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神無月の巫女 ハアハアスレ投下もの 「姫子の憂鬱」~倦怠期の予感~ ここのところ千歌音ちゃんの様子が変だ 千歌音ちゃんの行動は前々から変だとは思っていたが、今回はそれに輪をかけて変だ…と姫子は思っています ゲームの一件があってから、千歌音ちゃんはあまり姫子に構わなくなったようです これは由々しき問題です あの『姫子一筋、姫子命の千歌音ちゃん』が姫子に興味を失くしたら、もうただの変態です おかしなもので、人というのは追えば逃げ、追わなくなったら近づくものです 姫子も過剰な千歌音ちゃんの追いかけには多少ウザイと思うところもあったようですが、いざ、追われなくなると寂しいようです ある日の二人の行動を観察してみましょう 【朝、自宅にて】 ↓ 川ゝ゚ ヮ゚ノl|つ「千歌音ちゃん、会社に行く時間だよっ」 | l |*゚ ー゚ノ!| 「会社を買収しすぎちゃって手が廻らないから暫くは本社で仕事するの いってらっしゃい ハゲにヨロシクね」 川ゝ゚ ヮ゚ノl| 「う、うん…」 【昼、会社にて】 千歌音ちゃんが出社しない会社は、何だかみんながほのぼのとして働いているようです 編集長は生き生きとして肌の色艶まで良くなってるみたいです… 今までもパターンだったら千歌音ちゃんからのしつこい電話やメール攻撃があったのですが、今日は全然音沙汰無しです 川ゝ゚ ヮ゚ノl| 「…。」 どうやら気になって仕方の無い姫子は仕事に集中することができない模様です 【夜、仕事を終えて】 姫子は千歌音ちゃんの携帯に電話を入れました 川ゝ゚ ヮ゚ノl| 「もしもし、今日は何時に帰ってくるの?夕食作っておくよ」 | l |*゚ ー゚ノ!| 「夕食はいらないわ 帰りは遅くなるから、先に寝てていいわよ じゃぁ」 川ゝ゚ ヮ゚ノl|つ「ち、千歌音ちゃん…。」 どうやら、姫子ピンチの模様 千歌音ちゃんの心は姫子から離れてしまったのでしょうか? 週末なのに千歌音ちゃんは朝っぱらからさっさとひとりでお出かけしてしまいました ひとりで寂しい(´・ω・`)ショボーン状態の姫子は親友のマコちゃんに連絡をしました しかし運の悪い事にマコちゃんは只今、ハーフマラソンに出場する為に東京に行ってしまってるとの事でした 更に(´・ω・`)ショボーン状態の姫子は大神くんに連絡をとってみます …大神くんは欝病で入院しているとのことでした 大神くんは日々の極度なストレスの為に鬱病になってしまったらしいです…そんなに辛い日々を過ごしていたのでしょうか? 姫子は思いました 川ゝ゚ ヮ゚ノl| 「…使えねーヤツラ」 こんな時に限って、千歌音ちゃんパパとかのちょっかいがありません 本当に空気の読めない人たちです こうして姫子はひとり寂しく週末の日を過ごすことになりました 買い物に出てもちっとも楽しくはありません 隣りに千歌音ちゃんが居ない…自分にとって千歌音ちゃんの存在がどれだけ大きいものであるかを思い知らされたのでした さんざん(´・ω・`)ショボーンな休日を過ごした姫子 早々にベッドの中に入りふて寝を始めました その日の夜遅くに千歌音ちゃんは帰宅しました ここのところ夜の営みもサッパリありません あの性欲旺盛な千歌音ちゃんにしたら大問題です 姫子は今夜こそ千歌音ちゃんが手を出してくれるのを密かに期待していました しかし千歌音ちゃんはベッドに入るとすぐに大いびきをかいて寝てしまいました …まるでオヤジのようです あのワールドカップの頃のような呆れた情熱というか獣じみた欲情は一体どこにいってしまったのでしょうか? (´・ω・`)ショボーン姫子は思いました 川ゝ゚ ヮ゚ノl| (…もしかして千歌音ちゃんはどっかで浮気してる??) …暇な方は推理してみてくださいw 姫子は何やら覚悟を決めたようです 川ゝ゚ ヮ゚ノl| 「千歌音ちゃん、今日は早く帰ってきて欲しいのだけれど…話しがあるから」 | l |*゚ ー゚ノ!| 「わかったわ」 意外とすんなり千歌音ちゃんは了承してくれました しかし、姫子は一体何の覚悟を決めたのでしょうか?まさか… 姫子は思いつめたような顔をして会社に向いました 一方、千歌音ちゃんは| l |*^ ー^ノ!| フフフフフッ… ((;゚Д゚)ガクガクブルブル わ、笑っています…何を企んでいるのでしょうか? 【姫宮グループ本社の社長室において】 GPSで姫子の居場所を完璧に把握している千歌音ちゃん 密かに尾行を続けさせていた精鋭部隊からの連絡を受けています 本日の姫子は午後から会社を早退して、美容院やらエステやら自分磨きに力を入れている模様です 千歌音ちゃんの心が離れてしまったと勘違いした姫子は、千歌音ちゃんの心を再びガッツリ掴むべく勝負に出た模様です 「あぁ、姫子 これであなたの心は私でいっぱいになるわね いつでもずっと私のことだけを考えてくれるようになる」 …以前、どこかで聞いた台詞ですw さすがに千歌音ちゃんは策士でした 伊達にエール大学を首席で卒業したわけじゃありません 日頃、姫子の愛が足りないと感じていた千歌音ちゃんは(姫子に冷たくされたりした為)わざと、距離を置いて焦らす作戦にうって出たのでした 題して『愛の追って追われて押して引いて大作戦』です…本当に馬鹿馬鹿しい限りです 下手すりゃ、姫子が心変わりする心配もあったのですが、そこはさすがの千歌音ちゃん 事前に危険要因を排除しておくという用意周到さはあっぱれです マコちゃん→レースに強制出場 ソウマ→強制入院 パパ→姫宮邸で緊縛・監禁 常に尾行監視を続けている精鋭部隊からの報告を逐一受けて万全の態勢を整えていました 社長室で隠し撮りされてた姫子の映像を見ながら、軽く何度も逝っている千歌音ちゃん… 自分の事を想って(´・ω・`)ショボーン状態の困った様子やヽ(´Д`;≡;´Д`)丿 オロオロしている姫子を見て鼻血を出している始末です …とんだ変質者ですね l |*゚ ー゚ノ!| 「たたいまーっ」夜になり千歌音ちゃんが帰ってきました 部屋の中は甘ったるい匂いが充満しています 姫子が夕食を作って待っていました…あの激甘卵焼きの匂いですね 千歌音ちゃんをそんなに糖尿病にしたいのでしょうか?w * ゚ + 。・゚・。・川ゝ゚ ヮ゚ノl| 「おかえりなさーい」 おや、姫子がいつもより輝いている感じがします 自分磨きに成功したんですね 服装も千歌音ちゃんが大好きなミニスカです…気合が入ってます | l |*゚ ー゚ノ!| 「…。」(ハァハァ、姫子かわいすぎるわ タマラソ) 千歌音ちゃんは鼻血が出そうになるのを必死に抑えて、冷静を装います とりあえず二人は久々に一緒に夕食を摂りました | l |*゚ ー゚ノ!| 「…で、話しって何?」(ハァハァ、言いたい事はわかってるのよ) 川ゝ゚ ヮ゚ノl| 「う、うん…後でね」 | l |*゚ ー゚ノ!| 「…。」千歌音ちゃんの舌はあまりの甘さに麻痺状態になりました(いつ食べても刺激的な味ね) 食後のお茶タイム 姫子が千歌音ちゃんに擦り寄ってきます | l |*゚ ー゚ノ!| 「何?」(ハァハァ…姫子) 川ゝ゚ ヮ゚ノl| 「あのね…やろうっ」 姫子のあまりのストレートな申し出に千歌音ちゃんは、鼻血を噴出してしまいました…軽く気絶中 川ゝ゚ ヮ゚ノl| 「千歌音ちゃん、千歌音ちゃん、起きてよっ」 | l |*= ー=ノ!| 「ほぇー…」 千歌音ちゃんが寝覚めるとそこはベッドの上でした 川ゝ゚ ヮ゚ノl| 「あのね、ここのところ千歌音ちゃんが構ってくれないから私、凄く寂しいんだよ」 | l |*゚ ー゚ノ!| (ハァハァ、思惑通りね…これで完璧に姫子は骨抜き状態よ…とどめの台詞を… | l |*゚ ー゚ノ!| 「私がいなくて寂しかった?」 川ゝ゚ ヮ゚ノl| 「うん」 | l |*゚ ー゚ノ!| 「戻ってきて嬉しかった?」 川ゝ゚ ヮ゚ノl| 「うんっ!うんっ!」 | l |*゚ ー゚ノ!| 「まだ私のこと…好きでいてくれるの?」 川ゝ゚ ヮ゚ノl| 「うん。大好き。」 …おっと、これも以前聞いた事のある名台詞ですね 千歌音ちゃんはただ単にこの台詞を言わせたかっただけなのでしょうか?…本当にお馬鹿ですw すっかりご満悦状態の千歌音ちゃんの前で姫子はいきなり服を脱ぎ出しました | l |*゚ ー゚ノ!| 「!?」 千歌音ちゃんは再び大出血をして倒れました しかも嬉しそうにヘラヘラ笑いながら気絶中です | l |*~ ー~ノ!| ウヒャヒャヒャ… あれだけ着用を拒否されていた、例のお土産の凄い勝負下着をつけていてくれたのです 千歌音ちゃんは幸せでした…軽く逝きました その後この二人がどんな事になったかは言うまでもありません 千歌音ちゃんは自分の思惑通りにすっかり姫子を骨抜き状態にしたと自負しているようですが、果たしてそうでしょうか? …この日の主導権は姫子が握っていたようですよ… ~バカップルめでたし、めでたし~
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── 彼方の神座に仰ぎ奉る、掛けまくも畏き天照大御神、尊き恵みこの身に宿し奉りて、世のため人のため穢れ多き禍き竜を祓へ清めたらんと畏み畏み申す。 詠まれた祝詞に呼応して、天から降り注ぐ眩き光の激流が邪龍を穿つ。 比喩表現ではない。光がまるで実体を持つかのように邪龍の鱗を、爪を、翼を、そして眼を耳を鼻を貫いていく。 光によってもたらされる一方的な「浄化」の前に、邪龍───本来であれば東日本一帯に壊滅的な大打撃をもたらすはずだった「大嵐の邪龍」──は、その威勢を発する間もなく消しとばされる。 凪。静寂。後に残ったのはそれだけだった。 邪龍討伐の儀の最後の舞である「祓い締めの舞」を終え、彼女──皇座の座長「日ノ本八千代」は私室で一息ついていた。 「まったく、科学技術で『予知』より先に龍の顕現を確認できるのは有難いことですが、海を隔てた先にいる龍を祓うのはまだ感覚が慣れませんね」 ……そう、彼女は今、京都府にいる。 日本列島のはるか南、太平洋上を時速50kmで北上していた大嵐の邪龍は、京都にいた八千代によってなす術なく祓われたのだ。 「鈿子、この後の予定は?」 「はい八千代さま⭐︎この後は天神龍『菅原道真公』の大鎮式、それが終われば今夜は『戦乱の大邪龍』についての日米韓会議の参加があります!…あ!『流感の邪龍』討伐は明日に延期になりました!『黒死病の邪龍』はさらに繰り上がって一週間後です!」 鈿子、と呼ばれた女性はハキハキと答える。 「何か変わったことはないの?新たな巫女が産まれたとか、『皇座♾️』の活動報告とか」 八千代は退屈そうに尋ねる。 邪龍討伐など彼女にとっては日常の一コマでしかない。国際会議も、神龍に捧げる儀式も。 「ふふ、聞いてください八千代さま!あの『四神獣の神装巫女』が代替わりしたそうですよ!まだまだEランクってところみたいですけど、将来が楽しみですね!」 「……ええ、楽しみね。とても」 退屈そうな顔は崩さぬものの、八千代は口角をわずかに吊り上げる。 事実、後輩の存在はいつだって先達にとっては楽しみなものだ。少なくとも埒のあかない国際会議よりも、余程。 「では、私は大鎮式に備えて少しの間休むことにします。時間が来たら、また宜しくお願いするわ」 「承知しました⭐︎」 鈿子は明るい様子を崩さぬまま部屋を出ていった。 八千代は寝所で鈿子の話した巫女たちの話を思い返す。 「四神獣の神装巫女」であるならば、いずれ私の立っている舞台に上がってくるだろう。その時が楽しみだ……。 そう八千代は感じながら、暫しの眠りに就くのだった。
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神無月の巫女 エロ総合投下もの 筆おじさん 昼下がりの来栖川邸。 姫子は珍しく自室に篭っていた。 古そうなややくたびれた巻物と睨めっこし「うむむむ……」と低く呻いていると、部屋に真琴が入ってきた。 「姫様、お茶が入りましたよ。って何をそんなに真剣な顔でお読みになられてるんですか?」 いつになく真剣かつどこか怪しい主人に声を掛けると、姫子はそれを無視してパン!と突然両手をついた。 「分かったわ!」 「?」 何が?と首を傾げると姫子は嬉しそうに真琴を見た。 「真琴、今すぐ千歌音をここに連れて来てもらえる?」 そして待つことしばしば。 「姫様、千歌音を連れてきましたよ?」と千歌音を連れた真琴が部屋に戻ってきた。 「ありがとう」 待っていた姫子は部屋の中央の畳に和紙を何枚も重ねて広げ、何かの準備をしていた。 「千歌音、入ってきていいわよ」 そう言って手招きすると「は、はい」と少し緊張した様子で千歌音が姫子の部屋に入る。 「悪いのだけど千歌音と2人きりにしてもらってもいい?」 ぼけ~っと何するんだろう?と見ていた真琴に言うとこっくりと頷き襖を閉めようと手を掛けた。 「待って」 「え?」 「それと、しばらく誰も部屋に近づかせないでくれる?」 「はあ、分かりました…」 姫子の再三のお願いにやや首を傾げてしまったが、大人しく出て行きすうっと襖を閉めた。 変なの…。 そう思いつつも真琴は頭をぽりぽり掻きながら仕事へと戻っていった。 「仕事中に悪かったわね、ここに座ってくれる?」 真琴の足音が遠ざかったのを確認してから姫子は傍に立っていた千歌音を見上げ広げた和紙を指差した。 「こ、ここにですか?」 突然呼び出された上、読めない姫子の思惑に千歌音の不安倍増。 挙動不審な千歌音に姫子はにっこりと笑う。 「いいからいいからw」 全然よかない! そう思っても「今は2人きりだからいつも通り接して?」だなんて甘えた声で言われてしまうと、渋々言うこと聞いてしまうところが姫子に対して甘いところである。 ガサッ。 何重にも重ねられた畳1畳分の大きさの和紙の上に座る。 「姫子、一体何を始めるの…?」 2人きりとは言え昼間の屋敷。寝静まっている夜とは違い仕事中の下女が多い。 屋敷から離れている自分用の離れとは違い、姫子の部屋は屋敷の中にある。 ため口を誰かに聞かれてはまずいと内心怯えながら小さな声で訊ねると姫子はお構いなしに口を開く。 「じゃあ脱いでw」 「は?」 一瞬姫子が何を言ったのか分からなかった。 「だーかーら、着物脱いでw」 そう言って千歌音の着物に手を掛け、千歌音は慌てて身を捩った。 「や、やだ!昼間っから…///」 「違う違う、これを見て」 良からぬ行為を連想する千歌音を落ち着かせながら脇に置いてあった巻物を広げる。 「?」 「ここにね、オロチ避けの呪文が書いてあるの。うちには一人居候オロチがいるでしょ? 私が千歌音の傍にいるときは良いけど、どうしても傍にいられない時もあるじゃない?」 首を傾げる正座していた足を横に崩した千歌音に「これがその呪文でね」と巻物を指しながら親切に説明する。 「それで、それを私の体に書こうと…?」 「うんw」 そんなにレーコから私を引き離したいのか…。 あの人そんな事しないと思うんだけど。と言ってはまた延々と「レーコは危険!危険なの!」と熱弁を聞かされる羽目になる。 それに姫子と違って自分は戦闘が得意でないはないし、それで姫子が安心すると言うのならば致し方ない。……のだと思う、たぶん。 「わ、分かったわ……///」 墨汁が畳に零れないように和紙の上に座らされたのだと理由も分かりこっくりと頷いた。 まだ昼間なせいもあって部屋の中が明るくてこっ恥ずかしいが、帯を緩めするりと着物を脱いだ。 「恥ずかしいからあまり見ないでね…///」 頬をこれでもかと赤く染め、視線を逸らし上半身裸になり胸元をしっかり手で押さえているが、姫子からの返事が無い。 「姫子…?」 「え!?あ、あぁ…ごめん///」 ぼ~っと千歌音を見つめていた姫子は千歌音と目が合うと慌てて視線を逸らした。 晒け出された透き通るような白い肌が夜とはまた違ってすごく綺麗で、頬を染めながら胸を隠すその仕草がまた初めて千歌音と交わったときのように初々しくて。 しかもその胸は腕でも押さえ切れないほどなものだから釘付けになってしまってて、本来の目的をすっかり忘れそうになる。 用意していた筆達と墨壷を引き寄せながら、ちらっと千歌音を見ると首筋から鎖骨のラインも艶かしい。 その千歌音はと言うと、恥ずかしくて目をぎゅうっと瞑っている。 その姿に…少しくらいなら、いいかな。と、悪戯心で手に取った筆に墨ではなく水をつけ千歌音と向き合う。 「手、外して頂戴」 そう言うと、千歌音はそっと胸を押さえていた手を離した。華奢な体には不釣合いなほど豊満な胸を目の前に姫子は満足げに目を細めた。 姫子が近づくとガサッと和紙が音を立て、ビク!っと千歌音が驚くが「大丈夫」と全然嘘っぱちなことを囁く。 「じゃ、いくわよ」 書くと言ってない所が酷い。 しかし死ぬほど恥ずかしがって目を瞑っている千歌音は疑うはずも無く小さく頷いた。 ぴと。 濡れた筆を千歌音の鎖骨と胸の間らへんにつけると冷たさで「ん…っ!」と千歌音が小さく息を飲む。 そのまま筆を桜色の乳首の方へ文字を書いてるかのようにすらすら~となぞっていく。 何とも言い難い筆の毛触りに千歌音はぎゅうっと脱いだ着物を握り締め、声を漏らすまいとそれに耐える。 その可愛らしい姿にうっかりいけない感覚が芽生えてしまいそうな姫子の筆は止まらない。 「ちょっと、我慢してね」 興奮を抑えながら今度はたっぷり水をつけワザと千歌音の胸を濡らしていく。 そうとは知らず懸命に耐えている千歌音に姫子のいけない感覚は悪さを続ける。 休むことなく筆を動かし続け、まあるい両の乳房のラインに沿って伝う水滴に思わず舌なめずりをしてしまう。 そのままお腹にも筆を滑らすと、くすぐったくて千歌音は後ろに仰け反りそうになってしまうが何とか片手を後ろについて体を支えた。 冷たい水に何だかやらしい筆の動きに千歌音の意思とは関係なく、晒されている乳首がほんの少しずつ硬く姫子の好きな形へと変化していく。 その吸い付きたくなるような乳首に姫子は、にやっと口元を緩めこちょこちょと筆で弄りだす。 「っあ…!」 思わず声が出てしまい千歌音はパッと自分の口元を押さえた。 体が熱い、おかしくなっちゃう…! 顔を歪めふるふると体が震えだすのを必死に堪える。 しかし姫子の筆は執拗に乳首ばかり弄くる。 な、何でそこばかり…?? さすがに不審に思い目をほんの少し開くと、にやついてる姫子が自分の胸を見ていた。 そのまま視線を落とし自分の体を見ると真白いままで水浸しになっている。 「やん!ちょっと!全然書いてないじゃない…///!」 ようやく姫子の悪行に気付いた千歌音が胸を慌てて隠そうとするが、姫子はその腕を掴みそれを邪魔する。 「あ…///!だめ、ちゃんと、書い、てよ!やぁ!は…!んん…!」 いやいやと抵抗してみるが、仰け反る体勢なせいで身動きが思うように取れない。 「いいじゃない、たまにはこういうのも」 それをいい事に熱っぽい声で言いながら筆先で千歌音の乳首を堪能する。 舌の動きにも似たその動きに「はぁっ…!」とちょっと大きな喘ぎ声が出てしまう。 「ほら、もっと声抑えないと部屋から漏れちゃうわよ」 そ、そうじゃなくて私が言いたいのは…! そう言い返したくてもそんな楽しそうな笑顔で言われては何故か言い返せない。 「…いじわる!」 赤く染めた頬で恨めしそうに目に涙を浮かべて小さく言い返す千歌音がまた可愛い。 姫子はくすりと笑ったあと甘い息が漏れている千歌音の口元に顔を近づける。 「じゃあ、手伝ってあげる…」 「……んっ」 ぐっと千歌音の腰を抱き寄せてやると姫子に縋りつくような体勢になり肩にしがみ付いた。 そのまま姫子は声が漏れないように深く口付けてやる。 「んっ…んっ…ふっ…んんっ」 ちゅ、ちゅ、と何度も角度を変え舌を絡ませてやりながら筆を置いて今度はゆっくりと濡れた乳房を揉みしだいていく。 優しい口付けと胸に受ける愛撫にいつの間にか流されてると分かりつつも千歌音の頭はぼうっとしていく。 そうと分かって一生懸命姫子の口付けに応えてる最中に不意に指できゅっと乳首を摘んでやると「んんっ」と、分かり易い反応が返ってくる。 そのまま姫子の手はするっと下半身に伸び、着物の隙間に手を入れ茂みを掻き分け中指の腹で割れ目をつ、となぞる。 「ああっ…そ、それダメ……っ」 それに反応して口を離した千歌音がぎゅうっと肩を強く掴み返す。 しかしそれで姫子が止める筈もなく、たっぷり溢れている愛液を絡めた指をゆっくりと動かし、腰をピクピクと震わせ昂ぶっていく千歌音の表情を横目でしばらく楽しんだ。 「ぁっ……あ、あ…んん、ん~っ!」 しかし緩慢なその指の動きでは千歌音はいつまで経っても満たされず、もどかしさが募っていく。 無意識にねだる様な声を出し始めた千歌音が愛しくて抱いていた腰を更にぎゅっと引き寄せる。 「……指と舌どっちがいい?それとも筆?」 「はっ、そんなの、分かんな、ぁ…」 恥ずかしい問いを耳元で受け首を振ると、くすっと姫子が笑ったような気がした。 しかしそれを確かめる余裕も無く再び千歌音は姫子に口を塞がれ、くちゅくちゅと音を立てながら秘裂をさっきよりも早く撫でられながら同時に固くなった陰核を親指でぐっと押された。 「ん!ん、んぁ…!――――っ!」 その指の動きに一気に上り詰めていき、大きく体を震わせ絶頂を迎えた。 その後。 結局今日は呪文を書くのを止める事にしたらしい姫子は、部屋の隅でぐったりとしている千歌音に着物を掛けてやり頭をよしよしと撫でてやる。 「和紙、敷いておいて良かったわね」 「~~~///!」 違う意味で汚れた和紙の後始末してるときの嬉しそうな姫子を思い出し、千歌音は今日一番顔が真っ赤になった。 そしてその晩、食事当番だった千歌音の手によって姫子の茶碗蒸しの中にだけ大量の椎茸が仕込まれていましたとさ。 悪戯もほどほどに。 了
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Wild mummys人物紹介 ヒエロ•プトレマイス トートの巫女 アザリー 死者の書 テレサ•メロディ カルキノスの神装巫女 ニキアス•グリフ 『Wild mummys』のマネージャー兼リーダー。 前回までのあらすじ 本物のトートの力を借りて時の書物庫まで赴き、セケルと直接対決するヒエロ。 悪しきエジプトの神を倒し、全てを終わらせろ。 ーーーーーーーーーーーーーーー 海岸の洞窟のテレサが作り出した攻殻のドームの中、レイナが状況を確認する。 「外はグラロスさんに任せよう。 それで、ここからどうすればいいのかな?」 倒れ込み意識を失っているヒエロ。 アザリーはヒエロの首元に宝石をかけたら元の体を取り戻してくれると思っていた… だが 「まさか」 アザリーは青ざめる。 神に直接勝負を挑む人は、バカか自殺願望者くらいしかいないけど あるいはヒエロなら 本当に神を滅ぼしに行ったのかもしれない…と思った。 時の書物庫でヒエロとセケルの競り合いは未だ続いていた。 互いの秘術を見せ合いながら連続で衝突し、光の弾幕が飛び散う。 ヒエロが激しく消耗しているのに対し、セケルは余裕そうに話しかけてくる。 「この世でもっと美しいものはなんだと思う?」 セケルが手のひらから打ち出す散弾銃のような眼球をヒエロは曲芸的な旋回で次々に回避していった。 その度、本棚の壁面に穴が開き、時の書物庫が機関銃を受けたように大きく激しく揺れる。 余裕のないヒエロが答える。 「このあたしか」 「違う」 放たれた一つ一つの眼球が赤黒い光を帯び盛大な爆発を引き起こした。 ヒエロが一瞬、視線をオレンジ色の炎にとらわれたその隙にセケルの姿がかき消えた。 ヒエロは慌てて周囲に目を走らす 振り返ると、真後ろに全長30mほどの赤黒いキメラの巨人が覆い立っていた。 ギザギザの口を限界まで開け広げ。 「人間の感情だ!」 途端に巨人の口元から全身に亀裂が入る。 猛烈な勢いをつけて爆散し、千ほどある臓器、血管の破片が全方位から襲い来る。 ヒエロの目がすうっと落ち着いた色合いを帯びた。トートの知恵とヒエロ本来の勘の良さが合わさり、無数の軌道を的確に読み、超高速のステップを踏んで避けていく。 「だからエジプトを滅ぼしたって?」 破片の合間を駆け抜けるヒエロは、合間に潜むセケルにヒヒをかたどったエネルギー弾を撃ち込む。 一方セケルも見よう見まねで手をクロスさせ、黒いハヤブサを召喚し放った。 「その通り」 ハヤブサは猿と向かい合わせになるが、黒い衝撃と共に猿を打ち消し、目を剥いたヒエロ目がけて勢いを増し、腕にかすらせた。 「絶望こそが至高の美なのだ!」 ヒエロは身をよじらせ、ハヤブサに火傷させられた腕を庇う。その勢いに押され回転しながら降下する。 すると、先ほどバラバラになったと思われた巨人の右腕が頭上から落下して、ヒエロごと地面に突き抜ける。 轟音をたて押し潰した。 まだだ…! 微かに声が聞こえた。 地面にめり込んだ腕がカッと光り、粉々に打ち砕かれる。ヒエロが上空に飛び出した。 しかめっ面で歯を食いしばる。 「まだだ! まだまだこんなもんじゃ足りない!」 冥界の奥深くで、神との対決の様子の映像がホログラムで映されていた。トートは冥界中をめぐり周り、ホログラムを流して回った。 ヒエロの勇姿に感化された人々は、最初こそ盛り上がっていたが、状況が一方的に不利になるに連れ、静けさを増していった。 冥界にいるのは計500万人以上。 全員が心を一つにしなければ勝てないというのが、トートの見解だった。 現在進行形でヒエロの信者を増やしているが、それでも希望を持てない人も多いし、 まだまだ人数が足りていない。 すると、画面の中のヒエロが赤黒い光線から逃げ惑いながら、空中でのけ反り、大きく力を込めて天に向かって叫んだ。 「永遠の世界なんてあたしがぶっ壊してやる!! アザリーを実験してた奴も!エジプトを終わらせようとした奴も!全員そこから解放してやる…!!あたしが勝つ!! だから!!そこにいる全員!!あたしに力を貸せええええええええ!!」 その心からの声は、冥界中に響き渡った。 誰もが唖然とした後、彷徨えるの魂達の心に何かが、宿った。 それは希望とは少し違う、エジプト人の中に眠る魂に火をつけたような 白いローブを身につけ、美しく、荘厳な顔立ちをした女性シファが高らかに声を上げた。 「うおおおおおおおおおおお!!!!」 それに続いて歓声を上げる人が現れる。 熱気。情熱。一体感。 静かな冥界に、溢れんばかりの熱が伝導していき、盛り上がる。 一方ヒエロは手のひらから光弾を生成し、セケルを休ませる暇なく怒涛の連撃を放つ。 ヒエロの体の中で、何かが湧き立つのを感じて大きく口を開け笑う。 「来た!キタキタキタ!!これならいける!! 楽園を彷徨える魂よ!! お前たちに滑翔する権利を与える!!」 セケルはハッと真横の魔法陣に気付き、光線を放とうとするも、一瞬遅く。 魔法陣の内部から無数の人間達が噴き出しその場を包み込んだ。 「なんだこれは!?」 転移魔法。 五大元素のうち一つ、エーテルを利用した光魔法の応用版。ヒエロが時の書物庫に移動したのもこの魔法。 信仰が高まった今、大勢の人間を連れてくる事に成功した。この勝利の鍵を握るエーテルをヒエロはついに使いこなした。 密集し、まるでうごめく霧のような魂達に視界を奪われる。その視界の角、背後からものすごい勢いで飛び込んできたヒエロが強烈なドロップキックを入れ、セケルは地面の隅っこに吹き飛ばされる。 「はっはっはっ! あんたが創り出した至高の美だよっ!」 「人間ごときが邪魔を」 セケルは起き上がりエジプト人の魂を振り解こうとするが、いかんせん数が多い。 しかも、魂がより集まってできた柱がセケルに激突、増殖し、二重螺旋の線を描き魔法陣から無限に湧いていた。 膨大な量の魂達が自由自在に襲いかかってくる。 ヒエロが指揮するように動きに合わせて怨霊達が飛び回る。一時もその場に止まらず。流れる水のように。 冥界の熱気もほとんどMAXに等しい状態だった。 トートは今や冥界中に映像を流し、500万人全ての人に届けられるまでに力を得ていた。 ヒエロは溢れ出す力を抑えながら、他の魂にも魔力を分け与える。 「"トート"の名において告ぐ!」 ヒエロはふわりと宙を舞い、隣には力を与えられたシファが、他の巫女達が、弧を描くように一列に並び。 一斉に手をかざす。 「ぶちかませえ!!」 金色の輝きを放つ炎がすさまじい勢いで燃え上がった。同時に他の巫女達もセケルを狙いそれぞれ魔法を放つ。 全戦力を投じた最高出力の一撃が、一点に集中し、魔力の爆発が起きた。 「やったか!?」 少しは手応えがあった。 土煙が舞っていて、未だにセケルの姿を確認できないが。 瞬間。 深紅の衝撃波が全方位に飛び散った。 凄まじい魔力の集積である。 その圧で時の書物庫の壁が完全に崩れ、跡形もなく消滅した。 その外に空一面赤い瘴気を漂わせる荒野が広がっている。 ゆらりと立ち上がる影がある。 劫火と狂ったような霊力の嵐の中、セケルはゆっくりと手を掲げた その瞬間、猛り狂っていた魔力の暴風域が瞬時に飛び散った。 無表情にヒエロたちを凝視しているセケルは全く無傷だった。 ちょっとした外見の変化。 包帯を巻いた大男の姿が、3mほどの鳥人を模したような外見に変わっていた。 漆黒の鎧を見に纏い、皮膚は人体模型の筋肉のような赤黒い肌が剥き出しになっており、背中や腕から刺々しい骨の翼が突き抜けていた。 ハヤブサの面影がある兜を揺らし、それは言葉を発した。 「すまないな、真の姿を引き出すまでに時間がかかってしまった。 ほんのすこしでも希望を与えてしまったかな?」 8パーセント。それがセケルが今まで出していた実力だった。ヒエロ達が希望を抱いたタイミングで、桁外れの魔力で周囲を圧倒し、すべての希望を摘み取った。 「この荒野は、冥界の底のさらに地下"ネテル=ケルケト"。 赤い瘴気に覆い隠され、私以外いかなる神であろうと侵入できない。トートに顕現されるのは面倒だったのでね。 今、対策させてもらった。」 セケルは、さも当たり前のようにこの空間を創り上げながらヒエロと戦っていたと宣言した。初めて悟る。 冥界の神という称号の、その真の意味。 周囲の魂達は萎縮し、シファがガタガタと歯を鳴らして震えていた。勝てない。 勝てる訳がない。 そんなシファの頭をぽんと叩き、魂達の前に歩み出る者が1人。 ヒエロだった。 彼女だけは比較的、平静だった。 むしろつまらなそうに見える。 「ドラゴンも神も変わらんでしょ、 さっさと始めましょう。」 「何故守る?」 セケルは不機嫌そうに、さりげなく怯える魂達から距離を取ろうとしているヒエロに問う 「ヒエロ。そこにいるのは見ず知らずの魂達だぞ?仮に私を倒したとしても肉体を持たぬ者は現世には戻れん。全てが無意味だ。 助けて何の意味がある?」 ヒエロはわかりきった質問に目を丸くする。 ベタな回答が思い浮かび、 ちょっと照れたような口ぶりで 「何でって?そりゃあ」 にっと笑い、はっきりと答える。 「あたしが巫女だからだよ」 セケルはそのヒエロの回答に、言いようなく禍々しい嫌悪感を感じた。 目の前の女がただの一度も屈服せず、決して絶望しないのがひどく気に食わなかった。 人間如きに舐められているような気分になった。 「ヒエロ、決して殺さないと言ったな、撤回しよう。 お前だけは今ここで殺す事にした。」 セケルはヒエロを指差した。 ぐぐぐうぐぐう。 鳴動する大地に唸りをあげる天。 見上げればちょうど真上の空に暗雲が渦巻いていて、不気味な稲光を何本も何本も光らせていた。 目の前の神が、動き出そうとしている。 「安心するといい、簡単に決着をつけたりはしないから」 「っ!みんな逃げろ!!」 「いくぞ!!」 ばっと黒く濁った鋭利な右手を掲げる。その瞬間、おぞましい程に高い霊格がプレッシャーとなってヒエロを遙か地平線の果てまで吹き飛ばした。 触れていない。ただ右手を振るっただけだ。 ヒエロの目の前にセケルがパッと現れ、手を上げる。 「光栄に思うが良い!」 「!」 げっとヒエロが目をむいた。 セケルの突き上げた手の上辺りに超巨大な光球が浮かび上がった。亡者の叫び、嘆き苦しむ形で構成されたソレは「怨嗟」と呼ばれるモノだった。 それをセケルは渾身の力で振り下ろした。 「アラム•ナジャ!」 「うわ!うわああああ」 それはヒエロでも命からがらに逃げ出さなければならないほどの桁外れの力を持った破壊球だった。 地面に着弾した球は一旦無音で沈んだ。次の瞬間、聴覚の限界を超えた爆音が高エネルギーの衝撃波と共に上空に舞い上がる。 辺りが真っ赤に染まった。 原始爆弾の倍ほどある範囲を赤で染め尽くし、ヒエロは全速力で空へ飛び爆風と共に吹き飛ばされる。 セケルの邪悪な高笑いが聞こえてきた。 「ははははははははは!いつの世も人間は、 神の遊びに付き合わされるものだ!」 セケルが指を鳴らすと、地面から高層ビルほどの極太ピンクのレーザーが無数に間欠泉のように噴き上がった。 ヒエロはなんとか直撃は避けたが、超高温の風圧を受け、全身に切り刻まれるような激痛を感じながら吹き飛ぶ。 「ぐああああああ!クソっ」 ヒエロは体をくねらせ、限界を超えた力で並走していたセケルに魔法を放つ。火、土、空気、水、光、全てを掛け合わせた奥義。 しかし、セケルは避ける事も破壊する事もしない。ただ魔法が体に触れ無効化した。高らかに笑い、スキップする。 「今、何かしたか?」 セケルは大地に手を当て、信じられない力で押し返し地盤をひっくり返した。 大地を挟んでヒエロのハンバーガーを作り、谷を3つ超えるほどの距離をひきずり回し岩盤ごと打ち砕いた。 何もかもがデタラメのような、まるで天変地異を体現したかのような力。 勝負とはほど遠い一方的な蹂躙。 セケルは決してヒエロに致命的な一撃を与えない。慈悲だった。 長引けば長引くほど、死への恐怖が新鮮味を増していくから。 ボールを打ち返すスポーツのように、吹き飛ぶヒエロをとてつもない規模の攻撃で弄ぶ。 そして 地面を揺らす衝撃波でヒエロを上空に垂直に突き上げた。その真下で 「動脈」 セケルの腕が、象の牙を模した大剣に変化した。これまでと比べものにならないくらい大きく、真っ赤な触手が無数に蠢き、この世の終わりのような形をしていた。 セケルは不敵に笑いヒエロを見やる。 「さぁ、決着を」 次元の違う脚力で地面を踏み込む。 つけようか? 両者とも同じ考えに至った瞬間だった。 セケルの踏み込んだ大地はガラスのようにひび割れ、その弾力を利用する。 一直線、真上でバランスを崩したヒエロ目掛けて飛び上がる。 その瞬間、セケルは今までに感じた事のないほどの悪寒を察知した。 本能が何か危険だと叫んでいる。 だが、理性がそれに気づかない。 ひどくゆっくりな動作に見えた。 神経が研ぎ澄まされているのか、それとも最後の走馬灯か。 ヒエロが何かを呟いた。 一直線に距離を詰めるセケル。 超高速で大剣を振り下ろそうと射程圏内に入る。その刹那にも満たないタイミングで。 機会を伺う狩人のように、息をひそめていたヒエロの目が。 ケモノように鋭い眼光を帯びた。 右手をそえ、一言。 「起動せよ」 あたりが静まりかえる。 セケルは剣を振りかざしたまま静止していた。体が動かない。 古代文字で描かれた黄金の魔法陣がセケルを囲うように出現していた。 トートのエーテル特殊魔法。 2000年前にシファがアザリーに向け使ったものと同じ、タイムリープの魔法。 セケルはかろうじて動く顔を使って、空にそびえ立つヒエロに向かって笑みを浮かべる。 「馬鹿め!お前も知っているだろう!タイムリープの魔法はもう使えないと!条件が」 そこまで言って、セケルはハッと何かに気づいたように黙る。 タイムリープの魔法の発動条件は 「エジプト人の魂を生贄にする事」だった。 心を通わせない限り、生贄にする事はできないが。 足元から無数の魂達が湧きあがる。 ヒエロは髪をはためかせ告げた。 「気づかれない事が重要だったのよ。この魔法はどんな強力な相手でも逃れられないけど、条件が特殊で範囲がとても小さいからね。」 「まさか、お前」 「あんたがクズで、必要以上にあたし達をいたぶってくれて助かったよ。 そのおかげでほんの少しの勝機をたぐり寄せる事ができたから。」 無数の魂達が辺り一面に輝き、高速で廻り出す。回転しながら中心へ向かっていく流れを作り、次第に光の渦になった。 セケルの顔がどんどん青ざめていく。 「ひ、ひ」 生贄にした魂の寿命分移動する時間が増える。シファは86人の命を犠牲にしてアザリーを2000年先までおくり届けた。 今ここにいるのは、古代エジプトの総人口約500万の魂。 その総てを持って、発動した。 「ヒエロオオオオオオオオオオオオ!!!」 暴れ、もがこうとする、だが魔法陣はびくともしない。 もう既にタイムリープが発動している。たとえ神であろうと時の因果から逃れる事はできない。 「クソっ!!何年だ!?何年私を飛ばすつもりだ!?」 「210,854,627年」 「は?」 まるで銀河のように眩い光を放つ渦がエネルギーとなって「重力」を生成した。光の渦は膨大な大きさとなってセケルとヒエロを飲み込んだ。 「約二億年よ。 それまで地球があったなら、あの世で再会しましょう。」 ヒエロが皮肉を言うと、セケルは体が荒れ狂う渦の重力に飲まれ始めたのに気づき取り乱す。 圧縮された重力が等価原理に従って、空間と時間を歪め始めた。 「やめろ!!はなせ!!いやだ!!」 渦の中心部にセケルを閉じ込め、密閉された空間で魂達が光の速度で回転する。限界を超えたエネルギーが空を歪ませ、時空を超えようとしている。 「いやだああああああああぁぁぁぁぁぁ…」 ヒエロは魂の渦の風に揺られながら、おぼろげな目でセケルが消えゆくのを見届ける。 E=mc2だから質量と光速度が、え〜っと、まぁ、なんでもいいや。 とにかく相対性理論は、アインシュタインが発見するずっと前から存在していたんだなぁ と思い、ふふっと笑った。 光の速度で回転する魂達が浄化されていく中、 ヒエロの耳元で ありがとう という声が聞こえた気がして そのまま消えた。
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神無月の巫女 エロ総合投下もの ソウマ×千歌音 498氏   授業が終わり、帰ろうとするソウマを姫宮が呼び止める。 「大神くん。話があるんだけど?」 いつになく真剣な表情で千歌音はソウマに話しかける 「なんだ?姫宮?俺に何か用か?」 「ええ…とても大事な話があるの…ちょっといいかしら?」 そういって千歌音はソウマを校舎裏に連れだす。 「で?こんなとこまで呼び出して、教室じゃ話せない事なのか?」 「大神くん、貴方、昨日姫子にキスしたんですってね。いえ…キスしてたわね?」 (「…!!」) 「…見てたのか!?」 「偶然にね。それに、姫子が嬉しそうに教えてくれたわ…。」 「…あぁ、したぞ。それが…問題でもあるのか…?」 「くすっ…。そんなに恐い顔しないで…。私、怒ってなんていないのよ…?」 そう言いながら千歌音は一歩一歩ソウマに近づく。 「私…ただ、大神くんが姫子にどんな風にキスをしたかが気になるだけ…」 「え…?」 瞬間、千歌音の手がソウマの頬に触れる。「遠くからで見えなかったから…どんな風にキスをしたのかとても気になるの…」 「ね?教えて大神くん…」 「…どんなって…別に…普通に…。」 「普通に?普通ってどういう風なの?私にしてみせてくれる…?」 ……!! 「(姫宮は何を言っているんだ…?)」 その言葉を聞いた瞬間、ソウマは顔を赤くしてしまう。 「くすっ…どうしたの…顔が赤くなってるわよ…?かわいい大神くん…。」 「か…からかうのはよせっ…!!」 「からかってなんかいないわ、私…本気よ。それとも私の事…信じられない?」 千歌音は妖絶な目でソウマを見つめる 「…お願い…教えて、大神くん…。私にキスをして…」 今にも消えてしまいそうな…壊れてしまいそうな千歌音の表情を見ていると、 放っておく事は出来ないソウマ。 「…姫宮…。…いいんだな…?」 「大神…くん…」 千歌音は目を閉じ、唇をそっとソウマに差し出す。 「(……くっ…意識が…意識が全て姫宮に持っていかれそうだ… まるでオロチに意識を則られた時のように…。姫宮の、この雰囲気がそうさせるのだろうか…?)」 (「……姫宮」) 「ん…」 ソウマは姫子にしたように、千歌音に軽く口づけをする。 だが…「ん…んんっ…」 「(姫宮……!?舌を入れてきてるのか…!)」 「ちゅるるっ…ちゅ…ちゅぱっ…」 千歌音は手でソウマの顔を引き寄せ、激しく口づけをしてくる。 「(…ダメだ…もう…俺は…)」 「ん…ちゅっ…ちゅる…ちゅ…」 千歌音の口に舌を入れ、互いに口づけを交す 「ちゅるるっ…ちゅぱっ…ぷはっ」 「…とっても情熱的なキスね…大神くん…」 くすり。と千歌音は笑う。 「…姫宮…その…俺は…」 「気にしないで大神くん…。全部、私が勝手にやったことだから……」 「でも、本当に姫子にもこういう風にしてあげたのかしら?」 「…!姫宮っ!」 「ふふっ…冗談よ…。 それでは…ごきげんよう…。」 軽い皮肉を放ち、千歌音は去っていく …ソウマはしばらく呆然としていた。 (大神家) 「…姫宮…何であんなことを… まだあのキスの感触が忘れられない。 姫子の時とは全然違う…この感じ…。」 「明日…確かめてみるか… 姫宮の事だ。ただの気まぐれかもしれない。」 (翌日…) 昼休み、姫宮の姿がない…。 ソウマは、姫子に聞いてみる。 「なぁ、姫子?姫宮がどこに入るか知らないか…?」 「ん?千歌音ちゃん?多分、音楽室じゃないかな?今日の朝、たまには音楽室のピアノの面倒もみてあげないとね。って言ってたから…。」 「音楽室か…ありがとう。」 「?大神くん、千歌音ちゃんに何か用があるの?」 「あ…?あぁ…何でもないよ。姫子が気にするような事じゃないさ。」 「…そう?…変な大神くん。」 顔に?を浮かべたままの姫子を置いて、ソウマは音楽室へと向かう …音楽室。昼休みは滅多に誰も利用することはない部屋からピアノの音が聞こえる。 …多分、姫宮だろう…。 (ガララッ…) ソウマは音楽室のドアを開ける。案の定、千歌音はそこでピアノを引いていた 「…?あら、大神くんじゃない。珍しいわね、こんなところまで…。どうしたのかしら?」 千歌音のピアノを引く手が止まる。 「…姫宮、その…なんだ。」 ソウマはなかなか用件を言い出せない 「くすっ…どうしたの?大神くん?私に用があるんでしょ?」 千歌音は昨日とは違い、いつもの皆が知っている「宮さま」、な雰囲気だ。 「姫宮…昨日の事なんだが…」 そんな雰囲気がソウマを安心させたのか、ソウマは昨日の事を尋ねる。 「昨日…?あぁ…あれね…。」 まるで、どうでもいいことの様に千歌音は返す。 「言ったでしょう?あれは全部私が勝手にしたこと。大神くんが気にすることはなんにもないの。」 「気にするなって言われても、俺は…」 「…なら、なんて答えたらいいのかしら?どうして欲しいの…大神くんは?」 ……! (「まただ…、またあの目で俺を見つめる。」) 「言ってご覧なさい。大神くんは、私に何をして欲しいのか…?」 千歌音は立ち上がり、ソウマの手を握る 「…姫宮…俺ともう一度、キスをしてくれないか?」 「ふふっ…そう…キスして欲しいの…? いいわ…してあげる。 ただし、条件があるわ。」 「…何だ?」 「姫子に、これ以上近付かないで。姫子にこれ以上何もしないで…。そうしたら、私…今だけ貴方の物になってあげる…。 貴方だけの千歌音になってあげる…。」 …千歌音はソウマの耳元で呟く。 (「俺はどうしたらいいんだ?俺は、姫子が好きなはずなのに…」) 「一つ…いいか…姫宮?」 「なに?」 「姫宮は…俺の事をどう思ってるんだ?」「……情熱的なキスをくれる男の子。っていったら怒るでしょ?くすっ…。」 「………」 「…嫌いじゃないわ…大神くんの事。私があんなキスしたのに…ちゃんと受けとめてくれたでしょ?だから…好きよ。本当…」 「姫宮…」 (「姫子…ごめん…。今の俺はもう…姫宮しか見えない…」) ソウマは音楽室に鍵をかけ、 「わかった。姫子には手を出さない。俺は姫宮が欲しい…」 そう言って千歌音を抱き締める。 「…大神くん…嬉しいわ……んっ…」 千歌音の柔らかい唇を再び味わう 「んんっ…ちゅっ…ちゅるっ…」 「(姫宮…この感触…これが姫宮なんだ…)」 「んっ…大神くん…ここも…触っていいのよ?」 千歌音がソウマの手を自分の胸に乗せる 「…姫宮…やっぱり大きいな…」 優しく服の上から揉んでみる 「やあっ…はっ…大神くん…」 「ご…ごめん…痛かったか…?」 「…平気よ。それよりも…くすっ…えいっ」 「うわっ…!」 千歌音は急にソウマの顔を自分の胸の谷間に埋める 「大神くん…感触はどうかしら…?」 「…………」 谷間にソウマの顔を挟んだまま強く抱き締める 「どうしたの…?何か言って欲しいのだけれど…?(頭をなでなで)」 「…き、気持ちいい…」 「ふふっ…そう?それはよかったわ。ちょっと待ってて、今、服脱ぐから…」 千歌音はゆっくりと服を脱ぎ、ふっくらとした胸をソウマに見せる 「…俗に言う月のオッパイ…食べてみる?」 ゴクリ…とソウマは唾を飲み、 「う…うわあぁぁっ…」 興奮のあまり、ソウマは千歌音の胸にむさぼりつく 「ちゅるっ…ちゅっちゅぱっ…ちゅっ…」「あぁん…ふぁ…やっ…おおがみ…くん…いいわ…すごく…いい…」 「ちゅ…ちゅぱっ…ちゅるるっ…ちゅる」必死に片方の胸にしゃぶりつき、空いている方の胸を揉みしごく 「やん…あぁ…あん…はぁ…きもち…いい…きもちいいわ…おおがみ…くん…」 ソウマの無器用な攻めに、千歌音は甘い声を発してしまう 「…姫宮…」 ソウマはスカートの中に手を入れ、姫宮の秘部であろう所を触り始める 「ひんっ…!ひゃっ…あん…そこは…はぁん!…」 「姫宮…濡れてるな…いや…濡れてるなんてもんじゃない…ぐちょぐちょだ…下着の上からで…これなのか?」 「いゃあ…そん…な…事、言わないで…はぁ…あんっ…あなたが…そうさせたんっ…ああぁん…!」 秘部を触りながら胸を攻められ饗ぎ声を出してしまう 「姫宮って淫乱なんだな…よし…」 千歌音の下半身の下着を全て脱がし、そっとクリトリスをいじる 「ぁあん…!はぁ!…ぁん…やぁん…クリ……はぁ…いい…!…やん……」 今まで感じた事ない快楽が千歌音の体を襲う 「はぁ…おおがみくん…も…脱いで…はぁ…ね?」 「あぁ…そうか…すっかり忘れていた…」服を脱ぎ出すソウマ やがてカチンコチンな棒が千歌音の前に現れる 「…ねぇ、大神くん…?音楽の授業…しましょうか…?」 そう言って、うつろな目をした千歌音がソウマの肉棒を握る 486 :ソウマ×千歌音:04/12/25 15 10 41 ID oPlAIMRH 「何、言ってるんだ…姫宮……えっ?」 やがてソウマの肉棒を自分の口に含み舌で棒を刺激しはじめる 「んっ…おふえひょ…ひひゃん…れひょ…ちゅっ」 「姫宮っ…!」 「んっ…ちゅっちゅ…ちゅぱっ…ちゅっ…」 一生懸命ソウマにご奉仕する千歌音 「姫宮…でるっ!」 「ふぇ…?」 突然のソウマの言葉に加えていた棒を離してしまう。その瞬間 「ドピュッ…ドピュッ…ドクドク…」 勢いよく千歌音の顔にかけてしまう… 「ご、ごめん…姫宮っ…言うのが遅れた…」 「あぁ…いいのよ…。そう…これが大神くんのザーメンなのね…。素敵…」 千歌音は顔についたソウマの液を手にとって舐めつづける 「ねぇ…大神くん、私もう…我慢出来ないわ…欲しいの…大神くんのが…」 ソウマにキスをして、自分の太股を大きく開く 「姫宮…わかった…いくぞ」 ソウマは自分の棒を千歌音の秘部へとゆっくり挿入していく 「グチュ…グチュ…」 「ああっ…!ああぁ…ああぁん!ああぁ…」悲鳴に近い声を出しながらソウマの棒が 千歌音の中に入っていく 「くっ…すごく締め付けられるな…」 「はぁ…はぁ…動かすぞ?姫宮?」 「ん…あ…お願い…」 ソウマは腰を動かし始める 「…あんっ…ふぁっ…やぁ…大神くんっ!大神くんっ!」 「姫宮っ!姫宮っ!」 互いに名前をよびあい快楽を求めあう 「だめっ…大神くんっ!わたしっ…もう…!」 「あぁ!俺もそろそろっ!」 「あ…あぁっ!…イクっ!イクっ!中で…中でだしてっ…大神くんっ!…大丈夫だからっ!大丈夫だからぁ…!」 「うおおおっ!」 ソウマがラストスパートをかける 「ふあぁぁん!イクぅ!イク…!大神くんっ好きっ!大好きっ!っやあぁ…もうイッちゃう…………!!!」 千歌音が絶頂を迎える 「んっ………………!」 「…………はぁはぁはぁ」 互いにぐったりし、後戯に浸る 「…ねぇ大神くん…私の事…好き…?」 「あぁ、好きだよ。俺は姫宮が大好きだ」「…そう、ありがとう。私も大神くんの事好きよ。…でもね…」 「…?」 「私は大神くん以上に、姫子の事を愛しているの…。ごめんなさい…。」 「…そうか…」 「約束…守ってくれるわよね?」 「あぁ…わかったよ。姫子にはもう手は出さないよ。姫子と姫宮が何しようが俺は関係ない。」 「そう…ありがとう。」 (そして…夜…姫宮邸) 「(私は…あんな男に自分の体を許してしまった…。堕ちたものね…。)」 「えぇ…とことん堕ちる事ができたわ… これで私はもう…戻る事が出来ない…」 「くすくす…。今夜は楽しみましょう? 姫子…?」 ―おしまい―
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神無月の巫女 ハアハアスレ投下もの 6話「日溜まりの君」より妄想 ある日、突然私の前に降り立った春の日差しのような天使…来栖川姫子 同じ学年の隣りの隣りのクラスに在籍、入学時より学園寮に住む… 私は理事のひとりを通じて、彼女に関する情報を得た 成績は中の中、運動が苦手らしくクラブ活動も委員会にも所属していない 大勢の生徒の中ではほとんど目立たない平凡すぎる子… でもあの日を境に、私にとってはどんなに大勢の中に紛れていても必ず見つけ出せる存在になっていた 誰かをこんなにも求めてしまうなんて、私にとっては初めての経験だった もっと彼女の事が知りたくなった、もっと話したかった、もっともっと…近づきたいと、許されるのなら触れてみたいとさえ思うようになっていた ある朝、私は下駄箱の前で彼女の姿を見つけた 「来栖川さん」考える暇もなく私は彼女の後姿に声をかけていた ビクリとして振り向いた彼女の顔は驚きと戸惑い、少しの照れ笑い… 私の心は瞬時に高鳴った 「よろしかったら、昼休みに」昼休みに「薔薇の園」へ誘ってみようと思った あそこなら確実に二人だけの時間を過ごせるから… しかしその声を掻き消すかのように、私はすぐに大勢の人に囲まれてしまった 「宮様ーっ、ごきげんよう」悲鳴にも似た黄色い声があちこちから飛ぶ 私は彼女の姿を見失ってしまった せめて…同じクラスだったらと思う 数分の時間さえあれば、私は彼女を「薔薇の園」へ誘うことが出来るのに… 私は常に大勢の人に囲まれる 休み時間も移動する時もトイレに行く時でさえひとりになる事は出来ない 彼女が…この輪の中に混ざっている事は決してない 私はいつも遠くからでしか彼女の姿を見ることが出来ないのだ どうすれば良いのだろうか?私は毎日毎日そのことばかり考えるようになっていた 偶然のチャンスを待つしかないのだろうか? 私は少し古典的だけれど、手紙を書いて彼女の下駄箱に入れるという方法をとることにした 『来栖川さんへ お話ししたいことがあります 昼休みにあの薔薇の園で待っています 姫宮千歌音』 これはラブレターだと自分でも思って少し赤面していた ラブレターの類は今まで数え切れない程、貰ってはいたが自分で書いたなんて初めての経験だ 私は高鳴る胸の鼓動を押さえながら、その日はいつもより少し早めに学校へ行き彼女の下駄箱の中に手紙を入れた その日の昼休みまでの時間がとても長く長く感じられた… 昼休みの終わりまであと五分…。もう校舎に戻らねばならない 結局彼女は来なかった 私はいいようのない脱力感に襲われて薔薇の園を後にした 手紙を読んでくれなかったのだろうか?それとも私に逢いたくないということだったのだろうか? 悲しかった…無性に悲しくなった ただほんの数分でもいい、彼女の顔が見たかったのに… 私はその日の午後、彼女の姿を意外な場所で見かけることとなった 大量の本を抱え、ひとり旧校舎の中に入っていくその姿を… 私は夢中で後を追った 彼女は今は古い本の置き場となっている旧図書室に入っていった どうやらそこで古い本の整理をしているらしい 声を掛けようとした時、バタバタと走ってくる足音に私は思わず物陰に身を隠していた 「姫子ーっ」息を切らせながら図書室に飛び込んで行ったのは、確か… そう、彼女とよく一緒にいる、そう、陸上部で目立っている早乙女さんという子だ 確か寮でのルームメイトでもある 「クラスの子から聞いて飛んできたんだけど、アンタ本当にこんな事やらされてたの?」 「マコちゃん…」 「イズミのヤツ許せないっ…何であんなヤツの仕事を代わりにやってるんだよっ」 「だって…イズミさん、体調が悪いからって…今日中に整理しなきゃダメだからって…その…代わりにやってって、頼まれたから…」 「アホかっ、あいつならピンピンしてるよ あのバカ三人組で街まで限定品のなんとかを買うって元気に下校して行ったってさ」 「…」 「…昼休みもずっとやってたんだろ?どうしてアタシに話してくれなかったのさ」 「ごめんね…マコちゃんには迷惑かけたくなかったし…」 「本当…バカだよアンタってば…お人よしにも程がある」 そう…そういう事だったの 「ほらっ さっさと片付けて帰るよ 手伝うからさ」 「でも…あの、マコちゃん、部活が…」 「いーの、今日はサボリ だってさ…」 「部活よりも姫子の方が大事じゃん」 「マコちゃん…」 「バーカ 泣くなっ」彼女を優しく抱きしめている早乙女さん… 私はそのやりとりを盗み見して、心が締め付けられる思いだった 悔しかった…正直悔しかった 私はただ遠くから彼女の姿を見ているだけで、実際、早乙女さんのように彼女に手を差し伸べてあげることも抱きしめてあげることも出来ないのだ 私は…早乙女さんに嫉妬していた 心優しく、気弱で嫌な事もはっきり嫌と言えない子…だからクラスのいじめっこ的存在にいいように使われてしまうのであろう イズミさん…そういえば私の取り巻きの中に必ずいる 私はそれとなくイズミさんに注意を与えた 「イズミさん、ご自分の仕事はご自分でなされた方がいいと思うわ」 本当はもっと言ってやりたかったが、逆恨みで彼女がどんな報復を受けるかもしれないという恐れもあったので私は出来るだけ柔らかく言ったつもりだったのだけれど… イズミさんは目を丸くしていた 少しは自覚して反省してくれればいいのだけれど 彼女を守ってあげたい…そんな想いが日々強くなっていく どうしても彼女と逢って話しがしたかった しかし思いとは裏腹に彼女とはすれ違う日々が続く 朝は通学路でそれとなく待っていてもすぐに囲まれてしまう為、彼女がその横を慌しく通り過ぎて行ってしまう 休み時間に彼女のクラスの前を通って様子を伺うも、早乙女さんがベッタリとくっついている為声さえ掛けられない 放課後も部活動をやっていない彼女はすぐに下校してしまうし、私と言えば生徒会やら部活やらで遅くなってしまうので逢えるチャンスなどほとんど皆無だった 一体、どうすれば? さすがの私も思案に暮れる 意地悪な神様を恨み始めてた頃… 私は放課後の人気の無い音楽室でピアノを弾いていた 生徒会の仕事などで多忙だった日はここに来て一曲奏で、心の平穏を取り戻す (来栖川さん…)私はただ彼女に思いを馳せて曲を奏でていた 「失礼します…」小さな声と共に扉が開いた時、私の指は止まった 彼女だ…紛れもなく、私の追い求めている人、来栖川姫子 「あっ…」彼女は私の存在に気づき入り口のところで固まっていた 私は真っ直ぐに彼女を見、近づいていく (逢いたかった…) 「あ、あの…音楽の時間に忘れ物して…取りにきたんですけど…その」 私は彼女の手を掴むとやや強引に中に引き入れて扉を閉めた 夢にまで見た二人だけの時間だ 掴んだ手から彼女の体温が伝わってくる 胸が高鳴る 「明日の昼休み…あの薔薇の園に来てくださらないかしら?」少し声が震えてたと思う 「あ、あの…」赤くなっている彼女の表情が何とも愛しい このまま抱きしめてしまいたい衝動に駆られる 「あなたとお話しがしたいの…誰にも邪魔されずに あの場所は立ち入り禁止区域だから他の人は来ないわ…」 「もしかしたら…迷惑?迷惑なら…仕方ないけれど」 「ごめんなさい…」ああ、拒否された 私は掴んでいた手を離した そう…か、嫌なんだ 心が凍り付いていくようだった 「あの…この前は…行けなくてごめんなさい」 「?」 「手紙貰って嬉しかったんだけれど…用があって行けなくて…行かれないって伝えたくても…その、み、宮様の周りにはいつもいっぱい人がいて…だから、気を悪くさせちゃったかなって…気にしていたんだけれど どうやって伝えていいかもわからなかったし…」赤くなりながらも一生懸命に伝えようとしている 可愛い…素直にそう思った 凍りかかっていた心が一気に溶けてゆく 「いいの、気になんてしてないわ…あなたが用があって来られなかったこともわかってる」 「明日、ゆっくりお話ししましょうね 約束よ」 「はい…」ニッコリと笑う彼女 そう、この笑顔…私はこの笑顔が欲しかったのだ 乙羽さんに頼んで用意して貰った二人分の昼食と暖かいお茶 私はシートの上にそれらを並べ、彼女が来るのを今か今かと待っていた (ここのところお元気がなかったので安心しました…そうですか、親しいお友達が出来たのですね…ようございました) 今朝の乙羽さんの言葉が甦ってくる (友達…か…)でも…側に居られるのならそれだけの関係でも十分だった ガサゴソと音を立てて茂みの中から彼女が姿を現した あの初めて出逢った日と同じように… 「待っていたわ さぁ、どうぞ」 待ちに待った二人だけのランチの時間 「わぁ、おいしそう…あの、本当にこれ食べてもいいんですか?」 差し出したサンドウィッチを照れながらも屈託の無い笑顔で頬張る彼女 私はそれだけでとても幸せな気分になれた 「あの…宮様は」 「ねぇ、その呼び方は好きじゃないの…初めて会った時みたいに名前で呼んで欲しいの せめて二人っきりの時だけは」 「あ…じゃ、その千歌音…ちゃん」 「なぁに?姫子…」私はクスリと笑った「こう呼んじゃダメかしら?」 「う、ううん…嫌じゃない…嬉しいかな…お友達になれたみたくて」 「そう…じゃあ姫子、お茶をどうぞ」 柔らかな日差しが降り注ぐ中、私の心は安らぎに満ち溢れていた 私達は周囲の人に知られる事なく、親しい友達になることができた 私は彼女の事を知れば知る程に好きになった 好き…それは始めから友達としてではなく、恋愛感情としての好き でもこの想いは決して打ち明けてはいけない想いだという事も十分にわかっていた 想いを口にすれば、きっと私は友達としての彼女も失ってしまうであろう…永遠に 今は…側に居られるだけでそれだけでいい…それだけで…
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神無月の巫女 エロ総合投下もの 乙千 黒い乙羽さん   私がお嬢様に初めてお会いしたのは、お嬢様が6歳の時。 お庭の大木の上で幹を背もたれに、燦々と降り注ぐ日差しを浴びて輝くお嬢様を見上げた私は、感動に息を呑んだ。 下界を見下ろす、真っ直ぐで迷いのない瞳。 あの瞳に映りたい――その時から私はお嬢様に焦がれていたのかもしれない。 まるで誰かにその存在を主張するように、お嬢様は常に輝いていた。 当たり前だ。お嬢様以上に努力をする人間を、私は今までに見たことがなかった。 姫宮の娘であるという重圧など、感じているようには見えず。 ――私は知りたかった。 お嬢様にそこまで努力させる決意をさせているのは、何であるのか。 いつもお一人で考え、お一人答えを出して、そしてお一人で解決なさるお嬢様が、何を感じ、何を考え、何を必要としているのか。 中学生になっても、千歌音は相変わらず輝いていた。 いや、女性としての魅力が具わって益々魅力的になっていた。 紅を引かずとも艶やかな唇。 憂いを秘めた双眸。 日々の鍛錬で引き締まった肢体。 繊細な音を紡ぐ細くて長い指。 真っ白な首筋。 抱いたら折れてしまいそうな華奢な腰。 着替えを手伝う度、入浴の世話をする度、乙羽は自分の邪な感情を思い知った。 同じ女性であり、一回り以上も年下である千歌音に抱く感情ではない。 ましてや乙羽は千歌音の侍女であり、名前を呼ぶことすら許されていない身である。 しかし、感情は日に日に募っていった。 「お嬢様、お茶をお持ちしました」 ノックからきっちり3秒。 立て付けの良い扉は、軋む音を立てずスッと押し開かれた。 足を一歩踏み入れると、特製紅茶にも劣らない香しさが乙羽を迎える。 窓際の椅子に腰を下ろし、書き物をしていた少女が顔を上げて微笑んだ。 「ありがとう、乙羽さん」 乙羽はテーブルにカップを置き、少女の向かいに腰を下ろす。 少女の指先がカップに絡み、艶やかな口元へと運ぶのを、乙羽はじっと見つめていた。 乙羽さんの入れるお茶はいつもおいしいわね、と少女は満足気に乙羽に笑いかける。 乙羽はハッとして視線を彷徨わせる。 「光栄ですわ、お嬢様」 「千歌音と呼んで欲しいと言ってるのに」 「いいえ、それはできません。なぜなら……」 少女――千歌音は乙羽の主人である姫宮氏のお嬢様であり、そして乙羽は千歌音の侍女なのである。 「またその話?そんな事気にすることないのに」 乙羽と千歌音様の身分の違いについての説明は、うんざり、といった音色にかき消される。 「ですが、お嬢様……」 「2人の時は、問題ないでしょう?」 「ですが……」 「貴女は、私のお姉さんのようだもの。――乙羽さん……ねっ」 真っ直ぐに笑顔を向けられ、頬に熱が集まる。 千歌音の催促するような視線に抗えず、乙羽は少女の名を紡ぐ。 「千歌音。千歌音……」 口に出すのももったいないような、紡ぐだけで幸せになれるような……素敵な響き。 「ふふっ」 嬉しそうに千歌音が笑うから――乙羽も笑った。心から。 ――均衡が崩されたのは、2ヶ月後の事。 「ふふっ」 「千歌音、どうかなさいましたか?」 カップを置き、楽しげに笑う千歌音に、乙羽が尋ねた。 「この間、町に行った時に素敵な人と知り合ったの」 乙羽は嫌な予感がした。 こんな顔で笑う千歌音を見たのは初めてだったのだ。 「その方は……男性ですか?」 「いいえ、乙羽さんと同じくらいのお姉さんよ」 写真が生業で、紅茶色の髪をしていて、年上なのに見ていて危なっかしくて、優しく笑う人で、――私と同じネックレスをしていて。 女性であるということを聞いても、乙羽の胸の軋みは減らなかった。 その人物を語る千歌音の表情は幸せに溢れていて、対照的に乙羽の心は黒く染まっていった。 「土曜日に遊園地に行く約束をしているの。何を着ていこうかしら……」 「千歌音」 真剣な声に呼ばれ千歌音はきょとんと乙羽を見つめた。 乙羽は内心の動揺を抑えて言った。 「土曜日までに、お洋服を何着か選んでおきますね」 「ありがとう、よろしくね」 私を待っていてくれる人。 私だけを待っている人。 ずっと、ずっとずっと探していた人。 「千歌音ちゃん……」 姫子は簡素な自室のベッドの上で呟く。 明日が待ち遠しい気持ちと、怖い気持ちが交錯する。 また千歌音と一緒に笑い合える。 また千歌音の傍にいることができる。 でももし、千歌音が記憶を取り戻してくれなかったら……? もしも、千歌音に拒絶されたら……? 窓の外には白く光る三日月。 姫子は大切な写真が綴じられたアルバムを抱きしめて眠りについた。 夜半。 乙羽は千歌音の寝室にいた。 初めてではない。 眠れない夜に千歌音の寝姿を求めては、何度も忍び込んだ。 「千歌音……」 眠っている千歌音は、穏やかだ。 乙羽は千歌音の寝顔を見ては自分に言い聞かせてきた。 千歌音は女の子で、年下で、こんなに幼い顔をして眠るのだと。 自分は女で、千歌音は姉と言ってくれるが姉にしては年が離れていて、そして自分は千歌音の侍女なのだと。 「愚か者、ですね」 囁くような自嘲に反応したのか、千歌音が身じろぎをする。 ベッドから離れようとしていた乙羽に、切ない響きが届いてしまった。 「ん…ひめ…こ……」 ひめこ。ひめこ。ひめこ、ひめこ、ひめこひめこひめこひめこひめこ それは明日一緒に遊園地に行くという人物のことだろうか。 千歌音はその人物を呼び捨てで呼んでいるのだろうか。 夢に、見ているのだろうか……。 ――いくら私が千歌音と呼んでも、私が千歌音の侍女に過ぎないことには変わらないのに。 私のものには、ならないのに……。 乙羽は固く目を閉じた。 瞼を上げた乙羽は、千歌音の足元からそっとベッドに上がる。 寝乱れた千歌音の髪を掬い上げ、口付ける。 千歌音の頭の両脇に肘を下ろして、耳元で囁く。 「愛しています。お嬢様」 千歌音は眠っている。 人差し指で、千歌音の緩んだ唇を撫ぜる。 「ん…」 くすぐったいのか、千歌音が顔を背けようとする。 乙羽は許さずに、ゆっくりと唇を重ねた。 ――柔らかい。 何度も夢想した千歌音の唇。 押し当てるだけでは物足りなくなって、千歌音の唇をちろちろと舐める。 「…?」 千歌音がぼんやりと目を開いた。 何をされているのか、わからないといった表情。 「乙――」 乙羽は舌を潜り込ませて、声を封じた。 寝起きで少し乾いている千歌音の口腔を、濡れた舌でかき混ぜる。 「んっ…!」 振り払おうとする千歌音の腕をつかみ、シーツに押し付ける。 鍛えているといっても、まだ子供。千歌音を押さえ込むのは簡単なことだった。 肘に支えられていた乙羽の体重が被さって、千歌音の身動きを封じる。 「ん……はぁ…お嬢様。貴女は、私のもの……大人しく、なさってくださいね」 「はっ…はぁっ……」 声を出せないでいる千歌音の唇を、再び乙羽が塞ぐ。 奥に引っ込んでいる舌を探り出し、無理矢理絡める。 ――熱い。そして、柔らかい。 千歌音を感じて、乙羽の息が乱れる。 千歌音が苦しさに顔を歪める。 押さえつけた手首が、逃れようと力んでいるのを感じる。 今はそれさえも、乙羽の胸を高鳴らせるだけ。 舌を伝った唾液が千歌音の口内で混じり合うのを感じて、乙羽は恍惚とした。 乙羽の膝が千歌音のネグリジェを捲り上げ、太腿の柔らかさを感じた瞬間―― 「っ!」 乙羽は跳ね起きた。鉄の味が口に広がる。 「乙羽、さん」 身動きが取れない状況なのに、千歌音の瞳は真っ直ぐに乙羽を見つめて。 「放して。乙羽さん」 何がそこまで、貴女を強くさせるのか。――手折ってしまいたい。 「乙羽さ――」 千歌音の言葉を遮って、乙羽の冷静な声が告げる。 「大声をお出しになられても、誰も気づきません。喉を痛めてしまいます…お静かになさってください」 乙羽は千歌音の両手を左手だけで持ち替えた。 自由になった右手で、千歌音の首筋を撫ぜる。 「や……乙羽さんっ」 ネグリジェの上から弾力のある胸に触れると、千歌音が身を捩ろうとする。 「柔らかい…」 指の中で形を変える感触をしばらく楽しんで、てっぺんのしこりを指の腹で撫でると、千歌音の身動ぎが大きくなった。 「ふふ……ここ、感じやすいのですね」 「やめて…こんなこと……んっ」 布の上からでもわかるほどに硬くなったそれを、乙羽の指が摘むようにこすり上げる。 「ふ…やっ……」 恥じるように顔を背ける千歌音は、乙羽をさらに昂ぶらせる。 「お嬢様……はぁ…脱いでしまいましょうね」 千歌音のネグリジェの肩紐を外そうとするが、両腕を拘束しているせいで腕を抜くことができない。 乙羽は自由な右手と口で肩紐を裂いてしまうことにした。 荒い息が肩口にかかり、千歌音はきつく目を閉じる。 ブチブチという音と、噛み切るような音が響く。 「ふふ、丁度良い」 ちぎった紐で、千歌音の両手を縛り上げてベッドの柱に結びつける。 両手が自由になった乙羽は、ゆっくりとネグリジェを脱がせていった。 「やめて…や……」 羞恥か、恐怖か、それとも嫌悪からか、千歌音の瞳に涙が浮かんだ。 乙羽は呼吸を荒げたまま、ネグリジェを脱がせてベッドの下に放った。 ショーツ1枚の白い肢体が月明かりに晒された。 「お綺麗です……とっても」 乙羽は中学生とは思えない千歌音の美しさに、ため息をついた。 着替えを手伝う度、入浴を手伝う度に、触れたいと思っていたものが目の前にある。 乙羽は千歌音の顎を掴んで千歌音に顔を向けさせると、唇を重ねた。 逃れようとするのを許さず、唇を舐めて舌を受け入れさせようとする。 歯を食いしばって拒絶する千歌音に、乙羽は薄く笑って千歌音の鼻を摘んだ。 「お嬢様、いつまで我慢できますか」 耐え切れずに酸素を求めて開いた千歌音の口に、容赦なく舌が進入する。 歯の裏、頬の裏、歯茎、上顎、全てをねっとりと舐め上げて、怯えた舌に絡む。 「ん…ふぅっ……んっ…」 千歌音が喉を鳴らして唾液を飲み込むのを見て、乙羽は唇を離す。 再び顔を背ける千歌音を放って、乙羽の唇は存在を主張している胸の先端に吸い付く。 ちゅっ…ぴちゃ…とわざと音を立てて攻め立てる。 「ぁっ…んっ……やだっ、乙羽さんっ」 乙羽の左手がもう片方の先端をこね回して、右手は背中からショーツに入り込んで臀肉を弄ぶ。 「お体が、熱くなって参りましたよ。お嬢様」 「っ……」 乙羽の舌が腹部をなぞって降下すると、千歌音の腰が跳ねる。 「ふぁっ…!やっ…!」 閉じようとする千歌音の膝を、乙羽は自分の膝で割って入り込む。 内腿を撫でさすって口付ける。 「お嬢様、下着が湿っておられますわ…」 言いながら鼻先でつつく。 「んっ……うっ…ふ…っく」 ショーツの上から、ねっとりと秘裂を舐め上げる。 「ん…おいしゅうございます……お嬢様…」 「はぁっ…!や、やっ……」 刺激から逃れようと暴れる千歌音の腰を抱えて、乙羽の手がショーツを取り去る。 「あ……」 最後の一枚を奪われて心細くなったのか、千歌音は枕に顔を押し付ける。 「ここも、お綺麗です。お嬢様」 つやつやと光るそこに吸い付けられるように、乙羽の舌が這う。 ぷっくりと膨れた突起を舌でつつくと、千歌音は泣き声のような喘ぎを上げた。 「乙羽さんっ!もうっ…やめて…やっ……!」 「はぁ…もう、我慢できませんっ……」 溢れるぬめりを撫で付けて、乙羽の指が奥へと進む。 「っ……!ぁあっ!」 入り口をかき回すように動かすと、中から愛液が溢れてくる。 舌先でそれを味わいながら、膨らみを舐め上げる。 「ふぁっ…!ああっ……!」 乙羽は指を曲げ、ざらざらとした上壁を引っかくように撫でる。 「くっ…ああっ!ふぅんっ……」 千歌音の高くなる喘ぎ声に答えるように、愛撫を強める。 千歌音が乙羽の指をきゅっきゅっと締め付け―― 「ぃっ!…あ――――――――」 乙羽はぐったりとした千歌音に口付けると、にっこりと笑った。 「とても…よかったですわ。お嬢様」 姫子は時計を見て首をかしげる。 千歌音が約束に遅れるなんて、考えられなかったから。 時計台を見て、自分の時計が狂っていないことまで確かめてしまった。 ――もしかして何か、あったのかな……。 千歌音の記憶は戻っていない。 もし、なぜ家を知っているのかと聞かれたら…。 しかし、それ以上に胸が騒いだ。 姫子は記憶に残る姫宮邸へと走り出した。
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神無月の巫女 エロ総合投下もの 初投下SS(千歌音,姫子 1スレ30氏)   私たちの村を襲った災厄、あれから数日が過ぎた。 私は千歌音ちゃんのお屋敷に、ご厄介になっている。 ここの皆さんも、とても良くしてくれて、 (なぜか椎茸料理がよく出てくるが……) 何とか元気に暮らせています。 オロチの事、巫女の事、不安なことは、まだたくさんあるけれど…… 千歌音ちゃんや、大神くんとなら、乗り越えて行けそうな、そんな気がする。 ……でも、それでも、毎夜見る悪夢が、私の不安を増長させる。 今夜もまた、悪夢で目を覚ました。 体の震えが止まらない、恐怖が全身を支配する。 ベッドの上で、小さく震えていると、千歌音ちゃんが、 部屋の扉を開け、中に入って来た。 「姫子、大丈夫?」 心配そうな顔で私を見る。 「あ、ご、ごめん、また起こしちゃったね、」 何とか笑顔を作って答えるが、 声が震えているのが自分でも分かる。 千歌音ちゃんはベッドの横に腰掛け、私の手を優しく握る。 「怖い?」 私は黙って頷いた、目から涙が溢れ、手の甲に落ちた。 体の震えはまだ止まらない。 突然、千歌音ちゃんは、私を引き寄せた。 大きな胸に顔が埋まる。 「え?あ、千歌音ちゃん!?」 「大丈夫よ、姫子、大丈夫、私がついてるから、私が姫子を守るから……」 私を包みながら、優しい口調で囁く。 千歌音ちゃんの体温を、鼓動を感じる…… 何だろう?いい匂いがする。 いつの間にか、体の震えが止まっている。 不意に恥ずかしくなった、だって、 私、千歌音ちゃんと、抱き合ってる…… 「あ、千歌音ちゃん……ありがとう、もう、大丈夫だよ」 体を離し、恥ずかしさを隠すため、それと、 感謝の気持ちを込めて、私は微笑んだ。 すると急に、千歌音ちゃんは顔を赤くして、 私から目を背けた。 どうしたんだろう? 「……ごめん……姫子、私…もう……」 震える声でそう言うと、スッと、私に顔を近づけ、唇を重ねてきた。 突然の事に、私は戸惑った。 そのままの体勢で、ベッドに押し倒される。 私、この感触、知ってる? 「ん……ち、千歌音ちゃん!」 唇を離し、体を押し退けた。 「ごめん、姫子、私、私もう、これ以上、耐えられない……」 千歌音ちゃんの手が私の体に触れる。 「だ、だめ、千歌音ちゃん!その、女の子同士でこんな……」 「姫子は、私のこと、嫌い?」 その問いかけに、私は首を横に振った。 嫌いじゃない、嫌いなはずがない。 「……私は、姫子が好き、姫子の事が……好き」 そう言いながら、私を抱きしめる。 胸がドキドキする。 千歌音ちゃんの鼓動も、高鳴っているのを感じる。 千歌音ちゃんが私のことを…… 「嫌?」 耳元でそう囁く、震える声で…… 嫌では、なかった、むしろ、嬉しかった。 千歌音ちゃんの体が震えている。 答える代わりに、私は、そっと、 その体に手を回す。 「!……姫子?」 「……私も千歌音ちゃんのこと……」 「姫子……」 私たちは、再び唇を重ね合わせた。 パジャマのボタンが一つずつ外されていく。 裸なら、お風呂で見られているのに、なんだか、とても恥ずかしい…… 「や……恥ずかしいよ」 露わになった、自分の胸を隠す。 「見せて、姫子の体……」 「…で、でも、私……胸、ちっさいし、その、それに、 千歌音ちゃんみたいに綺麗じゃないし……」 「姫子は綺麗よ、もっと自分に自信を持ちなさい」 なんだか諭すように言われ、私は観念した。 千歌音ちゃんの手が、私の手をどかしていく。 すごい……恥ずかしい…… 「姫子」 呟くようにそう言うと、私の胸にできたアザに口を付けた。 「あ!……」 温かく柔らかい感触に、驚いて声をあげてしまった。 そこから胸にかけて、ゆっくりと移動していく。 舌が乳首に触れ、そこを刺激してくる。 さらに手で、もう一方の胸にも刺激が与えられる。 「姫子のここ、固くなってる」 「ん、んぅ、あ…や……あ……」 変な感じがする、なんだろう? ちょっと、切ないような…… ひとしきり、私の胸を愛でた後、千歌音ちゃんは、そこから手を下の方へ伸ばす。 ボーッとしていた頭が元に戻る。 「あ!千歌音ちゃん!」 私の声を無視して、手はパジャマの中に…… 下着越しに、私の恥ずかしい所を撫でる。 「あ、ん、だ、だめ、千歌音、ちゃん」 「姫子、かわいい……」 今度は、下着の中に…… 「あう!」 直接あの部分に触れられて、私の体がビクンッと跳ねる。 「変、だよ、千歌音ちゃん、私、ん、なんだか……」 「感じてるの?姫子」 「分かんない……けど」 「けど?」 「変な、感じ……」 「そう……じゃあ、もっと変になって」 私のアソコをなぞるように、手を上下に動かす。 体の奥が熱い…… 「姫子の、濡れてる」 「あ、う、いや……んく」 千歌音ちゃんの手が、さらに強く私のアソコを刺激してくる。 手をアソコから、抜き取って、私の目の前に持ってくる。 千歌音ちゃんの指が、私ので、濡れて光っている。 やだ、私……あんなに…… 「このままじゃ、シミになっちゃうわね……脱ぐ?」 「……うん」 千歌音ちゃんが、私のパジャマのズボンを脱がす。 私が身に着けているのは、一枚の下着だけになった。 「いい?」 私は小さく頷いた。 千歌音ちゃんの手が下着に掛かる。 やだ、見られちゃう…… 下着を脱がされ、裸になった私を、千歌音ちゃんが見下ろしている。 恥ずかしい…… 手で顔を覆い、足を閉じる。 「見せて、姫子の、全てを……」 足に込めていた力を抜き、千歌音ちゃんに委ねた。 私の足を開いて、アソコを見ている。 「これが……姫子の……」 突然、千歌音ちゃんは私のアソコに口を付けてきた。 「きゃっ!だ、だめ!そんなと、んぅ!あ、やめ、きたな……あう!」 千歌音ちゃんの舌が、私の恥ずかしい部分を舐める。 「姫子のココ、とっても綺麗よ」 今度は私のアソコの突起を、舌先で刺激してくる。 「ひゃう!だめ!千歌音ちゃっ、そこは、はう!」 全身を電流のような刺激が駆け巡り、背中が仰け反る。 その突起を口に含んで、吸い上げる。 「ひあっ!吸っちゃ……ああ!」 全身が震える、頭が真っ白になる。 「気持ちいい?姫子……」 「ハァハァハァ……わ、わかんない、でも、声が……」 「もっと、聞かせて姫子のかわいい声……」 千歌音ちゃんの指が、また私のアソコに触れる。 体がまた跳ねる、だめ、声が…… 「んく、ふぅ、あふ!あ……はう、ん、ひっく、ふああぁぁ」 もう、声を抑えることができない。 どれくらい経ったろう、長いような、短いような。 時間の経過がはっきりとしない。 千歌音ちゃんの指と舌が、私の何かを掻き立てる。 私の体の奥から、何か大きな、とても大きな何かが、 迫って来るような、そんな感覚を覚えた。 「イキそうなの?姫子」 イク?わからない、でも、何か、くる、大きいのが…… 「うあ!やめ!千歌音ちゃっんぅ!」 「やめていいの?姫子……」 千歌音ちゃんの手が、突然止まる。 アソコの所が熱い。 なんか、もどかしい様な、変な感じ。 ……もっと、してほしい。 「どうなの?姫子」 「あの……その……千歌音ちゃんのいじわる……」 「フフッ……」 再び、千歌音ちゃんの舌と指が、さらに激しく私を責め立てる。 もう……だめ…… 私の中で、何かが、弾けた。 「うあああぁぁぁーーー!!」 恥ずかしげもなく、大声をあげてしまった。 気が遠くなるような感覚が全身を貫き、頭の中が真っ白になる。 ダメ……何も考えられない。 「気持ちよかった?姫子」 千歌音ちゃんの問いかけに、答えられずにいた。 「ハァハァ……千歌、音、ちゃん……」 荒い息の中から、何とか、千歌音ちゃんの名を呼ぶ。 紅く染まった、顔で私を見ている。 「姫子……次は、私に……」 千歌音ちゃんの手が私の胸に触れる。 「ん、うぅ……」 少し触れられただけなのに、私どうしちゃったんだろう…… 「私が、千歌音ちゃんに?」 声が掠れてる。 「ええ」 そう言うと、千歌音ちゃんは、私から体を離し、 ベッドの横に立った。 月明かりを背に、私に向き直る。 「見て、姫子」 ゆっくりと千歌音ちゃんは、自分の服に手を掛け、 上着、そして、下着を脱いでいく。 私は、固唾を飲んでそれを見続けた。 徐々に千歌音ちゃんの肌が、露わになってくる。 「少し……恥ずかしいわね」 私の目の前に、何も身に着けていない、千歌音ちゃんがいる。 いつもお風呂場で見ている、雪のように白い肌が、 うっすらと紅く染まっている。 私は魅入られたように、その肢体に目を奪われた。 「さあ、姫子」 ベッドに横になり、私を誘うように手を伸ばす。 その手を握り、千歌音ちゃんの唇に、自分の唇を重ねる。 千歌音ちゃんの舌が、私の口の中に入ってくる。 少し驚いたけど、私もそれに応える。 私の舌と、千歌音ちゃんの舌が、口の中で絡み合う。 なんだか、頭の芯が熱くなるような感じがする。 口を離すと、二人の唾液が糸を引いて繋がっている。 私はさっき、千歌音ちゃんがしてくれた様に、胸に口を付けた。 やっぱり、大きいな……千歌音ちゃんの胸。 手で触れるとその質感が、直に伝わってくる。 柔らかい。 「ん、う、はあ……」 千歌音ちゃん、感じてくれてるのかな? 私は舌先で、乳首を舐める。 あ、固くなってる。 「あ、ん、姫子……んっ」 感じてくれてるんだ……千歌音ちゃん。 固くなってる、千歌音ちゃんのその部分を、 舌先で舐めながら、手を下に伸ばす。 一瞬、体が強ばるが、すぐに力を抜いて、私の手を導く。 千歌音ちゃんのアソコ、濡れてる、それに、とても熱い。 私はアソコの割れ目に沿って、指を動かす。 千歌音ちゃんがした様に…… 「ん……あ、姫子、も、少し、強くしても、いいよ……」 「う、うん」 言われた通りに、先程より、強くなぞる。 「そう、ん!い、いい……姫、子……あうっ」 千歌音ちゃんの体が、ピクピクと震えている。 そこから手を離し、指を見る。 透明な、粘り気のある液体が指を濡らしている。 足の所に移動して、その間から、千歌音ちゃんのを見る。 「姫子……あんまり、見ないで」 そう言われても…… ここが千歌音ちゃんの…… 私は、そこに舌を近づける。 千歌音ちゃんの匂いがする、それと、味…… 「あっ!姫子!だめ、そ……んあ、ひう!」 千歌音ちゃんがしてくれたのと、同じように、舌を動かす。 こんな感じだったかな…… 大きくなっている突起に、舌で触れる。 「んあ!はう……く、あう!」 千歌音ちゃんの背が、反り返る。 私は、夢中で千歌音ちゃんのアソコを舐め、吸う。 「あっん!いい……姫子、私、もう…、 イ、あ、だっめ!っあああぁぁぁーー!!」 千歌音ちゃんの体が、大きく、仰け反り、ぶるぶると震える。 「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ……」 果てた、千歌音ちゃんを見つめる。 綺麗……私は本当にそう思った。 いつも思うことだけど……今は、より一層そう思う。 うっすらと汗ばんだ肌、長くて綺麗な髪、ほんのりと紅く染まる頬、 潤んだ瞳、形のいい大きな胸、くびれた腰、 引き締まったお尻、スラッと伸びた手足。 女の子の私ですら、見とれてしまうほどに、美しかった…… 「あの、千歌音ちゃん?」 「ん?」 「あの……その……よかった?」 「……フフッ、ええ、姫子に触れられてるって、思うだけでも、私……」 私の頬に触れ、笑い掛ける。 私達はまた、口づけを交わした。 千歌音ちゃんの、温もりが伝わってくる。 「姫子、今度は、二人で……」 千歌音ちゃんは私をベッドに寝かせ、上になる。 「千歌音ちゃん?」 少し不安になって、名前を呼ぶ。 だが、それには答えず、千歌音ちゃんは、また私の下半身の方へ…… 突然、私の足を開いて、体を滑り込ませてきた。 「きゃっ!や、やだ!千歌音ちゃん、何?!」 あまりに突然だったから、驚いて、足に力が入ってしまう。 「姫子……力を抜いて」 「うん……」 力を抜いて、千歌音ちゃんにすべてを任せる。 何をされるんだろう? 不安、それと、期待が入り交じり、なんだか…… すごい……ドキドキする。 千歌音ちゃんの体が、近づいてくる。 そして、私のアソコと、千歌音ちゃんのアソコが、重なり合う。 「ふあぁ!」 「んぅ、姫、子……ん、ふ」 熱い……灼けちゃいそうなくらい、すごく熱い…… 何?気持ちいい?千歌音ちゃん…… 「姫子、すごい……ん、濡れて……あ、あ、っああ!」 腰を動かして、私のアソコに、自分のあの部分を擦りつけてくる。 「あぁ!だめぇ……うあっ!千歌、音ちゃ……ふあぁ」 私たち二人の声と、湿った音が、部屋に満ちていく…… 「っんあ、姫子、だめ!腰、止まらな、ああ!」 眉間にしわを寄せ、上気した表情で私を見下ろしている。 私も、同じ様な顔、してるのかな…… あ、やだ……腰が勝手に…… 「うああ、あう、くっ、ひうっ!ああぁぁぁーー!」 声が、止められない……だ、め…… 私たちの、一番敏感な部分が擦れ合う。 下腹部から全身に、電気が流されたような、強烈な刺激が突き抜ける。 「ふあああぁぁぁぁーーー!!!」 「くあああぁぁぁぁーーー!!!」 千歌音ちゃんも私と同じように、 体を仰け反らせ、悲鳴をあげる。 私の足を抱きながら、腰を動かして、 さらに強く擦り合わせてくる。 私もまた、それを求めるように腰をくねらせる。 「んん、あ、姫子、すごい……感じる!」 「あっ!く、私も、千歌音ちゃんを……感じる、ふあ!」 混ざり合った、熱い水が、私の太股を伝ってくる。 熱い吐息、湿った音、いやらしい音、 それが耳の奥まで響いてくる。 私は再び、体の奥から、何かが 迫ってくる様な感覚に襲われる。 「うあ、ひう!だめ千歌音ちゃ、んぅ!わた、し、また、あう!」 「んく、姫子、わ、わ、たしも、あっく、もう!っはあう!」 さらに強く、激しく、腰を動かし合う。 まるで、互いが、互いを求めるかのように…… もう……だめ……くる……イク…… 頭の中が、また、真っ白になった…… 二人の敏感な突起が、擦れ合う。 「あ、イッ!千歌、ひう!くあああぁぁぁーー!!」 「あう!姫、子ォ!っふあああぁぁぁーー!!」 二人、ほぼ同時に、達した。 やだ、私……震えてる、それに、あんなに大きな声を、 千歌音ちゃんの目の前で出して……恥ずかしい…… 今更だけど…… 突然、千歌音ちゃんの腰が、再び動き出した。 「ひっ!だ、だめ!千歌音ちゃんっ!あ、や、あ、わた、し、また……ふあぁ!」 「おね、がい、んあ!姫子を、もっと、はあ、もっと!感じさせて!」 そう言って、千歌音ちゃんは、腰を動かし始めた。 そして、私も、また…… あれから、何度、体を重ねたかよく覚えていない。 私たちは、求め合った。 私を、千歌音ちゃんを、快楽を、互いの温もりを…… いつの間にか、眠ってしまっていたみたい。 ふと、目を覚ますと、隣では、 千歌音ちゃんが寝息を立てている。 「千歌音ちゃん……」 そっと、千歌音ちゃんの頬に触れる。 「……ん、姫子……」 寝言で私の名前を呼んでる。 ちょっとドキッとした。 どんな夢を見てるんだろう…… 私の口から、自然と笑みがこぼれた。 千歌音ちゃん、私、大丈夫だよ。 確かに怖い、すごく怖いけど。 千歌音ちゃんがいてくれたら、傍にいてくれたら、 私、がんばれる、大丈夫だよ、きっと…… 千歌音ちゃん……大好き。 そう、心の中で千歌音ちゃんに語りかける。 千歌音ちゃんの、長くて綺麗な髪を撫で、 瞼を閉じ、寄り添うように、眠りについた。 その日、椎茸がてんこ盛りの食事が出された…… ……なんでだろう? おわり。
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神無月の巫女 エロ総合投下もの 乙羽さんの敵討ち   姫宮邸、夜 夜間の見回りをしている使用人に見付からないようにそっと部屋に入る 今夜は静かな夜だ、窓の外から見える景色も絶景だがそんなことをしにきたわけではない ベッドの上で静かな寝息を立てている美少女、その親友、いや恋人にそっと姫子は近寄った 「千歌音ちゃん・・・」 綺麗な顔立ちをしている、流石は宮様といったところか、頭もよく運動神経も抜群だ なぜこんな完璧なお嬢様が自分をここまで想ってくれてるのか、いまでも信じがたいことだろう 姫宮千歌音は学校でも人気がある、そうソウマと同じくらい、いやそれ以上の・・・一番の人気だ 学園内のアイドルといったところか、宮様と呼ばれるほどだから相当だろう 綺麗に整えられた唇、モデルのような美貌、そして・・・月のように輝く白い肌 長い黒髪、黒い瞳、その全てが全生徒の憧れである 「い、いけないことだよね、だ、駄目だよね」 声とは裏腹にパジャマを脱ぎ捨てる 下着姿になったのを確認すると千歌音のベッドに入る そして千歌音に覆いかぶさる、千歌音は非力な自分とは違い力が強い 弓道で鍛えられたリーチの長い細腕、その力は相当なものだろう こうして眠っている間に犯さないと・・・自分のものにならない 「好きだよ・・・千歌音ちゃん」 そう囁くと千歌音の唇に自分のをそっと近づける 一瞬の躊躇の後、強く唇を押し付けた んん・・・あむっ・・・ちゅ・・・はあ・・・ 千歌音の顎を両手で摘む 普通のキスでは満足できなくなった姫子は舌を千歌音の口内へ強引に押し込んだ 拒否のできない一方的なディープキス それは・・・停止したままの千歌音の舌と容赦なく絡み合った あむっ・・・ん・・・ちゅっ・・・ 「はあ・・・はあ・・・千歌音ちゃん、ふふ・・・千歌音ちゃんの唇って柔らかいね、薔薇のような香りがするよ」 何度も交わしたキスだが今夜は格別だった、以前は千歌音からの無理矢理気味ばかりだったのだが 最近は同意の上でのキスが多かった 千歌音の唇が自分の唾液でべとべとになったのを確認し達成感が得る姫子 しかしそれに満足することなく千歌音の着ていた透明なピンクのネグリジェを脱がし始める 姫宮邸の窓から見える村の風景、それは綺麗に聳え立っていた 数分後、千歌音の乱れたネグリジェを整える そして自分の唾液や口紅で汚れた千歌音の唇をハンカチで綺麗に拭き取る これで朝起きても千歌音や使用人は気付くことはないだろう そう、眠っていた間に親友によって犯されたなど知る由もないだろう でも以前はこの屋敷で千歌音に犯されたこともあるのだ、そう・・・千歌音がオロチになったときのこと だからこれはお返しなのだ、恨まれる必要のない、これが姫子にとっての愛情表現の一つなのである 犯した千歌音を満足気に見つめた姫子はそっと部屋を出る、もうこの時間だと使用人も見回りはしてないだろう 無事に部屋に着いた、小さく息をつくと部屋に戻ろうとした次の瞬間、声が聞こえた 「来栖川様」 「!?」 それはある意味奇襲だった、心臓が停止しそうになる ただでさえいまの時間になると姫宮邸内は真っ暗なのだ そんな時に当然声を掛けられたのだから驚くのも無理はない ただでさえ姫子は臆病な性格なのだから それにこうまで暗い屋敷を見るとあの夜が思い出されるのだ そう、千歌音に力尽くで犯されたあの悪夢の夜が でも今夜は犯したのは自分だ、千歌音の処女を奪ったのだが そんな考えに浸る余裕はない、先ほどの声の主がやってきた 暗がりの角からメイド服に身を包んだ女性が現れる 「・・・お、乙羽さん」 そう、如月乙羽、千歌音の侍女だった 姫子はこの人がはっきり苦手だ しかし考える余裕もなく話しかけてくる 「これは来栖川様、ごきげんよう・・・このようなお時間にどちらへ?」 「え?いえ、どちらって・・・そ、そのトイレに行こうかなーと」 適当にごまかす、見逃してくれるはずだ そもそも自分はお客様、使用人に口出しされる覚えはない 千歌音の親友であり心が通じ合った恋人なのだから 千歌音と自分はいつも気持ちが繋がっているのだ だって千歌音は・・・ 世界でたった1人私だけのことを待ってくれている人、その人なのだから 胸につけてあるピンク色に染まっている貝のペンダント 千歌音のお揃いの、そう・・・姫子にとっての宝物だ これこそなによりの証拠、千歌音と運命の赤い糸で結ばれているなによりの・・・ しかし愛する人のことを考えてた時間は次の声に打ち消された 「そうですか、では・・・」 「あ、はい、それではごきげんよう乙羽さん」 これでやっと部屋に戻れる、明日からまた千歌音と何事もなく楽しく過ごせる そう思いながら部屋に戻ろうとする姫子は呼び止められた 「来栖川様、1つお聞きしたいことがございます」 「はい、なんですか?」 たいしたことではないだろうと言葉を返したのだが。。。悪夢だった 「お嬢様のお部屋でなにをなさってたんですか?」 「え・・・な、なにって」 「ふふ・・・私失礼ながら貴女がお嬢様のお部屋に入っていくのを偶然目撃してしまいました」 乙羽は妖しい笑みを浮かべていた、そう・・・余裕を持った微笑な笑みだ 「あ、すみません、トイレに行くついでに千歌音ちゃんの様子を見てみようかなって、そのお、起きてるかもしれないので」 冷静に答えたつもりだが声が上ずりになる、そして絶望的な答えが返ってきた 「んふふ・・・来栖川様、私・・・貴女がお嬢様にどのようなことをなさったのか知っておりますわ」 「!?」 見られ、いや・・・聞かれていた!? そういえば、この女はよく千歌音と姫子の一部始終に聞き耳をうつことがあるらしい 今回のことも聞かれている可能性は高い、いや、聞かれているだろう 姫子は絶望感に包まれた 「あ、あの・・・」 「まさか、来栖川様が千歌音お嬢様にあのようなことをなさるとは・・・私、頭にもありませんでしたわ」 「ち、違うんです!!あ、あれはその・・・」 「可愛い顔をして、やることは大胆でございますね、来栖川様・・・うふふふふ」 あ、でも・・・千歌音なら信じてくれるのではないか?そう姫子は思えた 「・・・(私のことを命よりも大切にしてくれた千歌音ちゃんなら)」 「なにを考えてるかご存知ありませんが、証拠はございます・・・ふふ」 と言うと数枚の写真を取り出す乙羽、表情が凍りつく姫子 そこにはおぞましい光景が写りだしていた そう、眠りについた千歌音のネグリジェを脱がせ乳首を揉み、嘗め回し、そして吸っていた光景が 激しいディープキスの写真もある 「来栖川様がお嬢様になさっていた行為、全て撮らせていただきました」 「あ・・・か、返して!!」 慌てて乙羽から写真を奪おうとしたが簡単に避けられ頭上まで持ち上げられる 「んっ・・・!!あっ!!」 背の低い姫子では乙羽の頭上、それも腕を上げられているので届かない、どうしようもなかった 「うう・・・」 「これを返してほしければ・・・私の部屋にいらしてください」 「え?」 乙羽の信じられない案に姫子は・・・応じるしかなかった 「来栖川様の態度によっては、お嬢様にこれを見せてもよろしいのですよ?」 「・・・わ、わかりました」 「ふふ、いい答えです、ではこちらへ・・・」 と乙羽に誘われ姫子は渋々後を追った 乙羽の部屋に渋々入る姫子、仕方ない・・・そう思った 姫宮邸内はかなりの広さだ、侍女の部屋まで3分ほどかかった 「来栖川様、こちらへ・・・」 「は、はい、失礼します」 乙羽の部屋に招待される姫子 戸惑いつつも入る、殺風景な部屋だった 「あ、あのそれでなにをすればいいんですか!?」 「そうですね、まずは・・・服を脱いでくださいませ」 使用人の信じられない問いに姫子は戸惑った 「な・・・なにをするつもりなんですか!?私は・・・」 「そうですか、では・・・これをお嬢様に、ついでに・・・椎茸を毎晩夕食のメニューに加えさせていただきますが?」 「う・・・分かりました」 いまの主導権は乙羽だ、そう判断した姫子は大人しく従うことにした ゆっくりとパジャマを脱ぎ始める そして下着姿になると恥ずかしいのか乙羽に背中を見せる 「こ、これでいいんですか?」 「ええ、ふふ・・・」 姫子を背後から舐めるように眺め回す乙羽。 「改めてみますが、んふふ・・・これがお嬢様をたぶらかした体ですね・・・」 「な・・・!!そんなんじゃありません!!私と千歌音ちゃんん!?」 踏み向いたと同時に・・・突然乙羽に唇を塞がれされ驚く姫子 「やっやだぁ!!」 慌てて突き放そうとしたがガッチリと両腕で抱き締められ身動きが取れなかった ぴちゃっ・・・むちゃ・・・はあ・・・んんっ!! 「ん・・・んん」 「ふふ、来栖川様、貴女の唇・・・とっても甘いです・・・ふふ、蜜のようにとても甘い・・・」 「な、なにするんですか・・・?(大神君と千歌音ちゃん以外の人に捧げたことのない唇が~!!)」 姫子の言葉など耳を貸さず押し倒す乙羽 「おっと、悲鳴を上げてはいけませんわ来栖川様、使用人共が起きてしまいますゆえ」 「!?・・・」 されるがままになる姫子 乙羽に下着を剥がされ乳首を嘗め回される まさか・・・また・・・犯される・・・!? 「少しでも抵抗したら・・・この写真をお嬢様に・・・」 と囁かれ言い返せない姫子 「わ、私になにをするつもりですか?」 「そうですね、頂きますわ、来栖川様を・・・」 姫子の体全体が固まる 奪われる、また体を・・・しかも今度は愛しい千歌音ではなく屋敷の使用人に 乙羽に胸をまじまじと見つめられ紅潮する姫子 「ふふ、お嬢様や私に比べると随分小さいだこと」 「な・・・!!」 なにか言い返そうとしたが写真が頭に浮かび・・・口を閉ざす姫子 乙羽は一度上体を上げると姫子にキスをした、そして素早く舌を忍び入れる ぱちゃっ・・・はあ・・・んんっ・・・ちゅぱっ!! 舌を舌が絡め合う、乙羽に口内をいいように舐めまわされる姫子 ゆっくりと離した唇と唇から唾液を糸が引いていた 「来栖川様の唾液、とても美味しい・・・」 まるでデザートを味わったかのように感触を確かめる乙羽 「わ、私を犯すことが目的なんですか!?」 姫子の言葉に乙羽はふっと笑って 「貴女はお嬢様を犯した、だから侍女として貴女を見逃すわけにはいきません、敵討ちでございます、来栖川様・・・」
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神無月の巫女 ハアハアスレ投下もの もしも姫子がニブチンでなかったら」~三話「秘恋貝」よりの妄想~ オロチの襲撃により、住む場所を失った私は千歌音ちゃんの好意に甘え姫宮邸で暮らす事になった そこはまるでおとぎ話の中に出てくる宮殿のようだった 広い邸内、豪華な調度品の数々、大勢の使用人…私の日常とはあまりにもかけ離れている世界… 本当にいいんだろうか?きっとここは私のような人間が居ていい場所ではないはず…不安だった そんな私の不安を見透かすかのように千歌音ちゃんは色々と気を遣ってくれる 感謝しているし、本当に嬉しかった けれど…同時に胸が苦しくなってくる どうしてだろう?側にいるだけで心臓が爆発しそうなくらいドキドキしてキュッと痛みも伴ってくるのだ …あの日、オロチの第一の襲撃があった日、千歌音ちゃんは私にキスをした… それがどういう意味なのか?考えただけでも赤面してしまうし、頭が混乱してくる 最初は半分気を失っていたから、きっと夢だと思ってた でも確かに感じたリアルな唇の感触… 人口呼吸かとも思った けれど…唇を割って絡み付いてきた舌の感触…ハッキリと覚えている 千歌音ちゃんは何も言わないし、何事も無かったように普段通りに接してくれている だから私は何も聞けなかった…聞くことが怖かった 一緒にお風呂に入ろうと言われた時、正直戸惑った 「広いお風呂だし、女同士なんだからいいじゃない」そう千歌音ちゃんは言ってたけれど… いざ裸になって一緒にお風呂に入ってみると、恥ずかしくて視線さえマトモに合わせられない チラチラと盗み見した千歌音ちゃんの体は本当に綺麗だった 胸も大きく締まるところは締まっている モデルのような体つきだ 貧弱な自分の体とは違いすぎる…何だかとても惨めな気分になってくる お風呂にも千歌音ちゃんの体にも逆上せてしまい、フラフラしていたら千歌音ちゃんが自分のお古だけれど、と言ってパジャマを貸してくれた 千歌音ちゃんの匂いがする…甘くて花のようないい香り 千歌音ちゃんは笑ってたけれど、私は本当に嬉しかった これで夜寝てる時も千歌音ちゃんと一緒にいられる気分に浸れるから…そう思ってハッとした 何でこんな気持ちになるんだろう? 私は千歌音ちゃんに対して特別な感情を抱いているのだろうか? …怖い夢を見た 深い深い闇の中から迫りくるオロチの者達 私を捕らえ命を奪おうとする無数の負の怨念… 私はうなされ、飛び起きた 鼓動が早鐘のように鳴り、うっすら額には汗をかいていた 「姫子…大丈夫?」千歌音ちゃんが扉の向こうから声をかけてくる 何でわかったのだろうか?明日から千歌音ちゃんは隣りの部屋に移ってくると聞いたけれど、離れている今の部屋にでも届くような声をあげていたのだろうか 理由はどうあれ、今こうして千歌音ちゃんが側にいてくれることが嬉しかった 私が寝付くまで側に居てくれるという… 千歌音ちゃんは私の手をそっと握ってくれた …これじゃドキドキして眠れないよ…私はそんな気持ちを悟られないように目をつぶった 「今晩は一緒に寝ましょう…」千歌音ちゃんはそう囁いた後、布団の中に入ってくる 「…」千歌音ちゃんの体温を感じた 匂いも息遣いもすぐ近くで感じられる そんなくすぐったいような快感が嬉しくて、私は少し体を動かし千歌音ちゃんとの距離を縮めた 千歌音ちゃんは私の背中に腕を伸ばし、包み込むようにして抱いてくれる 頬に豊かな胸の感触が当る…今夜は寝られそうにもなかった 次の日学園に行くと、もう既に私の事は噂になっていた 冷ややかな視線と毒を含んだ言葉が投げかけられる 「何なのかしらね、あの子」「少しいい気になってるんじゃなくて」「まるで拾われた犬っころね」「宮様も何を考えていなさるのかしら」 耳に突き刺さる妬み、嫌味、非難の言葉…それも仕方ない 千歌音ちゃんはみんなにとって「特別な人」なのだから 私とは違う…居ても居なくてもどうでもいいような自分の存在とは違うから… 「あっ!!」ボンヤリと歩いていた私は突然誰かに背中を押された 階段の上から転げ落ちそうになる 寸でのところでソウマくんに助けられたけれど、何だか涙が溢れてきそうになる 自分は…誰に何を言われても何をされても我慢できる たぶん… でもそれによって千歌音ちゃんまでが変に思われたり、迷惑を被るようなことがあったらとても耐えられそうもない (やっぱり…一緒に居ちゃダメなのかな…) 私は担任の先生にそれとなくホームステイさせてくれそうな民家があるかどうか相談してみた 先生も学園内に流れていた不穏な雰囲気を察知していてくれて、親身になって相談に乗ってくれた 「すぐには無理だけれど、探してみるわね」 私は気づかなかった こんな行為が千歌音ちゃんを深く傷つけるなんて、この時は思いも寄らなかった 私はその夜、千歌音ちゃんの部屋に呼ばれた 千歌音ちゃんは開けはねた窓から夜空を見上げていた 「姫子…先生から聞いたのだけれど、あなたここを出て行きたいんですって?そんなに…ここに居るのが嫌だったの…?」 「ち、違うよ…」胸が痛くなった 「嫌だとかじゃない…ただ…千歌音ちゃんの迷惑や負担になりたくないだけ…私が一緒にいると…その、学園でも色々と言われるだろうし…」 「迷惑だなんて…一言でも言ったかしら?あなたの事を負担に思うだなんて…何か悲しいわね…そんなふうに思われていたなんて…」 千歌音ちゃんは怒っている?…私は焦った 「ご、ごめんね…そうじゃなくて…」上手く言葉が繋がらない 「そうね、私からも…頼んでみるわ この家に出入りしている村人は何人もいるから きっと…いい人を紹介してあげられるわ」 「千歌音ちゃん…」体から力が抜けていくようだった 違う、こんなふうになる事を望んでいたわけじゃない 「ねえ、姫子は貝合わせの話しは知ってる?」 千歌音ちゃんは足元のさくら貝を拾い上げた 貝合わせ…カルタの元になったもの そして千歌音ちゃんは言葉を続ける「2枚貝って互いにぴったりと合うのは一組しかないの この世に一組しか でもね、一組は絶対にあるの」 「だから…この世界のどこかには姫子を待っているただ一人の人がいるはずよ」 「千歌音ちゃん…」 「それまでは…絶対に私があなたを護ってあげるから だからそんなに落ち込まないで…元気を出して 姫子は…今、自分が出来ることをゆっくりやればいいから」 涙がこぼれてきた 何でこんなにも優しくしてくれるのだろう…こんな私なのに… 千歌音ちゃんは私の肩に手を廻し抱き寄せてくれた 暖かい…すべてを包み込んでくれるようなこの温もり…そう、あの時に感じたのと同じ… 私は顔を上げて千歌音ちゃんの顔を見た 長い睫毛を伏せている…本当に綺麗な顔だと思った あの時のキスをされた時の光景がフラッシュバックされる…胸がドキドキした 「千歌音ちゃん…」私はこの時、何を求めていたのか?何が私を突き動かしたのか? きっとそれを口に出して説明するのは難しい… ただ引き寄せられるようにして、私は千歌音ちゃんの唇に自分の唇を重ねていた ほんの数秒だけの唇を重ね合わせただけだけれど、私には長い長い時間に感じられた どうしてこんなに大胆なことが出来たのだろう… 私は千歌音ちゃんの反応が怖くて、視線を落としたまま離れる 「…」きっと顔は真っ赤になっているはずだ 「ごめんなさい…」声にならない声 「…謝ることなんか…無いわよ、姫子」千歌音ちゃんが手を握ってくる 「姫子が謝るなら私も謝らなくちゃ…」千歌音ちゃんの頬がほんのり赤く染まっていた 「私は…姫子に謝って欲しくなんてない だってとても嬉しいから…例え今のキスがどんな意味を持っていても… ただの気まぐれでも挨拶の意味でもアクシデントであっても構わない…嬉しいわ」 胸を衝かれた瞬間だった 「違うよ、千歌音ちゃん…私ね、私…す、好き」どうして肝心な時に上手く言葉が出てこないの?私は焦った 「好き…凄く好きの…そういう意味の…キス…」 そう、本当は「愛してる」って意味 自分ではもうハッキリとそう自覚できる 「姫子…」千歌音ちゃんの顔が近づいてくる 「偶然ね…私も同じ…」再び重ねられた唇 「でもね、私のはもっともっと好きって意味のキスよ」 どちらかともなくしっかりと抱き合い、お互いの唇を求め合う 遠い遠い昔にもあったような、幾度となく繰り返された…そんな光景が私の頭の中でかすかに浮かびあがる それが何を意味しているのか私には解らなかったが、それでも今の私は幸せだった きっとずっと以前からこんなふうになる事を望んでいたんだ… 千歌音ちゃんの絡みつく舌に必死に応えながら、全身で喜びを感じている 愛している、愛されている…そう思えた瞬間 「側に居てね…もう、出ていくなんて言わないで」 潤んだ目で見つめる千歌音ちゃんに私はただ頷いた 私は信じて疑わなかった この時の想いがずっと続くことを…悲しい別れが待っているなんて思いもしなかった ~END~