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私は才葉さくら、OLです ついに彼氏ができました 「…まあ相手は子供なんだけどね…」 別に私はショタコンとかではない ただ私が求められていることがわかったから その子に母性を与えてあげたいと思った、それだけ ……話をすれば 「おーい!大波くん!」「あ!さくら姉ちゃん!」 彼氏の名前は大波、この間世界大会を制した立派な野球小僧だ 魔球を投げた事からマスコミにも注目されていて 年齢不相応の態度で対応している…のが表向き 「お姉ちゃん~♪」「よしよし」 本当は産まれたときから母親とは別れて暮らしていて 心のどこかに「お母さん」を求めている甘えん坊 河川敷の下で出会ってから、私はこの子を甘えさせている 「お姉ちゃん~お姉ちゃん~♪」「はいはい」 私といるときくらいは年齢相応でいてほしいからね と言い大波君の頭を撫でてあげる 大波君は頭を撫でられるのが好きらしいのだ 「~♪」可愛い、とても試合中には見られなき顔だ この顔が見られるだけでも役得ってもんである 合流してからとりあえず私のうちにいくことにした 部屋に上がらせて一緒にお菓子を食べる 何気無いようだけと、大波君はとてもこの時間が好きらしい お菓子を食べる時は大波君の頭は私の膝の上 ソファーに座る私の膝の上 「お姉ちゃんの太もも大好きなんだ」 「太いからとかじゃないでしょうね」 もちろん時々頭を撫でてあげる 私は大波くんを甘やかすだけなのだから 「今日のおやつも美味しいねえ~」 「才葉グループのお菓子開発の新作だからね!」 私も今はOLであることを忘れて、一人の親みたいな気持ちでここにいる 大波君はこの時間はいつもにこにこしている 本人いわく「野球してるときは野球だけに頭がいくし、それ以外のときもマスコミがいたり、学校ではクラスメイトと関わったりするから、自分でいられない」 私も最近はそんな感じだったなあ~ でも自分ってなんなんだろう 昔「いろんな人格を持つことができる人」が居たらしいとお兄ちゃんに聞いた その人じゃないけど…人間はいろんな私がいるから 本当の私って言うのを時々見失いそうになる だから私は大波くんがそれをなくさないようにしてあげたい 大波君とはいつもたわいない話で盛り上がる 「それでさ~聞いてよお姉ちゃん!山田父さんったらまた俺の事を叱るんだよ!」今日はお父さん「たち」のお話がしたいらしい 「お父さんはどこでもそんなもんだよ~」 「いいや違う、うちの親父たちだけは違う アニメ好きでマニアで野球バカなんだ!」ん? 「みゃは、野球バカなのはお父さんたちから受け継いだみたいだねえ♪」「むむう…お姉ちゃんのお父さんは?」ギクリ 「うちのお父さん…は、ねえ~融通利かないの!頑固だし厳しいよ?……でもうちのお父さんも野球バカなんだ!」「そうなの!?」それで一回おうち燃やしちゃうほどには… 「どこでもみんな何かにバカなんだよ!だから心配しないの!」そう、男の人はみんなそう! 小浪くんもむだくんも他のみんなもそうだったなあ… ……… お姉ちゃんはいつでも俺の話をちゃんと聞いてくれて それで相づちも打ってくれる 「お姉ちゃん~♪」と いくら甘えても「んも~甘えん坊さんだな!みゃは♡」とかしか言わない なんか一緒にいるとふんわりと今まで感じなかった感じに包まれるんだ 別に父さんたちが嫌いな訳じゃあない むしろここまで野球ができるようになったのは父さんたちのおかげだ それでも…「ねえ湯田父さん…」「なんでやんすか?」 「……いやなんでもないよ、ごめん」「……そうでやんすか」 俺だって甘えたい いつも「クール」とか「一人狼」とかレッテル張られてるけど それは環境が作り出した「俺」であって 本当の俺じゃないんだ お姉ちゃんといるときは自分のままでいられてる気がする「お姉ちゃん~♪」「どうした?今日は一段とわがままさんかな?」 このふんわりとした感じになにかほぐされていくようで、そしてこれがきっと「恋」とか「愛」なんだろうなって… 「世界大会を頑張ったかいがあったよ~」「こらこら、みんなにもそれは言ってあげなさいな~」 そんなこんなでもあっという間に時間は過ぎていく もう大波くんをおうちに帰さなくちゃいけない 「大波くん、そろそろ帰ろっか…」 大波くんはいつもこのときしょんぼりするけど 「帰りたくない…」とかは言わない 「うん、わかったよ」と言って支度をする そこは嬉しいのか寂しいのやら… 家に送るまでの帰り道も話はつきない 「今日も帰ったら特訓だよ~」「頑張れ!大波くん!」「お姉ちゃんが言うなら今日は二倍できる気がする!」「みゃはは、そっか……さて、着いたよ」 大波くんのおうちもかなり敷地は大きい、まだお父さんたちには会ったことないけど…きっとお金持ちなのかな? 「それじゃあ!お願いまたね!」「うん!またね~」 引き返す車にも大波くんはずっと手を降っている 私の車が見えなくなるまでやっているのだろう 「…ふーえ、大波くん可愛かったにゃー」 今日もたくさんの大波くんの笑顔に出会えた 満足満足です! 「ただいま~!」家に帰るとお兄ちゃんがいた 「おう、今日も彼氏の送迎かい?ごくろーさん」 お兄ちゃんは真に受けてないからただの知り合いと思ってくれている 「もしばれたらヤバイよね…(ボソリ)」「?」 「…でもなあ」 まだ今はいい、でも大波君にはもっとこれから先がある それを私が塞いで他の可能性を潰してしまっていいのだろうか 「ふんにゅー…難しい」「なんだ?さくらが考え事って …」「…未来のお話ー」「?まあ頑張れ…」 そう、未来 大波君は多分恋愛と母性愛を勘違いしている だから私に恋人になってほしいと言ったんだとおもう でももしそうならいつかこの関係には終わりの時が来る 「…大波君を好きになるこだっているよねえ」「なんだ、さっきの子に恋愛相談でもされたのか?」「…まあそんなとこ、部屋に戻ってゆっくり考えるよ~」 大波君にはもっと広い世界を見てもらわないといけないんだ 私との出会いはその過程でしかなくてはならない そこでとどまらせてはいけない人間だからだ 「んにゃ~!」 とりあえず私はまだ先の話だと送らせて この事について考えるのをやめた 実はすぐ近くだとは知らないで
https://w.atwiki.jp/ao-ohanashi/pages/664.html
「マスター、もうすぐ夕飯できるから待っててねー」 「うん、じゃあ待たせてもらおうかな」 椅子に腰掛け、蒼星石の後姿を見つめる。 たまーに、ふと考える 蒼星石が居なくなったら、俺どうなるんだろ 毎日インスタント食で… 部屋も汚いまんまで… 生き物の気配の無い部屋で一生を過ごして… 蒼星石はアリスゲームをしてるんだよな。 もし蒼星石が負けたら、ただの人形になって… もし蒼星石が勝ったら、お父様のところに行って… どっちにしても二度と会えなくなる。 …もしお父さんの所に行っても、俺の事覚えていてくれるかな? 無理か、お父さんは神様的存在みたいだし、俺の事なんてスグに忘れちゃうだろ。 前の蒼星石のマスターも同じ事考えたのかな? そいつ等はいいよな、自分が死ぬまで蒼星石がそばにいたんだから。 なんで俺のときにアリスゲームなんか始まったんだろ なんで俺が蒼星石のマスターなんだろ レンピカが選んだんだよな、俺を 俺なら蒼星石に合ってると思ったのか? 蒼星石の事好きでいてくれると思ったか? 蒼星石が居なければ、こんなに悩むことなんかなかったのに… 蒼星石は俺の事どう思ってるんだろ。 ただの人間? 力の媒体? それとも友達? 恋人? どれでもいいや、最後には会えなくなるんだから 何年も経ったら さすがにアリスゲームも終わってるだろ アリスゲームが終われば悩まなくてすむんだ なんでアリスゲームで悩んでたんだっけ 蒼星石が居るからだよな 蒼星石がいなくなればいいんじゃないか? それもそうだよな、元々一人だったわけだし いい考えかもな 追い出してみたりする? 違う、悩んでるのは蒼星石が居るからじゃない。 俺が蒼星石の事好きだからなんだよな でも蒼星石はお父さんのことが好きなんだろ? じゃあお父さんは俺の事が好きなのか? やめよう、分けわかんねぇ 「そういえばマスター、洗濯物取り込んでくれた?」 「あっ………」 窓の外にはまだ洗濯物がある 「もうマスター!午後は雨降るからって言ったのに!」 「ゴメン、今すぐやるよ」 「…?マスター、どうかしたの? 元気ないみたいだけど」 蒼星石が歩いてきて、小さな手で袖をつかむ 俺はその手を解き、握り返す 「大丈夫だよ、蒼星石が居てくれるんだから」 とりあえず、今を時間と蒼星石を大切にしよう。 そうすれば蒼星石だって、少しくらい覚えていてくれるかもしれないから。 何処に行っても、誰と一緒でも
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第一産婦人科、分娩準備室 「アスカ…頑張って…!」 「フンッ…もちろんよ!」 アスカは額に汗を浮かべながら笑ってくれる。 少しでも僕を心配させないように、笑ってくれている。 「碇アスカさん、分娩室に移動しますよ。 お父さんもどうぞ」 お父さん… 僕が…父親に… 「お父さん、お母さんはこれから必死に戦います。一緒に戦ってあげてくださいね?」 「…はっはい!」 アスカ、頑張ろう。 …一緒に。戦おう。 司令室 ガチャッ… 「…ああわかった。碇、アスカ君が分娩室に入ったそうだ」 「……冬月、後を頼む」 「…ああ、お孫さんによろしくな」 分娩室 「うう゛っ…あ゛ぁぁ!…あぁぁっ!」 アスカが苦痛に呻いている、…僕は応援しか出来ない…。…最低だ…、俺って… 「イヤぁっ!痛っ…シッ…ン…ジッ…助…けぇ…シ……ジィ…ッ!」 「ほら、お母さん頑張って! お父さんも応援してあげて!一緒に戦うんでしょ!?」 「はっはいぃ!」 アスカの叫びと助産婦さんの声で僕は我に返った。…応援しか出来ないけど…一緒に戦ってるんだ…! 「ほら頭がでてきたわよ!後少し!」 「アスカァッ!頑張って…頑張って!」僕は、イスラフェルと戦った時と同じ感覚だった。 一緒に戦ってる、そう感じたんだ。 「アァッ!…う゛う゛…っ…シンッジ…!…シンジィ…!」 『オギャァーッ』 「おめでとう…これでお母さんね!ほら抱っこしてあげて…」 助産婦さんがアスカに僕たちの子供を抱かせる。 「…おめでとう、アスカ……ありがとう。」 「はぁっ…はぁっ……当然…!…ありがと…シンジ…」 いつの間にか涙が流れ、頬を濡らしていた。 「シンジッ!」 病院に父さんが飛び込んできた、もうアスカもミズキも病室に移っている 「…父…さん……」 「…良く、やったな。 …シンジ、…おめでとう」 「…父さん、…ありがとう…」 …父さんと二人でしばらく泣き続けていた、悲しいわけじゃない。ただ…うれしかった。 そして、看護士さんに案内されミズキのいる育児室に向かった。 「…父さん…、あの子が僕たちの子供…だよ。」 「…私の孫か……フッ…名は決めたのか…?」 父さんから唐突に聞かれた、……父さん、あのこは… 「ミズキ…碇、ミズキだよ」 「…ミズキか。……良い名だ…。」 「…そうだね、…おじいちゃん…」 「…おじいちゃんか、……そうだな。」 父さんは、一通りミズキとアスカの顔を見た後帰っていった。病室で、まだ眠っているアスカに声を掛ける 「アスカ……ありがとう…」 そのまま僕は、眠ってしまった。 『あなたがどこへ行こうと 私はいつもあなたを見てるわ 自分の進む道は あなたが自分で決めるのよ』 総司令公務室 「碇、アスカ君の産休手続きと特別休暇申請書第参号だ。」 「ああ…判が必要だな、…」 「……なぁ。」 「どうした?」 「…良かったな、お前もおじいちゃんか。」 「フッ…」 「…ああ、碇…」 「おめでとう。」 「…ああ。」 第一産婦人科病室 「アスカ…」 「まぁったく…病院の食事はマズいわね、シンジの作ったのの方が美味しいわ」 「ハハッ、退院したら一杯作ってあげるからさ…」 「シンジ、約束よ?」 碇ミズキ 2027年、5月25日。 碇シンジ、碇アスカの子供として、誕生。 「…アハッ、…ミズキ君か…」 「…新たなる命の誕生はいつみても美しい」 「…全く、ラミエルはカタいよ?」 「タブリス。お主が人に感化されすぎなのだ。…まったく」 「…フフッ……かもね。 …碇ミズキ君…次に逢う時を楽しみにしてるよ…」 終劇
https://w.atwiki.jp/luckystar-ss/pages/1225.html
「今日雨だね。残念だなー」 今日はこなちゃんと遊びに行く約束をしている。 いつもなら憂鬱な雨だけど今日はちょっと嬉しい。 新しい傘をおろせるから… 「そう言ってる割に嬉しそうに見えるけどね」 お姉ちゃんには隠し事できないな。 見抜かれたのが恥ずかしかったので、えへへ…と照れ笑いをしているとお姉ちゃんの携帯電話が鳴った。 「あ~、うん……そう、分かった」 電話を終えたお姉ちゃんは私に申し訳なさそうに言った。 「つかさ、こなたが雨降ってるから予定延期したいって言ってるんだけど…」 そうだよね… 普通こんな雨の日に出掛けたくないもんね… 結局傘さんの誕生日も延期になりそうだな。 しょうがないか…そう思って部屋でごろごろしているとお母さんが部屋に入ってきた。 「つかさ、暇だったらお父さん駅まで迎えに行ってくれる?朝、傘持っていかなかったから」 天気予報では晴れのはずだったからお父さん傘持っていかなかったんだな。 「うん、いいよ」 思いがけず新しい傘の出番が来た。 新しいものを初めて使うときは少しドキドキする。 玄関を出てつぼみが開くようにぱっと傘が開く。 真新しい傘は雨を玉にしてはじく。 いつもは嫌いな、雨が傘をたたく音も今日は心地よく感じられる。 いつもより軽快な足取りで、駅まであっという間に来てしまった。 「あ、お父さん!」 お父さんが困った顔をして駅の出口で立っていた。 その向こう側によく知った顔が見えて私は驚いた。 「峰岸さん?」 お姉ちゃんのクラスメイトがそこに立っていた。 その困った様子から、傘を持っていないのは明らかだった。 天気予報の被害者がここにもいた。 「お父さん、はいこれ」 「つかさ、ありがとう」 とりあえずお父さんに持ってきたもう一本の傘を渡す。 「お父さん、友達が傘がなくて困ってるから、家まで送ってあげるから先に帰ってて」 私は思わずそんなことを言って峰岸さんのもとに駆け寄った。 「あら妹ちゃん、こんにちは」 「こ、こんにちは。あの、もしかして傘持ってないの?」 「うん、それで止むまで待とうかなって。急がないし」 「なら私と一緒に帰ろうよ。峰岸さんが嫌じゃなければ」 「そんな…嫌だなんて…でもほんとにいいの?」 峰岸さんの家と私の家は駅をはさんで反対方向。 でも雨は当分止みそうにない… 「大丈夫だよ、峰岸さんとお話ししたいし」 「実は私も妹ちゃんと二人で話してみたかったんだ。じゃあよろしくね」 新しい傘の中に二人並んで歩きだした。 「この傘、新しいの?」 並んで会話をしている途中、峰岸さんが言った。 「うん!分かった?今日初めて使うんだよ」 「そうなんだ。じゃあ今日がこの傘の誕生日だね」 あ、私と同じこと思ってる。 そう思うと一気に私と峰岸さんの距離が縮まった気がする。 「峰岸さんも私みたいなこと考えるんだね。すごいしっかりして大人っぽいイメージだからなんか意外」 「そうかしら。みさちゃんにはよくおっとりし過ぎって言われるわよ」 「私はよくお姉ちゃんにしっかりしなきゃダメだって言われるよ」 「確かに柊ちゃんはすごくしっかりしてるわよね」 「うん、だから私お姉ちゃんみたいになりたいんだ」 「でも妹ちゃんには妹ちゃんのいいところがあるわよ」 「そんな…私なんか全然だめだよ~」 「そんなことないわよ」 顔は微笑んだままだった。 でも急に峰岸さんの口調が少し真剣なものになったので私は少しびっくりした。 「柊ちゃんはしっかりしているから私もすごく頼りにしているし憧れる面もあるわ。でも同じように、妹ちゃんにも、私、うらやましいな~って思うところいっぱいあるわよ」 「え…?」 「だから無理に柊ちゃんみたいになろうと思わなくていいんじゃないかしら」 それは…意外というか、考えもしたこともないことだった。 お姉ちゃんが憧れられるのはすごくよくわかる。 でも私なんかにそんなうらやましがられるようなところってあったっけ? 「すごく料理得意だし」 「でも峰岸さんもお菓子作ったりするのすごい上手だよね」 「とっても素直だし」 「そ、そうかな?」 「それに妹ちゃんの笑顔を見てるとすごく癒されるの。多分、みんなそう思ってるわよ」 そうなのかな。私は私でいいのかな。 いつもお姉ちゃんみたいになりたいと思ってきた。 お姉ちゃんみたいにならなきゃいけないと思ってきた。 無理にお姉ちゃんみたいにならなくてもいい…そう考えると少し心が軽くなった気がした。 「あ、見て妹ちゃん」 峰岸さんが指さした方を見る。 目の前に広がる光景に目を奪われる。 「…綺麗……」 雲の切れ目から射した日の光が大空に虹を作っていた。 「虹の根本には宝物が眠ってる…」 「え?」 「そういう言い伝えがあるんだよ」 どこで聞いたのかは思い出せない。 テレビか、どこかで読んだ本か、もしかしたらお母さんに昔聞いたのかもしれない。 「そうなんだ。いつか見つけられるかな」 お姉ちゃんなら、多分「つかさはロマンチストだね」で終わってしまうだろう。 そしてそういう考えの方が現実的で正しいということも頭では分かっている。 でもそれでもいいと思った。 私は虹の根本を探し続けよう…いつか見つけられることを信じて。 もしかしたら……ここがその虹の根本なのかもしれない。 偶然、峰岸さんと出会って、ここでした会話が宝物なのかもしれない。 「ありがとう、妹ちゃん。助かったわ。また明日ね!」 「うん、じゃあね!」 峰岸さんを家に送り届けるころには雨は上がっていた。 私は傘を畳んで、家までの道を駆け足で帰った。 通り道の水たまりが太陽の光を反射してきらきら輝いていた。 終
https://w.atwiki.jp/fleshyuri/pages/544.html
「今日はクリスマスイブね。この前のペンダントのお礼を兼ねてクリスマスプレゼント」 私はラブに昨日の夜ラッピングをしたプレゼントを渡す。ラブ、喜んでくれるといいけど。 「ありがとう、せつな」 「中を見て、文句を言わないでね」 「ここで開けてもいい?・・・・アカルン使用券?」 「お父さんやお母さんにいつまでも迷惑を掛けられないから、お金をかけられなくて。 こんなものでごめんなさい」 「せつな、ありがとう。せつなから貰うものなら何でも嬉しい」 私の大好きないつものラブの笑顔。だけど、いつもより輝いて見える。 大好きな人が喜んでくれる。笑顔でいてくれる。それだけで、私も嬉しい。 お父さんもお母さんもクリスマスイブということで、早めに仕事を終わらせてくれたみたいで、4人でパーティの準備を始める。 「お母さん、刷毛で鳥肉に塗っているの、何」 「これは溶かしバターで最後に塗ると、皮がカリっと焼けて香ばしくなるの」 鳥の形そのままのお肉。お母さんが近くのお肉屋さんに特別に注文していたものらしい。 「ラブ、手に持っている緑の野菜、何」 「ピーマンだよ」 でも、今日はクリスマスパーティーなのにピーマン、どして? 「ベーコンが油が出るくらいまで焼いて、そこに適当に切ったピーマンを入れるっと。 あたしは焦げめがついたくらいいいかな。ピーマンに甘味が出て。 最後にちょっと多めに塩胡椒を入れる。お父さんのお酒のおつまみにもぴったりだよ」 「お父さんが作っているの、何」 「ホワイトシチュー。じゃがいも、人参、玉ねぎを煮込んで、ルーを入れて一煮立ちしてから火を止めて、最後に湯掻いたほうれんそうを入れる」 人参を煮ていた時点でラブは諦めていたみたいだけど、お母さんは不意をつかれたみたいで、なんとなく顔が青ざめているような気がする。 「二人とも、僕のシチュー食べられないって言うのかい」 「・・・・」 「私は精一杯、食べるわ」 「せつなは嫌いなものが入っていないかもしれないけど・・・・」 「せっちゃんはお皿出してくれる」 「はい」 「いただきます」 4人で囲む食卓。いつもの家族の団欒。 だけどいつもと違う、心が弾む感じがする。これがクリスマス? 「あたしの小さい頃なんだけどね。 サンタさんにプレゼントをくれたらお礼を言おうと思って、寝ないで待っていたことがあったんだ。 でもそこにお父さんが来たから驚いて・・・」 「そうかそれでラブは、お父さんが来たから、サンタさんが来なかったって泣いたんだね」 「なかなか泣きやまないラブをなだめるのに苦労したわよ」 私の知らないクリスマスの思い出。 でもいつか今夜のことも思い出となって、こうやって話題に出るのかもしれない。 今日はお父さんもお母さんも早く帰ってきたからか、いつもより後片付けに時間がかかったといっても、寝るというにはまだ早い時間。 自室に戻ろうとすると、 「後で、あたしの部屋に来てくれる?」 「まさか、今夜は何もしないから、多分、ねとか言っちゃったりする?」 「・・・・・・」 「そんな展開になったら、すっごく私が困るんですけど」 「せつな、もしかしてあたしの事嫌いになった?それとその口調、なんかいつものせつなじゃない。もしや、セレワターセ!!」 「違う、私だけど私じゃない」 「分かった確かに、せつなだね。今夜は何もしないから、おそらく」 「・・・・・・」 「冗談、冗談。さっきのコレ」 と言って、赤いカードを渡してくれる。私がラブに渡したプレゼント、アカルン使用券。 「コレ使ってもいい?あたし、せつなと行ってみたい所があるんだ」 「―――」 「そんな所でいいの?普段行けない所でもいいのに」 「うん、夜にせつなと行ってみたかったんだ。お母さん達が心配するから暗くなってから出かけられないし」 「じゃあ、せつな、お願い」 「分かった。アカルン、お願い」 ここは、クローバータウンストリートが見渡せる丘の上。 私が初めてお母さんと出逢った場所、そしてその夜、私に初めて家族ができた場所。 「ここは、せつなとお母さんが初めて会った所だったよね」 「そうね」 私とラブは寄り添いあって、丘の上から眼下に広がる街を眺める。 家々に明かりが灯り、街全体がまるでクリスマスツリーのよう。 あの光一つ一つに、幸せがあるのだろう。 家族でクリスマスパーティーをしていたり、 子供達がサンタさんのプレゼントを待ちながら眠っていたり、 恋人達が寄り添いながら愛を語ったりしているのだろう。 私がイースだった頃、壊していた幸せ。 私の寒さだけじゃない心の震えを感じたのか、ラブが私の肩に腕を回してくる。 「いつでも来れるのにわざわざここにしたのどして、とか思ってる? ここは、あたし達プリキュアが守ってきた街、そしてこれからも守っていく街が見える所。 あたしや美希たん、ブッキーだけじゃないよ。せつなも守ってきたんだよ、この街を。 だからこんなに幸せが満ち溢れている」 「それに、――――」 え、ラブ今何か言った? 「ううん、なんでもない。寒くなってきたね。もう帰ろう」 「うん」 私はラブの言葉に頷きながら、眼前の景色に意識を向ける。 月の光に照らされ、シロツメクサの緑の葉っぱは白い花のように、山の稜線は白く浮かび上がって見える。 山のあなたの空遠く、「幸」住むと人のいふ。 噫、われひとと尋めゆきて、涙さしぐみ、かへりきぬ。 山のあなたになほ遠く、「幸」住むと人のいふ。 山の遥かずっと向こうに幸せがあるという。 でも、私の幸せは山の向こうにあるのじゃない。 ここに、クローバータウンストリートに、そして、ラブのそばに在る。 了 本文中の詩「山のあなた」カール・ブッセ作 上田敏訳 メ-001へ
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「んっ…こなた…そろそろいいか…?」 ずちゅ…ぐちゅ… 「ふぁっ…お父さん…いいょ…膣に…」 「そうか…それじゃ…」 父は娘の女性器の締め付けに興奮しながら、腰の動きを速くする。娘も父の肉棒を下の口で味わいながら、その感触に身を任せていた。 「くっ…凄っ……出すぞ!」 「はっ…はっ…うん…!」 父の腰が一際大きいストロークを掻き、娘の腰と密着した。その瞬間、父は溜まりに溜まった自らの欲望を娘の子宮口にぶつけていた。 「あっ…出てる……!…だ…駄目…いっちゃ…!」 娘もそのドロドロとした欲望が自らの体の中を満たす感触によって絶頂を迎えた。娘の膣は父の欲望を全て飲み込もうと膣壁は肉棒をくわえこみ、絞りだそうとうねりだす。 「うん!…はあ…はあ…いいぞ…こなた……」 「はぁ…いっぱい……まだ出てる…はぁぁ…お父さん…大好きぃ…はぁっ…」 欲望を出し終え、萎えた父の肉棒が娘の膣から糸を引きながら引き抜かれる。 すると、子宮に収まりきらなかった欲望が、逆流し、大量に溢れ出てきた。 『ぶぢゅっ、こぼっ、ゴポゴボッ…ぶぢゅっ…』 「はあ…はあ」 娘の股間から流れ出した精液は愛液と混ざりあい、アヌスを伝わって股間に淫液の池を作る。その感触に娘は満ち足りたものを感じ取るのだった… … … … 「……ねえ、お父さん。エロゲみたいなハーレム造らない?明日かがみ達が遊びに来るんだけど…」 コメントフォーム 名前 コメント
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(前略) ドサイドン「ぬ!?あのタブンネ、人の作物勝手に食いおって!許さん!がんせきほう!」 父タブンネ「ここにオレンnぐぁぁっ!」ゴオシャッ 母タブンネ「あなた!?」 兄妹タブンネ「お父さん!?」 ドサイドン「次はお前じゃぁ…がんせきほう!」 母タブンネ「ごめんなさい!あなたのsひぎぃっ!」ゴメシッ 兄タブンネ「お…お母さんまで…」 妹タブンネ「うわぁぁぁん!お父さんとお母さんを返せぇ!」 ドサイドン「人の作物勝手に食っといて何をぬかすか!がんせきほう!」 兄タブンネ「ぐぅぅっ!」ドグチャ 妹タブンネ「やぁぁっ!」ゴビシュ ドサイドン「ったく…まあいい、この豚共の屍を肥料にするか」 その年のドサイドンさんのオレンの実はとてもおいしかったそうです めでたしめでたし ラグラージ「そろそろリンドのみの収穫時期だね、これが無いと命に関わるからしょうがないね、」 母タブンネ「見た事無い実がなってる~!せっかくだから食べてみましょ!」ムシャムシャ 父タブンネ「なかなか食べれるね、健康に良さそうだね」クチャクチャ 姉タブンネ「みんなにおみやげにもって帰ろうよ!」シャクシャク 弟タブンネ「この味嫌いミィ!」ポイッ ラグラージ「おめーら何やってんだ!」(両親に怒りのWアームハンマー) 母タブンネ「・・・う~ん、気を失ってたみたいね」 父タブンネ「・・・はっ!子供たちがいないぞ」 母タブンネ「そ、そこの方!この辺でタブンネの子供を見ませんでしたか!?」 ラグラージ「さあ?知らないねぇ、こっちは誰かさんに畑を荒らされて大変なんだよ」 ラグラージの腹「ミィミィ!ミィミィ!」 父タブンネ「あ、あなたのお腹の中から・・・!」 ラグラージ「だから知らねえっつってんだろ!」(じしん) その後再び気絶したタブンネ夫妻は沼に放り込まれてハスボー達の養分に 子タブンネ達は丸一日かけて生きたままゆっくり消化されたらしい
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英国王のスピーチ ジョージ6世 エリザベス妃(主人公の奥さん) ライオネル・ローグ ジョージ5世(主人公のお父さん) ウィンストン・チャーチル(イギリス首相) コメント 2010年に公開されたイギリスの歴史ドラマ映画。 ジョージ6世 エンペルト エリザベス妃(主人公の奥さん) ジャローダ ライオネル・ローグ フーディン ジョージ5世(主人公のお父さん) ニドキング ウィンストン・チャーチル(イギリス首相) グランブル コメント 名前 コメント すべてのコメントを見る 草案 ジョージ8世 ヤドキング 大司教コスモ・ラング フーディン メアリー王太后(主人公のお母さん) ニドクイン ウォリス・シンプソン ペルシアン -- (ユリス) 2016-10-09 10 01 40
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餃子 元気な道産子 冬は大体試されている 某茶室ではお父さんキャラ 太刀厨らしい 立ち回りがアグレッシヴ パチンコに手をだし使用率があがっているが、 太刀厨であることに誇りを持っているため弓を使う気はないらしい。 matchに写真を見せてはコラを作られ続ける ギャラリー
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12月に入った最初の日曜の朝。 珍しく早く目が覚めた私は(お父さんはえらくビックリしてたけど)、ゆーちゃんやお父さんと一緒にご飯を食べると新聞広告を眺め始めた。 年末のこの時期は売り尽くしだの歳末セールだのと色々と安く買い物が出来るから、広告のチェックはそれなりに重要な事だったりする……もうプロ野球の応援セールの時のような失敗は繰り返さないのだよ。 同じものでもお店によって違うなぁ、なんて思いながら眺めていると、セールの広告じゃないのが目に入った。それは市民会館からのお知らせで…… ある日の昼休み。 今日はかがみは自分のクラスでお昼を食べるそうで、つかさとみゆきさん、私の3人でお昼を食べてる時にふと思いついた事を口にする。 「そーいえば20日がゆーちゃんの誕生日なんだよね~」 「へー、そうなんだ~。じゃあおうちでパーティとかやるの?」 「そのつもりだけどね。で、ものは相談なんだけどお二人さん。よかったら手伝ってくれないかな?」 「私は大丈夫ですけど、お邪魔してよろしいんですか?」 「へーきへーき。二人ならゆーちゃんも知ってるし、大勢いた方が楽しいだろうしね」 「うん、じゃあ私もお手伝いするー」 「じゃあかがみにも声掛けてみよっか。あ、この事はゆーちゃんには内緒ね?」 「あははは。わかったよ、こなちゃん」 「そう言えばみなみさん達はどうなさるのでしょう? 同じクラスのお友達ですし、あちらでも何かやるようでしたら……」 「それなら向こうも一緒に誘っちゃおうよ。みゆきさん、お願いしていいかな?」 「ええ、構いませんよ。もちろん小早川さんには内緒で、ですね?」 「さすがみゆきさん、話がわかる」 「では少々行ってまいりますね」 「よろしくー。それじゃーつかさ、かがみのとこに行くよー」 「あ、待ってよ、こなちゃーん」 急な話だったけど、思ったよりトントン拍子で話が決ったよ。 しかもかがみに声掛けに行ったら、一緒にいたみさきちと峰岸さんまで手伝ってくれる事になったし。なんだかチアのメンバー勢揃いだね。 ケーキや料理はつかさと峰岸さんに仕切ってもらう事にした。2人ともお菓子作りは上手だから今から楽しみだ。飾り付けなんかは当日手の空いた人がやればいいしね。 当日までまだ余裕があるから、準備と言っても材料の買い出しやプレゼントの準備くらいだけど。 そんなこんなで当日。 皆がうちに集まって準備する間の時間、ゆーちゃんを足止めする大役は私の担当だ。と言っても、私としてはちょっとしたデートが出来るから嬉しい限りだけど。 まぁ2、3時間くらいだから軽くウィンドウショッピングとお茶するくらいかな。 「んじゃゆーちゃん、行こっか?」 「あ、待ってよぉ。おねーちゃん」 小走りに駆け寄ってくるゆーちゃんを待って、並んで歩き出す。 と、手袋をしてない手を暖かく何かが包んだ。見ればゆーちゃんが手を繋いでくれてる。 お返しにぎゅっと握り返す。2人とも背が小さいのをたまに嘆くけど、こういう時は逆にありがたかったりする。恋人には見えないけど仲のいい姉妹には見える訳で、人目をはばかる事無くいちゃつけるからね……まぁ限度はあるけどさ。 「えへへ。こうしてお姉ちゃんと一緒に帰るのって久し振りだね」 「そういやそうだね。ここしばらく用事があったからね~。まぁそれも終わったし、これからはまた一緒に帰れるからさ」 「うんっ! それにここ何日かみなみちゃん達も用事があるって言って、なかなか一緒に帰れなくて寂しかったんだ……」 と、手を握るだけじゃなく腕にぎゅっとしがみ付いてくるゆーちゃんを優しく撫でてあげる。 ゆーちゃんの誕生日パーティの準備とはいえ、やっぱり寂しい思いさせちゃったなぁとちょっと罪悪感が沸いてくる。 「よぉし、じゃあ帰る前に寄り道して行こうか!」 色々話しながらあちこち見て歩いて、喫茶店に入ってちょっと休憩&時間調整。 私はミルクティー、ゆーちゃんにはホットココアを注文してメールを確認。あと1時間くらいで準備が完了するらしい。移動の時間も考えると30分くらいいればいいかな? 「ふ~。やっぱお店の中はあったかいね~。ゆーちゃん、疲れてない?」 「うん、これくらいは平気だよ。それほど歩き回った訳でもないし」 「そろそろお父さんがケーキとか買ってるはずだから、これ飲んだら帰ろっか」 「そうだね。でもお手伝いしなくていいの、お姉ちゃん?」 「いーのいーの、今日はゆーちゃんが主役なんだから。まぁ本当は内緒で準備しようとも思ったんだけどね。 変に内緒にしておいても、お父さんかゆい姉さんがうっかりばらしちゃうかも知れないし。あとは私の時みたいに内緒にしすぎて空振りになるのが嫌だったんじゃないかな?」 「あははは……あの時は本当に寂しかったんだからね。おじさんもゆいお姉ちゃんも……」 「むぅ、だからちゃんと謝ったじゃん。用事がある時はちゃんと連絡するようにしてるし」 「そういえばそうだよね。じゃあ今日はお言葉に甘えちゃうね」 そう、パーティをやる事自体はゆーちゃんに言ってある。ただし『みんなでやる』ことは知らせてない訳で。みんなの用事がこの準備だと知ったら……どんな風に驚いてくれるかな? 「そだそだ。ちょっとかがみに電話掛けるから、鍵開けといてくれるかな?」 「はーい、じゃあちょっと待ってて」 「あ、かがみ? うん、もうちょっとで家に着くんだけどさ。例の件はOKだよね? うん、うん。おーありがとー。んじゃまたねー」 横で聞いてる分には何気ない電話だけど、これはかがみ達に到着を告げる合図。 家に着くとゆーちゃんが鍵を開けてドアを開けて…… 「ただい……」パンパン!パパパーーーン!!「ひゃぁっ!?」 「ハッピーバースデー、ゆたかちゃん!」「おめでとう、小早川さん」「おめでとう、ゆたか」「Happy Birthday,ユタカ!」 「え、え? あれ? えっと、これ?」 突然のお祝いの言葉に目を白黒させるゆーちゃん。そこにはチアで一緒になったみんなとお父さんにゆい姉さん。手に手にクラッカーを持って笑顔で待っててくれた。 んっふっふっふ、驚いてる驚いてる……って、どっかの中年刑事みたいな笑いになっちゃったよ。 ようやく落ち着いてきたゆーちゃんを後ろから抱きしめて、 「ゆーちゃんの事驚かそうと思ってね、みんなで準備してたんだよ。ごめんね、寂しい思いさせちゃって。それと、ハッピーバースデーゆーちゃん♪」 そう伝えてからゆーちゃんのほっぺにちゅっとキスしてあげる。ポンッと音がするんじゃないかな?って感じで耳までまっかになっちゃうゆーちゃんを 「Oh! コナタ、ダイタンネ!」 「あーもう。いくらみんな知ってるからって少しは人目を気にしろっての。見てるこっちが恥ずかしいわ」 「いいなぁ、ゆーちゃん。好きな人からのキスなんて最高のプレゼントだね!」 なんてみんなでひとしきりからかう。本当に可愛いね。 「ほらみんな、そんなところじゃ寒いだろう。早く中に入りなさい」 お父さんに促されて、みんなで家に入る。その間ゆーちゃんはみんなのおもちゃ状態だ。 私とゆーちゃんが着替えて部屋に入ると、パーティの準備はすっかり完了して主役の到着を待つだけだった。 「お待たせ、みんな。でわでわ……さぁ始めるザマスよ!」 「またそれか! まともに始めなさいっての、ったく」 私の音頭に呆れながらローソクに火を灯すかがみ。みんなにジュースを渡していくつかさ。みゆきさんやみなみちゃんが取り皿を配り……そんな光景を眺めながら本当にいい友達を持ったなー、なんてしみじみ思いながら明かりを落として、 「では改めて。16歳の誕生日おめでとー、ゆーちゃん!」 「「「「「「「「「「おめでとう、ゆたかちゃん!」」」」」」」」」」 あ、笑顔のまま泣いちゃってる……そんなに喜んでくれると、計画立てたこっちも本当に嬉しいよ。 「ひっく……ありが、とう。みんな。ん……すごく、うれしい、です」 「ほらほら、嬉し泣きもいいけどやっぱり笑顔の方がいいよ」 そう言って涙を拭いて優しく頭を撫でてあげると、ようやく落ち着いたみたい。 「私の為にこんな素敵なパーティを準備してくれて、本当にありがとうございます!」 元気にそう言うと、ローソクを吹き消すゆーちゃん。それと同時にみんなで恒例の歌を歌い出す。 「……ハッピーバースデートゥーユー♪」パチパチパチ…… 拍手とともに歌い終え、明かりを点けると 「さぁて、今日は騒ぐよー! 無礼講だ~~!!」 「「「「「「「「「「「おー!!!」」」」」」」」」」」 さぁ楽しいパーティの始まりだ!! つかさと峰岸さんのケーキや料理、パティと私の歌&パフォーマンス、etc、etc……挙げたらきりがないほど騒いだらプレゼントの時間だ。 かがみとつかさから可愛いワンピース、みゆきさんとみなみちゃんは童話集、みさきちと峰岸さんはリボンとイヤリング。 ひよりんからは……同人誌?じゃなくゆーちゃんを中心にしたマンガみたい。パティはコスプレ衣装……どっかで見た光景だよ。 お父さんとゆい姉さんはスケッチブックとクレヨン、色鉛筆。 みんなゆーちゃんの好みとか私に聞きに来てたからね。みんな色々考えてたみたいで、どれもゆーちゃんを喜ばせていた。 最後は私から……ゆーちゃんの左手を取ると、そっと薬指に嵌めてあげる。 青いトルコ石のシルバーリング。ここ数日、市民会館でやっていた銀細工教室で作ったものだ。 「これ作るんで市民会館通ってたら、なかなかゆーちゃんと一緒に帰れなくてね。ちょっとぶきっちょだけど……」 「へぇ。あんたにしては頑張った……って、おい! その指!」「Wow! コナタ、愛の告白デスネ!」「やるな、ちびっ子!」 あーやっぱこうなるよね。私達の仲はみんな知ってるからいいやとか思ったんだけど。やっぱりちょっと恥ずかしい。 ふと繋いだままのゆーちゃんの手が震えてるのに気づいてゆーちゃんを見ると、俯いたままじっとしてるのが目に入る。 「あれ、どったの? ゆーちゃ……んっ?! んん……」 どうしたのか聞こうとした口が塞がれた。ゆーちゃんの唇で…… 「わわっ、ゆたかちゃん?!」 「あらあら、大胆ですね」 「ゆたか、みんな見てる……」 「スケブスケブ……って自重しろ私!」 みんなが騒いでるのも耳に入らないのかキスしたままぎゅーっと抱きしめられ、 「ぷはっ。ちょ、ゆー……っん、んぅ…あむ」 一旦離れたかと思ったらまたキスされた。今度は舌まで絡めるディープなやつ。さすがにみんな声も出ないみたい。いくら二人のこと知ってても、ゆーちゃんがここまで大胆になるとは思わないよね。 時間にして数分。やっと解放された私はぼんやりとゆーちゃんを見つめるくらいしか出来なくて。当のゆーちゃんは、 「お姉ちゃん、ありがとう……世界中で一番愛してる!」 と笑顔と共に元気よく宣言してくれました。 「いやぁ……ゆたかがこんな積極的になるとは、お姉さん本当にビックリだよ……」 「姉妹の愛の告白……くーー、これは萌えるな!」 最初に立ち直ったのは保護者ズ。しかしビックリで済ませたり、なんかサイテーなセリフを言ったり……この2人はある意味凄いと思う。 続いて起こったのは拍手の嵐と祝福の言葉。 「そのままWeddingBell鳴らしちゃいマスカ!」 「2人とも素敵……私もお兄さんといつか……」 「も、もう。2人とも、そういうのは私達が帰ってからにしなさいよね……」 嬉しそうに指輪を撫でるゆーちゃんと、多分顔を真っ赤にしてる私。いつもと立場が逆になっちゃったね、なんて思いながらも、幸せそうなゆーちゃんを見てるとたまにはいいかな?と思う。 特大イベントも起きて最高に盛り上がったけど、お祭り騒ぎも終わりは来る訳で。 「それじゃあ電車の時間もあるし、そろそろお開きにしようか」 「そうだねー。楽しい時間ってあっという間に過ぎちゃうよね」 「いやぁ、今日はホントにいいものを見せてもらったッスよ!」 「あぅ……もう言わないでよぅ、田村さん!」 「でも、本当に幸せそうだよ。ゆたか」 「まぁまぁ、あまり私の嫁をからかわないでおくれよ」 「よ、嫁って……お姉ちゃん!」 「ソウソウ、オ邪魔虫は退散するのデス」 「そうですね。馬に蹴られる訳にもいきませんしね」 なんて言いながら、みんなは帰っていった。 「みんな、今日は本当にアリガトね!」 「ありがとうございました! 今日の事は一生の思い出です!」 最後にそう声を掛けて、後ろ姿が見えなくなるまでゆーちゃんと2人で見送った。 「いやぁ……騒いだ騒いだ。お父さんもゆい姉さんもありがとね」 「なんのなんの。可愛い家族の為ならいつでも何回でもかまわないぞ!」 「そーだよー。可愛い妹達のお祝いだもん。喜んでやるさー」 「おじさん、ゆいお姉ちゃん。今日は本当にありがとうございました!」 「はっはっは。気にしなくていいよ、ゆーちゃん。おじさんも楽しかったしね」 「さって、あたしもそろそろ帰らないとね。おねーさんは明日もお仕事なのだ~」 「それなら俺が送っていくよ。今日は酒も飲んでないしね」 「いいんですか? じゃあお言葉に甘えます、おじさん」 「それじゃ車出すから少し待ってて。あ、そうだ。片付けは明日でいいから、2人とも風呂入って休んでいいぞ」 「えっ、いいの?」 「ああ、流石に疲れただろ。残り物も帰ってから俺が片付けておくから」 「じゃあお願いするね、お父さん。ゆーちゃん、いこっ」 「えっと……ありがとうございます、おじさん」 「さてと。じゃあ行こうか、ゆいちゃん」 ゆい姉さんを乗せたお父さんの車を送り出してから、ゆーちゃんに先にお風呂に入るよう勧めた。 お父さんはああ言ったけど、全部任せっ放しはさすがに気が引ける。かと言ってゆーちゃんの前じゃ出来ないからね。 よっぽど疲れてたのか、ゆーちゃんが素直にお風呂に入るのを見届けると空いたお皿を片付け始める。料理が残ってるのは小皿に移して、ジュースのペットボトルは冷蔵庫。 一段落するとゆーちゃんが出てきたので入れ替わりで今度は私の番。 ゆっくり体をほぐしながらお湯に浸かると、あったかくてつい寝ちゃいそうになる。さすがに自宅の風呂場で溺死はしたくないので、眠気を堪えてお風呂から出るとちょうどお父さんが帰ってきた。 「なんだ、片付けやっちゃったのか。本当にゆっくりしてよかったのに」 「いやいや、全部は終わってないって。さすがに飾りなんかは大変だからね」 「しっかし、娘がもう1人本当に出来るとはなぁ。ゆいちゃんじゃないが、お父さんビックリだ。はっはっは」 「ちょっ、お父さん?」 「前にも言ったがお父さんは応援するぞ。それに友達もお祝いしてくれるみたいだしな? お前達は幸せものだなぁ」 「ん……そうだね。でもさすがに結婚は出来ないよね」 「確かにな。でも書類だけが繋がりって訳じゃないだろ。2人が末永く一緒にいられるなら、そんな紙切れに意味はないさ」 「お父さん、なんかかっこいい事言ってるね。」 「そうだろう? お父さんはかっこいいんだぞ。やっと理解したか、娘よ!」 「……そうやって調子に乗らなければもっとかっこいいのにね」 「うぉっほん。ま、まぁ今日はご苦労さん。ゆっくり休めよ。お父さんももう休むからな。多分ぐっすり寝るからちょっとの騒ぎじゃ起きないと思うぞ」 「は?な、何言ってるのかな?」 「年甲斐もなくはしゃいじゃったからなぁ。まぁこなた達も夜更かしするなよ?」 「しないってば! もぅっ。おやすみ、お父さん!」 ごめんなさい、もうちょっと起きてます。 あの口調は多分お父さんは気づいてる。私のやろうとしてる事に。変な所で勘がいいから。 一旦部屋に戻って、ちょっと準備をしてからゆーちゃんの部屋に向かう。 「ゆーちゃん、起きてるかな?」 「お姉ちゃん?うん、起きてるよ。どうぞ~」 部屋に入るとゆーちゃんはベッドにちょこんと座って指輪を眺めてたみたい。 「どうしたの、お姉ちゃ、ん? その格好は??」 まぁ不思議がるのも無理はないよね。今の私の格好見れば……今私はテルテル坊主みたいにシーツをまとってるんだから。 「ゆーちゃんにもう一つプレゼントがあってね」 「え? 私これだけで十分すぎるよ?」 そう言って指輪にそっと指を這わせるゆーちゃん。 「まぁまぁ、こっちはおまけみたいなものだからさ。受け取ってくれるかな?」 「お姉ちゃんがくれるものなら喜んで受け取るけど……」 可愛らしく首を傾げてこちらを見るゆーちゃんにあと一歩のところまで近づいて。 「じゃん! プレゼントはワ・タ・シ♪」 まとっていたシーツを落とすと……一糸纏わぬ、じゃなく素肌にリボンを巻きつけた体が露になる。 これぞ裸リボン! 微妙なところだけリボンで隠す、このせくしーな姿を見よ! 「いやぁ、エロゲとかでこう言うの見て一度やってみたかったんだよね~~。どうかな?」 と、ゆーちゃんを見ると私をじっと見たまま固まってる。って、あれぇ?はずしちゃったかな?なんて思ってるとゆっくりゆーちゃんが腕を伸ばして私の腕に触れる。 そのまま掴まれるとゆーちゃんらしくない力強さでベッドに引き寄せられ、ゆーちゃんに組み敷かれる形になった。 「あ、あれ? ゆーちゃん。けっこう力あるんだねぇ?」 「お姉ちゃんがプレゼントなんだよね?」 笑顔のゆーちゃんが静かな声で聞いてくる。あの……ゆーちゃん、目が笑ってないです。 「そーだけど。いつもと雰囲気が違うよ、ゆーちゃ、ん……んむ、ふぁっ。んん……」 最後まで言えませんでした。パーティの時以上に激しいキスのおかげで…… あははは。変なスイッチが入っちゃったみたいですね、ゆーちゃんてば。 「えっとー……や、優しくしてね?」 「うん。無理♪」 「ちょっ! ゆー、んっ。んーー!」 「ぷぁ……ふふっ、いっつもお姉ちゃんがしてくれる事してあげるね」 おとーさん。ちょっとの騒ぎじゃなくなるかも知れません。 起こしちゃったらゴメンナサイ。 翌日。 私は朝から動けませんでした。 そんな私を、体が弱いはずのゆーちゃんが甲斐甲斐しく世話してくれましたよ。 今日が休みで本当によかった…… コメントフォーム 名前 コメント \(^O^)/ -- 名無しさん (2008-01-04 14 51 48) なんてこった!!ゆーちゃんが可愛すぐる!!こなたも!! -- 名無しさん (2007-12-26 23 16 58)