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春休みの時期のある日。昼前の時間に目を覚ます。 リビングに出てみるとゆーちゃんがテーブルで一枚の書類を手にしていた。 おはよう、と挨拶をかわしあって。それからお互いに苦笑しあう。ぜんぜん早くない。家族がそろう朝ご飯の機会を潰したぐ~たらな大学生がここにひとり。 「お父さん、出かけたの?」 「うん、編集部のほうに用事があるからって出かけた」 「そっか。そのプリント、パトリシアさんの?」 「うん、今日だから、ちょっとドキドキする。あ、おじさんが帰ってくる時間聞いてない。遅くなるのかな」 「んー、朝のうちに用事を済ませに行ったとも言えるから、午後のうちには帰ってくると思うよ」 交換留学生のホストファミリーがうちの家に決まった。今日がそのひとが訪れる当日。到着は夕方ごろの予定と聞いている。 「迎える準備しなきゃね。せいいっぱい腕を振るうよ、期待してて」 ぐ~たらの失点を取り戻すべく意気込んでみる。 うなずいてゆーちゃんが微笑む。頼りにしてますというその素直な表情が心地よくもあり微妙なプレッシャーでもあった。ひとを迎えるための準備なんてじっさい私もほとんど経験がない。しかも相手は外国人。上手くもてなせるかけっこう不安だったりもするのだけれど。 「買い物行こう、すこし待ってて」 だけれど不安なのはゆーちゃんもきっと同じで。だから私は姉らしい見栄を張って平然を装う。部屋着を着替えて外出の用意をする。 近所のスーパーで食材巡り。 パトリシアさんの好みを探りつつ、家でふだん食べている食卓をいつもよりもめいいっぱいていねいに。私たちの現在のプランはそんなものだった。 「どっか日本の名物がある店に外食にいけば簡単なんだろうけどねえ」 「でも、外国のひとを迎えるのにぴったりなお店っていうのもあまり思いつかないなあ」 「値段の高い料亭とか」 「それ、ぜんぜん簡単じゃないよ」 てくてくとてきとうに歩きながらメニューを吟味。 「和食を受け入れられないなんてことは気にしすぎないほうがいいのかな」 「日本に来たいって思うくらいだから、そのへんはきっとだいじょうぶだよね」 「いざとなったらエビフライを醤油で食べてもらおう」 まだ会ったことのないひとへの想像をふくらませながら買い物を済ませてゆく。パトリシアさんに好みを聞かなきゃはじまらないのだし、いまはあれこれ考えすぎてもしょうがないのだと気を取りなおした。 「よ、っと」 作業がはじまるまえのまっさらな台所のうえにドサッと材料を乗せる。ゆーちゃんの携帯に着信音が鳴る。 「おじさんから。もうちょっとで帰るって。留学生のひとが来るまでには間に合うね」 「あ、そう? じゃあどっか和菓子屋でなんかお土産買ってきてって返事しといてくれる?」 とりあえずの下ごしらえが必要なだけを取りだしつつ、あとは冷蔵庫へ。メールの返事を済ませたゆーちゃんと視線を交わす。 「んじゃ、パトリシアさんが到着するまで待機、かな?」 ちょっと緊張してきた、とゆーちゃんは言った。私もだよ、自分が緊張していることを茶化す。 お父さんがちょっと高いお菓子を持って帰宅する。どうかなあ、パトリシアさんの口にあうかなあ、と三人でぐだぐだと雑談。 問題なく家に馴染んでくれたらいい。仲良くなれたらいい。そのためにできることを、私たちなりにこうしてやってみて。 不安とワクワクの両方が大きくなっていく胸のうち。それはきっと、お祭りそのものよりもお祭りの準備のほうが楽しいということに似ていた。ひとりでは持てあましてしまいそうなその気もちをこうしてみんなで共有することにどこか安らぎを感じる。 パトリシアさんは快活なひとだった。いろいろとダイナミックなところがアメリカっぽいと思う。 特定の日本文化を好むその趣味は今日の私たちにとって良いのか悪いのか。とりあえず食べ物の好みは心配しないでいいと彼女は言った。是非、この家の食事に合わせてくださいと。 ある意味、どんな希望よりも難易度の高い注文だ。これはちょっと気合いを入れねばと、いざ、腕まくりをして台所に立った。 手伝おうか? と後ろからお父さんが声をかけてくる。 「いや、いいよ。配膳のときだけ手を貸してくれればいいかな。ゆーちゃんがパトリシアさんの勢いに飲まれないようにフォローしててよ」 「あー……たしかに」 苦笑を浮かべる。手際よく手順を進める私に、良い娘を持ったなー、なんてつぶやきながらお父さんはその場を去ってゆく。 なにを言っているんだか、と肩をすくめながら、私は目の前の作業から目を離さない。 料理もお菓子も上々の評価をいただいて私は胸をなで下ろす。当初の私たちの心配なんてどこ吹く風で彼女は馴染みまくる。 この様子だとなにも問題なく、四月からゆーちゃんといっしょに通学していってもらえるだろうと思えた。 ゆーちゃんが自分の部屋へとパトリシアさんを案内していって、リビングでお父さんとふたりきり。どちらからともなく、ほっとした、と視線を交わす。 「じゃ、後片付けしてくるよ」 「うん」 急に静かになった空気。立ち上がる際の身体やけに軽くて、ちょっとだけ戸惑いを感じた。 食器洗いを終わらせて戻ると、ちょうどゆーちゃんたちも戻ってくる。そこで、パトリシアさんが真剣な表情でお父さんを見る。 「パパさん。この家のママさんにゴアイサツさせてくれませんカ」 ゆーちゃんの部屋で私の家の家族構成の話題になったらしく、そこでお母さんのことに触れたようだ。 べつに私たちとしてはそんなことを気にしてほしくはないわけで。そういうことを難しく考えなくてもいいよとお父さんは忠告する。 「イイエ。このファミリーのなかでオセワになるのですから、ちゃんと、この家のエライひとにお祈りをさせてほしいのでス」 自分なら、きっと気を遣ってそれには触れないようにするだろうけれど。そういう考え方もあるのかと思った。 これがアメリカと日本の違いなんだろうか。それともこの子が良い子だから、こうなんだろうか。パトリシアさんが到着してからここではじめて異文化交流というものを実感した。 父の私室。仏壇の前に私たちは集まる。正面のパトリシアさんの傍らで、ゆーちゃんが正座のしかた、手の合わせ方を教えている。 ゆーちゃんが、私のほうを振り向いた。私はうなずいた。 線香の煙の匂いがする。鈴の音が響く。静謐な、お祈りの静寂が訪れる。 私はパトリシアさんの背中に、口に出さずに胸の中で声をかける。 最初は、お父さんと、そこにいるお母さんの二人からはじまったこの家族。私が生まれて、ゆーちゃんがやってきて。 そして今日、こうして私たちのことも、お母さんのことも想ってくれるあなたが訪れました。 ようこそ、あたらしい家族。 パトリシアさんは今日はゆーちゃんの部屋でいっしょに寝ることになった。ベッドじゃなく床に敷く布団を体験することを楽しみにしていた。 彼女たちが就寝するころの時間に、夜更かしのぐ~たらが再発した私はリビングに出る。 そこではお父さんが、ちびちびとお酒をやっていた。 「珍しいじゃん、お酒なんて」 「いや、さっきのパトリシアさんについ感銘されちゃってなあ」 「うん、あれはすごかった。なんていうか、すごかった」 「……最初はさ、オレとかなたの二人だけだったんだ、この家は」 「うん」 「お前が生まれて、ゆーちゃんがきて、そしてパトリシアさんが来て」 「……増えたね、家族」 「うん」 最初は父と母の二人だった。泉の家の人数が増えた明日からは、またきっと楽しい。 コメント・感想フォーム 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/srwkdm/pages/74.html
竜巻亭 トロンペ・チェーン トロンベことレーツェル・ファインシュメッカーが経営している洋食屋です。 小規模ながらチェーン展開するなど、相当成功しているようです。 そのため、企業買収の標的にされたこともあります。 基本的にはレーツェルが料理を作りますが、スレイチェル・ファインシュメッカー がカウンターにいることも少なくありません。 大変美味しいため、ゼラド・バランガを始め子供たちの憩いの場になっています。 BAR~トロンベ~ 夜になると子供たちのお父さんたちがやって来る憩いの場です。 たいていは娘持ちのお父さんが愚痴っています。
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12月に入った最初の日曜の朝。 珍しく早く目が覚めた私は(お父さんはえらくビックリしてたけど)、ゆーちゃんやお父さんと一緒にご飯を食べると新聞広告を眺め始めた。 年末のこの時期は売り尽くしだの歳末セールだのと色々と安く買い物が出来るから、広告のチェックはそれなりに重要な事だったりする……もうプロ野球の応援セールの時のような失敗は繰り返さないのだよ。 同じものでもお店によって違うなぁ、なんて思いながら眺めていると、セールの広告じゃないのが目に入った。それは市民会館からのお知らせで…… ある日の昼休み。 今日はかがみは自分のクラスでお昼を食べるそうで、つかさとみゆきさん、私の3人でお昼を食べてる時にふと思いついた事を口にする。 「そーいえば20日がゆーちゃんの誕生日なんだよね~」 「へー、そうなんだ~。じゃあおうちでパーティとかやるの?」 「そのつもりだけどね。で、ものは相談なんだけどお二人さん。よかったら手伝ってくれないかな?」 「私は大丈夫ですけど、お邪魔してよろしいんですか?」 「へーきへーき。二人ならゆーちゃんも知ってるし、大勢いた方が楽しいだろうしね」 「うん、じゃあ私もお手伝いするー」 「じゃあかがみにも声掛けてみよっか。あ、この事はゆーちゃんには内緒ね?」 「あははは。わかったよ、こなちゃん」 「そう言えばみなみさん達はどうなさるのでしょう? 同じクラスのお友達ですし、あちらでも何かやるようでしたら……」 「それなら向こうも一緒に誘っちゃおうよ。みゆきさん、お願いしていいかな?」 「ええ、構いませんよ。もちろん小早川さんには内緒で、ですね?」 「さすがみゆきさん、話がわかる」 「では少々行ってまいりますね」 「よろしくー。それじゃーつかさ、かがみのとこに行くよー」 「あ、待ってよ、こなちゃーん」 急な話だったけど、思ったよりトントン拍子で話が決ったよ。 しかもかがみに声掛けに行ったら、一緒にいたみさきちと峰岸さんまで手伝ってくれる事になったし。なんだかチアのメンバー勢揃いだね。 ケーキや料理はつかさと峰岸さんに仕切ってもらう事にした。2人ともお菓子作りは上手だから今から楽しみだ。飾り付けなんかは当日手の空いた人がやればいいしね。 当日までまだ余裕があるから、準備と言っても材料の買い出しやプレゼントの準備くらいだけど。 そんなこんなで当日。 皆がうちに集まって準備する間の時間、ゆーちゃんを足止めする大役は私の担当だ。と言っても、私としてはちょっとしたデートが出来るから嬉しい限りだけど。 まぁ2、3時間くらいだから軽くウィンドウショッピングとお茶するくらいかな。 「んじゃゆーちゃん、行こっか?」 「あ、待ってよぉ。おねーちゃん」 小走りに駆け寄ってくるゆーちゃんを待って、並んで歩き出す。 と、手袋をしてない手を暖かく何かが包んだ。見ればゆーちゃんが手を繋いでくれてる。 お返しにぎゅっと握り返す。2人とも背が小さいのをたまに嘆くけど、こういう時は逆にありがたかったりする。恋人には見えないけど仲のいい姉妹には見える訳で、人目をはばかる事無くいちゃつけるからね……まぁ限度はあるけどさ。 「えへへ。こうしてお姉ちゃんと一緒に帰るのって久し振りだね」 「そういやそうだね。ここしばらく用事があったからね~。まぁそれも終わったし、これからはまた一緒に帰れるからさ」 「うんっ! それにここ何日かみなみちゃん達も用事があるって言って、なかなか一緒に帰れなくて寂しかったんだ……」 と、手を握るだけじゃなく腕にぎゅっとしがみ付いてくるゆーちゃんを優しく撫でてあげる。 ゆーちゃんの誕生日パーティの準備とはいえ、やっぱり寂しい思いさせちゃったなぁとちょっと罪悪感が沸いてくる。 「よぉし、じゃあ帰る前に寄り道して行こうか!」 色々話しながらあちこち見て歩いて、喫茶店に入ってちょっと休憩&時間調整。 私はミルクティー、ゆーちゃんにはホットココアを注文してメールを確認。あと1時間くらいで準備が完了するらしい。移動の時間も考えると30分くらいいればいいかな? 「ふ~。やっぱお店の中はあったかいね~。ゆーちゃん、疲れてない?」 「うん、これくらいは平気だよ。それほど歩き回った訳でもないし」 「そろそろお父さんがケーキとか買ってるはずだから、これ飲んだら帰ろっか」 「そうだね。でもお手伝いしなくていいの、お姉ちゃん?」 「いーのいーの、今日はゆーちゃんが主役なんだから。まぁ本当は内緒で準備しようとも思ったんだけどね。 変に内緒にしておいても、お父さんかゆい姉さんがうっかりばらしちゃうかも知れないし。あとは私の時みたいに内緒にしすぎて空振りになるのが嫌だったんじゃないかな?」 「あははは……あの時は本当に寂しかったんだからね。おじさんもゆいお姉ちゃんも……」 「むぅ、だからちゃんと謝ったじゃん。用事がある時はちゃんと連絡するようにしてるし」 「そういえばそうだよね。じゃあ今日はお言葉に甘えちゃうね」 そう、パーティをやる事自体はゆーちゃんに言ってある。ただし『みんなでやる』ことは知らせてない訳で。みんなの用事がこの準備だと知ったら……どんな風に驚いてくれるかな? 「そだそだ。ちょっとかがみに電話掛けるから、鍵開けといてくれるかな?」 「はーい、じゃあちょっと待ってて」 「あ、かがみ? うん、もうちょっとで家に着くんだけどさ。例の件はOKだよね? うん、うん。おーありがとー。んじゃまたねー」 横で聞いてる分には何気ない電話だけど、これはかがみ達に到着を告げる合図。 家に着くとゆーちゃんが鍵を開けてドアを開けて…… 「ただい……」パンパン!パパパーーーン!!「ひゃぁっ!?」 「ハッピーバースデー、ゆたかちゃん!」「おめでとう、小早川さん」「おめでとう、ゆたか」「Happy Birthday,ユタカ!」 「え、え? あれ? えっと、これ?」 突然のお祝いの言葉に目を白黒させるゆーちゃん。そこにはチアで一緒になったみんなとお父さんにゆい姉さん。手に手にクラッカーを持って笑顔で待っててくれた。 んっふっふっふ、驚いてる驚いてる……って、どっかの中年刑事みたいな笑いになっちゃったよ。 ようやく落ち着いてきたゆーちゃんを後ろから抱きしめて、 「ゆーちゃんの事驚かそうと思ってね、みんなで準備してたんだよ。ごめんね、寂しい思いさせちゃって。それと、ハッピーバースデーゆーちゃん♪」 そう伝えてからゆーちゃんのほっぺにちゅっとキスしてあげる。ポンッと音がするんじゃないかな?って感じで耳までまっかになっちゃうゆーちゃんを 「Oh! コナタ、ダイタンネ!」 「あーもう。いくらみんな知ってるからって少しは人目を気にしろっての。見てるこっちが恥ずかしいわ」 「いいなぁ、ゆーちゃん。好きな人からのキスなんて最高のプレゼントだね!」 なんてみんなでひとしきりからかう。本当に可愛いね。 「ほらみんな、そんなところじゃ寒いだろう。早く中に入りなさい」 お父さんに促されて、みんなで家に入る。その間ゆーちゃんはみんなのおもちゃ状態だ。 私とゆーちゃんが着替えて部屋に入ると、パーティの準備はすっかり完了して主役の到着を待つだけだった。 「お待たせ、みんな。でわでわ……さぁ始めるザマスよ!」 「またそれか! まともに始めなさいっての、ったく」 私の音頭に呆れながらローソクに火を灯すかがみ。みんなにジュースを渡していくつかさ。みゆきさんやみなみちゃんが取り皿を配り……そんな光景を眺めながら本当にいい友達を持ったなー、なんてしみじみ思いながら明かりを落として、 「では改めて。16歳の誕生日おめでとー、ゆーちゃん!」 「「「「「「「「「「おめでとう、ゆたかちゃん!」」」」」」」」」」 あ、笑顔のまま泣いちゃってる……そんなに喜んでくれると、計画立てたこっちも本当に嬉しいよ。 「ひっく……ありが、とう。みんな。ん……すごく、うれしい、です」 「ほらほら、嬉し泣きもいいけどやっぱり笑顔の方がいいよ」 そう言って涙を拭いて優しく頭を撫でてあげると、ようやく落ち着いたみたい。 「私の為にこんな素敵なパーティを準備してくれて、本当にありがとうございます!」 元気にそう言うと、ローソクを吹き消すゆーちゃん。それと同時にみんなで恒例の歌を歌い出す。 「……ハッピーバースデートゥーユー♪」パチパチパチ…… 拍手とともに歌い終え、明かりを点けると 「さぁて、今日は騒ぐよー! 無礼講だ~~!!」 「「「「「「「「「「「おー!!!」」」」」」」」」」」 さぁ楽しいパーティの始まりだ!! つかさと峰岸さんのケーキや料理、パティと私の歌&パフォーマンス、etc、etc……挙げたらきりがないほど騒いだらプレゼントの時間だ。 かがみとつかさから可愛いワンピース、みゆきさんとみなみちゃんは童話集、みさきちと峰岸さんはリボンとイヤリング。 ひよりんからは……同人誌?じゃなくゆーちゃんを中心にしたマンガみたい。パティはコスプレ衣装……どっかで見た光景だよ。 お父さんとゆい姉さんはスケッチブックとクレヨン、色鉛筆。 みんなゆーちゃんの好みとか私に聞きに来てたからね。みんな色々考えてたみたいで、どれもゆーちゃんを喜ばせていた。 最後は私から……ゆーちゃんの左手を取ると、そっと薬指に嵌めてあげる。 青いトルコ石のシルバーリング。ここ数日、市民会館でやっていた銀細工教室で作ったものだ。 「これ作るんで市民会館通ってたら、なかなかゆーちゃんと一緒に帰れなくてね。ちょっとぶきっちょだけど……」 「へぇ。あんたにしては頑張った……って、おい! その指!」「Wow! コナタ、愛の告白デスネ!」「やるな、ちびっ子!」 あーやっぱこうなるよね。私達の仲はみんな知ってるからいいやとか思ったんだけど。やっぱりちょっと恥ずかしい。 ふと繋いだままのゆーちゃんの手が震えてるのに気づいてゆーちゃんを見ると、俯いたままじっとしてるのが目に入る。 「あれ、どったの? ゆーちゃ……んっ?! んん……」 どうしたのか聞こうとした口が塞がれた。ゆーちゃんの唇で…… 「わわっ、ゆたかちゃん?!」 「あらあら、大胆ですね」 「ゆたか、みんな見てる……」 「スケブスケブ……って自重しろ私!」 みんなが騒いでるのも耳に入らないのかキスしたままぎゅーっと抱きしめられ、 「ぷはっ。ちょ、ゆー……っん、んぅ…あむ」 一旦離れたかと思ったらまたキスされた。今度は舌まで絡めるディープなやつ。さすがにみんな声も出ないみたい。いくら二人のこと知ってても、ゆーちゃんがここまで大胆になるとは思わないよね。 時間にして数分。やっと解放された私はぼんやりとゆーちゃんを見つめるくらいしか出来なくて。当のゆーちゃんは、 「お姉ちゃん、ありがとう……世界中で一番愛してる!」 と笑顔と共に元気よく宣言してくれました。 「いやぁ……ゆたかがこんな積極的になるとは、お姉さん本当にビックリだよ……」 「姉妹の愛の告白……くーー、これは萌えるな!」 最初に立ち直ったのは保護者ズ。しかしビックリで済ませたり、なんかサイテーなセリフを言ったり……この2人はある意味凄いと思う。 続いて起こったのは拍手の嵐と祝福の言葉。 「そのままWeddingBell鳴らしちゃいマスカ!」 「2人とも素敵……私もお兄さんといつか……」 「も、もう。2人とも、そういうのは私達が帰ってからにしなさいよね……」 嬉しそうに指輪を撫でるゆーちゃんと、多分顔を真っ赤にしてる私。いつもと立場が逆になっちゃったね、なんて思いながらも、幸せそうなゆーちゃんを見てるとたまにはいいかな?と思う。 特大イベントも起きて最高に盛り上がったけど、お祭り騒ぎも終わりは来る訳で。 「それじゃあ電車の時間もあるし、そろそろお開きにしようか」 「そうだねー。楽しい時間ってあっという間に過ぎちゃうよね」 「いやぁ、今日はホントにいいものを見せてもらったッスよ!」 「あぅ……もう言わないでよぅ、田村さん!」 「でも、本当に幸せそうだよ。ゆたか」 「まぁまぁ、あまり私の嫁をからかわないでおくれよ」 「よ、嫁って……お姉ちゃん!」 「ソウソウ、オ邪魔虫は退散するのデス」 「そうですね。馬に蹴られる訳にもいきませんしね」 なんて言いながら、みんなは帰っていった。 「みんな、今日は本当にアリガトね!」 「ありがとうございました! 今日の事は一生の思い出です!」 最後にそう声を掛けて、後ろ姿が見えなくなるまでゆーちゃんと2人で見送った。 「いやぁ……騒いだ騒いだ。お父さんもゆい姉さんもありがとね」 「なんのなんの。可愛い家族の為ならいつでも何回でもかまわないぞ!」 「そーだよー。可愛い妹達のお祝いだもん。喜んでやるさー」 「おじさん、ゆいお姉ちゃん。今日は本当にありがとうございました!」 「はっはっは。気にしなくていいよ、ゆーちゃん。おじさんも楽しかったしね」 「さって、あたしもそろそろ帰らないとね。おねーさんは明日もお仕事なのだ~」 「それなら俺が送っていくよ。今日は酒も飲んでないしね」 「いいんですか? じゃあお言葉に甘えます、おじさん」 「それじゃ車出すから少し待ってて。あ、そうだ。片付けは明日でいいから、2人とも風呂入って休んでいいぞ」 「えっ、いいの?」 「ああ、流石に疲れただろ。残り物も帰ってから俺が片付けておくから」 「じゃあお願いするね、お父さん。ゆーちゃん、いこっ」 「えっと……ありがとうございます、おじさん」 「さてと。じゃあ行こうか、ゆいちゃん」 ゆい姉さんを乗せたお父さんの車を送り出してから、ゆーちゃんに先にお風呂に入るよう勧めた。 お父さんはああ言ったけど、全部任せっ放しはさすがに気が引ける。かと言ってゆーちゃんの前じゃ出来ないからね。 よっぽど疲れてたのか、ゆーちゃんが素直にお風呂に入るのを見届けると空いたお皿を片付け始める。料理が残ってるのは小皿に移して、ジュースのペットボトルは冷蔵庫。 一段落するとゆーちゃんが出てきたので入れ替わりで今度は私の番。 ゆっくり体をほぐしながらお湯に浸かると、あったかくてつい寝ちゃいそうになる。さすがに自宅の風呂場で溺死はしたくないので、眠気を堪えてお風呂から出るとちょうどお父さんが帰ってきた。 「なんだ、片付けやっちゃったのか。本当にゆっくりしてよかったのに」 「いやいや、全部は終わってないって。さすがに飾りなんかは大変だからね」 「しっかし、娘がもう1人本当に出来るとはなぁ。ゆいちゃんじゃないが、お父さんビックリだ。はっはっは」 「ちょっ、お父さん?」 「前にも言ったがお父さんは応援するぞ。それに友達もお祝いしてくれるみたいだしな? お前達は幸せものだなぁ」 「ん……そうだね。でもさすがに結婚は出来ないよね」 「確かにな。でも書類だけが繋がりって訳じゃないだろ。2人が末永く一緒にいられるなら、そんな紙切れに意味はないさ」 「お父さん、なんかかっこいい事言ってるね。」 「そうだろう? お父さんはかっこいいんだぞ。やっと理解したか、娘よ!」 「……そうやって調子に乗らなければもっとかっこいいのにね」 「うぉっほん。ま、まぁ今日はご苦労さん。ゆっくり休めよ。お父さんももう休むからな。多分ぐっすり寝るからちょっとの騒ぎじゃ起きないと思うぞ」 「は?な、何言ってるのかな?」 「年甲斐もなくはしゃいじゃったからなぁ。まぁこなた達も夜更かしするなよ?」 「しないってば! もぅっ。おやすみ、お父さん!」 ごめんなさい、もうちょっと起きてます。 あの口調は多分お父さんは気づいてる。私のやろうとしてる事に。変な所で勘がいいから。 一旦部屋に戻って、ちょっと準備をしてからゆーちゃんの部屋に向かう。 「ゆーちゃん、起きてるかな?」 「お姉ちゃん?うん、起きてるよ。どうぞ~」 部屋に入るとゆーちゃんはベッドにちょこんと座って指輪を眺めてたみたい。 「どうしたの、お姉ちゃ、ん? その格好は??」 まぁ不思議がるのも無理はないよね。今の私の格好見れば……今私はテルテル坊主みたいにシーツをまとってるんだから。 「ゆーちゃんにもう一つプレゼントがあってね」 「え? 私これだけで十分すぎるよ?」 そう言って指輪にそっと指を這わせるゆーちゃん。 「まぁまぁ、こっちはおまけみたいなものだからさ。受け取ってくれるかな?」 「お姉ちゃんがくれるものなら喜んで受け取るけど……」 可愛らしく首を傾げてこちらを見るゆーちゃんにあと一歩のところまで近づいて。 「じゃん! プレゼントはワ・タ・シ♪」 まとっていたシーツを落とすと……一糸纏わぬ、じゃなく素肌にリボンを巻きつけた体が露になる。 これぞ裸リボン! 微妙なところだけリボンで隠す、このせくしーな姿を見よ! 「いやぁ、エロゲとかでこう言うの見て一度やってみたかったんだよね~~。どうかな?」 と、ゆーちゃんを見ると私をじっと見たまま固まってる。って、あれぇ?はずしちゃったかな?なんて思ってるとゆっくりゆーちゃんが腕を伸ばして私の腕に触れる。 そのまま掴まれるとゆーちゃんらしくない力強さでベッドに引き寄せられ、ゆーちゃんに組み敷かれる形になった。 「あ、あれ? ゆーちゃん。けっこう力あるんだねぇ?」 「お姉ちゃんがプレゼントなんだよね?」 笑顔のゆーちゃんが静かな声で聞いてくる。あの……ゆーちゃん、目が笑ってないです。 「そーだけど。いつもと雰囲気が違うよ、ゆーちゃ、ん……んむ、ふぁっ。んん……」 最後まで言えませんでした。パーティの時以上に激しいキスのおかげで…… あははは。変なスイッチが入っちゃったみたいですね、ゆーちゃんてば。 「えっとー……や、優しくしてね?」 「うん。無理♪」 「ちょっ! ゆー、んっ。んーー!」 「ぷぁ……ふふっ、いっつもお姉ちゃんがしてくれる事してあげるね」 おとーさん。ちょっとの騒ぎじゃなくなるかも知れません。 起こしちゃったらゴメンナサイ。 翌日。 私は朝から動けませんでした。 そんな私を、体が弱いはずのゆーちゃんが甲斐甲斐しく世話してくれましたよ。 今日が休みで本当によかった…… コメントフォーム 名前 コメント \(^O^)/ -- 名無しさん (2008-01-04 14 51 48) なんてこった!!ゆーちゃんが可愛すぐる!!こなたも!! -- 名無しさん (2007-12-26 23 16 58)
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私は才葉さくら、OLです ついに彼氏ができました 「…まあ相手は子供なんだけどね…」 別に私はショタコンとかではない ただ私が求められていることがわかったから その子に母性を与えてあげたいと思った、それだけ ……話をすれば 「おーい!大波くん!」「あ!さくら姉ちゃん!」 彼氏の名前は大波、この間世界大会を制した立派な野球小僧だ 魔球を投げた事からマスコミにも注目されていて 年齢不相応の態度で対応している…のが表向き 「お姉ちゃん~♪」「よしよし」 本当は産まれたときから母親とは別れて暮らしていて 心のどこかに「お母さん」を求めている甘えん坊 河川敷の下で出会ってから、私はこの子を甘えさせている 「お姉ちゃん~お姉ちゃん~♪」「はいはい」 私といるときくらいは年齢相応でいてほしいからね と言い大波君の頭を撫でてあげる 大波君は頭を撫でられるのが好きらしいのだ 「~♪」可愛い、とても試合中には見られなき顔だ この顔が見られるだけでも役得ってもんである 合流してからとりあえず私のうちにいくことにした 部屋に上がらせて一緒にお菓子を食べる 何気無いようだけと、大波君はとてもこの時間が好きらしい お菓子を食べる時は大波君の頭は私の膝の上 ソファーに座る私の膝の上 「お姉ちゃんの太もも大好きなんだ」 「太いからとかじゃないでしょうね」 もちろん時々頭を撫でてあげる 私は大波くんを甘やかすだけなのだから 「今日のおやつも美味しいねえ~」 「才葉グループのお菓子開発の新作だからね!」 私も今はOLであることを忘れて、一人の親みたいな気持ちでここにいる 大波君はこの時間はいつもにこにこしている 本人いわく「野球してるときは野球だけに頭がいくし、それ以外のときもマスコミがいたり、学校ではクラスメイトと関わったりするから、自分でいられない」 私も最近はそんな感じだったなあ~ でも自分ってなんなんだろう 昔「いろんな人格を持つことができる人」が居たらしいとお兄ちゃんに聞いた その人じゃないけど…人間はいろんな私がいるから 本当の私って言うのを時々見失いそうになる だから私は大波くんがそれをなくさないようにしてあげたい 大波君とはいつもたわいない話で盛り上がる 「それでさ~聞いてよお姉ちゃん!山田父さんったらまた俺の事を叱るんだよ!」今日はお父さん「たち」のお話がしたいらしい 「お父さんはどこでもそんなもんだよ~」 「いいや違う、うちの親父たちだけは違う アニメ好きでマニアで野球バカなんだ!」ん? 「みゃは、野球バカなのはお父さんたちから受け継いだみたいだねえ♪」「むむう…お姉ちゃんのお父さんは?」ギクリ 「うちのお父さん…は、ねえ~融通利かないの!頑固だし厳しいよ?……でもうちのお父さんも野球バカなんだ!」「そうなの!?」それで一回おうち燃やしちゃうほどには… 「どこでもみんな何かにバカなんだよ!だから心配しないの!」そう、男の人はみんなそう! 小浪くんもむだくんも他のみんなもそうだったなあ… ……… お姉ちゃんはいつでも俺の話をちゃんと聞いてくれて それで相づちも打ってくれる 「お姉ちゃん~♪」と いくら甘えても「んも~甘えん坊さんだな!みゃは♡」とかしか言わない なんか一緒にいるとふんわりと今まで感じなかった感じに包まれるんだ 別に父さんたちが嫌いな訳じゃあない むしろここまで野球ができるようになったのは父さんたちのおかげだ それでも…「ねえ湯田父さん…」「なんでやんすか?」 「……いやなんでもないよ、ごめん」「……そうでやんすか」 俺だって甘えたい いつも「クール」とか「一人狼」とかレッテル張られてるけど それは環境が作り出した「俺」であって 本当の俺じゃないんだ お姉ちゃんといるときは自分のままでいられてる気がする「お姉ちゃん~♪」「どうした?今日は一段とわがままさんかな?」 このふんわりとした感じになにかほぐされていくようで、そしてこれがきっと「恋」とか「愛」なんだろうなって… 「世界大会を頑張ったかいがあったよ~」「こらこら、みんなにもそれは言ってあげなさいな~」 そんなこんなでもあっという間に時間は過ぎていく もう大波くんをおうちに帰さなくちゃいけない 「大波くん、そろそろ帰ろっか…」 大波くんはいつもこのときしょんぼりするけど 「帰りたくない…」とかは言わない 「うん、わかったよ」と言って支度をする そこは嬉しいのか寂しいのやら… 家に送るまでの帰り道も話はつきない 「今日も帰ったら特訓だよ~」「頑張れ!大波くん!」「お姉ちゃんが言うなら今日は二倍できる気がする!」「みゃはは、そっか……さて、着いたよ」 大波くんのおうちもかなり敷地は大きい、まだお父さんたちには会ったことないけど…きっとお金持ちなのかな? 「それじゃあ!お願いまたね!」「うん!またね~」 引き返す車にも大波くんはずっと手を降っている 私の車が見えなくなるまでやっているのだろう 「…ふーえ、大波くん可愛かったにゃー」 今日もたくさんの大波くんの笑顔に出会えた 満足満足です! 「ただいま~!」家に帰るとお兄ちゃんがいた 「おう、今日も彼氏の送迎かい?ごくろーさん」 お兄ちゃんは真に受けてないからただの知り合いと思ってくれている 「もしばれたらヤバイよね…(ボソリ)」「?」 「…でもなあ」 まだ今はいい、でも大波君にはもっとこれから先がある それを私が塞いで他の可能性を潰してしまっていいのだろうか 「ふんにゅー…難しい」「なんだ?さくらが考え事って …」「…未来のお話ー」「?まあ頑張れ…」 そう、未来 大波君は多分恋愛と母性愛を勘違いしている だから私に恋人になってほしいと言ったんだとおもう でももしそうならいつかこの関係には終わりの時が来る 「…大波君を好きになるこだっているよねえ」「なんだ、さっきの子に恋愛相談でもされたのか?」「…まあそんなとこ、部屋に戻ってゆっくり考えるよ~」 大波君にはもっと広い世界を見てもらわないといけないんだ 私との出会いはその過程でしかなくてはならない そこでとどまらせてはいけない人間だからだ 「んにゃ~!」 とりあえず私はまだ先の話だと送らせて この事について考えるのをやめた 実はすぐ近くだとは知らないで
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こなた「あー、もう雛祭りも終わったんだっけ」 シン「終わってから一日以上経ってるじゃないか…この雛人形って奴、片付けなくていいの か?」 こなた「そういやそうだね。でもコレ、一度出すと片付けるのが面倒臭いんだよねぇ…。 お父さんやシンの部屋にある美少女フィギュアで代用しちゃってもいい気がするね ー」 シン「雛祭りに美少女フィギュアなんて雅もへったくれも無さ過ぎだろうが! …って、そういや俺の方から言い出しといて何なんだが、どうして雛人形はすぐ片付 けちまうんだ? 一年に一度しか出さない物なら、もう一日や二日くらいは飾っていてもいいんじゃない か?」 こなた「あー、なんか前にみゆきさんから聞いたことがあるねー。確か、長く飾ってると婚期 が遅れるとか何とか――」 こなた「(って待てよ、私の婚期が遅れる…?私が結婚出来ないとなると、私がこの家を出 て暮らす可能性は低くなる。 今この家に住んでいるのはお父さんとシン、それに私だ。 つまり、私の婚期が遅れるってことは、それだけ長くお父さんや……シンと一緒に 暮らせるってことで…)」 シン「おい、こなた?」 こなた「……ねえ、シン。シンは今、私のことを家族だと思ってくれてる?」 シン「あ、ああ…まあな。お前やそうじろうさんには随分と長いこと世話になっちまってるし な…。 二人にはどれだけ感謝してもしきれないし、二人は俺にとって大切な人だと思ってる」 こなた「んじゃあさ、私やお父さんがシンはずーっとこの家に住んでもいいって言ったら、ど うする?」 シン「え、ええ?…まあ、これ以上俺はこの家に迷惑を掛けていたくないから 出来ることなら、将来的にはこの家を出て自活しようとは思っちゃいるけど…… でも、お前にそういうことを言われるっつーのは、その、なんだ、正直言ってとても嬉し い」 こなた「………そっか」 シン「こなた…それはそうと、この雛人形は片付けなくていいのか?」 こなた「いい」 シン「へっ?」 こなた「いーよ、別に。片付けなくたって。寧ろずーっと飾ったままにしておいてもいいくらい だよ」 シン「おいおい!ったく、お前って奴は本当に……ナマケモノっつーか、面倒臭がりっつー か……」 こなた「ふふーん、そんなんじゃないですよーだ」 こなた「(シンがずっとこの家で暮らしてくれるんなら、今すぐ結婚なんて出来なくてもいい。 私と一緒に、ずっとずーっと、シンが側にいてくれるんなら、私は何もいらないんだ から)」 前 戻る
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加舎の里カントリーをお気に入りに追加 楽天GORAで予約する 加舎の里カントリー 楽天GORAでゴルフ場を探す 北海道・東北 関東 北陸 中部 近畿 中国 四国 九州・沖縄 海外 加舎の里カントリーとは 加舎の里カントリーの47%は利益で出来ています。加舎の里カントリーの36%は罠で出来ています。加舎の里カントリーの10%は優雅さで出来ています。加舎の里カントリーの4%は玉露で出来ています。加舎の里カントリーの2%は勢いで出来ています。加舎の里カントリーの1%は乙女心で出来ています。 加舎の里カントリーの報道 20211202 1人予約(VALUE) 加舎の里カントリー worst114 | 目標100切り!お父さんのブログ - 楽天ブログ - rakuten.co.jp 20211112 1人予約 チェリーゴルフときわ台コース トホホ。。 | 目標100切り!お父さんのブログ - 楽天ブログ - rakuten.co.jp 20210615 1人予約 加舎の里カントリー | 目標100切り!お父さんのブログ - 楽天ブログ - rakuten.co.jp 加舎の里カントリー@ウィキペディア 加舎の里カントリー 掲示板 名前(HN) カキコミ すべてのコメントを見る 加舎の里カントリーのリンク #bf ページ先頭へ 加舎の里カントリー このページについて このページは加舎の里カントリーのインターネット上の情報を集めたリンク集のようなものです。ブックマークしておけば、日々更新される加舎の里カントリーに関連する最新情報にアクセスすることができます。 情報収集はプログラムで行っているため、名前が同じであるが異なるカテゴリーの情報が掲載される場合があります。ご了承ください。 リンク先の内容を保証するものではありません。ご自身の責任でクリックしてください。
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まずお湯を沸かします。 ↓ まな板を出します。 ↓ 自分の息子を洗います。 ↓ 包丁で切ります。 ↓ 軽く炒めます。 ↓ 良い色になるまで茹でます。 ↓ Let s Rock!! ↓ 皮が剥けるまで練習しよう。 ↓ もう無理だと思ったら ↓ 「お前ジャンゴって知ってるか?」 ↓ 「あの白くて黒くて赤くてうにゅ~ってしたヤツだろ?」 ↓ お父さんやお母さんに「俺、立派なAV男優になって見せる!」と言ってみよう。 ↓ 「じゃぁ、初めては私ね。」とお母さんに言われたらチンコを、お父さんに言われたらケツを出す。 ↑ 日本語でおk ↑ ショタっ子でおk ↓ ピザでおk ↑ ピザ乙 ↑ 欧米か! ↓ 予想GUYです
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揺れる感情、募る愛しさ。 私達は一度別れて、再び一つになった。 今だから分かったこの気持ちを、私は絶対に忘れない。 今が何よりも輝いて 先程までの集中的な豪雨は幻だったのだろうか。そんな事を思ってしまうぐらい今は澄みきった青空が果てしなく広がっている。 だが水をたっぷり染み込み、所々泥で汚れた形跡が見られる私達の衣服が現実だと再認識させる。 「かがみ、家来なよ。そのままじゃ気持ち悪いでしょ」 此処からかがみの家までは随分距離があるから、ずぶ濡れ泥んこ状態のかがみをこのまま帰すわけにはいかなかった。 少しでも長くかがみと一緒にいたいという私情もあったけど、口には出さない。かがみだって同じ事を思っているはずだ。 「悪いわね、お言葉に甘えるわ」 かがみは力なく微笑んで答える。 「じゃ、行こう……」 そう言って踵を返しかけた私だったが、ある事を思い出して再びかがみに向き直る。案の定かがみは私の行動の理由が分からないといった感じで、困惑した表情を見せた。 「どうしたの?」 私はかがみを追いかける際にポケットの中に捻じ込んだ指輪を取り出した。 「あ……」 かがみも思い出したように声を漏らす。 「私が……嵌めさせても良い?」 頷いて左手を差し出してくるかがみ。その前に少し手を払っていたが、付着した汚れが完全に取れるわけはなくまだ薄く残っていた。 あの悪天候の中、必死になって探してくれたという情報が私の中に流れ込んでくる。 それはかがみが私の事をずっと好きでいてくれたって示す、何よりの証拠。 嬉しくなった私はかがみの手に優しく自分の手を添えて引き寄せる。 細く綺麗な薬指に、愛し合う証が通された。 柔らかく手を包んだまま、かがみと見つめ合うと、自然と優しい笑みが零れた。 「……ふふっ、行こうか」 「うん」 笑顔を交わして、私達は歩き出した。 だが程なくして、かがみが不意にバランスを崩した。 「かがみっ!?」 私は慌てて倒れそうになるかがみの身体を抱き止める。 「あー、結構走ったからかな……力が入んないや」 情けないといった感じでかがみが現在の調子を呟く。自己嫌悪と申し訳なさが混同したかがみの顔を見て、私はかなり焦った。 大雨の中かなり無茶をしたのだろう。もしかしたら風邪を引いているのかもしれない。 「かがみ、しっかりして!」 しかし私の声には応答せず、苦しそうに呼吸を乱すかがみ。 「我ながら情けないわね……」 自らを皮肉るかがみに、私の頭が混乱し始めたその時――― 「こなた、こっちだ!」 私を呼ぶ聞きなれた男の人。その声の発信源を見ると、お父さんが公園の出入口に車を止めていた。 「お父さんグッジョッ!」 私は疲れきっているかがみを急いで背に乗せると、お父さんの元へと一心不乱に走り出した。 「熱は……ないみたい」 停車したままの車内で、自分の額とかがみの額を重ね合わせて体温の確認をする。伝わってくる感覚からして、私の心配は杞憂に終わったようだ。 かなりの時間戸外で雨に降られて冷えたはずだが、風邪と見られる症状は見当たらなかった。 「愛の力だな」 お父さんが笑って私の方を振り返った。 「かもね」 私が健康なのもかがみのその力のおかげなのかもしれない。 そうだったら良いなと思いながら、横たわって規則正しい寝息を立てているかがみを見た。 「疲れてるんだろうね、大分無理させちゃったから」 「取り敢えず濡れた身体を拭いてやれよ」 お父さんはもっともな事を言って助手席に積んでいた白色のタオルを差し出してきた。 「そうだね」 私はそれを受け取ってかがみに向き直り、思い立って再びお父さんの方を向く。 「こっち見ないでよ」 「こなた、車にはバックミラーというものがあってだな」 「こっち見んな」 「はい」 私に背を向けたお父さんとその目線の先に後写鏡がない事を確認して、私は手に持った木綿の布でかがみの髪を拭き始めた。 途中でやや癖のあるライトパープルの髪を結っていたリボンを外す。水に滴る長髪はとても綺麗で水滴が光を反射して煌いていた。 丁寧に水分を拭き取り再びお父さんの向きを確認、私はかがみの顔に作業の手を移した。自然と手つきが更に慎重になる。 露出している部分は全て終了した。さて次は……服を脱がさなければならない。 淡い黄色のブラウスに手を掛ける、その前に三度お父さんの動向をチェック。何かうんうん唸ってるけど、しっかり前を向いてくれている。 ちょっとは見直したんだけどな……私はそう思いつつボタンを一つ一つ外していく。 インナーウェアとして着用していたキャミソールの肩紐を解くと、既に透けて見えていたブラが形の整った乳房を支えている光景が目に飛び込んできた。 肌蹴た衣服、所々濡れている身体。私はごくりと喉を鳴らした。 「う、うーん……」 目の前に広がるかがみの妖艶な姿に目を奪われていると、かがみは小さく唸って眉を動かした。 「あれ、こなた……?」 目を開けて意識を取り戻したかがみは、まだ完全に開ききっていない目で私を見つめる。 「お目覚めかな?」 目を何度も瞬く、今一状況を理解出来ていない素振りを見せるかがみに私は簡潔に経緯を話した。 「そうだったの……おじさん、有り難う御座います」 「いやいや良いさ」 お父さんは片手を上げて応答する。私の目線を感じ取ったのか自分で抑制しているのか、取り敢えず此方を向きさえしなければどちらでも良かった。 事情を知らないかがみはお父さんの反応を不可思議に思ったのだろう、半ばきょとんとした顔で口を半開きにしている。眼前の相手に素っ気ない態度を取られたら、そういう反応をまずする人間が大半だろう。 「かがみ、取り敢えず身体拭いてあげるよ」 「へ……?っておわあああぁぁ!!」 ようやく自分の服装に気が回ったらしいかがみは素っ頓狂な叫び声を上げ顔を真っ赤にする。私はお父さんが『何事だ!?』とか言ってどさくさに紛れて私達を見ないように迎撃準備。 ―――どうやら取り越し苦労に終わったようだ。私は改めてかがみの方を向く。 「さ、かがみは寝てて良いよ」 「ねねね寝れるわけないでしょっ!ていうか自分でやるわよっ!」 面白いぐらい取り乱して私から強引に濡れかけのタオルを奪い取るかがみ。 「その前にあんたは自分の身体を拭きなさいよ」 顔が真っ赤なかがみに指摘されて、私はかがみを気遣うあまり自分の身体がびしょ濡れのままだという事に気づいた。 「ほら、そんな狭い場所に収まってないで」 かがみは右にずれて私が座れる分のスペースを確保してくれた。 私が出来た空白に腰を下ろすとかがみは目を逸らした。私が服を脱がした事が恥ずかしかったのか、一人で座席を占有していた事に責任を感じたのか。 そんなに気にしなくて良いのにね。そう思いながら私はお父さんの隣の席に置いてあるタオルを一枚取る。 「あ、お父さん、勝手に娘の箪笥漁ったんだ」 「着替えを持ってきた、と言ってくれないか?それに選んでくれたのはゆーちゃんだ」 その際近くに畳まれ置いてあった私の服に目がいって、そう聞くと不機嫌そうな声で返事が聞こえた。 まぁそれぐらいの配慮はするか。下着まである事だし、お父さんの言う事を信じよう。 「二着あるのは……」 「ああ、かがみちゃんの分だろうな」 入るかどうかは分からんが、とお父さんが苦笑した。私も少し笑ってそれに同意する。 「さて、男は外で待つとするかな」 おもむろに呟いてドアを開けて外に出るお父さん。さっきから度々送っていた私の目線が刺々しかったのかな。でもこの方が私達は気にする事なく着替えが出来る。あまりにも機嫌を損ねているようなら後で謝っておこう。 「かがみ、これ着替えと代えのタオル」 念の為ドアの鍵を閉め、私は二人分の衣服と新しい身体を拭く布地を手に取って後部座席に持ってくる。 「おお、さんきゅ……ってそれあんたのよね?」 上半身だけ下着姿になっていたかがみは、私のパンダがワンポイントでプリントされているトレーナーを見て言った。 「そうだよ。きついかもしんないけど我慢してね」 「分かった……何とか我慢するわ」 かがみの表情はまるで迫り来る何かに構えているようで、真剣そのものだった。 かがみが言った我慢と私が言った我慢は何か違う気がしたが、追及は止めておく。 「私も着替えよっと」 呟いて多量の水を吸い込んだ服を取り去る。その勢いに任せて同じくずぶ濡れの下着も外して、お父さんかゆーちゃんのどちらかが気を利かせて持ってきてくれた大きめの袋に放り込む。 「もう全裸かよ。早いわね」 そんな私の様子を見てかがみが呆れたように言ってくる。 「さっさと着替えた方が良いと思ってね」 風邪引いたら困るし、と私は付け加え身体の至る所で存在を主張する水滴を拭っていった。別に日常の一コマであってもでもとっとと着替えるわけだけど。 「もうちょっとファッションに気を遣ってみたら?」 スカートを両足から抜きながらかがみが提案してくる。 「うーん、でも私拘りとかないし良く分かんないしなぁ」 「私も手伝ってあげるわよ」 そういった会話を交わしながらタオルを持った手を動かす。お風呂に入ったり身体を重ねるわけでもないのに、お互い裸でいるのは何だか不思議な感覚だった。 「じゃあ……今度お願いしようかな」 「任せなさい」 力強く胸を張るかがみ。 頑張れば私も、もっと可愛くなれるかな。 かがみの為にも……少しでも可愛くなりたいな。 恋愛ってこんなにも人を変えるものなのだろうか――― そんな事を考えながら、私は長袖でニットのシャツに腕を通した。 「お父さん、もう良いよ」 私達が着替えている間、多分自主的に車外で待機していたお父さんに出発の準備が完了した事を告げる。 「おお、終わったか」 ドアが開き、お父さんと共に冷たい風が入り込んできた。呼んでもないのにやって来た寒風は私の身体を震わせる。 「さむ~い」 感じたままの感覚を小さくうずくまりながら呟く。言葉にしたからといって特に変化があるわけではないのだが、どうしても言ってしまうものなのだろう。 「かがみ、大丈夫?」 人間の性について考えていた思考を中断し、かがみに尋ねる。 しかしかがみは私の声が届いていないらしく、服を摘んで俯き何かをぼやいていた。 「ねぇこなた。私の服、今は着れない状態よね?」 何を言っているのだろうかと見ていると、不意にかがみが私の質問には答えずに聞き返してきた。 「へ?あ、うん、まだ濡れてるからね」 恐らく別の事に考えを巡らしていて耳に入ってこなかったのだろう、少し反応に遅れたが私は無視された事を気にせず、かがみの確認のような問い掛けに答えた。 「じゃあこれは私が着て帰って良いのね?」 グレーのトレーナーを指し示すかがみの目は何故かとても輝いていた。 「うん、良いけど……」 雰囲気に押されてか、ガッツポーズをしている理由は聞けなかった。 「でもそれ、小さくない?」 ぴちぴちの私の服が明らかにきつそうなかがみの装いから湧き上がった疑問をぶつける。 「平気よ、ちょっと寒いけど」 肌が露出する面積が普段より広いからだろう。かがみは正直に言って鼻を鳴らした。 「そうだ。家で風呂に入っていくか?」 お父さんがエンジンをかけ車を発進させると同時に提案した。 「お湯を張ってきてるからすぐ入れるぞ」 エネルギーが転換される音とお父さんの声が車内に響く。私達が濡れる事を予測して気を配ってくれていたようだ。 「だって。かがみ、どうする?」 「じゃあお言葉に甘えて……」 お父さんの好意を無駄にするわけにもいかないし、私達は見合った後に即決した。 「では我家へと一直線だな」 アクセルが深く踏み込まれ、ハンドルが切られた。お父さんの操作する自家用車は唸りを上げ、自宅への距離をどんどん縮めていく。 「ねぇかがみ……」 見覚えのある景色が絶え間なく動く中、私はかがみの名前を呼んだ。 「何?こなた」 呼び返された私の名はとても柔らかい響きを持っていた。 お互いに名前を呼び交わす――― 何気ない日常が、どんなに幸せな事か。 「一緒にお風呂入ろっか」 「うんっ」 かがみの満面の笑顔が、どんなに大切な事か。 私はもう、決して手放したりしない。 決して忘れない。 移りゆく情景の中、私は固く心に誓った。 車に揺られる事数十分。 「ほい、到着だ」 徐々に速度を落とし、門柱の手前で車は完全に停止した。 「有り難う御座いました」 律儀に重ね重ね感謝の意を伝えるかがみを横目に、私は使用済みの衣服等を纏めていた。 「ああ、早く温まると良い」 にこやかに返すお父さんに、かがみは何度も頭を下げてから外に出た。 「お父さん」 その一部始終を見届けてから、私は何処か遠くを眺めているような様子のお父さんに声を掛けた。 「お父さんは、全部……知ってたの?」 私達を優しく、時には厳しく、背中を押してくれたり色々な場面で助けてくれたお父さん。 「さぁな……」 そんな幾ら感謝しても足りないぐらいの、いざという時頼りになる肉親は、目を閉じて微かに白い歯を見せた。 真相は教えてくれなかったが、最初からそれを追求する気はなかった。 お父さんが私を助けてくれた事実は変わらないのだから。 「ありがとう、お父さん」 等身大の気持ちを父の横顔に送って、私は荷物を持ってドアを押し開けた。 とても優しげな表情が、私の脳裏に焼き付いていた。 車から出て、かがみが先に向かっているはずの家の扉を開く。 玄関にはかがみの後姿が、その奥にはゆーちゃんの後姿が見えた。 「ゆーちゃんと何話してたの?」 場の空気からして何か会話を交わしていた事は明白だった。佇むかがみに聞くと、かがみは私の方を振り返って答える。 「お姉ちゃんをよろしくお願いします。お姉ちゃんの笑顔を引き出せるのはあなただけですから……だって」 足音を立てて階段を上がっていく従姉妹の姿は、既に二階へと消えていた。 「ゆーちゃんにも……感謝しないとね」 私が忘れかけていた事を思い出させて後押ししてくれた、今は見えぬゆーちゃんを頭の中に思い描く。 今回の一件で、私達は身の回りの人に多大な迷惑を掛けてしまった。 だからこそ私は、かがみと一緒に幸せ者になろうと思う。 皆が優しく背中を押してくれたり、大事な事を教えてくれたり。 多くの人の支えがあったから、私達は今こうしていられる。 ―――だからその分、私達が幸せにならなくちゃ。 「こなた……」 かがみが物欲しそうに目を細めて、私の頬にそっと手を添えた。 早速かがみが幸せを分かち合おうとしている。 「良いよ、かがみ……」 私はそう囁いて、ゆっくりと目を瞑った。何も見えなくなった世界で、かがみだけを感じる。 私が微かに唇を開くと、熱を持ったかがみの舌が形成された空白を更に広げた。すぐに忍び込んでくる舌をすんなりと受け入れる。 かがみに応えようと私も舌を伸ばすと、すぐにそれらはお互いが必要とし合ったかのように存在を見つけ、唾液にまみれながら絡み合う。 かなり間が空いていたわけでもないのに、私を襲う感覚は久方振りのようであっという間に私を支配していった。 「んふぅ……」 もう少し目眩がしそうなほど熱い感覚に酔い痴れていたかったが、かがみはそっと唇を離す。 「続きは……お風呂の中でね」 代わりに額を重ねられた私は、顔を赤くするしかなかった。 「かがみ、身体の方は大丈夫?」 「うん、自分でも風邪引くかと思ったけど案外平気なものだわ」 私達は脱衣所でそんな会話をしながら、新しく着直したばかりの服と下着を籠に投げ入れた。素っ裸になった途端に寒気が到来し、私は急いで浴室へと続く扉を掴む。 浴槽にはお父さんの言った通り、冷えた身体を温めるのに十分な温度を保ったお湯が既に張られていた。 「う~、温まるねぇ」 軽く掛け湯をしながらしみじみ呟く。自分でも親父みたいな発言だとは思ったが気にしない。 「あ、ちょっと待ってこなた」 溜められたお湯に浸かろうとする私をかがみが引き止めた。 「どしたの?」 「えっと、この前さ、私の足の間に収まるようにして一緒に入ったじゃない?」 大切な部分を手で隠して恥ずかしそうに呟くかがみの声を聞き取るのは結構大変だった。それでも私は神経を集中させ、かがみの台詞から前一緒にお風呂に入った時の事を思い出す。 「うん、そうだったね」 「それでその……今度は立場を逆にして貰えたらなぁ、なんて……」 ついにかがみは顔を真っ赤にして下を向いてしまった。 「なぁんだ、勿論良いよ」 「ほ、本当?」 軽い調子で手をパタパタと振る私の仕草と返答に、かがみは潤んだ瞳のまま明るい声を出して顔を上げた。 「当たり前だよ。私達付き合ってるんだから」 私はそう返して一足先に温まるべく身体をお湯に浸した。浴槽の中からかがみを手招きする。 「らしくないね。恋人同士なんだから遠慮しなくて良いって言ったのはかがみだよ?」 「……うん、そうだったね」 笑顔を取り戻したかがみは、喜び勇んで開いた足の間に身体を入り込ませた。 「ちょ、ちょっときついね……」 しかし流石に体格差を実感せざるを得ない。本来は大きい方が下になるべきなのだから、かがみより小柄な私がこのポジションに位置すれば当然こうなるだろう。 「だ、大丈夫?」 「うん……かがみこそちょっと狭そうだけど……」 身体を目一杯折り畳んでいるかがみは何処からどう見ても無理していた。 「良いの良いの。私がしたくてやってるんだから」 かがみはそう言って体重の一部を私にあずけてきた。此方からは窺えないが、安らぎの表情を浮かべている事だろう。 私もかがみの背中に顔を摺り寄せた。かがみの香りに包まれて非常に心地が良い。 かがみとくっついていると、色々な感情が私を満たしていく。 一緒にいれば楽しくなれるし、安心出来る。 「私さ、今日お風呂二回目なんだ」 夢心地に目を閉じてかがみに語りかける。 「一回目入った時ね、もうかがみと一緒に入れないって思っちゃったの」 かがみは何の反応も示さなかったが、沈黙は私の次の言葉を待っていると勝手に解釈し、気持ちを言葉にして紡いでいく。 「でもこんなに早くまた一緒に入れて……本当に嬉しい」 「私もあの雨の中、同じような事考えてたわ」 素直な気持ちを口にすると、かがみも私がいない時の事を話し始めた。 「もうこなたと会えないんじゃないか、みたいなね」 かがみが天井を見上げる。私もそれに倣うように目線を移した。 「こなたの言う通り、私はうさちゃんなのかもしれないわね」 いつの日か交わした、皆を動物に例えた時の会話。二人で物思いに耽りその情景を思い出す。 「寂しくされると死んじゃう。私も誰かに甘えたかったのかもしれないなぁ」 普段は真面目でしっかり者みたいな印象が強いかがみ。姉としての自覚を持っているから大っぴらに甘えたりするなんて、気づいたら出来なくなっていたのだろう。 本当はとても寂しがり屋で甘えん坊な女の子なのに。 そんな強気なかがみが、私の前ではこんなにも素の自分を見せてくれる。 それがとても愛しかった。 触れ合う肌、感じる息遣い、高まる鼓動。 「かがみ……」 私はとうとう我慢が出来なくなり、目の前の恋人の名前を呼んだ。 「こなた……」 かがみは広くない湯船の中で何とか向きを変えて、私と見つめ合う体勢になった。 そして、どちらからともなく引き合った唇が重なった。 唇、次いで口内に潜り込んできたかがみの舌に歯茎と堪能される。先程は存分に味わえなかった分を埋め合わせるかのように私を求めるそれに、物足りなさを感じていた私の心も次第に満たされていった。 奥で縮こまっていた自分の舌を引き出して、熱い感覚を弄っていたかがみの舌に触れ合わせる。 「んんっ……」 私から積極的に舌を伸ばした事に驚いたのだろうか。かがみは一瞬目を見開いて声を漏らし、静かに瞼を落とした。 「んむぅ……」 負けじと舌を絡ませてくるかがみの顔は仄かに赤らんでいた。 全身を駆け巡る甘美な痺れ。身体が火照っているのは、浴室の温度が高いからというわけだけではないだろう。 「んっ……」 快楽の呼び水となるように、淫らな水音が脳内に響いた。 かがみが開眼したのを機に接合部をゆっくりと離すと妖艶な無色の糸が、私達が口づけを交わした事を表すかのように光っていた。 「かがみ……今日は思いっきり私に甘えて良いよ」 かがみの耳元で囁くと、すっと手の平を胸部に宛がう。 「ん……」 柔らかな乳房が私の手の中で形を変える度にうっとりとした声が聞こえた。何処かに切なげな響きも持ち合わせたそれは、私の理性を急速に削っていく。 逸る気持ちを抑えて、硬直して頭をもたげている乳首を指でつついた。 「んはぁ……」 更に硬さを増す、薄いピンク色の突起に刺激を与えていく。 摘む、弾く、撫でる。ありとあらゆる愛情表現の方法を不定期に繰り返しながら、私は頃合いを見計らってなだらかな丘の頂点に顔を近づけた。 「ひゃっ!」 唾液をたっぷりと乗せて、己の存在を強く主張するように突き出た部分を舌で転がす。 「あふぅ……」 悩ましげに身体を反らすかがみ。 私が愛撫する側の立場に立つ事はそう多くない。いつもかがみが頑張って私を気持ち良くさせてくれていた。 本当はもっとこうしたかったし、かがみも口には出さないけれど望んでいたんじゃないかと思う。 だから折角のこの機会を生かしたい。 かがみにも存分に絶頂を感じて貰いたい。 「あぁ……こなたぁ……」 なおも愛撫の手を休めない、そんな私の思惑を知ってかかがみは脳が蕩けてしまいそうな声で私を呼ぶ。 「そろそろ、攻守交代よっ……」 かがみは乱れるかがみの様を見て私が興奮を覚えてきた事を見抜いているのだろうか。現に私の大切な箇所はお湯とは違う液体で濡れている。 でもまだかがみをイかせてないしな…… 「ほわっ!?」 私が渋っていると、かがみは待ちかねたのか湿った私の秘所に手を伸ばしてきた。 「遅いわよ」 かがみは笑いながらそう言うと、私の身体を横方向に回転させた。 狭い浴槽の中となると身体を重ねる体位は限られてくる。 「ん~、やっぱりこの体勢が一番好きかな?」 私のほぼ頭上で呟くかがみ。最終的に私達は、かがみの足の間に私が収まるといった状態に落ち着いていた。 私もこの体勢は好きだ。かがみに包まれているような感覚になれるから。 「かがみって意外と世話好きだからじゃない?」 細かい所まで気が配れて、色々と私の事を心配してくれる心優しいかがみ。 「相手がこなただからよ」 擁護するような感じなのかなと思いかがみに聞いてみると、嬉しい答えが返ってきた。 「ん……」 それと同時に、微小な電流が私に快感を伝える。 「こなただから触りたいって思えるんだから……」 かがみは囁くように言うと、私の長い髪を掻き分けうなじに唇をつけた。 左の手は私の盛り上がりの少ない裸体を胸の辺りを中心に、右の手はお湯の中でもはっきりと分かるほどぬるぬるした粘液が湧き出す割れ目を、激しい動きで刺激していく。 「んんっ……ふあっ……」 上向きの乳首を捻り上げられ、湿った秘裂を掻き回され、汗ばんだ首筋に舌が這わされる。 同時に三点を責められ、私は別に逃げたくもないのに迫り来る淫靡な感覚から逃れたいかのように身じろぎをした。 これではそう長く持たないかもしれない。 「んんっ!」 裂け目から奥へ奥へと突き進んでくるかがみの指が与える感覚に、私は直感的にそう思った。漏らす嬌声の音量も段々上がってきている。 ―――まだ私はかがみを満足させてあげられてない。 思い残す事がないように、あまりにも早く絶頂の時を迎えてしまわないように、私は自分を律してかがみの秘所に腕を滑り込ませた。 「そう言えばかがみのあそこ触ってなかったよね」 背中と胸板が完全に密着していないのが幸いだった。私は必死で平静を装いながら、手探りで愛液が溢れる場所を探る。 「ひあっ」 どうやら的中したらしい。かがみが短く声を上げた。 私はかがみの愛撫に対抗するように、見えないままでも懸命に指を動かす。割れ目に沿って移動するかがみの指は、それを感じ取って呼応するかのようだった。 「う……ん……」 「こなた、凄い濡れてるわよ」 かがみが手を止める事なく呟いた。少しいやらしく発せられた言葉通り私の秘所から溢れ出す愛液の量は格段に増えていた。 「かがみだってぇ……ほら」 事実を誇示するかのように、私はようやく慣れてきた手つきでかがみの秘裂を左右に割る。 「そ、そうね……」 朱に染まった顔で認めるかがみがとても可愛らしくて、もっと見たくなって私は膣内への侵入を試みる。割れ目は何の躊躇いもなく私の指を沈み込ませていった。 「んんっ!あっ!」 かがみは喘ぎながらも、私の大切な部分から指を抜き差しする。 「ああっ!あんっ!」 指が根元まで肉壁に包まれた。かがみの中はとても熱く、私を迎え入れるように収縮を始める。指を動かせば動かすほど、お湯の中に多量の愛液が滲み出てきた。 「んっ……かがみっ……!」 「こなたっ……最後は一緒にっ……!」 私達の高ぶりに順応するように、ゆっくりだったペースが加速する。 引き抜き押し戻した指が強烈な力で締めつけられた、その瞬間――― 「ああ……あぁん!あっ、ああっ!」 「んっ……あ……ふあああああっ!」 電撃が流れたかのように、私達は全身を震わせた。 心地良い脱力感と達成感、お互いを求め合った証が身体に残った。 「すっかり長湯しちゃったわね」 入浴を済ませた私達は、夕食までまだ暫く時間があるとの事で家の外を散歩していた。流れ的にかがみは家に泊まっていく事になるだろう。 「そだねぇ」 私が作るつもりだったのだが、今日はお父さんとゆーちゃんがやると言って聞かなかったので、素直に二人の好意に甘える事にした。 「もうすぐ卒業かぁ、早いもんよね」 一人ひそかに夜の出来事に期待を寄せていると、隣を歩くかがみが呟いた。私達三年生は今春、色々な思い出を作った母校を離れそれぞれの進路に向かわなければならないのだ。 「あんた将来の事考えてるの?」 「ぜーんぜん」 平坦な胸を張って言いきる。予想通りかがみは溜め息をついていた。 「あ」 ふと思って、足を止める。 「どうしたの?」 数歩先行した後にかがみが振り返る。 「一つだけ、決まってるよ。将来の事」 「何?」 首を傾げる少し前に位置するかがみに近寄って、精一杯の笑顔で教えてあげる。 「毎日かがみといるの」 頬が赤く染まるのは、寒さの所為ではないだろう。 「そうね、それだけ決めてれば十分ね」 かがみはにこりと笑って――― 「さ、そろそろ帰りましょ」 私の手を握った。 風が、吹き抜ける。 「誰かに見られるかもよ?」 以前、そういった理由で近所では恋人らしい素振りをしないと約束した事を思い出して、わざと言ってみた。 冷え込む夕空の下、温もりが心に染み渡る。 「良いのよ。これからは皆に認めてもらえるよう頑張るんだから」 かがみの諭すような口調に、分かってるよと心の中で呟きながら――― 「うん、そうだよねっ」 満面の笑顔で答える私は、きっと世界一の果報者だろう。 ~Fin~ コメントフォーム 名前 コメント かがみ大好きな私には、ハッピーエンドで 良かったです。ただ、ゆたかやそうじろう が同じ家に居るので、もう少し自重するべ きかと…(最終話の風呂のあたりと玄関で) -- チャムチロ (2012-10-20 10 35 08) 最初はかがみが暴走気味なエロSSだったのに、どんどんシリアスに… 最高でした -- FOAF (2012-06-29 09 33 11) 二年ぶりに読んだけどやっぱり癒された -- 名無しさん (2010-12-20 13 17 50) ↓作品を読ませてもらってる身の上で最後にこんなコメ入れるのって最低 -- 名無しさん (2010-07-01 21 32 23) 長い割につまらないオチだった。。。 -- 名無しさん (2009-12-02 02 46 42) 泣けました( ┰_┰) 2人とも幸せになってくれ!! -- オビ下チェックは基本 (2009-06-10 16 33 32) シリーズ前半からはまったく想像できない終わり方… だ が そ れ が い い この最後のタイトルを見ただけで目から涙が…。 -- 名無しさん (2009-03-30 08 46 25) こ れ は す ば ら し い 私の涙腺が刺激された・・ -- migu (2009-01-12 05 29 24) あえて言おう・・・GJ! ただ、かがみの病気の伏線が・・・。まさか続編で謎が明らかに!? -- 名無しさん (2008-12-08 12 39 27) GJ -- 名無しさん (2008-07-19 15 00 47) 作者さまお疲れ様です 不覚にもエロ描写のあるSSで目から汗が出そうになりました というか現在進行形で出ております。 ゆーちゃんは・・・あえて何もいわないことにするよ 最後に一言 お二人ともお幸せに・・・ -- 名無しさん (2008-06-08 00 35 15) この話のゆーちゃんはこの方がいいでしょ。 可哀想だとは思うけど、既に結ばれてる両想いの二人に割って入っても誰も幸せになるわけない。 -- 名無しさん (2008-06-05 23 32 58) ゆーちゃんの立場酷くね? -- 名無しさん (2008-06-05 23 09 35) 確かにゆーちゃんは辛い立場だったと思うがそれでも、 俺は、 二人ともお幸せにとコメントする!! -- 名無しさん (2008-06-01 23 36 13) ↓必死乙 ↓ ↓ -- 名無しさん (2008-05-08 23 41 55) いいお話でした・・・!! -- 百合 (2008-05-03 11 48 01) ↓人それぞれ感想は違うんだし強請しなくてもいいんじゃないか? 確かにゆーちゃんは辛い立場だったと思うが -- 名無しさん (2008-03-24 07 36 05) ↓おまえらゆーちゃんのきもちも考えてコメのこせ!! -- 猿神兵アッシュ (2008-03-16 16 27 18) 二人とも お幸せに・・・ -- 名無しさん (2008-02-29 22 45 13) こんなすばらしいシリーズがあったなんて とても感動いたしました -- 名無しさん (2008-02-23 11 18 17) お楽しみ日曜日後の不安感に侵食される様に心が凍えそうだったけど、 再び心が通じ合う展開に心から拍手を! メリハリの効いた物語を楽しませていただきました。 -- 名無しさん (2008-01-20 22 18 32) 幸せってこういうことなんだなぁ いいなぁ -- 名無しさん (2008-01-20 14 19 41) ぶくっ… 甘い、甘すぎる!!! 二人のこれからに幸あれ。 -- 名無しさん (2008-01-18 23 05 04)
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雪歩メール「ふたりで走ったこと」 取得条件:Fランクの営業「運動」でパーフェクトを取る お疲れさまですぅ、雪歩です```。 あのぉ```、実は私、プロデューサーと一緒に走りながら、 ちょっとだけ```、どきどきしていました。 だって、あんなふうに手をつないで走るなんて、ま、まるで```。 なんだか、プロデューサーが```。 ```お父さん、みたいで```。 そういえば、お父さん以外の男の人と手をつないだの、初めてかも```? また、時間がある時には、事務所へ行きますね。 なんか会うのが、はずかしい```、ですぅ。 雪歩メール一覧に戻る トップページに戻る
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2001年8月27日(月) 旅行記一覧 > 2001年夏合宿アフター ←前へ | 8/24 25 26 27 28 29 30 31 | 次へ→ 今日は雨。 岡山さんと一緒に車で小樽を観光。 運河を歩いたり、ケーキを食べたり。 天気が悪くて残念だったけど、雨の小樽ってのも風情があってよかったかもね。 たまたま一人アフター中の伊能と遭遇した。 2001年8月28日へ続く。 夜は岡山さんのお父さんと一緒にビール園へ。 食べまくり飲みまくり。 家に帰ってからもお父さんと飲んでしまった。 旅行記一覧 > 2001年夏合宿アフター ←前へ | 8/24 25 26 27 28 29 30 31 | 次へ→