約 1,476,251 件
https://w.atwiki.jp/sannami/pages/32.html
169マロン名無しさんsage2011/06/13(月) 07 47 17.24 ID ??? DBFの時にルフィのアフロ見て客席で「アフロだからな」とか言ってるとこあるじゃん? そん時に「あの頭にゃかなわねぇ」みたいなことサンジが言うんだけど、それをナミが唖然として見てるのになんか萌えたwww 「サンジくんまで…?」みたいな 実際は左に並ぶ男連中皆に向けた視線かもしれないけど、なんかナミの目線が近いというか、サンジに向いてるように見えるんだよねw 170マロン名無しさんsage2011/06/13(月) 16 27 07.95 ID ??? 「サンジ君、その髪型…!」「ああ、ナミさん気づいてくれた?アフロ…似合うかな?」テレテレ「…や…」プルプル「ナミさん?」「そんなサンジ君いやああああああああ」タタッ「ああっ!ナミさん、待ってくれ…!待って!ナミさーーーーーーーーん!!!」というアホな場面が浮かんだどうしてくれる 171マロン名無しさんsage2011/06/13(月) 17 56 33.43 ID ??? 「ナミさん、アフロはすごいんだって」って言う所がいい 172マロン名無しさんsage2011/06/13(月) 19 32 56.79 ID ??? 171 その後1時間くらいかけてアフロについてナミに力説するサンジを希望 174マロン名無しさんsage2011/06/14(火) 16 27 51.06 ID ??? ナミがアフロカツラをサンジにプレゼントしたらどうなるんだろう 175マロン名無しさんsage2011/06/14(火) 20 27 48.33 ID ??? む#aa{{ しろサンジが、 「俺…ナミさんに、素敵なアフロ買ってきたんだ!」やって 「いらんわあ!」とナミに怒られる でも後日サンジがいないところで鏡の前で一人こっそりアフロカツラを被ってみるナミと それを陰からこっそり見ててクスリとほほ笑むサンジの姿があったとかなかったとか}} 176マロン名無しさんsage2011/06/14(火) 21 00 12.74 ID ??? あった筈だ。あったと信じたい。あったことにしよう。 177マロン名無しさんsage2011/06/14(火) 22 03 46.70 ID ??? 最初そんなナミに気付かないふりをしようとしていたサンジだけど、鏡の前で自分の買ってきたアフロ被って「もう、サンジ君ってば本当にバカなんだから…」と嬉しそうにはにかむナミの姿に我慢できなくなり思わず飛び出して行って後ろから思いっきり抱きしめてしまう。そして「ナミさんクソ可愛い~~~~~!!」と叫ぶサンジ。一瞬何が起こったのか理解できず固まるナミだけどサンジに見られていた事と、今抱きしめられている事に気づきいっきに顔を赤くする。…でもこれだとせっかくのラブシーンもナミがアフロ姿…萌えるのかこれ?www 178マロン名無しさんsage2011/06/15(水) 00 19 25.01 ID ??? アフロは人を狂わせるのですね… 179マロン名無しさんsage2011/06/15(水) 00 27 39.45 ID ??? 抱き締められた時にはアフロがずれ落ちかかってる筈だから萌える。 ごめん自分で言っといていまいち意味が分からんかった。 180マロン名無しさんsage2011/06/15(水) 00 29 51.94 ID ??? 171 その「凄いんだって」のニュアンスって実際どうなのかな? 説得の「~なんだって」か、伝聞の「~なんだって」か。あの真剣な表情的に感動のでは無いと思うんだwww アニメではどんなだった? その前のアフロに対する感動(驚愕?)ぶりを見ると説得の気もするけど、真顔で言ってるあたり伝聞の気もするし、まぁどっちだしても可愛いことに変わりは無いんだけどねw 181マロン名無しさんsage2011/06/15(水) 22 00 14.84 ID ??? 説得のすごいんだってだと思ってたw ナミにアフロの素晴らしさについてくどくどと真剣に説くサンジの姿想像して和んだ 182マロン名無しさんsage2011/06/16(木) 16 07 15.20 ID ??? サンジのそういう一面が、やっぱり19歳って感じしたよねw 183マロン名無しさんsage2011/06/16(木) 17 51 00.22 ID ??? ナミ「もう!サンジ君は私とアフロどっちが好きなのよ!!」サン「ん…ん~?………んんん…」ナミ「…そんなとこで悩まないでよ!“勿論ナミさんだよ”って即答してくれないサンジ君なんて嫌いよ!さよなら!!!」サン「あ、待てよナミさん!」グイナミ「きゃっ」サン「冗談に決まっているだろ。…例えどんなに見事なアフロでも、ナミさんの魅力には敵わない…」ナミ「もう…サンジ君の馬鹿…」サン「愛しているよ、ナミさん。このアフロに誓って、永遠に君を守り続ける」ナミ「サンジ君、嬉しい。私も、アフロの事好きになれそうだわ」 \ / `――――――――○―――――――――――――――――――――――――――――――――――――’ O 。サン「…な~んてな!グフッ、グフフッ」ナミ「サンジ君何アフロカツラ眺めながらニタニヤしてんのよ;」
https://w.atwiki.jp/ankoss/pages/2446.html
『さくのなかとそと』 34KB いじめ 観察 考証 差別・格差 飾り 実験 群れ 赤ゆ 子ゆ 独自設定 うんしー ※ 初投稿ですよろしくおねがいします 通常種のみ登場します 1 「「ゆっくりしていってね!」」 「「「「「ゆっくちしちぇいっちぇにぇ!!!」」」」」 ここはとあるゆっくりぷれいす ゆっくりの一家がお家から出てきて朝の挨拶をした 家族は、まりさとれいむの番で、赤まりさ三匹と赤れいむ二匹というスタンダードな構成 他のお家からも次々と家族が外に出て朝の挨拶をしている どの家族もまりさ種とれいむ種のみで構成されており、早くもゆっくりプレイスはまりさとれいむでいっぱいになった 「ゆううう! なんだかせまいよ!? ゆっくりできないよ!?」 「なんでこんなにゆっくりがいるのおおおおお!?」 少し前は余裕があったゆっくりプレイス しかし、今現在、ここは四家族の成体とそのおちびちゃんで一杯になってしまっていた ゆっくりプレイスは網目の柵で囲まれており、その中にゆっくり用のお家が四つ備え付けられている 柵のおかげで外からの外敵の侵入は防げるが、自分たちも外に出ることはできない 食事は、毎朝毎晩の一日に二回お空から勝手に沢山降ってくるので困らなかったが 豊富な食料がゆん口を急激に増加させてしまったのだ 「あっちにいってね! ここはれいむのゆっくりぷれいすだよ!?」 「なにいってるの!? れいむとおちびちゃんはここでゆっくりするんだよ!? そっちこそどっかいってね!」 「ゆーん!? なにかってにひとのとちにいすわってるわけぇ? れいむおこるよ!?」 「もう! みんなばかだね! ここはれいむのゆっくりぷれいすだっていってるでしょおお!?」 「ゆゆ!? なんでまりさがこっちにきてるのお!? ここはまりさのゆっくりぷれいすだよ!?」 「まりさのほうこそなんでこっちにきてるのぜ! もっとあっちにいくのぜ!」 「どぼじでみんなげんがずるのおおおお!? もっどながよぐじようよおおおおお!」 「ゆぴー。 まりさはもうたべられないのぜええ・・・」 親のれいむとまりさ達は毎日のように言い争い、家族同士の溝は次第に深まって言った そんな親たちをみておちびちゃんたちも家族がいのおちびちゃんと喧嘩をしているようにおもわれるがそんなことはなかった なぜなら、喧嘩以外にフラストレーションのはけ口を見つけたからである 「やーいやーい! おぼうちのにゃいゆっくちがこっちをみてりゅよおおお!」 「ほんとぢゃ! おぼうちなくしちゃくじゅはゆっくちちねー!」 「もっとこっちくりゅんだじぇ! まりしゃがうんうんをめぐんぢぇやりゅんだぢぇ!」 「ゆぷぷぷぷ! れいみゅのくしぇにかわいきゅないにぇ!」 「あのれいみゅ、おりぼんしゃんなくしてとっちぇもぶしゃいくだにぇ! おお、あわりぇあわりぇ」 「れいみゅのしーしーのみゃしてあげりゅにぇ! しーしー・・・すっきりいいいいい!」 おちびちゃんたちは皆一様に柵に張り付いて外の世界を見ている その視線の先には、おちびちゃん達と同じくらいの大きさの赤まりさや赤れいむがいた 外にいる赤ゆっくりたちはどのゆっくりもお飾りがなく、やせこけてゆっくりできていなかった 「・・・これ、むーちゃむちゃしちぇもいいにょ?」 「ゆうううう!? こいちゅほんちょにうんうんしゃんたべりゅちゅもりだよ!? きんみょー☆」 一匹の赤まりさが柵の中から外向かってひねり出されたうんうんに近づいて行って尋ねた その問いに、内側の赤ゆっくり達は嫌悪感をあらわにする 赤ゆっくりには食べられるものが限られている 固い草や昆虫など、一度親が噛み砕いた物ならともかく自力で摂取することはできない 柵の外側にはご飯さんは降ってこないので、内側の赤ゆのうんうんやしーしーは外側の赤ゆにとっての唯一の食料となる 「・・・むーちゃむーちゃ」 「もっちょおいししょうにたべりょおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお! しょんにゃにいやにゃりゃたべにゃくちぇもいいんだじぇええええええええええ!?」 「・・・むーちゃむーちゃ・・・ちあわしぇー」 「もっちょゆっくちしりょおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお! しょんなんじゃ、あしたきゃりゃおあじゅけしゃんなのじぇええええええ!」 唯一の食料は内側の赤ゆが握っているので、絶対に外側の赤ゆ達は逆らわない ただ黙々と、うんうんを咀嚼し、しーしーを舌でなめとるという行為を作業的に行っている 「やーいやーい! びゃーかびゃーか・・・ゆ!しょぢゃ! れいみゅいいこちょおもいちゅいちゃよ!」 外側に向かって罵声をあびせていた一匹の赤れいむがその場をはなれて行った しばらくすると今朝降って来たご飯を口に咥えて戻って来た 「きゃわいいれいみゅがむーちゃむちゃすりゅちょこりょをゆっくちみちぇいっちぇにぇ! むーちゃむーちゃ・・・・しあわせえええええええええええ!」 「ゆゆ!? おもしろしょうなんだじぇ! まりしゃもじみゃんしにゃがらむーちゃむちゃすりゅんだじぇ!」 一匹がやりだすと伝染したかのように、他の赤ゆ達も真似し始める 我も我もとご飯を柵の前に集めて外側に向かって食べ始めた 食べかすをわざとまき散らし、沢山の食べ残しが地面におちる その光景を外側の赤ゆ達は文句一つ言わずにただじっと眺めていた 「むーちゃむちゃしちゃらうんうんしゃんしちゃくなっちゃよ! ゆううう・・・しゅっきりー!」 食べたら当然出るわけで、内側の赤ゆは一斉にうんうんを外に向かってしはじめる 外側の赤ゆ達はそれらを残さず綺麗に食べて行った ゆっくり達はこんなやり取りを毎日のように繰り返していた 2 一匹の赤まりさが目覚めると、いつもと違う光景が目の前に広がっていた やさしい母れいむも、たよれる父まりさも、仲良く遊んだ兄弟も友達もそこにはいない ふかふかのべっとも、頑丈なおうちも、ごーきゅごきゅするための水場すらない ただ、青々とした芝の草原が広がっているだけである 訳が分からず辺りをきょーろきょろと見渡す赤まりさ ふと、後ろを振り返ると見おぼえがあるものを発見する あの、柵だった 柵の中では両親や兄弟たちが気持ちよさそうに日向ぼっこをしているのが見えた お腹の餡子がサーっと冷えて行くような嫌な予感がした 「おとうしゃーん! おきゃあしゃーん! まりしゃなんだじぇ! なかにいれりゅんだじぇ!」 家族の方へと一目散に飛び跳ねて行く赤まりさ しかし、家族の反応は冷ややかなものだった 「ゆぷぷぷ! みてよおきゃあしゃん! おかじゃりのにゃいくじゅがにゃにかいっちぇりゅよ!」 「おかじゃりがないゆっくちはゆっくちできないにぇ! れいみゅかわいきゅてごめんにぇ!」 「・・・・? ・・・・・!? ・・・・!!!」 おかざりのないゆっくり その言葉が自分に向かって放たれた言葉だと気づくのに、少し間が空いた 子まりさは頭に違和感を感じ、おさげで頭をさすると命の次に大切なお帽子が無くなっていることに気付いた 「ゆ・・・ゆぅぅぅぅ!? まりしゃのおぼうちぢょこにいっちゃんだじぇええええええええええ!?」 あわてて身の回りを探る赤まりさ お帽子が見つかることはなく、兄弟たちが嘲り笑う声が辺りに響いている 「ゆう? おちびちゃんたちどうしたの? れいむはおひるねしてるんだよ?」 「おひるねちゅうはしずかにしてねってまりさいったよね・・・ゆ? どうしたの?」 「みちぇみちぇ! おぼうしのにゃいくじゅがいりゅよ!」 「このくじゅ、しゃっきからうりゅしゃいんだよ!」 お昼寝から目が覚めた母れいむと父まりさ 赤まりさ、両親に向かって必死に呼びかけた 「おちょうしゃああああああああん! おきゃあしゃああああああああああん! まりしゃはまりしゃだじぇ! あしゃおきちゃりゃおしょちょにでちぇちゃんだじぇ! ゆっくちしにゃいではやきゅたしゅけりゅんだじぇえええええええええ!」 「なにいってるの!? れいむのおちびちゃんはゆっくりしてるよ! おまえみたいなくずといっしょにしないでね!」 「まったく、おぼうしのないくずはずうずうしいったらないね! まりさはおまえみたいなくずはしらないよ!」 「どびょじぢぇじょんにゃごじょいゆにょおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!?」 両親から拒絶された赤まりさは半狂乱になって柵の隙間に頭を突っ込んで中に入ろうとした 「かべしゃんはじゃましにゃいぢぇまりしゃをなかにいれりゅんだじぇ!? じゃましにゃいでにぇ!?」 頭部だけはかろうじて入ったものの、胴体から下は入らずお尻をぶりんぶりんと横にふっている そんな赤まりさに、両親は容赦なくしーしーを浴びせた 「ゆびょおおおおおおおおおおおおおおお!? しーしーかけにゃいいじぇえええええええええええええええ!」 「ばかなくずにはしーしーをおみまいするよ! れいむのせいっすい!によいしれてねー!」 「ゆぷぷぷぷ! くずにはしーしーがおにあいだよ!」 「ゆ、ゆげ! ゆげええええええ! ゆげえええええええええあああああああ!」 「くじゅがげりょはいちゃあああああああああ! きちゃにゃああああああああいい!」 「しゃっしゃとじぇんぶあんこしゃんはいちぇ、くるしんじぇしんじぇにぇ!」 とうとう非ゆっくり症候群を引き起こして餡子を吐きだした赤まりさ そのことに同情する家族は一匹もいなかった 「ゆーん! くずをみてたらきぶんがわるくなったよ! きょうはおうちのなかでゆっくりしようね!」 「そうしようね! まりさがおなかでとらんぽりんさんしてあげるよ!」 「ゆぅ!? ほんちょ!? ゆわーい! とらんぽりんしゃんはゆっくちできりゅよ!」 「おとうしゃん! れいみゅも! れいみゅもとらんぽりんしゃんしちゃいよ!!」 「ゆふふふふ。 あわてなくてもおとうさんはどこにもいかないよ!」 幸せそうに話しながらお家の中にはいいて行く家族を、赤まりさは吐きだした餡子に身体をうずめて見送った 3 「まりしゃ・・・? だいじょうびゅ?」 赤まりさが意識を取り戻すと、お飾りのないゆっくり達が赤まりさの顔を覗き込んでいた かつてバカにしてうんうんやしーしーを食べさせていたあの外側のゆっくり達である 「ゆぅ・・・? ここは・・・・?」 「ここはまりしゃたちにょおうちぢゃよ・・・」 辺りを見回すと、ところどころ破れたりシミができたりしてあまりゆっくりできないが 確かに、段ボールでできた壁と屋根があるお家の中に赤まりさはいた 床には干し草がしかれており、赤ゆっくりが作ったには出来すぎたお家だ 屋根に開いた穴からまた別の天井が見えた このお家は何かのもっと大きなものの下にあるらしい 「まりしゃはどうしちぇおしょちょにでちぇきちゃかおぼえちぇりゅ?」 「・・・おびょえちぇないんだじぇ。 おっきしちゃりゃおしょちょにいちゃんだじぇ」 「やっぴゃりおぼえちぇないんだにぇ。 まりしゃもおぼえちぇないよ まりしゃだけじゃなくちぇみんにゃおびょえちぇないよ」 「・・・? なにいってるのじぇ? まりしゃはもちょもちょかべしゃんのなかにいたのじぇ?」 「そうだよ。 まりしゃだけじゃにゃくちぇ、ここにいりゅゆっくちみんにゃがなかにいちゃんぢゃよ」 驚くべきことに、外側の赤ゆ達はもともと内側で暮らしていたのだと言う だとすると、外側のゆっくり達はかつての友であり、もしかしたら餡子を分けた兄弟だったかもしれないのだ 「どうしちぇいわにゃかったんだじぇ!? なかにいれちぇもらわにゃかったんだじぇ!?」 「まりしゃたちもしょうしちゃかっちゃよ・・・ でも・・・おかじゃりがなくちゃだりぇもあいちぇにしちぇくりぇにゃいんぢゃよ・・・」 そうだった、と赤まりさは思い出した 自分の頭の上についていた、片時も手放したことのないお帽子 これを朝起きた時の自分は失ってしまっていたのだ 「・・・こりぇかりゃどうしゅりゅんだじぇ?」 「まりしゃもきぢゅいちぇりゅはぢゅだよ・・・ そちょにいちゃゆっくちはどうやっちぇいきちぇちゃにょ?」 それを聞いて、赤まりさはサッと餡子の気が引いて行った 自分が外側の赤ゆ達にしていたこと・・・それをこんどは自分がされる側になったのだ 「きょうはゆっくちやしゅんでにぇ・・・ あしちゃかりゃはじびゅんでごはんしゃんをとりにいっちぇにぇ」 「ゆ、ゆううううううううううう・・・・」 外側の赤ゆ達のリーダーがそう言うと、赤まりさはさめざめと泣きだした 4 「おにぇがいだじぇ! まりしゃにごはんをわけちぇほしいんだじぇ!」 「ゆぷぷぷぷ! かわいいれいみゅはかんだいだかりゃ、おぼうしのにゃいくじゅにごはんをわけちぇあげりゅよ!」 『むりむりむり、もりゅん!』 「すっきりー!」 「ゆぴいいいいいいいい!? これはごはんしゃんじゃなくちぇうんうんなんだじぇえええ!?」 「おぼうしないくじゅのくしぇになみゃいきだよ! かわいいれいみゅのうんうんたべれりゅんだかりゃありがちゃくおもっちぇにぇ!」 次の日、赤まりさは早速ご飯をねだりに柵の内側のゆっくりに話しかけた 初めは、兄弟や両親にちゃんと話せば分かってくれるとふんでいたがやはり甘かった だれ一ゆとして赤まりさを家族として認めず、屑といって見下した 赤まりさに出されたのは、生みたてほやほやのうんうんだけである 「おねがいなんだじぇ・・・ まりしゃなんにもたべちぇなくちぇおなきゃがぺーこぺこなんだじぇ・・・」 そう言って、赤まりさは地面に額をこすりつけてどけ座で頼み込んだ それに対する答えは残酷なものだったのは言うまでもない 「れいみゅのしーしーでそのきちゃにゃいぼでぃをきれいにしちぇあげりゅにぇ!」 「ゆうううううううう!? やめりゅんだじぇえええええええええええ!?」 顔を上げた瞬間、顔面に赤れいむのしーしーをもろに受けてしまう赤まりさ 鼻をつんざく臭いに耐えきれず、そこらじゅうをのた打ち回る 「ゆぴゃぴゃぴゃぴゃ! くじゅはしょこでえいえんにこーりょこりょしてちぇにぇ!」 そういって赤れいむは内側の奥へと行ってしまった どうして、なんで 疑問符が次から次へと頭の中に浮かんでくる その回答はどこを探しても見つからない ただただ残酷な運命に、ひたすら耐えるほか道はないのだ 「ゆ、ゆううううううううう!? くしゃいいいいいいいいいい! こんにゃにょたべらりぇにゃいんだじぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!」 うんうんに顔を近づける子まりさ これを食べるなど考えることもできない しかし、他に食べるものはない 隣では、外側の赤ゆ達がもそもそとうんうんを口に含んで噛まずに飲み下している そうすることでうんうんを食べる時の精神的な負担を少しでも減らそうとしているのだ 赤まりさもそれにならい、うんうんを口に含んで・・・ 「・・・・・・・・・! ゆゆげええええええろゆげろげろおおおおおおおおおおおおお」 飲み込もうとしたが、耐えきれずに吐いてしまった 「ゆわぁ・・・ あのまりしゃきもっ!」 内側で誰かが言った それを聞いた赤まりさは、ゲロとうんうんにまみれた顔を涙で濡らした 大声で泣きたかった、泣き叫んで両親に甘えたかった しかし、赤まりさは唇をかみしめて感情をおし殺す 泣いていても誰も助けてくれないのだ 再びうんうんを口に含み、それを飲み下した 5 月日は流れ、赤まりさはテニスボールサイズの子ゆっくりに成長した 他の外の仲間たちも同様に成長したが、いまだに食料は内側のゆっくりの排泄物に頼っていた 「ほ~らほら! かわいいれいむのうんうんをきょうもたんのうしてね!」 「やさしいまりさは、おかざりのないくずにしーしーをかけてあげるよ!」 内側のかつての兄弟たちも順調に成長していた 外側のゆっくり達よりも栄養価の高い物を食べていたので、一回りほど大きくなっている そんな彼らから浴びせられる罵声は日に日に大きくなっていく 外側のゆっくり達は黙ってそれに耐え続けていた しかし、ある日のこと 外側の中の一匹があるものをお家に持って帰ってきた うねうねと奇妙な動きを繰り返すそれを、外側のゆっくり達は目を見開いて見つめていた その視線は好奇心で満たされたものではなく、どちらかといえば嫌悪感が勝っていた 「ゆぅ? これなぁに? れいむ、みたことないよ・・・」 「なんだかあんまりゆっくりできそうにないんだぜ・・・」 見たことのないひも状の生物に一同がたじろいでいると、それを持ち帰ったリーダーまりさが皆に言った 「それはみみずさんだよ。 じめんさんからはえてくる、とってもゆっくりできるごはんだよ」 「ゆぅ!? これがごはんなの!? れいむ、とてもじゃないけどたべられそうにないよ・・・」 「ましさもなんだじぇ・・・ こんなうねうねもにょもにょさんなんて、おくちさんにいれられないのぜ・・・」 かつての赤まりさ・・・子まりさは、生まれて初めてみるみみずという生き物に恐ろしさすら感じていた さらにはそれを食べろという とてもではないが、子まりさには無理だった 他のゆっくり達も同じようにしていると、リーダーがみみずを咥えると一気に飲み下してしまった 「ゆううううう!? りりりりりりーだー!?」 「な、なにしてるのぜえええええええええええええええ!?」 驚愕の光景に驚きを隠せない一同 そんな彼らにリーダーはみみずを全て飲み込むと大声で言い放った 「しあわせええええええええええええええええ!」 「「「「「!?」」」」」 みみずを食べたリーダーはとってもゆっくりした表情でしあわせーと言った それは誰かに強制されて言わされる物とは違い、心の底からゆっくりしたしあわせーだった 「・・・ほ、ほんとうにしあわせーなのぜ?」 子まりさは恐る恐るリーダーに尋ねる リーダーはその問いにこくりと頷いて応えると、皆に向かって話しはじめた 「いままではうんうんをむーしゃむしゃしてたけどそれももうおしまいだよ これからはみんなでかりにいってくささんやむしさんをあつめてそれをむーしゃむしゃするよ」 リーダーの話を聞いて、ざわつく一同 そんなことができるはずない。どうすればいいかわからない。 否定的な意見が場を支配しようとしていたその時、子まりさが声高らかに言い放った 「まりさはりーだーにさんっせい!なんだぜ! もうまりさはうんうんなんてむーしゃむしゃしたくないのぜ! これからはりーだーについていってかりをするんだぜ! むしさんやくささんをいっぱいたべて、まりさもしあわせー!っていうんだぜ!」 この子まりさの一言が場の空気を変えて行った 「・・・れ、れいむもかりにでるよ! れいむはむしさんはむりかもしれないけどくささんならたべれそうだよ!」 「れいむも! れいむもさんっせい!するよ! もううんうんもしーしーもごめんだよ!」 「まりさにもかりのしかたをおしえてね! まりさがんばるよ!」 次から次へとリーダーに賛同していって、しまいには全ゆんの意見が賛成になった リーダーは満足そうにうなずくと、子まりさにそっと耳打ちをした 「まりさのおかげでみんなさんっせい!してくれたよ。 まりさひとりじゃむりだったよ。 ゆっくりありがとう」 子まりさはそれを聞くと、とてもゆっくりした気持ちになった 6 その後、外側のゆっくり達は毎日のように狩りに出かけてゆき草や虫などを集めて回った れいむ達は芝生に生えた雑草を選んでむしり口いっぱいに咥えてお家に持ち帰る 芝は青々として沢山生えていたが、苦いうえに非常に硬くとても食べられたものではない 一方、芝の間からヒョロっと生える雑草はゆっくりが食べるには丁度良い固さだった 雑草だけを選んで引っこ抜いていたため、芝だけが青々と生い茂るようになっていった まりさ達は芝の上を這ういもむしさんやピョンピョンとぶバッタさんを捕まえて一匹ずつ運んで行った お帽子が無いので非常に効率が悪かったが、虫は草よりもゆっくりできる味がするので一匹取れただけでも皆が喜んだ このように役割分担をすることで効率よく食料を集めることができた もう、うんうんを食べることも、しーしーを頭や顔にかけられることもないのだ かつてのころと比べ物にならないほどゆっくりした毎日を送ることができた 子まりさはいち早く狩りに慣れて沢山の食料を集めることができるようになった 一日に何度も草原とお家を行き来して沢山の虫を持って帰る 「ゆわぁ! まりさはかりのてんさいだね! きょうもたいりょうだよ!」 食料管理をまかされた子れいむがとってもゆっくりした笑顔で喜んでくれた そんな子れいむをみると、子まりさもとってもゆっくりできるのだ 「さすがはまりさだね! むれいちばんのめいしゅさんだよ!」 「それほどでもあるのぜー! ・・・といいたいところだけどりーだーにはまけるのぜ」 「そんなことないよ! まりさはりーだーとおなじくらいすごいよ!」 「そういってもらえるとうれしいのぜ。 ・・・そうなのぜ、これをれいむにとってきたのぜ」 「・・・ゆん!? ゆわぁ!!! とってもゆっくりしたおはなさんだね!」 子まりさは狩りの合間で見つけたタンポポの花を毟って子れいむの為に持って帰って来たのだ 頭の上にたんぽぽを差してあげると、子れいむは涙を浮かべて喜んでくれた 「れいむ、こんなにゆっくりしたぷれぜんとさんもらったのははじめてだよぉ! ゆっくりありがとう!」 「ま、まりさも・・・こんなぷれ、ぷれぜんとさんしたのははははじめてなんだぜ」 喜んで涙をこぼす子れいむに子まりさは顔を赤らめてもーじもじとあんよを動かした 「おふたりさん!あついねぇ!」 「りーだー!? いつからそこにいたのぜ!?」 子まりさが振り返ると、そこには群れを導いた頼れるリーダーがいた 「ぷれぜんとさんをわたすところはばっちりもくげきさせてもらったよ!」 「だれにもいわないでほしいのぜええ!? まりさはれいむとのひみつさんにしたかったのぜええ!!」 「・・・ゆう? まりさそれどういういみ? れいむわからないよ?」 「ぜぜぜぜぜ! なんでもないのぜ! そんなことよりりーだー! ようすはどうだったんだぜ・・・?」 「・・・あんまりゆっくりしてなかったよ」 リーダーは柵の中のゆっくりプレイスの様子を見に度々足を運んでいた 子まりさも一度同行したことがあるが、その時見た光景はあまり思い出したくない 子まりさが暮らしたかつてのゆっくりプレイスは、もはやゆっくりプレイスと呼べるような場所ではなくなっていたのだ 7 「せまいよおおお! くるしいよおおお!」 「ひぎぃ!? おねがいだよ! これいじょうおさないでね! れいむつぶれちゃうよ!」 「もうたくさんねてないよおおおお! いいかげんにまりさにすーやすやさせてねえええ!」 「くさいよおおおおおおお! きたないよおおおおお! ゆっくりできないよおおおお!」 「おどうぜん! おがあざん! おねがいでず! でいぶをおうじにいれでぐだざい!」 「ゆんやあああああああ! どぼじでまりさがごんなべにいいいいいいいいいいい!」 柵の中では、大きく成長した子ゆっくり達がお外に放り出されてひしめき合っている 彼らの両親達は一日中お家の中に閉じこもり、ご飯の時だけ外に出てて来る 子供たちが中に入れるようにせがんでも、新しいおちびちゃんが生まれてくることを理由にお家の中には入れてくれない 「だめだよ! あたらしいおちびちゃんがもうすぐうまれるんだから、おねえちゃんたちはがまんしてね!」 「わがままいうこはきらいだよ! まりさにせいっさい!されたくなかったらがまんしてね!」 両親達は決して新しく生まれるおちびちゃんの為に子ゆっくり達を追い出したのではない 単純に成長した子ゆっくり達が邪魔になり、ゆっくりできなくなったから追い出したのだ 子ゆっくり達は必死に抵抗したが、身体の大きな両親達には逆らうことができず仕方なく外で暮らしている それでも雨でも降ろうものなら死に物狂いで両親に襲いかかるだろう しかし、不思議なことに雨が降ると青い天上さんが現れて雨水を防ぐのでそうはならなかった 「ぐざいいいいいい! こっちはゆっくりでぎないいいい!」 「やめでね!? うんうんざんがだぐざんなんだよ!? までぃざのいうごどぎいでね!?」 子ゆっくり達はできるだけ柵から遠ざかろうとして、おしくらまんじゅうするようになっている なぜ柵から遠ざかろうかとしているかというと 外側のゆっくりたちがうんうんを食べるのをやめてしまったため、処分するものがいなくなり堆積していったのだ 内側と外側を隔てる柵はうんうんまみれになり、内側のゆっくり達はうんうんに囲まれて生活しているということになる ストレスの捌け口を失い、お家には入れず、押し合いへしあいの窮屈な生活 こんな日常を送っていれば、誰か一匹でも非ゆっくり症候群で永遠にゆっくりしてもおかしくはない しかし、食べている物が相当栄養価の高い物なのか、誰一匹として永遠にゆっくりすることなく生存して順調に成長している 時間が経つにつれ、刻々と狭まる生活スペース だが、両親達は現実逃避するかのようにすっきりを繰り返し、おちびちゃん達を量産してゆく おちびちゃんが増えると、空から降ってくるご飯も増えるので飢えることはなかった そのため余計に危機感を薄れさせ、両親達は能天気におちびちゃんの誕生を心待ちにしていた 「ゆううううん! まりさとれいむのおちびちゃんたちとってもゆっくりしてるね!」 「ゆふふふふ。 まりさとれいむのおちびちゃんなんだからとうっぜん!だよ」 「ゆっくりしないではやくうまれてね! そしたらおとうさんがたくさんあそんであげるからね!」 「まったく、まりさったらせっかちさんだね! おちびちゃんたちはにげたりしないよ!」 幸せそうに談笑する両親を見つめて、子ゆっくり達は恨めしそうに額から生えた茎にぶら下がる妹たちを睨みつけていた 8 「ゆぅぅぅ・・・・ これじゃあすーやすやできないよぅ・・・」 「まったくなんだぜ・・・」 外側のゆっくり達はすーやすやを十分に取ることができず疲れ切っていた ゆっくりプレイスから聞こえてくる内側のゆっくり達の絶叫が夜遅くまで聞こえてくるからだ 日に日に大きくなる絶叫に頭を悩ませるリーダー このままではゆっくりできなくなって中身を吐き出してしまうものも出てくるかもしれない 答えが出ないまま悩んでいると、リーダーの補佐を務めるだぜ口調の子まりさが話しかけてきた 「りーだー、まりさにあいであさんがあるのぜ」 「ゆぅ? そのあいであさんをきかせてね。 すぐでいいよ」 「もう、こうなったらおひっこしするしかないのぜ」 「おひっこしさん!? むりだよ、ここのほかにゆっくりできるばしょなんてないよ」 リーダーの行動範囲は外側の誰よりも広く、芝の草原はほぼ踏破している 草原以外にもいろいろ見て回っていたがお家になりそうな場所はなかった まして、ゆっくりできるゆっくりプレイスなどどこにも・・・ 「それがあるのぜ。 まりさはとっておきのゆっくりぷれいすをみつけたのぜ!」 「・・・ゆう!?」 リーダーは自信満々に言う補佐まりさを疑ったが、とりあえず自分の目で見て確かめることにした どのみち、このままでは皆ゆっくりできなくなってしまう 信じる信じないは別にして、とりあえずは補佐まりさの言うとおりにしてみよう 翌日、補佐まりさと共に新たなるゆっくりプレイスを探しに出かけた 広大な草原を力強く跳ねて行く補佐まりさとそれに続くリーダー 補佐まりさの背中を見て、リーダーはしみじみと昔のことを思い出した 思えばずいぶんと立派になったものである うんうんを涙ながらに飲み込んでそれを戻してしまって、無理やり他のゆっくりにそれをまた飲み込まされていた補佐まりさ それが今では外側の群れを支える幹部として立派に役目を果たしている 正直、補佐という立場は役不足に思える 本当ならリーダーも任せられる能力があるし、実際リーダーを交代しないかと持ちかけたこともあった しかし、補佐まりさは今の自分があるのはリーダーのおかげだと言って頑なにその提案を受け入れようとしなかった そんな恩義を感じさせるようなことは何一つしていない 補佐まりさの背中に、リーダーは無言で語りかけた 「ついたのぜ! ここがあたらしいゆっくりぷれいすなのぜ!」 補佐まりさのに連れられてやってきた場所には、岩が沢山積み重なっていた 岩と岩の間には隙間があり、その奥には成体ゆっくりが入れるほどの大きな穴があいていて奥は空洞になっている ゆっくりがすむにはうってつけな場所だった 「ここなら群れのみんなものーびのびくらせるのぜ! すーやすやもたーくさんできるのぜ!」 補佐まりさは興奮してなんどもピョンピョンしていた そんな補佐まりさを横目に、リーダーは何か腑に落ちないと言った感じで岩を眺めていた 確かここはなんどか来たことがある場所だった しかし、その時は穴なんてどこにもなかったのだ 「リーダー! どうかしたのかぜぇ!? ここはきにいらないのかぜ!?」 補佐まりさが心配そうにリーダーに尋ねる 今にも泣きそうな顔をしていたのでリーダーはあわてて答えた 「そ、そんなことないよ! ここをみんなのゆっくりぷれいすにするよ!」 「ゆわぁーい! ここにみんなでおひっこしするんだぜえ!」 まってましたと言わんばかりに飛び跳ねる補佐まりさを見て、リーダーは先ほどの疑問を頭の隅へと追いやった 9 「おきてよ! ねぇおきてってば! たいへんだよ!」 「ゆぅ? なんなのぜ? まりさはまだおねむなのぜ・・・」 「はやくおきてよおお! このねぼすけばかまりさぁ!」 「うるさいのぜ! いいかげんにし・・・ゆわぁ!れいむいったいそれどうしたのぉ!?」 「わからないよぉ! あさおきてたらこうなってたんだよぉ!」 出発の日の朝、補佐まりさは大仕事の前に沢山すーやすやしていた れいむの声で覚醒した補佐まりさの目には信じられない物が目に飛び込んできた れいむの頭の上に、真っ赤なおリボンが着いていたのだ 「れいむ・・・れいむとってもゆっくりしてるのぜぇ!」 「そうかなぁ!? れいむとってもゆっくりしてるかなぁ!?」 「さいっこう!にゆっくりしてるのぜ! こんなにゆっくりしたゆっくりみたことないのぜ!」 「ゆふふふふ! もぉ、まりさったらぁ!」 よく見るとお飾りが着いているのはれいむだけではなく、他のゆっくりも皆お帽子やおリボンをつけていた まりさ達はお帽子に頬を何度も何度もすーりすりとさすりつけてその存在を確かめた れいむ達はおリボンの着いた自分の姿を確かめようと水たまりを探しまわった 誰もが感極まって涙する中、補佐まりさは一匹だけお帽子が無いまりさが居ることに気付いた それは、他ならぬ自分自身であった 「・・・どうして? どうしてまりさのおぼうしだけないままなの?」 「ゆぅ・・・ そんなのきかれてもわからないよぉ」 微妙な雰囲気になり、誰もが同情の目で補佐まりさを見ていた そんななか、リーダーが補佐まりさへと歩み寄る 「これをまりさにあげるね」 そう言ってリーダーは被っていたお帽子を補佐まりさに被せた 驚いて言葉も出ない補佐まりさ 数秒後我に返り物すごい勢いで顔を横に振った 「だめなんだぜ! これはりーだーのおぼうしなんだぜ! うけとるわけにはいかないんだぜ!」 「ううん・・・ これをうけとってもらわないとまりさはまりさにかおもみせられないんだよ」 「どういうことなのぜ!? せつめいしてほしいのぜ!」 「・・・みんなもよくきいてね きょうおひっこしするゆっくりぷれいすはこのまりさがみつけてくれたんだよ でもね、そのゆっくりぷれいすはもともとただのいわさんだらけだったんだよ そのいわさんだらけにだれかがひとりであなをほっておうちをつくったんだよ ゆっくりがやるにはとってもたいへんなことだよ でも、それをやってくれたゆっくりがいるんだよ・・・」 リーダーはそこで一呼吸おくと、ゆっくりと補佐まりさの方を向いた 「このまりさがみんなのぶんのおうちをつくってくれたんだよ」 「・・・!? りーだー!? なんでわかったのぜえ!?」 驚いて飛び上がる補佐まりさ リーダーは落ち着いた口調で話しはじめた 「このまりさはとってもかりがじょうずなまりさだよ でも、かりでとってかえるりょうはそれなりーだったよ なんでかぎもんにおもってたけどこれでなぞはとけたよ ひとりであなさんをほってたからだったんだよ」 群れのゆっくり全ゆんが補佐まりさを見ていた 補佐まりさはどうしていいかわからず、顔をリーダーのお帽子で蔽った 「・・・りーだーはしってたのぜ?」 「ゆん? しらなかったよ! ためしにかまさんをかけてみたんだよ!」 「な、なんなのぜそれええええええええええ!?」 リーダーは真剣な顔から急にとぼけた顔になりどっと笑い声が上がった どのゆっくりもお飾りのあるなしに関わらず、お飾りのないゆっくりをゆっくりとして受け入れていた かつて自分たちが受けたような屈辱を仲間に行う者などいないゆっくりしたゆっくりの群れ 他のまりさ達も同じように帽子を補佐まりさに差し出し、結局皆でお帽子を共有するという結論に至った 10 「いいはなしだなぁー・・・・・」 「おにいさん、なにないてるの?」 モニターに向かって涙を流すおにいさんに、ありすはそっとハンカチを差し出した 「ああ、別に泣いてないから大丈夫だよ」 「まぁ、うそなきでありすをだますなんてとかいはじゃないわぁ」 ぷくーっと膨れるありすの頭をなでながら、机に置かれたお帽子に目をやる これもそのうち返してやることしよう なにせ課題はクリアしたも同然なのだから・・・ お兄さんは虐待の合間にゆっくりを育てる、奇特なタイプのブリーダーだった ゆっくりが苦しむ姿をみたい、でも善良ないい子は可愛がりたい そんな彼の行きついた先が、ゆっくりをゆっくりさせずにゆっくりしたゆっくりを育てる という少しおかしな考え方だった 今回行った実験は、ずばりお飾りが無くてもゆっくりできるゆっくりは作れるか、というものだ ご存じのとおり、ゆっくりはたとえ我が子であってもお飾りを失ったゆっくりは容赦なく暴行し場合によっては死に至らしめる その悪癖を矯正するために、今回大がかりな仕掛けを作って実験に臨んだのだ 仕掛けといっても、ゆっくりのお家を柵で囲みそこから出られないようにして 自動の給餌機を設置しておしまいという単純なものだ 後は、夜寝静まったころに子供を適当にさらい、お飾りを取って外側に放置する 朝起きた子供は両親や兄弟から容赦なく罵声を浴びせられ孤立する ただし、柵があるので暴行を受ける心配性はなく、されるとしてもしーしーをかけられるくらいだった こうしてお飾りのないグループとお飾りの着いたグループに分け様子を見る 予め外側のグループにもお家を用意しておき、その動向は監視カメラで見ることができる 外に追い出したお飾りのないグループが全滅した場合、再び柵の中から子供をさらう それを三回ほど繰り返したところ、ようやく変化が起きたのだ うんうんばっかり食べていたゆっくり達が誰に教わるでもなく狩りを始めたのだ これは素晴らしい変化だった それまでの実験では、うんうんを食べ続けてストレスで死ぬか食べないで干からびて死ぬかのどちらかで群れの形成までいたらなかったのである これは群れの中心となっているリーダーのまりさがとても優秀だと言う証拠だろう 優秀なのはリーダーだけではない その補佐をしているまりさも相当優秀でなおかつ善良な個体だった 補佐まりさは狩りの合間に巣となる穴をたった一匹で掘り続けていたのである あまりに無茶なその行動に、ルール違反だとは思いつつ代わりに穴を掘ってあげたりもした 流石に、掘り終わるのを待っていたら一年近くかかってしまっただろう 他のゆっくり達もお互いに助けあう善良な性格に育っていた これはもう間違いないということで最後のテストを行い彼女たちは見事合格した そのテストというのが、一匹だけお飾りを返さないで他のゆっくりにはお飾りを返すというものだ もしここで一匹だけお飾りのないゆっくりが迫害されるようなことがあればテストは当然不合格 お飾りを返さないゆっくりは補佐まりさにした れいむや、平まりさではリーダーまりさと補佐まりさがかばってしまうと考えたからだ 不合格が確定した瞬間お兄さんは鬼意山へと変身し、肩パットを装着して農作業用のバーナーでヒャッハー予定だった しかし、その変身セットは使わないまま終わってしまった 外を見ると新しいお家へと向かって移動する群れが見えた その先頭でお帽子を被っていないゆっくりが元気に跳ねて群れを先導している 11 さて、柵の内側に取り残されたゆっくりたちはというと・・・ 「ぐるじ・・・ だずげじぇ・・・」 「おべがいでぶ・・・ でいぶのうべがらどいでぐばざび・・・」 「ゆんやああああああ! くしゃいいいいいいい! おしょとでちゃいいいいい!」 「きゃわいいれいみゅがどぼじじぇごんにゃめにいいいいいいいいいいいい!」 「ゆひぃ・・・ ゆひぃ・・・ もうすっきりしたくないよおおおおおお」 「あがじゃっ! でいぶのあがじゃ! ゆひひひひひひ・・・・」 柵いっぱいに増え続け、潰れることもできずにぎゅうぎゅうに詰まっていた 下敷きになったゆっくりが潰れない理由は、途中から餌に寒天を混ぜたからだ 寒天を混ぜると中身が固まりつぶれにくく頑丈になるのだ 餌には精力剤も混ぜておいたので、親ゆっくりは四六時中すっきりーを繰り返し子供の数は際限なく増えてゆく 給餌機の補給に来るたびに、一度に出す餌の量を多く設定しなおしていたので餌が足りなくなるということもない 下敷きになったゆっくりは上に乗っているゆっくりのうんうんやしーしーでなんとか生きながらえているようだ 勿論それができないで死ぬ個体もいるが、つねにすーりすりし続けているこの状態では減るより増える量の方がはるかに多い そしてついにかんせいしたゆっくりぷれいす 四角く囲まれた土地に、柵いっぱいまで増えたゆっくり達 天井に金網をかけたので脱出することももはや不可能 お兄さんは満足そうにそれを眺めて煙草を一服した これからどうしようか・・・ 上から熱湯をかける? まわりにれみりゃでも放つ? いっそのことこのままスクラップっていうのも・・・ 「おにいざぁん!? おでがいだよ! でいぶをだずげでねえええ!?」 「うん?」 一匹のれいむが話しかけてきた それに呼応するかのように、他のゆっくり達も一斉にお兄さんに助けを求める 「おでがいでず! ばでぃざぼごごがだだじでぐだばい!」 「おでがびだがらでいぶぼごごがだだじでね? ずぐでびびぼ!?」 「ごごはゆっぐぢでぎないんでず! おでがいでずがだゆっぐじざぜでぐだざい!」 「ゆぴいいいいいいいいいいい! しゃっしゃときょきょからだしぇこのくじゅうううううう!」 「ここはくしゃくちぇゆっくちできないんだじぇ! はやくここからだしゅんだじぇ!」 「ゆひひひひひひ・・・ でいぶぼおじびじゃん・・・ がばいいべー・・・」 「ばでぃざはぜがいいじのゆっぐぢなんだぜ・・・ えいびゅんなんだぜ・・・」 必死に何かを言おうとしているかつての子ゆっくり達 余裕があるのか普通に喋るゲス化した赤ゆッくり 正気を失って妄想の世界に逃げ込んでしまった親ゆっくり達 みんなみんな素敵だよ、だからずっとこのままでいようね お兄さんは給餌機の中身を固形のものから液状のものへと切り替え、大量の薬品を混ぜ込んだ こんなことをしても一銭にもならないが、このままこれがどうなるのか見届けたくなったのだ 柵には有刺鉄線を巻き、頑丈な金具で固定して破裂しないようにしておいた これで当分柵のメンテナンスはしなくて大丈夫だろう 「いぐなあああああああああもどでええええええええええええ!」 「でいぶをだずでどおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」 「そんなこというけどさぁ、きみたちはお飾りのないおちびちゃんが中に入れてって言った時どうしたっけ?」 「おがざびのないおじびじゃんんんっ!!?? ぞんだのじだないよ!」 「ぞんなごどよりばでぃざをごごがらだぜええええええええええ!」 「ですよねー。 まぁまともな答えが返ってくるとは思ってなかったけどね じゃあね、そこでゆっくりくるしんでいってね!!!」 「「「「「「どぼじでぞんだごぼいぶぼおおおおおおおおおお!?」」」」」」 まだ後ろから呼ぶ声がしたがそれには答えず自宅へと戻るお兄さん 柵の中のゆっくり達は届かない願いを訴えかけ続けた 終 挿絵:にとりあき
https://w.atwiki.jp/animerowa-3rd/pages/1859.html
697 :名無しさんなんだじぇ:2011/12/02(金) 21 29 57 ID /c8UUyQY ひたぎ「いよいよ明日ね…」 C.C.「うむ…」モグモグ 上条「ああ…」 美琴「明日ね…」 黒子「ですの…」 士郎「明日か…」 アーチャー「明日だな…」 セイバー「明日何かあるのですか?」モグモグ インデックス「そんなことも知らないのかな?明日は本編の投下がある日なんだよ」モグモグ 上条「それ知っててのんびりご飯を食べてるんですかインデックスさん?」 インデックス「ギリギリまで食べてやるんだよ!腹が減っては何とやらとか言うし!」モグモグ 上条「ここでいくら食べても本編に影響なんてあるか!!そして何で諺がうろ覚えなんだ!?本当に完全記憶能力はどうしたんだお前!?」 インデックス「『死者スレ』にそんなキャラ設定は通用しないんだよ!」 上条「やかましい!何でもかんでも『死者スレ』だからで済ませようとすんな!!」 ひたぎ「まぁ確かに明日は本編投下日だけど…」 C.C.「他にもあるだろう?明日から始まるものが…」 美琴「より正確に言うなら、明日から上映するものね…」 黒子「わたくし達には関係ないことですが…」 士郎「待っていた人達はたくさんいるだろうな…」 アーチャー「ふむ…この掲示板ではどれほど話題になるのだろうな…」 ひたぎ「案外あっさりスルーされたりして…」 C.C.「『カーニバル・ファンタズム』についても全く話題にならないくらいだしな…」 アーチャー「………その話題はできればやめてくれ…」 ひたぎ「基本原作のシリーズをやり切った人が観るべきものだったわね…」 C.C.「まぁそれでも面白かったがな…『ドキドキデート大作戦』など傑作だった…」 士郎「あ、あの~…できればその話はやm」 黒子「その話!」 セイバー「詳しくお願いします!」 士郎「………なんでさ…」 698 :名無しさんなんだじぇ:2011/12/03(土) 00 40 42 ID WuvXfg7g ひたぎ「それじゃ、そろそろ控え室に戻ろうかしら?」 C.C.「さて、今日は誰か来るかな…?」 アーチャー「さあな…」 上条「でも誰も来ないのが一番だと思うぞ」 ひたぎ「まぁ…それはそうでしょうね…」 C.C.「何だ?やはり恋人の心配か?」 ひたぎ「べ、べっつに~!あんなロリコンとシスコンを足して3倍にしたような変態の心配なんて…してないとは言えないけど…でもついでよ、ついで!!ついでに心配してるだけなんだからね!!!」 C.C.「何のついでだ…?それに今日の投下は予告を見るにルルーシュ達の方だ。阿良々木君が今回死ぬ可能性は低いだろう…0とは言えんがな…」 美琴「あれがよく聞くツンデレってやつ?余りにもわざとらし過ぎるでしょう…あんな台詞無意識で言う人いる訳ないじゃない」 アーチャー「………」 C.C.「………」 ひたぎ「………貴方がそれを言うの?」 美琴「へ?どういう意味よ?」 ひたぎ「別に…深い意味はないわ…」 美琴「?…何なのよ一体…」 上条「さぁ…?」 699 :名無しさんなんだじぇ:2011/12/03(土) 00 41 34 ID WuvXfg7g ひたぎ「それよりあの3人…いつ帰って来るのかしら?」 C.C.「話を聞いた途端『空間移動』で行ってしまったからな…」 アーチャー「…明らかにその展開を望んでいたように見えたのだが…?」 ひたぎ「あら?私達が人の不幸で悦に浸るような性格に見えるのかしら?」 上条「見える!って言うか実際そうだろうが!!」 C.C.「まあその通りだがな」 美琴「否定しないんだ…」 ヒュン 上条「あ、帰ってk」 士郎「………」ボロッ 黒子「………」ツーン セイバー「………」ツーン 上条「………」 美琴「………」 アーチャー「………」 ひたぎ「あらどうしたの衛宮君?両頬にそんな真っ赤な紅葉を付けて…」 士郎「誰のせいだ!?って言うかそれ以上にひどい目に遭ってるんですけど!?」 C.C.「おや?案外復活が早かったな…まあ『撃墜王』には遠く及ばないが…」 士郎「そんなの競いたくないよ!!」 ひたぎ「それから誰のせいって聞いたけど、はっきり言ってしまえば自分のせいじゃなくて?」 C.C.「全くだな…弁明の余地なしだぞ」 士郎「あれは俺とは別の俺だ!!」 ひたぎ「この期に及んでそんな言い訳をするなんて…」 C.C.「これをどう思うアーチャー?」 アーチャー「そこで私に話を振るな…」 700 :名無しさんなんだじぇ:2011/12/03(土) 00 42 13 ID WuvXfg7g 黒子「士郎さん…」ゴゴゴ セイバー「シロウ…」ゴゴゴ 士郎「あ…ちょ、ちょっと待ってくれ2人とも…い、今のは言葉の綾…て言うかあれはフィクション…と言うか祭りな訳で…この俺とは姿形が同じだけの別人であって…」 黒子「言いたかったことは…」ゴゴゴ セイバー「それだけですか…?」ゴゴゴ 士郎「あ、あれ…?待って…まだやるの…?…ちょ、だ、誰か助けてk」 アーチャー「暴れるなら外でしてくれ。食堂が壊されてはたまらん」 美琴「ま、しょうがないんじゃない?」 上条「すまん…俺にはどうすることもできん…」 士郎「おーーーいぃ!!!?」 黒子「では…」ゴゴゴ セイバー「行きましょうか…?」ゴゴゴ 士郎「えっ!?ちょ、ちょっとm」ヒュン ドガガ エクスカリバー ギャー ひたぎ「…じゃ、私達は帰るから」 C.C.「本編投下後にまた会おう」バタン アーチャー「………できればもう戻って来るなと言いたいんだが…」 美琴「最近このメンバーが定着してるのよね…」 上条「お手伝い募集もしてんのに…誰も来ねぇし…」 アーチャー「実際誰かが手伝いに来たらどうする気だろうな…?この書き手は…」 美琴「さあ…?」 上条「何にも考えてないんだろうなぁ…どうせ…」 インデックス「とうま!おかわりなんだよ!!」 上条「お前は早く本編に帰る準備をしろ!!!」
https://w.atwiki.jp/ankoss/pages/970.html
・なんか設定におかしい部分があるって…? そういう細けぇ事はいいんだよ!って事でお願いします。 勿論細かいことで済まされないなら喜んで叱られますが。 では、ゆっくりしていってね!!! それはサンサンと太陽が照りつける、ある夏の暑い日の出来事。 ××県は湯逆(ゆさか)市内の公園にて。 小さな噴水が片隅に鎮座しているこの公園は今日も人々の憩いの場として親しまれている。 が、ここは自然が豊かな公園。勿論集まるのは人間だけとは限らない。 身を隠す場所も大量にあるが故に、集まるのはほんの少しの野良犬や野良猫、そして――― 「おちびちゃん!きょうもいっしょにみんなでゆっくりしようね!」 「ゆっくち!ゆっくち!」 「れーみゅおにゃかしゅいちゃよ~…」 「きゃわいいれーみゅがだれきゃにあみゃあみゃもらえりゅようにいっちぇみりゅよ!!」 「じゃあまりしゃもてつだうんだじぇ! だれでもいいかりゃあみゃあみゃうばいとっちぇやりゅんだじぇ!!」 「ゆゆ~ん♪みんにゃゆっくちしちぇりゅにぇ!!きゃわいくちぇごめんにぇ!!」 野良ゆっくりだ。 平日ならば人も少ないこの公園は野良ゆっくりにとって絶好の住処である。 普通ここまで整った環境であれば野良ゆっくりであふれ返ると思われるが、そんなことはない。 馬鹿な野良は、餌を採りに行く際に下手を打って皆死んでしまうので適度に数が減るのだ。 おまけに何も考えずに公園を荒らしまわる馬鹿も、 人間が手を下すまでもなく縄張りを荒らされて怒った野良犬なんかに殺されるので景観が損われることも無い。 よって、ここには上手く立ち回り静かに生きる(比較的)善良な野良しか住んでいなかった。 その筈なのだが・・・ 「むーしゃむーしゃ、それなりー。 まったく!ぐずのまりさのせいでこんなものたべなきゃいけないよ!! こうえんさんはもっとしんぐるまざーのれいむにやさしくしてね!ぷんぷん!!」 「げっぷ。おなきゃいっぱいになっちゃよ! でもあみゃあみゃならもっちょたべれりゅかりゃだれきゃもっちぇきちぇにぇ!たくしゃんでいいよ!!」 「おちょーしゃん・・・じゃなくちぇあにょやくたたじゅがいけにゃいんだよ!! でもしゃいごにあみゃあみゃたべしゃしぇちぇくれたのはほめちぇあげちぇもいいよ!!」 「あんにゃぐじゅまりしゃのことはもういいのじぇ! おなきゃいっぱいになっちゃかりゃこれかりゃみんにゃでぴょんぴょんちてゆっくちしゅりゅのじぇ!!」 どこをどう見ても賢くも善良にも見えない、花壇の花を食い荒らす饅頭一家がひとつ。 成体れいむが一匹に赤れいむが三匹、そして赤まりさが一匹という構成だ。 飛び交う言葉の汚さとは裏腹にその体は野良にしては意外と綺麗である。 しかし一家全員。特に親らしき成体れいむが醜く膨れ上がっていた。 ロクに動きもせずに食っちゃ寝食っちゃ寝していればこうなるという見本のようだ。 それでも構わず、醜い体を揺らして赤ゆたちは跳ね回る。 「ゆっゆ~ん!おちびちゃんたちとってもゆっくりしてるよぉ~!! さすがかわいいれいむのじまんのおちびちゃんだよぉ~!!!」 そして親れいむはそれを見てニヤニヤと笑っていた。 れいむ自身は微笑ましく笑っているつもりなのだろうが、傍から見れば気持ち悪い事この上ない。 心根の醜さが顔に表れているのだろうか。たったそれだけでせっかくの整った公園の光景が台無しだ。 「おっきなたてものしゃんにいちばんのりだじぇ!まりしゃのかちなんだじぇ!!」 「ゆふっ!ゆふっ!こんなにたくしゃんうんどーちたのはじめちぇだよ!!」 「もうしゅこしちたりゃまたごはんたべようにぇ!! しょのまえにおにゃかしゅかしぇるためにうんうんしゅるよ! きゃわいいきゃわいいれーみゅのしゅーぱーうんうんたいみゅはじまりゅよ!!ちゅっきりー!!!」 「ごはんのまえのうんうんはゆっきゅちできりゅにぇ! れーみゅもちーちーちたくなっちぇきちゃよ!ちゅっきりー!!!」 人が居ない公園を我が物顔で跳ね回る赤ゆっくり。 この公園の象徴とも言える噴水の前で排泄物を撒き散らしている。 人目が無いからといってやりたい放題だ。もっとも、あったらしないのかと言われても微妙な所だが。 「れーみゅちーちーちたかりゃまたぴょんぴょんできりゅよ!」 「まりしゃなんきゃもっちょいっぱいとべりゅんだじぇ!」 「れーみゅだっちぇもっちょぴょんぴょんできりゅよ!ゆっくちみちぇちぇにぇ!」 早速出すものを出して身軽になった赤ゆたちはそこら辺を跳ね回っている。 しかし、ただでさえ運動に慣れていない様子の赤ゆっくりが身軽さを持て余して跳ね回った場合どうなるのか? 答えは至極簡単。 「ゆっきゅち!ゆっきゅち!ゆ・・ゆっ!?ゆぶっ!!!」 「ゆっ?ちゅるっちぇ・・・ゆげっ!!」 「ゆ、ゆ、ゆ・・・おちりゅっ・・・ぎゅ!!!」 「ぴょーんぴょーん・・ゆっ?おしょらを―――ゆぴゃん!!」 踏み外して噴水へとダイビングだ。 慣れない体を目一杯使った結果、真っ直ぐ跳ねれずバランスを崩す。 噴水の淵で調子に乗って飛び跳ねていた赤ゆたちは、当然のようにあんよを滑らせて全員噴水の中に落ちてしまった。 「ゆっゆ~ん♪ゆ……お、お、お、おぢびぢゃぁぁぁ゛ぁ゛ん゛!!?ゆっぐりじでぇぇぇ゛ぇ゛!!!」 突然噴水に落ちて視界からなくなった我が子に、慌てふためき噴水に跳ね寄る親れいむ。 だがそんな事は関係が無いとばかりに、相も変わらず昼下がりの公園は静かで平和そのものだった。 ある夏のれいむ一家 「おちびちゃぁぁぁん!!ゆっくりじでぇぇぇぇ!!!」 急いで噴水の中を覗き込む親れいむ。赤ゆっくりたちは… 「ゆぴぃぃぃ!!!いぢゃいよぉぉぉ!!!だれきゃたしゅけちぇぇ!!」 「・・・・・・」カリカリカリカリ 「ゆんやぁぁぁ!!かべしゃんどいちぇにぇ!れーみゅをだしちぇにぇ!!」 「ゆ゛っゆ゛っゆ゛っ・・・いぢゃいぃぃ・・・」 なんと生きていた。 壁に体当たりするもの。痛がって助けを呼ぶもの。黙って壁に対して歯を立てているものと様々だ。 ついでに打ち所が悪かったのだろうか、死にかけているものもいる。 幸運というべきか。水が溜まっていないおかげで何とか生き延びることができたようだ。 どうやらこの地域は最近日照りが続いていたので、断水の令が出されていたようだ。 噴水にまで水を回していられない、と言う事で真っ先に止められたのだそうな。 よって噴水の中に落ちても打ち所が悪くて怪我をすることはあれど、溶けて死ぬことは無いのである。 もっとも、ここに棲みつく野良ゆっくりであれば誰もが噴水が危険だということは知っている。 人気が全然無く、堂々と公園内を闊歩できるこの時間帯でも噴水周辺に誰もいないのはそのためだ。 この一家がこのような事態に陥ったのは、単に赤ゆっくりの危機意識の無さと親れいむの管理不足であろう。 そもそも何故この一家は噴水にのこのこ近づいたのだろうか? 実はこのれいむ一家。つい最近まではおうちである公園のダンボールハウスからほとんど出たことも無かった。 住処の確保から日々の食事までを、全てつがい兼父親のまりさに任せていたためである。 道端で転がっていたところをおちびちゃんが欲しいと言うまりさに誘われ、ひょいひょいついていったれいむ。 そこで待っていたのは、とことんまで堕落した日々であった。 まりさが苦労して作った雨風防げるシートをかぶせたおうちに居座り、ただ餌を貪るだけの毎日。 にんっしんっ中は 「れいむはかわいいあかちゃんをうむためにたくさんえいよーがいるんだよ!」と言って動かずに食べ続ける。 そしてしゅっさんっ後は 「かわいいおちびちゃんがおなかすかせてるでしょぉぉぉ!!? れいむはこそだてしなきゃいけないんだからゆっくりしないでたくさんごはんもってきてね!!」 と言って、おうたという名の雑音を響かせる以外のことを何もせずに餌を貪り排泄物を撒き散らした。 しかも排泄物の処理までまりさに任せで、少しでも不満があるならまりさを罵倒して溜飲を下げるという徹底ぶり。 赤ゆたちもすっかり父親であるまりさを『何でもしてくれる奴隷』としか見なくなってしまった。 当然まりさは全くゆっくりできない。普通なら逃げ出しているところだ。 が、念願のおちびちゃんは放っておけないし、それを盾にしてれいむはあれこれ要求してくる。 それに対して何もできないまりさは馬車馬のように働くしかなかった。 まあ、元はと言えばまりさの自業自得である。 恨むならこんなれいむを選んでしまったアマギられたかの如く見る目が無い己を恨むべきだろう。 さて、そんな生活を始めてから一ヶ月。とうとうまりさは過労で動けなくなって死んでしまった。 自分の体を食べさせて我が子を生き延びさせてくれと言う遺言を残して『さあおたべなさい』を敢行したのだ。 が、当然そんな遺言を餡子脳丸出しのれいむが聞くわけが無い。 たったの二日で子供たちと共に全て平らげてしまった。しかも半分以上は自分が食べた。 こうして哀れ、ゆん生を懸けたまりさの努力の成果の大半はれいむの腹に収まったのであった。 そして残ったのはでっぷりと膨れたしんぐるまざーの一家だけだ。 「どぼじでごはんがないのぉ゛ぉ゛!?あのやぐだだずぅぅぅ!!」 「まっちゃきゅ!あにょくしょまりちゃはやくにたたないにぇ!れーみゅおこっちぇりゅよ!!!」 「れーみゅおなきゃしゅいちゃよ!はやきゅもっちぇきちぇね!!ぴゅきゅー!!!」 「もうがまんできにゃいよ!まりしゃおしょとにとりにいくよ!!!」 「ゆわーい!おしょとにでりゅにょはじめちぇだよ!!」 食べるものも早々に無くなり見当違いの方向に罵声を飛ばしながら、 赤ゆっくりにとっては初めて。そして親れいむにとっては久しぶりに外へ出るのだった。 初めての外出に興奮を抑えきれずにはしゃぎまわる赤ゆたち。 しかし、今まで運動の経験も無いのに思うように跳ね回れるわけがない。 一方の親れいむはこの一ヶ月間の自堕落な生活によって、外の脅威について完全に忘れてしまったらしい。 本来外の事を何も知らない赤ゆに代わり警戒しなければならないはずのれいむがこの様だ。 このような事態に陥ってしまったのは当然であると言える。ぼせい(笑)ではこの辺が限界という事なのだろう。 元々つがいのまりさを自分が喰らった事も二日で忘れる餡子脳だ。覚えていないのも仕方ない。 そもそも、こんな能無しれいむがどうやって今まで生きてこられたのか?それは誰にも分からない。 親が異常なまでの過保護だったのか。まりさの様なゆっくりに寄生してきたのか。あるいは、その両方か。 いずれにせよ、もはやそんなことはどうでもいいことだろう。 肝心なのは赤ゆたちが今、死刑台の上でカウントダウンを食らっている様な状態だと言うことだ。 まりさが作った頑丈なおうちに篭りきりだったこの一家が気づくはずも無いだろうが、 実は昨日一日中ずっと弱い雨が降り続けていたのだ。 もっとも夜明け前には上がり、地面も正午にはほとんど乾いていたのだが。 よって、今朝には一般家庭の断水が解除。今日の午後六時には噴水も復活だ。 余談ではあるが、噴水には加工所特製の対ゆっくりフィルターが取り付けられている。 不思議饅頭数個分の餡子程度ならば詰まることも無いだろう。 ともあれ現在の時刻は午後三時半。赤ゆたちが噴水に流されて死ぬまで、あと二時間半。 ―――――――――― 「おぢびぢゃぁぁん!!だれがだずげであげでねぇぇ!!!」 刻一刻と我が子に死が近づいていることなどちっとも知らない親れいむ。 しかしそれでも噴水から出ることができない赤ゆたちを見て、助けなければという気にはなったようだ。 しかし、噴水周辺には人っ子一人通らない。 それもそのはず。動かない噴水を見たがる人間など、そうそういないだろう。 いたとしても明らかに野良ゆっくりとわかる汚い大声がする方に行きたがる物好きはいなかった。 自分で人を寄り付かない様にしているとはちっとも思わない親れいむ。自分が入って助ける気は全く無いらしい。 噴水の壁の高さは親れいむの目線もない。赤ゆっくりが居る内側でもれいむの全長程度である。 成体ゆっくりなら、全力で跳躍すればいくら運動能力がブービーのれいむ種でも十分な筈なのだが… おそらくは動きたくないのだろう。本当に子供を助けたいのだろうか? 「ゆぴぃぃぃ!まりしゃしゃまのまっちろなはがぁぁぁ!!!」 そうしている内に、無謀にも壁を掘ろうとしていた赤まりさの歯がボロボロになっていた。 「ゆひぃぃ!!もうむ~ちゃむ~ちゃできないんだじぇ!!だれきゃたしゅけりゅんだじぇ~!!!」 タイル張りされた噴水の壁に砂糖細工の歯が太刀打ちできるはずも無い。妥当な結果だろう。 「おぢびぃぢゃぁぁ゛ぁ゛ぁ゛ん!!!いやぁぁぁぁ゛ぁ゛!!!」 そして悲惨な我が子の姿を見て叫ぶ親れいむ。 が、それでもれいむは全く動こうとしない。筋金入りの面倒臭がりだ。 「ゆ、ゆっくりしていってね。…どうしたの?あんまりみないれいむだね」 「ゆっくりしていってね。あとあんまりうるさくしないでね。にんげんさんにめをつけられちゃうわ」 そんな時、草陰から二匹のゆっくりがガサッと出てきた。 成体のまりさとありすだ。一定の距離をとって、なにやら親れいむを警戒しているようにも見える。 「ゆ!!いいところにきたよ!れいむたちをたすけてね!」 「…やっぱりこんなれいむしらないよ。きっとよそのゆっくりだね」 「ありすとまりさはこのこうえんにすんでるゆっくりなのよ。 おちびちゃんをたすけてっていってたけど、なにかこまってるの?」 二匹はこの公園に住むゆっくりだった。 どうやら噴水近くで騒ぎ立てる見慣れないれいむを見かねて、恐る恐る接触を図ってきたようだ。 「そんなのどうでもいいからかわいいれいむのおちびちゃんをたすけてね!!」 「おちびちゃん…?どこにいるの?」 「このおっきなたてものさんのなかだよぉぉぉ!!」 れいむの言葉を聞いて二匹は考え込む。 れいむの目線は噴水に。そしてそこから聞こえるのは赤ゆっくりが泣き叫ぶ声。 「たてものさん・・・ふんすいさんのことかしら?…なんでふんすいさんなんかにちかづいたの!?」 「そうだよ!ふんすいさんはおちるとゆっくりできないからちかづいちゃだめっていわれなかったの!?」 いっせいにれいむに対して怒鳴る二匹。それもそのはず。 まりさの言うとおりこの公園に住む野良の中では、噴水に近づくなと言うのはもはや常識だったのだから。 そんなことも知らずにむざむざと我が子を危ない目に遭わせた親れいむに二匹は怒りを露わにした。 「そんなのしらないよ!!いいからさっさとおちびちゃんをたすけてね! はやくしないとれいむがせいっさいっするよ!!!」 しかし、れいむは二匹の説教を全く聞かずに一方的な要求を突きつける。 残念ながら、そんなれいむに返ってくるのは冷たいだけ視線だった。 「…そんなにだいじなおちびちゃんなら、なんでれいむがたすけにいかないの?」 「れいむがちゃんとみてなかったからおちびちゃんはふんすいさんのなかにおちちゃったんでしょ? じゃあれいむがまずたすけようとがんばってみるのがとかいはじゃないのかしら」 まりさとありすの言うことはもっともである。 だが、きっと今まで平和に暮らしていたのだろう。この二匹は少し解っていなかった。 ゲスの自分勝手な思考と、でいぶの餡子脳の恐ろしさを… 「どぼじでぞんなごどいうのぉぉ!?でいぶはしんぐるまざーなんだよ!かわいぞうなんだよ!! がわいぞうなでいぶにやさしくするのはとうぜんでじょぉ!?いいがらざっざどじろぉぉぉ!!!」 「「ゆ゛っ!!?」」 予想通り、まりさとありすの正論はあっさりと切って捨てられた。 ここまで言えば解ってくれるだろうと思っていた二匹にとっては思わぬ誤算だ。 「しんぐるまざーって…たしかにかわいそうだとおもうけどそれとこれとはかんけいないでしょ?」 「それにきいたことにちゃんとこたえないなんてとかいはじゃないわ!!」 「いいがらさっさどだずけろぉぉぉ!ぐずはでいぶがやっつけるよぉぉ!!」 「「・・・・・・」」 黙り込む二匹。ようやく『何を言っても無駄』ということに気がついたのだろうか。 少しれいむから視線を逸らして小声で話し始めた。 「ねぇ、どうしよう。たぶんあのれいむげすだよ。ゆっくりできないよ…」 「でもこまってるのはほんとみたいよ。れいむはともかくおちびちゃんをほっとくのはとかいはじゃないわ…」 「じゃあとりあえず…ごにょごにょ」 「…そうね。そうしましょう」 「なにこそこそしゃべってるの!?なんだかれいむがゆっくりできないからやめてね!! それからはやくおちびちゃんたすけてね!!それがおわったられいむにもやさしくしてね!!」 イライラしながら二匹を見るれいむ。 一方赤ゆは「だ・・だれきゃ・・・たしゅけちぇよぉ・・・」順調にヤバくなっていた。 「うん、きめたよ!またせたねれいむ!!」 「ゆっ?やっとおわったの?じゃあゆっくりしないでさっさとおちびちゃんたすけてね!!!」 どうやら話し合いが終わったらしく、れいむの方に向き直る。そして… 「ご、ごめんね!ちょっとまりさたちだけじゃたすけるのはむずかしいからほかのゆっくりをよんでくるよ!」 「そうなの!まりさができるだけゆっくりしないでちかくにいるほかのゆっくりもつれてくるから!!」 そう言って、急いで振り返ってまりさが跳ねていった。ありすはそれを見送っている。 「な、なにいってるの・・・?」 親れいむは呆然としながらまりさの背中を見ている。 遠ざかるまりさの後ろ姿を呆然と見つめながら、でいぶの灰色の餡子脳は高速で動き出した。 どうしてしんぐるまざーのれいむをいますぐたすけてくれないの? ↓ まりさがなにかいってどこかにいったよ!・・・まさかにげたの!? ↓ こんなにかわいそうなれいむやおちびちゃんをたすけないなんて・・・ぜったいにゆるさないよ!!! 驚くべき思考展開である。並のゆっくりではこうはいかないだろう。 しんぐるまざーでいぶの餡子脳とゲスの身勝手さが生み出した奇跡の結論とも言える。 そして親れいむは少しうつむいた後、膨れた体を揺すって 「で…でいぶにやざじぐじないげずはじねぇ!!」 「ゆ゛っ!!!?」 思いっきりありすに向かって体当たりした。 「ゆ゛っ!ゆ゛っ!ゆ゛っ!!!・・・ゆ・・ゆっぐ・・・」 跳ね飛ばされたありすは少し転がって、地面に倒れこむ。 「あ、ありす!だいじょうぶ!!?どぼじでごんなひどいごどずるのぉぉぉ!!」 まりさが急いでありすの元に引き返して来た。いきなり仲間を攻撃されてご立腹だ。 「うるざいよ!!でいぶをみすてようとしたげすはでいぶがせいっさいっしてやるんだよ!!」 「なにいってるの!まりさたちは…」 「だまってね!こんなにかわいそうなおちびちゃんをほうっておくようなゆっくりのいうことなんてきかないよ!」 「ちゃんといってることきいてたの!?おちびちゃんたちはあとで…」 「もういいよ!げすはさっさとせいっさいっしてれいむはほかにたすけてくれるゆっくりをさがすよ! うそつきありすもさっさとにげるげすまりさもゆっくりせずにしんでね!!」 「・・・・・・」 「なにだまってるの?…ゆふふん、もしかしてはんっせいっしたの? もしれいむたちにいしゃりょうとしてあまあまたくさんくれるっていうならゆるしてあげてもいいよ!!」 「・・・ゆっ・・・ね・・・」 「ゆん?ぼさっとしないでね!ぐずはきらいだよ! あっ!ついでにかわいいれいむたちのどれいにしてあげてもいいよ!いっしょうけんめいつくしてね!!」 「ゆっくりせずにしぬのはおまえだぁぁぁぁ!!!」 「ゆ゛げっ!!!!?」 調子に乗って笑っていたれいむが、突然まりさに体当たりを食らって吹っ飛んだ。 「ぎゅっ、げっ、ゆげぇ!!!な゛・・・なに゛ずるのぉ゛・・・?」 れいむが吹っ飛ばされた先は・・・ 「おかーしゃん!たしゅけにきちぇくれたにょ?」 「まりしゃのはがゆっくちできなくなっちゃよ・・・なんとかちてぇ・・・」 「はやきゅかべしゃんなんとかしちぇれーみゅをたしゅけちぇね!!」 「ゆ゛っ・・・ゆ゛っくちでき・・・にゃ・・い・・・」 我が子の傍。つまり噴水の中だった。赤ゆっくりたちと数十分ぶりの再会である。 赤ゆたちは自分を助けに来てくれたと思っているが、親れいむはそれどころではない。 慌ててどうなっているのか考えているところを、のっそりと野良まりさが上から覗き込んだ。 「ふん!げすでいぶはそこにいるのがおにあいだよ!」 「いきなりなにするの!?はやくたすけてね!!」 「たすけてあげるっていったのにころそうとしたのはそっちでしょ! そんなげすゆっくりも、そのこどもも、もうたすけてあげないよ!そこでそのままのたれじんでね!」 「わけわかんないこといわないでね!!にげたのはそっちでしょ!?」 「だからきいてないっていってるんだよ!わけわかんないのはそっちだよ、ばか!! まりさはほかのゆっくりをよぶっていったんだよ!! それをにげたとかいってまりさたちをころそうとするなんてなんなの?ばかなの!?しぬの!!?」 「ゆっ・・・ゆぐぅ・・でいぶは・・・でいぶは・・・」 完全に言い負かされたれいむ。ぐうの音も出ない。 れいむが知る由もないが基本的に公園に住む野良ゆっくりは皆、助け合いの精神で生きている。 賢い者だけが残ったここのゆっくりは、できるだけ外の物に頼らず暮らしていく事に決めたそうな。 物乞いであれ何であれ人間に関わらずに、草や虫だけを食べて目立たないようにひっそりと生きる公園ゆっくり達。 そして狭い世界で生きてゆく代わりに、同じ場所に住む仲間であれば困った時には助け合うのが決まりであった。 町の中だというのに一つの理想的な群れができていた貴重な例である。 れいむ一家が食べていたごはんにも、あまりにもやつれたまりさを哀れに思った他のゆっくりの差入れが混じっている。 もっとも外に出なかったれいむ達がそれに気づくわけも無く、他のゆっくりにれいむ達の存在が気づかれる訳もない。 一ヶ月という長い期間を公園で過ごしていても、よそから見ればれいむも赤ゆっくりも余所者同然だ。 そして結びつきが強いが故に、和を乱すものや自分勝手なゲスは許さない。 ましてや仲間を傷つける余所者など、彼らにとってはその場で死刑判決を受けてもおかしくない悪党だ。 普通ならゲスゆっくりだと確認した時点で関わらないのだがおちびちゃんを不憫に思ったのか、 それでも積極的に助けようとしたありすとまりさは心優しいゆっくりだったのだろう。 「もうれいむもこどももどうなろうがしらないよ! ほかのゆっくりにもぜったいにたすけないようにいっておくからわめかないでね!!」 が、愚かなれいむは勝手な思い込みで助けの糸を自ら断ち切った。 もしもしっかりと礼を言って助けを待っていたならばどうなっていただろうか。 今頃はおちびちゃんも助かり、もしかしたらこの公園に住むゆっくりとして仲間に入れてもらえたのかもしれない。 「ぞんなぁ!たずげでね!!でいぶはしんぐるまざーなんだよ!かわいぞうなんだよ!! あまあまはもういらないからとりあえずたすけてね!!どっかいかないでよぉぉぉ゛ぉ゛!!!」 「さわぐなっていってるでしょ!あんまりうるさいとせいさいするよ!!! もしありすがしんでたらみんなでいしでもなげてるところだよ!ころさないだけありがたくおもってね!!!」 「ゆぅぅぅ゛ぅ゛…」 「ゆんやぁぁぁぁ!どおちてたしゅけちぇくれないにょぉぉぉ!!?」 「いいきゃらげしゅまりしゃはしゃっしゃとれーみゅをここからだしちぇね!!」 「しょーだよ!!はやくしないとしぇーしゃいしゅりゅよ!!」 「…やっぱりげすのこどもはげすだね。たすけなくてよかったよ。 それじゃゆっくりしんでいってね!!!」 まあそれを考えるのも、もはや無駄なことである。 何をどう言おうと残った結果は一番にして確実な助けが無くなったという事だけ。 れいむ一家をゴミを見るような目で一瞥した後、まりさは去っていった。 「ありす!だいじょうぶ?やっぱりあんなげすに、はなしかけないようがよかったね…」 「い、いたいけどだいじょうぶよ。まさかげすゆっくりがあんないなかものだとはおもわなかったわ… これからはきをつけましょう。うぅ…いたくてゆっくりできない…」 二匹はあれこれと話しながらこの場を離れてゆく。 その姿をれいむ達が見ることはできない。助けを呼べども戻ってくる気配もない。 まりさの言う通りもうここには誰も近づかないだろう。 純粋な善意に対して、振り払うどころか唾を吐きつけるような真似をしたのだから当たり前なのだが。 「もうやぢゃおうちきゃえりちゃいよぉぉぉ!!!」 「ゆんやぁぁぁぁ!!ゆっくちできにゃいぃぃぃぃ!!!」 「まりしゃしゃまをゆっくちしゃしぇないげしゅはちぬんだじぇ!!しょれとあみゃあみゃよこしぇ!!」 「・・・だ・・れ・・・きゃ・・・・・・」 「おぢびぢゃん!?ばでぃざもどってきてね!!おちびちゃんをはやくゆっくりさせてね!! はやくしないと…ゆ゛ぁぁぁぁ゛ぁ゛!!!はやぐゆっぐりさせろぉぉ!ぐぞばでぃざぁぁぁ!!」 どれだけ叫ぼうとも、周囲からは嘲笑の声すらも起こらない。 それどころか飛び出す罵声によって、遠くで様子を見ていた他の公園ゆっくりからの印象はますます悪くなる。 「・・・やっぱりだめだね。あんなのたすけたらここがむちゃくちゃになっちゃうよ」 「そうだね。まりさたちもあんなのにからまれるなんてゆっくりできなくてかわいそうだよ」 「あとでいたわってあげようねー。でもあいつらどうやってここまでこれたんだろうね?わからないよー…」 「むきゅ、いままでみたことなかったしうわさにはきいてたけど、げすってほんとにゆっくりできないのね。 またひとつおべんきょうになったわ・・・これからはなにがあってもかかわらないようにしましょうね」 「「「「「ゆっくりりかいしたよ!!!」」」」」 そしてたった今、救助が来る可能性が完全にゼロになったようだ。 「「「ゆっくちしゃしぇちぇよぉぉぉぉ!!!」」」 それでも刻一刻と時間は過ぎていく。れいむ一家が溺死するまで、あと二時間。 ―――――――――― そして家族仲良く噴水に閉じ込められてから約一時間が経った。 「ゆぜー・・ゆぜー・・・あぢゅいぃ・・・」 「どおぢで…?だれきゃきゃわいしょうなれーみゅをたしゅけちぇよぉ…」 「まりしゃしゃまはゆっくちしたいんだじぇ…だれでもいいかりゃここかりゃだしゅんだじぇ…」 れいむ一家は順調に衰弱している。 「おそとにだしてっ!ぶっ!!ゆべぇ!!」 一応保護者の親れいむはと言うと、壁に体当たりして跳ね返され、見事な顔面着地を決めていた。 「いだいぃぃ゛ぃ゛!!!…ぼうだべ。でいぶづがれだよ…」 親れいむの全身は傷だらけになっていて醜い体に拍車がかかっている。 「…かべざんはやぐどいてね!でいぶはしんぐるまざーなんだよ!かわいぞうなんだよ!!!」 挙句の果てに壁に向かって罵倒し始めた。傍から見れば頭が心配になる光景だ。 一家はあの野良まりさが居なくなってから、まあ、それなりに脱出の努力をしていた。 最初の方は、出せ、助けろ、と罵声交じりの懇願を大きな声で繰り返していた。 しかし大声に耐えかねた公園のゆっくり達からだろう。石が噴水の中に一斉投擲され、黙らざるを得なくなった。 次に親れいむが自分だけでもまずはここから出ようと、跳ねて脱出を試みた。 が、しかし。悲しいかな、醜く膨れ上がったれいむは自分の全長程度すら跳ね上がれなかった。 普通なら楽々とは言えないもののなんとか出ることはできるのに、堕落した生活を送った結果がこれである。 今思えば親れいむが何も考えずに、すぐに噴水に飛び込まなかったのは正解だと言えよう。 まあれいむ自身はそこまで深く考えてなかっただろうし、結局こうなってしまったので全く意味は無かったのだが。 とにかく、根気の欠片も無いでいぶである親れいむはたった数回の挑戦でもう満身創痍になっていた。 「どぼじでかわいいでいぶがごんなめにぃ・・・」 できる事といえば噴水の中にある小さな影をなんとか見つけて休むことだけである。 いくられいむ達が嘆こうが、夏の暑い日差しはどんどんれいむ達の体力を奪っていく。 高温高熱は、饅頭にとっては水に並ぶ天敵だ。ましてや弱った赤ゆにとっては尚更キツイ。 「おか・・しゃ・・・もっちょ・・・ゆっきゅち・・ちた・・か・・・っちゃ・・・よ・・・」 「おぢびぢゃあぁ゛ぁ゛ん!!ゆっぐりしぢゃだめぇぇぇ!!!ゆっぐりじでよぉぉぉ゛ぉ゛!!!」 そしてとうとう、打ち所が悪く最も弱っていた赤れいむが今まさに息を引き取ろうとしていた。 親れいむも錯乱してもう何を言ってるのか分からない状態だ。 「れ、れーみゅちなないでぇ!」 「おねーしゃん!もっちょがんばっちぇね!」 「れーみゅ!ちんじゃったられーみゅのはをまりしゃにちょーらいにぇ!!」 「「どぼぢでじょんなひどいこちょいうにょぉぉぉ!!?」」 「もう・・だ・・・みぇ・・・」 「おぉぢぃびぃぢゃぁぁぁぁぁぁん!!!」 「誰だようっせーな。叫んでんじゃねーよ、暑苦しいんだよ・・・」 突然、叫ぶ一家に覆いかぶさるように影ができる。 見上げてみると、一人の少年が疎ましげにれいむたちを覗き込んでいた。 制服姿でカバンを背負っている所を見ると、どうやら学校帰りらしい。 「んー?ゆっくりか。っていうかデブッ!!」 「ゆっ!しつれいなこといわないでね!れいむおでぶじゃないよ!!」 出会い頭の辛辣な発言に、思わずムッとして言い返す親れいむ。 「いやいや、間違いなくデブいだろ。見るからにデブいだろ。でいぶなだけに。 あっ、でいぶってそういうことか?」 「う゛う゛う゛う゛う゛!!!でぶっでいうなぁぁぁぁ!!!」 ケラケラ笑う少年を見て、膨れた体を震わせて悔しがるれいむ。 何をしても醜いものだ。が、そんな様子を見て少年は少しスッキリしたらしい。 「で、こんなところで何してんの?噴水なんかで遊んでたら危ないぞ。 しかもなんかチビ死にかけてるけど、もしかしてそういう趣味か」 満足ついでに聞いてみる。この少年も相当暇なのだろうか。もしくは数少ない物好きか。 「そうだ、おちびちゃん!!おいくそじじい!れいむたちをたすけてね!!」 「れーみゅたちはきゃわいしょうにゃんだよ!」 「あとまりしゃしゃまのはをもとにもどしゅんだじぇ!!」 チャンスとばかりに命乞い(?)をする一家。事実、これを逃せばもう後は無いだろう。 「・・・?んー、まあよく分からんけど、とりあえず話してみな。聞くだけは聞いてやるよ」 ~饅頭説明中~ 「なるほど。つまり運悪くここに落ちた所を、ゲスが見捨てたせいでチビが死にそうだと」 「そうだよ!さっさとしてね!もうゆっくりしちゃいそうなんだよ!!」 要領を得ない説明をすること数分、ようやく現状を伝えきった親れいむ。 所々自分にとって都合がいいように脚色しているのはご愛嬌だ。 先ほどから死にかけの赤れいむはまだ痙攣している。死ぬ死ぬと言いながら存外にしぶとい。 「ふむ・・・なら、これをやろう」 そう言って少年がカバンから取り出したのは、指で摘める程度の小さなプラスチック容器。 いわゆるポーションタイプのそれを剥がし開けて、弱った赤れいむの上で傾けた。中から透明な液体が流れ落ちる。 「ゆ・・・ゆ・・・ゆっ!?」 「お、おちびちゃん?おちびちゃんになにしたの?」 「まあ見てろって」 流れ落ちた液体はそのまま赤れいむの口に入り、味わうように租借され、飲み込まれた。 「ゆっ・・ゆっ・・・ち、ち、ち、ちあわちぇー!!!」 「ゆっ!?おちびちゃんとってもげんきになったよぉぉぉ!!ゆっくりしていってね!!」 「れーむふっかちゅっしちゃよ!!ゆっきゅりしちぇいっちぇね!!!」 「おー、ガムシロでも元気になるもんだなあ。流石ゆっくりだ」 「どうなっちぇるにょ?もしかしちぇしょれあみゃあみゃしゃん?」 「まりしゃしゃまにもちょーらいにぇ!ちょーらいにぇ!!!」 少年が与えたのはファミレスなんかに置いてあるガムシロップだった。 量にすればほんの少しだが、赤れいむにはそれで十分だったようだ。 元気を取り戻した赤れいむは今まで数えるほどしか味わったことの無い幸せに浸っている。 ほかの一家も喜ぶやら、急に復活してしあわせーっ状態になっているれいむを羨ましがるやら、様々だ。 「なきゃなきゃやくにたちゅじじいだにぇ!!」 「しょうだにぇ!!!とくべちゅにきゃわいいれーみゅがかんしゃちてあげちぇもいいよ!! 「ハッハッハ、そりゃどうも」 「ちゅぎはまりしゃしゃまのはをなおしゅんだじぇ!!あとあまあまちょーらいにぇ!!」 「いやー、悪いな。今手持ちそれしか無いんだわ。別に死にそうでもないんだから我慢してな」 「ゆがーん!やぢゃやぢゃ!!やきゅにたたにゃいくしょじじいはゆっくちちないでちにぇ!!」 「ハッハッハッハッハッ」 聞いていれば相当な罵声を浴びせられているのに、少年の表情は穏やかなままだった。 何をするわけでもなく笑って返答している。そんな少年の様子に、段々図に乗り始める饅頭一家。 「まったきゅ!ちょっとほめりゅとしゅぐちょーしにのりゅからじじいはいやだにぇ!!」 「いやいや、お前達ほどじゃないぞー」 「でみょれーみゅをたしゅけちぇくれたのはじじちゅだきゃらおれいにどれいにしちぇあげちぇもいいよ!!」 「そりゃ光栄だなあ。後ろ向きに考えとくよ」 流れるような少年の受け答え。 「じゃあさっそくここかられいむたちをだしてね!! そのあとはここにすんでるげすどもをせいっさいっしたあとじじいのおうちでかわれてあげるよ!!」 「あ、それはお断りします」 「かんげきちてちーちーもらしゅんじゃ・・・え?」 なので拒否の言葉もまた、即答だった。 呆然としたまま親れいむはもう一度繰り返す。 「よくきこえなかったよ?れいむたちはじじいにかわれてあげるっていってるんだよ?」 「ああ、ちゃんと聞こえてるよ。だからお断りっていっただろ?絶対に嫌だって言ったんだよ」 数秒、時が止まる。 「どぼじでぇぇぇ!?でいぶたちがどれいにしてあげるっていってるんだよぉぉぉ!!」 「れーみゅたちのめーれーをことわりゅなんちぇしちゅれいなどりぇいだにぇ!ぴゅんぴゅん!」 「ふじゃけたこちょいっちぇりゅとぴゅきゅーしゅりゅんだじぇ!!ぴゅきゅー!!」 「ゆわぁぁぁ、まりちゃかっきょいいよ!じじいはこわきゅちぇもちーちーもらちゃにゃいでにぇ!!」 そして一斉に騒ぎ立てる饅頭一家。この期に及んで己の立場が分かってないところが滑稽である。 「いやー。言っとくけど俺、お前らなんかに何言われても別に堪えないよ? もうすぐ死んじゃう負け犬…もとい負け饅頭がいくら吼えたって気にしないし」 「どういうこと?れいむたちまだまだげんきだよ!」 「れーみゅももうふっかちゅっちたんだよ!ばーきゃばーきゃ!!げらげらげら!!!」 尚も赤ゆっくりたちは憎たらしい口調で挑発してくるが、少年は鼻で笑って受け流す。 「あぁ馬鹿だからわかんないのか・・・ま、ついでだし教えといてあげよう。 いいかー。今日、お日様が沈み始める頃に、ここは水が一杯になって、お前達は溶けて死にます」 「「「「「・・・・・・ゆ゛っ?」」」」」 「だから、俺が引き上げないとお前らは近いうち溶けて死ぬんだって。 そんでもって俺はお前らを絶対に助けないから、死ぬことは確定してるわけ。理解したか?」 いたって気楽に少年は告げる。どことなく楽しそうだ。 「しょ、しょんにゃわけにゃいよ!!もうちょっとましにゃうそついてにぇ!!」 「まあ信じる信じないは勝手だけどな。お前らがいるところ見回してみろよ。 そこら辺湿ったり水溜り出来てたりしないか?それこそ元々水が溜まってるって証拠だ」 「ゆっ…?あっちには…おみじゅしゃん。むきょうは…おみじゅしゃん!?」 「ゆあぁぁ、ほんちょだ!にゃんでぇぇぇ!?」 「水が出始めたらお前らなんてあっという間に溺死するぞー。溶けて死ぬのとどっちが早いかな?」 親れいむの目線辺りの壁をコツコツ叩きながら少年は笑った。 ちなみに湿っているのは昨日の雨が残っているからである。 たとえそうであってもそれが一家にわかる訳が無いので、このまま少年は押し通すつもりのようだが。 「ぞ、ぞんなのじらないよぉぉぉ!どぼじでぞんなひどいごどずるのぉぉぉ!!?」 「それは今朝、断水が解除されたからだよ。まあ噴水が何かも知らないお前らにわかるわけないけど」 「おみじゅしゃんはゆっきゅちできにゃいぃぃぃ!!はやきゅたしゅけりょくしょじじぃぃぃぃ!!!」 「だから嫌だって。聞いてなかったの?馬鹿なの?死ぬの?いや、問われるまでもなく死ぬのか」 「おねーしゃんはたしゅけたのににゃんでここからだちてくれにゃいにょぉぉぉぉ!!?」 「しょーだじぇ!れーみゅをたしゅけたんだかりゃせめてまりしゃしゃまだけでもたしゅけりゅのじぇ!!」 「「「どぼぢぢぇじょんなこちょいうにょぉぉぉぉ!!?」」」 「うるしゃいんだじぇ!まりしゃしゃまはもっちょゆっくちしゅるしめいがあるのじぇ!!」 思わぬ裏切りに決裂する姉妹仲。相も変わらず少年は楽しそうだ。 「こんな状況で喧嘩とは余裕だなぁ。 それはともかく、なんでかと言われると・・・まあ面倒臭いからかねぇ」 「めんどくしゃい?どういうことにゃにょ?」 「いいか?無い知恵絞って良く考えてみろよ。 別にお前らの話を聞いても暇が潰れるだけで俺は特に損しない。 余ったガムシロ一個あげても、俺のカバンが少し空くだけでどうってことはない。 でも、ここでお前らを助けたらどうなる? 断じて飼う気なんて無いのに付きまとわれて、最悪潰した後の片付けをしなきゃならない。 そういうの面倒臭いだろ?だから遊ぶだけ遊んで放っておこうって最初から思ってたわけ。 つまらない一日にほど良い刺激が欲しかったのさ。そういう年頃なんだよ。わかる?」 「・・・・・・じゃ、じゃあれいむたちは」 「ぬか喜びご苦労様。助かったと勘違いして喜ぶお前らの滑稽な姿はとってもゆっくりできたよ!ありがとな!!」 ここに来て少年の表情はこれまでで一番の笑顔になる。 が、その笑顔は饅頭一家にとって全くゆっくりできないものだった。 「じじ・・・にんげんざん!おねがいじまず!!でいぶをだずげでぐだざい!!」 「何が何でも嫌だ。だって助けたら絶対調子に乗ってまた『れいむをかえ!くそじじい!』とか言うじゃん」 「いいばぜんがらおね゛がいじばず!でいぶたちいいごでずがら!いぎでるだげでじゅうぶんでずぅぅ!!」 「だからお前らの餡子脳なんて信用できないんだって。第一飼うならこの辺の野良拾ったほうがなんぼかマシだし」 「ゆぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛!!まだじにだぐないぃぃぃ゛ぃ゛!!!」 親れいむはショックのあまり、その場を転がりだした。醜く膨れた身体が揺れる揺れる。 「ゆきぃぃぃ!!きょれならちんだほうがまだよかっちゃよぉぉぉ!!!」 「おいおい、そんなこと言うなよ。家族と過ごせる時間を延ばしてやったんだからありがたく思わないと」 「くしょどれいはまりしゃだけでも・・・」 「まだ言ってるのか?だからお断りだって。特に頭が悪くて歯がボロボロの汚いゲスまりさだけは絶対ヤダ」 「ゆうぅぅ゛ぅ゛!!ばでぃぢゃぢゃまははがなくちぇもかっこいいんだじぇ!!きちゃにゃくないんだじぇぇ゛!!」 「そりゃ気のせいだ。世の中で格好良さの格付けしたら確実にお前は下から数えた方が早いよ。だって気持ち悪いし」 「ゆぴぃぃぃぃ!!きゃわいいれーみゅがにゃんでこんにゃめにぃぃぃ!!!」 「はいはい、可愛い可愛い。ついでにその臭い口閉じて黙って死んでくれればも~っと可愛い」 「もうどりぇいなんちぇいいましぇんかりゃたしゅけちぇくだしゃい!しょれとしょのあとかっちぇくだしゃい!! ひとりじゃゆっくちできないんでしゅ!このままじゃこじになっちゃうんでしゅ!れーみゅかわいしょうでしょ!?」 「心配するなって。ここで死ねば家族一緒に地獄に行けるから!独りじゃないぞ、良かったな!!」 「「「「ゆ・・ゆ・・・ゆんやぁぁぁぁぁ!!!!」」」」 一通り男との会話が終わった饅頭一家は、一匹残らず歯を食いしばって涙を流していた。 未だに確実に来るであろう死を認められないのだろうか。 もみ上げをピコピコさせたりと一応抵抗のようなものはしているがどれも全く力が篭っておらず、そして意味も無い。 少年はそんな一家を見ながら声を上げて笑った後、もう飽きたとでも言わんばかりに陽が出ている方向を向いた。 「さってと。ちょっと暗くなってきたか。六時まで…あと五分ってところだな」 その言葉を聞いてビクッとする饅頭一家。言葉の意味は判らずとも少年の雰囲気で終わりが近いと感じたようだ。 「じゃあでいぶ一家の諸君。精々あと少しのゆん生を謳歌しろよ!娯楽の提供ご苦労様!!」 最期に一家を見下ろし、鼻で笑って少年は去っていった。 五 「もうやじゃ…おうちきゃえりちゃいよぉ…」 「どぼぢちぇこんにゃめにあうんだじぇ…まりしゃしゃまはとっちぇもゆっくちちてりゅにょに…」 「だれきゃにゃんとかちてにぇ…きゃわいいれーみゅをゆっくちしゃしぇちぇにぇ…」 「ゆぅぅぅ゛ぅ゛!れーみゅをゆっくちしゃしぇれないやくたたじゅはみんなちにぇ!!」 尚も諦めずに助けを呼ぶゆっくりもいたが、何の反応も無い。 四 「ゆあぁぁ゛ぁ゛!!しにちゃくにゃい!しにちゃくにゃい!しにちゃくにゃいぃぃぃ!!!」 「こんにゃことになったにょもじぇんぶおかーしゃんにょしぇいだよ!!」 「おぢびぢゃんなにいっでるのぉぉぉ!!?おがーざんはがんばっで…」 「だまっちぇにぇ!!れーみゅたちをゆっくちしゃしぇれにゃいくしょおやはちにぇ!!」 過度のストレスからか、とうとう内輪揉めを始めた。ゲスの思考の行く末としては別におかしくないが。 三 「くやちかっちゃらまりしゃしゃまをここかりゃだしちぇみりゅんだじぇ!!」 「どーしぇできないんでちょ?おぉむにょーむにょー!!」 「ゆぐっ…ぐぐぐ…あんなにやざじぐじでやっだのに… ぼうゆるざないよ!!おばえらぜんいんごろじでやる!!」 「ゆっくちごろしのげしゅはゆっくちできにゃいんだよ! しょんなこちょもわしゅれたにょ?ばかにゃにょ?ちにゅにょ?」 「うるざいよ!おばえらざえいなげればいまごろおうぢでゆっぐりでぎるはずだったんだよ!! でいぶをばがにずるくそちびはじね!!ゆっぐりせずにじねぇぇ!!!」 そして親れいむが逆上した。どうやら自分の中で都合がいいように色々と記憶を改竄しているようだが。 二 「うろぢょろずるなぁぁぁ!!ぞごでじっどじでろ!づぶじでやる!!」 「のりょまなでいびゅにちゅぶしゃれるわけにゃいでちょ?にゃにいっちぇるにょ?」 「おみゃえみちゃいにゃでびゅなんかこわくにゃいんだじぇ!ゆっゆっゆっゆっ!!!」 「しょーだよ!!くやちかっちゃら『ボスッ!!』ゆ…? ゆぴぃぃぃ!いちゃいぃぃぃ!!でいびゅのちゅぶりゃなおめめがぁぁぁ!!!」 「れ、れーみゅ!?にゃんでいししゃんがおしょらをとんでくりゅにょぉ!?ゆっくちできにゃいぃぃぃ!!」 おそらく野良ゆっくりからであろう、何処からともなく投擲された石が赤れいむの目に見事に突き刺さった。 「にんげんさんにうそつくゆっくりはしね!!げすはおまえたちでしょぉぉ!?」 「おちついてまりさ!さっきかかわっちゃだめっていわれたばっかりじゃないの!!」 どうやら先ほどの会話もしっかり聞かれていたようだ。無論悪いのはれいむ達なので同情の余地は無い。 一 「ゆっゆっゆっゆ!ざまあみろくそでいぶ!ちびのくせになまいきなくちきくからこうなるんだよ!!」 「ゆぎぎぎぃ…!おやのくしぇにわらうにゃんてゆっくちできにゃいんだじぇ!こにょげしゅ!!」 「さきにいいだしたのはそっちでしょ! それにおまえみたいにはがなくてぶさいくなちびなんかしらないよ!ちかよらないでね!!」 「ゆんぎぃぃぃぃ!!まりしゃしゃまはぶしゃいくじゃないんだじぇぇぇぇ!!!」 ますます家族を扱き下ろすことに熱中するれいむ一家。見ていて醜い事この上ない。 が、ほんの少しの間だけでも死の恐怖を忘れる事ができるのだ。それを思えばこれも悪くないのかもしれなかった。 まあだからと言って、誰が助かって何が変わるわけでもないのだが。 ザアァァァァァ!!! 「ゆ゛っ!?つべだい!やだ!でいぶまだじにだぐないぃぃ!!!」 「「「「ゆんやぁぁぁ!?おみじゅしゃんふっちぇこにゃいでにぇぇぇ!!!」 「「「「「やべで(ぢ)ぇぇぇぇ!!!」」」」」 一家が溶けて全滅するまで、あと・・・・・・ ・あとがき ネタが、思い、つかない。 のでしばらく一読者に戻って充電しようかと思います。 安西先生…短いのが…書きたいです…… では、またいつか!…早く帰ってこられればいいなぁ。 小五ロリあき ・過去作品 ふたば系ゆっくりいじめ 412 僕と『あの子』とゴミ饅頭と ふたば系ゆっくりいじめ 446 俺とゲスと自業自得な餡子脳 ふたば系ゆっくりいじめ 460 弱虫まりさとほんとの勇気 ふたば系ゆっくりいじめ 484 ドスと理想と長の資格 前 ふたば系ゆっくりいじめ 494 ドスと理想と長の資格 後 ふたば系ゆっくりいじめ 514 僕とさくやとおぜうさま ふたば系ゆっくりいじめ 548 てんことれいむとフィーバーナイト 前編 ふたば系ゆっくりいじめ 559 てんことれいむとフィーバーナイト 後編 ふたば系ゆっくりいじめ 583 ゆっくりしたけりゃ余所へ行け ふたば系ゆっくりいじめ 599 はじめてのくじょ~少女奮闘中~ ふたば系ゆっくりいじめ 615 お兄さんは静かに暮らしたい ふたば系ゆっくりいじめ 659 よくあるお話 ふたば系ゆっくりいじめ 674 かわいいゆっくりが欲しいなら ふたば系ゆっくりいじめ 701 おうちは誰の物? ふたば系ゆっくりいじめ 789 ゆめみるれいむときゃっしゅさん ふたば系ゆっくりいじめ 790 ユクミン 前 ふたば系ゆっくりいじめ 855 ユクミン 後 ふたば系ゆっくりいじめ 877 常識を蹴り飛ばせ!!
https://w.atwiki.jp/futabayukkuriss/pages/2062.html
ある夏のれいむ一家 37KB 自業自得 自滅 野良ゆ 赤子・子供 ゲス 現代 このssは、ほんの少しのうんしーと適当な設定で出来ています ・なんか設定におかしい部分があるって…? そういう細けぇ事はいいんだよ!って事でお願いします。 勿論細かいことで済まされないなら喜んで叱られますが。 では、ゆっくりしていってね!!! それはサンサンと太陽が照りつける、ある夏の暑い日の出来事。 ××県は湯逆(ゆさか)市内の公園にて。 小さな噴水が片隅に鎮座しているこの公園は今日も人々の憩いの場として親しまれている。 が、ここは自然が豊かな公園。勿論集まるのは人間だけとは限らない。 身を隠す場所も大量にあるが故に、集まるのはほんの少しの野良犬や野良猫、そして――― 「おちびちゃん!きょうもいっしょにみんなでゆっくりしようね!」 「ゆっくち!ゆっくち!」 「れーみゅおにゃかしゅいちゃよ~…」 「きゃわいいれーみゅがだれきゃにあみゃあみゃもらえりゅようにいっちぇみりゅよ!!」 「じゃあまりしゃもてつだうんだじぇ! だれでもいいかりゃあみゃあみゃうばいとっちぇやりゅんだじぇ!!」 「ゆゆ~ん♪みんにゃゆっくちしちぇりゅにぇ!!きゃわいくちぇごめんにぇ!!」 野良ゆっくりだ。 平日ならば人も少ないこの公園は野良ゆっくりにとって絶好の住処である。 普通ここまで整った環境であれば野良ゆっくりであふれ返ると思われるが、そんなことはない。 馬鹿な野良は、餌を採りに行く際に下手を打って皆死んでしまうので適度に数が減るのだ。 おまけに何も考えずに公園を荒らしまわる馬鹿も、 人間が手を下すまでもなく縄張りを荒らされて怒った野良犬なんかに殺されるので景観が損われることも無い。 よって、ここには上手く立ち回り静かに生きる(比較的)善良な野良しか住んでいなかった。 その筈なのだが・・・ 「むーしゃむーしゃ、それなりー。 まったく!ぐずのまりさのせいでこんなものたべなきゃいけないよ!! こうえんさんはもっとしんぐるまざーのれいむにやさしくしてね!ぷんぷん!!」 「げっぷ。おなきゃいっぱいになっちゃよ! でもあみゃあみゃならもっちょたべれりゅかりゃだれきゃもっちぇきちぇにぇ!たくしゃんでいいよ!!」 「おちょーしゃん・・・じゃなくちぇあにょやくたたじゅがいけにゃいんだよ!! でもしゃいごにあみゃあみゃたべしゃしぇちぇくれたのはほめちぇあげちぇもいいよ!!」 「あんにゃぐじゅまりしゃのことはもういいのじぇ! おなきゃいっぱいになっちゃかりゃこれかりゃみんにゃでぴょんぴょんちてゆっくちしゅりゅのじぇ!!」 どこをどう見ても賢くも善良にも見えない、花壇の花を食い荒らす饅頭一家がひとつ。 成体れいむが一匹に赤れいむが三匹、そして赤まりさが一匹という構成だ。 飛び交う言葉の汚さとは裏腹にその体は野良にしては意外と綺麗である。 しかし一家全員。特に親らしき成体れいむが醜く膨れ上がっていた。 ロクに動きもせずに食っちゃ寝食っちゃ寝していればこうなるという見本のようだ。 それでも構わず、醜い体を揺らして赤ゆたちは跳ね回る。 「ゆっゆ~ん!おちびちゃんたちとってもゆっくりしてるよぉ~!! さすがかわいいれいむのじまんのおちびちゃんだよぉ~!!!」 そして親れいむはそれを見てニヤニヤと笑っていた。 れいむ自身は微笑ましく笑っているつもりなのだろうが、傍から見れば気持ち悪い事この上ない。 心根の醜さが顔に表れているのだろうか。たったそれだけでせっかくの整った公園の光景が台無しだ。 「おっきなたてものしゃんにいちばんのりだじぇ!まりしゃのかちなんだじぇ!!」 「ゆふっ!ゆふっ!こんなにたくしゃんうんどーちたのはじめちぇだよ!!」 「もうしゅこしちたりゃまたごはんたべようにぇ!! しょのまえにおにゃかしゅかしぇるためにうんうんしゅるよ! きゃわいいきゃわいいれーみゅのしゅーぱーうんうんたいみゅはじまりゅよ!!ちゅっきりー!!!」 「ごはんのまえのうんうんはゆっきゅちできりゅにぇ! れーみゅもちーちーちたくなっちぇきちゃよ!ちゅっきりー!!!」 人が居ない公園を我が物顔で跳ね回る赤ゆっくり。 この公園の象徴とも言える噴水の前で排泄物を撒き散らしている。 人目が無いからといってやりたい放題だ。もっとも、あったらしないのかと言われても微妙な所だが。 「れーみゅちーちーちたかりゃまたぴょんぴょんできりゅよ!」 「まりしゃなんきゃもっちょいっぱいとべりゅんだじぇ!」 「れーみゅだっちぇもっちょぴょんぴょんできりゅよ!ゆっくちみちぇちぇにぇ!」 早速出すものを出して身軽になった赤ゆたちはそこら辺を跳ね回っている。 しかし、ただでさえ運動に慣れていない様子の赤ゆっくりが身軽さを持て余して跳ね回った場合どうなるのか? 答えは至極簡単。 「ゆっきゅち!ゆっきゅち!ゆ・・ゆっ!?ゆぶっ!!!」 「ゆっ?ちゅるっちぇ・・・ゆげっ!!」 「ゆ、ゆ、ゆ・・・おちりゅっ・・・ぎゅ!!!」 「ぴょーんぴょーん・・ゆっ?おしょらを―――ゆぴゃん!!」 踏み外して噴水へとダイビングだ。 慣れない体を目一杯使った結果、真っ直ぐ跳ねれずバランスを崩す。 噴水の淵で調子に乗って飛び跳ねていた赤ゆたちは、当然のようにあんよを滑らせて全員噴水の中に落ちてしまった。 「ゆっゆ~ん♪ゆ……お、お、お、おぢびぢゃぁぁぁ゛ぁ゛ん゛!!?ゆっぐりじでぇぇぇ゛ぇ゛!!!」 突然噴水に落ちて視界からなくなった我が子に、慌てふためき噴水に跳ね寄る親れいむ。 だがそんな事は関係が無いとばかりに、相も変わらず昼下がりの公園は静かで平和そのものだった。 ある夏のれいむ一家 「おちびちゃぁぁぁん!!ゆっくりじでぇぇぇぇ!!!」 急いで噴水の中を覗き込む親れいむ。赤ゆっくりたちは… 「ゆぴぃぃぃ!!!いぢゃいよぉぉぉ!!!だれきゃたしゅけちぇぇ!!」 「・・・・・・」カリカリカリカリ 「ゆんやぁぁぁ!!かべしゃんどいちぇにぇ!れーみゅをだしちぇにぇ!!」 「ゆ゛っゆ゛っゆ゛っ・・・いぢゃいぃぃ・・・」 なんと生きていた。 壁に体当たりするもの。痛がって助けを呼ぶもの。黙って壁に対して歯を立てているものと様々だ。 ついでに打ち所が悪かったのだろうか、死にかけているものもいる。 幸運というべきか。水が溜まっていないおかげで何とか生き延びることができたようだ。 どうやらこの地域は最近日照りが続いていたので、断水の令が出されていたようだ。 噴水にまで水を回していられない、と言う事で真っ先に止められたのだそうな。 よって噴水の中に落ちても打ち所が悪くて怪我をすることはあれど、溶けて死ぬことは無いのである。 もっとも、ここに棲みつく野良ゆっくりであれば誰もが噴水が危険だということは知っている。 人気が全然無く、堂々と公園内を闊歩できるこの時間帯でも噴水周辺に誰もいないのはそのためだ。 この一家がこのような事態に陥ったのは、単に赤ゆっくりの危機意識の無さと親れいむの管理不足であろう。 そもそも何故この一家は噴水にのこのこ近づいたのだろうか? 実はこのれいむ一家。つい最近まではおうちである公園のダンボールハウスからほとんど出たことも無かった。 住処の確保から日々の食事までを、全てつがい兼父親のまりさに任せていたためである。 道端で転がっていたところをおちびちゃんが欲しいと言うまりさに誘われ、ひょいひょいついていったれいむ。 そこで待っていたのは、とことんまで堕落した日々であった。 まりさが苦労して作った雨風防げるシートをかぶせたおうちに居座り、ただ餌を貪るだけの毎日。 にんっしんっ中は 「れいむはかわいいあかちゃんをうむためにたくさんえいよーがいるんだよ!」と言って動かずに食べ続ける。 そしてしゅっさんっ後は 「かわいいおちびちゃんがおなかすかせてるでしょぉぉぉ!!? れいむはこそだてしなきゃいけないんだからゆっくりしないでたくさんごはんもってきてね!!」 と言って、おうたという名の雑音を響かせる以外のことを何もせずに餌を貪り排泄物を撒き散らした。 しかも排泄物の処理までまりさに任せで、少しでも不満があるならまりさを罵倒して溜飲を下げるという徹底ぶり。 赤ゆたちもすっかり父親であるまりさを『何でもしてくれる奴隷』としか見なくなってしまった。 当然まりさは全くゆっくりできない。普通なら逃げ出しているところだ。 が、念願のおちびちゃんは放っておけないし、それを盾にしてれいむはあれこれ要求してくる。 それに対して何もできないまりさは馬車馬のように働くしかなかった。 まあ、元はと言えばまりさの自業自得である。 恨むならこんなれいむを選んでしまったアマギられたかの如く見る目が無い己を恨むべきだろう。 さて、そんな生活を始めてから一ヶ月。とうとうまりさは過労で動けなくなって死んでしまった。 自分の体を食べさせて我が子を生き延びさせてくれと言う遺言を残して『さあおたべなさい』を敢行したのだ。 が、当然そんな遺言を餡子脳丸出しのれいむが聞くわけが無い。 たったの二日で子供たちと共に全て平らげてしまった。しかも半分以上は自分が食べた。 こうして哀れ、ゆん生を懸けたまりさの努力の成果の大半はれいむの腹に収まったのであった。 そして残ったのはでっぷりと膨れたしんぐるまざーの一家だけだ。 「どぼじでごはんがないのぉ゛ぉ゛!?あのやぐだだずぅぅぅ!!」 「まっちゃきゅ!あにょくしょまりちゃはやくにたたないにぇ!れーみゅおこっちぇりゅよ!!!」 「れーみゅおなきゃしゅいちゃよ!はやきゅもっちぇきちぇね!!ぴゅきゅー!!!」 「もうがまんできにゃいよ!まりしゃおしょとにとりにいくよ!!!」 「ゆわーい!おしょとにでりゅにょはじめちぇだよ!!」 食べるものも早々に無くなり見当違いの方向に罵声を飛ばしながら、 赤ゆっくりにとっては初めて。そして親れいむにとっては久しぶりに外へ出るのだった。 初めての外出に興奮を抑えきれずにはしゃぎまわる赤ゆたち。 しかし、今まで運動の経験も無いのに思うように跳ね回れるわけがない。 一方の親れいむはこの一ヶ月間の自堕落な生活によって、外の脅威について完全に忘れてしまったらしい。 本来外の事を何も知らない赤ゆに代わり警戒しなければならないはずのれいむがこの様だ。 このような事態に陥ってしまったのは当然であると言える。ぼせい(笑)ではこの辺が限界という事なのだろう。 元々つがいのまりさを自分が喰らった事も二日で忘れる餡子脳だ。覚えていないのも仕方ない。 そもそも、こんな能無しれいむがどうやって今まで生きてこられたのか?それは誰にも分からない。 親が異常なまでの過保護だったのか。まりさの様なゆっくりに寄生してきたのか。あるいは、その両方か。 いずれにせよ、もはやそんなことはどうでもいいことだろう。 肝心なのは赤ゆたちが今、死刑台の上でカウントダウンを食らっている様な状態だと言うことだ。 まりさが作った頑丈なおうちに篭りきりだったこの一家が気づくはずも無いだろうが、 実は昨日一日中ずっと弱い雨が降り続けていたのだ。 もっとも夜明け前には上がり、地面も正午にはほとんど乾いていたのだが。 よって、今朝には一般家庭の断水が解除。今日の午後六時には噴水も復活だ。 余談ではあるが、噴水には加工所特製の対ゆっくりフィルターが取り付けられている。 不思議饅頭数個分の餡子程度ならば詰まることも無いだろう。 ともあれ現在の時刻は午後三時半。赤ゆたちが噴水に流されて死ぬまで、あと二時間半。 ―――――――――― 「おぢびぢゃぁぁん!!だれがだずげであげでねぇぇ!!!」 刻一刻と我が子に死が近づいていることなどちっとも知らない親れいむ。 しかしそれでも噴水から出ることができない赤ゆたちを見て、助けなければという気にはなったようだ。 しかし、噴水周辺には人っ子一人通らない。 それもそのはず。動かない噴水を見たがる人間など、そうそういないだろう。 いたとしても明らかに野良ゆっくりとわかる汚い大声がする方に行きたがる物好きはいなかった。 自分で人を寄り付かない様にしているとはちっとも思わない親れいむ。自分が入って助ける気は全く無いらしい。 噴水の壁の高さは親れいむの目線もない。赤ゆっくりが居る内側でもれいむの全長程度である。 成体ゆっくりなら、全力で跳躍すればいくら運動能力がブービーのれいむ種でも十分な筈なのだが… おそらくは動きたくないのだろう。本当に子供を助けたいのだろうか? 「ゆぴぃぃぃ!まりしゃしゃまのまっちろなはがぁぁぁ!!!」 そうしている内に、無謀にも壁を掘ろうとしていた赤まりさの歯がボロボロになっていた。 「ゆひぃぃ!!もうむ~ちゃむ~ちゃできないんだじぇ!!だれきゃたしゅけりゅんだじぇ~!!!」 タイル張りされた噴水の壁に砂糖細工の歯が太刀打ちできるはずも無い。妥当な結果だろう。 「おぢびぃぢゃぁぁ゛ぁ゛ぁ゛ん!!!いやぁぁぁぁ゛ぁ゛!!!」 そして悲惨な我が子の姿を見て叫ぶ親れいむ。 が、それでもれいむは全く動こうとしない。筋金入りの面倒臭がりだ。 「ゆ、ゆっくりしていってね。…どうしたの?あんまりみないれいむだね」 「ゆっくりしていってね。あとあんまりうるさくしないでね。にんげんさんにめをつけられちゃうわ」 そんな時、草陰から二匹のゆっくりがガサッと出てきた。 成体のまりさとありすだ。一定の距離をとって、なにやら親れいむを警戒しているようにも見える。 「ゆ!!いいところにきたよ!れいむたちをたすけてね!」 「…やっぱりこんなれいむしらないよ。きっとよそのゆっくりだね」 「ありすとまりさはこのこうえんにすんでるゆっくりなのよ。 おちびちゃんをたすけてっていってたけど、なにかこまってるの?」 二匹はこの公園に住むゆっくりだった。 どうやら噴水近くで騒ぎ立てる見慣れないれいむを見かねて、恐る恐る接触を図ってきたようだ。 「そんなのどうでもいいからかわいいれいむのおちびちゃんをたすけてね!!」 「おちびちゃん…?どこにいるの?」 「このおっきなたてものさんのなかだよぉぉぉ!!」 れいむの言葉を聞いて二匹は考え込む。 れいむの目線は噴水に。そしてそこから聞こえるのは赤ゆっくりが泣き叫ぶ声。 「たてものさん・・・ふんすいさんのことかしら?…なんでふんすいさんなんかにちかづいたの!?」 「そうだよ!ふんすいさんはおちるとゆっくりできないからちかづいちゃだめっていわれなかったの!?」 いっせいにれいむに対して怒鳴る二匹。それもそのはず。 まりさの言うとおりこの公園に住む野良の中では、噴水に近づくなと言うのはもはや常識だったのだから。 そんなことも知らずにむざむざと我が子を危ない目に遭わせた親れいむに二匹は怒りを露わにした。 「そんなのしらないよ!!いいからさっさとおちびちゃんをたすけてね! はやくしないとれいむがせいっさいっするよ!!!」 しかし、れいむは二匹の説教を全く聞かずに一方的な要求を突きつける。 残念ながら、そんなれいむに返ってくるのは冷たいだけ視線だった。 「…そんなにだいじなおちびちゃんなら、なんでれいむがたすけにいかないの?」 「れいむがちゃんとみてなかったからおちびちゃんはふんすいさんのなかにおちちゃったんでしょ? じゃあれいむがまずたすけようとがんばってみるのがとかいはじゃないのかしら」 まりさとありすの言うことはもっともである。 だが、きっと今まで平和に暮らしていたのだろう。この二匹は少し解っていなかった。 ゲスの自分勝手な思考と、でいぶの餡子脳の恐ろしさを… 「どぼじでぞんなごどいうのぉぉ!?でいぶはしんぐるまざーなんだよ!かわいぞうなんだよ!! がわいぞうなでいぶにやさしくするのはとうぜんでじょぉ!?いいがらざっざどじろぉぉぉ!!!」 「「ゆ゛っ!!?」」 予想通り、まりさとありすの正論はあっさりと切って捨てられた。 ここまで言えば解ってくれるだろうと思っていた二匹にとっては思わぬ誤算だ。 「しんぐるまざーって…たしかにかわいそうだとおもうけどそれとこれとはかんけいないでしょ?」 「それにきいたことにちゃんとこたえないなんてとかいはじゃないわ!!」 「いいがらさっさどだずけろぉぉぉ!ぐずはでいぶがやっつけるよぉぉ!!」 「「・・・・・・」」 黙り込む二匹。ようやく『何を言っても無駄』ということに気がついたのだろうか。 少しれいむから視線を逸らして小声で話し始めた。 「ねぇ、どうしよう。たぶんあのれいむげすだよ。ゆっくりできないよ…」 「でもこまってるのはほんとみたいよ。れいむはともかくおちびちゃんをほっとくのはとかいはじゃないわ…」 「じゃあとりあえず…ごにょごにょ」 「…そうね。そうしましょう」 「なにこそこそしゃべってるの!?なんだかれいむがゆっくりできないからやめてね!! それからはやくおちびちゃんたすけてね!!それがおわったられいむにもやさしくしてね!!」 イライラしながら二匹を見るれいむ。 一方赤ゆは「だ・・だれきゃ・・・たしゅけちぇよぉ・・・」順調にヤバくなっていた。 「うん、きめたよ!またせたねれいむ!!」 「ゆっ?やっとおわったの?じゃあゆっくりしないでさっさとおちびちゃんたすけてね!!!」 どうやら話し合いが終わったらしく、れいむの方に向き直る。そして… 「ご、ごめんね!ちょっとまりさたちだけじゃたすけるのはむずかしいからほかのゆっくりをよんでくるよ!」 「そうなの!まりさができるだけゆっくりしないでちかくにいるほかのゆっくりもつれてくるから!!」 そう言って、急いで振り返ってまりさが跳ねていった。ありすはそれを見送っている。 「な、なにいってるの・・・?」 親れいむは呆然としながらまりさの背中を見ている。 遠ざかるまりさの後ろ姿を呆然と見つめながら、でいぶの灰色の餡子脳は高速で動き出した。 どうしてしんぐるまざーのれいむをいますぐたすけてくれないの? ↓ まりさがなにかいってどこかにいったよ!・・・まさかにげたの!? ↓ こんなにかわいそうなれいむやおちびちゃんをたすけないなんて・・・ぜったいにゆるさないよ!!! 驚くべき思考展開である。並のゆっくりではこうはいかないだろう。 しんぐるまざーでいぶの餡子脳とゲスの身勝手さが生み出した奇跡の結論とも言える。 そして親れいむは少しうつむいた後、膨れた体を揺すって 「で…でいぶにやざじぐじないげずはじねぇ!!」 「ゆ゛っ!!!?」 思いっきりありすに向かって体当たりした。 「ゆ゛っ!ゆ゛っ!ゆ゛っ!!!・・・ゆ・・ゆっぐ・・・」 跳ね飛ばされたありすは少し転がって、地面に倒れこむ。 「あ、ありす!だいじょうぶ!!?どぼじでごんなひどいごどずるのぉぉぉ!!」 まりさが急いでありすの元に引き返して来た。いきなり仲間を攻撃されてご立腹だ。 「うるざいよ!!でいぶをみすてようとしたげすはでいぶがせいっさいっしてやるんだよ!!」 「なにいってるの!まりさたちは…」 「だまってね!こんなにかわいそうなおちびちゃんをほうっておくようなゆっくりのいうことなんてきかないよ!」 「ちゃんといってることきいてたの!?おちびちゃんたちはあとで…」 「もういいよ!げすはさっさとせいっさいっしてれいむはほかにたすけてくれるゆっくりをさがすよ! うそつきありすもさっさとにげるげすまりさもゆっくりせずにしんでね!!」 「・・・・・・」 「なにだまってるの?…ゆふふん、もしかしてはんっせいっしたの? もしれいむたちにいしゃりょうとしてあまあまたくさんくれるっていうならゆるしてあげてもいいよ!!」 「・・・ゆっ・・・ね・・・」 「ゆん?ぼさっとしないでね!ぐずはきらいだよ! あっ!ついでにかわいいれいむたちのどれいにしてあげてもいいよ!いっしょうけんめいつくしてね!!」 「ゆっくりせずにしぬのはおまえだぁぁぁぁ!!!」 「ゆ゛げっ!!!!?」 調子に乗って笑っていたれいむが、突然まりさに体当たりを食らって吹っ飛んだ。 「ぎゅっ、げっ、ゆげぇ!!!な゛・・・なに゛ずるのぉ゛・・・?」 れいむが吹っ飛ばされた先は・・・ 「おかーしゃん!たしゅけにきちぇくれたにょ?」 「まりしゃのはがゆっくちできなくなっちゃよ・・・なんとかちてぇ・・・」 「はやきゅかべしゃんなんとかしちぇれーみゅをたしゅけちぇね!!」 「ゆ゛っ・・・ゆ゛っくちでき・・・にゃ・・い・・・」 我が子の傍。つまり噴水の中だった。赤ゆっくりたちと数十分ぶりの再会である。 赤ゆたちは自分を助けに来てくれたと思っているが、親れいむはそれどころではない。 慌ててどうなっているのか考えているところを、のっそりと野良まりさが上から覗き込んだ。 「ふん!げすでいぶはそこにいるのがおにあいだよ!」 「いきなりなにするの!?はやくたすけてね!!」 「たすけてあげるっていったのにころそうとしたのはそっちでしょ! そんなげすゆっくりも、そのこどもも、もうたすけてあげないよ!そこでそのままのたれじんでね!」 「わけわかんないこといわないでね!!にげたのはそっちでしょ!?」 「だからきいてないっていってるんだよ!わけわかんないのはそっちだよ、ばか!! まりさはほかのゆっくりをよぶっていったんだよ!! それをにげたとかいってまりさたちをころそうとするなんてなんなの?ばかなの!?しぬの!!?」 「ゆっ・・・ゆぐぅ・・でいぶは・・・でいぶは・・・」 完全に言い負かされたれいむ。ぐうの音も出ない。 れいむが知る由もないが基本的に公園に住む野良ゆっくりは皆、助け合いの精神で生きている。 賢い者だけが残ったここのゆっくりは、できるだけ外の物に頼らず暮らしていく事に決めたそうな。 物乞いであれ何であれ人間に関わらずに、草や虫だけを食べて目立たないようにひっそりと生きる公園ゆっくり達。 そして狭い世界で生きてゆく代わりに、同じ場所に住む仲間であれば困った時には助け合うのが決まりであった。 町の中だというのに一つの理想的な群れができていた貴重な例である。 れいむ一家が食べていたごはんにも、あまりにもやつれたまりさを哀れに思った他のゆっくりの差入れが混じっている。 もっとも外に出なかったれいむ達がそれに気づくわけも無く、他のゆっくりにれいむ達の存在が気づかれる訳もない。 一ヶ月という長い期間を公園で過ごしていても、よそから見ればれいむも赤ゆっくりも余所者同然だ。 そして結びつきが強いが故に、和を乱すものや自分勝手なゲスは許さない。 ましてや仲間を傷つける余所者など、彼らにとってはその場で死刑判決を受けてもおかしくない悪党だ。 普通ならゲスゆっくりだと確認した時点で関わらないのだがおちびちゃんを不憫に思ったのか、 それでも積極的に助けようとしたありすとまりさは心優しいゆっくりだったのだろう。 「もうれいむもこどももどうなろうがしらないよ! ほかのゆっくりにもぜったいにたすけないようにいっておくからわめかないでね!!」 が、愚かなれいむは勝手な思い込みで助けの糸を自ら断ち切った。 もしもしっかりと礼を言って助けを待っていたならばどうなっていただろうか。 今頃はおちびちゃんも助かり、もしかしたらこの公園に住むゆっくりとして仲間に入れてもらえたのかもしれない。 「ぞんなぁ!たずげでね!!でいぶはしんぐるまざーなんだよ!かわいぞうなんだよ!! あまあまはもういらないからとりあえずたすけてね!!どっかいかないでよぉぉぉ゛ぉ゛!!!」 「さわぐなっていってるでしょ!あんまりうるさいとせいさいするよ!!! もしありすがしんでたらみんなでいしでもなげてるところだよ!ころさないだけありがたくおもってね!!!」 「ゆぅぅぅ゛ぅ゛…」 「ゆんやぁぁぁぁ!どおちてたしゅけちぇくれないにょぉぉぉ!!?」 「いいきゃらげしゅまりしゃはしゃっしゃとれーみゅをここからだしちぇね!!」 「しょーだよ!!はやくしないとしぇーしゃいしゅりゅよ!!」 「…やっぱりげすのこどもはげすだね。たすけなくてよかったよ。 それじゃゆっくりしんでいってね!!!」 まあそれを考えるのも、もはや無駄なことである。 何をどう言おうと残った結果は一番にして確実な助けが無くなったという事だけ。 れいむ一家をゴミを見るような目で一瞥した後、まりさは去っていった。 「ありす!だいじょうぶ?やっぱりあんなげすに、はなしかけないようがよかったね…」 「い、いたいけどだいじょうぶよ。まさかげすゆっくりがあんないなかものだとはおもわなかったわ… これからはきをつけましょう。うぅ…いたくてゆっくりできない…」 二匹はあれこれと話しながらこの場を離れてゆく。 その姿をれいむ達が見ることはできない。助けを呼べども戻ってくる気配もない。 まりさの言う通りもうここには誰も近づかないだろう。 純粋な善意に対して、振り払うどころか唾を吐きつけるような真似をしたのだから当たり前なのだが。 「もうやぢゃおうちきゃえりちゃいよぉぉぉ!!!」 「ゆんやぁぁぁぁ!!ゆっくちできにゃいぃぃぃぃ!!!」 「まりしゃしゃまをゆっくちしゃしぇないげしゅはちぬんだじぇ!!しょれとあみゃあみゃよこしぇ!!」 「・・・だ・・れ・・・きゃ・・・・・・」 「おぢびぢゃん!?ばでぃざもどってきてね!!おちびちゃんをはやくゆっくりさせてね!! はやくしないと…ゆ゛ぁぁぁぁ゛ぁ゛!!!はやぐゆっぐりさせろぉぉ!ぐぞばでぃざぁぁぁ!!」 どれだけ叫ぼうとも、周囲からは嘲笑の声すらも起こらない。 それどころか飛び出す罵声によって、遠くで様子を見ていた他の公園ゆっくりからの印象はますます悪くなる。 「・・・やっぱりだめだね。あんなのたすけたらここがむちゃくちゃになっちゃうよ」 「そうだね。まりさたちもあんなのにからまれるなんてゆっくりできなくてかわいそうだよ」 「あとでいたわってあげようねー。でもあいつらどうやってここまでこれたんだろうね?わからないよー…」 「むきゅ、いままでみたことなかったしうわさにはきいてたけど、げすってほんとにゆっくりできないのね。 またひとつおべんきょうになったわ・・・これからはなにがあってもかかわらないようにしましょうね」 「「「「「ゆっくりりかいしたよ!!!」」」」」 そしてたった今、救助が来る可能性が完全にゼロになったようだ。 「「「ゆっくちしゃしぇちぇよぉぉぉぉ!!!」」」 それでも刻一刻と時間は過ぎていく。れいむ一家が溺死するまで、あと二時間。 ―――――――――― そして家族仲良く噴水に閉じ込められてから約一時間が経った。 「ゆぜー・・ゆぜー・・・あぢゅいぃ・・・」 「どおぢで…?だれきゃきゃわいしょうなれーみゅをたしゅけちぇよぉ…」 「まりしゃしゃまはゆっくちしたいんだじぇ…だれでもいいかりゃここかりゃだしゅんだじぇ…」 れいむ一家は順調に衰弱している。 「おそとにだしてっ!ぶっ!!ゆべぇ!!」 一応保護者の親れいむはと言うと、壁に体当たりして跳ね返され、見事な顔面着地を決めていた。 「いだいぃぃ゛ぃ゛!!!…ぼうだべ。でいぶづがれだよ…」 親れいむの全身は傷だらけになっていて醜い体に拍車がかかっている。 「…かべざんはやぐどいてね!でいぶはしんぐるまざーなんだよ!かわいぞうなんだよ!!!」 挙句の果てに壁に向かって罵倒し始めた。傍から見れば頭が心配になる光景だ。 一家はあの野良まりさが居なくなってから、まあ、それなりに脱出の努力をしていた。 最初の方は、出せ、助けろ、と罵声交じりの懇願を大きな声で繰り返していた。 しかし大声に耐えかねた公園のゆっくり達からだろう。石が噴水の中に一斉投擲され、黙らざるを得なくなった。 次に親れいむが自分だけでもまずはここから出ようと、跳ねて脱出を試みた。 が、しかし。悲しいかな、醜く膨れ上がったれいむは自分の全長程度すら跳ね上がれなかった。 普通なら楽々とは言えないもののなんとか出ることはできるのに、堕落した生活を送った結果がこれである。 今思えば親れいむが何も考えずに、すぐに噴水に飛び込まなかったのは正解だと言えよう。 まあれいむ自身はそこまで深く考えてなかっただろうし、結局こうなってしまったので全く意味は無かったのだが。 とにかく、根気の欠片も無いでいぶである親れいむはたった数回の挑戦でもう満身創痍になっていた。 「どぼじでかわいいでいぶがごんなめにぃ・・・」 できる事といえば噴水の中にある小さな影をなんとか見つけて休むことだけである。 いくられいむ達が嘆こうが、夏の暑い日差しはどんどんれいむ達の体力を奪っていく。 高温高熱は、饅頭にとっては水に並ぶ天敵だ。ましてや弱った赤ゆにとっては尚更キツイ。 「おか・・しゃ・・・もっちょ・・・ゆっきゅち・・ちた・・か・・・っちゃ・・・よ・・・」 「おぢびぢゃあぁ゛ぁ゛ん!!ゆっぐりしぢゃだめぇぇぇ!!!ゆっぐりじでよぉぉぉ゛ぉ゛!!!」 そしてとうとう、打ち所が悪く最も弱っていた赤れいむが今まさに息を引き取ろうとしていた。 親れいむも錯乱してもう何を言ってるのか分からない状態だ。 「れ、れーみゅちなないでぇ!」 「おねーしゃん!もっちょがんばっちぇね!」 「れーみゅ!ちんじゃったられーみゅのはをまりしゃにちょーらいにぇ!!」 「「どぼぢでじょんなひどいこちょいうにょぉぉぉ!!?」」 「もう・・だ・・・みぇ・・・」 「おぉぢぃびぃぢゃぁぁぁぁぁぁん!!!」 「誰だようっせーな。叫んでんじゃねーよ、暑苦しいんだよ・・・」 突然、叫ぶ一家に覆いかぶさるように影ができる。 見上げてみると、一人の少年が疎ましげにれいむたちを覗き込んでいた。 制服姿でカバンを背負っている所を見ると、どうやら学校帰りらしい。 「んー?ゆっくりか。っていうかデブッ!!」 「ゆっ!しつれいなこといわないでね!れいむおでぶじゃないよ!!」 出会い頭の辛辣な発言に、思わずムッとして言い返す親れいむ。 「いやいや、間違いなくデブいだろ。見るからにデブいだろ。でいぶなだけに。 あっ、でいぶってそういうことか?」 「う゛う゛う゛う゛う゛!!!でぶっでいうなぁぁぁぁ!!!」 ケラケラ笑う少年を見て、膨れた体を震わせて悔しがるれいむ。 何をしても醜いものだ。が、そんな様子を見て少年は少しスッキリしたらしい。 「で、こんなところで何してんの?噴水なんかで遊んでたら危ないぞ。 しかもなんかチビ死にかけてるけど、もしかしてそういう趣味か」 満足ついでに聞いてみる。この少年も相当暇なのだろうか。もしくは数少ない物好きか。 「そうだ、おちびちゃん!!おいくそじじい!れいむたちをたすけてね!!」 「れーみゅたちはきゃわいしょうにゃんだよ!」 「あとまりしゃしゃまのはをもとにもどしゅんだじぇ!!」 チャンスとばかりに命乞い(?)をする一家。事実、これを逃せばもう後は無いだろう。 「・・・?んー、まあよく分からんけど、とりあえず話してみな。聞くだけは聞いてやるよ」 ~饅頭説明中~ 「なるほど。つまり運悪くここに落ちた所を、ゲスが見捨てたせいでチビが死にそうだと」 「そうだよ!さっさとしてね!もうゆっくりしちゃいそうなんだよ!!」 要領を得ない説明をすること数分、ようやく現状を伝えきった親れいむ。 所々自分にとって都合がいいように脚色しているのはご愛嬌だ。 先ほどから死にかけの赤れいむはまだ痙攣している。死ぬ死ぬと言いながら存外にしぶとい。 「ふむ・・・なら、これをやろう」 そう言って少年がカバンから取り出したのは、指で摘める程度の小さなプラスチック容器。 いわゆるポーションタイプのそれを剥がし開けて、弱った赤れいむの上で傾けた。中から透明な液体が流れ落ちる。 「ゆ・・・ゆ・・・ゆっ!?」 「お、おちびちゃん?おちびちゃんになにしたの?」 「まあ見てろって」 流れ落ちた液体はそのまま赤れいむの口に入り、味わうように租借され、飲み込まれた。 「ゆっ・・ゆっ・・・ち、ち、ち、ちあわちぇー!!!」 「ゆっ!?おちびちゃんとってもげんきになったよぉぉぉ!!ゆっくりしていってね!!」 「れーむふっかちゅっしちゃよ!!ゆっきゅりしちぇいっちぇね!!!」 「おー、ガムシロでも元気になるもんだなあ。流石ゆっくりだ」 「どうなっちぇるにょ?もしかしちぇしょれあみゃあみゃしゃん?」 「まりしゃしゃまにもちょーらいにぇ!ちょーらいにぇ!!!」 少年が与えたのはファミレスなんかに置いてあるガムシロップだった。 量にすればほんの少しだが、赤れいむにはそれで十分だったようだ。 元気を取り戻した赤れいむは今まで数えるほどしか味わったことの無い幸せに浸っている。 ほかの一家も喜ぶやら、急に復活してしあわせーっ状態になっているれいむを羨ましがるやら、様々だ。 「なきゃなきゃやくにたちゅじじいだにぇ!!」 「しょうだにぇ!!!とくべちゅにきゃわいいれーみゅがかんしゃちてあげちぇもいいよ!! 「ハッハッハ、そりゃどうも」 「ちゅぎはまりしゃしゃまのはをなおしゅんだじぇ!!あとあまあまちょーらいにぇ!!」 「いやー、悪いな。今手持ちそれしか無いんだわ。別に死にそうでもないんだから我慢してな」 「ゆがーん!やぢゃやぢゃ!!やきゅにたたにゃいくしょじじいはゆっくちちないでちにぇ!!」 「ハッハッハッハッハッ」 聞いていれば相当な罵声を浴びせられているのに、少年の表情は穏やかなままだった。 何をするわけでもなく笑って返答している。そんな少年の様子に、段々図に乗り始める饅頭一家。 「まったきゅ!ちょっとほめりゅとしゅぐちょーしにのりゅからじじいはいやだにぇ!!」 「いやいや、お前達ほどじゃないぞー」 「でみょれーみゅをたしゅけちぇくれたのはじじちゅだきゃらおれいにどれいにしちぇあげちぇもいいよ!!」 「そりゃ光栄だなあ。後ろ向きに考えとくよ」 流れるような少年の受け答え。 「じゃあさっそくここかられいむたちをだしてね!! そのあとはここにすんでるげすどもをせいっさいっしたあとじじいのおうちでかわれてあげるよ!!」 「あ、それはお断りします」 「かんげきちてちーちーもらしゅんじゃ・・・え?」 なので拒否の言葉もまた、即答だった。 呆然としたまま親れいむはもう一度繰り返す。 「よくきこえなかったよ?れいむたちはじじいにかわれてあげるっていってるんだよ?」 「ああ、ちゃんと聞こえてるよ。だからお断りっていっただろ?絶対に嫌だって言ったんだよ」 数秒、時が止まる。 「どぼじでぇぇぇ!?でいぶたちがどれいにしてあげるっていってるんだよぉぉぉ!!」 「れーみゅたちのめーれーをことわりゅなんちぇしちゅれいなどりぇいだにぇ!ぴゅんぴゅん!」 「ふじゃけたこちょいっちぇりゅとぴゅきゅーしゅりゅんだじぇ!!ぴゅきゅー!!」 「ゆわぁぁぁ、まりちゃかっきょいいよ!じじいはこわきゅちぇもちーちーもらちゃにゃいでにぇ!!」 そして一斉に騒ぎ立てる饅頭一家。この期に及んで己の立場が分かってないところが滑稽である。 「いやー。言っとくけど俺、お前らなんかに何言われても別に堪えないよ? もうすぐ死んじゃう負け犬…もとい負け饅頭がいくら吼えたって気にしないし」 「どういうこと?れいむたちまだまだげんきだよ!」 「れーみゅももうふっかちゅっちたんだよ!ばーきゃばーきゃ!!げらげらげら!!!」 尚も赤ゆっくりたちは憎たらしい口調で挑発してくるが、少年は鼻で笑って受け流す。 「あぁ馬鹿だからわかんないのか・・・ま、ついでだし教えといてあげよう。 いいかー。今日、お日様が沈み始める頃に、ここは水が一杯になって、お前達は溶けて死にます」 「「「「「・・・・・・ゆ゛っ?」」」」」 「だから、俺が引き上げないとお前らは近いうち溶けて死ぬんだって。 そんでもって俺はお前らを絶対に助けないから、死ぬことは確定してるわけ。理解したか?」 いたって気楽に少年は告げる。どことなく楽しそうだ。 「しょ、しょんにゃわけにゃいよ!!もうちょっとましにゃうそついてにぇ!!」 「まあ信じる信じないは勝手だけどな。お前らがいるところ見回してみろよ。 そこら辺湿ったり水溜り出来てたりしないか?それこそ元々水が溜まってるって証拠だ」 「ゆっ…?あっちには…おみじゅしゃん。むきょうは…おみじゅしゃん!?」 「ゆあぁぁ、ほんちょだ!にゃんでぇぇぇ!?」 「水が出始めたらお前らなんてあっという間に溺死するぞー。溶けて死ぬのとどっちが早いかな?」 親れいむの目線辺りの壁をコツコツ叩きながら少年は笑った。 ちなみに湿っているのは昨日の雨が残っているからである。 たとえそうであってもそれが一家にわかる訳が無いので、このまま少年は押し通すつもりのようだが。 「ぞ、ぞんなのじらないよぉぉぉ!どぼじでぞんなひどいごどずるのぉぉぉ!!?」 「それは今朝、断水が解除されたからだよ。まあ噴水が何かも知らないお前らにわかるわけないけど」 「おみじゅしゃんはゆっきゅちできにゃいぃぃぃ!!はやきゅたしゅけりょくしょじじぃぃぃぃ!!!」 「だから嫌だって。聞いてなかったの?馬鹿なの?死ぬの?いや、問われるまでもなく死ぬのか」 「おねーしゃんはたしゅけたのににゃんでここからだちてくれにゃいにょぉぉぉぉ!!?」 「しょーだじぇ!れーみゅをたしゅけたんだかりゃせめてまりしゃしゃまだけでもたしゅけりゅのじぇ!!」 「「「どぼぢぢぇじょんなこちょいうにょぉぉぉぉ!!?」」」 「うるしゃいんだじぇ!まりしゃしゃまはもっちょゆっくちしゅるしめいがあるのじぇ!!」 思わぬ裏切りに決裂する姉妹仲。相も変わらず少年は楽しそうだ。 「こんな状況で喧嘩とは余裕だなぁ。 それはともかく、なんでかと言われると・・・まあ面倒臭いからかねぇ」 「めんどくしゃい?どういうことにゃにょ?」 「いいか?無い知恵絞って良く考えてみろよ。 別にお前らの話を聞いても暇が潰れるだけで俺は特に損しない。 余ったガムシロ一個あげても、俺のカバンが少し空くだけでどうってことはない。 でも、ここでお前らを助けたらどうなる? 断じて飼う気なんて無いのに付きまとわれて、最悪潰した後の片付けをしなきゃならない。 そういうの面倒臭いだろ?だから遊ぶだけ遊んで放っておこうって最初から思ってたわけ。 つまらない一日にほど良い刺激が欲しかったのさ。そういう年頃なんだよ。わかる?」 「・・・・・・じゃ、じゃあれいむたちは」 「ぬか喜びご苦労様。助かったと勘違いして喜ぶお前らの滑稽な姿はとってもゆっくりできたよ!ありがとな!!」 ここに来て少年の表情はこれまでで一番の笑顔になる。 が、その笑顔は饅頭一家にとって全くゆっくりできないものだった。 「じじ・・・にんげんざん!おねがいじまず!!でいぶをだずげでぐだざい!!」 「何が何でも嫌だ。だって助けたら絶対調子に乗ってまた『れいむをかえ!くそじじい!』とか言うじゃん」 「いいばぜんがらおね゛がいじばず!でいぶたちいいごでずがら!いぎでるだげでじゅうぶんでずぅぅ!!」 「だからお前らの餡子脳なんて信用できないんだって。第一飼うならこの辺の野良拾ったほうがなんぼかマシだし」 「ゆぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛!!まだじにだぐないぃぃぃ゛ぃ゛!!!」 親れいむはショックのあまり、その場を転がりだした。醜く膨れた身体が揺れる揺れる。 「ゆきぃぃぃ!!きょれならちんだほうがまだよかっちゃよぉぉぉ!!!」 「おいおい、そんなこと言うなよ。家族と過ごせる時間を延ばしてやったんだからありがたく思わないと」 「くしょどれいはまりしゃだけでも・・・」 「まだ言ってるのか?だからお断りだって。特に頭が悪くて歯がボロボロの汚いゲスまりさだけは絶対ヤダ」 「ゆうぅぅ゛ぅ゛!!ばでぃぢゃぢゃまははがなくちぇもかっこいいんだじぇ!!きちゃにゃくないんだじぇぇ゛!!」 「そりゃ気のせいだ。世の中で格好良さの格付けしたら確実にお前は下から数えた方が早いよ。だって気持ち悪いし」 「ゆぴぃぃぃぃ!!きゃわいいれーみゅがにゃんでこんにゃめにぃぃぃ!!!」 「はいはい、可愛い可愛い。ついでにその臭い口閉じて黙って死んでくれればも~っと可愛い」 「もうどりぇいなんちぇいいましぇんかりゃたしゅけちぇくだしゃい!しょれとしょのあとかっちぇくだしゃい!! ひとりじゃゆっくちできないんでしゅ!このままじゃこじになっちゃうんでしゅ!れーみゅかわいしょうでしょ!?」 「心配するなって。ここで死ねば家族一緒に地獄に行けるから!独りじゃないぞ、良かったな!!」 「「「「ゆ・・ゆ・・・ゆんやぁぁぁぁぁ!!!!」」」」 一通り男との会話が終わった饅頭一家は、一匹残らず歯を食いしばって涙を流していた。 未だに確実に来るであろう死を認められないのだろうか。 もみ上げをピコピコさせたりと一応抵抗のようなものはしているがどれも全く力が篭っておらず、そして意味も無い。 少年はそんな一家を見ながら声を上げて笑った後、もう飽きたとでも言わんばかりに陽が出ている方向を向いた。 「さってと。ちょっと暗くなってきたか。六時まで…あと五分ってところだな」 その言葉を聞いてビクッとする饅頭一家。言葉の意味は判らずとも少年の雰囲気で終わりが近いと感じたようだ。 「じゃあでいぶ一家の諸君。精々あと少しのゆん生を謳歌しろよ!娯楽の提供ご苦労様!!」 最期に一家を見下ろし、鼻で笑って少年は去っていった。 五 「もうやじゃ…おうちきゃえりちゃいよぉ…」 「どぼぢちぇこんにゃめにあうんだじぇ…まりしゃしゃまはとっちぇもゆっくちちてりゅにょに…」 「だれきゃにゃんとかちてにぇ…きゃわいいれーみゅをゆっくちしゃしぇちぇにぇ…」 「ゆぅぅぅ゛ぅ゛!れーみゅをゆっくちしゃしぇれないやくたたじゅはみんなちにぇ!!」 尚も諦めずに助けを呼ぶゆっくりもいたが、何の反応も無い。 四 「ゆあぁぁ゛ぁ゛!!しにちゃくにゃい!しにちゃくにゃい!しにちゃくにゃいぃぃぃ!!!」 「こんにゃことになったにょもじぇんぶおかーしゃんにょしぇいだよ!!」 「おぢびぢゃんなにいっでるのぉぉぉ!!?おがーざんはがんばっで…」 「だまっちぇにぇ!!れーみゅたちをゆっくちしゃしぇれにゃいくしょおやはちにぇ!!」 過度のストレスからか、とうとう内輪揉めを始めた。ゲスの思考の行く末としては別におかしくないが。 三 「くやちかっちゃらまりしゃしゃまをここかりゃだしちぇみりゅんだじぇ!!」 「どーしぇできないんでちょ?おぉむにょーむにょー!!」 「ゆぐっ…ぐぐぐ…あんなにやざじぐじでやっだのに… ぼうゆるざないよ!!おばえらぜんいんごろじでやる!!」 「ゆっくちごろしのげしゅはゆっくちできにゃいんだよ! しょんなこちょもわしゅれたにょ?ばかにゃにょ?ちにゅにょ?」 「うるざいよ!おばえらざえいなげればいまごろおうぢでゆっぐりでぎるはずだったんだよ!! でいぶをばがにずるくそちびはじね!!ゆっぐりせずにじねぇぇ!!!」 そして親れいむが逆上した。どうやら自分の中で都合がいいように色々と記憶を改竄しているようだが。 二 「うろぢょろずるなぁぁぁ!!ぞごでじっどじでろ!づぶじでやる!!」 「のりょまなでいびゅにちゅぶしゃれるわけにゃいでちょ?にゃにいっちぇるにょ?」 「おみゃえみちゃいにゃでびゅなんかこわくにゃいんだじぇ!ゆっゆっゆっゆっ!!!」 「しょーだよ!!くやちかっちゃら『ボスッ!!』ゆ…? ゆぴぃぃぃ!いちゃいぃぃぃ!!でいびゅのちゅぶりゃなおめめがぁぁぁ!!!」 「れ、れーみゅ!?にゃんでいししゃんがおしょらをとんでくりゅにょぉ!?ゆっくちできにゃいぃぃぃ!!」 おそらく野良ゆっくりからであろう、何処からともなく投擲された石が赤れいむの目に見事に突き刺さった。 「にんげんさんにうそつくゆっくりはしね!!げすはおまえたちでしょぉぉ!?」 「おちついてまりさ!さっきかかわっちゃだめっていわれたばっかりじゃないの!!」 どうやら先ほどの会話もしっかり聞かれていたようだ。無論悪いのはれいむ達なので同情の余地は無い。 一 「ゆっゆっゆっゆ!ざまあみろくそでいぶ!ちびのくせになまいきなくちきくからこうなるんだよ!!」 「ゆぎぎぎぃ…!おやのくしぇにわらうにゃんてゆっくちできにゃいんだじぇ!こにょげしゅ!!」 「さきにいいだしたのはそっちでしょ! それにおまえみたいにはがなくてぶさいくなちびなんかしらないよ!ちかよらないでね!!」 「ゆんぎぃぃぃぃ!!まりしゃしゃまはぶしゃいくじゃないんだじぇぇぇぇ!!!」 ますます家族を扱き下ろすことに熱中するれいむ一家。見ていて醜い事この上ない。 が、ほんの少しの間だけでも死の恐怖を忘れる事ができるのだ。それを思えばこれも悪くないのかもしれなかった。 まあだからと言って、誰が助かって何が変わるわけでもないのだが。 ザアァァァァァ!!! 「ゆ゛っ!?つべだい!やだ!でいぶまだじにだぐないぃぃ!!!」 「「「「ゆんやぁぁぁ!?おみじゅしゃんふっちぇこにゃいでにぇぇぇ!!!」 「「「「「やべで(ぢ)ぇぇぇぇ!!!」」」」」 一家が溶けて全滅するまで、あと・・・・・・ ・あとがき ネタが、思い、つかない。 のでしばらく一読者に戻って充電しようかと思います。 安西先生…短いのが…書きたいです…… では、またいつか!…早く帰ってこられればいいなぁ。 小五ロリあき ・過去作品 ふたば系ゆっくりいじめ 412 僕と『あの子』とゴミ饅頭と ふたば系ゆっくりいじめ 446 俺とゲスと自業自得な餡子脳 ふたば系ゆっくりいじめ 460 弱虫まりさとほんとの勇気 ふたば系ゆっくりいじめ 484 ドスと理想と長の資格 前 ふたば系ゆっくりいじめ 494 ドスと理想と長の資格 後 ふたば系ゆっくりいじめ 514 僕とさくやとおぜうさま ふたば系ゆっくりいじめ 548 てんことれいむとフィーバーナイト 前編 ふたば系ゆっくりいじめ 559 てんことれいむとフィーバーナイト 後編 ふたば系ゆっくりいじめ 583 ゆっくりしたけりゃ余所へ行け ふたば系ゆっくりいじめ 599 はじめてのくじょ~少女奮闘中~ ふたば系ゆっくりいじめ 615 お兄さんは静かに暮らしたい ふたば系ゆっくりいじめ 659 よくあるお話 ふたば系ゆっくりいじめ 674 かわいいゆっくりが欲しいなら ふたば系ゆっくりいじめ 701 おうちは誰の物? ふたば系ゆっくりいじめ 789 ゆめみるれいむときゃっしゅさん ふたば系ゆっくりいじめ 790 ユクミン 前 ふたば系ゆっくりいじめ 855 ユクミン 後 ふたば系ゆっくりいじめ 877 常識を蹴り飛ばせ!! 小五ロリあきの作品集 トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る ゲスはしんでとうぜん -- 2016-08-28 11 25 45 このままがしするまえにかぞく みんなでしねてよかったね! -- 2014-04-22 01 51 11 いい暇つぶしだったわー割とおもろい作品だった -- 2012-07-26 17 38 54 「さーって、噴水に水溜まっているかなーtなんじゃこりゃーーー!!!!」 てなってたと思う。 -- 2012-03-25 20 44 47 いいギャグありがとう、無様すぎて心の底から笑えたよww -- 2011-10-08 03 50 57 公園の掃除が必要だね -- 2010-12-18 21 16 39 罵倒を受け流せる辺り、中々心に余裕がある少年だね。ゆっくりできたよー -- 2010-12-02 17 28 57 男か少年か統一しようよ -- 2010-10-16 23 36 31 普通~善良の野良ゆがゲスに騙されて酷い目にあわなかったからゆっくりできたよ -- 2010-09-13 00 21 51 楽しませてもらいました。 -- 2010-07-22 15 07 47 爽やかな少年だわね。ゆ虐SSに登場する人間はゲス人間率が高いから、うんざりしていたのよ…。 でも、今回は少年のおかげでゆかりんゆっかりできたわ!! -- 2010-07-11 00 55 42
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/5487.html
優希「……のどちゃんはお前のこと部活仲間くらいにしか思ってないじぇ」 京太郎「そうだな」 優希「……のどちゃんにはお前なんかよりもっとふさわしい人がいるはずだじぇ」 京太郎「かもな」 優希「……のどちゃんはお前なんか好きになったりしないじぇ」 京太郎「だろうなー」 優希「なんだよ……それなのになんでのどちゃんを諦めないんだっ!」 京太郎「わかるだろ?」 優希「!?」 京太郎「わかってるだろ、そんなの。今お前が必死になってる理由はなんだよ」 優希「そっ、それは……」 京太郎「はぁっ……わかってるよ、わかってるにきまってるだろ。あいつは俺のことなんて眼中にないし、ふさわしくもない、おまけ今後もそれは変わりそうもない」 優希「ならっ!」 京太郎「それでもさ!……それでも、さ。そんな、簡単に割り切れたりなんかしないし、諦められるもんじゃねーんだわ、コレってさ」 優希「……私は、京太郎が、好き……だじぇ」 京太郎「ああ……ありがとうな。俺もお前のこと、嫌いじゃないぜ」 優希「うん……」 京太郎「あーあ、なんでこんなことになっちまったのかね」 優希「……のどちゃんのせい、だじぇ」 京太郎「ははっ、間違いじゃないな」 優希「お前がもう少しダメ犬だったら良かったんだじぇ」 京太郎「そもそもお前が……っとコレはダメだな」 優希「ああもうやめだじぇ!こんなのこの優希ちゃんには似合わないじぇ!」 京太郎「ふふっ、なんだそりゃ」 優希「おい、京太郎!いつかお前をこの優希ちゃんに絶対服従させてやるじぇ!」 京太郎「おおやってみろ。なら俺はそれまでに……まあ可愛い彼女でもつくってみせるかな」 優希「うぅ、タコス分を大量に消費してしまった……もう今日は疲れたじぇ。早く帰って明日からのタコス分を補充せねば」 京太郎「そうだな。こんな時間だしもう帰るか」 優希「じゃあな、京太郎」 京太郎「じゃあな、優希」 「また明日!」
https://w.atwiki.jp/gundamfamily/pages/1084.html
プルツー「最近姉さんがおかしいんだ」 ジュドー「ああ……」 マイ「似たような症状がいくつも報告されているよ。普段近くにいる人物に対して 異常に愛情を注ぎ込んでしまうという症例が……」 ジュドー「それだ!」 マイ「最近シローやシーブックが幸せになっていることから、 この付近でも人体砂糖漬け現象が起きているようだ」 プルツー「そうか、脳に砂糖が湧いて、元からおかしかった姉さんの頭がもっとおかしく……」 マイ「物凄くひどいことを言ってるみたいだが、要約するとそういうことらしい。 近くに喪オーラを発生させていれば中和できるようだが」 プルツー「グレミーかマシュマーでもくくりつけとくか……。いや、あいつらはわめくとうるさいし……」 プル「で、どうしてみんなで勉強会なのよ~」 プルツー「大人に見張っててもらわないと宿題やらずに逃げちゃうじゃないか」 プル「プルツーがやってくれればいいでしょ~、どうせおんなじ宿題なんだから~」 ハマーン「こら、自分で努力する癖を付けておかねばならんのだぞ」 プル「はぁ~い……」 ミネバ「よいではないか、みんなで考えながらするのも」 プルツー(しばらくハマーンと一緒にいれば姉さんのアホも少しは直るだろう。 勉強もはかどって一石二鳥だ)
https://w.atwiki.jp/animerowa-3rd/pages/1618.html
897 :名無しさんなんだじぇ:2010/09/29(水) 02 13 39 ID mEDBIfcE 律「まさか本当に映画化するとは…」 唯「なんかすごいねぇ、私たち」 あずにゃん「でも私たちじゃないんですよね、映画に出るの」 律「え、紛れもなくアタシたちじゃん、あれ」 あずにゃん「でももう死んじゃいましたよ、私たち」 唯「んー、あずにゃん大丈夫?」 あずにゃん「ふぇぇ?!なんでわたしがなんですか?!」 律「季節の変わり目だし、急に寒くなったしな。体調崩してもしょうがないよ」 唯「ささ!ベッドに入った入った!」 あずにゃん「ちょ、ちょっと、唯先輩!」 【びっくりしましたね…】 898 :名無しさんなんだじぇ:2010/09/29(水) 03 30 11 ID YqlxscTQ ムギ「梓ちゃんに唯ちゃん、あれは平行世界の私たちよ」 唯「へーこーせかい?」 あずにゃん「何ですか、それは?」 ムギ「歴史っていうのはいろんなものの積み重ねで、たくさんの可能性があるの。あれはいわば私たちの別の可能性……別の未来……」 律「……よくわかんねえからなんかで例えてくれよ」 ムギ「そうねえ……唯ちゃんは今私たち軽音部の一員だけど、もし学校で軽音部のビラを見なければ、軽音部に入らずニート生活をして、私たちと出会わなかったって可能性もあるのよ」 律「なるほどな、あたしたちが引き止めてなきゃそんな今もあったってことか」 あずにゃん「確かに現実味がありますね」 唯「……わたしもたまには傷つくよ」 899 :名無しさんなんだじぇ:2010/09/29(水) 04 02 50 ID YqlxscTQ 唯「でもわたしたち何するのかな?」 律「映画ってことはだいたい2時間か…」 あずにゃん「いつもの感じってのは難しいですし…」 ムギ「けいおん自体ゆっくりと話が進む和み系のアニメだからね」 律「しかも原作エピソード消化しきってるよな…」 唯「原作も最終回を向かえました!」 ムギ「…もしかしたら最悪の想定をしなければならないかも」 唯「最悪の想定?」 ムギ「例えばアイ」 あずにゃん「そのネタはダメですっ!」 唯「?」 律「しかし本当に何やるんだろ~な~」 幸村「けいおんの皆様が何か悩んでおりますぞ」 筆頭「アイツらはアイツらでMovieをやるらしいからな。大方その話だろう」 小十郎「しかし彼女たちは我々のようには……」 筆頭「まあなるようにしかならねえさ」 幸村「難しい話でござる…」 【いやあ、どんな内容になるんだろうね?】 900 :名無しさんなんだじぇ:2010/09/29(水) 22 21 16 ID 0CgteRgs ヴァン「ちょっと谷○シメてくる」 C.C.「私も手伝ってやろう」 ビリビリ「角○行ってくる」 とーか「スク○ニあたりに行けばいいのかしら」 黒桐「ちょっと福○と両○のところに…」 玄霧「世の中には諦めたほうがいいこともあると思いますよ」 901 :名無しさんなんだじぇ:2010/09/30(木) 01 54 46 ID k2a6Hqk6 池田「うぅ、羨ましいしぃ~」 美穂子「華菜、他人の事を羨ましがっていてもしょうがないわ。私たちは私たちで頑張りましょう!」 ぴかー 池田「は、はい!(キャプテン、すっごく輝いてるし!あたしも頑張らなくちゃ!)」 マリアンヌ「なんか福路さん、充実してるわね」 C.C.「腰のあたりが特にな」 かじゅ「あぁ、あの表情は満たされてるのだろうな。私もモモ…鶴賀のみんなと一緒に居る時はあんな顔をしていた」 とーか「死後の世界で充実とかわけが分かりませんわ!」
https://w.atwiki.jp/animerowa-3rd/pages/1959.html
70 :名無しさんなんだじぇ:2012/01/01(日) 23 19 43 ID LsrPhknA 利根川「ふむ、すごろくか」 兵藤「懐かしいのう。 釈放も決まった事だし、儂等も参加するかの」 小十郎「俺は遠慮させて貰うか。 畑の世話もあるしな」 政宗「俺は乗ったぜ。 新年に死者スレのTOPを獲るのも悪くねえ」 幸村「某も燃えているでござる!!」 利根川「む、そういえば船井はどうした?」 玄霧「先程から姿が見えませんね」 兵藤「大方また何処かで死んでおるのじゃろうて」 【ZAN-SHU 小十郎と船井以外参加】 71 :名無しさんなんだじぇ:2012/01/01(日) 23 35 35 ID Z9PmyWZw 【食堂】 アーチャー「ふん…それで貴様は問題を先延ばしにして逃げ帰って来た訳か…」 士郎「逃げ帰って来た訳じゃない!」 アーチャー「逃げでなくて何だ?全く…貴様の曖昧な態度がああいった事態を招いていると何故気づかない?」 士郎「………」 アーチャー「今回は被害が船井だけだったからよかったものの…もっと多くの人間に被害が被ったらどうするつもりだ?」 士郎「それは…!」 アーチャー「そんないい加減な気持ちで『正義の味方』だと?笑わせるな」 士郎「…ッ!」 アーチャー「ふん、まあいい…今はここに辿り着いた奴らの為に、ご馳走を用意することに集中するか」 士郎「……あぁ…」 カランカラン 美穂子「こんにちは」 士郎「あれ?福路…?」 アーチャー「何故ここに…?まさかもうすごろくを終わらせたのか…?」 美穂子「いえ、今の私は料理人として来ています。ここで上埜さんや華菜が来るのを待ちます」 アーチャー「……なるほど…」 美穂子「それじゃ、何を作りましょうか?」 士郎「そうだな…」 【ミホミホ、食堂待機】 美穂子「そういえば…食堂の前にあのシスターさんが倒れてましたけど…」 士郎「あ、俺も見た」 アーチャー「放っておけ」 【食堂前】 インデックス「うぅ~…お腹が空いて動けないんだよ~…」グーギュルルルル 【インデックス、空腹で行動不能】 73 :名無しさんなんだじぇ:2012/01/02(月) 00 11 26 ID zUCcdDXM 【主催本部】 イリヤ「…それじゃ私も参加しよっかなー」 リボンズ「おや?珍しいね。君が進んで行事に参加するなんて…」 イリヤ「別にいいじゃない、そういう気分なのよ」 リボンズ「まあ別に構わないけど…本編投下がされるまでには、その体はイリヤに返してやってくれよ」 影イリヤ「……何だ、気付いてたんじゃない」 リボンズ「まあね…面白いから放置してたけど…」 影イリヤ「ならそのまま見過ごしてくれると助かるわ」 リボンズ「僕に不都合がない限りは、君の邪魔はしないよ」 影イリヤ「…行こう、バーサーカー」 バーサーカー「■■■■■■■■――――――」 【影イリヤ、バーサーカー、参加決定】 74 :名無しさんなんだじぇ:2012/01/02(月) 00 34 41 ID LEzq6ikw ~安土城・巨大双六振り出し地点~ 小萌「ではこれで参加者は全員ですね」 影イリヤ「ちょっと待ったー!」 バサカ「■■■■■■ー!」 唯「ば、はさかさんだー」 あずにゃん「あれ、狂化してますよ」 影イリヤ「この戦い私たちも参戦させてもらうわよ!いいわね!」 筆頭「へっ!拒む理由もねえぜ!」 ひたぎ「右に同じよ」 律「ゲームは人が多いほうが楽しいからな!」 玄霧「それではゲームスタートスタートの前にチームを分けましょう。26人個別行動とかスレがいくつあっても足りませんからね」 小萌「では一チーム4人で6チーム作りましょう!あ、イリヤちゃんとバーサーカーちゃんは二人一チームでお願いします」 影イリヤ「了解したわ」 ~カット(友情出演 ワラキアさん)~ 小萌「ではチームができたのでそれぞれ見ていきましょう」 チームA 衣「絶対に勝つぞ!」 とーか「勝利などたやすいですわ!」 ふじのん「ライダーさん、幸運値ってどうなんですか?」 ライダー「…E」 チームB ひたぎ「結局いつもの面子なのね」 C.C.「多くの書き手が慣れているであろう組み合わせだから楽といえば楽なのだろう」 黒子「今日こそ決着をつけますわよ!」 当麻「不幸だ…」 チームC セイバー「クロコには負けません!」 撫子「ひたぎお姉ちゃんには負けない!」 ファサリナ「私たちはのんびりいきましょう」 ユフィ「はい」 チームD 律「勝つぜー!」 ムギ「勝ちましょう」 美琴「アイツ、大丈夫かなあ…?」 小萌「なるようにしかなりませんね」 チームE 唯「ぜったい勝つよー」 あずにゃん「唯先輩は運とかよさげですよね」 かじゅ「それが鍵になるかもな」 プリシラ「いっくよー!」 チームF 会長「ムサ苦しいのう‥」 利根川「ここは我慢かと‥」 玄霧「まあ無理は言えませんからね」 筆頭「面子なんざ関係ねえぜ!」 チームG 影イリヤ「そういえばバーサーカーの幸運値っていくつだっけ?」 バサカ「?」 玄霧「それではチームも出揃ったので」 小萌「新春死者スレ大双六大会スタートです!」 【大双六大会スタート!】 75 :名無しさんなんだじぇ:2012/01/02(月) 00 57 19 ID LEzq6ikw 74 やっべ…素で幸村を忘れてたorz 幸村「せ、拙者はどのちいむに入れば?」 玄霧「では私に代わってチームFに入るといいでしょう」 幸村「いいのでござるか?」 玄霧「はい、私はゲームを円滑に進めるため進行役に回るとしましゅう」 幸村「かたじけないでござる!」 玄霧「いえいえ」 【チームF 玄霧に代わり幸村参戦】 【玄霧 ゲームの進行役に】 76 :名無しさんなんだじぇ:2012/01/02(月) 01 03 02 ID J3Vl.t5s 部長「みんなー新年初打ちするわよー」 美穂子「今起きたんですか…」 部長「…あれ?二人しかいないの?他は?」 池田「みんなすごろく大会に行ったし!」 部長「すごろくぅ?」 部長「…他に打てそうなメンツはいないの?」 美穂子「ちょっと思い当たらないわ」 部長「アーニャとか海原君とか」 美穂子「お二人とも麻雀を打った事がないんじゃないかしら? それに海原さんは妹Fさん?と一緒に行方不明よ?」 部長「妹Fって御坂さんのクローンでしょ?御坂さんって確か14歳よね? 倫理的にどうなの、それ」 美穂子「倫理や道徳は恋愛の前ではあまり意味がないんじゃないかしら?」 部長「いや、表現的に」 美穂子「そもそもクローンに該当する人権や倫理があったかしら…」 部長「外見上子供でも設定が18才だったら大丈夫という時代じゃ既にないのよ?!」 美穂子「なんでそんなに熱心に語ってるの?」 部長「規制について熟知してなければ二期なんて無理だからよ! 永水の副将見た?!乳首見えてるのよ!?」 美穂子「(タメイキ)私はもう食堂に行きますから、好きなだけ面子を探していてください…」 部長「えー、つまんなーい」 池田(…なんでこのスケコマシ、キャプテンが二人で新年を過ごしたいって思ってるのを分からないんだろう…) 77 :名無しさんなんだじぇ:2012/01/02(月) 01 45 03 ID DIYpgrfk 美穂子「あの…」 アーチャー「あぁちょっと手が放せないんだ!自分で役割を見つけてくれ!」 士郎「悪い、福路!」 美穂子「わ、分かりました!」 アーチャー「なんだ、この地獄のような邪気は…」 士郎「ふ…福路…?」 グツグツグツグツグツグツグツグツグツグツグツグツグツグツ グツグツグツグツグツグツグツグツグツグツグツグツグツグツ グツグツグツグツグツグツグツグツグツグツグツグツグツグツ 美穂子「ぅふふ…煮えてる…」 アーチャー「おい、またなんかあったのか?」 士郎「俺が知るかよ!」
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/2264.html
http //hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1360573350/ 久「いや、朝方ね? 校門のところで須賀くんに小包貰っちゃってさ~」 久「なんだろ? って思って教室で開けてみたらなんとチョコ。 そういえばバレンタインデーだったわね、今日」 久「男子からチョコ貰うってなんだか可笑しいけど、意外と美味しいのよコレがっ」 和「わぁっ、綺麗なチョコボンボンですね。 これ、絶対手作りですよ」 久「飾り付けから中身に至るまで、丁寧に作ってるんだって解るわ。 作り手の真心と愛を感じるわねぇ」 咲「真心と…………」 優希「あ、愛…………!」 咲「……部長……」 優希「……それ、1つ貰っても……」 久「ん? ……んー。 別にあげるのは構わないけど、あと一つしか無いのよね、コレ」 優希「咲ちゃん……覚悟してもらうじぇ……!」 咲「悪いけど……本気でいくよ…………!」 久「あれま」 咲「ハァ……ハァ……や、やるね……優希ちゃん……!」 優希「ハァ……ハァ……そ、そっちこそ……」 咲「……東発から役満決められたときは負けるかと思ったよ……!」 優希「よく言うじぇ……東風で稼いだ48000……あっという間に取り替えしといて……!」 咲「………ハハハ……!」 優希「……アハハハ………!!」 「「ハハハハハハハハ!!!!」」 まこ「……なんじゃこの光景……」 久「あら。 遅かったわね、まこ」 和「持ち点50000の半荘一回。 咲さんと優希の二人麻雀です」 まこ「今日日直だったわ。 ……しかし、なんでンなことに」 久「時に女は、どうしても引き下がれない時がある。 ってことかしらね」 まこ「……さっぱりわからん」 咲(次はオーラス……!) 優希(点差は五分……!!) 咲・優希「「負けられない!!!」」 ゴッ! まこ「……あ、そうだ」 まこ「さっきそこで……」ゴソゴソ まこ「京太郎からチョコ貰ったわ」スッ 咲「えっ」 優希「えっ」 久「あら奇遇ね。 私もよ」 まこ「かんわええ装飾じゃのぅ。 食べるのが勿体無いくらいじゃ」 久「ホントねぇ。 でも食べたほうがいいわよ。 すっごく美味しいから」 まこ「ほぉほぉ。 そりゃ楽しみじゃなぁ」 咲・優希「「…………」」 咲(え? どういうこと? 部長一人だけじゃない……の?) 優希(あれ……ということはあのチョコは……タダの……) 咲・優希「「義理?」」 咲「……あ……あはは……あははははっ!」 優希「な、なーんだっ! タダの義理チョコだったんだじぇ! 義理!」 咲「ホントッ! 焦って損したー! 思えば京ちゃんが異性に恋するなんて姿見たこと無いし!」 優希「その通りだじぇ! あー馬鹿らし! チョコ1つで本気出すなんて!」 咲・優希「「あはははははははっ」」 まこ「なんじゃあいつら……今度は笑っちょる……」 久「誰も本命だなんて言ってないのに……。 んっ、美味しっ」 まこ「あっ!ウチの取ったなっ! 自分の分あるじゃろが!」 久「これはうちに帰ってから楽しむ分~♪」 和「……めでたし、なのかしら……」 ガチャ 京太郎「ういーっす」 「「あはははははははっ!!」」 京太郎「え、なにこれ」 和「あ、遅かったですね須賀くん」 京太郎「あ、うん。 ちょっと色々と回ってきてた」 和「……あぁ、なんとなく想像つきました。 お疲れ様です」 京太郎「サンキュ。 んー……本来なら可笑しいかもしれないけど、世話になってるし」ゴソゴソ スッ 京太郎「はい、和。 貰ってくれるか?」 和「……確かに、ちょっと可笑しいですね」 和「でも、はい。 ありがとうございます。 喜んで頂きますねっ」 京太郎「ハハ、そんな大したもんじゃないって」 和「ふふっ」 咲「あっ! 京ちゃんだ!」 優希「ホントだじぇ! 京太郎だ!」 京太郎「おう。 なんだそのテンション」 優希「あはははは!! せっかくのバレンタインデーだってのに、チョコが貰えない京太郎だじぇ!」 咲「あははは!! しょうが無いから自分でチョコ作って周りに義理チョコ振舞ってる京ちゃんだ!」 咲・優希「「あはははははははっ!!」」 京太郎「……どうしたんだ、こいつら」 久「緊張が抜けると誰でも笑っちゃうでしょう? ドッキリとか。 あれと似たようなもんよ」 京太郎「はぁ……。 なんかあったんスか?」 まこ「その当事者じゃよ」 京太郎「えっ?」 和「ふふっ」 久「ああ、須賀くん。 チョコ美味しかったわよ」 京太郎「あ、ホントですか? チョコレートボンボンなんて簡単な奴でしたけど」 まこ「んなぁことないわ。 飾り付けも味付けもとても良くできちょる。 ありがとな」 京太郎「いえいえ。 日頃の礼です」 和「あ、美味しい……。 店で売っててもおかしくない出来ですよコレっ」 京太郎「て、照れるな……」 咲「ふふふふっ。 さすがは京ちゃん、お菓子作りは一級だね!」 優希「あはははっ。 こんなことぐらいでしか活躍の場ないからなっ!」 京太郎「うっせ。 麻雀できなくて悪かったなっ」 咲「まぁまぁ。 そう怒らず怒らずっ」 優希「そうそう。 素直に素直にっ」 スッ 京太郎「……?」 京太郎「なんだよその手は」 咲「またまた~。 そう照れなくていいのに~」 優希「そうだじぇ~。 ここまで来といて恥ずかしがる必要ないじぇ~」 京太郎「……? なに言ってんだお前ら」 優希「……はぁ……」ヤレヤレ 咲「……んもぉ、しょーがないなぁ~」 咲「チョコ。 ちょーだいっ!」スッ 優希「貰ってやるじぇ!」スッ 京太郎「……え?」 咲「……」ニコニコ 優希「……」ニコニコ 京太郎「……何言ってんだ?」 京太郎「お前らにやるチョコなんてないぞ?」 咲・優希「「 」」 咲「 」 優希「 」 京太郎「?」 久「ちょ、ちょっとちょっと!」 まこ「京太郎……お前それはいくらなんでも……」 和「ひ、酷いんじゃないんですか!?」 京太郎「え?」 咲「 」 優希「 」 ジワッ..... 咲「……うっ……うぅ……」ジワジワ 優希「うぅ……うぅぅぅぅぅぅ……」ジワジワ 「「うぇええええええええええええええええん!!!!!!」」 咲「えぐっ……えぐっ……っ」ヒックヒック 優希「あうっ……うぁぁぁ……っ」スンスン まこ「おぉよしよし。 泣くな泣くな」ナデナデ 京太郎「ま、まさかそんなに欲しかったなんて……」 久「……なんであげなかったの?」 京太郎「え? いや、だって……」 和「私にはくれたじゃないですかっ! どうして二人には!」 京太郎「? 最初っから和にあげるつもりも無かったぞ?」 和「……えっ?」 久「? どうして?」 京太郎「いや……だって……」 京太郎「バレンタインデーで同級生にチョコあげるのはオカシイでしょう?」 久「はっ?」 和「えっ?」 ――――― ―――― ――― ―― ― 京太郎「バレンタインデーって世話になってる目上の人にチョコ渡す日じゃないんですか!?」 まこ「違うわ……。 どっからどうしてそうなんじゃ……」 和「……あぁ、だからあの時、可笑しいかもって……」 久「須賀くん。 バレンタインデーってのは、全国の恋する女子が好きな人にチョコを渡す、乙女の日なのよ」 京太郎「え。 えええぇ!?」 京太郎「そんな! 俺、そんなつもりじゃっ!」 久「んまぁ別に。 意識する異性だけじゃなくて、あくまで友人として渡すチョコってことで『義理チョコ』ってのがあるけど」 まこ「ワシはてっきりそれかと思ったがのぅ」 和「まぁ本命にせよ、義理にせよ。 私達だけ貰えて自分だけもらえないってのはちょっと……」 京太郎「あぁ……」チラッ 咲「うぅ……」 優希「……ぐすっ……」 京太郎「……咲……優希……」 咲「……京ちゃぁん……」 優希「京太郎ぉ……」 京太郎「ごめんな……俺、まさかバレンタインデーがそういう日だなんて知らなくて……」 咲「……」 優希「……」 京太郎「和にあげたのは、上げる予定だった先輩が休みでたまたま余ってたもんなんだ」 京太郎「だから、嫌がらせでお前らにチョコを用意しなかったってわけじゃないんだよ……」 咲「うん……わかったよ……」 優希「仕方ないじぇ……うん……仕方ない……」 京太郎「…………はぁ……しょうがねえなぁ……」 京太郎「咲と優希……お前ら、放課後俺んち来いよ」 京太郎「良いもん見せてやっから」 咲・優希「「……えっ?」」 ――須賀宅 京太郎「じゃーんっ」 スッ 優希「わぁぁ……!」 咲「綺麗………!」 和「なるほど。 チョコレートケーキですかっ」 久「これはすごい……随分手の混んでるわねぇ」 まこ「これ、全部一人で?」 京太郎「はいっ。 麻雀部員用、俺特製チョコレートケーキですっ」 京太郎「……本当は明日持ってくる予定だったんですけどね」 咲「きょ、京ちゃん! 食べていい!? 食べていい!?」 京太郎「まぁ待てって。 今切り分けて……」 優希「うまーい!!」 京太郎「おいコラッ!」 和「……最初からコレを持ってくればよかったんじゃ?」 京太郎「ん。 んー……ボンボンのほうが小分けしやすいからなぁ」 京太郎「……それに」 優希「この1万点棒はアタシのもんだじぇー!」ガッ 咲「あーっ!それ、私も食べたかったのにー!」 優希「早いもん勝ちだじぇ~。 はむっ……ん~♪」 咲「うあぁぁ……」 久「あっ、この千点棒チョコ美味しい……」 まこ「……一索チョコ……細かい所まで良く出来とるのぅ……」 京太郎「……ケーキならこうやって皆でワイワイできるしね」 和「……なるほど」フフッ 京太郎「ほら、和。 一応6人分を想定して作ったけど、早く喰わなきゃなくなるぜ」 和「そうですね。 ……私も頂きますっ」 京太郎「あぁ、召し上がれ」 京太郎「おーい、咲。 優希ー」 咲「あ、あに?」モグモグ 優希「んぐっ?」ムグムグ 京太郎「……美味いか?」 咲「んむんむ……。 うんっ! 凄い美味しいよ!」 京太郎「そうか。 そりゃ良かった」ニコッ 優希「ふぉんふぁふぃうふぁいふぉふーふぁふぃふぇふぇ」ムグムグ 京太郎「食うか喋るかどっちかにしろ」 久「……ところで須賀くん。 バレンタインデーが擬似敬老の日だなんて、どこで教わったの?」 京太郎「えっ……いや……そりゃちょっと……」 久「……あら? 言えないの?」 京太郎「……はい。 すいません……これだけはちょっと」 久「……ふぅん?」 京太郎(……言えないよなぁ……『アノ人』から言われたなんて……) ――白糸台高校 麻雀部 菫「……何? コレ」 照「チョコレート」 菫「いや、まぁ……見りゃわかるけど……」 淡「うわぁ! スゴイスゴイ!チョコレートボンボン! テルー! これ、食べていいの!?」 照「自分の名前のだけね」 尭深「……全員分?」 亦野「おお、私のもある……」 菫「誰からこんなに……」 照「……はむっ」 菫「ちょ、ちょっと! そんな勝手に!」 亦野「あ、美味しいなこれ」 尭深「ホント……。 店ものみたい……」 菫「あ、アンタらまで……」 淡「~~~~~~~~!!!!! うーまーいーぞーーーーー!!!!!!!」 菫「おぉい…………」 照「菫も、食べて」 菫「……食べて大丈夫なんだろうなぁ……。 あ、美味しい……」 照「でしょ?」 菫「こんな美味しいの……一体誰から?」 照「……」 亦野「あっ! コラッ、淡! 私の分だってコレは!」 淡「いいじゃないですかくださいよー!!! もーっ!」 尭深「……お茶に合う……」 照「……」 菫「……?」 照「秘密」 菫「……あ、そう……」 照「……はむっ」 照「…………」 照「……美味しい……」 照(……騙す形だけど……毎年この日だけの楽しみ……) 照「……今年も美味しいよ。 京ちゃん……」 菫「?」 淡「テールー!」 照「あげない」 淡「ぶー!!!」 ―――カンッ!