約 475,237 件
https://w.atwiki.jp/crossworld_battle/pages/22.html
「一体どうなってんだよ、こいつは!」 『新一、落ち着け。無駄に騒ぐんじゃない』 「無理だっつーの! こんなん!」 住宅街の一室にその少年はいた。 寝室のベッドに腰掛けながら、少年は誰かと会話をしていた。 室内に少年以外の姿はない。 ただ一人で、だというのに何処からともなく返事がくる。 『落ち着け。できる筈だ。新一、きみなら』 声に従うように、新一と呼ばれた少年は大きく息を吸う。 左手を胸に置き、吸い込んだ空気を長く長く吐き出す。 それだけの動作で、確かに新一の表情には落ち着きが戻っていた。 寸前までの焦燥が嘘のように、けろっとした顔で座っていた。 『頭は冷えたか?』 「……ああ、ありがとう。ミギー」 孤独な会話は続く。 いや、良く見ると言葉を放つ口はもう一つあった。 こねてる途中のパン生地のように、奇妙に伸びた右腕。 その先につぶらな瞳が一つと、口がある。 右手が、喋っていた。 「それにしてもどうなってんだよ、本当に」 『わたしにも分からん。気付いたら先程の場にいて、気付いたらここにいた』 「マジかよ……だぁ~、やっぱり落ち着けねぇ~!!」 話す右手を、新一は当たり前のように受け入れていた。 気味悪がる様子も、驚く様子もない。 中々にシュールな光景がそこに広がっていた。 「……さっきのあれ、本気かな」 『本気、だろうな。伊達や酔狂でこんな事が出来る訳がない』 「だよなあ……どうしようか、ミギー」 最後の三人だけが生還できるという殺し合い。 さきの暗闇では相当な数の人がいた。 『殺してしまえば良いだろう。自分以外の参加者を』 右手……新一からミギーと呼ばれる怪物の答えは明快である。 参加者の殺戮。 成る程、今存在する最も明確な生還方法だった。 「んなことできるかよ……」 新一は首を横に振り、ミギーの案を却下した。 そう返答すると分かっていたのだろう、ミギーは続ける。 『だが、それが最も簡潔だ。なに、今のきみならただの人間が何人揃ったところで負けはしない』 「そういう話じゃないだろ! こんな状況だろうと人を殺すってのは……ダメだよ」 『そうか……。ならば、どうする』 答えは、出ない。 少なくとも新一の側に見出せる答えはなかった。 沈黙が場に重くのしかかる。 『……まずは会場を見て回るか。何か脱出手段が見つかるかもしれない』 「ミギー……!」 先に沈黙を打ち破ったのはミギーであった。 『きみは強情だからな。他者の殺害が無理なら他の手段を考えるしかあるまい』 「ありがとうな、助かるよ」 i-Phon●を開き、地図を見る。 東側にオフィス街、南側には海、西側に住宅街、北側に草原。 中央は森林地帯が広がり、地図の中心点に鉄塔がある。 また各地には施設があるらしい。 オフィス街には『765プロダクション事務所』、『廃ビル』、『NY市警』。 住宅街には『東福山市役所』、『音ノ木坂学院』、『本能寺』。 北の草原地帯には『ヘルシング邸』、『ルパン三世のアジト』、『中央要塔<セントラルピラー>』。 南側の海岸線には何もない。 「……なぁ、ミギー。これ書いてあること本当かな」 『どうだろうな。嘘を記すメリットはないだろうが』 とてもじゃないが信じられる中身ではない。 『765プロダクション事務所』は東京の大田区にある。 その近くに『NY市警』がある訳などないし、スクールアイドルで有名な『音ノ木坂学院』だって歩いていける距離にある訳でもない。 『東福山市役所』は新一も良くしっているが、こんな地理上にあった筈はなかった。 まるで嘘のような地図がそこに広がっている。 「訳わかんねえなあ、もう……」 頭をかきながら、新一は立ち上がった。 殺し合いに謎の会場。 考えることが多すぎて頭がパンクしそうであった。 それでも何とかしなければならない。 こんな所で死ぬのだけは嫌であった。 『そういえば新一は気付いていたか?』 「ん? 何が?」 『参加者名簿の名前の事だ』 「有名人から、信長なんていうまた良く分かんない名前までいっぱいいたな。それがどうした?」 『その中に後藤とあった』 「あー、確かにあった気がするなあ。……って、まさか」 『あの後藤だ』 「えぇえ!? だ、だって後藤なんて名前どこにでも……」 『……最初の場で奴の反応を感じた。あちらも気付いているだろうな』 「マジ……」 後藤。 五体の寄生生物が集結して出来た最強の存在。 かつてパラサイトの打倒を掲げ、自衛隊や警察が協力をしたことがあった。 『東福山市役所』を包囲し、対パラサイト用の装備をした兵士が何十と投入。 作戦は思いの外うまくいき、多少の被害を出しながらもパラサイト達を駆逐していった。 だが、その優勢を一人で覆したのが後藤だった。 部隊を全滅させ、包囲網から悠遊と立ち去っていった。 しかも新一を殺害するという最悪の宣言を残して、だ。 まさかこんな状況になってまで、後藤から狙われるとは思いもしなかった。 『何らかの対策を練っておく必要はあるだろう』 「そうだな……」 問題は山積みだ。 思わず溜め息が漏れる。 それでもと、前を向けるのは彼が相応の修羅場を潜り抜けてきたからだろう。 前を向き、民家から出る。 「とりあえず『東福山市役所』を目指すよ。施設が本物かどうか見ておきたい」 『そうだな、それが良いだろう』 新一とミギー。 生き延びるために、寄り添い、進む。 奇妙な一人が、道を進んでいく。
https://w.atwiki.jp/vip_oreimo/pages/506.html
「ふあぁ~……ぁふ」 ついつい大欠伸を洩らしてしまうのも仕方ないやな。 ほんの数時間前、親父に付き合って二年参りに行ったばかりだ。 あの外見に違わず家長として家内安全無病息災の験担ぎを大事にする人であり、今年はおそらく俺や桐乃が無事に受験に臨めるようにという祈願もあったのだろう。 特に誘いがあった訳ではないんだが、同行することにした。 結果、元日で普段より大分朝が遅いってのに、やたらと欠伸が出てしまう。なんだかな…… 家族全員の失笑を買いつつ、餅と雑煮を食べ、こうして二度めの初詣?に出掛ける俺だった。 というのは、正月早々赤城からメールが届き新年の挨拶がてら初顔合わせという趣きらしい。 麻奈実も誘ってくれと頼まれ電話してみたはいいものの、今年は和菓子屋のがいつになく好調で今日は時間を取れないと言う。 後で改めて俺の方から挨拶に行くべきか…… ほんの少しばかり残念さを覚えながら指定の待ち合わせ場所へ歩を進める。 「よう高坂、あけましておめでとう!」 「あー、おめでとう。今年もよろしくな」 知れた仲ならではの簡潔な挨拶を済ませると、赤城が続けてきた。 「気のせいか今日は張りが無くね? 風邪とか、それとも朝の冷えが腕に響いてるとか?」 こいつに心配されちゃ世話ぁない、寝不足のいきさつを白状する。 「そういう赤城は随分ハツラツとしてるようじゃないか。 まさか、俺と会うのが楽しみで…とかいう気色悪いオチは聞かんぞ」 不意に瀬菜的な発想が浮かび、悪質な冗談を否定するべく口走ってしまう。 「いやいや瀬菜ちゃんじゃあるまいし。高坂、お前こそ大分染まったな」 どうやら自爆のようだ。不覚…… その瀬菜はこれから友達と合流して初詣に来るらしい。 よもや友達とやら腐ったメンバーなのではと疑念に捕らわれるが、敢えて言葉にはすまい。 赤城は先発隊として焚き上げや破魔矢の買いつけを任されたそうで。 シスコン大王たるこいつにしてみれば、そんな頼まれごとさえ嬉しいのだろう。 「そういやぁ、田村さんは一緒じゃないのか? 妹さんも?」 当然のごとく赤城が訊ねてきたので、二人の不参加の事情を伝える。 麻奈実のは斯々然々。 桐乃は、何か思う所があったのか、今朝になってお袋にお節の作り方を習うんだと言い出した。 お袋のお節料理は本人いわく「大半が適度に手を抜いてる」割には美味いもので、どうやらそこらへんに触発されたように思われる。 「初詣自体は、振袖着ていくの楽しみにしてるし、何だかんだで俺は今日明日中にもういっぺんここに来るんだろうよ」 そう苦笑をしてみると、奴はしたり顔で、 「高坂、お前のシスコンぶりも変わらないな。仲睦まじいようで何よりだ」 などと勝手に納得しやがる。 違うから。赤城兄妹同様の仲じゃなく、俺のは単に妹の我が侭に付き合わされるだけで…… そう返すところの筈が何故か思い止まっちまった。去年なら言い切ってただろうに。 近頃の俺と桐乃はというと―― なんとも落ち着かない思いに耽るうち、懐の携帯が着信を告げる。 ディスプレイには加奈子の名が表示されていた。 出来すぎだろうこのタイミングは。 「京介ー、こっちこっちー」 年が明けてもチンチクリンな加奈子が人混みの向こうで力強く手を振るのが辛うじて見えた。 まあ、年越ししたからってグンと背が伸びてたら怖いな。明晰夢を疑うこと間違いない。 赤城にも協力してもらい、ちょっとしたラッセルで掻き分け掻き分け距離を詰める。 「あけおめ~。初詣に来たからよ、折角なら一緒にと思って桐乃に電話したら丁度出たところだって」 なるほど、そゆことね。 聞けば事務所の仲間との初詣を済ませたところとか。 用事があってあやせやブリジットは先に別れたそうで、特にブリジットは加奈子と離れるのを渋って今しがたまで相当ゴネてたらしい。 「そりゃあ、ありありと想像つくわ。俺も機会があえば年賀の挨拶はしたいし。 あやせたんとは……桐乃が連絡とった時にでも会えるか」 「『たん』とかマジきめぇ。自重しろ自重。 ンだよ、加奈子じゃご不満ー?」 会ったばかりで早くもむくれてしまった加奈子の機嫌を直すべく、習慣的にどう宥めるかの手立てを思案していると、 「あのさ、そろそろ俺にもこちらのおちびちゃんを紹介してくれ。高坂んちの親戚の子だったり?」 赤城が待ちかねたように話しかけてくる。 いかん赤城、いま口にしたのは禁句「ぐはっ!?」 「誰がチビだっつーのっ……ざけんな」 これでも気にしてんのに、とか呟く加奈子の気持ちはわからなくもないが。 普通に疑問を聞いただけでトーキックを見舞われ悶絶する悪友には同情を禁じ得ない。南無三。 「お前、俺の連れ相手に、それ抜きにしても初対面なのに手が早すぎだろう……」 「初対面で無礼なのはソイツじゃん、手は出してないし」 見苦しく言い訳する加奈子。 駄目だこのガキ、たまにはお灸を据えてやらんと。 「痛ッ、痛いって! 離せバカ! 卑怯もん!!」 ぎゃあぎゃあ喚く加奈子の髪を引っ張り、一方で暴れる手足に倒されないよう身をかわす。 髪を掴んだまま下手にバランスを崩すと危ないもんな。 ジタバタと足掻き疲れた加奈子がようやく観念したころ、こちらも手を離し解放する。 「お………女の……髪は……命って……知んないワケ……」 フゥフゥと威嚇する猫のような息を漏らし、目の端に涙を浮かべて睨み付けてくる。 ちとやり過ぎたか、と内心では反省しつつ、 「なーにが女の命だ。あの程度の悪意ない一声で癇癪おこすお子様は、相応の罰受けて当然だ」 ここで怯んじゃいかん。 たとえコイツが俺に求めるものと違ったとしても、憎まれ役を果たしてやらないと。 自分に懐いてくれる子に辛辣な言葉を投げ掛けるのは正直かなり抵抗ある。心が痛むよ、だが…… 「そんな恨めしそうな目で睨んでも俺からは折れないぜ。 憎らしく思われようが、嫌われようが、子供の間違いを諌めてやるのが年長者の務めだかんな」 俺たちの間の緊張した空気に耐えかね、赤城が仲裁の言葉を探す素振りを見せたとき、 「……わかった」 苦りきった顔で加奈子は言い、続けて赤城にゴメンと謝った。 しおらしい様子にほだされたのか、赤城のやつ「泣かすほど怒るこたぁない」と責めやがる。 うるせ。俺だって泣きたい気分ですよ? 凹みかけていると、加奈子が不服げを隠さず言い募ってくる。 「でもやっぱ糞マネ、京介は卑怯もんだ。あんなの、ねーよ」 髪のことだろうか。力加減はしたつもりだったけど。 あの対応を悔やむまいにしろ、肉親でもない俺がこいつを傷つけてまで説教する筋合いは無い。 「髪、痛むか……力ずくってのが大人気なかったのは悪いが」 「違うって」 途中で俺を遮り、 「あんたが加奈子のこと本気で叱ってんのに、嫌えるワケないし。 だからああいうのは、卑怯なんだって」 苦心の選択はきちんと受け止めてもらえたようだ。 根は素直なやつでよかった。 「あんたのお節介も大概だよね。マネージャーの時もそうだったけど、こういう風にガチで向き合ってくれる奴のがアタシには必要なのかな……」 場に似つかわしくない真っ直ぐな視線を寄越す加奈子。 俺は思わず胸に迫るものを感じて、うまく言葉にできない。 それは数秒か数分だったか、赤城がまたも耐えかねて「お前ら俺のこと忘れないで」と横槍を入れるまで二人はただ向き合っていた。 一悶着が収まり、改めて赤城に加奈子の紹介などしていると ややあって今度は赤城の携帯に着信があった。 案の定その連絡は瀬菜からで、すぐこちらへ向かえなくなったので合流場所を変更したいとの旨 赤城のやつは「急で悪いな」と挨拶もそこそこに手荷物を抱えて、混んでない出口を探す。 「自慢の妹によろしくな。また何かあればメールする」 投げかけた言葉に軽く手を挙げて参拝客の間を縫うように去っていく後ろ姿を見送った。 呼びつけをくらったにもかかわらずやけに楽しげな様子が、理解に苦しむところだ。 「見ての通り、妹煩悩っぷりが少々イタイが、基本清々しくていいやつさ」 そう言って我が悪友の加奈子への紹介を締め括ろうとするや、 「それをあんたが言う? 兄馬鹿っぷりは似たり寄ったりなんじゃねーの?」 などと宣う。ハハハこやつめ。 事実無根を訴えたい。何を根拠に… 「だってよぉ。桐乃から聞いた感じだと京介こそ 妹が好きで仕方ない、妹の頼みは何だかんだ言っても聞く、妹と離れると寂しがる、なんだろ?」 ……あ、あんにゃろう。 そう言われてしまえば、シスコンを自認しつつある俺としては否定できるわけがないんだが そこらへんの事情を知らない友達に吹聴して回るこたーないんじゃないか。 桐乃のやつは何のつもりで兄の恥態を晒したりすんのかしら… 妹様の動機と、俺の社会的信用の失墜とに頭を悩ませていると 「まー、つい話して聞かせたくなる気持ちはわかんなくもないけどね」 ほど近くのお焚き上げの方向から舞い上がった灰が飛来した。あと、あたりめの匂いも。 風に乗って届いたそれらを意識の片隅にとらえて問う。 「わからなくもない、というと?」 「どんだけ自覚してたかは知んないよ。たぶん桐乃は自慢したかったんでしょ。 自分のこと凄い気にかけて、愛してくれてる兄貴をさ」 愛して、って……。 突然耳に滑り込んだ衝撃的な響きに思わず絶句する。 「『聞いてよバカ兄貴ったらさぁ』とか言ってあんたの話する桐乃ってば、 さっきの、赤城ってったっけ?あんたのダチと同じよ~な顔してたし。 カレシをノロケるバカップルの片割れかって、正直ウザく思うこともあったりした」 妹の周りでの俺の評は既に赤城に引けを取らないレベルのシスコンです 本当にありがとうございました……残念ッ! 「え~と、とにかく。京介が思うほど、あんたのソレは恥ずかしがるばかりじゃないってコト」 そういうものかね。 他でもない当の桐乃に恥ずべきシスコンというからかいを受けすぎたせいか どうも俺は妹相手にあるべき距離を保てない、兄妹離れから遠い関係に落ち着かなさを覚えるんだが 「アタシからしたら、あの日『糞マネ』が」 ふと語りを止めて加奈子はほんの小さな笑いを挟む。 「さんざん話に聞いた桐乃の兄貴だったってわかって、すげー納得っていうか…… あぁ、そういう事なら桐乃がお馬鹿になるのも頷けたっていうか」 お、馬鹿とか言っちゃったよこいつ? 人の妹を、よくまぁ。 それを言ったらお前も大したお馬鹿だろうに、と喉まで出かかった台詞を飲み込む。 言えば俺も含めて愚にもつかない馬鹿ばかりという実態が哀しくなりそうでな 「別にあんたみたいな兄貴がほしいってんじゃないのね。 ただ近頃は桐乃のこと羨ましく感じたりもしたから… アタシもいつの間にかお馬鹿になっちゃったかーって、思う」 桐乃とおんなじに。 そう付け加えて、加奈子は一息ついた。 「京介はどう思う、こんな話聞いてさ。 我が侭で世話のかかる妹分が二人になって面倒が増えるとか。当たり?」 こいつにしては珍しい婉曲的な物言いをする。 そうだな、面倒が増えるに違いない予感はある。 「うーむ……あたり、めでも焼きに行かないか」 それから俺たちは、炙ったあたりめをどう食い進めるのがうまいか意見を戦わせたり、 餅つきに参加して甘酒を振る舞われたり、 参道から外れた入口辺りの屋台を冷やかしたりする。 二人とも文字通りの意味での初詣は済ませているとはいえ、 こういった楽しみを味わえるのは正月ならではと実感された。 「さて、帰る前に形だけでもまた拝みに行っとくか?」 何の気なしに訊ねてみたところ、頓狂なものを見たような顔を向けられる。 「なに言ってんの。そんな次々願い事したらご利益減っちゃうじゃん」 ご利益ねぇ。 神仏に何かを叶えてほしいと切に祈願してるでもない俺としては、 こいつが神頼みを当てにするタイプだというのが新鮮に思える。 いや、神頼みに限らず、大抵の女子はこういう願いをかける類いに思い入れる傾向あんのか。 「それもそうだ、やめとこう」と無難に返事して神社めぐりは切り上げとなった。 加奈子が桐乃にも会っておきたいと言い、例によって家へ寄ることに。 コンパスの違いがあるのでやや遅めに歩く。 しばらくは何を話すでもなく、話題のひとつも振るべきかと気になり出したとき 「なぁ、ちょっといいか」 おずおず…といった風に下から声がかかる。 加奈子は正面に向いたまま、心持ち俯くように続けた。 「こないだのさ、アレ、桐乃がやってたみたく…してみていい?」 この間ってーと……何だっけ。俺が思い出せないままでいると、 「ん~」とでも言ってただろうか、肯定の合図にとったらしい加奈子が横から上着を摘まんだ。 それのことだったか。 ちんまいコイツがやると桐乃と違って微笑ましいんだが、 自分でしといて桐乃以上に恥ずかしがってる様子に当てられ、むず痒い事この上ない。 「普通に手ぇ繋げばいいだろ。ほら」 「うぇ、ちょっ」 年下のガールフレンドと手を繋ぐくらい普通普通と思い聞かせ、手を取る。ままよ! 「加奈子、おまえ随分手が冷えてんな。今日そんなに寒いか?」 照れ隠しに気付かれないよう聞いてみる。 「う~、わっかんない。 けど……京介の手は温かいよ」 それきり両方口を閉ざしたまま家路を辿る。 何か喋るようせっつかれるかと思ったが、杞憂のようだ。 これなんてエロゲ?って思考がちらつくのを努めて振り払う。 いやいやいや。エロゲに限らないし。冷静に、KOOLになれ。 こんな時は素数を数えるんだ…… 変に意識しまくりなのがバレないか必死な俺である。 我が家の門が視界に入ると、加奈子がスルリと手を離す。 「このままってわけにいかないっしょ。惜しいケド」 そ、そーですね。 家族に大仰なリアクションされても困るもんな。 そう言うと、加奈子も苦笑を浮かべた。 玄関をくぐってただいまの声を発した途端、居間の方からドタタ…と誰かさんが駆けてくる。 そいつは体当たりするような勢いで俺の手に抱きつき開口一番に叫ぶ。 「遅~い!!兄貴どこほっつき歩いてんのっ」 妹のあまりの敏捷さに、連れはどうやら面食らって、唖然としている。 「あれ、加奈子も一緒だったんだ? あけましておめでとう」 「あけおめー。てゆーかいくら家ん中でもソレは…ヒクわぁ」 さもありなん。 「あーヤダヤダ。元日から見せ付けてくれちゃってさー」 加奈子は呆れのポーズを強調した。 しかし、ちょっと考えれば解る。桐乃のこれは見せつけとかではないんだ。 俺が帰宅するや否やなんだから、加奈子の目の有る無しは関係ないわけで…… 最近だいぶキャラ変わってきてんのね、コイツ。 「なにそれ、そんな言うなら加奈子もくっつけば? 兄貴イヤがったりしないよ?」 断定すんのかよ。せめて推奨はしないでくれ。 ニヘへ~としながら俺にまとまりつく桐乃を一瞥、ぐぬぬ…って顔をした加奈子は 一時迷いを見せた後「やったろうじゃん」と反対の腕に絡む。 こんなんで対抗意識燃やすなと言いたいのは山々だが、聞きやしないだろう。 こうして俺たちの新年は騒々しく始まったわけさ。先が思いやられるっつーの。 終
https://w.atwiki.jp/ova-v/pages/56.html
所属 ミグラント(OVA)(リンク切れ) 職業 調達屋 性別 男 身長 160cm 年齢 68歳 設定使用条件 フリー 「お前さんの腕とワシの知恵があれば絶対上手くいく! 儲けもガッポリじゃぜ! ガハハ!」 「何でも屋のフランク」を名乗る物資調達を生業とするミグラント。 その調達っぷりは武器弾薬から果てはプレゼントの花束まで何処からともなく調達してくる。 金にがめつい反面義理人情に厚い人物で、孫娘とサルベージ中に武装勢力に襲われた所をロウツェン達に助けられて以降は後援者として支援していた。 OVAに腰を落ち着けて物資調達の商売を広げた頃、ザ・フリークスの悲報を聞き、ロウツェンをOVAへと誘う。 運搬、調達屋の成功者として財を成し、顔も広いが外見は小汚い好々爺で、いつもフリークスでタダ酒を飲んでは酔っ払っている、何処か抜けていて憎めない男。 投稿者:アール
https://w.atwiki.jp/vip_oreimo/pages/271.html
467 名前: ◆5yGS6snSLSFg[sage saga] 投稿日:2011/03/11(金) 14 04 23.27 ID TnzDLdHjo [3/4] 麻奈実「ぜーがぺいん?」 京介「ああ、ちょっと昔のゲームなんだけどけっこう面白いんだぜこれ。二人用だからおまえらとやろうと思ってさ」 黒猫「……どうして私達二人なの?」 京介「なんとなくだ」 ―――――― 麻奈実「きょうちゃん、ホロニックランチャー右手~」 京介「あいよ」 ―――――― 黒猫「あははははは、我こそはウィッチ! 先輩、ホロニックブレード右手!」 京介「黒猫、いきいきしすぎだろ」 ―――――― 麻奈実「きょうちゃんの!」 黒猫「先輩の!」 麻奈実・黒猫「「リアシートは渡さない!」」 京介「……なんか二人が恐いんだけど。おまえら感情移入しすぎだ、落ち着け」 おわり
https://w.atwiki.jp/homuhomu_tabetai/pages/1070.html
作者:Ksi1WTrx0 861 名前:なんかこうなりそう[sage saga] 投稿日:2011/09/17(土) 23 24 26.71 ID Ksi1WTrx0 恭介(やっぱ巨乳はいいなあ) ガラッ マミ「えーと、美樹さん居るかしらー?」ばいんばいん 恭介(な・・・まみまみに似た人が!?) みゃみ? 恭介(ロリじゃないのは残念だけど、あの胸・・・) マミ「今日の放課後は・・・」ゆれゆれ 恭介(いやいや、落ち着け恭介、お前はロリ巨乳にしか興味が) みゃみぃ☆ マミ「新しい技を・・・」ぴょんぴょん ぼいーん 恭介(かはっ・・・!) 恭介(ああもうどうにでもなーれ!) 恭介「まみまみに似た人ー!結婚してくれー!」ドゲザァァ マミとさやか「「!?」」 感想 すべてのコメントを見る
https://w.atwiki.jp/ddff_orique/pages/91.html
【登録タグ F FF4 カイン】 【タイトル】FFⅣガリ伝 ジ・アフターイヤーズ ガリの帰還 【概要】Ⅳと4TAの間のストーリーを作ってみましたが、内容は完全ネタです。パラレル世界の4TAへ続きますが本編の4TAへ続きません。理由はEDで。 【対象】 【バトル】プレイヤーはカインのみです 【作者より】 【コード】0000-1097-2046-3728 スレ感想 【初代スレ】 初めてガリをグーで殴りたくなったわw( 305) 面白かったけど、オチがブラックだなw兄さんの断末魔に吹いたw( 306) カイン大暴走w悪い方の半身じゃないよな?wオチはもう本当そうならなくて良かったと思いますw一撃必殺出来る設定なのは簡単に進めるような配慮?焦ってHP攻撃ミスり逆にやられる俺落ち着け( 575) コメント 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/anerowa/pages/85.html
最悪の悪夢を見させられ 「こんな悪趣味な夢、誰が見てるんだよ……!」 吐き捨てながらも頭の中を必死で落ち着かせようとする。 落ち着け、落ち着け……そうだ、誰かが殺されるような夢、今までだって見てきたことはあるだろう……! 少しだけ、ほんの少しだけ空回りし続けていた頭が落ち着いていく。 「よし、順番に考えていこう……かったるい」 意識的にいつもの口癖を言う。そうでもないと気がどうにかなってしまいそうだった。 俺は朝倉純一、出身は初音島、両親は海外で今は義妹の音夢と暮らしている。 そして出来損ないの魔法使い……魔法使いである祖母ちゃんの血を受け継いでいるものの、使える魔法は「和菓子を出すこと」と「他人の夢を見させられる」二つだけ。 よし……ここまではいい。次だ。 いつも通りかったるい授業を受けて、いつも通り杉並が馬鹿やって、いつも通りさくらにつきまとわれて……そうだ、全部いつも通りだったはずだ。 「なら、さっきのあれは何だってんだ……!?」 落ち着きを取り戻すため、これはいつもと同じ他人の夢なんだと自分に言い聞かせていたものの、そんな訳がない。 夢で見たのとはまったく違う感覚、リアルな血の臭い、空気、全てがこれは現実だと告げていた。 そう、現実なのだ。 自分の知り合いの少女は、水橋眞子は……死んだ。 「――――――っ!」 せっかく落ち着きを取り戻しかけていた頭が暴走する。 死? 死ってなんだよ。 眞子が死んだ? どうして? あいつ、何もしてないだろう? 男勝りで乱暴者だったけどさ、心の底から良い奴だって胸張って言えるような……そんな奴だ。 その眞子が、どうして……! 「かったりぃ……!」 ああくそ、こんなにかったるいのは初めてだ……! この首輪が爆発したら、それだけで俺達は死ぬ。 音夢も、さくらも、ことりも、杉並でさえだ。 生き残りたければ他の人間を殺せ? そうすればご褒美だって? そのご褒美とやらで「この場」で殺した人間は生き返らせてくれるのか? ……可能性はあるが、低い。 こんな訳のわからない殺し合いを強要するような狂人、そもそも約束を守るかどうかさえもわからない。 それに、俺はお世辞にも運動神経がいいとは言えない、そりゃ人並みはあるが、杉並なんかとは比べモノにすらならないだろう。 そんな俺が勝ち残れると思うか? それこそさくらや音夢なんかには負けたりしないだろうが……知り合いを、人を殺すなんてとてもできそうにない。 「……となると」 この場から何とかして逃げるしかない。 眞子の仇は取ってやりたいと思う、だけど死者の復活だなんて、祖母ちゃんやさくらでも使えなさそうな魔法をあっさりと使ったあいつらに、俺なんかががむしゃらに反抗したって殺されるだけだ。 ……杉並。 やはり、この状況で頼れるのはあいつしかいない。 俺だけじゃこの島から逃げることも、反抗する手段も思いつかない。 だけど杉並なら……あいつなら何か、こんな状況でもあいつらに一泡吹かせる手段を考えているかもしれない。 「ああ、くそ……!」 この考えが逃げだってことは自覚してるさ。 いくら杉並だって魔法に立ち向かえるかなんてわかりやしない、そもそも逃げ出せる隙があるかどうかさえわからない。 だけど、何かそんな可能性にでもすがらなきゃ、壊れちまいそうだ。 音夢、さくら、ことり……みんなは大丈夫なのか? どこかで泣いてやしないか…… 杉並も……そういやあいつ、眞子と仲良かったな……いつもどつかれてたけどさ…… かったるい。 色々考えるのも、今の気分も、状況も、このデイバックの重みも、何もかもがかったるい。 だけど、だけどさ。 「殺させて、たまるかよ……!」 【C-6 市街地/1日目 深夜】 【朝倉純一@D.C.P.S.】 【装備】:無し 【所持品】:支給品一式、不明支給品1~3 【状態】:健康 【思考・行動】 基本:みんなを連れて殺し合いの場から逃げだす 1:杉並を探し逃げる手段を探す 2:音夢、さくら、ことりと合流 3:できるなら、人を殺したくはない。他の人が殺されそうだったら……? fear <前 次> 戦う理由は人それぞれ(前) ▲上へ戻る
https://w.atwiki.jp/agu-agu/pages/50.html
「アグリアスさんのミルクが飲みたいんですが」 「うむ、任せろ」 こんにちはアリシアです。 庭でお喋りをしていたアグリアス様とラムザさんに声をかけようとしたら、 いきなりトンデモ発言を発してしまってどうしたものかと頭を抱える私。 ちょっといやらしい話になりますが、男性も女性も、出せますよね。ミルク。 けれど、その、ええと……女性が出すには、その、ねえ? でも出産しなくとも母乳が出せたというケースも聞いた事があります。 しかしまさがアグリアス様が、その、ミルクを出せて、挙句、殿方に飲ませるとか。 これなんてエロゲ? そう言わざるえない。この世界にエロゲがあるのかとか、そういう問題じゃない。 官能小説なら鞄の置くに隠してるけど、それもこの際関係ない。 アグリアス様はそっち方面の話に疎いし、貞淑だし、生真面目だし。 そんなアグリアス様が搾乳プレイだなんて全年齢板でやっていいネタじゃないでしょう。 いや落ち着くのよアリシア。落ち着けば、落ち着け、落ち着く時、落ち着けられるはず。 BE COOL! BE COOL! そう、だからこれは、あのパターンだと私は予見する。 例えるならゲームをプレイしていて、こんなセリフを言うとしよう。 「きゃっ、そこはダメ」「アッ、アッ、アッ」「もう(HP的な意味で)逝っちゃう」 それを扉越しに聞いた人は勘違いする。 そして「何をしているんだ!」と闖入して、赤っ恥をかく、と。 そうよアリシアその通り、だから私は勘違いなどしない。 「アグリアスさんは本当に乳搾りがお好きでいらっしゃる」 「あぐっ……だって、気持ちいいんだぞ」 OK……完璧に読んだ。これは、アレよ。作者が誰かを考えれば答えは簡単。 まったく、同じオチを使い回すだなんて、ネタ切れなのかしら? いざ、という時になったら文字化けっぽい文章で誤魔化して終了よ。 「実はラッドも乳搾りが好きみたいなんですよ。昔はよくやってたって」 「ほう、意外だな」 「貴族の出で乳絞りをなさっているアグリアスさんの方が意外ですよ」 「いや、楽しくて……子供の頃にやってから、病み付きというか」 あー、あー、聞こえなーい。 牡牛座のアルデバランのように鼓膜を破るべきでしょうか。 ていうか、何で? ラッドもなの? ラッドもそういう性癖なの? 私、知らないよ? 求められてないよ? 何か頭が爆発しそう。 万能薬を飲みたい。私は今、混乱しているのだろうから。 万能薬……万能薬はどこ……。 「む?」 「アグリアスさん、どうかしましたか?」 「いや、アリシアがそこにいたような気がしたのだが……?」 「アリシアが? 気のせいではありませんか?」 「しかし、いい話をもらったな。 山羊の乳搾りを手伝えば、食事代を少しまけてくれるというのだから」 「朝早くに起きなきゃいけないから、結構つらいんでしょうね。 アグリアスさんの搾ったミルクを早く飲みたいです」 「任せろ、私は山羊の乳搾りの達人だ!」 「じゃあ明日の朝、お願いしますね」 「ああ。せっかくだからラッドにも手伝わせよう」 おはよう、アグリアス・オークスだ。 今日は宿で飼われている山羊の乳搾りを手伝い、食事代をまけてもらった。 朝食の席には、もちろん私の搾ったミルクが並んでいる。 ラムザはとてもおいしそうに飲んでくれていて、何だか気恥ずかしい。 私が乳搾りなどといった貴族らしからぬ趣味を持っているなど、 他のみんなは知らないだろう。だから、ラムザと二人きりの秘密だ。 ――と思ってたら。 「よぉ、アグリアス」 ラムザと歓談しながら食事をしていたラッドが、 ミルクを持って私の隣席へとやって来た。 と同時にアリシアがぎょっとした表情でこちらを見る。……何だ? そういえば昨日から様子がおかしい。 妙におどおどしているし、なぜか私の身体をチラチラと見るし、 体調不良だったのか万能薬を十本も飲んだ。 「ラムザから聞いたぜ」 私が部下の事で悩んでいるなど微塵も気に留めずラッドは続けた。 「騎士様は意外な趣味を持ってるようだな」 「あぐっ……ラムザめ、喋ってしまったか」 「まあ、人に知られたくないってんなら黙ってるから安心しろ」 「すまんな。で、用件は?」 「次やる時は俺にもやらせろ」 そう言って微笑むラッドは、素朴な少年のような顔をしていた。 傭兵などと血生臭い仕事をしていても、 子供の頃は家畜の乳を搾って暮らすよう平和な日々を送っていたのかもしれない。 乳を搾る時の感触、ミルクがバケツ一杯に溜まった時の達成感。 そして自分で搾ったミルクを飲んだり、チーズを作ったりするのは、とても楽しい。 ラッドも、そういう気持ちを忘れていないのだろう。 だから。 「ああ、いいぞ。今度一緒にやろう」 「おう、楽しみにして――」 ラッドの言葉の途中で、突如、あまりにも唐突に、アリシアが椅子を倒して立ち上がった。 いったい何事か、顔は真っ赤に染まり瞳がわずかに濡れている。 やはり悩み事でもあったのだろうか? どうした? と、問いかけるよりも早く、アリシアは叫んだ。 「わた、私の胸を、搾ればいいじゃないッ!」 ………………。意味が解らん。 食堂の空気と時間が凍りつき、皆の視線はアリシアへと向けられたまま固まっている。 ラッドも、何事なのか理解していないようで、目を丸くしている。 私も意味が理解できずにいて、頭の中が真っ白になってしまった。 ――その後、ラッドがアリシアをなだめ、食堂から連れ出し、十数分後、 ラッドが一人で戻ってきて言った。 「さっきの件はみんな忘れてくれ。でないとアリシアの奴、首を括りかねん」 こうして私達はアリシアの意味不明の発言を忘れるよう努めたが、 一ヶ月くらい気まずい雰囲気は払拭できなかった。 「搾乳プレイ……いいなぁ」 「む? ラムザ、今何か言ったか?」 「いえ、ミルクおいしいなぁ……って」 終われ
https://w.atwiki.jp/dmps_fun/pages/1246.html
PREV:第2話 前編 NEXT:第3話 前編 ストーリー グルルルル…… クリーチャー しぶとい野郎だ……! 赤城山バサラ グルルウ! クリーチャー 挑発してやがるのか? 赤城山バサラ いいぜ、乗ってやるよ正面から叩き潰してやるっ! 赤城山バサラ バサラのやつ……!好き勝手しやがって! No.2 おらあっ!! 赤城山バサラ バサラっ!しゃがめっ! No.2 グアアァァ!! クリーチャー ……助かった恩に着るぜ 赤城山バサラ これも俺の役目だからな No.2 だが、いい加減落ち着けさっきから無茶な行動ばかり No.2 ここに来なければクリーチャーと争うことも無かった No.2 ドクターの地図を無視してクリーチャーの縄張りに足を踏み込んで No.2 しかもそのクリーチャーにストレスをぶつけるような真似までして……! No.2 ………… 赤城山バサラ もうこんな真似はするな頭を冷やせ No.2 よし、この辺りでいいだろう No.2 ほら、このドリルを使え岩肌を慎重に掘り進めるんだ No.2 よっしゃ、俺に任せとけすぐにこんな岩くらいぶっ壊してやるよ! 赤城山バサラ うぉおおおおお 赤城山バサラ まて、落ち着けそんなあてずっぽうに掘ってどうする No.2 ここは洞窟の中だ俺達が穴をあけたせいで崩れる可能性だってある No.2 仕方ねぇ……だが、本当にここに素材があるんだろうな 赤城山バサラ 可能性が高いってだけだ無駄足だったってことも十分にあり得る No.2 だが、ここで見つけられなければ入荷を待つしかなくなる No.2 あることを信じて、忍耐強く掘り続けるしかないだろう No.2 忍耐強くか……今の俺には一番嫌な言葉だ 赤城山バサラ ん? 何か出てきたぞあ! これって求めていた金属じゃねぇか!? 赤城山バサラ それだ! よくやった!これで俺達のバイクが直せるぞ No.2 よし、とっとと回収して博士のとこに持ってくぞ! 赤城山バサラ よぉ、ドクター目当ての物は持ち帰ったぜこれで直してくれるんだろうな? 赤城山バサラ おお!良かった良かった!無事戻ったか! Dr.ルート やはりワシの予想通りあのエリアには資源が多く眠ってそうじゃな…… Dr.ルート そうなるとこっちのエリアは…… Dr.ルート おい、あの世界の資源のことはどうでもいい 赤城山バサラ とにかく早くパーツを用意してくれ 赤城山バサラ わかっておる、そう焦るな Dr.ルート バイクのパーツじゃがまあ、一日もあれば出来るじゃろう Dr.ルート それに、マッカランから廃番パーツも届いておる持っていけ Dr.ルート お主らは先に調整でもして待っといてくれ Dr.ルート 分かったありがとう No.2 ようやく明日には直るってわけか 赤城山バサラ 長かったぜ……この数日 赤城山バサラ 持ってきてもらった廃番パーツは完ぺきだ No.2 後はドクターの作ったパーツさえ上手く適合させることが出来れば問題ない No.2 早く走りてえ……! 赤城山バサラ こんなにもバイクに乗らなかったのは久しぶりだぜ 赤城山バサラ PREV:第2話 前編 NEXT:第3話 前編
https://w.atwiki.jp/jewelry_maiden/pages/960.html
電「とーちゃく。たいさ?」 (意訳:目的地に到着した。大佐、指示を頼む) 天「うんうん。こそこそでごー♪」 (意訳:ここからが本番だぞスネーク。敵に見つからないように隠れて進むんだ) 電「りょーかい。───たいさ?(涙目)」 (意訳:了解した。───大佐、このドレスでは目立ちすぎてしまう。どうすればいい?) 天「よしよし。ぬぎぬぎしてがさごそだ」 (意訳:落ち着けスネーク。そういう時は服装を変更すればいいんだ) 電「りょかい。──だいじょぶ」 (意訳:わかった。──よし、大丈夫そうだ) 天「ん。そーっとそーっと…」 (意訳:よし、そのまま見つからないように進むんだ) 蛋「マスターーー!大変大変大変!お姉様と天河石がいなくなっちゃった!服を残して!」 主「えぇ!?」