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『わたしはまりさ』 81KB 愛で いじめ 考証 思いやり 愛情 不運 差別・格差 日常模様 育児 越冬 番い 群れ 飼いゆ 野良ゆ 赤ゆ 子ゆ ゲス 希少種 自然界 現代 愛護人間 創作亜種 独自設定 50作目。自分で言うのも何ですが力作です。 <誕生編> 季節は初春。山菜に舌鼓を打つ野生動物がワラワラと現れ始めます。 そんな山すそに広がる深い森の奥に小さなゆっくりの群れがありました。 そのゆっくりの群れは不思議なことに人間や野生動物が入ってこない絶好のゆっくりぷれいすなのです。 和気藹々と春の訪れを喜び合うゆっくり達。 とある二匹のカップルは枯れ草の上で皆に聞こえるように大きな声を上げました。 「すっきりーするよ!!!」 冬を乗り越えて子作りの時期になった群れの若い衆が一斉に交尾をするのです。 去年カップルになった若いまりさとれいむもご多分に漏れずすっきりしようとしています。 木の股の間を掘って作った我が家で二匹は互いの頬を擦り合います。 「すーりすーり」 「すーりすーり」 すーりすーりは元は親が子に対して、スキンシップとして行うことから始まりました。 そもそも、ゆっくりというのは動く首だけの生物ということもありコミュニケーションの方法が限られています。 そこで、感度の高い頬を重ね合わせることで快感を得ようとする試みが性交の快楽へと結びつきました。 更にはぺにぺにやまむまむを使う性交とは別に受胎型のデメリットを克服するために、 早産の植物妊娠をするすーりすーりが野生のゆっくりにおいて行われることが多くなったのです。 「すっきりー!」 ナメクジの交尾に近いといってもよいでしょう。頬から出る粘膜同士を混ぜ合わせて母方とされるゆっくりに種子を宿します。 「しあわせー!」 ぽぽぽぽーんとれいむのおでこから緑色の蔦が伸び、プチトマトのように丸い子供たちが並んでいます。 こうしてできた赤ゆっくり4匹はハツカネズミよりも早く、ものの一週間で地面にあんよを下ろすことになるでしょう。 「おちびちゃん、ゆっくりしていってね!!」 とくとくと静かに蔦を伝えて鼓動が聞こえてきます。母ゆっくりが子供たちに栄養を送っている音でしょう。 「ゆゆーん! おちびちゃん、げんきにそだってね!!」 この子達は幸福になる権利を与えられて生まれてきます。環境という苦痛が絶望を味あわせようとも…… 「ゆっくちちていっちぇね! きりっ!!」 「「ゆっくりしていってね!!」 最後の赤子が地面に舞い降りました。彼らは皆どこにも悪いところもなくお飾りもハリつやのある綺麗なものでした。 親まりさは初めての子供に大層喜び、これまで以上に狩りをがんばろうと、大人になる事を誓いました。 母れいむはおちびちゃんのためにとりあえずがんばろうと思いました。 「みんな、ゆっくりじこしょうかいしていってね!!」 「「「「ゆっくちりきゃいしちゃよ!!」」」」 最初に赤ゆっくりの自己紹介をするのは、赤ゆっくりに言語障害がないかを確認するためと言われています。 言語障害のあるゆっくり、例えば失語症であったり吃音であったりするゆっくりはゆっくりできないとし、間引かなければならないのです。 また、知的障害をチェックするための儀式でもあると言われています。 重度の知恵遅れなゆっくりはこの先生き残れないとしてこれもまた間引かなければならないのです。 「れいみゅはれいみゅだよ! ゆっくちちていっちぇね!!」 まずは長女から挨拶をすることにしました。 舌足らずな物言いですが、赤子だから仕方がないのです。普通のゆっくりとして順当な受け答えだから大丈夫といったところでしょう。 この子は生きることを認められました。 「れいみゅはれいみゅだよ! ゆっくちちていっちぇね!!」 その下の子も大丈夫のようです。 「まりちゃはまりちゃだよ! ゆっくちちていっちぇね!!」 そのまた下の子も。 「あたちはまりちゃだよ! ゆっくちちていっちぇね!!」 「「ゆゆ!?」」 ………あれ? わたしはまりさ 嘘あき 春うららの晴天に若い命が輝くゆっくりした昼下がり。おさである老ぱちゅりーは一息ついてこの群れの繁栄を噛み締めていました。 「むきゅ、こんかいもゆっくりしたこたちでたすかったわ」 話は越冬に戻りますが、越冬をするのが初めての一部の若いゆっくりは、準備をせず他のことにかまけて失敗したなんてこともあります。 けれど、今回の若いゆっくりたちは9割が真面目なゆっくりであったので多少の犠牲は出つつもほとんどのゆっくりが越冬に成功したのです。 蟻以上に怠け者役が頻出するゆっくりの群れを思えばかなり優秀な部類に入る群れではないでしょうか。 話を戻しましょう。そんなこんなで呑気していたおさぱちゅりーにある夫婦が駆け寄って来ました。 「たたた、たいへんだよぉおおおおおおお!!!」 おさぱちゅりーはゆっくりと垂れ下がった頬をピシッと引き締めます。 一体何事か! まさか、れみりゃが襲ってきたのか? それともれいぱーか!? 「いったいなにかしら!!」 おさぱちゅりーはゆっくりらしからぬ真剣な顔で夫婦に向き合います。 「ようけんをいいなさい!!」 「お、おちびちゃんが!!」 ああ、子供の相談かと、強張った身体をゆるめました。 「むきゅむきゅ」 おさぱちゅりーは子供がどうのこうのという言葉を聞いてすぐに間引きのことだと思いました。 間引きに関してはこの群れにも少なからずある問題です。 やはり、障害を持っていたとしても我が子というものは可愛いものです。それ故に殺すことを拒否する若い親達が居るのも事実です。 だが、現実を見てもらわなければならない。その為におさとしてその夫婦を宥めて諭す役割があるのです。 「あのね……おちびちゃんは「おさぁああああ!!! まりさのこがすこしへんなんだよぅうううう!!!」」 「だから、「とりあえずゆっくりみてね!!!」はぁ……」 良くあるパターンだと受け止めて、とりあえず見るふりだけでもすることにしました。 「それで、そのおちびちゃんは?」 「まりさのおぼうしのなかにいるよ!!」 少し前のめりにしゃがんで、頭の先を跳ね上げてから帽子を器用に脱ぐと、そこにはちびっこい丸いものがいました。 身体やおかざりに欠点のない中々凛々しい赤ゆっくりです。しかし、中身が伴っているかといえばそうではありません。 「むきゅ、おちびちゃん。じこしょうかいをしてね!」 おさぱちゅりーもテストのために自己紹介を要求しました。 赤まりさは意気揚々と答えてみせます。 「あたちはまりちゃだよ!! おしゃ、ゆっくちちていっちぇね!!」 キリッとした顔で答えるこのゆっくりに悪いところは見当たりません。ですが、この子は最初に何といったのでしょうか。 「あ、あたち?」 「あたちはまりちゃだよ? ゆゆ? あたち、なにかわりゅいことちた?」 初めてのことにおさぱちゅりーは驚愕せざるをえなかった。“あたち”と言う言葉を、謎の言葉を使ったのですから。 「むきゅ……まりさはあたちっていうのかしら?」 「ちがうよ! あたちはまりちゃだよ!! ぷんぷん!!」 「むきゅきゅ? まりさはまりさなのよね?」 「しょうだよ! あたちはまりちゃぢゃよ」 「まりさはまりさであたちじゃない? よくわからないわ!?」 ゆっくりの常識では考えられない“あたち”という主語におさぱちゅりーは困惑しました。 おさは知らなかったのです。ちるの種が自分のことを指す時に“あたい”と言う言葉を使うということを。 わからないものに対してはこそあど言葉を使用する場合もあるが、ゆっくりは代名詞を使わないのです。 少なくともちるののことを知っていれば対応も変わったかも知れませんがそうはいかないのが現実です。 「おさぁ、どうすればいいのぜ!?」 どうすれば良いのかこちらが聞きたい。おさぱちゅりーは口に出して言ってやりたかったのですが、おさのプライドにかけて弱音を吐く事は止めました。 どうすれば良いのかではなくておさがすべき事はどうするかだけなのだから。 「おちびちゃんはころころしないといけないのぜ?」 「むきゅきゅ……」 殺すか殺さないかという言葉は他人から見れば1か0を選ぶ話のようなものですが、当人としてはそんなちゃちな問題じゃありません。 命は力、この群れを支えるものなのですから。 それに、赤子は自分のことをまりさだと自覚しています。“あたち”という奇妙な言葉を使う以外は普通のまりさなのです。 そんなおさぱちゅりーに一つの答えが浮かび上がりました。 「むきゅん!」 そうだ、矯正してしまえばいい! 自分のことを“あたち”というのを辞めさせられれば万事OKだ。 「あのね、おちびちゃん。まりさはまりさであって、あたちではないの。だから、あたちということばはつかってはいけないわ」 「ゆゆ? どうちて?」 「あたちということばはね、ゆっくりできないのろいのことばなの」 「「ゆゆ!?」」 両親はその言葉にゆっくりできませんでした。真っ先に思いついたのはせいっさいの風景です。 群れのルールを破った重度の犯罪ゆは公衆の面前で処刑されるのが決まりでした。 絶対に動かないようにするために体が動かなくなるまで集団でリンチをします。 それから、しょけいばと言われる場所で剣の腕が一番高いかいしゃくゆんに中枢餡を突いてもらい処刑するのです。 その時です、犯罪ゆは各々言葉をはきかけます。 『おばえらぁあああ! ぜったいにゆるざないがらなぁあああああ!!! のろってやるぅううう!!!!』と。 呪いにかかって死んだと言われるゆっくりもいます。ただ単に死期が訪れただけなのですが、それを呪いのせいだと解釈するゆっくりも居るのです。 両親たちは大いに嘆きました。自分の子供が生まれつき呪いの言葉を吐くゆっくりであることを。 「でもだいじょうぶ。それいじょういわなければのろいはかかったりしないわ!!」 「ゆゆ、それならだいじょうぶだよ! ね、おちびちゃん!!」 母れいむはオチビちゃんににこりとほほ笑みかけます。 「ゆぅ、わきゃっちゃよ! まりちゃはまりちゃだよ!! あたちじゃないよ!!」 「お、おちびちゃん……」 「むきゅ、かんたんにはいかないようね……」 身体をすくめて、おさぱちゅりーはため息混じりに言いました。 <子ゆっくり編> それから月日が経って、赤ゆっくりは子ゆっくりへと成長しました。あの“あたち”まりさもすくすくと育っていきました。 「まりさ、おへんじしなさい!」 「まりさはまりさだよ! ゆっくりしていってね!!」 母に呼ばれた“あたち”まりさは元気よく返事をします。 まりさは父と姉を含めて三匹いるのにその中の誰を呼んでいるかが分かるのがゆっくりの不思議なところです。 一説では微妙なイントネーションの違いだといわれています。 「ゆゆ、まりさ。よくできたね!」 今日は初めてのがっこうの日。“あたち”と言う言葉も矯正して言わなくなりました。 めでたしめでたし……というのには少し早いようなのでお話はまだ続きます。 そのかわりですが、時折“あたち”ではなく自分のことを“あたし”と呼ぶようになりました。 大人に少し成長したといったところでしょうか。それでも周りは許してくれません。 その言葉も呪われているとおさぱちゅりーに言われたので両親はてんやわんやです。 “あたち”も“あたし”も絶対に言ってはダメだと口を酸っぱくして両親は言いました。 「ぜったいにのろいのことばをいったらだめだよ!! まりさはまりさなんだから」 「ゆっくりりかいしたよ!!」 鼻歌を歌いながら母れいむに用意してもらったお弁当をもち、姉妹4匹で両親に挨拶をします。 「ゆっくりいってくるよ!!」 子供を監視しやすいように学校は群れの中心で行われます。いわゆる青空教室の形をとっています。 学校に行くと大小様々なゆっくり達がいました。年長さんに年少さん。見たことのないゆっくりの数がそこには広がっていました。 「ゆゆ、まりさ、ゆっくりしていってね!」 お隣さんのありすが声をかけてくれます。まりさはすぐに返事をしました。 「ゆっくりしていってね!!」 知らない子ばかりで心細かったのでしょう。ありすはまりさの元へ寄り添ったのです。 「おそかったじゃない! ゆっくりしすぎよ!!」 「ごめんごめん、ゆっくりしてたよ!」 ありすは少しツンデレでした。ツンデレで少し臆病だけど優しい子です。 まりさが自分のことを“あたし”と呼んでも、ありすは笑って返してくれる。中々の器量持ちです。 「まりさ、はじめてのがっこうたのしみだね!!」 「そうだね、ありす。まりさはおともだちがたくさんできればいいな」 「ありすはとかいはなおべんきょうをしたいわ!!」 各々の将来図を交わしながら会話を始めました。 「そういえば、まりさはあのおびょうきなおったの?」 「うーん、ときどきゆっくりいっちゃうかな」 「だめよ! がっこうでそんなことしたらいじめられるわ!!」 「おおげさだよ、ありす」 「いえ、そんなことないわ。きっとねちねちといわれるに……ああ、かんがえただけでも!!」 「ゆっくりおちついてね」 「おちついていられないわ!!」 「むきゅ、みんなおはよう! ゆっくりしていってね!!」 先生役のぱちゅりーの鶴の一声でみんなの会話は終わります。 「「「「「ゆっくりしていってね!!!」」」」」 遊んでいた子もお喋りしていた子も元気に挨拶を返しました。 まりさにとって、がっこうの授業は見識を広める場所として最適でした。 おうちの見つけ方や作り方、家具の設置方法やゆっくり間での倫理学。 真新しい知識に埋もれながらも時は経ち、まりさの周りにはゆっくりと友達の輪ができ始めました。 しかし、同時にゆっくりできないゲスなグループも現れるのががっこうの怖いところです。 ある日の放課後。一際小さい臆病ゆっくりなちぇんが不良グループに絡まれました。 「や、やめてねー」 「ゆふふ、そんなことよりゆっかーしようなのぜ! ちぇんはぼーるやくなのぜ!!」 ゆっかーとはサッカーのようでサッカーじゃないボールを蹴り飛ばしたりするだけの単純なゲームです。 本来ならそこらへんにある木の実をボールに使うのですが、不良グループの子供たちはちぇんをボールにしようというのです。 「たすけてほしいんだねー!」 ですが、誰も助けに来る訳がありません。不良グループに目を付けられたくないのですから。 それでもなお、目をきょろきょろと回すちぇんに哀れみを感じたまりさは動こうとします。 「まりさ、いっちゃだめよ!」 幼なじみのありすが止めました。周りのお友達も頷きます。 「がまんしないといけないのぜ」 「まりさがやさしいの、れいむしってるよ! でも、いっちゃだめだよ……」 身体の大きい年長のまりさがチビのちぇんを蹴り飛ばしました。 「い、いたいよー!!」 泣き喚くちぇんですが許しを乞う相手はサディステックに笑いました。 「ゆふふ! よわいものいじめはゆっくりできるのぜー!」 「でいぶもゆっかーするよ!」 「ちーんぽ!」 「むきょきょ! ぱちぇのこうあんしたゆっかーはゆっくりできるわね!!」 「めざわりなちぇんはゆっくりしないでね!!」 学校中で騒ぎ立てる不良グループに周りのゆっくりたちはゆっくりできませんでした。 しかし、異議を唱えることはできません。なぜなら、 「しょうらいおさになるまりささまにたてついたばつなのぜ!!!」 おさの孫であるまりさが不良グループのリーダーだからです。 親の前では良い顔をして弱いゆっくりには徹底的に強気な典型的なゲスゆっくりなのです。 「ちぇ、ちぇんはなにも!!」 「ちぇんのそんざいじたいがうっとうしいのぜ!!」 外聞を気にせず学校の中心で行われるいじめにまりさの我慢は限界でした。 「やめてね! ちぇんがかわいそうだよ!!」 友達の制止も聞かずにまりさは立ち上がったのです。このまりさ、“あたし”と言う癖以外は善良で精悍なまりさでした。 姉妹の中でも一番成長し身体もそれなりに引き締まっており、とにかく優しいゆっくりでした。 備考ですがゆっくりの体の成長や賢さは各々の我慢強さと密接な関係があります。 ストレスに弱い個体はうんうんやしーしーなどの量が増え体積が増えにくいのです。また、嫌な記憶も消去するので賢くないのです。 成長が早ければ1年以内に成ゆん化し、遅ければリーダーまりさのように2年経っても子供のままでいるのです。 成ゆん式という行事で大人になったかなっていないかの判別があるのですが、それはまた後で。 話は変わって、そんなまりさをあまり良い目で見ていなかったリーダーまりさは、いいカモが出来たと黄色い前歯をちらつかせながら近寄ります。 「ふーん、まりささまにたてつくのぜ? かくごはできてるのかぜ!!」 仲間のチンピラもまりさを囲うように集まって来ました。数の暴力を使おうと考えているからです。 しかし、まりさは言い放ちました。 「ゆゆ! おさのまごのくせにひとりじゃけんかもできないんだね!!」 「ゆあーん? なにいってるのぜ!!」 目配せをしながら周りのゆっくりたちを退かせ、リーダーまりさはまりさと一対一の状況に持ち込みました。 野次馬気取りの他のゆっくりたちは悲観するもの楽しむもの、ヤツを倒せと希望するものに別れていました。 「「「「「せいっさいせいっさい!!」」」」」 「「「「「まりさーがんばれー」」」」」 まりさより一際大きいリーダーまりさは強気な態度で投げかけました。 「かくごはできてるのかぜ!?」 「まりさはただ、ちぇんがかわいそうだからいっただけだよ!!」 「くずがどうなろうとまりささまのしったことではないのぜ!!」 「しょうらい、おさになるんでしょ! それなのにいじめはゆっくりできないよ!!」 「まりさのしょうっらいのむれにくずはふようなのぜ! まりささまがしゅくっせいしようというのだぜ! なぜそれがわからんのかぜ!!?」 「じぶんかってだよそれは!! みんなだっていっしょうけんめいいきているんだよ!! まりさ、なんでそれがわからないの!?」 「ふん、こどものざれごとなのぜ。こどもにはわからないおとなのじじょうってやつなのぜ!! ゆひゃひゃひゃひゃ」 幼稚なジャイアニズムを掲げるリーダーまりさに、まりさの堪忍袋の緒が切れました。 「いのちをだいじにしないまりさはくずだ!」 闘志に燃える瞳でリーダーまりさの目をみすめ、噛みつかんばかりに歯をむき出しにするまりさ。 しかし、そんなまりさを見下すリーダーまりさには妙な自信があるようです。 「くずがよくほえるのぜ。くずにくずといわれたところでまりさにはなんのいみもないのぜ!!」 「きさま、きさま、きさまぁ!!」 「なにをいってるのぜ? あらてのじゅもんなのかぜ? まりさしってるのぜ。おまえはのろわれたゆっくりだってしってるのぜ!!」 「ど、どうしてそれを……」 リーダーまりさの予想外の言葉にまりさはたじろぎました。 「ばばあのところにまりさがかよってるのをまりさしってるのぜ!!」 「それは!」 言葉遣いを矯正できたか心配でまりさは良くおさのところへ通いつめていました。 その姿をリーダーまりさに見られていたのでしょう。 「みんな! しってるのかぜ!? まりさはのろわれたゆっくりなのぜー!」 「やめろ!!」 「へんなことばをつかってみんなをのろうのぜ!!? ゆっくりできないのぜ!!」 「やめろぉ!!!」 言われたくなかった言葉。そして、自分のことを冷ややかに見始めた周りのゆっくりたち。 姉妹たちはやってしまったかと頭を抱えました。 そして、何よりもまりさは動揺を受けて怯えている友人に申し訳がなかったのです。 「あ、あたしは!!」 あまりのことにブレーキの外れてしまったまりさは素に戻ってしまいました。封印してしまっていたものが解け始めたのです。 「あたしはのろわれてなんかいない!!」 「なにをいいだすのかとおもえばのろいのことばなのかぜ!? そんなものでこのまりさがたおせるとおもっているのかぜ!!」 「それはちがう!! あたしはまりさだ。あたしはあたしだ!! それのなにがわるい!!」 いままで心の中に溜め込んでいたものを吐露しました。自分のことを自分と言えない鬱屈をバネに言葉が飛び出たのです。 「あたしはおまえをゆるさない!」 「のろいにたよるおまえなんかまけるわきゃねぇのぜ!!」 その言葉を引き金にまりさ達は一斉に駆け出し、頭をゴッツンコ。 「くぅ!!」 「ゆぎぃ!!」 衝突時の反動にこらえながらもまりさはリーダーまりさを睨みます。 「どうしたのぜ!? もうこわくなったのかぜ!!」 喧嘩馴れをしているリーダーまりさは痛みに強かったのです。 それとは逆に喧嘩が初めてのまりさは生まれ持った根性で痛みを補いました。 「ま、まだまだ!!」 再度、定位置に戻りもう一度走って頭をぶつけます。歯を食いしばり、迫り来る痛みと対決です。 「この! この!!」 爺のファックよりも覇気のない破裂音が響きます。ですが、十合を越えた所でまりさは気絶しました。 「「「「「………」」」」」 壮絶な戦いに周りのゆっくり達はただただ唖然とするばかり。 その中にはリーダーまりさの取り巻きたちが勝者を称えに駆け寄ります。 「まりさ! かっこよかったよ!!」 「やっぱり、りーだーはとかいはね!!」 久しぶりの強い疲労にリーダーまりさは荒い息で答えます。 「と、……とうぜんなのぜ!」 一歩違えば自分が敗者だったかも知れない。脳震盪に近い症状が起きているリーダーまりさはおぼつかない足取りでまりさの元に近づきました。 「へ、へへ……しょせんくずはくずなのぜ!」 リーダーまりさの顎の下から透明な液体が放射されました。しーしーです。 ゆっくりは喧嘩に勝つと相手を負かした証拠としてマーキングをするのです。 基本、排泄物にはゆっくりのみが感じる強い刺激臭がし匂いに敏感なゆっくりにとっては敬遠したいもの。 それを擦り付けるということは敗者をとことん陥れるというスポーツマンシップなどを掲げる人間のプライドとは逆の行為を行なっていると言えるでしょう。 ゆっくりはとことん他ゆんを陥れるのが好きな生き物なのですから…… 「でいぶもやるよ!」 「あら、とかいはなありすもやるわよぉお!!」 「すこしたまってたんだよーわかれよー」 「むきょきょ! けんじゃのせいすいをあじわえるのよ! かんしゃしなさい!!」 取り巻きたちも混ざり合ってしーしーかけ大会が始まりました。ポタポタと帽子の上から水しぶきが弾かれます。 「「「「「ゆひゃひゃひゃひゃ!!!」」」」」 「「「「「……………」」」」」 周りを囲んでいるゆっくり達は恐怖で何も言えませんでした。 帽子の上にしーしーをひっかけられたのが不幸中の幸いでしょう。帽子なら水で洗ってしまえば済むことです。 これが肌に直にひっかけられたらふやけた皮としーしーが入り混じり臭いが一生取れなかったかも知れません。 また、皮がふやけると皮膚が歪な形になり身体障害が起こる可能性だってあったのです。 「これにこりたらにどとはむかうんじゃないのぜ! ゆひゃひゃひゃ!!」 そう言い捨てるとリーダーまりさ達はその場を去って狩場へと向かいました。 「………」 気絶しているまりさは何故か涙が流れました。 しーしーが流れた跡でしょうか? 負けたからでしょうか? それとも分かり合えなかったからでしょうか? 自分のために屈辱を味合わされているまりさをちぇんは潤んだ瞳で見るだけでした。 友人たちに介抱されているまりさとは別に、リーダーまりさは狩場もとい、きのこが生い茂った木々の間でかりをしていました。 「まりささまははやくびっぐなおとなになるのぜ!!」 かりをすれば早く大人に認めてもらえるという浅知恵でかりに勤しむのです。 まりさは群れの中では子供のまま。体は大人になりつつあるがそれに伴う知識を得ようとはしませんでした。 学校では授業を聞かずに弱いものをいじめ、飽きればゆっくり睡眠をとる。 そんな怠惰なゆっくりに明日があるのかと言われればそんなものはないでしょう。 ですが、無駄に肥えたプライドが他ゆんを見下し自分は他ゆんよりも上の存在だと錯覚を覚えさせます。 リーダーまりさはおさになりたい。おさになって全てのゆっくりをどれいにしてゆっくりの一大王国を築きあげる。 まりさに賢い所があるとすれば、順序を踏まなければならないということがわかっていることでしょう。 大人たちを支配するためにはまずは認められなければならない。 その為の前段階として大きくて水玉模様の赤いキノコを口に咥えるのです。 「ゆふふーまりささまはかりのてんさいなのぜー!!」 狩場の中心に誰から見ても分かるところにそのキノコはありました。 普通ならそのキノコを敬遠するでしょう。誰も手に触れなかったということを考えれば。 だが、まりさは愚かです。人を見下してなんぼの世界にいるゆっくりなのですから。 「むれのれんちゅうはふしあななのぜ!!」 「そうだねーわかるよー」 「むきょきょ! このもりのけんじゃであるぱちゅりーさまがいないとなにもできないくずだわ!!」 「でいぶ、はやくそのきのこさんをたべてみたいよ!!」 「しんぱいせずともおまえらにわけてやるのぜ!!」 「「「「「ゆわーい!」」」」」 リーダーまりさはキノコの傘の部分をちぎって取り巻きたちに与えます。 これが危険なキノコだと誰も分からなかったという点、類が友を呼ぶといえば良いのでしょうか。 傘のなくなったキノコをリーダーまりさがその他の傘の部分を取り巻きたちがむーしゃむーしゃしました。 「お、おいしいんだねー!!」 「むきょ!! こんなにおいしいきのこははじめてよ!!」 「でいぶ、もっとむーしゃむーしゃしたいよぉおおお!!!」 「とかいはなあじだわ!!!」 「さすがまりささまなのぜ!!」 「「「「「ゆっひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ」」」」」 舌鼓を打ちながら笑いあうリーダーまりさと取り巻きたちはその笑いを止めることは一生かないませんでした。 ここはおさぱちゅりーが病室として柔らかい土壁をほった穴蔵。そこにはおさぱちゅりーと子ゆっくり達の親が集まっていました。 「「「「「ゆっひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!!!!」」」」」 群れ中に響く笑い声。涙を流しながら笑い続ける子供ゆっくりにおさぱちゅりーは自分のもみあげで額を支えました。 「はぁ、これはもうておくれね」 「「「「「ゆひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!!!」」」」」 知識があるゆっくりならこの症状が何であるかわかります。ですが、リーダーまりさの母、おさぱちゅりーの娘はわかりませんでした。 「どういうことなのぉおお!! おかーさん、はやくぱちぇのかわいいまりさをなおしなさい!!!」 「むりよ、まりさはどくきのこさんをたべてしまったのよ」 「むきゃー!! いいからなおしなさいぃいいいい!!!」 「そうなのぜ! はやくまりさをなおしてね!! いますぐでいいよ!!」 「「「「「そうだそうだ!!」」」」」 子ゆっくり達の親は口うるさくおさぱちゅりーを問い詰めますが無理なものは無理です。 肉薄するゆっくり達にうんざりしながらも繰り返し言葉を重ねます。 「だから、むりなのよ!!」 「「「「「うるざいいいいい!! はやくなおせぇええええ!!」」」」」 癇癪を起こすゆっくり達に火に油を注いだだけです。 どうすれば良いのかと思っていたところに親に連れられたある子まりさが言いました。 「まりさしってるのぜ。まりさたちはのろいにかかったのぜ!!」 「「「「「のろい!!???」」」」」 「むきょ!?」 のろいという言葉におさぱちゅりーの娘はピンと来ました。おさの元によく通っていた良く分からない言葉を使うあのまりさ。 「あ、あのまりさのこと!?」 「そうなのぜ、まりさはまりさとけんかをしたときにのろいのことばをつぶやいてたのぜ!! じぶんがまけたからってひきょうなのぜ!!!」 リーダーまりさの取り巻きの一人を姉に持つ子まりさは、皆が笑い転げているのはのろいのせいだ。子まりさは頑なに信じていたのです。 「ゆぐぐぐ、あのくそまりさぁあああ!!!」 「ちょっとまちなさい!!」 子まりさの言葉を真に受けて信じきっている両親たちにおさはギョッとしました。 「「「「「ゆ、ゆるせないぃいいいい!!!!」」」」」 「「「「「ゆひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!!!」」」」」 「お、おちつきなさい!!!!」 「「「「「おちついてられるかぁああああああ!!!!」」」」」 「いいからききなさい!!」 喧々囂々のこの場においておさぱちゅりーは歯止めが効かないと判断し、想定できる行為を止めるために最後の言葉を言い残しました。 「もし、まりさをせいさいしたら、ぱちぇはあなたたちをせいさいしなくてはならないわ」 「「「「「どぼじでぞんなごというのぉおおお!!!!???」」」」」 「あたりまえよ! だって、どくきのこでしんだのがわかっているのにのろいのせいにするのはおかしいわ!!」 「「「「「でも!」」」」」 「でももげばもない。きそくをやぶったらせいっさいよ!!」 「「「「「ゆぎぎぎぎ!!」」」」」 納得できないといった表情で子供たちを見守り始めた両親たち。そんな姿を見ておさはまりさのことを考えました。 「むきゅ、これはまずいことになったわ……」 おさはまりさのことを気に入っていました。自分の言ったことをグングンと飲み込む明瞭さに加えてとても素直。 どうしようもなくゲスに近づいていく孫よりも可愛いく、本当の孫のように思っていました。 きっと、おさになれる。おさ候補としても有望で、有望だからこそ弱みを握られたくなかったのです。 ですが、子まりさによって全てがバラされてしまいました。 なんとか、せいっさいのムードを打ち切ることには成功しましたが、今後まりさがどう見られていくのかは容易に予想がつきます。 「まりさ……」 「「「「「ゆひゃひゃひゃひゃは…ひゃ…ひゃっ!」」」」」 「「「「「お、おちびちゃんんんんんんんん!!!!!!」」」」」 群れ中に響いた笑い声は子ゆっくり達の命の終わりと共に幕を閉じたのです。 夜行性の動物が活発化する月の綺麗な夜でした。まんまるお月様の下、まりさは川で自分の帽子を洗っていました。 「ゆー……においがおちないよ」 サラサラと流れる緩やかな、まりさの心を反映したかのように流れる川はとても静かでした。 「わたしは、わたしなのに、どうしてわたしじゃないの?」 ちゃぷちゃぷと川の水を飲み込みながら吐き出す帽子。いっこうに落ちない臭いがまりさの鼻を刺激します。 「くちゃいよぉおおお!」 例の不良グループにかけられた小便の臭いが中々落ちません。どうしたものかと考えていたらあることを思いつきました。 「く、くさいさいさんなら、べつのにおいをつければいいんだよ!」 思いついたが吉日、まりさは川に漬けていた帽子を取り出し、それを砂埃の多い地面に帽子をこすりつけました。 「ずーりずーり。つちさんのにおいならばれないよね!!」 帽子が傷つかないように丁寧にまりさは帽子に砂をまぶします。これで土っぽい臭いのワイルドなゆっくりに様変わりです。 「ゆー、あたしはあいであまんだね!!」 茶色く薄汚れた帽子は少しゆっくりできませんでしたが、まりさは少し誇らしげでした。 「あたしはわるくない! ぜったいに!!」 自分をけなされて怒らない人はいません。仮にいたとしても、心の奥底では悔しがっているでしょう。 まりさは少しずつ、自我というものの芽生えに気付いて来ました。 <青ゆん編> 学校に通ってから6ヶ月が経ちました。秋口の見えてきた紅黄の世界が山を覆います。 「まりさ! きょうもとかいはね!」 「ありすも、きょうもとかいはだね!」 「まりさ、ゆっくりしていってね!」 「ゆっくりしていってね、だぜ!」 「ゆっくりしていってねーなんだねーわかるよー」 青空教室の門も門番もいない入り口で、まりさは友だちに囲まれました。 以前と少し違う点は友達が少し増えたことです。あの時、助けたちぇんもその一匹です。 「きょうもいっしょにおべんきょうしようね!」 元々のリーダー気質のせいか、まりさを中心とした友達の輪が出来上がりました。 だれにでも優しく、寛容なまりさは誰にでも好かれる、というわけではありません。 「ひーそひーそ! あの、まりさがきたよ!!」 「ひーそひーそ! のろいのまりさだよ!!」 不良グループの両親たちが広めたゆっくりできない噂で、まりさへの怪訝な視線が増えたのです。 「ゆっくりきにしないでね!」 「ゆ、ゆん!」 気にしないでね、そんな言葉にまりさはあまりゆっくりした気持ちにはなれませんでした。 なぜなら、自分の癖を知っていてそれでも付きあおうとしてくれる仲間たちに感謝しつつその反面、疑心暗鬼なところもあったからです。 やはり、自分のことを認めてくれるゆっくりなんていないのだろうか。そんな思惑が餡子の身体を駆け巡ります。 放課後、仲間たちと一緒にらぐびぃをしようと広場に出かけた時に、まりさは先生ぱちゅりーに呼び止められました。 「むきゅ、まりさはそろそろおとなのかいだんをのぼらないといけないわ!」 「それって、ぎしきのこと?」 まだ、1年も経っていないまりさには眉唾ものでした。なぜなら、1年以内に大人になったゆっくりはそうそういないからです。 いたとしても、それはおさぱちゅりーや先生ぱちゅりー等、聡明なゆっくりしかいません。 自分が、優秀だと言われているようなものですから、まりさには少し信じがたいものでした。 「でも、まりさは」 「ちょっとおかしなだけで、まりさはりっぱなせいゆんよ!」 「そういってくれるのはうれしいけど」 「なら、ぎしきをうけなさい」 「でも、まだまりさはこどもだよ!」 まりさは自分のことを子供だと思っています。親に保護され、与えられるものを享受する子供のままだと。 しかし、現実は子供の時間を奪っていくものです。 「まりさ、あなたはおかあさんやおとうさんのおてつだいをしてるらしいわね」 「そうだよ」 「どちらもおとなのようにきちんとこなしているわ。まりさはじしんをもっておとなであるといってもいいのよ」 「ゆぅ……」 まりさは困惑しました。大人になるのは遅かれ早かれおとずれることです。 しかし、大人になるということは自由と共に自己責任を伴うものです。 大人になるのが怖い。そう感じる感性も正しいし、大人になるのが楽しみなのも正しいです。 ですが、まりさは前者です。それに、一匹だけ大人になるのって悲しいと思いませんか? 「まりさはみんなといっしょにおとなになりたい」 ぱちゅりーは横に首を振って答えました。 「むりだわ。だって、あなたはせいっじゅくしてしまったのだから」 「ゆぅ……」 ぐうの音も出ません。 「ぎしきはそうね……あしたにでもとりおこないましょうか!」 「ゆゆ!?」 「ぜんはいそげっていうらしいし、はやいことにこしたことはないわ!」 「ちょ、ちょっとまってよ!!」 「いいえ、またないわ!」 急なことで、まりさはすこしパニックを起こしました。 「ど、どぼじで!?」 目を真ん丸く回しながら、あたふたと地面にもみあげを叩きつけます。 「もともと、せいゆんしきはあしたってきまっていたのよ」 「きゅうすぎるよ!」 「あら、まりさはまわりをかんさつできるこだとおもっていたわ」 「ゆゆ? ゆ、……そういえば」 「でしょ? まわりのじょうきゅうせいたちがはしゃいでいたのはそのせいよ」 学校で上級生たちが何かを作ったり、歌の練習をしていたのを思い出しました。あれは、せいゆんしきのお披露目のためだったそうです。 「でも、あんしんして、あなたはなにもしなくていいから。したいなら、べつにかまわないけど」 「きゅうすぎて、なにがなんだかだよ」 「おとなになるのって、そういうものよ。それじゃ、あとはがんばってね! むきゅ!」 言い終わると先生ぱちゅりーは自分の家へと帰って行ってしまった。 ぽつんと取り残されたまりさは呆然とあることを考えていました。 大人になるということは、結婚も視野に入れないといけないということを…… 次の日、太陽がこんにちはをして東から西に昇ろうとした時に、まりさは幼なじみのありすを川岸に呼び寄せました。 ありすは、まぶたをパチクリさせながら眠たげな表情でまりさに問いかけました。 「あさはやくによびだすなんてとかいはじゃないわ……」 大きなあくびをするありすですが、大人は皆、いそいそと働いている時間です。 まりさもいつもなら両親の手伝いで慌ただしい朝を迎えるのですが、子ゆっくりは違います。 朝食を得るために新鮮な草花を取らなくて良い、朝食を盛り付ける為に食器の用意をしなくて良い。 ただ、子ゆっくりは親の愛情をめいいっぱい受けてゆっくりするのです。 まりさよりも一回りも二回りも小さいありすはそんなこととはつゆ知らず、 いつもなら惰眠を貪っているのに、叩き起こされたことに少し苛立ちも感じていました。 「はっきりしてね! ありすはとかいはなにどねをたのしみたいのよ!」 「ゆん、……わかった。いちどしかいわないからぜったいにききのがさないでね」 まりさは深呼吸をして体を伸び縮みさせます。一度二度三度。 「ふぅ……」 体を縮め、力を貯めこみ、それを吐き出すかのように告白をしました。 「まりさは、ありすといっしょにゆっくりしたいよ!!」 「え……」 水の音が静かに響く空白の時間。ありすはまりさの告白に度肝を抜かれました。 「そそそそそそれって!!」 口を軽く開けて驚きの表情を見せるありすにまりさはもう一押しの言葉をそっとつぶやきました。 「ありすのこと、ずっとすきだったよ!」 “わたし”という自分をいつでも見捨てないでいてくれたありす。皆に陰口をたたかれてもずっと友人でいてくれたありす。 苦楽を共にしてくれたありすにこそ、自分の人生を投げ出す価値がある。まりさにはそう思えたのです。 だからこそ、ありすの人生が欲しい。ありすが欲しい。そう思えたのはありすただ一匹です。 「で、でも、けっこんだなんて、はやすぎるわ!……とかいはなていあんだとおもうけど」 「たしかに、ありすにとってはまださきのはなしだとおもうよ。でもね、まりさはそうじゃないんだよ」 「それって、どういうこと?」 「まりさはね、きょう、せいゆんになるんだよ!」 「……ゆゆ?」 ありすは頭の上にクエスチョンマークを浮かべながらまりさの話を聞きました。 「まりさはね、せいゆんしきにでておとなになるんだ。だから、ありすとははなればなれになるんだよ……」 「きゅうなはなしね……どうしてもっとはやくしてくれなかったの!!」 感情のまま、ありすは怒鳴りました。事の重大さが朧気ながらにわかったからだそうです。 「しかたなかったんだよ……きのう、せんせいにいわれて」 「だからって、それは……」 「だからね、まりさはやくそくしたいんだよ」 「それってどういうこと?」 ありすは再度、眉を顰めてまりさの言葉の不明瞭さを感じます。 「つまり、まりさはありすがおとなになるまでだれともつきあわないってことだよ!!」 「ゆゆ、ということは……」 「まりさのこんやくゆんになってほしいんだよ!!!」 「…………」 「あ、ありす?」 ありすは無い頭を絞って考えました。風で枯れ葉が擦れる音が漂い、まりさの心をチクチクと刺激します。 自分の思いはきちんと伝えた。それだけでもまりさは満足でした。 でも、出来れば、出来ればまりさはイエスと言って欲しい。 「きょうのせいゆんしきがおわったらちゃんとこたえをだすわ」 「……ゆっくりりかいしたよ」 ありすは自分の言いたいことを伏したままその場を離れて行きました。まりさはその場でありすの後ろ髪を見守りました。 せいゆんしきはお昼に行われました。皆が集まる広場の真ん中で円を描くように新せいゆんが集められています。 その円から少し離れて、これまた円を囲うように回りには新せいゆんの両親や兄弟、友人がいました。 新せいゆん達は各々の思いを込めて胸を張り、開催式の幹事長であるおさぱちゅりーを待っていました。 「ねぇ、あのまりさって……」 「そうだよ、のろいのまりさだよ……」 そんな最中、わたしまりさは何をするわけでもなく、ただぼーと空を眺めていました。 白い雲がゆっくりと進む様をただ眺めていたのです。 「むきゅん、みんなゆっくりしていってね!!!」 「「「「「ゆっくりしていってね!!!」」」」」 長の声が広場を席巻します。ぱちゅりー種が大声を上げるくらいに気合が入った式であるということがわかります。 開幕の挨拶が始まったと同時に、まりさは視線をおさの方に向けて、今までのことを思いふける作業をしました。 嫌な思い出から良い思い出まで。自分が呪われているというのにもかかわらず、自分を向かい入れてくれた家族や友人、おさ。 皆、とってもゆっくりしたすばらしいゆっくりでありました。そんなみんなに囲まれているまりさは恵まれているでしょう。 ただ、不満があるとすれば、それは…… 「それでは、きょうはせいゆんのぎしきをとりおこなうわ! そのまえに、よきょうをはじめましょう!!」 考え事をしていると、れいむたちが前の方に集まって行きました。 「「「「「れいむたちはうたうよ!!」」」」」 トップバッターを飾るのは複数のれいむでした。彼女たちは自分たちで作った歌を合唱し、回りにいる親族の涙腺を刺激しました。 「「「「「ちぇんたちはだんすをおどるんだねー!!」」」」」 れいむの歌を背景にちぇんはぴょんぴょんと跳ねたり、尻尾や耳を動かしたりして見せました。 「「「「「ありすはみんなのはなかざりさんをつくったわ」」」」」 そういえば、まりさにも花飾りが手渡されつけるよう命令されたことを思い出しました。 ボケェとしていたので、気付くのが遅れ、急いで帽子のリボンに取り付けました。 良く見たら、とっても意匠の凝ったすばらしい花飾りでした。この花飾りならきっと、皆綺麗に映っているでしょう。 「「「「「みょんははくろーけんをみせるみょん!!」」」」」 木の枝を取り出したみょん達は、その剣を規則正しく口で振り回し、勇ましい姿を見せました。 「「「「「まりさはみんなのごはんさんをとってきたのぜ!!」」」」」 最後のトリと言わんばかりに円を描いていたまりさ達は前に飛び出して行きました。 すると、中央に色とりどりのご飯が隠されていたのです。もちろん、まりさも協力しています。 「「「「「ゆっくりしていってね!!!」」」」」 皆の歓声とともに、せいゆんしきは盛り上がりを見せました。まりさも考え事を振りきって祭りに行じることにしました。 夜の帳に包まれて祭りが終わる頃に、まりさは満足した気持ちで川原にいました。雲ひとつない星空を見上げながらふと、足音を聞きつけました。 「まりさ……」 その声は、今朝プロポーズしたありすでした。ありすは眉をひそめた顔をしてやってきたのです。 「ど、どうしたの……もしかして、……」 「ちがうわ! ただ、まりさがおとなになってしまうだなんて……ありすなんて、こどものままで……」 「あ、ありすはせいゆんしき、はじめてだもんね!!」 「そうね、あんなにりっぱで、とかいはだとはおもわなかったわ……」 ありすには大人に成るということがよく分かっていなかったのです。いわば、自立するということを。 子供の頭でありすは必死に考えました。大人になって、まりさと一緒にいることがどれほど幸せで、大変か。 「ありがとう、ありす! そういってもらえるとうれしいよ!!」 「そうね……だから、ありす、はやくおとなになりたい」 「そ、それって!!」 「おとなになって、ありすはとかいはなれでぃになって、まりさとけっこんするわ!!」 「ありす……でも、まりさがいうのはなんだけど、まりさはのろわれたゆっくりなんだよ?」 「それでもかまわないわ。ありすがえらんだみちだし、すきでえらんだみちなの。それにけちをつけられるいわれはないわ!!」 実はありすも悩んではいたのです。まりさは呪われたゆっくりとして、群れで知らないものはいませんでした。 きっと、両親だって結婚を反対するだろう。もともと、友達関係で居たことすら拒否反応を示した親なのですから。 しかし、ありすは知っています。まりさは優しく、強いゆっくりであることを。 だから、自分は好きなんだと。どこか、他のゆっくりとは違う奥深さを持ったこのまりさに。 「わ、わたし、うれしい……なんていったらいいかわからない……」 「まりさ、わたしはあなたとであえてうれしかったわ」 「わたしもだよ……ありがとう、ありす」 皆がいない暗い場所。それは、二人だけの空間。月光の照らされる元で、影が重なりあいました。 <成ゆん編―旅立ち―> いえは自分で借りるもの、受け継ぐもの、作るもの、買うものである。 一人暮らしを始めたまりさは最もポピュラーな木の根本に穴を掘って家を作りました。 将来、二匹と子供達が暮らせるように広く作っておいたのです。 群れの一員として、テリトリー内での狩りを行い、将来の貯蓄を溜めながら細々と暮らしていました。 そんな最中、おさぱちゅりーが寿命で死にそうになっていました。隣の群れのえーりんを持ってしても、その病は治りませんでした。 ですが、おさぱちゅりーは気高く振る舞い、皆に心配をかけまいとしています。 そんなある日、まりさはぱちゅりーに呼ばれました。それは、最後の遺言だろうと、まりさは気付いていたので、急いで、おさぱちゅりーの元へ飛んで行きました。 おさぱちゅりーの家はまりさのものとは比べ物にならなく広い家です。洞窟を改善した家でした。そこは代々、おさが住む家なのです。 群れのシンボルとして存在するその場所には沢山のゆっくりが各々談話をしたり、集まる場所でもあります。 だから、まりさがやってきたことで、白い目で見るゆっくりもいました。ですが、まりさは気にしません。 おさは枯れ草のベットに包まれながら寝ていました。頬はげっそりとしてい、吐瀉物が部屋の片隅に置かれていました。 「む、むきゅ……まりさ……ひさしぶり……ね。せいゆんしきいらいかしら」 「おさ、だいじょうぶ!?」 「ええ、だいじょうぶよ。さっき、はいたからすこしからだがらくだわ」 「それって、だいじょうぶじゃないよ……」 まりさは本当に心配でした。自分が一番尊敬していたおさがこんな姿になっているとは思ってもいなかったからです。 もしかすると、自分の呪いを常に受け続けたせいじゃないかとも思えるくらいに。 「いっておくけど、まりさののろいはうそよ。そんなものそんざいしないの」 「えっ?」 子供の頃からずっと自分の悪い癖が呪いであると教えられてきたまりさには初耳でした。 確かに、自分の悪い癖“わたし”が呪いであるものかと考えたことがありますが、呪いでない証拠がない以上、呪いの可能性だってあったのです。 それについて、まりさはずっと悩んでいました。 「まりさは……わるくないの?」 「そうよ、まりさはわるくない。ごめんなさい、まりさをまもるためにはそういわなければならなかったの」 「まりさをまもるため? ……そうだね、こんなへんなこというの、まりさだけだもんね」 「わかってくれてうれしいわ。でも、もうあともどりができないようになってしまってごめんなさい……げほっ、げほっ!!」 「おさ!!」 「まりさ、きいて!」 近寄ろうとするまりさを静止したおさぱちゅりーは体を落ち着かせてから、言葉を発しました。 「まりさ、あなたにはふたつのみちがあるわ。へいぼんにくらすか、しんじつをしるか」 「し、しんじつ!?」 「ぱちぇにはわからなかったことなら、にんげんさんならしってるわ」 「にんげんさん……」 人間という言葉にまりさは不快感を覚えました。会ったことはないけれど、それは体に流れる記憶なのか。 まりさは人間というものが恐ろしい生き物であることを感じていたのです。 「にんげんさんはゆっくりにようしゃがないわ。でも、ゆっくりよりもちしきがあるのよ」 「おさよりも?」 「むきゅきゅ、わたしなんてちっぽけなそんざいよ。もりのけんじゃとよばれたけど、そんなことはないわ」 「おさは、おさは、けんじゃだよ!!」 「ふふ、ありがと。でもね、にんげんさんはものしりで、あなたをたすけてくれるかもしれない。でも……」 「でも?」 「にんげんはこわいわ。ゆっくりよりもちからがつよく、ようしゃがないの」 「なんとなくわかるよ……」 「まりさ、いまからいうことはぜったいにむれのみんなにはおしえてはだめよ」 「ゆっくりりかいしたよ……」 「まりさ、しんじつをしりたければ、やまをおりなさい。そして、はたけさんをつくっているにんげんさんにあうのよ。」 「はたけさん!!」 畑とはゆっくりにとって極上のゆっくりプレイスです。そんな場所が山を降りると存在するなんて。まりさは驚愕しました。 「けっして、はたけさんのおやさいをたべてはいけないわ。そうすると、にんげんさんはおこるのよ」 「どうしてなの?」 「たとえば、あなたがいえのたべものをほかのゆっくりにたべられるとどうおもうかしら?」 「それは……」 「そういうことよ。ただ、たいていのゆっくりはそれをりかいできなくて、にんげんさんにころころされるの。」 「おろかだね……」 「そうよ。ぱちぇたちはおろかなの。じぶんのことをなにもしらない!! まったく、ばかげているわ」 そう言うと、おさぱちゅりーは頬に涙の線が走りました。あの、立派なゆっくりが泣くなんて、まりさは驚かざるを得ませんでした。 「ぱちぇはなにもしらないまましぬの。それがくやしい!!」 「でも、すべてをしることなんて――」 「わかってるわ。わかってるけど、こわいのよ」 身震いをするおさぱちゅりーにまりさは初めて死というものを知りました。 「まりさ、まりさにはしにゆくゆっくりのきもちはわからないわ。それは、しぬときにわかるものよ」 「まりさのし……」 「よく、おききなさい。しぬまえにゆんせいをまんきつすることがゆんせいのこつよ。ぱちぇにはできなかったから、あなたなら!!」 「わかったよ、おさ」 体から散っていく枯れ草をかき集め、まりさはぱちゅりーの体に纏い付かせました。 「わかってくれたのね。あなたがつぎのおさなら、わたしはあんしんしておさをつがせられたのにっ!!」 歯噛みするぱちゅりーにまりさは微笑みました。 「しかたないよ、おさ。まりさはみんなにうらまれてるから」 「そうさせたのはぱちぇなのに……っ!!」 「ちがうよ、おさはまりさをまもってくれたんでしょ?」 「だけど!!」 「わたしは、こうかいなんてしたことがないよ。だって、すべてがさいりょうのほうこうにむいているから!!」 「さいりょうのほうこう?」 「ゆんせいとはつねにぜっこうのせんたくをしていくものなんだって、まりさはおもうんだ」 「ふふふ、たしかに、せんたくしにまちがいはないのかもしれないわ。でもね、せんたくをまちがってしぬゆっくりだっているのよ?」 「それがうんめいなんだよ」 「……まりさ、そのかんがえはすてなさい」 「どうして?」 「うんめいなんてこのよにそんざいしない。それはあてつけよ。まりさ、あなたはじゆうなの!!」 「じゆう……か。そうだね、わたしはじぶんのみちをいくよ」 「そうしなさい……これで、あんしんして、しねる……」 そう言うと、おさぱちゅりーは気絶するように眠りました。まりさは、静かにその場を去って行きました。 「さよなら、おさ」 その数日後、おさぱちゅりーは安らかな顔で死にました。その顔は、すべてを受容したかのように。 「まりさは、たびにでるよ」 両親と姉妹にそう伝えると、まりさの家族は大いに驚きました。 「どういうことなの、まりさ!?」 母れいむはまりさの固い決意を不思議に思いました。 「まりさは、たびにでてしんじつをしろうとおもうよ」 「しん……じつ?」 「まりさはどうして、わたしなのか……」 「でも、それはのろい――」 「おさがおしえてくれたよ、あれはおさのうそだって」 「れいむも、まりさも……しってるよ……」 両親のしょげる顔に、更に驚いたのは姉妹たちでした。なぜなら、まりさは本当に呪いを持ったまりさだと信じていたからです。 「どういうことなの、おかあさん? まりさはのろわれたこじゃなかったの!?」 「そうだよ、まりさをまもるためについたおさのうそだよ」 「そ、そんな!?」 「そ、それじゃあ、まりさはちしょうだったの!?」 「ちがうよ! ちょっとへんだけど、ゆっくりしたよいこだよ!!」 「だよね、そうだよね!! まりさごめん、ずっと、おそとでは、はなしかけられなくて」 姉妹は普通に話すことはあっても、仲良く話すことはなかったのです。特に、世間体を来にして外では会話すらしなかったとか。 一匹の姉れいむが泣きながらまりさに独白しました。 「れいむたちはね、まりさのこと、ずっとこわかったんだよ。のろいであのまりさがしんだってうわさがながれて……」 「いいよ、れいむ、まりさはきにしてない」 「でも!?」 「いいんだよ、もう」 「ゆぅうううう!!!」 姉妹たちの足元には小さな御池ができていました。それほど、姉妹の縁は強かったのでしょう。 ただ、呪いという言葉に騙されて、その縁が曇って見えなかっただけです。 「さいごに、おさはみんなにまりさのことはいわなかったよ。それは、たぶん、このむれからでたほうがいいってことなのかもしれないよ」 「どういうこと?」 「つぎのおさは、せんせいぱちゅりーがしてくれるからまずだいじょうぶだとおもう。 でも、のろいのことばじゃなくてしょうがいだとばれたら、たぶんまりさはせいっさいされるかもしれないよ。 『ゆっくりしていないゆっくりはしね!!』ってね。 それに、たとえのろいもちのままでも、やっぱり、ゆっくりしてないゆっくりとしてころされるかもしれないよ。 もともと、おさがのろいもちのまりさでもこのむれにいさせてくれたのはおさのちからがあったからこそなんだよ」 確かにと両親は頷きます。元はおさぱちゅりーに理解があったからこそ、まりさは今まで生きてこれたのです。 各々、感嘆する家族を見たまりさは、家の入口付近においておいた貯蓄していたご飯を半分に分けて持ってきました。 「まりさは、ありすとけっこんするためにためていたごはんだよ。ひもちするけど、ながたびになったらそうもいかないよ! だから、みんなにあげるね!! はんぶんはありすにぷれぜんとするよ!!」 「ま、まりさ……」 堰を切るように涙を流した両親は、これが今生の別れかもしれないと思うと泣かずにはいられなかったのです。 半分にした残りのご飯を帽子に入れて、ありすの家に寄りました。幼馴染のありす、それはまりさの若き日の頃の青春そのものといってもいいでしょう。 まりさは、別れを告げればいいのか、それとも楽観視してまた戻ってくると伝えればいいのか、わかりませんでした。 「とりあえず、あうだけあおう……」 まりさはその場の判断に任せることにしたのです。実のところ、うじうじ考えても結論が出なかっただけなのですが。 入り口越しからまりさは家の様子をうかがいました。すると、そこにはお寝坊さんのありすの影はなかったのです。 「ありす……はたらいてるよ」 ありすは不器用ながらもせっせと家族の手伝いをしていました。まだ未熟な体ではありましたが、一生懸命に部屋掃除をしていたのです。 「ありす……」 まりさには分かりました。ありすが早く大人になろうと頑張っていることを。それは、自分のためだということを。 「ん。あら、まりさ!」 こっそりと覗いているまりさに気づいたありすは入り口までやって来ました。 「へ、へんなところみられちゃったわね」 照れるありすにまりさは横に体を振って答えます。 「そんなことないよ。りっぱだよ、ありす」 「まりさにそういわれると、すこしおとなになったきぶんになるわ」 「ゆふふ、ありすはとかいはなれでぃになるんだもんね!」 「そ、そうよ! それまでがまんしてね……」 「うん……」 会話が途切れた二匹の間に沈黙が流れます。それは、親密だからこそ起きる、脳内での言葉選びの時間でした。 「あ、ありす!」 「な、なにかしら?」 まりさは、思い切って、思いをぶちまけることにしました。 「まりさ、たびにでようとおもうんだ!!」 「それは、どこまでなの?」 「いえないところまで……」 「となりのむれとかかしら?」 「ちがうよ、もっととおいところだよ」 「そう、それじゃあ、いってらっしゃい!!」 にこやかに笑うその姿に、焦ったまりさは言葉を継ぎ足しました。 「もしかすると、かえってこれないかもしれないんだよ!!?」 「だいじょうぶよ、まりさならなんとかなるわ!!」 「でも……」 モゴモゴと何かを言いたそうなまりさに、きっぱりとありすは答えました 「だって、まりさはありすのおむこさんなんだもん!! ぜったいに、かえってくるにちがいないわ!!」 「そ、そうだね。まりさはたいせつなはにーをのこしてしんだりはしないよ!!!」 「そうだよ!!」 「そうだよ!!」 気分がなんだか晴れやかになりました。まりさは心の何処かで挫けていたものが皆さっぱりなくなったのです。 帰ってくればいい、それだけのこと。まりさはなにをうじうじ悩んでいたのか。 本来のゆっくりが持つ極度の楽観視がそうさせるのか、まりさには光明が見えたかのような感じがしました。 「ありす、これはけっこんしたときのためのちょちくだよ……でも、これはありすがありすのためにつかってほしいんだよ!!」 「どういうことかしら?」 帽子から取り出した大量のご飯を見てありすは不思議に思い、問いました。 「ぜったいに、ふゆをのりこえてね!!」 「まりさはどうするの?」 「ふゆさんがこないところでせいかつするからだいじょうぶだよ」 「それって……」 「せんさくさんはよしてね!! まりさ、そろそろいくよ!!!」 「え、ああ、いってらっしゃい!!!」 まりさはそう言うと、ありすの家から出ていきました。 友達や知り合いに挨拶をしたら、皆、一様に驚きの表情を見せてくれました。ですが、最後には快くさよならを言ってくれました。 まりさは家に戻って支度をします。そして、数匹のゆっくりに見送られながら群れを旅立ちました。 <成ゆん編―遭遇―> まりさはおさぱちゅりーに言われたとおりに、山を下りました。川に沿って行けば、下流に人間がいると教えてもらったからです。 最初はなれない長距離移動で疲れたりはしましたが、持ち前の精神力でカバーし、なんとか旅行を続けられています。 3日も経つと、歩くのに慣れ、適度に体力を消費しながら移動できるようになりました。食べ物も川沿いの藪の葉っぱや落ち葉を食べ喰い凌いでいます。 4日目になると何とか下流が見えてきました。その近くには林や藪が見当たらず、何もない舗装された肌色の道路しか見えません。 「なんなの、このみちは!! とっても、きれいにととのっているよ!!?」 生まれてはじめて見る道路にまりさはびっくりせずに入られませんでした。 「これが、にんげんさんがつくったものなの!?」 所謂、カルチャーショックというやつでした。 まりさはこの道を歩きながら目印となる畑を探しました。途方もなく続くこの道はまりさに人間の凄さを知らされるものばかりでした。 「やはり、にんげんさんはゆっくりとはちがうちからのもちぬしだよ。これなら、わたしのしんじつもわかるかもしれない」 トコトコと歩いていると、向こうの方からびゅんと鉄の塊が走って来ました。 「ゆ、ゆゆゆ!!」 慌てて、まりさは道の端に逃げて難を逃れました。野菜を運ぶトラックが通ったのです。 「ゆっくりしてないよ……」 コレもまた、人間の物だということは分かりましたが、あまりにも早く動く車にまりさは怯えました。 「ゆゆゆゆゆ!!」 ですが、運が良かったのでしょう、念願の畑を見つけることが出来ました。棚から牡丹餅です。 「やったね、わたし!! これで、にんげんさんにあえるよ!!」 斜面を転がり落ちるように飛び降りて、用水路を跨いで、まりさは畑へと向かいました。 有刺鉄線で囲まれた畑の外周を回って、なんとか鉄線が張られていない入り口へと辿り着きました。 「ゆーん、これはきっと、おやさいさんをねらいにきたゆっくりをじゃまするためのどうぐだね」 そう考えながら、まりさは堂々と入り口へと足を踏み入れます。 「そうよ、ここはゆうかとおにいさんのぷれいすよ。だから、かってにはいってはだめなのよ!!」 まりさの背後から衝撃が走りました。緑の髪をした森では見慣れないゆっくり、ゆうかがまりさをどついたのです。 「ゆぐっ!!」 まりさは前のめりになって転がりました。丁度、大根のガッチリと太った根の部分にぶつかり止まりました。 「しょうこりもなく、きちゃって!! どうしてくれようかしら!!?」 「ま、まってね、わたしは!!」 「おやさいどろぼうはせいっさいよ!!」 衝撃で身動きが取れないまりさに、ゆうかは口に咥えたスコップの尖先を向けました。 「や、やめてね!!! わたしはただ!!」 言い終わる前に、まりさの腹部はパックリと裂けました。あたり一面にドボドボと餡子が流れます。 「げすはしになさい!!」 命が終わる。 「わた…し……しぬの……なに……」 まりさは目の前が徐々に真っ黒になりました。 <成ゆん編―農奴―> 曇り空が多くなった季節。それはすべての動物を無慈悲に寒がらせる冬。とある人間の広大な畑には、50匹程のゆっくりがいました。 そのゆっくり達は何かに怯えながら、作業をしています。慎重に、そして丁寧に。不器用なゆっくりながらも慣れた手つきで行います。 その背後にはゆうかがいました。育てているお野菜を食べないように監視する役目と、仕事のレクチャーをする役目です。 それは、4匹に1匹程度の割合でゆうかが配置されていました。 「こら、そこ、てをぬくな!!」 「ゆひぃいい!!!」 樹の枝で打たれたゆっくりは痛みのあまり、跳ね回ります。その姿を見て回りのゆっくりも恐怖を感じながらも作業に徹します。 そのゆっくりの中に、あのわたしまりさもいました。まりさは、辛うじて生きていたのです。 「ゆうか、おやさいさんのことなんだけど、このだいこんというのはいつでもはえてくるんだよね?」 他のゆっくりとは物怖じせず、ただ、監視役のゆうかと話していました。 「そうよ、とくにあきからふゆにかけてのだいこんはぜっぴんよ! あなたも、うれないだいこんをたべたでしょ?」 「うん、たしかにそうなんだよ。このだいこんがあれば、みんながやさいをそだてるぎじゅつがあれば、ゆっくりやにんげんはしあわせになれるんじゃないかって」 持論を展開するまりさにゆうかは自分の知恵をひけらかすように話しました。 それもそのはず、監視役のゆうかは全て金バッチなのですから、プライドがあります。 「それは、あなたがとくべつなのよ。ふつうは、りかいできないものよ」 「それもそうだね……ふとおもうんだけど、うれないやさいさんがでるというのがふしぎなんだよ。なぜ、にんげんさんはたべられるものをすてるの?」 「おかねのはなしになるはね、それは」 「おかね? ゆん、たしかほかのものとこうかんするためにつかうどうぐのことだね」 「ものおぼえがよくてうれしいわ。おかねがあるからこそ、おやさいさんをよりよくそだてられるためのどうぐをかえるのよ」 「なるほど、おしごとさんをわけているわけだね。ゆっくりにはそれができるほどかずがあつまらないし、ぎじゅつもないし…」 スポンジのように知識を吸収する様を見て、ゆうかはこのゆっくりは教えがいがあるなと感じました。 最初の頃は、何をするにいたって、質問攻めをして、鬱陶しいと思ったのですが、そのことを畑の持ち主である人間に報告したところ、 知ろうとするゆっくりには知識を与えて上げなさいと言われていたので、ゆうかは渋々教えていたのです。 時々、飼い主である人間のことが分からなくなるゆうかでした。他になぜこんなことをさせるのかと質問してきたゆっくりはことごとく、 自分のゆっくり理論を展開して、駄々をこねて仕事をやめようとしたからです。そういうゆっくりは死刑になります。それも、公開処刑です。 ですが、まりさは違いました。純粋に色々なことを聞き出そうとするのです。ヘタしたら、ゆうかでも答えられないことまでも。 「ん? ゆうかどうしたの?」 もみあげを器用に使って、如雨露で水撒きをしていたまりさが心配そうにゆうかを見つめます。 「ゆゆゆゆ、な、なんでもないわよ!!」 「ゆーん?」 ゆうかは顔を真赤にして背けます。まりさは熱でも出たのかなと心配そうにゆうかのことを見つめました。 「ぬぁああん、つかれたもうぅ!!」 いっぴきのれいむが屁をこきながら、“げっとー”と呼ばれる木製の長方体にできているタコ部屋に入りました。 「おならさんはやめてね!! くさいよ!!」 「そうだよ」 「あ、そうだ。おい、れいむぅ、しごとのときまりさのこと、ちらちらみてただろ?」 「なんでみるひつようがあるんですか?」 「あ、おいまじ、れいむさ。ちぇんたちがしごとしてたときみてただろーわかるよー」 「そうだよ」 各々、雑談を繰り広げながら、壁沿いに設置された自分の寝床に行きます。 一番奥は農奴ゆっくりの中でもリーダーが座れる場所です。わたしまりさはそこに居ました。 まだ2ヶ月ちょっとしか居ない新参者のまりさがリーダーの席に座れたのは、前のリーダーを蹴落としたからです。 というのは、前のリーダーであるまりさは暴力をふるい、皆のご飯を巻き上げ、取り巻きたちと分け与えるような屑だったからです。 そのリーダーまりさを倒したのはわたしまりさでした。手段は簡単、実力行使とゆうかへのちくりです。 子供の頃とは違い、まりさは喧嘩がとてつもなく強くなったのです。多分、捕食種にも劣りません。 ゆうかにやられたのは不意打ちで、正々堂々戦っていたらまりさが勝っていたでしょう。 まりさの強さに関しては後述で述べさせていただきます。 ともかく、懇意にしているゆうかに報告し、悪を掃除したことで、次のリーダーはまりさになりました。 「みんな、きょうもいろいろおはなしをきいてきたよ!!」 「ゆゆまりさのおはなしがはじまるのぜ!!」 まりさが声をかけると、一斉に部屋のゆっくり達が喜々とした表情でやってきます。 「それじゃあ、きょうはおかねさんについてはなすよ!!」 「ゆっくりりかいしたよ!!」 大統領演説のように、まりさは声を張り上げて、色々なことを話しました。 その話はゆっくりにわかりやすいように人間とゆっくりの違いについてを話すものです。 「ようするに、にんげんさんはおかねさんをつかってせいかつをしているんだよ!!」 「ごはんさんをあつめなくてもせいかつできるのぜ!?」 「もちろん。つくったものをおかねにこうかんして、おかねでごはんさんをかえばいいんだよ!!」 最初は野菜はどうやってとることが出来るかの演説をしたのですが、誰も見向きもしませんでした。 ですが、持ち前の熱血漢の性が働いて、一生懸命、噛み砕いて話すことにより他のゆっくりも理解するようになりました。 何度も何度も、同じ話を続けることはまりさにとって面倒でしたが、物覚えの悪いゆっくりにはしかたのないことです。 まりさは思うのです。相互に理解を進めていけば、無駄ないざこざは怒らないと。だから、まりさは啓蒙するのです。 「そろそろごはんだよー」 ご飯を運ぶ担当のゆっくりがやって来ました。持ってきた腐ったり傷んだり形が変な野菜の入ったご飯をまりさの元へ置きます まりさは均等にそれを配分しました。 「きょうもおつかれさま、ゆっくりいただきます!!」 「「「「「「いただきまーす!!」」」」」」 今日も一日お疲れ様。まりさはそう思いながら、目の前にある野菜を頬張りました。 所変わって、人間の家。畑の警護に武装したゆうかを半分残して、あとは人間の家でご飯を食べていました。 ご飯の内容は、げっとーのものとあまり変わりません。 「ゆうか、あのまりさとだいぶはなしてたけど、だいじょうぶ?」 「なんのことかしら?」 「とぼけちゃって……」 畑でまりさと話をしていたゆうかは何のことなのかさっぱりわかりませんでした。 「あのまりさ、なかなかかしこいのはしってるわ。それに、いけゆんだしね」 「そ、それがどうしたのよ!!」 「ほれたんじゃないの?」 「ば、ばかね!! あんなきほんしゅなんてわたしのがんちゅうにないわ!!」 ゆうかは頬を染めて体を横に振りました。ですが、内心、まりさに恋心を抱いているのかもしれないと懐疑的になりました。 「ゆうかはただ、まじめなゆっくりにべんっきょうさをおしえているだけよ……」 野菜が盛りつけられた皿に視線を集中させ、ゆうかは無心に野菜を食べました。 ゆうかは悩みます。まりさと顔を合わせるのが楽しくなってきていることを。そして、それが生まれて初めて持つ恋心かもしれないということ。 同じゆうか種に囲まれながら、凡百を支配しながら生きていた自分に対等で異種の存在が現れた。 それが、ゆうかにはショックでした。この気持に、ゆうかは正直になれるのかなと思います。 確かに、まりさは基本種で野良のゆっくりです。それでもなお、ゆうかには恋心を抱くに値するゆっくりだと思いました。 いつもの様に畑の労働をしている時です。ゆうかはまりさに話しかけられるより前に思い切って気持ちを打ち明けました。 「ま、まりさ! わ、わたし!!」 「ゆゆ、いいところにゆうかがきたね。ちょっと、おはなししてもいいかな?」 「ひゅい!?」 何時もと違うにこやかなまりさとは違い、至って真面目な顔をしていました。 もしかして、まりさもゆうかに何かを打ち明けたいのだろうか。ゆうかは心をドキドキと震わせて聞きます。 「ゆうか、まりさはね……」 汗が出てきました。まりさの顔が何時も以上に格好良く見えてしまうのです。 「にんげんさんにあいたいんだ」 「え?」 待っていた答えと違うことにゆうかは驚きましたが、更に驚いたのはまりさの発言の内容でした。 「まりさは、にんげんさんにあうためにこのばしょにきたんだよ。だから、あいたいんだよ」 「ゆうかのことは……あそびだったの?」 「え?」 「ゆうかより、にんげんさんにあいたいの?」 なんだか惨めな気がしてなりませんでした。ゆうかはどうしようもなく悲しくなったのです。 自分はまりさに惚れているし、惚れられていると錯覚を覚えたこと。そして、自分は人間さんと繋がるための道具にされたんじゃないかということ。 ゆうかの頭の中はぐわんぐわんと色々なことが重なって、それが嫉妬に繋がりました。 「どどどど、どうせ、ゆうかはまりさみたいなざこゆっくりなんかどうでもいいんだから!!」 「どうしてそんなにおこっているの!? まりさにはわからないよ!!」 「うるさいうるさいうるさい!! げすなまりさなんかしらない!!」 そう言うと、ゆうかは持ち場を離れて去って行きました。その日はゆうかを見ることはありませんでした。 「ということがあったの」 カーキ色のロングコートを来たおじいさんはゆうかの報告を縁側で聞いていました。 そして、報告が終わったゆうかの頭を撫でると、おじいさんは立ち上がりました。 「それは変わったゆっくりじゃな。私に会いたくて山を降りたゆっくりか」 「たぶん、おやさいさんをねらいにきたとかそんなんじゃないとおもうわ」 「じゃあ、なんじゃろうな? 少し興味が湧いてきたわい」 おじいさんはストレッチをして体をほぐしました。 「ゆうかは、まりさにかおむけできない……どうしたらいいの、おじいさん? ゆうか、ひどいこといっちゃった……」 悄気るゆうかは気持ちが安定しないのでしょう。どうしたら良いかわからないみたいです。 「それなら、一緒に謝ってあげるよう。それならいいじゃろ?」 「おじいさんといっしょならだいじょうぶかも」 人間さんならきっと大丈夫かもしれない。だって、ゆうかやその他のゆっくりを凌駕する知恵の持ち主だから。 そう思うとゆうかは少し心が楽になりました。 「まりさの場所へ案内してくれないか?」 「いいわよ!」 跳ねるゆうかの後ろをおじいさんはヨチヨチと使い古した長靴で追いかけました。その光景はまるで、孫とおじいさんの関係のようです。 おじいさんが作った“げっとー”。犬小屋を長くしたそれは、人間が入るには少しきついものでした。 なので、ゆうかに引き連れられるようにまりさは“げっとー”から出てきました。 もしかして、ゆうかに粗相をしたまりさがせいっさいされるのではないかと心配で“げっとー”の仲間たちも遠巻きなが見ていました。 「まりさ、初めまして。私は双葉敏夫というものじゃ」 「に、にんげんさんもわたしっていうの?」 まりさの言葉に疑問符を浮かべました。 「私がどうかしたかのう?」 今まで貯めてきた辛いこと、分からないこと、いろんな感情を込めてまりさは告白します。 「わたしはまりさだよ! わたしはわたしなんだよ!! どうして、わたしはわたしなの!!?」 “わたし”という言葉を使うまりさにおじいさんは驚きました。 「珍しいのう。古代種でもあるまいし。中身だけ古代種なのか?」 「にんげんさんはわたしのことがわかるの?」 縋るような目つきなまりさにおじいさんは少し困った表情を浮かべました。 「すまんが、私にもわからんことはあるんじゃ……これでも昔はゆっくりの研究をしていた身ではあるがのう……」 「そんな、にんげんさんにもわからないの……」 望みが絶たれた思いがまりさを席巻します。あまりにもがっかりしているまりさに見かねたおじいさんはボソリとつぶやきます。 「調べれば分かるかもしれんが……その、おまえさんが自分のことを“わたし”と呼ぶ原因がな」 「ほんとぉ!?」 パァとまりさは笑顔を見せました。まだ、希望はあるんだ。死んだぱちゅりーの思いはまだ挫いていない。 そのことだけで、まりさは幸せになりました。やはり、人間にあってよかったと。 「そうじゃな、私の好にしてもらっている加工場に連絡をとって、検査してもらえば大丈夫じゃろ」 「か、かこうじょう……」 加工場という言葉に周りのゆっくりはざわめき始めました。やは、まりさは処刑されるのかと。 「安心せい。ただ、検査を受けるだけじゃ」 「ゆ、ゆう、でもかこうじょうはゆっくりできない……」 本能的な部分で加工場にまりさは忌避感を示します。やはり、同種が殺される場所に行くのは気がひけるようです。 「なら、分からないままで良いのか?」 「それは……」 でも、まりさにはやらなければならないことがあります。生きている意味を知ることです。 「信用しろとは言わんが、手助けはしてやろう。なにせ、私に会いに山を降りたのだろう? 客人を饗すのが人間というものだ」 「……わかった、おじいさんのことしんじるよ」 おじいさんは少し微笑みました。 「それじゃあ、加工場に連絡がついたらまた来るよ。おっと、その前に……ゆうか、言いたいことがあるんじゃなかったかのう」 「うっ!?」 おじいさんの後ろでコソコソとしていたゆうかが、まりさの前に現れました。 「まりさ……」 「ゆうか、どうしたの?」 もじもじとしながらゆうかは声を出しづらそうにします。 「えっと……ゆうかは……」 「ゆうかは?」 「ゆうかと……いっしょにゆっくりしてね!!」 他の“げっとー”のゆっくりやゆうかたちが一斉に驚きの声を上げました。 「「「「「ゆえぇえええええええええ!!!???」」」」」 恥ずかしくてつい大声で本音を告げてしまったゆうかは取り返しのつかないことをしてしまったと後悔しました。 まりさの顔をゆうかは怖くて見れません。ですが、まりさはゆうかに言いました。 「ごめん、まりさはこんっやくしてるんだ……ほんとうにごめん」 その言葉にゆうかは反応が遅れてやって来ました。 「え、あ……うん、ごぢらごぞごべんなざい――う、うわぁああああああああああん!!」 赤っ恥をかいたのが悲しくて泣いたんじゃなく、生まれて初めての初恋が敗れたのが悔しくて泣きました。 おじいさんはただ、ゆうかを抱きかかえ胸を貸してあげました。 数日後、まりさは白くて大きな建物、加工場にいました。清潔すぎる建物の材質は人工のもので、自然に馴染みのないものばかりでした。 それが、あまりまりさは好きじゃありあませんでした。どうも、自分が阻害されている気分に陥るからです。 加工場という存在そのものがゆっくりにとって邪悪なものだからでしょうか。原因はわかりません。 たくさんの白衣を来た人間さんにまりさは色々なことを聞かれました。知能テストや面談とか。 身体能力を確かめるために動く床を走らされたり、ぴょんぴょんを疲れるまでさせられたり。 壁に体当たりをしてみたり、終いにはうんうんとしーしーを採取されたり。 人間さんが何をしているのかはまりさにはよくわかりませんでした。ですが、一生懸命に自分のことを調べてくれていることだけは分かりました。 おじいさんと一緒に一室で待機していると、おじいさんはまりさに言いました。 「自分のことが分かるというのは結構、嬉しいことだ」 その言葉にあのおさぱちゅりーの影を慕いました。おさぱちゅりーは自分の知恵の限界を感じながら死んでいったのです。 その悔しさはまりさには十分伝わりました。だからこそ、今のこの状況を祝福したいとも思っています。 「じゃがの、分かったところで、生きている意味は分からんものさ。それに、分からないほうがいいこともあるんじゃよ」 おじいさんの言葉にはどこか悲哀が満ちていました。それは人間がもともと持つ不幸なのかなとまりさは思います。 「でも、しらないよりしっているほうがこうふくだとおもうよ」 まりさはそう信じました。頑なに信じました。それが、まりさを生かしている原動力だからです。 「結果が出ましたので、双葉さんとまりさちゃんは談話室まで来てもらえませんか?」 「結論から言いますと、おたくのまりさちゃんは―――」 <成ゆん編―帰還―> 春、それは雪解けの時期。すべての生き物が目覚め始める日です。太陽がのぼり、植物は輝きを増します。 おじいさんの畑も例外ではありません。ポカポカお日様の元で、まりさを含め、農奴ゆっくりたちは山の斜面近くの畑の入り口に居ました。 「まりさ、さみしくなるわね」 あのまりさに告白したゆうかは仲直りをして友達になったのです。 「みんな、みおくりありがとう。わたしはむれにもどるよ」 まりさは自分の知るべきことを知ったので、群れに帰ることにしました。もちろん、おじいさんに許可をとっています。 「「「「「ゆう、まりさぁ……」」」」」 “げっとー”の仲間たちは涙を浮かべてまりさを見送ります。 「それじゃあ、わたし、かえるね!」 みんなに見送られながらまりさは山へと消えて行きました。 久しぶりの山はまりさにとって、勘を思い出させる場所でした。危険な生き物を避けて、食べられるものを得る。 そうやって、危険と隣り合わせになりながらも生きることを思い出しながら、まりさは群れの入り口にたどり着きました。 「ゆゆ、そこのみかけない………もしかしてまりさだみょん!?」 「そのこえは、ようむだね! おひさしぶり!!」 入り口で警備をしていたようむはまりさと顔なじみでした。がっこうの頃の友達です。 「かえってこれたんだね、よかったみょん!」 「みょんもふゆごもりだいじょうぶだったんだね!!」 「かぜのうわさで、まりさがしんだときいていたからおどろきさんばいだみょん!!」 「そうかんたんにはしなないよ!!」 体を張ってまりさは元気アピールをしました。 「それはよかったみょん……でも、このむれはあまりよくないみょん」 「ゆゆ? どうして?」 元気に乏しい顔をするのでまりさは群れになにか起きたのだと察知しました。そして、一番最悪なことを思いつきました。 「もしかして、ありすに!!」 「それはだいじょうぶだみょん。ただ……」 「もったいぶらずにおしえてね!!」 ようむは決心してまりさに告げました。 「ありすはちぇんとけっこんしたよ」 群れのゆっくりはおさが変わったことでとってもゆっくりできなくなってしまった。そう、ようむは言うのです。 原因は群れのおさが暗愚になってしまったからだそうです。そのおさこそ、あの小さい頃にまりさを侮辱したゲスまりさの妹がなったのです。 そもそも、この群れは世襲制だったので自然とそうなりました。ゲスまりさの中身を同じくしてなのか妹もかなりのゲスでした。 なんといっても、冬ごもりの時の対応が最悪だったの一言です。嫁のでいぶのために貯蓄を独占し、他のゆっくりに冬ごもり用のご飯を分け与えなかったのです。 もとより、自分たちでご飯を貯めていたものは生き延び、貯めていなかったゆっくりは餓死しました。 そうやって、生き残ったゆっくりたちに追い打ちをかけるようにおさは重税をかけました。 冬にあまりの寒さにすーりすーりをし過ぎて子沢山になったからです。その子どもたちとでいぶを養うために群れのゆっくりを働かせました。 ですが、今のまりさにはそんなことお構いなしです。とにかく、ありすの安否が気になりました。 ようむが言うには、小さい頃、ゲスまりさにゆっかーされていたちぇんがありすを娶ったというのです。 まりさには何がなんだかわかりませんでした。一切合切、何がどうなってこうなったのだろう。 ありすのかぞくが住んでいたお家にまりさは辿り着きました。そこからは子供の声がちらほら聞こえます。 「わきゃるよーおきゃーしゃんはとっちぇもゆっきゅいりてりゅね!」 「ゆふふ、ありがとう」 その声は紛れもなくちぇんの子供の声で、そして、ありすの声でした。 「あ、ありす……」 その場から去ろうとしたところ、後ろから声をかけられました。 「ま、まりさ! いきてたんだねー!!」 「ちぇん!?」 ご飯を口いっぱいに含んだちぇんが居ました。その姿は貧弱だった小さい頃とは違い立派な大人になっていました。 「よかったよ! まりさ!!」 「え? まりさ……」 「その、えっと……」 何事かと玄関から出てきたありすがまりさの顔を見て信じられないという表情を浮かべました。 「ただいま」 「おかえり……」 顔を合わせ辛いのか、ありすとまりさは顔を合わせようとしません。不思議に思ったちぇんはまりさを家に入れることにしました。 「まりさのもらったごはんさんで、ありすとありすのおとうさんとおかあさんといもうとたちはいきのびることができたわ」 子どもたちがまりさを物珍しそうに眺めながら飛んだりはねたりしていました。 大人たちは真面目な顔で話し合いをしています。 「それはよかったよ。でも、その……」 まりさは言い出せずに居ました。なぜ、ちぇんと結婚してしまったのかと。 「それはちぇんからはなすんだねー」 気持ちを察したのかちぇんが割り込みました。 「まりさはかぜのうわさでしんだってきいたんだよーだから、ありすをまりさのかわりにまもらないとっておもったんだよー……」 「そうなの……ちぇんはわるくないわ。わたしがわるいの」 自分がしでかしたことが以下に重いのか、改めてまりさは知りました。 確かに、群れからさるゆっくりなんて追放ゆん以外まずありえない。そして、彼らの末路は死ぬことばかりだ。 それを踏まえて考えれば、まりさが死んだなんて噂が広まるのはありえるだろう。 まして、自分は呪いのまりさだ。死んでほしいと願うゆっくりは何匹かいたはずだ。 「そうだね、ぜんぶまりさがわるいよ」 「でも!」 「いいんだよ。それに、ありすがしあわせなら、まりさは……」 ありすの横で暇を持て余しているおちびちゃんを見ていると、まりさは気持ちがほっこりしました。 幸せなら、それでいいんだ。そう、自分に言い聞かせることにしたのです。 「ところで、まりさはなにをしていたの?」 「それはね――― まりさは人間のところへ行った話をしました。そこで、畑を見つけ、畑で働いていたことをいいました。 そして、人間の世界へ行き、加工場へ行った話もしました。 「おやさいさんってかってにはえてこないの!?」 「かこうじょうにいったってほんとなの! まりさ!! わ、わからないよー!!」 そんなにびっくりすることじゃないよとまりさは思いましたが、ゆっくりと“げっとー”の仲間たちに言い聞かせるように教えました。 「そんなことがあったんだねーよのなかわからないよー」 「そ、そうね。まりさはやっぱりすごいわ」 「わかるよー」 「そ、そんなこと……あ、そうだ。これ、おみやげだよ!!」 そう言いうと、まりさは帽子の中からクズ野菜を取り出しました。これは、ありすの婚約指輪がわりに持ってきたものです。 「せっかくだし、ゆっくりたべてね!!」 「ゆ、ゆわ~ほんもののおやさいさんだ!!」 「わわわわ、わかるよー!!! ゆっくりしてるよー!!!」 ちぇんとありす、そのおちびちゃん達は飛び跳ねて喜びました。つい天井に頭をぶつけてしまった夫婦だが、そんな痛みへっちゃらです。 「じゃあ、みんなでわーけわーけして「ちょっとまってね!!」ゆゆ?」 玄関からゆっくりしてない声が聞こえてきました。 「だれなの?」 声の本人は一匹のれいむでした。ですが、茄子型に太ったゆっくりしてないれいむです。 「このおやさいはでいぶのものだよ!! ついっほうされたくなければよこすんだよ!!」 「そ、そんな……」 ちぇん夫婦は眉の端を下げてがっかりした表情を浮かべました。 ですが、まりさにはなぜこんなれいむにいい負けているのかが不思議でなりません。 「おちび。これはまりさがもってきたおやさいさんで、ありすとちぇんにあげたものだよ。だから、おちびのものじゃないよ」 まりさは優しくれいむにいいきかせました。まあ、多少語弊はありますが。 「でいぶはおちびじゃないぃいいいい!! このくそなまいきなまりさはなんなの!!??」 「そういうれいむこそいったいだれなの?」 疑問をぶつけるとれいむは威張り散らした態度で答えました。 「ゆっへん、れいむはこのむれのおさのむすめだよ!! よそものがずがたかいよ!!」 「まるで、おうさまきどりだね。そんなんじゃ、ゆっくりできないよ」 「うるさいぃいいいいい!! でいぶさまがゆっくりしてるんだからゆっくりしてるんだよぉおおお!!!」 「はなしがつうじないよ」 「いいから、そのおやさいさんをよこせぇええええ!!」 お野菜さんにかぶりつこうとするれいむですが、ポインポインと跳ねるスピードはとっても遅いです。 まりさは少し体をぶつけて阻止しました。 「ゆげふっ!!」 「ま、まりさ!!」 なるべくダメージを与えないように気を使って体をぶつけました。 「おいたはだめなのぜ、おちび」 「いたぃいいいいいいいい!!!!」 れいむは細長い体をぐでんぐでんと駄々をこねるように地面に叩きつけました。 「まりさ! おさのむすめにはむかったら……」 冷や汗をかいたありすがまりさに言いますが、まりさは体を横に振って答えます。 「だいじょうぶだよ。どうせ、このむれからでようとおもってたところだから」 「でも!!」 「そのまえにやらなくちゃならないことがあるみたいだけどね」 玄関から出たまりさはある場所へと向かいました。そこはまりさにとって馴染みのある場所です。 「で、おまえはわざわざまりささまにころされにきたのかぜ?」 「ゆぷぷ、まさか、あのひきょうなまりさがいきてたなんて」 まりさはおさぱちゅりーが住んでいた家に居ました。そこで、おさになった妹まりさとその嫁のでいぶと対峙しました。 「ごたくはいいのぜ、しにたいやつからかかってこい!!」 「ゆふん、ひきょうなことしかできないまりさはこのまりささまがじきじきにころしてやるのぜ!!」 「ゆーん、まりさかっこいいよぅうう!!」 おさまりさは私腹を肥やしたボディーででっぷりと大きく育っていました。 この大きさはゆっくりの強さに比例し、体当たりしか出来ないゆっくりにはアドバンテージが与えられます。 ですが、まりさはそんなこと気にしないようです。 「まりさすぺしゃるとるねぇいでぃおーばーどらいぶすたんぷぅううう!!!」 その小さいからだを踏みつぶしてやろうという勢いでおさまりさはまりさを潰そうとします。 しかし、それを冷静によけたまりさは背後に周り、弛んだ背中の皮に噛み付きました。 「ゆがぁああああよけるんじゃな、いぃいいいい!!!?」 そのままジャイアントスイングの要領でおさまりさをブンブンと振り回しました。 「ばかしょうじきにたいあたりするとおもったの?」 口が動かないのに喋られるのはゆっくりの七不思議です。あれ? 前にも言いましたっけ? まあ、置いといて。まりさは十回ほど回したあとにポイッとおさまりさを放り投げました。 「ゆわばっ!」 衝撃で歯が数本抜けたおさまりさはそのまま気絶してしまいました。 残されたでいぶはしどろもどろするわけじゃなく傲岸不遜に席に居座っていました。 「ゆふん、なかなかやるじゃないか、のろいのまりさ!!」 「わめくしかのうのないやつがよくいう」 「うるさいぃいいいい!! おい、どれいども!! はやくあのまりさをころせぇえええ!!」 号令とともに八匹のゆっくりが集まって来ました。どいつもこいつもニタニタとゲスな笑みを浮かべています。 「よくもまあ、このむれをこんなにしてくれたなぁあああ!!」 樹の枝で四方八方を囲まれたまりさは怒鳴りました。おさぱちゅりーが築いた物を破壊されて怒りが頂点に達したのです。 「しゅうせいしてやる!!」 数分後、八匹いたゆっくりは皆、気絶していました。まりさの鬼のような強さに負けたのです。 「まだやるのか?」 「ゆ、ゆひぃいいい!! あんなにたくっさんいたのにぃいいいい!!!」 「まだやるのかときいてるのぜ!!」 「ご、ごめんなさいぃいいいい!! でいぶがわるかったですぅうううう!!!」 泣きわめきながら土下座するれいむにまりさは呆れました。 「じゃあ、なにがわるかったの?」 「ゆえ?」 「なんであやまってるの?」 「それは……でいぶなにもわるくないよ! まりさはさっさとしんでね!!」 まりさはため息を付きました。コレが群れの現状なのかと。そして、ゲスだと。 「これにこりたら、もうにどとむれのみんなにひどいことをするんじゃないのぜ……」 まりさはそう言い残すとおさの家から去りました。 「ということをしてきたよ」 久しぶりにあった家族は頬がこけていました。ですが、まりさの報告を聞いて喜びました。 ですが、この群れには居られ無くなってしまうことがとっても悲しくて、素直に喜べませんでした。 「これから、どうするの?」 「いっしょにはたけさんではたからない?」 「え? はたけさん? おやさいさんがはえてくるばしょがあるの?」 「はは、ちがうちがうよ」 まりさはお野菜さんについて説明し、納得してもらいました。 「どうせ、まりさのことでこのむれにいられなくなるんだから、いっしょにいこうか……」 両親は頷き合い、まりさと一緒に人間が経営している畑に行く事にしました。 まりさは群れを出るときに少し後悔しました。それは、ありす夫婦を連れて行かなかったことです。 なぜ、連れて行かなかったかというと、ありす夫婦のおちびちゃん達が長旅に耐えられないからかもと考えたからです。 故郷を離れることで、まりさは少し泣きました。ですが、おさぱちゅりーの思いは絶対に守りぬこうと思いました。 <成ゆん編―動乱―> 畑に戻ってきたまりさ達は快く受けいられました。“げっとー”の仲間たちやゆうか達は大喜びです。 おじいさんも出迎えに来てくれました。 みんなが笑顔であることが一番まりさには驚きました。 “げっとー”の仲間から聞いた話だと、ゆっくりの労働環境が改善されたそうです。 土地に縛られた農奴制から自由に山に帰っていいようになったのです。 そして、ゆうかが優しく物事を教えてくれるようになりました。それもこれも、まりさのお陰だと“げっとー”の仲間たちは言います。 「けっこんしよう」 まりさは改めてゆうかにプロポーズし、結婚することになりました。それは、妥協じゃなくて本当にゆうかを愛していたからです。 他のゆっくりは山に畑のことを伝えて畑に新しい住人を呼び寄せたりもしました。失敗は多々あれど、ゆっくりやって行けています。 おじいさんもその姿に感化されたのかゆっくり用の土地を広げてくれたりしました。 これで、めでたしなら、ストーリーはしあわせな物語で終わったのかもしれませんね…… 畑の入り口にぞろぞろとゆっくりが集まっていました。 「ゆゆ、あたらしいにゅうきょしゃかな!?」 一匹のれいむがその集団に声をかけました。 「おーい、みんなゆっくりして「おやさいをどくせんするゆっくりはしね!!」ゆぇ……ぐばっ!!」 目をギラギラとさせた一匹のまりさがれいむを樹の枝で刺殺しました。 「て、てきしゅうだ!!」 畑は戦場となりました。山から百匹以上のゆっくりが襲ってきたからです。 畑のことを知らせたのが裏目に出たといっても過言ではないでしょう。 山のゆっくりが野菜が勝手に生えてくると頑なに信じていたので、争いが起きたのです。 「ゆぎゃぁあああああああ!!!」 阿鼻叫喚が支配する幸せの象徴だった畑。そこは野菜を食いつくす蝗とかした山のゆっくりによって占領されてしましました。 ゆうかやまりさ達農奴ゆっくりも頑張って戦いました。30匹の犠牲を出しながらも、なんとか山のゆっくりを追い出すことに成功しました。 遅れてやってきたおじいさんは畑の惨状を見てがっかりし、最終手段を使うことにしたのです。 「やまのゆっくりがぜんめつしたの!!??」 「そうじゃ。私が加工場に頼んだ……」 おじいさんは加工場に電話を入れて山のゆっくりを駆除してもらったのです。 まりさはその報告に驚きを隠せませんでした。なぜなら、山のゆっくりにありす夫婦が含まれているからです。 「そんな……ぜんりょうなゆっくりだって……」 「私はな、まりさ」 おじいさんは申し訳なさそうに語ります。 「この畑が無事ならそれでいいんじゃよ」 「どうして……」 「この畑は私が加工場でやってきたことへの贖罪なんじゃよ」 「しょくざい?」 「そうじゃ。私は、加工場の技術部にいたんじゃ。そこで、ゆっくりをいかに痛ぶり殺す方法があるか考えていた」 「そ、そんな……」 あんなに優しいおじいさんがそんなことをしていたことにまりさはショックを受けました。 「ゆっくりの味をコントロールする方法ばかり考えていて……本当はゆっくりと人間が一緒に暮らせる方法を探りたかったんじゃ」 おじいさんが子供の頃の夢だったことを教えてくれました。 おじいさんがおちびちゃんだった時、一匹のゆうかを飼っていたそうです。 そのゆうかはおじいさんととっても仲が良かったのです。しかし、ゆうかにはおじいさん以外の友達がいませんでした。 ゆうかに友だちを作ってやりたいとおじいさんは一生懸命に頑張ります。 試行錯誤をして、色々やってみたものの、ゆうかが生きている内に友達をつくることはかないませんでした。 おじいさんは決心しました。絶対に、どんなゆっくりでも一緒に幸せになれる世界を作りたい。そして、そこに自分が居たいと。 一生懸命に、おじいさんはゆっくりの勉強をし、加工場へ就職しましたが、そこで自分のしたい仕事はできませんでした。 やっとしたいことが出来たのはおじいさんがおじいさんになってからです。畑を使ってゆっくりに共同作業をさせてみました。 それでも、上手く行かなかったのですが、あのわたしまりさが来て一変しました。 ゆっくりの意識が様変わりしたのです。みんなで、何かをすることで一緒にゆっくりしようと。 そこまでは良かったのですが、ちょっと気を許した時点でおじいさんの目論見は崩れてしまいました。 「私は、私の世界が十分であれば、それでいいんじゃ……」 まりさはキッとおじいさんを睨んで反論しました。 「それはちがう!! わたしは、そんなせかいをのぞんじゃだめだとおもう」 「なぜじゃ……」 「しらないだれかのゆっくりをいのることにいみがないなんてことはないよ!!」 「それは詭弁だよ……所詮、生き物は目に見えるものが幸福であればいいんじゃ」 「ちがうよ……せかいはそんなにちいさくない……」 「寝言を言うな! そんなことしても意味が無いじゃろ!」 「わたし、わたしがうまれたいみ。それはたぶん、このじょうきょうのためなのかもしれないよ」 「それは……お前が自我を持っているからか?」 「そうだよ……」 まりさには自我があります。ゆっくりには自我がありません。なぜでしょう? それは自分のことを他多数と同じものだと思い込むからです。 まりさは違います。まりさは自分のことを私と区別をしているからです。 それが、わたしまりさの真実です。 まりさは頭が良いゆっくりです。検査でも人間並に賢いゆっくりであることが分かりました。そして、なによりも餡子の質が全く違うのです。 なにか別次元の粒子がまりさには含まれているのです。それは、何もかもをゆっくりさせるという粒子がうんうんに含まれていました。 まりさが生まれた意味、それは――― <成ゆん編―レーゾンデートル―ノーマルエンド> ある一匹のびゃくれんが人をゆっくりを救いました。 そのびゃくれんは自分のことをわたしと呼びます。 変わったことにびゃくれんはまりさの帽子をかぶっていました。 ですが、びゃくれんはそんなこと気にせずに、色々なことにチャレンジして行きました。 それはそれは自分の都合の行かないことばかりです。 ですが、世界はそうやって理不尽であることを知りました。 わたしまりさの伝説はココで終わりです。 なんつって。 <成ゆん編―素晴らしきこの世界―> まりさの世界は通常運行です。畑で働きながら、ゆうかやおじいさんに話を聞き、それを自分の知恵にしていく。 その知恵を他のゆっくりにも伝えて行きました。 ですが、世界は変わりません。ただし、各々の世界は変わって行きました。 ゆっくりや人間、他の動物は救われることはないのだろうかとわたしまりさは考えます。 徐々にまりさは自分がびゃくれんであることに気づいていきます。というより、まりさはびゃくれんに変身していったのです。 そして、おじいさんにびゃくれんがゆっくりをみんなゆっくりさせたい思考の持ち主であることを聞きました。 ですが、まりさはじぶんがまりさであることに誇りを持っています。 なによりも、びゃくれんの本能なんかよりも、自分は自分の考えを持っていることを自負しています。 帽子で隠れた紫髪。それは自分がおさぱちゅりーと合わさった気がしてとっても好きな色でした。 世界は理不尽です。おさぱちゅりーは理不尽に殺されました。まりさも私達も理不尽に殺されるでしょう。 ですが、まりさはそれでいいと思います。何もかもが作り物の世界でも、自分だけは自由だと。 それをわたしまりさは伝えたかったのですが、最後までそれが伝わることはないでしょう。 なぜなら、わたしまりさはわたしというカゴに入れられた存在だからです。 私ってなんでしょうね? 多分それは、自分を世界に留めたいだけの言葉でしょう。 わたしまりさは自己を解脱出来たのでしょうか? それは、皆様の考えにお任せします。 終わり。
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『まりさの思い出』 虐待普通 俺設定満載です 『雪原のまりさ』の続きです 『まりさもおにいさんみたいにおもいでさんをとりたいんだぜ』 撮影旅行を終え帰宅して何を思ったのかまりさが突然こんな事を言い出した。 しかし自称プロのカメラマンの飼いゆであるのだから写真に興味を持ってもらう事は嬉しかった。 ゆっくりの視点での写真にも興味が湧いたので実験的に撮らしてみる事にする。 『ぐぎぃ・・・・ゆゅ・・・おもいん・・・だぜ』 判っていた事ではあるがデジタル一眼レフはゆっくりには重すぎた。 通販で購入したペン型のデジカメを改良する事にする。 まずはレンズの場所だが視点を再現するにはまりさの目の付近につけないとならない、これは帽子の縁に固定する事にした。 レンズが帽子についた時点で本体は帽子の中に入れて固定、リモコンスイッチはおさげに括りつけて咬む事でシャッターを切る。 試作であり耐久性は後日の課題としてまりさにテスト撮影をしてくるように言うと喜んで散歩に出ていった。 「さてはて・・・・どんな物を撮ってくるのやら・・・・楽しみのような不安のような」 まりさはとりあえず何時もの散歩コースを回る事にした。 まずは近くに居ついているありすに出会う。 『ゆっくりしていってね!』 『ゆっくりしていってね!』 『ありすをまりさのかめらさんでとらしてほしいんだぜ』 『かめらさん?』 人の道具の知識は無い野良であるありすは首を傾げる。 『おもいでさんをかみさんにのこすどうぐなんだぜ』 『とかいはねおねがいするわ』 『まかせるんだぜ』 大雑把な説明であるが同じゆっくりだからか何故か通じる。 『ちーずなんだぜ』 ブロォォォォォー ぶちゅ ォォォォォォォォ カシャ 『ゆ”ゆゅゅ!ありすぅぅぅぅっぅぅ!!!』 道路で撮影回なぞをしたが為にありすは車に轢かれてしまった。 気を取り直し散歩を再開する。 今度はここれでは見た事のないれいむを見つけた。 今度は離れた場所から撮影する事に・・・・ 『じじぃはきゃわいぃれいむのどれいにしてあげるよかんしゃしてね』 「・・・・・・・・。」 『ぐずはきらいだよ!はやくあまあま「死ね!」ゆ”ゅゅゅゅ!!!』 カシャ れいむは鬼井山に潰されてしまった。 『まただめだったんだぜ・・・・』 どうも上手く撮影に成功しない、落ち着いて撮れるようにこの時期はまだ人のあまり来ない河川敷で頑張る事にしてみる。 まだ冷たい風が吹くためか人はまったくいなかった。 川端まで行くと水面にプカプカと浮かんで野良まりさが水草を取っている。 ここなら鬼井山も居ないし自動車も来ない、これなら!とまりさは野良まりさを被写体にする。 『まりさ~ゆっくりしていってねぇ~』 『ゆゅ?ゆっくり・・・ゆ”ゅゅ!!おーるさんゆっくりもどって・・・』 ドポン カシャ まりさの知り合いのいつも元気一杯のちぇんが撮影しようとしていたまりさを見つけ元気に挨拶する。 これを野良まりさが反応してしまいオールを落としてしまい慌てて川に落ちてしまった。 『ゆゅ・・・またしっぱいなんだぜ・・・』 『まりさはなにやってるの?わからないよ~』 『ゆ?まりさはおもいでさんをあつめているんだぜ』 『おもいでさん?わからないよ~』 やはり野良には道具に対する知識が無いと言うかまりさの説明のしかたが雑だった。 その後、雰囲気で理解したのかちぇんも撮影する事になった。 今度は普通に河川敷に設置してあるベンチの上でちぇんを撮る。 『うごかないでほしんだぜ』 『わかったよ~』 『ちーずなんだぜ』 バサバサバサ カプ バサバサバサバサ~ カシャ 『わがないよぉぉぉ~』 撮影する瞬間にちぇんは烏に攫われていった。 『ゆ”ゆ”!じぇーーーーーーーーーん』 何度やっても撮影に成功しないどころか仲間を何匹も失っていく、まりさは少し落ち込んでいた。 落ち着くためにいつもの公園で休憩する事に・・・・・ 『ゆっくりしていってね!』 『ゆっくりしていってね・・・』 公園には野良が沢山住み着いてはいたが大半は知り合いである。 まりさを見かけた仲間は皆まりさに声をかけてくれる。 流石に今日は友達2匹を亡くし、見知らぬとは言え他のゆっくりが永遠にゆっくりしてしまう瞬間を目撃してしまったのだから元気がなかった。 『むきゅん?どうしたのまりさ?』 ぱちゅりがまりさに元気がないのを気にかけてくれた。 『まりさにはおもいでさんをのこすしかくがないんだぜ・・・・』 『むきゅうぅぅぅ・・・・』 また経緯をすっ飛ばした返答をするまりさ でもまりさが落ち込んでいるのは分かってはくれたようだ。 『まりさはわるくないとぱちゅはおもうわ』 『でもみんなえいえんにゆっくりしちゃったんだぜ・・・・』 詳しい事情を聞いたぱちゅりーはまりさを慰めてくれた。 『むきゅん!ちぇんたちはうんさんがなかっただけよ。うたがうのならぱちゅをおもいでさんにしてみて』 ぱちゅりーはまりさに自ら被写体になる事を申し入れる。 まりさはぱちゅりーの厚意が嬉しかった。 『わかったんだぜ!おねがいするんだぜ』 ぱちゅりーを撮る事で名誉挽回のチャンスを貰う事にした。 まりさは今度こそカメラにおもいでさんを残すべく安全で確実な場所を探す。 考えに考えぬいた結果、ぱちゅりーをまりさの家に連れて行きおにいさんに手伝って貰う事にした。 『まりさのおうちまできてほしいんだぜ』 『むきゅん。わかったわ』 こうして二匹してポインポインと跳ねて帰宅した。 自宅につくと撮影した写真の整理をしていたお兄さんに説明し手伝って欲しい事をお願いする。 まりさのカメラに写っていたものを確認したお兄さんは思わず呟く 「お前は決定的瞬間を撮る才能が有るなぁ~」 写っていたのは・・・・・ タイヤに身体の半部を踏まれ顔が限界まで中身のカスタードで膨れて弾ける瞬間のありす 鬼井山に真上から踏み抜かれて餡が目口から噴水の如く吹き出ているれいむ 半身を水面に突っ込み沈む瞬間のまりさ 烏の嘴に咥えられる瞬間のちぇん どれも人でもピンポイントでは撮れない写真ばかりだった。 しかしこんな事でまりさの自信を無くしたくはないのでお兄さんはまりさの撮影を手伝う事にする。 まずはお兄さんの静物撮影用の作業代にぱちゅりーを乗せる。 そしてまりさが撮りやすいように丁度良い高さに撮影の台を作ってやった。 「これならどうだ?」 『ゆぅぅ~ありがとうおにいさん。これならおもいでさんをこんどこそのこせるんだぜ』 感謝の言葉を述べるまりさ、今度こそ撮影に成功しそうだ。 「ぱちゅりーは動くなよ、悪いなまりさにつきあわせてしまって」 『むきゅん!いいのよおにいいさん、ぱちゅはまりさのおともだちだもの』 『ゆゆゅ~ありがとうなんだぜ~』 こうして準備が整いカシャカシャと何度もシャッターを押すまりさ。 できた写真をすぐにプリントアウトしてやりまりさのベットの側に張ってやった。 『ゆゅ~ありがとうなんだぜおにいいさん。ゆっくりできるんだぜ~』 『むきゅん!とてもゆっくりしてるわ~』 どうやらぱちゅりーもまりさも満足できたようだ。 撮影も無事終わりお兄さんはまりさに尋ねる。 「でまりさはこのままぱちゅりーに帰ってもらう気か?」 『ゆゆ?』 理解できない様子のまりさ 「なんならぱちゅりーも置いてやってもいいぞ、なかなか賢そうだし撮影旅行に行っても留守番くらいできるだろ」 お兄さんの提案に驚き喜ぶまりさに対しぱちゅりーは困惑した様子で尋ねる。 『ぱちゅはのらなのよ?いいのおにいさん?』 「あぁ面倒みるのが一匹からに二匹になった所で手間は大して変わらないし、これだけまりさを事を思ってくれる友達だ大事にしてやらんとな」 こうしてぱちゅりーも愛でたく飼いゆとなる事となった。 予想どうりこのぱちゅりーは賢く少々の撮影旅行で家を空けてもしっかり留守番をちゃんとこなしてくれた。 そのうちまりさとの間に子供もできるだろう、そうなれば出かけても寂しくもなくなる。 まりさの最初の作品は被写体と共にまりさの宝物となった。 雑誌の裏に載っていた通販のペン型カメラを見て思いつきで書きました。ゆ虐がないとゆっくりできなとあったのでどうにか加えられないかと思案した結果こう言う形になりました。 あいかわらず可笑しな文章ですがご了承ください。 これまで書いた物 ふたば系ゆっくりいじめ 1097 ゆ虐ツアー ふたば系ゆっくりいじめ 1111 ゆ虐ツアー お宅訪問編 ふたば系ゆっくりいじめ 1116 雪原のまりさ ふたば系ゆっくりいじめ 1122 ゆヤンワーク 挿絵:儚いあき
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まりさの勲章 1KB 虐待 小ネタ 野良ゆ 都会 虐待人間 武勇伝 この傷はれみりゃを追い返したときの傷だぜ!こっちのはふらんにやられたんだぜ! これは腹を減らしたおちびにおたべなさい!したときのなんだぜ…。ゆふふ、どれもこれも 体の傷はまりさのくんっしょうっ!なんだぜ!まりさが勝ち抜いてきた証なんだぜ! 「オレンジジュースだばぁ」 ゆひ!?つめたいっ…うめっこれむっちゃうめっ!ぺーろぺーろ…あるぇー? まりさの傷がなくなってるんだぜ?すっかりきれーになってるのぜ!やったーー!! すてきな美まりさに元通りなんだぜー!!にんげんっさんもまりさのツルツルお肌に めろっめろっなんだぜ?もっと貢いでもいいのぜぇ? 「じゃあ、にんげんをやっつけたときの素敵な勲章をあげよう。」 ゆっふっふ!金バッジさんだね!!これでもまりさも飼いゆっぎゅるっぽあーーー!!! おめめがあああああ!!まりさのおめめがお空を飛んでるーーー!!いだいよおおお!! ひぎぃいい!!ほっぺさんひっぱりゅなぁああ!!ちぎりぇりゅううぶぶぶぶっ!!! あああぁあ…餡子でちゃう…まりさのだいじな中身でちゃうぅ……っ!?熱っ!!! 火さん近づけないでぇえええげげげええええ!!餡子固まるぅぅぐっぐつっぐつぅっ…! 「わぁー立派な傷跡だね!これでみんなに自慢できるぞー?」 by 4byte
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・このSSには何番煎じだよという北斗パロがあります ・虐待されるゆっくりとそうでないゆっくりがいます ・愛で成分も含まれているので嫌いな人は読まないほうがいいかも ・これを書いたのはHENTAIあきです。分かっているとは思うけどいつものおまけがあるよ! ・それでもいいというひとはゆっくりよんでいってね!!! 「おいまりさぁ!またお前は俺の財布から小銭盗んだな!?」 「ちがうんだぜおにいさん!いつもいってるけどかりてるだけなんだぜ!」 「同じだよこの馬鹿饅頭!」 いつもの日課とかしているお兄さんと胴付きゲスまりさの言い争い。もはや喧嘩ではなく一種のコミュニケーションだ。 ただその日はいつもと事情が違っていた。ここ最近ずっと怒鳴られ続けているまりさのストレスは最高潮に達していた。 お兄さんの方も最近徹夜での仕事が続いたためについいつもより強くまりさに説教をしてしまう。 いつものじゃれあいのような言い争いから、この日は本当の喧嘩になっている。 「もういいんだぜ!こんなおにいさんのいえになんてもうまりさはいられないんだぜ!まりさはいえでするよ!」 「おお!どこにでも行っちまえこの餡子脳!家ででも何でもしてそこらで野たれ死ね!」 売り言葉に買い言葉。ついつい口から飛び出した言葉に言い返してしまうお兄さん。その言葉を聞きまりさは荷造りを始めた。 小物は帽子に、大きめの荷物は背中にしょったお値段以上のお兄さんが買ってくれたにとり製のバッグに入れる。 荷物をまとめるまりさを複雑な目で見るお兄さん。正直言ってしまった手前やめろとは言いづらくなってしまった。 謝れば言いものの、その言葉がお兄さんとまりさの口からはでてこない。 「じゃあねゲスなおにいさん!まりさはゆうしゅうなぎんばっじだからひとりでいきるんだぜ!」 「分かったよ糞饅頭!そのにやけた顔二度と見せるな!」 そう言って玄関からでていくまりさ。その姿を見送るとお兄さんは苛立ち紛れに椅子を蹴りあげた。 家出したまりさは特に行くあてはなかった。心の中では止めてくれると思っていただけにお兄さんに対する怒りも大きい。 とりあえず友達であるぱちゅりーの家に向かうことにした。ぱちゅりーは金バッジで頭の良いゆっくりだ。 そのぱちゅりーならこの先どうすればいいか考えてくれると思いひとまずぱちゅりーの家に向かう。 「というわけなんだぜぱちゅりー、まりさはどうすればいいとおもう?」 「むきゅ・・・、それはお兄さんに謝るのが一番よまりさ。」 しごく真っ当なことを言ってまりさに家に帰る様に進めるぱちゅりー。だがそれが出来ていれば家出なんてしなかっただろう。 まりさはぱちゅりーの意見を拒否する。 「いやなんだぜ!おにいさんがまりさにあやまるならともかく、なんでまりさがおにいさんにあやまらなきゃいけないんだぜ!」 「むきゅ~。」 意地を張って絶対にお兄さんに謝らないと主張するまりさに、ぱちゅりーも困り果てる。 そこに救いの手が、いや状況を悪化させる言葉がぱちゅりーの飼い主から放たれる。 「ならまりさ君、いっそのこと野良として暮らしてみたらどうだい?」 「ゆ?どういうことなんだぜ?」 突然の言葉にまりさは困惑をする。 「簡単だよ。野良で立派に生活して自分でも一人暮らしは出来るんだとお兄さんに思わせるんだ。 お兄さんが不安で堪らなくなった所に俺が電話して、お兄さんはまりさ君の元に来て帰ってくるように言うはずだから。」 「すごいんだぜ!さすがはぱちゅりーのおにいさん!」 そういうとまりさはぱちゅりーの飼い主にお礼をして家から出ていく。意気揚揚と向かうは公園のゆっくりぷれいすだ。 その姿を不安そうに見送ったぱちゅりーは飼い主に質問する。 「ねぇ先生、まりさにあんなこと言ったけど本当にうまくいくの?」 「いくはずないさ。飼いゆが野良生活をしていけるはずがない。一日で家に帰って飼い主に謝るだろう!」 自信満々に言い放つぱちゅりーの飼い主。実際に飼いゆが野良として生きていけるほど世の中甘くない。 その辺のことも考えてまりさにあんなことを言ったのだろうが、まりさは胴付きというアドバンテージがある。 このことでぱちゅりーの飼い主は予想しない結果を生むことになると思ってもいなかった。 「まずはおうちさんをつくるんだぜ!そのあとにきょうのごはんさんをさがすんだぜ!」 そう言ってお家建築宣言をするまりさ。材料は近くのスーパーで貰ったダンボールと買ってきたブルーシートだ。 お金はお兄さんから借りた小銭もあり、銀バッジということと店員が愛でお兄さんだったこともあり買いものも問題なく行えた。 「ゆゆーん!だんぼーるさんをたおしてあめにぬれないようにしーとさんをかぶせるんだぜ! ふとんさんのかわりに、たおるさんをおけばまりさのおうちがかんっせいだよ!」 そう言って喜びの声をあげるまりさに忍び寄る影。 「ゆっへっへっへ!なかなかいいおうちとびまりさなんだぜ!」 「とってもとかいはね!りょうほうともまりさとありすのものにしましょう!」 黒く汚れたまりさと比較的清潔なありすだった。後ろにはお飾りがないれいむがゾンビのようにいた。 この二匹はこの公園を事実上仕切っているゲス夫婦だ。野良ゆの中でも頭がきれるこのまりさは通常よりも二回りほど大きい。 ありすはありすで、他ゆんのお飾りを奪うことで奴隷として身の回りのことをやらせ自分は清潔な体を保つことでゲスまりさに取り入ったのだ。 この公園はまさにこの二匹のゲスの王国である。 「それじゃあ、このきたないどれいはいらないんだぜ!」 「そうね!つぶしてごはんさんにしましょうか。」 「やべてね・・・れいぶはまだじにだぐないよ・・・」 弱弱しく命乞いするれいむを無視してゲスまりさはれいむに向けて体当たりをし上に乗って潰そうとする。 「さっさとしぬんだぜ!まりささまたちのごはんさんになれることをこうえいにおもうんだぜ!」 「ゆぎゅ・・・ちゅぶれりゅ・・・」 今際のセリフも言えずあっけなく潰されてしまうれいむ。れいむの体から出てきた餡子を二匹はうまそうに舐めはじめた。 「ぺーろぺーろ、それなりー。」 「あんまりとかいはなあじじゃないわね。しかたないけどとくべつにたべてあげるわ!」 食べ物に対する感謝とは程遠い言葉を言いながら二匹はれいむの餡子をきれいに食べきる。皮は美味くないのか、 二匹は皮は残して一息つくとまりさに向かってありえない要求を突きつけてきた。 「そのおうちはまりさたちのおうちにするよ!へんなまりさはとくべつにまりさたちのどれいにしてあげるよ!」 「んほぉおおお!おなかがいっぱいになったらなんだかすっきりーしたくなったわ! へんなまりさだけど、とかいはなあいはどのゆっくりにもあたえられるものだからいっしょにすっきりーしましょう!」 ありすに至ってはレイパー化している。並のゆっくりが言っていれば即座に制裁されてもおかしくない言葉だ。 だがこの二匹にはそれを押しとうしてきた実力があった。しかし、その実力も相手をみて実行するべきだった。 「ふいうちすたーだすとなんだぜ!」 「ゆべし!もっと・・・ゆっくりしたかった。」 あっさりとこの世を去ってしまうゲスまりさ。重し用に用意した石を握ってゲスまりさの脳天に振り落としたまりさ。 声に出している時点で不意打ちでもない気がするが、まりさの奇襲により公園を牛耳っていたゲスまりさはここにその生涯を閉じる。 「まりさああああああああああ!どうじでうごがないのおおおおおお!」 夫でもあり最高の相棒でもあったまりさを失ったありすは深く悲しむが、悲しんでいる暇はなかった。 「じゃあつぎはまりさをれいぷしようとしたこわいれいぱーをたいじするんだぜ!」 とても嬉しそうな表情でまりさはありすを捕まえると、まずお飾りであるカチューシャを取り上げ口に入れて食べはじめた。 「あんまりおいしくないんだぜ。まえにおにいさんとたべたのはもっとおいしかったのに・・・」 「ありすのとかいはなかちゅーしゃがあああああ!」 喚くありすを無視してまりさはありすの髪の毛を少しづつ引き抜いていく。カチューシャを食べてお兄さんとの楽しいことが 思い出され、ついつい無意識にありすに八つ当たりをしてしまう。 「だいたいおにいさんもひどいんだぜ、まりさとあそんでくれなくていつもおしごとにいっちゃうんだぜ。」 「ゆぎ!やべで!ありすのかみのけさんぬかないでえええええ!」 ここにいないお兄さんの不満を言いながらまりさの手は確実にありすの髪の毛を引き抜いていく。 そしてまりさの手には所々禿げあがった謎のクリーチャーが完成した。 「うわ!きもちわるいんだぜ!こんなへんなのはすてるにかぎるのぜ!」 「とかいはああああああああああああああ!」 勢いよくありすだった謎の物体は投げ飛ばされ、偶然にも公園のごみ箱にボッシュートされることに。 そんな些細な事には気にせずまりさはお家建設で疲れたこととありすのカチューシャを食べて満足したこともあり できたばかりのお家で眠ることにした。 翌日まりさが起きるとお家の周りにたくさんの野良ゆが集まっている。 「なんなんだぜ?なにかまりさにようでもあるのかだぜ?」 まごまごとしているゆっくり達の中から、代表と思われるぱちゅりーが前に出てきた。 「むきゅ!まりさにおれいをいいにきたのよ!きのうはあのげすをせいっさいしてくれてありがとうね!」 「べつにまりさはおそわれそうになったからやっつけただけでせいっとうぼうえいなんだぜ!」 そういってすこしだけ自慢げにするまりさ。その謙虚さをみてか、はたまたまりさの強さからか、 ぱちゅりーはまりさにこんなことを申し出た。 「じつはねまりさ、まりさにおさになってもらいたいの。」 「いいのぜ、まりさはおさになるんだぜ!」 あまりにも呆気なく了承してしまうまりさ。流石に即答されると思っていなかったのかぱちゅりーは少し硬直している。 まりさにとってはお兄さんに一人暮らしだけでなく、長になって群れをまとめればきっと自分のことを見直すだろうと思い このぱちゅりーの申し出を受けることにしたのだ。 こうしてまりさは野良生活だけでなく、野良ゆっくりの長となることになったのだ。 そんなこんなでまりさが野良となって一週間ほどが経過していた。特に問題らしいことも起きずに まりさはこの公園の群れの長を元気にやっていた。おかげで一時的だが公園のゆん口を増加してしまった。 そのためゆっくりをまるで種モミを狩るかのように楽しむ人間を引き寄せることになった。 「「「ヒャッハー!ゆっくりだー!」」」 新世紀だというのに個性的な髪形をしているお兄さん達。分かりやすいテンプレ虐待お兄さんだ。 「KING!ゆっくり共が大量にいますぜ!」 「では今から公園のゆっくり駆除のボランティアを始めろ!」 「「「ヒャッハー!一日一善だ!」」」 見た目と違って善人そうなことを言って散らばってゆっくりを駆除していくお兄さんたち 「汚物は消毒してゴミ箱だー!」 「あちゅいよおおおおおお!おかあしゃんたちゅけてええええええ!」 「おちびちゃああああああああん!」 シングルマザーと思われるれいむから赤れいむを取り上げチャッカマンで念入りに全体を焙っていく。 火炎放射機なんて危険物を持たないのがモラルある正しい虐待お兄さんである。 「もっちょゆっきゅりしちゃかった・・・」 「れいむのかわいいかわいいおちびちゃんがああああああ!」 「煩いゆっくりは近所迷惑なんだよ!」 そう言ってれいむの口を開け舌を引き抜く。痛みで叫ぼうとするが口から出るのは間抜けな空気の漏れる音だけだ。 悶えるれいむをゴミ袋に入れ念入りに踏みつぶすお兄さん。 「ヒャッハハー!がんばらないと親のお帽子がゴミ箱に落ちるぞ~。」 「ゆんぎぎぎぎ!おもいよー!」 「おちびがんばるんだぜ!がんばらないとまりさがせいっさいするよ!」 「どぼぢでぞんなごどいうのおおお!」 親まりさから帽子を取り上げ糸でつなぎ子供であるまりさに糸を銜えさせている。 少しでも力を抜けば親の帽子はゴミ箱へ落ちることもあり、お兄さんに踏まれて身動きがとれない親まりさは子供を応援する。 いくら頑張っても結果は見えている。 「もうやだよ!つかれたからまりさはひとやすみするよ!」 「ゆわわああああああ!まりさのだいじなおぼうしがあああああ!」 「楽しめたぜ!それじゃあ親子仲良くゆっくり死んでね!」 親まりさと子まりさを仲良くゴミ箱に投げすてるくまどりとダイヤのマークをメイクしているお兄さん。 モブキャラといえどそれぞれ個性があるのだろう。 「おいちぇん、生き残りたくないか?」 「しにたくないよー!おにいさんたすけてねー!」 「なら俺の体に触れてみろ。そうしたらお前だけは逃がしてやる。」 「わかるよー!おにいさんにさわればいいんだねー。」 そういってお兄さんの体に触れようととびかかっていくちぇん。ゆっくりの中ではすばしっこいといえゆっくり。 お兄さんは楽しそうにちぇんを体を避け続ける。 「もっと頑張らないとお前も死ぬぞ~?」 「いまだよー!」 油断していたのかそれともちぇんの作戦だったのか。ちぇんの体を避けたが尻尾がお兄さんの体に触れる。 これで助かると思い喜びの声をあげて嬉しがるちぇんだったが。 「貴様~ゆっくりの分際で俺の体に触りやがったな~。」 「わぎゃら!」 飛び跳ねていたちぇんを踏みつけご満悦なお兄さん。もちろん死体は放置などせずちゃんと持参のごみ袋に回収する。 「やめなさい!!ゆっくりとはいえ生きているんだ!」 「なんだ~邪魔するのか?」 まりさとれいむの番を虐待しようとするお兄さんを止める声がある。振り向いて相手を確認しようとすると、 そこには恐ろしいほどの巨漢の男がたっていた。 「さぁお逃げなさい。この恐いお兄さんは私が抑えているよ。君たちゆっくりも大事な生き物なんだから。」 「ありがとうございますうううううう!」 「おちびちゃんもおれいをするんだよ!」 そういって巨漢の男に礼をするようにいうれいむ。しかし子まりさは礼をせずに自分を撫でようとした男に噛みついた。 「にんげんをやっつけるんだぜ!おともだちをころしたにんげんさんはせいっさいするよ!」 驚いて硬直する二匹。噛みつかれた男は自分の指を見て体を震わせている。 「ゆ!いたいでしょにんげんさん!でもまりさのおともだちたちはもっといたかったんだよ!」 「いてえよ~~~!」 今までの優しさはどこにいったのか、巨漢の男は噛みついた子まりさをその巨大な手で潰す。 驚いて逃げようとする親も男によって潰された。 「また始まったぜ!あいかわらず恐ろしい御方だぁ!」 「本人は愛でお兄さんなのに痛がりですぐああなっちまうんだよなぁ。」 慣れたものなのか特に気にしない虐待お兄さん達。こうして公園内のゆっくり達はお兄さんによって駆除されていった。 そして一応は長として君臨していた胴付きまりさは虐待お兄さん達のリーダーであるKINGと呼ばれた男の前に連れて行かれる。 「お、おにいさん。まりさはなにもわるいことはしてないんだぜ!」 そう言ってなんとか助かろうとするまりさ。しかしKINGは聞こえないといった風に部下に命令する。 「今からこの恥知らずなまりさを制裁する!お前たち準備をしろ!」 「ヒャッハー!KINGのあの虐待が見られるぜ!」 興奮するモブお兄さんたち。まりさは二人のお兄さんに両脇を抱えあげられKINGの目の前に立たされる。 不安げにするまりさにKINGは指で柔らかい頬を突っついていく。 「ゆぷ、やめるんだぜ!なんだかへんなかんじなんだぜ!」 「なぁに~聞こえんな~!」 ひたすらまりさの頬をぷにぷに突っついていくKING。だんだん頬だけでなく体や足といった 全身を突っつかれてだんだんとまりさの顔が紅潮していく。 「何本目でイクかなぁ~?」 「やめるんだぜ!それいじょうされたらまりさ・・・」 そう言うとまりさは一度大きく体を震わせる。涙目で恥ずかしがるまりさを尻目にお兄さん達は大興奮だ。 中々見ることのできないKINGの虐待奥義についつい大声をあげて観戦していためご近所に通報されてしまう。 「君たちだね、こんな公園で真昼間からHENTAI行為をしてるのは。ご近所から苦情が来たよ。」 「まずい警察だ!皆の者今日はここまでだ!ではサラダバー!」 「ヒャッハー!言われなくてもスタコラサッサなんだぜー!」 蜘蛛の子を散らすように逃げていく虐待お兄さんたち。公園にはまりさと警官だけが残される。 周りに虐待お兄さんがいなくなったのにも気づかずすっきりーさせられてしまったことを嘆く。 「ゆっぐ、おにいさんいがいにすっきりーさせられちゃったのぜ。これじゃあおにいさんにきらわれるんだぜ・・・」 泣いているまりさに警官のお兄さんがゆっくり近寄る。 「公園で暮らしてるって聞いてたからついでにきてみたらやっぱりお前かよ。」 「ゆ?おにいさん?」 声に気付いて泣きやみお兄さんの顔を見上げるまりさ。お兄さんの明後日の方向を見ながらまりさに話しかける。 「いい加減帰って来い。お前がいないと買ってやったゆっくりグッズが無駄になるんだから。」 そういうとお兄さんはまりさに家の鍵を渡して、また仕事に戻るために公園から出ていく。 鍵を渡されたまりさはしばらくぼんやりしていたが、急いで荷物をまとめ始める。 お兄さんが仕事から帰ってきたとき、家にはまりさが待っていた。 「おかえりなんだぜおにいさん!きょうはおにいさんのためにけーきさんをかってきたのぜ! もちろんまりさのおこづかいだからあんしんしていいのぜ!」 そういってまりさはお兄さんの手をひっぱり居間に連れていく。 おまけ お前洗ってない犬の匂いがするんだよ 「おまえなんか臭くないか?」 「しつれいなんだぜおにいさん!まりさはちゃんとみずあびしてからだはあらってたんだぜ!」 「いや絶対臭いって!一週間風呂入ってなきゃ臭くもなるから。」 「ゆぐ、じゃあおふろにはいってくるのぜ。おにいさんいっしょにはいるんだぜ!」 「嫌だよ臭いし。だいたい俺は疲れたからもう寝る。」 「いやなんだぜ!いっしょじゃないとまりさおふろにはいらないんだぜ!」 駄々をこねるまりさに根負けし、一緒にお風呂に入ることにするお兄さん。 嬉しそうにお兄さんに体をくっつけながら体を洗うまりさ。 おにいさんの匂いを付けようとしてすりすりをしていたら、場所が悪くカルピスさんが出てしまいまた体を洗うことになってしまった。 後書き なんだかいつの間にか胴付きまりさのイラストがたくさん書かれていたのでまた書いちゃった。 前回の違うありすでは結構耳に痛いコメントがありましたので今回は冒頭に注意書きをしてみました。 むしろ作者の投影はHENTAIのモブキャラだと思っています、俺の名前を言ってみろ!! これで通常種の胴付きはちぇん以外書いたけどいまいちちぇんのイメージがでてこない。ちぇんの胴付きイラストもっと増えないかな 悪魔タグより胴付きタグがほしいと思うHENTAIあきでした。 以前書いたもの ふたば系ゆっくりいじめ 993 初めてのおつかい ふたば系ゆっくりいじめ 1003 寂れた神社で ふたば系ゆっくりいじめ 1014 ゆーパチ「ヒャッハー!虐待だぁ!」 ふたば系ゆっくりいじめ 1024 めーりんの憂鬱 ふたば系ゆっくりいじめ 1036 別れと出会い ふたば系ゆっくりいじめ 1043 夜の怪奇現象 ふたば系ゆっくりいじめ 1058 S計画 作られたゆっくりたち ふたば系ゆっくりいじめ 1072 胴付きへの進化 ぱちゅりーの場合 ふたば系ゆっくりいじめ 1080 違うありす
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「ふたば系ゆっくりいじめ 766 まりさがまりさだよ!/コメントログ」 そうだよ!ぜんぶころしてりせっとすればいいんだよ!! -- 2010-06-27 00 25 35 まりさまりさまりさまりさまりさまりさまりさまりさまりさまr… もういいよ。全部殺すよ。 -- 2010-08-05 14 07 12 やれやれゲスゆっくり共がきたせいで本物のまりさは災難だったなー 飼い主さんも混乱して大変だったな(苦笑 -- 2010-11-01 23 11 05 ゆうかにゃんも可愛いがめーりんやきめぇ丸、ふらんやれみりゃも可愛いぞ -- 2010-11-04 13 29 40 はぁ…ゆうかにゃん -- 2010-11-10 12 48 37 家族とか言っておきながらお兄さんのまりさへの興味の無さにワロタw まあバッジ無しで外に遊びに行かせる時点で本当にどうでもよかったんだろうなw -- 2011-07-26 02 38 19 まさかの本物まで下衆化とは、 オチは最高だった。 -- 2012-07-26 07 44 30 正しい! -- 2012-11-28 00 12 54 ゆうかより霊夢買え笑 -- 2013-06-15 17 57 33 ↓↓↓↓↓↓つまり、希少種は可愛く、通常種はゴミということだな! -- 2015-05-13 20 19 21 きめぇまるが一番怒 -- 2016-05-18 01 55 27 んぺぺくはやかたかにまなこまはやかとてやなやかやなまかやなまはゆなはゆなやはゆやなやなに ねさやさやさやはなかこやかしこやむしむこぬさまかむなたかたなまかたなまはかち -- 2016-05-18 01 56 23 どうせ野良なんだから、ストレス解消に全部潰せばok ※バッジ申請しない時点で、それほど興味無いんだろ? -- 2018-01-16 22 04 21
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『ゴミクズまりさ』 42KB 虐待 制裁 自業自得 飾り お家宣言 野良ゆ ゲス 現代 虐待人間 うんしー ぺにまむ 長めのテンプレ虐待 おさげあき 少し長くなっちゃいましたが内容はテンプレ虐待です おさげあき 27作目 「ここをまりさのゆっくりぷれいすにするんだぜ!」 ボゴォ!! 「ぶっぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」 一匹の野良まりさがドヤ顔でおうち宣言をした瞬間、その顔面に家主の男の強烈な蹴りがぶち込まれた。 無様に顔をへこませながら宙を舞うまりさは地面に激突すると同時に絶叫を上げた。 「ゆんぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!ばでぃざのずべずべのおはだがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」 あまりの激痛でしーしーを漏らしながらその場をコロコロ転がるまりさ。 それを見た男はニヤリと笑うと高らかに宣言する。 「俺の家でおうち宣言するようなゲスは徹底的に制裁するから覚悟してね!もちろんすぐには殺さないよ! まりさのお粗末なプライドを徹底的にへし折って心身共にボロボロにしてからぶっ殺してあげるから感謝してね!すぐでいいよ!」 「ゆぐぅ!?」 ちなみにまりさは自分の力で男の家に侵入したわけではない。 男の家は防犯対策で強化ガラスを使っていたのでまりさはガラスを割って中に入れずギャーギャー騒いでいたのだ。 それに気づいた男はまりさを虐待するべく自ら家の中へ招きいれたというわけだ。 そして冒頭の台詞へと続く。 「今年最後を飾る虐待はまりさ!お前に決めた!これからお前は俺に何の抵抗も出来ず文字通りゴミクズになっていくんだ!素敵だろ?」 「ふっ……ふざけるなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!なんでまりさがそんなことをされなくっちゃいけないんだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ! まりさはおうちせんげんをすませたのぜ!だからくそにんげんはおとなしくまりさにおうちをあけわたしてとっととでていくんだぜ! それからまりさにいたいことをしたおわびとしてたくさんのあまあまをよこすのぜぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!」 「は?何で俺がゴミクズの戯言を聞いてやらないといけないの?バカなの?死ぬの?ゴミクズまりさはおとなしく俺に虐待されてね!」 ボゴォ!! 「ぶっぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」 再び蹴り飛ばされるまりさだが痛みに悶えつつも必死になって口を開く。 「ま、まつのぜ!おうちせんげんはゆっくりのせいっとう!なけんりなのぜ!るーるはちゃんとまもらないといけないのぜぇぇぇぇぇぇぇ!」 「だから何でゴミクズの決めた勝手なルールに従わないといけないの?バカなの?死ぬの?ゆっくりしないで蹴り飛ばされていってね!」 ボゴォ!! 「ぶっぎぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!」 痛みでしーしーを漏らしながら再び宙を舞うまりさ。 男の絶妙な手加減のおかげでまりさの体は崩壊せず痛みだけを延々味わっていた。 それでもまりさは自分の正当性を主張するべく再び叫んだ。 「るーるはまもるためにあるのぜぇぇぇぇぇぇぇ!くそにんげんもそれにしたがえぇぇぇぇぇぇぇぇ!いますぐだぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」 「いやいや、ゆっくりのルールは破るためにあるんだぞ?知らなかったのか?理解したら気持ちのいい悲鳴を上げてね!すぐでいいよ!」 ボゴォ!! 「ぶっぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」 またしても蹴り飛ばされるまりさ。 痛みに悶えつつもしつこく反論しようとするが男がまりさを足で踏みつけてそれを阻止する。 「ほれほれ、どうした?まりさはさいっきょう!(笑)なんだろ?俺の言い分に納得できないなら力でおれを屈服させてみろよ」 「ゆぐぐぐぐぐぐぐぐぐぐぐ!」 まりさは頭を踏みつけられるという最大級の屈辱を受けて粗末なプライドを傷つけられたのか涙を流している。 「おやおや?さいっきょう!のまりさが何で泣いてるの?おまけにしーしーも漏らしてるし、どういう事かな?」 「ゆぎぎぎぎぎぎぎぎ!」 歯を噛み締め屈辱に耐えるまりさ。 抵抗したいが体は一切動かない。 だがその目は男への殺意で満ちている。 最強である自分が何故こんな屈辱を受けるのか、何故弱い人間の足を振りほどけないのか。 まりさの頭の中はそんな疑問でいっぱいだった。 「今、まりさが考えてる事を当ててやろうか?最強であるまりさが何でこんな目に遭うのか、くそ人間の足如き何故振り払えないのか、そんなところだろ?」 「!!」 何故分かった!?とでも言いたげな表情のまりさ。 「お前らゴミクズまりさの考える事はマジで単純だからな、すぐ分かるよ」 「ば……でぃ……ざ……は……ご……み……く……ず……じゃ……な……い……の……ぜ……」 男の足で踏みつけられ満足に喋れないまりさだが何とかそれだけは言い切った。 自分が最強だと信じるまりさ種にとってゴミクズ呼ばわりされるのだけは我慢出来ないようだ。 「どう見てもゴミクズじゃん、ほれ、足をどかしてやるから言いたい事を言ってみろ」 どういう理由かは分からないが男が足をまりさの頭からどかす。 邪魔なものが無くなったまりさは即座に男に叫び始めた。 「よくもさいっきょう!のまりさをごみくずよばわりしたなぁぁぁぁぁぁぁ!ゆるさないっべぇぇぇぇぇぇぇぇ!?」 だがまたしても話の途中で男がまりさを蹴り飛ばす。 痛みに悶絶しながらもまりさは男に抗議する。 「な、なにをするんだぜぇぇぇぇぇぇぇぇ!?だまってはなしをきけぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!」 「俺がゴミクズの話をおとなしく聞くとでも思ったの?バカなの?死ぬの?」 「だからまりさはごみくずじゃないぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!」 「いやいや、どこから見てもゴミクズそのものじゃん、俺の攻撃で無様に悲鳴を上げつつしーしーも漏らしまくってるしな」 「ゆっぐぅぅぅぅぅぅぅ!こ、これはなにかのまちがいなのぜぇぇぇぇぇぇぇぇ!まりさがしーしーをもらすはずがないぃぃぃぃぃぃぃ!」 「いやいや、今もこうして漏らしまくってるじゃん、そんな事も分からないの?バカなの?死ぬの?」 「だまれだまれだまれだまれだまれぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!」 「だまれだまれだまれだまれだまれぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!ぷぷっ!必死だね!ゴミクズのまりさちゃん♪」 「ゆっがぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!まねするなぁぁぁぁぁぁぁ!」 「ゆっがぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!まねするなぁぁぁぁぁぁぁ!ぷぷっ!ねぇ真似されてどんな気持ち?ねぇどんな気持ち?」 「ゆぶっぐおおおおおおおおおお!」 「おーおー、凄い顔をしてるぞ?ブサイクな顔がさらにブサイクになってゴミクズそのものだな!やっぱまりさ種は面白いわ」 「くそがぁぁぁぁぁぁぁぁ!もうゆるさないのぜぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!せいっさい!してやるのぜぇぇぇぇぇぇぇぇ!」 「口だけは達者だが実力が伴っていなければ意味が無いぞ?ゴミクズまりさちゃん♪」 「ゆぐおおおおおおおおおおお!しねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!まりさをばかにするくそにんげんはそくざにしねえぇぇぇぇぇぇぇぇ!」 度重なる自分への暴言とおちょくりにキレたまりさは男へ体当たりをする。 当然男には効いていないがまりさは調子に乗って体当たりを続けた。 「どうなのぜぇぇぇぇぇぇぇ!?さいっきょう!のまりさのたいあたりは!?いたくてこえもでないのぜ!?」 「え?今攻撃してたの?いやーごめんね!全然気づかなかったよ!ゆっくり許してね!」 「ゆっがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!やせがまんするなぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!いたがれぇぇぇぇぇぇぇぇ!のたうちまわれぇぇぇぇぇぇぇ!」 「さっきまで俺の蹴りでのたうちまわってたゴミクズまりさちゃん♪そんなゴミクズの攻撃なんて全然効かないよ!ゆっくり理解してね!」 「だまれだまれだまれだまれだまれだまれぇぇぇぇぇぇぇぇ!まりさはさいっきょう!なんだぁぁぁぁぁぁぁ!むてきのていっおう!なんだぁぁぁぁぁぁぁ!」 「うん、無敵のゴミクズだね!おまけにしーしーもよく漏らすしまりさは最強で無敵のゴミクズお漏らし饅頭だね!自慢出来るよ!よかったね!」 「ゆぐがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」 数々の暴言にまりさのプライドは既にズタズタだ。 「しね!しね!しね!しね!しね!さっさとしねぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!さいっきょうのまりざばぁ!?」 まりさの攻撃を受け続けるのに飽きた男がまりさの体当たりに合わせて蹴りをぶちこんだ。 みっともない悲鳴を上げつつしーしーを漏らしながら宙を舞うまりさ。 「ゆんぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!いたいのぜぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!まりさしんじゃうのぜぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!」 「これくらいじゃ死なねぇよ、まあそう簡単に殺さないけどな!虐待はまだ始まってもいないんだぞ?しっかりしろよ」 「ゆぎぃ!?なにをいってるのぜ!?ぎゃくたいはゆっくりできな……っべぇ!!」 男はまりさが何か言おうとしていたが関係なしに再び蹴り始めた。 「や、やめるのぜぇぇぇぇぇぇぇ!やべ……ぶげぇ!!」 まりさをサッカーボールのように蹴りまくる男。 まりさは部屋の中を悲鳴をあげながらコロコロ転がるだけで何の抵抗も出来ない。 それでも何とか男から逃げるべく必死に跳ねるがやがて部屋の隅に追い詰められそこでゲシゲシと何度も蹴られまくった。 「やべでぇぇぇぇぇぇぇ!こんなのひきょうなのぜぇぇぇぇぇぇぇ!せいせいどうどうとたたかうのぜぇぇぇぇぇぇぇ!」 「卑怯?だから何?俺は自分がゆっくりするためにまりさをいじめたいんだ、卑怯とかそんなのどうでもいいんだよ!ゆっくり理解してね!」 「そ、そんなのおかしいのぜぇぇぇぇぇぇぇ!ひきょうなのはだめなのぜぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!」 「ダメとかそんなのはどうでもいいよ!まりさは俺をゆっくりさせるためにその身を差し出してね!すぐでいいよ!」 「じ、じぶんがゆっくりできればそれでいいなんてぜったいおかしいのぜぇぇぇぇぇぇ!それはげすのかんがえなのぜぇぇぇぇぇぇぇ!」 「うん、まりさと同じだな」 「ゆゆ!?なにをいうのぜぇぇぇぇぇぇぇ!?」 「まりさだって今まで自分がゆっくりする事しか考えてこなかったろ?だからおうち宣言なんてしたんだろ?」 「ち、ちがうのぜ!まりさはれいむのためにおおきいおうちがひつようだったのぜ!だから……!」 「あー、もう分かった、つまりまりさは大きいおうちを手に入れてれいむに自慢したいが為におうち宣言したって事か」 「ゆぐぅ!?どぼじでわかったのぜぇぇぇぇぇぇ!?」 「ゴミクズまりさの思考は単純だからな、結局自分がゆっくりする事しか考えてないじゃん」 「ゆぐぐぐぐぐぐぐぐぐぐ!」 何も言い返せないまりさ。 「まあお前がどうしようもないゲスってのは分かった、そんでお前のれいむとやらはどこにいるんだ?」 「れいむはこうえんのおうちでおるすばんしてるのぜ…… まりさがいっしょにおうちせんげんしにいこうっていったられいむはすごくいやがったのぜ…… だからしかたなくまりさだけでくそにんげんのおうちをもらいにきたのぜ……」 どうやらまりさのつがいのれいむとやらはそこそこ賢いゆっくりのようだ。 人間との力の差を理解しているのか、それともまりさではおうち宣言は失敗すると判断したのかは分からない。 どちらにしてもれいむの判断は正解だ。 「まあここにいないなられいむの事はどうでもいいか、少なくてもまりさ、お前は二度と公園には戻れないしな」 「ゆゆ!?」 「最初に言ったろ?まりさのお粗末なプライドをへし折って心身共にボロボロにしてからぶっ殺してあげるってね!」 「や、やめるのぜぇぇぇぇぇぇ!まりさにはれいむというたいせつなかぞくがいるのぜぇぇぇぇぇぇぇ! こうえんにかえらないとれいむがかなしむのぜぇぇぇぇぇぇぇ!だからくそにんげんはまりさをいますぐかいほうして……!」 ボゴォ!! 「ぶっぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」 男の蹴りが再びまりさの顔面にめりこんだ。 「何度でも言うよ!まりさの都合なんか知った事じゃないんだ、俺は自分がゆっくりするためにまりさを徹底的に虐待するよ!」 「ゆんやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」 -翌日- 「おっし!今日も元気にまりさを虐待するか!」 「や……やべでぇぇぇぇぇぇぇぇ!もうやべでぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!まりさがわるかったですぅぅぅぅぅぅぅ!だからおうちにかえしてぇぇぇぇぇぇ!」 昨日の蹴りを主体にした虐待ですっかりまりさは男に怯えるようになった。 死にそうになったらオレンジジュースを掛けて回復したらまた瀕死になるまで蹴りまくりそして再びオレンジジュース。 それを10回ほど繰り返したところで昨日の虐待は終了となったがその頃にはまりさは当初の高圧的な態度は消し飛びひたすら許しをこうだけのゴミクズと化した。 無様な姿でピクピク痙攣するだけの糞饅頭を透明の箱に放り込みオレンジジュースをぶっ掛けた。 一晩ゆっくり過ごせば体の傷はほぼ回復するが心の傷は癒えないようで男の姿を見ただけで悲鳴を上げるまりさ。 そんなまりさを透明の箱から引きずり出し今日の虐待プランを説明する男。 「昨日は蹴りを主体にした肉体的な虐待がメインだったが今日は精神的な虐待も加えようと思ってる」 「やだぁぁぁぁぁぁぁぁ!もうやだぁぁぁぁぁぁぁぁ!まりさおうちかえるぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!」 「まずは足焼きして二度と動けないようにするぞ、ゆっくり理解してね!」 「い、いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!そんなのいやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!まりさのしゅんっそく!のあんよさんだけはかんべんしてぇぇぇぇぇぇぇ!」 「こんなのまだまだ準備運動みたいなもんだ、後にはもっと素敵な虐待が待ってるぞ!よかったね!まりさは幸せものだ!」 「やだやだやだやだやだやだやだぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」 「という事で早速」 男はカッターナイフで餡子が漏れない程度にまりさの底部を切り刻んだ。 「ゆんぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!いだいいだいいだいいだいいだいいだいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ! ばでぃざのあんよざんがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!ちぇんすらおいづげないかもしかのしゅんっそく!のあんよざんがぁぁぁぁぁぁぁ!」 「ホントにゴミクズまりさの口から出るのは嘘ばかりだな!まりさが勝てるのはせいぜいれいむかぱちゅりーくらいだろ?」 「ち、ちがうもぉぉぉぉぉぉぉん!ばでぃざはぼんどに……!」 「嘘つくゲスのあんよは二度と使い物に出来なくするよ!ゆっくり理解してね!」 男は切り傷だらけのまりさの底部をチャッカマンで念入りに焼いていった。 切り傷の痛みと火傷の痛みの二重苦でまりさは喉が潰れんばかりに絶叫を上げる。 「ゆんぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!あづいあづいあづいあづいあづいあづいぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!ばでぃざのあんよぎゃぁぁぁぁぁぁぁ!!」 「うん、いい悲鳴だな、ゴミクズにはお似合いの悲鳴だ!もっと聞かせてね!すぐでいいよ!」 「あんよあんよあんよあんよあんよぉぉぉぉぉぉぉぉ!ばでぃざのあんよぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」 「足を焼かれたくらいでうるさい奴だな、昨日まではさいっきょう!とかほざいてたのにこのザマか、やっぱりまりさは弱虫だな!」 「おでがいじばずぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!ばでぃざ、ぼんどにあるげなぐなっちゃいばずぅぅぅぅぅぅぅぅ!だからやべでぇぇぇぇぇぇぇ!」 「いや、もう終わったから」 「ゆ……?」 「もうまりさのしゅんっそく!のあんよとやらは真っ黒で二度と動かないよ!ゆっくり理解してね!」 男は鏡をまりさの前に持ってきて焼け焦げた底部を見せてあげた。 まりさも鏡がどういうものか分かっているのか顔が真っ青になっていく。 そして当然のように情けない悲鳴を上げた。 「ゆんやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!そんなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!まりさの……!まりさのあんよがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」 ゆんゆん泣き叫ぶまりさ。 だが男はまりさを休ませるつもりはない。 「次はまりさの素敵なお帽子をビリビリにするよ!嬉しいね!最高だね!こんな体験が出来るんだからまりさは本当に幸せものだね!」 「い、いやだぁぁぁぁぁぁぁ!まりさのすてきでかわいくてぷりてぃーでしろいおりぼんがちゃーむぽいんとのおぼうしだけはぁぁぁぁぁぁ!」 「そおい!」 「あっ……ああああああああああああああああ!!!」 底部が動かないので体を無様にぶりんぶりんと振って抵抗するだけのまりさからあっさり帽子を奪った男は即座に手でビリビリに引き裂いた。 まりさは目を飛び出さんばかりに見開き自分の素敵な帽子がビリビリに裂けていく所を絶叫をあげながら見る事しか出来なかった。 「ほら!まりさの素敵なお帽子がこんなに素敵に変身したよ!よかったね!」 「まりさの……まりさのすてきなおぼうし……すてき……とってもすてきで……かわいくて……」 ブツブツと小さく呟くだけのまりさ。 帽子はまりさ種にとって最大にして最も大切なお飾り。 帽子の無いまりさはゴミかそれ以下の存在だ。 もうまりさは男から開放されたとしても二度とゆっくりする事は出来ないだろう。 「うん、やっぱ帽子の無いまりさ種はいつ見ても惨めで情けないな!もう死んだほうがよくない?」 「ゆっぐ……えっぐ……しんだらにどとゆっくりできないよ……」 「だろうな、お前ならそういうと思ったよ」 どんなに落ちぶれてもまりさは自ら死ぬ事はない。 ゲスは生への執着が凄まじいし死んだら二度とゆっくり出来ないからだ。 普通に考えればこのまま生きていてもゆっくり出来る事など無いのだがまりさは希望を失わない。 生きてさえいればいつかはゆっくり出来る、そう信じて。 「んじゃ次はおさげだな」 だがまりさの希望は男の言葉でさらに小さくなっていく。 「お、おさげさんをどうするの……?やめてね?やめてね?ゆっくりできないことはやめてね?」 まりさもおそらく自分のおさげがこの後どうなるのか分かっているのだろう。 だが最後の希望にすがって必死に男を止めようとする。 「手でひと思いにぶちんと引き抜いてもいいが今回はチャッカマンで焼く事にするよ」 「ゆ……ゆゆぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!?」 おさげを焼く!? 自分の素敵で可愛くてちゃーみんぐでえきさいてぃんぐなおさげを!? まりさは男が何を言ったのか理解出来なかった。 いや、理解したくなかった。 だが男が自分のおさげに手を伸ばした事で暴れだす。 「やだやだやだやだやだやだやだやだぁぁぁぁぁぁぁぁ!!おさげさんだけはぁぁぁぁぁぁぁぁぁ! まりさのしろいおりぼんがちゃーむぽいんとですてきできらきらでどんなものでももちはこべるばんっのう!のおさげさんだけはぁぁぁぁぁぁぁ!」 まりさはおさげを必死に振り回し男の手をペチンペチンと叩きまくる。 当然男に痛みなど無くただくすぐったいだけだ。 「ホントにウザイおさげだな!そんなにキモイ動きをするおさげは制裁するよ!ゆっくり理解してね!」 男は暴れるおさげをあっけなく掴んで白いリボンを取り外す。 「ゆゆぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!?まりさのかわいいおさげさんをいろどるぷりてぃーなおりぼんさんがぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」 リボンの外れたおさげはただのくせ毛となりそれ以降全く動かなくなった。 「う、うごいてねっ!まりさのおさげさん!おさげさん!おさげさぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!」 「おさげで無くなると動かなくなる、ホントにゆっくりって不思議饅頭だよな」 「かえしてねっ!まりさのおさげのおりぼんかえしてね!」 「うーん、まあいいか、返してやるよ」 「ほ、ほんと?ならゆっくりしないでかえしてね!すぐでいいよ!」 「よっと」 「ゆゆぅぅぅぅぅぅぅ!?どうしてまりさのあにゃるさんみてるのぉぉぉぉぉぉぉ!?」 「まりさにリボンを返すためさ」 男はまりさの気持ち悪く蠢くあにゃるに白いリボンを無理やり押し込んだ。 「ゆんぎぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!やめてぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!きもちわるいぃぃぃぃぃぃぃぃ!とってぇぇぇぇぇぇぇぇ!とってよぉぉぉぉぉぉ!」 「嫌だね、自分で取れば?踏ん張れば出てくるかもよ?」 「ゆゆ!?ゆんぎぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!でてきてね!まりさのおさげさんをいろどるじゅんぱくのおりぼんさん!ゆっくりしないででてきてね!」 男の言葉で必死になって踏ん張るまりさ。 リボンが無いとおさげは動かない。 自分の可愛いおさげを再び動かすためにまりさは力いっぱい踏ん張った。 その結果…… ブリュ!ブリブリブリ!!! まりさは自らのうんうんと共に見事リボンを排出する事が出来た。 「やったよ!これでおさげさんはまたげんきにうご……ゆゆぅぅぅぅぅぅぅぅ!?しろいおりぼんさんがうんうんまみれになってるぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!?」 うんうんと一緒に出したのだからうんうんまみれになるのは当然。 まりさのおさげを彩る白いおリボンとやらはどす黒くて悪臭まみれの汚物へと変わった。 「ゆんやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!そんなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?どぼじでぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?」 大絶叫を上げるまりさ。 さっきから叫びっぱなしなのによく喉が潰れないものだと男は少し感心した。 「ゆえぇぇぇぇぇぇぇぇぇん!ゆえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇん!ゆえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇん!」 顔を床に付けてゆんゆん泣き叫ぶまりさ。 「号泣してるところ悪いが次はおさげを焼くからね!ゆっくり覚悟してね!」 「ゆゆぅぅぅぅぅ!?や、やめ……!ゆんぎゃぁぁぁぁぁぁぁ!あづいぃぃぃぃぃぃぃぃ!お、おさげさんがもえてるぅぅぅぅぅぅぅ! ばでぃざのむちよりもしなやかであらゆるものをひきさいてあんこくのせかいにひかりをともすほどのかがやきをはなつきんぱつのおさげさんがぁぁぁぁぁぁ!?」 「相変わらず自分のおさげへの評価だけは最強だな!」 男が無慈悲におさげの処分を実行した。 チャッカマンの火で元おさげの先端から少しずつ燃やしていくがゆっくりの髪の毛は燃えやすいのかあっという間に元おさげは燃え尽きた。 さらに頭髪にも火が燃え移り何割か燃やしたが男がオレンジジュースを掛けて火を消す。 火傷の痛みに苦しみつつもオレンジジュースである程度回復したまりさだがその精神は既にボロボロである。 「ははっ!やっぱお飾りの無くなったまりさ種はみすぼらしいな!まりさもみすぼらしい自分の姿をゆっくり見ていってね!」 男は鏡で現在のまりさの姿を見せてあげる。 「なに……?このゆっくりしてないまりさは……?おかざりがないよ……?すてきなおぼうしもかわいいおさげさんも……なんで?どうして?」 「現実を見ろよ、鏡に映ってるのはお前の姿だ、帽子もおさげも無くあんよも真っ黒こげ、ゴミクズまりさの姿そのものじゃないか」 「ま、まりさ?これが……?このゆっくりしてないゆっくりがまりさ?まりさはごみくず?ゆっくりしてないごみくず? ゆ……ゆ……ゆっひぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!ゆぴゃぴゃぴゃぴゃぴゃぴゃぴゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」 「あー、狂ったか、まあ予想通りだけどな」 あまりにゆっくりしてない自分の姿に精神を壊してしまったまりさだが男は慌てない。 「そおい!」 パァン!! 「ゆびぃ!……ゆ?ゆゆ?ゆゆゆぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!?」 男がまりさの顔面に平手打ちを食らわすとまりさが正気を取り戻す。 強いショックを与えればすぐ正気を取り戻すのだ。 ただしこれは軽度の場合で徹底的に追い詰めた末の精神崩壊だとこう簡単にはいかない。 「おかえりまりさ!よかったね!これでまた虐待が出来るよ!」 「ゆ、ゆんやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!もうやだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!まりさもういたいのくるしいのかなしいのやだぁぁぁぁぁぁぁぁ!」 「まだまだこれからさ!まりさにはもっともっともーっと悲しい事や苦しい事や痛い事が待ってるんだ!よかったね!」 「にんげんさん!まりさがわるかったですぅぅぅぅぅぅぅぅ!おうちせんげんしてすみませんでしたぁぁぁぁぁぁぁぁ! まりさ、はんせいしましたからたすけてくださいぃぃぃぃぃぃぃ!もうゆっくりできないことはしないでくださいぃぃぃぃぃぃぃぃ!」 「だが断る」 「ど、どぼじでぞんなごどいうのぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!?」 「次は……そうだな、あいつを使うか」 男はまりさを置いて部屋から出て行った。 まりさはこの隙に逃げようとするが自慢のあんよは真っ黒で一歩も動かない。 あんよが動かない以上まりさに逃げる術は無かった。 ならばせめて男の考えを変えさせるために足りない餡子脳で必死に打開策を考える。 だがまりさの考えがまとまる前に男が帰ってきてしまった。 しかも手に何かを持っている。 ちょうどまりさと同じくらいの物体で目と口が付いて…… 「ゆゆぅぅぅぅぅぅぅぅ!?それなんなのぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!?」 「何って、お前と同じまりさ種のゆっくりだよ、まあ帽子もおさげも金髪も無いハゲ饅頭だから分からんかもしれんが」 「ゆゆ!?まりさとおなじ!?そのばけものが!?」 「化け物だってよ、今の感想は?」 「……ゆっくりできないよ」 「だろうな」 男の手の中のハゲまりさは全身傷だらけでお飾りも一切無し。 同属に化け物と言われても仕方ないだろう。 このハゲまりさもまりさと同様に男の家でおうち宣言して捕まり苛烈な虐待の結果がこれである。 そしてハゲまりさもやはり生きたがりのゆっくりでどんな姿になっても生きる事を選んだ。 男の命令に従っている限りは生かしてやると約束しハゲまりさをコンポストとした。 そうして今日まで生きてきたハゲまりさだが男はこいつがまりさの虐待に使えると思い連れてきたのだ。 「お前にもそろそろ飽きてきたし最後の命令を果たせば開放してやるよ」 「ゆ?ほんと?」 「ああ」 「ゆゆ……でもなにをすればいいの?」 「そのまりさをレイプしろ」 「「ゆゆ!?」」 「もう一度言う、そのお飾りのない惨めで無様なゴミクズまりさをレイプしろ、ぺにぺにでまむまむを犯せ」 「「ゆゆぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!?」」 「そしてこいつを胎生妊娠させろ」 「「ゆっえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?」」 あまりの想定外の命令に二匹の声が重なった。 「そんな……まりさはまりさとなんかすっきりーしたくないよ……」 「ならここで死ぬか?」 「ゆひぃ……!」 「どうする?俺はどっちでもいい、お前の代わりなんていくらでも作れるからな」 「……ゆぐぐ……わかったよ……」 男がハゲまりさを床に置くとハゲまりさはゆっくりとまりさへ這っていく。 まりさと違いハゲまりさの底部は無事なので移動は可能なのだ。 「やだ……!こないでね!まりさにちかよらないでね!ばけものはゆっくりできないよ!」 「まりさだっておまえみたいなゆっくりしてないやつにちかづきたくないよ……でもそうしないとまりさはころされるんだよ……」 やがてまりさの傍へやってきたハゲまりさは軽くまりさに体当たりするとまりさを仰向けにする ぺにぺにを挿入しやすいようにするためだろう。 「や、やめてぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!まりさのまむまむをおかさないでぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!」 「まりさだっておまえのようなやつのまむまむなんかにそうにゅうしたくないよ……」 ハゲまりさは無理やりぺにぺにを生やすとまりさのまむまむへ挿入しようとするがためらいがあるのか中々挿入しようとはしない。 「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!やめてやめてやめてやめてぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!まりさはおとうさんになりたいのにぃぃぃぃぃぃ!」 「ゆぐっ!はきけがするよ……!でもすっきりーしないとまりさは……」 二匹がここまですっきりーを嫌がる理由は同種で父親タイプだからだろう。 中には同種でつがいになるゆっくりもいるがまりさ種はほとんどが父親となる。 この二匹も当然父親タイプだ。 人間に例えるなら男同士で行為に及ぶようなものだ。 同性愛者ならば問題ないがこの二匹はノーマル、当然このようなすっきりーなど嫌悪感でいっぱいだろう。 まあまりさから見ればハゲまりさはただの化け物にしか見えないから生理的に嫌悪しているだけかもしれないが。 「おい、早くしろ、それともここで死ぬか?」 「ゆっぐ……ゆわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」 ハゲまりさは半分ヤケクソになったのか絶叫を上げてまりさのまむまむにぺにぺにを挿入した。 「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!ばでぃざのまむまむがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!いだいいだいいだいいだいいだいぃぃぃぃぃぃぃ!」 「ゆおおおおおおおおおおおおおおおお!」 まりさはハゲでしかも同種の相手にバージンを奪われた痛みと損失感で盛大に泣き叫ぶ。 ハゲまりさは早く終わらせる事だけを考え、一心不乱に腰を動かし続けた。 「どぼじでばでぃざがおがざれないといげないのぉぉぉぉぉぉぉ!?ばでぃざはまむまむじゃなくてぺにぺにをつかいたかったのにぃぃぃぃぃぃぃ!」 「ん?お前、まだれいむとすっきりーしてなかったのか?ははっ!れいむにすらすっきりーさせてもらえないとかホントにゴミクズだな!」 「ちがうぅぅぅぅぅぅぅ!ばでぃざはごみくずじゃないぃぃぃぃぃぃぃぃ! れいむはいまはふゆだからとかはるになってからしようねとかわけのわからないことをいってさせてくれなかったんだよぉぉぉぉぉぉぉ!」 「冬の食糧事情や厳しい季節での育児の大変さを理解出来る優秀な奴じゃん。 そんなのが何でゴミクズまりさとつがいになったのか理解に苦しむな、まあ賢いといっても所詮はれいむ、つがいはまりさ種でという単純な考えなだけかもな」 「ぞれよりごれをやめざぜでぇぇぇぇぇぇぇぇ!どっでもいだいんでずぅぅぅぅぅぅぅぅ!まむまむざげでいだいんでずぅぅぅぅぅぅぅぅ!」 よく見るとまりさのまむまむは裂けて少量の餡子が漏れていた。 発情状態ですらない閉じきったまむまむに無理やり挿入したのだ。 まりさに快感など一切なくあるのは苦痛だけだろう。 「ゆぐぅぅぅぅぅぅぅ!すすすすすすすっきりーーーーーーーーーーーーー!!」 そしてようやくハゲまりさがまりさの中に精子餡を注いだ。 ハゲまりさのほうは一応快感らしきものを感じているようだがその顔はとても悔しそうだ。 「あっ……あああああああああああ!まりさ……ばけものにおかされてにんっしん!しちゃったよぉぉぉぉぉぉぉ……」 まりさの頭から茎が生えてきた。 それを見たまりさはただひたすらゆんゆんとすすり泣く。 そしてハゲまりさは任務が終わった事を確認し男に自分の開放を訴えた。 「お、おにいさん、これでいいでしょ?これでまりさはじゆう……」 「やり直し」 だが男はやり直しを要求する。 「ゆゆ!?どういうことぉぉぉぉぉぉぉ!?まりさはちゃんとにんっしん!させたでしょぉぉぉぉぉぉ!?」 「俺は胎生妊娠させろと言ったんだ、植物型妊娠じゃダメだな」 「に、にんっしん!したのはまちがいないんだからいいでしょぉぉぉぉぉぉ!?はやくまりさをかいほうしてねぇぇぇぇぇぇぇぇ!」 「随分デカイ口を叩くじゃないか、お前もゴミクズまりさのくせに」 「ばでぃざはごみくずじゃないぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!」 「お?口答えするの?お前のつがいのれいむみたいに体を徹底的に破壊されぐっちゃぐちゃに潰されたい?俺はそれでもいいよ?」 「ずびばぜんでじだぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!ばでぃざはどうじようもないごみくずでずぅぅぅぅぅぅぅぅ! おにいざんにいがざれるだげのぐぞごみでよわむじでしーしーもらじでぞんざいずるがぢもないぐざっだなまごみでずぅぅぅぅぅぅぅ!」 「ならやるべき事をやれ」 「ゆっぐりりがいじばじだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」 一緒におうち宣言しに来たつがいのれいむの無残な最期を思い出したハゲまりさは男への恐怖を思い出し即座にまりさを犯し始めた。 「やだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!もうやだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!これいじょうばでぃざをおがざないでぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!」 「と、いう事でお前が胎生妊娠するまで続けるよ!ゆっくり理解してね!あ、この茎は邪魔だから俺が抜いてやるよ」 ブチッ 「あっあああああああああああああーーーーーーーーーーー!?ばでぃざのおぢびぢゃんがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」 妊娠したことで母性に目覚めたのか我が子を奪われて悲鳴を上げるまりさ。 「じゃあ頑張って早めに胎生妊娠してね!そうすれば終わるからさ」 男は二匹の体力を回復させるべくオレンジジュースをぶっ掛けて待機した。 「どれくらい掛かるか分からんがせいぜいすっきりー!を楽しんでいってね!」 -数日後- 「ゆぅ~、ゆゆ~、ゆっゆっゆっゆ~♪」 腹がぷっくり膨れたまりさが透明の箱の中で体内の我が子に対して子守唄を歌っていた。 その顔はとても幸せそうだ。 「まりさのおちびちゃん、ゆっくりうまれてきてね!」 あの日、ハゲまりさに犯される事10回目でようやく胎生妊娠したまりさ。 父親タイプのまりさ種としてのプライドを木っ端微塵に砕かれ絶望の表情をしていたがやがて自分の中に芽生えた新たな命を大切にするようになった。 お飾りもなくつがいのれいむと二度と合えない可能性が高い今となってはおちびちゃんだけがまりさの心の支えである。 ちなみにハゲまりさは事が終わった後に即座に男に潰された。 男はあのハゲまりさに飽きていたし約束は守ったから問題ないだろう。 この世という地獄からハゲまりさを開放してやったのだ。 虐待お兄さんとは思えない優しい判断である。 ハゲまりさを潰してもまりさは一切反応しなかった。 まりさの目にはもはやおちびちゃんしか映っていなかったから。 あれから数日が経ったが男は何故か一切虐待を行わなかった。 最低限の食料だけを与えまりさを透明の箱に閉じ込めただけだ。 だがそんな平和な日々も今日で終わる。 何故なら…… 「ゆぐぅ!?ま、まりさのおちびちゃんがうまれそうだよ!?おにいさん!はやくきてね!ゆっくりしないでね!」 ついに産気づくまりさ。 だが狭い透明の箱の中で出産するのは危険だ。 勢いよく飛び出した赤ゆっくりが硬い壁に叩きつけられ死ぬ可能性がある。 それに男が生まれそうになったら手伝ってやると言ったのだ。 自分をこんな目に遭わせた男を信用するほうがおかしいがここ数日は本当に何もしてこない。 平穏な生活を送るうちにまりさは油断して自分に都合のいい解釈をしてしまう。 きっと人間は可愛いおちびちゃんにメロメロでこれからは自分とおちびちゃんを可愛がってくれるのだと。 単純な餡子脳だがだからこそ苛めがいがあるのだ。 「おっ、生まれるのか?」 まりさの声に反応して男が部屋に入ってきた。 その顔は相変わらずいやらしい笑みを浮かべている。 「そうだよ!だからはやくまりさをここからだしてね!」 「はいはい、ゆっくりゆっくり」 少し甘やかしただけですぐ付け上がってしまうのは仕方ない。 だってまりさはゲスだから。 男もこの程度では特に何も感じないのかさっさとまりさを透明の箱から出してやる。 「おにいさん!ちゃんとまりさのおちびちゃんをうけとめてね!」 「ああ、生まれたらな」 男の言葉に満足そうな笑みを浮かべるまりさだが出産の痛みに顔を歪ませ始めた。 「い、いだいよぉぉぉぉぉぉぉ!でも!このいたみのさきにはゆっくりしたみらいがまってるからまりさがんばるよぉぉぉぉぉぉぉ!」 まりさは大きくなった腹を前に突き出すようにしながら必死になって我が子を産み落とすべく踏ん張った。 「ゆぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎ!うまれるぅぅぅぅぅぅぅぅ!まりさのかわいいおちびちゃんがうまれるよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」 ……だがいつまで経っても生まれない。 それどころか産道すら開いていない。 「ゆ……ゆゆぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!?どぼじでうまれないのぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!?ゆんぎぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!いだいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!」 最初は我が子のためにどんな苦痛すら我慢する気でいたが元々ゆっくりは痛みに弱い。 いつまで経っても生まれない我が子と一向に引かない激痛にまりさは悶え始めた。 「どうした?何で生まないの?もしかして生みたくないの?」 「どぼじでぇ!?どぼじでうばれないのぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!?」 「そりゃ俺が産道を塞いだしな、生まれる訳ないよ」 「ゆ?ゆゆぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!?どういうことぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!?」 「昨日の夜、お前がのんきに寝てる時にちょっとお前の体に細工してな、少なくても産道からは赤ゆは出てこないよ」 「ど、どぼじでぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?どぼじでぞんなごどずるのぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!?」 「だってそれが望みだしな、俺がお前のようなゴミクズを愛でると本気で思ったの?バカなの?死ぬの?」 「ゆんぎぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!いだいいだいいだいいだいいだいぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!うばぜでぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!いだずぎるぅぅぅぅぅぅぅ!」 「念のためあにゃるも塞いだから出るとしたら口か目玉かそれとも皮を突き破って無理やり出てくるか……楽しみだな」 「あぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!じぬぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!じんじゃうぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!」 出産時の苦痛は男には分からないのでなんともいえないが相当苦しいらしい。 まあゆっくりにはお似合いの苦痛だが。 「おでがいじばずぅぅぅぅぅぅぅぅ!うばぜでぇぇぇぇぇぇぇぇ!ぼういだいのやだぁぁぁぁぁぁぁぁ!」 だが男はゆっくりと見物しているだけだ。 「ゆんぎぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!いらないぃぃぃぃぃぃぃぃ!ぼうおぢびぢゃんいらないぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!だがらいだいのどっでぇぇぇぇぇぇぇ!」 ついにおちびいらない宣言まで飛び出すまりさ。 元々子供を自分がゆっくりするための道具としか見ていなかったのでゆっくり出来ないと分かると即座に切り捨てるのは当然か。 「じねぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!ばでぃざをぐるじめるげずぢびはぞぐざにじねぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!ざっざとづぶれでじばえぇぇぇぇぇぇぇぇ!」 さらに我が子に死ねとまで言い始めるまりさ。 するとまりさの腹の中から小さく「どぼぢでしょんなこというんだじぇぇぇぇぇぇぇ!?」という声が聞こえた。 生まれる直前で喋る事も出来る赤ゆにとって自分の親からの暴言は相当にショックだろう。 「あぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!ゆっごごごごごごごごごごごおおおおおおおおおあああああああああーーーーーーーーー!!!」 目を血走らせ口から涎と少量の餡子を吐きながら吼えるまりさ。 その表情から相当の苦痛を味わっているようだ。 痛みでショック死しないように男が定期的にオレンジジュースを掛けているがそろそろ限界っぽい。 「ゆっぶぶぶぶっぶぶぶぶぶぶぶぶぐぐぐぐげげげががががごごごごおおおおうううううううえええええあああああ!!!」 バチュン!! 水っぽい音と共にまりさの腹がついに破裂した。 激痛の原因である我が子を外に出すために腹に負担をかけ過ぎたのだろう。 「あっ……あっ……あっ……」 腹が大きく裂けてまりさの中身である餡子が盛大にぶちまけられる。 まりさはピクピク痙攣し辛うじて生きているが長くは無いだろう。 「おーおー、派手にやったな、こりゃ片付けが大変だ」 そう言いつつも顔は満面の笑みだった。 「いやー、出産おめでとう!まりさ!残り短いゆん生だけど楽しんでいってね!」 「あっ……あっ……あっ……」 相変わらずまりさは痙攣するだけだ。 そして生まれたはずの赤ゆっくりはというと…… 「ゆぶぶぶぶぶぶぶぅぅぅぅぅぅぅ!おぼれりゅぅぅぅぅぅぅ!まりちゃおぼれりゅのじぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!」 赤まりさは親の餡子の海で溺れていた。 苦しそうにもがいているが餡子はゆっくりにとってご馳走だし死ぬ事はないだろう。 「さてと、赤まりさは後のお楽しみに取っておくとしてまずはこいつだな」 男はもう手遅れではあるがまりさにオレンジジュースを掛ける。 一時的だがこれでまりさの意識も戻す事が出来る。 「まりさのあんこさんが……もどってきてね……まりさのあんこさん……ゆっくりできないよ……」 「もう戻らないよ、まりさは死ぬからね♪」 「いやだよ……まりさ……しにたくない……まだぜんぜんゆっくりしてない……」 「ゴミクズのまりさにはお似合いの最後じゃないか、ゆっくりしないでとっとと死んでね!」 「ど、どぼじでごんなごどずるの……?ゆっくりだっていきてるんだよ……?かけがえのないいのちなんだよ……?」 「おっ、ゲスのテンプレの台詞がきたな、ならば俺はこう答えよう。 ゲスまりさは虐待されるための道具なんだ、俺をゆっくりさせるためにその命を散らすためにまりさは生まれたんだよ! 次に生まれ変わってもまりさとして生まれそして俺になぶり殺されてね!すぐでいいよ!」 「に……にんげんはあくまだよ……まりさにだっていきるけんりが……」 「無いね!ゴミクズまりさは何度生まれ変わってもゴミクズだからね!ゆっくり理解出来た?」 「りかい……できないけど……まりさには……それをかえるちからはないよ……どうして……まりさは……まりさとしてうまれたの……?」 「そりゃお前がゴミクズだからさ、ゴミクズだからまりさとして生まれたんだ」 「……ごみくず……まりさはごみくず……でも……せめてさいごに……れいむにおわかれを……いいたかった……」 「ああ、れいむね、安心しなよ、そのれいむからメッセージがあるから」 「ゆ……?」 男は部屋にあるテレビにビデオカメラを接続する。 すると…… 「ゆぅ……ほんとにこれまりさがみてるの?」 「ああ、だから安心して話していいよ」 「ゆっくりりかいしたよ……」 テレビにはなんとまりさのつがいのれいむの姿が映し出された。 どうやら公園のようだ。 「ど、どういうこと……?どうしてれいむが……?」 「これは映像を記録出来る道具なんだ、まあ詳しく説明しても餡子脳のお前には分からんだろうがこいつは正真正銘お前のつがいのれいむだろ?」 「ゆん……たしかにれいむだよ……」 最後の虐待のために男が予め公園に行ってつがいのれいむを探し出しまりさへのメッセージを記録したのだ。 れいむを探し出すのは簡単だった。 あまあまをちらつかせればそれで済む。 れいむは当初男を警戒していたがまりさが男の家におうち宣言した事を説明されると協力してくれた。 「れいむ……さいごにれいむをみれてまりさはしあわせーだよ……」 最後に愛しいれいむを見れてゆっくりしているまりさだがれいむの言葉にすぐ絶望を味わう事になった。 「まりさ、やっぱりおうちせんげんしちゃったんだね……れいむはとめたのに……まりさがひどいめにあってるのはじごうじとくだよ」 「れ、れいむぅぅぅぅぅぅぅぅ!?」 「それにまりさはいつもさいっきょう!ってじまんしてたけどほんとはさいっきょう!じゃないよね?れいむはしってるんだよ」 「ゆぐぅ!?」 「いつだったかれいむがおさんぽしてるときぐうぜんかりをしているまりさをみつけたよ。 そのときまりさはみょんのあつめたたべものをうばおうとさわいでたよ、そしてみょんにぼこぼこにされてみっともなくどげざしてたよね? おまけにしーしーまでもらして……まりさはさいっきょう!じゃなかったの?そもそもなんでみょんのたべものをうばおうとしたの? じぶんよりおおくのたべものをあつめられるみょんにしっとしたんでしょ?」 「ち……ちがうよ……まりさは……まりさは……」 「そしてすくないたべものしかもってこれないのにすっきりーしておちびちゃんをつくろうとするし…… いまはふゆさんなんだよ?おちびちゃんにこのさむさはつらいよ?どうしてそんなことがわからなかったの? まりさはただすっきりーがしたいだけでしょ?まりさはだんなさんしっかくだよ」 「ちがう……ちがうよ……」 「そしてまりさはおうちせんげんするためににんげんのおうちにいっちゃった、れいむがとめたのに…… そこでれいむはまりさとりこんするけついをしたよ、これいじょうまりさといっしょにいたられいむまでまきこまれるからね」 「そ、そんなぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」 「そんなときにれいむをしんぱいしてくれたのが……ありすだよ」 「……まりさ、おひさしぶりね」 「あ、ありすぅぅぅぅぅぅぅ!?どぼじでありすがれいむといっしょにいるのぉぉぉぉぉぉぉ!?」 突然映像にありすが映し出された。 どうやらまりさの知り合いらしい。 そんなありすが口を開く。 「まりさ、どうしておうちせんげんなんていなかものまるだしのことをしたの?そんなことしてもゆっくりできないのに…… にんげんのおうちにいったゆっくりがなんでかえってこないかわかる? おうちせんげんがせいこうしたからじゃないわ、みんなにんげんにころされたからよ、にんげんはつよいわ……すごくね。 でもまりさはそれをりかいせずじぶんがゆっくりするためにおうちせんげんをした、じごうじとくね。 にんげんにかかわるなんてげすのすることよ、いままでだってたくさんのげすがにんげんにころされたところをみたでしょ? どうしてりかいできないの?どうせまりさはさいっきょう!だからほかのやつとはちがうとでもおもったんでしょ?」 「ちがう……まりさは……」 「そしていちばんゆるせないのはれいむをおいていったということ。 ほんとうにれいむのことがたいせつならおうちせんげんなんかやめてれいむといっしょにゆっくりするべきだわ!」 「……れいむがさびしそうにしているときにこえをかけてきてくれたのがありすだよ。 じじょうをせつめいするとありすはとてもやさしくしてくれたよ、すごくうれしかったよ。 そしてれいむはおもいきってありすにこくはくしたよ、いっしょにゆっくりしてほしいってね」 「ありすはさいっきょう!でもないけどいいの?っていったけどれいむはそれでもいいっていってくれたわ」 「れいむはすきなゆっくりといっしょにいるだけでしあわせーなんだよ、だかられいむはありすといっしょにゆっくりすることにしたんだよ」 「ど、どぼじでぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?」 自分の妻からの離婚宣言だけでなく知り合いのゆっくりに鞍替えまでされたまりさは絶叫を上げる。 「瀕死なのに元気だな」 男は呆れつつもまりさを楽しげに観察している。 「はるさんになったらおちびちゃんをつくってかぞくなかよくゆっくりするよ!だからまりさ……かえってこないでね!」 「げすがいるとゆっくりできないのよ……ゆっくりりかいしてね?でももしまりさがはんせいしたらゆるしてあげてもいいわよ?」 「「それじゃまりさ!ゆっくりつみをつぐなってね!」」 ここで映像は終わった。 まりさはショックのあまり声も出ないようだ。 「うまくは言えないがあのれいむ、何故かムカツクんだよな。 まりさを捨てたのも仕方ないしありすに乗り換えたのも孤独を嫌うゆっくりの行動としては普通だ。 うーん、まあいいか、俺はあんなのよりまりさのような分かりやすいゲスを虐待するほうが好きだし」 だから男はれいむには苛烈な虐待はせずリボンともみあげだけを奪って帰ってきた。 去り際に聞いたれいむの絶叫とありすの「おかざりがないれいむとはりこんするわね」の言葉で胸がスッっとしたのを覚えている。 れいむの今後が楽しみだがまりさにはこの事を言うつもりはない。 自分を捨てたれいむが今もゆっくりしていると思わせたほうがまりさを苦しめられるから。 「で、まりさ……今どんな気持ち?最愛の妻に見捨てられて今どんな気持ち? さらには帰ってこないでね!とまで言われて今どんな気持ち?ねぇ?聞かせてくれよ、今どんな気持ち?」 男がいやらしい表情でまりさに質問する。 するとまりさは大絶叫を上げた。 「ああああああああああああああああああああああああああーーーーーーーーーーーーーーー!!」 度重なるゆっくり出来ない事の連続と理不尽な展開にまりさは叫ぶ事しか出来なかった。 「なんでだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!なんでばでぃざがごんなめにあわないどいげないんだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ! おがじいよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!ぜったいおがじいよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!よのながりふじんだらげだよぉぉぉぉぉぉぉぉぉ! ばでぃざはなにもわるいごどじでないよぉぉぉぉぉぉぉぉ!ぞれなのにどぼじでぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?どぼじでなのぉぉぉぉぉぉぉ!?」 「そりゃお前がゴミクズまりさでゲスだからだよ」 「ちがうちがうちがうちがうちがうぅぅぅぅぅぅぅ!ごみくずじゃないぃぃぃぃぃぃぃぃ!まりさはさいっきょう!で……!」 「ほい」 「ゆぐ!?」 まりさの前に鏡を持ってくる男。 「見てみろ、帽子もおさげも無く腹が裂けて今にも死にそうになってる無様で惨めで愚かで哀れな自分の姿を。 どこが最強?どう見てもゴミクズじゃん、ゆっくり現実を直視してね!すぐでいいよ!」 「ちがうよぉぉぉぉぉぉぉぉ!こんなのまりさじゃないぃぃぃぃぃぃぃぃ!これはなにかのまちがいだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」 「うん、お前のゆん生そのものが間違いだったんだよ、そんな間違いだらけのゆん生はとっとと終わらそうね!」 男はチャッカマンでまりさの餡子を掻き分け中枢餡を探り当てる。 「いっぎぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!ばでぃざのあんござんをがぎまわざないでぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!」 「すぐ死ぬんだから我慢しろよ、んじゃこれからお前の命をこんがり焼くからね!」 「ゆっぐぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!?やめてやめてやめてやめてやめてぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!まりさのいのちさんをやかないでぇぇぇぇぇぇぇぇ!」 「ゆっくり諦めてね!」 そして火を吹くチャッカマン。 「ゆぐあlfhslfhjろいえlskhglkdjfhごrdhh!?」 中枢餡を直接焼かれる激痛はどれほどのものか男には想像もつかないが口から餡子と共に奇声を発するだけのまりさの様子から察するに相当な苦痛のようだ。 「ごぼぼぼぼぼぼぼぼぼ!?」 口から吐き出される餡子の量もかなり多くなってきた。 「つーかしぶといな、普通ならとっくに死んでもおかしくないんだが」 どうやらまりさは相当な生きたがりゆっくりのようだ。 だがそれが逆にまりさを長く苦しめる事になってしまう。 「!!!!!!」 両目がスロットマシーンのように高速回転し体をビクビク痙攣させるまりさ。 「そろそろ限界っぽいな、そんじゃお別れだな」 まりさの痙攣も小さくなり吐き出される餡子もほとんど無くなった。 そこで男は別れの挨拶をまりさにする事にした。 「まりさ!次に生まれ変わってもまりさとして生まれて俺の所に来てくれよ!今度はもっと素敵な虐待をしてやるからさ!」 「……い……や……う……ま……れ……た……く……な……」 生まれ変わる事を拒否しつつまりさはようやく息絶えた。 「ふぅ、今回のまりさも中々素敵な悲鳴を上げてくれたな」 満足げな表情の男。 「そういや赤まりさはどうなったかな?」 男が赤まりさを探すがすぐ見つかった。 「ゆ……ひ……」 まりさの餡子から何とか脱出出来たらしい赤まりさが男を恐怖に引きつった顔で見ていた。 どうやら最後の虐待を見ていたらしい。 「ふふっ、何を怖がっているのかな?まりちゃ?」 「いやなのじぇ……まりちゃをいじめにゃいでほしいのじぇ……」 「だが断る」 「ゆゆぅ!?どぼぢでなのじぇぇぇぇぇぇ!?」 「安心しなよ、少なくてもまりちゃが大人になるまでは生かしてあげるからさ」 「ゆゆ!?ほんとなのじぇ!?」 「ああ、ただし大人になったらそこで無様に死んでるゴミクズみたいにズタボロにするから覚悟してね!」 「ゆっひぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!?」 早くも恐怖でおそろしーしーを漏らす赤まりさ。 「さあ、君はどんな悲鳴を聞かせてくれるのかな?今から楽しみだよ!」 「やじゃ……やじゃ……やじゃ……」 イヤイヤと拒否する赤まりさだが男に目を付けられた以上もう逃れられない。 赤まりさに出来るのはなるべく苦しまずに死ねるように願うだけだ。 「本格的な虐待は大人になってからにして……まずは爪楊枝でぷーすぷーすで準備運動しようか♪」 「やめちぇ……やめちぇ……やめちぇ……」 「そおい!」 「ぴっぎぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!」 生まれて初めての苦痛に顔を歪める赤まりさ。 これから赤まりさは親であるまりさ以上に長い時間をかけてじっくり虐待されるだろう。 だが仕方ない事だ。 ゲスでゴミクズのまりさの餡子を受け継いだというだけで重罪なのだから。 こうしてまりさは愚かな行為の代償を自分だけでなく子孫にまで背負わせる事になった。 己の力量をわきまえてゆっくりしていればいいものを無駄なプライドのおかげで全てを失うのだ。 まりさ種とは本当に救いようの無いゴミクズである。
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※駄文、稚拙な表現注意 ※俺設定注意 ※グロテスクな描写注意 ※あっさり小話第4弾です。 まりさは幸せだった。 金バッジも、あまあまも、おもちゃもふかふかのクッションもこの路地裏にはないけれど。 ダンボールハウスにいる優しいつがいのれいむ。自分とれいむに似た3匹のかわいいおちびちゃん達。 それさえあれば後はなにもいらない。 それがまりさのゆっくり。それがまりさの全てだ。 「ゆーゆー、みんなゆっくりしてってねー・・・」 しとしとと雨が降り続ける路地裏にまりさの幸せそうな声が響いた。 幸せまりさ一家 作、長月 まりさは元々金バッジを持つ飼いゆっくりだった。裕福な広い家をもつ飼い主に飼われ、ゆっくりとしては十分勝ち組と言えるゆん生だっただろう。 しかしまりさはゆっくりできなかった。 「ねぇ、おにいさん、いっしょに・・・」 「ああ、悪いが、今忙しいんでな、後にしてくれ。」 「ゆぅ・・・」 理由は唯ひとつ。飼い主のお兄さんが構ってくれなかったからだ。 お兄さんは朝早くから夜遅くまでお仕事をしており、帰るのはいつもまりさが寝た後。たまの休みの日もパソコンで書類やレポートを作っており、まりさは全く相手にされない。 元々、お兄さんはまりさを部屋のインテリア程度にしか考えていなかったのである。 寂しいからつがいが欲しいといっても「ゆっくりはつがいを作るとゲスになる」とあっさり却下。まりさの孤独を充たしてくれるものは誰もいない。 まりさはゆっくりには広すぎる家でいつも一人ぼっち。 どんなに美味しいあまあまを食べても、どんなに立派なおうちに住んでいてもそれを誰かと共有しなければゆっくりできない。 ゆっくりとはそういうものだ。だからこそゆっくりは群れを作り、つがいや子供を欲しがるのである。 寂しがり屋のまりさには寂しくつらい毎日だった。 そんなゆっくりできない日々を送っていたまりさだったが、庭で行倒れていた野良れいむを介抱したことががまりさのゆん生を変えた。 身なりこそ汚いが誰よりも優しく気立てのいい野良れいむ。 寂しさも手伝ってまりさはれいむを好きになり、れいむのほうも行倒れていた自分を救ってくれたまりさに悪い感情を持つはずもなかった。 しかし2匹は野良ゆっくりと金バッジ。そう簡単に結ばれるはずもない。 ある日、飼い主に野良れいむと会っていたことがばれてしまった。 お兄さんは折角、高い金はたいて買った金ゆっくりが汚らしい野良と仲良くしているのを知り大激怒。野良れいむと今後一切会ってはいけない、でなければ捨てるとまりさに厳重注意した。 まりさは迷った。 まりさとて馬鹿ではない。野良ゆっくりがどれだけ大変なのかは知っているし、苦労して取った金バッジや飼いゆとしての恵まれた暮らしに未練がないと言えば嘘になる。 しかしまりさは優しすぎた。賢く上手く生きていくにはあまりにも。 「いいんだよ、まりさ。れいむはひとりでもいきていけるよ。まりさまでのらでゆっくりできなくならなくていいよ。」 そう言って寂しく笑うれいむの顔を思い出すとどうしても踏ん切りがつかない。 結局まりさはれいむを見捨てることができなかった。 こうして飼いゆっくりとしての全てを失ったまりさ。 しかしまりさは後悔はしていない。もう一人ではないのだから。念願だった家族が出来たのだから。 お兄さんに捨てられた後、まりさはれいむに正式にプロポーズし、れいむもこれを受け入れた。あまり良い場所ではないがマイホームも手に入れ、今では3匹のおちびちゃんに囲まれ幸せ一杯である。 まりさは思う。 例えどれほどたくさんのあまあまを手に入れようと、どんなに立派なおうちに住んでいようとそれを一緒に喜んでくれる誰かがいなければ何の意味もない。不味い残飯や雑草も家族みんなで食べればゆっくりできるし、どんな場所でも家族が一緒ならそこが一番のゆっくりプレイスだ。 だからまりさは幸せ・・・幸せなゆっくりなのだ・・・と。 「まりさはれいむとおちびちゃんがいれば、きんばっじさんもあまあまもいらないよ・・」 そう言ってまりさは子供たちにすーりすりをする。愛する家族にすーりすりするこの時こそがまりさの至福のゆっくりタイムだ。 ボトッ・・・ その時子まりさの顔から巣の中に何かがこぼれ落ちた。 「もーおちびちゃんたら・・・・おめめがとびだしてるよ。」 そう言って飛び出たおちびちゃんの眼窩に目をはめ込むまりさ。 「ふふふー・・・こんなかわいいおちびちゃんがいてまりさはほんとにしあわせーだよー・・・」 そう笑うまりさの頬には、一筋の涙がつたっていた。 本当はわかっていた。 もう愛する家族はこの世にいないことを。 数日前から降り続く雨により、この路地裏にはカビが繁殖し、成す術もなくみんな死んでいったことを。 そしてまりさ自身もすでにカビが発症しており、もう長くないことも。 ただ認めたくなかった。 認めてしまえば世界が壊れてしまいそうで。まりさ自身も壊れてしまいそうで。 「ゆーゆーみんなゆっくりしてってねー・・・」 まりさの一人ぼっちの家族団らんが小雨の降る路地裏にいつまでもいつまでも響き続けていた。 後書き 季節ネタ、梅雨をテーマにした本作。よく考えてみたらカビってゆっくりからしてみたら中世ヨーロッパのペスト並に怖い病気ですよね・・・ 面白かった、ゆっくりできた、と言う方は下のゆっくりできたよ!!ボタンを押していただければ幸いです。 追伸 感想用掲示板ができましたので、そこの長月のスレにご意見、ご感想はそちらでおねがいします。URLも書いておきますので。 ふたば系ゆっくりSS感想用掲示板(長月用スレ) http //jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/13854/1274852907/ 今まで書いた作品 anko259 ゆっくりちるのの生態(前編) anko268 選ばれしゆっくり anko279 新種ゆっくり誕生秘話 選ばれしゆっくり番外編 anko292 ゆっくり見ていってね anko304 またにてゐ う詐欺師てゐの日々 anko313 VS最強のゆっくり 史上最低の戦い anko333 夢と現実のはざまで anko350 あるまりさの一生 anko385 ゆっくりを拾ってきた anko425 ゆっくり Change the World(出題編) anko448 ゆっくり Change the World(出題編2) anko484 ゆっくり Change the World(解答編) anko497 あるゆっくりできない2匹の一生 anko542 てんこがゆっくりするSSさん anko558 あるドスまりさの一生 とてもゆっくりした群れ anko577「餡子ンペ09」ゆっくりを愛でてみた anko613「餡子ンペ09」れいむと幸せを呼ぶ金バッジ anko633「餡子ンペ09」としあき博士のれいぱーありす矯正計画 anko735「餡子ンペ09」あるてんこの一生 メスブタの群れ anko764「餡子ンペ09」あるさなえの一生 ゆっくりは皆それぞれ(前編) anko791「餡子ンペ09」あるさなえの一生 ゆっくりは皆それぞれ(後編) anko932 誰も救われない話 anko1022 あるババ・・お姉さんの結婚 anko1057 もらうぞ anko1127 めすぶた祭り anko1224 あるちるのの一生 ずっと続いていく物語 anko1500 ある愛でお兄さんの午後 anko1530 どうして・・・ anko1638 とてもかわいそうなでいぶ anko1672 奇跡のドス anko1713 まりさときゃっしゅさん anko1775 ゆっくりしたおちびちゃん anko1836 希少種になる薬
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初ゆ虐SSが消えてたので、多少誤字脱字などを訂正して 再投稿したものです。 話はほとんど変わりません。 前回を読んでくださった方は注意が必要です。 筆者はゆ虐SSの全てを網羅していません。 なのでネタや設定の被りなどはご容赦を。 虐待分は薄めです。 「まりさ一家の朝」 「ゆっくりおきるのぜ」 宵も明け始めた頃、ダンボールで出来たおうちの中で まりさはもぞもぞとボロ切れを集めたベッドから起きだした。 「ゆぅ……ゆぅ……」 「ゆぴーゆぴー」 隣では同じようにベッドの中で番いのれいむと大切なおちびちゃんたち…… 子まりさ赤れいむが、まだ静かに寝息を立てている。 「ゆぅ……ゆぅ──ゆ? まりさ?」 まりさの動きに覚醒を促されたのか、れいむが重そうにまぶたを持ち上げた。 「まだねてていいのぜ、れいむ。まりさはそろそろかりのじかんなのぜ」 愛しい妻の頬に軽くすりすりをしたあと、 ぽよんと跳ねて出口のビニールシートを持ち上げる。 「まりさ」 「ゆゆ?」 「ゆっくりきをつけてね」 それを眠そうな笑顔で見送るれいむに、眉をキリッと引き締めてまりさが答えた。 「ゆっくりいってくるのぜ!」 外に出ると冷たい夜気がまりさの肌を撫でていく。 まりさのおうちがあるのは駅前近くのビル街の一角、 建物の間に挟まれた細い路地裏だ。 建造物に早春の暖かな陽射しは遮られているものの、 ゆっくりできない冷たく強い風もまた同じように防がれ、 空調設備から発せられる僅かな熱のおかげで住むのが辛いほどではない。 「このゆっくりぷれいすをみつけられてよかったのぜ」 まりさは2週間ほど前に引っ越してきたばかりだった。 前はもっと離れたゆっくりぷれいす、人間で言えば住宅街にある公園に住んでいたのだが、 住み心地のいい場所だけに冬の間……特に1ヶ月前に街の野良ゆ達が集まりすぎて、 加工所と保健所による一斉駆除が執り行われたのだ。 次々と仲間たちが潰される中、奇跡的に人間の魔の手を逃れたまりさ一家は、 新たなおうちを探して街を彷徨い、この路地裏にたどり着いたのだった。 路地裏は人間から見ればゴミが散乱して汚い街のスキマにすぎない場所だったが、 ゆっくりにすればおうちの素材が豊富な、小さいながらもそこそこのゆっくりぷれいすといえた。 常ならば様々な外的要因で永遠にゆっくりしていたであろうまりさ一家が このような幸運に恵まれたのは、比較的賢い部類だったこともある。 「ゆっ、そろそろなまゴミさんがすてられるじかんなのぜ」 ビルに切り取られた細長い空はまだ暗いが、端がわずかに青みがかっている。 まりさはここ数週間のうちに、ゴミ漁りこと狩りをすべき時間帯を把握していた。 まりさの知らぬことだが、隣のビルの2階が居酒屋になっており、 その店の閉店業務が日も出ぬうちのこの時間に行われているのだった。 路地裏から通りに向かってぽよんぽよんと跳ねていく。 ビルの1階はカラオケボックスになっており、24時間営業のため、 看板の電気がまだ煌々と輝いている。 その灯りに照らされた通りに出る寸前まで進むと、 まりさはそのまま立ち止まった。 通りに面したビルの前には業者用の大きなゴミ回収ボックスが設置してある。 それがまりさの目的とする「狩り場」だ。 ダン、ダン、ガサ、ガサ、と階段を踏みしめ、ビニールが擦り合わさる音が聞こえてくる。 すぐにビルの出入り口そばの階段から居酒屋の店員が、複数のゴミ袋を両手に抱えて現れた。 「……よっと」 プラスチックで出来た回収ボックスは既に中が一杯であったため、 そのすぐ傍にゴミ袋を並べて置いていく。 (ゆぅ、まだなのぜ。あのにんげんさんがもどってからゆっくりいくのぜ) 1ヶ月前、人間がいかに恐ろしいものであるかを餡子脳に刻み込んだまりさは、 息を潜めて店員が去るのを待つ。 人間はゆっくりよりはるかに強く、ゆっくりよりはるかに賢い。 それをまりさは多くの仲間の死を持って理解したのだ。 だが、所詮はゆっくりだった。 理解はしていても、ただそれだけだった。 「うう、さみぃ。さっさと残りを片付けて帰るか」 独りごちて階段を駆け上っていく店員を注意深く見送った後、 さらに少ししてからようやくまりさは路地裏から出て、 すぐ傍にある回収ボックスへと急いだ。 「ゆゆぅ、ゆっくりしないでごはんさんをかるのぜ」 そう言って帽子の中から尖った小石を舌で器用に取り出すとそのままゴミ袋に突き刺す。 たくさんのゴミが詰められ、表面の張ったビニールはそれであっさりと裂けた。 あとはその裂けた部分に舌をねじ込んで、穴を広げるだけだ。 ある程度まで穴が広がると、生ゴミが自重によって一気にあふれ出る。 「ゆぅ~♪ きょうもごはんさんがいっぱいなのぜ! れいむやおちびちゃんたちに おなかいっぱいおいしいごはんさんをたべさせてあげられるのぜ!」 その量はまりさ一家の一日の食料分を補って余りある。 残飯の中でも比較的綺麗な部分を選り好んで帽子に詰め込む余裕すらまりさにはあった。 「──なるほど、お前が最近ゴミ捨て場を荒らしてた奴か」 その後ろから、声が掛けられる。 「ゆゆっ!?」 驚いて振り向くと、いつの間にかさっき戻っていったはずの店員がすぐ後ろにいた。 実際にはまりさが狩りを始めてからすぐ、階段から足音を忍ばせて近づいてきていたのだが、 狩りに忙しいまりさはそのことに気付かなかった。 「人が片付けたゴミを、よくもまあこれだけ見事に散らかしてくれやがって……」 「どぼぢでにんげんさんがここにいるのぜええぇぇぇ!!?」 ゆっくりは思考と言葉が直結する。 多分に漏れず、まりさもまた湧き出た疑問を驚きの表情で叫んだ。 「にんげんさんはさっきもどっていったはずなのぜえぇぇぇ!!」 「うるせえよ糞饅頭」 「ゆべッ!! おそらッ!!」 突如襲った衝撃にまりさの身体が宙を飛び、中身がぶちまけられたゴミ袋に突っ込む。 店員が蹴ったのだ。 「ゆぎゃああああああああ!! いだいのぜぇぇ!!」 人間でいえば鼻に当たる部分(ゆっくりには何もないが)をしたたかに蹴られたまりさは、 激しい痛みに悶え、文字通りごろごろと転げ回った。 「てめえ、これ以上ゴミを散らかすんじゃねぇ……!」 「ゆごッ!!」 まりさが転がるたびに散乱する生ゴミを見た店員が、靴の裏でまりさの身体を踏みつける。 「ゆぐぐぐぐ……!!」 側頭部、ゆっくりからしたら半身のほとんどを何十倍もの質量で押しつぶされ、 内蔵である餡子が圧迫されて息が詰まる。 「ったく、下のカラオケ屋から最近うちのゴミが散らかってると苦情が入ったかと思ったら、 まさかゆっくりの仕業だったとはな」 「ゆ、ゆぐ、ゆっぐりやべでね! ごのまま、じゃ、まりざがづぶれるよ!!」 だぜ言葉も忘れ、解放を請うまりさに対し、店員は脚に掛ける体重を徐々に増していく。 「この辺のゆっくりは少し前にあらかた駆除されたはずなのに、もう増えてきやがって……」 そう、何故あの路地裏というゆっくりぷれいすに、他のゆっくりがいなかったのか。 それは1ヶ月前、駅を中心とした周辺で大規模な一斉駆除が行われていたからだった。 まりさ一家の前に住んでいた公園に野良ゆが溢れたのも、 この駆除を逃れたゆっくりたちが寄る辺を求めた挙句に集まってしまった結果である。 「ゆぶぶぶぶぶ」 ついに圧力に耐えられなくなった餡子がまりさの口からぶくぶくと吐き出される。 それを見た店員は、ようやくまりさから脚をどけた。 「ゆげっ!! ゆはっ!! ゆぐっ……ゆっぐり……!!」 「で、何だっけ? どうしてさっき戻った人間さんがここにいるの、だっけか? ゆっくりごときに説明する義理もないが、人間さんには文明の利器っつーもんがあってな」 店員が指で示したビルの入り口部分には、監視カメラが設置してあった。 いつもは入り口の周辺からビルの内部を監視しているカメラだが、 可動するタイプなのか今はビルの外側……回収ボックスの方を向いている。 「てめえらごときがどれだけ浅知恵を弄したところで、起きてることさえわかってれば 犯人を突き止めることぐらい容易いんだよ!!」 「ゆぎィっ!!」 再び店員の蹴りがまりさを襲う。 今度はつま先を立てたトーキックだ。 小麦粉で出来たゆっくりの皮に、硬く鋭い靴先がめり込む。 その勢いは皮だけに留まらず、まりさの右目を抉り出した。 「ゆがあああああ!! おべべがぁああああ!! まりざのががやぐぎれいなおべべさんがぁあああああ!!」 まりさは人間の怖さを理解していた。 だが理解しているだけで、学んではいなかった。 ゆっくりがいくら細心の注意を払ったところで、人間を出し抜けるはずがないことを。 「さて、と」 「おべべぇぇ、まりざのおべ──ゆ゛っ!」 店員はゴミに紛れ込た目玉を必死に探そうとするまりさのおさげを掴み上げ、目線を合わせた。 重心が右に偏り、どろりと穴のあいた眼窩から餡子が漏れ出す。 「で、お前の家族はどこだ?」 「ゆ゛ゆッ!?」 明らかに動揺するまりさ。 「ななな、なんのごどなんだぜ……? ば、ばりざはまだどぐっじんっなんだぜ……!!」 「ほー」 空いている左手で何故かあれだけ転げ回っても外れなかったまりさの帽子を取り上げる。 「やべるんだぜ! ばりざのずでぎなおぼうじっ!!」 「じゃあ、これは」 ぼとぼとぼと。 先ほど詰め込んだ残飯が、隙間から落ちていく。 「誰のための食糧なんだ?」 「ゆぎっ、ぎぎ……!!」 まりさは答えに窮し、うめき声をあげるしかなかった。 ゆっくり一匹にとってはあまりに多すぎる分量。 備蓄するにしても居酒屋の残飯は、ほとんどが既に調理してあるため長持ちしない。 店員は、この人間を出し抜こうと考えたまりさが、 この数日でそのことを理解していないとは思わなかった。 そしていくらゆっくりが人間の食料を好むといえど、 腐ったものまで進んで食べないことも知っていた。 「……ぜ、ぜんぶばりざのぶんなんだぜ! ばりざばぞだぢざがりなんだぜ!!」 「あ、そう」 「ゆっ、がえずんだぜぇ!! ばりざのずでぎなおぼうじがえじで── ゆげあああああああああああああ!!」 掴んでた帽子を捨てた直後、そのまま左手で穴となったまりさの右目を抉る。 内臓と神経を兼ねる餡子を直接こねまわされる激痛に、まりさは死に物狂いで叫んだ。 「ゆ゛び……ゆ゛べ……!」 一掴みほどの餡子を掻き出して捨てると、まりさは息も絶え絶えといった風に喘ぐ。 「家族、居るんだろ?」 「……い゛な……いよ"……」 あくまでいないと言い張るまりさに、逆に店員は居ることを確信した。 目の前のまりさはそれなりに賢い個体のようだが、 事実をそ知らぬ顔で否定するまでには至らない。 所詮ゆっくり基準での“賢い”というだけだ。 「じゃあ、おうちに案内……する必要はないか。おいまりさ」 「ゆ゛……」 「お前のおうちはあそこにあるのか?」 そう言って店員は路地裏を指す。 監視カメラの映像で、まりさが路地裏から出てきたところを見ていたのだ。 「ゆ゛ゆ゛っ!? ぢがうのぜ!? あぞごにばなにもないのぜっ!?」 実にわかりやすい肯定だった。 「そうか、あそこか」 「ゆ゛ぶっ!!」 おさげを掴んでいる手を離すと、まりさは顔面から着地した。 痛みにのたうち悶えるゆっくりの姿に店員は冷たく告げる。 「もうお前は必要ないな」 「ゆ゛う゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛!? れいむ逃げべびゅ」 大事な家族の危機を察したまりさは、せめて逃げ延びてもらおうと大声を上げようとするが、 その瞬間に無常にも振り下ろされた店員の脚によって餡子をばら撒いて砕け散った。 「はぁ……とっとと済ませて帰りてえ」 東の空のビルの向こうでは日が昇り始めていた。 「ゆぅ……まりさ」 「おきゃあしゃんきょわいよぉ……」 「ゆっくりできないのじぇ……」 れいむたちは既に起きていた。 元々眠りの浅かったれいむが、まりさの悲鳴によって完全に目が覚め、 おちびちゃんたちを起こしたのだ。 だが逃げ出そうとはしていなかった。 元々住む場所がなくてここに居ついたのだ。 他に行く宛てなどあるはずもない。 せめてまりさが戻ってきてくれれば、ここを離れる決心が出来ただろう。 「だいじょうぶだよ、おちびちゃん。ゆっくりまってようね」 ザッ、ザッ、という足音が近づいてくる。 「ゆぅ? おとうしゃんなのじぇ?」 それがまりさではないことにれいむは気付いていた。 「……ふたりともゆっくりきいてね」 「ゆ?」 二匹の子供は揃って神妙な顔をするれいむを見上げる。 「おかあさんがいいっていうまでおうちからでちゃだめだよ」 「ゆゆっ!? おきゃあしゃんどうしゅるにょ?」 赤れいむが今にも泣き出しそうに問いただす。 「そとのようすをみてくるよ」 「じゃあ、まりしゃもついてくのじぇ!」 子まりさが、父親への心配と母親と離れる不安から駄々をこねるが 「だめだよ。おちびちゃんはいもうとをまもってあげてね」 れいむはそれをやんわりとたしなめた。 「ゆぅ……ゆっくりりかいしたのじぇ」 しょぼんと俯いてしょげる子まりさに、れいむはそっと近づいてすりすりする。 「ゆ、れいみゅもれいみゅも!」 「ゆふふ、おちびちゃんもおねえちゃんのいうことをきいておとなしくしててね」 「ゆ~ん、ゆっきゅりりきゃいしちゃよ」 赤れいむにも軽くすりすりをしたあと、れいむはぽよんと跳ねて 出口のビニールシートを持ち上げる。 「おきゃあしゃん」 「ゆ?」 「ゆっきゅりきをちゅけてにぇ」 「…………」 奇しくも先ほど自分がまりさを送り出した時と同じような形となり、 れいむは諦めと絶望の入り混じった不安を覚える。 (ゆぅ……せめて、おちびちゃんたちだけでもたすけてもらうよう、 にんげんさんにゆっくりおねがいするよ) それがどれだけ分の悪い賭けであったとしても、 もはやそれしか残された道はなかった。 「ゆっくりいってくるよ!」 泣き出したくなるような恐怖の中、それでも愛しい我が子を少しでも 安心させるために、眉をキリッと引き締めてれいむは答えた。 「ゆゆっ!? にんげんさん! れいむはれ」 外に出たれいむが最期に見たのは、愛しい夫の餡子がこびりついた靴の裏だった。 これまで書いた作品 anko1459 ドライブ anko1490 ある山で anko1497 vsふらん anko1809 ゆっくりーず
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「ゆっくりしていってね!」 寒空の中、身を震わせて歩いていた私に呼びかける声。 視線を周囲に巡らせると、声の主はすぐに見つかった。 いつの間にそんな近くまで来ていたのか、声は足元からだった。 金髪に黒い帽子の、小さな小さな声の主が、一生懸命に私を見上げている。 大きさはミカンぐらいだろうか。身長差がかなりあるので、体勢はかなり辛そうだ。 しかし、声の主は満面の笑みを浮かべていた。 「まりさはまりさだよ!」 私は、そっとしゃがみ込み、片の手のひらをまりさの眼前に差し出した。 手の甲が床につくまで降ろしたので、まりさからは見下ろす位置になる。 「ゆゆ?」 まりさが満面の笑みのまま、私の顔と手のひらを交互に見つめてくる。 ほんの少しの沈黙の後、まりさは軽く跳ねると、私の手のひらに乗ってきた。 私はまりさを落とさないよう注意しつつ、ゆっくりと立ち上がり、手を持ち上げる。 「ゆ!」 まりさは少しだけ驚いたようだが、徐々に高くなってゆく己の視界に興味津々でもあるようだ。 上下左右と忙しく視線を動かし、相変わらずの笑顔のままに頬を紅潮させてゆく。 「ゆ! ゆ! ゆわーい!」 手は既に、私の胸のあたりまで上がっている。 ちょうど私とまりさの顔が向かいあうような状態だ。 「おそらをとんでるみたい!」 すっかり興奮状態になったまりさは、私の手の上で軽く跳ね始める。 一点の曇りも無い笑顔が、まさに弾けそうになっていた。 暫くの間、跳ね続けるまりさを落とさないようバランスを取る。 「ゆふ~ん……」 やがて、まりさは跳ねるのを止めて恍惚の表情を浮かべ始めた。 私は手のひらに軽く力を込め、マッサージするかのごとく揉みほぐし始める。 指に何とも言えない、柔らかい感触が伝わってくる。 「ゆゆっ!?」 まりさは少しだけ驚いたようだが、抵抗する素振りもなかった。 徐々に揉みほぐすスピードを上げてゆくと、まりさの頬がどんどん赤くなってゆく。 「ゆっゆっゆっ……」 揉みほぐすリズムに合わせて、まりさが喘ぎ始めた。 口元からは涎も垂れてきているようだ。 1~2分も経っただろうか。私は、急に手を止める。 「……ゆっ?」 我に帰ったかのように、まりさが私の顔を見つめる。 口元は笑ったままなのだが、目には疑問と不満とが入り混じったかのような、複雑な表情を浮かべている。 「やめないでね!」 私はじっとまりさを見つめたまま、しかし手は動かさなかった。 するとまりさの目に、じんわりと涙が浮かび始める。 「もっともみもみしてね!」 ついに口元からも笑みが消え、まりさの目から涙が溢れた。 その瞬間、私は大きく息を吸い込み、目をつぶった。 ……ギュッ!! 気合と共に、手を全力で握り締める。 生暖かい感触が手の中に広がってゆくのを感じながら、私はゆっくりと目を開けた。 握り締めた指の間からは餡子が漏れ、地面に染みを作っていた。 「ゆ……ゆぶ……え……」 手の中から、呻き声が聞こえる。 何を言っているのかはわからないが、少なくとも喜びの声ではないようだ。 気持ち悪くなり、思わず手の中身を地面に投げ捨てる。 ほとんど餡子の塊と化した物体、つい数秒前まで『まりさ』だったものが地面に染みを作った。 「もっと……ゆっく……り」 餡子の塊から何か聞こえてきたが、無視して足を振り下ろす。 地面を蹴る音と共に染みが広がり、塊からの声は止まった。 ポケットからウェットティッシュを取り出す。 地面の染みを処理し、餡子まみれの指を綺麗にするのは結構大変だった。 しばらく立ち止まっていたせいか、身体が冷える。息が白い。 早く暖かくならないかなぁ。
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『まりさとおぼうし』 独自設定満載 『まりさとおちびちゃん』の続きです。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 例の如く、デジカメ装備お帽子を調整中である。 その間、また頭にカメラを乗せたまりさによって、 庭やベランダでの撮影会が開かれていた。 「んん・・・・・・さっぱりわからん・・・・・」 どうしても不幸のカメラの謎が解けなかった。 非科学的な物を、理屈で処理しようと言うのが間違いなのかもしれない、 でも・・・・どうにかしてやりたかった。 家族を撮る分には問題は無かったようだが、 他のゆっくりや人に、被害を出すのではゆっくり出来ない。 頭を悩ませていると、まりさが作業部屋に入って来た。 邪魔する気はないようで、そのままベランダへ・・・・ ベランダから下を眺めていた。 ふと、まりさの頭上のカメラモニターが目に映る。 「ん?」 何やら紅いリボンのような物を着けたありすが映っている。 「なんだ?」 ありす種にリボンの飾りは無いはず・・・・・ 停滞していた作業を止めてベランダから下を見た。 「あれ?リボンなんかしてない?」 『ゆゅ?ありすはりぼんさんはしてないんだぜ?』 俺の呟きにまりさが答える。 まりさにも見えていないようだ。 「おかしいなぁ・・・・・・・」 もう一度モニターを覗く、 「あれ?あれれ?なんだ?」 モニターにはリボンがはっきりと映っている。 理解出来ない俺は、何度もモニターと実物を比べる。 やはり映っていた。 『おにいさん?どうしたんだぜ?』 やや困惑気味だったので、まりさが心配する。 「あ?・・・おぉ悪い悪い・・・おーそうだ! まりさ、あそこでゴミ箱漁っているありすを撮ってみてくれ。」 試しに、まりさにありすを撮影させてみる。 『ゆ?わかったんだぜ。ゆーーーー』 ゴトン ブチュ カシャ ゴミ漁りをしていたありすは、ゴミ箱の下敷きとなり動けなくなってしまった。 でも、ブリンブリンと身体を動かしているので、生きてはいるようだ。 「まさか・・・・・」 まりさを持ち上げてモニター越しに周囲を確認してみる。 「やっぱり・・・・」 『ゆゆ?どうしたんだぜ?』 映る生き物全てに、リボンが映っていたのである。 違うのはそのリボンの色であった。 白いのから紅いのまで、他にも様々な色のリボンが確認出来た。 「うわぁ・・・あれは真っ黒だな・・・・・」 お向かいの家にでいぶが侵入して行く所であった。 でいぶのリボンは真っ黒で染まっている。 まりさにシャッターを降ろさせる。 カシャ 予想していた通りの光景が写った。 家から出てきたお向かいさんが、 シャベルで迷い無く、でいぶを貫いて処分する瞬間が撮れた。 しかしまだ予想の域は出ていない、 検証してみないと・・・・・ 「ぱちゅりー?どこだー?」 1階で育児中のぱちゅりーを探す。 『むきゅう?な~におにいさん?』 居間で子まりさにチラシを見せていた。 「いたいた・・・ちょっとじっとしていろよ・・・・」 モニターを覗いて驚いた。 「こりゃ・・・・凄いな・・・・・」 ぱちゅりーのリボンは金色に輝いていた、 子まりさは白色であったがやはり光り輝いている。 これで確信が持てた。 このリボンの色は、その者の運をさしているのだと・・・・・・ 色が濃ければ濃い程、 運が悪くなり、 ぱちゅりーのように、光を放てば運が良くなるのであろう。 どうやらまりさには、リボンは見えていないようだが、 無意識的に、濃い色を追っている可能性がある。 それならこれまでの事も分かるような気がする。 後は何故、 タイミング良くそんな場面に出くわすのか・・・・・ だが被写体を選ぶ基準が分かった、それだけでも十分進歩であろう。 『ゆゆ・・・おにいさん・・・いたいんだぜ!』 思わず力が入ってしまったらしい 「おっと!これはいかんいかん・・・・」 まりさを床に降ろしてやる。 実験をしに行こうとまりさを連れて外へ、 玄関を出てすぐに、近所に住む893のお兄さんに出くわした。 このお兄さん、顔は竹内力も道を譲るであろう怖い人相をしている。 しかしその見た目に反して、かなりのゆ愛な人であった。 「おぅ!まりさ、元気しとるか?」 『ゆゅ~ん、おにいさんゆっくりしていってね。』 「わしゃ~今からちぃと出かけんといけんのじゃ・・・ゆっくりなんぞしとられん。」 『ゆゅ~それはゆっくりしてないんだぜ~』 この人の言葉は、風体にさらに凄みを増す。 893のお兄さんは、まりさの頭上のカメラに気が付く、 「なんじゃいまりさ?お前はゆっくりやのに写真なんぞ撮るんか?」 『ゆっへん!そうなんだぜ。』 「ならわしも撮ってくれや、出入りで何かあったら写真がいるき、 せっかくじゃけ撮ってくれや。」 こんな人に物を頼まれて、断れる人がいるなら代わって欲しい。 『わかったんだぜ~』 安請け合いをするまりさ、 もう少し自分の資質に自覚を持って欲しい・・・・・ 「あ・・・・・」 ふと、モニターを覗くと893のお兄さんにもリボンが映っていた。 色は赤である。 今撮ると不幸になる・・・・ しかしこの状況で止めれる程、俺は強い人では無い、 『ち~ずなんだぜ~』 「おぅ!格好良く撮ってくれや。」 また無茶な注文を・・・・ ガチャン カシャ 「なんじゃこりゃー!」 893のお兄さんは、手錠をかけられた瞬間を撮られてしまった。 「陳比良躍三!暴行傷害の容疑で逮捕する!」 横から警察官が893のお兄さんを捕まえる。 「ま・・・まってくれい!わしゃ違うんじゃ・・・」 警察官は問答無用で連行する。 『まつんだぜ!おにいさんは、なにもわるいことはしてないんだぜ!』 事情も分からんくせに、口を挟むまりさ、 「君はなんだ?」 『まりさはまりさだぜ、おにいさんのともだちなんだぜ!』 「陳比良、本当にそうなのか?」 「おぅ!まりさはわしのまぶだちじゃけ!」 「そうか・・・・ゆっくり好きに悪い奴はいない! 本官に任せておきなさい、 悪いようにはしないから。」 「ほうか!あんたもゆっくり好きか・・・あんたなら信用できそうじゃ、 わしの身のふりはあんたに任すけ頼むわ。」 『まりさもおにいさんをしんじるんだぜ!』 そう言って、893のお兄さんは連行されていってしまった。 これでいいのか国家権力と裏社会? 俺は会話についていけずに、ただパトカーの走って行くのを眺めていた。 「何だったんだ・・・・」 我に帰ってドッと疲れた。 とりあえず公園へ行ってみる。 「おぉ~いるいる。」 先日、一斉駆除があったと言うのに、また野良は増えていた。 とりあえずモニター越しに確認する。 『ゆゅ?おにいさん、まりさはあれをとりたいんだぜ。』 まりさが被写体に選んだのは、でっぷりと太ったありすであった。 野良のくせに、何を食ったらこれだけ太れるのだろう? リボンの色は赤黒い、これならかなりの不幸度である。 「よし!やってみろ。」 『ち~ずなんだぜ。』 『ゆゅ・・ぐ・・・ぼぼぼぼぼぼぼぅぐほほほほ』 カシャ ありすの目口から、噴水のようにカスタードが吹き出てきた。 一瞬何が起きたのか分からなかったが、側に落ちていた物を見て理解した。 炭酸ジュースの空き缶とメントスである。 こんな食い合わせをしたこうなって当然である。 やはりまりさは、自分の目で無意識的に不幸な者を追っているようだ、 正直、まりさが言わなければ気が付かなかった。 「よし、次いってみよー」 ドリフのようにサクサク次に移る。 次の被写体は便所裏に住むれいむ親子である。 色は濃い目の赤、 何故だか知らないが、便所裏に住み着くゆっくりはれいむが多い気がする。 しかも「しんぐるまざー」ばかりのような・・・・ これ程、臭い場所でも平気なのは、れいむ種が全てにおいて雑だからだろう。 『ち~ずなんだぜ。』 ブッ・・・・・・シュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ 『おそらをとんでるみたいぃぃぃぃぃぃ』 カシャ 地中の配管が壊れたのか、 水が噴き出しておうちごとれいむ親子を吹き飛ばした。 まぁ濃い目の赤だったし、たぶん死んでないでしょ。 次は色の薄めのを探す。 追いかけゴッコで遊ぶ子まりさを選んだ。 色は薄い赤、 『ち~ずなんだぜ。』 ポテ 『ゆぇぇぇ~ん。いちゃいよ~』 カシャ 躓きこけて、泣き喚く子まりさ。 やはり、色の濃さは影響あるようである。 もう少し実例を見ておきたい、 『わ・・・わがらぎぎょぉぉぉぉぉ』 カシャ 駆けていたらシッポが木に引っかかり、1本千切れてしまったちぇん、 色は赤 『やめちぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ・・・・もっとゆっぐちしたかった・・・・・・』 カシャ れいぱーに襲われ茎だらけで死んだ子まりさ、 色は赤黒い 『でいぶはしんぐる・・・・・・ごべんなざい・・・いだいぃぃぃ・・・ごべ・・いだだだぐぅぅぅ・・』 通りかかった人に、あまあまを要求して蹴りまくられるでいぶ、 色は朱色 キィィィィィーーーーーーーーーードン カシャ 道を渡ろうとして、車に撥ねられて潰れたまりさ、 色は黒 黒は即死が多いのかもしれない、 中途半端よりかはその方が幸せかも・・・・・ 大体は把握できた、とりあえず帰宅して今後の対策を考えよう。 後日、あの893のお兄さんが釈放されて来た。 「おぅまりさ!お前にも心配かけて悪かったのぉ~」 『ゆゅ~ん。いいんだぜ、まりさはおにいさんのともだちなんだぜ。』 聞く所によると、あの日は893による「まりさを愛でる会」の発足式だったらしい、 あの警察官も会に参加するべく、 警察官によるゆ愛仲間数人で、監視名目で入会していったそうな・・・・・・ やはり世の中、何か間違っている気がする・・・・・・ ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー デスラッチは、書きたい話が複数あって順番に迷います。 ぱちゅりーの外伝も書きたいけど、子ぱちゅりーの活躍も書きたい・・・・・ お兄さんとの出会いも書いてないので迷います。 文章力がもっとあれば長編を書くのですが、まだまだ勉強不足ですね。 添削はちゃんとやっているつもりなのですが、やはり漏れが・・・・・ 誤字・脱字等あれば勘弁して下さい。 これまで書いた物 ふたば系ゆっくりいじめ 1097 ゆ虐ツアー ふたば系ゆっくりいじめ 1111 ゆ虐ツアー お宅訪問編 ふたば系ゆっくりいじめ 1116 雪原のまりさ ふたば系ゆっくりいじめ 1122 ゆヤンワーク ふたば系ゆっくりいじめ 1129 まりさの思い出 ふたば系ゆっくりいじめ 1152 まりさとつむり ふたば系ゆっくりいじめ 1154 ゆっくり種 ふたば系ゆっくりいじめ 1156 ゆっくり種2 ふたば系ゆっくりいじめ 1160 まりさとおにいさん ふたば系ゆっくりいじめ 1169 ゆっくり種3 ふたば系ゆっくりいじめ 1174 まりさとまま ふたば系ゆっくりいじめ 1188 ゆっくり種4 ふたば系ゆっくりいじめ 1192 まりさとおちびちゃん ふたば系ゆっくりいじめ 1209 ゆっくり種5