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爪先から痛みが駆け上がる 動けない、息が出来ない 全身が燃える様に熱い 絶望的な浮遊感の中で視界は閉ざされ 動かない手足は切り離された 舌先から血液が凍りつき 脊髄が燃え上がり最期を悟る そして襲ってくる――――痛み、絶望、無念、孤独感―――― そんな、そんな事って無いだろう? 肉体の終わりより先に精神が擦り切れた。全てに耐えられなかった。 目標が果たせない悲しみも、気高さを理解されない憤りも全て。 誰か居ないのか?忘れないで居てくれる奴は居ないのか。 無かった事になってしまうんだ、このままじゃあ、今までが―――― 「『マン・イン・ザ・ミラー』ァァァァァアアアアあああああッ!!」 ハア、ハア、ハア。 目の前には色味の薄いベッドの天蓋があった。 酷く冷えた全身から汗をかいている。呼吸もぎこちなく、意識せず肩が上下した。 夢、夢だ・・・・・酷い夢を見た。『よく判らない夢だった』、苦痛ばかりで意味がわからない。 それにしてもいい年して、悪夢で跳ね起きるなんて全く恥ずかしい。誰も居なくって本当に良かった・・・・ (誰も?) 違った。マン・イン・ザ・ミラーがベッドの上のオレを覗き込んでいる。 オレは何だか凄くほっとして、同時に照れくさくなり (マン・イン・ザ・ミラーがオレを笑うとは思えないし、そもそも笑った顔を作れるのかどうかもわからないが) 「おはよう。」と声をかけた。 そういえば今日は約束があるんだった。『許可』した制服は何処へやったかな? 『マン・イン・ザ・ミラー』、そこにある櫛を取ってくれよ、なんか髪形を変えなきゃいけないらしい。 咄嗟に浮かぶどの顔ぶれよりも、マトモだと思うんだけどなあ。 時間は――――『11時23分』――――バッチリ寝過ごしてるじゃねえかマン・イン・ザ・ミラー、お前、何とか言えよ・・・・ 大きく遠回りして、使用人用の裏口から大食堂へ。そうっとシエスタ達平民の群れに紛れ込み、背中に声を掛ける。 「ようシエスタ。」 「あ!イルー・・・むぐぅ」無論口を塞がせて頂いた。 貴族のガキどもは、未だ揃いきっていないものの、あくせくと食器を並べる使用人と合わせれば随分な人数で、 これがまだまだ増えるのかと思うと目眩がする。 人の多い場所はどうにも好きになれない。 ルイズに見つかるのとは別問題で、安請け合いをしたと後悔するオレ。 室内の酸素濃度が下がっている気がする・・・・ 「私は女性の皆様にお配りしますから、男性の方お願い出来ますか?」 「ああ、うん。」 デザートのトレイを幾らか乗せたワゴンを押してテーブルを回る。ワゴンのお陰で死角が出来、ガキどもからオレは見えない。 (シエスタもその辺は考えていてくれたようでありがたい) 席近くで盆を取り上げ、皿を並べる。隣同士と見比べて違いの無いように位置を整えてしまうのは、癖のようなものだ。 軽かった目眩は徐々に膨らんで、今朝の最悪な気分が帰ってくるようだった。 多過ぎる人間の気配、笑い声、足音、呼吸音。心の平穏を削り取られながら、それでも淡々と仕事をこなす。 いい気な貴族様どもは給仕を空気か何かのように気にもせず、勿論礼も言わない。 尽くされる事に慣れきって、当然の事だと思っているのだろう。 いい気なもんだ。 これが『平民』の、普段のシエスタ達の扱いだ。 周囲を見回す。 給仕もメイドも、足を休める事無く動き回り、それを気にとめる者は無い。 (上の為に働いてるってのに、この扱いは何だ?下の奴を馬鹿にしてる) シエスタこそ納得していたが、オレには無理だった。少しばかり、あの組織を思い出す・・・・ 爪先にこつんと、硬い感触があった。 目線を下げればそれは小瓶で、中で色付きの液体が光っている。何故こんな所にこんな物が? 拾い上げてみて、その小瓶を目で追う人間が居る事に気がついた。ブロンドに妙なセンスの服を着た、派手過ぎるガキだ。 瓶越しに目が会うと視線をそらされる。 「あー・・・・(何だ?)この小瓶に、心当たりはございますか?」 「知らないよ」 親切心でこっちから声をかけているのに、お前こっち来るんじゃねえよ感を丸出しにした視線で追い払われる。 脳味噌の中で思う様悪態をつくオレ。犬だって餌を貰ったら尻尾を振るぞ。糞『貴族様』どもめ! 「そうですか。失礼致しました。」 硬い作り笑顔で引き下がる。よっぽど何か言ってやりたいが、人目につきたくないからだ。 後でシエスタにでも渡しておこうと小瓶をポケットに押し込もうとする。すると、先ほど確かに『知らない』と言ったガキが、少し驚いた様子で口を開いた。 「それをどうするんだい?」 「・・・・・・・・(何だってんだよ)後ほど持ち主を探そうかと――――」 「おい、それ!モンモランシーの香水じゃあないか?」 近くでだべっていたガキの一人が、急に声を上げる。 「本当だ。でもなんてこんな所にあるんだ?モンモランシーは向こうに居るぜ」 「おい、決まってるだろ・・・・ギーシュが落としたんだよ、な?」 「嘘よ!」 おい、何だ何だ?香水一個拾っただけで何でこんなにも五月蝿くなる? 厄介ごとの臭いがキツいんで、オレは『ギーシュ』と呼ばれた男のテーブルに問題のブツをおいて、そそくさと其処を離れる。 約2メートルも離れたところで早足で歩く巻き毛の女に肩をぶつけ、思わず振り返り――――振り返りざまに、小気味いいビンタの音が鼓膜に届いた。 「この嘘吐き!もう二度と顔を見せないで!」 ちょっと目を離したすきに立派な修羅場が出来上がっていて、鬼神の如き怒気を撒き散らす女に泣き喚く少女、 張られた頬を押さえて涙目のガキ(男の癖に泣くなんて、見っとも無い奴。)、 それを待ってましたとばかりに囃し立てるその他大勢。 詰め寄る女に要領を得ない返事をする『ギーシュ』は、うろうろと視線を彷徨わせ・・・・ 「おい、そこのお前!」 まさかだろ。 「お前のお陰でたった今、二人のレディの名誉に傷がついた!どうしてくれるんだ?!」 傷がついたのはどう見てもお前の顔面だとか、バレたのが今ってだけだろういつから二股して居やがった?だとかはどうでもいい。 「酷い言いがかりでございます、『貴族様』。」 『貴族様』には思う様侮蔑の意味を込めて言ってやったがどうやら気づいてないようだった。 頼むぜマンモーニ、オレは目立ちたくないんだ。だからギャングに成り下がるような人間に、この手の忍耐を求めないでくれ。 そんなオレの気持ちは汲み取られる事無く、糞ガキは一方的に喚きたてる。 君が気を利かせないから悪いんだ根暗。 給仕ならそれぐらい察して、黙って手渡すなりするべきじゃないか地味顔。 要約すると、そんな感じ。 「気が回らず大変申し訳ございません、でし、たッ!」 びたん。 手に持っていた盆(デザート付き)を五月蝿いガキの面めがけて叩きつける。 ガキはそのままスッ転んでテーブルに後頭部を強かに打ち、クリームの潰れ飛び散る様を見て、ああこれは目立つな、と咄嗟に思う。 とりあえずマンモーニが泣き出す前に盆の上から顔面を踏みつけた。これで声は出ないだろ、息も吸えないが。 「頭が冷えたら後で彼女様の『どっちか』に慰めてもらってくださいませ。」 スマンシエスタ、やっぱりオレに人込みは無理だった。撤退だ。 懐から手鏡を取り出して自分を写す。 「『マン・イン・ザ――――」 「レビテーション。」 物凄い力でオレの手が引っ張られ、有無を言わさず手鏡がもぎ取られる! な、何だッ?!何が起きやがった! マン・イン・ザ・ミラーはオレを掴みそこね、最高にザワついた大食堂から消える術が取り上げられた。 最悪だ・・・・! 「キュルケの手鏡。・・・・ルイズの使い魔、貴方?」 まっすぐに吹っ飛んで言ったそいつは、メガネのチビ女の手にすっぽりと収まった。 初日の、『モノを浮かせる』スタンド使いか?!畜生、何だってこんな時にッ! 「神妙に。ルイズ、来るから。」 「そりゃあ困ったな・・・・」 今日は最低の一日と見た。ルイズが来る?じゃあそれまでにこの状況をどうにかしなきゃあいけない訳だ。一体どうやって!
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トップページ 世界観 用語集 最終更新日:2012-03-24 使い魔公式 非公式 使い魔 公式 初出:1話19章 マスターにより召還され、使役される。アレシアのペペなど。 使い魔は感受性の高い、高純度の石を好む。 また、使い魔のレベルは使役するマスターのレベルに依る。 非公式 2009-05-05に開催された公式茶会での、バストン会長の言をとりあげれば「自分の能力の一部を分け与える事で使役する事を可能とした動植物」で、召喚獣(神獣)とは違うらしい。 よくある質問 総合相談室では「召喚獣と使い魔契約を~」という一文もあり。 しかし結局のところ、使い魔とは何か、公式見解は不明。 ↑上へ戻る 表示ページの登録タグ:用語集 魔法
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使い魔(常時) 自分の魂を分け与え、思うが侭に操る知恵の高い生き物を作る技能。 一匹の動物を選び出し(大きさは犬程度まで)以下の効果を全て与える。 1:人並みの知能を持つ。 2:主の習得している言語で会話が可能。 3:『体力値』『精神値』を、一日の間にSL分、主が借り受け、使用することが出来る。この効果の回復は使い魔が12時間以上睡眠をとったときとする。 4:主と感覚の共有が可能。 ただし、以下の制限事項が加わる。 ‥24時間以内に1度、1m以内に1時間主とすごさなければならない。それが出来なければ、契約は解除される。 ‥使い魔が攻撃を受けた場合、減点は不可能。また、SL以上のダメージを受けた場合使い魔は死滅する。 ‥使い魔が追ったダメージは、SL×2P減点はできるが、そのまま主に返ってくる。 ‥使い魔にも意思があり、基本的に命令は遂行するが、自分が直接死ぬような行動は拒否する。(爆弾を背負って、突っ込めなど) ‥使い魔が死亡した場合、次の使い的の再契約が可能。ただし、SLが1レベルに低下する。 戻る
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使い魔ヨーホー UC 自然文明 (7) クリーチャー:ブック・エルフ 9000 ■W・ブレイカー ■自分のターンの終わりに、自分のクリーチャーを1体、バトルゾーンから自分のマナゾーンに置いてもよい。 作者:赤烏 フレーバーテキスト DMWC-14 「デュエリスト・スペシャル2 ロード・オブ・ディメンションズ」私、呼ばれてないんですけど。ヨーホホホホ。 ――使い魔ヨーホー 収録 DMW-07 「超越編 第3弾 竜獅子歌劇団(パーティー・オブ・ライオン)」 DMWC-14 「デュエリスト・スペシャル2 ロード・オブ・ディメンションズ」84/140 評価 名前 コメント
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浮遊大陸とでも言うのだろうか、それがアルビオンを最初に見たおれの感想だ。 空にが地面が浮かんでいるのだ。飛行船が必要なのも頷ける。 「アンリエッタからの手紙は城にあるんだ。悪いけどご足労願うよ」 そう言われてはこっちもそうするしかない。 ちなみにルイズの返答は「分かりました」だった。あの変な状態は終わったらしい。 城に着き手紙を返してもらうためにウェールズの部屋に行く。 その間にあった会話によるとウェールズはこの内乱で名誉のために負けるつもりらしい。 バッカじゃねえの?名誉なんか捨てて逃げればいいのに。 部屋の中はとても質素だった。 ウェールズは机の引き出しから小箱を取り出し、自分のネックレスについている鍵で箱を開けた。 中には手紙しかなかった。アレがアンリエッタからの手紙だろう。 さて、どうやってアレを奪い取ろうかな。 なるべく穏便に、かつバレないように済ませたい。 アレが何らかの手札となる力を持っていてもまだ戦力が足りない。 なので犯人として疑われるのはマズイのだ。 今はまだ力を蓄え、ある程度対抗できるようになってからあの手紙は意味を持つ。 そのためにも『いつの間にか無くなっていた、それも何処で無くしたか分からない』という状況が一番良い。 「殿下は姫様と恋仲であらせられたのですね?」 「昔の話だ」 「トリステインに亡命なされませ!」 「それはできない」 さっきからルイズとウェールズの話は堂々巡り、終わらせたのはノックの音だった。 「パーティーの準備が整いました」 パーティー?いいね、おれも参加しよう。 パーティーはかなり豪勢だった。 理由としては、 敵は明日の正午に攻撃を開始する。だがこちらには勝ち目が無い。 だから今日最後のパーティーを開くことにしたのだそうだ。 そして明日には死ぬのだから全部使っちゃおうという考えらしい。 実に良い。死ぬ気のないおれにとっては実に良い。 だがそう楽しんでもいられない。今がチャンスだからだ。 おれはパーティー会場を抜け出し、ルイズの部屋へ直行する。 そしてルイズの鞄から例の手紙を抜き出す。 持ちにくいだろうとの配慮でウェールズが封筒に入れてくれたのだが、これがおれにとってのチャンス。 目的の方を少し折り曲げてデルフの鞘の隙間に入れる。 この前気づいたのだが鞘にはそれくらいのスペースがあるのだ。 そしてちょろまかしてきた別の封筒をルイズの鞄に入れて、ミッションコンプリート。 さあパーティー会場に戻ろう。 ルイズの部屋を出てパーティー会場に意気揚々と戻る途中でウェールズに出会う。 「おや?君は、ヴァリエール嬢の使い魔の犬じゃないか。こんな所でどうしたんだい?」 ウェールズに会ったが大丈夫。普通に言い訳が出来る場所だ。 「えーと、ちょっと夜風に当たろうと思ったんだが道に迷っちゃって」 「ああ、そうなのかい?僕もそうしようと思ってたんだ。ついて来ると良い」 やぶへびだった。 まあいいや、なんとなく気になる事もあるし聞いてみよう。 ウェールズの案内でテラスに出る。 「ふー。やはりここは風が気持ち良いな、でもここの風を感じるのもこれが最後だと思うとちょっと感慨深いね」 「よく笑えるな」 会話を楽しむ気はないのでいきなり直球を投げる。 「え?」 「明日死ぬのによく笑えるなって言ったんだ。怖くないのか?」 これが聞きたい事。明日死ぬなんて事になったら普通ではいられないのにコイツは笑っている、それが分からない。 「そりゃ怖いよ。死ぬのが怖くないわけないだろう?」 「なら何故逃げない?」 「守るべきものがあるからさ」 「名誉とか誇りとかか?捨てちまえよそんなもん」 「そういう訳にはいかない。王族である以上これは義務なんだ。それにもう逃げる場所なんて無いしね」 コイツはさっきのルイズとの会話を忘れたらしい。 「トリステインがあるだろ」 「それをすると貴族派がトリステインに攻め込む理由を作ってしまうだろう?そんな事はしたくない」 その言葉でおれは何でコイツの何が気になったのかが分かった。 ―――同じなんだ。 コイツとおれは同じ事をしている。正確にはおれの取った行動と同じ事をしようとしてる。 自分の大切な者のために自分の命を捨てる。おれは仲間でウェールズは恋人。 それをなんとなく感じたから話をしてみようと思ったんだ。きっかけは偶然だったけど。 そしてコイツの気持ちがおれには分かってしまう。 だからおれにはコイツを止められない。 「どうしたんだ?」 おれの感情の変化を感じたのかウェールズが心配そうに聞いてきた。 「いや、なんでもない……アンタの気持ちは分かった…存分に死んで来い」 これしか言えない。 だって無理矢理亡命させる事は、おれにとってあの時ポルナレフを見捨てる事に等しいからだ。 何もできない自分が情けない。 「…分かった。明日は存分に戦って死ぬ事としよう」 察してくれたようでおれには何も言ってこない。 その顔には誇りと覚悟と満足があった。 あの時の自分を見れたとしたらこんな顔なのだろうか。 そんな考えを打ち破る音がした。戦闘の音だ。 「この音は!?」 ウェールズも気づいたらしい。 「パーティー会場からだ!行くぞ!」 どうやら敵は明日の決戦予告なんて守る気は無かったらしい。 おれたちは会場に向かった。 会場では白い仮面をつけた男にルイズが捕まっていた。 「イギーか…」 倒れているギーシュが状況を説明してくれた。 パーティーを楽しんでいたら、いきなり仮面の男×4が窓を突き破って突入してきて城の人間を殺し、 今は他の三人はどこかに行き、残った一人がルイズに手紙の在り処を聞いている。 キュルケとタバサは外で一緒に攻め込んできた兵士の相手をしているらしい。 なるほど。つまりおれ達はアイツを倒して脱出しなくちゃいけないって事か。 おれはデルフリンガーを鞘から抜き、戦闘体制に入った。 To Be Continued…
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#contents *使い魔の入手の仕方 [#qc40920d] 下記の3つの方法で入手できます。 +トカマクと分かれた後、アーメイから貰う。 (プッチバットorインプ。どちらを貰うかはランダムだが、アーメイと戦闘する前に貰ったペットを捨ててアーメイに話しかけると再びもらえる。) +該当モンスターカードを入手しアルバムに登録した後、瀕死の状態までHPを減らした状態で種族ごとに対応したカードで捕獲する。 同種のモンスターでも個体差があり、残りHPが0に近いほど捕獲成功率が上がる。 ([封印術師]の場合、スキル[精霊の盟約]で捕獲率がupします。) +他のPCから買う(トレード)。 表示例:[76315.100 900G](VIT STR DEX QUI MND HP 価格) *Lv1使い魔の捕獲 [#kcc3bee8] 現在判明していること(間違っている内容もあるかもしれない) -特定の使い魔のLv1を捕獲する場合、多数の出現マップがあってもLv1が出現するマップは決まっている -マップ内には敵の出現傾向があらかじめ設定されており、同一マップでも地域ごとで遭遇する敵の構成や数が変化する -Lv1の使い魔は本来出現する敵がLv1に置換されていると思われる -このことからLv1は特定座標ではなく、Lv1が確認されているマップで遭遇率の高い地域を探すことで見つけやすくなる -ただし、Lv1が出現するときの敵の構成は決まっている? -出現傾向は固定マップでもランダム生成ダンジョンでも歩き回ることで把握できる -Lv1はランダム生成ダンジョンでも発見できる *使い魔を手放す [#l2bfc7e6] +ペットショップで売却する。 --ファンブルクの南地区[99,63]にあります。 ---銅カードモンスター:販売価格=80+Lv*8 Gold ---銀カードモンスター:売却価格=80+Lv*16 Gold ---金カードモンスター:売却価格=80+Lv*40 Gold +他のPCに売る(トレード)。 表示例:[76315.100 900G](VIT STR DEX QUI MND HP 価格) *使い魔の数 [#f1427c16] 最大5匹まで保持できます。 そのうち戦闘(battle)に参加できるのは1匹、散歩(walk)させられるのは1匹です。 この2匹は違っても構わない 例. battle→インプ walk→ゴブリン *使い魔の忠誠度 [#f1427c16] 詳しくは分からないがPCよりレベルが低い方が忠誠度が高く、PCの魅力に関係する。 レベルは差ではなく比が関係しているようです。(PCがLv6とLv5の時で 1Lv↓のペットの忠誠度/PCの魅力 が違う) 忠誠が低いとマップに置けないので注意。60ならできることを確認しています。 更に低いと戦闘に参加させられないようです。 しばらく一緒に戦っていると60くらいに跳ね上がることがある。(原因不明) *その場に出す [#bf6676f7] ITEM→PETを開いて、 field にチェックを入れましょう。~ その場に最大5匹まで出すことが可能です。 名前にレベルやステータス、値段を書いて売買する場合によく用いられます。 *散歩させる [#c43df17b] ITEM→PETを開いて、 walk にチェックを入れましょう。~ あなたの後を憑いて歩くようになります。 ※多くの人が出すとサーバー及びクライアントに負荷がかかる可能性があります。~ 必要の無いときはOFFにしておくと、皆が幸せになれるかもしれません。 *戦闘に参加させる [#pf550df2] ITEM→PETを開いて、 BATTLE にチェックを入れましょう。 戦闘であなたと共に戦います。 -戦闘に出せるLvは、自Lv+5までです。 *指示を出す [#ybecbdd1] 戦闘中コマンドウィンドウで「ガンガン攻撃」の左右にある△をクリックして、任意の指令にできます。 |~♂キャラ指示|~♀キャラ指示|~行動| |CENTER |CENTER |CENTER |c |ガンガン攻撃|ガンガン攻撃|打撃・スキル攻撃を続けます| |↓↑|↓↑|| |俺を助けろ|私を助けて|| |↓↑|↓↑|| |何もするな|なんにもしないで|防御し続けます| |↓↑|↓↑|| |おまえに任せた|あなたに任せた|| |↓↑|↓↑|| ||チャッカリいくの|| |↓↑|↓↑|| ||言うこと聞いて|PLが対象・スキル等を指示します| |↓↑|↓↑|| |慎重にいけ|慎重にいこう|| |↓↑|↓↑|| |ガンガン攻撃 br;(以下ループ)|ガンガン攻撃 br;(以下ループ)|| #br *スキルを覚えさせる [#adce3fae] -どのスキルを覚えるかは、現状実際に試してみるしかありません。 (スキルの本?は売却価格が購入価格より下回る場合があります。) -ステータスが足りない場合、「能力が足りない」と表示されます。 LvUpかBP振りでステータスを上昇させれば、習得可能です。 -各モンスターのスキル習得情報は[[ color(Navy){こちら}; モンスター/アルバム]]から *コメント [#f829a810] 使い魔に関する情報をお待ちしています。 #pcomment
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キュルケとタバサは、 ルイズがレビテーションも使わずに見事地表に到達してみせたことに対して、 激しく引いていた。 2人とも何も口にせず、 ただシルフィードがバッサバッサとはばたく音しかしない。 「……………………」 「……………………」 おそらく、考えていることは一緒なのだろうが、 それを口に出すのは、何というか ……とてもルイズに対して失礼な気がして、憚られた。 しかし、その気まずい沈黙をキュルケが破った。 「………………ねぇ」 「…………………?」 「人間って、こんな高い所から飛び降りても、 動けるんだ………」 「………………さぁ」 下ではルイズが、 ゴーレムをあっさりと倒したDIOと何やら話をしていた。 これからフーケを拘束する手順でも確認しているのだろうか。 そう思い至ったら、今まで呆けていたキュルケの心に、 メラメラと自尊心の炎が燃え上がった。 自分達は、ほとんど何もしてない。 ルイズを助けるためにゴーレムと一戦したが、 ほんの3、4合だけ、交えただけだ。 これではまるで、ルイズ…ヴァリエール家とDIOが主役で、 自分たちは引き立て役みたいに見えはしないか。 そんなこと、ツェルプストー家の血を引くキュルケが 許すはずがない。 ゴーレムを失ったとはいえ、 フーケはまだやられてはいないだろう。 イタチの最後っ屁くらいのことはする可能性が十二分にある。 それなら、自分たちがそこをやってしまえばいい。 ルイズよりも先に、フーケを捕らえるのだ。 何だか横取りするみたいだが、 それはツェルプストー家とヴァリエール家では日常茶飯事だから問題ない。 フーケを捕まえれば、美味しいところも取れるし、 フーケに対する意趣返しにもなるし、 何よりルイズはさぞ悔しがるに違いない。 油揚げをさらわれて、 顔を真っ赤にして地団太踏むルイズを想像して、 キュルケはウキウキしてきた。 善は急げと、キュルケはタバサに話しかけた。 「タバサ、私たちも降りるわよ!! ヴァリエールなんかに手柄を独り占めさせてたまりますかってぇの! GOよ、GO!」 バタバタと急かすキュルケに、タバサは普段と変わらない無表情で頷いた。 タバサ自身もそうするつもりだった。 今、あの2人をフリーにしておくのは、危険だと思ったからだった。 タバサの脳裏に、ブルドンネ街での出来事がフラッシュバックした。 (無駄無駄…) あの時のルイズの威圧感に、 珍しくタバサは逃げの一手を打った。 自分たちの知らないところで、 何かとても恐ろしい事が進んでいるのではという不安が、グルグルと渦を巻く。 目の前でやきもきしているキュルケは、 ルイズに対する対抗心や、功名心でフーケと戦おうとしているが、 それに比べて、ルイズはどうだろう。 名誉だとか、貴族としての誇りだとか ……そんなものよりも、もっと俗っぽくて、 大きな野望の為に杖を振るっているような印象を受けた。 その姿勢が微かに自分と重なって、 タバサはルイズに対して、奇妙な親近感も覚えていた。 タバサはシルフィードに、降下の指示を出した。 シルフィードがきゅいと主に応じて、ゆっくりと高度を下げていく。 半分ほど下がったところで、キュルケが疑問の声を上げた。 「……あら、ルイズの使い魔がいないわ。 どこ行ったのかしら? トイレ?」 ……………いない? それを聞いて、ゾワッと身の毛がよだつ感覚が、 タバサを包んだ。 今まで積んだ経験が、やかましく警報を鳴らす。 このまま降下することは、非常にマズいことだと直感で確信し、 タバサは1も2もなく上昇の指示をシルフィードに出した。 シルフィードは忠実に主の命令に従って、下降を止めた。 ――――しかしそれも失策だった。 一時的にだが、シルフィードの体が低空で停止してしまったのだ。 「失礼、お嬢様方」 突如、その場にはいないはずの、 第三者の声がして、2人は弾かれたように後ろを振り向いた。 ルイズがいなくなったことで出来たスペースに、 1人の男が腰を掛けていた。 脚を組んで、綺麗な紅い瞳で2人を見つめているその男は、DIOだった。 いつのまにか、そしてどうやってか、シルフィードに乗り込んでいたのだ。 いきなり積載人数が3人に増えたことに驚いたのか、 シルフィードの体は硬直してしまった。 DIOが瞬間移動らしき技を使える事は、 2人は先ほどのゴーレムを見て重々承知したが、 こうして音もなく背後に迫られると、改めて脅威を感じざるを得ない。 しかし、彼は現在ルイズの使い魔であり、 自分たちサイドであるはずだ。 まさか襲ってくるなんてこと、 あるはずがない………。 DIOに対する恐怖が、そのまま微かな甘えにつながり、 キュルケに間違った行動を取らせた。 キュルケは少々キョドった調子でDIOに話しかけた。 「な………何か用なわけ? あんた、御主人様を1人きりにしちゃ 危ないんじゃないの?」こっそりと距離を取りつつそう言うキュルケに、 DIOは静かに笑って、立ち上がった。 風竜の背中は、凹凸があってバランスが取りにくいにもかかわらず、 身じろぎすることなく、しっかりと両足で立っている。 その腰には、デルフリンガーが下げられているが、 鞘に入れられていて、沈黙を保っている。 ブロンドの髪が、風に吹かれてフワフワ揺れる。 キュルケを見下ろすDIOは、 キュルケから視線を外さずにゆっくりと背中に手を回して……………… "ズジャラァアァア!!" と、どこからともなくナイフの束を取り出した。 まさに魔法のズボンだ。 ジャラジャラと金属の擦れる音を鳴らせながら、 これ見よがしにナイフを握った手を揺らすDIOを見て、 キュルケの顔から、一気に血の気が引いた。 「あ………………まじ?」 その光景に、かつての決闘の折りのギーシュの末路が連想され、 キュルケはゴクッと唾を飲み込んだ。 「突然で不躾だが…私と一曲お願いできるかな、 ミス?」 フフフ…と妖しく微笑む様は、一見冗談めかしたようにも思えるが、 放つ殺気が、これは冗談ではないということを 雄弁に物語っている。 突如牙を剥いたDIOに、 キュルケはすぐさま杖を向けようとしたが……それよりも先にタバサが動いた。 タバサが高速で詠唱を行い、杖を振っていた。 次の瞬間、質量を持った風がキュルケ越しにDIOを襲い、 DIOはシルフィードの上からドカンと吹き飛ばされた。 「エア・ハンマー……!」 空中に投げ出されたDIOが、木の葉のように落下していく。 タバサはそれをじっと眺めていた。 「…ありがと。 助かったわ」 しかしタバサはキュルケに答えなかった。 下の森へと姿を消してゆくDIOを見て、 タバサは周囲に視線を巡らせる。 果たして、森へ墜落したはずのDIOが、2人の目前の宙に浮かんでいた。 瞬間移動だ。 気付いたと同時に2人ともが詠唱を行うが、 DIOはそれを許さなかった。 「視界が効くからな……空にいられては困る。 そら、そんな魔法より、 レビテーションとやらを唱えた方がいいぞ」 からかうように忠告をした後、DIOが軽く手を振った。 DIOの体から『ザ・ワールド』が浮かび上がり、 シルフィードの顎を強打した。 鋼鉄をも粉砕する『ザ・ワールド』の一撃で 脳をシェイクされたシルフィードは、白目を剥いて気絶した。 今度は、キュルケ達の方が木の葉のように落下する番だった。 2人とも大慌てで自らにレビテーションをかけ、 そのあと、タバサがシルフィードにもレビテーションをかけた。 ゆっくりと地面に降り立った2人は互いに背合わせに構え、 隙をなくす。 すると、時間的にはまだ宙にいるはずのDIOが、 木の陰から姿を現した。 不可解な現象を疑問に思う暇もなく、 2人は攻撃魔法を詠唱した。 最初に詠唱が完成したキュルケの『フレイム・ボール』が、 唸りをあげてDIOに飛来した。 しかしDIOは、飛んでくる炎の玉を避ける仕草すら見せず、 パンパンと手を二度打った。 すると、炎の玉がDIOの体をすり抜けた。 DIOが一瞬で2人の方へと移動したからだ。 炎の玉は、虚しく空気を裂きながら、 森の奥へと消えていった。 キュルケはその光景に唖然としたが、 惚けている暇などもちろんない。 「ラグース・ウォータル・イス・イーサ・ ハガラース……」 再び詠唱を始めるキュルケの隣で、 タバサが呪文を完成させて、杖を回転させた。 大蛇のような氷の槍が何本も現れ、 回転を始め、太く、鋭く、青い輝きを増していく。 「"氷槍(ジャベリン)"!!」 タバサの声と共に、トライアングルスペルであるジャベリンが、 DIOに襲いかかった。 それを見て、DIOは手を軽く振る。 『ザ・ワールド』が、DIOの体から浮かび上がり、 両の拳の壮絶なラッシュで、ジャベリンを迎え撃った。 「えぇい、貧弱!貧弱ゥ!」 拳と氷の槍が交差する。 『ザ・ワールド』によって亜音速で繰り出される拳の弾幕は、 ジャベリンを1本も後ろに通すことなく、 その全てをガラスのように粉々に砕いた。 トライアングルスペルが真正面からあっさりと破られ、 流石のタバサも動揺を隠せない。 攻撃の手が緩まったその一瞬の間をとって、 DIOがタバサに話しかけた。 「面白い魔法だ。 お前のような攻撃をする者を、私は1人知っている。 ………死んだがね。 もちろん私が殺した。 お前もあいつのようになりたいかな?」 タバサは聞こえない振りをした。 今や敵となったDIOの言葉など、聞くだけ無駄だと思ったからだった。 すぐに次の魔法を唱え始めるタバサだったが……… 「…やはり君は彼に似ている。 彼もそうだった。 心にぽっかり穴が開いていて、 決して満たされることがない。 心から望むものを、手に入れていないからだ。 ………違うかな?」 DIOの、心の隙間をつく言葉にタバサの詠唱が止まった。 ピンで止められたみたいに、 タバサは微動だにできなかった。 「私はそれを君に与えてやることができる。 …教えてくれ。 お前が欲しい物は……何だ?」 ―――私が、欲しい、物…………。 タバサはDIOの目を見た。 優しげな紅い瞳が、タバサを見返した。 その慈愛に満ちた眼差しに包まれて、 タバサは微かな安心を感じ始めてしまっていた。 まるで、母に抱きしめられているような安らぎを。 この人なら…………… 私の望みを叶えてくれるのではないか…? そう考えてしまうほど、 DIOの言葉は不思議な魅力に溢れていた。 ぱったりと攻撃の手を休めてしまったタバサを、 キュルケが叱責した。 「タバサ!! 何やってるの!!!」 キュルケが再びフレイム・ボールをDIOに放った。 しかし、やはりそれは瞬間移動によってかわされてしまう。 戦場で攻撃を躊躇するなど、 普段のタバサではありえないことなのだが、 キュルケの叱責をうけてもなお、 タバサは詠唱を再開することはなかった。 挙げ句の果てに、ぺたんと座り込んでしまい、 考えごとをするように沈黙している。 攻撃するのがキュルケだけになってしまい、 その結果、攻撃の間の隙が大きくなってしまった。 その隙を縫って、 DIOがゆっくりと近づいてゆく。 やろうと思えば、瞬時に距離をゼロにすることだってできるだろうに、 DIOは何故かそれをしない。 まるで時間稼ぎをしているようだった。 しかし、徐々に徐々に距離が縮まっていく様は、 逆にキュルケの神経に負担を掛ける。 それがさらなる隙につながり、ついに2人はDIOの射程圏に入ってしまった。 約8メイル。 まずい、と思う暇なく、 『ザ・ワールド』が現れた。 まさしく幽霊のような、 軌道を読ませない動き方でキュルケに迫った『ザ・ワールド』は、 その拳でキュルケの杖を弾き飛ばした。 「くっ…!」 杖を握っていた手に、鈍い痛みが走り、 キュルケは苦悶の表情を浮かべた。 「杖が無ければ、メイジはかくも無力だな。 我が『ザ・ワールド』の敵ではなかった」 もはや警戒する必要すらなくなり、 DIOはスタスタとキュルケに歩み寄った。 タバサはその傍で座り込んだままだ。 「なんで、いきなりこんなこと………! わけわかんないわよ!!」 理由もなく、突然襲いかかられたことに対する怒りから、 キュルケは怒声を張り上げた。 「残念ながら、私には答える必要がない。 ……雷に打たれたと思って、諦めるんだな」 キュルケの言葉をそう受け流し、 DIOはとどめをさすべく『ザ・ワールド』ではなく、 自分自身の手を振り上げた。 それを見たキュルケは、 直ぐに襲いかかるだろう痛みに備えて、体を硬直させた。 ―――そのとき、遠くから何かが爆発する音が聞こえた。 すると、DIOの左手のルーンがぼぅっ…と怪しい光を放ち始めた。 その光が輝きを増すにつれて、DIOが苦痛に身を捩る。 「……ッ! 良いところで茶々を入れるか…!! ………わかった。 すぐにそっちに行けばいいのだろう、ルイズ」 忌々しげな口調でブツブツと呟きだしたDIOに、 キュルケはただただ狼狽した。 暫くしたあと、DIOがキュルケに向き直った。 「『マスター』が呼んでいる。 残念ながら、ここまでだ。 もう少しだったが……まぁいい、収穫はあった」 チラリとタバサに視線を向けてそう言ったDIOは、 最後とばかりにナイフの束を取り出して、優雅に一礼した。 「途中でおいとまさせてもらう、私なりのお詫びだ。 遠慮なくとっておいてくれ」 DIOはパチンと指を鳴らした。 すると、DIOの姿が忽然と掻き消えた。 キュルケは、いきなりDIOが姿を消した事にも驚いたが、 目の前に広がる光景には更に驚いた。 何と、幾本もの鋭いナイフが、2人めがけて飛来してきていたのだ。 「ひぃぇ!?」 キュルケは情けない悲鳴を上げた。 "ドバァアー!" と、凄まじい勢いで接近するナイフを見て、いつぞやのギーシュのように、 ハリネズミになってしまう自分の姿が想像される。 しかし、そのナイフは2人に到達することはなかった。 キュルケの隣から発生した風の壁が、 ナイフを弾き飛ばしたのだ。 「ウィンド・ブレイク…」 力のない詠唱は、タバサから発せられたものだった。 魔力は精神力。 今、精神的に沈んでいるタバサでは、 いつものような烈風は起こせなかったが、 それでもナイフを弾き飛ばすには十分であった。 ガチャガチャと音を立てて落下していくナイフを見て、 安堵のため息をついたキュルケは、隣に座り込んでいるタバサを見た。 力の込もっていない瞳が、虚空を見つめていた。 タバサの杖が、コロンと転がった。 「タバサ……?」 キュルケの呼びかけに、タバサは虚ろな目をキュルケに向けた。 「………なさい」 「…え?」 「……ごめんなさい」 キュルケに視線を向けてはいるが、しかし、 キュルケではない誰かを見ているような視線で、 タバサはそう呟いた。 キュルケは一瞬、 あのとき詠唱を止めてしまったことを謝っているのかとも思ったが、 どうも違うようである。キュルケはひとまず、タバサに手を差し出して、 彼女が立ち上がるのを助けた。 しかし、立ち上がってからもタバサはただ、 ごめんなさい…と繰り返すだけだった。 それが誰に向けた謝罪なのか、 キュルケにはようとして分からなかった。 to be continued……
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「……一体、これはどういう事だ?」 場所は『女神の杵』亭の中庭。 かつては貴族たちが集まり、トリステインの王が閲兵を行ったという練兵場跡で、ワルドはDIOと向かい合っていた。 しかし、ワルドが決闘に備えて緊張した趣であるのに対し、DIOはいつもと変わらない佇まいである。 何よりの違いは、DIOの放つ空気だった。 決闘などする気など全く感じられない、緩かな雰囲気。 その代わりに、DIOの隣に立つ一人の少女が、全身に闘気を纏わせているではないか。 これでは、まるで少女の方が決闘に臨むかのようである。 「ワルド、来いって言うから来てみれば、そのメイドとチャンバラする気なの?」 思ったことをそのまま述べたのは、ルイズであった。 彼女はこの決闘の介添え人として、ワルドに呼び出されたのであったが、 早い時間に起こされた彼女は、機嫌がよろしくなかった。 遊んでる場合じゃないでしょうが……と、じと目で呟くルイズに、ワルドは慌てて否定した。 「いや、ルイズ待ってくれ。これにはちょっとした事情が……!」 「うむ、子爵の言う通り。やむにやまれぬ事情があるのだ」 ワルドの台詞を横取りする形で、DIOが言った。 上手い言い訳が思いつかないワルドにとっては、ありがたい横槍と言えた。 しかし、DIOに出しゃばらせるのは癪と思うワルドは、即座に抗議の声を上げた。 「使い魔君……レディを代理に立てた挙げ句自分は高みの見物とは、紳士としてあるまじき振る舞いだぞ。 君には、男としての名誉を尊ぶ精神が無いのか?」 『名誉を尊ぶ』などという建て前が、ワルドの口から出た途端、ルイズは吹き出しそうになってしまった。 あのDIOが、そんな使い古された常套文句にいちいち反応するなんて有り得ないと、痛いほどに分かっていたからだった。 それを証明するかのように、DIOは薄く笑った。 猫がネズミをいたぶる時のような彼の笑みの意味を、ルイズはこれまたよく分かっていた。 「勿論これにはきちんとした理由がある。 私としても、子爵と剣を交えるのはやぶさかではないのだが、生憎と、今の私は療養中の身なのだ。 子爵が退室した後に思い出したのだが、過度に飛んだり跳ねたりする真似は絶対にするなと、 私は医者にキツく言われていたのだよ」 本当に悲しそうな顔をして、釈明を始めるDIO。 嘘八百とはこの事ね、とルイズがぼやいた。 しかし、その声は小さく、その場にいた者に聞かれることはなかった。 DIOの説明は続く。 「しかし、それでは折角私の部屋に出向いてまで決闘を申し込みに来てくれた子爵に対して、礼を失することになってしまう。 そこで、彼女を代理に立てるという形で、子爵の礼に最大限応えようという結論に達したわけだ。 断腸の思いだった。 私の腕前を子爵に披露することが出来ない無念を、『紳士的に』理解してくれると有り難いな、子爵。 だが、安心してくれ。 代理とはいえ、彼女の腕前は確かだ。私が保証する」 「しかし、う………むぅ…」 立て板に水を流したようなDIOの説明に、ワルドはすっかり閉口してしまった。 これでは、当初の計画における目的が、十分に達成できない。 今無理やり場の流れを変えようとしても、白々しく映ってしまい、ルイズの心証を悪くしてしまう。 最早ワルドに選択の余地はないのだが、それでもワルドは諦めきれなかった。 目の前に悠然と佇むあの男、どう見てもそんな重傷患者には思えない。 ワルドはそこを突いてみることにした。 「り、療養中といったね、使い魔君……。 ならば、今この場でその証拠を見せることは出来るかい?」 ワルドの最後の足掻きに対して、DIOは無言で己の首筋を見せつけた。 自然と、その場にいた人間の視線を集めることになる。 そこには、まるで一度切り落とした首を無理矢理肉体(ボディ)と繋ぎ合わせたような生々しい傷跡が、くっきりと刻まれていた。 「船の爆発事故に巻き込まれた時の傷だ。 似たような傷が、体中至る所にある」 やや忌々しげに傷の説明を加えるDIOに、ワルドはとうとう諦めた。 こうなった以上、自分にとって出来る限り最善の結末を迎えることを狙わうしかないと、ワルドは自分の心を切り替える。ルイズがいる手前、無様な姿だけは決して見せられない。 「うう、む…………仕方あるまい。 レディ相手に杖を振るというのも気の進まない話だが……」 内心の決心とは裏腹に、取り敢えずの躊躇いを見せるワルドに対して、シエスタは律儀に答えた。 「余計な心配でございます。 DIO様はわたくしに『一切を任せる』と仰いました。 従って、子爵様。大変畏れ多いことですが、わたくしをDIO様と思ってお相手をなさって結構でございます」 そう言いつつ、シエスタは懐から何やら取り出して、己の両拳に嵌めた。 今回は剣は使わないらしい。 金属で作られているのであろうソレは、昇りきった朝日の光を照り返し、ギラリと危険な輝きを放っている。 一見すると連なった四連の指輪のようにも思えるが、どうやらアレが彼女の武器のようだ。 魔法衛士隊隊長であるワルドですら、見たことの無い一品である。 拳で握り込む物であるらしいことだけは見て取れた。 だが彼に限らず、魔法を使うメイジ達には、ソレが何なのかを知る機会など皆無であっただろう。 ソレは魔法の使えない平民の武器であった。 ソレは、人々から煙たがられるゴロツキ達にとって、また、拳で語る漢達にとっての心強い味方。 その名をメリケンサックといった。 一度それを手に嵌めれば、使い手のパンチ力を反則的なまでに引き上げてくれる素敵アイテムである。 ましてやシエスタは、『固定化』の魔法をかけられた壁を素手で破壊する腕力の持ち主(ワルドは知らないが)。 そんな彼女がメリケンサックを嵌めたとなれば、その威力たるや、五臓六腑に響き渡るだろうことは想像に難くない。 運悪く脳天を直撃でもすれば、彼の頭蓋は地面に落としたワイングラスにも負けないくらい粉々に砕け散るだろう。 だが、彼女の怪力を今一つ実感することが出来ないワルドは、 どこか現実感の無い視線をシエスタに投げ掛けるだけである。 そんなワルドをよそに、シエスタは何度かメリケンサックの微妙な位置調整をした後、 両の拳を胸の前でガツンガツンと叩き合わせた。 見るからに闘志全開、意気揚々、殺る気満々という風情であった。 それもそのはず、彼女は自分の主の敵になる者は、例えお遊びであっても微塵の容赦もしないのである。 軽やかなステップと共にファイティング・ポーズを取ったシエスタは、視殺戦をワルドに仕掛けた。 真っ向から殺気を向けられて、相手が本気だとわかると、ワルドの顔が徐々に厳しいものになっていく。 「……なるほど、言うだけの事はあるな。 気迫だけはなかなかのものだ」 それは魔法衛士隊隊長としての、そして歴戦の戦士としての顔であった。 腰に下げてあった愛用の杖をやおら引き抜き、フェンシングの構えのように前方に突き出す。 「いざ、尋常に勝負といこう!!」 ワルドの掛け声を合図に、シエスタが地面を蹴り、流星のようにワルドに接近した。 (早い! ……が、直線的だな。 昨日の剣の使い方といい、やはりド素人か!) 凡そ華奢な少女の肉体では出せないほどのスピードにワルドは内心驚愕したものの、 長年の経験を生かし、顔色一つ変えずに迎え撃った。 ―――そう、迎え撃ってしまったのである。 得意げな顔をして杖を構え、衝撃に備えるワルドの姿を見て、ルイズは思わず叫んでいた。 「ワルド! 避けなさぁあああぁあい!!!」 だが、一足遅かった。 金属と金属がぶつかる鈍い音が響き渡り、火花が散った。 。 初合の勢いを殺しきれなかったのか、シエスタはバランスを崩して転倒してしまった。 ズザザーッ! と激しい砂埃をあげながら地面を滑るシエスタを、ワルドは油断無く見やる。 初撃をスマートに受け流す事が出来たとばかり思い込み、口端を吊り上げずにはいられなかった。 だが、転倒したシエスタに追撃を加えるために杖を振ろうとした時、彼は自分の右腕に起きた変化に気がついた。 ピクリとも動かない上に、右肩から先の感覚が全くないのだ。 恐る恐る自分の右腕を見る。 「おや?」 あらぬ方向にねじ曲がった右腕が、杖を握ったまま風もないのにぶらぶら揺れていた。 余りに想定外な出来事に、ワルドはどこか他人事のような顔をした。 しかし、徐々に右腕から走り出してくる激痛に、ワルドの意識は容赦なく現実に引き戻された。 「うおおおおおおおおおおおおおおお おおおおおおおおおおおお!?!?」 すれ違いざまのシエスタの一撃は、杖による防御を無視して、ワルドの右腕を破壊していたのであった。 見慣れたはずの自分の腕が、目も当てられない醜い姿に変わり果ててしまえば、誰だって叫び声をあげるだろう。 それは、王宮ではいつも冷静沈着で通っているワルドですら例外ではなかった。 「あのバカ……どういう技なのか見切れないのかしら」 技も何も、実際の所シエスタは、ただ力任せにぶん殴っただけである。 別にワルドがとんでもなく浅慮だったというわけではない。 むしろ、右腕粉砕という程度で済んだワルドの肉体のタフネスを誉めてやるべきだった。 常人なら腕を吹っ飛ばされていたに違いないのだが、そんな言い訳はルイズには通用しない。 喉よ裂けろとばかりに叫ぶワルドに冷たい視線を送りながら、ルイズは呆れ半分、怒り半分と感じで呟いたのだった。 to be continued……
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・トラスティア世界でのみ使役出来る ・それは契約した悪魔等かもしれないし、己の内側が悪魔等として具現化したものかもしれない ・基本的にトラスティア世界では使い魔を持つ者が多いが、必須ではない ・中立地帯や重要施設では無闇に使役すると何者かに排除される ・使役する使い魔は基本的にプレーヤーさんが考えて下さい。アトラスゲーとかに疎いけどなんとなく使い魔が欲しいという方は申請して下さい。 出来るだけコチラで用意しますし、スレで広く募集をするのもいいかもしれません。 ・属性や技などこまけぇこたぁ(ry。ただ、チートすぎるものは禁止。あとは弱点攻撃などは戦闘中の雰囲気に任せます ・使い魔は倒されても、次のセッション時には回復します。また回復魔法等による復活もありですが限度は考えましょう ・主に精神にダメージがフィードバックします。酷使するとその分、頭痛が激しくなります。経験すればダメージは軽減化 ・原則として、トラスティア外での使い魔の使用は出来ない。だが、「しかるべき手段」を取れば召喚して使役も可能 ・外部でも使い魔カードによりホログラム化をしてコミュニケーションを取ることは出来る 使い魔作成(以下から必要事項を選択) ※【名前】 ※【使役者】 【大きさ】SS S M L LLより選択。Mが人間サイズになります。 【種族】 【属性】 【アイテム】 【技能】 【備考】
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職員や生徒の間で勅使が亡くなった、というニュースが流れていたが、その日は大多数の生徒にとっていつもの平和な朝だった。 もちろん、1人の少女と使い魔の間でも。 「……で、あの『ぷろてくたー』ってのはなんなの?」 「俺の世界では、身に纏う防具だったが…名づけた相手にとっては比喩だろう。俺の体の管から水蒸気を出し、それをウズ状にして 俺の周りに纏わせる。そうすれば光が屈折して俺に当たらない、故に姿が見えにくくなる。まあ、元々の目的は透明化ではないがな」 「あんたの風って便利ねー。異世界の亜人ってこんなんばかりだとしたら…恐ろしすぎるわね」 ワムウはそうでもない、と否定をする。 「我々はもう4人、いや2人しか残っていない。あちらでは亜人などと言う言い方はしていなかったがためになにを指しているか 詳しくはわからんが俺の世界で高等生命に足る知性があるのは人間と吸血鬼、屍食鬼くらいだった。俺の知っている限りではな」 「我々、ってことはあんたみたく風を操るのがあと1人いたの?」 「元々は4人居たのだが、2人は戦死した」 ルイズは黙る。 ワムウは語りだす。 「我々は一人一人能力が違う。一人はサンタナ、奴には大した能力も知性もなかった。もう一人はエシディシ様だ。あのお方は我々の中で 最も勤勉で、人間どもの戦略を必死に学んでいたな。二〇〇〇年ぶりの目覚めだというのに『戦争論』だの『海軍戦略』読んでいてなにが 楽しいか私には理解できなかったがな。あとは少々、気難しいというかなんというか…そして、エシディシ様は熱を操る流法『怪焔王』を 使っていた。俺の能力よりも使いやすく、どんな状況でもあの方ははほぼ落ち着いていた…ほぼだがな」 「次はカーズ様だ。我々の世界で吸血鬼を生み出す『石仮面』を作り上げるほどの知能の持ち主であった。正直な話、俺が求める『戦士像』 とは違っていたが、それでも偉大な方であった、と俺は思う。カーズ様は……もうあうこともないだろうしお前に話しても構わないだろうな、 カーズ様の流法は『光』。輝彩滑刀の流法といって骨を硬質化してエッジの部分を絶え間なく動かすことによって『チェーンソー』のように 切れ味を増し、どんな堅い物質であろうとも切り裂く。俺の肉体でも一瞬で切り裂かれるかもしれんな」 ルイズは、この目の前の化け物のような働きをした亜人の肉体を切り裂く武器があるのかと驚き息を呑んだ。『チェーンソー』とはなにかはよくわからなかったが。 「そして…仲間ではないが…というか我々の敵である人間、俺を破った人間の話だ」 ワムウを一人で倒せる人間の話、と聞いてルイズは今まで以上に緊張する。 「名はジョセフ…波紋戦士…正真正銘人間の青年だ。」 「ねえワムウ、あんたの話にたまにでてきたけど…波紋ってなに?」 ワムウは少し考えたのち答える。 「波紋とは…俺には原理はよくわからんが…吸血鬼、屍食鬼、そして我々の天敵だ。我々一族は普通の生命が例えば蹴りをはなって 来たとしよう。我々はその蹴りを、足ごと吸収して食える。したがって武器なしで打撃を与えることは普通はできないし、 武器があったとしても我々に身体能力で敵う生命など生まれてこのかたみたことがない。これは自慢でも過信でもない。 我々の誇りと自負だ。しかし、『波紋』は我々の弱点である。人間がこれを纏えば、我々にとってはどんな鎧よりも恐ろしい鎧となる。 波紋を纏った蹴りを吸収しようとすれば内部から組織が破壊され、波紋が通っている油を塗った鉄球を打ち込まれれば 屈強な我々一族の肉体をも貫き、立ち上がることすらできなくなる」 ワムウは続ける。 「そして俺を破った戦士、ジョセフはその波紋の使い手の一人であった。波紋の強さ自体は今まで戦ってきた戦士の中では中の上 程度であった、が、自分の弱ささえも武器にし、自分の本質を最大限に生かしていた。これは前にもいったな。『したたかさ』と 『高潔さ』を両立できる人間…戦士を俺は尊敬している。俺にとってそういった者は友であり尊敬するもの。俺は俺を倒した ジョセフや、俺に向かってきた戦士たちを尊敬している」 「あんたのいう『戦士』って、ただ強いだけってことじゃないの?」 「強者こそは真理であるし、敬意をも払う。しかし、俺が目指す、尊敬している友人たちは強いだけではなかった」 「話が長くなったな、もうそろそろ食事の時間だろう」 ワムウは話を終え、外へと出て行った。 * * * 朝の食堂。 「お、おはようモンモンラシー!今日も素敵だね!」 キザなセリフを吐きながらも、なぜか声の裏返っているギーシュ。 「そんなに慌てて、またあんたなにかやましいことでもあるのね?」 「ぜ、ぜぜぜぜぜぜんぜんないよ!ハハハハ!」 「ギーシュ様…最低!」 入り口に立っている女の子が泣きながら外に走り出した。 「あの子は後輩のケティね……あんた、後輩にも手を出して…」 「ははは、ちょっと待ってくれ、平和的に話し合いで…」 「どうして欲しいのあんたは?色々と嫌がらせしてみる?あんたのファン減らすためには…そうね、色々とバラしてみる?」 「や、やめてください…」 「ってことはやっぱりまだやましいことがあるのね?オラオラオラァー裁くのは私の水魔法だァーーッ!」 今日も食堂は平和であった。 ルイズ達が入ってくるとやや雰囲気が強張ったが、決闘騒ぎはもう過去の物となり、影にさえ気にしていれば大丈夫とされたため 大多数には特に目立った変化もなかった。キュルケはまだ怯えている少数派の一員だったが。 「あら、おはようシエスタ」 「おはようございます、ミス・ヴァリエール」 「前は言いそびれちゃったけれども、ルイズでいいわよ。そんな畏まらないで」 「そ、そんな恐れ多いです……そういえば前に話しましたモット伯の話を聞きました?」 ルイズはビクリとふるえる。ワムウは平然と食事を続ける。 (落ち着くのよルイズ……落ち着いて自然数を数えるんだ…自然数はなにかがある数字…私と胸に力を与えてくれる…) 「い、いえ聞いてないわ」 「それが、行方不明になったらしくて、私が勤める話もご破算になって…それでここの仕事に復帰できたんです」 「そ、そうよかったじゃない」 「ミス・ヴァリエール、なんだか目が虚ろですけれど風邪でもおひきになられましたか?」 「べ、別になんでもないわ、大丈夫よ。気にしないで」 「そうですか、では仕事に戻らせてもらいます」 シエスタが席から離れていき、ルイズはため息をついた。 (なんとか、うまくいったようね…死体も残ってないから「行方不明」になってるんでしょうけど…冷静に考えるとすごい恐ろしいわね) どうにか一息つき、シエスタの働きぶりを眺める。 (しかしよく働くわねー。メイドだけじゃなくウエイターや会計までやってるわ) 今日は虚無の曜日の前の平日であり、出かけている人も少なく、食堂は非常に混んでいた。 そして、その日はウエイターが数人休んでおり、ただでさえ多いシエスタの仕事は増していた。 そのため、いつものシエスタならば起こりえないミスを犯してしまったのだ。 「あっ!」 シエスタが持っていた飲み物が手から落ち、横にいた女生徒の頭にかかる。 「す、すみません!ミス・ヴィリエ!」 シエスタは膝を土につけ、必死で謝る。が、 「おのれ…よくも私の髪に飲み物をッ!」 ヴィリエと呼ばれた女性はその程度では許す気にはなれないらしく、杖を懐から出し、振り上げる。 (ああ、私を魔法で殴る気だッ!) しかし、杖は振られなかった。 いつのまにか後ろに立っていたルイズが杖を抑えたのだ。 「やめなさいよ、大人気ないわ。仮にも貴族であるなら程度をわきまえなさい」 「あら、『ゼロのルイズ』が貴族観について私に意見するの?」 相手の言にルイズは激昂しそうになるが、堪える。 「ええ、そうよミス・ヴィリエ。謝っているのにそれを認めずに杖を出すのがあなたの貴族観だっていうの?」 「ええそうよ、平民風情が多少謝ったところで許してたら私たち貴族の誇りは守れないの。私、残酷ですもの」 ルイズの眉が震える。 「じゃあ、どうすれば許すってのよ」 「どんなに魔法で痛めつけても、私の心は晴れないし許す気にもならないけど…それくらいの罰は受けてもらわないと、貴族としてね」 ルイズは一歩下がる。 そして、 目の前の少女を思いっきり殴った。 乾いた音が静かな食堂に響く。 倒れた状態でヴィリエは叫ぶ。 「おのれ…よくも私のハダに傷をッ!」 「や、やめてください!ミス・ヴァリエール!私が悪いのです!」 シエスタがルイズを止めようとする。 しかし、ルイズはそれを無視する。 「あんたがいくら私を侮辱しようとも構わないけれど…私の友人を侮辱するようなら!私はあんたを 許さないわ!貴族による決着のつけたたを私から教えてあげるわ、決闘よ!」 「決闘…ですって?貴族同士の決闘は許されていないわ」 「そんなのは関係ないわ…侮辱には『決闘』も許される!ヴェストリの広場で待ってるわよ」 ルイズは後ろを向き、出口へ向かう。 そして、一度振り向いて 「ただ、あんたがこの決闘の申し込みにも従わず、負けても従わないようなら、私はあんたに対して『貴族らしく』なんて考えないことにするわ」 そう呟いて食堂を出て行った。 To Be Continued...