約 40,749 件
https://w.atwiki.jp/jurassicw/pages/71.html
ステゴサウルス 群れで行動するのが大好きな恐竜です。 最低でも5匹一緒にいないと機嫌が悪くなります。 心地よさの閾値 55% 必要な草原の広さ ㎡ 13700 ㎡ 必要な森林の広さ ㎡ 11100 ㎡ 理想的な仲間の数 5~9 理想的な個体の数 5~15 ギガントスピノサウルス 肩に巨大な骨を持つ草食恐竜です。 群れで暮らす恐竜なので、4匹一緒にいないと不満を持ちます。 心地よさの閾値 55% 必要な草原の広さ ㎡ 10300 ㎡ 必要な森林の広さ ㎡ 9200 ㎡ 理想的な仲間の数 4~10 理想的な個体の数 4~16 ケントロサウルス 鋭いトゲがたくさん生えている草食恐竜です。 ステゴサウルスと同じように、群れでいるのを好みます。 心地よさの閾値 55% 必要な草原の広さ㎡ 13100㎡ 必要な森林の広さ㎡ 10800㎡ 理想的な仲間の数 3~11 理想的な個体の数 3~17
https://w.atwiki.jp/pokemonsvshiny/pages/230.html
一覧へ戻る ・場所 ・行き方 ・厳選位置 ・出現ポケモン 場所 行き方 北1番エリアの物見塔へ飛び、端の方まで移動する。 ピクニックリセット推奨。 厳選位置 カメラ固定可能。 湧きが3か所になるよう立ち位置を調整する。 ピクニックができる程度前に出れば良い。 出現ポケモン(そうぐうパワー3発動) 昼と夜両方のデータを取っていませんので、時間帯によって湧きが変わる場合などはコメントで教えていただけると嬉しいです。 ※そうぐうパワーの効果が無いタイプは記載していません。 ※ノーマル、ひこうも効果はあるが出現ポケモンが多いため非推奨。 (ノーマル:イエッサン、ワシボン、メブキジカ+シキジカ、ヒメグマ+リングマ、プクリン+プリン) (ひこう:ルチャブル、ワシボン、チルタリス+チルット、夜はドンカラス+ヤミカラス) オススメ欄について 記載なし=出現するポケモンが多く、一点狙いの場合は効率が良いとは言えない。 △=一点狙いはしやすいが、他により効率の良いと思われる場所がある。 〇=複数のポケモンが出現するが、群れが多い、出現率が高い等の理由で比較的効率が良いと思われる。 ★=出現するポケモンが1系統に絞られるため効率が良いと思われる。 ★=全ての厳選場所において、ここが最も効率が良いと思われる。 そうぐうパワー 出現ポケモン 備考 オススメ ほのお スコヴィラン ブースター でんき デンリュウ+メリープ パモット+パモ 群れのみ 〇 くさ スコヴィラン メブキジカ+シキジカ ゴーゴート(群れ) かくとう ルチャブル パモット+パモ ルカリオ+リオル どく ゴースト+ゴース(夜) 昼はそうぐうパワー効果なし ★(夜) じめん バンバドロ+ドロバンコ 群れのみ ★ エスパー イエッサン クエスパトラ ブーピッグ+バネブー むし エクスレッグ ★ いわ ルガルガン 昼:まひる、夕方:たそがれ、夜:まよなか ★ ゴースト ハカドッグ+ボチ ゴースト+ゴース(夜) ★(昼) ドラゴン オノンド+キバゴ チルタリス+チルット 群れのみ 〇 あく エクスレッグ ドンカラス+ヤミカラス(夜) はがね ナカヌチャン ルカリオ+リオル 〇(ルカリオ+リオル狙い) フェアリー ナカヌチャン プクリン+プリン 〇(プクリン+プリン狙い) 暫定で赤星をつけましたが、湧きが3ポイント以上になる場所があれば単体湧きに関してはそちらが最高効率になる可能性は十分あります。情報お待ちしております。 -- 管理者 (2023-01-14 05 03 20) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/aomaru/pages/65.html
フィールドの光 現段階での考察。 コメント ブレイクオブジェクト破壊跡以外にもフィールドの光が存在する模様。 場所と得られたアイテムの情報を蓄積しよう。 セーブ&ロードにより、得られるアイテムが変化する。 第1章 西クロスベル街道 マップ②全40セピス宝箱付近:魔獣の卵×2、アカムシ×2 マップ③敵入宝箱付近:ミミズ×2 マップ④三叉路警察学校方面草地:アカムシ×2 第1章 ノックス森林道 マップ②登板路との合流手前の道中央:EP1 第1章 マインツ山道 マップ②滝を望む架台に向かう道中:水のセピス×10 マップ③全セピス×40の宝箱の右下:火のセピス×10 マップ③マップ④切り替え手前の路面脇:練り団子×2 マップ⑤人形工房手前石段下左:「何かが埋まっているようだ」 回避1、魔防1、行動力1、防御1、EP1、回避1、命中1、HP1、移動1、省EP1 ホーリーチェイン、ルミナスグラス、マーブルリング、クールネックレス フローラボトル、シルバーブローチ マップ⑥トンネル道。マップ④側道入り口からしばらく先:「何かが埋まっているようだ」 HP1、回避1、魔防1、妨害1 スティールリスト、ティンクルピアス、マーブルリング、クールネックレス 現段階での考察。 ブレイクオブジェクトからは、市販食材、釣り餌、魔獣食材×1、が得られる。 フィールドの光(便宜上、通常光)からは、釣り餌、魔獣食材×2、セピス、回復薬(状態異常のみ?)が得られる。 フィールドの光(便宜上、埋蔵光)からは、クオーツ、アクセサリーが得られる。 埋蔵光でも二度以上採取可能。山道分岐点の吊り橋下にて魔防2→スティールリスト取得。 メモ:埋蔵光を調べると敵が出現することがある。(マインツ大滝前でネペンテスの群れ出現を確認) 戦闘勝利後、ホーリーチェイン獲得。 (クロスベル東街道の灯台付近でサベージホーンの群れ出現を確認) 戦闘勝利後、回避3獲得 (ベルガード門の一つ前のマップでカエンギーヌーの群れ出現を確認) 戦闘勝利後、命中2獲得 (西クロスベル街道のセピス入り宝箱付近でエボニードローメの群れ出現を確認) 戦闘勝利後、EP2獲得 (西クロスベル街道の魔獣入り宝箱付近でブラックハンター×8の出現を確認) 戦闘勝利後、省EP1獲得 コメント 終章初期、ランディ加入前のマインツへ向かう途中の滝前釣り場近くの光るオブジェクトから行動力3を拾いました -- 名無しさん (2011-10-15 22 56 12) 第2章1日目、ウルスラ間道の海岸線南端の階段を下りたところで埋蔵光から移動1が出た。戦闘なし -- 名無しさん (2011-10-15 23 21 34) ウルスラ間道・中洲の砂浜の光からケサランの群れ出現、EP2が拾えた(4章1日目) -- 名無しさん (2011-10-17 17 46 00) たぶん章によって拾えるモノがかわるんじゃないの?1章だと回避1ばっかりだったけど、4章だとEP3がでた。 -- 名無しさん (2011-10-17 18 00 36) 断章の森林道でEP2が埋まっていました -- 名無しさん (2011-10-18 15 04 37) 省EP3を4章で拾ったよ -- ken (2011-10-20 00 40 40) 地雷が埋まってるトンネルの中で攻撃3拾いました -- 名無しさん (2011-10-20 12 46 51) 第3章1日目、ウルスラ間道の病院前のマップ、階段の上で省EP1を拾った。戦闘なし -- 名無しさん (2011-10-22 00 36 03) 終章 大樹出現後、西クロスベル街道バス停上付近でガンテ?×8出現、倒して命中3だった -- 名無しさん (2011-10-22 19 22 07) 1章1日目 ノックス森林道②でホーリーチェイン埋まってました。 -- 名無しさん (2011-10-23 16 46 45) 「人形工房手前石段下左」最終章でマインツへ仲間を集めに行く際、人形工房寄り道中に調べたらグランドリュー(でかいモグラ)が出ました。バグかな?戦闘になりました。BGMは確かレベル付き宝箱のやつでした。 -- 名無しさん (2011-10-23 19 34 07) あ、すいません。説明文に敵が出ると書いてありました。 -- 名無しさん (2011-10-23 19 35 19) 第3章1日目、滝の釣り場の近くで埋蔵光からロックラッタx6出現、魔防2を入手 -- 名無しさん (2011-10-24 11 27 47) HP3拾いました -- 名無しさん (2011-10-29 08 44 43) 終章ウルスラ間道にて命中3ゲット。 場所は浅瀬があるマップの森に入る前にある袋小路。戦闘はなし。 -- 名無しさん (2011-10-29 15 49 42) 西クロスベル街道の埋蔵光にて、ガンテの群れと遭遇。HP3のクオーツでした。 -- 名無しさん (2011-11-02 15 37 24) 終章、アルモリカ古道の埋蔵光にてブレードファングの群れから精神3ゲット。 -- 名無しさん (2011-11-12 18 40 17) 終章。聖ウルスラ医科大学手前のMAP。クロスベル市方面入り口の近くと、星見の塔を望む高台(宝箱のあるとこ)で、埋まっている光を確認。それぞれ、敵なしで『行動力3』や『回避3』等を確認。たまに『防御2』などの一段階下のランクのクオーツも確認 -- 名無しさん (2011-11-16 21 26 15) 終章。ウルスラ間道の浅瀬。中央付近の岩のすこし東。上記と同じで1~3のランクのクオーツを敵なしで確認。たまにアクセサリーも -- 名無しさん (2011-11-17 00 03 14) ノックス森林道でハバネリアンの大群。 攻撃1を落としました。 -- BUMP OF HAYASHI (2011-11-27 13 24 36) ノックス森林道マップ②の埋蔵光?を加えました。複数のコメントがあったのに掲載されてなかったので -- 名無しさん (2011-11-30 13 27 19) 2章1日目 ベルガード門の一つ前のマップでカエンギーヌーの群れで勝利→ミスティストールでした -- 名無しさん (2011-12-05 00 05 45) 2章1日目ウルスラ間道の星見の搭方向への分かれ道付近でミミナガモンチの群れに勝利→回避1でした -- 名無しさん (2011-12-13 16 47 35) 2章1日目ウルスラ間道の星見の搭方向への分かれ道付近でミミナガモンチの群れに勝利→回避1でした -- 名無しさん (2011-12-13 16 48 24) 2章1日目ウルスラ間道の星見の搭方向への分かれ道付近でミミナガモンチの群れに勝利→回避1でした -- 名無しさん (2011-12-13 16 49 46) ↑、↑↑はサーバ混雑でミスりました -- 名無しさん (2011-12-13 16 52 22) 場所は(確か)ボート小屋の辺りでEP3をゲットしました。 -- 名無しさん (2011-12-27 17 29 16) 月の僧院前にて埋蔵光からの敵出現で、アビスワーム8体確認。超初期に行ったから、とても強くて経験値も大量に入りました。 -- 名無しさん (2011-12-27 17 32 30) ↑補足。ボート小屋のEP3は終章です。 -- 名無しさん (2011-12-27 17 34 37) ウルスラ浅瀬に8体のケサラン防御2 -- 誰か (2012-01-03 18 31 40) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/867.html
ゆっくりでも潰してやろうと森を歩いていると、妙なゆっくり一家を見つけた。 「きちゃないこがいるよ!」 「おおくちゃいくちゃい」 「こんなあかちゃんとはゆっくりできないよ!」 「ゆっくりしね!」 1匹の、やけに黒い赤まりさを一家全員でボコっていた。 せっかくなので俺も参加した。 黒い赤まりさ以外を潰し、残った汚い子を手に乗せた。 「お前、なんでリンチされてたんだ?」 「ゆゅ・・・・まりしゃはきちゃないって・・・」 ゆっくりと説明する赤まりさ。 なんでも、生まれたときから全身が垢まみれだったらしい。 赤まりさならぬ垢まりさ。 あまりにも酷いスメルと汚らしいボディで生まれてからこの日までボコられっぱなしだったとか。 確かに、なんだか養豚場のような匂いがする。 左手で持っていたのを右手に移し替えたのだが、左手に臭いがこびりついている。 凄く臭い。 「よし、洗ってみよう」 近くの川に、無理やり垢まりさをつっこんだ。 ぼろぼろと、黒い塊が流れていく。 環境汚染だ。 「ゆぼぼぼぼ!!だぶげっぶべえええ!!」 溺れかかって必死なようだがしょうがない。 臭いものはしょうがない。 「どうだ?きれいになったかな?」 川から引きずり上げた垢まりさは、随分ときれいになった。 黒い垢が無くなっていたし、においもだいぶ発散している。 微妙にふやけているが、それはこのさいどうでもいい。 「ゆゅ!しゅ、しゅ、しゅっきりいいぃい!!?」 目をキランキランに輝かせ、垢まりさは大声を上げた。 「ちゃんと洗えば綺麗になるんだよ。理解してね」 「ゆっきゅりりかいしちゃよ!」 この森には、ゆっくりの群れがあった。 俺は垢まりさをその群れの長に押しつけることにした。 森には群れに属するゆっくりと、家族単位で勝手に住むゆっくりがいる。 群れに属するゆっくりは、村との関係も良好だそうで、虐待禁止になっている。 俺にとっては非常に迷惑だ。 リーダーのゆっくりは優しいヤツなので、このクソカスみたいなまりさでも生きていけるだろう。 数ヶ月後。 その群れは村人に崩壊されたという話を聞いた。 なんでも、悪臭を発するゆっくりが増加し、森が臭くてしょうがなくなったとか。 川は薄汚い垢で汚染され、魚がとれなくなったらしい。 虐待禁止も解禁され、おれとしてはとてもうれしい結末になった。 あの垢まりさには感謝である。 おわり。 垢ゆを書きたくてやった。 作:ユユー
https://w.atwiki.jp/homuhomu_tabetai/pages/3307.html
作者:nS0UgHa30 389 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2013/01/30(水) 03 59 36.36 ID nS0UgHa30 「ほむまど種の遺伝の法則及び生態」(抄) 概要 本論文は,異なる形質を持ちながら交尾し繁殖する5種のほむまど種 Mitakiharia homunculus multus(和名:ホムホム) Mitakiharia madunculus multus(マドマド) Mitakiharia homunculus volare(リボホム) Mitakiharia madunculus volare(シロマド) Mitakiharis homunculus debilis(メガホム) これらの遺伝法則を明らかにし,それに関わる生態の発見について述べるものである. 第1章 ほむまど種の遺伝の法則 ほむまど種の種を決定する遺伝子型は4種の遺伝子,ほむ遺伝子(h)・まど遺伝子(m)・りぼ遺伝子(r)・白遺伝子(s)から成る.各個体はこの中から6つを持つ.繁殖においては,それぞれの仔に対して両親の持つ併せて12の遺伝子から6つが受け継がれる. ほむ種遺伝子 まど種遺伝子 夥多(かた)種遺伝子 h m 希少種遺伝子 r s 各ほむまど種の遺伝子型は以下の通り: ○稀少種 6つの遺伝子のうち4つ以上が稀少種遺伝子(r,s)のもの.その内,ほむ種遺伝子(h,r)が4つ以上の個体がリボホム,まど種遺伝子(m,s)が4つ以上の個体がシロマドである. 例 リボホム hhrrss rrrrrs シロマド mmrrss hmrsss ○準稀少種 メガホムは4つ以上の稀少種遺伝子を持ち,なおかつほむ種遺伝子とまど種遺伝子が3ずつの個体である. 例 hmrrss rrrsss ○夥多種 稀少種,準稀少種に当てはまらないものがホムホムとマドマドである. ・ホムホム 1.ほむ種遺伝子が4以上かつ,稀少種遺伝子が3以下の個体 例 hhhhrr hhhmmr 2.ほむ種遺伝子とまど種遺伝子が3ずつ,稀少種遺伝子が3以下,ほむ遺伝子(h)をまど遺伝子(m)の同数以上持つ個体 例 hhmmrs hhmrss ・マドマド 1.まど種遺伝子が4以上かつ,稀少種遺伝子が3以下の個体 例 hmmrss mmmmrr 2.ほむ種遺伝子とまど種遺伝子が3ずつ,稀少種遺伝子が3以下,まど遺伝子がほむ遺伝子より多い個体 例 hmmmrr hmmrrs 以上の法則性から,ほむ遺伝子はまど遺伝子に対して優性,夥多種遺伝子は稀少種遺伝子に対して優性である. 各種の遺伝子型の組み合わせの数は以下の通り: ほむ種 46 まど種 38 リボホム 14 メガホム 6 ホムホム 26 シロマド 14 マドマド 24 第2章 遺伝に関わる生態・習性 前章で明らかにした遺伝子の組み合わせに基づき調査したところ,従来の種の外見のみの類別による観察以上の発見があった. 見滝原市内の59のほむ種の群れを対象として,****年**月**日より500日間観察した. (詳しい地点・規模・構成などは巻末別表を参照) 1. ホムホムとマドマドが共生する群れにおいても,ホムホム同士のつがいが発生することが知られている. 今回の調査では,共生型の群れでのホムホム同士のつがいは564組確認された.そのすべてが一方あるいは両方がほむ種遺伝子とまど種遺伝子が同数の個体(前章ほむほむの遺伝子型2)であった. 限りなくまど種に近い遺伝子型であるため,ホムホムが惹かれるものと思われる. 2. 群れの中でもてる個体,いわゆる美ほむ・美まどの夥多種は稀少種遺伝子を多く持つ個体であった.稀少種ほどでないにしろ知能も高く,稀少種と共生しない群れにおいては稀少種遺伝子の多い夥多種がリーダーを務めていた. 3. ほ食種マドマドの存在も遺伝に関係するものと推測される.今後の研究で明らかにしたい. また,遺伝とは関連しないが,今回調査した群れでの稀少種との接触の有無による群れの死亡率は以下の通り: 稀少種と接触のない群れでの死亡率 0.2匹/日 稀少種のつがいのテリトリー内の群れでの死亡率 0.05匹/日 稀少種のつがいと共生する群れでの死亡率 0.03匹/日 小 中 大 あ 隔 インタビュア「本日はほむまど種の遺伝の謎を解き明かした生物学者、美樹さやか博士にお話をお伺いします。よろしくお願いします」 さやか「こちらこそ」 ニコニコ イ「では早速、今回発表された論文についてなんですけども、私も拝読したのですがちょっと難しくて…」 さ「そうですね、一見ややこしそうに見えますが、実際のところは4種類ある遺伝子のどれが多いかで種類が決まるというだけなんです!」 イ「なるほど」 さ「詳しく説明すると…では、お馴染みの人間の血液型を元にお話しましょう」 さ「人間の血液型を構成するのは、A、B、Oの3種類の遺伝子で、これを1人につき2つ持っています。AとAの組み合わせでA型、BとBでB型、AとBでAB型、OとOでO型となります」 イ「つまり、ほむまど種の場合はABOの3種類の代わりにh、m、r、sの4種類なんですね」 さ「なおかつ1体につき、2つではなく6つ持っているのが血液型と違うところです!」 さ「例を挙げますと、ほむ遺伝子つまりhを4つ持っていて、残り2つがまど遺伝子mである個体はほむほむになります。逆にmが4つ、hが2つの組み合わせはまどまどですね」 さ「6つの内の4つ以上が同じ遺伝子で占められていれば、残りがどの遺伝子でもその遺伝子に対応した種になるんです!」 イ「単純に多い遺伝子で種が決まるということですね。では複数の遺伝子が同じ数含まれる組み合わせではどうなるのでしょう?」 さ「それもまた、血液型で説明すると分かりやすいですね。私がさっきの説明で挙げなかった残り2つの組み合わせ、AとO、それとBとOの組み合わせです」 イ「AとBではAB型ですけど…その2つは何型になるんですか?」 さ「この場合もそれぞれA型、B型になるんです。AとBはOに対して優性遺伝するわけですね!」 さ「ほむまど遺伝子の場合も優性劣性があって、ほむ遺伝子hはまど遺伝子mに対して優性なので、hとmが3つずつならほむほむになります!」 さ「そして夥多種遺伝子は稀少種遺伝子に対して優性なので、3つずつの組み合わせでは夥多種…いわゆる通常種が生まれます!」 イ「なるほど、意外と規則的なんですね」 さ「もうひとつ、血液型と大きく異なるのは、血液型の遺伝子が両親から1つずつ受け継がれる組み合わせなのに対し、ほむまどの場合は両親の併せて12個の遺伝子全ての中から6つが遺伝するというところですね!」 イ「ところで論文のこの表を見ると、稀少種のパターンが多すぎるように思えるのですが…」 さ「各種の組み合わせの数の表ですね」 イ「ほむほむが26に対して、りぼほむが14というのは、稀少種と呼ぶにはあまり数に差がないような…」 さ「それはあくまでもh、m、r、sの4種から6つを選ぶ、起こり得る組み合わせの全てですから、実際の種ごとの個体数とか出生率とは別物と考えてください」 さ「さきほど例に挙げたほむほむとまどまどの場合、持っている遺伝子はhが6つ、mが6つで、12個全てが夥多種遺伝子ですから、このつがいからは通常種しか生まれないということになりますね!」 イ「通常種からは稀少種は生まれないと」 さ「いえ、必ずしもそうではなく、つがいが併せて4つ以上の稀少種遺伝子を持っていれば、稀少種が生まれる可能性はあります」 さ「例えばほむ遺伝子4つ、りぼ遺伝子2つのほむほむと、まど遺伝子4つ、白遺伝子2つのまどまどのつがいならば、確率は低いですが稀少種は生まれます!そうですね…りぼほむと白まど合わせても0.12%程度ですけどね!」 イ「つまりほぼあり得ないんですね…」 さ「ただ稀少種との接触がほとんどない群れですと、群れ全体で稀少種遺伝子を全く持たず、絶対に稀少種が生まれません。実際はそういう群れが大多数なので、まさに稀少種と呼ぶに相応しい存在ですね」 イ「なるほど、ご説明ありがとうございます。では今回の発見についてのお話はこのくらいにして、次は美樹博士ご自身のお話をお伺いしたいと思います。やはり昔からほむほむやまどまどはお好きだったんですか?」 さ「いえ、大嫌いですよ!」 イ「え?」 さ「え?」 イ「……」 さ「……」 イ「……えーと」 さ「はい」 イ「ほむほむやまどまどは…」 さ「嫌いです!」 イ「えーと、楽しそうに語っておられたので、てっきり…」 さ「ええ、研究するのは大好きですね!」 イ「お嫌いなのに研究しているんですか?」 さ「ええ!敵を叩き潰すにはまず敵を知ることが大切ですからね!知れば知るほどやつらの苦しむ様が眼に浮かぶんです!」 イ「……なるほど、趣味と実益を兼ねているんですね…」 さ「それとこの研究の醍醐味といえば、ほむまどたちのマヌケな悲鳴がたくさん聞けて楽しいんですよ!」 イ「……」 さ「今回の調査では特定の遺伝子パターンのほむまど種を交配させて、その遺伝データを調べていった訳ですが、捕まえて来たまどまどとめがほむを交尾させようとしたら、まどまどがやたらと暴れるんですよ。群れにつがいになるつもりのほむほむがいたみたいでwwwwwwどうしても他のほむまどとは交尾したくないって抵抗してるんですwwwwwwwwめんどくさいから催淫薬ふりかけて無理やり交尾させたんですけどねwwwwww」 イ「……」 さ「で、せっかくだからと思ってその心に決めた相手(笑)のほむほむの目の前のケージで交尾させてあげたら、まどまどが ホムラチャーン!ホムラチャーン! とか喚いてポロポロ泣きながら腰振ってるんですよwwwwほむほむの方も マドカァー!マドカァー! って叫んでゲージの壁に縋り付いてるんですwwそれがまた面白い顔でwwwwww滑稽極まりなかったですね!」 イ「……」 さ「ちなみに仔が産まれたあとはもう親は用済みなので潰して捨てちゃうんですけど、それもまた傑作で… (以下30分間、ほむまどの処分方法について熱く語る) ・・・・・・ イ「…はい…では、今後の展望などお聞かせ頂けますか?」 グッタリ… さ「ほむまどの絶滅です!」 目キラキラ!! イ「…絶滅…ですか」 さ「はい、絶滅です!ほむまど種は1匹残らずこの世界から消し去るのが夢です!1秒でも早く!」 イ「…壮大な夢ですね」 さ「確かに時間も労力も膨大にかかりますが、研究が進むたびに手ごたえを感じています!例えば、今回の発見で分かったことですが、めがほむですね、めがほむ!あいつら稀少種と同じように4つ以上の稀少種遺伝子持ってるのに、空飛べないどころか貧弱で臆病なんですよwwww笑えますよね!」 イ「……」 さ「要するに稀少種の出来損ないなんですね、めがほむってwwで、稀少種遺伝子を多く持ってるって事は、その群れ自体に稀少種遺伝子が多いってことなんですね!つまりその群れからは稀少種が誕生する可能性が高いってことなんです!」 イ「……」 さ「そしたらもう、そういう群れは見かけたらすぐ潰しておくって目安になりますよね!稀少種がいるだけで群れ全体の生存率が桁違いになりますから!」 ニコニコ さ「いかに効率よくほむまどを処分していくか、より早い絶滅の為にはそれが重要ですね!」 さ「あ、ちなみに今回観察した野生の群れも、調査後に全部潰しておいたのでご心配なく!」 ドーン! イ「…本日はありがとうございました」 さ「こちらこそ、ありがとうございました!」 ・・・・・・ スタッフ(こりゃ、後半部分はほとんどカットだな…) おわり ジャンル:さやか さやカス ほむほむ まどまど 実験 考察 感想 すべてのコメントを見る 性格に問題はあるんだけど ほむほむが大量発生したり人間に害をなしたりする場合もあるのに、こういう効率良く駆除できる研究をしてる人に死ねって… 死ぬのはお前らだよ ほ虐ssにほ愛厨はくんな ほ愛ssでほ虐しろって騒いでるようなもんだぞ さやカスはさやカスだった・・・・。 死ねさやか
https://w.atwiki.jp/hidebuirc/pages/112.html
名鑑ネタが荒れる理由 名鑑に名前が───樹形図 名鑑に名前が・・・ 載ったよ派 ┬─ 身内同士だから載ったよ派 │ │ │ ├─ 身内部活で活躍していたら載ったよ派(クリフ) │ │ │ ├─ 身内chでよく話す内に載ったよ派 │ │ │ │ │ └─ 名鑑主に直結した甲斐があったよ派(RST) │ │ │ └─ 載るのはある意味必然だったよ派(自信家:動画) │ ├─ 身内じゃないけど載ったよ派 │ │ │ ├─ 野良部活に積極的に参加したよ派(売名派) │ │ │ ├─ たまたま#で会話のノリが合ったよ派(チャットクオリティ派) │ │ │ └─ 大会で結果を残していたら自然に載っていたよ派 │ │ └─ 身内とか強さとか関係ないよ派 | ├─ 普通に遊んでたらいつの間にか載ってたよ派(天然派) | └─ 載ったのは素直に嬉しいけどそれ以上の感情はないよ派(冷静派:汗様) 載ってないよ派 ─┬─ 名鑑なんて存在しないよ派 │ └─ 真の名鑑はIRC名鑑wikiだけだよ派(私) │ ├─ 身内だけど載ってないよ派 │ │ │ ├─ その内載ると思うよ派(DAGA) │ │ │ ├─ 表に出たくないからそういうのはお断りしてるよ派(きれとみ) │ │ │ │ │ └─ というのは建前で本当は載せてほしいよ派(ふらう) │ │ │ └─ 派 │ ├─ 身内でもないし強くもないから載らないよ派(断念派) │ │ │ ├─ でも万が一載ったとしたら嬉しいよ派 │ │ │ └─ 派 │ │ └─ 俺とは関係ないよ派(無関心派) | ├─ でも内心載りたいと思ってるよ派(天邪鬼派) | └─ むしろ荒れる原因だから自重して欲しいよ派(ツン派) │ └─ でも自分が載ったら肯定派にまわるよ派(デレ派) konokonekoさんの名鑑が更新され次第、この樹形図も膨らんでいく予定です。 人は「群れ」を作りたがる生き物です。 事実、世の中にはたくさんの「群れ」があります。 友人関係しかり、会社・学校での上下関係しかり。 家族関係も「群れ」の中の一つです。 同じ考え、同じ方向性、同じ楽しみを共有する仲間を作ることで 人は安心感を得ます。 そして、そこに属する事ができる自分、属している仲間、属している集団、 これら全てに愛着を持ち、さらに結束を強めていくのです。 ですがこの「群れ」というもの、 当然「入れたもの」と「入れなかったもの」 という二つの存在を生み出します。 「入れたもの」はただその喜びを感じていれば良いでしょう。 ですが問題は、「入れなかったもの」の感情です。 群れに加わりたいと思いつつも受け入れられぬ者。 自分と異なる性質の「群れ」の存在を認められる者。 「群れ」の成立が即ち、「入れなかったもの」の嫉妬・嫌悪・怒り・・・様々な悪感情を引き起こします。 全て人の争いはこの「群れ」から発生するといっても過言ではありません。 近頃ひデブ界隈で流行りの「名鑑」(※名鑑にはプレイヤー名、 主な使用キャラ、プレイスタイルが記載されています。 そして多くの場合、プレイヤーの強さの数値化(ランク、10段階評価等)が行われています。※) も、この「群れ」を作る過程と似ています。 名鑑は「載ったもの」と「載っていないもの」の区別を生みます。 そして「載っていないもの」の妬み、嫉み、が名鑑主への個人攻撃として向かいます。 多くの名鑑が表れては消えていくのには、この事に原因があるでしょう。 ではなぜ、「載っていないもの」は名鑑を見て嫉妬の感情を覚えるのでしょうか。 それはひぐらしデイブレイクが対戦格闘ゲームであるからです。 私たちひデブプレイヤーは、ホストが立てる(基本的に)クローズドな部活の中で それぞれの維持とプライドを賭けて腕を競い合っています。 お互いに勝敗を競い合うこの部活において、“プレイヤーの強さ”というものは、 ネタ部活やまったり部活の場合を除いて、何よりも重視されるべき基準となっています。 “プレイヤーの強さ”は、各々が個々の部活で比べあうべきものなのです。 それを外部で補足するべきではありません。 なぜならば、“完全な補足”は不可能であるからです。 不完全な補足はそれを訂正したいと望む心を生みます。 あの記述は正しくない。 あの人が載っているのはおかしい。 あの人は俺とやった時は散々ネギカモだった。・・・ この心が名鑑を荒らす元凶になります。 結論として、 名鑑ではひデブに関連する話題、特に強さについては極力避けるべきです。 アスカ配信で有名な山田さんは、次の様な言葉を残しました。 「身内はひデブの腕じゃなくてクオリティで選ぶべき」 彼は匿名で連投を垂れ流すので個人的には好かないのですが、 こと身内chに関しては正しい事を述べていると感じます。 同じ事が名鑑にも言えます。 名鑑でひデブの腕前を語るならば、サイトが荒れるのを覚悟しなければなりません。 全て覚悟した上で、分かりきった上で行っているのであれば、 これまでに私が書いてきた事は全て無意味です。 勝手にやってください。 しかし私が愛する匿名chが、これ以上名鑑ネタで荒れてしまうのは忍びありません。 また、「なぜ皆のために名鑑を作っているのに私のサイトが荒らされるのか分からない」 といった悩みを抱える間抜けな管理人のために、この様な文をここに記した次第であります。
https://w.atwiki.jp/survivalcrafter/pages/21.html
Cowは群れで行動し、群れのリーダーがBullです。 攻撃すると敵対せずに逃げていきます。 しかし近くのBullが攻撃をしてきます。 bucket?を使うことでbucket of milk?を入手できます。
https://w.atwiki.jp/ankoss/pages/4020.html
『こうっかん 中編』 56KB 制裁 自業自得 越冬 群れ ゲス 自然界 独自設定 中編 そして……。 「どういうことなのぜええええええ!こんなふざけたはなしを、うけいれろっていうのかぜえええええ!」 「いったいなんなの!このいなまものまるだしの、こうしょうけっかはああああああああああ!」 「どうもこうも、これがおさであるれいむのけつだんだよ!はやくこのけっかを、むれのみんなにつたえてきてね!」 ここは大きな群れにある長れいむのおうち。 長れいむは、長ぱちゅりーとの二匹だけの会議の後、すぐに自身の群れへと引き返していった。 そして会議の結果を幹部二匹に伝えたのだった。 しかし、長れいむの口から告げられたその内容を聞くや否や、声を荒げる幹部二匹。 その態度から長れいむの決断に不満があるのは明らかだった。 「ふざけるんじゃないのぜえええええ!おやさいぷれいすをてにいれるのはいいとして、 そのじょうけんが、まりささまたちのぷれいすをあけわたすことは、どういうことなのぜええええええ! そんなばかげたじょうけんを、ほんきでうけいれたのかぜええええええええ!」 「まったくあきれたわ!そんなありさまで、よくおさをなのってはずかしくないものだわね! もういいかげん、さっさといんたいしたらどうかしら?そのほうがこのむれのためよ!」 口々に長れいむの決定を非難する幹部まりさと幹部ありす。 長れいむの決断。 それは、長ぱちゅりーの提案した土地の交換を全面的に受け入れることだった。 「ゆふん!なんといわれようと、これはおさであるれいむがきめたことだよ! しょせんかんぶであるまりさたちに、もんくをいうけんりはないんだよ!」 「いくらなんでも、げんどってものがあるのぜええええええええ! ぷれいすがせまくなったら、せっかくどれいをてにいれても、ぞんぶにゆっくりできないのぜええええ!」 「まったくだわ!いなかものどもに、たっぷりとあいのこういをおしえるには、とかいはなひろいおうちがひつようなのに!」 「ゆゆ?ああそうだったよ!そういえばいうのをわすれていたよ! よていしてた、れいむたちと、ぱちゅりーたちとのむれのがっぺいのはなしはなしになったよ!」 「ゆへ?」 「なっ!」 長れいむの口から何気なくもたらされた事実に対し、驚きを口にする幹部二匹。 「ちょ、ちょっとまつのぜえええええ!それじゃどれいは? がっぺいのみかえりにえるはずの、まりささまのどれいのはなしはどうなったのぜええええええええ!」 「そんなもの、とうぜんなしにきまってるでしょ! だいたいぷれいすをこうかんするんだから、そのあとでむれをがっぺいしてもいみないでしょおおおおお! そんなこともわからないの?ばかなの?しぬの?」 長ぱちゅりーからの受け売りをそのまま口にする長れいむ。 だがそんな理屈で怯む幹部たちではない。 「ゆがあああああああああああああああ!ばかなのはれいむのほうなのぜえええええええええええええ! ぷれいすはわたす、どれいもあきらめる、それだけやって、えるのがおやさいぷれいすだけじゃ、どうかんがえてもわりにあわないのぜええええええ!」 「そうよ!そうよ!ふざけないでちょうだい! だいたい、ありすにとってはおやさいなんかよりも、どれいたちにとかいはなあいをおしえるこういのほうだいじなのよおおおおお! あああああああああああ!ちきしょおおおおおおおおおおおお!ありすの、いちだいすっきりはーれむけいかくがあああああああああ!」 ぷれいすを渡す上に、当然得られると思っていた奴隷も得られないと知り、もはや幹部二匹は長れいむへの侮蔑を隠そうともしない。 「れいむ!いまならまだまにあうのぜ!もういちど、ぱちゅりーのところへいって、このはなしをことわってくるのぜ! そして、むれのがっぺいでもなんでもいいから、とにかくまりささまのどれいをてにいれるのぜ! おやさいぷれいすなんて、そのあとで、やつらからうばってしまえばいいだけのはなしなのぜ!」 「そうね!そうするべきだわ!そして、それがすんだられいむはそっこく、おさをやめなさい! それがあなたがこのむれにたいしてできる、いちばんのことなのよ! さぁぐずぐずしないではやくいきなさい!さっさとするのよ!」 怒りのためか本来の自分らの立場を忘れ、長れいむに協定の取り消しをするように迫る幹部まりさと幹部ありす。 今までは内々にその不満や野心を隠してきたこの二匹だが、ここまであからさまな態度に出たのははじめてのことである。 つまりはそれだけ腹に据えかねた事態だということだ。 「いいかげんにしてね!だれにたいしてものをいってるの!」 だがそれでも長れいむは全く動揺していなかった。 むしろ望むところだといった視線で、長まりさと長ありすを睨みつける。 「たしかに、まりさやありすのいうとおり、どれいがてにはいらなかったことや、ぷれいすがちょっとせまくなっちゃったことはざんねんだよ! でも、れいむはこんかいのけんで、おやさいがかってにはえてくるぷれいすをてにいれたんだよ! これはとりひきとしては、じゅうぶんすぎるせいかだよ! それに、もしこれいじょうをのぞむようならば、ぱちゅりーたちのむれとのせんっそうはさけられない! れいむはむれのおさとして、むれのゆっくりたちに、むだなぎせいをしいるせんっそうできないんだよ! ただじぶんたちがゆっくりすることばかりかんがている、まりさやありすとちがってね!」 群れ全体の利益のために、これ以上の要求をすると発生する戦争は出来ないと説く長れいむ。 本当は戦争をしたくない一番の理由は、戦闘になれば一番に自分が狙われるのを知っているからであるが、 もちろんそんなことはおくびにも出さない。 「ゆががああああ!せんっそうがさけられないというのなら、やってやればいいのぜええええ! いやむしろ、ほんとうにむれのゆっくりのことをかんがているのなら、せんっそうすべきなのぜええええ! それでゆっくりも、おやさいも、なにもかもあのぱちゅりーからうばってしまえばいいだけのはなしなのぜえええええ!」 「んほおおおおおおおおお!そのとおりよおおおおおおおおお! ありすもせんっそうはいやだったけど、もうそんなこといってられないわあああああああ! こうなったら、とかいはなあいをおしえるのは、せんっそうでつかまえたほりょでもかまわない! だから、むれをあげてのせんっそうめいれいをだすのよれいむ!」 「いやだよ!」 きっぱりと否定する長れいむ。 「なにをふぬけたことをいっているのぜれいむ! むれぜんたいのりえきのために、せんっそうするべきのぜ! むれのことをかんがえらないれいむは、おさしっかくなのぜ!」 必死に力説する幹部まりさ。 「ゆふん!なにがむれのためだよ!じぶんのゆっくりのためのくせに、ばかいわないでね! そんなにせんっそうがしたいのなら、まりさやありすたちがせんっそうしたいゆっくりをあつめてやればいいよ! それならべつにれいむはかまわないよ!」 「ゆなっ!なにをいっているのよれいむ!せんっそうはおさのしじによってはじまるのよ! そうじゃないとすべてのゆっくりがさんかしないわ!」 「だからこそだよ! れいむは、むれのみんなのゆっくりがだいじだから、せんっそうはしないといっているんだよ! でもまりさやありすがどうしてもせんっそうがしたいというのなら、せんっそうにさんせいしているゆっくりだけで、せんっそうしてかまわないといっているんだよ! それならじこせきにんだしね! でもこのままだまっていても、れいむのてがらでおやさいぷれいすがてにはいるというのに、わざわざせんっそうしたいなんてかんがえてるゆっくりが、 このむれにどのくらいいるのかなぁ?」 「ゆがっ!ぐっ!それは……」 痛いところを突かれたうろたえる幹部まりさ。 長れいむはわかっていた。 自分の決断に反対するゆっくりが少数派であることが。 「ゆふん!せんっそうなんて、このむれのゆっくりは、ほとんどそんなことのぞんでないんだよ! ほんとうにむれのことをかんがえてないのはどっちなの! わがままはよそでやってよね!」 見下したように言う長れいむ。 長れいむの予想は極めて正しかった。 実際に長れいむの提案が群れ中に知れ渡ったとして、その選択を非難するゆっくりは、 幹部まりさや幹部ありすのような、奴隷を得ることを楽しみにしていたような少数派だけである。 多くのゆっくりは、そんなことよりもお野菜ぷれいすの取得を望むだろう。 それがわかっているからこそ、長れいむは幹部二匹にこれほど否定的な態度を示されても余裕なのだ。 そもそもこの二匹が反抗的な行動を取るであろうことは、事前にした分析で予測済みのことである。 いまさら慌てることはない。 「ゆががががが!こんな!こんなことがぁあ!」 「なんなの!なんなのよ!れいのくせに!」 逆に幹部二匹の旗色はかなり悪いといえる。 期待していた奴隷は得られない上に、今回のれいむの功績が群れのゆっくりたちに支持されれば、 自分たちの長就任への夢は遠のくばかり。まさに踏んだり蹴ったりである。 苦肉の策として、しきりに長れいむに戦争をするように迫ったのも、別に群れの利益のためではなく自分らの欲望のためと、 戦争で出た犠牲の責任を、長であるれいむに押し付けて失脚を狙うためである。 しかしどうやらそのたくらみは完全に長れいむには看破されていたようであり、長れいむは絶対に戦争はしないと言い張っている。 つまりは完全にしてやられた形になる。 今まで実力は自分たちのほうが上であると、密かにバカにしていた長れいむにここまでやり込められるのは、 幹部二匹にとってはこの上ない屈辱である。 しかし現実問題として打つ手がない。 完全に手詰まりの状況であった。 「ゆふふふふ!りかいできたなら、さっさとこのこをむれのみんなにつたえてきてね! ぷれいすのいどうはあすだよ!」 うな垂れ、黙っている幹部たちに長れいむが笑顔で言う。 それは自身の判断が正解だったと確信する、まごうことなき勝利宣言であった。 一方その頃、長ぱちゅりーの群れでは。 「むきゅ!みんな急いで移動のための荷物をまとめて! できるだけ多くの食料を持っていくのよ! ただし!事前に説明した通り、畑に生えているお野菜はもっていっちゃダメよ! アレが今後の私たちの運命を左右することになるんだからね!」 「「「「ゆゆー!」」」」 てきぱきと指示を出す長ぱちゅりーと、それにそれに応じる群れのゆっくりたち。 今、長ぱちゅりーの群れでは明日の移動に向けての準備の真っ最中だった。 「でもくやしいみょん!くろうしてそだてたおやさいを、あのれいむたちなんかにわたすのは!」 「そうね、せっかく育てたお野菜を食べられないのはとても残念だろうけど、今回ばかりは諦めてもらうほかしかたないわね。 ここで欲を出して、群れが崩壊してしまっては意味がないもの。 でも大丈夫よ!お野菜はまた作ればいいんだもの、今度はもっと広い土地を活用してもっと沢山作れるようにするわ」 「みょん!それはわかってるみょん!」 流石に苦心して育てたお野菜畑を、あっさり明け渡してしまうという長ぱちゅりーの策には群れのゆっくりからも反対意見が出たが、 それでも奴隷になったり、戦争して滅びるよりははるかにましだ、ということで群れ内の意見は一致していた。 それに命さえあれば、今度は広くなった土地でお野菜はまた作ればいいのだ。 今やこの群れのゆっくりたちはそのことを理解していた。 ゆえに移動準備は長ぱちゅりーが思っていたよりも問題なくスムーズに行うことが出来た。 「わかるよー!ぜんゆっくり、いどうのじゅんびがかんりょうしたよー! あとはあすをまつばかりなんだねー!」 「そう、ありがと。 ここまでのところは作戦通りね。 あとは、あのれいむたちがどうでるか……」 「わかるよー!だいじょうぶだよー! きっとおさのさくせんどおりうまくいくよー! いままでだってそうだったんだからねー!」 「そうね!そうなるといいわね……」 長ぱちゅりーはふぅ、と溜息をつく。 (今ぱちぇがやっていうことは、人間さんでいうところの詐欺師ってところかしらね。 だまされているあのれいむにはまったく同情しないけど、これはあまり気分はいいものじゃないわね) 長ぱちゅりーは黄昏時の空を見上げながら、ふとそんなことを思ったのだった。 次の日。 「むーしゃ!むーしゃ!しあわせー!」 「うめぇ!これめっちゃうめぇ!」 「がーつ!がーつ!」 「びゃあ!うまいいいいいい!」 ここは元長ぱちゅりーが治めていたぷれいす。 そこに存在している今まで大切に育てられてきた野菜畑にて、我が物顔でお野菜を食い散らかしているゆっくりの一団があった。 言うまでもなく、元長ぱちゅりーのぷれいすに移住してきた長れいむの群れのゆっくりたちである。 このお野菜ぷれいすは正式な土地の交換の代償として手に入れたものなので、 別にこれらのゆっくりが悪いことをしているというわけではないのだが、 何故かこのゆっくりたちの態度には人を不快にさせる何かがあった。 「ゆふふふ!おちびちゃんあわてないで!まだまだたっくさんおやさいはあるからね!」 「すきなだけむしゃむしゃするよー!なくなったって、どうせおやさいはまたかってにはえてくるんだからねー!」 「みょん!こんなゆっくりとしたぷれいすをてにいれるなんて、さっすがおさだみょん!」 「ちぇんははじめからわかってたよー!おさはたよりになるよー!」 一通り満腹になるまでお野菜を食して満足したのか、次々に長れいむを賞賛し始める群れのゆっくりたち。 「ゆふふふふ!それほどでもないよー!ゆふふふ!」 それに対してこみ上げる笑みを隠せない様子で応える長れいむ。 実際長れいむは有頂天であった。 今まで群れのみんなからはなんとも思われてなかった自分が、こうして皆からはっきりと認められ、賞賛されている。 自分を密かにバカにしていたであろう、幹部まりさや幹部ありすをまんまと出し抜き、群れ中の支持を一身にあつめているのだ。 多少当初の予定とは多少狂ったものの、結果としては自分の望み通りとなった。 そうとも!これこそが長としての本来の自分の実力なのだ! もう誰にも親の七光りなんて言わせない! この群れの長は自分こそが相応しいのだ! 多少ぷれいすが狭くなったからといって、それがどうしたとういのだ! この『お野菜が勝手に生えてくるゆっくりぷれいす』さえあれば、自身のゆっくりは保障されたも同然だ! そろそろ迫ってきた越冬の季節もなんら恐れることはない! 全てうまくいく! 何故ならこのむれの長は、このれいむさまだからだ! 「ゆぷぷぷぷ!ゆふ、ゆふふふふふふふふ!」 いつまでもニヤニヤとしている長れいむ。 この瞬間、長れいむは今までのゆん生の中で一番のゆっくりを感じており、まさにゆん生を謳歌していた。 「ちっ、きにいらないのぜ!」 そしてそれを少し離れた端のほうからじっと睨んでいるゆっくりが一匹。 幹部まりさだった。 今回の件では幹部まりさは別段何か失態をやらかしたというわけではないので、自身の支持基盤を失ったというわけではない。 だが無党派層ゆっくりたちによって、長れいむばかりが賞賛されているこの状況を鑑みれば、これは事実上自分の完全なる敗北であった。 望む物は得られず、れいむの支持率が上がったことにより自分の長への道は遠のくばかり。 不満をぶちまけようにも、群れ全体が長れいむムードに染まっている現状、下手をすれば自分が悪者扱いだ。 何だってこうなった! 本来ならば、あそこで笑っているのは自分だったはずなのに! いや、もし自分が長だったらのならば、お野菜ぷれいすだけでなく土地も、奴隷だって一緒に手に入れていたはずだ! クソ!チキショウ!何だってあんな駄ゆっくりが! 「くそ!まりささまだって!まりささまだって……」 悔しそうに呟きながら、幹部まりさはガブリと乱暴にお野菜にかぶりついたのだった。 さて、こうして長ぱちゅりーのぷれいすと長れいむのぷれいすとのこうっかんは無事成功した。 このこうっかんは若干のシコリを残しつつも、双方ともに非常に満足の行くものであり、 通常の取引ならば、これでめでたしめでたしといったところであろう。 しかし残念ながら……。 いや、当然のことながら。 これで話が済むはずもない。 長れいむは……。 いいや、長れいむの群れのゆっくりたちは。 ある重大な勘違いをしている。 それは人間ならば誰の目にも明らかな事実。 いちいち偉そうに言わずともみんな気づいていることだ。 だがあえて言おう。 その勘違いとは。 『お野菜が勝手に生えてくるゆっくりぷれいす』なんて世の中をナメ切ったゆっくりの妄想の産物は、この世のどこにも存在しないということである。 そして月日は流れる。 始めに異変に気づいたのは子ゆっくりたちだった。 あるいは子ゆっくりは生まれてまだ間もないために、いわゆるゆっくり界に蔓延る思い込みがそれ程強固でないのが原因だったのかもしれない。 とにかく、始めに違和感を口にしたのは子ゆっくりたちだった。 「ゆゆ?なんだかおやさいがすくなくなってきているきがするよ?」 「そうだねぇ、まえはもっとたっくさんあったはずなのに、なんだかへってるかんじがするよ!」 畑を前にし、野菜の数が減ってきたと主張する何匹かの子ゆっくり。 そりゃそうだ、実際野菜の数は減っている。 ゆっくりが食べてしまった分だけ、野菜の数が減るのは至極当然のことだ。 なんらおかしいことではない。 だが、長れいむはそんな子ゆっくりたちに諭すように言った。 「ゆゆん!ばかなかこといわないでね!おちびちゃんたち! ここは、おやさいがかってにはえてくるゆっくりぷれいすなんだよ! むーしゃ!むーしゃ!したおやさいは、しばらくすればまたかってにはえてくるんだよ! おちびちゃんたちは、へんなことしんぱいしないでゆっくりしてればいいんだよ!」 長れいむは自信たっぷりに胸をはって主張する。 「「「「ゆっくりりかいしたよ!」」」」 そしてその主張に元気よく返す子ゆっくりたち。 別に子ゆっくりたちだって、本気でお野菜ぷれいすがどうこうしたとか考えたわけではなく、 ただちょっと疑問に思ったことを口に出しただけで他意はない。 だがこういった日常のちょっとした変化が、大きな出来事の前触れであることは珍しくない。 優秀な統治者ならば、こういったことには常に気を配っていてしかるべきである。 しかし長れいむは自ら率先してこの変化の芽を握りつぶした。 こうして長れいむたちの群れのゆっくりは、一つの重大なきっかけを自ら見過ごすことになる。 今の段階で気づけていれば、まだいくらでも打つ手はあった。 だが、もう全ては遅い。 順調に、着実に。 その時は迫ってきていた。 そうこうしているうちにまた月日は流れ……。 「ゆん?なんだかおやさいぷれいすのようすが……」 「へんだねぇ……おかしいねぇ……」 「へってるよ!まちがいなくおやさいがへってるよ!」 畑へとやってきたゆっくりたちが、にわかに騒ぎ出している。 それも当然で、畑に生えているお野菜の量は初期に比べて今では半分以下にまで減少していた。 流石にここまで劇的な変化が起これば、いくら能天気なゆっくりたちといえど次第に認識しだす。 お野菜が減っているという事実に。 「ゆん?どうしたのみんな?へんなかおしちゃって!ゆっくりしてないよ!」 そこへ、のこのことやってくる長れいむ。 「おさぁあああ!なんだかおやさいさんがへってるみたいなんだよおおおお! どうなってるのおおおおおおおおお!」 「ゆん?おやさいさんが? ゆーむ!」 畑に集まっているゆっくりたちに指摘され、じぃーと畑を凝視する長れいむ。 確かに言われてみれば昔よりもだいぶお野菜が減っているような気がする。 だがしかし。 「ゆん!たしかにほんのちょっとだけおやさいさんがすくなくなってるかもね! で?それがどうかしたの?」 何の問題ですか?といった表情の長れいむ。 「ゆっ!だっておやさいがこのままへっていっちゃったら、いつかは……」 一匹のまりさが、不安げに長れいむに訴える。 始めこそ沢山あったお野菜だが、その数は目に見えて減ってきている。 このまま減り続ければ、いずれはお野菜がなくなってしまうのではないかと疑うのは至極真っ当な発想だ。 しかもこれが平時ならともかく、今の季節は秋の真っ只中を少し過ぎた時期なのだ。 本来ならとっくに越冬の準備に取り掛かっているところである。 だがこの長れいむの群れのゆっくりたちは、お野菜を当てにして殆どのゆっくりが全く越冬の準備をしていなのだ。 このような状況で、もしお野菜がなくなったら……と一部のゆっくりが危惧を感じるのは無理からぬ話である。 しかし長れいむは、そんな焦燥に駆られているゆっくりたちを子バカにしたような目で見つめ返す。 「はぁ?なにいってるの?あたまだいじょうぶなの? いったいなにをいいだすかとおもえば、なにもしらないようなおちびちゃんじゃあるまいし! そんなんで、おとなのゆっくりとしてはずかしくないの? おやさいはかってにはえてくる!これはじょうっしきだよ! そしてこのばしょには、おやさいがはえていた!だからまたここにはまた、たっくさんのおやさいがはえてくるんだよ! そのぐらいのことがわからないの?ばかなの?しぬの?」 心底呆れたような口調で長れいむが言う。 「ゆっ、ゆう!でももしはえてこなかったら……。 げんにおやさいのかずはへっているわけだし……」 「くどいよ! まったくなんなの!こんなにあたまのわるいゆっくりが、れいむのむれにいるなんておもわなかったよ! じゃあかってにすれば!れいむはきょうもこのぷれいすで、おやさいをむーしゃ!むーしゃ!するから! きょうも、あしたも、あさっても!ずっとずっと、えいっえんにね!」 それだけ言うと、長れいむは今では半分ほどに数を減らした野菜へと向かう。 「ゆっ、ゆう!おさがそういうんだったら!」 「そうだね!おやさいはかってにはえてくるものだしね!」 「わかるよー!しんぱいしすぎなんだねー!」 「…………」 長れいむが自信満々で畑に向かったの見て、オロオロしていたゆっくりたちもまた畑へと向かう。 多少の胸騒ぎを感じていたとしても、ここ最近好き放題食べているお野菜の味の魅力には到底抗いがたい。 ふらふらとひきつけられるようにお野菜へと集まっていくゆっくりたち。 そして今日も今日とて群れのゆっくりたちは、己の欲望の赴くままにお野菜を食い散らかすのであった。 そしてまたしばらく月日が流れ、秋の終わりをいよいよ肌で感じ始めた頃。 「ゆがあああああああああああああああ! はえてこないよおおおおおおおおおおお! ぜんっぜん、おやさいがはえてこないよおおおおおお! どじでえええええええええ!なんでなのおおおおおおおおおおおお! おやさいさああああああああああん!ゆっくりしないではえてきてねえええええええ!」 そこにはお野菜の九割を食いつくし、残りが約一割程度の量となった畑で慌てふためく長れいむたちの姿があった。 「おさああああああああ!どうなってるのおおおおおお! こんなちょっとじゃ、えっとうにまにあわないよおおおおおおおお!」 「はえてくるっていったのにいいいいいい!うそつきいいいいいい!どうするのおおおおおおおおおお!」 「わがらないよおおおおおお!なんとかしてよ、おさあああああああ!」 「しるかばかああああああああ!こんなのれいむのせいじゃないよおおおおおおおお! おやさいさんがわるいんでしょおおおおおおおおおおお! かってにはえてこないからああああああああ!れいむわるくないよおおおおおおおおおお!」 今やほとんどの面積が土だけになった畑で、大パニック状態の群れのゆっくりたち。 実際これはヤバイ状況だ。 前にも述べたが、この群れのほとんどのゆっくりたちはお野菜を当てにしていたために、 今ではもう間近に迫っている越冬の準備を全くといっていいほどしていないのだ。 このままでは確実に越冬失敗し、群れは壊滅状態におちいることだろう。 「みょん!おさがだいじょうぶだといったから、みんなあんしんしておやさいをたべたんだみょん! いまさらわるくないなんてはなしは、つうようしないみょん!」 「そうだ!そうだ!」 「このせきにん!どうとるつもりなの!」 「なんとかしてね!はやくなんとかしてね!」 「さっさとしろ!このぐず!」 「しね!むのうなおさはゆっくりしね!」 今までの賞賛とはうって変わって、掌を返すように長れいむを責め立てる群れのゆっくりたち。 「ゆがあああああ!ちっ、ちがうんだよ!これはなにかのまちがいなんだよ! おっ、おやさいさんはいまちょっと、きゅうけいしてるんだよ! きっとそうだよ!だっ、だからもうすこしだけまってね!そうすればきっと……」 「ゆっへっへっへっへ!もうすこしまてばなんだって? まりささまたちがむしゃむしゃしたいときに、おやさいがはえてこないぷれいすなんて、とんだけっかんぷれいすなのぜ! しょせんれいむがてにいれたおやさいぷれいすなんて、そのていどのものだってことぜえええええ!」 必死に弁解する長れいむの横から割り込むようにして、大声で主張するゆっくりがいる。 それはここ最近ではめっきりおとなしくなっていた幹部まりさだった。 否、別におとなしくしていたわけではない。 ただ虎視眈々と機会をうかがっていたたけだ。 今の状況のように、長れいむの信頼が揺らぐ絶好の機会を! 「みんなきくのぜええええええええ!みてのとおり、このむのうなおさであるれいむがてにいれたおやさいぷれいすは、 いつ、つぎのおやさいがはえてくるかもわからないような、けっかんぷれいすなのぜえええええええ! こんなおさについていくようじゃ、みのはめつはあきらかなのぜえええええ!」 ここぞとばかりに長れいむをこき下ろしはじめる幹部まりさ。 「でも、あんっしんするのぜえええええ! これからは、このまりささまが、むのうなれいむにかわって、このむれのおさになってやるのぜえええええ! まりささまがおさになれば、こんなちんけなものとはひかくにならないくらい、もっともっとすごいぷれいすでゆっくりできるのぜえええ!」 そしてついには自身の長宣言まで飛び出した。 これは事実上、現長であるれいむに対する宣戦布告であり、これを群れ中のゆっくりの前で宣言するということは、 もはや幹部まりさは冗談ではすまない領域へと踏み込んだことを意味する。 幹部まりさはこの機に乗じて本気で長の座を奪いにきたのだ。 「ゆあああああああああああ!なにいってるのおおおおおおおお! みんなだまされないでねえええええ! このばしょいじょうの、ゆっくりぷれいすなんて、あるはずないよおおおおおお! まりさがいってることはでたらめだよおおおおお!」 たまらず叫び返す長れいむ。 「でたらめなんかじゃないのぜええええええ! まりささまは、こんなちんけなおやさいぷれいすなんかじゃなく、もっともっとひろくて、 おやさいのかずなんてまったくきにしなくていいような、しんのおやさいぷれいすをてにいれてみせるのぜえええ!」 「なっ、なにいってるのまりさああああああああ! とうとうあたまがおかしくなっちゃったのおおおおおお? このやまに、ここいがいのおやさいぷれいすなんてあるわけないでしょおおおおお! ばかなこといわないでねええええええええ!」 「ゆっへっへっへっへ!これだから、れいむはむのうだというんだぜぇ! めさきのちいさなことばかりにとらわれて、ぜんたいがまるでみえてないんだぜぇ!」 長れいむを嘲笑しながら幹部まりさは群れのゆっくりたちに向き直り、そして大声で力説する。 「むのうのれいむにできることなんて、こんなやくたたずのちっこいおやさいぷれいすをてにいれるのがせいぜいなのぜ! だけどまりささまはちがうのぜえええええ! まりささまたちは、これからやまをおりて、くそにんげんどもの、おおやさいぷれいすをうばいにいくのぜええええ! さらに、そこにいるくそにんげんどもも、ねこそぎどれいにしてやるのぜえええええ! ひろいひろいとち!さらにおやさいがかってにはえてくるゆっくりぷれいす!そしてどれい! まりささまをおさとしてみとめ、したがうのならば、そのすべてがてにはいるのぜええええええ! さあ!まりささまといっしょに、みんなでやまをおりるのぜええええええええ!」 山を下り、人間の土地に侵略し、土地、野菜、奴隷の全てを手に入れる。 それが幹部まりさの提示した政策だった。 この政策は幹部まりさの内面が非常によく反映された考えだといえる。 長れいむは、お野菜が勝手に生えてくるぷれいすを手に入れたことで皆からの支持を集めた。 なればこそ幹部まりさは、それ以上の成果を上げることで長として認められなければ、自身の気がすまない。 長れいむに劣る成果など、幹部まりさのプライドが許さない。 その発想の結果が、この人間ぷれいすへの侵略計画なのである。 「ゆええええええええええ!なにいいだすのおおおおおお! このやまのしたは、にんげんさんたちのゆっくりぷれいすなんだよおおおおおお! しかも、そのばしょには、ぜったいにちかづいちゃいけないって、むかしからのおきててかたくきめられてるでしょおおおおおお! まりさはそのおきてをやぶるきなのおおおおおおおお!ばかなこといわないでねええええええ!」 長まりさの提示した政策に、珍しく正論で反論する長れいむ。 これは実際にその通りで、この掟は確かに実在し、今まで破られたことがない。 返しとしては至極まっとうな意見である。 だが、しかし……。 「はん!むれがほろびるかどうかってときに、そんなまりささまがうまれるずっといぜんからあるおきてのことなんざ、 しったこっちゃないのぜ! だいたいわるいのは、くそにんげんどものほうなのぜ! まりささまはしっているのぜ!このやまのふもとには、くそにんげんどもが、 たいりょうにあるおやさいぷれいすを、ひとりじめしてるってことを! そんなげすどもからぷれいすをうばって、どれいにしたところで、いったいなにがわるいっていうのかぜ!」 ゆっくりお得意のトンデモ思考で、自身の正当性を訴える幹部まりさ。 もはや何を言われたところで、民衆の面々で長宣言までしてしまった幹部まりさは後には引けないのだ。 ただただ猪のように突き進むのみである。 「さあ!このむのうなおさと、しみったれたぷれいすをすてて、えいこうをてにしたいゆっくりは、 まりささまのもとにあつまるのぜえええええ! そして、みんなでずっとゆっくりするのぜええええええ!」 ざわ…ざわ…。 幹部まりさの突然の勧誘に揺れる動く群れのゆっくりたち。 あまりの事態に皆動揺を隠せずにいた。 どのゆっくりも一様に、周囲をチラチラと盗み見て様子を窺っている。 だがやがて……。 「みょん!みょんはまりさについていくみょん! もうみょんは、おやさいのあじなしじゃやっていけないみょん! そのためには、こんなちんけなぷれいすじゃまんぞくできないみょん!」 「まりさも!まりさもいくよおおおおおお! こんなところで、のたれじぬのはごめんだよおおおお!」 「ありすもまりさについていくことにするわ! もうこんないなかぐらしはまっぴらよ!」 「れいむもおおおおおおお!こんなおやさいがすぐにはえてこないぷれいすなんかに、ようはないよ!」 「わかるよー!おさなんかよりも、まりさのほうがずっとたよりになるんだねー!」 次々と幹部まりさに賛同していく群れのゆっくりたち。 やはりすぐそこに迫った越冬の危機感と、もはやお野菜が僅かしか残っていない畑の視覚効果は大きいようだ。 次々に賛同者は増えていき、やがては群れの半分程のゆっくりたちが、幹部まりさとともに群れを降りる決断を下した。 この半分という割合は、突発的な提案にしては十分すぎる成果だと思われるが、幹部まりさとしては不満だった。 幹部まりさの当初の見込みでは、群れの八割ほどのゆっくりが自分にの味方になると考えていたからだ。 その目算は決して幹部まりさの思い上がりではなく、かなりの精度で正しいといえるものだった。 では何故半分程のゆっくりしか集まらなかったのか? その最大の原因は……。 「ありす!しょうきなのかぜ!こんなばしょにれいむとのこっても、ゆっくりはないのぜ! まりささまとくるのぜ!いまならひきつづきかんぶにしてやるのぜ!」 幹部ありすだった。 なんと幹部ありすと彼女を支持する取り巻きのゆっくりたちは、この場に留まるという選択をしたのだ。 てっきり幹部ありすも、自分と同じように長れいむに反目してると踏んでいた幹部まりさは、 幹部ありすたちのグループも、自分を支持すると計算に組み込んでいたのだ。 しかしここでまさかの幹部ありすの長れいむ擁護。 これにより幹部まりさの計算は狂い、賛同するゆっくりの数は半分程度に留まったというわけだ。 「ありす!いったいなにかんがえてるのぜ! いまらさられいむをしじして、いったいなんになるんだぜ!」 「べつにそういうわけじゃないけどね! ただ、ありすはまりさやれいむとちがって、おやさいぷれいすにそんなにしゅうちゃくがないだけよ! それに、すっきりするかちもないような、むのうでいなかものの、にんげんなんてどれいにしてもしょうがないしね!」 「ゆぐぐぐぐ!ふん!じゃあかってにするがいいのぜ! あとでなきついても、たすけてやらないのぜ! さあみんな!こんなやつらほっといて、さっさといくのぜ!あらたなる、まりささまのゆっくりぷれいすへ!」 そう捨て台詞を吐くと、幹部まりさはぞろぞろと群れのゆっくりたちを引きつれ、山を下りていく。 後に残されたのは長れいむ、幹部ありす、そして今ではその数を半分にまで減らした群れの面々であった。 「ゆっ、ゆゆうううう!あっ、ありがと、ありすううううううううう! ありすがれいむのみかたをしてくれるなんてえええええええ!」 幹部まりさが去った後、感極まった表情で幹部ありすに礼を言う長れいむ。 長れいむがいまだに長でいられるのは、幹部ありすがこの場に残っているおかげなのだ。 もし、幹部ありすが幹部まりさの誘いに乗り、群れを離れていたら、全体の八割以上のゆっくりが群れからいなくなることになり、 長れいむの群れは瓦解する。 そうなっていれば長れいむの命は恐らくなかった。 幹部まりさが生かしておかないからだ。 だが、今のように半分程度のゆっくりが残っている状況での長殺しは流石にまずい。 だからこそ、幹部まりさは長れいむに手を出さずに下界へと向かったというわけだ。 「ゆゆ!だいじょうぶだよありす!きっとなんとかなるからね! あんなくずまりさのことなんてわすれて、これからはにひきでがんばっていこうね!」 長れいむは幹部ありすが自分の味方と知って安心したのか、急にごまをするように擦り寄っていく。 「あら、かんちがいしないでほしいわね!」 だがそんな長れいむを、氷のように冷たい表情で見つめる幹部ありす。 「たしかにありすたちは、このばにのこるせんたくをしたけれど、れいむがむのうといういけんにかんしては、 ありすはまりさとおなじなのよ!」 「ゆっ、なっ!」 「そういうわけで、もうこんごいっさいありすたちは、れいむのしじにはしたがわない! あとはかってにやらせてもらうわ! それじゃいきましょみんな!」 「「「「ゆーーー!」」」」 言いたいことだけ言い終えると、ぞろぞろとその場を去っていく幹部ありすとその取り巻きたち。 その場にはポカンとした表情の長れいむと、どうしていいかわからずオロオロとうろたえるゆっくりたちが取り残された。 結果として群れの数はさらに減ることとなり、今ではもう全体の四分の一程度の数しかその場には残っていない。 最早ここまでくると群れとは呼べず、ただのゆっくり集団である。 「……えっと、あの……おさ…」 残ったゆっくりが、遠慮がちに長れいむへと話しかける。 が、憤怒の炎に身を焦がしている長れいむはまともに取りあおうとしない。 「ゆがあああああああああああ!だまってねええええええええええええええ! どいつもこいつも、だまってねええええええ!はえてくるよ! はえてくるんだ!もうすこし!もうしこしだけまてば!おやさいはかってにはえてくるんだよおおおおおおおおおお! だからだまれえええええええええええ!ちぎじょおおおおおおおおおおお! ふざげやがってええええええええ!このくそおやさいばたけがあああああああああ!」 体をブッルンブッルンと震わせながら、やけくそ気味に叫ぶ長れいむ。 そしてそのまま、僅かに残ったお野菜ところまでドスドスと跳ねていき、乱暴にお野菜にかぶりつく。 「むーじゃ!むーじゃ!じあばぜええええええええええええええええええ! はあああああ!こんなゆっぐりじだ、おやさいばたけをすてるなんて、どいつもこいつもおおばかだよおおおおおおおおおお! ちぎじょおおおおおおお!いまにみてろおおおおおおお!はえてくるにきまってるだろおおおおおお! そうなってからほえずらかくなよおおおおおお! ほらああああああ!ゆっくりしないで、さっさとはえでごいいいいいいいい! むれのおさである、れいむのめいれいがきけないのがああああああああ!」 叫びながらバン!バン!と地面を叩きつけるようにその場で飛び跳ねる。 誰がどう見てもまともな行動ではない。 お野菜が勝手に生えてくると信じること、それだけが長れいむのできる唯一のことだった。 だが、どれだけ叫ぼうと、どれだけ畑で飛び跳ねようと、ゆっくりの妄想に合わせて世界が動くことは決してないのだ。 こうしてこの日、長れいむの群れは大きく三つに分裂することになる。 新たなるぷれいすを求め、下界へと旅立った幹部まりさ。 お野菜が生えてくると信じ、ただただ畑で祈るだけの長れいむ。 そして、何が狙いか、不気味に沈黙する幹部ありす。 これらの三つの勢力である。 いや、正確には少し違った。 実はこれらのどこのグループにも属していない、少数の第四の集団が密かに存在していた。 その集団とは……。 「むきゅ!それで?あなたたちが、ぱちぇの群れに新しく入れて欲しいっていうゆっくりたちかしら?」 「そうだよ!まりさたちはもう、あんなおさや、かんぶたちにのおさめるむれにはついていけないよ! だからおねがいだよ!ぱちゅりーのむれにいれてね! ぜったいにめいわくはかけないよ!」 ところ変わってここは長ぱちゅりー群れ。 新たに広くなったぷれいすへと移住した長ぱちゅりーたちは、現在大混乱にある長れいむのたちの群れと違い、 順調に越冬の備えを終えつつあった。 特に大きな問題もなく、これならば無事計画通り上手くいきそうだと思っていた矢先、 突如として長れいむの群れに所属していた少数のゆっくりたちが長ぱちゅりーの下へとやってきたのだ。 何事かと身構える長ぱちゅりーだったが、やってきたゆっくりの口からは以外な言葉が飛び出した。 なんと、自分たちを長ぱちゅりーの群れに加えて欲しいというのだ。 「かんぶまりさはばかだよ!にんげんさんのぷれいすには、ぜったいにはいっちゃいけないって、むかしからおきてできまってるのは、 にんげんさんは、とってもつよくて、ゆっくりじゃぜったいにかてないのがりゆうなのに! にんげんさんのぷれいすをうばおうなんて、じさつこういだよ!」 「おさのれいむはおろかものよ! まだ、あのおやさいはたけにしゅうちゃくしているの! まえまえからおかしいとおもっていたけど、こんかいのけんでかくしんしたわ! たぶん、きっと、おやさいはかってにははえてくるものではないのよ!」 「あのかんぶありすはぶきみなのぜ! きっと、なにかよからぬことをかんがているのぜ! そしてそれはきっと、むれのゆっくりではなく、じぶんのゆっくのためなのだぜ! そんなかんぶはしんようできないのぜ!」 口々に長や幹部たちの不満を言うゆっくりたち。 だがそれらの不満は実に正鵠を得いていた。 「むきゅ!いいたことは分かったわ! でも多少不満があるとはいえ、群れを抜けるのは長に対する裏切りではなくて?」 「べつにうらぎったわけじゃないよ!むしろうらぎったのは、おさたちのほうだよ! まりさたちだって、いままで、おさやかんぶたちのむちゃくちゃに、さんざんがまんしてきたんだ! でもそのけっかが、おさたちとのしんじゅうだなんてじょうだんじゃないよ! まりさたちだって、べつにすきであのむれにうまれたわけじゃない! だいいち、むれをでていって、ほかのむれにはいっちゃいけないなんておきてはないからね! わるいことをしているつもりはないよ!」 「まっ、たしかにそれは道理かもね」 長ぱちゅりーは頷く。 「それにまりさたちだって、ただでむれににいれてもらおうなんておもってないよ! みんな!あれをだしてね!」 「「「「ゆゆ!」」」」 集まったゆくりたちが懐から何かゴソゴソと取り出す。 「あら!」 「みょん!あれは!」 「わかるよー!おやさいだよー!」 そう、集まったゆっくりたちが取り出したのは、かつて畑に生えていたお野菜だった。 「もしものときのために、たべずにとっておいたんだよ! このおやさいを、すべてわたすから、ぱちゅりーのむれにまりさたちをいれてね! そもそもまりさたちは、ぱちゅりーのむれにいれてもらったからといって、なにからなにまでせわになるきはないよ! えっとうのそなえぐらいかくじでちゃんとしている! ただ、このままあのむれにいるとゆっくりできなそうだから、ぱちゅりーのむれでほごしてもらいたいんだ!」 切実に訴えるゆっくりたち。 集まったゆっくりたちは、長れいむの群れにあっても、お野菜を食い散らかさずにきちんと越冬の備えをしていたごく少数のゆっくりたちだったのだ。 先見の明があったこれらのゆっくりたちは、これ以上あの群れに留まっているのは危険と考え(越冬の準備をしていないゆっくりたちに食料を力ずくで強奪される可能性が高い)、 長ぱちゅりーの群れへと移住を決意したのだ。 「むきゅ!なるほどね!ちゃんと考えあってのことらしいわね! わかったわ!あなたたちの、群れへの移住を許可します! ちぇん!みんなを群れに案内してあげて!」 「わかったよー!みんなこっちだよー!」 「「「「ゆっくりありがとね!」」」」 幹部ちぇんに連れられて、ぞろぞろと群れに入っていくゆっくりたち。 皆一安心といった表情で、笑顔だった。 「みょん!いいのかみょん? あんなにかんたんに、うけいれて? もしかしらた、れんちゅうはすぱいかもしれないみょん!」 幹部みょんが警戒するように言う。 「考えすぎ……とまでは言わないけれど、その可能性は限りなく低いわね。 越冬準備不足で混乱している長れいむたちの群れが、少数とはいえ越冬できるだけの食料を持たせてゆっくりを送り込んでくるなんて、 そんなこととても考えられない。 第一私たちの群れの一体何をスパイしようというの? 長れいむの様子を聞く限りじゃ、未だにはめられたことにすら気づいてないみたいじゃない?」 「みょん!そういわれてみればそうだみょん!」 納得したように頷く幹部みょん。 さて、今更あえて説明するまでのないことだが、一応ここでネタばらしをしておこう。 今、長れいむの群れを襲っている混乱。 その根源は長ぱちゅりーたちの策略によって引き起こされたものである。 かねてから奴隷か、戦争かの二択を迫っていた長れいむの無茶な要求に困り果てていた長ぱちゅりーたちは、 この現状を打破するためにある一計を案じた。 それこそがこの、土地のこうっかん作戦である。 そのやり方はこうだ、まずは今まで長い間群れの奥で隠しながら栽培していたお野菜の情報を大々的に流出させる。 この情報を早速耳にした長れいむたち幹部一同は、案の定お野菜畑にやってきて、物欲しそうな目をしだす。 そこで、長ぱちゅりーは長れいむに、この土地が欲しくないかと持ちかけるのだ。 ここで大切なことは、長れいむ一匹のみと交渉することである。 これには二つの意味がある。 その一つは、長れいむと幹部たちの不和を煽るため。 幹部ぱちゅりーは、風の噂で長れいむと幹部たちがあまり仲がよくないという話を知っていた。 また、定期的に開かれる群れの会議でも、幹部まりさ幹部ありすは長れいむに渋々従っているような節が見られていたのだ。 これを最大限利用するために、長れいむのみを交渉相手に指名し、幹部たちの嫉妬や功名心を煽ったのだ。 理由の二つ目は、やはり長れいむ一匹のほうが格段に交渉がやりやすいからである。 特に戦争の際に、長れいむだけを狙う等の話は、二匹だけの密談の間でないと話題に出しづらい。 仮に出しても、幹部二匹に押し切られてしまう可能性が高い。 ゆえに長ぱちゅりーとしては、長れいむと一対一で交渉することは重要な意味があったのだ。 そして最後の難関としては、実際に長れいむが土地の交換へと応じるかという問題があった。 この部分だけは本当に賭けだった。 もし長れいむが自身の犠牲をいとわずに、戦争を選択していたらと思うとゾッとする。 当然その可能性は0ではなかったのだから。 だが、何度かの会議で長れいむの性格をある程度熟知している長ぱちゅりーは、 かなり高い確率で長れいむが土地の交換へ応じると踏んでいた。 そもそもの前提として長れいむの側だって、戦争はなるべく避けたいのではないか? そう長ぱちゅりーは推測していたのだ。 もちろんそう考える根拠はある。 長れいむが提案した合併奴隷法を長ぱちゅりーが最初に断ってから、最終的に長れいむが戦争を宣言するまでに、 随分と間が開いているというのがその理由だ。 長れいむの短気で幼稚な性格を分析するに、もし戦争というカードが自由に使えるのならば早々に、 それこそ始めに長ぱちゅりーが始めに要求を断ったときに使っているのではないか? それをせずに、何度もまどろっこしく、ゆっくりできない交渉を長れいむにしては我慢強く続けたということは、 戦争は向こうにとっても都合がよろしくなく、なるべくなら避けたいものだということの証拠に他ならない。 以上の推論をもとに、長ぱちゅりーは強気の勝負にのぞんだ。 そして結果はごらんの通りである。 長ぱちゅりーと長れいむは、野菜畑と広大な土地とを交換した。 この交換は双方が満足いくものだったが、実際の価値はとても釣り合っているものとはいえない。 いくら野菜が生えているとはいえ、少量の土地と広大な土地ではとても同等ではないだろうことは明らかだ。 にもかかわらず長れいむが交換に応じたのは、この土地を『お野菜が勝手に生えてくるゆっくりぷれいす』と勘違いしているからだ。 一般的にはゆっくりに、お野菜は勝手に生えてこないという事実を認識させるのは難しいとされている。 過去には何度もゆっくりに、お野菜が勝手に生えてこないということを教えよう、という試みが話として伝えられ、 そのたびに結局は失敗に終わったり、あるいはこんな簡単なことを悟らせるのに、割に合わない苦労を強いられてしている。 この最大の原因は、ゆっくりたちがお野菜が勝手に生えてこないということを理解できないのではなく、理解しようとしないことにある。 ゆっくりがお野菜は勝手に生えてくると強く認識しているのは、そちらのほうがゆっくりにとって都合がいいからにほかならない。 だからゆっくりは口をそろえてそう主張するし、そう信じる。 どれだけ現実を見せ付けてもそう簡単に考えを変えようとしない。 そして長れいむの群れのゆっくりたちもその例にもれず、ほとんどが理解しようとしないゆっくりだった。 だから長ぱちゅりーはそこを逆手に取ったのだ。 今まで秘かに栽培していた野菜畑を、ある日突然生えてきたと偽り、まんまと長れいむたちの広大な土地と交換した。 予想通り長れいむたちはお野菜は勝手に生えてくると信じ込み、そろそろ冬が近いというのに越冬の準備を怠った。 そして必然的に畑の野菜が減っていくにつれ、長れいむは徐々に求心力を失い、 代わりに幹部まりさ、幹部ありすが台頭することにより群れは空中分解することとなる。 さらにに幹部まりさが群れの約半数のゆっくりを連れ、人間の領土に攻め込むとう暴挙に出たために、群れは大きく弱体化。 とどめとばかりに僅かに残ってた優秀なゆっくりたちも、全て長ぱちゅりーの群れへと亡命したことにより、現在長れいむの群れへと残っているのは、 駄ゆっくりばかりという状態だ。 正直ここまでの結果は長ぱちゅりーとて予想してなかった。 当初の予定では、越冬に失敗させ、長れいむの群れの国力を長ぱちゅりーの群れと同等程度まで削ぐ、くらいの腹積もりであった。 だが今や長れいむの群れは半壊滅状態にある。 仮に戦争となっても確実に勝利できるだろう。 いや、わざわざ手を下さなくても、春まで待ってれば勝手に越冬失敗して滅びるに違いない。 それもこれも全ては長ぱちゅりーが土地のこうっかんを促したからだ。 だが同情はしない。 もとはと言えば、長れいむが土地の合併奴隷法なんて馬鹿げた要求を迫ったからこんなことになったのだ。 要するに自業自得だ。 そして長れいむは今でも自分の過ちに気づかずに、畑の前でお野菜が勝手に生えてくると信じ込んでいるらしい。 まあ、そんなに勝手に生えてくると信じたいならば、勝手に信じていればいいのだ。 決して勝手に生えてくることのない畑の前で、延々と信じ続ければいい。 どれだけあからさまな真実を突き付けられても、いまだに生えてくると信じ、畑の前で祈っているという長れいむは、 愚か、いやむしろ憐れですらあった。 「むきゅ!れいむはどうやらもうだめね、まりさも人間さんのところに攻め込むなんてバカげたことをするわ」 「みょん!でもそんなことしてにんげんさんのいかりにふれないみょんか?」 最もな疑問をもらす幹部みょん。 「多分……大丈夫だと思う……一回くらいなら……。 山狩りは時間と手間がかかるから、めったなことではやらないと聞いたわ。 でもほとぼりが冷めるまでしばらくの間は、いかなる理由があろうとも山を下りないように群れのみんなに徹底しておく必要があるわね」 「りょうかいしたみょん!」 頷く幹部みょん。 実際今からでは手の打ちようがない。 人間がどう出るかについては運を天に任すしかないのだ。 「幹部まりさのことはもうしかたないとして、あと残っているのは幹部ありすね。 亡命してきたゆっくりたちの話だと、いまだに何かよからぬことを考えてるらしいから、要警戒しておかないと」 「みょん!どうせたいしたことじゃないみょん!」 「だといいんだけれど……」 若干不安気に言う長ぱちゅりー。 ゲスゆっくりというのは、時に正常な理屈からでは全く想像もつかないような行動を取ることがある。 ゆえにそれらの行動を予想するのは難しい。 たとえ大した脅威ではないとわかっていても、何が起こるかわからないというのは不安なものなのだ。 こうして一抹の不安を残しつつも、長ぱちゅりーの群れは順調に越冬の準備を進めるのであった。 そしてまた少し月日が流れ、いよいよ越冬が目前と迫りつつあった頃。 「はえてきてね……おねがいだよぉ! おやさいさん、ゆっくりしないではえてきて!れいむをたすけてね! なんでこんなにおねがいしてるのに、はえてきてくれないのぉ! いじわるしないでねぇ!どうして!どうしてなのぉ! れいむなにもわるいことしてないよぉ!いまならゆるしてあげるよぉ! だからはてえてきてねぇぇぇぇ!ゆっくりしないで、はえてきてぇぇぇぇぇ!」 今ではもうすっかりお野菜を食いつくしてしまい、ただの荒地となった畑にて、 ぶつぶつと念仏のように懇願を繰り返す長れいむの姿があった。 長れいむはすっかりやせ細り、薄汚れ、その目には生気というものがなかった。 最後のお野菜を食いつくしてからもうだいぶ日が経つ。 その間全く食事をしていないのだからこの衰弱は当然だ。 今までお野菜食い放題で贅沢三昧していた長れいむは、いまさら狩に行くような生活には戻れない。 できることといえばこうして畑で無駄な祈りを捧げることぐらいなのだ。 ところで、今この畑には長れいむの姿しか見られない。 他にいたゆっくりたちは今では長れいむを完全に見限り、幹部ありすについていったからだ。 つまりは事実上今の長れいむは一人ぼっちであり、もう長でも何でもないただの駄ゆっくりに成り下がったというわけだ。 ここまできてしまえば長れいむは群れのゆっくりたちに、こんな事態になったことに責任として制裁されてもおかしくない状況である。 だがそんなことにはならず、一匹畑に放置されたままでいるのは、今では群れの実権を完全に握っている幹部ありすによって、 長れいむに手を出せば自分らが容赦しないと宣言したからである。 本人は知る由もないが、この宣言によりかろうじて長れいむの命は繋がっている状況であった。 では何故幹部ありすはこんな宣言をしたのか? 長れいむの身を案じて? そんなわけがない。 全ては自分のためである。 幹部ありすは物陰から秘かに、ぶつぶつと畑に呟いている長れいむを覗き見る。 「ゆほほほほほ!ころあいねぇ! それじゃ、そろそろいこうかしら!」 じゅるりと舌なめずりをし、その場を離れる幹部ありす。 向かう先は長ぱちゅりーの群れ。 今まで不気味に沈黙していた幹部ありすが、ついに動くときがきた。 「おさーたいへんだよー!むこうのむれの、かんぶありすが、おさとかいだんをしたいって、やってきたよー! いま、いりぐちのところでまたせてるけれど、どうするのー!」 おうちでゆっくりしていた長ぱちゅりーのところに、幹部ちぇんの声が響き渡る。 「みょん!とうとうきたみょんか! しかしいったい、いまさらなんのようなのかみょん!」 その場に一緒にいた幹部みょんが疑問を口にする。 「さぁ? 単純に考えれば、越冬用の食料の援助要請かしらね? もしそうだとしたら、少しぐらいは援助してあげてもいいと思ってるわ、 あの群れの勢力を削ぐという当初の予定は十二分に達成されてるしね。 まあどんな話がくるにしろ、いまさらこちら側がピンチになるようなことはないとは思う。 でもこういう楽勝ムードのときこそ油断は禁物よ。 最後まで用心していかないとね」 「こころえたみょん!」 長ぱちゅりーと幹部みょんが気を引き締めていると、外からは何か揉めるようなけたたましい声が聞こえてきた。 「まっ、まってねー!まだおさはあうっていってないよー! かってにはいってこないでねー!」 「うるさいわね!このいなかもの!おまえみたいなしたっぱじゃ、はなしにならないっていってるでしょ! さっさとそこをとおしないさい!」 どうやら幹部ありすは、幹部ちぇんたちの静止を振り切り、勝手に群れ内に進入してきているようだ。 「やれやれ、何やってるのかしらまったく」 どういう状況になっているのか、嫌でも想像できてしまうような展開に溜息をつきながら、長ぱちゅりーおうちから出る。 するとそこには案の定、幹部ちぇんと群れのゆっくりたちに取り押さえられている幹部ありすの姿があった。 「おとなしくするんだよー!わかれよー!」 「さわらないで!けがらわしい!はなしなさいよしたっぱ!ありすをだれだとおもってるの! ありすはおさにはなしがあるのよ!それをとめるとはなにごとよ!これはじゅうようなもんだいなのよ!」 取り押さえられたままジタバタともがいている幹部ありす。 何があったかは聞かなくても大体分かる。 大方やってきた幹部ありすが、取り次ぐから待ってくれといったゆっくりの静止を聞かずに、 勝手に群れに入ろうとしたところを取り押さえられたのだろう。 バカバカしい話だ。 「ほら、ありす、お望みの通りやってきてあげたわよ! だから暴れるのをよしなさい! あなたたちも放してあげなさい」 「わかったよー!」 「ゆう!」 長ぱちゅりーがやってきたことにより、おとなしくなった幹部ありすを放すゆっくりたち。 「んぼぼぼぼぼ!ごきげんよう!ぱちゅりー!あえてうれしいわ! でもあなた、ぶかのしつけがなってないようね!いきなりこのありすをつかまるなんて、ぶれいにもほどがあるわよ! こんどからは、にどとこんなことがないように、よーくいいきかせておいてちょうだい!」 自由になった幹部ありすが頬を膨らませる。 「それはありすが勝手に群れをに入ろうとしたからでしょ。 まあ、そんなことはどうでもいいわ。 何かぱちぇに話があってきたんじゃないの? さっさとその話をしてちょうだい!」 「ゆほほほほ!きがはやいのね!これだからいなかものはゆっくりしてないというのよ! まっ、いいわ! きょうはぱちゅりーにとって、とってもみみよりなはなしをもってきたのよ!」 「耳寄りな話? いきなり胡散臭いわね。 今のありすたちが、ぱちぇたちの得になるような情報を持っているとは思えないのだけれど?」 訝しげな表情の長ぱちゅりー。 「ゆふふふふ!そんなことないわ! これはぱちゅりーにとって、とってもおいしいとりひきよ! ぜったいにきいてそんはしないわ!ほら!きょうみがでてきたでしょう!」 ニヤニヤと三流セールスマンの売り口上のようなセリフを述べる幹部ありす。 対して長ぱちゅりーは早くも呆れ気味である。 「ふぅ、まあいいわ。 どうせ言うまで帰る気はないんでしょう。 だったらとりあえず言うだけ言ってみなさいな。 「んほほほほほ!そんなふうに、むりしてきょうみのないふりしちゃって!つんでれなのね! でもいいわ!ありすはとかいはだからゆるしてあげる! それじゃさっそくほんだいだけど、ねぇぱちゅりー、あなたありすたちのむれのおさになるきはない?」 「!?」 長になる気はないか? 幹部ありすの突然の提案に、驚きの気配を隠せない長ぱちゅりー。 そんな長ぱちゅりーの様子に気をよくしたのか、嬉しそうに話を続ける幹部ありす。 「ゆふふふ!きょうみをもってくれたみたいね! とうぜんよね!だってもしありすたちのむれのおさになれたのなら、ぱちゅりーは自分のむれと、 ありすたちのむれの、ふたつのむれでおさになることになる! それはつまり、このやまぜんたいのおさになるということだものね! きょうみがないはずがないわ!」 相変わらずのニヤついた笑みを顔に張り付けながら、幹部ありすはさらに続ける。 「いまありすは、たちばしょう、いちおうはかんぶのちいにおさまっているわ! でもじっしつじょう、むれをおさめているのは、あのくずれいむじゃなくて、このありすなの! あのくずれいむのしたについているゆっくりは、もういっぴきとていないのよ! すべてのゆっくりは、ありすのしはいかにあるわ! このいみがわかる?つまりは、くずれいむのおさのしょうごうは、それこそ、ただのかざりものというわけ!」 淡々と己の群れの現状を説明する幹部ありす。 「んほほほほほ!あのむのうれいむは、いまでもおやさいはたけでいっぴき、ぶつぶつとやってるわ! だから、このありすがちょっとめいれをくだせば、いともかんたんにえいえんにゆっくりさせることができのよ! そして、そのあとにのこったしたいを、ぱちゅりーにさしだせばどうなるかしらぁ? むのうなおさはしに、そしてゆいいつのこったかんぶであるこのありすが、ぱちゅりーをつぎなるおさとみとめるならば、 だれのもんくもなく、ぱちゅりーがありすのむれのおさとなるのよ! どう?すばらしいはなしだとおもわない?」 「へー!ぱちぇのために、長であるれいむをありすがわざわざ始末してくれるってわけ? しかもその長の地位を、ぱちぇに譲るですって! そりゃ随分と至れり尽くせりな話じゃないの?」 「ゆほほほほ!かんちがいしちゃこまるわね!もちろんこのありすがここまでやるからには、かわりにじょうけんというものがあるわ!」 「ふん!でしょうね!」 長ぱちゅりーが鼻で笑う。 この幹部ありすが、誰かの得になるだけの行動をするわけがないのだ。 ゆえに何か条件をつけてくることなど容易に想像できていた。 「ありすは、おされいむのくびをさしだすじょうけんとして、このありすを、かんぶたいぐうで、ぱちゅりーのむれへとくわえることをようきゅうするわ! おうちは、たっくさんのゆっくりが、かいてきにすめるむれいちばんのおおきさのものをよういして! もちろんえっとうようの、しょくりょうもわすれずにね! それから、これがいちばんじゅうようなんだけど、このありすせんようの、どれいをよういしてちょうだい! かずはそうね……おおまけにまけて、じゅっぴきていどでいいわ!そのかわり、むれいちばんのびゆっくりをよこすのよ! まっ、とりあえずはそんなとこね! これがありすのようきゅうする、さいていげんのじょうけんよ!むれひとつてにいれるとしては、はかくのじょうけんでしょ!」 「…………」 「…………」 「…………」 幹部ありすの条件を聞いた幹部ちぇん、幹部みょん、それに周りのゆっくりたちはみな黙っていた。 言葉がない。 開いた口がふさがらない 二の句が告げない。 何を言っていいか、どうやってこの幹部ありすを罵っていいのか適切な言葉が瞬時にみつからないのだ。 「一つ聞きたいたいんだけど、あなたはその条件で満足かもしれないけど、残されたれいむの群れのゆっくりたちはどうなるわけ? そのあたりのことがまるで言及されてないんだけど?」 そんな中、全く表情を変えずに幹部ぱちゅりーは問う。 実はこれは、まるで意味のない質問だ。 聞かなくてもおおよそ答えはわかっているし、たとえどのような答えが返ってきたとしても、長ぱちゅりーがこれから下す決断はかわらないからだ。 だがそれでも聞かずにはいられなかった。 「あら、なにそれ?そんなのありすのしったこっちゃないわ! だいたいれいむをころして、ひきわたしたあとなら、もうありすはれいむのむれのかんぶじゃなくて、 ぱちゅりーのむれのかんぶになるんだから、もといたむれのゆっくりたちが、しのうが、えっとうしっぱいしようがなんのかんけいもないわ! あたらしく、むれのおさになったぱちゅりーが、せきにんをもって、えっとうようのしょくりょうをわたすなり、ほうちするなりするといい! それこそ、いちかんぶであるありすのかんよするところではないわ!」 「そう、わかったわ」 全てわかった。 要するに幹部ありすは、長れいむや、群れのゆっくりたちを見捨て、利用することで自分だけ甘い汁を吸おうというのだ。 もとよりそのためだけに、長れいむを生かしておき、群れのゆっくりたちのリーダーとなったのだ。 長れいむや、幹部まりさは、ゲスで愚かでどうしようもないゆっくりだったが、まだ多少は(ほんのちょびっとだけ)群れのことも考えていた。 だが幹部ありすは違う。 一から十まで本当に自分のことしか考えていない。 そもそも幹部ありすは長や幹部の地位、あるいはお野菜ぷれいすなどにはそれ程執着心がないのだ。 無論それらがあるに越したことはない、だが幹部ありす本当の目的は自分を中心としたすっきりはーれむを作り出すことなのである。 今までに幹部となり、さらには長の地位を狙っていたのは所詮そのための足がかりに過ぎない。 ゆえに、ゆっくり以外の人間を奴隷にしようとしていた、幹部まりさの誘いになど乗るはずもなく、 この山に残ったのは、群れのためでも人間を恐れたからでもなく、自分の目的のために群れを裏切る算段を思いついたからだ。 いや別に裏切ったわけではないか。 始めから幹部ありすは、群れのことなどこれっぽっちも考えていないのだから。 全ては自分が理想とする、はーれむぷれいすを作り出すため。 そのためならば他のゆっくりがどうなろうが、知ったことではないのだ。 「ゆほほほ!しつもんはそれだけかしら!それじゃけつだんをきこうかしらね! もっとも、かんがるまでもないはなしだとおもうけど!」 「そうね、考えるまでもないわ」 「あらあら、それはなかなかに、とかいはね! ぱちゅりーとはかんぶになってからも、うまくやっていけそうだわ! じゃあ、きくまでもないことだけど、みんなのまえではっきりとこたえをせんげんしてもらえるかしら! うたがうわけじゃないけど、れいむをしまつしたあとで、やっぱりそんなはなしなかった、なんていわれるとこまるからね!」 幹部ありすは左右を見回しながら言う。 今ここに集まっているゆっくりたちを、この話の証人にしようというわけだ。 「いいわよ別に。 じゃあ答えるけど、この取引はお断りよ! 到底受け入れられるものじゃないわ! さぁ、これで話はお終いでしょ。 さっさと帰りなさい。 そして二度とこの群れ来ないでちょうだい!」 「……ゆほ?」 キョトンとした目になる幹部ありす。 あまりにも自身が予想していた答と異なるために、理解が追いつかないのだ。 「みょん!いつまでそこでぼーっとしてるみょん!ようがすんだのならさっさとでていくみょん!」 「わかるよー!そんなところでつったってられると、じゃまなんだねー!」 いつまでも静止したままの幹部ありすに、幹部みょんと幹部ちぇんが帰るように促す。 周りにいたゆっくりたちもまた、そうだそうだと同調する。 「ちょ、ちょっとまちなさいよおおおおおおおおお! なんなのいったい! ことわるって、なによ! ちゃんとありすのいっていることのいみをりかいしているの! いまなら、ありすのようきゅうした、かんたんなじょうけんをのむだけで、おさになれるのよ! それをことわるなんて、しんじられないわ!もういちどしっかりかんがえなおしなさいよ!」 ようやく頭に理解が追いついたのか、納得いかないといった風にわめきたてる幹部ありす。 しかし長ぱちゅりーはとりあわない。 「はっきり言って、あなたたちみたいなゆっくりの群れの長をやれなんて、どんなに頼まれてもごめんなのよ。 それなのに幹部にしろ?おうちを用意しろ?奴隷をよこせ? バカじゃないの? まあ、実際バカなんだからこんなこと堂々とできるんでしょうけどね」 「ゆっ、ぐっ!なによ!そんなにこのじょうけんがきにくわないの! だったら、どれいはいっぴきへらして、きゅうひきでいいわよ!けちんぼね! ほら!これでもんくないでしょ!さっさとありすとのとりひきをうけいれるといいなさいよ!」 何を勘違いしたのか、要求を譲歩し出す幹部ありす。 そもそもそういう問題の話ではないということを、どうやら理解できていないらしい。 「恥ずかしいゆっくり!」 そしてそんなふざけた態度の幹部ありすを、幹部ぱちゅりーは怒気をはらんだ一言で切って捨てた。 「もう何も話すことはないわ。 これ以上ごねるようなら、力ずくで追い出すことになるわよ!」 「ゆっ、なっ、ゆぐぐぐぐぐぐぐ!」 悔しそうに唸る幹部ありす。 見れば先程から、幹部みょんと幹部ちぇんがじりじりと幹部ありすとの距離をつめてきている。 何か不審な動きをすれば、すぐさま取り押さえにくるだろう。 多勢に無勢、周りには他のゆっくりもいるし、今幹部ありすにできることはそう多くない。 「ちきしょおおおおおおおおおお!おぼえてなさいよおおおおおおおおおおお!こうかいさせてやるわああああああああ!」 そして幹部ありすは、許された数少ない選択肢である、おとなしく帰るという選択した。 その際に言い放った小悪党が言うような捨て台詞はもはやお約束である。 事実小悪党なんだからこれは仕方がない。 こうして、幹部ありすの愚かな企みは瓦解した。 それはつまり、長れいむの群れの脅威が完全に去ったことを意味する。 この瞬間、長ぱちゅりーたちはついに群れ始まって以来の危機を乗り切ったのであった。 つづく
https://w.atwiki.jp/ankoss/pages/3672.html
『裏切り者の話』 30KB 観察 差別・格差 同族殺し 駆除 自然界 二作品目 比較的テンプレ? 比較的ゆっくりが頭いいです。 誤字脱字があるかも知れません。 裏切り者の話 人間の住む街から10㎞ほど離れた青々とした山の中。ここには100匹程度のゆっくりの群れが幾つも点在していた。 この山に人間は滅多に来ない。せいぜい山に住居がある者がたまに、申し訳程度に歩いている位ある。つまりは、ゆっくりにとって此処は楽園という事だ。 しかし山の資源は有限である。増えれば当然食糧は採れなくなる。そうなれば、さまざまな障害も生まれてくるものである。 「おさ!もうがまんできないのぜ!となりのむれにそうこうげきをかけるべきなのぜ!」 「このままじゃむれはぜんめつなんだねー。わかるよー」 「むきゅう……まりさ、そんなことをいったってこのむれにはもう、たたかえるようなゆっくりはいないわ……。つよいゆっくりはみんな、まえのたたかいで えいえんにゆっくりしてしまったし……」 「あのときはうんがわるかったのぜ!ふいうちさえされなければ、あんなことにはならなかったのぜ!」 とある、小さな群れのまりさが声を荒げている。このまりさはこの群れのナンバー2である。力も強く、狩りも上手で、群れのカリスマ的存在だった。 ……がそれも今は昔。この群れは現在、食糧をめぐって隣の群れと抗争中なのだ。その結果、半数以上のゆっくりが地面のシミとなった。 残っているのは子ゆっくりと番の片割れ、そして長と一部の幹部だけである。 この群れに逃げ道など無い。戦えば確実に敗北し、逃げ出した所でこの食糧難でぱちゅりー達を受け入れてくれる群れなど何処にもいない。 「ゆぅ……こうなったのもあのげすまりさのせいだよ!」 「れいむ!あのげすのはなしはするんじゃないぜ!」 「ゆ、ごめんなさいまりさ……」 それは一週間前に遡る。 その時はまだ、隣の群れとも共生し、少ない食事ながらも皆が何とか生き長らえていた。まりさは長の家へ向かい、今日取って来た食糧を納めに行った。 「ゆ!おさ!きょうはきのこさんがとれたのぜ!」 「さすがまりさだわ!とってもとかいはよぉ!」 「むきゅ、それをしょくりょうこにはこんで、それといたんできたきのみさんをそろそろたべないといけないからもってきてちょうだい」 「わかったのぜ、おさ!」 「さっすが、おさのみぎうでだね!れいむのおちびちゃんも、おおきくなったらまりさのようになってね!」 「わかったよ!まりさもまりさおじさんみたいにりっぱなゆっくりになるよ!」 「ゆへっ、あんなぐずになろうだなんて、そいつはたいしたものなんだぜ~」 「ゆ!?まりさ……!」 れいむの振り向くその先には、少し帽子が破け、顔に大きな傷のあるまりさが現れた。 「ゆ!なにしにきたんだぜ!?ここにはきてはいけないやくそくなのぜ!」 「ゆっへっへっひどい、いいぐさだぜ。ひさしぶりにあんこがからっぽのばかあねのすがたがこいしくなってわざわざきたというのに、だぜ」 「むきゅ、まりさ。あなたはいま、おきてをやぶってにんげんさんのおうちにいったばつをうけているのよ。わたしたちはあなたにしょくりょうをわけることはできない。 それをわかって……」 「なにいってるのぜ。べつにまりさはしょくりょうがほしくてきたわけじゃないのぜぇ、まぁここはひとまずたいさんするのぜぇ」 そう言うと傷まりさは何処かへと消えていった。 「まったく、あいつはなにをかんがえているのぜ。むかっしからゆっくりしていないおかしなやつだったけどきょうはいじょうなのぜ」 「むきゅ、しまいなのにあそこまでせいかくがちがうのもふしぎなものね」 「あんなのがじぶんのいもうとだとおもいたくないのぜ……」 少し時が経ち となりの群れにて…… 「しょくりょうこはおそらく、あとたいようさんがじゅうものぼればつきるのぜ。このむれのほうがゆんこうがおおいから、たいしてたしにはならないとおもうのぜ むれでとくにつよいゆっくりは…………」 「ごくろうだったわね、まりさ。ほうしゅうとして、さんさいさんをあげるわ。こんごも、とかいはでやくだつじょうほうをよろしくね」 「……ふん、もらっていくのぜ」 「ニヤァ」 「なんていうとおもったのかぜ!」ドスッ 「ぎゃあああああああああああああああ!?」 『おさぁああああああああああああああああああああああ!!?』 「まりささまをだまそうとするんじゃないのぜぇ。さんさいさんはにんげんにけんっじょうするのがこのむれのおきてだったはずだぜぇ? まぁそんなどくのにおいがぷんぷんするさんさいさんなんて、にんげんはたべないとおもうけどだぜぇ!」 「いだいいいいいいいいいいい!!!あのまりさをごろぜぇええええええええええ!!!」 「へっ、それだけげんきならしなないのぜぇ!」 「しねえええええええええまりさあああああああああああああ!ゆぎゃ!?」 「さっさとしぬみょん!!び!?」 「ちぇんにかてないんだねー。わかれ…びゃ!?」 「でてこなければやられなかったのぜぇ」 「れいむのおべべがぁあああああああああああ!!?」 「なにもみえないみょおおおおおおおおおおん!?」 「わぎゃらないよおおおおおおおおおおお!!」 「おさとかんぶたちがとなりむれのまりさにころされたよぉおおおおお!!」「これからはゆかりがおさになるわ!みんな!となりのむれにほうふくするのよ」 「そうなんだよー!これはおさたちのとむらいがっせんなんだねー。わかるよー!」『ゆっゆっおー!』 夕暮れ時 食糧庫の整理が終わった後、まりさは番のありすが待つ自身の巣穴へ向う。そして巣穴のある木が見えてきたところで、何故か近所のゆっくり達が群がっているのが分かった。 「ゆ!まりさがかえってきたよ!」 「ちーんぽ」 「ゆゆ!?れいむ、これはなんのさわぎなのぜ?」 「みょん……、まりさ、おちついてほしいみょん……」 「いったいどうしたんだ……ぜ?」 まりさは自分の巣穴の中を見た。そこはカスタードと餡子でグチャグチャになっていおりゆっくりの皮が其処彼処にへばり付いていた。それはまりさの子供たちであった。 「お……おちびちゃああああああああああああん!?れいむ!!これ、どういうことおおおおおおおおおおおおお!!?」 「れいむが…れいむのおちびちゃんとゆっくりしていたとき……、まりさのおうちからゆっくりできないこえがきこえてきたんだよ……。それでれいむはしんぱいになって ちぇんをよんだんだよ……」 「ちぇんがきたときには、なかはこうなっていたんだねー。そのあと、おそとをみまわしたらまりさがありすをひっぱっていくのがみえたんだよー」 「……まりさって、まさか!?」 「おぼうしとおかおにきずがあったんだねー。まちがいなくあのまりさだってわかったよー」 「ぐっ……!!!」 まりさは何が何だか分からなかった。なぜ妹のまりさはこんな事をしたのか。が、そんな考えはすぐにどうでもよくなった。 あの妹は生まれた時からゆっくりしていなかった。生まれた時、誤って石に顔面をぶつけてお飾りが破れ、顔に大きな傷を持った。破れたお飾りはゆっくり出来なかったが それでも他の妹達と同じよう平等に扱ってきてやったのに奴は全然ゆっくりしていないどころかゆっくりできない行動ばかりする。そうだ、あいつはそういう奴なのだ。 他ゆんの邪魔ばかりするどうしようもないゲスなのだ。それでも姉妹だからと色々面倒を見てやったのに結局はこれだ。 まりさの憎悪が渦を巻く。まりさは「奴を殺す」と心の中で誓った。 「まりさはげすをさがすのぜぇえええ!!!」 「今から!?もうおひさまがだいぶおちてきてるわ!いまいったられみりゃに……」 「まりさはれみりゃにまけるようなざこじゃないのぜぇえ!!!」 「ゆっ、それはしってるけど……」 「たたたたいへんだぁあああああああああああ!!」 「あら?あなたはおさのところのまりさちゃん。どうしたの?」 「となりのむれのゆっくりたちがせめてきたんだよぉおおおおおおおおおおおお!!!」 『な、なんだってぇえええええええええ!!?』 ゆかり率いるゆっくりの群れが、長に面会もする事無く、いきなりこの群れを攻撃してきたのだ。 殆どのゆっくりが個々の巣穴でゆっくりしている時の襲撃だ。あっという間に群れのつわもの達が殺された。いや、つわもの達だけが狙い殺された。 「おお、よわいよわい。それともれいむがつよすぎたのかもね!つよすぎちゃってごめんね!」 「おじびぢゃ……にげ……」 「ゆっひゃあーーーーーー!おぶつはまりさのぺにぺにでしょうどくなのぜぇえええええええええ!!!」 「ゆびゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」 「やめでぇええええええええ!!!!ちぇんのおじびじゃんにぃいいいいいいいい!!!」 「うるさいちぇんはさっさとしね!しね!」 「わぎゃらな……、もっと……ゆっぐり……」 「ここのしょくりょうはすべてとかいはなありすがいただくわ!!あなたたちはさっさとしんでちょうだい!!!」 「たんしょ!ほうけい!!」 「そ、それはあしたのためのだいじなゆぎゃあああああ!!!いだい!いだい!!やべでぇえええええ!ぷーすぷーすしないでぇえええええええええ!!!」 「「みゃみゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」」 「むーしゃむーしゃ、うっめ!このちびめっちゃうっめ!!」 「やめでえええええええええ!!れいむのおぢびちゃんだべないでぇええええええええええ!!!」 「んほぉおおお!れいむとかいはなおしりねぇえええええ!!」 「いやあああああああああ!!すっすぎりいいいいいいいいいいいいい!!!…………もっどゆっぐり」 群れ中が阿鼻叫喚で溢れる。ゆっくりの中の倫理、掟、常識、ここでは全てが何の意味を持たない。ただひたすら下劣に汚されていく。 「ゆかりさま、よろしいのですか?このようなことをゆるして……」 ゆかりの右腕、参謀のらんが苦言する。この群れの中でもゆっくりとしての品性、プライドが高いこのらんは、今回の作戦が嫌だった。 群れの中でもゲスと呼ばれる物達を集め、攻めさせるのだ。報酬は各々がかつて起こした掟破りへの免罪符である。さらに、相手のゆっくりには何をしても良い というサービス付きだ。血の気の多いゲス共がこれを断る訳が無い。仮にこの作戦が失敗しても、死ぬのはゲスだけ。こちらには痛みが無い。群れの本来の兵は別にいるのだ。 「ふふふ、かまわないわ。なんであれ、このむれをつぶせればね。あとのことは……まぁなんとかなるでしょう」 「ですが……、こんなごろつきども、いつなにをしでかすか……」 「なにかしでかしたら、こっそりほうむりさればいいんだねー。わかるよー」 群れ一番の戦闘派、幹部のちぇんである。 「ちぇええええええええええええええええええええええええええええええええん!!!」 「らんしゃまうっとうしいんだねー。いいかげんわかれよー」 「ちぇえええええん……」 「おさぁああああああ!たいへんですぅ!!」 「あらどうしたの?まりさ」 「てきのおさのいえにせめていったまりさのぶたいがぜんめつしましたぁああああああああ!!!」 「っ!……どういうこと?」 「じつは……おさのいえにはいろうとしたらむれのかんぶたちがうしろからせめてきて……」 「めいれいどおりにうごかなかったの!?」 「うごきましたぁああああ!!でもおうちにいなくて!!!」 「そう……そしてそのことをほうこくもせずにいたのね」 「ゆっ!?それはじかんがなくて……」 「そう?すっきりーするじかんはあったのに?あなたぺにぺにのところにかすたーどがついてるわよ」 ブスッ「ゆがぁ!!?」 ちぇんがまりさの体に枝を刺す。枝は真っ直ぐまりさの中枢餡を貫いた。 「やくたたずのくずはいらないんだねー。わかれよぉお?」 「ちぇ……ん!?もっど………ゆぐ……」ドサ まりさは苦戦していた。まりさの巣に集まっていた幹部と共に長の家へ向かった時にはすでに、群れの勇士の殆どが死に絶えていた。 「ゆぎゃ……!!!!?」 「ちぇん!?」 そして今も、長の子である子まりさが死んだ。子まりさは同世代の中ではズバ抜けて狩りが上手である事で有名だった……。これであとまともに戦えるのはまりさと 群れ一番のはくろーけんの使い手のみょんだけである。しかし敵は一向に数が減らない。後ろには長と非難した群れの仲間達、前方は敵の大軍勢、勝ち目はない。 と、その時である。上空からバサバサと羽音が聞こえてきた。そう、れみりゃだ。れみりゃの群れが死臭につられてやって来たのだ。 「うー、あまあまがたべほうだいなんだどー」 『れみりゃだぁあああああああああああああ!!!』 「まりささまはまだしにたくないんだぜええええええ!?」「れいむはこっそりにげるよ!そろーりそろーゆぎゃあああどおじでれいむをおそうのぉおおおおおお!!!?」 「ぐるなぁあああああ!!!れみりゃはぐるな!あ!やべでまりさのあんごずわないでぇええええええ!!」「んほぉ!とかいばああああああああああああああ!!」 「いまだみょん!」 敵は完全に混乱した。 倒すなら今しかない。まりさもみょんもそれを悟った。 「ゆべし!」「ゆぎゃぁあ!?」「どがい!?」 「ぶべっ!!」「ふぎゃあああ!!!」 れみりゃから逃げているものを枝で刺す。刺されたゆっくりは倒れ、れみりゃに食われていく。 襲ってきたれみりゃは容赦なく攻撃する。しかし殺さず、あくまで牽制としてだ。間違ってもやり過ぎて、れみりゃ達を撤退させる訳にはいかない。 「しようきあり!だみょん!……ゆ?」 敵の多くが死に絶え。れみりゃ達が腹を膨らませて帰っていく。 その中でみょんは、小さな崖の上でこちらを見つめている見覚えのあるゆっくりを見つけた。傷まりさだ。 「まりさ!ここをたのむみょん!みょんはとおくのてきをせめるみょん!」 「ゆ!?だいじょうぶなのかぜ!?ここのてきをたをしてすこしやすんだほうがいいのぜ!」 「だいじょうぶみょん!みょんのたいりょくはそこなしだみょん!」 「……そうか、じゃあたのむぜ!」 「みょん!」 みょんは傷まりさの事を教えなかった。教えれば周りが見えなくなり、ここの守りが脆弱になる。そして万が一、傷まりさを追ってまりさが死んでしまったら この群れはやっていけなくなる、そう思った。みょんは腕は立つが、まりさほど狩りは上手くない。だからこそまりさを生かしたいのだ。 しかし傷まりさを逃す訳にはいかない。だからこそみょんは行く。みょんの腕なら傷まりさに勝てる。ありすの事を聞き出し、制裁し、あわよくば生きて連れ帰る。そう踏んでいた。 「ずいぶんとくるのがおそかったのぜ」 「はぁ、はぁ、まりさ!ありすはどこだみょん!!」 みょんと傷まりさが対峙する。 「あぁ、あれならまりさのうしろにいるのぜぇ……?」 「!?」 まりさが体を退ける。するとそこに、黒くてグズグズになった何かがあった。しかし、それに付いているカチューシャによって直ぐにみょんは、それがありすなのだと解った。 頭には多くの茎が成っており、すっきりー死させられたのが安易に想像できる。 「そいつはもう用済みなのぜ……。あのくそまりさにありすは、まりささまとじょうねつてきなすっきりーをして、おおよろこびしながらしんでいったとつたえるのぜぇ……」 「このどくされげどうがぁ!!……みょん!!!」 みょんは枝を持って突進する。しかし度重なる戦闘の上、ここまで走って来たのだ。流石のみょんも疲労で思う様に動けなかった。 普段のみょんならば傷まりさを倒せただろう。しかし傷まりさは難なくみょんの攻撃を右に回避する。傷まりさはすぐに間合いを取り様子を見る。 「ふん!くさってもみょんだぜ……、ちかづけばさすがのまりささまもあぶないのぜ…」 「ならさっさとあきらめるみょん!」 「そうはいかないのぜ、なぜなら……」ペッ ドスッ「みょ……ん?」 傷まりさは、さっき右に避けた際、お下げの中に隠していた釘を口の中に含み、それをみょん目掛けて飛ばしたのだ。 疲労で動きの鈍いみょんは避ける事が出来ず、釘は下腹部に突き刺さった。 「ぐぅう……」 「じっえんど、なんだぜ」 「このぉ……!」 「おいおいそんなにうごいちゃなかみがでちまうのぜ。もはやしょうぶはついたのぜ。さっさとしっぽまいてかえるのぜぇ」 悔しいが傷まりさの言う通りだった。これ以上戦えば確実に出餡多量で死んでしまう。しかし今すぐ戻ればもしかしたら助かるかもしれない。 最も傷まりさが自分を逃がせばの話だが……。 「ぐぅ……おぼえていろみょん!」 このまま戦っていても勝機が無い事を理解しているみょんはトドメを刺されるのを覚悟しながら、一端群れへ戻ることを決める。 しかし傷まりさは逃げ行くみょんに目もくれずこの場から去って行った。 「ね、なんとかなったでしょう?」 ゆかりは高台からゆっくりの残骸を見下ろしながら言う。結局、ゲスの兵士達は殆どれみりゃと群れのゆっくりによって殺された。 「うー、こっちにもあまあまだどー!」 「しょうじょしゅう!」ハァー 「ぐざいどぉおお!!にげるんだどぉおおおおおおお!!!」 「けいかくどおりなんだねー。わかるよー。(あいかわらずばばあのいきはくさいんだねー、いいかげんわかれよー)」 「ゆかりさま、きずまりさがきました」 らんが言う。後ろには傷まりさが立っていた。 「よくやったわね、まりさ。あなたのおかげでこのあたりしゅうへんも、わたしたちのものとなるわ」 「ふん、まだおわってないのぜ。おさと……おさのみぎうでのまりさのしがいがないのぜ」 「みぎうで?」 「そいつをたおさないかぎり、このむれはしなないのぜ」 「……そう、ちなみにそのみぎうでとやらはつよいのかしら?」 「つよいぜ。まるごしどうしならむれのえいゆん、みょんにもまさるのぜ」 「ゆかりさまー。ちぇんはそのまりさとたたかってみたいよー」 「そう、すきになさい。ちぇん」 「ありがとうなんだねー。ちぇんはきっとそのまりさをあんこをはかせながら、ぜつぼうにうちひしらせてむごたらしくころすんだねー」 ちぇんは恐ろしい形相で、ニタリと笑いながら言う。らんはそんなちぇんの姿を見て恐怖した。 戦いが終わり、まりさは長の家にいた。そこには群れ中から生き残り達が集められ、怪我の治療や、食事などをしていた。その姿には一片の生気も無く 大人のゆっくりは皆、絶望に顔を歪ませており、子供のゆっくりはそれを不安そうに見つめている。 「そう……。おちびちゃんがしんだのね……」 「すまないのぜ、おさ……。まりさもがんばったけどまもってやれなかったのぜ」 「いいのよまりさ。あのこもむれのためにひっしにたたかった。きっとゆんごくでもそのことをほこりにおもっているとおもうわ」 長パチュリーは我が子の死を聞き、涙を流したかった。だがそれをここで見せる訳にはいかない。群れの生き残りたちに不安を与える訳にはいかないのだ。 「おさぁああああああ!たいへんだぁああああああああああああ!!みょんが……!みょんが……!」 「なにがあったの!?」 「どうしたんだぜ!?」 長とまりさが外へ出るとそこには餡子をダラダラと流し、今にも死にそうなみょんの姿があった。 「みょん!?どうしたんだぜ!!!」 「まりさ……。あいつにやられたみょん……」 「そんな!むれいちばんのはくろーけんのつかいのみょんがどうして……!?」 「だれだってまけるときはまけるものだみょん……。それよりまりさ……、すまないみょん……。ありすは……ありすはすでにころされていたみょん……」 「……!うそだ……うそだ!!うそなんだぜ!!!」 「すまないみょん……。せめて、あのうらぎりものだけでもたおそうとしたけど……このざまみょん……」 「だれか!みょんをはやくおうちにいれて!!」 「そのひつようはないみょん……。みょんは……もうておくれみょん」 「どおじでぞんなごどいうんだぜぇええええええええええ!!?みょんはこのむれのえいゆんなんだぜぇえええええええええ!!!?」 「そうよ!あなたはしんではいけないわ!!」 「むかしのはなしみょん……。」 かつてみょんはこの群れの危機を救った。それはまりさが独り立ちする少し前、村に侵入してきたふらんの群れに、たった一人で立ち向かい、撃退した。 実はまりさも、まりさの番のありすもふらんに襲われていた所をみょんに助けてもらい、それが元で両者は番となった。いわば恩人であり仲人なのだ。 「まりさはまだ、みょんにおんがえししてないのぜぇえええええええええええええ!!」 「おんがえしならしてもらったみょん……。みんながこわがって……いつもひとりだったみょんに……まりさとありすはいつもあかるく……ぐほぉ!」 「みょん!!」 「……だから、みょんは……まりさのきたいにこたえ…………ありす………」 「もうしゃべるんじゃないのぜぇ!!」 「まりさ……みょんのかわりに…………いきて………………」 「みょぉおおおおおおおおおおおおおおおおん!!!!?」 みょんは琴切れた。 ゆかりの群れ(前クイーンありすの群れ)はこの山で一番の規模を誇っていた。それは、この山のゆっくりの3割を占める程である。 なぜそこまで規模を拡大できたか、それは人間との協定である。ゴミ拾いや、山菜など人間も食べられる食料を毎月山に住む人間に納める事で群れの安全を保証されているのだ。 そして人間に保護されている事を知れば、余所から来たゆっくりは勝ち馬に乗る様にこの群れに入ろうとする。こうしてこの群れは強大な力を手に入れた。 が、しかし不安要素もあった。所詮、余所から来たゆっくりなど信用できない。しかしクイーンありすは来る物拒まなかった。数こそこの群れの力そのものと思っていた。 その事をゆかりは危惧していた。いずれ食糧難が起きると、そうなればよそ者はすぐに裏切るだろうと……。だから長のクイーンありすに争いのネタを持ちかけ 暗殺者として傷まりさを雇ったのだ。ゲスは全てこの戦いで処分し、よそ者中心で作った部隊で他の群れを攻撃すれば、群れを間引くのに丁度良いと思ったのだ。 そして現在、ここは群れと群れの間の駐屯地。先の戦いが終了し、本隊と合流した皆は勝利に酔いしれていた。次は早朝と同時に、あの群れを完全に落とすつもりだ。 「らん、あのまりさはどこへいったの?」 「きずまりさですか?やつなら……さっきどこかへいってしまいました」 「……みはりはちゃんとつけているの?うらぎりものはしんようできないわ」 「ごあんしんを……すでにつけています」 「そう、さすがらんね」 ゆかりは傷まりさを決して仲間として見ていない。しかしそれは傷まりさも同じであった。 「そういえばちぇんもいないわねぇ……?まぁ、ちぇんのことだからだいじょうぶだとおもうけど……」 その頃、まりさは 「ほんきなの!?まりさ!」 「ほんきだぜ……、やつらをやるには、まりさたちにかってゆだんをしているいましかないのぜ。あいてのおさをやれば……もしくは」 「けど……きけんすぎるわ!こんなまよなかにもりをあるくなんて……!!ふらんやれみりゃにおそってくれといっているようなものだわ!!」 「どのみちこのままじゃむれはぜんめつなのぜ!」 「……そうね、まりさのいうとうりだわ……」 「いってくるのぜ……、おさ……」 「ぜったいに、かえってきなさいよ」 「ああ、なのぜ」 まりさは外へ出て暗闇の中へと歩き始める。 傷まりさは生まれた時から他のゆっくりと違っていた。外見では無い。中身、頭がだ。 傷まりさはいつも疑問だった。「草や木の実は勝手に生える物」と大人達がこれを言う。しかしそれが理解できなかった。自分が何故ゆっくりしなければならないのか疑問だった。 ありす種のとかいはなこーでぃねーとが単に草花を散らかしているだけにしか見えなかった。みょん種の言うはくろーけんが単に枝を振り回しているだけにしか見えなかった。 そして何より、「人間さんはゆっくりしていない」これが一番理解できなかった。 傷まりさが初めて人間と会ったのは子供の時だ。子供の頃からゆっくり出来ない子供として煙たがられていた傷まりさは何時も一人で森を冒険をしていた。 そしてある日、傷まりさは一軒の人間の家を見つけた。そこには綺麗な花が咲いていてとてもゆっくり出来そうな場所だった。しかし、その近くにゆっくり出来ない物があった。 ゆっくりれいむとまりさである。二匹とも体中が痣だらけで今にも死にそうだった。その傍らには人間がいた。始めて見るのに傷まりさはそれを人間と理解した。 結局、双方とも人間によってあっという間に殺された。その光景を見て傷まりさはその夜、人間の事を両親に尋ねた。 両親は人間とは食べ物やゆっくりぷれいすを独り占めするくせに全然ゆっくりしていない愚かな生物だと言っていた。しかし傷まりさは 食べ物やゆっくりぷれいすはゆっくりだって独占している。その上ゆっくりは人間より弱いのに何故人間を馬鹿にするのか、と聞いた。両親は怒って傷まりさを制裁した。 傷まりさは思った。ゆっくりとはなんと弱くて頭の悪い生物だろうと。 「くるとおもったのぜぇ……くそあねェ……。おまえのことだからきょう、おさのくびをとろうとするだろうと……おもっていたのぜぇ」 「まりさ……おまえをころすのぜ」 まりさと傷まりさが対峙した。 「いまだからいうけどぉまりささまはあのむれがだいっきらいだったぜぇ。どいつもこいつもむのうであたまがわるくて、じぶんがせかいでいちばんのそんざいとおもっているのぜぇ」 「…………」 「おまえはいつもまりささまをじぶんのどうぐとしてつかってきたのぜぇ。ゆっくりできないいもうとをせわするりっぱなあねをえんじて、だぜぇ」 「たとえどんなにいわれようとも……、おまえのやってきたことはゆるされないのぜ」 「ゆるされない?げーらげらげら!!そもそもゆるされようともおもっていないのぜぇ!!!そしてゆるされることもないのぜぇ!!なぜならおまえはここで……!!!!」ガサァ 「ちぇんにころされるんだよー!」 草むらの中からちぇんが飛び出す。口には枝を咥えていた。 しかし、なんとまりさはその枝を口で受け止た。勢い余ったちぇんは枝が喉に刺さってしまう。 「あがっ……!!」 「ふん、こんなことでまりさがやられるとでも……ゆ!?」 「あまいんだぜぇ!!!」 傷まりさが横から枝を刺す。枝はまりさの頬を貫通した。思わぬダメージを受けたまりさは一端引いて様子を見る。ちぇんは軽く喉を傷つけただけで致命傷ではないようだ。 「ぎゃぁあああああああああああああ!!!よぐもじぇんののどをぉををををををを!!!?」 「ちっぃ!しぶといのぜぇ!!」 「ゆぐ!くそぉ!!」 ちぇんはあまりの痛さにそこら中を転げまわっている。まりさはちぇんの持ってた枝を構える。狙いは妹、傷まりさだ。 傷まりさも覚悟をしたのか枝を正面に構える。そして 「「ゆっくりしねぇえええええ!!!」」 両者、己の敵に向けて突進する。 「ゆべぇ!?」 「ゆぐぅ!!!」 傷まりさの枝がまりさの右目を突く。まりさの枝が傷まりさの右頬を破った。そして傷まりさは動かなくなった。 「ま、まりささまは……おまえのこと……だいっきらいだったんだぜぇ。おまえはあでぃすを……。あでぃすはやざじがっ……おばえなんがに……とられ……」 「はぁ、はぁ、ばかなやつなのぜ……」 そう呟いてまりさはこの場を去る。 ゆっくりとは頭の悪い生き物だ。都合の悪い記憶はすぐに忘れ、良い記憶は何時までも取っておくもの。しかし稀にそうでないゆっくりもいる。 それが傷まりさでした。傷まりさはゆっくりでありながら頭が良すぎた。故にゆっくりできない考えを多く持っていた。他のゆっくりと幾度となく対立した。 群れで傷まりさがゆっくりした事など数えるほどしか無かった。ある時傷まりさは自ら人間に会いに行った。そして色々な事を知った。数字、人間の住む町、飼いゆっくり、 野良ゆっくり、実に様々、知る事はとってもゆっくり出来た。しかし、何度も人間と会っていた事がばれてしまい、傷まりさは村八分状態に陥ってしまった。 そんな状態の傷まりさに唯一、優しく接してくれたのが幼馴染のありすであった。傷まりさは許せなかったのだ。ありすを姉に取られた事が。 「ぐぞぉおおおおおおおおおお!!ぐぞぉおおおおおおおおおおおお!!!」 「ちぇええええええええええええええん!!!」 ちぇんを心配し探し回っていたらんは、のた打ち回っているちぇんを発見した。 「らぁ、らんしゃまあああああああああああああああああああああ!!!」 「ちぇえええええええええええええええんぎゅえ!?」 「らんしゃまああああああ!!!ちぇんのためにごはんさんになってねぇええええええええ!!!あのくそまりさをちぇんはゆるせないんだよぉおおおおおおおおおお!!! だからおなかがすいてけがもしているちぇんのためにしんでねぇええええええ!!!がーつ!!がーつ!!」 「やめ……!ちぇ………………ん」 「……ふぅ、らんしゃまははじめてちぇんのためにやくにたったんだねー。だいすきなちぇんにたべられてきっとしあわせものなんだねー。わかるよー」 見つけた。ゆかり。あれが長だ。 草木の蔭からまりさはゆかりを発見した。 まりさはすぐにゆかりが長だと解った。他のゆっくりを見下しながらも、強大な威圧感、支配力、品性、まりさのゆっくりとしての経験と勘があれを長だと言っていた。 「やつを、……たおす!」 ゆかりの周りには誰もいない。やるなら今だ。 まりさは右目の傷跡から餡をドロドロと出している。最初で最後のチャンスだ成功しようが出来まいが、まりさの命はここで尽きるのだ。 「ゆおぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」 まりさ、ゆかり目掛けて突っ込む。だが 「ゆべぇ!!」 周囲に潜んでいたゆっくりの攻撃によってまりさは弾き飛ばされる。衝撃でまりさの右目から餡子が吹き出る。 「ざんねんだったわねぇ……まりさ」 「ゆげ……どぼじで…………」 「あなた……さっきまであなたのむれのうらぎりものとたたかっていたでしょう?あのまりさには、みはりがついていたのよ。」 「ゆぅ……!?」 「だからたたかいがおわったあとすぐにしったわ。あなたがここにくるって」 「ぞん……な……」 「まぁそんなにおちこまないで、あなたのむれはよていどうりちゃんところすから。あんしんしてしになさい」 「ゆっ…………ぐり……」 まりさは走馬灯を見た。楽しかった子供時代、番との間の初めての子供、優しい群れのみんな、全てが愛おしく、しかし全てが闇へと消えていった。 「むきゅう……まりさ……だいじょうぶかしら……」 「だいっじょうぶだよ!だってまりさだよ!?いままでなんどもむれのききをすくってきたんだよ!!だからきっときょうもだいじょうぶだよ!!!」 心配する長ぱちゅりーをれいむが諭す。しかし、大丈夫と言っておきながら、れいむの顔は真っ青だった。れいむだけじゃないこの群れ誰もが不安で仕方が無いのだ。 いっその事さっさと敵に攻めてこられた方が気が楽になるのではないかと思うが程に。 そんな時、そとから何かしらの物音が聞こえた。 「ゆっ!きっとまりさだよ!!れいむみてくるね!!」 「ちょ!れいむ!まちなさい!!」 「まりさおかえr」ベチョォ!! ゆっくり達がまりさの死体を処分する。放っておいても死臭でゆっくり出来ないからだ。 「さぁみんな!あすのたたかいにそなえてきょうはねるわよ!!けど、みはりはちゃんとわすれないようにね!!」 『ゆっくりりかいしたよ!』 「それにしてもらんとちぇん……どこにいったのかしら……」 「ちぇんならここにいるぞ」 あらぬ方向から声が聞こえた。そこには 『ゆ?』 「おい、どうした?皆でそんなに固まって」 『に……にんげんさんだぁああああああああああああ!!』 人間が立っていた。右手にはちぇんと見られる死骸があった。 「どぼじでにんげんざんがここにいるのぉおおおおおおおおおお!!!?」 「まりさはなにもわるいことしてないんだぜぇえええええええええええええええ!!!」 「たんしょう!ほうけい!!」 「に、にんげんさん。ゆかりたちになにかごようなの?ゆかりたちはなにもわるいことをしていないわ……」 皆、突然現れた人間に動揺する。ゆかりは逆らっても殺されるだけだと理解しているので。下手に人間の様子を探る。 「別に悪いことはしていないさ。ただ、今ならまとめて駆除できると思ったから来ただけでな」 その言葉でゆかりを含む、ほぼ全員の顔が凍りついた。 『く、くじょはいやぁあああああああああああ!!!』 「にんげんさん!みのがしてちょうだい!!ゆかりたちはべつに……!」 「悪い事はしていない。ただ隣の群れを襲っていただけだよな。ちなみに君達の群れだけど……既に駆除させてもらったよ」 「っ!どおしてぇええええええ!!!?」 「そりゃあ見張りも、まとめ役の長もいないんじゃ、夜中に襲えば一網打尽だろ?ゆっくりなんて夜は巣穴から出てこないし」 「!?どおしてむれのばしょをしっているのぉおおお!?それにゆかりたちのばしょもぉおおおおおお!!」 「それはね、とあるゆっくりから教えてもらったからさ。知ってるだろ顔と帽子に傷の付いたまりさを」 「な!?あのうらぎりもの……!」 「あいつはねぇ、あることを条件に俺と契約したのさ。情報提供の契約をね。だから君らの群れの場所も、戦っていた群れの場所も、何でも分かった」 「で、でもゆかりたちはにんげんさんときょうていを…………!ちゃんとやくそくをまもってきたわ!!」 「そうだね。でもここまで規模が大きくなるのは予想外だったからね」 「ぐう!!」 「君達だって知っているだろう?この森の食糧難を……これは全て君たちゆっくりが増えすぎたのが原因だ。だとすれば、最も規模の大きいこの群れを粛正するのが 最も手っ取り早い方法だろう?まぁどの道、この山の9割のゆっくりを駆除する予定なんだ。災難だと思って諦めな」 「ゆぐぐ……ここまで大きくなったのは……、まえのおさのせいで……」 「そんなの別に興味無いよ。ま、とりあえず君はこの箱に入ってね。ゆかりは高く売れるからね。君達通常種は悪いけどみんな死んでね」 『どぼじでええええええええええええええええええ!!?』 ゆっくり達が抗議する中、人間はガス銃を出した。弾は炸裂式のトウガラシ弾だ。弾はゆっくりの皮を破き衝撃で餡の中で破裂する。大抵のゆっくりを一撃で殺す優れものだ。 ちなみに使用には役所の許可が必要である。 パァン……! 「ゆぎゃあああああああからだがあづいぃいいいいいいいいい……もっどゆっぐりじだがった」 パァン……! 「ぶべ!!!」パァン……! 「どぼじで……でいぶが……」パァン……!、パァン……! 「もっどゆっぐじ……」 「じいぃいいんぼ………………」 「わぎゃらな…………」 「どが……いば…………」 「遅かれ早かれ……ただそれだけのことさ」 ゆっくりはあっという間に死に絶えた。 かつてのゆかりの群れは苦しみ悶えた表情の饅頭が散乱していた。 かつてのパチュリーの群れは其処彼処に餡子がこびり付き、甘い匂いが充満している。長の家は潰され、生き残った物の姿は見当たらない。 全てを終えて家に帰るとそこに、一匹の饅頭がいた。 「にんげんざ……やぐぞ」 傷まりさは頬から餡子を流している。地面にはナメクジの這った様な跡があった。 「ああ、お前のお陰で仕事がはかどったよ。約束はちゃんと守ってやる」 「ありが……ど……」 傷まりさはそのまま動かなくなった。 人間は家の中に入り。ゆかりの入っている箱を置く。ゆかりはもう色々と諦めているようにも見えた。 人間は今後の事を考える。とりあえずこれから殺したゆっくりの処理をしなければならない。でなければ明日には子蠅が集ることになるだろう。 それから明日、市役所に提出する報告書の制作……完全に徹夜である。 ゆかりは変態御用達のゆっくりパブにでも売ろうか。打算的な性格のこのゆかりはペットには向かないだろう。だがあそこならばモノ好きが高く買う。 それよりも問題はこっちだ。コレは売れるのだろうか?いや、しかし一応約束だからな。なんやかんやで、奴とも長い付き合いだった事だし。 人間はもう一方の箱を見る。その中には、カチューシャの無い一匹のありすが眠っていた。 あとがき 何も考えず本能赴くままに書いてみましたら、どうしてこうなった……。 最初は悪い人間とゲスゆっくりが手を組んで群れを壊滅させる。みたいな話を書く予定だったのですが ちぇんもラスボスにする予定がいつの間にかただの咬ませに(笑) あと実はゆかりんは殺してしまおうとも思ったのですが一応、希少種だしと生かすことに 前作にて誤字脱字が沢山あって本当に申し訳まりませんでした。 今回は「ばん」は無いと思います……多分。 過去作 anko3613(3610) ゆっくりを寝取ってみた
https://w.atwiki.jp/ankoss/pages/4164.html
『人間とゆっくり』 15KB 小ネタ 群れ 自然界 独自設定 こんなゆっくりがいてもいいよね ・虐待及び制裁描写無し ・愛でとも違うと思われ ・独自解釈 ・内容は浮き沈みほぼ無し ・分を弁えられるまりさ ・期待せずどうぞ 一匹の老まりさがいた。 聡明でよく気が利き、様々な困難を乗り越えてきた歴戦のゆっくり。 そんなまりさは、長く生きて経験をしたおかげで人間や他の動物などの事をよく理解していた。 「……なんでみんなりかいしてくれないんだろう」 そう呟くまりさの表情は悲しげだった。 まりさも最初は人間を誤解していたが、自分自身でそれが間違いだと気付いた。 事はまりさが若輩者だった頃に遡る。 「みんな、きいてほしいよ! まりさはこれからにんげんさんを『ちょうさ』してくるよ!」 まりさは群れの中心で高々に宣言した。 「ちょうさ?」 皆疑問に思った。人間を調査して何か言い事があるのかと。 ゆっくりしていない人間を調査しても、こっちがゆっくり出来ないだけではないかと。 「そうだよ! てきをしるためにはじょうほうがひつようなんだよ! だから、にんげんさんが『ぐうのね』もでないほどのしょうこをみつけて、つきつけてやるんだよ! そうすれば、おろかなにんげんさんも、まりさたちにまけをみとめるんだよ!」 群れのゆっくり達は湧いた。 まりさの素晴らしい計画に。 まりさは次の夏まで調査をすると言う。 長すぎるという者もいたが、完膚無きまでに敗北させるというまりさの決意に最終的に折れる。 「ゆっくりちょうさするよ!」 まりさは人間の住んでいる場所が良く見渡せる高台に居を構え、人間を観察し始めた。 無論、自分の狩りもしっかりやる。それくらいできずして群れ一番とは呼ばれない。 まりさは何度も人間を観察した。 昔はまりさも人間はゆっくりしていないとか、食べ物を占拠している、とか思ってたものだった。 だが、慎重だった性格が、人間を観察してみるという他のゆっくりには無い行動をさせた。 まりさは約一年、本当にゆっくりと人間を観察した。 敵を知るのは大事である、と考えたからだ。 そしてまりさは知った。 人間はゆっくりしている事を。 人間は食べ物を独占しているのではなく、作っている事を。 人間も狩りを行っている事を。 人間には人間の『おうちせんげん』がある事を。 その他数え切れないほどの誤解があった事を。 人間がゆっくりしていない、のではなく『ゆっくりせずにしていた』だけ。 ゆっくりは人間が家の中に入った後を見た事が無い。 当然だ。仕事をしている姿だけを見て『ゆっくりしていない』と決め付けたのだから。 人間は『ゆっくりせずに』仕事をしている。人間は『ゆっくりするために』仕事をしている。 そして夕刻に迫ると皆家の中に入ってゆっくりしている。 この時間帯はまりさたちゆっくりは野外活動を自粛し始める時間なので、見た事がなかったのだ。 人間は食べ物を独占しているわけではなかった。 まりさは見た。何も無い状態の畑をせっせと耕し、種を蒔き、そして収穫を待つ姿を。 最初は何をやってるか意味もわからなかったが、次第に理解できた。 人間はどうやっているかはよくわからないが、野菜が生えるようにしていると。 そしてこれが人間の仕事である事を。まりさたちで言う狩りだと。 人間も狩りを行っている。 人間はゆっくりが恐れる犬を従えて、他の動物たちを飼っている。 所謂家畜なのだが、まりさにはさすがにそれはわからなかった。 人間は他の動物を狩っているという印象をまりさは持った。 人間は強者である犬たちを従える、大きな強さを持った存在だと思い知らされた。 人間にもおうちせんげんはあった。 それはまりさたちとは違うものだった。 まりさたちはその場で宣言すればそれでいい。しかし人間は違った。 人間は自分の住居とした場所の近隣の家に何かを持って行っていた。 近くに行って聞いてみると、「最近ここにやってきた」「あの家に住む」など、ちゃんと宣言していたのだ。 ゆっくりは誰かにおうちせんげんを聞かれる必要はない。言った者勝ち。 それ故に、家を放置すると他の誰かに取られてしまう。 だから群れを作って自分の住居は他者に知られるようにする。 人間もそれを行っていたのだ。 ゆっくりがおうちせんげんすると人間は怒ると言う。 そうだ、自分たちも不法占拠されれば怒るだろう。自明の理だ。 まりさは人間のおうちせんげんを理解した。 まりさは一年の間に人間の『ゆっくりしている』部分をたくさん見た。 そして群れのみんなに報告する事にした。 「みんな、ちょうさけっかをはっぴょうするよ」 あまり元気は無い。しかし他のゆっくりは気にしない。一年ぶりに帰ってきたまりさがどんな話を聞かせてくれるか楽しみだった。 「にんげんさんは、とってもゆっくりしてたよ」 群れにどよめきが起こる。 人間がゆっくりしている。そんな言葉がいきなり出るとは思っていなかった。 「まりさ、なにをいってるの。にんげんがゆっくりしていないのはだれだってしってるじじつよ」 ぱちゅりーが言う。他の者も頷く。 人間と言うのはゆっくりする事が出来ない生物。これがゆっくり界の定説であり、長年言い伝えられて脳に刻まれている事だ。 「まりさはずっとかんさつしてわかったよ。ぜんぶごかいだったんだよ。 まりさたちがみていたのは『ゆっくりしていないとき』のにんげんさんで、にんげんさんはまりさたちがねちゃうころにゆっくりしはじめてるんだよ」 まりさは他にも調査結果を発表し、群れはその度にどよめく。 「そんなのうそなんだぜ!!」 若いまりさが叫ぶ。 「にんげんはまりさたちがてにいれるべきゆっくりぷれいすをうばったごくあくにんなんだぜ! なんでにんげんをかばうみたいなことをいうんだぜ! ゆっくりできないゆっくりはせいっさいしちゃうんだぜ!!」 自分たちの理解を超えた事を許容できない、ゆっくりの大半が持つ特性をそのまま表した言葉だった。 さすがに、一年もの間苦労して調査したまりさを制裁するとまではいかなかったが。 「じゃあ、みんなもまりさみたいにちょうさするといいよ。 そうすればよくわかるよ。にんげんさんがどれだけのくろうをしていきているのかわかるよ」 そう言われて調査をする者もちらほらいたが、結局自分たちの活動時間帯部分しか見ない上に、自分の事で手一杯でまったく人間を理解できないままだった。 「やっぱりにんげんさんはゆっくりしてないよ! あのまりさはうそつきだよ!」 「あのまりさ、もしかしてにんげんさんとつうじてるんじゃないんだろうかだぜ?」 「むきゅ、そうよ、あんなうそをつくなんてふつうじゃありえないはなしよ」 そんないい加減な調査では考えが改まる事はなく、結局まりさは嘘つきどころか人間の放ったスパイというレッテルを貼られる事になる。 さすがにこのままではいつか制裁と言う名のリンチにあうと理解していたまりさは、皆が起き出さない明け方に、夜逃げを慣行した。 それから、まりさは様々な群れに行っては人間に対する誤解を説いて回ったが、誰も信じなかった。 いや、信じている者もいたが、それを表立って認めては、大多数の否定派に粛清される事を恐れて何も言えなかった。 結局まりさは放浪する身となった。 しかし、そんなまりさにも賛同者は少なからずいた。 会った事も無い人間に対して持つ思想に言葉にならない疑問を持っていた一部のゆっくりが共に旅する仲間となってくれた。 ゆっくりできない愚かなやつら、として粛清されかけた事もある。 まりさは、すでにゆっくりという存在の中に自分たちの居場所が無いのだろうと考えた。 人間を理解してしまった以上、人間に誤解を持つ者たちと一緒にいても、ストレスにしかならない事は放浪している間に良くわかった。 自分で確かめたわけでも無いのに勝手な想像で物事を決め付けてはならない。これがまりさが身を持って知った事。 行き場を完全に失ったまりさたちは、いつしか人里に下りていた。 「まりさ、にんげんさんのむれにきちゃったよ。あぶないよ」 いくら人間を理解したと言っても、自分たちはゆっくり。人間からすれば敵である。 人間を理解したからこそ、余計に人間との距離をとっていた一行は、おどおどとしはじめる。 しかし、まりさは決意の目で人間の家に入っていった。 「ま、ま、まりさなにやってるの! ころさてしまうわよ!!」 仲間のありすが小さい声で叫ぶが、まりさは聞かなかった。 そして仕事中の人間に声をかけた。 「にんげんさん、ゆっくりしていってね!」 「なんだ、またゆっくりか……処理するのも面倒なんだよな」 「まってね! はなしをきいてね! まりさたちはにんげんさんのものにてをだすつもりはないんだよ! だからすこしだけおはなしをきいてね!」 農夫は潰そうとした行動を止める。 このまりさのゆっくりらしからぬ言葉に、少し興味が湧いた。 「お前は人間がゆっくりしてないとか、ここは自分たちのものだとは言わないのか」 「まりさたちはにんげんさんがおしごとをしてるっていうのはりかいしてるよ。 いまだってどうやったかしらないけどおやさいさんがはえてくるようにしてるんでしょ」 農夫は驚いた。 こんな事を言うゆっくりは初めてだった。今まで見たのは全部人間を見下したやつらだったが、少なくともこのまりさは人間を見下していない。 「にんげんさんにもちゃんとした『おきて』があるのもりかいしてるよ。 にんげんさんとまりさたちは『おきて』が違うのもわかってるよ。 だから、だから、まりさのおねがいをきくだけきいてほしいよ! だめならあきらめるから、きいてほしいんだよ!」 「わかった。そこまで言うなら聞こう。言ってみな」 必死なまりさの熱意が通じたのか、農夫は腰を下ろして聞く体勢をとる。 「ゆっくりありがとう! きいてほしいことはひとつだけなんだよ。 まりさたちにおしごとをあたえてほしいんだよ」 「それはあれか、人間と共存したいというのか」 「もうまりさたちはゆっくりのむれではいきていけないんだよ。 もういくばしょがないんだよ。 だったら、もうにんげんさんのばしょくらいしかいくところがないんだよ。 おねがいします! まりさたちはおやさいさんにかってにてをだしたりしません! だから、だからおしごとをください!」 農夫は少しの間熟考する。 その間は、まりさたちにっとっては生きた心地のしない時間だった。 人間の強さはよくわかっている。ここで否と言われれば、自分たちはただでは済むまい。 「よしわかった。少し周りのやつらと相談してこよう。 ちなみに、受け入れられた場合、こっちと決めた『おきて』を破ったら即『えいえんにゆっくり』させられるぞ。いいな」 「みんな、それでいい?」 まりさは後ろで震えている仲間に確認する。 仲間たちは多少戸惑いはあったが、皆頷いた。 こんなゆっくりもいるんだな、と感心する農夫。 次の日、相談の結果まりさたちはいくつかのグループにわかれて複数の農家に仕事をさせてもらうことなった。 まりさたちはしっかり仕事をこなしていった。 カカシの代わりとなって畑を荒す動物を追い払ったり、手に負えない場合は大声で誰かを呼んだり、虫を食ったりと、畑の被害を確実に減らしていった。 ある時、まりさの仕事をする畑にゆっくりがやってきた。 いやらしい笑みを浮かべて、見るからにこの場を乗っ取ろうとしている顔だ。 案の定、そのゆっくりたちは畑に入ってきておうちせんげんをしようとした。 「ここをれいむたちの――」 「そこまでだよ!」 「――ゆっ?!」 おうちせんげんを寸でのところで阻止する。カカシではこれはできない。 れいむとまりさを親とした一家であろう一団は、まりさに食って掛かる。 しかし、まりさがすでにおうちせんげんをした、他にも仲間がいる、などと言って、ゆっくり界のルールで説明するとある程度はあきらめて帰っていった。 「そんなことしらないよ! ここはれいむたちがみつけたんだから、どろぎたないまりさはさっさとどっかにいってね!」 中にはこのように暴論を吐いて掛かる者もいたが、最終的には畑仕事などで鍛えられたまりさにこてんぱんにされ、逃げ帰るか人間に処分される。 まりさは決して同族を殺しはしないが、人間が殺そうとするのを止める事はしない。 人間が殺すと判断したなら仕方が無い。自分たちにそんな事を意見するだけの資格も無い。 それに人間が殺そうと判断したと言うのなら、それだけその同族が愚かであったのだろう、と思っている。 まりさは同族の事を多少見下し始めていた。自分たちの勝手に生きて、偏見と我欲の塊である者に限るが。 少なくとも、人間と自分たちのルールを同一に見ている者は自分たち未満だと思っている。 他の群れには他の群れのルールがあるという事がわかっているのに、何故人間にはそれがあると思わないのか。 そんな愚かしい同族が嫌いになっていた。 そんな風に思っている時点で自分も見たようなもの、とは感じていた。 それから何年かが経過した。 まりさたちは最初は少数だったが、その中で伴侶を決め、子供を作り、育て、人間の手伝いという仕事をさせる。 こうしてまりさは代替わりしても人間との関係が壊れないように尽力した。 いつしか人里に限りなく近い場所で、まりさを長としたゆっくりの集落が出来ていた。 数も一帯の畑全てに働きにいけるだけには増えた。 この集落に住むゆっくりは、皆人間を理解し、畏怖し、尊敬をしている。 真にゆっくりするためには一時のゆっくりを捨てなければならない。それがわかった。 自身が関わった野菜などの収穫の際の喜びを知った。 人間はこの群れを使い勝手のいい道具のように思う事は無い。 最初こそはそう思っていたが、慣れてくるとこれが中々良い関係だと気付く。 ゆっくりというものは元々純粋で、言いたい事は割りとはっきり言ってくる。 おかげで腹を割って話したり、仕事以外の時間でも一緒に過ごす事が多くなった。 喜びを分かち、悲しみを共有する、それが出来る彼らを道具などとして見れるわけが無い。 群れが野生動物に襲われた際は率先して救援に向かい、間に合わなかった者たちを丁重に葬ったりもした。 すでに両者は切っても切れない信頼関係が形成されていたのだ。 最初に厳格で多種のルールを決めていたはずだったが、今では注意事項程度になるほどだ。 そして現在。まりさは仕事を引退し、群れで次代を担う子供たちを教育している。 「いいかいおちびちゃんたち。まりさたちゆっくりは、にんげんさんときょうぞんしてるわけじゃないんだよ。 にんげんさんがいるから、ちょうろうたちはおしごとがもらえて、こうしてゆっくりしているんだよ」 「どうしちぇここいがいにょゆっくちたちはにんげんしゃんにおしごちょをもらいにこにゃいの?」 「ほかのむれのみんなは、にんげんさんがゆっくりできないそんざいだとおもっているんだよ」 「どうしちぇ?」 「それはちょうろうもよくわからないよ。 だけどなぜだかうまれたときからにんげんさんはゆっくりしてない、っておもってるんだよ」 「れいみゅたちはしょうおもってにゃいよ」 「そうだね。おちびちゃんたちはとってもかしこいからね」 この群れの子供たちは皆人間への偏見が無い。 親から受け継がれた記憶が、人間への負の感情を追いやったと思われる。 いつしか、この群れのゆっくりはこの群れ以外のゆっくりの方こそゆっくり出来ていないと思うようになる。 五世代も経た頃には、人間の領域をわかっていて侵そうとするゆっくりに対しては同族を相手するという気持ちすら無くなっていた。 これも悲しい事かもしれない。長老となったまりさは思う。 しかし、これが一番いい形であるとも思っている。 この群れは人間がこの地にいる限りは存続できるだろう。そうでなくても、この群れの平均的な戦闘能力は他の群れの比較では無い。 毎日の労働、人間の知恵、その他様々な事を知ったこの群れは、生半可な事で全滅する事は無い。 別に支配に興味は無い。群れのルールは平和第一、である。 昔、人間のいる場所までやってきたゆっくりたちは人間に淘汰された。 それを繰り返していくうちに、人間はゆっくりできない存在という記憶が受け継がれ、その中で紆余曲折し、最終的には自分たち未満の存在として認識するようになる。 それは仕方の無いことで、なるべくしてなった事だった。 長老まりさはそれを打ち破った。長く積み重なった負の記憶を拭い去って人間と共に生きる道を見つけた。 これはゆっくりとしては外道かもしれない。しかし、生命としては最善だろう。 この群れは幾度か他のゆっくりの群れに襲撃された。これも仕方ない事だ。下等な人間に従属していると思われている以上、そうなる事もある。 暫く後、第一世代最後の生き残りであった長老まりさは永い眠りについた。 その事実を知った人間たちは、長い付き合いだった事もあって、群れとともにその死を悼んだ。 その中でも、初めて長老まりさが話しかけたあの農夫は、友と呼ぶほど仲が良い長老まりさの死を悲しむ。 思い起こすのは長老まりさが若かった頃。 ちょっとした言い争いをしたあの頃。酒を飲ませすぎてうっかり死なせかけたあの頃。野犬やゆっくりの群れに襲われた長老まりさを助けたあの頃。 それは人間の友を想う気持ちと何も変わらない、種族を超えた信頼と友情が確かにあった。 人間とゆっくりは分かり合える。 それを実証した長老まりさ。 長老の意思は次代がしっかりと引き継ぐ。そしてまた次代へと繋いでいくだろう。 長老まりさの死に顔は、万人が見てもゆっくりとしていて、この上なく安らかであったという。 おわり anko1241 ゆっくり教材Vol.1『野良に憧れるれいむ』 anko1257 ゆっくり教材Vol.2『大人になれないまりさ』 anko1272 ゆっくり教材Vol.3『ゆっくりありすの注意点』 anko2390 ゆっくり教材Vol.4『ゆっくりぱちゅりーの弱さ』 anko4106 ゆっくり教材Vol.5『ペットとちぇんと野良と飼い主』 anko1246 特集『ゆっくりに脅かされる農家』 anko2426 ゆっくり研究所 anko2430 ああ、無情。 anko2433 ゆっくりは繰り返す anko2439 ゆっくりがいる日常。 anko2421 生きてるのは知ってるけどそれが何か? anko4103 ゆっくりと人間は違う anko4107 れいむ anko4110 れいむは、今日もゆっくりしていた。 anko4112 まりさは、今日もお仕置きされている。