ぇぇぇ!?」 「お゛がーざぁ゛ぁぁ゛ん゛!!!」 家族全員に餡子が降り掛かる。熱さでのたうちまわるが、程なくそれは収まった。 パン、という音と共に。 ゆっくりプレイスにある巣から、ゆっくり達が顔を見せ始める。 当然、親まりさ達が破裂した音を聞きつけたからだ。 しかし、既に家族の姿はなく、餡子が飛び散っている跡しかなかった。 何があったのか、皆で話し合うがまったく結論らしい結論も見出せなかった。 結局、『がんばってゆっくりしようね!』という所に落ち着いた。 方策も特に無く、自分たちの家に戻っていった。 「ゆっくりかえってきたよ!」 「ゆっ、おかえりなさーい」 ゆっくりれいむが家に帰って来た。子供たちがそれを出迎えるが、いつもの元気さは影を潜めている。 ゆっくりまりさから貰った食べ物をあげても、あまり食べようとはせずに残してしまう。 食欲旺盛なゆっくりとしては異例のことである。 ゆっくりれいむも心配であったが、どうすることも出来ない。 「ゆっくりたべてね! ……ゆっ?」 何やらがさがさと足音が聞こえてきた。ゆっくりが草むらを移動する音とは違うものだ。 嫌な予感がして、ゆっくりれいむは様子を見に行く。 「よっと……よっとっと!」 そこにはよたよたと覚束ない足取りで歩いてくる人間がいた。 ゆっくりれいむは『人間が来た』と皆に知らせようと思ったが、その姿には見覚えがあった。 この前、助けてくれた人間である。他の人からは「ドクター」と呼ばれていた。 眼鏡をかけて白衣を着ている、というある意味分かりやすい服装である。ただし、山道を登るような服装ではない。 「おねーさん! ひさしぶりだね! どうしたの?」 「やや! どうもどうも! こちらこそお久しぶりですよ!」 そーなのかー、とでも言わんばかりに両手を広げて、友好の意を示すドクター(仮)。 だが、その顔に浮かぶのは苦笑いに似た表情であった。 ゆっくりれいむは助けてくれた人間なので、ドクターは良い人だと認識していた。 「あのー、ですね。近頃、自分の身体に変なことが起こってませんかねぇ?」 「へんなこと? ゆっくりわからないよ!」 それを聞いて困り顔のドクター。腕を組んでうむむと唸る。 「例えば、ですねー。身体が発情してるわけでもないのに、変に熱くなったりー、とか」 「ゆゆゆ! あついよ! みんな、あついっていってるよ! れいむのあかちゃんもあついよ!」 「あちゃー……もう、症状が出ちゃったか。あちゃー」 ドクターは何故か「あちゃー」を二度言った。それは本人としては後悔の表れなのだが、そうは見えない。 それでもすぐに気を取り直したのか、ゆっくりれいむに向き直る。 「すみませんが、迷惑だとは思うのですけれども、ワタシをあなたの群れに連れて行ってもらえませんかねぇ?」 馬鹿丁寧というには何処か変な口調で、ドクターゆっくりれいむに頼み込む。 放っておいたら土下座して頼みかねない勢いである。 「いいよ! おねえさんはやさしいから、れいむたちのおうちにつれていってあげるよ!」 ゆっくりれいむはドクターのお願いを聞き入れて、「こっちだよ!」と言いながら跳ねて行く。 ドクターは特に急ぐことも無く、その後について行った。 家につくと、ドクターはてきぱきと色々な物を取り出し始めた。 「ゆ? なにしてるの?」 「やっ、ちょっと準備するものがありまして。気にしないでくださいな。あ、これどーぞ」 「あめさんだー! ぺ~ろぺ~ろ♪、しあわせー!」 ドクターは飴を取り出し、ゆっくりれいむにあげる。 その間に何か物々しい機械を持ち出す。ただし、大きさは手で持てるぐらいの大したものではない。 ドクターは機械を色々と弄くっていたが、調整も終わったのか、ゆっくりれいむに声をかける。 「では、次に赤ちゃんたちを連れてきてくださいな」 「わかったよ!」 ゆっくりれいむはすぐに家に戻って、熱くてだれていた子供たちを連れて来る。 一匹の子れいむが出ることもできないほどぐったりしていたので、その子は家の中に残しておいた。 「ゆっきゅりー……」 「なーに、おかーしゃん」 「ゆ!? にんげんだよ! にんげんがいるよ!」 連れて来られた途端、騒ぎ始める子ゆっくりたち。人間は危険、と教えられているのである。 すかさず、ゆっくりれいむが説明を始める。 「ゆっ! みんな、このおねえさんはれいむをたすけてくれたひとだよ!」 「ゆっ! そーなの?」 「ありがとー!」 「ゆっきゅりちていってね!」 「いえいえ、どーいたしまして。大したことはしてませんので」 適当に返事をしつつ、子ゆっくり一匹一匹にみょんな機械を当てていく。 子ゆっくりたちは何をしているのかも分からず、きょとんとしている。 全ての子ゆっくりに機械を当て終えると、ドクターはうむうむと一人で頷く。 「どうしたの! れいむのあかちゃんたちをゆっくりさせてあげてね!」 「えー、面倒なのは好きではないので、単刀直入に申しますと」 一呼吸置く。 「もうゆっくりできませんねぇ」 バン、という破裂音が響いた。 続き このSSに感想を付ける
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古き良きゆっくり見スタイル 深夜。俺は、パソコンに向かって頭を抱えていた。俺は小説家なんだけど、締め切り前だというのに原稿がまったく進まないのだ。今月落としたら生活費がいよいよやばい。 そんな俺の苦悩をよそに後ろではゆっくり霊夢が、ボリボリムシャムシャとお菓子を食い散らかしながらゆっくりしている。 このゆっくり、元は友人が飼っていたものだ。 ある日、その友人が旅行に行くからということで俺が留守中預かることになったのだが、その友人はゆっくりを残して旅行から帰って来なかった。 莫大な借金を抱えて夜逃げしたのだ。置いていかれてかわいそうになあ、と思い最初は同情したものだが、すぐに何故コイツが置き去りにされたのかわかった。 食う量が半端ないのだ。一人でならそこそこやりくりできる程度の収入はあったが、こいつが来てから食費がかさんで毎月ギリギリだ。そのくせ、食い物の食い方は汚いわ、 朝は毎日5時に起こしに来て、「ゆっくり!はやくごはんのよういしてね!」とか言うわ、コイツが来てから三ヶ月になるが、いい加減うんざりしてきていた。 なんで今ゆっくりがこんな遅くまで起きて、食べかすを撒き散らしながらソファの上でボインボイン跳ねているのかというと、俺が仕事が終わったら遊んでやると約束した からだった。 「むーしゃむしゃ!」 「はやくしてね!ゆっくりできないよ!」 口のまわりに食べかすを散らかしながら言う。あーはいはい。人の気も知らないで。 今日はこんなもんにしとくか、フウ、と一息ついた所へ、背後からガシャンという音が聞こえた。振り向くと、花瓶が割れていた。カーペットが水でぐしょ濡れだ。 「なにやってんだ!」 思わず怒鳴る。 「ゆっ、れいむはわるくないよ!」 「かびんがかってにたおれたよ!」 そういって跳ね回るゆっくりの口には、花瓶にさしていた花がぐしゃぐしゃになって咥えられていた。お菓子を食い尽くしたので、花瓶の花を食おうとしたのだ。 俺は深ーいため息をつくと、部屋を出て雑巾とちりとり、箒を取りに階段をおりて一階へ向かった。 二階の部屋に戻ると、ゆっくりが俺の机の上に乗ってパソコンに向かい、キーボードの上でバインバインとはねていた。 「れいむもおしごとできるよ!」 嫌な予感がした。箒とちりとり、雑巾を置いてパソコンに近づくと、ディスプレイは黒く沈んでいた。電源が切れている。 偶然、強制終了コマンドが押されてしまったのだ。まさか。まさかとは思うが。祈るような気持ちで電源を入れる。ヴィーン、カタカタカタ……てろりろん♪ はたして、俺の原稿のデータが全てとんでいた。 「れいむがおしごとしたからあそべるよ!」 と得意げにゆっくりがポインポインと跳ねながら俺に話しかける。が、俺はショックで固まっていた。 「ゆっくりしようよ!」 「だまってないではやくあそんでね!」 と何度騒ぎ立てても、反応のない俺に、ゆっくりはとうとう怒りだし、俺に体当たりを始めた。 「いいかげんにしてね!れいむとゆっくりしていってね!」 バスッ。 「やくそくやぶらないでね!」 ドスッ。 「はやくあやまってね!」 バスンッ。 ―プツン― 俺はゆっくりを両手で引っつかみ、そばにあった金属製の、円筒形をした小さなゴミ箱に思いっ切り叩き込んだ。バスン。 「ゆ゛う゛ぅう!?」 ゆっくりの頭がズッポシとゴミ箱にはまる。だが、ゴミ箱の口はゆっくりの体より少し小さかったので、ゆっくりの体は途中で詰まり、 プヨッと顎の部分だけが外に出た状態になった。目深に帽子をかぶりすぎたクリフトを想像してもらいたい。 「まっくらだよ!」 「せまいからはやくだしてね!」 と騒ぎ立てる饅頭を、全体重をかけてゴミ箱の中に足で無理やり押し込む。ギュウウウウウ。ギチギチギチギチ…。 「ぶぎゅううううごっぉごぐぅうううぅ」 ゆっくりとは思えない切迫した声をあげる。ゴミ箱いっぱいにゆっくりの体が充満してビッチビチのギッチギチな状態になるまで何度も何度も踏みつけた後、 ガムテープでゴミ箱の口を何重にもグルグル巻きにして密封した。 「……!……!」 前も見えない、声も出せない、パニックに陥ったゆっくりがゴミ箱ごとドズッ、ドズッと部屋中を跳びはね回る。俺はそのザマを見てひとしきり笑ったあと、 「ドンドンうるせーんだよ!」 と跳ね回るゴミ箱を蹴り上げた。バァァァン!と近所の人々が全員起きてしまいそうな音を上げて激しく壁に激突し、ドスン、と床に落下。 落下したゴミ箱は床をゴロゴロと転がり始め、ゴロゴロ転がって俺の部屋を出て、ゴロゴロ転がって階段までたどり着き、 ガン、ガン、ガンと階段を一段降りるごとに賑やかな音を立てて一階まで転げ落ち、一階の玄関のドアにガシャンとぶつかってやっと止まった。 うわあ。あんだけ転がされたら俺なら三日前の朝飯まで吐いちゃうね。もっともあの中にはゲロが出るスペースすらないだろうけど。 俺はスキップしながら一階まで降りていくと、ゆらゆら揺れているゴミ箱を拾い上げ、思いっきりシェイクしながら叫んだ。 「おーいゆっくり大丈夫かぁー!?もしもーし」 中身がビッチリ充満しているので、振っても何の音もしない。裏拳でガンガンガン、とノックしてみる。 「もしもーし、入ってますかぁー?聞こえてたら返事してくださーい」 無反応なのでガーンとゴミ箱を床に投げ捨てると、俺はゴミ箱をドリブルして廊下を走り回った。みさきくん、パースと言って壁にパス。ガイン。 「ゆっくりはともだちってかヒャッハー」俺は家中駆け回った。 結果、みるも無残な形にひしゃげたゴミ箱。これ、さすがに死んだかな? いや、生きてるな。だってこの中にいたんじゃあどこにも餡子が漏れないもの。餡子が出ない限りゆっくりは死なないからな。ヒエー残酷。 この中、一体どうなってるだろう。物言わぬゴミ箱の中身を想像して俺はゾクゾクした。開けて確認してみたい衝動にかられる。けど、やめておく。 だって、儚月抄でゆゆ様が言っていたでしょう?昔の人は見えない月を想像して月見を楽しんだって。今の俺はその風流な心がわかるよ。 今夜はこのゴミ箱を抱き枕にして寝よう。いい夢が見れそうだ。 おわり(後半が書きたかっただけです)
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飛鳥の朝廷 律令国家の成立 平城京の時代 天平文化 平安朝廷の形成 [部分編集] 飛鳥の朝廷 東アジアの動向とヤマト政権の発展 推古天皇~持統天皇 推古 舒明 皇極 孝徳 斉明 天智 天武 持統 スー ジー 極道と 交 際 ・ ・ 痔になっちゃった とりあえず重要天皇を・・。 厩戸王(聖徳太子) ①593 ごっくんさせてよ聖徳太子 ②三経義疏(さんぎょうのぎしょ)(聖徳太子) 法華経、維摩(ゆいま)経、勝鬘(しょうまん)経 「産業は商法とゆいましょう」 ③聖徳太子はコックさん 593 ④聖徳太子 摂政なれて 号泣さ 5 9 3 遣唐使 ①蒸される夜にゲロ吐くよ。 630-894 遣唐使 最初と最後セット。 ②ロミオ爆死で終了 630年~894年 飛鳥の朝廷と文化 曇徴と観勒 高句麗 曇徴 絵の具 百済 観勒 暦 ドングリ どん→曇徴 ぐり→高句麗 還暦ってあるじゃん?それで… かん→観勒 れき→暦 足りないところはそれぞれ比べてたらイイよ。 [部分編集] 律令国家の成立 大化改新 大化改新 645 6回シコって大化の改チン 大化改新→平城京辺りまで 交際(孝徳・斉明) 中の(中大兄皇子=天智) 天智 と 天武 嫉妬(持統)深くて 文句(文武)垂らして 幻滅よ(元明) +で施策とか吊り下げとけば大体大丈夫 律令国家への道 白村江の戦い ①室井さん(663)が白村江の戦い ②むっ無残 白村江 663 庚午年籍と庚寅年籍 庚午年籍 と こういんねんじゃくは 干支の順番じゃんね 壬申の乱 672 無難にすまない壬申の乱 藤原京 ①剥くよ(694)ウグイス藤原京 ②694年 むくよ、チンコを藤原紀香 白凰文化 南都七大寺 ①東大が最高峰や 東大寺・大安寺・元興寺・西大寺・興福寺・法隆寺・薬師寺 ②包茎チ○ポ 薬で元気に大きく興奮 当代最大 包茎=法隆寺 薬=薬師寺 元気=元興寺 大きく=大安寺 興奮=興福寺 当代=東大寺 最大=西大寺 大宝律令と官僚制 大宝律令 ナウい(701)法律大宝律令 奈良時代の実力者の変遷 ①ひとつ(不比等)長屋(長屋王)に四人の子供(藤原四子)、 モ(橘諸兄)ナカ(仲麻呂)どう?(道鏡)百円で(百川) ②ひどい長屋で四人の子供最中どう?百円で (藤原不比等、長屋王、藤原四子、橘諸兄、銅鏡、藤原百川) でも中大兄皇子と仲間路が抜けてる… ③酷い(藤原不比等) 長屋に(長屋王) 四人の子供(藤原4子) 最(橘諸兄) 中(藤原仲麻呂) ドウ?(道鏡) 百円です(藤原百川) 律令制 式部省(入学「式」=大学の管理) 民部省(「民」政管理) 治部省(外交を「治」める) 中務省(天皇側近、自力で覚えるw) ちょっと無理矢理… 二官八省 ①二官八省の八省の部分の覚え方 「中のしじみを取り出してひょえ~ぎょえ~とだいくびっくり」 中=中務省 し=式部省じ=治部省 み=民部省ひょ=兵部省 ぎょ=刑部省 だい=大蔵省 く=宮内省 覚えにくいですかね。。塾のテキストに載ってた ②ない敷地に民兵や警部は多くない (内務式部治部民部兵部刑部大蔵宮内) 五衛府 どらえもんはただ一人。ひょえー!左右に藤子エフふじお!! 衛門府は一つ。兵衛府と衛士府は左右あり(全部で五衛府) 藤子エフふじおで衛士府ってことで。 畿内・七道 北だけ陸であとは海。日は東から山で陰。 「北陸東海西海南海。山陽東山山陰 (位置関係なしでスマソ…七・五のリズムで)」 条里制 条里制→里→田 民衆の負担 班田収授法 902 暮れに終わった最終班田 [部分編集] 平城京の時代 遣唐使 平城京と地方社会 平城京 ①なんと(710年)きれいな平城京 ②NATO(710)も攻撃平城京 興福寺 なんと幸福な春の日ならずや! 「興福寺」(「南都」)の仏僧である「奈良」法師が、「春日」神社の神木を用いて強訴したこと 和同開珎 708 和同開ホウ 958(708+250) 乾元大宝 ある人曰く、「ナオヤはどう?」 女、応えて曰く、「250秒しか咥えてられないわ、彼の宝物、すぐ乾くんですもの」 下品でスマン 蓄銭叙位令 セブン♪イレブン♪ 蓄銭叙位令(早口で)♪ 7 ・ 11 平安/夷征討の柵・城の覚え方 「縫いたいし」 「ぬ」 「い」 「た」 「い」 「し」 渟足柵→磐舟柵→多賀城→胆沢城→志波城 南から順に「縫いたいし」 最初2つが日本海側 後の3つが太平洋側 ◆鎮守府が何処から何処へ移されたかは、 多賀城の「た」胆沢城の「い」 「たい」、たい、たい、たい……「ち」(鎮守府の「ち」) で覚えれw 宇佐八幡宮神託事件 769年。な(7)ろ(6)うとく(9)わだて宇佐八幡宮神託事件 自『宅』に芸亭。(石上宅嗣、字違うから気を付けてね) 藤原氏の進出と政界の動揺 悲田院と施薬院 「 ひでえ 市役員 の 巧妙 な 社会事業」 悲田院 施薬院 光明 悲田院と施薬院は奈良時代に光明皇后が行った社会事業 長屋王の変 ①何食って死んだ長屋王!729年 ②なにくそ(729)長屋王の変 恭仁・難波・紫香楽 恭仁→難波→紫香楽 聖武いろいろ く なん した 恵美押勝(藤原仲麻呂)の乱 泣き虫(764)恵美ちゃん押しても勝てず 恵美押勝(藤原仲麻呂)の乱 勝ったのは道鏡。 民衆と土地政策 百万町歩の開墾計画 なにに(722年)使うの百万円 三世一身法 なぁ兄さん(723)三世一身の法 墾田永年私財法 ①743 墾田永年私財法 「こんでええねん梨本さん」 ②743 墾田永年私財法「こんでええねん名無しさん」 ③なぁ、よさんか(743)墾田永年私財法 よさん=止めようって意味な。 ④743墾田永年 なしさん来んでえーねん [部分編集] 天平文化 天平文化と大陸 『古事記』『日本書紀』と『万葉集』 『日本書紀』 何を書こうかと練る日本書紀 720 舎人親王 『風土記』 ①出雲 常陸 播磨 豊後 肥前 出てきた ひ ばり が豊かに肥えた ②デブは常に肥満 国家仏教の展開 南都六宗 ①「3時のおやつホットケーキ、くしゃくしゃになりけり。」 3=三論 時=成実 ホット=法相 くしゃ=倶舎 け=華厳 り=律 ②ジョージ・リック・シャケ・ゴンさん・細川 天平の美術 [部分編集] 平安朝廷の形成 平安京の樹立と蝦夷との戦い 平安京 ①泣くよ(794)ウグイス平安京 ②なくし(794年)た夢きっと見つかる平安京 ③無くし(794)たカムンリ、平安京。 桓武天皇まで覚えられる。 平安初期の政治改革 嵯峨天皇 くけこさ がてんのう ろびう ういに どしん の◇格 と◇式 う 蔵人の頭 冬嗣たん・・・(´Д`*) 薬子の変 ①バイオ(810)で薬は変ですか 薬子の変 ②やっと(810)セッ薬子の変 ③810 ハット驚く クスリコの変 ④クスコよ入れ 薬子の変810 ⑤パイを(810)モミモミ薬子の変 薬子の変~安和の変 クスコ女王の顎の正体あんなに変 クスコの変 承和の変 阿効の紛議 昌泰の変 安和の変 だったはず 出典:ゴロで覚える日本の歴史 藤原冬嗣 810(やっと) やっと冬嗣蔵人頭に 藤原冬嗣蔵人頭に就任 平城太上天皇の変 安和の変 ①苦69 969年安和の変 ②アンナの元彼くろぐろチンポ 安和の変 969年 羽賀賢二の事。女の腕位でかいらしい。安和の変は重要。 ③アンナの苦しいシックスナイン アンナ(安和の変)のく(9)るしいシックスナイン(69年) 安和の変969年 三大格式 ①3P 脚 を 交差 して女 性 援 護!! 三大格式 弘仁(嵯峨) 貞観(清和) 延喜(醍醐) ②広辞苑探せた?(予備校で習った) ③小さじ千円台…弘仁格式→嵯峨天皇、貞観格式→清和天皇、延喜格式→醍醐天皇 地方と貴族社会の変貌 唐風文化と平安仏教 漢詩文集(作者) 凌雲集(小野岑守)、菅家文草(菅原道真)、文華秀麗集(藤原冬嗣)、経国集(良岑安世ら)、性霊集(空海) 漢詩文集は「理科は文型にしよう」 作者は「小さな管から富士の峰が空に見える」 大学別曹 ①平安時代 大学別曹 訳の分からぬ構文に(和気氏、弘文院) 立場無くしてがっかりの (橘氏、学館院) 藤原君に勧学の(藤原氏、勧学院) 奨学金がありました(在原氏、奨学院) けっこう便利だと思う ②不可明日が怖い フカアシタガコワイ ふ…藤原氏 か…かんがくいん あ…在原氏 し…しょうがくかん た…橘氏 が…がっかんいん (↓ここだけ順番が前後してしまうが) わ…和気氏 こ…こうぶんかん ③大学別曹 「 訳の分からぬ英語構文、富士山で考えよう、小学館で立ち話、奨学金有り」→「和気氏→弘文院、藤原氏→勧学院、橘氏→学館院、奨学院→在原氏」 詩論・説話集(作者) 文鏡秘府論(空海)、日本霊異記(景戒) 作者も一緒に「秘密の鏡は空と海に、日本は霊を最高に警戒する」(日本霊異記は現存する最古の説話集) 空海と最澄 ①真空(真言宗=空海) 天才(天台宗=最澄) ②↑に宗派とかが加わるとこうなる。 初孫すごいよ、ひえ え、 天 才! (805 比叡山 延暦寺 天台宗 最澄) 発音むりだよ、こ こ、真 空。 (806 高野山 金剛峰寺 真言宗 空海) ③最澄空海は てんさいえん しんくうこん で寺まで覚えてますね ごろ使うまでもないのかな、このへんだと ④最澄と天台宗の最と台で「最大」って覚えた。 空海と真言宗の空と真で「真空」ってくっつけた。 ⑤最 大 最澄 天台 空 言 (そらごと→嘘の言葉) 空海 真言 ⑥ひえ~(比叡)、最澄、なにやってんだい(天台)? シッコ(真言)で炊いた高野豆腐、食うかい(空海)? 出典(②):年号のキソ ~歴史の重要年代を楽しくおぼえよう http //blog.livedoor.jp/mal923-nengou/archives/22065277.html 円仁・円珍 円仁→山門派、円珍→寺門派 つまり「兄さん珍事」 円珍 寺門派 円珍 園城寺 ジモンのチンコが炎上した。 密教芸術 三筆 くさった三筆 く…空海 さ…嵯峨天皇 た…橘逸勢
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第1なっくす ~出会いとリベンジ(にっくん的な意味で)~ 第2なっくす ~初撃の衝撃、残る切なさ~ 第3なっくす ~不在着信~ 第1なっくす ~出会いとリベンジ(にっくん的な意味で)~ 最初なので特に見所は無し Talesweaver Messenger Log Date 2010年 6月 11日 [ 0時 7分 44秒] そのら はいこんばんわー [ 0時 7分 50秒] なっくす いきなりすみません; [ 0時 7分 55秒] そのら いえいえー^^ [ 0時 8分 17秒] なっくす よかったら話し相手になってもらえませんか? [ 0時 8分 38秒] そのら お話ですかー? [ 0時 8分 45秒] なっくす はい^^ [ 0時 9分 27秒] そのら それは世間話?みたいな感じなんです? [ 0時 9分 38秒] なっくす ですねw [ 0時 9分 49秒] そのら あーなるほどですw [ 0時 10分 7秒] なっくす お忙しいならいいのですが; [ 0時 10分 14秒] そのら 狩りとかばかりじゃ疲れますもんね;; [ 0時 10分 23秒] なっくす ですね>< [ 0時 10分 28秒] そのら はい>< [ 0時 10分 59秒] なっくす だからもしよかったら話し相手になってもらおうかなぁとw [ 0時 11分 51秒] そのら あまりお時間はとれないかもしれませんが; [ 0時 12分 1秒] なっくす 全然いいです^^ [ 0時 12分 15秒] そのら そう言ってもらえたらうれしいです>< [ 0時 12分 50秒] なっくす 突然ですけど大人な話とかって大丈夫ですか・・・?w [ 0時 13分 17秒] そのら ?大人な話ってゆうとえっちぃのみたいなのです? [ 0時 13分 26秒] なっくす ですね・・・w [ 0時 13分 52秒] そのら えー恥ずかしいですよーw [ 0時 14分 13秒] なっくす いきなりすごい事とかしないのでw [ 0時 14分 31秒] そのら ちょっとづつって感じですか>< [ 0時 14分 44秒] なっくす そのらさんが良かったらですけどw [ 0時 15分 17秒] そのら ゎたしも気分がのった時ぢゃないと [ 0時 15分 23秒] そのら 出来ないと思いますが>< [ 0時 15分 35秒] なっくす その方がいいですw [ 0時 15分 43秒] なっくす 無理にしてもらうのはアレなのでw [ 0時 15分 43秒] そのら はいw [ 0時 16分 34秒] なっくす よかったらメッセ登録いいですか?w [ 0時 17分 16秒] そのら はいーとりあえず飛ばしておいてください [ 0時 17分 23秒] なっくす ありです^^ [ 0時 18分 16秒] そのら よろしくお願いします^^; [ 0時 18分 22秒] なっくす よろですw [ 0時 18分 38秒] なっくす 嫌になったら言ってくれれば連絡しないので^^ [ 0時 19分 3秒] そのら わかりmしたー [ 0時 19分 10秒] そのら あすいません>< [ 0時 19分 16秒] なっくす む?w [ 0時 19分 38秒] そのら ちょっとそろそろお風呂行ってきたいのですが [ 0時 19分 44秒] そのら いいですか?; [ 0時 19分 47秒] なっくす はいw [ 0時 19分 59秒] なっくす ちょっと疲れてるのでもしかしたら寝てるかもですw [ 0時 20分 12秒] そのら わかりました^^ [ 0時 20分 23秒] なっくす ごゆっくり^^ [ 0時 20分 39秒] そのら お疲れなんて、今日は忙しかったりしたんですか? [ 0時 20分 49秒] なっくす 少しw [ 0時 21分 15秒] なっくす いつもより長かったのでw [ 0時 21分 24秒] そのら おー何をしたのか気になっちゃいます>< [ 0時 21分 39秒] なっくす 製造業なので単純作業ですけどw [ 0時 21分 59秒] そのら 大変なんですねー><; [ 0時 22分 14秒] なっくす でも週に2回休みがあるのでw [ 0時 22分 39秒] そのら なるほどぉ [ 0時 22分 40秒] そのら [ 0時 23分 4秒] なっくす お風呂行かなくていいのですか?w [ 0時 23分 51秒] そのら ちょっと服脱ぎながらみたいなw [ 0時 23分 57秒] そのら すいませんもういってきます>< [ 0時 24分 2秒] なっくす なるほどw [ 0時 24分 3秒] そのら それではノ [ 0時 24分 7秒] なっくす いってらっしゃい^^ キーワード:製造業、週休2日制、脱ぎながら 第2なっくす ~初撃の衝撃、残る切なさ~ なんで俺罰ゲームみたいなことしてんの?まじ苦痛だし恥ずかしい まぁこれ読むお前らも多分途中から恥ずかしくなってくる 頑張れ俺、あとお前ら Talesweaver Messenger Log Date 2010年 6月 12日 [19時 10分 43秒] なっくす様が入場しました。 [19時 10分 45秒] なっくす こんばんわ^^ [19時 12分 0秒] そのら こんばんわー [19時 12分 12秒] なっくす お忙しいですか? [19時 12分 24秒] そのら 狩りしながらになっちゃいますが; [19時 12分 42秒] なっくす 無理に話してくれなくても大丈夫ですよw [19時 13分 15秒] そのら 返信は遅れますが一応できます><b [19時 13分 45秒] なっくす エッチな話とかいいですか?w [19時 14分 25秒] そのら えーいいですよ/// [19時 14分 31秒] なっくす おぉw [19時 14分 55秒] なっくす オナとかしたくないですか?w [19時 15分 18秒] そのら あんまり自分でってのはないです>< [19時 15分 26秒] そのら どうやるのかもよくしらないですし;; [19時 15分 32秒] なっくす あら?w [19時 15分 39秒] なっくす 失礼ですけどおいくつですか?w [19時 16分 5秒] そのら 一応女子高生とだけ・・・ [19時 16分 12秒] なっくす なるほどw [19時 16分 28秒] なっくす じゃあ俺のオナ手伝ったりしてもらえませんか?w [19時 16分 44秒] そのら どうすればいいんです? [19時 16分 45秒] そのら [19時 17分 12秒] なっくす エッチのご経験とかあります?w [19時 17分 35秒] そのら えぇっと、まだです;; [19時 18分 5秒] なっくす じゃあ俺の言った事に合わせて話してくれるだけでいいですw [19時 18分 20秒] そのら はい! [19時 18分 38秒] なっくす ありです^^ [19時 19分 2秒] なっくす じゃあ実際にエッチしてる風に話すのでフリでいいので適当に合わせてくださいw [19時 19分 17秒] そのら まかせてください~^^ [19時 19分 46秒] なっくす じゃあまずは脱いでくださいw [19時 20分 50秒] そのら えーじゃあ向こう向いててね・・・/// [19時 20分 50秒] そのら [19時 20分 56秒] なっくす はいw [19時 21分 38秒] そのら 脱いだよ・・・ [19時 21分 48秒] なっくす 綺麗な体だねw [19時 22分 10秒] そのら えーそんなことないよーw [19時 22分 18秒] なっくす ほんとだよw [19時 22分 29秒] なっくす おっぱい触っていい?w [19時 22分 41秒] そのら ええー恥ずかしいけどwいいよ・・・ [19時 22分 46秒] なっくす ありがとw [19時 22分 54秒] なっくす ムニュムニュw [19時 23分 8秒] そのら っん・・・ [19時 23分 23秒] なっくす ちくびも触るねw [19時 23分 29秒] なっくす ぎゅっw [19時 23分 48秒] そのら あっ・・・ん [19時 24分 3秒] なっくす エッチな声が出てるよw [19時 24分 16秒] そのら そんなことないよばかっ! [19時 24分 30秒] なっくす そうかなぁw [19時 24分 31秒] なっくす 下も触ってみるねw [19時 24分 36秒] なっくす クチュクチュw [19時 24分 51秒] そのら あ・・・やぁ/// [19時 25分 2秒] なっくす もう濡れてるの?w [19時 25分 14秒] そのら 知らないよっ [19時 25分 24秒] そのら でも・・・なんか変な感じ・・・ [19時 25分 28秒] なっくす 手がベタベタになったけどw [19時 25分 55秒] そのら そんなの知らないっってばぁっ [19時 26分 6秒] なっくす じゃあこの手舐めてみてw [19時 26分 31秒] そのら エ・・・う、うん・・・ [19時 26分 48秒] なっくす ちゃんと音たててw [19時 27分 9秒] そのら ぺろ・・・ちゅぱ・・・ちゅぴ・・・ [19時 27分 15秒] なっくす えろいw [19時 27分 28秒] なっくす どんな味?w [19時 27分 55秒] そのら ちゅぱ・・・んー何かもぅよくわからないよぉ・・・ [19時 28分 16秒] なっくす じゃあ俺の舐めてみてw [19時 28分 30秒] そのら ど、どうすればいいのかなぁ [19時 28分 42秒] なっくす くわえて舐めるんだよw [19時 29分 9秒] そのら こ、こう?・・・はむ・・・ちゅぱちゅぱ [19時 29分 14秒] なっくす そうそうw [19時 29分 20秒] なっくす 気持ち良いよw [19時 29分 37秒] そのら っん・・・ちゅぴ・・・ふぁあ・・・おっきいんだね/// [19時 29分 53秒] なっくす フェラが上手だからねw [19時 30分 4秒] そのら soukanaxa [19時 30分 10秒] そのら そうかなぁ・・・/// [19時 30分 11秒] なっくす そうだよw [19時 30分 24秒] なっくす 口の中に出していい?w [19時 30分 41秒] そのら うん、いっぱいだして・・・ [19時 30分 52秒] なっくす 全部飲み込むんだよw [19時 31分 8秒] そのら が、がんばるっ [19時 31分 23秒] なっくす どぴゅっ! [19時 31分 34秒] そのら んっ! [19時 31分 55秒] なっくす 飲めた?w [19時 32分 2秒] そのら ごく・・・ごくん・・・こんなにいっぱいだめだよぉ・・・ [19時 32分 10秒] なっくす えろいww [19時 32分 32秒] なっくす じゃあ次は下の中に出すねw [19時 32分 49秒] そのら やさしくしてね・・・ [19時 32分 54秒] なっくす うんw [19時 33分 3秒] なっくす ゆっくり入れるねw [19時 33分 12秒] そのら うん [19時 33分 14秒] なっくす ずぶ・・・ [19時 33分 20秒] そのら あっ・・・ [19時 33分 26秒] なっくす ぬちゅぬちゅ・・・ [19時 33分 42秒] そのら あっ・・・や・・・声がでちゃうっ [19時 33分 47秒] なっくす ぐちゅっw [19時 33分 59秒] なっくす 全部入ったよw [19時 34分 4秒] そのら んん・・・ [19時 34分 18秒] なっくす どんな感じ?w [19時 34分 37秒] そのら ちょっと痛いけど・・・へんなかんじ・・・/// [19時 34分 44秒] なっくす そっかw [19時 34分 48秒] なっくす じゃあ動いてみるねw [19時 34分 59秒] そのら そっとね? [19時 35分 3秒] なっくす わかったw [19時 35分 9秒] なっくす ぬちゅっ・・・ [19時 35分 25秒] そのら ぅん・・・ [19時 35分 38秒] なっくす ぐちゅっ・・・ [19時 36分 2秒] そのら あぁっ・・・ん・・・ [19時 36分 9秒] なっくす 胸も触るねw [19時 36分 19秒] なっくす ムニュムニュッw [19時 36分 37秒] そのら やぁ・・・っん・・・ [19時 36分 38秒] なっくす ぎゅぅーっw [19時 36分 55秒] そのら くぅ・・・はぁん・・・ [19時 36分 56秒] なっくす エロい声出まくってるよw [19時 37分 6秒] そのら うるさいうるさいっ/// [19時 37分 13秒] なっくす 中に出すねw [19時 37分 39秒] そのら 今日はだめな日だけど・・・ [19時 37分 39秒] なっくす ちょっと激しく動くからw [19時 37分 46秒] そのら いいよ・・・しかたないなぁ・・・もう [19時 37分 50秒] なっくす ありがとw [19時 38分 3秒] なっくす パンパンパンッw [19時 38分 12秒] そのら あっあっあっ・・・ [19時 38分 13秒] なっくす ぐちゅぐちゅっw [19時 38分 23秒] そのら ん・・・ [19時 38分 24秒] なっくす 中にいっぱい出すねw [19時 38分 35秒] そのら う・・・うん・・・ [19時 38分 47秒] なっくす ドピュドピュゥッw [19時 39分 8秒] そのら あ・・・あぁぁぁぁぁ! [19時 39分 33秒] なっくす 気持ち良かったw [19時 39分 34秒] そのら はぁ・・・はぁ・・・ [19時 39分 47秒] なっくす 大丈夫?w [19時 39分 58秒] そのら うん・・・やさしくしてくれたから・・・ [19時 40分 8秒] なっくす よかったw [19時 41分 17秒] なっくす そのらさんもしたくなったら言ってねw [19時 41分 26秒] そのら うんw [19時 41分 39秒] なっくす ありがと^^ [19時 41分 58秒] なっくす 8時くらいに家出るからそろそろ落ちてもいい?w [19時 42分 11秒] そのら いいよw [19時 42分 16秒] なっくす ごめんねw [19時 42分 24秒] なっくす 今日はありがとw [19時 42分 31秒] そのら はーい [19時 42分 40秒] なっくす じゃあまた^^ [19時 43分 17秒] なっくす様が退場しました。 [19時 43分 17秒] メンバーがいません。 キーワード:オ○ニー、綺麗な体、上手、中 第3なっくす ~不在着信~ Talesweaver Messenger Log Date 2010年 6月 13日 [17時 17分 27秒] なっくす様が入場しました。 [17時 17分 29秒] なっくす こんばんわw [18時 18分 42秒] なっくす 落ちますねw [18時 18分 45秒] なっくす ではまた^^ [18時 18分 55秒] なっくす様が退場しました。 [18時 18分 55秒] メンバーがいません。 なんかしつこくきて面倒に思ったら1 1拒否、メッセ削除でこの企画は終了します。 あ
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不定期イベ「おにごっこ」 大盛況のうちに(?!)終了しました、「第1回 無限おにごっこ@司隷(おまけ涼州)」 前回までの概要・ルールをのせておきます。(違ってたらご指摘ください。) 残念ながら前回参加できなかった方は、リキさんのおにごっこ動画でお楽しみください♪ 場所:司隷全域 制限時間:20分 参加費:蒼玉2個 1. 鬼1人version ・・・ 鬼は一人。あとは全員逃げ。 制限時間内に捕まらないよう、鬼から逃げ切りましょう(鬼に簡易回復されたら、捕まったことになります) 全員捕まえたら、鬼の勝ち! <逃げる人の条件> 馬使用禁止 地図使用禁止(ただし、最大に拡大した小地図は可) サーチマクロ可 自動(俊足・俊足改)禁止 防具・装備品なし 疾駆・徒党疾駆・疾駆札あり(ここは戦術Lv.差があるので変更必要?) mobに倒されたら終了(鬼に捕まってなくても) <追いかける人の条件> 馬使用可 地図使用可 自動(俊足・俊足改)可 防具・装備品なし 疾駆1・徒党疾駆1可(疾駆札は?) mobに倒されても続行可(祠復活、活用してましたね) 2. 逃げ鬼1人version ・・・ 逃げ役1人で、あとは全員追いかける側 ↓フレと一度やったときの条件を書いておきます↓ 制限時間内に全員で鬼を追いかけて捕まえましょう(鬼に簡易回復したら、捕まえたことになります) 捕まえられなければ、鬼の勝ち! <逃げる人の条件> 馬使用可 地図使用可 自動(俊足・俊足改)可 疾駆・徒党疾駆・疾駆札あり 防具・装備品可 <追いかける人の条件> 馬使用禁止 地図使用可 サーチマクロ可 自動(俊足・俊足改)禁止 防具・装備品可(移動速度上昇可) 疾駆・徒党疾駆・疾駆札なし 第一回鬼ごっこ動画 みんなで公平に楽しめるようなルールにしたいので、次回はこうしたほうがいいよっていう ご意見・ご要望・ご感想などお寄せください~。(by ミル) あんきさんだけは今の仕様で捕まえる自信ないですw - liquid 2010-03-07 11 45 06 戦術45がこんなところで役に立つとは思っていませんでした - あんき 2010-03-08 07 34 21 名前
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鬼ごっこ 鬼ごっこ アクション シンボル:白 必要コスト<白:2 無:0> 全てのプレイヤーは、任意の枚数の自分のキャラクターを指定する。 このターン、この効果で指定したキャラクター以外は、戦闘に参加できず、指定したキャラクターは可能な限り戦闘に参加しなければならない。この効果は、第一配備フェイズにしか使用できない。 (キャラクター指定は、手番から行う) 純真なチルノは思い込むことによって鬼にすらなる‐三月精「回顧録」‐ illus:俺と海 コメント 関連
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北方ゆっくり戦史 二つの群れ 58KB ギャグ 群れ 希少種 自然界 現代 独自設定 うんしー ぺにまむ 自然描写メインじゃないのでご注意ください 作:神奈子さまの一信徒 群れの統制と群れ同士の争いについて書いてみたくなり、投稿してみました。 注意点:パロディがひどいです。 独自設定満載です。 長いです。 クラシック好きな人への推奨BGM シベリウス交響曲第6番 『北方ゆっくり戦史 二つの群れ』 プロローグ1 とある北の町に一匹のゆっくりがいた。 ゆっくりを飼っていたのは、昔気質の、質実剛健な独居老人だった。 老人は自分のもとを離れた娘と同じ名前という、だたそれだけの理由でそのゆっく りを飼っていた。 そのゆっくりは老人のことが大好きだった。 老人はゆっくりのことを可愛がってくれたし、何よりたくさんのお話を聞かせてく れた。その話には、老人の大好きな歴史の話や、戦時中の苦労談、小学校の国語の 教科書に載っているようなお話まで含まれていた。 だが、そのゆっくりにとって生涯最高の時間は長くは続かなかった。 ゆっくりが老人のもとに来てから半年も経たないうちに、老人が天に召されたので ある。 初めて会った老人の親族たちは、そのゆっくりがバッジを持っていないことを確認 すると、ある程度の食糧を与え、老人の家から追い出した。 老人の葬儀がしめやかに行われた後、ゆっくりはまるで墓守のように、老人の奥都 城(神道様式の墓)を守り続けた。意外に知られていないが、墓地には、そのお供え 物を求めて野良や野生のゆっくりが出没、場合によっては棲み付いているのである。 ゆっくりの頭では人間の文化や生活様式を理解することはできなかったものの、そ のゆっくりは近くの野原や林で取れる草や木の実を食べながら、老人の最後のゆっ くりぷれいすとあまあまを守り続けた。 ある日、野良ゆっくりの群れが墓地へとやって来た。 あまあまを独り占めしている生意気なゆっくりがいるとの通報に野良の群れのボス が動いたのである。 そのゆっくりは逃げた。 「三十六計逃げるにしかず」 それは老人の教えてくれた言葉の一つだった。 墓地のお供え物を食い荒らす野良ゆっくりたちに復讐を近い、そのゆっくりは仲間 を探した。 自身の弱さを悔いたそのゆっくりは故老人が読んでくれた一つの絵本を思い出した。 それは、弱い魚たちが一致団結して、一匹の大きな魚となり、強い魚を撃退するお 話だった。 弱いゆっくりたちが、強いゆっくりに媚びるのではなく、一つの生き物、一つの群 れとしてゆっくりすることで、強いゆっくりに対抗する。 それがそのゆっくりの出した結論だった。 この考えは、もとになった絵本から「すいみずむ」と命名された。 そのゆっくりは、野良ゆっくりの中でも上層部に反抗する気概を持つものを探した。 それはすいみずむに感化されたゆっくりたちであり、様々な理由から親に見捨てら れた捨て子たちであり、なんとか動けるものの、誰からも振り向かれずに町の片隅 で生きていた軽度の奇形ゆっくりたちであった。 彼らは機を見計らい、反撃した。 みょん種やまりさ種といったある程度武器らしいものを上手に扱える種族が敵の主 力に喧嘩を吹っかける。 そして、その隙に群れの巣が固まっていた路地裏を、捨てられ、邪険され、今まで ゴミみたいに扱われて憎しみに凝り固まった捨て子や奇形ゆっくりたちが奇襲した。 捨て子も奇形ゆっくりも遠慮をする必要性を全く感じなかった。 親の帰りを待つ子ゆっくり、赤ゆっくり、子供たちの世話をする母ゆっくり みんな永遠にゆっくりさせた。 仇敵の大切なものを奪うだけ奪い取り、彼らは町を脱出した。 もとより、完全勝利は戦力差から不可能と踏んだ上での、精一杯の嫌がらせであっ た。 彼らは予め用意しておいた発泡スチロールの船で川を下り、人間もいない、野良ゆ っくりもいない自然の中へと漕ぎ出した。 彼らの理想のゆっくりぷれいす、新天地を求めて この旅は後に「長征たくさんゆっくり(ろんげすと・まーち)」と呼ばれることにな る。 プロローグ2 「ここを!まりさたちの新しいゆっくりぷれいすとするよっ!!!」 ドスまりさはとある森の中で高らかに宣言した。 ドスまりさ率いる群れは、もともとは山に住んでいたのだが、ネズミやエゾリス による食糧の盗難、越冬前のヒグマによる攻撃、エゾシカやキタキツネとの食料資 源をめぐる競合に耐え切れず、新たなゆっくりぷれいすを探して旅立ったのである。 彼らが行き着いた先は、低地の湿原近くの森だった。 ここならば、山から遠いため、ヒグマがやってくることはほとんどない。その上、 生態的地位が成体ゆっくりと部分的に競合するキタキツネやエゾシカもあまりいな いようだった。 「ここはきつねさんもしかさんもほとんどみかけないよっ!きっとドスたちがあま りにもゆっくりしているもんだから、怖くて逃げたんだよ!ここならきっとみんな でゆっくりできるよ!」 森の中の爽やかな空気、新緑と豊富な昆虫類、透明でかすかに甘い天然の良水、全 てがゆっくりたちを称え、ゆっくりしていってねと語りかけてきている。ここはま さにゆっくりたちがゆっくりするために用意された約束の地だった、ドスまりさは そう感じ、涙とうれしーしーを垂れ流した。 「ここに!わたしたちの楽園を築き上げるのよ!!!」 ドスまりさの宣言に、参謀であるぱちゅりーが続く。 ぱちゅりーはかつて町で飼いゆっくりであったのだが、せっかく飼い主をゆっくり させてあげようと産んだ赤ゆっくりを飼い主が気に入らなかったために、赤ゆを潰 された上に、捨てられてしまった悲劇のへろいんだった。 その顔には飼い主の理不尽な怒り(ぱちゅりーはそう認識していた)によって「ゲロ 饅頭」と油性ペンで殴り書きされていた。彼女は長きに渡ってゆっくりさせてきた にもかかわらず、このような仕打ちをした人間を恨んだ。 そこで、この群れで、愛の精神を説き、人間たちがうらやむような地上の楽園を作 り出そうと堅く決意していた。 その自慢の智謀によってドスまりさに取り入り、参謀としての地位を得たのは、そ の第一歩に過ぎなかった。 「じゃお~ん!」 「じゃおおおおおおおんっ!!!」 ゲロぱちゅりー、略してゲロりーと共に町から出てきためーりん姉妹も新しいゆっ くりぷれいすに雄たけびを上げる。 この群れの一ゆっくりであるちぇんは、幹部たちの自信と希望にあふれた様子に、 これから始まる、新しい、希望に満ちたゆっくりらいふを信じて疑わなかった。 「ちぇんはここですてきなひびをおくるんだねー!わかるよー!」 本編 1 ここは寒流に洗われ、冬には流氷が妖精と共に流れ着く北方の広大な島。 その大地には多くの原野が今も昔のままの姿を残し、北国の生命は儚くも精一杯息 づいていた。 ここでもゆっくりと呼ばれる饅頭たちは、厳しい気候の中、野生で生き、食べ、歌 い、跳ね、戦い、そして死んでいた。 これはそんな北の島の広大な湿原地帯で生きるゆっくりたちの悲喜劇である。 ここは人の手がほとんど加わっていない大湿原。 沿岸から山奥まで流れる河川の、無数の支流によって形成された複数の湿原の一つ である。 ありすたちが属する群れ、「かわのむれ」は、川の下流に位置する湿原とその背後 に広がる森の周縁部を生活の舞台としていた。 一口に湿原と言っても、水がひたひたと地面を覆い、水草が繁茂しているような場 所では、当然のことながらゆっくりは生活できない。ゆっくりが生活圏としている のは、湿原の中でも地面がしっかりしている部分か、湿原と周辺の森林の境界付近 である。 秋、子ありすは父であるまりさ、母であるありすと共に、来る冬篭りに備えて、食 糧を集めていた。 「おちびちゃん!今日もどんぐりさんを集めに行くよ!どんぐりさんがないととー みんしている間ゆっくりできないんだよ!!」 「ゆっくりりかいしたわ!どんぐりさんはとかいはなのね!」 ありすはいつものように、湿原のあちこちにある水たまりに近寄り過ぎないように 跳ねながら、湿原縁辺部に発達しているミズナラの林でどんぐりを集めていた。 生育する植物の量・季節が寒冷な気候によって制限される、この北の島において、 どんぐり類は多くの動物、特に越冬前の食糧として重要な位置を占めている。 どんぐり類の豊凶がクマの冬眠後の生存率を決定するとも言われているほどだ。 「ゆゆ!?むしさんがたべた穴のあるどんぐりさんはゆっくりできないから、ゆっ くり見分けてね!!」 「ゆっくりりかいしたわ!」 ありすはせっせとどんぐりを拾い、口の中に蓄えていった。虫食い穴のある痛んだ どんぐりは避ける。冬眠中に大事な食糧を虫に食われるのはいただけないからだ。 また、トドマツなど針葉樹の葉も拾い集める。これは冬眠する巣穴の中でベッドと なる。 「ゆ!!!まいたけさんはゆっくりできるよおおおおっ!!!」 まいたけを見つけた嬉しさのあまり、ダムが決壊したかのようにうれちーちーを流 す父まりさ。 きのこはまりさ種の大好物である。まりさ種、特に野生に生きる個体はきのこに対 する視覚的・嗅覚的識別に優れており、地方によってはきのこ狩りの際、しっかり と教育を施したまりさを連れてでかけるほどである。 まるでトリュフ狩りの豚だが、森で生きる群れにとって、このまりさ種の能力は食 糧を集める上で貴重であった。 「まいたけさんはだいすきだよおおおっ!!くんかくんかくんかくんか…」 父まりさは自らのうれちーちーで濡らしてしまったまいたけをホクホク顔で帽子の 中にしまいこんだ。しかし、そのくんかくんかしている臭いは自分のしーしーの臭 いなのではないだろうか… 「ゆゆ~…おとうさん、もう食べられるどんぐりさんはほとんどないわ…」 ありすのため息に舞い踊っていたまりさも我に返る。 「ゆゆゆ!?それは困るよ!ぶじにとーみんするためにはまだごはんさんが必要な んだよ!」 今年は奇妙な年なのだ。 どんぐりだけでなく、木の実の量が少ない。さらにいつもならまだ緑色のコケがカ ーペットのように湿地を覆っているはずなのに、みな枯れて褐色になっていた。 その上、水も変な味がする。ここの湿原の水は堆積した泥で濁っているものの、水 そのものはとてもきれいであり、澄んだ表層の水は長くに渡り、ゆっくりたちのの どを潤してきた。 それなのに、今は水が美味しくない。かつてのように澄んだ水ではなかった。 なにか、ゆっくりできないことがおこりつつある… ありすは子供心にそう思ったが、その不安が直感以上のものに精錬されることはな かった。 「とにかく、ごはんさんがないことにはゆっくりできないよ!!くささんでも、お いしくない木の実さんでも、たくさん集めるよ!!!」 「ゆっくりりかいしたよ!!ありすは笹の葉さんを集めるわ!」 笹の葉は頑丈でおいしくない。その上、よく噛まないと、繊維がのどに刺さり、吐 き気を催す厄介な草である。しかし、食べ物の制限されたこの北の大地において、 簡単に手に入る笹の葉やコケの類は一年を通じて貴重な食べ物だった。 当然集めた葉や苔の類は、そのほとんどが越冬中に枯れてしまい、大した栄養価も 味も期待できないものになってしまうのだが、現状では贅沢を言う余地はなかった。 「おとうさん、もしこのゆっくりぷれいすでごはんさんがとれなくなったら引っ越 すの?」 ありすは何気なく聞いてみた。 「ゆぅ…それはできないよ!ここはごはんさん集めるのは大変だけど、とてもゆっ くりできるゆっくりぷれいすなんだよ!!」 ごはんさんがなければ、ゆっくりできないのではないか? ありすはそう思いこそすれ、口には出さなかった。 寒冷な気候下にある北の大地は、食糧資源に恵まれた土地がないわけではない。冬 こそ、まるで時間が止まったような静けさが一面を包むものの、山の中や森の中に は木の実や果実にあふれており、ヒグマを頂点にいただく巨大な生態系が築かれて いた。 だが、そこに脆弱な饅頭である、ゆっくりが入り込めるかは、また別問題だった。 森の中には、ゆっくりを捕食できる上位捕食者や、ゆっくりと生態的地位が競合す る雑食・草食動物が棲息している。その一方で、この湿原における上位捕食者は魚 食性の渡り鳥や、猛禽類であり、それらはゆっくりを狙うことは稀であった。 そのため、ゆっくりたちにとってこの湿原は、一定のサイズ以上にまで成長してさ えしまえば、捕食の危険性とはほぼ無縁なゆっくりぷれいすなのだ。 その代わり、湿原での食糧は、周縁部のどんぐり林を除けば、苔や水辺の植物が主 であり、とても多数のゆっくりを養えるような場所ではなく、水辺であるが故の危 険も存在する。 つまるところ、比較的安全ではあるが貧しい土地であり、上位捕食者の不在は、所 詮、この地の生産力がその程度であることを示していた。 結局、ありすと父まりさは、まりさのしーしーでデコレーションされたまいたけ以 外、大した餌を見つけることも出来ず、葉っぱの類を大量に集めて帰ってきた。 「ゆっくり帰ってきたよ!」 ありすたちの一家が巣としているのは、湿原周縁部に位置する複数の横穴の一つで ある。この辺りの地盤は溶岩流が冷えて固まったものであり、ゆっくりの巣に適し た窪地や洞窟が豊富に存在していた。 「ゆっくりおかえりなさいっ!!」 母ありすは、冬に備えて床一面にトドマツの葉を敷き詰めている最中だった。 枯れ草で作ったベッドには、柔らかな葉とつる植物で編み上げたシーツがかかって いる。同じ作りのシーツが貯蔵してある食糧の上にもかけられているが、これは時 折、ゆっくりの巣内に侵入するエゾリスが食糧を掠め取るのを防ぐためである。 「ゆ!ふかふかのゆかさんはとかいはね!!とってもゆっくりできるわっ!!」 ありすは敷き詰められたトドマツの葉を見ると大喜びで巣の中を跳ね回った。跳ね るたびにあんよにふかふかとした感触が伝わってくるのが楽しいようだ。 松といっても、トドマツの葉は、我々が一般的に松葉といってイメージするような ものよりも軟らかく、一部では枕の中身として使われているくらいである。今年生 まれたありすには、トドマツの葉を敷き詰めた床は初めてのことであったが、この 辺りに棲むゆっくりたちにとっては、お馴染みのクッションであった。 「ふかふかよおおおおっ!!!ゆゆゆゆ~ん!!!」 ありすはこの敷物が相当気に入ったのか、ごろごろとゆっくり敷物の上を楽しそう に転がっていた。 「ゆゆ~ん!まりさのおちびちゃんはほんとうにゆっくりしているよ!」 なかなか食糧が集まらない、という不安も忘れて、ついつい我が子の可愛い様を眺 めてしまう父まりさ。 だが、ずっと巣の中を掃除したり、近隣の奥様方と情報交換をしていた母ありすは 狩りの成果が気になってしまい、我が子の可愛い姿に見とれている暇はなかった。 「ゆ?ありす?…ああ~ごはんさんは全然ゆっくりしてなかったよ…」 そう言って父まりさは帽子の中から葉っぱや苔を取り出す。 母ありすは軽くため息をついた。現時点で、去年冬眠したときの七割程度の食糧し か集まっていないのである。 過去にも、どんぐりの凶作によって、群れの食糧事情が冬眠前に困窮したことはあ った。 しかし、今年はゆっくりぷれいすの様子がおかしい、と言われていた。 どんぐりが少ないだけではなく、立ち枯れを起こしつつある木々も少なくなく、そ してなんとか集めてきた葉っぱも、なんとなく萎びている。 ゆっくりぷれいすがまるでゆっくしていないみたいなのだ。 「でもまいたけさんがとれたよ!まいたけさんはゆっくりできるよっ!!」 「ゆゆ!すてきなまいたけさんね!!とってもとかいは…?」 それはそれは立派なまいたけだった。そこはかとなく、まりさのしーしー臭いのを 除けば。 「どぼじできのござんがらばでぃざのしーしーのにおいがずるのお゛ぉ↑!!?」 母ありすは驚愕した。越冬用の貴重な食糧から愛する夫のしーしーの臭いがすれば 誰だって驚愕するだろう。 「ゆゆ!!?や…やっちゃったんだぜ!!!(キリッ」 母ありすは黙って床に敷き詰めてあったトドマツの葉がついた枝の一房を取ると、 父まりさのあにゃるに差し込んだ。 「ゆぎょおおおおおおっ!!!見える!見えるよ!まりさにも見えるよ!」 何やら新しい世界でも切り開かれてしまったのか、父まりさは目を見開き、何やら 意味不明なことを叫んでいる。 「キリッじゃないでしょ!!?大事なごはんさんでしょ!!?」 母ありすは容赦なく、差し込んだ枝を右へ左へとぐりぐりした。 「ゆっほおおおおっ!!!くるよぉ!!新世界がぁ!…」 「ゆっくりはんせーしてねっ!!」 母ありすはとどめとばかりに、枝を一押しする。 「あ゛ーっ!!!」 父まりさはよだれと涙を流して気絶してしまった。父まりさは伴侶としても、父親 としても水準以上なのだが、少々おびゃきゃなところが玉に瑕だらけだった。 その数日後、日中にも関わらず、気温がマイナスの値を記録するようになり、雪が 降り始めた。 直感的に冬眠のシーズンが到来したことを悟ったゆっくりたちは、食糧の収集を諦 め、一つ、また一つと巣が塞がれていった。 冬季、この寒冷な土地に棲むゆっくりたちは洞窟や地面に掘った穴に篭り冬眠して 冬をやり過ごしていた。 冬眠は単なる越冬とは違い、文字通り、冬、早い個体は11月後半から3月頃まで 代謝を低下させてほとんど眠って過ごす。時折、断続的に起きては食糧を少々齧り、 排泄を済ませてからまた眠る。そのような行動を春が来るまで繰り返すのである。 また、冬眠中は、代謝を極限まで低下させると共に、代謝によって生成されたしー しーからの水分再吸収も行われるため、水分もほとんど摂取せずに冬を乗り切るこ とが出来た。 この冬眠は餌事情の厳しい寒冷地に適応したゆっくりにのみ見られる行動であり、 通常の越冬よりもエネルギーの消費は少なく、少ない食料で冬を越すことが出来る のだ。 ただし、冬眠は利点ばかりではない。一年の四分の一から三分の一を眠って過ごす ため、成長速度は遅くなり、より温暖な地域に棲息しているゆっくりと比べると、 一年間に生まれる赤ゆの数も半分程度と考えられている。 「それじゃあ、巣の入り口をふういんするよ!」 「はるまでおそとさんとはおわかれなのね!ゆっくりありすを待っててね!」 父まりさと母ありすは、頑丈そうな棒きれや枝に唾液を絡め、これを接着剤として 巣の入り口を固めていく。この唾液は乾燥すると固まり、固まった唾液と枝などが 冬眠中のゆっくりの巣を外敵から守る盾となるのだ。 「じゃあ、ゆっくりおやすみなさい!」 「「ゆっくりおやすみなさい!」」 冬眠前、最後の挨拶を交わし、子ありすとその両親は冬眠に入った。 結局、今年はいつもより少なめの食糧、栄養価の低い食糧をやりくりしながら、ゆ っくりたちは冬眠することになった。それはありすの一家だけでなかった。 ありす一家が眠りについた数日後には、この北の大地を猛烈な吹雪が襲った。 ユキウサギやキタキツネ、さらに北方から渡ってくる渡り鳥を除けば、湿原を、い や、この純白のベールで閉ざされた大地に動くものはない。ただ、氷と凍てついた 大気が奏でる無言歌の無機的な調べだけが天から降り注でいていた。 2 春が来た。 万願成就の春が来た。 父まりさと母ありすは、巣の入り口にフタを形成している自身の唾液だったもの をゆっくりと舐め、唾液によって結合されていた棒切れや枝を解きほぐすように 外してくる。 「ゆゆ!!春のおひさまだよ!!!」 「春のおひさまはぽーかぽーか…とってもとかいはね!!」 半分ほどフタを解きほぐしたところで、外から暖かい光が差し込んでくる。まだ 外気は冷たさを残しているものの、そこにはむわっとするような強烈な土と水の 臭い、むせ返るくらいに狂暴な春の臭いが満ち溢れていた。 ありすは初めての冬眠を無事終えた喜び、再び外の光に出会うことが出来た喜び と共に、外から差し込む光に呼びかけた。 「おそとよ!ありすはかえってきたよ!!」 雪解けの水が軽やかなタランテッラを奏で、凍てついた大地の心を解きほぐす春。 新しい緑が、真っ白な雪の中から、褐色の大地の中から顔を出す春。 時に激しく、時に優しい春風が新しい命を、長い冬を耐え忍んだ命を祝福するか のように愛撫する春… しかし、ゆっくりたちが見たのは「沈黙の春」であった。 新しい緑色のドレスを羽織るはずの木々は立ち枯れ、緑色のカーペットが敷かれ るはずの湿地には、褐色と灰色の植物だったものが渦巻く怨嗟の声のように堆積 していた。 「どぼじで…どぼじではるなのにごはんざんないのおおおおおお゛っ!!?」 「くささんがぜんぶかれてるよぉ~っ!!わからないよぉ~っ!!!」 「ごはんざん~っ!!!ごはんざんないとゆっぐりでぎないぃっ!!!」 湿原のあちこちでゆっくりたちの絶望の声が響く。 自然はいつも変化している。 ゆっくりたちは知らなかったが、この湿原は年々少しずつ沈下しており、それに 伴い周縁部から海水が侵入していたのである。それでも今までは砂州や湿地の地 形が海水の湿原への本格的な介入を阻止してきた。 その地形による防御が越冬中の地盤沈下によってついに崩れ、この湿原に膨大な 量の海水が侵入、湿原の植物たちを枯死させてしまったのである。 唯一、汽水域でも生育が可能なヨシはなんともないようだったが、この季節はま だ褐色の葦原が広がっており、食糧としての価値はなかった。 「ゆっぎゃあああああああああっ゛!!!じょっばいっ!!!おみずざんがゆっ ぐりできないいいいいっ!!!」 空腹に耐え切れず水を飲んだのであろう。一匹のゆっくりがその塩辛さに悶え、 転がりまわる。 「むーしゃ…むーしゃ…まじゅいぃ…ゆっくりできないよおおおおおっ!!」 なんとか変色した草を口に含むも、既に枯れており、瑞々しい新しい緑の味を期 待していたゆっくりたちは落胆し、明日を悲観した。 「ごはんさんっ!!!みどりいろのくささんやおはなさんをたべたいよおおおお おおっ!!!」 「ゆっぐりできないいいっ!!!ごんなのどがいはじゃないいいっ!!!」 ゆっくりたちが冬眠のために体内に蓄えておいたエネルギーはほとんど使い果た されてしまっており、越冬後、いかに栄養を摂取するかは、ゆっくりの生死を左 右する問題でもあった。通常の越冬よりも生存率が高いとも言われる冬眠だが、 その分リスクもあり、冬眠から覚めた後の生存率は、通常の越冬と大差ないとい う報告もある。 「ゆゆ~ぅ…なんじゃかちょうしわるいよ…」 また、排泄の問題もある。長い冬眠によって、ゆっくりの体内には古い餡子が溜 まってしまっており、冬眠後すぐに水気の多い草を食べることで、うんうんしー しーの排出を促す必要があるのだ。 群れによっては、冬眠から覚めた後、アルカロイド毒を含むミズバショウを少量 食べることで下痢を起こし、強制的に古い餡子を排出する習慣を持っている。こ れは越冬後のヒグマと同じ行動である。 しかし、この湿原にはミズバショウは生えていないため、ゆっくりたちがすっき り春を迎えるには、大量の繊維質と水分を摂取する必要があった。 「ゆゆぅ…なんだかきもぢわるいわ…」 母ありすも古い餡子がたまっているせいか、動きが鈍く、巣の中に戻ってしまっ た。 「ゆゆ!?ありすはゆっくり休んでいてね!!まりさは一家のおんばしらだから ゆっくりしないでごはんさんを探しに行くよ!!」 大黒柱と言いたかったらしい。だが、どこに行っても目にするのは沈黙の春。 辺りを覆っていたトドマツはそのほとんどが立ち枯れを起こしており、なんとか 緑色の新芽を出している木ももう長くは持たないように見えた。 トドマツに巣を作っているはずのエゾモモンガやクマゲラも姿は見えない。 「おとうさん、おかあさん!ありすはどんぐりさんの森に行ってみるわ!」 「ゆゆ!気をつけてね!」 「ゆっくり行ってきてね!」 ありすは秋にどんぐりを拾いに行ったミズナラ林にまで跳ねていった。 しかし、ミズナラなどのどんぐりの木が餌の供給源となるのは、秋の間のみであ る。今は季節が季節なので、どんぐりは落ちていなかった。ありすは必死に林の 中を跳ね回り、秋に落ちたどんぐりから出たのであろう若い新芽を数本集め、巣 へと持ち帰った。 「ゆゆゆっ!!!さっすがまりさのおちびちゃんだね!!」 「ありがとうおちびちゃん!これできっとぽんぽもすっきりするわ!!!」 「ゆふふ!うれしいわ、おとーさん、おかーさん!もっとありすをほめてね!」 父まりさと母ありすはこの緊急時に、単独で餌を採ってきた我が子の優しさに頬 を緩ませた。ありすの採ってきたどんぐりの新芽は少々硬かったが、古い餡子を 押し出す刺激としては十分だった。 父まりさは早速便意を催したようだ。 「ゆゆ!?きたよおおおおっ!!!おとーさんはうんうんして(ぶぴゅっ)すっき りしてくるよ(ぶりっ)!!!」 父まりさはあんよで優雅にステップを踏み、鼻歌を歌いながらうんうんするため にお外へ向かう。だが、気づいてか、気づかずにか、父まりさが動く度に、あに ゃるでうんうんが小噴火を繰り返していた。 ぶりっぱっ そして次の一発が母ありすの顔面を直撃する。 「おとーさんはすっきりおとーさんになるよぉ♪…ゆ?あり…す…?」 「くぉぬぉっ!!う゛ん゛う゛ん゛ぶぐろ゛がああああっ!!!」 母ありすの憤怒の形相に驚いた父まりさが、思わずぶりりとうんうんを噴出する。 「ゆゆーっ!!!ありず!!うんうんぐざいよおおおおっ!!!」 「おまえのせいだろうがあっ!!!どんだけしまりがわるいんじゃああっ!!!」 母ありすは怒りに任せて巣にフタをしていた枝の一本を父まりのあにゃるにぶち 込む。 「ゆっほおおおおおっ!!!せっがぐぎもぢよぐうんうんずるどごろだっだのに いいいいいっ!!!」 「もうしてるだろがっ!!!」 父まりさは泣きながら外へ跳ねていってしまった。跳ねる度にあにゃるに突き刺 さった枝がぶんぶんと上下する。 「ゆんやああああ゛!!!」 どうやら着地した際に、枝が思いっきりあにゃるの中に入り込んでしまったらし い。父まりさはうんうんを漏らしながら気絶した。 「はあ…」 母ありすは深々とため息をついた。 次、同じことをしたら、父まりさが大事にしている帽子でうんうんを拭き取って やる、そう心に誓った母ありすであった。 無事?うんうんを排出できた父まりさはともかく、かわのむれ全体としては、水 も食糧も手に入らない、沈黙の春に困惑していた。 本来、冬の長い眠りから覚めたゆっくりの餡子を潤してくれるはずの、ふきのと うや新鮮な水草、苔などがまるでないのだ。冬の間に進行した海水の湿原への侵 入は、この辺りの植物を壊滅に追い込みつつあった。 また、湿原周縁部の林の中には、立ち枯れが相次ぎ、荒れ果ててしまった場所も 散見された。もうこの場所は水中に増え続ける塩のせいで、荒れていく一方であ り、回復する見込みはなかった。ひょっとしたら、現在の植生と入れ替わるよう に汽水環境の植生が現れ、そこにゆっくりも適応していくかもしれない。しかし 、それは短時間でできることではなく、ゆっくりたちの選択肢にも入ってはいな かった。 結局、ゆっくりたちは他の群れに受け入れてもらえないか相談することにした。 この辺りの群れは大きく三つ。 まず、もっとも河口側の湿地帯に住んでいるのが、今回、海水の浸入によってゆ っくりぷれいすを失うことになったこの群れである。 残り二つの群れはより上流側にゆっくりぷれいすを持っており、これらの群れの 生活圏は地盤沈下による打撃を受けていなかった。 川から離れた森の中にいるのが、ドス率いる「もりのむれ」である。 この群れは最近山から降りてきた群れである。彼らの新天地である森はミズナラ を主としたどんぐりの木によって構成されており、その豊富な恵み故に、この地 に定住したと言われている。 また、りーだーであるどすまりさは、大らかな個体であり、豊富な森の恵みの下 個性豊かなゆっくりたちがゆっくりしているとされていた。実際、3つの群れの 中では最大規模のゆん口を誇っているのである。 もう一つの群れは、森に隣接した沼沢地にゆっくりぷれいすを持つ、さなえ率い る「ぬまのむれ」である。 この群れは、さなえによる恐怖政治によって統治されており、群れの秩序を乱す ものは片っ端からせいっさいっされることで有名だった。 こちらはゆん口は3つの群れの中で最小であるが、優秀で善良な個体を選別する ことによって規律のとれた群れを作り上げていた。 かわのむれのゆっくりたちは、どちらの群れを頼るかで悩んだ。ゆっくりたちは 基本的にゆっくりしたがる。そのため、心情的にはドス率いるもりのむれに加わ りたがるゆっくりが多かった。 しかし、これからの季節は捕食種の活動が活発化する季節であり、、特に森に棲 む9匹のすかーれっと(れみりゃとふらんの総称)は「ナズグゆ」として恐れられ ていた。 「まりさはれみりゃやふらんに会ったことがないから、森での生活はゆっくりで きないよ…」 「ありすのおねーちゃんがぬまのむれのゆっくりと番になって生活しているわ! おねーちゃんをゆっくり頼りましょう!」 結局、ありす一家はぬまのむれに加えてもらうことになった。 緑色の支配者が君臨する湿原の群れに。 「それじゃあ、ゆっくり出発しんこーするよ!!」 棲み慣れた巣穴を放棄し、ぬまのむれが棲んでいる上流の湿原に向かうありす一 家。父まりさの帽子の中には、わずかに残った冬眠用の食糧と、母ありすが手間 暇かけて編み上げた、葉っぱのシーツが入っていた。 「おとーさん!おかーさん!いつかありすたちのゆっくりぷれいすが、またゆっ くりできるようになったら、ありすはここでもう一度ゆっくりしたいよ!!」 他の群れに受け入れてもらう、それがどういうことか、まだ小さいありすにはわ からなかったようだ。 最後に一度だけ、父まりさと母ありすは、二匹が出会い、愛を育んできたこのゆ っくりぷれいすを振り返った。 春の青空の下、かつて緑が広がった湿原は、くすんだ褐色の枯れ草と枯れ木で覆 われていた。 3 広大な湿原の中にある歪んだ三日月形の沼地、ぬまのむれはそこに棲んでいた。 もっとも、文字通り沼の中に棲んでいるわけではなく、実際は、その沼に張り出 した涙滴型の半島の中央、トドマツとミズナラが小さな林を形成している部分に 集中的に巣を設けていた。 ぬまのむれの巣がある場所にたどり着くには、ゆっくり数匹が横に並べる程度の 狭い陸橋を通っていく以外になく、陸橋には常に警備の兵ゆっくりが置かれてい た。この地形こそが、ぬまのむれのゆっくりたちの防備の要なのだ。 ありす一家がこの沼地にたどり着いたとき、既に日は傾きかけていた。ありす一 家は懸命に陸橋の入り口のところまで跳ねていく。 「ゆっくり止まってね!ここから先はおやかたさまの領土だよ!」 長い棒の先に打撃用の石を取り付けた武器を持ったまりさがありす一家の前に立 ちふさがった。 「御用があるならまりさがゆっくり聞くよ!勝手にこの先に入らないでね!」 「ゆゆ!!まりさはまりさだよ!ゆっくりしていってね!!」 「まりさもまぁるぃぃすぁだよ!!ゆっくりしていってね!!」 「ありすはありすよ!!おねーちゃんに会いに来たわぁ!」 兵まりさは困った顔をする。 「この群れにありすはたくさんいるよ!どんなありすか分からないよ!」 「誰よりもゆっくりの神々を信仰していたわ!!」 「…あ~ああ~…ゆっくり分かった気がするよ!呼んでくるからゆっくり待って てね!」 兵まりさが連れてきたのは、切り出した石材のようなごっつい容貌を持つありす だった。不細工とかそういうレベルではない。ごっついのである。 「おねーちゃん!!」 「!!?」 母ありすがそのようなごっついありすを姉と呼んだことに、父まりさは驚き、う んうんをぶじゅりと漏らし、唖然とした表情で嫁とその姉の顔を見比べていた。 「小生を呼ぶのは…かわいい妹ですね…ゆっくりしていってね!」 ごっつありすはその石像のような顔に優しい笑みを浮かべて妹に挨拶した。母あ りすは姉に現在のかわのむれの置かれた状況を説明した。そして、ぬまのむれの 一員となれないか相談した。 「事情はわかりました…しかし、この群れですべてをお決めになるのは神々の御 使いであるとかいはなさなえさまただひとり…小生が取り次ぎますから、ありす はゆっくり待っていってね…」 ありす一家はごっつありすに導かれ、群れを統率する「おやかたさま」さなえの 所へと案内された。 お館さなえは今まで見たどのゆっくりよりも冷たい目をしたゆっくりだった。 ありすは知る由もなかったが、その目はかつてとある島で強力な権力を築き上げ ようとしたとあるゆっくりのものによく似ていた。違う点はただ一つ、さなえは 決して笑わなかった。 「話はわかったわ。我の群れに入りたいと言うのですね…」 話を聞いている間も、口を開いてからも、お館さなえの目はずっと、氷が張って いるかのように無機質な光を放っていた。その隣では護衛だろうか?潰れた帽子 を深く被ったゆっくりできなそうなまりさが控えていた。 「まりさはずっと川の湿原でゆっくりしてきました。森の中ではどうゆっくりす ればいいのか分からないんです。」 「まりさとありすだけではおちびちゃんをゆっくりさせられません。群れに入れ てください!ゆっくりおねがいします!!」 父まりさと母ありすは必死に頭を下げた(実際は前屈みになっているようにしか 見えないが)。 自分達だけでは子供をゆっくりさせられないとは、聞きようによっては噴飯もの だが、この食糧の限られた土地で、互いに助け合いながらなんとか生きてきたゆ っくりにとっては正直な意見だった。 「おのれの弱さを知るや良し…いいでしょう、ゆっくりしていってね。」 お館さなえは何の感情も込めずにそう言った。 「ありがとうございます!!まりさたちはゆっくりしていくよ!!」 「さなえはとってもゆっくりしているわ!!」 お館さなえはありす一家を自身の群れに迎えるにあたって、条件を出した。 群れの掟の遵守である。お館さなえ率いる群れの掟は 一つ、ゆっくり殺しは絶対ゆるさなえ 一つ、ごはんの泥棒は絶対ゆるさなえ 一つ、敵前逃亡は絶対ゆるさなえ 一つ、れいぱーは絶対ゆるさなえ 一つ、ゲスは絶対ゆるさなえ の五か条である。 相手が例え、ゆっくりできないゆっくりに見えても、勝手にせいっさいっした場 合、掟破りとしてゆるさなえされることも忠告された。 これは、以前、風で帽子を飛ばされたまりちゃの集団が私刑によって虐殺されて しまったこと、そして、この群れのとある事情からできたルールだった。 さらに、安全のために狩りは集団で行うこと、巣一つにつき、母ゆっくりと赤ゆ 以外にはいざというとき兵ゆっくりとして捕食種や、ほかの群れと戦うことが義 務付けられる。実際、この群れは、数回の捕食種との戦闘に加え、去年の秋ごろ に近くの森に引っ越してきたドスの群れとの間で、餌場をめぐる国境紛争じみた 争いが何度か起きていた。 「群れの掟を乱した場合、実の妹とはいえ小生は容赦しません。ゆっくりりかい してね!」 「ありすはとかいはよ!姉さんを悲しませたりしないわ!」 「それはとってもとかいはですね…」 その後、父まりさは兵ゆっくりとしての任務につくことになった。兵ゆっくりと いっても四六時中動員されているわけではない。それでは餌を集めるゆっくりが いなくなってしまうからだ。 今のところ、父まりさは時折行われる訓練に水上戦力として参加するぐらいだっ た。 ありす一家は一刻も早く新しいゆっくりぷれいすを見つけたかったせいか、特に 抵抗なく、掟や兵役を受け入れたが、すべての移住ゆっくりがそうだったわけで はない。 「ふざけないでねっ!!」 ぬまのむれに入れてもらおうと、かわのむれからやってきたゆっくりたちの中に は、やれ掟だ、やれ兵ゆっくりを出せ、と注文の多さにゆっくりできず、怒り出 してしまうゆっくりもいた。このれいむとちぇんの番もその一例である。 「れいむはゆっくりするためにうまれたんだよ!!!ゆっくりできないるーるを おしつけるなんて、ゆっくりできないゆっくりはしね!!だからみどりはくずっ て呼ばれるんだよっ!!!神様がしっとするほどかわいいかわいいれいむをみな らってゆっくりしてね!!!」 「こんなにいろいろきまりがあってはゆっくりできないね~!分かるよ~!」 実際は、飼いゆっくりが主人から与えられる決まりごとと比べても、特に変な決 まりがあるわけではない。ただし、掟を破ったときに与えられる罰は、おしおき どころではなく、せいっさいっのだが。 「受け入れられぬというなら去ね。群れのことを心配できぬゆっくりはこちらも ゆっくりできないわ。」 お館さなえは興味がないとでも言いたげに一瞥すると、そっぽを向いてしまった。 「頼まれなくてもこんなところでゆっくりしないよ!わかってね~!!!」 「れいむはうたがっせんのしんぼるなんだよ!!そのれいむのぶーてぃふるヴぉ いすを聞けないことをゆっくりこーかいしてね!ばーきゃばーきゃ!」 このれいむとちぇんは口は悪いが、特にげすというわけではない。ただ、基本的 に野生のゆっくりは何かに縛られるのが嫌い。 というよりは、何か決まりを守る、というような教育を両親からされる場合の方 が少ないのだ。あまつさえ、かわのむれは群れといっても、いざという時助け合 う以外、自由な群れであった。 翌日、新しく与えられた巣穴をごっつありすが訪れた。 「姉さんようこそ!ゆっくりしていってね!」 「ありす!ゆっくりしていってね!」 ごっつありすはしげしげと、母ありすが作った葉っぱのシーツを眺める。それは、 かつての巣から持ち出したものであった。 「ありすは器用なんですね…小生ではこうもとかいはなものは作れません。おか ーさんに似たんですね…」 「ありがとう、姉さんにほめてもらうとゆっくり嬉しいわ!今度姉さんにも作っ てあげるわね!」 「それは…楽しみです…」 ほのぼのとした表情で妹と語り合っていたごっつありすの顔が変わる。何しにこ こへ来たのか思い出したようだ。 「さなえさまによると今日は雨が降らないそうです。ここに来たばかりで分から ないことも多く、ゆっくり出来ないでしょう。今日は小生と一緒にゆっくり狩り に行きませんか?」 さなえ種やすわこ種は雨を予知すると言われている。すわこが鳴いたら雨が降る とは、良く知られた迷信の一つである。しかし、生き物による天気予報に関する 迷信の中では的中率が比較的高く、近年は表皮上に持つ化学受容体によって、大 気中の水分を感知しているのではないかとも考えられている。 この群れの「おやかたさま」であるさなえは、この天気予知によって、ある種の 神性をゆっくりたちから得て、それを自身の支配に利用していた。もちろん、さ なえ種が感知できるのは、大気中の水蒸気の変化であり、雨が降るかどうかを直 接感知しているわけではない。だが、ある程度当たる、というだけでも、他のゆ っくりから信仰され、支配の正統性を得るには十分だった。 実際、お館さなえが群れを率いるようになった初期に、何匹かお館さなえの忠告 を無視して狩りに出かけたゆっくりが、雨によって永遠にゆっくりしてしまった ことがあり、それ以降、さなえによる天気予知に口をはさむものはいなくなった。 ごっつありすはありす一家を巣の裏側の湿原へと案内した。そこには見たことも ない露に覆われた小さな植物がびっしりと生えている。 「これはとてもゆっくりできない草さんです。ここには決して立ち入らないよう ゆっくりりかいしてね…」 「「ゆっくりりかいしたよ!!」」 次にごっつありすは一家をミズゴケの群生地帯へと案内した。 「もう少しぽーかぽーかしないと…おいしい草さんや花さんは生えてきません。 今はこけさんを食べてゆっくりがまんしてください…」 「むーしゃむーしゃ…それなり~…」 春先は貧食に耐えなければならないのは、湿原ならどこでも一緒である。しか し、夏に生まれたありすにはミズゴケは苦かったようだ。 「ありすせんせーっ!!!ゆっくりしていってね!!!」 ごっつありすの知り合いだろうか? 一匹の子れいむが元気良く挨拶して、跳ねて行った。 群れの何気ない日常の何気ない一幕のはずであった。だが、母ありすは気がつい た。そして、ぎょっとした、先程の子れいむは右目に瞳がなかったのである。 ごっつありすは妹の反応から、状況を悟ったようだった。 「小生はここに来る前から、きけいやすてごゆっくりの世話をしてきました。 どうかあの子をゆっくりできない子などと考えないであげてください。ここは掟 さえ守ればさなえさまのおかげでみんなゆっくりできるのです…」 ありす一家が回りを見回すと、他の群れなら捨てられているようなゆっくりたち が普通に暮らしていた。 飾りを喪失し、代わりに葉や木の実を身につけたゆっくり、片目がないゆっくり、 禿げ饅頭、明らかに遺餡子の異常で先天的に体の何かがおかしいゆっくり… さすがに動けないような重度の奇形ゆっくりがいないのは、重度ではそもそも生 きていけないからだろう。 「あちらに行きましょう。ぬまの草さんがとりやすい場所があります。」 ごっつありすは三匹のゆっくりの心の中に生じた波紋を察したかのように、別の 場所へと一家を案内した。そこは視界が開けた沼のほとりだった。 「ここはおみずさんがとっても静かだよ!!!これならまりさはお帽子さんで ゆっくりできるよっ!!!」 お館さなえたちの群れの居住区を囲むこの沼は波一つ立つことのない静かな沼だ った。 中には水上に帽子を浮かべ、器用に櫂を操って、ジュンサイを集めているまりさ もいる。 「もうちょっとがまんすればゆっくりできるごはんさんも取れるようになるから、 ゆっくり我慢してね!」 「おかーさん…ゆっくりりかいしたよ…」 がっかりする我が子に優しくすーりすーりしてあげる母ありす。そんな妹の姿を 姉のごっつありすも微笑ましげに見つめていた。 「ゆんやああああああああ゛!!!」 ゆっくりの悲鳴がありす一家の柔らかな空気を切り裂いたのはそのときである。 かわのむれから加入したゆっくりの中に早速掟破りが出現したのだ。 お館さなえの巣の前には、ツルで縛られた三匹のゆっくりが整列させられている。 番と思しきまりさとれいむ、その子まりさである。その周りには、騒ぎを聞きつ けたゆっくりたちが大勢集まり、あるものは怯えた視線を、あるもの好奇の視線 のこの舞台の主役たちに送っていた。 この番は、夏に生まれた子まりさが、ミズゴケをまずいと受け付けなかったため、 群れの備蓄の木の実に手ならぬ、舌を出してしまったのである。 「言ったはずです…泥棒は絶対ゆるさなえと…」 「うるさいんだぜ!このくそみどり!!まりさのおぢびちゃんはゆっくりしたご はんさんしか食べられないんだぜ!さっさと解放しろ!!さもないと痛い目にあ うんだぜっ!!!ぺっぺっぺ!!!」 自棄になっているのか、まりさは暴言を吐きつつ、お館さなえに向かって唾を飛 ばす。 お館さなえは唾がかかるのも気にせず、ただ冷たく、あんよをじたばたさせるま りさを見ていた。 「周りが見えないの?ゆっくりできるごはんなど、この季節にないわ…」 「みんなまりさの話を聞くんだぜ!まりさは見たんだぜ!どんぐりさんがいっぱ い集めてあったんだぜ!自分だけいい思いしようなんてまりさはゆるさないんだ ぜ!!みんなでこいつをせいっさいっしてゆっくりできるどんぐりさんをむーし ゃむーしゃするんだぜ!!!」 だが、まりさの呼びかけに答えるものはいなかった。 あるものは怯えた目で、あるものは妄信とすら思える眼差しで、あるものはただ 冷静に、この群れを率いるお館さなえを見つめているだけだった。 そして、お館さなえは、餌を蓄えるということを理解していないまりさにため息 を返しただけだった。 「なにやってるんだぜ!!!さなえをたおすんだぜ!!!そしてまりさをたすけ るんだぜ!!!」 このまりさは新入りの自分達がいきなり群れの掟を破って、周りから助けてもら えるとでも思っているのだろうか? お館さなえはあきれたように周りの兵ゆっくりに促す。 二匹のみょんが前に出てきて、鋭く尖った棒をまりさに突きつけた。 「ゆひいいっ!!!や!やめるんだぜ!!なんでこれくらいのことでまりさがこ んな目にあわなきゃいけないんだぜ!絶対おかしいんだぜ!!!」 あんよをじたばたと動かし、無駄と知りつつも逃げようとするまりさ。当然、縛 られたままで移動など出来るはずもなく、ただ、しーしーの染みが足元に広がっ ただけだった。 「まりさはおちびちゃんをおなかいっぱいにするために仕方なく盗んだんだよ! ゆっくりりかいしてゆるしてね!!!」 「ぱぱはつよいんだぜ!いまどげざすればまりしゃしゃまのどれいになるだけで ゆるちてやるんだじぇっ!!」 番のれいむと、二匹の子の子まりさがただならぬ事態に喚き始める。 「これはいただいておこう…」 お館さなえはそっと、まりさの帽子を取り上げた。罪人の帽子はそのまま水上部 隊に利用されるのだ。 「ゆわああああああ゛!!!かえぜ!!!まりさのだんでぃなおぼうじかえぜえ ええええええっ!!!」 「皆のものよく見ておきなさい、これが群れの掟を破ったものの哀れな末路よ!」 お館さなえの合図と共に、さっきからぷりんぷりんと動いていたまりさの尻に二 本の鋭く先端を尖らせた棒が差し込まれた。 「ゆっぎゃああああああああああああああああああああああ!!!ばでぃざの! ばでぃざのずぇくじーなおじりがあああああっ!!!」 「やべでね!!までぃざいやがっでるよっ!!!たじゅげであげでね!!!」 絶叫し、ぶんぶんとおさげを振り回すまりさ。それを心配し、必死に助けを求め るれいむ。 だが、この群れにおいては掟を破ってしまった時点で二度目はなかった。 「ゆえええん!痛そうだよ!ゆっくりできないよっ!!!」 あまりの惨状に思わず目を背けるありす。 「目を逸らしてはなりません!!!」 ごっつありすは、怯えるありすをぎょろりとにらみつけた。 「群れで生きるということは、時に自分たちのゆっくりも捨てなければならない ということ!それを理解できぬゆっくりを永遠にゆっくりさせるのもりーだーの 役目!!皆で楽しく生きることが群れの表の一面なら、群れのちつじょを乱した ものをせいっさいっするのは裏の一面!!!この両面があってこそ、とかいはな 群れとなるのです!!!」 「ゆっぴいいっ!!!」 ごっつありすの迫力に怯えるありす。 ありすの後ろにいた父まりさは、ごっつありすのあまりの顔芸に恐怖し、勢い良 くうんうんぶらすとを噴射してしまっていた。正真正銘筋金入りの糞親父である。 「貴様らは助かりません。掟を破ったものは永遠にゆっくりするしかない…」 「ゆっぎゃああああああ!!!いやじゃあああ!!!ばでぃざはゆっぐりじだい いいいいっ!!!」 「自分達だけゆっくりしようとする…それこそゆっくりできない行為だと知りな さい!」 さらにあにゃる、口、頬から棒が差し込まれる。巧みに中枢餡を避けて棒を差し 込んでいるのは、少しでも長く、痛々しい悲鳴を周囲のゆっくりに聞かせること で、さらなる掟破りを防止するためである。 「あああああああああああああああああああああああああああ!!!」 「ゆああああああ゛!!!ばでぃざあああああ゛!!!」 口を貫かれ、もうまりさは満足に絶叫することすらできなかった。 「ごはんさんを蓄えるのは皆が困ったときのためです。自力で何とかせず、他の ゆっくりに助けを求めることもせず、それを盗みに走るとは…愚か…」 「ゆああああ゛!!!ゆああああ゛!!!」 まりさは何か言おうとしていたが、その度に傷口から餡子がみちみちと溢れて いく。 「そろそろゆっくりさせてあげなさい…」 「みょん!」 お館さなえの指示を受け、一匹のみょんが、棒をまりさの眉間に突き刺し、中 枢餡を破壊した。 「ゆ!!?げっ!!!」 そしてまりさは動かなくなった。 「ゆ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っ!!!ばでぃざあああああっ!!!」 愛する番の無残な最期に涙するれいむ。 「ゆっげえええっ!!!なんじぇぴゃぴゃちんでるのおおおっ!!?まりちゃ は!まりちゃはいいこだきゃらたしゅけてね!!!」 子まりさはげすだったようだ。 死んだまりさの番だったれいむは涙目をキッと見開き、冷たく見下すお館さな えに向かって咆哮した。 「ばでぃざは!ばでぃざはあいずるかぞぐのだめにやっだんだようぅ!!!わ るいごどだっだがもじれないげど!!!なにもごんな!!ごんなめにっ!!」 「麗しい愛のためなら仕方ないと申すか…」 少しだけ、ほんの少しだけ、お館さなえの凍った瞳の奥に炎が揺らめいた。 「いやなら最初からこの群れに入らなければ良かったのだ。他の群れでゆっく りしていれば良かったのだ…それを今更…!」 お館さなえは髪飾りでまとめた一房の髪の中に仕込んであった、尖った棒−そ れは折れた指揮棒だった−をぐっとれいむの眉間に差し込んだ。 「ゆびびいいいいいいっ!!!れいぶの!れいぶのうるおいべびーすぎんがあ あああっ!!!」 「ごはんさんがない時期は皆苦しい、皆我慢している…皆ができることをお前達 はできなかった。やろうとしなかった。それが罪よ…」 お館さなえはれいむの眉間に差し込んだ指揮棒に力を込めた。ぐるんぐるんと中 の餡子をかき回した。言いようのない吐き気と頭痛がれいむを襲う。 「ゆっくりりかいしなくていいよ…すぐ永遠にゆっくりできるから…」 「ゆぎいいいぎぎぎぎぎいいいいっ!!!ゆべえあああ゛!!!」 ぐぐっと指揮棒はれいむの頭に沈んで行き、そして、れいむは事切れた。 だが、今回のれいむはせいっさいっされた個体としては幸せだったかもしれない。 どうしようもないげすとみなされた個体は、奇形ゆっくりたちによってどこかに 連行され、帰ってきた者はなかった。 お館さなえはれいむから指揮棒を引き抜き、最後に残った子まりさの方へと向き 直った。 「さて…」 「やべじぇね!!!まりじゃなんにもわるいこどじでないよっ!!!ゆっぐりたじ ゅげでね!!!もうやじゃあああ!!!うんうんじゅるよおおおおっ!!!」 先に死んだ親まりさと同じようにあんよをじたばたさせる子まりさ。 そのとき、ありすが群集の中から飛び出し、お館さなえの前に立ち塞がった。 「かわいそうだよっ!!どうしてみんなころしちゃうの!!!」 黙ってありすを見つめるお館さなえ。その瞳は相変わらず氷の薄幕が張っているか のようだった。 いつの間にか、あのゆっくりできない雰囲気を漂わせた潰れた帽子のまりさが、あ りすの背後に迫っていたが、お館さなえはまりさに合図するかのように、首を横に 振った(実際は顔を震わせたようにしか見えないが)。 潰れた帽子のまりさがすっと一歩下がるのを確認すると、お館さなえはいつもの冷 たい調子で口を開いた。 「我はただ掟の通りに裁いているに過ぎません。」 我が子の行動に仰天した父まりさと母ありすが群集から飛び出し、お館さなえとあ りすの間に立ち塞がった。 「ごめんなさい!ごめんなさい!ごめんなさいいいいいっ!!!なんで謝ってるの かまりさにも分からないけど、ごめんなさいぃっ!!!」 「この子はっ!やさしいゆっくりした子なんです!!どうか殺さないで…」 お館さなえは鬱陶しそうに目を細め、口を開いた。 「なにを勘違いしている…?」 相変わらず、お館さなえの口調には何の感情も込められてはいなかった。 「この子ありすは掟を破っていない。我が裁く理由はありません…」 お館さなえは再び、子まりさの前に立った。 「お前自身は掟を破っていない。せいっさいっしない。」 お館さなえの一言と共に、左右についていたみょんが子まりさの縄を解いた。 「掟を破ればどうなるか、もう餡子に染み付いたはずだ。このまま掟を守って群れ に留まりなり、出て行くなり…好きにするが良い。」 この子まりさは、盗んだどんぐりを口にしているので、掟に抵触するかどうかは、 微妙なところがあった。もし、どんぐりを盗ってくるよう積極的に親に働きかけ ていたなら、せいっさいっされていただろう。 「…こ…こにょゆっくりごろし!!!ぱぱとままをかえちぇっ!!!くじゅっ!! それができないならあまあまもってきょい!!!たきゅさんだよっ!!!」 自分が助かると分かった瞬間、子まりさは手のひらを返したかのようにお館さなえ に暴言を叩きつける。先程まで必死に命乞いをしていたはずなのだが。 「そこのありす…」 お館さなえは何も聞こえないかのように、子ありすの前に立ち、問いかけた。 「貴様は…もしも群れの半分が越冬できる分の餌しかなかったらどうするの?」 ありすはゆっくり考えた。まず、質問の意味を理解するだけでも子ゆっくりである ありすにはすぐにできることではなかったのだ。 「冬…冬さんの半分までみんなで生きて、後はそれからゆっくり考えるよ!」 その答えを聞いて、お館さなえの顔がひきつる。少なくともありすにはそう見えた。 「育ちが良いわね……だが、無責任……りーだーほどゆっくりらしくないものはな い…」 お館さなえはそれだけ言うと、その日の餌を採るため、護衛のみょん、そしてあの ゆっくりできない潰れた帽子のまりさと共にに跳ねていってしまった。 ありすは分からなかった。ゆっくり殺しならともかく、一度の過ちでなぜ、せいっ さいっされなければいけないのか。 4 群れの食糧を盗んだまりさとれいむがせいっさいっされてから数日後、ありすは新 しくできた友人とお外で遊んでいた。 「ありすをひみつのえさばにつれてってあげるみょん!」 「ひみつのえさばとひみつのはなぞのはとってもとかいはな匂いがするわ!!!」 それは、生まれつき髪がアフロになっている奇形のみょんであった。大きさから判 断して成体になったばかりであろうか? どうか仲良くしてやってほしい、と母ありすの姉にあたるごっつありすが連れてき たのである。 いきなり奇形ゆっくりを連れてきた姉に対して、母ありすは困惑した笑顔で、父ま りさは満面の笑顔で出迎えたが、その下腹部ではあにゃるすぱぁくが起きており、 後に母ありすにくそぶくろ呼ばわりされながら、あにゃるにいろいろ突っ込まれる ことになる。なお、父まりさがあにゃるへヴんという全く新しい境地に達するのは、 もう少し後の話である。 「ここだみょん!!」 アフロみょんがありすを連れてきたのは、陸橋の入り口から、川の方向へと少し入 り込んだ場所だった。そこにはまだ一部、積雪が小さな氷河のように大地に残り、 まばらに生えた木々の下に、点々とミズバショウの花が手を合わせて祈りを捧げて いた。 「このお花さんを食べるの?」 「ちがうみょん!それをたべるとうんうんがもりもりじゃなくて、ぴーぴーになる んだみょん!注意するみょん!」 アフロみょんがありすを連れてきたのは残雪の上にできた小さな水溜りだった。 「ゆ!?おたまじゃくしさん!!?」 エゾアカガエルのような積雪地帯に生きるカエルは時として、雪解け水によって出 来た水溜りに産卵する。そのため、孵化したオタマジャクシが、積雪上の小さな水 溜りから出られず、そのまま死んでしまうことも珍しい光景ではない。 「草さんばかりじゃおなかがすくみょん!ありすはみょんと一緒におたまじゃくし さんを食べるみょん!!!」 アフロみょんは小さな水溜りの中でにっちもさっちも行かなくなっているオタマジ ャクシを水ごと一気に飲み込んだ。 「ぴゅ~…」 そして、冷たい雪解け水だけを口から水鉄砲のように噴射し、口内に残ったオタマ ジャクシを咀嚼する。 「ありすもやってみるみょん!」 ありすもみょんがやった通りにオタマジャクシを捕まえてみた。オタマジャクシは 思ったより簡単に捕まった。 「むーしゃむーしゃ!しあわせ~っ!」 「喜んでくれてうれしいみょん!」 それから二匹で辺りを跳ね回り、枯れ木の下に隠れていたダンゴムシを捕まえたり、 苔のマットの上で競走したりした。 一緒に遊んでいる間、アフロみょんはずっとニコニコしていた。 「みょんはとってもゆっくりしているのね!」 「みょんはお外に出れたからゆっくりできたみょん!みょんはありすが一緒に遊ん でくれるからとってもゆっくりできてるみょん!」 正直、ありすはここ最近あまりゆっくりできていなかった。食べるものと言えば、 苔やあまり美味しくない草が中心で、ありすの大好きな木の実や花を全く口にでき ていなかったからだ。 おまけに掟や群れのための貯蓄分の食糧の確保など、気をまわさなければならない ことがあまりに多い、ありすはそう感じていたのである。 「ありすはあまりゆっくりできてないわ!毎日ごはんさんがこけさんやくささんば かりなの!とかいはなごはんさんじゃないわ!」 ありすはつい、自分の不満をアフロみょんにぶつけてしまった。 しかし、それに答えるアフロみょんの表情は変わらず、にこにこしていた。 「そんなことないみょん!みょんはごはんさんが食べられるだけでゆっくりできる みょん!」 アフロみょんは自身の半生をありすに語った。 両親は正常なゆっくりだったのに、自分だけ奇形として生まれてきてしまったこと。 町にいた頃は、ごはんさんを手に入れるだけでも一苦労であり、人間さんや他のゆ っくりに見つからないようこそこそしなければならなかったこと。 夏は暑苦しいからという理由で家族と一緒に眠らせてもらえなかったこと。 奇形ではなかった両親、姉妹にも邪険され、ふるぼっこされてゴミ捨て場に捨てら れたこと。 ごっつありすに拾われ、お館さなえと出会い、奇形でも自分でごはんさんを取って きて、群れの掟を守ればゆっくりできると教えられたこと。 そして、今でも正常なゆっくりと奇形ゆっくりの間に多少の軋轢はあるものの、普 通にゆっくりできてしあわせ~であること。 「そっか…みょんはとてもゆっくりしてるんだね…」 ありすはお外を跳ねられる、誰かと一緒に遊べる、ごはんさんが食べれる…たった それだけのことで、心からゆっくりしているアフロみょんのことがちょっと理解で きなかった。でもちょっとうらやましかった。 「そろそろ、帰るみょん!みょんは変なゆっくりだけど…ありすさえよければ、ま た遊んでほしいみょん!」 アフロみょんが何気なく言ったその一言の裏で、怯えているのがありすには分かっ た。いや、ひょっとしたらずっと怯えていたのかもしれない。 ありすはさっきアフロみょんの半生を聞いたから、やっと分かるようになったのか もしれない。アフロみょんが、この普通の生活が壊れてしまうことをずっと恐れ続 けていることに。 「ええ!またゆっくりしましょう!」 ありすは哀しそうな笑顔でにっこりと微笑んだ。 「ゆゆ!!?ゆっくりできないみょんがいるよっ!!!」 ありすとアフロみょんがかわのむれからの移住組であろう、れいむとあほ毛が立 ったさなえの番に出会ったのは、陸橋への帰り道のことであった。 さっきまでにこにこした笑顔だったアフロみょんの顔が一気に真っ青になる。 「ち!ちがうみょん!みょんはゆっくりした群れの一員だみょんっ!!!」 アフロみょんは顔を青ざめさせたまま、必死に陸橋にいる兵ゆっくりのところへ と跳ね始めた。 「もてかわれいむは逃がさないよっ!!!」 「ゆぐふっ!!?」 もてかわれいむがもみあげで横殴りにアフロみょんを叩き飛ばし、その上にあほ 毛さなえがのしかかって動きを止める。 「やめてね!みょんはゆっくりできるみょんなんだよっ!!!」 やっと事態を飲み込めたありすが二匹を止めようとする。 「ありすは目が腐ってるんですね、これはゆっくりできないみょんです!」 二匹は聞く耳を持たなかった。ありすが必死に体当たりをしようとしても、まだ 子ゆっくりのありすでは太刀打ちできなかった。 「せいっさいっを邪魔するありすはゆっくりしないであっちに行っててね!」 ありすはもてかわれいむのもみあげで弾き飛ばされ、草むらで全身をしたたかに 打ちつけて気絶した。 「ありすぅ~っ!!!」 できたばかりの友達を心配するアフロみょん。だが、アフロみょんに、他のゆっ くりを心配している暇はなかった。 「ゆっくりできないみょんはせいっさいっするよっ!!!」 「変な髪形のみょんはゆっくりできませんっ!!!」 「やべでっ!!!やべでねっ!!!みょんは!!!やっどゆっぐり!!!どもだ ぢが!!?」 もてかわれいむとあほ毛さなえの二匹は餅つきのように交互にアフロみょんの上 で飛び跳ねた。 その度に、アフロみょんが潰れ、皮が破れ、眼球が破裂し、ホワイトチョコレー トが緑色の苔のマットに広がり、染み渡っていく。 「いくよ!れいむのびゅーてぃーひろいんあだっぐぅ~っ!!!」 「ゆっくりできないみょんごときが!かぜのほうりに勝てるとでも思ってたんで すか!!?」 「いやじゃ!!みょんはやっどゆっぐりぃっ!!?」 成体とは言え、まだまだ体の小さいアフロみょんに、この状況から脱出する術も 機会もありはしなかった。 「…ゆ゛げ…ゆ゛げげ…」 もはやアフロみょんは痙攣するだけのホワイトチョコレートの塊に過ぎなかった。 「ゆっくりできないゆっくりごときがゆっくりしてるとか!ともだちとか!生意気 なんだよ!!!ゆっくりりかいしてね!!!」 もてかわれいむが最後に振りかぶったもみあげを叩きつけ、アフロみょんは永遠に ゆっくりした。 「ふぅ…ほんとうに汚いいきものでした…」 二匹が立ち去った後、気絶していたありすが見たのは、ただの真っ白な染みと、ぐ じょぐじょになった銀色のもじゃもじゃした髪の毛だけだった。 アフロみょんを永遠にゆっくりさせたれいむとさなえの番が、ありすの通報によ って逮捕されたのは、それから2時間ほど後のことであった。 「どぼじでれいぶがだいぼざれなぎゃいげないのおおおおおおっ!!?」 「さなえはゆっくりしたゆっくりなんですよっ!!!もっとゆっくりさせなきゃ いけないんですよっ!!!」 逮捕されたもてかわれいむとあほ毛さなえが、処刑場、即ちお館さなえの巣の前 へと引っ立てられる。 かわのむれのゆっくりたちが来て以来、似たような事件は何度か起こっていたが、 今までは常に巣の近くであったがために、掟破りの事態になる前に誰かが止めに 入っていた。ゆっくり殺しが裁かれるのは、移住組を受け入れて以来、初めての ことであった。 「やべで!たじげでぇっ!!!れいぶはゆっぐじじでるんだよっ!!ゆっぐりで きないゆっぐりをえいえんにゆっぐりざせると!ゆっぐりできるんだよっ!!」 「他のゆっくりを見下すことでしかゆっくりできないくずなど、この群れにはい らないわ…」 お館さなえはもてかわれいむのあにゃるに棒を刺し込んだ。 「ゆぎゃあああああああああっ!!!れいぶのおーろらのようなあにゃるがああ ああああああっ!!!」 お館さなえはそのまま、もてかわれいむの正中線に沿って、まむまむ、口へと切り 裂いていった。 「やべろおおおおおおっ!!れいぶのあんよがっ!!まむまむがあああっ!!」 お館さなえはもてかわれいむの目と目の間まで切り裂き、そこで棒を離した。 「餡子をかき出せ…」 せいっさいっの手伝いを命じられた奇形ゆっくりたちは、遠慮なくもてかわれいむ の体に棒を突っ込み、中に詰まっている餡子を葉っぱの上に取り出していった。 あまりに悲惨な刑罰に、多くの見物ゆっくりたちが目を背け、もてかわれいむの痛 々しい悲鳴に、巣の中でゆっくりしていたゆっくりですら震え上がった。 「や゛あ゛あ゛っ!!!や゛あ゛あ゛っ!!!や゛あ゛あ゛あ゛っ!!!」 本来ならば、れいむの餡子取らないでー!と叫んでいるのだろうが、口も切り裂か れている以上、ほとんど声らしい声になっていなかった。 「やめてえええ!れいむの餡子とらないであげてくださいいいいいいっ!!!」 隣で縛り上げられているあほ毛さなえが泣き喚く。 「ゆ゛ゆ゛…ゆ…ゆ゛ゆ゛…」 生きたまま餡子を取られたもてかわれいむは、餡子を半分ほど取り出された段階で 痙攣しかしなくなり、そのまま中身を全て取り出されてしまった。 親衛隊のゆっくりたちが、その餡子をとある穴へと運んでいく。その餡子がどうな るのか知っているゆっくりはほとんどいなかった。 「さて…」 お館さなえは、次はあほ毛さなえの番と言わんばかりに、そちらへと向き直った。 「や!!!やべでぐだざいっ!!!ざなえもざなえなんでずよっ!!!」 あほ毛さなえは、お館さなえに向かって同属だからと、赦しを求めた。 「だからどうした?例えさなえでも掟破りは絶対にゆるさなえ!!!」 お館さなえは公正であろうとしていた。以前、奇形ゆっくりが調子に乗って、正常 ゆっくりから食糧を奪った際は、泥炭地に掘られたゴミ穴に顔だけ残して埋められ、 餓死するまで放置された。 お館さなえは、もてかわれいむにしたのと同じように、そのあにゃるに棒を突き刺 し、まむまむまで一気に切り裂いた。中からみちみちと音を立てて、ずんだ餡があ ふれ出す。 「あぎゃああああああああああああっ!!!ざなえのずぃーどなまむまむがあああ あああっ!!!」 「ゆっくりできない掟破りはゆっくり死ね!!!」 お館さなえはそこから一気に、目と目の間まであほ毛さなえの皮を切り裂いた。 「ああああああああああああああああああああああああっ!!!」 ぶすり、ぶすりと棒が何本も突き立てられ、あほ毛さなえのずんだ餡がほじくり出 されていく。 「覚えておけ!掟を破るゆっくりは誰であろうと絶対にゆるさなえっ!!!」 あまりに凄惨な光景に静まり返るゆっくりたちに向かってお館さなえはそう宣言し た。 「みょん…」 ありすは、かつてせいっさいっを止めに入ったありすは、この凄惨な光景をただじ っと最後まで見つめていた。 もてかわれいむとあほ毛さなえからほじくり出された餡子は、お館さなえとその親 衛隊が管理する穴―倉庫の一つへと運び込まれた。 取り出された餡子は暗所に安置され、葉っぱの上で乾燥される。 倉庫の中には、同様に乾燥させている餡子やチョコレートが葉っぱの上に置かれて 安置されていた。中には、葉っぱの中に小分けされ、笹の葉で巻かれて保存されて いるものもある。 これを木の実や草と混ぜ、舌が味を覚えてしまわないよう味をわざと落とし、越冬 のための非常食として使ったこともあった。だが、この餡子の使い道はそれだけで はなかった。 5 両親を処刑された子まりさはぬまのむれを離れ、もりのむれに身を寄せていた。 「まりしゃしゃまはぬまのむれからにげてきたんだじぇ!!まりしゃのぱぱとまま はまりしゃしゃまのためにとってきちゃごはんしゃんをさなえにうばわれて、えい えんにゆっくりしちゃったんだじぇ!!!だからたすけてほしいんだじぇ!!!」 ドスまりさの前で必死に弁明する子まりさ。 正直、ドスまりさはこの亡命子まりさの口調にゆっくりできないものを感じ取って いたが、寛大なボスでいたいドスまりさは鷹揚な口調で亡命子まりさを弁護し、群 れへと歓迎した。 「ドスのことを頼ってくれてうれしいよ!こども一人じゃ大変だろうから、ごはん さんに困ったらいつでもドスを頼ってね!これはかんげいのごちそうだよ!」 ドスの言葉と共に、亡命子まりさの目の前には、軟らかそうなシダの新芽、さっき 死んだばかりの新鮮なケラやダンゴムシ、去年貯蓄したどんぐりなどが並べられた。 それと同時にれいむ合唱団による、ゆっくりによる愛と平和を謳ったおうたが合唱 される。 この群れは参謀であるゲロぱちゅりー、ゲロりーの指導の下、弱いゆっくりを見捨 てない方針を採っていた。例え、罪を犯したゆっくりでも、周りのゆっくりが励ま し、立派に暮らしていけるよう群れがサポートしてくれるのである。 ついこの間も、一匹のゆっくりがれいぽぅ事件を起こしたが、ゲロりーが必死に更 生するようゆっくり説得したことで、最後には泣いてゲロりーに謝罪したほどだっ た。 今では、このゆっくりは群れからごはんさんの支援を受けながら、立派に働ける機 会をうかがっているはずだった。 当然、かわいそうな亡命ゆっくりやしんぐるまざーにも手厚い保護が与えられ、最 低限の食糧は無条件で群れが補償してくれることになっていた。 「すごんだじぇ!!どすはとってもゆっくりしてるんだじぇ!このむれは、さなえ のむれとはおおちがいなんだじぇ!!!ここならまりしゃしゃまもゆっくりできる んだじぇ!!!」 れいむたちのとろけるような美声に聞きほれ、思わず目の前のご馳走をおなかに詰 め込むのも忘れてしまう亡命子まりさ。 「ゆふふ!ドスがとてもゆっくりしているのは当然のことなんだよ!ちぇん!むれ のあたらしい仲間にもっとごちそうを持ってきてね!ゆっくりでいいよ!」 「ドス!わかったよ~!」 ドスは今までも、こうやって自分を頼ってきたゆっくりたちにご馳走を振舞い、ド スとその群れがいかにゆっくりした存在であるかを示してきた。こうしてドスの、 そしてこの群れの寛大さに感激したゆっくりたちは、自ら進んで群れのために動く ようになるだろうという目論見である。 これもゲロりーの献策である。 「むきゅ!ぱちぇはもりのけんじゃになるわ!どすはもりのじんくんになるのよ!」 ゲロりーはかつてドスにそう語ったものだった。 「むきゅ!強いゆっくりや狩りの上手なゆっくりが、まりちゃみらいな弱くてかわ いそうなゆっくりを守って、ごはんさんをあげるのは当然のことなのよ!これこそ が愛なのよっ!!!」 小さな新参者に対してゲロりーは早速、自身の目指す「愛」を説いた。 「ゆゆ~ん!みんながまりしゃしゃまをゆっくりさせるのはとうぜんなんだじぇ! さすがぱちゅりーのかんがえはゆっくりできるんだじぇ!!!まりしゃ!このむれ がだいすきになったんだじぇ!!!」 どうやら自分勝手なところがあるようだが、まだ子供だから仕方ないだろう。それ よりもゲロりーはこの新参者がゲロりーの考えをゆっくりしていると言ってくれた ことが嬉しかった。 「むっきゅん!愛の大切さが分かっているみたいね!この群れは愛によってみんな ゆっくりしているのよ!!」 ドスたちの目論見の現実性云々はともかく、ドスの群れは実際、とてもゆっくりし ていた。ドスたちがこの土地にやってきた去年の秋は、ドスの来訪に感激した森が たくさんのどんぐりを実らせた。そして、冬眠中、食糧の少ない春先を乗り切るの に十分すぎる量を蓄えることが出来たのである。 この豊富な蓄えがこの群れがもっと大きくなる一助となる。ドスまりさはそう信じ ていた。実際にドスの群れは当初の二倍にまでゆん口が増えていた。これこそがゲ ロりーが思い描き、ドスが実行した仁政の賜物だった。そして、かわのむれからの 移住組は、ドスまりさからの厚遇に、自分達の選択が正しかったことに満足した。 だが、ドスたちが描いた甘い夢が穴だらけであったことが、群れの食糧倉庫に追加 の食糧を取りに行かせたちぇんから伝えられる。 「ドス!もうむれのそうこにごはんさんがないんだよー!わかってねー!」 つづく 神奈子さまの一信徒の作品集 トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る 細かく書かれてて良い物語だな。 お館さなえはゆっくりできるよー -- 2010-12-02 20 20 30
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ゆっくりさん 東方のキャラがでます ゆっくりが文字を書きます 虐待というより虐殺? ――――――――――――――――――――――――――――――――― ここは人里に程近い森の中。どこからかゆっくりの喋り声が聞こえる。 「ゆ~!まりさ~、あそびにきたよ~!」 「ゆゆ!れいむ!きてくれてうれしいんだぜ!」 このれいむは近くのオカルトお姉さんの飼いゆっくりである。 飼いとはいえ、特にお姉さんが行動を縛っているわけではないので このれいむはちょくちょく森のゆっくりと遊んでいる。 まりさと知り合ったのもそんな中での事で、すっかり意気投合した二匹は お互いのおうちに遊びに行くという約束を交わしたのであった。 「じゃあなにをしてあそぶんだぜ?」 「ゆ!」 腹を見せるれいむ。別にすっきりがしたいわけでもぷくううでもなく、ふんぞり返っているだけである。 口にはなぜか十円玉を咥えている。 「れいむはおねえさんがやってたあそびがしたいよ!」 「にんげんさんの?どんなことするんだぜ?」 「おねえさんはさんにんのにんげんさんといっしょにやってたからあとふたりつれてきてね!」 「わかったんだぜ!」 森の奥へと跳ねていくまりさ。その間にれいむは棒を拾ってきて地面になにやら書き出す。 「まあれいむ。とかいはなあそびをしってるってきいてきてあげたわよ」 「むきゅん。にんげんさんのあそびができるなんてきょうみぶかいわ」 そして暫くするとまりさに連れられて同じく遊び友達のぱちゅりーとありすがやって来た。 二匹とも人間の遊びができるというめったにない体験に心踊らされ、合計四匹のゆっくりが揃うこととなった。 「ゆ!みんなきいてね!きょうあそぶのはこっくりさんだよ!」 れいむがおもむろに説明を始める。 「ゆゆ?なんなんだぜ、それは」 「とてもゆっくりできそうななまえね」 「で、どんなことをするのかしら。むきゅん」 「たしかみえないひとをよんできていろいろなことをおしえてくれるんだよ!」 「「ゆゆゆ!」」 驚く一同。ゆっくりに霊の概念はない。すぐに忘れる餡子脳な上に、死が日常と隣り合わせのゆっくりは 霊魂などに深く心を思わせる余裕などないのである。 「じゃあそのとうめいなひとにきけばおかしたべほうだいのばしょをおしえてくれるんだぜ??」 「むっきゅー、とてもきょうみぶかいわ!ぜひためさせてちょうだい!」 「そ、それってれんあいうんもわかるのかしら?べ、べつにまりさとのことなんてききたくないんだからね!」 「じゃあやりかたをせつめいするね!」 そして説明に従って人間が解読するには難がある文字を囲んで座る。手がないので、そこは棒で代用している。 「それでね、こっくりさんこっくりさん、どうぞおいでくださいっていうんだよ!」 「わかったんだぜ!」 「「こっくりさんこっくりさん、どうぞおいでください!」」 と、四匹の棒の先に当たっている10円玉が動き出したではないか。 「ゆゆゆ!10えんさんがうごきだしたんだぜ!」 「まりさがうごかしたの?」 「まりささまはうごかしてないんだぜ!」 「しずかにしてね!こっくりさんがきたんだよ!」 騒ぐ3匹にれいむは自慢そうに説明を続ける。 「こっくりさんはこの10えんさんをつかっておしえてくれるんだよ!あなたはこっくりさんですか?」 するする、と10円玉は動く。 そして「いいえ」とかかれたところにぴたりと止まった。 「どぼぢでごっぐりざんじゃないのおおおおお!!!!」 「ゆゆ、おちつくんだぜれいむ!」 「そうよ!こっくりさんじゃないならあなたはだれですか?」 白目をむいて叫ぶれいむにお構いなしに10円玉は動き出すとひともじひともじ文字の上を止まっていく。 「むきゅ、お、に、い、さ、ん。あなたはおにいさんなのね?」 10円玉は「はい」の位置に移動する。 「れいむ、こっくりさんじゃなくておにいさんだけどなにかきけることにかわりはないわ」 「そうだよね…」 「そうだぜ!まりささまがしつもんするからげんきだすんだぜ!」 落ち込み気味のれいむを気遣ってかまりさは殊更に大声でこっくりさんに尋ねる。 「こっくりさん、まりささまにおいしいおかしのばしょをおしえるんだぜ!」 すると10円玉は一軒の家への道順を教え始めた。 「なるほど、ここにいけばまりささまはおかしをてにいれられるんだぜ?」 「はい」動く10円玉。 「むきゅ~、とてもきょうみぶかいわね。」 「それじゃあこんどはとかいはのわたしがしつもんするわ。わたしのれんあいうんはどうですか?」 と、今までゆっくり動いていた10円玉は急にらんぼうに文字の上をいったりきたりしはじめた。 「む、だ、だ」 「ゆ!!とかいはのれでぃーにしつれいよ!」 「お、ま、え、た、ち、は、き、ょ、う、じ、ゅ、う、に、し、ぬ」 「「「「どぼぢでぞんなごどいうのおおおおおおおお!!!!」」」」 今度は4匹揃って白目をむく。10円玉は更に動き続け、 「ざ、ま、あ、み、ろ」 と示す。 「ふざけるんじゃないぜ!じじいはさっさとしぬんだぜえええええ」 「とんだいなかもののじじいね!これじゃあゆっくりできないわ!」 「むきゅ~」 「ゆゆ、みんなおちついてね」 今度は落ち着かせる側に回るれいむ。だが、まりさは 「ふざけるんじゃなういぜ!こんなのやってられないんだぜ!」 と、ついに棒を離してしまった。 「れいむ、とんだぱちもんをつかませてくれたんだぜ!」 「ご、ごめんなさい…」 「さいあくよ!れいむとなんてあそぶんじゃなかったわ!」 「むきゅ!きょうはさいあくのいちにちね!」 「ごめんね、ごめんね」 れいむは必死に謝るが結局怒りは鎮まらず、3匹はぷんぷんしながら帰ってしまった。そしてれいむも 寂しく家路につく。そしてその後には10円玉だけが残されていた。 暫くすると誰もいないのに10円玉が独りでに動き出し、ゆっくりと文字を辿っていくのであった。 「ひ、ゃ、あ、も、う、が、ま、ん、で、き、ね、え」 所変わってありすとぱちゅりーは小川の傍の草原を跳ねていた。 「まったく、とてもゆっくりできないあそびだったわね」 「そうね、にんげんはなにをかんがえてるのかしら?」 と、上空を見るとうーぱっくが空を飛んでいた。 「きょうはあれにのってかえりましょ!」 「むきゅん、そうね。う~ぱっく~!!」 「う~♪」 「わたしたちをおうちにはこんでくれないかしら~」 「うっう~♪」 2匹の元へ降りていくうーぱっく。が、なんと運の悪い事であろうか。 そのう~ぱっくは草むらを飛び出してきた別のうーぱっくに衝突してしまった。 「う~!!!!」 「うぁ~!!」 空中接触事故を起こし、墜落していくうーぱっく達。運の悪い事にその先には先ほどの2匹がいた。 「「うぁぁぁぁぁ!!!!!」」 「むぎゅううぅぅぅぅぅ!!!!」 「ぱちゅりぃぃぃぃぃ!!!!」 濛々と立ち込める土煙。ありすは間一髪難を逃れていた。 「ぱちゅりー、だいじょうぶ?ぱちゅ…」 が、ありすの隣にいたぱちゅりーはうーぱっくに直撃されていた。 「む…ぎゅ…」 頭が割れて中身の紫蘇餡が見え、両目は飛び出してカタツムリのようになり、舌を思いっきり伸ばした状態で痙攣するぱちゅりー。 「ぱちゅりぃぃぃしっかりしてえぇぇぇぇ!!!!!」 「もっど…ゆっぐぢ…ぢだがっだわ……むぎゅ……」 ありすの励ましの声も天には届かず、ぱちゅりーはそのまま死んでしまった。 暫く呆然としていたありすだが、ふと先ほどの遊びを思い出した。 確かお兄さんは私たちが全員死ぬと言っていた。ふざけるな。すっきりもしないまま死んでたまるか。 「これはきっといなかもののおにいさんののろいね!こんなゆっくりできないところにはいられないわ!わたしはひとりでかえる!」 怒り、悲しみながらもありすは急いで家に帰ろうとした。だが、鬼意山は確実にありすを黄泉の国へと送ろうとしていた。 森の中を跳ねていくありす。だが、ある茂みの中に入った時に異変は起こった。 「ゆ!?」 人間の仕掛けた罠であろうか、その茂みは二本の木をたわませて枝と枝をからみあわせたものだったのだ。 そしてありすが乗った事で枝の絡みが取れた木は元の位置に戻ろうとし、結果的にありすをはるか上空へと飛ばす事となった。 「ゆぅ、おそらをとんでるみたいだわ」 ありすの眼下には山あいにまさに沈んでいこうとする太陽が綺麗な夕焼けを作り、それが森の間に流れる川の流れに反射して きらきらと輝いている。右側には人間の里が見え、人々が家路につく姿が見える。 「とてもゆっくりしているわ。これが100まんどるのこうけいなのね」 世界の輝きを目にして感動に体が震えるありす。だが、重力の法則に従いありすはだんだん落ちていく。 「ゆう?なんだかさむくなってきたわね!」 「じめんさん、ちかづかないでね!」 ここまでくると流石にゆっくりでも死を自覚する。 「やべでえぇぇぇ!!!いなかものでいいからたすけてえぇぇぇ!!!!」 「ゆぎゃああああああもっどすっきりshちにゃ!」 そして、後には放射状に飛び散ったあんこだけが残された。 一方友人が悲惨な最期を遂げたとは知らないまりさは鬼意山に教えられた道順を辿り、一軒の家についた。 「ゆっへっへ、結局何も起こらなかったんだぜ。それじゃあえんりょなくここをまりささまのゆっくりぷれいすにさせてもらうんだぜ」 半開きになった門をくぐっていくまりさ。縁側では一人の少女がお茶を飲んでいた。 「ばばあ!ここはいまからまりささまのゆっくりぷれいすになったんだぜ!わかったらとっととおかしをもってくるんだぜ!」 「へぇ……。わかりました。それじゃあお菓子を用意しますからこちらにおいで下さい。」 天使のような笑顔を浮かべる少女に連れられてまりさは地下へと続く階段を降りていく。 門には「稗田」という表札が下がっていた。 「おねえさん、れいむね、こっくりさんのとちゅうでてをはなしちゃったの…」 「あらあら、仕方ががないわね。それじゃ、これから博麗さんの神社に行ってお祓いしてもらおうか!」 「ゆっくりわかったよ!」 友人と二度と会えない事をれいむは知らない。恐らく2,3日もしたらすっかり忘れてしまう事だろう。 終 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― ネタが上手く文字にできない… こっくりさんとは狐狗狸さんとも書き、なにか(下級霊とも)を呼び出して未来の事などを占うものです。 30年くらい前の小学校などでブームでした。こっくりさんを帰す時は「こっくりさんお帰り下さい」と言い、 「はい」というまで手を離してはいけませんでした。それを怠ったり、手を離したりすると祟られるという噂でした。 あと冗談半分でこっくりさんはやらないでください。何が来るのかわからないので…。終わらせる時も正規の手続きを踏んでください。 これまでに書いたもの 剣客みょん 合戦 ゆっくり冬将軍 怨念 このSSに感想を付ける
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