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(投稿者:めぎつね) 「素体が、姉妹らしいわよ? 私達」 不意に飛び出したそんな話題に、少しだけ応えあぐねて。 幾許かの逡巡を経て突き返した台詞は、まぁ面白味のないものだったと思う。 「だとしても、わたし達には血縁の有無など無意味でしょう」 「それはまぁ、そうだけどね」 にべもなく突っ返してしまったこととその後の何か残念そうにしょげ返った彼女の表情に、多少の罪悪感を胸に奥に感じはしたが、嘘は言っていなかった。素体に血縁があったからといって、自分と彼女が姉妹ではないのは明白だ。共通の記憶も無ければ、共有する過去もなく、各々のコアに何かしらの特別な関連性もない。生まれた場所は同じだったが、それは他にメードの研究施設がない以上必然的にそうなるというだけの話だ。 「まぁ、誰が咎めるわけでもなし。姉妹であっても問題ないとは思いますがね」 一度否定されたものを急に肯定されて驚いたのか、彼女は目をぱちくりとさせて何度かまばたきした。 不安なのだろう。それは自分にも分かる。ここに居るメードは自分と彼女の二人だけ、生物兵器とさして変わらない立場にあるこの身に注がれる視線にはろくなものがない。幸いにして自分は割り切ることに成功したが、誰しもが納得できる環境ではないのは明白だった。彼女が縋れるような相手は、当面自分しか居ない。 尤もそれを口に出すことはせず、彼女への返答は肩を竦めるだけに留めた。言葉にできるほど、自分は大層ではない。 (わたしは、誰かに手を差し伸べてやれるほど器用じゃない) そも、起用云々の前に自分のことだけで手一杯だ。きっと彼女の期待には応えられない。それを解っているから、最初から期待させるべきではない。 「それなら、私が姉になるのかしら? 背丈から鑑みて」 「おや、妹の身長が姉より高くてはいけないなどという決まりは御座いませんよ。義理になれば、年上の弟妹すら幾らでも湧いて出るものなのですし」 「あら。それでは貴方がお姉さん?」 「いいええ、長男であれ長女であれ、一番上には何かと色々な責任が付き纏いますからねぇ。わたしは妹で結構」 「そう。分かった」 そう笑った彼女の顔は、今でもよく憶えている。 そして結局、彼女と言葉を交わしたのはそれが最後になった。別段珍しくはない。何れそうなるだろうとは思っていたし、覚悟というほど大仰なものではないが諦観の念はあった。少し違ったのは、予測していた未来――自分が死んでそうなるのだろうというもの――にはならなかったという所だけだ。 そうならなくて良かったというのは紛れもない今までの本音だ。 そうなればよかったというのは、今この瞬間の本音だ。 その姿を赤く濁った網膜に映し、自分に出来ることは一つしかない。 選ぶ余地など、何処にもなかった。
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201. 梓「(か、噛んだ〜!!)//」 2012/01/08(日) 23 45 19.94 ID fV7H1ktG0 ーーーーー 空ききょうしつ! 唯「なぁに?話って。あっ、もしかして愛の告白!?どうしようそれは困っちゃうなぁ」テレテレ 純「真鍋先輩と付き合ってるからですか?」 唯「えぇっ!?どうしてそれを」 純「…やっぱり本当なんですね?」 唯「う、うん…」 202. 紬「ふふふっ、梓ちゃんったら。じゃあ行きましょっか」ギュッ 2012/01/08(日) 23 49 36.92 ID fV7H1ktG0 純「女子同士で気持ち悪い…」ボソッ 唯「えっ」 純「先輩たちってレズだったんですね。ホントけーべつしますよ」 唯「うぅ…」ジワッ 純「こんなことが学校中に知れ渡ったらどうなりますかね〜」ニヤ 唯「!?」 203. 梓「あっ…(手…)」 2012/01/08(日) 23 54 18.53 ID fV7H1ktG0 純「けいおん部から追い出されちゃうかも」 唯「そんな…」 唯「でも、私は和ちゃんが好き!」 純「!?」 唯「それにけいおん部のみんなだってきっとわかってくれるよ」 純「…そう」 205. ほんやさん! 2012/01/09(月) 00 01 23.88 ID HRXaFEGN0 純「でも真鍋先輩は…どうでしょうね?」 純「きっと内申なんかにも響くんじゃないですか?」 純「真鍋先輩はK大目指してるらしいですし、これはいただけないですよねぇ」 唯「!?」 純「きっとあなたはお荷物になりますよ」 唯「そんな…」 207. 紬「あったわ」 梓「先輩はN女子大を受けるんですよね?」 2012/01/09(月) 00 06 43.96 ID HRXaFEGN0 純「悪いことはいいませんから、別れた方がいいんじゃないですかぁ?」 唯「でも…」 純「それに私ってば口軽いからなぁ〜」 唯「!!」 純「こんなおもしろいこと、黙ってられないかもぉ〜」 唯「ま、待って!このことは誰にも言わないで…お願いだから」 208. 紬「えぇ」 梓「もうすぐ…卒業しちゃうんですよね…」シュン 2012/01/09(月) 00 10 23.26 ID HRXaFEGN0 純「えー、でもホントのことなんですよね?じゃあ別にいいじゃないですか」 純「まぁ、今まで通りの生活は送れないかもしれませんが」クスクス 唯「お願い、和ちゃんには迷惑かけたくないから…」 純「チッ…だから別れればいいじゃないですか」 唯「………」 209. 紬「梓ちゃん?」 梓「あっ…いえ、何でもありません!」 2012/01/09(月) 00 16 32.21 ID HRXaFEGN0 純「あー真鍋先輩かわいそー。こんなことで人生棒に振るなんてー」 唯「っ!」 唯「そうだよね…私なんかと一緒にいたら」 純「…」 唯「もう和ちゃんとはただの幼馴染に戻るから…だから今までのことは…」 純「わかりました。じゃあすぐに真鍋先輩と別れてくださいね」 唯「うん…」 211. 店員「アリヤシター」 紬「ごめんね、わざわざ付き合わせちゃって…」 2012/01/09(月) 00 23 10.65 ID HRXaFEGN0 純「話はそれだけです。それじゃあ」 タッタッタッ 純「っ…」ハァッ、ハァッ 純「…ごめんなさい」 213. 梓「いえ!私こそ変なこと言って…すみません…」 2012/01/09(月) 00 31 54.86 ID HRXaFEGN0 ーーーーー きょうしつ! 和「あ、唯。どこ行ってたのよ。早くごはん食べましょ」 唯「あっ…」 和「お昼から生徒会で会議があるから、早くしないと時間がなくなっちゃうわ」 唯「あの…」 215. 紬「…あ、そうだ!梓ちゃん、私行きたい所があるの!」 2012/01/09(月) 00 38 27.92 ID HRXaFEGN0 和「どうしたの?なんだか元気ないじゃない」 唯「ちょっと話したいことがあるから、そこの空き教室までいいかな?」 和「えっ?ええ。いいけど、どうしたの?」 唯「………」 217. 梓「へ?」 紬「ほら、行きましょ!」ギュッ 2012/01/09(月) 00 44 23.49 ID HRXaFEGN0 ーーーーー ふたたび空ききょうしつ! 和「それで、話って何かしら?」 唯「ごめん和ちゃん」 和「ん?」 唯「私たちやっぱり今まで通り幼馴染でいよ?」 219. 梓「ここは…」 紬「うん!駄菓子屋さんよ!」フンス 2012/01/09(月) 00 52 43.64 ID HRXaFEGN0 和「そう。じゃあ戻ってお昼ごはんを…」 和「え?どういう意味かしら…」 唯「だからその、前みたいに友達で」 和「ふふっ、あはははは!」 唯「!!の、和ちゃん?」 221. 梓「(ムギ先輩が…駄菓子屋さん?)」 2012/01/09(月) 00 57 18.49 ID HRXaFEGN0 和「あぁ、ごめんなさい」フフッ 和「そうよね、当たり前よね」クスクス 和「私は普通じゃないんだから」 唯「そ、そうじゃなくて!」 和「うるさい!!」 唯「っ!?」 223. 紬「見て、梓ちゃん!これ何かしら!」 梓「これはゼリーですよ」 2012/01/09(月) 01 07 08.72 ID HRXaFEGN0 和「話はそれだけ?」 唯「え…っと」 和「そうなんだ、じゃあ私、生徒会行くね」スタスタ 唯「の、和ちゃん…!」 唯「(生徒会室はそっちじゃないよぅ…)」 226. 紬「おじさんこれください!…どうやって食べるのかしら…」 2012/01/09(月) 01 13 35.07 ID HRXaFEGN0 ーーーーー スタスタ …タッタッタッ タッタッタッタッ ガラガラッ バタンッ、ガチャ 和「はぁ…はぁ…」 和「(そうよね…わかっていたことじゃない…)」 228. 梓「ふふふっ。これはこうやって食べるんですよ」ネジネジ 2012/01/09(月) 01 17 58.76 ID HRXaFEGN0 和「(…ここのトイレは滅多に人はこないし)」 和「(ここのでなら…おもいっきり泣いても…)」ジワッ 和「うくっ…ふぁ、」ポロポロ 和「わあぁぁぁぁぁぁあああああ!!」 230. 紬「へぇ〜、すごいわ梓ちゃん!」梓「これくらい普通ですよ」フンスッ 2012/01/09(月) 01 24 07.71 ID HRXaFEGN0 ーーーーー ポチャッ… ポチャッ… 和「………」 和「(…もうどれくらい経ったかしら…)」 和「(会議に…授業…さぼっちゃったわね)」フフッ 232. 紬「よかった」 梓「え?」 2012/01/09(月) 01 30 55.17 ID HRXaFEGN0 ガチャ キュッキュッ ザー バシャバシャ キュッキュッ 和「…酷い顔ね」 和「…一体あなたは誰なの?」 和「ねぇ…」 234. 紬「うん…梓ちゃん、なんだか落ち込んでるみたいだったから」 2012/01/09(月) 01 37 13.08 ID HRXaFEGN0 和「答えなさいよ!!」 ガシャン!! 和「はぁ…はぁ…はぁ…」 和「私は…一体なんなのよ」 236. 紬「でもやっと笑ってくれた」ニコッ 梓「!!///」 2012/01/09(月) 01 42 30.00 ID HRXaFEGN0 ーーーーー きょうしつ! ガラガラッ 澪「あっ、和!どうしたんだ?授業出てなかったけど…」 和「ちょっと体調が優れなくて。でももう大丈夫だから」 澪「そ、そっか。あんまり無理するなよ」 和「ええ、ありがとう澪」 240. 紬「あのね、私たちはもうすぐ卒業しちゃうけど…」 2012/01/09(月) 01 55 36.52 ID HRXaFEGN0 澪「そういえば唯のやつもお昼終わりからおかしくて」 和「そう?唯がおかしいのはいつもでしょ?」 澪「え?ど、どうしたんだ和…」 和「別に?それよりさっきの授業のノート、借してもらってもいいかしら?」 澪「あぁ…」 和「ありがとう、助かるわ」 澪「(和…何かあったのか?)」 241. 紬「でもね!放課後ティータイムは不滅だからね!」フンスッ 2012/01/09(月) 02 02 56.45 ID HRXaFEGN0 ーーーーー ほうかご! 梓「こんにちは」ガチャッ 唯「………」ボーッ 梓「あれ?」 律「おう梓。唯のやつ、昼休みからずっとこんな調子なんだ」 242. 梓「ムギ先輩…」ウルッ 2012/01/09(月) 02 07 19.46 ID HRXaFEGN0 澪「心焉に在らずって感じだな」 紬「ほんと、どうしたのかしら…」 梓「唯先輩…」 紬「唯ちゃん、お茶がはいったわよ」 唯「うん」ボーッ 律「ほら唯、お菓子だぞー!おっ、今日はミルフィーユか!」 唯「うん」ボーッ 244. 紬「だから安心して?みんな梓ちゃんのこと大好きなんだから」ニコッ 2012/01/09(月) 02 16 53.91 ID HRXaFEGN0 律「ほらほら見てみろよ!いちごがいっぱい乗ってるぞ!すげー!!」 唯「りっちゃんうるさい」ボーッ 律「うーん、唯がお菓子にすら興味を持たないなんて…こりゃ重症だぞ」 紬「どうしましょう…今日はもうお休みにする?」 澪「これじゃあ練習もできないしな…」 律「仕方ない、唯を送って今日は解散しよう」 245. 梓「えっ、ちょっ///」 2012/01/09(月) 02 22 54.97 ID HRXaFEGN0 ーーーーー ひらさわけ! ピンポーン 憂「はーい」ガチャ 澪「あ、憂ちゃん」 憂「けいおん部のみなさん、どうかしたんですか?」 律「唯が調子悪いみたいでさ、送ってきたんだけど」 246. 紬「あら?みんな卒業しちゃうのがさみしかったんじゃないのかしら?」 2012/01/09(月) 02 30 47.96 ID HRXaFEGN0 憂「そうなんですか!?お、お姉ちゃんだいじょうぶ!?」 唯「………」 梓「唯先輩、ずっとこんな調子で…」 憂「お姉ちゃん…」 紬「それとこれ。今日のお菓子なんだけど、憂ちゃんの分もあるから一緒に食べてね」 憂「紬さん…すみません、ありがとうございます」 247. 梓「そ、そんなことありません!//」 2012/01/09(月) 02 35 01.87 ID HRXaFEGN0 律「それじゃあ私たちはこれで。じゃあ唯、無理するなよ」 紬「今日はゆっくり休んで、早く良くなってね」 憂「みなさん、今日はありがとうございました」 澪「いいんだよ。憂ちゃん、唯をよろしく頼むよ」 梓「憂も何かあったら連絡してね」 憂「梓ちゃんありがとう」 澪「あっ憂ちゃん、ちょっといいかな」コソコソ 249. 梓「先輩たちがいなくても今以上のけいおん部にしてみせます!」フンスッ 2012/01/09(月) 02 40 32.61 ID HRXaFEGN0 憂「澪さん?」 澪「実は和の様子もおかしかったんだ。もしかしたら二人の間に何かあったのかも」 憂「!?」 澪「でも確証がなかったから…一応憂ちゃんには話しておこうと思って」 憂「そうですか…わかりました。わざわざありがとうございます」 250. 紬「そう、それは頼もしいわね」クスクス 2012/01/09(月) 02 44 06.09 ID HRXaFEGN0 ーーーーー 憂「お姉ちゃん大丈夫?病院行こうか?」 唯「……ごめん、今日は寝るよ」 憂「えっ、ちょっとお姉ちゃ…」 バタン 憂「(お姉ちゃん…)」 252. 梓「は!すみません、調子に乗りすぎました(は、恥ずかしー//)」 2012/01/09(月) 02 47 44.26 ID HRXaFEGN0 ーーーーー よくじつ! 憂「お姉ちゃん、調子はどう?」 唯「……」 憂「…学校にはお休みするって連絡入れておくね」 憂「じゃあゴハンはテーブルに置いてあるから。何かあったらすぐに電話してね」 253. 紬「梓ちゃん、これからもけいおん部をよろしくね」ニコッ 2012/01/09(月) 02 51 19.73 ID HRXaFEGN0 憂「…それじゃあ行ってくるから」 唯「…うい」 憂「なぁにお姉ちゃん?」 唯「…ありがとう」 憂「いいえ、お姉ちゃんも早く良くなってね」 ガチャ バタン 唯「…ごめんね、憂」 254. 梓「はい!あの…そこでムギ先輩、お願いがあるんですけど…」 2012/01/09(月) 02 55 05.58 ID HRXaFEGN0 ーーーーー つうがくろ! 憂「(お姉ちゃん、大丈夫かなぁ…)」 憂「あっ、和さん。おはようございます」 和「あ…」 256. 紬「なぁに?梓ちゃん」 2012/01/09(月) 02 58 17.65 ID HRXaFEGN0 憂「どうかしました?」 和「何でもないわ。おはよう憂」 和「悪いけど生徒会の仕事があるから先に行ってるわね」 憂「え?はい」 憂「(和ちゃん、今日はお姉ちゃんと一緒じゃないのに何も聞いてこなかった…)」 憂「(やっぱりお姉ちゃんと何かあったの?)」 258. 梓「その…今度お茶の入れ方、教えてもらえませんか?」 2012/01/09(月) 03 03 05.17 ID HRXaFEGN0 ーーーーー がっこう! さわ子「昨日、掃除の時間に一階のトイレの鏡が割られているのが見付かりました」 さわ子「掃除用のモップで故意的に割られていたようです」 さわ子「まあ、あなた達は大丈夫だと思うけど、こういった行為のないように」 「はーい!」 さわ子「それと今日平沢さんは欠席だそうです。あなた達も受験生だから体調管理はしっかりね」 和「………」 259. 紬「ええ、もちろんよ!」 梓「ありがとうございます!」 2012/01/09(月) 03 07 12.07 ID HRXaFEGN0 ーーーーー ひらさわけ! 唯「(学校さぼっちゃったなぁ)」 唯「(もうまともに和ちゃんに会えないよ)」グスッ 唯「(でもこんなんじゃダメだよね…みんなに、憂にも迷惑かけちゃうし)」 唯「(うん!私はお姉ちゃんなんだから、もっとしっかりしなきゃ)」 261. 紬「そうだ、次の後輩のために新しいティーカップも用意しなくちゃね」 2012/01/09(月) 03 11 08.28 ID HRXaFEGN0 ガチャ 憂「ただいま」 唯「うい〜、おかえりー!」 憂「お、お姉ちゃん、もう大丈夫なの?」 唯「うん!もうすっかり元気!これも憂のおかげだよ〜」 憂「……」 唯「あれ?どうしたの?」 262. 紬「さっそく食器屋さんにいきましょう!」ギュッ 2012/01/09(月) 03 16 43.35 ID HRXaFEGN0 憂「…お姉ちゃん、和ちゃん来てるよ」 唯「えっ!」ビクッ 憂「…嘘」 唯「なっなんだぁ、おおおどかさないでよぉ」ドキドキ 憂「どうしてそんなに驚くの?」 憂「…あのねお姉ちゃん、もしかして和ちゃんと何かあったの?」 263. 梓「ちょ、ムギ先輩!気が早すぎますってば!」 2012/01/09(月) 03 20 25.15 ID HRXaFEGN0 唯「そんな、あるわけないよ。何言ってるの憂」 憂「お姉ちゃんは和ちゃんのことが好きなんでしょ?」 唯「!?」 憂「そして和ちゃんもお姉ちゃんのことが好き」 唯「そんなことない」 憂「お願い、何があったのか話して。二人がその…好き同士っていうのは知ってるから」 唯「実は…」 264. 梓「(でも……)」 2012/01/09(月) 03 24 45.43 ID HRXaFEGN0 ーーーーー 憂「じゃあやっぱり二人は付き合ってたんだね」 唯「ごめんね…秘密にしてて」 憂「いいんだよお姉ちゃん、気にしないで」 唯「私…憂も和ちゃんのこと好きだって知ってたから…」 憂「え…」 265. 梓「(まぁ、いっか)」ギュッ 2012/01/09(月) 03 27 30.46 ID HRXaFEGN0 唯「だって姉妹だもん、わかるよそれくらい」 唯「憂は私なんかよりいい子だから、和ちゃんはきっと憂を選ぶと思っていたから」 唯「和ちゃんが私を選んでくれてすごく嬉しかった」 唯「それに憂に勝ったような気になって優越感さえ感じてた。ホント最低だよ…」 唯「でも憂に知られたら和ちゃんを取られちゃうんじゃないかって」 唯「憂はそんな悪い子じゃないのに…それなのに私…」ポロポロ 唯「だからバチが当たったんだよ」グスッ 266. おしまい 2012/01/09(月) 03 31 14.45 ID HRXaFEGN0 ギュウッ 唯「う、うい?」 憂「ごめんねお姉ちゃん…私も和ちゃんを好きになって」 唯「そんな…」 憂「実は日曜日、二人が…してるとこ見ちゃったんだ」 唯「う?えぇぇぇええ!?ちょ、ちょっとういぃ///」 267. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/09(月) 03 36 11.33 ID HRXaFEGN0 憂「その時すごく悲しかった。でもそれ以上に訳分かんなくなって、心臓がすごくバクバクして、頭に血が上って」 憂「お姉ちゃん達がたまらなく憎かった」ボソッ 唯「!?」 憂「私はお姉ちゃんが思うほどいい子なんかじゃない」 憂「大好きなお姉ちゃんと和ちゃんのはずなのにこんな感情…私は悪い子なんだよ」 269. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/09(月) 03 40 46.84 ID HRXaFEGN0 唯「そんなこと…」 憂「ううん」グスッ 憂「ごめんねお姉ちゃん…本当にごめんなさい…もう平気だから」ポロポロ 唯「うい…」ギュッ 271. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/09(月) 03 44 18.29 ID HRXaFEGN0 ーーーーー 憂「お姉ちゃん、もう大丈夫だよ」 唯「うん…」 憂「でもどうしたの?和ちゃんと喧嘩でもしちゃったの?」 唯「ううん…もう別れたんだ」 憂「えっ?どうして…」 唯「実は純ちゃんにバレちゃって…」 272. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/09(月) 03 48 44.55 ID HRXaFEGN0 憂「純ちゃんが!?」 唯「うん…このままじゃ学校中に知れ渡るのも時間の問題だし、そしたら和ちゃんに迷惑かけちゃうから」 唯「だから別れた方がいいって、純ちゃんが教えてくれたんだ」 憂「そんな…純ちゃんなんで」 唯「違うの!純ちゃんは忠告してくれただけだから、だから、ね?」 憂「……(純ちゃん…)」ギリッ 274. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/09(月) 03 52 59.29 ID HRXaFEGN0 ーーーーー よくじつ! 純「あ、おはよう憂」 憂「おはよう純ちゃん」 純「そういえばさー、唯先輩と真鍋先輩、別れたらしいよ」 275. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/09(月) 03 57 25.17 ID HRXaFEGN0 憂「うん、お姉ちゃんに聞いたよ。全部…」 純「そうなんだ。まぁ二人の愛なんてそんなもんだったんだよ」 純「そこで真鍋先輩はフリーな訳じゃん。今なら パシッ!! 276. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/09(月) 04 01 28.63 ID HRXaFEGN0 純「っ!」 憂「純ちゃん、本気で言ってるの?」 純「な、何よ憂。せっかくの別れたんだしチャンスじゃん」 憂「お姉ちゃんに全部聞いたって言ってるんだよ?純ちゃんのことも」 純「えっ、それは 278. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/09(月) 04 08 00.77 ID HRXaFEGN0 憂「今の純ちゃんは本当に最低だよ!お姉ちゃんや和ちゃんをあんなに傷つけて」 憂「それで何を言い出すと思えば…信じらんない!!」 純「っ!?」 純「…私だって、私だって好きな人には幸せになってもらいたいのよ!」 280. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/09(月) 04 13 35.16 ID HRXaFEGN0 憂「何言ってんの!意味わかんないよ!!」 純「わっかんないかなぁ!」 憂「わかんないよ!!」 純「っ…ばか!!!」 タッタッタッ 憂「あっ、純ちゃん!!」 281. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/09(月) 04 21 37.66 ID HRXaFEGN0 ーーーーー ハァ、ハァ… 純「(憂、すごい怒ってた)」 純「ははっ…ほっぺた、痛いなぁ」 純「(やっぱり私、間違ってた?…当たり前か)」ジワッ 和「あら?あなたは憂の友達の」 純「あっ…」 282. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/09(月) 04 26 44.76 ID HRXaFEGN0 和「どうしたの?その、泣いてるみたいだけど大丈夫?」 純「これは、その」 和「ほら可愛い顔が台無しよ。これで涙ふいて」 純「なんで、なんで先輩はそんなに優しいんですか…」ポロポロ、ヒック 和「ちょっと、どうしたのよ?」 純「わ゛―ん、ばなう゛ぇぜんぶぁーい!!ごべんな゛ざーい!!」ダキッ 和「ちょちょ///一体なんなのよ///」 284. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/09(月) 04 30 44.32 ID HRXaFEGN0 ーーーーー 和「…落ち着いたかしら?」 純「はい、すみませんでした」 和「で?一体なにがあったの?」 純「先輩、本当にすみませんでした!!」ドゲザ 和「ちょっとやめてよ!意味がわからないわ!」 286. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/09(月) 04 33 12.08 ID HRXaFEGN0 純「実は唯先輩に真鍋先輩と別れるようにお願いしたんです!」 和「!?」 純「…私が言っちゃダメなことかもしれませんが、憂は先輩のことが好きだったんです」 和「えぇ!う、憂が!?」 純「でも憂は二人が幸せならそれで良いって言うんですよ。好きな人が幸せならそれで良いって…」 和「…憂」 287. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/09(月) 04 36 13.19 ID HRXaFEGN0 純「でも私は納得できなかった。憂だって平気じゃないはずなのに、憂だって幸せになっていいはずなのに!」 純「好きな人には幸せになって欲しい!笑っていて欲しい!私だってそう思う!だから!」 和「…(この子…そういうことね)」 和「鈴木さん、目を閉じて歯を食いしばりなさい」 純「!…はい」 288. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/09(月) 04 40 21.20 ID HRXaFEGN0 ペチッ 純「あいたっ!ってデコピン!?」 和「確かに唯にヒドイことを言ったのは許しがたいけど、その行動にはそれなりの理由があったみたいだしね」 純「すみませんでした…」 和「謝る相手は私じゃないわ。唯と、それに憂にもね」 純「はい…」 290. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/09(月) 05 00 36.07 ID HRXaFEGN0 和「でも本当のこと、話してくれてありがとう。おかげでやるべきことがハッキリしたわ」 和「……」ポチポチ ピッ 和「もしもし、唯?」 和「…ちょっと話したいことがあるんだけど」 292. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/09(月) 05 21 24.41 ID HRXaFEGN0 和「お願い、大事な話なの」 和「…えぇ、それじゃあ生徒会室で待ってるから」ピッ 純「あの、その…ホントにすみませんでした。私もこれからは二人のこと応援します!」 和「そうなんだ、じゃあ私、生徒会室行くね」ニコッ 和「それと鈴木さん、あなたもがんばりなさい」フフフッ 純「えぇ?あ…はぃ///」 295. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/09(月) 05 26 34.00 ID HRXaFEGN0 ーーーーー せいとかいしつ! ガラガラ 和「唯、来てくれたのね」 唯「うん…」 296. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/09(月) 05 31 24.09 ID HRXaFEGN0 和「鈴木さんから話は聞いたわ」 唯「あっ…」 和「唯、私はあなたの本当の気持ちを知りたいの」 和「私は唯のことが好き」 297. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/09(月) 05 36 07.53 ID HRXaFEGN0 唯「…やっぱりだめだよ和ちゃん、みんなにバレたら」 唯「それに…(憂だって…)」 唯「和ちゃんは私なんかといちゃダメなんだよ。きっと誰も幸せになれない」 唯「だから今まで通りでいよ…ね?」 和「………」スゥ 299. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/09(月) 05 44 02.52 ID HRXaFEGN0 和「それでも私は平沢唯を愛しています!!」 唯「!!」ビクッ 和「世間体なんて知らない!」 和「私だって…小学校から唯のことずっと、ずーっと好きだったんだもの!」 唯「えっ…」 和「はぁ、はぁ…」 和「だから…私の恋人になってくれませんか?」 303. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/09(月) 05 51 18.99 ID HRXaFEGN0 唯「うぅ…ぐすっ…はい!」ニコッ 唯「私も真鍋和をずっと、ずーっと愛してます!」ポロポロ 和「唯…もう放したりしないわ」ギュッ 唯「ヒック、ごべんね、のどがぢゃん」ジュルジュル 和「いいのよ。ほら、鼻かんで」 唯「う゛ん」チーンッ 306. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/09(月) 05 55 30.11 ID HRXaFEGN0 和「にしても、平沢姉妹の両方から愛されていたなんて、私は幸せものね」クスッ 唯「えぇぇええ!?なんでういが和ちゃんのこと好きだったって知ってるの!?」 和「あっ、それは…内緒よ」 307. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/09(月) 06 03 47.27 ID HRXaFEGN0 唯「でも憂は…私たちのこと祝福してくれるかなぁ…」 和「えぇ、きっと大丈夫。それにあの子には強い味方がついてるもの」フフッ 唯「強い味方ぁ?」 和「そっ」ニコッ 309. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/09(月) 06 10 15.43 ID HRXaFEGN0 ーーーーー よくじつ! 純「その、こないだはホントにごめん…」 憂「ううん、私の方こそ…。それに和さんに本当のこと話してくれたんでしょ?」 純「うん…私ってば何にもわかってなかったよ。唯先輩にもヒドイこと…」 憂「…大丈夫、きっとお姉ちゃんも許してくれるよ」 純「でも…私…なんて言ったら…」ジワッ 310. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/09(月) 06 15 15.08 ID HRXaFEGN0 ギュッ 純「!」 憂「心配しないで。私も一緒に謝ってあげるから、ね?」 純「なんで…憂は悪くないじゃん」 憂「ううん、純ちゃんは私の大事な親友だもん」 純「憂…ありがとう。ほんとにごめんね」 純「大丈夫、気にしないで」ニコッ 312. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/09(月) 06 19 28.82 ID HRXaFEGN0 純「…あ、あのさぁ、お詫びにって訳じゃないんだけど、今度どっか遊びにいかない?こないだのダメになっちゃったしさ」 憂「あ、そうだった。じゃあ梓ちゃんにも 純「えっと、その…たまには、二人で行かない?…久々にさ」 313. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/09(月) 06 24 10.17 ID HRXaFEGN0 憂「…二人だけで?」 純「………やっ、やっぱ梓も 憂「そうだね。じゃあ二人で行こっか、久しぶりにだし」ニコッ 純「だよね……って、あれ?」 316. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/09(月) 06 27 26.72 ID HRXaFEGN0 憂「梓ちゃんにはナイショだね」チロッ 純「憂〜!」 憂「これからもよろしくね、純ちゃん」ニコッ 純「うん!」 おしまい 319. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/09(月) 06 31 27.76 ID HRXaFEGN0 後半かなりやっつけですね。 名前欄はなんというか申し訳なかった。 とりあえずこれで完結ってことで。 風子ちゃんネタは昔書いてるから良ければそちらをどうぞ。 支援、保守して頂いた方々ありがとうございました。 またなんか思いついたら。 戻る
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らぶ彼女!! ジャンル 学園恋愛シミュレーションオンラインゲーム 公式URL らぶ彼女!! デバイス スマートフォン PC ガラケー 対応OS Windows XP / Windows Vista / Windows7 / Mac OS / iOS / Android / docomo / au / softbank 対応ブラウザ Windows:Internet Explorer 7.x 9.x 10.x / Firefox3.x / Chrome / Macintosh:Firefox3.x / Chrome 会員登録 会員登録無料 ゲームレビュー http //ge-mu.net/g803.php 配信 概要 学園生活でのときめく出会いステキな美少女キャラが登場する恋愛ストーリー。 彼女たちとのラブラブ恋物語がいま始まります。 らぶ彼女とは!!とは・・・? 学泉生活でのときめく出会い。 萌え系美少女キャラが登場する恋愛ストーリーです。 彼女たちとのラブラブ恋物語がいま始まります! タイプの女の子を選ぼう! テニス部、園芸部、水泳部など、 いろんなタイプの美少女たちとの それぞれのストーリーが楽しめます! 女の子といっぱい話そう! クラブ活動などに励む萌え系の彼女たちと ラブラブな恋物語をどう展開していくか、プレイヤーの選択次第でストーリーは どんどん変わっていきます。 ログインボーナスGET! ログインするとボーナスがもらえるよ!! シナリオチケットをGETしてストーリーを進めよう。 スクリーンショット ll?06577810l
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台湾で人気沸騰中のドラマがDATVにて日本初放送! 事故で記憶を失くした主人公と彼女の恋人の心臓を移植された天才パティシエが織りなす心臓(ハート)が震える王道ラブストーリー!恋はドキドキ DVD 愛するの彼の心臓を持つパティシエとの偶然の出会いで、彼女の記憶は戻るのか!? そして自分に成りすまして父親に会いに行った親友は!? 2人の恋の行方は!? 交通事故×記憶喪失×身分入れ替わり、クセになる王道ラブストーリー!!プロポーズ大作戦 中国版 DVD チヤオ・ジアエン(マンディ・ウェイ)は父親と会うため、彼氏のワン・シウカイ(ナイロン・チェン)と台湾へ帰ってきた。途中事故に遭い、シウカイが脳死と判定され、ジアエンは脳振盪で記憶喪失になった。そこで多額の借金で追い詰められている親友のジャオ・アイリー(マンディ・タオ)はジアエンのフリをしてお金持ちのジアエンの父親に会うことに。昭王~大秦帝国の夜明け~ DVD 一方、パティシエ界の鬼才シン・シャオティエン(アンディ・チェン)は、海外から戻ってきたその日、披露パーティーで倒れ心臓移植しなければならない状態になり、脳死のシウカイの心臓を移植した。シウカイの心臓を持つシャオティエンがジアエンの記憶を呼び戻せるか?
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五等分の花嫁 ~彼女と交わす五つの約束~ 【ごとうぶんのはなよめ かのじょとかわすいつつのやくそく】 ジャンル ドキドキ夏休みデートADV 対応機種 Nintendo Switchプレイステーション4 発売・開発元 MAGES. 発売日 2023年9月7日 定価 パッケージ版 8,580円(税込)ダウンロード版 8,580円(税込)限定版 12,980円(税込)スペシャルボックス 19,980円(税込) 判定 良作 ポイント 2人だけの夏を楽しむラブストーリー番外編のエクストラストーリーもあり 少年マガジンシリーズ 概要 あらすじ ゲーム内容 キャラクター 評価点 賛否両論点 問題点 総評 余談 概要 『五等分の花嫁』の選んだ相手へのプロポーズに至るまでの過程を描いた、アドベンチャーゲーム。公式の略称は「ごとかの」。 2022年8月に開発中とされ、2023年4月の横浜アリーナでのイベントで正式にタイトルが発表された。 『夏の思い出も五等分』(以下ごとなつ)『君と過ごした五つの思い出』(以下ごときす)の系譜を引き継いだシステム・グラフィックとなっており、同年発売の『ごとぱずストーリー』とはシステムやグラフィックが異なる。そのため、コンシューマゲーム第3弾と銘打たれている。 限定版にはクリアファイルと新婚生活のドラマCD5枚組が同梱。風太郎との掛け合いもある。 スペシャルボックスにはアクリルスタンドと缶バッジも付いている。 あらすじ 大学4年生の冬。上杉風太郎は東京から故郷へ向かっていた。道中、思い出すのは大学1年生の夏休みのこと――東京の大学に入学し、勉学にバイトにと忙しい生活を送る中で告白した彼女との遠距離恋愛は順調に続いていた。それでも、やはりどこか満ち足りない日々……。そんな中、夏休みに彼女が東京にやってくることが決まる。『離れ離れで暮らす距離を埋める、素晴らしい時間を共に過ごしたい』そんな思いを胸に、久しぶりに会える喜びや緊張と共に風太郎は彼女を出迎える。果たして、2人のデートはどんな結末を迎えるのだろうか。 (公式サイト ストーリーより抜粋) ゲーム内容 今回も『ごときす』同様に単に読み進めるだけのゲーム。 開始時に「学園祭に告白した相手を選ぶ」という名目で五つ子のうち1人を選んでストーリーが始まる。 4日間の夏休みデートでその告白した相手との関係を深めていく。 一般的なアドベンチャーゲームのように、会話パートで発生する選択肢によって親密度が上がる。 何度か移動選択があり、移動選択の時は3つの場所を選択することができる。 最終的な親密度の数値によってEDが分岐する。EDはそれぞれグッドとノーマルが2種類ずつ存在し、数値が一定以上だとグッド、一定以下だとノーマルになる。 クリア後に以下の要素が解禁される。 各ヒロインのグッドEDを見ると、取材協力施設紹介のムービーが見れるようになる。今回はナレーションはなしで字幕のみ。 各ヒロインのグッドEDとノーマルEDを見ると、「ヒロイン視点」のシナリオが解禁される。 全てのノーマルEDを見ると、「なかの開店」のシナリオが解禁される。 全てのグッドEDとノーマルEDを見ると、「温泉旅館」のシナリオが解禁される。 過去作のセーブデータがあると以下の要素が解禁される。 『ごとなつ』のセーブデータがある場合「エクストラミニシナリオ・ごとなつ」が解禁される。 内容的には無人島で過ごした日々をまた別の話で1話振り返るもの。 『ごときす』のセーブデータがある場合「エクストラミニシナリオ・ごときす」が解禁される。 こちらは卒業旅行出発前の話が見られる。 『ごとぱずストーリー』のセーブデータがある場合「らいはのドラマ」が解禁される。 おはようシチュエーション、朝ご飯シチュエーション、おかえりシチュエーション、夕ご飯シチュエーション、おやすみシチュエーション、スペシャルドラマの6つがある。 キャラクター これまでに語られた大まかな設定等は過去作の記事を参照のこと。 上杉風太郎(うえすぎ ふうたろう) 東京の大学に進学。生活費のために家庭教師と塾講師のバイトにも力を入れている。スマホも手に入れている。(原作は旧式の携帯電話を使っていた) 中野一花(なかの いちか) 女優としてドラマやCM、映画など活躍の場を広げている。そのためか、眼鏡をかけている場面が増加している。『ごときす』で卒業後に東京で過ごす予定とされたが、夏休みデート開始時点ではまだ地元を拠点に活動している。 所属事務所の社長も登場する。 中野二乃(なかの にの) 料理の専門学校に通っている。定期的に風太郎に料理を送っている。 バイト先のケーキ屋の店長も登場する。 中野三玖(なかの みく) 料理の専門学校に通っている。劇中では専門学校で学んでいることについて話すこともある。 中野四葉(なかの よつば) 体育系の大学に進学し、陸上部で活躍している。 中野五月(なかの いつき) 教師になる夢を叶えるために大学に通っている。普段は敬語を使うが、大学4年生パートの部分では敬語を使わない。 評価点 選んだ相手と2人きりで紡ぐラブストーリー。 ストーリーに記載されている通り、本作は大学1年の夏(メインの部分)と大学4年生の冬(OPとED)と、原作でほとんど語られていない時期の話を扱っている。 『ごとなつ』は皆で過ごす部分が多く、『ごときす』でも他の姉妹と一緒の旅行で2人きりになれる機会は少なかったが、本作では多くの場面で2人きり。 風太郎と選んだ相手との掛け合いを存分に楽しむことができる上に、2人の関係も夏休みデートの4日間できっちり深掘りされている。 『ごときす』では高校卒業したばかりの時期ということもあり初々しさの比重が強めだったが、本作では遠距離恋愛とはいえ付き合ってそれなりに経過しているので関係性にある程度の余裕が見られる。 実在する様々な場所を訪れながらデートを楽しんでいる。選んだ相手によって行き先は違っている。 実在する場所は東京・横浜の東京駅、浅草寺雷門、ダイバーシティ東京、象の鼻パーク、横浜中華街、スカイガーデン、赤レンガ倉庫(*1)などの他、東海地方にあるJR名古屋駅(*2)、名古屋マリオットアソシアホテル、なばなの里、ラグーナテンボスなども存在する。生放送「五等分の花嫁 らいはの部屋」や公式Twitter(現X)でも情報開示されたが使われどころは伏せる形となっている。 学園祭以降の高校時代の回想シーンも要所要所に入っている。中にはクラスメイトが絡んでくるものもある。 エンディングでは、舞台は大学4年生の冬へとなり、選んだ相手へのプロポーズが描かれる。 シチュエーションやセリフ、構成は姉妹ごとに異なるものが用意されており、風太郎の男としての見せ場が描かれている。 また、二乃と三玖のEDでは店に関する話もある。立ち上げる理由も語られるがお互いの理由がブッキングしないようになっている。 五月のEDでは風太郎の職業が判明。それ以外のEDでは具体的な職業には言及されないので五月を選んだ場合そういう選択をするということなのだろう。 エクストラストーリーは原作の余白を埋めるシナリオになっている。 「なかの開店」は二乃と三玖の店の開店の経緯が語られた。また、店の名前も「なかの」であることがハッキリと口に出された。 「温泉旅館」は五つ子と母方の祖父の話になり(*3)、内容も秀逸な感動エピソードに仕上がっている。 グラフィック(立ち絵、CG、背景)も安定のクオリティ。 CG、背景にも各名所をしっかりと表現できている。風太郎が電車に乗っているものはJR東海の監修を受けていることが「らいはの部屋」で明言されている。 立ち絵は時系列的な都合もあり髪型などがちょっと変わったものが新規に用意された。無論、大学4年生パートの部分も新しく書き下ろされている。 なお、回想やエクストラストーリーでは『ごとなつ』『ごときす』で使われた立ち絵が使われている部分もある。元からクオリティの高い立ち絵なので質的な意味では問題ないだろう。 CGの量は1人当たり17枚(差分除く)、その他のCGが5枚(差分除く)で、総数は90枚(差分除く)と『ごときす』と同等の枚数となっている。 サウンドのクオリティも高い。 五つ子のメインテーマBGMの新アレンジや新曲は、感動的なシーンで泣けるようなメロディが増えている。 テーマソング「世界中たったひとつ」も、ある程度経過した風太郎と選んだ相手との関係性のイメージに合っている。 『ごとなつ』『ごときす』のBGMも五つ子のメインテーマBGMなど20曲ほど引き続き使われている。 セーブやロードは早い。 アドベンチャーゲームで必要である機能は一通り備えており、システムに関しても充実している。 オートモード、バックログ、クイックセーブや未読/既読スキップ、キャラごとの音量変更の機能も当然のように備えてある。『ごとなつ』『ごときす』にもあったシステムボイスも引き続き搭載。 賛否両論点 『ごとなつ』『ごときす』で豊富に見られた五つ子同士の掛け合いは控えめになっている。 あってもSNSでのやりとりや回想、エクストラストーリーで見られる程度。 上述したように2人きりでしかできない見せ場も豊富にあるため、一長一短と言えなくもない。 問題点 例によって風太郎の声が一部のみ。 ただし、『ごとなつ』『ごときす』と比べると、声が入っている場面は増加しており、一応の改善は見られる。 本作では基本的に風太郎と選んだ相手との掛け合いを行う都合上、声優の作業量がとんでもないことになるのは想像に難くないが、やはり物足りなさや違和感はある。 11を超えるEDがあった『ごとなつ』『ごときす』に比べると、流石にEDの数は10に減っている。また、多数の実在する場所が登場するが取材協力施設紹介のムービーは5つに減っている。 本作には『ごとなつ』『ごときす』になかったエクストラストーリーがあるため、そちらにリソースを割いた為だと思われる。EDもおまけムービーも単純に多ければいいというわけでもないので塩梅の難しい所ではあろう。 上杉勇也は一切登場しない。 それに伴いシステムボイスからもなくなっている(らいはやマルオはある)。二乃と三玖の店は、勇也の亡き妻の店の跡地を借りてできたものであるため、二乃や三玖のEDや「なかの開店」で絡ませられると思われるのだが登場しない。 写真撮影の時などに話題に出てきたりはする(*4)ので、存在自体が忘れられた訳ではないが…。 総評 原作を元にしたキャラゲーとしての完成度は高く、1つの恋愛物語としての完成度も良好。 ファンは押さえておいて損は無く、正に五等分の花嫁ファンに向けた一品と言える。 余談 愛知県で有名なひよこ型スイーツ「ぴよりん」が隠れぴよりんとしてこっそり出演している。 その関係で権利元のジェイアール東海フードサービスがスタッフロールにクレジットされている。 ぴよりんは2011年頃から誕生したが、1日30個が売れない日々も続いていたという。2021年に藤井聡太(当時二冠)が王位戦で名古屋マリオットアソシアホテルのシェフが手作りしたぴよりんアイスを食べた事で知名度が一気に全国に広まったという経緯を持つ。以降、ぴよりんが売られている名古屋駅にあるカフェジャンシアーヌに行列ができており、このことは「らいはの部屋」でも取り上げられた。 2023年7月には五等分の花嫁とコラボしており、各キャラクターをモチーフにしたオリジナルの五つ子ぴよりんが販売されていた他、五つ子とぴよりんが戯れる姿を描いたグッズ(アクリルスタンド、フォーク、ぴよりんマスコット等)も販売されていた。 本作に登場した名古屋マリオットアソシアホテル、なばなの里、ラグーナテンボスは2023年のJR東海とのコラボ「中野家の五つ子による上杉風太郎おもてなし大作戦 in 名古屋 愛知・三重」で五つ⼦が厳選した観光地にも含まれていた。 コースはそれぞれ一花コース、三玖コース、五月コースとなっていた。 名古屋駅中央コンコースイベントスペースでは2023年8月28日~9月15日に特別展示があり、本作のパッケージ(限定版含む)やPV、上記のぴよりんなども展示されていた。 過去のMAGES.製ゲームと同様に動画サイトでの実況・配信が公式にて禁止されている。参考サイト ゲーム本体のキャプチャ機能もほとんどの場面で使用不可能。ビジュアル集のようなものも今回はついていない。
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彼女のことを可愛いと思う一瞬がある。 私の方が、年下なのに。 ――*** 「あーずにゃん!」 部室に入り荷物を置いたのと同時に、背中への衝撃。 抱きつかれた拍子に頬に触れた茶色がかった髪から 微かに甘い、クリームのような香りが届き、私の鼻腔を擽った。 「……唯先輩。先にケーキ食べましたね」 「えっ。何で分かったの」 ぱっと私から手を離し、驚いたように目を瞬かせながら先輩は言う。 「でもでも、全部じゃないよ? ちょっと味見しただけ!」 唯先輩の肩越しにムギ先輩へ視線を向けると 彼女はポットを手にしたまま「本当よ?」と笑った。 「みんなが来てからお茶にしようって言ってたんだけど、ちょっとだけ、ってね」 「だって今日のケーキ、いつもよりクリームたっぷりだったから、つい……」 ムギ先輩の言葉に、彼女は照れたように頬をかく。 その仕草を見ていたら、何故だろう。 胸の奥に感じる、ちりちりとした鈍い痛み。 「ほら、これだよこれ!」 私の腕を掴んでテーブルの方へと足を進める。 その掴まれた一瞬、私の心臓がとくっと速いテンポを刻んだことに先輩は気付かない。 否、気付かなくていい。 ちりちり。 「ね、ね。すごいよね!」 きらきらとした嬉しそうな表情を浮かべ、再びケーキを覗き込む彼女は まるで宝物を見つけた子どものようで、そんな彼女に思わず笑みが零れてしまう。 仕方ないなあ…なんて。 「あ、今あずにゃん『子どもっぽいなあ』って思ったでしょ! むぎちゃーん。あずにゃんがいじめるよお……」 いつの間にか、彼女はムギ先輩の隣に移動していて 私を指差しながらムギ先輩に泣きついている。 ちりちり。 ちりちり。 イライラ。 ―――イライラ? なにそれ、意味分からない。まさか、そんな。 一瞬浮かんだその感情に何かしらの理由を付けようと 次々と言葉が浮かんでは消えて行く。 誰が、誰に、何に? 私の視線の先、唯先輩とムギ先輩。 唯先輩はムギ先輩の腰に手を回して、ムギ先輩はそんな唯先輩の頭を撫でている。 いつもの軽音部の珍しくない光景。 それなのに、私は。 「あーずにゃん!」 ―――どうしたの、ぼーっとして。 後ろから不意に抱きしめられて、思わず裏返った声を上げてしまった。 恥ずかしさで顔を伏せる私に、彼女は何を思ったか自分の掌をぴたりと私の額に当てる。 普段温かい彼女の手が、どうしてだろう。ひどくひんやりとしていて気持ちがいい。 「顔、赤いよ。もしかして具合悪いの?」 「ちっ、違います!」 肩越しに覗き込まれて、唯先輩の声がすぐ耳元で聞こえる。 さっき腕を掴まれた時とは比べ物にならないほど速く、自分でもはっきりと 分かるほどリズミカルに鼓動を刻む心臓に、唯先輩には気付かれたくないなんて よく分からない考えがぐるぐると頭の中を駆け巡る。 ああそうか。 きっと、私は。 「本当に? ならよかった」 私は、彼女に。 安心した、と笑って私から離れようとする彼女に もう少しそのままでいてくださいとは、言えなかった。 抱きしめたあずにゃんの顔が、後ろからでも分かるほど真っ赤になっていて 当の本人は俯いたまま何も言わなかったから、てっきり具合でも悪いのかと思って 彼女のおでこに手を当てた。うん、熱はない。 「きっと、あずにゃんの顔があったかいから、そう感じるだけだよ」 振り返った彼女に慌ててそう答えたけれど、心臓は未だに いつもより少しだけ早いリズムを打ち続ける。 あずにゃん相手に緊張しているのか、私は。 らしくない。 らしくないとか考えている自分がらしくない。 「別に具合が悪いわけじゃないです。大丈夫です」 「本当に? ならよかった」 肩に回していた腕を解いてあずにゃんから少しだけ距離を置く。 あずにゃんに触れていた手やお腹の部分に残っていたほわほわとした 温かさが、すっと消えていくことに何となく感じる寂しさ。 本当は、もう少しあのまま。 あのまま、あずにゃんにくっついていたかったなあ―――なんて。 「……あ。律先輩たち、来たんじゃないですか?」 そう言いながらあずにゃんが扉の方へと視線を向ける。 耳をすませば確かに、二人の親友の慌しい声と足音が聞こえてきて ムギちゃんが「あら本当。じゃあ、お茶入れるわね」と立ち上がった。 「すまん、澪が遅くて遅れた!」 「はぁっ!? 元はと言えば律が真面目に掃除しないから……」 バタバタ、どすん、ばたん、なんて音を立てながら開いた扉から 雪崩れ込むように駆け込んできたりっちゃんと澪ちゃんに 部室の中が一気に、騒がしくて賑やかないつもの軽音部へと変わる。 「とりあえず、お茶にしましょう」 さあ、放課後ティータイム。 今はみんなとのおしゃべりをめいいっぱい楽しんで、それから少しだけ練習しよう。 少しだけですかっ、なんてあずにゃんや澪ちゃんのツッコミが聞こえてきそうだけど とにかくお茶とケーキを食べないことには、始まらない。 さっきの気持ちは、今は少しだけ置いておこう。 つづきは!? -- (名無しさん) 2012-10-31 20 11 38 続きお願いします。 -- (あずにゃんラブ) 2013-01-17 18 05 52 続きキボンヌ -- (名無しさん) 2014-10-08 12 51 28 名前 感想/コメント: すべてのコメントを見る
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第1回 最初はちょっとした思いつきからだった。 日本から遠く離れた中国にいる私だけどもっと亀井さんと衣梨奈の力になりたい。 自分の誕生日に三人で色々話して、その思いは以前よりも強くなっていた。 しかし、隣国とはいえ、やはり日本は遠い。そうそう来日するわけにもいかない。 そこで思いついたのが、私と亀井さん、衣梨奈の力になってくれる協力者を探すこと。 二人にはそのアイデアを話し、了承は得た。人選は私に一任する、と二人は言ってくれた。 私は検討に検討を重ねた上で、あの子ならと当たりをつけて早速連絡を取った。 数回のコールの後、彼女の携帯につながる。しかし最初に聞こえてきたのは彼女の声ではなかった。 「ピピピピピピ!」 「あれ、何?キッチンタイマー?」 ふいにタイマーの音が止んだ。 「誰がキッチンタイマーやねん」 「佐保ちゃん?それになんで関西弁?」 「こめんなさい、リンリンさん。ちょっとイベントでやるネタの練習してたので」 そう言っていたずらっぽく笑った彼女は佐保明梨。ハロプロエッグとして長く活動した後、現在はアップアップガールズ(仮)に所属している。 彼女とは私が娘。にいた頃から面識はあり、昨年は中国で一緒に限定ユニットを組んで一度きりのライブに出演したこともある。 その経緯と彼女と仲良くなって知った人柄から、適任だと思ったのだけど…。 彼女…明梨に事情を話して協力を要請すると、まだ半信半疑ながらも快諾してくれた。 「だって、亀井さんや他の先輩たちやメンバーさんに会えるんでしょ?やりますやります!」 ピピピピピ! 「あ、ネタの練習しなきゃ。それじゃリンリンさん、また!」 止める間もなく切れてしまった電話を見つめ、ぽつりと呟く。 「ちょっと人選間違えましたかな…」 前途多難のスタートだった。 ちなみにキッチンタイマーのネタ元は↓ http //www.youtube.com/watch?v=kYXeEz0lyDU
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私は人を殺すことに決めた。 平沢唯 17歳。おそらくごくフツーの高校2年生になったそんな春。 唯「人を殺すには…、相手が必要だね。」 別になんかウラミがあるとかイヤなことがあるわけじゃない。 唯「だって人一人殺したって人生終わるわけじゃないし。一回経験してみてもいいよね。」 この先の人生の想像が容易についちゃうくらいの私だから、ちょっとしたイベントがあっても悪くないだろう。 唯「人一人殺したって人生終わるわけじゃない。」 唯「うーん、我ながら卓見だね!コピーライターになれるかも!」 さて、誰を殺そう? 憂「お姉ちゃん、何見てるの?私の顔になんかついてる?」 唯「い、いやっ、別になんでもないよ!?」 唯「それにしてもこのハンバーグとっても美味しい!!さすが憂だね!!」 憂「えへへ~、ありがとうお姉ちゃん。」 父、母、妹の憂。 マスコミの人達は、自分達の理解できるその範囲でしか答えを求められない。 唯「家族なんて殺しちゃったら、何を言われるか大体想像ついちゃうよね…」 唯「成績優秀な妹と比べられて~とか、現代の家族内の距離感が~とか、度をこした甘やかしが~、とか。」 ちがう、ちがう、そんなんじゃない。 唯「そもそも、色んな人間に1つの基準器をあてはめようとする考え方が間違ってるよね。」 唯「……親兄弟は駄目だ。」 律「ん?唯、私の顔じっと見てどうしたんだ?」 律「もしかして今流行りの百合ってやつか?このこの~」 唯「違うよ、律ちゃん!。痛いってば~。」 紬「(律唯……!!眼福だわ……!!!)」ハァハァ 唯「(友達も駄目だ。……殺せない。)」 唯「怨恨や利害関係を疑われそうだね…。」 唯「そんなつまらないことで人を殺そうなんて、人間が出来てない証拠だよ。」 唯「そんな感情は、自分の中で処理できるから。」 目的はただ単純に人を殺す経験をすること。 唯「それだけは自分の中で……、処理できないよ。」 じゃあ全く見ず知らずの人間? 例えばどんな人間がいいだろう? 唯「お年寄りがいいかな?」 でも、先が短いから殺した実感に欠ける気がするよね。 唯「不良とかヤクザ?」 それじゃあ社会の役にたっちゃうじゃん。感謝されてどうするの。 唯「じゃあ有名人?」 ファン心理や妬みを疑われそうだね。 唯「そこらへんのごく普通の人?」 でもこうやって見てみると、みんなウラで悪い事してそうに見えるし。 唯「意外と難しいな~。」 唯「どうせ人を殺すんだから、だったら納得されるより非難を受ける方がいいよね。」 となるとやっぱり、周りから愛されている幸福の象徴のような人間。そんな存在。 それは……。 唯「子供……?」 唯「でも、子供はちょっと嫌だな~。」 唯「私としては標的は私と同じくらいの年齢の人がいいんだよね。」 唯「その方がその後、標的の人生まで背負って生きていく――。」 唯「私の意図に合致するから。」 唯「う~ん、誰かいい人いないかな~。」 そんなある日だった。 梓「1年2組の中野梓といいます。パートはギターを少し……」 この子だ……!!。この子がいいかも。 私の中を衝撃が走った。 梓「よろしくお願いします、唯先輩。」 唯「唯先輩……。」ポワァ~ン 唯「(はっ…!!いけない、いけない。)」 唯「(……この子がいいかな。)」 私は中野梓に目星をつけた。 唯「後輩を殺すっていうのは最初の意図とちょっと違うけど、計画に修正はつきものだよね。」 唯「知り合いを殺すってのはあんまり良くないと思うけど、これはしょうがないや。」 唯「私は人を殺す経験が出来ればいいんだから。」 中野梓の家庭環境を軽く調べる。 唯「貧乏なのもダメだし、過度に裕福なのもダメだし。」 唯「この家…、申し分なさそうな中の上。」 父親、母親、祖父、祖母。 五人家族の一人っ子。 一戸建て。庭付き。 唯「これって最近出た車だよね。」 車を買い換えたばかり。 唯「……よし。」 理想的なターゲット。 唯「中野梓…。あなたに決めた。」 標的が決まれば、即行動。 なんて物事は単純には進まない。 唯「まずは、私だよねー。」 年下の人間を標的にすると、弱者にしか感情をぶつけられない社会不適合者だと思われかねないよ。 不満があるから人を殺すわけじゃない。 抑圧されてるから人を殺すわけじゃない。 鏡の中の私に向かって人差し指を向けた。 唯「よし。お前はめぐまれた環境にいるべきだね。」 その日から私は自分を変える事にした。 軽音部の練習が終わった後も家で練習。 そして、夜遅くまで勉強をした。 目的があるから結果も出る。 ギターの上達は早かった。 梓「唯先輩、ギターすっごく上手になりましたよね。」 澪「ホントだな。何かあったのか?」 唯「いや、あずにゃんの方が上手いよ~。何もないって。」 成績も上がった。 唯「なんだ……。勉強なんてやれば出来るじゃん。」 前回の定期試験では学年7位だった。 律「おいおい、唯、一体どうしたんだ!?澪やムギより上の順位なんて!!嘘だろ!?」 唯「いや~、たまたまだよ。たまたまヤマが当たっただけだよ、律ちゃん。」 ボランティアや地域活動にも参加する。 女「唯ちゃん、お疲れさま。よかったらこれ飲んで。」 唯「あっ、ありがとうございます。」 唯「(これで近所の人達の好感度アップ。)」 容姿はまあ十人並だと思うけど。 目的意識に裏打ちされた自信と積極性が雰囲気に出るんだろうか。 唯「また手紙だ……。」 1週間に1回は下駄箱や机の中にラブレターが入っている。 唯「女子高ってやっぱりこういうことあるんだなー。」 律「唯、またラブレターもらったのか~?モテモテだな~。」 唯「う~ん、女の子からこういう手紙をもらうのってなんか変な感じだけど。」 律「噂じゃ唯のファンクラブまで出来てるらしいぞ!!これで澪に続き、2人目のアイドルが軽音部から誕生した訳だ。」 唯「やめてよ、律ちゃん、恥ずかしいよ~」 紬「(言えない……。会員NO.001が私だなんて絶対に言えない……!!)」 2
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7月某日 3話 文月 朝顔編 まだ梅雨の気配覚めやらぬ7月。 彼女は6月まで目にかかっていた前髪を直し、ツインテールに纏め上げて衣替え(ちょっと違うか…)を果たし、7月のあいつになっていた。 あの、いつもツンケンして可愛くないアイツに…… 「ほら、星霜! やる気あるわけぇ?」 「あるよ……ほら、手伝え! てめーの部屋だ」 5月6月と掃除のできない人格が続いたため、部屋は凄惨なことになっていた… 文月はそれを憂い、大掃除の宣言をだしたのだ……そんなことどうでもいいが、俺を巻き込まないで頂きたい。 「ぐだぐだうっさいわね! ほら手を動かす!!」 この暴虐不尽なるお嬢は、命令だけする癖して結局何もしていない…むしろ動いてもらったほうが迷惑なだけだが。 なんか、理不尽なのは俺だけだろうか? 釈然としない思いを抱え、ボロい安アパートの狭い部屋の掃除をすることになったのだ。 彼女特有のイライラとした怒りを内に隠した瞳が、全方位警戒態勢で俺の掃除を監視しつつ、彼女は急に口を開いた。 「ねえ、あんたさ……アノ子の気持ち受け取って上げたわけ?」 「アノ子って……お前の場合、卯月か?」 文月は質問には答えず、答えを促すようにこちらを睨み続ける。これは無言の肯定を示していた。 「出来なかった……あいつは……本当に真剣だ。だから軽い気持ちでハイとはいえない」 「………ねぇ、あんた…それ、本気で言ってるわけ?」 空気が…凍る。彼女のものとは思えない強い強い声は、ずしんと俺の心まで響いた 「あいつだけじゃないよ! 他の子だって、ずっとずーっと真剣なんだからねッ! わかっていってるわけ? しんじらんない……サイテー」 なに言ってんだこいつ? 「俺はそうは言ってないだろ?」 「じゃあ、なんで皐月ちゃんのとき…あんなによくしてあげたのよ」 「っ! ………」 言葉に、詰まった。俺はいつもと違う彼女を見て、ちょっと混乱したのだ……違う、そんな理由じゃない。 じゃあ、なんだ? 俺はあの時確かに、皐月に対してちょっと甘かった気がする…でもそれは咎められるような事か? 「本気で言ってるわけ? もういい、知らないッ! 出てってよ!!」 「なっ…おい!ああ、クソ出てってやるよ!」 何で俺が悪くなるんだよ、クソッ。 悪態をつきながら出た共通廊下は雨が差し込み、庭には大家さんが手入れをしているのだろうアジサイが咲いていた。 彼女と喧嘩をしたまま、一週間が過ぎた。 昼休み、期末試験も近くなりごった返す食堂の中、四葉は遠くに見えるのに文月はここには居なかった。 いつも一緒の彼らにとっては、とても珍しいことといえる。7月だけは例外的だった。 ( A`)「四葉の野郎、どうした? 喧嘩か?」 ( ^ω^)「アノ二人は7月になると必ず喧嘩するおっ」 ( A`)「仲が悪い……ってわけじゃないんだろ? なんでだ?」 ( ^ω^)「……よくわからんおっでも、仲直りしてほしいおっ、ちょっと話だけでも聞いてみるおっ」 ( A`)「行っちまいやがった…マンドクセ」 しばらくして、内藤が四葉を引き連れてドクオと同じ食卓を囲む。 内藤たちからの質問に、はじめは何も伝える気はなかったが、ちょっとずつ、文月との喧嘩について触れていった。 説明を受け、呆れ顔の二人は最後にきっぱりと言い放った。 ( ^ω^)&( A`)「「それはお前が悪い」おっ」 ( A`)「あのなあ、文月ちゃんはお前が皐月に優しくしたことじゃなくて、卯月につらくあたったことに怒りを示してんだよ」 「はぁ? だって、俺にはあいつが居るんだぞ?」 俺は意味がわからない、とでも言うように、疑問をぶつけたが帰ってきたのは呆れ顔だった。 ( A`)「お前な…まあ、いいや頭冷やして考えてろ、悩め悩め青少年……マンドクセ」 それだけ言い残すと、ドクオは残った蕎麦を掻きこんで、食堂を離れていく。 ( ^ω^)「あっ、待ってお…文月ちゃんには謝っておいたほうがいいお……あ、置いてかないでおっ」 こんなときに親友は、俺を置いて去っていく……弁当の冷たいご飯がなんか、いやだった。 部屋に帰るまでの沈黙が、隣にあいつが居ないことを痛感させる。 傘を持って歩く蛙のなく声に、意味のないイライラと哀愁を感じる。 居ないだけで、こんなにも大きかったのかと、心を蝕んだがなんとなく認める気にはなれなかった。 そんな時、携帯が胸で振るえた、アイツからだ。 件名:傘忘れた ごめん、持ってたよね? 持ってきて… まだ学校からはそんなに離れてない。5分待ってろと打ち込むと、きた道を全速力で駆け戻った…なんだ、うれしいんじゃないか、俺。 きた道を戻れば、昇降口にたどり着く前に彼女の姿を見つけることが出来た。 強く降りしきる雨の中、鞄を傘代わりにこちらへ駆けて来たのだ。 「え? …なんであんたが……」 「は? いや、お前が連絡してきたんだろ?」 「なにそれ?……あっもしかして…」 急に言い淀む彼女をはびしょ濡れで、なんかドブネズミみたいになってる癖して妙に色っぽくて…とりあえず、手招きした。 「入れよ…濡れるだろ?」 「どうしたの? なんかアンタらしくない…」 男物の黒くて大きな傘に潜るように入り込み、彼女は疑問をぶつける。俺は答えず、軽く微笑みかけてまた帰り道を歩き始めた。 「頼られてるのよ、私」 「誰に?」 彼女は、歩きながら訥々と語り始めた。なんでだろう、ちょっと、いつもと違う雰囲気を感じて俺は神妙に返す。 蛙はいっそう五月蝿く鳴き始め、彼女の小さな声など飲み込んでしまいそうで、だけど、決して聞き漏らさないように俺は耳をそばだてた。 「桜……卯月 桜にね」 初耳だった。そういえば、俺と一緒に居ないときの彼女たちは、いったいどのように生きているのだろう? いまさらかもしれない疑問が、ふつふつと浮かぶ。だけど、今は彼女の言葉を受け止めるので精一杯だった。 「桜は、何でも背負い込んじゃうから……私が見ていないとね?」 「うん」 ──卯月につらくあたったことに怒りを示してんだよ。 友人たちの声が聞こえた気がした、なんだ、一番理解していたようで、大事なところで理解できていなかったのは俺じゃないか。 「……わるかった」 「ばか、今謝ってもしょうがないんだからっ本当に悪いと思うなら、来年、卯月にあって態度で示しなさい。今日のことは言わないであげるから」 今は、本心を伝えなければならない気がして、俺はこいつに隠していたことを伝え始めた。 「なぁ、俺はアイツに惚れたんだ…あの時あいつからのプレゼントを貰えた」 「へーそうなんだ」 "やっぱり"、文月は知らないようだった 「だけどな、お返しくれるって言って、その気持ちを聞く前にアイツはアイツじゃなくなっていた」 つらい沈黙が俺たちを包む。 「だから、初めて知ったとき俺はお前たちを好きになれなかった」 「それが…桜?」 「間が悪いよな…だから、素直に直向に気持ちをぶつけて来る彼女に対して、素直になれなかったのかもしれない。だけど、多分違う……今はわからないけど、俺の多分ひどく利己的な内容だったと思うんだ」 「……なにそれ?」 彼女は理解できないという風にこちらを見上げた。濡れた髪が肌に張り付き艶かしい…雨はいっそう強くなったようだった。 「なんか引っかかるものがあるんだ、だから、卯月に会うまでにそれを理解しておく…それでいいか?」 暫し勘案の後、だがやがて納得したように俺を見上げると彼女は 「……わかった…だけど、桜を傷つけたら許さないからねっ」 と、明るく言って走り出す。傘の恩恵を離れ、蛙たちの合唱する雨の世界へと飛び出した。 「おいっ! ズブ濡れになるぞ!!」 「もうなってるっつの! ……桜を泣かすアンタなんか大っ嫌いだっ!」 それだけ叫ぶと、彼女は速い足を生かし、俺をグングンと引き離す。傘を握る俺はその俊足に追いつくことは出来なかった。 あーぁ…アイツ、最近答えに近づいてるなぁ…そしたら私たちは…ううん、違うよね。 桜を泣かすアイツなんか大っ嫌いなのに……鈍感で気の利かないあいつなんか大っ嫌いなのに…なんで涙が出てくるんだろ? もっと素直になっていい、のかな? でも、怖いよ…… 見せたくないから、走って逃げちゃったけど、ずぶ濡れだなぁ 思い、鏡を見ると夏服の薄いセーラー服の間からちょっとだけブラが透けて見えていた。 瞬間顔が沸騰したように熱くなる……もうっあいつなんか、大っ嫌い!! 3話 文月 朝顔編 完
https://w.atwiki.jp/hmiku/pages/14062.html
【登録タグ あるめ@psy その他の文字 曲 氷山キヨテル】 作詞:春風なつき 作曲:あるめ@psy 唄:氷山キヨテル コーラス:初音ミク、鏡音リン・レン、巡音ルカ、miki、歌愛ユキ 曲紹介 青い人への嫉妬に身悶えるボカロ先生を楽しんでいただければ幸いです。(作者コメより) 歌詞 秘密のノートに綴る あなたの観察日記 彼と 彼女の 詳細情報が永遠続く 幸せそうに笑うその顔 壊してやりたい 繋ぐ手も 見つめあう視線も 私に向けて欲しいのに やめて、やめて、やめて、やめて どうして私じゃないの どいて、どいて、どいて、どいて そこは私の場所なの びりびりに破いて 捨ててやりたい あなたと彼女の関係全てを 「delete押したら 消えればいい」 そんな私の悪足掻(わるあが)き 秘密のノートに綴る あなたの観察状況 彼と 彼女の 詳細部分が永遠続く 楽しそうに笑うその顔 壊してやりたい 話す相手も 歩幅も距離も 私と一緒がいいのに やめて、やめて、やめて、やめて 見ないで、触らないで どいて、どいて、どいて、どいて あなたには似合わないの びりびりに裂いて 無いことにしたい あなたと彼女の関係全てを 「delete押せば 今までの 記憶 綺麗に 消えればいいのに」 ごめんなさい でも あきらめられないの だから びりびりに裂いて 無いことにしたい あなたと彼女の関係全てを 「delete押したら 消えればいい」 そんな私の悪足掻き 許してください コメント 青マフ「MEIKOさんは、僕の伯母さんですよw」 -- 名無しさん (2011-05-01 12 08 04) この曲大好き(笑) -- 名無しさん (2012-12-22 08 34 04) 名前 コメント