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名前 LV STR 攻撃力 攻撃回数 属性 魔法・技 特殊状態 特殊状態(無効) 経験値 ドロップアイテム HP INT 命中 AGI 防御力 MP LUC 副武器 名称 数量 率 COL 夜叉 LV39 74 196 1 闇 波状攻撃 480 ハイペパーミント 2 30 259 76 80 昏倒トラップ カミルレハーブ 2 30 76 263 魅了トラップ ネクタル 1 30 263 44 吉光 0 0 0 0 50 0 脱力トラップ 65 回転切り ガルーダ LV39 74 196 1 風 突風 浮遊 480 仙桃 1 30 259 76 80 加速 アンブロジア 1 30 76 263 一斉攻撃 火水のピアス 1 2 263 44 吉光 0 0 50 0 0 0 引っ掻き 65 絶妙な連携 亜 LV39 74 192 1 闇 毒液吐き 480 メスカル 1 30 259 76 80 レジストダウン ソーマ 2 20 76 263 イカズチ 263 44 吉光 0 0 0 0 50 0 一斉攻撃 65 波状攻撃 云 LV39 74 196 1 闇 加速 480 魔法草 2 21 259 76 80 鎧溶かしの粉 ソーマ 2 20 76 263 ヒール2 263 44 吉光 0 0 0 0 50 0 キュア・オール 65 ヘカトンケイル LV39 79 196 4 火 暴れまくり 480 ボルドー 2 40 292 71 60 加速 カルバドス 1 30 66 240 火炎放射 体力の指輪 1 2 165 39 50 0 0 0 0 0 65 アークデーモン LV39 76 196 1 闇 灼熱の大地 浮遊 480 ソーマ 2 24 292 76 90 フォ・ビ・ドゥーン 地風のピアス 1 2 76 251 引っ掻き 地風のピアス 1 2 243 39 (ウロボロス[ランク8]) 0 0 0 0 50 0 強酸の霧 65 レジストダウン デプスクラーケン LV39 74 196 3 水 磁力鉄球 480 ハイペパーミント 1 60 259 76 80 イカズチ 薬草 4 80 76 263 一斉攻撃 263 44 吉光 0 50 0 0 0 0 大回転十連打 65 羅刹 LV39 74 196 1 風 波状攻撃 480 カミルレハーブ 1 60 259 76 80 加速 魔法草 2 40 76 263 怪力 263 44 吉光 0 0 50 0 0 0 連携攻撃 65 デス・ストリーム タイタン LV39 79 196 1 無 大岩投げ 480 ボルドー 1 40 292 71 60 怪力 仙桃 1 40 66 240 防御姿勢 仙桃 1 40 165 39 0 0 0 0 0 0 フォ・ビ・ドゥーン 65 剣振り回し シャドウドラゴン LV39 79 196 1 闇 ノイズ霧発生 480 エリクサー 1 30 309 76 80 昏倒霧発生 ソーマ 1 32 74 251 魅了霧発生 陰陽のピアス 1 2 243 39 (ウロボロス[ランク8]) 0 0 0 0 50 0 フォ・ビ・ドゥーン 65 一斉攻撃 ネザーキング LV40 77 218 1 闇 召喚の秘文 480 ソーマ 2 24 302 77 90 闘気上昇 魔法草 2 40 77 282 サモン・デーモン 249 40 (ウロボロス[ランク9]) 0 0 0 0 50 0 火炎地獄 65 突風 ロイヤルデビル LV39 76 196 1 闇 強酸の霧 480 ネクタル 2 24 292 76 90 レジストダウン ボルドー 2 35 76 251 粘着物体発生 カルバドス 1 25 243 39 (ウロボロス[ランク8]) 0 0 0 0 50 0 フォ・ビ・ドゥーン 65 火球投げ 阿修羅 LV39 74 196 2 火 手刀 480 ハイペパーミント 2 40 259 76 80 加速 カミルレハーブ 2 40 76 263 火炎放射 韋駄天の具足 1 1 263 44 吉光 50 0 0 0 0 0 65 ジェネラルデーモン LV39 76 196 1 闇 急所攻撃 浮遊 480 ソーマ 1 32 292 76 90 波状攻撃 カルバドス 1 25 76 251 火球投げ ネクタル 1 25 243 39 (ウロボロス[ランク8]) 0 0 0 0 50 0 デス・ストリーム 65 連携攻撃 カーリー LV39 76 196 1 闇 磁力鉄球 テレポート 480 ソーマ 2 40 292 76 90 ヒール2 毒消し草 2 25 76 251 テレポーテーション 雅麗の首飾り 1 3 243 39 (ウロボロス[ランク8]) 0 0 0 0 50 0 イカズチ 65
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まとめサイト作成支援ツールについて @wikiにはまとめサイト作成を支援するツールがあります。 また、 #matome_list と入力することで、注目の掲示板が一覧表示されます。 利用例)#matome_listと入力すると下記のように表示されます #matome_list
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コメントプラグイン @wikiのwikiモードでは #comment() と入力することでコメントフォームを簡単に作成することができます。 詳しくはこちらをご覧ください。 =>http //atwiki.jp/guide/17_60_ja.html たとえば、#comment() と入力すると以下のように表示されます。 名前 コメント
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異世界 幻想大地など、不思議な場所がたくさんある。 東方地帯アナゾン 東方忍びの里東方にある忍びが多くいる隠れ里 暴走森林ナタル森林の奥地に来た人は、森林が暴れだして食われる 無限鏡地名前のとおり、鏡が無限にあり、厳格で惑わす。 南西地帯リーディル サイト南西リーディル支部組織サイトのリーディル支部 本部と極秘に連絡をとっている 魔女の里アリス魔女アリスが里長の魔女の里 柴グループ本部柴 幸作が三代目の柴グループ。様々な分野で活躍している 初代は柴 幸之助で設立者である。 柴 幸源は幸作の子供であり柴魔道具研究所の市長である。 柴家の人間はかなりたくさんいる。くわしくは柴家 中央発展地域ガルザック 発展都市ヌーガたくさんの種族が入り混じっている大都市 32区4町で成り立っている都市 これは移民エリアのことで上級エリアでは人間のみしか入れない 上級エリアに行くには600,000gc(60万ギルツ)必要であるギルツはkt(カター)とは<1 2>で大体取引される 100ギルツが大体一食分 自分の家を建てるのに1万ギルツ必要 60万ギルツは60個の家分、豪邸12個分ぐらいである。 上級エリアにすむには、貴族や王族など上級階級で180,000gc(180万ギルツ)必要 柴銀行本店柴家の銀行。 発展都市ヌーガ高級住宅街ヌーガの超大女優で年収10万gcのリリアンが住んでいる 柴グループで年収32万gcで三日寝ずに働いている柴幸之助が住んでいる 柴飛空挺飛行場柴グループの飛空挺の飛行場 001便から400便まである。 この管理者は柴 竜太郎。柴 幸之助のすこし遠い親戚 柴商業取引所柴グループの商業の取引所 柴 竜太郎の娘の柴 龍姫が管理者 柴防衛センター柴グループの民家の防御や兵隊の派遣などをしているとこ 柴 竜太郎の息子の柴 柴 龍雄がセンター長
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ニュース @wikiのwikiモードでは #news(興味のある単語) と入力することで、あるキーワードに関連するニュース一覧を表示することができます 詳しくはこちらをご覧ください。 =>http //atwiki.jp/guide/17_174_ja.html たとえば、#news(wiki)と入力すると以下のように表示されます。 白夜極光攻略wiki - AppMedia(アップメディア) 【カウンターサイド】リセマラ当たりランキング - カウサイ攻略Wiki - Gamerch(ゲーマチ) ウィキペディアを作ったiMacが箱付きで競売に登場。予想落札価格は約96万円!(ギズモード・ジャパン) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース メトロイド ドレッド攻略Wiki - Gamerch(ゲーマチ) 【グランサガ】リセマラ当たりランキング - グランサガ攻略wiki - Gamerch(ゲーマチ) マニュアル作成に便利な「画像編集」機能を提供開始! - ナレッジ共有・社内wikiツール「NotePM」:時事ドットコム - 時事通信 マニュアル作成に便利な「画像編集」機能を提供開始! - ナレッジ共有・社内wikiツール「NotePM」 - PR TIMES 篠原悠希×田中芳樹が明かす「歴史ファンタジー小説ならではの悩み」(現代ビジネス) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 【Apex Legends】ヴァルキリーの能力と評価【エーペックス】 - Gamerch(ゲーマチ) モンハンライズ攻略Wiki|MHRise - AppMedia(アップメディア) 【ウインドボーイズ】リセマラ当たりランキング(最新版) - ウインドボーイズ攻略Wiki - Gamerch(ゲーマチ) ポケモンBDSP(ダイパリメイク)攻略wiki - AppMedia(アップメディア) SlackからWikiへ!シームレスな文章作成・共有が可能な「GROWIBot」リリース - アットプレス(プレスリリース) 【ウマ娘】ナリタブライアンの育成論|URAシナリオ - Gamerch(ゲーマチ) 【ウマ娘】ヒシアケボノの育成論|URAシナリオ - Gamerch(ゲーマチ) 【ウマ娘】フジキセキの育成論|URAシナリオ - Gamerch(ゲーマチ) ドラゴンクエストけしケシ攻略Wiki - Gamerch(ゲーマチ) サモンズボード攻略wiki - GameWith 【スタオケ】カード一覧【金色のコルダスターライトオーケストラ】 - Gamerch(ゲーマチ) 【スマブラSP】ソラのコンボと評価【スマブラスペシャル】 - Gamerch(ゲーマチ) 【ブレフロレゾナ】リセマラ当たりランキング【ブレイブフロンティアレゾナ】 - ブレフロR攻略Wiki - Gamerch(ゲーマチ) 【ガーディアンテイルズ】ギルドレイド戦(秘密の研究所)の攻略とおすすめキャラ【ガデテル】 - Gamerch(ゲーマチ) 仲村トオル、共演者は事前に“Wiki調べ”(オリコン) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 【ENDER LILIES】攻略チャートと全体マップ【エンダーリリィズ】 - Gamerch(ゲーマチ) 【ウマ娘】あんしん笹針師の選択肢はどれを選ぶべき? 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https://w.atwiki.jp/anozero/pages/1987.html
森の中にうつ伏せて倒れていた男は、死の寸前に見えた。 たくましくも美しい筋肉を外気にさらし、奇妙で複雑な刺青の刻まれた背中は焼け焦げている。 足元から落雷にあったかのように下半身に行くほど酷くなる火傷のせいで、足先など完全に炭化している様子だった。 かすかに息があるのか時折ビクリと震えるが、奇跡でもおきない限り男の死は避け得ぬ事だろう。 だが、いずこに居るとも知れぬ神は彼を見捨てなかった。 そも、此処で倒れている事自体、彼が有り得ぬ奇跡によって救われたとも言えるのだから。 赤と青の月が照らす森の中。 倒れた男に気付く、流れるような金髪の少女の姿。 普段は夜の森を歩く事など無い少女だった。 野党こそそう現われはしないが、夜行性で人を襲うような獣は少ないが生息しているのだから。 だが、まだ肌寒い早春の月夜にだけ開花する珍しい花を見るために、今夜だけは子供達と共に散策していた事が結果として死に掛けていた男を救ったのである。 「大変!」 悲鳴のように叫んで男へと駆け寄る少女。 その耳は、人では無い者の証とでも言うように長く尖った形状をしていた。 【虚無の使い魔と煉獄の虚神】 「どうかお待ち下さい、『神の如き』グレン殿!」 レコン・キスタ討伐へ赴こうとしたグレンを止めたのは、アルビオン王党派貴族達だ。 皇太子を暗殺され、老王は最初の突撃で戦死した。 死地と知ってなお王家に従った忠臣達は、従うべき旗を失ったのだ。 だから死に場所をこそ、彼等は求める。 「最早王家の再興はならず、我等に仕えるべき君主も無し。 かくなる上は、せめてあの逆賊どもに一矢なりとも報い、真のアルビオン貴族ここに有りと、我等の怒りを怨敵に知らしめ、後世に伝えられるように誇り高く討ち死にする事だけが我等の望み。 御身がやつばらに神罰を下されるは、その後にお願いしとうございます。さすれば我等、なんの憂いも無く戦場を駆ける事が出来ましょう」 王家以外には下げぬと決めていたであろう頭を下げて平伏し、生き残りの王党派貴族247人がグレンに懇願したのだ。 アルビオンの敵と戦うのは、まずアルビオン貴族の自分達の役目である。 正論だ。 誇りや忠義のために命を賭けるのが貴族というものだ。 道理であろう。 だが、そんなものは自殺と同じにしかサイトには思えなかった。 「なんとか止められねぇのかよ、グレン・アザレイ! あんたは神様みたいなモンなんだろう!? だったら、あの人達が無茶する前に敵をやっつけて来りゃあイイじゃないか!」 戦死者の葬儀で慌しいニューカッスル城の一室で、サイトは怒鳴った。 この期に及んで本を読んでいるタバサとグレンが居た、城の資料庫の中だ。 「戦場とは人が死ぬ場所だ、少年。 それ以前に、わたしがレコン・キスタの者達を殺すことも、王党派がレコン・キスタの将兵を殺すことも、あるいはレコン・キスタが彼等を殺すことすら、本質的になにも違いはせぬ。 わたしは『神に近き者』と呼ばれるが、それを求めても未だ至ってはいないのだから。 ならば彼等自身が矜持ゆえに戦場に倒れる事を選んだ以上、止める理はわたしには無い」 グレンは静かに、王党派が戦場に出る前にレコン・キスタをグレンが滅ぼす無意味さを説く。 グレンとて神ではなく人間だ。その手が殺戮を行うのは、神意ではなく人間グレンの意志でしかない。 この太陽の如き英雄は、自分が大量虐殺者である事を揺るがずに見据えていた。 殺す事に無自覚なほど鈍感でも、殺す事に馴れるほど乾いているのではない。 意思の力で、心の揺れを完全にねじ伏せられる人間だからこそ、この男をして人は『神に近き者』と呼ぶのである。 その傍らに立つ雪風の娘もまた、人が人を殺す罪を震える事無く受け止める人間だ。 自分の使い魔が5万の人間を皆殺しにした戦いを、タバサはただ静かに飲み込む。 二人に向かい合うサイトは、彼等とは真逆の存在だった。 心を震わせ、怒りを燃やし、情に揺られる事で力を発揮するガンダールヴ。 サイトにとって、グレンの正しさは絶対に認められない正しさだ。 「もういい! アンタには頼まねえ!」 叫んで、サイトは資料室を飛び出した。 行く先はルイズ達が与えられた部屋。彼女達なら、なにか知恵を貸してくれると信じて。 ―――ミス・ロングビルは元アルビオン貴族である。 とは言っても、とある事件が原因で名誉も家名も王家によって奪われた人間だ。 アルビオン貴族が藁束のように死のうとも、気にする義理は無い。 それでも、大勢の人間が自分から死にに行く馬鹿な行為を平然と見ていられるほど、無感動になれるワケでは無かった。 いや、少し前までは乾き切っていたはずの心に、人間らしさが戻っていたと言うべきか。 それはルイズの誇りが、キュルケとの友情が、もたらした変化だった。 だからつい、サイトに言ってしまったのだ。 「まぁ、方法がまったく無いわけではありませんが……」 「本当かフー痛てっ……じゃなくて、ロングビルさん」 うかつな伝説の使い魔をポカリと叩くメガネの才女。 この場には事情を知るルイズとキュルケだけでなく、ギーシュも同席している。 「要するに、あの方達は王家が断絶しているから生きる望みを失っているのでしょう? でしたら、正しく王家の血を引く誰かを連れて来れば良いのではありません?」 「この国じゃそんなの、そうポンポン転がってるワケないでしょう?」 「ポンポンって……まぁ確かにミス・ツェルプストーの言うとおりだね。 我がトリステインのアンリエッタ王女殿下ならアルビオン王家とは従姉筋だが、まさかトリステインの王女様や女王様を連れて来るワケにはいかない。 それ以外となると……継承争いやら反乱軍による処刑やらなにやらも有って、なかなか王家に近い血筋のやんごとない御方というのは居ないんじゃないのかな?」 「そう言えば何年か前にアルビオン王弟が粛清されたってウワサも聞いたわね。 ガリア王弟もそうらしいし、我がゲルマニアの皇帝陛下も継承争いで親族を幽閉しちゃってるし、王家ってけっこう血なまぐさいわよね、実際」 その継承争いで父を謀殺された王族も身近に居るのだが、今のところキュルケ達は知らない。 ルイズなどは公爵であるので系譜を辿ればトリステイン王家にたどり着くのだが、血筋が遠すぎるので当然ながら王位継承権などは持っていない。 ともかく、アルビオンの玉座にふさわしい血筋など、そうそう連れて来る事はできないはずだ。 「一応、心当たりがありますから。と、言っても色々ワケ有りな娘ですし、簡単にあの死にたがっている人達を説得出来るとは思いませんけど…… とりあえず貴方達だけにご紹介しますから、実際逢いに行ってみますか?」 そう言ったのはほとんど気の迷いと、もしも『あの子』が玉座についてアルビオン貴族が平伏したら、さぞ痛快だろうという皮肉な気持ちからだった。 だから、あまり本気で連れて行くつもりは元々ミス・ロングビルには無かったのだ。 どの道ニューカッスル城から目的地であるウエストウット村まで、普通に行って帰るだけで葬儀も終わって王党派の貴族達も出陣してしまうだろうし、ましてや村までの道程もレコン・キスタの勢力が押さえている今、竜騎士の一騎も居ないのに、現実問題として行けるワケが無いのだ。 ただサイトがあまりに必死で懇願するから、ほだされてポロッと言ってしまったと言う方が近い。 ……なのに、気がついたらウエストウッドの森の中に自分達は立っていた。 灰色の壁、二つの壁という『相似』の空間を造る事で二点を強制的に連結するグレンの魔術。 使い魔召喚のゲートにも良く似たこの門を通って、一行は目的地まで一瞬で来ていた。 「うかつ。転移魔法を使うって事すっかり忘れてたわ」 思わず『フーケ』のものになった口調でぼやく。 かくのごとく人は、自分の常識外の事には意外と注意がおろそかになるものである。 「送ってもらったのは良いのですけど、ミスタ・アザレイとミス・タバサは用事があるとかで城に残られて、私達の帰りはどうなさるおつもりですの?」 「あの扉は相似魔導師が消すか魔法消去を受けない限り、ずっと存在し続けるってタバサが言ってたわよ」 「はぁ……ミスタ・アザレイ以外の人にも相似魔術というのが使えれば、ハルケギニアの交通に革命がおきますわね」 事実、相似世界の交通もグレン自身が発明したこの転送扉の普及によって革命的に変化したとは知らず、キュルケの答えを聞いてミス・ロングビルはそんな感想を洩らした。 「そんならすぐにコレが見えない所まで離れないとな」 抜き身のデルフを手に、何処か不機嫌そうなサイトが、言って森の中を歩き出す。 本当はグレンの力など借りたくなかったのだが、ここまで来るのに力を借りるしか無かった自分の不甲斐無さに腹を立てているのだ。 そんな風に、不満を誤魔化すように獣道同然の道をどんどん進むサイトを、ギーシュの手前ミス・ロングビル口調を保つフーケが引きとめた。 「そちらではなくて、村があるのは東の方ですわ」 「ああん、ダーリンったら、あわてんぼさん♪」 バツが悪そうに引き返してきたサイトの腕にキュルケの腕と胸が絡み付く。 もにゅん! とした感触に、不機嫌も吹き飛んでサイトの鼻の下が10サントばかり伸びた。 普通ならここでルイズの眉の間が2サントばかり縮み、怒りの声の一つも出るはずの場面。 だがルイズは沈黙したままだった。 しょぼんと下を向いて、心ここにあらずといった風情である。 思えば城から出る前からこんな調子で一言も発言していない。 婚約者に裏切られたばかりなのだから仕方ないと思いつつ、なんだか張り合いが無いキュルケ。 サイトもおっぱいの感触は感触として、真面目な顔になって心配そうにルイズの様子をうかがった。 「さあ諸君、高貴な方を迎えにゆくのだ! 胸を張って背筋を伸ばして行こうではないか!」 そんな中、空気を読まないギーシュだけが、元気一杯でミス・ロングビルの後をついて行くのだった。 そうして歩くこと数分。 とにもかくにも、一行は目的地・ウエストウッドの村へとたどり着く。 「あっ! マチルダ姉ちゃんだ!」 「おかえりなさい、マチルダお姉ちゃん」 等々、ミス・ロングビルを見つけた子供達が集まってきた。 「マチルダ?」 「私の本名ですわ」 「ふーん。好かれてるのねぇ」 群がってくる子供で団子状態になった彼女をもキュルケはニヤニヤと笑って見ている。 ミス・ロングビルは少し照れたふうに咳払いをして、自分の袖にしがみついている少年に確認をとる。 「ジャック、テファお姉ちゃんは家に居る?」 「おでかけしてるよー。きのみをとりにー」 「そうかい」 確認して、一行に向けてにっこりと極上の笑顔を見せて言う。 「さて、この村はご覧の通り子供達だけで暮らしています。 ですから、お客だからと言ってただ歓迎と言うワケにはいきません。 貴族の皆様には申し訳ないのですが……お茶をお出しするための焚き木拾いと水汲み、尋ね人が帰るまで手分けしてお願いしますね?」 タダメシ食わす気はこれっポチもねーぞ、と云う文字が笑顔の裏にバッチリ見える。 ……嫌などと言えるワケが無かった。 さて、男は力仕事の水汲み、女は焚き木拾いと割り当てが決まって、キュルケはブツクサ言いながら、ルイズはぼーっとしたまま、村の周囲で落ちた枝などを拾っていたその頃。 サイトとギーシュは恐ろしいモノと出会っていた。 全身がガクガクと震える。汗がふきだす。見開いた目を閉じる事も出来ない。 あんな恐ろしいモノ、今まで生きてきた十数年の間、見たことが無かった。 ―――それは水を汲みに来た泉で水浴びをする清楚で可憐な金髪の少女の、おっぱい。 おっぱいだ。そう。それは間違いなくおっぱいのはずだ。 けれど、それは……それは、サイズが違う。存在感が違う。インパクトが違う。 あどけなさすら感じさせるか細い少女の胸に揺れる二つの果実。 ルイズのそれをサクランボとすれば、スイカに違いない。 キュルケやフーケのそれですらメロンなのにスイカ! 夏の王者スイカ! ビバスイカップ!! サイトの脳裏では名曲『スイカの名産地』が流れていた。 スイカとか知らないギーシュの脳裏にも流れていたっぽい。 スイカの名産地は素敵な所なのだ。綺麗なあの娘の艶姿なのだ。 今、異世界人とメイジの少年、二人の心は一つになっていた。 すなわち「スイカにかぶりつきてえぇぇぇ!!」と。 「どっ、どうする!? どうしたら良いと思うかね、サイト!?」 「あああ、慌てるなギーシュ。ここは落ち着いて、落ち着いて―――られるかよ!」 「そそそそ、素数を数えるんだサイト。素数は1とその数以外では割り切れない孤独な数字。 素数がぼくらに冷静さを与えてくれるッ!」 「そうか素数か! って、有るのかよ素数の概念! ハルケギニア的に!」 錯乱して世界観すらピンチに陥れる発言をする二人は、泉の側の茂みに隠れていた。 おっぱいは……じゃなくて少女は全裸であった。だって水浴び中だし。 少女の周囲では、一緒に水浴びをする幼女が数人居たが、幸いそっちに反応するヤバい趣味は二人とも持っていない。 って言うか、おっぱいしか目に入ってなかった。むしろ脳ミソがおっぱいになっていた。耳が長いとかも完全に意識の外だ。 ゆえに―――気がついた時には決定的に遅い。 「ナニをやっているのか聞いてもイイかしら、エロ犬?」 「…………る、るいずサン、居たんディスかー?」 背後に『遅くなったサイトを心配して探しに来た少女』改め『怒れる魔王』が降臨していた事に気付けなかったのだ。 「こここ、これは、あの、その、決してワザとではなくてディスね!」 「問答無用!」 ルイズのマンティコア隊式アイアンクローが額に食い込んだ。 白魚を思わせる五指が外見からは思いもつかない怪力を発揮して、万力の如くギチギチサイトのアタマを締め上げる。 更にそうして掌握したまま、ルイズは鋭く立てた手刀を喉に向かって突く突く突く突く。 「おぶっ! おぶっ! おぶっ! おぶっ! おあぶっ!!」 いわゆる地獄突き。若い子は知らないかもしれない『人間山脈』の必殺技である。 「さーて、それじゃあ釈明を聞こうかしら?」 ぷしゅ~っ、と喉から煙を上げるサイトを投げ捨て、ルイズがにっこり笑った。 ガクガクと首を縦にふる、ちょっとチビっちゃったギーシュ。 突然の事態に子供達と身を寄せ合って震えるおっぱい少女。 ルイズと一緒にサイトを探しに来ていたキュルケだけが、嬉しそうにルイズの復活を喜んでいた。 結局「あれを見て目を逸らせる男は居ない」と言い訳するギーシュをキュルケとのツープラトン・ラリアット『クロスボンバー』で沈め、ルイズ達は水浴びをしていたおっぱい少女ことティファニアと出合った。 「まさか、この子がアルビオン王族だったなんて……」 「なるほど、確かにワケありよね」 ミス・ロングビルことフーケことマチルダ姉さんの連れてきた人という事で、すこしだけ警戒を解いたティファニアと共に戻ってきた小屋で、四人の女性はテーブルを囲んで話し合う。 ちなみにサイトとギーシュは床で正座。 「ティファニアは正真正銘の王族の娘さ。財務監督官をしていた父親の大公は国王の弟。 つまり死んじまったウェールズ皇太子とは従妹に当たるってワケだね」 「そのティファニア嬢とミス・ロングビル?女史は、いったいどういうご関係で?」 すっかりフーケの口調に戻ったメガネ美女に、恐る恐るといった様子で聞くギーシュ。 ティファニアの水浴びを覗いていたと知られ、先程3メートル級ゴーレムにサイト共々ボコられたから怯えているのだ。 「マチルダで良いよ。この子らにはそう呼ばれてるからね。ややこしいのは面倒だ。私の本名なんだよ。マチルダ・オブ・サウスゴータ」 「サウスゴータって言ったら、首都のロンディニウムに次ぐアルビオン第二の都市じゃないの!」 「しかも始祖ブリミルの造りたもうた最初の都市とも言われる、格式伝統ともにハルケギニアで最高と言っても良い都じゃないか! いやはや、マチルダ女史は随分と立派な家柄のご出身だったのだな!」 「そのサウスゴータ様が、なんで盗ぞ……学院秘書なんかに身を落としたのよ?」 代わる代わる問いを投げかける少年少女に、マチルダはゆっくりと話始めた。 大公であり財務監督官でもあったティファニアの父が、エルフを愛人としていた事。 マチルダの両親、サウスゴータ太守夫婦は大公に仕えており、彼女達を邸で匿っていた事。 その事からティファニアとマチルダは幼い頃から一緒に育った姉妹同然の関係だった事。 四年前、ハルケギニアの誰もが恐れ、敵視するエルフと愛し合っていた事が発覚し、愛人と娘の追放を求められた大公は要求を断った事。 サウスゴータへと王国の軍隊が派遣され、彼女達を助けるために幽閉されていた大公は脱獄した事。 ティファニアを逃がそうと王軍に抵抗した大公と太守夫婦、そしてティファニアの母は皆、王軍に殺されてしまった事。 マチルダとティファニアだけが生き延びて、この村で孤児達と共にひっそりと生きてきた事を、訥々とルイズ達に語っていく。 全てを話し終える頃には、太陽が地平線に落ちようとしていた。 ルイズ達にしばらく言葉は無い。 そんな境遇の少女に、王党派の貴族を助けるために来てくれなどとは、中々言える事では無いのだから。 ―――元司教オリヴァー・クロムウェルは反乱軍レコン・キスタの総司令官である。 深い緑のローブで覆った痩身を震わせる男の目算では、今頃レコン・キスタからは『反乱軍』という冠詞が取れて、 自分はアルビオン新政府レコン・キスタのクロムウェル皇帝と呼ばれているはずであった。 だが、その目論見はあまりにもあっけなく消えうせてしまっている。 いや、目論みが外れたどころでは無い。 王党派残党が立て篭もるニューカッスル城へと派兵されたレコン・キスタ五万の将兵と、それを乗せた軍艦50隻が一瞬で壊滅したという情報は、敗戦の翌日には届いていた。 王党派の新型魔法兵器だ、伝説の虚無の力だ、国王と皇太子による風の六乗・ヘクサゴンスペルによる攻撃だと、将兵の間ではウワサに溢れている。 そのどれもが違う。相似大系と呼ばれる異界の魔法によって、たった一人の神の如き男がやったのだと、クロムウェルは知っていた。 目の前の女が、そう教えたから。 「おおおお、ミス! ミス・シェフィールド! お助け下さい! この矮小な男を、この哀れな男を、どうか、どうか! 空軍力の半数を失い、王党派の壊滅もならず、将兵は混乱しております! あげく艦船を沈めた力が『虚無』やも知れぬとのウワサに惑わされ、レコン・キスタから離反する者まで居る始末!! このままでは……このままでは私は……」 「なに、心配など要らぬ。要らぬのだよ、総司令殿」 長い黒髪の美女・シェフィールドの足元にはいつくばって懇願していたクロムウェルの頭上から声がかけられる。 杖を携えた従者を左右と背後に従えて現われた、薄暗い地下室の闇を払うような美丈夫の声だ。 「どれほど恐るべき魔法でも、戦場に居なければ意味は成さぬ。 戦って勝つのが難しいのならば戦わぬようにすれば、それでかまわんのだからな!」 整った顔立ちに拳闘士のように鍛え上げられた身体。 青い髪と、同じ色の見事な髭をたくわえた男が、快活な表情に威厳をたたえてクロムウルに歩み寄る。 「よく来てくれたな、クロムウェル総司令殿」 「こ、これは陛下。この度の不始末はまことに、まことに―――」 グラン・トロワ地下室の床に額をこすりつけるクロムウェル。 ここはガリア王国の王都リュティス。 その王宮であるウェルサルテイル宮殿の地下に、クロムウェルは魔法による転移で連れて来られていた。 「かしこまる必要は無いとも司教殿! 私は叱責のためではなく、司教殿に新たな力をさしあげるために呼んだのだからな!」 そう。目の前の美丈夫、ガリア王ジョゼフの命によって。 元々クロムウェルは一介の地方司教に過ぎない。 メイジですらない彼は神官としての敬意は受けても、反乱軍の司令官になど選ばれるはずの無い男であった。 そんなクロムウェルを後押しし、アルビオン王家を転覆させるほどの反乱を成功させたのは、全てこのジョゼフ王の力。 もちろん、クロムウェル以外のレコン・キスタ貴族の誰一人とて知らぬ事ではあるが。 そして今も、ジョゼフはクロムウェルに恐るべき力を貸そうとしていた。 「さあ、ついてきたまえクロムウェル卿」 シェフィールドに先導され、より深い地下へと案内される一行。 進むほどに寒さを増す螺旋階段を下りる、クロムウェルの震えは止まらない。 寒さと、この先にあるであろう未知の何かに怯えているのだ。 そんな地位に似合わぬ臆病な男に、無能王と陰口を叩かれる男が話しかけた。 「時にクロムウェル卿。君は『召喚されし書物』というモノを知っているかね?」 「……は、はい、存じております。 30年程前に、いずこかのメイジが実験中偶然召喚した異界の書物だと。 今は確か……ゲルマニアのツェルプストー家の家宝になっているはず。 その価値は、価格にして数千エキューは下らぬとか」 「はは! 価格など何の意味も無い。 いや、その書物に価値など何一つ無いのだよ司教殿! 重要なのは『異界』なる場所が間違いなく存在しており、その異界からハルケギニアには存在せぬものを召喚する方法があるという事だ! 私はそのメイジの行った召喚実験の記録を手に入れ、それを詳細に検証させた! 王立魔法研究院の総力を結集してだ! ああ、何年もかけてだとも!」 ついに階段の終点へとたどり着く。 ツララの下がった天井の下、霜の降りた鉄扉の前には、防寒の毛皮を纏ったジェルヴェーヌとワルドが立っている。 「完成された呪文により、私は異界の品々を手に入れる事ができた! 尤も、その召喚魔法にも欠点があったのだがな。 実に残念な事に、呪文は生命を持つ者を呼び出す事が出来なかったのだよ! だが問題は無い。ああまったく問題は無い! そうだろう、クロムウェル卿! なぜなら、我等の手には『アンドバリの指輪』があるのだから!!」 自分が呼ばれた意味と、この地下室の寒さの意味を理解して、クロムウェルは怯えた。 怯えて、シェフィールドやワルド、それにジェルヴェーヌを見る。 指輪を数回、シェフィールドに言われて渡していたクロムウェルは彼女等が死体でないかと疑ったのだ。 そう。この扉の先にはきっと死体が積まれているに違いない。 異界から召喚されたという、無数の死体が。 「異世界の魔法を君に与えてやろう司教殿! 喜びたまえ! 誇りたまえ! お前は異界の魔術師を指揮して勝利する歴史上初めての指揮官になるのだからな!!」 巨躯を揺らして傲然と笑う王の背で、重たい鉄の扉が開かれる。 「ひいぃぃ!」 いつのまにかしゃがみ込んでいたクロムウェルは、情けなく悲鳴をあげた。 目の前に現れるのは、地獄と呼ばれる『地球』で無残な死をとげた刻印魔術師や犯罪魔導師達の屍と屍と屍と屍と屍と…… ―――平賀才人はガンダールヴにして地獄の悪鬼である。 二つの月に照らされる村の小さな広場で、サイトはデルフを手に素振りをしていた。 一応自分達の事情をティファニアに話はしたものの、返事はしばらく待って欲しいと彼女に言われ、なら答えが出るまではと、一行はウエストウッド村で滞在する事になったのである。 「なあデルフ、あの子は来てくれると思うか?」 「さぁね。俺は単なる剣だからね。人間のココロのキビなんて面倒なモンはわからねぇよ」 「六千年も生きてるのにか?」 「六千年ぽっち生きてても、だな」 素振りをしながら話しかけたデルフの返答はそっけないようでいて、なんだか深いような気もする。 「だったら伝説の剣に戦いに関する質問するぜデルフリンガー。 この前言ってたガンダールヴの力のコントロールってのは、どうやれば良いんだ? やっぱアレ? 明鏡止水とか、座禅でココロを自然と一体にするとか言うヤツ?」 「悪りぃがそんなのは奇麗事だぜ相棒。 剣を片手に戦ってる最中に、そんな事やられちゃ俺っちも敵もたまんねぇやな。 必要なのは氷のような殺意だよ。冷たくて硬い、鋼鉄みてーな殺意を持てば心は震えねぇ。 揺るがない、動かない、燃えるモンでも溢れるモンでも無い、ただ敵を殺すって暗殺者みてーな殺意で戦えば、ガンダールヴのルーンは力を発揮しねぇのさ」 身も蓋も無いデルフの言葉に黙り込むサイト。どうも自分には無理そうな事だ。 それでも一応、努力はしてみることにした。 デルフリンガーの柄を両手で握り、意識を集中してみたりする。 まぁ、今まで平和な日本で暮らしていた、その上剣道部でもないサイトに「意識の集中」の仕方なんかは全然判らないのだけど。 それでもとにかく、氷のような殺意とかを映画などで見た知識の中からイメージしてみる。 「きえぇぇぇぇいっ!」 「きゃっ!?」 突然奇声を発したサイトに驚いて、通りがかりの少女が可愛い悲鳴をあげて転んでしまった。 不思議な形の寝間着を着たエルフとのハーフ、ティファニアである。 「わ、悪い。大丈夫だったか?」 「あ、うん。私こそごめんなさい」 倒れた少女に手を差し伸べるサイト。 不謹慎にも、ぐっと力を入れて立たせる時に夜着の下で揺れたおっぱいにサイトの目は釘付けになった。 その視線に気がついて、恥ずかしそうに胸を隠すティファニア。 サイズが大きすぎて隠し切れず、腕に抱かれてむにょんとはみ出たおっぱいが、なんだか余計にエッチだった。 ゴクンと生唾を飲み込んでから、あわてて目を逸らし言い訳をするサイト。 「ご、ごめん。その……きみがあんまり綺麗だったから」 「綺麗だなんて……そんな事言われたのは初めてだわ。あなたはエルフが恐くないの?」 キョトンと、不思議そうに聞くティファニア。 同年代の男の子と話すのが初めてなので不思議なのだ。 もう一人の同年代であるギーシュは、多少エルフの特徴である耳に対して警戒をしている様子であったし。 「いや、そんな全然。だって本当に綺麗じゃんかティファニアって。 なんであいつらが恐がるのか、まったく理解できねぇもん」 天然な少年の言葉に、少女の頬がポッと赤くなる。 ルイズ相手にもこれぐらい言えたら、もうちょっと報われるだろうに。 そのルイズはと言うと、双月の下で見詰め合う二人を小屋の影から睨み付けていたり。 夜中に寝床から抜け出したサイトを心配してつけて来たのだが、出て行くタイミングを逸している間に、こんな状況になってしまったのである。 「あの使い魔ったらぁぁぁ! 私には可愛いなんて一度も言ったこと無いクセにいぃぃぃ!」 ご立腹して飛び出そうとしたルイズだったが、サイト達がなにやら話し始めた事でまたタイミングを失う。 「こんな夜中まで剣の練習なんて、あなた随分熱心なのね。ええっと…ミスタ・ヒラガー・サイト?」 「サイトで良いよ。まぁ頑張らないとって決めたからさ。練習ぐらいしねぇと」 「私もテファで良いわ。頑張るって、お城の人達と一緒に戦うことを?」 「いいや。俺は王様とか、本当は関係ないから……ルイズと、それに故郷の家族とかさ、いざって時に守らなきゃってだけなんだよ」 「ルイズさんって、あの桃色の髪の綺麗な人? 恋人なの?」 「ち、違うよ! そうだったら良いなぁって思う事はあるけどさ。俺はアイツの使い魔だから」 その言葉に、ルイズの胸はなんだか切なくて痛くて苦しくなった。 そうだったら良いなって! 良いなって思うって! サイトはルイズの使い魔だ。 使い魔だから危険な目に遭って、片腕を失くしてしまうような怪我をした。 自分のせいで、と思うと、ルイズはこれ以上サイトが自分のそばに居てはいけないのでは無いかと不安になる。 なのに、ワルドに殺されそうになった時、自分が呼んだもの、助けに駆けつけてくれたのもサイトだったのだ。 その時だって、サイトは恐ろしい敵の魔術で大変な目にあってしまうかもしれなかった。 間一髪でグレン・アザレイが現われなければ、きっと醜い怪物にされるという死よりも恐ろしい目に遭っていたはずなのだ。 自分の『せいで』戦って、いつかサイトが死んでしまうかもしれない。 考えるだけで、ルイズは心が凍りつきそうになる。 なのに。 サイトが自分の『ために』戦ってくれていると思うだけで、ルイズの胸は熱くなった。 使い魔だからでは無く、自分を好きだから駆けつけてきたのだと思うと、恐れが歓喜にとってかわるようだった。 向こうではティファが、人間が使い魔だなんて変わってるのね、などと驚いていたが、まったく耳に入らない。 ルイズはふわふわした足取りで貸してもらった小屋の自室に帰る。 なんだかニヤニヤした顔でベッドへ倒れこんだルイズは、同室になっていたキュルケをたいそう気味悪るがらせるのだった。 「やっぱり偉いわ、あなたって」 一方で、サイトとティファの会話は続いている。 「偉い? 別に偉くなんて……」 「だって、誰かを守るために命をかけるなんて、誰にでも出来る事じゃ無いわ。 それに、本当は関係ないお城の人達を助けるために、こんな所まで来たんでしょう? それは、とても立派な事だと私は思う」 ストレートなティファの褒め言葉に、サイトは両手をブンブンと振ってテレた。 地球に居た頃もあんまり褒められる事とは無縁だった少年だ。 こんな美人で、しかも革命的なおっぱいの女の子に褒められるなんて! その上真夜中に二人っきりで寝間着姿の相手に! と、すっかり舞い上がってアップアップになるのも当然の事だろう。 「いや、そんな、俺なんて! それに……それに……」 しかし、今も死ぬために戦いの準備をしている城の人達の事を思い出して、一気に脳の熱が醒めた。 「それに俺、お城の人達の事なんて良くは知らないけどさ、あの人達はみんないい人だったんだ。そりゃ、全員と話したワケでも無いけど。 明日死ぬかもしれないってのに、俺なんかに優しくしてくれてさ、無理に明るく振舞ってて、誰も泣き言なんか言わなくって、守るべき物のために戦うんだって…… 正直に言ったら、馬鹿みたいだって思う。だって、死んだら終わりなんだぜ? しかも今だったら、逃げようと思ったら逃げられるし、他人に任せようと思ったら任せられるんだ。 全部全部グレン・アザレイに任せちまえば良い事じゃねーか! 誇りとか名誉とか、忠誠だとか民のためだとか、ホントにわかんねぇよ。 けど、守りたいって気持ちは判るから……判るから、あの人達にこんな所で死んで欲しくねぇんだ。 結局勝手なんだな、俺って」 なんだかせつなくなってサイトはしょんぼりと落ち込んだ。 特にグレン・アザレイという『英雄』に全てを任せれば良いなんて、自分が絶対に言ってはいけない言葉だったから。 それでは魔法世界全ての人のために地球人を皆殺しにしようとしたグレンの行為も認めてしまう。 でも自分は実際にそれを頼みに行った事に、今更気がついてしまったのだ。 「そうね。あなたはきっと自分勝手だわ」 ティファの言葉がそんなサイトに追い討ちをかける。 更にうなだれた少年の肩に、そっとやわらかな手が添えられた。 「でもそれは、きっと素敵な自分勝手なんだわ」 鈴を転がすようなティファの声が耳元で囁かれる。 サイトはなんだか泣きたい気持ちになって、小さく「ありがとう」とだけ答えていた。 次へ 前に戻る 目次に戻る
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第一話《ここは地獄である》 8月に起こった東京地下核爆弾事件からしばらく経過したある日。 公館のデスクに積まれる始末書の山を見渡し、事後処理作業に追われ、 現在、武原仁(たけはらじん)は書類との格闘の真っ最中であった。 神聖騎士団の大規模な襲撃、止められなかった核爆弾。 影響は大きく、事件が解決した後でも事後処理対応に、仁は地獄のような激務に身を削る毎日だ。 小学校で教師の仕事を終えると、直接公館へ足を運び公館の仕事である魔導師狩り、 それが終わると夜遅くまで報告書と溜まっている書類を片付け、明日の授業内容を作成する。 「仁、申請書のこことここが間違ってる。あと、これとそれね。 この書類は判子と糊付けでいいけど、こっちの束は間違っちゃいけない奴だから書き直しね」 「再提出」 「新しい刻印魔導師達の調書があるからお願いね」 「報告書の手順間違ってたわよ」 朝6時に起床し、小学校で小学生に振り回され、夕方から夜まで刻印魔導師を追いかけて街を走り回り、 家に帰ってからも深夜11時まで部屋に閉じこもって仕事する毎日が続く。 「死ぬ、死んでしまう」 メイゼルと話して息抜きしようにも、仕事で忙しい仁に彼女は気を使ってか、 きずなの家に泊まりこんで尋ねてこないし、京香姉ちゃんも同じく仕事、 専任係官である八咬(やがみ)も仕事、神和(かんなぎ)も当然訪ねてこない。 東郷先生に至っては来るはずもなかった。 アパートの部屋に男一人っきり、寂しいことこの上ない。 仁から訪れようにも、仕事が終わる頃にはへろへろになって、風呂から上がったとたん ベッドへ吸い込まれ・・・ 夢を見ている。 妙に現実感のある夢であった。 ベッドに力なく横たわるメイゼルの寂しげな笑顔。 布団から覗くひときわ目を惹く、血の気を失った白い首筋と長い黒髪。 小学六年生になるまだ未成熟な体と折れてしまいそうな手足は人の夢のように儚い。 メイゼルの姿が幻のごとく、手足の先から薄らいでいく。 エミュレーターにプラーナ、“存在の力”を奪われたからだ。 「せんせ。抱いて」 優しく抱きしめる。 舌足らずの彼女の服が濡れているのを見て、自分が泣いていると気づいた。 時間が経つごとに柔らかい体のぬくもりと香りがだんだんと消えてゆく。 手足は肩と膝の下から完全に消滅し、残った体も硝子細工のように薄らいで、 後ろのベッドが見えてしまっていた。 存在しないものは世界結界に阻まれ“なかったことになる” 無い物は存在しない。それが常識であり世界のルールだ。 仁は腕の中に居る少女を誰よりも知っているはず――――――だった。 腕の中の誰かは消滅した。 支えを失った仁はそのまま誰も居ないベッドの上に倒れた。 胸には何か大事なものを失った寂寥感。 仁は誰が居なくなったのか思い出せなかった。 ベッドの横には、誰かのお気に入りだった臙脂色のリボンだけが残っていた。 此処は地獄。 神の奇跡さえ届かぬ不毛の世界。 ← Prev Next →?
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分岐 名前 Rank 破砕 貫通 非物理 強化時[合成時]追加スキル ◇│ ミーティアー 7 2.53 2.53 雷◎神◎ [復讐への憤怒Lv10] 合成 9700fc 虚神鋼x2 虚神腕x1 虚神魔衣x1 虚神砲x2 虚神機核x1 │◇│ リーサルクォーク 9 3.26 3.26 雷◎神◎ 捕喰オラクル吸収量Lv10 強化 9600fc 虚神月鋼x2 虚神腕x1 虚神魔装x2 虚神砲x1 虚神機核x1 │◇│ リーサルレプトン 12 3.92 3.92 雷◎神◎ --- 強化 40800fc 虚神真鋼x2 虚神強靭腕x1 虚神魔飾x2 虚神魔重砲x1 虚神大機核x1 │◆ リーサルヒッグス 15 4.45 4.45 雷◎神◎ 【B】捕喰時獲得弾数Lv10 強化 169600fc 虚神豪腕x2 虚神魔飾x2 虚神真角x1 虚神修羅眼x1 虚神円月大刀x1 付加スキル一覧 復讐への憤怒Lv10 捕喰オラクル吸収量Lv10 【B】捕喰時獲得弾数Lv10
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―――ティファニアはアルビオン王弟の娘である。 それが少女にとって「良いこと」であった事は少ない。 もしも父親が「王様の家族」でなければ、ひょっとしたら今も何処か人の居ない山奥か何処かで、家族三人つつましく穏やかに暮らせていたかもしれないのだから。 けれどそれは夢でしかないと判っている。 どんな事情が父と母の間にあったのかは知らない。 けれどきっと、父が父であったから、母が母であったから、二人は出会って恋に落ちたのだろうと思う。 自分が王家の血筋である事を否定するのは、自分がエルフの血を引いている事を否定するのと同じこと。 自分が自分である事を否定するような事は、ティファニアの思う「正しいこと」ではない。 ならばアルビオン王族である自分、エルフである自分を受け入れて、その上で自分は何をすべきなのか。 朝食の仕度を調えながら、ティファニアは深く悩み続けていた。 一方、サイトとギーシュは今日使う分の薪と水を用意するため、枯れ木や枯れ枝を集めに朝の森を歩いていた。 昨日はうっかり忘れていたが、ワルキューレを使えば水汲みも大きな倒木を運ぶのも簡単なのだ。 そんなワケで女性陣には木の実やキノコでも集めてもらうことにして、男二人が余計に必要になった5人分を賄うべく地道な労働に精を出しているのである。 だが、そこでサイトとギーシュは恐ろしいモノと出会っていた。 全身がガクガクと震える。汗がふきだす。見開いた目を閉じる事も出来ない。 あんな恐ろしいモノ、今まで生きてきた十数年の間、見たことが無かった。 「ふははははははは! ふあっはあはははははははは!」 それは全裸で哄笑を上げながら飛ぶマッチョなオッサン一人。 「この森はアレか! 水汲みに出ると必ずタイヘンな物に出くわす仕組みにでもなっているのかよ?!」 半分ぐらい泣きが入ったサイトの叫びがマッチョの笑いと響きあう。 昨日のテファのアレはまさにタイヘンなものだったが、今日のコレはむしろヘンタイなモノだ。 「ささささサイト、どうするよ? どうしたら良いとおもうかね?」 「おおおおお落ち着けギーシュ。落ち着いて素数を数えるんだ!」 サイトの国では専門用語でテンドンと呼ばれる会話を繰り広げる二人の頭上で、天駆けるストリートキングのご立派が強い風に晒されて揺れる。 デルフリンガーを握る手の甲ではルーンがギンギンに輝いていたが、そりゃあ心だって震えると言うものだ。嫌な意味で。 「ふははははははははは!! 空を飛ばずしてなんの人生でありましょうや!」 鍛え上げられた全裸の筋肉が、風を切ってピクピクと蠢く。 コルベール先生を上回る見事なハゲ頭が、爽やかな朝の陽光を反射してキラリと輝く。 立派なカイゼル髭は絶好調の気分を表すかのようにピンと張っていた。 総合すると空飛ぶ変態に他ならないナニかがこっちに近づいてくる。 「「おちつけるかあぁぁぁぁぁ!」」 あんまりと言えばあんまりな光景に、ついにサイトが壊れた。 「いっけえぇぇぇ! デルフリンガー・ミサイル!」 「うわっ、ヤメロ相棒、俺っちだってアンナもん斬りたくねぇよおぉぉぉぉぉぉぉぉ!」 尾を引くような悲鳴をあげて投げられるデルフリンガー。 見事なピッチングで吸い込まれるように裸人へと飛んだデルフだったが、命中する前に男の全身が魔炎を上げて墜落した。 「ヒドイぜあいぼおぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」 「うわあ……キミの剣、アサッテの方向に飛んでったぞ」 幸い高度を落としていたおかげで、男はクルクルとトンボを切ってサイト達の目前に着地した。 「おおう、いきなり何をするのですか少年達よ!」 「喋った! 喋ったぞサイト!」 空飛ぶ裸人でも喋るのは当然だろうが、完全にテンパってるギーシュは自分でも何を言っているのかわからない。 「うるせぇ! こっから先は女の子や子供も住んでるんだよ! 変態は侵入禁止だ!」 サイトのキレぎみの発言も微妙にテンパっている。 見事な胸筋と腹筋を誇示するように、伸ばした両腕を後ろに回したボディビルダーのようなポーズで立つ天空の変態改め大地の変態。 もちろんフリチンで。 「なぁに、当然知っていますとも、少年。ですからこの辺りで着陸して、こうやって……」 そして取り出したフンドシのような布をエレガントに穿いて見せる裸人。 フンドシ(もどき)は元の世界のパンツは一着しか持っていないサイトも愛用している、この世界の平民用の一般的な下着である。 よく見ると買い出し用のような大き目の、中身の詰まったズタ袋を背中に担いでいたようだ。 「そしてこうして……」 更に袋から出したマントを羽織る。 こうなるともう裸人ではない。 そうなって落ち着いてよく見れば、存外理知的で穏やかそうな目をした男だった。 でも所詮元裸人だが。 「ふはは! これで問題は無くなったでしょう、少年達よ!」 「な、なんなんだよアンタは」 気圧されながら聞くサイト。 その問いに、男は紳士的な物腰で答える。 「私はこの先の村でご厄介になっている者でしてな。名を『大気泳者』スピッツ・モードと申します。 それで、アナタ方は何者ですかな、沈黙する地獄人の少年?」 「相似魔術師か!?」 自分を沈黙する地獄人と呼んだモードの言葉に身を硬くするサイト。 咄嗟にデルフを掴もうと思ったが、彼は飛んでいって森の中だった。 相手もサイトが感知している限り魔法は使えないはずだったが、体格差から考えて素手同士では勝てない気がする。 「相似大系? はて、私は錬金体系の魔術師ですが? それにアナタ、見た所日本人のようですが、公館ではお見かけした事がありませんな?」 その言葉に、緊張していたサイトの全身から力が抜けた。 公館というのは、魔術師の犯罪者から日本を守る仕事をしている政府の機関なのだとグレンから聞いている。 だから、多分戦う必要は無いのだ。 「俺は平賀才人。公館とかの関係者じゃない、です。今は、ティファニアの所に泊まってる……泊まってます」 そう思えば裸人と言えども服を着たのだから年上の人だ。 微妙につっかえながら、サイトは自分の素性を明かす事にした。 そして、一番重要な質問をする。 「あの、アンタ何で全裸なんですか?」 「少年はなぜ全裸ではないのかね?」 逆に聞き返された。 サイトとギーシュは、コイツやっぱり変態だと確信するのだった。 結局、彼の扱う錬金体系の魔術は、物の境界面に魔力を見出す魔法体系であり、その最たるものが体表面であるため、錬金世界は純粋な『自己』たる全裸をさらすのが恥ずかしいという感覚の無い文化なのだと言う事だった。 また、モード氏の飛行魔術が体表面に触れた大気を水のようにする事で飛んでいるため、全裸でないと使えないという単純な理由もある。 錬金世界の魔術師にとって、全裸になる事はこちらのメイジが杖を掲げる事と同じなのだ。 そのため彼の世界では男も女も裸を美しく保とうとし、それを見せる事に躊躇しないのだという。 羨ましいような恐いような話だった。 「ほうほう、召喚の呪文で偶然こちらに呼ばれたと? それは大変でしたな。 私などは殺されたかと思ったその瞬間、この世界に飛ばされたようでしてな。 ティファニア殿と世界移動の偶然には、一命を救われたと言うべきなのですよ」 『大気泳者(エアダイバー)』は基本的に気のいい善良な人物らしく、村へと帰る道すがら、色々な事を語って聞かせてくれた。 自分が「刻印魔導師」と呼ばれる、罪によって地獄、つまり魔法を消去する住民が住む地球へと堕とされた罪人である事。 罪人とは言っても、モード氏は裕福な商家の出身であったため、政争によって無実の罪で地獄に落とされた政治犯である事。 日本国の『公館』と呼ばれる組織で、地獄人の専任係官と呼ばれる公務員に使われる立場だった事。 刻印魔導師は専任係官の下で100人の犯罪者を討伐しなければ罪が許されない事。 モード氏はただ空を飛ぶ事が好きで、どんな世界でも空を飛べるのならそれなりに満足だった事。 地獄人の作る飛行機械にも大変興味を持っていて、地獄生活もそう悪いものでは無かったという事。 それ以上に、この「空の国」とも呼ばれるアルビオンで暮らすのは自分に合っているのだと感じている事などを話してくれた。 「公館、魔導師公館の専任係官は皆殺しの戦鬼、スローターデーモンと呼ばれます。 その中に、沈黙する悪鬼、サイレンスと呼ばれるヒトがいたのですよ。 私の担当係官は地獄出身の魔法使い『魔獣使い(アモン)』でしたから、あまり面識はありませんが、公館に係わる者は誰でも知っています。 ソレは最強ではなく、『アモン』のように最多の魔導師を殺しているワケでも無い。 奇跡の力も持たず、その動きも『鬼火(ウィスプ)』のように人を超越しているわけでもない。 魔法消去とて、決して万能でもなければ無敵でもない力です。 けれど、公館で最も恐いスローターデーモンは誰がと聞かれれば誰もが口をそろえる。 それは『沈黙(サイレンス)』。確認されているただ一人の沈黙する悪鬼だと」 紳士的な口調に、隠し切れない地獄人への恐れと敵愾心を滲ませながら。 「だから少年に聞くのですよ悪鬼よ。アナタは、何者ですか?」 瞳にサイトへの恐怖を潜ませて。 「俺は……」 自分は沈黙する悪鬼になりたいのだろうか? 地獄で犯罪行為を行う魔法使い達に、他の誰よりも恐怖と絶望を植え付けるという存在。 サイレンスと呼ばれるような、あのグレンを倒したという誰かのように。 「俺は、平賀才人ですよ。ただのサイト」 守るために力が欲しい。殺すための力はいらない。 けれど、守るために殺す事が必要なら、自分はどうすれば良いのだろう。 サイレンスと呼ばれた男なら、どうしたのだろう。 無性にグレン・アザレイと会いたくなった。 会ってサイレンスという男と戦った時の事を聞きたくなった。 やはりあの男は太陽に似ているとサイトは思う。 その存在が、離れていてもジリジリと焼け付くように感じられるのだから。 サイト達が村へと向かって歩いている頃、村の方では問題が起こっていた。 マチルダはルイズやキュルケと共に果物や野草を摘みに出て居ないというタイミングで、ガラの悪い客人が現われたのである。 それは十数人の鎧姿に剣や槍を持った男達で、それぞれが剣呑な雰囲気を帯びていた。 「なんだぁこの村は。ガキばっかりじゃねぇか」 「おいガキども、この村に村長は居るか? 居るんなら呼んできやがれ」 子供というのは大抵怖いもの知らずだが、本当に危険な相手に対する嗅覚もまた飛び抜けている。 目の前の兵士崩れ、つまり人殺しを職業にする男達への恐怖に、ある少年は怯えて逃げ出し、ある少女は泣き出してしまう。 「おいガキ、うるせぇぞ。殴られたくなけりゃあ静かにしやがれ」 「やめてください!」 子供達の様子に気が付いたティファニアが駆けつけ、子供達を守るように男の前へと立ち塞がる。 とは言っても、ハタから見ればティファニアこそ守られる必要がある弱者にしか見えないのだが。 大きな帽子で尖った耳を隠した少女は、恐怖で細かく震えているのだから。 「おっ、随分なべっぴんじゃねーか」 「なんなんですか、あななたちは」 「貴族さまに雇われてた兵隊さ。『元』だけどな」 「元?」 「あの馬鹿貴族、なにをトチ狂ったかしらねぇがレコン・キスタと戦うとか言い出しやがった。 そんな勝ち目の無い戦争に連れて行かれておっ死ぬのはゴメンなんでな。 さっさと辞めて、経験を生かして傭兵か山賊にでもなろうと決めたって寸法だ」 ギャハハと下品に笑う男と仲間達。 傭兵も山賊もかわらねーよと、仲間の一人が笑いながら言う。 実際、錬度と装備を兼ね備えた、命知らずのつわもの共などというのは一握りの傑出した傭兵だけであり、名前を売って目立つ装備に身を固めて様々な陣営に請われて渡り歩くような物語の中に登場するような存在は、千人の傭兵の中に一人か二人居る程度でしかない。 そんな、平民の炉辺で語られる昔話の「メイジ殺し」の剣士達以外の傭兵とはどんなものかと言えば、「武器を手にした食い詰め者の集団」という一言でカタがつく。 口減らしや借金のカタに売られた者、地方の寒村から拉致された者、真面目な仕事が身に付かず生活のために傭兵となった者。 剣の振り方や槍の握り方すらよく知らない者すら多い。 戦争の度に兵隊を編成して参加する義務を負った諸侯の中で、農民などを駆り出して生産性を低下させるより、いくらかの金を払ってならず者を雇った方がマシだと考えた時に雇用されるのが、一般的な傭兵なのだ。 戦争という仕事が無くなれば、一転して盗賊山賊に早変わりする者などめずらしくもない。 「そんなワケで俺達は山賊様なのさ、お嬢ちゃん」 「帰ってください。この村にあなた達にあげられるような物は何もありません!」 「そうでもねぇさ。食料に酒――は、ガキばっかりの村じゃあ有りそうにねえか。 それにアンタぐらいのべっぴんなら、娼館に売ればけっこうな額になる」 「その前に味見をしてもイイんじゃねぇか隊長」 「そりゃあ良い。おい嬢ちゃん、オマエの家に案内しな。そうすりゃベッドの上で優しくシてやれるぜ」 下品な笑みで顔を歪めて隊長と呼ばれた男の手がティファニアに伸びる。 丁度その場に帰ってきたサイトは現場を目撃した途端、デルフリンガーを引っ掴んで飛び出そうとして――小屋の影に隠れていたマチルダに止められた。 サイトに続こうとしていたギーシュやモード氏も、目線で隠れるように指示されてしぶしぶと従う。 見ればルイズやキュルケも小屋の影に隠れて様子をうかがっていた。 「ハァイ、ダーリン」 「こんな時に何やってるんだよ、お前ら」 「知らないわよ。私達もミス・ロングビルに言われてこうしてるだけなんだから」 「仕方ないだろう。あの子が暴力とか嫌いなんだから。 魔法であの馬鹿共をブチ殺すのは簡単だけど、子供たちの前で人殺しはマズいからね。 あたし達が出ていってややこしくなるより、黙ってテファに任せておけば良いのさ」 ティファニアを信頼しているマチルダの言葉に、しぶしぶながら従うサイト達。 彼等が息を呑んで見守っている前で、隊長の手が彼女の帽子を乱暴にとる。 「な、なんだこの女!?」 「えええええエルフだぁ!」 現われた長い耳に、彼女が昔話でしか聞いた事の無い存在なのだと気が付いて慌てる男達。 ハルケギニアでは人食い鬼よりも恐れられる悪鬼の如き種族が目の前に居るという状況に、完全に浮き足立っている。 ニード・イズ・アルジール……ベルカナ・マン・ラグー…… 逃げるか、攻撃するか。 兵士崩れの一団がそれを決定するより前に、ティファニアの呪文は完成していた。 空気が陽炎のようにゆらめいて男達を包み込む。 「ふえ……?」 大気が正常に戻ったとき、男達は呆然と宙を向いて立ち尽くしていた。 「俺達、何をしてるんだっけ?」 「なんでこんな森の中に居るんだ?」 「あなた達は故郷に帰る途中で道に迷ったのよ」 完全に自失している男達に、帽子を拾って被りなおしたティファニアは落ち着いた様子で言う。 「ああそうか。俺は田舎に帰る途中だったんだ」 「他の人もそう。故郷が無い人は、隊長さんと一緒に行くところだったのよ」 「うん。そうだ。皆でカザスの村に行かなくちゃならないんだ」 呆然としたまま呟くと、男達は踵を返して歩み去る。 自分達が村へやってきた目的どころか、ついさっき見たティファニアの耳の事すら忘れている様子だった。 呆然と歩く一団は、おなじく呆然とするサイト達の横を通って森の中へと去っていった。 その背中を見送って、サイト達はホッと息をつくティファニアの方へと駆け寄る。 「すげえな。テファってメイジだったのか」 「あ、うん。でもこの呪文以外は、マチルダ姉さんに教えてもらった簡単な呪文しか使えないんだけど」 ティファニアの持っている小さな杖に気が付いて呟いたサイトの言葉に、ティファニアは恥ずかしそうだ。 「コモンのスペルしか使えないのさ。なぜだか系統魔法は一つも成功しなくてね」 基礎の魔法を教えたマチルダがうんうんと首を振りつつ言い、キュルケも別の意味で首を縦に振って言う。 「そう言えばお父様が王弟殿下だったんだし、メイジであって当然なのよねぇ」 「……しかし、あの魔法はどの系統の魔術なんた?」 ギーシュの疑問にはマチルダすらも答えない。 誰も知らないのだ。あんな風に記憶を奪うスペルも、彼女が唱えた不思議な響のルーンも。 ティファニア自身ですら知らないのだから当然だとも言えるだろう。 答えは、意外な所から聞かされる事になる。 「こりゃあおでれーた。エルフっ子、お前さん虚無の担い手かよ」 サイトの手に握られたままだったデルフの言葉に、メイジ達が眼を剥いた。 「ちょ、ボロ剣、今なんて――虚無って、どーゆーコトよ?」 「おいおい娘っ子よぉ。もうボロじゃねーだろうが」 「ボロとかボロじゃないとかはどうでも良いわよ。テファが虚無の担い手ってのは本当なのかい?」 「おうよ。間違いねぇ。あの呪文は正真正銘『虚無』の呪文さね」 「きょきょきょきょきょ……虚無だってえぇぇぇ!?」 ギーシュが目一杯のオーバーアクシヨンで驚きを表現してくれた。 絶句しているルイズやキュルケの驚きも似たり寄ったりだろう。 唯一冷静でいる事に成功したメイジであるマチルダは、キョトンとしているティファニアを守るようにその肩を抱いて言う。 「とりあえずボロ剣には後で知ってる事を洗いざらい話してもらうとして…… そっちのハゲは何者なんだい、ぼうや?」 「ぼうやって呼ぶなよ」 「ボロじゃねーって言ってるのによぅ」 「ハゲではありません。この頭は空力的に合理的なように剃っているのですよレディ」 返答は三者三様に不服そうだった。 ティファニアの家に戻った一行は、錬金大系魔導師のスピッツ・モード氏は森の中で倒れていた所を助けられた人で、塩や糸や布などの森では手に入りにくい生活必需品を買出しに行っていたのだと紹介された。 それから朝食がまだたった事を思い出したティファニアが腕を奮ってくれて、質素だがにぎやかな朝食が始まった。 村に住む戦災孤児達はそれぞれ四人組ぐらいで各家に住んでいるが食事の時は全員が集まってくるので、サイトがお昼の定食屋か幼稚園を思い起こすような大騒ぎとなる。 そんな騒ぎが一段落して各自で食器を洗って片付けた子供達が帰り、サイト達も手伝って鍋などを洗って机や部屋を掃除。 やっと一息付いたと思えば、もう昼前になっている。 トリステインやアルビオンでは平民は昼食をとらないのが普通なのだが、育ち盛りの子供達はすぐにお腹を減らす。 ティファニアとマチルダは慌てて芋と野菜をふかしたり小麦と牛乳を鍋で煮たりを始めた。 タダ飯食いは許されない村なので、他の皆も当然各々仕事が与えられる。 「いやしかし、お前のワルキューレってマジ便利だよな」 「ははは、そんな当然の事、褒めても何も出ないよ」 「って言いながら薔薇出すなよ鬱陶しいから! ワルドの魔法から助けてもらったから、ありがとうって言おうと思ってたけどやっぱ止めだ! って薔薇が増えてる! 増えてるっ! やめろってマジ邪魔になるから!」 ギーシュのゴーレムが薪を割ったり畑に水を撒いている間に、子供では手の回らない家の補修などを行うサイト達。 釘打ちの最中にあふれ出した薔薇の花びらのせいで、間違って指を打ったりもした。 また、キュルケとルイズも年少の子供達の世話に借り出されて―― 「おねーちゃんすごーい!」 「あら可愛い。ぼうや、あと12年ぐらい経ったらおねーさんの家で下男として雇ってあげるからいらっしゃいな」 火の魔法を見せて子供達をビックリさせるキュルケは、キラキラした目を向けてくる3歳程度の少年に流し目を向けたり。 「アンタ、その頃幾つのつもりなのよ――って、痛い! やめ……髪を引っ張んのやめなさーい!」 「おねーちゃんの髪ってふわふわだぁ」 「ピンク色だし、砂糖のお菓子みたいー」 「いやあー! 口に入れちゃダメー!」 ルイズは世話と言うよりオモチャにされていたり。 そんなこんなで村での仕事が終わり時間の空きができたのは、夕食の片付けが済んでからだった。 「ああ……もうダメ……一歩も動きたくない……」 「だらしないわねヴァリエール。とは言え、子供の相手がこんなに大変だとは知らなかったわ」 「ううむ……平民の生活というのは、父上に訓練を受けた時よりも厳しいものだなぁ」 「掃除機、洗濯機、ガスコンロ、自転車、水道、水撒きホース。どれも凄い発明だったって骨身に染みたぁ」 「なんだいなんだい。若いのが揃いも揃って情けないねぇ。 まぁ、私とテファが二人で修道院にやっかいになり始めた時も、そんなだったけどさ。 なにせ自分で水汲みもした事が無かったからねぇ」 ぐんにゃりと机につっぷした少年少女を見下ろして、昔を懐かしむように、遠い目をしてマチルダが語る。 「ロンディニウム近くの修道院ですよね。姉さんと二人だけになって逃げ込んだあそこで、 お坊さん達が私の耳を見ても受け入れてくれなかったら、きっと今頃……」 ハーブを煮出した疲れに効くというお茶を用意してくれたティファニアも、かつてを思い出しているようだった。 「あの頃は一日仕事を済ませる度に、もうダメだって毎日思ったけどね。 そんな平民の生活を味わってみるのも、悪い事じゃないさ、お坊ちゃんお嬢ちゃん達」 「そうですな。私も生まれは商家の末っ子でしたから、子供の世話なども初めての体験で。 自分にできない事や知らない事などいくらでも有ると知る事は成長に繋がるはずですとも。 特に皆さんのようなお若い時分には尚更に」 今晩のスープの具材になった兎の皮をなめしながらモード氏も言う。 道具も何も使わない、ただサイトの視線が向けられていない事だけ注意しながらの作業。 その手が軽く表面を撫でるだけで、熟練の職人の仕事のように見事になめされた毛皮になってゆく、錬金大系の技だった。 触れるだけで土を水のように変えて、棒でかき混ぜるだけで広い範囲の畑を耕したり、 同様に地面を液化させる事で大木を押してずらし、開墾を行ったり、あるいは冷水を瞬時に沸騰させたりと、物質の状態変化を操る錬金大系はとても便利な魔術であり、錬金魔術師であるモード氏は普通の手段では考えられない仕事量をこなしていた。 材料さえあれば常温であらゆる合金を作って形を整えられるし、錆びや傷みも簡単に修復できる。 農具や家具の破損も木を直接接着する事で修理できるし、土壌の管理などもお手の物だ。 子供達に管理できないほどに増やしても仕方が無いため抑えてはいるが、彼が来てから畑の面積は二倍近くに増えているのだと言う。 それだけの事を、サイトが日本語を習う程度の学習で誰でもが可能となる世界。 魔術という名の恩寵を神より授かった魔法世界がサイト達の世界よりも圧倒的に豊かだと言う。 二万年前という人類の黎明期に、寒さに震えて肉食獣の食い残しを漁る人類を目にした放浪の魔法使い達が、その貧しき世界を『地獄』と呼んだ事もあるいは必然だったのかもしれない。 けれど、その恵まれた世界の恵まれた家に生まれた男は、まぶしい頭を輝かせて言葉を続ける。 「こう……ワクワクはしませんかな? 未知の事、未知の物、未知の空があるというのは。 生まれ故郷の空は、それはもう何処までも高く爽快なものでしたが、 電気で輝く夜景に照らされた地獄の夜空も、格別に美しい空でしたとも。 そしてこのような、巨大な大陸が浮かぶハルケギニアの奇想天外な空もまた、素晴らしい。 未だ知らぬ世界、未だ知らぬ物事が、この空の先に広がっていると思う度、私は心がはやるのです。 この先へ、先の先へ、何処までも飛んで行きたいと全身の血がざわめくのですよ」 なめし終えた毛皮を傍らに置き、さめてしまったハーブ茶を錬金魔術で軽く温めなおして、モード氏はそれを一口啜った。 舌の上で転がした後、香りを楽しむように鼻から息をつけば、カイゼル髭がユラユラと揺れる。 このお茶もティファニアや子供達が摘んできた葉を錬金魔術で乾燥熟成させたものだ。 「うむうむ、今回のリーフは美味に仕上がっていますな。 このハーブ茶作りというのも、こちらに来てから始めた事なのですがね。 これが中々難しいものなのですよ」 自分の仕事とティファニアの手際に満足したように目をつむったまま笑む。 この異世界での暮らしを心底楽しんでいる様子に、この人のような人間をカントリー・ジョンブルって言うんだっけ、とサイトは感じていた。 「わたし……」 モード氏の態度にふと穏やかな気分になり、誰からとも無く沈黙した少しだけの時間。 その中で口を開いたのは、妖精のように美しいハーフエルフの少女。 「わたし、お城へ行こうと思うんです」 そう、はっきりとした意思を感じさせる声音でサイトに向けて言った。 「え……その、いいのかい、テファ?」 突然の言葉に驚くサイトに、ティファニアははっきりと肯く。 マチルダはそんな二人を静かに見守るだけだ。 「昨日サイトさんは言いましたよね? お城の人達の事、ホントはよく知らないけど良い人達だったって。だから助けたいんだって。 わたしもね……わたしも、お城の人達がどんな人なのか、ホントは知らないって気が付いたんです。 知らずに恐がって、嫌って。 それじゃあ本当の事なんて判らないままになっちゃう。 それじゃあ私の耳を見て私の事を恐がる人達と同じになっちゃう。 それじゃあ……ダメなんだって、思ったんです。 知らない事を知らないってわかったら、知ろうとするべきなんですよね、モードさん? 正直に言うと怖いです。 恐いけど、お城の人達に会ってみて、どんな人達なのか自分で判断して、 それでまたどうするのか、自分で決めたい。決めなくちゃいけないって、そう思うんです」 そこまで一息で言い切って、ティファニアはサイトを、マチルダを、貴族の少年少女とモード氏を見渡した。 「わがままだなって、自分でもわかってます。 でもお願い。私が正しい事を見極める、手助けをしていただけますか?」 真剣な表情を芸術品のように整った顔に浮かべてティファニアは問うた。 半分がエルフで、こんな森の奥に暮らしていても、貴族の心は確かにこの少女の中にあるとルイズは思った。 だから、彼女の頼みに否を言う貴族など居ないと確信する。 なんて美しいんだと、電撃を受けたようにギーシュは震えた。 美しいものを手助けするのは僕の義務だと、誓いを新たにしている。 キュルケは面白そうにニンマリと笑い、マチルダは妹分の成長に目を細めた。 モード氏は命の恩人の頼みを断る訳が無かった。 そしてサイトは、ティファニアの目を正面から見つめ返して答える。 「そうだな、ティファニアはきっとわがままなんだと思う」 反論される覚悟はしていたティファニアだったが、実際に言葉にされるとそれが胸に突き刺さって、親の小言を恐がる子供のように身を硬くしてしまった。 「だけどそれは、素敵なわがままだと俺は思うぜ」 「えっ!?」 ぱっと開かれたテファの双眸に飛び込んでくるのは、イタズラ小僧のような、けれどとても優しいサイトの笑み。 「協力する―――いや、協力してくれる事に感謝するよ、テファ」 言葉とともに伸ばされたサイトの手を、ティファニアは目に涙を浮かべて握り締めていた。 次へ 前に戻る 目次に戻る