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正式ハンドルネェム 「まゆげくん」 サブハンドルネェム 「タージマハール」←現在使用されていない模様 凸ハンドルネェム 「ぴよぴよキングダム」←現在使用されていない模様 ニコ生コミュでのハンドルネェム 「桜田ファミリア」→「まゆげくん」に一本化 年齢 21 好きなカラー レッド 使用携帯機種 DoCoMo D904i 考え方 未来に突き進むより過去を大切にしたいタイプ 更に詳しい事はまゆげくん簡易年表を参照されたし
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五十音順 ※登場順に並べたものはこちら あ + クリックすると開きます 秋庭恵 か + クリックすると開きます さ + クリックすると開きます た + クリックすると開きます な + クリックすると開きます ナスビィ ぬけきよ は + クリックすると開きます 堀田伝兵衛 ま + クリックすると開きます や + クリックすると開きます ら + クリックすると開きます ルークステッド・ゴールドアーム わ + クリックすると開きます
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失った過去は取り戻せなくても、この手の中にある未来はつかめる 天才陰陽師と一人の少女 その出会いは少女の母親によって仕組まれたものだった 「あの時掴めなかった手で、俺はこの子の手を握る」 「償いの為に守られているの?」 チグハグな彼らの行きつく先はどこなのだろう ラップトップハッピネスとリンクしています ※本編に比べてラップトップハッピネスの表現はハードです、欝を求めてなかったり残酷描写を求めていない方はご遠慮ください キャラ紹介等 鬼ごっこ これまでのお話 第一話 第二話「かぞくごっこ」 第三話「かぞくごっこ2」 第四話「かぞくごっこ3」 第五話「かくれんぼ」 第六話「こおりおに」 ページ最上部へ
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「うーん、完全に迷いましたな。」 赤い空を眺めながら、原っぱの斜面をゴロゴロとしている人影が一つ。野原しんのすけは言葉とは裏腹にのんきな顔でそう呟いた。見上げる空には火花が散るが、それを見続け既に小一時間、それだけの時間彼は周囲を散策して帰り道がわからないということだけは把握していた。 今日はネネちゃんの家でリアルおままごとをすることになっていたのでなるべく遠回りする道で向かっていたのだが、気がついたらこの状況である。とりあえず最初に迷ったと思ったときにいた林から出て人がいそうな方に向かったのだが、どういうわけか人に出くわさず、それどころか海が見えて今に至る。春日部に海が無いことから自分がどこか遠くに来た気もするが、しかし家から地続きで歩いてきたためそのうち知ってる場所に出るだろうと楽観していた。 「お?」 ゴロゴロと転がる中でポケットの異物感に気づいた。手を突っ込む。出てきたのは小さなお守りだった。 「なんで?」 尤もな疑問である。 いつの間にか入っていたそれと、一緒に入っていた紙をとりあえず見てみるが、正直よくわからない。というか、ぶっちゃけ気味が悪い。そう思い暫しの間胡散臭い物を見る目で見ていたが、「ま、いっか」とポケットに戻した。細かいことは気にしないのだ。 「さーていきますか――お?」 小休止を終え立ち上がるしんのすけの目が、一本の木に留まった。そろそろ不安になってきたので早く戻りたいと言う気持ちがそうさせたのか、頭の中で木登りして高い所から見渡すという発想が出てくる。それが林の木とは違い人里に人工的に植えられた低木ということにはもちろん気づかず、ぬるぬるとした動きでいとも簡単に登ってみせると、割と近い場所に鳥居が見えた。どうやら神社があるようだ。そしてその彼方に、一面の濃い霧に覆われた海が見えた。 「……これが地球温暖化か。」 絶対違う。 とにもかくにも当座の目的地は決まった。「出発おしんこー!」と高らかに声を上げて歩き出す。自分が既に大冒険に巻き込まれていることを、彼はまだ知らない。 【C-04/00時29分】 【野原しんのすけ@クレヨンしんちゃん】 [役]:子 [状態]:健康 [装備]:『お守り』 [道具]:なし [思考・行動] 基本方針:ネネちゃん家に行く。 1:とりあえず神社に行く。 ※その他 自分の役・各役の人数・各役の勝利条件・会場の地図・制限時間は全て未把握。 人物解説……地上最強の五歳児。スケベでマイペースだが、なんだかんだで友情に熱く、本質的には純粋な子供。
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■ゆっくりボールのあそびかた なんとなく暇だったので外をぶらぶら歩いていたら一匹のゆっくりが居た。 ちょっと小ぶりだな……まだまだ遊び盛りの子れいむかな? 「ゆっくりしていってね!!」 「はいはい、ゆっくりね~」 適当に返事を返したその時、俺の脳裏に電流走る……ッ!! 「おーい、ゆっくりー」 「ゆゆ?れいむはゆっくりじゃなくてれいむだよ?」 「お前で遊ぶわ」 そう言いながら片手でれいむのおさげを掴んで吊るし、家まで連れて帰ることにした。 「かみのけをひっぱるとゆっくりできないよ!!ゆっくりやめてね!!」だの 「ゆっくりはこんでね!!いそいではこばれるとゆっくりできないよ!!」だのと 微妙なニヤケ顔で文句を言っていたが、家に帰って居間に置くと 「ゆわ~、とてもゆっくりしたおうちだね!!おじさんはゆっくりできるひとなんだね!!」 「ゆっゆ~♪ゆっくりいっしょにあそぼうね!!ゆっくりんぼであそぶ!?それともゆっくりぽん!?」 などと、とても嬉しそうにはしゃいでいた。 俺は押入れから工具箱を取り出し、その中の目的の物を探しながら 「おー、ゆっくり待っててくれよー。今遊んでやるからな~」 「ゆっくりまってるよ!!ゆっくりじゅんびしてね!!」 などと他愛の無い会話をしつつ、道具の準備をした。 「じゃあゆっくり、ちょっと目を閉じてじっとしててな~」 「おめめをぎゅー、だね!!ゆっくりりかいしたよ!!」 思いっきり目を閉じたれいむの目の上から、ガムテープの端をペタリと貼る。 「ゆゅん!!ひんやり~♪」 「おお、そーかそーか。んじゃじっとしててくれよ~」 いきなり拒絶される事は無かったようだ。 そのままガムテープでグルグルをれいむの全身を巻いていく。 髪はなるべくデコボコにならないように、もみあげやおさげも軽くバラして…っと。 リボンと口は最後の仕上げにまだ巻かないで…… 「ゆっふっふ~、おにいさんくすぐったいよ!!」 「ゆっくりひんやりしてるよ!!とってもゆっくりできるね!!」 何やらご満悦な様子なのでそーっと床に置く。 今のれいむの姿はガムテープでぐるぐる巻きにされた茶色い球体そのものだ。 口の所が大きく開き、頭のリボンがわずかな隙間からぴょこんと飛び出している。 底の部分もガムテープで巻かれて補強されている為、まだ俺が持ち上げていると思っているのか 「うわぁ~、おそらをとんでるみたい!!」 「れいむ、ゆっくりふわふわするよ~ゆらゆら~」 などと楽しそうだ。 じゃあ、そろそろ本番に入るか。れいむを部屋の端から端まで転がしてみるとしよう。 「そーれ、こっちからごろごろー」 「ゆっ!?ゆっ!?ゆっ!?お、おにいさん!!なんだかぐるぐるするよ!!」 「ほーら、あっちからごーろごろー」 「ぐるぐるするよ!!せかいがまわるよ!!れいむ、おほしさまになったみみみみたたたたいいいい!!」 おー、段々加速する度に反応が微妙に変わっていくな~ よし、じゃあ今度は急停止、と。 「ゆぎゅえ!!いまぐわんってした!!ぎゅるんって!!ゆえっぷ」 「ゆえぇ……しゅっごいぎゅるぎゅるしゅるよ……ゆっぎゅりゆえぇ……」 いきなり回転を止められた事で中身の餡子がズルッと滑ったらしい。 呂律の回らない口調で苦痛を訴えるものの、伴った吐き気のせいでままならないようだ。 とりあえずれいむが落ち着くのを待ってから庭に運び、今度は上に投げてそーっと受け止めてみる。 「そーら、たかいたかーい」 「ゆゆっ!!からだがまんぷくだよ!!ずっしりー!!」 「ほーら、ひくいひくーい」 「ゆぅ~ん、ゆっくりふ~わふわ~!!」 ご満悦のようだ。それじゃ、徐々に高く、更に高く。天まで届けー!! 「うおおおおお!!貫けええええええええええ!!!」 「ゆっっびゅうううう!!からださんがゆっくりしすぎだよおおおおおお!!!!」 ヒュウウウウウウウウウウウウ…… あ、落ちてきた。 「ふわああ~、ヘブンじょうたい~。とってもゆっくりしたきもちだよー」 「あー、無重力だしね。よっと……」 ベチィッ!! 「ぴぎゅるっ!!」 あ、しくじった。 「ゆっぱあああ!!ぱぴぷぺぽおおおおお!!」 ブピュッ!ブババババ!!ベチャベチャベチャッ!!エレエレエレ…… 落下時の圧量で餡子が口から垂直に吹き上げられた。 まるでスイーツの間欠泉やー!! おっと、現実逃避してる場合じゃないな。 急いで巻き散らかされた餡子を綺麗なとこだけ回収して口の上に盛り、 緊急用の餡子パックの分も上乗せして、思いっきり腕を突っ込んで餡子を全部押し込んでから急いでガムテープで封をした。 餡子こそ戻したものの、ビクビクと痙攣する様は痛々しい。 「ゆぶっ!!ゆびゅっ!!ごくん、ゆびゅる!!ゆびゅっ!!」 「ゆばぁ!!ゆべぇ!!ごくり、ゆぶぇっ!!ゆぎゅっ!!」 あー、口塞いだから吐いてるけど吐ききれずに圧力で飲み込んでるのか。 餡子が流出こそしないから死にはしないだろうけど……こりゃ地獄の苦しみだろうなぁ。 口の上辺りのガムテープの隙間から砂糖水ダラダラ流れてるし。ビクンビクン痙攣してまるでマッサージ機みたいだ。 なんとなく誘惑に負けた俺の取った行動は…… 「よっこらしょっと」 「ゆびゅぶきゅるびゅっくん!!ごぶぁっ!!ゆぎゅるぐぱぁっ!!」 ブブブブブブブブブブブブ…… おー、凄まじい振動が腰に~。ダイエットに最適だなー。 振動が徐々にゆっくりに……って大丈夫か?これ? 「ゆばっ……がばっ……ごびゅんっ……ごくっ……」 「…………………………………………………げぷっ」 うん、振動止まっちゃったな。口元のガムテープを剥がしてっと。 いくらかの餡子がまだ残っていたものの、噴出現象は止まってるな。よかったよかった。 ぺちんぺちん。ぺちんぺちん。 「おーい、ゆっくりー。いきてるか~?」 「ゆっ……ゆっくり……ゆっくりさせてね……」 「返事が出来るって事は大分落ち着いたな、これなら助かるかもしれないぞ」 「お、おにいさんたすけてくれてありがとね……もうすこしでゆっくりしすぎるところだったよ……」 「そーかそーか、それじゃ落ち着いたら仲間の所に返してやろうな~」 とりあえずは大丈夫なようだ。様子が落ち着くまでゆっくり待つとしよう。 「ゆぅ……?ゆっ?ゆゆっ!?おにいさん!!たいへんだよ!!まえがみえないよ!!はやくあかりをつけてね!!」 「それにうごけないよ!!あしさん、ゆっくりしてないではたらいてね!!うごいてよぉおお!!」 ああ、今頃になって拘束されてる事に気付いたのか。気付くの遅すぎだろ……さすがゆっくり。 「よーし元気になったなー、それじゃ帰ろうか~」 「お、おにいさん!!おめめもあんよもおかしいよ!!ゆっくりたすけ 「はーい、ちゃんとキレイキレイしましょうねー」 「んー!!んーんー!!んんんー!!!」 口と飾りも完全にガムテープで塞いでっと。んじゃお帰りになってもらいますかね。 お、いいところにゆっくりが二匹居るな。大き目のれいむとまりさ……夫婦かな? 「やあ、ゆっくりしていってね!!」 「「ゆっくりしていってね!!」って」 「おにいさん、ゆっくりしてるばあいじゃないんだぜ!!まりさとれいむのこどもがいなくなっちゃったんだぜ!!」 「もうおやつのじかんなのにかえってこないよ……おにいさん、このへんでゆっくりしたこどものれいむをみなかった?」 「いーや、見てないよ。そっかー、君達には子供が居るのか~」 「とてもゆっくりしたじまんのこどもなんだぜ!!きっとおにいさんもきにいるとおもうんだぜ!!」 「れいむとまりさのこどもだもん、ゆっくりしてるのはとうぜんだよぉ~!!」 「そーかそーか、お兄さんは子供探しには協力して上げられないけど変わりにいいものをあげよう」 「ゆっ?なんなんだぜ?」 「ほーら、ボールだよ。子供が居るなら玩具にするといい。よくはずむよー」 「ゆゆっ!!とてもゆっくりできるおもちゃなんだぜ!!こどもたちもよろこぶんだぜ!!」 「ほら、帽子の中に入れておいてあげるよ。これなら落とさないだろう?」 「ありがとうなんだぜ!!それじゃおにいさん、ゆっくりしていってね!!」 「いろいろとありがとうね!!ゆっくりしていってね!!」 「気にしなくていいよ、じゃあねー」 ふぅ、これであの子ゆっくりも両親の所に帰れるだろう。 今日はよく遊んだ充実した日だったな、めでたしめでたし。
https://w.atwiki.jp/mahjlocal/pages/1004.html
読み いちごっち 正式名称 別名 和了り飜 役満 牌例 解説 1と5の牌のみで対々を作る。 成分分析 いちごっちの45%は毒物で出来ています。いちごっちの39%は砂糖で出来ています。いちごっちの11%は鍛錬で出来ています。いちごっちの3%は呪詛で出来ています。いちごっちの1%は夢で出来ています。いちごっちの1%は濃硫酸で出来ています。 下位役 上位役 複合の制限 採用状況
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モミモミ 律「ねぇ、憂ちゃん」 モミモミ 憂「ん、なに?」 モミモミ 律「わたしのお尻揉んで楽しい?」 モミモミ 憂「うん、すごく」 モミモミ 律「......そ、そうか。もう何も聴くまい」 憂「♪〜」 モミモミ (モミモミ) 律「憂ちゃんって、なんで私が好きなの?」 憂「かわいいから」 律「ふえっ!?///」 憂「お姉ちゃんの次に」 律(ふ、ふくざつぅ〜〜) (中略) 憂「こないだ澪さんとお姉ちゃんが部屋でキスしてたんだぁ」 律「部屋はちゃんとノックして入った?」 憂「やるせない感じで」 律「家族でもちゃんと部屋はノックしようね。りっちゃんとの約束だぞっ、」 憂「澪さんとかぁ」 律「......つまり、ショックだったんだね、憂ちゃん」 憂「ショックじゃない?」 律「なんで?」 憂「お姉ちゃんの相手、澪さんだよ?」 律「まぁ、なるべくしてなったような気がするけど」 憂「幼馴染を取られた気分はどう?」 律「大好きなお姉ちゃんを取られた気分はどう?」 憂「......私、今変な顔してる?」 律「熱したポップコーンが弾けた顔してる」 憂「ふむ、なら良かったかな、澪さんだし」 律「私はどんな顔してる?」 憂「かわいい顔してるよ」 律「唯の次にでしょ?」 憂「ううん、世界でいちばん」 律「......」 憂「あれ?驚かないの?」 律「驚きすぎてリアクションするの忘れてた」 ぴとっ 憂「へへ、心臓の音速いね」 律「当たり前よ」 憂「私のこと好き?」 律「そんなもの、好きに決まってるよ」 憂「えへへ」 律「クッキーの次に」 みぞおちに一発くらった (省略) 律「あずさーなにー?」 梓「り、りっ、律先輩っ」 律「ど、どうした?なにをそんなに慌てて」 梓「私、律先輩のためにクッキー作ってきたんです」 律「そーなのん?ありがと!てか、梓ってクッキー作れるのかー」 梓「が、がんばれば私だってクッキーくらい作れますって!」 律「えー、マジかー。まぁ、ありがとね!家で食べるわー」バイバ-イ 梓「あっ.........帰っちゃった」 梓「ホントは告白もしようと思ってたのに......」 梓「......意気地なしだな、私って」ハァ --- 律「クッキーもらったから食べよう」 憂「誰にもらったの?」 律「梓だよー」 憂「えっ、それって......」 律「おっ、黒猫クッキーか? 」サクッ 憂「......」 バリバリモグモグ 律「ふむ。ちょっと歯茎に刺さって苦いけどイケるな」 憂「......」 律「食べないの?」 憂「さっきお菓子食べちゃったからお腹一杯で」 律「そか、じゃあ全部食べるな」モグモグ 憂「あんまり食べ過ぎないでね?もうすぐご飯だから」 憂「私、夕飯の用意してくる」タタタ 律「んー!歯茎に刺さったー」モグモグ --- 台所 憂「クッキー、作ったけど無駄になっちゃったな」 サクッ 憂「......甘くない」 憂「......梓ちゃん......」 (省略) スーパー 憂「今日はなに食べる?」 律「北京ダックかな?」 憂「もうちょっと真面目に考えてよ」 律「なら、チキン南蛮」 憂「肉料理から離れないね」 律「コッテリしたものが食べたくて」 「あ、先輩!憂」 律「んおっ!梓じゃーん」 憂「あ、梓ちゃん」 梓「先輩たちも買い物ですか?」 律「うん、まぁ!ぐ、偶然さっきそこでバッタリ」アタフタ 梓「そうなんですか。律先輩、カゴ持ってないですけど」 律「...じゅ、ジュース買いに来たんだよ!?」 梓「へ、へぇー」 憂「梓ちゃん」 梓「ん?」 ぐいっ 律「おっ?」 憂「この人、私のだから」 律「えっ、ちょ、ちょ、ちょ、ちょっと、憂ちゃん!?///」 梓「......」 憂「ごめんね?」ニッコリ 梓「そう、......なんだ」 憂「そういうことだから。だから、ごめんね」 律(えっ、なにこのやりとり) --- 帰り道 律「あのぉ......買い物したもの、全部1人で持つのは非常に辛いんだけど」プルプルプルプルプルプル 憂「まぁまぁ、罰だから持って帰ってね」(^^) 律「罰......罰って」 憂「梓ちゃん」 律「......あぁ、梓?」 憂「梓ちゃん、好きなんだよりっちゃんのこと」 律「まっさかーwwwあの梓がwww罵られた覚えしかないってーの」 憂「......はぁ、私、りっちゃんのことちょっと嫌いになりそう」 律「なんで!?」ガ-ン (中略) 律「ちゃーす」ガチャ 梓「あ、......り、律先輩」 律「んおぉー......今日まだ梓だけ?」 梓「あ、はい。他の方はまだ」 律「そ、そぉーなんだぁー」ドギマギ 律(梓と2人っきり。こないだ憂ちゃんが変なこと言うからなんか無駄に緊張するっ) 梓「......」 律「......」 梓「......」 律「......」 梓「......律先輩って」 律「ん?」 梓「憂が好きなんですか?」 律(うーん、来るとは思ってたけど率直!) 律「まぁ......そんな感じ......」 梓「......」 梓「付き合ってるんですか?」 律「付き合って............」 律「......付き......合ってい......」 律「......」 律「......」 律「あれ?」 梓「?」 律「ごめん、梓、ちょっと今日は部活休むわ」ガタッ 梓「えっ!?急にどうして」 律「あと、梓、ごめん」 梓「......」 律「ごめんしか言えないけど、ごめん。じゃあ、戸締りよろしく!」ダッ 梓「......」 梓「......告白する前にフられちゃったか」 梓「......ふぇっ......ぐすっ」 梓「あーあ、もう、律先輩うぜー。うざすぎ、ばーかばーか」ゥワァァァァァン 紬(部室でイチャイチャし出したバカップルを場所変えて説教してたら遅くなっちゃったんだけど) 紬(梓ちゃんが1人でりっちゃんの名前を叫びながら荒ぶってて部室に入り難いわ......) 唯「みおちゃーん♪」 澪「ゆーい♪」 紬「あぁ、もうそういうのは人目のつかない(でも私の目の届く)範囲だけにしなさいっ!」コ-ラッ --- ガラッ 律「憂ちゃーん!」 純「うおっ、びっくりした。あれ、り、律先輩」 律「あれ、憂ちゃんは?」 純「憂?憂ならついさっき帰りましたけど」 律「えっそうなの?」 純「今日、スーパーで鶏肉が安いらしいです」 律「今日特売日のスーパー......あそこかっ」ダッ 純「あはは、律先輩、探偵みたい!」 純「ってもういない!?」ジュ-ン --- 憂「......ふぅ」 タッタッタッ 憂(鶏肉が安すぎて3キロも買っちゃった)ホクホク タッタッタッ 律「あ、居たっ! 憂ちゃん!!」 憂「え、りっちゃん!?」 律「って買いすぎだろなにその両手の袋!?」 憂「安くてつい......」 憂「りっちゃん、唐揚げ食べに来るかなと思って」 律「......」 憂「今日部活は?まだ終わる時間じゃないよね?」 律「えっと、、その」 憂「?」 律「私って憂ちゃんと付き合ってるよね?」 憂「............」 憂「......えぇと、よくわからないんだけど、誰かに聞かれて『あれ?私たちって付き合うとか口に出して言ってなくない?』って不安になってここまで走ってきた感じ?よくわからないんだけど」 律「こ、心の中を読むなっ!? てか、当たりすぎィ!!知ってただろ、それもう知ってただろ」 憂「そういうの、言葉で言わないとダメな人?」 律「べ、別にそういうのわけじゃないけど......」 憂「でも、人に聞かれたら、りっちゃんは不安になっちゃうんでしょ?」 律「......」 憂「でしょ?」 律「う、うん。不安になっちゃって......」 憂「そういうカタチが欲しいならいくらでも言ってあげるよ」 律「いや、ちょ、ちょ、ちょっと待って!!ちょっと待ってて!!」 憂「?」 律「すーはーすーはーすーはー」 律「」ひとひとひとひとひとひとひとひとひと 憂「......」 律「」ひとひとひとひとひとひとひとひとひと 律「」ひとひとひとひとひとひとひとひとひと 憂「書きすぎでしょ......」 律「う、うっさいっ!!キンチョーしてんのっ!!」 ごっくん 律「そ、そ、そ、のっ!! はじまりはいきなりだったんだけどさっ、いつの間にか、憂が好きになってたっ!!!」 律「だから、付き合ってくださいっ///」 ため息をひとつついて 憂「りっちゃんのばーか」 憂ちゃんは私の額にデコピンをした。 律「あてっ」 憂ちゃんは、少し笑いながらこう言った。 憂「当たり前でしょ、大好きなんだもん」 それは誰に向けられたものにも似ていなくて いつもの、私だけの憂ちゃんの笑顔で。 だから、私は途端に幸せになる。 この気持ちを少しでも憂ちゃんと分かち合いたくて 勇気を振り絞って、自分からキスをしてみた。 私と憂ちゃんの心臓の音が速くなった。 憂「唐揚げ、りっちゃんのなんだからこれ持ってね」 鶏肉3キロ 律「」ずっしり 律「愛が重たい!!」 憂「りっちゃん、幸せじゃん」フフッ (続きは2人だけの秘密だから省略) おわれ 戻る
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※初めまして、最初で最後のゆっくり虐待に挑戦してみます。 ※どくそ長いです。(十回超の予定) ※うんうん、まむまむ描写あり。 ※標的は全員ゲスです。 ※最初の数回は読者様のストレスをマッハにすることに腐心しています。 ※虐待レベルはベリーハードを目指します。 ※以上をご了承頂ける方のみどうぞ。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― 『永遠のゆっくり』1 「おちびちゃんたち、じじいのあたまにしーしーしてね! くそじじいにはもったいないけど、あんまりきたないから しーしーできれいきれいしてあげるんだからね!ありがたくおもってね!」 「ちーちーしゅるよ!ちーちー!」 「ゆっ!くちょじじい、もっちょあちゃましゃげちぇね! りぇいむのちーちーできりぇいにしちぇあげりゅ!」 額を床につけている俺の頭に、正面から横から、 赤れいむのしーしーがびたびたと打ちつけられる。 気持ちよさそうに震えながらしーしーをしている赤れいむは四匹。 土下座の姿勢では見えないが、俺の正面では、 一匹のゆっくりれいむが嘲笑を浮かべながらこちらを見ている。 「ゆゆ?じじい、さっきからだまりこくってどうしたの? なにかいうことがあるんじゃないの?ばかなの?しぬの?」 「ば~きゃ!ば~きゃ!」 「ば~きゃ!ば~きゃ!」 親のれいむが罵るのを聞くと、すぐに赤れいむたちが口を合わせて合唱を始める。 「ばかなじじいはいわれなきゃわからないみたいだから、 しんせつなれいむがゆっくりおしえてあげるね! きれいきれいしてもらったらおれいをいうんだよ! さあ、いいこだからおちびちゃんたちにおれいをいってごらん?」 俺はしーしーの水たまりに頭を伏せたまま黙って体を震わせていた。 握り込んだ手のひらに爪が食い込む。 「どうしたの?いいたくないの? それともばかだからおれいのしかたをしらないのかな? いいこだからよくきいてね。 「ぐずでのろまの、きたないくそじじいに しーしーをめぐんでくださってありがとうございます」っていうんだよ!」 「いうんだよ!」 「はやきゅいえ!ごみくじゅ!」 「…………」 「ゆ?どうしたの?いえないの? ばかにはむずかしかったね。 だったらいいんだよ!おねえさんにおしえてもらおうね!」 「ぐ……」 歯茎から血が出るんじゃないかと思うほど震えている顎を 苦労してこじ開けながら、俺は絞り出した。 「ぐずで、のろまの…」 「おそいんだぜ!」 俺の後頭部を衝撃が襲う。 バスケットボール大の饅頭、ゆっくりまりさが飛び込んできたのだ。 「ちゃっちゃというんだぜくそじじい! いちにちはみじかいんだぜ?ごはんとそうじがまってるんだぜ! あさのしゃわーぐらいてばやくすませるんだぜ!」 後頭部で飛び跳ねられる度に、俺は顔面を床に打ちつける。 床に鼻血が滴る。 背中のほうでは、ソフトボール大の赤まりさたちが飛び乗り、 親に便乗して俺の上で飛び跳ねはじめている。 「はやきゅすりゅんだじぇ!」 「まりしゃしゃまたちはおなきゃしゅいたんだじぇ!」 「ごはん!ごはん!」 「ぐずでのろまの汚いクソ爺に、 しーしーを恵んでくださってありがとうございます」 「ゆはははは! いったよ、ほんとにいったよこのじじい!」 親れいむが爆笑した。 それに合わせ、赤れいむ、まりさ親子、 そして奥のほうから眺めているありす親子が笑い出す。 「ほんのじょうだんだったのに、 ほんとにいうなんておもわなかったよ!じじいはばかだね! それともほんとにうれしかったのかな? おちびちゃんたちはやさしいから、たのめばまいにちしーしーくれるかもね!」 「ば~きゃ!ば~きゃ!」 「ば~きゃ!ば~きゃ!」 「おい、しーしーじじい!ごはんをよういするんだぜ! まりささまのせわをさせてあげてるんだから、 ごみくずはかんしゃしてちゃっちゃとうごくんだぜ!はやくしろ!」 尻に親まりさの体当たりを受け、再び俺は床のしーしーに顔を打ちつけた。 「ば~きゃ!ば~きゃ!」 「ば~きゃ!ば~きゃ!」 話は二か月前に遡る。 「「ゆっくりしていってね!!」」 大学から帰ってきた俺を出迎えたのは、 居間の真ん中に転がる二つの饅頭だった。 部屋中は惨憺たる有様で、 あちこちひっくり返して見つけ出し食べ散らかした食べカスや、 排泄物らしき餡子、砂糖水、びりびりに破られてまき散らされた雑誌類などが そこらじゅうにぶちまけられていた。 冷蔵庫も開けられ、中の食材がすべてやられているようだ。 カーテンは半ば引きちぎられ、ポットも炊飯器も倒され、 寝室から引きずり出された毛布が汚れを吸って無数の染みを作っている。 案の定、窓ガラスは割られて床にガラス片が四散していた。 ここはマンションの一階。 お定まりのパターンというやつで、 石を投げてガラスを割り、侵入してきたようだ。 その時、俺が部屋に帰ってくるのは三日ぶりだった。 友人が婚約したとかで、 その祝いでひとしきり飲み騒ぎ、外泊が続いたのだ。 その間中、このゆっくり二匹が部屋を蹂躙していたわけだ。 最近になって、俺の住むこの街でも ゆっくりの被害が幾度となく取り沙汰されるようになった。 ゆっくりの数は全国で着々と増え続けているらしい。 被害に遭った知人の話を聞くにつけ、俺も対策しなければとは思いつつ、 もう少し後でいいだろうとたかをくくり、ずるずると先延ばしにしていた。 きちんと対策していれば。思い起こすたび後悔で身をよじる。 侵入してきたのは、ゆっくりまりさとれいむの番いだった。 野良のゆっくりらしく、二匹はひどく汚かった。 成体になりたてのようで、大きさは共にバスケットボール大。 全身にこびりついた土の汚れが、そのまま部屋中に足跡を残している。 「ゆ!ここはまりさのゆっくりぷれいすだよ!!」 「にんげんさんはたべものをもってきて、ゆっくりしないででていってね!!」 さっさと追い返せばすむ話だった。 だが、この時はさらに不幸が重なっていた。 「きゃあ、可愛い~!!」 恋人の由香を同伴していたのだ。 友人との飲み会でもずっと一緒に騒いでいた。 騒ぎ疲れてこの家に帰ってきて、ついでに一戦交えるつもりもあったが、 ゆっくりに水を差された形になった。 悪いことに、由香は筋金入りのゆっくり愛好家だった。 「かっわいいわあ~。すーり、すーりっ」 「ゆゆっ!おねえさんなにしてるんだぜ!?」 小汚いゆっくり二匹を両方抱え上げ、頬ずりを始めた。 「ゆ、ゆっくりやめてね……すーり、すーり♪」 「まりささまのびはだによいしれてるんだぜ!」 ゆっくりの方もまんざらではなさそうだ。 「お、おねえさん!まりささまはおなかがすいてるんだぜ。 とっととたべものをもってくるんだぜ!!」 まりさの方が早くもしびれを切らし、食事を要求してきた。 「あ、ごめんね!」 由香がゆっくり共を床に下ろし、周囲を見渡した。 しかし部屋の様子はすでに記述した通りである。 仕方なしに由香は立ち上がった。 「ちょっと待っててね。食べ物持ってくるからね」 「ゆゆっ、さっさとするんだぜ! ぐずにいきるかちはないんだぜ!!」 まりさの方はゲスなんじゃないか、と思っている俺に由香が言う。 「コンビニ行こ!」 この部屋の様子を見て、部屋の主を目の前にして なんで呑気にそんな事が言えるのか。 由香も承知の上らしく、俺の反論を封じるように 腕を引いて外へぐいぐい引っ張っていく。 「とっととするんだぜ!!」 背中から苛立たしい声が聞こえてきた。 「なに考えてるんだよ!?」 「ごめん、圭一!」 圭一は俺の名である。 部屋からある程度離れた路上で、由香は俺に手を合わせた。 「あんまり可愛いものだからつい……」 「どこが!?」 「全部!」 由香のゆっくり愛好ぶりはただごとではなかった。 ゆっくり愛護会だかなんだかの会員である。 携帯電話にはゆっくりキーホルダーがごちゃりとぶら下がり、 ゆっくりバッグの中には他にもゆっくりグッズが満載だ。 いつもゆっくりショップの前を通るたびに立ち止まり、 陳列されているゆっくり共を前にため息をついている。 俺には苛立たしいだけなのだが、 彼女の目には天使のように映っているらしい。 「ね、飼お!」 「はあ!?」 えらいことを言い出した。 あんなゲス(俺の中では決定)は一刻も早く追い出したいのだが。 「人間の手がついちゃったゆっくりより、 野生のゆっくりとお友達になりたかったの」 「あんな尊大な奴らと?おかしいんじゃないか?」 「おかしいのは自分でもわかってる。 でも、あのわがままさがたまんない……わかってもらえないと思うけど」 このあたりが筋金入りなのだ。 そこらにいる半端なゆっくり愛好家なら、 人の手でしつけられたゆっくりを愛護し、ゆっくりショップを利用する。 野生のゆっくりと付き合うほどの忍耐力を持つ者はそうはいない。 しかし、あのゆっくりならではの傍若無人ぶりをこそ愛する 本物の愛好家が稀にいる。 俺に言わせれば物好き、あるいはキワモノ好きだが。 「お前の家で飼ったら?」 「だめ。うちはもうゆっくりでいっぱいだし、 飼いゆっくりと野生のゆっくりを一緒に置いておくと 喧嘩になったりするらしいの」 由香の家族もゆっくり愛好家で、 家に何十匹のゆっくりを飼っていた。 由香の家庭についてはあとで触れる。 由香は飼いゆっくりは十二分に堪能できているはずだが、 野生のゆっくりと触れ合いたい欲求もあったようだ。 つくづくマニアである。 「あたしも毎日通ってお世話するから、お願い!」 俄然、揺れた。 ここまで読まれた方にはとんだ我儘女に見えたかもしれないが、 由香は本当にいい女なのだ。 可愛く美人、スタイルもよくて理知的だ。 飲み会でも出しゃばらず、いろんなところによく気が回る。 そして家が金持ち。 いつも周囲の友人に羨まれる、極上の女であった。 その彼女の唯一の欠点が、病的なほどのゆっくり好きという点だ。 それでも俺にとっては、 ひとつぐらい欠点があったほうが安心するぐらいのもので、 そこも含めて愛する気満々だった。 俺の家で飼いたい、というのにはさすがに躊躇したが、 家に毎日来てくれるという。 ゆっくりを餌にすれば、いつでも家に連れ込める。 これはなんとも魅力的だった。 結局、俺は首を縦に振ることになった。 ちゃんと世話しろよ、と釘を刺しつつ。 「やった、ありがと!圭一大好き!」 俺の肩に飛びつき、熱烈なキッスを浴びる。 たまに見せるこういうところが可愛い女なのだ。 「ゆっくりおそいんだぜ!!おねえさんはぐずだね!」 「ごめーん」 「ゆ、さっさとたべものをおいてでていくんだぜ!」 由香はゆっくりに詫びると、 コンビニで買ってきたプリンの蓋を開けてゆっくり共の前に置いた。 ゆっくり共はわき目も振らずにプリンに突進し、容器を突き倒した。 床にぶちまけられたプリンにゆっくり共は顔を突っ込み、 涎やらプリンやらをまき散らしながらむさぼり食う。 「うっめ!!これむっちゃうっめ、まじうっめ!ぱねぇ!!」 「むーちゃ、むーちゃ……ししししあわせえぇぇ!!」 感涙しながら食べ尽くしたまりさとれいむは、 顎の下にあるあにゃるを突き出していきみ始めた。 「うんうんするのぜ!」 「うんうんするよ!」 たらふく食べて満足したあとは、排泄である。 俺の部屋の床に、二匹のゆっくりはうんうんをひり出した。 「ゆっ!にんげんさんはまりささまのうんうんをそうじするんだぜ!! さっさとするんだぜ!!」 「おぉ、くさいくさい。ゆっくりしないでかたづけてね!!」 臭いうんうんの前から自分は一歩も動こうとせず、 片付けるように命令してきたゆっくり共。 由香は文句も言わず、にこやかにティッシュにくるんで捨てた。 「ゆっくりできた?」 「まりさはゆっくりしてるのぜ!!」 「れいむはとってもゆっくりしてるよ!!」 由香の質問に答えるまりさとれいむ。 「よかった。これからもここでゆっくりしていってね」 「ゆ?あたりまえなんだぜ!! ここはまりささまのゆっくりぷれいすなんだぜ?」 「あ、ごめん。そうだったね」 「ごはんはたべたからにんげんさんにようはないんだぜ!! とっととでていくんだぜ!!」 「あ、あたしたちもここでゆっくりさせて!」 手を合わせてお願いしはじめる由香。 ゆっくり相手にこんなことをする人間は他にいるまい。 「ゆゆ?なにいってるんだぜ?おねえさんはばかなんだぜ? やくにたたないくずをおいておくよゆうはないんだぜ!!」 これだけ広い部屋を、饅頭二匹で占拠するつもりらしい。 「そろーり、そろーり」 まりさの背後に、れいむが大声で何か言いながら近寄る。 そして耳打ちした。 「まりさ、ちょっとこっちにきて!」 「ゆっ!なんだぜれいむ!ばかなにんげんをいまおいだすところなんだぜ!」 そう言いながられいむに促され、まりさはこちらから離れていった。 俺たちから離れていくと、二人はこちらに背を向けながら相談を始める。 「ひそひそ、これくらいはなれれば ばかなにんげんさんたちにきこえないよ!」 1メートルしか離れていない。 当然丸聞こえであるが、まりさは気づく様子がない。 「ばかなにんげんにきかれてこまることなんてないんだぜ?」 「まりさ、よくきいて!このにんげんさんたちはたべものをもってるよ! まりさがかりにいかなくてもこいつらにもってこさせれば、 このゆっくりぷれいすでずっとゆっくりできるよ!」 「ゆ!めいあんなんだぜ!! まりさがちょっとおどしてやれば、 にんげんどもはばかだからいくらでもごはんをさしだすんだぜ!!」 「まりさ、むちだけじゃだめだよ! あめとむちをじょうずにつかいわけて、にんげんたちをしつけるんだよ。 こんきよくがんばれば、にんげんだってきっとやくにたつよ!」 「れいむはあまいね!でもわかったんだぜ。 いかさずころさず、なるべくながいあいだつかってやるんだぜ!!」 そんな会話を、由香はニコニコしながら聞いていた。 俺のほうは、聞いていて気分のいいものではなかったが、 ゆっくりの馬鹿さ加減はよく知っていたし、 あとで躾けてやればいいだろうぐらいにその時は考えていた。 「おねえさんたち、よくきくんだぜ!!」 密談らしきものを終え、まりさがこちらに向かって声をはりあげた。 「まりさたちのゆっくりぷれいすにいたかったら、 まいにちまりさたちにごはんをもってくるんだぜ! そうじもするなら、とくべつにここでゆっくりさせてあげるんだぜ!」 「やったあ、よろしくね!」 大げさに喜んでみせる由香。 話を合わせて、このゲスぶりを堪能するつもりらしい。 ゆっくり愛好家を称する人間は多いが、 ゲスをすら楽しむほどの物好きは、 日本中探しても五人もいないのではなかろうか。 その日から、ゆっくり共との生活は始まった。 二匹のゆっくりは部屋の中で傍若無人に振舞った。 「まりささまにごはんをもってくるんだぜ!!」 「かわいいれいむにあまあまをちょうだいね!!」 腹が減ればいつでもどこでもわめき出す。 「ゆっくりうんうんするのぜ!!」 「しーしーするよ!!」 うんうんとしーしーも、気が向いたときに垂れ流し、 それが終わると俺たちを呼びつけて片付けさせた。 「それはなんだぜ!?まりささまにさっさとよこすのぜ!! ここのものはぜんぶまりささまのものなんだぜ!!」 ちょっと興味が沸くと、すぐに俺たちが持っているものを差し出させた。 勉強中には鉛筆を奪われる、掃除をしていれば掃除機を奪われる。 そのうち飽きて放り出すからまだいいが、 何をするにも中断させられるはめになり、邪魔でしょうがない。 「ゆ~♪ゆ~♪ゆっゆ~♪ゆゆゆゆゆ~♪」 突然大声で歌い出すのでうるさくてかなわない。 「ゆぁああああ!!なんだぜこれぇえええ!!?」 「おにいさあああん!!はやくきてかわいいれいむをたすけてねぇえええ!!」 慣れない家の中で勝手に動き回るものだから、 本の山に押しつぶされたりそのへんの隙間に挟まったりして、 しょっちゅう俺たちを呼びつけた。 「おそすぎるんだぜ!!もたもたなにしてたんだぜぇええ!? やくにたたないにんげんはごみくずなんだぜぇ!!」 「なんでもっとはやくたすけないのおおぉ!? かわいいれいむがくるしんでてもへいきなの!?ばかなの!?しぬの!?」 助けてやったところで、礼を言われたことは一度もない。 何度となく叩きつぶしたくなったが、その度に由香に止められた。 「この子たちは好きにさせてあげて、ホントにごめん!」 その可愛い顔のために、俺は耐えつづけた。 もともと俺は、愛護派でも虐待派でもなく、ゆっくりに興味はなかった。 思い入れがないぶん、ただの饅頭の言うことだと聞き流し、 まじめに取り合うことなく一歩引いて接することができていた。 とはいえ、それでも我ながらたいした忍耐力だったと思う。 結局、おれも変人だったのかもしれない。 ゆっくりという生物は、甘やかせばどこまでもつけあがる。 後日、このゆっくり達の存在は日本中に知れ渡るのだが、 そのつけ上がり具合に、誰もが驚愕することになる。 よくもそこまで、殺さずにつけ上がらせつづけたものだと。 ある日、由香が祖父を伴って俺の住むアパートにやってきた。 「やあ、圭一くん。こんにちは」 「こ、こんにちは。おじい……長浜さん」 この老紳士、長浜氏は政財界では名の通った名士である。 建築業の重鎮で、大企業長浜建設の名誉会長を務めると同時に、 多くの著作をものした社会学者でもある。 すでに述べたように、恋人の由香の祖父であり、 可愛い孫の恋人である俺の動向にさりげなく目を光らせている人だ。 お祖父さん、と一瞬呼びかけた俺に対する視線が一瞬きらりと光ったのは気のせいではあるまい。 人当りがよく、理知的な人であり、俺との関係もひとまず良好だ。 安アパート住まいとはいえ、自分で言うのもなんだが、 俺が国立有名大学に通い、トップクラスの成績をマークしてそれなりに優秀なことも大きいだろう。 これほどの人だから、孫の相手には、 トップクラスと言わず首席級の男をと言いだしても不思議はないが、 そこは孫の意思を尊重してくれている。 漫画に出てくるような偏屈爺とは違う、ごく普通に良識的な紳士というわけだ。 とはいえ、やはり会うたびに緊張してしまう。 「どうぞ、何のおかまいもできなくて」 「いやいやいや、こちらこそ。急に押しかけてすみませんでした」 若輩の俺に対しても、長浜氏は礼儀正しく頭を下げる。 「孫の話を聞きましてな。ぜひ見せていただきたいと思いました」 そう言い、長浜氏はさっきから喚いているゆっくり共のほうを見た。 「おじいさんはゆっくりできるひと? かわいいれいむにあまあまをちょうだいね!!はやくちょうだいね!! きこえないの?ばかなの?ばかなにんげんさんなの?」 「くちょじじい!!さっさとあまあまをよこすんだぜ!! よこしたらまりさのゆっくりぷれいすからでていくんだぜ!!」 「これはこれは……」 長浜氏は目を細めて笑い、懐から飴玉を取り出すとゆっくり共に投げ与えた。 わき目もふらずに飴玉に食いつくゆっくりを見届け、彼は俺に向きなおった。 「いやはや、大したものですな」 「いや、どうも毎日大変で……まあ」 挨拶を交わしながらソファを勧めようとしたが、 ゆっくり共のうんうんやしーしーで汚れきり、とても人を座らせられる状態ではない。 来るとわかっていればせめて洗濯していたのだが。 床にありあわせの座布団を敷き、座ってもらう。 それまでのやりとりで大体の事情はわかったが、一応話を聞くと、 孫がゆっくりを全力でゆっくりさせることに挑戦していると聞き、興味を抱いたらしい。 この長浜氏、やはり非常なゆっくり愛護派である。 大きなゆっくり愛護団体の会長をも務めるほどで、 日々ゆっくりを苦しめる虐待派のふるまいに心を痛め、ゆっくり愛護を市井に呼びかける一方、 都市部に繁殖するゆっくりへの対処問題に腐心している。 由香の住む家は長浜氏所有の邸宅であり、 家族ぐるみでゆっくりと付き合っているのはこの人の影響によるものだ。 「ね、とっても可愛いでしょ!!」 「いやはや……こら、じいちゃんは圭一くんと話してるんだ。 ちょっと静かにしていなさい」 孫娘に飛びつかれ、やや困り顔ながらもこぼれる笑みを抑えられないようだ。 しかし由香を引き離すと、改めて俺に向きなおると、深々と頭を下げた。 「このたびは、孫娘のわがままでまことにご迷惑をおかけしとります」 「あ、いえいえいえ!」 予想外の成り行きに慌ててしまう。 まさか俺ごときが、この人に頭を下げられるなんて思っていなかった。 「我儘放題なゆっくりの言うことを聞き続け、自由にさせる。 なんと馬鹿なことをと、わしは説得しました。 わし自身、なんとも困ったゆっくり狂いという悪癖を持っておりますが、 それでもわがまま放題にさせるなんてことは、 人間にとってもゆっくりにとってもためにならん。 それぐらいはわきまえとるつもりです」 「……はい」 「しかし、こやつは言うのですな。 人間の都合でゆっくりを飼う、いや、飼わせてもらっている。 だから、人間は全力でゆっくりをゆっくりさせる義務があるのだと。 わしは……返答に困りましたわい」 「ですが……人間の社会で生きていくんだったら」 「もちろん、そうです。 ここで生きるならここのルールを教えるのがゆっくりのためだ、 そんな御託はいくらでも並べられますし、正論です。 しかし、それでも、わしは答えられませんでしたわ。 確かに、わしらは飼わせてもらっておる。ここで生きることを強要したのはわしらだ。 強要しておいて、そのための忍従を強いるのは、やはり横暴でしょう。 ゆっくり狂いの馬鹿な戯言とお思いでしょうがな」 「…………」 答えられなかった。 事実、そう思っていたからだ。 良識ある人かと思っていたが、子供じみたセンチメンタリストなのか。 「甘やかされきったゆっくりの行き着く末路は、もちろん想像がつきます。 しかし、こやつは全力でゆっくり達を守るという。 圭一くんも協力してくれるからと。 それなら、一度、やってみる手かもしれんと思いました。 無茶な実験をするようですが、これもまた、ゆっくり研究の一環ではありましょう。 なにしろ愛護者でさえ、そんな事をやり通した者はほとんど聞きませんからな。 ゆっくりのわがままにとことん付き合うのは非常に、非常に骨の折れる話です。 それに挑戦してみることは、ある意味、こやつの為になるかもしれんです」 長浜氏はそこで、再び居住まいを正して、俺にふかぶかと頭を下げた。 「どうか、孫娘に付き合ってやってはくださらんか。 ゆっくり馬鹿、孫馬鹿の耄碌爺の戯言ではありますが、聞いて下されませんか」 一瞬、慌てながらも言葉に詰まった。 少々意外だったからだ。 良識と常識ある人かと思っていたが、孫娘のこんな暴挙、 しかも他人である俺を巻き込んだ暴挙、止めるのが普通というものだろう。 しかしこの人は、他人の俺に、我慢して共に耐え忍んでくれという。 ずいぶんと非常識な願いと思わざるをえない。 いや、一応、結婚すれば他人ではなくなるのだが…… あ。 そうか。 俺はそこで、老人の目論見がわかった。 この人は俺を試しているのだ。 可愛い孫娘の恋人、あるいは夫として、俺がふさわしい男かどうか。 甘やかされて育った娘を受け入れられる忍耐強い男かどうか、 このゆっくり共を試金石にして確かめようというのだろう。 確かに、忍耐力を試すのにゆっくりほどお誂え向きの存在もない。 また、由香の家族と付き合うのならば、ゆっくりとの付き合いもできたほうが断然いい。 そういう方向でも試す目論見がありそうだ。 そういうことならば、迷う理由はない。 あなたの孫娘を任せられる男であることを、見事証明してみせようではないですか。 俺は笑うと、力強く言い放った。 「万事お任せください」 頭を上げ、俺の表情を確かめた長浜氏は、満足げに目を細めた。 続く
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・10回目 ・原始種 ・ゆっくりが変なスペックです。注意。 ・虐めません。 ・ていうかSSじゃない。 ・ヨロシクオネガイシマス デパートでゆっくり専用のおもちゃが有ったので、買ってきた。 今更だけど、何の気の迷いで三千円もパーに・・・売り子のゆうかときめぇまるにつられたのか。 まあ、買ってしまったなら仕方ない。 「ゆっくりしていってね!!!」 「ゆっくりしていってね!!!」 「はいはい。ゆっくりゆっくり」 割りとポピュラーなれいむとまりさ。 この二人は、野生ゆっくりや他の家のゆっくりのような生物行動をしない。 いわゆる原始ゆっくりらしい。 どこから着たのかも分からず、気付いたら家に居着いていた。 最初は追い出そうとしたけども独身の淋しさを紛らわしてくれるのも事実なので、なんだかんだで飼っている。 さっそくおもちゃで遊ばせることにする。 ゆっくりにいろいろな種類があるように、おもちゃもゆっくりの種類ごとに、規格が違っていた。 れいむのおもちゃは、陰陽玉と銘打たれたゴムボール。 炊飯器ほどの大きさのれいむより一回り小さい。 白色の勾玉と黒色の勾玉を円になるように合わせた模様はよくみるものだ。 目の前に転がされた陰陽玉を、れいむは不思議そうな顔で見ている。 説明書を見てみると、れいむが興味を示すまでそっとしておけと書いてある。 なので、そのまま待ってみる。 十二分後。 いい加減、手持ち無沙汰になり、固まったれいむに背を向け、まりさのおもちゃを組み立てているとれいむに動きがあったのか、物音がした。 振り返ってみると。 陰陽玉の上に飛び乗ったかと思うと、陰陽玉ごと宙に浮いていた。 そのまま部屋の中をふよふよ移動している。 ゆっくりを乗せた空飛ぶゴムボール。 シュール過ぎる。 あっけらかんとしているとれいむが目の前に来た。 「わたしははくれいのみこよ。ゆっくりしていってね!!!」 「ゆっ・・・ゆっくりしていってね・・・」 今まで、ゆっくりしていってね以外喋らなかったゆっくりれいむがまともなことを言ったことに驚く暇もなく、またれいむはまた部屋の中をうろうろしだす。 慌てて説明書を確認する。 Q&A。 Q.ゆっくりが空中に浮くんですが・・・。 A.純餡に近いれいむによっては、陰陽玉を使って浮くことができます。その場合、外に行かないように戸締まりをして、広い場所でご使用ください。 仕様らしかった。 最近のおもちゃの出来に関心しながらまりさのおもちゃを組み上げた。 ミニ八卦鈩という名前の八角形の箱。 中心に球体のビー玉のようなものがある。 まりさの前に置いてみる。 まりさもまた不思議そうな顔でミニ八卦鈩を見つめている。 今、部屋中を飛び回ってるれいむのこともあるので今度は目を離さないように凝視する。 二十四分後。 さすがに、集中力が切れてきた頃。 まりさはおもむろに、ミニ八卦鈩をおさげで掴み、眼前に翳す。 すると、七色の光とともに強烈な熱が溢れ出した。 光はスターウォーズで聞いたことがあるような音と共に、飛んでいたれいむを包み込む。 光が収まる頃には、れいむは目を回して地面に倒れていた。 慌てて説明書を読む。 Q&A Q.まりさがレーザー光線を出したのですが・・・。 A.純餡に近いまりさによっては、ますたーすぱーくを撃つことがあります。カーテンを閉め、広い場所でご使用ください。 仕様らしい。 れいむは起き上がってまりさを睨む。 まりさもまりさで、勝ち誇った顔で睨み返している。 止める間もなく、二人は弾のようなものを出しながら空中を飛び回り始める。 部屋が無茶苦茶に荒らされるまで、呆然と見ているしかなかった。 翌日、れいむとまりさをお仕置きの為に透明な箱に隔離し、捨てようとしたおもちゃのパッケージの裏に、ゆっくりだんまくごっこ用オプションと書かれていたのを発見し、重い気持ちになった。 そんなゆっくりのおもちゃの登場以降、世界中でゆっくりを弾幕ごっこで戦わせる東方緩弾幕という競技が流行したという。 それらを見る度に、れいむとまりさが弾幕ごっこを始めようとするのを止めるのが、日課になってしまった。 アトガキ ゆっくりの弾幕ごっこを書いたSSをいくつか読んだことがあるのですが、 ゆっくりが弾幕って無理あるよなぁ・・・。 ↓ オプションでなんかあればなんとかならね? ↓ 初期のゆっくりならなんでもありじゃね? ↓ もう、原作キャラっぽいのでよくね? ↓ どうしてこうなった。 でも、ノリで書いた東方緩弾幕のを書いてみてるんですが、楽しいです。妄想する分には。ポケモンみたいな感じで。 ルールブックみたいのもちょくちょく書いてます。妄想です。はい。 餡小話じゃなくてぬえ行きかなぁ・・・むしろお蔵入りですねはい・・・。 ご読了ありがとうございました。 【妄想で書いたもの】 かり ・ふたば系ゆっくりいじめ 963 ト● ・ふたば系ゆっくりいじめ 990 くちばしにチェリー ・ふたば系ゆっくりいじめ 1000 デスクトップガジェット ・ふたば系ゆっくりいじめ 1018 ゆっくりつくーる ・ふたば系ゆっくりいじめ 1054 夢想天生 ・ふたば系ゆっくりいじめ 1064 スペクタクルスパイダーウーマン ・ふたば系ゆっくりいじめ 1091 つるべおとし ・ふたば系ゆっくりいじめ 1118 ゆっくりのおもちゃ どろわ ・つんつんつんつくつんつくつんつん ぬえ ・山女って可愛いよね
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前編から ―夜。 作戦はほぼ同時に開始された。 我が家へ帰るのに正門から入らない存在はいないでしょう? 「お姉様、はじめよ?」 「レミィ、こっちは問題ないわ。」 「はい、私も大丈夫です!」 …一呼吸おいて。 「…私たちの家を返してもらうわよ!」 「うん!」「ええ。」「はい!」 魔力を集中させ、具現化する。赤き槍。 ―神槍「スピア・ザ・グングニル」 宣言されたそれを門に向かって力任せにブン投げた。 ―数分前、紅魔館の門にて。 「屋敷はみんなで守りましょうね。」 今日も異常なし。毎日が平和で嬉しい限りだ。 門番の部下も増えて嬉しいし、これからもお嬢様や咲夜さんのために頑張ろう! 「「「「じゃおーん!!」」」」 「「「「「ゆっくりりかいしたよ!!」」」」 私の声にこたえてくれる部下達。 人数も沢山になり、門番のローテーションも前よりはきつくなくなった。 「私は一旦中に戻るけれど、何かあったら直ぐに呼んでね。」 実はこの時間が一番楽しみ。咲夜さんと一緒にゆっくりできるから。 美味しいお菓子に、飲み物。報告という名のおしゃべり。これが楽しみだから門番を頑張れる。 「「「「門番長!わかったよ!ゆっくりやすんできてね!!」」」」 部下の声を背中に鼻歌交じりで休憩室に向かった私。 ―現刻、門前。 大げさなほどに砂煙を巻き上げる着弾地点。 ソレが今回の会戦の狼煙となった。 門前に出来た巨大なクレーター。 「ただいま。何、ボッとしてるのかしら?」 館から急いで出てきた馴染みの顔に声をかける私。 緑の帽子に赤い髪。らしくなく目を吊り上げ、怒りをあらわにし 「…侵入者!ここは通さない!!」 おかえりなさいませ。を忘れた門番。 「お姉様、私に任せて?」 答える代わりに頭を撫でた。 「やったぁ!…美鈴、今日はイッパイ遊べるね!」 紅の大剣を具現化させ、美鈴に突っ込むフラン。 怯まずに迎え撃つ美鈴。 「…レミィ、急ぎましょう。」 言葉通り、ここは任せて館に入らせてもらうわよ。 「待て!!館に入ることは私が許さない!!」 フランを退けたら考えてあげる。…本気出さないと死ぬわよ?美鈴。 館に無事侵入出来たが、その惨状は目を覆いたくなるものだった。 饅頭が我が家を我が物顔で闊歩し、文字通り好き勝手にゆっくりしていた。 「おねえさんたち!私たちのお家にようこそ!!」 赤いリボン、霊夢を模したのであろうそれが声を出した。 その声に反応したのか、屋敷のいたるところから姿を見せる饅頭共。 100は居るであろうその蠢く床が一斉に声を上げる。 「「「「ゆっくりしていってね!!!」」」」」 煩わしい事この上ない。…駆逐はパチェと小悪魔に任せ、私は私の部屋に向かう事にした。 … ……。 珍しく怖い顔をしている美鈴が、お姉様達を目でおって無念そうに吐き捨てた。 「くっ!中に進入されてしまった!!」 …あんなに必死になっちゃって…。…嬉しいな。いつもここで、こうやって私達の為に働いてくれてるんだ。 「…悪いが、貴女を倒して侵入者を追わせてもらう!」 鋭い眼光が私を射す。こうやって侵入者を牽制、威嚇してるんだ。 …うん、大歓迎だよ。今日は、夜が明けるまでいっぱい遊ぼうね、美鈴! 「門番長!わたしたちもかせいするよ!!」 「お空の上からなにか投げたのはおねえさんだね!!」 「「「仲間のかたきをとらせてね!!!」」」 不意に背後から声がした。お饅頭の癖に喋るへんてこな存在。門のすぐ脇にあった何十もの穴からゾロゾロと転がり出てきた。 「ほかの詰め所のみんなもゆっくり出てきてね!!しんにゅうしゃがきたよ!!」 「ふぁらんくすだよ!みんなゆっくりしないで陣をくんでね!!」 口に木の棒を咥え、数十匹がもたもたと密集陣形を組んでいた。 “それやったのお姉様だよ。”言葉に出すのは止めておいた。無視して空中へ浮かんだ。 「美鈴!お空で戦お?」 二人きりで遊びたいから。 「何で私の名前を…?」 不思議そうにする門番。 「いいから早く~。私が侵入者役で美鈴が門番役で決まりね!」 今日の遊びはこれで決まり。 「役も何も…。まあ、とにかく貴女を倒して残りの侵入者を追わせて貰います!」 “門番長、ゆっくりがんばってね!”“みんなでおうえんするよ!!” …気楽だね饅頭共。美鈴はね、こんなのを守る為に此処にいるんじゃないんだから! … ……。 「…リトル、それじゃあよろしく頼むわね。」 ホールに居たゆっくりの群れを一掃なされたパチュリー様は既にこの場にはおらず、念話でそう仰りました。 「はい!…でも、思ったよりイッパイ居ましたね。」 同意してくださったようで、そうね、とだけ答えてくださった後に念話は切れました。 これを後でお掃除するのはやっぱり私なんですよね。 それはいいとしまして、先ほどの一掃劇は本当にお見事でした。パチュリー様の魔法は本当に凄いです。 … 「パチェ、任せた。」 ホールに居たそれらを見て、怒り気味のレミリア様が仰いました。 「…面倒ね。」 対してパチュリー様は“任せた”と言われる前には既にスペル詠唱を始めていまして…。 本当にお二人は仲がよろしいのですね。二人の関係っていつ頃からなのでしょうか? こういう状況なら、パチュリー様が選択されるのはきっとあのスペルかな。…そうしたら私が出来る事って何だろう? 「はい、皆さん!甘いお菓子をお持ちしましたよ。」 “はい、どうぞ。”掛け声と共に轟く饅頭の群れの真ん中にクッキーを投げる私。 私に出来る事はきっとコレを足止めし、パチュリー様の御負担を少しでも軽減することなのだと思います。 …後でこっそり食べようとポケットに忍ばせておいたものがこんな形で役に立つなんて。 多分、この行動、無駄じゃないですよねパチュリー様?ちらりとそのお顔に目を向ける。 「「「「「ゆ!?」」」」」 「これはまりさのまえにおちてきたからまりさのだよ!!」 「ずるいよ!!みんなでわけようね!!!」 中心に向かって群れが固まる。 「…リトル、いい判断よ。」 間違いじゃなかったらしい。パチュリー様の負担を少しだけ減らせたようです。 パチュリー様の指先より放たれたソレはチラチラと淡く光りながら、ふわふわと中心の泥棒さんを模したお饅頭の前で静止しました。 「ゆ!!これなんだかゆっくりしてるね!!」 ふわふわキラキラのソレは、確かに私の目から見ても綺麗でした。それが内包する物が何であるかを知っている身ですらそう思えるのですから、お饅頭さんの反応は仕方が無いものだったのかもしれません。 レミリア様はその様子を見て、満足されて奥へ向かわれました。 パチュリー様は饅頭の群れに背を向け、レミリア様を目で追われていました。 私は、パチュリー様が放たれたソレに一つだけの弾を放ち、群れを観察しました。 「ゆ~♪ふわふわのキラキラさんと、お菓子さんがまりさによってきてくれてしあわせだよ!!」 パチン!と、私の魔力とパチュリー様の放ったソレがぶつかりました。 「ゆゆゆ!?ふわふわさんが消えちゃったよ!!」 はじけた後に残ったのは、薄っすらと白く見える気体だけでした。 ―金&水符「マーキュリポイズン」 1発だけ放たれたそれは、弾幕と呼べるものではないですが、足を止め言い争いをしている多数を亡き者にするには充分すぎました。 「ゆ!い、ぎ…でぎな!ぐるじぃぃぃ…!!!」 魔力精製された水銀毒が、お饅頭さんを蝕んでいるのが解ります。 気体を吸い込んだ固体は、白目をむき、先程食べたお菓子を自身の内容物と共に吐き出し、誰にでもなく助けを求めています。 「ゆ!なに?まりさ?どうしたの!?」 気体は徐々に徐々に広がりつつありまして、中心から離れないと、きっとこのお饅頭さんみたいになっちゃいます。 「ま、まりざぁぁ!!ゆっぐりしてよぉ!!ゆっぐり…?ゆ゛!ゆ゛……ゆべぇ…」 傍に寄ろうとした白赤饅頭も機能停止したようです。口を模した部分から内容物を吐き散らす様子を見て、この後の掃除の段取りを考える私。 …われに返った時には結界にとらわれてお饅頭さんの殆どが水銀中毒になり、絶命した後でした。 ボーッと考え事をしてしまうのが私の悪い癖だとパチュリー様によく注意されます。 「…リトル、図書室は任せたわ。私は館全体にこのタイプの結界を張ってくるわ。」 はい、咲夜さんと美鈴さんを救出したら、これで一網打尽にするのですね。このお饅頭たちは水銀毒が効果があるかどうかの見極めも完了されましたし。 …密室に気体毒を放って害物を駆除する製品って作ったら売れそうですね。 またも無駄なことを考えていたら、パチュリー様は既におらず、ホールのお饅頭が“可視できる”気体毒から逃れようと結界に顔をへばり付かせて逃れようと努力していました。 「もうやだぁぁ!ゆっくりでぎないよぉぉ!!おうぢがえるぅぅぅ!!!」 ゆっくりを亡き者にするために放たれた毒は、文字通りゆっくりと結界の中の空気に溶けていき、透明の空間をほんの僅かだけ白くさせながら少しずつ少しずつその領域を広めていきました。 「ここがあなた方のお家と御聞きしましたが?」 スマイルで御聞きしてみました。確かにそう仰られましたから。 「本当はれいむ゛のおうぢはもりのながなんでずぅぅ!だからかえらぜでぇぇ!」 涙や涎や汗で顔をグシャグシャにし、ホールを汚しながら私に向かい言葉を放ってきました。 体液を外に分泌させながら懇願してきて、きっと必死なのでしょう。ちょっとだけ可哀想に 「あ!白いふわふわさんがすぐ傍まできていますよ!」 思えません。館に許可無く侵入してきたものはすべて排除します。無断侵入者の排除失敗は過去から今にかけて、人間二人だけです。 「い゛や゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁああ゛ああぁ゛あ゛!!!ふわふわざん!!もっどゆっぐりしていっでよぉぉぉ!!!」 徐々に迫ってくる気体と私を交互に見て、お饅頭さんは叫びました。 「おねえざん!だすげでぇぇ!!ここからだじでぇぇぇ!!」 私は頷き、結界を手で押すふりをしながら笑顔で答えました。 「私も入れないみたいなので、そこでゆっくりしていってくださいね。」 「やだぁぁぁ!!ここでゆっぐりしだらゆっぐりしじゃうううう!!!」 よく解らない返答に私も困ってしまいます。 「息を止めてみたらどうでしょうか?頑張ればきっとふわふわさんも諦めて下さいますよ!」 笑顔で提案する私、ハッとした表情で私を見るお饅頭さん。 「ありがどうおねえざん!!」 言うや否や、息を止めるために大きく息を吸い込んでいました。長時間の無呼吸に備えるつもりなのでしょう。 やがて結界内に完全に充満したようで、私と話をしていた固体以外は全て動かなくなっていました。 目を閉じ、口も横一文字にする目の前の個体。 本当に私の言葉を信用しているのでしょうか?無生物が諦めるなどと本気で考えているのでしょうか? では、そろそろ図書室に向かいましょう。 「…ゆっくりしていってくださいね。」 明るくはっきりと、優しく囁いてあげました。 「ゆっくりしていって…!?あ゛ァぁぁ゛!おくちひらいじゃっだらゆっぐりでぎな…ゆ゛ゆ゛ゆ゛…ゆげぇ…。」 どうしてかこの言葉を聞くと個体差はあるものの返事を返してくれます。 目をパッチリ開き、高らかに宣言されるはずであったゆっくり発言は、音源の機能停止により最後まで言い切れなかったようです。 最後の一匹が中身を吐き出し絶命しましたので、一礼をした後に図書室に向かいました。 … ……。 「お帰りくださいまし。お嬢様は誰ともお会いしたくないと」 「嫌よ。」 仕える相手をすりかえられた従者の言葉が付き向けられたナイフよりも突き刺さる。 「では、無理にでもお帰りねがいますわ。」 向けられる殺意。空気の中から現れる無数のナイフ。 小さく舌打ちをした後、すべてを回避して見せた。天井に、床に、壁に突き刺さる銀。 回避しながらその様子を見て確信した。正気に戻せると。 (…この期に及んで弾幕で勝負を仕掛けてくるなんて。律儀なのか洗脳が不完全なのか。) 咲夜の能力を用いれば、並みの相手を殺すことなど造作でもない。 時を止め、銀の刃を、敵対者の心の臓に突き立てればいいだけなのだから。 「…咲夜、お前の運命は私の掌のなかだというのに。」 今回は私が目を覚まさせてあげる。まったく…、主人の手を煩わせるなんて、従者失格よ? …。 ……。 「ねえ美鈴。」 背後から、 「もう御仕舞?」 右手側から、 「今回も美鈴の負けだね!」 正面、 「敗者には、」 左方から、 「「「「罰ゲーム♪」」」」 四方からする悪魔の声。 「う…くっ…。」 地面に落下した私は全身を支配する痛みに顔をしかめた。痛みと疲労で声が出ない。 服もボロボロ、五体満足で生きている自分が不思議である。だが、それもここまでであろう。 「ねえ、美鈴?大丈夫?」 とどめを刺されるものと考えていたのにもかかわらず、可愛らしい顔、心配そうな瞳で私に問いかける悪魔。 (…なぜそんな顔で私をみるのですか?情けなど…) 言葉に出ない。出せない。完敗を喫した自分。…過去にもこんな事があった気がする。ダメージを受けずにすんでいたはずの頭部が痛む。 私が無事なのを確認すると、悪魔は胸を撫で下ろし私の部下達の方を向いた。 「じゃあ、美鈴が守っていたものぜーんぶ壊しちゃうからね。そしたら罰ゲームだね!」 ニコニコと私に向かって言い放った。遊びの延長のように。ダメ、守らなくては…。 私は門番、お嬢様とふら…様をお守りする…?ふら…? …頭が痛い。大事な事なのに思い出せない。大事な事のはずなのに…。 「門番長がやられたよ!ゆっくりにげるよ!!」 敵わぬと見るや、逃亡の算段をはじめる饅頭達。 「敵前逃亡は死罪(クビ)だってお姉様が言ってたよ?」 気が付けば目の前には門番長をやっつけた存在。 「それに、美鈴があんなに頑張ったのに逃げちゃうなんて…。ちょっと許せない。」 “だからみんな壊しちゃうよ。” 更に紅くなる目。その手を目の前に突き出し 「“ギュッ”てしてあげる。」 その手を、力強く握り締めた。 並んで逃げる饅頭の群れ後方のゆっくり達は 「ゆ!?よくわからないけど逃げるよ!」 「おいかけてこないんだねー!わからないどにげるよー!」 「はやく、うーぱ…」 弾けとんだ。パチンと乾いた音を立てて砕け散った。 「“ギュッ”てすると、お前達は壊れちゃうんだよ?」 悪魔は笑っていた。笑いながら何度もその可愛らしい手を開いては握った。 戦慄した饅頭の群れ。所々から乾いた音、水風船が割れた時の音。 目の前の仲間が消し飛ぶ。中身すら残らない。そこに何かあったことは弾けとんだ時の音のみが語る。 確かにいた。瞬きすらしていないのに、次の瞬間にはなくなっていた。 あの悪魔の言うとおり、手を閉じられると仲間が消えていく。 「どぼじで!?どぼじでごんなことす“パチン”」 何かを叫ぼうとした個体。爆ぜて消えた。 「ん?それはね、」 何を叫ぼうとしたのか、察した悪魔は手を止めて答えた。 「コインいっこ。…ゲームオーバーだからだよ。」 あくまでも遊びという姿勢の悪魔。侵入者から殲滅者へその役をかえた悪魔。笑い声が月の下に響き渡る。 跳ねながら逃げる。次々に数を減らしていく仲間。次は自分なのかもしれない恐怖は鞭となり、跳ねる力を搾り出してくれた。 「うー!うー!」 輸送隊のうーぱっく(羽つき箱ゆっくり)が見えた。あそこまで跳ねろ!逃げる。逃げてゆっくりする為に今は急げ! 「みんな早くのってね!うーぱっくはりりくじゅんびいそいでね!」 一番乗りでうーぱっくに飛び乗ったまりさ種は叫んだ。 100は居たであろう部隊も既に10となった今の有様。まりさは一跳ね毎に消えていく仲間を見守ることしか出来なかった。その後ろには歪な羽の悪魔。 怖いが仲間を見捨てるわけにはいかない。ギリギリまで離陸はさせない覚悟を決めるまりさ種。 5、4、3…。3匹だけだがうーぱっくに乗り込めた。今が潮時。 「もういいよ!とんでにげようね!」 「うー!!」 号令が出された。うーぱっくはその持てる力を使いこの空域から離脱しようと心に決めた。 「どぼじでぇぇ!!ふくたいぢょう!!まだれいむたちがのってないでしょぉぉぉ!!ゆっくりしていってよぉ“パチン”」 乗り遅れた饅頭たちは等しく砕けちった。 その様子を見届けた悪魔は私の方へ向き直り 「ね、美鈴。“ギュッ”てしてもいい?」 おねだりする様な顔で死刑宣告を言い渡しました。彼女が手を閉じればどうなるのか、見せ付けられた直後に。 未だに痛む頭。なのに、何故、何故私は 「…はい。」 この悪魔の言葉を拒否できないのだろう? …怖い。消えてしまったらどうなるのだろう…。何も残らないのかな…。お嬢様、咲夜さん…、ゴメンナサイ。 目を瞑り、その時が来るのを待つ私。 “ギュッ” 鼻腔をくすぐる甘い香り、小さな何かが私に抱きついて…。 「ねえ…。美鈴、まだ私の事思い出せないの?」 目の前のあく…、目の前の女の子は目に涙を浮かべ私を見つめていた。 …フラン様…。どうしてそんなお顔をされるのですか?私こまってしま…。あ! 「フラン、さま…?」 恐る恐るその名前を口にした。 「・・・!?めーりん!」 ああ・・・フラン様、泣かないでください。私、本当に何を…。 ―Spell Broken― →ゆっくり『ゆっくり思考改竄』 頭の中で“パリィン”と何かが割れるような音がし、痛みが走った。 「フラン様、申し訳ありませんでした…。」 先ほどまでの記憶が後悔を呼ぶ。何たる無礼をしてしまったのかと。 「じゃあ、めーりんには罰ゲーム。お姉様が戻ってくるまで抱っこして?」 ニコリと笑い、私に要求するフラン様。 「じゃあ、これで」 両の手をグリグリと合わせ、何かを潰すような動作をされるフラン様。 「?どうかされたのですか?」 疑問を口に出すと 「仕上げ。これで美鈴の負けだから罰の抱っこを断ることは出来ないよ。」 元から断る気なんかないですよ? 「はい、フラン様。では、今何が起きているのかお話してくださいね?」 うん!、そういって私に再度抱きつくフラン様。 私の幸せは、紅魔館に住まう方々の幸せを守る事。それと真逆の事をした償いは必ずいたします。 「うー!うー!」 「おってがきてないよ!にげきれたよ!」 「やったよ!これでゆっくりできるよ!!」 「おうちにかえってゆっくりし」 饅頭たちの周りの大気だけが突然重く重く収縮し、グシャリと音がして、空から何かの固まりがボチャンと音を立て湖に波紋を作った。爆ぜた中身、魚は喜んでそれらを口にした。大部分は水に溶け、消えうせた。 … ……。 「いい加減になさい、咲夜。」 息を荒げながらもなおも力を行使しナイフを投げるのをやめない咲夜。 それを難なく回避し、余裕そうに言葉を紡ぐ私。 「はぁ…!はぁ…!私が、お嬢様を守る…!この身が動かなくなる時まで!」 …嬉しさとイラつきが同時に去来する。 素直に嬉しい。こんなにも思われている事が。 そして許せない。私とすり替わった何者かが。 「貴女が…!どうやっても…!…回避できない攻撃を、思いついたわ!」 クロックアップする咲夜の世界。強力すぎる能力は生命を蝕む。 …よくない。こんな事で咲夜の生命を燃やさせたくない。ならば 「…やって御覧なさい。」 空気が重くなる。文字通りに。咲夜の時間調律が始まる前触れ。 突如空気の中から現れる銀刃の囲い。私の周囲全てを覆い尽くして此方にへと押し寄せる。 (ルール違反じゃないのかしら?弾幕的な意味で。) 冗談じゃないわ、回避できないわよ。こんなの。 … 押し寄せる刃が侵入者の肩に胸に、腕に太腿に突き刺さった。 「…ぐ、ふっ…!?」 彼女自身の体液で濡れた床に彼女が膝を付き、此方に手を伸ばす。 「…さく、や…いたい…。」 言葉を発して倒れた。腕は天に伸ばしたままで、目は虚空を見つめて、呼吸はしていないようだ。 「…!?勝った、の?」 正直言って、この技が回避されたら討つ術は無かった。 「…あ、れ?」 侵入者の最後が脳裏に焼きついて離れない。 (さく、や…いたい…) 何故、涙が?侵入者など過去に何度も葬って来たはずなのに…! どうして…?胸が苦しい…!頭が…! 気になって、彼女の顔を見る。生気は既に失せており、動き出す気配はない。 何も間違ってはいない、はず。自分はお嬢様をお守りして…。 “ガチャリ” 背後から音がした。 「さくや?しんにゅーしゃはやっつけた?」 私の主、だ。 「…あちらです。」 どうしても其方に目をやれない。どうしてなの? 「うー!こーまかんにしんにゅうしたらこうなるんだよ!!」 嬉しそうな声で侵入者の亡骸を蹴る我が主。 …蹴る? (さく、や…いたい…) 「…蹴 る な !!!」 叫んでいた。 「うー!さくやーごべんなざいぃぃ!!」 返される返答。…何故かしっくりこない。私が叱られるべきなのに。 亡骸から離れてトテトテと私の方に歩み寄る。血の滴った床をパシャパシャと音を立てながら。 頭が痛む…。痛くて仕方が無くて、膝を付く私。ベチョリと膝を覆う感覚。血。 何故か、床を汚したそれを指で救い上げて (『十六夜咲夜』なんてどうかしら?) 赤いそれを見つめる私。 「さくやー!おなかすいたー!!プリンー!!!」 (異端の子。いくらお前が人間に災いをもたらすとされている吸血鬼や悪魔を狩っても、人間は誰もお前を受け入れない。感謝しない。恐怖、畏怖する。) 何かがぼやけてきて…。 「さくやー!!さくやーー!!きいてるの!!れみぃはプリンがほしいのぉ!!」 (だけれど私は違う。…私の物になりなさい。名前の無い銀髪の狩人。) 「はい…お嬢様…。」 白昼夢?でも、この感覚は… 「はやぐじでー!!れみぃおなかペコペコだどー!!」 (…私の血を舐めなさい。) 止まらない…。どうかしている。頭に響く、懐かしい声。絶対に逆らうことの出来ない声。 指先に付いたそれを躊躇無く舐めとった。 「懐かしかった?」 …血溜りから声がした。 「うあー!うあー!!しんにゅうしゃがいきてたどぉぉ!!!!」 はい、生きていましたね。…お嬢様。 「咲夜、代えの服を用意なさい。ボロボロじゃない。」 「さくやー!はやくやっつけるんだどぉ!!」 ―パリィン 私は、答えました。簡潔に一言 「はい。お嬢様。」 と。 「ん。今は白い服って気分だったの。流石ね咲夜。」 お褒めの言葉、至極恐縮です。 「…?なにしてるんだど?」 お嬢様に、代えの服を用意させていただいたのですよ。 「見ての通りです。」 しれっと答えました。お嬢様の着付けの最中に声をかけないでくださいまし。 「なにしてるんだどぉぉ!!れみぃはこーまかんのあるじなんだ!!めいれいはぜったいなんだよ!!」 プンスカと擬音を立てながら抗議するそれ。 紅魔館の主が貴女?何をいっているのかしら? 「咲夜。それ口を塞いで縛って頂戴。一応、ね。…あ、殺しちゃダメよ。」 かしこまりました。…コロシテハダメナノデスネ。 「さくや?な、なにするんだど!?」 時は止めない。歩み寄る一歩毎に後悔を刻み込ませてやりたいから。 「しんにゅうしゃはあっちだど!?はやぐ!!」 はい。侵入者は 「私にお嬢様を傷つけさせてまだ言うか!!」 あなたでしょう。殺してはいけない枷が殺意を濃厚にする。 「こわいどぉ!ざくやー!だずげでぇ!」 煩わしい声。…聞きたくない。 その緩んだ頬に平手打ちをした。していた。手が勝手に。 パン! 「黙りなさい。」 「いあぁぁ!!いだい!!!」 パン! 「黙りなさい。」 「!やべでぇ」 パン! 「黙りなさい。」 「わかりまじだぁぁ!!」 パン! 「黙りなさい。」 「!?・・・!?」 黙ったソレの目の前にナイフを突きつけると、ビクリと反応した。 「口を開きなさい。」 頭を掴み、目を逸らさせない。 コクコクと頷き、口を開くソレ。 ナイフを口内に侵入させると流石にそれも 「ひゃべで!!なにずるのぉ!!」 恐ろしいのか声を上げた。 空いている手がないので頭を掴みあげている手の力を強める。 「黙りなさい。」 それは敵わないと悟ったのか震えて泣き出した。 泣き出して泣き出して、頬をぬらすそれを見て私は 「この舌がいけないの。」 ソレの舌を根元から切り捨てた。ボトリと音を立て、床に落ちるそれ。 「いはぃぃぃ!!へみぃのひははー!!」 頭を掴むのを緩めてやると、ソレは必死に落ちた舌を拾い上げようとしていたので 「目障りですので動かないでくださいまし。」 その落ちたものを踏み潰した。 「へみぃのへれがんとなひははー!!」 卒倒、気絶した。手間が省けて助かる。 縛り上げたソレを運んでお嬢様と外に出ると、美鈴とフラン様がなにやらお話をしていた。 「「あ!」」 二人同時に私とお嬢様に気がついて手を振っていた。 「お姉様!美鈴はもう大丈夫だよ!無事だよ!!」 「ええ。咲夜も無事よ。」 どさりと二人の目の前に、自称主を投げ落とした。 「…ふーん、コイツが私達の館で好き勝手してた奴の首謀者なんだ。…どうするの?壊していい?」 フラン様の目が真っ赤になる。美鈴がなだめてお嬢様の采配を待つように言い聞かせている。 どうするの、お姉様? 如何しますか、お嬢様? どうしましょう、レミリア様? 三人、三対の目がお嬢様を向く。 「…あー、紫、聞こえてるわよね?こっちは制圧終えたわよ!」 空に向かい叫ぶお嬢様。…あの妖怪が動く規模なの?今回の事件は? 空中にスキマが割れたのを確認し、お嬢様を見た後、私と美鈴でソレをスキマに投げ入れた。 …。 ……。 「…むきゅ。」 「…むぅ。」 二人は不機嫌だった。それはそうかもしれない。 「だって、咲夜も美鈴も無事に救い出せたから、つい勢いで。」 答えるのは私。Seizaさせられるのは、私を含め四人。 「…リトル。私すごーく頑張って館全体に結界を張ったわよ。」 「ご苦労様です、パチュリー様。私は図書室以外にも、屋敷内の全ての部屋を見て回って掃除していました。」 「ご苦労様、リトル。でも、私達を待たずに制圧報告って酷いわね。」 「はい、酷いです。でも、良しとしましょう、パチュリー様。あの言葉は待っていてくれたですから。」 Seizaを解く様に言われ立ち上がる私達。 パチュリーと小悪魔、私とフランが横一列に並び、二人に言った。 「「「「二人ともおかえりなさい!」」」」 美鈴も咲夜もその場で崩れて答えた。 「ただいまもどりました、お嬢様、妹様、パチュリー様、小悪魔。」 「ただいま帰りました、レミリア様、フラン様、パチュリー様、小悪魔さん。」 「さ、“家族”揃って紫の所に報告に戻るわよ。」 その言葉に呼応するかのように六人が横一列で通れる大きさの隙間が開いた。 “家族”その単語に反応したのはスキマだけじゃなくて 「お嬢様。」 咲夜。忠実な咲夜。感情の起伏があまり無かった筈の咲夜。 「…嬉しい!」 こら、紫の所いくこの時に“ギュッ”って抱きついたら! ―マヨイガ 「…ご苦労様。それと、そういうのは異変が終わってからにしてほしいわ。」 異変が終わったら私も霊夢にしてもらうもん?…ソレは許さないけれど謝るわ。咲夜が急に、ね。 「あー!お姉様ズルイ!私も混ぜて!」 フラン、異変解決まだだって紫が! 「わ、私も嬉しかったです…!レミリアお嬢様!私も!」 美鈴、まともな子だと思っていたのに…。 「そ こ ま で よ !」 パチェの声で全員はなれる。どういうわけか、パチェのこの言葉を聞くと今行っている行為をやめなくてはいけない気分になる。 「…まあ、神社は直ぐに制圧の声が聞こえてくるでしょう。だから…」 続く言葉は理解できる。…もう一仕事してやりましょうか。 「ふん。永遠亭の増援、引き受けてやるわよ。…行くわよ、フラン!」 「うん!お姉様!」 咲夜と美鈴もそれに続こうとするが私の答えは 「…気持ちだけで充分よ。貴女達は休んでいなさい。」 パチェが代弁し 「リトル、貴女もよ。この二人の看病、任せたから。」 更に続ける。 不服ながらもそれを受け入れる三人。 「「「いってきます。」」」 「「「いってらっしゃいませ!」」」 … …… 異変は巫女救出成功により急速に収まった。永遠亭は大分苦戦したようだが、何とか制圧できた。 人間は疲労により衰弱しているものもいたが、死者はでなかった。永遠亭にはしばらく患者で溢れそうだが。 妖怪も未だ衰弱の激しい者もそうでない者も主の計らいにより、マヨイガに搬送され療養している。一つ屋根の下で過ごし、妖怪達も前よりも絆が深まった者や新たに親交が増えた者も居る。 「お姉様、おみそスープって美味しいね!」「フラン、納豆もかなりイケるわよ。試してみなさい。」 咲夜も九尾と親交が生まれたらしく、よくレシピ交換をしているようだ。我が家の料理のレパートリーが増える事はいい事なので特に口出しすることもあるまい。 「リトルちゃんって凄いな。あんなにあるパチュリーさんの御本の管理しているんだね。」「大ちゃんさんみたいに瞬間移動できたら便利だと思います。あ、今度、お屋敷にご招待しますね。」 どういう訳か、この二人は直ぐに仲良くなっていた。遠くでパチュリーがチルノに絵本を読んであげている図を見守る二人は和みながらお茶をすすっていた。 …その後、大妖精が小悪魔の紹介で紅魔館で短期のメイドのバイトを始めた。 ともかく、楽園の転覆は防がれた。奇跡的に物的被害のみで。 … ……。 めがさめた。じぶんはいったいどこにいるのだ? このまえはひまわりばたけでいじめられるゆめをみた。 ひどいゆめだったよ。はやくゆめからさめないとゆっくりできないね。 「ゆっくりしていってね!!」 おきまりのことばでめざめると、くうふくかんもいっしょになってめざめた。 みたこともないばしょ。あまい香りがへやをしはいしているこのばしょはひじょうにゆっくりできそうだ。 キョロキョロとまわりをさがすとこんがりきつね色のぱんみたいなのががおさらのうえにおいてあった。 すぐにそばによりそれを口のなかにしまいこんだ。 「むーしゃ、むーしゃ…。!!し、しあわせー!!!!」 それはいままでに食べたどのたべものよりもゆっくりできた。 たまねぎやにんじんがお肉とともにそとはカリカリなのになかがふわふわのおいしいものに入っていた。 「お目覚めですね。はじめまして。」 背後からの声に反応し、振り返るとそこには赤い髪をした女性がニコニコとした表情で立っていた。 「はじめまして!おねえさんはゆっくりできるひと!?」 表情から察するにゆっくりできることは間違いないその女性はコクンと頷く。 「ふふ…。それにしても、美味しそうに食べてくださいましたね。作った私としてもうれしいです。」 黒を基調とした服に、白のエプロン。その端を持って喜ぶ彼女を見て食べた自分も楽しい気分になってきた。 「お姉さん!おりょうりじょうずなんだね!ゆっくりできるよ!」 この“ゆっくり”をプレゼントしてくれたお姉さんには感謝の気持ちを伝えなければゆっくりの名が廃るというもの。 「本当ですか、嬉しいな♪…あの、よかったらもっと召し上がられますか?」 断る必要は無い。いまはお腹がすいているし、こんなご馳走はめったに食べられないから。 「ゆ!?本当にいいの!?いっぱいたべるよ!!」 答えると、お姉さんから羊皮紙とペンが出された。 「では、こちらにお名前をお願いできますか?…私、ドジだからお名前聞いても忘れちゃいそうで。」 恥ずかしそうに、舌をちょっとだけだして赤くなるお姉さん。 「ゆ?まりさはまりさだよ!」 口にペンをくわえ、器用に書きながら己が名前を紹介するまりさ。 「わたくしは、小悪魔と申します。まりさ様、契約書は預からせていただきますね。」 そこにはこうあった。 “出された料理は残さず食べます。” 簡単さ。こんなに美味しい料理なんだから。 三十分もすると、お腹も膨れてきた。多分、今日だけで1ヶ月分はゆっくりできる物を食べたであろう。 「ゆふぅ、もうお腹いっぱいだよ!こあくまお姉さん、ごちそうさ」 優しい小悪魔お姉さんに伝えると 「…契約は履行されませんでした。」 表情は無くなり、目が真っ赤になる小悪魔。恐るべき殺気を感じたまりさは直ぐに撤回した。 「…ごちそうさんばっかりでまだまだいけそうだよ…!」 ごちそうさまを言えるのは何時なのか、 「あっ!私ったら早とちりしちゃった♪直ぐにお替りお持ちしますね。」 笑顔が戻った小悪魔しか知らない。 黒白は目を白黒させながら小悪魔の運んでくるご馳走を平らげていったが、 「…うぷ…、ところ、で、このおりょうりの、お名前なんていうの?」 ふと、気になった。 「えーと、ですね」 いそいそとポケットからメモ帳をとりだし、笑顔で続ける小悪魔。 「初めに召し上がられたのが“紅魔館の主を偽った物”の姿揚げです。私、頑張りました。」 ゆ? 「その次は“ホールにて水銀中毒死した物”の混ぜ込みパンになります。アンチマジックで毒抜きはしっかりしてありますよ。」 何それ? 「その次は私のお友達作の“餡山”です。文字通り餡子の山、盛り合わせです。」 うん、甘かったよ?でも、それって 「で、これから召し上がって頂くのが“図書室にて本を汚していた物”の姿造りになります。」 もしかして? 「さあ、召し上がれ。」 銀の蓋が皿を覆っていた。“召し上がれ”その言葉と共にそれが消えうせて中身が見えた。 「…ゆ!?…お、おねえさん、これって…」 もしかして、 「はい。お察しの通りです。“ゆっくり”召し上がってくださいね。」 プレゼントされたのは“ゆっくり”だった。文字通り。二つの意味で。多分、いや確実に今まで食べたものも。 「ゆげぇぇぇ!!!みんなごべんねええええぇぇえぇえ!!!」 どんな目にあったか解らないが、このゆっくりは絶望しきった顔で虚空を見つめて鎮座していた。 「私の主を模したのでしょうか、コレは。」 コレと呼んだものを見つめ、小悪魔の表情は笑顔ではなくなっていた。 「ごれ、ばぢゅりぃだよぉぉ!!!なんでこ」 言葉を言い終える前に、いきなりテーブルの上にあったフォークでそれを、ゆぱちゅりーを滅多刺しにし始める小悪魔。 無表情の横顔、機械的に何度も何度も何度も何度も突き刺す動作。 ソレを乗せていた皿が割れても止めない。異常極まりないその行動に、まりさは恐怖した。そして思った。 “夢に出てきた緑髪の妖精さんと同じ目をしている”と。 「これは何ですか?」 いやだ、質問しないでくれ。ゆっくりさせてくれ。 「コレは何ですか?」 その目はやめてくれ。頬が痛んだ気がした。緑髪の女の子。思い切り蹴られた図がフラッシュバックする。 「じらない゛!そんなのじらないよぉぉぉ!」 割れた皿の破片が食い込み、フォークで刺された部分から中身をもらすソレ。あまりにも悲惨なかつての仲間の姿を見て思わず声に出してしまった。 「ぱぢゅりぃぃぃ!!おねえさん!どぼじで!どぼじでごんなごとするのぉぉ!!!!!!」 不意に頬が痛んだ。恐る恐る目をやると、先ほどぱちゅりーを滅多刺しにしたそれが自分の頬から生えていた。 生えたそれをみて夢の一部分を思い出した。無邪気な水色の子を笑顔で誘導する緑髪の妖精。まりさの頬に“盲人の死杖”を突き刺せと。 突き刺された部分が毒され痺れ、“まりさ、首から上だけだから刎ねられないよ”ってよく解らない事を思いながら意識を失ったんだっけ。 「パチュリー様は美しくて知的で、誰よりも本を愛されていて…。そのお名前すら麗しくて…。」 痛いのに叫べない。叫んではいけない。 目の前の存在が急にトリップしだして、ここに自分がいることが見えていないようで。このまま黙っていれば自分に注意が向かないかもしれないから。 様子を伺おうと目を其方に向けた。…目があってしまった。 「いやぁぁぁぁぁ!!!いだいぃぃぃ!!!!!!!」 真っ赤な目で此方を見下ろしたまま言葉を投げかけていた。口元は歪みきっていて優しさなど何処にも感じない。冷たくて火傷しそうなそんな目で。 「その名を呼ぶな。あなた如きが。その名を冠するな。まんじゅう如きが。」 口を開いた。ああ、おねえさんは自分で言ってたっけ。 「あくま!!おねえさんはあぐまだよ!!!」 その通りですけれど?優しい造り笑顔に戻ったそれは、まりさの頬に突き刺したフォークをえぐりこんだあと、力任せに引き抜いた。 そして 「契約の履行は確実にお願いしますね。」 かつての仲間をまりさの口の中に押し込んだ。 吐き出せ、仲間を食べたらゆっくり出来ないから。 「むーしゃ、むーしゃ、ごっくん!しあわどぼじでぇぇぇ!!!」 契約の強制力は饅頭の柔らかな意志を用意に粉砕し、履行させた。 「はい、いい食べっぷりでした。以上で朝御飯はおしまいです。」 ペコリとお辞儀をする小悪魔。 「ゆ゛っ…ごちそうさまぁぁぁ!!」 やっと開放される食卓。お皿を片付け、部屋から去る小悪魔。 「ゆぇぇぇん!!ばじゅりぃぃ!!びんなぁぁ!!ごべんねぇぇぇえ!!!」 残されたのはまりさだけ。磨り減った気力を回復させる為、ゆっくりしよう。 仲間だったとはいえ、それは確かに美味しかった。ゆっくり出来たから。 気力が回復したら、ココから逃げよう。ゆっくりプレイスを探してひっそりとゆっくりしよう。きっとほかのゆっくりにも再会できるよきっと。 コンコン。 「お昼ごはんをお持ちしました。」 笑顔の小悪魔は契約の羊皮紙をまりさの面前に突きつけた。 出された料理は全て食べなくてはいけない。 契約が切れるのはいつなのか。それは小悪魔にしかわからない。 変異種ゆまりさの意識はここで遠のいた。 変異種に与えられた最後の役割は、今回の異変に関わった者全てからの制裁。 ここで受けた傷は治され、明日、変異種まりさは永遠亭に搬送される予定。前よりちょっとだけ仲良くなった不死鳥と不死姫がお礼をしたいのだと言っている。殺されはしない。永遠亭には最高のお医者様がいるから。 そしてその後は別の場所に。 おしまい。 あとがき 前作読んでいませんと意味不すぎますね。 ごべんなざい。 フランちゃんの気がふれていません。どちらかというと私の気がふれています。 ごべんなざい。 ゆっくり以外の部分で甘みを出そうと努力をした結果がこれだよ。 ごべんなざいぃぃ! ゆっくりさせてください。お休みさんください。仕事さんは少し待っててね!! 関係無い事になりますが、幽香はお姉ちゃん属性maxだと思います。 以上、緑の日と昭和の日の区別の付かなかったY・Yでした。 このSSに感想をつける