約 1,532 件
https://w.atwiki.jp/niconicomugen/pages/8629.html
武装派vs肉体派 男女混合で40タッグ 解説 『Fist or Twist』、『同2』、『打撃vs投げ 交代式タッグ大会』に続く、you氏によるMUGEN大会第4弾。 今回は武装派と肉体派に分かれての対抗戦。 基本システムは前大会同様、TAG TEAM MODEを使用したタッグ戦。 細部まで作り込まれた演出は、MUGEN動画に興味がない人でも夢中になること間違い無し。 ルール 大会の流れ 初めに勢力毎の総当り戦によるポイント獲得戦を行う。 試合を終えたタッグは勝敗に関わらず一旦ランセレから外れ、5試合経過後に復帰する。 これを全タッグが4戦するまで続ける。 獲得ポイント(後述)に応じて勢力毎に6組の代表を選抜する。 獲得ポイントが同一の場合は対戦で代表を決める。 代表決定戦のルールは予選と同じポイント制。 最後は代表同士の6VS6マッチで勝敗が決まる。 勝利したタッグの勢力に勝ち星が1つ与えられ(大将のみ2つ)、勝ち星を多く獲得した勢力が優勝となる。 試合設定 ゲームスピードFast1、Life140%、パワーゲージ5本固定。 時間制限無しの1本勝負。 決勝戦ではLife180%・ゲージ回復速度上昇・交代不可時間大幅減少となる。 戦闘中のシステム + 一覧 通常交代(ゲージ消費なし) 待機中のパートナーと交代。発動途中から無敵。 アシスト攻撃(ゲージ消費なし) 後衛のパートナーが特定の攻撃で援護する。やられ中は呼び出し不可。 クイックシフト(ゲージ1本消費) 攻撃中にパートナーと交代する。 セービングシフト(ゲージ3.5本消費) 喰らいモーション中にパートナーと交代する。 ディレイドコンボ(対応技+ゲージ0.5本消費) 攻撃動作中にパートナーがゲージ技を出しつつ交代する。 自動ゲージ増加 常にパワーゲージが上昇、待機中のキャラは体力自動回復。 「だったらイケるぜ!!!」 攻撃力補正 パートナー戦闘不能時、攻撃力1.3倍。 「仇はオレが討つ!!!」 部位破壊システム 1対1かつ体力が30%以下の状況でゲージ技がヒットすると、技毎に特定の部位が損傷。 次戦で損傷箇所に応じたマイナス補正が適用される。 1戦経過で完治する。 + 一覧 頭部破壊 ゲージ自動増加 なし 「普通人ならば確実に死んでいたッ!」 胴体破壊 防御力20% 「防禦(うけ)が通用しないッ!」 腕部破壊 攻撃力20% 「ちょうどいいハンデつけてやったぜッ!」 脚部破壊 攻撃力、防御力10% 「いッッ痛ッた~~~~~ッッ!」 獲得ポイント 勝利したチームは2人生存で 3P 、1人生存で 2P 。 敗北したチームは相手を1人撃破していれば 1P 、撃破できなければ0P。 出場選手 + 武装派(20タッグ) チーム名 前衛 後衛 No.1Shovel -シャベル- リップ・セイバー(ですからー氏、デフォルトAI) 恵飛須沢胡桃(にゃんちゃ氏、カオス同盟氏AI) No.2Pile Bunker -パイルバンカー- アルトアイゼン(kN氏、ホルン氏AI) ゼニア・ヴァロフ(bey氏、eurota氏AI) No.3Hidden weapon -暗器- まりん(KoopaKoot氏、ドルジ氏AI) レイレイ(Zelgadis296氏、ほうとう氏AI) No.4Medical deice -医療機器- ファウスト(無敵医師氏、デフォルトAI) 白鳥クリス(mass氏、デフォルトAI) No.5Sickle -鎌- テスタメント(無敵医師氏、平成㌢氏AI) ヒロ(IF氏、Azmix氏AI) No.6Bow -弓- 幾世あやね(chikuchikugonzalez氏、デフォルトAI) 鹿目まどか(わりばし氏、洞井氏AI) No.7Sword -剣- ピエール・モンタリオ(ですからー氏、デフォルトAI) アグリアス・オークス(おかん氏、デフォルトAI) No.8Handgun -拳銃- ホル・ホース(y.y氏、J・J氏AI) アノニム(NS氏、デフォルトAI) No.9Umbrella -傘- 烏鈴(mass氏、デフォルトAI) 多々良小傘(minoo氏、おまけの人氏AI) No.10Heavy weapons -重火器- アイアンマン零号(1%氏、デフォルトAI) 暁美ほむら(サイクビーム氏、お家氏AI) No.11Doll -人形- リーゼロッテ・アッヒェンバッハ(ミマァ氏、デフォルトAI) 月読きなこ(Songfu氏、Shao氏AI) No.12Folding Fan -扇- 御津闇慈(無敵医師氏、ナテルオ氏AI) 不知火舞(如月銃駆氏、ピータン氏AI) No.13Spear -槍- 蒼月潮(cabocha氏、コルクボード氏AI) 寅丸星(星カスタム)(阿=李苑氏、デフォルトAI) No.14Dagger -短刀- ハンゾウ(Mouser氏、コケココ氏AI) 斬鉄(HAL氏、デフォルトAI) No.15Claw -爪- シャア専用ズゴック(GM氏、デフォルトAI) チョイ・ボンゲ(Noobic Cube氏、デフォルトAI) No.16Katana -刀- 牙神幻十郎(TightRiam氏、デフォルトAI) 高嶺響(HSR氏、デフォルトAI) No.17A -鈍器- モーラ(kayui uma氏、青色⑨号氏AI) 鈴木ぼたん(製作者不明、Silvan氏AI) No.18Anchor -錨- メイ(無敵医師氏、ナテルオ氏AI) 村紗水蜜(minoo氏、カルフム氏AI) No.19Cloth -布- 蛇蛟(mass氏、デフォルトAI) ローズ(如月銃駆氏、青村氏AI) No.20Stick -棒- Mr.BIG(青村氏、デフォルトAI) イーグル(Gal129氏、デフォルトAI) + 肉体派(20タッグ) チーム名 前衛 後衛 No.21Kick boxing -キックボクシング- ディージェイ(ですからー氏、デフォルトAI) ティア・ラングレー(ですからー氏、デフォルトAI) No.22Combat sambo -コマンドサンボ- ウルフ教官(ですからー氏、デフォルトAI) ブルー・マリー(青っぽい猫氏、蓬莱氏AI) No.23Dancing -ダンス- ダック・キング(アフロン氏、コケココ氏AI) フェリシア(木。氏、デフォルトAI) No.24Taekwondo -テコンドー- キム・カッファン(アフロン氏、鳶影氏AI) 梁瀬かおり(青村氏、デフォルトAI) No.25Pro Wresting -プロレス- マスク・ザ・グリフォン(T-Alf氏、蓬莱氏AI) マイク・ハガー(ですからー氏、デフォルトAI) No.26Boxing -ボクシング- ダッドリー(Buckus氏、sk氏AI) リック・ストラウド(日本破壊結社NHK氏、誠治氏AI) No.27Martial arts -マーシャルアーツ- テリー・ボガード(T-Alf氏、蓬莱氏AI) レイ・マクドガル(ですからー氏、デフォルトAI) No.28Muay thai -ムエタイ- ジョー東(H''氏、鳶影氏AI) アドン(ですからー氏、デフォルトAI) No.29Wresting -レスリング- 久保田潤(NS氏、デフォルトAI) マーシャ・アターバック(NS氏、デフォルトAI) No.30Assassination -暗殺拳- 麟(アフロン氏、ヅァギ氏AI) 元(ですからー氏、デフォルトAI) No.31Karate -空手- 二代目Mr.カラテ(Jin氏、鳶影氏AI) 神威翔(ですからー氏、デフォルトAI) No.32Street fighting -喧嘩- 溝口誠(とけい氏、NS氏AI) 星熊勇儀(minoo氏、エマノン氏AI) No.33Ancient martialarts -古武術- 草薙柴舟(鳶影氏、デフォルトAI) 藤堂竜白(くねくね氏、デフォルトAI) No.34Self defense -護身術- カーマン・コール(mass氏、NS氏AI) セス(はっぱ氏、デフォルトAI) No.35Judo -柔道- 大門五郎(アフロン氏、ペパーミント氏AI) 山田十平衛(RUN氏、デフォルトAI) No.36Sumo -相撲- 播磨灘(ですからー氏、デフォルトAI) 四条雛子(そーがん氏、デフォルトAI) No.37Total fighting -トータルファイティング- アーデルハイド(TightRiam氏、デフォルトAI) 範馬刃牙(tokage氏、誠治氏AI) No.38Chinese martialart -中国拳法- 牙刀(GM氏、はっぱ氏AI) 魏(HM氏、sekt氏AI) No.39Ninja arts -忍術- 如月影二(RYO2005氏、大鑑氏AI) かすみ(akkin氏、デフォルトAI) No.40Violence -暴力- K (TightRiam氏、デフォルトAI) 新条サキ(青村氏、デフォルトAI) ※以下ネタバレ注意 + 新聞記事(記者・引木) Part1 1回戦 Mr.BIG&イーグル VS 溝口誠&星熊勇儀 開幕勝利 Mr.BIG&イーグル 格闘界へ殴り込み 2回戦 シャア専用ズゴック&チョイ・ボンゲ VS アーデルハイド&範馬刃牙 地形適応オールS シャア専用ズゴック&チョイ・ボンゲ 水陸鍋でも高性能 3回戦 牙神幻十郎&高嶺響 VS ジョー東&アドン タイガー&ジャガー ジョー東&アドン ムエタイこそが地上最強の格闘技 4回戦 まりん&レイレイ VS 久保田潤&マーシャ・アターバック 目指すは霊長類最強 久保田潤&マーシャ・アターバック 武器に怯んでいられない 5回戦 ハンゾウ&斬鉄 VS マイク・ハガー&グリフォンマスク 最強流派への道 ハンゾウ&斬鉄 如月流、アメリカへのプロモーション成功 Part2 1回戦 アルトアイゼン&ゼニア・ヴァロフ VS 草薙柴舟&藤堂竜白 「古」豪対決 草薙柴舟&藤堂竜白 火器対策は万全だ 2回戦 アイアンマン零号&暁美ほむら VS 二代目Mr.カラテ&神威翔 解禁、超必殺 二代目Mr.カラテ&神威翔 武器を持った奴が相手なら、覇王翔吼拳を使わざるを得ない 3回戦 メイ&村紗水蜜 VS ディージェイ&ティア・ラングレー 乱戦で生きる技術 ディージェイ&ティア・ラングレー パワータッグを僅差でさばく 4回戦 烏鈴&多々良小傘 VS ダッドリー&リック・ストラウド 突き、薙ぎ、防御 烏鈴&多々良小傘 職質回避の万能武器 5回戦 蒼月潮&寅丸星 VS 麟&元 妖怪大戦争 麟&元 腕伸び、毒吐き、死ぬ死ぬ詐欺 Part3 1回戦 テスタメント&ヒロ VS 播磨灘&四条雛子 正面突破は分が悪い テスタメント&ヒロ よろしい、ならば搦手だ 2回戦 蛇蛟&ローズ VS ウルフ教官&ブルー・マリー 締めは捌き 蛇蛟&ローズ 間合いを保ち呼び込んだ勝利 3回戦 モーラ&鈴木ぼたん VS 大門五郎&山田十平衛 おなごと一本勝負 大門五郎&山田十平衛 それにしてもこの老人、ノリノリである 4回戦 ピエール・モンタリオ&アグリアス・オークス VS カーマン・コール&セス 剣使いは対策済 カーマン・コール&セス さかのぼる事2001年 5回戦 リーゼロッテ・アッヒェンバッハ&月読きなこ VS K'&新条サキ 改造人間激突 リーゼロッテ・アッヒェンバッハ&月読きなこ 激戦制し、ブログアクセス数うなぎ上り Part4 1回戦 シャア専用ズゴック&チョイ・ボンゲ VS 溝口誠&星熊勇儀 刃物やロボが相手でも 溝口誠&星熊勇儀 ファイトスタイル変わりなし 2回戦 ホル・ホース&アノニム VS ダック・キング&フェリシア 舞台はストリート ダック・キング&フェリシア シスター同士でどつき愛 3回戦 御津闇慈&不知火舞 VS 牙刀&魏 爆乳ハイパーバトル 御津闇慈&不知火舞 不知火舞、勝利のために舞い忍びます! 4回戦 ファウスト&白鳥クリス VS アーデルハイド&範馬刃牙 格闘一家のDNA アーデルハイド&範馬刃牙 共に迷惑な父を持つ者同士のシンパシー 5回戦 リップ・セイバー&恵飛須沢胡桃 VS 二代目Mr.カラテ&神威翔 ここぞで頼れる男 二代目Mr.カラテ&神威翔 まさにSHO様 Part5 1回戦 メイ&村紗水蜜 VS 如月影二&かすみ 徒手空拳の実力 如月影二&かすみ 忍者は素手でも強かった 2回戦 幾世あやね&鹿目まどか VS ダッドリー&リック・ストラウド 対アウトレンジ戦法 ダッドリー&リック・ストラウド 異種格闘でも通じるセオリー 3回戦 牙神幻十郎&高嶺響 VS 大門五郎&山田十平衛 寄らば斬ります 牙神幻十郎&高嶺響 寄らなくても、寄って斬ります 4回戦 ピエール・モンタリオ&アグリアス・オークス VS ジョー東&アドン 背水の逆転劇 ジョー東&アドン チャンプと神の合わせ技 5回戦 リーゼロッテ・アッヒェンバッハ&月読きなこ VS キム・カッファン&梁瀬かおり キム氏、ヒートアップ キム・カッファン&梁瀬かおり 悪魔召喚に殺し屋家業…教育的指導が必要だッ Part6 1回戦 リップ・セイバー&恵飛須沢胡桃 VS 麟&元 あんさつぐらし! 麟&元 隙って突いてみた、Die好き 2回戦 アルトアイゼン&ゼニア・ヴァロフ VS テリー・ボガード&レイ・マクドガル 餓狼VS孤狼 テリー・ボガード&レイ・マクドガル まっすぐ突っ込みぶっとばす 3回戦 アイアンマン零号&暁美ほむら VS ダック・キング&フェリシア クールハンティング アイアンマン零号&暁美ほむら 野生、文明に敗北 4回戦 モーラ&鈴木ぼたん VS K'&新条サキ 大会最長試合決着 K'&新条サキ 肉体、精神共に消耗 5回戦 まりん&レイレイ VS ウルフ教官&ブルー・マリー 死ぬほど痛いぞ ウルフ教官&ブルー・マリー 燃えだすような 熱い魂 Part7 1回戦 シャア専用ズゴック&チョイ・ボンゲ VS 如月影二&かすみ 忍者の薫陶 如月影二&かすみ 機械相手の闘いも指導済 2回戦 Mr.BIG&イーグル VS 久保田潤&マーシャ・アターバック 手数VS豪打 久保田潤&マーシャ・アターバック 猛攻耐えきり勝ち星掴む 3回戦 幾世あやね&鹿目まどか VS 牙刀&魏 兵は詭道なり 幾世あやね&鹿目まどか 近距離戦、実はイケる 4回戦 烏鈴&多々良小傘 VS ディージェイ&ティア・ラングレー アンブレラタッグ快勝 烏鈴&多々良小傘 やったね。凄いね 5回戦 御津闇慈&不知火舞 VS 草薙柴舟&藤堂竜白 草薙家の実力 草薙柴舟&藤堂竜白 神器としての歴史が違う Part8 1回戦 ホル・ホース&アノニム VS マイク・ハガー&グリフォンマスク 拳銃相手も業務の一環 マイク・ハガー&グリフォンマスク ハガー流、カラダのマニフェスト 2回戦 蒼月潮&寅丸星 VS ウルフ教官&ブルー・マリー 連携フィニッシュ 蒼月潮&寅丸星 なお寅丸氏、相方の槍が怖い模様 3回戦 メイ&村紗水蜜 VS ダッドリー&リック・ストラウド 前口上に偽りなし ダッドリー&リック・ストラウド Let's fight ilke gentlman! 4回戦 ハンゾウ&斬鉄 VS K'&新条サキ 磨き抜かれた技 ハンゾウ&斬鉄 暴に負ける道理無し 5回戦 蛇蛟&ローズ VS 播磨灘&四条雛子 神事双撃カーニバル 播磨灘&四条雛子 満員御礼大感謝 Part9 1回戦 ピエール・モンタリオ&アグリアス・オークス VS テリー・ボガード&レイ・マクドガル 騎士と貴族と名誉の勝利 ピエール・モンタリオ&アグリアス・オークス 待機満たす力震え、我が腕をして閃光とならん 2回戦 アルトアイゼン&ゼニア・ヴァロフ VS 二代目Mr.カラテ&神威翔 強襲・突撃・カウンター アルトアイゼン&ゼニア・ヴァロフ 一芸特価の強み、見せつける 3回戦 幾世あやね&鹿目まどか VS キム・カッファン&梁瀬かおり 追詰められていたんでしょう 幾世あやね&鹿目まどか 最後に武器として使用したのは己の肉体でしたよ 4回戦 テスタメント&ヒロ VS カーマン・コール&セス 自身を守りきる カーマン・コール&セス 人外相手に護身成功 5回戦 リップ・セイバー&恵飛須沢胡桃 VS 如月影二&かすみ 現代兵器の勝利 リップ・セイバー&恵飛須沢胡桃 ニンジャ、斃すべし! Part10 1回戦 モーラ&鈴木ぼたん VS ジョー東&アドン 常住戦陣萌え腐教 モーラ&鈴木ぼたん オタクパワーにはまいったな! 2回戦 Mr.BIG&イーグル VS 牙刀&魏 廃墟で屈強な男四人 牙刀&魏 前や後ろから、指や棒を抜き挿し 3回戦 ハンゾウ&斬鉄 VS ディージェイ&ティア・ラングレー タイムトラベルの恩恵 ハンゾウ&斬鉄 現代格闘技にも対応済みでござる 4回戦 ファウスト&白鳥クリス VS 溝口誠&星熊勇儀 尻ASS展開 ファウスト&白鳥クリス オペ終了成功です 5回戦 御津闇慈&不知火舞 VS マイク・ハガー&グリフォンマスク 半裸でGO マイク・ハガー&グリフォンマスク サービスシーン増量でお届け Part11 1回戦 牙神幻十郎&高嶺響 VS ウルフ教官&ブルー・マリー 極めたら折る ウルフ教官&ブルー・マリー 戦場ゆえ致し方なし 2回戦 ホル・ホース&アノニム VS テリー・ボガード&レイ・マクドガル 銃は拳よりも強し ホル・ホース&アノニム ンッン~名言だなこれは 3回戦 リーゼロッテ・アッヒェンバッハ&月読きなこ VS 二代目Mr.カラテ&神威翔 正統派を討伐 リーゼロッテ・アッヒェンバッハ&月読きなこ ペースを乱して掴んだ勝利 4回戦 烏鈴&多々良小傘 VS 麟&元 同じタイプの暗殺者 麟&元 殺し屋と妖怪のタッグ、男性陣に軍配上がる 5回戦 まりん&レイレイ VS ダッドリー&リック・ストラウド 意識の隙間をつく暗器 まりん&レイレイ 上から来るぞ!気をつけろ! Part12 1回戦 メイ&村紗水蜜 VS キム・カッファン&梁瀬かおり 瞬間、攻撃、重ねて メイ&村紗水蜜 目標を空中に浮かせて追い打ち 2回戦 アイアンマン零号&暁美ほむら VS カーマン・コール&セス 間隙を縫うスタイル カーマン・コール&セス 地味だが実に効果的 3回戦 シャア専用ズゴック&チョイ・ボンゲ VS 草薙柴舟&藤堂竜白 指導者ご満悦 シャア専用ズゴック&チョイ・ボンゲ 某テコンドー選手、「成果が出た」と語る 4回戦 蒼月潮&寅丸星 VS アーデルハイド&範馬刃牙 獣相手は慣れたもの アーデルハイド&範馬刃牙 俺もね…なろうかなって…寅殺し 5回戦 ファウスト&白鳥クリス VS ジョー東&アドン 肛門にメスと注射 ファウスト&白鳥クリス 歴とした医療行為 Part13 1回戦 御津闇慈&不知火舞 VS ダック・キング&フェリシア 武芸百般 ダック・キング&フェリシア ダンスが得意なフレンズなんだね! 2回戦 テスタメント&ヒロ VS 牙刀&魏 集団戦の強み テスタメント&ヒロ 数の有利、覆らず 3回戦 リーゼロッテ・アッヒェンバッハ&月読きなこ VS 溝口誠&星熊勇儀 人形相手の立ち回り 溝口誠&星熊勇儀 既に地獄でやってきた 4回戦 烏鈴&多々良小傘 VS テリー・ボガード&レイ・マクドガル 主人公の貫禄 テリー・ボガード&レイ・マクドガル ダイナマイト刑事、ヒートアップ 5回戦 リップ・セイバー&恵飛須沢胡桃 VS 大門五郎&山田十平衛 山は揺るがず 大門五郎&山田十平衛 猛攻全て受けきる Part14 1回戦 アイアンマン零号&暁美ほむら VS ディージェイ&ティア・ラングレー ソバットカーニバル ディージェイ&ティア・ラングレー 刻むぜキックのビート! 2回戦 牙神幻十郎&高嶺響 VS 播磨灘&四条雛子 抜かば切れ 抜かずば切るな 牙神幻十郎&高嶺響 此の刀 ただ切ることに 大事こそあれ 3回戦 まりん&レイレイ VS アーデルハイド&範馬刃牙 攻勢作戦開始 まりん&レイレイ 撃破・撃滅・無力化成功 4回戦 Mr.BIG&イーグル VS 麟&元 闘いのビート Mr.BIG&イーグル 相手を叩くに頭脳は要らぬ 5回戦 ピエール・モンタリオ&アグリアス・オークス VS 久保田潤&マーシャ・アターバック その男、高貴につき ピエール・モンタリオ&アグリアス・オークス 見せた貴族の矜持 Part15 1回戦 モーラ&鈴木ぼたん VS ダック・キング&フェリシア 予選あと僅か ダック・キング&フェリシア ラストスパート開始 2回戦 蛇蛟&ローズ VS キム・カッファン&梁瀬かおり 乱戦を制した要素 蛇蛟&ローズ 窮地で見せた粘り強さ、勝敗を分ける 3回戦 ホル・ホース&アノニム VS K'&新条サキ 復活技封じ K'&新条サキ NEOMAXの効果を読めなかった、この記者の目をもってしても 4回戦 幾世あやね&鹿目まどか VS 草薙柴舟&藤堂竜白 幾世流弓術と魔法少女 幾世あやね&鹿目まどか こちらも歴史が古いんです 5回戦 アルトアイゼン&ゼニア・ヴァロフ VS マイク・ハガー&グリフォンマスク 武装集団鎮圧は マイク・ハガー&グリフォンマスク 市長時代の公務で慣れている Part16 1回戦 蛇蛟&ローズ VS 大門五郎&山田十平衛 冴え渡るソウルパワー 蛇蛟&ローズ 立ち回りで活路を開く 2回戦 ファウスト&白鳥クリス VS カーマン・コール&セス 地味に全勝 カーマン・コール&セス 結果を残してこそのプロ 3回戦 ハンゾウ&斬鉄 VS 如月影二&かすみ 開祖のお墨付き 如月影二&かすみ 如月流こそが最強である! 4回戦 蒼月潮&寅丸星 VS 播磨灘&四条雛子 神の依り所、撃退 蒼月潮&寅丸星 霊槍、いまだ衰え知らず 5回戦 テスタメント&ヒロ VS 久保田潤&マーシャ・アターバック もうちっとだけ続くんじゃ 久保田潤&マーシャ・アターバック ここから代表決定戦 決勝戦(Part20・Final) 1回戦 幾世あやね&鹿目まどか VS マイク・ハガー&グリフォンマスク 決勝戦開幕 マイク・ハガー&グリフォンマスク 初戦勝者肉体派ッ! 2回戦 蛇蛟&ローズ VS 久保田潤&マーシャ・アターバック 復讐鬼、猛る 蛇蛟&ローズ 執念でもぎとった勝利 3回戦 テスタメント&ヒロ VS 麟&元 死の先を往く者達 麟&元 死神相手は慣れている 4回戦 蒼月潮&寅丸星 VS ダック・キング&フェリシア 寺所属のTさん 蒼月潮&寅丸星 破ぁーーーーー!! 5回戦 ピエール・モンタリオ&アグリアス・オークス VS 如月影二&かすみ 刹那の見斬り 如月影二&かすみ 大将戦にて勝敗決定! 最終戦 Mr.BIG&イーグル VS カーマン・コール&セス 熱闘決着 Mr.BIG&イーグル 勝者武装派ッ!! + 代表決定戦(Part17~19)の新聞記事(記者・射命丸文) Part17 1回戦 アルトアイゼン&ゼニア・ヴァロフ VS シャア専用ズゴック&チョイ・ボンゲ ただ、打ち貫くのみ 強襲突撃機体本領発揮 アルトアイゼン&ゼニア・ヴァロフ 2回戦 烏鈴&多々良小傘 VS ファウスト&白鳥クリス 火力限界突破 ワンコンボキル達成 烏鈴&多々良小傘 3回戦 蒼月潮&寅丸星 VS モーラ&鈴木ぼたん 寺では昔流行ってた 生き証人の記者語る 蒼月潮&寅丸星 4回戦 ハンゾウ&斬鉄 VS メイ&村紗水蜜 平安天正幕末未来 ジャパニーズ大乱闘 メイ&村紗水蜜 5回戦 アルトアイゼン&ゼニア・ヴァロフ VS 烏鈴&多々良小傘 武器の修繕承ります でも試し打ちは勘弁な 烏鈴&多々良小傘 Part18 1回戦 蒼月潮&寅丸星 VS メイ&村紗水蜜 双錨艇斃すべし 寅丸氏、命蓮寺代表に 蒼月潮&寅丸星 2回戦 烏鈴&多々良小傘 VS 蒼月潮&寅丸星 武装派選手代表決定 槍タッグ勝ち抜きッ 蒼月潮&寅丸星 3回戦 Mr.BIG&イーグル VS テスタメント&ヒロ 奥深き紳士の世界 両性具有……ンンッ! Mr.BIG&イーグル 4回戦 幾世あやね&鹿目まどか VS ピエール・モンタリオ&アグリアス・オークス 冴え渡る聖剣技 滑り出し快調 ピエール・モンタリオ&アグリアス・オークス 5回戦 ピエール・モンタリオ&アグリアス・オークス VS 蛇蛟&ローズ コイツが決めた 若サイコー! ピエール・モンタリオ&アグリアス・オークス Part19 1回戦 Mr.BIG&イーグル VS ピエール・モンタリオ&アグリアス・オークス 武装派大将決定! まったくグレイトだぜ Mr.BIG&イーグル 2回戦 久保田潤&マーシャ・アターバック VS ダック・キング&フェリシア 間合いの支配者 近中距離は独壇場 久保田潤&マーシャ・アターバック 3回戦 カーマン・コール&セス VS 如月影二&かすみ 意を見極め受け流す 冷静さを保ってこそ カーマン・コール&セス 4回戦 久保田潤&マーシャ・アターバック VS カーマン・コール&セス 全勝にて大将決定! 肉体勢は我等が守護る カーマン・コール&セス + 負傷者 Part 回戦 負傷者 破壊部位 担当医(出展作品) Part 1回戦 星熊勇儀(肉体派) 胸骨骨折(胴体) 西城KAZUYA(スーパードクターK) 2回戦 ジョー東(肉体派) 内臓破裂(胴体) 赤屍蔵人(GetBackers-奪還屋-) Part2 4回戦 ダッドリー(肉体派) 膝関節内骨折(脚部) 鎬紅葉(グラップラー刃牙) 5回戦 寅丸星(武装派) 顔面裂傷(頭部) 斑木ふらん(フランケン・ふらん) Part3 1回戦 四条雛子(肉体派) 脚部毒素注入(脚部) 後藤和義(喧嘩商売) 4回戦 セス(肉体派) 脚部刺傷(脚部) 鷭(7SEEDS) アグリアス・オークス(武装派) 肋骨骨折(胴体) 八意永琳(東方Project) 5回戦 K'(肉体派) 胸部裂創(胴体) 伍行壊(鉄鍋のジャン!) Part4 1回戦 シャア専用ズゴック(武装派) メインカメラ破損(頭部) 敷島博士(ゲッターロボ) 2回戦 ホル・ホース(武装派) 大腿骨骨折(脚部) 勝海由宇(ルシフェルの右手) 3回戦 牙刀(肉体派) 上腕骨骨折(腕部) ミュゼ・カウプラン(パンプキン・シザーズ) 4回戦 リップ・セイバー(武装派) 肩関節脱臼(腕部) 神代一人(K2) Part5 1回戦 如月影二(武装派) 内臓破裂(胴体) 佐々木アキラ(ヒトクイ) 2回戦 幾世あやね(武装派) 肩関節脱臼(腕部) ファウストVIII世(シャーマンキング) 3回戦 大門五郎(肉体派) 右脚切断(脚部) アーシア・アルジェント(ハイスクールD×D) 4回戦 アグリアス・オークス(武装派) 下腿骨骨折(脚部) 山口智子(はじめの一歩) Part6 2回戦 ゼニア・ヴァロフ(武装派) 頚椎損傷(頭部) ドクター・キリコ(ブラック・ジャック) 3回戦 ダック・キング(肉体派) 睾丸破裂(胴体) 狭霧友子(トリアージX) Part7 1回戦 チョイ・ボンゲ(武装派) 手指開放骨折(腕部) 英はじめ(ケンガンアシュラ) 3回戦 魏(肉体派) 足関節損傷(脚部) 朝田龍太郎(医龍-Team Medical Dragon-) Part8 1回戦 アノニム(武装派) 頸椎損傷(頭部) 心内療(マンガで分かる心療内科) 5回戦 ローズ(武装派) 中手骨骨折(腕部) ティトォ(マテリアル・パズル) Part9 5回戦 かすみ(肉体派) 延髄損傷(頭部) 宮沢静虎(高校鉄拳伝タフ) Part10 2回戦 イーグル(武装派) 膝蓋骨骨折(脚部) 伊達戌亥(新宿D×D) 4回戦 溝口誠(肉体派) 裂肛(胴体) 真東輝(ゴッドハンド輝) Part11 1回戦 ウルフ教官(肉体派) 右脚切断(脚部) ルリ・サラサ(東京アンダーグラウンド) 3回戦 二代目Mr.カラテ(肉体派) 肋骨骨折(胴体) アシュヒト=リヒター(エンバーミング) 5回戦 ダッドリー(肉体派) 脳震盪(頭部) ひろし(Trash.) Part12 3回戦 藤堂竜白(肉体派) 腹部切創(胴体) 高荷恵(るろうに剣心) Part14 1回戦 アイアンマン零号(武装派) 顎骨骨折(頭部) ウィンリィ・ロックベル(鋼の錬金術師) 2回戦 高峰響(武装派) 大腿骨骨折(脚部) 秩父山(ドクター秩父山) 2回戦 四条雛子(肉体派) 胸部切創(胴体) 五島健助(Dr.コトー診療所) 5回戦 ピエール・モンタリオ(武装派) 延髄損傷(胴体) 間黒男(ブラック・ジャック) 5回戦 マーシャ・アターバック(肉体派) 下肢感電(脚部) Part15 1回戦 鈴木ぼたん(武装派) 胸骨骨折(胴体) 玉藻京介(地獄先生ぬ~べ~) 2回戦 キム・カッファン(肉体派) 膝関節破壊(脚部) 泉博(チャージマン研!) 3回戦 アノニム(武装派) 胴体熱傷(胴体) 鶴田正義(町医者ジャンボ!!) 4回戦 草薙柴舟(肉体派) 眼窩底骨折(頭部) バズ・メディル・アスクレピオス(アスクレピオス) Part16 1回戦 ローズ(武装派) 頭蓋骨骨折(頭部) 南方仁(JIN-仁-) 1回戦 山田十平衛(肉体派) 膝関節粉砕(脚部) 佐古下柳(烈火の炎) 2回戦 白鳥クリス(武装派) 肘関節損傷(腕部) トニートニー・チョッパー(ONE PIECE) 4回戦 播磨灘(肉体派) 脊椎骨折(胴体) 佐古下柳(烈火の炎) 5回戦 テスタメント(武装派) 恥骨骨折(胴体) 杉坂なな子(研修医なな子) Part17 4回戦 斬鉄(武装派) 全歯欠損(頭部) 黒須一也(K2) Part18 2回戦 寅丸星(武装派) 肘靭帯断裂(腕部) 漆原信(動物のお医者さん) 2回戦 多々良小傘(武装派) 咽頭外傷(頭部) 護国寺黒郎(妖怪のお医者さん) Part19 2回戦 ダック・キング(肉体派) 精巣損傷(胴体) チョコラータ(ジョジョの奇妙な冒険 第五部) 2回戦 マーシャ・アターバック(肉体派) 足関節骨折(脚部) アミバ(北斗の拳) Part20 1回戦 鹿目まどか(武装派) 脊髄損傷(胴体) 千歳ゆま(魔法少女おりこ☆マギカ) 3回戦 元(肉体派) 頭部熱傷(頭部) イアン(アスクレピオス) 3回戦 ヒロ(武装派) 頭蓋骨骨折(頭部) 御門涼子(TOLOVEる) Part21 最終戦 セス(肉体派) 内蔵損傷(胴体) グリシャ・イェーガー(進撃の巨人) + 特別主演 OPの解説時における対戦相手 名前 製作者&AI製作者 G・サイクロン Z.A.I氏、デフォルトAI 松平瞳子 サクラカ氏、デフォルトAI ジェイソン・ボーヒーズ 溝蠍氏、デフォルトAI 竜宮レナ minoo氏、AIなし(プレイヤー操作?) 七瀬留美 馬の骨氏、デフォルトAI 中西剣道 Ina氏、デフォルトAI 両儀式 YoungKirei氏&Take.K氏、アムギス氏AI 遠野志貴 BD氏、デフォルトAI 琥珀 シオン好きの名無し氏、Shao氏AI 霧雨魔理沙 吠×2氏、誠治氏AI 暁武蔵 虻蜂氏、デフォルトAI 選手紹介時における選手の移動担当 名前 製作者 八雲紫 nns氏 四次元殺法コンビ はぐれ者氏 黒子 腐レ邪氏 白井黒子 baggy氏 試合開始時における使用BGMのコール担当 名前 製作者 幽谷響子 minoo氏 広瀬康一 あまりもの氏 イノ 無敵医師氏 KAITO peg氏 ギャオス googoo64氏 ゲリラ チャド(ますけんぷくん)氏 沙耶 kayui uma氏 シャイア staran氏 jamバンド takuz3氏 忽那はるか nuuType氏 ヒナ・バーディー Annri氏 プリン ぼうし氏 初音ミクLアレンジ deretun氏 ミスティア・ローレライ minoo氏 芽兎めう cwn氏 プリズムリバー三姉妹 minoo氏 霧嶋ゆりか Fervicante氏 ROモンスター アリ氏 ルーミ アリ氏 巡音ルカ So_氏 乙霧レミ mass氏 宮内れんげ 三吉氏 島村卯月 ユグシック氏 仮面ライダー響鬼 qzak氏 長森瑞佳 Ina氏 天海春香 ハロヴェリ氏 試合開始前のミニドラマ出演者 名前 製作者 リュウ(SF1) MASA@DAS氏 イーグル Falchion22氏 若ギース アフロン氏 オックス ですからー氏 ウィップ 廃仁氏 宮古芳香&霍青娥 Moiky氏 タイガー(ジョイメカファイト) yamabe氏 サガット Gal129氏 タイガー(形意拳) Buckus氏 とら cabocha氏 バング=バイポット 暗黒内藤氏 ラモン RYO2005氏 ロバート・ガルシア RYO2005氏 たいが~ 死門氏 ジャパリバス 奏丸氏 マルコ・ロッシ アフロン氏 セイバー 如月銃駆氏 キング(鉄拳) chuchoryu氏 キング アンバサ氏 関連大会 Fist or Twist Fist or Twist 2 打撃vs投げ 交代式タッグ大会 コメント ページ作成乙です。この大会のページ、ずっとできるのを待ってました。 -- 名無しさん (2017-10-09 23 25 36) 近年では本当に珍しくなってしまった、強~凶下位ランクの大会。これだけ凝ってても平均2500~3000再生どまりというのは寂しい…… -- 名無しさん (2017-10-13 13 39 54) 名前 コメント マイリスト
https://w.atwiki.jp/eb_archives/pages/206.html
続いて武器アビです。 ~~~~~~~~~~~~~~ 大剣/レイドバスター(近) 【KO効果:戦闘不能】 2レイドアップ プラスワン 3フレイムピラー 業炎 4アッパースイング T+18 71 80 72 90 5ファイアースラッシュ P+36 43 70 44 80 6グランドディバイダー P+78 41 110 42 120 ・火柱を伴う強烈な斬撃で、近距離の敵を斬り上げます。 ハンマー/ハンマーホームラン(近)【KO効果:戦闘不能】 2かっ飛ばす 吹き飛ばし 3ジャストミート 必中 4力任せの一撃 防御封じ 5フルスイング PT+13 106 110 107 120 6サヨナラホームラン PT+124 105 220 106 230 ・ホームランスイングで、近距離の敵を弾き飛ばします。 斧・アックスソード・ハルバード/エッジアバランチ(遠)【KO効果:戦闘不能】 2標的拡大 プラスワン 3標的拡大 プラスワン 4オーラエッジシュート S+10 39 40 40 50 5エッジストーム P+21 48 60 49 70 6気刃雪崩 P+45 44 80 45 90 ・斧を振るって大量のオーラの刃を撃ち出し、敵を斬り裂きます。 剣/ダンシングソード(遠)【KO効果:戦闘不能】 2鎧外し ブレイク 3武器絡め 4マヒ 4ラピッドショット T+19 80 90 81 100 5飛剣の舞 P+36 43 70 44 80 6飛剣縦横無尽 P+66 43 100 44 110 ・鎖を付けた剣で、遠距離の敵を攻撃します。 -- (アヤカ) 2011-04-28 16 43 02 盾・シールドスピア/シールドブレス(近) 【KO効果:戦闘不能】 2しゃがみ防御 自分盾 3上から押さえつける 連携チャージ 4脳震盪落下 暴走 5押し潰す S+14 35 40 36 50 6ハイジャンププレス P+130 38 160 39 160 40 170 48 170 ・跳び上がり、盾の上に乗って近距離の敵を押し潰します。 トンファー/ライジングトンファー(近)【KO効果:戦闘不能】 2腕に力を集める 自分剣 3カウンター狙い 反撃 4飛翔膝蹴り T+12 77 80 78 90 5飛翔肘撃ち P+25 44 60 45 70 6飛翔アッパーカット P+53 36 80 37 90 ・近距離の的に、飛び上がりながらの打撃を繰り出します。 太刀/鬼斬剣(近)【KO効果:戦闘不能】 2鬼脈斬り バッドキラー60 3破魔突き ブレイク 4斬気放出 防御封じ 5鬼斬・直斬り S+7 32 30 33 40 6鬼斬・零の太刀 PP+136か137 31 190 32 200 36 200 37 210 ・鬼を纏いて鬼を斬る、必殺の秘剣を放ちます。 弓/精密射撃(遠)【KO効果:戦闘不能】 2青き炎 必中 3腕を射抜く 3マヒ 4足を射抜く 4マヒ 5武器を射抜く P+13 36 40 37 50 6急所を射抜く T+124 75 190 76 200 85 200 ・オーラで視力を超強化し、敵を正確に射貫きます。 -- (アヤカ) 2011-04-28 16 43 30 槍/槍地獄(近)【KO効果:戦闘不能】 2地獄絵図 プラスワン 3足を貫く 3マヒ 4鮮血の海 呪詛 5モズの速贄 S+39 30 60 31 70 6串刺し地獄 T+131 78 200 79 210 ・地面から大量の槍を生やし、敵を下から貫きます。 エアシューズ/震脚(遠)【KO効果:戦闘不能】 2練気 プラスワン 3内気功を練る チャージ 4大地崩し 防御封じ 5震動波 P+21 38 50 39 60 6崩壊震動波 T+85 84 160 85 170 ・大地を強烈に踏みつけ、敵に震動波を飛ばします。 アイスレイピア/雪月華斬(近)【KO効果:戦闘不能】 2氷剣抜刀 キュア 3壱之剣・静雪 P+23 36 50 37 60 4弐之剣・弧月 P+28 41 60 42 70 5参之剣・散華 T+36 73 100 74 110 6死之剣・朱氷 T+57 72 120 73 130 ・氷の華を描くが如き連続攻撃で、近距離の敵を斬り裂きます。 暗殺シューズ・ナイフ/アイアンドラゴン(遠) 【KO効果:戦闘不能】 2多頭竜進化 プラスワン 3小鉄竜従属 自分術 4鋼鉄の咆哮 暴走 5刃尾薙ぎ P+4 35 30 36 40 6鋼鉄竜疾駆 T+87 72 150 82 160 83 170 ・無数のナイフで鋼鉄の竜を作り出し、敵を襲わせます。 -- (アヤカ) 2011-04-28 16 43 56 杖・仕込み杖/ディスインテグレート(遠)【KO効果:戦闘不能】 2地面を削る 3マヒ 3防具を削る 防御封じ 4背中を削る T+17 82 90 83 100 5腹部を削る S+40 39 70 40 80 6正面衝突 S+94 35 120 36 130 45 130 46 140 ・触れた物を消滅させるエネルギー球を解き放ちます。 大鎌/水晶髑髏 GUTS消費:150 2嗤う髑髏 GUTS減らない 3水晶の輝き 自分術 4叫ぶ髑髏 チャージ 5溢れる光 T+63 76 130 77 140 6髑髏との融合 S+264 45 300 46 310 ・魔力溢れる水晶の髑髏を召喚し、自らの術力を高めます。 竪琴・ソードハープ・ロックギター/サウンドボンバー(遠)【KO効果:虚脱】 2爆弾装填 プラスワン 3二連鎖爆発 P+8 41 40 42 50 4四連鎖爆発 P+15 44 50 45 60 5八連鎖爆発 S+22 37 50 38 60 6十六連鎖爆発 S+45 44 80 45 90 「音の爆弾」をばらまき、敵の感覚器官を破壊します。 鞭/ナインテイルウィップ(近)【KO効果:捕縛】 2ペインヒット バッドキラー60 3九字印 キュア 4時間差鞭打 S+20 39 50 40 60 5九尾鞭打 T+40 79 110 80 120 6九尾十八連撃 T+84 75 150 76 160 ・鞭が9本に分裂し、近距離の敵を激しく打ち据えます。 -- (アヤカ) 2011-04-28 16 44 26 爪/次元断爪(近・剣・防御封じ) 【KO効果:戦闘不能】 2爪を鳴らす 自分剣 3次元の陥穽 防御封じ 4空間引き寄せ T+14 75 80 76 90 5次元断ち S+36 33 60 34 70 6旋回次元爪 S+94 35 120 36 130 ・近距離の敵を、周囲の空間ごと引き裂きます。 扇/鳴神演舞(遠)【KO効果:戦闘不能】 2大放電 プラスワン 3黒雲招来 自分術 4雷鳴招来 暴走 5迅雷破 S+8 41 40 42 50 6破邪の雷電 T+83 76 150 77 160 ・舞の力で雷を呼びよせ、敵を撃ち貫きます。 棍/棍旋風(近)【KO効果:戦闘不能】 2静の心 キュア 3棍障壁 自分盾 4高速回転 反撃 5回転棍撃 P+28 41 60 42 70 6暴風旋棍撃 T+116 75 190 83 190 84 200 85 200 ・棍を眼前で回転させながら、攻防一体の攻撃を行います。 ナイトランス/ドリルインパクト(近)【KO効果:戦闘不能】 2浄化の螺旋 キュア 3回転数上昇 自分チャージ 4螺旋突き T+15 74 80 75 90 5ドリル乱れ突き P+34 45 70 46 80 6スパイラルインパクト P+77 42 110 43 120 ・ナイトランスを回転するドリルに変形させ、敵を突き刺します。 魔鍵/パラダイスブリンガー(遠) GUTS消費:150 2芳しき香り GUTS消費なし 3広大なる楽園の光景 プラスワン 4極楽鳥の歌 キュア 5降り注ぐ陽光 S+147 42 180 43 190 6虹の円環 T+224 75 290 76 300 ・魔鍵を天に掲げて「楽園の門」を開き、仲間の傷を優しく癒します。 -- (アヤカ) 2011-04-28 16 44 54 アヤカさん、大量のデータ調査ありがとうございます。 事後報告になりますが、該当ページに追加させていただきました。 -- (編集スタッフ:フィリル) 2011-04-28 19 52 37 更新お疲れ様です キャラクター作成シミュレータの方で気づいたんですが Lv36アビリティが表示されないっぽいです お気づきになられましたらお時間があるとき対応お願いします -- (通りすがり) 2011-04-29 00 41 55 通りすがりさん、ご指摘ありがとうございます。 確認を行いました所、バッドステータスの【侵食】が表示されていなかった不具合がありましたので、 こちらに関しては修正を行わせて頂きました。 しかし、こちら側ではLv36のアビリティが表示されないという現象は確認できませんでしたので、 お手数ではありますが、以下の点についてご回答をお願いできないでしょうか? (操作内容に関する確認) Q1. 選択された「キャラクターのLv」は「36」以上でしょうか? もし36以下であれば、36以上に再選択をお願い致します。 Q2. 選択された「ジョブ」は「天誓騎士」でしょうか? 天誓騎士の36Lvアビリティに関しては、まだデータがありませんので未登録となっております。 (ご利用環境に関する確認) Q3. 現象が確認できた際に、ご利用頂いていたブラウザは以下のどれでしょうか? 可能であれば、ご利用中のバージョンも添えて頂けると助かります。 -Microsoft Internet Explorer 系(SleipnirやLunascapeもこちらを選んでください) -Mozilla Firefox 系 -Opera 系 -Google Chrome 系 -Apple Safari 系 -携帯電話のフルブラウザ -その他の環境 -- (管理人:アダルバート) 2011-04-29 22 03 02 こちらはFirefox3を使用しています 確認した所Lv36アビリティは今はきちんと表示されていました こちらにコメントする前にQ1、Q2(天誓騎士は除外していた)はしっかりと確認した上での投稿だったのですが 更新を楽しみにしていて、ほぼ更新された直後に見ていた可能性が有り何かCookie辺りが変だったのかもしれません(原因はわかりませんが) 何にせよお手数をおかけして申し訳ありませんでした これからも運営頑張ってください -- (通りすがり) 2011-04-30 01 31 43 通りすがりさん、ご報告頂き、ありがとうございます。 正常に動作したようで何よりです。 投稿頂きました時間帯から考えますと、 おっしゃられている通り、更新をかけた直後であった可能性が高いものと思われます。 恐らく、ブラウザ側のキャッシュの影響により、 データファイル側が更新されていなかったのでは無いかと推測しております。 こちら側では「これで大丈夫」と考えている面もありますので、 バグがある事に気付かない事もあります。 どのような些細な点でも結構ですので、また何かお気付きの点がありましたら、何時でもご報告下さい。 -- (管理人:アダルバート) 2011-04-30 22 02 39 こんにちわ、いつも編集お疲れ様なのです。 36に到達したので、天誓騎士の第6アビの報告です。 ==================== 星霊グランスティード(近) 【KO効果:戦闘不能】 2 気高き嘶き 自分【剣】 3 ひづめを蹴立てる 自分【チャージ】 4 後ろ足蹴り S+10 39 40ダメ 40 50ダメ 5 スティードダイブ P+24 75 90ダメ 76 100ダメ 6 グランインパクト P+56 83 130ダメ 84 140ダメ ・軍馬の星霊グランスティードを召喚し、騎乗突撃します。 ==================== -- (アレクサンドラ) 2011-05-01 09 54 15 アレクサンドラさん、貴重なデータをありがとうございます。 早速、追加させていただきますね。 -- (編集スタッフ:フィリル) 2011-05-01 19 45 13 レベル40属性の報告です。 このような防具を得ました。 形状:鉄壁守護黄昏ウィズローブ レベル:41 能力値:11/16/24 41レベルウィズローブは素の状態で 4/12/24なので鉄壁と黄昏、 どちらかがP+4もう片方がT+4のようです。 -- (アヤカ) 2011-05-01 21 42 09 報告です。 5月返却の難易度:普通の通常シナリオの獲得EXPは378でした。 また、キャラ作成シミュレータで、 星霊グランスティード[4]の効果がプラスワンになっていましたので、修正をお願いします。 -- (トレノ) 2011-05-01 23 05 31 アヤカさん、属性の情報、ありがとうございます。 どちらか確定していないという扱いで、記載させて頂きたいと思います。 トレノさんは、獲得Expの情報、並びに、 シミュレータのミスに関するご指摘、ありがとうございます。 獲得Expの方は直ちに反映させて頂きたいと考えておりますが、 現在、出先により、@tools側の編集が行えない状況にあります。 3日には対応を行えるようになりますので、 申し訳ありませんが、しばらくお待ち頂けますよう、お願い申し上げます。 -- (管理人:アダルバート) 2011-05-02 06 12 06 こんにちわ、ギガで拾いました40Lv属性の報告です。 シミュレーションではP属性+4かと思われます。 =========================== 名称 :作業着 種別 :防具(コレクション) 形状 :呪装魔骸作業着 (動きやすさを追求した作業着。) 設定 :動きやすさを追求した作業着。 レベル :40 能力値 :12/16/19 入手場所 :ギガンティア「ロックリムラウンダー」 ============================= -- (アレクサンドラ) 2011-05-02 17 27 04 アレクサンドラさん、属性の情報をありがとうございます。 早速、追加させていただきますね。 -- (編集スタッフ:フィリル) 2011-05-02 21 45 26 魔獣戦士Lv36では ドラゴンブレレス3も【炎】→【業炎】に強化されるようです -- (名無しさん) 2011-05-05 00 58 46 名無しさん、貴重な情報、ありがとうございます。 早速、魔獣戦士のページに反映を行わせて頂きたいと思います。 -- (管理人:アダルバート) 2011-05-05 20 22 25 オフ情報 TRPG版サプリメント「上級ルールブック 山斬烈槍アマツカグラ」 * 絶賛、発売中です! 「左」さんが、他社から色々と怒られながら1ヶ月かけて書き上げた表紙が目印。 アマツカグラではなくランスブルグかと思います。 -- (キヨカズール) 2011-05-06 15 57 41 御指摘ありがとうございます。早速修正させて頂きます。 -- (編集スタッフ:アッシャー) 2011-05-06 19 20 21 入手したレベル40属性防具を幾つかご報告いたします 形状:絢爛黄昏儀礼服 レベル:40 能力値:12/23/12 (Lv40絢爛儀礼服:12/19/12) 形状:鉄壁硝子魔女服 レベル:40 能力値:8/20/20 (Lv40硝子魔女服:4/20/20) 形状:勇気彗星蛮族鎧 レベル:41 能力値:24/7/16 (Lv41彗星蛮族鎧:20/7/16) 黄昏がT+4、鉄壁と勇気がP+4のようです -- (シェナム) 2011-05-07 08 45 39 シェナムさん、属性の情報ありがとうございます。 早速、追加させていただきますね。 -- (編集スタッフ:フィリル) 2011-05-07 12 58 12 【指摘】 遠 星霊ジェナス 2 突き刺さる鮫牙 Lv35:バッドキラー60 ですね。 Lv25扱いになっていましたので一応。 失礼します。 -- (クィ) 2011-05-08 00 10 12 クィさん、ご指摘ありがとうございます。 修正させていただきました。 -- (編集スタッフ:フィリル) 2011-05-08 18 23 16 【指摘】 キャラクター作成シュミレーターですが 自由農夫36アビの「ブレイドホリィ」の6目が実際の物と異なっているようです シュミでは「P+154」となっていますが実際は (細かい数値は当方では調べられませんでしたすみません) 「PS+数値」のようです お手数ですが修正などよろしくおねがいします -- (通りすがり) 2011-05-12 01 02 31 通りすがりさん、ご指摘、有難うございます。 現時点で活性化されている方のデータから計算しました所、 「PS+118~121」の範囲である事が確認できましたので、 該当箇所の記述をこちらに改めさせて頂きたいと思います。 (詳細なデータに関しては、現時点ではこちらも調査できませんので…) また、シミュレータ、並びに、簡易データベース側のデータに関しては、 一時的に最低値の「PS+118」への設定のし直しを行わせて頂きたいと思います。 -- (管理人:アダルバート) 2011-05-12 21 08 03 ブレイドホリィ、調べてみましたが… PS 威力 88 200 89 200 90 200 91 210 94 210 95 210 98 210 PS+110みたいな気がします。 -- (名無しさん) 2011-05-13 00 00 19 真上の名無しです。 すいません。 PS+119ですね。 慣れてないもんですいません。 -- (名無しさん) 2011-05-13 00 17 54 名無しさん、検証結果のデータ提供、ありがとうございます。 こちらで確認できない範囲のデータは、本当に助かります。 早速、各所に反映を行わせて頂きたいと思います。 -- (管理人:アダルバート) 2011-05-13 22 01 32 些末なことで恐縮ですが、非戦闘アビリティ一覧で、天誓騎士アビの修得レベルが誤っているようです。 -- (名無しさん) 2011-05-15 01 17 42 名無しさん、ご指摘ありがとうございます。 修正させていただきましたので、ご確認くださいませ。 -- (編集スタッフ:フィリル) 2011-05-15 02 26 35 私のステと、こちらのデータに齟齬があったので調べてみました。 LV35 フェアリーストーム6強化 T +51ダメージ → T +71ダメージ が正解だと思うんですが、よろしくお願いしますね~。 -- (クゥナ) 2011-05-16 06 45 53 クゥナさん、調査ありがとうございます。 確認出来次第、修正させていただきますね。 -- (編集スタッフ:フィリル) 2011-05-16 19 39 49 クゥナさん、フェアリーストームに関するご指摘、ありがとうございました。 こちらでもT+71である事が確認できましたので、該当部分の修正を行わせて頂きたいと思います。 -- (管理人:アダルバート) 2011-05-16 21 03 24 Lv37にて星霊ヒュプノス[5]の成長が入ったので確認してみました。 アクセサリ補正 + S値 ダメージ 84 + 96 220 84 + 97 230 以上から Lv37: S +49ダメージ と思われますので報告といたします。 -- (プレノア) 2011-05-17 17 33 37 プレノアさん、貴重な情報をありがとうございます。 早速、追加させていただきますね。 -- (編集スタッフ:フィリル) 2011-05-17 20 19 24 ロックリムラウンダーのマップ「四竜と邪神座す塔」のTdのすぐ上でランダム戦闘を確認しました。 -- (フォレス) 2011-05-19 16 12 22 ロックリムラウンダーのマップ「四竜と邪神座す塔」のTcとE1のあるスペースの内部入口付近でランダム戦闘を確認しました。 -- (フォレス) 2011-05-19 20 08 09 フォレスさん、ロックリムラウンダーに関する情報、ありがとうございます。 どちらのランダム戦闘も、確認後、マップに反映を行わせて頂きたいと思います。 -- (管理人:アダルバート) 2011-05-19 20 29 22 ロックリムラウンダー[レクイエムは誰が為に]での《車輪の街》マップで以下の場所でランダム戦闘があるのを確認しました 位置表示はこちらのサイトで掲載されているマップの座標を使わせていただきます。 ・縦3~4、横10~11 あたり(R1の戦闘の所から左へ突き当りの所付近) ・縦23、横19~21の、空いた宝箱の側付近 -- (tyr) 2011-05-25 02 24 13 妖精騎士のLv37強化の報告です フェアリーサークル4強化 T+85 T44=120 T45=130 と思われます。 -- (ヘミソフィア) 2011-05-25 21 50 23 以下、ジョブアビ37強化の報告です 情報量が多いので分けます 城塞騎士 バトルアーマー6強化 TP+449 TP81=530 TP80=520 魔獣戦士 ビーストクラッシュ5強化 S+50 S70=120 S69=110 群竜士 剛鬼投げ6強化 PP+66 PP74=140 PP72=130 スカイランナー ロデオグラップル4強化 S+51 S69=120 S68=110 -- (ヘミソフィア) 2011-05-25 22 48 09 魔法剣士 残像剣4強化 P+31 P29=60 P28=50 狩猟者 ポイズンニードル6強化 T+46 T54=100 T53=90 デモニスタ デモンフレイム5強化 T+41 T39=80 T38=70 魔曲使い ハピネスダンス6強化 T+90 T50=140 T49=130 魔想紋章士 クイーンランサーの紋章4強化 S+45 S85=130 S84=120 -- (ヘミソフィア) 2011-05-25 22 50 07 自由農夫 マジックマッシュ6強化 P+67 P43=110 P42=100 ライフベリー6強化 P+157 P43=200 P42=190 自由農夫の強化が2つあるのか それとも既に記載されてるものが違うのかは、現時点では分かりませんでした また、上級ルルブのはがきをだしていないので、天誓騎士のデータはとれませんでした -- (ヘミソフィア) 2011-05-25 22 52 49 tyrさん、ギガンティアに関する情報、ありがとうございます。 こちらでも確認後、マップに反映を行わせて頂きたいと思います。 ヘミソフィアさんは、いつもアビリティの情報、ありがとうございます。 こちらのデータも、早速、反映を行わせて頂きたいと思います。 なお、自由農夫のアビリティにつきましては、 既存データの調査ミスの可能性も考えられますので、 確認が出来次第、反映という形にさせて頂きたいと思います。 -- (管理人:アダルバート) 2011-05-25 22 55 01 更新お疲れさまです 表示が崩れた部分に気づいたので報告を ジョブアビリティのページで魔法剣士のところの表示がおかしくなってます -- (名無しさん) 2011-05-26 09 36 42 名無しさん、ご指摘ありがとうございます。 ご指摘頂きました箇所の修正を行わせて頂きました。 また何か気にかかる所がありましたら、いつでもご連絡下さい。 -- (管理人:アダルバート) 2011-05-26 20 34 42 37レベルでのアビリティ強化を確認したので報告 仕込み杖 居合斬り[4]強化 T=37 90ダメージ T=38 100ダメージ T+62ダメージ 魔鍵 リペアキー[4]強化 P=37 170回復 P=38 180回復 P+142回復 -- (アウル) 2011-05-29 19 49 52 アウルさん、いつもアビリティのデータ提供、ありがとうございます。 提供頂きましたデータは、早速、反映を行わせて頂きたいと思います。 また、対応に時間がかかってしまい、申し訳ありません。 -- (管理人:アダルバート) 2011-05-31 22 05 51 【エメラルドパレス】失われたチョコを求めてのマップ「静寂なる湖」のT6のある広場の橋付近でランダム戦闘を確認しました。 -- (フォレス) 2011-06-01 08 02 25 フォレスさん、いつもギガンティアに関する情報、ありがとうございます。 ご報告頂きました戦闘の確認後、マップに反映を行わせて頂きたいと思います。 -- (管理人:アダルバート) 2011-06-01 21 17 50 大鎌の所の死の一撃、出目「6」の場所が「4」になってます。 現在:4 斬首連撃 -- (エミリオ) 2011-06-04 18 58 14 いつもお疲れ様です。 鞭のLv37、捕縛撃[4]の強化についてです。 S80=120 S81=130 以上より、S+49と思われます。 -- (サノーザ) 2011-06-05 01 22 17 エミリオさん、サノーザさん、アビリティに関する情報、ありがとうございます。 どちらも、早速、該当箇所に反映を行わせて頂きたいと思います。 -- (管理人:アダルバート) 2011-06-05 20 05 11 【ロックリムラウンダー】レクイエムは誰が為にのマップ「車輪の街」のG4のすぐ下のスペースでランダム戦闘を確認しました。 -- (フォレス) 2011-06-06 08 25 54 フォレスさん、いつも貴重な情報、ありがとうございます。 発生範囲を確認後、反映を行わせて頂きたいと思います。 -- (管理人:アダルバート) 2011-06-06 23 12 26 こんばんは。 38レベルのアビリティ強化。 取り急ぎ今のジョブと武器の強化のみ報告します。 掃撃棍4P+21→P+46 43 80 44 90 竜撃拳5 P+50→P+90 39 130 40 130 -- (アヤカ) 2011-06-09 21 07 58 すいません、もう一つあったので追加です。 気咬弾5 P+37→P+52 97 140 98 150 -- (アヤカ) 2011-06-09 21 18 25 ロックリムラウンダーのマップ「白彩庭園」のX11,X12,Y0,Y1くらいの範囲でランダム戦闘を確認しました。 -- (フォレス) 2011-06-10 11 14 38 魔道書のデータです。 以下の補正数値はレベル37での調査結果です。 ・マインドブラスト 遠 2 精神吸収光 ドレイン 3 狂乱光 【暴走】 4 反射光線 T+39ダメージ 5 ブラスター S+44ダメージ 6 ダブルブラスター S+44ダメージ 精神を破壊する「紫色の光線」を、敵に放ちます。 【KO効果:虚脱】」 ・戦闘詠唱術 自 GUTS150消費 2 生命消耗要素排除 GUTS減らない 3 運命阻害要素排除 キュア 4 積層魔方陣展開 【術】 5 肉体修復陣展開 P+215回復 6 戦闘魔術力憑依 S+234回復 戦闘用高速詠唱モードへと移行します。 ・ストーンカース 遠 2 護り崩し ブレイク 3 腕部石化 【3マヒ】 4 脚部石化 【4マヒ】 5 蛇群の睨み T+38ダメージ 6 絡みつく蛇群 s+96ダメージ のろいの蛇影を放ち、敵を石化させます。 【KO効果:石化】 ・フォースボルト 遠 2 領域拡大 ブラスワン 3 ブレイクフォース ブレイク 4 ガイドフォース 連携【チャージ】 5 フォースアタック S+32ダメージ 6 フォースインパクト T+66ダメージ 見えない衝撃を撃ち出し、敵の武器を弾き飛ばします。 【KO効果:武装解除】 ・ポイズンクラウド 遠 2 毒素を纏う 自分ハイパー 3 毒煙巨大化 プラスワン 4 毒汚染 【毒】 5 毒煙噴出 T+4ダメージ 6 致死毒ガス S+102ダメージ 敵を包み込む毒煙を放ちます。 【KO効果:毒瀕死】 ・封印儀式 遠 2 「天地根源を縛する者よ」 【3マヒ】 3 「我が名において命じる」 【侵食】 4 「書の盟約を実行せよ」 【防御封じ】 5 「ガルトゥース」 T+28ダメージ 6 「アルファザール」 SS+98 禁断の儀式魔術を発動し敵を封印します。 【KO効果:封印】 -- (謎の太刀使い) 2011-06-10 14 49 37 こんにちは。 魔道書38のデータを投稿します。 魔道書38LV マインドブラスト6 S+44→S+68 41 100 42 110 ポイズンクラウド4 毒→猛毒 -- (アヤカ) 2011-06-10 20 03 27 アヤカさん、謎の太刀使いさんはアビリティの情報、 フォレスさんはギガンティアの情報、ありがとうございます。 現在、調査と更新作業を並行して進めておりますので、 反映完了まで、しばらくお待ちいただけると助かります。 -- (管理人:アダルバート) 2011-06-10 23 06 23 ええと、棍の37レベルの報告です。 こうなってます。 37LV 練刺棍5 P+26→P+39 40 70 41 80 -- (アヤカ) 2011-06-11 06 38 49 アヤカさん、連日のアビリティデータの提供、本当にありがとうございます。 早速、該当ページに反映させて頂きたいと思います。 -- (管理人:アダルバート) 2011-06-11 09 29 15 『生死不明状態でできない事』です。 エルフヘイムで地位を得て、現在復帰しています。 依頼で生死不明(療養5日)となりましたが、 『エルフヘイムに戻り元の地位に就く』ことができなくなっていました。 あまり需要は無い情報と思いますが、ご報告まで。 -- (桜) 2011-06-13 17 03 24 桜さん、貴重な事例のご報告、ありがとうございます。 早速、反映を行わせて頂きたいと思います。 -- (管理人:アダルバート) 2011-06-13 20 55 14 いつもまとめお疲れ様だよ。デスマーチを40~50回繰り返していると黒いデスマーチバーの下に「デスマーチを続ける場合はリコッタのアイコンをクリック!」って選択肢が出て、並んだICの中からリコッタ姉のIC(ランダム配置)を選択しないと続けられなくなってたんだよ。多分ボット対策だと思うけど…。 -- (シンルー) 2011-06-15 17 13 09 シンルーさん、ギガンティアに関する情報、ありがとうございます。 私自身はまだ確認しておりませんが、同様の事例の報告を、他の方からも頂いておりますので、 簡易的ではありますが、「そのような事例がある」と言う形で掲載させて頂きたいと思います。 -- (管理人:アダルバート) 2011-06-15 21 21 25 シミュ不具合 魔道書の封印儀式のアクション名がポイズンクラウドのものになってした -- (通りすがり) 2011-06-16 19 26 15
https://w.atwiki.jp/hyourirowa/pages/104.html
憎しみの果て、セオドールという男の物語は終わりを迎えた。その道程で奪った誰かの命は、再び芽吹くことはなく。残した災禍は歴史に未来永劫、刻まれることとなった。覆水の盆に返らぬがごとく、この罪もまた消えるものではない。毒虫 ゴルベーザ ――世に数多の戦乱を引き起こし、悲劇を生み出し続けた彼はそう名乗った。 責任を洗脳の主であるゼムスに求めることに一定の理がないわけではない。あの戦乱はゼムスが望んだものでしかない。事実として、正気を取り戻したゴルベーザは更なる殺戮を望むことなく、その矛先をゼムスへと向けた。ゴルベーザの意思は、紛れもなくゼムスの意思そのものだ。両親を失い、孤独となったセオドールに囁かれた声により、彼の悲しみは憎しみへと変換された。彼の飼っていた闇は、決して誰かを傷つける属性のものではなかったはずだ。 しかし、どんな洗脳を受けていたとしても、その原因となった悲しみが家族の喪失に起因するのならば決して忘れてはならぬものがあったはずだ。魔法の力が強大なればこそ正しき力の使い方を志す父の教えと、母がその命と引き換えに遺した新たなる命の芽吹きの尊さ。彼ら両親を誰よりも誇りに思っていたなればこそ、その矜恃を志すは使命であろうに――あろうことか、魔法の力を破壊がために用い、そして他ならぬ弟と殺し合ったのだ。父の教えにも母の本懐にも背く悪行。紛れもなく、彼らの誇りを汚す冒涜だ。それを忘れるだけの憎しみに呑まれたこと、それは紛れもなくセオドールの罪に他ならない。 ゴルベーザとしての己は、生涯抱えて生きるべきものだ。その後悔が誰の救済にもならなくとも。その罪が一人分の生で精算できるものでなくとも。それを背負うことこそ、戻れない過去に向けた唯一の贖罪なのだ。 ああ、理屈の上では理解している。だが、己が悪行の一切合切を今一度思い返した上で、思う。足りぬ――償いには、到底足りぬと。 ゴルベーザの物語は、すでに終わりを迎えた。だがその物語の残した傷跡は無くならない。セオドールの生を取り戻したその瞬間には、すでに彼の大円団は失われていた。幼少時に両親を失って以来背負い続けた限りなく深いマイナスを、できる限りゼロに近づけて行くだけの生。決してプラスになり得ぬ負債を抱えながら、セオドールの償いの物語は開始した。 そして間もなくして――この殺し合いに呼ばれた。ダイヤのジャックのトランプに描かれた文字はセオドールではなく、ゴルベーザ――それは一度は終わった物語の役者である。 一方で、これは物語の続きではない。今や彼の目的に、"ゴルベーザ"の名を与えたゼムスの思念は関与していないから――物語は、始まる前からすでに終わっていたのだ。何故なら、セシルは"最初から"死んでいたから。ゴルベーザに如何なる関与の余地も与えられず。抱き続けてきた後悔も贖罪の心も、その行先を失った。挙句、皆殺しの剣による精神汚染によって残された"敵討ち"という物語性すらも、彼には与えられなかった。セシルの敵であるマリオも、彼にとっては他の有象無象と同じ、ただの獲物にしか見えていなかった。 ――言うなれば、これはエンドロール。すでに終わった物語を、魅せることも汚すこともなく流れていく終幕の裏側。 それでも、弟の蘇生という目的だけは、常に彼の頭の中に有り続けた。だが、それに何の意味があろうか。それが償いとならぬことを、彼は知っている。かけがえの無い恋人であるローザやその他の仲間、罪のない人々を犠牲にした上で生き返りたいと、セシルが願わないことを知っている。その身をパラディンへと変えられるだけの清い心があればこそ、セシルはゼムスの洗脳を受けなかった。自分とは違い、光の道を進むことができた。彼の蘇生のために皆殺しに進む現状が、彼の生き様の冒涜であると心の底では理解しているはずなのだ。 だから、これは決して償いの物語などではない。放送を聞いた彼の反応は、まさにその証拠であった。 『――マリベル。』 下僕を用いて、殺しに向かわせた少女の名。 『――キングブルブリン。』 その下僕であり、己が命に従い動いていた魔物の名。 『――ドラえもん。』 たった今、横凪ぎに切断した機械の名。 『――セシル。』 そして――皆殺しの思念に先行して心の奥底にある、償いの対象の名。 この殺し合いで、大なり小なり自分が関わってきた相手たち。その全てを、まるで忘却したかのごとく。 「――残るは37人か。いいだろう。」 心に留めたのは呼ばれた名の中身ではなく、その数――差し引いて残る、皆殺し対象の数だけだった。正気の頃にすでに知っていたとはいえ、セシルの死の通告に対しても、如何なる感慨も湧き起こらない。 放送は、ただただ淡白な、残り人数という事実の確認。セシルへの贖罪という、皆殺しの剣に呑み込まれた要因――この殺し合いの原点すら、すでに掠れてしまった。 これは、もはやゴルベーザの物語ではない。彼の懺悔録には、決して描かれることのない世界線。終わった物語に付随し、流れゆくだけのエクストラ。軸なんてない。芯などとうに折れている。しかし、なればこそ――決して、止まらない。とっくに物語は終わっているから。彼が動き始める前から、彼を止められる唯一の存在が、その命を失ったから。 もう止められなくなった人形は、新たに獲物を求め始めた。剣から湧き出る本能が、ゴルベーザを突き動かす。 「さて。ここにはもう一人、居たはずだが……」 ドラえもんを斬り裂いた直前に、一瞬だけ見えたもう一人の生命体をゴルベーザは探し回っていた。無視して進む選択肢は、皆殺しの剣の呪いが許さない。しかし『カゲがくれ』により影の中に篭ったビビアンを見つけることも叶わない。 だが、少しばかりとはいえ辺りを注視しつつ探し回ったことで、ゴルベーザはひとつの痕跡を見つけた。それは、メルビンやビビアンと出会う前の、ドラえもんと二人でいた時の渡辺早季が付けた足跡。ドラえもんが来ていた方向へと、真っ直ぐ伸びている(ちなみに、足裏の反重力装置で常に3mm浮いているドラえもんの足跡は無い)。 これがビビアンの足跡であるかは些末な問題だ。むしろ、見えた影はこのような足跡を残す人型ではなかった。それでも重要なのは、皆殺しの対象がそちらの方向へと向かったという事実。 ㅤ皆殺しの呪いに侵された口が、醜悪な笑いを零した。その胸に抱くは、■■■の蘇生という歪んだ願い。彼はゆっくりと、歩みを進めた。 ■ 「嘘っ……ドラえもん……!?」 放送で呼ばれた名前に、早季は驚愕を見せる。生まれて初めて経験した、友達との死別。厳密には経験済みではあるが、今の早季の記憶にはない。この先に早季が乗り越えるはずであった数多の死も、今の早季は経ていない。 そんな悲しみを前にしては、元の世界の友人が一人も死んでいないことへの安堵はあまり湧いてこなかった。そもそも、『友達が死ぬ心配』など、本来する必要が無かったのだ。早季にとって、他害という倫理規定違反を積極的に行う発想など人間には湧き得ないものだから、不慮の事故でもない限り、むしろ生きている方が恒常だ。 だからこそ、それに湧き上がる特別な感情は、決して無いでは無いが、されど薄い。どうしても、身に降り掛かった喪失だけを数えてしまう。ドラえもんの死は、確かに早季の心に突き刺さった。しかし同時に、死別と言うにはあまりにも淡白すぎた。放送で呼ばれた五文字の文字列だけが彼の死であり、そこに実感は伴ってこない。 「早季殿……。」 そんな彼女を労るように、メルビンが声をかける。 彼とて、放送に対し平静でいられるはずもない。この世界で関わったドラえもんも、共にした時間は短いとはいえ思うところはある。そして何より、ガボとマリベル――元の世界の仲間たちの死。失ったものは早季よりも大きい。 だが、抱いた感情は悲しみよりも、深く燃えたぎる怒り。ガボもマリベルも、共に戦って死んだノコタロウと同じく、巨悪に屈することなく立ち向かう強さを持った戦士たちだ。その志は、半端な覚悟で打ち破れるものではない。殺し合いを命じられ、恐怖のあまりにやむを得ず――そういう者も中にはいるだろう。だが、それだけではない。闘争に悦びを見出しているかの如き言動と共に若い命を奪った魔族ガノンドロフのように、殺し合いに招かれた"被害者"とのみ呼べるものでは無い巨悪の権化も、この世界には存在している。メルビンの怒りは主催者への怒りであると同時に、彼らへの怒りでもあった。自分よりも未来の可能性に満ちた若い者たちの命が、余興と言わんばかりの企画ごときのために、奪われていく。 ホットストーンに封印され、永きときを超えた時、当然にかつての仲間たちとは死に別れることとなった。だからこそ、知っている。取り残された者の悲しみも、そこから立ち直れるだけの精神力も。 己が悲しみを律し、幼い早季の悲しみに寄り添えるだけの精神力がメルビンには備わっている。 「……大丈夫。」 だが――そんなメルビンの気遣いは不要とばかりに、早季は凛とした様相を崩さず前を向いていた。 「それより今は、二時間以内にここから出ないと。」 「むっ、そうでござったな。」 言われてハッとする。早季たちの現在位置は、放送で提示された二時間後の禁止エリアに該当する。だから、なるべく早く移動しなくてはならないのは確かだ。 ボノボ型社会を形成した人間世界の中において稀有な、早季の素質――悲しみを受け止め、前を向くことができる力。元の世界の知り合いの死の有無という大きな差があるとはいえ、放送による喪失感に囚われていたのは、むしろメルビンの方だったのかもしれない。 「しかし、闇雲に移動するのは危険でござる。近くにドラえもん殿を殺害した人物がいると思われるでござるが……。」 そう、ドラえもんの死は決して他人事ではない。近くに、他人を殺し得る者がいるのだ。メルビンだけであるならまだしも、ここには庇護対象の早季もいる。安易に接触を図るわけにはいかない。 「早季殿は、どうしたいでござる?」 「……まずは会いに行きたいです。」 恐怖はあっても、迷いはなかった。 「もしかしたら殺したのは……ビビアンかもしれないから。」 「何とも言えない状況であるとはいえ……心苦しいが、聞いてみねばならぬでしょうな。」 ビビアンを追って行ったドラえもんが死に、ビビアンは生き残っている。そして――早季にとっては、人間が他者を害するのは想像しがたい。現状の何もかもが、ドラえもんを殺したのはビビアンであると考える材料は揃っている。 安易な疑いだろうか。だが、メルビンに攻撃したビビアンには、人間の倫理規定に反する行いを実行できる素質があったのは確か。 もし、この疑惑が正しいのなら、ドラえもんの死は一人で行かせた自分のせいなのかもしれない。あの時、メルビンさんを置いてドラえもんについて行けば――いや、より明確に何かができたというなら、ドラえもんとビビアンの言い争いが始まった頃だ。マリオを描いた守の絵を前に冷静でいられなくなったドラえもんとビビアンに何か言うことができるのは、絵の作者である守を知っており、メルビンと比べてではあるが、ドラえもんと長く一緒にいた自分だけだった。 罪悪感は少なからずある。タラレバに過ぎないのは分かっているし、それに囚われすぎる性分の早紀ではない。でも、命惜しさにそれをしなかった責任から逃げるのは違うだろう。 同時に、自分への疑問もある。仮にその想像が正しいとしたら、わたしはビビアンをどうするのか? ドラえもんの仇として、殺す? それとも、ドラえもんを殺したことすら、許す? 決められない。こんなの、簡単に決めてはいけないことだ。だってわざわざ改めて言うまでもなく、命は重いものだから。ビビアンを殺すのも、ドラえもんの死を許すのも、命を大切にする気持ちがある以上、どちらも間違っているのだ。だからこれは正しい答えを選ぶものではなく、提示された二つのマイナスの片方を選びとる行為に他ならない。何より保留できる時間がないのが、この選択を残酷なものにしてしまっている。何せ時間をかければ、ドラえもん以上の犠牲が出てしまうかもしれない。実際、メルビンはビビアンの力で火傷を負っている。あの力が他の参加者に……真理亜や覚や守に、向かないという保証なんてどこにもないのだ。特に、守とビビアンは一度は接触している。殺し合いが開始してどれほど経ってからかは定かでないが、今も近くにいる確率は決して低くはない。さらにこれは、ドラえもんを殺したのがビビアンでなかったとしても抱くべき懸念だ。進むべき道は、もう決まっていた。 それに対し、メルビンも反対はしない。下手人がビビアンであるのならば責任を感じるという点でも早季と同じだ。 ガノンドロフとの戦いの傷も残っており、決して健康体とは言えぬ状態。それでも英雄として。はたまた年長者として。早季を守り抜く決意を今一度固め直す。 「ちょっと急ぐから……チビィはカバンの中に入っててね。」 「プギー……」 移動の遅いチビィを、呪力で動かしてザックの中に詰め込んだ。危ない生き物じゃないことはもう分かったけれど、触れるとなるとまだ、躊躇が先立つ。せめて息苦しくないように、とチャックの口は半分ほど開け放しておいた。 「行きましょう。」 「うむ。」 早季とメルビンは、進み始めた。 とはいえ、足跡を残していないドラえもんとビビアンが、必ずしも真っすぐに移動しているとは限らない。だが、追う・追われるの関係であった二人は、直進に近い道筋をたどっているだろうという予測はあったし、事実としてそれは概ね外れていなかった。多少の軌道のズレこそあれ、早季とメルビンは確かにドラえもんの殺害現場へと歩みを進めていた。 そして同時刻。その殺害現場から、早季とメルビンの出会った場所に向けての足跡を辿り、一切のズレ無く歩む者もまた存在していた。ドラえもんを殺し、間接的にではあるが、メルビンの二人の仲間の死にも関与した男。 すなわち――この邂逅は必然だった。 前方から隠れることもなく近づいてくる人影。それは綺麗な白髪の男だった。ドラえもんを殺した危険人物が近くにいるという現状から見ても、素直に邂逅を果たしてもよいのか――心の中に確かな迷いはあった。決して、信用し切っていたわけではなく、警戒と信用の狭間に揺れていた。しかし結論から言えば――不十分だったのだ。 もしも危険人物であれば事が起こる前に何かしらの兆候が見えるはずだと、そんな心構えだったのだろうか。他人を殺す者がいたとしても、殺し合いを無理やりさせられてやむを得ずであると、そう信じきっていたのだろうか。どちらにせよ、気の緩みがあった。 「――メルビンさん!?」 我ながら、困惑に染まった情けない声だった。 人影を認識するや否や、メルビンは腰の剣に手をかける。その挙動は明らかに戦闘準備であり、対話もなしにそのフェイズに移行した。 メルビンさんは殺し合いに乗っていないのは明らかだ。では何故、目の前の相手に突然襲いかかる? 向こうから見れば、まるでこちらが殺し合いに乗っているかのように―― ――ガキィンッ! 「えっ……?」 今度はあまりにも、間の抜けた声が洩れた。前方の男が何をしたかを識別するよりも速く、劈く金属音が耳を刺激していた。 その音の方へと意識を向けてみれば――剣と剣が、ぶつかり合っていた。その状況を何と呼ぶのか、早季は知らない。彼女の常識の中に、人と人の業物が"鍔迫り合う"ことなど含まれていないのだから。だけど、その行為と鳴り響く金属音が、何を意味しているのかは十二分に伝わっている。 「ほう、この斬撃を止めるのか。」 それは、キングブルブリンの巨躯をも即座に沈めた一撃。 皆殺しの剣の名は、あらゆる相手へと殺意が向くその呪いのみならず、ひと振りで敵全てを薙ぎ払えるその射程にも由来する。偶然にメルビンは皆殺しの剣についての知識があったが、仮にその知識が無くとも、居合の一撃に宿る疾風の如き速度を理解している。仮に皆殺しの剣の射程がなくとも、あの距離は充分に戦闘開始となり得る間合いであった。 「皆殺しの剣、でござるか……。呪われた武器とは……魔王め、なんとむごいことを……。」 空いた左手で真空刃を放つ。烈風が、皆殺しの剣の呪いによって弱まったゴルベーザの装甲を穿ち、剣を振るっていた腕を肩から押し戻す。 「まだまだでござるッ!」 息づく暇も与えぬ真空刃の追撃。森羅万象を操る妙技でありながら体力・魔力の浪費を一切伴わないその技を可能とするは、博愛の精神。攻撃の手段こそ違えど、聖騎士<パラディン>としての根本的な在り方を弟と同じくするその絶技に、たった一瞬、懐かしさを覚え―― 「――サンダガ。」 ――次の瞬間には、破壊が脳を覆い尽くしたかのごとき雷鳴が戦場にほとばしった。 森羅万象を操るは、月の技術者にして彼の父親たるクルーヤが編み出した、黒魔法の神髄。それを他害に用いたこと、ただその一点を除いたならば、クルーヤの技術を真に継承したのはセシルではなく、ゴルベーザに他ならない。真空刃とは比べ物にならない威力の雷撃は烈風をも逆に吹き飛ばし、エネルギーの衝突の余波はメルビンへと降りかかる。 「ぐっ……!」 中〜遠距離を撃ち払う呪文においても、天地雷鳴士を極めたマリベルのそれに充分引けを取らない威力。魔力の消耗の大きいグランドクロスならば抵抗できるかもしれないが、相対する皆殺しの剣の射程も相まって、パラディンの最も得意とする中距離戦闘ではむしろ不利と見るべきだろう。 「では……接近戦ではいかがか!」 地を蹴り、疾風の如き速度からの刺突。速度に特化したその一撃に、ゴルベーザは一歩引きつつ剣で凪ぐ。 メルビンの剣に宿るは、パラディンとして習得した博愛の特技のみではない。古来より戦闘の腕を磨き続け、ダーマ神殿の導きにより完成した、英雄<バトルマスター>としての剣技がある。 幸いなのは、ただ剣に操られているだけの者を斬ってよいものなのか、迷う必要がないという点だ。一撃目の重みから、そんな迷いを抱きながら勝てる相手ではないと分かっている。故に、場合によっては殺傷も止む無しとの判断に迷いはなかった。斬り伏せねば、斬られる。手心を見せれば殺意に潰される。英雄としての直感すべてが眼前の人型の異形を危険信号を発している。 「早季殿っ! ここは拙者に任せて逃げるでござる!」 近距離から成される斬撃の応酬の合間、守る余裕はないとの見解を簡潔に纏めて言い放った。その声に、ハッとしたように現状を再認識する早季。これが、殺し合い。理解が足りなかった。殺し合いというものを概念として理解はしていても、13もの人数が死んだことに対する実感としてはあまりにも薄かった。 思えば、殺し合いの会場で唯一起こった戦いと呼べるものは、ビビアンとの不和のみであった。それも矛先はドラえもんに向いていたし、自分が死ぬのではないかという認識からはかなり隔絶されていた。だからこそ、6時間で13人という死亡者の人数に対して抱いた感想は――多すぎる、だった。だが、目の前にしてようやく理解する。戦局が僅かにでも傾けば数秒と経たない内に命など簡単に消えてしまいそうなくらい、これは殺し合いであったのだと。各地で起これば、13人という人数など、むしろ少なすぎるくらいに掻き消えてしまうだろう。そして、ドラえもんもその例に漏れなかったのだろう。ビビアンとのいさかいが可愛く見えるほどの、ただただ真っすぐな殺意。もはやドラえもんを殺した人物がビビアンでなく目の前の男であるということに疑いはなかった。 メルビンは最初から皆殺しの剣の射程距離を理解していたかの如く、ゴルベーザを視認すると同時に応戦を開始していた。それを知らなかった早季は、ゴルベーザの攻撃への反応が遅れた。確かに、あの距離から斬り付けられる想像など、早季にできようはずもない。だけど、剣についての事前知識の有無など、もはや関係ないのだ。何故なら、メルビンのみならず早季にとっても――互いに互いを視認できるあの距離は、充分に呪力を用いた”戦闘”を開始できる距離であったから。それを行使してくるという想像力が欠如していたことに、何ら言い訳できる材料は無いのだ。 「早季殿……! 早く――」 次の瞬間。 「――ぐっ!?」 唐突に、ゴルベーザの右足が踏みしめていた大地が陥没する。ただでさえ戦闘中で研ぎ澄ましていた集中力。そこに加えられた予測だにしていない出来事に、ゴルベーザの感覚は一瞬、狂った。接近戦を繰り広げているときには、あまりにも大きすぎる隙。 「ぬおおおおっ!」 メルビンの渾身の真空斬りがゴルベーザの身体に走る。 防御力の無い身体に、初めて明確に加えられた一撃。 「おのれ……バイオッ!」 付け焼刃の狂気で平常心を保っていられるはずもなく、半ば狂乱的に腕から毒霧を振り撒いた。メルビンへの牽制のため、早季には届かない。毒霧に包まれたゴルベーザに対し、メルビンは追撃を断念し、両者には再び距離が開く。 「早季殿、今のは……」 「わたしも、戦います。」 大人であるメルビンに任せて、流されていれば、きっと安全なのだろう。きっと、楽なのだろう。だけど、もうドラえもんを失った時のように後悔したくないんだ。もし、わたしの後を追ってくるのがこの白髪の男だったら。もし、次の放送でメルビンの名前が呼ばれてしまったら。 「……守れる保証は、ないでござる。」 「守られるだけのわたしでは、いたくないんです。」 後悔したくないなんて、命を懸けてまで立ち向かってくれる人に対して自分勝手な話かもしれない。だけど、大人に守られ、害悪に晒されぬまま育った命が次の命を育むとき。果たしてその命は新たなる世代を、守れるだろうか。 一方、メルビンの脳裏に過ぎるは、同じように共闘して、それでも守れなかったノコタロウの姿。今の早季と同じ、逃げられるときに逃げる選択をせずに立ち向かって、消えた命。自分の命があるのは彼のおかげであると言えど、それでも。あの時と同じ後悔をしたくはない。早季が逃げられるのなら、戦場から少しでも離したかった。しかし、彼女にも彼女なりの矜持があるらしく、それを挫くことはできない。 ――ならば、死なせなければいい。 この上なく単純で、しかしこの上なく、難しい答え。戦いを引き受けるのではなく、共闘しつつ守り抜く。 彼らを突き動かすは、罪悪。二度と取り戻せないものへの後悔に苛まれ、しかしそれを糧に前を向く。それは、償いを求める心を剣に魅入られたゴルベーザの否定であった。 【E-5南/一日目 朝】 【渡辺早季@新世界より】 [状態]:健康 恐怖(小) マリオに対する疑問 [装備]:トアルの盾@ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス [道具]:基本支給品 チビィ@ドラゴンクエスト7 不明支給品0〜1 [思考・状況] 基本行動方針:仲間(真理亜、守、覚を探す) 1.ゴルベーザを倒す。 2.ビビアンに会いにいく。 3.近くにいるらしい守を探しに行きたい。 4.名簿の友達の姿に疑問。 ※参戦時期は夏季キャンプ1日目終了後。そのため奇狼丸・スクィーラとは面識はありません。 【メルビン@ドラゴンクエストVII エデンの戦士たち】 [状態]:HP1/10 全身に火傷 背中に打撲、軽い脳震盪 MP2/3 [装備]:勇気と幸運の剣@ジョジョの奇妙な冒険 [道具]:基本支給品、ランダム支給品×1〜5(一部ノコタロウの物) [思考・状況] 基本行動方針:マーダーから身を守る、ガノンドロフは今度会ったら絶対に倒す 1.自分とノコタロウの仲間(アルス、アイラ、シャーク・アイ、クリスチーヌ、ビビアン、マリオ)を探し、守る 2.ボトク、バツガルフ、クッパには警戒 3.マリオに不信感 ※職業は少なくとも戦士、武闘家、僧侶、パラディン、バトルマスターは極めています。 【チビィ@ドラゴンクエストVII エデンの戦士たち】 [状態]:健康 [思考]:早季とメルビンが心配 ※早季のザックは空いているため、チビィの意思でいつでも表に出られる状態です。 【ゴルベーザ@FINAL FANTASY IV】 [状態]:ダメージ(小)、呪い MP消費(中) [装備]:皆殺しの剣@ドラゴンクエストVII [道具]:基本支給品、ランダム支給品0〜2、参加者レーダー青 [思考・状況] 基本行動方針:参加者を全滅させ、■■ルを▲き返ら●る 1.メルビンと早季を殺し次第、大魔王の城を目指し、参加者を殺して回る。 2.キングブルブリンには手駒として働いてもらう。 ※参戦時期はクリア後です ※皆殺しの剣の呪いにかけられており、正常な思考ではありません。防御力こそ下がっていますが、魔法などは普通に使えます。 ■ 『ピーチ』 放送で呼ばれたのは、マリオの想い人の名前だった。 (あのヒトも、死んじゃったのね……。) メルビンからノコタロウの死を突き付けられて。目の前でドラえもんを失って。失ったのはそれだけであってほしかった。マリオが生きていたこと、それだけは心の底から安心している。だけど、マリオは。仮にアタイがマリオを失ったその時のごとく、ピーチ姫の死に悲しんでいるだろう。 大切な人を失う怖さを、アタイは知っている。大切な人を失う痛みは、想像するのも怖いくらいに――それだけで心にカゲが差してしまいそうなくらいに、想像が及ぶ。 (――あ。) なのに、だというのに。 (これでアタイは、マリオに想いを伝えられる……?) 過ぎってはいけない考えが、つい浮かんでしまった。 「……ああっ! アタイは……アタイは……!」 断じて、ピーチの死を願っていたわけではない。だけど、結果的に。マリオの深い悲しみに繋がるその出来事を、ポジティブに捉えてしまった自分がいたことを、この上なく自覚してしまった。 ビビアンは、根は優しい生物だ。だからこそ、その一瞬の自分の思考が許せず。だからこそ、続く思考は自己嫌悪のみ。マリオのしあわせを自分のしあわせだと、清廉潔白に語ることができなくなってしまった。それは、マリオへの愛の自己否定に他ならない。 人間関係に――それも三角関係に、邪な気持ちの介入など、敢えて語るまでもなくありふれた出来事だろう。その意味では、彼は何も間違っていない。だが、彼は優しすぎた。優しすぎるが故に、これまではただただ純粋にマリオのために行動していたし、できていた。ピーチからの"略奪"など、考えたこともなかった。 「……ホント、なさけないわね。」 良い人だった守の誘いを断って。 同じく良い人だった人たちに、炎で攻撃して。 そしてあの日のマリオのように、自分のために頑張ってくれた人を目の前で殺されても、その敵討ちすらしようとせず。 挙句の果てに、自分のすべてであったはずのマリオへの想いすら貶めた。 「……これが、アタイのやりたかったこと?」 マリオのために殺し合いに乗る――それは、ホントにマリオの願い? それとも、アタイの願い? ビビアンの原点。今や、懐疑の目が入ってしまった、マリオへの愛。しかし、原点に立ち返って、いま一度回顧して――思い出した。マリオのことが、好きになった理由。マリオ自身も、名前と姿を奪われて大変だった時に、アタイの探し物を手伝ってくれた。顔も名前も分からない人だったけれど、だからこそ、アタイは彼の"優しさ"を好きになったんだ。 「ううん、ちがう。」 仲間や見ず知らずの人たちの屍を積み上げた上で一人だけ生き残って、それで満足するマリオなんて。仮に優勝者に与えられる願いでピーチ姫が生き返ったとしても、それをもって他の犠牲を良しとするマリオなんて。そんなの、アタイが好きになったマリオじゃない。 「もうまよわないわ。アタイは、アタイの好きなマリオを信じる。」 殺し合いに反逆することを決めたビビアン。その目は、ゴルベーザの向かった方向へと向いている。 ずっと目を背けていたが、ゴルベーザの向かった先は、早季やメルビンのいた方向だ。ドラえもんのことは、助けることができなかったけれど。せめて、ドラえもんが信じた彼らのことだけでも、救いたい。それに、ドラえもんの発言が真っ赤な嘘でも明らかな見間違えでもないのなら、ドラえもんはマリオと出会っていたはずだ。それなら、その方向にはマリオがいるのかもしれない。どう考えても、ゴルベーザを追う以外の選択肢などなかった。 ビビアン――彼もまた、罪悪を糧として前を向いた。 されど、忘るるなかれ。彼の愛も、すでに終わっているのだ。ドラえもんはマリオについて、全て真実を語っていたのだから。 【E-6北/一日目 朝】 【ビビアン@ペーパーマリオRPG】 [状態]:健康 疲労(大) 情緒不安定(小) 仮面の男(ゴルベーザ)への恐怖 [装備]:なし [道具]:基本支給品、ランダム支給品1〜3(確認済み) [思考・状況] 基本行動方針 マリオと共にこの殺し合いの世界を脱出する。 1.ゴルベーザを追って、早季やメルビンから遠ざける。 2. マリオに会って、本当のことを知りたい ※本編クリア後の参戦です ※ザックには守の呪力で描かれた自分とマリオの絵があります。 Back← 056 →Next 055 解答まであと一歩 時系列順 057 月はなくともMOONはある 投下順 040 想いは呪い呪われ 渡辺早季 068 切望のフリージア(前編) メルビン 044 カゲが呼び寄せるものは ビビアン ゴルベーザ
https://w.atwiki.jp/30mmcolors/pages/221.html
季節は冬。放課後を迎えた時間も風が吹きすさび、すっかり手足もかじかんで来た が、彩音はいつものように、元気いっぱいに施設へと赴いている 彩音「今日も♪ みんなと、遊んじゃお~~♪ ……ん?」 ふと、施設の入り口に人影を見つけた 少し小柄な少女 白い髪が風にキラキラと反射し、それと同じくらい白い肌 そして綺麗な赤い瞳がこちらを見ていた 彩音「あぁ……こ、こんにちは ここの子…? だったかな?」 かなりの人数が居るし、全員が全員出て来る訳でも無い 顔と名前は、お話出来たら覚えているので。そうでないなら、見るのすら初めてかもしれない 少女「ううん」 白い少女はぷるぷると首を左右に振った 彩音「ええ~……? でも、それはさすがに~……」 少女「………」 ジッ…と見つめられる。会話が続かない そこへ イーナ「彩ちゃん!」 彩音「あっ、イーナちゃん! 今日も来たよ~♪」 すっかり友達になった二人、彩音の努力の賜物である 中澤「あっエルさんこんなところにいた」 彩音「あっ中澤さん」 中澤が歩み寄って来るとイーナはなんとなく二人の間に立って半ば睨みがちになった 中澤「あははは……、あぁエルさん、どうしちゃったの。中入ってればいいのに」 エル「ここは、入りたくない」 中澤「そうか、まあ無理は言わないよ」 そんな二人を見て 彩音「はっ!? お子さんいたんですね! いや、いてもおかしくないよね もともとEXMに乗ってあちこち飛び回ってたくらいだし…!! 私、それでも大丈夫ですから!!」 と凄む彩音に気圧されながら 中澤「あっいやこの子は…」 エル「なんで私がこのおじさんの子供なのよ! どう見ても似てないでしょ!」 彩音「あぁ、ごめん! ごめんねぇ~…。私まぁた早とちりしちゃって」 先程の無表情とは打って変わって、ぷりぷりと怒り出す そんな仕草を見て、彩音は戸惑うと同時に、少し安堵していた 中澤「この子はね。訳合って僕が預かってるの、それよりそろそろ行こうか」 彩音「えっ? 今日はどこかに行くんですか?」 よく見ると今日はきちんとした服装、軍服だった 聞いてはいたけど、ほんとに軍の人なんだと少し息を飲んだ 同時に、いつもと違う雰囲気に、また少しドギマギしてしまう 中澤「ようやくここの子達を迎え入れる施設が出来たからね。ちょっと拝見に」 見ると、校舎のグラウンドにヘリが止まっている 道理で風が強いと思った 彩音「そっか、なんだかアッと言うまでしたねぇ。でも良かったァ!」 中澤「うん。ありがとう。だから、少し今日は頼みたくて、待ってたんだ ごめんけど。じゃあ、ちょっと行ってくるよ お~い、エルさ~ん」 エル「は~~い」 と二人は出掛けて行った 彩音「いってらっしゃ~い♪」 ヘリに乗り込み、上空へと上がってゆくのを、イーナと二人で見送る イーナ「彩ちゃん! まだあんな男の事好きなの? オジサンだし、ぜんぜんカッコよくないよッ!」 彩音「うん、大好きだよ~♪ 今度、どんなとこがステキか教えたげよっか?」 イーナ「い、ら、な、いッ!!」 ムッとするイーナの手を引きながら、二人は施設へと入って行った 今日は、いつにも増して、工事に来てるであろう大型トラックが多かった…… ―――― N海沖S県O島 離島のほとんどが国境線の防衛の為、軍基地及び関連施設へとなっている N国も、連合に組み込まれてからは、かなり物々しくなったという それでも、他国に比べると独特の『アレルギー』があるため、配備は遅れ気味 ここはその内の1つ COLORS研究所移設……。言うなればそれは体のいい厄介払いだ かつての本州襲撃が恐ろしかったくせに、未だこうして防人に頼ろうとするのが現状 今回は、それがうまくマッチングしただけに過ぎない…… やはりここも襲撃後に放置された施設を宛がわれただけだったが、小川少将の計らいで今の施設よりはだいぶ良くなっていた 中澤、エル。そして、中澤と共に、研究所を墜とした仲間の一人、長柄を加えた3人は、格納庫で白いEXMを見上げていた エル「これって」 そこに居たのは純白の機体。彼女が研究所時代から使っていた機体 エルにとっては、いい思い出もイヤな思い出もごちゃまぜで、複雑な心境だった 長柄「君が使っていたアルトだよ。これも小川さんの計らいだ。あそこが表向き合法だったというのが幸いした。移送にこそ苦労したけど、いずれここで整備も可能になる」 中澤「はぁ~~……。ますます足向けらんなくなっちゃうよ、ほんと」 と頭をかく エル「でも思ったよりいいところじゃない! ここからって感じがするわ」 中澤「まだ何も始まってないのに鼻息荒くしないの……。ところでさ」 と、後ろに控えていた兵士に問いかける。警備というには物々しいというか、思ったより人数が多いような 中澤「石田中佐はいつお見えになるのかな? もうけっこう待ってるよ」 エル「ほんとよね」 ボリボリとポテトチップスを頬張りながら呆れ顔をする だが、兵士は何も答えない 中澤「愛想無いの良くないよぉ…?」 周囲を一瞥した時、中澤の目に軽く笑う兵士の顔が映る 中澤(しまった!!) 直感。これは警備ではない。『包囲』だ!! 中澤「まずい! 今すぐ戻るぞ!」 長柄「なっ!?」 エル「ふぇ?」 警備兵の一人が、隣の警備兵を殴って昏倒させたのを皮切りに 武装した集団が次々と警備兵を打ち倒し、関節を決める 何人かの警備兵は制服を脱ぎ、サッと口元を隠した あっという間に警備は武装解除され… 兵士?「中澤大尉、どうかお静かに。ここまでの失態を晒して、悪あがきも無いでしょう? そのままお待ち下さい。今我らはテロ組織…ですので!」 いくつもの銃口が、3人へと向けられた ―――― 夜の上空。S県圏内 輸送ヘリ内、そこに石田はいた 石田「さぁ行ってこい、これでケリだ。喧しい叩き上げめ 私は後でゆっくり現場へ向かう。車を用意しておけ くっヒヒヒッ……!」 そこには、石田のいやらしい笑いだけが響いた ―――― S県。COLORS収容施設 部屋の窓から少ない町の灯りをイーナは見つめていた 彩音の中澤を見つめる目にを思い出す イーナ「恋……かァ」 と頭に「あの事」が過る 腹に不快な感触が走った イーナ「あぁ……。やっぱり、ダメ…だよォ……」 涙目で見上げた空に、キラリと一瞬だけ光る星を見た瞬間 ナニか、と認識する前に。その星が落ちて来て、施設の壁を崩した 見られている。その星に…… ―――― ドオォォォォォォン!! 夜は閑静な住宅街に、突如爆音が響く 彩音「な、何!? いったい何の音?」 母の帰りを待ちながら夕飯の支度をしていた彩は、飛び出すようにベランダへと出る そこから見える山の向こう 馴染みとなった施設のある場所。その至る所に火の手が上がっている 彩音(爆発? 火事? なんで!?) 天へと昇る、高い煙の中。夜闇に薄っすらと巨大な影が浮かんで見えた ニュースでよく見る。でも、現物は『あの日』以来、ほとんど見ていない 人を模した機体の四肢。いつも通う校舎よりも大きな、鋼鉄の巨人 EXM… その手には、その体躯に相応しい、巨大な砲口が握られている 彩音(EXM? なんでこんな所にッ!?) 考えるよりも早く、エプロンを脱ぎ捨て家を出た 彩音(お母さん、イーナちゃん、みんな…!!) 彩音は、一目散に施設へと走った ―――― テロリストと名乗った兵士達の銃口が、まっすぐに3人を捉え続けた 兵士「どうか、大人しくしててくださいよ。此方もあんまり血は流したくないので」 ヘルメットにグラス。そして口元を隠し、表情はまったく窺えない だが、息遣いから察して、笑っているのだと思う 長柄「お・・・おい、どうするんだ?急がないと」 焦る長柄に 中澤「分かってるよ エルさん、ちょいと頼めるかい?」 エル「ん?」ボリボリ 肝が座っているのか、状況を理解してないのか 彼女はこんな状況下でもポテトチップスを離さず、食べる手も止めない エル「まったく、あんまり子供頼りもどうかと思うけど?」 と呆れるエル 中澤は懐からチケットを出し 中澤「ドッグカフェのバケツパフェで1つ」 と片手で拝む エル「ふぅん」バリバリ 中澤「デザートにケーキも付けちゃう」 エル「しょうがないわね」 二枚になったチケットを受け取り、白の少女は悠然と前に出る 兵士達の銃口がエルに向く 兵士「子供に何させようと……んん!?」 兵士の目にはエルが消えたように見えた 肘打ちの一撃で一人を打倒したかと思うと、奪った銃で別の兵士のヘルメットを撃つ 跳弾し脳震盪を起こした相手に目もくれず、飛び掛かって来た二人組をしゃがんで避けた後、互いに頭をぶつけた兵士がマスク越しにキスした瞬間、その顎を思いっきり蹴り上げる たまらず銃を撃とうとした相手に、エルは奪った銃を投げつけると、オートで放たれたその銃は、固まった兵士達の脚を撃ち抜いてしまう 誤射にうろたえる暇もなく、目の前に迫った少女に関節を決められ、銃を取り落とすと、そのまま背負い投げの要領で別の兵士へとぶん投げた 兵士「くそっ!? かこめ…」 それを言ったと同時に兵士は膝を後ろから蹴られ、ガクンとその場に倒れる 中澤「さっすがにここまで来たら…ねぇ?」 そうして瞬く間に、周りを取り囲んでいた兵士達は崩れ去った エル「はい、終わり。任せるんじゃ無かったの?」 中澤「あら。いらなかった?」 エル「ううん。でもチケットはまけないから」 兵士「そん、な……ぐぅッ!?」 中澤「君ら、この子達の事な~んも分かってないでしょ? これがCOLORSだよ。いけない大人達の創った、可愛いらしい兵器さ ……責任、取ってくれるよね?」 自分を見下ろす赤い目と、飄々としたその男に、動けなくなった兵士は寒気を覚えた 長柄「おい! 早くした方がいいんだろ!」 長柄は戦闘が収まるや、迅速に白のアルトを起動させていた 中澤「すまん。エルさん、いいかい?」 エル「ハイハイ」 2人はコクピットへ エル「ちょっと! 一緒に入るの?」 中澤「あのね。夜の冬空を風に晒されて飛ぶなんて、普通は自殺行為よ。分かる?」 エル「もうっ」 メインシートにエルが乗り込み、その後ろに備え付けの緊急用座席を展開させ、そこに中澤は座る アルトは格納庫の扉が開くと同時に外へと エル「ところで……飛ぶってどうすんの?」 中澤「はぁ?」 何故そんな初歩的な事を。EXMは中澤が現役だったころからビュンビュン飛んでいた この機体もウイングを装備しているので当然飛べるはずだが 長柄「エルくんはまだ飛行訓練はしてない! それにエルくんの能力は人の動きのイメージを元にしてる。急に飛ぶのは無理だ おまえが何とかしろ!!」 中澤「ぇ~~」 とエルと目が合う エル「何よ!」 中澤「いや、いいかい? まずそこのを引いて……」 どうやらすぐに理解したようでアルトはゆっくりと浮上するが、フラフラとバランスが取れずまったく安定しない 中澤「ちょ!? ホント大丈夫? コントロールこっちに回す?」 エル「このコ、私に合わせてピーキーって聞いたわよ!? 集中するから指示だけちょうだい!!」 そうなのだ。この機体は、エルの『脳波操作』専用に調整が施されている ある程度肩代わりは可能かもしれないが、正直試してもないのにそんな事をして、どんな影響が出るかわかったもんじゃあない エル「……羽、生やして……鳥じゃない…飛行機……それで…」 白の少女はぶつぶつと何かを呟いている 中澤(まさか、ぶっつけ本番で『羽を生やすイメージ』を作る気か!?) 幻肢痛。というものがある 失ってしまった体の部分が、まるで『ある』かのように、脳が痛みを感じる症状 もし逆に、『無いモノをあるとして、それを操作するべく、彼女の脳の意識が、機体にまで伝染』したとするなら ボゥ!! と、ブースターに火が入り、安定して飛び始めた!! 長柄「おお!!」 エル「やった!! いけそう!」 中澤「はぇ~…。大したもんだよホント」 そして、機体は昼まで居た方角に向き直す 長柄「行くのはいいが、アイツらあれだけか?」 中澤「えっ? いや~、どうだろ?」 長柄「ちょっと待て! 俺の安全は!? せめて蹴散らしてからいけ!!」 中澤「あぁ~~。たぶん逢坂さんが誰よこしてくれてるよ。恐らく、いやきっと」 長柄「おいっ!」 エル「行くよ!」 中澤「じゃ。あとよろしく」 とアルトは本土へと飛んで行った 長柄「だ~~~!! 後で覚えてやがれ~~~~!!!!」 その声も振り切り、機体は冬のN海の空気を裂いて、一気に加速していった ―――― 同刻 S県。COLORS収容施設 突然の衝撃に、意識が朦朧としている 何か周りが騒がしい ボヤける視界の中、誰かが近づいて来るのがわかった ?「やぁ、やっと会えたね」 誰? と聞き返す間も無く 「貴方!その子から離れなさい!」 震えるような声で女性の叫び声が聞こえた ?「うるさいなぁ~~」 パン!パン!パン! 「ぎゃっ・・かっ」 なんだ? 何かあったの? 渇いた音が響き、ナニかが倒れたようだったが、恐怖に支配された彼女には知りようもない まだ虚ろな意識 誰かはさらに近づいてくると、少女の身体を無遠慮に触れる 一瞬ゾッとする感触、しかし身体は動かない ?「君も変わらないね・・・嬉しいよ」 そのまま、誰かの手と認識したそれは、ぎゅうっと掴み、離そうとしない ?「あぁ、お帰りぃ……僕の、117」 とイーナは自分を引き裂く痛みに覚醒する イーナ「くぅ…あ……あぁ」 思い出したくないあの感触。だが確信する 覚めた意識の中、目に入ったその顔は忘れもしないあの少年 イーナ「86!?」 かつて愛した人の、爛々と輝く瞳と 遂に、目が合ってしまった α「嬉しいな、ちゃんと覚えててくれて、今は僕にもαって名前があるんだよ これからもずっと一緒だよ…。そうだよね? イーナ、だっけ? 君にピッタリな、カワイイ名前だ…」 イーナ「い、きて……」 名前を呼ばれたのにも驚いたが、彼が生きていた事に驚いた α「あ~~。なんで僕が生きてるか不思議なんだろ? 僕もさ あの後僕らは文字通り廃棄されたんだ でもたまたま一緒に廃棄されてたコイツ」 と後方に控えるように座るEXMを指した α「この僕にだけ反応を示した それに偶然気付いた研究員は慌てて僕を蘇生回復させた その後は施設が閉鎖し、流れ流れて今の隊さ」 αの、彼の動きは止まらない 足掻こうにも力が違い過ぎる イーナ「あっ……いっ…ぐぅ、あァッ!?」 燃え上がる火の手の中 彼の異様なまでに膨らみ上がった感情は、愛する彼女を絡み取って離さなかった イーナは吐き気のするような感情を抑え周りに目をやる 「う、うぅ……」 近くに、彩音の母である、さおりがうずくまっている さっきの声はこれかと気付く そして、施設の壁の向こう 彼が乗ってきたEXMとは違う影が立っていた ポルタ・ノヴァ。連合のアルトと対を成す、バイロンのEXM 連合ではなく、彼を拾ったのはバイロンなのだろうか? しかしその下、施設の少女達を品定めしている兵士達は地球の装備 イーナ(なに…!? 一体どういう……) 節操の無い兵士の何人かが、その場で少女を襲い始めていた イーナ(何? 何なのよッ!?) 街はあちこちで火の手が昇り、その暗闇に乗じた彼らは獲物を貪り始める… 何故だろうか。消防のサイレンすら一切聞こえない いつもであれば、知らない場所で火事が起きていても聞こえるのに… 誰も助けに来ないここは、ただの狩場と化していた イーナ「さ、さっき……EXM…が…っ、反応したって……ッどういう……こ、と…?」 イーナは、されるがままの状態にもかかわらず、彼の目を見ながら何とか口にする αは、彼女を愛でながらも、言葉を紡いだ α「僕が今着ている服……、そしてEXM…ェ…。見覚えないとは言わせない…… 忘れるはずがないだろう…? 自分の『色』を!!」 イーナ「!?」 暗き暗き灰の色。自分の力の源泉。そう教えられた。その色 よく見ると彼は上から下までその色で、乗って来たEXMも同様だった α「ようやく思い出したかい? そう君の色だよ……! 愛しい愛しい、君を示す彩…ォ…! そして君と交わった証なんだよ!! 君から僕が貰ったサイッコウのプレゼントさ!!」」 αがイーナの顔を撫で、見開いたその瞳に自分の顔を映す α「だから僕は助かったんだ。僕だった、あれだけいて僕だけがッ…!! …だから大人は僕を欲っしたんだよ…! だからこそ君も…」 『やめなさいッ!!』 話を遮るように声をした 彩音「イーナちゃんを離して!!」 その声の主は彩音であった、状況は判らない だが、イーナが他の子が襲われているのはわかった イーナ「彩ちゃん!! 逃げて!!」 α「逃がさないよ…!!」 αは銃を構える しかし、その銃口と彩音の間に さおり「彩! いけない早く逃げ…ッ!」 パンッ 渇いた音は、びちゃりと血飛沫を撒き散らし、あっけなく掻き消えた さおり「ぁごっ……」 その凶弾は、さおりの。母の頭を撃ち抜き爆ぜる 彩音「お……、お母さァん!!!」 α「うるさいおばさんだな」 なおもその銃口は彩音へと向けられる イーナ「逃げ……」 α「逃がさないさ」 目に見えない何かが、αを中心に広がる その『彩』の瞬きの奔流が、彼女を母の亡骸ごと包み込んだ瞬間 ズシッ。っと 急に身体が重くなる 彩音「な、に? ………こ、れェ?!」 そしてαが近付きおもむろに彼女の衣服を引き裂いた α「ちょうどいいや。君とも遊んであげるよ」 そう言うαの後ろで横たわるイーナを見て寒気が走った 彩音「いや、いやぁ!!」 その瞬間 大きな銃声と共に白い何かがポルタ・ノヴァを一体吹き飛ばした α「なんだ!?」 真っ白なアルトがこちらに向かって降りて来た コクピットが開く 中澤「彩音さん! 大丈夫!?」 彩音「中澤さァん!!」 その姿に彩音は安堵し、思わず叫んだ 涙を流し、動かぬ体のままであっても とても心強かった…… ――少し前―― N海沖 真っ白なEXMが飛んでいた エル「ウフフ♪ 飛ぶのってけっこう簡単ね」 と、どや顔をしていたが、中澤は彼女の方を見向きもせずに、コンソールに向かっていた 中澤「装備は? マシンガンとナックル……と何コレ? コビッツ? シールドじゃないの? 慌て過ぎたなぁ、武器が乏しい」 無視されてちょっとムッとするエル エル「大丈夫よ! 私のスノーホワイトは強いんだから」 と胸を張る 中澤「ところでそのスノー……って名前何?」 エル「女の子が乗ってるだからやっぱりかわいくね」 中澤「かわいくって……こんなカクカクしてる見た目で?」 エル「もうっ! いいじゃない!!」 とふて腐れる 後に数年、長柄博士を悩ませる事になった会話であった 中澤「そんな事より見えてきた!」 まだ数キロ離れているここからでも火の手がわかった エル「じゃっ、行くわよ!!」 加速するスノーホワイト 一気に陸が見えた 同時に、町を荒らすEXMも確認出来る エル「先制アタック!」 とマシンガンを撃とうとする、が 中澤「ダメダメ! 居住区が近いんだから連射しちゃダメ! オートから切り替えて単射にして」 エル「なんでッ!?」 叱る中澤にエルは悪態をつく 中澤「街にこれ以上被害出たらどうすんの!? チケット使えんくなるよ!?」 エル「ああ! もう!! これじゃあ【00B】との模擬戦の方がよっぽど楽だったわよ!!」 中澤は思い出す。そういえば彼女は、模擬戦はともかく、実戦は初めてなのだ 中澤(この辺から教育かなぁ。女将さんにでも頼んでみようかね) そう思いながらモニターから町の状況を窺う 中澤「とにかく着陸して接近しようか ……まぁまぁ数いるな 今回、影さんのサポートは無いし……」 と思考を巡らせていると困った顔のエルが目に入る エル「着陸……?」 しまった!と中澤が思うより早く エル「止まればいいんでしょ! だったら!!」 とスノーホワイトを更に加速させ敵機へ一直線 中澤「なっ…!? まっ、待ってまって!!」 そのままスノーホワイトはまるで特撮ヒーローの飛び蹴りのような姿勢をとり、おもいっきり近くのポルタノヴァは蹴り飛ばし着陸した ガカァァァァン!!!! ポルタノヴァの頭部はへしゃげ、そのまま地面に倒れる さすがに不意の横転に、パイロットも無事ではないだろう エル「どうよ♪」 中澤「あたた…っ、またなんという…ん?」 頭を抑え、ふとモニターに彩音の姿を見た 中澤「エルさんハッチ! 降ります!」 エル「ハイハイ」 とハッチを開け腕を地面へと下ろした 中澤「彩音さん! 大丈夫!?」 彩音「中澤さァん!!」 こうしてこの状況に至る訳だ 中澤はスノーの腕をスルスルと降りて行く α「誰かと思えば……やっぱり大人は役に立たないな」 悪態をつきながら、少年はいやらしそうな顔をする 中澤「へぇ。あの時の少年じゃない」 とサッと状況を見る 乱れた服の少女たち。血まみれで倒れた女性 そして、目の前の、石田と共に居た少年 中澤「ちょっと悪さが過ぎたかな」 中澤は、自分でも怖いくらいに冷静だった ふと落ちていた鉄パイプを拾い、剣を中段に構えるような姿勢を取る α「ナニそれ? あぁチャンバラで僕をどうにかしようって? …頭おかしいんじゃない?」 と銃を彩音の頭に押し付けた 彩音「…えっ」 母の撃たれる姿が過った瞬間だった バシン!! 銃を持った腕が弾かれる 彩音の目にさっきまで数メートル先にいた中澤が大きく映る α「なっ・・・そんな!」 αには何が起こったのかも分からない ただ、その手にはもう銃は握られておらず、代わりに鈍い激痛が遅れてやってきた 咄嗟に下がりイーナの元に… と、距離を取ったと思っていたαはぎょっとした もう目の前に中澤がいたのだ 先程と同じように、構えからの突きが肩へと入る 咄嗟に頭を庇った腕に、容赦無い一撃が見舞われ、彼は恐怖に慄いた α「そ、そんな! 研究所出の僕が圧されるなんて!? 強化も…訓練もッ!!?」 中澤「知ってる でも君、落ちこぼれだったんでしょ」 α「そんな! 117たすけ…」 ゴスッバシンッ!! 手首のスナップを利かせた連打を防いだと思った瞬間 腹に重い一撃を喰らい、更に後ろへと吹き飛んだ α「か…ッ!? グフッ」 無理やり肺を圧迫され、αは咽返すように空気を吐く だが、腐っても強化兵士。倒れながらも、まだこちらを睨み上げる… その様子に鉄パイプを構え直し 中澤は小川の顔を思い出す 中澤(こういう時は、貴方のしごきに感謝します) エル「おっ♪ 指令もやるじゃない」 何を呑気な…とコクピットから見下ろすエルを見た そしてイーナを見るや、上着を脱ぎ被せた 彩音もそこに駆け付けイーナを抱き締める 彩音「イーナちゃん!!」 イーナ「あァ…彩ちゃん!!」 二人を見て、胸が苦しくなった 中澤「ごめん、2人とも」 今はこれしか出なかった よろよろと立ち上げるα α「くっ……他の連中はどうした!」 と周りを見るとポルタノヴァや兵士達との連絡が取れない 配置しているはずの方向を見ると、もうすでに無力化されかかっていた そして、月明かりすら消えたと思った時、上空を覆わんとする影が迫ろうとしていた…… ―――― エドガー「本艦はこれより、N国S県、K区画地区のテロ鎮圧特別任務を遂行する 各員。街に対する被害は最小限に フォワードは3バーストマシンガンと大型ナイフの携行を許可する 街中でライフルやビームの支援は無いと思え」 その上空に現れた戦艦から、艦長『エドガー・ユーバンク・ヘイルズ』は、出撃する隊に向かい叫んだ エドガー「全艦、油断するなよ!!」 艦長であるエドガー司令。まだようやく30になろうというくらいにも関わらず、冷静な判断で指示を飛ばしていた 急に【市長】から詫びを入れたい案件があると打診が入り、何事かと思い文字通り飛んできたのだが… エドガー(ポルタノヴァ……。偽装はしているが、地球製だな? まったく、他人の事をとやかこ言える立場でもないが。厄介な……) 『……』 『これが……本当の戦場……』 『私たち、これを諫められるのかな……。こんなの経験した人を、ホントに元気づけられるのかな……?』 同じく、簡易潜水艇に匿われていた、『真中次郎』のプロデュースする三人組も保護され、共に上空から戦場を見下ろしていた…… エドガー「君たち。無理であれば、下がっててもいい。私もそう言われているのでね」 『…いえ! 確かに怖い…けど』 『【あのコ】達や、今こうして戦ってくれてる人たちの事を想えば!!』 『プロデューサーの言ってた事が、ちょっとでもわかるような気がするから…!』 エドガーは、その後ろ姿に、かつての自分やそのライバルの姿を重ねた… 確信する。彼女達はきっと、次代の戦乙女として羽ばたくと そして、そんな彼女たちに、負けてなどいられないと エドガー「了解した。ヴァルキュリアの卵たち では、このエドガー・ユーバンク・ヘイルズ。下手な指揮は見せられんな…!!」 ―――― 空中より舞い降りた暗色のアルト その乗り手。ライヒアルト = シュレンドルフは まだ20過ぎの若手であるが 的確にコックピットのみをナイフで引き裂き、テロ機を沈黙させてゆく 『な、なんだよ? レーダーが!? ゆ、有視界せんと…ぐあッ!?』 ライヒアルト「こちらモイライ1 この方面は仕留め終わった。次のターゲットに移ります」 強力なジャミングを撒かれ、機械による視界を遮られたテロ機達は、その中でも悠然と動く部隊に翻弄されていた ライヒアルト「こちらのOSは特別製でな スマンが、生死はそこそこでいいと聞かされている EXMに乗っていたのが運の尽きだったな」 3バーストから単射モードに切り替えたマシンガンでも うろたえた案山子の担い手を撃ち貫くには、彼と【試作AI】の手にかかれば、造作も無い事だった…… ―――― α「なっ…バカな!? EXMが全滅!? どおして? 石田は! 中佐は何してるんだ!!」 中澤「ふぅ、逢坂さん……いや違うか? とにかく助かった~~」 謎の部隊は、町に展開していたEXMを次々と沈黙させ、包囲していた歩兵も捕縛していく 少なくとも、こちらの意図に協力的らしい その様子に、中澤は少し安堵する α「…チッ!」 舌打ちしながら、αがEXMへと向かう 中澤「逃がさないって」 と不意に身体が重くなったのを感じた 中澤(これは…!?) とイーナと目が合うとイーナはいやいやと首を振っていた 中澤(能力…!? 何故だ? イーナじゃない、まさか…!!) その間にαは乗り込む 中澤「エルさんお願い! あとその子たぶんCOLORSだ! 油断するな!!」 エル『はぁ? さっきの男じゃなかった?』 コクピットに座り直しながら聞き返す 中澤「よくわからないけど、そうみたいなんだ気をつけて!」 エル「ったく」 スノーはマシンガンを放つが、弾が反れて地面へと落ちる エル「……ん?」 続けて撃つがやはり同じ現象が起きた エル「何かある!」 とマシンガンを投げつけると敵アルトの手前でマシンガンは不自然に落ちた ガゴンッ! と同時にマシンガンが暴発した ダダダダダッ! 中澤「わっ!わわわわっ!!」 彩音とイーナを小脇に抱え逃げる中澤 中澤「バカ! 銃を軽々しく投げない!」 エル「あぁ、ごめんごめん」 と向きを直し向かい合う 携帯コンソール画面にデータが表示される イーナの能力データ 中澤「たぶんあってる、どういうわけかあの子はイーナの能力をコピーしている」 イーナを見るが言いたくない素振りになんとなく察する エル「さてさて」 α「くっ……フィールド範囲が狭いッ! 途中だったからか…!?」 α機が迫る 触れそうな距離まで迫ると、互いのマニピュレータを掴み合い、取っ組み合いになる エル「遅いって…ん?!」 ガクン。と 膝が落ちそうになる。モニタに表示されるのは、【重量過多】の警告 ギリギリ蹴りを見舞うと同時に、バーニアを吹かせ距離を取った α「ゲホッ!? あ、アイツにやられてなけりゃ、さっきので決まってたのに…!!」 エル「これが『加重』ってのか…!」 そんなに広いフィールドではない、しかし弾は届かない、近付けば捕まる… エルは左手腕に装備されたシールドに目をやる エル「今の私に出来る? ……ううん! 出来る!!」 スノーはおもむろにシールドを掴みα機に投げつけた α「そんなもの……!?」 と軽くかわす するとシールドの影からスノーホワイトが顔を出す がαはニヤリと笑う α「甘いんだよ!」 『加重』のフィールドは常に展開している スノーホワイトは捕まると、今度こそは言わんばかりに地面へと押し潰された エル「くっ……! ぁあ…!?」 ズズン…… 倒れたスノーホワイトを跨ぐように立つα機 範囲内の地面が陥没し始め、αは全力で能力を行使する α「意外と呆気なかったねェ!! 01!! 【00B】に連戦連勝って言うから、どんなバケモノかと思っていたけど こんなのが『母さん』の秘蔵っ子なんて…ッ!!」 自分が落ちこぼれと称されたことへの苛立ちが募る だが、それは今この時払拭されるのだ…!! α機が長刀を引き抜き、スノーの首元へとかざした α「さぁ終わりだ!」 エル「コビッツ! お願い!!」 その言葉に応えるかのように 先程投げられたシールドが青い光を纏って、光の矢の如く飛翔する!! 『加重』のフィールドをものともせず切り裂き、そのままα機の腹部を貫いた! α「なんだ?! ナニが起こって…!?」 フィールドが消えた エル「だあぁぁぁぁぁ!!」 スノーホワイトのナックルがα機の頭部を捉える グワシャッ!!! α「グハァッ!!?!」 今度はα機が地面へと沈む エル「……【アイツ】にタイマンで勝てたのは。私だけだっての…」 そして、それと同時にテロリストとおぼしき部隊の制圧も完了した 長い夜はようやく明け、辺り一帯に日の光が指そうとしていた キャンパスを並べる日4へ続く
https://w.atwiki.jp/msbr/pages/103.html
ボーダーオブライフ ◆Su10.RK3MU 【001】 「今度こそ成仏しろよ」 そんなことを言って僕はゴミ捨て場の前でパンパンと手を打った。 別に何かを拝んだりだとか手締めとして拍手を打ったというわけではない。ただ一仕事を終え、手から埃を払っただけだ。 あれから。 人気のない街中へと入り、続けて当て所なくぶらぶらと歩いていた僕たちは住宅街の一角にゴミ捨て場を見つけると これ幸いにとあのかつては僕の愛車だったマウンテンバイクの残骸をそこに、多少の葛藤はあったものの捨てたのだった。 いやだって、鈍器にするならもうそこらじゅう、例えば交通標識なんかだとかをどこからでも調達できそうではあったし そうなるとわざわざ自転車の残骸なんて使いづらいものを後生大事に抱えていてもしかたがない。 なにより格好がつかないし、どこか不憫なビジュアルですらある。それにそもそもとして一度は捨てたものなのだ。 そういう訳で、僕は改めてかつては愛車として活躍していたマウンテンバイクと別れを告げたのだ。 もしかすると、じゃあ捨てるんだったらどこでもいいだろう。なんなら海に向かって放り投げればよかったじゃないか。 なんて言う人がいるかもしれないが、しかし僕はそんな考えには断じてノー!だと言わせてもらおう。 そんなことをしては僕のイメージが……ではなく、一般的な常識としてゴミをルールを守らずに遺棄するのは犯罪行為だ。 尤も、その常識というものがここでだとどうなのかは不明なので、あくまでマイルールを暫定的に採用することになるのだが。 ゴミはゴミ箱に、資源ゴミは指定のゴミ捨て場にという訳で、わざわざゴミ捨て場を探してそこに捨てることにしたのである。 おいおい何を言っているんだ、自転車やなんかの大きなものは資源ゴミではなく粗大ゴミとして専用の業者に引き取って もらうものだろう?とつっこんだ人は中々に鋭い。だがしかし、その点においても僕は抜かりない。 資源ゴミと粗大ゴミとを区別する分け目はそのゴミの大きさ――つまりはサイズによる。ここで素材は考慮されないのだが、 粉砕されたマウンテンバイクはもはや自転車の体をなしてはいなく、無数の細かいゴミでしかないから資源ゴミとして 捨ててもいいのだ。多少、規定のサイズを超えるパーツもあったが、それは吸血鬼の力を駆使して解体した。 ついでに、金属部品とプラスチック、ゴムのパーツも分別しておいた。一分の隙すらないのだ。 「こと、ゴミ捨てにおいてはこの阿良々木暦をあなどらないでいてもらおう!」 「……誰に向かって話しておるんじゃ我があるじ様よ」 忍の視線が冷たい。 「いや、決意をもってスタートしたのはいいけど、何も起きないもんだからちょっと、な」 「まぁ、それはわかるがのう」 あの砂浜から出発し、街中に入るあたりまでは誰かどこかに潜んでいないか、どこからか奇襲されるんじゃないかと 緊張しながら歩いていたものだが、どうやらこの島は思いのほか広いらしく、じゃあ滅多なことでは誰かと出会わないんじゃないか という疑念を抱き、そしてそれから数時間ほどしてそれを実感してしまえば最初にあった緊張感など維持できるはずもない。 そして、ただ知らない夜の街を徘徊するだけという状況に耐えかねた結果が、僕をゴミ捨て場に駆り立てた……とか、みたいな。 「ミスタードーナツでも見つかればよかったんじゃがのう」 「それだとお前がドーナツ食ってるシーンだけでこの話は終わっちまうよ」 本当はもっと必死にならなくちゃいけないってことは理解してるし、あの決意は決して偽物じゃなかったはずなんだが なんせ未だに僕らは自分達が島のどこにいるのかすらわかってないんだよな。 島の中にある市街のどこかってのはわかってはいるんだが。 「果報は寝て待てとも言うが?」 「この場合、待ってやってくるのは訃報だよ」 「うまいこと言えてるの」 「シャレにならないけどな」 さて、本当にどうしたものか――。 【002】 深く暗い森の奥であどけない少女の悲鳴が響き渡っていた。 「――ねぇ、お姉さんと一緒に遊びましょ? お菓子あげるから、ねぇ、いいでしょう?」 「ひっ! ちょ、ちょっと……嫌です! あひゃ、やめてくださいってば! ゆ、幽々子様! 見てないで助けて――」 いやいやを繰り返しながら助けを求めているのが妖夢で、小さな彼女にしがみついて息を荒げているのは百合川と言う。 二人は足元も覚束ない森の中を器用に、まるで情熱的な南米のダンスのようにつきつ離れつくるくると回っている。 一見喜劇のようではあるが、得体の知れない女に絡まれた妖夢の悲鳴には本物の恐怖が混じっていた。 「あらあら、どうしようかしら」 妖夢の主である幽々子はなにも考えていなさそうな笑みを浮かべ、ただ従者の危機を面白そうに眺めているだけだ。 事態の滑稽さが増し、なおのこと妖夢が不憫という風になってゆく。 「百合川~~っ」 翻って、百合川の主であるれい子はという額に青筋を浮かべていた。 従者が命を聞かず足並みを乱していること。そして彼女の趣味趣向があいも変わらずなこと、その両方に対しての怒りだ。 れい子は強く地面を蹴ると奇妙奇天烈な踊りを続ける二人のほうへと突進し―― 「このどアホが――――ッ!!」 「ぶべらっ!?」 と、見事なドロップキックを百合川の即頭部に炸裂させた。 その時、れい子の短いスカートが全開で捲れ上がり派手な下着が露になったのだが、それはさておき れい子の全体重(一応ダイエット中)がのせられたドロップキックを喰らった百合川はおもしろいくらい見事にぶっとび、 地面の上を勢いよくごろごろと転がると木の幹へとぶつかりそのまま動かなくなった。 そして、半泣きになっていた妖夢はというと、その隙に地面を這って幽々子の方へと避難している。 「ハァハァ……。あー、ほんと最悪ね、こいつは」 脳震盪でも起こしたのかぴくりともしない百合川を見下ろし、れい子は大きな溜息をついた。 百合川サキは完全な支配下にさえあれば実に優秀な戦闘力を持ったゾンビだが、こうも本性を曝け出してしまっては ただのトラブル&キリング発生マシーンでしかない。一蓮托生の身としては気が重く憂鬱になるばかりだ。 「こんなことなら同じ百合川でも妹の方だとよかったんだけど……と、そうだ」 思い出したようにれい子は振り返る。 馬鹿なゾンビのせいで有耶無耶になりかけたが、今は殺し合いの場において敵と遭遇したという状況なのだ。 もう場が白けきったという感はあるが、それならば――とれい子は考える。 「えーと、その、どうしようかしら? うちの相棒が失礼を働いたのはあやまるけど、だったらこの際、ここはひとまずこれで手を打つってのはどう? 私としては馬鹿正直に殺しあうってのもおかしいって思うし、もしあの八雲紫って女を出し抜くアイデアがあるなら――」 その正体はともかくとして相手は一見無害そうな女と子供だ。れい子としては殺しあいたくないというのが本音である。 いや、もし相手が女子供でないとしても極悪人でもない人間を殺すのはれい子のポリシーに反する。 今のところ、殺していいのは八雲紫という女ただひとりしかいない。だから、れい子は協力しないかと提案しようとしたが、 「――じゃあ、殺し合いを始めましょうか。尤も、生きているあなたと生きていない私とじゃ殺し合いっこにはならないけど」 しかし亡霊の女は軽い笑みを浮かべたままそれを無視した。 嫌な予感が走る。この時れい子はすでに自然と戦闘体勢を取っていた。 「ちょっと……、何を考えているの? あんたまさかあの八雲紫って女を信用して殺し合いをおっぱじめる気?」 「それを教える必要が……いえ、今ここであなたが知る必要があるのかしら?」 幽々子の周囲になにか淡く光るものがふわふわと浮かび始める。 「蝶……?」 それは蝶――幽々子の霊力から生み出された死霊の化身であった。 「蝶は死の前兆を知らせるもの。あなたはこの死の誘いを抗い続けることができるかしら?」 無数の蝶が森の中を少しずつ淡い光で照らしてゆく。そしてそれは次第にれい子を囲い、死へと誘いはじめた。 【003】 それを避けられたのはれい子がすでに身構えていたことと、これまでに幾度も異常な敵と戦いその経験を有していたからだ。 浮かび上がった死霊の蝶の群れから数羽が飛び出すと、一羽が一つの光弾と変じて音もなくれい子へと殺到する。 ゆるやかな弧を描いて飛来する光弾を、れい子は持ち前の運動神経を発揮し、飛んで避けた。 一発、二発、三発と、避けられた光弾は直前までれい子がいた場所やその背後に着弾し火薬が炸裂したような音を鳴らす。 「くっ……!」 首だけを振り向かせ、確認した光弾の威力にれい子は冷や汗を垂らした。 地面には小さなクレーターが生まれ、直撃を受けた木は樹皮が捲れ上がり、幹が抉れて生木の部分が覗いている。 爆弾――という程でもないが、少なくとも子供だけで遊んじゃいけない花火くらいの威力はあるらしかった。 「(このままだと、まずい……)」 れい子は光弾へと姿を変えて次々と襲い来る蝶を避けながらこの場を切り抜ける方法を考える。 現状は最悪に近い。百合川のスピードならば弾幕の間を縫って接近しあの幽霊へと一撃を加えることも不可能ではないが、 今は(れい子自身が気絶させたのだから自業自得だが)ゾンビの百合川を使うことができない。 「せめて、(私だけでも)逃げる方法を考えないと……!」 立ち並ぶ木々がれい子に盾とされその身を抉られる。避けに徹するだけならばそれはあまり難しいことではなかった。 だがそれだけでは問題の解決にはならない。これといった打開策も浮かばず、焦燥が募るばかりだ。 今のところ順調に光弾を避けてはいるが、いくら避けても蝶の数が減っている様子は窺えない。 無尽蔵というわけではないだろうが、しかしそれを避け続けるれい子の体力よりかは余裕があるだろうことは確実だ、 その上、森の中というシチュエーションはれい子にとってよい方向にも悪い方向にも同じように働く。 盾となる木は時に行動の邪魔となり、苔に覆われた地面はいつその足を取るとも限らない。 「――あっ!?」 そして危惧した瞬間はすぐに訪れた。 連なって発射された光弾を避けたのはよいが、その際に出っ張っていた木の根に足を取られたのだ。 地面に倒れこむまでの間に受身とそこからの離脱をシミュレートする――が、それよりも早く追撃がれい子の背中を打った。 その瞬間れい子が思い出したのは、もみじなどと言って裸の背中を叩き合う遊びのことだ。 光弾で身体を打たれる感触はあれとよく似ていて、そしてその何十倍も強烈だった。 「…………っ、…………!!」 雷を落とされたような衝撃に悲鳴を上げることすらもできず、れい子は地面へとそのまま倒れこんだ。 激しい痛みに手足は痺れすぐには起き上がれそうにもない。このまま続けて攻撃を受ければもうそこでお終いだ。 だがこの瞬間、無様に土へと顔をつけてその感触を感じ取った時、れい子の頭の中に一つの方法が浮かび上がった。 「(私の……“武器”を使えば……)」 だがしかし、それを実行するにはこの地面に伏せた状況はマズい。これでは“自分が最初の餌食”になってしまう。 すぐさまに立ち上がりあの幽霊女から距離を取らなければならない。しかし、まだダメージが回復するまでには時間がかかる。 故に――れい子は動くことを放棄し、“逆に動かないように努めた”。 「(ここは“気絶したフリ”で、少しでも時間を稼ぐ……!)」 無論、ここで相手が無慈悲にも追撃をかければそこまでだ。 だがしかし、れい子はこれまでの態度からあの女がそんなことをせずに“余裕”を見せるだろうと踏んでいた。 「なんてことないのね。それじゃあお遊びはお終いにして、あなたを殺してしまいましょうか」 そして、そのれい子の予想は正解だった。 幽々子は蝶を使うのではなく、自ら止めを刺すべく“ゆっくりと歩いて”近づいてくる。 れい子の元へと辿りつくのに要する時間はおよそ20秒ほどだろうか。できればもう10秒は欲しいとれい子は考える。 “30秒あればダメージは回復し、ダッシュで距離を稼ぐ”ことができる。 「(そうだ……もっと近づいてこい。こんな身体だと、近づいてきてもらわないと攻撃を当てることが)――できないからっ!」 地面に顔を伏せたまま足音だけで近づいてくる幽々子への距離を測り、 彼女が3メートルの位置まで来たところでれい子はスカートに挿していた拳銃を早撃ちの要領で抜き、――撃った。 雷鳴の様な耳を劈く音が静寂な森の中に響き渡り、れい子の測っていた通りの位置にいた幽々子が身体をくの字に折る。 「幽々子様ッ!?」 離れた位置で事の成り行きを見守っていた少女が悲鳴を上げる。 だがそんなことはどうでもいい。問題は“後10秒だ”。どうせこの攻撃は――この“幽霊女には通用しない”。 「…………あらいやだ。身体に穴が開いてしまったわ。こんな“弾”を受けるのは初めてよ」 やはりそうだった。幽々子は拳銃で撃たれたにも関わらずなんら痛痒を感じている様子がない。 ソンビと同じなのだ。もう生きてはいない者に、痛みはダメージとならない。 もし有効なダメージを狙うなら刃物や鈍器だ。亡霊だろうとゾンビだろうと動けなくなるまで崩すのが最良の攻略法である。 なので破壊面積の小さな銃弾は有効な攻撃ではない。そう、れい子も理解していた。これはただの時間稼ぎにすぎない。 「あなた、亡霊を前に死んだフリだなんておもしろい子ね」 そして、“やはり”。目の前の幽霊女はれい子の反撃に対しても激昂することなどなく余裕を保ったままだ。 強者であるが故、絶対死なないと確信してるが故に、弱者に興味を持ち、こんなにも簡単に隙を見せる。 拳銃を発射してから10秒、そして余裕を持ってもう1秒。 身体の中の痺れが取れたことを確認したれい子は猫のように素早く立ち上がり、彼女に背を向けて駆け出した。 「あら? 逃げちゃうの?」 それは正解だ。れい子は逃げる為に疾走する。だがしかし、今距離を取っているのは逃げるためではない。 “呪文を唱える時間”を稼ぐ為。そして、なにより――その“攻撃に自分を巻き込まないよう”にする為ッ! ジャスト3秒で15メートル駆けたれい子はその場で止まり振り返った。距離を取るのは必要。 だが相手に攻撃を再開させるのもまずい。速やかにこちらが相手に“有効な攻撃”を仕掛けなければいけない。 れい子はゾンビ召喚者の印である五芒星(スター)が描かれた右の掌を突き出すと、間髪入れずに“呪文”を唱えた。 「魔王サタンよ――ッ! 我が願いを聞き入れ給え! この静謐な森に満ちる死せる者共を死の楔から解き放たんが為、そなたの偉大な力を持って今ここに一時の息吹を!」 それは反魂の呪文。魔王サタンと契約した《魔女》のみが行使できる“死者をゾンビとして蘇らせる力”だ! 「なんなの……?」 幽々子と、そして彼女の従者である妖夢が怪訝な顔をする。 彼女達は亡霊と半人半霊である。なので、れい子の呪文が真なる力を持っていようと影響を受けようはずもない。 例え魔王サタンの力を借りているのだとしても、ソンビ使いである以上、その呪文の効果は死体にしか適用されない。 ならば、何故れい子は呪文を唱えたのだろうか? ここには死体など(すでにれい子のゾンビである百合川を除けば)ありはしないのに。 れい子は幽々子達の正体を見誤ったのだろうか? いや違う。彼女は“ここに死体があること”を知ってる! カチ……カチ……、カチカチ……カチカチ…………―― 何かを打ち鳴らす不気味な音がどこからともなく聞こえ始めてくる。それは死神の持つ時計の針の音――死への秒読みだ。 カチカチ、カチ、カチ……カチカチカチ、カチカチカチカチ……カチカチカチ……―― 「小さい頃、何度も同じ“失敗”を繰り返したわ。ゾンビ召喚術を試そうと公園や山の中で隠れて行使した時にね。 だから“学習”した。どこに“死体があって”どこに“死体がない”のか。 私のゾンビ召喚術は私の声が届く範囲に無差別に作用してしまう。無差別にゾンビ化してしまうッ!」 カチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチ――!!! 「これは“死番虫”!?」 不気味な音に完全に囲まれるに至ってようやく幽々子はその音の正体に気づいた。 それは“虫”だった。地面を覆いつくす無数の“虫のゾンビ”が頭や牙を打ち鳴らす音だったのだ。 「さっき地面に倒れて土の臭いを嗅いだ時に思い出したのよ! そして、抉られた木の幹の中に“木の中を住処とする顎の強い虫が住み着いている痕跡”を発見した!」 自然の中にある虫や野生動物の死骸は、人間社会の中にあるものと違ってどこかに片付けられたり処分されるということがない。 故に、自然の地面とは積み上がった死体の層であり、どこにでも死体があるのだとれい子は幼い頃からの経験で知っていた。 「じゃあ私はおさらばさせてもらうわ。身体中が虫食いになるのは御免だからね」 言って、再びれい子は踵を返して走り出す。今度は二人の目の前から姿を消すまで振り返ることすらなかった。 【004】 「やれやれ、死霊魔術師だと思ったら蟲使いだったなんて……逃げられちゃったわね」 れい子が立ち去った後、幽々子と妖夢に襲い掛かってきた虫の大群はあっけなく幽々子の光弾によって打ち払われた。 虫のゾンビとは言っても、自然の中であればすなわちその分解(処分)も早いというわけである。 故に原型を留めているものは少なく、その脅威も見た目ほどではなかった。 そもそもとしてれい子の術で蘇った以上、れい子から離れてしまえばこの手の即席ゾンビは力を長く維持できないのだ。 つまり、虫のゾンビの大群――これすらも、逃げる時間を確保するための時間稼ぎだったという訳である。 「逃げられちゃった……じゃないですよ幽々子様!」 幽々子がくっついた虫を払い、身体に空いた穴を霊体をいじって埋めていると、従者の妖夢が詰め寄ってきた。 頭から虫を被ったのがよほど気持ち悪かったのか半泣きだが、ともかくして珍しい剣幕である。 「あらどうかしたのかしら?」 「いくら紫様の命だからって、見ず知らずの人間達と殺し合いをするなんて本気なんですか?」 粛々と進めていこうとする幽々子に対し、妖夢はこの殺し合いに対しては随分と抵抗がある様子だった。 斬ってから考える――が彼女の信条ではあるが、それも幻想郷の中に敷かれた不文律があってのものでしかない。 妖怪が人間を殺そうと脅かしてもいいが、殺しはしないし殺してはいけないのが現在の幻想郷だ。 故に、妖夢は強い人間や妖怪を問答無用で斬ったことはあっても、殺そうとしたことはない。 それは全て幻想郷(おままごと)の中での話だ。 「勿論、本気よ。それともここで他にすることがあるって言うのかしら?」 「これは紫様が起こした《異変》なんじゃないですか? だったら――」 「だったら、出会った相手を全部のして行けばいいじゃない。ほら、結局することは同じでしょう?」 「え、えぇ……? そ、そうなのかなぁ……うーん?」 「いいのよ。ここは幻想郷ではないのだから――」 苦悩する従者を前に幽々子はいつも通りの薄い笑みを浮かべ、枝葉に覆われて漆黒でしかない空を見上げる。 そこに、彼女の目には何が映っているのだろうか? 従者と違い、彼女はこの殺し合いに対しなんら疑問を抱いてないようであった。 それは彼女の気質なのだろうか、それとも彼女自身がすでに生者ではないからなのか、あるいは――……。 【E-3/山の中/1日目-黎明】 【主:西行寺幽々子@東方儚月抄】 [主従]:魂魄妖夢@東方儚月抄 [状態]:ダメージ(微) [装備]:なし [方針/行動] 基本方針:不明。 1:??? 【従:魂魄妖夢@東方儚月抄】 [主従]:西行寺幽々子@東方儚月抄 [状態]:健康 [装備]:背負い袋(基本支給品)、不明支給品x4 [方針/行動] 基本方針:幽々子様に従う。 1:う~~ん。 【005】 「ハァハァ…………、もう、限界……くたびれた」 山を駆け下り、鬱蒼と茂った森を抜けてようやく月の光を拝むと、もう限界だとれい子は草原の中に飛び込んだ。 去り際に回収した背負い袋をそこらに放り出し、ごろりと横になって弾んだ息を整える。 逃げている途中、何度も木にぶつかったりこけたりしたので服や髪の毛は滅茶苦茶で、もう「……ぼろ」という風だが、 なんとか五体無事に彼女は逃げ切った。 光弾を受けた背中はどこかで手当てする必要があるが、立って歩けないというほどでもない。 「さて、いつまでも寝ているわけにはいかないわよね。こんな状態で誰かに見つかったら危険だし」 れい子は上半身だけを起こすと、目立たないよう姿勢を低くしたまま辺りを見回した。 「ラッキーね。街が近くにある。まずはこの背中を手当てして、それにもうもう服もボロボロだから調達して――」 再び草の中に身を隠すとれい子は素早くこれからの予定を立てる。 まず最優先は傷の手当てだ。そしてボロボロになった制服の代わりに新しい服が欲しい(かわいいやつという条件がつく)。 長期戦になるなら飲食物の確保もしておきたい(そういえばショートケーキが食べたくなってきた)。 「地図にはデパートってあったけど、ここどこかしら? まぁいいか。じゃあ行くわよ。百合か――」 立ち上がり、さぁ出発だ――というところでれい子はそのことにようやく気がついた。 「しまった……完全に忘れてた……」 己の従者を置き去りにしてきてしまっていることに。 これは、確かに不注意だと言われても仕方がないことだが、彼女を擁護する余地もなくはない。 本来、自分のゾンビとして召喚できる存在は召喚術という名前の通り、呼んだり帰したりできるものなのだ。 なのでいつも通りならばここで改めて百合川を召喚すればいいのだが―― 「マズった……。実際、あいつがいないとかなり困る」 やはり、ここでは離れたゾンビを呼び戻すことはできないようであった。 これはここに連れて来られてた段階でなんとなしに感覚で理解していたことだが、図らずもそれが実証されたこととなった。 「戻る――ってのはなしよね。(死にたくないし)」 草原の中で立ち尽くし、山のほうを見つめるれい子の身体を夜の海風が静かに撫でる。 「うん」 そして、れい子は決断した。 「さぁ、行こう」 もう、あいつは見捨てようと――。 【E-3/南東・草原/1日目-黎明】 【主:姫園れい子@ゾンビ屋れい子】 [主従]:百合川サキ@ゾンビ屋れい子 [状態]:疲労(中)、背中に大きな傷 [装備]:コルトM1851@現実(弾数x5/6発)、コルトM1851の弾丸@現実(x30発) 背負い袋(基本支給品)、不明支給品x2 [方針/行動] 基本方針:殺し合いを勝ち抜く(?) 0:南無。 1:街へ行って、怪我の治療や物資の調達をする。 [備考] ※参加時期はイーヒン編終了後です。(8巻) 【006】 あれからも、僕たちはただ当て所なく歩き回ることを繰り返すだけだった。 なんとかしてこの現状を打開したいと思うのだが、まずはここが島のどこに位置するかを把握しないと何も始まらない。 なので、僕は地図を開き、あっちかこっちかとにらめっこしながらただ歩き回るのである。 「って言うか、アバウトすぎるよ! この地図!」 簡単なのはいいけど。びっしり細かく書き込まれた地図ってなんか逆に分かりづらいし読む気が失せてしまうものだから。 まぁ、こう言ってられるのも今のうちだけだろう。僕だって大体の当たりはもうつけているんだ。海の近くだ。とかな。 「はいそこ、残念な目で僕を見ない」 「そうは言うがなお前様よ。何が悲しくてバトルロワイアルの中で道に迷って右往左往しなければいけないのじゃ」 「お前だってわからないんだからお互い様だろ」 「儂らザ・ザンネンズって感じじゃの」 「ザが二つ被って呼びづれーよそのコンビ名」 とまぁ、先ほどからずっとこんな調子である。いつも通りの流れとはいえ我ながら恥ずかしい限りだ。 ほんとはやる男なんだぜ僕は。いや、ほんとに。 「お。お前様やそこに人がおるぞ。あいつに道を聞こうではないか」 「なるほど、それは名案だな。でかしたぞ忍」 あれ? 「なぁ、そこなケバい格好したボインボインのちゃんねーよ。ひとつ道を尋ねたいんだがよいかの?」 「お前はどうしてそう死語ばっかマスターしてんだよ――って、そうじゃなくて」 「死語の世界へようこそ」 「意味がわからねー!」 ほら、僕たちの目の前にふらふらと現れたお姉さんもちょっと引いてるじゃないか。 なんか気持ち顔色も悪いし、こりゃちょっとどころかドン引きってやつだぞ。 しかしまぁ、こんな夜道で会うには随分と扇情的で、忍の言葉を借りればボインボインのお姉さんだ。 大きさで言えば羽川と同じくらいかそれ以上あるかもしれない。僕の見立てだと比較して大よそ±2センチの範囲か。 それがチューブトップによってその天辺を露にしているのだというから、一見のセクシーさは比べるべくもない。 もっとも、僕くらい上級者だとこんなわかりやすいエロっぽさよりも、もっと奥ゆかしい中に秘められたものを求めるんだけどな。 「おい、おぬし大丈夫か?」 「そんなに素直に心配するな。悲しくなるだろう……と、ん?」 忍が大丈夫かと声をかけたのはセクシーパンクお姉さん(仮)の方だった。 よく見れば目つきが怪しく、息が上がっているのか随分とハァハァといっている。それにやっぱり顔色もよくないし。 ひょっとして、悪漢に襲われて逃げてきたのだとも言うのだろうか。 もしそうだとするならようやく僕らの物語も動き出すというわけだ。ギャグパートを終え、シリアスな本編というわけである。 「……あ、道? うん、道ならお姉さんが教えてあげる。だからこっちにおいで」 ようやく口を開いた彼女の声はまじかる☆タルるートくん(アニメ)の河合伊代菜ちゃんみたいな声だった。 まぁ、僕としては断然、伊知川累の方が好みなので特に感じ入るというところはないのだけど、見た目相応のかっこ可愛い声だ。 ともかくとして血も涙もない非情な物語かと思ったら案外親切な人物が出てきて一安心だ。これも普段の行いというやつだろう。 「おお、これは親切にすまんの。おい、あるじ様。この女が案内してくれ――ふにゃっ!?」 こっちを振り返った忍を、セク(略)お姉さんが後ろから抱きかかえるとそのまま向こうへと走り出してしまった。 ちょ……、確かに忍は抱きかかえて誘拐したいくらい可愛いが、だからといってそんな断りもなく抱くのはいけないだろう。 反則だ。とんだ協定違反だ。紳士淑女の風上にも置けない。 「忍を抱いていいのは僕だけだッ!」 「お、お、おお~攫われる~……って、何を抜かしやがるんじゃお前様は!?」 つい、誤解を与えてしまう発言をしてしまったような気がするが訂正する間もない。 ドップラー効果よろしく刻一刻と遠ざかる忍の悲鳴を追い、僕もセク姉(省略完了形)の後を追って走り出した。 「お姉ちゃん、いっぱい可愛がってあげるからね。最初はおままごとがいい? それとも一緒にお風呂に入ろうか?」 「追いついたら忍の身体を思いっきりぎゅうぎゅうするぞ。鎖骨も肋骨もぷにぷにのお腹も全部僕のものだぁああああ!」 「行くも帰るも地獄じゃああああ~~~~!」 ――もうしばらくは、このノリらしい。 【Fー4/市街/1日目ー黎明】 【主:阿良々木暦@物語シリーズ】 [主従]:忍野忍@物語シリーズ [状態]:健康(現在吸血鬼の力が高まっています) [装備]:対怪物戦闘用13mm拳銃ジャッカル(残弾30)@HELLSING 背負い袋(基本支給品)、マスク・ド・パンツのマスク@そらのおとしもの [方針/行動] 基本方針:ゲームを終わらせて島から脱出し元の日常に戻る。忍と行動を取る。 1:忍を誘拐したセク姉を追う! 2:なるべく戦わない。襲ってくる人間が居ても極力殺さない。 [備考] 参戦時期は鬼物語終了後です。それ以降の時系列の出来事はまだ知りません。 【従:忍野忍@物語シリーズ】 [主従]:阿良々木暦@物語シリーズ [状態]:健康 [装備]: [方針/行動] 基本方針:暦と行動を取る。 1:あ~れ~。 [備考] 参戦時期は鬼物語終了後です。それ以降の出来事はまだ知りません。 【従:百合川サキ@ゾンビ屋れい子】 [主従]:姫園れい子@ソンビ屋れい子 [状態]:ダメージ(微) [装備]:クラブの鉤爪@北斗の拳 [方針/行動] 基本方針:基本的にれい子に従う。 0:アハハハハハハハハハハ! 1:れい子がいないなら自分の好きにする。 2:金髪ロリっ子をお姉ちゃんとして可愛がる。 [備考] ※参加時期はイーヒン編終了後です。(8巻) 【コルトM1851】 姫園れい子&百合川サキに支給。 名前の通り、1851年から生産が開始された古い回転式拳銃。.36口径弾を使用する。 弾丸を装填するシリンダーが簡単に取り外すことができるようになっており、 予備のシリンダーがあれば素早く再装填できるのが特徴。 前:悲しみの翼 投下順に読む 次:Studio D.IO! 前:血染め の ユフィ 時系列順に読む 次:ルルーシュより、ずっとはやい!! 前:BAD TO THE BONE 姫園れい子 次: 百合川サキ 次: 西行寺幽々子 次: 魂魄妖夢 次: 前:トラワレビト 阿良々木暦 次: 忍野忍 次: ▲上へ戻る
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/2161.html
前 「おねえさん! いたいの、とんでった?」 目を細めて、愛嬌のある顔で問いかける子れいむ。 しかし、少女は何も答えない。彼女の相貌は、不気味なほど無表情だった。 ただ、大きな黒い瞳だけが、ギラギラと異様な輝きを放っている。 「ゆぅ……おねえさん、だいじょうぶ?」 情け深い子れいむは、もしかしたら先程の体当たりで、 少女が動けなくなるほどの大怪我をしてしまったのではないかと不安になった。 思っている事がすぐ表情に出るゆっくりらしく、小さな唇がへの字に折れ曲がる。 だが、その心配は杞憂にすぎなかった。 少女は緩慢な動作で上半身を起こすと、憂いを含んだ顔の子れいむに手を伸ばす。 それはまるで、獲物に忍び寄る大蛇を連想させるような、ぬらりとした動きだった。 そんな奇怪な動きでも、少女が再び動いたと言う事実は、優しい子れいむを安心させた。 ほっと安堵の息を吐くと、精一杯の笑顔を作って、差し迫る少女の手に声をかける。 「おねえさん! うごいてもだいじょうぶ? さっきはごめんね! いっしょにゆっくちしようね!」 子れいむが少女に期待する返事は特別なものではない。 たった二文字の簡潔な言葉。ただ一言、『うん』と言って欲しい。 そして、一緒にゆっくりしたい。子れいむの願いは、それだけだった。 その胸中を読み取ったのか、少女は二文字の短い言葉を返した。 肯定を意味する『うん』とはまったく意味の違う、凄惨な言葉を。 「死ね」 少女は能面のような顔で子れいむを掴み上げると、あらん限りの力で地面に叩きつける。 一回目で、子れいむの前歯は粉々に砕け散った。 「おびゅぐっ!? お、おねえざ……?」 二回目で、子れいむの右目は破裂した。 「ぎゅいっ!! や、やめ……で……どう……じ……で……」 三回目で、子れいむの額が割れ、中から餡子が噴出した。 「ゆぶゅ……ぐぅぇ……いっしょ……いっしょに……ゆっく……ち……」 四回目で、子れいむの顔面は、固体の判別が不可能なほどグチャグチャになった。 「ゆ……ゅ……ゅ……」 五回目で、子れいむは悲鳴を発しないボロ雑巾になった。 少女はそのズタボロの雑巾に唾を吐きかけると、茫然自失のゆっくり家族の前に放り捨てる。 そして、ダラダラと出血している自分の手を見ながら、地獄の底から響くような低い声で呟いた。 「……あーあ……血が出ちゃったじゃない……」 先程まで、自分達の完全勝利に酔いしれていたゆっくりファミリーは状況の急転について行けず、 大きな目をぱちくりさせながら、「ゆ!? ゆ!?」と喚いている。 少女はそんなゆっくり達を尻目に立ち上がり、お尻についた砂を軽くはたいて落とすと、 右手の裂傷から流れる血をベロリと舐めとる。それから少年の方を見やって、抑揚の薄い声で無心した。 「ねえ……こいつら全員、私が殺してもいいでしょ?」 「おい、独り占めはずるいぞ」 「お願い」 露骨に嫌そうな顔をする少年に、少女は血濡れの右手をかざす。 少年はそれを見て、諦めたように小さく溜息をついた。 「はぁ……仕方ないな、分かったよ」 「ありがと」 少女は微笑を浮かべると、まりさ達に向き直る。 これから始まるパーティーが、嬉しくて仕方が無いといった表情だ。 「まりさ……あなた、赤ちゃんを返せって言ったよね……」 はっと我に返り、毅然とした表情で少女を睨みつけるまりさ。 三ヶ月前はただ怯える事しか出来なかった事を思えば、大変な成長である。 勘違いとはいえ、一度は人間に勝利した事が、まりさに大きな自信を与えているらしい。 「そ、そうだよ! ゆっくりかえしてね!」 「……じゃあ、お望みどおり返してあげる」 そう言うと少女は、まりさの下唇を足で踏みつけた。 「ゆぶぇっ!? や、やめでぬびゅえ!?」 困惑して文句を言おうとするまりさ。だが、その言葉を最後までつむぐ事は出来なかった。 少女の血濡れの右手に、上唇をしっかりと掴まれてしまったからだ。 新鮮な血の味がまりさの口内に広がっていく。 「んんんんん!? んん!? んむうぅうううう!?」 無理な体勢で口をこじ開けられ、苦しげなうめき声をあげるまりさ。 少女はそんなまりさを見てニタリと笑うと、既に火が消えていた赤ちゃんれいむの死骸と、 大量の水を吸ってぶよぶよになった赤ちゃんまりさの死骸を、大きく開かれた口の中に放り込んだ。 「んぶぅぎゅんんんん!? んんん!! んぶゆゅうぅうううう!!!」 口内に愛しい我が子の死体を入れられて、平静でいられる親などいない。 まりさは舌を使って懸命に赤ちゃんの死骸を吐き出そうとする。 ところが、もう少しと言うところで、少女に口を押さえられてしまう。 「んんむぶぐぅ!? ぶぐぅゆぅゅぅうううううぅぅぅうううう!?」 「どう? 自分の子供は美味しい?」 『美味しい?』と聞かれても、口を押さえられているのだから、答えられるはずが無い。 赤ちゃん達を無理やり食べさせられる嫌悪感と、死骸が喉に詰まる苦しさで、涙を流しながら必死に首を横に振る。 「んぶぅっ! んぶぅっ! びゅぎゅぅゆぅゅぅゔゔゔううぅぅぅうううう!」 「言いなさいよ! 『むーしゃ! むーしゃ! しあわせー♪』って! ほら! ほら!」 少女はまりさの口を、左手で押さえたまま、 血まみれの右手で、黒帽子ごと脳天を何度も殴りつける。 その一撃ごとに、上歯と下歯が乱暴に噛み合わされ、口内の死骸はバラバラに砕かれていく。 死骸から漏れ出した餡子の味が、まりさの口内に広がっていった。 甘いけど甘くない。美味しいけど美味しくない。 出来る事ならば、絶対に味わいたくなかった、甘味。 『おとーしゃん! ゆっくちちていってにぇ!』 『おとーしゃん! だいちゅきだよ!』 まりさの心に、生前の赤ちゃん達の可愛らしい笑顔が浮かぶ。 その暖かい思い出が、強烈な嘔吐感となってまりさを襲う。 「ん゙ぐぇびゅっ! ゆ゙ぶぶゅぅっ! お゙ぶぎゅぅゆ゙ぅゅぅゔゔうぅぅぅうぇうぇうぇう!!!」 しかしながら、どんなに子供達を吐き出そうとしても、唇はがっしりと押さえられてしまっている。 まりさは助けを求めて、パートナーであるれいむに視線を送る。 「ゆぅー! やめてね!」 それに答えるように、真っ青な顔をしたれいむが少女の前に躍り出た。 れいむは、どんなに直訴したところで、この悪魔が拷問を止めない事など分かっていたが、 それでも叫ばずにはいられなかった。『我が子を無理やり食べさせる』という惨い仕打ちを、 黙って見ている事など、出来なかった。 「やめてね! まりさにあかちゃんたべさせないでね!」 額にたっぷりの汗を浮かべて、ぴょんぴょん飛び跳ねるれいむ。 眉は八の字に垂れ下がり、隻眼は今にも溶けてしまいそうなほど潤んでいる。 その哀切極まる容貌は、少女の嗜虐心をたまらなく刺激するものだった。 彼女はまりさを乱暴に放り捨てると、視線をれいむに移す。ターゲット変更だ。 「ゆぶぅぇぇぇええええええ! おぅえぇぇぇええええええ!」 ようやく解放されたまりさは、グチャグチャのミンチになった赤ちゃんを、 泣きながら必死に吐き出している。その姿が癇に障ったのか、少女はまりさを思い切り蹴飛ばした。 「ゆびゅぅぅぅううううう!?」 「汚いわね。向こうでやってよ」 吐瀉物を撒き散らしながら転がっていったまりさに、 少女は吐き捨てるような調子でそう言うと、れいむを見下ろして歪んだ笑みを浮かべる。 「……ねえ、れいむ。あなた、さっき面白い事言ってたわね」 「ゆゆっ!? おもしろいこと?」 頭上に大きな疑問符を浮かべて、小首をかしげるれいむ。 悪魔達がやって来てから、面白い事など何一つ無い。 「……あんた、さっき反省しろって言ってたよね? ねえ、言ってたよね?」 「い、いったよ! でも、それはおねえさんがひどぅぶぎゃぁぁぁあ゙あ゙あ゙あ゙あ゙!!!!!」 れいむの言葉が途中から絶叫に変わる。 三ヶ月前に右目を潰されて、ぽっかりと開いたままの穴に、少女が右の拳を突っ込んだのだ。 「饅頭の分際で人間に命令するな」 そう言うのと同時に、左手でれいむの頭を抑えて、どんどん右拳をねじこんでいく。 ブチブチと右目(もう目は無いが)の穴が広がり、少女の右手は肘までれいむの体に埋まってしまった。 遠目に見れば、大きなポンポンをつけたチアガールに見えない事も無い。 「いだいいい゙い゙! いだいいい゙い゙い゙!! ぬ゙い゙で!!! ゆっぐりじないでぬ゙い゙でぇ!!!」 「本当に痛いのはこれからだよ」 無慈悲で悪辣な笑みがれいむに注がれる。 少女はれいむの体内で手を握ったり開いたり、肘から先を大きく動かしたりして、 ゆっくりにとっての内臓ともいえる餡子を、滅茶苦茶に引っ掻き回す。 暖かい餡子が皮の中を行ったり来たりするくぐもった音が聞こえる度、れいむは気が狂いそうになった。 一寸法師に腹の中から刺された鬼なら、少しはれいむの気持ちを分かってくれるだろうか。 「ゆぎゅ゙ぐあ゙ぁぁぁあ゙あ゙ぁぁあ゙あ゙あ゙あ゙!!!!! ゆがぎゅぐぐゔががが!!!!!!!」 「生きたまま、餡子を掻き乱される気分はどう? あはっ! もう聞こえてないか!」 その通りだった。 雷鳴が荒れ狂うような凄まじい激痛に悶えるれいむには、 少女の声はおろか、自分の悲鳴さえ聞こえていなかった。 れいむの餡子脳を支配するのはたった一つの感覚、『苦痛』だけだった。 「あ゙ぐがががあ゙あ゙ぅあ゙ぅあ゙あ゙っぁあ゙ぁぁあ゙あ゙っあ゙あ゙あ゙あ゙ぁぁぁぁあ゙あ゙あ゙!!!!!!!」 「あんたの悲鳴も、いい加減聞き飽きたわ。耳障りだから死ね」 少女は大量の餡子を掴んで、れいむの体から右手を引き抜く。 握りこぶしの隙間から、黒光りする餡子がボタボタこぼれ落ちた。 そのまま拳を振り上げ、引きつけを繰り返す瀕死のれいむに、とどめを刺そうとする。 だが、その拳に、突然チクリとした痛みが走った。 れいむの処刑を止めさせようとした子まりさが、全力で噛み付いていたのだ。 『窮鼠、猫を噛む』ならぬ、『窮ゆっくり、悪魔を噛む』である。 「ゆゆぅー! おかーしゃんをいじめないでね!」 れいむを殺す絶好のタイミングを邪魔されて、露骨に舌打ちする少女。 自分の右手に噛り付いている子まりさを、鬼の形相で睨みつける。 「……こいつ、鬱陶しいわね。そんなに死にたいなら、あんたから殺してあげる」 その身震いするような恐ろしい目つきに、子まりさは竦みあがった。 あわてて噛み付くのを止めると、底部から地面に降りる。 それは、十点満点の綺麗な着地だったが、 降りたところが、周囲に比べてかなり傾斜していたので、 子まりさは、あさっての方向にコロコロと転がっていった。 「ゆぅー!?」 自分の意思を離れて回転する体に困惑する子まりさ。 だが、回転する事で餡子脳が良い具合にシェイクされ、 明敏になったのか、子まりさは良いことを思いついた。 「ゆゆっ! ゆっくちまわって、ゆっくちにげるよ!」 跳ねるのではなく、転がって逃げる。 一見、馬鹿馬鹿しい方法だが、それは素晴らしい発想だった。 手足が無く、丸い体のゆっくりならではの高速移動方法だ。 子まりさはでんぐり返しを繰りかえし、ゴロンゴロンと音を立てながら、少女から逃げる。 お気に入りの黒帽子が地面と擦れて、形が歪むのが嫌だったが、今は緊急事態だ。我慢するしかない。 「こいつ、待ちなさいよ!」 猛スピードで自分から遠ざかって行くお饅頭に、少女は怒声を浴びせる。 予想外の事態に戸惑っている事が、険しい表情から見て取れた。 「このっ! 待ちなさいって言ってるでしょ!」 少女の必死な声を聞いて、子まりさの心に少しだけ余裕が生まれた。 人間よりも素早く移動できるという事は、大変なアドバンテージだ。 「ゆっゆゆ! これなら、おねえさんにもつかまらないよ!」 笑顔でそう言った直後、子まりさは大変な事に気がついた。 回転の勢いがつきすぎて、自分で進行方向をコントロールする事が出来なくなっていたのだ。 「ゆ? ゆゆぅー!? ま、まがれないよ!? どうちてえ!?」 だが、その疑問に答えてくれる者はいなかった。 子まりさの眼前に、赤茶けた洞窟の岩壁が、無情に迫る。 「ゆー! ゆゆー! とめてね! だれかとめてね!」 泣きそうな顔で、必死に助けを求める回転饅頭。 その願いは、結果的に叶った。子まりさが岩壁に衝突する、という最悪の形で。 「ゆびゅうっ!?」 愛らしい大きな瞳から、閃光と火花が散る。 軽い餡子脳震盪を起こした子まりさは、泥酔者のような動きでよろめいた。 「ゆぅ~ゆぅ~。おほしさまが、まわってるよ……」 しばらくして、徐々に意識がはっきりしてきたのか、 水を被った犬そっくりに、ぷるぷるっと首を振ると、大きく息を吐く。 かなりの速度で激突したわりに怪我が無かったのは、不幸中の幸いだった。 「ゆぅゆぅ……。はやすぎて、こわかったよ……。やっぱり、ゆっくちがいちばんだね!」 身をもって『ゆっくりする事』の素晴らしさを痛感した子まりさ。 これからは、二度と転がって移動したりしない。そう思った。 巣の外を移動するときに 誤って池などに落ちてしまったら、大惨事になることは必至だからだ。 しかれども、子まりさに再び『巣の外を移動するとき』があるかどうかは、怪しかった。 「てこずらせてくれたわね……。あんたは特別に、たっぷり可愛がってあげなくちゃね……」 子まりさが前後不覚の状態になっている間に距離を詰めたのだろう、 額に汗を浮かべ、柳眉を逆立てた少女が、傲然と子まりさを見下ろしていた。 その視線には、多種多様のネガティブな感情が含まれていた、憤怒、害意、嘲り、そして殺意。 毒蛇と毒虫と毒草を一つの鍋で煮込んだような禍々しい色の瞳に、 言い知れぬ恐怖を感じた子まりさは、身を翻して少女から逃げようとする。 「ゆうぅー!? こ、こっちこないでね!」 「もう逃がさないよ」 「ぴゅっ!?」 小さな悲鳴を上げて転んでしまう子まりさ。 長く伸ばした金髪の後ろ髪を踏みつけられ、身動きが取れなくなったのだ。 この時点で、子まりさの運命は決まった。苦しんで死ぬか、悶えて死ぬかだ。 「ゆぅー! ゆぅー! はなしてね! ゆっくちはなしてね!」 子ゆっくり独特の、可愛らしい言い方で嘆願するが、 その稚拙な言葉遣いが、少女を余計にイラつかせたようだ。 彼女の額に浮き上がった大きな血管が、怒りの強さを如実に物語っていた。 「『ゆっくち』って何よ? 『ゆっくり』でしょ? その言葉遣い、死ぬほどムカツクのよ!」 少女は右足で髪の毛を踏みつけたまま、左足で子まりさの頬に靴のつま先をぶち込んだ。 ぶちぶちっと嫌な音をたてながら、子まりさ自慢の金髪が頭皮ごと半分ちぎれる。 「あびぎゅぅぅうううううううう!!」 「ねえ? 勝てると思ったの? 人間に勝てると思ったの? ねえ!? ねえ!? ねえ!?」 激しく詰問しながら、靴のかかとを子まりさの目玉に押し付けてグリグリと踏みにじる。 寒天のように脆くて柔らかい眼球に、アウトソールの蛇腹が容赦なく食い込んだ。 「ゆぎゅぅあ! いぢゃい! いぢゃいい! ……あぎゅっ!?」 子まりさが、驚愕の色を含んだ悲鳴を発する。 眼球が圧力に耐え切れず、ブチュリと音を立てて破裂したのだ。 直後、全身を駆け巡る悪寒と激痛により、洞窟が崩れそうなほどの大絶叫を張り上げる。 「ゆぎゅ゙ぐぎぃあ゙ぁぁぁあ゙あ゙ぁぁあ゙あ゙あ゙あ゙ぁぁあ゙あ゙あ゙!!!!!!」 右目が潰れたのを確認した少女は満足気に微笑むと、左目を踏みつけた。 今度は圧力を加えるのではなく、手加減しながら何度もコツコツと蹴りつける。 成体ゆっくりに比べて柔らかい子ゆっくりの眼球は、一蹴りごとにプリンのように形を歪ませた。 「ご、ごめんなちゃい! ゆるちてね! ゆるちぶぎゅえ!」 「許すわけないじゃない」 子まりさの謝罪などおかまいなしに目玉を蹴り続ける少女。 そういう目的の為に作られた機械のように、ひたすら蹴る、蹴る、蹴る、蹴る、蹴る。 「ゅぎっ! ぎゅっ! ぎゆぅっ! いぎっ! ぎっ! ぃぎっ! ぎぃ!」 二十六回目の蹴りで、子まりさの眼球の耐久力は限界を超えた。 水風船を割ったような音が洞窟に響き、左目の残骸が地面に四散する。 「いぎゃあ゙あ゙ぁぁあぐあ゙ぁぁぁあ゙あ゙ぁぁあ゙あ゙あ゙あ゙!!!」 子まりさは、これで永久に光を失った。 日輪の力強い輝きも、風に揺れる草花の美しさも、二度と見る事は出来ない。 「みえないよ……なにも、みえないよ……。こわいよ……ゆっくちできないよぉ……」 痛々しい子まりさの姿を見て、少女は何かを思いついたのか、踏みつけていた髪から足をどけた。 とりあえず自由の身になった子まりさは、満身創痍の体で、ふらふらと両親に助けを求める。 「おとーしゃん……どこなの? おかーしゃん……たすけてぇ……」 両親の暖かい頬を求めて、洞窟内をさまよう子まりさ。 だが、目の見えぬ悲しさか、小さな段差で転んだり、 壁にぶつかったりするだけで、一向に目的の場所にはたどり着けない。 寂しさと悲しみと疼痛で、子まりさはとうとう大声で泣き出してしまった。 眼窩の窪みから、餡子交じりの黒い涙が、はらはらとこぼれ落ちる 「ゆぅぁぁああ~ん! ゆぅぁぁああ~んあんあん! ゆっくちしたいよぉ!」 その時だった。子まりさの頬に、暖かい感触が伝わってきた。 生まれた時から、何度もすり寄せて来た、柔らかな物体。それは、れいむの頬だった。 「ゆゆっ!? おかーしゃん!?」 少女が、死にかけのれいむを捕まえて、子まりさの頬にくっつけてやっていたのだ。 もちろん善意からの行動ではない、子まりさに最高の苦痛を与える為だ。 しかし、そんな邪悪な思惑など知らない子まりさは、 れいむの頬に、火傷しそうなほど激しく頬を擦り付ける。 「おかーしゃん! おかーしゃん! こわかったよぉ!」 「……ゅ……ゆ……ちび……ちゃん……?」 これこそ、母子の情愛が引き起こした奇跡なのだろうか。 体内の餡子をしっちゃかめっちゃかに掻き乱され、ほとんど植物状態になっていたれいむが、 子まりさの頬の温もりで、おぼろげながらも意識を取り戻したのだ。 隻眼から涙の雫をこぼしながら、必死に言葉をつむごうとする。 「……ちび……ちゃん……ゆっくり……して……ゆ゙ゆ゙ゆ゙ゆ゙ゆ゙ゆ゙ゆ゙ゆ゙ゆ゙!!!!」 それは、突然の変化だった。 蚊の鳴くような声だったれいむの囁きが、 まるで、昆虫の羽音のような奇怪な音になったのだ。 最愛の母親が発する、あまりにも異常な絶叫に、子まりさは困惑した。 「おかーしゃん!? どうちたの!? おかーしゃん!?」 「ゆ゙ゆ゙ゆ゙ゆ゙ゆ゙ゆ゙ゆ゙ゆ゙ゆ゙ゆ゙ゆ゙ゆ゙ゆ゙ゆ゙ゆ゙ゆ゙ゆ゙ゆ゙!!!!」 子まりさがどんなに呼びかけても、喉を震わせて怪音を発し続けるれいむ。 目の見えない子まりさには、何が起こっているのか、まったく分からなかった。 そんな子まりさに、胸焼けしそうな甘ったるい声で、少女が話しかける。 「まりさ、私ね。今、あなたのお母さんで遊んでるの」 「ゆ゙ゆ゙ゆ゙ゆ゙ゆ゙ゆ゙ゆ゙ゆ゙ゆ゙ゆ゙ゆ゙ゆ゙ゆ゙ゆ゙ゆ゙ゆ゙ゆ゙ゆ゙!!!!」 「ゆゆっ!?」 少女の言葉は、子まりさをさらに悩ませた。 こんな奇声を発する遊びなど、聞いた事がない。 それに、お母さん『で』遊んでいるとは、どういう事だろう。 お母さん『と』遊んでいるの間違いではないのか。 「ねえ。何して遊んでると思う?」 「ゆ゙ゆ゙ゆ゙ゆ゙ゆ゙ゆ゙ゆ゙ゆ゙ゆ゙ゆ゙ゆ゙ゆ゙ゆ゙ゆ゙ゆ゙ゆ゙ゆ゙ゆ゙!!!!」 「わ、わからないよ! なにしてあそんでるの?」 子まりさはそう質問してから、 れいむの声に混じって、奇妙な音が聞こえる事に気がついた。 グッチャグッチャ……ヒューン……ベチャ! それは、非常に生々しい音だった。 子まりさはその音を聞いて、何故だか分からないが、とても嫌な気持ちになった。 グッチャグッチャ……ヒューン……ベチャ! 「ねえ。何して遊んでると思う?」 少女が先程の質問を繰り返した。 小さな餡子脳をフル回転させて、少女の言う『遊び』の内容を考える子まりさ。 だが、どんなに考えてもまったく分からないので、早々にギブアップを宣言する。 「わからないよ! こうさんするから、こたえをおしえてね!」 少女はその言葉を待っていたかのように、大声で答えを教えてやった。 「あんたの母親の頭を引き裂いて、中身をそこら辺にばら撒いてるのよ!」 グッチャグッチャとれいむの頭の中から引きずり出した餡子を、 子まりさの目の前にヒューンと投げつける。 ベチャ! 飛び散った餡子の雫が、子まりさの頬に小さな斑点を作った。 音の正体を知った瞬間、声にならないうめきを上げ、カタカタと震えだす子まりさ。 その振動は、足の裏から黒帽子のてっぺんまで緩やかに伝わっていく。 「ゆ……ゆぅあぁぁ……そんなの……ひどい……ひどいよぉ……」 子まりさの弱々しい態度に、少女は拍子抜けしたようだった。 もっと盛大に泣き叫ぶのを期待していたのだろう。 「あれ? どうしたの? 『やめてね!』とか言わないの?」 そう言われても、子まりさはめそめそと泣くだけだった。 かけがいの無い家族を次々に殺された挙句、視力まで奪われた幼い体は、もう疲れきっていたのだ。 「ふん、つまんないの。それじゃ、もうれいむを殺そうっと」 少女は小さく舌打ちすると、ほとんどの餡子が無くなったれいむの体を踏み潰そうとした。 『殺す』という悪意溢れる言葉に、ぐったりとしていた子まりさが敏感に反応する。 「ゆ!? そんなのだめだよ! おかーしゃんをころさないでね!」 「だったら命乞いしてよ。上手に出来たら、私の気持ちも変わるかもよ?」 「ゆぅ……いのちごい……」 『命乞いしろ』と言われても、幼く、語彙の少ない子まりさは、どうすればよいのか分からない。 だがこのままでは、悪魔に母親が殺されてしまう。必死に知恵を絞った結果、 子まりさが導き出した方法は、『母親の良いところを一つずつ列挙していく』事だった。 「おかーしゃんはね、とってもやさしいんだよ!」 「ふぅん……」 「それからね、すっごくおうたがじょうずなんだよ!」 「へぇ……そうなんだ」 「まりさがねるときは、おやすみのちゅうをしてくれるんだよ!」 「ふぁ~あ、そう……」 「あとね、あとね……」 「ごめん、もう飽きたからいいや」 楽しそうに母親の長所を言い立てる子まりさにそう吐き捨てると、 少女は渾身の力を込めてれいむの脳天に拳を振り下ろした。 ボグシャアッ! カンシャク球が爆発したかのような炸裂音が、洞窟内に轟く。 目玉の無くなった子まりさでも、れいむが死んでしまった事はすぐに分かった。 『ゆ゙ゆ゙ゆ゙ゆ゙ゆ゙ゆ゙ゆ゙』という鳴き声が聞こえなくなったのもあるが、 先程までは確かにそこにあった、暖かな生命の存在感が、完全に消失してしまっていたからだ。 「ゆぁ……ゆあぅぁ……おかぁ……しゃん……おか……しゃ……」 子まりさの胸中で、母親との暖かい記憶を映した走馬灯が、 楽しげな音楽と共にくるくると回りだした。それは、とても幸福な幻影だった。 まだ母親の胎内にいる時に、毎日朝晩『ゆっくりうまれてね!』と声を掛けてくれた事。 自分が生まれた時、ニッコリと微笑んで『ゆっくりしていってね!』と言ってくれた事。 姉妹達と喧嘩した時、きつく叱られて泣いてしまったが、その後優しく慰めてくれた事。 初めて歌を一緒に歌った時、上手くリズムをとれない自分に、調子を合わせてくれた事。 どの思い出も、決して忘れえぬ、素晴らしい宝物だ。 これからも、そういった宝物がどんどん増えていくはずだった。はずだったのに……。 深い悲しみに呼応するかのように、突然、走馬灯に映される記憶が一変した。 そこに映し出されたのは、今日一日で起こった、地獄絵図の模様だった。 ただ微笑んで挨拶しただけなのに、燃え盛る炎で焼き殺された赤ちゃんれいむ。 仮死状態から蘇生し、必死に呼吸しているところを踏み潰された赤ちゃんまりさ。 その二人の死骸を無理やり口の中に放り込まれ、何度も何度も殴られた父親。 思いやりの心で、少女を治療しようとしたのに、地面に叩きつけられて死んだ姉。 そして、走馬灯の最後に映しだされたのは、映像ではなかった。 そこには、真っ黒なキャンバスに血のような赤い文字で『ボグシャアッ!』と書かれていた。 それを見た瞬間。子まりさの精神をギリギリ正常な地点に繋ぎ止めていた鎖が、音を立てて崩れ落ちる。 「ゆフっ♪ ユふっ♪ ゆっヒゅ♪」 子まりさは、空っぽの眼窩を突然あらぬ方向に向けて、ニヤニヤと笑い出した。 幼い体には酷過ぎる、執拗な肉体的、精神的拷問により、とうとう心が壊れてしまったのだ。 沖に打ち上げられた魚のようにビチビチと跳ね回りながら、トーンの安定しない声で喚く。 「オかーアしゃん♪ マりサとぉー♪ あーソびマっしょー♪」 母の名を呼びながら、あまりにも痛ましい姿で洞窟内を跋扈する子まりさ。 硬い岩壁に何度もぶつかり、少女に蹴られた傷口から餡子が飛び出しても、決して跳ねるのを止めない。 ゆっくりにとっての生命そのものとも言える黒塊を、そこらじゅうに撒き散らしながら跳梁し続ける。 「ゆヒっ♪ ユほっ♪ ゆっヒょひょ♪」 やがて、餡子が漏れすぎたのか、子まりさは飛ぶ事が出来なくなった。 その代わり、その場でぐるぐる回転しながら、今度は歌を歌いだした。 「ゆ~♪ ゆ~♪ ゆっくり~♪ ゆっく~り~し~ていってね~♪」 それは、悪魔達がやってくる前に、れいむと歌っていた曲だった。 母親と、姉と、夜遅くまで何度も何度も練習した、大好きな歌。 心は壊れても、子まりさの体はその歌を忘れていなかったのだ。 陽気で楽しい歌声が、洞窟に悲しく響く。 「み~んな~♪ ゆ~っくり~し~ていってね~♪」 少女は、ヘラヘラと笑いながら歌い続ける子まりさをしばらく観賞した後、 だらしなく開きっぱなしになっている口腔に、トゥ・キックをぶち込んだ。 小さな歯がバラバラに砕け散り、可愛らしい舌がグチャリと潰れる。 「んぶぐゆぅぅゅぅうううううぅ♪」 「あははははははははは! 死ね! 死ね! 死ね! 死ね! 死ね!」 発狂した子まりさの悲惨な姿を見て、倒錯した悦楽が頂点に達したのだろう。 少女はけたたましい声で哄笑した。もう先程のように狙いを定める事もなく、 ありったけの力を込めて、思いつくままに子まりさの顔面を蹴りまくる。 「あはっ! あははははっ! あはははははっ! 死ね! 死ね! 死ね! 死ね! 死ねえ!」 「ゆぎゅ……ゆぎゅぅ……おが……しゃ……♪」 小さくて幼い饅頭ボディが、そのような激しい蹴撃に耐えられるはずがなく、 あっという間に、子まりさはもの言わぬ餡子と皮の残骸に成り果てた。 だが少女は、子まりさが絶命してからも蹴るのを止めようとしなかった。 もはや何だか分からない物体になりつつある子まりさの死骸を、 奇声を発しながら狂ったように蹴り続けた。 五分ほど経過し、少女は冷静さを取り戻したのか、蹴るのを止めて肩で大きく息をする。 その様子を見て、今まで黙って成り行きを見守っていた少年が声をかけた。 「落ち着いたか? 血を見ると逆上する癖は直したほうが良いぞ」 「はぁ……はぁ……ごめん。頭に血が上っちゃって……でも、もう大丈夫だよ」 「そうか、それは良かった」 「はぁ……はぁ……後は、まりさだけだね。殺さなきゃ……殺さなきゃ……」 少女は額の汗を拭いながら、先程転んだ時に地面に落ちてしまったカバンを拾い上げると、 中から禍々しい銀色の輝きを放つ物体を引っ張り出した。それは、包丁だった。 「まりさなら、洞窟の外に逃げていったぞ」 「えぇ!? なんで捕まえなかったの?」 獲物をみすみす逃がした事をさらっと答える少年に、少女は憮然とした眼差しを向ける。 血濡れの右手に包丁を携えたその姿は、子供とは思えない威圧的な迫力があった。 「迂闊に動くと、俺までお前に殺されそうだったからな」 冗談なのか本気なのか分からない顔でうそぶく少年。 だが、先程の少女の狂った暴れぶりから察すると、それも十分ありうる事かもしれなかった。 それでも、少女にとっては思いも寄らない指摘だったのか、真っ赤になって抗議する。 「もう、そんな事するわけないでしょ! どうするの? 皆殺しにするつもりだったのに」 「心配ない。まりさの行き先は分かってる。自分を助けてくれる人の所だ」 「本当? どこなの?」 「それは……」 続く?
https://w.atwiki.jp/aniwotawiki/pages/2126.html
登録日:2009/06/20(土) 23 28 44 更新日:2024/04/29 Mon 10 46 49 所要時間:約 6 分で読めます ▽タグ一覧 FGO Fate TYPE-MOON hollow いろいろとエロい御方 はいてない はいてない←スカートを←ファッションです ゴスロリッシュ! シスター ドM ドS フィッシュ プリズマ☆イリヤ マジカルカレン マジカル紙袋 ルーラー 修道女 初生雛鑑別師 外道 小清水亜美 愛の神 折手死亜可憐先生 最悪 最悪←色々と仕方ない 疑似サーヴァント 秩序・善 銀髪 非処女 養護教諭 魔法少女 黒幕 カレン・オルテンシア(Caren Hortensia) 『Fate/hollow ataraxia』での新キャラ。 ●目次 【Fate/hollow ataraxia】◆データ ◆概要 【以降のシリーズ】その後? 『フェイト/タイガーころしあむ アッパー』 ドラマCD『アーネンエルベの一日』 OAD『Carnival Phantasm』 『Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ』 『Fate/KOHA-ACE 帝都聖杯奇譚』 【Fate/Grand Order】◆ステータス ◆保有スキル ◆宝具 ◆シナリオでの活躍イベント「サン・バレンティーノ! ~カルデア・ビター・バレンタイン2021~」 メインシナリオ第二部6章「妖精円卓領域アヴァロン・ル・フェ」 【余談】 【Fate/hollow ataraxia】 ◆データ 身長:156cm 体重:40kg 3サイズ:B75/W54/H77 声:小清水亜美 「お帰りなさい疑心暗鬼。お行きなさい純真無垢。」 ◆概要 今作のヒロインにしてキーパーソン。 マーボーの後任として冬木教会に派遣されてきた代理司祭で、現在は彼に代わってランサーと金ぴかを従えている。 四日目の夜になると、魔獣たちを従える様に現れる。 幼い頃に母と死別し教会で育てられるが、教育も洗礼を与えられず下働きの立場で幼年期を過ごす。 8年の歳月が経ち、体に聖痕(スティグマ)が現れると、聖堂教会の手によりシトーという名門修道院に引き渡された。 そしてその体質が類い希な異能と認められ、代行者としての道を歩みだすこととなる。 「協会から修道院にたらい回しにされ、そこで天職を得た」とはアヴェンジャーの談。 性格はかなり歪んでおり、「他人の幸福は無性に潰したくなる」ドS。そして、ドM。更に毒舌で人使いが荒い。 自分でも思うところはあるらしく、士郎と2人で自分の性格をしみじみと最悪だと言ったりしていた。 とはいえ人と違う感性が役に立たなかった訳でもなく、悪魔が引き起こす惨状に発狂しなかったのもこのお陰だとか。 また優しくしてもらうのに慣れていないのか、 「この世全ての悪」の自覚があるアンリではなく、「衛宮士郎」の人格のアンリに身体のことを気遣われて戸惑う場面もあった。 そんな、性格最悪とメインキャラに異口同音に言われるカレンだが信仰心だけは本物で、我が身を省みず人を救おうとする程に無心の祈りを体現する。 (実態は「それが自分の生き方」と安定の為に自分を定義しているに過ぎず、不安定さの裏返し) 「被虐霊媒体質」と呼ばれる異能を持ち、近くに居る悪魔憑きの霊障を自分の身で再現する。 悪魔祓いにおいて初手、そして最大の難関とされる「隠れた悪魔を見つけ出す」ことに長けた稀な能力。 その結果、常に生傷が絶えず、右目の視力はほぼ喪失。 すでに走ることもできず、味覚は激辛・激甘など非常に極端なものでなければ味がわからないほどに利かなくなっている。 悪魔だけでなく人間の感情にも反応する様で、往来の多い昼に外出するのは難しい。 また「男性を拘束」するという特性を持った聖遺物である「マグダラの聖骸布」の使い手であり、よく男性キャラを釣り上げる。 そして、はいてない(スカートを)。 「男性が女性を犯したがるのは色欲を司る悪魔の仕業であり、それを鎮めるのも自分の仕事」と考えており、性欲旺盛な男には無償で抱かれる。 そして、男性の中に潜む悪魔を刺激するため、修道服のスカートをはかずに(本人曰く、はいてないんじゃなくて、元からスカートは無い服らしい)夜の街を彷徨う。 そこ、ビッチとか言うな。 以下ネタバレ 言峰綺礼の実の娘。 元々『hollow』の時点でアヴェンジャーの反応などから「言峰の娘ではないか」と言われていたが、 明言こそなかったものの『タイころ』でもそれらしき描写があり、続編の『アッパー』ではタイトルで親子と表記されるなど、 公式でも匂わすというにはあからさまなほど、その推測を肯定するような描写が増えていった。 そしてとうとうTYPE-MOON.Fesの一問一答にてカレンと言峰が血縁関係であることが前提の質問に対してきのこが普通にそれを元に回答。 もはや二人が親子なのは公然の秘密だと言っていいだろう。 なお、それによるとカレンは父親である綺礼の魔術回路は受け継いでおらず、令呪も持っていない。 ギルとランサーを従わせているのは、ただ性格によるものである。 それはそれですげぇな…… 母親の名前はクラウディア。 カレンは容姿と名(作中での表記。苗字のことか)をクラウディアから、性格を言峰から受け継いでいる。 言峰曰く似ているのは面影だけとのこと。 ただ性格こそ似ているが、最終的な着地点は実は真逆なので本質を突いた発言ではある。 因みに言峰が結婚したのは第五次聖杯戦争の15年前。 婚前交渉していない限り、カレンはエロゲーのヒロインとしてあるまじき年齢になる。 まあ(推定)父とか(推定)同僚の年齢が変わったんだし、カレンだって変わる可能性は無くも無い。 【以降のシリーズ】 その後? 明言はされていないが、埋葬機関第六位の一人「ミスター・ダウンの相棒」とカレンとの共通点が多く、埋葬機関の一員であるとも言われている。 『hollow』後はその終生まで暗黒の聖者を追いかけ続け、最期の悪魔祓いが成った時、望みが叶ったとかなんとか。 『フェイト/タイガーころしあむ アッパー』 前回破壊された虎聖杯を密かに修復しダニ神父への牽制のため並行世界から切嗣やアイリを呼び寄せる。 更に紆余曲折を経て「魔法少女マジカル・カレン」に変身。 手にするラブアース・ディザスター(トゲ付モーニングスター)は「持ち主が愛する物の大きさで重さが増す」という胡散臭い代物。ちなみに平時の重さは地球と同等。 変身後も基本的な性格に変化は無いが杖の影響で元気になったからか若干お嬢系?な言動になる。 魔法少女の力に感銘を受けマジカル四天王に加わり暗躍するが魔法少女衣装に対する羞恥心は強く、アンリに見られた際にはかなり動揺していた。 ドラマCD『アーネンエルベの一日』 ある意味での黒幕。ドクダミ茶で言峰を殺す。 OAD『Carnival Phantasm』 しばらくはEDに出てるだけだったがこの度「EX Season」にて主役をはった。 ヒヨコの雄雌を判別するために聖骸布を使っている。 モグリらしい…… 札束でランサーの頬をひっぱたくのに快感を覚えかけた。 その際誰かさんのオーラを背負い、子ギルとランサーに恐怖を覚えさせた。 「やはり世の中、金」 「うちのランサーも言ってましたよ」 「『金と女と肉だ、それさえあれば俺は何もいらねえ』、と」 「言ってねーよ!そんなこと!」 「やはり私こそがマスターにふさわしい、 左腕を渡しなさい、バゼット 」 『Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ』 養護教諭としてちょっと成長した姿で登場。 本編よりもだいぶ元気だが性格や体質(本編より弱い可能性はある)に変わりはない。味覚も相変わらずおかしい。 「暇ね。危篤状態の重病人でも運ばれてこないかしら」 患者が気絶している理由を脳震盪か何かと適当に説明し、健康な人は見ているだけで気分が悪いと保健室から追い出そうとするなど 生徒からは養護教諭としての適性を疑われていた。既に性格最悪認定されているが、何だかんだ人望はある様子。 擁護しておくと、急患が来た時に真っ先に重傷でないことを確認しているし、『hollow』でも仮死状態にあった人物を手当した実績はある。 その正体は『hollow』同様に聖堂教会所属の監視役で、魔術協会の魔術師であるバゼット・フラガ・マクレミッツと協力関係にある。 その正体やバゼットとの関係は『ツヴァイ』終盤まで明らかにならなかったが、アニメ版『ツヴァイヘルツ』ではアニオリ回で正体を薄々匂わせる描写が追加される。 なお、例の衣装については、「ファッションです」とのこと。 『Fate/KOHA-ACE 帝都聖杯奇譚』 「言峰花蓮」名義でランサーのマスターとして登場。 やはり所属は聖堂教会で、「外部から派遣されたランサーのマスター」という点が何の因果かバゼットさんと共通する。 ただし、スターシステムによる起用なので、よく似た顔と性格と所属の別人という扱いが妥当か。 【Fate/Grand Order】 稼働初期から概念礼装(装備品)のイラストに描かれていた。 サーヴァント以外のFateシリーズ既存キャラと同じ扱いであったが、SNと関係のある人物達が続々とサーヴァントの力を得て登場していたので、いずれは彼女も実装されるのでは…などという期待もされていた。 そして… サーヴァント・ルーラー。神霊アムールこと、カレン・C・オルテンシア、召喚に応じ参上いたしました。ふふ。ここが噂のカルデアなのですね。賑やかでたいへん結構です。愛の伝道、私に務まるかどうか……楽しみですね? 「サン・バレンティーノ! ~カルデア・ビター・バレンタイン2021~」の目玉サーヴァントとして謎にミドルネームが増えて登場したカレンさんの姿がそこにあった。 身長:156cm 体重:40kg 出典:ギリシャ神話、ローマ神話、Fate/hollow ataraxia 地域:地中海、欧州 属性:秩序・善 ◆ステータス 筋力 耐久 敏捷 魔力 幸運 宝具 C- A+ B- C- A- EX ◆保有スキル ◆クラス別スキル 道具作成:A 『愛の矢』を代表とする、心に作用する道具のプロフェッショナル。 ちょっと弱気なアナタの背中を一押しする、人間の心をよりよく機能させる、そんな素敵なアイテムをたくさん作れる。 単独行動:A 『愛の伝道師』でもあるカレン・C・オルテンシアにとって、仕えるべき主人はマスターだけではない。 主の御心、人々にたくさんの愛を届ける使命のもと、彼女はマスターの事情に囚われない。フリーダム。 被虐霊媒体質:EX 本人の意思に関係なく、周囲にある魔を肉体に取り憑かせてしまう体質。現象としての悪魔を再現し、事によっては受肉させてしまう。 毒、呪い、火傷といったバッドステータスにかかりやすく、また、それらバッドステータスがかかっているとカレン自身の攻撃力が増していく。 被虐からの、おそるべき加虐。とはいえ、狙って出せるものではない。 女神の神核:B 本来ならアムールの『神性』になるのだが、依り代の少女の強い信念により、女神の神核となった。 少女にとって、『神性』を獲得しているのは大いなる父だけなのだろう。 鋼の信仰:A 概念礼装にある『鋼の鍛錬』のカレン版。 本来、生まれてすぐに息絶える筈だったアルビノの娘は、人々の予想に反して成長した。 自分が生きている事───それ自体が奇跡であり 『主の愛』が実在する証明だと彼女は考える。 恐怖耐性、魅了耐性、バスター耐性をパッシブスキルとして獲得している。 ◆保有スキル ヴァレンティヌスの聖骸布:A エロース(性愛)。 もともとは『マグダラの聖骸布』を愛用していたカレンだが、今回は『恋人たちの聖骸布』を使用している。 『ヴァレンティヌス』と名付けているのはカルデアのバレンタインに合わせてのもの、らしい。 黄金の矢:A フィリア(隣人愛)。 射貫いた人間の心をアモーレさせる天使の矢。強制。 「恋はいつだって突然、でしょ?」 魔力放出(愛):A ストルゲー(家族愛)。別名ゴッドカレン。 愛するもの、守るべきもの、唯一のもののために奮われる超バフ。なんかすごい。 ◆宝具 『遍く無限の無償の愛(ザ・グレイテストヒッツ・“コーリング・アガペー”)』 ランク:EX 種別:対人宝具レンジ:1~99 最大補足:不明 祈りは深く、深く…… 私の想いを、具現化します。遍く無償の無限の愛を! 聖なるかな、聖なるかな── 遠く深く、ソラを歩み、瞬きの後に築き、微睡みの後に満たす―― 『遍く無償の無限の愛(グレイテストヒッツ・“コーリング・アガペー”)』!! 祈りの殻で自らを包み、より新しく、そして普遍的な“愛”の代弁者として昇天・降臨する宝具。アセンション。 愛の神アムールではなく、それを起源とした“天の愛”となり、無償にして無限の愛で地上を照らす天罰系の攻撃。 どう見ても対界宝具であるが、本人はあくまで対人宝具です、と言い張っている。 カレンの言う『愛』とは、人類全てを無条件で、無償で愛する神の愛、即ちアガペーである。 かつてカレンは『タイガーころしあむ』で『持ち主の愛の重さが武器の重さになる』というモーニングスターを使っていた。 カレンは全人類を愛しているので、イコール、ハンマーの重さは地球の重さになっていたと言う。それのFGO版。 また、無限なのは『愛のビーム』の方で、 無償なのは「それをタダであげている」というカレンのおおらかな気持ちを指している。 宝具にはレア演出であのキャラが出てくることがある。ばぶー。 ローマの神霊「アムール」の疑似サーヴァントになったカレン。 といっても、人格はほぼカレンそのものというⅡ世パターン。 アムールの疑似サーヴァントを名乗るくせに、中身の人格はカレンなのでエロースを完全に否定(ダメだし)し、 その上で、二神の象徴とも言える愛の天使キューピッドの姿に扮している。ミドルネームのCは「Cupido」ということである。 それというのも、カレン本人の強い信仰心が『愛」とは『無償の愛』であると定義しており、アムールはともかくエロース(性愛)を否定しているため。 ギリシャ哲学において、愛とは四つの種類があり、 それぞれ性愛、隣人愛、他人への無償の愛、家族愛とされている。 彼女の知る無償の愛……『神の愛(アガペー)』において、性愛は含まれず、低俗な愛としている。 そのため、カレンはアムールという『愛の神』の疑似サーヴァントではあるが、その根底にあるのはアムール、エロースを否定する、 より大きな愛の伝道者なのである。 まさに二律背反、被虐体質であり加虐趣味であるカレンらしい、けったいなサーヴァント特性と言える。 まごうことなきカレンなのだが、マイルームでは毒舌は割と控えめなきれいなカレンだったりする。 ただし、嫌いなもの(クソ神父)に対してはいつもどおり。 嫌いなものはありません。死ねばいいのに、と思うものはありますが。育児放棄の末、人生を謳歌して大往生。何様のつもりでしょう? ルーラーと言えば、天草さんも素敵な方ですね。穏やかそうに見えて中身は鍛え上げられた鋼のよう。笑顔の下にある冷酷な信念と情熱、というのでしょうか。どこかのダニ神父に見習わせたいくらいです 後のその嫌いなものもカルデアにやってきたが、「スバラシイカタデス」とものすごい棒読みで言った後、 「ピクニックと称して冬のロシアの川辺に誘い出してくれればバズーカで歓迎する」と物騒なことを申し出ている。 宝具の説明でたいコロの話に触れられているように、どちらかといえば『hollow』の今にも倒れそうなカレンではなく『たいコロ』にいる割と元気めカレンの方で召喚されている。 そのためか、イベントでは「マジカルカレン」を名乗っていた時の紙袋を被った立ち絵が存在している。パイプを咥えたり、袋の下の顔とリンクするような落書き差分があったりと無駄に豪華 カニファン経由済みなのかお金も大好きだが、「貯金が趣味」的な嗜好であって具体的に何に使おうとかそういう欲はなく、 ひとしきり貯めて満足したら、使うことなくそのまま燃やしてしまう可能性すらあるらしい。強欲なんだか無欲なんだか さらに第三再臨になるといろいろおかしくなる。多分知り合いがいたら大爆笑ものだろう。 あとはいてる。そのせいで本当に本人か疑われたし、ボイジャーにもそのことを言われている。 こんなんだが、ルーラーに選ばれる資格をもつ聖職者ということで聖杯については危険なものだという認識をしている。それはそれとしてプレゼントとして欲しがっているが。 ユニットとしては一風変わった性能のルーラー。 カード構成はBAAQQで宝具がQuickというアサシンやライダーにちょくちょくいるタイプ。Quick主体のルーラーは初だったり。カード性能はどれも悪くない。 「被虐霊媒体質」の効果により弱体耐性がデフォルトでダウンしているが、代わりに何か弱体状態になると攻撃力が上がる。 「被虐霊媒体質」の効果による弱体耐性ダウンは強化扱いだが、それ以外の弱体状態なら何にでも反応するので、パーティーにアヴェンジャーを一人入れておくだけで効果が適用される。 ちなみにカレン本人のデフォルトでの弱体耐性は「女神の神核」のおかげで差し引きプラスになっている。 「鋼の信仰」のおかげで魅了と恐怖は耐性に関係なく無効なので行動阻害される危険性は低め。 スキルは「ヴァレンティヌスの聖骸布」「黄金の矢」「魔力放出(愛)」の3つ。 「ヴァレンティヌスの聖骸布」は自分に無敵3回、味方に無敵1回とNP獲得量アップ、そして味方からNPを吸収する状態を自分に付与する。 簡易的な全体無敵スキルとしても使えるが、味方からNPを吸収する効果が割と重要で、毎ターン10ずつ吸収するので味方2人ならNPが毎ターン20ずつ増えていく。 NP獲得量アップは「代わりにNPを取ってきて」的な感じだろうか。人をパシらせるのは実にカレンらしい。 「黄金の矢」はチャージ減少と攻撃力ダウン・防御ダウンを相手に付与し、自身にはターゲット集中を付与しNPを増加させる。 チャージ減少とターゲット集中がセットなので単体宝具を代わりに受けるということはできないが、 味方を守りながらデバフで火力支援・さらにNP獲得で宝具を打ちやすくと結構便利。NP増加は最大30。 「魔力放出(愛)」は3種のカードバフとNP増加とチャージ減少の複合スキル。 カード強化はそれなり程度だが、2つめのチャージ減少スキルで宝具を遅延させつつNP獲得で宝具を打ちやすくこれも便利。 ターゲット集中以外のバフ・デバフはすべて3T持続する。ターゲット集中のみ1T。 宝具は自身に宝具威力アップを付与してからのQuick全体攻撃で、攻撃後に3T持続のQuick耐性ダウンと1回の強化無効を付与する。 Quick耐性ダウンによる味方支援に加え、全体への強化無効が付くのが結構大きい。 「ヴァレンティヌスの聖骸布」を使ったターンに宝具を撃つと無敵貫通付与を無効にして安全に宝具をやりすごせる。 基本等倍相手で火力が出にくいのが悩みだったが、宝具強化により「混沌」特攻を得たので特攻対象には火力も出せるようになった。基礎火力が伸びたのも追い風。 総じてどちらかといえば支援に寄った宝具アタッカー。 NP獲得スキルの宝庫なので宝具はかなりの頻度で打てるが、宝具による打点が控えめなのでメインアタッカーとしてはちょっと心もとない。 反面支援要因としては2種のチャージ減少による宝具遅延やターゲット集中など防御面が心許ないサーヴァントの防御面を解決してくれるため結構優秀。 この場合「ヴァレンティヌスの聖骸布」によるNP吸収(ちょうぜい)が少し問題になってくるが、宝具レベル2以上でNP100を超えて貯まる状態だったり、 そもそも攻撃宝具じゃなかったり、宝具をあまり使用しないサーヴァントだったりすれば多少デメリットは抑えられる。 つまり良くも悪くもコイツの相方として最適ということである。 ◆シナリオでの活躍 イベント「サン・バレンティーノ! ~カルデア・ビター・バレンタイン2021~」 いつもどおり。多分それだけで何をしたかは何となく察せられるであろう。 色々暴れ放題したカレンだったが、最後に自らの分身により矛盾を思い知らされる。 結局負けを認めたものの、それはそれとしてカルデアには残留するとな。 悪魔を祓うために多種多様な人間・動物に体を捧げ、つねにその相手の幸福を想ってきたが、 人間らしい素朴な愛……自分のために幸福を願った相手はただひとりであり、その思い出と願いを、今も心の奥に秘めている。 他にはアルトリア・キャスターのバレンタインシナリオに師匠として登場。 アルトリアは何故か作るものが剣になってしまうので、チョコの作り方を教えたようだ。 幸い、今のカレンは味覚が普通なので変なものはできないし、何ならカレンがいないとヤバかった。 カレンを「先生」と慕う宇津見エリセにも、バレンタインの詳細について教え込んだらしいが、 その内容が「それなんてエロゲ?」なチョコ受け渡しイベントだったために当然主人公には困惑され、 真実を知ったエリセは「どう考えても痴女です、本当に(ry」な発言をしてしまったことに赤面する羽目になった。 メインシナリオ第二部6章「妖精円卓領域アヴァロン・ル・フェ」 まさかの登場。 ノクナレアのチョコ城を守るチョコの妖精として登場。 ノクナレアとアルトリア・キャスターのチョコ作りの「裁定者」を務める。 【余談】 モデルはエヴァの綾波レイ。武内社長のレイのイメージを投影したとか。エロスーツもプラグスーツがモデルだそう。 『タイころ』以降カレンを担当している小清水亜美氏は『コードギアス』でも「カレン」というキャラを演じており、キャラクター的には名前と「ヒロイン」であること以外に全く共通点はないが、時期が近かったためにネタにされることも。 FGOでは何故かマシュのことを「マシェリ」と言っていた。フランス語で「愛しい人」という意味だが、アムールとマシェリと言ったら諸兄が思い浮かべるのはあの二人のことだろう。奇しくもマシュもカレンも中の人はそっちでは主役をしている。ついでにあっちのアムールの中の人もFGO参戦済み。 FGOでは色々知り合いに声をかけているカレンだが、“あのキャラ“へのセリフはない。これは仕様であることを実装当日に竹箒日記で補足されている。一応、別キャラ宛てボイスで匂わせてはいる。 + 以下、竹箒日記より またマイルームでのカレンについても一つだけ補足。 『カレンのマイルームボイスで、 深い関係性のある“あるキャラ”へのセリフがない』 という事にすぐ気がつくと思われますが、無論、仕様でございます。 今回のカレンは元気なのでいろいろな知り合いに声をかけますが、 “あのキャラ”にだけは触れません。 砕けたガラスの欠片はカルデアにはなく、 それは約束の四日間でのみ許された告解。 追記修正お願い…… 「―――――フィッシュ」 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] マグダラは正確には“魂に潜む男性的な要素”に反応して拘束するものかな?タイころだとセイバーに下心剥き出しなキャスター(もちろん奥様)も釣り上げたし -- 名無しさん (2013-06-01 12 26 12) 花札でも魂に反応するからバゼット捕まえれるかも?的な事言ってたなw -- 名無しさん (2013-07-22 05 29 59) つまり魂が女ならオッサンでも捕まえられないと……そんなオッサン聖骸布でなくともゴメンだろうが -- 名無しさん (2013-08-21 09 18 30) ↑結論 カリー・ド・マルシェは捕らえられない -- 名無しさん (2013-10-26 09 51 31) ↑×2 そしてザビ子は捕らえられる -- 名無しさん (2014-01-15 00 04 03) むぅ、色身を変えるとまんまザビ子に見える -- 名無しさん (2014-01-22 08 40 12) 梅宮かな? -- 名無しさん (2014-01-22 11 26 45) ↑×2 髪型ちょっと似てるからかな?おれはどっちかっていうとzeroの葵さんの方に似てるかなと思ってた。 -- 名無し (2014-01-25 21 19 26) ↑あ、葵さんの方がザビ子にだ。脱字スマン -- 名無し (2014-01-25 21 21 52) Hollowフルボイスで移植キター!!小清水カレン好きだから嬉しいわ -- 名無しさん (2014-02-01 00 52 02) Fesで確定してるのか。 -- 名無しさん (2014-03-07 15 28 29) 一番最初に娘言ったのってタイころUPPERじゃなかったっけか? -- 名無しさん (2014-03-07 15 48 41) あれは母親にまるで似ていないって言っただけで明言はしてなかったはず -- 名無しさん (2014-03-07 16 10 09) アッパーのライオン√で言峰とのコンビが「親子」と表記されてる -- 名無しさん (2014-03-17 16 03 28) EXTRACCCの2周目目で知ったが、あの世界にも存在しているようだな。ただかなりアレなバックアップらしいが。 -- 名無しさん (2014-07-25 14 51 59) なんて適当な教諭だw -- 名無しさん (2014-07-31 15 26 30) おい、綾波をモデルにしたのは武内で、それもキャラデザだけだぞ。デマ書いてんじゃない -- 名無しさん (2014-11-10 18 30 54) 健全版の差し替えシーンが18禁版のHシーンよりもエロかった。あみっけGJ! -- 名無しさん (2015-02-16 06 04 59) 数年後は全く動けない半ば死体のような姿になるらしいな。いくらなんでもあんまりだ -- 名無しさん (2015-02-19 14 48 01) 彼女で童貞喪失したいな...。 変なもんが伝染りそうで怖いけど。 -- 名無しさん (2015-03-15 13 57 00) ↑お前…相当なドMだな…。この話で思ったけど魔術師は処女のままの方が良い触媒を調達出来るし、エロス!は英霊か精霊にエロス!を通じて加護とか得る時以外はしなさそうだな。娼婦に殺された奴はいるけど -- 名無しさん (2015-04-20 14 15 44) きもすぎ -- 名無しさん (2015-05-15 16 45 33) ごめん。俺も最初の人はカレンがいいかも。 -- 名無しさん (2015-05-15 17 40 59) ロリ枠と定義しても良いレベルの体格 -- 名無しさん (2015-06-14 00 15 36) ドラゴンクエストビルダーズ カレンの大いなる野望に吹いた。きのこビルダーズ満喫してるんじゃねえよwww -- 名無しさん (2016-02-08 07 31 17) ↑4 そのような戯言をほざく貴殿には紅洲宴歳館・泰山特製の激辛麻婆豆腐を差し上げよう。 -- 愉悦部員 (2016-03-09 00 57 23) 悪人ぶって背伸びしているだけ、なのをアンリは見ぬいているな -- 名無しさん (2016-05-04 16 59 25) 暗黒の聖者って誰なんだろう -- 名無しさん (2016-07-26 20 17 35) ↑悪魔崇拝者じゃね? キリスト教の聖人並に筋金入った。 -- 名無しさん (2016-10-09 16 49 20) ↑2バゼットのサーヴァントだった時のアンリマユだよ -- 名無しさん (2016-10-30 19 40 20) ギルが従ってるのは、少なくともギルから見て『醜悪じゃない』ってのもあるんだろうな。アイツ自身の視点から醜悪であると判断したら(その相手に何らかの愉しみを見出していない限り)マスターだろうが殺しそうだし -- 名無しさん (2016-10-30 20 10 58) カレンさんの新情報をわしはずっと待ち続けておるよ…… -- 名無しさん (2016-11-08 16 16 58) 凛やウェイバーみたいにFGOに出そうな気がする -- 名無しさん (2017-05-18 09 51 50) ランサーと子ギルがボイコットしたら割とマジでヤバいんだろうな。身体が弱いのはガチだし -- 名無しさん (2017-07-23 20 49 20) ↑そんなSSあったな。扱いの悪さに二人が嫌気がさして家出するって内容の。 -- 名無しさん (2017-11-12 17 56 42) 「男たちの性的イメージを投影する」という意味では、非常に綾波レイらしいキャラ作りではあった -- 名無しさん (2019-04-26 22 11 56) Fateアポクリファだとどんな生活をしているんだろうな?魔術師殺しは3日で亜種聖杯戦争を終結させて、麻婆神父は自身の善性と悪性に葛藤し続け、ヘッポコロボは養父に引き取られる展開が無いけど(魔術回路があるだけの一般人だが)相変わらず(主にあかいあくまなど普通じゃない女性との)ラブコメしているし、ロリブルマは母親同様誕生すらしていないからな -- 名無しさん (2020-02-04 08 31 44) 今んとこhollowで14歳だっけ? -- 名無しさん (2020-04-15 15 30 41) ↑不明最低13歳もありえるなど公式でもハッキリしてない -- 名無しさん (2021-02-08 00 22 04) 創の軌跡でミュゼが魔法少女コスやった翌年に愉悦部マネージャーまで魔法少女(悪魔神)として霊基再臨に組み込む暴虐振り…明らかに小清水さん確信犯w -- 名無しさん (2021-02-22 19 13 58) 一番上のコメントした人だけど、逆を言うとイワンコフやボンクレーにカマバッカの 住民はいわずもがなで、さらに恋姫の貂鮮やネイサン・シーモアもマグダラはムダなのかな?ただぷりぷりプリズナーやヴェノムあたりはホモでこそあれ、性自覚は男性と思われるのでちゃんとかかりそう。 -- 名無しさん (2021-06-19 18 57 44) カレンが10代前半だと18禁のシーンがアウト しかし、カレンが18歳以上だとすると言峰が婚前交渉で女を孕ませたことになるという二律背反 -- 名無しさん (2021-08-26 19 55 44) ↑そもそも士郎や凛は17歳だし、桜は16歳だから、最初からアウト -- 名無しさん (2021-09-21 19 31 14) ↑ 「士郎が17歳、桜が16歳」その設定どこから? -- 名無しさん (2022-11-12 05 20 52) 見た目は母親に内面は(あそこまでいきすぎてはないけど)父親に似てる -- 名無しさん (2023-03-11 17 27 53) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/touhourowa/pages/235.html
哀死来 4 all(後編) ◆shCEdpbZWw * * ごきん。 チルノのところにまで聞こえてきそうなくらいの鈍い音がした。 「ぐああああぁぁぁぁっっ…!!」 痛みに顔を歪めた空の悲鳴が少し遅れて響く。 それを聞いて愉悦の表情を浮かべた天子がさらに追い討ちをかける。 「やっぱり鴉ね、ぎゃあぎゃあ五月蝿いわ。肩を外しただけ、折れちゃいないわよ」 そう言うと、仕込み刀を抜いて空の左翼の上から地面に突き刺した。 左手側を実質的に封じられ、第三の足は外されて用を成さない。 地面に磔にされるような格好を空は強いられる事になってしまった。 足をバタつかせるが、状況の改善には至らない。 「くそっ…! 何しやがるっ…!」 「しばらくそこで這い蹲っていなさい。鳥としては最大の屈辱、ってとこかしらね。 しっかし、貴方すごい熱ねぇ。火傷するかと思ったじゃない」 「くそっ…くそっ…!」 無力化されてしまった空を見て、チルノの頭をいやな想像がよぎる。 目の前に転がる猫妖怪の首。さっき、あいつはお空も同じようにしてやるって言ってた。 首だけになったお空、それはつまり死んじゃう、ってこと。 そんなこと絶対嫌だ、お空はあたいが守るって決めたんだ、死なせやしない! 「やいっ! お空から離れろっっっ!!!」 そう怒鳴ると、スキマ袋から鉄の輪を取り出して投げつける。 風を切りながら、天子の方に向かってまっすぐ飛んでいくが… 「馬鹿ねぇ。せっかくの武器を投げちゃってどうする気よ」 弾幕ほどの密度も、銃弾ほどの速度もない鉄の輪を、天子は体を開くだけであっさり避ける。 天子の目の前を通過した鉄の輪が、後ろの木にサクッという音を立てて刺さる。 これでブーメランのように弧を描いて戻ってくることもあるまい。 余裕綽々にチルノの方を向き直ってみると、バイオリンを振り上げながら距離を詰めてくるのが見えた。 「やああぁぁっっ!!」 なるほど、最初から鉄の輪は目先を逸らすためのもの、本命はそっちですか。 リーチの差を埋めるためにバイオリンを装備、と。ちょっとは考えているみたいね。 「でも…まだまだ浅はかね!」 嘲笑しながら緋層の剣を地面に突き立て、スペルカード宣言をする。 「地符「不譲土壌の剣」!」 途端にチルノの目の前に石柱が現れる。 それは、普段のものに比べれば随分と小さいものではあったが、正確にチルノの腹部を捉えた。 結果として、その石柱は突進してきたチルノにカウンターを食らわせる格好になった。 バイオリンを取り落とし、吹っ飛ばされ、地面を二度三度と転がり、聳え立つ木の幹に背中をしたたかに打ち付ける。 そのまま木にもたれかかる様に座り込んで…チルノは動かなくなった。 霊力の消費を眩暈という形で感じた天子は、動かなくなったチルノを見て愉悦の表情を浮かべた。 今後のことも考えて、自身のスペルカードの中では一番簡単なものを使ったのだ。 力は消費したが、まだまだ使えなくなるほどではない。 後先考えずに力を使い切ってしまう目の前のお馬鹿さん達とは違う、そう自分に言い聞かせる。 「チルノっ!! おいっ!! しっかりしろっ!!」 這い蹲ったまま空が必死に呼びかけるが、チルノはピクリとも動かない。 まさか…死んでしまったのか…? 最悪の結果を想像してしまう。 「無駄よ。綺麗に入りましたからねぇ。 アバラの一本や二本くらいは持っていかれているかも知れません。 もしかしたら、折れたアバラが心臓に突き刺さって…なんてことになってるかも」 「畜生っ…! 許さない…絶対にお前は許さないっ…!」 「そんな状態で何を許さないと言うのかしら」 空の背中を踏みつけながら天子がさらに吐き捨てる。 「そこで氷精に止めを刺すのを黙って見てなさい。最強などと嘯く自分の無力さ加減を嘆きながら、ね」 空から視線を外して、一歩一歩チルノの方に向かって歩いていく。 それを見送ることしかできない自分にどうしようもない苛立ちが募る。 (ごめんね、さとり様をお願い) 燐の最期の言葉が脳裏に浮かぶ。 目の前のチルノも守れずに、どうしてさとり様を守ることが出来るだろうか。 親友との約束さえも果たすことが出来ないほど、私は無力なのか。 歯噛みして悔しがるも、霊力は戻らない、体の自由も利かない。 心身ともにがんじがらめに絡めとられてしまっていた。 「さて。随分しぶとい娘でしたけれど、そろそろおしまいかしら」 緋層の剣の剣先でチルノの体をチョンチョン、とつついてみる。 反応は無い、せいぜい気絶くらいかと思ったが本当に死んでいるのかも。 そう思った天子はチルノの顔を覗き込もうと前屈みになる。 瞬間、チルノの目がパチッと開き、その場にガバッと立ち上がる。 その拍子に、チルノの脳天が前屈みになっていた天子の顎にクリーンヒットする。 「いったぁ~いっ!!」 頭を抑えて痛がるチルノがその場を駆け回る。 一方の天子はというと、典型的な脳震盪を引き起こしてその場に膝をついてしまう。 別に作戦でもなんでもない、チルノは今の今まで意識が飛んでいた。 目が覚めた瞬間に、敵に対して身構えねば、と慌てて立ち上がったところに偶然天子の顔があったというだけ。 その様子を呆然と見ていた空は、チルノがひとまず無事であったことに安堵の表情を浮かべる。 そして、すぐに我に帰ると大声を張り上げる。 「チルノっ!! 今だっ!! やっちまえっ!!」 その声にチルノもまた我に帰る。 視界には片膝をつき、意識が飛んでいるのか焦点が定まっていない天子の姿。 あれ? もしかしてあたいってチャンス? 「たああぁぁっっ!!」 威勢良く掛け声を上げ、天子に突撃する。 パンチ、キックの雨あられ、今までの鬱憤を晴らさんと猛攻をかける。 何発目かのパンチで天子が飛ばされて地面を転がっていく。 「これでとどめだああぁぁっ!!」 飛び掛りながら大きなモーションで拳を振り上げる。 チルノや空は単純に天子を叩きのめすことが出来ればそれでよかった。 命を取ろうというところまでは考えが及んでいない。 それ故、とどめ、と言っても殺意の籠もっていない攻撃になってしまうのは仕方の無いことであった。 そこが二人と天子の意識の決定的な違い。 天子は今までは半分遊んでいたとはいえ、最終的には二人を殺すつもりで戦っていた。 だから攻撃に殺意を籠めることなど造作も無い。 意識を取り戻した天子は、チルノが前に伸ばしてきた腕を掴み、一本背負いの要領で放り投げる。 不意に意識を取り戻した天子の攻撃に対応できず、受身が取れなかったチルノが背中から地面に叩きつけられる。 背中を強く打ちつけ、一瞬息が出来なくなるチルノの胸倉を掴んで引き上げると、そのまま思いっきり投げ飛ばす。 「ぐえっ!」 再び背中から叩きつけられ、地面を転がる。 豹変したかの様な天子の攻撃に、磔にされている空はただただ唖然とするばかり。 先ほどのチルノの攻撃で口の中を切ったのだろう、ペッと血を口から吐きながら天子が怒りを漲らせる。 「よくもやってくれたわね…! もう遊ぶのはお終いよ…一思いに殺してやるっ…!!」 うずくまるチルノに向かって天子が歩みを進めようとしたその瞬間、いるはずのない妖怪の声が辺りに響いた。 「う、動かないでっ!!」 そこには、震えながら武器を構えるメディスン・メランコリーの姿があった。 * * 戻ってきたメディスンを見て、天子は舌打ちをする。 ターゲットが二人から三人に増えたから、というのもそうだが、それ以上に問題なのはメディスンの手の中。 あれもさっきの閻魔のものとは違うけど、おそらく同じ銃という武器。 随分と厄介なものを持っているじゃない、そう思った。 「貴方もつくづく馬鹿ねぇ。折角見逃して差し上げたのに。お仲間の馬鹿がうつったのかしら」 そう言い放つ天子を尻目に、チルノと空は慌てふためく。 「メ、メディ…? あんた…何してんのさ…?」 「おいっ! 馬鹿っ! 逃げろって言ったはずだぞ!?」 地に倒れ伏す二人の姿を見て、メディスンがその瞳に涙を浮かべる。 「だって…だって…! 友達を見捨てて私だけ逃げるなんて出来ないよっ!! 私はもう誰ともさよならしたくないの!!」 「だからって…! お前、殺されるぞ!?」 「でも…二人が死んじゃうのも嫌だもんっ!!」 「何…言ってんのよ! あたいは…最…強だから…大丈夫だ…って…!」 言い争う三人を見て、天子はハァ、と深いため息をついた。 折角漲った殺意が削がれてしまったというのもある、まったくもって興醒めだ。 「本当にやる気があるんだったら…警告なんてしないでさっさと仕掛けてきなさいよ」 「動かないでって言ったでしょ!?」 天子がゆっくり近づいてくるのを見て、メディスンは慌てて構えなおす。 依然として、恐怖で体は震えているが、視線だけは決して逸らさないように努める。 「無理よ…臆病者の貴方には出来っこないわ。くだらない抵抗は止めなさい」 「お、臆病者なんかじゃないもんっ!!」 確かに、目の前の人は怖い。 最初に出会ったあの妖怪も怖かったけど、この人もいい勝負だ。 でも、空さんやチルノが死んじゃう方がもっと怖い。 私は臆病者なんかじゃない、二人を助けて見せるんだ…! だから…だから… (スーさん…! 私に…力を貸して…!) 「うわあああぁぁぁっっっ!!」 叫びながら、引き金を引く。 ―――銃口が火を噴いた。 * * メディスンは信じていた。 弾幕やスペルカードという武器がある中に支給されたものなのだから。 きっとそれと同じくらいの力を、この道具は出してくれる、そう信じていた。 支給された説明書には、主催者のほんの悪戯心か、こう簡潔に記されていた。 「引き金を引くと、銃口から火が出ます」 だから、さっきの空みたいにとても強い炎が出て、目の前の人をやっつけてくれる。 そう信じていたのに。 「…え?」 メディスンが期待していた劫火とは程遠いほどのの炎。 せいぜい、種火と呼ぶのがふさわしい程度のか弱い炎。 それがチロチロと銃口から噴き出していた。 平時であれば、お部屋のインテリアとして、またちょっと変わった趣味として喜ばれたであろう。 だが…この殺し合いの場で「拳銃型ガスライター」など何の役に立つだろうか。 緊急時であったために試し撃ちをすることなく駆けつけたのが仇となってしまった。 頼みの綱を失ったメディスンは呆然と佇む。 それは空も、チルノも、そして天子もまた同様。 ライターを取り落とし、カシャンという軽い金属音が響き渡る。 「まったく…驚かしてくれるじゃない。ただ残念ね、単に怒りを買っただけだわ」 呆れ返った表情で、天子が沈黙を打ち破る。 「…こうなるって…分かっていたの…?」 「まさか。こんな玩具だってこれっぽっちも思わなかったわよ。 ま、仮にそうでなかったとして、あれだけガタガタ震えていたら当たるものも当たらなかったでしょうけれど」 そう言うと、緋想の剣を担ぐようにしながら再びメディスンに歩み寄っていく。 「い、嫌…! 近づかないでっ…!!」 半狂乱になりながらメディスンが弾幕を展開する。 空やチルノと違って、メディスンが弾幕を打てたことに天子は一瞬面食らった。 だが、制限が加わっている上に、精神的にも不安定な状況では、軌道は滅茶苦茶、密度はスカスカ。 前進しながら易々とかすり傷一つ負うことなくメディスンの目の前まで行く。 「あ…嫌…いやぁ…」 逃げてしまいたいのに、足が竦んで動くことさえ出来ない。 天子の冷たい視線に射抜かれ、金縛りにあってしまったかのように。 「さっきは臆病者だなんて言ってごめんなさいね。 死ぬって分かって戻ってきたんですもの。あなたはとても勇敢よ。」 「あ…あぁ…うぅ…」 「ですからね、私からささやかなお詫びといたしましてね… この緋想の剣で一思いに斬って差し上げようかと思いますの。 喜びなさい、本当なら貴方のような木っ端妖怪には過ぎるくらいの待遇よ」 天子が緋想の剣を高々と掲げる。 立ち上がることの出来ない空とチルノは、この後何が起こるのかというのが容易に想像できてしまった。 「いや…助けて…スーさん…助けてよぉ…」 天子には理解できないうわ言を呟きながら、震え続けるメディスンに向かって剣を構える。 「よせっ!! やめろおおおぉぉぉっっっ!!!」 「メディィィィッッッッ!!!」 「さようなら、小さな妖怪さん」 次の瞬間、無慈悲に振り下ろされた剣はメディスンの左肩から右の脇腹にかけて袈裟切りの軌道を描いた。 空とチルノの目に映ったのは、血を吹き出しながらゆっくりと膝から崩れ落ちていくメディスンの姿と――― ―――顔を押さえながら声にならない声を上げて苦しむ天子の姿だった。 * * メディスン・メランコリーは元々鈴蘭畑に捨てられた人形だった。 それが長い年月をかけて鈴蘭の毒を浴び続けることによって妖怪として生を受けた存在。 いわば、人間や妖怪にとっての血液に当たるものが、メディスンにとっては毒であったのだ。 その毒は、花の異変の時の彼岸花という別の毒素との邂逅によって力を増し。 体から無意識に漏れ出した毒だけで、制限下で弱っていたとはいえあの八雲紫を追い詰めるまでに至った。 そんなメディスンの体に回る毒は、いわば混じりっ気なしの原液と言っていいようなもの。 それを不用意にも至近距離から切りつけた天子は、思いっきり浴びてしまうこととなってしまった。 顔を焼き、眼球を焼き、視界が失われる。 焼けるような熱さと、不快な痺れが同時に襲い掛かってくる。 そのまま呻き声をあげながら、緋想の剣を杖のようにしてフラフラと立ち去っていく。 そんな天子を、空とチルノは何が起こったのか分からずに呆然と見送ることしか出来なかった。 * * 目が覚めると、私はいつもの鈴蘭畑の中にいました。 周りをキョロキョロ見渡してみると、スーさんもそこにいました。 今まで見ていたのは夢、だったのかなぁ? 確かめるためにいつもの呪文を唱えてみます。 「コンパロ、コンパロ、毒よ集まれ~♪」 うん、やっぱり大丈夫、スーさんの毒で苦しくなることもありません。 やっぱり今までのは悪い夢、きっとそう。 夢の中身を思い出してみます。 最初に出てきた怖い怖い妖怪や、最後に出てきた怖い怖い強盗さん。 随分怖い思いもしたけれど、でもカッコいい人もいた。 空さんに、チルノ。 二人とも、絶対に諦めずに何度でも立ち上がる姿、カッコよかったなぁ。 「ねぇ、スーさん」 いつものようにスーさんとおしゃべりを始めます。 「八意先生も頭がよくって、すっごい人だけれど…」 夢だったけど、あの二人の姿は今でもハッキリと浮かんできます。 「空さんやチルノみたいな人もいるんだね」 私はまだまだ妖怪として、生まれたばかりだけれども。 いつか、八意先生みたいに頭がよくって、空さんやチルノみたいに勇ましい、そんな妖怪になれるのかな。 「そうだ、スーさん、私、すっごく怖い夢を見たの」 スーさんにお話したいことがいっぱいある。 全部お話しするのにどれくらいかかるかなぁ。 「あのね、スーさんも私のことを嫌いになっちゃってたの、でもね…」 彼女が見たのは夢か現か。 人形から生まれた妖怪は、妖怪としてはあまりに短い生を終え、再び人形へと戻っていった。 【メディスン・メランコリー 死亡】 【残り 26人】 * * まるで時が止まってしまったかのように、空とチルノはその場を動かなかった。 体に蓄積されたダメージの為、というのも勿論あった。 だが、目の前で仲間が一刀両断にされ、地に伏したまま動かないのを見てしまったのが何よりの原因だった。 不思議と逃げていった天子を追いかける気にはなれなかった。 今はもう天子のことなど、考えるだけの余裕さえも無かったのだ。 どちらかといえばダメージが少なく済んだチルノが、空の下に足を引きずりながら近づく。 左翼に突き刺してあった仕込み刀を引き抜いて、ようやく空は地面への磔から解放された。 外された肩を自力で嵌めようと苦心する空を尻目に、今度はメディスンの下へとチルノは歩みを進めた。 元のお人形に戻ってしまったかのように、ピクリとも動かないメディスンの亡骸を、ただ見下ろすことしか出来ない。 ふと、チルノの頬を熱いものが伝う。 これって…涙…? どうして…? どうして、こいつが死んであたいが泣いているんだろう…? ちょっとだけ考えて、すぐにチルノは答えを見つけることが出来た。 そっか…あたいはこいつの、メディのことがとっても大事だったんだ。 (友達になろうって言葉だけでもすっごく嬉しい。ありがとね、チルノ) (友達を見捨てて私だけ逃げるなんて出来ないよっ!!) メディの言葉が、あたいの胸に甦ってくる。 「ごめんね、メディ…友達だったのに…あんたを守ってやれなくって…」 両の瞳から涙がぽろぽろとこぼれて来る。 メディスンの死という悲しみ、守ってあげられなかった悔しさ。 二つの思いがごちゃ混ぜになって、頬を伝う涙はいつまでも止まらなかった。 「メディスン…」 気がつくと、お空が後ろに立っていた。 棒を嵌めている方の肩を痛そうに押さえながら、立ち尽くしている。 お空は必死に涙を堪えているようだった。 きっと、あたいが泣いているから、自分だけでも泣いちゃいけない、そう思っているんだろう。 「…ねぇ、お空」 「…なんだい」 「お空さ…いつか言ってたよね…? 何のための最強なの? 誰のための最強なの? って」 「あぁ…そんなことも…言ったっけか」 「あたいさ…お空やメディを守るために頑張ったんだよ? でも…メディは守りきれずに死んじゃってさ…」 「そんなの…私だって同じさ。お燐を守れなかった上に、メディスンまで目の前で死なせたんだ…」 「…おかしいよね、あたいもお空も最強なんだよね、最強のはずなんだよね」 「その…つもりだったんだけどな…」 「メディも、お燐って妖怪も、お空やあたいのことを最強だと思って死んでいったんだよね」 「…そうかもな」 「だったらさ…今はまだ最強じゃないかもしれない…けど。 あたいは…あたいはメディに笑われないように本物の最強になってやる、そう決めたの」 そう言うと、チルノはメディスンの金髪に手を伸ばすと、その頭に巻かれた赤いリボンをしゅるり、と解く。 そのリボンを自分の左腕に喪章をするかのように、しっかりと結びつける。 「だから、あたいは今ここで誓うの! メディのために、あたいは最強になるんだって! いつかあたいも死ぬかもしれないけれど、死んだ後でメディをがっかりさせないくらい、最強になってやるんだ!」 涙を腕で拭いながら、精一杯力を込めてチルノが叫んだ。 「…なんだ、チルノも考えることは一緒か」 そう言うと、空は自分のスキマ袋から黒いリボンを取り出した。 「形見の…つもりでお燐から貰ってきたんだけどな…真似させてもらおうよ。 チルノ、悪いけど私の左腕にも結んでくれない? こっちの足がまだ痛くってね」 こくり、と頷いたチルノが、空の左腕に燐の黒いリボンをしっかりと結びつける。 「あたいはメディのために!」 「私はお燐のために!」 「「絶対に!! 最強になってやる!!」」 がしっと互いの左手で握手する。 もう泣くわけにはいかない。泣いていたら、死んだ二人にいつまで泣いているんだ、って笑われそうな気がして。 「ねぇ、お空。あたい達二人で一緒に最強になるんだよね」 「そうとも。それがどうした?」 「もう、絶対に離れ離れにならない、約束する?」 「あぁ。もうこれ以上誰かとお別れするのは真っ平御免だからね」 「じゃあさ…これ」 じゃらり、と音を立てながら、チルノが懐から金属の輪っかを取り出す。 「なんだい、これ」 「メディが持ってたおもちゃだよ。これで手を繋げば、離れ離れにならないんだってさ」 「ふぅん、おまじないみたいなものかな。いいよ、そいつで手を繋ごうじゃないか」 空の左腕と、チルノの右腕が、手錠によってしっかりと繋がれた。 本来の目的とは明らかに逸脱した使い方だが、二人にそれを突っ込むのは無粋、というものだろう。 何はともあれ二人は今、心身ともに強固な絆によって結ばれたと言ってもいいだろう。 「…さて、とりあえずどうしようか?」 「まずはさっきの奴を探し出して捕まえるのよ! メディにこんなことしたのを、地面に頭こすり付けて謝らせてやるんだから!!」 「そいつはいい考えね。 それと、こんなところに私達を放り出した奴も許すわけにはいかないね。 そいつらのせいでお燐やメディスンがこんな目に遭ったんだから」 「よぉし、そいつらもみんなまとめて謝らせてやろう! ねっ!」 傾き始めた太陽が、二人の顔を紅く紅く照らしつけていた。 だが、太陽だけのせいではない、二人は決意に闘志を燃やし、紅潮していたのだ。 【C-5 南東部森林 午後 一日目】 ※限りなく夕方に近い時間です 【最強コンビ】 共通方針:二人で一緒に最強になる 1.メディスンを殺した奴(天子)を謝らせる 2.ここに自分達を連れてきた奴ら(主催者)を謝らせる 【チルノ】 [状態]霊力消費状態(6時間程度で全快)全身に打撲 強い疲労 心傷 [装備]手錠 [道具]支給品一式(水残り1と3/4)、ヴァイオリン、博麗神社の箒、洩矢の鉄の輪×1、 ワルサーP38型ガスライター(ガス残量99%) [思考・状況]基本方針:お空と一緒に最強になる 1.メディスンを殺した奴(天子)を許さない 2.メディスンを弔いたい 3.余裕があれば霧の湖に行きたい ※現状をある程度理解しました 【霊烏路空】 [状態] 霊力0(6時間程度で全快) 疲労極大 高熱状態{チルノによる定時冷却か冷水が必須} 右肩(第三の足)に違和感 左手に刺傷 左翼損傷 全身に打撲 頭痛 心傷 [装備] 手錠 [道具] 支給品一式(水残り1/4)、ノートパソコン(換えのバッテリーあり)、スキマ発生装置(二日目9時に再使用可) 朱塗りの杖(仕込み刀) [思考・状況]基本方針:チルノと一緒に最強になる 1.メディスンを殺した奴(天子)を許さない 2.メディスンを弔いたい 3.さとりとこいしに会いたい ※現状をある程度理解しました ※空の左手とチルノの右手が手錠でつながれました。妹紅の持つ鍵で解除できるものと思われます。 ※橙の首(首輪つき)がチルノたちの側に転がっています。どう扱うかは次の書き手の方にお任せします。 ※河童の五色甲羅(ひび割れ)がチルノたちの近くの草むらの中に転がっています。どう扱うかは次の書き手の方にお任せします。 ※メディスンの持っていた燐のスキマ袋はチルノが持っています。 中身:(首輪探知機、萃香の瓢箪、気質発現装置、東のつづら 萃香の分銅● 支給品一式*4 不明支給品*4) ※メディスンのランダム支給品は手錠とワルサーP38型ガスライターでした。 * * 天子は、闇雲に逃げ続けていた。 視界を失った今、方向感覚は分からない。 幸い、嗅覚はあるので、ぶすぶすと木が焦げる匂いを避けるようにしながらの行軍だ。 中途半端に力を使ったせいで、湖の時みたいに岩のドームを作ることは出来そうに無かった。 仮に出来たとして、視界を失った今、チルノをドーム内に一緒に引き込んでしまう可能性は否めなかった。 いくら氷精が相手とはいえ、目が見えない今は明らかに分が悪すぎる。 追ってくるかもしれないチルノと空の影に怯えるように、フラフラと天子は歩みを進める。 迂闊だった、なんの気もなしに切りつけた結果がこんなことになるとは。 遊びすぎたことを後悔しながらも、それでも天子は前向きに考える。 あの毒は、あの妖怪の能力に間違いないだろう。 自分の力にも制限がかけられている今、あの毒にだって制限がかけられていない道理が無い。 つまり、この視力消失は一時的なもの。さっきみたいに少し休めばきっと回復するはず。 そうすれば今度は遊ばない。あの二人も怯える暇など与えずに倒してみせる。 幸い、緋想の剣はもはやこの手の中にある。これさえあれば私に怖いものはない。 好死は悪活にしかず。 今の自分はおそらく醜くも生きているのだろう。 だが、死ぬよりはましだ。 生きてさえいれば、まだまだ先があるのだから。 だから、今は休もう。また休まなければいけないのは癪だけれども。 八雲紫、その式、射命丸文、霊烏路空、チルノ。 スケジュールはびっしりと埋め尽くされている。人気者は辛いわね。 いつしか山を分け入って随分と高いところまで登ってきていたようだ。 何度か木の根に躓いて転んでしまったが、その分の怒りはターゲットにまとめてぶつけよう。 あれからかなり逃げたはずだが、一向に追ってくる様子が無い。 うまく撒くことが出来たか、そもそも追ってきていなかったか。 よし、そろそろこの辺りでいいだろう。そう思ったその瞬間だった。 「きゃっ!」 天子の足元から地面が消え失せ、そのまま落下していった。 落下といっても、普段よりちょっと大き目の段差というだけのことだったのだが。 目の見えない今、天子にとってはそれだけでも十分に脅威になりうる。 しばらく斜面を転がり落ちて地を舐めることになってしまった。 私がこんな目に遭うのも全てあいつらのせい、そうとでも思わないとやっていられなかった。 苛立ちを募らせたところで、ふと気づく。 さっきまで右手に握っていた緋想の剣が、無い。 「うそっ!? まさか今ので落としちゃった!?」 天子にとって頼みの綱といってもいい緋想の剣。 それが無いことにうろたえるところに、追い討ちをかけるように耳に無機質な音声が響き渡る。 『警告します。禁止区域に抵触しています。30秒以内に退去しなければ爆発します』 天子の背中を冷たい汗が伝う。 最初に飛ばされた酒蔵のようなところで爆死した、顔も名前も知らない女のことを思い出す。 まさか、自分もあんな風になってしまうの…? それだけは…嫌だ!! 「そっ、そうよ…! ついさっきまではこんな警告なんて無かった…! つまりここは禁止エリアの端っこ…少し動けば抜けられるはずよ…!」 その間にもカウントダウンは進む。 29…28…27…26… 素早く起き上がって、斜面の上へ上へと進んでいく。 転がり落ちてきて禁止エリアに入ったのだから、登っていけば脱出できる、そういう道理だ。 25…24…23…22… ピッ、ピッ、ピッ、ピッ… 耳障りな電子音とともにカウントダウンが続いていく。 21…20…19…18… 目が見えればコンパスを頼りにすぐに脱出することが出来たはず。 しかし、無いものねだりをしても仕方が無い。 17…16…15…14… 登っても、登っても、カウントダウンは鳴り止まない。 最早緋想の剣のことは頭に無い。ただただ脱出して生き延びることだけしか考えていない。 13…12…11…『あと10秒です』 焦る天子の心中をよそに、カウントダウンは続く。 どうして? 何故脱出できない? 天子はパニックになる。 スイカ割りの時に目隠しをされ、ぐるぐるとその場で回る。 平衡感覚が失われるとともに、今自分がどこを向いているのかが分からなくなる。 今の天子が置かれた状況はそれに酷似していた。 これがスイカ割りならば、周りの友人が声で誘導してくれただろう。 だが、今の天子にそんな救いの声は存在しない。 転がってきた方向を登っているつもりで、別の向きに斜面を登っていたのだ。 9…8…7…6…『あと5秒です』 「嘘よ! そんなのってないわ! 私がこんなところで死ぬなんて、あっていいわけがない!!」 4。 なまじ意識がハッキリしているだけに、真綿で首を絞められていくような感覚。 死刑宣告のカウントダウンは鳴り止むことが無い。 3。 「嫌よ嫌! 死ぬなんて絶対嫌よ、だから誰か、誰か助けてよぉっ!!」 命乞いをしても…その声は誰にも届くことは無い。 2。 涙を流しながらも、諦めることなく上へ上へと歩を進めていく。 しかし、時間の流れは誰にも平等に刻まれていく。天人であろうと、そうでなかろうと。 1。 「お願い、誰か助けてっ!! 死ぬのは嫌あああああっっ―――」 半狂乱になりながら泣き叫び… 0。 最後の電子音と同時に、首輪がぼんっ、と小さく音を立てて爆ぜた。 首から上を失った胴体ががくっと崩れ落ち、登ってきた斜面を転がり落ちる。 止める力を持たない胴体はそのままゴロゴロと転がり落ち、最後に小さな崖から飛び出す。 どさっ、と音を立ててようやく死体は転がるのを止めた。 奇しくも、その死体は別の首無し死体に寄り添うようにしていた。 自分が首を落とした相手の側で最期を迎える。 誰かが、彼女に「因果応報」と忠言していれば…こうした結末は防げたのだろうか。 【比那名居天子 死亡】 【残り 25人】 ※緋想の剣はB-5の山中(ほぼB-4との境目)に放置されています。 ※残りの道具(永琳の弓、矢×13本、洩矢の鉄の輪×1、小傘の傘、支給品一式×2) は天子の死体と一緒に禁止エリアに放置されました。 128 哀死来 4 all(前編) 時系列順 136 リリカSOS 128 哀死来 4 all(前編) 投下順 129 酒鬼薔薇聖戦(前編) 128 哀死来 4 all(前編) メディスン・メランコリー 死亡 128 哀死来 4 all(前編) チルノ 133 違和感№909 128 哀死来 4 all(前編) 霊烏路空 133 違和感№909 128 哀死来 4 all(前編) 比那名居天子 死亡
https://w.atwiki.jp/galgerowa/pages/429.html
覚醒、決意、そして……アサクラジュンイチ(後編) ◆4JreXf579k しばらく三人の様子を見ていた舞だが三人の結束が固まってきたのを見て目を細める。 見るからにお涙頂戴劇のやり取りだが舞には逆にうれしい誤算だ。 いつものように視界に入った敵は殺すだけ。 それにまた逃げられてはかなわないと思っていたところだ。 そうでないとわざわざ走って追いかけてきた意味が無い。 三人が相手だろうがこの手に握られし永遠神剣があれば問題ない。 「アンタはどうして人を殺す!」 純一が叫びながら舞に向かって突っ込んで行く。 舞は接近戦をしてくれるならその方が好都合だとばかりに永遠神剣に力を注ぎ込む。 体が熱くなるような感じがするとともに、爆発的に身体能力を向上させて舞もまた純一たちのほうへ向かって行く。 舞の狙いは先頭を走ってくる純一。 まずは一発、舞が純一に向かって『存在』を振り下ろそうとするが、あゆの銃ときぬのクロスボウが舞の進行を阻むように己が武器を撃ちだす。 永遠神剣によって得られた脅威の動体視力と反射神経でバックステップ。 舞は難なく襲い掛かる二つの攻撃を避ける。 あり得ない、そう言いたそうな顔をあゆときぬがする。 超高速かつ超強力な武器を避けられたのだ。 だが純一だけが目の前の結果に惑わされず舞に向かって走り出す。 「俺はアンタを救ってみせる!」 理屈じゃない何かが純一を強く、熱く動かす。 純一の胸には今もこの殺し合いを止めたいという心がある。 理想という綺麗な言葉で飾るのはもうやめたが今もそれは変わらない。 極力銃やクロスボウなどの強力な武器で傷つけるのは避けたかった。 だから極力頼るのは純一の持つ鉄扇のみ。 果物ナイフや投げナイフはあるがあゆときぬに接近戦をさせるつもりは純一には毛頭ない。 純一が畳まれていた鉄扇を広げて真一文字に振るう。 それすらも舞にはなんの脅威にもならない。 一つ文句を言うなら、右の方から飛んでくるので多少間合いが取りづらいということ。 ただ、あくまでそれだけ。 今の舞なら百回同じ攻撃が来ても百回ともかわせる自信がある。 再びバックステップで紙一重で避けようとするが、その瞬間脅威の出来事が起こった。 鉄扇から音も無く刃が飛び出し舞の頬を掠める。 「ツッ!!」 舞の頬に一筋の赤い線が生まれ、そこから赤い滴が流れる。 仕込み刃、ハクオロとの勝負の時には出てこなかった隠された武器が今効果を発揮した。 元々ハクオロの鉄扇は朝倉純一に支給されたものだから、仕込み刃の存在は純一も知っている。 しかし、それはあくまで一発限りの隠し球でもう舞には通じない。 「純一が強い決意をしたのなら分かってるはず」 舞が頬の怪我に親指を添えて血を軽く拭って喋る。 そしてすぐに純一に斬りかかっていく。 舞の見たところ女二人は遠距離戦用の武器しか持ってない。 ならば唯一接近戦用の武器を持っていると思われる純一と接近戦をすれば必然的にきぬとあゆは援護の方法が失われる。 「今の純一のように強い決意をした人間の道を変える方法は無い」 敢えて手加減した一撃を斜め上から袈裟の要領で切りかかり純一に再び畳まれた鉄扇で受けさせる。 舞の推測どおりあゆときぬは援護する方法を失い、その場に立つだけ。 最も正確にはあゆもきぬも近接戦用の武器は持っているが純一の方針で接近戦をしようとしてないだけだが。 鍔迫り合いの形になってはいるが、舞はすぐに止めを刺さずしばらく会話に興じることにした。 「動けばすぐに純一を殺す」 舞があゆときぬの二人に警告する。 そしてそれが冗談ではないことは二人は知っている。 永遠神剣の恐ろしさはハクオロを殺したことと、銃弾とクロスボウの二つをあっさりかわした実績が証明済みだ。 あゆときぬが無言で頷いたのを見て舞は純一の方へ視線を向ける。 舞もあの白河ことりの探していた朝倉純一に少しだけ興味が湧いたのだ。 飽きれば永遠神剣の一撃で殺せばいいだけ。 純一の方もこの圧倒的に不利な状況を打開する方法が思いつかないし、話を聞いてくれるのなら願ったり叶ったりだ。 「純一が私に何か言われたら……純一は道を変える?」 「ありえない!」 絶対の信念を以って純一は答える。 純一の腕にも自然と力が入った。 そんな純一の答えを舞はやっぱり、という表情で聞いていた。 「純一と同じで……私もそう」 「無理なんて思うな! 自分の世界を狭くしちゃ駄目だ! 必ずどこかに他の道が、みんなが笑っていられる未来があるはずなんだ!」 「無理」 「そんな間違ったやり方で得られるものって何だ!? 目を覚ますんだ! こんなことをして喜ぶ人間なんて誰もいない!」 「間違ったやり方?」 舞の耳がピクンと反応し、俄かにその表情に怒りが宿り始める。 今度は舞の手にギリギリと力が入り始める。 両手にかかる負担が倍増したのを感じて、ようやく純一は自分の言った台詞の何かが舞の怒りに触れたのだと悟った。 「間違ったやり方なんて知らない」 地獄の底から響いてくるような声色で舞が喋る。 状況の悪さを悟ったあゆときぬが警告を無視して武器を手に舞たちの元へ走っていく。 「世の中には三つのやり方がある。 私が選んだのは三番目のやり方」 三人もの襲撃を同時に防ぐ方法などない。 普通なら舞はこのままよくて一人二人を迎撃できても三人目にやられるはずだった。 しかし、舞の手にあるの人数の違いをものともしなくすることができる武器。 それだけの戦力比を覆すポテンシャルを永遠神剣は秘めている。 舞は一瞬で状況を悟り四発もの斬撃を一発ずつ三人に繰り出してきた。 一瞬にして近寄ってきたあゆの果物ナイフ、純一の鉄扇、きぬの投げナイフが破壊される。 そして最後の一発は――朝倉純一の胴体。 「正しいやり方、間違ったやり方、そして――」 何事をなすにもやり方は三つある。 正しいやり方……倫理、道徳、法律、正義などに従ってやる誰もが認めてくれるやり方。 間違ったやり方……倫理、道徳、法律、正義などあらゆる正の価値観に反して行われる常軌を逸したやり方。 ならば三番目のやり方とは? 正しくも無い間違っても無いやり方などこの世にあるのか? いや、ある。 あるのだ。 この世には三番目のやり方が。 正しくもなく、間違ってもいない、そんなやり方が。 それはおそらく全世界の大半の人々が意識せず選んでいるやり方。 どんな善人でもどんな悪人でも結局のところ突き詰めていけば三番目の選択肢を選んでいる。 人は大抵そのやり方が世間でいうところの正しいやり方に当て嵌まっているだけなのだ。 人は正しいやり方を選んでいるのではない。 選んだやり方が最終的に正しいだけなのだ。 ではその三番目の選択肢とは一体何か? それは? それは……それは! 「自分のやり方!」 その言葉と同時に舞は寸分違わず純一の上半身と下半身を生き別れにする。 純一の上半身が支えを失って地面に落下していくのをきぬとあゆはスローモーションで見ていた。 あまりにも有り得ない現象、普通は人間の上半身と下半身が綺麗に別れるなんて有り得ないのだ。 「だから、私は自分のやり方で佐祐理を助けてみせる!」 あゆもきぬもその光景を信じることができなかった。 下半身と上半身の継ぎ目だった場所から血がドバドバと出ている光景と純一の目から急速に光が失われているのをうまく認識できずにいる。 故に動けたのは舞のみ、そしてその隙を舞が逃すはずが無い。 今度はあゆを新たな永遠神剣の錆にしようと襲い掛かる。 「ッうっおおおおおおおおぉぉぉぉぉ!」 いや、もう一人いた。 その怪我を見ればもう誰一人彼が助かるとは思うまい、誰一人動けるとは思うまい。 しかし彼は動いた。 それは消え逝く命が発する末期の咆哮か、あるいは耐えがたい苦痛を誤魔化すための雄たけびか。 消えかかった瞳に再び火が灯り、朝倉純一が残された上半身のみで動き制服の内ポケットから麻酔を取り出し、舞の体に向けて突き刺す。 死に体だと思っていた男が動いたことに舞は驚き、次の瞬間には舞の体に何かが腕に刺さる痛みと耐え難い睡眠欲が襲ってくるのを感じた。 「それは麻酔だ! 早く逃げないと大イビキをかいて俺たちの前で寝ることになるぞ!」 舞が純一の警告に真偽を確かめることもせず慌てて離脱を始める。 真偽など確かめなくとも頭の奥に霞がかかっていくような感覚と、全身を襲う気だるさがなによりの証拠。 舞は永遠神剣に残された全ての力をつぎ込んで全速力で逃げていった。 ◇ ◇ ◇ ◇ 「すぐに……寝るかゴホッ……と、思ったけど……効果にガッ、ハッ……個人差があるのかな」 その一言でようやくあゆときぬが金縛りが解かれたように動きを取り戻す。 二人が純一の上半身に駆け寄ってしゃがんだ。 純一は切り裂かれた腹部と口の両方から血を流し続けており、内臓が少しはみ出ている。 生存を望める状態ではないことは明らかであった。 「おい、純一! 純一ぃ!」 きぬが純一の肩をつかんで揺さぶろうとするがあゆがすぐに止める。 きぬもそれ以上は抵抗しようとはせず割れ物を扱うかのように慎重に純一の体に触った。 純一の体も流れ出る血もまだ暖かい。 それがこれから徐々に冷たくなっていくのかという確信にも似た予感が一層きぬを悲しくさせた。 「蟹沢……行くんだ」 「どこへだよ! どこへ行けばいいんだよ! 純一が死にそうなのに……どこへ行けって言うんだよぉ!」 目にありったけの涙を湛えて泣き叫ぶきぬ その涙を純一が優しく拭った。 「いいか、俺はもうゴハッ……死ぬ。 だから……あいつがまた……来る可能性もあるんだ」 舞に打たれた麻酔薬はどの程度効くか分からないし、そもそも効いてないかもしれない。 だから今とるべき行動は純一の死に際に立ち会うことではなく一刻も早くここから離れることなのだ。 「いやだ! いやだ! いやだ!」 「おい、いい加減にしろや!」 あくまで純一から離れようとしないきぬをあゆが強引に引き離して襟をつかんだ。 なおも純一の体にすがろうとするきぬを一発ひっぱたいて自分の顔をきぬに近づけた。 「テメェは一体何様だ! いいか、こいつはもう死ぬ、死ぬんだよ! 医者じゃないあたしにも分かるくらいひどいザマなのさ! その死人寸前の人間にまで優しくされて元気な自分は駄々をこねるだ!? 冗談じゃないさ! どれだけ甘えてんだよこの糞チビ虫が!」 「うるさい! お前に何が分かるんだよ! お前にボクと純一の何が分かるんだよ!」 「……ああ、そう。 それじゃ、ご自由に」 あゆはもうきぬという存在に興味が無くなったかのようにあっさりときぬから手を離した。 あまりにもあっさりと手を離してくれたことに若干戸惑うものの、きぬはまた純一の方へ駆け寄っていく。 純一のはもう聞き取るのも難しくなってるのか、きぬは純一の口元まで耳を寄せている。 きぬは相変わらずいやだいやだと言うばかりだが、あゆにも純一がどんなことを言っているかが想像できた。 そんな純一ときぬを尻目に、あゆは無慈悲に夢の時間が終わったことを告げる鐘の音を鳴らす準備を進めていた。 純一のデイパックから探している物を発見、速やかにデイパックから取り出してきぬの背後に迫る。 チェックメイト、駄々をこねる赤子に気長に付き合うつもりはない。 だからきぬの首に刺した、泣く子も問答無用で黙らせる残った一つの麻酔薬の針を。 最後に土見稟と出会った時と同じ睡魔が襲い掛かりきぬは力なく倒れていく。 きぬが倒れる瞬間その口がいやだ、という形に動いたのを純一はハッキリと見た。 「すま……ない……な」 舞と違ってすぐに眠りこけたきぬの背中を見つめて純一が呟く。 やはりあの薬は個人によってある程度効力が違ったようだ。 きぬはあゆの背中に抱えられてスヤスヤと眠っていた。 もうあゆは純一に背中を向けており出発の準備を整えている 「最期になにか言うことは?」 背中越しにあゆが言う。 その声の調子に幾分か涙が混じっていた気がするのは純一の気のせいではなかった。 短い時間とはいえ純一の優しさと芯の強さに触れたあゆの目にもまた僅かではあるが涙が滲んでいる。 「生きろ……そう、伝えてくれ」 「臨終の言葉にしちゃ冴えないね。 でも確かに伝えとくよ。 じゃあな、朝倉!」 その一言ともにあゆはきぬを背負って駆け出した。 今は遠くへ、ただ遠くへ――。 ◇ ◇ ◇ ◇ 体中の細胞の一つ一つが死んでいくのを実感する。 ああ、これが死なんだなと何故か俺は穏やかに受け入れることができた。 もうどうしようもないという状況が逆に功を奏したのだろうか。 もし助かるか助からないかの微妙な怪我をしていたら体中の痛みに苦しみ、這い寄る死の感覚に恐怖したかもしれない。 走り去っていくあゆの背中を見て、俺はもうやり残したことが何一つなくなってしまったことに気が付いた。 今も襲い掛かるこの苦しみをなんとかしたいのだが、それをなんとかするということは即ち自殺ぐらいしかない。 自殺、それはちょっとやだな。 (頼むぞ、蟹沢、あゆ) となれば残ったのは残された人を思うことくらいか。 女二人で生き抜くには難しいだろうが頑張ってほしいと思う。 (それで……それで……あれ?) 脳細胞が死んでいき、思考能力までも奪い取ろうとしているだろうか。 残された蟹沢やあゆのことを思ったとき、頭の中に浮かんだのはありきたりすぎる思考の羅列でしかなかった。 (じゃあ……どうしようもないか) せめて悔いの一つも見つければそれをやり遂げようと行動していたのだろうが、生憎、大切な仲間も守れて脅威もある程度遠ざけることができた。 もう本当に何一つやることがないのだな、と思って座して死を待つことを決めた瞬間、俺の目に何かが飛び込んだ。 茂みの向こうほんの数メートル先、草が一番深く生い茂った場所にキラリと光を反射する何かがあった。 なんだろう、あれは。 そう思ってしまったからには行動あるのみ。 決めた。 あれを確かめるのが俺の最期の望み。 確かめるのなんてかったりぃ、いつもならその口癖が飛び出ているだろう。 けどこれは俺の人生の最期の最期なんだ。 残った力は出し惜しみしちゃいけないと思う。 全力で生きるってさくらやみんなに誓ったんだから。 ということで匍匐前進をしながらそこに近づくことにした。 一歩ずつ、という表現が相応しいかは俺には分からないがそれでも少しずつ確実に進んで行く。 土が痛い。 草が痛い。 這いずる度に激痛が走るが、痛みを感じるって言うことは俺はまだ生きている証拠。 そんな前向きな考えで進んでいた。 どうせ死ぬんだ、だったらどこまでもポジティブにいこう。 「はぁっ……これ…うっオエッ…はぁっ……ならっ……がふっ、もう少し蟹沢と喋っててもよかったか……な」 声もまだ出せる。 口の中に鉄の味が広がる。 俺の体力も馬鹿にできたもんじゃないな。 上半身だけでこんなに生きてられるなんて。 ほら、そんなことを考えているうちにあと1メートルだ。 這って…… あと70センチ。 這って…… あと50センチ。 また這って…… あと30センチ ほら、あともう少し あと10センチ さあ、届いた。 これは……ビニール袋とそのビニール袋一杯に入った水……か? とりあえずビニール袋と何らかの液体が入っているのは間違いない。 そしてその中に入っているものは何だ? よく分からないが、ビニールとその中に入った液体の他になにかがある。 その何かこそがこのビニール袋の中で最も大きいスペースを占めているのだ。 死にぞこないでなかったらビニールの口を開けて中身を取り出すところだけど今の俺にはそんな力はない。 だから外から眺めているだけしかできないんだが……この液体の中に浮いている栗色の細くて長いものは髪……髪の毛か! でもなんで髪の毛が……いや待て、俺は勘違いをしてないか? 早鐘を打っていた心臓がさらに早鐘を打っている。 俺は知っている……知っている? 何をだ? これは裏なんじゃ……裏って何だよ? 俺は何をさっきから考えている。 このビニールの中に入っているのは何らかの液体とおびただしい数の髪の毛。 髪の毛? 髪の毛ってことはこの髪は何らかの生き物の髪の毛なんだ。 駄目だ、駄目だ、駄目だ。 やっちゃいけない、このままくたばるのが最善なんだ。 そう分かっていても手が止まらない。 好奇心が俺を殺そうと襲ってくる。 抑えがたい衝動を前にして俺は……ついにこのビニール袋の向きを反対にしてしまった。 「なんだ……」 視界に広がったのは肉の塊。 少ししてようやくそれが人の首を切り取ったもの、いわば生首であるのが分かった。 普通なら誰だってそれを驚くだろう。 叫ぶだけならまだマシ、下手したら失神したりするかもしれない。 でも俺はこのぐらいでは驚かない、だって俺は生首もビックリな上半身だけの男だから。 ブラック過ぎるジョークを考えて自己嫌悪に陥るがどうせもう死ぬ身、言いたい放題だ。 少し気分がハイテンションになってるな、脳内麻薬みたいなのが分泌されてるんだろうか。 改めてこの生首の検証をすることにした。 栗色の髪の毛はほぼ根こそぎ抜け落ちてビニール全体を漂っている。 そして首に付いた黒のチョーカー……え? 栗色の髪の毛と黒のチョーカーってまさか……ああ、まさか……。 まさか、まさか、まさか、まさか、まさか、まさか、まさか、まさか、まさか、まさか、まさか、まさか その言葉を呟いた途端に、頭の中でパズルのピースが嵌ったように全ての答えが得られていく つまり、これは人の生首で、黒いチョーカーをつけてる人間なんてそうそういなくて、でも俺はそんな知り合いに心当たりがある。 瞳に当たると思われる部分と眼があった。 抉られて空洞になってしまった部分が奈落の底のような印象を受ける。 それは俺の最愛の義妹。 二日前淡い口付けを交わした少女。 赤の他人の首なら俺は驚かない。 さっきも言ったように俺もそれと同列のグロテスクな姿だから。 じゃあ赤の他人じゃなかったら? 俺のよく知っている人間のなれの果てだったら? 黄色と黒と白と赤。 黄は色素が若干落ちた栗色の髪。 黒は首につけていたチョーカー。 白は片方のみに残されたブヨブヨとした瞳。 赤は……勿論血の赤。 綺麗な色のコントラストがよく映えるそれは……。 そう―― 朝 倉 音 夢 の 生 首 「うわあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!」 【朝倉純一@D.C.P.S. 死亡】 ◇ ◇ ◇ ◇ 「何だ……純一の声!?」 朝倉純一の声を一人の男が聞きつけた。 トゥスクルの皇、ハクオロはまだ生きていたのだ。 舞に左肩から腰のあたりまでバッサリと着られ、着物の帯は破れ、血がとめどなく流れている。 さらに舞は銃弾をハクオロの額に撃ったのだが、これは決定打とならなかった。 ハクオロが記憶を失った時からつけている仮面が銃弾を弾いたのだ。 この仮面はとある男の右ストレートを受けても傷一つ付くことなく、それどころか逆に男の指を折るほどの硬度。 故に銃弾も通さずにハクオロは軽い脳震盪を起こすだけですんだのだ。 その前に受けた永遠神剣『存在』による一撃はしっかりと受けていたが。 舞もちゃんと息の根を止めたかも確認せずに、武器だけ回収して急いで純一たち追いかけていったのが皮肉にもハクオロの命の糸をつないでいたのだ。 持っていたエルルゥの傷薬での治療もほどほどにしてハクオロ今体を引きずって歩いていた。 「何が起こっているのか分からぬが……皆、死ぬなよ」 ふらつきながら歩いて、舞や純一の通った道であろう獣道を通る。 その先に待ち受けているものを知らずに。 ◇ ◇ ◇ ◇ (なんでしょう……) そしてここにもう一人声を聞きつけた人物がいた。 その人物の名は遠野美凪。 農協で佐藤良美と、何故か良美と同行している月宮あゆを発見してからは逃げるようにホテルへ行ったのだ。 本来なら相手が佐藤良美であろうとあゆを救い出すために立ち上がるつもりだった。 しかし美凪はあゆを見た瞬間、なにかがおかしいと感じた。 あゆの目が出会ったころと全くの別物に見えたのだ。 あの目はそう、いうなれば佐藤良美と同じ光。 人を見下して、馬鹿にする奪う側の人物のみが持ち得る蔑みの瞳。 だからあゆがなぜ良美と同行しているかは知らないが、結局声をかけることができなかったのだ。 ならばと西に行って当初の予定通り朝倉純一と合流しようと思ったのだが、これも空振り。 ホテルには朝倉純一はおろか人っ子一人見つからないのだ。 しかたなくアセリアの言っていた海の家に行こうとして、農協を避けるようにまず南下をして歩いている途中にあることに気付いた。 千影のデイパックに入っていた生首もずっと持ち歩いてしまっていたのだ。 千影のことは怪しいが、だからといって自分がこんなものを持ち続けていてはこれから出会うかもしれない見知らぬ人物に誤解されるかもしれない。 そう思って人目につかぬ場所に捨てていたのだ。 (声のした方に行ってみましょうか? それともこのまま海の家に行きましょうか? 遠野美凪の行動は間違っていない。 彼女はごく普通の選択肢をしただけ。 生首を持っていては怪しまれるから人目につかぬ場所に捨てたのだ。 いたって常識的かつ一般的な行動、だから彼女の行動に非難されるべき点は存在しない。 生首を持っているのは正気の沙汰ではないし、だからといって手厚く葬る義理も時間もない。 そう、遠野美凪は正しい、遠野美凪に罪はない。 だから美凪の選んだ選択肢の延長線上で不幸なことが起こっても、それは美凪のせいではないのだ。 【D-6 森/2日目 昼】 【川澄舞@Kanon】 【装備:草刈り鎌、学校指定制服(かなり短くなっています) ニューナンブM60(.38スペシャル弾5/5)】 【所持品:支給品一式 永遠神剣第七位"存在"@永遠のアセリア-この大地の果てで-、ニューナンブM60の予備弾8、ブラウニング M2 “キャリバー.50”(ベルト給弾式、残弾30)、ハンドアックス(長さは40cmほど) 】 【状態:右目喪失、肋骨にひび、腹部に痣、肩に刺し傷(止血済。痛いが普通に動かせる)、太腿に切り傷(止血済。痛いが普通に動かせる)、頬に薄い切り傷(すぐ治ります)魔力残量50%、深い喪失感、】 【思考・行動】 基本方針:佐祐理のためにゲームに乗る 0:とりあえず純一たちから離れる 1:優勝を目指すため、積極的に参加者を襲う。 2:佐祐理を救う。 3:全ての参加者を殺す。千影であろうと誰であろうと関係ない。 4:多人数も相手にしても勝ち残れる、という自信。 【備考】 ※永遠神剣第七位"存在" アセリア・ブルースピリットが元の持ち主。両刃の大剣。 魔力を持つ者は水の力を行使できる。舞は神剣の力を使用可能。 アイスバニッシャー…氷の牢獄を展開させ、相手を数秒間閉じ込める。人が対象ならさらに短くなる。 ウォーターシールド…水の壁を作り出し、敵の攻撃を受け止める。 フローズンアーマー…周囲の温度を急激に低下させ、水分を凍結させ鎧とする。 他のスキルの運用については不明。 ※永遠神剣の反応を探る範囲はネリネより大分狭いです。同じエリアにいればもしかしたら、程度。 ※麻酔薬が打たれており、もう少しで寝てしまいます。 ※どっちに向かったのかは次の書き手さん任せです 【D-6 森/2日目 昼】 【大空寺あゆ@君が望む永遠】 【装備:S W M10 (6/6) 防弾チョッキ 生理用品、洋服】 【所持品:予備弾丸6発・支給品一式x5 ホテル最上階の客室キー(全室分) ライター 懐中電灯】 釘撃ち機(10/20) 、大型レンチ オオアリクイのヌイグルミ@Kanon クロスボウ(ボルト残25/30) ヘルメット、ツルハシ、昆虫図鑑、スペツナズナイフの柄 虹色の羽根@つよきす-Mighty Heart-】 【状態:生理(軽度)、肋骨左右各1本亀裂骨折、強い意志、左前腕打撲(多少は物も握れるようになってます】 【思考・行動】 行動方針:殺し合いに乗るつもりは無い。しかし、亜沙を殺した一ノ瀬ことみと佐藤良美は絶対に逃さない。 0:とりあえず純一たちから離れる 1:一ノ瀬ことみを追う(当面の目的地は温泉) 2:二人を殺す為の作戦・手順を練る 3:ことみと良美を警戒 4:ハクオロをやや信用しつつもとりあえず利用する 5:殺し合いに乗った人間を殺す 6;甘い人間を助けたい 7:川澄舞に対する憎しみ 【備考】 ※ことみが人殺しと断定しました。良美も危険人物として警戒。二人が手を組んで人を殺して回っていると判断しています。 ※ハクオロの事は徐々に信頼しつつあります。多少の罪の意識があります。 ※支給品一式はランタンが欠品 。 ※生理はそれほど重くありません。ただ無理をすると体調が悪化します。例は発熱、腹痛、体のだるさなど ※アセリアと瑞穂はことみに騙されていると判断しました。 ※どこに向かったかは次の書き手さん任せです ※ハクオロが死んだと思ってます。 【蟹沢きぬ@つよきす-Mighty Heart-】 【装備:拡声器】 【所持品:竜鳴館の血濡れのセーラー服@つよきす-Mighty Heart-、地図、時計、コンパス 支給品一式x3、麻酔薬入り注射器×2、食料品沢山(刺激物多し)懐中電灯、単二乾電池(×4本)】 【状態:強い決意、両肘と両膝に擦り傷、左手指先に切り傷、数箇所ほど蜂に刺された形跡、睡眠中】 【思考・行動】 基本 ゲームに乗らない人間を助ける。ただし乗っている相手はぶっ潰す。 0:睡眠中 1:??? 2:武を探す 3:ゲームをぶっ潰す。 4:よっぴーと川澄舞に対する怒り 【備考】 ※アセリアに対する警戒は小さくなっています ※宣戦布告は「佐藤」ではなく「よっぴー」と叫びました。 ※ハクオロはそれなりに信頼。音夢を殺したと思ってます。 ※あゆをそれなりに信頼。 ※純一達の車はホテルの付近に止めてあり、キーは刺さっていません。燃料は軽油で、現在は約三分の二程消費した状態です。 ※山頂に首輪・脱出に関する重要な建物が存在する事を確認。参加者に暗示がかけられている事は半信半疑。 ※山頂へは行くとしてももう少し戦力が整ってから向かうつもり。 ※鷹野を操る黒幕がいると推測しています ※自分達が別々の世界から連れて来られた事に気付きました ※ハクオロが死んだと思ってます 【D-6 森/2日目 昼】 【ハクオロ@うたわれるもの】 【装備:なし】 【所持品:エルルゥの傷薬@うたわれるもの】 【状態:精神疲労、左肩脱臼、左肩損傷(処置済み)、背中に大きな痣、腹部に刺し傷(応急処置済み)、 左肩から右腰にかけての斬り傷(早急に治療の必要あり)、着物の帯が破れています】 【思考・行動】 基本方針 ゲームには乗らない。 0:声のした方角へ行ってみる 1:ことみを追い、彼女が本当にゲームに乗った人間ならばあゆの代わりに手を汚す。 2:仲間や同志と合流しタカノたちを倒す 3:瑛理子が心配 4:悠人の思考が若干心配。(精神状態が安定した事に気付いてない) 5:武、名雪(外見だけ)を強く警戒 6:純一に期待、それと保護 7;自衛のために武器がほしい 8:できればはやいところ傷の治療がしたい 【備考】 ※あゆときぬを信頼しました。あゆの罪は赦すつもりです。 ※ことみの事を疑っています。 ※衛の死体は病院の正面入り口の脇に放置。 ※朝倉音夢の生首(左目損失・ラム酒漬け)が純一の死体の傍に転がっています 【D-6 森/2日目 昼】 【遠野美凪@AIR】 【状態:腹部打撲、背中に血の跡、疲労極大、悲しみ、髪の毛ボサボサ、疑心暗鬼】 【装備:ベレッタ M93R(15/21)】 【所持品1:支給品一式、ジッポライター、富竹のカメラ&フィルム4本@ひぐらしのなく頃に、情報を纏めた紙x1、可憐のロケット@Sister Princess、首輪(厳島貴子)、鍵】 【所持品2:朝倉音夢の制服 桜の花 びら コントロール室の鍵 ホテル内の見取り図ファイル】 1:海の家に行くか、声のした方に行くか決める 2:千影さんが……まさか……? 3:祭具殿の鍵について確かめる 4:高嶺悠人が暴走した事に対する危機感 【備考】 ※所持品2の入ったデイパックだけ別に持っています。 ※圭一の死はかろうじて乗り越えました。 ※富竹のカメラは普通のカメラです(以外と上物)フラッシュは上手く使えば目潰しになるかも ※所有している鍵は祭具殿のものと考えていますが別の物への鍵にしても構いません 195 覚醒、決意、そして……アサクラジュンイチ(前編) 投下順に読む 196 彼女の見解 195 覚醒、決意、そして……アサクラジュンイチ(前編) 時系列順に読む 196 彼女の見解 195 覚醒、決意、そして……アサクラジュンイチ(前編) ハクオロ 202 私たちに翼はない(Ⅰ) 195 覚醒、決意、そして……アサクラジュンイチ(前編) 大空寺あゆ 198 小さなてのひら/第2ボタンの誓い(前編) 195 覚醒、決意、そして……アサクラジュンイチ(前編) 朝倉純一 195 覚醒、決意、そして……アサクラジュンイチ(前編) 蟹沢きぬ 198 小さなてのひら/第2ボタンの誓い(前編) 195 覚醒、決意、そして……アサクラジュンイチ(前編) 川澄舞 201 ひと時の安らぎ 195 覚醒、決意、そして……アサクラジュンイチ(前編) 遠野美凪 201 ひと時の安らぎ
https://w.atwiki.jp/konashin/pages/1730.html
17-309の続き 「いやぁ~思わぬ観光だったね~」 「何だか修学旅行してるみたいで新鮮だったよ~」 ここは日が傾いてきた、栃木県のとある終着駅そばの大きめの公園。 何故制服姿の4人がこんな所に居るのかというと……単純に4人揃って寝過ごしてしまった為である。 学校も半日で終わりの休日前だったので、お泊り道具一式を準備してきたみゆきさんと共に みんなでこなたの家にお泊り込みで遊びに行こうと電車に乗り込んだまでは良かったものの… こなたとつかさは速攻で寝入ってしまい、かがみとみゆきももたれ掛られる感じが気持ちよくて 気づいた時には栃木の終着駅に着いてしまっていたのだった。 「それにしてもかがみとみゆきさんまで寝すごしてしまったのは意外だったよー」 「私とした事が、くっ付いて来るこなたさんが暖かくてつい……」 「……同じく……一生の不覚」 「お、お姉ちゃんごめんね」 また長い時間をかけて戻るのかとみんな憂鬱になっていたら、ポジティブなこなたが 折角だから栃木を日帰り観光しようと言い出して 携帯の情報を頼りに市内の寺や滝等の観光地を周って戻ってきた訳である。 ちなみにみんなの帰りの電車代節約のために、居残り補習だったシンに連絡して 家に余ってるsuicaを持って来てくれとパシらせてるこなた。 「『うん…うん、分かった、それじゃあ駅の西にある少し大きい公園でみんなで待ってるから』(ピッ) シンが今駅まで到着したんだって~。順調に行ったらここまで来るのにあと10分ちょっとかな? みんなの帰りの電車代は私のおごりだよ♪」 「あんたの家のでしょう! いくらおじさんが仕事で用意したけど使わなかった余りだからって こんな事に使っちゃっていいの!?」 「それにシンちゃんが可愛そうだよぉ~」 「まぁまぁ、野暮な事は言いっこ無しで。シンもお父さんも今晩は可愛い女の子三人が家に泊まり来て 一つ屋根の下過ごせるんだし、これ位お安い御用だって」 「か、可愛いだなんて…」 「はうぅっ…」 「あ、あんた…自分で言ってて恥ずかしくないか…?」 「真っ赤になってるみんな可愛い♪」 みんなの反応が思ったより良いのに味を占め、ここぞとばかりにからかって来るこなた。 「も、もう! 私ちょっとジュース買って来る!」 「わ、私もー」 このままだと更に何言われるか分からないと思ったかがみは逃げ出してしまい つかさもそれについて行った。 そして同じ公園内にある自動販売機前までいく。 「何だかちょっと怖い雰囲気だね…」 「全く…あんたもう18でしょう? これ位で怖がるんじゃないわよ」 そこはやけに寂しい場所で、日が暮れてきていて薄暗いせいもあり つかさは思わずかがみの腕にしがみ付いてしまい苦笑されてしまう。 だがそう言うかがみにも 地元から離れた全く知らない土地で親や先生も居ない中 日暮れを迎える状況には心細さを感じており それを振り払うかの様につかさとジュースを選ぶのに夢中になっていた。 すると…… …ジャリ… 不意に背後から何人かの足音が聞こえた。 その音に本能的に不安を抱きながらも、シンと合流したこなた達が追いかけて来た のを期待し振り向くと… DQN「彼女達~こんな所でどうしたのー?」 いつの間にか二人は柄の悪い男達四人に取り囲まれていた。 DQN「へぇ~二人とも中々可愛いじゃん」 この公園は賑わってる駅のすぐ近くである反面人通りが少ないので 日が暮れるとその手の連中がたむろする事がある。 そこに見かけない制服を来た可愛い女の子が何も知らずウロウロしていたのなら 声を掛けられるのはある意味必然だった。 DQN「ジュースなんていくらでも奢ってあげるから俺達と一緒に遊ばねー?」 「ちょっとっ、あんた達いきなりなんなのよ!」 かがみが思わず声を荒げるも、それを無視し嫌な笑みを浮かべながらジリジリと近寄って来る男達。 その様子から断ってもすんなり引き下がってくれそうにないかなり不味い連中だというのが見て取れる。 「ナ、ナンパならお断りよ!」 初めて経験する緊迫した場面に怖い気持ちを必死に抑えながら強気に出るかがみ。 つかさは…恐怖で凍り付いててかがみに掴まって震えている。 「お、お姉ちゃん…」 「つかさっ あんただけでも何とか逃げてっ」 「そ、そんなぁ…、お姉ちゃんをおいていくなんて出来ないよ」 DQN「何だぁ? 二人とも姉妹なのか 姉妹共々っていうのも悪くないぜ」 そう言ってるうちにどんどん詰め寄って逃げ道を完全に塞がれてしまう。 DQN「おいおい、あんまり怖がるなよ、優しくしてあげるからさ。ひゃはははは」 「い、一方的にこんな事するなんて男として最低ね!そんなんじゃ一生女の子に相手にされないわよ!」 DQN「なん…だと」 虚勢を張って思わずそう言うかがみだったが、下手に相手を挑発してしまっただけみたいで 相手のからかい半分だった態度が急変してしまう。 DQN「言わせておけば調子に乗りあがって… 俺たちは女だからって容赦しないぞ…」 「や…ちょ、ちょっとっ、警察呼ぶわよ!」 つかさを庇いながらそう言うかがみだが震えは隠せないでいた。 DQN「この状況でどうやって呼ぶんだよ?」 先頭の男がそう言いかがみに掴みかかろうとする。 ―その時っ 猛ダッシュで近づいてくる二つの足音が聞こえたかと思うと… 「どりゃああ―――」 こなたが突撃してきて、その男のわき腹に勢いよく膝蹴りを入れてきた。 「ぐあぁっ」 不意打ちをモロに喰らって相手はうずくまる。 「こなた!」 「こなちゃん!」 「あんた達っ かがみとつかさに何しようとしてたのさ!」 DQN「なんだテメエは!?いきなり出てきやがって!」 他の男がこなたに掴みかかろうとすると… 「乱暴は止めて下さい!」 今度はみゆきがその間に入ってきて、相手の腕を極めてしまった。 「おー、みゆきさんもさすがだね~昔護身術習ってたって言うだけの事はあるよ~」 (二人とも格闘技を習ってたのは知ってたけど実際に見てみると本当に凄いな… 何も出来ないでいる私とは大違いだよ…) かがみにしがみ付きながら臆する事の無いこなたとみゆきに尊敬の眼差しを向けるつかさ。 だけど…この前シンが言ってた通り、男4人相手にこのままアッサリいくものではなかった。 DQN「図に乗りあがって…」 最初にこなたに蹴られた男の人が辛そうにしながらもノソノソと立ち上がる。 「アッチャー、私の体重じゃ完全ノックアウト出来ないか…最初に頭を狙えばよかったなぁ…」 DQN「おいっ 離しやがれ!」 「キャア!」 みゆきも他の相手に乱入されてしまい手を離してしまう。 「みゆき!」 勢いでふらついたみゆきをとっさにこっちに引っ張り込むかがみ。 DQN「いってぇ…このやろう…」 腕を極められた相手は痛そうにしながらもまだやる気の様だ。 「あ、あのっ こんな事やめて下さい!」 「そ、そうよ! こっちには強い子がいるんだから、そっちだって無事では済まないわよ!」 DQN「うるせえよ! こんな目に合わされて大人しく帰れるか!」 DQN「おい、みんなで一気にいくぞ!」 みゆきとかがみの説得にも応じず4人は一気に襲い掛かってきた。 DQN「後から来た二人は何か格闘技やっていやがる! こいつらを何とかするぞ!」 向こうはかなり警戒しながらも全力の力押しで一気に倒そうとしてきてて、 女の子2人vs男4人という現実的には分の悪い攻防が繰り広げる事となる。 「この人達…喧嘩慣れしている…ちょっとやばいかも……みゆきさん、シンが来てくるまでの辛抱だけど大丈夫!?」 「が、がんばりますっ! つかささんとかがみさんは下がってて下さい!」 「ふ、二人とも無理するんじゃないわよ!」 「………(こなちゃん… ゆきちゃん…)」 両腕で前面をガードしながら突撃して来る男。 正面からでは無理そうなのでこなたは素早く避けつつ横っ腹に拳を叩き込んだ。 少し仰け反る相手だったが倒すのは至らずこちらに向き直ろうとしてきて、 その前に何とか追撃しようとした所でもう一人の邪魔が入り 断念して体勢を立て直す。 みゆきも同じ様な感じで、それぞれ一人ずつ相手にするのが精一杯だった。 1vs1ならじっくりいけば何とか勝てるかもしれないけど つかさとかがみを守りながら二人以上同時に相手するのはかなり無理がある様子だ。 DQN「おらっ! お前らもだっ!」 そうしてるうちに相手の一人が つかさとかがみに注意を向けてしまい、向かって来ようとする。 「つかさ! かがみ! あぐっ!」 慌てて無理してつかさ達の所に駆け寄ろうとしたこなたを別の男が 羽交い絞めにして来て、こなたは身動きが取れなくなる。 「つ、つかさっ、わ、私の後ろに隠れて!」 かがみは思わずつかさの前に立ってカバンを武器に構えたけど 足の震えは止まれないでいるみたいだった。 (お姉ちゃん達……) ――こなたとみゆき、そして姉のかがみの絶体絶命 恐怖で頭の中が真っ白になっていたつかさだったがそれを間のあたりにして、 段々と今までとは違う感情が沸いてきて体の中が熱くなってくる。 (無闇に危険な行動に出たら怒られるかもしれない…) 「か…かがみ…! は、早くつかさを連れて逃げて!」 (良く考えたら他にいい方法があるのかもしれない…) 「かがみさん! つかささん!」 (だけど…こんな状態で何もしないで居るなんて嫌だよ!) DQN「逃がすかよ!」 (シンちゃんに教えてもらった事はただの飾りなんかじゃないもん!) つかさの前に居るかがみの肩を男がつかみかけた刹那―― バスッ! 気づいたらつかさは相手の顎に思いっきり掌底を打ち込んでた。 DQN「こ、こいつもだったか…」 完全に油断してたせいでモロに喰らい、軽い脳震盪を起こして崩れ落ちる相手。 「つ…つかさ…?」 「つかささん…?」 「つかさ…あんた…」 かがみ達を含めたこの場にいる全員が呆気に取られていた。 (こんな事しちゃったらもう隠し通せないよね) 「私も戦うよ!」 つかさはそう言うとこなたまでの間合いを一気に詰めて後ろに回りこむと 後ろの羽交い絞めにしてる男のアキレスに思いっきりローキックを打ち込む。 バチンッ! DQN「ぐあぁ」 ちゃんとした型で体重を乗せれたのなら、体重がある分必然的にこなたのそれより 威力は大きくなる。 相手はこなたを離すと顔を歪ませでしゃがみ込んでしまい、その隙にこなたは体勢を整えた。 「つかさ…やっぱり…シンと…」 こなたの中で思い当たってた数々の要素が一本の線をなす 毎日トレーニングしてるシン 毎日トレーニングしてるつかさ 恐らくつかさとシンがトレーニングしてる時間は同じ。 ……間違いない…… つかさの攻撃で呻いてる男たちが何よりの証拠だった。 「つかさ…あんたの毎日してたトレーニングってもしかして…」 「…今のつかささんの動きはまぐれじゃありません。間違いありませんね…」 かがみとみゆきさんも同じ事を考えてたみたいだ。 「み、みんな、それは後で話すから…キャッ」 「つかさ!」 注意を怠った隙にまた別の男に掴みかかれてしまい、今度はつかさが思うように動けなくなり焦りそうになったけど すぐにこなたが助け返してくれた。 DQN「て……てめ…ぇ」 DQN「く、くそったれが……」 しゃがみ込んでた相手が死に物狂いで立ち上がってきて、最初に掌底を打ち込んだ男も フラフラしながらも立ち上がる。 「全く…その根性をもっと別の事に向ければいいのにって思うのは私だけ?(=ω=.;)」 「それって普段私があんたに言ってる事じゃないのよ」 「同じ男の人でもシンさんとは大違いですね」 DQN「何のん気に話していやがるんだ!」 相手は再び全員で一気に襲い掛かって来たが つかさが参戦した事により、まだ分は良くない物の 先ほどまでの様なかなり無理のある戦いでは無くなってきた。 キャリアが長かったとはいえここ数年まともに練習をしておらずカンが鈍ってるこなたとみゆきに対して まだ半年とはいえ昨日までずっと練習付けだったつかさ。 本人が一旦リズムを掴んだらこちら側のエースとなるのは必然だった。 (怖いけど……冷静に冷静に……) 相手がムキになって殴りかかって来る物の、シンとの組み手の感覚を思い出しながらそのパンチを 何とか捌いて、向こうが拳を引いたのに合わせて鼻っ柱に拳打を浴びせるつかさ。 バシンッ! DQN「ぐぁ…」 (この人達…シンちゃんの動きに比べたら全然たいした事ない。 …だけど手加減してくれてるシンちゃんと違って全力で掴みかかって来るからちょっと危ないかも…) DQN「て、てめぇ…」 向こうもつかさが一番危険だと察知したみたいで 今度は二人同時につかさの前に立ちはだかる。 残り二人はこなたとみゆきがそれぞれ相手をしてるけど こちらの援護まではすぐには出来そうに無いみたいだった。 (え、えっと、こういう時は…) つかさはシンに教えて貰った事を思い出しながら、素早くバテてる方の男の外側の横に回りこむ。 こうすると自分から見ると相手は縦に並んでる感じになり 一瞬の間、二人を同時に相手にせずに済む。 そしてそのまま相手のスネにローを入れる。 ベチンッ! DQN「ぐ…」 相手は思わず体勢を崩した…けど倒れこむのと同時に足を掴まれてしまった。 「キャアッ!」 DQN「よっしゃ、そのまま抑えてろ!」 動きを封じられた所でもう一人が歩み寄って来る。 思わず目をギュッとつぶりそうになると… 「おりゃああっ!」 かがみが勢い良く突撃してくると、つかさを掴んでいる男の頭頂部をカバンの角で 思いっきり打ち付けた。 DQN「ぐう…」 思わず手を緩ませた隙につかさは素早く脱出する物の、そこで今度は歩み寄って来たもう一人に掴み掛かられる。 「汚い手で妹に触るなぁ~!」 だが、かがみが今度はその男の顔面に「バンッ、バンッ」とカバンを勢い良く打ちつけまくって そのおかげで簡単に脱出出来たつかさは、思い切ってこの前シンとたっぷり練習した拳打と上段回し蹴りのコンボを繰り出してみた。 バスッバスッ! ズガッ! 「ぐあぁっ!」 不安だった物の無事に成功して、モロに喰らい倒れこむ相手。 「お姉ちゃん!?」 「…正直、私はあんた達みたいに強くないけど、みんなが必死になってるのに 一人じっとなんかしてられないわよ。……こらっ! あんた! いい加減にしなさいよ!!」 そう言いながら未だに立ち上がって向かって来ようとしてる、最初につかさの足に組み付いていた相手に 『バチ――ンッ』と凄く痛そうな平手打ちをお見舞いする。 「おー、かがみん凶暴伝説ハジマタ\(=ω=.)/」 「かがみさん、素敵です」 「お姉ちゃん格好いい~」 「う、うるさいわねっ」 かがみと同様にこなたとみゆきもつかさを助けようと駆け寄って来ていて 改めてかがみを後列にフォーメーションを組んだ。 向こうもコンボを喰らって倒れてた相手を助け起こした後、 まだやる気の様で向かい合って来る。 かがみを戦力にカウントしないと人数的に不利だが、こっちはディフェンスをしっかり固めてて チームワークも悪くないおかげで、息は上がってきてるけど全員怪我はほとんどしていない。 対して向こうは全員かなりボロボロで動きが鈍ってきていて、最初に比べたらかなり分が良くなってきている。 だけど向こうは素人だけど全員体格のある男で こっちは3人が格闘技経験者だが女の子であるのには変わりは無く このままやったとしても確実に勝てるとは限らない。 華奢な体では一瞬の油断で貰う一撃が命取りになり、そして一人でも欠けたらまた戦況は一気に悪くなってしまう。 ……まだまだ気の抜けない、苦しい戦いになる…… みんなそう思って覚悟を決めてると… 「おい!アンタら何やってるんだ!」 今のみんなにとって最も頼もしい人物が現れた。 「シンちゃん!?」 『シン!』 「シンさん!」 「こなたっ! かがみっ! つかさっ! みゆきっ! 大丈夫か!?」 ダッシュで駆けつけこなた達の前に立つシン。 DQN「何だテメエは!」 「みんな…怪我はないか?」 「うん、ちょっと疲れちゃってるけどみんな元気だよ」 「そっか……本当に良かった……」 DQN「無視してるんじゃねーよ! ただで済むと思ってるのか!?」 「それはこっちのセリフだ!」 標的をシン一人に絞り相手のうちの3人が一斉に飛び掛った物の… ズドッ! ズガッ! バスンッ!! 3人とも一撃でシンに倒されてしまった。 かなり容赦の無い攻撃を浴びせ、今までのダウンした時と違って簡単に起き上がれそうにない。 残る一人は呆然としている。 「私達じゃそれぞれ一人がやっとなのに三人を一瞬で倒すなんて…」 「やっぱりシンちゃんって凄い…」 「……女の子によってたかってこんな事して……お前らただで済むとは思うなよ……」 こなた達も呆気に取られてると、残った一人の胸ぐらを掴み上げるシン。 その目は怒りに燃えきっており、何時ものシンからは想像もできないほど恐ろしい物だった。 この世界に来た当初も鋭い眼光を放っていたがそんな物の比ではない。 「ヒッ…!」 向こうは勿論、こなた達もその迫力にすくみ上がる。 (こ、このままじゃ…シンちゃん大変な事をしてしまうよぅっ) そう思ったつかさは怖い気持ちを必死に堪えながらシンに駆け寄ると、男を掴み上げてるシンの手をギュっと握った。 「シ、シンちゃん…!」 「つかさ?」 意外そうな顔をするシン。 「あ…あの…こ、これ以上乱暴な事したくないんで……か、帰って貰えません……か……?」 ゆっくりとシンの手を下に引っ張って男から離させながら 勇気を振り絞って掴み上げられてた男にそう言う。 DQN「う…く、くそ!」 今まで向こうも一杯一杯だったのにシンに参戦され、もう勝ち目が無くなってるのは目に見えてて つかさの言葉にダウンしてる仲間を起こすとみんなフラフラとこの場を後にしていく。 さっきまでと違って男が相手になったから逃げやすかったというものもあったのだろう。 「つかさ…いいのか…?」 少し不服そうに去っていく男達を見送りながらシンはそう聞いてくる。 「うん…こっちはみんなほとんど怪我してないみたいだし…」 「……そだね……喧嘩しなくていいのならそれに越したことは無いよ……シンがマジでやったら洒落にならないし」 「本当は全員とっ捕まえて警察に突き出してやりたい所だけどね。 …でも理由はどうあれ先に攻撃したのも怪我させたのもこっち側だし、その上一方的にボコボコにするのはちょっとね…」 「妥協…するのも何ですがシンさんがやりすぎて大怪我させてしまうよりはいいです。 …あの人たちもあれで懲りてくれればいいのですが…」 「みんな……そうか……まあ…地元じゃないし二度と会う事も無いだろうしな…制服見られたのはちょっと気になるけど…」 みんなの言葉に冷静さが戻ってくると、今度は怒りに囚われ暴走しかけてしまった事への後悔の念が沸いてくる。 (俺は…みんなが危険な目に会ったからって我を忘れてしまって… つかさが止めてくれなかったらどうなってたんだろうな…) 「シンちゃんごめんね…約束してたのに危険な事して」 「い、いや…他に避ける方法が無かったのなら……しょうがない…」 自分の精神的な未熟さに複雑な感情を抱きつつ、怒られるかもしれないと少し怯えてるつかさを優しく慰める。 自分の都合でつかさに安易に武器を宿させてしまい、それが原因で変な事が起こったりしないかと 心配してたんだがそれは全くの杞憂だった。 逆に自分の方がよっぽど暴走してしまいつかさになだめられてしまう始末だ。 つかさはあれで実は自分なんかよりよっぽど精神面がしっかりしてるんじゃないかと思うシン。 「はは…俺…やっぱりつかさ達よりよっぽどガキだったな…」 「え? そ、そんな…私も全然ダメだったよ…稽古してるのに最初は怖くて動けなくて こなちゃんとゆきちゃんに任せっぱなしだったし……あ、あれ?」 その時、いきなり足がガクガクと震え出して来て戸惑うつかさ。 つかさは性格的に、本来こういう荒事には一番ショックを受けるタイプなのだ。 さっきまでは自分や友達の身を守るために必死になっていたが その緊張が解けて改めて先ほどの恐怖が蘇ってきたのであろう。 「えぐっ…ヒック…お姉ちゃぁああん!」 とうとう涙も止まらなくなったつかさはかがみに抱きつくわんわんと泣き出してしまった。 「……っ…ひぐぅっ…怖かったよぉ~」 「…つかさ……良く頑張ったわね、もう大丈夫よ……」 自分より強く、そして自分よりか弱い妹をしっかりと抱きしめ優しく頭を撫でるかがみ。 「あらあら、つかささんったら…」 「やっぱりどんなに強くなっても、つかさはつかさだね~♪」 今のつかさを見てると、数分前まで体格のいい男をフルボッコにしてたと言うのがとても信じられなくなってくる。 「全く…不思議な奴だよな…」 (さっきまで随分しっかりしてると思ったらこれだ。…まあ、その方がつかさらしいのかもしれないな) そう思いながら目の前の微笑ましい光景を眺めていると… かがみがつかさを抱いたままゆっくりと目線をこちらに向けてきた。 心なしか少し睨んでる様な… 「さ~てシン、この半年間つかさと一体何やってたのか全部話して貰いましょうか」 「う…」 「まあ、あれを見れば大体想像付くけどね。つかさの動きを見る限り相当みっちりやってたみたいだね~」 「みんなに内緒で毎日二人っきりで…本当に羨まし…コホン、本当に練習だけだったのか気になる所ですね」 「グス…み、みんな、シンちゃんばかり責めないでよぅ。元々私がお願いしたんだし…」 こなたとみゆきにも両サイドから詰め寄られて観念するしかないシンであった。 * ―次の日―― 「…んで、何でアンタらまでここにいるんだ?」 昨日の事があったばかりだけど練習を再開しようとしたら… 「いやぁ~二人っきりでいるなんてつかさの身が心配じゃん?」 「今日から私達も練習に参加しますね」 「全く…半年間も殆ど毎日一緒だったなんて…抜け駆けもいい所よっ」 「はぅ…ごめんねお姉ちゃん」 一昨日までつかさと二人っきりだったのがいきなり五人に増えていた。 「今回みたいにシンが一緒にいない時にまた襲われたりしたら大変じゃん。 もしもの時の為にしっかり腕を磨いておかないとね」 「私もまた何かあった時に一人だけ役にも立てないのは嫌だし、 一人だけ一からのスタートだけどよろしく頼むわ。つかさなんかすぐに抜いてあげるんだから」 「お、お姉ちゃんに対抗意識燃やされちゃってるよぉ~」 みんな運動着に着替えててやる気満々のようだ。 「お前ら…無理にここに来なくて道場にいけばいいじゃないか? 特にみゆきさんは家からここまでかなり時間かかるんだから無理しない方がいいぞ?」 「それを考えて私はここでの練習は土日を中心に週3回程度にしようかと。 その位ならシンさんを監視する為には来れそうですよ(ニッコリ)」 当たり前の事を質問してみるシンだったが、一人ハブられるのは沢山だと言わんばかりの みゆきのオーラに何も言い返せなかった。 「それにもし道場行くと毎月お金かかってしまうけど、シンなら完全にタダなのはかなり大きいよね~ 私達は家のすぐ近くだし」 確かに…それは言えてるかもしれない だが…… 「……何だか先生というより奴隷になった気分だ…」 「おー、よしよし、お礼に何か悩み事があったら今までつかさにしてたみたいに いつでもお姉さん達に相談していいからね~」 そう言いながら頭を撫でてくるこなた。 どうやら完全にペースを握られてしまったみたいでシンは諦めるしかなかった。 「はぁ…分かったよっ…その代わり前からつかさには前から言ってるけど、昨日みたいなどうしようもない時以外は 危ない事はするなよな」 一応そう注意はする物の、みんな芯はしっかりしているのはもう十分に理解している。 それならむしろ、昨日みたいな万が一の時のために自分自身や友達を守る力があった方がいいのかもしれない。 実際昨日は、つかさに格闘技を教えていたおかげで結果的にみんな無事でいる事が出来たのだし。 「そ、そんな事があってほしくないなら…ちゃんと私達を守りなさいよねっ …その代わりシンが昨日みたいに頭に血が上ったりしない様に私達が精神面を鍛えてあげるわよ」 いつものツンデレかと思ったら後半から痛い所を突いて来るかがみ。 「わ、悪かったな未熟で!」 「しょうないよ、シンは腕っ節は強くてもまだまだ子供なんだし~」 「精神年齢は男より女の方がずっと上だっていいますしね」 「『おじさんやこなたが子供扱いする』ってつかさにわんわん泣きついてた位だしね~♪」 「い、いくらなんでも泣きついてはいなかったよぅ、普通に落ち込んではいたけど…」 「それでつかさはどうしたの?」 「えっと…実際シンちゃんは私と同じでまだ子供なんだし、背伸びしすぎだよって頭を撫でたり……」 持ち味の天然でバカ正直に答えてしまうつかさ。 「あらあら、つかささんったら」 「全く…すっかりつかさにお姉ちゃんされてるじゃないのよ」 「やっぱり子供だね」 「ア、アンタらなぁ~! と、とにかくさっさと練習を始めるぞっ! とりあえずかがみは未経験で、こなたとみゆきも長いブランクで相当ナマってそうだから 最初の内はみんなでジョギングと柔軟の体力作り中心だな。つかさには少し退屈かもしれないけど 基本の復習って事でよろしく頼む」 「うん、私は全然平気だよ~」 さすがにいじられ慣れてきたせいでみんなの集中攻撃が始まった途端、即座に練習の話題へと切り替えるシン。 「よし、それじゃあ準備運動を済ませたらみんなで河川敷のコースを2周、その後体が温まってるうちに柔軟だ」 『は~い』 こうして随分賑やかになったメンバーを引っ張りながら稽古に打ち込んでいくシンであった。 * ――2時間後 「いい汗をかきました…やっぱり随分本格的な練習なんですね。 つかささんがあれだけ強くなってしまうのも分かります」 「私は一人クラスが違うせいで合同体育の時位しかみんなと運動できないから 一緒にこういう事出来るのは結構楽しかったわよ。 これから毎日キツい練習になりそうだけどみんなとなら頑張れそうな気がするわ」 「ツンデレきたぁ~!」 「ツンデレ言うな!」 一通りの練習を終わり、みんな心地良い疲れを感じながら 川原に座り込んで思い思いに雑談に花を咲かせていた。 「それにしてもつかさったらさすがに毎日鍛えてるだけの事はあるよね~。 本来なら真っ先にバテそうだったのに平気で最後まで走ってるんだもん」 「そうは言ってもこなちゃんの方が少し速かったし、多分格闘技のテクニックも こなちゃんに比べたらまだまだだよ~」 「でもつかささんは泉さんより体が大きいですからね。 寸止め組み手とかだと技量が重要なので苦しいかもしれませんが 全くのルール無で思いっきりやるのでしたらどうなるか分かりませんよ」 「つかさがそんな事出来る訳無いと思うわよ」 「と、当然だよ! いくらなんでも友達に思いっきり攻撃なんて出来ないよ~っ!」 (……何だか…本当に賑やかになったよな…) 目の前で楽しそうに話している4人を見ているとつい半年前まで 一人ぼっちの孤独な練習に明け暮れてたのが嘘の様に思えて来る。 「シンちゃん~」 そう思ってるとつかさが隣に座ってきた。 「つかさか…みんなにバレてしまった途端こんな事になって災難だったな」 「ううん、逆にこれで良かったよ、やっぱり隠し事して後ろめたい思いするより みんなと一緒に出来る方が楽しいし。どうせならもっと早く打ち明ければ良かったよ~」 「そっか…」 結局つかさが秘密にしていた理由は分からずじまいだったけど その問題も何とか解決してるみたいで、みんなと練習するのが嬉しそうな様子にホッとするシン。 すると…… 「……シンちゃん…私、こなちゃん達に負けない様に頑張るから」 「ん? あ、ああ。……確かに多少対抗意識持ったほうが早く上達するだろうがほどほどにな」 おもむろにつかさにしては珍しいセリフを言われ、ちょっと言葉に詰ってしまうシン。 「あ、格闘技のことじゃないんだよ」 「じゃあなんだよ?」 「……秘密♪」 そう言いながら笑顔でこなた達の所へ戻っていくつかさを 訳の分からない様子で見送るシンであった。 「な、なんなんだぁ?」 「えへへ♪」 ******************* おまけ(微エロ、シン未登場注意) ある日の柊家 「や…つかさ…これ以上覆いかぶさってこないで……ア…アァン!」 「えへへ~お姉ちゃんの体、大分ゆるゆるになってきたね~」 「や…つかさ…股がっ…股がおかしくなりそう!」 「ちょっとあんた達! 一体何やってるのよ!」 二階から聞こえるただならぬ声に慌てて駆けつけるまつり。 「あ、まつりお姉ちゃん。柔軟だよ~」 そこで見たものは床に座って足を開いてるかがみの真後ろに、 同じ体勢で密着して座ってかがみを抱きしめてるつかさだった。 つかさの太ももはかがみの太ももの上に乗ってて、足先の部分はかがみの足先の内側にあり、 つかさがその状態で股を広げると自動的にかがみの股も開く。 「や…もうダメ…下半身に力が入らない……ヒャン!」 思わず立ち上がろうとするけどつかさに後ろからしっかり抱きしめられてる上に 足も絡まれててとても逃げれそうに無い 「大分開いたね、それじゃあ今度はこのまま体を前に倒すよ~」 そう言いかがみを抱きしめたままゆっくりと上半身を倒してくるつかさ。 当然かがみの上半身も前に倒れる。 「や…あ…あうぅぅっ…つ、つかさ…そんなにキツくしないで…ひぅっ!」 思わず手を床について倒れるのを防ごうとするけど、つかさにその手を掴みあげられて 両足先に持っていかれる。 「お姉ちゃん、ズルはダメだよ~。それじゃあこのままの状態で30秒間ストップ~」 「鬼~!」 「…全く…二人して何やってるんだか…」