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『何も無いまりさ』 12KB 虐待 不運 親子喧嘩 同族殺し 番い 野良ゆ 赤ゆ ゲス 都会 虐待人間 小ネタが膨らんだ 「何も無いまりさ」 ドガッ!! 「・・・ゆげぇ!?」 ガスッ!! 「ゆぶっ!?」 ゴリュッ!! 「ゆばらばぁ!!?」 殴る。 蹴る。 踏みつける。 その度にまりさは悲鳴を上げる。 また踏みつける。 「ゆっべ!?」 踏みつけたまま回転を加える。 「ゆぎゅら゛っ!?」 足を上げて開放してやる。 「ゆ゛・・・も、もうやべ・・・ゆぼっ!?」 鳴き声が不快なのでまた蹴り飛ばす。 何度も何度も。 皮が破れぬように、死なないように加減して。 私はこの路地裏で出会ったまりさに暴力を加え続けている。 きっかけは特にない。 ただ、ふと、そういえば最近凝ったゆ虐ばかりしてシンプルなゆ虐をしていないな、と思い立ち、たまたま入った路地裏で、たまたま視界に入ったまりさを蹴り飛ばした。 それだけだ。 だがそれも飽きてきた。 このまりさ、痛がるばかりで抵抗らしい抵抗もしない。 殴られれば悲鳴を上げて逃げようとするだけ。 これではつまらない。 抵抗しろよ。 「どぼぢてごんなごどするの」と聞いてこい。 逃げるだけだとつまらないだろ? ちょっとは根性見せてみろ。 ふと、視界の端に、まりさのぼろぼろで汚らしい帽子がひらひらと空中を舞って地面に落ちるのが見えた。 周りには草といったまりさの「狩り」の成果が散らばっている。 そういえば今までよく頭の上に乗っていたものだ、と感心した。 よほど持ち主と離れたくなかったのか・・・。 一発蹴っただけで「もうおうちかえる!」と泣きじゃくって逃げ出した持ち主と違い、この帽子は根性を持っているらしい。 よろしい、先ほどぼろぼろで汚らしいと思ったことを訂正しよう。 こんなにぼろぼろになるまでこの屑まりさに使われてご苦労だった。 持ち主は今から惨めに殺してやる。お前にはもう手を出さない。 私の考えが伝わったわけではないだろうが、帽子はふわりと風に舞い上がり、空に消えていった。 同時にまりさの「狩り」の成果である草も飛んでいった。 ・・・草? そう、このまりさ、「狩り」の成果が草しかない。 普通の野良ゆっくりなら生ゴミや虫などが入っているはずだが・・・。 つまりこのまりさは、根性がないだけでなく、無能な固体ということか。 その事実に飽きかけていた虐待に少しやる気が出てきた。 「ゆ・・・が・・・も゛うやめ・・・」 蹴り飛ばしたまりさに近づく。 自分の帽子にも劣る根性なしで無能なまりさはその場から1歩も動かずにぶるぶると震えていた。 その姿に胸が高鳴るのを自覚しながら、もう何発目かもわからない蹴りを繰り出す。 小汚い饅頭が低い放物線を描きながら飛んでいく。コンクリートの地面に激突。 それだけで勢いは止まらず、そのまま転がって路地裏のダンボールにぶつかって止まる。 「ゆ!?、なんなの・・・!?」 と、その路地裏のダンボールから汚らしいれいむが飛び出してきた。 「ゆ?ゆっきゅり!」 続いてこれまた汚らしい赤れいむも飛び出してくる。 「ゆ゛・・・れいむ゛・・・だずげでね・・・」 「はぁ!?ゆっくりしてないまりさだね!」 「ゆぷぷぷぷ・・・ぼりょぼりょぢゃねぇ!」 どうやら蹴り飛ばすうちにこのまりさのおうちまで来てしまったらしい。 まぁ、まりさが逃げようとした方向に蹴り飛ばし続けてきたのだからいつか辿り着くだろうとは思っていたが・・・。 予想よりも早すぎる。 「までぃざばまでぃざだよ・・・」 「ゆっ!?・・・まりさ?」 「・・・ゆ?」 どうやらこのまりさ、「もうおうちかえる!」の言葉通り、最初から自分のおうちに逃げ込もうとしていたらしい。 少しでも知恵があったり善良な固体なら、家族に被害が及ばぬよう、自分のおうちがばれないように逃げる場合でも遠回りしたり全く関係ない方向に逃げることくらいはできるのだが。 「はぁーーーーーーーーー!?なにやっでるの!!?かりは!?ごはんは!?」 「ゆっくちしちぇないくじゅおやだにぇ!!」 このまりさには、根性も、技能も、知恵も、ないらしい。 しかも番はゲスなでいぶ。赤ゆもゲス化している。 「ゆ゛・・・ぞれがにんげんざんにおぞわれで・・・」 「そんなのそのにんげんをどれいにすればいいでしょ!!?ばかなの!?」 「ばーきゃ!ばーきゃ!」 私は、これほどどうしようもないゆっくりに会ったことはなかった。 「むぢゃいわないでね゛!?ごんなにぼろぼろにざれだんだよ!?」 「それはまりさがむのうだからでしょー!!?」 「むにょう!むにょう!」 まぁ、無能だろうがなんだろうが私のすることには変わりない。 私の存在などなかったかのように口汚く言い争う3匹に近づく。 「ぞんなごどいばないd・・・おそらをとんでるみたいぃ!!」 「ゆぅ!?だれなの!?」 「だりぇにゃの!?」 まりさを片手で持ち上げる。 尻をぶりんぶりんと振るがこの程度で逃げられるはずもない。 「・・・どーじでごごににんげんざんがいるの~!!?」 「ゆびぃ~!?」 私の存在にようやく気づいたでいぶと赤れいむ。 目を見開いて絶叫している。 『おいおい、にんげんに会ったら奴隷にするんじゃなかったのか?』 「ゆ!?・・・そうだよ!まりさ!このじじいをはやくどれいにするんだよ!」 「どりぇい!どりぇい!」 「な゛にいっでるの~!?」 でいぶの言葉にまりさの尻の動きが激しくなる。 しかも体中から汁が出てきてキモさ40%増(当社比)だ。 「うるさいよ!!このむのうが!さっさとれいむのやくにたってね!」 「たっちぇにぇ!」 しかしこのまりさ、番にまで無能と認識されているのか。 まぁでいぶは優秀なゆっくりでさえ無能と呼ぶことがあるが・・・。 ふむ。 ここまでうるさいのも面倒くさいな。 捕まえたまりさは後回しにして、先にこのれいむをどうにかしよう。 『まぁ待て、れいむ。この無能まりさを頼るより、有能なれいむが動いたほうが早いんじゃないか?』 「ゆ?・・・そうだよ!れいむはゆうっのうっ!なんだよ!じじいはいいこというね!」 「ゆゆ~ん!おかーしゃんはゆうっにょうっ!なんだにぇ!」 『まぁ無理だけど、なっ!』 ドガッ!! 「ゆぐぼっ!!」 「ゆ~ん?」 「れ、れいむーーーー!!?」 調子に乗ってふんぞり返った糞でいぶを蹴り飛ばす。 ぶくぶくと肥えて皮の厚くなったでいぶに容赦はしない。 といってもここは路地裏。 壁に足が当たらないよう気をつけたため、本気で蹴るのは無理だった。 それでも勢いよく吹っ飛ぶれいむ。 ダンボールのおうちに突っ込んでおうちを崩壊させる。 「・・・ゆ!?・・・ゆ!?」 「ゆびぃーーー!れいみゅのおうちぎゃーーー!?」 「れいむ!?ゆっくり!?ゆっくりしでいっでね!?」 自分に何が起こったのか理解できないのだろう。目を白黒させるれいむ。 泣き叫ぶ赤れいむ。母親を心配するよりもおうちを、しかも自分のものだというゲスな発言をしているあたり救いがない。 そしてさらに尻をぶりんぶりんと振るまりさ。 「・・・ゆ!?・・・いだっ!?ゆぎゃーーーーーー!!!?」 「れいみゅのたきゃらもにょがーーーー!!」 「れいむーーーー!!」 ようやく身体の痛みに気がついた餡子脳のれいむ。 崩壊したおうちの上でのたうち回っている。 キモい。とてつもなくキモい。 「ゆひぃ~!ゆひぃ~!」 ようやく落ち着いたらしい。 おうちは完全に崩壊し、れいむの垂れ流した訳のわからない汁でぐちゃぐちゃになっている。 『さて、次は赤れいむだ』 「ゆ!?やみぇちぇにぇ!?やりゅにゃりゃおとーしゃんかりゃにしちぇにぇ!?」 「どぼじでぞんなごどいうのーーーー!!?」 赤ゆのゲス発言にまた尻をぶりんぶりんと振るまりさ。 今も汁が出続け、キモさは80%増(当社比)だ。 ・・・いい加減腕もだるくなってきたし、まぁいいか。 「ゆべぇっ!?」 とりあえず壁に叩きつけて気絶させておく。 顔面から行ったので歯が何本か折れた気がするが気にしない。 「い、いまのうちだよ!!おちびちゃん!おかーさんのおくちにはいってね!!」 「ゆわーん!おかーしゃーん!!」 と、まりさに構っていた間に、れいむの母性(笑)が発揮されたらしい。 赤ゆを自分の口の中にかくまってしまっていた。 「ゆぷぷっ!これでおちびちゃんにてはだせないね!ぷく~~!!」 「しゃしゅぎゃおかーしゃんぢゃよ!!」 『・・・・・・・』 「ゆぷぷぷぷ!れいむのぷくー!にびびってるね!?いまあやまればどれいにしてあげるよ!」 「あげりゅよ!!」 『いや・・・れいむ、お前よくあんな汚い赤ゆを口に入れられるな』 「「ゆ!?」」 『あんなに汚れて埃まみれの赤ゆだ。苦かったり辛かったりするだろ?または酸っぱいのかな?少なくとも甘くはないはずだ』 そう、赤ゆはとても汚れていた。 泥や埃、排気ガスの煤、その他路地裏にはそんな汚いものが溜まっている。 そんな中暮らしていたのだ。 汚くないはずがない。 「・・・ゆ?」 「にゃにいっちぇるにょ!?」 『我慢してるのか?さすが母性(笑)の強いれいむ。感嘆するよ』 「ゆぐっ!・・・ゆごっ!・・・ゆべぇーーーーー!!」 「こーりょこーりょしゅりゅよ!!?」 あ、吐いた。 それはそうだろう。 このれいむのことだ。 我慢していたわけではなく、私に指摘され、初めて気がついたのだろう。 「にゃんでだしちゃうにょーーー!?」 「うるさいよ!!まずいんだよ!・・・ゆ!?ち、ちかづかないでね!!」 「どびょじでぞんにゃごぢょいうにょーーー!!?」 れいむの気持ちもわからなくはない。 今、赤ゆはれいむのよだれまみれで地面を転がり、しかも先ほどのれいむのよくわからない汁溜まりに突っ込んでいた。 早い話、ぬめったゴミ球になっているのだ。 人間でもお飾りがなければゆっくりだと理解するのに時間がかかるだろう。 2匹はそのまま路地裏で追いかけっこを始めてしまった。 普段なら赤ゆが成体ゆっくりに追いつけるはずはないが、なかなかどうして、いい勝負になっている。 おそらくれいむは先ほど蹴られたダメージで身体能力が落ちているのだろう。 しかし・・・ 『キモいな。・・・というか汚いな』 訳のわからない汁を飛び散らせながらぐねんぐねんと飛び跳ねるれいむ。 ぬめったゴミ球の赤れいむ。 そこには不快な光景しか無かった。 「ち、ちかづかないでね!ゆっくりできないよ!ちかづくなっていってるでじょーーー!?」 ボインッ! 「ゆがぁーーーー!?れいみゅをゆっきゅりしゃしぇにゃいくじゅおやはしにぇーーー!?」 ピョインッ! ぶちゅん! あ。潰した。 終わらない追いかけっこに耐えられなくなったのだろう。 れいむが赤ゆに飛びかかり、潰してしまった。 「ゆふー!ゆふー!ゆっくりできないこはせいっさいっ!だよ!・・・ゆ?」 ねちょり 見れば赤ゆだったものがべっとりと見事にれいむの腹(?)にへばりついている。 どうやら粘性の高い汁と埃が混ざってガムのようになっていたらしい。 「はなれてね!はなれてね!!はなれろっでいっでるだろーーーー!!??」 いくら叫んだところで赤ゆのデスマスクは剥がれない。 それどころか死臭は益々強くなる。 『れいむ、それ、こすらないと取れないぞ?』 「ゆ!?・・・ばなれろ゛っ!ばなれろ゛っ!」 私がそう言うとれいむはビルの壁面に身体をこすりつけ始めた。 「ばなれろ゛っ!ばなれろ゛っ!」 「れ・・・れいむ・・・」 と、まりさが気絶状態から回復したらしい。 放心状態で鬼気迫る様子のれいむを見ている。 『見てごらん、まりさ。あのゆっくりしていないれいむを』 れいむの目はギラギラと光っていた。 よほどゆっくりできないのだろう。 もう自分が何をしているのかもわかっていないようだ。 コンクリートの壁面はこすりつけられたデスマスクを削りおとし、れいむの身体を削り始めていた。 「・・・ばなれろ゛っ!・・・ばなれろ゛っ!」 自分の身体が削れているのにも気づかず、壁面にこすりつけ続けている。 れいむの身体が3分の2になる。 そろそろ中枢餡だろうか? 「・・・ば・・な・・・れ・・・ろ゛っ!・・・ば・・・っ!」 死んだ。 これも自殺というのだろうか? 『永遠にゆっくりしてしまったね、まりさ』 「ゆ・・・ゆわ・・・」 これで、根性がなく、技能も、知恵も無いまりさは、帽子も失い、おうちと家族をも失ったことになる。 それがたとえ自分をゆっくりさせてくれない屑みたいなゲスだったとしても、だ。 私はそれを静かにまりさに告げる。 『根性も、技能も、知識も、お帽子も、おうちも、家族も、何もかも無いまりさ、それが君だよ』 「・・・・・・・」 まりさは答えない。絶望しているのだろうか。 『・・・どうせだから、全部無くしてみようか?』 ペキンッ 「ゆがぁ!?」 残っていた歯をすべて折る。 グリュンッ 「ゆ゛!?」 目をえぐる。 ブチィッ! 「ゆぎぃっ!?」 お下げを引きちぎる。 舌を、髪の毛を、あんよを、ぺにぺにを。 思いつく限りのものを、まりさから無くしていく。 『ふう、こんなもんかな』 「・・・!?・・・!!?」 ははは、何言ってるかわからないよ、まりさ。 いや、もうまりさだとわからないくらいに無くしてしまったね。 ここにいるのはぶるぶると震える禿げ饅頭だ。 『あとは・・・』 と、そこで私はあることに気がついた。 『そういえば、まりさ。私が奪わなくても、最初から君に無いものがあと一つあったね』 「・・・?」 そう、まりさに最初から無かったもの。それは 『私に見つかるなんて・・・運が無かったね、まりさ』 「・・・!!・・・・・・・!!!???」 それはそうだ。 たまたま私が、ゆ虐をしようと思った時に見つかったのだ。 運があるわけがない。 『さて、まりさ。最後にもう一つだけ無くしてみようか』 結局シンプルなゆ虐では無かったような気もするけど、楽しかったよ、まりさ。 さて、君のお帽子との約束を果たそうか。 『根性も、技能も、知識も、運も、お帽子も、おうちも、家族も、何もかも無いまりさ』 足を持ち上げる。 狙いは頭頂部。 『・・・惨めに命を無くしていってね!』 ぐしゃり 了 <あとがき> 汚い赤ゆを口に入れてまずくないのかな、というレスを見て、書き始めました。 なんでこんなに話がふくらんだんだろう? 前作『まりさのいる生活』で結構な評価をいただきまして、ありがとうございます。 執筆スピードは遅いですが、これからも頑張りたいと思います。 あと、これが10作目だと思ってたんですが、 HDDをあさって今まで書いた物をきちんと数えたら、すでに10作越えてました。 せっかくなのでちゃんと名前を決めようかと。 ちなみに旧wikiだと「トライガンあき(仮)」でした。 スレでは「gifあき」「ねんどあき2世」と呼ばれてたことも・・・。 次も造形物かSSでお会いできれば幸いです。 それでは最後まで読んでくださって、ありがとうございました。 今までに書いたもの 『おねぇさんのゆっくりプレイス』 『詰める』 『れっつびぎん』 『ぱぺっとショウ』 『おねぇさんのゆっくりプレイス・2』 『う゛ぁれんたいん』 『もりのけんじゃのひさく』 再開後の作品 『「まりさ」が好きな人』 『ドスまりさになれる授業』 『饅頭(マントウ)』 『まりさのいる生活』 今までに作った物(スレに晒した物) (保管庫にはありません。.netなら見れるかも) 『ゆうかにゃん』(ねんどろいど改造) 『クリーチャーれいむ』(フルスクラッチ) 『AQNさん』(ホイホイさん改造) 『ありす』(フルスクラッチ) 『ぺにありす』(フルスクラッチ) 『さなえ』(フルスクラッチ) 『鏡餅れいむ3姉妹』(フルスクラッチ) 『もげふらん』(小麦粘土)
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※駄文、稚拙な表現注意 ※俺設定注意 ※グロテスクな描写注意 ※あっさり小話第4弾です。 まりさは幸せだった。 金バッジも、あまあまも、おもちゃもふかふかのクッションもこの路地裏にはないけれど。 ダンボールハウスにいる優しいつがいのれいむ。自分とれいむに似た3匹のかわいいおちびちゃん達。 それさえあれば後はなにもいらない。 それがまりさのゆっくり。それがまりさの全てだ。 「ゆーゆー、みんなゆっくりしてってねー・・・」 しとしとと雨が降り続ける路地裏にまりさの幸せそうな声が響いた。 幸せまりさ一家 作、長月 まりさは元々金バッジを持つ飼いゆっくりだった。裕福な広い家をもつ飼い主に飼われ、ゆっくりとしては十分勝ち組と言えるゆん生だっただろう。 しかしまりさはゆっくりできなかった。 「ねぇ、おにいさん、いっしょに・・・」 「ああ、悪いが、今忙しいんでな、後にしてくれ。」 「ゆぅ・・・」 理由は唯ひとつ。飼い主のお兄さんが構ってくれなかったからだ。 お兄さんは朝早くから夜遅くまでお仕事をしており、帰るのはいつもまりさが寝た後。たまの休みの日もパソコンで書類やレポートを作っており、まりさは全く相手にされない。 元々、お兄さんはまりさを部屋のインテリア程度にしか考えていなかったのである。 寂しいからつがいが欲しいといっても「ゆっくりはつがいを作るとゲスになる」とあっさり却下。まりさの孤独を充たしてくれるものは誰もいない。 まりさはゆっくりには広すぎる家でいつも一人ぼっち。 どんなに美味しいあまあまを食べても、どんなに立派なおうちに住んでいてもそれを誰かと共有しなければゆっくりできない。 ゆっくりとはそういうものだ。だからこそゆっくりは群れを作り、つがいや子供を欲しがるのである。 寂しがり屋のまりさには寂しくつらい毎日だった。 そんなゆっくりできない日々を送っていたまりさだったが、庭で行倒れていた野良れいむを介抱したことががまりさのゆん生を変えた。 身なりこそ汚いが誰よりも優しく気立てのいい野良れいむ。 寂しさも手伝ってまりさはれいむを好きになり、れいむのほうも行倒れていた自分を救ってくれたまりさに悪い感情を持つはずもなかった。 しかし2匹は野良ゆっくりと金バッジ。そう簡単に結ばれるはずもない。 ある日、飼い主に野良れいむと会っていたことがばれてしまった。 お兄さんは折角、高い金はたいて買った金ゆっくりが汚らしい野良と仲良くしているのを知り大激怒。野良れいむと今後一切会ってはいけない、でなければ捨てるとまりさに厳重注意した。 まりさは迷った。 まりさとて馬鹿ではない。野良ゆっくりがどれだけ大変なのかは知っているし、苦労して取った金バッジや飼いゆとしての恵まれた暮らしに未練がないと言えば嘘になる。 しかしまりさは優しすぎた。賢く上手く生きていくにはあまりにも。 「いいんだよ、まりさ。れいむはひとりでもいきていけるよ。まりさまでのらでゆっくりできなくならなくていいよ。」 そう言って寂しく笑うれいむの顔を思い出すとどうしても踏ん切りがつかない。 結局まりさはれいむを見捨てることができなかった。 こうして飼いゆっくりとしての全てを失ったまりさ。 しかしまりさは後悔はしていない。もう一人ではないのだから。念願だった家族が出来たのだから。 お兄さんに捨てられた後、まりさはれいむに正式にプロポーズし、れいむもこれを受け入れた。あまり良い場所ではないがマイホームも手に入れ、今では3匹のおちびちゃんに囲まれ幸せ一杯である。 まりさは思う。 例えどれほどたくさんのあまあまを手に入れようと、どんなに立派なおうちに住んでいようとそれを一緒に喜んでくれる誰かがいなければ何の意味もない。不味い残飯や雑草も家族みんなで食べればゆっくりできるし、どんな場所でも家族が一緒ならそこが一番のゆっくりプレイスだ。 だからまりさは幸せ・・・幸せなゆっくりなのだ・・・と。 「まりさはれいむとおちびちゃんがいれば、きんばっじさんもあまあまもいらないよ・・」 そう言ってまりさは子供たちにすーりすりをする。愛する家族にすーりすりするこの時こそがまりさの至福のゆっくりタイムだ。 ボトッ・・・ その時子まりさの顔から巣の中に何かがこぼれ落ちた。 「もーおちびちゃんたら・・・・おめめがとびだしてるよ。」 そう言って飛び出たおちびちゃんの眼窩に目をはめ込むまりさ。 「ふふふー・・・こんなかわいいおちびちゃんがいてまりさはほんとにしあわせーだよー・・・」 そう笑うまりさの頬には、一筋の涙がつたっていた。 本当はわかっていた。 もう愛する家族はこの世にいないことを。 数日前から降り続く雨により、この路地裏にはカビが繁殖し、成す術もなくみんな死んでいったことを。 そしてまりさ自身もすでにカビが発症しており、もう長くないことも。 ただ認めたくなかった。 認めてしまえば世界が壊れてしまいそうで。まりさ自身も壊れてしまいそうで。 「ゆーゆーみんなゆっくりしてってねー・・・」 まりさの一人ぼっちの家族団らんが小雨の降る路地裏にいつまでもいつまでも響き続けていた。 後書き 季節ネタ、梅雨をテーマにした本作。よく考えてみたらカビってゆっくりからしてみたら中世ヨーロッパのペスト並に怖い病気ですよね・・・ 面白かった、ゆっくりできた、と言う方は下のゆっくりできたよ!!ボタンを押していただければ幸いです。 追伸 感想用掲示板ができましたので、そこの長月のスレにご意見、ご感想はそちらでおねがいします。URLも書いておきますので。 ふたば系ゆっくりSS感想用掲示板(長月用スレ) http //jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/13854/1274852907/ 今まで書いた作品 anko259 ゆっくりちるのの生態(前編) anko268 選ばれしゆっくり anko279 新種ゆっくり誕生秘話 選ばれしゆっくり番外編 anko292 ゆっくり見ていってね anko304 またにてゐ う詐欺師てゐの日々 anko313 VS最強のゆっくり 史上最低の戦い anko333 夢と現実のはざまで anko350 あるまりさの一生 anko385 ゆっくりを拾ってきた anko425 ゆっくり Change the World(出題編) anko448 ゆっくり Change the World(出題編2) anko484 ゆっくり Change the World(解答編) anko497 あるゆっくりできない2匹の一生 anko542 てんこがゆっくりするSSさん anko558 あるドスまりさの一生 とてもゆっくりした群れ anko577「餡子ンペ09」ゆっくりを愛でてみた anko613「餡子ンペ09」れいむと幸せを呼ぶ金バッジ anko633「餡子ンペ09」としあき博士のれいぱーありす矯正計画 anko735「餡子ンペ09」あるてんこの一生 メスブタの群れ anko764「餡子ンペ09」あるさなえの一生 ゆっくりは皆それぞれ(前編) anko791「餡子ンペ09」あるさなえの一生 ゆっくりは皆それぞれ(後編) anko932 誰も救われない話 anko1022 あるババ・・お姉さんの結婚 anko1057 もらうぞ anko1127 めすぶた祭り anko1224 あるちるのの一生 ずっと続いていく物語 anko1500 ある愛でお兄さんの午後 anko1530 どうして・・・ anko1638 とてもかわいそうなでいぶ anko1672 奇跡のドス anko1713 まりさときゃっしゅさん anko1775 ゆっくりしたおちびちゃん anko1836 希少種になる薬
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タイトル 水上まりさのすっきりー 分類 ネタ 詳細 水上まりさがすっきりーするとこうなります。 ではご覧あれ。 Bca6DeRrCS_606.jpg Bca6DeRrCS_607.jpg コメント一覧 めっちゃうけた -- 名無しさん (2012-04-25 20 37 02) 見れないorz -- 名無しさん (2012-09-22 00 12 55) 見れねぇぞクソが -- 名無しさん (2013-07-18 23 36 34) 見れねえじゃねかカスが -- 名無しさん (2013-07-29 20 07 41) ないなんて都会派じゃないわーーーーー! -- アリス (2013-09-01 21 01 31) みれないなんてうpぬしさんはゆっくりしてないね! -- 名無しさん (2013-09-20 16 42 00) 久しぶりに見に来たらみれねえぞ -- 名無しさん (2013-11-01 18 04 57) みえないよぉぉぉ! ゆっきゅりいじわりゅしにゃいじぇー -- 名無しさん (2014-03-24 12 08 13) あああああああああああああああああああああああああああああああああ -- RED_ZONE (2014-08-11 12 52 17) ゆ?みれないよ!ぱそこんさんゆっくりしないでみせてね! -- 名無しさん (2016-03-23 21 36 26) ンgcmンfvhmbんhbfvじゅい -- かなかな (2020-01-24 18 39 40) 名前 コメント
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『つむりとまりさ』 虐待ありません 俺設定満載です 『まりさの思い出』の続き 今日もライフワークの撮影旅行の写真の整理、今回はまりさにも撮らしてある。 メモリーが一杯になっていたから200枚以上撮ってきたようだ。 予想どうり近過ぎたりぼやけてたりで何を撮ったのか判断できない物で6割を占めてした。 「うへぇ~なんじゃこりゃ?削除さくじょ~と・・・ん?」 同じ画像が30枚以上有るのに不思議に思った。 このカメラには連写機能はつけていない、シャッターはまりさがおさげに付けたリモコンを噛む事によって作動するのだから早くて3秒以上はかかる。 と言う事は90秒以上も撮り続けた事となる。 何をそんなに撮る必要があったのか?クリックして拡大してみて驚いた。 「ん・・・・・・・?これって・・・・・つむりまりさか?」 沼の中からつむりまりさが水草を咥えて岸へと上がってきている画像が並ぶ、仮に3秒で撮ったとしても10枚目でこの位置・・・・・ 「うわ~なんてつむりってとろくせ~生き物なんだ・・・・」 まりさで30秒あったらどれだけどれ程進めるだろう?1秒で30?は行けるだろうか?うん900cmは進む事になるだろう。 つむりは目測でまりさのほぼ十分の一しか進んでいない、こんなので野生で生きていけるのだろうか? そんな事を思っていると、違う疑問点に気が付いた。 「あれ?つむりまりさってまりさ種のアルピノみたいなもので中身は通常のまりさ種だろ?・・・・・・ なんで水から出てきてるんだ?水草を咥えてるって事は水中を潜って餌を採ってきたってのか?」 本で知っている知識の範囲だとつむりまりさも結局は通常のまりさとお飾り以外変わる事の生き物であり、ゆっくり特有の弱点である水には弱いはず。 なのにこのつむりは水から出てきていると言う事は・・・・・ 「まさか・・・・・純粋種のつむりまりさか!」 たしか書籍の片隅に本来のつむりまりさは水に強いとも書いてあった。 現行見られるつむりまりさは通常まりさから稀に生まれるお飾りが違うだけのつむりまりさもどきらしい、もどきならば水は避けて生活するだろう。 水を飲むだけなら半身を浸す必要もない!本物の可能性がある気がした。 とりあえず撮った本人に問いただす事にする。 今はカメラの画像データを回収する為にお帽子を取り上げてあり、現在はついでにお帽子は洗濯中なのでぱちゅりーとすーぱーすやすやたいむ中のまりさを起こす。 「まりさ!おぃまりさって・・・起きろ!まりさ!」 スヤスヤ眠るまりさの頬をパチパチ叩く 『ゆうん・・・ゆゅ~ん・・ゆわ~ゆっくりおきるんだぜ・・・』 「この前の旅行で写真撮ったろ?これは何処で撮ったやつだ?」 寝ぼけるまりさにプリントアウトした写真を見せる。 『ゆゅ?・・・・・・それはぬまさんでとったんだぜ』 「それは見たら分かる!問題は写っているこのつむりだよ。」 写真のつむりを指差して聞く 『ゆゆ~ん♪そのつむりはとてもゆっくりしてたんだぜ~』 まりさ曰く、沼の畔で散策してたらとてもゆっくりしたつむりを見つけたのでシャッターをひたすら連打したとの事 水は怖かったのでつむりに近寄る事は出来なかったらしい、まぁ知らない土地で他ゆんにはあまり関わるなと言いつけてあったのもあるだろう。 まりさを放していた場所で沼のあるのは・・・ まりさの発信機のGPSの履歴で確認する。 「あった!俺が撮影してた山の裏じゃないか、こいつこんなに移動してたのか・・・・」 俺も純粋つむりは見たい気もする。なにより気がかりなのはまりさの写真に写ったゆっくりで無事なのはいまのところぱちゅりー1匹だけと言う事実だ。 こんな超希少種と言うか新発見かもしれないゆっくりがまさか・・・・・・ 気になったので再度その場所へ撮影旅行に行く事とした。 余談ではあるがぱちゅりーは見事まりさの子を妊娠している。1匹残して残りは里子に出すと言ってあるので数が生まれても問題ない、両親共になかなか頭は良いと思うので馬鹿は産まれることはないだろう。 正直つむりを見るために来たのを後悔していた・・・・ ゆっくりが歩いた道を人間が歩くと言うのは困難を極めた。 山の表までは道はあったのだがそこからまりさの使った順路で裏に行くのはかなりキツイ 『おにいさん、まりさはそこをくぐりぬけたんだぜ』 「かんべんしてくれ・・・・・」 今思えば沼を目指すだけなのだから順路を守る必要は無かったのだが、何も考えずただまりさの案内にしたがって進んでしまい時間だけが無常にも消化されていった。 結局はその日は沼に着いた時点で野宿するはめに・・・・ 夕食はレトルトのカレーライスだ!まりさには甘いハヤシライスを用意しといた。 『むしゃむしゃ。ゆゅ~おいしいんだぜぇ~はやしらいすさんはまいにちでもいいんだぜ』 家では「しあわせ~」は食いカスが飛び散るので禁止してある。そのせいか外でも言わなくなった。 「うまいか?よし今度の晩飯にばちゅりーにも作ってやろう。」 『おにいさんのてづくりはゆっくりできないかられとるとさんでいいんだぜ』 失礼な事を言う奴である。ほんのちょっと砂糖と塩を間違えるお茶目なミスをしたくらいでそこまで言うか・・・・塩善哉・・・・ただの小豆の塩煮だったなw 想像してみよう小豆を大量の塩で煮込んだ自称善哉を啜った瞬間を!俺がゆっくりのように餡子吹き出してゆっくりしてしまうところだった。 楽しい夕食を食べてるところに邪魔がはいる。 『ゆゅ~いいにおいだねぇ~れいむもむ~しゃむ~しゃしたいよ』 草むらかられいむが現れた。 『ゆゅ?れいむにまりさのごはんさんはあげないんだぜ!』 『どぼじでぞんなごとゆぶの~』 まりさに断られて喚くれいむ 『まりさらのごはんさんをあげるとおにいさんにおこられちゃうんだぜ』 「れいむ、お前はこれは食えるか?」 側に生えていた蓬を毟って与えてみる。 『ゆゅ?おいしそうなくささんだよ!むしゃむしゃしあわせ~』 蓬を美味しそうに食べるれいむ。 「まりさ、お前はこれを食えるか?」 『ゆゅ・・・まりさには草さんはにがにがさんでたべれないんだぜ・・・・』 「分かるかれいむ?人間の食べ物を食べるとこのまりさみたいにその蓬や蒲公英は苦くてたべれなくなるぞ?」 理解できるとは思ってはいないが一応説明はしておく、これはまりさに飼いゆと野良ゆの違いをはっきりとしておく教育でもある。 やはり理解できなかった様子できょとんとして俺をれいむは見ていた。 『よくわからないけどゆっくりできないんだね?でもれいむもたべたいよ~』 やはり理解していないので俺のカレーを一口だけ与えてやった。 『れいむはゆっくりむーしゃむーしゃするよ。むーしゃむーしゃし・・・・・・・・・・ゆ”ゅゅゅゅゅゅゅゅ!!!!!!!』 辛口のカレーを含み必死な形相でれいむは暗闇に消えていった。これでしばらくは人間の食べ物は欲しがらないだろう。 『ゆゅ・・・おにいさんひどいんだぜ・・・・』 「前にも言ったが野良に人間の食べ物をあげるとその時はそのゆっくりは幸せかもしれない、だが次からは今までの食事では我慢できなくなり結局は飢え死にする事になる。まりさはあのれいむを飢え死にさせたいのか?」 『ゆぅ~ん・・・・ゆっくりりかいしたんだぜ』 これも教育である。まりさよしっかり覚えておいてくれ! その晩は野良の訪問をうける事は以後無かった。 朝日が沼を照らしキラキラと輝いているのを眺めながら散策を開始した。 まりさが撮ったらしき場所にはやはりつむりの姿を見つける事はできなかったのだが、岸沿いに歩いていると沼側に小さな横穴を発見する。 「ゆっくりしていってね」 『ゆっくりしていってね』 穴に向かって声をかける。これでこの穴にゆっくりがいたら本能による返事が帰ってくると言うわけだ。側にいたまりさまで反応してしまっていたが・・・・ 『『『ゆっくち~ゆっくち~』』』 この舌足らずな発音は赤ゆか?一応返答はあったのだが成体はいないようだ。 まだ狩の時間には早いだろうから親は帰ってきてないかもしくは永遠に帰れなくなったかだと思う。 穴から4~5匹の赤ゆがピョコピョコ出て来たのを見て驚いた。 「1匹だけつむりがいるじゃないか!」 『ゆっくりしたおちびちゃんがいるんだぜ♪』 最後にのそのそと這出てきたゆっくりは貝殻を被っていた。これこそつむりまりさの証! しかし親の姿はないし、赤ゆではまともな会話はできないから事情は聞けないどうしたものか?と考えていたら巣穴の近くの草むらに赤いリボンが見えた! 親ゆかも知れないと近寄ってみるとれいむはスヤスヤと横ばいになって寝ていた。 口元がカレーらしきもので汚れていたので昨夜のれいむだろう。 これが親ゆかな?と確かめるために寝ているれいむをそのまま赤ゆの前まで持ってきた。 『『『ちゅぴ~みゃみゃ~みゃみゃ~ゆっくちゆっくち』』』 騒ぎだしたので多分親ゆなのだろう、昨夜のカレーを食べたショックで家まで辿りつくのがやっとで外で寝てしまった訳か・・・・・ れいむに気付けにスポーツドリンクを少しかけてやった。 『ゆゅ~んゆっくりおきるよ♪ゆゅ?おにいさんはだれ?ゆっくりできる?』 昨夜の事を忘れてしまったのか流石は餡子脳、まぁ覚えていてもややこしいのでありがたい。 「そうだよ俺はゆっくりできる人だよ。れいむはしんぐるまざーなのかい?」 とりあえず番の存在を確かめる。 『ちがうよ。れいむはまりさとゆっくりしているんだよ。』 「そのまりさは貝殻のお帽子を被っているかい?」 『そうだよ。とってもゆっくりしたまりさなんだよ。れいむのじまんのだ~りんなんだよ。』 やはりあのつむりとの番らしい、しかし姿が見えないのは・・・・・・ 『ゆゅ・・・でもまりさはかりからずっとかえってこないからおちびちゃんがずっとゆっくりできないんだよ。』 「それで探しに昨夜も出ていた訳か・・・・・」 『ゆゅ?おにいさんなんでしってるの?』 「ゆっくりしてるから何でも知ってるよ。れいむの子供にはお父さん似のつむりがいるよね?」 『ゆゅ~すごいよ。おにいさんはほんとにゆっくりしているんだねぇ~』 正直この会話のキャッチボールができていない気がするが気にしない。 その間まりさは赤ゆ達をあやしていた。近いうちに自分も父親になるから気にかかるのだろう。 とりあえずつむりまりさが帰ってないのは判った。何故か嫌な予感しかしない 再度まりさの撮った画像を確認してみる。 陸に上がる直前まであるのだがその後がないのでまりさに聞いてみる。 「おいまりさ、このつむりはこの後何所に向かっていった?」 『ゆ~ん?ゆゅ・・・ゆっくりおもいだしたんだぜ。』 何か知っているようだ 『このぬまさんからきえちゃったんだぜ。ゆっくりしてなかったからまりさにはみえなかったんだぜ』 『ゆっくりしてないんじゃれいむのだ~りんじゃないね。まりさはとってもゆっくりしているゆっくりだもの』 やはり嫌な予感しかしないがまりさの撮影ポイントまで戻った。 靴をぬぎ浅い沼へと足を踏み入れて、画像を頼りにつむりのいた場所を探す。 大体の位置を木や水草の位置で割り出しつむりが進んだであろう方向へ歩く グニ なにか石のような何かが足の先に触れた。石にしては尖っていながらもグニグニと下に沈む変な感触。 恐る恐る下を見るとそこには・・・・・・穴があり黒い何かで濁っていてよく見えない 「まさか・・・・」 手を突っ込むと硬い石のような物がある。 それを引き抜いてみた・・・・・ 予想どうりつむりまりさではあったがすでに死んでいた。 どうやらまりさの撮影最中にこの穴に落ち水中で餡子を吐いてしまい死んだ。 溶けていないのはやはり本物だからかと触っていて気が付いた。 このつむりまりさの皮はグルテンで出来ているような気がする。グルテンなら小麦粉からも取れる成分だからゆっくりの体皮としても多分定着するだろう。 そしてこのグルテンは水に溶けない、生麩のような感触といったら想像できるだろう? だからつむりまりさは水に強かったのか・・・・・・今度野良を捕まえて改造して実験してみよう。 納得出来るような出来ないようなモヤモヤしたものだけが残ったが一応つむりがいたのは確認できた。 亡骸を番のれいむに見せると奇声をあげて森の中へて駆けていった。 赤ゆのつむりも確認してみるとこのつむりは体皮は小麦粉で出来ていたのでつむりモドキだろう。 『ゆ・・・・・ん。まりさがわるいの・・・・・・?』 まりさは自分のせいでつむりが死んだのではないかと思っているようだが断言してやる。 「まりさが撮ったくらいで死ぬんだったらぱちゅりーはどうなる?生きているだろう? くだらない事を気にしてないで帰るぞ!お前も父親になるんだから変な事は気にせずでっかい親父になれ」 『ゆん!そうだね!まりさはおにいさんをしんじるんだぜ!ゆっくりおうちにかえろうね』 正直俺も疑ってしまったがそんな馬鹿な事があるわけない!たぶん・・・・・・ しかし帰るのはいいが、またあの順路を辿らねばならないのかと思うとぞっとする。 とりあえずは早く帰ってまりさのカメラを違うカメラに取り替えて様子をみるしかない、非科学的な事は信じない方なのだがゆっくりの存在自体が非科学的だからなぁ~ モヤモヤを抱えたままお兄さんとまりさは帰路につくのであった。 『そういえばおにいいさん!』 「ん?」 『はやしらいすさんはれとるとさんでおねがいするんだぜ』 「どぼじでぞんなごというのぉ~」 つむりネタを書くはずが生きて出てこない・・・・あれ?何処で間違ったのやら・・・・ 稚拙な文で申し訳ない、誤字等も勘弁して下さい。 これまで書いた物 ふたば系ゆっくりいじめ 1097 ゆ虐ツアー ふたば系ゆっくりいじめ 1111 ゆ虐ツアー お宅訪問編 ふたば系ゆっくりいじめ 1116 雪原のまりさ ふたば系ゆっくりいじめ 1122 ゆヤンワーク ふたば系ゆっくりいじめ 1129 まりさの思い出
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「おはよーなのぜ~おねーさん~♪きょうもゆっくりしていってね~♪」 「おはようおねえさん!きょうも、とかいはよ!ゆっくりしていってね♪」 「はいはい、おはよう。ゆっくりしていってね♪」 爽やかな朝の目覚め。 まりさはご機嫌に飼い主に挨拶をすると、幸せそうに体を揺らす。 まりさを横目で眺めながら、爽やかな朝を堪能するありす。 そんな二匹を眺めると、なんだか幸せな気分になる飼い主だった。 「むーしゃ、むーしゃ、しあわせ~♪ほっぺさんがおちちゃったのぜ~♪」 「しあわせ~♪…おばかまりさ!そんなことあるわけないでしょ!」 「ゆん?ほっぺさんがおちがきがしたけど、そんなこともなかったのぜ~♪」 アホな事を喋るまりさを冷ややかな目で見つめるありす。 二匹は番という訳ではないのだが、何故か仲良く暮らしていた。 「ねえ、まりさとありすはすっきりとかしないの?子供作ったりしないの?」 飼い主が二匹に疑問を投げかける。 二匹は食事を一旦止めて、しばらく考え込む。 「ゆゆ~?すっきりってなーに?まりさ、どこかできいたことあるような?……………やっぱりしらないのぜ~♪」 「ゆん?そんなこともあったような?…………おばかをみてると、どうでもよくなるわ………」 飼い主は首をかしげた。 この二匹は元々野良だったものだ。 とある加工所の研究施設で用済みになった物を引き取ったものだ。 俗に言う、「原始のゆっくり」と呼ばれる物と飼い主は思っていたが、どうもそれも違うらしい。 かつて、食事も取らない、すっきりもしない、そんなゆっくりが居たそうだ。 ゆっくりの祖、原始のゆっくりなどと呼ばれるそれは、現在では絶滅したと囁かれていた。 彼女はこの二匹がそれに当たるのではないかと思っていた。 だがこの二匹はどうもそれとは違う様だった。 「おねーさん、おしりさんがんばって~♪まりさはゆっくりまってるのぜ~♪」 「おばかまりさ!おしごとさんでしょ!でも、おしごとさんってなんなのかしら?」 彼女はそんな二匹を見ていると、あれこれ考えるのが馬鹿らしくなってきた。 「ゆ~♪おねーさんのおかえりなのぜ~♪まりさはのーび、のーび、しておでむかえなのぜ~♪」 「おちつきなさい、まりさ!こういうときは、とかいはにごあいさつよ!」 「まりさ、とかいはじゃないのぜ?…………ゆびゃぁぁぁん!……ないたふりなのぜ~♪」 「おばか!うれしいのはわかるけど、しずかにしなさい!」 彼女はこの二匹を見ていると癒された。 通常のゆっくりにも癒しの効果はあるのだろう。 だが油断していると飼い主を見下し、自分が頂点だと思い込む個体が現れる。 それ以外にも、ゆっくり達は独自の思い込みで手がつけられなくなる事がある。 ゲス、でいぶ、しんぐるまざー、れいぱー、もりけん等々、増徴しきったゆっくりの行き着く先は不幸ばかりである。 だが、この二匹は一向にその兆しを見せない、独自の思考で常にゆっくりして暮らしていた。 研究者でもある彼女は、なんとかこの二匹の様なゆっくりを増やしてみたいと思っていた。 この二匹は正に、理想の飼いゆっくりと呼ぶに相応しかった。 頭の方はあまり良くないが、ゲス化しない、勝手に増えない。 何より、常時ゆっくりした姿で飼い主を癒す効果があると思われたからだ。 だが、二匹は一向にすっきりーをしなかった。 無理やりやらせる事も出来たのかも知れないが、それをしてしまうとこの性格が損なわれる恐れもあった。 彼女は悩んだ末、ある方法を思いついた。 「まりささまを、こんなところにとじこめるなんて、どういうつもりなのぜ?!くそにんげんは、まりささまにざんげするのぜ!」 「んほぉぉぉぉぉぉぉう!なんでもいいからすっきりさせてぇぇぇぇ!!」 彼女の研究室に運び込まれた、透明な箱に入った醜悪なゆっくり達。 ともに、ゲス、レイパーと呼ばれるものだ。 まりさは純国産のゲス、ありすも天然物の遺伝的なレイパーである。 「はーい、それじゃあ実験開始ですよ~♪」 「ゆん?なにいってるのぜ?!そんなことよりあまあまもってくるのぜ!このくそばばあ!!」 「にんげんにようはないわぁぁぁぁ!!ありすはすてきなゆっくりと、じょうねつてきなすっきりがしたいわぁぁぁぁ!!」 二匹を眺めながら怪しい笑みを浮かべる彼女。 彼女は実験中はテンションが上がってしまう困った癖があった。 そうとも知らず、好き勝手に騒ぐゆっくり達。 彼女は家から持ってきた、タッパーの蓋を開け中身を取り出す。 「ほーら、お望み通りあまあまを食べさせてあげるわね~♪」 「ゆふふ!いいこころがけなのぜ!さっそくいただくのぜ…むーしゃ、むーしゃ………… …ゆげろぉぉぉ?!これは、うんうんなのぜぇぇ!くさぁぁぁい!ゆっくりできなぁぁぁぁい!」 まりさは喜んで彼女の用意したあまあまを口にした。 だが、しばらくするとそれがうんうんだという事に気がつき吐き出した。 そう、彼女が用意したあまあまは、それは自宅で飼っている馬鹿まりさのうんうんだった。 彼女はこの二匹に、馬鹿ゆっくりの古い中身を食べさせ続ければ、 いずれはそれがゲスゆっくりの体内に行き渡り、馬鹿ゆっくり化するのではないかと考えたのだ。 「はーい、文句を言わず食べましょうね~♪ってか食え!残さず食え!!吐き出した分も食えぇぇ!!」 「ゆっびぃぃぃぃ!やめろぉぉぉぉ!!ゆごもごもごごごご…………ゆげっぶ!ゆむむむむ…」 彼女はまりさの口に無理やりうんうんを押し込んでいった。 涙を流し必死に抵抗するまりさだったが、吐き出すことも許されないままうんうんを口に詰められていった。 持ってきたうんうんをすべて口に詰め込むと、彼女はまりさの口をテープで塞いだ。 涙と変な汗をだらだらと流しながら、箱の中を転げ回るまりさ。 彼女はそんなまりさを楽しそうに眺めると、今度はレイパーありすの方を見る。 「次はありすちゃんよ♪たっぷり食べてね♪」 「んほぉぉぉ?!むもごももごもぐ!やべでぇぇぇ!!ありすは、すかとろさんのしゅみはないわぁぁぁ!!」 ありすは必死にぺにぺにを振り回し彼女を威嚇した。 だが彼女も手馴れたもので、上手くありすを押さえ込み、口に無理やり馬鹿ありすのうんうんを押し込めていった。 ありすも口にテープを張られると、涙を流しながらぺにぺにをのた打ち回らせた。 「うーん…かなり酷い有様ね………あの馬鹿コンビとは偉い違いね…」 あまりにも気持ち悪い二匹を見て、思わずそう呟く彼女だった。 その日から、彼女はゲスまりさとレイパーありすにうんうんを食べさせ続けた。 二匹は毎日のように抵抗していたが、一週間経った頃に変化が起こった。 「はーい、今日も楽しいお食事の時間ですよ~♪」 ノリノリの彼女がゲスまりさの口に張られていたテープを剥がした。 「ゆぴゃ!おくちさんが、ちょっぴりいたいのぜ~…ゆゆ!うんうんおねーさんなのぜ~♪」 「誰がうんうんお姉さんか!このゲ………あら?あんた、喋り方変わってない?」 「ゆゆ?まりさはまりさなのぜ~?きょうはうんうんたべたくないのぜ~!うんうんはやめるのぜ~♪」 何時もなら「くぞばばあ!」だの「まりささま」と喋っていたまりさであったが、 今日は彼女の飼っている馬鹿まりさのような喋り方になっていた。 彼女はしばらく考えると、ありすの口のテープもむしり取った。 「ゆびび!らんぼうなおねーさんね!あら!うんうんおねーさん!ゆっくりしていってね♪」 「だから、うんうんお姉さんって呼ぶの止めて!……ふむ、実験は成功かな?」 二匹の口調はすっかり変わっており、なんだか楽しそうに体をゆらしていた。 ありすに至ってはぺにぺにもすっかり引っ込んでおり、レイパーだった頃の姿は何処にもなかった。 「うんうんおねーさん~♪まりさはおなかがすいたのぜ~♪でも、うんうんはいやなのぜ~♪」 「うんうんおねーさんは、きょうもとかいはね♪でもうんうんはとかいはじゃないわ」 「あー…解ったから『うんうんお姉さん』って呼ぶのは止めてね!今日は普通にご飯あげるから」 「それほんとー?ゆわっほーい♪うんうんおねーさんだいすきなのぜ~♪」 「まりさ、うんうんおねーさんってよんじゃだめよ!ごめんなさい、うんうんおねーさん」 「だから、それをやめろぉぉぉぉ!!………だめね、こいつ等は……でも、これは成功ね♪」 彼女はこの方法で馬鹿ゆっくりの増産に成功した。 この結果を元に、他の種で馬鹿ゆっくりを作り出す実験も行った。 「ゆきょきょ~♪れいむむむむは~~♪しんぐるまざぷっぷ~♪」 「ぱぱぱぱちゅは……もりもりもりもりのもりけんよ!もりけんってなんなのかしららら??」 「ふむ…今回も駄目か、バカになりすぎるわね……それにしても、れいむ種は何をやっても駄目ね(偏見)」 だか、元になっているうんうんが、まりさ種とありす種の物しかないのが原因か、れいむやぱちゅりーには効果が無かった。 この馬鹿ゆっくりは研究所内でも評判が良く、「ノリノリまりさ」、「おとぼけありす」の名前で一般に販売される事が決定した。 頭が悪いため銀バッチ取得が限界ではあったが、ほとんどの個体がバッチを取得できた。 ただ生産効率の悪さと、教育面で手間が掛かってしまうため、通常の銀バッチ基本種の3倍ほどの価格になってしまった。 それでも前評判も良かったため、売り上げはそこそこあった。 この馬鹿ゆっくりの評判はあっという間に広がった。 口コミやネットでの評判が良く、買い求める人が後を立たなかった。 おかげで生産が追いつかなくなり、予約しても半年から一年待ちになる程であった。 しかし加工所は、馬鹿ゆっくりを機械任せで増産はしなかった。 機械化の影響がどう出るのかも解らないというのも当然あるのだが、 馬鹿ゆっくりが売れるのは、他のゲス等の駄ゆっくりが存在しているからなのを理解していたらだ。 馬鹿ゆっくりが増産されて数が増えれば、それが普通になってしまい売れなくなる事を防ぐ事にしたのだ。 こういった事情も重なって、馬鹿ゆっくりは通常種の位置にありながら、希少種並みの扱いを受ける事になった。 さらに馬鹿ありすのうんうんは、知能低下などの問題があったが、レイパー用の新薬としても注目された。 それからしばらくして、更なる新ゆっくりがお披露目される事になった。 「そこのおねーさん!まりさのなみのりさんをみてほしいのぜ~♪」 「ゆふふ~ん♪でもほんとうになみさんがあると、ゆっくりあぶないのぜ~♪」 「おにーさんも、なみのりさんするのぜ?まりさものってるのぜ~♪」 水の上を帽子に乗って進むまりさ達。 水上まりさの様であるが、オールは持っていない。 それにもかかわらず、なぜか水の上を自在に動き回るまりさ達。 「ゆぺぺぺぺ…まりさは、おみずさんのうえでも、すーい、すーい、すすむのぜ~♪でもなんでなのぜ~?」 「かんがえたらまけなのぜ~♪きにしちゃだめなのぜ~♪のりのりすいすいなのぜ~♪」 「うんうんお姉さん」のあだ名で知られる事になった研究所の彼女が、 売れ残りの水上まりさに馬鹿うんうんを食べさせたところ、オール無しで水上生活できる新まりさが誕生したのだった。 波や水流は苦手な事もあり、室内の水槽でしか飼育できない欠点もあった。 室内飼いになると小型の物が好まれるため、大きくても子ゆっくり程度にしか成長しないように制限する必要もあった。 それでも器用に水上を進むノリノリまりさは見る人を和ませた。 「えーそれでは、これからこの新ゆっくり『波ノリノリまりさ』の生みの親でもある、彼女の挨拶となります」 「ゆゆ?!うんうんおねーさんだ!ゆっくりしていってね~♪」 「うんうんおねーさん!まりさのなみのりを、ゆっくりみていってね~♪」 「まりさは、まりさーふぁーなのぜ~♪おねーさんは、うんうんおねーさんなのぜ~♪」 「こらー!私の事を『うんうんお姉さん』って呼ぶなー!」 お披露目会場は笑い声に包まれた。 こうして彼女はメディアに「うんうんお姉さん」として取り上げられ、世間にもその名が知られるようになった。 完 なんとなく「箱の中のおバカな面々」の馬鹿まりさを、水上まりさにしたらどうなるんだろう?と思って書きました。 お馬鹿なサーファーまりさって感じですかね? バカつむりまりさも考えましたが、話が思い浮かびませんでした。 誰かかわりに書いてください(おい 徒然あき
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初投稿です。 ゆっくりたちの自然の中での生態を書いてみたくてキーボードを叩きました。 実際に書いてみると、他のSS作者さんたちのうまさに気づかされる一方でした。 読みにくいところが多いと思いますが、読んでいただければうれしく思います。 独自設定多めです。ご注意ください。 『南の島のまりさ』 断崖絶壁に囲まれた島の数少ない海への門戸、 穏やかな岩礁性の海岸に彼らのコロニーはある。 海岸にぽっかりと開いた洞窟、その中にゆっくりたちはまるでアパートのように住んでいた。 洞窟は様々な方向へ分岐し、その幾つは海岸とは反対の小高い岩場につながっている。 荒天時の波もここまで到達することはないため、ゆっくりたちはこの岩場付近のエリアに 集中して居を構えていた。 本来、水、それも塩水はゆっくりの天敵のはずなのだが、ここに棲息しているゆっくりは 通常種より硬化した皮を持ち、通常種よりも濃いしーしーをだすことで塩っ気の多いこの 環境に適応したと考えられている。その代わり、彼らの餡子量は皮が丈夫になった分減って おり、餡子の流出に対しては極めて脆弱である。 「ゆゆ~、それじゃおとうさん、おかあさん、漁に行ってくるよ。」 「海に落っこちないよう気をつけて、ゆっくり行って来てね。」 まだ成体と比べるとひとまわり小さい子まりさが狩りに出かける。 「ゆ!」 掛け声と共に帽子を深く被ると、ぽよんぽよんと勇ましく跳ねながら、潮が引いた海岸へと 降りていく。 「あんなにちっちゃかったおちびちゃんも、すっかりゆっくりしたまりさになって…」 母れいむの顔が、凛々しい我が子の姿に自然とほころむ。 「もういつ独り立ちしても大丈夫だよ。あの子はとてもゆっくりしているよ。」 父まりさもどこか懐かしむような表情でわが子を見送る。 「ゆ!じゃあ、ぱぱは別るーとで狩りに行くよ。」 「ゆっくり行ってきてね!」 ぱぱと呼ばれた親まりさは、先程の子まりさとは反対の方向、林の方へと跳ねていく。 ヤシの実、カラフルな花を咲かせる植物やそれに集う昆虫を採りに行くつもりなのだろう。 「カニさん、ヤドカリさん待っててね、今から海に行くよ!ゆ?ゆっくりしていってね!」 「ゆ、すてきなお帽子のまりさ、ゆっくりしていってね!」 先程の子まりさが別の巣から出てきた若いまりさつむりと挨拶を交わす。 干潮を迎える時間帯を狙って他の巣からもゆっくりたちが海へと降りてきたのだ。 そのほとんどが黒い帽子を被っている。いわずと知れたまりさ種だ。 南国の太陽が厳しく照りつける初夏~秋にかけては帽子や貝殻を持つまりさ種でないと、水 分の蒸発が早く、お外での狩りはゆっくりできないことになってしまう。 そのため、このコロニーではまりさ種との番が多く、必然的にまりさ種のゆん数がれいむ種 やありす種など他のゆっくりを大きく上回っていた。 「ゆゆ!お昼の日向さんはゆっくりできないよ。」 今は盛夏、海岸のサンゴ砂や岩場は太陽に焼かれ、そこを跳ねればあんよが熱くてゆっくり できない。そのため、ここのゆっくりたちは日陰になるルートを探し、海の近くへと降りて いた。 夏の日差しを眩く照り返す明るい色調の海。 そこでは、既に多くのまりさたちがカニやヤドカリを追いかけ、漂着物や岩陰に潜む巻貝を 集めている。中にはあにゃるに巻貝が刺さってしまい、なんとか外そうとしてお尻?をぶん ぶんとふりまわしているまりさもいる。しかし、子まりさは目の前を通り過ぎたヤドカリを 夢中になって追いかけ始めてしまった。 「ゆ!ゆ!待ってね!ヤドカリさん待ってね!ゆっくりまりさに捕まってね!」 それは半分欠けた巻貝を背負ったオカヤドカリだった。 「ゆゆ!これでもう逃げられないよ!」 子まりさはヤドカリに追いつくと、あんよを伸ばしてヤドカリを軽く踏みつけて動きを封じ る。昨日、思いっきり飛び掛って、あにゃるにぶっすり刺さったことが教訓となっていた。 「のろまなのろまなヤドカリさん、あとでゆっくりまりさに食べられてね」 子まりさは舌でヤドカリをつかむとそのまま帽子の中にしまいこんだ。 帽子の中でヤドカリに動かれるのはむーずむーずしてゆっくりできないが、これで逃げられ ることはない。 「ゆんやあああああああ!」 さっき挨拶したまりさつむりがカニに舌をはさまれて転げまわっている。 「ゆひゃああ!びはび~!ひゃべべべ!ばびばん、ひょっふびびばいべ、はばぎべべ!」 海岸での漁において、ハサミの大きい種類のカニやヤドカリは危険である。 いくら通常種より皮が厚いといっても、所詮は饅頭、これまでも油断した個体がカニやヤド カリによって皮を引きちぎられたり、まだ幼いゆっくりが食べられてしまったりする事例が 多発していた。 「ゆゆ!しっかりしてね!今助けてあげるからね!」 子まりさはすかさず、つむりの舌をはさんでいるカニを自分の舌で上手に捕また。 舌でハサミを押さえ込むようにつかんでいるので、これで子まりさの舌がはさまれることは ない。 「ゆ!ゆ!ゆっくり引っ張るよ!カニさんはゆっくりしないでつむりのべろさん離してね!」 子まりさは必死になってカニを引っ張るが、カニはなかなかつむりの舌を離そうとはしない。 まわりにいたゆっくりたちも加わって、子まりさとつむりを引っ張り合う。 「ゆえ゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛!びはび!べほはほぼへひゃふふ!」 舌をカニに挟まれている上、引っ張られているつむりは目を見開き、目と口全開で液体を周 囲に散布しながら泣き叫んでいる。 「ゆーえす!ゆーえす!」 しかし、そんなつむりの窮状に気づくこともなく、ゆっくりたちは子まりさとつむりを引っ 張り続ける。海辺で様々な工夫をして生きている彼らも所詮、中に詰まっているのは餡子な のだ。一度に複数のことに注意を向けることなど、天才でもなければ不可能である。 「ゆえ゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛!ひひへぶっふ!ひひへぶ!」 限界はもう間近だった。 ぶちゅ 結局カニは舌を離さず、まりさつむりの舌はカニが挟んでいた辺りでちぎれてしまった。 「ゆぎゃあああああああああ!ばでぃざのずでぎばべろざんがああああああ!」 舌をちぎられたつむりは転げまわって泣き叫んだ。 その隣でむしゃむしゃとつむりのべろだったものを食べるカニ。 その姿を見て、周りのゆっくりたちは激昂した。 「ゆっくりできないげすなカニさんはせいさいするよ!」 「カニさんは黙って食べられていればいいんだよ!」 「しねっ!しねっ!」 経験少ないゆっくりが、大きく、ハサミも強いカニに手を出したのが悪いのだが、 エサが自分たちに手を挙げたことは許せなかった。 カニはゆっくりたちに寄ってたかって踏まれた。 何匹かゆっくりがカニにあんよをはさまれ、泣き喚いたが、最後にカニは、石を叩きつ けられて死んだ。 「ゆぐっ!ゆふふん、これがまりさたちの本気だよ!ゆぐ…永遠にゆっくりしてね!」 そういきがるまりさは涙目だった。 「ゆゆ?つむりはゆっくり元気出してね。べろさんぺーろぺーろすれば治るよ。」 優しい子まりさは、のびたままだらんとしているつむりの舌をぺーろぺーろとなめて治そ うとする。しかし、失ったものは元には戻りそうになかった。 結局、つむりは洞窟の奥に住み、決して外に出ない「ちていのけんじゃ」ぱちゅりーたち によってヤシの実とアダンの実のジュースを混ぜた液体で治療され、ある程度は舌を取り 戻すことができた。 「しーしーするよ…」 つむりは共用のといれで用を足していた。 この群れは洞窟という限られた空間に密集して生活しているため、食料の備蓄と排泄には 神経を尖らせていた。 ただでさえ、海岸近くに生息するゆっくりは塩分を排出するために濃いしーしーをする。 それが洞窟のあちこちにぶちまかれてはたまったものではない。 そのため、しーしーやうんうんはお外か、ところどころにある細い縦穴にするのが掟だっ た。これを破ったものは、しーしーうんうんで汚した場所を自分でぺーろぺーろしてきれ いにしなければならない。 つむりは巣に戻り、その日は眠れずに枯れ草のベッドに横になっていた。 体が熱っぽいのは舌の傷のせいだけではない。 「…あれは…ひょっとして…ふぁーすとでぃーぷちゅっちゅ…」 翌日 子まりさは再び海岸で漁をしていた。 海面の上を帽子にのって、器用に水上を移動する。 干潮時の波のない時間帯にのみ可能な業だ。 子まりさは干潮時に顔を出している海底の岩やサンゴから、舌やオールにしている木の棒 を器用に使って、付着している二枚貝や隠れている甲殻類などを集めていった。 「これだけあれば妹たちもゆっくりできるよ!」 子まりさが一人前に成長しつつあることに安堵した両親は、昨晩すっきりをして、二匹の 新たな命を宿したのだ。今頃はおかあさんれいむが、巣の中でゆっくりしたおうたを聞か せているころだろう。 子まりさはいくつか保存食になる海藻の破片も拾い集めると、家族の待つ巣へと戻ってい った。 貝類やヤドカリは貝殻を割らないと食べられないが、ゆっくりの貧弱な歯では割ることは できない。そのため、巣の入り口にある高い岩場に登り、そこから地面の岩盤に叩きつけ て貝殻を割るのである。 (この方法で割れないような厚い貝殻を持つエサを採ってくるのは漁の下手な個体である) 今日も夕暮れになり、暑さが和らぐと、狩りから戻ってきたまりさたちが貝やヤドカリを 地面に落とし、割れたところを留守番していた母ゆっくりや赤ゆたちがむーしゃむーしゃ していた。 まず、母ゆっくりが舌で貝殻の破片を取り除き、赤ゆたちがケガしないようにしてやる。 それからみんなで食べるのである。 「さあ、おちびちゃんたちから先にむーしゃむーしゃしようね。」 おかあさんれいむが赤ゆたちに食事を許可すると、口から涎を垂れ流しながらその瞬間を 待っていた赤ゆたちが母の後ろから飛び出してくる。 「ゆ!ゆ!ゆっくちごはんしゃんにちゅるよ!」 「むーしゃむーしゃ!ちあわちぇー!」 そこへ高台の上から貝を落としていた父と子まりさが降りてくる。 「ゆゆーん、おちびちゃんたちとってもゆっくりした食べっぷりだよ!お父さん嬉しくな っちゃうよ!」 「おとうさんとまりさは、ふるーつっ☆をゆっくりさせてからごはんにしてね!」 落としただけでは割れなかった貝や、赤ゆには堅いアダンの実のような果物は、道具の扱 いに長けたまりさが石や棒で軽く潰すことでみんなが食べられるようになるのだ。 このような道具の扱いの巧みさはまりさ種がだんとつであり、みょん種やありす種がそれ に次ぐ。 れいむ種やぱちゅりー種にはできない仕事であり、この群れでまりさ種が多いのは、この ような環境への適応した当然の結果ともいえる。 「おにゃかいっぱいになっちゃっちゃよ!」 「ちあわちぇー!」 「おちびちゃんのごはんが終わったから、おかあさんもむーしゃむーしゃするよ!むー しゃむーしゃ…うめっこれめっちゃうっめ!」 「おにゃかいっぱいになっちゃらうんうんちゅるよ…うーんうーん…うーんうーん…ちゅ っきりー!」 「ゆゆー、じゃあおとうさんたちもごはんにするから、おちびちゃんたちはふるーつっ☆ を食べようね!」 アダンの実はその見た目とは裏腹に、パイナップルのような強烈な甘味はない。 しかし、熟した実にはそれなりの甘さがあり、なによりこの常夏の島では、みずみずしい 果肉と穏やかな甘味は、貴重であった。 「あまあまさんはべちゅばらだよ!」 「あまあまさんぺーろぺーろしゅるよ」 「「ちあわちぇー!!」」 父まりさと子まりさはそんな赤ゆたちの幸せそうな表情に目を細めながら、赤ゆや母れい むが残した食事を平らげていく。その目にはしっかり一家を支えているという充実感があ ふれていた。 そのときふと、父まりさは辺りの空気が湿っていることに気がついた。 もちろん、亜熱帯気候区に位置するこの島の大気は多湿なのだが、いつもよりも重く、湿 った感じだった。 「ゆゆ!これは雨さんの前触れだよ!ぱちゅりーが言っていたよ!」 「ゆ!雨さんはゆっくりできないよ!おちびちゃんたち!ゆっくりしないで巣に戻るよ!」 母れいむは赤ゆとアダンの実を口の中にしまい込むと一目散に洞窟内の巣へ跳ねていく。 父まりさの警告を聞いた他のゆっくりたちも次々とそれに続く。 既に地面にはぽつりぽつりと雨粒の跡が黒く広がり、それが蒸発で消えるよりも早く次の 雨粒が落ちてくるよになった。それから雨が熱帯域特有のスコールになるのに時間はかか らなかった。 バケツをひっくり返したかのような雨が降り注ぎ、その凄まじい雨音がゆっくりたちの声 を掻き消す。 「ぴゃぴゃー!ぴゃぴゃー!ゆっくりかえってきちぇー!」 とある巣では一匹の赤ありすが泣き叫んでいた。その隣では母らしきれいむが心配そうな 表情で洞窟の外の方を眺めている。 帽子のないありす種では昼間に狩りをすることはできない。そのため、日が傾き、日光が 和らいでからでかけたのだろう。しかし、この雨では例え林の中に避難しても安全ではな い。幸運によって、良い雨宿りの場所を見つけていなければ、ものの1、2分でゆっくり は再起不能となり、餡子は洗い流されてしまうだろう。 外では、既にあちこちに大きな水溜りが出現し、岩場の溝は濁流によって洗われていた。 洞窟内も外から流れ込んだ水が川となり、その奥―海側へと続く斜面を滑り落ちていく。 しかし、このような状況下でもゆっくりたちの巣は安全であった。 なぜなら、複雑な地形を呈する洞窟内で、巧みに雨が流れ込まない位置に巣を作っている ためだ。これは多くのゆっくりの犠牲によって得られた知恵である。 かつては、みな好き勝手に巣を設けていたため、スコールの度に永遠にゆっくりしてしま う家族が続出した。ぱちゅりーやその他の頭のよい幹部ゆっくりたちは、そのような危険 な場所を記憶し、雨が流れ込んでも安全な高い位置にのみ巣を作るよう指導してきたのだ。 ゆっくりとは思えない知恵である。体内の餡子量が減少した分、高濃度に凝縮されたので あろうか? いずれにせよ、自分の巣にいる限りは、スコールと言えどもおそるるに足らず!であった。 「ゆー、雨さんはゆっくりできないよ。ゆっくりやんでね!」 「「ゆっくちやんでね!」」 先程の家族は無事に巣に避難し、食後のごーろごーろを楽しんでいた。 2匹の赤ゆ―赤れいむと赤まりさの姉妹は子まりさが拾ってきてくれたオレンジ色のタカ ラガイで遊んでいる。 「ゆっくちきれいな貝さんだよ!これはれいみゅのたからものにしゅるよ!」 「ゆゆ!まりちゃもほしいよ!れいみゅだけじゅるいよ!」 「だめだよ!しゃきにれいみゅのだってしぇんげんちたよ!」 言うが早いか赤れいむはタカラガイを持って巣の奥へと逃げ込もうとする。それを慌てて 追いかける赤まりさ。 「まって!まってね!れいみゅもたからものもゆっくりちてね!」 「れいみゅの!これはれいみゅのたからものだよ!ゆっくちりかいちてにぇ!…ぶひゅ!」 タカラガイを持って跳ね回っていた赤れいむはバランスを崩し、顔面から地面に転んでし まう。 「びゃあああああああ゛!れいみゅのきゃわいいおぎゃおがああああ!」 「ゆゆ!?おちびちゃん大丈夫?ぺーろぺーろしてあげるよ!」 「ゆ゛げええ!れいみゅのたからものぎゃあ!!!」 転んだ拍子に飛んでいったタカラガイは巣の外に転がりだした。 この巣は雨水をよけるため、洞窟内でも高台の上にある。タカラガイは下へ下へと転がっ ていく。 「まっちぇ!たからもにょしゃんまって!」 タカラガイを追いかけて巣を飛び出したのは赤まりさだった。 「ゆ!おちびちゃんあぶないよ!流されちゃうよ!ゆっくりしないで巣の中に…」 父まりさが警告を言い終わらないうちに悲劇は起こった。 「ゆ!」 湿気で濡れた岩肌であんよが滑り、赤まりさは濁流へと放り出されてしまったのである。 「ゆ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!おじびじゃあああああん!!」 母れいむと父まりさが絶叫する。しかし、このまりさの餡子は優秀だったのだろう。 赤まりさはとっさの判断で、帽子にあんよを滑り込ませ、水の上に無事着水したのである。 その動きたるやサーカスのようだった。 「ゆゆ!さすがまりさとれいむのおちびちゃんだね!天才的にゆっくりしているよ!」 安堵とともに我が子の才能に惚れ惚れする父まりさ。 だが、赤まりさが着水したのはスコールによってできた濁流の上、赤まりさを乗せた帽子 はあっという間に洞窟の奥に流され、海のほうに消えていった。あの赤まりさはもう家族 と、いや死ぬまで他のゆっくりに会うことはないだろう。 「ゆがーん!どぼじでおじびじゃんいなぐなっでるぼぉー!!!」 「ゆゆー!ばでぃざのきゃわいいいもうちょがあああああ!」 父まりさと子まりさが濁流に負けじと涙を流しながら絶叫する。その横で母れいむも言葉 にならない言葉を発しながら泣き叫んでいた。 子まりさは、妹のまりさとゆっくり狩りに出かけるのを楽しみにしていた。 妹の日頃の言動の中に光るものを見ていたのである。 大きくなったらおねえちゃんと海でゆっくり漁をしようね! 子まりさのその願いが届くことはなかった。 「ゆえええええん!なんじぇ!なんじぇ!まりじゃのきゃわいいいもうちょいなくなっち ゃたのおおお!どぼじでええええ!もうやじゃあう゛んう゛んするよ!じゅっぎりー!!」 子まりさのあにゃるから勢いよく飛び出た真っ黒なうんうんも、赤まりさ同様濁流の中に 一瞬で消え去った。 「ゆ゛ゆ゛ゆ゛れいみゅの、きゃわいいれいみゅのたからものが…」 彼らの声はスコールの音にかき消され、巣の中に響くことはなかった。 翌朝には赤まりさを失った悲しみも癒され、家族は備蓄しておいた肉厚の葉や海藻、昆虫 を朝ごはんにしてむーしゃむーしゃしていた。 「それじゃあまりさたちは狩りにゆっくりいってくるね!」 「ゆ!気をつけてね!ゆっくりいってらっしゃい!」 母れいむに見送られ父まりさと子まりさは巣の外へとでかける。 「きゃわいいきゃわいいれいみゅに、ちゅてきなたからもにょひろってきてね!たくさん でいいよ!」 赤れいむは昨日の一軒に懲りずに欲望丸出しで2匹を見送る。 今日海岸に漁に出るのは父まりさだが、そんな赤れいむのわがままな見送りにも笑顔で答 えた。 「ゆっくりしていってね!」 父まりさと子まりさは水溜りの水をぺーろぺーろしてのどを潤してから、帽子を水溜りで 洗った。 「おぼうしさんゆっくりきれいになってね!」 「ざーぶざーぶ!ゆ!まりさのおぼうしさんすごくゆっくりしているよ!」 海面を移動するのに使った帽子は次第に異臭を放つようになるので、きちんと真水で洗っ て乾かさないとゆっくりできないのだ。今洗っておけば、昼間外で動いているうちに自然 と乾くであろう。その隣ではありすが早朝海岸で集めてきたとかいはな巻貝やプラスチッ クゴミを水瓶にして、きれいな真水を集めている。スコールは数々の悲劇を生んできたが、 彼らが海岸という真水の少ない環境に居を構えて生活できるのは、この頻繁に降り注ぐ雨 と、水をたっぷり蓄えた植物のおかげであった。 今日、子まりさは林の方へ狩りにでかけた。 海沿いに広がるヒルガオなどの海浜植物の草原で花を摘み、大きなガの幼虫を捕らる。 「ゆっくり大きなイモムシさんが採れたよ!」 子まりさは幼虫がついていた葉っぱごと取り、丸めて帽子の中に収納する。 ここは海岸に生息するゆっくりたちにとって、近くて植物の豊富なお気に入りの餌場だ。 しかし、子まりさの目的はここにはない。 海岸を縁取るアダンの小規模な林を抜け、その奥にあるヤシ林へ到達する。 ヤシの実は貴重なあまあまさんであり、全て巣の共有財産として管理されていた。 しかし、実際に狩りでヤシの実をとってきたゆっくりやその家族には、ヤシの実を食べる 際の優先ゆっくり権が 与えられることになっている。 そこでは既に何匹かのゆっくりが落ちたヤシの実を調べていた。 「ゆ?このここなっつさんはゆっくりできないよ!」 「このここなっつさんはゆっくりできるよ!ぺーろぺーろ、し、しあわせー!!」 ゆっくりの力では、ヤシの実を割ることはできない。そこで、既に割れていて、まだ乾燥、 腐敗が進んでいないものを見つけては巣に持ち帰るのである。 中には、ヤシの木に体当たりをして実を落とそうという猛者もいた。 「まりささまの真の力を見せてやるのぜ!ここなっつさんさっさと落ちてくるんだぜ! …うがああああ!!」 と叫んでは、何度も体当たりをヤシの木に繰り出している。ゆっくりとはいえ成体とも言 えばそれなりも重さである。 体当たりの度にヤシの木は揺れるが、それでもなかなか落ちてくる気配はない。 「みんなで総攻撃するんだぜ!」 だぜまりさの呼びかけに応じて周辺にいたまりさたちが一斉に体当たりを仕掛ける。 「ゆあああああ!…ゆ?」 体当たりしたまりさの内一匹が上からヤシの実が落ちてくるのをその視界の端に捉えた。 「ゆゆ!ここなっつさんゆっぶげば!!」 「ゆべ!!」 そして命中した。 落ちてきた三つのヤシの実のうち二つがまりさに命中した。 落下に気づいたまりさは一撃で顔面が崩壊、中枢餡が崩れて瀕死に陥った。 「ゆ゛ゆ゛ゆ゛」 びくんびくんと痙攣しているがまもなく死亡するだろう。 痙攣の度に餡子が吐き出され、つぶれた目からは透明な液体があふれ出ていた。 もう一つは先程のだぜまりさに命中、帽子ごと顔が縦につぶれ、片目が飛び出ている。 「ゆぎゃあああああああ!ばでぃざのぎでいなおがおがあああああ!ぉべべがあああああ! たじゅげでえええええ!」 ヤシの実は一つ2~4kgまで大きくなる。おまけの高所から落下するヤシの実は饅頭にとっ て凶器以外の何者でもなかった。 普段は堅くて歯が立たない上に、ゆん生を終わらすこともある強敵、 しかし、一度開ければ美味しいジュースがゆっくりたちをなごませるココナッツ。 ゆっくりたちにとって、ヤシの実はまさに南洋のツンデレクイーンであった。 「いだいいいいいい!いだいんだぜええええ!」 結局、だぜまりさは仲間たちに巣に運ばれていった。運がよければ回復するかもしれない。 一部始終を遠くから見ていた子まりさは残り一つのヤシの実に近づいた。 落下してきた三つのうち、誰にも命中しなかった一個である。よく見ると下でカニがつぶ れている。 「ゆゆ?うまくひびが入っているよ!巣に持ち帰ればきっとゆっくりできるよ!」 子まりさはつぶれているカニを口の中にしまいこむと、ヤシの実を転がすべく、あんよを 踏ん張った。 「ゆんしょ!ゆんしょ!」 しかし、このヤシの実は重く、前進はあまりにもゆっくりなものにならざるを得ない。 「ゆ!ゆっくりしていってね!あのときのまりさだね!」 「ゆっくりしていってね!」 子まりさに声をかけてきたのは、以前助けたまりさつむりであった。 「ここなっつさんを巣に運ぶんだね!ゆっくり手伝うよ!」 「ゆ?ゆっくりありがとう?」 子まりさは戸惑った。このつむりとその家族にも優先ゆっくり権が与えられた場合、自分 の家族の取り分が減るのではないか? そんな心のうちを見透かしたかのように、つむりが言い放つ。 「優先ゆっくり権はゆっくりいらないよ!まりさはこの前のおんがえしをするよ!」 「ゆ?ゆっくりりかいしたよ!つむりはとってもゆっくりしているよ!」 子まりさはつむりの心のうちに、ふぁーすとでぃーぷちゅっちゅ?で生まれた恋心がある ことなど知る由もなかった。 二匹は並んでゆーえす、ゆーえすと、ヤシの実を巣へとゆっくり転がしていく。 隣で体をこすり合わせながらヤシの実を運ぶうちに、つむりの抑えがたい思いが有頂天に 届くまでに、さほど時間は要しなかった。 アダンの林にたどり着いた辺りで、急につむりは動かなくなった。 「ゆ?どうしたの?つむりはゆっくりしたいの?」 「まりさ、まりさはすごおいゆっくりしているよぉ…」 「ゆゆ?ありがとう、つむりもゆっくりし…」 「だから、まりさはふぁーすとでぃーぷちゅっちゅの責任とってねええ!」 つむりは一気に子まりさにのしかかった。既にそのぺにぺには臨戦態勢に入っている。 「まりさああああああ!まりさ同士すっきりすっきりしよおねえええええん!!愛してる よおおおお!!!」 つむりの行動は性急すぎた、そして説明がまったくもって足らなかった。 「やめてね!一体どうしたの!?わけが分からないよ!ゆっくりできないよ!」 まりさはあんよをうねうねさせて、なんとかつむりから逃げようとする。 「ゆっくりへぶんじょうたいになってね!」 つむりがいよいよ狙いを定めたそのとき… ばつん つむりのいきり立ったぺにぺにが何者かにばっさりと切り落とされた。 「ゆ゛?ゆぎゃあああああああああああああああ゛くぁwせdrftgyふじこlp!!!」 つむりはぺにぺにの断面からぬらぬらした餡子を垂れ流し、目から砂糖水を撒き散らしな がら悶絶して転げまわる。 「ゆげええ!ゆが!ばでぃざのずでぎなべにべにがああああああ!!」 つむりのぺにぺにを切り落としたのは大きなヤシガニであった。 ヤシガニは最大で30kgまで、あるいはそれ以上に成長するとも言われるヤドカリである。 動きはのろいが、そのハサミは強力で、挟まれれば人の指も切断されてしまう。 そのヤシガニは切り落としたつむりのぺにぺにを厳かに食べていた。暴れまわるつむりと は対照的である。 「ゆ゛ゆ゛ゆ゛も゛う゛お゛むごに゛い゛げな゛い゛…ゆ?」 泣きながら前かがみなって、痛々しいぺにぺにの断面をみつめるつむり。 ヤシガニはぺにぺにを食べ終えると、そのハサミでつむりをがっつりとつかみ、ぺにぺに の断面から中をほじくり、ひきちぎるように食べ始めた。 「ぎゃああああああああ゛やべべええ!ばでぃざをたべないでえええええ゛!!!」 ヤシガニはぺにぺにからあんよにかけての部分をごっそりひきちぎると、もしゃもしゃと 食べていく。 「ばでぃざの!ばでぃざの!あんとが!やべべ!たじゅげで!までぃざ!だじゅげで!!」 泣き喚き、先程まで力ずくで思いを遂げようとしたまりさに助けを求めるつむり。 しかし、 「ゆああああああ!!まりさはおいしくないよ!こないでねええええ!」 子まりさはヤシの実を放り出して全力で逃げていた。 「ゆぎゃぎゃぎゃぎゃ!だじゅげで!だじゅげでえ!ばでぃざぁ!!!」 このヤシガニは3kgほどの個体だが十分に成体であり、頑丈なキチン質の殻で全身を覆った ヤシガニにゆっくり程度が太刀打ちできるわけがないのである。子まりさの行動はつむりに とっては薄情だったかもしれないが、助けようとしたところで、ヤシガニのエサが増えるだ けだった。 「ゆげえ…もっと…ゆっくり…ゆ゛ゆ゛ゆ゛」 もうつむりは餡子を半分以上失っており、まもなく死亡した。 雑食でアダンの実を好むヤシガニにとって、ゆっくりはご馳走だったのだろうか? それからつむりがヤシガニに平らげられてしまうまで、大して時間はかからなかった。 途中まで運んだヤシの実は、後日まりさ父子によって回収され、ゆっくりいただきました。 私は各地に設置したカメラや音声レコーダーの記録のチェックを終え、粗末な避難小屋の簡 易ベッドに身を投げた。 海岸に生息しているゆっくりたちのコロニーはおもしろい。 ぱちゅりー種を中心とした幹部たちの統率のもと、見事な分業と共同生活を実現している。 海岸は豊かな餌場だが、貝類やヤドカリ、カニ、海藻など、堅い殻を割ったり、塩分を抜い たりな単純とはいえ、加工しなければ食べられないエサが多い。それらを積極的に利用でき るのは、みなで知識や技術を共有しているからである。また、真水や一部の果物は私有分の ほかに、共有分として群れで管理している姿も確認できた。ゆっくりがこれほどゆっくりし た小社会を作り上げるとは、そしてそれを他人の報告としてではなく、自分の目で確かめら れたのは大きな感動であった。 しかし、この群れはその長所の中に危険性も内包しているように思われる。 独特、いや歪な社会構造に豊富なエサでフタをしている、というべきだろうか? まりさ種の大きな帽子は確かに、この常夏の島で狩りをする上で大きなアドバンテージであ る。そのせいか、この群れの食料はまりさ種に依存する割合が非常に高い。そして、その依 存にまりさ種がうまく答えているからこそ、群れは幸せでいられるのだ。 そのため、万が一、食料が不足したり、昼間に活動できるまりさ種が激減するようなことが あれば、この群れに大きな変化が生じるのは自明の理のように思われた。 また、その他の疑問も生じた。 この島に捕食種はいないのだろうか? 内陸部の生態はどうなっているのだろう? 越冬する必要のないこの温暖な環境で、彼らは一年をどう過ごしているのだろう? これらの疑問はこのゆっくりたちがわざわざ海岸に進出した謎を解明する手がかりになるの ではないだろうか? まだまだ観察は続けねばならないようだ。そして、その範囲を時空間的に広げる必要がある。 晩秋、今まで海岸付近ばかりを調査していた私は、まだあまり入ったことのない島の内陸部 へと足を向けた。 続きたい 最後まで読んでいただきありがとうございました。 神奈子さまの一信徒として、守矢三柱を出したかったのですが、設定考えているうちに、海 ではまりさがたくましすぎる結果になってしまいました。 挿絵:M1
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『弱くないまりさ』 26KB いじめ いたづら 自業自得 日常模様 お家宣言 野良ゆ 自然界 現代 独自設定 ありがちネタ ありがちなネタな気がするから被ってる可能性がとっても高いよ! それを考えるとすっごい怖いよ! しかもそんなネタですら上手く料理できてないよ! ネタ被ってたらごめんね! つまんなかったらごめんね! 許してね! 許したらあまあまもってきてね 注意事項 ・俺設定注意 ・善良(?)ゆっくり死亡注意 ・虐待殆ど無し注意 それではどうぞ 実のところ、ゆっくりという生物(ナマモノ)は決して弱くないのだ。 『弱くないまりさ』 まりさは群れで一番強いのだ。 自分でそう思っているし、森の中に住んでいる群れのみんなもそう考えている。 その若ゆっくりのまりさは、群れでもダントツに素早いちぇんにかけっこで勝つことができた。 また、木の枝を巧みに操るようむにちゃんばらで勝つことだってできた。 長である年老いたぱちゅりーのきょうっいくっにもまりさ種とは思えない理解力を示し、 とかいはなありす達に並ぶほど物作り(笑)の技術もある。 は? れいむ? ゆっくりプレイスに襲来した胴無し子れみりゃを死闘(笑)の末に打ち倒した頃には、 文武両道を地で行くまりさは群れの勇者(笑)として尊敬と羨望の眼差しを一身に受ける存在になっていた。 普通であればここで驕り高ぶり、ゆっくり特有のゲス気質を発揮して群れを壊滅させたりするものだが、 まりさは鍛練や実績からくるプライドを持ちつつも他ゆんを見くびることをしないゆっくりに育った。 殊更に美ゆっくりとして生まれたわけではないが、おぼうしの形も悪くない。 いや、どちらかと言うのならば、むしろ整った方である。 誰にでも分け隔てなく爽やかな笑顔を向けるまりさと会話をして、頬を赤らめずにいられる未婚ゆっくりはいなかった。 力が強く、技を持ち、頭も悪くなく、そして善良。 野生ゆっくりの群れの中では数十世代に一匹生まれるか生まれないか、 まりさはそんな優れたゆっくりである。 ―――――――――――――――――――― 「ゆっ! それじゃあ、まりさはかりにいってくるよ! おやさいさんをたくっさんっとってくるからゆっくりきたいしててね! かってにはえるおやさいさんをひとりじめするにんげんさんたちをこらしめてくるからね!」 「「「ゆぅーっ! まりさ、ゆっくりがんばってね!」」」 これである。 いかに優秀とは言え、そこは野生ゆっくりの限界。 "勝手に生えてくるお野菜さんを人間さんは独り占めしている" "人間さんは強いけど、まりさ程の勇者なら懲らしめることだって不可能ではない" 残念だが、このような幻想から逃れることはできなかったようだ。 狩り(笑) …群れを離れて数日、辛く険しいまりさの長旅の終着点には素晴らしい景色が広がっていた。 見渡す限りの広大な空き地に、数え切れないくらいのお野菜さん。 群れのみんながここで暮らせば、一体どれほどのしあわせーを享受することができるのだろうか。 ぱちゅりーのおはなしできいてはいたけど、まさかここまでのゆっくりぷれいすだったとはっ…! 幼馴染である"はやぶさのちぇん"や"えんげつさっぽうのようむ"と共に幾多の冒険を繰り広げ、 野生ゆっくりでは考えられないほど多種多様な経験を積んだ"ゆうしゃまりさ"ではあるがしかし、 想像を絶するほど豊かなプレイスを前にして、うれしーしーとおそろ(畏ろ)しーしーを止めることなどできなかった。 胸(?)をぐるぐると駆け巡る感動、そして畏れ。 筆舌に尽くしがたい感情(笑)の渦に身を震わせていたまりさの中に、一つの言葉が浮かんでくる。 は…… た…… け…… それは自分の両親から聞いた言葉ではなく、尊敬する老賢者の長から教わった単語でもない。 まりさの体の内側よりじわじわと滲み出てきた温かい気持ち。 ゆっくりである自分の中に代々受け継がれてきた、本能が伝えてくる言葉であった。 は…た…け…? はたけ…。 ゆっ、そうなんだね このゆっくりぷれいすは"はたけ"さんっていうんだね! 不思議な感覚であったが、まりさはそれを素直に受け止める。 恐るべき咆哮で大地を揺らす獰猛な魔獣(子イヌ) 剣を弾く鎧のような鱗を纏った死を司るドラゴン(子ヘビ) 旅の途中、それまで培った知恵と勇気が通用しない死地において、常に自分を救ってくれたのはこの"本能"だったのだ。 毎日へとへとになるまで繰り返した肉体の鍛練。 ゆっくりと時間をかけて育ててきた知恵と知識。 そしてどんなときでも心の片隅に置いていた全てのゆっくりのしあわせー。 それら全てを駆使して辿りついた場所は、もはやこの世のものとは思えない桃源郷であった。 まりさは理由も分からずぼやける視界を戻すように、一度だけ時間をかけてまばたきをした。 ほんの少し顔を上げ、いまだ止まらない体と心の震えに全てを委ね、その顔はキリッとしたドヤ顔を形作る。 深く深く息を吸い込んで、自然に生まれた笑顔が大きく口を開き…… 「このはたけさんを、まりさたちのゆっくりぷれいすにするよっ!!」 万感の想いと共に、輝かしい"おうちせんげん"が飛び出した。 ―――――――――――――――――――― 「またか…」 思わず溜息をついてしまった。 諦めに似た気分で四、五メートルほど離れた場所で騒ぐ不思議饅頭に目を向ける。 手に持っていたクワを傍に置き、少しずれた麦わら帽子の位置を戻して、 農夫は黒い帽子のゆっくりに近づいて行った。 確か"まりえ"…… いや、前にテレビで聞いたのは"まりあ"だったか? そのゆっくりの名前は覚えていないが、まあそんなことはどうでもいい。 大切なのは、森に近い場所に作ってしまったこの畑の野菜を、時々現れる饅頭が狙っているということだ。 「おい、そこのゆっくり」 「…ゆ?」 なんだかぷるぷると震えていたゆっくりが、こっちを向いた。 声をかけられると思っていなかったのか、不思議そうな表情をしている。 小汚い。 人間の帽子を真似たような形の物体を頭に乗せているが、途中からぐちゃっと折れ曲がっている。 体には土がついているのか、ところどころ茶色い染みが出来ていた。 食品である普通の饅頭と同じ材質、成分だとは知られてるが、 あんな薄汚れた物が地面に転がっていて、食べる人間なんているのだろうか 肌にこびりついている茶色い染み。 土ならばまだ水で流せばいいが、自然の野原を転げまわっている野生ゆっくりのことだ。 それが野生動物の糞などでないという保証はどこにもない。 衛生的に問題無いよう加工するとは言え、肥料として家畜の排泄物を畑にまくことは現在でもある。 この野菜も糞尿にまみれて育ったと考えられないことはないが…。 いやいや、それでもアレは無いな(笑) というか野菜と一緒に考えるのは極端すぎたか 「…………? …………? …………! ………ゆっ!?」 ぽかんとした間抜けな顔が、短い鳴き声と共に驚愕の表情っぽいものに変化した。 他の生物と比べたゆっくりの無能ぶりを舐めてかかってはいけない。 こちらを向いてたっぷり1分は使ったが、ようやく目の前の自分に気がついたのだろう。 これが噂の餡子脳だ。 いつもなら即潰して捨てるだけのゆっくりだが、そろそろキリのいい時間帯である。 休憩がてら野生の饅頭にちょっかいを出してみるのも悪くはない。 このゆっくりはどういう反応をするのだろうか。 気分がのっている今なら、意味も無く潰したりすることもしない。 素直だったり運のいいゆっくりなら生き延びることはできるだろうが、さて。 ―――――――――――――――――――― 突如現れた巨大な影に、まりさは素早く警戒を強めた。 大地に突き刺さる、巨木を思わせる二本の柱。 更に見上げれば、その上に用途の分からぬ謎の塊。 両側からはれいむのおさげさんと同等の働きをする二つの触手。 そして遥か頂上に見える、ゆっくりのお顔を模した体。 ぱちゅりーに聞いている。 その性質は野蛮で残忍。 餡子もクリームも(人間で言うところの「血も涙も」)無い卑劣な手段を好んで使う。 軽々と振るう力は大のゆっくり数ゆん分。(笑) かけっこ自慢のちぇん種に負けずとも劣らぬ速度で大地を移動し、(笑) その無尽蔵の体力と言ったら、狩りの得意なまりさ種を僅かに凌ぐほど。(笑) そして悪知恵だけならぱちゅりー種をも超えるという。(笑) 主にお野菜の勝手に生えてくるゆっくりプレイスに生息する、最凶最悪の巨大生命体…!(笑) その名も"にんげん"さん!! 人間さんには十分注意しろ、と老賢者は眉間にしわを寄せて何度も言っていた。 群れの誰もが遭遇したことは無いが、その恐ろしさだけなら誰でも知っている。 人間さんの中にも道理を理解し、穏やかな気質でゆっくりに従う種族がいると伝わっているが、 それも他の種族と比べたらほんの少ししか生息していないという。 少なくとも、目の前の一匹がマトモな方だと考えるのは早計に過ぎる。 お野菜さんのことを習って人間さんの存在を知った日から、 たとえ相手がその恐るべき悪魔であろうと勝利を勝ち取るため訓練を積んできたという自負を持つまりさ。 しかし、それでも戦闘になれば苦戦を強いられることは間違いない。 いや、下手をすれば負けてしまう可能性だって考えられないことではないのだという。 目の前の人間さんは知性を持った"めで"種族か、それとも強大な力を無闇に振るう"ぎゃくたい"種族なのか。 判別法をぱちゅりーに教わったことを思い出したまりさは、勇気を振り絞って巨大な生き物に問うた。 「ゆっ… にんげんさん! ゆっくりしていってね!?」 「はいはいゆっくりゆっくり」 なんと、彼方の空より響いてきたのはちゃんとした挨拶ではなかった…! ゆぅ、ゆっくりしてないごあいさつだよ これは"めで"じゃないにんげんさんなんだね… まりさは人間さんに気付かれぬよう、警戒の度合いを少し強める。 だが、お野菜さんの生えるプレイスを人間さんが徘徊しているだろうことは百も承知。 その個体が"めで"ではないという可能性だって、もちろん考慮していた。 そう、この次に待っているのはカスタードをチョコレートで(人間で言うところの「血を血で」)洗う死闘なのだ…! しかし如何に理知に欠け、ゆっくりしていない種族とはいえども、無闇に傷つけることをまりさはよしとしない。 全てにおいて完全であるように思えるまりさ。 その唯一の欠点は、獰猛な獣に対しても優しさとゆっくりを与えてしまうという"甘さ"であった。 「にんげんさん! このゆっくりぷれいすはまりさがおうちせんげんしたんだよ! にんげんさんはでていってね! でも、すこしくらいならゆっくりしてもいいからね! ゆっくりしていってね!」 まりさは人間さんを理性で説き伏せることはできないと知ってはいたが、 それでも、温かい慈悲を見せれば心を入れ替えることもあるのではないかと少しだけ期待をかけていた。 ほんの短い間とはいえ、自分のゆっくりプレイスでゆっくりすることを許す。 まりさは人間さんが怯えることの無いよう、優しく穏やかな笑顔を浮かべて伝える。 「……………………」 しかし人間さんは答えない。 彼方を向いて、ああ…そうそう"まりさ"だった…、などと呟いているが、まりさに喋っているのではないのだろう。 もしや、言葉が通じないのか…? 致命的に問題をややこしくさせる可能性にも頭がいったまりさだったが、 一応、言語を扱うことはできると長が教えてくれたのを思い出し、落ち着きを取り戻すまりさ。 そう言えば、先ほども"ゆっくり"という言葉を使っていた。 カタコトではあるが、聞いたり喋ったりする程度の知恵はあるのだろう。 そう思ったまりさは、人間さんの返答をゆっくり待つことにした。 「ふむ、まりさよ お前がおうちせんげんした時、俺は少し向こうにいたよな? だからこのエリア…… いや、ここらへんのプレイスは俺がいないと思ったんだろう」 雲を突き抜ける高みから、人間さんのものと思われる声がようやく届いてきた。 「だがな、お前が今立っているプレイスも俺がさっきいたプレイスも、 実は一つに繋がっているんだ つまり、お前は俺がいたゆっくりプレイスでおうちせんげんしてしまったんだよ」 な…、何を言っているのだこいつは? まりさは愕然とした。 自分達の"おうちせんげん"には、たった一つだけ欠点が存在している。 それは「誰かがいることに気付かず、おうちせんげんしてしまうこと」である。 おうちせんげんは、そのプレイスが自分のものであるという唯一にして確実な証拠。 しかし、先住ゆんの存在に気付かずに行ってしまえば、そのプレイスは誰のものになってしまうのか? この複雑怪奇な問題に対し、ゆっくり達は正しい答えを持っている。 即ち、先に住んでいるゆっくりが後から来たゆっくりのおうちせんげんを邪魔すればいい、ということだ。 そうすれば、先住ゆんに気付かずにおうちせんげんをしかけたゆっくりも、誰かが先にいた事実を理解する。 丁寧に問題点を洗い出され、緻密に組み立てられた"おうちせんげん"システムは完全無欠の法となった。 これは自分達の群れだけではなく、他の群れでも同様に行われているようだ。 まりさが子供の頃にこのお話を聞いたとき、餡子に衝撃を受けたことを覚えている。 自分達の群れだけではない、この広い世界全てのゆっくりが使っている完璧な"おうちせんげん"。 それはつまり、住んでいる土地や文化に関わらず、ゆっくりなら誰でも"おうちせんげん"を思いつき得るということ。 "ゆっくり"という生命に眠る知恵のポテンシャル。 その高さに、まりさは大きな感動を覚えたのだった。 ……だと言うのに! この人間さんは意味の分からない理論を展開し、自分を正当化しようとしてくる! 先にゆっくりプレイスに住んでいる場合、他ゆんのおうちせんげんには途中で声をかける。 生後一週間を過ぎれば赤ゆっくりでも知っているこの方法を、人間さんは行わなかったのだ。 それどころか、恥知らずな人間さんは勝手に都合よくシステムを作りかえ、ゆっくりプレイスの所有権を主張してきた。 それは即ちルール違反! ゆっくりしていないゆっくりとして、即座におうちから叩き出されても仕方ないのだ! 心優しいまりさとて、流石にこれには怒りを覚える。 正義感の強い父に育てられたまりさは、卑劣な行為をなによりも憎んでいるのだ。 「にんげんさん! おうちせんげんがふふくなときは、おうちせんげんのとちゅうにおうちせんげんをするんだよ! そんなこともしらないの!? ばかなの!? かってなことをいわないでね!! まりさおこるよ!!」 それでもまりさは怒りに耐える。 人間さんは卑怯なのではなく物を知らないだけなのだと考え、丁寧に説明をしてあげる。 普通なら「ばかなの? しぬの?」と続けるところを「ばかなの?」で止めてあげることさえした。 それに対する返答は…… 「ほう、なるほどなるほど だがなあ、お前らゆっくりは知らないかもわからんが、 人間さんは元々"おうちせんげん"というのを使わないんだ」 「…………ゆ?」 一瞬、その生物の言っている言葉の内容が理解できず、まりさは硬直した。 その隙をついて、人間さんは更に話を続ける。 「そのルールだと、お家を留守にしている場合 他のゆっくりのおうちせんげんの途中に邪魔できないだろう? だから人間はおうちせんげんの代わりに"ここは自分のお家です"って文字で伝えることにしてるんだ」 めろすは激怒した。 失礼。 まりさは激怒した。 おうちを留守にするとおうちせんげんが邪魔できない? だからみんな、苦労をしておうちに"けっかい!"を張るのだ!! そう言えば、けっかい!が張れないなどと文句を付けるのか? だったらおちびちゃんにお留守番をしてもらえばいいだろう!! ああ言えばこう言い、こう言えばああ言う。 揚げ足取りにすらなっていない屁理屈を繰り返す人間さんの態度に、まりさは目の前が真っ白になったように錯覚した。 それは無論、生まれてこの方感じたことのないような怒りによるものである。 「ふっざけたことをいわないでねええええええええええええ!!? いまどき、おちびちゃんだってもっとまともないいわけをするよおおおおおおおおおおお!!!」 わなわなと怒りに震えるまりさ、ついに堪忍袋の緒が切れてしまった。 にんげんさんがこんなにもわからずやだったとはおもわなかったよ! まりさはもうおこったよ! ぷくー!じゃあすまされないよっ!! そしてまりさは話し合いで解決する意思を放棄する。 もちろん、まりさの知らない事実であるが、それは同時に"まりさの生存する可能性"を捨てることでもあった。 ―――――――――――――――――――― 「いいかげんにしろおおおおおおおおおおおおお!! おんっこうっなまりさもどたまにきたよおおおおおおおおおおおお!!!」 ぶるぶる痙攣していたと思ったら、そのゆっくりは突如ヨダレを撒き散らしながら怒りだしたようだった。 「う、うわっ…… これはキモい……」 歯をむき出しにして作られた表情は、はっきり言って通常の人間では直視に堪えないほど醜い。 ぐねぐねと軟体生物っぽく暴れまわるその動きは、地面と垂直に円を描いているようにも見える。 農夫は少し前のニュースで見た、急に人数が倍増した音楽ユニットのパフォーマンスを思い出した。 本題には関係ないが、先程まりさの主張した"おうちせんげん"。 これは通常「この○○○を、○○○のゆっくりぷれいすにするよ!」という言葉で行われる。 その言葉が開始してから終了するまでの間に先住ゆっくりがおうちせんげん返しをすることのできる可能性は、 普通種、希少種、胴付き、あらゆるゆっくりで調べた結果、0%だと加工所から発表されている。 ゆっくりはただでさえ頭が鈍く餡(脳)の回転が遅い生物(ナマモノ)であり、言葉を理解するだけでワンクッション、 自分にとってショックな内容の言葉だとさらにツークッションを必要としている。 他ゆんのおうちせんげんを言葉が完了してから理解するまでにかかる時間は、普通種で大体1分45秒とのことだ。 このまりさの群れでも、先住ゆんに気付かずにおうちせんげんが為されることは多い。 そうした場合は当然の如くゆっくり同士の殺し合いになるのだが、それを原因として一週間に平均5匹のゆっくりが死亡している事実は、 まりさは当然、長のぱちゅりー以下全てのゆっくりが知らないことである。 よくそれで群れとしてやっていけているものだ。 「ゆっうううううううううううううう!! もうがまんのげんっかいっだよ!! にんげんさんはすこし、いたいめにあったほうがいいよ!! まりさがこらしめてあげるよっ!!」 ひとしきり激昂してから動きを止めたまりさは、へたったおぼうしから木の棒を取り出して口に咥える。 「えいえんにゆっくりはさせないからあんしんしてね! ゆっくりしねええええええええええええええええええええええええ!!!」 とんでもなく矛盾したことを口走りつつ、こちらに向かってぴょんぴょん飛び跳ねてくるまりさ。 その鬼気迫る表情から、恐らく突進をしかけているつもりではないかと予測できる。 ゆっくり如きに人間を怪我させられる道理もないが、それでも尖った木の棒は危険だ。 ズボン越しとはいえ、スネにあたったらかなり痛いだろう。 もしかしたら絆創膏を貼らなければならない事態に陥る可能性もある。 「ふぁーんふぁーんうぃーひっざ……おっと」 当然だが、農夫はまりさが到達する前に軽く足をあげた。 するとこれまた当然、まりさは地面に顔から突っ伏すことになる。 口に木の棒を咥えていたために地面さんと熱いちゅっちゅをかますことにはならなかったが、 激突の瞬間にした"ベキィ!"なる音から、砂糖細工の歯が何本か折れたことが分かる。 「ゆべっ!? ……ばっ…! ばりざのさわやかにしろくかがやくしんじゅのようなはさんがああああああああああ!!?」 言うまでもないが、まりさの歯は白くない。 ゆっくりの歯は砂糖で出来ており、歯磨きなどしたら簡単に歯が削れてしまうのだ。 故に、飼いゆっくり以外のゆっくりの歯はすべからく薄汚れているのが常識である。 「お前の歯が真珠だってんなら、豚にくれてやっても惜しくないなあ… それはさておき、大丈夫か?」 「ゆぐぐ…! まりざのひっさつわざをよけたことはほめてあげるよ! でも、まぐれはなんかいもつづかないよ! こんどこそしねええええええええええええええええええええええええ!!(ぴょーん)」 「ほいっと」 「ゆばぁっ!?(バキィ!) ……ばっ…! ばりざのあらゆるまだむをみりょうするはりうっどはいゆうのようなはさんがああああああああああ!!?」 「そんな俳優はそもそもオーディションで落とされると思うなあ… もう5、6本は歯が抜けちまったぞ?」 「ゆふうっ…… ゆふふうっ……」 そんなやりとりが数回続き、まりさの口の中で無事な歯が2本以上続けて並んでいる場所が無くなってしまったころ、 ようやくまりさは人間に攻撃が当たらないことを理解したようだった。 「ど……! どぼじであだらないのおおおおおおおお!!? どぼじでええええええええええええええええええええ!!!?」 「そりゃあ、あんなに遅い攻撃じゃあな どんなにトロい人間でも、命中させるのは難しいと思うぞ」 「ゆううううううううううううううううううううううう!!?」 ちなみに一般的なまりさ種であれば、歯が1本折れた時点で負け惜しみと共に「もうおうちかえる」と叫び出すところだが、 このまりさはゆっくりにしては驚異的な忍耐力で痛みに耐え、攻撃をし続けた。 群れ一番の勇者の呼び名は、伊達ではないのだ(笑) 「あだればしぬんだああああああああああああああ!! よげるなあああああああああああああああああああああ!! よげないであだれええええええええええええええええええええええ!!」 先程の動きをぐねぐね再現しながら泣きわめくゆっくり。 凄まじく醜い。 「じゃあ、まりさ お前は他のゆっくりと喧嘩をするとき、相手の攻撃を避けないで当たってやるのか?」 「ゆ゛っ…!?」 キモい動きと漫画のような滝状の涙を止め、ちょっと考え込むまりさ。 農夫の一言で、自分の発言がかなりアホだったことを理解したのだ。 これはゆっくりにしては驚異的な理解力である。 群れの賢者に教えを請うた時間は、伊達ではないのだ(笑) 「…まあいいか ほら、次は当たってやるからもう一度攻撃してきな」 「ゆゆ!?」 調子に乗って余裕を見せてくる人間に、まりさは不敵な(と自分では思っている)笑みを浮かべた。 ゆぐふふふ… にんげんさんはばかだね! にんげんさんのぶきはその"ちぇん"とおなじくらいのすぴーどさん! そのすぴーどさんでこうげきをよけることのできるのがつよみなのに、 それをぽーいぽーいしてじぶんからあたりにきてくれるなんてね! こうっかいっするじかんはあたえないよ! せいぜいちょうしさんにのりすぎたことをこうっかいっしていってね! どうしろと言うのだろうか。 まりさはところどころ…いや、大多数が欠けてしまった歯で、再び木の棒を咥えた。 「くらえええええええええええええええええええええええええ!!」 ぴょーんぴょーん 間抜けな音とは裏腹に、憤怒の表情で迫ってくるキモ饅頭。 あの気持ち悪い顔が触るのはちょっとやだなあ、と農夫は若干後悔したが、約束は約束なのでぶつかるまで待ってやる。 「こんどこそほんとうにしねええええええええええええええええええええええ!!(ぴょーん)」 ザクゥッ!! まりさの咥えた木の枝は、かなり危険な長さまで一気に突き刺さった! お分かりだろうが、当然まりさ自身にである。 「…………………… ………あ…… あがああああああああああああああああああああああ!!? いだいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!」 地面に落ちてから数秒後、びったんびったん飛び跳ねながら、まりさは大口を開けて泣き始めた。 正しく言葉を操れているところを見ると、幸い木の枝は中枢餡に届いていないのだろう。 「どっでええええええええええええええええええええええ!!!(びったんびったん) ごれどっでええええええええええええええええええええええええ!!!(びったんびったんびったん)」 いましがた自分が攻撃した人間に情けない顔で懇願する汚饅頭。 はっはっは、と朗らかに笑いながら、農夫は木の枝を抜いてやった。 「ゆ゛ひっ… ゆ゛ひぃっ… …………………… ……………どっ… どぼじでばりざにざざるのおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!? どぼじでええええええええええええええええええええええええええええええええ!!?」 餡子の比重はそれなりに高い。 中身が全部餡子のれいむ種やまりさ種、それも成体ゆっくりとなればかなりの重量を誇る。 たとえ勢いの皆無なぴょーんぴょーん攻撃と言えども、全体重を木の枝に乗せてぶつかれば人間も大怪我は免れない。 が、それは木の枝とゆっくりがガッチリ固定されている場合に限る。 一般的に、人間が物を噛む力の最大値は体重と同程度と言われる。 しかしゆっくりの場合、自分の体重と同じくらいの力が砂糖の歯に加われば、即座に歯が砕け散ってしまうのだ。 故にゆっくりの咬筋力は他の生物と比較して、驚くほどの弱さを誇る。 健康的な成体まりさが全力で噛んで歯ぎしりした結果、十分に濡れたコピー用紙にギリギリ穴が開いたと加工所から発表されている。 そんな力で雑多な食事をすることができるのは、ゆっくり特有の思い込みの力によるものだとか。 そういった意味のことをまりさでも理解できるように、農夫は簡単な言葉で懇切丁寧に教えてあげた。 噛む力が弱ければ、武器を持ったとしてもダメージは与えられない。 ならばと体当たりをすれば、ゆっくり程度の跳躍力では中身入り2Lペットボトルをどうにか倒すのが関の山だ。 ゆっくりが人間にも有効な攻撃をするのは、非常に非常に非常に難しい問題なのである。 「……………う…… うぞだああああああああああああああああああああああ!!! ばりざはむれいちっばんっのゆうしゃなんだあああああああああ!!! にんげんにもまげないんだあああああああああああああああああああああ!!!」 再び凄まじい表情で何度も飛び跳ねるまりさ。 確かにこの顔の醜さ、情けなさなら人間のそれにも負けることはないだろう。 「ゆがあああああああああああああああああああああああ!!!(びったんびったん) ばりざはよわぐないいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!(びったんびったん) ばりざはよわぐないいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!(びったんびったん) よわぐないっでいえええええええええええええええええええええええええええええ!!!(びったんびったん)」 「おう? いや、お前が弱いとは言ってないよ」 「ゆがあああああああああああああああああああああああああああ!!(びったんびったん) ゆががああああああああああああああああああああああああああ……(びったんびったん) …………………(びったんびったん…) …………ゆっ?」 やはり数テンポ遅れて言葉の意味を理解したまりさは農夫を見る。 その顔には、侮蔑や冷笑の類は浮かんでいなかった。 「ま゛っ… まりざ、よわぐないの? まりざ、にんげんざんよりよわぐないの?」 「ああ 人間はゆっくりのことを"弱い"なんて思っちゃいないよ」 体の下半分に涙の痕を帯状に残したまりさの顔に、希望の光が差し込んできた。 「まりさ、お前はお花さんや虫さんを食べたりするよな」 「だ、だべるよっ! まりざ、おはなざんもむしざんもいっぱいだべるよっ! まりざはむれでいちっばんっかりが……」 「まりさはそのお花さんや虫さんを"弱い"とは言わないだろ?」 「………………ゆ?」 「そこらに転がってる石や草、空に浮かんだ雲、近くを流れてる川 別に、そういった"物"に強い弱いとか無いだろ?」 伊達ではないまりさには、農夫の言っている言葉の意味がおぼろげにだが理解できてきた。 漠然とした不安を抱え、ゆ? ゆ? と何度も聞き返す。 「だからな、まりさ "強い"とか"弱い"っていうのは、自分と少しはやりあえる生き物を表す言葉なんだ 人間にとってお前らゆっくりは路傍の石コロと大差無い 強さを測る以前に……」 不安はじわじわと大きくなる。 もはやまりさは自分でも理由が分からずに泣きそうな顔だ。 「……"敵"じゃないんだ "物"なんだよ まりさを含め、ゆっくりってのはさ」 群れの老賢者、とても賢いぱちゅりーの元できょうっいくっを受けたまりさは、やはり伊達では無かった。 とてもとても驚くべきことに、"価値観の違い"、"相手が自分をどう扱っているのか"をゆっくりながらに理解できてしまったのだ。 まりさはついに泣きだした。 「…ぢっ! ぢがうよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!! ばりざはものじゃないよおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」 群れの勇者まりさ。 文武両道のまりさ。 強く賢く、みんなの憧れまりさは、群れの赤ゆっくりと同等以上の情けない顔で泣きわめく。 「ばりっ! ばりざっ! ばりざば! にんげんざんをごらじめにぎだんだよおおおおおおおお!! にんげんざんのでぎなんだよおおおおおおおおおおおお!!」 「はっはっはっは まりさ、敵っていうのは攻撃をしてくるものなんだぞ? お前くらい人間に無害な"物"は無いさ」 「ぢがうよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!! まぢがっでるよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!! ぼらっ!(ぽいーん) ぼらぁっ!(ぽいーん) ばりざっ! ごうげぎじでるでじょおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!?」 ぽいーん、ぽいーん、と農夫に向かって飛び跳ねるまりさ。 しかし日々の農作業で鍛えこまれた足腰を持った農夫はビクともせず、ぶつかっては跳ね飛ばされるまりさを笑いながら見ていた。 「はっはっはっはっは そこの石コロが風で転がって足にぶつかってるのと変わらないなあ いや! それよりも痛くないかもしれないなあッ! はっはっはっはっはっは!!」 「ぢがうっ! ぢがうううううううううううううううう!! ぢがうよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!! ぢがうでじょおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!! ごうげぎでじょおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」 「はっはっはっはっはっは!! あっはっはっはっはっはっは!! あっはっはっはゴホッ!ゲフぅっ! はひっ、はひーっ! むせたっ! あーっはっはっはっはっはっは!!」 「ぼらああああああああああああああああああ!!!(ぽいーん) ぼらあああああああああああああああああああああああああああ!!!(ぽいーん) ごうげぎだよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!(ぽいーん) ごうげぎでじょおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!?(ぽいーん) ごうげぎじでるんだよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!?(ぽいーん)」 あっはっはっはっは……… ぽいーん、ぽいーん……… 十数分後。 周囲に響く間抜けな音と笑い声がやんで静かになった畑の一角には、ひとりの人間と、ひとかたまりの"物"があった。 少しずつ少しずつ黒ずんでいくその"物"は、しばらくの間微弱な痙攣を繰り返していたが、 笑い過ぎで腹筋を痛めた人間に通行の邪魔にならないよう道の端に放り投げられてから1分後、完全に動きを止めた。 野原に咲いた花は弱くない。 道端に転がっている石は弱くない。 ゆっくりも決して、弱くないのだ。 他に書いたSSさん ・anko2094 体感時間は黄金色
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『まちぶせまりさ』 5KB いじめ 小ネタ 野良ゆ 子ゆ いつもの小ネタです。 「ゆっへっへ!まぬけづらした、くそにんげんがでてきだんだぜ!やい、くそにんげん!もってるあまあまを、ぜんぶまりさにわたすんだぜ!!」 「おとーしゃんは、とーってもこわいのじぇ!おとなちく、いうこときいたほうがいいのじぇー!」 コンビニから出てきた俺の目の前に、待ってましたと言わんばかりに飛び出してきた二匹のゆっくり。 ヨレヨレの薄汚い帽子をかぶったまりさの親子だ。 二匹は得意そうに眉を吊り上げ、ニヤニヤと笑いながら踏ん反り返って俺を見ている。 どうやらこいつ等は、俺がコンビニで食料でも買ったんだと思っているのだろう。 「あのなぁ…これはな…」 「いいわけはいいんだぜ!ききたくないんだぜ!」 「だからな、これはあまあまじゃ…」 「あまあまわたしてぶじにかえるか。わたさないでまりささまにたおされるか。すきなほうをえらぶんだぜ!!」 「ゆゆ~~ん!おとーしゃん、とーってもかっこいいのじぇー!しびれるのじぇー!あこがれるのじぇー!!」 お下げをビシッと俺の方に向けて、満足そうにキメ台詞を言う親まりさ。 隣では子まりさが、目を輝かせて親まりさに見入っている。 ゆっくりは人間の言葉を話すが、会話は不成立だと聞いていたが、どうやらこれがそういう事らしい。 俺は呆れてわざとらしくため息をつくが、二匹はそれを見て勝利を確信したのか喜び始める。 「ゆっぷっぷ!くそにんげん、びびってるんだぜ!はやくあまあま!あまあまだすんだぜ!ぷっぷー!」 「おとーしゃん、かっこいいのじぇ!つよいのじぇ!せがーるしゃんより、つよくてたくましいのじぇ!!」 勝手に盛り上がり、勝手にはしゃぐ野良親子。 俺は呆れを通り越して哀れに思い、袋の中から箱を取り出し空けると、中のビスケットを一枚取り出しまりさ親子の目の前に放った。 「ゆぉぉ!まってましたんだぜ!むーしゃむーしゃ!がーつがーつ!しあわぜぇぇぇぇぇぇ!これは、てんごくのあじなんだぜぇぇぇ!!」 「おとーしゃんじゅるい!まりちゃもむーちゃむーちゃ!し、し、し、しあわしぇぇぇぇ!これおいちー!ほっぺたがおちしょーなのじぇー!!」 その途端、二匹はゆっくりとは思えぬスピードで、ビスケットを齧り始める。 食べカスや涎を撒き散らし、他のものには目もくれず一心不乱にビスケットを頬張る二匹。 元々それほど大きい物ではなかったのだが、あっという間に食べ終わると、さらに寄越せと俺に迫る。 「これじゃあ、ぜんぜんたりないんだぜ!もっとよこさないと、こわくて、いたーいおもいをするんだぜ?さあ、どーするんだぜ?」 「まりちゃは、そだちざかりにゃんだよー!もっともーっとたべにゃいと、おなかぽんぽんにならにゃいのじぇ!もっともーっとよこすんだじぇ!!」 「いや、それで十分な筈だぞ?」 「ゆゆぅ?なにいって…」 俺の返しに不満そうに頬を膨らませる親まりさ。 だが、すぐに俺が言った事の意味を悟る事になる。 「ゆっぴぃぃぃ!おにゃかがいちゃいぃぃぃぃ!ぐるちぃぃぃぃ!ゆげぇぇぇ!ゆぼぉぉぉぉ?!ぶりょびょりょりょぉぉぉぉ!!」 突然子まりさが、お下げで腹辺りを押えて苦しみ始める。 両目を飛び出さんばかりに見開いて、尻をブリブリと振りながらコロコロと転がり出すと、口から餡子を吐き出す。 それに少し遅れて、今度は尻からも餡子を噴き出し始める。 「ぐごごぉぉぉぉん!ゆぼぼぉぉぉぉぉぉぉん!ぶりょげちょげりょぼごぉぉぉ!!」 「ゆはっ?!おちびちゃぁぁぁぁん?どぼじだんだぜぇぇぇぇ!ゆっくり!ゆっくりするんだぜぇぇぇ!」 子まりさは汚らしい音を立てながら、白目を抜いて失禁し、ゲロと下痢を放出し続ける。 呆気にとられていた親まりさも、慌てて子まりさを宥めるが、そんな事で子まりさが止まるはずもなかった。 「げりょぼごげりょりょぉぉ!ゆぴっ!ゆぴぃぃぃぃぃぃぃーーーーー!!」 「おちびちゃぁぁぁぁん!どーじだんだぜぇぇぇ?!ゆっくり!ゆっくりぃぃぃぃ!ぺーろ、ぺーろ、ぺーろぉぉぉ!」 汚らしい音に混ざって甲高い悲鳴が聞えると、子まりさは大人しくなりグッタリと地面に横たわる。 子まりさが動かなくなると、親まりさは慌てて舌で子まりさを優しく舐め始める。 だが既に子まりさは皮だけになって息絶えており、親まりさに答える事はなかった。 「おちびちゃん!おちびちゃ…ゆぐっ…ゆぐっ…ゆおぉぉぉぉぉ!!くぞにんげん!おちびになにをじ、ゆっぎぃぃぃぃぃぃ?!」 子まりさが死んだのがショックだったのか、親まりさは俺に向かって怒鳴りだす。 だが、すべてを言い終わる前に苦しみ始める。 「ゆぎぃぃぃ!ぐげぇぇぇぇ?!ぐるじぃぃぃぃ!だずげ、げろげろぉぉぉぉ?!ぶぼぼぉぉぉぉん!ぶぎょげろぉぉ?!」 「な、だから言っただろ。それで十分だって」 子まりさと同じ様に、ゲロと下痢を撒き散らしてもがき苦しむ親まりさ。 子まりさ以上に激しく体をくねらせてのた打ち回り、白目を剥いて涙を滝のように流している。 「まあ、聞いてないと思うが…これ、ゆ殺剤。簡単に言うとお前ら殺す毒って事だ」 「げびょびょぉぉぉ!ぼりょりょよぉぉ!ぶわん!ごびょびぃぃぃぃ!!」 「コンビニから出てきた人間が、すべて食料を買う訳じゃないんだぜ?まあ、おかげでこのゆ殺剤の効果もわかったけど」 「ぶびぃぃぃ!げびょびょぉぉぉぉ!!」 俺の声が聞えているかは解らないが、親まりさはお下げをぶんぶんと振り回して、前後から餡子を撒き散らしながらその場で回転を始める。 気のせいかもしれないが、表情が先程より苦しそうになった気がする。 「まあ、お前が俺からあまあま奪おうと思わなければ、こんな事にはならなかった訳だ。お前の子供が死んだのはお前の責任だよ」 「げびぃぃぃ!ぶびぃぃぃぃ!ぶぎょぉぉぉぉぉぉ!!」 俺の言葉に答えるように、唸り声を上げる親まりさ。 涙としーしーがさらに勢いを増した。 「色々後悔して死んでくれ。そしてもし生まれ変わるなら、次はゆっくりに生まれない事を祈りな」 「ぶぎぃぃぃぃぃぃぃぃ!ゆぎびぃぃぃぃぃぃぃーーーーー!!」 俺が喋り終えるのとほぼ同時に、親まりさは大きな悲鳴を上げるとそのまま動かなくなった。 ゆっくりは思い込みが激しいと聞いた事があるが、これが良い例なのだろう。 コンビニから出てきた俺が、食料を持っていると思い込んで毒をおねだりしたのだ。 その上俺の話を聞かなかったから、こんな風に汚らしく死んでいった。 歩く自爆装置なんて事も誰かが言っていたが、正にその通りだと思い知った。 厄介な生物だと思うが、それと同時に先程の親子の苦しむし姿を見て心の中で一つの思いが浮かび上がる。 もう一度、あの苦しみっぷりを見てみたい。 俺は足早に帰宅し、近所をウロウロしている迷惑な野良ゆっくりにビスケットを食べさせて回った。 完 徒然あき
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※独自設定垂れ流し。 ※いろいろな方達の SS、絵よりインスパイアされてます。 ※インスパイアっつーか既に××が通った道だよ!な感じです。 ※今までは間接虐待ばかりだったので、今回こそ直接虐待します。 子まりさの反乱 必殺引篭り人 「おじさん!さっさとまりさたちをここからだしてね!」 「「「じじい!おかーしゃんのいうこちょをきけぇ!」」」 前略、テンプレどおりのおうち宣言がありました。 親子、全部まりさ種です。 こちらもテンプレどおり、有無を言わさず捕獲、透明の箱に入れて 虐待部屋にご案内しました。 これから起こる事もわからず、まりさたちはわめいています。 今日も、軽妙なリズムにのせて、悲鳴と言う名の素敵なレクイエムを 奏でて逝きたいとおもいまっす。 「はーい、静粛に静粛に~。」 「なにいってるの?まりさたちをはやくここからだしてね!あとあまあまもよういしてね!」 「「「あまあまだしちぇね!」」」 「えー、これからまりさたちを虐待しまーす!」 「なにをいってるの?」 それはさっき聞いたよ。もっと違う返答が欲しいな。 「ここにカードがあります。カードには、針の種類と深さが書いてあります。 これを引いていって…。」 「おじさんばかなの?まりさたちはおなかがすいてるんだからね! はやくあまあまをいっぱいよういしてね!」 「まりしゃはおにゃかがしゅいてるよ!」 「じじい!はやきゅあまあまよういしちぇね!」 「ばきゃなの?ちぬの?」 人の話を聞けよー。 「うーん、仕方ないなー。じゃ、あんよ焼きから行くか。」 ちょうどおやつにホットケーキを焼こうかとホットプレート、用意しておいたんだ。 ちょっとご都合主義だけど。っていうか虐待部屋にホットプレートって 常備だよね?カセットコンロ派も居るけどさ。 まりさ親子は何が起こるのかわかっておらず、ずっとわめき続けている。 しばらくすると、良いころあいにプレートが温まってまいりましたー。 「じゃ、親まりさからいくよー!ちびども、よくみててね!」 親まりさをつかむ。 「おじさん!まりさをはなしてね!おちびちゃんのところにもどしてね!」 「ゆゆっ!おじしゃん、ちゅぎはまりしゃだよ!」 「まりしゃも!まりしゃもたきゃいたきゃいしちゃいよ!」 親の危機だというのにのんきだな。ま、そこがまた加虐心をくすぐるんだけどねー。 じゅーっ!良い音だなー。 「ゆんぎゅわあああ!あんよ!まりさのあんよがー!」 一瞬、子まりさ達は親に何があったのか分からなかったようだ。 親の悲鳴にぽかんとした顔で呆けている。しかし目の前の光景を餡子脳が処理しきると、 一気にそれがシャウトに変わる。 「ゆんやぁぁぁ!?」 「ゆっくち、ゆっくちできにゃいー!?」 「おかーしゃーん!まりしゃのおかーしゃん!」 「はいはい~。元気いいね!次は君達だから、心の準備、お願いねー!」 ホットプレートに親まりさを押し付けつつ子まりさに声をかける。 両手の中でぐにぐにと体を捩じらせ、なんとか逃げ出そうとする親まりさ。 ま、上から押し付けてるんで横に逃げようとしても無駄なんだけどね。 「はーい、上手に焼けましたー!」 「ゆぐっ、ゆげぇぇ…。」 親まりさは満身創痍。 「ダメだよー、これぐらいでビビってちゃ。これ以上の苦しみが待ってるんだからさー。」 「ゆわーん!こっちこにゃいでー!」 「まりしゃはおいしくないよー!」 「ちにたくにゃいー!」 「いや、食べないから。あんよ焼くだけだよー。」 「「「ゆんやぁぁー!?」」」 順番に子まりさのあんよを丁寧に焼いていく。 「はいー!みんな上手に焼けましたー!これで話、聴く気になったでしょ?」 「ききますっ!ききますからこれいじょうひどいことしないでね、しないでね!?」 親まりさはずいぶん素直になった。子まりさ達はえぐえぐと泣いている。 「まあまあ泣かないで。歩けなくなったわけじゃないから。数日もすれば直るよ。」 動けないように焼いただけで、ちゃんとエサを食べれば直る程度に焼いてある。 ガスコンロではこんな絶妙な焼き加減は難しい。さすがホットプレート、初心者でも 安心して手加減したあんよ焼きができるのがうれしいね! 「じゃあゲームの内容を説明しまーす。といっても簡単。このカードを一枚ずつ 引いてもらいます。で、カードに書かれた内容をやってもらいます。 最後まで引き終わったら、ちゃんと生きて返してあげるよ!」 「ゆ、ゆっくり…、りかいしたよ…。」 「「「ゆーん!りかいしちゃよ!」」」 「はい、とってもいいお返事ですね!ちなみにカードは針カードと特殊カードの2つです。 針カードが一番多いよ。」 「はりかーど?」 「そう。針の種類と深さが書いてあって、そのとおりに体に刺してもらいます。」 「「「ゆんやぁぁぁ!?はりしゃんはゆっくちできにゃいー!!」」」 親まりさはよりリアルに想像できるのか、ぶるぶる震えている。 「特殊カードはいろいろな効果があるので、そのつど説明します。 じゃ、ゲーム開始だよー!みんな、がんばってねー!」 では一枚目をめくるか。ひらりっと。 「あ、マチ針、1cm か。じゃ、誰に刺すか決めてねー。」 「ゆゆゆっ!?」 「まりしゃいやだよー!」 「はりしゃんはいちゃいいちゃいだよ!」 「こっちこにゃいでー!」 「うーん、これじゃどうしようもないなー。じゃ、全員に刺すか。」 「ゆっ!まっておにいさん!」 「お、それじゃ親まりさに決めてもらおうか。」 「ゆー…。」 さすがに決められないか。母性が強いと自分が、と言いかねないんだが、このまりさは 自己犠牲まではとどかないようだ。でも追い詰められたらやるかもしれないので、 ちょっと背中を押してやる。 「ちなみに親が針を全部引き受けたら、生きて帰ってもきっとエサが取れないよなー。 親の体にちょっとでも障害が出たら大変だよなー。結局、一家ともども餓死かもね!」 リアルに想像してる!親まりさが変な汁をだくだく流す。 「子まりさに平等に刺す、ってのもあるけど、子供が全部障害持ちになると 成長してもエサを採り続けなくちゃいけないから、すごく大変だよな。 動けない家族を3匹もかかえたら、やっぱり一家崩壊だよねー。」 目がきょろきょろしている。追い詰められてきたな。 「でも1匹に集中すれば、そいつさえ世話すればいいんだからだいぶ楽だろうなー。 残りの2匹と狩りをすれば十分エサが取れるだろうしね。 そうなると、できるだけ成長している2匹を残すのがセオリーかなー。」 「ゆっ!きめたよ!このおちびちゃんにはりさんをさしてね!」 「ゆぅぅぅぅー!?なんぢぇー!?なんぢぇまりしゃなの!?」 誘導成功。単純餡子脳だな。 親まりさが決めたのは、一番末の子まりさだろう。 もっとも成長の遅いコイツに集中することで、なんとか一家全員生き延びようというのだ。 「はーい、それじゃまりさちゃん!針をプスプスしましょうねー!」 「ゆんやぁぁぁぁ!?ぷしゅぷしゅしゃんしにゃいでー!!」 子まりさを引っつかむと帽子を外し、重しのついた皮ベルトで縛り付ける。 親子に良く見えるよう、重しを壁に掛けて準備完了。皮ベルトが子まりさの体に 食い込んで、自分の重さでかなりの下膨れ、なすび型になっている。 「では刺しまーす!ぷっすりー。」 マチ針を茄子のように変形したお腹に刺す。もちもちのお肌に穴が開き、中に詰まった 餡子にぶすりと入っていった。 あまりの痛さにしーしーを垂れ流している。 「ぎゅぴぃぃぃぃ!」 その悲鳴に残りの子まりさはびくりと体を震わせ、親まりさは涙をだくだく流している。 「や、やめちぇぇぇー!まりしゃの、まりしゃのあんこしゃんにはりしゃん いりぇにゃいでー!!」 恐怖の台詞を聞いて残りの子まりさ達はおそろしーしーまでしている。 「おいおい、まだ1本だよー?これからガンガン刺されるんだから、ゆっくり慣れてね! さてさて、次は何かなー?」 ひらりっと。 「お、マチ針、1cm、あんよ、だってさ。よかったねー。」 「ゆぴぃ…、ゆぴぃ…。」 痛みで返事できないらしい。 「じゃ、次はどうする?誰に刺す?」 親まりさに聞く。ま、答えは決まってるけどね。 「そ、そのおちびちゃんにもういっかいさしてね…。」 「な、なんぢぇー!?おかーしゃんたしゅけて!まりしゃをたしゅけて!!」 重しにくくり付けられた子まりさが叫ぶ。 「わかってね、おちびちゃん。かぞくをまもるためだよ。おちびちゃんが ぎせいになれば、みんなたすかるんだよ…。ゆっくりりかいしてね。」 「りかい、りかいできにゃいーー!!まりしゃはいいこだよ!なんぢぇたしゅけて くりぇないの!?おねえちゃん!たしゅけて! まりしゃしんぢゃう!しにたくにゃいよー!?」 残りの子まりさは目を合わせないように下を向いたり、後ろを向いたりしている。 さすがに自分がその立場になるのは怖いんだろうな。 「はいはい~。美しいドラマはこの辺にして、さっそくあんよに刺しますよー。」 「ゆんやぁぁぁ!?」 「じゃあさっきの針は抜きますねー。すっぽーん。」 マチ針を抜いてやる。針を持った瞬間はビクッとしたが、さすがに抜かれれば 多少は痛みも和らぐらしく力が入っていたお腹もだらん、と弛緩した。 しかし次の痛みに、すぐにお腹をぶるぶるとふるわせた。 「ぷっすりー。」 あんよにマチ針が刺さっていく。さっき焼いたばかりだから、痛みがまぎれるとは 思うけど。 「ゆ、ゆぴぃぃぃぃ…。」 餡子が垂れ下がってより下膨れになったお腹がぶるんぶるんとゆれた。 「さてさてー、お次はっと…。あ!」 俺の大声に大きく跳ね上がる子まりさのお腹。 「きちゃった!きちゃったよ!マチ針、頭、5cmだって! これは、中枢餡貫いちゃうね!」 「!?!?!?!?!?」 もう声にならないらしい。子まりさの震えは震度8にも達しそうだ。 「はーい、それじゃ執行しまーす!あんよ抜きますよー、すっぽーん。 では頭、入りま~す♪ぷっすりー。」 「い、いぢゃいぃぃぃ…。はいってこにゃいでー!まりしゃのたいしぇつな あんこしゃんにはいってこにゃいでぇぇぇ!?」 「ずぶずぶっと。あー、わかるかな?このあたりが中枢餡の縁だよー。」 「ゆ゛っ!?」 にごった声がする。さすがに自分の体内のことだ、よくわかるのだろう。 自分の中の大切な大切な、それこそ命そのものに凶器が当てられる恐怖。 「ゆう…、おちびちゃん…。ごめんね、ごめんね…。」 うわごとのように親まりさが繰り返す。そんな言葉で許されると思ったら 大間違いなんだけどね。 「は~い、それじゃ、未知の世界に1名様ごあんな~い♪ずっぽしー。」 「ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛!?ぱ、ぱぴぷぺぽー!ぱぴぷぺぽー!ゆんゆあん~♪」 いきなり歌いだした。ちょっとおもろいところに入っちゃったらしい。 「あー、ちょっとまずいかなー。ま、いっか。次いってみよー。 お、よかったねー。ふとん針、2cm、あんよ、だってさ!」 手際よく頭からマチ針を抜いてやる。細針だから抜いてやればアッチの世界から 戻ってこれるだろう。もしかしたら少しお土産をもってきちゃってるかも しれないけど(笑)。 「ゆぴぃっ!ま、まりっしゃの、たたたいしぇつーな、いのちのあんこしゃん、 いののちのあんんんこしゃーんに、ぷしゅぷしゅしゃーんがぁぁ!」 あ、結構お土産持ってきちゃってますねー♪でもなんか楽しそー。 「はーい、それじゃふとん針、いっきま~す♪太いから痛いぞ~。ぷっすりー。」 「ゆびぃっ!ゆびぃ!」 びくんびくん跳ね上がるお腹。ちょっとキモいな。 「さてさて、次ー。あ、またきちゃった!」 びくんっ! 「頭、マチ針、3cm。これは中枢餡かすっちゃうね!」 「…ゆ゛んや゛ぁぁぁぁ!!もういやぢゃあああ!ちんぢゃう!まりじゃぢんぢゃう! たじゅげでぇぇぇ!まじじゃおうぢがえるぅぅ!!」 それを聞いて顔を背ける家族。なんてカワイソーなんだー(棒読み)。 「すっぽーん、と。では先ほどとは別の世界に強制ご案内~♪今度はジェットコースター 並みに一気にいきますよー!ずっぽしー。」 「ゆらああかむにくえぇぇぷろぽろあるるにゅー。」 未知の言語をしゃべりだした。チャネリングまりさとして売れないだろうか。 刺さったマチ針を触るたび、違った言語が楽しめます。ラジオのチューニングあわせる 感覚? 「〇+=~|()あぷぷ^−−。」 もう言葉に聞こえない。良い感じにトリップしていただけたようで、 光栄の至りにごじゃりましゅる~。 「さ~て、次回のカードさんはっ!あれっ!?きたねー、ついにきたねー…。」 子まりさから針を抜き、重しから外して別の透明の箱へ。 用意しておいたオレンジジュースをかけてしばらく置いてやる。 「さて、目を覚ます前にご家族には大変申し上げにくいことを、 サラリと述べさせていただきます…。」 家族への死刑宣告にも似た内容を、今日の晩御飯くらいの軽さで告げた。 もちろん親まりさは口から餡子の泡を吹き、子まりさ2匹は失神だ。 もうちょっと重いカンジで言ったほうがよかったのかなー(また棒読み)。 「ゆっ!ゆっくちしちぇいっちぇねぇねぇんん!」 オレンジジュースをかけたかいがあったようだ。語尾のあたり、 すこーし新天地からのお土産が残ってるけど、ほぼ回復したらしい。 子まりさに、ついに特殊カードの内容を話すときがきた! 「おいちび、次のカードは『革命』だ。」 「…ゆっ?にゃにしょれ?」 「お前達の中で、一番つらい思いをした奴、つまりちび、おまえだな。 そいつが今度から誰に針を刺すか決めるんだ。」 「…!まりしゃが、きめちぇいいの!?」 「そうだぞ。誰でもいいぞー。」 さあ、クライマックスに近づいてまいりましたー♪ 「では次のカード!マチ針、お腹、突き抜けるまで。…こんなん出ましたけどー? で、どうするちび。誰に刺す。」 「…おかーしゃんだよ…。まりしゃをたしゅけなかったおかーしゃんにしゃしちぇね!」 「ゆゆゆー!!??」 「まりしゃをたしゅけなかったげしゅおやはちんでね!ちんでつぐにゃってね!」 「おかあさんは、おかあさんはかぞくのことをかんがえたんだよぉぉ! おちびちゃんはおかあさんの子でしょ!ゆっくりりかいしてね!」 まあ今まで助けなかったのに、自分の番になったら助けてくれ、とか 都合のいいことが通るわけがない。 「りかいしにゃいよ!おにいしゃん、しゃっしゃとぷしゅぷしゅしゃん しちゃってね!」 「あいよー。ちびのご所望じゃしかたないなー。じゃあ親まりさご招待~。」 「まりしゃ、やめちぇね!おかーしゃーん!」 「にゃんで!?おかーしゃん、わりゅいことしちぇないよ!」 残された子まりさ2匹が親まりさを擁護する。が、当然ちびは認めない。 「うるしゃいよ!しゃからうなら、おみゃえたちきゃらぷしゅぷしゅしゃん しちぇもらうよ!?」 「「ゆうううう!?っゆ、ゆわーん!」」 すでに姉という意識は持っていないようだ。お前呼ばわりされた2匹は ちびのあまりの剣幕に泣き出してしまう。 それ以降、ちびから離れて箱の隅でぶるぶる震えていた。 「ではー、いっちゃいますよー、ぷっすりー。」 「ゆんっ!い、いだいっ!いだいよー!」 「ばーきゃ!ばーきゃ!まりしゃはもっちょいちゃかっちゃよ!」 「まだだ!まだ終わらんよ!突き抜けろ、俺のマチ針!ぶっすりー。」 壁に掛けられた重しに縛り付けられ、逃げられない親まりさのお腹に針を刺していく。 あー、長さ足らないかも…。 「ここまでかー。突き抜けなかったけど、しゃーないかー。 じゃ、つぎ。ぴらっと。おー、ちょっと早いけど、親まりさにもついに 不幸の天使が舞い降りてきてくれたよ! 頭、ふとん針、10cmだって!」 「ゆっ、ゆー…?」 餡子が理解を拒否しているらしい。マジで何のことかわからないって顔してるよ。 「つまりー、親まりさのマッズーい餡子脳でもわかるようにいうと、 とっても素敵な別世界がお待ちしてマース、って大口開けてるんだよ! ゆっくり理解してね!」 「ゆっ、ゆー?……?…、ゆんやぁぁぁ!まりさは、まりさはいきたくないよ! たいせつないのちのあんこさんなんだよ!」 「行ってみると意外と楽しくて、帰ってきたくないってお客様も多いんですよー? 子まりさもいってきたことだし、ここは一発親まりさの度胸試しってことで! 子供達にカッコいいとこ、見せたいじゃあーりませんかぁ?」 「みせたくないよ!まりさはまりさのままでいたいよ! もうやだ!おうちかえる!!」 お得意のリアルな想像で我慢の限界に来たのか帰るコール入りましたー。 「にゃにいっちぇるの!?まりしゃは2きゃいもぷしゅぷしゅしゃん しゃれたんだよ!?にゃしゃけにゃいおやだねー!はじゅかちいねー! このくじゅ!げしゅ!ちゃっちゃとちねぇ!」 それにしてもこの子まりさ、ノリノリである。 「そういえばさっきおうち宣言してたよね?ここがおうちでしょ? こんな特殊なプレイをするお部屋まであるなんて、すっごい都会派な おうちだよねー!」 「ち、ちがうよ!ここはまりさのおうちじゃないよ!」 親まりさも刺されまいと必死だ。 「じゃあさっきのおうち宣言はなんだったのかなー?」 「ゆ、ゆうう…。あれはうそだよ…。ここはおにいさんのおうちだよ…。」 あっさり認めやがった。でも逃げられないよ。 「ウソをついた親まりさにはしっかりお仕置きしないとね!」 「おにいしゃん!うしょつきのおかーしゃんをせーしゃいしちぇね!」 「ゆうう!?う、うそなんてついてないよ、ここはまりさのおうちだよ!」 どこまでも必死、…無様ッ! 「じゃあこんな虐待部屋があるなんて、虐待されたいマゾまりさなんだね! 針をさされたいんだよね!あー、安心した! …ま、ここが誰のおうちかなんてどーでもいーんですけどねー。 お、そうだ!これからまりさが旅立つ新世界におうちがあればモーマンタイだよね! じゃあ早速なんだけど、新世界に逝って確かめてきてね! コッチに戻りたくなかったら、そのまま逝っちゃってもいいからね! まりさ、いっきまーす!ぷっすりー。」 「やっちゃえ、おにーしゃん!」 「ゆっぐゆぐゆぎゅうううう!?」 「まだ届いてませんからぁー、そんなぁー、悲劇のヒロインみたいなぁー、 声ぇー、ださないでくれますかぁ?」 わざとウザくしゃべってみる。 「いやぢゃいやぢゃいやぢゃぁぁぁ!?ばでぃざの、ばでぃざのあんごじゃんっ! いのぢのあんごじゃんにざざないでぇぇぇ!!」 「あ、そろそろですか?では、新たな世界の扉、おーぷんっ!ずっぽしー。」 「………、ゆ゛っ?」 …反応ナシ? 「ゆーぱぱぱらっぽっ、ぱぱぱらっぽ、ゆーぱぱぱらっぽ♪」 また歌か。ってスキャットっぽい。スキャットマンまりさとして 全米デビューしちゃったりして。ヒットチャート駆け上れ! 「あー、その歌は版権的に NG なんで…。ちょっとチューニングしますねー。 針をぐにぐにっと。」 「ゆっ、ゆっ、ゆりふのだいばくしょー。」 「ずいぶん古いことしってますね、なかなか博学でよろしぃー。 もうちょっとチューニングするとどうなるんだろう…。ぐにぐに。」 「ゆぁぃんゆぁいん、ゆるぐるぷるぷりー。」 「…あー、旧支配者とか呼ばないでねー。もう十分ナマモノは足りてますんで。 ま、ニャルってる人とかよんで、ゆっくり達といっしょに這い寄って貰えると あたらしい分野がひらけるかも。コメディ・ホラーとかいっちゃったりして。」 目がロンパリだよ。っつーか右目は上下に、左目が左右に動いてる。器用だなー。 ゆっくりのスゴい能力発見!ってとこ? 「では次のカードを…。っと、また特殊カードか。『累積』だってさ。」 「りゅいしぇき?」 「今までは次の針を刺す時、前のやつを抜いてただろ?今度から抜かなくなるのさ。 針がいっぱいぷすぷすされていくってわけ。」 「ゆー!しょれはしゅごいよ!はやくげしゅおやにぷしゅぷしゅしゃん、いっぱい しゃしちぇね!」 「えーと、これからの針、全部親まりさに刺すんだな?」 「しょうだよ!じぇんぶしゃしちぇね!」 「だとさ。お前達の妹、すごいサディストだよなー。」 隅でないている子まりさ2匹に話しかける。もう返答もない。 「じゃ、一気にいきますか!どれどれ…。残り5枚とも、頭関連だな。」 頭、両こめかみ、額、後ろ頭、ときたか。ヘルレイザーみたくなっちゃいそうだな。 「じゃ、ピンヘッドまりさにクラスチェンジだ!ぷっすりー×5。」 「ゆ゛ゆ゛ー!!!」 ひときわ大きな声で親まりさが叫ぶ。…死んだか? 「ゆ゛っゆ゛っゆ゛っゆ゛っゆ゛っゆ゛っ。」 よかった。まだゆん生最後のカウントダウンだった。 「おーし、これで終了っと!お前達、生きて帰れるぞー。」 「げしゅおや!まりしゃがどりぇだけいちゃかっちゃかわかっちゃ!?」 「ゆっ、ゆーん…。もうおわり?」 「おうち、かえれるの?」 親まりさから針を抜きつつ答えてやる。 「ああ帰れるぞ。ちょっと親まりさの処置をするからまってろ。」 オレンジジュースを親まりさに掛けてやる。まあこれで死なないだろう。 箱にいれたまりさ親子を近くの空き地にぽいぽいっと捨てる。 「じゃあな、がんばって生きろよ。あともう人間の家に入るなよ。」 「ゆーん、わかっちゃよ…。」 「まあこれからはお前達でエサ採らないといけないから大変だろうな。」 その言葉をよく理解できなかったらしい。子まりさたちは体を斜めに傾けて 疑問を表現している。 「にゃにいっちぇるの、にんげんしゃん?おかあしゃんいるきゃらだいじょぶだよ?」 「おいおい、よく見ろよ。」 親まりさを指差す。そこには、ケタケタと笑ってばかりの親まりさがいた。 「ゆきっ、ゆぎきっ、けけけけっ!?ゆ、まりっしゃ!まりっしゃ!」 「…おかあしゃん?」 「どうしちゃの!?」 「子まりさがほら、親にいっぱい針を刺せ!って言ってたろ?結局治らなかった んだよ。親まりさはどこか俺達の知らない世界に旅立ったまま、戻って来れない わけ。この子まりさがあんまりにも針を刺すせいでな。」 「…ゆ、ゆわぁぁぁ!?」 「お、おかあしゃん!おかあしゃん!!」 「まりしゃの、まりしゃのしぇいぢゃー!おかあしゃん、ごはんしゃんとっちぇこれにゃい んだよ!」 「ごはんさん、どうしゅるのー!まりしゃのしぇいだよ!!」 「うるしゃいよ!まりしゃをたしゅけないげしゅおねえしゃんはだまっちぇね! だまりゃないと、おにいしゃんにぷしゅぷしゅしちぇもらうよ!」 「「ゆゆゆぅ!?」」 あー、まだその言葉には反応するんだな。 「いや、安心しろ。お前達はもう自由だ。俺はもう何もしないよ。針も刺さない。 あとはお前達家族で話し合うなり、殺しあうなりしてくれ。」 「ゆぅぅ!?おにいしゃん、げしゅをしぇいしゃいしちぇくりぇるんじゃにゃいの!?」 「もうやらないよ。だから安心して姉妹喧嘩してくれたまえ。じゃあなー!」 俺は空き地を後にする。後ろから「しね」だの「せいさい」だの剣呑な言葉が聞こえてくる。 彼方の世界に旅立ってしまった親をかかえ、子まりさ達はこれからどうやって生きていく のだろう。しかも親は末っ子まりさのせいである。姉妹でバトルロワイヤルは必死。 などという心配は一切していなかった。俺は心地よい姉妹の罵り合いの響きに包まれ、 次の虐待構想を練りながら家路に着いた。 …あれ、なんで俺こんな短編書いてるんだろう。虐待鬼意山の口調がなんか変だし。 軽快な虐待を目標にしてみたものの、出来上がったのはお笑いを狙ったら 内輪ネタとかマニアックネタ満載になっちゃった、という良くある中二病的 駄文だし。 それにしても直接虐待は難しいですね。やはり『愚かさゆえに自分からドツボに はまっていく』さまを存分に楽しむ、間接虐待が性に合っているようです。 過去作品 ふたば系ゆっくりいじめ 111 効率化の道 ふたば系ゆっくりいじめ 147 陰口 ふたば系ゆっくりいじめ 177 人間の畑だと説得してみよう ふたば系ゆっくりいじめ 182 どすすぱーくをうつよ!
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この物語は野良ゆの平凡な日常を淡々と描いたものです。 過度な期待はしないでください。 と前置きしつつ初ゆ虐SSです。 筆者はゆ虐SSの全てを網羅してるわけではないので ネタや設定の被りなどがあるかもしれません。 被ってたら申し訳ないです。 虐待分は薄めです。 「まりさ一家の朝」 「ゆっくりおきるのぜ」 宵も明け始めた頃、まりさはもぞもぞとボロ切れを集めたベッドから起きだした。 「ゆぅ……ゆぅ……」 「ゆぴーゆぴー」 隣では同じようにベッドの中で番いのれいむと大切なおちびちゃんたち……子まりさ、赤れいむが、 まだ静かに寝息を立てている。 「ゆぅ……ゆぅ──ゆ? まりさ?」 まりさの動きに覚醒を促されたのか、れいむが重そうにまぶたを持ち上げた。 「まだねてていいのぜ、れいむ。まりさはそろそろ狩りの時間なのぜ」 愛しい妻の頬に軽くすりすりをしたあと、ぽよんと跳ねて出口のビニールシートを持ち上げる。 「まりさ」 「ゆゆ?」 「ゆっくり気をつけてね」 それを眠そうな笑顔で見送るれいむに、眉をキリッと整えてまりさが答えた。 「ゆっくり行ってくるのぜ!」 外に出ると冷たい夜気にまりさが身を震わせる。 まりさのおうちがあるのは駅前近くのビルが建ち並ぶ区域の一角、 人が一人やっと通れるぐらいの狭い路地裏だ。 春になったとはいえ、日中のほとんどは日陰となり、温かい陽射しが入り込むことは少なく気温が低い。 もっとも建物に挟まれている分、空調設備から発せられるわずかな熱や 壁によって強い風が遮られているので、住むのが辛いほどではなかった。 「このゆっくりぷれいすを見つけられてよかったのぜ」 まりさは2週間ほど前に引っ越してきたばかりだった。 前はもっと離れたゆっくりぷれいす、人間で言えば住宅街にある公園に住んでいたのだが、 住み心地のいい場所だけに冬の間……特に1ヶ月前に街ゆ達が集まりすぎて、 加工所と保健所による一斉駆除が執り行われたのだ。 次々と仲間たちが潰される中、奇跡的に人間の魔の手を逃れて、新たなおうちを探していたところ、 人間から見ればゴミの散乱した汚い、ゆっくりから見ればおうちの素材が豊富な、 この路地裏にたどり着いたのだった。 ゆっくりらしからぬ幸運に見舞われたといえるだろう。 普通のゆっくりなら一斉駆除の時点で一家全員潰されているか、 公園を追い出された後、おうちを見つけられず街を彷徨っているうちに、 犬や猫、カラスに鬼井惨、雨といったその他もろもろの理由で永遠にゆっくりしているはずである。 まりさ一家がゲスではなく、比較的賢い部類だったのも幸いした。 「ゆっ、そろそろ生ゴミさんが捨てられる時間なのぜ」 空はまだ暗いが、わずかに青みがかっている。 まりさはここ数週間のうちに、ゴミ漁りこと狩りをすべき時間帯を把握していた。 まりさの知らぬことだが、隣のビルの2階が居酒屋になっており、 その店の閉店業務が日も出ぬうちのこの時間に行われているのだった。 路地裏から通りに向かってぽよんぽよんと跳ねていく。 ビルの1階はカラオケボックスになっており、24時間営業のため、看板の電気がまだ煌々と輝いている。 その灯りに照らされた通りに出る寸前まで進むと、まりさはそのまま立ち止まった。 通りに面したビルの前には業者用の大きなゴミ回収ボックスが設置してある。 それがまりさの目的とする「狩り場」だ。 ダン、ダン、ガサ、ガサ、と階段を踏みしめ、ビニールが擦り合わさる音が聞こえてくる。 すぐにビルの出入り口そばの階段から居酒屋の店員が複数のゴミ袋を両手に抱えて現れた。 「……よっと」 プラスチックで出来た回収ボックスは既に中が一杯であったため、そのすぐ傍にゴミ袋を並べて置いていく。 (ゆぅ、まだなのぜ。あのにんげんさんがもどってからゆっくりいくのぜ) 1ヶ月前、人間がいかに恐ろしいものであるかを餡子脳に刻み込んだまりさは、 息を潜めて店員が去るのを待つ。 人間はゆっくりよりはるかに強く、ゆっくりよりはるかに賢い。 それをまりさは多くの仲間の死を持って理解したのだ。 だが、所詮はゆっくりだった。 理解はしていても、ただそれだけだった。 「うう、さみぃ。さっさと残りを片付けて帰るか」 独りごちて階段を駆け上っていく店員を注意深く見送った後、 少ししてからようやくまりさは路地裏から出て、すぐ傍にある回収ボックスへと急いだ。 「ゆゆぅ、ゆっくりしないでごはんさんを狩るのぜ」 そう言って帽子の中から尖った小石を舌で器用に取り出すとそのままゴミ袋に突き刺す。 たくさんのゴミが詰められ、表面の張ったビニールはそれであっさりと裂けた。 あとはその裂けた部分に舌をねじ込んで、穴を広げるだけだ。 ある程度まで穴が広がると、生ゴミが自重によって一気にあふれ出る。 「ゆぅ~♪ 今日もごはんさんがいっぱいなのぜ! れいむやおちびちゃんたちに おなかいっぱいおいしいごはんさんを食べさせてあげられるのぜ!」 その量はまりさの一家の一日の食料分を補って余りある。 残飯の中でも比較的綺麗な部分を選り好んで帽子に詰め込む余裕すらまりさにはあった。 「──なるほど、お前が最近ゴミ捨て場を荒らしてた奴か」 その後ろから、声が掛けられる。 「ゆゆっ!?」 驚いて振り向くと、いつの間にかさっき戻っていったはずの店員がすぐ後ろにいた。 実際にはまりさが狩りを始めてから少しして、階段から足音を忍ばせて近づいてきていたのだが、 狩りに忙しいまりさはそのことに気付かなかった。 「人が片付けたゴミをまあ、よくもこう見事に散らかしやがって……」 「どぼぢでにんげんさんがここにいるのぜええぇぇぇ!!?」 思考が言葉と直結するゆっくりに違わず、まりさも疑問を驚きの表情で叫ぶ。 「にんげんさんはさっき戻っていったはずなのぜえぇぇぇ!!」 「うるせえよ糞饅頭」 「ゆべッ!! お空ッ!!」 突如襲った衝撃にまりさの身体が宙を飛び、空けられたゴミ袋の中に突っ込む。 店員が蹴ったのだ。 「ゆぎゃあああ、いだいのぜぇぇ!!」 人間でいえば鼻に当たる部分(ゆっくりには何もないが)をしたたかに蹴られたまりさは、 激しい痛みに悶え、文字通りごろごろと転げ回った。 「てめえ、これ以上ゴミを散らかすんじゃねぇ……!」 「ゆごッ!!」 まりさが転がるたびに散乱するゴミを見た店員が、靴の裏でまりさの身体を踏みつける。 「ゆぐぐぐぐ……!!」 側頭部、ゆっくりからしたら半身のほとんどを何十倍もの質量で押しつぶされ、 内蔵である餡子が圧迫されて息が詰まる。 「ったく、下のカラオケ屋から最近うちのゴミが散らかってると苦情が入ったかと思ったら、 まさかゆっくりの仕業だったとはな」 「ゆ、ゆぐ、ゆっぐりやべでね! ごのまま、じゃ、まりざがづぶれるよ!!」 だぜ言葉も忘れ、解放を請うまりさに対し、店員は脚に掛ける体重を徐々に増していく。 「この辺のゆっくりは少し前にあらかた駆除されたはずなのに、もう増えてきやがって……」 そう、何故あの路地裏というゆっくりぷれいすに、他のゆっくりがいなかったのか。 それは1ヶ月前、駅を中心とした周辺で大規模な一斉駆除が行われていたからだった。 まりさ一家が前に住んでいた公園に街ゆ達が溢れたのも、この駆除から逃れたゆっくりたちが 集まったためである。 「ゆぶぶぶぶぶ」 ついに圧力に耐えられなくなった餡子がまりさの口からぶくぶくと吐き出される。 それをある程度確認してから店員はようやく脚をどけた。 「ゆげっ!! ゆはっ!! ゆぐっ……ゆっぐり……!!」 「で、何だっけ? どうしてさっき戻った人間さんがここにいるのだっけか? あのな、人間さんにゃ文明の利器っつーもんがあるんだよ糞饅頭」 店員が指で示したビルの入り口部分には、監視カメラが設置してあった。 いつもは入り口周辺からビルの内部までを監視しているカメラだが、 可動するタイプなのか今はビルの外側……回収ボックスの方を向いている。 「てめえらごときがいくら注意したところで、起きてることさえわかってれば 少しモニターに目向けるだけで一目瞭然だっての!」 「ゆぎィっ!!」 再び店員の蹴りがまりさを襲う。 今度はトゥーキックだ。 小麦粉で出来たゆっくりの皮に、硬く鋭いつま先がめり込む。 その勢いは皮だけに留まらず、まりさの右目を抉り出した。 「ゆがあああああ!! おべべがぁああああ!! まりざのぎれいなおべべさんがぁあああああ!!」 まりさは人間の怖さを理解していた。 だが理解しているだけで、わかってはいなかった。 ゆっくりがいくら注意したところで、人間を出し抜けるはずがないことを。 「さて、と」 「おべべぇぇ、まりざのおべ──ゆ゛っ!」 店員はゴミに紛れ込た目玉を必死に探そうとするまりさのおさげを掴み上げ、目線を合わせる。 重心が右に偏り、どろりと穴のあいた眼窩から餡子が漏れ出す。 「で、お前の家族はどこだ?」 「ゆ゛ゆッ!?」 明らかな動揺の表情をするまりさ。 「ななな、なんのごどなんだぜ……? ば、ばりざはまだどぐっじんっなんだぜ……!!」 「ほー」 空いている左手で何故かあれだけ転げ回っても外れなかったまりさの帽子を取り上げる。 「やべるんだぜ! ばりざのずでぎなおぼうじっ!!」 「じゃあ、これは」 ぼとぼとぼと。 先ほど詰め込んだ残飯が、隙間から落ちていく。 「誰のための食糧なんだ?」 「ゆぎっ、ぎぎ……!!」 答えに窮するまりさ。 ゆっくり一匹にとってはあまりに多すぎる分量。 保存するにしても居酒屋の残飯は、ほとんどが既に調理してあるため長持ちしない。 店員は、この人間を出し抜こうと考えたまりさが、この数日でそのことを理解していないとは思わなかった。 そしていくらゆっくりが人間の食料を好むといえど、腐った食べ物までは進んで食べない。 「……ぜ、全部ばりざのぶんなんだぜ! ばりざばぞだぢざがりなんだぜ!!」 「あ、そう」 「ゆっ、がえずんだぜぇ!! ばりざのずでぎなおぼうじがえじで──ゆげあああああああああああああ!!」 掴んでた帽子を捨てた直後、そのまま左手で穴となったまりさの右目を抉る。 内蔵と神経を兼ねる餡子を直接こねまわされる激痛に、まりさは死に物狂いで叫んだ。 「ゆ゛び……ゆ゛べ……!」 一掴みほどの餡子を掻き出して捨てると、まりさは息も絶え絶えといった風に喘ぐ。 「家族、居るんだろ?」 「……い゛な……いよ"……」 あくまでいないと言い張るまりさに、逆に店員は居ることを確信した。 「じゃあ、おうちに案内……する必要はないか。おいまりさ」 「ゆ゛……」 「お前のおうちはあそこにあるのか?」 そう言って店員は路地裏を指す。 「ゆ゛ゆ゛っ!? ぢがうのぜ!? あぞごにばなにもないのぜっ!?」 実にわかりやすい肯定だった。 「そうか、あそこか」 「ゆ゛ぶっ!!」 お下げを掴んでいる右手を離すと、顔面から地面に落ちるまりさ。 痛みにのたうち悶えるゆっくりの姿に店員は冷たく告げた。 「もうお前は必要ないな」 「ゆ゛う゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛!? れいむ逃げべびゅ」 大事な家族の危機を察したまりさは、せめて逃げ延びてもらおうと大声を上げようとするが、 その瞬間に無常にも振り下ろされた店員の脚によって餡子をばら撒いて砕け散った。 「はぁ……とっとと済ませて帰りてえ」 東の空のビルの向こうでは日が昇り始めていた。 「ゆぅ……まりさ」 「おきゃあしゃんきょわいよぉ……」 「ゆっくりできないのじぇ……」 れいむたちは既に起きていた。 元々眠りの浅かったれいむが、まりさの悲鳴によって完全に目が覚め、 おちびちゃんたちを起こしたのだ。 だが逃げ出そうとはしていなかった。 元々住む場所がなくてここに居ついたのだ。 他に行く宛てなどあるはずもない。 せめてまりさが戻ってきてくれれば、まだここを離れる決心が出来ただろう。 「大丈夫だよ、おちびちゃん。ゆっくり待ってようね」 ザッ、ザッ、という足音が近づいてくる。 「ゆぅ? おとうしゃんなのじぇ?」 それがまりさではないことにれいむは気付いていた。 「……ふたりともゆっくりきいてね」 「ゆ?」 二匹の子供は揃って神妙な顔をするれいむを見上げる。 「おかあさんがいいって言うまでおうちからでちゃだめだよ」 「ゆゆっ!? おきゃあしゃんどうしゅるにょ?」 赤れいむが今にも泣き出しそうに問いただす。 「そとのようすを見てくるよ」 「じゃあ、まりしゃもついてくのじぇ!」 子まりさが、父親への心配と母親と離れる不安から駄々をこねるが 「だめだよ。おちびちゃんはいもうとを守ってあげてね」 れいむはそれをやんわりとたしなめた。 「ゆぅ……ゆっくりりかいしたのじぇ」 しょぼんと俯いてしょげる子まりさに、れいむはそっと近づいてすりすりする。 「ゆ、れいみゅもれいみゅも!」 「ゆふふ、おちびちゃんもおねえちゃんの言うことを聞いておとなしくしててね」 「ゆ~ん、ゆっきゅりりきゃいしちゃよ」 赤れいむにも軽くすりすりをしたあと、れいむはぽよんと跳ねて出口のビニールシートを持ち上げる。 「おきゃあしゃん」 「ゆ?」 「ゆっきゅりきをちゅけてにぇ」 「…………」 奇しくも先ほど自分がまりさを送り出した時と同じような形となり、言いようのない不安を覚えるれいむ。 (ゆぅ……せめて、おちびちゃんたちだけでも助けてもらうよう、にんげんさんにゆっくりおねがいするよ) それがどれだけ分の悪い賭けであったとしても、もはやそれしか残された方法はなかった。 「ゆっくり行ってくるよ!」 泣き出したくなるような恐怖の中、それでも愛しい我が子を少しでも安心させるために、眉をキリッと整えてれいむは答えた。 「ゆゆっ!? にんげんさん! れいむはれ」 外に出たれいむが最期に見たのは、まりさの餡子がこびりついた靴の裏だった。