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ドンキホーテ・ドフラミンゴの傘下 北の海出身。 船 ニュー・ウィッチ・ベロ号 総合懸賞金 9300万ベリー 船長 ベラミー 副船長 サーキース 船員 リリー 砲手 リヴァーズ 戦闘員 ロス 航海士 エディ コック ヒューイット 戦闘員 マニ 船医 ミュレ 関連項目 ドンキホーテ・ドフラミンゴ、海賊、モックタウン
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生きること、そして死ぬこととはなんだろうか。 死とは生命活動が不可逆的に止まる事だ。だがそれ肉体的な死でしかない。 肉体的に死んだとしても精神、もしくは魂がそこに残る。それが幽霊だ。幽霊にはちゃんとした意識がある。 何故わかるかって言うと自分が幽霊だったからだ。つまり実体験ってやつだ。 死んだ後でもはっきりとした自意識を持つのにそれを死んでいるというのだろうか? 植物状態の人間は意識が無いのに生きているというのだろうか? 精神的な死とは何だろう?あの世に行くことだろうか?しかし幽霊だったときでさえついぞあの世があるなんて確認できなかった。 それに人間全員が全員死んだからといって幽霊になるわけでもない。彼らの魂はどうなったんだ?死んだのか?ならどうして精神的に死んだんだ? 『生と死の法則』はどんなのなんだ?それがわかれば私は……私はどうするんだ? パートⅢ 使い魔は手に入れたい これは夢だ。すぐにそう判断することが出来る。何故なら私はまたあの白い空間にいるのだから。 さすがに三回も来ればこれが夢だとわかる。しかし私が起きた時この夢を覚えていないのは確実だ。2回とも覚えていなかったからな。 今回もどうせ覚えていないだろう。 そう思いサビの聞こえない歌を聴きながらぼやけた人影に近づいていく。そしてその人影の反対側からも誰かが近づいてくるのがわかる。 そして私たち、二人の『吉良吉影』は再び対峙した。 「また会ったな」 『吉良吉影』に話しかけてみるがなにも返事は返さない。 「突然わかったんだがこの人影って『キラークイーン』っていうらしいぞ。自分でもどうしてわかったのかわからないけどな」 やはりなにも返してこない。 「この曲も『キラークイーン』っていうらしい。やっぱりどうしてわかったか知らないけどな」 しかし彼が何も返さなくても喋りかける。特に意味は無い。暇なだけだ。 どうしてここに『吉良吉影』がいるかわからない。自分が作り出した幻かもしれないしもしかしたら生前の私なのかもしれない。 でも今生きているのはこの私なのだ。私のはずなのだ。生前の私だとしてもでしゃばらないで欲しい。 「銃を持っていたのはお前だったんだな」 黙っていた『吉良』が突然喋り始める。 「銃?」 「『キラークイーン』の右腕のことだ。お前がサビだけが聞こえないという時点で気づくべきだった」 何を言ってるんだ? 「サビは簡単にあらわせば弾丸だ。しかしサビにいくためにはそこにつながる歌が無いといけない。つまりサビ以外が銃なんだよ。弾丸は銃がなきゃただちっぽけな鉄だからな……」 そう言うと突然私に向かって勢いよく手を伸ばしてくる。しかしそれは見えない壁によって遮られる。彼の表情は怒りで満たされていた。 「その銃は、『キラークイーン』は私のものだぞ!私のスタンドなんだぞ!どうして貴様なんかが持っている!答えろ!」 その姿を見ながら思う。この『吉良吉影』は本当に私の死ぬ前の人間なんだろうと。 だからこそ答える。諦めさせるために、邪魔な存在を消し去るために。 「私が『吉良吉影』だからだよ」 「な……に……?」 『吉良』の表情が驚きに染まる。 それを見ながら私は帽子を目深に下げた。 体がだるい。まるで全身に鉛でも付けているようだ。目を開ける気も起きない。 このままもう少し寝てしまおうか。しかしどうして寝ているんだろうか?ふむ、寝た覚えが無いな。 そうだ。そういえばアルビオンでワルドと戦ったんだ。そして……その後どうなったんだ?デルフ、デルフに聞けばわかるはずだ。 目を開けろ、体を起こせ。 その思いだけを胸に目を開け起き上がる。 目がぼんやりする。頭を振りかぶり目をこする。そしてあたりを見回す。 ここは何処だ? 「ヨシカゲ!」 「うおっ!?」 横から大声で突然叫ばれさらに体に衝撃が走る。 起きていきなりこんなことがあったら誰だって驚くに決まってる。横を向くと誰かが抱きついていた。 桃色がかった髪にさっきの声、ルイズか。 「よかった起きて。……このまま目が覚めなかったら……グスッ!わたし自分が許せなかった……」 「は?」 これは誰だ!? 「本当に……グスッ!生きててよかった!」 え?何この状況?
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「ところで、いつ出発する?」 ブチャラティが気絶したアンリエッタをルイズの寝床に運びながら一同に質問した。 彼は王女の背面から腕を回して胴を掴むと同時に、膝の下に差し入れた腕で足を支えている。 俗に言うお姫様抱っこだね。 「本当なら今すぐにでも出発したいところだけど、姫様をこのままにしておくわけにもいかないし……」 ルイズはしばらく考えた後、二人に答えた。 「あなた達にも何かと準備があるでしょう? 出発は明日早朝にしましょう。姫様がおきるまで私が気をつけておくわ。あなたたちは自分たちの用意をしておいて。 朝、日の出の時間に正門前に集合ね」 「わかった」 「ルイズ、君も今日は早めに休むんだぞ」 「ええ、あなたたちもね」 ルイズの部屋を出た直後、露伴が口を開いた。 「ブチャラティ、今日はここで分かれよう。僕はこれからすることがあるんだ」 「どうした? 俺も手伝おうか?」 「いや、手伝いは必要ない。二人の人に、僕のマンガが長期休載になるかもしれないことを知らせておきたいんだ」 露伴はルイズに召喚されたその日から、トリステイン学院内でマンガの連載を開始していた。 「その二人とは誰だ? 場合によって話さないほうがいいかもしれないな」 「まず、一人目はコルベール。彼には出版ギルドへの仲立ちをしてもらっているからな」 学者肌のコルベールは技術書や学術書に目がなく、気に入ったものがあると金目に糸目をつけずにその本を買う癖があった。そのため、トリステイン学院を出入りする本商人にとって、彼と知己を得る事は大変に重要なのであった。 露伴はこのコルベールの人脈を介してトリステイン国中の出版ギルドに渡りをつけ、 それらのギルドの出版能力をすべて審査した。 その結果、露伴はギルドの中で最も有能と思われた『トリスタニア出版ギルド』とマンガの出版の契約を交わしていた。 ちなみに露伴の原稿は、毎週の早朝学院から早馬によってトリスタニアの活版印刷の職人のもとへ持ち出される。 この早馬の便もコルベールがオールド・オスマンを口説き落として(というか辟易させて)露伴の原稿のためだけに新設された便なのだった。 「彼なら秘密を守るだろう。問題ない」 ブチャラティは少し考えた後、落ち着いて太鼓判を押した。 彼ならば生徒の身を第一に考えるだろうから、このような大変な話を外部に漏らすハズはない。ブチャラティはそう考えての結論だった。 「二人目はタバサだ」 「どーしてここにタバサが出てくんだ?」 デルフリンガーの柄の上に、『?』マークが点灯した。ブチャラティも同じ反応だ。 「実は、彼女に僕のマンガのセリフ入れを手伝ってもらっている」 岸部露伴は、文字に関してはコルベール先生に教わっているので、学術的な文語的表現については熟練しているが、セリフなどの日常的な言い回しなどは、とてもではないが書きこなせるレベルには達していない。 なので、毎日空いた時間にタバサと図書館で落ち合い、彼女と一緒に、マンガらしく口語的でわかりやすいセリフを考えているのだ。 さすがの露伴も、彼が旅行中に、タバサに図書館で待ちぼうけを食らわせるのは気が引けた。 「じゃあしばらく取材するとか何とか、適当に言いつくろえばいいんじゃねーか?」 「そうだな。デルフの言うとおり、彼女には任務の内容は話すべきなでないな」 「それもそうだな」 二人と一振りの剣は別れを告げ、ブチャラティは男子寮の方角へ、デルフを持った露伴は教員寮にむかって別々に歩き出した。 その会話から二時間後。梟がどこか遠くで鳴いている。 岸部露伴は悩みながら女子寮の廊下を歩いていた。 今はもう深夜だ。よく考えたらタバサはすでに眠っているんじゃあないか? 今回の密命の件をコルベールに打ち明けると、奴は思ったよりもはるかに強硬に、 ルイズをアルビオンに行かせるなと反対した。 あのコッパゲ野郎め。デルフと二人がかりで何とか説得することに成功したが、今度は命を粗末にするなと何度も念を押してくる。まったくうんざりする。 酒を口に入れながらの話だったから話の内容はどんどん長く、くどくなっていくし。 僕はデルフを残してこっそりと部屋を出たが、コルベールのあの様子じゃあ今でもデルフを相手にクダを巻いてるだろうな。 こんなことなら、コルベールよりも前にタバサの部屋に行くべきだったな…… 起こすか? いや、手紙か何かを部屋の前に置いて行くか? そのようなことを考えながらタバサの部屋の前に到着すると、彼女の部屋から明かりが廊下に漏れている事に気がついた。 「おや、おきているのかな?」 「眠れない。あなたのせい」 部屋ををノックした露伴は、ドアを開けたタバサに開口一番、こういわれた。 彼女は腕を組み、体を震わせている。確かに今のタバサは薄い水色のワンピースを一枚着ただけの薄着だが、寮の中は、魔法でどんな季節でも快適なように設定されているはずだ。実際、露伴は薄着だが寒さを感じてはいない。 どうやら彼女は寒くて震えているわけではないらしい。 「なんでだ?……ってオイ!」 タバサが勢いよく露伴に抱きつく。その目には、おびえの感情が見て取れる。 露伴は、タバサの部屋の前の廊下で、当惑の声を上げるハメになった。 「あれ」 タバサは露伴に抱きついたまま、自分の室内を指差した。 彼女が指差した部屋の中の机の上には、先月にでた『ピンクダークの少年』が半開きに、読みかけのページを下にして放置されていた。 その巻は『ウインドナイツ・ロットの幽霊』の話がメインであり、少年を中心に人気のある、怪談ものの話だった。 「もしかして君、幽霊が苦手なのかい?」 露伴は、タバサの少し赤く充血した目を見つめてみた。 「いわないで」 彼女も、彼のかなり当惑した目を上目遣いに見据えた。 彼女の心の底からこみ上げているだろう、恐怖におびえるさまが、日ごろの無感動な態度と明確なコントラストを生じている。 タバサも年頃の女の子なんだな。 そう思った露伴は微笑みながら自然にタバサの頭をなでていった。 ワシワシワシワシワシワシワシ ワシワシワシワシワシワシワシ 「ん…」 タバサの体の震えが徐々になくなっていく。 それと同時に、彼女の頬に少しずつ赤みがさしていった。 「ちょっとは落ち着いたかい?」 「……うん」 タバサはうれしそうに返事した。彼女の心に安心感が芽生えたようだ。 露伴は本題に入ることにし、タバサに向かってやさしく語りかけた。 「話がある、僕はこれからしばらく取材旅行に出かけようと思ってるんだ」 「だから、明日からは君が図書館に手伝いに来てくれても誰もいない。このことを君に伝えに着たんだ」 「………そう」 わずかに語尾を落として返事したタバサは、目をつぶって露伴にささやいた。 「なら、代わりにもっとして」 「なにを?」 「なでるの。頭」 一瞬惑った露伴であったが、そのようなことであるのなら、と思い直し、素直にタバサの言うとおりにすることにした。 ワシワシワシワシワシワシワシ ワシワシワシワシワシワシワシ 「ん…………?」 露伴にとっては静寂の中、タバサの脳内で聞きなれた声が響き渡った。 一般にメイジと使い魔の感覚は共有できる。それを利用して、タバサの使い魔のシルフィードが自分で声を囁き、タバサにそれを聞かせているのだ。 というか、よく見ると廊下の窓の外から水色のうろこがチラリと見えている。 露伴の背中に面した位置にある窓なので、彼は気づいてはいないようだ。 オネーサマ、キャーナノネ!!!! タバサが突然露伴に抱きつくのをやめ、ドアの近くにある自分の杖をとった。 ……ゴメンナサイナノネ… タバサは元の場所に杖を置いた。 「どうしたんだい?」 「なんでもない。杖が落ちそうだっただけ」 「そうか」 窓の外の青色はもう見えなくなっている。タバサは露伴の正面に改めて向かい、 目を静かに閉じた。 ワシワシワシワシワシワシワシ ワシワシワシワシワシワシワシ 露伴の手の動作は、タバサが「もっと」を十回言い、彼女が満足するまで続いた。 「もういいか?」 「……うん」 満足してベッドに戻ろうとしたタバサは、何かを思いついたのか、露伴のほうに振り返り、声をかけた。 「ひとつ、質問」 タバサは露伴に話しかけながら彼の両手を握った。露伴との位置は、彼になでてもらっていたときよりも少しだけ距離がある。 心なしか、彼女は詰問するような口調だ。 「なんだい?」 「『ブルーライトの少女』……」 ギクウッ! 露伴は自分の動揺を気取られまいと、目をタバサからそむけながら返答した。 「ソレガ、ドウカしたのかな?」 タバサは露伴の顔が見られるところまで自分が移動し、露伴の目を正面から見据えて質問した。 「セリフを考えたのは誰? この『ウインドナイツ・ロットの幽霊』の話も」 「私はやっていないし、あなたが考えたにしては口語的過ぎる」 「それはギーシュだよ! 初期は彼にやってもらっていたんだ!」 露伴の首筋から一筋の汗が流れ落ちる。幸いタバサはそれに気づいていないようだ。 「そう」 タバサは安心したのか、露伴の手を離し、自分のベッドに向かった。 「もう、寝る」 「そ、そうか。おやすみッ!」 「おやすみなさい」 逃げるように部屋を出た岸部露伴は、タバサの独り言を完全に聞き逃していた。 「他の女子ではない……」 トリステイン学院が日の出を迎える頃…… 鶏の鳴き声がどこからか聞こえてくる。 早朝、朝もやが視界を狭いものにしている時刻。トリステインの正門前に、三頭の馬が待機していた。 ルイズたち一行は出発の準備を終え、これから乗馬してアルビオンに向けて旅立とうとしている。 「さてと、出発しましょうか」 ルイズがみなに向かって呼びかける。 彼女の話しかけた先には、ブチャラティと、デルフリンガーを持った岸部露伴がいつもの様子で立っていた。 その様子から、彼らに緊張した様子は見られない。二人とも落ち着いている。 「ルイズ、君は、昨晩あまり眠れなかったようだな、大丈夫か?」 ブチャラティの心配にもルイズは気にすることもなく答えた。 「大丈夫よ、ブチャラティ。姫様が気を取り戻すまで看病を続けていただけで、その後はグッスリよ。自分でも驚いているわ。今から国の運命をかけた使命が待っているって言うのにね」 「その分なら大丈夫な様だな」 ブチャラティは内心安堵した。彼は今回の任務で、ルイズが必要以上に気負いずぎているのでは、と一抹の不安を抱いていた。彼はひとつの懸念がなくなったことを内心で喜びつつ、ルイズに確認した。 「これからまずどこに向かう?」 露伴が自分の馬の鞍の位置を細かく直しながら、背後にいるルイズに話しかけた。 「まず、ラ・ロシュルの港街へ向かい、そこからアルビオンの船に乗るわ」 ルイズが手馴れた様子で馬にまたがりながら露伴の質問に返答する。 「私は姫様の代行だから、途中の馬車駅で馬の交換ができるわね。そう考えると… 無理をすれば、ラ・ロシュルの街まで二日でつけるかもしれないわね」 「そうか」 そう返事したブチャラティは、まだ十分に馬を乗りこなせないので、露伴に手綱捌きを教わっていた。 「基本姿勢は手綱をゆるく、水平に保つんだ。後は、曲がりたいとき、自分の行きたい方角へ手綱を寄せればいい」 「本当にそれだけで良いのか?」 「ああ。この馬は調教されているから、速度は前の馬にあわせてくれるだろうしな。 君は列の先頭に出ない限りこれで馬を操れるはずだ」 「なんだか不安だな。ところで露伴、お前なんで馬に乗れるんだ?」 「これくらいは漫画家としては常識の範囲内さ。マナーといってもいいかな?」 ブチャラティは少し離れたところにいるルイズに気づかれないように、彼女に背を向けた位置に移動し、馬のことを教わる振りをしながら露伴にそっと話しかけた。 「ところで、アンリエッタ王女の『使い魔』の件だが…正体はスタンドか?」 「多分な…」露伴はあいまいに答える。彼の口調には罪悪感は微塵もないが、その返答は心底答えにくそうであった。 「多分? お前は彼女を本にして見たはずだろうが」 「その部分は読んでない」 「Cosa?(何だと?)」 「だから、読んでない。知らない」 「テメーッ!王女のスリーサイズだの初潮の日だの読んでる場合じゃねーだろッ! 一番重要な情報を読んでねーじゃねーかッ!」 思わずチンピラ時代の口調に戻るブチャラティ。 「やあ、君t」 「うるさいな!第一あの時誰かさんが邪魔しなければ読めていたんだよ!」 「つーか最初に『能力』を見ろッ!!」 「『能力』は見たさ!『水』系統のトライアングルクラスだよ! でもメイジに『スタンド』があるなんて普通思わないじゃあないか! 意識して探さない限りあの時間では探せないっての!」 「嘘付けッ!」 「あの…」 「そいつはおでれーた。お前ェはあの時王女にそんなことしてたのか! すげぇな、ロハン」 「デルフ!今はそんな事いってる場合じゃねーだろッ!」 「うわッ!ヒデ!俺も会話に参加したいのにさ…」 だが、この喧騒も彼女の一言で打ち切られることになる。 「ふ~ん……姫様に…………そんなこと……してたんだ…」 「お~い……」 「あんたたち…『プライバシー』って言葉…知らない?」 露伴とブチャラティが振り返ると、そこにはピンクの髪の鬼がいた。 ルイズの周りに、何か鬼気迫る危険なオーラが渦巻いている。 「ウフフフフフフフフフ…………『平民』には何を言ってもわからないのかしら?」 ルイズが杖を振り上げながら何やらブツブツと呪文を詠唱している。 詠唱時間の長さから、それなりに大物の魔法のようだ。 しかし、彼女がどんな魔法でも失敗するという事実はかわらない。 変わるのは、爆発の規模だ。 そして、長い詠唱の後、彼女の光り輝く杖が渾身の力をこめて振り下ろされるッ! 「「ヤバイッ!!」」 まさに振り下ろされる瞬間。 二人は今まで口論していたのが疑問に思われるほど、両者タイミングぴったりに杖の振り下ろされる方向からそろって身をかわした。 「ドォブゥッハァ!!!」 あたりに響き渡る壮絶な爆音。 ブチャラティと露伴には被害はなかったが、少し離れたところに穴が開いている。 その爆心地には、見慣れぬ貴族の青年らしいメイジが半分黒焦げで倒れていた。 意識はとうに吹き飛んでいるようだ。 「大変! 傷薬を!」 正気に返ったルイズが男の元に向かい、手馴れた手つきでその男の治療をしていく。 ほっと一息ついたブチャラティは、傍らにいる露伴に話しかけた。 「おい露伴、ルイズのあの手つき。妙に手馴れてないか? まるで何度も他人の火傷を手当てしたことがあるみたいだ……」 「みなまで言うな。君の言いたいことはわかってるさ…… まッ、なにはともあれ、 ルイズの関心がそれたことだし、これで一安心だな」 「なわけあるかッ!」
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ワルドの叫びを背景に、シエスタは幾分離れた場所で体勢を立て直し、ムクリと起きあがった。 見る者に清潔感を与えるはずのメイド服は、地面を盛大に転がったせいで、 目も当てられない様相を呈していた。 服の所々が擦り破れ、埃にまみれている。 しかし、シエスタは服を払うどころか、一瞥すらしなかった。 今は戦いの真っ最中。服を気にしている余裕はない。 シエスタの放つ空気が、そう物語っていた。 「ぐぬぬぬぬぅ……ギッッ!!」 己のひしゃげた右腕を庇いつつ、ワルドは低く唸った。 呼吸は荒く、顔面に滲み出た汗がボタボタと地面に滴り落ちる。 先程の一撃で体中が痺れているという事実に、ワルドは今更ながら戦慄した。 (バカなッ……! こんな非常識……死、死んでしまうぞッ……! こんなの有り得るか!!) 彼女の腕力に予め気付いていれば、それなりの対処も出来ただろうが、 あの小柄な体格で、こんな非常識な馬力を出せるなど、誰が想像できようか。 正直な所、彼はシエスタを見くびっていた。 その代償は大きい。 幸いに杖は無事だったが、杖と腕、どちらを折られたとしても、 平民にやられたとあっては、大変な不名誉になることに変わりはない。 自然、彼を襲う身を裂くような痛みは、そっくりそのまま怒りに変わることになる。 視界がグニャグニャと歪み、赤のランプがチカチカ灯っているが、それらを気力で封じ込め、 ワルドは捻り曲がった右腕から杖をもぎ取り、左手に持ち替えた。 絶望的なまでの筋力差を見せつけられても尚、彼の心は勝利へと向けられている。 それどころか、腕を折られたことで、彼の中の凶暴な部分が目を覚ましたようでさえあった。 ワルドの目に一瞬狂気の色が浮かぶ。 ルイズがこの場にいることなど、頭から吹っ飛んでしまったようだ。 「うぉ……おのれ! この動きが見切れるかァ!!」 たった一撃が致命傷になりかねない相手に対して、ワルドは敢えて近づいた。 離れた距離を活かして魔法攻撃に専念するのが最善なのだが、 接近戦でシエスタを打ち負かさないことには、ワルドの気は収まらないのだ。 左に持ち替えた杖を複雑に動かしてフェイントをかけつつ、ワルドはシエスタ目掛けて疾駆した。 右腕が使えなくとも、彼の技巧は些かも衰えない。 予測し難い複雑な杖の動きは、さながら無数の毒蛇である。 それに対しシエスタが繰り出すのは、左右交互の連撃。 その悉くが夜の帳よりも冷たく、重い。 しかし、シエスタの拳がワルドを捉えることはなかった。 風が雨の間を潜り抜けるように、ワルドにかわされてしまう。 拳の合間を縫ったチクチクとした攻撃が、嘲笑うかのようにシエスタの全身に刻まれていった。 「ウリャアッッ!!」 痺れを切らしたのか、その動きを読み切れないまま、シエスタは空間ごと抉り取るかのようなアッパーカットを放った。 が、惑わされたままの闇雲な一撃が当たるはずもない。 大振りのアッパーカットの先にワルドの姿はなく、ワルドは素速くシエスタの側面に回り込んでいた。 「速さなら負けはしない。 僕の二つ名は『閃光』だ」 「……!!」 がら空きになった脇腹に杖がめり込み、シエスタは再び地面を転がった。 威力・速度・タイミング、いずれも申し分ない、絵に描いたようなカウンター。 肋骨の二、三本も折れたかもしれない……折るつもりで、ワルドは攻撃した。 立てるはずがない。 立てるはずがないのだ、常人なら。 そう確信している上で、未だにワルドが杖を収めていないのは、 彼が既にシエスタを常人と見なしていないことの表れだろう。 鈍痛を放つ右腕に顔をしかめながらも、ワルドは余裕を取り戻した口調で話しかけた。 「まるでトロル鬼のような……パワー。 ……マンティコアのような瞬発力。 ぬぐ……。見てくれ、この腕を。 直ぐに『水』のメイジに診てもらわなければならないよ。 全く、驚いた。 だが惜しむらくは、君は戦い方がズブの素人だということだ。身体能力を活かせてない。 これ以上は無益だ。降参したまえ、メイド君。 さもなくば、もっと痛い目を見ることになる」 『降参』の一言を耳にするや否やであった。 立てるはずのないシエスタが、瞬時に跳ね起きた。 どういうわけか、あれだけ動き回ったにも関わらず、彼女の呼吸は全く乱れていない。 未だ肩で呼吸をしているワルドの脳裏に不安がよぎったが、それは杞憂であった。 シエスタの脇腹に刻まれた打撃痕が、間違い無く彼女の動作の支障になっているのが見て取れた。 常人離れしている化け物とはいえ、ダメージの蓄積は人並みらしいことに、ワルドは少なからずほっとする。 その一方でシエスタは、唇から垂れる鮮血を片手でやや乱暴に拭い、訥々と同意を示した。 「…………そう、その通りですわ。 取り立てて才能の無い一般人『だった』せいもあり、 わたくしには戦いに必要な技術的要素が欠落しています」 「特にあなたのように技量のある貴族相手では、それが露見してしまうのは当然でしょう。 今のわたくしでは、貴方に勝つのは難しい」 それは、シエスタなりに第三者的見地に立って考えてみた末の結論だった。 いかに生物的に人間を上回っていても、積み重なった人間の技術に敗れ去ることが有り得るという現実を、 シエスタは今実感していた。 最初こそワルドの油断につけ込めたが、もう彼には力任せな攻撃は通用しないだろう。 加えて、先ほどの流麗なな杖捌き。 がむしゃらに足掻いても、まさに柳に風だ。 シエスタは負けるわけにはいかない。 が、『今の』自分にはそうした粗雑な攻撃しかできないのはどうしようもない。 なら、どうするべきか。 シエスタは考える。自分の主の事を。 何故、主は敢えて自分をワルドと立ち会わせたのか。 その意味を。 「さぁ、参ったと言うんだ。 これ以上女性を痛めつけるのは、僕としても心が痛む」 ワルドが急かす。 だが、シエスタはそれをまるっきり無視した。 (…………………………) 俯いたまま暫くの間無言で考えた後、シエスタは何かに気づいたのか、はっとした顔になった。 「…………わかりましたわ」 「降参、する気になったかね?」 シエスタの独り言を都合よく捉えて、ワルドはふっと肩の力を抜きかけた。 「いいえ、子爵様。 申し訳御座いませんが、もう暫くお付き合い願います」 シエスタは再びゆっくりとファイティング・ポーズをとる。 自分の意に沿わぬ返答を受け、ワルドは不快感も露わに呪文を唱え始めた。 ―――――――――――――― 「で、そろそろ説明してくれるんでしょうね?」 ワルドの右腕がオシャカにされるのを見届けてから、ルイズは隣に佇む自分の使い魔に声を掛けた。 完全に蚊帳の外に置かれていたせいもあり、彼女の口調は若干キツいものになっていた。 シエスタとワルドを挟んで、ちょうど向かい側にいたはずのDIOは、 いつしかルイズの側に移動している。 彼は四六時中無駄にオーラを放っているので、ルイズは嫌でも近付いて来るのがわかった。 DIOの接近が分からなくなるのは、彼が意味不明な超能力を使ったときだけだ。 「今回、シエスタをあの子爵に焚き付けたのには、いくつかの意図があってのことだ」 すんなりと口を開いてきたことに、ルイズは正直ビックリした。 この使い魔は、そう簡単に自分の企みを話したりはしない。 散々っぱら弄ばれ、気がついたら完全に彼の掌の上――という方向に持っていくタイプなのだ。 それをこうも易々とひけらかすとは考えにくい。 ということは、むしろこの場合、 私も聞いておくべきだと思っているからこそ、話していることになるのだろう。 ルイズは心持ち身構えた。 「シエスタは私のメイドになってからまだ日が浅い。 つまり、経験が不足しているのだ。圧倒的にな。 だから、あの子爵と戦わせることでそれを補わせる」 「ふぅん。案外使用人思いね」 「幸いにもあの子爵は、メイジとしても、武人としても、それなりに道を修めているようだ。 まさに打ってつけというわけだ」 それだけじゃないでしょう、と視線でコンタクトを取ると、DIOは頷いた。 「無論、私にとってもこの方が好都合なのだ。 この世界の『魔法』には、色々系統があるそうじゃないか。 私は極力それら全てを目で見て、知っておく必要がある。 ……骨を折らずにな」 「意外ね。こういうのは、あんたは自分でやると思ったんだけど」 「私が療養中だと言ったのは、あながち嘘ではない。 それにだ、私が本当に『人』と張り合うとでも思ったのか、ルイズ?」 ニヤリ……そうとしか形容しようのない笑みを浮かべて、DIOはルイズを見た。 「思うわ」 ルイズは頷いて答えた。即答であった。 DIOの言葉を真正面から斬って捨てて断言してくるルイズに、DIOの笑みが消える。 その代わりに、氷より冷たい無表情が浮かんだ。 「……ほう、何故だ?」 「だってあんたってヘンに子供っぽいところがあるもの。 負けず嫌いと言い換えてもいいわ」 「……………………」 「私と一緒ね」 今度はルイズがニヤリと笑う番だった。 「……フン、何を血迷っている。 そもそも私と人間どもとでは、強さの次元が違う。 私と、私のスタンド『ザ・ワールド(世界)』は、あらゆる点に置いて別格なのだ」 自信たっぷりに言い切るDIOに、ルイズは今度は危険性を感じた。 負けず嫌いなのは大いに結構である。 自分もそうであると自覚している以上、ルイズにそれをどうこう言う資格はない。 だがこの使い魔は、負けず嫌いの性分がプライドと直結しているようである。 それが自らのとてつもない(?)力と相まって、しばしば他人の力を過小評価させてしまうようだ。 その点が、こいつの致命的な欠点と言えるかもしれない。 それを矯正してやることが、自分の役割であるようにルイズには思えて仕方がなかった。 何故かは知らないが、妙な目的意識に駆られてしまう。 ルイズは自然と口を開いていた。 「確かにあんたは強いかもしれないけど、あんたの場合はもう少し…… ……ホントーに少しでいいから、謙虚な心構えを持った方がいいと思うの。 もう足を掬われないためにも、ね。 私の言ってる意味、分かるでしょう?」 DIOがジロリ、とルイズを見下ろした。 「このDIOがか?」 「どのDIOでもいいから、何とかしなさい。 今後の課題! わかった?」 「…………フン」 釈然としない不満げな返事だったが、ルイズはそれ以上に念を押すつもりはなかった。 DIOはプライドが高くて自己中だが、決して愚かではない。 きっと自分の意志を酌んでくれると、ルイズは分かっていた。 ――何故なら、DIOと自分は似ているから。 だから、分かる。 ルイズは頭ではなく、心で理解していた。 (私にも、力があれば……) そうこうしているうちに、ワルドの風魔法が、シエスタを横殴りに吹き飛ばした。 エアハンマーの魔法。ワルドの本領発揮だ。 「あちゃあ、あれは痛いわ。 …………ま、いい気味ね。せいぜいのたうち回るといいのよ」 地に伏せるシエスタを遠くに見て、ルイズはサディスティックな笑みを浮かべた。 普段からルイズは、シエスタを好ましく思っていなかった。 それに、この任務の出発の折り、シエスタはルイズに『主人としてふさわしくない』と言ってもいる。 お互いウマが合わないのだ。 だから、シエスタがワルドにやられようがどうでもいい。 どうせならこの際だ、滅茶苦茶にやられてしまったほうが気分も良くなるというものだ。 (やれ、ワルド。そこだ。いけ。一息にやってしまえ。 引導を渡してやるのよ!) ルイズのリクエストに応えるかのように、ワルドは杖を操り、シエスタを追い詰めていった。 三次元的に攻撃され、流石のシエスタも避けるだけで精一杯らしい。 DIOに聞こえるように、ワザと大きな声で、ルイズはシエスタを嘲った。 「ハン! いくら化け物でも、所詮はメイドだったってことね。 防戦一方じゃない」 「いや、あれでいいのだ」 「へ? 何で?」 ルイズがきょとんとした顔を向けたが、DIOはそれに答えないまま、中庭の隅の方に視線を巡らせた。 暫くの間の後、DIOの視線はある一点で固定される。 DIOの笑みが更に深まったのを、ルイズは見た。 「席を外させてもらう。ほんの少しの間だけな」 「は? ち、ちょっと待ちなさ…… ……もう、勝手なんだから!」 言い終わるか終わらないかのタイミングで、DIOはパンパンと二度両手を打った。 ルイズにとっては、もうそろそろ馴染み深いものとなりつつある合図である。 果たして、目の前にいたはずのDIOの姿が忽然と消えた。 そのこと自体はあまり問題では無かったのだが。 「……う、ぐ…なに、こ、れ?」 不意に、違和感。 今存在している空間から他のどこかへ、一瞬投げ込まれたような。 モノクロの世界を見た気がした。 自分の立ち位置が酷く覚束なくなってしまった不安感に吐き気を催しながら、 ルイズは慌てて顔を上げた。 その先では、シエスタとワルドが、杖と拳を凄まじい速度で繰り出していた。 ついさっきと全く変わらない光景であるのだが、ルイズは首をかしげた。 あの気持ち悪さを感じた時、一瞬…………本当に一瞬だったが…… 二人の動きがピタリと停止したように見えたからだった。 まるで時でも止まったかのように。 自分でも要領を得ない感覚に、ルイズはDIOの行方を考える余裕を失ってしまった。 (…………気のせい、じゃない) まさかシエスタとワルドが、二人して自分をからかうなどという事をするはずがない。 しかし奇妙なことに、ルイズは先ほどの感覚が気のせいであると決め付けることが、どうしても出来なかった。 ルイズは首を傾げ、自分の掌を何度も何度も、握ったり開いたりしていた。 (どこかで知ってるような気がする……) そう、確かフーケ戦だ。 ―――――――――――――― 中庭でシエスタとワルドによる、しっちゃかめっちゃかな攻防が繰り広げられる中、 その戦いを、中庭から少し離れた柱の陰で静かに見つめる者の姿があった。 赤縁の無骨なメガネが、昇りきったばかりの朝日の光を跳ね返す。 その下には、冷たく感情を読み取れない暗い目、そしてその下に出来ている隈が、彼女の纏う暗鬱な雰囲気を増大させている。 名をタバサと言った。 彼女は昨晩ベッドに飛び込んでから、戦々恐々としたまま眠れぬ一夜を過ごしたのだった。 幸か不幸かタバサはそのお陰で、早朝中庭に向かう幾つかの人影を目撃する事が出来た。 最初は無視しようと思ったが、一行の中にDIOとシエスタの姿を認めるや否や、 タバサはまるで蜜に誘われる蝶のように、ふらふらと後を尾けて行ったのだった。 疲弊しきった見た目とは裏腹に、彼女の神経はアイスピックよりも尖っていた。 そしてその視線が捉えているのは、シエスタの一挙手一投足である。 「…………やっぱり」 魔法衛士隊隊長であり、そしてスクウェアクラスでもあるらしいワルドに対し、 身体能力的に大きな差を見せるシエスタの姿を見て、タバサ思わずそう呟いた。 あのメイドが、技術的にワルドに勝てないことは、タバサは何となく察知していた。 技術とは、年月を掛けた鍛錬を積んで初めて修得しうるものである。 ほんの少し前まで唯の少女だったシエスタに、それが備わっているのはおかしい。 タバサが注目していたのは、別の点である。 先程の独り言は、その点を改めて確認したことから生じた物であった。 この事実を、今日の内にあの男に問いただす必要が…… 「何が『やっぱり』なのかな、お嬢さん?」 あるはずの無い返事が背後から確かに投げかけられ、男の手が両肩にしっかりと置かれる。 タバサの全身が硬直した。 to be continued……
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作成された各マネージャー様、乙です。 らぶドル~Lovely Idol~ 12期目 http //anime.2ch.net/test/read.cgi/anime/1165132684/423 423 名前:風の谷の名無しさん@実況は実況板で[sage] 投稿日:2006/12/05(火) 22 03 59 ID rymQaEQ0 5枚揃ったので「LoveLoveLoveのせいなのよ!」 パート超・決定版(全体部分は略) (茅原) きーーーめーーーーた! (野川) 運命なんですこれから! 始まる夢には!抵抗でっきなーーい~~~! (酒井&桃井&茅原) う~~~~~~~いぇい♪\(≧∇≦) (中原) キラキラ未来を探して~ 誰もが彷徨う、迷路を抜けたの! 走れ! とぅ~おぶはーと♪ (酒井) そっとそっと肩へと (茅原) (゚∀゚)人(゚∀゚)ぴた♪ (後藤) ほっぺった、くっつけたい♪ (茅原) ちゅ? (酒井&後藤) なぁぁぁああああああああああああっぜぇぇぇええええええええ♪♪ ふーるーえーるぅ~~~~~のぉ~~~? へぇーーーん~~~~~だわ~~~~~~~~~~!!!!!! (茅原)大好きなんです瞳に~ あふ~れるしずくは~純粋なめっせ~じ~~~ (野川&後藤&中原)(う~~~いえ~!) (桃井)ふわふわ気分に抱かれて わた~しは目を閉じ黙ってる待つわ~ つぎ~の~らぶふぉぉ~~ぴ~~~す (後藤)きっときっと空で~は (茅原) (゚∀゚)ふわ♪ (酒井)ほ~ほえむ太陽~ (茅原) (゚∀゚)キラッ♪ (酒井&後藤) ねぇぇぇぇぇぇぇえぇぇぇぇえぇぇぇぇぇぇ♪♪ ふーたーりーなぁ~~~~~らぁ~~~? ふらぁーーーい~~とぅ~~~ざ~さ~~~~~~~~~ん!!!!!! サビ部分のヴォーカル配置はおそらくEDアニメの通り左から 後藤、酒井、野川、中原、茅原、桃井と思われるが確証無し 新作追加、2番です。 作成された方、ありがとうございます。 (茅原)大好きなんです瞳に~ あふ~れるしずくは~純粋なめっせ~じ~~~ (野川&後藤&中原)(う~~~いえ~!) (桃井)ふわふわ気分に抱かれて わた~しは目を閉じ黙ってる待つわ~ つぎ~の~らぶふぉぉ~~ぴ~~~す (後藤)きっときっと空で~は (茅原) (゚∀゚)ふわ♪ (酒井)ほ~ほえむ太陽~ (茅原) (゚∀゚)キラッ♪ (酒井&後藤) ねぇぇぇぇぇぇぇえぇぇぇぇえぇぇぇぇぇぇ♪♪ ふーたーりーなぁ~~~~~らぁ~~~? ふらぁーーーい~~とぅ~~~ざ~さ~~~~~~~~~ん!!!!! (゚Д゚ ) (゚Д゚ ) 「カエレカエレー!」「ひっこめよー!」 ( ゚Д゚) (゚Д゚ )「おぃ、聞いてみろよ」「あん?なんだよ」 ( ゚Д゚) (゚Д゚ )「・・・・・・・・・」 ヾ(゚∀゚) (゚∀゚)ノシ「なかなかイイジャン!!」 (゚Д゚ ) (゚Д゚ ) 「カエレカエレー!」「ひっこめよー!」 ( ゚Д゚) (゚Д゚ )「おぃ、聞いてみろよ」「あん?なんだよ」 ( ゚Д゚) (゚Д゚ )「・・・・・・・・・」 (゚Д゚ ) (゚Д゚ ) 「カエレカエレー!」「ひっこめよー!」
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人物 た行 ダイギン ダイコン ダイダロス タイルストン ダガマ タケ たしぎ ダズ・ボーネス(Mr.1) ダディーディー タマゴ男爵 タマゴン ダマスク タマチビ たまねぎ タラッサ・ルーカス タララン ダルマ ダルメシアン タロイモ タンク・レパント タンスイ チェス チェスキッパ チキン チムニー チャオ チャカ チャッペ 茶ひげ チャボ チャルロス聖 チュウ チュチューン チョイ チンジャオ ツキミ 土番長 つる ディアマンテ Tボーン X・ドレーク ディエス・バレルズ ディカルバン兄弟 ディスコ ティバニー ティラノサウルス デージー デビル・ディアス デマロ・ブラック デュバル デラクアヒ テラコッタ テリー テリー・ギルテオ デリンジャー デン ドーベルマン ドーマ どーも君 ドクQ Dr.インディゴ Dr.キューキュー Dr.くれは Dr.クロツル Dr.ナコー Dr.ヒルルク Dr.フィッシュボーネン Dr.ホウ Dr.ポツーン ドクトル・ホグバック ドグラ ドスン トト トニートニー・チョッパー ドノバン トマトギャング ドミノ トム トラファルガー・ラミ トラファルガー・D・ワーテル・ロー(トラファルガー・ロー) ドラン ドリー ドリップ トルコ ドルトン トレーボル ドンキホーテ・ドフラミンゴ ドンキホーテ・ホーミング聖 ドンキホーテ・ロシナンテ トンジット
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セドナ、雪の女王、エキドナ、お前たちには世話になった。私は新たな世界へと旅立たねばならぬが、お前たちの事は忘れない、決して!また会おう。 - 名無しさん 2013-07-21 16 25 35 こちらのwikiは、オナニー用のネタwikiなので - 名無しさん 2013-03-01 04 22 46 青wiki安定ですは - 名無しさん 2013-02-28 16 04 44 数年前から思ってたんだけど、このwikiの編集者はなんで余計な一言を考察に入れる訳? - 名無しさん 2013-02-28 16 03 49 P4U以降っていうかゲストはP3 P4 P4Uから参戦って公式に書いてあるんだからわざわざFes以降から参戦かって各必要なくね? - 名無しさん 2013-01-24 02 42 35 アイギステレビの中っていってんだからどう考えてもP4U以降から参戦だろ - 名無しさん 2013-01-24 02 32 53 エステル特殊Nタイタンに112ダメでした。計算結果ATK100っぽいです - 名無しさん 2012-12-23 23 36 34 【】ヴィヴイアン修正後のカウント5カウントだと思います。頂上で確認しました。 - 名無しさん 2012-12-23 05 27 24 エステルの特殊は威力が120になったみたいです - 名無しさん 2012-12-22 02 14 24 氷紋シヴァの特殊はATK160、移動低下は、70%かと - 名無し 2012-12-15 07 44 28 キラーフィッシュ特殊100ダメ - 名無し 2012-11-20 18 38 48 デルビウムの胸のエンブレムは、錨じゃなくてポセイドンの象徴「三叉の矛」じゃないかな? - 名無しさん 2012-11-07 11 09 19 すみません、ファミ通アイギスの弱体はてではなく-100の固定値です。 - 名無しさん 2012-11-06 08 24 27 ↓%ではなく固定値 - 名無しさん 2012-11-06 08 26 49 ファミ通アイギスって、特別称号ないのかな? - ワグナス 2012-11-05 12 31 10 ファミ通アイギスの弱体は、強化効果が無くなり-100/-100修正と攻撃範囲縮小。アイギスにサクリUしても弱体効果が発動すると10コスト以下のステータスになります。 - 名無しさん 2012-11-05 00 01 37 弱体化時間は5カウント - 名無しさん 2012-11-04 20 59 16 弱体したときにATK、DEFともに1で両方とも3C - 名無しさん 2012-11-04 19 27 01 アイギス上昇AKR+50、DEF+30 - 名無しさん 2012-11-04 19 26 34 ヴィヴィアンは他種だと100回復、速度は用検証 - 名無しさん 2012-11-01 22 26 07 イヌタンデムはデネブじゃないのかな? - 名無しさん 2012-11-01 21 17 14 ↓それを書いた奴です。一応消しときました。 - 名無しさん 2012-10-31 23 08 50 イヌタンデムの余談のレグルスと同型ってのは違うんじゃない?一緒に歩かせると動きが違うよ - 名無しさん 2012-10-31 22 29 17 公式の映像でアイギスのATKが5から10上がったから、種族補正考えて+45くらい上がる? - 名無しさん 2012-10-29 14 02 02 デルビウムの特殊ですが、動画を見る限りでは7/8わだつみがDEF105になっていたのと6/4のアプサラスが70になったのを見る限り、種族補正+5が入っているのでDEF25上昇っぽいです。 - 名無しさん 2012-10-23 08 12 46 機甲は前回は人が名づけた星の名前で今回は人が名づけた物や現象からとってるのかね - 名無しさん 2012-10-21 23 36 38 ヴィヴィアンはHPも回復しますよ。4Gamerに情報が載っているので参考にしてみては? - 名無しさん 2012-10-21 21 39 57 ヴィヴィアンは回復しません。HP上限突破+移動速度上昇のみであってる筈 - 名無しさん 2012-10-21 20 12 34 ヴィヴィアンはライフも回復します。修正お願いします。 - 名無しさん 2012-10-20 01 39 35
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その能力、『ヘブンズ・ドアー』によって本に変えたタバサを、露伴は真剣な眼差しで見つめていた。 ガリア。王族。エルフ。母親。人形。雪風。北花壇騎士団。ガーゴイル。使い魔。幽霊。はしばみ草。キュルケ。読書。 風韻竜。シルフィード。王都リュティス。プチ・トロワ。トライアングル。イルククゥ。イザベラ。風の妖精。ジョゼフ。 そよ風。グラン・トロワ。親友。エルフの毒。ヴェルサルテイル宮殿。シャルロット・エレーヌ・オルレアン。 父を暗殺され、母は自分をかばってエルフの毒を飲んで心を蝕まれている。 王家としての名を剥奪され、ガリア王国の汚れ仕事を一手に担う、存在しない『北』の名を持つ騎士団。 そんなタバサの記憶を、露伴はどんな気持ちで読んでいるのだろうか。 タバサの過去を、記憶を。一体どんな気持ちで。 「………『今起こったことは全て忘れる』………と」 「………っ」 「あぁ、起きたかい」 机に突っ伏していたタバサが顔を上げて、最初に目にしたのは真正面のイスに座っている露伴の姿だった。 右手で頬杖を付いて、左手でページをめくって読んでいるそれは、絵本だ。 「ぼくが住んでたところと文字が違うんでね、ほとんど読めない。かろうじて絵柄でストーリーがわかる絵本を読んでいるというわけさ」 訊いていないのに説明する露伴の顔を凝視しながら、タバサは必死で頭の中をバイツァ・ダスト。 何があった、何が起こった? さっきまで何をしていた? 何をされた? なにかを。いったい何を? 凝視するタバサの視線に、露伴は気付いていながらも本へ降ろす視線を決して動かすことはない。 タバサを視無い、文字通りの無視。この上なく理想的な無視だった。 どこから、ヴァリエールの錬金。爆発するのがわかってて外に出て……その後は……。 「おいおい。どうしたって言うんだ? まさか『忘れてしまった』と言うのかい? ぼくが、この『岸辺 露伴』がお願いしたんじゃないか。 ぼくが『何処へ行くのか訊いたら君は「図書室へ」といって、「迷惑でなければ連れていって欲しい」と言ったら君は了承した』んじゃないか」 ……そうだった。キシベロハン。そんな名前だった。 「それが図書館に着いたら急に『倒れてしまった』んじゃないか。思い出したかい?」 ………そう、そうだった。忘れていた。それに倒れるなんて、初めての経験だ。朝ご飯をもっと食べておけば良かったかもしれない。 「……お礼」 「ん? あぁ、気にする事じゃあないさ。むしろお礼を言いたいのはぼくの方さ。あんなにも素晴らしい物を見ることが出来たのだからね」 この間も露伴はタバサに視線を向けることはなかった。 そしてタバサもそれ以上何か言うことはなく、本を探しに立ち上がった。 立ち去る気配にも露伴は視線を動かさない。 じっと、机に広げられている、デフォルメされたキャラクターを凝視しながら、膝の上に乗せた静の頬をくすぐる。 それを、静はその小さな手で握りかえし、嬉しそうに笑った。 この、ヴァリエールの使い魔は本が好きなのだろうか。 そう思いながら、読みかけだった本を取って、タバサは露伴の正面の席に着く。 このトリステイン王立魔法学院の図書室には、国内はもちろん、国外で発行された本も集められている。 その蔵書量は圧巻である、彼が言った『素晴らしいモノ』とはその事だろう。 タバサ自身も、ガリア王家の出身故、それなりの暮らしをしていたとはいえ驚いたくらいだ。 本を愛するものであれば、何らかの感嘆を覚えるのは必然だろう。 だとすれば「読めない」というのは、悲しくはないのだろうか。 本を持ってきたは良い物の開かずに、タバサは露伴の顔をじい、と見つめる。 変わった服。あきらかに平民にしか見えないのに、本に注がれる視線には何か不思議な感慨を覚える。 「………こう言うときは。自分自身を読めないのが不便だな。世の中良いことばかりじゃないか」 「……何」 タバサの言葉に、露伴がようやく顔を上げた。 「ん? あぁ、いや。ただの独り言さ」 露伴はそれだけ言って再び本に視線を降ろす。 それから、露伴はその視線を上げることはなかった。 そしてタバサもあえて話しかけると言うことはなかった。 この時は、まだ。 「ふぇ……あぁ……」 一瞬、赤ん坊が声を上げたかと思ったら、露伴の方がガタンと椅子を蹴飛ばすように立ち上がった。 それをタバサは短く注意する。 「図書室」 静謐な図書室だ、それくらいの音でも他のモノの集中力をガオンッするには十分である。 「あ、あぁすまない、ちょっと急用が。おっと、この本は何処にあったかな」 左腕に静を抱いたまま、露伴は読んでいた本を返そうとするが、何処から取ったのか思い出せない。 「返しておく」 「あ? あぁ、そうかありがとう。ではお願いするよ」 タバサからの思いがけない申し出に、露伴はコレ幸いとその本を預ける。 実際は、その本をタバサの隣に置いただけだったが。 「それじゃまた。失礼するよ。ミス・タバサ」 それだけ言って、露伴は図書室を後にする。 露伴の言葉にはタバサは返事することなく、本に目を落としている。 露伴が急に慌てて出ていった理由は、タバサはきちんと理解していた。 ただ、その事のみに気を取られていて、もっと重要なことには全く気が回っていなかった。 出物腫れ物所嫌わず。 食べる物食べれば出すのは当然のことである。 そう、タオルケットに包まれた静がその中に………。 不快感に泣き出した静だったが、場所が場所だけに緊急手段を取った。 コレが教室だとかルイズの部屋だとかならともかく、図書室で大泣きされては困るからだ。 普段は露伴は静にはそんなことは書き込まない。 赤ん坊が泣くのは赤ん坊からのヘルプのサインであり、言葉を使えない故の唯一の意思伝達方法なのだから。 むしろ『泣かれないと困る』のだ。 泣かれて苦労するのは周囲の人間であり、最も近いのは露伴だが、露伴は子守りという経験を大切にしている。 泣かれることは苦ではない。ヘルプサインをしっかりと出してくれる分にはそれは十分納得のいく理由。 露伴が書き込むことは、極力その本人の性格や人生に影響が出ない程度。 そう、ルイズやタバサ書き込んだ『岸辺 露伴に協力する』と言った程度である。 それくらいならば、その本人の人格に影響しない。 ルイズならばぶつくさ文句を言いながらもちゃんと帰る手段を探すだろう。 タバサも、何度か会ううちに自分から協力を申し出てくるだろう。 タバサの性格は露伴も読んで既に把握しているのだ。 無口で無表情で、人と関わりと持とうとしないのは、自分のせいで心を病んでしまった母が理由。 しかし、人との関わりを断つという割には、あのキュルケを親友と感じているところもある。 結局は彼女も人恋しいのだ。 「だからこそ素晴らしい………。見てみたくなったぞ。魔法の使えない『ゼロのルイズ』。 他者を拒もうとする『雪風のタバサ』。そしてそれさえ溶かす『微熱のキュルケ』」 それが、彼女らのリアル。そして露伴が望むリアリティ。 「………まずは静の処理からだな。とりあえず汚物を処分して体を洗ってやって後着替えか……シエスタに頼むか。広場にいるかな」 彼女達というキャラクターが一体どんなストーリーを作り出しているのか、それを想像するだけで露伴は心が躍るのだ。 心の高ぶりに、露伴の脚は軽やかに螺旋階段を下りていった。 「ぐすっ………何よ、みんなゼロゼロってバカにして。ロハンも私おいてどっかいっちゃうし。何でよ、どうしてよ。ロハンまで私を見捨てるっているの………」 ほとんど半泣きで、一人で、ルイズは未だに部屋の片付けをしていた。 しばらく待っても露伴は帰ってこない、等のロハンはルイズのことをてっきり忘れてしまっていることなど露にも知らず。 幼い頃からそうだった。ヴァリエール公爵家の三女として生まれたにもかかわらず、魔法が一切使えない。 その事を、両親にも落胆され、上の姉にはバカにされ……そして使用人にすら哀れまれる始末。 下の姉だけは、いつかきっと出来るようになると慰めてくれたけれど。 ただ、使い魔が召喚できてとても嬉しかった、それが平民で前例がないとは言っても、始めて、始めて魔法が成功したのだから。 それなのに………それなのに……。 「ちょっとルイズッ」 唐突に教室のドアが勢い良く開かれる。 慌ててルイズは目の端に浮かんだ涙を拭う、こんなところを他の誰かに見られたくない。 「……何よキュルケ。片付け中よ」 慌ててやってきたのは憎きツェルプストーの女。 「あんた使い魔はどうしたのよ」 「知らないわよっ!」 ルイズの叫びにキュルケがひるむ。 「知らないわよあんな奴! 人の話聞かないし。人をご主人様だと思わないし。赤ん坊ばっか気にしてるし。勝手にどっかいっちゃうし。ご主人様ほっぽって……うっ……ぐっ……」 「あんた………泣いてるの」 「泣いてなんかないわよ! なくもんですか! 掃除の邪魔だからどっか行ってよバカァッ」 意固地になっているルイズを、茶化せるほどキュルケはバカではない。 ただ、頭の中でグルグルと何かが渦巻いて前後不覚になっている、それを一発で目を冷ます、気の利いたコークスクリューを放った。 「掃除している場合? あんたの使い魔がいまギーシュと決闘しようって言うのに、あんたはこんなところでのうのうと掃除してるってわけ?」 「今なんて?」 「あんたの使い魔が、ギーシュと決闘するって言ってんの。ヴェストリの広場よ、止めるなら今のうちじゃない?」 ヴェストリの、とまでキュルケが言ったところでルイズはその手に持っていた机の瓦礫を放り捨てて教室を飛び出した。
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「ここにフーケがいるの?」 「ええ、わたくしの調査によれば」 中から気取られない程度の距離を保って、一行は茂みの中から廃屋を観察 する。「ここからじゃ分からないわね」とキュルケが口にしたのを合図に、一同は一斉に顔を見合わせた。 「誰かが偵察に行かないとね・・・」 「セオリーとしては捨て駒が見に行くべきかしら」 「ちょっと!なんで僕を見るんだい!?」 あーだこーだと言い合うハデな髪の三人を尻目に、タバサが「ギアッチョ」と呟くのとギアッチョが腰を上げるのはほぼ同時だった。 「ちょ、ちょっとタバサ!?」 ルイズが抗議の声を上げる。青髪の少女はちらりとルイズを見ると、 「無詠唱」 ギアッチョを指してそう呟いた。そしてギアッチョがそれを受ける。 「なかなか実戦慣れしてるじゃあねーか小せぇのよォォー いい判断だ・・・この中で最も不意打ちに対応出来るのはオレってわけだからな」 無詠唱という単語にミス・ロングビルがピクリと反応する。腰に下げた剣を抜こうともせずに廃屋へ向かう男の背中を見ながら、ミス・ロングビルは誰にともなく尋ねた。 「ミスタ・ギアッチョはメイジなのですか?」 その質問に、全員が今度は一斉に彼の主を見る。ルイズはどう言っていいものか少々言いよどんだが、 「ま、まぁ・・・そんなものです 厳密には少し違うらしいですけど」 とりあえず当たり障りの無い程度に答えておくことにした。というか、ルイズもそれ以上のことは知らないのである。 魔法ではないとキッパリ言われたのだが、じゃあどこが違うのかと言うことまでは教えてくれなかった。 緑髪の秘書は無詠唱という部分を詳しく知りたがっているようだったが、今はそんな話をしている場合ではない。ルイズは使い魔が襲われてもすぐ助けられるよう、杖を抜いて彼を見守った。 木々に身を隠しながら小屋へと向かう。ギアッチョは別にいつ襲われてもいい、むしろ手間が省けるからとっとと襲ってこいぐらいの気持ちだったのだが、万一逃げられると後が非常に面倒なことになるので真面目にやることにした。 「ねえ、何かあいつ凄く隠れ慣れてない?」 後方で様子を伺うキュルケがそう口にする。タバサやギーシュ達も、その洗練された動きを興味深げに見守っていた。自分の使い魔が褒められて嬉しくない主人がいるだろうか? 「そりゃ、凄腕の暗殺者だったんだからね」 と胸を張りたかったルイズだが、流石にそんなことをバラしてしまうのはどうかと思って黙っていた。 そうこうしているうちに、ギアッチョは廃屋に辿り着く。入り口の横にスッと身を隠し、 ――ホワイト・アルバム スタンドを発動させる。 「人の気配はしねぇが・・・気配を殺す魔法なんてのがあってもおかしかねー 念を入れておくとするぜ」 ギアッチョの足から、小さくビキビキという音が発生する。その音は入り口へ 向かって進み、そしてそこを見事な氷の床へと変えた。 「逃げようとしてもこいつでスッ転ぶってわけだ」 そうしておいて、一分の無駄も無い動きで小屋の中へと滑り込む。身を低くして一瞬で周囲を見渡し、隠れている者がいないかを探した。 「・・・誰もいねぇな」 わざと声に出して呟き、そして敢えて隙だらけの挙動で小屋の中心に立つ。 五秒、十秒。何かが襲ってくる気配はない。逃げ出す気配もない。 「やれやれ」 どうやら本当に誰もいないようだ。別の意味で面倒なことになるなと思いながら、ギアッチョはルイズ達にOKのサインを送った。 「二番手は僕に任せたまえ!!」 誰もいないと分かって俄然やる気が出たギーシュが猛然と小屋に突進し、 「ワアアアアーーー!!」 見事に氷のトラップに引っかかった。一回転したのち背中から落下したギーシュを確認してから、ギアッチョはホワイト・アルバムを解除する。 わざとだよね?わざと解除しなかったよね?というギーシュの恨みがましい視線を清々しくスルーして、ギアッチョはキュルケ達を迎え入れる。 ルイズは小屋の外で見張りをし、ミス・ロングビルは周囲の偵察をすることになった。 まだ床で呻いているギーシュを「てめーも見張れ」と蹴り出して、キュルケ、タバサと共に家捜しにかかる。 程なくして、タバサが無造作に置かれていた破壊の杖を見つけ出した。 「ちょ、ちょっと待って 何かおかしくない?こんな簡単に・・・」 キュルケの疑問はもっともである。ギアッチョは警戒するように辺りを見渡した。 「普通に考えて罠だろうな これから何かを仕掛けてくるか・・・あるいは既に何かを仕掛けているかよォォ」 タバサはスッと杖を掲げると、探知魔法を唱える。 「周囲に魔力の痕跡は見当たらない」 タバサは簡潔に結果を報告すると、指示を待つようにギアッチョを見た。 「となると 外・・・か」 その言葉に答えるかのように、外から何かを叫ぶルイズとギーシュの声が聞こえ――それと同時にミス・ロングビルが室内に飛び込んで来る。 「皆さんッ!土くれのフーケが現れました!!」 ギアッチョ達は急いで外に飛び出す。そこには自分達に背を向けて魔法を唱えているルイズと、杖を取り出したもののどうしていいか決めかねているのかオロオロするばかりのギーシュがいた。 そして二人の視線の先に見えるのは、今まさに森の中へ逃げ込もうとしている黒いローブの人物だった。 次々と放たれるルイズの爆撃をかわそうともせず一目散に茂みを目指している。 「あのローブ・・・間違いなくフーケだわ!」 すぐさま追いかけようとするキュルケとルイズを手で制止すると、 「てめーらは破壊の杖を守れ マンモーニ!てめーはついてこい!」 言うが早いかギアッチョが走り出す。 「えええっ!?ぼぼ、僕がかい!?」 「何しに来たのよあなたはッ!」 キュルケがうろたえるギーシュの尻を蹴っ飛ばし、ギーシュはその勢いで泣きそうになりながらギアッチョの後を追った。 「どうして待機なの!?私も――」 ルイズが今にも走り出そうとするのを見て、ミス・ロングビルがそれを優しく諭す。 「ミス・ヴァリエール もしフーケが逃げている先に罠があった場合、全員で行けば一網打尽にされてしまう可能性があるのです ミスタ・ギアッチョの判断は的確ですわ」 それを聞いて、彼女はしぶしぶながら納得した。 ――そう、的確な判断の出来るあんたなら・・・必ずこうすると思ったよ ギアッチョとおまけの身を案ずる3人の後ろで、有能極まる秘書は彼女を慕う者が見れば卒倒するような笑みを浮かべていた。 小屋から二十数メイルは離れただろうか。土くれのフーケは依然逃走を続けていた。 チッ、とギアッチョは舌打ちをする。 ――こいつは罠を設置してある地点に向かって逃げている可能性がある・・・ そこに辿り着かれる前に、今動きを止める必要があるってわけだ。 ギアッチョはおもむろにデルフリンガーを掴むと、「え、ちょ、何を」という声も無視してそれを大きく振りかぶり、フーケ目掛けて投げつけた! ゴワァァァーンッ!! 金属同士がぶつかり合う派手な音を響かせて、フーケはどうと地面に倒れた。 デルフリンガーに悲しい親近感を覚えているギーシュを放置して、ギアッチョは己の剣を回収する。 「初めてだ・・・こんな酷い扱いをされるなんて・・・」 デルフがぶつぶつ呟いているのも無視。そんなことよりギアッチョには一つ気になったことがあった。 ――今、何故「金属同士がぶつかる音」がした? 脳裏に去来する最悪の可能性を払拭すべく、倒れているフーケを強引に引き起こす! 「――ッ!!」 ローブを身に纏っていたものは、ギーシュのワルキューレを髣髴とさせる青銅の甲冑であった。 「な・・・!?なんだいそれはッ!!」 ギーシュが異変に気付き声を上げる。 「ハメられたっつーことだッ!!」 ギアッチョはそう言い捨てて甲冑の頭部を蹴り飛ばす。氷を纏ったその蹴りに青銅の兜はあっさりと胴から分断され、鬱蒼とした森の茂みへと消え去った。 「コケにしやがって・・・!後ろを見ろマンモーニッ!!」 ギアッチョはブチ切れていた。悪鬼羅刹をも射殺さんばかりの双眸をギーシュに向けて怒鳴る。 「ヒィッ!」という声と共に、ギーシュは殆ど条件反射で元来た道を振り返った。 「ンなッ・・・!!」 ギーシュは絶句した。八体の青銅の騎士が、蟻の子一匹通さぬ密集隊形でこちらへ向かって来ていたのだ。 「既にオレ達はよォォ~~・・・罠にかかっていたっつーわけだ」 バギャアア!!と土に戻りつつあった黒いローブの青銅人形を踏み潰して、ギアッチョは今や2メイル程にまで距離を詰めた甲冑の一個分隊に向き直る。 「わ、罠だって・・・!?」 ギーシュがオウム返しに口にする。 「オレ達とあいつらを分断し・・・あわよくば始末するってところだろうなァアァ。ナメやがって!クソッ!クソッ!!」 ギーシュはとりあえずギアッチョから1メイルほど距離を取った。 「そ、それでどうするんだい!?」 造花の杖を引き抜いてギアッチョに問う。 「ブッ潰して戻るッ!!」 言うがはやいか、ギアッチョの右手が氷に包まれ始め――、数秒後、それは氷の曲刀を形成していた。 「剣の作法は知らねーが・・・こいつで首を掻っ切るなぁ慣れてるからよォォー!」 ギアッチョは腰を落として氷刀を構え、ギーシュがワルキューレの練成を開始し――そして、戦いが始まった。
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康一達が全てのケーキを配り終えた頃、騒ぎを聞きつけたルイズが康一に詰め寄ってきた。 「あんた! 何してんのよ!」 「何って、ケーキを配ってたんだけど……」 ルイズは康一の胸倉を掴んで、ガクガクと揺さぶった。 「そうじゃなくて、なんで勝手に決闘なんか約束したのか聞いてんのよ!」 「僕が約束したわけじゃあないよ」 康一は、胸倉を掴んでいたルイズの手を払いのける。 乱れた服を元に戻し、真っ直ぐな目でルイズを見つめた。 「それに、僕は間違ったことを言っちゃあいない」 ルイズはため息をついて、やれやれと肩をすくめた。 「謝っちゃいなさいよ」 「なんで? 悪いのは彼の方じゃあないか」 「怪我をしたくなかったら、謝ってきなさい。 今なら許してくれるかもしれないわ」 そう言って、ルイズは康一を説得しようとする。 しかし、当然のことだが、康一は謝る気など全くない。 「嫌だね」 「いいから」 「嫌だって言ってるんだ」 「わからずや!」 「わからずやなのはそっちだろう!」 「絶対に勝てないし、あんたは怪我をするわ。 いや、怪我済んだら運がいいわよ!」 頑として引かないルイズと康一。 その様子を見ていたシエスタが心配そうにしながら、話に割り込んできた。 「コーイチさん、私のことはいいんです。どうか、私なんかの為に決闘なんてしようとしないで下さい……」 「そうよ! 第一、メイジに平民は絶対に勝てないの!」 そう言って、康一の肩を掴んで何とか止めさせようとする。 しかし、康一の考えは変わらない。例えシエスタが許しても、康一は許せなかった。 康一はルイズの手を振り払い、周りで見ていたギャラリーに聞いた。 「ねえ、ヴェストリの広場ってどこにあるの?」 「こっちだ。平民」 康一達のやり取りを見ていた一人が、ヴェストリの広場まで案内した。 ヴェストリの広場は、魔法学院の敷地内、『風』と『火』の塔の間にある中庭であった。 西側にある広場で、日中でも日があまり差さない。決闘にはうってつけの場所である。 普段は閑散とした広場であるが、今この場は、噂を聞きつけた生徒達で溢れかえっていた。 「諸君! 決闘だ!」 ギーシュが薔薇の造花を掲げた。広場に大きな歓声が響き渡る。 「ギーシュが決闘をするぞ! 相手はルイズの平民だ!」 ギーシュは腕を振って、歓声にこたえている。 一方、康一の方はそんな歓声など気にする様子もなく、じっとギーシュを睨んでいた。 「とりあえず、逃げずに来たことは、誉めてやろうじゃないか」 ギーシュは薔薇の花を弄りながら、余裕の笑みをうかべて言った。 「時間も惜しい、早いとこ始めるとしよう」 ギーシュは、弄っていた薔薇の花を振った。 花びらが一枚、宙に舞ったかと思うと、甲冑を着た女戦士の人形になった。 身長は人間と同じぐらいだが、体は硬い金属で出来ているようだった。 淡い太陽の光を受けて、甲冑がきらめいている。 「僕はメイジだ。だから魔法で戦う。よもや文句はあるまいね?」 康一は、女戦士の人形をちらりと見てから、ギーシュに言った。 「……文句なんてないさ。むしろ感謝したいくらいだよ。これで僕も本気で戦えるってことだからね」 「ふん、強がりを……」 ギーシュは薔薇を振って、女戦士の人形を康一の前まで移動させた。 「おっと、言い忘れたな。僕の二つ名は『青銅』。青銅のギーシュだ。従って、青銅のゴーレム『ワルキューレ』がお相手するよ」 女戦士の形をしたゴーレムが、康一に向かって突進してきた。 康一目掛けて、右の拳を振り下ろす。 その拳が康一の腹に命中する寸前、ゴーレムが突然、地面にめり込んだ。 ズンッと、地面の揺れと共に大きな窪みができ、ゴーレムは地面に突っ伏したまま立ち上がらなくなる。 「な……!? ど、どうしたんだ、ワルキューレ!!」 ギーシュは突然のことに驚き、半ば焦りながら、懸命に薔薇を振る。 しかし、ゴーレムは動かない。動かないというよりも、動けないといった感じで、もがき苦しんでいる。 ゴーレムが動けない理由はたった一つ。 康一が、ACT3のFREEZE攻撃を、ゴーレムに命中させていたからだ。 「くそ、どういうことだ……」 まさか、魔法を使ったのでは? と思って康一を睨みつけるが、そんなふうには見えない。 第一、杖を持っていない。杖を持ってないのに、魔法を唱えられるはずがない。 そもそも、あいつはメイジじゃなく、ただの平民じゃないか。 きっと、油断して魔法を失敗してしまったに違いない。そうに決まってる。 そう思って、ギーシュは平静を保とうとする。 そんなギーシュの様子を見てか、康一が挑発するように言った。 「キミの魔法ってのは、この程度なの?」 「なんだとッ!」 ギーシュは憤り、大きく薔薇を振った。 花びらが舞い、新たなゴーレムが六体現れる。 その全てが、康一を取り囲むようにして動き始めた。 「くっ……!」 康一は、思わず言葉を詰まらせた。 一体や二体ならば、ACT3で難なく対処できる。 しかし、既に動けなくしているのを合わせ七体ともなると、かなり分が悪かった。 現在、ACT3で動けなくできる対象は最大二体までなので、残り五体は生身で相手にしなければならないことになる。 「やれ、ワルキューレ!」 ギーシュのかけ声と共に、一斉に飛び掛るゴーレム達。 康一は、真っ先に攻撃してきたゴーレムを、ACT3のFREEZE攻撃で動けなくする。 二体目が康一に攻撃をする。ACT3でガードし、二体目の攻撃はなんとか防ぐことができた。 そうしてるうちに、三体目が康一の背中を目掛けて攻撃する。反応し切れなかった康一は、きりもみしながら吹っ飛ばされた。 「がふっ!」 康一は、うめきながら地面に叩きつけられた。 不幸中の幸いか、背中の骨は折れてはいないようだった。 しかし、生身の康一には充分すぎるほど、背中のダメージは大きかった。 「どうした平民。さっきまでの勢いは」 ギーシュが余裕の笑みを浮かべながら薔薇を弄っている。 康一はなんとか立ち上がろうとするが、背中のダメージが大きく、なかなか立ち上がれない。 そんな康一を、七体のゴーレムが悠然と見下ろした。 さっき、FREEZE攻撃で動けなくしたゴーレムも、射程距離から外れてしまったために復活していたのだった。 康一はなんとかACT3で攻撃しようとするが、七対一では為す術がなかった。 何とか立ち上がった康一の腹に、ゴーレムの重い衝撃が走る。 「がはっ!」 続けて、他のゴーレムが康一の顔面に向けて拳を振り下ろす。 「がふっ!」 さらに、背中、わき腹、足、腕と、拷問をするように、康一を攻撃するゴーレム達。 頃合いを見計らい、ギーシュが薔薇を掲げてゴーレム達を制止する。 ギーシュは薄く笑みを浮かべながら、ヨロヨロと立ち上がる康一に言った。 「さあ、謝れ。謝って命乞いすれば、助けてやる」 康一は右腕を押さえながら、ギーシュを睨みつける。 「誰が……謝るものか……」 そう言った瞬間、一体のゴーレムが康一の腹に向かって拳を振り下ろした。 康一は、うめき声をあげながら地面に崩れる。 「謝れ」 「誰が……お前なんかに……」 「……強情な奴だ。その根性だけは認めてやるよ」 薔薇を振り、ギーシュはゴーレムに攻撃を命じる。 その時、ルイズが人ごみの中から飛び出して、康一のそばに駆け寄った。 「いい加減にして! これ以上やったら……」 「ルイズ、邪魔しないでもらいたいな」 ルイズは、ギーシュを睨みつけながら怒鳴った。 「自分の使い魔が、みすみす怪我するのを、黙って見ていられるわけないじゃない!」 「この程度……怪我の内に入るもんか……」 「コーイチ!」 フラフラになりながら立ち上がった康一を見て、ルイズが悲鳴のような声で名前を呼んだ。 「やっと、僕の事を名前で呼んでくれたね……」 ルイズは震えながら、康一に向かって怒鳴る。 「もうわかったでしょう? 平民は、絶対にメイジに勝てないのよ!」 「まだ……負けたって決まったわけじゃあない……」 康一は覚束ない足取りで、ギーシュに向かって歩き出す。 ルイズがその後を追いかけ、康一の肩を掴む。 「寝てなさいよ! これ以上やったら死んじゃうわよ!」 康一は、ルイズの手を振り払った。 「ムカつくんだ」 「ムカつく? メイジに負けたって、恥でも何でもないのよ!」 康一はよろよろと歩き、ギーシュに一歩、また一歩と近づいていく。 「メイジや貴族って……そんなに偉いのかい?」 「え?」 「一生懸命働いてるシエスタさんは、見下されて……。 メイジや貴族ってだけでエバってるあいつが偉いなんて……。 『逆』じゃあないか? どうしてあいつが悪いのにシエスタさんが悪く言われなくちゃいけないんだ?」 ギーシュは、馬鹿馬鹿しいと言った表情で、康一の話を聞いている。 「言いたいことはそれだけかい?」 「……まだだ」 康一は、ギーシュを挑発するように、ゴーレムを指差して言った。 「お前の……『ワルキューレ』だっけ? ハッキリ言わせてもらうけど、全ッ然ッ弱いねッ! パワーも大したことないし、スピードだって、てんで大したことないよ。『何このガラクタ?』って感じだねッ!」 ギーシュの顔から笑みが消えた。ギリッと歯が軋む音がする。 「お前なんかより、全然凄い能力を持ってる人を、僕は知ってる。 それに比べたら、お前のワルキューレなんて『カメよりスロー』だッ!あくびがでそうだよ。 何がメイジだ! お前なんか、こんなガラクタに頼らなきゃ何も出来ない臆病者じゃあないか!」 ギーシュが体を震わせ、鋭い眼差しで、康一を睨みつける。 ゴーレムの右手が飛んで、康一の顔面を襲う。続けて腹に一発浴びせ、再び顔面に一発攻撃した。 康一は吹っ飛び、鼻が折れ、奥歯が一本抜け落ちた。 さきほどとは比較にならないくらいの一撃だった。 「もう一度……言ってみろ……」 康一は、地面に手をつきながら、やっとのことで体を立ち上がらせる。 「全ッ然ッ……効いてないぞ……ヘッポコワルキューレの攻撃なんて……!」 「貴様ァァァァアアアアア!!!」 自分の魔法をバカにされたギーシュは、怒り狂った。 ゴーレム七体が康一を取り囲み、一斉に攻撃をする。 誰もがギーシュの勝利を確信した、その時だった。 『ドッグォン』という音と共に、七対のワルキューレが全て吹っ飛ばされた。 「な!?」 勝利を確信していたギーシュは、目を疑った。 自慢の魔法でもある、ワルキューレが四方八方に吹っ飛ばされたからだ。 「うわあぁぁあああ!」 爆風と共に飛ばされてきた一体のワルキューレが、ギーシュに命中した。 ギーシュは、ワルキューレと共に、地面を転がる。 その様子を見ていた康一は、ニヤニヤと笑いながら、転げまわるギーシュを見ていた。 「ざ、ざまーみろッ!」 康一は、自分張り付いていた『ドグォン』という文字を回収して、地面にへたり込む。 「く、くそぉぉおおおお!」 ACT2の攻撃は物理的なダメージは殆どない。 そのため、ゴーレムには殆どダメージを与えていなかった。 しかしギーシュは、自分の自慢のワルキューレが傷つけられたと思い、完全に我を忘れていた。 「平民如きがぁぁぁあああー―――ッ!」 再度体勢を立て直したゴーレム達が、一斉に康一に特攻する。 康一は再びACT2で、自分に文字を貼り付けようとする。 しかし、既に体がボロボロになっているため、思うようにいかない。 「まずい……ッ! 体が言うことをきか……」 目の前に迫るワルキューレ。 間に合わない――。康一がそう思った瞬間だった。 「康一さん……!」 「えッ!?」 「なッ!?」 康一の目の前に、シエスタが盾になるように立ち塞がった。 ギーシュは、ワルキューレの攻撃を止めようとするが、その前にワルキューレの拳が、シエスタの体に命中していた。 「シエスタさんッ!!」 康一が、大きな声で叫び、シエスタの元に駆け寄った。 「シエスタさん、しっかりして下さい! シエスタさんッ!」 康一がシエスタを抱きかかえ、何度も呼びかけるが、返事はない。 ACT1で、心音の音を確認する。ドクンドクンと、正常な心音が聞こえた。 どうやら気絶しているだけのようだった。一先ず安心し、シエスタを安全なところに運んだ。 「ち、違うッ! あいつが勝手に飛び出してきたんだ! 僕のせいじゃないッ!!」 シエスタを攻撃したギーシュは、必死に言い訳をしていた。 「よくもシエスタさんを……許さない……」 ザワザワと髪の毛を逆立て、康一はギーシュを睨み付けた。 その時……。康一の左手に刻まれたルーン文字が、光りだした。 To Be Continued →