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メイコが来て、僕の生活は一変した。 まず、昔作った曲のアレンジをするようになった。また、 以前は誰も歌わないからと適当に作っていた歌詞を真剣に作るようになった。 そして多分生活で一番変わったことといえば、一人でご飯を食べることが無くなったことだろう。 「おはよう、メイコ。すぐ朝ごはん作るからな」 朝起きてそうメイコに声をかけながら冷蔵庫をあけ卵を二つ取り出す。 フライパンを火にかけながらパンをトースターにセットし、卵をフライパンの上に落とす。 「マスター。毎日言っていますが、私のエネルギーは一週間フル稼働しても余裕があるので補給する必要はありません」 毎朝言われることを今日も言われ、僕は目玉焼きの焼き加減を見ながらメイコに尋ねる。 「エネルギーを補給しすぎたらまずいことになるの? 」 これも、毎朝の恒例行事になってきている。 そしてメイコは毎日全く同じ言葉を答える。 「エネルギーの補給上限は設定されてないため特に問題は無いと思われますが、必要以上のエネルギー補給は非効率だと思われます」 いつも通りの答えを聞いた僕は火を止めて笑ってメイコを見て言う。 「じゃあ、一緒に食べよう」 そしてメイコの答えを待たずに皿を出してパンと目玉焼きを盛ってテーブルへと持っていく。 そして椅子を引いてメイコを座らせてから向いの椅子に座る。 「いただきます」 以前は一人で食べていたご飯。 味気なく感じ、自分で作ることも減ってきていた。 それが、メイコが来てからは毎食きちんと作るようになったし、なによりも美味しく感じられるようになった。 「マスター、一つ聞きたいのですが、いいでしょうか」 パンを口に含んでいた僕は、視線でメイコに先を促す。 「その・・・・・・いただきますって、何ですか? 」 その質問に、僕は少し驚いた。 今まで当然のように使ってきていた言葉だから、誰もが知ってて当たり前だと思っていたんだろう。 だが、メイコはあくまでもVOCALOID、平たく言うとロボットだ。 必要のない知識は持たされなかったんだろう。 そう考えながらパンを食べ切って説明をするために口を開く。 「いただきますって言うのは、感謝の言葉だよ。 例えばこの目玉焼きは鶏の卵からできてる。 鶏の卵はそのまま成長したら孵化して、ひよこになって、鶏になる。 でも僕達が生きるために卵の時に犠牲になってくれる。 それを感謝していることを表す言葉がいただきます、なんだ」 まぁ、卵は夢精卵だから孵化しないんだけど……。 説明をしやすくするためにその言葉は飲み込んでおく。 「野菜にしても、穀物にしても、他のどんな食物にしても全ては命を犠牲にして作られているんだ。 だから、いただきます、ごちそうさまと言って感謝を表して、僕達は生きていかなきゃならないんだと思うよ」 僕の説明を聞いたメイコは、静かに持っていたパンを皿の上に置いて言う。 「でしたら、私はこれらを食べるわけにはいきません」 「え……」 予想外の言葉に僕は言葉を詰まらせる。そんな僕に構わずメイコは話を続ける。 「生きる、ということは死ぬという事があって始めて成り立つ行為のはずです。 私は故障することはあっても死ぬことはありません。 よって、生きることは出来ないため、この命を犠牲にして作られた食物をエネルギーとして摂取することはできません」 まさかそう言われるとは考えてなかった僕はとっさに何の言葉も出てこなかった。 「あー、メイコ」 とりあえず、名前だけ呼ぶ。 呼ばれたメイコはしっかりと僕のほうを見る。 「とりあえず、今ここにある分は食べた方がいいと思うんだ」 自分が何を言いたいのかが分からない、まとまらない。 ただ、頭に思い浮かんだ言葉がポンポンと口から飛び出していく。 「……わかりました、そうします」 少し思案した後、メイコはそう言ってまたパンを手に取った。 そのことに僕は、なぜかひどく安心したように感じた。 そして結局それからのご飯はまた一人で食べるようになった。 別にメイコと何か話して食べていたわけでもないのに、ただ目の前に座っていた存在がいなくなっただけで僕はとても寂しく感じた。 「せんせー、こんにちわー」 玄関の方から元気よく僕を呼ぶ声が聞こえて慌てて時計を見ると時間は四時半。 「いらっしゃい、みさちゃん。ところで今週もまた三十分早くついてる気がするんだけど」 玄関へと向かい扉を開けながら僕はそう言う。みさちゃんのレッスンは五時からなのだが、この子はいつもこの時間に来ている。 「だって暇なんだもん」 ランドセルをかるって来ているということは今日も学校帰りに直行したんだろう。とりあえず家に上げる。 「マスター、その子は……? 」 たまたま廊下を歩いていたメイコがみさちゃんを見て疑問を投げ掛けてくる。 説明しようと僕が口を開く前に、みさちゃんが声をあげる。 「先生恋人できたの? すごい! 」 いや、恋人じゃないし。 というかすごいってどういうことだ。 恋人がいるという事をすごいといっているのか、とれとも僕に恋人ができたことをすごいといっているのか。 「いや、恋人じゃなくて……」 そこまで言ってからふと思う、メイコと僕の関係ってなんだろう。 恋人というのはもちろん違う。じゃあ、どんな関係が当てはまるんだろう。 「私は人型VOCALOID、早い話がロボットです。恋人、などという関係は全く当てはまりません」 僕が悩んでいる間に、メイコがスラスラと答える。 みさちゃんはその説明がよく分からなかったのか、きょとんとしていたがとりあえず恋人じゃないということは分かったらしく 「ふーん、そうなんだ。先生は早く恋人を作らないとね、貰い手がなくなるって母さんが言ってたよ」 小学生に何を言ってるんだ、あの人は。 「みさちゃんにはまだ早い話だよ、ほら、ピアノの部屋に行くよ」 「はーい」 呆れながら僕がそう言うと、みさちゃんは大人しく部屋へと向かう。 「えーっとメイコ、あの子はみさとちゃんっていって、僕がピアノを教えている子の一人だよ。 今からレッスンが六時ぐらいまであるからそれまでは適当にすごしてて」 「はい、分かりました」 僕が声をかけると、メイコはいつも通り無機質な返事をする。 そんな彼女を横目に僕はピアノの部屋へと入る。 「みさちゃん、学校におやつを持って行っちゃだめなんじゃなかったっけ……」 ピアノの前に座ってランドセルから出したお菓子を食べているみさちゃんに僕はとりあえずそう聞いてみる。 「んー、でも皆持ってきてるしいいんじゃない? 」 みさちゃんのその答えに僕はため息を吐いてドアを指差す。 「とりあえず手を洗ってきなさい。汚い手でピアノを弾いたらあとで綺麗にするのは大変なんだから……」 僕の言葉を聞いてみさちゃんは片手を上げて「はーい」と答えて部屋を出て行く。 もう何回も家に来たことはあるからトイレの場所も洗面所も彼女はしっかり覚えてるから大丈夫だろう、と判断して僕はピアノの蓋を開ける。 「あ、先生なんか弾いてー」 「もう手を洗ってきたの……って、手を拭いてから来なさい、全く」 あまりにも早かったので驚いて声のしたほうを見ると、そこには手がぬれたままのみさちゃんが。 呆れながら手近にあったタオルをみさちゃんに投げて渡す。 「ごめんなさーい。先生、なんかお母さんより怖いよね」 謝っているが、全く悪びれた様子はない。それどころか笑っている。 「だったらもうちょっと怒られないような行動をすること」 「分かったから、先生なんか弾いてー」 笑顔のまま、彼女はそう言う。 ため息を一つ吐いてからピアノの蓋を開ける。 レッスンが始まる時間まであと五分もある。一曲くらいは弾けるだろう。 「リクエストは何かある? 」 そう聞くと、みさちゃんは悩んだ後に一つの曲名を上げる。 「あれがいい、給食の時間にいつもかかってるやつ。 えーっと、なんだっけ、なんとかアデリーってやつ」 給食の時間になにが流れてるかなんて知らないが、それはもしかしたら渚のアデリーヌのことだろうか。 「この曲のこと? 」 そう聞きながら一番有名だろうと思われる部分をちょっとだけ弾いてみる。 「そう、それそれ」 正解だったようなので、最初からきちんと弾く。 みさちゃんは普段はよくしゃべるのだが、音楽を聴くときだけは一切口を開かない。 目をつぶって楽しそうに聞いている様子を見て、本当に音楽が好きなんだな、と感じる。 「じゃ、みさちゃんの練習を始めるよ」 弾き終わって椅子から立ちながら僕はそう声をかけるとみさちゃんは素直に返事をする。 「はーい」 一時間後、みさちゃんは来た時と同じように元気よく玄関から飛び出していく。 「せんせー、さよーならー」 「車とかに気をつけて寄り道しないように帰るんだよ」 早くも駆け出しているみさちゃんにそう声をかける。 もう角を曲がって姿が見えない彼女の笑い声が少しずつ遠ざかってるのを聞いて僕は家の中へと戻る。 「マスター、お疲れ様です」 スリッパを脱いでいる時、メイコに声をかけられてそっちを見る。 「そういえばメイコは練習中何してたの? 」 そう聞くと、メイコは僕に向けていた視線をそらして自分の後ろの方に向ける。 その視線の先へと僕も視線を向けてみると、そこには掃除機とグチャグチャになった部屋が見える。 「えーっと、メイコ。一体何してたの? 」 さっきと同じような質問をまったく別のニュアンスで聞いてみる。 「掃除を、しようと思ったのですが上手くできずにこの状態になってしまいました」 最初にメイコに説明されたことが僕の脳裏をよぎる。 ――人型VOCALOIDは歌うための機械であるため、それ以外の機能はあまり発達するようには作られていません。 こういうことか……、と納得しつつ僕は苦笑してメイコに言う。 「これから、ゆっくり覚えていけばいいよ。 時間は、沢山あるから」 そしてグチャグチャになったリビングへと向かう。 今からこれを片付けなきゃいけないのかと思うと疲れてくる。 しかし、まるで親の敵かのようにじっと掃除機を見つめているメイコを見て僕は笑った。 一つ前の話へ戻る 新発売、人型VOCALOIDまとめページへ戻る
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パニエですよね? いいえケフィ(ry 体線のサイトに「パニエ」が間違って「バニエ」と表記されていた事があり、それをスレ住人の一人が問い合わせメールを出し「パニエですよね?」という尋ねたところ「いいえバニエです。」という回答が返ってきた まるで「やずや」のケフィアネタのようなやりとりである 因みに「いいえケフィアです」とは以下参照 http //detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1319958028 http //detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1019490100
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☆とっておきQQ箱 あらゆる治療薬が詰まったとっておきの救急箱(攻撃依存) 疫病を含む全体の状態異常を治療し、更に中回復します。
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修学旅行(友好)誘われる『ええと、遠慮しておきます』 『はい、お願いします!』 誘う 5日目 修学旅行(友好) 誘われる ●●「今日から、京都・奈良へ 修学旅行! ●●「今日は、団体行動の日。 今は、点在する名所を観光中。 ●●「明日は、自由行動の日ね。 氷室「●●。 ●●「氷室先生。 あの、なにか……? 氷室「なにかではないだろう。 クラスで自由行動の予定を 決定していないのは、君だけだ。 ●●「あっ! そうでした……。 氷室「……しかたがない。 今日は私についてきなさい。 『ええと、遠慮しておきます』 氷室「そうか。 とにかくしっかりと計画を立てて、 有意義な自由行動にするように。 ●●(やっぱり一緒に ついていけばよかったかな……。) 『はい、お願いします!』 氷室「それでは、さっそく出発する。 (観光の内容は共通) 氷室「定刻どおり帰着……。 氷室「しっかりとした計画にもとづいて 行動すれば、限られた時間でも このように充実したものにできる。 ●●「はい。 とっても、有意義な自由行動でした。 今日はありがとうございました。 氷室「よろしい。それでは、明後日の 自由時間も、私の計画した 見学コースを辿ってみなさい。 ●●「はい、お願いします。 氷室「では、明後日の朝、 ここに集合だ。 本日はこれで解散。 誘う ●●(氷室先生、いないかな?) ●●「あ、氷室先生。 氷室「●●。 どうした。 私に用か? ●●「あの、今日の自由行動、 わたしもご一緒して いいですか? 氷室「まったく、君は…… まだ予定を 立てていなかったのか? ●●「そうなんです。 氷室「……しかたがない。 私が引率する。 ●●「はぁい! 氷室「もう少し反省しなさい。 5日目 ●●(ちょっと早かったかな。 氷室先生は…… あ、もう来てる! ●●「氷室先生! 氷室「早いな、大変結構。 君はなかなか意欲的な生徒のようだ。 私も引率するかいがある。 ●●「はい! はりきって参りましょう! 氷室「よろしい。 それでは、出発する。 (お土産を選ぶ部分は共通) ●●「はぁ〜…… 修学旅行も、 今日で終わりかぁ……。 氷室「●●。 よく最後まで、私の見学コースに 付いてきたな。 ●●「はい。 がんばりました。 氷室「しかし、旅行中ずっと私が相手では 退屈したのではないか? ●●「いいえ、とても楽しかったです。 お陰さまで、 充実した旅行になりました 氷室「大変、結構。 氷室「それでは、さぞ充実したレポートが 提出されることだろう。 期待している。 ●●(はぅ……。) ●●「はばたき市に到着。 これにて、修学旅行は終了! ●●(こうして、 楽しかった修学旅行は終わった……。)
https://w.atwiki.jp/erogem/pages/215.html
いもうとは魔法使い メーカー 確認バージョン セーブデータ ZERO 修正なし SAGAOZ いもうとは魔法使い 1周目 2周目 セーブ1から セーブ2から 3周目 最初から 4周目 セーブ3から 5周目 セーブ4から セーブ5から 1周目 1日目 1階の窓から調べる [セーブ1] ピンクのカーテンの部屋休ませてもらう泥棒だと正体をばらす 2日目 雪乃さん?かれんの部屋を覗きに行く 4日目 変身魔法かれんちゃん 5日目 縮小化魔法巨大化魔法かれんちゃんと留守番普通にする 6日目 火炎魔法身体能力向上魔法父親の話をするかれんちゃんの部屋に行く 7日目 上位変身魔法動物会話魔法あの子達の事なんですけどかれんちゃんにする遠慮しておきます 8日目 解呪の魔法を成功させる 【かれん END1】 2周目 セーブ1から 1日目 ブルーのカーテンの部屋休ませてもらう泥棒だと正体をばらす 2日目 雪乃さん?あんなの部屋を覗きに行く 4日目 変身魔法あんなちゃん 5日目 縮小化魔法巨大化魔法あんなちゃんと留守番 6日目 火炎魔法身体能力向上魔法父親の話をするあんなちゃんの部屋に行く普通にHする 7日目 上位変身魔法動物会話魔法あの子達の事なんですけどあんなちゃんにする遠慮しておきます 8日目 [セーブ2] 解呪の魔法を成功させる 【あんな END1】 セーブ2から 8日目 解呪の魔法を失敗させる 【BAD END】 3周目 最初から 1日目 裏から調べる [セーブ3] ブルーのカーテンの部屋遠慮する記憶喪失のフリをする 2日目 あんなちゃん? 4日目 身体能力向上魔法あんなとする 5日目 変身魔法変化魔法かれんちゃんと留守番身体能力向上魔法 6日目 巨大化魔法物質変化魔法父親の話をするあんなちゃんの部屋に行く身体能力向上魔法 7日目 縮小化魔法動物会話魔法ルブランの事なんですけどあんなちゃんにする遠慮しておきます 8日目 解呪の魔法を失敗させる 【あんな END2】 4周目 セーブ3から 1日目 ピンクのカーテンの部屋休ませてもらう泥棒だと正体をばらす 2日目 [セーブ4] かれんちゃん? 4日目 身体能力向上魔法かれんとする 5日目 変身魔法変化魔法かれんちゃんと留守番変身魔法 6日目 巨大化魔法物質変化魔法父親の話をするあんなちゃんの部屋に行く変身魔法 7日目 縮小化魔法動物会話魔法ルブランの事なんですけどかれんちゃんにする遠慮しておきます 8日目 解呪の魔法を失敗させる 【かれん END2】 5周目 セーブ4から 2日目 雪乃さん?あんなの部屋を覗きに行く 4日目 巨大化魔法 5日目 変身魔法変化魔法かれんちゃんと留守番変化魔法 6日目 縮小化魔法身体能力向上魔法父親の話をするあんなちゃんの部屋に行く変化魔法 7日目 物質変化魔法 [セーブ5] 上位変身魔法ルブランの事なんですけど選べないよ。どっちも好きだええ、構いません 8日目 解呪の魔法を失敗させる 【雪乃 END】 セーブ5から 7日目 動物会話魔法ルブランの事なんですけど選べないよ。どっちも好きだ遠慮しておきます 8日目 解呪の魔法を失敗させる 【あんな かれん END】
https://w.atwiki.jp/imasss/pages/620.html
春香「千早ちゃん、夕食食べに行こう」! 執筆開始日時 2012/01/24 元スレURL http //hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1327405699/ 概要 春香「皆で食べに行こうって話だけど、千早ちゃんも行こうよ」 千早「私は遠慮しておくわ」 春香「そっか・・・あ、店の住所のメモ渡すから 気が変わったらいつでも来てね!」メモメモ P「おーい、2人とも行くぞー」 春香「はーい!」 P「あれ、千早は来ないのか」 春香「はい・・・」 タグ ^天海春香 ^如月千早 まとめサイト ひとよにちゃんねる
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おきまりのパターン な ぜ 押 し た もちろん下は落とし穴だった!! オワタ\(^o^)/
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唯先輩は先輩らしくない。 だって私よりギターが下手なんだもん。 部活時間中は中々練習してくれないし、授業中も寝てばかりらしいし、家でもダラダラしてるらしいし、いいとこなしだ。 そんな唯先輩だが、悔しいことに私も唯先輩にはどうしても敵わないものがある。 それは……歌だ。 ――――――――――――――――――――――― 「梓も歌ってみないか?」 澪先輩にそう言われたのは新歓ライブが近い頃のことだ。 来年は私がバンドの中心になるであろうことを考えると、新入生へのアピールとしてボーカルをやってみるのもいいのでは、ということだそうだ。 「いえ……私は遠慮しておきます」 「そうか?梓は歌うまそうだけどな」 「私もあずにゃんの歌聴きたーい!」 「みお~。お前自分が歌いたくないからって梓に押し付けるなよ~」 「なっ!そんなつもりはない!」 「まあまあ。とりあえずお茶にしましょ」 恒例のティータイムが始まって結局この話はお流れになったけど、私としては軽く流してはいけない問題かもしれない。 そっか。来年は私がボーカルになるかもしれないんだ。仮に歌を歌える新入部員がいなかったら。 でも私の歌は……澪先輩のようにかっこよくはない。唯先輩のようなかわいらしさもない。 私には人を惹きつけるような歌を歌える自信はない……。 憂と純とカラオケに行った時の純の同情に満ちた目と憂のいつもの3割増しの笑顔が忘れられない。 ――――――――――――――――――――――― 「あずにゃん、歌ってみない?」 季節変わって初夏のある日。忘れようと思っていた話題をぶり返したのは唯先輩だ。 私達は週末の演芸大会のために川原で練習していた。 「いえ、結構です」 「えぇ~。一緒に歌おうよ、あずにゃ~ん」 唯先輩がすり寄ってきたので押し返す。 「どうして駄目なの?新歓の時もそうだったよね」 どうしてそんなどうでもいいことは覚えてるんだろう、この人は。 「どうでもよくないよ!あずにゃんのことだもん!」 人の心をよm(ry。あぁ声に出してたか。 「もう時間ないですから、私はギター、唯先輩は歌に専念しましょうよ」 「そんなこと言わないでさ。一緒に歌お。ふでペン~ボールペン~ゆいあずバージョン!」 「だから嫌ですって」 「もしかしてあずにゃん音痴?」 「ち、違いますよ!」 「ほんとに?」 「ほんとです!」 「う~ん。あずにゃんってわかりやすいよね」 「どういうことですか」 「可愛いってことだよ」 「からかわないでください」 「でもね、あずにゃん。下手でもいいんだよ」 「だから下手じゃありません」 唯先輩は私の肩に両手を置いていつもの笑顔で話す。 「歌うってことは上手とか下手とか関係ないんだよ。問題は楽しめるかどうかだよ。ギターだってそうでしょ」 「それは……唯先輩が上手いからそんなこと言えるんです!私は……私は下手なんです!音痴なんです!」 あ、言っちゃった。唯先輩は目を丸くして私の顔をじっと見た。かと思うとまた笑顔を取り戻して。 「ふでぺ~んふっふ~ふるえ~るふっふ~♪」 突然歌い出した。唯先輩命名の「ふでペン~ボールペン~ゆいあずバージョン」。 唯先輩は何かを期待してそうな表情で私の目を覗き込んでいる。 「……」 私はギターを弾き始めた。しかし唯先輩の目はまだ不満そう。 ああもう。わかりましたよ! 「「あいを、こめて、すらす~らとね、さあかきだそお~♪」」 ようやく満面の笑みを見せてくれた。 「ふでぺ~んふっふ~むりか~もふっふ~♪」 あれ?唯先輩が歌ってない?あれ?なに一人で歌ってんだ私? ああもうどうにでもなれ。 「「はしゃぐ、もじは、ぴかぴ~かにね、ほらみ~がきかけ~♪」」 唯先輩は言った。「問題は楽しめるかどうか」と。 「「かなりほんきよ~お~♪」」 ちょっと……わかった気がする。 「……えへへ」 「……ふふ」 「私達、CDも出せちゃうかも!」 「調子に乗らないでください」 おしまい 名前 感想/コメント: すべてのコメントを見る
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pixiv作品リンク 飽きましておめでとう 作者 だんがいP氏(pixivプロフィール) ジャンル1 コメディ ジャンル2 メイン登場キャラ 北沢志保、所恵美、田中琴葉 作品説明 志保視点による少女たちの正義の戦いです。 感想欄 感想を書かれる方はコメントに書いて投稿してください、このように表示されます。 名前 コメント すべてのコメントを見る 楽しませていただきました。非常識が謎の理論でまかり通っている世界観大好きです。 どういった流れでこの作品を書くに至ったのか、作者さんの思考のプロセスが気になりました。 -- (azuu) 2020-07-14 15 00 43 読ませていただきました。 ギャグの話でしたね、展開としては王道なものだと思うんですが、キャラ同士の会話が真面目にふざけているので、シュールなギャグとしてすごく面白かったと思います。 ただ一点、というか全体を通して気になったところなのですが。主人公は志保だと書いてあり、実際に本文を読んでいくと志保が主人公なんだな、というのは分かります。 ただ、なぜ一人称が「わたし」なのでしょうか? 今回の作品だけでなく、だんがいさんの上げられている作品いくつかにも目を通しました。そこでも、志保の一人称は平仮名になっていました。 だんがいさんの拘りや意図があるなら、それはそれで良いと思います。 しかし一方で思うのは、分かりづらかったなぁと。志保の一人称は通説「私」で通っていて、平仮名で書かれてしまうと、あれ志保じゃないの?と躓いてしまいます。 なので、そこはちょっと疑問に思いました。 全体的には、タイトル回収なども含まれていてとても面白かったです。ありがとうございました。 -- (ムッタ) 2020-07-12 00 55 47 これかなり好き。 大きなドラマ(彼女らにとっては大きなドラマともいけるが)も場所の移動がなくても惹き込ませる力がすごい。つまりロック。いろんなところで笑いました。アンドロイドとかスルーされているけど、紬の説得に一役買ったり、何回か読んでたら百合子が地味に有能だなと思いました。 -- (シマ) 2020-07-11 09 54 39 お腹いっぱいになりました。よく麺にひと月耐えたなー。こだわりが強い!琴葉の重い愛がこんな方向に向かうとこうなるのかとゾクッとしてしまいましたね。 こういうキャラの振り方ってなかなかできないですよ。思い切りが良さ大事ですね! -- (なかやま) 2020-07-09 01 49 10 キャラ崩壊の様でキャラ崩壊じゃない琴葉と恵美のやり取りで変な声でました。 展開の意味が分からなくて呆然としていたのは、俺らも同じなんだよなぁ……。 -- (ふじもと) 2020-07-05 03 01 07 面白かったです。麺類って滅茶苦茶簡単だからついつい依存してしまいがちですが、 麺を食べてもめんに食べられてはいけないということですね。 志保ちゃんがかわいかったです。 -- (譜らdance) 2020-07-03 15 00 40 まさに、「ご麺なさい」 -- (aozume) 2020-06-27 06 40 08 ミリオンライブは食い意地のはったメンバーが多いらしいのでまさにこれぞミリオン って感じですね。 -- (ririwo) 2020-06-25 07 54 45 蕎麦「らーめん、うどん、パスタがやられたようだな」 素麺「しかし奴らは我らの中では小物」 刀削麺「7束の悪魔超麺の恥さらしよ」 フォー「フォー!」 -- (海道) 2020-06-24 14 14 35 傍から見ればくだらなく感じるこの聖戦。熱い闘いであった。 声を荒らげないタイプのこの地の文が、彼女たちのうちから漏れ出る生のぼやきを表現している。 飯が飽きたというだけの事象に対してこれだけ情熱的になれる彼女たちの若さが羨ましいわね。 ロックって便利だなー。 -- (まいてぃん) 2020-06-21 11 33 25
https://w.atwiki.jp/sasaki_ss/pages/639.html
その日、佐々木の家に行ったら、聴診器が置いてあった。 「君とお医者さんごっこをするために、親戚の医者から古い聴診器もらったんだよ」 「おいおい、お医者さんごっことは不穏当な響きの遊びだな」 佐々木は小悪魔的な笑みを浮かべて言った。 「僕は将来医者になることも考えているからね。今の内に練習するのも良いと思ってね。くつくつ」 もしかしなくても、俺が実験台だな。勉強みてもらっている恩もあるからしょうがないか。 その日から、佐々木が俺の胸を聴診したり、俺の腹を打診したりすることが日課となった。 そして、毎日のように佐々木に勉強を教えてもらったため、俺の成績はようやく下げ止まりを見せた。 どした谷口?何か言いたいか? 「下げ止まり?それは俺のセリフだ。お前のは、ウナギ昇りと言うんだ」 軽い冗談を真に受けるなよ ・・・・・・・・・ 「キョン、夕飯は食べていくかい」折角だから食べていくか 「だいぶ汗をかいているな、風呂に入って汚れを落とした方が良いよ。何なら僕が背中を流してあげようか」それは遠慮しておきます 「夕飯の買い物に一緒に行こう」今日は何を作るんだ 「今夜は泊まっていくかい?」ありがたいが、自分の家で寝るよ 「というわけで、キョンと私はお医者さんごっこを毎日する関係なのよ。キョンの胸板は意外と厚くて。 聞いている?涼宮さん」 (注:上のやり取りもデフォルメされて伝わっています) 「聞いているわよ」(キョンは明日死刑よね) 「もしかして、涼宮さん妬いている?自分が恋しているキョンが私と仲が良いから」 「そんなことないわよ。あんな奴ただの団員その1なんだから」 (何よ、キョンなんて佐々木さんと同じ高校行けば良かったのよ) ・・・・・・・・・ 次の日より、俺は佐々木と同じ進学校に行くことになった。 驚くべきことに、最初から佐々木と同じ高校に行っていたことになっている。 「期限は三日。私という個体もあなたには戻ってきて欲しいと思っている」 別に戻りたいとは思わないぞ。 (終わり)