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適度にがんばります。 てかこれ作った手前がんばらねば。 進捗状況 4/29:とりあえず演習問題をやり直してみましたよ。演習01〜15まで完了、しかし力つきました。寝ます。 4/30:さぼ…久しぶりに大学の仲間と飲んで、なんか落ち着いた日でした。 しかし帰宅してニュース見てびっくり。 5/1演習16〜17完了(演習16:for文のなかで、iの範囲を「i = args.length」にしていてずーっと悩んでいました。反省。) 子ネコが今月中にも我が家にやってくることになり、るんるんですよー。 二つの数値を交換する、三つの数値から最小値を選ぶ。どちらともコマンドラインから数を持って来るようにしました。 5/2絶対値を表示する:コマンドラインから数を入力することにしたんですが、argsをint型に変換するのを最初にやったら実行時エラー。なんとなく理由は感覚でわかるものの…ん?って感じ。 変数の値によって正負・0を表示:とくに問題なし。 階乗を求める:nを定数にする理由って??? 偶数のみ出力する:これもNを定数にする理由って??? 配列の要素の和を求める、配列の要素の最大値を求める:とくに問題なし。 配列を反転させる:まだ途中…泣。拡張forループが課題。 配列を定数Rだけ右に循環させる:なんとか…。定数R=1の場合ならOK。 配列から定数Sを探し、その添字を出力する:変数pをただの宣言じゃなくて、int p = 0;で宣言したら動いた。なんでだ? 昇順の配列からSを探し,その添字を出力する:途中で力尽きました…。
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【登録タグ VOCALOID おれんじまりさ は 曲 鏡音レン】 作詞:おれんじまりさ 作曲:おれんじまりさ 編曲:おれんじまりさ 唄:鏡音レン 歌詞 (PIAPROより転載) 母校の校舎の前に 一人佇んで 数年前のあの頃 思い出してみる たいして成長せずに 歳だけとった 卑怯者の姿が 窓ガラスに映る 俺たちは何を求めて 生きて行けばいい? 押し寄せる大きな波に 俺は立ち向かう 嗚呼 嗚呼 夕日が落ちる 嗚呼 明日も 生きて行くだけさ 嗚呼 愛だけ ただ愛だけが欲しい 嗚呼 他には 何もいらないさ 都会の暮らしの中で 忘れてしまった 故郷の町の景色 この目に沁みてくる たいして成長せずに 歳だけとった 臆病者の姿が 路地裏に消えて行く 嗚呼 嗚呼 平凡な日々よ 嗚呼 それでも 生きて行くだけさ 嗚呼 愛だけ ただ愛だけが欲しい 嗚呼 他には 何もいらないさ コメント 名前 コメント
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「かわいいれいむのおちびちゃんををみて、ゆっくりしたんだったら、あまあまちょうだいね!!! ぐずはきらいだよ!!!いそいでね!!!たくさんでいいよ!!!」 「「きゃわいくちぇごめんにぇ~!!!」」 足元が何か騒がしい。 が、折角のお昼休みを邪魔されたくないので無視する。 野良ゆっくり何ぞに関わって時間を無駄にしたくない。気にせず歩き続ける。 カツッカツ 「おぃ、くしょにんげん!!きいちぇるのきゃ!」 うるさいが無視する。構うと余計厄介だ。 都会のビル街には野良ゆっくりが意外と多く、いつもこんな光景がどこでも見れる。 いつもいつもこんな様子だから呆れてしまう。こんなことしてもしょうも無いのに。 心の中でグチグチと文句を言っていたせいか、前を見ていなかったからか・・・ 「あみゃあみゃよこ・・・」ブチュ! 「あっ・・・」 ついゆっくりを踏んづけてしまった。 唯でさえ日本の都会の人口密度は大きい。それに加えて日本は、ゆっくりが世界で一二を争うほど生息している。 こんな狭いところで人様の道を塞いだら、踏んづけてしまうに決まっている。 「ゆ゛ぁぁぁあぁぁぁぁぁぁあ!!!れいむににた、きゅーとなおちびちゃんがぁぁぁぁ!!!ごろじてやるぅぅぅ!!」 「ぷきゅぅぅぅぅ!!!!!しぇいしゃいだぁぁぁ!!!」 発狂したれいむ親子が私の足に飛び掛ってくる。 碌に飯も食えない野良ゆっくりにしては、なかなかの跳躍だった。所詮饅頭なので当たっても痛くは無いが。 ただ、今の私はお昼休憩。午後からはお得意先との打ち合わせがある。 薄汚い饅頭にぶつかって、スーツを汚すなんて、もってのほかだ。 さっと横に足をよけると、愛しのコンクリートとのちゅっちゅだ。 親れいむの方は噛み付こうとしていたらしく、ペキペキと音を立てて、歯が四散していった。 「ゆんぐっ!!!」 「ゆぴゃん!!!」 悶絶するれいむ親子。体中から汁を出し、ぶりんぶりんと尻を振って痛みを紛らわそうとしている。 その醜悪な姿に顔をしかめながらも、腕まくりをして、饅頭たちの髪の毛を掴んで持ち上げる。市民の義務を果たすのだ。 「ゆぐぃぃぃぃ!!!!!ばな゛ぜぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」 「いじゃいよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!!!」 大声で喚くれいむ親子。だが、それを気にかける人は一人もいない。 これは、日常なのだ。 ゆっくりが喚くのも。そんなうるさい汚物を駆除するのも。 近くに設置されているゆっくり用ゴミ箱に、饅頭どもを放り込む。 罵声が反響して聞こえてきたが、しばらくすると大人しくなった。 ゴミ箱の中身をちょっとだけ覗くと、口や体が溶けて、ただ、涙を流すだけのれいむ親子がいた。 その視線は助けてと訴えているのに間違いはなかったが、再び私はゴミ箱の入り口を閉じる。 人の領域に土足で入るゆっくりになんて、情けをかける必要は無いのだ。 街のゴミ掃除が終わって思う。 野良ゆっくりの命なんかより、まず、この汚れた靴を綺麗にしようと。 とはいっても、どうすればいいのかは、既に検討が付いている。 何せこんなことは日常的にある。餡子で靴を汚したことなんて一回や二回じゃない。 ゆっくりではないが、数え切れないくらいたくさんやったことがある。 そんなとき私が決まっていく場所がある。行き着けの格安靴磨きだ。 ―「ゆっくりまたきたね!まりさはうれしいよ!!!」 「おう、また潰しちまったわ。いつものやつで頼むよ。」 目の前には、一匹の野良まりさがいる。どこからか拾ってきたレジャーシートを広げ、その上には商売道具が置かれていた。 私は、アウトドア用の小さい椅子に腰掛けて、まりさの前に汚れたほうの靴を差し出す。 ツンッとゆっくりの死臭が漂ったようで、一瞬まりさは嗚咽を漏らすが、すぐに先ほどの営業スマイルに戻り・・・ 「ゆっくりきれいにするよ!!!ぺーろ、ぺーろ!!!」 汚れた部分を、丹念に舐め、飛散した餡子を靴から取り去っていくまりさ。 いくら死臭つきの餡子とはいえ、それなりの甘さがあるはずだが、甘味に夢中になる様子はない。 その表情は笑顔ながら、目は真剣そのものである。注意力散漫なゆっくり共にしては本当に珍しい。 「ぺーろ、ぺーろ!ゆっくりきれいになってね、くつさん!!!」 汚れた箇所を何度も何度も重ねて舐めることで、餡子のこびりつきを落としていくまりさ。 「ぺーろ!ぺーろ!」 餡子の色が消えたら、ポケットティッシュを器用に取り出し、まりさの唾液で濡れた部分を拭き取っていく。 「ふーき、ふーき!」 さっと乾拭きをしたら、私の靴は、ゆっくりを踏み潰す前の綺麗な状態に戻ったいた。 「ゆっくりきれいになったよ!!!」 「おお、ありがとな。じゃあ、お代の方なんだが・・・」 「まりさがたべられるものならなんでもいいよ!!!でもできるだけやわらかいもののほうが、うれしいよ!!!」 キリッとした表情で言うまりさ。仕事を終えた達成感からだろうか? 「うーん・・・。今日はそんなに柔らかいものじゃないんだが、これでいいかな?」 そういって私が差し出したのは、スーパーでよく売ってるアルファベットの形をしたビスケットのお菓子だ。 「ゆゆゆ!!!そんなにいっぱいもらっていいの!!!おにいさんゆっくりできなくなっちゃうよ!!!」 「いや、ビスケットぐらい幾らでも買えるさ。これは、いつも綺麗にしてもらっているお礼だよ。 端のほうに切れ込みを入れておいたから、そこを引っ張ったら開くからな。」 「ゆゆん!ありがとうございます!おにいさん!!!」 「ははっ・・・。そんなに畏まるなよ。じゃあ、俺は仕事があるから行くよ。またな!」 「ゆっくりがんばってきてね!!!」 ―回想。 まりさは飼いゆっくりであった。 銀バッジまでしか取ることは出来なかったが、それなりに賢いゆっくりであった。 主人の言いつけは必ず守り、一緒に住んでいたれいむとは、いいお年頃ながら、すっきりーっするのを我慢していた。 銀バッジながら、捨てられるような行動は一切取らない、よく出来たゆっくりであったという。 そのゆっくりらしからぬ生真面目さを評価されて、2匹のおちびちゃんを作ることが許可された。 れいむに似たおちびちゃんとまりさに似たおちびちゃんが一匹ずつ、れいむの額の蔓にぶら下がっていた。 2匹の赤ゆっくりが生まれて、幸せの絶頂にいたまりさ。 すーりすーり、ぺーろぺーろと赤ゆっくりとのスキンシップを繰り返す。 ただし、赤ゆっくりばかりに注意が行き、飼いゆっくりとしての義務を怠ることがないように気をつけた。 まりさは、飼いゆっくりであることに、誇りを持っていた。 しかし、そのプライドはある日突然打ち砕かれる。 朝、目を覚ますと見知らぬ場所であった。 身震いするような寒さと、ゴウゴウと吹く風がまりさに現実を突きつける。 捨てられたという現実を。 必死に考えた。捨てられた理由を。 しかし思いつかなかった。まりさは飼い主の気に触ることなど何一つしたつもりは無かったから。 生まれたばかりの赤ゆっくり達にも、飼いゆっくりとしての振る舞いを教えようとするほどだったから。 ゆんゆんと唸っているまりさの横で、れいむがボソッと呟く。 「あきられたんだよ・・・」と。 そうだ、まりさ達は、ゆっくりにしては余りにも礼儀正しすぎた。 まりさ達はゆっくりらしさのない、ペットとしての魅力が無い、唯の居候であった。 その時やっと、まりさは飼い主が自分達を見るときの目を、思い出すことが出来た。 慈しみなんて無い。ただ、つまらない茶番を見ているような目であった。 その日から地獄の日々は、始まった。 初めての野外生活は、まりさ達にとって苦痛でしかなかった。 野良ゆっくりの真似をして、生ゴミをかき集めた。 舌の肥えた飼いゆっくりである自分達にはかなりきついものであった。 悪臭に慣れるまで、何度も何度も餡子を吐き出した。 赤ゆっくりを抱えて必死におうちの材料を探し回った。 ダンボールやビニールシートを何とかかき集めることが出来たが、 失ったものは余りに大きかった。 ダンボールを運びながら道路を渡っていたとき、後ろから来る自動車に気づけず、れいむが轢かれた。 下半身を失ってもがき苦しむれいむ。目や口から餡子を噴き出し、危険な状態であった。 番の危機をなんとかしようと近づくまりさであったが、後続車にれいむは再び轢かれ、彼女は道路の染みと化した。 れいむがいなくなったことで、食糧の供給が少なくなった。 ただでさえ、ゴミ漁りの慣れていない捨てゆっくり。 労働力が単純に半分になったため、満足に食糧を確保できなくなってしまった。 数少ない食糧を、育ち盛りの赤ゆっくりに与えるため、まりさは次第にやせ細っていく。 プライドを打ち砕かれ、 愛しい番を失って、 満足に飯も食えない状況で、 まりさは、心を病んでいく。 何もかもが嫌になって、ふらふらと人間の下に近づいていく。 人間さんに喧嘩を売って、踏み潰してもらおうと・・・。 しかし、まりさが話しかけた人間はどうも変わり者だったらしく。 靴に付いたゆっくりの餡子をまりさに舐めらせた。 まりさは拒絶したが、暴力で訴えてきた人間に、 痛みに慣れていないまりさは、さからう事ができず、ぺろぺろと靴を舐めた。 餡子を十分に舐め取ったら、どういうわけか、男は食べ物を与えてくれた。 残飯などではなく、コンビニで売っているような菓子パンをまりさに差し出したのだ。 このことをきっかけに、まりさは、靴磨きの仕事を始めるようになる。 ―ビル街。 人の流れは途切れずとも、ゆっくり達は寝静まる。 今活動しているのは、捕食種のれみりゃぐらいであろう。 そんななか、基本種のバイオリズムに逆らって、跳ね回るゆっくりが一匹。 靴磨きのまりさだ。彼女は昼に男から貰ったビスケットを咥え、路地裏へ消えていく。 3分ほど跳ねて、あるダンボールハウスの前に止まる。 そこには、2匹の子ゆっくりが寝息を立てていた。 れいむ種とまりさ種が一匹ずつ。紛れも無いまりさのおちびちゃんだ。 ダンボールのおうちの中に入って、ビスケットの包装を破る。 ビスケットをおうちのなかに置いたら、まりさはおちびちゃんに挨拶をすることなく、この場を去る。 ―翌朝。 「ゆっくちおきりゅよ!!!れいみゅはおきりゅよ!!」 「まりしゃもおきちゃのじぇ~!!!ゆゆ!きょうはびしゅけっとしゃんなのじぇ~!!!」 「そうだにぇ!まりしゃ!いっちょにむーちゃむーちゃしようにぇ!!!」 「わかっちゃのじぇ!おにぇちゃん!むーちゃ!むーちゃ!」 「むーちゃ!むーちゃ!」 「「しやわしぇ~~~!!!!!」」 満足そうにビスケットを頬張る子ゆっくりたち。 それを影から覗くゆっくりが一匹。 まりさだ。靴磨きのまりさだ。 彼女の目からは涙が止め処なく溢れている。 幸せなおちびちゃんの姿を見られるというのに、 どうして涙を流すのか。 どうして会いに行かないのか。 答えは一つ。 彼女が靴磨きまりさだからだ。 まりさが磨く靴は、例外なく餡子に塗れている。 死臭たっぷりの吐き気を催すような餡子が。 一日に何度もソレを舐めているまりさに死臭が付かないなんて、あるはずが無かった。 仕事が軌道に乗り出した頃から、まりさはおちびちゃんと会話を一切していない。 死臭でおちびちゃん達がエレエレして、危険な状態になった時、二度と会えないと、悟ったのだ。 まりさは、いつまでも幸せそうなおちびちゃんの姿を眺める。 二度とお話しすることが無くとも。 二度と頬をすり合わせることがなくても。 おちびちゃんの笑顔のために、靴磨きまりさは穢れた靴を舐め続ける。 <あとがき> いらっしゃいませ、こんにちは。ドナルドあきです。 大通りを歩いていると、靴磨きをしている人を見かけたのでつい書いてしまいました。 このSSは多分自分の中で最も早く書き終えたSSだとおもいます。 話は変わりますが、にとりあき様、挿絵ありがとうございます!!! まりちゃの悲しむ表情はやっぱりゆっくりできますね!!! では、いい加減勉強しないといけないので、ここらで失敬します。 最後に・・・読んでいただきありがとうございました。 <過去作なのぜ> anko1066 ゆくドナルド anko1166 ゆくドナルド2 anko1304 れいむと・・・ anko1384 豆れみりゃとこうまかん anko1395 ゆくドナルド3 anko1404 お前のゆん生30点 anko1432 幸福マスベ anke1472 餡子に捧ぐは菊の門 anko1606 絶望あにゃる anko1643 流れゆく物 前編 anko1721 流れゆく物 後編 挿絵
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ゆっくりいじめ系800 まりさつむりの記憶・前編 虐 環 ゆっくりいじめ系801 まりさつむりの記憶・中編 虐 制 性 ゆっくりいじめ系802 まりさつむりの記憶・後編 虐 制 家 ゆっくりいじめ系854 ゆっくりバイブレーション1 虐 薬 家 無 アリス×ゆっくり系16 アリスのゆっくり水爆弾 虐 家 白玉楼×ゆっくり系5 みょんとの出会い 制 ゆっくりいじめ系932 愛しのありす そ 性 無 ゆっくりいじめ系1024 嘘つき少女の悲劇 制 捕 ゆっくりいじめ系1293 ゆっくり昆虫型出産 虐 性 無 ゆっくりいじめ系1393 たっぷり産んでいってね ~Another 前編 ゆっくりいじめ系1394 たっぷり産んでいってね ~Another 中編
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まりさE No.??? タイプ:かぜ/ほのお 特性:ひでり(せんとうでひざしをつよくする) HP 攻撃 防御 特攻 特防 素早 35 120 50 120 55 120 ばつぐん(4倍) だいち ばつぐん(2倍) みず いまひとつ(1/2) ひこう/はがね/ほのお/かぜ/しぜん いまひとつ(1/4) --- こうかなし ---
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ゆっくりいじめ系1222 ゆっくり繁殖させるよ! ゆっくりいじめ系1254 赤ちゃんを育てさせる ゆっくりいじめ系1261 水上まりさのゆでだこ風味 ゆっくりいじめ系1297 ゆっくり贅沢三昧・前編 ゆっくりいじめ系1466 ゆっくり贅沢三昧・後編 ゆっくりいじめ系1467 まりさの皮を被ったアリス ゆっくりいじめ系1468 肥料用まりさの一生 ゆっくりいじめ小ネタ222 ゆっくっきんぐ ドナーツ編 ゆっくりいじめ系1532 可愛そうな赤ちゃんにゆっくり恵んでね ゆっくりいじめ系1580 ゆっくりしなかった魔理沙と愛のないアリス ゆっくりいじめ系1673 ゆっくりクアリウム ゆっくりいじめ系1715 ゆっくりトイレ ゆっくりいじめ系1735 ゆっくりれいむと白いお部屋 ゆっくりいじめ系1743 プラチナまりさとフリーすっきり権 ゆっくりいじめ系1761 ちょっとしたイタズラ ゆっくりいじめ系1905 あったかいゆっくり ゆっくりいじめ系1935 しゃべらないゆっくり ゆっくりいじめ系1940 愛されまりさの一日 ゆっくりいじめ系1993 加工場産の赤ゆっくりを育てる 前編 ゆっくりいじめ系1994 加工場産の赤ゆっくりを育てる 中編 ゆっくりいじめ系2110 加工場産の赤ゆっくりを育てる 後編1 ゆっくりいじめ系2111 ゆっくり二世帯住宅 ゆっくりいじめ系2143 いっしょうのおねがい ゆっくりいじめ系2210 ずっと実ゆっくりしていってね!(前編) ゆっくりいじめ系2211 ずっと実ゆっくりしていってね!(後編)
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『たまたまりさ』 33KB 虐待 観察 考証 現代 虐待人間 独自設定 暇つぶしにどうぞ ・本スレでたまに出る下品なネタを使ってみたレポート仕様の観察系SSです。 ゆっくりすっきりよりQNQN重視です。特に男性の方は、股座が縮むようなQNQNを味わうかもしれません。 ・登場する人間が狂気じみており嫌悪感を感じるかもしれませんが、仕様です。 ・その他ネタ被り、独自設定、意味不明な箇所など書き捨て御免ということで。 ・暇つぶしにどうぞ。話のネタにしてくれたら幸いです。 たまたまりさ 「うまれちゃうのじぇ! ちゃまちゃまりちゃがちゃまちゃまうまれちゃうのじぇ! おまちゃせししゅぎちぇゆっくちごめんにゃちゃい!なのじぇっ! きしぇきのゆっくちがいだいにゃいっぽをふみしめちゃうのじぇぇぇえ!!」 とある野生ゆっくりの出産光景。 元気のいい産声を上げながら、そのまりちゃは、母れいむの額に生えた茎から一番乗りに生まれ落ちた。 直下には小さな身体を受け止めるために、父まりさの帽子が裏返して差し出されている。 我が子の誕生を心から喜ぶ両親の眼差しを一身に受け、まりちゃは落下しながらゆっくり心地に満たされていた。 「ぽんぽん」の下部に露出している2個の球体状の異物、ソレを下にして帽子に着地するまでは――。 ぽすっ 「ゆ゛っ……!? っ……!! っ……!! ぴゅぱぴゅぺぱぽぴゅぴりゅべりゅぱりぱりゅぽっぽぴっぷ~~~っっ!! ……ぼびゃっっ!! ……も、もっぢょ……、ゆっぐ、じぢゃ……」 柔らかな帽子の裏地に着地したにも関わらず、球体状の異物は着地の瞬間、まりちゃの身体の下敷きとなりペシャンコに潰れた。 その刹那、まりちゃは全身を砕かれる様な激痛に襲われ、白目を剥きつつ非ゆっくち症を発症。 ショック症状で体内の餡子を吐き出して、たまたま生まれ落ちた奇跡のゆっくりは、偉大な一歩を踏みつつ永遠にゆっくりした。 両親ゆっくりは何が起こったのか、ゆっくり理解できなかった。 帽子の裏地に広がる餡子のシミ、その上に次々生まれ落ちる赤ゆっくり達を、ただ呆然と見つめるだけだった。 たまたまりさ。 まりさ種の亜種であり、特に希少性が高い。 父性を強く求めた思い込みの産物であるとも言われているが、定かではない。 世代を重ねたゆっくりは「ぽんぽん」と「あんよ」の境目の位置に、一体型の生殖器である「ぺにぺに/まむまむ」を備える。 たまたまりさは、その位置に男性器の睾丸に酷似した「たまたま」が「ぺにぺに」の下にぶら下がっているのだ。 これらは常に露出しており体内に引っ込めることはできない。中身は精子餡が詰まってる訳でもなく普通に餡子である。 希少種まみぞうの一部個体にも同様の「たまたま」が現れるという報告もあるが、その詳細は割愛する。 この「たまたま」は非常に敏感で脆く、たまたまりさの大きな弱点となっていた。 植物型にんっしん!によって茎から生まれ落ちれば、重心が偏るのか「たまたま」がちょうど真下になるように落ちてしまう。 赤ゆっくり時の「たまたま」は、帽子の上に着地しても全体重を受け止めればたやすく潰れてしまう程の脆弱さであった。 余談だが男性諸氏は、地上10mの高度から救助マットに睾丸で着地してみると、その苦痛が理解できるかもしれない。 対して、胎生にんっしん!のケースではどうだろう。 「うまれちゃうのじぇ! ちゃまちゃまりちゃがちゃまちゃまうまれちゃうのじぇ! ゆっくちししゅぎちぇごめんなちゃいなのっ……、じぇ……っっ!? べりぇぴょぱぴゅばりめいっぽりゅっ~~~っっ!! ……ぶびゃっっ!!」 そのたまたまりちゃは、親れいむの産道に挟まれて「たまたま」が押し潰され、非ゆっくち症による吐餡で永遠にゆっくりした。 とある野生ゆっくりの出産光景を、途轍もなくゆっくりできないモノに変えた、たまたまりちゃの誕生。 親れいむの「まむまむ」からは、たまたまりちゃの餡子が滴るばかりであり、両親ゆっくりはやはり呆然とするばかりであった。 このように、たまたまりさにとっては誕生からして命がけなのであるが、当ゆんや両親達にもその自覚は皆無。 無事生まれ落ちるためには、「たまたま」が潰れないという一粒の偶然に縋るしかないのである。 次は、一粒の偶然によって無事生まれる事に成功した、たまたまりさの生態を追ってみよう。 「ほらおちび、ぽよんぽよんしてみるんだぜ。みんなごはんさんをむーしゃむーしゃしたくてまちくたびれてるんだぜ?」 「ゆ、ゆぅぅ……!」 たまたまりちゃが無事に生まれた、とある野生ゆっくりの「おうち」であるほら穴。 夕暮れ時、狩りを終えた父まりさが持ち帰った収穫を、母ありすが家族に分配し終えていた。 姉妹である2頭の子ありすは葉っぱの上に載せられた「ごはんさん」を前にしながら、たまたまりちゃが席に着くのを待っていた。 たまたまりちゃだけが、「べっどさん」から食事の席までのわずかな距離を、のけ反りながらゆっくり這いずり続けている。 両の目に涙を滲ませながら――。 「おちびっ! ゆっくりしすぎなのぜっ! おとーさんだってはやくむーしゃむーしゃしたいんだぜ!」 「おちびちゃん! とかいはにぽよんぽよんよ! おちびちゃんならできるわ! このままじゃずっといなかものよ!!」 「「はやきゅ! はやきゅ! まりちゃはゆっくちしにゃいでぴょんぴょんしなちゃいっ!! こにょいにゃかもにょの!!」」 「ゆ、……ゆぅっ」 たまたまりちゃの表情が苦虫を噛み潰したかのように歪む。 ぽよんぽよんしたくない。 その想いを全身を震わせることで表現しているようでもあった。 たまたまりさにとって、跳ね飛ぶことは自傷行為である。 着地の瞬間、必ず「たまたま」が地面に叩きつけられ、悶絶必至の苦痛を味わわずにいられない。 故に、「たまたま」を地面から遠ざける為にのけ反りながら、ゆっくりゆっくりと進むことしかできないのだ。 このたまたまりちゃは、生まれて間もない頃に最初の一跳ねで悶絶し、吐き気を催す程の激痛を思い知った。 餡子に染み付いた恐怖を、たまたまりちゃの家族達には誰一ゆん理解できる者はいない。 昨日までは親まりさが仕方が無くたまたまりちゃを運ぶことで、たまたまりちゃは子ゆっくりにまで成長する事ができた。 そうした特別扱いは姉妹達の反感を買い、甘やかされがちなたまたまりちゃは自然と虐められることになった。 これでは「おちびちゃん」達の為にはならぬと、両親ゆっくり達はたまたまりちゃの自立を促そうとしていたのだが――。 「おちびぃっ!!」 「ゆっぴぃっっ!?」 痺れを切らした父まりさの一喝によって、たまたまりちゃの身体は、ぽよーんっ!と反射的に跳ね飛んでしまう。垂直方向に。 勢いよく飛び上がったたまたまりちゃの身体は、引力によって地面に落下せざるを得なかった。 無防備に露出したままの「たまたま」をプルンと振り回して。 ぺちっ 「ゆ゛っ~~~っっ!? っぎゃぁああっぁあ゛あ゛ぁぁぁ~~~っっ!!」 地面に叩きつけられた「たまたま」が耐えがたい激痛を生み出し、たまたまりちゃはたまらず悲鳴を上げる。 その激痛から逃れようと、絶叫と共に再び跳ね飛ぶたまたまりちゃ。やはり垂直方向に。 跳躍による痛みからの解放も一瞬のこと、再び着地しては叩きつけられる「たまたま」。 繰り返し続く激痛により、たまたまりちゃはまたしても跳ばざるを得なかった。 ぽよんっ ぽよんっ ぽよんっ ぽよんっ ぽよんっ ぽよんっ ぽよんっ ぽよんっ 「あぎょおぉぉぉっっ!! ぽっぴぃいいいっ!! ぷぎっ!! ぷびぃぃいっ!! っぽっぽぉぉぉおっ!!」 繰り返し繰り返し、たまたまりちゃは苦痛から逃れるために、ぽよんぽよんと跳ね飛ぶ。ただただ垂直方向に。 真横に身を投げ出せばとりあえずは窮地を脱する事は出来ただろうに、そのような機転を利かす暇も無く。 ひたすらに自らの弱点を地面に叩きつけ続けた。 激痛に表情を歪め、口からを泡を吹き、白目を剥いて、「うんうん」と「しーしー」を撒き散らしながら繰り広げられる跳躍。 ぽよんぽよんと跳ね飛ぶたまたまりちゃの姿は、家族が望んだものとは相反するゆっくりできないシロモノであった。 「ぶっぷぉぉぉおっっ!!」 幾度かの跳躍を経て、たまたまりちゃは餡子を吹き出して永遠にゆっくりした。 その瞬間は跳躍の頂点。空中にて勢いよく吹き出した餡子は横方向に推力を生む。 たまたまりちゃの身体は弾けるように横っ跳びをして、折り悪く家族の食事の輪へと転がり落ちた。 「「「……、……、……ゆっぐ!!」」」 思いもよらぬ惨状を目の当たりにした母ありすと子ありす達が我に返って最初に見たモノは、たまたまりちゃの死骸であった。 食事の輪の中央に突然躍り出た、悲痛と絶望に歪んだたまたまりちゃのデスマスク。 その壮絶な姿に、家族達はゆっくりできない想いがたちまち膨らみ――、 「「「ゆっげぇぇぇぇっ!! おぇっ! お゛ぅぇぇぇぇぇぇえ゛っっ!!」」」 揃って貰い吐餡する羽目になった。 子ありす達はゆっという間も無く全滅、母ありすも瀕死の体となって悶絶するばかりとなった。 父まりさは離れた場所から一部始終を見つめていたが、余りの惨状に呆然とたたずむしかなかった。 「……お、おちびちゃんは、また、つくればいいのぜ。……つくれば、いいのぜ……」 感情を整理できない父まりさは、その一言を絞り出すが精一杯だった。 偶然生まれ落ちる事に成功しても、たまたまりさのゆん生は狂おしい程に難易度が高い。正にルナティック。 弱点である「たまたま」にとって最も危険な瞬間は移動中なのである。跳ね飛ぶなど論外としても。 仕方無くのけ反りながら、ゆっくりゆっくりと移動するのだが、その速度はまりさつむりにすら遠く及ばない。 しかも、姿形がゆっくりしてるまりさつむりならともかく、たまたまりさは一見ただのノロマなまりさなのである。 「ゆっくり」が信条のゆっくり達も、余りにゆっくりしすぎて「いーらいーら」してしまい、たまたまりさを急かす羽目になる。 そうなればたまたまりさは、急かされて自傷行為に走らざるを得ないか、終いには他のゆっくり達に虐め殺されてしまうのだ。 人間の手で管理されていない環境において、たまたまりさのゆん生は刻一刻が死と隣り合わせだ。 野外においての成体たまたまりさの発見例は未だ皆無。 仮に成体となったとしても自活できる能力は無く、程無くして永遠にゆっくりするのが運命なのである。 ならば、人工飼育下でのたまたまりさについてはどうだろうか。 たまたまりさは受精時に形作られる突然変異の産物で、繁殖させる方法は未だ確立できない。 たまたまりさ同士でのかけ合わせでも発生せず、個体の総数から言えば希少種として扱っても差し支えないであろう。 もっとも実を結びさえすれば、誕生から成体に至るまで、多くの危険性を取り払って育てることが可能だ。 しかし――それがなんなのだ。 希少性を除けば、自ら生きることのできない、つむりにも劣る能無しまりさなのである。 最初こそ珍しいだけで大事にされても、それがたまたまりさに無駄な増長をもたらし、飼いゆっくりとしては不適格とされた。 とはいえ折角の希少性、去勢の手順で「たまたま」を取って普通のまりさにしても、勿体ないだけである。 どうにかたまたまりさの特製を生かしつつ、利益を生み出せないかと考え抜かれた結論が、ひとつだけ導き出されたのだが――。 「うまれちゃうのじぇ! ちゃまちゃまりちゃがちゃまちゃまうまれちゃうのじぇ! しぇかいのみなしゃんこんにちわ!なのじぇ! ちゃまちゃまりちゃなのじぇ! ゆっくちしちぇいっちぇね~~~!!」 高濃度の砂糖水が満たされたガラス瓶、そこに差し込まれたゆっくりの茎から、そのたまたまりちゃは生まれた。 落下高度5ミリ以下となるようあてがわれた、ガラス瓶の側に用意された台の上、ガーゼが厚く敷かれたシャーレの中に。 ふぁさっ 「ゆ゛……っ!? っひっっ!! ゆひっ! ひぃ……っっ!!」 たまたまりちゃの「たまたま」は、自らの身体によってガーゼに押し付けられ圧迫された。 何層ものガーゼは落下の衝撃を緩和したにもかかわらず、たまたまりちゃは激痛によってロクに言葉も発せなくなる。 一時もすると痛みは引いたものの、餡子を揺さぶった恐怖の体験は鮮烈に刻み込まれてしまった。 それを思い出し、「おそろしーしー」を漏らしながら、たまたまりちゃは泣きじゃくる。 「……ゆっ、ゆあっ! ……ゆんやあああっ! ゆ゛ん゛や゛あ゛あ゛あ゛あ゛~~~っっ!!」 「アラぁ、生まれた? 金のなる実ちゃん、ゆっくりしていってね!!!」 「ゆっ! ゆっぐ!? ゆっぐぢじぢぇいっぢぇねっ!!!」 突然投げかけられた挨拶に、反射的に返答するたまたまりちゃ。 見上げた先には、白衣をまとう女性の姿。 「ゆっ、にんげんしゃんは、ゆっくちできりゅひちょ……にゃのじぇ?」 「それはアナタの出来次第かなぁ~。さぁて、たまたまちゃんは潰れずに済んだようだし……」 「ゆぅ? おそらをとんでるみたいなのじぇ~!!」 白衣の女性の指先によって瞬く間に摘まみ上げられた、たまたまりちゃの身体。 突然の浮遊感は、ゆっくり心地に浸るには十分であった。 それも束の間、「にんげんさん」は空いた手の指先で、無防備にぶら下がった「たまたま」の表面を軽く弾く。 ピンッ 「ゆ゛ぉぉうっっ……!? っんふおぉ~~~っ! ゆふぴっ……! ふひっ……! ひっ……!!」 「たまたま」の片側を襲った衝撃は、たまたまりちゃを激しく悶絶させた。 生まれ落ちた瞬間に覚えたばかりの、餡子が激しい光に飲み込まれる様な真っ白な激痛。 全身からゆっくりできない感じの汗が滴り、歯がカチカチと噛みあわずマトモな言葉一つ発する事ができない。 「フフフ、いい感度ねぇ。今日からたっぷりトレーニングを施しあげる。 しっかり痛みに慣れてもらわないと販売できないからね」 「くひ……っ! きゃぴ……っ! ひっ……っ! ぴぃっ……! くききひ……っっ!!」 白衣の女性は指の腹で、たまたまりちゃの「たまたま」をクリクリとこね回す。 無遠慮な力加減は激しい痛みを生じさせつつ、たまたまりちゃの恐怖感を増大させ続けた――。 この白衣の女性は、たまたまりさ専用のゆっくりブリーダー、その1人である。 たまたまりさに特定の需要が見い出されて以来、たまたま生まれたこのまりさ種は彼女達の下に集められ、個別に育てられる。 だがそれは、飼いゆっくりとしてではなかった。 ぷちゅんっ 「ゆ゛っっ~~~!? ん゛ぎゅあああああああああああああっっ!! あぎひゃあああああああああっっ!! ぽぴっっ!! ふひょ! はひっぃ~~~っっ!!」 順調に成長した成体サイズのたまたまりさ、その絶叫が狭い室内に木霊する。 傍らにいる白衣の女性ブリーダー、その手はピンポン玉程度に育った「たまたま」の片方を握り潰していた。 泡を吹きながら踊り狂うようにグネグネとのたうち回り、「しーしー」をぶちまけるたまたまりさ。 その様を満足げに見つめる別の女性が一人、熱い眼差しをたまたまりさに浴びせていた。 「いかがですか? 当方のトレーニングによって、片方を潰したぐらいでは非ゆっくり症に陥る事はまずありません。 オレンジジュースで治癒できますのでご安心下さい。両方潰した場合はさすがに保証しきれませんが。 また、ちぎり取った場合は欠損となってしまい、オレンジジュースでも治癒できなくなりますので注意して下さい」 「いいわぁ、コレ最高よッ! 今日持ち帰っていいのかしら!?」 「ええ、診断で事前説明は十分に受けていると存じますので、売買契約書にサイン戴ければただちに御用意できます。 支払いは期日内に指定の口座に振り込みをお願い致します」 「契約書を出して! 今すぐにッ!」 激痛に身体を震わせるたまたまりちゃを捨て置いて、女性ブリーダーと女性のやり取りが最高潮に達する。 この瞬間、たまたまりさはブリーダーの手を放れ、女性の所有物となった。 だがそれは、決して飼いゆっくりとしてではなかった。 生まれ落ちてから販売されるまで、たまたまりさは「たまたま」から発する激痛に耐えうるようトレーニングを強要される。 飼いゆっくりとしての適性も教育も必要とされず、非ゆっくり症を患わないよう徹底管理され、ただただ痛みにのたうち回る日々。 成体になる頃には「たまたま」の皮も厚みを増し、敏感なままに潰れにくくなるのだ。 善良もゲスも関係ない。 絶えず「たまたま」を痛めつけられては自信や積極性など霧散し、必ず内気で消極的な性格に仕上がるのだから。 そうして見事成長したたまたまりさは、ブリーダー直販で高級希少種と同等の価格にて販売されるのだ。 たまたまりさの需要とは、何なのか。 いよいよ女性の手に渡った、たまたまりさの一日を垣間見てみよう――。 「ただいまー……。ケッ! あのハゲチビ専務ッ! 無茶振りも大概にしやがれ! 下から文句言われるのは私だっての! マジムカつくわ~~~ッ!!」 マンションに帰宅した件の女性は、玄関が閉まるや上司への悪態を吠えたてる。 彼女はとある上場企業に務めるキャリアウーマンで、仕事一筋で部長職に登りつめていた。 その代償として婚期を逸しつつあり、今や開き直る様に仕事に打ち込む日々を送っていた。 やりがいのある仕事ではあるが、高く設定されたハードルは過度なノルマを生みだし、彼女に多大な負荷を強いていた。 気持ちがささくれ立ったままの女性は、一目散にキッチンへと向かい、小型冷蔵庫に酷似した箱を開く。 ラムネの匂いが溢れる箱の中には、寝息も立てず眠っているたまたまりさが鎮座していた。 この箱は、ラムネガスで満たしつつ低温状態に置くことでゆっくりを安眠状態に置くことができる、加工所特製の安眠箱である。 たまたまりさは寝床である安眠箱からその身を掴みだされ、フローリング床の上で、無造作に手を離された。 ――どすんっ 「…………っっ!!? ゆ゛~~~っ!! あがっ! あ゛っっっ!! っぽっぴぃぃぃぃぃ~~~っっ!! ほひっ……! こきぃっ……! ぷぴっ……!」 着地と同時に「たまたま」が自らの身体の下敷きになり、たまたまりさは全身に満ちる激痛によって強制的に眠りから覚まされた。 痺れて満足に動かない身体をプルプル震わせて、泡を吹くたまたまりさの姿に、女性の唇の端が歪む。 「ホラァッ! 御主人様のお帰りよ! 図々しく惰眠貪ってんじゃないよ! このゴミカスッ!! ……御挨拶はどうしたの? まさか忘れたのぉ!?」 「お、おもにたまたまがいだいいいのぜぇぇぇっ……! たまらないのぜぇぇぇっ……! くひゅりゅひぃぃぃっっ!? んぷぅおおおおおっっ!! ほひっ! っゆぎぃぃぃっ!」 女性は笑みを浮かべながら、ストッキングに包まれたままの爪先で、たまたまりさの「たまたま」をグリグリと踏みつける。 この「おうち」に来て躾けられた「ごあいさつ」を行おうにも、断続的に苦痛を与えられれば出来るはずもない。 女性がそれに気付くのは、たまたまりさが無様な泣き顔を向け、訴えかけるような視線を送っている事に感づいた時であった。 「ああ、そうね。それじゃあ覚えてるか試してあげるわ。さっさとしなさい」 「……っひっ! ひぐっ……!」 女性の爪先から開放されて、たまたまりさは痛みが残る身体に鞭打ち、「どげざ」の姿勢をとって「ごあいさつ」の口上を述べた。 「お、お、おがえりなざいまぜ、おねえざま……! きょうもおじごと、ごぐろうざまでじだ……! なにもでぎないごくづぶじのだまだまりざでずが、どうぞ、ゆっぐりじでいっで、ぐだざいまぜ……!」 痛みを伴う躾によって執拗に覚えこまされた、全くゆっくりできない宣言。たまたまりちゃは泣き濡れたまま下唇を噛み締める。 また、たまたまりさにとって「どげざ」の姿勢は、自らの「ぽんぽん」で床に「たまたま」を押し付ける苦痛の姿勢であった。 そんな痛みと屈辱に耐え忍ぶたまたまりさを上から襲う、女性の足の裏――。 「はぁぁっ!? 御苦労さまだぁ!? 何で上から目線だよッ! そこはお疲れ様だって、何度も教えただろうがぁッ!!」 「ゆ゛っぐぇあああああっ!? ぶげぇぇっ!! ぽぎぇえええっっ!!」 怒りに身を任せて繰り返される執拗なストンピングに、たまたまりさは滑稽な悲鳴を上げた。 明らかに目上の者に対して御苦労さまという労いは、社会人にとって時に致命的な禁句となる。 その不用意な一言は、社会人として15年余りを勝ち抜いてきた女性の気分を逆撫でするに十二分であった。 「や、やべっ……! ぢゅ、ぢゅぶりぇ……っ!! ぴゅぎぃひいいいいいっ!!」 「おつむ」に加えられ続ける打撃。その痛みよりも、「たまたま」が押し潰されそうな鈍痛に恐怖するたまたまりさ。 両方の「たまたま」が潰れれば間違いなく永遠にゆっくりする――。たまたまりさは本能的に感じ取っていた。 多量の「おそろしーしー」が床に広がったところで、女性は足を引き、たまたまりさの帽子を手にとって床に投げつけた。 「ふーっ、ふーっ。またお漏らし? 汚いでしょ! 食事の支度してる間、キレイに掃除しときなさい!!」 「ゆ゛……! ゆ゛……! ゆ゛……! ゆ゛……!」 息も絶え絶えのたまたまりさは、投げ捨てられた自らのお飾りに這い寄る。 「しーしー」に浸されてビチャリと濡れた、自慢の帽子のお飾り。 その無残な姿に嗚咽を漏らしながら、たまたまりさは帽子を咥え、雑巾代わりに「しーしー」を拭きとる。 これもまた女性によってきつく躾けられており、手を抜く事は更なる懲罰を受けるだけなので、丁寧に仕上げなければならない。 一時の後、「しーしー」でビチャビチャに濡れた帽子を被り、たまたまりさはテーブルで食事を進めている女性に声をかける。 「……ゆ、ゆっぐりおそうじおわりまじた、のじぇ……」 「んー、相変わらずトロいわねぇ。それじゃ御飯にしなさい。今日のデザートはプリンよ」 「ゆっ!? ぷりんさん! ぷりんさん……っ!」 待ち焦がれた「あまあま」の名を聞き、心躍るたまたまりさだったが、すぐに現実に引き戻された。 「ぷりんさん」に至るには、女性が設けた道程を越えなければならないのだ。 たまたまりさは用意された食事の方向へ目を向けた途端、「たまたま」がジクジクと疼く感触を抱いた。 器に盛られたゆっくりフードと平皿上の「ぷりんさん」。それは階段状の台の天辺に乗せられていた。 「ゆっ……ぐっ……!」 ゴクリと唾を飲み込むたまたまりさ。 食事へと至るには、一段の高さが10cmにも満たない計3つの階段を昇り詰めなければならない。 一段の広さは成体ゆっくりにとって十分な広さで、一段の高さも「のーびのーび」を駆使すれば容易く超えられる。 しかし、それも普通のゆっくりであればの話。たまたまりさの場合、乗り越える際に「たまたま」が引っ掛かるのだ。 無理に乗り越えようとすれば、最悪の場合「たまたま」が削ぎ落されてしまう危険性がるので女性より禁じられていた。 と言うわけで女性によって躾けられた方法で登ることになるが、それは、たまたまりさにとってやはり自傷行為であった。 「そ! それでは! たまたまりさが! ほっぷすてっぷじゃんぷでむーしゃむーしゃしますっ!! どうぞ! ごゆっくりみててくだざいねっっ!!」 「はいはーい。頑張ってね」 「ほ、ほっぷぅっ!!」 ぽよんっ 絶叫しながら、たまたまりさは食事に至る階段、その一段目に跳ね飛んだ。 のしりっ、と一段目に圧し掛かるたまたまりさの身体。当然「たまたま」は着地と同時に叩きつけられる。 視界がチカチカする程の激しい苦痛に悶える間もなく、たまたまりさは次なる跳躍に望む。 「ゆ゛おおおっ……! ずっ……! ずでっぷぅぅっ!!」 ぽよんっ 跳び慣れていないたまたまりさの跳躍は、通常のゆっくりより遥かに劣る。 たかだか10cmにも満たない高さでも、たまたまりさは全身全霊をもって跳躍に臨まなければならない。 そして、そのような高度からの落下においても、「たまたま」に加わる衝撃は存分に激痛を発するのだ。 「じっ……! ゆおぉぉうっぷ……! じゃんぷでございまずぅぅぅぅっっ!!」 ぽよんっ 吐き気を催すような激痛で口元から泡を滴らせながら、痛みに耐えつつ最後の跳躍。 目前に迫る食事、ゆっくりフードと「ぷりんさん」の姿に、歓喜の表情を浮かべるたまたまりさ。 だが、激痛を堪えて挑んだ最後の跳躍は、高度が足りず――、 ガッ 「ゆ゛っっ!? んぎゅあああああ~~~っ!!?」 プラプラぶら下がった「たまたま」の先端が段の縁に直撃してしまう。 痛みに悶えて空中で体勢を崩すたまたまりさの身体は、「しーしー」を漏らしながら勢いに乗って回転しつつ食事に突撃。 皿をひっくり返してフードと「ぷりんさん」をぶちまけながら、自らもまた床に転がり落ちた。 「プッ! あは、あはははははっ!! イイッ! 今のイイッ! サイコーよぉ!! アッハハハハハハハハハッッ!! ちょ、大丈夫ぅ!? アハハハハハハハハッッ!!」 「ゆっ……! ゆっ……! ゆああ、ぷりんざんがあああ……。ゆ゛うう……! おぼに、たまたまがいだいいい……!!」 御機嫌の女性とは裏腹に、たまたまりさは折角の御馳走を自ら台無しにした無念さを噛み締めていた。 それもまた、「たまたま」で疼く重い痛みで塗り潰された。痛みの元を垣間見て仰天するたまたまりさ。 繰り返された弱点への痛打は、たまたまりさの「たまたま」を一際大きく腫らしていたのだ。 「ゆあああ!? たまたまがあああ! ゆっくりしでね! ゆっぐりしでねえええ! ぺーろぺーろぉ! ぺーろぺーろぉ!」 たまたまりさはたまらず舌を伸ばし、自らの「たまたま」を優しく舐めさする。 ゆっくりの「ぺーろぺーろ」はゆっくりの身体に対し一応の治癒効果があるのだ。 「ぺーろぺーろ! ぺーろぺーろ! ……ゆゆぅ? なんだかきもぢよぐなっできだのぜええ……。 ぺーろ、ぺーろぉ」 大きく腫れた「たまたま」の表面はより敏感になっており、慎重に這い回る舌の感触は程良い快感となった。 すると「たまたま」の直上にある「ぺにぺに」も反応し、ささやかな突起を天に突き上げる。 気が付けば、たまたまりさは勃起した「ぺにぺに」と腫れた「たまたま」を懸命に舐めしゃぶっていた。 「ゆ、ほぉぉぉぉお! これ、めっぢゃきもぢいいのぜ~~~っっ! たまらないのぜえええええっ!! も、ももも、もうすっきりしちゃうのぜえええええっ!! す、す、す、ずっぎ」 「御主人様に掃除させといて何サカってんのよ、このゴミカス」 ぐりぃっ たまたまりさが絶頂を迎えようとしていた刹那、腫れ上がったままの「たまたま」が女性の足に踏みつけられた。 快感を伝えていた部分が一瞬で凄まじい激痛に裏返り、たまたまりさの意識を真っ白に染め上げる。 「~~~っっ!! っぎゅがらばばばっ!! かきゃきゃかきゃきゃっっ!!」 「ホラ、さっさとお食べなさい」 「ほぎょおぅっ!? おぶぼぶぶぼっ! ぼげろっごぼっぼぼっ!!」 女性はたまたまりさの「たまたま」を踏みつけたまま、上顎を掴んで口を無理矢理開かせた。 そしてもう片方の手に握ったチリ取りの中身、ホコリに塗れたゆっくりフードや「ぷりんさん」の残骸を口中に流し込む。 結局たまたまりさの食事は、激痛に悶えてむせ返りながら済ます羽目になった。 「それじゃ今日も反省会いこーかー! そこにお座りッ!!」 「ゆあっ……!? や、やだぁ……! はんせいかいざんはいやなんだぜえええ……!!」 「お・す・わ・り」 「ゆぁぁ! ゆあああああんっ!! ゆあああああんっ!!」 イスに座った女性に促されれば、たまたまりさは従うしかなかった。 「反省会」と言う名の、途轍もなく異様でゆっくりできない行為に臨むとしても。 駄々をこねればこねる程、命の危険を伴うような躾を受け止めなければならなかったから。 大声で泣きじゃくりながら、たまたまりさは女性の爪先が指す床に鎮座した。 「……ていうかアンタさぁ、ノルマ上乗せもアレだけど、コソコソ陰口叩いてるでしょお? 色気の一つも無いだのとか、いっつも眉間にシワ寄せてるから婚き遅れるんだよとか、女として最底辺、とかぁ」 「ゆへぇ!? そ、そそ、そんなのしらないのぜ! いってませんのぜえええっ!!」 「会社中に広がってんだろがぁッ!! クソ専務!! 仕事もしないでアチコチで井戸端会議かよ!! 楽しいかぁ!? そんなに楽しいかァッ!!」 「ゆ゛き゛ゃ゛あ゛あ゛あ゛っっ!! あきゃかっ! はっぴょおわあああっ!!」 女性は虚空に向かって叫びつつ、足裏でたまたまりさの「たまたま」を踏みつけた。 自動車のアクセルを踏み込むが如くの勢いで、「たまたま」に爪先がめり込んでいく。 当然ながら、たまたまりさにとっては身悶える程の激痛を与えられる行為だ。 「や、やべでぇ!! づぶれりゅ! だまだまづぶれりゅっぴぃぃぃぃぃっっ!! も゛ひぃぃぃぃっ!!」 「自分が悪いと思う? それじゃ反省してね。今すぐよ!」 「は、はひっ! はひぃっ!!」 「たまたま」を踏み込む足の力が弱まれば、たまたまりさは一安心を得る。 とはいえ、これからがゆっくりできない時間の本番である。躾けられた行為を行わなければならない。 相変わらずどこかを見たままの女性を仰ぎ見て、たまたまりさは口上を述べる。 「も、もうじわげ、ありまぜんでじだあああ……! ごめいわぐをがげで、もうじわげありまぜんでじだあああ……! はんぜいじでまず! やまよりもだがぐ! うみよりもふがぐ! はんぜいじでまず~~~っ!!」 「ふーん。何について反省してるわけ? 言ってみてよ」 「ゆぅ!? ……そ、そのぉ……! あのぉ……!」 「色気が無いとか、婚き遅れとか、女として最底辺、とかぁ」 「い、いろげがないなんでとんでもないっ! ずびばぜんでじだあああっ!! いきおぐれなんでいっで、ずびばぜんでじだあああっ!! さいでいへんなんでいっで、ずびばぜんでじだあああっっ!!」 たまたまりさは促されるように反省の弁を叫ぶ。女性を蔑んだ、身に覚えのない言葉を放った事に。 この「反省会」は、演劇に酷似した擬似体験である。 会社で繰り返されるセクハラ・パワハラ等による鬱憤を、たまたまりさに反省させることで解消しているのである。 それを「たまたま」を踏みつけながら聞く事によって、男性に対する征服感をも想起することができるのだ。 しかし、ゆっくりは基本的にウソをつく行為がゆっくりできないものである。無論たまたまりさも例外ではない。 三文芝居にて覚えのない自分の悪気を認め、必死に謝罪を繰り返すなど以ての外である。 「反省会」とは「たまたま」に走る痛みと共に、たまたまりさの「ゆっくり」を擦り減らす一際ゆっくりできないモノであった。 「いいわぁ。その調子よぉ。じゃあ次!」 「ま、まだあるんでずが~~~っっ!!?」 「今年入ってきたゆとり坊主がやらかしてねぇ。取引先怒らせて危うく契約切られるとこだったわ。 普段の態度も含めて、しっかり反省しましょうね~」 「ゆんやあああああああああっ!!」 結局3人分の「反省会」を強いられ、たまたまりさは開放されて尚も、床の上でビクンビクンと身悶え続けていた。 「ゆ゛……! ゆ゛……! ゆ゛お゛……!」 「はいはーい。それじゃ今日のシメよ~! たっぷり練習したお歌、聞かせてね。早く早くぅ!」 すっかり御機嫌となった女性は、たまたまりさに更なる行為を促す。 それにしてもまりさに「おうた」とは、如何なるものであろうか――。 涙に濡れたゆっくりできない面持ちで、たまたまりさは起き上がり、「ぺにぺに」と「たまたま」を突き出すようにのけ反った。 「ゆ、ゆぅ、ゆっぐ、ゆえええ……」 「ホラ泣いてないで、歌いなさいよ。ホラァ!」 「ゆぎゃあああんっ!」 女性の態度が硬化するや、罰を恐れるたまたまりさは泣く泣く歌い始めた。 「まっ! まっ! まりざのたまたまは~~~♪」 歌いながら「ぽんぽん」を揺らせば、突き出した「たまたま」はブランブランと大きく振れる。 たまたまりさにとって「たまたま」は、弱点であり恥部であり劣等感の塊である。 それを性器である「ぺにぺに」と共に、これ見よがしに突き出して振り回すなど、恥さらしの極み。 ゆっくりできない想いを抱きながら、たまたまりさは懸命に歌を披露した。 しかし、それを聞いていた女性の眉間に縦ジワが走るや――、 「違ぁぁぁうっっ!!」 どむんっ! 「……かっ!? かひっ……! はひぃ……っっ!!」 立ち上がった女性が繰り出した蹴り、その爪先が、寸分違わず「たまたま」を捉えた。 爪先は「たまたま」の片側を完全に潰して、「ぽんぽん」に深くめり込んでいた。 意識を白く輝く激痛に包まれてしまい、たまたまりさは言葉を発せず、白目を剥いて痙攣する。 同時に全身から汗や涙や泡状のよだれ、「しーしー」等あらゆる体液が漏れ出した。 「……っぽっ! ほっぽぉ……! ひぴぴぴぃっっ!! かきききひぴぃっ!! ぽぴぴぴぴぴぴぃっっ!!」 「だーからぁ、そこは金玉って教えたでしょ。金玉よ、き・ん・た・ま! もぅ、しょうが無いわねぇ」 女性は恥ずる事無く睾丸の俗称を唱えながら、たまたまりさの上でオレンジジュースが入ったコップをひっくり返す。 悶絶してブリッジ状にのけ反った身体に浴びせられる液体。その光景は30年程前のダンス映画のワンシーンを彷彿とさせた。 「ゆっ……! ゆひぃ、ゆひぃぃ……!」 「ハイ、最初からやり直し。早く!」 オレンジジュースで潰れた「たまたま」は治ったものの、凄まじい激痛とそれを受けた恐怖は記憶に新しい。 息も絶え絶えながら、たまたまりさは再び「おうた」に臨む。 「まっ! まっ! まりざの! き、きん! きん……!! やだ……! いやだあああ! たまたまなのにいいい……! き、き、きんたまさんじゃないのにいいい……!」 言い回しに強いこだわりを持つゆっくりにとって、対象を別の言葉で言い換える事は、やはりゆっくりできない行為だ。 自らの大切な一部である「たまたま」を、人間の言葉である金玉と言い換える事は、もちろんゆっりできない。 さらに金玉と言う単語は、たまたまりさにとって何とも言えない恥ずかしさを覚えさせ、強い抵抗感を生みだしている。 それを知っていて尚、女性は歌を強制しているのだった。 「できないのお? できないなら、もう一回潰しちゃおうかァ?」 「ゆっぴいいいいいっ!!?」 女性の沈んだ声に、冷たい表情に、たまたまりさは餡子が凍るような感触を覚えた。 やると言ったら絶対にやる。そうした凄味を全身から醸し出す女性。 その姿に、たまたまりさは「おそろしーしー」を漏らしながら、姿勢を正して「たまたま」を突き出し、力いっぱい振り回した。 「まっ! まっ! まりざのきんたまは~~~♪ かぁぜにゆられてぶぅらぶら~~~♪」 「いいわよ! ハイ、そこもう一度!」 「まっ! まっ! まりざの! きんたまは~~~♪ かぁぜにゆられて! ぶぅらぶら~~~っ♪」 「よ~しよし! それじゃ本番! 最後まで通して歌いなさい!」 「ま゛っ! ま゛っ! まりざの! きん!たま!は~~~!! かぁぜにゆられで! ぶぅらぶぅらあああああっっ!! そぉれをみでいだ、おねーざん!! ぽんぽんかかえで! あっばっばあああ゛~~~っっ!!」 最後には歌ではなくなり、もはや絶叫だった。 歌い終わって尚、「ぽんぽん」の下で「たまたま」がブルンブルンと大きく揺れていた。 泣き濡れて無様極まりないたまたまりさの姿に、女性は歌われた通りに腹を抱えて笑い転げる。 「ぶっはははははっ!! アーハッハッハハハハッ!! ひーっ! 苦しーっ!! あーっハハハハァッ!!」 遠慮のない嘲笑を浴びせられれば、たまたまりさは自身の情けなさで一杯になり、更なる悲しみが込み上げてしまう。 これ以上惨めな姿ををさらけ出したくなくて、下唇を噛み締めながらむせび泣くも、すぐに堪え切れなくなる。 「ゆっ……! ゆぐっ! ゆぇぇぇ……! ゆ、ゆ、ゆああああああああああああんっ!! もういやだあああっ!! ゆっぐりでぎないよおおおっ!! ごんなのあぁんまりだあああああっっ!! ゆあっ! ゆあぁっ! ゆあああああああああああんっ!!」 感情の赴くままに、全身を震わせて泣き声をあげるたまたまりさ。 ゆっくりできない気持ちが絶望的なまでに満たされようとした、その時――、 「ん~っ。まりさちゃん、とっても上手に歌えたわね~。すごくゆっくりできたわ~」 「ゆぁぁ、ゆぁ……!?」 女性はたまたまりさを優しく抱き上げると、猫撫で声で語りかけた。 先程までの攻撃的な感情はどこへやら、穏やかな雰囲気を醸し出す女性の胸元に、たまたまりさは思わず身を委ねる。 「ゆ、ゆぅ、たまたまりさ、ゆっぐぢしでだ……のじぇ? おねーざんを、ゆっくりさせられた、のじぇ……?」 「うん! 最高にゆっくりできたわぁ。ありがとうね、たまたまちゃん! さ、一緒にお風呂入ろ。キレイキレイにしてあげる。そうしたら、ゆっくりお休みなさいね」 「ゆ、ゆわあああい! ゆっくちしていってねぇ~!!」 冷酷な支配者が見せた耳かき一杯分の優しさ。 だがそれは、身も心もボロボロにされたたまたまりさとって、身体中に沁み渡る暖かな「ゆっくり」なのだ。 これぞ飴と鞭。追い込みはするが追い詰めはしない、服従関係を長持ちさせる巧みな操縦術である。 こうして丁寧に手入れされた後、安眠箱に入れられて、たまたまりさの一日が終わる。 目が覚めれば再び地獄のごとき責め苦を受ける、その時までの仮初めの安息であった。 人間社会におけるたまたまりさの需要。 それは、現代社会で生活する女性達のストレス発散に使われる、精神医療器具なのである。 社会人になって自分の思い通りに生活できる者は、ほんの一握りだ。 大抵は生活維持のために望まない行為に打ち込み、時には理不尽に耐え忍ばなければならない。 感情が表面に出やすい女性にとって、それを封じ込める過度の忍耐は心身のバランスを大きく崩す要因である。 そうして精神を病む女性達に対し、たまたまりさを持て余していたゆっくり業者が暗躍した。 彼らは先だって精神科医達と提携し医学会と通じて、たまたまりさを精神医療器具として認可させる事に成功する。 モルモット等と同様、その身を持って人間の役に立ってもらう。それが目論見であった。 器具としてのたまたまりさの使い方はただ一つ。取り澄ました世間体を捨て去り、本能と感情の赴くままに扱うこと。 腹が立てば虐め、見下したければ嘲り、支配したければ屈服させ、愛おしくなれば愛でる――。 抑圧された感情の矛先を、無力で無能で無抵抗な存在に突き立てることで、ストレスを適切に発散できるのである。 この非日常的な体験は薬と違って身体を蝕まず、予想以上の治療効果を発揮した。 諸事情により家庭で使用できない場合は、たまたまりさを所持する精神科に通院しての治療も薦められる。 しかしながら、やはり自分の所持品である方が効果は絶大で、外部に個室を借りてまで購入に踏み切る患者が後を絶たない。 こうしてたまたまりさを使用する患者達は能率も大幅にアップし、人当たりも良くなって周囲に良い影響も与えたのだ。 ちなみに上記の女性は順調に出世を繰り返し、生涯独身のまま経済界の重鎮にまで上り詰める。 成功の秘訣は毎日行っているストレス発散である、とコメントを残して。 勿論たまたまりさの扱いに対してゆっくり愛護団体は黙って見ているはずも無かったが、権力者達はこぞって彼らを封殺した。 社会がうまく回るならば犠牲を払う事に躊躇が無い。そんな連中に対し愛護団体は無力同然で鳴き声を上げるに留り、今日に至る。 自らを犠牲にしてたまたまりさをゆっくりさせようと言うバカは、ついに現れなかった。 自然界においては生存能力が皆無であり、人間社会において器具としてのみ存在する事を許されたたまたまりさ。 一体全体、何を考えて、何がしたくて生まれてこようとするのだろうか――? 「うまれちゃうのじぇ! ちゃまちゃまりちゃがちゃまちゃまうまれちゃうのじぇ! きしぇきのゆっくち! ちゃぢゃいましゃんじょう!なのじぇ! みなしゃんゆっくちしちぇいっちぇ……ゆ゛ぉっっ……!? ~~~っ!! ~~~っ!! こひゅっ! ぽぴっ! ぷりぴゅべりぽっぱらぴっぽ~~~っっ!! ……ぼばっっ!! ……も、もっぢょ、ゆっぐぢ、じぢゃが……」 恐らく考えるだけ無駄なので、理解しようとする者はそのうちいなくなった――。 完
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『消えたまりさ』 3KB 意味がわかると怖い系を書いてみたかった・・・。 誤字脱字があるかもしれません 所々日本語がおかしいです 意味がわかると怖い話を読んで思いつきました 既出ネタかもしれません ≪消えたまりさ≫ 「おにいさん、きょうおんなのひとがおうちにいたよ。」 家に帰ってきてくつろいでいると飼いゆっくりのまりさが俺にそう話しかけてきた。 だが、俺には一緒に住んでいる女なんていやしないし、ドアの鍵を開けた形跡もなかった。 泥棒ということも考えられるが盗まれているものは何一つない。 もしかしたらその女とは幽霊なのかもしれない。 俺の住んでるマンションは部屋こそ多いがもうボロボロで所々ガタが来ているようなところだ。幽霊の一人や二人出てもおかしくない。 でも、そんなことはありえないんだ。何故なら俺は結構強い霊感を持っていて、幽霊がいたら直ぐに気づく。 現に今少し幽霊の存在を探ってみたが、それらしいものは全く感じない。 ということはまりさは嘘を付いているのだろう。嘘をつくのが苦手なゆっくりがこんな真面目な顔で嘘を付くなんてな・・・。 最近やつれ気味で元気のない俺を元気づけようと嘘をついたのかな?それでももう少し元気の出る嘘が良かったかな。 俺はまりさの嘘にのってやり、後日調べてみるとまりさに言った。 俺が最近やつれ気味なのは、ストーカーの被害に遭っていて少々気が滅入っているからだ。 なぜ俺がストーカーの被害に遭うのかはまったくわからない。顔もよくないしお金持ちっていうわけでもない。 まぁ、ストーカーなんてやる変質者の考えなんて理解できなくて当たり前かな。 ストーカーの被害といっても、話に聞くようなめちゃくちゃ悪質なものではない。 ただ、そいつは俺の出社時間から帰宅時間まで何もかも把握しているらしく、朝から晩まで外にいるときは視線を感じるんだ。 出社時間や帰宅時間だけでなく休日少し出かけるときでさえ視線を感じる。 そんな生活がかれこれ1ヶ月程続いる。そろそろ警察に通報するべきなのかな・・・。 戸締まりをしっかり確認した後、俺は眠った。まりさも俺の枕元まで来て一緒に眠った。 翌日、まりさは姿を消した。 終わり これより下は解説です。 ストーカーの女性は男性の部屋の隣に住んでいたため男性が家から出る時間や帰ってくる時間を調べることができた。 マンションはボロボロだったため壁や天井が脆くなっていて、男性の部屋の押入れへと通じる抜け道を作ることができた。 たまに出入りして男性の下着をクンカクンカしたりしていたが、ある時まりさにその姿を見られてしまった。 ただ、女性はまりさが飼いゆっくりだったため殺したり口封じをしたりしなかった。 人間に目撃されていたら通報されたりするだろうが、ゆっくりならその心配はない。 ゆっくりが「部屋に女性がいた」と言っても何も盗まれていなければ男性は嘘だと思うかもしれない。 なにより潰したり痛めつけたりしたらそれが原因で捕まってしまうだろうと考え、とっとと逃げていった。 だが、やはり心配になった女性はまりさと男性の会話を盗み聞きした。 そして男性が「後日調べる」と言ったので焦った。そして、これ以上なにか情報を漏らさないようにまりさを消した。 あとがき ゆっくりでやったのは、人間が言ったら男性はすぐに家を調べるだろうなと思ったからです。自分だったら確実にそうします。 自分で作ってみた作品なので既存の話よりだいぶ強引な展開になってしまいました。 今までに書いたもの ≪受け入れられない≫ ≪横暴≫ ≪踏みにじる≫ ≪餡子の雨≫ ≪約束≫
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ゆっくりいじめ系1222 ゆっくり繁殖させるよ! ゆっくりいじめ系1254 赤ちゃんを育てさせる ゆっくりいじめ系1261 水上まりさのゆでだこ風味 ゆっくりいじめ系1297 ゆっくり贅沢三昧・前編 ゆっくりいじめ系1466 ゆっくり贅沢三昧・後編 ゆっくりいじめ系1467 まりさの皮を被ったアリス ゆっくりいじめ系1468 肥料用まりさの一生 ゆっくりいじめ小ネタ222 ゆっくっきんぐ ドナーツ編 ゆっくりいじめ系1532 可愛そうな赤ちゃんにゆっくり恵んでね ゆっくりいじめ系1580 ゆっくりしなかった魔理沙と愛のないアリス ゆっくりいじめ系1673 ゆっくりクアリウム ゆっくりいじめ系1715 ゆっくりトイレ ゆっくりいじめ系1735 ゆっくりれいむと白いお部屋 ゆっくりいじめ系1743 プラチナまりさとフリーすっきり権 ゆっくりいじめ系1761 ちょっとしたイタズラ ゆっくりいじめ系1905 あったかいゆっくり ゆっくりいじめ系1935 しゃべらないゆっくり ゆっくりいじめ系1940 愛されまりさの一日 ゆっくりいじめ系1993 加工場産の赤ゆっくりを育てる 前編 ゆっくりいじめ系1994 加工場産の赤ゆっくりを育てる 中編 ゆっくりいじめ系2110 加工場産の赤ゆっくりを育てる 後編1 ゆっくりいじめ系2111 ゆっくり二世帯住宅 ゆっくりいじめ系2143 いっしょうのおねがい ゆっくりいじめ系2210 ずっと実ゆっくりしていってね!(前編) ゆっくりいじめ系2211 ずっと実ゆっくりしていってね!(後編)
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背の高い木や下草でトンネルのようになっている獣道を抜けた先、山の斜面から少し盛り上がった台地の中央に、その洞窟はあった。 切り立った岸壁に一つだけ開いた入り口は、高さが1メートルほど。 洞窟の奥行きは数メートルしかないので、内部はそれほど薄暗くはない。柔らかな春の陽射しによって明るく照らされている。 その陽だまりの中に、一匹のゆっくりれいむがいた。 「……」 若草を集めて作られたベッドの上にいるれいむは、時折吹き込む優しい風が頬に当たるのに目を細めながら、外を眺めていた。 木々の間から射し込んでくる陽の光は、青々と茂る葉が揺れるのにあわせて、地面に様々な模様を描く。 まるで、見たこともない不思議な生き物が蠢いているようだ。ひょっとすると、れいむを食べようと狙っているのかもしれない。 そんなことをれいむが考えていると、不意に、大きな丸い影が現れ、れいむの空想は遮られた。 「ゆっくりただいま。いま かえったよ、れいむ」 声の主は、ゆっくりまりさ。れいむが帰りを待っていたつがいだ。 豊かな金色の髪は、力強く波打ち、陽の光を受けてきらきらと輝いている。 そして、トレードマークの黒いお帽子はぱんぱんに膨らんでいた。 「おそいよ」 労いの言葉の代わりに冷淡な視線。れいむはまりさに一瞥をくれた。 栗色の瞳、凛々しい眉毛、引き締まった口元。どれをとっても群れ一番のゆっくりしたまりさだと、かつてのれいむはまりさを見るたび褒めそやした。 今ではすっかり変わってしまったれいむの態度。まりさは少しだけ寂しそうな顔をしたが、すぐに笑顔を作り、れいむの前までやって来て、お帽子を脱ぎ、その中身を取り出す。 「きょうも いっぱい とれたよ!」 まりさは努めて明るい声を出す。 れいむの前に、色とりどりの木の実やキノコ、それにお花がたくさん並べられた。 「そう」 まりさの集めてきた食料を見て、れいむは呟いた。さっそく、鮮やかな赤色をした野イチゴに舌を伸ばし、頬張る。 「むーしゃ むーしゃ……。んっぐ」 「しあわせー」の一言もなく、あっという間に飲み込んでしまうと、次は三輪ほどのタンポポを一度に咀嚼する。他のものも同様に、れいむの口の中へ消えていく。 野生のゆっくりにとってはこの上ない御馳走だが、れいむは大して味わいもせずに、数分で全て平らげてしまった。 まりさの分など残さない。れいむは、それが当然であるといわんばかりに、まりさを気にする素振りすら見せない。 けれども、まりさは一切文句を言わず、ただ黙ってれいむを見つめていた。その表情は、どこか悲しげでもあり、ゆっくりしているようでもあった。 そんなまりさの視線に気付き、食事を終えて能面のようだったれいむの顔つきが険しくなる。 「なに みてるの?」 「ゆっ……! ……れいむが ゆっくりしてくれたら、うれしいなって……」 咄嗟に口から出る言葉。それは本心だったが、言ってから、まりさはしまった、と思った。だがもう遅い。 「まりさは、れいむが ゆっくりしてると おもってるの……?」 れいむの眉間に刻まれた皺が深くなる。まりさが慌てて謝ろうとした瞬間、れいむは怒鳴った。 「ふざけないでねっ!! これっぽっちで ゆっくりできるわけないでしょっ!? そんなことも わからないの? ばかなの? しぬの? ……ほんとうは、れいむのことが おかしくって わらってたんじゃないの!?」 「ち、ちがうよ! まりさは……!」 「うるさいっ!!」 れいむの表情が激怒のそれに変わる。 「まりさは、まりさなんかに、れいむのきもちが わかるわけないでしょっ!?」 感情を爆発させたれいむの大声が、洞窟内に響く。まりさはただ黙って、その罵声を浴び続けた。 その瞳から一粒の涙がこぼれ、頬を伝う。まりさの涙を見咎めたれいむが、さらに怒りを募らせる。 「なんで なくの? れいむ なにか ひどいこと いった? まちがったこと いった? れいむが わるいの?」 まりさは答えず、俯くだけ。その態度が余計にれいむを苛立たせる。 「ちがうでしょ!? わるいのは ぜんぶ まりさでしょ!? こうなったのは ぜんぶ、まりさのせいでしょお!?」 執拗にまりさを責め立てるれいむ。叫び疲れたれいむが、そっぽを向いてベッドに横たわるまで、まりさは無言のまま耐えた。 いっそ体当たりでもされたほうが、ずっとマシだったろう。 しかし、れいむがまりさに直接暴力を振るうことは、絶対に無い。 れいむのあんよはズタズタに引き裂かれて、もう二度と、飛んだり跳ねたりすることは出来なかったのだから。 れいむとまりさは、幼なじみのゆっくりだ。 親同士が親しかったうえ、おうちも近かったので、まだ満足に喋ることの出来ない赤ゆっくりだった頃から、二匹はいつも一緒に遊んでいた。 子ゆっくりに成長し、他の友達とも連れ立って遊びに行くことが多くなると、運動神経の悪いれいむは足手まといになることが多く、ちぇんやみょんたちからは帰れといわれてべそをかいた。 そんなとき、まりさはいつもれいむをかばい、ちぇんたちにとりなしてくれた。遊びの輪から離れなければならないこともあったが、まりさは嫌な顔ひとつしなかった。 れいむが、まりさとずっといっしょにゆっくりしたいと思うようになったのは、この頃からだろう。 二匹の関係は、巣立ちしてからも変わることはなく、やがてれいむとまりさは結婚できる大きさになった。 群れの中で一番狩りが上手く、おまけに整った顔立ちのまりさに求婚するゆっくりは多く、中にはれいむよりずっと綺麗なゆっくりもいた。 自分はまりさに相応しくないのではないか。まりさも自分のことなど疎ましく思っているのではないか。 そんな不安を抱いていたれいむを、ある日まりさはお散歩に誘った。 れいむの気持ちを知ってか知らずでか、まりさは、れいむが今まで立ち入ることの無かった森の奥へと分け入っていく。昼間とはいえ、薄暗い森の中をゆっくり二匹だけで移動するのは、普通なら無用心の極みである。 ただ、この群れに限って、その心配は要らなかった。れいむたちが生まれるよりもずっと前から、この辺りに捕食種は存在していなかったからだ。れみりゃなどは、おとぎ話の中の存在だった。 もっとも、それでなくともまりさの背中を見つめるれいむの心は穏やかではなかったが。 「ゆっ! ついたよ、れいむ!」 森を抜け、視界が開けると、そこは断崖絶壁だった。 遥かに見える山脈を境にして、空には青、大地には緑の一大パノラマが広がっている。 「ゆわぁ……」 溜め息をつくれいむ。あまりに雄大な光景に、言葉が出なかった。 「ここはね、まりさの ひみつのゆっくりぷれいす なんだ! しょうたいするのは、れいむが はじめてだよ!」 「すごいでしょ」と得意気に振り返るまりさ。と、その表情が急に真剣なものになった。 「まりさは、れいむのえがおを みてると、とてもゆっくりできるよ。だから……だから……」 「……? いきなり どうしたの、まりさ……?」 「ま、まりさは、れれ、れいむと、ず、ずっと……ずっと いっしょにゆっくりしたいよっ!!」 突然のプロポーズだった。呆気にとられるれいむ。まりさはじっとれいむを見つめている。 れいむはなんとくだらないことで悩んでいたのだろうか。すべては杞憂だった。 いつも優しく、落ち着きがあって、みんなから頼りにされるまりさが、緊張で顔を真っ赤にしているのが可笑しくて、でもとても嬉しくて。 れいむもまりさと同じくらい顔を朱色に染めて返事をした。 「ありがとう、まりさ……。れいむも まりさと、ずっと いっしょにゆっくりしたいよ……!」 見つめ合う二匹の輪郭は、陽の光を受けて金色に輝いていた。 れいむとまりさは結ばれ、群れのみんなから祝福された。 一緒に暮らすための新しいおうちはまりさが見つけた。ゆっくり二匹が暮らすには十分すぎるほど広くて、暖かい洞窟だ。 群れの広場からは離れていたが、大した距離でもない。日々の生活に不便を感じることは無かった。 そこで二匹は冬を越し、春を迎える。 初めて経験することばかりの毎日の中で、喧嘩もしたが、いつだってすぐに仲直り出来た。 新しい家族も生まれた。ゆっくりれいむとまりさが一匹ずつ。子どもたちはすくすくと成長した。 何もかもが順風満帆、何不自由ない暮らし……とまでは言えないが、れいむとまりさは幸せだった。 本当に、幸せだった。 まりさが群れの仲間と狩りに行っている間、れいむと子どもたちはおうちでお留守番をする。 あの日もそうだった。 「それじゃあ、いってくるね。おちびちゃんたち、おかあさんの いうことを ちゃんときくんだよ」 「まりしゃ、いいこに しちぇるよ!」 「れいみゅも!」 「まりさ、いってらっしゃい。きをつけてね」 愛する家族に見送られ、まりさは狩りに出かけた。 それが、家族全員が揃った最後のひとときだとも知らずに。 濃密な餡子の匂いが混ざった風を、まりさは今でも鮮明に覚えている。 狩りから戻ったまりさを出迎えたのは、子どもたちの無残な死体と、れいむの悲痛な姿だった。 子まりさの体は跡形も無く八つ裂きにされ、とても立派だね、と家族みんなが褒めていた小さなお帽子の残骸とごちゃ混ぜになっていた。 子れいむは上半身だけが辛うじて残っていたが、れいむに似た黒くてつぶらな瞳は、もう何も映していなかった。 れいむは虚ろな眼で、自分はどうなってもいい、子どもたちは助けてほしい、とうわ言のように呟いている。 その眼の前に、子れいむの下半身とリボンが置かれているのは、何か悪い冗談のようだった。 「うそだ……。うそだあぁあああ!! うわぁあぁぁぁあああっ!!」 まりさの叫び声に、この凄惨な光景を作り出した張本人がゆっくりと振り向く。 「やっと、カエってきたか。オソかったな」 燃えるような真紅の瞳。七色に輝く翼。どこか壊れた抑揚のない声。破れた帽子。凶行を心の底から楽しんでいる笑み。 ゆっくりふらん。捕食種として最も恐れられているゆっくりだ。 単純な戦闘能力の高さだけでなく、暇潰しでゆっくりを殺す残忍さと、時には同種にさえ牙を剥く凶暴さを併せ持つ。 その激しい気性が、ふらんを他の捕食種と一線を画す存在たらしめていた。 なんで、ふらんが、ここにいる? この森に、捕食種はいなかったはずだ。それなのにどうして……? どうして、こんなことに……? 最愛の子どもの死体と、今なお命の危険に晒されているれいむを前に、まりさの思考は混乱し、平衡感覚がおかしくなる。 その意識が、想像よりもずっと禍々しいふらんの声によって、ふたたび残酷な現実に引き戻された。 「こいつ、ヒッシになって、テイコウしたぞ。『おちびちゃん』をニがそうとしてな。オモシロかったけど、アきたから、こうしてやった」 そう言って、ふらんはれいむを転がす。されるがままのれいむのあんよが、まりさに向けられた。 皮を剥がされ、ぐちゃぐちゃに掻き回された底部が、そこにあった。 「あ、あぁ……! れいむ……!」 まりさの両目から涙が溢れ、れいむを呼ぶ声は掠れた。 その反応を満足気に眺め、素敵な玩具を与えられた子供のような笑顔で、ふらんは言い放った。 「あはははは! いいぞ! もっとナけ! 『おちびちゃん』は すぐ コワれて つまらなかった! オマエらは、タノしませろ!」 その言葉を聞いた瞬間、まりさの視界がグニャリと歪む。抑えきれない怒りの衝動に、眩暈がして、意識が途切れた。 「うがあっ!?」 ふらんの悲鳴で我に返る。 いつの間にか、まりさは木の枝を咥え、ふらんに体当たりしていた。鋭く尖った枝は、ふらんの左頬に深々と突き刺さっている。 “おもちゃ”だと思っていた相手から受けた予想外の反撃に、ふらんの眼は憤怒に染まった。 「オマエ……よくも……。……っ!?」 突然、ふらんの唸り声が途切れる。 まりさは、自分がどれほど壮絶な顔をしているか気が付かなかった。残虐無双のふらんですら凍りつかせるほどに、その双眸は凄愴な殺気に満ちていた。 まりさは今までに、ゆっくりを殺したことなどない。相手を死なせるということは、とてもとてもゆっくりできないことだ。 だけど、こいつは、このふらんは、殺してやりたい。 まりさの咥えた枝が軋む。尖った先端がふらんの口内、喉の奥に触れようかというところまで達する。 ふらんは今度こそ本当に恐怖した。獲物にこんな感情を抱くなど、生まれて初めてのことだった。 「ぅあ、あああっ……!!」 恐慌をきたし、必死になってまりさを振りほどこうと暴れる。 「オひろっ……! オひろ、オひろ、オひろぉおぉぉぉおおおっ!!」 「あぐっ……!!」 木の枝がふらんの頬を切り裂いて抜け落ち、まりさは地面に叩きつけられた。 深手を負ったふらんは、よろめきながらも一目散に空へと飛び去っていく。 その姿をかすかに見やり、まりさはれいむのもとへ転がるように駆け寄った。 れいむの傷は深く、すでに意識は無かった。 「れいむっ!! れいむっ……!! しっかりして!! れいむ……!!」 束の間の静寂を取り戻した森の中に、まりさの叫びがこだました。 れいむは夢を見ていた。どこまでも続く草原に、たったひとりでいる夢。穏やかな風が優しくれいむを包み込むが、れいむは何故かゆっくりできなかった。 突然、眼の前に子どもたちの死体が現れ、れいむはすべてを思い出した。悲鳴を上げておちびちゃんに擦り寄ろうとするも、傷ついたあんよでは這うことすらかなわない。 れいむは、いつ終わるとも知れぬ悪夢の中で、誰かの声を聞いた。 ―おちびちゃんが死んじゃったね、れいむ。 どうして、こんなことに……? ―まりさがもっと早く帰ってくれば。狩りに行かないでおうちにいれば。 それはちがう、まりさはわるくない……。 ―そもそも、このおうちを見つけたのはまりさだ。群れのみんなの近くに住んでいれば、こんなことにはならなかったんじゃないの? そんなこと……。 ―そう言えば、群れのみんなも薄情だね。誰ひとり助けに来てくれなかった。 やめて……。 ―れいむとおちびちゃんがふらんに襲われていたとき、まりさは何をしていた? 何もしてくれなかったじゃないか。自分だけゆっくりしていたのかもね。 ……。 ―おちびちゃんが死んだのも、れいむのあんよがこうなったのも、まりさが……。 ……そうだ。ぜんぶ、まりさのせいだ。 冷たく固かったふらんの牙。その感触によく似た言葉が、れいむの空虚な心を刺し貫く。 眼の前で愛しい子どもを嬲り殺しにされたという事実に耐えられるほど、れいむの心は強くなかった。 壊れかけたれいむは、縋り付くものを必死で求めた。とめどなく両目から溢れ出た雫のように、れいむの心から色々なものが抜け落ちていく。 そうして、最後に残ったのは『憎しみ』だった。 だが、もっとも憎むべきふらんはここにはいない。いたのは、自分たちを助けることの出来なかったまりさだけ。 「……そうだよ」 目を覚ますと、れいむはおうちの中でベッドに横たえられていた。 「……! れいむ、きがついたんだね! よかっ」 「まりさが わるいんだよ」 「……え……?」 意識を取り戻した自分に近付こうとしたまりさを、れいむは睨みつけた。 もう、れいむはれいむではなくなっていた。 群れのみんなが集めてくれたよもぎを、れいむのあんよに貼る。 これが、まりさが朝起きて最初にすることだ。 れいむのあんよは、傷こそ塞がったものの、最早あんよとしての機能は有していなかった。 それでも、いつか必ずふたりで外を飛び跳ねることのできる日が来ると信じて、まりさは献身的にれいむの世話を続けた。 そんなまりさに、れいむは憎しみと嫌悪に満ちた視線と言葉を浴びせ続けた。 最初のうちはれいむの変貌ぶりに戸惑い、嘆き悲しんだまりさだったが、心のどこかでれいむの言葉を肯定していた。 家族を守れなかった後悔と罪悪感が、まりさの心に重くのしかかっていた。 群れの仲間がれいむのことを非難しても、まりさは悲しそうな顔をするだけで、れいむを悪く言うことは一度も無かった。 そんな生活を送るようになって、一週間が過ぎたある日のこと。 麓の群れのえーりんが怪我の治療に詳しいと聞いて、まりさは朝早くから出かけることにした。 まりさを心配したちぇんが同行を申し出て、二匹は目的地へと出発した。 まりさやれいむとは旧知の仲でもあるちぇんは、道中で陽気に振る舞い、まりさもまた、久しぶりの遠出とちぇんの気遣いに、幾分安らいだ表情を見せた。 麓の群れにはお昼頃に到着したが、えーりんにあれこれ話を聞くうち、気が付けば日は落ち、辺りはすっかり暗くなっていた。 夜道は危険だから泊まっていくといい、とえーりんは言ってくれたが、まりさたちは丁重に断った。 えーりんが譲ってくれた薬草を、一刻も早くれいむに届けたかったからだ。 楚々とした月の光が降り注ぐ森の中、二匹は家路を急ぐ。 月は明るいが、太陽には及ばない。真夜中の森は暗く、静かだった。 その静寂に、自然、無口になる二匹。 道のりのおよそ三分の二まで進んだところ、切り立った崖の近くまで来たとき、突然、ちぇんが先を行くまりさに話しかけた。 「ねえ、まりさ」 「ゆ……? なあに、ちぇん?」 「まりさは このまま、れいむのおせわを つづけるつもりなの?」 一瞬、まりさは驚いた顔をするが、すぐに笑顔になる。そして、優しい声で答えた。 「うん。そうだよ。だって、れいむは まりさの たいせつな かぞくだもん」 「そう……。……そうだよねー。ちぇんは おばかなことを きいたんだねー。ゆるしてほしいんだよー」 「ううん、いいよ。それより、きょうは ほんとうにありがとうね、ちぇん。こんなに おそくまで つきあわせちゃって……」 「ちぇんが かってに ついてきただけ なんだねー。きにすること ないんだねー」 子ゆっくりのころから付き合いのあるちぇんですら、今のれいむはゆっくりできないと思っていた。 れいむがどれだけ悲惨な目に遭ったかは十分承知しているが、それでもまりさに対する態度の理由にはならないだろう、と。 でも、当のまりさが文句を言わないのなら、ちぇんたちが口を挟むべきではない。 それに、れいむが本当は心優しいゆっくりだということは、ちぇんも分かっていた。 なら、きっと大丈夫だ。こんなに立派なまりさが付いていれば、れいむも必ず元に戻るはず。ちぇんたちはそれを出来る限り支えていこう……。 そう決意したちぇんの顔面が、まりさの背中にぶつかった。 「うにゃ!! ……きゅうに たちどまると あぶないんだよー。いったい どうし……」 黙したままのまりさ。その視線の先を向いて、ちぇんは息を呑んだ。鬱蒼とした木立の間から、何かがこちらを見ている。 「まりさ……!!」 恐怖に竦んで動けないちぇんをかばうように立ち、まりさは樹間を凝視する。 静かだが鋭い息遣い。相手がこちらに敵意を持っているのは明白だった。 闇の帳に紛れ、木々の影から奇襲されては為す術もない。まりさの頬を汗が伝う。 だが、“そいつ”は堂々と、月明かりの下に現れた。 星空を背景に、その姿がはっきりと照らし出されると、まりさは眼を見開いた。 “そいつ”は、数十年ぶりに再会した友人に語りかけるかのような口調で、まりさに呼びかけた。 「またアえて、ウレしいぞ。オボえてるか」 忘れるものか。その顔、その声、その喋り方。一日だって思い出さない日は無かった。 「やっと、キズが フサがった」 “そいつ”の左頬には、口の端から一直線に伸びる、引き攣れたような痕があった。あのとき、まりさが木の枝を突き刺し、切り裂いてできた傷。 「オマエ、キラい。だから、コロす」 まりさは、不意に子どもたちのことを思った。助けられなかった子どもたち。そしてれいむ。れいむの優しい笑顔を。 ぜんぶ、このふらんが、うばったんだ。 「まりさぁっ!!」 ちぇんの叫び声で、まりさは我に返った。そのときにはすでに、ふらんの間合いに入っていた。 ちぇんを横に突き飛ばし、後ろに飛び退ったまりさの顔面を、凄まじい速度でふらんが掠め、まりさのお帽子は吹き飛ぶ。お帽子の中に詰まった薬草が飛び散り、はらはらと舞った。 一撃で仕留め損ない、ふらんは僅かに悔しそうな顔をするが、すぐさま旋回して滞空する。 猛禽を思わせる翼が空気を切り裂き、鋭い眼光が射殺すようにまりさを捉えた。 かつてのような、獲物をいたぶって殺すという余裕は一切見られない。 あるのは殺意だけ。喰うためではなく、退屈を紛らわすためでもなく、自らの、捕食種としての矜持のために、ふらんはまりさを殺そうとしていた。 そこに遊びや油断が生まれる余地など無い。 まりさが初めて対峙したときのふらんは、まりさのことを見下し、侮っていた。だから撃退することが出来た。 しかし、今のふらんにはそれが無い。全身全霊をかけて、まりさに襲い掛かってくる。一度目を髪一筋の差で避けられたのは、幸運だった。 眦を決し、まりさは身構える。 「オマエなんか、コワくない」 ふらんが、その赤い、感情の読めない眼で、まりさを睨む。 来る。 風を感じたと思った瞬間、まりさの眼の前に、ふらんの大きく開いた口があった。 「ゆがぁっ……!」 右目が熱い。ふらんの牙が、まりさの右目を周りの皮ごと喰い破っていた。さすがのまりさも、激痛に耐え切れず蹲ってしまう。 一方のふらんも、しばし動きを止め、まりさを見つめる。 また、仕損じた。これで二度目だ。 ふらんは狼狽していた。なぜ、こいつはこんなにしぶといんだ。今までの獲物とはまるで違う。 だが、それもここまでだ。 この機会を逃さず、ふらんは一気に上昇し、周囲の梢以上の高さに達したところで、まりさの頭上めがけて急降下する。 「シね」 最高速の突進。とどめを刺すつもりだった。 まりさの体を噛み砕かんと開かれた口の中にびっしりと並んだ牙が、鈍く光る。 ふらんが勝利を確信したまさのそのとき、 「や、やらせないよーっ!! うわああっ!!」 まりさの窮地に勇気を振り絞って、ちぇんがふらんへと飛び掛った。 しかし、 「ジャマだ!」 「うにゃぁっ!?」 ふらんはちぇん渾身の体当たりを難なく躱し、勢い余ったちぇんの頬に翼を振るう。 強烈なスイングをまともにくらったちぇんは大きく弾き飛ばされ、二転三転して気を失った。 「ザコが……」 まるで格の違うちぇんの無様。だが、無駄ではなかった。 ほんの一瞬の隙。 背中を見せたふらんの翼に、跳躍したまりさが喰らいついた。 「……っ!? オマエ、まだっ……! クソおおおっ!!」 「ゆぐうぅうぅぅぅうううっ……!!」 まりさの歯が、ふらんの翼の付け根に食い込む。ふらんは体を仰け反らせて飛び上がった。 「がああっ! コロすっ! コロしてやるっ!!」 狂ったような軌跡を描いて無茶苦茶に飛び回るが、まりさは決して離れない。歯はさらに食い込んでいく。 「このっ……! ハナれろ! ハナれろぉっ!!」 傷口から餡子を撒き散らし、どれだけ振り回されても、まりさの力は衰えない。 あのときと同じだ、と薄れゆく意識の中でまりさは思った。だけど、今度は逃がさない。絶対に逃がすものか。 そしてついに、ふらんの片羽がもがれた。 ふらんが浮力を失うと同時に、突風が下から吹き上げて、二匹の体を撫でる。 地面は、遥か下にあった。 「……!? う、うわぁあぁぁぁあああああっ……!!」 大きな絶叫を残して、ふらんが落ちていく。 「……れいむ……」 そしてまりさも、闇の中に消えていった。 まりさがいなくなってから、五日が過ぎた。 あの夜、帰りの遅いまりさとちぇんを心配して、群れのゆっくりたちが二匹を捜しに行った。 捜索を始めて数時間が経った頃、崖の近くで、気を失っているちぇんと、あちこちに散乱した餡子、そしてまりさのお帽子が見つかった。 意識を取り戻したちぇんの話から、ふらんが現れ、まりさに襲い掛かったことまでは分かった。 しかし、その後まりさがどうなったのかは杳として知れない。ゆっくりたちにはどうしようもなかった。 そして今日も、ゆっくり一匹だけが暮らすには分不相応な広さの洞窟から、言い争う声が聞こえてくる。 「れいむ! いいかげんにしなさい! こんなの ぜんぜん とかいはじゃないわ!」 「うるさいよっ!! れいむは かわいそうなんだよ!? そんなことも わからないの!? ばかなの!? しぬの!?」 れいむは、身の回りの世話をしに来てくれたありすに当り散らしていた。 「ほら、このおくすりを のみなさい!」 ありすが差し出すのは、まりさが手に入れてきた薬草。 それをれいむはもみあげで払いのける。 「ゆぎぃいぃぃぃいいいっ! ぐず! むのう! やくたたず! そんなまずいもの、いらないよっ!!」 次から次へと浴びせられる暴言に、ありすは大きく溜め息をついた。 まりさのことを思うと、あまりにも報われなさすぎて、悲しくなってくる。 ありすは深呼吸すると、出来る限り穏やかな声でれいむに言った。 「……れいむ。このおくすりは、まりさが あなたのために……」 「まりさなんか、いなくなって せいせいしたよっ!!」 その一言に、ありすの堪忍袋の緒が切れた。 「れいむっ!! あなたはっ!! どうして あなたなんかがっ……!!」 ありすの憤怒の表情を、れいむは黙って睨んだ。ありすは、怒りに任せて体当たりしようと身構える。 そのとき、洞窟の入り口から怒声が響いた。 「そこまでよ!! ふたりとも やめなさい!!」 れいむとありすを一喝したのは、ぱちゅりーだった。 瞳に宿る知性と威厳、そして居住まいから感じられる気品は、群れの長として相応しいものだった。 「ありす、あなたは もういいわ。れいむと ふたりきりにさせて」 静かな声だったが、その裏には有無を言わせぬ響きが聞きとめられた。 「……わかったわ……ごめんなさい……」 ありすは俯き、ゆっくりと洞窟から出て行く。その後姿を見送ってから、ぱちゅりーはれいむに向き直った。 「みんな、あなたのことを心配しているのよ。ありすやちぇん、みょん、そしてわたしも」 「……だから、なに」 ぱちゅりーが名前を挙げたのは、群れの中でもいまだにれいむのおうちへとやって来る数少ないゆっくりたちだった。みんな、れいむとまりさの幼なじみだ。 つれない返事をするれいむの顔を見つめながら、ぱちゅりーは一瞬、昔のことを思い出していた。病弱だったぱちゅりーと、れいむはよく遊んでくれた。 だが、今は過去を懐かしんでいる場合ではない。 ぱちゅりーはゆっくりと話し始めた。 「群れのみんなは、あなたのことをゆっくりできないと言っているわ。どうしてか分かる?」 「なんなの? みんなが いうから どうしたの? れいむは みんなに めいわくかけた? ……ちがうでしょ!? みんなが れいむを たすけてくれないのが わるいんでしょ!? どうして れいむが こんなめに あわなくちゃいけないの!? どうして、れいむだけがっ!?」 感情が昂って、憎悪の視線をぱちゅりーに向けるれいむ。 それに動じることなく、れいむの怒りを真正面から受け止めるぱちゅりー。 「……そうね。もっとはっきりと言ったほうが良かったわね」 ほんの少し間を置いて、ぱちゅりーは静かに続けた。 「ねえ、れいむ。おちびちゃんたちが 殺されて、悲しんでいたのは れいむだけなの?」 「……」 出し抜けに問われ、れいむは答えることが出来なかった。 わずかに動揺したれいむの表情に、ぱちゅりーは少しだけ辛そうな顔をする。 「まりさだって、あなたと同じように、とてもとても辛かったはずよ」 「……やめてっ……!!」 れいむの心の中に、いたたまれない喪失感が蘇る。 ぱちゅりーの口調は、れいむを詰るものでも、冷厳に拒絶するものでもなく、ただただ優しさと悲しさに満ちていた。 それ故に、れいむの堅く閉ざされた虚ろな心に、深く染み入ってくる。 「でていって……!! れいむのおうちから でていって!!」 れいむをこの世界と結び付けていた偽りの縁が、最後の抵抗を試みる。 それを完膚なきまでに打ち砕く言葉を、ぱちゅりーは放った。 「れいむ。あなたの今の顔、とても ゆっくりしてないわ。まるで おちびちゃんが 泣いてるみたいよ……」 ぱちゅりーの言葉で、れいむは頬を冷たく湿らせる感触が涙であること、自分が泣いていることに気づいた。 「……ぁ……」 れいむの中から、痛みと悲しみと苦しみが溢れ出た。 今はもう遠い記憶を、れいむは懸命にたぐり寄せる。 優しかったまりさ。いつも自分をかばってくれた。ふらんから自分を守ってくれた。 それなのに。 れいむは悲しみを、苦しみを、怒りを、すべてまりさにぶつけてしまった。 自分だけが楽になりたいばかりに、何もかもを押し付けた。 憎しみで心を塗り固めて、何も感じようとしなかった。 まりさだって同じだったのに。 そうか。 れいむは……。 「……また、来るわ。……ごめんなさい、れいむ。ほんとうに、ごめんなさい……」 ぱちゅりーの声が、どこか遠い。 れいむは力無くうなだれたままだった。 だから、ぱちゅりーも涙を流していることには気が付かなかった。 どれくらいの時間が過ぎただろう。 眼の前の地面には、れいむが散らかした薬草が落ちている。 れいむはそれにもみあげを伸ばし、掴もうとした。 そのとき、洞窟の入り口に気配を感じて、れいむは顔を上げた。 「……だれ?」 『さて、誰だろうね。ひょっとしたら、お前さんの見ている夢かもしれない』 返ってきたのは随分と妙な言葉だった。訪問者の姿は見えない。それに、聞き覚えの無い声。 「……よく わからないよ。おなまえくらい おしえてね。れいむは れいむだよ」 『名前、ね……まあ、あえて名乗るなら、“お節介”とでも名乗ろうか』 「おせっかいさん? かわった おなまえだね」 れいむの言葉に、“おせっかいさん”は笑ったようだった。 『れいむ、お前さんはどうしてこんな所に独りぼっちでいるんだ? 家族はいないのか?』 「いまは、いないよ。みんなしんじゃった」 『そうか……。すまない、悪いことを聞いてしまったな』 「ううん、いいよ。ぜんぶ、れいむが わるいんだもん」 『……どうしてそう思うんだ? もし良ければ、話を聞かせてくれないか?』 れいむはすべてを話した。 まりさのこと。おちびちゃんのこと。ふらんに襲われたこと。おちびちゃんが死んだこと。まりさを苦しめたこと。そして、まりさがいなくなったこと。群れのみんなのこと。 幸せな思い出も、忌まわしい記憶も。 “おせっかいさん”は長い間、黙ってれいむの話を聞いてくれた。 「……だから、れいむは わるいゆっくりだよ」 『……確かにお前さんは身勝手だったかもな。お前さんだけが憎しみをぶつけて、悲しんで……。誰にも泣きつけないまりさは、さぞ苦しく辛かっただろう。 だが、全部が全部、お前さんのせいだと言うのもあんまりだと思うがね。だからこそ、まりさはお前さんのそばにいたんじゃないのか?』 「……まりさ……」 おうちの隅に置かれた、まりさのお帽子が視界に入る。 涸れ果てたと思っていた涙が、れいむの瞳から溢れた。 「もう、なにもかも、おそいんだね……」 “おせっかいさん”は何も言わない。 ややあって、れいむが口を開いた。 「れいむ、つかれちゃった。そろそろ、おやすみしたいよ」 『……わかった、れいむ。……それじゃあ、またいつかな』 「さようなら、おせっかいさん。れいむと おはなし してくれて、ありがとう」 れいむはまた、ひとりぼっちになった。 * * * まりさとふらんが戦った夜から数時間後。 朝陽が照らし始めた森の中を、一人の男が歩いていた。登山に適した制服を身に付け、手にはモニタの付いた機械を持っていた。 やがて彼は、まりさとふらんが転落した崖の下へと辿り着いた。 岩に叩きつけられ、ふらんは絶命していた。 その眼は輝きを失ってなお、自分以外の全てを憎悪しているかのように虚空を凝視していた。 男はふらんに近づくと、手に持った機械の反応を確かめた後、破れて穴の開いた帽子を検めた。 間違いなく、それは飼いゆっくりであることを示すバッヂを毟り取られた跡だった。 飼いゆっくりが正規の手順を踏まえずに生きたまま捨てられ、あるいは逃げ出して特定のエリアに侵入した場合、その位置は体内に埋め込まれた高性能マイクロチップにより、GPSで測位されることとなる。 とくに、獰猛な捕食種にはチップの搭載が義務付けられていた。今回のように自然界に放たれた場合、極めて危険な存在になりうるからだ。 ここは国が管理する自然公園で、男は自然保護官だった。 「やっと見つけたと思ったら……」 片翼が無いということは、このふらんは墜落死したのだろうか。まあ、死因がなんであろうと、任務は完了したのだ。 男はふらんの死体を回収し終えると、大きく背伸びをした。 そのとき、彼の後ろで下生えが揺れる音がした。 振り返った先に、瀕死のまりさがいた。 まりさに駆け寄った男が頭上を見上げると、葉を茂らせた木の枝が何本も折れている。 まさか、このまりさ、崖から落ちたのだろうか? 男の頭の中で、ふらんと、この半死半生のまりさが繋がった。 傷だらけのまりさを揺さぶるわけにもいかず、男は大声で呼びかけた。 「まりさ! おい、まりさ! 俺の声が聞こえるか!?」 「……ゅ……」 微かな反応があった。 男はまりさを抱きかかえると、もと来た道を急いで引き返していった。 まりさは奇跡的に一命を取り留めた。 右目は失われ、多少の後遺症はあるものの、三日も過ぎると喋ることが出来るようになった。 そして、男はまりさから話を聞き、悲劇の顛末とれいむのことを知った。 まだ動けないまりさに代わって、男は群れを訪れた。 群れのゆっくりから、れいむがどんな状態なのかを聞いた。 れいむに会い、その様子をまりさに伝えた。 まりさは帰りたいと言った。一日も早くれいむのもとに戻りたいと。 ひどい仕打ちを受けて、どうして帰ろうと思うのか、と尋ねる男にまりさは言った。 「だって、まりさは れいむがすきだよ。だから、いかなくちゃ」 男はただ一言、「負けたよ」と言った。 「いままで ありがとう、おにいさん」 自力で動ける程度にまで快復したまりさは、男の腕に抱かれて、懐かしい森までやって来ていた。 傷跡の痛々しい右目を除いて、まりさの体はほぼ元通りになっていた。 地面に降り立ち、まりさは男を見上げる。 「それじゃあ、いくね」 「ああ」 男に背を向け、まりさはおうち目指して飛び跳ねていく。 「まりさ」 男は静かに呼びかけた。まりさが振り返る。 馬鹿な質問だとは思ったが、問わずにはいられなかった。 「償いのつもりなのか?」 まりさは悲しげに微笑んだ。 「ううん。まりさは れいむと、ゆっくりするんだよ」 (了)