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https://w.atwiki.jp/hyakukami/pages/1709.html
依頼主 プロキオン 出現条件 プロキオン解放後 クリア条件 12/11 12 00 までに 以下の神様を解放するプロキオン(第一進化) 成功報酬 豪華スブラキ小さく切った豪華な肉の串焼きをパンで巻いた、代表的なギリシャ料理。親密度が1500も上がります! 依頼時 ふえぇ…。魔神怖いよぉ・・・。あと一回進化できたら、もう少し力が戻ると思うの。あなた、手伝ってくれる? クリア時 ワン!プロキ、すこしだけ強くなったの!あなたのおかげだよ♪
https://w.atwiki.jp/ocarina/pages/10.html
むかし、「キーボードアレルギー」ということばがありました。今でも言うのかも知れませんが、キーボードにさわれない人のことを言います。キーボードは見れば見るほど、奇妙な形をしています。私はキーボードアレルギーではないよという人でも、例えばバンドネオンという楽器を見ると、これでどうやって音楽をやるんだろうと一目見ただけで習得を断念してしまう人もいるんじゃないだろうか。
https://w.atwiki.jp/saikinmm/pages/299.html
ミルキーウエイって何すか? 601 名前:名無し募集中。。。 [] 投稿日:2011/03/31(木) 00 18 54.17 0 ミルキーウエイって何すか? 602 名前:名無し募集中。。。 [] 投稿日:2011/03/31(木) 00 19 37.18 0 天の川のことです 609 名前:名無し募集中。。。 [] 投稿日:2011/03/31(木) 01 42 23.04 0 >>601 小春・吉川(当時ハロプロキッズ)・北原(当時ハロプロキッズ)によるグループ 小春が声優やってたきらりんレボリューションというアニメがあって 3年目リニューアル時に声優&主題歌グループとして活動してた 611 名前:名無し募集中。。。 [] 投稿日:2011/03/31(木) 02 35 10.54 0 >>609 ×ハロプロキッズ ○ハロプロエッグ キッズとエッグは全然別物だから要注意 614 名前:名無し募集中。。。 [] 投稿日:2011/03/31(木) 10 05 22.56 0 >>609 ハロプロキッズ=ベリキュー 編注 MilkyWay 。 吉川友:エッグ研修課程を修了し、 ユニバーサル・ジャパンで活動中 。2011年5月11日「きっかけはYOU!」でソロデビュー。 北原沙弥香:エッグ研修課程を修了し、 株式会社タイトプロで活動中 。アニメ「イナズマイレブンGO」空野葵役でソロデビュー。 ベリキュー: Berryz工房 ・ ℃-ute。 ハロプロキッズ:2002年に開催された「ハロー!プロジェクト・キッズ オーディション」で合格したメンバーのこと。合格時点でハロプロの正規メンバー。 ハロプロエッグ:「ハロプロ エッグ オーディション2004」など複数回のオーディションで合格したメンバー。ハロプロの研修生。 モーニング娘。9期の譜久村聖はエッグ出身。 89ハマリ [2011年]
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「ドリーム小説って何ですか?」@wiki 名前変換はどうやって行うの? 名前変換の方法には2つの方法があります。 1つ1つ、小説ごとに名前を変換する 小説を読む前に、名前を変換してから小説を読む 1番のやり方は、Java Scriptと呼ばれ、閲覧する小説を開くと最初に名前変換の要求が出されます。 そこで、指定された項目の変換をしてOKボタンを押すと、小説の指定された項目が名前変換され、読むことが出来ます。 2番のやり方は、Cookieと呼ばれ、小説を閲覧する前に名前登録の専用の場所があります。 そこで、指定された項目を変換してから小説を閲覧します。 この方法の場合は、いちいち小説ごとに名前を登録する必要がなくなります。 ここで、1つ気になる事がありませんか?―――そう、登録した名前が他人に知られてしまうのか、という点です。 1番のJava Scriptでは、小説ごとの登録なので、その場に居合わせない限り変換された名前が知られることはありません。 2番のCookieは、登録された名前は使用しているパソコンにのみ保存されるので、これも知られることはありません。 ただしCookieに関しては例外があります。 閲覧しているサイトにアクセス解析が設置されている場合、サイトの管理人に名前が分かってしまいます。 それを使って悪い事をする、というような方はいないと思いますが、念のため本名での登録はお控え下さい。 名前登録後の削除 小説を閲覧し終えた後、名前を削除する場合はどのようにすればいいでしょうか? 1番のJava Scriptの場合は、小説ページを閉じたら登録された名前はすぐに削除されるので、改めて削除動作をする必要はありません。 2番のCookieの場合、以下の作業をすると保存された名前は削除されます。 名前登録のページで、指定された項目に空白を入力して「登録」ボタンを押す 名前登録のページにある「削除」ボタンを押す インターネットの「ツール」ボタンの「インターネットオプション」から「Cookieの削除」ボタンを選択する 1~3のどれかの作業を行えば、登録された名前はパソコン上から消えます。 ただし、3番の作業を行った場合は、今までに他のサイトで登録した名前すべてが抹消されますので、ご注意! Cookieの場合、名前登録ページにあるスクリプト内で、どれくらいの期間保存するかを設定する項目があります。 デフォルトでは3ヶ月となっているようですが、スクリプトに詳しい管理人の場合は、その数字を変更する事もあるかも知れません。 登録した名前の削除をし忘れていたとしても、大抵は3ヶ月で削除されますのでそこまで大げさにならなくても問題はありません。
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税金は法律で定められているものですが、 「法律は弱いものの味方ではなく、知っているものの味方である」 に激しく共感します。 みなさん、知らない間に損してますよ。 どうせ払うなら、仕組みぐらい知っておいて損はありません。 というより、知っておくと損しなくなります。 税金の種類 個人が関係する税金には、例えば下のようなものがあります。 種別 管轄 管轄部署 国税 国 税務署 地方税 都道府県 県税事務所 〃 市町村 市町村役所 所得に関する税 所得税(国税) 住民税?(都道府県税, 市町村税) 相続・贈与に関する税 相続税(国税) 贈与税?(国税) 不動産に関する税 固定資産税(市町村税) 都市計画税(市町村税) 不動産取得税(都道府県税) 登録免許税?(国税) 車に関する税 自動車税?(都道府県税) 軽自動車税?(市町村税) 重量税? 自動車取得税? 消費に関する税 消費税? 東京主税局のページ。個人住民税についてよくまとまっている。 http //www.tax.metro.tokyo.jp/shitsumon/sonota/index_j.htm#j2 国税局の所得税のページ。1ページに情報が凝縮されている。 http //www.nta.go.jp/category/pamph/gensen/2696/02/01.htm
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美琴「だから、付き合ってる女の子はいないのかって聞いてるのよ」黒子「お姉様?先程から仰っている意味がよく分からないのですけれど…」美琴「あ、その…ゴメン、気にしないで!別に、黒子がどんな女の子と交際しようが私には関係ないわよね!?」黒子「………はい?」美琴「私は、アンタがずっと一緒に同じ部屋でいてくれればそれで構わないんだから………クスン」黒子「クスンって… お姉様、何か悪いものでも口にされたんですの?」美琴「…悪いものって何よぉ」 黒子「いえ、それはわたくしが知りたいぐらいですし」美琴「私だって変なものを食べた記憶なんてないわ…………ん?」黒子「どうやら心当たりがあるようですわね」美琴「ふふ……そうね…心当たりというか、ズバリそのものって感じかしらね……ふふ、ふふふふふふ…」黒子「お姉様!?ど、どうなされましたの?」美琴「ねぇ黒子。アンタに一つだけ確認したいことがあるんだけど」 ビリッ黒子「黒子に答えられるものならいくらでも確認してくださいまし」美琴「パソコン部品」 ボソッ…黒子「!?」美琴「ゲコ太の形をした緑色のケーキ」 ボソッ…黒子「ぴぃ!?」美琴「一応謝っておくけど、勝手に食べたのは悪いと思ってるわよ?」 ビリッ!!黒子「い、いえ。あれは、その、最初からお姉様の為にと用意してたものですから、お気になさらずっ」 黒子「あぁそういえば!わたくし初春と約束をしておりましたの!この話の続きはまた後で………」 美琴「初春さんなら、今日は本体のメンテナンスがある日よ」 ニッコリ黒子「………うにゅー!?」美琴「他に、何か言う事はあるかしら?」 ニコニコ 美琴「てへっ ですんだらアンチスキルはいらないんだけど」黒子「えぇと、そのー……ジャッ、ジャッジメントですの!?」美琴「ったく、なんで黒子みたいなのが風紀委員なんて務まるんだかねぇ。もういいわ、この話はこれで終わり!いいわね?」黒子「お姉様?」美琴「中に混ぜられていたモノが何なのかは知りたくもないけど、ケーキの味はそこそこ美味だったし。許してあげるわ」黒子「そういう問題なんですの…?」美琴「そういう問題なの。……、許してあげるって言ってるんだから混ぜ返すんじゃないの」 ペチン!黒子「わ、分かりましたの」美琴「……とはいえ、まだなんか頭がスッキリしないしモヤモヤした感じが消えないのは困ったわね」美琴「…はぁ……、こんな変な状態がいつまでも続くようだと………」 //////黒子「……、お姉様。どうかなさいましたの?」美琴「……………ねぇ、黒子……」 /////////黒子「はい?」美琴「………私にこんなもの食べさせたりして、アンタは私をどうしたいの?」 ギュゥゥゥ… 黒子「えぇと、そのー……ジャッ、ジャッジメントですの!?」美琴「ったく、なんで黒子みたいなのが風紀委員なんて務まるんだかねぇ。もういいわ、この話はこれで終わり!いいわね?」黒子「お姉様?」美琴「中に混ぜられていたモノが何なのかは知りたくもないけど、ケーキの味はそこそこ美味だったし。許してあげるわ」黒子「そういう問題なんですの…?」美琴「そういう問題なの。……、許してあげるって言ってるんだから混ぜ返すんじゃないの」 ペチン!黒子「わ、分かりましたの」美琴「……とはいえ、まだなんか頭がスッキリしないしモヤモヤした感じが消えないのは困ったわね」美琴「…はぁ……、こんな変な状態がいつまでも続くようだと………」 //////黒子「……、お姉様。どうかなさいましたの?」美琴「……………ねぇ、黒子……」 /////////黒子「はい?」美琴「………私にこんなもの食べさせたりして、アンタは私をどうしたいの?」 ギュゥゥゥ… 黒子「お、お、おおおお姉様!?」美琴「黒子が私の事をそういう目で見てるのは知ってたけど……。それって結局はその、恋人関係を望んでるのよね?」黒子「わたくしとお姉様が恋人関係!?」美琴「ぁ…ぇと…、ちがうの…かな……グスッ」黒子「いえあの、違わない展開を望む理由はないのですけれど……、それはやはり些かお話として問題がありそうな気がしますの」美琴「ぅ……ヒック…うぅ、黒子。私、やっぱり変かも。ううん…変なのは分かってるんだけど、黒子の顔を見てるとよく分からなくなるの」 黒子「わたくしを……?」黒子「……… (しっかりしますのよ黒子!!ここは対応を絶対に間違えてはいけない大事な場面なんですの!! たとえ不本意な展開からとはいえ、このチャンスを生かさずにどこでお姉様との間にラブフラグを立てるというんですの!?)」美琴「ゴメン、ちょっと外で頭を冷やしてくるわね。……、門限までには戻るから心配しなくていいわよ」黒子「へ?あの、ちょっと!?お姉様っ……」美琴「そこらへんをブラブラしてくるだけだからー、ついてこなくていいわよー。ていうかアンタがいると意味がないんだってば!!」 バタン!!! 「おねえさまが壊れてしまいましたの……」 「…………………」 美琴「…………『彼女』、か」美琴「ふぅ……、やっぱり外に出て正解だったかもね」美琴「いつまでもあの部屋にいたら変な雰囲気に危うく飲み込まれるとこだったし」美琴「……でも」美琴「私の心は、本当にそれでよかったと思ってるのかな……本当は、あのまま黒子と────」美琴「…………馬鹿。そんなんじゃない、黒子はそういう存在なんかじゃない。それは私が一番よく知って……」 ドン!!???「うぉわっ!?」 美琴「あっ、す、すいませんっ!!ちょっと考え事してたもので…………って、あれ?アンタ、何してんのよ。こんな所で」上条「ビリビリ……、人に思い切りぶつかっておいて相手が上条さんだと分かった途端に態度を変えやがって! 一体どういう考え事してりゃそうなるんだよ!?」 美琴「……アンタには関係ないじゃない。これは私個人の問題なんだから余計な口出しは結構よ」上条「ああ、そうかよ。だったら俺は何もしないし何も言わねぇよ。けどな、お前がどうしてそんな顔してるかって事ぐらい知る権利はあるだろ」美琴「はぁ?言ってる内容が意味不明にも程があるってのよ。いいから、アンタはそこをどいてさっさとどこかに消えなさい」上条「……、自分で気付いてないなら教えてやる。目の前に今にも泣きそうな顔してふらふら歩いてた女の子がいるってのに、 それを放っておく事なんか出来る訳がねぇって言ってんだよ」美琴「………るさい」 バチッ…上条「お前が本当に何でもないってんなら、そう言えばいい。だけど…違うんだろ」美琴「………うるさい、って言ってるのよ!!そこをどけ!どきなさいよ…!!」 「……どかない。お前が話してくれるまで、俺はどかない」 美琴「なんで…アンタが…前にいるのに、……ヒック…黒子…どうして」上条「…… (黒子?白井のことか…?)」美琴「もう、分かんないよ…」上条「話を聞こうにも、ひとまず落ち着くのが先決ってもんだよな。そこの公園のベンチでちょっと待ってろ。……歩けるか、御坂」美琴「……」 コクリ上条「なら俺はちょっと暖かい飲み物でも買ってくるからさ、黙ってどこかに行ったりするなよな?」美琴「……私がそんな人間に見えるの、アンタは。いいから、さっさと行って戻ってきなさいよ……馬鹿」上条「そういう意味じゃないんだけど。んじゃまぁ悪いけど、ちょっと待っててくれ」美琴「はぁ……どうして私、こんな場所であんな奴と一緒にいるんだろ……」美琴「黒子、今頃心配してるわよね」 ギュッ…美琴「……、してくれてるわよね」 フルフル…美琴「それとも……、私のことなんてどうでもいいって…」上条「誰が、どうでもいい存在なんだよ」 ピトッ…!美琴「きゃっ…!!っていうか、熱!!アンタねぇ!!女の子の顔をなんだと思って……………え?」黒子「お姉様……、心配しましたのよ」上条「すぐそこまでお前を探しに来てたみたいだぜ。自販機の前でバッタリ会ったもんだから、御坂ならここにいるぞってな」美琴「……黒子」白井「あの、お姉様。先程のお姉様の振る舞いは黒子がすべて悪かったんですの」 ペコリ美琴「………黒子?」 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・白井「お姉様がおかしくなったのは言うまでもなく、あのケーキを食べてしまったからなんですの」 美琴「それが、黒子の気持ちって訳?」黒子「いいえ、わたくしはお姉様が抱いた幻想の顛末を申し上げているだけですの」美琴「っ……」黒子「お姉様はケーキに含まれていた媚薬の効果によって、一時的に気持ちが昂ぶった状態に───」美琴「───アンタは、そんなくだらない事を言いにここまで追ってきたって訳なのね」 パリッ…黒子「確かに、このような愚にもつかない展開は『くだらない』としか言いようがありませんわねぇ。もっとも、そう望んだのはお姉様自身ですのよ」美琴「なに、アンタ、私に喧嘩でも売るつもりなの……」 ビリッ!!黒子「わたくしの言葉をそう捉えるのならそれでも結構ですの。ですが、そう感じたというのはつまり……お姉様も自覚しているのでしょう?」美琴「………」 …ビリッ!! 黒子「口を挟めずにただ突っ立ってこちらの様子を伺っている殿方こそが、お姉様が本来見るべき幻想ではありませんの?」 チラッ美琴「……ぇ」上条「なにやってんだよ、お前」美琴「なにって……、まさか、アンタ得意のお説教でも今からするつもり?………悪いけど、今度にしてよね。今はそんな事に──」 …バチンッ!!!上条「………」 ギュッ…美琴「……え、ちょっ、こんな時にどういう冗談してんのよっ…アンタはっ!!」 上条「ああ、そうだよ。お前等の関係はどんな時だって、冗談でもそういうのを相手に向けていいもんじゃないだろ」美琴「離せ、離しなさいよ!!いくらアンタでも今回ばかりは…………ぁ…ぐ、電流が、伝わらない…っ!?」上条「……、悪いな御坂。でも俺はお前からこの手を離すことはできない。お前があいつに電撃を使う姿なんて、俺は見たくないから」美琴「なによ、それ……、」 上条「………」美琴「わたしだって、黒子に……そんな…つもり……」 ボロッ…美琴「……ぅ…ヒック……大好きな、黒子に…そんなこと…したくないよ……」 上条「だそうだ、白井」 チラッ…黒子「…………、まったく」 「大人しく身を引いてあなたにお姉様を任せたというのに……、どうしてこうなるんですの?」 美琴「わたしは……黒子のことが大好きなのにっ…どうして黒子はそれを否定するの…?」黒子「お姉様…」上条「白井、俺はそういうのよく分からないからさ。 ここは御坂をずっと近くで見てきたお前の…いや、お前じゃないと駄目なんだよ」黒子「そもそもの発端はわたくしが出来心で購入してしまったモノが原因ですの… 自業自得とはいえ、真っ向から向き合うのは少々キツい問題ではありますけど」美琴「………」上条「俺が言えるような台詞じゃないかもしれないけど、御坂を…頼む」黒子「しょうがありませんわね。それでは乙女心が分からないお猿さんはお家に帰って結構ですの」黒子「……と言いたいところですけど、あなたにはまだ大事な役目があるのですから、 もう少しこの場にいてもらいますのよ」上条「そっか。なら上条さんは離れて待ってますから、終わったら声かけてくれよ」黒子「……さて、どうしたものやら。まずはお姉様から全てを包み隠さずにお話いただくのが一番いいとは思いますが…」美琴「………」 美琴「……だから、わたしは黒子のことが」黒子「包み隠さずにと申しましたのよ」美琴「……何も隠してなんかないわよ。わたしは正直な気持ちを言ってるだけだもの」黒子「ならそれでも構いませんの。わたくしとお姉様は両想い。それ即ち禁断の恋の成立、というお話ですのね?」美琴「そうだって言ってるじゃない。それがアンタが望んだ関係だし、わたしが望む関係でもある……の…よ」 グッ…黒子「無理はしないでくださいな…?」美琴「っ…………してないわよ…馬鹿」 黒子「それは結構ですの。でも、それだとおかしいですわね。わたくしはその言葉を聞いてもちっとも心に響きませんの」黒子「寧ろ、わたくしは逆に苛立ちすら感じている。これはどうしてですの?お姉様」美琴「そ、それは……」黒子「分からないのであれば、お姉様の言った台詞は全て───ただの戯言にすぎませんのよ」 黒子「答えてください、お姉様。今のあなたは、わたくしの気持ちがちゃんと見えていますか?」美琴「嘘じゃ…ない」 黒子「………」美琴「誰よりも…黒子は大切な存在で……、黒子さえいれば…わたしは……」 パチン… 「わたしはもう何もいらないんだからぁっ!!」 バチッ 黒子「お姉様…」 上条「おい、美琴!?それだけは絶対にやっちゃいけない事だって分からないのかよ!!」美琴「っ…、うるさいっ…!!わたしには黒子がいればそれでいいの!アンタなんかもう知らない!二度とわたしの前に現われるな───!!」 上条「く…そ…何がどうしちまったんだよ……」黒子「……はぁ」黒子「頭では理解していたつもりでも、やはり面と向かってそう表現されてしまうと……結構辛いものですのね」黒子「ですけれど、やっとお姉様の本当の気持ちを聞くことが出来ましたの」 上条「なぁ…白井。美琴はお前のことが好きなんだろ?お前だってその気があるんなら、それ以外の気持ちなんて……」黒子「あなたの出番はまだ先ですのよ。…念のために聞いておきますけど今のお姉様の言葉、ちゃんと聞いていましたの?」上条「俺は、もう美琴とは関わらない方がいいみたいだからな。お前の言う俺の役目ってやつが終わったら大人しく消えるさ。 そして二度と会わないようにする。それが美琴のためなんだろ?」美琴「………」 黒子「何といいますか、ここまで愚直が過ぎると苛立ちを通り越して『殺意』すら覚えてきますわね」上条「どういう、意味だよ」黒子「お姉様がどんなお気持ちであなたを拒絶したか……どんな想いで日々あなたを見ていたのか……あなたはどうせ理解もできないのでしょう?」美琴「……やめてよ黒子」 上条「だから、どういう意味だって」黒子「お姉様にとってあなたがどんな存在だったか……どんなに大きな存在になっていたか……胸に手をあてて考えたことが一度でもありましたの?」美琴「黒子……、もういい、やめて──」黒子「心を奪っていった人間から振り向いてもらえない痛みが、あなたに分かるとでも…?」美琴「…お願い……やめ…て……!!」黒子「答えなさい上条当麻、今ここであなたの役目を果たしなさい」黒子「わたくしに串刺しにされる覚悟があるのか、それともお姉様をわたくしから奪い取るつもりなのかを」 「……そんな選択、答えを決めるまでもねぇよ」 「俺は御坂美琴と周りの世界を守る。それだけだろ」 黒子「その言葉に嘘偽りはないと、この白井黒子の前でお姉様に証明する覚悟はお持ちですの?」美琴「黒子、もういいって、いってる……のに……」上条「……覚悟っていうか約束だからな。それを守るのは当然だし何よりも俺自身がそう望んだんだ。 だからそれが愚かな選択だったとしても、たとえ俺が望まなかった結果だとしても、それをしない訳にはいかねぇよな」美琴「………」黒子「そこまでお姉様のことを考えているのなら、どうしてこうなる前に……というのはさすがに言いすぎですわね」上条「いや、返す言葉もねぇよ。すまない白井、この件に関しては完全に俺のせいだ」黒子「……あまり思い上がらないでくださいな、上条───さん。 わたくしはあなたという存在をそこまで高くは評価をしておりませんので」上条「それでもだよ」黒子「……?」上条「結果的には、お前の言ってる 媚薬 って奴のせいで美琴がこうなったのは今の話で分かった。 けど、俺が美琴を追い詰めたことに変わりはないだろ?」黒子「……だそうですわよ、お姉様」美琴「……………」 黒子「お姉様はわたくしが好きだと言ってくださいましたの。わたくしさえいれば、もう何もいらないと」美琴「……そうよ。今だって、わたしはそう思ってるもの。今さらアイツが何を言おうと関係ないじゃない…」黒子「それがお姉様の気持ち。お姉様にとって、嘘ではない心からの言葉なんですのね?」美琴「うん…だから、お願い……わたしを受け入れて」 「あなたがいないとわたしはもう───生きていけないから」 「ええ、わたくしもお姉様がいないと生きてはいけませんの」 「ですから──────」 「も う 、 こ の 甘 く て 魅 力 的 で 心 地 よ い く だ ら な い 悪 夢 か ら は 覚 め ま し ょ う 、お 姉 様 」 美琴「悪夢ってどういう意味よ……」黒子「そのままですの。ケーキに含まれていたのはお砂糖ではなく……そう、人口甘味料とでもいいましょうか」黒子「お姉様は、作られた味に誤魔化されていたに過ぎませんのよ?」美琴「そ、そんな事ないっ……」黒子「例えどんなに甘く感じられても本物には遠く及ばず、それでも体が欲するから求めずにはいられない……」美琴「やめてよ…そんな風にわたしの気持ちを言わ…ないで…」黒子「そしてやがては……味覚が狂って本物の甘さも分からなくなってしまう」美琴「………」黒子「お姉様の心を傷つけてしまうとしても、黒子はいつものお姉様に戻ってほしいだけなんですの」美琴「いつものって、何よ…?前も今も、そんなの関係ないじゃないっ!!わたしが黒子を求めてることに変わりはないでしょう!? ……ねぇ、違うの…・?本当は黒子もアイツと同じように…わたしの事なんて何にも思ってな───、」黒子「そんな馬鹿なお話、ある訳ないじゃありませんか」黒子「」美琴「………( え?これ…キス、してるの?)」黒子「」美琴「………( アイツともまだしてなかったのに、黒子を相手に……)」上条「……」美琴「!!………い、嫌…やめて……お願い、やめて…黒子!」 黒子「……わたくしのキスはお口に合いませんでしたか」美琴「っ……、そ、そうじゃないの!!そうじゃないけど、なんでかな……ごめんね、黒子」黒子「ふふ、気にする必要はありませんの。わたくしもお姉様の唇は甘すぎたようですし」美琴「それって、どういう……」黒子「そちらにいる殿方ぐらい鈍感な舌を持っていれば、丁度良かったのかもしれませんわね」美琴「……」上条「あのーそこで俺に話を振るのは上条さん的には想定外な訳なのですが……」黒子「お黙りなさいなチンパンジー。そもそも、あなたがしっかりとお姉様のハートを掴んでいないから このような事態を招いてしまったという自覚が少し足りないんじゃありませんの?」上条「……、お前が媚薬入りのケーキだとかそういうのを買わなければ何も起きなかったんじゃないのか───」黒子「黙りなさい、と言ったのが聞こえませんでしたの?これだからアウストラロピテクスは嫌ですの」上条「ご先祖様をさりげなく侮辱してる物言いなのは気のせいだよなそうだよなむしろそうであって欲しいのですがー!?」 「──────してんじゃないわよ……」 上条「そのどことなく怒りに似た表情は一体なんなのでせうか、美琴センセー……?」黒子「………( まさに猿芝居、といったところですわね。ですがこれで……) 美琴「わたしの黒子に口答えしてんじゃないわよ!この馬鹿!!」上条「しかもそっちの方向で怒られるのかよ!」黒子「………( あら、まだ駄目なようですわね。もう一息…)」美琴「黒子、コイツの言う事なんて気にしちゃ駄目だからね?黒子にはわたしがついてるからね!?」黒子「お姉様にそこまで執拗に心配されるなんて、いざ経験してみるとむず痒いですの」美琴「これからはわたしが黒子の露払いをしてあげるから……困ったときはいつでも言っていいからね……」上条「なんつーか、これ相当重症なんじゃねぇのか……白井」黒子「そうですわね」上条「そうって……あのなぁ、本当にお前に任せて大丈夫なのか?医者とかに連れて行った方がいい場合もあるんだぞ?」黒子「あらあら、わたくしの事が信用できないんですのね。……ではこれで信頼してもらえますの?」黒子「」上条「………はい?」 黒子「………( 何をぼさっと呆けてるんですの、ちゃんと役目を果たしてくださいな類人猿)」上条「………( え?……あー、そうか、そういうことかよ。しかし他に良い方法はなかったのかよ…)」美琴「ね、ねぇ……黒子…な、何してるの…?その、それって、キ、キ、キ、キスよね…!? (あれこれってアイツとわたしの口が黒子の口を通して間接的にキ……す…)」上条「いやいやー俺は白井の事をちゃんと信用してるぞー?なんたって美琴の信頼する後輩だし なんていうかほらその年齢よりも落ち着いて見えるし世話好きのおばさ…………痛っ!やめて抓らないでくれませんか白井センセー!!」黒子「お姉様の大切な後輩、の後がよく聞こえませんでしたのでもう一度お願いできます?」上条「……カワイクテ、ヤサシクテ、タイヘンカワイラシイト、オモイマス」黒子「あらあら、可愛いだなんて既に分かりきったことを二回も言ってくれるなんて。キスのおかわりはいかがでして?」上条「いや、もういらな…………ぎにゃぁ!?……お、おねがいします黒子さんしてくださいもう勝手にしてください……」黒子「という訳ですの」美琴「………(アイツとキス……アイツとキス……アイツとキス……)」黒子「お姉様?」美琴「ふにゃっ!?……あ、黒子……ごめん、ちょっと考えごとを────えっと、何だっけ?」黒子「ですから、上条さんとわたくしは相思相愛の仲という訳なんですの」美琴「……え?」黒子「百聞は一見にしかずですの。……お猿さんはこちらに来てくださいな」上条「うぅ……もう嫌な予感しかしねぇよ」美琴「……」黒子「お姉様はもうこの殿方には未練がありませんのよね?」美琴「も、もちろんよ。わたしには黒子がいれば───」黒子「では、わたくしがこの男性とキス以上の事をしても問題ありませんのよね?」上条「ヲイヲイ俺は少女監禁趣味逮捕ババァ声の女の子に興味があったんですエンドを迎える気はサラサラねーぞ」美琴「いいからアンタはちょっと黙ってなさい」 美琴「ちょっと、こっちに来なさい……」黒子「上条さんには聞かれたくないお話でもするんですの?」美琴「……、お願いだから二人で話をさせて」黒子「分かりましたの。あなたも、それでよろしいですわね」上条「ああ……美琴のことはお前に任せるって言ったのは俺の方だしな。最後までお前に付き合ってやるさ」黒子「それは良い心がけですわね、では少々この場でお待ちになっていてくださいな」美琴「……」黒子「人のいない場所を探すのも手間ですし、ここはわたくしの能力で一度遠くに飛びますがよろしいですか、お姉様」美琴「……好きにして」黒子「では上条さん?あなたの想い人が帰ってくるまで浮気はしないように」上条「もうどこから指摘すればいいのか問題ありすぎな忠告だよな……分かったから、さっさと行けって」黒子「別れのキスは?」上条「しねぇよ!!お前、実は誰でもいいからキスがしたいだけなんじゃねぇだろうな!!」黒子「」上条「だーかーらー、目を閉じても同じだってんだよ!!お前わざとだろ?わざと誘ってんだろ!?」黒子「……チッ」上条「アーアー何も聞こえない聞こえません馬の耳に念仏なんです!!」美琴「もう別にどこでもいい気がしてきたわ……」 美琴「黒子、さっきあなたが言った言葉をちゃんと説明してくれるかしら」黒子「ここでも構わないというのなら……そうですわね、わたくしは上条さんと正式にお付き合いをさせて頂きたいんですの」美琴「なんですって……?」黒子「お姉様が一度は認めた男性ならば、わたくしも素直に自分を表現できるかと思ったまでですのよ」美琴「……何よそれ、意味分かんない……大体、黒子がコイツを好きになる理由なんてないじゃない…!」黒子「女性が男性を好きになるのに理由が必要なんですの?」美琴「……、それは」黒子「お姉様が上条さんを好きになったのは何か特別な理由があったからですか」美琴「別に、好きって訳じゃ……」黒子「今のお姉様の気持ちを確認してるんじゃないんですのよ、どうかそこは勘違いしないでくださいね」美琴「一緒にいると楽しかった、のかもしれない……黒子と一緒にいる時みたいに」黒子「……」上条「………(そこで俺の方を一瞬見るのは、何か意味があるのかよ!?)」黒子「では、わたくしが上条さんと一緒にいて楽しいと思えるのならそれでいいのですよね」上条「んで、ここで俺に抱きつく訳ですかそうですか。女の子に抱きつかれてるというのに上条さんはちっとも楽しくないのですが」黒子「………(心臓から突き出る感じに金属矢を置かれたくなくければ、ニッコリと笑ってくださいます?)」上条「………(そんな台詞を耳元で囁かれてニコニコできたら誰も苦労しねぇよ!)」黒子「………(ほら、早くしないとお姉様に怪しまれますわよ。いいから笑えっていってんだろうが!!)」上条「ぴぃ!?」美琴「一緒にいて楽しくて、自分が楽しいと思えればそれでいい……か」上条「やけに都合良く美琴が納得し始めてるのは俺の気のせいなのでせうかー」 白井と美琴のマイペースぶりを前にして上条は思わず頭を抱えてしまう。このままでは埒があかないどころか泥沼にはまる一方だろう。このまま家に帰るのも悪くないよなぁ、インデックスもお腹をすかせて待っているだろうし、うん、そうしようそれがいい! と現実から逃避しかけていた上条に、先程までとは打って変わり妙に明るい声で美琴が話しかける。「ねぇ、アンタはさ。この私と一緒にいて楽しいと思った事ある?」そんなの当たり前だろ、と口にする寸前で上条は慌てて言葉を飲み込む。彼女が聞きたいのはそんな淡白な解答ではないはずだ。そしてここで対応を間違えれば、上条はまた美琴を傷つけてしまう。それだけは絶対に避けなければいけない。かといって上条にそんな気の利いた発言を期待する事自体が、まず間違いであるのもまた事実だった。「楽しいってのが、一体何を指して言ってるのか分からないが……俺はお前と出会えてよかったと思ってるけどな」今の台詞ならとりあえず及第点と言ったところですわね、と白井がニヤニヤしながら悪態をつくのが見えたが上条は気にしない。「……、ふぅん。そう、なんだ」上条の精一杯の努力が心に届いたのか、美琴は言葉を詰まらせながら上条の台詞の意味を一つ一つ噛み砕いていた。(……でも、私をどう思ってるのかはまだ聞けてない)美琴が本当に知りたかったのは、上条が自分をどういう存在として捉えているのかである。つまりは上条が自分に対して恋愛感情を持っているのか、それとも眼中にすらないのか。いつか確かめたいと思いつつ、まだ知られる訳にはいかないと鍵を掛けてしまっていた 上条が好きだ という気持ち。それがあの変な薬入りのケーキを食べたせいで心がグチャグチャになって、今にも飛び出しそうになるのを美琴は感じていた。「……、」けれど今の状況はそれだけでは済まない事も理解している。なぜなら美琴は何を血迷ったのか、ルームメイトかつ後輩に対して告白までしてしまっている。今さら、『ゴメン、さっきのは冗談、っていうかアンタの買ってきた怪しいケーキに言わされちゃっただけなのよねー、許してね?」なんて言い訳が通用するとも思えない。もっとも白井にしてみればそれが目的で恋敵ともいうべき上条と一芝居を打った訳なので、美琴の心配はただの杞憂だったりするのだが。 (この子のことだから、きっと今から拒絶なんてしたらショックが大きいわよね……) 白井の本当の目的を知らない美琴は、自分を慕っている後輩を傷つけないようにするにはどうすればいいのか悩んでいた。 実際のところ、媚薬の効果で精神的に不安定な状態にある美琴を白井は本気で心配している。 だからこそ、部屋で帰りを待っていなさいという指示を無視してここまで追ってきたのだ。 そんな、心優しくて純情な恋心を抱くツインテールの少女は、美琴が悶々としている様子を見ながらどこか高揚した様子でお姉様を見つめていた。 口元からじゅるりと涎のような液体が漏れ出しているのは、きっと乙女の嗜みという奴だろうから、気にしてはいけない事なのだろう。「お姉様は恐らく正気に戻りつつある……ですけれど、正気に戻ったからといって先程までの言動が全て白紙に戻る訳ではありませんの」 そう呟いた白井は美琴と上条に背を向けるとニヤリと笑みを浮かべ、寮に戻ってから始まるであろうプライベートタイムの妄想に心を奪われてしまう。 それが頭の中で完結していれば誰も文句などないのだろうが、 残念な事に、思い描いたプレイ内容が勢い余ってまるで朗読されるかのように口から漏れてしまっていた。「おーい、白井?一人であれこれ妄想するのはお前の勝手だけど、全部口から出ちゃって丸聞こえなんですけど!?」 思わず耳を塞ぎたくなるような内容を一方的に浴びせられて、上条は少し気まずくなりながらも注意を促す。 だが、肝心の白井はめくるめく妄想の世界に行ったきりで、反応が無い。「やっぱり白井に任せたのがそもそもの間違いだよなぁ……これも突き詰めると、 無理にでも病院に連れて行かなかった俺のせいって事なのでせうか……」 上条は自分を責めずにはいられない。今の白井を見て擁護できるほど楽観的な思考を、彼は持ち合わせてはいない。 ならば、この訳が分からない複雑な乙女心とやらを正しい方向に導いてやるのが、せめてもの償いだろうと上条は決意する。「今度はこっちから質問するけど、お前は……美琴は俺なんかと一緒にいて楽しかったのか?」 美琴は上条の質問の意味がよく理解できなかった。 それを自分に答えさせるなんて。つまり、この少年は何も分かっていないのだろう。 御坂美琴が、上条当麻と一緒にいて、楽しくないはずがない。 美琴は上条から突きつけられた悪意のない真実を受け止めながらも、いつもの自分らしく答えなければならない。 ちゃんと声を発しようと息を吸って、必死に声を絞り出す。 だが、美琴の口から出てきたのは上条の質問への解答などではなく、「…………、」 美琴の意思に反して漏れてしまう嗚咽が、彼女の包み隠そうとした気持ちを表にさらけ出してしまう。 ここで職人さんスランプに。以下仕切り直し 続きへ
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Q: 655 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:2008/02/12(火) 08 53 51 ID HQQe0Hbz クックは大きな音に弱いのに、ガンスの龍激砲を食らっても耳がキーンとしないのが理不尽です。 ガレオスは飛び出てくるのに。 A: 660 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:2008/02/12(火) 16 20 25 ID RMD8hFQm 655 龍激砲を当てられたクックは、聴覚よりも痛覚に大きな刺激を受けるので、きになりません。 これは、注射を打つときに体の別の部分を抓っていれば気が紛れるのと同様の現象です。 ガレオスが飛び出してくるのは、砂の中には爆炎が届きにくいので、龍激砲が音爆弾と同様の効果を 発揮しているためです。 イャンクック 音
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593 名前:1/2[sage] 投稿日:2012/08/16(木) 12 10 22.31 0 捨て駒にされるツンデレ 「うーん、こっちからも無理そうだ」 『くっ……こんな所に籠城しても半刻も持たないわ。援軍はいつになったら来るのよ!』 「来ないんじゃないかな」 『……は? な、何言ってんだか……それじゃあ私達がまるで――』 「あいつに捨て駒にされたんだろうな」 『御館様をあいつ呼ばわりしないで!! きっと何か……不測の事態が起きたのよ』 「それは違うな。俺が思うに、この状況は作戦通りに行ってるんだろう」 『……どういう意味よ、それ』 「つまり俺達は奇襲部隊じゃなくて囮部隊って訳だ、本隊は別方向からーってな」 『ふざけないでよ! 御館様が……そんな事……する訳……』 「一概にも絶対にしないって言い切れないだろ? 俺もあいつに激励された時から嫌な予感はしてたんだよな」 『……私達、どうなるの?』 「時期に扉は突破されて、後は多勢に無勢だ。結果は目に見えてるだろうな」 『……そうね』 「……」 『……』 「……よしっ、無駄話もこれくらいにして――」 『好き』 「……な、何? お前の口から一番言わなそうな言葉が漏れたような気がしたが」 『私は……貴方の事が……好きです……大好き』 594 名前:2/2[sage] 投稿日:2012/08/16(木) 12 11 28.57 0 「ち、ちょっと待て! どうしちゃったんだよ、お前!」 『この想いを伝えずに死ぬなんて……絶対に嫌だったの……だから……』 「いやいや、お前はあいつ――御館様が好きなんだろ!?」 『……そう思ってたんだ……勘違いしてる……御館様は尊敬してただけで……異性として好きなのは……貴方だけ』 「えっと、そのー……お、お前ってそんな性格だったっけ?」 『貴方が嫌って言うなら性格くらい直すけど? ……ふふっ……とは言っても時間がないけどね』 「そ、そんな事はないぞ、まだ――なっ、何で近付いて来るんだ!?」 『口付けを交わそうと思って……嫌ならしないけど?』 「……嫌ではないけど――って何言ってんだ、俺は!」 『もう少しかがんでよ……届かない……』 「えっ、あっ、そのっ……ちょっと落ち着け!」 『……落ち着いてなんか居られないよ……貴方がこんなにも近いのに――』 「ま、待ってくれ! まだ逃げられるんだ!」 『…………どういう意味?』 「そのままの意味だよ……嫌な予感がしといて何もしないのは馬鹿だけだ。ここに逃げ込んで籠城したのも意味がある」 『……この部屋に隠し通路でもあるの?』 「そうそう、御明察。古い鉱山とかを利用して、部下にこっそりと作らせたんだよ」 『……私達、助かるのね』 「だな。さっさとこんな所抜け出そうぜ」 『……』 「ん? どうし――」 『いやぁぁぁぁーーーーっっ!! わっ、私……なんて恥ずかしい事を……何で、すぐに言ってくれなかったのよ!!』 「いやいや、言おうとはしたんだぞ? お前が勝手に暴走し始めたから、言い出す機会を逃したって言うか――」 『人のせいにするつもり!? 本当に死んじゃうと思ったんだから! あぁーもうっ、さっきまでのは忘れなさい!』 「あんな濃いのをどうやったら忘れられるんだよ」 『良いから、とにかく、忘れなさいっ!! ほらっ、時間が無いんでしょ? さっさと逃げるわよ』 「へいへい……あっ、ひとつ言い忘れてた」 『……何よ?』 「いきなりで戸惑ってしまったけどさ…………さっきの続きはいつでも歓迎だぜ?」 『――――っっ!! しっ、しないからっ! もう絶対に出来な――じゃなくて! しないんだからっ!!』
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現メンバーって誰もブログやってないの? ※↓のやりとり当時はなかったが、その後現メンバーのブログも始まった。詳しくは下方の編注へ。 437 名前:名無し募集中。。。 [] 投稿日:2009/08/29(土) 00 41 24.59 O 現メンバーって誰もブログやってないの? 439 名前:名無し募集中。。。 [] 投稿日:2009/08/29(土) 00 42 47.56 0 >>437 FC会員限定で光井さんのが見れる 441 名前:名無し募集中。。。 [] 投稿日:2009/08/29(土) 00 44 31.52 O ブログじゃないけど小春はポケモーで日記メールやってる 444 名前:名無し募集中。。。 [] 投稿日:2009/08/29(土) 00 45 12.97 0 ガキカメれいなが一応ラジオやってるんで、ブログみたいなの書いてる 445 名前:名無し募集中。。。 [] 投稿日:2009/08/29(土) 00 45 27.24 0 検索サイトの現娘メンバーの検索結果を見るとブログを検索してるのが結構多いんだな 調べたけどブログをやってないことにがっかりする人も多いだろう 447 名前:名無し募集中。。。 [] 投稿日:2009/08/29(土) 00 46 09.76 P ガキカメとれいなはラジオのHPに番組ブログがある さゆはラジオのHPで毎週直筆コメント出してる あとみっつぃーがFC限定でブログやってる 453 名前:名無し募集中。。。 [] 投稿日:2009/08/29(土) 00 48 24.51 P ポケモのツアー日記みたく娘。で1つでいいから常設ブログやってもいいと思うの 455 名前:名無し募集中。。。 [] 投稿日:2009/08/29(土) 00 49 20.52 0 つんくも食いもんのことばっか書いてないで娘。のメンバーのこともたまには書いて欲しいよな CD出すときくらいにしかメンバーのことに触れやがらねぇ 456 名前:名無し募集中。。。 [] 投稿日:2009/08/29(土) 00 49 38.16 0 そうそうツアー期間中はツアー日記があるからある程度ブログ代わりにはなるか ポケモー会員限定なのと更新されるのが数日後という問題はあるが 460 名前:名無し募集中。。。 [] 投稿日:2009/08/29(土) 00 50 31.99 0 有料だから無料のブログはやらないという話らしい 461 名前:名無し募集中。。。 [] 投稿日:2009/08/29(土) 00 52 18.16 0 おじぎブログは面白かったな 462 名前:名無し募集中。。。 [] 投稿日:2009/08/29(土) 00 52 40.66 O ポケモーで三好と岡田がやってる日記みたいなのを 娘。の誰かで良いからやって欲しい 463 名前:名無し募集中。。。 [] 投稿日:2009/08/29(土) 00 53 02.17 0 みっつぃーのブログは1週間に1回更新かと思ったら滞ってるし ガキさんのリサデコなんて7月末に一回目更新されて以降プレゼント告知しかしてないんですけど 465 名前:名無し募集中。。。 [] 投稿日:2009/08/29(土) 00 53 45.19 O みっつぃーのブログもそうだけどエッグのブログを突然会員限定にしたりとかUFAはブログの使い方をわかってない 470 名前:名無し募集中。。。 [] 投稿日:2009/08/29(土) 00 56 32.73 0 ブログやったらやったでヲタに面倒臭い奴ら沢山いるしな ハロモニSNSでメンバーにダメ出ししたり番組批評したり 484 名前:名無し募集中。。。 [] 投稿日:2009/08/29(土) 00 59 14.32 O 現メンがブログ始めたら 毎日のちょっとした楽しみができるのに… 496 名前:名無し募集中。。。 [] 投稿日:2009/08/29(土) 01 02 00.86 0 >>484 メロンみたいにメンバーみんなが書きこむブログならいいね コメントは難しいかもしれんが 499 名前:名無し募集中。。。 [] 投稿日:2009/08/29(土) 01 03 04.52 0 おじぎブログみたいなのでいいからやってほしい おじぎの時はブログが楽しみで仕方なかった 編注 まとめて言うと、モーニング娘。現役メンバーのブログは「ファンクラブ限定」「有料携帯サイト限定」「期間限定」のいずれか。……だったが、GREEにて 道重さゆみ(モーニング娘。)公式ブログ 、アメブロにて モーニング娘。田中れいなのおつかれいなー 開始。 その後も立て続けにブログ開設。現役メンバーのブログは テンプレ(FAQ) 内「モーニング娘。 ブログ一覧」へ、OGメンバーのブログは テンプレ以外のFAQ 内「Q.モーニング娘。メンバーのブログはないの?」。 田中れいなは一時期 怪盗レーニャ 公式ブログ にも投稿していた。 期間限定のブログのうち、一般公開されている舞台期間限定ものは現在のところ削除されずいつでも読める状態になっている(舞台終了から2年ほど経って削除された)。 有料携帯サイト「ポケモー」 限定のコンサート日記は終了後2週ほどで削除される。 462さんの希望は叶えられて、ポケモーで「さゆみんの極度にカワイイ毎日」が始まった。 →GREEの公式ブログ開始を受けてか2010年3月末で終了。 久住小春日記メールの過去ログは、サーバーからデータが消えるのを待ってアーカイブされていると思われる非公式ログ「 久住小春日記 」などがある。 光井愛佳「愛佳のパステルカラーDays」 (FC限定/ 一般公開ブログ「aika」 開始後2年ほどで削除) 新垣里沙「リサ☆デコ」 (FC限定) InterFM「FIVE STARS」月曜日 新垣里沙・亀井絵里 InterFM「FIVE STARS」木曜日 高橋愛 InterFM「FIVE STARS」水曜日 田中れいな (更新停止) CBCラジオ モーニング娘。道重さゆみの今夜もうさちゃんピース ポケモー。 月額315円の有料サービス。コンサートツアー等の特設日記やCD特設ページ・メンバーQ A・メンバー作成のデコメ・メンバーの着ボイスなどがある。 他のハロプロ関連携帯サイトは公式サイト参照 。 つんく♂オフィシャルブログ 「つんブロ♂芸能コース」 舞台「おじぎでシェイプアップ!」公式ブログ (2009年5月~6月) ※2011年消滅 シンデレラ the ミュージカル 公式ブログ (2008年6月末~9月初め) ※2010年消滅 舞台「ファッショナブル」公式ブログ (2010年5月~6月) ※2011年消滅 舞台「リボーン~命のオーディション~」公式ブログ (2011年9月~10月) 「ステーシーズ 少女再殺歌劇」公式ブログ (2012年5月~6月) Internet Archive 「Wayback Machine」欄に消えたウェブサイトURLを入れ「BROWSE HISTORY」を押す。画像は消えていることが多い。 関連 テンプレ以外のFAQ 今やってるモー娘のラジオ番組は? 5ハマリ [2009年]
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求めはしない 救いはしない 未来(あす)に望むものは――(後編) ◆14m5Do64HQ ここはどこだろう? そうおぼろげに考えながらも私は必死に走る。 見たこともない光景。 今まで自分が走った事がない場所。 でも進まなければ。 そう思い、私は歩を進める。 一歩でも離れなきゃならない。 どうしても逃げなければならない人が居るから。 どうしてももう一度会いたい人が居るから。 きっと進み続ければあいつから逃げきれて、あの人に会えるハズだから。 「あ……」 そんな時だ。 私の前方に人影が見えた。 後姿だけでも、彼の特徴は直ぐ脳裏に浮かんでくる。 黒い学生服に、真赤なアンダーシャツ、凛々しい眉。 いつも私に太陽のような笑顔を見せてくれた人 私が大好きな人。 ずっと会いたかった人―― 「カズキ!」 武藤カズキが私の前方に背中を向け、立っていた。 私は喜びのあまり無我夢中に更に足を速める。 怪我だらけで髪の毛もいつの間にか、白髪になってしまい片方の手首すらない。 もしかしたらこんな不格好な私を変な眼で見るかも知れない。 そんな事を少し考えたら、足をすくわれ転んでしまった。 痛い。 でも、それでも我慢できる。 「カズキ! カズキ! カズキッ!!」 だって、ずっと会いたかったカズキが見えるから。 もう少し頑張ればあの胸に飛び込んでいける。 またあの肌の温もりを感じる事が出来る。 だから私は身体を起こし、また走り始めた。 ――こ 地面を蹴った音すらもハッキリと聞こえる。 人生一番の全力疾走。 けど、どうにも身体のバランスを取るのが難しくて、何回も転んでしまう。 でも距離は確実に縮まっているのも確かだ。 私は再び立ち上がる。 ――す 息を吐く音が更に大きくなった。 もう少し、もう少し、もう少しでカズキの元へ辿り着く。 私の生きる理由。私が生きるために必要な人。 彼を。カズキを。私だけのカズキが待っている。 そんなカズキからもう離れたくない。 絶対負けるもんか――負けられない 立ち止まるヒマなんてないさ――止まるわけにはいかない ありったけの想いと共に――前だけを見る。 おもいっきり、抱きしめるために――もう一度、この先ずっと。 いつまでも、いつまでも追い続けるんだ――カズキと生きるために。 ふと、手に確かな感触を覚えた。 やっとカズキの逞しい筋肉で作られた身体に、私は手を触れる事が出来た。 直ぐに両腕をカズキの身体に回し、背中越しに彼を抱きしめる。 片方の手首がなくなっている事がとても悔しい。 両手首があれば、もっとカズキの肌を感じる事が出来るのに。 「カズキ! 会いたかった、ずっと会いたかった! 本当に私は会いたかった! 私だけのカズキが……また目の前に居る、こんなに嬉しいコトはない!」 カズキに会えて、しかも抱きしめる事が出来た喜びに私は嬉し涙を流す。 自分がこんなに涙もろいとは思わなかったが、無理も無い。 今、私の眼の前にはカズキの大きくて広い背中があるから。 この背中に顔を押し付ける事が出来る。 それだけでこんなに嬉しい気持ちになれる。 涙が流れる程の嬉しさを噛み締める事が出来るから当然だ。 でも、なんだか不思議な事がある。 予想以上にカズキの腰周りが短かった事の他にもう一つ。 「カズキ……? どうしてこっちを向いてくれないんだ? 早く私に君の顔を見せてくれ! いじわるはしないで、私はもう疲れきってしまった……。一刻も早く、一秒でも長く君の笑顔が見たいんだ!!」 何故だろう? 私がこんなに抱きついているのに、カズキは振り返ろうともしない。 もしかして、やっぱり白髪になってしまった私が嫌いになったのだろうか? そんな事は嫌だ。 そもそもこの白髪、いや銀髪といった方がしっくりくる私の髪。 この髪は何故変わったのだろうか?それに以前より身体が丈夫になった気もする。 まぁいいか。今はそれよりもカズキの方だ。 うん? もしかしてカズキは照れているのだろうか? カズキも本当は私に会えて嬉しくて、今にも押し倒したいけど照れて顔を向ける事すらも出来ない。 そうだ。そうに違いない。カズキが私を嫌うなんて有り得ない。 だったら私から動かないとな。 そう考え、私はとびっきりの笑顔でカズキの正面へ回る。 けど、その時信じられないものを見てしまった。 「カ、カズキ!? 何で……そんな怖い顔をしているんだ……? そんな顔で私を見ないで……カズキ……」 カズキが鬼のような形相で私を睨みつけていたんだ。 いつも優しいカズキがここまで、怖い顔をするのはとても許せない相手の時だけ。 思わずカズキの身体から手を離してしまいそうな威圧感が私を襲う。 何故カズキがこんなにも怒っているのか? 見当がつかな――いや、見当はつく。あの覚悟という男。 桃色の髪の女……そうだ。ルイズという女にも言われ、パピヨンにも言われた事に関係がある。 『そんなコトをしてカズキが喜ぶと思うのか?』 この言葉は何度も何度も私に向けられた。 けどそんな事、私にもずっと前からわかっていた。 ホムンクルスに捕食された人々やホムンクルス・鷲尾に哀悼の意を示したカズキ。 早坂兄弟に、再殺部隊に襲われても決して無要な殺生はしなかったカズキ。 そんなカズキが三人の女性を殺した、自分より年下の者が居たにも関わらず手を血に染めた私を許せるハズもない。 でも、私とカズキ、二人きりしかいない世界に行けば、私を愛する以外にカズキには道はない。 その手段に賭け、私はカズキの誇り、サンライトハートに血を吸わせる事までした。 だけど……今、カズキの顔を見て理解した。理解してしまった。 「ごめんカズキ……君は私のコトが許せないハズだ。でも、いいんだ……カズキが私をどんなに軽蔑したっていい、振り向いてくれなくてもいい……。 今更、何を言ってもいいわけにしかならない、私が人を殺した事実は消せないから……。 最低な女でもいいよ……けど、私は――」 カズキは私を拒絶した。パピヨンの話の通り、私が大嫌いになったんだ。 これ以上、人を殺すつもりはないけど、きっとカズキは以前のような笑顔は向けてくれない。 血を浴びすぎた私はもう、カズキと一緒に居る資格はない。 そう思うと涙の量が更に多くなり、目頭が熱くなってしまう。 でも、カズキなら、私の愛したカズキならきっと私がやった事は許せないハズだ。 私のために、皆のためにボロボロになるまで、拾える命を出来るだけ拾って闘ったカズキ。 そんなカズキが私の事を許せないのならば、許してもらわなくてもいい。 だって、それでも私は―― 「君のコトが大好きなんだ……君をずっと傍で見ていたい。 それと、聞いてもらいたい事があるんだ。返事はしなくてもいいから……所詮、私の我侭だから……汚れてしまった女の戯言だから…… もし、君が許してくれるなら……私は、私は――」 カズキが好きだから。 名前も知らない私を自分の身を挺して助けようとしたカズキを。 私を助けるため、私を背負い、ボロボロの身体で走り続けたカズキを。 学校の生徒達を守るために、L・X・Eと闘ったカズキを。 ヴィクターⅢとして、錬金戦団から狙われても希望を捨てなかったカズキを。 宇宙で、迎えに来た自分を優しく受け止めてくれたカズキを。 私は好きだから。 だから、私はこの言葉を言おうと思う。 顔をカズキの顔に近づけ、呼吸を整える。 「いつまでも、いつまでも君と――」 心臓の鼓動が変な風に聞こえる。 あまりにもハッキリと私の耳に響く。 でも、それが一体どうしたって言うんだ。 カズキにこの想いをぶつけるために。 私は口を開くんだ。 ――ピ! 「一緒に居たい! いつまでも、カズキと一心同体でいたいんだ!! ――ピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピ! 心臓の鼓動の速さが恐ろしい程に早くなった。 さっきよりも音は大きくなり、少し不思議に思う。 でも、良いんだ。 カズキに想いをぶつける事が出来たから。 達成感に震えながら、私はそんな事を思う。 やがて、私は意識を失った。 ◇ ◆ ◇ 学校の校舎へ続く入り口に足を踏み込む人影が一つ。 特徴的な黒タイツ、本名・蝶野攻爵、人型ホムンクルス・パピヨン。 辛気臭そうな表情を浮かべ、校舎に侵入する。 やがて、パピヨンを迎える人影が入り口から姿を見せる。 年齢に不相応な銀髪、何を見ているのかわからない程、捕らえようのない眼光を持つ男、アカギ。 パピヨンとは違い、いつもと全く変わらない様子をアカギは見せる。 「…………終わったか……?」 「ああ、終わった。やはり俺達の予想通りだったぞ」 「そうか……こちらは何もない……」 すれ違う際に、言葉を交わすパピヨンとアカギ。 アカギとすれ違っても、パピヨンには歩みを止める気配は見せない。 そんなパピヨンの行動をアカギは背中を向けながら見守る。 「アカギ、キサマは俺に通じる所があるかもしれん。だがな……」 「だが?」 「キサマは気に入らんな。反吐が出るくらいに俺の気に障る」 「ほぅ……未だ、泉のコトに拘るか……? 意外と……お前も甘い…………」 「黙れ……! それ以上、泉のコトを話すんじゃない……!」 互いに背中を向け、表情を見せずに、心の仮面を付けたまま会話を続ける。 この殺し合いを潰すために協力関係を取っていたパピヨンとアカギ。 だが、二人の仲は良好とはとても言えるものではない。 以前、喫茶店で出会った時はこれほどまでに悪い関係ではなかった二人。 しかし、泉こなたの死をアカギが一時的に隠していた事は、パピヨンには今も我慢ならなかった。 そのため、パピヨンははっきり言ってアカギを快くは思ってはいない。 背中だけでも感じられる威圧感が、アカギの全身に吸い込まれるように降り注ぐ。 「わかった。だが……あのコトは覚えているな……?」 「俺を見くびるなよ? やるべきコトは見失ってはいない。まぁ、俺は用を足してくるから、少し遅れるぞ」 「……ああ」 そんな威圧感をものともせずにアカギはパピヨンに意味深な台詞を吐く。 その言葉に対応するパピヨン。 片手に握った紙の切れ端をヒラヒラと見せながら、パピヨンは口を開く。 紙の切れ端、主催者の盗聴を恐れ、アカギによって以下の文が記入された紙。 『主催者達にはDr伊藤という俺達に情報を流してくれる人物が居る。もう一度、都合よく接触が出来るかはわからん。 しかし、やらない手はない。チャットとやらで、もう一度接触を試みる。 コンピューター室に置いてあるパソコンという機械を使ってな。ちなみに俺と泉が手に入れた情報は以下の通り――』 前回の放送の直前、アカギとこなたがDr伊藤と名乗る人物と行ったチャット。 そのチャットで二人は多くの情報を得た。 霊的に守護されているため首輪を解除するには御祓いが必要な事。 御祓いを行えば首輪自体は直ぐに解除が可能な事。 首輪にはスタンド適正の付与、エネルギー抑制機能、盗聴機能が内蔵されている事。 盗聴は二十四時間、完全には行われていない事。 主催者、BADANの本拠地に辿り着くには時速六百キロを超える速度が必要な事。 参加者の中で既に、一時的ではあるが首輪の御祓いに成功した少女が居る事などについて。 これら全てが真実かどうかはわからない。 そもそもDr伊藤という人物が信頼に足る人物であるかどうかも確証はない。 それらを確かめるために、更なる情報を引き出すために、アカギはもう一度接触を試みるべきだと考えていた。 パピヨンも主催者の情報は持っていて損はない。 引篭もり時代に培ったパソコンの知識、技術もあり適任とも言える。 そのため、パピヨンはアカギの提案に乗っていた。 「ああ、そうだ。一つ教えろ」 そんな時、ふと立ち止まり、パピヨンが口を開く。 依然、背中を向けたままだが。 「…………なんだい?」 「核鉄のコトだ。幾ら葉隠の信頼を得るために、よくお前は譲る気になったな? 襲撃者が襲ってきても俺がお前を見捨てれば、お前は確実に死ぬ。その危険性を知らないわけはないだろう?」 表向きは覚悟の仲間のために譲った核鉄。 確かに覚悟の仲間なら今後自分達の仲間になる可能性もあり、彼らの命も出来るだけ取り零す事はしたくない。 しかし、それと同時にシルバースキンを手放したアカギには、武器といえば投げナイフしかない。 もし、パピヨンがアカギを見切ればおそらく彼は死ぬしかないだろう。 だが、一歩間違えれば死という状況はアカギにとって不安でなければ、恐怖も感じる事はない。 それにアカギの本当の狙いは別にあった。 「葉隠は俺達に必要だ……ヤツの信頼を得るコトは、流れをこちらに向けるコトと同じ……そのためなら、あのくらいの賭けは問題ない……。 それに……そもそも――」 アカギの本当の狙いは覚悟の信頼を得る事だった。 始まりの地で堂々とBADANに抵抗の意を示した覚悟。 覚悟のあの咆哮はBADAN打倒を胸に秘めた者に勇気を与え、彼に信頼を寄せた者も多かったに違いない。 更に走力を見る限り覚悟自体の身体能力も凄まじく、自分達の仲間には欠かせない存在とも言える。 そのため、アカギは自分の武器を手放す事に躊躇いはなかった。 瞬時に再生、物理的攻撃だけでもなく、ヴィクターのエネルギードレインといった攻撃さえも受け止めるシルバースキン。 そんなシルバースキンでさえも、アカギの抑止力にはならない。 そう。彼がシルバースキンを手放した本当の理由には負けてしまう。 「つまらないだろう……? あんなものがあっては……ギリギリの勝負が楽しめない……。生死の危険がない勝負に……興味はないさ…………」 アカギの目的。 それは敢えて、自分を不利な状況に追い込む事。 シルバースキンを装備していれば、身の危険が及ぶ可能性は格段に下がる。 範馬勇次郎、ラオウのような相手と闘う場合は別だが、確実に下がる事は明確だ。 だが、アカギはそんな事は望まない。 アカギが望む勝負に『安全』という文字は要らない。 何故ならアカギは死ぬ事は恐れてはいないから。 たった一つしかない自分の命。 それすらも勝負の賭け札としてアカギは勝負を行える。 そのために、全く表情を変えずにアカギはパピヨンに言い放つ事が出来る。 そんなアカギをパピヨンは苦虫を潰したかのような眼で睨み、校舎へ消えて行く。 「一日が経ったか……充実した一日がな…………!」 真っ暗な天を見上げ、一人不敵に呟くアカギを残して。 ◇ ◆ ◇ BADAN本拠地に存在する一室。 参加者に嵌めさせた首輪に内臓された盗聴機能。 この一室ではその盗聴機能によって、盗聴に成功した参加者の音声を記録している。 そして、ある時刻。 丁度、葉隠覚悟が津村斗貴子と二人っきりで話を提案し、斗貴子が再び強い錯乱状態に陥った時。 実はパピヨンとアカギはあの時、廊下に立ち止まり、覚悟と斗貴子の話を聞いていた。 わざわざも何も知らないかのように、戻ってきたのは単なるカモフラージュ。 そのため、覚悟の話を聞かずとも状況は既に知っており、直ぐに行動を移せた。 情報を粗方聞き終わり、仲間が待っているという覚悟。 その覚悟に『仲間を迎えにいってくれ』という旨を伝え、彼をこの場から引き離した。 だが、二人の本当の狙いは只、覚悟の仲間の到着ではなく単に覚悟をこの場から離れてもらうためだった。 廊下で覚悟と斗貴子の話を聞いていた時から、事前に話していた事を実行するために。 そう。斗貴子を―― 『やはり、もうこれは駄目だな。不安定過ぎる。情報を得ようにも、あんな状態ではやってられん……処理しなくてはいけないな』 『ククク……あの女が……川田章吾が殺し合いに乗った原因を造った……泉の死んだ原因を造った……あの女が憎い……そういうコトか……』 『そのくらいで黙っておけ……アカギ。それに首輪の確認も行いたい。 最初に首輪の爆発で爆死した奇妙な女が居たが、俺達の首輪があの女の首輪と同じものとは限らん。もしかしたら爆弾など内蔵されていないかもしれん。 もし本当に内蔵されているのなら、禁止エリアとやらに踏み込んだら即爆発、もしくは一定の猶予があるかも知っておくべきだな。 まぁ恐らくフェイクという可能性はなく、一定の猶予もあるだろうが、一応な』 『確かに……だが、そのためだけに……一人の人間を用いる行為……あまり合理的ではない……しかし、あの女の場合は別……』 『フン。やはりキサマは何かが欠落しているな。 まぁいい、あの女には今のところ危険性はない。だが、あの状況は一時的なもの。 いつ、再び殺し合いに乗るかもわからん。かといって、今の状況も面倒だ。あの女は今や、絶対的な弱者。 たとえ、殺人を犯したとしてもあの女を守ろうとする偽善者は居る……!』 『鳴海や葉隠覚悟のような参加者……たとえば葉隠覚悟があの女を守るために、死ぬコトになれば最悪……俺達の流れは一気に止まる……あの女と葉隠覚悟。 優先するべき方は……いうまでもない……』 『ああ、その通りだ。幸いヤツは俺達をかなり信頼している節がある。 「目を離した隙にどこかへ消えてしまった……本当に申し訳ない。俺達の失態だ」とでも言っておけば問題はないだろう。 この女は純粋に睡眠を取っているわけではない。ショックから来た一時的な失神。数分で目を覚ましても可笑しいコトじゃない。 そして、目を覚ました途端、葉隠への恐怖からここを抜け出し、無我夢中に走り続け、運悪く禁止エリアに踏み込んでしまった…… まぁ絶対に有り得ないという話ではないだろう。実際にこの女は錯乱していからな』 『それに核鉄も渡している……きっと葉隠覚悟の抱く……俺達への信頼は揺ぎ無いものになっているだろう……葉隠覚悟は俺達を信用し…… そんなヤツの姿を見て他のヤツも信用する……まぁ、それを狙ったのだがな……』 『では、俺が入り口近くに停めてあった車でこの女を運び、適当な言葉で誘い、こいつを禁止エリアに踏み込ませる』 『わかった……そして、俺が此処に残り……葉隠覚悟や愚地独歩、ケンシロウが戻ってきた場合…… 状況を説明し、お前がこの女を捜しに行き、俺が残った……とでも言っておけばいい……というコト……』 『もの分かりがよくて助かるな。では俺は行くぞ……』 『了解だ……パピヨン……それと少し、待て……』 ここで少し時を置き、何かを書きとめる音が聞こえ、やがて教室のドアは開いた音が入る。 恐らくパピヨンが斗貴子を抱え、入り口の近くに停めてあった車に戻ったのだろう。 幾ばくの時間が過ぎた後、パピヨンの首輪から車の駆動音が聞こえ始めた。 そして、やがてその音はブレーキの音を皮切りに終わりを告げる。 『起きろ、津村』 『うぅん……痛いじゃないか、パピヨン。いきなり平手でうつなんて……。そんなコトが許されるのはカズキだけなんだぞ』 『そうか。それで聞きたいんだが、お前は葉隠、葉隠覚悟が怖いんだってな?』 『うん! そうなんだ! きっとあいつは私を許さない! 絶対に私を殺すつもりだ。だから、私は逃げないと……』 『ならば、武藤と共に逃げればいい。幸い、武藤ともう一度会う方法がある』 『なんだって……? もう一度カズキと? ど! どうすればいいんだ!?』 『この車を降り、何も考えずに、真っ直ぐ走り抜け。途中で何か音声が流れるかもしれないが、それは全て嘘だ。 ここを走り抜ければ、ご褒美に元の世界に戻れ、武藤とも出会える。お前はもう一度、武藤と生きるコトが出来る』 『カズキと生きる……わかった、パピヨン! パピヨンの言うコトは正しいハズだ! 有難う、パピヨン!』 ドアを開け、地に足を降り立つ音が聞こえる。 そして、少し間を置き、もう一つ降り立つ影がある。 衛星カメラに映し出された映像には、一直線に走り出した斗貴子。 そして斗貴子の後ろに、辺りに誰も居ない事を警戒しているパピヨン。 その内エリアA-3南東の端、今から約20時間前に禁止エリアに定められた場所に斗貴子は足を踏み入れた。 当然、禁止エリアに侵入したため、警告のアナウンスが首輪から流れるが斗貴子は止まらない。 カズキの名を何度も叫びながら、斗貴子は走り続ける。 やがて、斗貴子はおもいっきり抱きつき、自分の顔を押し付けた。 偶然、そこに備え付けられていた直径数十cmの電柱に対して。 恐らく、カズキとの再会を思う気持ち、そしてパピヨンのカズキと会えるという甘美な言葉。 これらの要因が重なり、斗貴子にとっての願望という幻想が見えてしまったのだろう。 今もなお、自分が抱きついているのは電柱であると気づいてはいない。 それほどまでに、斗貴子の精神は常軌を逸脱し、錯乱を起こしていた。 だが、自分とカズキの事、自分がカズキのためにやった事はハッキリと斗貴子は覚えていた。 愛する人、武藤カズキは何があっても斗貴子の記憶からは消せない。 斗貴子の行動にパピヨンは面食らったが、直ぐに表情を戻す。 途中で電柱を回り込み、歪な表情を斗貴子は浮かべるが、パピヨンには関心はない。 途中で斗貴子が、言い訳まがいな事を口に出してもパピヨンには関心がない。 アナウンスの内容から知った、爆発までの三十秒の猶予。 今の所はその事にしか興味はない。 そしてもう一つ興味がある事は本当に爆発が起きるかという事。 既にアナウンスのカウントダウンは過ぎている。 『いつまでも、いつまでも君と――』 ――ピ! 首輪からアラームの音が鳴り始めた。 やはり自分の考えは正しく、爆発をするらしい。 その事はいい。 だが、何故か斗貴子の声がとても不愉快で気分が悪くなる。 もうこの女の声を聞かなくて済む。 そう考えたら何故か、ほどよい爽快感が胸を駆け巡る。 『一緒に居たい! いつまでも、カズキと一心同体でいたいんだ!!』 ――ピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピ! ああ、わかったから、さっさと黙れ。 どうやら俺はお前の事が以前より嫌いになったみたいだ。 お前の存在が……お前の存在がなければ…… あいつは―― そこまで思考を巡らしていたパピヨンの前方で、何かが破裂する音が聞こえた。 首輪が正常に爆発した証拠。 これで自分達の首輪にも爆弾は内蔵されている。 禁止エリアに侵入しても三十秒の猶予はある。 そしてサンライトハートが核鉄に戻り、ある結論を導いた。 それらの収穫を終え、パピヨンは乗用車へ戻り、ハンドルを握る。 電柱を力いっぱい抱きしめ、血と脳漿を噴水のように流し、座り込むものが一つ。 存在するべき頭部が消失した、斗貴子が一人、残されていた。 【C-4 学校・校舎への入り口付近 二日目 深夜】 【赤木しげる@アカギ】 [状態]:脇腹に裂傷、眠気 [装備]:基本支給品、 ヴィルマの投げナイフ@からくりサーカス (残り9本) [道具]:傷薬、包帯、消毒用アルコール(学校の保健室内で手に入れたもの) 始祖の祈祷書@ゼロの使い魔(水に濡れふやけてます)、 水のルビー@ゼロの使い魔、工具一式、医療具一式 沖田のバズーカ@銀魂(弾切れ) [思考・状況] 基本:対主催・ゲーム転覆を成功させることを最優先 1:学校で仲間を待つ。 2:対主催を全員説得できるような、脱出や主催者、首輪について考察する 3:強敵を打ち破る策を考えておく 4:もう一度パピヨンと共に『Dr伊藤』とのチャットを試み、考察する。そのためにコンピューター室へ向かう 5:覚悟に斗貴子を死に追いやった事を隠し、欺く。 [備考] ※マーティン・ジグマール、葉隠覚悟と情報交換しました。 またエレオノールとジグマールはもう仲間に引き込むのは無理だと思っています。 ※光成を、自分達同様に呼び出されたものであると認識しています。 ※参加者をここに集めた方法は、スタンド・核鉄・人形のいずれかが関係していると思っています。 ※参加者の中に、主催者の天敵がいると思っています(その天敵が死亡している可能性も考慮しています) そして、マーティン・ジグマールの『人間ワープ』は主催者にとって、重要なにあると認識しました。 ※主催者のアジトは200メートル以内にあると考察しています ※ジグマールは『人間ワープ』、衝撃波以外に能力持っていると考えています ※斗貴子は、主催者側の用意したジョーカーであると認識しています ※三千院ナギは疫病神だと考えています、また彼女の動向に興味があります。 ※川田、ヒナギク、つかさの3人を半ツキの状態にあると考えています。 ※ナギ、ケンシロウと大まかな情報交換をし、鳴海、DIO、キュルケの死を知りました。 ※こなたのこれまでの経緯を、かなり詳しく聞きだしました。こなたに大きなツキがあると見ていますが、それでも彼女は死にました ※『Dr.伊藤』の正体は主催側の人間だろうと推測しています。 。 『Dr伊藤』とのチャットによりわかった事 1:首輪は霊的に守護されている 2:首輪の霊的守護さえ外せれば、後は鋭い金属を継ぎ目に押し込む程度で爆発無しに外せる 3:既にその霊的守護を外した者が居る。そいつが首輪を外したかは不明だが、おそらく外してはいない 4:監視カメラは存在せず。首輪についた盗聴器のみでこちらを監視。その監視体制も万全ではない 5:敵には判断能力と機転に乏しい戦闘員が多い 6:地図外に城? がある 7:城には雷雲を突破しなければならず、そのためには時速600キロ以上の速度が必要 校舎の廊下を一人、歩き続けるパピヨン。 幾ら人型ホムンクルスといえども排泄は欠かせない。 トイレの方向へパピヨンは歩を歩ませる。 だが、パピヨンの歩みは唐突に終わりを告げた。 未だ、トイレには辿り着いていないにも関わらず、停止した。 「……ちっ!」 憎憎しげに上方を見上げるパピヨン。 パピヨンの視界に映るプレートには『職員室』という黒い太文字。 パピヨンにとってとても意味を持つ部屋とも言える場所。 そう。用を足すというのは口実であり、パピヨンは元から此処を目指していた。 備え付けられたドアを無造作に開けるパピヨン。 其処には、以前見た時と同じ光景が一寸の違いもなく姿を見せていた。 勿論、生前、泉こなた『だった』もの達も。 「……なんでだろうな? なんで俺はまた、此処に来たんだろうな……」 一人、視線を落としながら呟くパピヨン。 実はパピヨンにとっても何故、自分が此処に再び脚を運んだのかがわからなかった。 いや、わからないのではない。 恐らくパピヨンは認めたくはなかったのかもしれない。 自分が此処に来る理由はあまりにも無様なもので、以前の自分には考えられない。 蝶人、パピヨンの名に似つかわしくない理由だったから。 「泉……なんで、俺はお前のコトをこんなに気にかける……お前は俺のなんだったんだ……?」 その理由は、パピヨンはもう一度こなただったもの達を見て、彼女を胸に止めておきたかったから。 最初は只の保護対象しか見ていなかった少女。 パピヨンとは違い、只の人間。 何も異能は持ち合わせていない弱者とも言える存在。 取るに足らない存在であり、直ぐに自分の脳からは消えてしまいそうな存在。 そのくらいの事しかパピヨンはこなたに感情を抱いていなかった。 その筈だった。 「俺は……俺は……人型ホムンクルスだ。天才だ。蝶・天才だ。普通のヤツとは違う……! 愛なんて曖昧なものに固執する気もなければ、興味すらない…………。 だが、何故だ……何故、お前の顔が……何度も何度も浮かんでくる……」 だが、いつの時からか印象が変わっていた。 パピヨンはこなたと過ごす時間に楽しさを覚えた。 パピヨンが長い間忘れていた経験。 他者と触れ合う事で純粋に心が癒される感覚。 その感覚に自分が徐々に影響されていく。 だが、こなたの命は突然かき消された。 自分と受話器越しに他愛もない話をしている最中に。 『ちっちっち、違うよパピヨン。こなたっ♪ もっと愛を込めて!』 パピヨンの口癖を模倣し、どことなく茶目っ気が強かったこなたの言葉。 パピヨンが聞いたこなたの最期の言葉。 パピヨンには今でもハッキリと思い出す事が出来る言葉が、再び彼の脳裏を駆け巡る。 思わず、膝を地に落とし、パピヨンは座り込む。 天才には似つかわしくない醜態。 嫌な汗に塗れ、青白い顔が更に青白く引きつっている。 そしてカズキの心臓とも言える核鉄がパピヨンの手にしっかりと握られていた。 「悔しいか、武藤? まさかあの女がこれをお前と同じように心臓にしていたとは予想外だったぞ? 俺はあの女を死に追いやったコトは後悔していない……。 元より俺はお前が愛したあの女と馴れ合うつもりもない……そもそもあの女がこの殺し合いに乗らなければ……」 握られた核鉄を、全ての元凶と見なしたような眼つきでパピヨンは睨む。 思い浮かべるは宿敵、武藤カズキ。 そして、先程、哀れな最後を迎えた津村斗貴子。 津村斗貴子を首輪の機能チェック、足手纏いの間引きのために殺害に追い込んだパピヨン。 斗貴子の首輪が爆発した瞬間、サンライトハートが核鉄に戻ったのを確認したパピヨンは全てを理解した。 そう。斗貴子がカズキと同じように核鉄を心臓の代用品として使っていた事実を知り、パピヨンに不愉快な感情が湧いた。 同じく、足手纏いは要らないという考えを持ったアカギとの協力で行った非道な行為。 勿論、自分にとって必要がないものは容赦なく切り捨てる考えを持つパピヨンに後悔はない。 だが、パピヨンがその行為に踏み切ったのには斗貴子への憎しみも関係していた。 覚悟の話を聞いた事で、川田が殺し合いに乗ったきっかけを知ったパピヨン。 しかし、パピヨンには川田に同情する気もさらさらない。 「それに俺はあの女のように優勝を狙うつもりはない……そんなコトは無駄だからだ。 しかし、川田章吾……キサマだけは許せん。たとえ、葉隠覚悟を欺むいても、武藤の力を借りようとも……俺はキサマを殺す……! だが、今だけは……今だけは……」 核鉄を握り締め、強く歯軋りをする。 その際、誤って唇を噛んでしまい、赤い鮮血がポタリと音をたてて床に落ちた。 だが、パピヨンはその事実に気付いていはいない。 普段のパピヨンからはとても考えられない状態。 更に、もうアカギはコンピューター室に着いても可笑しくはないだろう。 あまり時間を掛けすぎては、Dr伊藤なる人物との接触にも支障が出る。 そのため、直ぐにこの場を離れなればならない。 だが、パピヨンの身体は一向に動こうとはしない。 それほどまでにも、パピヨンは思考を止めていた。いや止めたかった。 只、何も考えず、無心のままに―― 「この世界から消え失せたい……こんな無様な姿は見せたくない……こなた、お前だけにはな……」 最早存在していないと思われていた、自分の心の弱さを必死に隠したい。 このままでは、自分の誇りがズタズタに引き裂かれそうだから。 まるで今、自分の目の前に散乱するこなただったもの達のように、哀れに。 そんな時、握られた核鉄に垂れ落ちた液体があった。 とても微量な量である液体。 それはパピヨンの唇から流れ出た、赤い鮮血だったのかもしれない。 それはパピヨンの頬を流れ落ちた、透き通った涙だったのかもしれない。 液体がどんな色をしていたのか。 それはパピヨンだけが知っていた。 【C-4 学校・職員室 二日目 深夜】 【パピヨン@武装錬金】 [状態]:疲労。全身に打撲。 核鉄の治癒力によって回復中。深い悲しみ(?) [装備]:猫草inランドセル@ジョジョの奇妙な冒険、デルフリンガー@ゼロの使い魔(紐で縛って抜けないようにしてます) サンライトハート(核鉄状態)@武装錬金 [道具]:地下鉄管理センターの位置がわかる地図、地下鉄システム仕様書 ルイズの杖、参加者顔写真 詳細プロフィール付き名簿、 支給品一式、小さな懐中電灯 、首輪(鳴海) [思考・状況] 基本:首輪を外し『元の世界の武藤カズキ』と決着をつける。 1:エレオノールに警戒。 2:核鉄の謎を解く。 3:二アデスハピネスを手に入れる。 4:首輪の解体にマジックハンドを使用出来る工場等の施設を探す。 5:覚悟に斗貴子を死に追いやった事を隠し、欺く。 6:こなたを殺した男、川田は必ず殺す。 7:アカギと共に『Dr伊藤』とのチャットを試み、考察する。そのためにコンピューター室へ向かう [備考] ※参戦時期はヴィクター戦、カズキに白い核鉄を渡した直後です ※スタンド、矢の存在に興味を持っています。 ※猫草の『ストレイ・キャット』は、他の参加者のスタンドと同様に制限を受けているものと思われます ※独歩・シェリス・覚悟と情報交換をしました。川田が殺し合いに乗った経緯、つかさやヒナギクの存在も知っています。 ※逃げられてしまったゼクロスにさほど執着はないようです ※詳細名簿を入手しました。DIOの能力については「時を止める能力」と一言記載があるだけのようです。 ※三村の話を聞きましたが、ほとんど信用していません。クレイジー・ダイヤモンドの存在を知りました。 ※こなたの死に動揺しつつ、それに耐えようと必死です ※覚悟は少し快く思っていません。また、アカギは覚悟以上に快く思っていません。 夢を、見ていたんだ。 とても悲しく、眼を背けたくなるような夢を。 ああ、私は見続けていたんだ。 私はカズキのために命を刈り取る決意を固めた。 そして私は実際に命を奪ってしまった。 錬金の戦士としての、一人の人間としての尊厳を失って。 全てを手放し、カズキとの再会を願った……どんな事をしようとも。 でも、やっぱり私は無理だった。 気づいてしまった。 やっぱり私の行動は、カズキの意思に反していた。 だから私は結局、カズキには会えなかった。 最後の一瞬、私は自分が抱きしめているものが何か知ったんだ。 惨めな最後さ。 結局、私はカズキの幻想に囚われ、最後まで現実を見る事が出来なかった。 私がどんな事をやってきたのかも。 でも、良いんだ。 もう、私はもう終わったんだ……けど、最後にもう一つ、カズキに、この殺し合いで私と出会った人達に伝えたい。 たった一言だけ。 『斗貴子さん!』 あれ? カズキの声が今、確かに聞こえたような気が……。 でも、まぁいいか……カズキ、それに私と出会った皆。 本当に―― ――ごめんなさい。 【津村斗貴子@武装錬金:死亡確認】 【残り18人】 前編 218 見えない俺から君に打ち明ける 投下順 220 鬼ごっこ 218 見えない俺から君に打ち明ける 時系列順 220 鬼ごっこ 215 交差する運命 津村斗貴子 死亡 215 交差する運命 蝶野攻爵(パピヨン) 232 神に愛された男 215 交差する運命 葉隠覚悟 229 心を縛るものを ひきちぎればすべてが始まる 215 交差する運命 赤木しげる 232 神に愛された男