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Scenario IF ――Opening―― どの世界でもない、どの時空でもない空間の果て…… あらゆる可能性を秘めた世界。あらゆるIFを持つ世界。 「新たな世界……失敗」「やり直しを……完全なる生命体……」「人間は……混沌」 「混沌ゆえに……完全なる命の源」「可能性」「やはり、人間は……」 「彼」の生み出した、限りなく地球に近い宇宙のフラスコで…… 「彼」しか存在しえなかった世界に亀裂が音もなく走る。 純粋な世界に傾れ込む混沌の種。裂け目より現れるのは、50人のサンプル……いや生贄達。 彼らは、あるものは驚き、あるものは脅え、あるものはを押し黙っていた。 「ここはどこなんだ!?」 「なんだよ!?これ!」 「これは……アクシズ周辺ではないのか?」 「人の意思がまるで感じられない……」 「空気がある?宇宙には空気がないと聞いていたが……それにあの赤い結晶は?」 まるで統一性のない生贄達の動きを眺めていた「彼」は、それ以上監視の意味がないことを確認し、 存在を世界に顕現させた。 「混沌故に、純粋なる存在の可能性を……全能なる可能性を持つ……人間」 荘厳な、そして圧倒的な威圧感を持ち、声が響き渡る。 何もなかったはずの空間が白く圧縮され、円環より人知を嘲笑う、存在しえないような生物が顕現する。 顕現した「彼」……「アインスト・レジセイア」を見て、少なからず驚愕する生贄達。 植物のような触腕をもち、無機物のような光沢を持ち、骨格のような外皮を纏い、動物のような爪を携え ……人のように話す。 あらゆる生物の可能性を寄り合わせたような究極の生命体であり、 同時に、その進化の不均衡さにより膨張する体はどこまでも不完全で、「出来そこない」であった。 数百mの、あらゆる生物の進化を内包した巨躯が空間を震わせる。 「故に……」 ――人間は、完全なる生命のアーキタイプ。 「故に……」 ――でも、力は不安定で、脆くて……でも、時に「彼」をもしのぐ。 「故に!」 ――そんな人間により、混沌の中生み出される力を知るために。 「混沌こそ法の世界……閉鎖世界で……ただ一人になるまで……」 水を打ったように沈黙する生贄達。 「次からは、こちらが説明しますの」 不意に、その場にそぐわない幼い声がした。 「今から、皆さんには、殺し合いをしてもらいますの」 どこからかわからないが、突然青い髪をした少女が「レジセイア」の前にいた。 「ルールは……これを……」 少女が指揮者のように腕を上げる。すると、空間の片隅にあった真紅の色をしたストーンサークルが砕け散った。 ぼんやりと蛍のように赤く光る細かい石が、少女の腕に合わせて、上下のない世界で踊る。 そして…… 『!!』 一度、また一箇所に集まったかと思うと、生贄達全員の首に向かって拡散、ぶつかった。 しかし、彼らに怪我はない。代わりに、首には真紅の首輪がはめられていた。 同時に、生贄達に膨大な知識が流れ込んでいく。 「マシンの操縦方法から、殺し合いのルールまで、全て圧縮しておきました……ですから、分かると思いますの。マシンは……」 「ちょっと待ってお嬢ちゃん!いったいどうしたって言うの!?」 金髪の女性が、少女に話し掛けた。他の者は静寂を保っている。 「エクセレン……それにキョウスケ。お久しぶりですの」 「答えになってないぞ、アルフィミィ。女王蜂は、俺たちが倒したはずだ。それに、お前は何ををしている?」 続いて、おそらく察するに「キョウスケ」と呼ばれた男が呼びかけた。 「私たちは……思念体の一部。思念体のそのものはこちら側にありますので……」 「『私たち』、か。お前はもう操り人形じゃなくなったはずだ。違ったのか……!?」 語気を強くして、「キョウスケ」は「アルフィミィ」に言う。 「私は……不完全で、ペルゼインの一部。でも今は違う。独立して存在できるようになりましたですの」 「答えろ!アルフィミィ!」 「お嬢ちゃん!」 2人が呼びかけるが、もうアルフィミィは何も言わない。 彼女が空に円を書くと、今度は大小違う赤い球が生贄の前に現れる。 「その球に触れてくださいですの。中には渡すものが全て入っています」 しかし、誰も入ろうとしない。疑って用心するもの、まだ戸惑っているもの、様々だ。 「だから答えて!お嬢ちゃん!」 相変わらず「エクセレン」が呼ぶ。すると、少し目を伏せてポツリと、 「もう、レジセイアは貴方達を必要としていない。ですから、終わりです。もう赤い球に入ってください」 「そんな!そんな理由わかるわけないじゃない!だってあなたは……」 「お願いです……」 小声で「エクセレン」の声を遮るようにこぼすが、彼女は話しつづけた。 「『もう一人の私』なんだから!そっちにいないでこっちにきて……」 「レジセイア」の手が急に輝くいた。すると ポン 軽い音と共に、首輪がはじけた。煙も上げず、音だけのような爆発を残し……彼女は首を永遠に失った。 もう、何も喋ることはない。 「エクセ……レン?」 うわごとのようにキョウスケが言った。 「これ以上、手間はかけたく……ありませんので……レジセイアが……手を下しました……急いで球に入ってください……」 震えるような声でアルフィミィが言うと、彼女は指を動かした。すると、キョウスケの体は赤い球にぶつかり、 吸い込まれていく。 「他の人も……早く……」 その声に促され、次々と触れては中に入り、どこかへと転移していく。 残されるのは……誰かの泣きじゃくる声だけだった。 本編0話 Opening
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Opening~100 101~200
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穴が空く ◆7vhi1CrLM6 ベガと未確認機の接触から約十分。ユーゼスは基地の施設の中一人、探査機器に注ぐ目をそらした。 二つの光点はその動きを止めている。 それは悪くないことだ。 まだ確定とは言えないが、新しい手駒を現在の戦力を削ることなく得ることが出来た。そう思えば上々の出来と言える。 だが―― 『黙』と黙り込み、わずかな逡巡を経たユーゼスの口元が笑う。 「だがしかし、何事かが起こって欲しかったのだろうな、私は……」 そこにもっともらしい理由を探すとすればAI1の教育、更なるの進化の可能性、といったものを付ける事は出来るのだろう。 最終的には、単機でアインストと渡り合える状態までメディウス・ロクスを持っていきたい、という欲も存在する。 しかし、違う。もっと根源的で、純粋で、単純なものだ。 それは少年達がカブト虫を闘わせたがるようなものだ。 百獣の王と密林の王者が出会えば、人はそこに何かを期待する。そういった類のものだ。 まぁ、いい。と踵を返そうとしてもう一度探査機器に視線を注ぎこんだ。 場はまだ張り詰めている。グラス一杯に注いだ水が表面張力だけで持っているようなものだ。 ここに一石を投じればどうなるのか。はたして均衡を保ちえるのか。 一石は何でもいい。例えばあの青年でも……。 密やかに笑い、メディウスを見上げる。AI1に行なわせている作業は二つ。 一つはベガの動向に対する観察。これは、探査機器が軒並み不調な状態を基地のデータとリンクさせることによってカバーし、行なっている。 そして、二つ目がアインスト細胞と未知のナノマシン、そしてゲッター線の解析だ。解析率はまちまちだが概ね良好。 最も進んでいるアインスト細胞は現状で約五割の結果を弾き出している。既に半分近くは解き明かされたのだ。 だが裏を返せば、まだ半分も未解明な部分が存在するとも言える。 そして、自らの手で分解を行なった半壊した首輪。こちらは損失された部分を含めても七割から八割程度の解析は終えている。 つまり玉を壊せばアインスト細胞は消失するという前提が正しければ、解析はほぼ終了しているといっていい。 そう結論付けたユーゼス=ゴッツォはその場を後に動き出す。 手駒の一つとしてここで賭けてみるのも面白い。一石として投じるのも悪くは無い。 どちらに転ぶにしても事は、愉快に進む。 ◆ 夜明けを待つ空はまだ暗く、夜気は未だそこここに満ちている。 その静寂を裂き、流竜馬が一人歩く。 迸る生気は余りにも猛々しく、際立っている。身を晒すことにいささかの躊躇もそこにはない。 悠然と草原の中、歩を進めてきた竜馬はそのど真中に陣取ると仁王立ち、敵機を見上げた。 目測で二、三十メートル上空。開け放たれたコックピットカバーの向うで、黄金の髪が棚引く。 仮面の女が見下ろしていた。 二つの視線が交わる。五秒十秒時が止まる。 「どうした? こっちは機体から降りてきてやったんだ。そっちは降りてこねぇのか?」 「今、降ります」 そう言うと女は実に流麗且つ軽やかに飛び降りた。 ――馬鹿な、正気か? 思わず自分の目を疑ったその前で、全身のバネを柔らかく使い女が着地の衝撃を吸収する。ふわりと埃が舞い上がる だがそれだけだ。派手な落下音など何処にもない。 ちょっとした段差。ほんの一メートル程の段差から飛び降りた程度の動きも無かった。 ――なんてぇ足腰してやがる。 「どうかしましたか?」 「いや、何でもねぇ」 二、三十メートルの落差から飛び降りたことを、気にも止めていない。 何食わない顔で、ごく普通のことのように思っている。 そのことが相手が普通ではないことを、突きつけていた。 ――チッ、そう上手くはいかねぇってことか。 女一人を縊り殺す程度ならば、多少の疲労など問題にもならない。そう思っていた。 だが出て来たのは、それが通る相手ではなさそうだ。 チラリと赤い敵機を盗み見る。大した損傷の無い機体。欲しいのはこいつだ。 だが、聳え立つ大型機相手に素早く乗り込む手立ては、流竜馬にはない。ならば―― 「ベガです。よければ情報の交換などしたいのだけれど、いいかしら?」 「流竜馬だ。あぁ、いいぜ」 差し出される右腕。 それを握り返すと女は微笑んだ。柔らかい、人を包み込むような優しい笑顔だ。 竜馬も笑い返す。獰猛な、身震いするような笑みだ。 竜馬が腕に力を込めてベガを引き寄せた。ベガの体勢が崩れる。竜馬の両腕が首筋を通り過ぎ、うなじの位置で巻きつく。 さらにベガが引き寄せられ、竜馬の胸板が眼前に迫る。 「えっ?」 虚を衝かれたベガはただ困惑するばかりで、事態を未だ正確に把握していない。 その隙をついて腹部に強烈な膝蹴りがめり込んだ。一瞬息が止まり、絶息したベガが咳き込む。 首相撲から見事な膝蹴り。ムエタイで言うところのティーカウである。 「悪いな。手前の機体、貰っていくぜ」 さらに二、三発。そして、最後に勢いをつけた膝蹴りが顔面にめり込む。 仮面が砕け散る。呻きを挙げたベガが倒れこむ。手ごたえは十分。骨を折った感触は膝に残っている。 これで暫くはまともな動きは取れないはずだ。身のこなしさえ封じてしまえば、警戒するものはなにもない。 後は確実に止めを刺し、物言わぬ肉塊に変えればいい。 右腕を伸ばす。無造作に、無遠慮に、荒々しく髪を掴み引き起こそうとした、そのときだった。 倒れまともに動くことは出来ないはずの人影が大きく跳ねた。 よける暇も無い。腹部を強烈な衝撃が襲い、蹴り飛ばされた。意識が歪む。 しかし、さすがにそのまま倒れこむような失態は犯さない。瞬時に体勢を立て直した。 距離が開く。 むくりと起き上がる人影。それが揺れて消える。 一瞬、動けなかった。馬鹿な、と思う。 いくら暗がりの中とはいえ、人間などそうそう見失うものではない。 が、驚愕に立ちすくんだのもほんの一瞬。頭よりも体が先に反応を起こす。反射的に右腕が頭を庇った。 ガードした右腕ごと頭蓋を持っていかれそうな重い衝撃。その蹴りの鋭さは尋常ではない。骨が軋み、肉が悲鳴をあげる。 そのままの体勢。空中でもう一撃喰らわそうと女の逆足が動く。 その一瞬、女の顔が苦痛に歪み動きが鈍った。蹴り足を掴み取る。振りかぶり大地に叩きつける。 そして、間髪入れずに頭蓋目掛けて踏み下ろした。 が、同時に足を駆られて転倒。飛び起きたのは同時だった。 上段回し蹴り。それを女は仰け反るようにかわし、そのまま後へくるくると回転して距離を取る。 鉄錆びのような味が口内に広がり、唾と同時に吐き捨てる。視線は相手から片時もそらさない。 遠目に見ても呼吸がおかしい。やはり骨は折れているのだろう。 だが、およそ人間からは懸け離れた身のこなし。それはまだ残っている。 「聞きたい事があります」 「……なんだ?」 「金色の機体の名前は百式というのではないですか? パイロットはどうしました?」 「さぁな。しらねぇなぁ、そんなことは……だがあれを真っ二つにしたのは、この俺だ」 ベガが揺れている。本当に揺れているのは自分なのかもしれない。あるいは両方か。 頭部を狙ってきた鋭い蹴りは受けたものの、確実に脳を揺らしていた。 この相手を素手で倒そうと思えば骨の一本や二本ではすまない。そう思わざる得ない。 最悪、殴り合いの末に相打ちもありえる。そう覚悟させるほどの相手だった。 そして、それはよくない。だからといって今更殺り合わずに済むという状況でもない。 ちらりと背後の大雷凰を盗み見る。機体はまだ替えが利く。しかし、体は痛んだから取り替えるというわけにはいかない。 半歩機体ににじり寄る。 やりあうなら生身よりも機体でだ。そして乗り込むなら大雷凰だった。 聳え立つ赤い大型機にあの女よりも素早く乗り込む手立ては、自分にはないのだ。 次の瞬間、竜馬が全速力で駆け出した。 同時にベガも動き始める。どちらが相手よりもどれだけ早く機体に乗り込むか、それが勝敗を左右していた。 ◆ 闇に靴音が響く。それでハッとした。 時間が分からない。 後ろ手に縛られたまま流れた時間。与えられた思考の時間。 それが短いようで長かったのか。それとも長いようで実は短かったのか。 孤独な夜は時間間隔を奪い去っていた。 「ではバーナード=ワイズマン……いや、親しみを込めてこう呼んだほうがいいかな? バーニィ、時間は十分に与えた。君の返答を聞かせてもらおうか」 親しみを込めて? 腹の底で唾棄する。 抑揚のない、感情の一切が篭らない声。人間扱いされていないことは嫌でも感じ取れる。 『あんたが興味あるのは自分のこと。ただそれだけだ』そう、罵ってやりたかった。 だが、それが出来る状況でないことは分かっている。 今は立場が弱い、何も言うことが出来ない。強い者には従うだけ、そんな自分が惨めに思えてきて、情けなくなる。 だが、今はどうすることも出来ない。 それでも素直に従うことには抵抗があった。だから口を開く。 「答える前に根拠が欲しい」 「根拠……何のかね?」 「あんたに協力すれば生きて帰れる。そう思えるだけの根拠だ」 不機嫌を買うことを怖れながらも、どうとでもなれという気持ちがあった。だから言葉を重ねる。 「あんたの言っていることが丸っきりの嘘だとは思っていない。 だけど、あんたに従っていれば簡単に生きて帰れる、そう言われて簡単に納得できるほど俺は子供じゃない。 だから根拠が欲しい。このままだと俺は、あんたの言葉にYESと口だけで答えて、あんたを裏切るぞ」 「この状況で私を脅すか……見かけに似合わず勇敢な男だ。 だがそんなことを言ってもいいのか? 君の命は私の手に握られているのだぞ」 その通りだった。現時点で命を握られているのは疑いようのない事実なのだ。 それを引き合いに出されれば、従わざる得ない。所詮、自分はその程度の小さな人間だ。 突きつけたのは、ユーゼスの側からすれば無視をしても一向に構わない条件なのである。 だが、このまま唯々諾々と言われるがままに従うのは受け入れ難かった。 思考を止めればきっと恐ろしいことが待っている。そういう気がしていた。 だからこれは賭けであり、抵抗だ。小心者の自分に今出来る精一杯の抵抗だ。 それこのまま終わらせたくはなかった。 無言を答えにして返す。視線を逸らすなと自分に言い聞かせる。体が震えだそうとするのを必死に堪えていた。 そのまま五分十分と睨み合いが続く。ふっと仮面の奥底に潜む目が笑った気がした。 その気配の禍々しさに思わず背筋がゾッとする。取り返しのつかない提案をしたんじゃないのか、そんな気さえした。 「まぁ、いいだろう。ここに二つ、君とって有益な情報の入った封筒がある。 見せてやろう。ただし一つだけだ。好きなほうを選ぶがいい」 そう言って掲げられた二つの封筒には表題が振ってあった。 一つには『首輪』と。もう一つには『脱出』と。 選択肢の存在に驚き、どちらを取るか迷い、そして手の平で踊らされていることに気づいた。 どちらを選んでもいいという事は、両方に本物の情報が記されていること。 それを一つは見せ、もう一つは見せないことによって手綱を掴む。 見た情報が有益ならば従わざる得なくなるのは、自明の理だ。何も知らないままよりも身動きは取り辛くなる。 ユーゼスが「どうした? 必要ないのであれば……」そう言って、封筒を持つ手に力が込もる。 音を立てて破り割かれようとしたその瞬間―― 「脱出だッ!!」 叫んでいた。ピタリと手が止まり、男が満足気に目を細めた気がした。 「ならば受け取るがいい」 そう言って差し出された封筒には『首輪』と書かれている。 「は?」 「何を驚いている? 誰がわざわざ欲しがるほうなどくれてなどやるものか」 「…………」 ひでぇ……なんて嫌な奴なんだ。心底そう思う。 目の前に首輪の封筒が投げ出され、それに手を伸ばそうとして……伸ばそうとして……。 「解析率は七割から八割。その図面を記しておいた。ただし、それが役に立つのはまだ……どうした?」 「な、縄は」 「それを私が許すと思うのか?」 視界に映るのは、見下ろすユーゼスの顔。その向うにある天井に折り重なる鉄骨。 それのそのまた向うに、巨大な何かが高速で突っ込んでくるのが見えた。 耳を劈くような轟音、そして激震。咄嗟に丸めた身に、剥がれ落ちたモルタルや金色の金属片が降り注ぐ。 数秒かけて轟音は小さな反響音に変わり、揺れはおさまった。天井を見上げる。 ぐにゃりと拉げた鉄骨、ひび割れ欠けて崩れたコンクリート、その奥に一目で異物と分かる塊があった。 目測で直径四メートル程のそれは、鉄骨に引掛かり、辛うじて落下を免れている。 何か小さな光を見事な金色が反射させている。断線したケーブルでも爆ぜているのだろうか、そう思った。 そして、頭の中で歯車が一つ噛合う。 ――ここは何処だ? 視線を目の前で駆動音を立てている機械に走らせる。 ――そう。ここは発電施設だ。 「ベガめ。しくじったか……いや、それにしては……」 目の前でユーゼスが何か呟いていたが、そんなものは耳に入らなかった。 基地のエネルギーを一手に引き受ける発電施設。当然、その為の供給ラインはここからスタートする。 発電機かエネルギー供給ラインのメイン。そのどちらかに火の粉が飛べば―― 背筋がゾッとして、天井を凝視する。 大きく、小さく瞬く光。それが一際大きく爆ぜるのが見えた。 「伏せろッ!!!」 短く、鋭く叫んだ声は、爆音に掻き消される。 降り注いでくる大量の瓦礫。それが視界一杯に広がっていた。 ◇ 天井の底が抜け、瓦礫と化した様々なものが降り注ぐ。黒煙を上げて基地の一角が崩壊を続けていた。 しかし、元来が機動兵器での戦闘を前提とした基地。その最重要施設の一つである発電施設である。 そう簡単に全てが崩れ去るような設計は施されていない。 崩れるべきものが崩れ去ると、建物の崩壊は意外と短時間で終わりを告げた。 うずたかく積み重なる瓦礫の山。その前に立ち、ユーゼスは染み出してくる赤い血液を確認する。 「下敷きになったか……不運な男だ」 それ以上の感慨は湧いて来なかった。 確かに玉を砕く実験台に使いたいという気持ちはあった。便利な駒にも為りえたのかもしれない。 しかし、玉を砕くのは生きているときでなくとも構わず、駒は所詮駒でしかない。 だから、彼にとっては持ち駒が一枚減った、ただそれだけの出来事に過ぎないのである。 『脱出』の封筒を投げ捨てる。 中は空だ。何も入ってはいない。どちらを答えようとも『首輪』を渡すつもりだったのだ。 脱出の方策も考えている、そう思わせておいたほうが扱い易い。だが、それももう必要なくなった。 視線を上げ、天井を見上げる。 大きな穴が一つ、そしてまだ暗い空が見える。上階も被害を受けたのだろう。 視界の隅で目聡く機動兵器の欠片を見つける。 仮面の下の口元が人知れず笑った。 目の前の瓦礫を一瞥し、踵を返す。既に埋もれた人間などに興味はなく、その対象は乱入者へと映っている。 ユーゼスはベガに「極力施設には近づけさせないでもらいたい」と言った。にも関わらずこのような鉄塊が飛んでくる。 倒されたのか、逃げられたのか。だがどうやらこの鉄塊を打ち込んだ相手は、ベガの手に余る程の者らしい。 中々だ。中々の戦力だ。 力は強ければ強いほど、従えるのにも取り込むのにも都合がいい。 ならば自身が出向くことに何の迷いもない。 石を投げずともグラスの水は自然と零れ落ちた。後はどう動こうと自由である。 足が止まる。目の前には巨大な機動兵器。それをユーゼスは愛しげに見上げ乗り込む。 計器に埋め尽くされたコックピットに、ほの暗い明かりが灯る。 ラズムナニウムあるいはTEエンジンの制御の困難さから、本来ならば二人三脚での運用が行なわれるツェントル・プロジェクトの機体。 その立ち上げ作業をユーゼス・ゴッツォはただ一人でこなしていた。 「AI1、現状報告と状況分析を」 手を休めることなく呟く。同時に文字式の羅列が暗緑色のモニター一杯に表示された。 それを僅か一瞥しただけで頭の中に納める。 取り込んだゲッター線が異常なほどの活性化を見せていた。そしてそれが各所に影響を及ぼしている。 出力は上昇し、ラズムナニウムも活性化。解析状況ですら予想外の速度を見せている。 その解析データを万が一に備えて基地のメインコンピューターにバックアップ。そしてリンクを切り離すと、手を止めたユーゼスが笑った。 必要な作業は終了した。そして、解析からAI1が興味深い推測を出して来ている。後は―― 「さぁ行こうか、AI1よ。更なる進化の為に」 ◆ 大雷凰に乗り込む竜馬。ローズセラヴィーに飛び乗るベガ。 二人が紡ぎ出す喧騒の狭間、一瞬の静寂が場を満たし駆動音が即座に打ち消した。 動き出す。ローズセラヴィーの稼動が一呼吸早い。 構え打ち出される閃光。 地に膝をついていた大雷凰が、横っ飛びに跳ねた。爆音が響き、その場が抉り飛ぶ。 一転、二転、三転。転がり続ける竜馬を全身から撃ち出される火線が追う。 一向にやむ気配のない銃声、集中豪雨のように降り注ぐ光の雨。圧倒的な火力は体勢を立て直す暇すら与えない。 「おい!」 そんな中、竜馬の声が叫ぶ。 「パイロットはまだ生きてるぜッ!!!」 「ッ!!」 真っ二つに切り裂かれた金色の機体。それが火線を潰すような形で、突然投げ出された。 咄嗟に射線が逸らされる。閃光が上方に飛び、一筋の閃光が夜空に立ち上った。 一息つく間もなくベガを戦慄が襲う。眼前に迫った黄金の機体、視界を塗り潰すそれに亀裂が奔る。 巨大なトマホーク。さらに二つに切り裂かれる黄金の機体。 「うをおおおぉぉぉぉぉおおおおおおりゃッ!!!!」 咄嗟に身を捻ったローズセラヴィーの右腕が、肩口から跳ね上がった。 「くっ!!」 間髪入れずに至近距離から撃ち出す火線。トマホークを盾に跳び退く大雷凰。 火花が散る。弾幕が竜馬を捉えた。 金属音が響き渡り、欠ける。ゲッタートマホークの刃が欠けていく。 「チッ!!」 舌打ち一つ。自身の不利さを悟った竜馬が、トマホークを盾に強引に突撃を試みた。 距離が詰まる。500……300…200…100、突然トマホークが投げ飛ばされる。 半身に避けるローズセラヴィー。その顔面に蹴りがめり込む。 舞い散る破片。上体が仰け反りぐらりと揺れるローズセラヴィー。しかし、頭部は完全には破壊されない。蹴り砕くには少しばかり固すぎたのだ。 勢いが止まる。大雷凰の体重が蹴り足に乗る。刹那の一瞬に生じる硬直。 その瞬間、意識が明滅する中でベガは大雷凰の蹴り足を掴んだ。 そしてただ無造作に、ただ力任せに、渾身の力を込めて大地に叩きつける。轟音。舞い上がる大地の破片が柱を為す。 一呼吸。跳びかけた意識を呼び戻す。その間隙を衝いて新たな衝撃がベガを襲った。 金色の破片が宙に舞う。 たたらを踏むローズセラヴィー。 いつの間に拾ったのか、それを考える余裕は無い。 逃れた大雷凰が飛び退く。 着地。 同時に何かを豪快に投げ飛ばす。 視界の中で何かが煌めいた。 指先にビームを集約。 刃を形成。 同時にベガの優れた動体視力は、飛んでくる物体を捉えた。 コックピットブロック。 切り払うのは容易い。 しかし、そこにはまだ生きた人間が乗っている可能性がある。 どうすればいい? コンマ数秒以下の思考がそこに囚われた。 避けるしかない! 結論が下る。 回避行動。 跳び迫る破片。 その向うから、跳ぶ様に間合いを詰めて来る。 掻い潜るようにして避ける。 同時に刃を下から上へ。 二つの機体が交錯。 馳せ違う。 互いに紙一重。 刃と蹴りが間際を駆け抜けた。 視界の隅に捉えた敵機を追って、ローズセラヴィーが振り返る。 視界の中、着地した大雷凰がもう一直線に駆け出している。肝が冷えるのを感じた。 流竜馬は駆けている。こちらにではない。こちらに背を向けたまま突っ走っているのだ。 それは明らかに基地付近に突き刺さったトマホークを目指している。 慌てて追う。追いながら唇を噛み締めた。 基地が黒煙を上げている。 コックピットだ。かわすしかなかったコックピットが直線上にあった基地を襲った。黒煙の正体はそれとしか考えられない。 しかし、速い。追いつけない。距離が徐々に開いていく。焦りが体を支配していく。 Jカイザー。一瞬、それが頭に浮かび振り払った。 相手は基地へ向かっているのだ。背後から撃てば、護るべき基地をも巻き込んでしまうことになる。 それはJカイザーに限らず、射撃全般言える事でもある。 基地から立ち上る黒煙が、何よりもそれを象徴的に教えていた。 今はただ愚直に追い続ける。それしか出来ない。目の前で開き続けていく距離、それがまた焦燥感を募らせていっていた。 不意に一つの通信が入り、仮面の男が映し出される。 「私だ。その男の相手は私がする。君には被害が基地に及ばぬようにしてもらいたい」 「しかし、ゼストは……」 「そうも言ってられる状況ではないだろう。それにその傷だ」 「何故……」 「この私が分からないと思ったのか? 声がおかしい。骨を何本か痛めているのだろう、違うか?」 押し隠していたはずの怪我を言い当てられて、言葉に詰まる。 事実だった。入れられた膝蹴りであばら骨が何本か折れているのだ。 激しく動き回れば臓器を痛める結果にもなりかねない。それは分かっていた。 「君にはまだ仕事が残っている。ここで倒れられては私も困るのだよ」 しかし、本当に死んで困る存在は自分ではなくユーゼスのほうではないか。そう思った。 思ったが、ユーゼスに取り合う気はなさそうだった。 「確認します。ユーゼス、あなたはあの機体に勝てるのですね?」 「無論だ。この私が勝算の無い戦いをするとでも?」 「……了解。基地の守りに入ります。ですが、あなたの生存が最優先です」 「いいだろう。重点的に護るべき箇所は送っておく」 そこで通信は途切れた。 ユーゼスの旗色が悪くなれば基地を見捨ててでも割り込む、このときはそのつもりだった。 →穴が空く(2)
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楽園からの追放者 ◆VvWRRU0SzU 白い、光……全てを呑み込む……強く、激しい輝き…… ああ……消えていく……私が…… 主は……私を助けては……くれない…… 必要じゃ、ないから……? あの方の望む存在に……なれなかったから? では、私は……私の存在していた、意味は……私は、何? 私は……何になれた? ……何にも……なれなかった…… この宇宙は……静寂でなければ……いけない…… 望んでいない世界……修正……しなければ…… 静寂の世界……その世界になら……私の、居るべき……場所は……ある? 違、う……どこにも……ない……不確かな私……不確かな存在が、居てもいい……場所なんて…… このまま……消える……それが、あるべき……私の……終焉…… …………! これは……想いの力…… 静寂を乱す……違う……静寂を望む……いいえ、そうでもない…… 意志の力……そう、ただ一つ……大切なものを取り戻す……そのためだけの…… そう……まだ、生きて……抗う……戦う意思が……ある…… 消えかけた命……消えかけた私…… 世界を変える……想いの力……あなたが強く……想う……悲しくて……温かい……力…… でも、私は…… □ 「おはよう、統夜!」 背中を叩く衝撃と共に、弾けるような声が耳に抜ける。 俺が振り向いた先には、予想通りの顔。 「いったいな……いきなり叩くの止めろって何回も言ってるだろ、テニア!」 「あはは、ごめんごめん」 取り落としていた鞄を拾い、改めて向き直る。 フェステニア=ミューズ。 俺――紫雲統夜のクラスメイトにして、その、なんだ。先日から付き合っている女の子。 付き合い始めてから最近、こうして一緒に登校することにしている。 家もさほど離れている訳じゃない。だから家に迎えに行こうと思えばできるけど、それはしない。 「ん、カティアとメルアは?」 「もう先に行ってるよ。気を遣ってくれたんじゃないかな」 カティア=グリニャールと、メルア=メルナ=メイア。 テニアの姉妹……のようなものらしい。三人は一緒に住んでいるのだ。 少し前までは四人で登校していたのだけど、テニアと付き合うようになってからは、今日みたいに二人は先に行くことが多くなった。 「そっか。今度、何か奢らないとな」 「あ、じゃあ駅前に新しくできたカフェがいい! ケーキが美味しいんだって!」 「いや、なんでお前にまで奢らなきゃいけないんだよ……」 そんな他愛もない事を話していたらあっという間に学園へ着いた。 校門を通って、校内へ。 「よう、紫雲。今日も仲がいいな」 「あ、おはようございます先輩」 下駄箱で会ったのは、一見無愛想だけど何かと周りに頼りにされることの多いジョシュア=ラドクリフ先輩だった。 その隣にはそのジョシュア先輩の彼女の、グラキエース先輩がいた。こちらはあまり話したことはないので軽く会釈するだけだ。 ジョシュア先輩には俺も世話になっている。主に……そう、テニアと付き合うようになったことでの相談で。 ジョシュア先輩とグラキエース先輩は入学前から付き合っていて、まだまだ経験の浅い俺は色々アドバイスをもらっている訳だ。 「ジョシュア、早くいかないと遅刻するぞ」 「ああ、ごめんラキ。じゃあ紫雲、またな」 美人だけどあまり感情を出さないグラキエース先輩に急かされ、ジョシュア先輩達は通路の向こうへと去っていく。 二人はごく自然な感じの距離の取り方で歩いていく。それを眺めていた俺はと言うと、 (なんかいいなあ……あの自然な感じ。俺とテニアも傍から見たらあんな感じ……だったらいいんだけど) 「お待たせ、統夜」 と、靴を履き替えてきたテニアが戻って来た。この学校は男女の靴箱が別の位置なのだ。 予鈴のチャイムが鳴る。俺も慌てて靴を上履きに履き替え、テニアと一緒に教室に向かって走り出した。 ドアを開けて、滑り込む。先生は……まだ来ていない。セーフだ。 「おはよう、統夜」 「おはようございます、統夜さん」 カティアとメルアは先に着いていた。まあ、家を出た時間が遅いので当り前か。 「おはよう、二人とも。なんとか間に合ったみたいだな」 「ギリギリだったけどな」 挨拶を返した俺にからかうように声をかけて来たのは、クラスメイトのガロード=ランだ。 「もうちょっと早く家を出たらどうなんだ? いつもギリギリじゃないか」 「そうだよ。せっかく彼女がいるんだから、起こしてもらえばいいのに」 「まあ、したらしたで見せつけられてるようでなんかムカつくんだけど」 同じくクラスメイトのカミーユ=ビダン、アイビス=ダグラス。そしてソシエ=ハイム。 この四人に俺達四人を足した八人でいつもつるんでいる。 「起こしてもらうって、テニアに? そりゃ無理だろ」 「無理ね」 「無理ですね~」 俺とカティアとメルアが全く同じタイミングで返す。そういう面ではテニアはあまり頼れないというのは俺達の共通の認識だ。 「ちょ、ちょっと! それは失礼ってもんじゃないの!? アタシだってそのくらい……」 「あら、今日あなたを起こしたのは私だった気がするんだけど気のせいかしら?」 「うっ……」 反論しようとしたテニアを、カティアが一瞬で黙らせた。まあそうなんだろうとは思っていたが、本当にそうだったとは。 テニアがなおも言い返そうとしたとき。 「ホームルームであぁぁぁぁぁぁぁぁぁるッ! 貴様ら静まれぃッ!」 ドアを蹴り飛ばす勢いで(って言うか実際に蹴ってた)担任が入って来た。 歴史の教師、ギム=ギンガナム。 どう見てもあんたそのスジの武闘派だろという風貌のこの男、どんな裏技を使ったのか今年から新任教師としてこの学園に赴任してきた。 普通初めて生徒を受け持つとなればどんな奴だろうと委縮しそうなものだが、こいつは違った。 なんせ最初の挨拶で「諸君、小生は闘争が大好きであぁぁる!」とぶち上げたのだ。 唖然とする俺達を尻目に、暑苦しさ全開で一年戦争で使用された戦術の講義(こいつはまともに歴史の講義をした試しがない)を始め、一時限目から四時限目までぶっ通しで語り通した。 途中で別の教科の教師も来たが、ヒートアップしたギンガナムが睨むとみんな逃げて行った。まあ無理もない。 生徒の中にはもちろん途中で音を上げる奴もいた。 が、こいつは自分が語れれば満足らしく、こっそりと生徒が後ろの扉から出て行っても気付かず(無視していたのかも知れない)特に咎める事もなかった。 最終的に残ったのは俺達八人だけで、その内真面目に聞いていたのはカティアとカミーユ、アイビスだけだ。 俺やテニア、ソシエは早々に夢の世界に旅立っていたし、メルアはなんか持ち込んだお菓子をこっそり食べてた。 ガロードに至ってはこれまた持ち込んだらしいゲーム機でずっと遊んでいた。後で聞いたところによると好きな娘とクラスが離れていじけていたらしい。 とにかくそんな感じで俺達は仲良くなって、またギンガナムにも目を掛けられていた(付けられていた、か?)。 「あー、注意事項である。最近この界隈に通り魔が出没するらしい。貴様らも登下校の際、気をつけるように」 「通り魔って……あ、聞いたことある。夜出歩いてると刃物で切りつけられるってあれですか?」 「うむ。どうも犯人は相当の手練れらしく、格闘技経験者にも犠牲が出ている。見つけたら決して応戦しようなどとは思わず、小生に連絡するように」 「え……逃げろとか警察に連絡しろとかじゃなくて、先生に連絡するんですか?」 「然り。警察の包囲網を潜り抜け、屈強な戦士をもねじ伏せるその力……小生のこの熱く燃え滾る胸の高鳴りをぶつけるに不足なき武士よぉ!」 また勝手に盛り上がってるギンガナムに構わず、俺達の話題はその通り魔のこと一色になった。 多少剣を扱える俺や空手をやってるカミーユ、やたらと機転の利くガロードはともかく、女子は単独で行動させるのは危ない。 そうは見えないが生粋のお嬢様であるソシエはいつも車で登校してくるし、アイビスもまたこう見えてスピード狂だ。 彼女はバイクで登校しているのだが、なんかテスラドライブとか言うエンジンを積んだそのバイクは短時間なら空も飛べるとかいう話で、正直通り魔だろうとなんだろうと追いつけはしないだろう。 問題はテニア、カティア、メルアの三人だが…… 「じゃあ、カティアとメルアは私の車に乗ればいいわ」 「え、アタシは?」 「あんたは統夜に送ってもらいなさいよ。そのための騎士さまなんでしょう?」 ソシエが意地の悪い笑顔で言った。たしかに俺が最近剣の練習をしているのはそういう気持ちがなくはないが…… 「む、わかったわよ。相手のいないソシエと違って、アタシにはちゃーんと守ってくれる人がいるもんね」 「なんですってぇ……!」 ソシエの挑発に乗ったテニアが返した一撃は、ソシエの気にしているところでもあったようだ。 火花を散らし始めた二人から視線を外し、仲間達を見る。 「まあ、それがいいんじゃないか。俺やガロードも、いつも一緒に帰れる訳じゃないし」 「だな。それに俺はティファと一緒に帰るつもりだから……悪いな」 言い忘れていたがカミーユとガロードも普通に仲の良い娘はいる。 ティファって娘一筋のガロードはともかく、カミーユの方は幼馴染とか妹みたいな娘とか、あともう一人仲の良い娘がいるらしい。 俺も人の事を言えた義理ではないからかもしれないが、なんとなくカミーユには親近感を感じなくもない。 とりあえず登下校の際テニアと一緒に行動することを決めた。と言っても、今までもそうだったのだから特に変化がある訳じゃないが。 いつの間にやら始まっていたギンガナムの講義(今日のテーマは戦車部隊をどのように運用すればモビルスーツを撃破できるか、だ。もはや歴史ですらない)を聞き流しつつ、放課後どうするかを考える。 今日は―― 放課後。 そうだ、ギンガナムは忘れていたがその次の授業で通り魔らしき男の人相書きの載ったプリントが回って来た。 髪を短く刈り上げた、蛇のように鋭い眼をした男。 こいつが通り魔だという確証はないらしいが、見た目とても怪しくはある。どう見ても堅気ではない。 とにかくこいつに気をつけるように、そういうことらしい。 男の顔を思い出しつつ、授業を終えた俺とテニアは寄り道することもなくさっさと帰ろうということになった。 ん……なんだか下駄箱の辺りが騒がしい。 近づいていくと、人だかりができている。 その内の一人を捕まえて何があったのか聞いてみた。 「あれだよ。クインシィ先輩とカテジナ先輩。止めてほしいよね、こう毎日だと」 「ああ……またあの二人か」 挙げられた名前の二人は、この学園でもトップクラスに凶暴とされる先輩だ。 何が気に入らないのか、日に三度は口論するらしい。口論が殴り合いに発展する確率は三回の内二回。迷惑な話だ。 近くに寄ってみれば、ガロードともう一人、ジョナサン先輩がクインシィ先輩を。カテジナ先輩の方はアフロ頭の学生がなだめている。 ガロードは何故かクインシィ先輩のお気に入りなんだそうだ。とてもティファには会わせられないと度々愚痴られているからよく覚えている。 アフロは……先輩らしいが、俺とは関わりのない人だ。カテジナ先輩と仲がいい訳じゃないらしいが、よく対応に駆り出されているのを見るな。 そうだ、何故かあのアフロとジョナサン先輩もまた仲が悪い。こうして同じ場にいるってことは…… 「あ、あの二人もケンカし出したね」 「飽きないな、あの人達も」 ジョナサン先輩がクインシィ先輩を援護するためか、敵の陣営のアフロの頭、つまりアフロヘアーをからかった。 カテジナ先輩をなだめていたアフロもキレたらしく、ジョナサン先輩の弱点……つまりはその、マザコンだと攻める。 こちらも一瞬で沸点を突破したか、何も言わずアフロへと殴りかかるジョナサン先輩。応じるアフロ。 当然、抑えのなくなったクインシィとカテジナ(なんかもう先輩って呼ぶのも恥ずかしい)も口をつぐみ、互いの隙を窺うように視線を刺し合っている。 ガロードは……あ、なんか携帯端末をいじってる。現実から逃げたか…… 図らずもツインユニット同士の戦いの舞台となった下駄箱。 ひしひしと感じる流血の匂いを、誰もが他人事特有の無責任な期待を以って受け入れようとしたとき。 『俺の歌を聴けぇッ――――――――――!』 帰宅部はさっさと帰れ的なことを言っていたスピーカーから凄まじい騒音が迸った。 咄嗟に耳を押さえる。この学園の生徒なら誰もが知っている声だ。 熱気バサラ。軽音部に所属する学生。生粋の音楽バカだ。 いつでもどこでもギターを持ち歩き、気が向いたらかき鳴らす。 人の迷惑を考えもしない。でも何故か、あまり憎めない――そんな奴。 今この放送を流してるのも多分偶然だ。そもそも放送ジャックなんて学園側は認めてない。 だがタイミングとしてはバッチリだった。水を差されたジョナサンとアフロは殴り合うのを止め、離れて不本意そうに鼻を鳴らす。 とにかくこれで騒動は収まった。やっと帰れる――と、思ったのに。 「ねえ、統夜……あの二人、今の全然聞こえてなかったみたいだよ」 「……うん、そうみたいだな」 クインシィとカテジナは、今のバサラの騒音など聞こえていなかったかのようにがっぷりと手を組んで睨み合っている。 膂力が拮抗しているのか、その腕は二人のちょうど中心あたりで静止している。 だが腕に浮かぶ筋肉の張り詰め具合から、決してじゃれ合っている訳ではないとわかる。こいつら、マジでやり合ってやがる…… ジョナサンとアフロももう止める気はないのか、明後日の方を向いて明日の天気について話している。苦労人同士、実は気が合うのだろうか。 「お前達、何をしているのだ! ええい、散れ散れッ! 用のない者はさっさと帰れ!」 と、そこに現れたのは校長のユーゼスゴッツォだ。 校長のくせに仮面で顔を隠す、学園変態ランキングのトップ1(ちなみに二位はギンガナム、三位は総代と呼ばれる理事長だ)。 「また貴様らか! 私の職場で問題を起こすなと何度言ったら……!」 ユーゼスは無謀にも実力でクインシィとカテジナを引き剥がそうとしたらしい。 横合いから無遠慮に差し出された手に、二人は敏感に反応する。 「「邪魔だ!」」 一瞬で組んでいた手を離し、ユーゼスの腹へと固めた拳を叩き付ける×2。 咳き込んだその隙に伸ばした手を掴む二人。そのまま全く同じ動作でユーゼスの足を払い、投げ飛ばす。 「う、ゴホッ! き、貴様らッ! 校長に暴力を振るっていいとおもっ……!」 言い終わるのを待たずゴミ箱に頭から突っ込んだユーゼス。 投げ飛ばした当の二人はもはや見向きもせず、当初の敵へと向き直り威嚇し合っている。 「やれやれ、懲りない輩だ。オルバ、そっちの足を持ってくれ」 「了解、兄さん」 どこからともなく現れたフロスト兄弟(教師)が、ユーゼスを引っ張り出そうとする。 いや……よく見たらあいつら校長をさらにゴミ箱に押し込んでやがる。 「おい、これを使え」 これまたいきなり現れた食堂のコック・テンカワ(こいつら喧嘩を見てただろうに止める気0だ……)が、やたらと大きいゴミ袋をフロスト兄弟に渡していた。 「む、気が利くなテンカワ。よし、これに詰めて焼却炉に持って行こう」 「名案だね。ついに僕らがこの学園を支配するときが来た」 「モゴ、ムガッ!? 待て、貴様ら何をする気だ!? 私はこの学園で一番偉いのだぞ!?」 「だからさ。貴様さえいなくなればこの学園の支配者は我ら兄弟ということだ」 「俺はそんなものに興味はないが、貴様は今日俺の作った火星丼を残しただろう。許せんな」 「ま、待て! これは組織的な犯罪だ! 誰か、ちょ、ま」 ……何か見てはいけないものを見たような気がする。周りの奴はみんな、見て見ぬふりだ。テニアも例外じゃない。 止めるべきか迷っていたら、 「……まあ、あの校長なら別にいなくなってもいいんじゃない?」 「……それもそうだな。ほっとこう」 テニアの一言で止めた。どうでもいいことだ。てかもう帰りたい。 でもまだクインシィとカテジナが睨み合っている。しかもその場所は俺の靴箱の真ん前だ。 このままだとしばらく帰れそうにない。どうするかな…… 「待ちたまえ! 当方に交渉の用意あり!」 「あ、統夜。ネゴシエイターが来たよ!」 テニアの声に顔を上げる。そこにいたのは紛れもない、学園一の交渉人の名を取るロジャー=スミスだった。 国語の担当教師であるこの男はやたらと弁が立つ。 その口の回り様から、様々なトラブルの解決役に大いに頼りにされている。 おそらくこの騒ぎを聞き付けた誰かが事態の収拾を依頼したのだろう。誰だか知らないがGJだ。 騒動の渦中たる二人に話しかけるロジャーの横には、肉を前にした犬のようにうずうずとした様子のギンガナムがいた。 ロジャーだけで抑えられないときの実力行使を行う保険ということだろう。明らかに人選段階でミスってる気がするが。 とにかく、今のうちだ。俺とテニアはロジャーが場の空気を掌握した一瞬を逃さず靴を履き替え、学園を脱出した。 太陽が稜線の向こうに沈み、薄暗くなったころ。道を歩く俺とテニア以外に人の影はない。 通り魔のことを思い出した。いかにも、って感じのシチュエーションだ。 隣を歩くテニアが、ぎゅっと俺の腕を掴む。強気そうに見えて実はそれほど打たれ強くはないと知っているから、俺もそのままにさせておいた。 しばらく、会話もなく歩く。 通り魔のことがあるとはいえ、概ね穏やかな、いつも通りの日常だった。 今までずっと続いてきた、これからもずっと続いていく――そう、根拠なく思っていた時間。 「ねえ、統夜……あれ」 幸福感に浸っていた俺にテニアが声をかける。 その視線の示す方に目を向ければ、そこにいたのは昼間配布された通り魔らしき人相書きと、同じ顔の男。 がっしりとした体格に、ナイフのように研ぎ澄まされた気配。 通り魔かどうかなどこの際問題ではない。どうであれ、危険な臭いしかしない。 その男が、じっとこちらを見ている――いや、俺を、見ている。 ギンガナムに連絡、なんて思い浮かばない。もちろん、背負った剣で戦うなんて論外だ。 すぐにこの場から逃げようと、それだけで思考が埋め尽くされる。 テニアの手を引き、来た方向に向けて走り出す。テニアは疑問の声を発することもなく、黙って俺について来た。 走りながら横目で男を確認する。追っては来ない――だが、その口元は確かに嗤っているように見えた。 十数分ほど走っただろうか。 先程の場所から結構離れた公園へと走り込んだ俺達は、荒い息をついて立ち止まった。 俺もテニアも、何を言う間もなく酸素を貪る。走った距離以上に、あの男のプレッシャーは異質だった。 数分後、ようやく落ち着いた俺は顔を上げテニアへと声をかける。 「はあ……驚いた。なあ、あれってやっぱり……?」 「通り魔……だよね? 怖かったぁ」 「ああ……あれは無理だ。警察か、ギンガナムに任せよう」 携帯を取り出し、その二者へと連絡しようと思った。 コール音。忙しいのか、警察に中々繋がらない。 「でもさ、やっぱり統夜がいてくれて良かったよ。アタシ一人だけだったら動けなかったもん」 「はは……守るって言っておいて、逃げ出したんじゃカッコ付かないけどな」 「そんなことないよ。統夜はいつもアタシを守ってくれてるよ。そうだよ、いつも……私を……守って……」 お、繋がった。 テニアとの話をいったん中断し、係員にさっきの状況を説明する。 時間、場所、状況をできるだけ詳しく説明する。パトカーが急行してくれるそうだ。 俺達も迎えに行こうかと言われたが、ギンガナムを呼べばいいだろう。丁重に断った。 通話を切った。次はギンガナムに連絡だ、と冗談めかしてテニアに振り向き、笑いかける。、 その瞬間、俺の目に飛び込んできたのは。 そこには、血塗れで倒れ伏している、テニア、だ―― 「な……ッ!?」 「おやおや、間に合わなかったか。まあ、人命救助は俺の仕事じゃねえしなあ」 状況を掴めない俺の耳に、第三者の声が飛び込んでくる。 はっと振り向く。そこにいたのは先程の通り魔らしき男だった。 「お前が……お前がやったのか!?」 「あん? そこのお嬢ちゃんのことかい? 馬鹿言うな、俺じゃねえ」 男はにやにや笑いながらゆっくり近づいてくる。 その眼は堪え切れない愉悦が滲み出て、今にも吹き出しそうにも見えた。 「俺は最近この辺りで多発している通り魔事件を追ってたんだが……いやはや、驚いたねえ。 まさか犯人がこんなガキだったなんてよぉ」 ガキ……? 何言ってるんだ、こいつは。 それより、そうだ。救急車を呼ばないと。テニアが死んでしまう。 いや、先に警察か? こいつを捕まえてもらわなきゃ……ギンガナムもだ。 携帯を取り出そうと、手を離す。 ガシャン。 何かが、手から落ちた? 「お前さん、そんなわかりやすい証拠持ってて人様に責任を押し付けちゃいけねえや。 お前なんだろ――そのお嬢ちゃんを、斬り殺したのはよ?」 男の声が耳に抜ける。 視線を下ろす。 俺の手から滑り落ちたモノ、それは―― 血に濡れた、抜き身の刃だった。 誰の血だ……? 考えるまでもない。テニアの血だ。 やったのは誰だ? 目の前の男……違う。俺だ。 俺が……テニアを……斬った……のか? 「あ……ああ……うああああああああああああああああああああああああああああああああああぁぁぁぁぁッ!」 「ク……ククク……クハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハッ!」 視界が、赤い鮮血で満たされる。もう我慢できないと言わんばかりの男の高笑いだけが耳に残って――。 □ ――う……? ――ここは……? ――モニターは……一応、生きてる…… ――ヴァイサーガ……まだ、動けるか……? ――DFS……再起動……無理、か…… ――ぐっ……ごほっ……!? ――俺の身体……くそっ……力が……入らない…… ――ガウルンを斬ったときの……アレか……一発で……このザマか…… ――静かだ……まるで……世界に俺一人しか……いないみたいだ…… ――さっきのは……夢、か…… ――死に際に……あんな夢を、見るなんて……ガウルンの呪いか……? ――――――ふざけるな。あんたはもう死んだんだ。引っこんでろよ。 ――俺はまだ……まだ、諦めちゃいないッ……! ――取り戻すんだ……どんな犠牲を払っても。どれだけ時間がかかっても。 ――あんな夢じゃない……本当の、本物の『彼女』を……! ――こんなところで……立ち止まっていられないんだ……ッ! まだ、抗うのですの? ――当たり前だ。 あなたが殺したんですのよ? その人を生き返らせるために、他の人を殺すつもりですの? ――そうだよ。何が悪い。 悪いと、心の中で自覚しているから……あの夢の結末は、ああなったんですの。 でなければ、あのまま穏やかな夢に包まれて……あなたは逝けたはずですの。 ――結構だ。俺が欲しいのは夢なんかじゃない。現実だ。現実に生きているテニアだ。 あなたが見た夢は、ある意味ではあなたの現実。あなたはもう、以前の生活になど戻れはしませんの。 ――うるさい。わかってる。そんなことはどうでもいい。 あなたはもうその手を血に染めている。取り返しがつかないほど尊い命を奪っている。 ――うるさいって言ってるだろ! どうだっていいんだ……そんなことはッ! ――他の奴らなんてどうだっていい……! 俺と、あいつさえいれば……他には何も要らないんだ! そのために、まだ生きて抗うと言いますの? ――そうだ……。 俺の命がまだ尽きていないのなら……選ぶ道は一つしかない。 ――戦って、戦って、戦って……最後の一人になって、テニアを取り戻す! 何も変わらない、それが俺の生きる道なんだ! ――欲しいものは奪う。邪魔をするなら斬り伏せて進む。『あいつ』みたいに、躊躇わないで…… でも、あなたにはもう戦う力はない。 ――わからないさ。ヴァイサーガはまだ……俺の剣はまだ、折れちゃいない……! 辛うじて朽ちてはいない、というだけですの。もう自力で起き上がる事だって出来はしませんの。 ――うるさいな……! お前、一体何なんだよ。邪魔をしに来たのなら消えろ! 邪魔だなんて。むしろ、お手伝いして差し上げようかと思っているくらいですの。 ――お前、あの主催者の一人だろう。名前は……なんて言ったっけか。 私のことはどうでもいいですの。私は……自分自身になれなかった存在…… だからこそ、あなたに。絶望の底にいてもなお諦めないあなたに、先へ進んで欲しい…… ――主催者が俺を助けるって言うのか? 私はもう、正しくアインストとは言えない存在……いずれ消えゆく、残骸でしかありませんの。 でもそれはあなたも同じ……あなたも、その機体も。このままでは遠からず朽ちて果てる。 ――じゃあ……どうすればいいんだ。手伝うって……新しい機体でもくれるのか? そんなことをしてもあなた自身は助かりませんの。 私にできるのは……そう。あなたを、『こちら』へと誘うことだけ……。 ――お前らの仲間になれってことか? あの蒼い機体に乗ってた奴みたいに。 ちょっと……違いますの。アインストになるだけでは、あなたの願いを遂げることはできませんの。 私の主ならあなたの願いを叶えることはたしかにできますの。でもそれは、あくまで条件付きのこと。 エクセレンのようにアインストとなって蘇生させることは出来ても、眷族の枷から逃れることはできない…… ――テニアを生き返らせても、お前らに首輪をつけられたままってことか。 はい……。でも、あなたが新しいアインストになれば、話は別…… ――新しい、アインスト? この場に満ちる生命の欠片……デビルガンダム、そしてあの新たに自我に目覚めた命の破片。 これを用い、アインストとなったあなたが更なる進化を行いますの。 そうすることであなたは属性の変化によりアインストの支配から逃れ、また新たな命の創造を行う力を手に入れる…… ――新たな命の……創造。 もちろん容易く行えることではありませんの。 生まれたての命が、新たな命を創生する……途方もない力が必要になりますの。 それこそ……私の主が持っている力、全てを奪い取らなければ……足りないほどの。 ――お前の主……いいのか? それは裏切りじゃないのかよ。 私はもう、あの方の望む種子ではない……なら、最期くらい。望むままに生きてみたいと……あなたを見て、思いましたの。 たとえそれが……あの方に対する、反逆であっても。 ――断ったら、どうなる? どうも……しませんの。私は消えて、あなたも果てる。 あなたの願いもまた、どこへもたどりつけず…… ――お前は、どうして俺にそこまでしてくれるんだ? さあ……どうしてでしょう。 今のあなたは似ている……そんな気がしますの。かつて、私が焦がれた……あの方に。 だから、そのあなたの行く末を見極めたいと……そう思ったからかも、知れませんの。 ――俺の行く末、か。……わかった。お前の話、乗るよ。 ――どうせ、他に選べる道はなさそうだしな。 信じて……くださいますの? 私は……自分で言うのも何ですけど……怪しさ満点だと……思ったりも、致しますのよ? ――いいさ。そんな奴と手を組むのは慣れてる。 ――あの夢……お前が見せてくれたんだろ? 最後はああなっちゃったけど……それでも、いい夢だった。 ――お前に借りが一つ出来てるってことだ。なら、ここで返しておく。 あなた……本当に、面白い方ですのね。 ――ほっといてくれ。さあ、何でもいいからやってくれよ。時間がないんだろ? はい……契約、成立……ですの。 では、名残惜しいですが……ここで、お別れですの。 あなたは誰からも祝福されることのない旅路を選んだ……だからこそ、私くらいは幸運を祈らせていただきますの。 ――ありがとう……そうだ。お前、名前はなんて言うんだ? え? ――最期ってことは、結果がどうあれお前は消えるんだろ? だったら俺も……俺くらいは、お前のことを覚えておいてやるさ。 一度、自己紹介したはずですけど。女の子の名前を忘れるなんて、マナー違反ですのよ? ――あれは……あれだ、大勢に向けてだろ? 今は俺とお前だけなんだ。改めてってことでさ。 ――俺は統夜……紫雲統夜。お前は? 私…… 私の名前は…… ■■■■■■――。 →楽園からの追放者(2)
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ベガ 氏名 ベガ 性別 女 出典 GEAR戦士電童 人称 一人称:私 二人称:あなた 三人称:彼、彼女(本編でたしか使われてないが、彼から予想) 特殊技能 生身でガルファの機獣素体や機獣と互角に渡り合うほどの身体能力。 性格 自分にも他人にも厳しいが、時には優しさも見せる。あとややドジっぽい。 備考 対ガルファ対抗組織GEARの副指令。己の正体を隠すために仮面をつけているのが特徴。その正体は電童のパイロット草薙北斗の母の草薙織絵、またアルクトス王家の王女にして凰牙のパイロットのアルテアの妹でもある。生身でガルファや機獣とかと渡り合える辺り東方先生と似た香りがする。
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無敵戦艦ダイ 機体名 無敵戦艦ダイ 全長 420.0m 主武装 主砲 二匹のメカザウルスが背負ってるブリッジのようなとこにある大砲。全二門。 副砲 主砲と似た場所にある副砲。前方四門。側面六門。 ミサイル メカザウルスの口から発射されるミサイル。弾数不明、書き手さんが決めていいんじゃない? 噛み付き 二匹のメカザウルスが噛み付く。戦艦で近接戦闘は無謀なので使わないように。 踏みつけ もはや技にあらず。歩いて踏みつける。 特殊装備 - - 移動可能な地形 空中×、陸地○、水中×、地中△(?) 備考 帝王ゴールが搭乗した巨大戦艦。戦艦といっても巨大なメカザウルスの上にブリッジを乗せたというアバウトっぷり。そのアバウトさとは裏腹にゲッターチームを窮地に追い込むほどの強さを見せ付けた。最後はゲッターのゲッター炉心を暴走させた武蔵の特効により消滅した。長谷川裕一氏の竜が滅ぶ日でダイの上の甲板が割れてゲッターを挟んだりしてたけどあれは長谷川氏の捏造ですか?
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金色の輝き ◆ah5xuG5D4E 闇を引き裂く白、F-91は迫る黒、マスターガンダムにビームライフルを三発連続で制射する。が、光条は虚しく避けられてしまい次の瞬間には逆にヒートアクスを振るわれ、赤熱の刃がその肩を掠めた。 「クッ!中々やるっ!」 敵機、マスターガンダムの予想以上の奇抜な動きと戦闘能力にアムロは呻く。 ガンダムタイプ…いや、MSの機動ではない、人間的でより自然な動きから繰り出される攻撃は最高のニュータイプ、連邦の白い悪魔の異名を持ったアムロですら易々と見切れるモノではなかった。 そして、ブゥン!と早朝の清々しい空気を裂き迫るヒートアクスをギリギリの所で見切り、F-91はフルブースト。 マスターガンダムの右側に回り込み、ライフルと頭部バルカンを撃ち込む。 そしてコレ又敵機は無茶苦茶な機動…振り向きながら身を捩り軽く横跳び、右手でアスファルトを鷲掴みにしソレを機転としての回し蹴り。 ビームと無数の弾丸はその漆黒の装甲を掠めただけ。 「おぅりゃっ!って逃げたんかぃ?」 そして、マスターガンダムの回し蹴りも空を切っただけ。 既にF-91は明け方の空に飛び上がっていた。 (接近戦で勝つ可能性は低いが…負ける訳にはいかない!) 引く事も、負ける事も出来ない戦い。 勝つ。 ただそれだけを考えアムロは機体を操る。 ビルとビルとの間、朝日に背を向け…まるで後光を持ったようなF-91はニュータイプを解し、その性能を限界以上に引き出す。 そしてヴェスバー二門を腰だめに、右手にビームライフル、左手にはビームランチャー。 「超高速が可能とするほぼ全方向からの至近距離からの射撃の嵐…外しはしない!当ててみせるっ!」 アムロは吼え、後光を背に、今や金色に輝くF-91は闇を掻き消すべく飛んだ。 ── 中々…いや、このゲーム始まって以来最高の獲物だとガウルンは思う。 (操縦技術はカシム以上…んでもって精神面も崩れる事無い…こりゃあ最高の獲物だぜ!) ほんの数回すれ違って小競り合っただけだが相手の実力は十二分に感じ取れた。 「たまんねぇ…たまんねぇなぁっ!」 これから来るであろう生と死のギリギリのラインを歩く感覚を心待ちにし、ガウルンは気を昂らせる。 そしてその気の昂りに反応し、DG細胞が活性化、彼を取り込もうと浸食速度を上げた。 更にその副産物かDG細胞はガウルン自身をスペックアップ。 迫る黄金の機体にガウルンは叫ぶ。 「ぶち壊してやるぜぇぇぇっ!」 その咆哮が引き金になり、闇に溶ける黒、マスターガンダムは自らを引き裂く様に全身を金色へと輝かす。 「ハァイパァァッ!モォォォッドッ!!」 ── アムロは敵機が金色へと変わった事に多少驚きはしたものの、余り気にはしなかった。 (気にはしない…が戦闘能力は格段に上昇したのは解る!) ニュータイプの認識力がバイオコンピューターにより増幅された事で敵機の禍々しい力と意思が爆発した様に増えたのを、超高速機動が伴うGと共にヒシヒシと感じる。 相対的距離はもう10mも無い。 低空での超高速機動が巻き起こす土煙が上がるソレより速く、F-91は全ての射撃武器を撃ち込む。 二門のヴェスバーから太い光条が、ビームライフルとビームランチャー鋭い光条が、バルカンとマシンキャノンからは弾丸の嵐が。 そして、攻撃しつつ無軌道な超高速機動で瞬間的に位置を変え、更に砲を放つ。 その動きは端から見るとまるでむ数の同一機体が飛び交う様。 いや、ソレは強ち間違いでは無かった。 機体の能力を限界以上に引き出す事によりバイオコンピューターの強制冷却が行われ、ソレにより機体表面の金属剥離が起こる。 俗に言う“質量を持った分身” 金色の幻影、F-91は攻撃を続ける。 ── 先程射ったビームなり弾丸なりが砲口から放たれた瞬間には次の位置に移動し攻撃すると言う矛盾に近い攻撃をマスターガンダムは弾き、避け、見切っていた。 それを可能とするのはDG細胞によりスペックアップされたパイロットの身体能力とハイパーモードになった事で起こる機体能力の大幅の上昇。 そして、ガウルン自身の戦闘狂としての本能。 「ォォオッ!」 舞い上がる土煙や誇りを弾き、瞬間的に全方向から放たれる光と弾丸の嵐を避けてガウルンは吼える。 (分身?機体が増える?超高速?んなもん関係ねぇ。) 「楽しい…楽しいなぁっ!」 マスターガンダムの両の掌が燦然と輝き、光の速さで迫るヴェスバーの太いビームを弾いた。 そして、金色の全身が纏う悪意の闘気が具現化し、質量を持ち始める。 「喰らいな!ダークネスッ」 超至近距離で放たれた弾丸はその闘気に触れ気化し、ヴェスバーのビームを左手で握り潰しマスターガンダムはF-91に肉薄する。 「くそッ!こちらの動きを見切ったと言うのか!?」 モニター一杯に迫る敵機を見詰めアムロは叫んだ。 しかし、叫びながらも必死に機体を動かす。 「フィンガァ──ッ!」 …突き出される右掌を避けられない事は直感的に知った。 だからアムロはジェネレーターに直結していたヴェスバー二門をパージ、更にライフルとランチャーを捨て機体の全出力を左腕のビームシールドに回し構える。 「耐えきれ!うぉぉぉぉぉっ!」 ── C-8を塗り潰す様な凄まじい光が煌めき、その中心部で金色に輝く機体の右腕が、同じく金色に輝く機体の左腕を貫いていた。 そして、一拍置いて形容し難い音と共にF-91の左腕は爆散し、その予想以上に強い余波はF-91を吹き飛ばし崩れかけたビルに叩き付けられる。 「くぅっ…!」 爆発の衝撃とビルへ叩き付けられた時の衝撃が時間差でアムロを襲った。 そして体をシートに固定するハーネスがギチギチと音を立て、ミシミシと骨に皹が入るのを感じた。しかし、苦しむ暇なくアムロは操縦菅を握りフットペダルを踏み込む。 0からMAXスピードへの移行はパイロットであるアムロに更なる圧迫感と苦しみを与えるが構いはしない。 (追撃を受ければ…終わりなんだ!) 強烈なGにより一瞬気を失いかけるが歯を喰い縛り耐える。 だが、無慈悲にもF-91の出力は上がらず急加速はほんの一瞬で終わってしまった。 しまった!と思いながら瞬時にアムロはサブモニターに目を走らせる。 出力120%の状態からの限界以上の機動、そしてソレを行いつつのジェネレーター直結でのヴェスバー乱射。 更にビームシールドに全出力を回し、破られての左腕の爆発がとどめか。 F-91のエンジン及びジェネレーターはオーバーロードし出力は30%を切っていた。 今一瞬のフルブーストは最後の足掻きか、F-91は失速しアスファルトに足を付き慣性で滑り、止まってしまう。 そしてコレを逃すガウルンとマスターガンダムでは無い。 アムロが反応するのとほぼ同時にマスターガンダムはF-91へと飛び出し、左手を下方からアッパーの様に振るう。 そして、マスターガンダムの左手はガリガリとF-91のバイクのラジエーターの様な胸部を削った。 更に返しで裏拳をF-91の顔面に叩き込み、フェイスガードが砕け散る。 バキンッ! 脆く硬質な音を立て砕け散るフェイスガードの破片が落ちる前に、迫り来る金色に煌めく右掌をアムロは見詰めた。 そして、叫ぶ。 「力を貸せ!シャア!」 その声に反応したのか、F-91の出力が上がっていく。 が、時既に遅し。 マスターガンダムの右掌、ダークネスフィンガーはF-91の胸部、コクピットに突き刺さり始めていた。 しかし、アムロは諦めない。 F-91は力強く右足を踏み出す。 右足を踏み出すと言うことは、体は僅かに左に下がると言う事。 アムロは機体を斜めに向かせ、強引にダークネスフィンガーの軌道を反らしたのだ。 「う…ォオッ」 「ハッ!やるじゃねぇか!だがっ!!」 とどめの一撃を反らした事に感嘆の声を挙げながらガウルンは益々笑みを深め、追撃の左掌を突き出す。 (奴を倒す!機体はどうなってもいい…いや…刺し違えてでも!) アムロは機体を軽くしゃがみ込ませ、無事な右手にビームサーベルの柄を握らせる。 「「これで!終わりだぁぁッ!」」 朝日を浴びた二機がぶつかり合う。 二人のパイロットは叫び、力の限り機体を動かす。 夜の乾いた風と朝の湿った空気が混じり合い、弾ける。 そして今度こそ、マスターガンダムの金色の左掌がF-91の胸部、コクピット部分に突き刺さっていく。 その時アムロは機体と自分の命が溢れていくのを確かに感じた。 思えばシャアもこんな気持ちで散ったのだろうか。 (ガロード…後は頼む!) 視界一杯に広がる金色の輝きに呑まれながらアムロは願う。 願わくは── 一方、ガウルンの視界もまたアムロと同じく、光が広がっていた。 (今一瞬で……く…は…ハハハハハッ!) どんなにマスターガンダムが強くても、パイロットであるガウルンの身体能力が高くても、攻撃を当てた瞬間は必ず動きが停まる。 その瞬間をアムロは狙ったのだ。しかし、出力30%程度ではビームサーベルを維持する事は難しい。だが、一瞬、ほんの一瞬ではどうか? ほんの一瞬でもビームサーベルを維持出来れば。 つまりはそう言う事。 マスターガンダムのダークネスフィンガーがF-91のコクピット部分に突き刺ささる瞬間、F-91はビームサーベルの柄をマスターガンダムの胸部に押し付け、一瞬だけ、出せる限りの最大出力でビームサーベルを使用したのだ。 弾丸をも気化する程の闘気を纏うハイパーモードでも、直にビームサーベルを出力されれば防げはしない。 マスターガンダムのダークネスフィンガーがF-91の胸部を貫き、その輝きを終える。 F-91のビームサーベルもまた、マスターガンダムの胸部を貫き、同じくその輝きを終えた。 残ったのは、命の輝きを失い、朝日に照される動く事無い二つの機体。 【C-8】 【アムロ・レイ 搭乗機体 ガンダムF-91(機動戦士ガンダムF-91) パイロット状況 死亡 機体状況 大破 備考 所持していた首輪は爆散しました】 【ガウルン 搭乗機体 マスターガンダム(機動武闘伝Gガンダム) パイロット状況 死亡 機体状況 大破】 【二日目6 42】 本編148話 疾風、そして白き流星のごとく
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悪の美学 ◆ZbL7QonnV. 「……美しい」 自らに与えられた機体を眺め、レオナルド・メディチ・ブンドルは溜息を吐いた。 彼が見据える視線の先には、優美な印象を受ける純白の機体。 兵器としての無骨な印象に程遠い、芸術品的な美しさを持つ機体があった。 その名を、サイバスター。地底世界ラ・ギアスにおいて、最強の呼び声も高い“魔装機神”の一つ。 それが、ブンドルに支給された機体であった。 「なんと……なんと、美しいのか。 サイバスター……まるで大空に羽撃く白鳥のようだ……」 胸元の薔薇を指で挟み、それを佇むサイバスターに向ける。 美を愛し、美の為に生きる。それが彼、レオナルド・メディチ・ブンドルである。 サイバスターの優美な姿は、彼の美意識を刺激するに十分過ぎるものであった。 「サイバスターよ、お前の美しさに私は誓おう。 この醜き催しを企てた無粋な主催者……あの者達に、我が美学を知らしめてくれんと……」 ――悪には美学が存在する。それが、ブンドルの持論である。 ドクーガに席を置き最高幹部にまで上り詰めた彼の背景には、自らの美学に対する絶対的な信念があればこそだった。 その美学が、ブンドルに告げていたのだ。 このバトルロワイアルとやら――美しくない! 「……醜き者よ、今は驕っているが良い。だが、醜き者は滅ぶべき定めにある」 首輪の線を指でなぞり、ブンドルは小さな声で言う。 ドクーガの情報局長として、熾烈な情報戦争を勝ち抜いて来た彼である。 首輪に盗聴機能が仕組まれているだろう事には、とっくに見当が付いていた。 だからこそ、彼は言った。 この醜悪な遊戯盤を見下ろして、悦に浸っている主催者へと語り掛けたのだ。 「このレオナルド・メディチ・ブンドルが、滅びの美学を叩き込んでくれよう……」 【レオナルド・メディチ・ブンドル 搭乗機体:サイバスター(魔装機神) パイロット状況:良好 機体状況:良好(ただしハイファミリアは使用不可能) 現在位置:A-8 第1行動方針:首輪の解除 最終行動方針:自らの美学に従い主催者を討つ】 【初日 12 20】 BACK NEXT 月の戦神と黄金の指 投下順 仮面の舞踏会 人とコンピューター 時系列順 無題 BACK 登場キャラ NEXT ブンドル 美しくない
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バーナード=ワイズマン 氏名 バーナード=ワイズマン 性別 男 愛称 バーニィ 出典 機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争 人称 一人称:俺 二人称:おまえ 三人称:あいつ 特殊技能 ぼろぼろのザクを直したりケンプファーの組み立てを手伝ったり密林の中にトラップを組み立てたりと結構手先が器用だったりする。 性格 ザクで連邦軍に撃墜されたり、ルビコン作戦中にミスしたり、クリスには撲殺されたり等結構迂闊な性格であり、作戦が失敗してコロニーから逃げ出そうとして臆病な面も劇中では見せていたり等良いとこなしな面があるが、子供のアル(主人公)の面倒を見たりしてやさしいお兄ちゃんな部分もあったりして普通な青年である。だが、大概の人が知ってるように性能で劣るザクでガンダムアレックスに挑んで相打ちに持っていけるあたり勇気と根性は結構ある。 備考 ジオン公国軍のMSパイロットで階級は伍長で学徒兵でありバーニィという愛称でよく呼ばれる。初陣で出撃したサイド6で撃墜されそこでアルと出会い彼の運命は左右される。仲間がアレックス強奪作戦(ルビコン作戦)で全滅し、彼はコロニーに核弾頭を打ち込まれるのを阻止するため破壊目標であるガンダムの撃墜を決意した。最後は単身ザクでアルやクリスやコロニーを守るために出撃しガンダムと相打ちという結果を残す。だが、ガンダムのパイロットは思いをよせていたクリスでありジオンの核搭載艦はすでに撃沈していたり、その両方を知ることのないまま死亡。なお、死に様はビームサーベルがコックピットに直撃してミンチより酷いことになってたりと思いっきり欝展開だったりする。P.Sこれを機会に知らない人はガンダムだと毛嫌いせずに夏休み中に一巻から(重要)見るべし。(出来ればクリスマスに最終巻をあれ、なんか画面がぼやけてみえずr CV 辻谷耕史