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神無月の巫女 エロ総合投下もの 乙羽さんの敵討ち   姫宮邸、夜 夜間の見回りをしている使用人に見付からないようにそっと部屋に入る 今夜は静かな夜だ、窓の外から見える景色も絶景だがそんなことをしにきたわけではない ベッドの上で静かな寝息を立てている美少女、その親友、いや恋人にそっと姫子は近寄った 「千歌音ちゃん・・・」 綺麗な顔立ちをしている、流石は宮様といったところか、頭もよく運動神経も抜群だ なぜこんな完璧なお嬢様が自分をここまで想ってくれてるのか、いまでも信じがたいことだろう 姫宮千歌音は学校でも人気がある、そうソウマと同じくらい、いやそれ以上の・・・一番の人気だ 学園内のアイドルといったところか、宮様と呼ばれるほどだから相当だろう 綺麗に整えられた唇、モデルのような美貌、そして・・・月のように輝く白い肌 長い黒髪、黒い瞳、その全てが全生徒の憧れである 「い、いけないことだよね、だ、駄目だよね」 声とは裏腹にパジャマを脱ぎ捨てる 下着姿になったのを確認すると千歌音のベッドに入る そして千歌音に覆いかぶさる、千歌音は非力な自分とは違い力が強い 弓道で鍛えられたリーチの長い細腕、その力は相当なものだろう こうして眠っている間に犯さないと・・・自分のものにならない 「好きだよ・・・千歌音ちゃん」 そう囁くと千歌音の唇に自分のをそっと近づける 一瞬の躊躇の後、強く唇を押し付けた んん・・・あむっ・・・ちゅ・・・はあ・・・ 千歌音の顎を両手で摘む 普通のキスでは満足できなくなった姫子は舌を千歌音の口内へ強引に押し込んだ 拒否のできない一方的なディープキス それは・・・停止したままの千歌音の舌と容赦なく絡み合った あむっ・・・ん・・・ちゅっ・・・ 「はあ・・・はあ・・・千歌音ちゃん、ふふ・・・千歌音ちゃんの唇って柔らかいね、薔薇のような香りがするよ」 何度も交わしたキスだが今夜は格別だった、以前は千歌音からの無理矢理気味ばかりだったのだが 最近は同意の上でのキスが多かった 千歌音の唇が自分の唾液でべとべとになったのを確認し達成感が得る姫子 しかしそれに満足することなく千歌音の着ていた透明なピンクのネグリジェを脱がし始める 姫宮邸の窓から見える村の風景、それは綺麗に聳え立っていた 数分後、千歌音の乱れたネグリジェを整える そして自分の唾液や口紅で汚れた千歌音の唇をハンカチで綺麗に拭き取る これで朝起きても千歌音や使用人は気付くことはないだろう そう、眠っていた間に親友によって犯されたなど知る由もないだろう でも以前はこの屋敷で千歌音に犯されたこともあるのだ、そう・・・千歌音がオロチになったときのこと だからこれはお返しなのだ、恨まれる必要のない、これが姫子にとっての愛情表現の一つなのである 犯した千歌音を満足気に見つめた姫子はそっと部屋を出る、もうこの時間だと使用人も見回りはしてないだろう 無事に部屋に着いた、小さく息をつくと部屋に戻ろうとした次の瞬間、声が聞こえた 「来栖川様」 「!?」 それはある意味奇襲だった、心臓が停止しそうになる ただでさえいまの時間になると姫宮邸内は真っ暗なのだ そんな時に当然声を掛けられたのだから驚くのも無理はない ただでさえ姫子は臆病な性格なのだから それにこうまで暗い屋敷を見るとあの夜が思い出されるのだ そう、千歌音に力尽くで犯されたあの悪夢の夜が でも今夜は犯したのは自分だ、千歌音の処女を奪ったのだが そんな考えに浸る余裕はない、先ほどの声の主がやってきた 暗がりの角からメイド服に身を包んだ女性が現れる 「・・・お、乙羽さん」 そう、如月乙羽、千歌音の侍女だった 姫子はこの人がはっきり苦手だ しかし考える余裕もなく話しかけてくる 「これは来栖川様、ごきげんよう・・・このようなお時間にどちらへ?」 「え?いえ、どちらって・・・そ、そのトイレに行こうかなーと」 適当にごまかす、見逃してくれるはずだ そもそも自分はお客様、使用人に口出しされる覚えはない 千歌音の親友であり心が通じ合った恋人なのだから 千歌音と自分はいつも気持ちが繋がっているのだ だって千歌音は・・・ 世界でたった1人私だけのことを待ってくれている人、その人なのだから 胸につけてあるピンク色に染まっている貝のペンダント 千歌音のお揃いの、そう・・・姫子にとっての宝物だ これこそなによりの証拠、千歌音と運命の赤い糸で結ばれているなによりの・・・ しかし愛する人のことを考えてた時間は次の声に打ち消された 「そうですか、では・・・」 「あ、はい、それではごきげんよう乙羽さん」 これでやっと部屋に戻れる、明日からまた千歌音と何事もなく楽しく過ごせる そう思いながら部屋に戻ろうとする姫子は呼び止められた 「来栖川様、1つお聞きしたいことがございます」 「はい、なんですか?」 たいしたことではないだろうと言葉を返したのだが。。。悪夢だった 「お嬢様のお部屋でなにをなさってたんですか?」 「え・・・な、なにって」 「ふふ・・・私失礼ながら貴女がお嬢様のお部屋に入っていくのを偶然目撃してしまいました」 乙羽は妖しい笑みを浮かべていた、そう・・・余裕を持った微笑な笑みだ 「あ、すみません、トイレに行くついでに千歌音ちゃんの様子を見てみようかなって、そのお、起きてるかもしれないので」 冷静に答えたつもりだが声が上ずりになる、そして絶望的な答えが返ってきた 「んふふ・・・来栖川様、私・・・貴女がお嬢様にどのようなことをなさったのか知っておりますわ」 「!?」 見られ、いや・・・聞かれていた!? そういえば、この女はよく千歌音と姫子の一部始終に聞き耳をうつことがあるらしい 今回のことも聞かれている可能性は高い、いや、聞かれているだろう 姫子は絶望感に包まれた 「あ、あの・・・」 「まさか、来栖川様が千歌音お嬢様にあのようなことをなさるとは・・・私、頭にもありませんでしたわ」 「ち、違うんです!!あ、あれはその・・・」 「可愛い顔をして、やることは大胆でございますね、来栖川様・・・うふふふふ」 あ、でも・・・千歌音なら信じてくれるのではないか?そう姫子は思えた 「・・・(私のことを命よりも大切にしてくれた千歌音ちゃんなら)」 「なにを考えてるかご存知ありませんが、証拠はございます・・・ふふ」 と言うと数枚の写真を取り出す乙羽、表情が凍りつく姫子 そこにはおぞましい光景が写りだしていた そう、眠りについた千歌音のネグリジェを脱がせ乳首を揉み、嘗め回し、そして吸っていた光景が 激しいディープキスの写真もある 「来栖川様がお嬢様になさっていた行為、全て撮らせていただきました」 「あ・・・か、返して!!」 慌てて乙羽から写真を奪おうとしたが簡単に避けられ頭上まで持ち上げられる 「んっ・・・!!あっ!!」 背の低い姫子では乙羽の頭上、それも腕を上げられているので届かない、どうしようもなかった 「うう・・・」 「これを返してほしければ・・・私の部屋にいらしてください」 「え?」 乙羽の信じられない案に姫子は・・・応じるしかなかった 「来栖川様の態度によっては、お嬢様にこれを見せてもよろしいのですよ?」 「・・・わ、わかりました」 「ふふ、いい答えです、ではこちらへ・・・」 と乙羽に誘われ姫子は渋々後を追った 乙羽の部屋に渋々入る姫子、仕方ない・・・そう思った 姫宮邸内はかなりの広さだ、侍女の部屋まで3分ほどかかった 「来栖川様、こちらへ・・・」 「は、はい、失礼します」 乙羽の部屋に招待される姫子 戸惑いつつも入る、殺風景な部屋だった 「あ、あのそれでなにをすればいいんですか!?」 「そうですね、まずは・・・服を脱いでくださいませ」 使用人の信じられない問いに姫子は戸惑った 「な・・・なにをするつもりなんですか!?私は・・・」 「そうですか、では・・・これをお嬢様に、ついでに・・・椎茸を毎晩夕食のメニューに加えさせていただきますが?」 「う・・・分かりました」 いまの主導権は乙羽だ、そう判断した姫子は大人しく従うことにした ゆっくりとパジャマを脱ぎ始める そして下着姿になると恥ずかしいのか乙羽に背中を見せる 「こ、これでいいんですか?」 「ええ、ふふ・・・」 姫子を背後から舐めるように眺め回す乙羽。 「改めてみますが、んふふ・・・これがお嬢様をたぶらかした体ですね・・・」 「な・・・!!そんなんじゃありません!!私と千歌音ちゃんん!?」 踏み向いたと同時に・・・突然乙羽に唇を塞がれされ驚く姫子 「やっやだぁ!!」 慌てて突き放そうとしたがガッチリと両腕で抱き締められ身動きが取れなかった ぴちゃっ・・・むちゃ・・・はあ・・・んんっ!! 「ん・・・んん」 「ふふ、来栖川様、貴女の唇・・・とっても甘いです・・・ふふ、蜜のようにとても甘い・・・」 「な、なにするんですか・・・?(大神君と千歌音ちゃん以外の人に捧げたことのない唇が~!!)」 姫子の言葉など耳を貸さず押し倒す乙羽 「おっと、悲鳴を上げてはいけませんわ来栖川様、使用人共が起きてしまいますゆえ」 「!?・・・」 されるがままになる姫子 乙羽に下着を剥がされ乳首を嘗め回される まさか・・・また・・・犯される・・・!? 「少しでも抵抗したら・・・この写真をお嬢様に・・・」 と囁かれ言い返せない姫子 「わ、私になにをするつもりですか?」 「そうですね、頂きますわ、来栖川様を・・・」 姫子の体全体が固まる 奪われる、また体を・・・しかも今度は愛しい千歌音ではなく屋敷の使用人に 乙羽に胸をまじまじと見つめられ紅潮する姫子 「ふふ、お嬢様や私に比べると随分小さいだこと」 「な・・・!!」 なにか言い返そうとしたが写真が頭に浮かび・・・口を閉ざす姫子 乙羽は一度上体を上げると姫子にキスをした、そして素早く舌を忍び入れる ぱちゃっ・・・はあ・・・んんっ・・・ちゅぱっ!! 舌を舌が絡め合う、乙羽に口内をいいように舐めまわされる姫子 ゆっくりと離した唇と唇から唾液を糸が引いていた 「来栖川様の唾液、とても美味しい・・・」 まるでデザートを味わったかのように感触を確かめる乙羽 「わ、私を犯すことが目的なんですか!?」 姫子の言葉に乙羽はふっと笑って 「貴女はお嬢様を犯した、だから侍女として貴女を見逃すわけにはいきません、敵討ちでございます、来栖川様・・・」
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神無月の巫女 ハアハアスレ投下もの もしも姫子がニブチンでなかったら」~三話「秘恋貝」よりの妄想~ オロチの襲撃により、住む場所を失った私は千歌音ちゃんの好意に甘え姫宮邸で暮らす事になった そこはまるでおとぎ話の中に出てくる宮殿のようだった 広い邸内、豪華な調度品の数々、大勢の使用人…私の日常とはあまりにもかけ離れている世界… 本当にいいんだろうか?きっとここは私のような人間が居ていい場所ではないはず…不安だった そんな私の不安を見透かすかのように千歌音ちゃんは色々と気を遣ってくれる 感謝しているし、本当に嬉しかった けれど…同時に胸が苦しくなってくる どうしてだろう?側にいるだけで心臓が爆発しそうなくらいドキドキしてキュッと痛みも伴ってくるのだ …あの日、オロチの第一の襲撃があった日、千歌音ちゃんは私にキスをした… それがどういう意味なのか?考えただけでも赤面してしまうし、頭が混乱してくる 最初は半分気を失っていたから、きっと夢だと思ってた でも確かに感じたリアルな唇の感触… 人口呼吸かとも思った けれど…唇を割って絡み付いてきた舌の感触…ハッキリと覚えている 千歌音ちゃんは何も言わないし、何事も無かったように普段通りに接してくれている だから私は何も聞けなかった…聞くことが怖かった 一緒にお風呂に入ろうと言われた時、正直戸惑った 「広いお風呂だし、女同士なんだからいいじゃない」そう千歌音ちゃんは言ってたけれど… いざ裸になって一緒にお風呂に入ってみると、恥ずかしくて視線さえマトモに合わせられない チラチラと盗み見した千歌音ちゃんの体は本当に綺麗だった 胸も大きく締まるところは締まっている モデルのような体つきだ 貧弱な自分の体とは違いすぎる…何だかとても惨めな気分になってくる お風呂にも千歌音ちゃんの体にも逆上せてしまい、フラフラしていたら千歌音ちゃんが自分のお古だけれど、と言ってパジャマを貸してくれた 千歌音ちゃんの匂いがする…甘くて花のようないい香り 千歌音ちゃんは笑ってたけれど、私は本当に嬉しかった これで夜寝てる時も千歌音ちゃんと一緒にいられる気分に浸れるから…そう思ってハッとした 何でこんな気持ちになるんだろう? 私は千歌音ちゃんに対して特別な感情を抱いているのだろうか? …怖い夢を見た 深い深い闇の中から迫りくるオロチの者達 私を捕らえ命を奪おうとする無数の負の怨念… 私はうなされ、飛び起きた 鼓動が早鐘のように鳴り、うっすら額には汗をかいていた 「姫子…大丈夫?」千歌音ちゃんが扉の向こうから声をかけてくる 何でわかったのだろうか?明日から千歌音ちゃんは隣りの部屋に移ってくると聞いたけれど、離れている今の部屋にでも届くような声をあげていたのだろうか 理由はどうあれ、今こうして千歌音ちゃんが側にいてくれることが嬉しかった 私が寝付くまで側に居てくれるという… 千歌音ちゃんは私の手をそっと握ってくれた …これじゃドキドキして眠れないよ…私はそんな気持ちを悟られないように目をつぶった 「今晩は一緒に寝ましょう…」千歌音ちゃんはそう囁いた後、布団の中に入ってくる 「…」千歌音ちゃんの体温を感じた 匂いも息遣いもすぐ近くで感じられる そんなくすぐったいような快感が嬉しくて、私は少し体を動かし千歌音ちゃんとの距離を縮めた 千歌音ちゃんは私の背中に腕を伸ばし、包み込むようにして抱いてくれる 頬に豊かな胸の感触が当る…今夜は寝られそうにもなかった 次の日学園に行くと、もう既に私の事は噂になっていた 冷ややかな視線と毒を含んだ言葉が投げかけられる 「何なのかしらね、あの子」「少しいい気になってるんじゃなくて」「まるで拾われた犬っころね」「宮様も何を考えていなさるのかしら」 耳に突き刺さる妬み、嫌味、非難の言葉…それも仕方ない 千歌音ちゃんはみんなにとって「特別な人」なのだから 私とは違う…居ても居なくてもどうでもいいような自分の存在とは違うから… 「あっ!!」ボンヤリと歩いていた私は突然誰かに背中を押された 階段の上から転げ落ちそうになる 寸でのところでソウマくんに助けられたけれど、何だか涙が溢れてきそうになる 自分は…誰に何を言われても何をされても我慢できる たぶん… でもそれによって千歌音ちゃんまでが変に思われたり、迷惑を被るようなことがあったらとても耐えられそうもない (やっぱり…一緒に居ちゃダメなのかな…) 私は担任の先生にそれとなくホームステイさせてくれそうな民家があるかどうか相談してみた 先生も学園内に流れていた不穏な雰囲気を察知していてくれて、親身になって相談に乗ってくれた 「すぐには無理だけれど、探してみるわね」 私は気づかなかった こんな行為が千歌音ちゃんを深く傷つけるなんて、この時は思いも寄らなかった 私はその夜、千歌音ちゃんの部屋に呼ばれた 千歌音ちゃんは開けはねた窓から夜空を見上げていた 「姫子…先生から聞いたのだけれど、あなたここを出て行きたいんですって?そんなに…ここに居るのが嫌だったの…?」 「ち、違うよ…」胸が痛くなった 「嫌だとかじゃない…ただ…千歌音ちゃんの迷惑や負担になりたくないだけ…私が一緒にいると…その、学園でも色々と言われるだろうし…」 「迷惑だなんて…一言でも言ったかしら?あなたの事を負担に思うだなんて…何か悲しいわね…そんなふうに思われていたなんて…」 千歌音ちゃんは怒っている?…私は焦った 「ご、ごめんね…そうじゃなくて…」上手く言葉が繋がらない 「そうね、私からも…頼んでみるわ この家に出入りしている村人は何人もいるから きっと…いい人を紹介してあげられるわ」 「千歌音ちゃん…」体から力が抜けていくようだった 違う、こんなふうになる事を望んでいたわけじゃない 「ねえ、姫子は貝合わせの話しは知ってる?」 千歌音ちゃんは足元のさくら貝を拾い上げた 貝合わせ…カルタの元になったもの そして千歌音ちゃんは言葉を続ける「2枚貝って互いにぴったりと合うのは一組しかないの この世に一組しか でもね、一組は絶対にあるの」 「だから…この世界のどこかには姫子を待っているただ一人の人がいるはずよ」 「千歌音ちゃん…」 「それまでは…絶対に私があなたを護ってあげるから だからそんなに落ち込まないで…元気を出して 姫子は…今、自分が出来ることをゆっくりやればいいから」 涙がこぼれてきた 何でこんなにも優しくしてくれるのだろう…こんな私なのに… 千歌音ちゃんは私の肩に手を廻し抱き寄せてくれた 暖かい…すべてを包み込んでくれるようなこの温もり…そう、あの時に感じたのと同じ… 私は顔を上げて千歌音ちゃんの顔を見た 長い睫毛を伏せている…本当に綺麗な顔だと思った あの時のキスをされた時の光景がフラッシュバックされる…胸がドキドキした 「千歌音ちゃん…」私はこの時、何を求めていたのか?何が私を突き動かしたのか? きっとそれを口に出して説明するのは難しい… ただ引き寄せられるようにして、私は千歌音ちゃんの唇に自分の唇を重ねていた ほんの数秒だけの唇を重ね合わせただけだけれど、私には長い長い時間に感じられた どうしてこんなに大胆なことが出来たのだろう… 私は千歌音ちゃんの反応が怖くて、視線を落としたまま離れる 「…」きっと顔は真っ赤になっているはずだ 「ごめんなさい…」声にならない声 「…謝ることなんか…無いわよ、姫子」千歌音ちゃんが手を握ってくる 「姫子が謝るなら私も謝らなくちゃ…」千歌音ちゃんの頬がほんのり赤く染まっていた 「私は…姫子に謝って欲しくなんてない だってとても嬉しいから…例え今のキスがどんな意味を持っていても… ただの気まぐれでも挨拶の意味でもアクシデントであっても構わない…嬉しいわ」 胸を衝かれた瞬間だった 「違うよ、千歌音ちゃん…私ね、私…す、好き」どうして肝心な時に上手く言葉が出てこないの?私は焦った 「好き…凄く好きの…そういう意味の…キス…」 そう、本当は「愛してる」って意味 自分ではもうハッキリとそう自覚できる 「姫子…」千歌音ちゃんの顔が近づいてくる 「偶然ね…私も同じ…」再び重ねられた唇 「でもね、私のはもっともっと好きって意味のキスよ」 どちらかともなくしっかりと抱き合い、お互いの唇を求め合う 遠い遠い昔にもあったような、幾度となく繰り返された…そんな光景が私の頭の中でかすかに浮かびあがる それが何を意味しているのか私には解らなかったが、それでも今の私は幸せだった きっとずっと以前からこんなふうになる事を望んでいたんだ… 千歌音ちゃんの絡みつく舌に必死に応えながら、全身で喜びを感じている 愛している、愛されている…そう思えた瞬間 「側に居てね…もう、出ていくなんて言わないで」 潤んだ目で見つめる千歌音ちゃんに私はただ頷いた 私は信じて疑わなかった この時の想いがずっと続くことを…悲しい別れが待っているなんて思いもしなかった ~END~
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神無月の巫女 エロ総合投下もの 初投下SS(千歌音,姫子 1スレ30氏)   私たちの村を襲った災厄、あれから数日が過ぎた。 私は千歌音ちゃんのお屋敷に、ご厄介になっている。 ここの皆さんも、とても良くしてくれて、 (なぜか椎茸料理がよく出てくるが……) 何とか元気に暮らせています。 オロチの事、巫女の事、不安なことは、まだたくさんあるけれど…… 千歌音ちゃんや、大神くんとなら、乗り越えて行けそうな、そんな気がする。 ……でも、それでも、毎夜見る悪夢が、私の不安を増長させる。 今夜もまた、悪夢で目を覚ました。 体の震えが止まらない、恐怖が全身を支配する。 ベッドの上で、小さく震えていると、千歌音ちゃんが、 部屋の扉を開け、中に入って来た。 「姫子、大丈夫?」 心配そうな顔で私を見る。 「あ、ご、ごめん、また起こしちゃったね、」 何とか笑顔を作って答えるが、 声が震えているのが自分でも分かる。 千歌音ちゃんはベッドの横に腰掛け、私の手を優しく握る。 「怖い?」 私は黙って頷いた、目から涙が溢れ、手の甲に落ちた。 体の震えはまだ止まらない。 突然、千歌音ちゃんは、私を引き寄せた。 大きな胸に顔が埋まる。 「え?あ、千歌音ちゃん!?」 「大丈夫よ、姫子、大丈夫、私がついてるから、私が姫子を守るから……」 私を包みながら、優しい口調で囁く。 千歌音ちゃんの体温を、鼓動を感じる…… 何だろう?いい匂いがする。 いつの間にか、体の震えが止まっている。 不意に恥ずかしくなった、だって、 私、千歌音ちゃんと、抱き合ってる…… 「あ、千歌音ちゃん……ありがとう、もう、大丈夫だよ」 体を離し、恥ずかしさを隠すため、それと、 感謝の気持ちを込めて、私は微笑んだ。 すると急に、千歌音ちゃんは顔を赤くして、 私から目を背けた。 どうしたんだろう? 「……ごめん……姫子、私…もう……」 震える声でそう言うと、スッと、私に顔を近づけ、唇を重ねてきた。 突然の事に、私は戸惑った。 そのままの体勢で、ベッドに押し倒される。 私、この感触、知ってる? 「ん……ち、千歌音ちゃん!」 唇を離し、体を押し退けた。 「ごめん、姫子、私、私もう、これ以上、耐えられない……」 千歌音ちゃんの手が私の体に触れる。 「だ、だめ、千歌音ちゃん!その、女の子同士でこんな……」 「姫子は、私のこと、嫌い?」 その問いかけに、私は首を横に振った。 嫌いじゃない、嫌いなはずがない。 「……私は、姫子が好き、姫子の事が……好き」 そう言いながら、私を抱きしめる。 胸がドキドキする。 千歌音ちゃんの鼓動も、高鳴っているのを感じる。 千歌音ちゃんが私のことを…… 「嫌?」 耳元でそう囁く、震える声で…… 嫌では、なかった、むしろ、嬉しかった。 千歌音ちゃんの体が震えている。 答える代わりに、私は、そっと、 その体に手を回す。 「!……姫子?」 「……私も千歌音ちゃんのこと……」 「姫子……」 私たちは、再び唇を重ね合わせた。 パジャマのボタンが一つずつ外されていく。 裸なら、お風呂で見られているのに、なんだか、とても恥ずかしい…… 「や……恥ずかしいよ」 露わになった、自分の胸を隠す。 「見せて、姫子の体……」 「…で、でも、私……胸、ちっさいし、その、それに、 千歌音ちゃんみたいに綺麗じゃないし……」 「姫子は綺麗よ、もっと自分に自信を持ちなさい」 なんだか諭すように言われ、私は観念した。 千歌音ちゃんの手が、私の手をどかしていく。 すごい……恥ずかしい…… 「姫子」 呟くようにそう言うと、私の胸にできたアザに口を付けた。 「あ!……」 温かく柔らかい感触に、驚いて声をあげてしまった。 そこから胸にかけて、ゆっくりと移動していく。 舌が乳首に触れ、そこを刺激してくる。 さらに手で、もう一方の胸にも刺激が与えられる。 「姫子のここ、固くなってる」 「ん、んぅ、あ…や……あ……」 変な感じがする、なんだろう? ちょっと、切ないような…… ひとしきり、私の胸を愛でた後、千歌音ちゃんは、そこから手を下の方へ伸ばす。 ボーッとしていた頭が元に戻る。 「あ!千歌音ちゃん!」 私の声を無視して、手はパジャマの中に…… 下着越しに、私の恥ずかしい所を撫でる。 「あ、ん、だ、だめ、千歌音、ちゃん」 「姫子、かわいい……」 今度は、下着の中に…… 「あう!」 直接あの部分に触れられて、私の体がビクンッと跳ねる。 「変、だよ、千歌音ちゃん、私、ん、なんだか……」 「感じてるの?姫子」 「分かんない……けど」 「けど?」 「変な、感じ……」 「そう……じゃあ、もっと変になって」 私のアソコをなぞるように、手を上下に動かす。 体の奥が熱い…… 「姫子の、濡れてる」 「あ、う、いや……んく」 千歌音ちゃんの手が、さらに強く私のアソコを刺激してくる。 手をアソコから、抜き取って、私の目の前に持ってくる。 千歌音ちゃんの指が、私ので、濡れて光っている。 やだ、私……あんなに…… 「このままじゃ、シミになっちゃうわね……脱ぐ?」 「……うん」 千歌音ちゃんが、私のパジャマのズボンを脱がす。 私が身に着けているのは、一枚の下着だけになった。 「いい?」 私は小さく頷いた。 千歌音ちゃんの手が下着に掛かる。 やだ、見られちゃう…… 下着を脱がされ、裸になった私を、千歌音ちゃんが見下ろしている。 恥ずかしい…… 手で顔を覆い、足を閉じる。 「見せて、姫子の、全てを……」 足に込めていた力を抜き、千歌音ちゃんに委ねた。 私の足を開いて、アソコを見ている。 「これが……姫子の……」 突然、千歌音ちゃんは私のアソコに口を付けてきた。 「きゃっ!だ、だめ!そんなと、んぅ!あ、やめ、きたな……あう!」 千歌音ちゃんの舌が、私の恥ずかしい部分を舐める。 「姫子のココ、とっても綺麗よ」 今度は私のアソコの突起を、舌先で刺激してくる。 「ひゃう!だめ!千歌音ちゃっ、そこは、はう!」 全身を電流のような刺激が駆け巡り、背中が仰け反る。 その突起を口に含んで、吸い上げる。 「ひあっ!吸っちゃ……ああ!」 全身が震える、頭が真っ白になる。 「気持ちいい?姫子……」 「ハァハァハァ……わ、わかんない、でも、声が……」 「もっと、聞かせて姫子のかわいい声……」 千歌音ちゃんの指が、また私のアソコに触れる。 体がまた跳ねる、だめ、声が…… 「んく、ふぅ、あふ!あ……はう、ん、ひっく、ふああぁぁ」 もう、声を抑えることができない。 どれくらい経ったろう、長いような、短いような。 時間の経過がはっきりとしない。 千歌音ちゃんの指と舌が、私の何かを掻き立てる。 私の体の奥から、何か大きな、とても大きな何かが、 迫って来るような、そんな感覚を覚えた。 「イキそうなの?姫子」 イク?わからない、でも、何か、くる、大きいのが…… 「うあ!やめ!千歌音ちゃっんぅ!」 「やめていいの?姫子……」 千歌音ちゃんの手が、突然止まる。 アソコの所が熱い。 なんか、もどかしい様な、変な感じ。 ……もっと、してほしい。 「どうなの?姫子」 「あの……その……千歌音ちゃんのいじわる……」 「フフッ……」 再び、千歌音ちゃんの舌と指が、さらに激しく私を責め立てる。 もう……だめ…… 私の中で、何かが、弾けた。 「うあああぁぁぁーーー!!」 恥ずかしげもなく、大声をあげてしまった。 気が遠くなるような感覚が全身を貫き、頭の中が真っ白になる。 ダメ……何も考えられない。 「気持ちよかった?姫子」 千歌音ちゃんの問いかけに、答えられずにいた。 「ハァハァ……千歌、音、ちゃん……」 荒い息の中から、何とか、千歌音ちゃんの名を呼ぶ。 紅く染まった、顔で私を見ている。 「姫子……次は、私に……」 千歌音ちゃんの手が私の胸に触れる。 「ん、うぅ……」 少し触れられただけなのに、私どうしちゃったんだろう…… 「私が、千歌音ちゃんに?」 声が掠れてる。 「ええ」 そう言うと、千歌音ちゃんは、私から体を離し、 ベッドの横に立った。 月明かりを背に、私に向き直る。 「見て、姫子」 ゆっくりと千歌音ちゃんは、自分の服に手を掛け、 上着、そして、下着を脱いでいく。 私は、固唾を飲んでそれを見続けた。 徐々に千歌音ちゃんの肌が、露わになってくる。 「少し……恥ずかしいわね」 私の目の前に、何も身に着けていない、千歌音ちゃんがいる。 いつもお風呂場で見ている、雪のように白い肌が、 うっすらと紅く染まっている。 私は魅入られたように、その肢体に目を奪われた。 「さあ、姫子」 ベッドに横になり、私を誘うように手を伸ばす。 その手を握り、千歌音ちゃんの唇に、自分の唇を重ねる。 千歌音ちゃんの舌が、私の口の中に入ってくる。 少し驚いたけど、私もそれに応える。 私の舌と、千歌音ちゃんの舌が、口の中で絡み合う。 なんだか、頭の芯が熱くなるような感じがする。 口を離すと、二人の唾液が糸を引いて繋がっている。 私はさっき、千歌音ちゃんがしてくれた様に、胸に口を付けた。 やっぱり、大きいな……千歌音ちゃんの胸。 手で触れるとその質感が、直に伝わってくる。 柔らかい。 「ん、う、はあ……」 千歌音ちゃん、感じてくれてるのかな? 私は舌先で、乳首を舐める。 あ、固くなってる。 「あ、ん、姫子……んっ」 感じてくれてるんだ……千歌音ちゃん。 固くなってる、千歌音ちゃんのその部分を、 舌先で舐めながら、手を下に伸ばす。 一瞬、体が強ばるが、すぐに力を抜いて、私の手を導く。 千歌音ちゃんのアソコ、濡れてる、それに、とても熱い。 私はアソコの割れ目に沿って、指を動かす。 千歌音ちゃんがした様に…… 「ん……あ、姫子、も、少し、強くしても、いいよ……」 「う、うん」 言われた通りに、先程より、強くなぞる。 「そう、ん!い、いい……姫、子……あうっ」 千歌音ちゃんの体が、ピクピクと震えている。 そこから手を離し、指を見る。 透明な、粘り気のある液体が指を濡らしている。 足の所に移動して、その間から、千歌音ちゃんのを見る。 「姫子……あんまり、見ないで」 そう言われても…… ここが千歌音ちゃんの…… 私は、そこに舌を近づける。 千歌音ちゃんの匂いがする、それと、味…… 「あっ!姫子!だめ、そ……んあ、ひう!」 千歌音ちゃんがしてくれたのと、同じように、舌を動かす。 こんな感じだったかな…… 大きくなっている突起に、舌で触れる。 「んあ!はう……く、あう!」 千歌音ちゃんの背が、反り返る。 私は、夢中で千歌音ちゃんのアソコを舐め、吸う。 「あっん!いい……姫子、私、もう…、 イ、あ、だっめ!っあああぁぁぁーー!!」 千歌音ちゃんの体が、大きく、仰け反り、ぶるぶると震える。 「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ……」 果てた、千歌音ちゃんを見つめる。 綺麗……私は本当にそう思った。 いつも思うことだけど……今は、より一層そう思う。 うっすらと汗ばんだ肌、長くて綺麗な髪、ほんのりと紅く染まる頬、 潤んだ瞳、形のいい大きな胸、くびれた腰、 引き締まったお尻、スラッと伸びた手足。 女の子の私ですら、見とれてしまうほどに、美しかった…… 「あの、千歌音ちゃん?」 「ん?」 「あの……その……よかった?」 「……フフッ、ええ、姫子に触れられてるって、思うだけでも、私……」 私の頬に触れ、笑い掛ける。 私達はまた、口づけを交わした。 千歌音ちゃんの、温もりが伝わってくる。 「姫子、今度は、二人で……」 千歌音ちゃんは私をベッドに寝かせ、上になる。 「千歌音ちゃん?」 少し不安になって、名前を呼ぶ。 だが、それには答えず、千歌音ちゃんは、また私の下半身の方へ…… 突然、私の足を開いて、体を滑り込ませてきた。 「きゃっ!や、やだ!千歌音ちゃん、何?!」 あまりに突然だったから、驚いて、足に力が入ってしまう。 「姫子……力を抜いて」 「うん……」 力を抜いて、千歌音ちゃんにすべてを任せる。 何をされるんだろう? 不安、それと、期待が入り交じり、なんだか…… すごい……ドキドキする。 千歌音ちゃんの体が、近づいてくる。 そして、私のアソコと、千歌音ちゃんのアソコが、重なり合う。 「ふあぁ!」 「んぅ、姫、子……ん、ふ」 熱い……灼けちゃいそうなくらい、すごく熱い…… 何?気持ちいい?千歌音ちゃん…… 「姫子、すごい……ん、濡れて……あ、あ、っああ!」 腰を動かして、私のアソコに、自分のあの部分を擦りつけてくる。 「あぁ!だめぇ……うあっ!千歌、音ちゃ……ふあぁ」 私たち二人の声と、湿った音が、部屋に満ちていく…… 「っんあ、姫子、だめ!腰、止まらな、ああ!」 眉間にしわを寄せ、上気した表情で私を見下ろしている。 私も、同じ様な顔、してるのかな…… あ、やだ……腰が勝手に…… 「うああ、あう、くっ、ひうっ!ああぁぁぁーー!」 声が、止められない……だ、め…… 私たちの、一番敏感な部分が擦れ合う。 下腹部から全身に、電気が流されたような、強烈な刺激が突き抜ける。 「ふあああぁぁぁぁーーー!!!」 「くあああぁぁぁぁーーー!!!」 千歌音ちゃんも私と同じように、 体を仰け反らせ、悲鳴をあげる。 私の足を抱きながら、腰を動かして、 さらに強く擦り合わせてくる。 私もまた、それを求めるように腰をくねらせる。 「んん、あ、姫子、すごい……感じる!」 「あっ!く、私も、千歌音ちゃんを……感じる、ふあ!」 混ざり合った、熱い水が、私の太股を伝ってくる。 熱い吐息、湿った音、いやらしい音、 それが耳の奥まで響いてくる。 私は再び、体の奥から、何かが 迫ってくる様な感覚に襲われる。 「うあ、ひう!だめ千歌音ちゃ、んぅ!わた、し、また、あう!」 「んく、姫子、わ、わ、たしも、あっく、もう!っはあう!」 さらに強く、激しく、腰を動かし合う。 まるで、互いが、互いを求めるかのように…… もう……だめ……くる……イク…… 頭の中が、また、真っ白になった…… 二人の敏感な突起が、擦れ合う。 「あ、イッ!千歌、ひう!くあああぁぁぁーー!!」 「あう!姫、子ォ!っふあああぁぁぁーー!!」 二人、ほぼ同時に、達した。 やだ、私……震えてる、それに、あんなに大きな声を、 千歌音ちゃんの目の前で出して……恥ずかしい…… 今更だけど…… 突然、千歌音ちゃんの腰が、再び動き出した。 「ひっ!だ、だめ!千歌音ちゃんっ!あ、や、あ、わた、し、また……ふあぁ!」 「おね、がい、んあ!姫子を、もっと、はあ、もっと!感じさせて!」 そう言って、千歌音ちゃんは、腰を動かし始めた。 そして、私も、また…… あれから、何度、体を重ねたかよく覚えていない。 私たちは、求め合った。 私を、千歌音ちゃんを、快楽を、互いの温もりを…… いつの間にか、眠ってしまっていたみたい。 ふと、目を覚ますと、隣では、 千歌音ちゃんが寝息を立てている。 「千歌音ちゃん……」 そっと、千歌音ちゃんの頬に触れる。 「……ん、姫子……」 寝言で私の名前を呼んでる。 ちょっとドキッとした。 どんな夢を見てるんだろう…… 私の口から、自然と笑みがこぼれた。 千歌音ちゃん、私、大丈夫だよ。 確かに怖い、すごく怖いけど。 千歌音ちゃんがいてくれたら、傍にいてくれたら、 私、がんばれる、大丈夫だよ、きっと…… 千歌音ちゃん……大好き。 そう、心の中で千歌音ちゃんに語りかける。 千歌音ちゃんの、長くて綺麗な髪を撫で、 瞼を閉じ、寄り添うように、眠りについた。 その日、椎茸がてんこ盛りの食事が出された…… ……なんでだろう? おわり。
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神無月の巫女 エロ総合投下もの 姫子の完全計画 ◆Jm1JXqj74c氏   七月七日、明日は村のふもとで七夕祭りが開催される。 そして来栖川姫子は前日に早乙女マコトと大神ソウマから祭りへ誘われた しかし姫宮千歌音に誘われることはなかった。 千歌音は性格上、自分から誘ったりはしない、待ちのタイプである。 それに千歌音は付き合い出したいまでも姫子の幸せを尊重しているのだ。 姫子自身は運命の想い人であり恋人の千歌音と行きたい あの交差点で再会して以来姫子の心は千歌音でいっぱい しかし姫子の性格上、2人の誘いを断れず引き受けてしまった それにマコトやソウマのことも大好きなのでこれは仕方ないことだそう。 しかしこのままでは2人が鉢合わせになってしまうし千歌音とは行けない。 というわけで考えた姫子は・・・1時から3時近くまでマコトと遊ぶ そして3時から5時までソウマと、そしてその後は・・・愛する千歌音と・・・。 「うん、ごめんねマコちゃん、じゃあ・・・そういうことで」 3時から用事があるとマコトに伝えた。 七夕祭りは1時から7時まで、丁度遊べる・・・。 姫子は笑みを浮かべた。 「うふふ・・・マコちゃんは楽しければいい子、大神君は私のキスに弱い人、千歌音ちゃんは私と一緒にいられさえすれば幸せな子」 3人の性格上や行動など分析しこまめにチェックする。 姫宮邸を出る際、千歌音にはマコトと出かけると伝えて行こう。 ソウマと出かけると伝えると千歌音がまた悲しい表情を何処かで見せるだろうからだ それにマコトと出かけると言えば大親友同士ということで怪しまれる可能性は低い。 祭り当日の午後、千歌音はマコトと出かけるという姫子に浴衣を用意してくれた 「乙羽さん、これを来栖川さんに・・・」 「かしこまりました、お嬢様」 2人の声は耳に届かない まずはマコトだ、次はソウマ、そして・・・。 今夜は愛する人と一緒に過ごす・・・胸の鼓動が治まらない 「じゃあ、千歌音ちゃん・・・行ってくるね」 「ええ、行ってらっしゃい」 姫宮邸門前、千歌音に見送られ姫子は屋敷を出る。 千歌音に手配された車に乗り込む。 マコトとは祭り会場で待ち合わせしている。 午後1時だから充分に余裕がある。 姫子は胸を膨らませていた また千歌音を独りぼっちにしてるような気がする でも今夜は千歌音と夜のお祭りを楽しむ、いまは我慢・・・。 それに男と行こうとすれば千歌音も寂しい思いをするだろうけど マコト、つまり女の子と行こうとするなら千歌音はなにも思わないだろう 「・・・(ごめんね千歌音ちゃん)」 姫子がそんな考えに浸ってる間にも祭り会場は近づいていた。 「お~姫子!!遅いぞ!!」 「え~時間ピッタリだよ」 「わかってないな~人と待ち合わせするときは早めの時間に来るのが常識」 マコトはいた、そう・・・そこに。 「天の川・・・見るか?」 「え・・・ううん、私、マコちゃんとこうして一緒に歩くだけでいいの」 そんな悠長な時間はない。 マコトと出店を見て回る 村では滅多にない祭りだけあり賑わっている 夏祭りだけではなく七夕祭りでも出店が並ぶ マコトと金魚すくい、綿菓子など食べながら楽しい時間を過ごす。 「姫子どした?あんたさっきから時間ばっか気にしてるね」 腕時計ばかり目をやっている姫子に対して怪訝そうに訪ねるマコト。 「う、ううん・・・なんでもない」 3時には大神神社でソウマと待ち合わせしてるのだ。 マコトも思ってもみないだろう、姫子がこの後ジン様と約束してるなどと。 「マコちゃん、もうそろそろいいかな?私用事あるし・・・」 「あ、うん、そうだったね、すっかり忘れてたわ、ごめんごめん」 と、祭り会場を後にした。 マコトは楽しければなんでもいいのだ、姫子は扱いやすい子だと思った。 いつも護ってもらう身でありながらこう思うのも変かと思うが。 以前はルームメイトでもあったが交差点で千歌音と再会して日常が変わった。 マコトが乙橘学園寮に戻っていくのを確認した姫子は大神神社へ急ぐ。 3時近いからだ、まあ祭り会場から神社へはそう遠くない、苦労することなく行けた。 ソウマは大神神社前のそこにいた、特に待ちくたびれた様子はない。 マコトと別れた姫子は大神神社へ直行した。 ここは以前巫女の儀式を行った場所。 アメノムラクモを蘇らせた場所 でもいまは自分の首筋に陽の刻印はない オロチとかはもう終わったこと、過去の出来事 千歌音の記憶が消えた以前の出来事、もう忘れたい。 いまは千歌音を愛している、それだけ。。。 「大神君、待った?」 「いや、時間ぴったしだ」 とソウマは笑う、この男は扱いやすいと姫子は思った。 なぜなら自分にほれているから、心の中でくすっと笑う。 「じゃ、行くぞ」 「うん」 とソウマの原付バイクにまたがる。 「しっかりつかまってろよ、来栖川」 と猛スピードで大神神社を後にした。 はっきりソウマの背中は温かい、 でも千歌音の胸の中にいるほうが温かい。 姫子はそう感じた。 あと2時間だ、もう少しだ。。。 マコトのときと同じように金魚すくいや綿菓子 やきとりなど食べながら雰囲気を楽しむ ソウマはこうして自分といれば楽しいのだ、利用価値がある。 とうもろこし、射撃当てなど楽しむ。 お好み焼きをおごらせてやった。 まあ男が女におごるのは当然だ。 ソウマだってそのために小遣い持ってきただろうし。 まあそれなりに楽しい、ソウマも楽しそうだ。 しかし楽しい時間は早く過ぎるものでそうこうしてる内に4時半を回っていた。 このまま歩いていても無駄な時間が過ぎるだけ 姫子は思い切って声をかけた 「あの・・・大神君」 「ん、どうした?」 「あの、大神君、テニスの練習は?」 「え、いやいいんだ、今日は休むよ」 「だ、駄目だよ休んじゃ、私はいいから・・・ね?」 「来栖川・・・なにか予定あるのか?」 「ううん、そんなんじゃないけど、早く帰らないと千歌音ちゃん心配するし、それにね・・・」 「それに?」 「テニスが強い大神君、私好きだよ、頑張ってほしいの、だから・・・今日は・・・ね?」 「・・・あ、ああ、分かった、学校に戻るよ」 「うん♪」 この男はほんとに単純だと姫子は改めて思った。 バイクで姫宮邸まで送ってもらう。 ほんとに利用しやすい男だ。 「今日は楽しかったよ」 「うん、私もだよ、とても楽しかった」 「来栖川、俺やるよ、強くなって、お前がびっくりするくらい」 「うん・・・」 「またな、来栖川」 「うん・・・あ、大神君」 姫子は少し背伸びするとソウマに頬に軽くキスした。 紅潮したソウマに無邪気な笑顔で声をかけた。 「大神君、頑張ってね」 「来栖川・・・ああ!!」 バイクに跨るとソウマは姫子を振り替えった。 「姫宮によろしく・・・また明日学校でな」 「またね~大神君」 姫宮邸から走り去るソウマのバイク。 彼が通り過ぎるのを待ってから作り笑顔を消す姫子。 そして口の箸で・・・妖しく微笑した。 髪を揺らしきびすを返すと 屋敷の門を開け、一時帰宅だ。 「お帰りなさいませ・・・来栖川様!!」 姫宮邸内入り口で使用人の挨拶される、乙羽も同じように頭を下げていた。 「た、ただいま・・・」 つい笑顔が引きつる、何度してもこの出迎えは苦手だ。 そうこうしていると2階からゆっくりと階段を降り・・・千歌音が姿を表す。 「お帰りなさい、来栖川さん」 「うん、ただいま・・・千歌音ちゃん」 月のお姫様のような優しい笑顔でそう告げる千歌音に姫子はお日様の笑顔で精一杯に返した。 「姫子、お屋敷門前に大神さんがいたけれど・・・大神さんとお祭りに行ってたのかしら?」 姫子の自室でそのことについて問われた 窓から見ていたのだろうしかし、姫子は冷静に答えた。 「うん、マコちゃんとお祭りから帰るときにね、偶然大神君にばったり会っちゃって、送ってもらったの」 「そう・・・」 千歌音が姫子に対して疑いの目を向けることはありえない 心から信じてくれた様子だ。 「今日は疲れたでしょう、ゆっくり休むといいわ」 と告げ部屋を出ようとした千歌音に姫子は声をかけた。 「千歌音ちゃん・・・」 「どうかしたの」 「あの・・・お祭り行こう?」 「え・・・私と?」 姫子の提案に千歌音は戸惑っている様子だ。 まさか誘われるとは思ってもいなかったのだろう。 姫子は祭り会場にいても苦しかった いまこうして遊んでる間にも千歌音は孤独なんだと もちろん乙羽や使用人はいるけれどほんとに意味では誰もいないのである。 だからなんとしても誘いたかった。 「うん・・・私ね、千歌音ちゃんと一緒に行きたいの」 「そう・・・でも私は」 「一緒に行こ?ね、千歌音ちゃん、大好きな人とお祭りに行かないだなんて・・・きっと罰が当たるよ」 「姫子・・・わかったわ」 そう告げた千歌音は立ち上がる。 「そうね・・・私も着替えてこようかしら」 その表情はどことなく嬉しそうで・・・それでいて楽しそうで。 うん、これで以前は後悔したかた、同じ過ちは二度と犯さない もう千歌音に寂しい思いはさせない、姫子は心にそう誓ったのだ 千歌音は一度姫子を部屋を出ると、自室で乙羽に浴衣を用意させた。 一度シャワーを浴びた千歌音は乙羽の手によって浴衣を着せられていた シャワーを一緒に浴びている間、千歌音が着替えている間。 姫子はその美貌に改めて酔いしれていた 「・・・(いつも観てるけどなんでこんなにドキドキするのかな、肌も白くて胸も大きくてスタイルも良くて・・・女の子同士なのに見とれちゃうよ)」 こんな綺麗な人と愛し合っていることに再び喜びを感じる。 「・・・(うわぁ・・・綺麗)」 千歌音の浴衣姿に見とれてしまう、なんでこんなに不公平なのかと姫子は思う。 なにを着ても千歌音は絵になるのだ、ほんとモデルのよう。。。 千歌音は顔も美人で頭も良くて優しくてピアノも弓道も乗馬もテニスもバイオリンもなんでも凄くて・・・。 でもほんとは気が弱くて怖がりで嘘つきで・・・そんな千歌音が姫子は大好きだ。 「来栖川さん、車の用意ができたわ」 「うん、行こ?」 「ええ、それじゃ乙羽さん、行ってくるわね」 「はい、お気をつけて行ってらっしゃいませ」 乙羽の声と同時に2人はお屋敷を出た。 そして車に乗ると祭り会場へ向かった。 もう夜の6時だ、流石に辺り暗い・・・でもそれが良かった。 千歌音の浴衣姿は祭り会場のどの女性よりも一際目立っていた。 いや、一番輝いていた、流石は宮様。。。 そして一番楽しそうだ、金魚すくいをしてるとき、りんご飴を舐めるとき 綿菓子を食べてるとき、とうもろこしを口にしてるとき 心の芯から楽しんでいる、以前にはなかった光景 姫子はこれが見たかった、千歌音の本当の笑顔。 「千歌音ちゃん・・・楽しめてるかな・・・?」 「ええ、とっても楽しいわ」 「そう、良かった・・・うん」 「でもね・・・それはこの雰囲気だけじゃないの」 「え?」 「姫子が・・・姫子がこうして側に居るから楽しいの・・・」 「千歌音ちゃん・・・」 「姫子、誘ってくれてありがとう、とても嬉しかったわ・・・」 そう囁いた千歌音は月のように輝いていた 「千歌音ちゃんにこんなに喜んで貰えて・・・ほんとに良かった・・・」 姫宮邸門前、夜7時、この時点で姫子の完全トリプルデート計画は成功を迎えた。 七夕祭りもお開きを向かえ帰る2人、 「そうね・・・ほんとに私・・・ありがとう」 「千歌音ちゃん?」 「ごめんなさね、私・・・」 と嬉しさの余り涙を流す千歌音。 「ううん、ずっとだよ、ずっと私が千歌音ちゃんのハンカチになるから・・・ね?」 「ええ、そうね、貴女がお日様のハンカチになってくれるんですもの、平気よ・・・」 「千歌音ちゃん・・・キスして」 お屋敷門前で見つめ合う 立ち止まった姫子は千歌音の側にそっと寄り添い千歌音を見上げると静かに瞳を閉じた。 「姫子・・・いいのかしら?」 「うん、千歌音ちゃんとならしたいよ、お願い・・・」 そっと千歌音の唇が重なる、それから抱き合う 姫子もほっとした、こうして千歌音とキスしていると・・・今日の苦労が全て報われる。 「ごめんなさい・・・」 「どうして謝るの?私がしたいんだから、ね・・・千歌音ちゃん」 「姫子・・・ええ・・・」 再びキスした。 完全計画成功だ、姫子は自室で微笑んでいた。 計画は全て完璧に成功した、1日で3人とデートした。 それも全員に怪しまれることなく。 もう既に入浴し浴衣からパジャマに着替え済みだ。 「ふふ・・・楽しかったよ」 呟く声と同時にドアノブを叩かれる。 「来栖川さん・・・入るわ」 千歌音の声だ、この瞬間姫子の鼓動が再び高まる 「千歌音ちゃん・・・」 ベッドに腰掛けている姫子に寄り添う。 「姫子、今夜は誘ってくれてとても嬉しかったわ」 「ううん、私がしたかったことだもん、千歌音ちゃんはそれに応えてくれただけだよ」 「姫子・・・」 千歌音にゆっくりと押し倒される。 そしてそのままキスしたきた。 姫子は静かに目を閉じると千歌音の背中に両腕を廻す。 千歌音の長い舌が姫子の口内に侵入を開始する。 ちゅ・・・んん・・・はあ・・・はあ・・・・。 姫子はそれに逆らうことなく舌を合わせ絡める。 べとべとになるまで絡めると千歌音の右手が姫子の胸付近を触り始めた。 「ん・・・」 千歌音のリーチの長い細腕が姫子のパジャマを脱がしていく そして下着が肌蹴た姫子の胸元に顔を埋めた。 「姫子・・・姫子・・・好き、好きよ・・・はあ」 千歌音から発せられる声に姫子は満足そうに目を閉じた。 下着を脱がされ両胸を揉まれ舐められ、首筋を舐められてもされるがまま 「ん・・・」 そしてそのまま千歌音の顔が下半身に移動されるが姫子は目を閉じたまま 愛している人にはなにをされても幸せだと悟っているから 「・・・千歌音ちゃん、優しくしてね」 千歌音の長い黒髪が肌に触れわたるなかそう呟く 「ええ・・・姫子」 姫子のアソコにつっこむ・・・そして液が流れ込み・・・千歌音はそれを舐め続けた。 「・・・(私、いま千歌音ちゃんに抱かれてるんだ)」 天井を見上げる姫子、完全計画は成功、そして運命の想い人に体を捧げる これ以上ない七夕祭りになったとそう思った。 「・・・(マコちゃんも大神君もありがとうね・・・)」 首につけている二枚貝のネックレス、そう千歌音とお揃いのネックレス 姫子が千歌音に本当の意味での処女を捧げながら握り締めていた 世界でたった1人私のことだけを待ってくれた人 好きな人と一夜を過ごす、それは完全計画成功より嬉しいものだった END  
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神無月の巫女 エロ総合投下もの 町医者の娘 爆弾投下予告 注意 1.しつこくまた前世です。今回はほのぼの 2.百合萌え板にあった『乙羽さんが医者の娘で姫子とは親友』ってゆー面白いシチュがあったので許可もらって書いてみました 3.話が随分と無理やり 4.エロはなし 5.乙羽さんと姫子がだいぶおかしい それではどんぞ 「姫さまーっ!」 「どうしたの?真琴」 昼下がりによほど焦ってるのか、ものすごい速さで駆けてきた真琴は姫子の元で立ち止まり、ハァハァと息を整える 「それが…千歌音のご様子があまり…」 表情を落とし小さな声で言う真琴に姫子の表情が強張る 「分かったわ、直ぐに屋敷に戻るわね」 ここ数日千歌音は体の調子が良くなかった 今日も朝から千歌音が咳込んでいるのを姫子も気づき、朝出掛ける前に休むように促したのだが 「咳だけですので」と千歌音は我慢して仕事をしていた しかししばらくして仕事の捗らない千歌音の様子に見兼ねた真琴が部屋で休むように手を回してくれていた 「少し寝てれば大丈夫」と言っていたのだが… 昼食を持っていったとき、部屋でぐったりと容態が悪化している千歌音を見て真琴は 慌てて朝から大神神社へ行っていた姫子の元へと駆けたのだった 「それで?千歌音の様子は?」 屋敷に着き険しい表情で廊下を早歩きで歩きながら真琴に問う 「それが熱がどんどん上がってしまって、咳も止まりません…」 姫子の半歩後ろを同じ速さで歩く真琴は眉を潜めながら答えた 千歌音が体が弱く病弱なのは今に始まったことではない、真琴はいつもの事だと思って軽視していたのだが今回は勝手違うらしい 「薬は飲ませたの?」 「はい、ですが余り効果がなくて」 姫子は顔を曇らせながら「そう…」と答えた この村に駐在する医者はいない、ある程度の怪我などの外傷を治療する程度の簡単な医学の知識ならばあるが、病気は別 更にただの風邪ではないのなら話は違う 「千歌音、入るわよ」 離れにつき襖を開け部屋へと入ると、部屋の中央に敷いた布団の上で苦しそうな表情を浮かべ寝ている千歌音がいた 心配そうな表情で布団に近づく姫子に気づいて体を起こそうとした 「すみません、姫さ…ごふっ!げふっ…!」 「そのままでいいわ、寝ていなさい」 姫子は大きく咳き込む千歌音の肩を抑え、優しく制した そのまま布団に寝かせると千歌音は目を閉じて「はぁ、はぁ…」と苦しそうに呼吸を繰り返している 「ひどい熱ね…」 千歌音の額に手をあてると燃えるように熱い 「氷は?」 「あと少ししかもう…」 このままでは治りそうにもない… 「仕方ないわ、町の医者に連れてかなくてはダメね… 真琴、馬の用意を。私が連れてくわ」 千歌音の額に手をあてたまま振り返り背後に立っていた真琴に命じた 「しかし今日は確かお休みでは…」 真琴は怪訝そうな顔で返してきた 今日は町の病院は休日の日だった、姫子は悔しそうに眉間に皺を寄せた 「しょうがないわ。…多分あの家のものなら診てくれるわ 急いでもらえるかしら?」 「分かりました」 一礼してから真琴は離れを出て馬の準備へと急いだ 「…ごめんなさい…姫子」 襖が閉められ2人きりになった部屋でか細い声で千歌音が謝ってきた 蚊の鳴くような声、姫子は千歌音を見てにっこりと笑みを浮かべ首を振った 「苦しくはない?」 「胸が…少しだけ…」 優しい問いかけに千歌音は小さく答えた ものすごく苦しいだろうに… 熱に魘され潤んでいる瞳で微かに笑う千歌音が堪らなく愛しい 姫子は千歌音に顔を近付け、額と額を合わせた 「今お医者さまのところへ連れていってあげるから、もう少しだけ頑張って」 「…うん」 目を閉じ頷いた弱っている千歌音を励ますように姫子はそっと唇を重ね合わせた 「じゃ、真琴。お父様には医者に行ったと伝えておいて」 馬に跨り、厚着をさせた千歌音を前に座らせ村の出口まで見送りにきた真琴に言った 「お二人だけで大丈夫ですか?」 「大丈夫よ、そんな遠くないし」 心配そうな顔の真琴に笑顔で返した 「じゃあ行って来るわね」 「はい、お気をつけて」 そして姫子はゆっくりと馬を歩かせ村を出た 「千歌音、大丈夫?」 しばらく歩いた後、目を閉じ自分にもたれ掛り、時折咳をする千歌音に声をかけた 「…大丈夫、よ…」 少し間を空けた後、ゆっくりと答えた その辛そうな声に姫子は千歌音の顔を覗き見た 顔色がさっきよりも悪くなっている… 時間が経てば経つほど衰弱していく千歌音を姫子は片手で抱き締めた 「少し、辛抱してね…」 そう耳元で呟き、千歌音が落ちぬように支え手綱を握り馬の腹をバシッ!と蹴り町へと急いだ 一刻ほど馬で駆け、町へと着いた 大勢の人で賑わう町の片隅に目的地である診療所はあった 人を避け、尚も苦しそうに咳をする千歌音の背を摩りながら馬を歩かせた 大きな西洋風な外観の診療所に着き馬を下りて入り口に行くと、そこには『定休日』と書かれた木の札がぶら下がっていた ドアノブに手をかけても鍵が掛かっていて開かない 姫子はそのまま知っているかのように迷わず建物の裏側へと回り、もう一つ西洋風のドアに前に立ちドンドンと大きくノックした しばらくすると奥のほうから人が近づいてきて「どちら様?」と家の者が出てきた 「失礼するわよ、乙羽さん」 「あら、姫子…?」 同じ学校に通う2つ上の如月乙羽だった お互い名家の出身、何かと学校の注目を集める2人は友人同士だった 「大おば様はいらっしゃる?」 彼女の家は代々医者の家系でこの町で診療所を設けていた その中でも彼女の祖母は名医で有名だった 「出てるけど…どうかしたの?」 姫子の突然の来訪に少し驚いた表情の乙羽、しかし他に頼る先がない姫子は諦めない 「急患なの、うちの下女なのだけど診てもらえないかしら?」 焦る気持ちを抑え腕に抱える千歌音を見せた 苦しそうに息をする千歌音、立っていられずぐったりとしている すると乙羽の顔が真剣なものに変わり、屈み込んで千歌音を見た 「…症状は?」 千歌音の顔を見たまま姫子に聞く 「今朝から少し熱があったみたいなの、しばらく寝かしてたのだけど熱は上がる一方。 薬は効かない、胸が痛むみたいでしばらく前からずっと咳こんでたわ」 まだ学生とは言えど医者の卵、小さな頃から何人もの患者を尊敬する祖母のそばで手伝ってきた 千歌音の額に手をあて更に姫子に問う 「咳はいつから?」 「5日ほど前から」 「痰は?」 「ここに来るまで何度か出ていたわ」 真剣なその目は医者そのものだった 乙羽は立ち上がって姫子を見た 「分かりました、中に入ってください」 入り口を開け姫子を招きいれ、診察室へと向かった 診察室へと入り、千歌音を椅子に座らせ姫子は千歌音の背後に立ち背中を支えてやる 「前を見せてもらっても良いですか?」 千歌音の向かいに座り、聴診器をつけた乙羽が千歌音に声を掛ける うっすら目を開いて頷き千歌音は言われてた通りにしようにも意識が朦朧として手がおぼつかない そんな千歌音の変わりに姫子が後ろから着物を左右に開き乙羽の前に胸元を見せた そのまま乙羽は表情を変えずに千歌音の胸元に聴診器をあて「息を吸って…吐いて」と何箇所か繰り返した 「はい、じゃあ次は背中を見せて下さい」 姫子は黙って乙羽の言うとおりにし、千歌音の着物を肌蹴させ、一つに結わっている千歌音の髪を邪魔にならぬように持ち背中を見せた 胸の時と同じように何箇所かに聴診器をあてる、その聴診器が冷たいのか千歌音が小さく「ぅ…」と呻く度に姫子は千歌音の頭を撫でた 「ありがとう、もう着物を着て大丈夫ですよ」 乙羽の許可が出ると、姫子は千歌音に着物を着させた 次に乙羽は千歌音に「お口開けられます?」と聞いて口を開かせ喉の奥を診たりと診察は続いた 「どう?治るの?」 一通りの診察を終え、乙羽の作った薬を飲ませてから隣の部屋にあるベッドに千歌音を寝かせたあと診察室にいる乙羽に聞いた 「肺炎に掛りかけてるわね。薬を飲んで安静にしていれば1週間程度で治るけど…今日はとりあえずこのまま入院ね」 姫子に背を向けたまま桶の水で手を洗いながら答えた 日は随分と傾き、時刻は既に夕刻を回っていた 乙羽の返しに姫子は開いたままのドアの向こうでベッドで千歌音がで寝ている姿を腕を組みじっと見ている 「じゃあ私も残るわ、千歌音の隣のベッド空いているのでしょう?」 「別に構いけど…移るかもしれないわよ?」 乙羽は少し脅すように姫子に聞いた 「それで千歌音が治るのならば別に構わないわ」 迷うことなく姫子は答えると、その返事に乙羽はクスッと小さく笑った 「何?」 聞こえた姫子は小馬鹿にされた気がして不快そうに乙羽を見た 「ごめんなさい、誰にでも優しい貴女がそこまで真剣になるなんて見たことがなかったから それにここに来た時の貴女の表情もそう、あんなに血相を変えて…よほど大切なのね、あの千歌音という子が」 布で手を拭きながら姫子に言った。暗に千歌音は単なる下女ではない事を秘めている 見透かしているような乙羽の目から姫子は視線を千歌音に戻した 「…ええ、そうね」 胸の痣のある位置をそっと撫でた そう、自分よりも大切な…かけがえのない、唯一の存在… すると乙羽が近寄り姫子の隣に立った 「あの千歌音という子、姫宮の子でしょ?」 「何故知ってるの?千歌音はこの町に初めて来たのよ?」 一緒に千歌音を見る乙羽の思わぬ発言に驚いた 体の弱い千歌音は姫子の住む村を出たことがない、あまり表に出たことがないので村の者も千歌音を知らぬ者も多い 離れたところにある学校にも行けず、勉学は姫子が教えてやっている 一体どこで乙羽と面識があったのだろうか? 「あの子の亡くなったご両親もここの患者だったの。時々様子を見にあの子の居た村まで大おば様と行ったことが あるわ。 随分と美人になったけど面影が残ってるわ。大おば様が診ている間2人で良く遊んでたのよ」 当時を懐かしむように乙羽は笑みを浮かべた しかし表情を落としてしまう 「でも…やはりあの子もご両親の血を継いでしまったのね」 「……」 重い空気が流れ2人はしばらく黙り込んだ その沈黙を破るように姫子は一度ふぅと息をついた 「とりあえず礼が遅れてしまったわね、ありがとう。急に来たのにすまなかったわね」 「いえ、私で何とかなる程度で良かったわ」 「それでも感謝してるわ、私の手には負えなかったもの」 謙虚に答える乙羽に感謝の気持ちを述べると、乙羽は照れ臭そうに笑った 「さて、あの子も落ちついた事だし。とりあえず貴女も疲れたでしょう、そろそろ食事にしない?」 「そうね、お言葉に甘えさせて頂くわ」 乙羽の提案にずっと気の張っていた姫子も安堵の溜息をつき頷いた そのまま姫子は音をたてないようにそっとドアを閉め、2人は診療室を出た 「この家にも久し振りに来たわね」 「巫女の仕事が忙しいし、貴女は健康体だからね」 自分の家とは違う西欧風の飾りのある廊下を歩きながらきょろきょろとする医者要らずの姫子に乙羽は笑いながら答えた 「でも昔、私がここに運ばれたとき治るからと言って人の嫌いな椎茸を山盛りに盛ったことは一生忘れないけど」 「…まだ根に持ってたの」 そっぽ向きながらさらりと言う姫子をジト目で見た 「姫子…夜な夜な姫宮さんを襲うような真似はしないでね」 「あら?これでも時と場所は弁えてるつもりよ」 そして2人は家の奥へと進んでいった 翌朝 目が覚め千歌音が目を開くと誰かが頭を撫でてくれた 「お早う、千歌音」 「姫子…?」 太陽を背に笑顔で姫子が立っていた 「もう苦しくはない?」 優しく微笑みかけ顔を近づける姫子に千歌音は頬を染めこくりと頷いた 「良かった、薬が効いたのね」 嬉しそうに言い更に顔を近づけ、姫子が唇が合わせようと2人が目を閉じたとき コンコンとノックする音が響き千歌音は驚いて慌てて布団で口元を隠し姫子は体を起こしドアを見た 「起きましたか?2人とも…って目が恐いんですけど、来栖川さん」 「気のせいよ」 部屋に入ってきた乙羽から邪魔をされた姫子は不機嫌そうに目を逸らした そっぽ向いてる姫子に苦笑し、そのまま乙羽は姫子とは向かい側の椅子に座り千歌音に話掛ける 「お早うございます、お久し振りですね姫宮さん」 「はい、お久し振りです乙羽さん」 懐かしい乙羽との対面に千歌音も起き上がり嬉しそうに返した 「どこか痛むところはありますか?」 「いいえ、どこも」 「分かりました。じゃあ、一度お熱を計らせてもらいますね」 水銀の入った体温計を千歌音の脇の下に刺し込み、しばらくしてから取り出した 「熱も引いたようですね、1週間ほど薬を飲んで大人しくしていれば治りますよ」 「ありがとうございます、乙羽さん」 安心した千歌音が頭を下げると、2人をずっと見ていた姫子が乙羽に話しかける 「じゃあ村へ連れて帰っても大丈夫ね?」 「はい、ただし条件があります」 「条件?」 乙羽は顔を上げ、眉を顰める姫子を見た 「私も貴女の村に住ませて頂きます」 「え?」 乙羽の言葉に姫子は我が耳を疑った。千歌音も驚いて目を丸くしている しかし乙羽は表情を変えずに続ける 「貴女の村には医者がいないでしょう?昨日は何とかなりましたが、場合によっては一刻を争う病もあります。 特に姫宮さんのような方のそばには居てやらないと。何かあってからでは遅いんです。 私にとっても勉強になりますし、貴女も毎度馬を走らせるほど暇ではないでしょう」 強引気味だがごもっともではある。自分の身ならまだしも大切な千歌音が病に伏せたときすぐに対処できる人がいるのは心強い まだ卵とは言え乙羽の腕は確かだ…少し悔しい。いや大いに悔しい 「千歌音はどう思う?」 「私も出来れば…その方が姫様にもご迷惑にはならないと思いますので…」 姫子に余り迷惑を掛けたくない千歌音は少し遠慮がちに答えた 千歌音もそう思うならば…姫子は乙羽を見た 「そうね、まだ屋敷には空き部屋があったからそこでも良ければ」 「じゃあ決まりですね。実はそう言ってくれると思ってたので荷支度はもう出来てます」 にこにこと口元にてをあて笑う乙羽は振り返り千歌音の手を取り話し掛ける 「姫宮さん、また一緒に遊べますねw」 「え…?」 満面の笑みで言う乙羽にキョトンとする千歌音 やはりそれが一番の目的か… 姫子は立ち上がりズイッと千歌音に一歩近づいた 「一つだけ言っておくわ、乙羽さん」 「何かしら?」 顔を上げ姫子を見ると、姫子は乙羽から離すように千歌音をぎゅっと抱き寄せた 突然抱き締められた千歌音はどうしていいのか分からず顔を真っ赤にしている 「千歌音は渡さないわよ?」 見せ付けるように千歌音を抱き締め挑戦的な口調で姫子が言い退けた 「ふふ、ご自由にw来栖川のお嬢様」 姫子の態度に動じることなく乙羽は笑みを浮かべゆっくりと答えた いつも賑やかな来栖川の屋敷が今日からますます賑やかになること間違いなかった END
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我欲の巫女、東風谷早苗/Sanae Kochiya,Miko of Selfish Desires 我欲の巫女、東風谷早苗/Sanae Kochiya,Miko of Selfish Desires(1)(W) 伝説のクリーチャー - 人間・巫女・神 他のパワーが2以下の人間・クリーチャーがあなたのコントロール下で戦場に出るたび、あなたはカードを1枚引く。 2/2 参考 神霊廟-レア
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神無月の巫女 エロ総合投下もの ことばのぱずる 注意 1.姫千歌前提の千歌真琴?浮気じゃないです。 2.キスあり。 3.マコちゃん、ごめん。 「なら、どうしたら?」 自分を見つめる彼女の瞳は、本当に真剣で。 そんな彼女を、ひとつからかってやろうと思ったのだ。 姫子と宮様…目の前に居る少々思いつめたような瞳で、私を見つめる[姫宮 千歌音]とい う名前を持つ人物が再会して、数ヵ月。 つまり、私…[早乙女 真琴]が姫子から「運命の人」に出会えたと報告を受けてから数ヵ月。 姫子は学業と写真のコンテストのことで、私は冬を迎えてシーズンとなったマラソンのちょ っと大きな大会にエントリーした関係で、互いに多忙といえば、多忙な日々を過ごしてい た。 勿論、時間が空けば電話もするから、別に疎遠になったわけでもない。 が、学生時代は片時も離れないようにつるんでいたことを知っている宮様は、自分と再会 したことで私たちに距離感ができたのではないかという誤解をしたらしく、自分に気にせ ず今までどおりの付き合いをして欲しいと言いに来た訳だ。 そもそも私としては、姫子との付き合いを変えるつもりもなかったし、そんなことできっ こない。 そのことは、きちんと目の前にいる宮様に言おうと思っていたから、その申し出はありが たかった。 だが、ちょっとだけ予想外だったのが、何故かそのことが[宮様]の希望で、それを[私]が かなえてあげると言う流れにいつの間にかなっていて、さらになにか[交換条件]をつける という話になっていたことで。 そして、さっきの宮様の台詞になったわけ。 酷く長い間が開いた。 気まずいと言うか、宮様はこちらの答えを求めて身じろぎもしないし、こちらは当たり障 りのないものはないかなーと視線を宙にさまよわせたまま。 だから、からかって水に流そうと、提案をしてみる。 「じゃぁ、何もなしと言うのも、気がすまないでしょうから、宮様からのキス一つという ことで」 こちらの軽い声と、あわせた視線とは反対に、ちょっとだけ宮様の瞳が動揺の色を含んで、 視線をこちらからそらした。 誤解のないように誓って言うけど、本当に冗談で。 できるだけ冗談っぽく言ってみたつもりだし。 けれども、なんとなくまた不思議な間が開いて、少しだけその場が静まる。 姫子だって、私が仕掛けるキスは拒否してたから、記憶の中の宮様らしく、さりげなくご まかしてくれる…はずだった。 「わかったわ…それで、どのようなのが?」 「そりゃ…折角だから、情熱的なのがいいなーとか…あはは」 あんまりにも真剣に詰め寄られるように聞くもんだから、こちらとしても少々ひるむ。 宮様の顔って真剣になればなるほど、表情から余計なものがそぎ落とされていくんだ。 学園内の穏やかな笑みを絶やさない宮様しか、知らない自分にとっては新鮮で、見とれて しまう。 それを振り払って、わざとらしい笑いを、言葉の後に付け加えてみる。 と、とりあえず、気がついて欲しい…気がついて欲しくないような気もちょっとだけはす るけど。 そんなこちらの気持ちに気がついたかどうか、宮様はわずかに視線を下に向けた後、人差 し指で一回、自分の唇をなでた。 そして、ゆっくりソファの脇にひざまずき、私を見上げると私の唇に唇を合わせて来る。 余りにも一連の動作が自然すぎるから、一瞬何が起こったか理解できなかった。 やわらかい、優しくあたる唇。 顎に当てられた宮様の手が優しく、顎のラインをなぞって包み込まれる。 もう片方の手は私の後頭部に回し、軽く宮様のほうに身を寄せられた。 わずかに頤をくすぐるように指を曲げ、こちらが閉ざしている唇を緩めるように誘ってく る。 かすかに鼻腔をくすぐる薔薇の薫り、口移しに伝わる吐息は、甘くて酔ってきそうな気が した。 びっくりした拍子に固まった身体も緊張が解け、もっとこの時間を深くしたくて、誘いに 乗ってみる。 頭の中が段々霞がかっていく。こちらも自然に宮様の背に手が回った。 部屋の中に不釣合いなんだけど、息を継ぐたびに鳴る水音と漏れる吐息。それだけが耳に 入ってくる。 あ、なんか大切なこと忘れてるような気がする。 忘れちゃいけない、すごく大事なこと。 でも本当に心地よくて…これがファーストキスの味なんだ… あ…思い出した。 これ、ファーストキスだった。 一気に正気に返ると慌てて宮様から顔を離して、上がった息を落ち着ける。 こちらも顔は赤くなっているだろう。 けれど宮様の方はさらにというか、顔だけではなく髪の合間から覗かせる首筋までほのか に染めている。 恥じらいなのか、それとも別の感情なのか読み取ることができない潤んだ瞳は、こちらを 真っ直ぐに見つめていて、それもいっそう自分の鼓動が早くなる原因になった。 私の首に回された腕は解かれてなくて、まだ触れ合っている身体からくる暖かさが、体温 を上げているような気がしてならない。 「…これじゃ…駄目なの?」 少しだけ不安そうな小さな声の問いかけに、条件反射的に首を振る。 「いっ、いえ。じゅーぶん堪能させていただきましたっ。ちゃんと約束は守りますのでご 安心くださいっ」 変な気分になってきたからやめさせたけれど、姫子が宮様に夢中になるのも、こんな瞳で みられた今だったら理解できた。 親友の姫子が恋敵になるのでなかったら、今のこの時だけでも…危なかったかもしれない。 「付き合いはこれからも変わりませんから。そのときになって、嫉妬されても止めません。 だから…覚悟してくださいよ。宮様」 言葉の裏には、貴女がそう求めたんだからと言う意味を込めて。 それが数時間前。 その後何もなかったように、二人でお茶を飲みながら、姫子の話を少しだけして、宮様を 駅まで見送った。 その背中が見えなくなった直後、即効で姫子に連絡を取って、今二人で頭を抱えているわ けだ。 「ええええっ?!いいなぁぁぁ!私、一回も千歌音ちゃんからやってもらってない!!」 「ええええええっ!」 「いいなぁ…マコちゃん……いいもん、今日帰ったら絶対やってもらうから」 目の前の姫子は、頬を膨らませてむくれている。 じゃあの戸惑ったような、下に向けた視線は、姫子がやったキスを思い出していていたの か… と、いうか…姫子を覗き込みにやりと笑う。 「あれは姫子が宮様にやってるやり方な訳だ…ほほぉ。いつの間に来栖川姫子さんはあん な情熱的なのを覚えたのかなーっ。」 姫子に白状させるべく、くすぐっている間にもまた先ほどのことを思い出す。 あのお固い姫子一途の宮様だったら、冗談だと解らなくても、うまく断る理由なんて幾ら だって言えたのに。 学校内でもそういう告白の場面は男女共に、聞いたことも目撃したこともあるし。 ああ、いつだったか屋上で宮様と出くわしたときの告白はすごかった。 あんときはすごい鮮やかにふられてた。そういや大丈夫かな、あんときの子。 そんなことは、今どうでも良かったんだっけ。 「ねー姫子。私たちの関係ってなんだっけ?」 「?どうしたの?急に。…友達だよ…ね」 「普通の友達?」 「ううん。マコちゃんは一番の友達だよ」 「宮様よりも?」 「…千歌音ちゃんは、友達じゃないもん…恋人だもん」 「あーかわいいなぁ、姫子はっ。で、宮様には私たちの関係ってどういってる?」 「一番の親友って、言ってるけど?違うの?マコちゃん」 「あってる」 姫子の顔を見ながら、冷めかけた珈琲を飲みながら、ぼんやりと頭の中を整理してみる。 つまり、こういうことだろう。 宮様にしてみたら、元が誤解であるにしても、大切な姫子を悲しませる親友との行き違い を解消したいと思ったわけで。 その仲たがいの原因が、宮様自身だと思い込んだわけで。 姫子の一番の親友の私は、宮様にとっても[特別]で。 姫子が[嘘はつかない]と言った以上、その[特別な]友達である[早乙女 真琴]も[本当]し か言わない。嘘はつかないと考えたのだろう。 だから、キスをしたら元通りといった私の交換条件を呑んだ訳だ。 ……本当に? ……本当に、そんな単純に考えて、そんなことができる? 宮様だったらやる。それが姫子が大切にしているものだったら、護るために何でも。 宮様にとっては、全部を含めて姫子なのだから。 …確かにやったし。 姫子が宮様と再会し、姫子がすべてを思い出したときに見せられたアルバム。 学生時代に見たときは、確かに姫子一人しか映っていなかったはずの写真。 それが二人写っている写真になっていて、彼女らが護ってきた物語を聞かされて。 それで自分も思い出したのだ。 姫子を護るためだけに、すべてをだまして、命まで絶ったのだ。 私たちの宮様であり、姫子の月のお姫様は。 存在のすべてを消しかけた。 姫子の記憶にすら、切り捨てるよう憎まれる様に仕向けて。 一日、一分。いや、一秒でも長く、姫子が宮様に出会わないように。 惹かれあって、月の封印が解けないように。 引き裂かれる運命が、姫子に来ないように。 ただ自分はもう見られない姫子の笑顔と未来のためだけに。 そのたくらみは宮様の考えていた以上に、姫子が頑固すぎて、すべて失敗したと先ほど宮 様に苦笑混じりに告白されたけど。 背筋がぞっとした。 そんな自分でない誰かのために、やれるものなのだろうか? 確かに自分だって、危険を考えることなく、体が動くと言うのはわかる。 でもさ、そのためにその人の周りの人にというのは、ちょっと無理。 姫子のためにだって、多分そうはいかない。 姫子のためじゃなくてもいい、誰か本気でここまで好きになって、そんなことができるの だろうか? 「マコちゃん、マコちゃん?どうしたの」 心配そうな姫子の声に、物思いにふけっていた頭を元に戻す。 「姫子ーーーーー。宮様危ないって!」 あんなに素直すぎる宮様は、危なっかしくて、一応部外者の自分だって心配になってきた。 「確かに千歌音ちゃんに言ったよ、嘘も隠し事もだめだって」 「だからって…冗談すら…真に受けるなんて…」 そう自分が言うと、姫子がため息をついて、二人で考えないように珈琲をすすった。 やっぱり千歌音ちゃんの考えることって、良くわからない。 と姫子が言うと、こちらも賛同の意味で頷いた。 「…マコちゃん、絶対、千歌音ちゃんはあげないからね」 姫子にしては珍しく、じとりと横目でにらみながら宣言してくる。 それは謹んでお断りします。というか、宮様は姫子じゃなきゃ絶対無理だと思う。 そういうと、余計ノロケを聞かされそうなので黙ったが。 「で、宮様は?出てきて平気?」 「うん。帰りは夕方になるって…あ、そういえば、午後から大神君に会いに行くとか…」 同時に、二人の顔から血の気が引いた。 姫子なんかは口をパクパクさせて、何か言おうとしているが、言葉になっていない。 何の用事で大神神社まで出向くのか、多分姫子も聞いていないということだろう。 もしも…もしも、私と同じ理由で会いに行ってるとしたら… ジン様に限って、そんなことになるとは思えないけれど… 「マコちゃん!次のバスって何時!」 「それより大神先生に電話しよう!二人をあわせちゃ駄目だって」 とりあえず、姫子は喫茶店の公衆電話に飛びついて、私は入り口に貼ってあった天火明村 行きのバスの時刻表を腕時計とにらめっこして照会する。 しかし、本当に困ったことが一つ。 別に宮様が悪いわけでもないし、どちらかというと自業自得なんだけど。私のファースト キス… これから先、誰かとキスしても、比べちゃうんだろうなぁ…あのキスと。 宮様、レベル高すぎ。 END
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神無月の巫女 ハアハアスレ投下もの 「聖夜は2人で」 「クリスマスイブ?」 昼食時、薔薇の園での出来事、今日は朝から姫子がなぜか楽しそう 当然ながら学園内で親しくお声をかけるようなことはできない でも遠くから姫子を見てそう感じた、最も早乙女さんとご一緒だったけれど・・・ 12月24日の今日、クリスマスイブ やけに今日は学園の生徒がいつもより賑やかだ思ったら、そういうことだったのね 最も私はそのような行事にはあまり関心はない 普段通り登校して、姫子とお昼休みを楽しく過ごす、それだけで幸せだもの 「う・・・・・・うん・・・それでね、あ、あのね千歌音ちゃん」 弁当を口にしながら恥ずかしそうに姫子が俯いた なにかしら、と私は思った・・・色んな期待が頭によぎる しかしこんなときは対外物事は期待通りにはいかないもの 私は表情を変えることなく・・・聞き返す 「なにかしら・・・?」 「あ、あのね・・・今日はく、クリスマスイブでしょ?だから今夜は千歌音ちゃんと一緒に・・・その・・・」 その言葉にはっとして、一瞬耳を疑う、想像していたものとは答えが違うから でも一瞬にして表情を落とす 「そうね、私もできれば姫子と過ごしたいわ、でも無理だもの・・・」 私には帰る家がある、使用人が待っている、それに対して姫子は寮生、その上、早乙女さんがいらっしゃるわ 難題が多すぎるもの、姫子を屋敷に泊める?いえ、無理があるわね それに早乙女さんだってイブの夜は姫子と過ごしたいだろう、早乙女さんとの楽しみを奪ってまで姫子に泊まれとはいえない 「それに、早乙女さんがいらっしゃるわ」 「マコちゃん・・・今夜はいないの」 「いないって、早乙女さんが?」 姫子が寂しく感じたのか顔を鎮める 「う、うん、マコちゃん同じ部活のお友達に招待されて、泊まるかもしれないって言ってた」 そう・・・それで私に・・・ 「マコちゃんも私と過ごしたいって言ってたんだけど、前から招待されてたらしくて、だから今夜は私1人なの」 「それで、寂しいのね?」 姫子が肯く、ふうっと私は息をついた 言い方は悪いかもしれないけれど、私は早乙女さんの代わりってことね 考えを悪い方に向けようとして私は首を振った、姫子が誘ってくれてる・・・それだけでも喜ばなければ 叶わぬ夢だとは思っていた、本来クリスマスなど一般行事は私は一切興味ない、でも姫子と聖夜の夜を一緒に過ごせたらどんなに幸せか 昨日、部屋で何度も思い描いた、ありえないことだとは感じながらも ふと目を落とす、答えなど決まってるのに 「そうね姫子」 「え?」 「私も姫子と一緒に過ごしたいわ」 姫子の表情が輝く、この子はほんとに笑顔が似合う、とても可愛いわ 笑顔に見とれてしまいそうなほど・・・それにしても私はなんだろう もっと喜ぶべきことなのに、これが私の性格・・・ 「でもいいのかしら、寮長さんに許可が必要でしょう?」 「うん、いつもはそういうのに厳しい人なんだけど、今日はクリスマスイブだからって・・・簡単に許可してくれたよ」 ふっと私は微笑んだ、なにもかもがいい方向に進んでるのね 「特定の日は、皆結構外出とか他の寮部屋で集まったりしてるから珍しいことではないんだけど・・・」 でも姫子は外出などしないだろう、姫子の性格なら・・・ 「本当はね、マコちゃんと千歌音ちゃんと3人で過ごしたかったんだけど・・・でも千歌音ちゃんがいるから・・・私それだけでも嬉しいの」 姫子が顔を赤く染めながら呟く はっきり早乙女さんもご一緒だったらきっぱりお断りするつもりだった 私は姫子と2人だけの時間を過ごしたいだけだもの、他の人に介入されるのは堪らない それに早乙女さんも姫子と2人でいたほうが楽しいだろうし・・・ 弁当を食べ終えナフキンで口を拭いた私は呟いた 「それで・・・私はいつ頃行けばいいのかしら・・・」 千歌音の提案に姫子が慌てる 「ま、待って千歌音ちゃん!正面から堂々と入ったら皆興奮して大騒ぎになるよ・・・たぶん部屋に行けないと・・・思う・・・」 姫宮千歌音は皆のアイドル、普通に登校してきても騒がれるのに寮内にでも居たら・・・ただ事では済まない なによりいつも生徒の取り巻きに囲まれ姫子から見れば遠くから見つめることしかできない存在なのだから もし姫子と一緒にでもいたら・・・姫子は皆から嫉妬された上、冷たい視線を浴び虐められないとも限らないのだ 誘っておいて偉そうなことは言えないが姫子はそのことだけは慌てた 「こっそり裏からだよ、いいかな・・・?」 「わかったわ」 私は静かにそう呟いた 放課後、薔薇の園で落ち合い、その後こっそり離れて・・・寮の裏門から中に入る、そう姫子に言い渡され私は肯いた 部活は・・・休もう、姫子より大事なものなどないのだから、それに生徒会の仕事も今日は少ないもの 早めに済ませとこうかしら 「・・・」 放課後、一度姫宮邸に戻り充分な仕度をした千歌音は時刻通り夜8時頃に薔薇の園で待つ 姫子は、部屋を片付けたりしてるのだろうか? 姫子・・・まだかしら、人を待つ時間というものは時には楽しいものだけれど・・・辛くもあるわね 「千歌音ちゃん・・・・・・?」 心配していた千歌音の前に、木の陰からこっそりと姫子が現れる 入浴済みだったのかパジャマ姿だ、風呂上りということもありつい綺麗に見えた 姫子のパジャマ姿、実に似合っているわ・・・私はつい見とれてしまった 可愛い、とっても可愛いわよ姫子・・・ この姿を誰かに見られると恥ずかしいかもしれないが、幸いこの時間になると生徒もいない 部活帰りの生徒を何人かみかけるものの微々たるものだ 誰にも見られる心配などはない 姫子はぜえぜえと大きく何度も息を吐き出す仕草をしてる よっぽど慌てていたのかしら、それとも・・・ 「姫子、息が切れてるわよ、どうしたの・・・」 私は気になって聞いた 「う、ううんなんでもないよ」 (ま、まさか慌てて掃除したなんて言えないよ!マコちゃんだって散かしてるんだもん・・・) 裏口からこっそりと進入する、今日はクリスマスイブということもあり寮生は遠出か部屋に篭っているらしく人影はない 千歌音が寮内を堂々と進んでいるものだから姫子は心配したが・・・部屋前まで来ると安心したのかふうっと息をつく ここが姫子の・・・・・ あまり広くはない、7畳くらいだろうか? ベッド2つに本棚、勉強用の学習机程度しかない まあ鏡やクローゼットもあるにはあるが数に入れなくてもいいくらい小さい まあお世辞に豪華とはいえないだろう 千歌音は普段はお城のようなお屋敷に住んでいるお嬢様 窮屈に感じないか心配ではあった まあ自分なりに部屋をアレンジしたつもりだ とりあえずマコトの筋トレセットや散らかっている本は全て片付けた それとまあ・・・おしゃれとまではいかないが花を飾ったり個性を出してみた それに今日はクリスマスということもありツリーを授業中(こらこらさぼるな) 自分で作ったり、マコトの手伝いもあってかクリスマスツリーを飾れた 最もマコトもあの宮様が部屋に泊まるなんて想像もしないだろうが 「綺麗ね・・・」 クリスマスツリーを見て私は呟いた あまり大きくはないけれど姫子の手作りのツリーには・・・お金をかけたものより一層美しく思えた 「う、うんありがとう・・・わ、私なりに一生懸命作ったんだよ」 ツリーには色んなものが飾ってある、小さなサンタのぬいぐるみなど 以前から作っていたのだろう、姫子には安堵の表情が窺える 「あ、あの千歌音ちゃん、部屋少し狭いかもしれないけど我慢してね」 「いえ、私は大丈夫よ、可愛いお部屋だし・・・私こういうの好きよ・・・」 少なくとも貴女と過ごせるのなら地獄だろうが廃墟だろうが私は幸せよ・・・ 姫子、貴女とこうして2人でいられるだけで私は・・・ 姫子に誘われたとき、ほんとに嬉しかった、こういう性格だから顔には出せないけれど・・・ 使用人が屋敷に大きなクリスマスツリーを作っていたみたいだけれど・・・はなから屋敷に帰るつもりはなかった 事情を説明したとき乙羽さんは少しショックを受けてたみたいだけれど、私はわくわくしていた 「あ、適当なとこに座っててね」 「そう・・・お言葉に甘えさせていただこうかしら」 丁寧に床に座る千歌音を見て姫子は小さく息を付く(ふう・・・お嬢様を扱うのは一苦労だよ) と、千歌音は荷物の中から飲み物やお菓子など取り出した その量の多さに一瞬姫子が唖然とした 「千歌音ちゃん・・・?」 「ええ、使用人に頼んで詰めてもらったの、ちょっと持ってきすぎたかしら?」 不思議そうに呟く千歌音に絶句したが、すぐに考えを改めた 千歌音は姫子のためを思って持参してくれたのだ感謝しなければならない 「ううん、そんなことないよ・・・ありがとう・・・」 「ち、千歌音ちゃん・・・その・・・メリー・・・クリスマス」 お菓子を食べながら、そう恥ずかしそうに囁く姫子に私は優しく微笑む 「ええ、メリークリスマス」 クリスマスがこんなに楽しいと思ったことはない なにより・・・姫子と一緒に過ごせるのだから 「変だよね、ここ日本なのにクリスマスだなんて・・・」 「そうね姫子」 クリスチャンじゃないからおかしくはあるわね、でもね姫子・・・ 今日は姫子と過ごせる機会を作ってくれたクリスマスに感謝している私がいるわ それより姫子は千歌音に見とれていた、2人は隠れた親友同士 いままで友達として接してきた姫子にとって千歌音は憧れの対象でもあり親友でもあった でも実際こう見ると・・・千歌音はまさに美少女、綺麗に輝く青い瞳に黒長い髪、それに美貌 大きな胸も魅力だが、モデル並みの美貌で、締るところは締まっている、その上、成績優秀、運動神経抜群で名家の令嬢ときてる ほんとにこの世のものとは思えないほど完璧で清楚なイメージそのものの美少女 それが宮様こと姫宮千歌音だ そういえば千歌音ちゃんからは綺麗な香りがする、お風呂に入ってきたといってたけど 皆の宮様だもんね、馴れ馴れしく部屋に誘ったりして、少し私図々しかったかな・・・でも寂しくて それに千歌音ちゃんは私の大切な人だから、いいよね・・・うん 姫子はそうだと納得した 「姫子、どうかしたの?」 ずっと顔を下げたままの姫子を気になって私は声をかけた 「う、ううん・・・なんでもない」 なぜか楽しい時間は早く進むように設定されている、気付いたときには時計の針は10時を指していた 「あ・・・千歌音ちゃんそろそろ寝る時間だね」 「あら、もうそんな時間だったかしら、ごめんなさい、気付かなかったわ」 私は持参したネグりジェに着替えた 幸せ、姫子と一緒ですものね・・・ 透明なピンク色のネグリジェ姿に着替えた千歌音は言葉では表せないほど綺麗だ 文句のつけようがないくらい綺麗な美少女がそこには居た (す、凄い・・・・・・・き、綺麗・・・・・・この部屋には全然似合わない格好、というか不釣合いだよ千歌音ちゃん) あまりに眩しすぎて千歌音を直視できない姫子がそこには居た 「ま、マコちゃんごめんねっ!」 早乙女マコトのベッドに向かって姫子は小さく叫んだ 「姫子?なにか言ったかしら?」 「え、ううんなんでもない・・・」 姫子は振り返ると慌てて答えた 「あ、千歌音ちゃんは私のベッド使ってね、少し狭いかもしれないけど」 千歌音がいつも就寝しているベッドとの大きさや柄の違いは一目瞭然だ 「あら、ごめんなさいね、それじゃあ使わせていただこうかしら」 しかし千歌音はまったく気にしない素振りでベッドに静かに入った 「姫子?姫子は何処で寝るの?」 「え・・・・・あ、私はマコちゃんのベッドで・・・」 (床に寝るのは辛すぎる・・・・・!) 2段ベッドなので姫子は上に登ろうとした・・・すると 「姫子、一緒に寝ましょう・・・」 「え?一緒に?」 電気を消しながら姫子は聞き返す 私は迷うことなくはっきりと口にした 「ええ、今夜は寒いわ、一緒に寝たほうが温まるんじゃないかしら」 「で、でも窮屈だし狭いよ」 そんなこと関係ないわ、私は姫子、貴女といつでも一緒に 「大丈夫よ、ね・・・来て・・・」 「あ、う、うん・・・」 静かに姫子は千歌音のベッドに入る とたんに・・・千歌音の胸が姫子の背中に触れる 「!?」姫子は頬を真っ赤に染めた 私は両手を伸ばすと姫子を引き寄せ・・・背後から優しく抱き締めた 「千歌音ちゃん!?ど、どうしちゃったの・・・急に」 「こうしたほうが温まるでしょ、ね・・・姫子」 さらに頬にすうすうと顔を押し付けている ええ!?ち、千歌音ちゃんに抱き締められてる・・・ 千歌音の香りや温もり、吐息・・・その全てが姫子を襲う (あ・・・・ああ・・・千歌音ちゃん・・・温かい・・・で、でも眠い・・・ああ、もう駄目) 「好き、好きよ・・・・・姫子」 私は姫子の・・・耳元でそう囁いた 「!?」姫子が動かない・・・まさか 上体を上げた私は眠りについた姫子を見下ろすと少し躊躇し・・・ 「姫子・・・」 姫子の唇に・・・軽く自分のを触れた 「・・・」 姫子の唇・・・とても柔らかくて甘い・・・姫子とのファーストキス・・・ 姫子のパジャマに手をかけようとしてはっとした これ以上は姫子を傷付けることになる・・・私は姫子の額に軽くキスすると 「好きよ姫子・・・メリークリスマス」 明日からはまたいままでの関係に戻るだろうけど、このキスの感触は忘れないわ・・・好きよ姫子 END
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神無月の巫女 エロ総合投下もの 姫子の想い、乙羽の想い 爆弾投下予告 注意 1.しつこくまた前世です。修羅場っぽいもの 2.申し訳ないがエロはなし 3.話が随分と無理やり 4.いつも通りベターなお話 5.乙羽さんと姫子、そして今回は千歌音ちゃんまでもがだいぶおかしい 6.期待はしてはならない 今回はもうはじめっから言わせてください 正直すまんかった…orz 紅葉も深まった秋の夕暮れ 「貴女ねえ!自分が何やったのか分かってるんですか!!?」 「そんな大きな声出さなくても分かってるわよ!五月蠅いわね!!」 いつも賑やかな来栖川の屋敷で、突如似つかわしくない屋敷中に響くような2人の大きな罵声が響いた 「な、何事ですか!?姫様!!」 「ひ、姫様!?それに乙羽様までどうされたんですの!??」 その声に何人かの下女達が姫子の部屋へと駆けつけると、険悪な表情で睨み合う2人の姿があった 「どうして私の言う事が聞けなかったんですか!」 「聞かなきゃいけない義務があるわけではないでしょう!」 この2人が言い合いになるのは何度かあったが、今日は周りに来た下女の存在が目に入らぬほど息巻いている 余りにも険悪な雰囲気の漂う2人に下女たちはどうしていいのか分からずうろたえてしまっている 乙羽は足元に置いてあった水の入った桶を掴み姫子にばしゃああ!っと掛け、下女たちの「きゃあああっ!」という悲鳴が響いた 「っ!な、何すんのよ!」 「言って分からぬなんて…頭を冷やしなさい!!」 全身に水を掛けられた姫子はキッ!と睨むが乙羽も負けじと腕を組んで睨み返す 「や、止めてください!姫様も乙羽様も!!」 「そうです!一体どうされたんですか!??」 「誰か旦那様を…旦那様を呼んできてっ!」 「は、はい…っ!」 今にも殴りかからんと頭に血が上ってる姫子に慌てて下女達が止めに掛かった 事の発端は数日前だった 「ありがとう、千歌音。今日も上手く描けたわ」 夜更け、いつものように絵を描き終えた姫子は満足げに筆についた墨を紙で拭き取りながら言った 「見せて、姫子っ」 絵が描き終えるまでじっと動かずにいた千歌音が服を整え姫子に擦り寄ってくる 絵の出来上がりを楽しみにしてたその笑顔に姫子も嬉しくて「はい、どうぞ」と笑顔で千歌音にも見えるように脇を空けてやった 「ねえ姫子、私の後ろに描いたこれって紅葉の木?」 姫子にくっつき絵を見ていた千歌音が指を刺しながら姫子に問いかけた 姫子は筆を拭くのを止め、一緒に絵を覗き込み頷いた 「えぇ、そうよ。秋だしいいかなって」 今日の姫子の絵の背景は紅葉の木が描かれてあった 千歌音はその紅葉の木をじっと食い入るように見つめていた 「どうかしたの?」 そのまま動かぬ千歌音の顔と絵を交互に見ながら不思議そうに声をかけた 「今日ね、仕事中にイズミさん達が言ってたの。姫子たちの通う学校の裏にある山の紅葉がとても綺麗だって」 絵から目を離すまま千歌音は答えた 「そういえばそうだったわね…」 毎年この時期になれば見れる光景なので特に意識はしてなかったが、確かにここ数日で学校の裏の山の紅葉が綺麗に色づいていた あさっての方向を見ながらそんな事を思い出していると、千歌音が体を起こし目を細め開かれている障子の外を見ていた 「私体が弱くて余り外に出たことがないから。だからここら辺の山の紅葉しか分からない…」 「…千歌音」 生まれた頃から体の弱い千歌音はこの村から出た事が無い その為村から少し離れたところにある学校にも通えないでいる 普段口には出さないが本当は… 千歌音の淋しげな横顔を見ているとそんな風に思える すると、姫子は思いついたかのように両の手をパンと叩いた 「じゃあ、次のお休みに行きましょうか?」 「え?」 姫子の提案に千歌音は驚き目を見開いた 「見たいのでしょう?紅葉」 「あ、あの…私……」 優しく聞く姫子に千歌音はおろおろと動揺してしまっている 「大丈夫、最近体の調子も良いのでしょう?馬で連れて行ってあげるから安心なさい」 そんな千歌音に姫子は尚も笑顔で落ち着かせるように言い聞かせると、千歌音はパッと表情を明るくさせたが、「でも…次のお休みは祝詞の練習が…」と、思い出したかのように肩を落としてしまった しかし、姫子はその肩に手をそっと置き、千歌音にくっつくように寄り添った 「祝詞の練習も大事だけど気分転換も必要よ。大神先生には私から言っておくし、 何よりも私が千歌音を連れて行ってあげたいの。だから行きましょう?」 「姫子…ありがとう」 こうして2人は出掛ける約束をしたのだった しかし約束の日の前日… 「駄目です、これは医者としての判断よ」 千歌音が体調を崩してしまい、乙羽に診てもらったあと明日に迫った外出の話をした姫子に向けられた第一声がこれだった 「でも千歌音が…」 「なりません。単なる風邪の引き始めとはいえど、今外なんかに出してしまっては治る前にさらに悪化させてしまいますよ」 ショックを隠せない姫子が哀願するように片づけをしている乙羽に言うが、全部言い終える前に冷たく遮られてしまった 「そんな…!」 「くどいですよ!兎に角、駄目なものは駄目です!貴女も遊んでばかりいないで、他にやるべき事がたくさんあるでしょう?」 尚も諦めきれず口を開こうとする姫子に乙羽はビシッ!ときつく言い退け、怒ったまま薬箱を持って部屋から出て行ってしまった ピシャッ! 「……っ!」 大きな音を立て閉められた襖を姫子は手を強く握り締め悔しそうに見ていた 「ごめんなさい…姫子。せっかく約束したのに」 静かになった部屋で布団に潜り込み泣き出してしまいそうな声で謝ってきた その声に姫子は顔を緩め振り返り、千歌音の前髪を掻き分けてやった 「いいえ、千歌音は悪くないわよ」 「でも…あんなに楽しみにしてたのに…」 千歌音の責める気持ちなど毛頭も無い姫子、しかし千歌音は申し訳なさと残念な気持ちが隠せず姫子と目を合わす事が出来ない それは明日を何よりも楽しみにしていたのは姫子よりも千歌音だったからに違いない 姫子は目尻に涙を浮かべる千歌音の頬を撫でた 「ねえ…千歌音」 「え…?」 そして翌日の朝、2人は早くに馬に乗り屋敷を出て行ってしまった 夕刻になり2人が戻ってきたとき、2人を待っていたのはカンカンに怒っていた乙羽だった そして乙羽の忠告どおり、風邪を引き始めていた千歌音の容態は悪化していた 屋敷に入り「話はあとで私の部屋で」とだけ乙羽に告げ、直ぐに姫子は千歌音を抱え離れへと連れていき休ませた そして自室に戻り乙羽と目が合った瞬間罵声が響いたのだった 数人掛りで抑え付けられながらも暴れもがく姫子と、腕を組んで姫子を睨み付ける乙羽の2人の興奮は収まらず益々エスカレートしていく 「私言いましたわよね!?外に出しては悪化してしまうって!だから外に出してはいけないって!!」 「だからって!そうやってあの子の自由を奪わないでよっ!!」 乙羽は千歌音の身を案じ、姫子は千歌音の意思を尊重している お互いがそれぞれに千歌音を大切に想っているからこそ、2人の意見はすれ違ってしまっていた 言っても噛み付くように言い返す姫子に乙羽は桶を投げ捨て言い退ける 「でも!貴女のその我侭で姫宮さんの身に何かあったらどうするつもりですか!!」 「……っ!」 一番痛い所を突かれ、姫子は暴れるのをぴたりと止め口を閉じてしまった 「貴女はご自分が一番あの子の事を大事に想っていると思っているようですけど、とんだ思い違いですわよ!」 「……」 怒りの収まらない乙羽は吐き捨てるように言った 対する姫子は頭ごなしに怒鳴られるが言い返すことが出来ず、観念したかのように大人しくなった 「少し頭を冷やすことね!」 何も言わない姫子に乙羽は最後に大きくそう言い切った その時、ガタンッ!と大きな音を立て襖が開き、その音にその場にいた全員が目を向けた 「お願いです…止めてください、2人とも…」 「姫宮さんっ!?」 「…千歌音」 2人の怒鳴り声に離れで休んでいた千歌音が居ても立ってもいられなくなり出て来ていた しかし余り体が言うことを利かないのか、肩で息をつき襖にもたれ掛っている そんな千歌音に乙羽が慌てて駆け寄る 「駄目ですよ!部屋で休んでいなくては…」 千歌音の肩を抱き、その場に座り込ませた。しかし千歌音は下を向き畳に両手をつき首を振り「いいんです…私のことなんて」と小さな声で言い、更に言葉を続けた 「それより、違うんです…乙羽さん。私が行きたいって、連れて行ってほしいって……姫様に、我侭を言ったんです」 「姫宮さん…」 肩で息をしながらも、声を震わせながら必死に弁明する 「千歌音…下がりなさい」 少し離れたところに立ち下女の束縛から解放された水浸しの姫子は静かな声で命令した 「いいんです…姫様」 千歌音は顔をあげ姫子に微かに笑顔を見せると、自分を庇おうとする千歌音に姫子は堪らず俯き手を握り締めた 「姫様は…私が、余り外に出たことがないから…だから…具合が悪くなるのを承知で… 自分が怒られると分かってて…姫様は私を馬に乗せて、お薬も持って…連れ出してくれたんです」 ぽた…ぽた…と、千歌音の目から涙が零れ畳を濡らしていく 「全部私がいけないんです…だから…これ以上姫様を責めないで…」 そこまで言い終えると、千歌音は手で顔を覆い声を押し堪えながらしゃくりあげた 「違うの乙羽さん、私がいけないの…私が勝手にその子を連れ出したの」 しばらく静まり返った部屋の中で、俯いたまま姫子が再度言った その言葉に千歌音が顔をあげ「ち、違います…っ!」と声を上げた しかし乙羽は千歌音の口元に手をやりそれ以上を制止し、千歌音をゆっくりと支えながら立たせた 「いいえ、お二人の気持ちは良く分かりました」 互いを庇いあう2人の気持ちが通じた乙羽は笑顔で姫子を見た 「来栖川さん、水をお掛けした事はお詫びします」 「いえ…」 自分に向かって頭を下げる乙羽に自分の非を認めている姫子は遠慮がちに顔を逸らした しかし乙羽は頭を上げたあと、口元を緩めゆっくりと首を振った 「今回の件は姫宮さんに免じてもうこれ以上は咎めません」 乙羽は腕に抱える千歌音をちらりと横目で見ながら答え、千歌音は嬉しそうに「…乙羽さん」と呟いた 「ただ、これからは黙って行くのはお止めになって下さい。待つ方も気が気ではないのですから」 そう言って姫子に向かってにっこりと微笑んだ 「乙羽さん…はい、分かりました」 乙羽の優しい眼差しに、姫子も頷き笑顔で返した 近くに居た下女達も安心したのか、皆がほっと胸を撫で下ろした そうして一時はどうなるかと心配された騒動がようやく収まり、屋敷内が安堵に包まれた 数日後… 「いいの?姫子。また祝詞の練習お休みしちゃって」 馬に跨り、村を出たあと姫子の前に座っている千歌音は振り返り小さな声で問う 「大丈夫よ、大神先生優しいし」 千歌音と出掛けられるのが嬉しい姫子は優しく答えた 「で、乙羽さん…貴女はそこで何を?」 背後で同じく馬に乗っている乙羽を振り返った 「決まっているでしょう、私も着いて行きます」 それが当然とでも言うような口調で返した 「…昨晩出掛けるって言いませんでしたっけ?」 「ええ、聞きましたよ」 「……」 先日の一件が落ち着き、もう一度仕切りなおしとして紅葉を見に行こうと2人して出掛けようと計画を立てた そして行く前日に乙羽に告げ許可をもらえたのだが、どうも乙羽は待つ身になれなかったようである せっかく今日はゆっくり楽しめると思ったのに…姫子はがっくりと肩を落とした 「どうかしました?来栖川さん」 「…いえ、何も…」 真横に並んだ乙羽に前回の乙羽との喧嘩の疲れがまだ残っている姫子は無念そうに首を振った すると横向きで座っている千歌音に向かって乙羽は少し身を乗り出した 「姫宮さん、具合が悪くなったら直ぐに言ってくださいねw?」 「え?あ、はいっ」 声掛けられた千歌音は驚き、コクコクと頷いた その後も今朝方用意したのかお弁当まで作っているらしく千歌音に見せている やっぱり千歌音が己の目的か… 姫子は静かにぐっと手綱握り締めた 「千歌音、しっかり掴まってなさい…」 「え?姫さ……きゃああああっ!!」 小さな声で千歌音にそう言い、返事を聞く前に姫子は突然手綱を引いて馬の腹を蹴りあげ乙羽から逃げるように駆け出した ドドドドドドドド……!! 砂埃を巻き上げ猛スピードでどんどんと遠ざかっていく姫子と千歌音の馬が見えなくなった頃、完璧に置いて行かれた事に気づいた乙羽はハッ!と我に返った 「ちょっ!来栖川さん!??お待ちなさい!!」 慌てて手綱を引き追いかけて行った 「ひ、姫子!いいの!?乙羽さん置いていっちゃって!」 「いいの!2人きりじゃないと出来ないことがあるでしょう?」 「/////っ!!」 「あら?追いかけてきたわね。しっかり掴まってるのよっ」 「え?あ・・・きゃああああっ!」 「お待ちなさーーいっ!私を置いてくなんて許しませんですわよぉー!!」 END
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神無月の巫女 エロ総合投下もの 過去の罪 千歌音ちゃんは来るでいた、だから私も苦しみを味あわないと…いけないよね? 千歌音ちゃんは私が3年生のときに入学してきた。 姿、形、声、口調と全て全く同じ、私と初対面な関係である以外は。 私が千歌音ちゃんの姿を見た日の夜、嬉しさのあまりにずっとないた、泣き続けた。 ルームメイトのマコちゃんに、心配されるくらいに…ずっと…でも現実はあまりにも厳しかった。 そう…さっき言ったようにこの世界の千歌音は姫子のことを知らない、あの当時と同じだ、姫子の気持ち以外は。 この世界ではまだ初対面なのでいまはまだ当然のごとく、目の前に姫子がいても千歌音は軽く会釈するだけである。 そして私はその度に悲しくて泣いた、泣きまくった、あれだけ耐えてきた千歌音ちゃんと違い私はそれだけで悲しくて泣いた。 あのときの千歌音ちゃんがどれだけ辛い思いをしてきたか、どれだけ寂しい状況にいたのか私は身に染みた。 ほんとは心が弱くて臆病な千歌音ちゃん、でも宮様で姫宮令嬢という立場上、いつも人前では気丈に振舞ってきた。 そのことを思うと私は胸が張り裂けそうになる。 千歌音ちゃんはここでも同じだった、綺麗で頭も良くてスポーツもできてピアノの腕も一流で、皆の人気者、宮様になっていた。 イズミさんが1年生の教室によく行っていたけれど私は無視した、無関心を装った。 そして、そういう日が続いたある昼休み、私は意を決して、誰にも見れないようにこっそりと薔薇の園へ向かった。 確信はなかった、でもきっとここにいる…胸のドキドキが高鳴っていることに気づいたもの――。 薔薇の段をくぐると…私がこの世で一番愛する最愛の人がそこにいた――黒長い髪の美少女、姫宮千歌音ちゃんが。 一人静かに――優雅に――お弁当を食べながら箸を静かに置くとこちらを見つめる千歌音ちゃん。 このまま飛び込みたいと思った、けどそれは出来ない。 「……」 「……」 沈黙が続いた後、千歌音ちゃんから口を開いた。 「ごきげんよう…先輩ですよね?」 その一言だった、私も返す。 「ごきげんよう…姫宮さん」 「どうして私の名前を?」 「それなら姫宮さんだって私が先輩だって…あ、あの座ってもいいかな?」 姫子の言葉に少し怪訝な顔をした千歌音だが、少し微笑むと「どうぞ」と返してきた。 そのやり取りに歓喜すると「う、うんっ!」と笑顔になり座るとお弁当を取り出す。 「千歌音ちゃ……ううん、姫宮さんはいつもここで食べてるの?」 「ええ、いえ、はい、ここが気持ちよくて」 「ううん、敬語なんていらないよ?私は来栖川姫子、姫子って呼んでね…ち、千歌音ちゃんっ!」 「っ……あ」 突然名前を呼ばれたことに戸惑う様子の千歌音。 「ごめんね、馴れ馴れしかったかな?」 少し考えていたが千歌音は微笑んだ。 「いいえ、そう呼んで頂戴、私もそのほうがいいもの」 「…っ」 その言葉のやり取りに嬉しくなった、あのころの会話ができてる、まだ溝はあるけど、一歩前進した。 そう姫子は思った、その後も毎日昼食はここで一緒に食べるようになった。 少しでも千歌音との交流を増やしたい一身だった。 たまにイズミに千歌音とのことで因縁をつけられることもあったが全て無視した…そうやって千歌音との関係を着実に 深めていく姫子、そして三ヶ月が過ぎた。 生徒会、部活動、姫宮令嬢としての義務、ピアノのお稽古、お茶会、それに本来の高校生として義務。 そんな毎日が続くと本来、16才の女の子でしかない千歌音にも当然疲れはある、たまにこっそりと保健室で休むことも多い。 その度に姫子がこっそりと見守るのだが…そのときに姫子は隠れて楽しむ。 そう…眠っている千歌音にこっそりと口付けするのである。 触れるだけの軽いキス、がキスの時間はたっぷりと5秒間、最初はベッドの傍で見守るだけだった。 でも見ていると、千歌音の唇が欲しい、たっぷりとこの身で味わいたい。 我慢してきた、自分の自我を姫子は抑えようとしてきた、が…あの味を忘れられない、そして静かな吐息に千歌音の柔らかそうな唇を 見ているとそういった衝動、こういった関係になりたいという願望、そして欲望を抑えられないのだ。 おそらくこれが千歌音にとっての一方的とはいえファーストキスだろう、だがこの世界の姫子にとってもそれは同じ。 記憶では千歌音とは何度もしてるのだが…千歌音の唇の味は以前と全く同じだ、高級感のある薔薇の香りが漂い口全体に広がる。 千歌音の自分が奪いたかったといし自分のも捧げたいという気持ちも大きい。 それほど姫子は千歌音が好き。 そして、そういった日が何度か続いたある保健室での出来事。 いつものように眠った千歌音にキスしようと目を閉じて唇を近づけようとしていた姫子。 が、突然千歌音が目を開けた。 触れる寸前まで来ていた姫子は慌てて離れる。 起き上がり上体を起こすとこちらを見る千歌音。 「ち、千歌音ちゃん…わ、私」 姫子はもう気持ちを伝えるしかないと思った。 「ず、ずっと好きだったの、心から…あ、あの千歌音ちゃん知ってたの?き、キスのこと」 少しの沈黙の後に千歌音が口を開く。 「ええ…この前寝込んだときに、私起きてたの、それで…そのときは驚いたけれど、言い出せなくて、ごめんなさいね」 姫子は頬を染めて言う「め、迷惑かな?私の気持ち……」 頬を染めるとしゃがみ千歌音の様子を伺うように軽く見上げて言う姫子。 「……」 それに対して千歌音は少し沈黙し、拳を握り締め、なにかの覚悟を完全に決めた様子だ、少し目を閉じていた千歌音。 決意したのか目を開け口を開いた。 「そうね…ごめんなさい」 その瞬間姫子は凍りついた、言葉が出ない。 目線を落としてる千歌音を見れない、涙が大量に流れ出す寸前だ。 それだけの言葉で済ませてくれたのは千歌音の最低限の優しさと言うべきか。 どんなときでもこの子は優しい。 かなりの人間を撃沈してきた断り方と同じなのだろうか…。 なんとか姫子は言葉を吐き出す、部屋を出れば号泣確実だ。 「そ、そうだよね、ご、ごめんね、付きまとうみたいで迷惑だったよね、ほんとにごめんね…っ」 その目に涙を浮かべながら姫子は後ろを振り向き、部屋を出ようとする。 が、当然背後から腕を掴まれる、そして振り向いた姫子の唇に千歌音の唇が重なった――。 それも軽くではなく強く押し付けてくるほうだ。 姫子を突然の行動に目を大きく開け驚いている、呆然とした気持ちと嬉しさと両方だ。 色んなものが混ざり合う中で姫子の目が…ゆっくりと閉じていく。 気がつくと、千歌音はもう離れていた、顔を真っ赤に染め、唇に手を当て顔を伏せている。 こういう恋愛に前向きでない千歌音にとって自分から相手にキスするという行動自体にかなりの勇気がいったのだろう。 さっきの決意した顔はこういうことだ。 「千歌音ちゃん…」 「ごめんなさい、わ、私も姫子のこと、でも言えなくて、ずっと言えなくて…ただ、貴女に好きって言われて、嬉しくて… でも言葉には出来なくて、ごめんなさいね姫子、姫子とずっといると胸が熱くなるの、いつからかしらね、わからないの、私 生まれて初めてなの、こういう気持ちって…それを感じたのは、姫子、貴女といるときだけ、いままで隠しててほんとにごめんなさい」 千歌音の身体と声が震えている、ほんとは臆病で弱気な性格で嘘つきな千歌音が勇気を振り絞って言った長い告白。 姫子はそれに応えるように千歌音を抱き寄せ耳元で囁いた。 「愛してるよ…千歌音ちゃん」 「うん……」 千歌音も目を閉じ抱き返してきた。 千歌音の気持ちを確認した姫子はベッドへと千歌音を押し倒す。 「っ!ひ、姫子!?」 「さっきのお返し」 暴れないように千歌音の両腕を押さえつけると押し付けるように熱いキスを交わし、そのまま 千歌音の口内に舌を入れ込んだ。 「んんっ……」 初めての大人のキスに千歌音は声が出ない。 「ふふ、これがね、恋人同士がする熱いキスなんだよ?」 少し唇を離してそう耳元で甘い声で囁きながら千歌音の制服を脱がしていく。 「ひ…め…こ?」 「私。千歌音ちゃんが欲しいの」 ボタンを外しリボンを外し確実に制服を脱がしていく。 「じっとしててね、抵抗したら駄目だよ?」 そして乙橘制服が脱がされて白いブラと同時に中身の爆乳が姿を現す。 「やっ」 慌てて隠そうとする千歌音の右手を押さえつける。 「ちょっと起きて、ブラを外すから、千歌音ちゃん?ほんとに大きいよね、こういう所も好きだよ、ふふ、メロンさんみたい」 「ひ、姫子、私ほんとに――」 千歌音の口を指で軽く塞ぐとブラを外し生乳に被りつく。 そして手で触り揉んでいく…それだけの価値のある胸だ。 姫子も大きいがこれはまた次元が違う。 「千歌音ちゃん、制服の上からもお胸さん丸見えなんだよ?ほんとにここも唇と同じで大好き」 感触を確かめるように千歌音の胸に顔を当て少し満足するように目を閉じる姫子。 「ああ……」 「千歌音ちゃんそんな悲しそうな顔しないで?私が気持ちよくしてあげるからね、もちろん千歌音ちゃん始めてだよね?」 と、千歌音の赤いスカートに手を伸ばす。 これは姫子の欲望だ、千歌音を自分だけのものにしたいという、スカートが脱がされ白いショーツが目に見える。 「千歌音ちゃん今日は白なんだね、私とお揃いだよ♪」 「姫子お願いだからもうやめてっ!」 「ここまで来てやめられないよ、えいっ!」 ショーツが脱がされ、千歌音の大事な箇所が晒された、興奮するように息を荒くすると舐め始める姫子。 「いやっ!…うう…っ」 陰部の割れ目の開ける、慣れた手つきだ。 「ここも綺麗だよ…ほんとどこも綺麗」 姫子の指が確実に千歌音の奥まで進入していくのがわかる、最も大事な部分はもうすぐ。 「ひ、姫子――」 「もうちょっとだから、もうすぐだから我慢して」 千歌音はどこでも清潔である、姫子の指が色んな花弁を優しくどかしていき、女肉まで到達しようとする。 処女は大きなバリアのごとく膜に守られているのがわかる。 「これが千歌音ちゃんの…初めて見た、嬉しいな」 流石は千歌音、神聖なその場所は綺麗で清潔、何者の侵入の痕跡もない。 「少し痛いけど我慢してね」 「姫子――」 姫子の細くて小さな指が膜に入っていく。 「甘い蜜を上げるから我慢して」 「ああ――んっ…ちゅ」 悲鳴を上げようとした千歌音の唇を塞いだ、左手で優しく千歌音を抱きながら… その間にも姫子の指は確実に膜を破っていく…貫き、処女を奪ったときも千歌音は 姫子の甘い蜜のような口付けに酔いしれ悲鳴も全てキスが封じた。 そして少し出た血を姫子が優しく拭き取る。 「姫子…私」 「ごめんね千歌音ちゃん、でも私…全て欲しくて、これで…千歌音は私に全てを見せてくれたから もう恥ずかしがる必要ないよ?えへへ、こ、これからもよろしくね千歌音ちゃん」 「っ…姫子、ふふ、そうね…わかったわ」 千歌音の笑顔を見るのがあの辛さを経験させてる姫子にとってのなによりの幸せだ。 二人の付き合いはこれから始まる。