約 1,476,280 件
https://w.atwiki.jp/ani3sisya/pages/918.html
37 :名無しさんなんだじぇ:2010/10/16(土) 23 18 45 ID 0v4MWpIk ビリビリ「っで、私もあんた達どれがどれだかわからないから、一応自己紹介しなさい」 妹達「「「了解しました、お姉さま」」」 R妹「私はR(リボンズ)ミサカです」 妹E「私はミサカEです」 妹F「私はミサカFです」 妹達「「「以後、お見知り置きを、っとミサカは自己紹介を終えます」」」 部長「…見事、御坂さんと海原君の予想が的中しちゃったわね」 美穂子「本当、瓜…四つですね。御坂さん、ちょっと彼女たちの横に並んでくれませんか?」 ビリビリ「人の事を瓜に例えないでください!…こうですか?」 池田「うわっ、マジで四つ子にしか見えないし!」 上条「おーい、ビリビリいるかー、って、4人も!!」 マリアンヌ「あら、ちょうどいいところに来たわね」 C.C.「ここでボウヤに問題だ。本物の御坂美琴はどれだと思う?」 上条「へっ?」 38 :名無しさんなんだじぇ:2010/10/16(土) 23 26 58 ID g/DqsAUo ヴァン「右から二番目だろ」 幸村「いやいや、一番左ではないかと思いまするが」 C.C.「黙れ」 39 :名無しさんなんだじぇ:2010/10/17(日) 00 17 21 ID lHFwsBhE コクトー「あれ? 確かミサカEさんはイノベイド妹では無い筈……」 イリヤ「こんな事もあろうかと、イノベイド妹を一人ミサカEとすり替えておいたのよ」 コクトー「成る程、意図的に此処に送り込んだんですね。 でもどうして?」 イリヤ「いいじゃない、どうせ生きてるか死んでるか分からないんだし。 それに、そっちの「お姉様」を焚き付けるにはうってつけじゃないかしら?」 コクトー「悪趣味ですね……」 41 :名無しさんなんだじぇ:2010/10/17(日) 00 26 15 ID csGuYAV. イリヤ「ちなみに資料の改竄はヴェーダが2秒でやってくれたわ」 コクトー「何故2秒…?」 イリヤ「00世界でいう一瞬って言う意味よ。いわゆるスラングね」 コクトー(また適当な事を…)
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/1253.html
マホ「こんにちわー!連絡があったので大急ぎで来ましたー!」 久「いらっしゃい。もうすぐ終わるから、少し待っててね」 裕子「すいません」 まこ「いいんじゃ、こっちが呼んだんじゃから。お、もう終わるか」 咲「カン!カン!ツモ、嶺上開花!!」 京太郎「おぉぉぉぉ……最後にぶっとんだ……」 優希「さっすが咲ちゃんだじぇ!!」 和「ええ……須賀くんも、上達してますよ?」 京太郎「ふ……今言っても死体蹴りだぜ……」 咲「ご、ごめんね?つい……」 京太郎「つい、で飛んだのかよ……」 優希「さーって、罰ゲームの時間だじぇ!!」 マホ「ええ!?そ、そんなの駄目ですよ!!」 和「マホちゃん」 マホ「賭けとか、そんなの駄目って言ってたじゃないですか!!」 優希「こいつ、自分がトップだったら、のどちゃんのおっぱいを揉む気だったんだじぇ?」 マホ「容赦なくやりましょう!!」 久「後輩の教育がよくできてるわね」 まこ「なんか違うと思うぞ」 優希「でも、罰ゲーム特に決めてないんだなーこれが」 京太郎「財布にくるの以外なんでも来いよ。トップになった咲からなんかないのか?」 咲「うーん、特にないかなー。私もこういうのちょっと苦手」 久「……なら、いいの思い付いたわ」 優希「お、部長なら期待だじぇ!」 まこ「そういう方向の期待はどうかと思うんじゃがな」 久「須賀くん」 京太郎「はい……なんでもどうぞ!」 久「今日1日、椅子になりなさい」 京太郎「……はい?」 京太郎「…………」 マホ「えーっと、いいんですか?」on the 京太郎 久「いいわよー、しっかりねー」 和「部長……これは本気で訳が分からないんですが」 久「平常心を鍛えるためよ。どんな状況であっても、自分の実力を出し切れる。そのための特訓ね」 まこ「本音は?」 久「面白そうじゃない」 裕子「……大丈夫なんですか?」 優希「大丈夫だじぇ……のどちゃんさえ乗らなければ」 京太郎「そんな!?ひっでぇ!!」 咲「京ちゃん……」 和「はぁ……では、マホちゃん。始めますよ?」 マホ「はい……あ。これ、持って打ちますね」 まこ「そりゃKちゃんぬいぐるみ……中学でも流行っとるんか」 和「……まさか私のエトペンみたいに、って理由ですか?」 マホ「な、なんで分かったんですか!?やっぱりすごいです!」 和「……分かりやす過ぎるのが難点ですね」 咲「あはは……じゃ、行くよ?」 優希「後輩だからといって遠慮は無しだじぇ!」 マホ「は、はい!マホ、行きます!!」 マホ「カン!カン!ツモ、嶺上開花!!」 和「こ、これは!?」 優希「じぇー……」 咲「が、合宿の時より……」 マホ「やりましたー!マホ、トップです!!」 まこ「こ、こんなに強かったか?」 裕子「い、いえ。今まで見た中で一番強かったです」 久「……そのまま、もう一回いいかしら?」 マホ「……ツモ!!」ヒュッ、バシッ!! 和「な、なんですかそれ……」 優希「ぶ、部長みたいだじぇー……」 咲「う、うわわわわ……」 マホ「やりましたー!マホ、絶好調です!!」 まこ「おい、何やった」 久「な、何もしてないわよ!?」 京太郎「あのー、そろそろ足痺れてきたんで、椅子やめていいですか?」 久「いいわよ。今、それどころじゃないし」 京太郎「じゃ、降りてくれ」 マホ「むー……不服ですが降ります」 優希「じゃ、もう一度やるじぇ!!リベンジだじぇ!!」 マホ「マホ、今日は負けませんよ!!」 マホ「……飛んじゃいましたー」 和「……なんですかこれ」 優希「そんなオカルト?」 咲「ありえません?」 和「……私、そんな言い方でした?」 久「なんだったのかしら?」 まこ「さあな。さて、そろそろ時間じゃ。今日はここまでにしとくか」 裕子「ありがとうございました。なんか、マホが変なことしたみたいなのに」 マホ「へ、変じゃないですよ!?」 久「いいわよ、良い練習になったし。また来て相手してくれるかしら?」 マホ「は、はい!マホでよければ!!」 数日後 マホ「お邪魔しまーす」 京太郎「...zzz...zzz」 マホ「須賀先輩だけ?ってネト麻つけたままです」 京太郎「...zzz...zzz」 マホ「……ちょっとだけですよー?」 PC「ツモ!!国士無双!!」 マホ「ぜ、絶好調です……」on the 京太郎 京太郎「...zzz...zzz」 マホ「まさか、須賀先輩の上に座ってKちゃんを抱けば……」 和「あら?来てましたか?……なんでまた須賀くんの上に座っているんです?」 マホ「和先輩!!須賀先輩を下さい!!」 和「!?」
https://w.atwiki.jp/ankoss/pages/4260.html
『野良ゆが虐待お兄さんに目をつけられる話3』 9KB 虐待 観察 野良ゆ 子ゆ 虐待人間 続きの続き 野良ゆが虐待お兄さんに目をつけられる話 3 anko4164 「野良ゆが虐待お兄さんに目をつけられる話 1」 anko4209 「野良ゆが虐待お兄さんに目をつけられる話 2」の続きです。 ※割と善良なゆっくりがひどい目に合います。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 朝。本来なら朝日が、生物の目覚めを歓迎する時刻。 しかし空は黒く、土砂降りの雨が地上に降り注いでいた。 建物と建物に阻まれた路地裏にも、例外なく雨水が地表を濡らす。 そう、地上で最も雨を嫌う生物を、まるで迫害するかのように... 「ゆゆ~ん、あめさんはゆっくりできないよ...」 路地裏にたたずむ一つのダンボール箱、 上にはコンビニ袋がたくさん広げておいてあり、 雨水がダンボールを濡らすことを防いでいる。 中にいるのは、親まりさ、親れいむ、子れいみゅ、子まりちゃの四ゆん一家である。 先日、度重なる虐待お兄さんの襲撃を受け、 子まりちゃは、お飾り、髪、まむまむ、あんよを破壊され、 子れいみゅは、あにゃるを破壊され、うんうんを垂れ流す障害を負っていた。 親まりさも、殴打により半死半生をさまよっていたが、現在はほぼ回復している。 しかし抜け落ちた歯は、新しく生えてくることはなく、親まりさの間抜けな顔を演出している。 「おにゃかしゅいちゃよぉ... あまあましゃん、むーちゃむーちゃしちゃいよぉ... ぽんぽんいっぴゃいになりちゃいよぉ...」 空腹を訴え、ゆんゆんとなく子れいみゅ。 長時間、水にふれると溶けてしまうゆっくりでは、 雨の中で狩りと称した残飯漁りに行くことは不可能である。 おまけにお兄さんによって蓄えていた食糧も捨てられたこの一家には、 飢えを凌ぐすべはなかった。 「ゆゆ、ごめんねおちびちゃん。このあめさんがやんだら ごはんさんをとってくるからね」 「やじゃあぁぁぁ!!!やじゃあぁぁぁ!! れいみゅはゆっくちしちゃいよぉぉぉ! どうしちぇれいみゅゆっくちできにゃいにょぉぉぉ! ゆえぇぇぇん!!ゆえぇぇぇん!!」 うんうんのこびりついたあにゃるをもるんもるん振り回し、 涙を流しながら駄々をこねる子れいみゅ。 あにゃるが開ききっているため、ケツを振るたびにうんうんが部屋に飛び散る。 先ほどからこの調子なので、既に一家のおうちはうんうんまみれで、 ただでさえ、湿気で犬小屋のような臭いがするおうちが、さらにひどい匂いと化している。 「ゆっぴぃぃぃぃ!くちゃいぃぃくちゃいんだじぇぇぇ!」 「どぼじでだじぇ....どぼじであんよしゃんうごきゃにゃいんだじぇ.... あんよさんうごくんだじぇ....いじわるしにゃいでうごくんだじぇ!」 子れいみゅがぶりぶり撒き散らしたうんうんが子まりちゃにも降りかかる。 しかしあんよを焼かれた子まりちゃは、おうちの隅に逃げることもできない。 「おちびちゃんはさいっきょうっ!のまりさのこどもなんだぜ! だからおちびちゃんもがまんづよいんだぜ! ゆっくりがまんするんだぜ?」 「やじゃあぁぁぁ!!!やじゃあぁぁぁ!!れいみゅはゆっくちじゃよぉぉぉ! ゆっくちはゆっくちするちゃめぇにうみゃれちゃんじゃよぉぉぉ!」 せめてうんうんでおうちを汚さないよう、子れいみゅをなだめる 親まりさだったが、子れいみゅのわがままはとまらない。 子れいみゅは自分の欲求がかなわない理由がわからない。 ゆっくりはゆっくりするために生まれたはずなのに。 ゆっくりできないのはこの世界が間違っている、と。 「くちゃいんだじぇぇぇ!しゃみゅいんだじぇぇぇ!おにゃかしゅいちゃんだじぇぇぇ! どぼじでまりちゃ、ゆっくちできないんだじぇぇ! どぼじでぇっ!どぼじでぇっ...ゆっぐ....ゆっぐ...」 ピンと尖った誇り高く、気高いおぼーしさん。 闇よりも黒く、それでいて輝いていた黒色のおぼーしさん。 汚れを知らぬ純白のリボンのおぼーしさん。 傷一つない、純円のつばをもったおぼーしさん。 とってもゆっくりしたおぼーしさん。 それを維持するために毎日手入れをしつづけた。 おぼーしさんもそれに答えるかのように、とてもゆっくりしていた。 そのおぼーしさんは、子まりちゃのゆっくりの象徴だった。 おぼーしさんを被れば、子まりちゃの頭をゆっくりと包み込んでくれる。 世界の誰が見ても、褒め称え、ひれ伏すようなかんっぺきっ!なおぼーしさんだった。 今、そのおぼーしはてっぺんだけがわずかばかり残り、申し訳程度に子まりちゃの頭の上に乗っている。 荒地の雑草程度に残った金色の髪の毛を隠すこともできず、それが余計にみじめさを際立たせている。 (どぼじで...どぼじでこんなことに....) ちょっと前まですごくゆっくりしていた一家。 お腹がすいたら、ごはんを食べて「しあわせ~」して、 眠くなったら、みんなで体を合わせ、「す~やす~や」する。 おちびちゃんの、ゆっくりした笑顔はもうどこにもない。 (ゆゆ...このおうちさんは、きたなくてもうだめだよ... それにここにいたら、またあのにんげんさんがおそってくるよ... あめがやんだら、おひっこしするよ...!) 親れいむの決意を歓迎したのだろうか、 雨音は、少しずつ弱まっていった。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 「ゆゆっ!おひっこしするよ!」 「まりさたちは、ゆっくりプレイスをみつけるためにいま、せかいにはばたくんだぜぇ!」 『ゆっ、ゆっ、おー!!』 時刻は昼下がり。雨はすっかり止み、太陽が雲から顔をのぞかせている。 歩けない子まりちゃは、親まりさの帽子の上に乗せられ、 その後ろを、親れいむ、子れいみゅ、ゆーゆーついて行く。 「ゆっ!」「ゆっ!」 ぽよん ぽよん 「ゆっ!」「ゆっ!」 ぽよん ぽよん 「おちびちゃん、みずたまりさんにはきをつけるんだよ!」 『ゆっくちりかいしちゃよ!!(んだじぇ!!)』 「ゆっ!」「ゆっ!」 ぽよん ぽよん 「ゆっ!」「ゆっ!」 ぽよん ぽよん 「ゆふ~ん、たいようさんも、まりさたちをしゅくふくしてるんだぜ!」 「ゆっ!」「ゆっ!」 ぽよん ぽよん 「ゆっ!」「ゆっ!」 ぽよん ぽよん 「ゆふん...おとーしゃん、まりちゃ、おにゃかすいちゃよ!」 親まりさのお帽子の上から、子まりちゃがご飯をねだる。 昨日の晩から一家は何も食べておらず、お腹が空くのも当然だ。 「ゆゆん、もうちょっとでおうちがみつかるから、ちょっとまってね... ゆゆっ!あそこのおうち、すごくゆっくりしてるよぉ~!」 親れいむが見つけた場所、コンクリのブロックがたくさん詰まれており、 ブロックとブロックの間に、ちょうどおうちになりそうなスペースが空いている。 「ゆゆっ!いしづくりのおうちなんてすごいんだぜ! きゅうっでんっ!なんだぜ!まりさのゆっくりパレスなんだぜ!」 「ゆ~ん、すごくゆっくちしたおうちじゃよお!」 「ゆわわわわわ!さいっきょうっ!のようっさいっ!なんだじぇぇぇ!」 感嘆の声をあげながら、一家は新しく見つけたおうちに入る。 ダンボールと違って、どんな衝撃でもびくともしない石の壁。 ブルーシートやコンビニ袋で補強せずとも、雨をはじき返す強固な天井。 ゲスがこようとも、加工所がこようとも、あの忌々しいお兄さんがこようとも、 このおうちに立てこもれば、やつらはこのおうちを破壊できない。 まりさに、れいむに、おちびちゃんに、指一本触れることもできない。 無敵だ。 無敵のおうちなのだ。 思いもよらぬ良物件に、親子ともども大喜びだ。 「みんな、それじゃいくんだぜ!」 『ここをまりさたち(れいむたち)のおうちにするよ!ゆっくりしていってね!』 キリッ! おうち宣言が決まった。もうこの場所は、まりさたち、れいむたちのものだ。 何人たりともこのおうちに許可なく入ることは許されない。 「ゆふふふ!これであのおにいさんがおってきても、 れいむたちにゆびいっぽんっ!ふれられないね!」 「まりさたちはかったんだぜっ! にんげんさんに、ちえとゆうきをつかって、かったんだぜ!」 すばらしいおうちを前に、自尊心を回復させる一家。 もう誰にも邪魔されず、「むーしゃむーしゃ」して、「すーやすーや」して、「すーりすーり」して、 「ぽーかぽーか」して、「こーろこーろ」して、「しあわせー」できる。 このおうちはまりさたち・れいむたちのゆん生を、そしてゆっくりを支え続ける堅牢なおうちとなったのだ。 ヒョイっ おうち宣言の余韻をかみしめる一家だが、そこに何かが投げ込まれた。 『ゆっ!?』 バチバチバチバチバチバチバチバチバチバチバチバチ バチバチバチバチバチバチバチバチバチバチバチバチ 『ゆぎゃあぁぁぁぁっぁぁぁっぁぁぁ!!!!!!』 赤と青、色とりどりの物体が、すさまじい轟音と 煙を出しながら、破片をまきちらしながら、おうちを蹂躙する。 そう「爆竹」である。 「ゆっぴぃぃぃぃ!!!うるしゃいんだじぇえぇぇぇ!!!!!」 尋常でない量の爆竹から発する音が、 全身が鼓膜のような存在のまりさたちをビリビリ振動させる。 「いたいぃぃぃ!!!おもにぜんしんがいたいぃぃぃ!!!」 あちこちに跳ね回る爆竹から飛び散る破片が、 まりさたちの、れいむたちの体を、生死に関わらない範囲で傷つけていく。 「れいみゅのぉぉぉ!れいみゅのおかざりがぁぁぁ!! あちゅいよぉぉぉ!おかざりがぁぁ!」 爆竹から吹き出る火の粉が、ゆっくりのやわらかい表皮を、 そしてお飾りを焼く。 「ゴホっゴホっ!くるしいっっ!くるしいん...だぜ...!」 そしてあふれ出る煙が、ブロックとブロックで閉ざされたせまいおうちを 一瞬で支配する。それはたった数秒の間でゆっくりの呼吸を奪った。 命からがら、一家はおうちの外に出る。爆竹は 相変わらずおうちの中を暴れまわり、灰色の煙で中の様子を覆い隠す。 バチバチ...ガジ...ガジャっ! 爆竹の勢いに負け、積み上げられた不安定なブロックが崩れ始める。 ゆっくり一家が住む予定だった、広々としたスペースは 落ちてきたコンクリートのブロックによって埋まっていく。 ガラララ....ガジャ....ガジャ.... 親まりさ、親れいむ、子まりちゃ、子れいみゅ。 一家はおうちが崩壊していく様子を、呆然と眺めるしかなかった。 「どぼじで....どぼじで....まりちゃのおうちが.... ちょっちぇもゆっくちしちゃおうちが....」 「れいみゅのおっ...れいみゅのりぼんしゃんっっっ! ゆっくちもどっちぇねぇっ......ぺーろぺーろ.....ぺーろぺーろ...」 「ゆぐっ...ゆぐっ....ゆぐっ....ゆぐっ....」 「だれなんだぜえぇぇぇ!まりささまのおうちにてをだすおろかものはだれなんだぜぇぇぇ! ふけいっざいっ!でばっするんだぜぇぇ!!でてこぉいっっっ!!!」 爆竹の音も止み、煙が晴れた。 一家のゆっくりパレス(笑)は崩れ果てており、 ただの山積みのコンクリートブロックと化している。 ゆっくりたちのもちもちの表皮、そのあちこちにできた黒いやけどの痕が ジクジクとした痛みをゆっくり達に与える。 お飾りはあちこちに穴が空いている。特に子れいみゅのおリボンの欠損は激しく、 子れいみゅはおリボンをしきりにぺーろぺーろしているが、もちろん回復の見込みはない。 親れいむは、犯ゆんを探そうとあたりを見渡すが、犯人であろう人間はとっくにいない。 一家の心の中とは反対に、空は雲ひとつなく晴れていた。 続く。
https://w.atwiki.jp/ankoss/pages/1463.html
・とあるゆっくりたちの冬の出来事をたらたらたらたらと書いてます ・すっきりするような虐待とかはありません 冬を越す為に バケツあき 季節は冬。 ここは、人里からかなり離れた森のなか。 冬だと言うのに青々とした常緑樹が生い茂っている。 緑葉が蓋になった森は朝から薄暗く、そして太陽を取り込まないためとてつもなく寒い。 ここらに住むゆっくり達は越冬の準備を終わらせ、家の入り口を閉じてから結構な日数が過ぎた頃だ。 そんな寒さの厳しい中で、未だに巣に篭ることもせず外を走り回るゆっくりが存在した。 そのゆっくりは、れいむ種。番である夫のまりさを不慮の事故で失ったシングルマザーで有った。 既に寒さで食べられる植物や昆虫はみな全滅したのか、どこを覗いても見当たらない。 れいむは朝から餌を探しているわけだが、まだ見付けることが出来ていなかった。 ただ走り回り、収穫など無く、時間だけが無駄に過ぎていった。 日光が真上から指す昼間ならまだ明るさもあって探しやすいのだが、 時が過ぎ太陽が頂点からそれた瞬間から一気に暗く視界が悪くなる。 ちらちらと視界に入る硬い草葉は用意に見つかるのだが、自分はまだしも子供達が食べられるとは思えない。 それでも、租借して限界までやわらかくすれば大丈夫かもしれないと、れいむは今になって考えを改めた。 「むーしゃむーしゃ、げろまず~」 まず食べてみる。日の光もあまり無い冬空の下でも濃い青みを持つ草葉は、味がとても苦い。 れいむですら吐きそうになるのに、苦味に弱い子供達にはとても食べさせられないレベルである。 食べきった後も舌がしびれた感じがする。やはり持ち帰るのは無駄か・・・。 でも、最終的に何でも口にしなければ生きていけないこともある。 あるだけでも良い、れいむは草葉をかき集めた。 たとえ本当に食べられないことになったとしても、れいむは別にかまわない。 防寒や防腐のために使えることを夫のまりさから聞いており、どんなものでも使えると信じていたのだ。 持てるだけの草葉を持ち、自分の巣へ帰ろうと振り返ったれいむの体を突き刺す感じが襲った。 「ひゃうぅぅぅぅっっっ!!!」 思わず声が出てしまう。 れいむが見上げるとキラリと光るそれは、白い妖精のような存在。雪であった。 まだ降り始めだからか、たまに空から落ちてくるぐらいで、本格的に降っているとまでは言い難い。 だが、れいむの体に吸い付くように落ちてくるため、突き刺すような感覚をその度に受けた。 体が硬直し、体の中の餡子を直接つかまれた様な苦しさに襲われる。 風の寒さとはまた異質の冷たさ。死に神が微笑むような死の招きがそこにあった。 「ゆきさん、ゆっくりふらないで、ゆっくりとまってね!」 今は野生のゆっくりとして走りまわるれいむも、去年まで飼いゆっくりであった。 飼いゆっくりとして冬は2度体験し、雪自体も何度か見たことがあった上に、口に含んだこともある。 だが、飼いゆっくりとして人間さんと一緒にいる以上、体に雪が振りかかる様なことなど皆無であった。 白くてふわふわでちべたい食べ物なんて、雪に対しての思い出はこの状況では流石に捨てるしかなかった。 れいむの体に雪が当たるたびに全ての行動が強制的にストップさせられる。 冬、ゆっくりがみな越冬として冬眠を行うが、ここまで冷たさに弱いのなら至極当然だと感じる。 れいむもなぜ冬を抜けるのが大変なのかを、ここにきてやっと身を持って知ることが出来た。 そもそも、外に出てはいけなかったのだ。自分の無知さ加減を恨むしかなかった。 「がくがくぶるぶる・・・!! おうちさん、ゆっくりしないでれいむのところにはやくきてね!」 ありえないボヤキを呟きながら一歩一歩しっかりと歩みだけは進めた。 だが、寒さはどんどん悪化し、さらに雪により動けない恐怖もある。 巣までの体感距離はどんどんどんどん広がっていった。 れいむはなるべく雪が当たらない木陰を縫って進んでいく。 木々を縫う事で遠回りしたことと、雪により足踏みしたことで、周りはどんどん暗みを帯びていった。 「うーーー! うーーーー!!」 れいむがなんとか巣の辺りまで戻ってくることが出来たが、そこには信じられないお客が待っていた。 「れ、れみりゃだーーーーーー!!」 れいむの口から、情景を見たまんまの言葉が発せられる。 思わず口を閉じ、身を潜める。 声に反応したのか、れみりゃが辺りの様子を伺っている。 「うーー? なにか声がしたどー? あまあまさんがちかいしょうこなんだどー!」 れみりゃはゆっくりを食い尽くす捕食種と呼ばれるゆっくりだ。 れいむたちより身辺的に優れており、鉢合わせしてれいむたちが助かる見込みはまずない。 寒さに、雪に、そしてれみりゃ。最悪の組み合わせだった。 そのれみりゃがまさに巣の入り口の前に下り、うろついている。 巣の入り口にはけっかいっを張っているから子供達は大丈夫のはずだが。 だが、今堂々と巣の中に入ることは、到底無茶な行為だとれいむは判断した。 「がるるーーーがるるーーー さむいんだどーーーさむすぎてとべないんだどーーー なんだどー、白いのが痛いんだどーーーー でも、このちかくにぜったいいるはずなんだどー あまあまさんをみつけてはやくかえるんだどーーー」 れみりゃの顔つきは思ったよりも間が抜けた顔をしてはいるのだが、その目だけは鋭く光っていた。 捕食種特有の死の気配にれいむはブルッと震える。 出て行けばすぐ殺されそうな感覚に体の震えが止まらない。 「(ガク・・・ガク・・・ブル・・・ブル・・・)」 ゆっくりは行動を行うときに口から擬音のように発生を行ったりするのだが、 寒さも増しており、そこへ恐怖が入り混じったことで、声すらもろくに出ていなかった。 れいむは思考が止まりかけた。もう、限界かも・・・。まぶたが閉じていく。 ふと人間達さんが雪山で「寝たら死ぬぞ」と言っていた言葉を思い出した。 人間さんも寒さには弱いらしい。飼われていたときに人間さんの子供からそう教わった。 人間さんの家の部屋の中では寒いと感じることはなかったのだが れいむが寝ようとすると子供から「寝たら死ぬぞ」と連発され睡眠を阻害されたものだ。 今はれいむの眠気を阻害して欲しい。むしろ、人間さんの家で眠りたいと思っていた。 そうだ、れいむはその人間さんに捨てられていたんだ。 でも、冬が終わって春になったらもう一度人間さんと会えるんだ!約束したんだもの! もしかしたら、またれいむを飼ってもらえるかも知れないんだ!! 愛するまりさとの間に出来たかわいい子供たちも一緒に飼って貰おう!!そうしよう!! きっと人間さんが子供たちをみたらかわいくてかわいくて飼うしかないと思う!! だから今れいむが死んだらそれもかなわない。寝たら駄目だ!! いつぞやの誓いを思い出し、それを起きる力に変え、れいむは再度目を覚ました。 ぽこっ・・・ぽこっぽこっ! 「あたた・・・ ゆっくりしてないなにかが、うえからおちてきたよ」 れいむが本当にまどろみの世界から起きることが出来た原因はそれだった。 れいむの足元に3つ転がるそれは、頭の上に落ちてきた松ぼっくりだった。 れいむはちょっと表情が明るくなった。 なんてラッキーなんだ。松ぼっくりの中にある実は少し甘い。 急遽あまあまさんを持って帰ったとしたら、おちびちゃんたちは喜んでくれるだろう。 さっそく松ぼっくりを全部拾い、れいむの頭髪の隙間に入れ込む。 れいむはまず上空をじっと見つめ、雪の様子をうかがう。 「よし、ゆきさんもゆっくりとまっているよ! このすきにれいむはおちびちゃんがまつおうちさんにもどるよ!」 巣の入り口はすぐそこに見えた。なんだ、近くまで来ていた。 次、雪が降り出す前に早くおうちに入らないと! 「うー? だれなんだどー?」 駆け出したれいむは、れみりゃの顔を間近で見て引きつった。 周りの寒さに負けないぐらい心は冷え込み体は凍りついた。 忘れていた、すっかり忘れていた。れみりゃのことが記憶からぽっかりなくなっていた。 死ぬ。ここで死ぬ。 ああ、れいむは駄目なゆっくりでした。まりさ、れいむももうすぐそっちにいくよ。 「やっとっっっっ! あまあまさんをみつけたんだどーーー!!!」 「うわああああああああああああああああ!!!」 れみりゃは跳ねながられいむに向かってきた。 このれみりゃは飛ばない?? いや飛べない?? れいむは飛ばれて襲われて一巻の終わりの三拍子をイメージしていただけに れみりゃの予想外の行動に呆気にとられた。 だが、れみりゃの動きは子供達の動きよりも、夫のまりさの自慢の跳躍よりも早い。 あっけに取られているのもあって、れいむにはれみりゃの体当たりをまともに受けてしまった。 「ぐぎぃぃぃぃぃぃぃ」 「みつけたんだどー! みつけたんだどーーー!! おじょーさまがいただくんだどーー!!」 「いたいいいいいいい! やめっっっっでぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」 れみりゃはれいむにしつこく体当たりをかます。 体格的にれみりゃはれいむより少し大きいため、上からのしかかれば一気に殺すことは出来るだろう。 だが、れみりゃは相手を痛めつけることでゆっくりのおいしさが増すことを知っている。 そして痛めつけることにより相手は絶望していくこともおいしさを更に増すスパイスであることを知っていた。 「すぐにはころさないんだどー! おじょーさまをさんざんまたせるなんてゆるさないんだど!」 「ゆぐっ・・・・!!」 どこからこんな力がでるのか、同じゆっくりであるはずなのに! まったく何もできないれいむはただやられるだけの置物のようになっていた。 「そろそろたべたいんだどー いっきにすっちゃうんだどーー!」 死ぬ。おうちは目の前なのに! れいむは転がりながら、巣の入り口にはったけっかいっが破られてないのを確認した。 それだけでれいむは安堵し、死を覚悟した。 「もしおかあさんがすこしでものこっていたら おちびちゃんたちはおかあさんをたべてね」 「いただきますなんだどーーー!!」 れみりゃの噛み付きを避ける方法はなかったし、避ける気力もなかった。 ガチィ!! れいむの頭に噛み付いたれみりゃは硬直した。 先ほど拾った松ぼっくりがはじけ飛ぶ。 「あがががががが・・・・!! はがあぁぁぁ!はがあぁぁぁぁぁ!! おじょうだまのぎれいばはがあぁぁぁぁあ!!!」 れみりゃがれいむの持っていた硬い松ぼっくりにかじりついてしまったようだ。 れみりゃの歯が砕けたのか口をパクパクさせ苦しんでいた。 「まつぼっくりさん、ありがとうだよ!!」 チャンスが来た。そうれいむは思うがこれからどうすればいいのやら。 元飼いゆっくりであるれいむはペットショップにて他人(主に飼い主)に牙を向けないよう 見事な飼育プログラムにより攻撃的な性格にならないよう洗脳されている。 体当たりをして追い返すなどの選択肢は初めかられいむには考え付かなかった。 ただし、そう考えられたとしても体力的に無理だったかもしれない。 このまままっすぐ逃げることは出来ても、れみりゃの目の前で巣穴に入り込むわけには行かない。 れみりゃが元気になったとたん巣が襲われることは避けられないだろう。 だからと言って、この先どうすれば・・・。 れいむはれみりゃが襲ってきたときの言葉を思い出して、ひとつの案が生まれた。 「わかったよ! れみりゃはごはんさんがほしいんだよ!! おなかがまんぷくーになればれみりゃもおうちにかえってくれるよ!! そうしたられいむをおそわないし、おちびちゃんもおそわれないよ!!」 れいむは手持ちにあったありったけの草葉をれみりゃの口に詰めた。 「もがもがだどーーー」 れみりゃがなにか言っているが問答無用。 れいむは体当たりによるダメージがあったが、今は休むときじゃないと体に鞭を振るう。 割れた松ぼっくりの破片も、手近にあった石ころや落ち葉も残らずぶちいれた。 「にぎぇぇぇぇぇんだどぉぉぉぉぉ! だにをいれだんだどぉぉぉぉぉぉ!!!!」 「おねがいだよ! たくさんたくさんたべてね!! れいむがごはんさんあげるから、れいむたちはたべないでね!!」 「いだいいいいんだどおおおお!!! なにががざざっだんだどおおおお!!」 れみりゃの口に突っ込んだものは実際に食べられるかどうかもわからないものばかり。 硬く鋭い針葉樹の葉や、これまた鋭く尖った折れた木の枝がれみりゃの口の中で刺さっている。 詰め込むだけ詰め込んだところでれみりゃは苦味や苦痛により痙攣するだけになり反応が薄れていった。 「ゆ゛っゆ゛っゆ゛っゆ゛っゆ゛っゆ゛っ・・・・・」 れいむは慌てて死んだかどうかを確認する。 れみりゃは目玉がひっくり返っていたが、口はもぐもぐ動いている様だ。大丈夫、死んでない。 たとえれいむを襲った捕食種とは言え、平和的に解決した今は殺してしまってはかわいそうだ。 「じゃぁ、れみりゃまたね!! ゆっくりむーしゃむーしゃして、ゆっくりかえってね!!」 「ゆ゛っぐぐ・・・・・ざ・・・ぐ・・・や・・・・・・」 こうして、れみりゃをその場に置いたままれいむは巣に戻ることが出来た。 れみりゃと戦っている間は寒い気持ちも吹っ飛んではいたのだが 巣に戻って安心したとたんに気が緩んで寒さを感じるようになった。 れみりゃから受けた体当たりによるダメージも一気にれいむを襲う。 「がくがくぶるぶる、みんなただいまだよ・・・」 「おかーちゃん!! しゃむかったんだじぇ!!!」 「れみりゃがちかくにいるだよぉぉぉぉおおお!」 「おかーしゃん! こわいよおおおぉぉぉぉぉ!!!!」 「れみりゃはもう・・・ごないよ・・・ おちび・・・、あんじんじ・・・で・・・」 そう言うとれいむは冷え切った体に耐えられず気絶をしてしまった。 「おかーちゃん!!」「おかーしゃん!!」「ちんじゃらめーー!!」 子供達は母親を何度も何度も揺すっても起こそうとした。 冷えた体を一生懸命すーりすーりしたり、擦り傷にぺーろぺーろと繰り返した。 だが、いくらやっても起きない母親の傍らで何時しか子供達は疲れきって眠ってしまった。 次の日、れいむは昼ごろ目が覚めた。 体は動くようだ。昼になり周りの温度と一緒にれいむの体温も戻ったようだ。 すると、子供達が上機嫌でれいむに接してきた。 「おかーちゃんがおきたんだじぇ!!」 「おかーしゃん! もうごはんさんはとらなくていいよ!!」 「まりちゃちゃちがおおものをしとめたんだよ!!」 「ゆ?? おおもの??」 「れーみゅたちのきゃりはすごいんだよー」 「まりさもびっくりしたんだじぇー れいむおかーちゃんにもまりさのゆーしをみせたかったんだじぇー」 「まりちゃはみんなでちきゃらをあわせたんだよ!!」 なんか、みんなの笑顔がゆっくりし過ぎてれいむは涙が出てきた。 ご飯さんは取れなかったけど、家族に囲まれて、みんなでゆっくりしていて、れいむしあわせーだなー。 れいむは頭を上げたときにお飾りに丁度収まっていた松の実がごろりと転がり落ちた。 「これは・・・ あのねみんな! あまあまなまつのみさんがあるんだよ。 ごはんさんは、これぽっちしかないのだけど、みんなでたべようね!」 「あまあまさんだーーー!!」 「やったじぇー! むーしゃむーしゃしたいんだじぇー!!」 「おかーちゃんはきがきくんだじぇ! そのあまあまはめいんでぃっちゅのあとにたべるんだじぇ!!」 「めいんでぃっしゅ??」 「おかーしゃん! こっちをみて!!」 れいむはそれを見て口がぽかーんと開いてしまった。 「れ・・・れみりゃ・・・!!?」 れいむがけっかいっを貼らなかったのもあり、入り口から外が丸見えだった。 その巣の入り口そばに永遠にゆっくりしたれみりゃが転がっている。 おそらく、昨日の夜に口の中へ色々と詰め込んだれみりゃであろう。 「ばかでおねぼうさんなれみりゃなんだじぇ あささんになったのに、いつまでもねているんだじぇ!」 「おうちさんのまえでねてるところを、れーみゅたちがやっつけたんだよ!」 「まりしゃのしゅーぱーぷくぅぅぅでいちげきだっちゃよ!!」 別に子供達はれみりゃに対し、特別何かをしたわけではなかった。 れいむにより行動不能にさせられたれみりゃはその後も雪の降る外気にさらされ一晩。 半冷凍状態のままその場から動くことも出来ず、永遠にゆっくりすることになった。 巣の中と外、れいむとれみりゃは少しばかりの気温の差が生死を分けたといえる。 また、れいむの子供達の看病もそれなりに効果があったのかも知れない。 れいむはれみりゃを見て両方のもみあげをあわせて目を閉じた。 「なむなむ・・・ れみりゃ・・・ありがとう・・・」 心配そうに母親を見る子供達。 れいむは目を開けると満面な笑顔で子供達に話しかけた。 「じゃあ、みんなたべちゃおうか!!」 「「「わーーーーい!!たべりゅーーーー!!!」」」 れいむは積もった雪に飛び込み一瞬死ぬかと思ったが、目の前の食料の魅力が体を動かした。 れみりゃを巣の中に運び込み、ちぎっては子供達の前に並べる。 並べられた食料は冷たくはあるが、十分食べられる範囲だ。 一番声が大きい姉まりさがいただきますの合図を取る。 「すーぱーむーしゃむーしゃたいむなんだじぇ!!」 「「ゆっくちむーちゃむーちゃするよ!!」」 「「「「むーしゃむーしゃ し・あ・わ・せーーー!!」」」」 れいむ親子たちはれみりゃを半分近く食べ、残りは保存することにした。 越冬の大半は睡眠に費やされる。 ゆっくりの睡眠の質は寝る直前の満足度が一番重要だ。 寝る前に大量に食事を取ることはとてもゆっくりできることで、長時間の睡眠にも繋がる。 そのため、れみりゃという大量に食べられる食料を手に入れたこの家族は幸運であった。 このれいむたち親子はこのまま冬を越すことが出来るであろう。 その日の夜、寝る直前までれいむたちはおしゃべりをして過ごした。 子供達は初めて見る雪にはしゃいだことや、れみりゃをどう倒したかを一生懸命母親に語った。 日を遡って楽しかった出来事を語ったり、苦しかったことを共有した。 その後は互いにすーりすーりと体をこすりあったり、体や髪の毛をぺーろぺーろと整えていった。 いつも以上に触れ合うのも、れいむも子供達も今夜の眠りが暫しの別れだと本能的にわかっていたからだ。 「おちびちゃんたち、はるになったらおそとでいっぱいあそぼうね」 「「「はーーい!」」」 「あとね、ふふふ・・・ すごい良いことがまっているかも」 「なになに?おかーしゃん?」 「はるまでたのしみにまっててね! それじゃ、みんなではるまですーやすーやするよ!」 「「「おやちゅみなさい!!」」」 「「「「すーやすーや・・・」」」」 そうして、れいむたち親子の遅い越冬が始まるのであった。 おわり 挿絵:バケツあき
https://w.atwiki.jp/wakan-momomikan/pages/3728.html
橙色の飛物│和(磐州)│火部│ http //www10.plala.or.jp/cotton-candy/momomi2/maki-3561.htm
https://w.atwiki.jp/64thblue/pages/167.html
高校5組。団長:大高 組責:布施
https://w.atwiki.jp/kyo-saki/pages/40.html
331 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2009/11/07(土) 02 20 27 ID vLdsnQuB 優希「キョータロー!早くするんだじぇ!遅れちゃうじょ!」 京太郎「お、おい、そんな走るなって!危ないだろ!」 優「ふっふっふー、優しいのね、ア・ナ・タ!」 京「ったく…。 今更だけど、お前に本当に「アナタ」なんて呼ばれることになるなんてな… 昔の俺に聞かせたらどんな顔するか見てみたいぜ」 優「ぶー、そんなこと言われると傷つくんだじょ! でも、あの時のキョータロー、ホントのどちゃんの事好きだったからねー 見てるこっちが結構、恥ずかしかったんだじぇ?」 京「やめてくれよ、もう昔のことなんだし。 まぁ和も俺の事なんて全然、眼中にすらなかったって感じだったからなぁ…」 優「…もしもあの時、のどちゃんもキョータローの事が好きだったら?」 京「もしも…か。 そんなもしもなんて 今の俺には要らないけどな。 だって、今の俺にはお前と…お前の中にいる子どもが一番だしな。 つーかお前、転けたりなんかしたら大変だろ。 ほら、手、繋ごうぜ」 優「…うん!」 優「キョータロー」 京「ん?」 優「大好きだじぇ!」 京「俺もだじぇ!なーんてな、アハハ」 優「キョータローキョータロー!」 京「なんだよ?」 優「どうせなら赤ちゃんは二人は欲しいじぇ! 家族四人でタコス食べながら麻雀するのがアタシの夢なんだじょ!」 京「いきなり何言い出すんだよ …ま、悪くないかもな…」 優「だじぇ!」 咲「…やな夢…見ちゃったな…」
https://w.atwiki.jp/futabayukkuriss/pages/1231.html
バトル・プレイス 26KB 悲劇 理不尽 自業自得 自滅 家族崩壊 夫婦喧嘩 同族殺し 共食い 野良ゆ 赤子・子供 現代 人間なし うんしー ぺにまむ 五作目 「バトル・プレイス」 ・独自設定と独自設定のゆっくりが出てきます ・自滅ものです ・大量のゆっくりが出てきます ・駄文注意 「ゆ!ゆ!くささんゆっくりぬけてね!」 一匹のまりさが街の空き地で必死に草を口で抜いていた。 足が長く硬い草の間に生えているヒョロヒョロの草を引き抜いては帽子に詰め込んでいる。 当然そんな草は少なく、バスケットボールサイズのまりさの帽子の中の半分にも満たない少なさだ。 「むしさん!ゆっくりまってね!ゆ!ゆ!」 今度はこの時期に珍しい昆虫を舌を伸ばして捕まえようとする。 だがまりさの猛追も空しく草むらの中へと逃げ込んでしまった。 「ゆう…ぜんぜんたりないよ…」 冬も目前に迫ろうとしているこの季節。街のゆっくりは半分以上が既に越冬に入っている。 残った「あぶれゆっくり」は数少ない餌場をめぐって壮絶な争奪戦を繰り広げており、まりさが間に入ることなど不可能であった。 当然、食糧集めは空き地やあまり手入れされていない公園に生えた雑草や虫等が主となる。 秋の内ならまだしも冬にもなるとゆっくりが食べられる柔らかい草はあまり生えなくなる。 虫なんてもちろんいない。それでも固い草でも我慢すれば食べられるし餡子の足しにはなる。 なぜまりさは柔らかい草を選ぶのか? 「しかたないよ…きょうはここまでにしてもうおうちにかえるよ…」 日はすでに傾きかけていた。ただでさえここら一帯はれいぱーありすの周回ルートで危険なのに、夜にもなればれみりゃやふらん等の捕食種が跋扈するだろう。 つまりタイムリミットである。まりさはスカスカの帽子をかぶってトボトボと跳ねていくのだった… 「れいむ…ゆっくりかえったよ…」 「ゆ!まりさ!ゆっくりおかえり!」 「ゆっきゅりおきゃえり!」 「まりしゃおなきゃしゅいたんだじぇ!」 路地裏のビールケースを改造した「おうち」にまりさは番いのれいむと住んでいた。 まりさは帽子を舌で取ってバサバサと草を落とす。あまり多いものではない。 奥の方にはボロボロのタオルを巻いて作った「ベッド」の上に三匹の赤ゆっくりがすーやすーやと眠っていた。 ソフトボールサイズの子れいむと子まりさ、そしてピンポン玉サイズの赤れいむが二匹、赤まりさが一匹と大所帯だ。 これが食糧の貯め込みが難航する理由である。 子ゆっくり程なら多少のものは食べても問題はない。だが生まれたての赤ゆっくりは別だ。 餡子変換能力が弱い赤ゆっくりは柔らかいものしか食べられない。どの程度の基準かというと頭に生えた蔓をさらに親ゆっくりが咀嚼して柔らかくしたぐらいでないとダメだと言われている。 固い物を食べさせてしまうと餡子を吐き出したり、うんうんが止まらなくなったりする。 なのでまりさは柔らかい草しか集めなかったのだ。 「おちびちゃんゆっくりおきてね!ごはんさんがあるよ!」 れいむがそう言うと赤ゆっくり達が目を覚ました。 れいむが柔らかい草をむ~しゃむ~しゃと咀嚼して目の前に吐き出す。一斉にそれに群がる赤ゆっくり達 「む~ちゃむ~ちゃ…それにゃりー…」 「かちゃいんだじぇぇ…!もっちょおいちいのがたべちゃいんだじぇぇぇ!」 「ゆげぇ!きょんなまじゅいのちゃべりゃれにゃいよおおおおお!!」 反応はあまりいいものではない。だがこれでも用意できる最上のものだ。 れいむはぷくーっと膨れるとこう赤ゆっくり達に怒鳴りつける 「わがままいわないでね!たべないとれいむおこるよ!」 「まりしゃもちゃべちゃいんだじぇええええええ!!」 「いもうちょばっきゃりじゅるいよおおおお!!」 子ゆっくり二匹が声を上げる。優先的に赤ゆっくりに回しているためもう丸半日何も食べていない。食べたと言えば越冬用食糧を切り崩したほんの少しだけ。これでは到底満足するはずがなかった。 「ゆっくりがまんしてね!おちびちゃんたちのほうがそだちざかりなんだからね!」 まりさがなだめ様にも「あまあまが食べたい」「クッキーが食べたい」等と喚いて全くなだめられていない。 マズくはあるが赤ゆっくり達は物をたくさん食べられる。 散々文句をつけて食べた後はれいむに勝手な要望を申し立てる。 「もっちょおいしいにょちゃべちゃいよ!あまあましゃんをもっちぇきちぇね!」 「きょんなんじゃゆっきゅりできにゃいんだじぇ!」 「ゆ!ちゅっきりー!」 一匹の赤れいむに至っては勝手にふんぞり返ってうんうんをかましている。当然子ゆっくり達は不満があるようだ。 「ゆぎぃぃいい!まぢぢゃのぶんもだべでおいでがっでなごどいうんじゃないじぇえええ!!」 「しょうぢゃよ!おいしくにゃいにゃられいみゅたちにちょうだいね!」 「ゆっくりおこらないでね!れいむもとめてね!」 「みんないいかげんにしてね!なかよくしないとれいむおこるよ!」 れいむが膨れてようやくおさまったが。このままでは信頼が崩壊してしまう一歩手前だ。だがまりさにはどうすることもできなかった。 「ゆう…このままじゃごはんさんがたりないよ…」 「なにいってるの?ごはんさんはためてるじゃない!」 「さんびきのおちびちゃんはそだてられないかもしれないよ…」 「そんなわけないよ!おちびちゃんたちがもうちょっとおおきくなったらみんなでかりにいけるよ!そうすればもっとあつまるよ!」 数が多ければいいという問題ではないとまりさは思う 楽観的なれいむに対してまりさは現実的だ。そもそも子ゆっくり二匹と自分たち二匹、計上4匹の食料分を貯めていたと言うのにこの土壇場での赤ゆっくりが増えるというアクシデント。 「かぞくがふえればゆっくりできるよ!」とれいむは言うがその重荷は全てまりさがおうと言う事を分かっていない。 そもそも4匹が総出で秋の初めから集めてようやく越冬出来るだけの数を集められたのだ。食料だって保存がきくものばかりで赤ゆっくり様の柔らかい物などある筈もない。 このままでは仲良く共倒れだ…まりさの頭にふと一つの可能性がよぎった。 「…ちいさいおちびちゃんはそだてられないかもしれないよ」 「どぼじでぞんなごどいうのおおおおおお!?」 「だってたりないものはたりないよ!れいむだっておちびちゃんのせわでかりにいけないしまりさやおおきいおちびちゃんだけだったらごはんさんなんてあつめられないよ!」 「だっだらごはんさんをずぐなぐずればいいでじょおおおおおお!?」 「これいじょうきりつめられないよ!それにいまあつめてるのだってちいさいおちびちゃんようのごはんさんだよ!いまのじきそれだけしぼってあつめるだけでもすごいくろうなんだよ!?ゆっくりりかいしてね!」 「ゆぐぐ・・・わかったよ!れいむもかりにいくよ!とにかくちいさいおちびちゃんもおおきいおちびちゃんもれいむがそだてるよ!まりさももっとがんばってごはんさんをあつめてね!」 「ゆうう…れいむ…」 このれいむは決して「ゲス」ではない。れいむ種は特に母性が強いと言われている。子ゆっくりが出来た際はそちらの方に集中するため番いを軽んじてみる傾向があるのだ。 もちろんそれが行き過ぎれば「しんぐるまざー宣言」になってしまう。結局のところまりさの負担が増える一方であった。 そもそもれいむだってちゃんと一緒に狩りに行っていた。数が多ければゆっくりできると押し切ってすっきりを強行したのはれいむだ。もちろんそれを許したまりさにも責はあるが… 険悪なムードで小麦粉の皮を寄せ合ってすーやすーやと眠りに入る。 まりさは考えていた、狩りが出来なくなった分のれいむの食料は越冬用に貯めていたものを切り崩していたからそれも集めなければならないと。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 次の日、今にも雨が降りそうなどんよりとした曇り空を見上げながらまりさが呟いた。 「ゆゆ・・・あめさんがふりそうだよ・・・」 「だいじょうぶだよ!これぐらいならそんなにちょいあめさんはふらないよ!」 れいむが横でキンキンと大声でわめきたてる。声が大きいので目をつぶっていた子ゆっくり達も目を覚ましてしまっていた。 起こす手間が省けたのはいい事だが、このれいむはいつも声がうるさい。何とかならないのかと常々まりさは思っていた。 れいむは子ゆっくり達の方に視線を向けると 「おちびちゃんたち!きょうはみんなでかりにいくよ!ゆっくりついていってね!」 といった。 比較的大きい子ゆっくり達は乗り気の様だ。一日半も外に出られずまともな物も食べられなかったので、意気込みを見せて食糧集めに気合いを入れている。 小さい子ゆっくり達は目をキラキラと輝かせながら口々に外について話し合っていた。これまでは薄汚いダンボールの中でいたのだ。外の世界は話でしか聞いた事がないので何かしら期待を持っているのだろう。 「ゆ!じゃあいくよ!おかあさんについてきてね!」 「「ゆっきゅりー!」」 れいむが声を上げてボヨンボヨン跳ねる。 それについていくように子れいむと子まりさ。そして三匹の赤ゆっくりが連なる様についていく。 まりさはその後ろをゆっくりと移動しながら草の生えた空地へと向かっていった。 「ゆ!ゆ!あんよがいちゃいよ!」 「いちゃいんだじぇぇ…!」 「あんよしゃんがひりひりしゅるよ!」 五分もしない内に赤ゆっくりが口々に痛みを訴える。 本来、街ゆっくりの子ゆっくりというのはテニスボール大になるまでおうちの中で育てるのが普通と言われている。 それはアスファルトという固い地面に小麦粉の皮が薄い赤ゆっくりが長時間跳ねるのが難しいからである。 休み休み動いてはあっという間に夜になってしまうし、それにれいぱーありすやゲスゆっくりの襲撃にも迅速に対応できなくなると言う事ではっきりいってデメリットしかない。 そもそもピンポン玉程度しかない赤ゆっくりを外に出すという時点であり得ないことなのだ。 まりさが赤ゆっくり達を見てこう言った。 「おちびちゃんたち!まりさのおぼうしさんのなかにはいってね!」 帽子を取り払い、舌を伸ばして赤ゆっくりを一匹一匹丁重に砂糖細工の髪の上に載せる。フワフワとした感触に赤ゆっくり達もご機嫌の様だ 「ゆゆーん♪ちょっちぇもゆっきゅりできりゅよ!」 「おとーしゃんのおぼうしさんのなかあっちゃかいんだじぇ!」 「ゆ!でもそとさんがみられないよ!」 帽子を再び被りながらまりさは赤れいむに声をかける。 「しかたないよ!あめさんもふりそうだからゆっくりがまんしてね!」 「なにしてるの!ゆっくりついてきてね!」 当のれいむの方はそれを何とも思わずゲキを飛ばしながら飛び跳ねている。空地は近いと言えどもこんな配慮のない言動に少し苛立ちをまりさは覚えた。 怒っても仕方がないので黙ってついて行く。 さらに五分も進めば草の生えた空き地が見えてくる。昨日まりさが草を集めていた所だ。 狩り…と言ってもこの時期に生えている草は固い草ばかりで、その間に生えている柔らかい草花を手分けして探さなければならない。 「れいむはおおきいおちびちゃんたちといっしょにこっちをさがすよ!まりさはむこうをさがしてね!」 「…ゆっくりわかったよ」 まりさはそれを聞いてゲンナリとした。れいむや子ゆっくり達が向かう先には明らかに下生えの草しか生えていない場所である。そんな所に虫も草もあるわけがない。 一方まりさに割り当てられた所はジャングルと見まごうばかりの足の長い草が生えている場所だ。いちいちかきわけなければならないし、それにここら辺はすでに探して殆どの草を抜きとっている。 「ゆ…おちびちゃんたち!しっかりつかまっててね!いまからごはんさんをさがすね!」 まりさは念を押して帽子の中の赤ゆっくり達に告げた。赤ゆっくり達も「ゆっきゅりわかっちゃよ(んだじぇ)!」と言った後に砂糖細工の髪の毛を咥えたようだ。少し引っ張られたような感覚を感じる。 まりさはガサガサと草の生えた場所をかき分けいく。 草や花を帽子の中に入れたら口の中に赤ゆっくり達を入れなければ…とそんな事を考えながら草をかき分け柔らかそうな草を見つけては舌でブチブチと抜いていく。 当然だが草は一日で生えるものではない。どれだけ探しても少ししか見つからなかった。 それでも探すが対して集まらず、あっという間に二時間ほど時間がたってしまった。 「れいむ!どれぐらいごはんさんがみつかっ…た…」 まりさが口をあんぐりと開けて驚いた。そこにはれいむが体を傾けてあにゃるから特大のうんうんをぶちかましていたからだ。 「ゆ!ゆ!すっきりー!」 実に清々しい表情で不要になった餡子がブリブリとひり出される。これで草や花を大量に積んであるなら許せたものを目の前には自身がしたであろう巨大なうんうんだけ、草も虫も全くないのだ。 「ゆ!すっきりしたよ!れいむはつかれたからやすむよ!おちびちゃんたちはゆっくりごはんさんをさがしてきてね!」 「ゆゆ!ゆっきゅりわかっちゃよ!」 「もっちょくしゃさんをさがしゅんだじぇ!」 事もあろうに自分はうんうんだけを垂れた挙句に子ゆっくり二匹に食料探しを命じて自分は休むという暴挙を成し遂げたのである。 子れいむも子まりさも堅い葉で小麦粉の皮を薄く切ったのか切れ目が付いており、草を踏んで潰した時の汁が付いて汚くなっている。 なのにれいむだけは綺麗なままだ。十中八九適当に飛び回っていただけで狩りらしい狩りをしていなかったと簡単に推測できる。 「ゆうう・・・!もうおこったよ!」 まりさは激怒した。こんな態度に出られればどんな温厚なゆっくりでも憤怒の念を禁じえない。 声を上げてれいむに抗議しようとした瞬間に、ガサガサと音がして子れいむと子まりさがすごい勢いで飛び出してきた。 「あ、あ、ありぢゅぢゃあああああああああああ!!」 「ゆっきゅりにげりゅんだじぇええええええええ!!」 その言葉を聞いてまりさは目を見開いた。その直後に後ろから二匹ほどのありすが寒天の目を血走らせ、砂糖水の涎を吐き散らしながらゆっくりとは思えない速度で飛び跳ねている。 「んほおおおおおおおおおおおおお!!いっぱいゆっくりがいるわああああああああ!!」 「ありすのとかいはなあいをうけとってえええええええええ!!すっきりすっきりいいいいいい!!」 「ゆ!おちびちゃん!ゆっくりにげてね!ゆぎゃ!?」 まりさがしんがりを務めるためにわざと子れいむ二匹を先に行かせるために立ち止まる。自分が囮になろうとしているのだ。 だが何か凄まじい勢いでぶっとばされた。まりさはゴロゴロと一回転半転がって帽子が投げだされる。幸い舌で何とかキャッチしたのですぐに被ることが出来た。 まりさはぶつかった物が何なのか後方を振り返るとすぐに確認する事が出来た。 「ゆんやああああああああああ!!かわいいれいむをたすけてね!ゆ!ゆ!あでぃずはゆっくりどっかいってねええええええ!!」 そこには凄まじい形相で子ゆっくり二匹を追い抜きはるか後方へ一目散に跳ねて逃げていくれいむの姿があった。 「まっちぇえええええ!!おきゃあしゃああああああん!!れいみゅをおいちぇいきゃにゃいぢぇね!」 「ゆううううう!!は、はやくにげりゅんだじぇえええええ!!」 子ゆっくり二匹は泣き叫びながら必死にれいむについていく。まりさの方も足の長い草むらに紛れて逃げようと準備を整えた。 その時赤ゆっくりがいない事に気づく。ギョロギョロと寒天の目を動かすと、まりさの手前30cm程の所に三匹が投げ出されていた。 「ゆんやああああああ!!いちゃいんだじぇええええええ!!まりしゃのきゃわいいきょあぎゃああああ!!」 「ゆびぇえええん!きょわいよおおおおおおお!!」 「ゆ”…!ゆ”…!」 口を大きく開けて砂糖水の涙を流して泣き叫ぶ赤れいむと赤まりさ、もう一方の赤れいむの方は石コロに当たったのか底部が裂けて餡子が漏れ出していた。 「ゆ!おちびちゃん・・・!」 まりさはすぐに助けようとするが、一瞬思い悩んだ。いちいち口の中に入れるのも時間がかかるし、後ろから来るありすはすぐそこまで来ている。もうこれ以上は待てない。 だが手間がかかるとはいえ自分の可愛い子ゆっくりだ。どうすればいいのだろうか… そんな考えを遮る様に後ろから醜悪に顔をゆがめたありすがそこまで来ていた。 舌をブルンブルンと振り回しぺにぺにを上下にガックンガックンと上げながら襲い掛かってくるありすを見た途端に、まりさは何も考えられなくなった。 「ゆ…!ゆ…!ゆっくりこないでねえええええええええ!!」 まりさは逃げ出した。それはもう凄まじい速さで。 死に物狂いで飛び跳ねるその後ろから赤ゆっくり達の声が聞こえたような気がする。 「こんなところにかわいいれいむやまりさがいるわああああああああ!!」 「んほおおおおおおおお!!すっきりいいいいいいいい!」 「ゆんやあああああああ!!おとおしゃあああああああん!!かわいいれいみゅをたしゅけちぇねえええええええ!!」 「きょわいよおおおおおお!!おいちぇかにゃいでほしいんだじぇえええええええええ!!」 まりさは逃げた。振り返らず猛然と 結果的にこのまりさ一家は赤れいむ達を身代りにして逃げおおせたという結果になったのだった――― ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 「ゆ!ゆ・・・!れいむのかわいいおちびちゃんたちがぁぁ…!」 さめざめとれいむが寒天の両目から涙を流して泣いている。 自分が真っ先に見捨てて逃げ出した事を悪い事とすら認識していないようだ。いや、正確にいえば都合の悪い事は忘れて、都合よく記憶を変えていると言ってもいい 恐らくれいむの頭の中では「自分がちょっと目を離したすきに赤ゆっくりと逸れた」といった思考が展開されているのだろう。 まりさは恐怖でガタガタと震える子れいむと子まりさをすーりすーりして落ち着かせる。 既に泣く気力もなくなっていた。れいむがまりさを弾き飛ばしたおかげで赤ゆっくりごと数少ない食料を豪快にぶちまかしたので結局骨折り損というわけだ。 今頃あの草はありすのカスタードクリームにでもなってしまっているのだろう。 「ゆ”…!しかたないよ…いなくなったおちびちゃんのぶんまでゆっくりするよ…」 自分が何か悲劇の主人公にでもなったつもりだろうか。全くゲンナリだ。 少なくともまりさはそう考えていた。いや、あの状況で少しでも見捨てるという選択肢を考えて、なし崩し的にとはいえそれを選んだ自分が一番ゲスなのかもしれない。 そう考えているまりさをおいて、れいむはすぐに眉をキリッとさせるとまりさ達に向かってこう話しだした。 「とにかくあそこはありすがいっぱいいるからゆっくりできないよ!ごはんさんがいっぱいあるばしょにまりさはれいむたちをあんないしてね!そこでてわけしてかりをするよ!」 自分がかじを取ろうとでも考えているのだろうか?それにしては人(饅頭)任せ過ぎる。 まりさは暗い表情でれいむにポツリポツリと話す。 「ゆ…でももうごはんさんがあるところなんてゆっくりできないゆっくりがいっぱいいるえさばぐらいしかないよ…」 「じゃあそこにいくよ!まだあかるいからきっとそろーりといけばばれないよ!ゆっくりみつからないようにいこうね!おちびちゃんたち!ゆっくりついてきてね!」 まりさは信じられないというような感情を覚えた。本気で言っているのだろうか? 確かに朝から昼の人目に付きやすい時間帯はあぶれゆっくりたちはいない。いないといってもそれは少ないと言うだけであってキッチリいるのだ。 見つかればどうなるかわかった物ではない。少なくとも帰れないだろう。どんな所か分からないのは言って帰ってきたゆっくりがいないからだ。 そもそもれいむは声がでかい。「そろーりといけば」なんて能天気な事を言っているが全然忍べない事は火を見るより明らかだ。 それに子ゆっくり二匹も同行なんてリスクが高すぎる。れいむは「みんなでいけばかりのこうりつがよくなるよ!」とたびたび言っているが。当のれいむも知らない内に体のいい身代わりとして使っている結果になっている事に気が付いていないのだ。 それでもゲスでないと思うのは、自分が悪い事をしたと全く感じていない事だからだろうか?とにかく餡子脳がオメデタすぎてまりさは乾いた笑いが出そうになる程に感情がマヒしていた。 (れいむはいつもこうだ…まわりのめいわくもかんがえずにいっつもかってにみんなをこまらせる…れいむはゆっくりできてもまりさやおちびちゃんはゆっくりできないよ…) そう考えても自分がれいむの元を離れるわけにはいかない。自分が離れればれいむはたちどころに潰されてしまうだろう。自分が守らなければ…と混乱が続いている頭でもそれだけはしっかりと考えていた。 だからなのかもしれない、赤ゆっくりもいなくなった今、「おうち」に戻って越冬用食糧を使えば冬を越せると言う事にまで頭が回らなかったのは… 結局まりさはれいむの提案を呑んだ。危険な餌場に足を踏み入れる事となった。 だがまあ、成功する公算は高いと考えていた。夜や夕方ならあぶれゆっくりが大量にいるので近づく事もかなわないが、昼間の内なら大丈夫「かもしれない」 とにかく元気よく跳ねるれいむの後ろを跳ねて着いていっていた。 「ゆ・・・おきゃあしゃんまりしゃおなかしゅいちゃんだじぇ…」 「れいみゅももうぺきょぺきょぢゃよ…」 子ゆっくり二匹が空腹を訴えていた。当たり前だ。もう既に一日半は何も食べてないのだから それでもれいむはプクーッと膨れてこう言った。 「ゆ!うるさいよ!みつかったらゆっくりできないんだからだまっててね!ごはんさんはもうすぐあるよ!それまでがまんしないとれいむおこるよ!」 「ゆ・・・ごめんなしゃい…」 「ゆっきゅりしずかにしゅりゅんだじぇ…」 れいむが怒ったため萎縮して謝り出す子ゆっくり達、餌場はもうすぐそこまで来ていた。 路地裏の広い袋小路、そこまであと1m、前に進むか後ろに戻るしかできない立地が否応なしにまりさ一家を緊張へと導いていた。 「そろーりそろーり!おちびちゃんたち!ゆっくりしずかにうごいてね!」 「「そろーり…そろーり…」」 「そろーり…れ、れいむぅ…こえがおおきいよ…」 大きな声でれいむが叫ぶ為にまりさがなだめる。だがもう遅かった。 既に他のゆっくりに取り囲まれて退路まで経たれている。その事にまだまりさ一家は気づいていない。 突如れいむの横に丸い影が近づいたかと思うと、れいむが突然大きな声を上げ出した。 「ゆ!?ゆぎゃあああああああああ!!!!????」 「で、でいぶううううううう!?どぼじだのおおおおおおおお!?」 子ゆっくりたちが異変に気づいてまりさの周りに集まる。 まりさはその異変の正体に気づいた。 あの丸い影の正体は…「ちぇん」だ。ちぇんがれいむの右側面に口を大きく開けて噛みついている。 「ゆがあああああああ!!ゆっぐりばなじでね!ゆ”!ばなぜええええええええ!!」 れいむが寒天の目を血走らせてあらん限りの力でブンブンと体をふって引きはがそうとする。だがちぇんはビクともしない。 ちぇんの方も何かおかしかった。「ふーっ!ふーっ!あまあまなんだねぇぇぇええええ!!わがるよおおおおおお!!」と叫びながら砂糖細工の歯をれいむのモチモチとした小麦粉の皮に突き立てている。 寒天の目は焦点が定まらずぐりんぐりんと回っており、息も荒い。明らかに普通ではない。 「ゆ!?」 まりさは辺りを見回す。れいむの大声に気づいたのかそこにはまりさ一家を取り囲むようにグルリと様々なゆっくりがいた。 どれもこれも風態がおかしい。飾りのない物や、半分禿げているもの、様々な「ゆっくりできない」ゆっくりが大量に取り囲んでいた。 一つ共通する事はどれもこれもあのちぇんの様な様子だと追う事だけだ。 「ゆぎぃいいいいいいいいい!?」 まりさが警戒して周りを見ている頃、れいむの方は凄まじい事になっていた。 今度はリボンめがけてリボンのないれいむが後ろ上部に噛みついたのだ。凄まじい力でミチミチと小麦粉の皮が千切れていく。 あっという間にブチブチと音がしてれいむの自慢のリボンは砂糖細工の髪の毛が音引きちぎられた。 「ゆっぎゃあああああああああ!?でいぶのおりぼんざんがあああああああ!?」 カッパハゲになってしまったれいむ、だが気にしている時ではない。まだちぇんが噛みついているのだ。それを何とか引きはがそうと必死に体を動かすが、ちぇんはガブガブと噛みついて全く離れる様子がない。 リボンのない「あぶれれいむ」の方は舌でリボンを持ち上げながら 「りぼんざんがあればゆっぐりでぎるよおおおおおおおおお!!」と雄たけびを上げている。 だがそれも長く続かない。他のリボンがないあぶれゆっくりのれいむ種が二体、一斉にあぶれれいむに群がったのだ。 「ゆぎゃ!ゆぎぃいいいいいい!!」 「りぼんんんんんんんんんんん!!」 「あばあばざんはゆっぐりでぎるよおおおおおおお!!ゆぎゃばばばばばああああああ!!」 あぶれれいむも反撃するが、あっという間に小麦粉の皮を三分の一以上食いちぎられ、「ゆ”!ゆ”!」と痙攣を起こしている。長くはないだろう。 れいむに噛みついているちぇんにもあぶれゆっくりの洗礼は続いた。帽子のないまりさがちぇんの帽子ごと真上の部分に噛みついて、バリッと食いちぎる。 「ごのあばあばはまどめでまでぃざがいだだぐんだぜええええええええ!!」 「ぢぇええええええん!!ゆぎぃっ!ゆがっ…!がっ…!?」 あぶれまりさがグッチャグッチャとちぇんのチョコレートをむさぼる様に食べ始める。ちぇんは寒天の目をグリンと上に向けて力なく口を離した。 「ゆ”!ゆ”!いだいよぉぉおおお・・・でいぶのりぼんざんがあああ…ゆ”っぎぃ!?」 「がふっ!がふっ!じあわぜえええええええええええええええ!!」 やっと一息ついたのもつかの間、れいむはまた別のあぶれありすに噛みつかれたのだ。今度はちぇんの様に噛みついているだけではない。体をふって先ほどちぇんが噛みついていたところに噛みつき、一気に小麦粉の皮を食い破る。 「あ”あ”あ”あ”あ”!?いだいいいいいいい!!」 れいむが顔をゆがめて叫ぶ。右側面は大きく裂けて餡子がボトボトと落ちている。それをあぶれありすは口を地面につけてグチャグチャと貪っていた。 「む~ちゃむ~ちゃ!ちあわぜえええええええええええ!!」 「ゆ”!やべでね!でいぶのあんござんだべないでね!」 「む~ちゃむ~ちゃ…ぢあわぶぢぇ!?ゆがっ…ぎ…ぎいいいいいいいいいいいいいいいい!?」 「ぢ~んぼおおおおおおお!!がっでにみょんのあんござんをだべるなんでとんだげずだねぇぇぇぇええええ!!」 あぶれありすの真上に木の枝が深々と突き刺さった。そのままあぶれみょんが舌でグリグリとかき回しながらありすを放り投げる。 「ゆ”んやああああああああ!?ゆっぐりやべでねええええええ!!がわいいれいぶをゆぎいいいいいい!!」 止めとばかりにあぶれぱちゅりーがれいむの上にのしかかって餡子をひり出す。餡子が一気に流れ出たれいむはそのまま寒天の目をグリンと上に向けて「ゆ”!ゆ”!」痙攣を始める。 そのあぶれぱちゅりーにも一斉に他のあぶれゆっくりが襲い掛かり、ゆっくりのダンゴが出来上がった。ウネウネと動いてそれらが離れた頃には、れいむは小麦粉の皮のキレのこしてそのまま他のゆっくりの餡子になってしまっていた。 まりさは周りの状況を見渡しながら恐怖のあまりうんうんとしーしーを垂れ流してその場に張り付いた様に動けなくなっていた。 それがいけなかった。まりさに突然砂糖細工の後ろ髪を引っ張られた様な感触が襲った。ブチブチと音を立てて痛みが走る。 「ゆがああああああああ!?いだいいいいいいいいい!!」 見れば、砂糖細工の産毛を数本のこした何種か分からない禿げ饅頭が髪の毛をペタペタと舌で張り付けていた。 「までぃざのがみいいいいいいい!!ぎゃみいいいいいいい!!ゆっぐり!ゆっぐりいいいいいいいいい!!」 どうやらまりさ種の様だ。だが空恐ろしい何かにしか映らない。 他のあぶれゆっくりがまりさの小麦粉の体と言う体にのしかかり、そして噛みつく。 「ゆぎゅううううううう…!おぼいいいいいいい!!ゆぎぃっ!ゆごおおおおおお!?いだいいいいいい!!ぼうやだああああああああ!!おうぢがえるうううううう!!」 まりさがの視線の先には子れいむと子まりさがいた。 「む~しゃむ~しゃがふっごふっ!」 「うべっ!ごれべっぢゃうべぇええええええ!!」 「やべぢぇねえええええ!!いぢゃいいいいいいい!!れいみゅをちゃべにゃいぢぇねええええええ!!ゆ!…!…!!」 「ゆんやああああああ!!ゆっきゅりちゃべりゅんじゃないじぇええええええ!!ゆ!ゆ!あ”あ”あ”あ”!…!…!……!!」 二匹のあぶれまりさがソフトボール大の子れいむと子まりさを丸のみにしようとしていた。 子れいむも子まりさも抵抗してあぶれゆっくりの口から小麦粉の体を乗り出してグネグネと動くが。暖簾に腕押し、どんどん口の中に引っ張りこまれていく。 遂にはゴボン!と口の中に入れられてしまった。二匹のあぶれまりさはむ~しゃむ~しゃと咀嚼する。 「ゆげぇっぷ」とゲップをかますと口からリボンのキレと帽子のキレを残して完全にいなくなってしまっていた。 「までぃざのおぢびぢゃんがああああああああああああああああ!!」 まりさが穴と言う穴から砂糖水の涙や涎を流して泣き叫ぶ。しかしこんな状況ではまりさも子ゆっくり達と同じようになるのは時間の問題だった。 まりさが痛みでのた打ち回っている時、突然目の前が真っ暗になった。襲ってくるのは凄まじい激痛。 「ゆばあああああ!?までぃざのおべべがあああああああああ!?」 3匹のあぶれぱちゅりーが口にくわえた木の枝でまりさを突き刺したのだ。内二本は寒天の両目にジャストミートしてまりさを苦しめる。 「むぎゅううううううう!!ごうずればあばぐなるわあああああああ!!」 「「むぎゅばばばあああああああ!!ばぢぇだぢのずのうのじょうりよおおおおおおおお!!!」」 まりさがゴロゴロと転がりまわってなんとか脱出を試みる。だが深く刺さった木の枝はまりさの餡子をかきまわすだけであった。 まりさに一斉にあぶれゆっくりが群がって行く。 ブチブチと言う音が聞こえる。グチャグチャと何かを咀嚼する音が聞こえる。 「いだいいだいいいいいいい!!ゆっぐりだべないでゆびぃっ!ゆ”!ぎぃっ!ゆがあああ…!!……!………!!」 あぶれゆっくり達は止まらない。餡子を食べて、小麦粉の皮をくいちぎる。 「…!…!!」 まりさ一家がいなくなった後も、一堂に会したあぶれゆっくりたちは戦う。最早餌場という目的でなく「ゆっくり」という饅頭を食べるために。 …一時間後、そこに残っているのはゆっくりの飾りや餡子やクリームのカス、小麦粉の皮のキレだけであった。 一匹のボロボロのれいむがそこに唯一いた。 「ゆへへへぇぇぇ~!ゆっぐりおながいっばいになっだよぉぉ~!」 片方の寒天の目はなく、もう片方もあり得ない方向にギョロギョロと動かしている。 底部の方からは餡子が流れ出ていた。かなりの深手の様だ。 「ゆ~♪ゆゆ~♪ゆ~っくり~していって~ね~♪」 そう歌いながらガクっと項垂れてそのまま動かなくなる。 あと数十分もすればまた離れていた別のあぶれゆっくりがここに集まるだろう。 ここに行きついたゆっくりに待っているのは。統率できるゆっくりがあらわれてその傘下に入るか、他のゆっくりのうんうんになるかだけであった。 冬の餌場。ゆっくりにとってはオアシスになるはずの場所がとんでもない戦場へと変貌するのである。 今日もあぶれたゆっくり達は互いの餡子をかけて鎬を削っている。 ゆっくりプレイスとは程遠い場所、しいて形容するならば「バトル・プレイス」で――― 過去作品 ふたば系ゆっくりいじめ 504 かりすま☆ふぁいたー ふたば系ゆっくりいじめ 516 サバイバル・ウィンター ふたば系ゆっくりいじめ 527 シティ・リベンジャーズ ふたば系ゆっくりいじめ 582 ビルディング・フォレスト トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る まりさはこんな母性(笑)しかない悪質な妻さっさと見限りゃよかったのに。 -- 2012-01-31 22 41 58 この妻れいむはゲスではないかもしれんが、知能が低く器が小さい小物だな -- 2011-05-29 13 38 25 ゲスでもバカでもどの道同レベルの迷惑だから変わりは無いな -- 2010-11-10 15 52 19 いやこの親れいむはゲスだろ。まりさもとっとと見捨てればいい物を… -- 2010-10-17 21 47 53 ゲスというかただのおばかさんなんだね~ -- 2010-08-12 06 46 56 この親れいむはゲスじゃないって言ってるけどゲスにしかみえない -- 2010-07-18 13 51 37
https://w.atwiki.jp/kyo3nen/pages/92.html
「学校ではちゃんとやっているのか?」 和「成績は落ちてないはずです」 「それならいいが……麻雀はまだ続けてるのだったな」 和「はい」 「前にも言ったと思うが、遊びは程ほどにするように」 和「……はい」 「麻雀は運に左右される不毛なゲーム……東京の進学校を蹴ってまですることではないと思うがな」 和「友達が、できたんです」 「その友達が将来何の役に立つ」 和「そういう問題じゃ……!」 「遊びを許すのは夏までだ」 和「お父様!」 「和、いいな?」 和「……はい」ギリッ 和「……」ボー 優希「咲ちゃん、のどちゃんが箸持ったままフリーズしてるじぇ」 咲「どうしたのかな? なんかボーッとしてるけど」 優希「ふむふむ……つまりはのどっぱいが揉み放題ってことだな?」 咲「違うと思うよ?」 優希「そういうのは無防備なお弁当を頂いてから考えるじぇ」 咲「だ、ダメだよっ」アセアセ 優希「でもあのタコさんウィンナーは非常に魅力的だじょ?」 咲「原村さーん、もしもーし!」ブンブン 和「あれ……どうかしましたか?」 優希「それはこっちのセリフだじぇ」 咲「ボーッとしてるみたいだから」 和「そうですか?」 優希「そうだじぇ」 咲「そうだよ」 和「……そうですか」 咲「あの、悩み事なら聞くけど……」オズオズ 優希「そうだじぇ、私たち友達だからなっ」グイッ 咲「わっ」 和「ゆーき、宮永さん……」 優希「さあさあ、洗いざらい喋るんだじぇ」 和「それは……」 『その友達が将来何の役に立つ』 和「……やっぱり、なんでもありません」 優希「なんでもないって顔じゃないじぇ」 咲「原村さん……」 和「ごめんなさい。もう、教室に戻ります」 優希「のどちゃん……」 咲「うん……心配だね」 優希「お弁当残すんだったらもらっとけばよかったじぇ、タコさんウィンナー」 咲「そこっ!?」 優希「ということなんだじぇ」 京太郎「またなんか悩んでるってのか?」 優希「うむ、悩み多き年頃なんだな」 京太郎「お前はまた無縁そうだな、そういうのとは」 優希「私だって毎日どのタコスを食べるかで悩んでるんだじぇ」 京太郎「うん、実に平和だ」プニプニ 優希「なぜほっぺたをつつくのか?」 京太郎「柔らかそうだったから、ついな」 優希「また私の魅力に惑わされた男が一人……罪作りな女だじぇ」 京太郎「まぁ、たしかにお前は黙ってりゃ可愛い部類だな」 優希「んひゅっ」 京太郎「ん、どした?」 優希「さ、さすが不意打ちに定評があるだけのことはあるじぇ」 京太郎「はいはい、じゃあそろそろ部活行くぞ」 京太郎「悩み事か……全中王者も大変だな」 京太郎「しかし、今回は打ってる分には影響なさそうなんだよな」 京太郎「ってことは前とは別のパターンか?」 京太郎「……人間関係とか」 京太郎「友人関係、もしくは男女関係とか」 久「あとは親子関係とか」 京太郎「うおっ、なんだいたのか」 久「あんたが入ったことに気づかなかったの」 京太郎「まあ、たしかに考え込んでたけどさ」 久「また原村さん?」 京太郎「部活前に片岡に相談されてな」 久「お悩み相談室かしらね?」 京太郎「勘弁してくれ……でも、ほっとくわけにはいかないか」 久「そうそう、あんたはそうやって色んなことに首突っ込んで女の子の知り合い増やしてくのよね」ハァ 京太郎「仲良くなるのは悪いことじゃないだろ」 久「程度の問題よ」 京太郎「なんだ、嫉妬?」 久「気に入らないのはたしかよね」 京太郎「うんうん、モテる男はつらい」 久「叩くよ?」 京太郎「ぼ、暴力反対」 久「はぁ……この後Roof-Top寄るんだけど、あんたも来る?」 京太郎「いや、ちょっと家庭訪問行ってくるわ」 優希「目標補足! 咲ちゃん、行くじぇ」 咲「い、いいのかな、こんなことして」 優希「のどちゃんが口を割らない以上他に方法はないっ」 咲「えぇ」 優希「お、目標の家から誰か出てきたじぇ」 咲「あれってお父さん、なのかな」 優希「あの厳つい顔に渋い声……きっと強キャラだじぇ」 咲「強キャラって……」 京太郎「お、いたいた」 咲「先輩!?」ビクッ 京太郎「お前らも家庭訪問か?」 優希「うんにゃ、ストーキング中だじぇ」 咲「普通にストーキングって言っちゃった!」 京太郎「まぁ、するよな。心配だしな」ウンウン 優希「先輩はわかってくれると思ってたじぇ」 咲「えぇ……」 和『――っ!』 『――』 京太郎「言い合いしてるな……」 優希「のどちゃんがヒートアップしてるじぇ」 咲「なんて言ってるのかはよく聞こえないけど」 和「――もういいですっ」 「和、待ちなさい!」 優希「……走っていっちゃったじぇ」 咲「原村さん、泣いてた」 京太郎「やっぱり家族間のトラブルか……」 咲「家族……」 優希「追うじぇっ」ダッ 咲「私は……」 京太郎「お前も行ってやれ。友達なんだろ?」 咲「……先輩は?」 京太郎「俺はこっち。向こうからしたら全然ガキだけど、一応年長者だからな」 咲「お願いします……家族がわかりあえないなんて悲しいですから」ペコッ 京太郎「咲……おう、任しとけ」 和「どうして、なんでわかってくれないんですか……」 和「私は、もっと麻雀がしたい……みんなと一緒にいたいだけなのに」 和「また友達と離れ離れになるなんて……!」 優希「のどちゃん……」 和「ゆーき……どうして」 優希「そんなこと、私が許さないんだじぇ」 和「……聞いてたんですね」 優希「戻るじぇ。そんでもってあのわからず屋をひっぱたいてやる!」 和「やめてください!」 優希「どうして!」 和「いいんです、私がもっともっと頑張ればきっとお父様だって……」 優希「のどちゃん!」 咲「二人共、多分もう大丈夫」 優希「咲ちゃん?」 和「それは一体……」 咲「だって、あの人がいるから」 「和……一体どうしてしまったんだ」 京太郎「失礼、ちょっといいですか?」 「君は……どちらさまかな?」 京太郎「清澄高校麻雀部の副部長、三年生の須賀京太郎です」 「なるほど、和の先輩というわけか。君のような男が近くにいるのか……」ジロッ 京太郎「あー……これ、自毛です。父親の方の遺伝で」 「そうか……不躾な目で見てしまってすまない。和の父の原村恵だ」 京太郎「いえ、そう言って信じてもらえるだけでありがたいですよ」 恵「それで、私に一体何の用だ?」 京太郎「わかっているでしょ、和さんのことですよ」 恵「……君には関係のないことだ」 京太郎「部員のケアも俺の役目ですから」 恵「それなら尚更だ。和は東京の進学校へと転校させる」 京太郎「……なるほど、そういうことか」ボソッ 恵「だから君には――」 京太郎「ふざっけんじゃねえ、この野郎っ!!」 恵「――っ」 京太郎「――って、言いそうなところですよね」 恵「……君は私をからかっているのか?」 京太郎「いやいや、俺は原村さんの言いたいことはよくわかります」 恵「ほう?」 京太郎「要するに、和さんの将来を心配してるんですよね」 恵「……」 京太郎「たしかに、麻雀を続けていく将来に不安を覚えてもしょうがない。親なら当然だ」 恵「わかっているのなら口を出さないでもらいたいな」 京太郎「でも、俺は和さんの気持ちもわかる」 恵「結局、君は何が言いたい」 京太郎「どっちも自分の主張を通そうとするだけじゃ、話は進まない」 京太郎「だから、妥協案を用意しようかなって」 恵「妥協案だと?」 京太郎「うちの部が全国優勝したら、和さんの転校の話は白紙にしてください」 恵「……なるほど、たしかにいい落としどころだ」 京太郎「全国優勝してしまえるほど強ければ、続けることに異論はない。そうですよね?」 恵「だが、これは私たち家族の問題だ。私の考えだけで君の提案をのむわけにはいかないな」 京太郎「それだったら多分大丈夫ですよ……ほら」 和「……」 恵「和……」 京太郎「それじゃ、俺は帰ります」 和「先輩……」 京太郎「どこから聞いてたかはわからないけど、俺はここまでだ」 和「ありがとう、ございます」 京太郎「気にすんな。いつも通り好き勝手やってただけだから」ポン 京太郎「じゃ、頑張れよ」 恵「……今回は私も急ぎすぎた」 和「私も、自分のことばかりで……」 恵「夏までだ。それまでに私が納得する結果を出せ」 和「はい」 恵「……頑張りなさい」 和「……はいっ」 恵「ところで、須賀京太郎くんといったか」 和「先輩が、なにか?」 恵「いい先輩を持ったな」 和「……私も惚れ直しました」ボソッ 恵「ん? 今なんと……」 和「な、なんでもありませんっ」タタッ 恵「の、和っ、待ちなさい!」
https://w.atwiki.jp/ankoss/pages/724.html
「こんにちは、おにいさん。ゆっくりしていってね!」 「ひさしぶり、ゆっくりしていってね」 俺の顔を見るなり、元気良く挨拶する成体のれいむ。 ここは川の土手にある公園。 このれいむはここに住み着いている野良ゆっくりだ。 「ゆわーい、おにーしゃんなんだじぇー!」 「れーみゅとあしょんでね!」 「おにーしゃん、まりしゃもあそんでほちいよー」 成体れいむに続いて現れたのは、3匹の子ゆっくり。 れいむ種1匹に、まりさ種2匹だ。 別にこの家族はしんぐるまざーではなく、番の成体まりさが居る。 まりさは狩にでも出ているのだろう。 「じゃあ、今日はサッカーでもして遊ぼうか?」 「「「しゃっかー?!」」」 子ゆっくり達は、目を輝かせて俺を見た。 この一家と俺が仲良くなったのは1ヶ月前ほど。 この辺りを散歩している時に、この公園のベンチの下にあるダンボールに住んでいるゆっくり達を見つけたのだ。 始めは当然警戒されたが、俺が食料をやったり、子ゆっくり達と遊んでやっている内に仲良くなっていった。 今ではすっかり警戒心もなく、子ゆっくり達は俺に懐いている。 親まりさにも会った事があるが、どいつも善良で飼いゆっくりにしても良いと思えるほどだ。 「おにーしゃん、しゃっかーってなんなんだじぇ?」 一匹のだじぇまりさが、不思議そうに訪ねる。 俺はバックから、子ゆっくりと同じくらいのサイズのボールを取り出すと、だじぇまりさの目の前にそれを置いた。 「ゆゆ?」 「サッカーってのはな、このボールを蹴ったり………体当たりしたりして転がして運ぶ遊びなんだよ」 蹴るなんて言っても、足のないゆっくりには分かりそうもない事に気が付いた。 ルールも簡単に、俺が持ってきたバックの所までボールを運んできた子ゆっくりが勝ちという事にしておいた。 「じゃあ、早速やってみようか?」 「「「ゆわーい!!」」」 「まりちゃがいちばんなんだじぇー!ぼーるしゃん、ゆっくちころがってねー!!」 「おねーしゃん、まりしゃにもやらせちぇー!」 「れーみゅは、ぼーるしゃんをおいかけるよ!!」 子ゆっくり達は楽しそうに、代わる代わるボールに体当たりをした。 その度にボールは軌道を変えて転がっていく。 実はこのボールも特別性。 子ゆっくりにあわせて、柔らかい物を使っているので怪我の心配もない。 変わりに、ボールの転がる軌道が安定しないのだが、それも子ゆっくり達にとっては大した問題じゃないだろう。 転がるボールを追いかけて、元気に跳ねて行く子ゆっくり達。 それを見て、親れいむも楽しそうにしている。 「まちぇ、まちぇー!ぼーるしゃんまっちぇー!」 「ゆんしょ!…ぼーるしゃん、ゆっくりころがっちぇねー」 「ぼーるしゃんはゆっくちしちぇるねー」 「ゆーん。おちびちゃんたち、あんなにゆっくりしてるよー」 親れいむも子ゆっくり達も幸せいっぱいの笑顔を振りまいて、最高にゆっくり出来ていた。 「ゆーん!ごーるなんだじぇ~♪」 「ゆあーん!れーみゅ、まけちゃったー」 「ゆーん、まりしゃもー」 負けたとは言いつつも、楽しそうな子ゆっくり達。 親れいむもニヤニヤが止まらないといった様子。 親れいむには、子供達が何よりも輝いて見えているに違いない。 このサッカー遊びは、俺流の願掛け。 今年のWカップで我が母国が活躍するようにという意味を込めてゆっくり達と遊んでいるのだ。 暗闇の中で目を覚ました。 目を開けているはずなのに、あたりは真っ暗。 しばらくすると、急に光が差し込んで来た。 一瞬真っ白になる視界。 しばらくすると目に映る物は……… 見覚えるのある風景。 見覚えのあるゆっくり達。 だけど、何故? 何故、家族は自分の事に気がつかないのか? 何故、声が出せないのか? 何故、動けないのか? 何故、自分の事をボールと呼ぶのか? ふと違和感を感じて上を見ると、何時も自分が被っている筈の帽子がない。 そればかりか、自慢の金髪もない。 可愛らしかったお下げも見当たらない。 何故? 何故? 何故? 痛い! 姉が体当たりをしてきた。 ころころ転がっていく自分。 どういう訳か、目を閉じる事が出来ないせいで、草や土が目に入る。 痛い!痛い!痛い! 姉妹達は代わる代わる自分に体当たりをしてくる。 その度に、自分は不規則に転がり傷ついていく。 痛い!痛い! 涙が溢れる。 だが、姉妹達は止める様子がない。 そればかりか、楽しそうにしている。 どうして? どうしてこんな事するの? 問いかけても、誰も答えてはくれない。 母の方を見て助けを求めようとした。 だが、母も満面の笑みを浮かべるだけで、何もしてはくれない。 どうしてそんなに楽しそうなのか? 自分はこんなに痛い思いをしているのに。 どうしてそんなに笑っていられるのか。 自分をこんな目に合わせておいて。 痛い! 止めて! ゆっくり出来ない!! ボールを転がすのに熱中している子ゆっくり達。 もう、俺の事は目に入っていない様子だ。 俺は子ゆっくりを見て微笑んでいる親れいむの元にやって来た。 親れいむも俺の事が目に入っていない様子。 俺はそんな親れいむを、事前にバックから取り出しておいたガムテープで口を塞いだ。 両目をまん丸に見開いて俺を見る親れいむ。 俺はお構いなしに、親れいむをそのままガムテープで包んでいく。 あんよ、りぼん、髪の毛、ピコピコの区別なくガムテープで覆い尽くされていく親れいむ。 抵抗しようにも、声を出そうにも、ガムテープが邪魔をする。 唯一、両目だけはテープで覆わずにしておいている。 そのかわりに、両目が開いたままになる様に、瞼を固定してテープで止める。 こうして、茶色のれいむボールが完成した。 「ゆわーい!こんどはれーみゅのかちだねぇ!」 「ゆーん!おねーしゃんすごい!」 「れーみゅもやるんだじぇ!」 れいむボールが完成するとほぼ同時に、サッカーの決着もついたようだ。 心なしか、ボールが少しぐったりしている様ではあるが、それを見越してのれいむボールなのだ。 「よーし、じゃあ、次はこのボールで遊んでみようか?」 「ゆゆ?!おおきにゃぼーるしゃんだじぇ!」 「ゆわーい!こんどはまりしゃがかちゅんだじぇ!」 そんな子ゆっくり達の様子を見て目を丸くするれいむボール。 子ゆっくり達も、目の前の茶色の塊が自分達の親だとは気がついていないらしい。 「ぼーるしゃん、ゆっくちころがっちぇねー!」 ボールに必死に体当たりをする子まりさ。 子ゆっくり程度の体当たりでダメージがあるのかは知らないが、その様子を泣きながら見つめるれいむボール。 子まりさに続いて、他の子ゆっくりも体当たりを始めるが、ボールは一向に転がる様子を見せない。 「ぼーるしゃん、どうしちぇころがっちぇくれないにょ?」 「ゆえーん!ぼーりゅしゃんがいじわるしゅるよぉぉぉ!!」 「いもうちょをなかせるなんちぇ、げしゅなぼーるしゃんだじぇ!まりちゃがせいしゃいするんだじぇ!」 転がらないれいむボールに泣き出したり、怒り出したりする子ゆっくり達。 おそらく姉であろう子まりさが、木の枝でれいむボールを突付きだし始める。 流石にこれは痛いのか、突付かれるたびに白目を剥いている、れいむボール。 我が子に罵倒され、攻撃されても何も出来ないのを悲しんでいるのか、 それともただ痛いだけなのか、小刻みに震えている。 「苦戦しているようだね。よーし、じゃあお兄さんが転がしてみるよ!」 そういうと俺は、れいむボールを思いっきり蹴り上げた。 鈍い音を上げると、れいむボールは5mほど吹っ飛んで着地すると、そのまま転がっていった。 「ゆぉー!おにーしゃん、しゅごいよー!」 「げしゅなぼーるしゃんがころがっちぇるよぉぉ!!」 「ざまあみろなんだじぇー!げしゅなぼーるしゃんは、まりちゃのつよしゃをおもいしっちぇね!!」 吹っ飛んだれいむボールを見て、子ゆっくり達は大喜び。 当のれいむボールは、着地時に石にでもぶつかったのか、片目が潰れていた。 「ただいまかえったんだぜー!」 声のする方を見てみると、ボールれいむの番にして、この子ゆっくり達の親であるまりさが帰ってきていた。 おそらく、ゴミ漁り当でもして帰ってきたのだろう。 得意そうな顔が狩(笑)の成功を表している。 「ゆゆ?!おにいさん、こんにちはー!」 元気に挨拶をする親まりさ。 こいつも俺には懐いている。 「「「おとーしゃんおかえりなしゃーい!」」」 「ゆゆ!ゆっくりおかえりなさい!」 「ゆーん?れいむはどうしたんだぜ?」 「さあ?どこかでうんうんででも垂れているんじゃないのか?」 「ゆん?そうなんだぜ?で、きょうはどんなことをして、あそんでたんだぜ?」 俺は親まりさにサッカーサッカーの事を話すと、自分もやってみたいと言い出した。 子ゆっくり達が動かせなかったボールが気になるのか、子供達の前で良い格好したいのかは解らないが、 自信たっぷりと言った感じで、未だ痛みに悶えるれいむボールの前までやってきた。 「これがそののぼーるさんなんだぜ?」 そう言うと、ボールを舐め回すように眺める親まりさ。 れいむボールは残された片目で必死に番に助けを求めているかのようだった。 そんなれいむボールの思いとは裏腹に、助走をつけて体当たりをする親まりさ。 「ぼーるさん、ゆっくりはじけとぶんだぜぇぇぇぇ!!」 「?!!!!」 体当たりをされて形を歪に変化させるれいむボール。 全然飛びはしなかったが、潰れた目の方から餡が漏れ出し始める。 「ゆふふ!どうなんだぜ?!おもいしったかなんだぜ、ぼーるさん!」 「「「ゆわーい!おとーしゃん、つよいぃぃぃぃ!!」」」 潰れかかったボールれいむを前に得意そうに踏ん反り返るゆっくり親子。 俺はそんな親子の前に大小のボールを並べて、それぞれのガムテープを剥がしていく。 「ゆ?ゆゆ?ゆぅ?…………おにーさん、なにして…?」 びりびりと音を立てて剥がされていくガムテープ。 一緒に髪の毛が抜け落ちたりもしているが、それもご愛嬌だ。 「ゆびびぃぃぃ!いだいぃぃぃやめでぇぇぇぇぇ!!」 口に張ったテープが剥がされて、ようやく声を上げる親れいむ。 「ゆ?………………」 ようやく親れいむが姿を現すが、ゆっくり一同は思考が停止したかの様に止まってしまった。 続いて子まりさのガムテープも剥がしていく。 こっちは小さいので親れいむよりも手間が掛からない。 「ゆぴぴぃ!やめちぇぇぇぇ!いちゃいのじぇぇぇぇ!」 まだら禿になった子まりさに、帽子を被せてようやく完成。 子ゆっくりなのが悪かったのか、髪の毛どころか皮も少し破れてしまったが、 一応まりさ種だったと認識できると思われる物が出来上がった。 もっとも帽子が無ければ、まだら禿饅頭なのかもしれないが… 「「「ゆわぁぁぁぁ?!どうしちぇまりちゃがぁぁぁぁ?!」」」 「みんなひどいのじぇ…まりちゃ…いたかったのじぇ…」 固まっていた子ゆっくり達が動き出した。 今まで散々体当たりをしていたボールが、実は自分達の姉妹だと解って大声を上げる。 一方、ボールになっていた子まりさは姉妹達に呪詛を吐いていた。 「まりざ…どぼじで…?」 「れいむぅぅぅ?!ごべんねぇぇ?!どぼしてこんなこと 『ドスッ!』 ゆっぼうぅ?!」 感動の対面もそこそこに、奇声を上げて飛んでいく親まりさ。 ぐちゃ! 汚い音を立てて、顔面からベンチに突っ込んでいった。 ベンチに突き刺さるようにして突っ込んでいった親まりさは、未だに息があるのか、 汚いケツを上に向けてブリブリと振っている。 「ゆ?!まりざぁぁぁ?! 『ドゴッ!』 ゆんべぇぇ?!」 今度は親れいむが、奇声を上げて転がっていく。 そのまま巣に使っているダンボールに突き刺さるようにして命中。 ダンボールはベンチの下から飛び出すと、少し歪に変形していた。 これで俺の一点先取だ。 「「「ゆわぁぁぁ?!おとーしゃん、おかーしゃん!!」」」 慌ててダンボールに駆け寄る子ゆっくり達。 ボールにされていた子まりさは、流石にダメージがあるのか遅れを取っている。 だが、俺はダンボールを親れいむごと踏み潰していく。 「ゆぎゃ!やべ!いだ!もっど…ゆっぐち…ゆご…げべ…」 「やめちぇぇぇぇ!!どぼしちぇこんなとしゅるんだじぇぇぇ?!」 「あぁん?これは俺なりの必勝祈願だよ?お前達もこの国のゆっくりなら、我が国の勝利を願って死んでいけぇぇ!!Wカップばんざいぃぃぃぃ!!」 「「「どういうこちょにゃのぉぉぉ?!」」」 「ドゴッ」×4 子ゆっくり達は俺に蹴られて仲良く宙を舞い、川の濁流に消えていった。 この後、親ゆっくり二匹は、ダンボールごとゴミとして処分した。 『ゴール!○○一点先制ー!!』 「あら?!点取られちゃった………願掛けたつもりだったんだけどなぁ…ゆっくりじゃだめだったかなぁ…」 完 Wカップ記念SSという事で… 徒然あき